◎
決算議案に対する討論
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18
◯議長(
西谷 洌) これより討論を行います。
討論は
議題外にわたらないよう簡明に願います。
一部
反対討論、四十七番
諏訪益一議員の登壇を許可いたします。──
諏訪議員。
19 ◯四十七番(
諏訪益一)
日本共産党の
諏訪益一です。
決算議案に対する一部
反対討論を行います。
決算の認定を求めるの件及び
青森県
工業用水道事業会計の
決算の認定を求めるの件について
反対理由を述べます。
平成二十三年度は、
東日本大震災からの復旧・
復興と
東京電力福島原発事故から何を学ぶべきか大きく問われた年度であります。復旧・
復興への
補正予算は第七号まで続き、
国庫補助金、
特別交付金、県債、県の
一般財源、繰越金の
歳入合計決算額は九百三十六億円となり、
歳出は八百十二億円です。これまで
補正予算の性格づけについては、
生活再建、
産業復興、
インフラ復興等の
対策費が有効に活用され、
地元業者への発注によって地元に還元される
必要性を述べてきました。同時に、それらの肝心な
復興財源が国民の
所得税増税が二十五年間、
個人住民税の増税が十年間で賄われ、そうした庶民や
中小業者への増税は内需をさらに冷え込ませ、
復興に逆行すること、一方で、不況でも二百六十兆円という
内部留保をふやし続けてきた大企業には
法人税を恒久的に五%引き下げた上、時限的に
付加税を課すだけで、これでは
復興を理由にした
庶民増税分は
法人税減税の穴埋めにされるだけであることを指摘してきました。
なお、政府の
東日本大震災からの
復興の
基本方針によれば、地方が負担している
復興財源については確実に手当てを行うとされていて、県分の二百八十三億円に対する
交付税加算がなされるのか注視する必要があります。大震災から一年八カ月が過ぎ、住宅、中小企業、農林漁業の再建、再生が希望する人たちの願いに真に応えるものとなり、復旧から
復興への歩みが確かなものとなるよう願うものです。
平成二十三年度の
県債残高は一兆三千二百五十八億円で、二十二年度からは若干減少したものの、臨財債が四百八十八億円と不安定要素が存在し、新幹線の地元負担一千五百九十一億円を含め、押し上げています。
交付税措置がされるというものの、政策上の問題で次世代に重い負担を負わせてはなりません。青い
森鉄道にかかわる財産取得を十三億円の借金で賄い、なお毎年六億円の負担を強いられる問題点も指摘しておきます。六ヶ所貸し工場にかかわる二十億円の貸し付けの執行後、合弁会社設立が白紙となったのは二十三年十月です。クリスタルバレイ構想の破綻を認めず、取り繕おうとする姿勢に問題があることを改めて指摘しつつ、加えて、六ヶ所工業用水道
事業の二十三年度末累積欠損金一億一千二百九十万円がさらにふえ続けていくことへの懸念を表明しておきます。
核燃、原発に依存する財政運営は、福島原発事故に照らして根本から考え直すべきです。
平成二十三年度までの累計で電源三法
交付金、むつ振興財団からの寄附、核燃料物質取扱税合わせて四千五十四億八千百万円です。政府の革新的エネルギー環境戦略では、核燃、原発から撤退しても国の責任において立地自治体の構造転換を促し、各種施策を優先的、重点的に行うことを明言しています。危険施設の代償から再生可能エネルギーの本格的普及と地域振興という安全なものへの
交付金に変えていくべきです。
福島原発事故以来、緊急安全対策として、東通原発の屋上に水素ベントを取りつけました。これは、これまで原発の安全性は五重の壁によって守られているという原発建設の考え方が根本から崩れたことを意味します。水素の発生は極めて危険な状態に陥っていて、逃せば放射性物質を大量に放出します。とめる、冷やす、閉じ込めるという安全原則が崩れた以上、また、それについての説明責任もないまま原発の建設、稼働は許されないのです。福島原発事故から一年八カ月、事態はなお収束せず、冷却し続けなければならないことや、汚染水がたまり続けていくことに苦慮し、そこで働く従業員の待遇の弱体化と次々にやめる人たちが続出、必要な従業員数を確保できないという深刻な問題に突き当たっています。廃炉までには四十年要するとされていますが、果たして廃炉措置がとられるのか。チェルノブイリ原発事故から二十五年たって、なお、再臨界のおそれがあるとして、今ある石棺を新たに鋼鉄製のアーチ型核シェルターで覆う工事が始められているそうです。チェルノブイリの放射能の放出量は五%、福島原発はその十分の一と言われていますが、それが数倍にも及んだらどうなるか、予想することさえできません。
ここに来て、宗教界の中で脱原発が確かな潮流になりつつあります。その特徴は、解決策のない放射性廃棄物を次世代に押しつけるような原発の存在自体を倫理の問題として捉え、かつ、人間としてどう生きるかという文明論の立場に立ち、ぶれることのないこの根源的な二つの視点により、経済効率に固執する原発推進側の論理に真正面から対峙していることです。全日本仏教会の宣言は終わりの部分で、「誰かの犠牲の上に成り立つ豊かさを願うのではなく、個人の幸福が人類の福祉と調和する道を選ばなければなりません。私たちはこの問題に一人ひとりが自分の問題として向き合い、自身の生活のあり方を見直す中で、過剰な物質的欲望から脱し、足ることを知り、自然の前で謙虚である生活の実現にむけて最善を尽くし、一人ひとりの「いのち」が守られる社会を築くことを宣言いたします。」とうたっています。
以上、一部
反対討論といたします。
20
◯議長(
西谷 洌) これをもって討論を終わります。
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◎
決算議案採決
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21
◯議長(
西谷 洌) これより
議案の採決をいたします。
議案第十二号「
青森県工業用水道
事業未処分利益剰余金の処分の件」、本件は
委員長
報告どおり原案に賛成の方は御起立を願います。
〔賛成者起立〕
22
◯議長(
西谷 洌) 起立多数であります。よって、原案は可決されました。
議案第十五号「
青森県
工業用水道事業会計の
決算の認定を求めるの件」、本件は
委員長
報告どおり原案に賛成の方は御起立を願います。
〔賛成者起立〕
23
◯議長(
西谷 洌) 起立多数であります。よって、本件は認定されました。
議案第十四号「
決算の認定を求めるの件」、本件は
委員長
報告どおり原案に賛成の方は御起立を願います。
〔賛成者起立〕
24
◯議長(
西谷 洌) 起立多数であります。よって、本件は認定されました。
議案第十六号「
青森県病院
事業会計の
決算の認定を求めるの件」、本件は
委員長
報告どおり原案に賛成の方は御起立を願います。
〔賛成者起立〕
25
◯議長(
西谷 洌) 起立総員であります。よって、本件は認定されました。
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◎ 議会
報告
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26
◯議長(
西谷 洌) 議会
報告として、第一号「例月出納検査の結果について」、第二号「
職員の
給与等に関する
報告及び勧告について」、第三号「意見書の処理の結果について」、第四号「新幹線鉄道問題対策特別
委員会経過
報告について」、第五号「原子力エネルギー対策特別
委員会経過
報告について」、第六号「議員派遣の結果について」をお手元に配付してあります。
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◎ 本会議休会提議
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◯議長(
西谷 洌) 本職より提議があります。
お諮りいたします。
議案熟考のため、二十六日から二十八日の三日間休会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
28
◯議長(
西谷 洌) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
なお、明二十三日から二十五日までは、県の休日ですから休会であります。
以上をもって本日の議事は終了いたしました。
十一月二十九日は午前十時三十分から本会議を開きます。
本日はこれをもって散会いたします。
午前十一時八分散会
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