青森県議会 2012-10-04
平成24年建設委員会 本文 開催日: 2012-10-04
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ○開 会 午前11時00分
◯熊谷委員長
ただいまから
建設委員会を開きます。
慣例により、会議の
記録署名委員を指名いたします。
相馬委員、
越前委員にお願いをいたします。
本日の審査案件は、本会議から付託された議案3件及び
所管事項であります。
審査の順序は、初めに議案について、次に
所管事項について行います。
なお、
櫻庭監理課長は公務出張により欠席をいたしております。
それでは、
提出議案について、執行部の説明を求めます。──成田県
土整備部長。
2 ◯成田県
土整備部長
おはようございます。
今定例会に提出されました諸議案のうち、
県土整備部所管に係るものについてその概要を御説明申し上げ、御審議の参考に供したいと存じます。
まず、議案第1号「平成24年度青森県
一般会計補正予算(第1号)案」についてでありますが、
県土整備部関係の
補正予算額は67億2,400万2,000円で、これを
既決予算と合計いたしますと780億3,308万4,000円となります。
その財源といたしましては、分担金及び負担金6,378万8,000円、
国庫支出金、減額、1億2,241万1,000円、財産収入1億9,163万9,000円、繰入金2,489万円、諸収入3,335万7,000円、県債、減額、41億300万円、
一般財源106億3,573万9,000円となっております。
次に、
歳出予算に計上されました主なるものについて、
事業ごとに御説明申し上げます。
道路事業関係のうち、
道路維持費17億3,647万2,000円は、国からの
内定通知に基づき、一般県
道前坂藤崎線安東橋などの橋梁補修に要する経費等を補正したものであります。
道路新設改良費、減額、9億2,132万3,000円は、国からの
内定通知に基づき、
主要地方道五所川原車力線などの整備に要する経費等を補正したものであります。
積寒地域道路事業費、減額、6,061万7,000円は、国からの
内定通知に基づき、国道280号などの融雪溝の整備に要する経費等を補正したものであります。
道路国直轄事業負担金5億1,867万9,000円は、国からの
内定通知に基づき、国が直接施行する
道路事業への
県負担金を補正したものであります。
河川、砂防、
海岸事業関係のうち
河川改良費9,039万5,000円は、国からの
内定通知に基づき、東北町七戸川などの
広域河川改修事業に要する経費等を補正したものであります。
砂防費、減額、1億321万円は、国からの
内定通知に基づき、むつ市大荒川などの
砂防事業に要する経費等を補正したものであります。
河川海岸国直轄事業負担金3億3,631万6,000円は、国からの
内定通知に基づき、国が直接施行する
河川事業への
県負担金を補正したものであります。
港湾、
空港事業関係のうち
港湾建設費1億8,437万2,000円は、国からの
内定通知に基づき、青森港などの
港湾施設の整備に要する経費等を補正したものであります。
港湾保全費、減額、1億799万円は、国からの
内定通知に基づき、大湊港海岸の
侵食防止に要する経費等を補正したものであります。
港湾国直轄事業負担金4億7,560万2,000円は、国からの
内定通知に基づき、国が直接施行する
港湾事業への
県負担金を補正したものであります。
都市計画、公園、
下水道事業関係のうち
街路事業費、減額、5億8,594万4,000円は、国からの
内定通知に基づき、弘前市下白銀町福村線などの
街路事業に要する経費等を補正したものであります。
建築住宅事業関係のうち
住宅建設費、減額、1億3,210万2,000円は、青森市
小柳団地建替に要する経費等を補正したものであります。
災害復旧事業関係のうち
災害国直轄事業負担金52億5,162万3,000円は、国からの
内定通知に基づき、国が直接施行する平成23年発生の八戸港の
災害復旧事業への
県負担金を補正したものであります。
以上のほか、
債務負担行為として、平成24年度国道279
号道路改築事業(
吹越跨線橋)
工事代金を設定したほか、既に設定しております
県営住宅(
小柳団地)建替
事業設計業務委託代金について、
債務負担額の変更を行っております。
議案第3号「平成24年度青森県
港湾整備事業特別会計補正予算(第1号)案」3,817万円についてでありますが、これは、青森港上屋の
管理運営に要する経費等を補正したほか、
一般会計からの繰入金と前年度繰越金を財源更正したものであります。
議案第4号「平成24年度青森県
下水道事業特別会計補正予算(第1号)案」3,559万7,000円についてでありますが、これは、
岩木川流域下水道事業及び
馬淵川流域下水道事業に係る
維持管理負担金の精算に要する経費等を補正したものであります。
以上をもちまして、
県土整備部所管に係る
提出議案について、その概要を御説明申し上げましたが、何とぞよろしく御審議くださるようお願い申し上げます。
3
◯熊谷委員長
ただいま説明のありました議案に対し、質疑を行います。
質疑は議題外にわたらないように願います。
なお、答弁者は、挙手の上「委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。
質疑はありませんか。──
越前委員。
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◯越前委員
おはようございます。
それでは早速、議案第1号「平成24年度青森県
一般会計補正予算(第1号)案」について質問いたします。
最初に、
港湾保全費における大湊港
海岸侵食対策事業についての質問ですが、
大湊地区は、現在のように道路が整備される以前において海運業が盛んな時代には、桟橋近辺以外は遠浅の状況でありました。その後、大湊港全体が国から
重要港湾に指定をされまして、さらにその後、大湊港の利用率の関係で
特定地域振興重要港湾に選定され、現在に至っているところでございます。
また、大湊港における
海岸侵食対策事業については、
大湊小学校西側上がり口から上り、むつ市
公民館付近までの900メートル区間において、既に平成12年度から事業が開始され、長年にわたって取り組んできているところであり、護岸の老朽化に伴う海岸の
侵食対策とともに、特に海と親しめるようにするための
階段式護岸や
自然環境等に配慮した自然石による緩
傾斜護岸の整備を行うものと理解しているところでございます。
そこで、大湊港
海岸侵食対策事業について、次の3点についてお伺いをいたします。第1点は、この
事業内容について最初にお伺いいたします。
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◯奈良港湾空港課長
大湊港海岸は、既設の
直立護岸が昭和43年度から昭和48年度にかけて建設されたもので、現状、洗堀や
ひび割れ等の老朽化が著しいため、平成12年度から
海岸侵食対策事業により
改良工事を進めております。
全体計画としては、
大湊小学校から
大湊地区公民館までの海岸線、約900メートルの区間において、景観や生態系にも配慮し、石材、それから階段・スロープなどを用いて海辺へのアクセスが容易になるように、傾斜の緩い緩
傾斜護岸を
既設護岸の前面に整備するもので、事業費約17億2,000万円を見込んでいるところです。
なお、この護岸の背後につきましては、むつ市が行う幅10メートル程度の
遊歩道整備事業と連携して工事を進めているところでございます。
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◯越前委員
ただいま答弁あったように、この階段式の
護岸工事は県で行って、遊歩道の整備についてはむつ市が行っているということでございます。
そこで第2点ですが、この事業の
進捗状況についてお伺いいたします。
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◯奈良港湾空港課長
事業の
進捗状況につきましては、昨年度までの
護岸改良工が約680メートルが完成しています。今年度は、事業費7,380万円で
護岸改良工約170メートルを整備する予定としてございます。
これまでの全体の進捗率で申しますと、
事業費ベースで約96%、
延長ベースで申しますと約94%という実績になっています。
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◯越前委員
進捗率約96%ということで、長い年月はかかっていますが、着々と取り組まれていると思います。私も地元ですから、よく現場を見に行っているわけですが、着々と進んでいることに対しては認識を深めているところであります。
そこで第3点ですが、今後の具体的な
取り組みについてお伺いをいたします。
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◯奈良港湾空港課長
当該事業につきましては、
残り延長が約50メートル程度となっており、来年度完了を予定しています。そういったことから、残り約50メートルの部分の
護岸改良工事に必要な所要額の確保に努めてまいりたいと考えています。
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◯越前委員
この事業は、平成12年度から始まった事業で、いよいよ平成25年度には完成する予定であるということでございます。今まで多大なる御尽力をいただいていよいよ完成の運びとなりましたことは、心から敬意を表する次第であります。来年度の完成を目指し、さらに一層の御尽力、御努力をお願いを申し上げて、要望にしておきたいと思います。
続きまして、
港湾建設費における大湊港
港湾環境整備事業についての質問です。私が小さいころは、この砂浜の遠浅な大平浜でよく遊んだものであります。その後、この遠浅の砂浜であったところを県が
大平工業団地として整備されました。さらにその後、国から
特定地域振興重要港湾に選定されましたが、平成18年度、
五所川原市に続き、県がむつ市に
克雪ドームを建設されました。心から感謝を申し上げます。この
克雪ドームは
防災拠点に位置づけられ、多方面にわたって広く活用されているところであります。
また、大湊港における
港湾環境整備事業では、下北半島の観光、交流における海の玄関口として、
にぎわいと潤いのある快適な
港湾空間を創出するとともに、緊急時には
救援活動を行う
防災拠点として、隣接する
耐震岸壁と一体的に使用できる
オープンスペースとして緑地を整備するため、平成13年度から事業を開始し、長年にわたり事業に取り組んでいただいているところです。
そこで大湊港
港湾環境整備事業について、次の3点についてお伺いをいたします。第1点は、その
事業内容についてお伺いをいたします。
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◯奈良港湾空港課長
大湊港
港湾環境整備事業については、しもきた
克雪ドームを中心とする、むつ市ウエルネスパークと連携しまして、
にぎわいと潤いのある
港湾環境の形成を図るとともに、震災等大
規模災害の発生時には、臨海部の
防災拠点として既に整備を終えている
耐震強化岸壁と一体的に機能する
オープンスペースとして利用できる緑地を整備するものでございます。これは平成13年度から事業に着手しております。
全体計画としては、
克雪ドームのすぐ隣の部分の
大平緑地4.4ヘクタールと、その背後に隣接する
大平マリーナ緑地1.1ヘクタールの2カ所の緑地を整備することとしており、事業費全体で約9億3,000万円を見込み、平成27年度の完了を目指しているところです。
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◯越前委員
この事業も平成13年度に始まった事業でございまして、これまで長年にわたって着々と取り組んでいただいてきたものが、平成27年度には完成される予定で取り組んでおられるという力強い御答弁をいただきました。
私も地元でありますので、よく見に行っていますし、散歩やトレーニングがてら走ってみたり、
さまざま目にする機会がございますが、この場所は芝生の広場として整備されており、防災の観点から、当初計画で
ヘリポートとしても活用するということで取り組んできた経緯があるわけです。そこで第2点をお伺いしたいと思いますが、事業の
進捗状況についてお伺いいたします。
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◯奈良港湾空港課長
当該事業の
進捗状況については、昨年度までの事業費の累計で見ますと約5億1,000万円の進捗となっており、今年度は、事業費9,000万円で
克雪ドーム隣の
メーン部分となる
大平緑地の整備を促進することとしております。
これまでの全体の進捗率を見ますと、
事業費ベースで約65%という実績になっています。
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◯越前委員
本年は9,000万円の予算で65%の事業の進捗率ということで、緑地を整備するということでございます。先ほど申しましたように、この緑地は防災の観点から
ヘリポートとしても活用できる機能を備えた対策ということで、当初、
克雪ドームをつくる際から計画してきたはずです。この点について再度お伺いしたいと思いますが、この点も含めて第3点、今後の具体的な
取り組みについてはどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
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◯奈良港湾空港課長
この事業では、
克雪ドームの隣に整備を続けております4.4ヘクタールの広さの
大平緑地部分の整備がやはりメーンでございます。ここの整備を重点的に進めている状況で、おかげさまで来年度にはこの4.4ヘクタール部分について、
ヘリポートとなる
スペースも含めて完成を見込んでいるところでございます。引き続き、
マリーナ背後の
大平マリーナ緑地、面積は1.1ヘクタールを予定していますが、こちらの
整備促進に移っていくこととしており、全体としては平成27年度の
事業完了を目指してまいりたいと考えています。
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◯越前委員
ただいま答弁にもありましたが、建設中の
緑地そのものが
ヘリポートとしても活用ができるということです。まさにこれは防災の拠点という考え方から、当初
整備計画に基づいて取り組んでいるものと私は理解しているところです。
そこで、今後の具体的な
取り組みですが、何度も申し上げますが、私も地元ですから、この土地は何度も伺って見ております。公園の駐車場、
トイレ等、既に着々と取り組まれていますが、ここは
親子連れや家族連れの方々、老若男女、多くの方々が利用され、大変すばらしいところでございます。そういう意味では、防犯上の観点からも照明灯が必要だと思うわけですが、今後の
取り組みの中ではさらに具体的にどのように取り組んでいくのか、あわせてこの点を再度お伺いしたいと思います。
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◯奈良港湾空港課長
委員御指摘のとおり、
緑地スペース等はいろいろな方に利用していただくことを想定してつくっています。もちろん災害時には
オープンスペースとして使うわけですが、ふだんは市民の方々に使っていただくことを目的としておりますので、委員から御指摘のございました照明についても、十分な明るさが得られるように、また、防犯の点からも安全の確保には十分気を使って整備していくこととしております。
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◯越前委員
克雪ドームを中心に、
防災拠点としての位置づけで取り組んでいただいている事業でございます。平成27年度には完成予定ということで取り組んでいかれるということですので、さらにさらに力を入れて進捗を図っていただきますように強く要望しておきたいと思います。
次は、同じく
港湾建設費から、大湊港
地域再生基盤強化事業についての質問であります。大湊港における
地域再生基盤強化事業は、大
規模地震時の
緊急物資輸送拠点、
救援活動の拠点港としての防波堤や岸壁、泊地の整備を行って、
防災機能及び
船舶航行安全性の向上による災害時の物流確保を図るとともに、
地域経済の振興を推進するものであると理解しているところです。
平成19年度にも質問したところですが、これまでの大湊港の
防災機能の強化に対する県の
取り組みに対しては心から感謝を申し上げるところであります。しかし、
耐震岸壁については、
マイナス7.5メートルで整備されていることに対し、当時、私は
一般質問や当委員会においても、
一般災害や
原子力施設の
立地地域として、
万が一原子力災害が発生した場合の海路での避難のあり方で、
海上自衛隊大湊地方隊所属の護衛艦により多くの住民を迅速に避難させるためには、
耐震岸壁は
マイナス7.5メートルではなく
マイナス11メートルを確保すべきと提案いたしました。いろいろ議論はさせていただきましたが、最終的には、予算の関係等もございまして、県の当初
計画どおりマイナス7.5メートルで整備された経緯があるわけであります。
その後、昨年3月11日の
東北地方太平洋沖地震により
東京電力福島第一
原子力発電所の事故が発生し、現在、避難のあり方が問われている状況の中で、私としては、海路での避難を考えたとき、
海上自衛隊大湊地方隊所属の護衛艦を着岸させるためには、やはり
マイナス11メートルを確保しておくことが防災の観点から避難を容易にできるものと考え、まことに残念でならないわけであります。
そこで、大湊港
地域再生基盤強化事業について、次の2点についてお伺いいたします。第1点は、この
事業内容について最初にお伺いいたします。
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◯奈良港湾空港課長
大湊港
地域再生基盤強化事業については、大
規模地震に対しての
防災機能向上を図るために、真砂町1号岸壁、これは先ほど委員からお話がございましたが、既設7.5メートルの水深を有している岸壁について、同じ水深ではありますが、130メートル、1バース分について
耐震強化改良の工事を進めています。それと隣接する、同じく水深7.5メートルを有する真砂町2号岸壁のほうも老朽化が著しく、こちらは
耐震強化ではありませんが、7.5メートルの水深を確保した岸壁の
機能確保ということで
岸壁改良工事、この2カ所におきまして事業を進めています。平成17年度から
事業実施をしており、全体事業費は、2つの
バース部の整備として約20億4,000万円を見込んでいるところです。
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◯越前委員
20億4,000万円の予算で取り組んでいただいているということです。この
耐震岸壁をつくる際の議論として、なぜ私が
マイナス11メートルにこだわったかといいますと、先ほど申しましたように、
海上自衛隊の護衛艦にはソナーを備えつけている関係から、それだけの水深を確保しなければ着岸できません。
原子力災害時における緊急避難時には、直ちに着岸して多くの方々を乗せて避難ができるということから、
マイナス11メートルは絶対確保すべきだということを当時からも主張したわけですが、何せ予算の関係がありますので、やむなく妥協したといいましょうか、県の計画に従ったわけですけれども、今後の
防災対策上の海路のこの
取り組みについては十二分に検討の上、
自然災害や
原子力災害が発生した場合には、迅速かつ安全に
地域住民をいかに避難させるかということに取り組んでいただきたいと心からお願いしておきたいと思います。
そこで第2点でございますが、これまでの
取り組み状況と今後の見通しについてお伺いいたします。
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◯奈良港湾空港課長
平成17年度から整備を進めている真砂町1号岸壁の
耐震強化改良につきましては、平成21年度に整備を完了しています。引き続き、平成22年度からは隣の真砂町2号岸壁の
老朽化対策の
改良工事を進めており、これについても、今年度の事業費約2億2,000万円で、岸壁の
上部工工事及び前面の一部
浚渫工事を実施することにより、今年度内の完了を目指しているところです。
22
◯越前委員
大湊港
地域再生基盤強化事業については、今年度末完成を目指して取り組んでいるということです。着々と進んでいる様子も目の当たりにしているところですが、来年の3月31日までしっかりと完成に向かって取り組んでいただきますように強く要望申し上げておきたいと思います。
続きまして、
道路維持費における国道279
号易国間地区の
災害防除事業についての質問であります。風間浦村
易国間地区においては、御案内のとおり、平成15年5月に100トン強の岩塊の崩落による
道路封鎖、平成17年4月には
道路斜面監視システムが異常を確認したことによる国道279号の
全面通行どめ、さらには、平成19年9月の台風9号による異常豪雨での土砂崩落による
全面通行どめが発生したところであり、私もこれまで何度も現地調査をその都度行ってきたところであります。
また、平成17年9月には、私は商工観光労働委員会委員長を仰せつかっていましたが、この委員会での県内調査で下北地域を訪れたわけです。そして平成19年8月に
建設委員会で現地調査を行ったとき、さらに平成20年には
建設委員会委員長を仰せつかっておりましたが、この委員会で調査を行ってまいりました。その都度、大間町、風間浦村、佐井村の町村長並びに3町村の議員の方々が現地に駆けつけてくださいまして、早期の対策を講じてほしいという強い要望を受けたところであります。県では、これまでさまざまな角度から検討を加えながら、積極的に安全対策を実施していただきました。心から敬意を表するところであります。
そこで、国道279
号易国間地区の
災害防除事業について、次の3点についてお伺いいたします。第1点は、この
事業内容についてまず伺います。
23 ◯佐々木道路課長
国道279号風間浦村
易国間地区の
災害防除事業については、委員御指摘のとおり、平成15年5月に落石が発生し、
全面通行どめになったことを契機としまして、平成17年度から延長2.7キロメートル区間における落石対策事業を進めてきたところで、全体の総事業費は約44億円を見込んでございます。
24
◯越前委員
着々と取り組んでいただいており、大変感謝を申し上げたいと思います。急傾斜地のために大変危険きわまりない場所で、通行する方々も常に危険を感じながら通行しなければならない状況の中で、何といっても生活路線でもあり、早期に完成をしてほしいという地元の方々、また、北通りの方々の願いでもございます。
第2点でございますが、この事業の
進捗状況についてお伺いいたします。
25 ◯佐々木道路課長
事業の
進捗状況ですが、落石対策については平成17年度から急崖部の危険岩塊除去工事、現場吹きつけ法枠工事を進め、平成23年度に急崖部における落石対策工を完了しています。
今年度は、急崖部と道路の間の中間斜面におきまして、沢筋に当たる部分の法面の保護工事を進めることとしております。
26
◯越前委員
着々と進められている状況について御答弁いただきました。
それでは、第3点目であります。これらの経緯を踏まえまして、今後の具体的な
取り組みについてお伺いいたします。
27 ◯佐々木道路課長
今年度で急崖部と中間斜面における落石対策等が終わることから、今後は、従来からある
道路斜面監視システムや防災点検などにより現地の監視に努め、異常が確認された場合には、必要に応じて対策工を実施することで道路の安全確保に努めてまいりたいと考えています。
28
◯越前委員
今年度でこの事業は終わるということで、まずは一安心ですが、しかしながら現地を見てみますと、今の落石した現場の工事は終わるとしても、その隣にひび割れが入っており、いつ落石してもおかしくない状況にあります。現在、国道279号線は北通りへの一本道路であり、また、生活路線でもございます。これがとまりますと、夏場はいいんですが、冬場は大変大きく迂回しなければならない現状に置かれており、防災の観点からもやはりこの道路の通年通行に万全な体制をとっていただくことが大変大きな課題だと考えております。
今後は監視システム等の
取り組みを行うということですが、今申しましたように、さらにがけ崩れ等がないかの予測についても、十二分に状況把握した上で事前対策を講じながら、通行どめ等が再度起きないような体制をとっていただきたいと強く御要望申し上げておきたいと思います。
次は、
道路新設改良費における主要地方道むつ尻屋崎線岩屋バイパスについての質問でございます。下北半島の観光名所の一つである東通村の尻屋崎にむつ市から通じる主要地方道むつ尻屋崎線の道路整備については、東通村入口地区において、集落内の狭隘な道路を通行する車両並びに歩行者の安全を確保するため、昭和62年度から平成6年度を事業期間として延長1,590メートルの入口バイパスが整備されており、
地域住民の方々を初め多くの方々から、また、村当局からも心から感謝されているところです。私もこれまでの県の御尽力に対して敬意を表するものであります。また、東通村岩屋地区においては、集落内の道路が狭隘であり、交通安全の確保並びに防災の観点からも一日も早いバイパスの完成が期待されているところであります。
そこで、主要地方道むつ尻屋崎線岩屋バイパスについて、次の3点についてお伺いいたします。第1点でございますが、まずはこの岩屋バイパスの
事業内容についてお伺いをいたします。
29 ◯佐々木道路課長
主要地方道むつ尻屋崎線岩屋バイパスについては、東通村岩屋地区の人家連檐部におきます狭隘区間の解消と安全で安心な交通確保を図るため、延長約4キロメートルのバイパスとして、総事業費23億円を想定して平成5年度に事業着手しています。
30
◯越前委員
この事業の
進捗状況についてはどのようになっているかお伺いいたします。
31 ◯佐々木道路課長
これまでに設計調査等を平成9年度に完了し、用地取得についても平成16年度に完了しています。
工事については、平成17年度より、起点部180メートル、終点部380メートルの現道部分の拡幅工事に着手し、平成19年度に供用しています。
また、バイパス区間が延長2,840メートルございますが、これにつきましては、現在のところ、道路
改良工事及び橋が岩屋1号橋から3号橋と3橋ございますが、この3橋についても完了しています。
32
◯越前委員
私も現地を見ておりますが、ただいま答弁がありましたように、橋については既に完成してございまして、あとは完成に向かっての
取り組みが残っていると解釈しております。
そこで第3点でありますが、今後の具体的な
取り組みについてお伺いいたします。
33 ◯佐々木道路課長
今年度につきましては、事業費2億9,600万円を擁し、バイパス区間の舗装工事と約600メートル区間の現道交差部の
改良工事を予定しています。
来年度以降は、引き続き現道交差部の
改良工事及び舗装工事を実施し、平成26年度の開通を目指して工事を進めることとしています。
34
◯越前委員
着々と進められている工事に対し、さらに進捗を図っていただきますよう強く要望しておきたいと思います。
続きまして、同じく
道路新設改良費から、県代行事業による佐井村道福浦川目線の整備についての質問でございます。下北半島西部地区において、国道338号は地元住民の方々の生活道路として、下北半島を訪れる方々にとっては観光道路として利用されている非常に重要な幹線道路ですが、佐井村野平からむつ市脇野沢源藤城までの区間について、先般質問したところですが、地すべりによる
全面通行どめという交通ネットワークを遮断する事態が発生したところです。福浦川目線は佐井村道ではありますが、県では、佐井村にかわって平成元年から事業に着手し、鋭意事業を推進していただいているところであり、佐井村長を初めとして地元住民の方々から早期の完成に大きな期待を寄せられているところです。
そこで、県代行事業による佐井村道福浦川目線の整備について、次の3点についてお伺いいたします。第1点は、佐井村道に県代行事業として取り組むことになった理由についてお伺いいたします。
35 ◯佐々木道路課長
佐井村道福浦川目線は、佐井村福浦地区から野平地区に至る延長9.3キロメートルの路線でございます。本路線は国道338号の代替路線の役割を担うこと、技術的難度が高いこと及び佐井村の財政力等を総合的に判断しまして、平成元年度に県代行事業として着手したものでございます。
当該路線の整備により、国道より約1キロ短くなりますので、地元の利用者の生活道路としての利便性向上が図られるものと考えております。
36
◯越前委員
県代行でやっていただいている、この道路についても現場を見てまいりました。日々進捗は図られている様子で、ただいま答弁にあったように、時間的にも短縮され、防災の観点から避難道路としても大変活用度が高く、ふだんは観光道路としても大変利用価値が高いことから、完成に向けた
取り組みが大変強く望まれているところです。
そこで、第2点ですが、この事業の
進捗状況についてお伺いをいたします。
37 ◯佐々木道路課長
全体延長9.3キロメートルを3工区に分けて整備を進めており、佐井側の1工区、延長4.8キロメートルにつきましては、平成13年度に供用したところです。続く2工区、延長2.2キロメートルについても平成21年度に供用しています。
現在整備中の3工区、延長2.3キロメートルについては、平成22年度に事業着手しており、現在、引き続き
改良工事を進めている状況でございます。
38
◯越前委員
そこで、第3点ですが、今後の具体的な
取り組みについてはどのように取り組んでいくかお伺いいたします。
39 ◯佐々木道路課長
3工区の延長2.3キロメートルについては、平成22年に事業着手しており、平成27年度の完成を目途に整備推進に努めているところでございます。
40
◯越前委員
平成27年度の完成を目指して取り組んでいるという御答弁でございました。この道路が完成することによって現在の国道338号と交差し、さらにはこの交差は、先ほど言いました佐井村野平-むつ市脇野沢源藤城間の区間に通ずる道路でもあり、立体交差となって利便性がずっと高まることから、
地域住民、それぞれの市町村長からも大変大きな期待を寄せられている事業ですので、どうかひとつ今まで以上に、平成27年度の完成に向かって着々と取り組んでいただけますように強く御要望を申し上げておきたいと思います。
最後の質問ですが、
河川改良費における川内ダム管理施設の改良事業についての質問であります。先月、熊本県で日本で初めてとなる本格的なダム撤去工事が総事業費約88億円をかけて始まり、今後は全国各地のダムの老朽化が進むことから、撤去工事が河川や海などの環境に与える影響も注目されるのではないかと新聞等で報じられたところです。今後、本県においてもダム事業に関する注目度や関心度が増すものと私は考えておりますが、このような状況下におきまして、県では平成20年度から改良事業として取り組んできているところであり、この御尽力に対し敬意を表するところであります。
そこで、川内ダム管理施設の改良事業についてですが、次の2点についてお伺いいたします。第1点は、川内ダム管理施設の改良事業の具体的な
事業内容についてお伺いいたします。
41 ◯白川河川砂防課長
川内ダムですが、むつ市川内町地区の洪水防御と川内川の流水の正常な機能の維持を目的として平成6年度に完成した治水ダムで、型式は重力式コンクリートダム、堤高55メートル、堤長137メートル、総貯水容量1,650万立方メートルとなっております。
同ダムは、地域の安全・安心と河川環境の保全に貢献しているところですが、完成から15年が経過し、施設の老朽化、機器の旧式化が著しくなっておりましたので、平成20年度から、全体事業費約9億8,000万円で管理施設の
改良工事を進めてございます。
事業の内容としては、取水放流設備、放流警報設備、ダム管理用制御処理設備及び情報収集設備の更新と、その他ダム管理に必要となる管理棟、ボートを保管する艇庫などの改修を行うこととしています。
42
◯越前委員
ありがとうございました。大変具体的な答弁をいただきました。
第2点ですが、この事業の
進捗状況と完成に向けた今後の見通しについてお伺いいたします。
43 ◯白川河川砂防課長
同事業の平成23年度までの事業費は約7億円となっており、その進捗率は、
事業費ベースで約72%となっています。
平成24年度は、約2億8,000万円の事業費で、取水放流設備、受変電設備などの更新及び管理棟、無線中継局、艇庫などの改修を実施し、同事業の年度内の完成を図るとともに、今後とも、地域の安全・安心と河川環境の保全のため適切な維持管理を行っていくこととしています。
44
◯越前委員
この川内ダムのすぐそばには国道338号が通っており、景観が非常にすばらしく、これから紅葉時期を迎えますと、観光客の方、地元の方も含めまして、多くの方々がおいでになる場所でもございます。川内ダム管理施設の改良事業、ぜひとも完成に向けて着々と取り組んでいただきますように強く御要望申し上げて、私からの議案に対する質疑を終わらせていただきます。
45
◯熊谷委員長
ほかに質疑はありませんか。──渋谷副委員長。
46 ◯渋谷委員
それでは、私から、議案の第1号「平成24年度青森県
一般会計補正予算(第1号)案」についてお伺いします。
街路事業費における3・4・2号西滝新城線の整備状況と今後の見通しとして、用地買収及び工事の
進捗状況についてお伺いします。
47 ◯三橋
都市計画課長
西滝新城線の整備状況ですが、事業区間は、マツダドライビングスクールから新城方向に延長1,355メートルとなっており、この区間の用地買収に関しては、現在、買収面積で約88%、補償件数では約87%の進捗率になっております。
また、工事に関しましては、1,355メートルのうち、今年度末までに新青森駅南口付近の470メートルを完了する予定となっており、進捗率は約35%となる予定でございます。
48 ◯渋谷委員
それでは、近年の予算状況と用地買収について、相手のある話ですけれども、今後、用地買収が仮に順調に進んだ場合の完成見込みについてお伺いします。
49 ◯三橋
都市計画課長
近年の予算状況ですが、昨年度の事業費は約9億円、今年度は約8億円となっております。総事業費約38億円に対して、今年度までに約30億円の事業費が投入されております。
また、用地買収が順調に進んだ場合の完成の見込みについてですが、用地補償の契約にかかる期間、建物を移転する期間、また、道路上にある占用物件などの移転、それらが完了後に工事が実施されることになりますので、概略ですが、大体平成29年ごろになると思います。
いずれにしましても、用地買収が完了して工事ができる区間ができましたら、そこから最初に工事して部分供用を図るなど、事業効果の早期発現に努めてまいりたいと考えております。
50 ◯渋谷委員
これに先立ち、3・2・2号内環状線等が開通しまして、非常に道路の便がよくなったとは言われております。この3・4・2号西滝新城線も拡幅されますと、かなりよくなってくるという地元住民の声でございます。ところが、今工事中ということで、もちろん完成していないこともあって結構渋滞が発生しており、特に新青森駅南口に関しては、恐らく、信号等いろんな関係があると思うんですが、結構渋滞しているんです。この工事が完成した場合、これらの渋滞は緩和されるのかお伺いします。
51 ◯三橋
都市計画課長
現道の車道幅員は現在7メートルとなっており、交通量に対して十分幅員が確保されていない状況です。そのために走行速度が落ちている、また、交差点には右折車線がないため、右折待ちの車による渋滞が発生しております。
今回の整備により車道幅員は10メートルに拡幅され、走行速度は上がると思います。また、信号機のある交差点全てに右折車線が設置されますので、右折待ちの車による渋滞についても解消されると思います。
52 ◯渋谷委員
現在工事中のこの場所ですけれども、延長1,355メートルに対して結構信号の間隔が近いところもありまして、恐らく現在の渋滞に大きく影響していると思われますが、事業区間に信号は何基あるのか、また、完成したときの対策についてお伺いします。
53 ◯三橋
都市計画課長
事業区間には、現在7基の信号が設置されております。
渋滞緩和に向けた対策につきましては、各信号を連動させるなどの検討を工事完了までに管理者である公安委員会と調整を図っていきたいと考えています。ただ、最終的に結論を出すのはあくまでも公安委員会ですから、どちらかと言えば、こちらからは要望という形になっていくと思います。
54 ◯渋谷委員
この計画延長道路1,355メートルに対して7基もあり、やはり信号が多い箇所ですので、当局と相談して、せっかく拡幅していい道路になりますので、そこも完成時にはぜひ検討いただきたいと思います。
55
◯熊谷委員長
ほかに質疑はありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
質疑がないようでありますから、これをもって議案に対する質疑を終わります。
これより、議案の採決をいたします。
議案第1号中所管分、議案第3号及び議案第4号、以上3件の原案に賛成の方は御起立を願います。
[賛成者起立]
起立総員であります。
よって、原案は可決されました。
午さんのため、暫時休憩をいたします。
再開は午後1時といたします。
○休 憩 午前11時55分
○再 開 午後 1時00分
56
◯熊谷委員長
休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
執行部より報告事項があります。──成田県
土整備部長。
57 ◯成田県
土整備部長
委員長のお許しを得まして、一昨日の10月2日に公表した青森県太平洋沿岸の津波浸水予測図につきまして、その概要を御報告申し上げます。
昨年の東日本大震災による甚大な津波被害を受け、国では新たな津波対策の考え方を示しており、その中では、住民避難を柱とした総合的
防災対策を構築するために最大クラスの津波を想定することとされております。
県では、これを受けて、ことし2月に八戸工業大学の佐々木教授を座長とする青森県海岸津波対策検討会を立ち上げ、最新の科学的知見に基づき青森県独自の津波断層モデルを設定し、津波シミュレーションを行い、津波浸水予測図を作成しました。
これによりますと、東通村から階上町までの沿岸6市町村の浸水面積につきましては、東通村15平方キロメートル、六ヶ所村22.6平方キロメートル、三沢市37.8平方キロメートル、おいらせ町13.3平方キロメートル、八戸市38.9平方キロメートル、階上町1.9平方キロメートルで、合計129.5平方キロメートルと極めて大きな浸水面積となっております。
沿岸6市町村におきましては、今後、津波ハザードマップや避難計画の見直し等、この予測図をもとにした
防災対策を推進していただくこととなりますが、県としましても積極的に情報提供を行い、効率的かつ迅速な防災計画の策定に協力してまいります。
また、県におきましては、この予測結果を踏まえ、県が取り組んでいる人命を守ることを最優先とする防災公共推進計画の策定を進めてまいります。
なお、日本海、陸奥湾及び津軽海峡の各沿岸の津波浸水予測図につきましては、12月開催予定の津波対策検討会において検討の上設定される予定となっており、これにより三方を海に囲まれた当県の沿岸全市町村の津波
防災対策に役立てたいと考えております。
58
◯熊谷委員長
ただいまの報告事項及び
所管事項について質疑を行います。
質疑は議題外にわたらないように願います。
質疑はありませんか。──
越前委員。
59
◯越前委員
ただいまの部長の報告に対してお尋ねしたいと思いますが、津波浸水予測図の策定をされたということで、中身を見ますと、沿岸市町村でも
防災対策の強化、これは避難所、避難経路の見直し、避難計画の津波のハザードマップの見直しということで、これは既に当委員会で私も質問していますが、これからいかに具体化していくかということが大きな課題になっていくんだろうと思います。
そこで、これを策定していく上で、例えば先般、東北電力の東通
原子力発電所の防潮堤、防潮壁の
進捗状況を見に行ってまいりましたが、大分進んでおります。今の想定で何とか対応できるということで津波対策が講じられて、進捗しているわけですけれども、今回の計画策定によって、1つは、まず岸壁等の高さ、これはかなり全国的にも、今のままでは津波に対応し切れない。だから、それを精査した上で、もっとかさ上げをしなければいけないということが問われておりますが、この報告の中では既にある護岸のかさ上げについては、どのような検討がなされているのかお伺いします。
60 ◯白川河川砂防課長
今回の津波浸水予測ですが、最大クラスということで検討しておりますので、人命を守るために避難路を整備するとか、どこに逃がすとか、そういうソフト対策が主体になります。岸壁の高さ等につきましては、基本的に数十年に1回とか起こる津波とか高潮ということで、我々「L1」と称しておりますが、そういう規模が太平洋岸では6メートルから7メートルという高さに設定されていますので、それがハードとして守る基準の高さになっています。
61
◯越前委員
昨年の東日本大震災の際には、青森県内で三沢、おいらせ、八戸、階上という地域で重点的に大被害を受けたんです。滝沢委員、熊谷委員長を初め地元議員の皆さんと一緒に見させていただきましたが、やはり現在ある防波堤、護岸をはるかに越えて大変な被害に遭われたということを現場に行って見てきました。
先ほども言いましたが、そういうことからいって、現在ある護岸の高さが果たしてこれから起こり得るであろう津波、大震災に対応できる高さであるのか。それでは対応できないということになると、当然かさ上げの対策をきちんとやっておかなければならないのではないかと考えますが、これは青森県のみならず全国的な大震災、津波への抜本的な対策として、かなり重要な課題として問われている一つでもありますので、この点について再度、どのような考え方で対応していくかについてお伺いしておきたいと思います。
62 ◯白川河川砂防課長
確かに大きい津波は、例えば5百年とか千年に1回は起こり得るということになり、対応することはハード的に可能ではありますが、そのためにはかなり膨大な予算がかかる。それを実際に実施していくためには数十年、数百年という単位の期間が必要かと思います。それでは間に合いませんので、当面予測される、数十年に1回起こり得るものにはハードとして対応し、それを越えるものには当面ソフト対策で対応していくというのが国の基本ベースになっておりますので、県としてもそういう考え方で進めたいと考えております。
63
◯越前委員
確かに予算がかかるのは十分わかるんですが、やはり昨年の震災までの考え方と震災が起きてからの考え方は、私を含めて皆さんそうだと思うんですが、震災に対する物のとらえ方は180度転換したんではないかと思います。私は、やはり想定外を想定する対策、これをきちっとやっていくことが本来の大震災への対策につながるんだと、昨年の東日本大震災によって教訓として教えられたのだと私なりに理解しております。
そういうことからすれば、確かに予算はかかるとしても、100年に1回といえども、果たして100年に1回なのか80年に1回なのか、50年に1回なのか30年に1回来るのか、また近いうちに来るのかということは、全く想定できません。しかしながら、起きたときにあれだけの人命が奪われ、あれだけ大被害が発生し、それを救済するために国が一生懸命──国の方針がまだ見出せず、困っておりますけれども──防災計画の見直し、それに対する県、市町村の防災計画の見直しということで今取り組まれようとしているわけで、そういう中で、中期、長期の展望の中で
取り組みをきちんと防災計画に打ち出していくことが、大震災が発生した場合の対応策として私は必要ではなかろうかと思うんですが、その点について再度お伺いします。部長どうですか。
64 ◯成田県
土整備部長
今回、最大クラスということでかなり反響を呼んでおり、5百年から千年の周期の津波を想定しているんですが、8月の委員会では、いわゆる数十年に1回程度の津波ということで高さを決めておりまして、それに沿って、現在足りないところであればかさ上げ工事をすることになっていますし、現在でも所定の高さが確保されているところもあります。昨年、震災において津波を受けたんですが、所定の高さを満足していて助かっている地域もあります。それに満たないところにおきましては、今後、新設の場合はその高さをつくるとか、足りない場合はかさ上げすることで対処していくことになっております。
65
◯越前委員
昨年の大震災で、三沢、おいらせ、八戸、階上に、皆さんと行ってまいりました。現地を見させてもらいましたが、現地の声は、今ある防波堤をはるかに越えて、あの大きい船、重い金庫など、何百メートルも陸地に飛ばされている。まさに想定外の災害でございました。
確かに予算がかかることは十分承知しているんですが、だからといって、できないということではなく、何とか予算化をしながら、すぐはできないとしても、中期・長期的展望の中で、部長が今おっしゃったように、まずはできるところ、低いところから計画的にかさ上げをしていくんだという対応を順次やっていくことが、私はこの防災計画を充実させるために大変重要なことではないかと考えるわけですが、その点で再度お伺いします。
66 ◯成田県
土整備部長
繰り返しになりますけれども、8月に示した検討結果の高さに満たないところであれば、かさ上げあるいは新設においてはその高さを満足するように今後つくっていくことになっております。一番ひどい八戸港等、大分浸水範囲を予測しておりますけれども、八戸港につきましても、今後その高さを検討して、所定の防潮堤を必要としますので、それを今後整備していく計画の検討を今行っているところでございます。
67
◯越前委員
昨年の津波震災の結果を見まして、今回の報告にも書いてありますが、人命を最優先に、逃げるという視点に立って最適な避難経路、避難所の新設の検証をすることでございます。それは当然のことだと思うんですが、防災計画で、国、県、市町村が一体となって、対策を具体的にどう講じていくかは今後の大きな課題であると思われますが、震災から1年半過ぎた現在にあっても、県、市町村でも、一応の方針は出てまいりましたが、具体的な、例えば経路等についてはまだ示されておりませんし、これはやはり急いで具体的な計画にとりかかることが急務ではないかと思っております。
避難のあり方については、昨年度、県においてプロジェクトチームがつくられ、検討されました。昨年の12月に復興プランをつくって、復興プランの中に非難のあり方がきちんと位置づけられました。そういうことでは、一つの経緯を踏まえながら、形としては一応つくられてきているわけですが、今後いかに具体化するかが大変重要だと思います。
避難のあり方については、私もいろんな事案を用いて質問してきたわけですが、今までの質問で具体的に触れなかった部分で1つだけお伺いします。昨年の震災時もそうですが、例えば陸路で車で逃げようと思っても、車が事故を起こして、渋滞して逃げられず、車を捨てていくのはもったいないから車で逃げようとした人はみんな津波で死んでしまい、車を捨てて山へ逃げた人は助かったという事例がございます。
この辺の判断は非常に難しいし、私もその場にいたら、非常に迷うところもあります。やはりそういう意味で、きちっと避難のあり方、こういう場合はこうしろという具体的な事例を用いた防災計画等も立てていくべきだと思います。
その中で、例えば陸路において車で逃げようとした場合に、立っている電柱が地震のために全部倒れてしまったら、当然車では逃げられません。津波が来た場合、例えばこの高台に逃げるといっても、高台まで近い距離であれば、ある程度逃げることはできるかも知れませんが、遠い距離だと逃げられない地域もたくさんございます。地域別プランをきちんと立て、避難のあり方に対して具体化したプランを立てながら、やはり防災計画をつくり上げていかなければならないのではないかとつくづく考えるわけですが、その辺の検討はなさっておられますでしょうか。
68 ◯白川河川砂防課長
今回は津波の高さということで公表したわけですが、これに基づいて市町村で逃げるためのハザードマップや避難計画をつくっていくことになります。その中で、当然、逃げやすい道路をこのように整備したらいいのではないかといった話も出てまいります。そういう中で、県としては、市町村と協力して、最大限命を守れる
防災対策の計画をつくっていくというふうに考えています。
69
◯越前委員
この件については他の委員の皆さんからも御質問あると思いますので、私からはこれでおさめたいと思いますが、要望として、やはり昨年の大震災におきまして、想定外を想定した事例を用いながら、それに対応するべく防災計画を具体的にきちんとつくり上げていくことが防災計画を立てる上で私は大変重要なことであろうと認識しておりますので、防災計画見直し並びに計画の策定、そして充実強化に向けて一層取り組んでいただきたいということを強く御要望申し上げておきたいと思います。
それでは、
所管事項について1点だけ質問いたします。むつ警察署庁舎新築工事についての質問であります。私の地元であります、むつ市におきまして、平成19年2月、市役所の本庁舎移転計画が策定され、平成21年9月、本庁舎が国道338号沿いの中央地区へ移転し、今後、同地区へむつ警察署が移転することになっております。むつ市役所、むつ警察署の移転に伴い、来訪者利便性確保等検討会議が設置され、下北地域県民局も道路管理者として構成メンバーの一員となっており、むつ警察署の移転後における交通渋滞の緩和などが検討されていると伺っているところです。このむつ警察署庁舎の新築工事については、平成21年9月議会の
一般質問で質問を行い、平成22年度に調査設計、平成23年度から25年度までの3カ年で建設工事を実施し、平成25年度中に庁舎完成と下北地方初めての免許センター、同時に業務開始を目指すと、当時の県警察本部長が答弁しており、その後着実に進められている工事でございます。
また、今年4月の
建設委員会におきまして、新警察署庁舎並びに市役所は国道338号バイパス沿いに建設されることから、交通渋滞の緩和及び交通安全の確保並びに利便性の向上という観点から、新むつ警察署前バス停車帯の設置に向けた今後の
取り組みについて質問しましたが、警察署移転前までに整備を完成させる予定であると御答弁いただいているところです。この件については着実に取り組んでいただくよう強く要望しておきたいと思います。
そこで、むつ警察署庁舎新築工事について、次の2点についてお伺いいたします。第1点は、工事の現在の工事内容についてお伺いいたします。
70 ◯原田建築住宅課長
むつ警察署庁舎新築工事につきましては、事業主体である県警察本部より依頼を受け、下北地域県民局が工事を発注し、現在、建設工事を進めているところでございます。
警察署庁舎本体工事の工事内容ですが、鉄筋コンクリート造3階建て、延べ床面積約2,800平方メートルとなっています。
平成23年度、24年度の2カ年継続工事として現在建設を進めておりまして、建築一式工事、強電設備、弱電設備、空調換気設備、給排水衛生設備工事を行っているところです。
庁舎本体以外のその他の工事としては、倉庫の新築、車庫の新築及び削井工事等を行っている状況でございます。
71
◯越前委員
むつ警察署新築工事の
進捗状況はどうなっているか、どこまで進んでいるのかお伺いをいたします。
72 ◯原田建築住宅課長
警察署庁舎の本体工事についてですが、工期は平成25年3月20日までとなっています。現在は、外壁工事が終了し、外部の足場が撤去されており、建物全体の外観を見ることができる状況になっております。引き続き、外構工事と内部間仕切り壁及び天井の造作を鋭意行っていくところです。
9月末日現在の進捗率は、建築一式工事については67%となっており、設備工事に関しては25%から52%となっている状況です。
その他の車庫、倉庫及び削井などの工事ですけれども、工期は平成24年11月から12月までとなっておりまして、9月末日現在の進捗率はおおむね50%となっている状況です。
73
◯越前委員
新むつ警察署が建設されている現場は、国道338号バイパスを挟んで既に移転された新市役所、その向かい側の山側に新むつ警察署が今新築工事をされているわけで、当然これは幹線道路で、現在も朝夕は大渋滞を起こしています。今度警察署ができることにより、さらに利便性が高まりますので、交通量もさらにふえるということで、さらなる渋滞が懸念されております。
したがって、交通渋滞、交通安全上の対策からもこの点につきましては十二分に意を用いて対策を講じていただきますよう強く御要望を申し上げて、私からの質問を終わらせていただきます。
74
◯熊谷委員長
ほかに質疑はありませんか。──
相馬委員。
75 ◯
相馬委員
10月に入ったばかりで雪の話をするのも何ですけれども、除雪について、県道と市町村道のちょうどぶつかるところの除雪が非常によろしくないということが指摘されておりますし、特に通学路になっているところがあるわけです。実は過去に、ちょうどその場所に雪が積もって見えなかったために、小学生が自動車にひかれて死んでいるんです。そのようなことから、県と市あるいは町村が、もっと連携を密にして除排雪ができないのかという声が非常に大きいわけです。この点、今まで話は多少出たことがあるようですが、具体的には何ら解決に至っていないという感じがしてならない。
ですから、何とか連携を密にして、それぞれ県道は県道で、市町村道は市町村道、市町村道が県道に入らないということではなく、みんなつながっているわけです。そういうことを考えますと、すっとやっていただかないと、せっかく除排雪をしてもいろいろと問題があり過ぎるというようなことですけれども、県として、来年のといっても12月になれば降る可能性があるだろうし、除雪もしなければならないということもありますから、そのことについての対策といいますか、ひとつお話をいただきたいと思います。
76 ◯佐々木道路課長
県では、除雪体制に入る前に、各県民地域整備部と管内市町村の除雪担当者による除雪会議を毎年開催し、その中で県及び市町村管理道路の交差部の除雪の仕方について、いろいろ議論しながら調整しているところです。
しかしながら、県及び市町村によっては、除雪の出動基準ですとか除雪の時間帯が異なるということもあって、必ずしも全ての交差点の部分がよくないという事実が発生していることは確かに承知しています。ことしもこれから除雪会議が開催されますが、委員がおっしゃるような内容を改めて会議の中で議題として出しまして、連絡調整を徹底させるということで、ことしの冬は、そのような段差や雪盛りのないような状況にしたいと考えています。
77 ◯
相馬委員
確かに出動する基準やら時間帯がそれぞれ違うということで、結局、例えば県のほうが先に行って、その後市町村がやるということで、後で出動したほうで高低があっても困るし、これを調整することをその会議できちっと取り決めをしてやっていただかないと、結局住んでいる人や道路を利用する人のために除排雪をやるわけですから、希望に沿わないような除雪しても決して喜ばれない、感謝もされないことになります。そういうことではなくて、後で行ったほうが前にやったところと高さも合わせるようにしないと、前はそういうふうにする、あとはどうでも勝手でいいということになれば、やっぱり段差が出てきて、そこで特に子供たちなんかが転んで、転んだところに自動車が来てひかれるというようなこともありますから、そこを十分話をして、何とか本年度からは余り批判されないような除雪をしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。要望しておきます。
それからもう一つ、今回の県外調査でも行く高知県の仁淀川ですが、実は、テレビでよく清流が紹介されるわけです。清流というのはすばらしいことだと思いますし、多くの人が立ち寄り、どういう状況か見たいということもありますから、そういうことも考えて特にNHKあたりは放映しているのだと思いますが、私はテレビ見ていて、まず仁淀川が日本一の清流だということを聞きまして、私は、委員の皆さんと一緒に行けないので、政務調査費で翌日、私も仁淀川へ行ってきます。その後、四万十川へ行こうと思っていますけれども、そうしたらその後、ごく最近テレビを見ていたら、日本一の清流で島根県の高津川と出てきたわけです。ですから、どうして2つも3つも日本一があるのか。同じ透明度で、1位、2位がつけられないから、2つも3つも日本一の清流だと言っているのか。私はそうでないと思うんです。年度によって違いはあるのかなと思いますので、どういうような基準で決めているのか。テレビで放映されますと観光客も行くと思うんです。青森県の議会だって、恐らく仁淀川が出たことによって、やはり行ってみなくてはだめだということになったんだと思いますので、その点についてひとつ説明を願います。
78 ◯白川河川砂防課長
国土交通省では、全国の1級河川109水系の直轄管理区間で毎年水質調査を行って、その結果を水質ランキングという形で公表しています。水質ランキングは、109水系の164河川について、水の汚れを示すBODという値があるんですが、その値が小さい順に順位づけしております。昨年の調査結果によりますと、最も水質が良好とされた河川は、委員からお話のございました高知県の仁淀川、島根県の高津川も含めて全部で12河川において、BODの値が0.5ミリグラムということで、同位になっています。ですから、1位の川が12河川あるということになっています。
ちなみに、当県の岩木川ですが、BODの値が昨年の値を見ますと1リットル当たり1.3ミリグラムということで、残念ながら135位という結果になっています。また、馬淵川につきましては、1リットル当たり1ミリグラムということで92位となってございます。
ただ、本当に汚い川というのはBODが5から10とかそういう数字になっていますので、岩木川、馬淵川についても格段汚いという状況にはないと理解しております。
79 ◯
相馬委員
残念ながら本県の川は入っていないということです。岩木川はダム等の管理もあるんだろうと思うんです。実は、過去に私1度だけ四万十川へ行きましたが、四万十川は日本一の清流だと言われておりまして、多少調べてみましたら、上流にダムがないんです。四国電力のダムがない。川に看板があって、ダム建設反対というものがありましたから、ああ、ここはダムはないんだなと。私も、この四万十川は、やはり清流は何としても大事だから、ダム建設反対ということで四国電力の株を買いましたが、余り下がりましたのでこの間売りました──これも原発の関係で──今また上がってきていましたけれども。
そんなことで、四万十川は、行ってみれば本当にきれいな川で、清流だと思っておりますが、あそこは広葉樹を伐採して針葉樹を植えたために、雨が降れば土が流れて、それが玉石の上に乗ってしまうわけですからアユの産卵もできない。ブルドーザーを入れて、ならしてやるとアユが産卵するということですから、そういう意味では日本一の清流には、やはりならないんだなと思っております。
よく言われるんです。何で四万十川はと、こう言われますが、そのときは私は高知県にかわって、なぜ清流にならないかを説明しておりますが、川がきれいだと放映されますと、その地域のイメージはやっぱり高まりますよね。今はどうしても汚れている川が多くなっているので、何とか岩木川、馬淵川も──馬淵川の方が順位は上だからね──頑張ってもらえればいいのではないかなと思います。
80
◯熊谷委員長
ほかに質疑はありませんか。──松尾委員。
81 ◯松尾委員
私からは、今報告いただきました津波の浸水予測図の公表についての資料を見ながら1点要望と質問をさせていただきたいと思います。
今、
越前委員からもお話があって、防潮堤などの整備を県のほうでしっかりやるべきだという話がございました。私は、程度の差こそあれ、やはり県は一歩も二歩も踏み込まなければならないと思っています。というのは、震災が起こる前に県議会の中でも津波対策の質問はたびたびあったと思っています。
その際に、岩手県側のほうは階上町と接するあたりまで──確かに今回の津波には間に合いませんでしたが──低いながらも防潮堤がありました。ところが階上に入ってきたとたんに全くなくなる。そのことを県に以前問いただしたときに、青森県は逃げることをまず第一に考えてやっていくんだという話がありました。
そうはいっても、今この資料を見ますと、東通村であれば津波の到達時間は6分から8分、階上町であれば13分から15分。この5分、10分のところで津波が来ることを考えれば、100%は防げなくても、津波の到達する、要は逃げるまでの時間を稼ぐということも考えた対策を踏み込んでやっていただきたいというのが1点要望です。
もう一つ、今回の浸水予測で示された大変範囲の広い面積がありますが、その中に、実際に被災した場合、避難所として使われる集会所なり公民館なりが恐らく結構出てくるんだと思います。避難をする場所がそこにあるというのは、やはりこれから考えていかなければならないところだと思うんですが、その部分について、今の防災計画や防災公共という考え方を持ったときに、どういった対策を県で考えているのかお伺いしたいと思います。
82 ◯白川河川砂防課長
松尾委員からのお話ですが、最初にございました6分から8分という数字ですけれども、下のほうに津波影響開始時間と書いてございます。この6分から8分というのは、津波が来る前に引き波がございますが、その引き波が20センチ下がるときの時間です。上段に書いている37分から39分という数字が、一番大きい、例えば東通であれば10メートルの波が押し寄せる時間を示しています。
2つ目のお話ですけれども、この浸水区域を今回示しました。これに基づきまして、市町村では避難場所などを浸水区域外に移すとか、そういう計画をこれからつくっていくことになります。よろしいでしょうか。
83 ◯松尾委員
その計画をつくるときにどういった措置があるんでしょうか。
84 ◯白川河川砂防課長
財政的な措置とかそういうお話になりますと、我々県土整備部の部署から離れまして総務省の管轄となりますので、我々のほうでは今現在承知しておりません。
85 ◯井上整備企画課長
今、松尾委員から防災公共というお話も出ましたので、当課では、防災公共を進めているわけですが、これは人命を最優先に、逃げるという発想をベースにして進めることとしております。そして、この中で私たちは、最適な避難所とか避難経路を、今回の最大クラスの地震の津波の浸水区域をもとに、原則的にはその外にまず候補地を検討してみる。そして、そこに行くための経路もあわせて検討する。そして、そこに行くためにどれくらい時間がかかるのか、津波が来るまでに間に合うのかとか、そういう検討を防災公共のワーキンググループでやるわけですが、これを県と市町村が一体として検討していく予定になっております。
86 ◯松尾委員
時間のとらえ方でちょっと御指摘をいただきました。10分が40分なり30分なりということに変わるんですが、それにしても逃げるという部分で、
越前委員からも、車での避難、道路の整備云々という話もございました。ただ、道路はやはり緊急車両などが通るためにあけなければならないんだと思います。一般の住民は、やはり歩いて逃げることを前提に、逃げる場所の確保ということもこれから必要になってくるんだと思います。ですので、その時間と津波の高さのこともありますが、井上課長も言っていましたけれども、逃げる前提の部分もこれから十分検討されて、市町村とともに、予算の確保、そういったものにもしっかりと踏み込んで頑張っていただきたいなと思います。
87
◯熊谷委員長
ほかに質疑はありませんか。──渋谷副委員長。
88 ◯渋谷委員
それではまず、きょうの報告事項に対して1つ質問させていただきたい。
この地図を見まして、南海トラフでも同じように20メートル、30メートルの津波ということで、
地域住民の方々に対して非常にショックを与える結果をもたらして、この青森でも同じように高い津波、最悪の場合でしょうけれども、想定されているわけです。赤く色分けして、どこまで浸水するかはっきり写っているわけですけれども、これを見ますと、将来的に果たしてここに住んでいけるのか、もしかしたら津波が来るんじゃないかと、そういうことが、最悪の場合の想定といってもあるわけです。その場合、今後の
都市計画に対して何らかの影響が想定されるのかどうかお伺いいたします。
89 ◯三橋
都市計画課長
現段階では、まだどうなるかわからない状況でございます。今発表されたばかりですので、南海トラフとか、他県でのそういう津波の情報で
都市計画をどのようにしていくかもまた情報収集しながら検討してまいりたいと思います。
90 ◯渋谷委員
私は、これを見たとき、赤とかピンクとか、資料に基づいて色分けされていますが、この辺の地価はどうなるのかと大分気になりまして、もう既に南海トラフでは発表されてしばらくたっているわけですけれども、そういう事例の調査を行っているのかお伺いします。
91 ◯白川河川砂防課長
本県では、平成18年から20年度にも一度、津波の想定をしてございます。そのときは、確かに今の高さよりは低いんですけれども、7メートルとか8メートルの津波の高さで八戸市の一部やおいらせ町が浸水するということを公表しているんですが、そのときには特に地価に影響などはございませんでした。
基本的に今回津波の予測図を公表したことによって、避難警戒体制が整備され、また充実していくとか、
地域住民の防災意識が高まっていくとか、そういう災害に強いまちづくりがこれから進められていくと思いますので、地価については余り今回は考えてございません。
92 ◯渋谷委員
南海トラフで被害が想定される地域も、これからいろんな動きが出てくると思います。本県でもはっきりと色分けされていますので、今後の
都市計画に影響があるのは当然だと思いますし、そういった基本的な情報として、ぜひ今後の地価の動向も踏まえながら追っていただければなと思います。
以上、要望で終わります。
それでは、最後に
所管事項ですが、青森空港有料道路についてお伺いします。
一般質問で青森空港有料道路、次期期間内には返済不可能であるというお話がありました。それを受けて、過去3年間の収支の状況と今後の債務の返済の見込みについてお伺いします。
93 ◯佐々木道路課長
青森空港有料道路の過去3年間の収支状況についてですが、平成21年度は収入約3億4,000万円に対して支出約1億7,000万円で約1億7,000万円の黒字、平成22年度は収入約2億7,000万円に対し支出1億2,000万円で約1億5,000万円の黒字、平成23年度は収入約2億7,000万円に対し支出約1億4,000万円で約1億3,000万円の黒字となっております。
道路公社としては、中期経営プランに基づき、経費縮減や利用促進に努めてきたところで、新たにプリペイドカードの導入や道路維持工事、料金徴収委託に複数年契約を導入するなど、さらなる経費縮減に努めているところでございます。
青森空港有料道路の平成23年度末の債務残高は約22億円となっており、前年度と比較して1億4,000万円の債務を削減しておりますが、現在の償還ペースでは、平成29年7月の料金徴収期限までに債務を解消することは困難な状況でございます。
県としては、公社の経営状況を把握しながら、債務の着実な償還に向けて指導、助言を行ってまいりたいと考えています。
94 ◯渋谷委員
プリペイドカード導入ということでしたけれども、プリペイドカードを導入することによって非常に利便性も高くなると思うんですが、現在はチケットでやっておりますが、これは近い将来、全面的にプリペイドカードに変えるという認識でよろしいんでしょうか。
95 ◯佐々木道路課長
プリペイドカードは利便性と収益の関係で導入したものですが、今のチケットもすぐになくすということではなくて、しばらく併用していきたいと考えてございます。
96 ◯渋谷委員
平成29年度の償還時期が来ても債務残高があるということで、どのくらいということは話しましたか。大体幾ら残るんでしょうか。
97 ◯佐々木道路課長
平成29年度につきましては、今の状況で年1億4,000万円程度の償還をしてございますので、平成29年7月には、現時点では残り約14億円程度残るものと想定されております。
98 ◯渋谷委員
そうすると、償還時期が来たときで14億円程度残っていて、徴収料金で返済していくためには10年程度のさらなる期間が必要だと。逆に言うと、続けさえすれば返済は不可能ではないということだと思うんですが、この平成29年度の償還時期が来たときに、県としてその時点で想定される債務の処理法についてお伺いします。
99 ◯佐々木道路課長
委員御指摘のとおり、このままの推移でいきますと、平成29年の7月の時点では約14億円の債務が残ると思います。選択肢といたしましては、債務が完済するまで料金徴収期間を延長するケースと、平成29年7月で料金徴収を終了して無料開放するケースの2つが考えられると思います。
いずれにしましても、本来、有料道路の建設費等の借入金は利用者から徴収する利用料金で償還するものであることを踏まえまして、債務を最小限にするために公社に対して引き続き指導、助言を行っていきたいと考えてございます。
100 ◯渋谷委員
いずれにしても14億円程度残るということで、もっと早く返していくためには、やはり収入増と経費削減、この両面に尽きるわけです。収入増に関しましては、私がお願いしているのは、これからの債務の返済見通しを県民、利用者に示していただきまして、もっともっと使っていただければそれだけ返済が早まって、無料化時期も早まると、そういう告知をぜひしていただきたいと思います。
経費削減に関しましては、今、夜中は無人化し、料金徴収していないわけです。これが、機械化になれば24時間徴収でき、また、人件費も削減できるのかどうかちょっとわかりませんけれども、そういうこともありますので、さらなる削減の
取り組み、ぜひ行っていただきたいと、以上を要望して終わります。
101 ◯
相馬委員
今の質問に関連してちょっとお聞きしますけれども、この借入金の借り入れ期間はどのぐらいになっているんですか。
102 ◯佐々木道路課長
この有料道路につきましては30年を目途に借り入れて、その30年で償還できるという計画のもとに今までやってきたということでございます。
103 ◯
相馬委員
そうしますと、結局計画は過大であったと──もっと収入が入っている予定で、それで返済するという計画だったんでしょう。大体県庁だの、そういうところでやるものは、大体計画がだめなんです。いい計画をつくらなければ。そしてこれは議会の皆さんの賛同を得なければならないという妙な考え方があるんです。これは予定どおりいかない、それに対して何か対策を講じてきたんでしょうか。毎年のように1億二、三千万円の利益ができるわけですから。借金の返済でなかなかうまくいかないと──そして14億円も債務が残るということになっている、その点について伺います。
104 ◯佐々木道路課長
コスト削減の
取り組みは今までも相当進めてきています。まず、役職員の給与削減ということで平成19年度から3%から9%削減する、それから、繰り返しになりますけれども、道路維持保全と除雪の業務を包括発注して、さらに24年度からは3カ年の複数年契約ということで諸経費が相当圧縮されたこと、それから、料金徴収業務も3カ年の複数年計画ということで、さまざまなコスト縮減をしてございます。
105 ◯
相馬委員
民間だったら恐らく3%程度ではないです。やはり償還期限が来てまだ14億円残るということは、全く経営として成り立っていない。だめなんです。大体県がかかわって計画を組んでいるのは、みんなそんな筋になっているし、青い森鉄道だってきっとそうだと思うんです──これから調べますけれども。ですから、やはり県民には、この期間で借金を背負って、そして返済しますよということを言っているわけだよな、議会で。議会で言っているということは県民に言っていることですから、余りずれたりすることは──さらに10年もずれるということですから。計画を組むときもきちっと計画を組んで。そうでないと、しょっちゅうこういうことが出てくるわけです。何もこの道路の問題だけではない。そういうことで、きちっとこれから──これからと言ってもあと10年、平成29年になって10年でしょうけれども──常に経費を節約して償還額をふやしていく努力をしないと、計画では別にいいんでしょうけれども、計画どおり収入が入ってこない、経費はかかる、借金は返せないということで14億円も残るということですから、これからはそういうことのないように。なかなか国の財政だって県の財政だって苦しいわけです。今は非常に不景気であります。物も売れない。ですから、いくら宣伝しても、あそこに200円払うのは嫌だと、別な道路を通っています。私は一度、別な道路を通る車に乗せられました。有料ではないのかと言っても、いや、ここを通れば無料ですって、みんな、なかなか細かくなっています。その点を十分考えながら、なかなか収入がふえないとすれば、経費の節約を図らないと返済財源が出てきませんから、そういうことでやっていただきたいと思います。要望しておきます。
106
◯熊谷委員長
ほかに質疑はありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
ないようでありますから、これをもって審査を終わります。
次に、お諮りいたします。
当委員会に付託されております特定付託案件について、さらに継続審査とすることに御異議ありませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]
異議なしと認め、さよう決定いたしました。
なお、委員長報告の作成については本職に御一任願います。
以上をもって
建設委員会を終わります。
○閉 会 午後 1時58分
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