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平成24年第271回定例会(第5号) 名簿 開催日: 2012-10-01
平成24年第271回定例会(第5号)  本文 開催日: 2012-10-01

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  1. 青森県議会 2012-10-01
    平成24年第271回定例会(第5号)  本文 開催日: 2012-10-01


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(西谷 洌) ただいまより会議を開きます。    ──────────────────────       ◎ 新 任 者 紹 介    ────────────────────── 2 ◯議長(西谷 洌) 新任者の紹介をいたします。──豊川好司教育委員。 3 ◯教育委員(豊川好司) 本日、十月一日付で県教育委員会委員を拝命いたしました豊川好司と申します。  微力ですが、県教育の振興、展開について誠心誠意尽くす所存でございます。簡単ですが、御挨拶といたしますが、どうぞよろしくお願いいたします。 4 ◯議長(西谷 洌) 町田直子教育委員。 5 ◯教育委員(町田直子) 本日、十月一日付で県教育委員会委員を拝命いたしました町田直子と申します。  微力ながら、青森県の子供たちのために精いっぱい努力をする所存でございます。議員の皆様方には御指導、御鞭撻のほど、ぜひどうぞよろしくお願いいたします。 6 ◯議長(西谷 洌) 暑い折から、上着を脱いでもよいことにいたします。    ──────────────────────       ◎ 一 般 質 問 継 続    ────────────────────── 7 ◯議長(西谷 洌) 一般質問を継続いたします。  三十八番越前陽悦議員の登壇を許可いたします。──越前議員。 8 ◯三十八番(越前陽悦) おはようございます。私は、自民党の越前陽悦でございます。  順次、質問通告に従い質問を行いますので、知事初め各部長、教育長におかれましては、具体的かつ明快なる御答弁を賜りますようお願い申し上げる次第であります。  さて、このたびは、台風十七号によりまして日本列島が大被害を受けました。被災をされました方々に対し、心からお見舞いを申し上げる次第であります。  それでは、まず、政府の革新的エネルギー・環境戦略に係る枝野経済産業大臣からの説明についてお尋ねいたします。
     去る九月十四日に決定された革新的エネルギー・環境戦略については、二〇三〇年代に原発稼働ゼロと言いながら、六ヶ所再処理工場はそのまま事業継続との説明は、相矛盾する内容であり、納得できるものではありません。本県は、長年にわたり、国策として国の原子力政策に協力してきており、原子力船「むつ」の母港が大湊に決まってから、はや四十五年になろうとしております。その後、二回のオイルショックを経て、原子力発電は脱石油依存の主力となりましたが、東通原発、大間原発、六ヶ所村の原子燃料サイクル施設、むつ市の使用済み燃料中間貯蔵施設と、それぞれに地域を、あるいは県を二分するような議論の中でこの受け入れを決めてきたのは、こうした施設が国家存立の基盤をなすエネルギー政策上重要な施設であり、エネルギー資源の乏しい我が国の置かれている状況を踏まえ、地域として、青森県として国策に協力しなければならないとの理解からでありました。  しかしながら、この国策が、今や根本からぶれてしまっている状況であります。さすがにこの状況に危機感を覚えたのか、関係する諸外国からも政府の対応をただす動きがあったと報じられましたが、国家としてまことに恥ずかしい状況と言わざるを得ません。  現在の民主党政権におきましては、国家としてエネルギー政策を決める上で、その目的、制約条件、施策間の相互の関連性、何一つ真剣に考えていなかったのではないかと疑問を抱かせるところでございます。このことから、本来であれば国に対して問題点をただしたいという気持ちを抑え切れないのでありますが、一般質問でありますので、この思いを知事に託し、今後とも国に対し強く訴え、さらに働きかけていかなければならないという思いから、次の五点について質問をいたします。  まず第一点は、使用済み燃料問題についてであります。  知事は、新大綱策定会議の場などで覚書の存在を訴え、さきの六ヶ所村議会の意見書でも使用済み燃料搬出について触れられておりました。報道では、六ヶ所再処理工場から使用済み燃料が返送された場合、各発電所において発電の継続が困難となることをもっておどしをかけたなどと扱われ、地域の思いが理解されないもどかしさを感じるところであります。また、イギリス、フランスからの返還廃棄物についても、六ヶ所村議会の意見書にあるような搬入拒否の事態となれば、国際問題に発展することは必至の状況であると想像するところであります。  そこで、今後、各原子力発電所から搬入される使用済み燃料及びイギリス、フランスから我が国へ返還される廃棄物の受け入れについての県の基本的な考え方についてお伺いいたします。  第二点は、むつ市に建設中の使用済み燃料中間貯蔵施設についてであります。  中間貯蔵施設は、そもそも年間の使用済み燃料発生量が六ヶ所再処理工場の処理能力を超える状況を踏まえ、再処理されるまでの間五十年間を限度に貯蔵するという施設であるはずであります。再処理を前提に許可されていることに約束は守るということは大臣も発言しておりますが、五十年後に再処理されることと二〇三〇年代原発ゼロとは整合性が全くありません。  そこで、大臣は、中間貯蔵施設の位置づけや原発ゼロの場合の整合性についてどう説明されたのかお伺いいたします。  第三点は、あわせて、このことは六ヶ所再処理工場に搬入された使用済み燃料についても同様でありますが、再処理を前提に搬入されたものが、政策が変わったから今後は直接処分対象となるというのでは搬入を認めるわけにはいきません。  そこで、中間貯蔵施設の使用済み燃料が再処理されないとなった場合の対応について県の見解をお伺いいたします。  第四点は、原子力発電所の運転期間と新増設の扱い、さらに二〇三〇年代ゼロとの関係の問題であります。  枝野大臣は、着工済みの発電所は許可について変更するつもりはないと述べたとのことでありますが、運転を認めるかどうかは原子力規制委員会の判断であり、これらの発電所は、四十年間運転すれば二〇五〇年代に達することになります。四十年間運転の原則と二〇三〇年代ゼロのどちらが優先するのか、極めて不透明かつ曖昧であると私は考えます。  そこで、着工済みの大間原発、東京電力東通原発一号機の運転期間について県はどのように受けとめているのかお伺いいたします。  第五点は、最終処分地についてであります。  青森県を最終処分地にしないとの約束は厳守すると枝野大臣が発言したとの報告がありましたが、国の政策が揺るぎなく継続されるということについて、国民の信頼が得られてこそ、処分場候補地となる地域の人々が、その立地の是非について議論できるような素地ができ上がってくるものだと私は考えます。政府の発言が常にぶれている状況にあって、最終処分地選定の見通しについては不安な状況が続いていると私は感じているところであります。  そこで、最終処分地にしないとの約束は厳守する旨の大臣発言について県はどのように受けとめているのかお伺いいたします。  次に、本県の雇用対策の取り組みについてお尋ねいたします。  去る九月二十八日に青森労働局から発表されました本県の八月の有効求人倍率は、前年同月に比べて〇・一七ポイント上回り〇・五九倍と、いずれも昨年の同じ時期に比べ、雇用情勢については改善の傾向がうかがえますが、依然として低い情勢にあると私は認識しております。  そこで、若年者の雇用対策についてでありますが、第一点は、高校、専門学校、大学等の新卒者の雇用対策について、これまでの取り組みと今後の対応についてお伺いいたします。  第二点は、若年者の雇用対策のこれまでの取り組み状況と本年度実施している若年者定着・正規雇用化促進支援事業の内容についてお伺いいたします。  次に、中高年齢者の雇用対策についてであります。  離職されている中高年齢者の再就職についてはさらに厳しいものがありますが、一家の家計を支える年代の方々であり、早期の再就職は非常に重要なことであります。中高年齢者の雇用対策について、県としても積極的に取り組んでいただいているところでありますが、中高年齢者の雇用対策のこれまでの取り組み状況と本年度実施している働き盛り世代、就業促進支援事業の内容についてお伺いいたします。  次に、県立特別支援学校高等部生徒の就職に向けた取り組みについてであります。  私は、平成元年から平成十一年まで青森県特別支援学校PTA連合会会長として、それ以降は顧問として障害のある子供たちの健やかな成長のため、歴代教育長を初め、学校とPTAの連携をとりながら、今日に至るまで精魂を込めてその期待に応えるべく努力をしてきたところでございます。  この間、県教育委員会におかれましては、特P連の立場からさまざまな要望を行ってきたところであり、その中で本県の特別支援学校における高等部の設置や高等部の訪問教育の制度化に向けた取り組みなど、高等部教育の充実について取り組まれ、近年においては、県立むつ養護学校や県立七戸養護学校に肢体不自由の子供たちが通うことができるようになったこと、また、県立青森若葉養護学校に高等部が設置されたことなどについて取り組まれ、着実に実現を図ってまいりましたことに対し、心から敬意を表するものであります。  しかしながら、近年の厳しい雇用情勢の中にあって、生徒の就職環境は依然として厳しい状況にあります。生徒の自立と社会参加のためには社会全体が積極的に支援していくことが重要な課題であり、障害のある方もない方もともに生きる社会の実現を図ることが私どもに与えられた永久的な課題であります。  そこで、次の二点について質問いたします。  第一点は、今春三月に県立特別支援学校高等部を卒業した生徒の進路状況についてお伺いいたします。  また、高等部生徒の就職を実現していくためには、労働力と生活力の向上をいかに図るか、そのためには、学校、保護者、地域における労働及び福祉等の関係者が一体となって支援することが重要であると考えます。  そこで、第二点は、県立特別支援学校高等部卒業生に対する就職支援対策のこれまでの取り組み状況と今後の取り組みについてお伺いするものであります。  次に、障害者の雇用対策についてであります。  これまで、私たちは長年にわたり、県に対し、公的機関への障害を持つ方々の就職率について陳情を行ってまいりました。知事部局においては、平成九年度から平成二十三年度まで三十八人の方々を採用していただいておりますことに対し、心から感謝を申し上げる次第であります。しかしながら、依然として民間企業における雇用率は低い状況にあります。  そこで、障害者の雇用対策のこれまでの取り組み状況と本年度実施している障害者雇用促進ステップアップ事業の内容についてお伺いいたします。  次に、緊急雇用創出対策事業についてであります。  有効求人倍率が回復傾向にあるのは、この事業による雇用創出効果が大きいものと私は認識しております。  そこで、これまでの取り組み状況と今後の取り組みについてお伺いいたします。  次に、陸海空自衛隊への県内学卒者の入隊状況と効果についてお尋ねいたします。  本県は、東京都を除けば唯一の陸海空三自衛隊の所在地であり、県内には約一万四千人の隊員が所在しております。自衛隊は、国を守り、北方の守りのため日夜御尽力をなされ、また、昨年三月に発生した東日本大震災においては、各関係機関とともに被災者の救済、行方不明者の捜索並びに復旧・復興に大きく貢献されたところであり、心から敬意を表するところであります。  本県の雇用環境は非常に厳しい状況にありますが、自衛隊員は本県人口の約一%、就業人口では約二%を占め、毎年、県内から多くの新規学卒者が入隊をしており、雇用並びに県内における経済への波及効果はまことに大なるものがあります。  そこで、県内学卒者の県内に所在する陸海空自衛隊の入隊状況と募集に係る県の取り組みについてお伺いいたします。  次に、大規模自然災害や原子力災害時における避難のあり方についてお尋ねいたします。  大規模な自然災害や原子力災害等が発生した場合においては、陸路のみならず、海路、空路の全てを活用した迅速な避難をすることが必要であります。特に、下北半島は、国道が寸断されれば、海路と空路による避難しかできなくなる陸の孤島となることが懸念されます。  例えば海路では、陸海空自衛隊が所在する青森県として、自衛隊を初めとする防災関係機関と連携をし、海上自衛隊の護衛艦、空路では、県並びに県警に加え、自衛隊のヘリコプターも必要となることが考えられます。  そこで、次の二点について質問いたします。  第一点は、大規模な地震、津波や原子力災害が発生した場合に備え、陸海空自衛隊が所在する青森県として、自衛隊を初めとする防災関係機関が連携をし、陸路、海路、空路全ての経路を考慮した避難対策について、具体的にはどのような検討を進めているのかお伺いいたします。  第二点は、原子力災害が発生すると、その影響は広域的、長期的に及ぶため、市町村・地区単位でのきめ細やかな避難計画等の策定と県並びに関係市町村との連携が必要と考えますが、その取り組み状況についてお伺いいたします。  次に、東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所事故や今年二月の下北半島の国道二七九号などで発生した大雪害を踏まえ、防災の観点における避難道路、避難経路の整備並びに確保についてお尋ねいたします。  最初に、下北半島縦貫道路についての質問であります。  下北半島縦貫道路は、御承知のとおり、地域間の交流と連携を支え、かつ、広域的な避難、物資の輸送など防災機能の強化の観点からも非常に重要な社会基盤であります。現在、野辺地インターチェンジから野辺地北インターチェンジまでの約十三キロが供用され、今年度末には有戸北バイパスが完成供用すると伺っております。これにより六ヶ所インターチェンジまでの約十九・五キロメートルが供用されることとなるわけであります。  そこで、下北半島縦貫道路の整備状況と今後の具体的な取り組みについてお伺いいたします。  次に、むつ南バイパスについての質問であります。  全体計画では、平成十五年度に事業着手をし、総延長八千七百メートル区間を総事業費百二十二億円で整備する計画と伺っております。平成二十三年度までに新田名部川の下部工が完成をし、平成二十四年度におきましては、十三億円の事業費により用地取得、改良工事に取り組まれているところであります。  そこで、むつ南バイパスの今年度の進捗状況と今後の具体的な取り組みについてお伺いいたします。  次に、国道二七九号の国直轄管理区間への編入についての質問であります。  県は、復興プランにおいて国への要望事項として取り組まれているところであります。  そこで、国直轄管理区間への編入に向けて、県として今後どのように取り組んでいくのか、その取り組みについてお伺いするものであります。  次に、国道二七九号二枚橋バイパスについての質問であります。  全体計画では、平成八年度に事業着手いたしまして、総延長四千百メートル区間を総事業費五十三億三千万円で整備する計画で取り組まれておりますが、二枚橋一号橋の九十・七メートルは、平成十九年度に既に完成しておりまして、ハーモニー橋と名づけられておりますことは御案内のとおりであります。平成二十三年度までに二号橋の百六十八メートルにつきましては、下部工五基のうち四基が完成し、三号橋の七十八・五メートルについては、三基のうち二基が完成しております。  そこで、国道二七九号二枚橋バイパスの進捗状況と今後の具体的な取り組みについてお伺いいたします。  次に、国道三三八号大湊二期バイパスについての質問であります。  これまで何度も機会あるごとに質問してまいりましたが、大湊水源池公園をまたぐ千二百二十メートルの区間につきまして既に完成しておりますことは、県並びに関係者の御尽力のたまものであり、心から敬意を表するところであります。  桜木町側の一工区約一キロメートルと大湊浜町側の二工区約二・六キロメートルの区間において、全体計画三千六百七十メートル、総事業費二十四億九千七百万円で、平成二十年度にようやく着手をして、平成二十三年度まで用地測量、調査設計、一部用地取得に取り組まれてきているところでございます。  本路線は、まさに原子力船「むつ」の就航に伴い、現在の克雪ドーム向かい側に母港があった際に、避難道路として着手された路線であります。今、「みらい」にかわった時代にあっても、いまだこの道路が完成されていないということは、地域住民一同、まことに遺憾に思っているところであります。本路線は、まさに西通りの幹線道路として迂回路がない一本道路のため、災害時の避難時においても多大なる支障を来すおそれがあり、早期の完成に多大なる期待が寄せられております。  そこで、国道三三八号大湊二期バイパスの進捗状況と今後の具体的な取り組みについてお伺いいたします。  次に、国道三三八号白糠バイパスについての質問であります。  本事業については、昭和六十二年に、全体計画六千六百八十メートル区間において総事業費八十五億円で整備することとし、事業着手されてきたものであります。これまで一期工区三千八百三十メートルの白糠地区の道路橋梁工事が完成をし、白糠─泊区間のトンネル工事が年内に完成すると伺っております。県並びに関係者の並々ならぬ御尽力と御努力に対し、心から敬意を表する次第であります。あわせて、地権者の方々に対しましても敬意を表するものであります。  そこで、国道三三八号白糠バイパスにおける一期工区の完成見通しと二期工区の今後の取り組みについてお伺いいたします。  次に、国県道が被災した際の農道の活用についての質問であります。  今年二月の下北半島の国道二七九号などで発生した大雪害時に県民の命を守ることができたのは、地域住民の手厚い協力、県やさまざまな関係者を初めとした御尽力とともに、代替避難道路として農道を活用できたことにあります。下北地域は面的道路整備が依然としておくれており、一刻も早い整備が必要でありますが、現時点では既存の道路を活用した避難方法の検討が求められております。  そこで、国県道が被災した際の代替避難道路として農道も活用すべきと考えますが、県の取り組みについてお伺いいたします。  次に、ドクターヘリの運航体制についてお尋ねいたします。  本県ドクターヘリは、平成二十一年三月に、八戸市立市民病院を基地病院として運航を開始し、平成二十三年四月からは、県立中央病院と八戸市立市民病院の二病院による共同・分担運航を開始いたしました。  この結果、津軽地域、下北地域などからの要請が大幅に増加したことなどを受け、知事は、県内医療関係者の議論を踏まえつつ、本県の救急・災害医療体制の充実のため、できるだけ速やかに複数機導入を目指して取り組むと決定したところであります。  私も、昨年度、環境厚生委員会の委員長として青森県医療審議会に出席をいたしてまいりましたが、この医療審議会において二機体制が必要との意見が取りまとめられたことから、これを受けて知事が二機体制運用を実施するとの最終的な判断を行ったと伺っているところであります。  その後も、知事は、国に対し国庫補助金に係る要望を行うなど、積極的に二機体制運用の開始に取り組んでまいりました。その結果、まさに本日、二機体制運用の開始を実現されましたことは、まことに喜ばしい限りであります。  そこで、次の三点について質問いたします。  第一点は、二機体制運用の開始に向けたこれまでの取り組み状況についてお伺いいたします。  第二点は、二機体制運用について、具体的にはどのような内容での運用をこれから行っていくのかお伺いいたします。  第三点は、北東北三県の連携が今後必要不可欠と考えますが、その進捗状況と具体的な内容についてお伺いいたします。  次に、県内自治体病院における医師確保対策についての質問であります。  昨今、自治体病院における医師不足の問題は、依然として本県のみならず、全国的に深刻な状況となっております。本県では、特に産婦人科、小児科、麻酔科などの医師不足が深刻であると言われておりますが、日常の診療の中心となる内科医や外科医も不足しており、医師不足の解消は県政の最重要課題となっております。  そうした中、本県では良医を育むグランドデザインを平成十七年に作成し、知事みずからが先頭に立って医師の確保に尽力されてこられましたことは、私といたしましても十分認識をしておりまして、高く評価するところであります。医師の養成には長い年月を要するところでありますが、県のこれまでの医師確保に向けた取り組みにより、将来的に県内勤務を志す医学生は着実に増加していると聞いており、将来的な医師不足の解消に向けての道筋は見えてきたものと思っているところであります。  しかしながら、私は、その道筋をより確かなものとするためには、県内勤務の志を持って入学した医学生に、大学卒業後、確実に医師として県内に残ってもらうことが前提であると考えるものであります。したがって、今後は、そうした医学生が一人でも多く医師として青森県に残り勤務するように、きめ細かにフォローアップしていくことが重要になるものと考えます。  そこで、次の四点について質問いたします。  第一点は、平成二十二年二月定例会でもお伺いしたところでありますが、県内自治体病院における主な診療科として、内科、外科、産婦人科、小児科、麻酔科及び脳神経外科の医師不足の状況についてお伺いいたします。  第二点は、本県の医師確保に係るこれまでの取り組みと主な成果、今後の取り組みについてお伺いいたします。  第三点は、医師不足解消のためには、臨床研修医の確保のほか、臨床研修終了後の県内定着が重要な課題と考えておりますが、その現状並びに課題と取り組みについてお伺いいたします。  第四点は、県外で活躍している本県出身医師を県内に招聘するU・Iターン医師の確保について、これまでの取り組みと今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  次に、本県のがん対策についてお尋ねいたします。  県においては、平成二十年に青森県がん対策推進計画を策定し、がん罹患状況の分析、がん診療連携拠点病院の機能充実、喫煙対策等、がんに関するさまざまな取り組みを進めているところでありますが、本県のがんの年齢調整死亡率はやや減少傾向にあるものの、全国の八十四・三人に比べてはるかに高い百一・一人と全国ワースト第一位であります。  国では、本年六月に、平成二十四年度から平成二十八年度までの五カ年を対象とした新たながん対策推進計画を策定しており、県では、国の新計画を踏まえて、今年度、本県のがん対策の基本となる青森県がん対策推進計画の見直しを行っていると伺っております。また、国の新計画では、重点的に取り組むべき課題として小児へのがん対策の充実を追加し、五年以内に小児がん拠点病院を整備するとしたところであります。  そこで、次の三点について質問いたします。  第一点は、これまでの本県におけるがん対策の成果と課題についてお伺いいたします。  第二点は、国の新たながん対策推進基本計画の概要と県計画の見直しにおける方向性についてお伺いいたします。  第三点は、国の新たながん対策推進計画では五年以内に小児がん拠点病院を整備するとされておりますが、指定要件等がどのようになっているのかお伺いいたします。  次に、障害児療育の充実についてお尋ねいたします。  県では、県立中央病院のNICUの満床状態や県立医療療育センターの医師不足とベッド不足、老朽化といった課題を踏まえ、重い障害を持った子供たちが、周産期医療から療育の場まで安定的に医療・療育、福祉サービスを受けられる体制づくりを目的として、青森県域の地域医療再生計画を平成二十一年度に策定されてきたところであります。同計画の趣旨にのっとり、県立あすなろ医療療育センター及び県立さわらび医療療育センターの両施設について、施設利用者の皆様方からの意見を集約し、将来の両施設の施設機能及びサービス内容を明確にするため、平成二十三年三月に青森県立医療療育センター整備基本構想を策定されたところであります。同計画及び構想に基づき、国立病院機構青森病院では医療ニーズの高い重度心身障害児に対する専門的な医療を中心的に担い、あすなろ医療療育センターは有床診療所を併設した福祉施設に、さわらび医療療育センターは無床診療所を併設した福祉施設に転換し、肢体不自由児及び重度心身障害児者のための必要な療育、福祉サービスを提供しつつ、地域の身近な各サービスの拠点として在宅支援機能を強化していくこととなっているところであります。  あすなろ、さわらび両医療療育センターの機能転換のため、平成二十四年度から平成二十五年度の継続事業として、あすなろ医療療育センターは三億円余、さわらび医療療育センターは五億五千万円余の改修工事に係る予算を計上されているところであります。このほか、基本構想では、あすなろ医療療育センターに障害児歯科診療科を開設することとなっております。障害児を対象とした歯科診療所の開設は、特別支援学校PTA連合会が長年にわたって要望してきたものであり、特P連として、また、保護者の方々より非常に高い評価をいただいているところであります。  そこで、二点について質問いたします。
     第一点は、平成二十四年度から二十五年度の継続事業として取り組まれているあすなろ、さわらび両医療療育センター改修工事の概要と今後の取り組みについてお伺いいたします。  第二点は、あすなろ医療療育センター障害児歯科診療科開設に向けて、今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  最後に、学校におけるいじめ問題の対策についてお尋ねする予定でありましたが、この問題については、今定例会で多くの議員から質問が出されており、既に教育長から明快な答弁をいただいておりますので、私は質問を割愛させていただき、要望のみにとどめさせていただきます。  このいじめ対策には、何よりも早期の状況把握並びに早期の具体的な対策が必要であると考えますので、教育委員会としてしっかりと取り組んでいただきますよう強く要望いたしまして、以上、壇上からの一般質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。 9 ◯議長(西谷 洌) 知事。 10 ◯知事(三村申吾) おはようございます。越前議員にお答えします。  まず、私からは、革新的エネルギー・環境戦略の関連でございますが、各原子力発電所から搬入されます使用済み燃料、また、英仏からの返還廃棄物に対しましての県の基本的な考え方であります。  今般の戦略では、引き続き従来の方針に従い再処理事業に取り組むとされており、枝野経済産業大臣からは、今回、核燃料サイクル政策について何らかの変更をしたものではなく、核燃料サイクルの政策的意義、必要性は変わらない旨の発言があったところです。  私としては、原発ゼロの場合の課題について具体的な解決の道筋が明確ではないと受けとめておりますが、現実的に進められている核燃料サイクル政策に変更はないとの国の方針が明確に示されましたことから、従来どおりの対応をすることになると考えております。  下北半島縦貫道路の整備状況と今後の取り組みでございますが、道路は県民生活や社会経済活動を支える最も基礎的な社会基盤でありますことから、これまでも着実な整備に努め、特に下北半島縦貫道路は下北半島地域の振興や防災機能の面から極めて重要であると考え、重点的な整備に努めてきました。  下北半島縦貫道路は、これまでに約十三キロメートルを供用しておりますが、現在、有戸北バイパス、吹越バイパス、むつ南バイパスの三工区、約二十一キロメートルの整備を進めております。このうち有戸北バイパスにつきましては、十一月十三日の供用開始に向けて鋭意工事を進めているところであります。  本バイパスの供用により、国道四号からむつ小川原開発地区に至る約十九・五キロメートルが一連の地域高規格道路で連絡されることとなり、下北半島地域の振興と防災機能の向上に大きく寄与することになるものと考えております。  私としても、これまで下北半島縦貫道路の未着手区間の早期事業化に向けて、国による積極的な関与を強く訴えかけてきましたが、東日本大震災等も踏まえ、今後とも県議会と一体となりまして、より一層強く国に働きかけてまいります。  医師確保につきましての取り組みと主な成果、今後でございます。  知事就任以来、青森県の医療を将来にわたって持続可能にしていくために多くの力を注いできた医師の確保と定着につきましては、着実に成果があらわれてきたと実感をしているところであります。  まず、本県出身の医学科進学者については、中・高校生に医師の魅力を紹介するガイダンスや医療施設見学会の実施など県の取り組みに加え、学力を高めるための教育委員会の事業実施など部局を超えた取り組み、さらには弘前大学の大規模な地域枠の設定等により、平成二十年度以降は全体で八十名前後、弘前大学は四十名前後と平成十六年度に比べ倍増し、その二十年度の入学者もあと一年半で卒業が見込まれるところまで来ております。  さらに卒業後、一定期間県内の自治体医療機関等で勤務することとなります弘前大学医学部生を対象といたしました修学資金の特別枠貸与者が、地域医療の現場にもう既に勤務し始めており、今後も順次、多くの卒業生の活躍が期待できる時期ともなりました。加えて、臨床研修医も平成二十年度以降六十名台と堅調に推移してきており、県外からの招聘医師も延べ三十一名を数えるまでになっております。  このように、知事就任以来、種をまき、丹精込めて育ててきたものが着実に成長してきており、これまで取り組んできました医学生の育成の段階から、地域医療の現場で活躍していただく次なるステージへと移ってきております。これらの医師が、県内の求められております分野、地域で勤務し、キャリアをデザインしていくよう、今後とも弘前大学、医師会、市町村等と連携を図りながら取り組んでまいります。  国の新たながん対策推進基本計画の概要と県計画の見直しの方向性でございます。  本県の平均寿命が全国最下位に低迷している中、がんは本県死因の第一位を占め、特に四十から五十歳台からの死亡率について全国との差が顕著となっており、県民が健やかで安心して生活するためには、がん対策の推進が喫緊の課題となっております。  国のがん対策推進基本計画では、新たに目指す社会として、がん患者を含む国民が、がんを知り、がんと向き合い、がんに負けることのない社会が示されました。また、全体目標として、従来のがんによる死亡者の減少、全てのがん患者とその家族の苦痛の軽減と療養生活の質の向上に加え、がんになっても安心して暮らせる社会の構築が盛り込まれ、重点的に取り組むべき課題には、働く世代や小児へのがん対策の充実が加えられたところでございます。  県では、平成二十年五月に青森県がん対策推進計画を策定し、現在、平成二十五年度からの新しい計画の検討を行っているところであります。見直しに当たりましては、がんによる死亡率改善に最も有効な対策を講じるため、さらなるがんの実態把握と分析、評価を踏まえた的を絞った戦略的な取り組みをより一層推進する方向性を持った計画とし、県民みずからが正しい知識を持つとともに、行政、県民、医療機関、研究機関等が一丸となって、体系的、計画的にがん対策に取り組むことが重要と考えております。  今後とも、がんと闘う青森、がんに負けない青森の実現に向けた取り組みを県民と協働して進めていく所存でございます。  私からは以上です。 11 ◯議長(西谷 洌) 総務部長。 12 ◯総務部長(中村 賢) 県内学卒者の自衛隊への入隊等の状況と募集に係る県の取り組みについてお答えを申し上げます。  自衛隊青森地方協力本部によりますと、県内の高等学校等を卒業して自衛隊へ入隊等した人数につきましては、平成二十一年度は約二百五十名、平成二十二年度は約三百五十名、平成二十三年度は約三百名と伺っております。  次に、募集に係る取り組みについてでございますが、自衛隊法及び同法施行令に基づき、募集期間、試験期日等を青森県報で告示いたしますとともに、募集に係る広報宣伝として、利用客数が多い県内主要駅において募集用ポスターの掲出、県のラジオ広報番組での自衛官募集のお知らせ、県発行メールマガジンによる青森地方協力本部の募集ホームページの紹介を行っているところでございます。引き続き、法令に基づきまして、自衛官等の募集に係る取り組みを行ってまいります。  以上です。 13 ◯議長(西谷 洌) 行政改革・危機管理監。 14 ◯行政改革・危機管理監(小笠原靖介) 陸路、海路、空路全ての経路を考慮した避難対策についてお答えいたします。  大規模災害時の避難、特に市町村の区域を超える広域避難については、陸路を基本としつつ、海路や空路も含め、自衛隊等の防災関係機関の協力のもと、あらゆる手段を活用して実施することが想定されています。  このうち、自衛隊等の船舶やヘリコプターを活用した避難には気象条件等の面で制約があるほか、災害時に本県で活動可能な船舶等の数は全国的な活動状況により変動するため、平時から細部まで計画することには一定の限界があります。  そのような中にあって、できるところから速やかに取り組むという考えのもと、県では、今年度、自衛隊の応援部隊が活動を展開する拠点となる候補地の調整、選定を市町村や自衛隊とともに進めています。  今後は、この県内の活動拠点候補地の所在状況を踏まえ、さまざまな経路を考慮した現実的な避難の実施を見据えた事例検討を行うなど、避難対策を具体的に検討していきたいと考えています。 15 ◯議長(西谷 洌) 環境生活部長。 16 ◯環境生活部長(林 哲夫) 原子力災害時における市町村・地区単位での避難計画についてお答えいたします。  福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、原子力発電所に係る防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲につきましては、これまでの約十キロメートルからおおむね三十キロメートルへ拡大するとされていることから、今後は発電所から三十キロメートル圏外への広域避難を念頭に避難対策を実施する必要があると考えております。  また、昨年度実施いたしました青森県原子力防災対策検討委員会の取りまとめにおいて、広域避難、避難計画について、地域コミュニティーに配慮した避難計画を作成することが必要であり、県も積極的に作成に関与すべきとの提言があったところでございます。  これを受けまして、県では、原子力災害時に市町村が避難計画を作成するに当たっての手引きとなります避難計画作成要領を作成しまして、東通原子力発電所から半径三十キロメートル圏内にあるむつ市、野辺地町、横浜町、六ヶ所村及び東通村に対して避難計画の作成を依頼しているところです。  県としましても、対象市町村が避難計画を速やかに作成できるよう、そしてまた、地域コミュニティーを考慮した避難計画となるよう、対象市町村や受け入れ先となる市町村との調整を進めているところでございます。 17 ◯議長(西谷 洌) 健康福祉部長。 18 ◯健康福祉部長(江浪武志) 御質問いただきました十点についてお答えを申し上げます。  まず、ドクターヘリの二機体制運用の開始に向けたこれまでの取り組み状況についてでございます。  県では、昨年十一月に、知事が県内医療関係者の御議論を踏まえて平成二十四年度中の二機体制運用の開始を目指すと決定して以来、効果的な二機体制での運用方法の検討、機体・パイロットの確保、運航に必要な財源の確保に取り組んでまいりました。  本年六月にはドクターヘリ運航調整委員会を開催し、二機体制での運用方法を決定し、また、八月には事業者の公募を実施して業務委託予定者を決定し、契約を行いました。  運航に必要な財源の確保につきましては、ドクターヘリ運航経費は医療提供体制推進事業費補助金の一つのメニューであり、基準額の二分の一を国が補助するとされていることから、昨年十二月に、知事が国に対し事業採択に係る要望を行い、平成二十四年度政府予算に所要の経費が盛り込まれているとの回答を得たところです。  その後、県が五月に国に対し事業採択されたドクターヘリ運航経費も含め補助金の事業計画書を提出したところ、国では、全国から提出された都道府県の所要額の総額が国の予算額を上回ったとして、全ての都道府県について、事業計画額に対し一律で減額し、内示を行ったところです。  県では、国に対し、必要な補助金総額を確保し、所要額に基づく適切な補助金交付を行うよう求めるとともに、この補助金の対象事業について内容などの見直しを行うなどして、ドクターヘリ二機体制運用に支障のないよう取り組んでいるところでございます。  次に、ドクターヘリの二機体制運用の具体的な内容についてでございます。  二機体制運用の内容につきましては、六月に開催しました青森県ドクターヘリ運航調整委員会において、基地病院、消防機関などとの協議を行い、決定したところです。  具体的な内容としましては、二機体制運用に伴い、消防本部が出動要請時に判断に迷うことがないようにするため、あらかじめ消防本部ごとに第一出動要請基地病院、第二出動要請基地病院を決めておくこととしました。  第一出動要請基地病院のドクターヘリが出動中のため対応できない場合や天候不良等により出動できない場合については、第二出動要請基地病院に要請を行うことにより効率的な運航が可能になると考えております。  また、災害時においては、原則として八戸市立市民病院を基地病院とするドクターヘリが災害対応に当たり、県立中央病院を基地病院とするドクターヘリは、県内全域の救急事案への対応を行うこととしたところでございます。  次に、ドクターヘリの北東北三県連携の進捗状況などについてでございます。  ドクターヘリ運航に係る北東北三県の連携につきましては、これまで事務レベルでの情報交換会や昨年十一月の第十五回北海道・北東北知事サミットにおきます大規模災害に備えた広域連携に係る北海道・北東北の合意書などを踏まえ、具体化に向けて取り組んでまいりました。  本年七月二十七日には、基地病院、運航委託事業者も含めた第一回北東北三県ドクターヘリ及び救急医療連絡会議を本県において開催し、広域連携の実施に当たり、定めておく必要のある基本的な事項について協議を行ったところです。  この会議におきましては、三県それぞれが自県のドクターヘリで自県の全域に対応するということを基本とした上で、他県ドクターヘリの出動を要請する要件や出動対象地域など基本的な事項について合意したところです。なお、他県への出動における要請手続や運航基準などについては、岩手、秋田両県内での意見調整が必要とのことであり、再度持ち帰って検討、調整することとなりまして、現在、両県内で調整された意見をもとに三県で意見調整を行っており、できるだけ速やかに合意に基づく運航が開始できるよう取り組んでいるところでございます。  次に、県内自治体病院におきます医師不足の状況についてでございます。  県内の自治体病院におきます医師不足の状況については、青森県国民健康保険団体連合会の調査によりますと、平成二十四年五月時点で、各医療機関から病院運営に必要な医師数として報告された数と比べまして二百四十一人の不足となっております。  この施設運営上必要な人員につきましては、医療法上の定数にとらわれることなく、各病院の判断で必要と考えられた人員数となっているところでございますが、圏域別に見ますと、青森圏域が三十四人、津軽圏域が三十人、八戸圏域が五十四人、西北五圏域が三十六人、上十三圏域が四十二人、下北圏域が四十五人の不足となっております。  また、主な診療科別に見ますと、内科につきましては必要医師数百八十人に対して四十二人の不足、外科は百九人に対し二十一人の不足、産婦人科は三十八人に対し十四人の不足、小児科は四十二人に対し十四人の不足、麻酔科は二十六人に対し十六人の不足、脳神経外科は二十七人に対し十三人の不足となってございます。  次に、県内自治体病院におきます医師不足解消のために重要な臨床研修終了後の県内定着の現状、課題、取り組みについてでございます。  県内の臨床研修医採用者数は、平成二十年度以降六十名台と堅調に推移しておりまして、本年三月の臨床研修修了者は六十二名となっておりますが、その六十二名について本年四月の状況を見ますと、県内医療機関に後期研修または採用となった者の数は五十四名となっております。内訳を見ますと、後期研修医の採用者がそのうち四十名と大部分を占めておりまして、臨床研修終了後の医師の県内定着のためには後期研修医の確保が重要であると考えております。  このため、本県の後期研修医に全国から多くの後期研修医を集めます沖縄県での研修を受講する機会を確保し、本県の後期研修プログラムの魅力を高める取り組みを進めるとともに、東京、大阪など大都市圏で開催されます初期研修医を対象とした合同説明会へ参加し、本県の魅力をアピールしたり、また、大阪市立大学医学部附属病院の臨床研修医を地域医療研修として受け入れ、本県での後期研修を働きかけるなど、後期研修医の確保のための取り組みを行っております。  今後とも、引き続き、弘前大学、医師会、市町村など関係者との一層の連携を図りながら、医師の確保、定着に取り組んでまいります。  県外で活躍しております本県出身医師を県内に招聘いたしますU・Iターン医師の確保についての取り組みと今後の取り組みについてでございます。  本県では、平成十七年九月に、全国に先駆けて医師無料職業紹介機能を備えたU・Iターン医師等の受け入れや配置機能を担うあおもり地域医療・医師支援機構を発足させるとともに、知事みずからが東京、大阪など県外に足を運び、本県にゆかりのある医療関係者と連携を図り、医者のU・Iターンを積極的に働きかけてきた結果、県外から招聘した医師は平成十五年度以降、延べ三十一名を数えております。  また、昨年四月には同機構を医師の育成支援に係る総合的な対策を実施する地域医療支援センターとして改組し、さらに本年四月には、これまで長年にわたり本県の医師確保に実績を上げてこられた前むつ総合病院長の小川克弘先生を専任の特別顧問として招聘し、同センターの機能強化を図ったところです。  今後も引き続き関係者との連携を密にしながら、県外からの医師の招聘のための働きかけを一層強化していくこととしております。  次に、これまでの本県におきますがん対策の成果と課題でございます。  県では、青森県がん対策推進計画に基づきまして、がんの予防と医療体制の充実、がん登録の充実などに取り組んできたところでございます。その結果、がん診療連携拠点病院を中心に医療体制の充実が図られたほか、平成二十三年四月に開設したがん情報サイト青森県がん情報サービスにより情報提供体制が強化されるなど、一定の成果が見られたところでございますが、喫煙率やがん検診受診率につきましては目標に達しておらず、七十五歳未満のがんの年齢調整死亡率は、年々改善してはいるものの、依然として全国で最も高くなっております。また、がん登録につきましては、本県のがんの実態を正確に把握するためのさらなる充実が必要とされているところでございます。  こうしたことから、生活習慣の改善などの一次予防対策やがん検診受診率の向上などの二次予防対策に、より一層取り組むとともに、がん登録のさらなる充実を図り、これまで以上に詳細な実態分析に基づく戦略的ながん対策を推進していく必要があるものと認識しております。  次に、小児がん拠点病院の指定要件等についてでございます。  小児がん拠点病院は厚生労働大臣が指定するもので、厚生労働省の局長通知によりますと、小児がん患者の数が限られている中、質の高い医療及び支援を提供するためには一定程度の集約が必要であるとして地域バランスも考慮し、当面の間、全国に十カ所程度を指定するとしております。  指定要件につきましては、日本小児血液・がん学会が認定する専門医研修施設であること、日本小児外科学会が認定する認定施設であること、骨髄移植推進財団が認定する移植認定病院などの移植医療機関であることなどの施設要件に加えまして、小児がんに関する集学的治療や緩和ケアチームの整備、患者や家族に対する情報提供体制、患者に必要な発育や教育に関する環境整備などの要件を満たすということが必要とされております。  次に、あすなろ、さわらび両医療療育センター改修工事の概要と今後の取り組みについてでございます。  県では、青森県立医療療育センター整備基本構想に基づきまして、あすなろ医療療育センターは有床診療所を併設した福祉施設に、さわらび医療療育センターは無床診療所を併設した福祉施設に転換するための施設改修などの工事を今年度から開始しておりまして、あすなろ医療療育センターは平成二十五年十一月中、さわらび医療療育センターは十二月中の工事竣工を予定しております。  両センターでは、既存建物の改修工事を行い、各部屋の間仕切り等を行うとともに、さわらび医療療育センターでは新たに通所サービスを提供する施設を整備するための新築工事を行うこととしまして、工事の実施に当たっては、両センターとも入所サービス等を継続して行うため、既存建物の改修工事の工区を分割して行うこととしております。  あすなろ医療療育センターでは四工区に分割しまして、今年度は三工区までの改修、来年度は外来診療棟の改修を行いまして、さわらび医療療育センターでは二工区に分割し、今年度は新築工事及び第一工区での診療所等の改修、来年度は重症心身障害児者病棟の改修を行う予定としております。  工事期間中は、入所サービスなどの提供場所の変更によりまして、入所者の方に施設内を移動してもらうなど施設利用者の皆様に御協力いただきながら工事を進めていくこととなりますが、サービス提供に当たっては、これまでの水準の維持に努めつつ、着実な工事の進捗を図ってまいります。  最後に、あすなろ医療療育センター障害児歯科診療科開設に向けた今後の取り組みについてでございます。  県では、あすなろ医療療育センターの機能転換後の福祉施設に併設される有床診療所に、一般の歯科診療所での受診が困難な場合が多い障害児者を対象といたしました歯科診療科を新たに設置することとし、同センターの福祉施設転換のための改修工事において、来年度所要の設備整備を行うこととしております。  また、歯科診療を行うための歯科医師及び歯科衛生士の確保を含めた歯科診療科の運営体制等につきまして、現在、青森県歯科医師会、弘前大学大学院医学研究科歯科口腔外科等関係機関と協議を進めているところでございます。 19 ◯議長(西谷 洌) 商工労働部長。 20 ◯商工労働部長(馬場良夫) 雇用対策の取り組みにかかわる五点についてお答えいたします。  まず、新卒者等の雇用対策でございます。  今春の新卒者等の就職・内定状況は、高卒者は六月末現在で九七・〇%の就職率で前年より〇・八ポイント上昇しております。また、大学等の卒業予定者の三月末現在の就職内定率は、大卒予定者が八九・九%で前年より一・三ポイント下回り、専修学校卒業予定者が八七・七%で前年より五・九ポイント上回っております。  新卒者等に対する就職支援につきましては、高卒者の県内就職を促進する求人開拓ローラー作戦を初め、高校が実施いたします企業見学会のバス借り上げへの助成や大学等新規学卒予定者を対象とする企業の就職面接会等を行っております。また、学卒未就職者を対象に緊急雇用創出対策事業を活用し、座学や職場実習等を通じて社会人としての基礎力向上を図り、実習先企業等での継続雇用を目指す事業にも取り組んでいるところでございます。  次に、若年者の雇用対策についてでございます。  県では、若年者の雇用対策としてジョブカフェあおもりによる職業適性診断やキャリアカウンセリングなど総合的な就職支援を行っているほか、専門的知識の習得や資格取得を支援するため、県立職業能力開発機構や民間教育訓練機関等を活用した職業訓練の充実を図っております。  今年度から実施しております若年者定着・正規雇用化促進支援事業では、企業に対する支援策として社会保険労務士が事業所を訪問し、若手職員の定着促進のためのセミナーや相談業務、正規雇用化へのフォローアップを実施するほか、新入社員の職場定着を目的とした中堅社員、経営者向けの研修等を実施することとしております。  また、若年者に対する支援策として高校生とその保護者を対象とした就労意識形成セミナーや企業見学会、就職面接会などを実施することとしているものでございます。  次に、中高年齢者の雇用対策でございます。  青森労働局によりますと、平成二十三年度の新規求職者のうち四十五歳以上の中高年齢者は三三・六%となっており、その就職率は二七%と厳しい状況にございます。  このため、県では、成長が見込まれる福祉・介護分野における中高年齢求職者の再就職を支援することとし、介護スタッフ養成講座の開催や介護人財を育成し、資格取得者を雇用した事業所に奨励金を支給する中高年齢福祉・介護人材育成就業促進事業などを実施してきたところでございます。  本年度は、離職を余儀なくされました四十歳から六十歳までの働き盛り世代を対象に、業種にかかわらず、早期就職を支援するため、県内六地区における就職支援セミナー及び就職面接会の開催、採用前に訓練生として一定期間受け入れた企業が訓練を行った後、正規雇用した場合の雇用奨励金の支給などを行う働き盛り世代就業促進支援事業を実施しているところでございます。  次に、障害者の雇用対策でございます。  障害者の雇用を促進するためには、事業主に対する意識啓発を図りますとともに、障害者のスキルアップを初めとする職場適応支援策をあわせた事業展開が重要と考えております。  このため、障害者雇用優良事業所の県ホームページにおける紹介、障害者の短期職場実習や職業訓練の実施などに取り組んでいるほか、障害のある方の就業と生活の両面からサポートを行っている障害者就業生活支援センターの活動を支援してきたところでございます。
     また、今年度から実施しております障害者雇用促進ステップアップ事業では、障害者雇用に係る各種助成、支援制度の周知、事業所訪問による雇用先、実習先の開拓、障害者を雇用している事業所の見学、意見交換会を行うほか、障害者の職業訓練に訓練手当を支給することにより就業能力を高め、障害者の雇用促進を図ることとしております。  県では、厳しい雇用情勢の中においても、青森労働局、関係団体、企業等と連携を密にしながら、一人でも多くの新卒者を初めとする若年者、そして中高年齢者、障害者の方々が就職できるよう、その支援に努めてまいります。  最後に、緊急雇用創出対策事業の実績についてでございます。  緊急雇用創出対策事業は、平成二十一年度から実施しておりますが、県及び市町村が実施した事業数と雇用創出数は、平成二十一年度が四百三事業で四千二百三十八人、平成二十二年度が六百二事業で六千七百九十二人、平成二十三年度が七百十二事業で一万六百八十人となっており、三年間の合計で二万一千七百十人の雇用創出を図ったところでございます。  平成二十四年度は、国の確認を受けた計画ベースで県及び市町村事業を合わせまして四百四十五事業により三千二百人を超える雇用創出を図ることとしております。  また、年度内に一人でも多くの雇用機会を創出するため、基金事業の精査に伴う財源を利用して追加事業を行うこととし、本定例会に所要の予算を計上し、御審議いただいているところでございます。  県といたしましては、引き続き、県内企業、市町村、青森労働局等関係機関と連携し、緊急雇用創出対策事業を活用した雇用機会の創出、提供に努めてまいります。 21 ◯議長(西谷 洌) 農林水産部長。 22 ◯農林水産部長(渋谷義仁) 避難道路としての農道の活用についてお答えいたします。  県では、大規模自然災害等の発生時に迅速な対応ができるよう、危機管理体制の強化と自治体や消防・防災組織が横断的に活用できる避難道路などのインフラ整備を一体的に進める防災公共に取り組んでいるところであります。  その中で、災害時に国道や県道が被災した場合は、その代替路線として農道等を活用することが可能かどうか、現在、広域的な土砂災害の発生などを想定し、農道も含めた避難経路の危険箇所の対策や優先度等について調査検討を進めているところであります。  今後、県では、市町村と連携し、国道、県道及び農道等における最適な避難経路等を反映した防災公共推進計画を市町村ごとに策定し、防災対策の強化を図ることとしております。 23 ◯議長(西谷 洌) 県土整備部長。 24 ◯県土整備部長(成田昌規) 質問五点についてお答えします。  まず、むつ南バイパスの進捗状況と今後の具体的な取り組みでございます。  むつ南バイパスにつきましては、平成十五年度に新規着手し、これまで用地取得を重点的に進めてまいりました。この結果、九月現在で約九割の用地取得が完了しておりますが、残り一割の用地取得が難航している状況にあります。このため、地権者の皆様と任意交渉を進めるとともに、事業認定に向けた調整を行っております。  これまで用地が確保された工区におきましては鋭意工事を進めてまいりましたが、今後の用地の取得状況によりましては、事業の円滑な執行に支障を来すおそれもあることから、一日も早い用地取得に向け、地権者及び関係者の皆様の御協力をお願いしたいと考えております。  次に、国道二百七十九号の国直轄管理区間への編入についてでございます。  国道二百七十九号は、原子力施設や国際核融合エネルギー研究センター等が立地している下北半島地域を通過し、国道四号と一体となって本州の大動脈を形成するとともに、地域資源を最大限に生かし、地域の自立的発展を図る上でも非常に重要な路線であると認識しております。  また、ことし二月一日から二日にかけての暴風雪時には、本路線の重要性について再認識したところです。このため、県では、本路線の整備促進を図るべく、国直轄管理区間への指定について青森県復興プランに位置づけるなど、これまでも重点施策として機会あるごとに国に対し訴えてきたところです。  今後とも、国道二百七十九号の重要性及び国の関与の必要性について、県議会や関係市町村等と一体となって引き続き粘り強く訴えてまいります。  次に、国道二百七十九号二枚橋バイパスの進捗状況と今後の具体的な取り組みでございます。  国道二百七十九号むつ市大畑町地区の二枚橋バイパス約四・一キロメートルにつきましては、これまでに約一・五キロメートルを供用したところであります。  今年度は工事用道路が確保されたことから、仮称二枚橋二号橋の橋台一基の工事を進めるとともに、用地取得が完了した箇所の埋蔵文化財調査に着手しております。  用地取得につきましては、八月現在で約九割が完了しておりますが、早期に工事着手ができるよう、共有地などの用地取得に向けて、今後とも地元の皆様の御協力を得ながら進めてまいります。  次に、国道三百三十八号大湊二期バイパスの進捗状況と今後の具体的な取り組みでございます。  国道三百三十八号のむつ市桜木町から大湊浜町間約四・九キロメートルのうち、大湊二期バイパス約三・七キロメートルにつきましては、平成二十年度に調査設計に着手し、同年度中にこれを完了しております。  このうち、大湊宇田町から大湊浜町間の第二工区につきましては、平成二十一年度に用地測量を完了し、平成二十三年度から用地取得に着手しており、八月現在で約三六%の用地を取得しております。  一方、桜木町側の第一工区につきましては、関係機関との協議が調ったことから、今年度用地測量に着手することとしております。  今後とも、早期に埋蔵文化財発掘調査や工事着手ができるよう、地元の皆様の御協力を得ながら用地取得に努めてまいります。  最後に、国道三百三十八号白糠バイパスでございます  国道三百三十八号白糠バイパス約六・七キロメートルにつきましては、一期工区約三・八キロメートルの整備を進めており、昨年度、泊・白糠トンネルが貫通しております。  今年度は、引き続きトンネル附帯工事及び六ヶ所村側の改良工事を進め、年内に一期工区を供用開始することとしております。  また、未着工区間であります白糠から老部の二期工区約二・九キロメートルにつきましては、平成二十一年度までに用地測量が完了しており、八月現在で約七%の用地を取得しております。  今後とも、早期に工事着手できるよう、地元の皆様の御協力を得ながら用地取得に努めてまいります。 25 ◯議長(西谷 洌) エネルギー総合対策局長。 26 ◯エネルギー総合対策局長(八戸良城) 御質問四点にお答えいたします。  まず、枝野大臣は中間貯蔵施設の位置づけ等をどう説明されたのかについてです。  枝野経済産業大臣からは、むつ市の中間貯蔵施設については、使用済み燃料を再処理するまでの間、一時貯蔵する施設とする従来の方針に変更はない、原発をゼロにするために約束を破ることはない、あくまでも再処理に向けた一時貯蔵であるという約束を守りながら、原発ゼロとすることは大変困難であることは十分承知している、まさにスタートラインに立って実現可能性を探っていくとの回答があったところです。  次に、中間貯蔵施設の使用済み燃料が再処理されないとなった場合の対応についてです。  むつ市の使用済み燃料中間貯蔵施設については、平成十七年十月に締結した協定書にあるとおり、使用済み燃料を再処理するまでの間一時貯蔵する施設であり、枝野大臣からもこの約束は守るとの発言があったところです。県としても、この協定書については確実に守っていただく必要があると考えています。  次に、着工済みの大間原発、東京電力東通原発一号機の運転期間についてです。  枝野大臣からは、建設中の発電所について設置許可、工事計画認可を変更する考えはない旨の発言がありましたが、今般の戦略においては、原子力発電所の運転期間を含め、原発ゼロの実現に向けた具体的なステップは明確に示されていないと受けとめています。  県としては、今後、国において不断の見直し等の中で、原子力発電の位置づけや電源確保の見通しなどについて明確な方針を示し、立地地域の意見等を十分踏まえた責任ある対応をしていただきたいと考えています。  最後に、最終処分地にしないとの約束は厳守する旨の大臣発言についてです。  枝野大臣からは、青森県を最終処分地にはしないという約束は厳守するとともに、国が前面に立って取り組むのは当然のことであり、この問題に正面から取り組んでこそ全国の理解を得ることができると考える旨の発言がありました。  県としては、この約束を確実に守っていただくためにも、国が不退転の決意で最終処分地選定のための取り組みを前進させていくことが重要であると考えており、今後とも国の対応状況を厳しく見きわめてまいります。 27 ◯議長(西谷 洌) 教育長。 28 ◯教育長(橋本 都) 御質問にお答えいたします。  初めに、特別支援学校高等部の進路状況についてです。  平成二十四年三月に県立特別支援学校高等部を卒業した生徒は二百十名であり、就職を希望していた五十四名のうち五十三名が就職しております。  さらに、専門学校等への進学が十五名、就労支援事業所等において就労に向けた訓練を行っているものが八十六名となっております。  また、その他の生徒は、各種福祉サービスを活用しながら、それぞれの希望に応じた生活の充実を図っております。  次に、就職支援対策の取り組みについてです。  県教育委員会では、これまで、インターンシップ協力事業所の拡大を図るとともに、就職指導や就職後のフォローアップに関する教員の指導力の向上を図ってまいりました。さらに、平成二十二、二十三年度に実施した特別支援学校キャリア教育充実事業においては、県内六地区の特別支援学校六校にスクールジョブマネジャーを配置するとともに、事業主や施設運営者等の協力を得ながら就労生活支援連絡会を組織し、生活面を含めた支援体制を構築してまいりました。  これらにより、学校と地域が連携した支援体制が円滑に機能するようになったほか、特別支援学校教員の進路指導に関する指導力が向上し、生徒の就職促進に向けた基盤が整備されているところです。  県教育委員会としましては、これらの成果を全ての特別支援学校に普及させるとともに、生徒一人一人の進路実現に向けた教育活動のさらなる充実に努めてまいります。 29 ◯議長(西谷 洌) 越前議員。 30 ◯三十八番(越前陽悦) ただいま、知事初め各部長から御答弁いただきましたが、若干の質問と要望を申し上げさせていただきます。  まず、第一点でございますが、政府の革新的エネルギー・環境戦略についてでございます。  枝野大臣の説明によりますと、むつ市の中間貯蔵施設については、使用済み燃料を再処理するまでの間一時貯蔵する施設であるとする従来の方針に変更はないと言われたということは、ただいまの答弁でもまた再度確認をいたしました。  本来、先ほど壇上から申し上げましたが、中間貯蔵施設は使用済み燃料の発生量が六ヶ所再処理施設の処理能力を超える事態を踏まえた施設であるということでございます。貯蔵された燃料は、いつ、どこで再処理できるのか、具体的な解決策が今現在明示されておりません。したがいまして、一方で、戦略では使用済み燃料の直接処分の研究着手を当面先行して行うこととして掲げているのでありますから、全く予断を許さない状況、現状にあると私は考えます。まさに、中間貯蔵施設が再処理前提であるとの説明は、戦略の内容と矛盾するものであります。  そこで、知事は、中間貯蔵施設の位置づけに係る大臣の説明をどう捉えているのか、再度お伺いいたします。  また、本県を最終処分地にしないという約束でございますが、厳守すると連呼されているわけでありますけれども、しかし、一方で、特に福島第一原発事故以降、国の原子力政策への不信もさらに高まっておりまして、最終処分場の立地は、従来以上に厳しさを増しているというふうな現状にあろうと思います。処分場が決まらない限り、本県を最終処分地にしないという約束は守られたことにはならないわけでありまして、これまでの確約がほごにならないかと、大変不安を覚えるものであります。  知事は、これまで、機会あるごとに政府、関係大臣に対して最終処分地にしないという確約を取りつけてきておることについては承知いたしておりますが、今の政府におきまして、政策が日々ぶれている中で、本当にこの約束が守られるのかどうか、まことに不安であります。  そこで、知事として、この確約を国に対しどう守らせていくかということが大変重要であると思いますので、その点について再度知事の考え方をお伺いいたします。  第二点でありますが、市町村・地区単位での避難計画についてであります。  県として市町村と調整を進めるとの答弁でございましたけれども、福島原発事故以来、国の原子力防災計画について具体的な取り組みが示されていないこの現状にあって、市町村等の具体的な計画策定に影響を与えると考えますが、結果として、復旧・復興を初めとしたさまざまな分野にまで影響を与えているのではないかと考えますが、知事の見解をお伺いいたします。  第三点でございますが、国道三三八号大湊二期工区でございますが、先ほど部長からこの用地買収が三六%まで進んでいるということでございます。大変目に見えて取り組まれているなということが、今、答弁で理解をしたところでございます。  さらにさらに、この道路の整備の促進に向かっては着実に取り組んでいただくことをまず要望しておきたいと思います。  そこで、下北半島についてでありますが、有戸北バイパスについては、知事からも、先ほどの答弁で、十一月十三日の供用開始に向けて鋭意取り組んでいきたいという答弁であったとは思います。  私も、去る八月二十六日に現況調査に行ってきましたけれども、有戸北バイパスにつながる吹越バイパスについて、一部工事がもう既に着工されている状況でございました。  そこで、有戸北バイパスにつながる吹越バイパスの進捗状況と今年度の具体的な取り組みについて、再度お伺いいたします。  第四点は、防災の観点における避難道路、避難経路の整備・確保についてでありますが、国県道が被災した際の代替道路、先ほど答弁いただきましたが、農道の活用についてであります。  大規模災害時に国道が寸断されれば、下北半島は、先ほど壇上で申し上げましたように、まさに陸の孤島となってしまうわけであります。原子力災害と複合的に発生した場合、まさに県民の命を守ることができなくなるわけであります。農道の活用のみならず、道路の、先ほど壇上から申し上げましたように、面的整備を早急に進める必要があると考えます。  そこで、下北半島における道路の面的整備は大変重要な課題だと思いますので、再度、今後どのように進めていくのかお伺いいたします。  次に、要望であります。  国道三三八号白糠バイパスについては、先ほど一期工区年内供用開始ということでありまして、これまでの御尽力に改めて感謝を申し上げます。また、二期工区については、東通村の老部地区になるわけでありますが、地域住民の強い要望もあり、また、より一層積極的にこの用地取得に取り組んでいただきたい。そしてまた、早期完成に向けた取り組みを行っていただきたい。強く要望しておきます。  次に、医療行政についてでありますが、知事から、医師確保、がん対策について等々、御答弁がございました。積極的な取り組みに感謝をいたした次第でありますが、きょう供用開始となるドクターヘリについてでありますけれども、先ほども壇上で述べましたように、この運用については、もうきょうからいよいよされるわけで大変ありがたい話でありますが、国庫補助金全体として減額となるということでありますけれども、このドクターヘリについては、国庫が減額となったからといって一・五基体制で飛ばすというわけにはいかないわけでありますね。そういうことであります。  したがいまして、県財政が厳しい中にありましても、県としてはドクターヘリ二機体制運用について支障のないように取り組んでいかなきゃならないということについては答弁をいただいたわけでありますが、私からは、県民の命を守るために、ドクターヘリの運航については万全を期すとともに、特に国庫補助金の満額確保に向けて今後とも積極的に国に対して働きかけていただきますよう、強く要望しておきたいと思います。  最後であります。  雇用対策であります。高卒、大卒、そしてまた若年者雇用、中高年齢者の雇用、特別支援学校高等部の卒業生の雇用、障害者雇用に対しては、やはり雇用の創出・拡大に向けた具体的な施策をいかに講じながら着実なものにしていくかということが大変重要な課題であると考えております。日ごろから積極的な取り組みを行っていることについては十分承知をいたしておりますが、まだまだ厳しい雇用情勢、経済情勢の中にあっては、雇用対策も非常に厳しい状況にあるわけでありますので、そういう意味では、さらにさらに取り組んでいただきたい。強く要望申し上げます。  そこで、自衛隊についてでありますが、先ほど答弁がありましたように、唯一、三自衛隊が青森県に所在しているわけでありまして、先ほど答弁があったように、平成二十年度以前におきましては六百人から六百五十人の方々が県内から三自衛隊に入隊をしております。二十一年度以降においては大体約半分の三百名ぐらいの入隊数となりました。  したがいまして、やはり地域経済に与える自衛隊の存在によっての影響力、大変大なるものがあると思いますので、そういう意味においては、自衛隊入隊を希望する方については、大いに入隊できるように知事からもひとつ積極的に取り組んでいただきたい。  そしてまた、毎年二月に入隊者激励会を行っております。六地区で行っておりますが、その際は、知事からも防衛大臣からも激励の言葉が寄せられております。私も自衛隊父兄会会長として出席をいたしてございますが、そういう意味では、知事も先頭に立ってその点についても取り組んでおるわけでありますが、さらにさらに、この点についても一層、雇用創出に向けた取り組みの一環として取り組んでいただきたいということを強く御要望申し上げて、私からの再質問といたします。 31 ◯議長(西谷 洌) 知事。 32 ◯知事(三村申吾) 越前議員の再質問にお答えいたします。  まず、中間貯蔵でございますが、枝野経済産業大臣から、あくまでも再処理されるまでの一時貯蔵であるという約束を守る、原発をゼロにするために約束を破ることはないとの発言があったことを、私としては重く受けとめております。  このことにつきましては、当然政府の方針として引き継がれていくものと考えており、県としては、今後、機会あるごとにこれをまた確認していきたいと思っております。  青森県を最終処分地にしないという確約についてでございますが、これはもうどの政権であっても、この点につきましてはしっかりとお話しいただいているわけでございますが、県としては、青森県を最終処分地にしない旨の国との確約は厳守していただくということにつきまして、しっかりとこれもまた訴えていきたいと思っております。  この問題でございますが、実は、私ども青森県だけの問題ではなく、国民全体の問題でございます。これまでも国が前面に立つという話でございましたが、今回、枝野大臣からは、一層前面に立つということでございました。しっかりとこのことを本気で、本格的に一層前面に立ち、不退転の決意で取り組む、前進させていくということが重要であると考えるところでございます。  以上です。 33 ◯議長(西谷 洌) 環境生活部長。 34 ◯環境生活部長(林 哲夫) 市町村・地区単位での避難計画についての再質問にお答えいたします。  原子力規制委員会がこの九月十九日に発足しまして、国のほうにおきましてもいろいろ検討が進んでいるところでございます。私ども県におきまして策定いたします地域防災計画(原子力編)の策定の際に基礎となりますのが国の原子力防災指針でございまして、この原子力防災指針が今後規制委員会の検討を経て示される予定となっているところでございます。  私どもといたしましては、こういった原子力防災指針等が早期に示されることを期待し、その状況を注視しているところでございます。 35 ◯議長(西谷 洌) 県土整備部長。 36 ◯県土整備部長(成田昌規) 再質問二点でございます。  まず、吹越バイパスでございます。  吹越バイパスにつきましては平成二十一年三月に事業着手し、これまでに約九割の用地取得が完了したところでございます。今年度は軟弱地盤改良などの道路改良工事を進めており、平成二十年度への供用に向け、鋭意整備促進を図ってまいります。
     次に、下北半島地域の面的な道路整備でございます。  県では、下北地域におきまして、国道二百七十九号むつ南バイパス、二枚橋バイパス、易国間地区災害防除、国道三百三十八号大湊二期バイパス、白糠バイパス、むつ尻屋崎線岩屋バイパス、尻屋バイパス、むつ恐山公園大畑線葉色沢バイパス、関根蒲野沢線関根バイパス、薬研佐井線の道路改良など数々の事業を実施しております。これらの整備は、下北地域における面的な道路整備の一環であり、今後ともその促進に努めてまいります。 37 ◯議長(西谷 洌) 午さんのため、暫時休憩いたします。 正午休憩    ────────────────────── 午後一時再開 38 ◯副議長(森内之保留) 休憩前に引き続いて会議を開きます。  一般質問を続行いたします。  十一番菊池憲太郎議員の登壇を許可いたします。──菊池議員。 39 ◯十一番(菊池憲太郎) 民主党会派の菊池憲太郎であります。  通告に従いまして、一般質問いたします。  初めに、国の原子力政策に対する原子力施設立地県としての見解について伺います。  千年に一度と言われる日本観測史上最大の大地震と大津波は、人類に自然の脅威を深々と刻印いたしました。そして、さらに震撼させたのは、東京電力福島第一原子力発電所の事故でありました。水素爆発と放射能漏れにより、半径二十キロメートル圏内が警戒区域に設定され、半径二十キロから三十キロメートル圏内でも計画的避難区域や緊急時避難準備区域に指定されました。  経済産業省の発表では、避難した人は十一万三千人にも上ると言われております。さらに、放射性物質による影響力の大きさは、本県太平洋海域で漁獲されたマダラの出荷制限という事態も発生しており、まさに身をもって体験したところであります。  福島原発事故を他山の石としない対策が求められなければなりません。事故から一年半が経過し、政府による新たなエネルギー政策の方針が示される中、原子力施設立地県の知事として、東北地方太平洋沖地震による福島原子力発電所の事故の教訓をどのように受けとめているのかお伺いいたします。  次は、青森県総合計画審議会からの提言であります。  本年六月二十九日に公表された青森県基本計画未来への挑戦アウトルックレポート二〇一二について拝見したところ、本県の各重点施策における進捗状況や課題が示されており、環境・エネルギー産業の振興、安全で快適な生活環境づくり、雇用のセーフティネットの充実など、非常に関心の高い項目が記載してありました。それと同時に、一人当たりの県民所得と平均寿命などの指標が示され、その分析結果として、いずれも目標との乖離が目立っております。計画策定後の状況の変化もあろうかと思いますが、県民の幸福を最大限追求すべく、不退転の決意で重要施策に取り組んでいただきたいと思います。  そこで、このアウトルックレポート二〇一二と、これを踏まえた県総合計画審議会からの提言を受け、知事は、平成二十五年度の重点事業をどのように構築していくのかお伺いいたします。  次は、再生可能エネルギーの導入推進に向けた県の取り組みについてであります。  本県は、これまで風力発電施設が二百基以上も建設されるなど、発電能力としては日本一を誇っております。今後さらに再生可能エネルギーへの参入が拡大される傾向にあり、東通村では新たに二つの大規模風力発電所を建設する計画が持ち上がっているようであります。しかし、本県における再生可能エネルギー分野では、地元企業の参入が伸び悩み、県外大手資本の草刈り場とも言われているように、ビジネスチャンスを逸しているように思われます。風力も太陽光も本県の重要な資源であり、工夫をすれば大きな収益源として、また、安定的に雇用を維持できる産業として大きな可能性を持っており、県みずからの積極性を持った新たな事業展開が求められていると思います。  そこで、再生可能エネルギーの導入推進を雇用の拡大や産業振興につなげていくべきと考えますが、県はどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  また、実用に向けて期待できるエネルギーとして、本県の豊富な温泉を活用する温泉熱や、融雪や冷暖房への利用に、年中一定温度で比較的導入しやすい地中熱が挙げられます。特に、積雪寒冷地である本県での活用は大いに有効であり、地中熱の活用技術を高めることにより、県内外への普及拡大を図り、産業化へとつなげることが期待できるものと考えます。  そこで、地中熱や温泉熱を活用した県の取り組みについてお伺いいたします。  次は、若年者の就職支援策についてであります。  文部科学省の学校基本調査によると、ことしの春の大学卒業者五十五万九千三十人のうち、契約社員や派遣社員などの非正規労働者が全体の三・九%の二万一千九百九十名であったとされています。正規雇用を希望して就職活動に奔走しても内定をもらえなかった新規学卒者の将来を思うと、暗たんとなります。やむなくパートやアルバイト、契約社員や派遣社員など非正規労働につかざるを得ない状況は、本人はもとより、社会全体としても大きな損失をこうむることとなります。低賃金、低所得、常に不安定な雇用形態により、非正規労働者の半数は生涯未婚とも言われ、一層の少子化と税収の減少が懸念されています。また、その後高齢となり、極端に収入が減り、老後は生活保護受給者以下の生活を余儀なくされるとの予測もあります。この社会の成長力と活力を急激に後退させる非正規雇用は、少子高齢化と同様に、迅速な対策が必要であると考えます。  そこで、本県における若年者の非正規就業の割合と新規学卒者の離職状況について伺います。  また、同じく文部科学省の学校基本調査によって明らかになったニートの状況はさらに深刻であります。今春の大学卒業者の約六%の三万三千人もの人が、進学も就職の準備もしていないいわゆるニートと言われている若者であったとしています。全国に約六十万とも言われているニートは、高卒者や中退者が多いと見られていましたが、大学の新卒者も数万人規模に上ることがわかり、衝撃を与えています。このまま放置すれば未就職者がさらに増加し、いずれ生活保護受給者となりかねず、非正規労働者よりももっと悲惨な状態が指摘されています。  そこで、県内における若年無業者ニートの状況についてお伺いいたします。  さて、若年無業者ニートの問題では、日本社会全体の労働力の質の低下が懸念されてもおります。この若者たちが社会に適応し、労働意欲をかき立てる支援策を講ずる必要があります。  例えば、引きこもるニートを社会に引き出すためには、生活環境を転換し、働くことの喜びと汗を流すことの爽快感を体験してもらうこともその一つの方法だと思います。四季の変化に富み、手つかずの美しい大自然を有する本県の環境は人間性復活に適しており、若い力を健全な心身によみがえらせる職業体験事業に有効だと思います。  そこで、若年無業者の就労支援として、本県の得意分野である農林水産業における職場体験等による自立支援も有効と思いますが、県の考えを伺いたいと思います。  続いて、本年の四月二日に、ジョブカフェあおもり、ハローワークヤングプラザ、県若者サポートステーションを一体的に運営するヤングジョブプラザあおもりがアスパム内にオープンいたしました。一体的な運営は都道府県レベルでは初めてのことだと言われていますが、その効果には県民の大きな期待が寄せられているものと思います。  そこで、ヤングジョブプラザあおもりの若年者就職支援の内容とその効果について伺います。  若者の就職支援策についての最後の質問、自営業の勧めについてであります。  最近の就業構造の変化として、非正規労働者の増加と自営業の減少が挙げられます。人づき合いや社交性に乏しい未就職者にとって、単に就職先をあっせんするということだけでは問題は解決しませんし、定職にもつけず、さりとて独立自営もしないという傾向は、経済の活性化と逆行するものにほかなりません。  そこで、未就職者に対しては、就職支援とともに、みずからが創業・起業できるような支援をすべきと考えますが、県はどのような支援を行っているのかお伺いいたします。  次は、県内地域公共交通の確保についてであります。  東北新幹線新青森駅開業前は、新幹線とのアクセスのこともあって、二次交通、三次交通網などの構想や計画を打ち出したものの、その後、地域交通に関する取り組みがやや消極的になったように思われます。他方では、利用者の減少から十和田観光電鉄が鉄道事業から撤退を余儀なくされるなど、地域の公共交通の運営維持には大きな課題も残されています。特に、むつ下北地域においては、将来誰もが移動制約者になる可能性があると、下北地域公共交通総合連携協議会の会長、青森公立大学山本教授が述べておられます。地域交通の充実なくしてまちづくりなく、地域の活性化もないと言われているように、将来に向けての対策が求められております。  そこで、県内の地域公共交通について、利用者の減少などによりその確保が課題となっており、特に下北地域では厳しい状況にあると考えますが、県としてどのように取り組んでいくのか伺います。  また、本州最北端大間町と函館を結ぶ大間フェリーは、日本初の外洋フェリーとして一九六四年(昭和三十九年)に就航し、はや五十年にならんとしています。現在は、年間延べ一万人の町民が通院や買い物に利用する公共性の高い生活航路として必要不可欠な交通機関であります。  これまで燃料費高騰を理由に撤退の危機に瀕しましたが、関係者の英知により公設民営方式で航路の存続が決まり、以来、来年四月に新造船が就航する予定となっております。建造費約二十六億円のうち県の補助金は五億円となっておりますが、町の負担は決して軽くはありません。  そこで、大間─函館航路新船建造に対する支援の状況と今後の運航の見通しについてお伺いいたします。  また、来年四月の新船の就航に向けた大間港フェリー埠頭の整備状況についてもお伺いいたします。  次に、保健・医療・福祉包括ケアシステムとヘルスプロモーションカーの実証についてであります。  新聞報道によると、超音波診断装置や心電計などの医療機器を搭載したヘルスプロモーションカーを活用した保健・医療・福祉を結ぶ包括ケアの新たな形を探る国内初の実証プロジェクトが東通村で開始されると伝えておりました。小型車に医師や看護師が同乗し、村内各集落を回り、健康診断や相談などを通じて地域住民の健康増進や生活の質を向上させるモデルの構築は、極めて画期的な施策であります。  また、インターネットを活用して現場から心電図などのデータを病院に送信し、医師から適切な指示を仰ぐことも可能になるなど、農山漁村と集落が点在する本県においては、健康安心事業として大いに期待できると考えます。  そこで、この秋からヘルスプロモーションカーの車載機器の内容を詰め、運用を始めるとされていますが、本県の保健・医療・福祉包括ケアシステムの取り組みについて伺います。  また、この計画では、本県独自の新サービスシステムを開発し、国内外の市場へのビジネス展開を目指すとしておりますが、医療装置の開発に終わることなく、保健、福祉の向上に寄与することが望まれます。  そこで、東通村などでのヘルスプロモーションカーを利用した新たな保健・医療・福祉サービスシステム実証プロジェクトの、今般、実車導入することによる産業面及び医療・福祉面での実証効果について伺います。  続いて、県立高等学校教育改革第三次実施計画後期計画案についてであります。  本計画案については県内各地で説明会が開催され、パブリックコメントも行われたところであります。しかし、統廃合の対象地域からは、計画の見直しや存続の署名活動、嘆願書の提出など反対の声が渦巻いております。また、県の市長会や町村会も再考を求めるなど、民意は決して熟していないと思われます。拙速に計画を進めていくのではなく、地域と教育、人材と地域振興について話し合いがもっと持たれるべきであります。  そもそも高等学校は、今後の技術革新による社会・産業構造の変化、政治経済の国際化に対応するための人材育成を担う重要な教育機関であります。少子化社会が進行しても、この高校教育の使命は変わるものではありません。  そこで、高等学校の果たす役割について、県教育委員会の考え方を伺います。  また、こうした高校教育の重要性を鑑みたときに、地域から高校がなくなることにより、教育を受ける機会を失うという不幸、教育格差の現出が危惧されるところであり、加えて、周辺に私立高校という手段を持たない地域の実情も考慮すべきと考えます。  そこで、地域において高校教育を受ける機会の確保が必要と思いますが、県教育委員会の考え方をお伺いいたします。  次に、学校教育における環境整備について伺います。  子供たちのトイレ環境の調査、改善などを行っている日本トイレ研究所の加藤代表は、家庭でこれほど洋式トイレが普及している以上、和式中心の学校トイレが子供のストレスになっているのは確かであり、排せつを我慢するのは健康にも学習にも悪影響を及ぼし、空間を変えると同時に、排せつに対する意識を変えることも必要と述べておられます。  汚い、暗い、臭いの三Kと言われていた学校トイレは、余りスポットを浴びることがなく、改修されない状況にありましたが、近年、各地で学校トイレの洋式化が進んできているようであります。  お隣の岩手県花巻市では去年から四年をかけて小・中学校の改修を終えることとしておりますし、北海道深川市では二年前に全ての小・中学校の洋式化を終えているとのことです。洋式化による清潔感もさることながら、排せつを我慢することによる不健康要因が解消されることが重要であります。また、災害時における応急避難所ともなる学校は、障害者にも配慮した洋式化への移行を直ちに行うべきと考えます。  そこで、本県の公立小・中学校及び高等学校におけるトイレの洋式化の状況と今後の県教育委員会の対応についてお伺いいたします。  次は、空き家対策についてであります。  ことしの記録的な豪雪はすさまじいものでありました。この豪雪によって顕在化した課題は幾つかありますが、特に空き家倒壊の問題がクローズアップされました。  県防災消防課によると、空き家を含む非住家被害は百三十八棟となっております。また、青森地域社会研究所によれば、十五年前に比べて三割も空き家が増加しているとの報告がございます。  空き家の増加は、積雪による倒壊だけでなく、放火やごみの不法投棄につながり、放置できない問題であります。  そこで、豪雪による空き家の倒壊が相次いだことにより、県内の市町村では空き家対策条例の制定を検討する動きも出ていますが、県としては、この空き家対策についてどのような認識を持ち、今後どのように対応しようとしているのか伺います。  また、空き家といえども所有権の壁があり、処理には難しい問題を含んでいます。所有者と連絡がつかない場合、個人の財産に勝手に手をつけられず、どうするかが課題といった担当者からの声もあります。  そこで、所有者が行方不明となり、長期間にわたり放置された空き家が問題となっていることから、建物所有者を特定するための支援制度はないかお伺いいたします。  次に、今後の災害への備えについてであります。  ことしも異常気象による自然災害が全国で頻発しております。本県においても、弘前市の竜巻や津軽地方の集中豪雨による洪水、土砂災害がありました。県内の土砂災害危険箇所は四千五カ所、このうち住宅五戸以上が被災する可能性のある要対策箇所が千五百十四カ所、大地震や豪雨による土砂崩れや冠水で道路が寸断され、孤立する可能性のある集落は二百七十五カ所、孤立するおそれのある避難所は五百八十五カ所と新聞報道されています。  そこで、県では、地震、津波や豪雨、台風などの風水害による災害に備え、市町村だけでなく、消防、自衛隊などの防災関係機関と連携した防災体制の充実強化のため、どのような取り組みを行っているのかお伺いいたします。  また、本年二月一日の暴風雪により、下北半島の大動脈である国道二百七十九号で車両四百台以上が立ち往生し、十九時間半にわたり通行どめとなったことは記憶に新しく、これから冬を迎える地元では不安を拭えない状況にあります。  県では、この夏ごろをめどに二百七十九号の沿線市町村や警察署などと連絡会議を設け、豪雪時の対応について詳細を詰めることとしていましたが、暴風雪による国道二百七十九号通行どめの教訓を生かした今後の対応方針についてお伺いいたします。  最後に、地域におけるスポーツ振興について伺います。  本定例会において、多くの方が、オリンピックを初め、高校野球など本県出身または本県にゆかりのある選手の活躍に触れておられましたが、今回のロンドンオリンピックにはむつ下北からも日本代表選手が出場いたしました。  下北の鷹と呼ばれた男子四百メートル障害の岸本鷹幸選手であります。残念ながら、けがで不本意な結果ではありましたが、地域には大きな夢を与えてくれましたし、次期オリンピックへの希望を持たせてくれました。スポーツは地域を一体化し、青少年の健全な心身を鍛え、成長を促す作用があると思います。  そこで、むつ・下北地域におけるスポーツ振興の状況について伺います。  さらには、ことしも市民参加型ボートレース第十四回まさかりレガッタが開催されました。参加者も年々増加し、今回は九十クルー、六百人以上が参加をいたしました。知事も御存じのとおり、むつ下北ではボート競技が非常に盛んであります。かつてはオリンピック選手も輩出し、現在でも新田名部川は県内漕艇競技のメッカとなっております。  平成七年には県による調査検討もなされ、適地としての評価もありましたが、三村知事御就任後、財政健全化路線をたどるとともに、大型事業の一時凍結が打ち出され、相次いでスポーツ施設の新設、改修を見送らざるを得ない状況になりました。しかし、知事による不断の御努力により、本県財政は回復基調に乗り、昭和五十二年以来の国体に向け、陸上競技場や三八地区悲願のスケートリンク整備など、着々と県内スポーツ施設整備計画が進められているように見受けられます。この際、せめて国体の競技規格を満たす公式漕艇場の整備がむつ下北の悲願であることを再度御認識いただきたいと思います。  そこで、むつ・下北地域の活性化のため、新田名部川漕艇場の整備を進めるべきと考えますが、県教育委員会の考えを伺います。  以上、壇上からの質問を終わります。 40 ◯副議長(森内之保留) 三村知事。 41 ◯知事(三村申吾) 菊池議員にお答えします。  まず、私からは、福島の事故の教訓についての受けとめでございます。  東京電力福島第一原子力発電所の事故につきましては、政府の事故調査・検証委員会や国会の事故調査委員会等からの報告書が公表されておりますが、私としては、国、事業者において、これまで指摘されている教訓や再発防止のための提言を今後の原子力安全対策、防災対策に反映させていただきたいと考えております。  特に、安全性向上への取り組みにつきましては、これでよしとすることなく、見落としはないか、危険は存在しないかという意識で、いわゆる深層防護を徹底すること、また、組織体制を整備するだけではなく、国、事業者、関係自治体それぞれが、実際に事故が発生した際の適切な情報伝達、指揮系統のあり方などを正しく認識し、実行できるようにしておくことが重要であると認識します。  私は、これまで、事故原因の検証結果等を踏まえた原子力施設の安全対策について、原子力発電関係団体協議会等を通じて国に対して要請してきましたが、今後とも、県民の安全・安心を守る立場から、国、事業者の対応状況を見きわめつつ、要請すべき点はしっかり要請してまいりたいと考えているところでございます。  県総合計画審議会からの提言を受けての二十五年度のいわゆる政策、施策の重点化の基本方針についてであります。  政策、施策の重点化の基本方針につきましては、庁内の自己点検あるいは県総合計画審議会からの提言、さらには、本県を取り巻く社会経済情勢等を踏まえ、毎年度戦略キーワードを決定することにしております。  去る六月二十九日に、県総合計画審議会から、平成二十五年度においては、グローバル社会で活躍できる人財育成や低炭素・循環型社会の形成に向けた取り組みなどを一層加速するよう提言がございました。  平成二十五年度の政策、施策の重点化の基本方針につきましては、この提言を尊重した上で基本計画の最終年度を迎えるに当たっての一層の取り組み強化と東日本大震災からの創造的復興の推進の二つの視点を基底に据えながら、一として、雇用の創出・拡大、二として、低炭素・循環型社会の実現に向けた取り組みの強化、三として、あおもり型セーフティネット、四として、志を持ち、青森県を創造する人財の育成という四つの戦略キーワードを、去る七月十一日に私から各部局長等に対し指示をいたしました。  現在、各部局等においては、この基本方針に基づき、来年度事業の企画・立案あるいは事業構築に向けて鋭意作業を進めているところでございます。  ヤングジョブプラザあおもりの若年者就職支援の内容と効果でありますが、私は、東日本大震災や円高の影響等により厳しい経済・雇用情勢が続く中にあって、より効果的な雇用対策を進めるためには、国と県が互いに協力して取り組むことが重要と考え、本年四月、国と県の三つの若年者就職支援施設を一体的に運営しますヤングジョブプラザあおもりを本格オープンし、特に厳しい状況下に置かれている若年者の就職支援機能を強化したところでございます。  三施設の総合案内窓口の新設等により、前年同期と比べて来館者数は一・四倍、ジョブカフェあおもりの新規登録者数は一・七倍にふえました。また、ヤングジョブプラザあおもりを活用した就職者数も一・二倍にふえ、その効果が確実にあらわれてきております。  さらに、三施設の職員によりますチーム支援や就職活動を短期集中的に支援する就勝クラブを新たに実施しているほか、八月からは、むつ市に設置しておりますジョブカフェサテライトスポットむつにもハローワークコーナーを併設し、一体運営を拡充しているところでございます。  今後とも、国との一体的運営のメリットを最大限に生かしまして、本県の未来を担う若者が一人でも多く就職できるよう全力で取り組んでいきます。  本県の保健・医療・福祉包括ケアシステムの取り組みについてでございます。  私は、知事就任以来、県民の皆様がそれぞれにその命と人生を輝かせ、生き生きと暮らしていけることが地域づくりの最終目標の一つであると考え、保健・医療・福祉のサービスが切れ目なく一体的に利用でき、また、住民の皆様が健康に生活できるよう、予防を重視した保健・医療・福祉包括ケアシステムの構築を推進してきました。  これまでの主な取り組みとしては、住民に最も身近な市町村における包括ケアシステムの構築支援、包括ケアシステムのかなめであります医師の確保、包括ケアシステムを進める上で重要なエンジンの一つとなります保健師活動の再構築、そして、患者さんがスムーズに社会復帰できるよう、医療と保健、福祉サービスを連動させて支える地域連携パスの開発、普及等を進めてきたところであります。  私は、大分前になりますが、町長時代の経験から、住民に最も身近な市町村における包括ケアシステムの取り組みが大変重要であり、そして、それは住民の皆様のニーズに合わせて常に進化していかなければならないものであると考えているところでございます。  このため、私は、県としての包括ケアシステムの取り組みが十五年目を迎えた今年度、市町村における包括ケアシステムの取り組みをこの目で確かめたいと考えまして、幾つかの市町村を訪問して、首長さんを初め、地域で住民の方々と直接向き合っております保健師の皆様方と包括ケアシステムの取り組みについて懇談をし、意見交換を重ねているところでございます。
     そこでは、市町村における保健師さんなどによる住民の皆様に対するさまざまな取り組みや、時には包括ケアを進めようとする上での悩み事なども聞かせていただいております。  私は、これからもこの訪問を続け、首長さんや保健師さんなどとの意見交換を通じて、市町村の赤ちゃんからお年寄りまで全ての住民を対象とする予防を重視した保健・医療・福祉包括ケアシステムづくりをさらに推進していきたいと考えております。  私からは以上です。 42 ◯副議長(森内之保留) 総務部長。 43 ◯総務部長(中村 賢) それでは、県の空き家対策条例についての認識と今後の対応について御答弁を申し上げます。  所有者に管理の意思がないなどによりまして適正な管理が行われない空き家は、積雪時に除雪が行われない結果、周囲に危害を及ぼすおそれがありますことから、条例を制定し、その空き家の管理に取り組む市町村が出てきております。  具体的には、条例において立入調査、相当危険と認められる場合の勧告、命令、また、命令に従わない場合の代執行等を規定しておりまして、県といたしましても、県内市町村がその実効性ある空き家の管理を行う上で、条例による対処は有効な手段になり得るものと認識しております。  また、県内市町村におきましても、空き家管理に関する条例の制定を検討する動きがあることから、庁内関係各課による空き家対策に関する庁内連絡会議を設置し、九月中旬には空き家管理に関する条例を豪雪地帯において先駆けて制定をした秋田県大仙市などを訪問し、調査を行ったところでございます。  調査結果がまとまり次第、条例制定の経緯あるいは条例施行上の課題など、県内市町村に対し情報提供を行う予定としております。 44 ◯副議長(森内之保留) 行政改革・危機管理監。 45 ◯行政改革・危機管理監(小笠原靖介) 関係機関との連携による防災体制の充実についてお答えいたします。  大規模災害時には、迅速な初動体制の確立と的確な応急対策の実施が何よりも重要です。このため、いざ災害が発生した場合に、市町村だけでなく、防災関係機関と連携して情報収集や応急対策を実施できるよう、平時から連携体制の強化に向けた取り組みを推進することが不可欠です。  このような基本的な認識のもと、県では、年間を通じて計画的に市町村や防災関係機関を交えた図上訓練や県総合防災訓練を実施しています。また、訓練の実施だけでなく、実施までの調整過程を通じて、県や市町村、防災関係機関との間で役割分担や対応能力について確認や認識共有を行うことが、相互連携強化に当たり有効であると考えています。  今年度、具体的には、市町村、消防の参加を得た地震対応図上訓練や風水害対応図上訓練、協定締結事業者も加えた食料等確保対策、輸送対策に特化した図上訓練、警察や消防、陸海空自衛隊、海上保安部など幅広い関係機関の参加を得た実働訓練である県総合防災訓練などを実施しています。  今後も引き続き、計画的に図上訓練等を実施し、実践的な対応能力の向上や防災関係機関との連携強化に努めてまいります。 46 ◯副議長(森内之保留) 企画政策部長。 47 ◯企画政策部長(小山内豊彦) 御質問二点についてお答えいたします。  まず、県内の地域公共交通の確保についてです。  路線バスを初めとする県内の地域公共交通については、モータリゼーションの進展や人口減少の影響等により利用者が年々減少しており、路線の維持が困難な状況となっています。特に、半島部に位置する下北地域では、路線の設定や利用拡大に向けた取り組みを行う上で、厳しい状況にあると認識しております。  一方で、下北地域は、大間─函館航路や蟹田─脇野沢航路など道南地域や津軽半島と直接結ばれた交通ネットワークを有しており、今後の北海道新幹線新函館開業という大きな変化を考えた場合、津軽海峡を挟んだ両地域間の人口流動の拡大や本県への滞留時間の質的・量的拡大に向けて重要な地域であると考えているところです。  こうした状況を踏まえ、県では、東北新幹線全線開業後の動向や平成二十七年度末の北海道新幹線開業なども見据え、本年度において将来的に持続可能な公共交通を中心とした広域交通ネットワーク及び地域交通ネットワークを構築するための指針を策定することとしているところです。  次に、大間─函館航路新船建造についてです。  現在、大間町が進めている大間─函館航路の新船建造に対する県の支援につきましては、同航路が下北地域における防災上の避難航路としての役割を有する航路であること、東北新幹線全線開業を契機にした北海道道南地域との広域観光に必要な航路であること、大間町のみならず、下北地域全体の振興にも不可欠な航路であることなどの特有の事情を踏まえ、平成二十三年一月に取りまとめた津軽海峡フェリー株式会社、大間町、県の三者による航路存続に関する合意事項に基づき、県として新船への建造費の一部を大間町に支援することとしているものです。  具体的には、新船の建造の進捗に合わせ、平成二十三年度には二千万円の補助金を交付しており、二十四年度の四億八千万円と合わせて総額で五億円を補助する予定としています。  新船の運行スケジュールについては、現在、大間町において新船の指定管理者の指定等の手続が進められており、平成二十五年四月中の就航を目指していると聞いております。 48 ◯副議長(森内之保留) 商工労働部長。 49 ◯商工労働部長(馬場良夫) 御質問五点についてお答えいたします。  まず、若年者の非正規就業の割合と新規学卒者の離職状況についてでございます。  総務省統計局が五年ごとに実施しております就業構造基本調査の最新の平成十九年調査では、本県の三十五歳未満の若年者の非正規就業の割合は三三・九%となってございます。また、青森労働局の調査によりますと、本県の平成二十年三月卒業者の三年後の離職率は、新規高等学校卒業者が四三・五%、新規短大等卒業者が四四・八%、新規大学卒業者が三三・三%となってございます。  次に、県内の若年無業者、いわゆるニートの状況についてでございます。  同じく、平成十九年就業構造基本調査によりますと、本県において年齢が十五歳から三十四歳で家事も通学もしていない無業者のうち、求職活動をしていない、または就業を希望していない者は、男性五千二百人、女性三千三百人の合計八千五百人となっており、同年代の人口に占める割合は二・八%となっております。  次に、若年無業者の就労支援として農林水産業における職場体験等による自立支援についてでございます。  県が運営を補助しております青森県若者サポートステーションでは、ニートなど無業の状態にある若者等を対象に、キャリアコンサルタントや臨床心理士による相談を初め、職場見学、就労体験、地域イベントへの参加を通じたコミュニケーションの形成支援等を実施し、就労と職業的自立をサポートしてきているところでございます。  特に、職場見学、就労体験は、仕事を肌で感じ、自分で確かめることにより、働く自信の回復や職業意識の形成につながりますことから、本県の主要産業でございます農林水産業を初めとした多様な業種の事業所に協力をお願いし、実施してきているところでございます。  県といたしましては、若年無業者が置かれている状況や個人の適性、希望等に応じた早期就職を支援するため、引き続きサポートステーション等関係機関と連携して取り組んでいきます。  次に、未就職の若年者がみずから創業・起業できるような支援についてでございます。  県では、未就職状況となっている若者も含めまして、創業に意欲のある方々に対し、ビジネスプランの構想段階から実現に至るまで、創業・起業支援の専門家であるインキュベーションマネジャーによる一貫した伴走型の支援に努めているところでございます。  この取り組みにより、青森市、弘前市及び八戸市に設置されている創業支援拠点において、インキュベーションマネジャーによる創業希望者の進捗に応じたきめ細かい支援のもと、これまで五十三名が創業に至っております。  今年度は、さらに県内全域での創業者輩出を進めるため、創業支援拠点が設置されていない三市以外の地域を中心に、二名のインキュベーションマネジャーが定期的に訪問し、伴走型の支援に取り組んでいるところでございます。  また、創業・起業を希望する方々の機運の醸成を図るため、平成二十一年度から県内支援機関等と連携・協力し、創業・起業支援制度合同説明相談会を県内六カ所で各二回、年十二回開催しておりますほか、昨年度より、次代を担う若者による創業・起業を支援するため、ビジネスプランの研修や募集を行い、受賞者に創業準備資金の一部を助成いたします若者発ベンチャー創出事業を実施しており、昨年度の受賞者は、現在、夢の実現に向かって事業に着手しているところでございます。  最後に、東通村等でのヘルスプロモーションカーの実車導入による実証効果についてでございます。  ヘルスプロモーションカーは、可搬式の医療機器等を搭載し、巡回診療、健康診断、健康教室などの多様な用途に柔軟に対応できる多機能小型車両で、今年度より本車両を活用した新たな保健・医療・福祉サービスシステムの実証研究を開始し、検討を進めてきた結果、取り組みの具体的な方向性が定まってきましたことから、今般、実車を導入し、より実践的な実証を行うため、本定例会に所要の予算額を計上して御審議いただいているところでございます。  本事業により、訪問診療や介護予防活動、安心見守り等を実施するほか、県内企業の技術を生かした機器開発を行い、実車に搭載することとしております。  今後、県産技術を生かした機器を搭載する車両が実証を踏まえて普及することで、本県のライフ分野の産業振興に寄与するものと考えております。  また、本事業により創出された新たな保健・医療・福祉サービスシステムが、地域の支え合いを初めとする地域の課題解決に貢献していくことで、地域住民のQOL、生活の質が高まることも期待しているところでございます。 50 ◯副議長(森内之保留) 県土整備部長。 51 ◯県土整備部長(成田昌規) 御質問三点についてでございます。  まず、新船の就航に向けた大間港の整備についてでございます。  大間港フェリー埠頭の整備につきましては、新船の大型化に伴い、就航に必要となる水深五・五メートルを確保するため、使用する根田内一号岸壁の改良工事と泊地のしゅんせつ工事を平成二十二年度から実施しております。  大間─函館航路は、物流や観光のみならず、地域住民にとって重要な生活航路であることから、新船の就航予定時期を踏まえ、今年度内の完成を目指してまいります。  次に、空き家建物の所有者を特定するための支援制度でございます。  市町村が空き家の所有者の特定を行うための支援制度として、国土交通省所管の空き家再生等推進事業があります。これは、過疎地域である市町村や過去五年間で人口減少が認められる市町村を対象地域とし、空き家の所有者を特定するための調査に要する費用の二分の一を国が市町村に補助する制度でございます。  県では、本制度について、機会を捉え、市町村に対し情報提供を行ってきたところでございますが、今後も引き続き、情報提供に努めてまいります。  最後に、暴風雪による国道二百七十九号通行どめの教訓を生かした今後の対応方針でございます。  県では、ことし二月一日の暴風雪による国道二百七十九号の通行どめを踏まえ、各地域県民局、庁内関係課、県警察本部、関係市町村と通行どめに関する検討会議を開催し、課題や対応策について検討を行ってきております。  この検討過程で、暴風雪時等において適切な対応を可能とするためには、第一に、早期の気象情報の収集が不可欠であると共通認識されたことから、現在、気象コンサルタントに委託し、過去の気象状況と交通傷害の関連性について検証し、気象状況による交通障害予測システムの構築を行っております。  また、暴風雪等による交通障害が予測される場合の関係機関との情報連絡体制や職員及び除雪業者による早期のパトロール体制の構築、関係市町村との除雪連携強化につきましても検討を進めております。  さらに、除雪作業を継続しても安全な交通確保が困難と見込まれる場合の通行どめの判断やその情報伝達方法、車両通行どめ後の早期交通開放に向けた効率的な除雪作業についても検討を進めております。  今後は、これらの方針に基づき、国道二百七十九号関係者による情報伝達訓練を降雪前に実施し、連絡体制の改善を図るとともに、今冬から交通障害予測システムの有効性について検証を行ってまいります。 52 ◯副議長(森内之保留) エネルギー総合対策局長。 53 ◯エネルギー総合対策局長(八戸良城) 御質問二点にお答えいたします。  まず、再生可能エネルギーの導入推進による雇用の拡大や産業振興への取り組みについてです。  全国的に再生可能エネルギー導入推進の動きが活発化してきていますが、県としては、再生可能エネルギーを地域資源として捉え、地域みずからが活用し、そのメリットが地域に還元されることが重要と考えています。  このため、県内事業者による発電事業やメンテナンス分野への参入促進、販売・施工分野における事業者育成などに取り組んできたところですが、さらに、今年度から青森県再生可能エネルギー産業ネットワーク会議を組織し、産学官金の連携による新たなビジネスモデルの創出を目指す取り組みを進めています。  県としては、本県が有する豊富なエネルギーポテンシャルを生かし、再生可能エネルギーの導入促進を着実に地域の産業振興や雇用拡大につなげていきたいと考えています。  次に、地中熱や温泉熱を活用した県の取り組みについてです。  県では、地中熱や温泉熱などの利用を推進することを目的として、平成二十年に青森県地中熱推進ビジョンを策定し、住宅や事業所での冷暖房や融雪、農業分野での利用促進などに取り組んでいます。  地中熱については、これまで戸建て住宅への地中熱利用システムの実証導入や県内の地中熱利用ポテンシャル調査などを実施してきたところであり、平成二十三年度からは、地中熱利用の普及啓発に努めるとともに、本県に適した地中熱利用システムを検討するため、農業ハウスでの栽培試験を行っています。  一方、温泉熱利用については、青森市の浅虫温泉地区、むつ市、大鰐町において温泉熱利用可能性調査を実施し、温泉熱利用設備の導入事業に対し、国のグリーンニューディール基金を活用した支援を行ってきたところです。  地中熱、温泉熱の活用は、二酸化炭素の排出削減やエネルギーの地産地消といった効果が期待されることから、引き続き利用促進に取り組んでまいります。 54 ◯副議長(森内之保留) 教育長。 55 ◯教育長(橋本 都) 御質問五点にお答えいたします。  初めに、教育改革の御質問のうち、高等学校の果たす役割についての考え方です。  変化の著しい社会の中で、子供たちが社会の一翼を担い、社会に貢献できる人間として成長するためには、学校を核としたさまざまな教育活動の中で、確かな学力や豊かな人間性とともに、高い志を持ち、それに向かって進路実現を図るためのたくましい心を身につけることが大切です。  その中で、高等学校は、生徒一人一人が子供から大人へと成長する過程の中で、実社会に出て自立するためのさまざまな資質を身につける場であると同時に、中学校における教育を基礎として将来の生き方を考え、進路を決定する場として大切な役割を担っています。  このため、高等学校教育においては、みずからの可能性を切り開くための学力向上に向けた教育内容の充実とともに、生徒が互いに切磋琢磨できる環境の中で社会性を育み、みずから考え、行動する力や主体的な進路選択を行うための勤労観、職業観を身につけさせるなど、多様な教育活動の展開が求められるものと考えております。  次に、地域において高校教育を受ける機会の確保ということについての考え方です。  県立高等学校において、生徒の多様な進路志望に対応する教科、科目の開設やさまざまな学校行事、部活動を展開するためには、一定の学校規模であることが求められるところです。  あわせて、法令においては、高等学校の教育の普及及び機会均等を図るため、その区域内の公立の高等学校の配置及び規模の適正化に努めなければならないと規定されています。  県立高等学校教育改革第三次実施計画では、基本的な考え方として、六地区ごとに中学校卒業予定者数の推移、社会や生徒のニーズに対応した普通科等、職業学科、総合学科の割合という観点から、計画的に統合等を進めることとしております。  この場合においても、募集停止によりほかの学校へ通学することが困難な地域がある場合には、地域において高校教育を受ける機会の確保という観点から、柔軟な学校配置等にも配慮することとしております。  次に、学校の環境整備としてトイレの洋式化の状況と今後の対応についてです。  学校施設は、児童生徒が一日の大半を過ごす学習、生活の場であり、トイレを含め、適切な環境を保つことが重要であります。  県教育委員会が平成二十三年十二月一日現在で公立小・中学校及び県立高校の校舎を対象として実施した調査によりますと、洋式便器を設置している学校数は、小学校は三百三十二校中三百一校で、設置率は九〇・七%、中学校は百六十五校中百五十四校で九三・三%、高校は六十七校中六十七校で一〇〇%となっております。  また、洋式便器の設置率は、小学校では二九・七%、中学校では二八・一%、高校では三〇・〇%となっております。  今後は、各市町村教育委員会に対し、学校の実情に応じトイレ環境の整備、改善を図るよう引き続き働きかけるとともに、各県立高校においては、それぞれの状況等を踏まえ対応してまいりたいと考えております。  次に、スポーツ振興について、むつ・下北地域における状況についてです。  むつ・下北地域では、これまでボート、柔道、陸上競技においてオリンピック選手を輩出しているほか、各種競技も盛んに行われており、地域住民のスポーツに対する関心は高いと認識しております。  さらに、平成二十三年度には全国高等学校総合体育大会フェンシング競技が行われ、地元関係者で組織されたむつ市実行委員会や下北地域の高校生が運営に当たり、大会を成功に導いたことも記憶に新しいところです。  今年度は、青森県高等学校総合体育大会において、地元むつ・下北地域の高校生が、ボート、ヨット、フェンシング競技で優勝しているほか、全国高等学校総合体育大会ボート競技において、むつ工業高校の上野悠貴選手が個人優勝するなど、すばらしい成績をおさめております。  最後に、むつ・下北地域の活性化のため、漕艇場の整備についてということの県教育委員会の考えです。  県教育委員会では、本県のスポーツ振興を継続的、計画的に推進するため、昨年度、外部の有識者や県体育協会などの関係団体、庁内関係課等で構成する青森県スポーツ振興基盤整備調査検討会議での調査検討を踏まえ、青森県スポーツ振興基盤整備計画を取りまとめたところです。  この中で、競技力向上に向けた人財の育成やスポーツを通じた地域づくりの推進に取り組むとともに、老朽化した県有体育施設について、国体の開催時期等を踏まえつつ、計画的に改築整備していくこととしたところです。  なお、新田名部川漕艇場については、全国規模の大会が開催できる漕艇場が整備された場合には、本県ボート競技の普及発展、競技力向上や地域振興に寄与するものと考えられるとする一方で、競技人口が減少傾向にあることなどを踏まえ、今後、競技人口の拡大、整備に向けた機運や必要性の高まりなど環境が整うまで推移を見守る必要があるとされたところです。  県教育委員会では、これらの方針に基づき、引き続き慎重に推移を見守ることとしております。  以上でございます。 56 ◯副議長(森内之保留) 菊池議員。 57 ◯十一番(菊池憲太郎) 知事並びに関係部局の皆様には御答弁ありがとうございました。  再質問はございませんけれども、一点だけ要望並びに指摘をさせていただきたいと思います。  それは、やはり全国でこれから一層深刻になるであろう空き家についてでございます。
     人口の減少化に伴い、空き家も今後どんどん増加していくことが見込まれております。そもそも市町村で対応ということでされてきたわけでございますけれども、実際に市町村の対応にも限界があるように思っております。  県としては、建築基準法に基づく建築確認の審査、検査等を行っておりまして、建築物の状態や今後起こり得る事態に対して最も見識を持った身近な行政であると思います。このことを十二分に御理解をしていただいた上で、相談窓口などをぜひとも設けていただきたいと思います。  たまたま第三者に対しての被害が余り報告されていないがゆえに問題が大きく取り上げられていないかと思いますけれども、これが隣地における建物の破損であったり人身にかかわる問題になったときに、最終的には行政で責任を負わなければいけないような事態も発生してきかねませんので、ぜひその辺の対応をお願いさせていただきまして、終わりたいと思います。 58 ◯副議長(森内之保留) 六番工藤義春議員の登壇を許可いたします。──工藤義春議員。 59 ◯六番(工藤義春) 自由民主党の工藤義春でございます。  最初に、今の政府に対しての所感を少し述べさせていただきます。  国のエネルギー政策については、今回何人もの議員が質問されましたので細々とは申しませんが、大体今までのを要約すると、こういうことであります。国の説明はまず矛盾している。将来に向けた指針がはっきりとせず納得がいかない。まとめるとこれだけなんです。二〇三〇年代に向け原発ゼロ目標を掲げる一方、核燃料リサイクル事業関連は継続する。そして最終処分地にはしない約束も厳守すると公表しました。これは、青森県がというよりも、三村県知事が繰り返し繰り返し経緯を強調してきた、これも一つの要因の成果ではないかと、私は大変評価しているところであります。  ただ、この説明内容は整合性がなく、何か選挙をにらんでの、そういう八方美人的な政策の指針であり到底理解のできないものであると私は思っています。そして、今の政府は、外交問題にしても前途多難なイバラの道を歩んでいます。重要課題は何も決められない状況、このままでは日本は本当に沈没します。一刻も早く国民の信を問うこと、これを願うものであります。  実はきょう、私、朝六時からライオンズクラブの会員と約二十名ぐらいで地元の猿賀神社境内を清掃奉仕してきました。台風も少しずれたんですが、小雨でした。ただ、こういう朝からよいことをすると、はっきり言って心もすっきり爽やかでございます。あと、私ともう一人、二人でこの一般質問は終わります。頑張って通告に従い、質問に入らせていただきます。  最初の質問です。社団法人青い森農林振興公社の分収林、これも何人か質問してまいりましたけれども、まず、新聞等報道を見て驚いたのは、私だけではなく、県民全体だと思います。県内最大の負債三百六十七億円という額、これは県民にはね返ってくるわけですから当然であります。これまでの経緯を見ると、昭和四十五年、公社設立後に、その十年後から長期にわたる林業の採算性の悪化により公社の債務問題が顕在化し、そして、平成二十二年十二月に公社経営検討委員会からの提言に基づき経営改革の方向を決定したとあります。採算性が悪化してから三十年近くもたっての話で、何でもっと早い段階で手を打つことはできなかったのかなと、少し疑問に思っています。  そこで一点目の質問です。  分収林を県民共通の公共財として引き継ぐ理由と今後の経営方針について伺います。  来年の四月から分収造林事業を県民共通の公共財として公益機能の必要性から県が引き継ぐとあります。県民はこれにもまたかなり不安を感じると思います。県が引き継いでどう違うのか、そう思っているはずです。  そこで二点目の質問です。  県移管後の分収林については、これまで以上に採算性を重視すべきと考えますが、県の見解をお伺いします。  三点目として、県移管に向けた現在の取り組み状況、そして今後のスケジュールについてお伺いいたします。  次に、二番目として新規就農対策についてであります。  昨今、農家は高齢化や後継者不足等の問題から耕作放棄地も増加しつつある現状で、国も就農促進や農地集積の方針を地域で定める人・農地プランを推進し、青年就農給付金や農地集積協力金、緊急雇用対策事業での農業法人に対する補助制度の拡充などさまざまな支援事業に乗り出しています。就農意欲の喚起と就農後の定着を図る意味では、国、県の助成制度は担い手育成や新規就農者を後押しするもので欠かせない支援であります。  そこで次のことを質問いたします。  まず一点目として、本県における近年の新規就農の状況についてお伺いいたします。  二点目として、青年就農給付金は予想よりはるかに超える申し込みがあり、各自治体もいろいろ苦慮していると聞きます。せっかく希望者が多数いるのに、国の予算が当初予算額の半分も確保されておらず、給付が受けられない人、そしてまた、受けられる人がいるのでは本当に不公平であり、受けられない人にとってはやる気をなくす結果にならないか心配であります。  そこで二点目の質問です。  国の青年就農給付金の予算配分は本県でも要望量より下回っているようですが、県の対応についてお伺いします。  三点目として、県でもいろいろと支援していると思いますが、新規就農者の定着に向けて県はどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  三番目として、バイオマス資源の利活用及び事業化についてであります。  昨今、再生可能エネルギーが全国的に拡大しつつあり、その中でもバイオマス資源の利活用もまた注目を集めているところであります。  そこで、二点ほど質問いたします。  一点目は、バイオマス資源の活用に向けた県の基本的な考え方についてお伺いします。  二点目として、津軽地域において、バイオマス発電やバイオコークス製造など、民間事業者が主体となった事業化への取り組みが活性化していることについて、県はどういう認識と評価を持っているのかお伺いいたします。  次に、四番目として、生活保護と最低賃金についてであります。  長引く不況で生活保護が年々ふえ続けていますけれども、近年は働ける年齢層もまた増加し、そして、不正受給もふえて問題となっているところであります。また、最低賃金が生活保護の給付水準よりも低いという逆転現象の改善はなかなか進まない現状であります。この逆転現象は、働くよりも生活保護を受給したほうが楽だと考える風潮を生み、働く意欲をなくしている人もいるかもしれません。  そこで質問です。  一点目として、本県における生活保護受給世帯の推移について、そして、不正受給の実態とこれに対する対応についてお伺いいたします。  次に、最低賃金が上がれば上がるほど、当然働く人にとってはよいことなんですが、その反面、中小企業や零細企業においては大変な経営への影響をもたらすことになります。かといって、働ける年齢層の生活保護受給者の働く意欲を喚起し、自立を促すことや、低賃金の人が生活保護受給という事態にならないようにする、こういうこともまた重要であります。本県では、最低賃金が七円、先般アップしました。逆転現象は解消されたわけですが、そこで二点目と三点目の質問です。  本県では、最低賃金が生活保護給付水準を下回る状態が解消されたわけですが、このことにより生活保護の運営にどのような影響があると認識しているのか伺います。  また逆に、最低賃金の引き上げが中小企業に及ぼす影響、またその対応についてお伺いいたします。  次に、五番目として、これは何人もの方が質問されているんですが、あえて私も質問いたします。県立高等学校教育改革第三次実施計画後期計画案についてであります。  県教育委員会は、七月十二日に県立高校の再編計画の後期案を公表されました。これまで再編計画後期分の策定について、六月には県町村会や県市長会が地域住民の意見を十分考慮してほしい、そういう要望も行ってきました。弘前実業藤崎校舎の存続を求めた約五万八千筆の署名が藤崎町の町長からもまた提出されました。そして、七月十三日から八月三十一日までパブリックコメントを実施し、七月二十五日の黒石市を皮切りに、県内各十一会場で地区説明会を開催してまいったところであります。そして、県では、検討を重ねた上で十一月をめどに計画の成案を公表すると言っております。  そこで何点か質問いたします。  一点目として、要望書、署名、パブリックコメント、地区説明会での意見等、これにどのように対応していくのかお伺いいたします。  次に、この計画案というのは少子化に対応して一定規模以上にするため学校を整備する考え方ですが、私はただ数を合わせればいいというものではないと思っています。地域の実情をもっと把握し、検証しなければ、地域全体の町村の仕組みまで壊れることになりかねません。  そこで、大体教育長の答弁を見ていますと、何か最初から後期案がありきだというふうに聞こえるところがあります。そうではないとは思うんですが、そこで二点目の質問であります。  後期計画案について強い反発があることから、もっと地域の実情を検証し、議論を尽くし、十一月の成案策定にこだわるべきではないと私は考えるんですが、県教育委員会の見解をお伺いしたいと思います。  次に、六番目の質問であります。いじめの現状と県教育委員会の対応についてであります。  最近、いじめを苦にして自殺するという痛ましい報道が後を絶ちません。特に中学生の方が多いわけですが、大津市の問題から学校側と教育委員会の対応に世間から非難の声が相次ぎました。あげくの果てに警察まで介入する事態となり、国もまた動き出しました。  そこで何点か質問いたします。  一点目として、本県の公立小・中・高等学校及び特別支援学校におけるいじめの現状とその対応についてお伺いします。  二点目として、教育委員はほとんどが著名人や有識者で構成されているのが実情であります。先ほども新しい方が任命されました。学校の現場のこととか、教育委員の方は実情を余り知らないと思うんです。私は前に委員会の中に何で行政執行部とか、そういう人が入っていないのかなと考えたことがあります。勉強不足で、これは地方教育行政の組織及び運営に関する法律第六条で兼ねることができないとうたわれている。いずれにせよ、教育委員は教育現場を知ることが求められていると思います。  そこで二点目の質問です。  県教育委員は、学校現場等の状況を把握するためにどのような活動を行っているのかお伺いします。  次に七番目です。教育委員会及び県警本部における不祥事についてであります。  朝、新聞とかニュースを見ますと、ああ、またかと気持ちが暗くなります。児童を守るべき立場の教育者の不祥事、そして国民の安心・安全を守るべき警察の不祥事が近年少し多過ぎると思います。処分をすれば事が済むという問題ではなく、原因や背景を徹底して調べ検証すべきであると思います。指導が悪いのか、自覚がないのか、組織が甘いのかわかりませんけれども、県民、国民が一番信頼している立場の人間だということを忘れてはいけないと思います。  そこで質問です。  本県の教育委員会及び警察本部における近年の懲戒処分の状況と再発防止に向けた今後の対策についてお伺いいたします。  八番目、最後の質問ですが、駐在所の人員配置、子供に対する声かけ事案についてであります。  県内の都市部以外の地域には要所要所に警察官の駐在所が配備され、地元住民と一体になって地域の安心・安全のために活動していただいております。しかしながら、駐在所の中には、昨年度まで複数の警察官が勤務していたのに、本年度から急に単独勤務になってしまった箇所があります。地域住民から不安に思う声も上がっているところであります。県内で発生している事件や事故については、全体として減少傾向にあると聞いておりますが、全国的には子供の連れ去り事件が相次いで起きており、我が地域でも子供への声かけや不審者がうろついているといったような情報が寄せられております。地域の安全・安心を確実に守るためにも、警察署から遠距離にあるような駐在所の警察官の人員はこれまでどおり確保し、パトロールの強化などに努めていただきたいと思うところであります。  そこで二点質問です。  一点目は、県内の警察官駐在所の中には、昨年度まで複数の警察官が勤務していたのに、本年度から単独配置されている箇所があります。その理由について、そして、今後どうなるのかお伺いしたいと思います。  二点目です。本県での近年における声かけ事案の発生状況、そして、それに対する対応についてお伺いします。  以上をもって壇上からの私の質問を終わらせていただきます。 60 ◯副議長(森内之保留) 三村知事。 61 ◯知事(三村申吾) 工藤義春議員にお答えいたします。  まず、私からは、分収林を県民共通の公共財として引き継いでいく理由と今後の経営方針であります。  私は、山村地域で働く方々の懸命な努力によって植林され、また守り育てられてきました約一万ヘクタールの分収林は、将来、良質な県産材を供給する森林資源であることはもとより、水資源の涵養や、近年頻発しております山崩れの未然防止、地球温暖化防止に貢献する二酸化炭素の吸収固定といった安全・安心で快適な県民生活を支えているほか、山村地域の雇用の場の創出や農業、漁業を初めとする産業の振興など、地域経済の発展にも大きく寄与してきたと確信するところであります。  このため、私は、このような重要な役割を果たしている分収林を県民共通の公共財として県が引き継ぐことを平成二十二年十二月に決断いたしました。  この大切な公共財としての分収林につきましては、現在、有識者で構成いたします県民環境林経営検討委員会において、今後の基本的な経営方針として、全ての県民がひとしく恩恵を受ける森林の公益的機能の発揮や、収益性に配慮した経営、県民の理解と参画による適正な管理と整備の推進の三本の柱のもとに、具体的な収入の確保やコストの軽減策等について御検討いただいているところでございますが、今後、同委員会からの最終報告を踏まえながら、県民環境林として期待されるさまざまな役割が十分発揮されるよう、適切な管理、経営に向けて最大限の努力を図っていくこととしております。  新規就農者の定着に向けての県としての取り組みでありますが、私は、生命産業である農林水産業が本県を元気にする成長産業でもあるという強い思いで、若手農業トップランナーなど、将来の本県農業をリードする人財育成にも取り組んでおります。幸いにも、近年、農業に夢を持ち、職業として農業を選択する新規就農者がふえてきており、これら新規就農者を地域にしっかり定着させていくことが極めて重要であると認識をいたします。  特に農業経験のない新規参入者につきましては、夢と志はあっても、生産技術が未熟であることに加え、農業機械等の初期投資の負担が大きいことから、農業法人等に就職する雇用形態の就農により、一定の所得を確保しながら生産技術や経営のノウハウを身につけていく必要があると考えております。  このため、県では、田舎館村の津軽苺出荷組合のように、短期間で研修生に生産技術を習得させ、就農後も生産面、販売面をフォローアップする取り組みや、五戸町の農事組合法人くらいしのように、雇用形態で研修をさせ、継続雇用して就農させる取り組みなどを支援してきたところでございます。  今後は、このような取り組みを拡大していくため、農業経営士や農業法人などの研修受け入れ態勢を強化するとともに、就農後も農協や市町村、地域県民局などが一体となって新規就農者をサポートする、いわば地域の担い手は地域が育てる仕組みを構築し、本県が目指す地域経営の中核を担う農業経営者として定着させ、成長していくように努めていきます。  バイオマス資源の活用に向けた基本的な考え方であります。  本県は、日本一の生産量を誇りますリンゴやニンニクを初め、米や野菜、果実、畜産物、水産物などのバランスがとれた全国有数の食料供給県であるとともに、全国第四位のスギ人工林を初めアカマツなど多様な森林が県土の約六割を占めるなど、県内には農林水産業に由来する有機性資源、いわゆるバイオマスが豊富に存在しております。  私は、こうした資源をできる限り有効に活用し、付加価値を高めることが農山漁村における新たな産業の創出や地域経済の活性化につながり、さらには地球環境に優しい資源循環型社会の形成にも寄与するものと考えます。  本県では、発生しますバイオマスの多くが堆肥や家畜用飼料として利用されておりますものの、収集・運搬コストがかさむ間伐材やリンゴ剪定枝等は、採算性の確保が難しいため低い利用率にとどまっており、今後さらなる利用拡大を図っていく必要があると考えます。  このため、県としては、平成二十三年十二月に改定しました青森県バイオマス活用推進計画に基づき、発生した地域内で間伐材等を農業用ハウスや家庭の暖房用燃料として利用する地産地消型の低コストな取り組みを促進するほか、民間事業者等によるリンゴ搾りかすなどを原料としたバイオコークスや、間伐材、リンゴ剪定枝などを活用したバイオマス発電など、付加価値の高い新たな取り組みに対しても国の助成制度等を活用しながら支援していく考えであります。  特にこのバイオマス資源の活用が津軽地域において民間事業が頑張っていることについての認識、評価であります。  県では、農工ベストミックス新産業創出構想に基づき、バイオマス資源活用等による新産業の創出に取り組んできました。具体的には、産学官・金融の広域的な人材ネットワークでありますあおもり農工ベストミックス構想推進協議会や、研究開発支援を行う研究会を設置し、事業化に向けた取り組みを推進しております。  このような中、平川市内の民間企業等が研究会を立ち上げ、地域のバイオマスを燃料とするところの大規模バイオマス発電の事業化への検討が始まりましたほか、今年度からは、黒石市内の民間企業が、これまで産学官連携により進めてきた石炭コークスの代替燃料と期待されますバイオコークス製造の事業化への具体的な検討を行っており、これらはまさに民間主導型の取り組みとして大変に期待しております。  県としては、産学官金の連携を推進し、新たな民間企業の参入を図りながら、バイオマス資源を活用した関連ビジネスの事業化、産業化を促進し、雇用の創出と地域経済の活性化につなげていきたいと考えているところでございます。  私からは以上です。 62 ◯副議長(森内之保留) 健康福祉部長。 63 ◯健康福祉部長(江浪武志) 生活保護と最低賃金の関係の二点についてお答え申し上げます。  まず、本県におきます生活保護受給世帯の推移及び不正受給の実態とこれに対します対応についてでございます。  本県の生活保護受給世帯数は、平成八年度から継続して増加をしておりまして、月平均の受給世帯は、平成八年度の一万千三百十五世帯から、平成二十三年度には二万二千四百三十四世帯と、この十六年間で一万千百十九世帯増加いたしまして、ほぼ倍増となっております。  特に平成二十一年度以降は、稼働能力のある世帯員のいる世帯の増加が顕著になっているということでございます。  次に、不正受給の関係でございますが、県では、国の指導のもとに生活保護法第七十八条の適用により返還を求めましたケースについて、不正受給件数として国に報告をしているところでありまして、平成二十三年度分として国に報告したのは百六十四件となっております。  その主な内容としては、稼働収入の無申告や過少申告によるものが九十七件、全体の五九・一%と最も多く、続いて、各種年金及び福祉各法に基づく給付の無申告四十五件、二七・四%となっているほか、資産収入の無申告、預貯金の無申告によるものとなっております。  このため、各福祉事務所におきましては、生活保護受給者に対しまして、家庭訪問などを通じて収入申告の義務について周知を図っているほか、毎年、課税調査を実施し、適正に収入申告がなされているか確認しているところでございまして、今後とも継続して実施していくこととしているところであります。  次に、最低賃金が生活保護給付水準を下回る状態が解消されたことによります生活保護の運営への影響についてでございます。  生活保護の動向に関しましては、社会経済情勢に大きな影響を受けるとされておりますけれども、最低賃金のみについて着目をいたしますと、平成二十三年度の月平均におきます生活保護受給世帯のうち、常用勤労者、日雇い労働者、内職者など何らかの形で働いている方のいる世帯は全世帯の九・四%ということとなっておりまして、最低賃金のアップというものが直ちに保護の動向に大きな影響を及ぼすものとはならないものと考えているところでございます。  しかしながら、最低賃金が生活保護給付水準を上回ることによりまして就労している方の収入の増加につながる可能性もあることから、生活保護を受給していない世帯におきまして生活保護の申請に至らない場合というものも考えられますし、また、生活保護受給世帯におきましても自立の助長に結びつくということも考えられると考えているところでございます。 64 ◯副議長(森内之保留) 商工労働部長。 65 ◯商工労働部長(馬場良夫) 最低賃金引き上げが中小企業に及ぼす影響とその対応についてお答え申し上げます。  最低賃金は、地方最低賃金審議会において地域における労働者の生計費、賃金、事業主の支払い能力のほか、生活保護水準等を考慮して審議され、地方労働局で決定されるものと承知しております。  しかしながら、小規模・零細企業が大宗を占める本県県内中小企業にとって、最低賃金引き上げに伴う経営、雇用への影響が懸念されるところであり、円滑な最低賃金の引き上げを県内中小企業が行うためには、生産性向上による労働コスト吸収や売り上げ増加を図るなどの課題に取り組む必要があると考えております。  このため、国では、専門家が経営面と労働面の相談等にワンストップで対応する最低賃金相談窓口を青森市と八戸市に設置しているほか、県内中小企業の経営相談の総合窓口でございます21あおもり産業総合支援センターにおいて、各種経営課題に専門的知見を有するコーディネーターが相談に応じてきているところでございます。  県といたしましては、国、関係機関との連携のもとに、県特別保証融資制度やあおもり元気企業チャレンジ助成事業など各種事業を活用しながら、新技術・新製品開発や新分野進出等、経営課題に果敢に挑戦する中小企業を積極的に支援し、県内中小企業の経営力向上に取り組んでいきます。 66 ◯副議長(森内之保留) 農林水産部長。 67 ◯農林水産部長(渋谷義仁) 御質問四点についてお答えいたします。  最初に、県移管後の分収林の採算性重視についてであります。
     県移管後の分収林の経営については、去る九月七日に、学識経験者や分収造林契約者、林業団体の代表などの外部有識者から成る県民環境林経営検討委員会を設置し、今後の具体的な経営方向等について御検討いただいているところであります。  当委員会における現在の検討内容としては、間伐した木材を一定量以上まとめることにより有利に市場で販売していく手法や、森林整備に要する資金を確保するため、間伐により森林が吸収した二酸化炭素を企業等に販売するJ-VER制度などの新たな仕組みの活用による収益の増加対策、一方、民間事業体から効率的で経済的な提案を公募し、管理を委託する公募型プロポーザル方式の導入による支出抑制対策などについて御検討いただいているところであり、県移管後は、同委員会からの最終報告を踏まえ、県民負担を可能な限り抑えることを基本に、収益性に配慮した経営に取り組んでいくこととしております。  次に、県移管に向けた現在の取り組み状況と今後のスケジュールについてであります。  県では、平成二十五年四月の県移管に向け、現在、青い森農林振興公社と共同で、分収造林契約に係る権利義務の承継と分収割合の見直しについて契約者からの同意取得を行っているほか、日本政策金融公庫との損失補償に係る協議などを進めているところであります。  また、今後のスケジュールについては、公社が抱える債務のうち、県債務については、県貸付額から県に代物弁済される分収林の森林資産額を差し引いた債権を県が放棄する必要があることから、十一月の定例会に債権放棄の議案を提出し、御審議いただくこととしております。  また、日本政策金融公庫に対する公社債務については、公庫と県が締結した損失補償契約に基づいて県が損失補償する必要があることから、来年二月の定例会において損失補償に要する予算と、第三セクター等改革推進債の許可申請に係る議案を提出し、御審議をいただくこととしております。  続きまして、本県における近年の新規就農の状況についてであります。  本県における新規就農者数は、近年は百四十人前後で推移しておりましたが、一昨年度から増加傾向に転じ、平成二十三年度には百九十人と、平成元年以降で最も多い人数となりました。  これを形態別に見ると、農業以外に従事していた農家出身者のいわゆるUターン就農と、非農家出身の新規参入の増加が顕著となっております。また、年齢別では三十歳以上が増加していることや、新規参入の約八割が農業法人に就職する形で就農していることなどが特徴となっております。  新規就農者が増加した要因としては、他産業の就職状況が厳しい中で職業としての農業が見直されてきていることや、親世代の高齢化により経営継承が進んだことのほか、雇用対策を活用した研修事業や、初期投資を軽減する無利子の資金の貸し付けなど県が進めてきた新規就農促進対策の成果があらわれてきているものと受けとめております。  最後に、国の青年就農給付金に対する県の対応についてであります。  青年就農給付金の国からの予算配分は、本県が要望した四百三十一人分に対して、その約四割に当たる百八十九人分にとどまったことから、県では、既に給付金を受けるための要件を満たしている百八十六人分について関係市町村等に配分したところであります。  今回、配分対象とならなかった希望者も、今後、順次要件を満たしていく見込みであり、国から追加の配分がなければ給付要望に応じられないことから、県では、国に対して他都道府県とも連携して七月に全国知事会と北海道東北地方知事会として提案、さらに九月には北海道・北東北知事サミットの提言としてその財源確保を要望したところであります。  国では、全国の要望状況を見きわめた上で、必要に応じて補正予算も検討するとしていることから、引き続き予算確保を国に強く働きかけてまいります。 68 ◯副議長(森内之保留) 教育長。 69 ◯教育長(橋本 都) 御質問五点にお答えいたします。  初めに、後期計画案の御質問のうち、意見等への対応についてです。  県立高等学校教育改革第三次実施計画は、目まぐるしく変化する社会の中で、さまざまな課題に柔軟かつたくましく対応し、新しい時代を主体的に切り開く人づくりを推進するため、平成二十一年度以降の十年間を見通した高等学校教育改革の基本的な考え方と、平成二十一年度から二十五年度までの具体的な実施計画を示したものです。  第三次実施計画の後半部分となる平成二十六年度以降の具体的な実施計画については、先ほど議員からもお話をしていただいたものですが、七月十二日に計画案を公表し、五十日間にわたりパブリックコメントを実施するとともに、広く県民の皆様や学校関係者の方々から御理解をいただくよう、県内十一会場で説明会を開催したほか、学校存続に係る要望書や署名などにより数多くの御意見を頂戴したところであります。  今後は、地区説明会等で寄せられた御意見などを参考にし、また、いただいた要望等を踏まえ、実施計画案について十分検討を行い、必要がある場合、修正を加えた上で、十一月を目途に成案を策定したいと考えております。  次に、議論を尽くすため十一月の成案策定にこだわるべきではないとのお考えに対しての見解です。  第三次実施計画の後期計画案は、平成二十一年度から二十五年度までを実施期間とする前期計画に引き続き、継続して教育環境の改善、充実を図る必要があることから、平成二十六年度から二十九年度までを実施期間とする具体的な方向性を示したものです。  実施計画の公表時期につきましては、これから高校へ進学する中学生や保護者に計画の内容について周知する期間を確保するとともに、中学校における進路指導のスケジュール等の現状を考慮し、進路を十分に検討できるよう、可能な限り早く情報をお知らせすることが望ましいと考えているところです。  次に、公立小・中・高等学校及び特別支援学校におけるいじめの現状と対応についてです。  文部科学省の調査によりますと、平成二十三年度における本県公立学校のいじめの認知件数は、全ての校種の合計で七百六十二件となっており、前年度に比べ二十三件の減少となっております。いじめの内容としましては、冷やかしやからかい、悪口などを言われるが最も多く、次いで、軽くぶつかられたり、たたかれたりする、仲間外れにされるなどとなっております。  このことについて、県教育委員会では、庁内にいじめ問題対策チームを組織して対応に当たっております。具体的には、市町村教育委員会や学校からの要請に応じて助言や支援を行うとともに、いじめ相談電話を設置し、二十四時間体制で対応しております。また、相談電話の番号を記載したカードを児童生徒に配布し、周知しているほか、関係機関と連携しながらポスターやテレビコマーシャルでいじめ防止の啓発を行っております。  さらに、インターネット上のいじめを通報する窓口を設けているほか、今年度からいじめのない学校づくり推進事業を立ち上げ、教員や保護者を対象とした講習会等を開催するとともに、いじめに関する指導の手引きを作成することとしております。  県教育委員会としましては、今後とも、市町村教育委員会や関係機関と連携を図りながら、いじめの未然防止、早期発見、早期対応に努めてまいります。  次に、学校現場等の状況を把握するための県教育委員の活動についてです。  教育委員会会議において県教育行政の重要事項や基本方針について審議し決定する立場にある教育委員が学校現場等の状況について把握しておくことは大変重要なことであります。  そのため、教育委員は、日ごろから地域のさまざまな学校行事に出席したり学校訪問を行うなどして学校現場等の状況の把握に努めているほか、PTA、学校支援ボランティア等、さまざまな有識者と意見交換を行い、学校現場等が抱えるさまざまな課題について理解を深めているところです。  最後に、教育委員会における近年の懲戒処分の状況と再発防止に向けた今後の対策についてです。  教育委員会における懲戒処分の件数は、平成二十二年度四十四件で、その内訳は、懲戒免職七件、停職二件、減給七件、戒告二十八件となっております。また、平成二十三年度は四十件で、その内訳は、懲戒免職一件、停職一件、減給三件、戒告三十五件となっております。本年度については、八月末現在十件で、その内訳は、懲戒免職三件、減給二件、戒告五件となっております。  教職員の服務規律の確保につきましては、これまでも、各所属長及び各市町村教育委員会教育長に対して機会あるごとに会議や通知等により指導の徹底を図ってきたにもかかわらず、依然として不祥事が後を絶たないということはまことに遺憾であります。  そのため、本年七月には、各校長会等に対して服務規律確保の対策を要請したほか、九月には、本職から全教職員約一万四千人に対して緊急メッセージを配付するとともに、懲戒免職(後刻「懲戒処分」に訂正)の約七割が交通違反によるものであることを踏まえ、学校単位で交通法規の遵守に係る誓約書を作成するなどの再発防止策を講じたところであります。  県教育委員会では、今後も各市町村教育委員会や関係機関等と連携しながら、教職員としての使命感や倫理観を醸成してまいります。  以上でございます。 70 ◯副議長(森内之保留) 警察本部長。 71 ◯警察本部長(山本有一) 御質問三点についてお答えいたします。  初めに、警察本部における近年の懲戒処分の状況と再発防止に向けた今後の対策についてお答えいたします。  まず、本県警察の平成二十二年以降の懲戒処分の状況についてお答えいたします。  平成二十二年の懲戒処分件数は、減給一件、戒告一件の計二件、平成二十三年度は、免職二件、戒告一件の計三件となっております。本年は、現在までのところ、懲戒処分はありません。県警察では、これまで発生した懲戒処分事案について、その発生原因、問題点を分析、検証し、指導監督体制の見直し等の再発防止対策を講じているほか、全国の事例を参考に指導、教養を強化して未然防止を図るなど、非違事案の防止対策に取り組んでおります。  今後とも、各級幹部職員がそれぞれの段階できめ細かなチェック機能を十分に発揮し、適正な業務管理を徹底するとともに、個々の職員に対する身上把握の強化を図るなど、業務管理及び身上監督の両面から厳正な規律の保持に努めていくこととしております。また、職員の士気向上や誇りと使命感の醸成を図るため、職務倫理教養の充実強化を積極的に行い、組織を挙げて非違事案の絶無に努めてまいります。  次に、県内の警察官駐在所において、昨年度複数勤務員であったものが今年度単独配置となった理由についてお答えいたします。  本年四月一日現在、県内には駐在所が百十五カ所設置されておりますが、このうち複数の勤務員が配置されているものが三十八カ所、単独配置されているものが七十七カ所となっております。近年、県警察では、警察官の大量退職に伴い、毎年、大量の警察官を新たに採用しております。採用された警察官は、警察学校等において警察官としての基礎知識を身につけるための初任教養に、大卒課程でおおむね十五カ月、それ以外の課程で二十一カ月を要することから、退職者及び新規採用者が多い年には、警察署等に配置できる警察官の数が一時的に不足することになります。また、昨年三月に発生した東日本大震災に伴い、本年二月、岩手県警察に関する特別出向や県内原子力関連施設の警戒警備に要する警察官の配置等により、本年、警察署等に配置できる警察官の数が減少したところであります。  こうした状況のもと、治安情勢等を勘案した上で警察官の配置見直しを行った結果、一部の交番、駐在所についても警察官を減らして配置せざるを得ない状況となったものであります。  県警察といたしましては、配置員が減った駐在所については、警察署のパトカーによるパトロールを強化するなどして治安の維持を図っておりますが、来年度以降、必要な箇所に必要な警察官を配置するよう努めてまいりたいと考えております。  最後に、本県での近年における声かけ事案の発生状況とその対応についてお答えいたします。  警察で把握している声かけ事案の発生状況でありますが、平成二十一年の発生件数は百九件、平成二十二年が百四件、平成二十三年は百三十六件となっております。これまで年間百件前後で推移しておりましたが、年々増加傾向にあり、ことしは八月末で百三十六件、前年同期比プラス五十五件と、既に昨年一年間の件数と同数に達しております。  増加した背景としては、これまで学校、保護者等に対して声かけ事案等の積極的な通報を依頼、広報してきたところであり、その効果があらわれてきた面もあると考えられます。  次に、声かけ事案等への対応についてでありますが、団地、公園、通学路等を重点としたパトロール等の強化、地域住民による見守り活動や子供の緊急避難場所として運用する子ども一一〇番の家・車の運用促進、児童生徒、保護者及び学校教育関係者の防犯意識を高めるための防犯教室等開催などの防犯対策を推進しております。また、この種事案発生時においては、県警メールマガジン「青い森のセーフティネット」などにより迅速に情報発信をして県民の皆様に対する注意喚起を図っております。  以上です。 72 ◯副議長(森内之保留) 教育長。 73 ◯教育長(橋本 都) 先ほどの答弁で懲戒処分の約七割が交通違反と答弁すべきところを、懲戒免職の約七割と申し上げました。訂正させていただき、おわびを申し上げます。 74 ◯副議長(森内之保留) 工藤義春議員。 75 ◯六番(工藤義春) 非常に丁寧な御答弁ありがとうございます。ほとんどダブっている質問もありますので、私からはたった一つだけ、教育長に再質問させていただきます。  第三次計画後期案のところなんですが、あれほど今までみんなが質問して、かなりみんな強い反発があるという中で、確かに二十六年から二十九年まで本当に数が減っていきます。ただ、三十年からはもっと急激に中学生の卒業見込み数が減っていくと。それが第四次計画案になるのかどうかは知りませんけれども。どうせ今いじるのであれば、急激に減るその三十年の四次案までどうにかぎりぎり引っ張っていけるものは引っ張っていけないのか、そこだけ一つ伺います。  どうせ今、みんなに強く反発されている後期案が──だから、三十年代から急激にもっと減るわけです。そのときはもっといじるわけですよね。そこまで延ばしながらできる箇所はないものなのか、その辺だけ一つお伺いして、質問を終わります。 76 ◯副議長(森内之保留) 教育長。 77 ◯教育長(橋本 都) 再質問にお答えいたします。  現在の第三次実施計画も、何回も御答弁をしているとおり、有識者等を委員とする外部の検討会議の答申を待って県教育委員会としての基本的な考え方に基づき計画を策定し、実行していくという性質がございます。そういうことで、先送りとか、そういうようなニュアンスがありますけれども、民意をきちんと踏まえ、きちんと検討しなければならないということは大事なことだと思いますけれども、やはり基本的な考え方は、この第三次実施計画の考え方で行くということに尽きるのではないかと考えております。 78 ◯副議長(森内之保留) 三十分間休憩いたします。 午後二時五十九分休憩    ────────────────────── 午後三時三十四分再開 79 ◯議長(西谷 洌) 休憩前に引き続いて会議を開きます。  一般質問を続行いたします。  二十九番相川正光議員の登壇を許可いたします。──相川議員。 80 ◯二十九番(相川正光) 自由民主党の相川正光でございます。一般質問でこの壇上に立つのは三年半ぶりでございます。  一つだけ所感を述べて質問に入ります。  今議会、高校改革後期案についても最後までいろいろやりとりがございました。私は少なくとも一般質問初日、我が会派の三橋議員が昨年の八月の法律改正をもとにやりとりした部分は修正が加わると感じております。私の妻もそう言っていました。  それでは、通告の順に従い質問してまいります。  まず最初に、地域コミュニティの活性化についてお伺いいたします。  少子高齢化の進行、そして人口減少が続く中で、産業面のみならず、社会生活面においても空き家、空き店舗の増加、学校の統廃合、祭りや地域福祉の担い手の減少などさまざまな課題が指摘されており、地域の活力や地域の相互扶助力の低下など、いわゆる地域力の低下につながっているものと考えます。  一方、昨年の三月に発生した東日本大震災以降、地域に住む住民同士が協力し合う共助を支える地域コミュニティの大切さが改めて注目されております。人口が減少する中にあっても、人と人とのつながりが強固なものとなり、それぞれが役割を分担しながら地域のために何か役に立とうという思いを共有できれば、今ある地域力を二倍にも三倍にも高めることができると考えます。  地域住民のつながりが希薄になっている今こそ、本県は全国に先駆けて地域コミュニティの活性化に積極的に取り組むべきものと考えるものであります。  このような中、県においては、一昨年来、ふるさと知事ネットワークにおいて地域コミュニティの活性化研究プロジェクトに参加し、他県とともにこの分野の研究を進めているほか、先ごろ開催された北海道・北東北知事サミットにおいても、このテーマを中心に積極的な議論が交わされたと聞いております。  このように県が先頭に立って積極的な取り組みを行っていることは非常に心強いことだと考えております。  そこでお伺いいたします。  一点目として、自立と分散で日本を変えるふるさと知事ネットワークにおいて、青森県がリーダー県となって本年三月に取りまとめた地域コミュニティの活性化研究プロジェクトの内容についてお伺いいたします。  二点目として、地域コミュニティの活性化をメーンテーマに本年八月二十九日に青森県で開催した第十六回北海道・北東北知事サミットの合意内容についてお伺いいたします。  三点目として、地域コミュニティの活性化に向けて今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  次に、岩木川中流部におけるリンゴ園浸水被害と治水対策について伺います。  これまでの改修により、保安橋から下流部はおおむね堤防が整備され、また、岩木川本川と平川、浅瀬石川が合流する付近の三川合流部の安東橋から上流についても下流部と同様に整備されております。これに対し岩木川中流部は、上下流部に比べ相対的に流下能力が低く、岩木川水系河川整備計画にも中流部の治水安全度を効率的に向上させていくことが必要との記述があるとおり、早急に上下流に合わせた流下能力の向上を図るべきと考えております。  また、中小規模の洪水においても河川敷のリンゴ園の浸水被害がたびたび発生している状況から、リンゴ園の浸水被害を軽減するためにも何らかの対策が必要であります。  国土交通省では、中流部の河道に沿ってリンゴ園を囲むように河川管理用道路を高くして小堤を設置している箇所があり、この小堤がことし七月の洪水によるリンゴ園浸水被害の軽減に効果があったと私は考えております。  そこでお伺いいたします。  一点目として、岩木川中流部の治水対策の現状と今後の取り組みについてお伺いいたします。  二点目として、昨年と本年のリンゴ園浸水被害の状況についてお伺いいたします。  三点目として、リンゴ園の浸水被害対策には、先ほど述べた小堤の設置が有効と考えますが、小堤の整備状況と今後の予定についてお伺いいたします。  次に、産業振興と雇用確保対策として、まず最初に自動車関連産業の振興についてお伺いします。  戦後、我が国産業が大きく飛躍した最大の要因は自動車産業の振興であると言われております。一台の自動車には数万点の部品などが使われ、部品の開発や製造から組み立てに至るまですそ野が広く、さまざまな技術が結集した産業であり、極めて多くの分野に波及効果があると言われております。  本県においても、県内企業による自動車メーカー等との取引の拡大、関連企業の誘致などを目指し、自動車関連産業の振興に向けた取り組みを実施してきたものと受けとめております。ことし七月にトヨタ自動車東日本株式会社が発足し、今年度の生産台数は五十万台を超えるとの最近の報道がなされています。これはトヨタの国内三極体制の一つである九州を上回る規模であり、それに伴って東北地域内からの部品調達を強化する動きが見られており、本県企業にとって自動車産業に参入する、または取引の拡大を図る絶好の機会であり、この機会を逃すことなく対応することが必要だと思います。  しかしながら、自動車関連産業への参入には、企業の高度な技術力、生産改善への対応などが求められており、本県の企業には高いハードルがございます。これまでも自動車関連産業への参入を推進するための事業に取り組んできましたが、この機会を逃さず、自動車関連産業の振興に向けた取り組みを強化し、本県企業の技術力の高度化や経営力の強化を図っていく必要があると考えます。  そこで次の二点についてお伺いいたします。  一点目は、自動車関連産業の振興に係るこれまでの取り組みについて、二点目は、今後、自動車関連産業の振興にどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  次に、林業・木材産業の振興についてお伺いします。  今定例会では、分収造林事業について多くの議論がなされてきました。事業の失敗については、反省すべき点はしっかりと反省し、その上で本県木材産業振興に向け、前向きに取り組んでいく必要があります。本県の森林は、御承知のように、県土面積の七割を占めており、特に全国第四位の面積を持っているという杉の人工林については、これから本格的な利用時期を迎えると伺っています。  このような中で、木材を加工する本県の製材工場の数は、昭和五十年の五百二十八工場から、平成二十三年には百十七工場と大幅に激減していると聞いております。本県の木材産業の衰退は、昭和三十年代の丸太や製材品等の関税撤廃、いわゆる木材の完全自由化に伴い、安い外国産の木材が大量に輸入されたことや、本県の木材産業を支えてきたヒバ材の生産量が大幅に減少したことなどに要因があると言われておりますが、年々資源の充実度が増している杉に目を転じ、その有効活用を図ることで活性化を目指すべきと思います。  しかしながら、本県で生産される杉材の約半分は他県へ丸太のまま販売されている状況であると聞いており、単に丸太のまま県外へ販売するのではなく、県内で生産される木材は県内で加工し、付加価値を高めて販売することが今後の青森県の林業・木材産業の発展に必要不可欠であり、県では、そのために県産杉の大型木材加工施設の立地を推進しているということであり、大いに期待を寄せているところであります。
     そこでお伺いいたします。  一点目として、本県の林業・木材産業の現状を踏まえ、今後、活性化に向けてどのように取り組んでいくのかお伺いします。  二点目として、大型木材加工工場の立地に向けた取り組み状況についてお伺いいたします。  次に、株式会社ルネサスハイコンポーネンツの譲渡、集約についてお伺いいたします。  長引く世界的な景気低迷や歴史的な円高等により、我が国の製造業はかつてない厳しい状況に置かれています。昨年以降、パナソニックや東芝、最近では富士通など、我が国を代表する大手メーカーが相次いで国内の複数の工場を閉鎖、統合することを発表するほか、国内生産拠点の集約、統廃合が加速度的に進んでいる状況です。さらには、シャープが経営危機に陥るなど、数年前には誰が予測していたでしょうか。  こういった中、本県においても世界的な半導体メーカーであるルネサスエレクトロニクス株式会社の生産工場が五所川原市と鶴田町にそれぞれありましたが、五所川原市の工場は去る七月に富士電機株式会社に売却されたほか、鶴田町にある株式会社ルネサスハイコンポーネンツも一年をめどに譲渡をする方向で検討が進められているとの発表がなされたところであります。  幸いにして、五所川原市の工場につきましては、富士電機株式会社への事業譲渡が円滑に進み、従業員の雇用についても維持されることとなりましたが、一方、株式会社ルネサスハイコンポーネンツについて、同様に円滑な事業の譲渡がなされるのか、約四百名の雇用は維持されるのか、大いに懸念されるところであります。  私は、株式会社ルネサスハイコンポーネンツの他社への事業譲渡を確実に行っていただき、工場の操業が継続されることと、現在の従業員の雇用を維持することが最も重要なことであると考えており、この実現のために県としても全力を挙げて取り組むべきと考えております。  そこでお伺いいたします。  一点目として、株式会社ルネサスハイコンポーネンツの概況についてお伺いします。  二点目として、同社の現状と県の対応についてお伺いいたします。  次に、新規高等学校卒業予定者の就職支援についてお伺いいたします。  この件は前にも質問が出ましたので、来春の新規高等学校卒業予定者について、県内の求人の状況はどうなっているのか、県内就職の支援にどのように取り組んでいるのかお伺いいたします。  また、現在、県教育委員会では、県立高校に教員を補助する就職指導支援員を配置し、教員が生徒一人一人に対してきめ細かい就職指導を行うことにより就職内定率の向上を図っていると伺っております。就職指導支援員が配置されている学校からは、これまで教員が対応していた就職指導に関する業務を補助してもらうことにより、生徒により充実した就職指導ができ、大変助かっているといった声も聞いております。  そこで、県立高等学校に配置している就職支援指導員のこれまでの取り組みについてお伺いいたします。  次に、リンゴの生育状況と販売対策についてお伺いいたします。  平成二十四年産リンゴは、御承知のとおり、大雪による枝折れなどの被害、開花期の低温による不受精花、カラマツの発生、さらには八月下旬から続いている高温、少雨などの異常気象によって果実肥大など作柄への影響が心配されるところであります。  そこで、平成二十四年産リンゴの生育状況について、まずお伺いいたします。  一方、平成二十三年産リンゴ価格は、花芽不足による着果量の減少に加えて、夏場の乾燥等による果実の肥大不良から、台風十九号による被害があった平成三年以来の四十万トン割れとなったことから、市場価格は高値で推移し、数量減を価格高でカバーした形になりましたが、平成二十四年産の数量は例年並みに戻るものと想定されることに加え、円高や原発事故等による影響も懸念されます。  海外への輸出の減少は国内への出荷、供給量の増大、そして供給過剰による価格低下を招きかねません。国内でのさらなる消費拡大と現状を踏まえた輸出拡大に向けた取り組みが急務となっております。  そこでお伺いいたします。  平成二十四年産リンゴの国内向け消費宣伝活動をどのように進めていくのかお伺いいたします。  また、輸出拡大に向けた取り組みをどのように進めていくのかお伺いいたします。  次に、ニホンザルによる農作物被害の状況と対策についてお伺いいたします。  私は、野生のニホンザルが下北半島や津軽地域の山間部に生息していることは承知していたものの、農作物被害については、下北の北限のニホンザルが大半を占めると認識していたところであります。ところが、せんだって招かれた北五地区農業委員大会において、中泊町からニホンザルの農作物被害が転作作物の大豆や小麦、葉タバコ、さらにはハウス内のトマトにまで及んでいるとのお話がありました。また、白神山地周辺の市町村においてもニホンザルの被害が毎年発生し、生産者にとって大きな痛手となっていると聞いています。鳥獣被害は、被害額もさることながら、生産者にとっては丹精込めて育てた農作物が収穫直前に被害を受けることによって精神的な苦痛となり、生産意欲を減退させて、将来的には農地の荒廃にもつながる深刻な問題であります。ぜひとも生産者が意欲を失うことがないよう万全の対策を講じていく必要があると考えるものであります。  そこでお伺いいたします。  一点目として、ニホンザルによる県内の農作物被害の状況についてお伺いします。  二点目として、ニホンザルの被害を防止するためにどのような対策を講じているのかお伺いいたします。  次に、特別支援教育の充実に向けた取り組みについてお伺いいたします。  障害のある子供たちの教育については、持っている能力や可能性を最大限に伸ばし、子供たちが将来自立し、社会参加するために必要な力を育てることが非常に大切であると感じております。平成十九年四月に改正した学校教育法の施行を受け、これまで取り組んでいた特殊教育は新しい特別支援教育の制度としてスタートし、一人一人の教育的ニーズに応じた教育が進められている中で、県立特別支援学校や小・中学校の特別支援学級に在籍する児童生徒数は、少子化が進む中でも、ここ数年、増加の一途をたどっていると伺っております。  例えば、県立特別支援学校に在籍する児童生徒数は、平成二十年度千五百九十五名でしたが、平成二十四年度には千七百三十五名と、百四十名増加しており、また、小・中学校の特別支援学級に在籍する児童生徒数についても、平成二十年度千百六十名でしたが、平成二十四年度には千五百九名と、約三百五十名増加していると聞いております。特に知的障害者を対象とする県立特別支援学校では、近年、児童生徒数の増加が見られ、児童生徒の学習するスペースが不足している状況が見られます。このような中で、県教育委員会では青森県立特別支援学校教育推進プランを策定し、これに基づいて特別支援学校の充実を図っていると聞いております。  そこでお伺いいたします。  在籍児童生徒数が増加している知的障害者を対象とする県立特別支援学校の学習環境の充実に向け、今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  さて、小・中学校の特別支援学級においては、在籍する児童生徒数の増加に加え、一人一人の障害の状態が多様化していると聞いております。このことから、小・中学校では特別支援学級の担当教員が児童生徒一人一人の教育的ニーズに対応した適切な指導を行うために、特別支援教育に関する専門性を高めることが必要だと考えています。  そこで、公立小・中学校において特別支援学級を担当する教員の研修への取り組みについてお伺いいたします。  最後に、特別支援学校の給食についてお伺いいたします。これも前に出されました。  特別支援学校で給食を実施するには、どのような課題があり、給食未実施校では、給食を実施するため、どのような検討がされているのかお伺いして、壇上からの一般質問を終わります。 81 ◯議長(西谷 洌) 知事。 82 ◯知事(三村申吾) 相川議員にお答えします。  まず、私からは、地域コミュニティ活性化に向けての今後の取り組みでございます。  少子高齢化や人口減少が進む中、持続可能な青森型社会をつくり上げていくためには、元来地域が持っております人を育て、文化、伝統、生業(なりわい)を生み出すという力、すなわち地域力を再生、発揮させることにより地域コミュニティの活性化を図り、地域の課題を解決していくことが重要であると認識をいたしております。  このため、県としては、地域や産業を支える人財の育成や地域の多様な団体との連携、交流を推進するための仕組みづくりなど、地域力を高めるための体制づくりを部局横断的に推進いたしております。  具体的には、あおもり立志挑戦塾の開催を通じた地域づくりを牽引するリーダーの育成や将来の農山漁村の地域経営を支える組織、人財の育成支援等を行うほか、都市部と農村部の人々の日常的な交流を促進することにより地域全体の活性化を図る仕組みづくりなどに取り組んでおります。  今後とも、引き続き地域力の再生、創出に取り組んでいくほか、地域コミュニティの活性化をメーンテーマとして開催いたしました第十六回北海道・北東北知事サミットの成果を生かし、地域コミュニティのさらなる活性化に向けて四道県が連携して取り組みながら、地域に暮らす方々の思いを生かした元気な青森県づくりを進めたいと考えております。  今後の自動車関連産業の振興についてであります。  トヨタ自動車が東北地域を第三の国内生産拠点として位置づけました。そして、地域内からの部品調達を強化しております。県内企業には、自動車関連産業への参入や取引拡大を図る絶好の機会が訪れているわけであります。また、東北地域において自動車関連部品の供給体制が構築されることに伴いまして、中京圏からの企業進出の期待も高まっているわけであります。このため、次世代自動車も含めた自動車関連企業の誘致につなげるため、来る十二月十四日、トヨタ自動車の本拠地でございます愛知県豊田市で開催いたしますあおもり産業立地フェアにおきまして、参加企業に対し、私みずから本県の立地環境等を直接アピールしまして、国内投資意欲を持つ企業の本県への進出を促すこととしております。  また、県内企業による自動車関連産業への参入や取引拡大につきましては、多くの企業において、日々進化する自動車関連技術や、自動車メーカー等が求めている品質、あるいはコスト及び納期への対応ということが課題となっております。そこで、意欲のある県内企業に対しまして技術指導や受注課題への対応についてアドバイスを強化し、技術力向上や取引拡大に着実につながるよう、きめ細やかな取り組みを進めたいと考えております。  本県の林業・木材産業の現状を踏まえた上での今後の活性化であります。  議員からもお話がありましたように、県土の三分の二を占めます本県の森林は、水や空気の浄化などを通じて県民の暮らしを支えるとともに、農業や漁業の生産者、これをも支える重要な役割を果たしていると認識しています。  本県の豊かな森林から生産されます杉を中心とする県産材につきましては、再生可能な資源として持続的に利用していくことが本県の林業・木材産業の振興はもとより、雇用の場の確保あるいは地域経済の活性化につながっていくものと考えるところであります。  このため、県では、これまで杉などの認証県産材を一定量以上使用した住宅の建築やリフォームの施主に対して、県産材を使用した家具や建具と交換できる全国で初めての県産材エコポイント制度に取り組んできておる次第でございます。国に対しまして本県同様のエコポイント制度の創設を私どもとして提案いたしました。そして、国として平成二十五年度予算の概算要求にこれを盛り込んでくれたところでございます。  また、本県で生産される木材の約半分は丸太のままで県外へ輸出されている状況、これも議員の御指摘のとおりでございます。このことから、これを県内で加工し、付加価値を高めて販売していくことが極めて重要と考えておりまして、大型木材加工工場の県内立地に向けて鋭意取り組んでいるところでございます。これらの取り組みを通じて本県の林業・木材産業のさらなる活性化を目指したいと考えております。  リンゴの関連でございます。国内向けの消費宣伝活動の進め方であります。  私は、これまで消費者起点に立った安全・安心で良質な農林水産物を生産し、売り込んでいくという攻めの農林水産業を積極的に推進してきたところであり、特に本県を代表するリンゴにつきましては、私みずから先頭に立ちまして全国に、あるいは国外に売り込んできたという思いがあります。  本年は、生産量の回復が見込まれますので、関係する市町村長や生産者団体の代表者とともに、県内外の大手の量販店あるいは青果市場等の経営トップに販売を要請することに加えまして、消費者に直接PRするトップセールスを積極的に行っていく考えであります。  また、社団法人青森県りんご対策協議会と連携し、県産リンゴの食味、品質のよさ、あるいは健康への効能等を積極的にアピールしながら、全国二百五社の青果会社が十三地区で組織してくれております青森りんごの会による販売店での試食宣伝の実施、幼稚園、小学校等への給食用、学習教材用等としてのリンゴの提供や食育の出前講座の開催、あるいはマスメディアやインターネットを活用したリンゴの持つ機能性、料理方法などの紹介等を通じて消費者の購買意欲の喚起を図りながら一層の消費拡大に取り組んでいく所存であります。  私からは以上です。 83 ◯議長(西谷 洌) 企画政策部長。 84 ◯企画政策部長(小山内豊彦) 御質問二点にお答えいたします。  まず、地域コミュニティの活性化研究プロジェクトについてです。  自立と分散で日本を変えるふるさと知事ネットワークは、平成二十二年一月に設立され、現在、十三県の参画により、共同研究プロジェクトのほか、政策提案や国への提言等の活動を行っております。  本県がリーダー県となった地域コミュニティの活性化研究プロジェクトは、本県のほか、山形県、福井県、島根県、高知県の五県により平成二十二年五月から平成二十四年三月までの期間で研究を行ったものです。  その内容は、安全・安心な地域づくりによるコミュニティの活性化、中山間地域と都市部の連携によるコミュニティの活性化、地域コミュニティの活性化を実践するための仕組みづくりの三項目を研究テーマとし、テーマごとに現状と課題を検討し、関連する取り組み事例も参考としながら対応策を取りまとめました。  研究プロジェクト全体を通して、地域コミュニティの活性化のためには、地域住民みずからが主体的に地域の課題を見つけ、解決に取り組む地域主体型コミュニティへの転換が必要であるとまとめております。  次に、北海道・北東北知事サミットの合意内容についてです。  第十六回北海道・北東北知事サミットでは、北海道及び北東北三県の知事が地域コミュニティの活性化について意見交換を行い、三つの事項について連携して取り組むことで合意いたしました。  一つ目は、地域コミュニティの活性化に関する先進事例等の共有化です。各道県で行われている地域コミュニティの活性化に向けた取り組み等の情報を四道県間で共有し、これまで抱えていた課題の解決や新たな取り組みの展開につなげていこうというものです。  二つ目は、道県域を越えた集落間交流の推進に向けた検討です。道県域を越えた集落間の交流を推進することで、交流から得た住民の気づきや学びを通じて集落が課題解決型の組織として成長することが期待されることから、そのための仕組みづくりについて四道県で検討していこうというものです。  三つ目は、地域コミュニティの活性化を支援する人財の育成及び配置に向けた検討です。地域活動を支える人財を育成するために各道県で行われている取り組みの情報を共有するとともに、効果的な人財の育成、配置の方法等について四道県で幅広く検討していこうというものです。  以上です。 85 ◯議長(西谷 洌) 商工労働部長。 86 ◯商工労働部長(馬場良夫) 御質問四点にお答えいたします。  まず、自動車関連産業に係るこれまでの取り組みでございます。  県では、平成二十年に青森県自動車関連産業振興戦略を策定し、県内企業による自動車メーカー等との取引拡大、積極的な企業誘致などに取り組んできたところでございます。  具体的には、自動車メーカー等との取引を目指す県内企業に対しましては、専門家による訪問指導や自動車部品等に関する講習会のほか、東北六県の連携による展示商談会を通じて、県内企業の指導や育成を図ってきたところでございます。  また、自動車関連産業が最も集積している中部圏において、きめ細やかな誘致活動を機動的に展開するため、平成二十年に名古屋産業立地センターを設置し、企業訪問による誘致活動や情報収集活動に取り組んできたところでございます。  次に、ルネサスハイコンポーネンツの概況についてでございます。  株式会社ルネサスハイコンポーネンツは、日立グループのトランジスタ等の生産拠点として、昭和五十六年二月に鶴田電子株式会社として設立され、青森県誘致企業として認定いたしました。その後、平成十五年四月に株式会社ルネサステクノロジが設立された際に、現在のルネサスハイコンポーネンツに社名が変更されました。  平成二十四年四月現在、資本金は九千万円、従業員は約四百名、事業内容は半導体の製造であり、二〇一一年度の売上高は約六十億円と聞いております。  次に、同社の現状と県の対応でございます。  平成二十四年八月二日に公表されましたルネサスエレクトロニクス株式会社の決算説明資料において、ルネサスハイコンポーネンツにつきましては、生産負荷に応じた適正体格で運営、一年を目途に譲渡を検討するという方向性が示されたところでございます。  この発表を受け、県では、鶴田町とともにルネサスエレクトロニクス株式会社本社を訪問し、工場の存続と従業員の雇用の確保に向けて今後とも最大限の配慮を行うよう要請したところでございます。  県といたしましては、今後とも情報収集に努めつつ、動向をしっかりと注視していきたいと考えております。  最後に、新規高等学校卒業予定者に対する県内求人の状況と県内就職の支援に向けた取り組みでございます。  青森労働局によりますと、平成二十五年三月新規高等学校卒業予定者の八月末現在の職業紹介状況は、県内就職希望者数が二千六百八十四人で、前年同月比四人、〇・一%の増でございます。一方、県内求人数は千四百四十二人で、前年同月比三百六十八人、三四・三%の増となっており、県内求人倍率は〇・五四倍で、前年同月に比べて〇・一四ポイント増加しております。  県内就職の促進に向けては、先般、知事、教育長、青森労働局長の三者が県内経済団体に対し、求人提出と採用活動の早期取り組みを要請したのを初め、県内企業約千社を対象とする県職員の求人開拓ローラー作戦により、やはり同様の要請を行わせていただいたところでございます。  また、高校生が県内企業について理解を深め、自主的に就職先を選択できるよう、青森労働局と連携して企業見学会を実施しているほか、ジョブカフェあおもりでは、高校生と県内企業とのマッチングの場として、ハローワークとの共催により企業説明会や就職面談会を開催するなど、新規高等学校卒業予定者の県内就職の支援に努めているところでございます。  今後とも、一人でも多くの若者が県内で働き、暮らしていけるよう、青森労働局を初めとする関係機関と連携しながら新規高等学校卒業予定者の県内就職支援に取り組んでいきます。 87 ◯議長(西谷 洌) 農林水産部長。 88 ◯農林水産部長(渋谷義仁) 御質問五点についてお答えいたします。  最初に、昨年と本年のリンゴ園浸水被害の状況についてであります。  リンゴ園の浸水被害については、昨年は、九月十八日から十九日にかけての大雨と九月二十一日の台風十五号によって、弘前市、藤崎町、つがる市、板柳町の四市町村にまたがる岩木川中流部の河川敷内のリンゴ園二十五ヘクタールで果実が水に浸り、付着したごみや泥による腐敗、品質低下などで七十トン、七百九十九万円の被害がありました。  また、本年は七月十六日から十七日にかけての大雨によって、ほぼ同じ地域でリンゴ園二十二ヘクタールが水につかり、果実の腐敗、品質低下などで七十トン、八百十万円の被害が出ております。  次に、大型木材加工工場の立地に向けた取り組み状況についてであります。  県では、県産材の安定的な流通や加工、販売を図るため、昨年度、青森県木材加工施設立地推進プランを作成し、今年度は同プランに基づいて、ことし六月一日から七月三十一日までの二カ月間で、木材加工施設立地に係る企画提案を公募いたしました。  その結果、一者から応募があったところであり、現在、提案された内容について応募者と調整を行っているところであります。  調整が整った場合には、木材関係団体や金融機関、公認会計士等で組織する青森県木材加工施設立地推進検討委員会において原木調達計画や収支計画などを御審査いただき、その結果を踏まえて立地候補者を決定したいと考えております。  次に、平成二十四年産のリンゴの生育状況についてであります。  今年産リンゴについては、不受精花、いわゆるカラマツが各地で見られ、生産者に不安を抱かせましたが、着果数も確保でき、その後の気象も順調に経過したことから、果実の肥大も平年並みに推移し、予想収穫量はほぼ平年並みの約四十三万七千七百トンと見込まれております。  一方、ことしの夏は近年にない高温、少雨となり、早生種のつがるを中心に着色おくれや、日焼け果が見られました。今後、主力品種であるふじなど、中・晩生種の収穫期を迎えますが、現時点での果実の肥大はほぼ平年並みに推移していることから、味のよい高品質な果実の収穫に向けて、関係団体等と連携し、着色管理等の指導の強化に努めているところであります。
     続きまして、ニホンザルによる県内の農作物被害の状況についてであります。  本県におけるニホンザルの農作物被害は、下北地域のほか、東青、中南及び西北地域の十三市町村で発生しており、平成二十三年度は被害面積が約三十二ヘクタール、被害金額は約三千七百万円となっております。  地域別の被害状況を見ると、リンゴや野菜に被害が発生している西北地域の約千七百万円が最も多く、次いでリンゴを中心に被害が発生している中南地域の約千四百万円となっており、この二地域で県全体の八割以上を占めております。  最後に、ニホンザルの被害を防止するための対策についてであります。  県では、これまで、ニホンザルや熊など野生鳥獣の被害が発生している市町村を対象に、鳥獣被害防止特別措置法に基づく被害防止計画の策定を指導してまいりました。この結果、現在十三市町村において被害防止計画が策定されております。  計画策定市町村では、国の鳥獣被害防止総合対策交付金が活用できることから、ニホンザルの被害が深刻な弘前市や鰺ヶ沢町、下北半島の広域連携四市町村など九市町村において、モンキードッグを導入しての追い払いや箱わなによる捕獲などの活動経費のほか、侵入を防ぐ電気柵の設置に当該交付金を活用しております。  また、県では、関係市町村及び農協などを対象とした研修会や現地検討会を開催して被害防止技術の向上を図ってきており、特に隣接市町村間の広域連携によって被害防止の成果を挙げている下北地域の取り組みを紹介しながら、複数市町村による広域的、効果的な被害防止対策の実施を働きかけております。このほか、県域を越えた対策も視野に入れ、本年度新たに白神山地を抱える青森、秋田両県の市町村等による情報交換会を開催したところであります。  以上でございます。 89 ◯議長(西谷 洌) 県土整備部長。 90 ◯県土整備部長(成田昌規) 御質問二点についてお答えします。  岩木川中流部の治水対策の現状と今後の取り組みでございます。  岩木川中流部は、おおむね五所川原市中心部から藤崎町の平川合流点付近までの区間に当たり、浅瀬石川、平川の三川合流に伴う洪水が集中するとともに、河床勾配が急激に緩くなることから著しく蛇行する河道が形成されています。  国では、岩木川中流部の治水対策としては、洪水を安全に流下させるため、無堤箇所の堤防整備や河道掘削などを実施するとしております。これまで、鶴田右岸地区や弘前市三世寺地区等の堤防整備などを進めてきており、現在は、板柳地区や弘前市上中畑地区の堤防整備を行うとともに、鶴田左岸地区においても堤防整備にあわせた保安橋かけかえのための用地買収などを行っていると聞いております。  次に、リンゴ園の浸水被害対策に有効な小堤の整備状況と今後の予定についてでございます。  国では、岩木川中流部の藤崎町白子地区及び弘前市大川地区におきまして、河道沿いの高水敷に、河川管理車両の通行や工事用機械の搬入等に使用するための河川管理用通路、議員の御質問にあったいわゆる小堤を設置しています。河川管理用通路は、中小洪水時には高水敷内のリンゴ園の浸水被害軽減に一定の効果を発揮していることから、今後も引き続き河道掘削の工程にあわせて設置する予定であると聞いております。 91 ◯議長(西谷 洌) 観光国際戦略局長。 92 ◯観光国際戦略局長(佐藤淑子) リンゴの輸出の拡大に向けた取り組みについてでございます。  平成二十三年産リンゴの輸出量につきましては、生産量の大幅な減少により産地の価格が高騰したことや円高の影響もあり、前年産を大幅に下回りましたが、二十四年産は平年並みの収穫量が見込まれていることから、県では、国内価格の安定化を図るためにも輸出量の回復に全力で取り組んでいくこととしております。  具体的には、県産リンゴの輸出量の九割を占める台湾向けにつきまして、社団法人青森県りんご輸出協会と連携して、今月七日に台中市で台湾向け青森りんご輸出情報交換会を開催し、知事が台湾の大手輸入業者や卸売業者等に対しまして、本県産リンゴの一層の取り扱い拡大を強力に働きかけることとしております。また、最需要期である旧正月前の十二月には、社団法人青森県りんご対策協議会と連携して、台湾全域に展開する大手スーパーマーケットで青森りんごキャンペーンを開催するなど、消費拡大にも積極的に取り組んでいきます。  さらに、青森県農林水産物輸出促進協議会と連携し、中国やベトナムのバイヤーを招いての商談や、新たな市場であるインドネシアでの青森りんごフェアの開催など、一層の輸出拡大に向けた取り組みを重層的に進めてまいります。 93 ◯議長(西谷 洌) 教育長。 94 ◯教育長(橋本 都) 御質問四点にお答えいたします。  初めに、就職指導支援員の取り組みについてです。  県教育委員会では、生徒一人一人にきめ細かな指導を行える環境を整え、就職指導の充実を図るため、平成二十二年度から国の緊急雇用創出事業を活用し、支援を要する県立高等学校に教員の補助を行う就職指導支援員を配置しております。  具体的な業務としましては、関係機関・団体及び企業などとの連絡調整、インターンシップや職業講話等の準備、運営、生徒に提供する就職情報のデータベース化に係る業務など、それぞれの支援員のスキルや企業等での勤務経験を生かし、各学校の実情に応じた業務に従事しております。  県教育委員会としましては、今後とも各学校及び関係機関と連携しながら就職指導の強化充実を図り、生徒それぞれが進路希望を達成できるよう支援してまいります。  次に、特別支援学校の学習環境の充実についてです。  県教育委員会では、在籍児童生徒数が多くなり、学校規模が大きくなっている知的障害者を対象とする県立特別支援学校について、これまで、平成十八年度には八戸第二養護学校、平成二十一年度には七戸養護学校の校舎を増築するなど、学習環境の整備に努めてきたところです。  また、平成二十二年七月に公表した青森県立特別支援学校教育推進プランの基本方針において、学校規模が大きい特別支援学校の学習環境の充実を図ることとしております。このため、児童生徒数の増加が顕著な八戸第二養護学校について、現在、平成二十六年度から平成二十八年度の後期実施計画の策定に向け、資料の収集や検討を行っております。  県教育委員会では、今後も児童生徒一人一人が十分に力を発揮できる学習環境の充実に努めてまいります。  次に、公立小・中学校における特別支援学級担当の教員に対する研修の取り組みについてです。  特別支援学級に在籍する児童生徒の増加や障害の多様化に対応するためには、特別支援学級を担当する教員の指導力の向上を図ることが重要であります。  このため、県教育委員会では、各教育事務所管内において、特別支援学級を担当する教員を対象に、指導方法について理解を深める研修会を開催しております。また、県総合学校教育センターにおいて、特別支援学級を担当する教員や各校で特別支援教育の推進役を務めるコーディネーター等を対象にした研修会を開催しております。  さらに、小・中学校等からの要請に応じて特別支援学校の教員を派遣し、各校の実態や課題に応じた指導方法等について助言を行っております。このほか、全ての教員が受講する経験年数に応じた研修で、特別支援教育に係る内容を必ず取り上げることとしております。  県教育委員会としましては、今後も市町村教育委員会等と連携しながら、特別支援学級を担当する教員はもとより、全ての教員が特別な支援を必要とする児童生徒に適切な指導や支援ができるよう、研修の充実に努めてまいります。  最後に、特別支援学校の給食未実施校での給食実施のための検討についてであります。  特別支援学校における給食は、学校における食育や自立活動の観点からも教育的意義は大きく、さらに保護者の負担を軽減する上でも大きな意義を持つものです。学校給食を実施するに当たっては、一つとして、学校給食施設・設備の整備及び管理について、国が定めた学校給食衛生管理基準を遵守しなければならないこと、二つとして、児童生徒一人一人の障害の実態に応じた再調理などを行う必要があることなどの課題があります。  特別支援学校の給食未実施校につきましては、各学校の施設の状況等を踏まえ、近隣の給食施設からの配食や、段階的にミルク給食から始めるといった方法を含め、現在検討しております。  今後とも、県教育委員会では、保護者の意向を踏まえた上で、学校や関係機関等と連携し、実施に向けた協議を続けてまいります。 95 ◯議長(西谷 洌) 相川議員。 96 ◯二十九番(相川正光) 御答弁ありがとうございました。  私の思いは伝わったと思っておりますので、これで終わります。ありがとうございました。 97 ◯議長(西谷 洌) これをもって一般質問を終わります。    ──────────────────────       ◎ 本 会 議 休 会 提 議    ────────────────────── 98 ◯議長(西谷 洌) 本職から提議があります。  お諮りいたします。議案熟考のため、明二日は休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 99 ◯議長(西谷 洌) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  以上をもって本日の議事は終了いたしました。  十月三日は午前十時三十分から本会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。 午後四時二十七分散会 Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...