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ページをごらんください。これらの改善に加えまして、2年前の
工程変更ではKMOCで確認した運転方法が実機にも適用できることを確認するため事前確認試験というステップを追加し、その後ガラス固化試験へと慎重かつ段階的にアクティブ試験を進めていくことにしました。
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ページをごらんください。この事前確認試験につきましては、震災による10カ月の中断、ことし1月に発生しました流下性の不調によるおくれがありましたが、6月18日からB系において模擬廃液及び実廃液を用いた試験を、そして8月25日からはA系において模擬廃液を用いた試験を実施し、8月31日までにいずれの試験も順調に終了いたしました。
その結果につきましては、まず5
ページをごらんください。左側のグラフが前回、2008年10月の流下性低下事象が発生したときの試験結果、右側が今回の試験結果を示しています。まず黄色と青色の棒グラフですが、これは一定の流下速度に達するまでの時間を示しています。今回の試験では短時間に流下速度が速まり、すぐれた流下性が確認できました。
次に、青色の折れ線グラフですが、これは白金族元素の沈降・堆積傾向を示す指標の推移を示しています。前回は、不溶解残渣を含む実廃液を供給した後、急激に指標が低下して炉の状態が悪化しましたが、今回は穏やかな変化にとどまり、また、洗浄運転によりもとに回復することを実証できました。いずれも前回と比較して大幅に改善した結果を得ることができました。
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ページをごらんください。この
ページのグラフは今回の試験で得られたガラス温度を示しています。赤色のガラス温度1)が既設のもので、他が今回新たに追加設置した温度計の値です。グラフの一番左側に注目していただきますと、赤色の温度が細い縦線付近で急激に低下している様子が見られます。以前であれば、この温度計の値しかないので炉の温度が低下したと判断し、加熱を強めて、結果としてガラス温度を上げ過ぎて白金族元素を沈降させてしまったかもしれません。しかし、今回は、他の温度計の傾向から温度はそれほど変化していないと判断でき、適切な加熱調整により管理
目標の範囲内で安定した運転が
実現できました。
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ページに事前確認試験の結果を総括しました。右から順次
説明いたします。一番右側の青い枠に複数温度計による電力調整を
記載しておりますが、これはただいま申し上げましたとおりでございます。
2つ目の枠の上にKMOC運転習熟と
記載していますが、
六ケ所の運転員がKMOCの試験に参加することにより運転に習熟し、炉底低温運転というコツをつかんだことにより白金族の炉底部への急激な沈降を抑制することができました。
3つ目、真ん中の赤い枠には、流下ノズルの加熱性向上と
記載していますが、これは、空気の流れを遮断する断熱材を溶融炉の低部に設置することで流下ノズルの加熱性を向上させ、流下初期のガラスや白金族の流下性を向上させることができました。
4つ目は、模擬廃液の供給設備の新設により炉の洗浄運転を仮焼層を
維持したまま行うことができるようになり、白金族の沈降防止に大きな効果をもたらしました。
5つ目は、一番左側ですが、定期的な回復運転により、きちんと白金族の炉内保有量を管理し、炉内の状況を回復できることを確認しました。以上のことから白金族元素の沈降、堆積をいかに抑えるかという
技術的
課題はクリアすることができ、
最後のステップとなります国による使用前検査の受検に向けてガラス固化試験の見通しがしっかりと得られたものと考えております。
次に、9
ページをごらんください。今後の工程について御
説明いたします。竣工時期につきましては、今後のガラス固化試験や法定点検などの作業全体を精査した結果、2013年10月といたしました。先ほど申し上げましたとおり、事前確認試験は8月末に終了しました。
現在は、この
ページの下のほうに
記載している作業を進めています。炉内確認につきましては、B系を先週終了しまして、現在は炉内の残留物を除去するはつり作業を行っているところです。引き続きA系についても炉内確認を行い、必要に応じてはつり作業を実施します。また、炉内確認と並行して、毎年1回夏場に実施しております非常用ディーゼル発電機など工場全体の電気設備や機械設備の点検を行うとともに、この期間を活用してガラス溶融炉周りの設備を念入りに点検する予定です。
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ページをごらんください。年内を目途にB系のガラス固化試験に
着手し、実廃液を使用した安定運転確認と性能確認を実施します。終了後は、炉内点検やはつり作業を行いつつ、安全蒸気ボイラーなどの年1回の法定点検を行います。
その後A系のガラス固化試験を行い、ガラス固化設備に関する国の使用前検査を受検いたします。四角の箱で囲んでいますB系列、A系列のガラス固化試験と国の使用前検査には約6カ月、そして、B系とA系のガラス固化試験の間に行う法定点検などについては約3カ月要すると見込んでいます。したがいまして、来年8月までに使用前検査を受検することを社内的な工程管理上の大きな
目標といたしました。使用前検査を受検した後、アクティブ試験の最終報告書を国に提出し、審議をいただき竣工ということになります。また、この審議の期間中、
資料の右下に
記載しています海洋放出管の工事を予定しています。
以上のとおり、今後のガラス固化試験、設備の点検、工事、国の審議に要する期間、それと順番を精査いたしまして、再
処理工場の竣工を来年10月と設定いたしました。
社長からも申し上げましたとおり、竣工に向けて慎重の上にも慎重に、安全第一で着実に取り組んでまいる所存でございます。
以上、御
理解を賜りますようよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
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◯西谷議長
以上をもちまして、
革新的エネルギー・
環境戦略等に関する
議員説明会を終わります。
○閉 会 午後 1時45分
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