青森県議会 2012-08-21
平成24年総務企画委員会 本文 開催日: 2012-08-21
33
◯田中委員長
ほかに質疑はありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
ないようでありますから、これをもって
総務部等関係の
審査を終わります。
午さんのため、暫時休憩いたします。再開は午後1時といたします。
○休 憩 午前11時27分
○再 開 午後 1時02分
34
◯田中委員長
休憩前に引き続き
委員会を開きます。
本日、
委員会傍聴の願い出がありますので、これを許可することといたします。
企画政策部関係の
審査を行います。
特定付託案件について質疑を行います。質疑は
所管外にわたらないよう簡明に願います。
なお、
答弁者は、挙手の上、「
委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。
それでは、質疑ありませんか。──
蛯沢委員。
35 ◯
蛯沢委員
青い森鉄道の利用者として、また、沿線の住民として質問させていただきます。
7月27日に青い森鉄道株式会社では臨時取締役会を開催し、中期経営計画を策定したとの報道が先月ありました。この中期経営計画では3つの基本方針の1つとして、自社車両の新規購入を進めることとしております。私は、青い森鉄道の輸送力不足の解消には、最低2編成の車両導入が不可欠と常々発言してきたところであり、このたびの会社の決定は時宜を得たものとの考えであります。
そこで、まずは、新造車両導入の経緯及びその内容について伺います。
36 ◯竹澤青い森鉄道対策室長
青い森鉄道株式会社では、現在、9編成18両で、利便性に最大限配慮したダイヤを編成し運行しておりますが、一方では、車両数に余裕がなく、法定検査で車両が使えないときなどは、車両故障が即運休につながる状況であるほか、祭り期間や冬季の着膨れ対策では、JR東日本からの車両の借り入れにより対応せざるを得ないなど、これまでも輸送力増強が課題とされてきたところでございます。
また、平成25年度末までに開業予定の筒井地区新駅では、通学・通勤客が大幅に増えると想定されまして、これに対応した輸送力の確保が必要となることからも、青い森鉄道株式会社では、これまで車両の増強を検討してまいりましたが、JR東日本では保有車両数に余裕がないことから、同社からの車両の借り入れや譲渡によらずに、新造車両を導入することとし、7月27日の取締役会において、新造車両の導入を決定したものでございます。
会社では、新造車両の導入によりまして、筒井地区新駅開業に伴う利用者増に対応できるほか、現在、JR等から借り入れて運行しているダイヤを自社車両に置きかえることで、JR等に支払う車両使用料の大幅な軽減が期待できること、あわせまして、臨時列車を自社車両で機動的に運行できること等の利点があるとしております。
なお、導入いたします車両は、現在、JR東日本が運用し、積雪地域で実績のあります721系車両をベースといたしまして、乗降口に段差のない低床車両とするなどバリアフリー仕様となっております。
また、新造車両の価格についてでございますが、1編成税込みで4億2,000万円、2編成導入予定ですので、計8億4,000万円と見込んでおりまして、1編成を購入、1編成をリースにより調達することとしているところでございます。
37 ◯
蛯沢委員
筒井新駅開業への対応もあるとのことでございますが、今後の車両の導入スケジュールはどのようになっているのか伺います。
38 ◯竹澤青い森鉄道対策室長
青い森鉄道株式会社によりますと、新造車両の導入は平成25年度末までに予定されている筒井地区新駅開業に間に合わせることを予定しているとのことでございますけれども、車両の製造には、おおむね1年間を要すると見込まれ、また、納車後の試験運行や乗務員の訓練等にそれ相応の期間を要することから、遅くとも平成25年12月ころまでには納車が必要であるとのことです。このため、同社では、今後速やかに発注を行うこととしているところでございます。
39 ◯
蛯沢委員
ありがとうございました。いずれにしても、新造車両2編成の導入により、自社車両の運用がふえますので、これまでに増して沿線の利用者の利便性向上が図られるものと期待しております。今回の会社の英断に対して本当に感謝いたしたいと思いますし、また、スムーズな新車両の導入が図られるよう、県としても御協力していただけるよう要望して終わります。
40
◯田中委員長
ほかに質疑はありませんか。──畠山委員。
41 ◯畠山委員
次期青森県基本計画について伺います。
現在の「未来への挑戦」は25年度、来年度までということで、その次となれば再来年ということで、ぼちぼち策定の作業に入るのではないかと思います。そこで、策定の手順とスケジュールを伺います。
42 ◯蒔苗企画調整課長
現在の計画につきましては、委員おっしゃったように、25年度までということで、県では本年度、次期基本計画の検討に着手することとしております。具体的には、本年度中に「青森県総合計画審議会」を開催いたしまして、計画策定を諮問したいと考えており、現在、計画策定に関する基本的な考え方、日程、手順などを検討しているところでございます。
現計画の策定の経緯と照らし合わせますと、総合計画審議会においては、来年の春以降、本格的な議論を進め、9月ごろを目途に知事に計画案を答申し、その後、パブリック
コメントなどを実施し、来年の11月には庁議において計画を決定し、11月の議会に議案として提出するということが見込まれます。
また、策定過程におきましては、素案の段階で県議会に御
説明をしていきたいと考えております。また県民を
対象とした
説明会など、幅広い意見をいただく機会を設けていきたいと考えております。
43 ◯畠山委員
現計画の成果とか課題とかを反映させる必要があると思うんですけれども、それはどのタイミングというか、どういう手順で行うとか、教えていただきたいと思います。
44 ◯蒔苗企画調整課長
次期基本計画の策定に当たりまして、総合計画審議会に諮問する際には、
本県を取り巻く環境に対する認識、計画の役割や目的、計画期間など、計画策定に関する県の基本的な考え方をお示ししなければならないと考えております。この計画策定に関する県の基本的な考え方につきましては、これまでの計画を踏まえつつ他県の計画、また、有識者の意見なども参考にしながら取りまとめていきたいと考えております。
具体的な計画の内容につきましては、県みずからも現計画の5年間にわたる取り組みの成果を踏まえまして、残された課題と今後の取り組みの方向性を明らかにした上で総合計画審議会における議論の材料としていただきたいと考えております。
45 ◯畠山委員
計画策定、前回のときもそうでしたけれども、県民意識の
調査というのがあったと思うんですね。それは策定、計画の組み立ての土台となる部分であろうと思っているわけですけれども、この間伺った、「自慢したくなる青森推進
事業」、こういうものがありますけれども、これがそれと関係しているのか、あるいはまた、別に意識
調査をやるのかどうか伺います。
46 ◯蒔苗企画調整課長
現在、「自慢したくなる青森推進事業」、ベンチャー
事業でございますけれども、そちらのほうも県民の意識
調査というものをやっております。ただ、これはベンチャー
事業としてやっておりますので、直接的には基本計画のほうとはリンクしないものです。結果、内容によりましては、生かせるものは生かしていきたいなと考えております。また、前回、前々回には1万人アンケートという形で県民の意識を
調査しておりますけれども、これは次期計画においてやるかどうかにつきましては、これから予算要求もございますので、今後検討していきたいと考えております。
47 ◯畠山委員
「自慢したくなる青森推進
事業」はテーマが絞られているので、確かに、言われたとおり、計画の土台となるというふうには、確かに違うと思うので、別なことが、やるかやらないかはっきりまだということでしたけれども、わかりました。
次期基本計画の中心となる考えはどのようにして決定するのか伺います。
48 ◯蒔苗企画調整課長
次期計画の考え方ということについて、先ほども若干お答えいたしましたけれども、県として、やはり今の計画を総括したいと考えております。現計画の内容につきまして、その精査、それから、課題というものをしっかり見極めた上で取り組んでいきたいと考えております。
49 ◯畠山委員
私から提案を1つ。中心となる考え方、そこが一番大事だと思いますし、これまでの経緯から出てきたということはあるかもしれませんけど、それに引きずられてもいけないとも思います。私から「クール・青森戦略」ということを提案したいと思います。お手本としているのは「クール・コリア戦略」。今は大変ホットになっていますけれども、「クール・コリア戦略」。韓国が90年代終盤から展開を始めた戦略で、新興国市場を中心に、日本でもそうですけれども、さまざまな売り上げを伸ばしている成功事例と言われています。
うまくいっている要因、幾つかあるわけですけれども、特に参考となると私が考えているのが、ソフトパワー戦略と言われているものです。海外への売り込み、輸出の戦略においては、物販のハード先行ではなくて、大衆文化の輸出、流行というソフトを先行させる。御存じのとおり、映画とかテレビ、音楽、食などのこれらを流行浸透させて、韓国や韓国人が思っている、また、韓国人が生み出す文化への親しみやすさ、あるいは、信頼といったものを醸成した上で、その上でハードにつなげていく、商品の販売であったり、観光であれば誘客ということになっていく。このソフトパワー戦略こそが「クール・コリア」成功のかなめであると、このようにも言われております。そこで、次期基本計画において、
本県のよさを真に理解していただくことと外貨獲得のために、このソフトパワー戦略を打ち出すことが必要だなと私は思っています。
先ほど出ました「自慢したくなる青森推進
事業」も、この脈絡の中でさらに生かしていけるのではないか。そのときの旗印は何かというと、「リンゴ県・青森」が旗印になるかなと、このように提案するわけですけれども、最後に部長の感想を聞いて終わります。
50 ◯小山内企画政策部長
畠山委員御指摘のとおり、韓国の戦略、また、日本も「クール・ジャパン」とやっておりますが、私は青森県、国とか地方
自治体を問わず、さまざまな角度からハード面、ソフト面、きっちりと積み上げて、総合的に未来の青森県づくりに向けて、計画をつくっていかなければいけないと思っています。その際、当然、今のようなソフトの外貨獲得のための青森県の情報発信というのも一つの課題になろうかと考えておりますので、いろいろ勉強させていただきたいと思います。
51 ◯畠山委員
ありがとうございました。
52
◯田中委員長
ほかに質疑はありませんか。──
諏訪委員。
53
◯諏訪委員
青い森鉄道株式会社の中期経営計画について、総会で承認されました。そこで、この計画について、県の評価はどのようなものかお伺いしたい。
54 ◯竹澤青い森鉄道対策室長
青い森鉄道株式会社が今回策定いたしました中期経営計画は、初の通年営業となった平成23年度の実績等を踏まえまして、平成27年度までの経営の目標などを示したものです。
まず、課題でありました輸送力の増強につきましては、調達資金面での経営への影響を最小限とする方策を盛り込んだ上で、先ほど御答弁いたしましたように、新造車両を2編成、4両導入するとのことであり、今後平成25年度末までに予定される青森市筒井地区の新駅開業への対応も含めて、利用者の利便向上につながるものと考えております。
また、収支につきましては、収益面では鉄道
事業の営業収益の大宗を占めます旅客運輸収入、これにつきましては、筒井地区の新駅効果及び営業努力を加味しても減少傾向は避けられないものと厳しく見込む一方で、費用面については、プロパー転換の前倒しにより、平成26年度から人件費が減少傾向となること、他社に支払いしている車両使用料や業務委託費の見直しを順次行っていくこと、減価償却費等が後年度において減少することなどの要因によりまして、収益の減少幅を上回る費用の圧縮を計画しております。なお、この結果、県に支払う線路使用料は、計画期間4年間で約5億円と見込まれております。
このように、本計画は厳しい経営環境との認識のもとで、安全で安定的な運行を第一としつつも、可能な限り収支改善を図っていこうとするものであり、県としては、おおむね妥当と考えておりまして、本計画の着実な遂行を期待しておるところでございます。
55
◯諏訪委員
青い森鉄道を取り巻く環境は、例えば、新駅で一定の乗客を見込むものの、基本的には厳しい状況が続いていく、そういう趣旨のことは述べられているわけです。それで、例えば、線路使用料の支払額、4年間で5億円見込む、あるいは、県の減免額を23億円減らす。こういったことが厳しい環境のもとで見込めるのだろうかという心配があるんです。その辺の
見通しというのは、期待は表明しているんですが、そうなるんでしょうか。私はそう楽観的でないんですよ。その辺の評価というのは、今、一言、二言で述べられたんですが、楽観していいものなんでしょうか。改めてちょっと聞いてみたい。
56 ◯竹澤青い森鉄道対策室長
今、委員も言われたように、人口減少などに伴いまして、経営環境、厳しい状況、また、これ以上に厳しい状況も続くものと認識しております。この計画をつくるに当たって、会社のほうともさまざまな打ち合わせをいたしましたけれども、決していたずらに収益を多く見込むとか、そういうことはやっておりません。その厳しい状況を踏まえつつ、収入面については、厳しく厳しく会社のほうでも見積もった結果として出してきております。
それから、費用の面ですけれども、これにつきましては、先ほども申し述べましたけれども、事実として人件費、平成25年度をピークにして、プロパー転換等の効果もありまして、少しずつですけれども、減少していくという傾向にあります。あわせまして、先ほど新造車両の件でも申し上げましたけれども、JR東日本等から車両をお借りして、その対価としてお支払いしている車両使用料、これを自社の新造車両に置きかえることによりまして、車両使用料の支払いを少なくすることができます。
あわせまして、現在持っている車両等の減価償却費、これは毎年定額で、だんだん払っていけば少なくなってまいりますので、その面でも費用面が抑えられる。繰り返しになりますけれども、そういう形で現実の見える数字、そこをとらえた結果として、あのような線路使用料の支払いが見込めるものではないかというふうに会社として判断されたものと私どもも受けとめております。
57
◯諏訪委員
幾つかわからない部分があるんですが、企画商品の開発、誘客活動、旅客収入以外の収入、それと、定期出張販売、
報告書に載っているのはよくわかります。雪対策のところでは、関係企業との協働というのがあるんですが、これは何を意味しているのか、何となくわかるようでよくわかりません。独自ブランドの商品、この辺もわかるように、
説明していただきたい。
58 ◯竹澤青い森鉄道対策室長
まず、大きくくくって申し上げますと、いわゆる旅客運輸収入、これをどう増やしていくか、そのための方策がございます。定期券の販売、例えば、お客様に駅まで来ていただくんじゃなくて、会社のほうから学校へ出向いて販売していく。あと、企画商品といいますのは、例えば、旅行の企画商品等も指しておりますけれども、青い森鉄道が青い森鉄道線を利用したツアーをいろいろ企画しております。つい先日も、野辺地の祇園祭りをテーマにしましたツアーを実施いたしまして、県内から20名を超えるお客様に参加していただいております。そういうツアーの企画商品、そういうものをこれからどんどん増やしていって、旅客運輸収入の増加に努めていきたい。これが1点でございます。
あと、旅客運輸収入以外の部分、いわゆる副業的なものでございますけれども、これは一つには、まず、青い森鉄道の自社ブランドの製品、例えば、それが飲食系になるのか、物になるのかわかりませんけれども、そこら辺を今、県も一緒になってつくっておりまして、それを青い森鉄道ブランドとして売り出していって収入の増加につなげたい、そういうふうな取り組みでもちまして収入のアップを図っていきたいと考えておるところでございます。
雪対策の部分でございますが、これは
委員会でも御指摘を受けたんですけれども、昨年度、冬期間、雪の影響で
運休等がございました。運休することによりまして、運賃収入の直接の減に大きく影響するということで、今、会社が、例えばJR貨物さんとかJR東日本さんとかと、いろいろ雪対策を考えております。私どもも協力いたしまして、少しでも環境を改善することによって運休を減らす、そのことによって収入の増加を図っていきたい、そういう趣旨だと聞いております。
59
◯諏訪委員
それぞれのテーマが着実に収入増に結びついていけるような努力というのは最大限傾注していかなければならないんだと思います。今ある環境のもとでやっていかなければならないんだと思うんですが、それで、JRが販売する企画切符というのは、リゾート関係のことを指しているんでしょうか。
60 ◯竹澤青い森鉄道対策室長
JRが販売する企画切符といいますと、例えばですけれども、東京首都圏を出発いたしまして、東北エリア、もっと狭ければ、例えば、青森県内とか青森、岩手県内、ここを自由に電車等を乗り降りできるような切符を指しております。この切符、JR線に乗っても無料で乗れますし、新幹線とか一部のものは指定券を払わなければいけませんけれども、そのほか、岩手県のIGR線、それから、私どもの青い森鉄道線、いずれも1枚の切符で乗れるような切符でございます。この切符を企画切符と言っておりまして、青い森鉄道の23年度実績でいいますと、約10%ほどの収入源になっております。
61
◯諏訪委員
これも確認ですが、指定管理料の収入という項目が出てきます。県が指定管理者に業務委託するわけですが、その指定管理料の収入と、保守管理経費という項目も出てくるんですが、保守管理経費というのは、指定管理料の中に組み込まれているものなんではないでしょうか。わざわざ別個に区別するというのは、どういう意味があるんでしょうか。
62 ◯竹澤青い森鉄道対策室長
委員御指摘のとおり、保守管理経費の大宗、これは指定管理料、県から青い森鉄道に支払われる指定管理料でございます。そのほか、それ以外、会社が独自で使っている部分、それも保守管理経費には含まれてまいります。要するに、施設の保守管理ではなくて、例えば、車両関係とか会社独自の保守管理経費に使われるものも含まれておりますので、額にすればそれほどでもございませんけれども、保守管理経費のほうが指定管理料収入よりも上回っているはず(後刻訂正あり)でございます。そういう意味合いと御理解いただければと思います。
63
◯諏訪委員
それで、総体的にこの計画をどう見るか、28年度以降を見据えた持続可能な経営基盤の確立に向けてという部分も出てくるんですけれども、それで、27年度までの4年間の目標の計画が基本的に達成されるということに心からの期待を表明します。同時に、28年度以降、北海道新幹線新函館駅開業の経営環境の変化に対応し得る持続可能な経営基盤の確立なんですが、なかなか面倒なんですよ。この4年間の努力も、今ある環境のもとで努力するんだけれども、28年度以降もそんなに大きく改善される余地があるとは思えないんです、率直な話。
確かに、新函館駅開業とか環境が変わってくるんですが、それを見据えた持続可能な経営基盤の確立、この辺はやんわりと書いていますが、どう考えたらいいんでしょう。
64 ◯竹澤青い森鉄道対策室長
やんわりと書いておりますということですけれども、正直申しまして、28年度以降、北海道新幹線新函館駅開業以降がどうなるものか、プラス効果が大きいものか、はたまた、会社経営にとってマイナスの面に出てくるのか、なかなか見込みづらい点がございます。ここにある、それを見据えた経営基盤の確立というのは、マイナス方向に振れることがあったとしても、会社経営と申しますか、鉄道の運行が持続できるように少しでも頑張っていこうと、そういうスタンスで書かれたものだというふうに聞いております。
65
◯諏訪委員
指摘にとどめますが、つまり、青い森鉄道に隣接する津軽線も、大湊線も、八戸線も、全部JRなわけですよね。それで、地域の足を守るというのは、やはりJRや国が責任を持って対応すべきだと。いずれかの時代に、そういう形に道を切り開いていくということをやらないと、やっぱり県の支援というものをやり続けていかなければならないという難題がずっと引きずるわけです。その辺の政策上の問題の転換期がいずれ来るだろうとは思いますけれども、ただ、それまではやはり努力してもなお県の支援策をもって地域の足を守るというのは必要ですので、その辺の対策を抜かりなく奮闘していただければと御要望ないし指摘にとめておきたいと思います。
次に、原子力安全対策検証
委員会ですが、一部新聞報道で、全国市民オンブズマン連絡会議の中間報告が出され、県原子力安全対策検証
委員会委員が寄附金を受けていたとされました。この問題は、これまでも何度かやっておりましたけれども、改めてこれで厳しい検証はできるのかということについて、再度、県の見解を伺っておきたいと思います。
66 ◯原田原子力施設安全検証室長
青森県原子力安全対策検証
委員会でございますが、これは県民の安全・安心という観点から、独自に厳しく検証するために設置されたものでございまして、本
委員会の中立性、これは非常に重要であるというふうに県としても認識しております。委員のほうから、ただいま改めてというお話がございましたが、これに関しましては、原子力安全対策検証
委員会に係る寄附、それから、研究費の受け入れにつきましては、2月に新聞報道がなされまして、その後、議会等でも御質問いただき、県のほうからお答えをしているところでございます。
その内容でございますけれども、検証
委員会の検証事項というのがございます。限定されておりまして、県内5
事業者が実施した緊急安全対策ということが検証事項でございますので、この検証事項でございます緊急安全対策と寄附、それから、研究費の受け入れが関連性があるのかどうかということを判断いたしまして、県としては関連性はないと判断をされますことから、検証結果の信頼性に影響はない、影響を与えるものではないとこれまで御答弁させていただいたところでございます。
今、御質問ございましたのは、今週の日曜日だと思いますが、全国市民オンブズマン連絡会議の中間報告というのがございまして、この中で、同様に寄附、研究費の受け入れについて整理がなされ、公表されたものでございます。この中におきまして、13名のうち2名の委員が原子力の関係企業、そしてまた、団体のほうから寄附、研究費の受け入れがあったということでございます。この内容につきまして、これまで報道されている内容と基本的にほぼ同じものと県としては認識してございまして、これまで御答弁しましたように、緊急安全対策等の関連性はないものと判断をしておりまして、検証結果の信頼性に影響を与えるものではないと県としては考えてございます。
67
◯諏訪委員
元のところ、
委員会が緊急安全対策に限定して評価していただいているというものですから、寄附の有無にかかわらず、そういう限界を持っているという問題があります。ただ、寄附を受けるという行為については、規制
委員会設置法案、今の政府の機関に、環境省のもとにおく規制庁の関連法案の中で、利用と規制の分離という項目がある。原子力安全規制に対する国民の信頼を得るという条項、その趣旨に適合するかどうかが問われる問題なんです。ですから、例えば、
県当局の皆さんが今のような答弁をされる。政府でも何かいろいろやり取りしていても、社会通念上、一般的に国民の目から見て、それがどう映るかということが問題です。やはり寄附を受けていると、原子力関連にかかわる
業界団体から、それがどんな名目であろうが、受けるということになると、どうしてもやっぱりそういう側に配慮した対応しかできないということになっていくんですよ、だんだん。これはだれが見ても、客観的にそう映るんですよ。そこが一番問題。国民との信頼関係というのはそこの問題。そういう目で見なければならない。
今度の原子力規制
委員会の委員、5人メンバーが挙がっていますが、5人中4人、計276万円、これは8月2日の衆院の議運の提出資料でわかったものでありますけれども、それについて、年間50万円以上の報酬を得ている人は除外する。したがって、この5人は問題ないとしているものなんですが、これもやっぱり国民の目から見て、安全規制、真に独立した規制機関になり得るかという問題、国民の目から見て、やはりそういうのって問題あるでしょうってなってしまう。それで今、さんざん国会でも議論になっているんですが、そういう目で県の安全検証
委員会の委員についても見ていく必要があるというぐあいに考えています。
県の原子力人材育成研究開発構想に基づく拠点計画について、検討
委員会が設置されているものだと思いますが、これは原発核燃推進のための人材育成、研究開発が基本になっている。その
委員会の
委員長に安全検証
委員会の田中知
委員長が座っている。また、もう一人、杉山という方もこの人材育成、研究開発のほうの委員になっているという問題があります。要するに、国がいろいろこれから判断、決めるという問題があるわけです。例えば、耐震
指針の見直し、防災
指針の見直し、エネルギー基本計画がどうなるか、それから、規制庁の上にある規制
委員会の判断がどうなるかということなどいろいろあって、東通
原子力発電所の再稼働の問題も、六ヶ所再処理工場の試験再開の問題を含めて規制
委員会の判断という問題が出てくる。したがって、原子力安全検証
委員会の役目というのは、基本的にはもう終わりということになるんです。ただし、規制
委員会の判断があっていろいろ国の判断が最終的に詰まってきて、知事への要請がなされる。知事はそれを受けて、県議会の各会派の意見も聞いて、それで判断をしていくという流れになっていくんだと思うんですが、その際に、原子力安全検証
委員会の役目というのはあるんでしょうか。もうほとんど性格上、原子力安全検証
委員会というのは、役割はないというぐあいに見たほうがいいのではないかと思うんですが、その辺の判断はどうしたらいいんでしょう。
68 ◯原田原子力施設安全検証室長
検証
委員会の報告につきましては、昨年11月10日に知事に対して報告いたしております。その際、1つだけ留保がついてございます。これは、ストレステストについて、まだ終了していない、国のほうで評価中ということもございまして、ストレステストの動向については、それを注視していくというのがついております。御案内のとおり、ストレステストにつきましては、まだ東通
原子力発電所については、国の評価が今始まったばかりということでございまして、まだ不透明な状況でございます。最終的にストレステストが新しい規制
委員会のもとである程度完結していくものというふうに思っておりますけれども、ストレステストがどのように評価されたのかということは、緊急安全対策の前提とも絡んでくる場合もございますので、状況を見ながら、必要であれば検証
委員会のほうでもう一回ストレステストを含めて検討するということは出てくるかもしれませんが、あくまでも県としては今後の動向を注視していきたいというふうに思っております。
69
◯諏訪委員
安全検証
委員会のメンバーが原子力人材育成研究開発拠点計画を検討する
委員長であったり、核燃、原発を推進する基本的な立場に立って、そのための拠点計画を今つくろうとしているわけですね。六ヶ所村に拠点計画を置くわけです。別に大学をつくるわけではない。全国の大学に人材育成ネットワークを張って、そのための拠点を六ヶ所に置くんですが、福島原発以降、この拠点を立ち上げるために核燃、原発を推進するために、その
委員長として采配を振るうのが田中知さん。原子力安全検証
委員会の
委員長をやる。そんなことで、独立して安全検証をできる資格があるんでしょうか。
70 ◯原田原子力施設安全検証室長
今、委員からお話がございました原子力人材育成推進構想のことは、ITER室で所管している原子力人材育成推進構想の
委員長を田中先生が過去にされていたことだと承知しております。現在、福島に関連した田中先生の役割について、大変申し訳ございませんが、承知をしているわけでございませんけれども、県といたしまして、今回、検証
委員会の委員を任命するに当たりましては、厳しく青森県の実情、特性も踏まえながら検証していただけることを基本に人選を進めたというところでございますし、委員、検証
委員会の議事録をいろいろとお読みいただいていると思いますけれども、田中先生におかれましては、非常に中立・公正な立場で厳しく検証していただいた、
委員長としての役目を果たしていただいたと認識をしております。
71
◯諏訪委員
指摘にとどめておいてやめますが、原子力規制
委員会、国の規制
委員会の
委員長になられる田中さん、同じ田中さんですよね、別人ですけれども。ただし、この方も率直に、福島第一原発
事故を発生させたことに対する、科学者としての反省を率直に述べているんです。皆、姿勢としてはそういう中立的な姿勢は示すんです。ただ、同時に、客観的に見て、原子力関連業界からの寄附を受けているということについては、根本的な弱点を伴うということはだれが見ても明らかなので、そこは中立的に臨むという姿勢はある程度反映されているかもしれませんけれども、やはり現物支給というか、物質的な基盤に自分の精神を揺らすような状態をつくったままでは真に独立した安全規制という精神にはなれないという問題があるので、ここは厳格に見ていく必要があるということだけは言っておきたいと思います。
72
◯田中委員長
ほかに質疑ありませんか。──竹澤青い森鉄道対策室長。
73 ◯竹澤青い森鉄道対策室長
申し訳ございません。先ほど
諏訪委員の質問に、私、勘違いして御答弁してしまったものですから、訂正させていただきたいと思います。
指定管理料と保守管理経費の関係でございます。会社の中期計画にも
事業収支が載っているわけですけれども、指定管理料収入、これは収入の部の中で指定管理料収入とあらわしております。それから、保守管理経費、これは支出という区分の中で保守管理経費としてあらわしておりまして、基本的に、この2つは同額となるものでございます。
大変失礼いたしました。誤って答弁いたしました。
74
◯田中委員長
質疑はほかにないようでありますから、これをもって
企画政策部関係の
審査を終わります。
以上をもって
総務企画委員会を終了いたします。
○閉 会 午後 1時48分
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