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平成24年第270回定例会(第4号)  本文 開催日: 2012-06-22
平成24年第270回定例会(第4号) 名簿 開催日: 2012-06-22

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  1. 青森県議会 2012-06-22
    平成24年第270回定例会(第4号)  本文 開催日: 2012-06-22


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(高樋 憲) ただいまより会議を開きます。    ──────────────────────       ◎ 一 般 質 問 継 続    ────────────────────── 2 ◯議長(高樋 憲) 一般質問を継続いたします。  十四番高橋修一議員の登壇を許可いたします。――高橋議員。 3 ◯十四番(高橋修一) 自由民主党の高橋修一です。  直ちに質問に入ります。  初めに、陸奥湾におけるホタテガイ産業の振興についてであります。  一昨年夏の記録的な暑さ、異常とも言える高水温による大量へい死、加えて昨年の貝毒発生による出荷自粛、二年続けて陸奥湾ホタテは苦境に見舞われたものの、母なる海陸奥湾復活、これを合い言葉に漁業者、行政など、陸奥湾一帯の関係者の努力によってようやく明るい兆しが見え始め、陸奥湾再生に確かな手ごたえを感ずるところであります。  本県漁業の横綱は、イカでもなくサバでもなく、マグロでもありません。やはり、陸奥湾のホタテなのであります。青森県イコールホタテ陸奥湾イコールホタテホタテ養殖発祥の地である陸奥湾再生は、今の時代を生きる我々世代の責務であると信ずる一人であります。  陸奥湾のホタテガイについては、一昨年の異常高水温被害によって昨年度は出荷数量の減少が見込まれ、また親貝不足のため、本年度出荷に向けた稚貝の確保対策が講じられてきたところでもあります。  そこでお伺いするわけでありますが、一点目として、昨年度出荷の実績及び本年度出荷の見通しについて。  二点目として、本年の親貝についても、異常高水温被害を受けた一昨年に生まれた貝が主力のため、平年よりは少ない状況が続いているものと推測されます。  そこで、来年度出荷に向けた稚貝確保の見通しについて。  また、依然として高水温被害等の影響は楽観視することはできません。そこで、今後の持続的な生産確保に向けた県の対応について、それぞれお伺いするものであります。  先日、東京電力福島第一原発事故の風評被害によって、昨年のEU向けの陸奥湾ホタテの輸出がゼロになったとの報道がありました。ことしになってわずかながらも輸出再開にこぎつけたものの、その輸出量は例年の十分の一。いまだ原発事故による風評被害は尾を引いており、関係者には市場を失ってしまうのではないかとの危機感が募っているところでもあります。  そこで、ホタテガイの輸出の現状と今後の輸出促進に向けた取り組みについてお伺いいたします。  次に、青森空港の利用促進についてであります。  青森―ソウル線は、昨年、東日本大震災の発生により三月から七カ月間運休となりましたが、知事初め関係者の御尽力によって、ようやく昨年十月から週三便運航での再開となりました。また、ことし三月下旬からは週四便の運航となっております。
     しかしながら、震災の影響等によって韓国側からの利用者がふえていないことから、青森―ソウル線の搭乗率は低く、路線の維持については非常に厳しい状況が続いているところであります。  韓国人需要が回復していない中で、週四便運航を維持していくのは非常に大変であると思いますが、青森―ソウル線は、本県唯一の国際定期便として本県の観光振興、交流人口の拡大、県民の海外渡航の際の利便性確保のために必要不可欠な航空路線でありますので、今後とも路線の維持、安定に努めていかなければなりません。  そこで、青森―ソウル線の週四便の運航の維持安定化に向けた取り組みについてお伺いいたします。  次に、青森空港の国内線についてです。  青森空港では、日本航空の経営破綻以降、同社の経営合理化の一環で各路線の機材の小型化が進み、路線によっては予約もとりにくくなる状況になるなど、利用者の利便性が低下する状況が続いておりましたが、本年三月二十五日からは、青森―大阪線、青森―名古屋線が一往復増便となったほか、青森―東京線で一部機材が大型化され、利用者の利便性も向上したものと思われます。  これは、航空会社に対して路線の充実を働きかけ、利用促進に取り組んできた成果でもあります。今後とも、これら路線をしっかりと維持し、さらには充実させ、航空路線の利便性を高めていく必要があります。  そこで、青森空港国内線の利用促進と路線充実に向けた取り組みについてお伺いするものであります。  次に、プロテオグリカンによる産業振興についてであります。  プロテオグリカン、ここ数年たまに耳にはするものの、一体何なんだろうというのが、私を含めて多くの県民の率直な感想だろうと思います。論より証拠ということで、昨日、私は、青森市内のさくら野百貨店にあるプロテオグリカン専門店「アレッラ」に行ってまいりました。  御対応いただいたのは、二十歳前後の大変若くて美しい女性販売員でありまして、私は百グラム千二百六十円もするフェーシャルソープ――洗顔石けんと、四十二粒で千円のサプリメントを購入してきました。  けさ、このプロテオグリカン入り石けんで顔を洗ってサプリメントを飲んできたわけでありますが、美容・健康商品というのは個人差がありますけれども、私の場合は、肌の保湿性がしっかりと高まっているような気がいたします。  昨日、御対応いただきました女性販売員の方に、このプロテオグリカンについてはさまざまお聞きすることができました。したがいまして、改めて知事にもお聞きいたします。  一点目として、プロテオグリカンの機能と産学官連携による研究開発の状況について。  二点目として、青森県初のプロテオグリカン配合商品を差別化してブランド力を高める取り組みについて。  三点目として、プロテオグリカン関連産業が本県の産業・雇用に対してどう貢献していくのか、将来の見通しを含めてお伺いするものであります。  次に、スポーツ施設の整備についてであります。  いよいよ、あす六月二十三日、新青森県総合運動公園球技場が供用開始となります。県内サッカー関係者を初めとする、県民待望の球技場のオープンでありまして、あすはオープニングイベントとしてAOMORI Football Festaが同球技場で開催されることとなりました。  あす午前は、アップリート君も登場してオープニングセレモニーが行われます。その後、キッズサッカーフェスティバル、午後には、球技場のこけら落としとして、第八十五回全国高等学校サッカー選手権優勝岩手県立盛岡商業高校対第八十八回全国高等学校サッカー選手権準優勝の青森山田高校記念サッカー試合も行われます。  あすは県民にとってこの上ない喜びの日でありまして、これまでの県教育委員会、また公園整備にも当たってこられた知事部局の皆様に対して、心からの敬意と感謝を表する次第であります。  そこで、お聞きするわけでありますが、今般供用開始される新青森県総合運動公園球技場に期待される役割等についてお伺いするものであります。  そして、球技場があす供用開始となりますと、いよいよ新青森県総合運動公園に建設が待たれるのが、青森県スポーツ基盤整備計画にも位置づけられる陸上競技場であり、水泳場であり、野球場であります。  財政状況や国体の開催時期を踏まえつつ計画的に改築整備していく必要がありますが、ようやく青森県の子供たちにも、我が国の二大スポーツであるプロ野球、Jリーグ、これらのあこがれのスター選手を生で見ることができる日がやってくる、その期待は膨らむばかりであります。  そこでお伺いするわけでありますが、今後の県有体育施設整備に向けた取り組み状況及び整備見通しについてお伺いするものであります。  また、新青森県総合運動公園における体育施設の整備に当たっては、私は、常々、全天候型施設の整備も含めて検討すべきと言ってまいりました。これまで何度も議会の場でこのことをお聞きしてきたわけでありますが、一向にして納得できる答弁を得られておりません。しかしながら、雪国青森県だからこそ雪国型の体育施設が必要との思いに変わりありません。これは政治家としての夢でもあり、希望でもあります。したがいまして、大変しつこいようではありますが、お聞きいたします。  新青森県総合運動公園における体育施設の整備に当たっては、全天候型施設の整備も含めて検討すべきと考えますが、県教育委員会の考え方をお伺いするものであります。  最後に、県立学校校舎等の利活用についてお伺いいたします。  今定例会、本日が一般質問最終日でありますが、県立高等学校教育改革第三次実施計画について多くの議論がなされております。一方で、今年度末をもって消えゆく高校もあります。それは青森戸山高校であり、八戸南高校などがそうであります。  先月十七日でありましたが、青森戸山高校において創立三十周年記念式典が挙行されました。私も出席させていただきましたが、当日は、鈴木県教育委員会委員長高樋県議会議長相川全国高等学校PTA会長、歴代校長を初めとする多くの御来賓御臨席のもと、学校関係者によって式がとり行われました。  最後の校長先生となる柴田眞理子校長は、式典式辞の中でこのようなことをおっしゃっておりました。青森戸山の校訓の第一に掲げる剛毅という言葉について、二十一世紀を担う若者にとって真に必要なものは何かを深く考えた末に定めた校訓を見るたびに、私は、初代竹内洪校長から、常識をうのみにしない、時の流れに迎合しない、今何が必要か、何をなすべきかを自分自身でしっかり考え、正しいと思ったことはひるむことなく実践しなさいという教えを受けているように感じます。竹内校長の炯眼に感服するとともに、開校以来このような校訓のもとで教育活動を推進できたことを誇りに思う。このようにおっしゃっておりました。  また、統廃合については、わずか三十年の歴史で統廃合となることは、県全体の教育環境維持のためとはいえ大変残念なこととしながらも、しかしながら、学校の命の短さはその存続期間の長短で決まるものではない。幕末の長州藩士吉田松陰の私塾「松下村塾」の開校期間は十六年ほどであり、その中でも松陰が講義をした期間はわずか二年ほどですが、教えを受けた人々や志を共感した人々の活躍により、今なおその教育の精神が多くの人に引き継がれる限り絶えることはありません。本校に学んだ八千八百五名の生徒たちの活躍、生き方を通して本校の歴史が長く引き継がれていくことを信じている。このようにもおっしゃっておりました。  また、最後の在校生を代表して壇上に立った下澤章元君は、感謝の言葉の中でこのように述べられていました。三十年という歴史は決して長いものではありませんが、本当に充実した内容の濃い歴史であったと言えます。私は、青森戸山高校の統廃合ということがなければ、ただぼんやりと学校生活を過ごしていただろうと思います。学校がなくなってしまうということは本当に残念で悲しいことですが、青森戸山高校の歴史を振り返る機会にめぐり会えたことは、私にとっては貴重な経験です。統合を目の前に、最後の戸山高生として自覚と責任をかみしめ、誇りを持って、今、学校生活を過ごしています。青森戸山高校の最後の生徒である私たちは、時を守り、場を清め、礼を正すことを心に刻み、夢に向かって励んでいます。このようにおっしゃっておりました。また、最後に、生徒一同有終の美を飾ることを誓うとの力強い言葉もありました。  校長先生と在校生代表のそれぞれの言葉に、私も共感をいたします。  学校が閉校となることは、在校生や卒業生、教職員などの学校関係者にとっては残念至極なことであり、さらにはその学校が所在する地域にとっての損失も考慮すべきであります。しかしながら、既に、私は、閉校となることを恐れ、異を唱えることよりも、そこには学校が確かに存在し、他高校に比べて短い歴史ながらも青森県の高等教育、人づくりに貢献し、そして、最後の在校生が卒業後は、そこで学んだ卒業生が社会で光り輝くことによって、その学校の歴史は決して途絶えることなく続いていくものと信じるところであります。  言うなれば、歴史と伝統を誇る高校よりも、逆に、短い歴史で幕を閉じることに潔さととうとさを感ずるものでもあり、そこに学んだ者として誇りを感ずるということであります。  現在、県立高等学校教育改革第三次実施計画の検討過程において閉校が憶測される学校関係者や地域の思いは、私も身をもって痛いほど理解するわけでありますし、学校存続に向けた諸活動を真剣にやったからこそ、このような心境に至るのかもしれません。  しかし、私のような考えや見方をもって今後の第三次高等学校教育改革実施計画に対して向き合ってみることも、これまた必要と考えるところでもあります。  このことを一つの所見として申し上げて、県立学校校舎等の利活用についての質問に入りますが、今年度末に閉校となる青森戸山高校及び八戸南高校の校舎の利活用に係る検討状況についてお伺いいたします。  あわせて、青森工業高校が平成二十三年三月までに所在していた跡地の利用状況についてお伺いし、壇上からの質問を閉じます。 4 ◯議長(高樋 憲) 知事。 5 ◯知事(三村申吾) おはようございます。高橋議員にお答えいたします。  まず、私からは、ホタテガイの持続的な生産確保に向けた対応であります。  陸奥湾のホタテガイにつきましては、一昨年の異常高水温による大量へい死から二回目の夏を迎えることとなるわけでありますが、この間、関係者が一丸となって稚貝の確保対策等を講じてきた結果、本年は半成貝の出荷量が平年並みまで回復する見通しとなり、ほたて復活祭等のイベントが開かれ、漁業関係者に明るい笑顔が戻ってきたことを大変うれしく思っております。  私は、高水温被害を教訓に、陸奥湾ホタテガイの持続的な生産を確保するためには、成貝づくりが基本であるとの考えのもと、県として、むつ湾漁業振興会が行う成貝づくり漁家への経営支援や、生産から販売までの長期的な成貝づくりプランの策定等に対して支援しておるところです。  さらに、地方独立行政法人青森産業技術センター水産総合研究所においては、今後再び起こり得る異常高水温に備え、異常高水温を予測する技術や異常高水温にも対応できる養殖技術の開発を進めているところです。  陸奥湾のホタテガイ産業は、百億円産業へと成長し、地域の基幹産業として水産加工業の振興にも大きく寄与しておりますことから、今後とも、関係者の強い連携のもと、ホタテガイ産業の再生とさらなる発展を図っていきたいと考えております。  青森―ソウル線、週四便運航維持安定化についての取り組みでございます。  三月二十五日から週四便運航が復活しました青森―ソウル線は、これまで一体となって取り組んできた県内関係機関の御支援などによりまして四月と五月の日本人利用客数が過去十年間で最多を記録いたしましたが、一方で、外国人の利用客数は震災前に比べて約三割から四割程度に落ち込んでいる状況であります。  そのため、五月末には、青森市や弘前市、県観光連盟、地元経済界の皆さんと韓国を訪問し、大韓航空や現地旅行代理店に対して、青森県の安全・安心や四季折々の魅力を伝え、韓国から青森への送客拡大を要請いたしますとともに、震災の余波や円高など、外的要因に影響されない安定的な需要確保の方策について意見を交わしてきました。  その際、大韓航空の智総括社長からは、食や温泉、白神など、本県の個性を生かし、もう一度訪れたいと思われるポイントを探して魅力づくりを進めることで根強い青森ファンを獲得し、リピーターをふやしていく取り組みが重要ではないかという御助言をいただいたところでありました。貴重な提案として今後の取り組みに生かしたいと考えております。  また、韓国からの需要が本格的に回復するまでのアウトバウンドによる下支えとして、青森空港国際化促進協議会と連携し、青森からの旅行商品の造成支援や修学旅行への助成、市民レベルでの草の根交流への支援等を行い、青森―ソウル線の維持安定化に努めていくことといたしております。  プロテオグリカン、お使いいただいてありがとうございます。私からは、まずこの機能、産学官連携による研究開発のこれまでの状況であります。  プロテオグリカンは、平成十年に弘前大学と地元企業との共同研究により、サケの鼻軟骨から大量に抽出する画期的な技術が開発されたことを契機に、弘前大学が全学を挙げて機能性を探る研究プロジェクトに取り組んできましたが、研究が進むにつれて、抗炎症作用や細胞増殖促進作用、保湿作用など、数々の驚くべき効果が明らかになってきました。  このため、平成十六年に文部科学省の提案公募事業に応募し、採択を受けましたことから、弘前大学や青森県産業技術センター弘前地域研究所、県内企業等から成ります産学官連携によるプロテオグリカン研究開発体制を構築し、以降においても文部科学省の事業を活用しながらプロテオグリカンの商品化に取り組んできたところであります。  平成二十二年からプロテオグリカンを活用した化粧品や高機能性食品の具体的な商品開発が進み、その結果、平成二十四年五月末現在で、県内企業を中心に合計で四十六品目の化粧品と健康食品が発売されております。  また、こうした本県の取り組みが評価されまして、昨年、弘前大学及び青森県産業技術センターは、第九回産学官連携功労者表彰における農林水産大臣賞を受賞したところでもございました。  県としては、今後とも、産学官連携を一層強化し、プロテオグリカン関連産業の成長を図っていきたいと考えております。  そこで、この関連産業が本県の産業・雇用にどう貢献するかという見通しであります。  本県の医療・健康福祉分野の産業振興策を取りまとめました青森ライフイノベーション戦略の中で、プロテオグリカンは三つの重点戦略プロジェクトの一つでありますプロダクト分野の中核資源として位置づけをしております。  プロテオグリカン関連産業は、今後、弘前大学によって解明されていくさらなる生理機能のエビデンス、いわゆる科学的根拠と相まって、我が国で成長が見込まれておりますライフ分野において大きな発展が期待できるものと考えておりますことから、成長目標として、プロテオグリカン関連商品売上高を二〇一五年に六億円、二〇二〇年に八十億円、雇用創出効果を二〇一五年に七十二人、二〇二〇年に七百三十九人と見込まれているところであります。  プロテオグリカンは、多くの優れた生理機能を有し、応用分野が広いため、現在、本県のプロテオグリカン関連産業には、将来の市場拡大を期待し、異業種からの参入が相次いでおります。また、先般、小学館からも本として、「プロテオグリカンの秘密」というものが出されたといった状況にも全国的に注目も集まっております。私は、これを本県の次世代の基幹産業の創出に向けた大きなチャンスとしてとらえておりまして、このため、引き続き産学官金の連携を一層強化しながらプロテオグリカン関連産業の育成拡大に積極的に取り組んでまいる所存でございます。  私からは以上であります。 6 ◯議長(高樋 憲) 企画政策部長。 7 ◯企画政策部長(小山内豊彦) 青森空港国内線の利用促進と路線充実に向けた取り組みについてお答えいたします。  青森空港の国内線は、議員御指摘のように、ことし三月二十五日から青森―大阪線及び青森―名古屋線が増便されるとともに、青森―東京線の一部が大型化されるなど、路線充実が図られたところです。  各路線の四月から五月までの利用率は、青森―東京線が六七・〇%、青森―札幌線が七五・六%、青森―大阪線が六八・〇%、青森―名古屋線が五五・七%となっています。  増便や機材大型化されたこれらの路線については、航空需要の確保に努め、路線の安定化を図っていくことが重要であることから、県としては、各路線の利用促進について、県、青森市、経済団体等で構成される青森空港振興会議と連携しながら、旅行商品の造成支援や利用促進のためのPR活動等に取り組んでいるところです。特に、青森―名古屋線については、就航一周年を迎えることから、記念イベントや県の広報番組等を活用した情報発信により、路線の認知度を高めつつ利用促進に取り組むこととしています。  また、路線の充実については、運休中の青森―福岡線の早期再開に向け、引き続き航空会社に粘り強く働きかけていくほか、現在就航している日本航空やフジドリームエアラインズ以外の各航空会社に対しても、参入の見込みや参入に当たっての条件等について鋭意情報収集等を行っているところです。 8 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 9 ◯商工労働部長(馬場良夫) プロテオグリカン配合の商品の差別化とブランド力を高めるための取り組みについてお答え申し上げます。  弘前大学により研究開発されました技術を応用して抽出されますプロテオグリカンと、その商品の認知度向上及びブランド力の増進を目的に平成二十三年、昨年七月でございますが、青森県プロテオグリカンブランド推進協議会産学官連携のもとに設立されたところでございます。  同協議会では、プロテオグリカンの含有量などを基準に、会員のプロテオグリカン商品を認証いたしますとともに、認証を受けた商品にはラベル等へ認証マークを使用する権利を与えることとしておりまして、これにより類似商品との差別化を図っているところでございます。  平成二十四年五月末までに、化粧品類では二十一品目、健康食品では十九品目がブランド認証を受けており、協議会ではこうした認証制度の周知普及を図ることとしておりますことから、県といたしましても、本協議会と連携し、青森県発のプロテオグリカン商品ブランド力の強化に取り組んでいきたいと考えております。 10 ◯議長(高樋 憲) 農林水産部長。 11 ◯農林水産部長(渋谷義仁) ホタテガイ産業の振興に関する御質問二点についてお答えいたします。  最初に、昨年度の出荷実績と本年度の出荷見通しについてであります。  陸奥湾ホタテガイの昨年度の出荷実績は、青森県漁業協同組合連合会の取り扱い実績によると、一昨年の高水温被害の影響を受け、約三万三千トンとなっており、平年の四割程度まで減少いたしました。  一方、本年度の出荷見通しは、国、県、市町村及び漁業関係団体が一体となって稚貝を確保するための親貝の出荷抑制や採苗区域の拡大、採苗器の大量投入等に取り組んだ結果、青森県漁業協同組合連合会の取り扱い計画によると約七万トンとなっており、平年の九割程度までの回復が見込まれているところでございます。  次に、来年度出荷に向けた稚貝確保の見通しについてであります。  県では、地方独立行政法人青森産業技術センター水産総合研究所及び青森市水産指導センターと合同で、去る六月十一日に平成二十四年度第一回全湾付着稚貝調査を実施いたしました。  その結果、全湾平均の付着稚貝数は、採苗器一袋当たり約六万四千個で、過去十年間の平均値の約九割となっており、現時点では来年度の出荷に向けた稚貝が確保できる見通しとなっております。  今後は、七月九日に第二回全湾付着稚貝調査を実施することとしており、引き続き生育状況を把握しながら、夏の稚貝採取に向けて関係漁業者に対して適切な情報提供と養殖管理技術の指導に努めてまいります。 12 ◯議長(高樋 憲) 観光国際戦略局長。 13 ◯観光国際戦略局長(佐藤淑子) ホタテガイの輸出の現状と今後の取り組みについてでございます。  県産ホタテガイの輸出については、関係者からの聞き取りによりますと、平成二十二年夏の高水温による大量へい死の影響でいまだ成貝の生産量が少ないことや円高の影響等でほとんど輸出できないという厳しい状況が続いており、主な輸出先であるEUにつきましては、昨年の東京電力福島第一原子力発電所の事故後、取引がほぼ停止した状況にあります。  しかし、漁業者の方々の御努力によりまして、陸奥湾産ホタテガイの生産量が徐々に回復してきておりますことから、県としては、今後の生産状況を見きわめながら、青森県漁業協同組合連合会などの関係団体で組織する青森県農林水産物輸出促進協議会と連携して、経済成長著しいアジアの国々に対し、引き続きベビーボイルホタテ等の県産ホタテガイの輸出促進に向けた取り組みを行っていくこととしております。  具体的には、今年度、台湾の国際食品見本市出展による現地パートナーの開拓やベトナム、インドネシアでの個別商談、香港、シンガポールのスーパー等での消費宣伝、中国向けに輸出ルートを持つ国内商社を招聘しての商談会の開催などの販売促進活動をしっかりと展開していくこととしております。 14 ◯議長(高樋 憲) 教育長。 15 ◯教育長(橋本 都) 御質問五点にお答えいたします。  初めに、スポーツ施設の整備について、供用開始される球技場に期待される役割等についてです。  新青森県総合運動公園球技場は、天然芝のフィールド、千五百席を擁するメーンスタンド、ナイター照明、本部棟や更衣室などが整備されており、サッカーやラグビーなどの各種大会や県内のチームによる日常的な練習、各年齢層を対象としたスポーツ教室などでの利用が期待されるところです。議員から詳しく御紹介をいただきましたけれども、明日二十三日にはオープニングセレモニーを開催し、供用を開始することとしております。  県教育委員会では、この球技場がサッカーやラグビーなどフットボール競技の拠点施設となるよう、指定管理者や競技団体などと連携・協力しながら積極的な活用を図り、さらなるスポーツ振興に努めることとしております。  次に、今後の県有体育施設整備取り組み状況と見通しです。  県教育委員会では、県民の生涯にわたるスポーツライフの実現を目指し、本県のスポーツ振興を継続的、計画的に推進するため、昨年十月に策定した青森県スポーツ振興基盤整備計画に基づき、老朽化した県有体育施設のうち、陸上競技場、水泳場、野球場について国体の開催時期等を踏まえつつ、計画的に改築整備していくこととしております。  中でも、陸上競技場については、国体などの大規模大会やプロスポーツなど、さまざまな競技が可能な県内唯一の第一種公認競技場としてより多くの県民の利用が期待されることから、整備を優先することとしました。今年度は、二十四年三月に策定しました陸上競技場基本計画を踏まえ、次年度の設計作業に向けた設計者の選定を行うこととしております。  いずれにしましても、県有体育施設の改築整備については、今後も引き続き財政状況等を踏まえながら適切に対処してまいります。  次に、全天候型の整備も含め検討すべきということについての県教育委員会の考え方であります。  全天候型施設の整備については、陸上競技場基本計画において、陸上競技場の屋根の形状の検討を行ったところです。検討に当たっては、天然芝のフィールドやメーンスタンドへの屋根の設置など、日本陸上競技連盟公認の第一種陸上競技場の整備条件を確実に満たすことを第一としたところです。  その中で、全面を屋根で覆った全天候型球技場では、年間を通じて利用できるというメリットがある一方で、天然芝の育成に必要な日照や風量の確保が極めて難しいこと、大規模な空調設備や積雪対策が必要となり、多額の工事費及び維持管理経費が必要となることなどのデメリットがあります。  このことから、県教育委員会としましては、公認条件であるメーンスタンドへの屋根の設置を基本としながら、芝への日照等の確保や経済性を考慮した設計を行うこととしたところです。  なお、水泳場及び野球場については、今後必要に応じて検討を行うことになると考えております。
     次に、青森戸山高校及び八戸南高校の校舎等の利活用の検討状況についてです。  募集停止が決定した高等学校の校舎等の利活用につきましては、平成十九年三月に策定された青森県県有施設利活用方針に基づき、まず最初に県全体で検討を行いますが、県が利用しない場合には、当該学校が所在する市町村に対し利活用が可能かどうか照会することとしており、所在市町村においても利活用が見込めない場合には、民間への売却を進めることとなっております。  平成二十四年度末に閉校予定の青森戸山高等学校と八戸南高等学校については、市部に所在しており、昭和五十六年の建築基準法の改正による新耐震基準により建築された耐震補強等の必要のない安全性の確保された校舎等であることから、今年度、青森県立学校校舎等利活用検討委員会を立ち上げ、教育施設としての活用について検討することとしております。この検討委員会は、県内有識者や両校の関係者により組織し、六月二十八日に第一回検討委員会を開催することとしており、年度内に両校の校舎等利活用の方向性を取りまとめることとしております。  最後に、旧青森工業高校の跡地の利用状況についてです。  青森工業高等学校が平成二十三年三月まで所在していた跡地につきましては、青森県県有施設利活用方針に基づき県全体で検討を行いましたが、県として利活用の見込みがありませんでした。  このため、青森市に対し、当該跡地について、校舎敷地、野球グラウンド、第二グラウンドの三カ所に区分し、それぞれ利活用が可能かどうか照会を行いました。  このうち、校舎敷地及び第二グラウンドについては青森市においても利活用の希望がなかったため、まず、第二グラウンドについては、平成二十三年度に測量を実施し、今年度、総務部で入札を行い、売却先が決定したところです。また、校舎敷地につきましても、民間への売却を進めることとし、今年度測量を実施する予定としております。  このほか、野球グラウンドにつきましては、青森市において利活用の希望があることから、現在、総務部と連携しながら青森市と具体的に協議を進めております。  以上でございます。 16 ◯議長(高樋 憲) 高橋議員。 17 ◯十四番(高橋修一) 知事、教育長、それから各部長、それぞれ前向きな御答弁ばかりでありまして、まことにありがとうございました。  それぞれしっかり取り組んでいただきたいと思います。  一つだけ、スポーツ施設の整備についてであります。新青森県総合運動公園における体育施設の整備に当たって、全天候型施設の整備を含め検討すべきであるということで、教育長から、メリットとデメリットも含めて、今までにないぐらい詳細な形で御答弁をいただきました。答弁内容を聞いて少々くじけかけているのでありますけれども、しかしながら、私、壇上で申し上げましたけれども、常識をうのみにしない、時の流れに迎合しない、今何が必要か、何をなすべきかを自分自身でしっかり考え、正しいと思ったことはひるむことなく実践しなさいとの教えを剛毅という言葉で受けておりますので、今後ともこのことについては粘り強く質問してまいります。  したがいまして、教育長、よろしくおつき合いをお願いいたしまして、質問を閉じます。ありがとうございました。 18 ◯議長(高樋 憲) 午さんのため、暫時休憩いたします。 午前十一時十五分休憩    ────────────────────── 午後一時再開 19 ◯副議長(相川正光) 休憩前に引き続いて会議を開きます。  一般質問を続行いたします。  二十番渋谷哲一議員の登壇を許可いたします。――渋谷議員。 20 ◯二十番(渋谷哲一) 民主党の渋谷哲一です。  一般質問を行います。  ギリシャ、スペイン、イタリア、これらの国の財政問題が、今やヨーロッパ全体、そして世界の国々を震撼させております。関係各国がこれまでの価値観を大きく変えてでも、財政破綻の危機を乗り越える意思と実行力があるかどうかが問われております。今月十七日に行われたギリシャの再選挙では、緊縮派が辛うじて勝利し、市場でささやかれていた最悪のシナリオはひとまず回避されました。しかしながら、不良債権や地方財政の悪化への懸念がスペインの金融不安を再燃させ、スペイン国債は再び危険水域となり、予断を許さない状況が続いております。  さて、一方で、我が国はどうでしょうか。国の借金は今や約一千兆円となり、国家予算の半分以上は借金によって賄われ、このままでは国の財政が立ち行かなくなるのは、だれの目にも明らかであります。問題先送り、決められない政治はここで終止符を打たなければなりません。民主、自民、公明の三党で社会保障と税の一体改革法案の修正で合意し、一昨日、同法案を衆議院に提出いたしました。各党、苦渋の決断の末の合意であります。しかし、これによりようやく政治が動き出したのであります。  数年前、大阪に一人の政治家が誕生いたしました。大方の予想に反し、知事就任直後から徹底した行財政改革を初め、次々とこれまでの常識、慣例を改め、新たな価値観を提案し、実際に行動に移していきました。彼の政治家としての実績は、何よりも、その地域の人々に誇りと希望を取り戻させたことではないでしょうか。たった一人のリーダーが地域を、政治を大きく変えようとしております。もちろん、これまでの既定概念を変えていくことは、一方で多くの反対や非難を巻き起こしました。しかし、何も変わらない、何も変えられない政治を着実に変えようとする姿勢が多くの国民から評価されているのではないでしょうか。  同じように、青森県はどうでしょうか。人口減少、低所得、雇用、そして短命と、本県の難題解決のための強いリーダーシップと県民の現在の厳しい生活環境を実際に変えていくことができる県政が求められているのではないでしょうか。  それでは、質問に入ります。  初めに、オーダーメード型貸し工場の利用状況についてお伺いします。  実質、青森県が所有し、二十九億円もの回収すべき投資残高のあるオーダーメード型貸し工場には、どのような未来が待ち受けているのでしょうか。現在好調とされているタッチパネルの生産は、これから世界的な価格競争にさらされるだけではなく、多額の投資を必要とする技術開発でも競っていかなくてはなりません。  かつて世界を席巻し、日本を代表する企業であったソニー、東芝、そして日立製作所も、本年四月、株式会社産業革新機構と中小型ディスプレイ事業の統合で合意し、株式会社ジャパンディスプレイを設立し、オールジャパンで競争に臨まなければならないほど厳しい厳しい競争にさらされております。貸し工場事業が一度破綻したとき、行政として、貸し工場事業から撤退すべきかどうかという議論もないまま、なし崩し的に事業の引き受け先を探し、さらに追加投資まで行い、最終的に知事の判断で貸し工場事業の継続を決定いたしました。  既に多額の追加投資までして継続させた事業であります。事業が順調に推移し、少なくとも追加投資分の回収を期待するものであります。また、これ以上、行政として一民間企業に税金を投入することがないように、切に願っております。  さて、貸し工場を利用する株式会社ANOVAの操業開始から半年以上が経過しました。県を経由して示された事業計画は先の明るいものであり、計画がそのまま履行されていくことを願っております。まずは、株式会社ANOVAの生産状況と今後の見通しについてお伺いいたします。  次に、県から公益財団法人21あおもり産業総合支援センターへの貸付金約二十九億円の返済状況と今後の返済予定についてお伺いいたします。  ところで、株式会社ANOVAに対し、県から平成二十三年度中に補助金が支出されていると聞きましたが、どのようなことなのか内容をお知らせください。  次に、ITER計画及び幅広いアプローチ活動についてお伺いいたします。  東京電力福島第一原発事故を受け、国民の原子力に対する考えは大きく変わりました。原子力に対する安全神話は崩れ、国民も原子力政策の是非を考えている状況にあります。しかし、その一方で、我が国のエネルギー自給率を高めるという課題は依然として残っております。エネルギー自給率の問題は我が国の将来を左右する問題であり、化石燃料に依存する現状は何としても変えていかなくてはなりません。環境に配慮しながら経済性を追求する次世代のエネルギーとして核融合炉の開発が日本とヨーロッパを中心に進められており、日本の拠点は青森県六ヶ所村に設けられました。今後の開発の行方は青森県の将来に向けた戦略にも影響を与えるものであり、本県としていかに産業、経済、雇用に結びつけていくかという課題を解決していかなくてはなりません。  そこで、ITER計画及び幅広いアプローチ活動の現状と今後の予定についてお伺いいたします。  また、県が核融合エネルギーの研究開発を推進する意義と取り組みについてお伺いいたします。  次に、青森県原子力人材育成・研究開発推進構想についてお伺いいたします。  本県の下北半島は、核燃サイクル、ITER計画と幅広いアプローチ、フルMOX発電所計画、蓄電池併設型風力発電など、世界的に見てもエネルギー関連の一大集積地となっており、日本の現在と未来のエネルギーを支える中心的役割を担っております。しかしながら、本県の雇用、経済はいまだに低迷しており、いかにエネルギー関連産業やその基礎となる人材を育成していくかということが重要となってまいります。  平成二十年には、青森県原子力人材育成・研究開発推進構想―幅広いアプローチを契機とした人づくり・産業づくりを目指して―を策定して、大学との連携や産学官の連携、国際的視点を中心に取り組んでまいりました。より多くの人材を輩出し、エネルギーの世界的拠点として確固たる地位を確立することを目指していかなくてはなりません。すべては人づくりから始まります。  あれから四年、そろそろ成果を期待してもよいのではないでしょうか。構想に係る取り組みの現状と成果、そして今後についてお伺いいたします。  また、さらなる県内大学との連携が重要と考えますが、県の今後の考え方をお伺いいたします。  次に、六ヶ所再処理工場のガラス溶融炉についてお伺いいたします。  今月、日本原燃では、ガラス固化製造試験が三年半ぶりに再開されました。今後数カ月に及ぶこの試験の成否は、日本の原子力政策、核燃サイクル政策に大きな影響を与えるものであり、まずはサイクル技術の確立が必要であります。  たび重なるトラブルによる再処理施設完工延期が行われる中、平成二十一年六月の核燃サイクル協議会において、三村知事から事業者に対して、ガラス固化試験には国内外の世界的知見を総動員して取り組むこととの要請をしていますが、あれから二年が経過しており、現在、事業者の取り組み状況はどうなっているのか。また、事業者の取り組み状況への知事の見解をお伺いいたします。  日本原子力研究開発機構のガラス溶融炉では、ガラス固化を成功させていると聞いておりますが、六ヶ所の再処理工場の溶融炉ではなかなか成功することができません。以前、この二つの溶融炉の違いは何かという私の質問に対し、事業者は、基本的に大きさを五倍にしただけにすぎないと答えておりました。しかし、これだけ成功できないのには理由があるのではないでしょうか。二つの溶融炉の相違点について、改めてお伺いいたします。  次に、ガラス固化技術についてです。  フランス・アレバ社のラ・アーグ再処理工場では、年間約一千トンから一千二百トンの再処理が行われており、既に再処理技術は確立されております。日本の技術確立のためにも、アレバ社の知見が必要ではないでしょうか。アレバ社から日本原燃に対して、どのような助言、知見が示されているのかお伺いいたします。(発言あり)はい。  さきに述べましたように、現在、日本原燃が行っている試験の成否は、日本原燃だけの問題ではありません。日本の将来を左右する問題であり、まずは再処理技術確立への確実な工程を示す必要があります。以前、私は、ラ・アーグで使われている再処理技術の採用を提言いたしました。あれから福島の原発事故という大きな変化がありました。日本原燃が現在進めている現行炉改良型の後継炉の採用のほかにも、選択肢の一つとして、また、セーフティーネットとしてフランスのガラス固化技術の導入も検討すべきではないでしょうか。そのための時間軸とコストについての調査が必要です。見解をお伺いいたします。  次に、青い森鉄道についてお伺いいたします。  青い森鉄道は、当初から赤字経営が予想されていた事業でありました。鉄道事業許可申請ベースでは、毎年必要な指定管理料をそれぞれJR貨物約二十二億円、青い森鉄道株式会社約二億円、そして県の一般会計繰り入れ分約十六億円の負担が予定されており、とても健全に運営できる状況ではありませんでした。  この問題に対して、鉄道機構の特例業務勘定の利益剰余金を活用した並行在来線への支援拡充の方針が政府によって決定され、県民の負担は毎年十億円も減ることとなりましたが、厳しい運営環境に変わりはありません。青い森鉄道が今後とも維持・存続されるためには、県民の負担を少しでも減らす努力と結果が必要であります。  利用者の減少や昨年の東日本大震災、さらに、豪雪等による予期せぬ事態が収益の低下をもたらし、多くの課題を残しました。これらの問題を一つ一つ確実に解決し、徹底したコスト削減に努め、青い森鉄道の黒字体質を確立していかなくてはなりません。  そこで、まずは、青い森鉄道の平成二十三年度決算についてお伺いいたします。  青い森鉄道株式会社から県に支払われる線路使用料が約一千四百万円となったとのことですが、当初の事業計画の使用料約二億円と大きく乖離しました。その要因についてお伺いいたします。  人件費については、当初計画約六億円に対して、決算額が約八億円と大幅に増加していますが、その理由と今後の推移についてどのように見込んでいるのかお伺いいたします。  平成二十三年度の決算では、結果的に県民負担は幾らだったのか、また、青い森鉄道の維持・存続に多額の県民負担が生じていることに対しての知事の見解と今後の取り組みについてお伺いいたします。  次に、青い森鉄道の利用促進についてお伺いいたします。  年々、地方鉄道の利用者は減少しており、いかに利用者を確保するかが鉄道存続のかなめとなります。本年三月には、八十九年の歴史を持つ十和田観光電鉄が大勢の地元住民や鉄道ファンに惜しまれつつ営業運転を終了しました。どんどん地方鉄道はなくなっていっております。青い森鉄道を維持・存続させるためにも利用者収入をふやしていかなくてはなりません。特に、通勤通学のための定期収入は確実かつ継続的な収入となり、増収のための強化策が必要と思われます。他の交通機関からいかに青い森鉄道利用に変えてもらえるのかがかぎとなります。先般、日帰りで、私は八戸市へ行く機会があり、青森駅から、行きは青い森鉄道を利用し、帰りは新幹線を利用いたしました。青い森鉄道では、約一時間半、首都圏の通勤車両をほうふつとさせる中で、人情あふれるほほえましい雰囲気の中で過ごすことができました。帰りの新幹線は、八戸駅から新青森駅まであっという間の乗車でした。約三十分間、落ちついた雰囲気の車内は静まり返り、快適なひとときでありました。青森駅までの連絡もスムーズで、それぞれの持ち味があり、対照的な往復の電車の旅でした。自由のきくマイカーを含め、青い森鉄道のライバルは強力であります。しかし、県民負担を減少させつつ鉄道を維持・存続させるためには、サービスの向上や新たな価値観の創造が必要です。  そこで質問いたします。  平成二十四年四月一日現在で、新青森―八戸間を新幹線で通勤している県職員数、並びに当該職員が青い森鉄道を利用した場合の一カ月当たりの通勤手当額及び年間の通勤手当総額についてお伺いいたします。  また、青い森鉄道株式会社では、通勤・通学客の確保に向けてどのような取り組みを行っているのかお伺いいたします。  次に、生活保護行政についてお伺いいたします。  県内の生活保護世帯数、保護人員数、そして保護率と、すべての指標で年々増加し続けております。特に金額ベースでは、平成二十三年度には約四百四十九億円となり、抜本対策が求められております。国では、制度の基本的なあり方が議論されており、全国的な見直しが進められていくことと思われますが、国の改革を待つことなく、本県としても、少しでも保護行政を改善していくための本県に合った取り組みが必要です。それが医療扶助の問題です。青森県でも、やはり生活保護費支出額の約半分が医療扶助であり、これをどう適正化していくかが大きな課題となっております。  医療扶助の主な内訳と適正に実施するための取り組みをお伺いいたします。  生活保護行政を支えているのは、やはりケースワーカーです。被保護者に寄り添い、話を聞き、人生の設計を行う重要な役割を担っており、一人一人の人生そのものの問題を扱うため、ケースワーカーにとっては精神的負担が重くのしかかっています。人を救いたい気持ちや、業務としてやるべきこと、すべての被保護者の事情が違うため、問題解決のための膨大な取り組みが重いプレッシャーとなってケースワーカー自身が心を病んでいくという状況が多く見られます。まずは、ケースワーカーが余裕を持って被保護者に接する環境をつくっていかなければなりません。それによってしっかりした保護行政が構築されるのではないでしょうか。  ケースワーカーの心のケアも必要と考えますが、負担軽減のため、どのような対応をしているのかお伺いいたします。  また、働ける年齢層が被生活保護者の中で増加しているのも全国的な問題となっております。本県も、同じように全保護世帯に働ける年齢層が占める割合は、平成二十三年度で一一・八%となり、年々増加しております。青森県は、特に有効求人倍率も全国最下位レベルであり、働きたくても働けないという状況が続いており、保護の増加に拍車をかけているのではないでしょうか。これを改善するための生活保護受給者への就労支援の取り組みについてお伺いし、壇上よりの質問とさせていただきます。 21 ◯副議長(相川正光) 知事。 22 ◯知事(三村申吾) 渋谷議員にお答えいたします。  まず、私からは、いわゆるITER、核融合エネルギー研究開発を推進する意義と取り組みでございます。  現在、国内はもとより、世界的にも、将来にわたる持続的なエネルギーの確保や地球温暖化対策が喫緊の課題となっているわけでございますが、核融合エネルギーは、豊富な燃料資源の量やその供給の安定性、環境適合性等の観点から、エネルギー問題と地球環境問題を同時に解決する人類究極のエネルギーとして期待されております。  この核融合エネルギーの実現に向け、世界の大国七極が参加する国際研究プロジェクトITER計画と、これに並行して私どもの六ヶ所村において取り組まれております幅広いアプローチ活動は、人類の英知をかけた世界が注目する取り組みであると認識しているところであります。  県としては、将来の原型炉の県内誘致を念頭に置きつつ、六ヶ所村における国際的な核融合研究開発拠点の形成に向けて、外国人研究者等の受け入れ態勢の整備のため、教育環境の整備や地域住民との交流、生活支援のための環境整備等に取り組んできたところでありますが、今後は、さらに、核融合研究開発技術の先端性やすそ野の広さを生かして本県の人づくり、産業づくりにもつなげていきたいと考えております。  ガラス固化試験における事業者の取り組み状況の見解でありますが、平成二十一年六月十七日の核燃料サイクル協議会において、私から事業者に対しまして、六ヶ所再処理工場のガラス固化試験については、国内外の世界的知見を総動員して取り組んでいただくように要請し、これに対して、同年七月二十八日に日本原燃株式会社副社長から、国内の専門的知見の活用や研究開発機関との連携、さらには、国外技術に関する情報取得等により、じっくりと腰を据えて取り組んでいきたい旨の報告がございました。その際、私からは、国内の学識経験者やれんが材料の専門家からの意見、助言を得るほか、オールジャパン体制で研究開発機関との連携をとることに加え、国外の同じ形式の溶融炉を持ちますドイツやアメリカの研究機関からの情報取得、さらにはフランスのアレバ社からも支援、助言を得ながら、ぜひともその知見を反映してこの試験に取り組んでいただきたいとの所見を述べたところであります。  事業者からは、その後も定期的に取り組み状況の報告を受けているところであり、今後とも、これらの取り組みを着実に進めるとともに、ガラス溶融炉の試験実施に当たっては、国内外の知見を得て取りまとめた流下性低下事象の対策などにも十分留意し、安全確保を第一義に対応していただきたいと考えるところであります。  青い森鉄道線に生じている県負担につきましての考え方であります。  平成二十三年度は、七年ぶりに青い森鉄道株式会社から線路使用料の支払いを受けましたものの、県では同社に対して約六億九千万円の線路使用料を減免しており、この分が県負担となっているところであります。  ところで、県議会の皆様方の御協力をいただきまして実現した線路使用料の制度の見直しによりまして、本県の場合は制度改正前と比較して約十四億円の負担軽減となりました。この点につきましては、改めて県議各位に御礼申し上げたいと思います。  しかしながら、それでもなお、青い森鉄道線の運営のために依然として多額の負担をせざるを得ない状況にありますことから、地域住民の足を将来にわたって守るとともに、貨物のネットワークを維持していくためには、さらなる県負担の軽減が必要であると考えるところでございます。  まず、青い森鉄道株式会社につきましては、今後も経営環境は厳しいものと思われますが、安全・安心を第一義としつつも、しっかりと収支改善に取り組んでいただきたいと考えております。  また、国に対しましては、これまでも青い森鉄道線に対する財政支援制度の創設や地方財政措置の実施を、繰り返しになりますが、県議会の皆様の御協力を得ながら機会あるごとに求めてきたところであります。  今後とも、青い森鉄道線の維持・存続に係る地方負担を最大限軽減するスキームの実現に向け、同様の課題を抱えます全国の並行在来線関係道県との連携を密にするなど、関係者と一致協力して国に働きかけていく所存でございます。ますますの県議各位の御支援もお願い申し上げまして、私からの答弁とさせていただきます。ありがとうございました。 23 ◯副議長(相川正光) 総務部長。 24 ◯総務部長(中村 賢) 青い森鉄道の利用促進につきまして、新幹線通勤をしております県職員等についてお答えいたします。  本年四月一日現在、新青森駅と八戸駅を発着駅として新幹線通勤をしております職員は六十五名となっております。  次に、青い森鉄道を利用して青森駅―八戸駅間を通勤する場合、一人当たりの通勤手当は月額五万七千四百四十円でございます。新幹線通勤をしております六十五名の職員が青い森鉄道を利用した場合の年間の通勤手当総額は約四千四百八十万円となります。  以上でございます。 25 ◯副議長(相川正光) 企画政策部長。 26 ◯企画政策部長(小山内豊彦) 御質問三点についてお答えいたします。  まず、青い森鉄道株式会社の平成二十三年度決算について、線路使用料の乖離についてでございます。  青い森鉄道株式会社によりますと、平成二十三年度の事業計画は、東日本大震災後の混乱時期に策定しなければならなかったことや、全線開業後の営業データがほとんどない中で策定しなければならなかったことから、平成二十一年に行った鉄道事業許可申請の事業収支見込みの数値をベースとしたものとなっており、収益及び費用の各費目において増減が生じる結果となったとのことです。  線路使用料が乖離した要因としては、まず収入面では、普通運賃収入やJR企画切符収入、寝台特急収入において東日本大震災の影響があったこと、及び、冬の豪雪によるたび重なる運休等により旅客運輸収入が本来得られたであろう水準から大きく落ち込んだこと、また、費用面では、一昨年十二月の全線開業時にJR東日本から購入した車両の減価償却費が見込みに比べて増加したほか、青森駅でのJRとの同面乗りかえの実施や三沢駅等の有人駅の体制強化など、利便性向上を図ったことなどから、経費が全体としてふえたことによるとのことです。  また、同じく平成二十三年度決算について、人件費の増加理由と今後の推移についてです。  青い森鉄道株式会社では、平成二十三年度において、県のふるさと雇用再生特別基金事業等を活用して、乗降客の誘導案内、沿線の観光案内等を行うアテンダントや沿線住民と協働した駅舎等の利活用推進を担う駅舎利活用推進員を配置したほか、旅客案内放送や青森駅での同面乗りかえの実施、三沢駅等の有人駅の体制強化など、利用客の利便性向上を図ったことから、人件費が増加したとしているところです。  また、同社では、JR東日本から多くの方に出向していただいておりますが、可能な限り早期にプロパー転換を進めていく観点から、平成二十三年度において前倒ししてプロパー社員を雇用しており、これによっても一時的に人件費が増加しているとのことです。  今後の推移について、同社では、プロパー転換の前倒しや業務、業務体制の見直し、効率化などにより、平成二十六年度からは減少傾向になると見込んでいるとのことです。  最後に、青い森鉄道の利用促進について、通勤・通学客の確保に向けての取り組みについてです。
     青い森鉄道株式会社では、通勤・通学客の確保に向けて、通常の定期券以外に、学校の各学期分だけ使用可能な学期定期券、片道だけ利用できる通学片道定期券、満六十一歳以上の方を対象としたシニア寿定期乗車券などを発売しているほか、定期券を提示すると割引等のサービスが受けられるよう県内の四十施設と提携を結ぶなど、多様なニーズに対応した魅力ある商品づくりに取り組んでいます。また、入学シーズンには各学校の入学説明会等に出向いて定期券の販売を行うなど積極的な営業活動を行っており、県においても、職員を初めホームページなどを活用して幅広く利用促進を働きかけているところです。  また、現在、平成二十五年度中の開業を目指し、青森市の筒井地区に新駅の建設を進めており、同駅の開業により通勤・通学客の利用増加が見込まれるところですが、今後とも通勤・通学客はもちろん、旅客運輸収入の確保に向けて、青い森鉄道株式会社とともに利用促進に努めていくこととしております。 27 ◯副議長(相川正光) 環境生活部長。 28 ◯環境生活部長(林 哲夫) ガラス溶融炉につきましての御質問にお答えいたします。  まず、日本原子力研究開発機構のガラス溶融炉と六ヶ所再処理工場のガラス溶融炉との相違点についてでございます。  日本原燃株式会社によりますと、どちらのガラス溶融炉ともガラス固化の方式としては高レベル廃液をガラス原料とともに溶融炉内に供給し、溶融ガラスに直接通電して加熱し、ガラスを溶融する方式を採用しております。相違点としましては、廃液処理能力が六ヶ所再処理工場のガラス溶融炉のほうが約五倍大きいとのことでございます。また、ガラス原料につきまして、日本原子力研究開発機構のガラス溶融炉では円柱状のガラスカートリッジを使用しているのに対し、六ヶ所再処理工場のガラス溶融炉では処理能力の点から粒状のガラスビーズを使用しているという違いがあるとのことでございます。  次に、フランス・アレバ社からの助言についてでございます。  日本原燃株式会社によりますと、フランス・アレバ社とは、同社の専門家と意見交換を行い、ガラス溶融炉の運転技術、ガラス特性及び固化セル内のメンテナンスなどについて助言を得ている。また、KMOCの試験計画やガラス溶融炉の事前確認試験計画について助言を得ているほか、事前確認試験に向けた作動確認中に発生した流下性低下についても状況を説明し、原因究明などに係る助言を得ているとのことでございます。  最後に、現在のガラス溶融炉に加えてラ・アーグ再処理工場で採用している方式のガラス溶融炉を導入することも考えるべきということについてお答え申し上げます。  日本原燃株式会社によりますと、現在のガラス溶融炉において、これまで得られた知見や対策を生かしながら事前確認試験を実施しているところであり、まずは、今後の試験について、安全を最優先に慎重に作業に取り組んでいくとのことです。県としては、同社の対応状況を注視してまいります。 29 ◯副議長(相川正光) 健康福祉部長。 30 ◯健康福祉部長(江浪武志) 生活保護に関します三点についてお答えいたします。  まず、医療扶助の主な内訳と適正に実施するための取り組みについてでございます。  本県における平成二十三年度の医療扶助費として支出された額は二百十三億七百五十七万円となっています。その内訳は、入院が百四億二千四百五十九万円で、全体の四八・九%を占め、以下、入院外が四十六億九千三百八十二万円で二二・〇%、調剤が三十九億千六百二万円で一八・四%などとなっております。  医療扶助における医療の給付に当たっては、短期間の受療によるものを除き、主治医からの意見書を徴し、嘱託医の審査を経て実施しております。さらに、福祉事務所では、毎年度定期的に長期入院患者や長期外来患者について主治医から病状を把握し、治療継続の必要性などについて検討を行っているほか、家庭訪問や医療費請求情報を活用し、同一傷病による頻回受診や重複受診が認められた場合は、福祉事務所の嘱託医の意見をもとに、対象者に対し適正な受診について指導しております。  このほか、県本庁及び市福祉事務所にレセプト点検員を配置し、医療機関が請求した診療報酬の内容に誤りがないか審査するなどの取り組みをしております。  次に、ケースワーカーの負担軽減のための対応についてでございます。  ケースワーカーは、みずから担当する地区の生活保護受給世帯を定期的に訪問し、生活状況の確認や、世帯の課題に応じたさまざまな支援、指導を行っています。また、近年の生活保護に関する処遇困難事例への対応、就労支援対策や不正受給対策の強化などに伴い、ケースワーカーが担う業務は複雑化の傾向にあるものと認識しております。  このため、福祉事務所においては、各種研修や職場でのケース検討などを通じて経験の浅い職員の育成に努めているほか、保護担当課長及び査察指導員が中心となって、各ケースワーカーに対するきめ細やかな指導、業務の進行管理及び処遇困難ケースへの同行訪問などの組織的な対応により、ケースワーカーの負担が過重にならないように取り組んでおります。  最後に、生活保護受給者への就労支援の取り組みについてでございます。  厳しい社会経済情勢を反映した雇用環境の悪化により、特に平成二十一年度以降は、稼働能力のある世帯員のいる生活保護受給世帯が増加しております。  このため、福祉事務所においては、生活保護受給者の中で、稼働能力がありながら就職に結びつけることが困難な方々へ就労支援を行っております。具体的には、公共職業安定所と連携し、求人情報をもとに、ケースワーカーや福祉事務所に配置された就労支援員による求人情報の提供及び公共職業安定所への同行訪問などを行っているところでございます。 31 ◯副議長(相川正光) 商工労働部長。 32 ◯商工労働部長(馬場良夫) オーダーメード型貸し工場の利用に係る三点の御質問についてお答え申し上げます。  まず、株式会社ANOVAの生産状況と今後の見通しについてでございます。  昨年十二月からオーダーメード型貸し工場を利用しております株式会社ANOVAでは、現在、百名を超える従業員を雇用して、カラーフィルター、タッチパネルなどを生産し、毎月の売り上げが一億円を超えるなど、生産状況はおおむね順調に推移しており、貸し工場のリース料につきましても、公益財団法人21あおもり産業総合支援センターに約定どおり支払いがなされていると聞いております。  ANOVAでは、今後、同社を取り巻く事業環境が厳しくなることも予想されるため、出資企業や関係者によるネットワークなどを最大限活用しながら、さらなる営業力、技術力の向上に努めていくと聞いております。県といたしましても、21あおもり産業総合支援センターとの連携のもと、貸し工場に係る経営状況等点検会議や業界に精通した県の企業誘致顧問、アドバイザー等の協力を得ながら、適切なアドバイスをしていくこととしております。  次に、21あおもり産業総合支援センターへの貸付金約二十九億円の返済状況と今後の予定についてでございます。  県から公益財団法人21あおもり産業総合支援センターへの貸付金約二十九億円につきましては、貸し工場の利用企業のリース料等を財源に平成二十三年度から二十年以内に返済されることとなっております。  平成二十三年度分につきましては、約定どおり、去る三月三十日に同センターより一千六百万円の返済がございました。  今後の返済予定につきましては、利用企業の立ち上がり時期はキャッシュフローが厳しいと予想されるため、平成二十五年度までは返済財源となるリース料が段階的に上昇するように設定していること等を考慮いたしまして、今年度は三千六百万円、平成二十五年度は四千六百万円、平成二十六年度以降は毎年約一億五千万円を返済することとしております。  最後に、株式会社ANOVAに対する県からの補助金の内容についてでございます。  県は、企業誘致を促進させ、産業の振興及び県民の雇用機会の拡大を図るため、雇用や設備投資額の要件を満たした誘致企業に対し、投資額等に応じた青森県産業立地促進費補助金を交付しているところでございます。  株式会社ANOVAは、業種が製造業であることや、県外資本が五〇%以上の合弁会社でありますことから、青森県誘致企業の認定に関する取扱要領に基づき、平成二十三年度、県の誘致企業に認定いたしました。  これを踏まえ、同補助金の交付要綱に基づき、同社から三月二十六日付で交付申請がございまして、書類審査等、所要の手続を経て、三月二十九日付で交付決定し、平成二十三年度分といたしまして、約二百万円の補助金を支払ったところでございます。 33 ◯副議長(相川正光) エネルギー総合対策局長。 34 ◯エネルギー総合対策局長(八戸良城) 御質問三点にお答えいたします。  まず、ITER計画及び幅広いアプローチ活動の現状と今後の予定についてであります。  ITER計画については、国によると、現在、フランス・カダラッシュにおいて実験炉建屋の土木工事が進められているほか、実験炉の建設に必要な機器の製作が、日本を初め参加七極の分担により進められています。今後は、二〇一五年に実験炉の組み立てを開始し、二〇二〇年に主要部の組み立てが完了、同年、初プラズマを達成、さらに、二〇二七年に核融合反応を開始する予定であるとのことです。  幅広いアプローチ活動については、本県六ヶ所村の国際核融合エネルギー研究センターにおいて、平成二十二年三月までにすべての研究棟建屋が竣工し、六月一日現在、センター全体で約百八十人の研究者、職員が活動しています。  具体的な活動としては、国内第二位の計算性能を誇るスーパーコンピューターがことし一月から運用開始されたほか、原型炉R&D棟においては、発電実証を行う原型炉の実現に向けた研究開発が本格化する見込みとなっています。また、国際核融合材料照射施設の設計や装置の性能実証に利用される加速器が来年三月ごろから順次六ヶ所村に搬入される予定となっています。  次に、青森県原子力人材育成・研究開発推進構想に係る取り組みの現状と今後の予定についてです。  県では、原子燃料サイクル施設を初め、原子力発電所、国際核融合エネルギー研究センターなどの原子力関連施設の立地を本県の人づくり、産業づくりに最大限生かしていくため、平成二十年二月に青森県原子力人材育成・研究開発推進構想を策定し、その活動拠点として原子力人材育成・研究開発センターを位置づけ、その具体化に向けて取り組みを進めているところです。  これまで、県内外の大学等との意見交換を行いながら、同センターでの活動内容、産学官連携による産業化を見据えた取り組みなどについて調査検討を進めてきたところです。今年度は、センターの開設実現に向けて、より実効性のある計画づくりを行うこととしております。  このような中、八戸工業大学や八戸工業高等専門学校では、平成十九年度から国の原子力人材育成プログラムを活用し、原子力教育を実施しているほか、東北大学では、平成二十年度から六ヶ所村において原子力分野の大学院教育を実施しており、さらに、平成二十二年には新たな研究部門を同村内に開設するなど、県内外の大学によって、既に原子力人材育成・研究開発推進構想に関連する具体的な取り組みが展開されているところです。  最後に、この構想に係る県内大学との連携についてです。  原子力は、原子力工学や放射線技術のほか、機械、電気、化学、建築等多くの基盤技術分野が関連しております。このことから、県内のさまざまな大学がかかわることのできる分野が多く、また、原子力関連技術を活用した地域の産業振興や雇用創出の観点から、県内の大学が原子力人材育成・研究開発推進構想の取り組みに参加することは極めて重要であると考えています。  このため、今年度実施することとしている青森県原子力人材育成・研究開発拠点計画の策定に当たっては、県内大学との連携の方策について十分検討し、県内の大学がそれぞれの得意分野で原子力人材育成に貢献できるような体制の構築に努めてまいります。 35 ◯副議長(相川正光) 渋谷議員。 36 ◯二十番(渋谷哲一) それでは、再質問させていただきます。  まずは、青い森鉄道について質問させていただきます。  青い森鉄道は、年間六億円以上も税金が投入されており、実質的には県によって運営されていると言っても過言ではありません。私ども、県政にかかわる行政、県議会が率先して青い森鉄道を利用し、多額の県民負担を少しでも軽減させるための努力が必要ではないでしょうか。知事、知事の自宅はおいらせ町と伺っております。知事みずからが先頭に立って下田駅から自社の鉄道を利用し、少しでも税金投入を抑えるための取り組みを行う姿勢が県民の心を揺さぶるのではないでしょうか。知事の見解をお伺いいたします。  次に、ANOVAに関して再質問させていただきます。  エーアイエスが破綻した後、県は、それまで液晶関連産業とは全く関係のなかった相和物産に貸し工場事業を引き継ぎ、当初は月三千万円とも言われる電気料金や億単位の設備投資も財団法人21が負担しておりました。その一方で、本来支払われるべきリース料は低く抑えられ、県を挙げて至れり尽くせりの支援を行ってきました。相和物産単独での経営では将来に不安があるため、最終的に県外企業である翔栄との合弁会社ANOVAが設立され、正式にリース契約が取り交わされました。昨年十二月の定例会において、今後一円たりとも貸し工場や合弁会社に対して支出しないと明言をいただきたいとの私の質問に対し、当時、商工労働部長は、貸付金二十九億円を回収することが大前提ということでございますので、新たな投資ということについては一切考えてございませんと答弁しておりました。  しかし、結果的には、今聞いたところによりますと、ことし三月二十九日、ANOVAに対して約二百万円の青森県産業立地促進費補助金が支払われております。一体議会での県の答弁は何だったのでしょうか。一体何を信じればよろしいのでしょうか。県が設備投資を行い、リース料を低く抑えているだけでも十分な支援であるにもかかわらず、さらに県外からの誘致企業として補助金を出すことは県民の理解が得られるのでしょうか。  そもそも、ANOVAは県外からの誘致企業なのでしょうか。もとは県内企業である相和物産が主体的に合弁会社を設立する相手を探して、二転三転後、最終的に見つかったのが翔栄であり、役員構成も相和物産側から三名、翔栄側から二名で、実質相和物産が経営の中心となっております。これまでの経緯からも、ANOVAは、青森県誘致企業の認定に関する取扱要領第三条(一)イ、県外に本社がある企業により県内に設立された企業とは言えないのではないでしょうか。  質問いたします。  一、県は新たな投資は考えていないと答弁しているが、矛盾するのではないか。  二、今後、補助金は何年間続いて、総額幾らになるのか。  三、知事がANOVAに対する新たな補助金について知ったのはいつなのか。  四、この補助金の支給については知事も了承しているのか。  五、補助金を支給したことに対して、議会に報告すべきだったのではないでしょうか。なぜ報告がなかったのですか。  六、ANOVAは相和物産主導で設立され、役員構成も相和物産側が過半数を占め、実質相和物産の経営であり、青森県誘致企業の認定に関する取扱要領第三条(一)イ、県外に本社がある企業により県内に設立された企業とは言えないと思いますが、知事の見解をお伺いいたします。県では県外企業をどのように定義しているのでしょうか。  七、一企業にこれだけの支援を県が行うことがどうしても理解できません。雇用を守るとのことでしたが、三十億円もの金額を使えば県内の中小零細企業をどれだけ支えていくことができるのでしょうか。それぞれの中小零細企業は県の支援がなくても事業を継続し、雇用を守っております。これほど相和物産に肩入れする特別な理由があるのでしょうか。知事、相和物産から選挙などで支援を受けていないのであればはっきりお答えください。  質問は以上です。 37 ◯副議長(相川正光) 知事。 38 ◯知事(三村申吾) まず、私からは、青い森鉄道についての御質問がございました。  実際に下田と三沢を使うと便利なものですから、時々使わせていただいております。これはもう地元の方は皆さん知っております。もちろん、新幹線も活用しなければいけませんので、場面場面では新幹線も活用しているということは申し述べておきます。  それから、ANOVAにつきましては、別に特定企業にどうこうという、何をしているという思いは全くございません。それぞれ実務的な部分、担当部長から答弁させます。  以上です。 39 ◯副議長(相川正光) 佐々木副知事。 40 ◯副知事(佐々木郁夫) 私からは、一点、なぜ特定企業に肩入れするのかという趣旨の御質問がございました。  オーダーメード型貸し工場を利用しておりましたエーアイエス株式会社が破綻した際、仮に何ら対策を講ずることなくそのまま貸し工場を廃止した場合、工場建設に係る金融機関からの借入金債務残高約二十億七千万円の損失補償の実行や貸し工場の解体費用など合わせて約二十五億円の県負担が発生すること、また、これまで培われてきました高度な技術や雇用を失い、本県産業にとって大きな損失になりますことから、早期の操業再開に向けて関係者と連携し、努力してまいりました。  今後とも、県としましては、トータルとして県民の利益が図られるよう県政を推進していくという思いを第一義に、雇用の維持拡大、技術の発展を図り、本県の産業振興に取り組んでまいります。 41 ◯副議長(相川正光) 商工労働部長。 42 ◯商工労働部長(馬場良夫) 再質問にお答えいたします。  まず、昨年十一月の定例県議会での新たな投資は考えていないという答弁に矛盾するのではないかということでございますが、昨年十一月定例県議会の一般質問におきまして、渋谷議員の質問に対し、貸付金の二十九億円を回収することが大前提であり、新たな投資は一切考えていないという答弁をしておりますが、これは、貸し工場の運営及び維持管理に係る経費としては二十九億円のほかに追加的な投資支出はないという趣旨でございます。  青森県産業立地促進費補助金は、県内に立地した誘致企業が雇用や設備投資額の要件を満たした場合に支給する既存の優遇制度でございまして、誘致企業である株式会社ANOVAも当該補助金の対象となるものでございます。また、手続後は、必要な所定の手続、そして十分な審査を踏まえた上で交付したものでございます。  続きまして、補助金のトータルでの状況でございますが、今回は貸し工場ということですので、リースということで補助対象になってございます。リースにつきましては、最終的には、トータルでは五年間、年度でいきますと六年度ということで、リース料、工場のリース及び検査機器のリースということで、総額で六千九百万余の金額ということで計画はしております。毎年度毎年度の請求ということで補助金のほうの支払いはしていくという仕組みになってございます。  また、今回のANOVAの補助金に関しましては、申請がなされた段階で知事のほうに説明をした上で手続を進めているところでございます。  また、県の誘致企業の認定に関する取扱要領のお話もございましたが、私どものほうでは、県外に本社がある企業により県内に設立された企業ということでございますが、これにつきましては資本の割合ということで考えておりまして、五〇%以上の企業につきましては合弁会社という形で誘致企業の認定の対象とするという形で進めているところでございます。  それから、議会に対する報告等でございますが、貸し工場制度に関しましての運営状況につきましては、適時適切に御報告させていただくという形で説明させていただいておりまして、定期的に報告するということではなくて、必要に応じてということになってございます。今回の補助金に関しましては、基本的な要件を満たしているということで、十分所定のしっかりとした手続、それから、私どものほうの審査ということで処理しているものでございますので、あくまでも既存の補助制度の運用ということで、報告とかそういうことではなくて、事務的な処理をさせていただいているということでございます。  〔渋谷哲一議員、答弁漏れを指摘〕 43 ◯副議長(相川正光) 渋谷議員、答弁漏れを指摘してください。 44 ◯二十番(渋谷哲一) 七番目、一番最後に質問した内容で、なぜ肩入れする特別な理由があるのかということに対しては答えていただきましたが、その次の、知事に対して相和物産から選挙などで支援を受けていたのであればはっきりお答えくださいという質問をいたしました。答弁をお願いします。 45 ◯副議長(相川正光) 渋谷議員に申し上げます。  ただいまの質問に対しては答弁してございます。  四番寺田達也議員の登壇を許可いたします。――寺田議員。 46 ◯四番(寺田達也) 自由民主党の寺田達也であります。  通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。  初めに、雇用確保対策の推進についてであります。  平成二十四年五月に青森労働局から発表された平成二十四年四月の青森県の雇用失業情勢についてによりますと、四月の県全体の有効求人倍率は二十年ぶりに〇・五倍台に回復した三月の発表よりさらにまたふえ、〇・五八倍であると報告されております。これは、まだまだ満足のできる雇用情勢に至っているとは言いがたいものの、平成二十年のリーマン・ショックで大きく落ち込んだ有効求人倍率が、昨年の東日本大震災を挟みながらも、緩やかな回復傾向にあり、その背景には、緊急雇用対策等の施策効果のあらわれとして一定の評価が与えられてしかるべきであろうと思うものであります。  また、ことし春に県内高校を卒業した生徒の五月末現在の就職状況では、全体の就職者数が前年同時期に比べて百四人ふえて三千四百八十三人、就職率では九五・九%で一・四ポイント増となっております。そして、県内就職者数が県外就職者数を上回り、求人数も県内が県外を上回っていることは、明るい兆しではあるものの、これが永続性のあるものなのか、あるいは一過性のものなのか、なおしばらく注視していく必要があるものと考えるところであります。  そこで、雇用情勢と雇用対策についてお伺いいたします。  一点目として、県内各地域の雇用情勢についてお伺いいたします。  二点目として、県内でも特に雇用情勢が厳しい地域における雇用対策について県はどのように取り組んでいるのかお伺いいたします。  次に、農林水産資源の生産・販売対策についてお伺いいたします。  青森県の自然の豊かさについては、今さら申し上げるまでもなく、全国に誇ることのできる農林水産資源が数え切れないほどあります。生産量、漁獲量が日本一であるリンゴ、ニンニク、ゴボウ、ヒラメを初め、ナガイモ、イカなど全国でも上位に位置する農林水産物が多々あります。これらのほかにも、品質がよく十分な競争力があるけれども、折悪しく日の目を見ていない農林水産資源が潜在しているのであります。何物でも品質がよくなければ売れないのは当たり前でありますが、幾ら品質がよくても、広く評判を得て知名度を上げていかなければ、これまた売れていかないのであります。だからこそ、今、ブランド化が注目されているのであります。  ブランドという言葉は、よその家畜と区別をするために自分の家畜に焼き印をしたことがその由来だそうであります。その核となっているのは、ほかとの違いを識別するための情報ということであります。しかし、初めは単に識別情報にすぎなかったものが、その品物がすぐれていた結果、広く使われるに従い、その情報が、品物が良質であるなどといった判断基準を消費者に連想させるような働きをするようになったのであります。  ブランドが確立されるまでには確かに長い時間と根気強い取り組みが要求されます。しかし、一たんブランドが確立されてしまうと、売り手がセールスをしなくても、消費者のほうから品物を求めてくるようになる。これがブランドの力であります。
     これまで、本県で全国区のブランドになった農林水産資源は、皆一朝一夕にしてできたものではございません。各産品の関係者の血のにじむような苦労と研究を重ねてでき上がった品物であります。本県が真に農林水産業でしのいでいこうとするのであれば、また、品質においてほかにぬきんでてすぐれている隠れた資源があるならば、これから全国区になろうとしている農林水産資源のブランド化、ここに県の力添えがぜひとも必要であると考えます。  そこでお伺いいたします。  第一点目として、県内の豊富な農林水産資源のブランド化を図るため、県はどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  二点目として、県内において日本海産クロマグロ、特に深浦産のクロマグロの漁獲量が多いと聞いております。そのクロマグロをブランド化すべきと考えますが、県はどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  三点目として、地域特性を生かした肉牛づくりを進めている西北地域においては、さらなる販路拡大のためのブランド化が急務であると考えております。県はどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  次に、北海道新幹線開業を見据えた観光の取り組みについてお伺いいたします。  東日本大震災の発生によって、本県の観光産業は大きな打撃を受けました。そういう状況の中、JR六社と本県の観光関係者や市町村などが一体となり実施した青森デスティネーションキャンペーンなどの集客努力もあって、昨年七月以降は、県内の主要観光施設の入り込み数が震災前の水準まで回復していると聞いております。しかしながら、東北新幹線開業時のような新幹線効果を享受できるまでには至っていないのも、また事実であります。  このようなことから、開業効果を早期に取り戻して、さらに息の長いものにするために、二〇一五年度末の開業を目指す北海道新幹線新函館駅への延伸と歩調を合わせて、一層の本県及び道南の地域振興につなげていくことが必要であると思います。そのために具体的に何をすべきかが今後の課題であります。  来年四月には、団塊世代の方々が五年の定年延長期を終え、多くの方々が職を離れることになります。そのことから、時間的、そして経済的に余裕のある方々の観光ブームが到来するとの予測もされております。  そこで、北海道新幹線として県内唯一の駅となる奥津軽駅、同駅開業を前に、地元今別町のみならず、津軽半島全域を挙げた観光振興の取り組みが急務であると考えるものであります。津軽半島には、駅の存在する上磯地域のみならず、中山山脈を隔てて西北五地区も隣接しております。奥津軽駅を起点とした観光ルートが確立されていれば、観光客に提供する食や自然、文化、習俗など、豊富な地域資源を生かすことも可能となってくるのであります。北海道新幹線奥津軽駅は、日本で最も乗降客の少ない新幹線駅になるであろうなどとやゆする声も聞かれますが、逆にこれを奇貨として、知恵を絞り、津軽半島、ひいては県全域に経済効果を波及させ、豊かになるための戦略が必要と考えるものであります。  そこでお伺いいたします。  第一点目として、道南地域を含めた広域観光推進が急務であると考えますが、県はどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  二点目として、津軽半島の魅力を高め、周遊観光を推進するために、県はどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  次に、再生可能エネルギーの導入推進についてお伺いいたします。  エネルギー資源が少ない日本で、今、新たなエネルギーとして注目されているのが太陽光や風力、バイオマスなど自然の力を利用した再生可能エネルギーであります。これらのエネルギーは二酸化炭素をほとんど排出しないという環境面のメリットもございます。  昨年の通常国会で、再生可能エネルギーの普及、拡大を目的とした再生可能エネルギー特別措置法が成立し、いよいよ本年七月から再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が施行され、風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギーの普及がこれまで以上に見込まれているところであります。  本県は日本一の風力発電県であります。この背景には、農地法を弾力的に解釈し、東北六県で唯一、優良農地であっても、風力は地球の資源であるといった判断に立って、風力発電施設設置目的の転用許可を与えてきたという経緯がございます。  この件に関しては、同じ電気事業者でも、電気事業法に規定されている電力会社の発電施設の建設の場合は転用を認めるが、そうでない場合は転用を認めないとする農水省の見解により、今後優良農地への風力発電施設建設が困難になったことは、やや公平を失っている感が否めないばかりか、再生可能エネルギー普及への逆風であり、個人的には残念なことであると認識しております。  こうした中ではありますが、エネルギーのベストミックスの必要性は論をまたないところであります。風力、太陽光を初めとする多様な再生可能エネルギーの導入を進め、さらには、これをもって県内の産業や雇用にどのように結びつけていくのかが今後の重要課題であると考えております。  そこでお伺いいたします。  一点目として、再生可能エネルギーにおける産業振興についてでありますが、再生可能エネルギーの導入を県内産業の振興につなげていくためには、地域の産学官金が連携して取り組む体制づくりが必要と考えます。県はどのように取り組んでいくのか。  また、風力発電の導入を県内産業の振興につなげていくためには、県内事業者による風力発電事業やメンテ業務への参入を促進することが必要であると考えます。県はどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  二点目として、青森県再生可能エネルギー等導入推進基金事業についてであります。  本事業は東日本大震災の経験を踏まえ、災害時における通信手段などを確保する観点から、地域の防災拠点に対し、再生可能エネルギー、蓄電池などを導入するものと聞いております。  県民の安全・安心を考えるとき、全市町村において積極的に事業が行われるべきであり、また、災害時における通信手段などを確保する観点から、地域の防災拠点に対して、再生可能エネルギーや蓄電池を積極的に導入していくべきと考えますが、県として本事業をどのように進めていくのかお伺いいたします。  次に、命を大切にする心を育む県民運動についてお伺いいたします。  先ごろ県が実施した青少年の意識に関する調査の結果報告書を拝見させていただく機会がございました。これは、本県における青少年の意識や行動を把握し、青少年に関する総合的な施策の推進のための基礎資料とすべく、二年に一回継続的に行われている調査であります。私が手にしたものは、一昨年の十月から十一月にかけて県下小、中、高四十二校、実に千二百五十五人の児童生徒を対象に、学校、家族・家庭、自分、メディアコミニケーション、規範意識などの項目について調査した結果報告書であります。  私は、規範意識に関する質問の一つに対する回答結果に大きな衝撃を受けました。質問は、どんな理由があっても人を傷つけたり殺人を犯してはいけないであります。私が調査対象の児童生徒と同じころの自分であれば、同じ質問をされれば九九%はそう思うと回答していると自信を持って申し上げることができます。しかしながら、今般の調査結果で「そう思う」と答えたのは全体で八四・五%、高校生男子に至っては七〇・二%どまりであったのであります。なお、平成二十年度調査時の同趣旨の質問からも、「そう思う」は全体で一・八ポイント、高校生男子では三・九ポイントそれぞれ下回っているのであります。  子供は社会を写す鏡であります。だとすると、大人がつくっているこの社会がこのような子供たちをつくってきたとも言い得るのではないでしょうか。我々に大きな責任があることを認め、大いに反省をしなければならないと考えるに至っているところであります。  「ひとつのいのち。みんなのだいじないのち。」、知事は、命を大切にする心を育む県民運動推進会議の情報誌「いのちつうしん」の中でこのようにメーセッージを発信しておられます。その心は、一人一人の命は自分だけものではなく、周りのみんなにとってもかけがえのないものであるとも述べられております。全く同感であります。先ほどの問いに対して、すべての者が「そう思う」と答えることのできる社会をつくっていくことこそが我々の役目ではないでしょうか。  そこでお伺いいたします。  一点目として、命を大切にする心を育む県民運動の一層の推進についてであります。  命を大切にする心を育む県民運動のこれまでの取り組み状況とその成果について、また、これからの推進の方向性として、今年度実施する命を大切にする心を育む絆プロジェクト事業の目的とその内容についてお伺いいたします。  二点目として、命を大切にする児童・生徒育成への各機関の連携した取り組みについてであります。  本県公立小・中・高等学校において、子供たちの規範意識の醸成に向けてどのように取り組んでいるのか。また、知事部局、教育委員会のみならず、児童生徒に命の大切さを学ばせるために県警察本部がこれまで行ってきた成果と今後の取り組みについてお伺いいたします。  次に、津軽自動車道の整備についてお伺いいたします。  「津軽自動車道は、青森市を起点に東北縦貫自動車道弘前線の浪岡インターチェンジから分岐し、五所川原市を経由して鰺ヶ沢町に至る延長約三十七kmの一般国道の自動車専用道路で、津軽半島地域の中心都市である五所川原市や七里長浜港を連絡する重要道路です。現在、浪岡五所川原道路(延長十五・七km)については国土交通省により整備が進められ、全線供用中です。」これは県ホームページにおける津軽自動車道に関する記述であります。  津軽自動車道は、青森市浪岡国道七号から五所川原北インターチェンジ国道三三九号までの浪岡五所川原道路、五所川原北インターチェンジから柏インターチェンジまでの五所川原西バイパス、柏インターチェンジから国道一〇一号交点までの柏―浮田間と、そして、国道一〇一号交点から終点までの鰺ヶ沢道路の四つに区分されております。浪岡五所川原道路については、ホームページに記述どおり、平成十九年十二月十四日より供用されておりますが、残りの五所川原西バイパス、柏―浮田間、鰺ヶ沢道路の三区間においては、いまだ完成を見ていない状況にあります。  より具体的に申し上げれば、五所川原西バイパス、鰺ヶ沢道路はそれぞれ平成十六年、平成十九年に事業着手され、五所川原西バイパスについては盛り土が施工され、客観的にも整備進捗が見てとれるところでありますが、鰺ヶ沢道路についてはどのような状況にあるのか、よく見えないと言わざるを得ません。  国道一〇一号は、これまでバイパスが順次整備されてまいりました。しかし、いまだ線形不良や幅員狭小のほか、冬季の視界不良などの問題を抱えております。これらを抜本的に解決して医療施設までの所要時間短縮による地域医療への安心を確保していく。また、立佞武多やつがる地球村を初めとする西北五地区の観光資源への観光客のアクセス向上により地域経済を活性化させていくなど、津軽自動車道全線の早期供用開始の必要性はさらに高まっております。  近年、コンクリートから人への掛け声に象徴されるように、車よりも熊のほうが多く通る道路など無駄であるなど、おもしろおかしく取り上げられ、社会資本の整備の必要性は否定され、社会福祉の充実だけが重要であるとの主張がなされてきました。これは、社会資本が十分形成されているごく一部の見方であって、地方のほとんどの地域はいまだに十分な資本が行き渡っていないという現実を踏まえていないのではないかと言わざるを得ません。社会福祉充実の重要性について理解をするところでありますが、社会資本の整備、特に道路については、国内の隅々まであらゆる人、物の流れを高速化することによって国家が繁栄される。小さな地域であっても、その役割と必要性に応じた整備はなされて当然であると考えるものであります。  そこでお伺いいたします。  第一点目として、五所川原西バイパス及び鰺ヶ沢道路の整備状況と今後の見通しについてお伺いいたします。  第二点目として、事業未着手となっている五所川原西バイパスと鰺ヶ沢道路を結ぶ区間である柏―浮田間の整備について知事のお考えをお伺いいたします。  以上で壇上からの質問を終わります。 47 ◯副議長(相川正光) 知事。 48 ◯知事(三村申吾) 寺田議員にお答えします。  まず、県内の農林水産資源のブランド化についてであります。  知事就任以来、本県の豊かな自然がもたらすきれいな水、健康な土などによって育まれたすばらしい農林水産資源の評価を高め、生産者の所得向上を図るために攻めの農林水産業に取り組み、八戸前沖鯖、一球入魂かぼちゃ、肉用牛、ふかうら雪人参など本県のすぐれた産品のブランド化を進めてきたという思いがあります。  県産品を全国に通じるブランドに育てるためには、各地域におきまして、魅力ある素材や商品を発掘し、磨き上げますとともに、コーディネーター的な役割を担います優秀な人財の育成、首都圏の高級ホテル、レストランでの青森フェアの開催、県産食材の活用等の提案、さらにはメディアでの集中的なPR活動などを一層強化していくことが必要と考えております。  このため、これまでの取り組みに加え、本年度からは、赤~いりんごやカシスなど、本県ならではの特産品を使った首都圏百貨店等との共同企画によるいわゆるオリジナル限定商品の開発に取り組みますほか、各方面に対して非常に強い影響力を持つ著名人が運営する店舗でのフェアというものを展開することとしております。  また、首都圏で行います県産品を使った料理フェアや共同企画商品のお披露目会などと連動したフェアを県内でも行い、多くの観光客の方々に本県を訪れていただけるよう、誘客促進にも努めることといたしております。  道南地域を含めた広域観光についての取り組みでございます。  平成二十七年度末とも予定されております北海道新幹線の新函館開業は、本県と道南地域との時間距離を大幅に短縮し、相互の交流を拡大するのみならず、本県と道南地域を一つの旅行エリアという形で、首都圏等からの新たな旅行需要を喚起する大きなチャンスと考えております。  このチャンスを生かすためには、本県ならではの自然や歴史、文化、食などの魅力あふれる観光コンテンツをさらに磨き上げるのはもちろんのことでございますが、これらを道南地域のさまざまな観光資源と効果的に結びつけて、双方の魅力がより際立つ形で観光客の方々に楽しんでいただくような仕組みづくりが重要と考えております。  このため、県では、昨年度、北海道と連携し、首都圏における共同PRや、県内と道南地域を周遊するモデルルートをつくりまして、首都圏の旅行エージェントによる視察会を実施しました。この結果、一部エージェントにおいて新たな商品造成もなされたところであります。  今後、仮称でありますが、奥津軽駅の開業や、飛行機、フェリーも含めたいわゆる立体観光の推進を踏まえ、関係市町村や観光関連団体と連携を図りながら、広域周遊コースをさらに磨き上げますとともに、積極的なセールス活動の展開や情報発信の強化によって、道南地域を含めた広域観光を推進していきます。  再生可能エネルギー導入のための地域の産学官金の連携の取り組む体制についての考えであります。  私は、「産業・雇用の元気が、あおもりの元気。」という考えのもと、世界の一翼たる青森県づくりに向けて産業政策に取り組んできました。  特に、本県のエネルギー分野における高いポテンシャルは、今後の産業振興と持続可能な低炭素社会の先進地を形成していく上で大きな可能性を有する、そのように考えます。そこで、青森県基本計画未来への挑戦におきましても、エネルギー産業を比較優位産業と位置づけまして、これまで多様なプロジェクトを積極的に推進してきたところであります。  国では、再生可能エネルギーの導入に向けた取り組みを強化するなど、関連産業の一層の成長が見込まれておりますが、この機会を本県産業のさらなる飛躍につなげていくためには、産学官金が一体となってイノベーションに取り組む体制の強化が必要と考えます。  このため、今年度から、新たなイノベーションを進める基盤となります産学官金の有機的なネットワークづくりに重点的に取り組み、再生可能エネルギー分野における事業化の拡大、雇用の創出を図っていきたいと考えているところであります。  津軽自動車道の未着手区間の整備についてであります。  津軽自動車道は、西海岸地域の主要産業でございます農林水産業や観光産業の活性化及び災害時におけるところの緊急輸送道路や救急医療体制の支援など住民生活を支えるためにも非常に重要な路線であると認識しております。  これまでに、浪岡五所川原道路十五・七キロメートルが開通しており、現在、五所川原西バイパスあるいは鰺ヶ沢道路の整備が進められております。さらには、今年度、未着手区間であります柏―浮田間の概略ルート、構造の検討に係る調査が新たに行われる予定でございます。  そこで、我々として、この高規格幹線道路はネットワークとしてつながって初めて効果を発揮するというものでございますことから、県といたしましても、未着手区間が確実に新規事業化され、一日も早く全線供用が図られるよう、関係市町村等と一体となって、引き続き国に対し強く要望していくとお話しさせていただきます。  以上です。 49 ◯副議長(相川正光) 環境生活部長。 50 ◯環境生活部長(林 哲夫) 三点、お答え申し上げます。  青森県再生可能エネルギー等導入推進基金事業についてお答えいたします。  本事業は、総額八十四億九千七百万円の基金を活用いたしまして、今年度から平成二十七年度までの四年間で、地域の防災拠点等に再生可能エネルギー等の災害に強い自立・分散型エネルギーシステムの導入を推進していくものでございます。  具体的には、災害時における非常用電源を確保する等の観点から、地域の防災拠点となります県及び市町村の公共施設などに太陽光や風力の発電設備や蓄電池等を導入していくものであります。地域の防災拠点等への再生可能エネルギーの導入に当たりましては、市町村事業が中心的な役割を果たすものであり、基金総額の約八割、六十五億円程度を市町村事業分として見込んでいるところでございます。  今後、各事業主体におきまして導入施設や導入内容等を検討の上、事業化が可能となったものから順次事業を実施していくことになりますが、県といたしましては、県内全域の防災拠点等に再生可能エネルギー等の導入を推進し、災害に強い青森県を目指していきたいと考えております。  次に、命を大切にする心を育む県民運動についてお答えいたします。  まず、これまでの取り組み状況とその成果でございます。  この命を大切にする心を育む県民運動でございますが、この運動は、平成十六年に長崎県の佐世保市で起きました小学六年生の女子児童による同級生殺害事件を契機といたしまして、本県においてこのような事件を決して起こしてはならないとの強い思いから、キャッチフレーズといたしまして、「ひとつのいのち。みんなのだいじないのち。」を掲げまして、県民総ぐるみで取り組んでいるものでございます。ことしで九年目を迎えたところでございます。  県では、これまで、本県民運動に対する県民の関心を高め、具体的な行動を啓発する推進フォーラムを平成十七年度から毎年度開催しているほか、作文、絵本原作及び三行ラブレターの募集事業、声かけ活動や世代間交流推進事業、居場所づくり事業など各種事業の実施を通じまして、子供たちが命の大切さを理解し、他人を思いやる心を持ちながらたくましく生きていけるよう、関係機関等と連携しながら積極的に取り組んでまいりました。  その結果でございますが、本県民運動の推進組織であります命を大切にする心を育む県民運動推進会議の会員団体数が、当初七百五十四であったものが、平成二十四年五月末現在では千三百二十三となりまして、運動に大きな広がりを見せておりますほか、これまで延べ四十万人余りの方々に地域の声かけ活動に御参加をいただき、子供たちから大人に元気にあいさつする姿が多く見られるようになるなど、成果を上げているところでございます。  次に、今年度実施いたします命を大切にする心を育む絆プロジェクト事業の目的とその内容についてでございます。  この事業につきましては、議員からも御質問の中で取り上げていただきました、二十二年度に県が実施いたしました青少年の意識に関する調査結果等において、友人や家族などとの関係に満足できず孤独を感じている子供たちが顕在化しているということを踏まえまして、未来を担う子供たちが孤独感を抱えることなく、たくましく生きていく力を培うことを目的として実施するものでございます。  本事業では、大きく二つの取り組みを実施することとしております。まず、一つ目としては、きずなづくりというものを目的として行うものでございます。中学生、高校生を対象に県内六地区で野外活動やワークショップなどの協働作業を通じて同世代の子供たち同士がきずなを深めていくいわゆる協働体験型事業を実施しますとともに、全市町村において、家庭の親や地域の育成関係者を対象といたしました出前講座を地域の関係団体と連携しながら実施してまいります。  そして、二つ目といたしましては、きずなの再認識ということを目的といたしまして行うものでございます。家族や友人などに対する感謝のメッセージをつづりましたサンクスレターを広く募集しますとともに、優秀作品を掲載いたしましたカレンダーやレター集を県内の学校に配布するなどいたしまして、それらを子供たちに日ごろから目にしてもらうことを通じまして人とのきずなやつながりの大切さを再認識することにつなげていくこととしております。  以上でございます。 51 ◯副議長(相川正光) 商工労働部長。 52 ◯商工労働部長(馬場良夫) 県内の雇用情勢と雇用対策について、二点についてお答え申し上げます。  まず、県内の雇用情勢でございます。  青森労働局の発表によりますと、ことし四月の各公共職業安定所別の有効求人倍率は、原数値で、青森所管内が〇・五九倍、八戸所管内が〇・六八倍、弘前所管内が〇・五五倍、むつ所管内が〇・四九倍、野辺地所管内が〇・五八倍、五所川原所管内が〇・二四倍、三沢所管内が〇・五一倍、黒石所管内が〇・三〇倍となってございます。  この数字を前年同月と比較いたしますと、八戸所管内の〇・三三ポイント増を筆頭に、いずれの安定所におきましても上昇しているという状況になってございます。  次に、特に雇用情勢が厳しい地域における雇用対策についてでございます。  本県におきましても、リーマン・ショック以降、非正規労働者の雇いどめや整理解雇が発生するなど、それまで改善を続けてまいりました雇用情勢が急激に悪化したところでございます。  このため、県では、行政機関、経済団体、労働団体から構成されます青森県緊急雇用対策本部を立ち上げまして、関係者が連携して雇用の維持、創出、再就職支援などに取り組んできたところでございます。  離職を余儀なくされた方に対しては、ふるさと雇用再生特別交付金等を活用した基金を財源として、雇用・就業機会を創出、提供する事業を平成二十一年度から実施しておりまして、各市町村への配分に当たりましては、その地域の有効求人倍率等を考慮し、雇用情勢の厳しい地域へ重点的に配分してきたところでございます。  また、雇用機会が不足している地域の自発的な雇用創造の取り組みを支援する国の事業として、地域雇用創造推進事業――いわゆるパッケージ事業でございます――と地域雇用創造実現事業――パッケージ関連事業――がございますが、これまでに県内では、青森市、弘前市、五所川原市を初め九市町で十二事業が実施され、一定の雇用創出効果が図られたところでございます。  平成二十四年度からは、二つの事業を統合いたしました実践型雇用創造事業が創設されましたことから、県内市町村に対しましてその活用を働きかけますとともに、青森労働局と連携しながら、雇用情勢の厳しい地域における雇用創出の取り組みを支援していきます。 53 ◯副議長(相川正光) 農林水産部長。 54 ◯農林水産部長(渋谷義仁) 農林水産資源の生産・販売対策に関する御質問二点についてお答えいたします。  最初に、深浦産クロマグロのブランド化に向けた取り組みについてでございます。  深浦産のクロマグロは、全国ブランドである大間産とは漁期、漁法が異なり、夏場を中心に定置網等で漁獲され、ことしもこれから盛漁期を迎えることになります。  平成二十三年の本県産クロマグロの漁獲量に占める深浦産の割合は四五%と高いものの、漁獲金額に占める割合は二六%にとどまっており、地元では漁獲金額の向上が課題となっております。  このため、県としては、深浦町や地元漁業協同組合、地方独立行政法人青森産業技術センター食品総合研究所と連携し、盛漁期が夏場という特徴を生かして、五所川原市の立佞武多などの夏祭りで本県を訪れる観光客などに新鮮で良質な深浦産クロマグロが提供できるよう、冷凍保存試験や高品質な冷凍ブロック商品の開発に取り組むこととしております。
     また、あわせて、地元深浦町を初めとする県内の飲食店、宿泊施設等で手軽に深浦産クロマグロが提供できる体制づくりや、首都圏をターゲットとした販路開拓についても積極的に取り組み、県内外での知名度を向上させ、深浦産クロマグロのブランド化を推進してまいります。  次に、西北地域の肉牛のブランド化に向けた取り組みについてであります。  県では、本県肉用牛のブランド化を進めるため、第一花国を初めとする種雄牛づくりや、本年長崎県で開催される全国和牛能力共進会での上位入賞を目指した調教技術者の養成のほか、出品候補牛の審査指導などの取り組みを通じて、肉用牛生産者や関係団体と連携してあおもり和牛のイメージアップや販路拡大に取り組んでいるところであります。  このような中で、西北地域については、平成二十二年度から肉用牛経営への新規参入者や畜産経営を支える女性を対象に、肉用牛の改良や飼養管理技術の向上を図るための研修会を開催し、生産基盤の強化を進めているほか、地域で銘柄化を進めている深浦牛及び市浦牛の販売機会の拡大により知名度向上と消費拡大に取り組んでまいりました。  さらに、本年度からは、西北らしい肉牛づくりの推進事業により、地域に豊富に存在する水田を活用した放牧実証や販路拡大のための新たな加工品の開発に取り組み、西北地域の肉牛のブランド確立を進めることとしております。 55 ◯副議長(相川正光) 県土整備部長。 56 ◯県土整備部長(成田昌規) 御質問一点、津軽自動車道の五所川原西バイパス及び鰺ヶ沢道路の整備状況と今後の見通しについてでございます。  津軽自動車道のうち、五所川原西バイパス三・八キロメートルにつきましては、市街地の交通混雑緩和などを目的に平成十六年度に新規事業化され、早期供用に向け、今年度は用地取得や改良工事を進めると聞いております。また、鰺ヶ沢道路三・七キロメートルにつきましては、地域間交流の促進や救急医療への支援などを目的に平成十九年度に新規事業化され、今年度は調査、設計や用地取得を進めるとともに、改良工事を実施すると聞いております。  県としましては、引き続き、五所川原西バイパス、鰺ヶ沢道路の事業促進を国に強く働きかけてまいります。 57 ◯副議長(相川正光) 観光国際戦略局長。 58 ◯観光国際戦略局長(佐藤淑子) 津軽半島の魅力を高め、周遊観光を推進していくために県はどのように取り組むのかということでお答えいたします。  津軽半島地域は、五所川原立佞武多やみんまや義経まつり、今別の荒馬まつりなどの多くのすぐれた祭りや伝統芸能、竜飛崎や権現崎を初めとするすぐれた自然景観、ストーブ列車や亀ヶ岡遺跡など多彩な観光資源に恵まれておりますほか、近年、街歩きや郷土の文化と食を体験する太宰ミュージアムが開設されるなど、新たな魅力創出に向けた取り組みが展開されているところでございます。  さらに、現在、仮称奥津軽駅の開業に向け、東青地域県民局においては、地域の方々とともに、豊かな魚介類などの食や景勝地といった地域資源の発掘、磨き上げに取り組み、八月には奥津軽駅エリアを対象としたモニターツアーを実施することといたしております。  また、西北地域県民局では、これまでの取り組みを踏まえ、地元の市や町とともに津軽半島観光アテンダントを設置し、半島全体の魅力を積極的に発信するとともに、演劇「津軽」で生まれた人財をドラマリーディングの語り手として育成するなど、地域の文化を生かした新たな観光コンテンツの形成に取り組んでいるところでございます。  今後とも、地域との連携を密にし、津軽半島の豊かな観光資源の一層の魅力向上と活用を図り、観光客のニーズを踏まえた魅力ある観光コースを構築し、周遊観光を強力に推進してまいります。 59 ◯副議長(相川正光) エネルギー総合対策局長。 60 ◯エネルギー総合対策局長(八戸良城) 風力発電の導入を県内産業の振興につなげていくための取り組みについてお答えいたします。  本県は、風況に恵まれた全国でも有数の風力発電の適地であることから、青森県風力発電導入推進アクションプランに基づき、風力発電による地域産業の活性化に向けてさまざまな取り組みを積極的に推進してきたところです。  風力発電事業への参入については、事業実施に向けた支援を行ってきた結果、昨年五月、県内事業者としては初めて外ヶ浜町の第三セクターが売電事業を開始することとなったほか、東北電力株式会社において本年七月から自治体風力の受け付けが開始されることとなったところです。  メンテナンス業務への参入については、これまで、マッチングフェアなどの受注体制の構築に向けた事業を展開してきた結果、県内企業による取引案件が増加するなどの成果があらわれております。今年度は、さらに、メンテナンス業務の受注体制強化に向けて発電事業者と県内企業のネットワークづくりや人材育成などの支援事業を実施することとしています。  今後とも、風力発電の集積地である優位性を生かし、風力発電事業やメンテナンス業務への県内事業者の参入促進により地域の産業振興や雇用創出につなげていきたいと考えています。 61 ◯副議長(相川正光) 教育長。 62 ◯教育長(橋本 都) 本県公立小・中・高等学校における規範意識の醸成に向けた取り組みについてお答えいたします。  近年、児童生徒の規範意識や人間関係を形成する力の低下などが指摘されており、地域や家庭における教育は言うまでもなく、学校教育においても、生命をたっとぶとともに、相手を思いやる心などを育むことが求められています。  各学校においては、道徳教育をかなめとしながら、各教科等の指導のほか、自然体験活動やボランティア活動、社会体験活動等を通し、発達段階に応じて、決まりを守ることの大切さ、善悪の判断、周りの人や社会とかかわりながらよりよく生きることなど、児童生徒の道徳性を高めることに努めているところです。  県教育委員会といたしましては、各学校がさまざまな教育活動を通して子供たちの規範意識を醸成し、命を大切にする心を育むよう、今後とも、家庭、地域及び関係機関等との連携を図りながら支援に努めてまいります。 63 ◯副議長(相川正光) 警察本部長。 64 ◯警察本部長(山本有一) 児童生徒に命の大切さを学ばせるための県警察としてのこれまでの成果と今後の取り組みについてお答えいたします。  県警察では、平成二十二年度から、犯罪により大切な家族を奪われた御遺族御自身が生徒に語りかける講演会を「命の大切さを学ぶ教室」と称して県内高等学校で開催しているところでありますが、単に講演を聞いていただくだけにとどまらず、自分の問題としてとらえてもらう当県独自の取り組みといたしまして、被害者支援に関する研究活動などを生徒たちにしていただき、規範意識の向上を図っております。  過去二年間で、県内高等学校十校、三千八百五十四人の生徒を対象にこの教室を開催しておりますが、これらの受講者からのアンケートを集約したところ、約九割弱の生徒が講演を聞く機会を得たことに肯定的な回答をし、約八割の生徒に人への思いやりやいたわりの気持ちが強まる効果が認められるなど、犯罪被害者御遺族の講演が生徒の規範意識を高めることが確認されております。  今後の取り組みでありますが、全国的に中学生を対象とした取り組みが行われ、効果を上げていることなども踏まえ、平成二十四年度以降は、新たに推進する県重点枠事業、「被害者も加害者も出さない街づくり」事業の一環として、中学校でも「命の大切さを学ぶ教室」を開催しております。各中学校及び高校の理解と協力をいただきながら、今後も県教育委員会の取り組みとの相乗効果が上がるよう配意しつつ、取り組んでまいりたいと考えております。 65 ◯副議長(相川正光) 寺田議員。 66 ◯四番(寺田達也) まず、再質問でありますけれども、雇用対策について、県内八カ所の職業安定所の四月の有効求人倍率を今答弁いただきましたけれども、八カ所のうち六カ所については〇・五を上回る、またはそれに近い数字となっておりましたけれども、黒石の〇・三〇と、特に五所川原の〇・二四、この二カ所について雇用の落ち込みが著しい結果となっております。なぜここだけこういう数字が出ているのか、その要因、分析結果、聞かれても答えられないと思うので聞きません。――答えられますか。低いところに重点的にやるというさっきの答弁でしたので。大丈夫ですか。――それでは、よろしくお願いします。まず、その要因について、分析内容について県の考えをお聞かせいただきたいというのが一点であります。  それからもう一点、これは要望であります。北海道新幹線開業を見据えた観光の取り組みについて。  これまで、東北新幹線の終点は盛岡が一九八二年、八戸が二〇〇二年、新青森が二〇一〇年と延伸してまいりました。盛岡―八戸間が二十年、八戸―新青森間は八年、そして、このままいきますと新青森―新函館間は五年と、いわゆる通過駅化のスピードはどんどん早まってまいります。我が青森県がただの通過点になってしまわないために、北海道新幹線開業前に観光客滞在周遊の仕組みを確立していかなければならないと強く思っております。具体的に手おくれにならないように早期実行に移していただきますように、これは要望であります。  先ほどの求人が低いところの要因についてだけ、一点だけお願いいたします。 67 ◯副議長(相川正光) 商工労働部長。 68 ◯商工労働部長(馬場良夫) お答えさせていただきます。  非常に難しい問題でございます。ただ、まず有効求人倍率が低いということは、求人数が少なく求職者が多いということで、数値的に算術で出てくる数字となっております。したがいまして、ただ、その数字がどういう形で出てくるのかということにつきまして、実は平成十八年度に県内の各地域との比較ということで少し分析したときがございますので、それをもとにしてお答えさせていただきたいと思います。  数字が低い二所につきまして、他のところと比較した上での分析なんですが、まず、有効求人倍率が低い地域では、一つとして、建設事業者の割合が比較的県平均よりも高いという状況がございます。したがって、公共事業等の減少によって建設業からの求人が減る傾向がほかのエリアよりも強かったということが一つございます。  また、二つ目のポイントとして、そのエリアにつきましては、二次産業と三次産業の集積、事業所の数が比較的少ないということで、他の地域と比べて求人のほうの伸びが弱いということも一つございました。  また、三つ目として、製造事業所に占める小規模な事業割合が少し高いということがありまして、簡単に言いますと、まとめますと、新規の求人の数が少し出にくいような環境といいますか、状況にあるということが一つ、そのときは言えるということになってございます。  また、一方で、求職者数が減らない要因ということもございます。分子と分母の関係がございますので、そういうことからしますと、分母のほうでございますが、これに関しては、そういう地域には臨時あるいは季節の求職者が多くて、こういう方々は就労しても短期間で離職いたしますので、結果としてまた求職者数のほうにカウントされてくるということがあって、なかなか減らない傾向にある。  それから、二つ目として、管内のハローワークのほうに求職をしながら、近隣の、例えば青森市ですとか弘前市ですとか、そういう他管内の隣接地に就職しているということがあって、結果として求職だけが残って、実際は隣のハローワークのほうに就職していくということがあって、そこでの数字上のギャップがあるということがありまして、そういうことが数字が低い理由になるのではないかということがそのときの分析で出ております。ただ、これはあくまでも平均ということで、他のエリアと比べた数字上の動きということでございますので、さらにこれらについては詳細な分析が必要だと考えているところでございます。 69 ◯副議長(相川正光) 三十分間休憩いたします。 午後三時六分休憩    ────────────────────── 午後三時三十四分再開 70 ◯議長(高樋 憲) 休憩前に引き続いて会議を開きます。  一般質問を続行いたします。  四十三番田中順造議員の登壇を許可いたします。――田中議員。 71 ◯四十三番(田中順造) 自由民主党の田中順造でございます。  第二百七十回定例会に当たり、最後の一般質問の機会を与えていただき、感謝を申し上げます。所見を述べながら一般質問をさせていただきます。  昨年三月十一日に発生した未曾有の東日本大震災から、はや一年三カ月が経過しております。ことしは東日本大震災から本格的なスタートとなる復興元年、ことしこそは希望あふれる一年にしたいと、だれもがそう願い迎えた二〇一二年、しかし、現実は極めて厳しい環境にあります。  世界に目を向ければ、ユーロ圏に端を発する世界的な金融危機と世界同時不況、国民生活では、東日本大震災からの復旧も進まず、被災者は先の見えない避難生活を依然として余儀なくされております。国内経済に目を向ければ、超円高とエネルギー危機による企業の海外移転といった状況を踏まえれば、政治が果たす役割と責任は以前にも増して大きくなっております。  しかし、今の政府はその責任を果たしていると言えるのでしょうか。野田内閣が誕生して一年がたちましたが、総理の言う適材適所とは何だったのか。既に六人の閣僚が交代し、政治の低迷、震災からの復興の足かせになるなど、総理の任命責任は免れません。  さらに、マニフェストは総崩れであり、例を挙げれば、八ッ場ダムの建設続行、高速無料化、子ども手当、最低でも県外の普天間基地、財源も見直して生み出せるとしていたにもかかわらず、税収を上回る国債を発行し、大幅な財政悪化を招いております。  民主党は、国民の生活が第一、地域主権改革を掲げ政権を獲得しましたが、今や議員生活が第一、国民の生活が二の次といった状況であります。一丁目一番地の施策だった地域主権改革は番外地で、一丁目一番地は総選挙において四年間は上げないと約束していた消費税増税となり、主要な施策は手つかずであります。まさに民主党の公約は公の約束ではなく、実現できない口約束だったのであります。  自民党は、山積する本県及び日本の諸問題に誠実に取り組み、本年を日本再建へ大きく前進する一年とするため、全力を挙げて取り組みます。  それでは、質問させていただきます。  まず、知事公約に係るこれまでの成果と今後の取り組み方針についてであります。  三村知事が昨年の知事選で三期目の当選を果たしてから一年が経過しました。知事が県民の圧倒的支持を受けることができたのは、行財政改革による安定した財政基盤の確立やトップセールスによる攻めの農林水産業、企業誘致などの取り組み実績が高く評価されたことに加え、震災からの復興という難局を乗り切るためには、三村知事をおいてほかにいないという県民の意思表示にほかなりません。  三村知事のこの一年は、我が自由民主党青森県連との政策協定に基づき、公約に掲げた「元気、再生!フルパワーあおもり」の実現に向け、震災からの復興に当たっては、東北の元気は青森からとのスローガンのもと、創造的復興に全力で取り組んでこられた一年であり、まさに、青森の元気は三村申吾からとでも言うぐらい、復興に向けて精力的に活動をされました。  また、公約に掲げた産業・仕事青森、安全・安心、健やか青森、教育、人づくり青森などの取り組みを着実に前進させた一年であり、青森県のさらなる発展、公約の実現に向け、今後の取り組みが大きく期待されております。公約が実現できない、今後が期待できない今の政権与党は、三村知事に大いに学ぶべきであります。  そこで、三期目の一年が経過しましたが、震災からの創造的復興を初め、これまでを振り返っての成果と今後の取り組み方針について伺います。  次に、東日本大震災からの復興、県産農林水産物の安全性の確保についてであります。  福島原発の事故で食の安全に係る信頼関係が大きく揺らいでおります。これに対応すべく、県では、他県に先駆けて放射性物質モニタリング調査を開始し、迅速な取り組みが風評被害防止に大きく貢献したところであります。  しかし、本年四月一日から大幅に厳しい新基準値が施行され、現在においても他県の農林水産物や山菜などから次々と基準値を超える放射性物質が検出され、本県八戸沖のマダラからも基準値を超えた放射性セシウムが確認されるなど、消費者の不安が解消されるには時間を要するものと考えられます。  このような状況を踏まえて、今後とも、消費者や流通業界に本県の農林水産物が安全であることを声を大にして伝え、さらに信頼関係を構築していくことが重要であります。  そこで、二点お伺いいたします。  昨年度のモニタリング調査の結果や現在の情勢を踏まえ、今年度のモニタリング調査などをどのように展開するのか。  また二点目として、県では、今後、県産農林水産物の安全性をどのように情報発信していくのかお伺いいたします。  次に、災害廃棄物の広域処理についてであります。  ことし三月に総理及び環境大臣から広域処理の協力要請がありました。被災県でありながらも、本県は、東北は一つの思いでできる限りの協力をしていかなければなりません。本県においても、また全国で広域処理の協力体制が拡大しております。こういった中で、五月二十一日に岩手県及び宮城県の災害廃棄物発生量の見直しがありました。  そこで、岩手県、宮城県における災害廃棄物発生量の見直し後の広域処理の要望の受け入れに向けた県の対応について伺います。  次に、青森県基本計画未来への挑戦の推進についてお尋ねいたします。  県では、二〇三〇年において、生業(なりわい)に裏打ちされた豊かな生活が実現している社会に向け、「産業・雇用」、「安全・安心、健康」、「環境」、「教育、人づくり」の四分野における五年間の方向性を示しております。  計画期間の三年が経過し、有効求人倍率の向上や、合計特殊出生率の減少に歯どめがかかるなど、着実に成果が出ておりますが、豊かな社会実現のためには、さらなる引き上げが必要であります。  そこで、まず、食産業の充実強化による雇用の創出・拡大についてであります。  雇用の安定的な創出・拡大を図っていくためには、本県の得意分野である農林水産業を生かし、地域の食品製造業や流通・販売業が互いに連携することによって、新たな事業や商品を生み出し、地域経済を活性化していくことが重要と考えます。  県では新たな組織を設置し、重点的な支援を行っているところであり、今後ますます強化していくことが重要であります。  そこで、食産業の振興による雇用の創出・拡大を図っていくため、農商工連携による食産業の振興に向けて県はどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  次に、国内外からの誘客促進についてであります。  震災の影響により、県内の観光事業者が大きな期待を寄せていた新幹線開業効果は、風評被害などもあり、大きく期待を下回るものとなっております。外国人観光客については前年度の約半数に落ち込んだほか、国内からの宿泊客についても、昨年七月から十二月で前年を一割下回るなど厳しい環境となっており、本県を代表する観光地である十和田湖も依然として厳しい状況に置かれております。  震災以降、三村知事みずから先頭に立ち、国内外で本県の安全性、魅力の発信に尽力されておられますが、復興元年とも位置づけられる今年度の誘客促進は急務であります。  そこで、知事のトップセールスによる成果と今後の取り組みについて。  また、十和田湖への誘客促進にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。  次に、安全・安心、健康分野から生活習慣病対策の取り組みについてであります。  生活習慣病、いわゆるがんや心疾患、脳卒中、糖尿病でありますが、本県の生活習慣病による死亡状況は、周知のとおり全国と比較して高く、本県にとってこの対策が非常に重要であります。生活習慣病対策を進めるに当たっては、病気になる前の予防、病気になっても悪化させない予防が重要であります。  そこで、県の健康増進計画「健康あおもり21」について、今年度が計画の最終年度となり、最終評価をすることになっておりますが、その結果についてお伺いいたします。  もう一点は、がん対策についてであります。  がんは、本県の死亡原因の第一位であり、全死亡数の二九・二%、四千八百三人ががんで亡くなられております。平均寿命、そしてがん年齢調整死亡率が全国最下位レベルに低迷している本県にとって、がん対策の充実は喫緊の課題であります。  そこで、がん対策については、本県の健康・医療政策の中で非常に重要な位置を占めるものと考えますが、本県におけるがん対策の取り組み状況について伺います。  次に、エネルギー政策、まずは、核燃料サイクル政策の見直しについてであります。  今定例会において原子力政策について多くの議論が繰り広げられてきました。私としても、その内容を重く受けとめております。核燃料サイクル事業は、昭和六十年四月に立地基本協定を締結以来、北村氏、木村氏、そして三村県政と長きにわたって国のエネルギー政策に協力をするため、幾多の苦難を乗り越え、県民の皆様の理解を得ながら進めてきたものであります。  今後の政策決定においては、コスト議論ありきではなく、本県のこの現実を無視して結論を出すことがあってはならないのであります。  そこで、国が進めている核燃料サイクル政策の見直しの状況と県の考え方についてお伺いいたします。  次に、省エネルギー行動の持続についてであります。  昨年の夏は、原発の休止による電力不足により節電、省エネ意識が高まり、LED化、エコ家電の導入、設定温度の変更など、あらゆる方策を国民一丸となって実践し、電力不足を乗り切りました。  今年度、東北電力管内では節電数値目標が設けられなかったことから、省エネ意識の低下が懸念されます。そもそも省エネは、環境配慮、二酸化炭素排出抑制の観点から強力に継続すべきであり、せっかく根づいた省エネ行動を継続させていくことが地球温暖化対策として必要であります。
     そこで、県民の省エネルギー行動を持続させるため、県としてどのように取り組んでいくのかお伺いします。  次に、再生可能エネルギーの導入推進による産業振興についてであります。  国は、ことしを再生可能エネルギー元年と位置づけ、去る五月に固定価格買い取り制度の案を示しました。この制度により、安定して経営を見通すことができることから、風力発電や太陽光発電などの適地である本県にとって大きな追い風が吹いております。  一方で、風力発電やメガソーラーの整備には多額の資金が必要なことから、資本力の弱い県内事業者の参入を促進する取り組みが急務となっております。  そこで、固定価格買い取り制度の開始により、風力発電やメガソーラーなどの発電事業の拡大が予想されますが、県内事業者による参入を促進するために県はどのように取り組んでいるのか伺います。  次に、北海道新幹線開業に向けた取り組みについてであります。  北海道新幹線については、昨年十二月の政府・与党確認事項において、共用走行区間を当面時速百四十キロで走行することで安全確保を図るという方針が示されました。  百四十キロでは、新幹線ではなく特急であり、なぜ県が経費の一部を負担しなければならないのか、甚だ疑問であります。この速度では、新青森駅から新函館駅までの所要時間が、当初計画の約四十分から約一時間に拡大することになり、利便性が大きく損なわれます。私は、北海道新幹線を生かすためにも、時速二百キロ以上での走行が必要不可欠であると考えます。  一方、去る五月二十九日には、今別町に設置される奥津軽駅のデザイン案が公表されました。平成二十七年度末の開業時には多くの観光客に利用してもらい、開業効果を獲得していく必要があります。そのためにはこの奥津軽駅の利用促進を図ることが重要であります。  そこで、県では、奥津軽駅の利用促進に向け、今後どのように取り組んでいくのか伺います。  また、北海道新幹線開業は、本県と道南地域とのつながりをこれまで以上に強くし、交流人口を拡大していく重要な機会にもなります。歴史をひもとけば、青函トンネルが開通した平成元年度に、青函圏域の住民がみずからの発想と地域創造の視点に立ち青函インターブロック交流圏計画が策定され、観光、文化、スポーツ、産業、経済など、さまざまな交流がされてきました。  来る新幹線の新函館開業は、青函圏にとって、青函連絡船の就航、青函トンネル開通と並び、また一つの新たな時代の幕あけとも言えますが、これまで積み重ねてきた交流の歴史を財産としながら、両地域が開業効果を奪い合うのではなく、一つの地域として一体となって、全国、世界から人を呼び込むために、青函圏が一層の交流・連携を進め、魅力と価値を高める取り組みが必要と考えます。  そこで、平成二十七年度の新函館駅開業に当たり青函圏域交流推進の重要性が増すことになると思いますが、県の取り組みについて伺います。  次に、農業振興、TPP交渉参加に係る農業問題についてであります。  国は、TPPへの交渉参加に向けた協議を本年一月に開始しましたが、参加することになれば、我が国の農林水産業のみならず、生活にかかわる多くの分野に影響を及ぼすことが予想されるだけに、国民に対してはできる限りの情報提供を行う必要があります。  しかしながら、国はこれまで具体的な影響や対策などを明らかにしていないばかりか、関係国との協議についてもその動きが全く見えないことなどから、国民に大きな不安を与えています。  最も大きな影響を受けるとされる農林水産業は、本県経済を支える極めて重要な産業であり、地域社会全体に大きな影響が及ぶことから、私の地元でも農業者が先行きに不安を抱いております。  そこで、TPP交渉への参加に向けた国の動きが見えないことにより農業者に不安が広まっているが、県はどのように対応していこうとしているのかお伺いいたします。  続きまして、上北地域の野菜振興についてであります。  青森県の野菜産出額は、平成六年に東北一となり、今日までその座を守り続けております。平成二十二年の産出額は六百四十三億円で、このうち、ナガイモ、ニンニク、大根の三品目で産出額の半分以上を占めております。  私の地元である十和田市を中心とした上北地域は、県内主要の野菜産地であり、これらを含め、多くの品目が県内一の栽培面積を誇っております。  しかしながら、近年、主力のナガイモにあっては単位面積当たりの収穫量や良品物生産の伸び悩みが、また、ニンニクにあっては種子更新率の低迷などが問題になっていると聞いております。  そこで、こういった状況を踏まえ、県では野菜の主産地である上北地域の野菜振興にどのように取り組んでいるのか伺います。  次に、葉たばこの生産対策についてであります。  近年のたばこを取り巻く環境は、県庁舎でもついに実施しておりますが、喫煙エリアの縮小に加え、一昨年のたばこ税増税の影響により、喫煙者の減少が加速化しております。このようなたばこをめぐる環境の変化に伴い、JTの平成二十四年の耕作契約では、本県は前年に比べ耕作面積で一四%の減となりました。  本県の葉たばこの産出額については、平成二十二年産では約五十二億八千万円と、県産野菜の中では第五位で、トマトやニンジンを上回る重要な作物となっています。何かと嫌われているたばこですが、県経済に与える影響は、税収面も含め、非常に大きいものとなっています。  そこで、たばこの需要が減少する中で、県は葉たばこの生産対策にどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  次に、畜産の生産振興と食肉処理施設の整備についてであります。  本県の畜産は、三村知事が強力に進める攻めの農林水産業の中にあって特に着実な伸びを見せている部門であり、その産出額は、平成二十二年の本県農業産出額の三割に当たる八百十八億円となっております。  特に、私の地元である十和田市を初めとした地域では、本県の主要な肉用牛産地となっているばかりでなく、家畜市場が整備され、県外からも多くの購買者が集まり、活発な取引が行われているほか、食肉センターでは、毎日、多くの牛や豚が食肉処理されるなど、本県畜産の生産から流通までを担う一大産地を形成しております。  また、ことしは五年に一回の和牛オリンピックが長崎県で開催されます。関係者が強いきずなで結束し、見事上位入賞を果たして、和牛の産地青森を全国の関係者に発信するべきではないでしょうか。  一方、養豚については、今や米やリンゴに次ぐ第三位の産出額を占めるに至っており、今後さらなる生産拡大を図るためには、農場で生産された豚を食肉処理する近代的で、衛生面にも十分配慮された施設の整備が極めて重要なポイントとなるのは、今さら言うまでもありません。  そこで、本県が持つ優位性を生かした畜産の生産振興にどのように取り組んでいくのか。  また、大手食肉業者の食肉処理施設の整備について、現在の取り組み状況と施設整備に対する県の考え方について伺います。  次に、上北横断道路及び青ブナ山バイパスの整備促進についてであります。  高速道路を初めとする高規格幹線道路は、地域間交流及び社会経済活動の活性化を図り、個性ある地域の発展を実現するためにはなくてはならない社会資本であり、早期のネットワーク整備が極めて重要であります。  特に、八戸市―青森市間は、二十万人以上の都市が高規格幹線道路で結ばれていない状況にあり、上北横断道路の早期供用が強く望まれております。  所要時間の短縮により物流の効率化や広域観光などの地域産業の活性化が期待できるほか、周辺地域から救急医療施設への搬送時間の短縮が図られます。さらには、大規模災害時においては、広域的な避難や支援物資輸送を支援する大動脈ともなるのであります。順次供用が図られていくようでありますが、関連する道路の整備も必要であります。  そこで、上北横断道路及び関連する道路事業の取り組み状況について伺います。  また、国道一〇三号青ブナ山バイパス事業は、奥入瀬渓流の自然環境保全と秋田県と本県を連絡する広域幹線道路であります。  しかしながら、奥入瀬渓流区間は、年間を通じて、倒木、落石などにより、一時的なものを含め、通行どめが多発している現状にあり、奥入瀬渓流の迂回路となる国道一〇二号七曲地区において、今日現在ものり面崩落のため通行どめとなっており、奥入瀬渓流沿いの通行を余儀なくされております。  地域住民の安全・安心を確保し、奥入瀬渓流の環境保全と一層の観光振興のためにも、青ブナ山バイパスの整備が急務となっております。  そこで、国道一〇三号青ブナ山バイパスの取り組み状況についてお伺いします。  次に、橋梁の長寿命化対策についてであります。  先日のニュースで、首都高速で補修し切れていない損傷部分が九万七千カ所に上っているとのことでありました。首都高速の例を持ち出すまでもなく、高度経済成長期に大量に整備された道路や橋を初めとする公共施設が老朽化し、大規模補修や大量更新の対策に国や全国各地の自治体が苦慮しているようであります。  このような状況の中で、本県は、長期的な視点から橋梁を効率的、効果的に維持管理する仕組みとして、全国に先駆けて橋梁アセットマネジメントシステムを構築して運用することにより橋梁の長寿命化を推進してきたと聞いておりますが、県の橋梁長寿命化への取り組み状況について伺います。  また、県内企業の技術者と大学などの研究者が橋の研究調査を行い、その成果を共有する青い森の橋ネットワークという組織が設立されております。橋梁の長寿命化を推進していく上で、県内の産学と連携しながら取り組んでいくことが技術面、コスト面でも重要だと思います。  そこで、県と産学が構成する青い森の橋ネットワークとの関連について伺います。  次に、縄文遺跡群の世界遺産登録に向けた準備状況についてであります。  北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群は、暫定一覧表に記載され、現在、三村知事を本部長に関係自治体が一枚岩となって、平成二十七年度の登録を目標に掲げ、取り組んでおられると伺っております。ことし生誕百五十周年を迎える新渡戸稲造博士ゆかりの十和田市においても、市民による稲生川の保全と利活用を目指す取り組みが、昨年、日本ユネスコ協会連盟のプロジェクト未来遺産に登録されたところであり、ふるさとの宝を守り伝える心が市民に深く根づいていることを誇りに思うものであります。  さて、青森県の縄文遺跡群は世界の宝を目指しているわけですが、私も県民の一人としてその取り組みに大いに期待を寄せているところであり、ぜひとも県民の悲願を達成していただきたいものと考えております。  そこで、国へ提出する世界遺産登録推薦書案の現在の進捗状況について伺います。  また、世界遺産登録には、縄文文化や縄文遺跡を世界に発信し、海外での理解を促進していくことが肝要と考えます。そこで、縄文遺跡群の国際的な合意形成に向けた取り組み状況についてお伺いいたします。  最後に、県立学校における中高一貫教育の取り組みについてであります。  県立三本木高等学校附属中学校については、公立学校としては県内唯一の併設型中高一貫校として今年度で六年目を迎え、初年度の附属中学校入学者は現在三本木高校の三年生となっております。このような恵まれた環境や中高一貫教育校としての特色を生かしながら……(発言あり)  そこで、質問を二点お伺いいたします。  まず、県立三本木高等学校及び附属中学校における中高一貫教育の取り組み状況について。  二点目として、本県の併設型中高一貫教育校の新たな設立について今後の見通しを伺います。  以上をもって壇上からの質問を終わります。 72 ◯議長(高樋 憲) 知事。 73 ◯知事(三村申吾) 田中議員にお答えします。  まず、公約に係るこれまでの成果と今後の取り組み方針でございます。  私は、知事就任以来、自主自立の青森県づくりを支える重要な基盤となる財政健全化と行政改革を図る一方、ふるさと青森県の再生・新生のため、産業・雇用分野では攻めの農林水産業や戦略的企業誘致の推進、また暮らしの安全・安心を守る分野におきましては、保健・医療・福祉包括ケアシステムの構築推進や良医を育むグランドデザインに基づく医師確保など、県民の皆様へのお約束に一つ一つ着実に取り組んできたという思いがあります。  その結果、攻めの農林水産業や食産業の振興のため、国際戦略を描くという次のステージへと前進しており、企業の誘致・増設数につきましては、就任以来二百社を超えている状況であります。また、保健・医療・福祉包括ケアシステムにつきましては、一人一人を医療と保健、福祉サービスを連動させて支えます地域連携パスも充実しつつあり、また医師確保につきましては、県内高校生の医学部医学科合格者数がほぼ倍増し、臨床研修医も六十五名前後をコンスタントに確保するなど、それぞれに成果を出してきたという思いがございます。  こうした中、本県を襲いました未曾有の大震災には、できる限り対策にスピード感を持って取り組んできました。関係者の皆様方の御尽力もいただきながら、県内では復旧が着実に進み、漁港や港湾の機能回復、国内外航空路線の充実、企業の新たな設備投資など、復興に向けました取り組みが着実に進み始めていると感じておる次第でございます。  この震災をばねとして本県の創造的復興を実現し、暮らしやすさのトップランナー、生活創造社会の実現につなげていくため、今後とも本県の食、環境、エネルギー及び人財――人の財(たから)といった優位性をアピールしながら、官民一体の取り組みを強力に進め、産業・雇用の創出拡大に尽力し、県民の皆様方とともに青森の元気づくりを進めたいと考えておる次第であります。  観光の関連でございますが、トップセールスによる成果と今後の取り組みであります。  本県が外貨を獲得し、地域経済の発展につなげていくためには、国内外からの観光客誘致が極めて重要と私は考えております。五月には台湾及び韓国に赴き、航空会社、旅行エージェント等を訪問したほか、商談会や国際観光博覧会において、青森の安全・安心や魅力あふれる観光資源などを強力にPRしてきました。  その結果、台湾―羽田間の定期航空路線と新青森―東京間の東北新幹線を組み合わせた旅行商品の販売が促進されましたほか、大韓航空と連携いたしました大規模な旅行エージェント視察研修が企画されるなど、震災後回復がおくれております外国人観光客が、夏以降、徐々に増加するものと考えているところであります。  国内におきましても、六月には大阪におきまして初めて観光セミナーを実施し、直接プレゼンテーションを行いましたほか、七月には東京においても同様に実施することとしております。本県向けの旅行商品の造成、このことにこれらがつながるものと考えるところであります。また、今月末には名古屋線の就航一周年を記念した物産と観光のPRイベントを名古屋において開催するなど、首都圏を初め、中京圏、関西圏からの誘客促進を図ることといたしております。  今後とも、市町村、関係団体等と連携し、旅行エージェント、マスコミ等へのセールスプロモーション活動などを積極的に展開しながら国内外からの誘客に全力を挙げて取り組んでまいります。  本県が持つ優位性を生かした畜産の生産振興への取り組みでありますが、私は、攻めの農林水産業を進める中で、本県の夏季冷涼な気候に加え、八戸飼料穀物コンビナートの立地、公共牧場などの豊富な草の資源を背景に、黒毛和種の種雄牛づくりなど、本県の優位性を生かした畜産振興に取り組んできたところであります。この結果、第一花国に代表される能力の高い基幹種雄牛が生産され、肉用牛の産地化が加速するなど、本県の畜産は今後とも成長が期待できる産業であると認識します。  県としては、肉用牛について基幹種雄牛であります第二花国や優福栄の利用を促進し、品質の高い肉用牛の生産をこれまで以上に進めるとともに、議員からもお話がございましたが、本年十月に長崎県で開催されます第十回全国和牛能力共進会では、これら種雄牛の能力を全国の関係者に広くPRし、あおもり和牛の知名度をさらに向上させる、その思いがございます。  また、酪農につきましては、リンゴジュースかすや豆腐かすなどを使いました総合混合飼料でありますTMRの活用による自給飼料の利用拡大や乳用後継牛を県内産の牛で賄う体制の整備を進めることとしております。  さらに、養豚、養鶏につきましては、畜産環境保全や家畜伝染病の防疫に配慮しながら、経営規模の拡大による生産の効率化を進めるなど、本県の畜産振興に積極的に取り組んでまいります。  青ブナ山バイパスの取り組み状況でございます。  この事業につきましては、青森県と秋田県を結ぶ広域ネットワークを確保し、さらには奥入瀬渓流の環境を守るために非常に重要な事業であると認識しております。  同事業につきましては、平成十二年度に事業着手し、これまで、環境及び施工計画の二つの検討委員会でバイパスが環境に及ぼす影響や環境保全のための措置、技術的課題などについて検討を重ね、バイパスルート案がまとまったところでございます。  また、平成二十二年十月に開催されました環境省の中央環境審議会において、このバイパス計画案は、奥入瀬渓流の環境保全の観点からもぜひ必要な事業であると高い評価をいただき、了承されたところでございます。現在は、トンネル設備や橋梁の設計等を進めており、道路環境調査も継続して実施しておるところであります。  この事業につきましては、国立公園特別保護地区における厳しい制約条件のもと、地質的に脆弱な地盤に長大トンネルを施工する必要がございます。大規模かつ高度な技術を要する工事となりますことから、国による直轄権限代行を強く要望しているところでございます。  私からは以上であります。 74 ◯議長(高樋 憲) 青山副知事。 75 ◯副知事(青山祐治) 大手食肉事業者の食肉処理施設の整備についてお答えいたします。  本県には、現在、食肉センターの整備に関して二つの動きがあり、このうち、豚を専門に食肉処理している三沢市食肉センターでは、ハサップ対応も視野に入れた施設の高度化による衛生対策の向上や他食肉センターの豚部門を集約して流通コストを低減することを目的に、大規模な施設改修を実施しているところです。  また、牛や豚を主体に食肉処理している十和田食肉センターについては、昭和四十三年度の設置から四十年以上が経過し、施設の老朽化が進んでいるため、当センターを管理運営している十和田市ほか三町村で構成する十和田地区食肉処理事務組合では、大手食肉処理事業者に対して、海外への食肉輸出にも対応できる衛生的な施設を上十地域に整備するよう要請していると聞いております。  県としては、高度な衛生管理が可能な施設が整備されることは、県産の牛肉や豚肉の評価が高まるほか、雇用の場が創出され、地域経済の活性化にも結びつくことから、これまでも、食肉処理事務組合とともに、事業者との意見交換の場の設定や先進的な食肉処理施設の調査のほか、施設整備に関する支援等の国への照会などを行ってきたところです。  しかしながら、現時点では大手食肉事業者から正式な事業構想が提示されていないことから、今後とも情報収集に努め、具体の事業構想が提示された場合には、食肉処理事務組合と十分連携して適切に対応してまいります。 76 ◯議長(高樋 憲) 企画政策部長。 77 ◯企画政策部長(小山内豊彦) 北海道新幹線開業に向けた取り組みについて、二点お答えいたします。  まず、仮称奥津軽駅の利用促進に向けた取り組みについてでございます。  仮称奥津軽駅は、現在の津軽海峡線津軽今別駅の場所に新設されますが、駅の周辺地域は他の新幹線駅と比べて人口が少ないことから、奥津軽駅を玄関口とした交流人口の拡大や利用促進をどのように進めていくかが課題となっております。  このため、県では本年度から、奥津軽駅の利便性の向上や地域資源の発掘等により需要を創出していくための取り組みに着手しており、具体的には、北海道新幹線開業後の利用動向の可能性と効率的な二次交通のあり方を把握するための調査を行うほか、地域県民局が地域と連携し、駅周辺地域の観光資源の発掘やブラッシュアップ、情報発信等に取り組んでいます。また、行政だけではなく、各種団体や地域住民の皆さんが北海道新幹線開業を新たなチャンスととらえて開業効果を獲得していくという機運の醸成やネットワークの構築にも取り組んでおります。  本県にとって奥津軽駅は、八戸、七戸十和田、新青森に続く四つ目の新幹線駅であり、八戸駅開業、新青森駅開業に次ぐ、いわば三回目の開業と位置づけられます。これまで蓄積してきたノウハウを生かしながら、駅周辺市町だけでなく、弘前や五所川原などを含めた津軽地域及び下北地域、そして道南地域と有機的に連携しながら、奥津軽駅を玄関口とした交流人口の拡大を実現できるよう取り組みを進めていきたいと考えております。  次に、青函圏交流推進に向けた県の取り組みについてでございます。  青函圏交流については、昭和六十三年三月の青函トンネル開通を契機に、青函地域の産学官連携による青函インターブロック交流圏構想推進協議会などにより交流の推進を図ってまいりました。  北海道新幹線仮称新函館駅開業を間近に控え、同協議会は、昨年、産学官・金融、各種活動団体を含めた組織の強化を図り、青函圏交流・連携推進会議として再編をし、交流から連携への取り組みを進めているところです。  推進会議では、昨年七月に青函圏交流・連携ビジョンを策定し、津軽海峡、日本海、太平洋の水産物や地域の特性を生かした農畜産物などの食資源や多くの自然景観、縄文遺跡、古い歴史を持つ祭りや郷土芸能などの観光資源など、青函圏が持つ強みを最大限に生かすため、食と観光を重点分野に定め青函の魅力づくりに取り組んでいくこととしております。  このような取り組みを充実させていく上で、本県と北海道とをつなぐ鉄道の利便性を飛躍的に高める北海道新幹線仮称新函館開業は、交流人口の拡大のほか、産業、経済などさまざまな分野への波及効果が期待されるなど、さらに発展を遂げる大きなチャンスです。開業時にその効果をしっかりと獲得していくために、県内はもとより、北海道側とも連携し、北海道新幹線と東北新幹線、航空路線、フェリー等を立体的に活用して、津軽海峡を挟んだ本県と道南地域を一つのエリアとした交流圏の構築に取り組んでいきます。 78 ◯議長(高樋 憲) 環境生活部長。 79 ◯環境生活部長(林 哲夫) まず、災害廃棄物の広域処理についてお答えいたします。
     岩手県と宮城県では、本年五月に災害廃棄物の発生量の見直しを行いました。この見直しによりまして、岩手県では、広域処理の必要量が約二倍の百二十万トンとなり、その四分の一が可燃物、四分の三が不燃物となっております。また、宮城県では、広域処理の必要量が約六割減の百二十七万トンとなり、おおむねその三分の二が可燃物、三分の一が不燃物となっております。  岩手県では、可燃物につきましては処理先のめどが立ちつつあるとのことでございますが、岩手県、宮城県、両県とも発生量の多い不燃物の処理先の確保が難しく、大きな課題となっているとのことでございます。  本県では、これまでも、両県の被災地における広域処理の要望を踏まえまして、放射性物質の濃度がクリアランスレベル以下の災害廃棄物の全量再生利用や放射性物質が不検出である災害廃棄物の直接埋立処分など、処理の安全性について市町村の理解が得られたものを受け入れしてきたところでございます。県といたしましては、引き続き、処理の安全性に配慮しつつ、市町村から受け入れに向けた意向が示された際には、両県の広域処理に係る現状や課題も踏まえながら、受け入れる災害廃棄物の種類や量、排出元の選定など、両県との調整等を積極的に進めてまいります。  次に、省エネルギー行動の持続についてお答えいたします。  本県における最新の二酸化炭素排出状況を見ますと、全体で基準年度であります一九九〇年度と比較いたしまして、四・三%増という中にありまして、特に民生家庭及び民生業務の両部門では、約三〇%増となってございまして、家庭やオフィスにおける省エネルギー対策が急務となってございます。一方、昨年の東日本大震災後における節電の経験などから、県民の間に省エネルギーに対する意識が高まっております。低炭素社会の実現に向けては、この機運を維持し、県民の具体的な環境配慮行動につなげ、その行動を継続させるための取り組みが必要と考えてございます。  このため、県では、今年度、もったいない・あおもり県民運動の一環といたしましてあおもり「エコの環スマイルプロジェクト」をスタートさせたところでございます。このプロジェクトは、地域の環境保全への貢献という意識面と環境への取り組みに対する経済的側面の両面からインセンティブを付与することにより、県民、事業者、そして地域における自主的な環境配慮行動を促進し、持続させる取り組みとなってございます。  さらに、このプロジェクトに参加した世帯を対象といたしまして、家庭の消費電力の見える化サービスを活用して省エネルギー行動を実践する消費電力見える化サービスモニター事業を実施するなど、県民の省エネルギー行動が持続する取り組みを重点的に推進していくこととしております。 80 ◯議長(高樋 憲) 健康福祉部長。 81 ◯健康福祉部長(江浪武志) がん・生活習慣病対策に関します二点についてお答え申し上げます。  まず、「健康あおもり21」の最終評価についてでございます。  県民が健やかで安心して暮らしていける生活創造社会の実現を目指すためには、県民の命と暮らしを守るための取り組み、特に本県の平均寿命に影響のあるがんや心疾患、脳血管疾患などの生活習慣病対策の強化が非常に重要であると考えております。  このため、県では、平成十二年度に青森県健康増進計画「健康あおもり21」を策定し、県民の生活習慣などに関して領域ごとに具体的な指標を掲げ、これまで栄養、食生活の改善、身体活動、運動の定着、空気クリーン施設の推進など、さまざまな取り組みを行ってきましたが、今年度は計画の最終評価年でありまして、現在、最終評価報告書の作成に着手しているところでございます。  指標の目標達成状況につきましては、先日開催いたしました専門家による会議で取りまとめておりますが、九領域百七十二指標中、目標に達したのは、むし歯のない幼児・児童生徒の割合など二十二指標で一二・八%、目標に達しないが改善傾向にあるのは、未成年者と妊婦の喫煙率の減少や成人の一日の食塩摂取量の減少など五十指標、二九・一%、一方で、悪化していますのは、健康のために運動する人の割合や一日の歩数の増加、糖尿病、高血圧症など有病者の推定数など二十八指標で一六・三%となっており、そのほかは変化なしなどとなっているところでございます。  次に、本県におきますがん対策の取り組み状況についてでございます。  がんは本県死因の第一位を占めており、加えて働き盛りの世代によるがんの死亡率が全国に比べ高いことが本県の平均寿命や年齢調整死亡率に影響していると考えられることなどから、がん対策の推進は本県における大きな課題となっております。このため、平成二十年五月に策定した青森県がん対策推進計画に基づき、体系的、計画的にその対策に取り組んでまいりました。  計画では、がんの七十五歳未満年齢調整死亡率を計画策定から十年目に当たります平成二十九年度までに二〇%減少すること、また、すべてのがん患者及びその家族の苦痛を軽減することなどを全体目標といたしまして、がんの予防と早期発見、がん診療水準の向上などの各種施策を推進してきたところであります。  今年度は、がんに係る情報提供と相談支援機能の充実を図ること及びがんの早期発見、早期治療のためのがん検診受診等の普及啓発を重点的に進めることとしております。具体的には、これらの対策において重要な役割が期待されるがん患者団体活動の活性化や充実などの支援を図るとともに、がん患者団体と連携して県民に対する情報提供、普及啓発のためのフォーラムの開催などを行うこととしております。  また、がん対策の基礎となります本県のがん登録の充実を図るため、県内でがん医療を担っている病院を対象とした研修などの開催や、症例の少ない診療所のがん診療状況の調査研究などの取り組みも進めることとしております。 82 ◯議長(高樋 憲) 農林水産部長。 83 ◯農林水産部長(渋谷義仁) 御質問五点についてお答えいたします。  最初に、県産農林水産物の安全性の確保に関する御質問のうち、平成二十四年度の放射性物質モニタリング調査についてであります。  県では、本年四月から放射性セシウムの新基準値が施行されたことや、福島県やその周辺県などで新基準値を超える農林水産物が相次いで確認されていること等を踏まえ、県産農林水産物に対する消費者の不安を払拭し、さらなる信頼確保に向け、新基準値に対応できるようモニタリング用機器の測定精度の向上を図ったほか、民間検査機関を積極的に利用するなど、調査体制を強化したところであります。  具体的には、本年度は、他県で超過事例が急増している回遊魚や淡水魚などもモニタリング調査計画に盛り込むなど、対象件数を約百品目、千四百件に拡充して調査するほか、牛肉についても、県内で屠畜される約二万頭の全頭検査を引き続き実施することとしております。特に水産物については、本県でも六月十九日に八戸沖のマダラから基準値超過が確認されたことを踏まえ、調査頻度を高めることとしております。  また、県産農林水産物を主原料とする加工品についても、県内加工品製造業者や産地直売施設の加工グループ等が通常料金の半額で放射性物質検査を受けることができる事業を創設し、県産加工品に対する信頼確保にも万全を期しているところでございます。  次に、県産農林水産物の安全性をどのように情報発信していくのかについてであります。  県では、昨年七月の放射性物質モニタリング調査開始以来、その結果を毎週県のホームページで公表してきたほか、テレビやラジオ等のメディアを通じて県産農林水産物の安全性を発信してきたところであります。  本年度は、これまで以上に県産農林水産物の安全性を国内外にアピールしていくため、農産物の収穫や回遊魚の漁獲が本格化する七月下旬をめどに、検査結果等の情報をよりわかりやすく検索、閲覧することができ、海外からのアクセスにも対応できるよう、英語版の表示を兼ね備えた専用のホームページを新設することとしております。  また、担当職員が直接県内各地に出向いて住民に説明を行う出前トーク事業を積極的に活用し、放射性物質に関する正しい知識や県産農林水産物の安全性について情報提供を行っているほか、七月十八日には、国の関係省庁と連携して、青森市において消費者や食品事業者等を対象に、食品中の放射性物質が健康に与える影響や新基準値の考え方などを内容とする意見交換会を開催することとしております。県としては、今後とも、県産農林水産物の安全性等について理解を深めてもらうために情報発信力をより一層強化してまいります。  続きまして、TPP交渉参加に係る農業問題についてであります。  本県の農林水産業は、国民への安定した食料供給はもとより、食品加工や流通など多くの産業と密接に結びつき、地域の経済・雇用を支える基幹産業として引き続きしっかりと守っていく必要があります。  このため、県では、これまでも、本県を含めた国内の農林水産業に大きな影響を及ぼすことが懸念されるTPP交渉へ参加しないよう、国に対してあらゆる機会をとらえて要請してきたところであります。  また、本県が今後とも農林水産業を基幹産業として維持発展させていくためには、TPP交渉参加のいかんにかかわらず、攻めの農林水産業を強力に推進していく必要があると考えており、県産品の生産・販売対策や六次産業化の取り組みを一層強化するとともに、集落などの地域を一つの経営体と見立てて経営していく地域経営の考え方に基づき、本県農林水産業の持続的・自立的発展を図る仕組みづくりに努めてまいります。  次に、上北地域における野菜振興についてであります。  上北地域は、本県の野菜指定産地の過半を占め、作付面積も、主要品目であるゴボウでは県全体の約九割、ナガイモでは七割以上が生産されるなど県内最大の野菜産地を形成しており、本県の野菜振興上、極めて重要な地域であると認識しております。  このため、県では、これまで、農協や関係機関などと連携し、ナガイモやニンニクの優良種苗の供給体制の充実や共同集出荷施設、大規模な農産物処理加工施設の整備などを支援してきたほか、近年需要が伸びている加工・業務用野菜のニーズにこたえるためのモデル産地づくりにも取り組んできたところです。  また、今年度からは、ナガイモの単収や品質の向上に向け、農協、市町村、県などで構成する生産流通プロジェクトチームの設置による地域の課題解決に向けた実践活動の推進や、次代の担い手の育成に重点的に取り組む農協単位の若手育成塾の開設のほか、大根の集出荷施設の整備、食品製造業者との契約栽培を目指した加工用ホウレンソウの生産技術実証試験などの取り組みを支援し、上北地域の野菜振興を図っていくこととしております。  最後に、葉たばこの生産対策についてであります。  本県の葉たばこは、近年の社会情勢の変化により作付面積が年々減少しているものの、生産農家にとって、ヤマセなどの厳しい気象条件でも生産が安定し、収益も確保できることから、今後も需要に応じた生産を維持すべきであると認識しております。  このため、県では、全国葉たばこ生産府県知事協議会の要望活動を通じて、葉たばこ生産農家が今後とも安心して生産できるよう、作付面積の確保や経営を維持できる価格水準の見直しなどについて、日本たばこ産業株式会社と国に対して要請しているところであります。  また、生産面では、たばこ耕作組合などと連携して土づくりや病害虫防除の指導に取り組んでいるほか、農業機械が導入できる県単の野菜等産地生産・販売力強化事業のメニューに葉たばこ移植機なども盛り込み、省力・低コスト化に向けた支援策も講じているところです。  県としては、引き続き、これらの取り組みを通じて本県の葉たばこ生産農家の所得向上に努めてまいります。  以上でございます。 84 ◯議長(高樋 憲) 農商工連携推進監。 85 ◯農商工連携推進監(樋口浩文) 農商工連携による食産業の振興に向けてどのように取り組んでいくのかについてお答えいたします。  食品製造や外食などの食産業においては、国内で生産された農林水産物の三分の二を原料として使用するなど、農林水産業の大きな需要先となっているほか、本県では、製造業全体に占める食品製造業の従事者数の割合が約三割を占めており、雇用の場としても地域経済を支えております。  このため、県では、相談活動や各種支援事業を通じて農林漁業者と食品製造業者、流通・販売業者との連携を支援しているほか、国の緊急雇用創出事業を活用し、被災失業者等を雇用して食品加工の高度な人材を育成する食産業人財育成事業や、八戸地域の水産加工業の生産力強化を図る水産加工業地域力高度化緊急対策事業などの施策を展開しており、農商工連携による新商品の開発や事業の拡大に伴う雇用の増大等が県内各地で見られております。  今後は、市町村や関係機関との連携を一層強化し、具体的事例の創出に努めながら、本年二月に開設した事業者向けのホームページあおもり食産業支援サイトによる情報の交流、専門家による個別指導や研修、マッチング活動などを通じて事業者の経営力の強化と農商工連携の取り組み拡大を図り、さらなる雇用の創出と拡大につなげてまいります。 86 ◯議長(高樋 憲) 県土整備部長。 87 ◯県土整備部長(成田昌規) 御質問三点にお答えします。  まず、上北横断道路及び関連する道路事業の取り組み状況についてでございます。  上北横断道路につきましては、国直轄事業により整備が進められており、このうち、上北道路につきましては、今年度の完成供用を目標に工事の進捗が図られているところであります。上北天間林道路につきましては、引き続き用地取得及び工事を実施することとなっており、さらに、未着工区間であった天間林道路につきましては、今年度、新規事業化され、調査設計に着手することとなっております。  関連する道路事業としましては、上北道路の完成に合わせ、今年度、県道折茂上北町停車場線大浦工区を完成供用させる予定としております。また、上北天間林道路につながる国道三百九十四号榎林バイパスは、平成二十一年度から事業着手しており、今年度は用地測量や用地買収を行うこととしています。  県としましては、引き続き、上北横断道路全線の早期整備について国に対して強く働きかけるとともに、関連する県事業の整備促進に努めてまいります。  次に、橋梁の長寿命化対策の県の取り組み状況でございます。  本県では、平成十七年度、全国に先駆けてアセットマネジメントシステムを構築し、早期に補修を行う予防保全型の維持管理を目的とする五カ年のアクションプランを策定しました。その後、平成二十年度に国の施策に基づく十カ年の橋梁長寿命化修繕計画を策定し、これまでに二百九十七橋の長寿命化の補修工事を実施してきたところです。  今年度は、これまでの点検結果を踏まえ、同計画を見直しし、平成三十三年度までに一千二十四橋を計画的に補修していくこととしております。  引き続きコスト縮減を図りながら、県民生活の安全・安心の確保に努めてまいります。  最後に、県の長寿命化対策と産学が構成する青い森の橋ネットワークとの関連についてでございます。  青い森の橋ネットワークは、県内の学識経験者や技術者が会員となって、橋梁の長寿命化に関する調査研究、技術の研さん、人材育成などを行うことを目的に今年五月に発足しております。  県は、アドバイザーとして参加しており、取り壊し前の橋梁を実験の場として提供するほか、県が保有する橋梁データを提供するなどの支援を行っていくこととしており、実質的には産学官の取り組みとなっています。 88 ◯議長(高樋 憲) 観光国際戦略局長。 89 ◯観光国際戦略局長(佐藤淑子) 十和田湖への誘客の取り組みについてでございます。  十和田湖への観光客については、昨年の東日本大震災の影響による団体客ツアーの減少や教育旅行の行き先の変更、さらには海外からの観光客の減少などにより、いまだ震災前の水準まで回復しておらず、厳しい状況が続いております。  このため、今年度、県を初め環境省、秋田県、関係市町村、関係団体から構成される十和田湖観光推進会議において地域一体となって誘客を積極的に推進することとしております。  具体的には、十和田湖周辺の観光施設や宿泊施設をめぐるスタンプラリーやヒメマスを活用した首都圏でのグルメイベントなどの広域観光キャンペーンを実施するほか、十和田湖地域への旅行商品の造成を支援するため、旅行エージェントの広告経費の一部を助成することとしております。  また、このような取り組みと連動して、来月には首都圏のJR駅構内及び大手旅行エージェントの店頭において青森県観光連盟や地元事業者と一体となった観光キャラバンを実施するとともに、首都圏の旅行エージェントの商談会の場を活用し、十和田湖地域への旅行商品の造成を促進してまいります。  さらに、韓国、台湾等の旅行エージェント、マスコミ等へのセールスプロモーション活動や招聘事業を積極的に展開するなどして、国内外からの十和田湖地域への誘客を促進してまいります。 90 ◯議長(高樋 憲) エネルギー総合対策局長。 91 ◯エネルギー総合対策局長(八戸良城) エネルギー政策についての御質問二点にお答えいたします。  まず、核燃料サイクル政策の見直しの状況と県の考え方についてでございます。  核燃料サイクルの政策選択肢については、原子力委員会からエネルギー・環境会議に報告され、エネルギーミックス及び温暖化対策の選択肢とともに、国民的な議論を経て、八月を目途にその政策が決定されるものと理解しています。  今後、国においては、立地地域との協力関係を十分踏まえ、長期的な方針を不透明にすることなく、現実的に実現可能な政策について責任を持って判断していただきたいと考えています。  次に、風力発電やメガソーラーなどの発電事業への県内事業者による参入促進についてお答えいたします。  再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が本年七月から開始されることに伴い、今後風力発電やメガソーラーなどの発電事業の拡大が見込まれることから、県としては、この機会をとらえ、再生可能エネルギー関連産業の一層の振興につなげていくことが必要と考えています。  このため、風力発電については、メンテナンス業務の受注体制強化に向けた体制づくりや人材育成等に取り組むとともに、県内事業者による発電事業への参入を促進するための支援について検討しています。  また、太陽光発電については、県内のNPO法人が計画している市民出資型のメガソーラー事業の調査、研究事業を実施し、事業化を支援しているところです。  さらには、県内企業を初め大学等の研究機関や金融機関等で構成する再生可能エネルギー産業ネットワーク会議を設置し、産学官金が有機的に連携する体制を構築することとしています。  県としては、これらの取り組みを通じ、これまで積み重ねてきた成果等を生かしながら再生可能エネルギー分野における県内事業者の参入促進を図ってまいります。 92 ◯議長(高樋 憲) 教育長。 93 ◯教育長(橋本 都) 御質問四点にお答えいたします。  初めに、世界遺産登録推薦書案の進捗状況です。  北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群の世界遺産登録のためには、国がユネスコに提出する世界遺産登録推薦書案を提案自治体が作成する必要があります。  このため、四道県並びに関係自治体では、考古学などの専門家から成る縄文遺跡群世界遺産登録推進専門家委員会での意見交換や文化庁との協議を重ね、縄文文化の定義や世界遺産としての顕著な普遍的価値、国外の類似資産との比較、構成資産の保存活用など、推薦書案に記載する内容の整理を進めてきました。  今年度は当初の計画どおり、ユネスコの定める書式に沿って文章化し、推薦書案を作成することとしています。  県教育委員会としましては、引き続き四道県並びに関係自治体と連携し、平成二十七年度の世界遺産登録を目標に、平成二十五年度の国への提出に向けて推薦書案の作成に取り組んでまいります。  次に、国際的合意形成に向けた取り組み状況についてです。  縄文遺跡群の世界遺産登録実現のためには、縄文遺跡群の顕著な普遍的価値に関して、国際的合意形成を十分に図ることが国から示された重要な課題の一つとなっております。  このため、これまでロンドンやパリで現地の考古学研究者等を対象に、縄文文化に関する説明会を開催するとともに、ユネスコ世界遺産委員会の諮問機関である国際記念物遺跡会議の専門家を招聘し、構成資産を見ていただいた上で、縄文遺跡群の顕著な普遍的価値の証明や遺跡の保存管理などについて意見交換しました。  今年度は、国際記念物遺跡会議の専門家に加え、縄文遺跡群との比較検討が必要な東アジア地域の専門家も招聘し、国際会議により意見交換し、その内容を世界遺産登録推薦書案に反映することとしております。  また、海外の国際会議での縄文遺跡群のプレゼンテーションや四道県共通リーフレットを活用したユネスコ世界遺産委員会での周知活動のほか、四道県の関係部局とも連携し、さまざまな機会を通して海外へのPRに努めております。  県教育委員会としましては、今後とも、四道県並びに関係自治体と連携し、世界遺産登録の実現に向けた国際的合意形成の促進を着実に進めてまいります。  次に、三本木高校及び附属中学校における中高一貫教育の取り組み状況についてであります。  議員からお話がありましたとおり、県立三本木高等学校及び附属中学校においては、平成十九年度に開校した附属中学校の第一期生が現在高校三年生となり、この間中学校と高校が連携しながら六年間を見通した計画的、継続的な教育活動が展開され、生徒の学習意欲の充実が見られております。  具体的には、中高の教員による英語や数学のチームティーチング、外国語指導助手を活用した英語合宿などにより、生徒は確かな学力を身につけるとともに、中学校段階から大学の研究室を訪問するなど、早い時期から進路学習に取り組んでおります。また、体育祭や文化祭などの学校行事や部活動を合同で実施する中で、生徒が主体的に活動し、協調性や思いやりの心などが育まれております。  さらに、文部科学省指定の理数教育の充実を目指すスーパーサイエンスハイスクール事業において、大学教授による講義、実習や、林野庁とも連絡調整の上、十和田湖近くの国有林における森林環境学習など、多彩な体験活動も行われております。  県教育委員会としましては、中高一貫教育の一層の充実発展に向けまして三本木高等学校及び附属中学校の教育活動を支援してまいります。  最後に、併設型中高一貫教育校の新たな設置について、今後の見通しであります。  併設型中高一貫教育は、六年間を見通した柔軟な教育課程を設置し、生徒の個性や能力を最大限伸ばすことにより、生徒一人一人の進路志望の達成を目指すものであります。また、年齢の異なる生徒の触れ合いの中で、社会性や豊かな人間性を育成することをねらいとしたものです。  新たな設置につきましては、三本木高等学校及び附属中学校における併設型中高一貫教育のメリットを生かしたさまざまな教育活動の取り組みや、その教育効果などについて引き続き検証を行った上で、中学校卒業予定者数の推移や全県的な配置バランスを考慮しつつ、検討することとしております。  以上でございます。
    94 ◯議長(高樋 憲) 田中議員。 95 ◯四十三番(田中順造) ただいまは、知事初め関係部長、そして教育長より御答弁をいただき、ありがとうございました。  今回十項目の各質問に対しまして、それぞれ前向きな御答弁をいただきました。再質問はありません。要望を申し上げます。  知事は、就任から九年目を迎えました。みずからの公約に係るこれまでの取り組みと成果について、また、震災からの創造的復興を初めとしてのそれぞれの課題について述べていただきました。まさに険しい道のりを再生・新生に懸命に走り続け、初期のホップからステップへと収支均衡型の財政運営に取り組んでこられたと、県民は高く評価いたしております。  私も、また、昨年の十月に台湾でのリンゴの消費宣伝活動として、高樋議長を初め、県議会のメンバーとともに知事の精力的なトップセールスの姿勢を目の当たりにいたしまして、まさに、県民は、三村知事に県政のかじ取りを任せて間違いないと確信をいたしたところでございます。  知事公約の三期目のことしは一年が経過し、今年度はさらにジャンプへと三村知事のカラーを今まで以上に前面に打ち出す機会ととらえ、今後とも各事業に取り組んでいただきますよう、御要望を申し上げます。  関係部長からいろんな角度から御答弁いただきました。十和田湖の誘客促進については、川村議員を初め、多くの方々からも御心配の質問をいただきました。非常に厳しい状況が続いており、長期休業店舗による景観は、十和田湖のイメージダウンにつながり、地元関係者も大変心配をいたしております。できるだけ早い解決に向けた対応を国に働きかけていただきますよう、御要望いたします。  十和田市におきましても、観光の活性化を図るために宿泊割引券やお買い物の支援などを計画していると伺っております。県におかれましても、十和田市と連携しながら相乗効果の上がるよう取り組んでいただければと御要望いたします。  最後になりますが、十和田市の食肉センターについて御要望いたします。先ほど御答弁いただきました。現時点では、まだ情報をいろいろ集約している状況ということでございます。このような施設が整備されれば、地域の雇用拡大につながり、また、本県産食肉が有利に販売できる体制が構築されると思います。県としても、重要性を十分に認識していただき、食肉処理に必要な獣医師の確保、そして施設整備のための情報支援を前向きに対応していただきますことを御要望いたしまして、私からの一般質問を終わらせていただきます。 96 ◯議長(高樋 憲) これをもって一般質問を終わります。    ──────────────────────       ◎ 本 会 議 休 会 提 議    ────────────────────── 97 ◯議長(高樋 憲) 本職から提議があります。  お諮りいたします。議案熟考のため、六月二十五日は休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 98 ◯議長(高樋 憲) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  なお、明二十三日及び二十四日は、県の休日ですから休会であります。  以上をもって本日の議事は終了いたしました。  六月二十六日は午前十時三十分から本会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。 午後四時五十八分散会 Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...