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平成24年第270回定例会(第3号)  本文 開催日: 2012-06-21
平成24年第270回定例会(第3号) 名簿 開催日: 2012-06-21

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  1. 青森県議会 2012-06-21
    平成24年第270回定例会(第3号)  本文 開催日: 2012-06-21


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(高樋 憲) ただいまより会議を開きます。    ──────────────────────       ◎ 一 般 質 問 継 続    ────────────────────── 2 ◯議長(高樋 憲) 一般質問を継続いたします。  十九番畠山敬一議員の登壇を許可いたします。――畠山議員。 3 ◯十九番(畠山敬一) 皆さん、おはようございます。公明・健政会の畠山敬一です。  きのうの台風四号は東のほうにそれてくれまして、県内の農作物には被害がなかったと聞きました。特に、津軽のリンゴも南部のリンゴも落ちなかったということで、世界に冠たる青森県のリンゴ、この知名度、それ自体の価値をどのように活用していくのかということについては、きょうの私の出番の最後のところでもう一回触れたいと予告をしつつ、それでは、通告に従って質問してまいります。  初めに、学校の防災対策、児童生徒の安心・安全確保に向けた取り組みについて。  公立学校の耐震化について伺います。  昨年の東日本大震災では、被災三県を初め各地域において学校自体も甚大な被害を受けました。その一方で、学校は避難所として子供たちや住民の命を守る施設でもあり、地域の防災拠点として学校施設の役割の重要性が再認識されております。  私も、ここに立つたびにこの耐震化の問題を取り上げておりますので、公立学校の耐震化についてはいい線まで来ているというのはわかっておりますけれども、改めて、公立学校の耐震化の現状及び今後の見込みについて伺います。  また、東日本大震災では、学校施設の天井材や内壁、照明器具、窓ガラスなどの非構造部材の脱落事故が多数発生し、このことが今後の防災対策の大きな課題となってきております。文部科学省もその通知において、致命的な事故が起こりやすい例として、屋内運動場の天井材、照明器具、内外装材、バスケットゴール落下防止対策等を挙げております。  柱やはりといった構造体の耐震化が向上する一方、非構造部材の耐震化率は一一年五月現在で全国でわずか二九・七%であることが判明しています。しかも全体の三四・七%に当たる一万校以上で非構造部材の耐震点検すら行われておりません。  ここで質問に入るところですけれども、この議場における非構造部材といいますと、天井になります。仮にこの柱とか壁の構造体の耐震化があっても、つり下げられている天井材に耐震性がなければ先に落ちてくると。そうすると、平場の皆さんよりは、この二階にいるところに先に落ちてくるのではないかと。そういう意味では、揺れたら、職員の皆さん、マスコミの皆さん、また、傍聴に来られている皆さん、ぱっとよけると。そういう意味でも、別な緊張感を持った議場になっているなと、このように思います。  そこで、質問に戻るわけですけれども、公立学校の非構造部材の耐震対策について、今後どのように取り組んでいくのか伺います。  次は、私立学校の耐震化についてです。  このことについては、私は四年前の平成二十年六月のこの定例会でも質問させていただきました。当時の答弁は、平成十九年四月のデータで、私立学校の耐震化率四六・二%、公立小・中学校に比べてマイナス四ポイント、県立学校よりマイナス三一・五ポイント、その時点でおくれておりました。耐震診断実施率のほうはさらに悪くて、当時で一八・五%、公立小・中学校よりマイナス五三ポイント、県立学校より七四・四ポイントも低かった。災害に公立、私立の区別はありません。私立学校の耐震化が急務であります。  そこで、一点目として、私立中学校・高等学校の耐震化の現状、二点目として、今後の取り組みについて伺います。  次に、災害時における児童生徒自身防災対応力の育成について伺います。
     東京都立高校では、被災体験のための宿泊訓練を今年度から開始しました。東京都教育委員会によると、首都直下地震などが起きた場合、地域の支援拠点となるみずからが通う母校に一泊して被災生活を模擬体験し、救護法なども学ぶというこの取り組みには、身近な人を救う共助の担い手としての自覚を持たせるねらいもあるとしています。この訓練は、すべての全日制都立高校百七十九校が対象で、来年三月までに学校ごとに校内で一泊二日の体験をするという大がかりで本格的な取り組みであります。  そこで、一点目として、本県教育委員会における児童生徒の防災に係る実践的な対応能力の育成のための取り組みについて伺います。  二点目として、その実践的な対応能力の育成の取り組みを今後どのように普及させていくのか伺います。  次は、防災及び減災対策についてです。  我が党では、東日本大震災を教訓にして、防災・減災ニューディール政策を提唱しています。命と生活を守るための社会基盤をつくり直して、新たなリスクにもきちんと対応できるインフラ整備、そして、これにより経済成長と雇用を創出させるための政策です。  防災は、自助、共助、公助の総合力です。公助の基盤である橋や道路、河川施設などの社会資本の多くはコンクリートの耐用年数の五十年から六十年が経過すれば、それ自身の老朽化により防災力が低下します。また、大雪、豪雨、土砂崩れ、地割れなどによる道路の寸断などインフラの立地環境や各種の条件による本来機能の喪失、防災力喪失という事態も少なくありません。  インフラの機能喪失とは、すなわち集落の孤立につながり、住民の命の危険に直結する事態となります。この意味において、防災・減災ニューディール政策と、県の防災公共政策が時代的要請に合致していること、緊急性、重要性が高いことは明らかであります。  そこで、一点目として、防災公共の基本理念について。  二点目として、防災公共のこれまでの取り組み内容について。  三点目として、防災公共における孤立集落の設定方法について具体的に伺います。  また、橋梁の耐震化の取り組み状況と今後の見通しについても伺います。  次は、地域防災活動についてです。  東日本大震災における八戸市での避難所の開設、運営に関する当時の課題等が報じられております。いわく、市が指定する避難所は二十五カ所だったが、実際に市民が避難した場所は六十九カ所もあり、受け入れは大変手間取った。各施設には車が殺到し、避難所の開設準備に加え、グラウンドなどへの車両誘導にも人手がとられた。市職員が配置された後も停電と電話の不通で関係機関との情報共有も困難だった。指揮する人を明確にすることが必要だったとは、避難所となった学校の教頭先生の話。  町内会の責任者の方は、自主防災会をつくろうと勉強会などを開いていたが、まだできていない。学校と連携し、住民主体で活動できるような組織づくりが大切だと感じたなどです。いずれも昨年の大震災の不安と混乱した現場を体験した方々の貴重な証言であり、今後に備えて解決すべき課題として行政が受けとめなければならない重要な点であると考えています。  そこで、迅速な避難所の立ち上げなど、災害時に備え、平時から町内会等で防災訓練を含めた実効性ある地域防災活動に取り組む必要があると考えますが、県の考え方を伺います。  次は、災害時の医療体制確保についてです。  昨年の東日本大震災においては、全国から被災地に十六機のドクターヘリが派遣され、被災者の救助活動に当たりました。もちろん、本県のドクターヘリも出動して活躍をしております。日本航空医療学会によれば、昨年度にドクターヘリによる診療を受けた人は一万二千二百三十九人に上るとのことです。  現在、ドクターヘリは三十道府県で三十五機が配備されており、年度内には本県の二機目も含めて三十四道府県で四十機まで拡大される見込みとなっています。このように、ドクターヘリは、今や、日本の救急医療や災害時の救命救急を担う存在として欠かせないものとなっています。  そこで、災害発生時の医療体制確保のためドクターヘリの広域的連携が必要と考えるが、県ではどのように取り組むのか伺います。  次に、東日本大震災からの復興の現状についてです。  東日本大震災により、本県は、人的被害や住家被害に加え、港湾、漁港等の各種インフラ施設を初め、漁船、農地、企業の生産設備、学校を初めとする公共施設など大きな被害を受けました。県では、震災発生の直後から、震災関連経費として延べ十回にわたり補正予算を編成するなど、復旧・復興への取り組みを集中的に進めてきたところですが、震災から一年三カ月が経過し、復旧の状況というものがようやく形として見えてくるようになったのではないかと考えております。  先日、今月の十日ですけれども、私は八戸港の八太郎北防波堤の復旧現場を視察してまいりました。震災の大津波によって総延長三千五百メートルのうちの約四割が倒壊するという甚大な被害を受けた北防波堤ですが、平成二十五年度内の完成を目指して着々と工事が進められており、着実に復旧・復興が進んできているということを実感いたしました。  一方で、震災から一年余りが経過し、形としてなかなか見えてこないもの、今後の本格的な復興に向けての課題といったものもあろうかと思います。そういったものにも同時に目を向けて対処していく必要があります。  そこで、復旧・復興の現状と今後の課題についてどのように認識しているのか伺います。  次は、実効ある農商工連携の推進についてです。  地域の農林水産業、工業、商業、それぞれ厳しい状況の中にありますが、本県の経済を安定的に成長させていくためには、一次産業を中心に加工・製造業である二次産業や販売・流通・観光業の三次産業が互いの強みを生かして連携し、売れる商品や売れるサービスをつくり出していくことが重要です。  本県においても農商工連携を推進していますが、一つ一つの支援事例に対して成功事例と失敗事例の原因と課題を分析、整理し、PDCAのサイクルを徹底することによって実効ある農商工連携の取り組みをふやしていくことが大切であると考えています。  そこで、一点目として、農商工連携のこれまでの具体的な成果と課題について伺います。  二点目として、これら農商工連携を推進していく上での課題を踏まえて、県は今後どのように支援していくのか伺います。  次は、総合販売戦略に基づく取り組みについてであります。  平成二十三年度の包括外部監査の結果が本年三月二十三日に報告されました。今回の包括外部監査のテーマである青森県産品の育成・流通・普及に関する事業に関し、そのテーマの選定理由の中に、青森県産品の普及拡大を図ることは、産業の育成・振興上重要であり、青森県産品の質及び量の確保、普及宣伝によるブランドの確立、販売・流通ルートの開拓など官民一体となって取り組むべき課題は多いとされております。大変共感をするところであります。  県では、総合販売戦略に基づく県内外での情報発信や販売活動に取り組んでいますが、消費者の食の安全・安心に対する関心の高まりや少子高齢化社会の到来などとともに産地間競争が激しさを増している今日において、本県の強みである食産業を伸ばし、雇用を確保していくためには、消費者の視点や消費者が求めるものを重視した商品づくりや販売活動といった発想が特に重要であります。  このためにも、これまで以上に消費者起点の発想による施策展開に取り組むべきであり、特に首都圏の消費者に年間を通じて直接県産品を販売し、消費者ニーズを酌み取ることのできる県のアンテナショップ「あおもり北彩館」の役割はこの点において大きいものと考えます。  そこで、一点目は、総合販売戦略に基づく取り組み実績と今後の展開方針について。  二点目は、県アンテナショップ「あおもり北彩館」の設置目的と運営実績について。  三点目は、あおもり北彩館における情報受発信に今後どのように取り組むのか伺います。  次は、環境行政についてです。  まず、県境不法投棄事案に係る取り組み状況についてです。  本事案については、県において、馬淵川水系の環境保全のため、廃棄物等は全量撤去を基本とするとの原状回復方針を掲げ、平成十六年度から鋭意撤去を進め、既に八年が経過しました。この廃棄物等の推計量については、平成二十二年度に見直しが行われ、それまでの推計量を上回ることが見込まれたことから、平成二十四年度としていた撤去完了の時期を一年延長する方針が示されたところですが、一方で、国の支援措置を定める産廃特措法が平成二十四年度で期限切れとなることから同法の延長が課題となっており、県議会においても県とともに国に対して産廃特措法の期限延長を要望してきたところであります。  この要望のかいもあり、同法を延長する改正案が今国会に提出され、現在審議されているところですが、県においては、これまでの状況を踏まえ、実施計画の変更等の作業を進めているものと思います。私自身、馬淵川流域に住む者として、一日も早い法案の成立と現場の原状回復を望んでいるところであります。  そこで、一点目として、これまでの廃棄物等の撤去実績について。  二点目として、原状回復対策の今後の見通しについて伺います。  次に、県境以外の県内の産業廃棄物不適正事案に係る取り組み状況についてであります。  事業活動に伴って排出される産業廃棄物は、事業者の責任で処理するのが法律の考え方であります。しかし、処理費用を捻出できない事業者や悪質な処理業者による産業廃棄物の不法投棄や野積みなどの不適正事案が県内にもあります。  このような不適正事案は、その規模が大きくなればなるほど撤去に時間も費用も必要となり、なかなか原状回復が難しくなってくるというのが実情ではないかと思います。私の住まいの近く、八戸市櫛引地区の旧産業廃棄物処理事業場に十数年にわたり野積みで放置されている産業廃棄物があり、困っています。  そこで、一点目として、県内の大規模産業廃棄物不適正事案の件数や現状について。  二点目として、これに対する県の今後の対応について伺います。  次は、高齢化社会に対応した県営住宅について伺います。  県営住宅は、県内に三十五団地、約五千五百戸が整備されていると聞きました。最近では、エレベーターがある高層アパートがあったり、木造の長所を生かした二階建てのアパートに建てかえられるなど、県営住宅整備がやっと住む人の視点に気がつくようになったかなと思います。  さて、建設してから三十年以上経過している団地には、エレベーターどころか、そもそも利用者視点の発想が国にもなかったことから、高齢社会へ向かって突き進んでいる現在、お年寄りや障害者にとって不便な住まいとなっています。  そこで、県営住宅の整備に当たってのバリアフリーへの対応状況について伺います。  もう一点は、先月、県営住宅に住んでいる方の相談が私のところに寄せられました。内容は、四階に住んでいるが、病を患い、リハビリを続けた結果、何とか歩けるようになった。退院するに当たり、医師から、四階への上り下りは無理なので一階に移るように勧められました。そこで、本人の御家族が県営住宅の指定管理者に相談したところ、県営住宅間での転居は認められていないので新規に申し込む必要があり、当たるかどうかはわからないとのことだった。困ってしまったので役所の偉い人にも相談したが、結論は同じだった。ということで私のところに相談が来ました。高齢社会を迎えている今、また、障害者の社会参加が進みつつある今、このようなことはレアケースではないと思いました。  そこで、私は他の都道府県に先進事例はないか調べてみました。その結果、十年以上も前に条例改正して、公募の例外規定を設けて転居を認めている県が複数ありました。今どき、このようなことは当たり前でなければなりません。何より、利用者のための県営住宅ですから。  そこで、県営住宅内での高齢者、障害者等の住みかえ、転居について、これを可能とすべきと考えるが、県の対応を伺います。  次は、警察本部に伺います。  まず、交番、駐在所の果たすべき役割についてです。  住民が安全を実感し、安心して暮らせる社会のためには、その地域に即した警察活動は欠かせません。制服姿の警察官がいるだけで心強いものがあります。交番や駐在所の配置は、地域の各種の情勢の変化、警察官の人数などにも応じてなされているものと思います。  そこで、一点目として、交番と駐在所の勤務形態はどのようになっているのか。  二点目として、交番と駐在所で果たすべき役割は異なるのか伺います。  もう一つは、交通事故の防止対策についてであります。  ふだん、車で走っていますと、信号機もない横断歩道もない場所で、子供よりは高齢者の方が堂々と渡ってくることに遭遇することがふえています。大変危険です。県内における交通事故の死者数は減少傾向にあるようですが、車道の横断については大きな危険をはらんでいると思います。  そこで質問です。  一点目として、昨年一年間で歩行者が道路横断中にはねられた交通事故の発生状況と特徴について。  二点目として、歩行者が道路横断中にはねられる事故を防止するために県警察として取り組んでいる対策について。  三点目として、道路横断中の歩行者が犠牲となる交通事故をなくすためには、歩行者用信号機、横断歩道を設置することが有効と考えますが、その設置基準について伺います。  最後に、青森県の広報戦略についてです。  県では、本県の魅力を県内外にアピールするため、平成六年に活彩あおもりを取り入れ、本県のイメージアップに取り組んできたと聞いています。この活彩あおもりのコピーは、フレッシュで躍動感があり、さらに拍手喝采に通じるといった意味合いもあり、これまでさまざまな機会に活用されてきましたが、既に十八年が経過しています。また、各部各担当にあっては自由自在に思い思いのキャラクターやキャッチコピー、マークを創出して、それぞれの業務のPR、広報活動に励んでいることは、まさに百家争鳴とも言うべきにぎやかさであると感じています。  本県の振興、発展を図るためには、県外、国外から人、金を集める外貨獲得が必須であります。そのためには、青森県という名称自体によいイメージを持っていただくことも広報戦略上重要であり、統一感のある集中したアピールが必要であると考えています。そのような観点から、本県の広報戦略は非常に重要な役割を果たすべきものであり、今後、最重点の分野であると思います。  そこで、本県の広報の基本的な考え方と、また、農林水産物の販売や観光などの各分野におけるさまざまなフレーズを用いたPR活動との関係を伺います。  以上、この場からの質問といたします。ありがとうございました。 4 ◯議長(高樋 憲) 知事。 5 ◯知事(三村申吾) おはようございます。畠山議員にお答えいたします。  まず、防災公共の基本理念ということでございます。  平成二十四年度は、東日本大震災からの復興を進める年、いわば復興元年であります。私は、今後、同様な事態が発生したときに被害を最小限に食いとめなければならないという強い思いのもと、引き続き強い決意でこの防災公共に取り組んでいきたいと考えております。  その理念として、いわゆる想定外の災害に対しては、構造物による減災を行いながら、人命を守ることを最優先に、逃げるという発想を重視し、孤立集落をつくらないという視点に立った防災対策を進めることとしております。  とうとい県民の命を守るため、県のみならず、市町村等も一体となり、避難経路、避難場所等を検証した上で、現状に即した最も効果的なソフト対策とハード対策を推進し、県民の皆様方が安全に安心して暮らすことができる災害に強い青森県づくりを目指したいと考えるところであります。  東日本大震災からの復旧・復興の現状と今後の課題についてでございます。  東日本大震災からの一日も早い復旧・復興をなし遂げるため、私として、でき得る限り対策にスピード感を持って取り組んできた思いがあります。震災から一年余りが経過し、被災地においては、漁船の取得、農地の復旧、企業の生産設備の復旧が進むとともに、港湾、漁港などのインフラ施設の復旧や災害廃棄物の処理も着実に進められてきております。  また、震災直後に大きく落ち込みました観光客の入り込み数も全県的には回復しつつあり、有効求人倍率が八カ月連続で上昇するなど、経済・雇用面でも持ち直しや上向きの動きが見られるようになってきており、全体としてはおおむね順調に復旧・復興が進んでいるものと認識しているところです。  今後は、個々の被災者の事情に応じたよりきめ細やかな対応が重要になってくると、その一方考えるところです。特に、被災者の生活の再建に向けては恒久的な住宅の確保が課題の一つであると認識するところです。  このため、県では、住宅再建を行う方が借り入れる資金の利子相当額を補助する制度を創設し、六月十一日から受け付けを開始したほか、八戸市においては、自力での住宅再建が困難な方のため、災害公営住宅の整備にも取り組んでいるところでございます。  引き続き、被災市町と連携し、被災地が抱えております課題をしっかりと把握しながら、復旧・復興に万全の対応を図りつつ、いわゆる創造的復興の実現に取り組んでいきたいと考えるところです。  総合販売戦略に基づく取り組み実績と今後の展開であります。  私は、本県の強みであります農林水産業を元気にすることが青森県を元気にするとの思いから、本県のすぐれた農林水産品や加工品を売り込んでいく攻めの農林水産業を県政の重要な柱に位置づけ、総合販売戦略に基づいて、生産、流通、販売に携わる関係者との協働と連携により、消費者が求める安全・安心で良質な県産品のPRや販売活動を積極的に展開してきました。  具体的には、東京都、大阪府、福岡県に設置したアンテナショップでの情報の受発信を行い、大手量販店や首都圏の高級ホテル、レストランなどをターゲットとした県産品の販路拡大、商品力の強化に向けたブランド化の推進などに取り組んできたところであります。  その結果、国内大手量販店での取り扱い額が三百億円を超え、平成十六年度に比べて倍増したほか、数々の県産品が高級ホテルやレストランで取り扱われるようになるなど、着実に成果が得られてきました。  今後は、これまでの取り組みに加えまして、中部圏における情報受発信売り込み拡大を目的とした量販店内への青森県コーナーの設置、岡山県、広島県などのいわゆる中国地方への販売拡大、ネット販売への参入促進のほか、全国の消費者を対象とした県産品に対する意識調査やホテル等のシェフを招いた産地見学会などにより県産品に対するニーズ把握と産地へのフィードバックに努め、付加価値の高い商品開発につなげていくことにより、より一層、県内生産者の収益向上が図られるよう取り組んでまいります。  県境不法投棄事案の今後の見通しであります。  県境不法投棄事案原状回復対策につきましては、廃棄物等の推計量が増加したことや、廃棄物等の撤去完了後も現場に残る汚染された地下水の浄化に一定の期間が見込まれることなどから、現行の実施計画を延長する必要がございます。  このため、県では、これまでに廃棄物の撤去を完了した部分の確認調査や水質モニタリング調査等に基づき、専門家の意見を聞きながら廃棄物等の総量を推計し直しました結果、百十七万一千トンと見込み、平成二十五年度までに撤去を完了すること、廃棄物等の撤去後も現場内に残る汚染地下水の浄化に要する期間を廃棄物等の撤去完了後九年間と見込み、平成三十四年度まで実施することなどを主な内容とする変更実施計画の骨子案を作成したところであります。  平成二十五年度以降も国の支援を受けて事業を継続するためには、実は本年度末までの時限立法であります産廃特措法が延長される必要があるのでございますが、国会がそういう状況でございまして、現在国会において、同法の期限を十年延長する改正案が審議されております。参議院は通過したという状況でございますが、その動向を注視しているところでございます。  県といたしましては、平成二十五年度以降も国の財政支援を受けて、引き続き安全かつ着実に事業を進めることができるよう、変更実施計画の策定及び国との協議に万全を期して対処したいと考えているところでございます。  私からは以上であります。 6 ◯議長(高樋 憲) 総務部長。 7 ◯総務部長(中村 賢) おはようございます。  私のほうからは、私立学校の耐震化につきまして御答弁申し上げます。  最初に、現状についてでございます。  文部科学省が実施しております私立学校施設の耐震改修状況調査によりますと、平成二十三年四月一日現在の本県の私立中学校・高等学校の耐震化率は、校舎等の棟数百二棟のうち、五十七棟が耐震化されておりますことから、五五・九%となっております。議員に前回御答弁させていただきました平成十九年四月一日現在と比較いたしますと、九・七ポイントの増という状況でございます。  また、耐震診断実施率でございますが、耐震診断の対象となる校舎等の棟数五十四棟のうち、十三棟が耐震診断実施済みであることから二四・一%となっており、同じく十九年四月一日現在と比較いたしますと五・六ポイントの増となっております。  次に、今後の取り組みでございます。
     私立中学校・高等学校における耐震診断と耐震化につきましては、各私立学校を設置する学校法人が実施していただく必要がございます。しかしながら、これらの実施がまだ十分に進んでいないのが現状でございます。  県といたしましては、学校施設の耐震性の向上を図ることの重要性にかんがみまして、引き続き、学校法人に対して、その重要性について周知を図りますとともに、推進について働きかけてまいる所存でございます。  具体的には、学校法人が耐震化工事を実施する場合につきましては、文部科学省におきまして、これまで経費の三分の一の補助がございましたものが、Is値〇・三未満の場合は二分の一としたほか、危険建物等の改築費用の借り入れに対する利子助成制度を充実させるなど、徐々に制度を拡充してきているところでございます。  引き続きまして、私立学校を設置する学校法人に対して、こうした制度について周知を図ることにより活用を促してまいりたいと考えております。 8 ◯議長(高樋 憲) 行政改革・危機管理監。 9 ◯行政改革・危機管理監(小笠原靖介) 避難所の立ち上げなど実効性ある地域防災活動についての御質問にお答えします。  大規模災害時には、地域でともに助け合う共助の精神に基づき、町内会や自主防災組織を単位として地域住民が迅速かつ確実に避難し、避難所の運営等に主体的にかかわることが不可欠であり、平時から防災に対する主体的な姿勢を持って実際の活動を念頭に置いた備えを行うことが極めて重要です。  具体的には、例えば、地域全体を巻き込んで避難所、避難経路の確認等を行うだけでなく、避難所運営を想定して避難者の受け付けや名簿の作成、避難スペースの割り振り、支援物資の配布等の役割分担などを事前に検討、調整し、防災訓練を通じて確認しておくことが災害時の円滑な対応につながると考えています。  このため、県では、引き続き市町村と連携し、自主防災組織の必要性やその活動方法等について幅広く普及啓発に努めることとしています。  特に、今年度は地域防災活動に携わる関係機関の幅広い参集を得て、仮称地域防災連絡協議会を開催し、自主防災組織活性化に向けた連携方策等を検討するとともに、モデル地区を選定して地域勉強会を行い、仮称地域防災心得書を取りまとめ、昨年度作成した防災教材DVDとあわせて活用しながら、自主防災組織の育成強化を通じた実効性ある地域防災活動の推進に努めてまいります。 10 ◯議長(高樋 憲) 企画政策部長。 11 ◯企画政策部長(小山内豊彦) 県の広報の基本的な考え方と各分野におけるPR活動との関係についてお答えいたします。  県では、県民の皆様に、県が行っている施策や事業の御理解と御協力を得ることを主眼に広報広聴活動を実施しております。今年度は、青森県基本計画未来への挑戦の推進を基本とし、四つの戦略キーワード、「暮らしと産業の復興・創生」、二つとして「発進、青森力」、三つとして「雇用の創出・拡大」、四つとして「あおもり型セーフティネット」、これらに基づく取り組みを中心に重点的な広報を実施することとしています。  具体的には、広報紙「県民だよりあおもり」を二カ月に一回発行し毎戸に配布するとともに、テレビ広報として青森放送「活彩あおもり」、青森テレビ「森の雫」、青森朝日放送「メッセージ」を行っているほか、ラジオ広報、インターネット等、さまざまな媒体を活用し、県民に向け、適宜適切な広報に努めています。  また、県の各部局では、例えば、農林水産物の販売促進に関する「青森の正直」や観光誘客促進に関する「行くたび、新しい。青森」などのフレーズを掲げ、それぞれの目的に応じてPRに取り組んでいますが、県の広報においても、これらの取り組みを重点的に取り上げてさまざまな媒体で広報を行っているところであり、今後も積極的な広報活動を実施していきたいと考えております。 12 ◯議長(高樋 憲) 環境生活部長。 13 ◯環境生活部長(林 哲夫) 環境行政についてお答えいたします。  まず、県境不法投棄事案の撤去実績についてでございます。  県境に不法投棄されました廃棄物等の総量につきましては、今般、これまでに撤去を完了した部分の確認調査やボーリング調査等によります最新の知見に基づいて再推計した結果といたしまして、平成二十二年度に見込みました百二十四万五千トンを七万四千トン下回ります百十七万一千トンと見込んでいるところでございます。これらの廃棄物の撤去につきましては、撤去を開始いたしました平成十六年十二月から本年五月までの約八年間で約九十二万七千トンを撤去したところでございまして、この数字は、今般再推計した総量の七九・二%に当たるものでございます。  次に、産業廃棄物不適正事案の件数等についてでございます。  県が所管する十トン以上の不法投棄などの不適正事案は、先ほど御答弁申し上げました県境不法投棄事案を除きますと、平成十九年度末で八十件、二十年度末で七十六件、二十一年度末で六十件、二十二年度末で六十八件となってございます。  これらの残存量を見ますと、平成十九年度末で約七万二千トン、二十年度末で約六万八千トン、二十一年度末で約七万トン、二十二年度末で約七万四千トンとなっており、ほぼ横ばいで推移している状況にございます。  また、これらを原因者別に見ますと、排出事業者によるものが最も多く、全体の五割から六割程度、次いで許可業者によるものが一割から二割程度となってございます。  次に、県の今後の対応についてでございます。  県におきましては、産業廃棄物の不適正事案を確認した際は、現地調査等により原因者を特定しますとともに、廃棄物の状況を把握し、一刻も早い原状回復に向けまして、原因者から改善計画を徴し、改善指導を行っております。指導に従わない場合には原状回復を命ずる措置命令等の行政処分を課し、これに従わない場合には刑事告発を行うといった厳しい対応をとっているところでございます。  また、大規模な事案につきましては、原因者にその原状回復に対する資力がない場合も多く、このような場合は、原因者に対して計画的な撤去を求めつつ、排出事業者等に対しましても撤去指導や協力要請を行い、可能な限り速やかに原状回復が行われるよう努めております。また、地下水への影響が危惧される事案につきましては、周囲の水質調査等により生活環境の保全上の支障が生じていないかどうかを確認しているところでございます。  今後とも、不適正事案につきましては、原因者を調査し、厳しく撤去指導を行うとともに、議員の御指摘もありましたように、大規模な事態に至りますと原状回復が難しくなることから、不法投棄監視員による監視活動や職員の休日、夜間のパトロールなどにより早期発見に努め、早期解決を図ってまいります。 14 ◯議長(高樋 憲) 健康福祉部長。 15 ◯健康福祉部長(江浪武志) 災害発生時の医療提供体制確保のためのドクターヘリの広域的連携についてお答えいたします。  災害時における医療体制につきましては、昨年度、国の災害医療等のあり方に関する検討会が東日本大震災を踏まえた今後の方向性を報告書に取りまとめておりまして、その中では、都道府県は、厚生労働省及び関係省庁と連携して、ドクターヘリも含め、広域医療搬送を想定した体制を整備しておくことが望ましいとされております。  一方、大規模災害発生時のドクターヘリの運用につきましては、DMATとドクターヘリの関係のあり方、被災地内における運航調整のあり方など多くの課題があり、国においてもルールづくりの必要性が認識されていることから、県としては、国の対応を踏まえながら取り組みを検討していきたいと考えております。  ドクターヘリの広域的連携につきましては、これまで、北東北三県において事務レベルでの協議を行ってきましたが、昨年度の北海道・北東北知事サミットにおける合意事項に盛り込まれたこと、秋田、岩手両県でのドクターヘリ運航が開始されたことから、今年度は、災害時の出動体制も含めた当面の申し合わせ事項を定めるための協議を進めているところでございます。今後は、申し合わせ事項に基づく連携開始を第一歩として、各県のドクターヘリの運航実績や連携の実施状況を踏まえたより効果的な連携体制の構築を図っていきたいと考えております。 16 ◯議長(高樋 憲) 農林水産部長。 17 ◯農林水産部長(渋谷義仁) 県アンテナショップ「あおもり北彩館」に関する御質問二点についてお答えいたします。  最初に、あおもり北彩館の設置目的と運営実績についてであります。  東京飯田橋の県アンテナショップ「あおもり北彩館」は、国内最大のマーケットである首都圏において、消費者やバイヤー、メディアに対する県産品や観光情報の発信を初め、消費者ニーズの把握と県内産地へのフィードバック、さらには県内事業者の販売活動の支援などを通じて、本県食産業の振興を図るための拠点施設として平成十四年四月に設置したところでございます。  あおもり北彩館では、東北新幹線全線開業に合わせ、平成二十二年十一月には、八戸せんべい汁や黒石つゆ焼きそばなどの御当地グルメの提供やPRのほか、県内事業者によるテスト販売等に活用できるイートインコーナーを整備するなど、アンテナショップの機能の強化に努めてきたところであります。  店舗の運営は、開設以来順調に推移しており、平成二十三年度の店舗の売上額は約二億五千五百万円と、開設した平成十四年度の約二倍となり、全国的な被災地復興応援の動きにも支えられ、百貨店等の店外での催事や高級レストランへの売り込みなど、店舗以外での県産品の情報発信や販売活動にも努め、県産品の認知度向上と県内事業者の支援に取り組んでおります。  次に、あおもり北彩館における情報の受発信についてであります。  あおもり北彩館においては、県産品や観光情報の受発信機能を一層高めるため、東北新幹線全線開業によってより身近になった青森の魅力を体感できる情報発信力の高い売り場づくりとともに、イートインコーナーを活用した御当地グルメや郷土料理の提供による食と地域の情報発信に努め、県産品の認知度向上と誘客促進を図ってまいります。  また、県内事業者による対面販売やテスト販売等のマーケティング活動を支援する場として店頭スペースやイートインコーナーの積極的な活用を促すほか、来店者に対するアンケートやヒアリング調査の実施等により、消費者ニーズ等の把握と情報の産地へのフィードバックに努めてまいります。  なお、あおもり北彩館は、ことし四月で設置から十周年を迎えたことから、あおもり北彩館の認知度や満足度調査を初め、これまでの成果や改善点、他県のアンテナショップの運営状況等を検証した上で、アンテナショップにおける情報受発信等のあり方について検討していくこととしております。 18 ◯議長(高樋 憲) 農商工連携推進監。 19 ◯農商工連携推進監(樋口浩文) 農商工連携に関する御質問二点にお答えいたします。  初めに、農商工連携のこれまでの具体的な成果と課題についてです。  県では、農商工連携により県産農林水産物の特性を生かした付加価値の高い商品づくりや販売活動を展開し、本県食産業の振興を図るため、農林水産部と商工労働部が連携し、関係機関とも協力しながら、新商品の開発やビジネスマッチングなどを支援しているところです。  この結果、これまでに、生産者と食品製造業者による業務用冷凍食品や、食肉業者と水産加工業者による畜産加工品の商品化など、異なる事業者間の連携による新商品や新事業が県内各地で生まれてきています。  このような取り組みの中で、農商工連携を成功させるためには、商品開発だけではなく、出口対策としての販売をしっかりと見据えながら消費者ニーズに合った売れる商品を企画することや、コスト意識を強く持ち、収益性が高い商品やサービスづくりに努めること、事業者同士が対等な立場で連携し、信頼関係を構築することなどが課題として挙げられております。  次に、課題を踏まえて、今後どのように支援していくのかについてです。  県では、農商工連携による食産業の振興を図るため、これまで地方独立行政法人青森県産業技術センターや公益財団法人21あおもり産業総合支援センターなどの関係機関と連携しながら、あおもり食品産業振興チームと各地域県民局に設置した農商工連携食産業づくり相談窓口や、各地域県民局ごとに毎月開催しているアグリビジネスチャレンジ相談会を通じて、農林漁業者や食品製造業者、流通・販売業者からの相談内容に応じたきめ細かな支援を積極的に行っているところです。  今後は、これまでの取り組みの中で明らかになった課題を踏まえて、相談活動を継続するとともに、総額二十八億円を基金造成したあおもり農商工連携ファンドの活用や、事業者の連携による商品づくりを後押しする食産業連携共同プロジェクト等の実施に当たっては、商品開発やマーケティング、加工技術等の専門家の指導をこれまで以上に活用するなど、連携の企画段階から出口となる販売を見据えた支援を強化していきます。  また、これらの支援によって生まれた商品については、これまで築き上げてきた販売ネットワークをフルに活用しながら積極的に売り込んでまいります。 20 ◯議長(高樋 憲) 県土整備部長。 21 ◯県土整備部長(成田昌規) 御質問五点についてお答えします。  まず、防災公共のこれまでの取り組み内容についてでございます。  近年、我が国では大規模な地震が頻発しています。平成二十年に発生した岩手・宮城内陸地震では、道路災害や治山災害、地すべり災害など各種危険箇所が同時に被災したことにより多くの孤立集落が発生しました。このことを教訓に、平成二十一年度から大規模地震発生時の避難経路の状況や孤立集落の発生状況などの検証を行い、平成二十二年度に調査結果を県の各施設管理者や市町村といった防災関係者へ情報提供したところです。  さらに、全国各地で集中豪雨による災害も頻発していることから、平成二十三年度には、地震、大雨などの自然災害全般に対応できる防災対策の実施が必要との認識のもと、新たに防災公共に取り組むこととし、大雨災害発生時の課題把握も行いました。また、人命最優先の観点から、これまでの取り組みを深化させ、避難場所についての課題の抽出も行ったところです。  次に、孤立集落の設定方法についてでございます。  東日本大震災においても明らかになったように、各地域の役場、支所は、被災地への応援・救援人員の派遣や救援物資の発送基地など地域における重要な防災拠点です。  そのため、防災公共におきましては、災害時の集落と役場間の道路交通を重視し、その間のすべての接続する道路について危険箇所が隣接している場合に、その集落を孤立するおそれのある集落と定義いたしました。孤立するおそれのある集落を設定するため、橋梁の耐震化の状況、がけ崩れのおそれのある傾斜地、土石流のおそれのある渓流など、農林水産部、県土整備部それぞれで所管する危険箇所のデータを集積し、孤立するおそれのある集落を抽出したところです。  今後は、関係部局で構成する庁内ワーキンググループと、地域県民局単位に県、市町村で構成するワーキンググループを設置し、県のみならず、市町村と一体となって、これまでの調査結果をもとに、真に対策が必要な集落を抽出し、孤立集落をつくらないという視点に立った防災対策を検討してまいります。  次に、橋梁の耐震対策の取り組み状況と今後の見通しについてでございます。  橋梁の耐震対策は緊急かつ必要性の高い事業であることから、これまでも緊急輸送道路上にある要対策橋梁について優先的に対策工事を実施してきたところです。その結果、県管理の緊急輸送道路上の十五メートル以上の橋梁四百九十六橋のうち、平成八年仕様の耐震化が未対応の橋梁は百十八橋となっております。県では、予防保全型の維持管理を計画的に行うため、平成十七年度、全国に先駆けて橋梁アセットマネジメントシステムを構築し、その後、五カ年のアクションプラン、十カ年の橋梁長寿命化修繕計画を策定し、補修、更新を実施してきたところであります。さらに、今年度は、これまでの点検結果を踏まえ、橋梁長寿命化修繕計画を見直ししたところであり、耐震対策が未対応の橋梁につきましては、この計画の中で優先的に実施することとしております。  次に、高齢化社会等に対応した県営住宅のバリアフリーへの対応状況についてでございます。  県営住宅などの公営住宅につきましては、これまで国の整備基準に基づいて整備が行われております。この整備基準には、エレベーターや階段の手すりの設置、床の段差解消などバリアフリーについての基準も定められているところですが、例えば、エレベーターにつきましては、従来は六階建て以上の住宅に設置が義務づけられていたものが、平成十四年度以降は三階建て以上に、また、階段の手すりの設置につきましては平成三年度に義務化されるなど、徐々に基準が充実しているところでございます。  このため、県営住宅におきましては、建設年度によりバリアフリーについての整備状況が異なっておりますが、平成二年度以前に整備された県営住宅につきましても共用階段の手すりを設置するなどの改修を行っているところです。  今後とも、建てかえ事業などを通じて県営住宅のバリアフリー化に努めてまいります。  最後に、県営住宅内での高齢者、障害者等の住みかえについてでございます。  県営住宅内での住みかえにつきましては、二階以上の県営住宅の入居者またはその同居者が日常生活を営む上で身体の機能上の制限を受けており、県営住宅の平屋または一階部分に入居することが適当と認められる場合等におきましては、入居者の公募時に申し込みをしていただき、当せんすれば住みかえができることとしております。  高齢者、障害者等が安心して暮らせるよう居住の安定確保に配慮した社会づくりの要請が高まってきている状況を踏まえ、入居機会の公平性の確保の観点も踏まえながら、年度内を目途に、必要な要件を整理した上で、公募によらず住みかえできるよう検討を進めてまいります。 22 ◯議長(高樋 憲) 教育長。 23 ◯教育長(橋本 都) 御質問四点にお答えいたします。  初めに、公立学校の耐震化の現状と今後の見込みについてです。  学校施設は、児童生徒等の学習や生活の場であり、災害発生時には地域住民の応急避難場所としての役割を果たすことから、その安全性の確保が極めて重要であります。  文部科学省の耐震改修状況調査によりますと、平成二十三年四月一日現在、県内公立小・中学校の耐震化率は八二・二%、県立学校は九一・四%となっており、いずれも全国平均を上回っております。  なお、平成二十四年四月一日現在については、八月公表の予定ですが、県内公立小・中学校は八九・五%、県立学校は九七・一%となる見込みであります。  今後の見込みとしては、本年度、二十七校の小・中学校及び十校の県立学校について耐震化工事が予定されており、県教育委員会としましては、引き続き、県立学校の耐震化に計画的に取り組んでいくとともに、市町村教育委員会に対しても指導、助言してまいります。  次に、非構造部材の耐震対策について、今後の取り組みです。  東日本大震災において、多くの学校で天井材の落下などの被害が発生し、人的被害が生じた事例もあったことから、改めて非構造部材の耐震対策など学校施設の安全確保が求められております。  このため、県教育委員会では、文部科学省が作成した学校施設の非構造部材の耐震化ガイドブックや耐震対策事例集を参考に、各学校において天井材の落下や書棚等の転倒防止対策に向けた点検、対策を講じるよう、各市町村教育委員会及び各県立学校に対し周知を図ったところです。  今後は、各市町村教育委員会に対し、文部科学省の補助制度を活用して、計画的に耐震対策に取り組むよう、引き続き、指導、助言していくとともに、県立学校については、校舎や体育館等の耐震化を優先的に進めながら、非構造部材の耐震対策についても順次検討してまいります。  次に、児童生徒の防災に係る実践的な対応能力の育成のための取り組みです。  県教育委員会では、東日本大震災を受け、昨年度、子ども防災力アップ事業として、各学校における防災力アップ宣言や、青森県子ども防災推進大会の実施など、防災教育の充実に努めてきたところです。  今年度は、児童生徒の防災意識のさらなる向上を図るとともに、自分自身の万一の災害に備える態度や実践的な対応能力を養うことを目的に、子ども防災チャレンジ事業を実施します。  本事業の一つとして、種差及び梵珠少年自然の家において、日本赤十字社青森県支部、青森県防災士会などの関係団体の協力を得ながら、小、中、高校生を対象に子ども防災チャレンジキャンプを開催することとしております。  このキャンプでは、防災に係る講義、演習のほか、避難所体験や簡易コンロづくり等、災害時の危機的な場面における対処方法を実践するなど、主体的に行動する能力や態度等の育成に努めることとしております。  最後に、今後の波及についてであります。  県教育委員会では、各学校において防災教育の実践的な取り組みが行われるよう、子ども防災チャレンジキャンプでの活動内容や実践方法、参加した児童生徒への事前、事後のアンケート結果、協力を得られる関係機関等について、ホームページなどを活用し、学校や地域に対し広く情報提供することとしております。  このキャンプに参加した児童生徒は、キャンプでの活動内容や三日間の体験で感じたことなどをそれぞれの学校で報告することとしております。  また、九月に行う学校安全教室指導者研修会においても、チャレンジキャンプでの実践的な活動や成果の発表などを教職員に対し周知してまいります。  県教育委員会では、児童生徒が災害時における危険を認識し、みずからの安全を守る行動ができるよう、今後とも防災教育の充実に努めてまいります。  以上です。 24 ◯議長(高樋 憲) 警察本部長。 25 ◯警察本部長(山本有一) 御質問五点についてお答えいたします。  まず最初に、交番、駐在所関係二点についてお答えします。  交番と駐在所の勤務形態についてでございます。  県内には交番が四十九カ所、駐在所が百十五カ所設置され、これら施設に約五百人の地域警察官が配置されております。交番の勤務形態は、日勤制勤務の交番所長のほか、三交代制勤務の地域警察官を各当務複数充てて運用しており、交番を拠点として活動しております。  一方、駐在所の勤務形態は、おおむね一、二名の日勤制勤務の地域警察官が駐在所施設に居住し、駐在所を拠点として活動しております。なお、駐在所施設に居住している地域警察官につきましては、夜間等勤務時間以外であっても急訴事案に対応しているところでございます。  続きまして、交番と駐在所の果たすべき役割についてお答えいたします。  交番または駐在所は、地域における昼夜の人口、世帯数、面積、行政区画及び事件または事故の発生の状況等の治安情勢に応じて設置しておりまして、基本的には、交番は事件、事故等の多い人口の集中する都市部の地域に、駐在所は都市部以外の地域に設置しておりまして、勤務体制や形態は異なっております。
     しかしながら、交番及び駐在所に勤務する地域警察官は、地域の実態を掌握し、その実態に即して、かつ住民の意見及び要望に応えた活動を行うとともに、市民の日常生活の場において常に警戒体制を保持し、すべての警察事象に即応する活動を行い、市民の日常生活の安全と平穏を確保することを任務として活動するという点では同じでありまして、交番と駐在所とで果たすべき役割に差異はございません。  続きまして、交通事故防止対策関係三点についてお答えいたします。  まず、県内において、昨年一年間で歩行者が道路横断中に被害に遭った交通事故の発生状況と特徴点についてお答えいたします。  まず、交通事故の発生件数は三百六十七件、これは対前年比マイナス九十四件となっております。この三百六十七件は、全人身事故五千四百六十七件の六・七%を占めております。また、死傷者数は、死者数が十人で対前年比マイナス十五人、負傷者数が三百五十九人で対前年比マイナス八十二人となっております。  主な特徴点といたしましては、死者十人中七人が夜間に事故に遭っていること、死者十人中、高齢者が六人を占めていること、全死傷者三百六十九人中、子供が八十九人、高齢者が百二十六人で、子供と高齢者を合わせると全体の五八・三%を占めていることなどが挙げられます。  続きまして、道路横断中の交通事故を防止するための対策についてお答えいたします。  県警察では、ドライバー対策として、前方、左右の安全確認の徹底を図る交通安全教育、横断歩行者妨害等違反を初めとした交差点関連違反の交通指導取り締まり活動の強化を実施しております。また、歩行者対策としては、道路を横断する際は、とまる、見る、待つ、つまり、横断する前に必ず一度立ちどまること、左右の安全をよく確認すること、近づいている自動車があるときは、その自動車が通り過ぎるまで待つことの大切さを呼びかける交通安全教育、夜間の交通事故防止を図るための反射材着用の促進活動などを行っております。そのほか、交通事故の発生状況や交通量等を勘案し、信号機や横断歩道等交通安全施設の設置を行っているところであります。  最後に、歩行者用信号機及び横断歩道の設置基準についてお答えいたします。  歩行者用信号機の設置に当たっては、交通事故の発生状況、車両及び横断歩行者の交通量、交差点形状、道路幅員等の道路構造、通学路等の沿道の交通環境のほか、地域住民、小・中学校関係者、関係行政機関、道路利用者の意見、要望を総合的に勘案し、設置の要否を判断しております。また、横断歩道の設置については、信号機が設置されていない交差点につきましては、原則、車道幅員がおおむね三・五メートル以上で車両及び横断歩行者の交通量が多く歩行者の安全を確保する必要がある場所、沿道に多数の人が利用する商店、公共施設等がある場所、駅、学校等に通じる場所、バス停留所付近等特に必要な場所に設置することとしており、交差点ではない単路につきましては、車道幅員が五・五メートル以上で横断歩行者が多く歩行者の安全を確保する必要がある場所としております。  以上でございます。 26 ◯議長(高樋 憲) 畠山議員。 27 ◯十九番(畠山敬一) 詳細にわたる答弁、ありがとうございました。若干の意見、要望、再質問をさせていただきます。  学校の耐震化につきましては、御答弁にありましたとおり、公立学校については、構造体についてはほぼ見えてきたなということで、次は非構造部材ということになります。計画的に取り組みを進めていただきたいと思います。私立学校については、まだまだ進捗が本当に遅いなという数字でございました。財政的な支援を県としても国へ働きかけていただきたいと、このように思います。  災害時の医療体制確保については、ドクターヘリの三県四機体制の緊密的連携体制の構築と、私も前から申し上げておりますけれども、この三県圏域内で自由自在に活動できるようになることを期待しておりますし、行く行くは道南との連携も研究すべきであると申し上げておきたいと思います。  地域防災活動についてですけれども、発災直後の避難所の開設運営、先ほども言いましたけれども、初動の時点では役場の職員は駆けつけられないわけですから、その駆けつけられない人たちが中心になって訓練をしても何の役にも立たないということは、やはり地域住民の方にそこは担っていただかなければならないということが現実的であろうと思います。  それから、あわせて、壇上で児童生徒の防災対応能力の育成の話をしましたけれども、答弁では、各校の代表参加による研修施設での実施ということでした。私としては、代表参加ではなくて、東京都でやっているように、実地にそれぞれの学校で行うことがより身につくと思います。  そこで、提案でありますけれども、先ほどの地域住民による避難所開設運営訓練と児童生徒の被災体験宿泊訓練を連携して行う。そこには、一般の住民を初め消防、警察などの関係機関にも協力してもらう、そういう実践的な訓練をすべきではないかなと。また、避難所として市町村がたくさん指定しているわけですけれども、指定しているわけですから、避難所ごとにこういった学校と地域住民、もちろん自主防災組織があればベストなわけですけれども、なければ町内会といったところと連携して避難訓練を実施すべきである、このように提案しますので、後で危機管理監から感想をいただきたいと思います。  それから、防災公共について本県は先進的に取り組みを進めております。今回質問するに当たり、いろいろ聞き取りをする中で、先進性が生まれた経緯を聞きました。聞くところによりますと、県土整備部の若手職員の提案がその淵源であったということで、大変評価したいと。役所ですから前例主義はぽんぽんしそうでありますけれども、そういった中にも新たな観点、縦割りを超えた組み合わせ、そういった既存事業の別観点からの見直しといった、職員の皆さんにはそういう新しい発想を期待したい、これは非常によい例であったと思います。  白山台の隣地産廃につきましては、(株)三協リサイクル処理センターの産業廃棄物の野積みですけれども、生活環境に影響がないように県による監視を徹底していただきたいと思います。  県営住宅間の転居については、年度内にやるという明確な答弁でした。ありがとうございます。できるだけ早くやっていただいて、周知を徹底していただきたいと思います。私への相談者は、今月退院するので、もうその県営住宅の対応は間に合わないということで、御自分で民間の住宅を探して移られるということでした。次なる人がたくさん必ずいると思いますので、ぜひ対応を早目にお願いしたいと。なお、県営住宅から市営住宅と――近くに市営住宅があるんだと、こういった相談もあります。ですから、公営住宅間の転居の相談、これも対応していただきたいと思いますけれども、県土整備部長から後で答弁いただきたいと思います。  農商工連携の六次化のことでございます。  六次化は向きが大事です。ベクトルが、方向が。今ある農林水産物を何とか売れるように加工して商品化する。これはだめなわけです。これは一次、二次、三次と進んでいるわけです。今あるものをどうにか加工して売る。一、二、三と進んでいます。つくり手の都合が優先される。消費者の考えを聞いていない。これがうまくいかない。  それから、二、一、三と行ってもだめです。大事なことは、消費者起点、使う人が何を求めているか。いわゆるマーケティングが大事だと。そういう意味では、三、二、一と考えなくちゃいけない。あるいは三、一、二。消費者が何を求めているか、それを探って、じゃ、何をつくるかという、三から始まることが肝要だと。農商工連携推進監から御答弁いただきましたけれども、やっぱり一、二、三という感じが出ていました。ぜひとも三、二、一、お願いします。  アンテナショップについても同様のことが言えます。売り上げを伸ばすことが目的ではなくて、東京まで行ってわざわざあの小さな店舗で売り上げを伸ばすことが目的じゃないんだと。都会の人が何を求めているか。大阪府にしても福岡県にしても、今度、名古屋市、広島県、岡山県でしたか。何を求めているかということを探ってくることが大事なわけです。そういう意味でも、三、二、一なんだということをぜひ考えていただきたい。  ですから、評価ポイントは、そういう消費者が求めている情報を幾つ集めて、幾つ青森県に戻して、それが形になって売れるものになったか。ここが評価ポイントなわけです。現場で売り上げを上げてもしようがないと思います。期待はしています。次の機会には、この点、成果を伺いたいと思います。  交番と駐在所ですけれども、私の住んでいる地域の白山台小学校は九百人近い生徒がおりまして、県下一の人数を抱えているということで、地元の町内会の方々もパトロール等、非常に一生懸命やっていただいております。交番等警察施設の設置について、我々町内会も、あるいは八戸市議会も協力して要望活動を行っておりますので、再配置または新設といった対応を期待しております。  交通事故防止でございますけれども、バス停留所の付近に信号機や横断歩道が設置されていない箇所というのは割と多くて、例えば八戸市の八戸西病院前にある中坪というバス停付近もそうであります。八戸西病院に通っている高齢者の方、四車線の道路を渡れない。信号もないし、横断歩道もないということで、交通量も多いわけです。そういった相談もございますので、その辺もぜひ御検討をお願いしたい。中坪バス停でございます。  最後に、青森県のシンボルマークと広報戦略について。  部長からは、県の広報が県の施策を県民へ周知し、理解を求めることに重点を置いていることというお話がございました。大変よく理解ができましたけれども、私が今回取り上げた観点は、外貨の獲得のために、外部への青森県の魅力を丸ごとアピールする広報戦略が必要だということでございます。農産物、観光等、それぞれがそれぞれの部署で部ごと、課ごと、担当ごと独自にPRしていくのではなくて、例えば本県の頭脳である企画政策部において、本県を売り込むための対外的広報戦略の専門部署を設けて、金もかけて、国外、県外に青森県の統一的なイメージ、ロゴマーク、キャッチコピー、サウンドロゴ、キャラクターなどでアピールしていく必要があります。例えば、「宇宙戦艦ヤマト」の波動砲のように。機関砲をぱらぱらあちこちで撃っていても全然痛くない。波動砲が必要だということであります。県産品を売り込むためには、先ほど述べているマーケティングとともに、青森県自体のイメージアップが重要です。この分野における三村知事の明るく元気なキャラクター、行動力は大きく貢献している。三村知事の存在それ自体が青森県のイメージをよい方向へ変えてきた。これをさらにパワーアップさせるためには、長年使ってお疲れが見える活彩あおもりにかえて、新たにリンゴ県青森の旗を掲げることを提案します。リンゴは、青森県のすべての魅力、農林水産物を初め自然、歴史、文化、観光、食などのすばらしさをあらわす象徴としてふさわしいと思います。  大きな声では言えませんけれども、長野県方面では、このリンゴ県のキャッチコピーが出始めているという情報があります。ですから、明るく元気な三村知事にリンゴ県青森の旗、こうなると鬼に金棒、何といってもやっていただきたい。最後に三村知事にお考えを聞いて、終わります。 28 ◯議長(高樋 憲) 知事。 29 ◯知事(三村申吾) 畠山議員の再質問でございますが、波動砲として頑張りたいと思っていますけれども、実はリンゴ空港とか、我々もかつていろいろ考えたことはあるんですけれども、なかなかやっぱり全体としてのイメージの戦略というものは慎重にいかないといけないという部分がございまして、きょういただきましたお話等、御提言等を私どもとしても検討させていただきたいと思っております。  また、一言加えますが、私ども青森には、余り表に出していないんですけれども、まるごとあおもり情報発信チームといって、広告料換算で五十億、六十億というようなキャンペーンを、主に県外ということになりますけれども、相当徹底して進めている部署等もございまして、そういった意味での多角的な――波動砲も拡散波動砲とかあったと思いますが、そういう形でいろいろと戦略的には進めていることを申し上げたいと思います。  以上です。 30 ◯議長(高樋 憲) 行政改革・危機管理監。 31 ◯行政改革・危機管理監(小笠原靖介) 地域全体を巻き込んだ実践的な避難所の運営訓練が必要ではないかということについての再質問にお答えいたします。  災害時には、地域住民が避難所開設等の初動対応を円滑に行う、そういったことのために実践的な防災訓練をすることは極めて重要であると考えております。その中で、町内会や自主防災組織、そして、住民に最も身近な地方公共団体である市町村において、地域の実情を踏まえて平時から主体的な訓練を行っていくことが非常に必要だと考えます。  その際、学校が避難所となるということも当然あるわけですけれども、その場合には、学校関係者はもちろんですが、災害時に実際の現場となる教室や体育館等のさまざまな活動も念頭に置いて、ほかの方たちも役割分担と、こういったものをして訓練を行うということが非常に重要だと考えます。  したがいまして、県としては、今後、自主防災組織を育成していくということに取り組んでいるわけですけれども、その中で、地域や学校と連携することが必要であるとか、実践的な取り組みをしていくということについて普及啓発をしてまいります。  それから、市町村に対しましても、課長会議等の場を通しまして実践的な防災訓練が非常に重要であるということを働きかけてまいりたいと考えています。  以上でございます。 32 ◯議長(高樋 憲) 県土整備部長。 33 ◯県土整備部長(成田昌規) 県営住宅間だけではなく、公営住宅間での住みかえも検討すべきという御質問でございます。  県としましては、まず、県営住宅間の住みかえについて検討することとし、公営住宅間の住みかえにつきましては、事業者ごとの入居要件が異なる等の課題もありますので、市町村の意向や、また、県の状況を踏まえながら検討してまいります。 34 ◯議長(高樋 憲) 午さんのため、暫時休憩いたします。 午前十一時五十八分休憩    ────────────────────── 午後一時三分再開 35 ◯副議長(相川正光) 休憩前に引き続いて会議を開きます。  一般質問を続行いたします。  四十七番諏訪益一議員の登壇を許可いたします。――諏訪議員。 36 ◯四十七番(諏訪益一) 日本共産党の諏訪益一です。  第一の質問は、社会保障と税の一体改革について。  民主、自民、公明三党は、十五日深夜、社会保障と税の一体改革関連法案をめぐる修正協議で、消費税率一〇%への引き上げと社会保障大改悪路線を進める考え方を盛り込んだ社会保障制度改革推進法案に合意しました。会期延長を決め、あすにも増税法案の衆院採決に持ち込もうとしています。合意文書が交わされたのは東京都内の高級ホテルの一室です。  一方、国会の特別委員会は、中央公聴会で、全国商工会連合会会長や全国商店街振興組合連合会理事長が、中小企業に消費税が重くのしかかり、営業が立ち行かなくなると切々に訴えていました。消費税大増税というすべての国民の暮らしにかかわる大問題を三党の密室談合で決め、国会に押しつけるのは、国会を形骸化し、議会制民主主義をじゅうりんするもので、許されることではありません。  加えて、重大なことは、自民党の対案をもとに合意された社会保障制度改革推進法なるものは、社会保障の基本理念、医療、年金、介護、生活保護など各分野での改革の方向を規定した全くの新法であり、その内容は憲法第二十五条を真っ向から否定するものとなっています。その新法を国会会期末にいきなり提出し、国会での審議を全くせずに採決しようなどということは、前代未聞の暴挙と言わなければなりません。  さて、この間の国会審議で増税法案の問題点が浮き彫りになっています。まず、現在は三人で一人の高齢者を支える騎馬戦型、二〇五〇年には一人で一人を支える肩車型になると説明している問題です。現役世代は、高齢者だけでなく子供も支えているし、高齢者の中には就労している人がふえています。大事なのは、労働力人口に対する全人口の割合を見ることであり、過去、現在、未来にわたって基本的に変わりません。いたずらに世代間の対立をあおり、増税を説くのは間違いです。  政府広報は、みんなで支えますと言いながら、企業負担も肝心の法人税も出てきません。大企業は消費税を一円も負担せず、法人税減税の恩恵を受けています。輸出企業は消費税の還付金まであります。担税力のある大企業の負担を抜きにした社会保障財源論はおかしいのです。  さらに、消費税を増税しても社会保障はよくならず、景気も財政も共倒れになる問題です。消費税増税額は十三・五兆円、うち社会保障の充実分に一%の二・七兆円、あとの四%、十・八兆円は社会保障の安定化に充てるとしています。安定化とは、既存の社会保障の財源に充てるということで、何のことはなく、既存の財源を浮かし、別の用途に回すのです。増税が別の用途に回るのと同じです。充実の二・七兆円はどうなるか。保育への公的責任を投げ捨てる子ども・子育て新システムという改悪や年金の減額、子ども手当の減額、七十から七十四歳の医療費窓口負担を一割から二割への引き上げ、介護保険の利用料引き上げなど、実行されたら二・七兆円は吹き飛ぶほどです。社会保障には実質一円も回らないということになります。  その上、増税と社会保障の改悪による二十兆円の負担増が景気を壊し、税収は落ち込み、財政危機を深刻にします。消費税創設以来二十四年間、消費税の税収は二百五十一兆円に達しましたが、法人三税の減収は二百三十三兆円、所得税、住民税も二百二兆円減っています。国民が負担した消費税は税収減の穴埋めに消える形になりました。大企業は、下請企業に消費税分だけ単価引き下げを強要し、中小業者は消費税を転嫁できず身銭を切る。いずれにせよ、消費税の増税は、所得、消費、税収の減少を招き、成長がとまった国日本の先行きを一層深刻にするだけです。  日本共産党は、既に提言を発表し、消費税に頼らずに社会保障の充実と財政危機打開の道があると主張しています。無駄遣いを一掃し、富裕層、大企業に応分の負担を求める税制改革と、国民所得をふやし、日本経済を内需主導の健全な軌道に乗せるとしています。聖域のない浪費の一掃、繰り返されてきた富裕層や大企業への減税中止、所得税の累進課税を強化するなど、応能負担の原則で合わせて二十兆円。還流もしないまま積み上がるだけの大企業の内部留保二百六十兆円は国民が生んだ富であり、その一部を国民の所得増と、中小企業の仕事をふやし、内需主導の経済成長による増収二十兆円。計四十兆円程度の財源を提言しています。  消費税増税は、県経済や県民生活に重大な影響を及ぼします。社会保障と税の一体改革関連法案とそれに対する対案として示した日本共産党の提言について、県の見解をお伺いいたします。  第二は、生活保護行政への取り組みについて。  厚労省は、生活保護制度を取り巻く現状について、平成二十三年十一月の生活保護受給者数は約二百八万人で、現行制度下で最大となり、これは厳しい社会経済情勢の変化や高齢化の急速な進展を反映したものであると考えられると述べています。県内でも、昭和六十年度一万六千百九十五世帯から、平成二十三年度二万二千四百三十四世帯と増加しています。その要因をどうとらえ、どう対策をとるのか。また、厚労省は、基本的な考え方は、支援が必要な方に対しては適切に保護を実施していくというものであるとも述べています。生活保護制度が法に基づき適正に行われるためにどのように取り組んでいるのか。  さらに、県内の福祉事務所におけるケースワーカーが増加傾向にある生保手続に対応できているのか。有資格者の数、一人当たりの担当ケース数、及び経験年数の状況等、それぞれ伺います。  厚労省は、六月四日、生活保護の改悪を盛り込んだ生活支援戦略の骨格を国家戦略会議に報告しました。扶養義務を果たしてもらうための仕組みの検討を盛り込み、親族からの扶養を生活保護受給の要件にする法改悪をねらっています。それは、一部芸能人の例を大きく取り上げてスケープゴートにし、生活保護費の大幅な削減に突き進むものとなっています。自民党は四月に生活保護政策を公表し、給付水準の一〇%引き下げを打ち出し、それについて野田首相は、基本的に問題意識は同じ。検討したいと述べています。生活に困窮すればだれでも申請でき、基準に合っていれば平等に受けられる生活保護の受給権は保障されなければなりません。扶養義務者による扶養は、生活保護受給のための要件であるのか、改めて確認するとともに、国の生活保護制度の見直し案を盛り込んだ生活支援戦略の骨格について、県の見解をお伺いいたします。  第三に、子供の安全確保対策について。  一つは、学校における武道実施の際の安全確保について。  文科省の外郭団体である日本スポーツ振興センターが毎年発行する「学校の管理下の死亡・障害事例と事故防止の留意点」で、過去二十八年間分を名古屋大学の内田教授が分析したところ、柔道では百十四人が死亡し、二百七十五人が重い障害を負う事故が続き、最近十年間の中学校部活動における死亡率も柔道が飛び抜けて高いことを紹介しています。  文科省は学習指導要領の中で、頭部損傷に至る危険性が最も高い大外刈りなどの投げわざを一、二年の学習内容の例に挙げています。問題となるのは、安全配慮に欠けた指導者の姿勢があります。頭が揺さぶられることで起きる加速損傷の症状に対する認識も対処法も知らないできたとの指摘もあります。いま一つは、指導や練習の名のもとにまかり通ってきた体罰やしごき、いじめです。こうした環境をきちんと是正していくことが重要です。中学、高校の部活での死亡、障害事故件数と対応について、また、四月から始まった中学校武道必修化に伴う柔道安全指導研修会の内容についてお伺いいたします。  二つ目に、交通安全対策です。  交通事故年齢別発生状況によれば、小、中、高合わせて、平成十九年七百九十三件から減少傾向にありますが、平成二十三年は五百九十三件と、なお絶えることはありません。その間、事故で亡くなった子は、小学校三人、中学校一人、高校一人となっています。それぞれの事故例から教訓を導き出さなければなりません。通学路の安全確保対策、子供に対する交通安全対策をどのように進めているのか。また、各小学校のスクールゾーンが形骸化してはいないだろうか。各地で引き起こされている車の暴走事故の悲劇を繰り返してはなりません。持病を持つなど運転に適さない人の対策や、飲酒運転の防止対策についてお伺いいたします。  第四に、教育行政のあり方について。  一つは、教員の心の病への対策です。  青森県における病気休職者及び精神性疾患者の推移を見ると、二〇〇一年度、平成十三年度、病気休職者五十人、うち精神疾患十五人、二〇一〇年度、平成二十二年度は百四人と六十二人で、十年間の増加率は休職者二〇八%、精神疾患は四一三%です。前学習指導要領は、平成十四年度に、高校は十五年度に完全実施となり、また、十九年度は全国学力テストが実施され、二十二年度は現行学習指導要領が試行された年です。十八年度から人材育成教員評価が始まり、それらの節目節目で病気休職者や精神性疾患がふえ続けています。  県教職員組合が二〇〇四年に行った教職員の勤務実態調査によると、学校と持ち帰りを合わせた超過勤務時間は、中学校学級担任で一人当たり一週間で二十六時間、月換算で百四時間となり、これは厚労省が認定している過労死ライン月八十時間の時間外労働をはるかに超えている。週休二日の土日も、月換算で小学校十八時間、中学校二十七時間費やし、業務内容では小学校がテスト成績処理、学級担任業務、中学校が生徒指導、進路指導、部活動が上位を占めています。中学校では、特に受験準備期に多数の教職員が夜半に至る勤務実態となっている。こうした長時間労働の実態は放置できない。県教委は一刻も早い改善策を示すべきであると取りまとめています。  公立学校の職員における心の病の要因と対策について伺います。  二つに、人材育成評価制度の給与への反映について。  この問題でも、県教組が昨年実施したアンケート結果の中間報告があります。賛否それぞれの意見がびっしり書かれ、注目すべきです。公平に正当に評価されるリンクであれば賛成。また、全く論外です。子供と向き合う姿勢は、先生方は一〇〇%であるとの校長の意見まであります。結果は、賛成七・三%、反対は九〇・八%です。評価結果の給与への反映について検討状況を伺います。  三つ目に、学習がおくれがちな生徒の要因と対策について。  日本高等学校教職員組合では、「高校教育の再生の道はどこにあるか」として、一次と二次の提言を発表し、国民的議論を呼びかけています。A県での学力に関するアンケートに寄せられた各校の教務担当者の声として、基礎・基本事項について、演習量の減少に伴い、反復して確認していくことが少なくなり、上辺だけの理解にとどまり、長期的意味での定着度が低くなっている。中学校レベルで学ぶ基本的知識がほとんど定着していないと思われる。日本青少年研究所の調査では、平日に学校以外はほとんど勉強しないが四五%ないしは六二%あり、授業中よく寝たり、ぼうっとしたりするが七三・三%、友達と毎日電話やメールが五二%、それが四時間以上に及ぶが三〇・七%です。諸外国との比較でも、日本は異常に高くなっています。  一方で、進路指導に基づく各高校の差別化と受験システム、学力の競争に駆り立てられるなど、それが授業についていけずおくれがちの生徒を生み出している背景があります。見解を求めます。  四つ、職業観、勤労観を育成するための取り組みについて。  今必要とされている職業・労働教育とは何か。職業につくための教育や社会との接続のあり方を学び、職業に触れたり他者との関係づくりの中で働く喜びを知る。労働基本権や労働組合の意義を学ぶことなど、高校生が自主的に学び、知識や技能を獲得することのできる教育が待たれています。一方で、低賃金、過密労働の企業現場や、就職に失敗し、路頭に迷うという現実があります。それゆえに、社会に出て働くために必要な基本的知識はもちろん、現在の社会で生き抜いていくための術、労働条件を改善する視点などの知識をつけることが要求されてきます。県の取り組みを伺います。  第五に、旧尾太鉱山の廃水対策について。  四月十五日から十九日にかけ、旧尾太鉱山木戸ヶ沢処理施設で、マンガンや亜鉛などの重金属を含んだ未処理の廃水三千八百立米が流出し、近くの木戸ヶ沢、目屋ダム貯水池に流れ込みました。岩木川水系は、弘前市を初め津軽一帯の飲み水や田んぼに供給している重要河川です。五月二十九日、党弘前市議団とともに、初動の連絡体制の問題や徹底した検査と抜本的な対策を知事あてに要請しました。  その原因について、廃水を受けとめるピットのポンプにふぐあいが生じ、約百メートル地点で陥没が起きていたことも判明しました。問題なのは、堆積物の汚染対策としてつくられた堤体のほうが最悪の状態になっているという点です。  まず、水質検査に万全の体制をとるべきです。流出した時点と今後の取り組みについて。  次に、これまで鉱害防止対策にどれくらいの経費を費やしたか。また、本来なら事業を営んだ企業が管理し、経費を負担すべきものではないか。さらに、木戸ヶ沢堆積場における未処理廃水の流出を防ぐための対策について、それぞれお伺いいたします。  第六に、原発の再稼働と核燃料サイクル政策について。  一つは、大飯原発、東通原発の再稼働について。  今、福井県大飯原発の再稼働問題が焦点となっています。野田首相は、八日の会見で、大飯原発を再稼働すべきだというのが私の判断だと表明。十六日の閣僚会議でその決定を行いました。国民生活を守ることが唯一絶対の基準などとしていますが、国民生活を守るどころか、国民の命と安全を危険にさらす最悪の判断だと言わなければなりません。福島原発事故の原因究明はなされておらず、とりあえずの対策として指示した免震事務棟、フィルターつきベント等が設置されるのは三年先です。大飯原発をどのような地震、津波が襲う危険があるのか、何ら解明されていません。国会事故調査委員会の黒川委員長が、調査報告をなぜ待たないでやるのか理解できないと批判しているほどです。首相が繰り返し述べたのは、電力不足や料金値上げになれば、国民の安心が脅かされるというものです。  そもそも、これらの問題と原発再稼働とは天秤にかけてよい問題ではありません。夏場の電力需給については、具体的な根拠は何ら示されていません。原発が再稼働しなかった場合、天然ガスなどの火力の活用、電力融通、節電努力によってどれだけ需要を減らし、供給をふやせるか、これらも具体的には明らかにされていません。首相の口から繰り返し語られたのは、日常生活や経済活動が混乱するというおどしの言葉だけです。具体的な根拠も示さず、恫喝によって再稼働を迫るのは、許すことのできない態度です。大飯原発再稼働への野田政権の対応について、また、東通原発再稼働への前提条件について、改めて見解を問うものです。  二つは、原子力規制組織関連法案について。  まず、原子力利用の推進と規制の分離独立の問題です。  一九九七年のJCO事故後、我が党は、原発の推進機関と規制機関は完全に分離しなければならないとし、国際的にも原子力の安全に関する条約でうたわれていることを指摘してきました。ところが、自公政権は、原発推進の経産省のもとに原子力安全・保安院を新設しました。この致命的誤りが福島原発の事故につながりました。原子力規制庁を置く環境省は、原発推進の一翼を担って原発立地にノーを言ったことは一度もありません。規制組織の職員には経産省、文科省などの職員を充て、これまで、原子力委員会・原子力安全委員会事務局には電力・原子力産業などの在籍出向が常態化し、法案はこれを改めるものとはなっていません。  また、政府案にあった四十年廃炉の原則を速やかに見直しを検討すると骨抜きにし、半永久的稼働を容認することにつながっています。国会の事故調査、検証作業もまだ途上です。なぜ津波対策も過酷事故対策もとらなかったのか。地震大国と言われる日本でそもそも安全対策がとれるのか、その最も肝心な問題に答えが出ないまま規制組織関連法案を通しても、過ちを繰り返すことになります。  福島原発の事故が浮き彫りにしたものは、東電を初め電力業界が安全神話につかり、原子炉メーカー、鉄鋼、ゼネコンなど原子力利益共同体とも言うべき根本的な問題でした。福島を二度と繰り返さない唯一の道は、そこからの脱却です。原子力規制機関の任務は、原発ゼロへの道に沿って廃炉、使用済み燃料の処理までの全体を規制するものとすべきであります。原子力規制に関し、見解を求めます。  三つ目に、核燃料サイクル政策について。  六ヶ所再処理工場のガラス溶融炉で熱上げが完了し、模擬ガラスビーズの抜き取り作業に入っています。一体、これからの試験内容と十月の本格操業との関係はどうなるのでしょうか。そもそも、核燃料サイクル政策の見直し作業中に試験を再開するのは非常識です。しかも、新大綱策定会議は、エネルギー・環境会議での基本計画が出るまでは中断するとしています。
     策定会議のほうは、原子力委員会から提出された三つの選択肢について、使用済み燃料の直接処分と再処理の併存が最も柔軟性に富んでいるとし、その案が大綱に位置づけられる可能性が大きくなっています。その比率をどれくらいにするかはまだ未定ですが、県はどう対応するのか。いずれにせよ、またしても場当たり的で問題先送りの大綱とならざるを得ません。核燃料サイクルの柱と言われる高速増殖炉はどうなるのか。脱原発依存に向かうのにプルサーマルはどうなるのか。高レベル放射性廃棄物の最終処分事業はどうなるのか。何の答えを出さないまま核燃、原発の見切り発車をまたやろうとしています。県の認識を問うものです。  最後に、再生可能エネルギーの普及拡大について。  二度と福島を繰り返してはならず、その最大の保証は、核燃、原発からの撤退を決断する以外ありません。決断すれば再生可能エネルギーの本格的導入への道が切り開かれます。これまでの蓄積からいっても、一〇%の節電と省エネ、一五%の再生可能エネルギーの普及は十分達成可能です。  福島県では、二〇四〇年を目途に県内エネルギー需要量の一〇〇%以上に相当する量のエネルギーを再生可能エネルギーで生み出す県を目指すとしています。本県としても、青森県エネルギー産業振興戦略を見直し、再生可能エネルギー導入の高い目標を設定すべきであります。また、産業振興の観点からも、青森県エネルギー産業振興戦略ロードマップを加速させる必要があります。その際、地元企業や自治体が優先的にかかわっていける条件整備が必要です。東北電力株式会社が受け付けを開始する自治体風力への応募の見通しを含め、それぞれお伺いいたします。  以上、質問といたします。 37 ◯副議長(相川正光) 知事。 38 ◯知事(三村申吾) 諏訪議員にお答えいたします。  まず、私からは、社会保障と税の一体改革の見解についてであります。  社会保障と税の一体改革関連法案につきましては、現在国会において審議中でございますが、先般、法案の修正について三党合意がなされたとの報道がございました。  地方を預かる立場といたしましては、社会保障を初めとする行政サービスを将来にわたって安定的に提供していくためには、地方税財源の充実が不可欠であると考え、国に対しまして、全国知事会等を通じ、地方の意見を主張してきたところであり、今回その道筋が見えてきた点については意義あるものと考えます。  私は、かねてから申し上げておりますとおり、持続可能な社会保障の構築に向けた給付の水準や財源のあり方などの全体像につきましては、我々地方公共団体も含め、広く国民の間でコンセンサスを得ながら国政の場でしっかりと議論されることが重要と考えており、今後引き続き、将来の社会保障制度の構築に向けた幅広い議論が早急に行われるべきと考えているところでございます。  国の生活支援戦略の骨格に対しての見解でございます。  生活支援戦略は、平成二十四年二月に閣議決定された社会保障・税一体改革大綱に盛り込まれた生活困窮者支援体系の確立と生活保護制度の見直しに関する総合的な取り組みをまとめたものでございますが、ことし秋を目途に国において策定することとされ、去る六月四日にその骨格が示されたものでございます。  これによりますと、生活困窮者支援体系の確立のため、経済的困窮者、社会的孤立者の早期把握や民間との協働による就労・生活支援の展開等について検討を進めることとしておるようであります。  また、生活保護制度の見直しにつきましては、当面の対応として、生活保護給付の適正化と就労・自立支援の強化について実施し、あわせて生活保護基準の検証、見直し等についても検討を進めることとされております。  本県におきましても、生活困窮者の方々への対応と生活保護制度につきましては、適切かつ適正に実施していく必要があると考えているところであり、生活支援戦略についての国の検討状況を注視していきたいと考えているところでございます。  今審議されております国の原子力規制体制の見直しについての期待ということであります。  国における原子力規制体制の見直しにつきましては、これまでの原子力安全規制体制の問題点を十分検証し、原子力施設の現場においても強い権限と指導力を持てるようにするとともに、組織の移管に伴う人材確保や配置について適切な方針を示すこと、単に組織を経済産業省から分離するだけでなく、国民の理解と信頼が得られるよう、徹底した情報公開により透明性を確保し、法令や技術的知見等の明確な根拠に基づいて判断する体制を確立すること等につきまして、私が代表を務めております原子力発電関係団体協議会や全国知事会原子力発電対策特別委員会を通じ、国に要請してきたところでございました。  国におきましては、立地地域のこういった要請等を踏まえ、二度と原子力災害が起こらないよう、新たな原子力安全規制体制の確立に全力を挙げて取り組んでいただきたいと考えているところでございます。  私からは以上です。 39 ◯副議長(相川正光) 環境生活部長。 40 ◯環境生活部長(林 哲夫) 旧尾太鉱山木戸ヶ沢廃水処理施設の廃水流出事故にかかわります質問のうち、水質検査についてお答え申し上げます。  県では、重金属等の有害物質を含む廃水が公共用水域に流出する事故が発生した場合、有害物質の種類や濃度などから水環境への影響が懸念されるときは、早急に水質調査を行い、環境基準の適合状況を把握することとしております。  去る四月十五日に発生いたしました旧尾太鉱山木戸ヶ沢廃水処理施設の流出事故につきましては、当日の夕方に商工政策課から通報があり、水質調査の必要性について検討を行いました。その結果、過去の事故において鉛が検出されていたこと、下流に上水道の取水口等があることを踏まえ、水質調査の実施が必要と判断したところでございます。ただ、既に日没後であったため、採水を行うにしても、現場周辺の地形等が確認できないこと、また、当該処理施設からの流出量とダムの貯水量等を考慮しますと、鉛は十分に希釈されることが想定されることから、水質調査の実施は翌日に行うこととしたところでございます。  これにより、四月十六日午前に弘前環境管理事務所が採水し、その日のうちに環境保健センターで分析を行い、翌日の四月十七日には、その結果として、公共用水域では環境基準に適合している旨を公表しております。  次に、ガラス溶融炉の事前確認試験及びガラス固化試験の期間と竣工との関連等についてお答えいたします。  日本原燃株式会社によりますと、事前確認試験及びガラス固化試験の期間については、それなりの期間が必要であるため、本年十月の竣工は非常に厳しくなってきているが、試験の進捗状況を見ながら、しっかりとした今後の工程を詰めていきたいとのことでございます。 41 ◯副議長(相川正光) 健康福祉部長。 42 ◯健康福祉部長(江浪武志) 生活保護行政に関します四点についてお答えいたします。  まず、生活保護受給世帯の増加要因と増加要因を踏まえた取り組みについてでございます。  本県における生活保護受給世帯数は、平成八年度以降増加傾向に転じ、特に平成二十一年度以降は稼働能力のある世帯員のいる世帯の増加が顕著となっております。その主な要因は、厳しい社会経済情勢を反映した雇用環境の悪化によるものと考えております。  この増加要因を踏まえた取り組みですが、福祉事務所におきましては、生活保護受給者の中で稼働能力がありながら就職に結びつけることが困難な方々へ就労支援を行っております。  具体的には、公共職業安定所と連携し、求人情報をもとにケースワーカーや福祉事務所に配置された就労支援員による求人情報の提供及び公共職業安定所への同行訪問などを行っております。  次に、生活保護制度が法に基づき適正に行われるための取り組みについてでございます。  福祉事務所では、生活保護の申請があった場合には、世帯員の生活状況、資産、収入、扶養義務者などについて、本人からの聞き取りのほか、関係機関等への照会などの調査を行い、その結果に基づき、生活保護の受給の可否について決定しています。  また、生活保護が開始となった世帯に対しては、生活保護制度について十分な説明を行い、収入や世帯に変動があった場合は速やかに届け出るよう指導するとともに、定期的な家庭訪問や必要に応じた関係機関への調査などにより生活保護の適正な実施を図っております。  次に、県内の福祉事務所におけるケースワーカーのうち有資格者の数、一人当たりの担当ケース数及び経験年数の状況についてでございます。  生活保護などの現業を行う福祉事務所の所員であるケースワーカーは、社会福祉法の規定により、社会福祉主事の資格を有することとされております。平成二十四年四月一日現在、県内の福祉事務所におけるケースワーカーは二百六十六人となっており、そのうち、社会福祉主事の資格を有する職員は百九十八人となっています。なお、社会福祉主事の資格を有していない職員については、社会福祉主事資格認定講習会を受講させることにより資格取得を図ることとしております。  また、ケースワーカー一人当たりの担当ケース数は、社会福祉法の規定により、郡部を所管する県福祉事務所は六十五ケース、市福祉事務所は八十ケースを標準とすることとされており、平成二十四年四月一日現在の平均担当ケース数は、県福祉事務所が六十七・三ケース、市福祉事務所が九十・四ケースとなっております。  県内の福祉事務所を通じて把握された平成二十四年四月一日現在における県内のケースワーカーの生活保護業務の経験年数の状況については、二百六十六人のうち、三年未満の者が百五十八人で五九・四%、三年以上の者が百八人で四〇・六%となっております。  最後に、扶養義務者による扶養は生活保護受給のための要件であるのかということについてでございます。  生活保護法第四条第一項において、保護は生活に困窮する方の利用し得る資産、能力その他あらゆるものを活用することを要件として行うこととされています。民法に定める扶養義務者の扶養等については、同条第二項で保護に優先して行われるものとされているものの、保護の要件とはされていないものです。  国の見解によりますと、このように両者を明確に区別している理由としては、利用し得る資産、能力等の活用については、生活に困窮する方御本人の努力次第で履行できるのに対し、扶養義務者による扶養は、扶養義務者が扶養の能力及び意思を有していることが必要であり、生活に困窮する方御本人の努力のみで履行できるものではないことによるものとされております。 43 ◯副議長(相川正光) 商工労働部長。 44 ◯商工労働部長(馬場良夫) 旧尾太鉱山の廃水流出事故に係ります三点についてお答え申し上げます。  まず、これまでの鉱害防止対策にかかわる経費についてでございます。  休・廃止鉱山におきます鉱害防止対策は、採掘を行った鉱業権者が企業の解散などで不存在であるか、無資力である場合は、補助率四分の三の国庫補助事業を活用して、地方自治体が直接鉱害防止事業を実施し、鉱業権者等が存在している場合は、坑廃水処理事業費のうち補助対象となる経費に対して、国が四分の三、地方自治体が四分の一をそれぞれ補助し、鉱業権者である企業等が実施する制度となっているところでございます。  本県におきましては、県が直接鉱害防止事業を実施しているのは、西目屋村の旧尾太鉱山が昭和五十六年度から、むつ市の旧大揚鉱山が昭和六十年度からの二カ所ございまして、平成二十三年度までの事業費の累計額は約百二十六億六千万円、内訳といたしましては、国庫補助分が約九十五億円、県負担分が約三十一億六千万円となっております。  また、鉱業権者等が存在し、国及び県が補助金を交付している休・廃止鉱山は、七戸町の旧上北鉱山及び佐井村の旧佐井鉱山が昭和五十七年度から、平川市の旧秋津鉱山が平成五年度からの三カ所ございまして、平成二十三年度までの県分の補助金の累計額は約三億八千万円となっております。  合計いたしますと、県の負担額は約三十五億四千万円となっているところでございます。  次に、本来であれば鉱山に係る事業者、企業が休・廃止鉱山を管理し、経費を負担すべきではないかということに対する見解でございますが、休・廃止鉱山の鉱害防止対策は、採掘を行った鉱業権者である企業が存在し、資力を有している場合には、当該企業が経費を負担して実施する必要がございます。  しかしながら、旧尾太鉱山や旧大揚鉱山のように、当該企業が解散し、鉱業権者が存在しない義務者不存在の休・廃止鉱山、及び、存在していても無資力であるため鉱害防止事業を実施できない場合は、地域住民の健康を保護し、生活環境を保全するため、鉱害を放置することは許されない問題でありますことから、国と協議の上、県が実施主体となり、国庫補助事業を活用して鉱害対策事業を実施しているところでございます。  なお、県は、鉱業権者等が存在する旧上北鉱山、旧佐井鉱山、旧秋津鉱山についても補助金を交付しておりますが、これはあくまでも汚染原因が鉱床地帯の自然に由来する自然汚染等を対象としており、公益上の必要があるということで交付しているものでございまして、鉱業権者でございます企業みずからの採掘活動によって生じた鉱害の処理は、当該企業等が経費を負担して行っているところでございます。  最後に、木戸ヶ沢廃水処理施設における未処理廃水の流出を防ぐための対策についてでございます。  今回の廃水流出事故は、去る四月十五日に、旧尾太鉱山の木戸ヶ沢堆積場の底部に敷設されておりますトンネル内の浸透孔の一つから出た廃水に多量の砂が含まれておりましたことから、廃水を処理施設までくみ上げる揚水ポンプに砂が入り込み、機能停止し、廃水が流出したものでございます。このため、浸透孔を閉塞するとともに、閉塞等による影響が堆積場の堤体に及ばないよう監視を行っているところでございます。  また、廃水の流出停止直後から処理施設全体の総点検を行い、異常がないことを確認いたしますとともに、砂の流出に伴い堤体に生じた陥没箇所につきましても、復旧工事を六月上旬に実施し、原状回復を図ったところでございます。さらに、七月からは、堤体の地下水位を常時把握するため、堤体水位計の観測システム改良工事を予定しております。  県では、今回の事故調査を行った独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構に対しまして、調査段階ではございますが、揚水ポンプ設備の前に砂を沈降、沈殿させるための沈殿槽を設置する対策案について意見照会いたしましたところ、現時点で考えられる有効な対策であると評価されましたことから、速やかな対策の実施に向けて、現在国と協議を進めているところでございます。 45 ◯副議長(相川正光) エネルギー総合対策局長。 46 ◯エネルギー総合対策局長(八戸良城) 御質問六点にお答えいたします。  まず、大飯発電所の再稼働の手続についてであります。  国では、去る四月に原子力発電所の再起動にあたっての安全性に関する判断基準を取りまとめ、大飯発電所の安全性、必要性を確認した上で、政府として再起動を決定したところです。  この判断基準については、政府として、約一年以上の時間をかけ、専門家による公開の議論を通じて積み上げてきた知見や安全対策を整理したものであるとしています。  県としては、原子力発電所の再稼働について、政府が前面に立ち、関係自治体の理解を得ながら、安全確保を大前提に最終的な責任を持って判断していただきたいと考えています。  次に、東通原子力発電所再稼働の前提条件についてであります。  東通原子力発電所については、現在、事業者が行ったストレステストの結果を国が評価、確認している段階ですが、再稼働に当たっては、施設の安全性、安全対策の妥当性をどのように評価、確認したのか、再稼働の必要性をいかなる観点から判断したのか、まずは、国としての考えを地元に対して丁寧に説明し、理解を得る必要があると考えています。  次に、核燃料サイクル政策の選択肢についてであります。  核燃料サイクル政策の選択肢については、原子力委員会からエネルギー・環境会議に報告後、エネルギーミックスの選択肢等とともに複数のシナリオとして整理され、国民的な議論を経て決定されることとなっています。  知事は、原子力委員会新大綱策定会議において、国策に協力してきた立地地域の立場から、さまざまな現状認識等について意見を申し述べてきたところですが、今後、国においては立地地域との協力関係を十分踏まえ、長期的な方針を不透明にすることなく、現実的に実現可能な政策について責任を持って判断していただきたいと考えております。  次に、再生可能エネルギー導入の高い目標を設定すべきではないかについてであります。  県では、本県の高いエネルギーポテンシャルを生かして、持続可能な低炭素社会の形成と産業の振興を図るため、全国に先駆けて青森県エネルギー産業振興戦略を策定し、二〇三〇年における本県のエネルギー消費構造の将来像を掲げ、化石燃料の低減や再生可能エネルギーの導入促進に取り組んできているところです。  一方、再生可能エネルギーの導入目標については、国のエネルギー政策全体の中で検討されており、今後、固定価格買い取り制度などの政策によって導入が促進されるものと考えています。  県としては、再生可能エネルギーを地域の資源ととらえ、引き続きその積極的な導入促進を図り、地域の産業振興や雇用の創出につなげていきたいと考えております。  次に、青森県エネルギー産業振興戦略ロードマップの加速化にどのように取り組んでいくのかについてであります。  平成二十二年度に策定した青森県エネルギー産業振興戦略ロードマップでは、戦略の中間地点となる二〇二〇年における本県のエネルギー消費構造に向けて、再生可能エネルギー関連プロジェクトを重点的に推進していくこととしています。  国では、本年七月から固定価格買い取り制度を開始するなど、再生可能エネルギー導入促進のための政策を強化することとしており、県としては、この機運を生かして、再生可能エネルギー関連産業のさらなる振興につなげていきたいと考えています。  このため、引き続き、県内事業者による発電事業やメンテナンス分野への参入促進、販売・施工分野における事業者育成、農業を初めとする地域産業への導入拡大などに取り組むとともに、今年度は、さらに、産学官金によるネットワークづくりや地域への還元モデルの構築、海洋エネルギー実証フィールドの誘致などに取り組んでまいります。  次に、東北電力株式会社の自治体風力応募の見通しについてであります。  東北電力株式会社が本年七月二日から来年六月二十八日までに公募を行う自治体風力の受け付け量については、二千キロワット以上の出力変動緩和制御型風力が十三万から十八万キロワット程度、一県当たりにしますと一・九万から二・六万キロワット程度、それから、二千キロワット未満の中規模風力が二・五万キロワット程度、一県当たりでは二千キロワットとなっております。  応募については、参入希望のある県内事業者が直接東北電力株式会社に応募することとなっているため、応募が見込まれる件数については把握しておりませんが、これまでに複数の県内企業から問い合わせが来ているところでございます。  県としては、自治体風力に対する問い合わせに対して風力発電事業に係る情報提供や相談に応じるなど、地元企業による風力発電事業への参入を支援してまいります。 47 ◯副議長(相川正光) 教育長。 48 ◯教育長(橋本 都) 御質問七点にお答えいたします。  初めに、柔道部における事故件数と安全確保の取り組みについてです。  本県では、柔道競技の運動部活動における事故のうち、特に重大な事故は、平成元年度から二十三年度までに中学校、高等学校合わせて、死亡事故が二件、重度の障害が残る事故が二件発生しております。  県教育委員会では、運動部活動が安全で適切に行われるよう、毎年四月と六月に児童生徒の安全指導及び安全管理について各学校に通知するとともに、県教育委員会で作成したスポーツ活動の指針、高等学校運動部活動における安全マニュアル等に基づき、生徒の健康状態に留意すること、実態に合った無理のない指導計画を作成すること、事故、障害の防止対策など運動部活動における安全指導の周知徹底を図っております。また、県総合学校教育センターにおいては、保健体育担当教員、部活動指導者等を対象に柔道の研修講座を開催しております。  県教育委員会としましては、今後とも、生徒の運動部活動における安全指導の徹底に努めてまいります。  次に、柔道安全指導研修会の内容についてです。  県教育委員会では、学習指導要領の改訂に伴う武道必修化に向けて、平成二十一年度から三年間、武道指導法講習会を開催してまいりました。本年度は柔道安全指導研修会を県内六地区において、特に安全面に重点を置き開催しているところです。  その内容は、一つとして、頭部が激しく揺さぶられることで生じる加速損傷などの医学的な事項の理解について、二つとして、頭を打たない、打たせないための受け身の具体的な指導法について、三つとして、受け身は低い姿勢から始め、徐々になれさせながら段階的な指導を行うなど、指導計画についてなどとなっております。  今後とも、県教育委員会としましては、柔道における安全指導の充実に努めてまいります。  次に、学校の通学路の安全確保対策への取り組みです。  児童生徒の安全については、全国的に登下校中に子供が巻き込まれる事故が後を絶たないことから、通学路の安全確保が大きな課題となっております。  県教育委員会では、毎年度、各市町村教育委員会及び県立学校に対し、安全な通学路の設定と保護者、地域の関係団体等が連携した通学路の安全対策を講じるよう通知するとともに、教職員を対象とした学校安全教室指導者研修会を開催しております。また、六月一日付で各市町村教育委員会に対し、道路管理者や警察等と連携した通学路の安全点検及び安全対策を講じるようお願いしたところです。  各学校においても、交通安全教室の開催及び通学路の安全点検を実施するとともに、地域安全マップの作成や家庭、地域の関係団体等と連携を図り、登下校時の見守り活動を行うなど、通学路における事故の未然防止に努めております。  今後とも、学校、家庭、地域の関係団体等が連携を図り、児童生徒が安全で安心した学校生活を送ることができるよう、通学路の安全確保対策等の充実に努めてまいります。  次に、教員の心の病の要因とその対策についてです。  教員が精神性疾患を発症する要因については、人それぞれ異なり、さまざまな要因があるものと認識しております。  また、文部科学省では、教員の精神性疾患がふえていることについて、社会の高度情報化、人間関係の変容、家庭や地域の教育力の低下等により職場や仕事に強い不安、悩み、ストレスを抱えていることも背景にあるとしています。  県教育委員会においては、公立学校共済組合とも連携し、教員及び管理職に対してメンタルヘルスの研修を行うとともに、精神科医による個別の面接健康相談等を通して精神性疾患の予防に努めております。  また、精神性疾患による休職者が円滑に職場復帰できるよう、職員の申請に基づく試し出勤を実施するとともに、学校が主治医や職員の家族と連携を図りながら良好な職場環境づくりを行うなど、復職支援にも努めております。
     次に、教職員の人材育成評価制度の評価結果の給与への反映についての検討状況です。  教職員の人材育成評価制度は、教職員の資質能力の向上と学校組織の活性化を目的に平成二十年度から実施しているものです。  県教育委員会では、評価結果を給与に反映させることについては、制度の定着状況や国や県の動向を十分に見極めながら検討する必要があり、現行制度のままで給与に反映させることは考えておりません。  しかしながら、国家公務員は平成二十一年四月から、本県の知事部局や教育委員会事務局では昨年十月から給与反映を前提とした人事評価を実施しているところであり、人事委員会の報告の中でも、職員の能力、業績の給与への適正な反映に向けた取り組みを着実に進めていくことが重要とされております。  これらの動向を踏まえ、県教育委員会においても、教職員の能力、業績の給与への適正な反映について今後検討していく必要があると考えております。  次に、学習のおくれがちな生徒の存在について、その要因と対策です。  平成二十三年度における本県の学習状況調査によりますと、本県公立中学校二年生で国語と数学の授業がわからないことが多い、またはほとんどわからないと答えた生徒の割合は約一二%となっております。  学習のおくれ、あるいは授業がわからないことについては、基礎的、基本的な学習内容の未定着や、人間関係の悩み、本人の特性、取り巻く生活環境など複合的な要因が影響していると考えられます。  これらの状況に対応するため、教育相談などにより生徒理解に努めるとともに、生徒の学習内容の定着状況を把握し、個別指導やチームティーチング、少人数指導などに積極的に取り組んでおります。  また、特別活動などのさまざまな体験を通して、多面的な視点から生徒の活動を見守り、学習意欲の喚起につながる機会を見出し、主体的な学習へ向かうための取り組みを行っています。  県教育委員会としましては、学校訪問や教員研修により指導力の向上を図るとともに、中、高の学習内容を円滑につなぐ教材の作成などを通して校種間の縦の連携を深めるとともに、家庭や地域との横の連携を密にし、生徒に確かな学力を身につけさせ、一人一人が進路志望を実現できるよう、今後とも支援してまいります。  最後に、中学校、高等学校における職業観、勤労観を育成するための取り組みです。  雇用・就業状況が大変厳しい中、中学生、高校生に将来の職業や生き方、働き方について、体験を通じて理解を深めさせることは極めて重要であります。  このため、県教育委員会では、児童生徒一人一人の社会的、職業的自立に必要となる能力や態度を育てることを目的に、小・中・高等学校の十二年間を見通したキャリア教育を推進することとし、平成二十三年度から明日へはばたけあおもりっ子キャリア教育推進事業をスタートさせ、キャリア教育の指針〈総論編〉を作成しております。  また、県内の多くの中学校、高等学校では、外部講師を招いての出前授業や職業講話、ボランティア活動など地域の特色を生かした多様な取り組みが行われております。  さらに、企業等の協力を得ながら、生徒が職場に出向き、そこで働く人たちに直接触れる職場体験やインターンシップでは、働くことの意義や生きることのたっとさについて学んでおります。  県教育委員会としましては、今後とも、家庭や関係部局、関係機関と連携を深め、生徒に望ましい職業観や勤労観を育成するために各校の取り組みを積極的に支援してまいります。  以上です。 49 ◯副議長(相川正光) 警察本部長。 50 ◯警察本部長(山本有一) 子供の交通安全対策四点についてお答えいたします。  まず、子供に対する交通安全対策についてでありますが、県内においては、過去五年間に中学生以下の子供五人が交通事故により亡くなっておりますが、その態様を見ますと、保護者が運転する自動車同乗中が三人、横断歩道のない道路を横断中の歩行者が二人となっております。また、毎年四百人以上の子供が交通事故により負傷しておりますが、そのうち約二〇%は道路横断中の交通事故によるものとなっております。  これら子供の交通事故の特徴を踏まえまして、幼稚園、保育園や小・中学校における交通安全教室において、信号機の正しい見方と横断歩道の渡り方、道路横断時における左右の安全確認の徹底、自動車の直前直後の横断の危険性などについて指導しているほか、小学生や中学生を対象に本県独自に作成した交通安全テストを実施し、交通ルールの周知に努めているところでございます。また、保護者を初めドライバーに対しては、シートベルト及びチャイルドシートの正しい着用の徹底を呼びかけ、子供の被害防止を図っているところでございます。  続きまして、県内のスクールゾーンの見直し状況等についてお答えいたします。  スクールゾーンは、保育所、幼稚園、小学校等の周辺において、児童等の登下校時における安全を図るために整備しております。県内では、平成二十四年四月一日現在、百七十六区間、約四十七キロメートルをスクールゾーンに伴う歩行者用道路として規制しております。スクールゾーンの必要性や規制時間、区間の見直しにつきましては、今年度に入り、全国的に登下校中の小学生等の列に自動車が突入し、多数の死者が出るなど、通学路における交通安全を脅かす重大な交通事故が連続して発生したことから、本県独自に、本年五月中に県内各警察署と地域、学校、道路管理者等が連携した安全点検等を実施しております。  その結果、規制時間の変更を要する区間や横断歩道の新設、移設等の交通安全施設の整備を行う必要がある箇所及び新たに規制する必要が認められる箇所の要望が五警察署管内で十四カ所ありました。これらの要望を踏まえまして、学校、地域、道路管理者等と連携して、登下校時における児童等の安全を第一に考え、運転者や地域住民への周知方法も含め、規制時間、規制区間の変更や横断歩道の新設等を検討しているところでございます。  次に、てんかん等の持病を持っているなど、運転に適さない人への対策についてお答えいたします。  平成十四年六月に施行された改正道路交通法により、てんかんを含む自動車等の安全な運転に支障を及ぼすおそれがある一定の病気にかかっている方も、個々の病気の症状により運転免許を取得することが可能となりました。これら一定の病気にかかっている方及びかかっていると疑われる方への対策としましては、免許センター、各警察署等における運転適性相談への適切な対応、運転免許の取得または更新時において病状を申告した方に対する個別対応の徹底、交通事故の当事者などで一定の病気にかかっていると疑われた方に対する確実な診断書の提出依頼と臨時適性検査を実施しており、その結果によって運転免許の取り消し処分等を行っております。特に運転適性相談につきましては、運転者の家族等を含め、その制度をさらに周知させるための取り組みとして、青森県警察ホームページによる広報、免許センターや警察署等の窓口におけるポスターの掲示、県内の患者団体、医師会等への協力依頼文の発出、指定自動車教習所等関係団体へのリーフレットの配布依頼を実施しているところであります。  なお、警察庁においては、現在、運転免許制度の在り方に関する有識者検討会を設立し、一定の病気の症状を有する方を把握する方策等について検討を進めているところであります。  最後に、飲酒運転の防止対策についてお答えいたします。  平成二十三年中の飲酒運転による交通事故は、発生件数が六十七件、対前年比プラス四件、死者数が七人、対前年比プラス四人、負傷者数が八十五人、対前年比プラス八人となっております。また、飲酒運転の検挙件数は五百六十七件、前年比マイナス百六件となっております。  県警察では、交通死亡事故を抑止するため、本年の推進重点の一つに飲酒運転根絶対策を掲げ、交通事故、違反実態を踏まえた飲酒運転の取り締まり強化、関係機関・団体と連携し、地域ぐるみによる飲酒運転絶対しない・させない機運の醸成、酒酔い体験ゴーグル等を活用した飲酒運転疑似体験を通じ、飲酒運転の危険性を効果的に認識させる体験型交通安全教育の推進などに取り組んでおるところでございます。  以上です。 51 ◯副議長(相川正光) 諏訪議員。 52 ◯四十七番(諏訪益一) 再質問を行います。  大飯原発の再稼働、東通原発の再稼働の前提条件について答弁をいただいたんですが、全部国に責任を預けるという姿勢。国が責任を持たないとだめなのは、そのとおりです。ただ、どういう角度で責任をとってもらうのかという、この肝心な点は地方から鮮明にしていかないとだめです。何よりも、施設の耐震性の問題があります。大飯原発は、いわば基準地震のほぼ二倍に当たるものをいわば余裕度と言っていますけれども、そこを限界点ともまた言っているんですが、一千二百六十ガルを想定しているんです。東通原発の場合は、九百ガルが限界点。三百七十五を四百五十に変えましたから。余裕度を見て限界点はそうだと言っている。  ただ、〇七年の中越沖地震で柏崎刈羽一号を襲ったのは、一号の揺れで一千六百九十九ガルなんです。マグニチュード六・八。つまり、大飯も東通も限界点はそれ以下になっているんです。つまり、耐震性という問題で言えば、重大な問題が何の解決にも至らない。耐震指針の見直しも、そこに何も手がついていない。このことについて、やはり知事は言うべきなんだと思うんです。施設の耐震性という問題からいえば、やはり重大な問題がある。中越沖地震のマグニチュード六・八でさえそうなのに、福島はマグニチュード九が襲ったんです。国に対してやっぱりそれだけの真剣な追及をしないとだめなんです。その点の一つの見解をお伺いしたいんです。  つまり、限界点というのは、そこを超えるともう人間が手がつけられない状態なんですよ。崖から落ちる地点と言っていますから。死に至る病とも言っていますから。人間が手をつけられない過酷事故になっちゃうんですよ。それに対するきちんとした答えがないと再稼働などというのは条件にないんです。  それから、核燃料サイクル政策の大綱策定会議の問題でいろいろ言っておられるんですが、これも、何も言っていないのと同じようなことを言っている。いいですか、過去二十五年間、いろいろ苦渋の選択をし、協力もしてきたと。その路線は全量再処理路線なんでしょう。むつ市の宮下市長も言っています。全量再処理でないならば中間貯蔵は受け付けないと言っているんです。それでいいんですか。つまり、全量再処理がこれからも三村知事の大方針になる。これでいいんですか。  というのは、策定会議で今議論しているのは、併存が一番いいと言っているわけです。併存が一番柔軟性もあっていいと言っているんです。もちろん併存の中身は両方なんですから、全量再処理に近い再処理というものも出てくるんでしょう。ただ、併存という可能性が大きくなっている今の段階で、それは問題なんだと、論外なんだと、三村知事は全量再処理方針を堅持して国に要請するということなんですか。これは大変深刻な矛盾に突き当たる問題なので、そこだけはちょっと今回の議論の中でも出てきていないので明白にお答えをしていただきたいと思います。  それから、旧尾太鉱山の問題で一言言いますけれども、堆積物の量が半端じゃないんですよ。四百五十万立米、東京ドームの三・五倍と言われているんです。しかも、今回陥没したところが問題なんです。堤体は砂地でしょう。それがまた繰り返される。大雪や陥没が繰り返されて、汚染を処理する施設の機能を失ってしまったらこれはどうなるんですか。もっと抜本的な対策をとる必要があるんじゃないでしょうか。改めて見解を伺いたいと思います。  それから、生活保護行政の問題で聞きますが、きのうの新聞にも出ていた、不正受給が平成二十三年度百六十四件あるという報道があります。これは、生活保護法の第七十八条による不実の申請その他不正な手段により云々という、いわば不正受給の数なんですか。それとも、第六十三条にある費用の返還義務に、いわば資力があるにもかかわらず云々というので返還してもらう対象数、どっちなんですか。第七十八条の純粋な不正受給というぐあいに認定している数なんですか。そこをお答えいただきたいと思います。  それから、社会福祉主事でない者の数が市部で四十九人、郡部で十七人もある。資格を持っていないと対応できないのに、なぜこれだけの数が放置されているんですか。研修して、それでも一年、二年おくれで取らせていくという話なんでしょうけれども、しかし、現法では資格を持った者にケースワーカーの仕事を与えているんですから、その辺のけじめはどうつけていくことになるんでしょうか。  それから、市部では、一人大体八十世帯を見ると、郡部では六十五世帯を見ると言っているんですが、私の計算でいっても、ざっと市部では三十・五人も人数が不足している。対応しているのに。郡部でも四・二人少ない。今、生活保護の急増しているときに、人数をふやしてでも対処しなければならないのに、今でも不足している。三村知事は、生活保護増加傾向にあって、職員をふやすことはまかりならぬ、そういう姿勢でいるんじゃないですか。やっぱり適切に人員を配置して増員傾向にきちんと対処すべきだというぐあいに考えますが、これについてのお答えもいただきたいと思います。  それから、社会保障と税の一体改革ですが、百数十万の県民の暮らし、県内の景気をどうするかと責任を持っている知事としての、やはりもっと積極果敢な県民を守るという姿勢からの答弁があってもしかるべきではないんですか。道筋ができて意義のあることだとか、何の疑問も持たないんですか。一〇%の増税をやられたらどうなるかと。  しかも、これは被災者の皆さんに対する復興に逆行するんですよ。そういう姿勢も一かけらもない。答えは要りませんけれども、率直にその姿勢を批判しておきたいと考えます。  お答えをいただきたいと思います。 53 ◯副議長(相川正光) 知事。 54 ◯知事(三村申吾) 諏訪議員にお答えいたします。  まず、私からは、核燃料サイクル関係でございます。  我々青森県におきましては、原子燃料サイクル施設の立地協力要請を受けて以来、二十五年以上にわたり歴代の関係閣僚に対しまして、これらの施設が国のエネルギー政策、原子力政策上重要な施設であることを繰り返し確認してきたところでございます。  現政権に対しましても、私自身、政府の方針は何ら変わらないことを幾度となく明確に示していただいたからこそ国策に協力してきたものであるということ、こういった経緯につきましては、先ほど議員からもお話がございましたが、原子力委員会の新大綱策定会議の場においても述べてきたところでございます。また、その場において最も肝心なことでございますが、青森県を最終処分場にしない、ならないという基本的な大前提としての約束、このことについてもしっかりとこれを申し述べてきたところでございます。  今後は、エネルギー・環境会議等の場面におきまして、このサイクルにつきましてのさまざまな検討というか、話が行われるんでしょうけれども、私としては、これも申し上げてきたんですが、核燃料サイクルを含めたエネルギー政策については、国家として決定した揺るぎない部分、地域と取り交わした約束は着実に守っていただきたいということと、また、立地地域との協力関係を十分に踏まえ、長期的な方針を不透明にすることなく、現実的に実現可能な政策、このことについて責任を持って判断していただきたい、そういった趣旨を申し述べてきたということをお伝えいたしたいと思います。  また、社会保障と税の一体改革については言うなということでしたが――やっぱりやめておきます。 55 ◯副議長(相川正光) 健康福祉部長。 56 ◯健康福祉部長(江浪武志) まず、不正受給件数についての考え方でございますが、これに関しましては、国の指導のもとに生活保護法第七十八条、これは「不実の申請その他不正な手段により保護を受け、又は他人をして受けさせた者があるときは、保護費を支弁した都道府県又は市町村の長は、その費用の全部又は一部を、その者から徴収することができる」、この規定により返還を求めたケースに関しまして不正受給件数として国に報告をしているものでございます。  次に、社会福祉主事の資格を持っていないケースワーカーのことについてでございますが、これに関しましては、議員御指摘のとおり、県としましては、速やかにこの資格を取らせるということで対応しておりまして、こういった資格がないままケースワーカーとしての仕事をしている場合があるということに関しましては、厚生労働省のほうに関しましても、毎年四月一日現在のケースワーカーの社会福祉主事の資格取得の状況を報告しておりますけれども、現時点では特にそれについて是正、改善などの指導は受けておらないところであります。引き続き、速やかに資格を取得するように努めていきたいと考えております。  その次に、ケースワーカー一人当たりの担当ケース数が標準数を上回っているということに関しまして、ケースワーカー一人当たりの担当ケース数に関しましては、県福祉事務所六十五ケース、市福祉事務所八十ケースを標準とされておりますけれども、県といたしましては、県福祉事務所について、標準数に応じたケースワーカーの配置に努めるとともに、市福祉事務所についても標準数に応じたケースワーカーの配置が行われるよう指導しているところでございます。 57 ◯副議長(相川正光) 商工労働部長。 58 ◯商工労働部長(馬場良夫) 抜本的な対策をということでございますが、先ほど御答弁申し上げましたけれども、県では、去る五月十四日から十五日の二日間にわたりました調査を行いました独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構、こちらのほうに対しまして、調査段階ではございましたが、沈殿槽の設置の有効性について意見照会させていただき、再発防止に向けて有効であるという評価を得ましたことから、その対策の速やかな実施に向けて、現在、国と鋭意協議を進めているところでございます。  また、県といたしましては、目屋ダム及び岩木川が津軽地域の上水道や農業用水にも利用されていることもありますので、庁内の関係部局の協力も得て鉱害防止対策を強化していくことを検討しているところでございます。  県といたしましては、鉱害防止事業が適正に実施できますよう、国、そして同機構を初めとする関係機関と十分に連携協議いたしまして、適切かつ確実な対策が講じられるよう努めてまいります。 59 ◯副議長(相川正光) エネルギー総合対策局長。 60 ◯エネルギー総合対策局長(八戸良城) 大飯原子力発電所、東通原子力発電所の再稼働の問題に関する再質問についてお答えいたします。  原子力発電所の再稼働につきましては、まず、法令に基づき一元的に安全規制を担っている国が最終的な責任を持って判断していくべきであろうと考えております。再稼働の判断に当たりましては、福島県を襲ったような地震、津波が起きても同じような事故を起こさないこと、それから炉心溶融に至らないこと、こういうことなどについて、施設の安全性あるいは安全対策の妥当性を国がどのようにまず評価、確認したのか、このことについて地元あるいは国民にしっかり示していく必要があると考えております。 61 ◯副議長(相川正光) 三番齊藤爾議員の登壇を許可いたします。――齊藤議員。 62 ◯三番(齊藤 爾) 議長に登壇を許可されました三番自由民主党の齊藤爾です。  通告の順に従いまして、所感を交えながら一般質問をさせていただきます。  質問の一項目めは、母子保健対策の推進についてです。  御存じのように、国及び本県において深刻かつ重要な問題の一つに少子高齢化が挙げられます。内閣府の二〇一一年版高齢社会白書によりますと、二〇一五年人口予測は一億二千五百四十三万人、二〇四六年には一億人を割り込み、二〇五五年には八千九百九十三万人まで減少し、そのうち六十五歳以上の人口が四〇・五%、そして四人に一人が七十五歳以上という超高齢化社会になると予測しております。  また、年間出生者数も第二次世界大戦後のベビーブーム、いわゆる団塊の世代の出生時にピークを記録し、その団塊の世代が出産期を迎えた昭和四十八年ごろに第二のピークを迎えて以降、二〇〇五年の出生者数百六万人まで減少し続け、二〇一一年には百五万人となっています。また、出生率もベビーブーム時に四・五四であったものが、一九七五年以降、人口を安定化させるために必要な二・〇八を下回り続け、二〇一一年には一・三九を記録しております。  このような少子化の状況は本県でも同様であり、経済的事情、所得に対する教育費の高負担、女性の社会進出に対する職場環境の対応、晩婚化による出産年齢の変化などさまざまな要因が挙げられているようですが、いずれにしても、女性が安心して子供を産み育てるという環境のさらなる向上が必要と思われます。このことは、国による対策の充実が急がれることではありますが、本県としても独自の対策が必要であるとも考えます。  そこで、母子保健対策のさらなる推進に対しての県の見解を問うものであります。  次に、不育症についてお伺いいたします。  先般、ある産婦人科の医師とお話しする機会があり、そこで不育症という聞きなれない症状を耳にいたしました。これまで、不妊症についてはさまざま取り上げられ、治療にかかわる公的助成もなされてきましたが、この不育症――育は育てるです――については、認知そのものがまだなされていないように思われます。  不育症の定義は、二回以上の流産、死産、早期新生児死亡がある場合とされ、経験者は国内におよそ百四十万人、年間三万人が発症しているとの推計があり、離婚経験は流産をしたことがない人では三%、流産経験者で五%、不育症患者は九%に上り、不育症が夫婦関係にも影響を及ぼしているとの調査結果もありました。  この不育症には、子宮形態異常、甲状腺異常、染色体異常、抗リン脂質抗体異常などさまざまな原因が挙げられているようですが、医師による適切な診断、治療によって患者の八五%は出産可能とのデータもあります。  国においては、このような状況を鑑み、平成二十四年度予算案で不育症相談体制と普及啓発について対応がなされたようですが、治療に対する保険適用・助成はいまだなされていないようです。本県においても、不育症の普及啓発はもちろんですが、医療機関とのさらなる連携強化による不育症患者への対応が急がれるものと考えます。  そこで、県の対応についてお伺いいたします。  質問の二項目めは、県産リンゴの生産・販売状況についてです。  昨年、二十三年産リンゴは、これまでに例を見ない生産量の大幅な減に伴う産地価格の高騰及び加工原料の品薄、高騰、被害の大小による農家間の収入格差、絶対量が不足したためのリンゴ選果作業員の仕事減、収入減、輸出の大幅な減、リンゴ関連産業の売り上げ低下などさまざまな問題や課題を浮き彫りにしたように思います。  本県の基幹産業である以上、産業として機能し、地域経済の根幹たるためには生産量の確保が必要不可欠であり、県としてもこれまで以上に特段の施策、配慮が必要であると考えます。  そこで、平成二十三年産リンゴの収穫量及び国内販売状況、輸出状況をお聞きいたしますとともに、二十四年産リンゴの輸出拡大にかかわる県の取り組みについてお尋ねいたします。  次に、二十四年産リンゴの生育状況についてお伺いいたします。  昨年の記録的な豪雪により、樹体損傷の被害を受けた園地が多数ある中、今度はカラマツ、不受精果被害が懸念されております。要因としては、開花時期の低温によるマメコバチの活動不足や、作業効率を上げるため混植を避けていることなどが挙げられているようです。特に、主力品種であるふじの不受精果が多いようで、今年産リンゴの生産量にも影響があるやにも聞いております。  県としても、六月十三日から被害調査を始め、十四日には攻めの農林水産業推進本部が関係者に対するりんご等果樹生産技術研修会を開催するなど、迅速な対応がなされたようであります。  そこで、二十四年産リンゴの生育状況及びカラマツ被害の状況、その対応策についての見解を求めます。  質問の三項目めは、諏訪議員と重複しますが、旧尾太鉱山の廃水流出事故についてです。  今回の流出事故は、中津軽郡西目屋村砂子瀬地区のダムの近くですね、木戸ヶ沢処理施設で発生しました。事故概要は、四月十五日十六時四十五分、原水ピットに土砂がたまり、三機のポンプが停止し、毎時四十八立米の未処理廃液が十六日の十八時までおよそ二十六時間流出。その後、毎時十八立米の流出が続いていましたが、十七日にまたも原水ピットに土砂が流入し、再度、毎時四十八立米の未処理廃液が流出。さまざまな対応がなされ、翌十八日の十九時、未処理廃液の流出が停止しましたが、十九日三時、原水槽の配管から廃水が漏れ出し、ポンプが水没し、毎時三十六立米の廃液が流出。その後、十七時半に流出停止と、非常にさまざまな過程をたどりました。  希釈された影響もあってか、水質は基準値内ではありましたが、飲料水や農業用水に使用している岩木川水系の住民にとっては、大きな不安と衝撃が与えられたことは紛れもない事実であり、再びあってはならない事故です。  旧尾太鉱山の廃水処理事業は、上流の本山坑廃水処理施設と木戸ヶ沢処理施設から成り、木戸ヶ沢堆積場には膨大な量の鉱山汚染物質が堆積されており、事実上全面撤去は不可能と思われます。さらに、上流本坑処理施設からは今後も汚染物質が搬出されることから、今後も半永久的に管理運営が必要と思われます。このような状況から、弘前市も、県に対して、廃水が流出しない安全対策、施設全体の総点検と不備箇所の改善、事故発生時の速やかな対応可能な管理体制の構築を求めたようで、一刻も早い県の対応が必要不可欠であり、流域住民の願いでもあります。  そこで、まずは、旧尾太鉱山の沿革と坑廃水処理事業の経緯についてお伺いいたします。  さらに、今回の事故発生以前にも複数回同様の流出事故が発生したとも聞き及んでいますので、過去にどのような事故があったのか、その際どのような対応がなされ、再発防止対策はなされたのかお伺いいたします。  また、弘前市の要請に対応することはもちろんですが、未処理廃水が流出した場合の二重、三重の防止策の必要性も含め、今回の事故に対する県の対策についてお答えください。  質問の四項目めは、県内中小企業の金融円滑化についてです。  二〇〇七年アメリカの特殊なローン、かつ証券化され、世界中に転売されたサブプライムローン損失に伴う二〇〇八年のリーマン・ショックによって世界的な金融危機が発生し、金融危機以前は一ドル百五円前後であった為替が一気に一ドル九十円まで急激に上昇し、日経平均株価も一万二千円台から七千円へと急落し、日本経済、特に製造業は耐え切れず、当時、派遣切りなどの社会問題に発展しました。  本県においても、二〇〇八年の企業倒産件数が百二十九件で、前年対比三〇%増、負債総額七百二十四億円で、前年の実に三・五倍と大きな影響がありましたが、二〇〇九年の中小企業金融円滑化法の施行や県特別保証融資制度の活用などによって、その後倒産件数は減少に転じました。  しかしながら、いまだ好転しない経済状況や円高、昨年三月十一日の東日本大震災による影響によって、本県企業はいまだ厳しい状態が続いているとも思われ、県特別保証融資制度の果たす役割は重要であると考えます。  そこで、東日本大震災への対応など、昨年度の当該融資制度の実績について県の認識をお伺いいたしますとともに、その融資制度における効果についてもお答えください。  次に、中小企業金融円滑化法関係について質問させていただきます。  同法は、二〇〇九年に当時の国民新党亀井金融担当大臣主導のもと、二〇一一年三月までの時限立法とされ、その後一年間の延長を経て、再度二〇一三年まで再延長されましたが、今回限りの再延長とされています。また、ある経済調査によりますと、金融円滑化法による返済猶予、モラトリアムを受けている企業は、同法施行後四半期ごとに三十万件のペースで増加しており、震災の影響でさらに増加し、昨年九月末の累計で二百二十八万件、金額にして六十三兆円とされています。
     また、同法の貸し手である金融機関の業態別は、信用金庫が約七十八万件、地方銀行が約百二万件、大手銀行が二十九万件となっており、地銀、信金による中小企業資金繰り対応が多くを占めていることがわかります。さらに、帝国データバンクの昨年十二月の調査によりますと、同法利用企業の五〇%が再度利用しており、東北地方に限定しますと五六%の企業が再利用している状況で、震災による影響が指摘されております。  本県においても、少なからず利用されていると思われる金融円滑化法が、このような状況下において来年の期限切れを迎えることによって、これまで貸倒引当金を積む必要のなかった債権が不良債権化するおそれがあり、地銀、信金の自己資本比率低下による金融不安が想定されます。  県として、同法の最終延長を踏まえ、県内中小企業の金融円滑化にどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  質問の五項目めは、地方独立行政法人弘前地域研究所の改築整備についてです。  当該施設は、現在弘前市袋町にあり、余り交通の便もよくなく、目立たない建物も老朽化しており、廃墟のようにひっそりとたたずんでおり、弘前市民にとっても余り知られていないように感じます。しかしながら、この研究所の役割は世相を反映し、今後ますます重要になることが予想されますし、さらなる機能充実が期待されております。  移転改築については、平成二十三年基本計画、二十四年設計委託、用地取得、二十五、二十六、二十七年の三カ年で建設工事、移転、業務開始となっており、総事業費は三十一億円もの大きなものになっております。  県としては、この研究所の移転改築によってどのような機能強化を図るのか、そして地域産業振興にどのように貢献していくのかお伺いいたします。  最後の質問は、県立高等学校教育改革第三次実施計画についてです。  この件につきましては、昨日、我が党の滝沢議員、清和会の川村議員が質問されており、重複する部分がありますが、質問させていただきます。  御存じのように、平成十八年五月、県内の有識者で構成される高等学校グランドデザイン会議が設置され、一年六カ月にわたって慎重な審議がなされ、平成十九年十月「今後の県立高等学校のあり方について」との答申が出されました。県教委は、この答申を踏まえ、庁内に高等教育改革推進庁内検討委員会を設置し、平成二十年一月県立高等学校教育改革第三次実施計画(素案)を策定、同年三月三十一日第三次実施計画案を公表しました。  このような流れの中、統廃合の対象になった学校の卒業生や地域住民からは、多くの要請や、時には署名なども提出され、存続への願いがあったとも聞いております。ある県民は、確かに子供の数は減少するだろうが、公立高校を統廃合することによって授業料の高い私立高校へ入学しなければならない子供もいるのではないか、経済状況の厳しい今、可能な限りの子供たちを公立高校で受け入れるべきではないか、公立と私立の生徒数の割合などが決まっているのかなどと聞かれもしました。  いずれにしても、第三次計画の中に明記されているように、この改革は、子供たちが夢を育むことができ、それぞれの学校が地域に果たしている役割に配慮し、適正な学校規模・配置を図るとしております。  そこで、恐縮ではありますが、地元中南地区に目を向けてみますと、弘前中央高校定時制課程の二十五年度募集停止、二十七年閉課程が挙げられています。昨日の川村議員の質問に対して、教育長は、募集停止に関しては本年十月下旬に決定、公表すると答弁しております。つまり、存続する余地は残されていると受けとめてよろしいのでしょうか。  弘前市では、平成二十年五月の地区説明会以降、同年六月、弘前市、市議会、市教委の三者連名による存続要望書の提出に始まり、二十年十二月、弘前市議会議員全員による議員連盟発足、二十一年二月、知事、県議会議長、県教育長に弘前市、市議会議員連名による存続の要望書提出、二十一年三月、第三次計画見直しを求める意見書を弘前市議会が可決。その後も、毎年県に対する重点要望事項として存続の要望を提出しております。また、同校定時制の生徒は、本年四月六日現在、弘前市七十名、平川市一名、大鰐町四名、つがる市一名、中泊町一名の計七十七名であり、その多くは弘前市の子供たちであるという事実もあります。  このような地元自治体、議会、在校生の多さを鑑みますと、冒頭申し上げた地域に果たしている役割に配慮がなされていないのではないかという気がします。何よりも、子供たちの学ぶ機会の喪失につながる気がいたします。そもそも、地区の中で一番人口が多く、雇用の場も多く、在校生の多い弘前市から定時制課程をなくする正当かつ適正で合理的な理由が見当たりません。  どうか、地域の実情と要望、弘前中央高校定時制のこれまで果たしてきた役割、伝統、そして、何よりも子供たちが働きながら学ぶ場の確保を心よりお願いいたしまして、各種団体からのこれまでの要望に対してどのような対応をするのか改めてお伺いいたしますとともに、さらに、どうしても募集停止にせざるを得ないならば、せめて弘前市内において夜間に学べる普通科の整備は検討できないかお伺いいたします。  次に、尾上総合高校三部制課程についてお伺いいたします。  先般、文教公安委員会で視察させていただきましたが、校舎も新しく、広々とした敷地で、すばらしい環境の学校との印象を受け、三部制それぞれの履修課程などの丁寧な説明をいただき、よく理解させていただきました。やはり実際に現地で目で見て、聞くことの重要さを再認識させられました。  ただし、弘前市から働きながら夜間の三部に電車で通う場合、夜間の部の七校時開始時間、午後五時十五分に間に合うためには、四時半弘前発の電車に乗車する必要があり、職場からは少なくとも四時には出なければなりません。仮に、五時までの仕事を持つ場合は、七校時どころか、八校時にも間に合わないことになります。  つまり、通常の時間帯での仕事を持つ生徒は、夜間の四授業のうち一つか二つは間に合わず、授業が受けられないため、単位不足により規定の三年間で卒業できない可能性が非常に高いという事実があります。  このことから、弘前市内で働きながら学ぶ子供たちの負担は大きなものであり、弘前中央高校定時制を廃止し、尾上総合夜間に通うことには無理があるように思えます。  そこで、このような生徒に対しては、単位取得の方法、通学に対し柔軟な対応が必要と考えますが、県の見解をお伺いいたします。  最後は、弘前実業高校藤崎校舎についての質問です。  第三次実施計画中南地区の配置の方向性には、校舎制導入校一校の募集停止と明記されておりますが、中南地区には校舎制導入校は藤崎校舎しかなく、明らかに藤崎校舎の募集停止をうたっているものです。しかしながら、県教委では、いまだ該当校が藤崎校舎であることすら認めていません。  昭和四十七年四月に全国で唯一のりんご科が設置されて以来、今日に至るまで基幹産業の担い手を数多く輩出し、歴史と伝統のある学校であります。全国で唯一のりんご科を擁する藤崎校舎廃止に反対する署名簿には、弘前市長、黒石市長、平川市長、大鰐町長、板柳町長、田舎館村長、西目屋町長、地元藤崎町長、藤崎町議会議長、青森県りんご協会会長、藤崎校舎同窓会長の連名がしてあり、先日県教委に提出された署名数は五万八千六百九十六筆にも及んでおります。  県教委は、この多数の首長の連名と五万八千六百九十六筆の署名をどのように受けとめているのかお伺いいたしますとともに、後期実施計画の策定に向け、今後どのように進めていくのか改めてお伺いいたしまして、壇上からの質問を終わります。 63 ◯副議長(相川正光) 知事。 64 ◯知事(三村申吾) 齊藤議員にお答えいたします。  まず、母子保健対策の推進の重要性についての見解でございます。  子供たちは未来の青森県をつくっていく原動力でございます。その子供たちを産み、育て、成長させることは、未来をつくり上げることであると、私もそのように考える次第であります。  私は、子供を産み育てたいと思う人が希望を持ち、また喜びを持って安心して産み育てられるような環境づくりを進めるため、青森県基本計画未来への挑戦の安全・安心、健康分野の中に、子供を産み育てやすい環境づくりを掲げました。その下位計画であります青森県次世代育成支援行動計画「わくわくあおもり子育てプラン」では、安心して子供を産み育てるための家庭での子育て支援を基本方針の一つとして掲げさせていただきました。  これらの計画を踏まえ、母子の健康の確保・増進を初めとして、本県独自の妊産婦情報共有システムの推進や妊婦健康診査の負担軽減、不妊治療費の助成、不妊専門相談センターの設置運営など、各種の母子保健対策を推進しております。  さらに、今年度からは、若年期からの健康管理や妊婦の受動喫煙、要するにたばこでございますが、この防止の促進を目的としたママとパパの健やか生活習慣サポート事業を実施することといたしております。  今後とも、母子保健対策の充実を図りながら、安全、そして安心して産み育てられる環境づくりに全力で取り組みたいと考えます。  平成二十三年産リンゴの輸出状況と二十四年産の輸出促進に向けた取り組みについてであります。  少子社会というんでしょうか、人口減少社会の進展等によりまして国内の市場が縮小しております。そういった中で本県経済を安定成長に導いていくためには、急速な経済成長が進んでおりますアジア等に向けての県産農林水産品あるいはその加工品の輸出ということにつきましては、非常に重要なテーマと考えております。そのことによって外貨を獲得することがまた経済を動かすことにとっての極めて重要な課題と考えます。中でも、私たち日本の国を代表する果物であります青森県産リンゴの輸出促進につきましては、本県のブランド、青森そのものを浸透させ、県全体の輸出拡大を図る上で特に重要であると認識するところであります。  しかしながら、御案内のとおり、平成二十三年産リンゴの輸出状況は、生産量の大幅な減少により輸出量を十分確保できなかったことに加え、産地価格の大変な高騰、あるいは、これは何と言っていいかというぐらいの記録的な円高、これが現地の販売価格を押し上げ、消費を抑えたことなどから、財務省貿易統計による我が国からの輸出量は、昨年九月から本年四月末までの累計で九千六百五十七トンと、前年同期の五四%にとどまったわけであります。  このため、本年度は、県産リンゴの輸出量の回復を最優先とし、社団法人青森県りんご輸出協会などの関係団体と連携し、本格的な輸出が始まる直前の十月を目途として、県産リンゴの最大の輸出先であります台湾において、現地輸入業者や卸売業者、小売業者等を一堂に集め、意見交換会の開催を予定しております。この中において、青森県産リンゴの安全性、おいしさを強力にアピールし、輸出拡大への協力につきまして訴えたいと考えているところであります。  また、県と輸出関係団体で組織します青森県農林水産物輸出促進協議会では、中国やベトナム、インドネシアを対象に、本県や現地での商談会を開催するほか、現地百貨店等での青森りんごフェアの開催などに取り組むこととしており、これらの活動を通じて平成二十四年産リンゴの輸出促進に努めていく考えであります。  中小企業金融円滑化法の最終延長ということを踏まえての取り組みであります。  地域の中小企業が自主自立を目指して、その持てる力を存分に発揮していくためには、何よりも経済の血液と言われる金融の円滑化が重要であると考えます。これまでも、東日本大震災の迅速な対応や雇用創出特別支援枠の実施など、県内中小企業のその時々の経営環境を踏まえた金融支援につきましては、積極的に行ってまいりました。  このところの県内企業倒産件数は小康状態を保っておりますが、中小企業金融円滑化法が今年度末で終期を迎えることなどにより、今後の中小企業の資金繰りには先行きの不透明感が増しているところであります。  私は、中小企業の金融円滑化は、金融機関、中小企業、商工団体、再生支援協議会などの支援機関及び行政が、それぞれの役割をしっかりと果たしていくことによって初めて達成されるものと認識するところであります。  そこで、県では、それらの者をメンバーとする制度金融運営協議会におきまして、県内の中小企業約二千社へのアンケート調査に基づきますリレバンレポートなど、中小企業側からの視点に軸足を置きながら、地域の実情を踏まえた県独自の金融円滑化対策を推進しているところであります。  県としては、今後とも、関係機関と連携を密にしながら、県内中小企業者の資金繰りに支障が生じないよう金融の円滑化に努めていきます。  弘前地域研究所の機能強化と産業振興に対する貢献についてであります。  弘前地域研究所の老朽改築に当たりましては、時代の変化や複雑多様化する企業ニーズに柔軟に対応できる試験研究機能を備えることはもとより、青森県基本計画未来への挑戦に基づく食産業を中心とする新たな地域産業の育成と発展に向けて、本県の豊富な地域資源を活用した高機能性素材開発を核とした地域イノベーション創出拠点としての機能を新たに付与するべきであると私としては考えております。  また、産業界や弘前大学等産学官の連携をこれまで以上に強化することで、共同研究体制による売れる商品づくり、畠山議員からの御指摘もございましたが、まさに三の方向からもしっかりと考えていく、そのための技術開発、人財育成、マーケティング支援など、産学官による総合的支援体制を整備し、付加価値の高い商品開発を目指す県内の中小企業をハード、ソフトの両面から強力にこの改築によって支援していきたいと考えております。  私は、これまで青森県民の生業(なりわい)づくりを拡大するため、本県の地域特性や強みを生かせる食産業やライフイノベーション産業分野などに積極果敢に取り組んできたわけでございますが、今後においても、弘前地域研究所を核とするイノベーション創出効果の全県的な波及を図り、地域経済の活性化と雇用の創出・拡大を目指したいと考えております。  私からは以上です。 65 ◯副議長(相川正光) 健康福祉部長。 66 ◯健康福祉部長(江浪武志) 不育症についての県の対応についてでございます。  不育症に関しましては、平成二十三年度に厚生労働科学研究費補助金による研究が行われております。この研究班の研究結果といたしまして、まず不育症に関しては、その多くを占める偶発的な流産では、特別な治療は行わなくても次回の妊娠の予後は良好であること、不育症に対する支援として、流産や死産を繰り返す苦しみなどの相談に対応し、正確な情報提供を行うことが重要と報告されております。  こうした研究成果に基づき、国からは、各自治体で医師会、産婦人科を担当する医師その他関係団体等と十分な連携をとり、不妊専門相談センターにおける不育症の相談対応の充実を図るよう通知があったものでございます。  本県では、弘前大学医学部附属病院に委託している不妊専門相談センターにおいて、不育症事例の相談についても既に対応が行われてきたところですが、今後、県としても、同センターについて一層の周知を図り、関係機関と十分連携をとりながら、引き続き不育症に関する相談に対応してまいりたいと考えております。 67 ◯副議長(相川正光) 商工労働部長。 68 ◯商工労働部長(馬場良夫) 御質問四点にお答えいたします。  まず、旧尾太鉱山の廃水流出事故の関連でございます。  旧尾太鉱山の沿革と坑廃水処理事業の経緯についてでございます。  旧尾太鉱山の正確な起源は不明でございますが、江戸時代の初期のころから銅の採掘が始まりまして、その後廃鉱や休山、採掘を繰り返し、昭和五十三年の閉山まで銅や銀などの採掘を行っていたということでございます。  しかしながら、鉱量の枯渇などによりまして尾太鉱山が閉山したことに伴い、尾冨鉱業株式会社が昭和五十六年に清算結了いたしまして、鉱業権者が現存しなくなったため、国と協議の上、県が昭和五十六年から国庫補助事業を活用して旧尾太鉱山の坑廃水処理事業を実施してきているところでございます。  旧尾太鉱山は、旧鉱山の坑口等から流出いたします坑廃水を処理する本山処理施設と、本山採掘時に鉱滓等を搬出いたしました木戸ヶ沢堆積場から流出する廃水を処理いたします木戸ヶ沢処理施設の二カ所の処理施設で坑廃水処理事業を実施しているところでございます。  次に、過去の廃水流出事故の対策についてでございます。  木戸ヶ沢廃水処理施設につきましては、県が事業主体となった昭和五十六年以降、二件の未処理廃水の流出事故発生を確認しているところでございます。  平成二十一年七月に木戸ヶ沢廃水処理施設の導水管の破断によります流出事故がございました。これは、前日からの大雨により処理施設の原水槽付近の山側斜面で土砂崩れが発生し、処理施設まで未処理廃水を送水している導水管が破断し、未処理廃水が流出したものでございます。この対策といたしましては、破断した導水管の復旧と発生土砂の撤去を行った後、落石防止壁を原水槽の山側に設置したところでございます。  また、平成二十二年三月には土砂崩れ等に伴うポンプ機能喪失による流出事故がございました。これは、処理施設の原水槽上部において、雨水や融雪水が山腹水路を越流いたしまして、斜面の土砂を巻き込みながら原水ピットに流入したものでございます。このため、土砂でポンプが機能を喪失し、原水槽へ導水することができなくなり、未処理廃水の流出が発生したものでございます。この対策といたしまして、原水ピット内及び周辺の土砂撤去を行い、原水ピットの機能回復を図って対策として講じたものでございます。  次に、今回の廃水流出事故の対策についてでございます。  今回の廃水流出事故は、去る四月十五日に木戸ヶ沢堆積場の底部に敷設されておりますトンネル内の浸透孔の一つから出た廃水に多量の砂が含まれておりましたことから、廃水を処理施設までくみ上げる揚水ポンプに砂が入り込み、機能停止し、廃水が流出したものでございます。このため、浸透孔を閉塞するとともに、閉塞等による影響が堆積場の堤体に及ばないよう監視を現在まで行っているところでございます。  また、廃水の流出停止直後から処理施設全体の総点検を行いまして、異常のないことを確認しております。ただ、砂の流出に伴い堤体に生じた陥没箇所、これにつきましては、先般、六月上旬に工事を実施し、原状回復を図っております。また、七月からは堤体の地下水位を常時把握するための堤体水位計の観測システム改良工事を予定しているところでございます。  県では、今回の事故調査を行いました石油天然ガス・金属鉱物資源機構に対しまして、調査段階ではありましたが、揚水ポンプ設備の前に砂を沈降・沈殿させるための沈殿槽を設置する対策案について意見を照会いたしまして、現時点で考えられる有効な対策であると評価をいただきましたので、その対策の実施に向けまして、現在、鋭意国と協議を進めているところでございます。  最後に、昨年度の県特別保証融資制度の実績と効果についてお答え申し上げます。  県特別保証融資制度の平成二十三年度の実績は約四百七十二億円で、平成二十二年度実績約百五十八億円のおよそ三倍となっております。  これは、経営安定化サポート資金におきまして、東日本大震災の直接被害を受けた中小企業に対し、県と市町村が協調し、保証料及び利子の全額補給を実施した災害復旧枠が約百六十六億円の実績になりましたこと。また、震災の間接被害を対象といたしました経営安定枠が約二百四十億円の実績となったことなど、東日本大震災からの迅速な復旧・復興に最大限対応してきた結果と考えております。  民間の信用情報調査機関によりますと、平成二十三年度における本県の負債総額一千万円以上の企業倒産件数は、六十九件と過去十年では最も少なく、負債総額につきましても約二百三十億円と過去十年で二番目に低いなど、小康状態を保っているところでございます。  これは、中小企業金融円滑化法によります金融機関による柔軟な対応や、県の制度融資などを初めとした各機関による金融対策が相乗的に効果を発揮したものと認識しているところでございます。  県では、今年度も震災の間接被害を対象といたします経営安定枠を引き続き実施するなどしておりますが、今後とも、機動的な金融支援によりまして県内中小企業の資金繰りに万全を期していきます。 69 ◯副議長(相川正光) 農林水産部長。 70 ◯農林水産部長(渋谷義仁) 県産リンゴの生産・販売状況に関する御質問二点についてお答えいたします。  最初に、平成二十三年産リンゴの収穫量と国内での販売状況についてであります。  農林水産省が五月十七日に公表した平成二十三年産の県産リンゴの収穫量は、近年にない花芽の不足や果実の肥大不良などの影響により、前年産に比べ八万四千九百トン、率にして一九%少ない三十六万七千六百トンとなりました。全国の収穫量も前年産より約二〇%少ない六十五万五千三百トンとなっております。  また、二十三年産リンゴの販売状況については、社団法人青森県りんご対策協議会が取りまとめた昨年八月から本年五月までの県外出荷数量は、累計で十九五千百八十二トン、前年対比七六%となっております。  一方、消費地市場の入荷量が大幅に減少したことに伴い、東京や大阪など主要五市場の平均販売価格は、累計で一キログラム当たり三百四十八円、前年対比一三六%となっており、近年にない高値で取引されております。  次に、平成二十四年産リンゴの生育とカラマツの発生状況及び今後の生産対策についてであります。  平成二十四年産のリンゴの生育は、地方独立行政法人青森県産業技術センターりんご研究所のふじで、開花日が五月九日とほぼ平年並み、また果実の肥大は六月十一日現在、平年比一〇四%となっております。  また、県が財団法人青森県りんご協会に委託して六月十三日から十五日に実施した結実状況調査の結果、開花期間中の低温と降雨により、一部の園地では不受精果、いわゆるカラマツの発生が多いところも見られておりますが、県平均では、心配された主力のふじの結実率は、平年を約六ポイントほど下回るものの五一%を維持しており、最終的な結実の目安となる標準着果率二五%をほとんどの園地で確保できる状態となっております。  今後の生産対策については、カラマツにより中心果が欠落したり、結実量そのものが不足している場合は、残っている果実の中から形状など形質のよいものを残すこと、結実量が多い場合は、果実肥大や翌年の花芽形成の促進のため、早期に適正な着果量に仕上げること等が重要なポイントとなることから、関係機関・団体と一体となって指導を強化してまいります。 71 ◯副議長(相川正光) 教育長。 72 ◯教育長(橋本 都) 御質問四点にお答えいたします。  初めに、弘前中央高等学校定時制課程の存続要望への対応であります。  高等学校教育改革第三次実施計画では、定時制課程においても全日制課程と同等の教育を行い、生徒がさまざまな個性や価値観に触れ、互いに切磋琢磨できる教育環境を整えることが大切であるという観点から、中南地区における定時制を見直し、生徒が自分の学習スタイルに合わせて午前、午後、夜間の時間帯を選択できるよう、三部制の定時制独立校を設置することとしております。  現在、中南地区には弘前中央高等学校、黒石高等学校、尾上総合高等学校の三校に普通科の定時制課程を設置しておりますが、弘前中央高等学校及び黒石高等学校では、志願・入学状況において定員割れが続いております。また、三校には弘前市、黒石市、平川市、それぞれから入学している状況があります。このような状況などを総合的に勘案し、三市から通学が可能である尾上総合高等学校を三部制の定時制独立校とすることとし、あわせて多様な学習ニーズに応えるため総合学科に転換することとしたものです。  弘前中央高等学校の定時制課程については、平成二十五年度に募集停止とする計画ですが、平成二十四年三月に中学校を卒業した生徒の進路の動向や今後の中学校卒業予定者数の推移、定時制課程の生徒を取り巻く環境の変化を最終的に確認した上で、本年十月下旬に、平成二十五年度の県立高等学校の募集人員とあわせて決定することとしております。なお、募集停止となりましても、在籍生徒が卒業するまでは同課程は存続することになります。  次に、弘前市内で夜間に普通科を学べる環境の整備についてです。  中南地区の定時制課程については、今申し上げましたとおり、平成二十五年度から尾上総合高等学校において午前、午後、夜間の時間帯を選択できる三部制の実施に向けて準備を進めているところですが、議員からお話がありましたとおり、弘前市内で夜間に普通科を学べる環境の整備については、弘前市からの重点要望事項など御意見等もいただいているところであります。  このことについては、今後見込まれているさらなる中学校卒業予定者数の減少を踏まえるとともに、三部制移行後の尾上総合高等学校の志願・入学状況を確認していくこととしております。  次に、弘前市内で就業している生徒が通う場合の柔軟な対応ということでございます。  尾上総合高等学校の夜間定時制では、弘前市内で就業し、始業時間に間に合わない生徒への対応として、弘前中央高等学校定時制課程の教育課程を参考に、定時制課程の時間割の中に通信制課程の授業を組み込むこととしております。  このような教育課程を編成することにより、夜間定時制の一時間目に間に合わない生徒も四年間で卒業できますが、通信制課程の個人併修や高等学校卒業程度認定試験等による単位修得により三年間での卒業も可能となります。  なお、現在同校に設置されている北斗高等学校通信制課程の尾上分室を来年度から尾上総合高等学校の通信制課程に改編し、通信制課程との併修をより円滑に行える体制とすることとしております。  また、夜間定時制に通う生徒が下校する際、さらに弘前駅から公共交通機関を利用して弘前市内の各方面に移動できることを考慮した時間割を設定するほか、学校周辺の街灯の整備を進め、学校から尾上高校前駅までの間で教職員による下校指導を行うことなど、生徒の安全確保に努めることとしております。
     最後に、校舎存続要望の県教育委員会の受けとめと今後の進め方についてです。  弘前実業高等学校藤崎校舎については、藤崎町、藤崎町議会、同校同窓会から三月二十六日に存続を求める要望書等をいただいております。  また、六月七日には藤崎町長、藤崎町議会議長及び同校同窓会会長連名の存続を求める陳情書及び署名簿をいただきました。  これまでいただいた要望書、陳情書、署名簿などにつきましては、藤崎校舎に対する地域の方々の思いのあらわれとして受けとめております。  後期実施計画に関する要望等につきましては、今月の二十三日に教育委員に報告し、実施計画案の考え方について議論することとしております。  なお、今後実施計画案を公表することとなりますが、公表後においても地区説明会の開催やパブリックコメントを実施して、広く県民の皆様からの御意見を伺った上で、年内には成案を策定したいと考えております。  以上でございます。 73 ◯副議長(相川正光) 齊藤議員。 74 ◯三番(齊藤 爾) 意見と再質問を若干させていただきたいと思います。  まず、母子保健に関しては不育症、こちらは、壇上でも申し上げましたが、本当にまだ知られていないという状況がございます。弘前大学で福井先生が一生懸命携わってやっておられますが、弘前市だけではなくて、八戸市だったり青森市だったりにもやはりそういった診療する、妊婦さんたちが行く機関というのはたくさんあるわけです。そういったことを考えますと、一カ所だけではなくて、そういった産婦人科の先生たちがそれぞれ不育症を認識できるような、そして相談を受けられるような体制の構築というものに県でも意を図っていただきたいなと思います。  次にリンゴですが、御答弁がありましたとおり、昨年本当に二割ぐらいの減収でなかなか――農家のほうは手取り収入はまあまあ高かった、それなりだったということですが、それにかかわる例えば運送屋さんであるとか資材屋さんであるとか、そういった減収によって、リンゴの減によって直接売り上げが落ちてしまっている業界も事実ございます。  そういったところに配慮もしながら、やはり基幹産業としてはある程度の数量を維持しなければいけないということも当然でございますし、先般、ある大手ボトラーの方とお話ししましたところ、加工原料が品薄になって安定供給できないようであれば、海外産に移しかえますよというようなお話もありました。こういった状況も鑑みますと、やはり収穫量の維持ということには県が力を尽くしていくべきではないかなと思いますので、この点もお願いしたいと思います。  尾太ですが、これは二十一年、二十二年、そして本年と続けて流出事故があります。なかなか根本的な対策というのは、これはやっぱり量が量なだけに無理なんでしょうけれども、流出に対して本当に弘前市民初め流域住民はびっくりしてもおりますし、不安を感じております。そういったことで、国、機構等々とじっくり話し合いながら、二度とこういったことのない対策を県主導のもとに行っていただきたいということを要望いたします。  金融は、これはなかなか難しいんですが、本当に経済状況をしっかり細かく見きわめた上での素早い対応ということが必要かと思いますので、その辺をお願いしたいと思います。  地域研究所、これは今あるところは知事御存じか――御存じですか。(三村知事、「行っています」と呼ぶ)行っていますか。私たちが小さいころ、あの辺を通ると、お化けが出てくるんじゃないかと言われたぐらいの場所です。それが新しくなって、なおかつ、資料によるとオフィス・アルカディアに移るということで、当然オフィス・アルカディアにはいろんな産業の会社なりが集まっております。そういったところと連携も図りながら、この施設を有意義に使っていただきたいと思いますとともに、弘前市民としてはオフィス・アルカディアに建てていただいたということは、危機管理監も御存じでしょうけれども、売れてよかったなと思っております。  次に、県立高校のほうですけれども、まず再質問になります。  教育長さん、先ほどから弘前中央高校に関しては、いろんな三次計画等々においての理由であったり議論であったりがあってのこういうことだと思うんですが、教育長さんのおっしゃるのを聞くと、どうもまだ廃止するというような決定ではないように受けとめるんですね。十月下旬に決定、公表するということであれば、やはりそういったことがあるから弘前市でもいまだに存続要望を出しておりますし、中央高校を廃止することに対しての合理的な地元民としてなかなかすっと落ちる理由がないんですね。その辺がやはり市としても、市議会としても、まだ可能性があるんじゃないかというところだと思います。  ですので、ぜひもう一度再考をいただければと思いますが、教育長さんのお考えをお伺いしたいと思います。  そして、藤崎ですけれども、新聞報道を見て驚いたんですが、五万八千六百九十六と。以前十三市町村合併の話があった折、弘前市圏域三十万人ちょっとという話がありました。つまり、三十万人のうち五万八千人、およそ六万人の人間が思いを込めて存続に対して署名をしていると。この数字は決して少ない数字ではない。むしろ多いな、大きな数字、思いだと思います。こういったことを、二十三日でしたか、臨時の教育委員会を開いて御説明されるようですけれども、御説明の前に、県教育行政のトップ、教育長として、この六万にも及ぶ地域住民の思いというものをどのように受けとめているか、教育長さんの思いをお聞かせしていただきたいと思います。  以上です。 75 ◯副議長(相川正光) 教育長。 76 ◯教育長(橋本 都) 初めに、弘前中央高校の定時制の存続についての件でございますけれども、先ほども答弁させていただいたとおり、募集停止については、十月下旬に他の県立高校の募集人員とあわせて決定するということになっておりますが、在籍の生徒が卒業するまでは同課程は存続することになりますので、議会にかけるということになります。  それから、二つ目の署名のことでございますが、公表の前でございますので、私どもの考え方を説明していない段階でいただいているということがあります。そういうことで、地域の方々の思いのあらわれということはしっかりと受けとめさせていただき、教育委員会として教育委員と議論してまいりたいと思いますが、やはり県立高校の教育改革全体――地区、個別の学校のことではなく、全体の議論、そういうことも踏まえながらそれぞれの学校についてのことを考えていかなければならないと考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。 77 ◯副議長(相川正光) 十五分間休憩いたします。 午後三時三十四分休憩    ────────────────────── 午後三時五十分再開 78 ◯議長(高樋 憲) 休憩前に引き続いて会議を開きます。  一般質問を続行いたします。  五番横浜力議員の登壇を許可いたします。――横浜議員。 79 ◯五番(横浜 力) 自由民主党の横浜力でございます。  一般質問中日、四番目、皆さん非常に厳しい時間帯かと思いますが、しばしおつき合いを願いたいと思います。県議会議員として、使命感と緊張感を持って中だるみしないような一般質問をしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  今週は、久々に将来に展望が開ける明るいニュースで幕があけました。世界中が注目したギリシャの総選挙において、緊縮財政推進派の政党が勝利いたしました。この選挙結果によっては、緊縮財政反対派が第一党になった場合に、ギリシャのEUからの離脱や、スペイン、イタリア等、EU諸国の財政破綻、世界恐慌を招きかねないと強く懸念されていただけに、ギリシャ危機の混乱はとりあえずおさまる見通しです。  今後も予断は許しませんが、当面、世界経済への危機の連鎖は回避されたものと思います。今回の結果については、民主主義発祥の地ギリシャ国民が、厳しい現実と向き合い、苦渋の中、懸命な政治選択をしたものと受けとめています。  日本では、膨大な公的債務を抱え、財政赤字の拡大が続く中、ギリシャ危機は人ごとではありません。原子力発電の停止による化石燃料の大幅な輸入増加により、昨年は三十一年ぶりに貿易赤字にも転落しました。何と年間三兆円以上の資金が外国に流出する事態となっております。このままの状態が続けば、日本もギリシャの後を追うことは間違いありません。  現在、国政の場において消費税の問題やエネルギー政策が議論されておりますが、現実を直視し、長期的視点と広い視野に立った冷静な議論により懸命な政策形成がなされるよう、常日ごろから我々も政治家として精いっぱい努力していかなければならないと考えております。  それでは、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。  まず一点目といたしまして、原子力政策についてお伺いさせていただきます。  ようやく関西電力大飯原子力発電所三・四号機の再稼働が決まったようであります。野田首相は、記者会見で、原発をとめたままでは日本の社会は立ち行かない、原発は重要な電源であり、国民の生活を守るために再起動すべきというのが私の判断であると述べられました。首相が、エネルギー政策上、原発の必要性を明確にしたことは大きな意義を有するものだと受けとめております。  しかしながら、国においては、経済産業省における総合資源エネルギー調査会基本問題委員会や原子力委員会における新大綱策定会議においてエネルギー政策、原子力政策について審議が続けられておりますが、原子力への賛成、反対の二項対立による冷静さを欠いた情緒的な議論に終始し、国家としてのエネルギー戦略や原子力の本質的な議論が十分に行われていない状況であると認識しております。  原子力政策大綱会議については、電気事業者等の内部会議を開催したということが問題視され、会議そのものが中断に追い込まれる事態となっております。知事におかれましても、原子力発電関係団体協議会会長として、すなわち原子力立地自治体の代表として原子力委員会の原子力政策大綱策定会議に参加されています。原子力立地自治体の代表として、また核燃料サイクル施設立地県の知事として積極的に適切な発言をなされ、孤軍奮闘されていることを十分承知しており、深く感謝と敬意を表するものであります。  しかしながら、原子力へ対する情緒的な不信感、マスコミ等によるいわゆる原子力村と称した一方的な批判により、立地自治体の知事としての発言が軽んじられるありように残念でなりません。サイクル政策に関しても、これまでの全量再処理の基本政策が大きく見直されようとしている現状にあり、六ヶ所村に再処理施設が立地する本県として極めて憂慮すべき事態と受けとめております。  一方、自由民主党は、国政では野党でありますが、去る六月一日に党の総合エネルギー政策特命委員会のメンバーである国会議員五名が大間原発と東通再処理工場を視察しました。山本一太委員長は、原子力立地地域の歴史的経過と原子力推進の意見をしっかり受けとめる、福島原発の事故により新規立地の推進は困難と考えるが、大間原発は建設中であり、新規立地には当たらないなどとコメントし、立地地域の意見もしっかり受けとめ、自民党としてのエネルギー政策の最終報告を八月から九月に取りまとめるとのことであります。  本県においては、福島第一原発の事故を受け、県民の安全・安心を図る観点から、昨年、青森県原子力安全検証委員会を独自に設置し、県内の原子力施設にかかわる安全対策について厳しい検証作業を行い、地域の視点も踏まえた丁寧な検証がなされました。  検証委員会からの報告を踏まえ、知事みずからが県内各原子力事業者に対し要望確認を行い、事業者からも適切な回答がなされております。本県においては、地域の立場から、県民の安全・安心を最大限守るという取り組みを、知事の真摯な姿勢とリーダーシップにより強力に推進しているものと受けとめております。  長年にわたり国のエネルギー政策に協力し、原子力を中心に日本のエネルギー供給の一翼を担い、日本経済の発展や国民生活の向上に貢献してきた本県にとって、国のエネルギー政策、原子力政策の動向は重要事項であります。国のエネルギー政策いかんによっては、本県の財政、雇用、地域経済全般にわたり県民生活に大きく影響することになります。  私としては、日本が置かれた地政学的状況、現実を客観的に直視し、国家としての将来を見据え、今後のエネルギー戦略を資源確保、外交・安全保障、地球温暖化問題、経済、高齢化社会対応等といった多面的な角度から総合的に考えたとき、再生エネルギーの最大限の拡大を図ったとしても、原子力発電所が果たすべき役割の重要性に変わりはないと思います。  日本は、戦後原子力発電の推進によって、二度にわたるオイルショックを克服し、経済発展をなし遂げ、国民の福祉向上を実現してまいりました。原子力に付随する安全性リスクを抱えながら、その克服を図り、国民福祉へのメリットを最大限発揮してまいりました。福島の事故の発生は大変残念なことでありますが、今こそ問題点や改善すべき事項を徹底的に洗い出し、安全性向上に生かすことが大切です。  原子力のような新たな科学技術のリスクは不可分なものであり、リスクを適切にコントロールし、リスクが顕在化しないように抑え込んでいきながら科学技術をみずからのものにしていく努力が重要です。原子力は最先端の科学技術の集大成であり、こうした科学技術を放棄することは、人類の将来にとって許されないことだと思います。リスクを克服するこうした努力の繰り返し、挑戦が人類発展の歴史であり、人類の将来に向けた福祉の向上につながるものと信じております。  我が青森県は、こうした日本のエネルギー情勢、国家戦略を十分理解し納得した上で国のエネルギー政策に協力し、高い誇りを持ってこれを支えてきたものであり、単なる一面的な経済効果だけを求めてきたものではありません。本県は、こうした誇りと使命感を持ってエネルギー政策、核燃料サイクル政策について積極的に提言していかなければなりません。  そこで、国におけるエネルギー政策、核燃料サイクル政策の見直しにかかわる状況と知事の考える原子力政策のあるべき姿について御見解をお伺いいたします。  二点目でございます。  午前中の畠山議員の質問とちょっとかぶりますけれども、質問させていただきます。防災公共への取り組みについてお伺いいたします。  昨年の東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、知事は、危機管理体制の強化とともに、孤立集落をつくらないという視点に立ったインフラ整備を推進し、ソフト、ハード対策を一体となって行う防災公共という考え方を示されました。県民の生命、財産を守るため、大規模災害、複合災害を想定した総合的な対策が急務であり、防災公共に関する県民の関心は極めて高いものがあります。  そこで、防災公共を推進するための取り組み方針について知事の見解をお伺いさせていただきます。  また、防災公共の推進に当たっては、災害による被害想定の具体的な検討作業とそれに対応する適切な対策の立案が必要です。現在の進捗状況について具体的な御説明をお伺いさせていただきます。  三点目といたしまして、恐縮ですが、下北地域の道路整備についてお伺いさせていただきます。  本件につきましては、防災公共とも密接に関連しておりますが、下北地域における道路網は極めて脆弱な状況であり、とりわけ災害時における避難経路の確保において住民の不安はかつてないほど高まっており、極めて切実な地域の重要課題であることを、私は、これまでの一般質問を初め、県議会のあらゆる機会をとらえて発言させていただいております。  とめたくなくてもとめなければならない状況と。現在も脇野沢―野平間が五月の豪雨による地すべりということで通行どめになっております。担当部局が懸命な対応をしているところですけれども、まだめどが立っていない状況と。震災時の大津波警報による通行どめや落石による通行どめに加え、ことし二月に発生した大雪による通行どめ、立ち往生は記憶に新しいものと思います。  私としては、災害時において安全な避難ルートを適切に確保する必要があるとの視点からも、地域間を結ぶバイパス等の大規模な道路整備がぜひとも必要であると考えております。  そこで、一として、現在建設が進められている下北半島縦貫道路の整備状況と今後の取り組みについてお伺いいたします。  二として、国道二百七十九号二枚橋バイパス、いわゆる木野部峠のバイパス、国道三三八白糠バイパス――東通でございます――についても完成が待たれるところでありますが、その整備状況と今後の取り組みについてお伺いいたします。  三として、国道二百七十九号の国直轄移管の問題についてお伺いいたします。  本件については、下北半島において唯一の基幹道路でありながら、整備が不十分で災害に極めて弱い国道二百七十九号の整備を適切に進めていくため、国直轄移管が必要であり、従来から地域一体となった要望活動が活発に展開されているところでありますが、なかなか進展が見られません。  そこで、国直轄移管への今後の具体的な取り組み方策について御説明をお願いいたします。  四として、下北地域の広域的な避難経路確保に向けた県の考え方、取り組み状況及び今後の見通しについてお伺いいたします。  四点目でございます。  青森県の水産業の振興についてお伺いいたします。  三方を海に囲まれた本県は、豊かな水産資源を生かし、水産業を本県の重要な基幹産業の一つとして大切に守り育ててきました。本県は全国有数の漁獲量を誇っており、我が国の食料供給基地として重要な役割を担っているとの自負もあります。本県の基幹産業として今後も永続的に水産業の振興を図っていく必要があります。  そこで、県としては、本県水産資源の維持増大に向けてどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  また、近年は、漁獲量の減少に加え、魚価の下落低迷には著しいものがあり、漁業従事者は大変な苦境にあえいでおります。このままでは、漁業従事者のさらなる減少と漁村の衰退、なお一層の過疎化を招くことは必至であります。私の地元の風間浦村を初めとした下北地域の大きな課題であります。良質な水産物でありながら、なかなか市場で評価されず、魚価が低迷している状況を打開するには、本県水産物のブランド化が必要だと考えます。  そこで、地域の特産水産物を生かした本県水産業と漁村地域の活性化について県はどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  五点目といたしまして、漁場利用の指導などに関する県の取り組みについてお伺いいたします。  沿岸・沖合漁業の操業海域の調整の問題についてでございます。  いわゆる尻屋沖を初めとする東海区の問題でございます。このことは、かねてより再三にわたりまして県議会でも議論された長年の課題であります。本件については、昭和五十三年に県の仲介により沿岸漁業と沖合漁業の協定が締結され、二年ごとに継続更新されておりますが、尻屋崎周辺海域については沖合一海里まで沖合漁業の操業ラインが迫っていることから、多数の漁船がふくそうし操業し、資源管理上と安全操業の深刻な問題が沿岸漁業者から強く問題提起されております。沿岸漁業と沖合漁業の共存共栄を円滑に図っていくためには、県の適切な指導が求められると考えます。  そこで、沖合漁業に対する県の認識と沿岸・沖合漁業間の調整に当たってどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  六点目といたしまして、震災復興に向けた漁場の整備についてお伺いいたします。  昨年の東日本大震災により本県の水産業も大きな被害を受けました。水産関係においては、十八の漁港の防波堤や岸壁が破損し、六百二十隻の漁船が滅失・破損の被害を受けたほか、水産物荷さばき施設などの共同利用施設や水産加工場なども滅失・破損いたしました。  これらの物的損害に関しましては、これまで、国の第一次、第二次と二回にわたる補正予算を活用しながら、県や市町村、漁業者の復興に向けて必死に取り組んできた結果、漁港に関しましては被災したすべての漁港で暫定利用ができるまでに復活できていると聞いており、関係者の御努力に敬意を表するものであります。  一方、大震災により漁場、藻場等も甚大な被害を受けており、早期に本県の漁場生産力と水産資源の回復を図っていく必要があると考えます。  そこで、震災による漁場の被害状況と復興に向けた漁場整備の事業の概要についてお伺いいたします。  また、下北地区において藻場の造成事業が進められておりますが、その進捗状況についてお伺いいたします。  七点目として、本県における自殺対策について伺います。  本県における自殺による死亡者は、人口当たりに換算した自殺死亡率は全国の中でも極めて高く、ここ数年常にワーストスリーに入っている状況でありました。自殺は、御本人はもとより、御家族や周辺の方々にとっても大変不幸な出来事であり、私といたしましてもこうした状況に大変心を痛めております。  本県としても、かかる状況を深刻に受けとめ、自殺を防ぐ対策に力を注ぎ、従来からの精神保健対策に加え、社会的取り組みの強化、特にゲートキーパーの育成など地域一体となった施策に取り組んできたものと承知しております。こうした対策が功を奏したというべきか否かは県当局の評価に委ねますが、本県の自殺者数が二年連続で減少し、自殺率についてもワースト七位になったということで、全国ワーストスリーから脱却したとの報道もありました。  そこで、こうした自殺者数減少について、その要因はどのように考えているのか、その評価、分析をお伺いいたします。  また、本県の自殺者数が減少傾向にあるとはいえ、依然として全国的に高いレベルにあることに変わりはありません。昨年度の結果に一喜一憂することなく、自殺対策については今後も継続的に効果的な対策に取り組んでいく必要があります。  そこで、今後の自殺対策をどのように推進していくのかお尋ねいたします。  八点目でございます。  先ほど諏訪議員からも質問がありましたけれども、ちょっとかぶりますけれども、私からも質問させていただきます。生活保護に関することについて伺います。  皆さんも御承知のとおり、先般、人気お笑い芸人のお母さんが生活保護を受給していたことが発覚しまして大きな社会問題になりました。本件は、本人に生活能力がなくとも、子供に十分な収入がある場合、生活保護の必要性と親族の扶養義務をどう整理し、どのように制度運用するかという問題です。また、生活保護の受給者は近年激増し、生活保護費は何と三兆七千億円にもなっております。景気の悪化も大きく影響していると思いますが、偽装離婚等による不正受給や脱法行為も後を絶たないと聞いており、国民の生活保護制度に対する不公平感、不信感が大きく高まっている状況であります。  我が国は、国民の自助・自立を基本としており、自助が困難な場合には共助、さらに困難な場合には公助により補完するというのが社会保障の基本的な考えであり、最後のセーフティーネットとして生活保護をしっかりと機能させるということが大切です。社会保障システムとして、自助、共助、公助の基本原則に立つ制度設計と適切な運用が求められます。  そこで、一として、本県における生活保護世帯の推移と現状についてお伺いいたします。  二として、ケースワーカーに関して伺います。  生活保護受給者世帯に対するケースワーカーの役割は大変重要であり、生活保護者の自立支援や不正受給の防止対策にも大きく期待するものであります。  そこで、社会福祉士の資格を有するケースワーカーの配置基準と配置数についてお伺いいたします。  三として、生活保護の適正な実施を図るため、社会福祉事務所ではどのような調査や生活保護受給者への周知を行っているのかお伺いいたします。  最後、九点目でございます。若年者に対する就職支援についてお伺いいたします。  我が国経済の景気の悪化に歯どめがかからず、本県の雇用状況はなお一層深刻な状況が進んでいると認識しております。そういう中、とりわけ新卒者や若年者の就職については県が強力に支援する必要があるものと考えます。  一方で、本県人口構成は高齢化に拍車がかかっておりますが、新卒者や若年者が県内で就労できる環境の整備促進を図ることも重要です。ちなみに報道によれば、来年三月高校卒業予定の就職希望者のうち五九%、約六割が県内での就職を希望しているとのことであります。
     そこで、一として、平成二十四年三月の新規高卒者及び大卒者の就職状況についてお伺いいたします。  二として、学卒未就職者等の若年者に対する就職支援の取り組みについてお伺いいたします。  以上、大きく九項目についてお尋ねをいたしました。壇上からの質問は以上とさせていただきます。 80 ◯議長(高樋 憲) 知事。 81 ◯知事(三村申吾) 横浜議員にお答えいたします。  まず、一点目でございますが、原子力政策のあるべき姿についてどう考えるかでありますが、私は、知事として最も重要なことは県民の安全と安心を守ることにあると考えております。これまでも、安全なくして原子力なしという強い思いから、国及び事業者に対して県内に立地する原子力施設の安全確保の徹底に責任を持って取り組むよう要請いたしますとともに、事業者に対しましては、機会あるごとに安全確保の基本であります品質保証活動の持続的、継続的な改善を求め続けてきました。具体的な対応を求めてきたところであります。  しかして、エネルギーの安定供給は、防衛や食料などとともに国家安全保障上極めて重要な課題であるとも考えます。そして、加えて、地球温暖化に対する観点からは、脱化石燃料と低炭素社会の実現が求められている、そのことも思うところであります。また、現状、現実的なものとして原子力、火力、再生可能エネルギーなどのベストミックスを図ることが重要であるとも考えるところであります。  また、国策であります原子力政策につきましては、長期的な視点を踏まえつつ、現実的な議論を行う必要があり、私としては、これまでも、中長期的にぶれないしっかりとした国家戦略としてその方針を打ち出すべきであることを、さまざまな機会を通じて申し述べてきたところでございます。  下北地域の広域的な避難道路確保に向けた取り組み、今後であります。  原子力関連施設が多数立地しております下北地域におきましては、広域的な避難路の確保は極めて重要であるものと認識します。  県では、これまでも、例えば国道二百七十九号の現道の安全確保のため、風間浦村易国間地区におきまして、平成十七年度から今年度まで約四十四億円の予算規模で落石対策工事を進めてきたところであります。  さらに、今年度当初予算において四億五千万円を計上し、県道薬研佐井線における避難路整備に必要な調査設計や改良工事、県道川内佐井線における通年通行に向けた防雪施設の調査設計や災害防除工事を実施することとしております。  また、ことし一月の青森県原子力発電所の原子力災害時における避難のあり方検討プロジェクトチームの最終取りまとめを踏まえ、下北地域広域避難路基本調査において複合災害時における広域的な避難路の検討を行うこととしております。  具体的には、既存または計画中の農道、林道、道路を連絡、補完し、集落間を結ぶ効果的な避難路計画を策定するとともに、さらに、これを基本とした新たな避難路についても検討を行うこととするものでありまして、先月、調査に着手したところであります。  今後は、避難路の整備に向けて、現地状況を踏まえた基礎ルートの設定や整備手法の検討を行うとともに、県と関係市町村とで情報を共有しつつ、役割分担について整理していくこととしております。  地域の特産水産物を生かした水産業と漁村地域の活性化についてであります。  本県の八百キロメートルに及ぶ海岸線に面した漁村地域は、新鮮で良質な水産物の水揚げや風光明媚な景観、営々と受け継がれている貴重な伝統文化など、さまざまな魅力に恵まれております。  しかしながら、本県の基幹産業の一つであります水産業を取り巻く環境は、漁獲量の不振や魚価の低迷に加え、燃油高騰、漁業就業者の減少、高齢化など厳しい状況も続いております。  私は、本県の水産業と漁村地域の活性化を図っていくためには、例えば横浜議員の地元でございます風間浦村のキアンコウと観光業のタイアップによるブランド化や地域おこしの先進的な取り組みを全県的に普及させていくことが重要と考えます。  このため、県では、魅力あふれる多くの特産水産物を貴重な観光資源として位置づけ、その利活用を促進するため、市町村や漁業関係者等と連携し、特産水産物にまつわるエピソードや食文化などについて物語性を持った「青森おさかな自慢」としてこれを取りまとめ、県内外に積極的に情報を発信していくことといたしました。  この取り組みにより、大間のマグロや風間浦村のキアンコウなどに次ぐ、青森ならではの資源を掘り起こし、知名度アップによる観光客の誘客等で水産業と漁村地域の活性化もあわせて図ってまいります。  若年者に対する就職支援についてであります。  私は、これまでも、産業・雇用を県政の最重要課題と位置づけ、その対策に取り組んできました。特に、次代を担う若者が県内で意欲を持って就業し、能力を発揮していくことが重要であると考え、ジョブカフェあおもりによる職業適性診断やキャリアカウンセリング、各種セミナー等による就職支援策を展開してきました。  昨年十一月には、ハローワークとの一体的運営を行うヤングジョブプラザあおもりを開設し、四月二日に本格オープンさせますとともに、この八月にはむつ市のサテライトスポットに職業紹介機能等を追加するなど、県内三カ所にありますサテライトスポットの機能強化も図っていくことといたしております。  また、学卒未就職者等に対しましては、基金を活用した緊急雇用創出対策事業において就業機会の提供や早期就職を支援するための職業訓練等を実施しております。  さらに、新規高等学校卒業者の県内就職を促進するため、教育長、青森労働局長とともに、県内経済団体に対し求人提出と採用活動の早期取り組みを要請してきたほか、県内企業約一千社を対象に県職員による求人開拓ローラー作戦を行っているところであります。今後とも、一人でも多くの若者が青森県で働き、暮らしていくことができるよう取り組んでいく考えであります。  私からは以上です。 82 ◯議長(高樋 憲) 健康福祉部長。 83 ◯健康福祉部長(江浪武志) 五点についてお答えいたします。  まず、本県の自殺者数が二年連続で減少しているその要因についてでございます。  議員から御紹介いただきましたとおり、本県におきます自殺者数は、厚生労働省の人口動態統計によりますと、平成二十二年は四百三人で前年より七十三人の減、平成二十三年は三百五十六人――これは概数でございますが――で前年より四十七人減と二年続けて減少いたしました。自殺者数が四百人を下回ったのは、平成九年以来十四年ぶりとなっております。  県では、自殺者数の増加に伴い、平成十三年度から自殺予防の総合的な対策に取り組み、平成十七年度からは、県民の心の健康づくりを進める一次予防活動、ハイリスク者に対する二次予防活動、残された遺族の心のケアを行う三次予防活動など、市町村の自殺予防活動に対する支援を実施してきました。現在は、県内全市町村において自殺対策が講じられております。  また、県では、平成二十一年度から自殺対策にかかわる司法、商工、労働、教育などの各相談窓口担当者が一堂に会するこころの相談窓口ネットワーク会議を開催し、関係機関の顔と顔が見えるネットワークの構築と連携に努めております。  自殺者数が二年連続で減少した要因につきましては、今後専門家の評価、御意見をいただくことになりますが、平成二十二年に大幅に減少した際には、青森県自殺対策連絡協議会において、このように各地の地域特性に応じた取り組みや相談体制が整備され、相談窓口が周知されてきていることなどが自殺者数減少の一因ではないかとの御意見をいただいているところでございます。  次に、今後の自殺対策についてでございます。  自殺には、さまざまな要因が複雑に関係していることから、引き続き総合的な自殺対策を推進していく必要があると考えております。具体的には、相談窓口の周知と各窓口担当者同士の連携の強化、いのちの電話相談員の養成、うつ病に関する知識の普及や自殺を身近な問題として考えるフォーラムの開催など広報活動の実施及び市町村が取り組む自殺予防活動への支援に引き続き取り組むこととしております。  中でも、自殺を防ぐためには県民一人一人が自殺対策の主役となるような取り組みが重要であることから、地域の自殺対策の担い手となるゲートキーパーの養成や自殺対策にかかわる民間団体ボランティアの養成など人材育成に努めるとともに、関係機関相互のネットワークの構築に力を入れて取り組むこととしています。  また、本県で実施されている自殺対策にかかわる事業については、現在、青森県自殺対策検証研究会で効果等について検証をいただいていることから、その結果を踏まえ、今後の本県における自殺対策をより実効性があるものにしていきたいと考えております。  次に、生活保護に関しまして、まず、本県における生活保護受給世帯の推移と現状についてでございます。  本県における生活保護受給世帯数は、平成八年度から継続して増加しており、月平均の生活保護受給世帯は平成八年度の一万千三百十五世帯から、平成二十三年度には二万二千四百三十四世帯と、この十六年間で一万千百十九世帯とほぼ倍増となっております。なお、一世帯当たりの保護人員は平成八年度の一・四人に対し、平成二十三年度では一・三人となっています。  また、保護人員の人口千人当たりの比率である保護率は、平成八年度の一一・〇一パーミルから、平成二十三年度には二一・七二パーミルと一〇・七一ポイントの増となっております。  次に、ケースワーカーの配置基準と県内の配置数及びケースワーカーの資格についてでございます。  福祉事務所において生活保護業務を行うケースワーカーの配置については、社会福祉法の規定により、郡部を所管する県福祉事務所は六十五ケース、市福祉事務所が八十ケースが標準とされています。  平成二十四年四月一日現在の県内の福祉事務所におけるケースワーカーの配置数は、県福祉事務所が六十一人、市福祉事務所が二百五人の計二百六十六人となっています。  また、ケースワーカーの資格については、社会福祉法の規定により社会福祉主事の資格を有することとされています。このことにつきましては、新規採用あるいは定期人事異動などによりまして四月一日時点では資格を有していない場合もありますが、速やかに資格を取得するよう努めているところでございます。  最後に、生活保護を適正に実施するための福祉事務所での調査や生活保護受給者への周知などの取り組みについてでございます。  生活保護制度は、最低限度の生活を保障することと自立の助長を図ることを目的としています。  福祉事務所では、最低限度の生活を保障する観点から、生活保護の申請があった場合には、世帯員の生活状況、資産、収入、扶養義務者などについて、本人からの聴取や関係機関への照会などを行い、その結果に基づき生活保護受給の可否について決定しています。さらに、生活保護が開始された後においても、定期的な家庭訪問や必要に応じて関係機関への照会などを行い、生活保護の適正な実施を図っております。  なお、生活保護が開始となった世帯に対しては、生活保護制度について十分な説明を行い、収入や世帯状況に変化があった場合には速やかに届け出るよう指導しているところです。  また、自立の助長を図る観点から、稼働能力のある方には就労支援、援護が必要な高齢者には地域における見守りや介護サービスの利用など、それぞれの世帯が抱える課題に応じて具体的な援助方針を定め、その援助方針に基づき、市町村や民生委員等の関係機関と連携しながら幅広い支援、指導を行っております。 84 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 85 ◯商工労働部長(馬場良夫) 平成二十四年三月の新規高卒者及び大卒者の就職状況についてお答え申し上げます。  青森労働局によりますと、ことし三月の新規高等学校卒業者の五月末現在の就職状況は、就職希望者が前年同月に比べ五十四人増の三千六百三十一人で、このうち就職者は前年同月に比べ百四人増の三千四百八十三人、未就職者は前年同月に比べ五十人減の百四十八人で、就職率は前年同月に比べて一・四ポイント上回る九五・九%となってございます。  また、大学生につきましては、三月末現在で就職希望者が前年同月に比べ百五十九人増の二千四百十四人で、このうち就職内定者は前年同月に比べ百九十四人増の二千二百二十二人、未内定者は前年同月に比べ三十五人減の百九十二人で、就職内定率は前年同月に比べて二・一ポイント上回る九二%となってございます。 86 ◯議長(高樋 憲) 農林水産部長。 87 ◯農林水産部長(渋谷義仁) 御質問四点についてお答えいたします。  最初に、本県水産資源の維持増大に向けた県の取り組みについてであります。  県では、本県水産資源の維持増大に向け、つくり育てる漁業として、種苗放流により資源の積極的増大を図る栽培漁業や出荷時点まで育成管理を行い安定生産を図る養殖業を推進するとともに、一定のルールに基づいた適正な漁獲を守り、持続的な資源利用を可能とする資源管理型漁業を並行して推進していくこととしております。  具体的な取り組みとして、つくり育てる漁業では、サケ及びサクラマス種苗の放流や公益社団法人青森県栽培漁業振興協会が行うヒラメ種苗生産放流への支援、陸奥湾のホタテガイ養殖の安定生産確保に向けた技術開発や普及等を行っております。  また、資源管理型漁業では、国による漁獲可能量制度によるスルメイカ、マサバ等の漁獲管理を継続して実施するとともに、昨年度からは資源管理・漁業所得補償対策に取り組み、漁業者への資源管理計画の作成指導や休漁等の資源管理措置の履行確認等を行っております。  県では、今後も、本県水産資源の状態を的確に把握しながら、資源の維持増大に向けて、本県の海域特性を生かしたつくり育てる漁業や資源管理型漁業の一層の推進に取り組んでまいります。  次に、漁場利用の指導などに関する県の取り組みについてであります。  本県の周辺海域では、沖合漁業と呼ばれるまき網や底びき網及び沿岸漁業と呼ばれる刺し網や定置網、イカ釣りなどの多種多様な漁業が営まれております。沖合漁業の漁獲物は主に加工原料として利用されており、一方、沿岸漁業の漁獲物は主に生鮮品として利用されていることから、沖合・沿岸漁業はそれぞれの役割があり、いずれも本県水産物の生産手段として重要な漁業であると認識しております。  使用する漁船の大きさや操業方法に大きな違いがある沖合漁業と沿岸漁業は、同じ漁場を操業することが多いことから、安全操業の確保や漁具被害の防止を図りながら漁業生産力を向上させるためには、関係漁業者間の相互理解とこれに基づく操業ルールが不可欠であると考えております。  このため、県としては、国と連携しながら関係漁業者間の操業協定等の締結や更新などを通じて協議の場を確保するとともに、漁業者間で操業ルールを明確にするよう、今後とも沿岸・沖合漁業の調整に取り組んでまいります。  続きまして、震災復興に向けた漁場整備に関する御質問のうち、まずは実施事業の概要についてであります。  県では、東日本大震災の津波により甚大な漁業被害を受けた三八地区と下北地区の漁場において、国の平成二十三年度第三次補正予算である水産環境整備事業を活用して漁場の生産力を回復するための整備に取り組んでおります。  具体的には、コンクリート製漁礁を設置してヒラメやメバル、アイナメ等の釣りや刺し網漁場を造成するほか、コンクリートブロックを設置してアワビのえさや稚魚の育成場となる昆布藻場を造成し、水産資源の回復を図ることとしております。  最後に、下北地区における藻場造成の進捗についてであります。  下北地区の藻場造成については、大間町から風間浦村、むつ市、東通村までの沿岸において昆布の胞子が付着し成長する基盤となるコンクリートブロックを設置し、合計三・五ヘクタールの昆布藻場を造成する計画としております。  下北地区では、国の平成二十三年度第三次補正予算により事業に着手し、本年五月末にはブロックの設置箇所を決定するための海底地形調査を終えたことから、今後はコンクリートブロックの製作と設置を行う予定であり、本年度末までには計画全体の六割程度の進捗を見込んでいるところでございます。 88 ◯議長(高樋 憲) 県土整備部長。 89 ◯県土整備部長(成田昌規) 御質問五点についてお答えします。  まず、防災公共を推進するための取り組み方針でございます。  県では、東日本大震災という未曾有の災害に直面し、その復旧・復興に総力を挙げて取り組むとともに、これまでの施設整備中心の防災対策に逃げるという発想を取り入れた防災公共を推進しているところです。  東日本大震災の教訓により、防災関係機関の情報共有から踏み込み、防災インフラの整備と危機管理体制の強化を関係機関一体となって取り組むことが必要です。  このため、想定される最大クラスの津波に対する浸水予測図の作成や津波・地震等による被害予測といった危機管理体制の強化を図るとともに、農道、林道の避難路等への活用検討や応急仮設住宅及び臨時ヘリポートの候補地選定に向けた調査を関係部局と一体となって実施し、それらをもとに、最も効果的な避難経路、避難場所を確保する防災公共推進計画を平成二十四、二十五年度の二カ年で策定することとしています。  次に、今年度の防災公共の取り組み状況の進捗状況でございます。  今年度は、防災公共推進計画を策定するに当たり、関係部局で構成する庁内ワーキンググループと地域県民局単位に県・市町村で構成するワーキンググループを設置してまいります。  庁内ワーキンググループにおきましては、避難場所、避難経路の検証方法などの基本方針について検討することとしており、五月二十八日に設置し、秋ごろを目途に基本方針を決定することとしております。  地域県民局単位のワーキンググループにおきましては、庁内ワーキンググループの検討結果や臨時ヘリポート候補地の調査結果などをもとに、地域ごとに最適な避難場所、避難経路を検証し、それを確保するために必要な対策を検討していくこととしています。  次に、下北地域の道路整備のうち、下北半島縦貫道路の整備状況と今後の取り組みということでございます。  下北半島縦貫道路につきましては、下北地域の振興や本県の主要幹線道路ネットワーク形成にとって極めて重要と考え、重点的に予算配分をして整備に努めてきたところです。  これまでに有戸バイパス、野辺地バイパス、合わせて十三・二キロメートルを供用するとともに、現在有戸北バイパス、吹越バイパス、むつ南バイパス、三工区二十一・三キロメートルで整備を進めております。このうち、有戸北バイパスにつきましては、今年度の開通を予定しており、これにより国道四号からむつ小川原開発地区に至る約十九・五キロメートルが供用されることとなります。吹越バイパス約五・八キロメートルにつきましては、用地取得がおおむね完了したことから改良工事の促進を図ることとしております。  また、むつ南バイパス約九・二キロメートルにつきましては、平成十五年度に新規着手し、これまで用地取得を重点的に実施しておりますが、共有地等の問題により取得が困難な箇所もあることから、一日も早い用地取得の完了に向けて関係者の皆様の御協力をお願いするとともに、今年度は事業認定に向けた調整を行う予定としております。  下北半島縦貫道路の早期の全線完成を実現させるためには、国の積極的な関与による整備が必要であることから、引き続き国に強く働きかけてまいります。  次に、国道二百七十九号二枚橋バイパス、国道三百三十八号白糠バイパスの整備状況と今後の取り組みでございます。  国道二百七十九号むつ市大畑町地区の二枚橋バイパス約四・一キロメートルにつきましては、これまでに約一・五キロメートルを供用したところであります。  今年度は、平成二十三年度に用地取得が完了した二号橋の下部工事と埋蔵文化財発掘調査を行うこととしております。今後も、共有地等の用地取得につきまして地元の皆様の御協力を得ながら進めてまいります。  また、国道三百三十八号白糠バイパス約六・七キロメートルにつきましては、一期工区約三・八キロメートルの整備を進め、昨年度、泊・白糠トンネル本体が貫通したところです。引き続き、今年度内の完成供用を目標に、トンネル設備工事及び改良工事の進捗を図ってまいります。  また、二期工区約二・九キロメートルにつきましては、早期に工事着手できるよう、地元の皆様の御協力を得ながら用地取得を進めることとしております。  最後に、国道二百七十九号の国直轄移管についての今後の具体的な取り組み方策についてでございます。  国道二百七十九号は、原子力施設や国際核融合エネルギー研究センター等が立地している下北半島地域を通過し、国道四号と一体となって本州の大動脈を形成するとともに、地域資源を最大限に生かし、地域の自立的発展を図る上でも非常に重要な路線であると認識しております。  このため、県では、本路線の整備促進を図るべく、国直轄管理区間への指定について、これまでも重点施策と位置づけ、機会あるごとに国に対して訴えてきたところです。さらに、東日本大震災を踏まえ、県では、広域避難のための重要な路線として青森県復興プランに位置づけたところです。  今後とも、国道二百七十九号の重要性及び国の関与の必要性につきまして、県議会や関係市町村等と一体となって引き続き粘り強く訴えてまいります。 90 ◯議長(高樋 憲) エネルギー総合対策局長。 91 ◯エネルギー総合対策局長(八戸良城) エネルギー政策、核燃料サイクル政策見直しに係る状況についてお答えいたします。  国では、ことし春までに革新的エネルギー・環境戦略の策定に関する選択肢を提示し、国民的議論を進めた上で夏までに戦略を決定するという方針に基づき、検討を進めているところです。  原子力発電比率を含むエネルギーミックスの選択肢については総合資源エネルギー調査会において、核燃料サイクルの政策選択肢については原子力委員会において、温暖化対策の選択肢については中央環境審議会において取りまとめられることとなっており、これらの検討状況については、去る六月八日に開催されたエネルギー・環境会議に報告されたところです。  エネルギー・環境会議では、今後、六月中に選択肢を提示し、七月に国民的議論を行い、八月を目途に戦略を定めるとされております。
     以上です。 92 ◯議長(高樋 憲) 横浜議員。 93 ◯五番(横浜 力) 答弁いただきました。ありがとうございます。  原子力政策に係る知事の見解でございますけれども、県民の安心・安全を第一義として考える。私は、国策としてのエネルギー政策、原子力の必要性というのははっきりしているわけですし、原子力施設の立地県の知事として、やはりもう少し明確な原子力政策の理念を明記すべきと思います。多少、これはたたかれるかもわかりませんけれども、恐れることなく、より前面に出して原子力の政策議論を展開すべき、これは頑張っていただきたいと思います。  それから、下北地域の避難道につきましては、特に易国間地区の落石に関しましては、四十数億という多額の投資をいたしまして、おおむね工事完了ということで本当に感謝にたえない次第でございます。  しかしながら、非常に災害に弱い道路事情でございます。二百七十九号の津波を想定したときに、どうしてもとめなければならない、そのために、今回、県議会の御理解もいただきまして、四億六千万という多額の投資を下北半島にするわけですけれども、一千万がその二百七十九号の高台に向けた調査費ということで、ようやくスタートラインを引いていただいたという思いをしております。  今後については、調査費からワーキンググループを設置しまして、これから進捗が見られるだろうと思いますけれども、今後調査費から設計費、そして工事費と早い段階でその過程が進むことを望むところでございます。  それから、下北縦貫道路につきましては、私、一年でありますけれども、一年、非常に進展がありました。六ヶ所村まで野辺地から四号線から約十九・五キロが今年度供用開始と、非常に進展があったわけであります。その吹越まであと五キロ、吹越まで行きますと、おおむね半分いくんですね。これもこれからですね。ただ、むつ南バイパスと横浜間が全く皆無であります。ここも、国に直轄移管を早くしながら進捗を図るよう御尽力を賜りたいと思います。  それから、下北の道路整備は原子力施設への県民の理解を得るためにも必要な対策であると考えますので、その辺のところも含んでおかれたいと思います。  それから、沿岸漁業と沖合漁業につきましては、これはもう知事が就任時代からの長年の課題でございます。聞き取りしますと、ますますこの難しさを感じました。しかしながら、私は沿岸漁業者の畑におります。これは日々、沿岸漁業者の声を聞いております。悲鳴です。そういう観点から、県の仲介によりまして協定の場でのきちっとした方向を見出すよう県のほうとしても努力していただきたい、そう思います。  それから、下北地域の藻場造成についてでありますけれども、三次補正による総合的復旧ということで、この漁業資源の回復ということでございますけれども、下北それから上北地区でこのぐらいの予算を投じて藻場の造成に投資するというのは、これは今までにない事業だと思います。  下北では七カ所、大間、それから蛇浦、易国間、下風呂、大畑、それから石持と岩屋ですか、三・五ヘクタール。着実にこの事業が進展し、成果を上げれば、藻場の繁茂があれば、ウニ、アワビ、そして昆布、下北の漁業者の七割が根つき漁業であります。これが回復すると非常に期待しております。ということで、このコンクリートブロック設置の事業の選定の根拠、それから、他地域での実証がありましたら教えていただければと思います。  それから、自殺対策でありますけれども、いのちの電話というのが私非常に有効だなと思っていたんですけれども、ちょっと聞き取りしましたら、月一回なんですね。〇一二〇、ただでかかる電話。生活保護者の自殺率が非常に高い、非常に困窮している方が長電話は難しいと思うので、このいのちの電話の利用状況と、それから、要望として、いのちの電話のフリーダイヤルをふやしていただけないものかなということを要望しておきます。  二点要望、再質はコンクリートブロックの設置、他所での実績、その効果と、それからいのちの電話の利用状況についての再質問で終わります。  以上です。 94 ◯議長(高樋 憲) 健康福祉部長。 95 ◯健康福祉部長(江浪武志) いのちの電話の相談実施体制と利用状況についてお答え申し上げます。  このいのちの電話は、特定非営利法人あおもりいのちの電話が実施主体となっているもので、この無料電話は月一回ということでございますが、活動そのものに関しましては、毎日年中無休で十二時から夜の九時まで、研修を受け相談員として認定された方がボランティアで電話相談に対応しているというものでございまして、県内で唯一夜間に実施している電話相談になっております。  平成二十三年の総受信件数は三千三百四十六件となっておりまして、年代別に見ますと、三十歳代が千二十三件、四十歳代が九百十二件で、三十歳代、四十歳代で全体の六割弱を占めているということでございます。また、過去三年間の総受信件数を見ますと、いずれも三千件以上ということとなっているところでございます。 96 ◯議長(高樋 憲) 農林水産部長。 97 ◯農林水産部長(渋谷義仁) 再質問にお答えいたします。  昆布藻場造成のためにコンクリートブロックを採用した理由については、下北沿岸に設置された波消しブロックなどが昆布の生育基盤として有効であること、藻場を造成する場所の波の強さや砂の厚さ、アワビの漁獲方法などに応じて最適な形状のブロックを選定できることなどによるものです。  さらに、現場でのブロック製作作業を通じた雇用面の効果も期待されているところでございます。また、水産環境整備事業により造成される合計三・五ヘクタールの昆布藻場は、昆布を餌に集まるアワビの漁場として地元漁業者に活用されるほか、メバル類稚魚の育成場やアイナメの産卵場になるものと考えております。  なお、本事業は、今年度から下北地区において実施する下北こんぶ生産安定化事業による昆布増殖と一体的に取り組むことによりまして、両事業の効果を高め、昆布藻場の早期回復が図られるものと考えております。 98 ◯議長(高樋 憲) 以上をもって本日の議事は終了いたしました。  明日は午前十時三十分から本会議を開き、一般質問を継続いたします。  本日はこれをもって散会いたします。 午後五時散会 Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...