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  1. 青森県議会 2012-05-21
    平成24年環境厚生委員会 本文 開催日: 2012-05-21


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ○開 会  午前11時02分 ◯丸井委員長  おはようございます。  ただいまから環境厚生委員会を開きます。  慣例により会議の記録署名委員を指名いたします。田名部委員沼尾委員にお願いいたします。  本日、櫛引委員が都合により欠席となっております。  本日の審査案件は、特定付託案件であります。  なお、審査の順序は、健康福祉部病院局関係環境生活部関係の順に行いますので御了承願います。  それでは、健康福祉部病院局関係の審査を行います。  執行部より報告事項があります。──江浪健康福祉部長。 2 ◯江浪健康福祉部長  それでは、社会福祉法人青森社会福祉協議会におきます生活福祉資金の着服及び使途不明金事案につきまして御報告をさせていただきます。  このことにつきましては、4月20日の当委員会におきまして御報告申し上げたところでございますが、新たな動きがありましたので、御報告を差し上げるものです。お配りしています資料のほうをごらんください。  まず、1の判決等についてですが、5月8日に青森地方裁判所におきまして判決公判が行われ、青森県社会福祉協議会の元職員に対して、懲役2年10カ月の実刑が言い渡されたところです。控訴期間は平成24年5月9日から5月22日となっており、現時点では確定に至っておりません。  次に、2の今後の県の対応についてですが、県社協におきましては、現在、原因者に対する損害賠償請求の準備を進めていると聞いております。県としましては、従来から、使途不明金について、原因者に対して返還を求めるとともに、回収できない場合は、責任のある役職員に求償を行うなど、理事会の責任において確実に補填を行うよう指導しているところであり、今後も事態の推移を注視していくこととしております。  御参考といたしまして、2枚目以降に前回報告の内容を添付させていただいております。  以上、御報告申し上げます。
    3 ◯丸井委員長  ただいまの報告事項及び特定付託案件について質疑を行います。  質疑は、所管外にわたらないようお願いいたします。  なお、答弁者は、挙手の上、「委員長」と呼び、次に職名を名乗って発言を求めてください。  質疑はありませんか。──高樋委員。 4 ◯高樋委員  それでは、私のほうから平成23年11月の第268回定例会におきまして、青森県小児科医会のほうからヒブ・小児用肺炎球菌子宮頸がん、水痘・おたふくかぜ各ワクチン公費負担を求める陳情書が出されまして、県議会としましては、それを採択し、国のほうに要望してきたわけでありますけれども、その後の状況がどうなっているのかお伺いいたします。 5 ◯葛西保健衛生課長  お答えします。  5つのワクチンのうち、まず、ヒブ、それから小児用肺炎球菌子宮頸がんワクチンの3つのワクチンにつきましては、平成22年度から接種対象年齢層に緊急に一通りの接種を提供し、これらの予防接種を促進するため、国からの交付金を財源といたしまして、県に基金を設置し、市町村が平成23年度末までに実施する接種事業に対して補助を行うこととしてまいりました。  その後、3つのワクチン定期接種化の結論が出ていないことから、本年2月に成立した国の平成23年度第4次補正の中に所要の経費が盛り込まれ、接種事業実施期間が平成24年度末までに延長されました。このため、県では、引き続き平成24年度も同様に3ワクチン接種事業に対して補助を行うこととしております。  次に、水痘・おたふくかぜワクチンの2つのワクチンにつきましては、さきの3ワクチンのような緊急措置としての事業は行っておりませんが、厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会において、定期接種に向けての審議が行われている状況にあります。  県では、これまで、昨年11月に環境厚生委員長とともに3ワクチン事業実施期間の延長等を国に対して要望したほか、全国衛生部長会を通じ、本陳情にあった5つのワクチン定期接種化について国に対して要望してきたところであり、今後ともさまざまな機会をとらえ、接種者が公費負担を受けられるよう、国に強く要望してまいりたいと考えております。  以上です。 6 ◯高樋委員  国のほうでも子供を守っていくという観点のもとで、大分前向きな検討をしていただいているようであります。特に水痘・おたふく等におきましては、他の県においては独自の対応をしている地域もあるようであります。青森県は全国有数の短命県となっており、これも早く返上していかなければいけないという部分で、いろいろ県のほうでも考えているようでありますけれども、やはり子供たちもせっかく与えられた命を守ることを強化していくということは、短命県を返上することにもつながっていくわけでありますので、どうかひとつ、委員長も県と一緒になって国に対する要望活動も、さらに強めていただきたいと思っておりますし、同時に県のほうも、今の国はちょっと当てにならんものですから、ちょっとどうなるかわかりませんけれども、いずれにしても、早く対応をしていただくように働きかけていただきたいと同時に、少し積極的な対策もひとつ考えていただくように要望したいと思っております。  次に、たまに新聞には情報が出ているようでありますけれども、最近、多分、委員会では議論にはなっていないような感じがするんですけれども、エイズ対策についてであります。これは、私は環境厚生の委員になった大分前のときに一度、先輩委員から、「おまえ、これ、ちゃんと質問せえ」と言われて質問したんですけれども、多分、それ以来、委員会では取り上げられていないんではないかと思うんですけれども、本県におけるHIV感染者届出数及びエイズ患者届出数についてお伺いいたします。 7 ◯葛西保健衛生課長  お答えします。  本県のHIV感染者及びエイズ患者の届出数につきましては、平成元年から23年までの累計で65名となっております。  まず、HIV感染者ですが、これは累計で42件となっておりますが、平成19年から23年までの5年間の届出数を見ますと、平成19年から順に、3件、5件、4件、2件、3件と推移しております。  次に、エイズ患者の届出数ですが、これは累計で23件となっております。同様に平成19年から順に、1件、2件、3件、1件、1件となっておりまして、HIV感染者及びエイズ患者の届けにつきましては横ばいの傾向にあるというふうに考えております。  以上です。 8 ◯高樋委員  次に、感染の予防及び蔓延の防止を図るために、県はどのように取り組んでおられるのかお伺いします。 9 ◯葛西保健衛生課長  お答えします。  HIVの感染予防のためには、エイズに対する正しい理解が重要となります。このため、県では、世界エイズデーに合わせまして街頭キャンペーンやポスターの張り出しなど、広く県民に広報するとともに、教育関係者の研修会におきましてもエイズについての講演を実施するなど、普及啓発活動を行っております。また、医療機関関係者向け医療講演会を開催し、エイズ治療の動向等について理解を深めていただく取り組みも行っております。  同時に、感染者が早期に検査を受け、適切な相談・医療へとつなぐためには、保健所等における検査・相談体制の充実も必要となります。このため、各保健所にエイズ相談専用電話を設置し、感染や病気の不安についての相談や検査の申し込みを受け付けるとともに、検査体制につきましても、各保健所で月1回以上、匿名での検査を実施しております。このうち2保健所につきましては、より多くの方に検査を受けやすくするため、夜間即日の検査を実施しているところです。  感染予防及び蔓延防止を図るためには、県民が身近な問題としてHIV・エイズについての理解を深めるとともに、HIV検査・相談の機関を積極的に活用していただくことが重要であると考えており、今後もこうした取り組みを進めていくこととしております。  以上です。 10 ◯高樋委員  検査体制もいろいろ対応しているという話でありますけれども、実際、多分、自分でもしかかっているかかかっていないかということで、じゃあ、検査に行こうというまでの精神的な重荷というのはすごいものがあると思って、やはり、それをなくするためにも、根本的には、まず、そういうことにならないと、防ぐという意識を高めていくことが大切なんだと思うんですよね。産婦人科の先生方も、いろんな面で御活躍しているようでありますけれども、ひとつ、県も、ここはちょっと、ともすれば忘れてしまって、何かおろそかになってしまう感じがあるんですけれども、常にエイズに対する怖さ、また、エイズに対する予防というものを自分たちでしっかり対応するという意識をさらに県民に高めていただくように要望して終わります。 11 ◯丸井委員長  ほかに質疑はありませんか。──古村委員。 12 ◯古村委員  まだ環境厚生委員会、なれてなくて、今回の質問も、制度の粗筋をなぞるだけというんですか、そういうことになるかと思います。  介護保険制度とこども園について、それから発達障害、最近、ちょっと政治的にもにぎわしていますので、この3点についてお聞きをしたいと思っています。  1つには、介護保険制度でありますけれども、私も青森市の住民になりまして、5月15日、市政だよりというのが配送されました。24年度から介護保険料が変わりました、65歳以上の皆さんへというタイトルがついていまして、私も3年目になります。それで、この保険料の基準額が年額6万6,500円になりました。昨年に比較して1万500円の増額ということでびっくりしました。県議会議員の給料が高いものですから、私の場合は9万8,100円から11万6,400円になるという、24年、25年、26年、これからの第5期というんですか、3年間がそうなるということでありますので。  介護保険給付費、こう毎年上がっていったとすれば破綻するんではないか、国民年金どころではないんではないか、そういう感じを持っていますので、この介護保険給付費の現状というのはどうなっているのかと、特に施設介護とか在宅介護、こういうものが一体どういう推移になっているのか。朝晩、介護施設のマイクロバスというんですか、送り迎えが最近はタクシー以上に家の前を通ったりするわけでありますので、この辺で介護の給付費の現状について、冒頭、お尋ねを申し上げます。 13 ◯伊藤高齢福祉保険課長  お答えします。  介護保険給付費の現状についてですが、介護保険保険給付には、1つとして在宅の要介護者・要支援者の方に提供される訪問介護通所介護などの居宅サービス、2つとして介護保険施設に入所している方に提供される施設サービス、3つとして原則として、その市町村の要介護者・要支援者の方をサービスの対象とする認知症高齢者グループホームや定員29人以下の介護老人福祉施設などの地域密着型サービス、この3つがございます。  これらのサービスに係る介護費用から利用者負担額を除いた介護保険給付費について、各市町村から直近で報告されました平成24年1月サービス提供分でお答えいたします。  まず、居宅サービスについては約43億4,500万円、施設サービスについては約30億3,500万円、地域密着型サービスについては約13億8,000万円の合計で約87億6,000万円となっております。  以上です。 14 ◯古村委員  この地域密着型の13億8,000万円と施設を含めますと43億円、在宅サービスというのと居宅サービスというのと同じ意味なんですか。いわゆる居宅サービス地域密着型も一緒の施設ということになりますと、ちょうど半々、43億円、43億円ということになれば、問題は利用者数というのは、施設と居宅ではどれぐらいの比率なもんでしょう。 15 ◯伊藤高齢福祉保険課長  先ほど御説明しました24年1月サービス提供分に係る受給者数について、40歳以上65歳未満の第2号被保険者も含めての数になりますが、居宅サービスで4万4,549人、施設サービスで1万1,286人、地域密着型サービスで6,160人の方がサービスを受給しております。  以上でございます。 16 ◯古村委員  済みませんけれども、それぞれ一人当たりにして出していますか。 17 ◯伊藤高齢福祉保険課長  受給者1人当たりの給付費については、まず、居宅サービスが9万5,299円、施設サービスが26万8,931円、地域密着型サービスが22万4,050円となっております。 18 ◯古村委員  今、隣で聞きましたけれども、これは年なのか、月なのか。 19 ◯伊藤高齢福祉保険課長  あくまでも、先ほど御説明しました平成24年1月分でございます。 20 ◯古村委員  金額も。 21 ◯伊藤高齢福祉保険課長  そうです。 22 ◯古村委員  毎日3億円弱の給付費が支払われているということでいいですか。 23 ◯伊藤高齢福祉保険課長  おおむねでございますが、1日当たり約3億円ということになります。 24 ◯古村委員  保険料が改定のたびに上昇していくと。こうなれば、しかも、国民年金とか、6万円もらっている人、あるいはそれ以下の人からも年金から、取りやすいように差し引くということで、保険料が値上がりするということになれば、いずれは介護保険制度というのは成り立たなくなるんではないかと。今の一体改革の記事なんかで見ますと、いずれはこのままだったら、1万円の保険料ということも予想されると、こういう記事が出ていましたけれども、月額1万円を、国民年金から差し引くということになっていけば、とてもじゃないが、支払い不能になるんではないか、そういう心配をしていますけれども、青森県の生活実態、所得、こういうものから勘案して、県が介護の制度としての見解、今現在の、これについて、どうお考えなのかお伺いします。 25 ◯伊藤高齢福祉保険課長  介護保険制度は平成12年度に始まっておりますが、それから約12年が経過しました。この間、高齢化の進行に伴い、65歳以上の被保険者数は約1.3倍になっており、65歳以上の要介護等認定者数は約2倍と増加しております。また、介護保険給付費については約2倍に増加するなど、介護保険が果たす役割は大きくなってきております。介護保険料についても、制度開始以来、約1.7倍に増加し、被保険者の負担感が大きくなっているものと考えております。  介護保険費用負担につきましては、介護費用から利用者負担を除いた介護保険給付費について、半分を公費で賄い、残り半分を保険料で賄うということになっておりますので、給付費が増加すれば保険料で賄う分も増加することになります。  したがいまして、介護保険制度を安定的に維持していくためには、介護予防を積極的に進め、元気な高齢者が要介護などにならないこと、要介護、要支援者などの方が重度化しないよう取り組むことが必要であると考えておりますので、介護予防事業に重点を置くとともに、要介護認定の適正化やケアプランチェックなどの介護保険給付適正化対策もあわせて実施することによって介護保険給付費の増加を抑制することにつながっていくのではないかと考えております。  しかしながら、今後ますます高齢化が進行し、要介護認定者及び介護保険給付費の増加が見込まれる中にあって、介護保険制度を長期にわたって維持、運営していくためには、適切な財源措置を行う必要もあると考えております。  県では、保険料と国・地方の負担のあり方を含めまして、必要な制度の改善を図るよう、全国知事会を通じて国に要望しているほか、北海道・東北7県保健福祉主管部長会議においても、財源の負担区分の見直しを初めとした抜本的改革を行うことなどについて要望活動を実施しているところでございます。  以上です。 26 ◯古村委員
     今、適切な財源制度の確立とか、財源負担の明確な区分ですか、そういう言い方をされましたけれども、この適切な財源制度の確保というのは消費税という理解でよろしいんですか、青森県は。 27 ◯伊藤高齢福祉保険課長  消費税、その財源が消費税で賄うかどうかというのは、私ども言える立場にはございませんが、いろんなことを含めて、国の責任において、その財源措置をしていただく、あるいは財源の出し方の見直し等していただくという趣旨でございます。  以上でございます。 28 ◯古村委員  県のほうは消費税がいいのか、それとも所得の上限をもっと、収入の多い、例えば我々、県議会議員はもっと、11万とかじゃなくて、20万ぐらい所得負担、何て言うの、高額所得者はもっと負担してもいいと、どれでもいいと。津軽弁でいけば、どんでもいいはんで、国の責任で徴収してくれればいいということになるんですか。 29 ◯伊藤高齢福祉保険課長  先ほどの説明の中に介護保険給付費自己負担を除いた分を公費負担5割、保険料負担5割と申しました。例えばですが、公費負担の割合をもっと高めていただいて、保険料負担を低くするとか、一つの方策として、そういうことも考えられると思います。  以上です。 30 ◯古村委員  それから、青森県の全国の保険料の差というのが、当初は3,256円、全国が2,911円で、その差というのが345円。第5期、24から26年にあたっては5,491円が青森県、全国が4,971円で、額では519円の差ということから言っても、だんだん差が開いていっているんではないかと。青森県が所得が低いのに保険料の額が高い、こういうことから言えば、生活費に占める保険料の割合というのは、青森県は非常に厳しいものがあると思っていますが、この辺については、県のほうはどういうお考えなんでしょうか。 31 ◯伊藤高齢福祉保険課長  第5期の全国の介護保険料について、去る3月30日に厚生労働省が発表を行ったところですが、全国平均介護保険料基準額は4期が4,160円、5期が4,970円ですので、19.5%アップしました。本県は、前回、第4期では4,999円と全国第1位でございましたが、第5期では5,490円、順位でいきますと第6位ということで、幾らか順位は下がったというところです。保険者別で見ますと、前回、第4期では十和田市が全国第1位ということでした。今回の第5期では、本県の保険者で全国10位以内に入るところはございませんでした。また、保険者別に第4期と第5期の保険料基準額の増減比較をしますと、全国で保険料の引き上げを行った保険者というのは93.5%ございましたが、本県においては87.5%と、やや少なくなっている状況でございます。  以上でございます。 32 ◯古村委員  徴収方法、先ほど年金から天引きされると、こういう言い方をしましたけれども、普通徴収、それから特別徴収、青森市のこれを見れば、それから医療保険に上乗せと、こういう記述がありますけれども、年金から差し引くのは、未納はないと思いますけれども、実際、介護保険料の未納はどれぐらいあるんですか。国民年金の場合が大きな問題になっていましたけれども、もしも、今、手元にありましたら、お知らせをいただきたいと思います。 33 ◯伊藤高齢福祉保険課長  申しわけございませんが、手元にある資料が平成21年とちょっと古いんですが、青森県の場合、特別徴収は、委員おっしゃるとおり100%の徴収でございます。普通徴収については83.5%の徴収率ですので、差し引きしますと16.5%が単純にいきますと未納と考えられるところです。  以上です。 34 ◯古村委員  これは国民健康保険、国保なんかの場合のいわゆる上乗せの分は未納とかはなかなか出てこないものなんですか。 35 ◯伊藤高齢福祉保険課長  国民健康保険の保険料と介護保険料の保険者、第1号被保険者については別々の徴収ですので、上乗せということではなく、我々、被用者保険ですと上乗せ的に、たしか給料から天引きされている。ちょっと記憶は正しくないんですけれども、第1号被保険者については別々の徴収ということでございます。 36 ◯古村委員  質問するほうも自信を持ってやっているわけでないんで申しわけありませんでした。ただ、制度のあり方としては、施設なのか、居宅、在宅なのかということなんで、何となく地域密着型というのが最近、いろんなところで施設を目にしていますけれども、何か乱立気味というんですか、金になるから、だれでもどこにでもつくっているという感じを受けていますけれども、その辺で施設はどうも乱立をして高額、これが一つの大きな原因になっているんではないかと思っていますけれども、介護の件で、最後にそれについての見解をお尋ねします。 37 ◯伊藤高齢福祉保険課長  地域密着型サービスの中で、先ほど言いました認知症グループホーム、それから29人以下の特別養護老人ホームというものについて、その施設につきましては、各市町村が3年ごとに定める介護保険事業計画の中で必要数というものを定めております。その計画に沿って整備しておりますので、総量規制が働くものでございまして、自由に乱立という表現をされましたけれども、事業者の意思だけでふやすということはできないという仕組みになっております。あわせまして、例えば有料老人ホームとか、そういうものになれば、基準にある程度合っていれば、届出制ですので、県としては受理するという形になっており、認可制ではございませんので、これにつきましては、委員おっしゃるとおり、事業者の意思で事業を始めることは可能ということになっております。  以上です。 38 ◯古村委員  冬になれば、通所の関係が、温泉なんかも設置をされて、農閑期の冬になればふえるという印象も地域ではあるんではないかと、そういう感じを持って、65歳以上ですから、楽しんだほうがいいんではないかと思いますけれども、これについても、これからも議論してまいりたいと思います。  こども園についてであります。  県条例が18年に制定されているんですよね、このこども園。今、総合こども園ということで新たなシステムをつくるんだということで議論をしているようでありますけれども、待機児童を解消するんだというのが国の目的のようであります。待機児童2万5,000ないし2万6,000人を解消するためにどうすればいいのかと。株式会社も参入させようとか、あるいはもうけは配当にしてもいいとか、そういう新聞記事もあったんですが、本県では、むしろ、待機児童というのはないはずなので、むしろ、保育所と幼稚園の子供の奪い合いになるんではないかと。ですから、私から見れば、こういう認定こども園とか、総合こども園なんていうのは必要ないんではないかという感じは持っています。  したがって、幼稚園と保育所を一体化すると言いますけれども、この総合こども園が創設されることによって、本県では子供の奪い合いが激しくなるのではないかと思っていますけれども、県の見解はいかがなものでしょう。 39 ◯鈴木こどもみらい課長  お答えします。  総合こども園は「すべての子どもへの良質な育成環境を保障し、子ども・子育てを社会全体で支援する」という子ども・子育て新システムにおける基本的な考え方のもと、幼稚園における学校教育と保育所における保育を一体的に提供するとともに、家庭における養育の支援もあわせ持つ施設として想定されておりまして、現在、国会でその法案が審議中でございます。  設置主体につきましては、委員御発言のとおり、保育需要に対応し、保育の量的拡大を図るため、市町村、社会福祉法人、学校法人に限らず、客観的基準を満たしたNPO法人や株式会社などの参入も認められているところでございます。  総合こども園は、利用者が選択し、直接施設と契約して利用する仕組みでございますが、1つとして、保育・教育に係る需要の見込みとそれに対応する供給量の確保については、それぞれの市町村が「子ども・子育て支援事業計画」を策定すること、2つとして、保育の必要性については市町村が客観的基準に基づいて認定すること、3つとして、こども園給付の対象となる施設は市町村が指定すること、4つとして、施設数が過大になっている場合は、市町村は新規の指定や更新を行わないことができることとされているところでございます。  これらのことから、地域の保育需要に応じて保育が提供される仕組みとなっていると考えられますが、県といたしましては、法案審議の経過を注視いたしまして、法案成立後は、県全体の需給状況を勘案しながら、市町村の運営に対し、適切に対応してまいりたいと考えております。  以上です。 40 ◯古村委員  今、良質な育成を目指すという言い方をしていましたけれども、果たして、このこども園、幼稚園と保育所、昔は一元化という言い方してありましたけれども、今は一体化ということで、何か私から考えれば、定員割れを起こしているから、幼稚園は保育所を取り込んで穴埋めする、そういうふうな印象を受けるんですけれども、果たして良質な育成ということになるのか。  例えば先般の新聞では保険会社が自分たちの保険を発掘するためにも保育所業務に参入をすると、しかも自分たちが所有する不動産を活用してと、こういう、何か意図が良質な育成というよりも、保険業を拡大していくというんですか、保険をとりやすくするために、小さいときから子供を預かって、それで進めていくという感じさえ受けるものですから、何か本来の形と違った方向で利益追求型になっていくんではないか、こういうような感じを持ちますけれども、課長のほうでは、民主党内閣の言い分どおり、いい方向ばかりで受け取っているものなのか。 41 ◯鈴木こどもみらい課長  新システムにおきましては、質の確保のための客観的基準を満たすことを要件に株式会社、NPO等、多様な事業主体の参入を認めようとしております。新システムは、指定制度を導入することで保育の量的拡大を図るとともに、多様なメニューの中からあらかじめ質が確保されている施設や事業であることを行政が確認し、指定された施設、または事業者の中から利用者がニーズに応じた施設や事業を選択できる仕組みとしております。ただし、新規指定の際に、需要に対して供給が足りている場合は指定をしないことができることになっていることは先ほど御説明したとおりでございます。  また、総合こども園におきましては、学校教育や社会福祉事業以外の他会計への資金の繰り入れは認めていないほか、株主への配当は一定の上限が設定される予定と聞いております。  また、事業者がやむを得ず事業を撤退する場合におきましても、都道府県等の認可を要しまして、地域における学校教育や保育の需要を考慮した上で認可するとしております。  県といたしましては、いずれにいたしましても、法案審議の経過を注視して、適切に対応してまいりたいと考えております。  以上です。 42 ◯古村委員  それと、18年度から条例化をしながら、認定こども園の認定に取り組んできているわけでありますけれども、なおかつ、国では2,000カ所認定する計画が900ぐらいだと。半分も行っていないということでありますけれども、青森県の認定こども園の状況、17カ所、その内訳等について御説明いただきたい。内訳というのは、保育所の側がどれぐらい認定保育園になったのかとか、あるいは幼稚園の側からがどうなのかと、認定こども園の数はどうなのかと、そういうことであります。 43 ◯鈴木こどもみらい課長  本県の24年4月1日現在の認定こども園の認定状況でございますが、認可幼稚園と認可保育所が連携して一体的な運営を行うことにより認定こども園としての機能を果たすタイプであります幼保連携型につきましては17カ所中4カ所、それから認可幼稚園が保育に欠ける子供のための保育時間を確保するなど保育所的な機能を備えて認定こども園としての機能を果たすタイプであります幼稚園型は17カ所中12カ所、それから認可保育所が保育に欠ける子供以外の子供も受け入れるなど幼稚園的な機能を備えることで認定こども園としての機能を果たすタイプであります保育所型につきましては17カ所中1カ所となっております。  以上です。 44 ◯古村委員  この幼保連携型というのは半々という意味か。 45 ◯鈴木こどもみらい課長  お答えします。  幼保連携型は、母体が認可幼稚園と認可保育所である場合、その2つが連携して認定を受けて認定こども園となる場合を幼保連携型と言っております。  以上です。 46 ◯古村委員  今、聞いて思い出したんだけど、前に黒石の人だか、悪いことしてたのは幼保連携型でしたか。 47 ◯鈴木こどもみらい課長  黒石市のケースについては、幼保連携型ではございません。  以上です。 48 ◯古村委員  済みませんでした。  それで、課のほうからこども園の一覧をいただいたんですが、これを見ますと、2つの幼稚園を除いては、すべて定員数を幼稚園のほうが大幅に下回っている。そして、何となく私から見れば、保育所をつくっているんだけれども、これで定員を、総体的な定員を穴埋めしようとしているんではないかと。まあ、これは教育委員会の管轄でしょうから、あれでしょうけど、何か保育所が幼稚園に攻められている。何か随分、押し負けているんでないかなと、積極性がないんではないかと思っていますけれども、何で保育所が認定こども園をためらっているのかと。先ほど申し上げました保育所型、1カ所と言っていましたけれども、これは東通なんでしょう、村営なんでしょう。(「民営でございます」と呼ぶ者あり)民営ですか、済みません。ですから、何でこの保育所が認定こども園の手続をちゅうちょしているのか、この辺について感想をお聞きします。 49 ◯鈴木こどもみらい課長  認可保育所設置者からの認定申請が少ない理由といたしましては、まず、県内の民間保育所の定員に対する平均入所率が24年4月1日現在で100.6%となっておりまして、新たに幼稚園機能を付加するだけの設備や職員の余裕がないことが考えられます。  次に、保育所型の認定こども園には、保育に欠けない子供を受け入れることが要件となっておりますが、少子化及び共働き世帯の増加によりまして幼稚園機能の対象となる保育に欠けない子供の数が減ってきていることなどが考えられます。  以上です。 50 ◯古村委員  幼稚園としての機能を設置する余裕がないということでありますけれども、じゃあ、これは認定こども園にしろ、総合こども園にしろ、保育所整備等の補助制度、これらの整備状況なり、新たな制度での施設の整備に対する国なりの手だて、こういうものはどうなるのかお伺いします。 51 ◯鈴木こどもみらい課長
     現在、待機児童解消のための保育所の創設や老朽改築による保育環境などの保育所の施設整備に要する費用につきましては、平成20年度に国から県に交付された子育て支援対策臨時特例交付金を原資とする安心こども基金を財源といたしまして、私立保育所を対象とした緊急整備事業を実施してございます。県は、保育所整備を行う市町村に補助金を交付することといたしまして、全体の負担割合は県が2分の1、市町村が4分の1、保育所設置者が4分の1となってございます。この事業による整備の実績といたしましては、直近3カ年の実績の状況を申し上げますと、平成21年度が7件、平成22年度が7件、平成23年度は12件となってございます。  以上です。 52 ◯古村委員  どうぞ、ほかに何かあったら。 53 ◯鈴木こどもみらい課長  答弁漏れがありましたので、追加いたします。  子ども・子育て新システムに係る国の説明によりますと、保育所及び総合こども園の整備につきましては、市町村が整備計画を策定し、耐震化を含む緊急的な基盤整備等に係る施設整備費補助につきましては、引き続き実施されると聞いてございます。  以上です。 54 ◯古村委員  耐震化を優先にするということでありました。この私立保育所の毎年の7件、昨年は12件でありますけれども、これはペースとしては、要望なんかはどの程度上がっているものなのか、改築なり、修繕と言えばいいか。 55 ◯鈴木こどもみらい課長  先ほど御説明した直近3カ年の状況によりますと、平成21年度の7件のうち、大規模修繕が2件、改築が4件と増改築が1件、平成22年度の7件につきましては改築が7件、平成23年度の12件につきましては改築が6件、増改築も6件となっております。  以上です。 56 ◯古村委員  最後になります。子育てについて、社会全体で子育てを支援するということで、子ども手当も創設をし、私も涙が出るほど時宜を得た政策だということで、本会議の一般質問でとうとうとやったときもありますが、残念ながら、それを約束をした政権そのものがみずからの手で葬り去ろうとしています。  それから、もう一方、親が面倒を見るべきだという考え方も、県議会で多数を占めている政党は依然としてまだこういうことを言っています。青森県の生活実態から見て、どちらがより県民にとっては、あるいは子育ての家庭にとってはふさわしいと考えているのか、課長のお話をお伺いいたします。 57 ◯鈴木こどもみらい課長  お答えします。  県では、青森県基本計画未来への挑戦の「安全・安心、健康分野」における「子どもを産み育てやすい環境づくり」の中で、「社会で支え合う安心子育ての推進」を掲げており、その下位計画である次世代育成支援行動計画「わくわくあおもり子育てプラン」に基づいて、子ども・子育てに関する施策を展開しております。  この計画では、基本理念といたしまして「子どもとともに、親とともに、地域とともに育ち合い、一人ひとりが安心と幸せを実感し、子育てに喜びを持てるふるさと青森県」を掲げておりまして、「子育ては父母・保護者が責任を持って行っていくことを前提としながらも、子育て家庭に対して地域や学校、企業など社会全体で見守り、必要な時に手助けをしていくことが大切である」と考え方を示しております。  今後とも、県といたしまして、地域の人たちが子育てを通して助け合い、支え合う社会をつくり上げ、子供を産み育てたいと思う人が、希望と喜びを持って安心して産み育てられるような環境を整えてまいりたいと考えております。  以上です。 58 ◯古村委員  何か三村知事代読という感じを受けました。ただ、県内のお母さん方というんですか、また、我々も含めて、保育所にやる、幼稚園にやるというのは、「あだこ」してくれればいい──部長、「あだこ」を知っていますか。 いいこともよくないこともしなくていいと、けがさえしないで預かってくれればいいという感じがまだ強いんではないかと思っていますので、このこども園というもの、全国一律にやるということはいかがなものかと。それぞれの事情に合わせてという感じがしないわけではありません。半端ですけれども、終わります。  次に、発達障害についてであります。  自慢ではありませんけれども、県議会議員5年間、今、6年目に入っています。健康福祉部には1回だけ質問したことがあります。これは発達障害についてであります。発達障害が、また、政治的にいろいろ利用されているのではないかというのが関西のほうで発生をしています。病気なのか、家庭環境、子育てが原因なのかということであります。ですから、もう一度、発達障害というのはどういう障害なのか、県のはっきりとした見解をお伺いします。 59 ◯菊地障害福祉課長  発達障害とはどのような障害なのかというようなことでございますけれども、発達障害につきましては、発達障害者支援法第2条で定義をされております。内容は、「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能障害であってその症状が通常低年齢において発現されるもの」とされております。  それぞれ主な発達障害の一般的な特徴としては、自閉症については、言葉の発達のおくれ、コミュニケーション障害、また、対人関係ですとか社会性の障害ないしはパターン化した行動、こだわり等を特徴とした障害であるというふうに言われております。また、アスペルガー症候群については、自閉症の特徴のうち、言葉の発達のおくれを伴わないものとされております。学習障害に関しては、知的発達におくれはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論する等の特定の能力を学んだり行ったりすることに著しい困難があるということを特徴としております。注意欠陥多動性障害については、注意持続の欠如もしくはその年齢や発達レベルに見合わない多動性や衝動性、あるいはその両方を特徴とする障害とされております。  この発達障害の原因については、現在でもはっきりとわかっていない状況ですけれども、何らかの理由による脳機能の発達に関係する先天的な障害であるというふうに一般的にはされております。したがって、保護者の育て方ですとかしつけ、また、周囲の大人たちの、親の愛情不足が原因であるという説ではございません。  以上です。 60 ◯古村委員  先天的なものというのは、じゃあ、病気ではない、治療しても治らないということになりますか。 61 ◯菊地障害福祉課長  発達障害については、予防はできないというふうにされております。  以上です。 62 ◯古村委員  病気でもないから治療もできない、そういうことからいけば、どういう手だてをしなければならないのかということになるんだけれども。  先般、南部のほうの新聞に出ていました、専門外来ができたということです。この発達障害の専門外来ができたということで、大人も随分ふえている、ですから、自分でも気がつかない、対人関係で悶着起こしたりすれば、そこで大人になってから発達障害だというのが初めてわかると。じゃあ、発達障害、どういう対応をしていくのか、特に青森県はそれによってどういう取り組みをしているのかお尋ねをします。 63 ◯菊地障害福祉課長  発達障害について、大人でも最近増えているというお話も委員からございましたが、やはり発達障害の対応ということになりますと、その障害、発達障害が先ほど定義もお話ししておりますけれども、発達障害がそもそもどういう特徴を持っているのかということの理解ということを広げていくことが大事ではないかなと。そういう理解が、私も今回の答弁に当たって、いろんな資料を見てみた中では、発達障害の特徴というのが一人一人大変異なっている、症状が多様だということが厳然としてございます。  ということは、どういう症状があるのかということを周りが理解をして、その症状に合わせた対応をしていくということでコミュニケーションが円滑に図られたり、また、発達障害を持っている人が安心して社会的な生活を送るということが可能になるというふうに思いますので、地域の中で発達障害に関する理解ということを進めていくことが大事ではないかということで、県としても、発達障害に関する理解の促進について、普及啓発ということは力を入れて行っているところでございます。 64 ◯古村委員  症状に合わせて周りの人が対応していくと。でも、問題は発達障害なのかどうなのか、言ってみれば、多様な症状が一見してわからない、私も一回だけ経験があるんだけれども、子供なんだけれども。ですから、そういう点で、非常に難しい対処を迫られる。そういうことから、昔であれば、ちょっと変わった人、あの人、変わり者なのかなという感じはするんだけれども、今はなかなか難しい。ある程度、発見も早くなっているから、数もふえていると。これからはやっぱり大きな問題になっていくと思いますので、県のほうでも特段の配慮、対策をとっていただきたい、そう思っています。  半端でありますけれども、これで終わらせていただきます。 65 ◯丸井委員長  ほかに質疑はありませんか。──西谷委員。 66 ◯西谷委員  ただいまの古村委員の質疑に関連して、介護保険制度について、ちょっと私のほうから伺いたいと思います。  この介護保険制度、平成12年とか、もっと前からだったと思うんですけれども、そもそもこの介護保険制度を制定するときに、私の理解だと、これからの地方分権時代に向かっていって、その地域の高齢者はその地域の行政で面倒を見ろというふうな趣旨があったように思うんですけれども、ずっとやってきているのを見ると、この政策の基本スタンスというのは、国の事業なのか、地方自治体の事業なのかという、その認識は県のほうはどういうふうに思っていますか。非常にあいまいな感じがするんで、どうなんですか。 67 ◯伊藤高齢福祉保険課長  介護保険は保険者が市町村となっておりますので、あくまでもその事業の運営主体は市町村ごとと考えております。  以上でございます。 68 ◯西谷委員  そうするとね、公費50%、保険者50%という負担ですよね。その中に1号だか2号だか、結局、個人個人の負担が40歳から我々まで含めて保険者の負担を市町村が徴収してやっているということですよね。それがどんどん上がってきている。これね、地方分権ということを含めて、今、交付税もひもつきでない交付税が結構ふえてきている。今までであれば、ほとんど使途が決まっている。そうでない交付税をもらっている市町村ができたときに、これを個人の負担にふやさないで公費をふやす、50、50で決めてしまっているところに何か引っかかるんだけれども、それを市町村、我々、行政側が個人であれば30徴収するとかという、そういうような裁量の部分というのは残されているんですか。 69 ◯伊藤高齢福祉保険課長  先ほど古村委員の御質問にお答えしましたとおり、保険料50%、公費50%というのは、あくまで法律上の法定負担の割合ということになっておりますので、市町村の裁量でその割合を変更するということは基本的にできないものと考えております。 70 ◯西谷委員  例えば、今、言ったように、交付税を市町村が介護保険のほうに適用したいと言って使うと、公費がふえれば、どういうことなんだろう。国からどう来ているんだということ。例えば市町村が事業主体だから、公費というのは50%全部、市町村が出しているということになるんですか。 71 ◯伊藤高齢福祉保険課長  公費の負担割合につきましては、居宅と施設の場合で若干違うんですが、施設ですと、国が2分の1のさらにその中の割合の話なんですが、国の負担は施設のサービスですと20%、県は17.5%、市町村は12.5%。これが在宅、居宅サービスになりますと、国が25%、県と市町村がそれぞれ12.5%という負担割合になっておりまして、それぞれ国、あるいは県からも市町村にこの金額が交付されるものということでございます。 72 ◯西谷委員  そうすると、国は20%なら20%出して、市町村の部分は交付税でこれは使いなさいというふうにしてきている。そこのところに自由裁量の部分があるんではないかなと。できないのか。要は、個人負担を、さっき古村委員が言ったように、どんどんふえてきて、弘前なんかは一番高くて、私も1カ月6千数百円と、青森よりもちょっと高いんです。そういうことからいくと、どうしてもさっき言ったように個人負担が大変だなという部分で、それを軽減するために公費をうまく入れるという方法論はないんですかね。 73 ◯伊藤高齢福祉保険課長  先ほど申しましたとおり、法定負担の割合になっておりますので、基本的にできないものと考えておりますが、そういうのも含めて知事会あるいは部長会等で、この負担割合も含めて国に要望しているところでございます。 74 ◯西谷委員  何とか、今の状態だと、本当に地方で、自分たちの地域のことは裁量を認めるという趣旨はわかるんだけれども、財政負担がだんだん厳しくなってきているというか、地方のほうが特に厳しいんで、これは先ほど古村委員が言ったように、将来的に、本当に成立していくのだろうかという不安を感じるんです。私も今、91のおふくろと一緒に暮らしているんで、できるだけ施設に入れないで一緒に暮らしていきたいとは思っているんだけれども。(「その前にあんた行く」と呼ぶ者あり)御指摘ありがとうございます。やめます。 75 ◯丸井委員長  ほかに質疑はありませんか。  [「なし」と呼ぶ者あり]  ないようでありますから、これをもって健康福祉部病院局関係の審査を終わります。  午さんのため、暫時休憩をいたします。  なお、再開は1時10分といたします。 ○休 憩  午後0時07分
    ○再 開  午後1時11分 76 ◯丸井委員長  休憩前に引き続き委員会を開きます。  環境生活部関係の審査を行います。  執行部より報告事項があります。──林環境生活部長。 77 ◯林環境生活部長  お手元に配付してございます資料に基づきまして、青森・岩手県境不法投棄事案に係る特定支障除去等実施計画について御報告申し上げます。  まず、1番目といたしまして、実施計画の変更についてであります。現在、国会におきましては、今年度末で失効いたします産廃特措法の期限を10年延長する同法の改正案が審議されているところでございますけれども、県境不法投棄事案につきましては、廃棄物の推計量が増加したことや汚染地下水の浄化に一定期間かかることなどから、平成24年度までの現行の実施計画の変更が必要でございまして、法律の成立後に国が示す基本方針に基づきまして、速やかに環境大臣に協議する必要がございます。  そこで、2番といたしまして、変更実施計画の骨子案でございます。これまでに実施いたしました地山確認、この地山確認と申しますのは、廃棄物の撤去完了を一般に公開して確認していただくものでございますが、この地山確認や水質モニタリング調査等に基づきまして、専門家の意見を聴きながら、変更実施計画に定める支障除去等事業の骨子案を作成したところでございます。  その内容でございます。まず、(1)といたしまして、廃棄物等の撤去、これまでの地山確認、ボーリング調査等に基づきまして、廃棄物等の総量を再推計した結果、平成22年度の推計量を7万4,000トン下回ります117万1,000トンと見込みました。平成23年度までの廃棄物等の撤去量、89万2,000トンを差し引きました残る27万9,000トンにつきましては、平成25年度までに撤去を完了することとしてございます。  その下に表をつけてございますけれども、若干申し上げますと、まず、廃棄物等汚染土壌の合計でございますが、現行計画、これがA欄でございますけれども、99万9,000トンと見込んでいるところでございます。その後、B欄にありますように、平成22年8月3日に、それまでの地山確認で得られました知見に基づきまして124万5,000トンと、A欄に比較いたしまして24万6,000トンの増加を見込み、公表したところでございます。そして、今回、C欄に記載してございますように、これまでの間に行いました地山確認とボーリング調査の結果から、今回推計を行った結果として117万1,000トンと見込んだところでございます。  これを受けまして、(2)の汚染拡散防止対策(地下水対策)でございます。廃棄物等の撤去後も現場内に残ります汚染された地下水につきましては、新たに設置する揚水井戸によりまして積極的に揚水を行い、効率的な浄化に努めることとし、現場周辺の地下水及び表流水並びに現場内の地下水が環境基準以下となり、検査結果の傾向に照らしまして、基準に適合しなくなるおそれがないと認められるときに汚染拡散防止対策を終了いたします。これに要する期間につきましては、水質モニタリング調査、地質調査等に基づき推計した結果といたしまして、平成34年度まで、撤去完了後9年間と見込んでいるところでございます。  これの対策に係ります年度別の事業実施の計画案につきましては2枚目に添付しているとおりでございますので、よろしくお願いいたします。  以上でございます。 78 ◯丸井委員長  ただいまの報告事項及び特定付託案件について質疑を行います。  質疑は、所管外にわたらないようお願いいたします。  なお、答弁者は、挙手の上、「委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。  質疑はありませんか。──西谷委員。 79 ◯西谷委員  ただいまの報告事項も兼ね合わせて質疑したいと思います。  最初に、岩木川の水質についてでありますけれども、実は先般、5月8日なんですけれども、弘前に、岩木川の河川にかかわっている5つの漁協さんたちが集まって会議を開いたのに私もたまたま参加させていただきました。岩木川の水がだんだんと汚染されてきて、アユが上がってこなくなったとか、サケが上がってきたりとか、いろんなことが報道されているんですけれども、その漁協の人たち、岩木川で水面の魚をとって生活している人たちが、岩木川の水が汚れてきているのではないかということで、全国から河川を浄化する専門家を5人呼んで会議を開いたんですが、今、津軽ダム、前は目屋ダムだったものを3倍ぐらいの大きさに変えているダムの工事が実際に行われているわけでありますけれども、そのダムの影響ではないかというふうなことをテーマに、このフォーラムが開かれたんです。そこで、私もちょっと気になって、岩木川が汚れているという話はあんまり聞かないんだけれども、参加した人たちは老健施設等そういう施設からの生活排水も流れているときかないわけ。前にも三村知事のところに、平川の漁協の人たちが来て、私も同席したんですけれども、そういう環境政策課と河川の工事をやる土木の関係とか、所管課を呼んで話し合いをした上で、知事に陳情した経緯もあります。そういう人たちも今回来て、相変わらず、川が汚れているんだというふうに言って会議を進めたんですけれども、実際、昨年度の新聞で東北で岩木川の水質は最下位だというふうに報道もされていますので、津軽ダムの建設と兼ねて、最初に2つ質問をしたいと思います。  昨年度の新聞報道等で岩木川の水質は東北で最下位とのことでありましたけれども、その岩木川の水質の状況について、まずお伺いいたします。 80 ◯濱谷環境政策課長  一級河川を含む主要な公共用水域につきましては、国土交通省、都道府県及び主要な市がそれぞれ分担をして、水質汚濁の状況を継続的に監視しているところであります。国土交通省では、みずからの調査結果をもとに、一級河川の直轄管理区間に係る水質の現況につきまして、ランキング形式で定期的に発表しています。  昨年7月に国土交通省が発表した東北地方一級河川水質ランキングでは、西目屋村から五所川原市を流れる岩木川本川の水質は、順位づけはされておりますが、利水等の目的に基づき設定されている環境基準値を下回っており、ヤマメが生息できる渓流並みの水質であるとされております。  以上です。 81 ◯西谷委員  そういう検討の結果というのはあるんですけれども、現場にいて、内水面の仕事をしている人たちは、やはり川底が浅くなってきたというのかな、例えば深みがあったり、せせらぎがあったりという、そういう変化がだんだんとなくなって、大体一律になってきているとかと言う。これは多分、ダムのところの工事をやった結果なんだと思う。そういう人たちに言わせると、河川工事をやるのが悪みたいなことで、ダムをつくるのが悪だと言っているわけですから、もちろん、ダムがあって、環境が最優先だという、常にこの問題は、そういう環境対策と、それから防災と言いますか、そういうもの、あるいは下流のほうの、上のほうからしてみれば水の確保とか、利害の絡む環境にあることは確かなんです。  それで、現在進めている津軽ダムが、今までの目屋ダムで間に合っているのに、何で大きくするんですかと、都会から来た大学の先生にはそういうことを言った先生もいたんですよ。何もそこまでやる必要ないんじゃないですかというような言い方をして、こういう大規模なダム工事をやっていると、それによって下流の水質汚染につながっているんじゃないかと言うんですけれども、これはどうなんですか。 82 ◯濱谷環境政策課長  ダム工事の水質への影響についてでございますが、津軽ダムへの本体工事は平成20年度から開始していますが、工事中の水質汚濁に係る指標であります浮遊物質量について、下流である岩木川における状況を見ますと、工事開始前から継続して環境基準値を下回っており、また、増加傾向も見られないため、津軽ダム建設工事による岩木川の水質に及ぼす影響はほとんどないものと考えております。  以上です。 83 ◯西谷委員  ほとんどないと言い切ることができるぐらい、いろんな、そういうデータとかは持っているんですか、調査した結果でそう言っているんですか。 84 ◯濱谷環境政策課長  例えば岩木川流域の4地点で経年的に水質を調査した結果、18年度から22年度までのデータを見ますと、浮遊物質量の環境基準値は25グラム/リットルであります。これが田の尻橋では5から8の間、それから幡竜橋では7から11の間、乾橋では11から16の間、津軽大橋では8から13の間ということで、それぞれその年によって増減はございますが、その範囲内で移動しており、必ずしも前の年が現在の年よりも低いというわけでもございません。その年で増減を繰り返しております。しかしながら、いずれも25ミリグラム/リットルという環境基準値を下回る量となっております。  以上でございます。 85 ◯西谷委員  この内水面の漁協さんたちが知事にそういう水質確保の陳情ということで、実際、所管課に漁協関係の人が水の問題で陳情、要望に来たことはあるんですか。 86 ◯濱谷環境政策課長  この関係の窓口が岩木川でございますので、所管は国なんですけど、県では、窓口は河川砂防課、その他、水産部関係、それと水質ということで、我々も一応、同席してお話を伺うことにしております。 87 ◯西谷委員  今度、紹介しますから、ちゃんと説明してやってください。私が幾ら言っても言うことを聞かないんです。それで、しかられるのは、私がしかられるんです。知事にちゃんとしゃべってくれと言われるんです。  私が議員になったときに、本当に岩木川をきれいにしてくれとアユ釣りの連中から言われて、河川をきれいにする条例をつくってくださいと言ったことがあるんですよ。結果的に5年ぐらいかかって、川だけの問題でないから、森と川と海の保全に関する条例ができて、相当、一体としての環境管理と言いますか、そういうことをやっていることは評価しているので、あんまり言われたくないんだけれども、本当にそういうお話が非常に多いものですから、この場で伝えておきます。今度、真っ直ぐ来るように紹介します。  それと、今、部長から報告があった県境の不法投棄の問題なんですけれども、皆さん御存じのように、先般、目屋のほうにあります旧尾太鉱山の廃水処理施設から廃水の流出事故が発生したということがあって、20日の新聞に出たので、ちょっとあわせてお尋ねをしたいんですけれども、西目屋村の旧尾太鉱山木戸ヶ沢堆積場の廃水処理施設から廃水の流出事故があり、未処理の廃水が目屋ダムを通じて岩木川本流に流出したと思われるんです、これは私が勝手に思っているんですけれども、環境生活部サイドとしてはどういうふうに対応しているかお尋ねします。 88 ◯濱谷環境政策課長  環境政策課では、4月15日夕刻、商工政策課より当該事故の報告を受けたことから、岩木川の水質に及ぼす影響を把握するため、翌16日、流出地点直下の沢及びその下流の目屋ダム貯水池等の3地点におきまして、弘前環境管理事務所で採水を行い、主に鉱山廃水に含まれる重金属である鉛、亜鉛等について、環境保健センターで分析を実施したところであります。  その結果、流出地点直下の沢において鉛が環境基準値を超過した以外に環境基準値を超過した地点及び項目はありませんでした。  以上であります。 89 ◯西谷委員  鉛のほかに亜鉛も出たとかという話を聞いたんだけれども、それは検出したんじゃなかったんですか。 90 ◯濱谷環境政策課長  亜鉛につきましては、流出地点直下の沢で1.7ミリグラム/リットル、湯ノ沢川の湯ノ沢橋で0.049ミリグラム/リットル、目屋ダム貯水池で0.016ミリグラム/リットルということで検出はされております。ただし、これについては環境基準値が設定されておりませんので、あくまでも参考として我々としてはとらえております。  以上です。 91 ◯西谷委員  設定されてないということは、亜鉛の場合は多少入ってきても、そんなに問題ないという認識なんですか。健康状態に対しては問題はないと。 92 ◯濱谷環境政策課長  特に健康に与える影響が確認されていないということで、現在のところ、環境基準値が設定されていないということであります。 93 ◯西谷委員  新聞報道によりますと、これまでも何回か、今回が初めてじゃなくて、4回と新聞に出ていますけれども、こういう流出問題が過去4回も起こっているということについて、県のほうはどういうふうに、所管が違うかもわからないけれども、環境のほうから考えると、どういうふうに指導しているのか。 94 ◯濱谷環境政策課長  このたびの流出事故を起こしました鉱山の堆積場につきましては、当課が所管します水質汚濁防止法の特定施設に該当しないことから、当課では所管外ということになりますが、公共用水域の監視を行う当課としては、こういう事故は起きないようにしていただきたいというふうに考えまして、商工サイドにも申し入れているところでございます。  以上であります。 95 ◯西谷委員  そうしますと、きょう部長からの報告のあった県境の不法投棄に対する廃棄物のほかにも地下水対策とか、要するに水の対策も今回発表したわけですよね。これと今の尾太鉱山でやっているシステムというのは同じものなんですか、違うやり方なんですか。これは何年かたつと完了するんですよね。平成33年で浸出水の処理施設は一応、完了するということなんですけれども、これはちょっと仕組みが違うのかどうか確認したいんですけれども。 96 ◯北沢県境再生対策室長  まず、県境の水処理の考え方について、私の所管になりますので、こちらのほう、説明させていただきます。  県境の地下水あるいは表流水、ごみ、また、汚染された水につきましては、まず、周辺を遮水壁で囲いまして、外に漏れないような形をとった上で、中で生じる浸出水、汚染された水を浸出水貯留池という一たんためる池に持っていきまして、そこの池から隣接する浸出水処理施設に導水して、そこで処理をいたしまして、排水基準に準じて設定しております基準に基づいて、それがクリアされたことを確認して、一応、放流すると、こういうような形をとっております。 97 ◯西谷委員  そうすると、鉱山であるがゆえに、例えば亜鉛とか鉛とかいうものがある意味では永遠に出てくるということで尾太鉱山のほうは問題があるんでしょうけれども、県境の不法投棄の場合は、そういう鉱毒みたいなものが出てこない、廃棄してしまえばあとは浸出水だけだから、そういう健康に大きく影響するようなものは検出されないということでいいですか。鉱山と不法投棄との違いということで理解していいんですか。 98 ◯北沢県境再生対策室長  まず、基本的な考え方ですが、ごみと、それから汚染された土壌につきましては、これは全量撤去することにしております。そうした後で、その後も水、地下水については、一たん汚染されたものが地下に浸透して、そこにとどまっているものもございますので、そこで終了ということではなくて、それが浄化されるまで、やはり終了できないという考え方に立っております。したがいまして、今回の計画において、地下水が自然に流下して汚染がどんどん薄くなっていくというのを待ちまして、これは積極的に地下水はくみ上げて、雨水等が浸透して自然に浄化されていくというのを待った上で、それが環境基準をクリアした段階で撤去完了、クリアした上で、今後とも環境基準を超えるおそれがないと認められる時点で汚染拡散防止対策を終了いたしますので、そういう意味では、それが終了すれば汚染源である廃棄物もございませんし、汚染した水もないということになります。 99 ◯西谷委員  同じ失敗をしないようにということでちょっと気になったもので。ただ、鉱毒といいますか、そういうふうなものの検出は、多分、今のところ、ないんだと思うんです、県境のほうは。尾太のほうは、もともとそういうところだと思っております。そういうことで、同じ轍を踏まないようにお願いしたいと思います。
    100 ◯北沢県境再生対策室長  尾太鉱山のように汚染された水がないんだろうと思われるという御発言でございましたが、現場の水につきましては、もちろん、ごみそのものには環境基準を超えるような重金属とか揮発性有機化合物、こういったものが含まれておりますが、先ほど申しましたように、地下水についても基準値を超えるものが幾つか出てきておりますので、これは浄化が済むまでしっかり遮水壁を設けて、外に漏れないようにしっかり管理しておりますので、そういった中で浄化を進めていくということでございます。 101 ◯西谷委員  次に移ります。  白神山地が自然遺産に指定されてから20年ということで、県のほうでもいろいろと取り上げているようでありますけれども、その中からひとつ質問させていただきます。  実は去年、屋久島を視察に行ってまいりました。沼尾先生、花田先生、それから小桧山先生と見てきたんですけれども、白神山地が指定されて、もう20年たっている。屋久島に比べると、見せ方が下手というか、地形上、どうしようもないのかもわからないけれども、なかなか屋久島みたいに、屋久杉から何から身近なところまで行って、それを見学したり、森林に包まれて、非常に気分がよかったんですけれども、そういうことに比較すると、白神の自然遺産の見せ方に工夫が、地形的に手が加えられないということなのかわかりませんけれども、もうちょっとそういう自然が好きな人とか観光客に来てもらって、白神に触れてもらいたいなというふうな思いをして帰ってきたんですけれども、今回、いろんな事業計画の中で、白神山地におけるエコツーリズムの推進ということが出ていました。これも一つのそういう見せ場をつくることにもつながるのかなと思って、期待をしているわけでありますけれども、まず、このことについてお尋ねしたいと思います。  これの背景にありますエコツーリズム推進法が制定されたという、その背景について、ひとつ、まずお伺いします。 102 ◯前澤自然保護課長  環境省では、エコツーリズム推進法制定の背景として、身近な環境についての保護意識や自然と直接触れ合う体験への欲求の高まりが見られ、これまでの通過型観光とは異なり、時間をかけて地域の自然環境と触れ合う自然体験ツアーが各地で行われている。  しかし、地域の自然環境への配慮を欠いた体験ツアーがエコツアーと呼ばれたり、過剰な利用による自然環境が劣化する事例も見られる。  このような状況を踏まえまして、適切なエコツーリズムを推進するための総合的な枠組みを定める法律として、平成20年4月1日にエコツーリズム推進法が施行されたとしております。 103 ◯西谷委員  そこで、そういう背景で制定されたところに、この白神山地におけるエコツアーの現状はどうなのか。私はオーストラリアに行ったら、四、五人のグループに専門のエコガイドが1人ついて、全部、中まで入って案内してもらったんですけれども、本当に1メートルぐらいの、人が歩けるところを、そんなに狭いところからはみ出してはいけない、足を一歩踏み出してもいけないとか、それからスカイツリーみたいに高い20メートルぐらいのところに木のブリッジをかけて、そういう空間を歩かせるとか、いろんな工夫をして、我々も本当に感動してきました。そういうことも踏まえて考えてみると、白神というのは、まだ、逆に言えば手つかずで自然のままということなんですけれども、この白神のエコツアーの現状はどういうふうになっていますか。 104 ◯前澤自然保護課長  平成22年度の白神山地への観光入込客数は約43万人、内訳は暗門の滝周辺に約15万人、十二湖公園に約21万人と、この2カ所で約8割を占めております。  エコツアーの形態といたしましては、大型バスを利用して訪れ、自然ガイドとともに現地を散策する体験ツアーのスタイルが主体となっているものと考えております。 105 ◯西谷委員  それでも、1年ですよね、平成22年で15万人と21万人で36万人。屋久島は年間40万人、あそこは船か飛行機で行くから、入った人が全部カウントできるので、すぐわかるんだと。1日大体千人ちょっとということで、年間40万。冬の期間はがたっと落ちるので、春から秋にかけてだと思うんですけれども、それに比べると、白神も観光客が結構きているみたいですけれども、感覚としてはあんまりない。(「山菜とり、カウントしてねえ」と呼ぶ者あり)山菜とり、まあ、地元の人が相当入っているということなのかもしれませんけれども、エコツアーと言いますか、観光客も含めての入込数をふやしたいなということも含めての質問なんですけれども、現状は現状でわかりました。  それで、今回、エコツーリズムということでとらえておるようですので、白神山地を次代へつなぐ保全・活用推進事業で白神山地のエコツーリズムを推進するために宿泊施設等の認定制度を創設するとしているが、事業の概要と期待する効果についてお伺いいたします。 106 ◯前澤自然保護課長  県では、平成22年度から平成23年度の2カ年にわたり、白神山地自然と文化体験ツーリズム推進事業を実施し、世界自然遺産地域を有する町村におけるモデルツアーや体験プログラムの開発を行ったところです。  近年増加している個人及び小グループの旅行者に対して、体験プログラムを効果的に提供するためには、地域の宿泊施設や観光施設と旅行業者などが連携した取り組みが必要であることから、地域における旅行者の情報窓口となる宿泊施設などを対象とした研修会を開催するとともに、エコツーリズムの提供に積極的な施設を県が認定する白神山地エコツーリズム連携推進事業を実施することとしております。 107 ◯西谷委員  実際に今ある宿泊施設等を利用するんだと思うんですけれども、実際にそういう認定に値するような施設というのは、現状でどのぐらいあると思っているんですか。 108 ◯前澤自然保護課長  具体的に今、何件あるかということはお答えできないんですけれども、まさにこれからさまざまな研修会などを開催いたしまして、そのようなエコツーリズムにふさわしい事業者を認定してまいりたいと考えております。 109 ◯西谷委員  今、既存の宿泊施設も結構あるんでしょうから、そういうところに多少の改良と言いますか、改築してやらせるとか、何も当てがなくやっているわけではないですよね。全くこれから新しく建てさせるつもりなんですか。 110 ◯前澤自然保護課長  やっぱりエコツーリズムの推進ということで、基本的には現在ある事業者、旅行業者には宿泊施設等を、さらに人材育成であるとか、そのような方策をさまざま考えていきたいと考えております。 111 ◯西谷委員  20年もたっているので、そういう取り組みは積極的に進めてほしいなというふうに思います。  それと、私も近くまで行くんですけれども、遠くからというか、上から見たことないので、一回、現場に行ってみたいと思っていますので、この間、大型バスは無理でも、ジャンボタクシーぐらいだと、結構、上まで行って、展望を眺めるところはありますよというふうなことも聞きましたので。(「天狗岳にちゃんと登ればいい」と呼ぶ者あり)まあ、登ってもいいんだけれども。  委員長に今回の中弘地区の県内調査には白神もコースに入れて時間をとっていただきたいなと。行ったことある人、いますか。(「はい。」と呼ぶ者あり)新人議員でも行ったことない人がいるでしょうし、職員の人でも行ったことない人、いっぱいいるでしょう。下にミニ白神とか、暗門の滝とか、そういう界隈だけでも結構見れるところもあるので、展望をどこからか眺めて、この辺に展望台をつくればいいのではないかとか、そういう話もしてみたいなと思っていますので、ぜひ委員会のほうで御検討いただきたいと思います。 112 ◯丸井委員長  後ほど検討させていただきます。 113 ◯西谷委員  要望して終わります。(「委員長、いいですか」と呼ぶ者あり) 114 ◯丸井委員長  関連ですか。(「いや、部長報告について」と呼ぶ者あり)──田名部委員。 115 ◯田名部委員  済みません、ちょっと間違っていたら指摘していただきたいんですけれども、特措法の期限が10年延長されるということで今、報告を受けたんですが、25年度までに残りの27万9,000トンを撤去しますと書いてあります。そして、その水の処理に9年間を要すると書いてますけれども、資料を見ると、25年度で撤去して、33年度で施設を解体するんですか。8年じゃないですか。で、撤去は34年度。 116 ◯北沢県境再生対策室長  御説明申し上げます。  事業計画案のグラフでございますが、一番上段のところ、廃棄物・汚染土壌の撤去が25年度で完了いたします。その後、9年間と申しますのは、上から3つ目の現場内地下水質のところを見ていただきたいんですが、地下水質が翌26年度から33年度で環境基準以下となりますが、ここまでの8年間で環境基準以下に下がるであろうというふうに考えております。そして、その後、1年間、経過期間を見まして34年度撤去完了ということになるわけでございます。  一方、浸出水処理施設につきましてですが、これは処理施設の中で処理を必要と見込んでおりますのは、基本的には環境基準でなくて、排水基準に準じて処理をする、しないというのを判断いたしますので、排水基準というのは環境基準よりおおむね10倍ぐらい緩い基準になっておりますので、それはちょっとこの中ではいつというのは書き込んでおりませんが、基本的にはそこまで処理施設は運営すると。ただ、最後まで残せるところまでは残しましょうということで、念のために存置しているということでございます。34年度は、その工事の撤去にかかりますので、34年度には撤去と、そういう意味でございます。ちょっとこの表だけではよくわからないようなことでございますので、恐縮でございました。 117 ◯田名部委員  これで終わりますけれども、全く不勉強なんですが、原状回復についてはいつごろ、処理水の安全基準を満たしてから原状回復に取り組むんですか、その方向だけ、ちょっと私もしばらくやっていなかったものですから。 118 ◯北沢県境再生対策室長  今、おっしゃったのは環境再生対策のことだと思うんですが、環境再生対策につきまして、今、検討しておりますのは、最初から説明いたしますと、原状回復対策事業終了後の現場跡地の取り扱い方策等を定めた環境再生計画、これは、21年度に策定いたしましたが、これに自然再生を図るために、現場跡地の植樹により森林域を整備していくこと、また、地域振興を図るため、跡地の有効活用を検討していくことなどをお示ししております。これらの環境再生事業の実施に当たっては、現場跡地において廃棄物等の撤去後も残る汚染地下水を浄化する必要があるため、水処理施設の能力を超えないよう、雨水の浸透を防ぐ表面遮水工、シートで覆っておるわけですが、こういう措置が講じられることから、水処理施設の稼働終了後の着手というのを基本にしております。委員申し上げたとおりですね。ただし、田子町のほうからの要望もございまして、ごみの原状回復事業が最後に終わる前に植樹を始められないかというようなことで、いろいろ検討いたしました結果、廃棄物の全量撤去完了後、植栽のために開口したエリアから生じている地下水の量、これが水処理施設の能力を超えないことを確認しながら、要は開口部を広げると水がたくさん浸透して、水処理をたくさんしなければいけないということになりますので、処理能力を超えないようにしなければいけませんので、そういうことを確認しながら進めることができるだろうということで、平成26年度から順次、植栽を開始したいということにしております。 119 ◯田名部委員  あそこは確か谷ですけれども、埋めることも必要ですよね。そのまま行くんですか、植栽というのは。 120 ◯北沢県境再生対策室長  基本的には、原状に戻すということを基本としておりますので、大規模に整地するということは考えてございません。一部、産業振興等で利活用する場合は造成が必要になってくる場合もあるかもしれませんが、植栽につきましては、傾斜といってもなだらかな傾斜のところであれば、作業的にも十分対処できますので、現場の危険がないような状態にするための整地といいますか、土地に手を加えるということは多少は行いますが、基本的にはそのままの状態ということです。 121 ◯丸井委員長  ほかに質疑はありませんか。──古村委員。 122 ◯古村委員  災害廃棄物の広域処理についてと、あとは来年の3月まで、原子力安全対策課には質問してまいりたいということで、防災についてであります。  まず最初に、災害廃棄物の広域処理についてでありますけれども、今回はうっぷん晴らしというんですか、何か踊らされたのではないかなという感じがしました。私も3月、2月の委員会では、いろいろ県のほう、腰が引けているのではないかということでなじったりしたんですが、最近になりますと、当初見込みよりも瓦れきの発生量が大幅に精査した結果減っているんだと。それから、被災地では焼却炉なんかも完成して、広域処理についてお願いする量は相当減っている、特に宮城県はというような報道なんかにも接していますので、何か田名部さん、そばにいて、本当にかわいそうなんだけれども、政府はこのおくれを瓦れきの広域処理のせいにしたんではないか。瓦れき処理のおくれを広域処理がおくれているせいにしたんではないかと。広域処理のおくれは反対派住民のせいだという雑誌の記事にお目にかかりまして、あっ、なるほどなという感じをして、本当に腹くそ悪くなるという思いを持っています。  それで、質問なんですけれども、4月の上旬、国から本県へ、受け入れ要請があったと、林部長は私と同じで顔が黒いんだけれども、私よりも写真映りがよく映っていましたので、国から本県への協力要請の内容、それからこれまでの直近の受け入れ実績、改めてお伺いしたいと思います。 123 ◯濱谷環境政策課長  国からの要請の内容とこれまでの実績であります。  今年3月30日付で国から本県に対しまして、岩手県県北及び宮城県石巻ブロック等の災害廃棄物のうち、可燃物及び木くず11万6,000トンについて受け入れの要請があったところであります。  本県では、平成23年度に9,091トンの災害廃棄物を受け入れており、その内訳は、三戸町で不燃物4,939トン、八戸市で廃飼料等の──えさですね、廃飼料等の可燃物2,557トン、東北町と六ヶ所村で解体木くず1,595トンとなっています。今年度は、5月18日までに1,897トン受け入れており、その内訳は、八戸市で廃飼料等の可燃物1,094トン、東北町及び六ヶ所村で解体木くず803トンとなっており、これまでの合計で1万988トンの災害廃棄物を受け入れているところであります。  以上です。 124 ◯古村委員  じゃあ、まだ、10万トン受け入れるという方向で市町村なんかと話し合いをしているということになりますか。 125 ◯濱谷環境政策課長  国から示されております11万6,000トンにつきましては、国としてはあくまでもお願いの目安ということを聞いております。我々としては市町村に割り当てるつもりもございません。あくまでも市町村が受け入れ可能な量を被災地であります岩手県、宮城県ブロックにお伝えして調整しながら進めてきているというふうに考えております。 126 ◯古村委員  目安ということになりますと、別に目標、国から要請された目安というのは気にしないで、各市町村には受け入れ要請を県が続けていくということなのか、それから宮城県、石巻もそうなんではないかと思いますけれども、瓦れきの量が精査をしたところ減っているということなので、これらの量について、国に対して確かめてみるということも必要ではないんですか。 127 ◯濱谷環境政策課長  目安でございます。県としては、目標としてこの程度というふうには考えております。ただし、受け入れ側の市町村の意向というのが大事でございますので、受け入れ可能な量というのはおのずと決まってくると思います。それを超えてまで県としてはどうしても入れてくれという話にはならないかと思います。そこは市町村と、あるいは被災地側と協議しながら進めてまいりたいというふうに考えております。
     それから、広域処理の、よく言われるんですが、私どもも今のところ、新聞報道でしか承知しておりませんが、報道によりますと、宮城県が当初の発生の推計量が1,107万トンのうち354万トンを広域処理でお願いしたいという話で来ましたが、このたび見直しの結果、全体の推計量が676万トンほどになると、約450万トンほど減ると。したがって、それと広域処理をお願いする量、県内での処理施設の仮設の焼却炉等、県内での処理体制がかなり拡充してきたということもありまして、約3分の1程度に減るというふうな新聞報道は承知しております。ただ、正式にはまだ国なり宮城県のほうから連絡は受けておりません。  以上です。 128 ◯古村委員  この瓦れきの推計量というのは意外とずさんなものでないのかなと。それで2月、3月の時点で、あれだけ大騒ぎしたわけだ。政府だって、全国紙2面、全面広告組んだり、新聞はしょっちゅう取り上げると。この推計とか精査とかというけれども、これは県境再生でうちのほうでも経験あると思いますけれども、どういうやり方をするものなんですか、もしわかっていたら。県境のほうはボーリングしたりして、何だか調査ということでやるんでしょう。それが瓦れきだったら、見えるからいらないのではないか。半分近くが減るというのは、大体、政府はただもうでたらめに大きく発表したのでないかという感じするんだけれども。 129 ◯濱谷環境政策課長  推計の方法でありますけれども、当初は倒壊の家屋数というのを大体メッシュを切りまして、これで倒壊率が幾らということで、大体の倒壊家屋数を出しまして、実は阪神・淡路大震災のときの倒壊家屋から発生した瓦れきの量の率というデータがございまして、それも参考にしながら推計を行ったというふうに聞いております。ただし、今回、災害廃棄物の仮置き場への集積が進んだことにより、実際、今度は積み上げられた瓦れきの量を測量により精査を行っているということであります。  委員御指摘のように、災害廃棄物発生量が減る、あるいは岩手では若干ふえるというお話も聞いておりますが、その要因といたしまして、当初の推計値に災害発生直後の火災により消失した分と、それから倒壊後、津波の引き波により海に流された分が含まれていたことによって、かなりの減少になるということでございます。それから、ふえる要因といたしましては、被災地の復興の過程で、当初、利用の予定が利用できなくなったため、新たに災害廃棄物として処理が必要になったものなどが挙げられるというふうになっております。  以上であります。 130 ◯古村委員  八戸では、この瓦れきの推計と実際というんですか、どういうはかり方をしたのか。 131 ◯濱谷環境政策課長  八戸では当初、比較的早く仮置き場のほうに瓦れき類の集積が終わりましたので、これは先ほど申し上げましたように測量して精査をしました。ただし、当初の時点では、まずは1つは被災家屋、全壊に至らず半壊とか、あるいは解体が必要なものなども見込まれるということで、それを推計に加えていたことが1つ。  それから企業で発生した廃棄物、災害により使えなくなった物資とか製品、これも災害廃棄物にカウントしますので、これが相当程度出てくるだろうということもございまして、かなり多目に推計しておりましたが、これも精査の結果かなり減ってきたと。特に解体家屋の量がかなり減少したということもあって、現時点ではかなり減っております。  以上です。 132 ◯古村委員  先ほど県内の市町村とかあるいは一部事務組合、清掃施設組合等での引き受ける量というのをまず把握しているものなのかどうか、それらの受け入れにかかわる検討状況等についてお伺いします。 133 ◯濱谷環境政策課長  市町村の災害廃棄物の受け入れに係る検討状況についてであります。  県では、市町村等が県外からの災害廃棄物の受け入れについて適切に判断できるよう、さきの内閣総理大臣及び環境大臣からの要請を踏まえまして、4月5日に市町村等──等というのは一部事務組合も含みます、に対し説明会を開催しまして、環境省東北地方環境事務所と当課から情報提供を行った上で、県内の全市町村及び一部事務組合に対しまして、受け入れについての検討状況について調査を実施したところであります。  この調査は、市町村等の名称及び具体的な検討内容については非公表ということを条件に行ったものであります。その結果、県内全市町村と一部事務組合、計51団体のうち、受け入れ中が3団体、先ほど申し上げました八戸市と、これは名前を出してもよろしいと思うんですが、八戸市と六ヶ所と東北町と。それから受け入れ検討中が10団体であります。この内訳でありますが、市町村または一部事務組合の施設での受け入れを検討しているというのが8団体、民間の施設での受け入れを検討しているというのが2団体となっております。このほか、情報収集・整理中、まだどうするか結論を出していないというところが18団体、それから施設がない、または処理能力に余裕がないため受け入れできないというのが20団体となっております。  以上であります。 134 ◯古村委員  この非公表という、今、言葉ありましたけれども、自治体なんかでしたら、公表して、今、こういう取り組みをしているよと、むしろ、見せたほうが当然で、何も非公表にすることはないのではないかと思いますけれども、これはどういう事情で県のほうも非公表という立場に立っているんでしょうか。 135 ◯濱谷環境政策課長  内部の検討にとどまっていて、まだ外部に意思を明らかにする段階ではないというところについて、我々としては状況を確認した上で、例えば何らかの条件が必要だとか、支障になっている課題がありますよということについて把握した上で、その課題なり条件をクリアするよう、必要があれば国に問い合わせ、要請したり、県として情報提供なり、助言できる可能性がないかも含めまして問い合わせを行ったことから、あらかじめ非公表ということで、忌憚のない現在の状況をお聞きしたいという趣旨で調査をまとめております。  以上であります。 136 ◯古村委員  では、この広域処理というのは、瓦れきがあるから、それが足かせとなって復興が進まない、いわば助け合いの精神でみんなで、福島は別にしても、岩手、宮城を助けようということだと思うんですが、それがどうして非公表、言ってみれば放射能が測定されるかどうか、放射能が怖いということなのか、そこなんでしょう、反対住民が出てきて、検討がオジャンになるおそれがある、そういう心配なんではないの。 137 ◯濱谷環境政策課長  このたびの調査、あるいは説明会の中でも出た質疑とか課題についての御意見をお伺いしますと、委員おっしゃったように、やはり放射性物質ということについての懸念を表明するところがございます。それにつきましては、今回、受け入れるところは、我々としては放射性物質の流出はないというものを中心に入れたいということは御説明して、国からも御説明があったところであります。  しかしながら、これは県としてもちょっと今、国に対して問い合わせをしているところでありますが、放射性物質を焼却処分した際の焼却灰を埋め立て処分する際の最終処分場の構造基準の問題、特に浸出水の処理施設は現行のままでいいのかどうかという問題、それから埋め立て終了後にどれだけ水処理施設なり、浸出水を抜いたり監視していけばいいのか、あるいは埋め立て終了後、施設を廃止した後に、例えば放射性物質が排水の中から検出されたとか、そういった場合、どういう対処をすべきなのか、どうしたらいいのかということについて、いまだ国では検討中ということでございます。その辺が明らかにならない限りは、焼却、埋め立てという処分については、ちょっと今のところ、懸念が多いと表明しておられる自治体がございます。  以上です。 138 ◯古村委員  どうも災害廃棄物の処理とかというのは、不透明感というのか、そういうのがつきまとう。例えば今の広域処理にしても、九州まで持っていくとか、運賃が膨大にかかるのではないかというのは常識的にだれでも考えるんだけれども、せいぜい青森県までというのは我慢のしどころもあるけれども、言ってみれば、九州なんか、何で引き受けるのかなといえば、焼却施設が過剰設備で、人口も減ってきている、県でもよくやる、これぐらいは絶対必要だと多目に見積もって、実際はごみの量が少なくなっている、そういうようなこともあって引き受けるのかなという、何かごみを欲しがっているところがああいうのをやるのかなと思ったりもしていますけれども。そういう点では、災害廃棄物の処理とか受け入れ、こういうものについてはきちんと公開して、できるだけ公開のもとで議論をして進めていくと。何かうさんくさいという感じがします。原子力村という言葉がありますけれども、私も県議会議員になってから、いろいろ県境産廃、再生なんかを質問したりしていますけれども、何となくごみ村というのがあるのではないかという感じも持ったりしました。  それから、次に入ります。  災害廃棄物を受け入れる市町村、中には見返りを求めている、別に悪い意味ではない、塩害で焼却炉が壊れるのではないか、そういう心配もあるだろうし、相当古くなっている、それにこの瓦れきを持ってくることによってさらに劣化していく、そういうような心配もあって、どうせ受け入れるんだから、新しい施設のときには補助金がたっぷり来るのかと、こういうような期待もあるのではないかと思いますけれども、そういう受け入れる市町村に対する財政的な国の措置、支援があるのかどうかお伺いします。 139 ◯濱谷環境政策課長  災害廃棄物の受け入れに当たっての財政的、経済的な支援ということでございますが、国では、災害廃棄物の受け入れを行う自治体に対しまして、1つ目は住民の安心の確保のための放射性測定の費用、2つ目に市町村等が所有する施設で災害廃棄物の処理を行った場合のその処理に係る当該施設の減価償却費相当額、それから受け入れ自治体が行う住民説明会の開催等に要する費用につきまして、被災自治体への補助という形で支援するということとしております。このため、受け入れをする市町村では特段の費用負担は生じない見込みではありますけれども、例えば老朽化した焼却施設の代替施設を建築する際に何らかの優遇措置が講じられるといった支援については、現時点では想定されていないというところでございます。  以上です。 140 ◯古村委員  じゃあ、メリットがない、あくまでも助け合いの精神でということで、この瓦れきに取り組まざるを得ないということだと思います。ただ、仙台市かどこかが、政令都市になったおかげで、いろいろ縦割りみたいな、そういう弊害はなくて、一挙に焼却施設を何基か増設をして、自前で処理できると、しかも余力があるという話を聞きましたので、いかに縦割り行政、弊害があるかということも今回はっきりしたのではないかと思っております。  次に、原子力安全対策課であります。  最近の新聞でも東通原発の敷地内に活断層があると、こういう指摘に対して、東北電力は、いや、そういうことはないと、水で膨張しているだけなんだと、こういうふうな報告書を出したりしていましたけれども、調査やり直し、こういうような指示が出されたようでありますし、それから前の風で冷却ポンプが一時停止して、最近、ようやく原因がわかったという報道もあります。それから、もう一つは、東通では津波の計算、何て言うんですか、新しい知見を最大限にとかと言っていましたけれども、何か古い手法で計算したということで、これについても、もう一度、来月提出し直すというようなことで、随分、もたもたしているようであります。  それで、今回、私がお聞きをしたいのは、今、原子力安全対策課で原子力防災、いろいろ策定に向けて、何か規制庁が発足をしてから6カ月後につくるとかという話も聞いておりますけれども、今までも原子力施設の多重防護ということで、とめる、冷やす、閉じ込める、こういうことで多重防護という言葉を随分、県のほうも安全だ、安全だということで、そういう冊子もたくさん出してきたんですが、この多重防護、これがもう福島では全く用をなさなかった。やっぱり原子力施設内だけの安全確保で多重防護を講じる、これはもう限界ではないかというのが今回の福島原発ではっきりしたのではないかと。したがって、今、原子力安全対策課でいろいろ検討作業を進めている原子力防災対策、これについても、多重防護の一環として、この指針、防災計画に反映させるべきではないのかと。過酷事故が起きて放射能が地域にばらまかれたら、それを最小限の被害に食いとめるという防災をとっても、これは一つの多重防護ではないかと。  それから、施設が立地する前に、今みたいに東通の敷地に活断層があるとか何とかという議論にならないためにも、きちんとした安心・安全な立地場所、これを多重防護ではないかということで、多重防護という考え方を原子力施設の中にだけ閉じ込めないで、いわゆる環境と今までは遮断することによって、原子力施設内だけの多重防護という考え方でしたけれども、言ってみれば、立地から防災対策まで含めた、本来の多重防護という考え方に立たないと原子力の完全なる安全対策というのは成り立たないのではないか、そういう思いをしていますので、県ではどういうお考えなのかお伺いをします。 141 ◯石井原子力安全対策課長  原子力施設は、多重防護の考え方に基づき、異常の発生防止、異常の拡大防止と事故への発展の防止及び放射性物質の異常放出の防止の3段階での防護対策を講じることにより安全確保が図られており、今、委員お話のとおり、原子力発電所を例にとれば、異常を検出して原子炉を速やかに停止する機能、とめる機能でございます。それから、炉心の冷却を続ける機能、これは冷やす機能でございます。及び放射性物質の施設外への放出を抑制する機能、閉じ込める機能などが備えつけられているところでございます。  一方、原子力防災対策は、放射性物質が施設外へ放出されることによる周辺住民への被爆を防止し、低減することを目的として行う対策であり、原子力施設の安全確保のための多重防護の考え方とは異なるものでございます。  しかしながら、地域住民の被爆防止の観点から、広義に解釈すれば、原子力防災対策も多重防護の一つの対策に位置づけることができるのではないかと考えてございます。 142 ◯古村委員  ぜひそういう考え方で防災対策の立案に取り組んでいただきたいと。今までみたいに設計、建設、運転、これだけに限った多重防護ということでなくて、より広い観点から住民の被害を最小にする、こういうことから、やっぱり防災対策の整備も含めて多重防護という位置づけを確立すべきではないか、そう思っているところであります。  最後でありますけれども、この防災対策をこれからつくっていくに当たって、前回は県民との議論をする公開の開かれた場も欲しいということを申し上げましたら、県のほうでは、それについては考えていないということでありましたけれども、まず、その県民との対話で安全、防災対策を浸透させる、理解されるというのが何よりも大切ではないかと。専門家ばかり集まって、こういう事態を招いているわけですから、やっぱり一般県民、関心のある人なんかの議論も、暮らしに根づいた議論も聞く必要があると思っています。  ただ、その際に、今ある警戒区域とか、あるいは計画的避難区域、避難指示解除準備区域と、どれぐらい危ないのか、走って逃げればいいのか、ゆっくり歩いて逃げればいいのか、何かその辺がこういう言葉遣いではわかりにくい、はっきり立入禁止区域、あるいは即時避難区域と、こういうもっとわかりやすい用語を使われないものかと。特に県民、逃げる、避難するのは県民でありますし、誘導したりするのは消防団なんかが主になるだろうし、だれが聞いてもわかるような防災計画でないと意味をなさないのではないか。特に避難指示解除準備区域、一体、本当に何なのかなと思うんですけれども、これ、何なのかも含めて、お答えをいただきたいと思います。 143 ◯石井原子力安全対策課長  まず、わかりやすい言葉という御質問でございますけれども、東京電力福島第一原子力発電所の事故への対応の中で、原子力災害対策特別措置法などに規定されていない計画的避難区域などの新たな避難区域などの設定についての考え方が示され、現在運用されているところでございます。  国では、今後、原子力災害対策特別措置法や関連政省令の改正を予定しており、今回、新たに設定された避難区域などが法令などにどのように規定されているか注視してまいりたいと考えております。  地域防災計画の内容、改定内容についてでございますけれども、市町村を初め、防災関係機関への周知とともに、県民への周知も重要であると考えておりまして、特に県民に対する周知に際しては、よりわかりやすい説明となるよう、表現を工夫していきたいというふうに考えてございます。  それから、もう1点、避難指示解除準備区域というところでございますけれども、これは今、政府の中で避難指示区域、警戒区域の解除を切りかえという形で進められている区域、設定されている区域の一つでございまして、年間積算線量20ミリシーベルト以下になることが確実であることが確認された地域について、そのような区域として名称で対応しているというふうに認識しております。 144 ◯古村委員  できるだけわかりやすい用語を使ってというお話でありましたけれども、いじわるく質問聞いてみてもいい。予防的防護措置を準備する区域、いわゆるPAZ、緊急時防護措置を準備する区域、UPZ、これは、どっちが急いで逃げなければならないのか伺います。 145 ◯石井原子力安全対策課長  原子力安全委員会が取りまとめたところによりますと、PAZ、予防的防護措置を準備する区域につきましては、急速に進展する事故を考慮し、直ちに避難するなどという規定がされているところでございます。  一方で、UPZ、緊急防護措置を準備する区域につきましては、環境モニタリング等の結果に基づきまして、避難、屋内退避、安定ヨウ素剤の予防服用を準備する区域ということでございますので、委員御質問の急ぎという意味合いでいけば、PAZの範囲内に入る、原子力発電所で申しますと5キロ圏内のエリアが急にということになります。 146 ◯古村委員  いや、本当に申しわけありませんでした。しかし、私から受け取れば、全然予備知識がなくて、予防的防護措置を準備する区域のほうがゆっくりでもいいよと。緊急的防護措置を準備する区域、これは急がないとという感じ、全く逆の印象を受けるんだけれども、だから、こういう専門の人と一般の人とやっぱりずれがある。私も一般の人とずれあるけれども、やっぱりずれが相当大きいのではないかと思いますので、こういう言葉の使い方というのは、やっぱりもっともっと議論してもいいのではないか、そう思います。  以上で終わります。 147 ◯丸井委員長  ほかに質疑はありませんか。  [「なし」と呼ぶ者あり]  ないようでありますから、これをもって環境生活部関係の審査を終わります。  以上をもって環境厚生委員会を終わります。 ○閉 会  午後 2時25分 Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...