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平成24年第269回定例会(第6号)  本文 開催日: 2012-03-08
平成24年第269回定例会(第6号) 名簿 開催日: 2012-03-08

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  1. 青森県議会 2012-03-08
    平成24年第269回定例会(第6号)  本文 開催日: 2012-03-08


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(高樋 憲) ただいまより会議を開きます。    ──────────────────────       ◎ 一 般 質 問 継 続    ────────────────────── 2 ◯議長(高樋 憲) 一般質問を継続いたします。  二番花田栄介議員の登壇を許可いたします。――花田議員。 3 ◯二番(花田栄介) おはようございます。自由民主党の花田栄介です。  一般質問の機会をいただきましてありがとうございます。  議長のお許しを得まして、所感を述べながら随時質問をさせていただきます。  昨今の雇用情勢は極めて深刻な状況にあります。我が日本国でもしかり、この青森県でもしかりでございます。円高やEUの経済不況を受け、日本銀行ではデフレ脱却と物価安定のもとでの持続的な成長の実現に向けて、消費者物価の前年比上昇率一%や資産買い入れ等の基金の十兆円上積みを決めました。その効果が出ているのか、幾分か円安・株高にシフトしているようです。  しかしながら、このトレンドが長続きをせず、もし仮に円高の方向にまた戻ってしまったら、国内の製造業はより一層海外に移転してしまうだろうし、そうなるにつれて、雇用も海外に引っ張られてしまいます。今こそ雇用対策をし、青森県を支える人材がこの青森で仕事をして暮らしていけるようにしなければなりません。  そこで質問に移らせていただきますが、青森県基本計画未来への挑戦では、雇用の創出・拡大を最重要戦略キーワードに掲げておりますが、平成二十四年度はどのような考えで取り組んでいくのかお伺いします。  また、青森県の将来を担う若年者の雇用対策も必要でございます。若年者の雇用は年々厳しい状況に突き進んでいます。私は、次世代の青森を担う人材こそ、この青森県で働いていけるように雇用環境の一層の整備を推進していかなければならないと、そのように考えております。  しかし、高校卒業あるいは大学卒業した後に、いよいよ社会人として事に仕えるときが来ましても、その受け入れ先がなければ意味がありません。世界的にも若年者の失業率が高まり、昨年のアメリカのウオール街などを初め、世界各地にて若年者の雇用を求める声が顕在化し、社会問題となっております。  そこで質問をしますが、新規学卒者を含む若年者に対する就職支援の取り組みについてお伺いします。  この間、県内の大学生からお話を聞かせていただいたのですが、現在、就職活動をするに当たりまして、求人情報をホームページなどで見ますと、さまざまな求人サイトがあるそうなんですが、その求人サイトには、地域別に、あるいは職種別に検索できる求人サイトというものがなかなか見当たらないそうでございます。もし仮にそういったものが専門的にあれば、非常に就職活動がしやすい、そのような旨の話をいただきました。まさに大学生の話はもっともなことでありまして、情報不足により十分な活動ができず、未内定へとつながってしまった学生も数多くいるはずでございます。  そこで、求人情報等が入手できず未内定となっている学生の就職支援について、国や県はどのように取り組むのかお伺いをします。  さらに、これもまた大学生からお伺いしましたけれども、インターンシップの受け入れ先というものがまだ少ないようでございます。このインターンシップのことに関しましては、大学と企業との直接のやりとりで決まっているような状況であると思いますが、これに対して何かしらの補助であるとか、県が企業に対しての何かしらのインセンティブを与えていただければ、そのインターンシップの数もふえていくと考えております。  そこで、インターンシップ受け入れ先企業の開拓が必要と考えますが、県はどのように取り組んでいくのかをお伺いします。  次に、雇用対策として、企業誘致と創業・起業支援への取り組みもまた重要であると考えますが、三村知事も雇用対策に非常に力を入れてくださり、昨年の社会人枠採用という新しい雇用枠を創出して、若年者に希望の光を差し込んでくださったことに、私も同世代の人間として改めて感謝を申し上げるところであります。
     やはり、私が考えるに、その地域や社会に将来性を見出せるのかどうかというのは、その地域の若年者にとって夢が持てるかとか、希望が持てるかとか、誇りを持って暮らしていけるような地域や社会となっているのかが、その地域の将来性の重要な指標であると、そのように考えます。若年者がその地域で暮らしていければ、将来性ある地域だと認めた企業がそこに進出してくるでしょう。  青森県の未来を担う若年者のために若年者をしっかりと育てて、青森県で暮らしていってもらえるような社会を推進していくことにより、青森県の将来は飛躍的に明るくなり、さまざまな諸問題への解決の展望が切り開かれるはずでございます。知事のおっしゃっている本県の復興に関しましても、まさに未来を担う若年者の存在が必要不可欠でございます。どのようなところにも将来を託せる世代を育てていくことが肝要でございます。  そこで、若年者の雇用機会がふえることも望まれているわけでございますが、雇用機会を拡大するため、県は企業誘致にどのように取り組んでいくのかお伺いします。  また、創業・起業支援に対するこれまでの取り組み状況と今後の取り組み方針についてお伺いします。  次に、陸奥湾における水産業の振興についてであります。  我が青森県では水産資源が豊富にございます。特に有名なものとしまして、全国有数の大型内湾である陸奥湾では、ホタテガイやナマコなどがございます。私も幼少のころからこの青森のおいしいホタテを食べてまいりました。そのホタテガイが、昨年の異常な海水温の上昇を受けまして大量にへい死をしました。  そこで、まず、ホタテガイの生産の回復見通しについてお伺いします。  また、将来も安定的な生産を継続するため、ホタテガイ産業の振興に向けた県の対応についてお伺いします。  次に、全国有数の大型内湾である陸奥湾のナマコは、最近、中国での需要拡大に伴いまして、多く輸出されていると聞きます。ナマコの供給県としてその地位を向上させていくためにも、ナマコ資源の維持増大が求められていると考えますが、ナマコ資源の維持増大に向けた県の対応についてお伺いします。  次に、青森港の整備状況と利活用についてであります。  県庁所在地であるこの青森市の歴史は、津軽藩の外港として江戸時代に津軽信枚により整備され、その後発展をしてまいりました。江戸のころは回船などが許可され、各港町は大いに栄えたと聞きます。そして、青森市においては、松前道や羽州街道の結節点であり、さらには北海道と海路を結ぶ、まさに交通の要衝であったわけでございます。新幹線開業効果もあり、若干にぎわいを取り戻しつつあるというものの、青森駅周辺を中心とするウオーターフロントエリアの衰退は、往時のにぎわいを知る者にとっては寂しい限りであるとの声を聞いております。  青森港は、船で接岸しますと、すぐ町なかに入ることのできるすばらしい港です。船をおり、すぐにその町なかを散策することができます。さらに、本町のお寺の住職からお聞きしたことですが、寺の正面が海に向けられて建てられている、そのようなお話をお伺いしたこともございました。要するに、町の構造が船で来る人々を正面から迎え入れるつくりになっているということです。  さらに、港に着くと、すぐに町を散策できるまちづくりになっているのです。人を正面から迎え入れる町の構造になっているのであれば、例えば、クルーズ船など観光客が多く乗っている船などをより多く受け入れる体制が求められると思いますが、まず、青森港の整備状況についてお伺いします。  そして、青森港へのクルーズ船の寄港実績と今後の見通しについてお伺いします。  また、青森港へのクルーズ船の誘致にどのように取り組んでいくのかお伺いします。  次に、東北観光博についてであります。  この東北観光博とは、国が三月十八日から一年間、東北の復興のために行うもので、二十八のゾーンを東北の中に設定し、そこに地元の方々が観光案内人としていろんなことを紹介してくれる、そのような内容が盛り込まれております。東北を一つの博覧会場に見立てていることが特徴であります。我が青森県にも、県境を含めまして七つのゾーンが設定されており、新青森駅が開業し、新幹線が来たこと。また、私も総務企画委員会のメンバーで、昨年、航空機路線の増便の陳情に行ってまいりましたが、県のたび重なる努力も奏功し、国内外航空機路線の相次ぐ増便が達成されましたので、この東北観光博を機に、観光客が大いに新幹線や航空機で青森を訪れ、青森の観光が盛り上がることを願ってやみません。  ちなみに、現在、先行実施ということで、弘前ゾーンにおけるさまざまな企画、イベントが東北観光博ホームページに記載されておりますので、興味のある方はぜひ見ていただければと思います。東日本大震災から間もなく一年がたとうとしている今、私たちも観光面で盛り上げて、東北の復興に向けて取り組んでいこうではありませんか。  そこで、まず、東北観光博の本格実施に向けて、県内ではどのように準備が進められているのかをお伺いします。  また、県では、東北観光博を通じてどのように誘客推進を図っていくのかをお伺いします。  次に、地域防災体制の強化についてであります。  私は、青森県防災士会にかかわらせていただいております。この防災士会の会員は、地域防災力の向上に努め、防災共同社会の実現に寄与することを活動の基本理念としております。このような防災士や、あるいは消防団など、私たちの地域を守ってくれるような組織が今求められております。  皆さん、御存じのとおり、昨年三月十一日に東日本大震災がありましたが、それを受けて、八戸の白銀地区や青森市の相馬町などでは積極的に防災のための組織づくりが行われており、ますますそのような組織づくりが求められているところであります。  そこで、東日本大震災を踏まえ、町内会などで構成される自主防災組織の強化が急務であると考えますが、体制強化の取り組みについてお伺いします。  また、地域防災のかなめである自主防災組織には、中心となって組織を運営できる防災リーダーが必要であると考えますが、その育成についてどのように取り組んでいるのかをお伺いします。  次に、災害医療への取り組みについてであります。  昨年三月十一日の東日本大震災は、海溝型であったことから未曾有の津波が発生し、多くのとうとい命が奪われました。最近は、震災を振り返る特集番組が数多く流されており、これを改めて視聴いたしますと、もっと救える命があったのではないかという思いに駆られ、大変胸が締めつけられる思いがするのは私だけではないと思います。津波によって病院や診療所が被害に遭い、薬やカルテを含めてすべて流されてしまったところもあるそうです。そういったことにより医療の機能不全に陥っているところがあるそうです。ハード整備、避難対策などさまざまな課題がありますが、今回の災害時の医療体制についてお伺いします。  また、東日本大震災からさかのぼること約十六年前の一九九五年一月十七日に、マグニチュード七・二の直下型地震により阪神・淡路大震災が発生しました。この巨大地震により、死者・行方不明者六千人、全壊家屋十万棟というすさまじい被害が出ました。この阪神・淡路大震災においては、平時の救急医療レベルの医療が提供されていれば救命できたと考えられる避けられた災害死というものが約五百名程度存在した可能性があったと後に報告されるなど、災害時の医療体制については多くの課題が浮き彫りとなりました。  この教訓を生かし、自衛隊、消防、警察等の各行政機関と連携をしながら、救助活動と並行し、医師が災害現場で医療を行う必要性が認識され、国において、医師、看護師、業務調整員で構成され、大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場に、おおむね四十八時間以内に活動できる機動性を持ち、専門的な訓練を受けた医療チームであるDMATと呼ばれる組織が発足しております。  本県におきましても、昨年の東日本大震災を踏まえまして、災害時の医療体制の充実がより一層求められており、災害急性期には速やかに被災地に出動する専門的な医療チームであるこのDMATを初め、さまざまな組織づくりや活動が求められているわけであります。  そこで、まず、東日本大震災を踏まえ、本県の災害医療について県としてどのように取り組んでいくのかお伺いします。  今後、本県においても、大規模災害の場合には、県内外から派遣された医療従事者等を適切に配置できる体制が必要と考えますが、県の考え方をお伺いします。  また、本県の災害拠点病院等に係る災害時の施設設備の機能強化について県の取り組みをお伺いします。  次に、県有施設の整備等についてであります。  まず、県庁舎の耐震化と改修等についてであります。  現在、青森市役所におきましても庁舎の改築の話が出てきているようですが、我が青森県の施設も建物が年を追うごとに老朽化しています。この県庁舎におきましても、建物が非常に老朽化してきており、さらなる耐震をしていかなければならないようですが、例えば、長い視点に立って考えた場合、耐震の観点だけではなくて、改築をしていかなければならない時期がやってくるのは必然であろうと考えております。  財政の健全化が求められている昨今、なかなか箱物をつくる話となると敬遠されがちな時代となっておりますが、しかしながら、年を追うごとに確実にこの県庁舎も古くなり、根本から改築しなければならない時期が来るのであります。何年先にどれくらいの期間内で、どれくらいの費用をかけて、どのくらいの規模で、どのあたりに改築していくのか、そういったことなどを計画として一つの方向性を示していかなければならない、そのように思うわけであります。  そのような計画が示されれば、今度は、県庁舎の改築予算を今から何らかの基金の形など、さまざまな方法がありましょうが、早目の段階で対応していくことができます。突然莫大な改築予算をどう捻出すればいいのかということに、その時期になって悩まずに済むわけであります。  そこで、まず、東北各県の県庁舎の築年数及び耐震対応の状況についてお伺いします。  それから、今年度の耐震診断の結果を踏まえまして、県庁舎の改修等にどのように対応していくのかをお伺いします。  次に、県有体育施設の整備推進と利活用についてでありますが、つい先日、bjリーグの中野社長が青森市に参りまして講演をされました。青森県でもこのプロバスケットボールのbjリーグに参入すべく、青森県のプロバスケチームをつくろうとする動きが新聞紙上でも出ていたということを私も確認しておりますが、私自身、小学校から高校におきましてバスケットボール部に所属していたので、ぜひ青森にこのようなプロバスケのチームができることを願ってやみません。幸い、青森にはマエダアリーナのようなすばらしい体育施設もございますし、青森県生まれのプロバスケ選手がそのようなふるさとの体育館のコートの上で愛するバスケットを思いのままにやっていただける日がいち早く来るよう、私も微力ながら協力してまいりたいと思うわけです。  現在、宮田地区における陸上競技場、屋内プール、野球場などの施設の整備が求められております。と申しますのも、約十年後あたりには青森県での国体開催があり、そこに照準を合わせているためであります。  そこで、国体のような大きな大会を開くためにも、また、先ほど申し上げましたプロバスケチームやあるいはプロ野球など、さまざまな第一線で活躍する選手の試合が青森でも見られるように、一定の基準をクリアした施設が求められるというのは言うまでもありません。  そこで、まず、スポーツ振興に向けて施設の整備を着実に行うことが必要であると考えますが、県の考えをお伺いします。  また、施設を利用して県民が第一線で活躍する選手のプレーを観戦できるように取り組むべきと考えますが、県の考えをお伺いします。  最後に、中高一貫教育への取り組みについてでありますが、今、全国的に中高一貫校の数がふえてきております。私の知っている限り、この中高一貫校で有名な学校がまず一つあるんですが、開成学園という日本で一番東京大学に合格者数の実績を出している学園があります。この開成学園は、歴史的には第二十代総理大臣になり、大蔵大臣も務めたことのある高橋是清がその初代校長になっており、東大初め数多くの有名難関大学への合格実績を毎年出しております。  公立教育の観点に立った場合、学力の向上だけではなくて、例えば体力の向上などさまざまな観点もまた総合的に重視されることかと思いますが、やはり学力の向上という観点もまた非常に大事であり、それとあわせて有名難関大学に入学できる数の多寡がその地域の教育の力の入れ方を見る上での一つの指標となっているということは言うまでもありません。塾にしろ学校にしろ、学力向上の観点に立てば、難関高校や難関大学を目指し、勉学に励み、実績を上げることが、よきにせよ、あしきにせよ、現実にあるわけです。  今の時代は、さまざまな価値観が多様化しており、それぞれの学生がそれぞれの目指すべき夢を持ち、そこに向かって邁進していくことも当然大事ではありますが、片や教育の世界においては、多様化の波にのみ込まれて、学業にいそしむという肝心な部分をないがしろにしてはなりません。その学力アップの観点からしても、今全国で導入が進んでいる中高一貫校というものは非常に注目されるべきものとなっております。  この中高一貫校は、主に三つの類型に分けられます。  まず一つは、中等教育学校というもので、これは六年間一体教育するもの、二つ目に、併設型中高一貫校、これは今青森県でも三本木高校で行われておりまして、ほかの中学校からも高校を受験できるといったものであります。三つ目に、連携型中高一貫校があり、これは同じ地域の中学と高校が連携をして取り組むものであります。  三本木高校は、一貫校になってから初の卒業生が平成二十五年三月に出てくるとお聞きしておりましたので、その卒業生の学業的な成果が出た場合、いち早く中高一貫校の対象を各県民局単位あたりにつくっていったほうがいいと考えておりますが、まず、全国における公立中高一貫教育校の設置校数の推移及び本県の設置状況についてお伺いします。  また、県立三本木高等学校及び附属中学校における併設型中高一貫教育取り組み状況についてお伺いをします。  そして、最後になりましたが、本県の併設型中高一貫教育校の新たな設置について今後の見通しをお伺いしまして、私の壇上からの質問とさせていただきます。 4 ◯議長(高樋 憲) 知事。 5 ◯知事(三村申吾) おはようございます。花田議員にお答えします。  まず、私からは、平成二十四年度の雇用創出・拡大に対する取り組みでございます。  私は、知事就任以来、産業・雇用の元気が青森の元気をつくるという思いのもと、産業・雇用分野を県政の最重要課題と位置づけ、本県の得意分野を生かした攻めの農林水産業やあおもりツーリズムの推進、戦略的な企業誘致の展開などにより雇用の創出・拡大に取り組んできたところであります。  震災直後に大きく落ち込んだ有効求人倍率は、先日公表されました二十四年一月では、震災前の水準を超える〇・五二倍となり、十九年ぶりの水準にまで回復しておりますが、引き続き、地域資源を最大限に生かした生業(なりわい)づくりにより雇用の場を創出・拡大することが不可欠と考えます。このため、二十四年度は、県内企業の生産改善活動を支援するほか、企業誘致や創業・起業の支援による地域の活性化、農商工連携による食産業づくりと販売・生産体制の強化等に取り組んでいくこととしております。  あわせて、有効求人倍率の回復基調を確固たるものとするため、若年者の早期離職防止と正規雇用化の促進、高校生への就職支援対策など、あらゆる角度からの雇用のセーフティーネットの構築にも取り組んでいくこととしております。  企業誘致への取り組みでございます。  企業誘致は、地域の雇用や所得を生み出す原動力となりますことから、県としては、本県の優位性を発揮できる環境・エネルギー関連産業や豊かな地域資源を活用する農工ベストミックス関連産業情報関連産業などを中心に重点的かつ戦略的に誘致活動を実施しているところでございます。  この結果、今年度につきましては、既に青森市内に立地した二件を含め、昨年度を上回る十二件の新たな立地が決まり、七百八十名の雇用が創出されることとなったほか、企業のいわゆる増設も十四件を超えております。  来年度におきましては、これまでの企業誘致のための各種優遇策のほかに、新たに一定の従業員を雇用した誘致企業に対して奨励金を支給する雇用奨励金事業を行いますとともに、誘致企業と県内企業との取引拡大により県内企業が一定の従業員を雇用した場合、その誘致企業に対し奨励金を支給する県内企業発注促進事業を実施することとしており、これらにより、一層の雇用促進につなげていきたいと考えております。  今後とも、新規の立地はもとよりでございますが、さらなる雇用機会拡大のため、工場増設につきましても、私みずから先頭に立って、積極的かつ果敢に取り組んでいきます。  ホタテガイ産業の振興に向けた対応でございます。  先人たちのたゆまぬ努力によって養殖技術が開発され、地域の基幹産業に成長したホタテガイ産業をさらに大きく発展させ、次の世代に引き継ぐことが重要であると私も考えております。  また、東北新幹線等を利用し本県を訪れる多くの観光客等を、この甘くておいしい陸奥湾産のホタテガイの刺身や貝焼き料理等で魅了し、青森のファンとなっていただくためにも、海扇とも呼ばれ、祝い事に彩りを添えるホタテガイを特産品として、本県経済の一層の発展に活用していきたいと考えているところです。  そのためには、一昨年の異常高水温被害を踏まえた高水温にも耐えられる増養殖技術等の確立が最大の課題となっておりますことから、県では、昨年度から、地方独立行政法人青森産業技術センター水産総合研究所とともに、異常気象の際の陸奥湾における水温予測技術へい死率軽減技術の開発を進めてきたところでございます。  しかしながら、本年の成貝につきましては、異常高水温被害の影響により依然として平年より少ない見通しとなっており、ホタテガイの安定生産のかなめとなり、観光資源でもあります成貝を確保することが喫緊の課題となっております。  このため、県としては、むつ湾漁業振興会が行う成貝づくり緊急対策のための基金造成に対して助成をすることとし、本議会に所要の予算を計上し、御審議をいただいているところでございます。  東日本大震災を踏まえての自主防災組織強化の取り組みでございます。  大規模災害時には、地域でともに支え合う共助の精神に基づいた自主防災組織の活動が地域全体を有機的に結びつけ、住民の迅速かつ確実な避難や避難所運営などにおいて大きな力を発揮するものと確信するところです。  このため、県では、今年度、東日本大震災後の防災意識の高まりをとらえ、新たに自主防災組織を発足させる役割を担い、地域防災活動の核となります地域防災リーダーの育成に重点的に取り組んでいます。  震災以降、県内では、八戸市など九市町村におきまして三十四の自主防災組織が発足するなど、地域防災に対する自主的な取り組みが着実に進んでおります。  今後も、このような地域の主体的な取り組みをより一層後押しできるよう、市町村と連携を密にし、消防団や青森県防災士会などの御協力を得ながら、この地域防災リーダーの活動を通じた自主防災組織の育成強化を推進し、災害に強い青森県づくりに全力で取り組んでいきます。  東日本大震災を踏まえての本県の災害医療についての取り組みでございますが、昨年三月に発生した東日本大震災においては、本県では医療施設の直接的な被災は発生しませんでしたが、長時間の停電による医療機能の喪失、縮小や流通経路の遮断による医薬品、医療資材、燃料、食料の不足などが発生し、災害時における医療機能の確保について多くの課題が明らかとなりました。  そこで、私は、昨年五月に青森県復興プランを策定して復興に向けた方向性をいち早く示すとともに、同じく十二月には青森県復興ビジョンを策定し、中長期的な視点に立っての震災後の本県が創造的復興に向けて特に取り組むべき方向性を取りまとめました。  復興ビジョンにおきまして、災害に強い適切な保健・医療・介護・福祉サービスの提供体制づくりを進めることとしております。災害拠点病院における自家発電設備の整備など、すぐに着手できるものにつきましては今年度の補正予算に計上し、医療機関の施設設備の機能強化を行っているところであります。  また、並行いたしまして、被災地の情報やニーズを集約し、県の職員と災害拠点病院の医師と県医師会を初めとする医療関係団体の要員などがチームを組んで対策に当たるための体制づくりなどにつきましても検討を進めているところでございます。  今後、この検討の結果も踏まえつつ、研修や訓練などを行い、より実効性のある体制づくりを進めていきたいと考えているところでございます。  私からは以上でございます。 6 ◯議長(高樋 憲) 総務部長。 7 ◯総務部長(田辺康彦) まず、県庁舎の耐震化についてでございます。  その中で、東北各県の県庁舎の築年数及び耐震対応の状況についてでございます。  東北各県本庁舎の築年数については、古い順に、福島県庁舎が築五十八年、以下秋田県が築五十三年、本県が築五十二年、岩手県が四十七年、山形県が三十七年、宮城県が二十六年となってございます。  東北各県本庁舎の耐震対応については、新耐震基準により建築された宮城県を除き、各県において耐震診断を実施しており、本庁舎の耐震強度が不足しているとされている庁舎について、山形県は平成二十年度に、秋田県は平成二十二年度にそれぞれ耐震改修工事を実施済みであり、本県を含め岩手県及び福島県は今後の耐震改修等を検討しているという状況でございます。  次に、今後の県庁舎の改修等の取り組みでございます。  本県の県庁舎については、新耐震基準により建築された西棟、北棟を除く東棟、南棟及び議会棟について、平成二十三年度に耐震診断を実施した結果、耐震強度が不足していると判定されたことから、平成二十四年度におきましては、耐震改修を含めた庁舎の改修の方向性を調査検討することとしており、この検討結果を踏まえて、今後の県庁舎の耐震対応等を含めた総合的な改修計画を策定することとしてございます。  その際には、議員が御指摘されたとおり、長いスパンでのコストの視点、さらに、そもそもこの青森県庁舎というのは、この議場を見てもおわかりのように、谷口吉郎という近代建築界の巨匠が設計された由緒ある建造物であることも踏まえる必要があるというふうに考えてございます。 8 ◯議長(高樋 憲) 行政改革・危機管理監。 9 ◯行政改革・危機管理監(小寺 謙) 地域防災体制の強化に関する御質問のうち、自主防災組織を運営できる防災リーダーの育成への取り組みについてお答えいたします。  県では、自主防災組織の育成強化を図るため、今年度、青森県地域防災マエストロ育成研修会を開催し、地域防災リーダーの育成に取り組んでおります。  研修会では、釜石市で津波防災教育を実践してこられた片田敏孝群馬大学大学院教授を講師に迎え、町内会の会長等を対象に、犠牲者ゼロの地域づくりに向けて、災害リスクに対する認識や地域防災活動の必要性などについての講義を行うとともに、グループごとに分かれてワークショップを開催し、災害時の避難に関する課題や対策について認識を深めたところです。  また、地域防災リーダーが市町村と連携しながら、地域住民に対し自主防災組織の発足に向けた意識啓発を行う際のツールとなる防災教育用の教材DVDを作成し、市町村に配布することとしております。  県では、今後とも、市町村と連携し、地域防災のかなめとなる地域防災リーダーの育成に取り組み、地域防災力の向上に努めてまいります。 10 ◯議長(高樋 憲) 健康福祉部長。 11 ◯健康福祉部長(江浪武志) 御質問二点についてお答えします。  まず、大規模災害の場合に、県内外から派遣された医療従事者等を適切に配置できる体制づくりについての県の考え方についてでございます。  大規模災害が発生した場合には、被災地に対し、ニーズに即した速やかな医療支援を行うことが極めて重要だというふうに考えております。  東日本大震災では、被災地に対し、多くの都道府県から、議員からもお話しいただきましたが、DMATや医療チームの派遣が行われましたが、国の災害医療等のあり方に関する検討会報告書におきましては、医療チームなどの受け入れや派遣調整に関し、さまざまな課題があったというふうに指摘をされております。
     県では、国の検討と並行いたしまして、今年度、医療従事者や医療関係団体などとの意見交換会や青森県救急・災害医療対策協議会において、被災地の情報やニーズの集約方法、これに基づく適切な大規模災害時の医療支援のあり方などについて検討を進めてまいりました。  この検討におきまして、被災地では地域の災害医療コーディネーターを中心に対策会議を設置して現地の調整を行うこと、また、現地で対応できない場合は、県が災害拠点病院の医師や県医師会などの関係団体などで構成する派遣調整会議を設置し、医療チームの派遣調整を行うことなどについて意見が集約されたところでございます。今後は、この検討結果を踏まえ、具体的な体制づくりを速やかに進めていきたいというふうに考えております。  次に、本県の災害拠点病院などに係ります災害時の施設設備の機能強化についての県の取り組みについてでございます。  災害拠点病院は、災害発生時に被災地の傷病者の受け入れが可能な体制を維持し、傷病者の受け入れの拠点となるということが求められております。また、DMATを有する医療機関については、災害発生初期段階に速やかに被災地へ出動し、救急・災害医療を提供する役割が求められております。  県では、青森県立中央病院を初めとします災害拠点病院に対しまして、国の平成二十三年度補正予算及び県の地域医療再生基金を活用いたしまして、停電時においても医療機能を維持するための自家発電設備及び燃料タンクの増強、通信機能を維持するための衛星携帯電話及び災害医療における応急用資機材の整備に関します事業費を計上いたしまして、災害拠点病院の機能強化を進めております。  さらに、弘前大学医学部附属病院を初めといたしますDMATを有する医療機関に対しまして、同じく国の補正予算及び地域医療再生基金を活用いたしまして、携帯用超音波診断装置などの医療機器及び災害車両などの整備に係る事業費を計上いたしまして、DMATを有する医療機関の機能強化も進めているというところでございます。  また、平成二十四年度におきましては、平成二十三年度に整備を行っていない災害拠点病院に対しまして、自家発電設備や災害医療用資機材などの整備に必要な経費につきまして、本定例会に所要の予算を計上いたしまして、御審議をいただいているところでございます。 12 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 13 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 雇用対策の御質問四点にお答えいたします。  最初に、新規学卒者を含む若年者に対する就職支援の取り組みについてでございます。  本県経済社会が活力を持って発展していくためには、次代を担う若者が県内で意欲を持って就業し、能力を発揮していくことが重要と考えております。  そのため、本県の将来を担う新規高卒予定者が一人でも多く県内に就職できるよう、知事、教育長、青森労働局長の三者が、県内経済団体に対しまして、求人提出及び採用活動の早期取り組みを要請し、さらに県内九地区の経済団体に対しても、県、教育委員会、青森県労働局が連携しまして要請を行ったほか、全庁を挙げて県職員が県内約一千事業所を対象に求人開拓ローラー作戦を実施いたしました。  大卒者等に対する支援としましては、青森県雇用対策協議会等と連携しまして、県内企業の情報収集や出会いの場である就職ガイダンスを県内三市及び東京、仙台で二回ずつ開催しております。  また、昨年十一月には、若年者に対する就職支援機能を一層強化するため、都道府県では全国初となるヤングジョブプラザあおもりを設置したほか、本年一月には、新たな雇用の取り組みを行う中小企業者の資金繰りを支援するため、雇用創出特別支援枠を再創設いたしました。これらの取り組みにより、経済情勢が厳しい中にあっても、県内企業からの求人が増加してきており、着実に成果が上がっているものと考えおります。  次に、求人情報等が入手できず未内定となっている学生の就職支援についての国や県の取り組みについてでございます。  学生の就職環境が依然として厳しいことを踏まえまして、国では、未内定の学生が一人でも多く卒業までに就職内定が得られるよう、一月十七日から三月末までを集中支援期間としまして卒業前最後の集中支援二〇一二を実施しております。具体的には、ジョブサポーターが、電話等によりまして新卒応援ハローワーク等の利用を呼びかけるとともに、就職面接会の開催、中小企業と学生とのマッチング等を全国的に展開しているほか、被災地の未内定者等を対象に中小企業の現場等でプログラムに沿った職場実習を実施しております。  また、青森労働局におきましても、青森新卒応援ハローワークを設置し、さらには県内のハローワークにジョブサポーターを増員し、大学等と連携した出張相談や就職支援セミナー等も実施しております。  一方、県においても、民間の教育機関等を活用しまして実施する職業訓練で、学卒未就職者を優先して受け入れるほか、スキルアップ等を図るための就労機会を提供する事業を平成二十四年度当初予算案に計上し、本定例会で御審議をいただいているところでございます。  次に、インターンシップ受け入れ先企業の開拓への取り組みについてでございます。  就職前にインターンシップで就業体験し、実際の仕事の現場を知ることは、みずからの職業適性や将来設計について考えるよい機会となり、主体的な職業選択や職業観の形成を促し、雇用のミスマッチによる早期離職防止に非常に効果的であると考えております。  県では、ジョブカフェあおもりにおきまして、生徒、学生のインターンシップを受け入れている県内企業六百八十五社の情報を地域別にホームページ上で発信しているほか、今年度実施している若年者就職・定着促進支援事業におきましても、ジョブカフェあおもりに専任のコーディネーター四名を配置し、高校生のインターンシップ受け入れ先企業の開拓とインターンシップで就業体験する業務内容等の詳細調査を行っているところであり、この調査結果はデータベース化し、県のホームページ等で情報発信することとしております。  最後に、創業・起業支援に対するこれまでの取り組み状況と今後の取り組み方針についてでございます。  県では、創業・起業支援が雇用創出に寄与する重要な施策と位置づけ、創業・起業にチャレンジする方々の各種支援に取り組んでまいりました。  具体的には、創業・起業を希望する方々の掘り起こしを行うため、財団法人21あおもり産業総合支援センター、青森労働局、商工団体や金融機関等と連携しまして、創業・起業支援制度合同説明・相談会を県内六カ所で合計十二回開催し、延べ百八十八名の参加を得ております。  また、十八年度から県内三カ所に順次創業支援拠点を整備しまして、これまで三百名余がこれらの拠点を利用し、四十七名が夢を実現し、創業に至っております。  さらに、今年度より、次代を担う若者による地域資源を活用した新たなビジネスでの創業・起業を積極的に支援するため、創業準備資金の一部を助成する若者発ベンチャー創出事業も実施しております。  創業・起業への機運をさらに高め、取り組みを一層強化するため、これまで育成した創業支援の専門家であるインキュベーションマネジャーのスキルアップを図り、伴走型の相談対応等を実施することとし、本定例会に所要の予算を計上し、御審議いただいているところでございます。 14 ◯議長(高樋 憲) 農林水産部長。 15 ◯農林水産部長(渋谷義仁) 陸奥湾における水産業の振興に関する御質問二点についてお答えいたします。  まず、異常高水温被害からのホタテガイ生産の回復見通しについてであります。  昨年の陸奥湾ホタテガイの出荷量は、一昨年の異常高水温による大量へい死被害により、平年の三分の一程度の約三万トンにまで減少いたしました。また、本年の成貝の出荷量についても、その影響が残っており、平年の半数程度となる約九千トンの見通しとなっております。  しかし、関係者一丸となった再生産対策により、今後の生産に欠かせない稚貝の必要量が確保されたことから、本年四月から六月までに出荷される半成貝及び七月から十二月までに出荷される新貝については、今後、順調に生育すれば、平年並みの七万トン程度に回復し、成貝と合わせて約八万トンの出荷が見込まれているところでございます。  次に、ナマコ資源の維持増大に向けた県の対応についてであります。  陸奥湾のナマコは、近年、生産額が三十億円台にまでに増加し、ホタテガイに次ぐ重要な水産物となっており、県では、これまでホタテガイの貝殻を活用したナマコ増殖場の整備を進めるとともに、地方独立行政法人青森産業技術センター水産総合研究所等と連携し、種苗の生産技術や効果的な放流技術の開発及び資源管理型漁業の推進に取り組んできたところであります。  県としては、さらなるナマコ資源の維持増大を図るため、平成二十四年度から同研究所と連携して、ホタテガイ養殖施設直下の未利用漁場へのホタテガイの貝殻敷設とアマモ場造成により、ナマコ等の増殖効果の検証を行うとともに、海水温がナマコに与える影響調査研究等に取り組むこととしており、本議会に所要の予算を計上し、御審議をいただいているところでございます。  以上でございます。 16 ◯議長(高樋 憲) 県土整備部長。 17 ◯県土整備部長(大澤健治) 青森港に関する御質問三点にお答えいたします。  まず、青森港の整備状況についてでございます。  青森港には、現在、水深七・五メートル以上の公共岸壁が十二バース整備されており、そのうち、主に外航船舶を対象とした水深十メートル以上の岸壁が本港地区に二バース、沖館地区に二バース整備されています。  青森港については、海上輸送網の拠点港を目指して、沖館地区の公共ふ頭やフェリーふ頭前面水域の静穏度の向上を図ることを目標としており、現在、国土交通省が防波堤の整備を進めています。  また、県では、にぎわい空間の創出を図るため、耐震強化された大型旅客船対応の岸壁を有する新中央ふ頭を整備中であり、平成二十四年度までに一期区域の工事を完了させることを目標に進めています。あわせて、雪対策も兼ね備えた浜町緑地の整備を進めており、平成二十年代後半の供用を目指しています。  次に、クルーズ船の寄港実績と今後の見通しについてでございます。  平成二十三年度は、東日本大震災の影響により、日本船一隻及び外国船延べ三隻について寄港取りやめがあったものの、オリオンII、ブレーメンなどの外国船二隻を含め、延べ十隻のクルーズ船が寄港し、約二千五百人が青森港を利用したところです。  また、平成二十四年度においては、これまでで最大規模である総トン数約六万九千トン、定員千八百四人の外国船レジェンド・オブ・ザ・シーズが四月に寄港するのを初め、十月にはこれをさらに上回る総トン数約十一万六千トン、定員二千六百七十人のダイヤモンド・プリンセスが寄港するなど、延べ十二隻が寄港を予定しています。  最後に、青森港へのクルーズ船の誘致への取り組みについてでございます。  青森港には例年十隻程度のクルーズ船が寄港していますが、クルーズ船の寄港を増加させるためには、外国船を誘致し、継続的な寄港につなげることが必要であると考えております。  このため、来年度は、乗客の満足度の向上を図り、寄港をふやすことを目的として、クルーズ客への魅力発信事業を実施する予定としております。  この事業の主な内容は、県内の観光関連業者を対象に、クルーズの特徴や外国人クルーズ客特有のニーズに関する情報を共有するためのセミナーや会議等を開催するものとなっており、これにより県内全域で一体となってクルーズ船の受け入れ体制の構築を目指していきます。  また、引き続き青森港国際化推進協議会と連携しながら、さらなる利用促進に向け、国内外の船会社や代理店に対するポートセールスも積極的に展開してまいります。 18 ◯議長(高樋 憲) 観光国際戦略局長。 19 ◯観光国際戦略局長(馬場良夫) 東北観光博二点についてお答え申し上げます。  まず、本格実施に向けた県内での準備についてでございます。  三月十八日から本格実施となります東北観光博は、議員からの御説明にもございましたけれども、東北地域全体を一種の博覧会場に見立てて、統一的な情報発信等を行うことで東北への誘客を図ろうとするものでございます。  本県におきましては、集客の中心となりますゾーンが県域を越えるものも含めまして七つ選定されており、これらのゾーンを中心として観光スポットや祭り、イベント、モデルコース、滞在プログラムといった観光情報が、ポータルサイトやパンフレットなどを通じて一元的に発信されることになっております。  各ゾーンでは、既存の観光案内所等をゾーンの玄関口となる旅のサロンとして定め、旅行者がスタンプを集めたり、特典を受けるための東北パスポートの発給を行うほか、案内所等のスタッフが、観光案内人としてゾーンの魅力を旅行客に直接アピールしたり、お勧めの旅のプランの提案等を行うこととしてございます。  また、ゾーン内の複数の観光施設等を旅の駅として定め、こちらでもスタッフが観光案内人として地域の魅力をアピールし、旅行客との触れ合いを通じておもてなしすることとなってございます。  各ゾーンでは、東北観光博の本格実施に向けて、二月下旬から三月上旬にかけて、これら観光案内人が国主催の研修会を受講しているほか、ポータルサイトから発信いたします観光情報の収集、整理を進めるなど、受け入れ態勢の準備に努めているところでございます。  続きまして、東北観光博を通じてどのように誘客推進を図っていくのかについてでございます。  東北観光博は、新たなイベントの開催やパビリオンの設置等によって誘客を図るものではなく、多様な着地型旅行商品や滞在型プログラムなどの提供が主体となりますことから、誘客効果を上げるためには、それぞれの地域において、満足度が高く魅力的な観光コンテンツをどれだけ提供できるかが重要であると考えております。  県では、これまでも、観光コンテンツの高度化等に取り組む団体へのアドバイザー派遣や補助金の交付を行い、観光コンテンツのブラッシュアップを図ってきたところでございますが、引き続き、新たな観光コンテンツの発掘や磨き上げを図りますとともに、県の観光情報サイトアプティネットを活用した情報発信や大都市圏の旅行エージェントに対する東北観光博期間中の旅行商品造成の働きかけなどを行いまして、本県への誘客に結びつけていきたいと考えてございます。  今回の東北観光博は、短期的には国による大規模な情報発信等により東北への旅行需要の喚起が期待されますほか、中長期的には、地域が主体となった観光振興への取り組みをさらに促進させるきっかけとなることが期待されますことから、県といたしましては、市町村、観光関連団体との連携を一層密にして、観光コンテンツの充実を初めとした観光力の強化を図ってまいります。 20 ◯議長(高樋 憲) 教育長。 21 ◯教育長(橋本 都) 御質問五点にお答えいたします。  初めに、県有体育施設について、スポーツ振興に向けた施設の整備を行うことについての県の考えであります。  県教育委員会では、県民の生涯にわたるスポーツライフの実現を目指し、本県のスポーツ振興を継続的、計画的に推進するため、外部の有識者や庁内関係課等による調査検討やパブリックコメントの結果などを踏まえ、昨年十月に青森県スポーツ振興基盤整備計画を策定したところです。  この中で、竣工から四十年以上を経過し、大規模大会が開催困難な状況にある県有体育施設については、財政状況や国体の開催時期等を踏まえつつ、計画的に改築整備していくことが必要であり、中でも、より多くの県民の利用が期待される陸上競技場の改築整備を優先することとしております。  このため、平成二十四年度に、今後に向けた準備を進めるため、公募による陸上競技場設計競技を実施することとしています。  次に、施設を利用して県民が第一線で活躍する選手のプレーを観戦できるように取り組むべきとのことについての考えであります。  第一線で活躍する選手のプレーを間近に見ることができる国体などの大規模大会やプロスポーツの開催は、県民のスポーツ活動への参加意欲を喚起するだけでなく、交流人口の拡大や地域経済への波及効果も期待されるところです。  このことから、青森県スポーツ振興基盤整備計画では、老朽化した県有体育施設の整備の必要性とともに、施設を利用してのスポーツイベントや合宿の誘致、運営支援などを行うスポーツコミッション活動の展開など、スポーツを通じた地域づくりを推進することとしたところです。  今後とも、県民が第一線で活躍する選手のプレーに接することができるよう取り組んでまいります。  次に、中高一貫教育への取り組みについて、まず、公立中高一貫教育校の全国の推移及び本県の設置状況についてです。  文部科学省の調査によりますと、全国における公立中高一貫教育校の設置校数は、五年前の平成十八年度と比較して四十七校増の百七十九校となっております。このうち、連携型は七校増の八十二校、併設型は二十七校増の六十九校、中等教育学校は十三校増の二十八校となっております。  本県では、連携型として平成十三年度に田子地区、平成十四年度に大湊地区の二校を設置しております。また、併設型として、平成十九年度に県立三本木高等学校附属中学校を設置しており、第一期生は現在高校二年生となっております。  次に、併設型の県立の中高一貫教育取り組み状況であります。  県立三本木高等学校及び附属中学校では、併設型中高一貫教育の目標として、六年間を見通した計画的、継続的な指導を通して真の国際人として未来社会の進展に貢献できる人材を育てることを掲げ、さまざまな教育活動に取り組んでいるところです。  中学校と高等学校が連携した取り組みとしては、中高の教員によるチームティーチング、外国語指導助手を活用した英語合宿、また、学校行事や部活動などの合同実施などにより確かな学力を身につけさせるとともに、豊かな人間性をはぐくむ教育を展開しております。  さらに、平成二十二年度から理数教育の充実を図る文部科学省のスーパーサイエンスハイスクールに指定され、大学教授による最先端の科学技術に係る講義実習や森林環境学習などを通して、中高が連携して未来を担う国際的な科学技術系人材の育成にも力を注いでおります。  県教育委員会としましては、三本木高等学校及び附属中学校における中高一貫教育の一層の充実発展に向けて学校の教育活動を支援してまいります。  最後に、本県の併設型の新たな設置についての今後の見通しについてです。  併設型中高一貫教育は、六年間を見通した柔軟な教育過程を設置し、生徒の個性や能力を最大限伸ばすことにより、生徒一人一人の進路志望の達成を目指すものであります。また、年齢の異なる生徒の触れ合いの中で、社会性や豊かな人間性を育成することをねらいとしたものです。  新たな設置につきましては、三本木高等学校及び附属中学校における併設型のメリットを生かしたさまざまな教育活動の取り組みやその効果などについて引き続き検証を行った上で、中学校卒業予定者数の推移や全県的な配置バランスを考慮しつつ検討することとしております。  以上でございます。 22 ◯議長(高樋 憲) 花田議員。 23 ◯二番(花田栄介) 知事初め、知事部局の皆様、本当に御答弁ありがとうございました。いろいろな話をお伺いさせていただきましたけれども、三村知事におかれましては、本当に雇用の創出・拡大を最重要戦略キーワードに掲げておりますので、先ほど御答弁いただきましたことも含めて、若年者雇用を含め、全般的に雇用がさらによくなっていくように、引き続きよろしくお願いいたします。  また、その雇用に関して、あるいは企業の誘致に関して、けさ、とある県内の新聞なんですが、県内のある市会議員さんが発言されていたコメントが出ておりました。その内容によりますと、市長がアップル社創業のスティーブ・ジョブス氏の服装をまね、その服装姿で登場して、それに関連した上でアップル社を誘致したらどうだというような話があったんですが、やはり青森県といえばリンゴですし、本当にイメージとしてもぴったり合いますので、この市会議員の先生は、恐らく雇用に関する、企業を誘致したいという熱い思いがあったから、例えばの話でこういったことを発言されていたと思うんです。  なので、その部分に関しまして、何とぞアップル社を初めとしていろんな企業の誘致を含めて、知事の今後のさらなるお力添えのほどをよろしくお願い申し上げたいと思います。  次に、ホタテとナマコに関連する話ですが、昨年ホタテは本当に大量にへい死しましたけれども、それに当たって大量に状態がよくなってきたということで、さらなるホタテの増産を何とぞお願いをしたいと思います。  また、ナマコに関してですが、今ホタテの貝殻などを例えば陸奥湾に敷いて、そこをナマコの増殖場として――先ほど増殖場という話がありましたが、そういった形でホタテの貝殻などをうまく活用して、増殖の場としていただけるようなものをぜひともやっていただければ幸いでございます。  そして、東北観光博についてでございますけれども、こちらは、やはり今回また改めて東北というものを全国にアピールできる場でありますので、既存の刊行物、例えば北津軽郡でいけば太宰治ですとか、あるいは北のほうに行けば吉田松陰が歩いた道などもある松陰道と呼ばれるようなものもあるということでございますので、そういったものをさらにアピールしていって、県内全域が本当に観光で盛り上がっていけるようなものをぜひアピールしていただきたいと思います。  災害医療に関してでありますが、今回の震災を受けて停電や流通経路が本当に遮断されて大変な状況になって、なかなか医療がうまくいかない。それに対していろんな対応をしていくということでありますので、ぜひその点、何とぞ今後ともよろしくお願い申し上げたいと思います。  そして、耐震の対応の状況についてでありますけれども、福島が五十八年たっているとか、あるいは山形県では既に耐震化がなされているような話をいただきました。この件に関して私が思っていることとしましては、やはりある昔の哲学者がおっしゃっていたことですが、万物は生々流転するとか、あるいは古いものというのは、形あるものというのはやはり崩れていく、古くなっていくということですから、何とぞその点もまた考慮に入れていただければと思います。  そして、中高一貫校に関してでありますが、この中高一貫校、やはり今非常に注目を浴びていて、数が四十七でしたか、新たに全国で設置されているということで、非常に注目に値することであると思います。もし今回の平成二十五年の三本木高校の卒業者が学業的な面で大変優秀な実績を出されたら、ぜひそれを、これは要望なんですが、県民局単位で、各県民局に一つぐらいずつはそういったものをつくっていってもいいのではないかなと、私は今そのように思っていましたので、何とぞひとつその点も考慮いただければと思います。  以上をもちまして、要望を終わらせていただきます。ありがとうございます。 24 ◯議長(高樋 憲) 午さんのため、暫時休憩いたします。 午前十一時三十九分休憩    ────────────────────── 午後一時再開 25 ◯副議長(相川正光) 休憩前に引き続いて会議を開きます。
     一般質問を続行いたします。  二十二番櫛引ユキ子議員の登壇を許可いたします。――櫛引議員。 26 ◯二十二番(櫛引ユキ子) 清和会の櫛引です。  第二百六十九回定例会での一般質問をさせていただきます。  昨年の十二月に降り始めた雪は、休むことなく降り続けました。低温続きで雪が解ける間もなく、これが今冬の積雪の特徴だと言います。除雪費用も過去最高の三十七億円にもなると報告されております。特に青森市では、十二月から二月までの間九十一日中六十九日間が降雪だったと報じられています。さらに、それぞれの地域での雪害事故が発生しました。全国的にも報道されました。さらに、各議員からの質問にもありました下北半島を襲った暴風雪、また、津軽自動車道では、二日間も続けての事故発生など、さらに、私の近所の方も、屋根の雪おろしで滑り落ち、亡くなるという悲惨な事故がありました。  また、病気を持っている人も黙っているわけにもいかず、雪片づけを毎日のごとくして、外で倒れ、命をなくした人、御家族にとって雪を恨むしかない思いであったと思います。  けがをした人も多く、体調不良で病院に駆け込む患者も高齢者を中心に例年よりふえているとのこと。ことしの雪害による犠牲者は十五人となり、一九八五年度以降、過去最多となっています。本当に大災害だと思います。二月に入ってからは、家屋の倒壊などの被害も発生しました。けさほどの新聞では、百三十棟となっています。水分を含んだ雪は、まだまだ安心はできません。  ひとり暮らしの方々にとって、ことしほど雪で心細い思いをしたことはなかったのではないかなと思うこともありました。シルバー人材センターへ依頼をしても、屋根の雪おろしは断られるし、隣からは苦情が来るし、どこに言っていいのかわからないといったことが多くあったようであります。各市町村も除雪費用が追いつかず、苦情は来ても思うように対処できなかった傾向にあったと思っています。しかし、どんなに厳しい冬であっても必ず春が訪れる、希望を持って生きてきた強さが青森県人にはあります。これから県として今までの検証をし、新たな除雪対策の改革にもお願いしたいと思っております。  それでは質問に入ります。  冬の農業の振興についてお伺いします。  青森県は食料自給率一二一%と全国有数の食料自給県でありますが、冬の厳しい寒さや雪などの妨げがあり、農業の生産活動が困難な状況にありました。この冬期間を何とか農業所得の向上と就労の期間を拡大することに結びつけるための施策として平成十三年から冬の農業に取り組んできました。農業者は意欲的に取り組みがなされ、冬場の野菜が値上がりする時期に、最近ではスーパーの一角に地元産が並ぶようになりました。農薬に関する不安も少なく、新鮮で、さらに寒締めのものは甘みがあるなど、冬期間の農業収入として大事な位置づけとなっています。  平成二十三年四月に発行した青森の農林水産業の冊子には、攻めの農林水産業の推進が提示されています。水、土、人、この三つの基盤を強力にし、これからの農林水産業への意欲を感じさせるものがあります。青森力を前面に出してこれからの担い手にも希望を与えられる施策を盛り込んでいると感じます。ピカイチデータにもありますように、本県は高水準の位置に農林水産物が属しています。冬のハウス栽培は年々増加しており、葉物野菜やアスパラガス、鉢花類がありますが、消費者にとって注目されるのが冬の野菜であると思います。  そこで、第一点目として、本県の農業振興における冬の農業の位置づけ及びこれまでの取り組みの成果についてお伺いします。  次に、冬のハウス栽培には、石油暖房や温泉熱などによる加温栽培と暖房しない無加温栽培があります。加温栽培は全体の三割としていますが、燃油価格の高騰や、また、電力供給がこれから制限される可能性があります。実質、ことしの冬は暖房費がかかると休んだ農家さえもあります。継続的に推進し、高収入に結びつけるためには未利用資源の活用も重要と考えます。  そこで、二点目として、今後、このような状態の中で、県として冬の農業をどのように進めるのかお伺いします。  次に、豪雪による農業用パイプハウス被害に対する取り組みについてお伺いします。  二〇一一年、リンゴが降ひょう被害に遭ったり、高温障害により収量が減少した県内農家に対する果樹共済の支払い金額が二月二十九日に公表され、各農業共済組合を通じて被害農家に支払われたと報道されていました。自然災害への備えとして共済加入を呼びかけても、一一年産で三八・三%にとどまっているとされています。自然災害が特に多くなってきている現在、農家としても加入を義務とすべきところではありますが、収入に安定性がないため、少しでも経費を削減するほうに走ってしまうのかもしれません。  今回も豪雪による農家への被害が発生しています。まだ農道除雪がなされていない状態では調査は難しいかもしれませんが、今冬の農業用パイプハウス被害に対する取り組みについてお伺いします。  二点目として、ことしのような豪雪による被害を今後少しでも軽減するため、県はどのように取り組んでいくのか伺います。  青森市、平川市などそれぞれの自治体では、リンゴ農家に対して融雪剤費の助成がなされるようです。さらに範囲を水稲や野菜、花卉の栽培ハウスを持つ農家も受けられると聞いています。これからの被害状況によって、他の市町村の動きにも注目されるところです。  そこで、三点目として、園芸施設共済への加入状況と今回の豪雪による対応状況についてお尋ねします。  次に、食産業の振興に向けた取り組みについてお伺いします。  飽食時代のようなこの世の中で、だれにも助けを求められないまま餓死した家族が報道されております。食べ物を無造作に捨てたりしている中で、何か大事なものを見落としてきているのではないかと改めて考えさせられることでした。  青森県の農林水産業は、カロリーベースの食料自給率は全国四位、さらに産出額は約二千億円で全国五位、さらに米、野菜、果実、畜産、水産等の品目のバランスがよいという大きな力を持っています。しかし、県内の食用農林水産物の約七割が生鮮のまま県外へ出荷されているという状況にあります。それは、情報交流が不足したり、商品開発や農商工連携に関する知識、経験が少ないし、加工用施設の整備が進んでいないことが課題であるからです。  各地域で加工に向けての開発が小規模から始まり、拡大していくまでに多くの時間もかかっているように思われます。西北五地域でも地場産品を使ったスイーツ大会を行い、優秀品を商品化して産業祭りなどで販売してもらうなど、形は徐々につくられていますが、規模的にはとても小さいです。  地元の農業系の学校が昨年農業会社を設立しました。一号店を津軽鉄道の津軽五所川原駅に開設し、学校でつくった野菜や米、卵、牛乳、花の苗、リンゴジュースなどの農産物や加工品を販売しています。市で月一回開催した軽トラ市に二号店を出店し、販売にも力を入れたと聞きます。販売を通して消費者の求める商品を把握し、加工品開発にも意欲がわいてくる、新しい農業教育のあり方として注目されています。  そこで、地域の食産業振興に係る県の取り組みと今後の展開方法についてお尋ねします。  次に、西北五地域の観光振興についてお伺いします。  新幹線全線開業二年目を迎える本県は、昨年の震災の影響を受けたことを踏まえ、開業初年度と同様な思いで、新たなる開業とする意気込みが当初予算にも反映されていくと思っています。県観光連盟でも地域の資源を生かした観光を目指すよいタイミングだと強調しています。大型移動ではなく、個人型を利用し、帰った方々がさらに多くの皆さんに口コミで広めていく体制に変わってきていると言います。それぞれの県民局でも、今までの課題を検証し、地域資源を最大限に生かしたきらりと光る地域づくりを目指そうとしています。  西北五地域の課題は、観光を産業としてとらえようとする意識が低いことや観光振興に関して地域を挙げた取り組みが不足していることが指摘されています。さらに、製造業や商業、サービス業の割合が相対的に低く、雇用の場が不足していることもあります。しかし、最近は、意欲的に試みをし、その中から模索していることが感じられます。観光に流れをつくり、一連の流れをつくることによって全体を結びつけていけることがこれからだと考えます。  そこで、一点目として、西北五地域の地域資源を活用した新たな魅力づくりにどのように取り組んでいくのかお尋ねします。  国のふるさと雇用再生特別交付金制度の活用により、平成二十一年度から津軽鉄道に七名の客車乗務員として、沿線を含む西北五地域の観光PRを行っているのが奥津軽トレインアテンダントです。津軽鉄道は、彼女たちのぬくもりのあるおもてなしによって希望がわいてきました。列車内で二〇〇九年度は十事業、二〇一〇年度は二十事業、二〇一一年度は十六事業を企画し、継続している七夕列車、合格列車、太宰列車、奥津軽列車があります。また、津軽弁列車や宿題列車、ロマン列車、バレンタイン列車もつくりました。  観光PRの手段として大きな役割を担っているのが毎日のブログでの更新です。そのため、メディア取材も多く、自分たちの力を精いっぱい生かし、仕事をこなしており、大変重要な役割を果たしています。  先般、新聞に本県版「鉄道むすめ」キャラクター一挙に五人デビューという見出しがありました。県の重点枠事業ブランド化促進モデル創出事業の一環だと聞き、ますます驚きました。県側から提案を受けた例は全国初で、さらに県内五つの鉄道事業所が一度に提携するのも初めてだそうです。株式会社トミーテックの出したキャラクターは大人気のようであります。今後、県内商品開発、販売の推進、観光誘客の推進、鉄道振興の推進など効果が期待されるとしています。大きな貢献をしているトレインアテンダントをこのまま終わりにしてしまうのかと心配しています。  そこで、二点目として、奥津軽トレインアテンダントの活動を拡充し、誘客を図るべきと考えますが、県の取り組みについてお伺いします。  次に、子育て支援対策への取り組みについて伺います。  平成二十四年度未来への挑戦推進事業の中にもあおもり型セーフティネット、健やか子ども支援が取り上げられています。地域の子供たちを地域全体で見守っていこうという思いだろうと感じています。出生率の向上には不妊治療費助成や妊婦検診検査に対する助成が少しずつ充実している中において、子育てを支えていく環境づくりにも力を入れなければなりません。  ある若い医師夫婦は、地元でない勤務地を望み、現在働いています。どうしてなのかと聞きますと、病院内に保育施設が整備され、安心して子供を預けて仕事に集中できるからだと言います。つまり、子育て環境が充実していないところには住めないと言われているようでありました。  子育てをしていく上で何よりも大事なことは、育児にかかわる人の不安を解消すべき環境を整えてあげることが、今急がれなければなりません。収入に安定性があっても心の余裕がない、情報収集の場もなかったら、子供に対しての十分な愛情が持てない、子供によって自分の生活が壊れていくと感じてしまう傾向にあったりするため、子育て放棄や虐待への一因になりかねません。  核家族化になり、子供のそばでいつも携帯でメールを打っている光景を目にすることも多くなりました。病院での待ち時間の縮小のために、小児科などでは携帯からの予約、いろいろな情報も携帯から。そして友達との会話もメールで、そんな現在の傾向に合わせながら、これからの子育てへの情報提供にもニーズに応じて変えていくべきと思います。そして、相談できる場面も限定されることから、地域社会全体で見守り、ごく自然に子育てを一緒にしようという環境づくりに取り組んでいかなければならないと考えます。  そこで、県では子育てを社会全体で支えていく環境づくりについてどのように取り組んでいくのかお尋ねします。  さきに述べましたように、子育て中の皆さんは、自分の生活の中で子供とともに学んだり、楽しみたいと願っています。ニーズの多様化に対応した子育て情報を求めています。特に異動が始まる転勤者の家族にとっても必要とされる情報です。十九年度に開始したあおもり子育て応援わくわく店事業は、店舗の協力を得て子育てを見守り、支え合う環境づくりを進めています。その中身としては、妊婦や十八歳未満の子育て家庭を対象に、料金割引や特典などのサービスを提供するにこにこ店、授乳室やプレールームの設置など、子育て家族が出かけやすい環境に配慮したサービスを提供するほのぼの店、合わせて千三百三十四店舗になると聞いています。これらも含めて、親子に優しいメーンとした事業が推進されるとあります。  そこで、この親子に優しい街づくり推進事業の取り組み状況について伺います。  最後の質問は、県立特別支援学校高等部卒業者の就職状況についてです。  特別支援学校の卒業式に何回か出席させてもらえる機会がありました。そのたびに思うのは、一生懸命に生きている子供たちがこの先も目標を持って明るく過ごしてほしいということです。  ある保護者からの言葉に大変衝撃を受けました。障害を持つ子供の親として、できれば、私が亡くなるとき、娘も一緒に亡くなってくれればいいのにと思うし、大変悲しいことですが、娘が私より先に亡くなってくれれば親として安心して死ねるのにと思います。しかし、順番からいくと、先に娘を残して死んでいかなければなりません。だからこそ、この子供たちがしっかりと生活する場所をつくり、残していかなければならないと思っています。それくらい残せなければ、何のために娘が私のところに生まれてきたのかわからないじゃないかと、いつも自分に言い聞かせていますというふうにおっしゃいました。  これを聞かされましたとき、子供たちが元気に生きている場所を確保できるようにすることがどんなに家族にとっても重要なことかということを思い知らされました。できれば、何かの仕事をしながら生きていけるように、生徒たちの自分の中にある可能性を少しでも前に出してあげられることをもっとみんなで努力しなくてはいけないと考えます。  そこで、一点目として、県立特別支援学校高等部卒業者の就職率及び職場定着率について伺います。  二点目として、県立特別支援学校高等部生徒の就職促進に向けた県教育委員会の取り組みについて伺います。  以上で壇上からの質問といたします。 27 ◯副議長(相川正光) 知事。 28 ◯知事(三村申吾) 櫛引議員にお答えいたします。  まず、私からは、本県の農業振興における冬の農業の位置づけとその成果でございます。  私は、本県が有する冬の寒さや雪、風といった地域資源を活用する冬の農業は、野菜や花卉等の生産拡大を初め、食品加工やグリーンツーリズムなどの関連産業にも波及効果があり、県経済の活性化や雇用の確保につながると考え、攻めの農林水産業を展開していく上で重要な施策と位置づけて推進してきました。  県では、これまで、冬の農業の指導者の養成や栽培技術の開発を初め、農業者等の創意工夫を凝らした実践活動、さらには、石油の代替となります地域エネルギー活用への支援などに取り組み、県内各地に多種多様な冬の農業が普及してきました。  具体的には、冬の寒さを生かしました寒締め栽培のホウレンソウや加温栽培のイチゴ、ケイオウザクラなどが首都圏に出荷されております。ハウス栽培の熱源には、リンゴ剪定枝やもみ殻などのバイオマス資源も活用されております。また、上北地域の福祉事業者が開設した冬に摘み取りができるイチゴ農園は、観光施設としても人気を集めておりますほか、中南地域の農村女性起業による冬の気候を生かした嶽きみパウダーなどの加工品の開発、販売は、六次産業化による食産業の振興にもつながるなど、農業者の所得向上や就労機会の拡大はもとより、本県経済の振興に大きく貢献をいたしております。  地域の食産業振興に係る県の取り組みと今後の展開方向でありますが、私は、地域の食産業振興に当たっては、それぞれの地域が持つ強みを生かした具体的な事例を積極的に創出し、その成果を広く県内に波及させていくことが最も効果的であると判断し、食産業データベースを活用した農商工連携や六次産業化に向けたビジネスマッチング、商品開発の企画段階からの県職員の参画など、従来より一歩踏み込んだ支援を展開いたしております。  今年度は、関係団体や金融機関などが参加いたします食産業連携推進地方本部を各地域県民局に設置して推進体制を強化したほか、アグリビジネスチャレンジ相談会を毎月開催した結果、二月までに五百件を超える相談が寄せられるなど、農林漁業者や事業者の関心は着実に高まってきております。  西北地域におきましては、農業に参入した建設業者と酒造業者の連携によりますラズベリー酒や宿泊業者と食品加工業者の連携によりますタカミメロンのコンフィチュール、そしてNPO法人と生産組合、食品加工業者の連携による転作大豆の豆乳とナガイモのカップアイスなどの取り組みがあり、県内各地で地域資源を活用した新たな食ビジネスの芽が生まれてきております。  県といたしましては、引き続きこのような具体的事例の創出ということに努めながら、農林水産業とともに地域の食産業の重要な担い手となっております食品加工業の機能集積に向けた調査検討や大手食品メーカーとの連携強化に取り組むこととし、本議会に所要の予算を計上し、御審議をいただいておるところでございます。  西北五地域の地域資源を活用した新たな魅力づくりへの取り組みでございます。  西北地域は、五所川原立佞武多や津軽三味線に代表される祭りや伝統芸能、世界自然遺産白神山地や十二湖に代表される自然景観、津軽鉄道ストーブ列車など、たぐいまれな観光資源に恵まれていることに加えまして、白神海彦山彦食の旅の推進、街歩きや文化・食の体験空間太宰ミュージアムの開設など、地域県民局と地域の方々との協働による新たな魅力創出に向けた取り組みが展開をされております。  私は、多様化する旅行者のニーズに対応し、東北新幹線全線開業効果を継続的に獲得していくためには、各地域の自然、景観、文化等の地域資源、さらには地域のすぐれた人財力を生かした観光コンテンツの一層の磨き上げにより、青森ならではの多彩なプログラムを観光客の方々に提供していくことが重要と考えます。  このため、平成二十四年度は、津軽半島の広域観光推進に向けまして、観光、食、伝統文化、特産品などの情報をより効果的に発信していくための仕組みを構築していくほか、作家太宰治の作品の朗読劇の観光コンテンツ化やドラマなどのロケ誘致のための基盤づくりにも取り組むこととしております。  今後とも地域との連携を密にし、西北地域の豊かな地域資源の一層の活用・連携を図り、観光客の方々に楽しい時間を過ごしていただける魅力創出に努めていきます。  子育てを社会全体で支えていく環境づくりについての取り組みでございます。  子供たちを産み育て、成長させることは、青森県の未来をつくり上げていくことでございます。私は、これまでも、子供たちが地域の人たちに温かく見守られながらすくすくと育っていく環境づくりに取り組んできました。  青森県基本計画未来への挑戦に基づき、平成二十三年度では戦略キーワードの中に「子ども」総合支援の推進を掲げました。親子に優しい街づくり推進事業を初めとして、子育てを社会全体で応援する仕組みづくりに取り組んでいる次第です。  今後とも、保育サービスの充実などの子育て支援だけでなく、地域や企業などが緊密に連携をいたしました切れ目のない総合的な支援体制を構築し、さまざまなニーズを持つ子育て家庭に適切な支援をしていくことによりまして、安心して子育てができる環境づくりに全力で取り組んでいきたいと考えております。  私からは以上です。 29 ◯副議長(相川正光) 健康福祉部長。 30 ◯健康福祉部長(江浪武志) 親子に優しい街づくり推進事業の取り組み状況についてお答えいたします。  県では、外出中も子育て支援の情報を手軽に入手できる仕組みづくりや親子が安心して生活できるよう地域のさまざまな団体が子育て支援に取り組む環境づくりのため、未来への挑戦重点枠事業として、平成二十三年度からの二カ年で親子に優しい街づくり推進事業により三つの取り組みを行っております。  一つ目の取り組みであります親子に優しい街マップ作成事業では、子育てに役立つさまざまな施設の情報を携帯電話やスマートフォンから検索できるシステムを今月二十日より提供する予定としております。  二つ目の取り組みである親子に優しいサポーターズ養成事業では、地域における子育て資源を情報発信し、子育てにかかわるさまざまな関係者が協働して子育てを支援することについて学んでいただくための研修を平成二十三年十二月、昨年十二月に青森市、八戸市で実施をしております。  三つ目の取り組みである親子に優しいお店フェア開催事業では、あおもり子育て応援わくわく店や子育て関連店舗、子育て支援団体、NPO法人が一堂に会し、それぞれの活動について地域の住民の方への周知を図るためのフェアを弘前市、八戸市、十和田市で開催をしております。  平成二十四年度におきましても本事業を充実させ、民間、行政、NPOなどが協働して子育てを支援していく環境づくりに努めていきたいというふうに考えております。 31 ◯副議長(相川正光) 農林水産部長。 32 ◯農林水産部長(渋谷義仁) 御質問四点についてお答えいたします。  最初に、冬の農業の振興についてであります。  冬の農業については、これまでも農業者の所得向上や就労機会の拡大に貢献してきたことから、昨年九月に冬の農業普及拡大計画を策定し、引き続き普及拡大を図っていくこととしたところであります。本計画では、本県の施設栽培の約三割を占める加温栽培の熱源は、これまでは石油や電気による暖房が主流でしたが、今後は、環境に優しく石油にかわるバイオマス資源などの地域エネルギーの活用を促進することとしております。  このため、県内製造メーカーとの協働により開発したもみ殻やリンゴ剪定枝などを燃料とする手軽な暖房機の実証展示のほか、二重被覆など省エネルギー対策によるコスト低減を図るための生産技術研修会を開催しながら、各地域ごとに定めたイチゴやアスパラガスなどの推進品目を中心に拡大を進めることとし、本議会に所要の予算を計上し、御審議いただいているところでございます。  続きまして、今冬の豪雪による農業用パイプハウスの被害状況と県の対応についてであります。  今冬の豪雪による農業用パイプハウスの被害は、三月五日現在で県全体で三百四十二棟、被害額は約一億一千万円に上るとともに、被害程度別では、補修不可能な全壊が二百二十三棟で全体の六五%を占めております。  県では、雪おろしなどが間に合わず被害を受けた農業者については、まず、低利な融資制度や園芸施設共済金の活用により復旧することが必要と考え、関係団体へ手続が円滑に進むよう働きかけたところでございます。  また、パイプハウスの倒壊により、営農計画の見直しが必要となる農業者に対しては、地域県民局が関係団体と連携して営農相談などを実施しているところでございます。  次に、ことしのような豪雪による被害を今後少しでも軽減するため、県はどのように取り組んでいくのかについてであります。  今冬の豪雪においても、自分の経営は自分で守るという強い姿勢を持って、農業者が昼、夜を問わず懸命な雪おろしなどの対策を講じたことなどにより、県全体で見ると大方が損壊を回避することができました。  このため、県では、現在、雪害対策の一環として農業者がみずから雪害対策に取り組み、被害を未然に防いだ事例を取りまとめているところであり、今後事例集として広く周知していくこととしております。  また、今後とも、大雪警報が発表された場合、直ちに大雪に関する技術情報等の生産情報を発行して農業者への注意喚起を図るほか、耐雪型パイプハウス導入への誘導や、万が一の被災に備える園芸施設共済の加入促進などについて関係団体と連携して取り組んでまいります。  最後に、園芸施設共済への加入状況と今回の豪雪による対応についてであります。  本県における園芸施設共済への加入状況は、面積加入率で、ここ数年五〇%前後で推移しております。  青森県農業共済組合連合会によると、三月五日現在で、豪雪による共済加入者のパイプハウス倒壊被害が、中南地域を中心に県内で百三十棟あったとのことであります。  県では、園芸施設共済は被害金額の八割まで補償されるため、被災農業者の農業経営再建への大きな手助けとなることから、二月一日に各農業共済組合に対して、迅速な損害評価及び共済金の早期支払いを要請したところであり、一月に被害を受けたパイプハウスに係る共済金は、通常よりも十日ほど早い二月二十九日に支払われております。  県としては、二月以降の被害についてもできる限り早く共済金が支払われるよう、関係団体に要請するとともに、いざというときのセーフティーネットとしての機能が十分発揮されるよう、さらなる加入率の向上に向けて農業共済組合等を指導してまいります。 33 ◯副議長(相川正光) 観光国際戦略局長。 34 ◯観光国際戦略局長(馬場良夫) 奥津軽トレインアテンダントの活動の拡充についてお答え申し上げます。  奥津軽トレインアテンダントは、平成二十一年から津軽鉄道の列車への乗務を通じての観光案内や特産品のPR活動、ブログ等による情報発信を行っておりますけれども、郷土色豊かで創意工夫にあふれた活動がさまざまな媒体で取り上げられるなど、西北地域の魅力向上と誘客に大きく寄与しているというふうに考えております。  このことを踏まえまして、西北地域県民局では、津軽半島の魅力をさらに効果的に発信することを目的に、関係市町、津軽鉄道株式会社とともに津軽半島観光アテンダント協議会を設立することとし、その取り組みの推進に当たりましては、奥津軽トレインアテンダントの方々の業務経験、ノウハウ等を最大限に活用していくこととしております。  具体的には、新たに津軽半島観光アテンダントとして、これまでの乗車業務に加えまして、津軽半島の魅力を紹介するパンフレットや季刊誌の作成、首都圏等での観光PR活動、誘客促進に向けたイベントの開催、旅行商品の企画、造成などを行うこととしており、本定例会に所要の経費を計上し、御審議いただいているところでございます。
    35 ◯副議長(相川正光) 教育長。 36 ◯教育長(橋本 都) 特別支援学校高等部卒業者の就職状況についての御質問にお答えいたします。  初めに、就職率及び職場定着率についてです。  県立特別支援学校高等部卒業者のうち、就職希望者の就職率は、平成十七年度は六九・八%、五年後の平成二十二年度は九六・三%となっております。また、就職後三年経過した者の職場定着率は、平成十七年度末は五四・五%、五年後の平成二十二年度末は八五・七%となっております。  次に、就職促進に向けた取り組みについてです。  特別支援学校高等部を卒業し就職した多くの生徒が、在学中にインターンシップを実施した事業所に雇用されるなど、就職支援においてインターンシップが効果的であることから、平成十八年度から二年間、特別支援学校就職力アップ推進事業を実施し、インターンシップ協力事業所の拡大を図りました。  また、平成二十年度から二年間、職場定着を図るため、高等部生徒の社会参加支援事業を実施し、就職指導や就職後のフォローアップに関する教員の指導力向上に努めてまいりました。  さらに、平成二十二年度からは、生活面を含めた総合的な就労支援を行うため、特別支援学校キャリア教育充実事業を実施し、事業主や施設運営者等による就労生活支援連絡会の開催により支援体制の組織化を図るなど、生徒の就職促進に向けた地域の基盤づくりに取り組んできたところです。  県教育委員会としましては、今後も各学校において、これまでの取り組みにより整備された地域の支援体制等を活用し、関係機関との連携を密にしながら、高等部生徒の就職促進が図られるよう努めてまいります。 37 ◯副議長(相川正光) 櫛引議員。 38 ◯二十二番(櫛引ユキ子) 二点の再質と要望を述べさせていただきます。  まず、冬の農業について二点お伺いいたします。  今定例会に弘前地域研究所の移転改築費が計上されております。弘前管内においてこれから大いなる期待が寄せられることと思っています。しかし、西北五管内には工業部門もありませんし、農林部門、水産部門、まして食品加工部門の研究所も一個もありません。従来、水産部門はたしか鰺ヶ沢地区のほうにあったとは思っていますが、現在はございません。それぞれ農家の皆さんが希望するのは、転作作物であったとしてでも、黒石で研究されたとしても、ヤマセが吹く西北五管内にはその品種が合うかどうか、そういった点を確認できないといいますか、その地域にきちっと合って育つのかという確信が持てないという不安はあると言っております。  そこで、その建物をすぐにどうのこうというのはできるものではありませんが、一カ所もないということに関しては、やっぱり今後の課題であるというふうにも考えますので、これから県がこの研究機関の整備について必要ではないかと思うんですが、どのように考えていくのか一つお尋ねします。  もう一点目として、この県の研究機関が早急にできるものでなければ、西北地域に農業系の学校もあります。今、先ほどお話ししたように、農業会社を設立するなど農業にすごく前向きに研究熱心に取り組んでいるところがあります。そういった学校への連携を考えていくのも一つの手ではないかというふうに思っていますので、そのことをどのように考えているのかお尋ねします。  聞き取りをしました際に、それぞれその機関がないところの西北は農家にやっていただいているというお話を聞きました。しかし、やっぱりそれはあくまでも一農家が常にその研究をしてもらうというのには、やっぱり農家よりも研究機関として設けた施設でやるべきものだというふうにも考えますので、その二点についてお伺いいたします。  そして、奥津軽トレインアテンダントの皆さんの力によって、津軽鉄道が今また少しずつ前向きに復活をしてまいりました。この施設に関して各地域でも大変苦労をなさっているというふうにも思っています。しかし、近年、冬の鉄道ファンという方々もまだまだ多くいまして、秋田県、そしてこちらの私どもの津軽鉄道のほうにも冬場でもわざわざおいでになる方もいらっしゃいます。  やはり津軽鉄道に関しても、やっと今県や市町村の理解を得て、また支援をいただいて何とか沿線の足の確保と、そして観光の一翼を担っていけるようになったとは聞いておりますが、せっかくその貢献をしたアテンダントを、先ほど部長のお話にあったように生かしていただいて、今度は奥津軽半島を大いにまたつなげて、そして全国に発信をしていただければありがたいというふうに思っておりますので、このことにも、二年と言わず、先々を見据えて長い目で見ていただいて、継続事業をしていただきたいというふうに思っております。  そして、県立特別支援学校の高等部の卒業者の就職についてであります。  先ほど教育長がおっしゃったように、就職を希望してついたパーセントは確かに高いパーセントにはなっています。でも、全体の卒業生の割合から見ますと、まだ四割程度もいくかいかないかのところであります。ということは、あとの皆さんがどこに行くかとおっしゃいますと、また、それぞれの施設に行ったり、また、自宅のほうに行ってしまうとかというふうになると、せっかく今まで教育を受けてきたものが寸断されてしまうというふうに、すごくその点が危惧されるところであります。もし、高等部の方でいらっしゃる中で、少しでも一つでも可能性のあるものを見つけ出すことが、何かをしていくということに結びつける大事なことであるというふうに思いますので、スクールジョブマネジャーとか、そういうのもふやしていただいて、そして社会に参加をしていただいて、インターンシップもさせていただいて、少しでも可能性にかけてほしいというふうに思いますので、これから地元にありますNPOやらも利用していただいても結構ですので、そういった中で雇用に結びつけるために努力をまた何とかしていただきたいというふうに要望いたします。 39 ◯副議長(相川正光) 農林水産部長。 40 ◯農林水産部長(渋谷義仁) 再質問二点についてお答えいたします。  最初に、西北地方へも研究機関の整備が必要ではないかと考えるが、県はどのように考えているかについてでございます。  試験研究体制につきましては、現在それを担っております地方独立行政法人青森県産業技術センターの意向によるものというふうには考えておりますが、県としては、限られた人員、予算の中でいかに効率的に試験研究機関が求められているという状況、そして、ことしの四月から畜産研究所肉牛研究部門をこれまでの三カ所体制から二カ所体制に再編するという状況の中において、西北地方へ新たに試験研究機関を整備するということは、現段階では非常に難しいものというふうに考えております。  次に、農業高校との連携についてでございます。  農業高校との連携につきましては、毎年、農林水産部長と県内の農業高校長との意見交換を実施しておりまして、この中で、担い手対策や県の施策、地域の動きなどについて議論をしているところでありまして、今後ともこれらの意見を踏まえつつ、必要に応じては産業技術センターも絡めながら連携・協力をとってまいりたいというふうに考えております。 41 ◯副議長(相川正光) 十五番工藤慎康議員の登壇を許可いたします。――工藤慎康議員。 42 ◯十五番(工藤慎康) 自由民主党の工藤慎康です。  今定例会において一般質問の機会を下さいました諸先輩議員に感謝申し上げます。  質問に入ります前に所感を述べさせていただきます。  千年に一度と言われる未曾有の大災害となった東日本大震災から間もなく一年になります。現在、再生可能エネルギーに対して非常に関心が高まっています。今までの電気は、基礎発電として安定出力の原発が担い、使用量に合わせた変動発電として火力や風力、太陽光が使用されてきました。現在は、原発がほぼとまり、耐用年数が過ぎた火力発電がフル回転の状態となりながら電力を供給しています。  再生可能エネルギー発電は非常に不安定であり、太陽光については、日中であっても薄雲がかかっただけで発電量は設計値の一〇%以下へ落ち込みます。また、風力の場合も同様の変動が見られます。これらの変動する電力を安定出力とするためには莫大なカバー電力が必要とのことでした。したがって、再生可能エネルギーの安定発電までには、まだまだ投資と時間が必要です。  これらのことにより、私は、脱原発ではなく、既存及び着工している発電設備の安全対策を確認した上、有効に活用し、使用することのできる電力の安定化を図ると同時に、復旧・復興、そして産業の活性化を進めるべきと考えます。  それでは、質問に入らせていただきます。  まず、防災公共の取り組みについてです。  太平洋沿岸の各地では、津波により多くの方々のとうとい命が失われました。何とか難を逃れ避難された方々も、その多くは、大切な家族や友人を亡くしたり、今まで築き上げてきた貴重な財産を一瞬のうちに失うなど、それまで当たり前だったはずの日常生活が一変しました。仮設住宅での生活が長期化する中で、生活再建への道筋がなかなか見えない大変つらい状況がいまだ続いている方も大勢いると聞いております。また、震災後においても、平成二十三年七月、新潟・福島豪雨、和歌山、奈良両県を襲った台風十二号、西日本から北日本へ大きな被害をもたらした台風十五号など、大雨や局所的な集中豪雨による想定以上の災害が全国各地で発生し、改めて自然の驚異を痛感させられた一年でした。三方を海に囲まれ、中央に山間部を抱える青森県では、想定外の津波、大雨、洪水に対処できるような防災対策が必要です。  中央防災会議の東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門調査会からの報告には、発生頻度の高い災害に対して、構造物で防ぎ、想定外の災害に対し、構造物による減災を行いながら住民避難を中心とした防災対策を推進すべきとされています。  災害発生時における人的被害を防ぐためには、災害発生後の救急、救助等の初期の応急対応が何よりも迅速かつ適切に行われることが極めて重要であることは言うまでもありませんが、さきの大震災でも、道路が寸断されたことにより救援物資がなかなか届かなかったなどの事例もあり、外部との物理的アクセスの断絶等による地域の孤立化が初動期の救助・救援活動のおくれを招くことが想定され、そういった孤立地域を発生させないことが最重要課題であると考えます。  そこで、二点お伺いします。  一点目は、防災公共を推進するための取り組み方針についてお伺いします。  二点目は、孤立集落をつくらないためにどのように取り組んでいくのかお伺いします。  次に、農林水産業の振興についてのうち、食料自給率の向上についてです。  東日本大震災により、水産分野では、北海道から千葉県までの太平洋沿岸七道県を中心に被害を受けました。この地域は全国の漁業生産量の五割を占めていますが、漁船約二万五千隻、漁港三百十九カ所を初め、市場や水産加工施設等が被災し、広範な地域で大きな被害が見られました。また、養殖施設への被害額は、養殖されているものも含めて一千三百十二億円であり、養殖被害は、広く九州、四国の太平洋側にも見られ、本県を含む十六道県で確認されています。特に、岩手県、宮城県で盛んなワカメ・カキ養殖は壊滅的な被害を受けました。  また、農業分野では、我が国の食料供給基地である東北地方の太平洋沿岸を中心に、津波によって広い範囲で農地の流失や冠水の被害を受けました。平成二十三年三月に農林水産省が発表した被害農地の推定面積によると、青森県は七十九ヘクタールで、耕地面積に占める割合である被害面積率が〇・一%でしたが、宮城県は、田が一万二千六百八十五ヘクタール、畑が二千三百十七ヘクタールの計一万五千二ヘクタールであり、被害面積率は一一%にも及んでいます。次いで、福島県の五千九百二十三ヘクタール、四・〇%、岩手県、茨城県、千葉県を合わせた六県合計では二万三千六百ヘクタールもの農地が被災したことになります。特に被害が大きかった宮城県、福島県、岩手県の三県において、平成二十三年度に除塩対策が行われたのは被災面積の一九%にとどまっており、約九〇%の農地で営農再開ができるまで三年を要するとされています。  このような状況の中でも、生命の維持に欠くことのできない食料は自国で賄うのが基本であることは、食料安全保障の面から考えても自明の理であり、全国のカロリーベースでの食料自給率が三九%の中で、食料自給率一二一%で全国第四位の本県が食料供給基地としてさらなる食料自給率の向上に取り組む必要があると考えます。  そこで、我が国有数の食料供給県として、さらなる食料自給率の向上に向け県はどのように取り組んでいくのかお伺いします。  次に、災害に対する農林水産分野の取り組みについてです。  昨年は、三月の東日本大震災のみならず、春先の強風や九月の大雨と台風による水田やリンゴ等果樹園の冠水被害、十月の降ひょうによる農作物被害、そして、現在も大雪によるハウスの倒壊やリンゴの枝折れなどの被害が見られるなど、立て続けに災害が発生しました。災害は忘れたころにやって来ると言われるように、いずれの災害も、周期の長い短いはあるものの、過去にも経験している災害です。  被害を受けた後の復旧対策は当然必要になりますが、災害を未然に防ぐ防災、被害を軽減させる減災など、事前に対策をとっておくことは、自然災害による被害を最小限にとどめ、災害に強い農林水産業を確立するために重要であると考えます。  そこで、今後起こり得る災害に備えるために県ではどのように取り組んでいくのかお伺いします。  次に、食料安定供給に向けた体制確保についてです。  食料自給率向上に向けた取り組みや、防災、減災の事前対策により被害を最小限にとどめる取り組みは、食料の安定供給にとって重要です。しかし、それもこれも農林漁業者の経営安定が大前提であります。青森県は、三方を海に囲まれ、懐に陸奥湾を擁する我が国有数の水産県であり、国内の食料安定供給に大きく貢献しているところです。  本県の海面漁業生産量は、平成十八年から平成二十二年までの五年平均で約二十七万トンで、中でもホタテガイが約九万トンで最も多く、全体の三割を占めています。そのホタテガイが、一昨年の高水温の影響で大量にへい死した影響により昨年の生産量は平年の三割程度となり、本県の食料供給が減少する事態となったところです。さらに、ホタテガイについては、高水温のほかに、大きな波浪や潮流の影響でもへい死が見られるとのことです。  今後は、水産物の食料安定供給、漁業者の経営安定という観点から、このような自然災害でホタテガイの生産量が減少するような事態を避けなければならないと考えております。  そこで、これまでの自然災害を踏まえて、ホタテガイを継続的に安定生産するために県はどのように取り組んでいくのかお伺いします。  一方、農業分野では、青森県の平成二十二年の農業産出額は二千七百五十一億円で、東北では一位をキープしています。前年に比べて米の取引価格が大きく下がったことから米の産出額は大幅に減少していますが、野菜、果実の価格がよかったことや、順調に伸びている畜産が米の減少分をカバーして、東北で唯一前年を上回りました。品目別には、米が四百十億円、果樹が七百四十六億円、野菜が六百四十三億円、畜産が八百十八億円となっており、同じく平成二十二年の漁業生産額は五百十八億円となっています。  このように、食料自給率が高いだけでなく、品目のバランスがとれていることも青森県の誇れるところです。これは生産者の努力によるところが大きいのですが、今後とも食料の安定供給を続けていくためには、生産者の経営安定が欠かせません。  そこで、農林漁業者の所得確保に向けて県はどのように取り組んでいくのかお伺いします。  さて、人口減少社会の中で、食料安定生産に向けた体制を確保していくには、農林漁業者の経営安定に加えて、第一次産業を担う人財の育成は欠かすことができません。農業の担い手や新規就農対策についてはこれまでの一般質問の中で聞かれていますので、私は、水産業の人財育成について伺いたいと思います。  青森県の漁村は、豊かな水産資源を背景に、これまで多種多様な水産物を供給するとともに、自然環境や生態系の保存、居住や交流の場の提供など重要な役割を果たしています。  このような役割は、漁業者を中心とした地域の活動によって支えられていますが、近年、水産資源の低迷や魚価安、燃油等の経費高騰から漁業者は厳しい経営を強いられています。さらに、漁村地域においては、高齢化の進行から活力の低下が見られ、本県水産業の将来が懸念される状態となっているところであり、漁業者からも経営の安定を求める声が寄せられています。このような中で、本県の恵まれた漁場環境を生かして、今後とも国内有数の水産物供給県であり続けるためには漁村地域の活性化が必要であり、その中心となる人財の育成が不可欠であると考えます。  そこで、漁村地域を活性化するために新たな人財育成が必要と考えるが、県の取り組みについてお伺いします。  次に、創造的復興に向けた中小企業者への支援についてです。  昨年三月十一日に発生した東日本大震災からの復旧・復興に向け、知事は、本定例会の提出議案説明において、昨年十二月には、震災をばねとして、単なる復元にとどまらず、今までよりも進化した地域社会を形成し、東北全体の復興に貢献していく創造的復興を目指した青森県復興ビジョンを策定し、「あおもりイノベーションの推進による「攻めの復興」」など五つの基本理念のもと、県民の皆様と力を合わせ攻めの復興に取り組み、青森県の創造的復興を実現し、東北全体の復興を支え、我が国の未来に貢献してまいりたいと考えていると述べられました。これにより復興への取り組みの新たなステップを踏んでいくものと理解しております。  しかしながら、日銀総裁が二月十四日の定例記者会見で、我が国経済の先行きについては、欧州債務問題の今後の展開やその帰趨、電力需給の動向や円高の影響など、引き続き不確実性が大きい状況ですと述べており、本県においても、長引く景気低迷の中で起きた震災の影響もいまだ続いており、事業者の話を聞けば、業況回復については先が見えないという状況で、資金繰りに逼迫しているという声も多く上がっています。このため、知事の言われた創造的復興の実現のためには、引き続き中小企業者への支援が必要であると考えます。  そこで、中小企業者における早期の経営再建のためにさらなる県の積極的な支援が必要と考えるが、県の取り組みについてお伺いします。  次に、本県の雇用情勢を見ますと、創造的復興の実現に向けた県を初めとする関係機関の懸命の取り組みが功を奏し始めたこともあり、平成二十四年一月の有効求人倍率が〇・五二倍と十九年ぶりに高い水準まで回復するという明るい動きも見られました。しかしながら、歴史的な円高が企業の経営状況を圧迫する状況が続く中、県内の事業所数の平成二十年から三年連続での減少や非正規労働者の増加など、将来展望が描ける雇用環境にあるとは言いがたい現状となっています。  このため、既存の中小企業に対する支援や企業誘致の取り組みとともに、将来大きく花開く可能性を秘めた新たな芽をつくり、育てていく取り組みも非常に重要であると考えています。その一方で、新たに事業のスタートを希望する方も十分なノウハウや経験値を持たないケースが大半であり、思いはあるものの、なかなか実現に至らない希望者も多々あるとも聞いています。  そこで、創業・起業を促進していくためには、初期段階からきめ細やかな支援が必要と考えるが、県の取り組みについてお伺いします。  次に、観光客の誘致対策についてです。  東日本大震災の発生により本県の観光産業は大きな打撃を受けましたが、その後、青森デスティネーションキャンペーンなど関係者が一丸となった取り組みもあり、昨年六月には、県内の主要観光施設の入り込み数が前年並みに回復したところです。  また、JR東日本によれば、全線開業から一年間における東北新幹線の新青森―八戸間の利用客数は、震災で運休していた期間を除き約二百六十八万人で、前年までの特急利用者に比べて約二二%増とのことであり、東北新幹線の全線開業等により首都圏からは相当程度の観光客が本県を訪れていることを裏づけているものと思います。その一方で、西日本については、新聞報道によれば、航空路線の撤退、機材の小型化や原発事故などの影響により東北地方へのツアーが不振で、西日本から本県を訪れる観光客が激減しているとされています。  昨年度県が行った東北新幹線全線開業前後における観光実態調査によりますと、西日本からの観光客は、他の地域からの観光客に比べて滞在日数が長い傾向にあります。滞在日数が長い分活発な消費も期待できるわけですから、いかに西日本からの観光客数を伸ばすかは、今後の観光業を初め、県経済全体にとって重要な課題と考えています。  このような中で、今月二十五日には、青森―名古屋便が一日二往復に、青森―大阪便が一日三往復にそれぞれ増便され、西日本から本県への輸送力が強化されることとなっており、西日本からの観光客を呼び戻す一つのチャンスが訪れることから、改めて積極的な誘客推進を図るべきであると考えます。  さて、観光客の誘客を推進するに当たって前提となるのは、県内の各観光地が、訪れた観光客に、来てよかった、もう一度来たいと感じてもらえるだけの実力を備えることであるのは言うまでもありません。申し上げるまでもなく、本県は、たぐいまれな自然、多種多様な温泉、安全・安心でおいしい食材、さらにはB級グルメなど、地域資源に恵まれております。加えて、近年、これらの資源を生かし、街歩きや体験型観光の推進、グリーンツーリズムや郷土の歴史、文化を探訪するコースづくりなどに地域の方々と県民局が協働で取り組み、地域ぐるみで魅力向上が図られていることには敬意を表するものであります。また、東北新幹線全線開業を契機に、県民のおもてなしに関する意識も、全般的に、少しずつではありますが、着実に向上してきています。  しかしながら、私がせんだって県内を回った際に感じたこととして、多様化する観光客のニーズ、団体型から個人型への旅行形態の変化などに的確に対応し切れず、依然として過去の名声の上にあぐらをかいているとも受けとめられる観光地が、一部ではありますが、依然として存在するのは非常に残念です。  みずから地域の魅力づくりに励み、自信を持ち、おもてなしの心でお客さんを迎えることなくして、その地域の観光に未来はありません。観光客に満足してもらえる地域づくりに向けて、地域固有の資源を生かすこと、そして具体的に地域づくりを実践していく人財を育てていくこと、それらの継続的な取り組みが青森県の観光力の持続性、成長性を支える礎となると考えます。  そこで、二点お伺いします。  一点目は、青森から名古屋及び大阪への航空路線が増便となることに伴い、西日本からの誘客に力を入れるべきと考えるが、県の姿勢についてお伺いします。  二点目は、観光客の満足度を高めるためには、地域の観光資源や人財を最大限に活用した地域づくりが重要と考えるが、県の取り組みについてお伺いします。  次に、三沢空港の充実についてです。  三沢空港は、昭和二十七年に東京線、札幌線が運航開始されて以来、昭和五十五年には東京線が一日四便に増便、平成五年には大阪線が運航開始、平成八年には関空線が週三便で運航開始し、最大で一日七往復運航されるようになり、下北地域を含む県南地域からの玄関口としての役割を担ってきました。  しかしながら、平成九年に関空線が運休、平成十四年十二月には、東北新幹線八戸開業に合わせ東京線が三便に減便、平成十九年十月には札幌線、平成二十二年十月には大阪線がそれぞれ運休となりました。特に東京線の減便については、県が平成十二年度に調査した東北新幹線開業後の三沢―東京線の需要予測調査で、利用者数が平成十一年度の四十四万人から平成十五年には七万八千人へと大幅に減少するとの予測をしており、それを参考にした日本航空が新幹線八戸開業に合わせて減便した上、機材も小型化したのです。  しかしながら、実際の平成十五年の利用者数は予想を大幅に上回る二十五万人となりました。これが実績に近い予測であれば日本航空もここまで供給量を抑えなかったことも考えられ、今後、需要予測を調査するに当たっては、しっかりと現状を把握した上で行ってほしいと切に願います。  さて、本題に戻りますが、本県の振興、交流拡大には、高速交通体系の一翼を担う航空路線充実が欠かせないものであり、県や県議会による航空会社への働きかけが功を奏し、ことし三月二十五日からの夏ダイヤで青森―大阪線が一日二便から三便へ、青森―名古屋・小牧線が一日一便から二便へ、青森―ソウル線が週三便から週四便へそれぞれ増便され、青森空港の充実が図られることになっています。一方、三沢空港については、依然として東京線三便のままであり、県南地域の悲願である札幌線の再開などについて、残念ながらいまだ実現の可能性が聞こえてこない状況となっています。  昨年六月の定例会において、知事は、三沢空港の重要性にかんがみ、みずから強い意思を持って引き続き日本航空に足を運ぶなど、粘り強く取り組んでいくと答弁されました。ことしの夏ダイヤでは三沢空港の路線充実が果たされなかったものの、冬ダイヤ以降の路線の充実に向け、一層の取り組み強化が必要だと考えます。  そこで、三沢空港の路線充実に向けたこれまでの取り組みと今後の対応についてお伺いします。  次に、道路の安全対策についてです。  まず、歩道整備についてです。  自家用車で移動していると、お年寄りが集落と集落を徒歩で移動しているのをよく見かけます。その際に、歩道のない道路を通行し、危険な状況となっている場合も多く、事実、私の知り合いの高齢者の方も、歩道のない県道を徒歩で通行中に走行中の車両と接触し負傷してしまうという事故が発生しました。私としては、安全対策として歩道の整備を積極的に進めていく必要があると思います。  そこで、歩道整備に対する県の考え方をお伺いいたします。  次に、集落部については歩道整備が進んでいる状況と感じていますが、郊外部や集落と集落との間では歩道の途切れている箇所が多数あり、最寄り駅を通勤通学で使っている学生や会社員の歩行者、また、通勤や通学における自転車の通行にも支障となっている状態が見受けられます。  そこで、郊外部等で歩道が途切れていて通行の支障になっている場合の県の対応についてお伺いします。  次に、県内における信号機の設置状況についてです。  かつて、県内では、どの地域においても、それぞれ中心部に歴史ある商店街があり、さまざまな店が軒を並べ、多くの人々が買い物にやってきてにぎわいを見せていたものでした。それが、今や、家族一人一人が自家用車を持つようになった時代の流れと相まって、郊外に大規模なショッピングセンターが建ち並び、人の流れは中心街から郊外へと明らかに移りつつあるように感じられます。  また、そのような新たな商業地区が生まれると、往々にしてそこに隣接する住宅街ができ上がり、その住宅街に対応するように学校や病院なども次々に建っていき、そこにもまた新たな人や車の流れができます。その一方で、自家用車を持たない高齢者の方などは、手押し車を押しながら、今でも昔ながらの商店街に行き、なじみのお店から日用品や食料品を買うことが多いのではないかと感じます。  そのような昔ながらの商店街地区では、車通りが少なくなったのをこれ幸いとして、信号機や横断歩道がない場所で道路を横断しようとする危ない高齢者が逆にふえているようにも感じます。人々が集まりつつある新しい地区の道路、その一方で、昔ながらの通り、どちらかと言えば、高齢者の歩行者が利用することの多い道路、どちらにしても、最優先されるのは、そこを通行する人の安全と安心であり、それを基準として信号機も設置されていかなければならないと感じています。  限りある県予算を有効的に使うためには、信号機の設置だけに予算枠を大幅にとることは不可能であるということはだれもが理解しているところだとは思いますが、信号機設置の必要性を一番感じているのは、やはり日々その道路を通っている県民であります。  したがいまして、県警察本部におかれましては、これまで以上に県民の声に耳を傾けながら設置の必要性を判断していただき、真に必要な場所には、大きな事故が起きる前に迅速に信号機を設置していただきたいと思っております。  そこで、三点お伺いします。
     一点目は、県内の信号機設置箇所数とその維持管理費についてお伺いします。  二点目は、信号機の設置要望が出されている場所の数と、それに対してどのように優先順位をつけて設置箇所を決めているのかお伺いします。  三点目は、来年度の信号機設置予定数とそれに伴う予算額についてお伺いします。  以上で壇上からの質問を終わります。 43 ◯副議長(相川正光) 知事。 44 ◯知事(三村申吾) 工藤慎康議員にお答えいたします。  まず、一点目の防災公共を推進するための取り組み方針でございますが、昨年三月十一日に発生した東日本大震災から早くも一年がたとうとしております。私は、この未曾有の大震災から一日も早い復旧・復興をなし遂げるため、集中的に取り組みを進めてきたところでございます。  昨年十二月には、御存じのとおり、震災をばねとして、単なる復興にとどまらず、今までよりも進化した地域社会を形成し、東北全体の復興に貢献していく創造的復興を目指しました青森県復興ビジョンを策定いたしました。その基本理念の一つでございますのが「安全・安心、災害に強い新たな青森県づくり」でございます。これを実現するために、県民の皆様方の命を守るインフラの整備を防災公共と新たに位置づけ、これを強力に推進していきます。  そのため、例えば、想定される最大クラスの津波に対する浸水予測図の作成であるとか、津波、地震等による被害予測といった危機管理体制の強化を図りますとともに、農道、林道の避難路等への活用検討や、応急仮設住宅及び臨時ヘリポートの候補地選定に向けた調査を各部局が一体となって実施し、そういったことをもととしまして、ハード、ソフトともに伴うところの防災公共推進計画というものを策定していきたいと考えております。  東日本大震災から得た教訓をしっかりと受けとめ、人命を守ることを最優先に、逃げるということも重要な発想とした防災公共を推進し、県民が安全に安心して暮らすことができる災害に強い青森県づくりを目指したいと考えております。  さらなる食料自給率の向上に向けての取り組みでございますが、東日本大震災では、東北地方の農林水産業が大きな被害を受けましたが、私は、東北の元気、日本の元気を青森からとの強い思いで、本県の農林水産業を元気にしていくため、本県の食料自給率の向上に向けた取り組みをさらに進めていくことが重要と考えます。  具体的には、輸入への依存度が高い家畜飼料や小麦につきまして、代替となる飼料用米や米粉用米の取り組みを積極的に推進することとし、作付面積が約三千五百ヘクタールで全国一位の状況にあります飼料用米については、作付地の団地化あるいは超省力――省くという意味の超省力栽培による低コスト化に取り組むほか、消費拡大が課題となっております米粉用米につきましては、生産者と消費者との連携による利用拡大へ取り組んでいくこととしております。  また、戦略作物として作付の多い大豆がございますが、これにつきましては、低コスト、安定生産技術の普及を図りますほか、需要が近年ふえておりますパン用の小麦、国産のパン用小麦の作付拡大ということを推進していきたいと考えております。  さらに、畜産が盛んな上北地域におきましては、飼料用米の地域内需給体制の確立に向けて、関係者が連携し、低コスト生産や自家配合飼料の製造、家畜への給与効果の実証などに取り組むことといたしまして、本議会に所要の予算を計上し、御審議をいただいております。  農林漁業者の所得確保に向けての取り組みでございます。  農林漁業者の所得確保のためには、これまでも農林水産物の安定生産を初め、青森力の結集によるいわゆる販売活動や農商工連携による食産業の強化などの取り組みを進めてきたところでございます。今後とも、攻めの姿勢で取り組みを加速化したいと考えます。  具体的には、生産面では、土づくりを基本とした安全・安心ないいモノづくりの推進や、新品種の品質保持技術の確立などによるリンゴの周年販売体制の強化、あるいは、JAを核といたしましたナガイモや冬の農業などの産地力強化、基幹種雄牛の適正な交配による本県肉用牛の資質向上、先ほどもお話ししましたが、飼料用米や公共牧場等を活用した飼料自給率の向上、ヒラメやホタテガイなどのつくり育てる漁業の推進とブランド化など、地域の特性を生かした青森県産品づくりを進めたいと考えます。  また、販売面では、出口として重要なわけでございますが、産直施設の相互交流による産地直売活動の活性化、あるいは、民間企業等とのタイアップによる青森の食の魅力の県内外への情報発信力の強化、FDA名古屋直行便就航を契機とした中部地域への販路拡大などの販売促進活動を強化していきます。  さらに、中間加工分野の強化や六次産業化なども視野に入れました食産業連携ネットワークの構築、輸出拡大に向けました産地対策の強化、国内外との交流人口拡大につながりますグリーンツーリズムの推進など、本県農林水産業を多方面から支援しながら農林漁業者の所得確保につなげたいと考えるところです。  続いて、中小企業者の経営再建のためのさらなる積極的な支援ということについてでございます。  昨年十二月に策定いたしました青森県復興ビジョンに基づき、私は、震災からの復旧・復興への万全な対応を図るとともに、震災をばねといたしました県民の暮らしと産業のさらなるレベルアップを積極的に推進する必要があると考えるところでございます。そのためには、たびたび繰り返しておりますが、本県経済の原動力であります中小企業者の早期経営再建が不可欠であると認識しているところでございます。  県では、被災中小企業者の負担を軽減する金融対策や補助制度にスピード感を持って取り組んできたという思いがありますが、東日本大震災に伴う間接被害の影響は長期化ということが考えられます。加えて、経済・雇用情勢も依然として不透明であるわけでございます。  そこで、平成二十四年度におきましても、青森県特別保証融資制度において優遇金利を適用いたします震災経営安定枠及び震災離職者雇用支援枠を引き続き実施いたしますほか、財団法人21あおもり産業総合支援センターに経営に係る専門家を配置いたしまして、さまざまな課題を抱える中小企業者からの経営相談にワンストップで対応していくこととし、今定例会に所要の予算を提案し、御審議をいただいているところでございます。  震災により大きな被害を受けました本県の中小企業でございますが、この方々が意欲を持って復旧・復興に取り組むことが雇用の確保及び経済の活性化に大きく寄与し、青森の元気づくりにつながるものと考えております。  今後とも、金融機関、商工団体等と連携し、機動的な金融支援を実施することによりまして、被災中小企業のまさに復旧から復興でございますが、これに向けまして全力で支援していきたいと、そう考える次第でございます。  私からは以上です。 45 ◯副議長(相川正光) 企画政策部長。 46 ◯企画政策部長(小山内豊彦) 三沢空港の充実についてお答えいたします。  県では、三沢市や周辺市町村等で構成する三沢空港振興会など関係団体と連携しながら、三沢―東京線の増便や運休中の三沢―札幌線及び大阪線の早期運航再開について、機会あるごとに、日本航空を初め、北海道エアシステム等を訪問し、働きかけてまいりました。  特に、三沢―札幌線の早期運航再開については、地元三沢市と協議し、最重点の要望項目として位置づけており、知事がことし一月に日本航空本社を訪問し、大西社長に対して要望したところ、大西社長からは、会社が経営再建途上にあり、にわかにはいかないが、ある程度需要を見ていきたいといった発言がありました。  日本航空の三月二十五日からの上期計画では、三沢空港の路線に関しては現状維持にとどまりましたが、県としては、三沢空港の充実に向け、三沢空港振興会と連携しながら、引き続き三沢―東京線の利用促進に取り組むとともに、早期運航再開について粘り強く航空会社と交渉していくこととしております。  特に、三沢―札幌線及び大阪線の早期運航再開については、現在、三沢空港振興会が三沢空港周辺地域の事業所等に対して、利用実態や潜在的な需要等についてのアンケート調査を実施し、現在、集計、分析を進めているところですが、調査結果がまとまり次第、航空会社に提示し、就航を要請していくこととしており、県といたしましても、一日も早く運航再開が実現できるよう、地元三沢市とともに強力に働きかけてまいります。 47 ◯副議長(相川正光) 商工労働部長。 48 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 創業・起業を促進していくためには初期段階からきめ細やかな支援が必要であると考えるが、県の取り組みについての御質問にお答えいたします。  夢やアイデアを形にし、実際に創業・起業に結びつけていくためには、ビジネスプランの構想の段階から実現に至るまで一貫して支援する専門家による伴走型のきめ細かい相談対応や助言が重要と考えております。  このため、青森市、弘前市及び八戸市の県内三カ所に設置した創業支援拠点において、創業・起業支援の専門家であるインキュベーションマネジャーによる個々の創業希望者に応じたきめ細かい支援のもと、これまで四十七名が創業に至っております。  この取り組みを県内その他の地域にも広げていくためには、インキュベーションマネジャーのさらなる育成と質的向上を図るとともに、市町村や商工団体との連携のもと、地域主体型の支援体制の構築を進めることが重要であると考えております。  このことから、来年度より、県内に育成された二十一名のインキュベーションマネジャーが互いの知見などを活用し合うことなどを目的にネットワーク化を進める取り組みを行い、また、財団法人21あおもり産業総合支援センターにインキュベーションマネジャーを二名配置して、県内各所に出向き、市町村等と連携し、伴走型の個別支援を行う創業・起業インキュベート機能強化事業を行うこととし、本定例会に所要の予算を計上し、御審議をいただいているところでございます。 49 ◯副議長(相川正光) 農林水産部長。 50 ◯農林水産部長(渋谷義仁) 農林水産業の振興に関する御質問三点についてお答えいたします。  最初に、今後起こり得る災害に備えるために県ではどのように取り組んでいくのかについてであります。  県では、これまでも、災害を未然に防ぐ観点から、台風や大雨、大雪などに関しては臨時生産情報を発行し、事前対策の徹底などを呼びかけているほか、老朽化した農業水利施設等の補修、改修、更新や、山林の崩壊を未然に防ぐ予防治山、さらには、海岸における高潮、強風などの被害を防止する防災林の造成などを行ってきたところであります。  今後は、引き続きこのような取り組みを進めていくことに加え、農業水利施設の耐震性について点検調査を行い、地震により損壊のおそれのある農業水利施設の整備を実施していくこととしております。また、岸壁の耐震化や防波堤の改良など漁港施設の機能強化を図るとともに、避難施設の整備、農道や林道の避難路等への活用方策の検討など、災害に強い農林水産業の生産・流通拠点づくりにも取り組んでまいります。  さらに、生産現場においては、国の事業の活用によるリンゴ等果樹の防風網や防霜ファンの導入を支援していくほか、気象変動に強い米づくりのための水田の深耕ロータリーやあぜ塗り機の導入、経営の多角化のためのパイプハウスの導入などの取り組みに対して支援することとし、本議会に所要の予算を計上し、御審議をいただいているところでございます。  次に、これまでの自然災害を踏まえて、ホタテガイを継続的に安定生産するために県はどのように取り組んでいくのかについてであります。  県では、水産業の振興と食料安定供給の観点から、陸奥湾ホタテガイの安定生産を図るため、地方独立行政法人青森産業技術センター水産総合研究所と連携して、自然災害等への備えとして各種の技術開発などに取り組んでいるところでございます。  一昨年のような異常高水温への対策としては、養殖漁場内の水温等のモニタリング体制を強化するとともに、津軽暖流や日照の影響による高水温発生メカニズムの解明などに取り組み、水温予測技術の開発を進めているほか、高水温に対応したホタテガイ養殖手法の開発に取り組んでおります。また、大きな波浪や速い潮流によるへい死への対策としては、振動を軽減するために、養殖かごと浮き玉の間をゴムでつなぐ方法など、養殖施設の改良に取り組んでおります。  なお、これらの技術開発に当たっては、現場に即した取り組みが重要であることから、昨年から陸奥湾各地域で開催しているホタテガイ座談会等の場において、ホタテガイ養殖業者への情報提供や意見交換を行いながら進めているところであります。  最後に、漁村地域を活性化するための新たな人財の育成についてであります。  県では、漁村地域の活性化には、すぐれた経営感覚を有する漁業者と、営漁・経営指導などを通して漁業者をリードするとともに、財務的にも健全な漁業協同組合が必要不可欠と考えており、これからの漁村地域を担っていく漁業者と漁協職員を浜のマネジャーとして育成する事業を平成二十三年度から実施しているところであります。  昨年十月に、県内各地域の浜の活性化に意欲のある漁業者と漁協職員を塾生として浜のマネジャー塾を開講し、全国の元気な漁村の取り組み事例や経営能力の向上等について研修を行っております。  また、二年目となる平成二十四年度は、先進的で優良な取り組みを行っている県外の団体における販売活動の実習や、六次産業化を見据えた異業種交流、ネットワークづくりなどの研修により塾生のさらなるスキルアップに努め、人財育成による漁村地域の活性化を図っていくこととし、本議会に所要の予算を計上し、御審議をいただいているところでございます。 51 ◯副議長(相川正光) 県土整備部長。 52 ◯県土整備部長(大澤健治) 御質問三点についてお答えいたします。  最初に、孤立集落をつくらないためにどのように取り組んでいくのかについてでございます。  県では、東日本大震災という未曾有の災害に直面し、その復旧・復興に総力を挙げて取り組むとともに、孤立集落をつくらないという視点に立った防災公共を推進しているところです。  大規模な地震が発生し、すべての危険箇所が崩落した際に役場への経路が分断される集落を孤立するおそれのある集落と位置づけ、検証したところ、県内には百八十七の該当集落があり、中南・三八・上北地域は山間部に、東青・西北・下北地域は沿岸部に多く存在することがわかりました。  孤立集落をつくらないためには、集落から避難所や役場、さらにそこから救急病院や食料備蓄基地といった防災拠点への経路を確保することが重要です。  現状に即した最も効果的な経路を確保していくため、県、市町村が一体となって、地域ごとに最適な経路を検証し、対策が必要な箇所を抽出した上で優先的に実施していきたいと考えております。  また、いつ何どき発生するかわからない災害に対処していくためには、孤立集落と役場等の間で救援物資や病人の搬送を可能とする移動手段を確保することが重要であり、集落周辺に臨時ヘリポート場候補地を選定していきたいと考えております。  次に、高齢者などが歩道のない道路で事故に遭う例が多いと感じているが、歩道整備に対する県の考え方についてでございます。  歩道の整備については、県では、これまで、自動車交通量や歩行者利用状況、過去の事故発生状況との因果関係などを勘案した上、地元の協力体制を加味し、通学路を中心に進めてきております。今後も必要な区間につきまして計画的な整備を図ってまいりたいと考えております。  最後に、郊外部等で歩道が途切れていて歩行者等が円滑に通行できていないと思うが、県の対応についてでございます。  県では、集落部、郊外部を問わず、必要な箇所には順次歩道の整備を進めてきております。また、側溝にふたがない箇所へのふたがけや路肩拡幅などによる歩行者空間の確保など、歩道整備以外にも歩行者等の利用状況や道路状況に合わせた対策を講じ、歩行者等の安全・安心な通行の確保に努めております。  なお、歩道が途切れている区間等につきましては、歩行者等の動向に注視しながら、必要な箇所について整備可能性を検討していくこととなります。  以上です。 53 ◯副議長(相川正光) 観光国際戦略局長。 54 ◯観光国際戦略局長(馬場良夫) 観光客の誘致対策二点についてお答え申し上げます。  まず、西日本からの誘客についてでございます。  西日本から本県を訪れる旅行客は、県外客全体の中でその占める割合が低く、これをいかにふやすかが本県の観光振興の課題の一つであると認識しており、今般の名古屋便や大阪便の増便は、西日本からの誘客促進を図る上で大きなチャンスであると考えております。  このため、平成二十四年度におきましては、関係機関と連携を図りながら、名古屋、大阪、福岡といった西日本の主要都市の旅行エージェントを訪問し、増便等を踏まえた新たな旅行商品の造成を働きかけますとともに、大阪における観光セミナーの開催、JAL及びFDAの機内誌を活用した本県観光情報の発信などを行い、西日本からの誘客対策を強化することとしております。  特に、名古屋地区におきましては、本県の観光と食や県産品のPRと連携した定期便就航一周年記念イベントを開催するほか、地元放送局のテレビ番組での本県観光をテーマといたしました番組の放映、パブリシティーを利用した視聴者プレゼントなどにより集中的な観光PRを行い、名古屋を初め、中京圏の方々に青森を強く印象づけることによって本県への誘客を促進することとしており、本定例会に所要の経費を計上し、御審議いただいているところでございます。  次に、観光客の満足度を高めるための地域の観光資源や人財を最大限に活用した地域づくりについてでございます。  本県を訪れた観光客に十分満足していただき、また来てみたいと感じていただくためには、県内各地域の美しい自然や歴史、湯治、食、祭りといったまさに多彩な独自性の高い地域資源を生かした魅力的な観光地域づくりに継続的に取り組んでいくことが重要と考えております。  このため、県では、旅行形態の変化やニーズの多様化に対応し、観光コンテンツの量的拡大と質的向上を図るため、コンテンツの高度化や旅行商品のメニュー創出に取り組む団体等に対しましてアドバイザー派遣や補助制度を活用した支援を行ってきていますほか、地域の創意工夫によって企画される着地型旅行商品を販売につなげるためのセミナーを開催してきているところでございます。  さらに、継続した観光地づくりを進めていくためには、核となる人財が必要なことから、県内の大学と連携し、マーケティングやブランド戦略、情報発信などに関して学んでいただくあおもり観光人財育成講座を実施し、魅力ある観光地域づくりの中心的役割を担う人財の育成にも取り組んでいるところでございます。  今後とも、地域との連携を密にいたしまして、専門家の助言も得ながら、地域の観光資源や人財の一層の活用、連携を図り、観光客の皆様に喜んでいただける魅力ある地域づくりを進めてまいります。 55 ◯副議長(相川正光) 警察本部長。 56 ◯警察本部長(山本有一) 道路の安全対策についての御質問のうち、県内における信号機の設置状況等について三点お答えいたします。  まず、県内の信号機設置箇所数とその維持管理費についてお答えします。  県内の信号機設置箇所数につきましては、本年二月末現在で二千五百六十一カ所となっております。また、平成二十三年度の信号機の新設箇所数は、押しボタン式信号機五カ所、交差点信号機十カ所の計十五カ所となっております。  信号機の維持管理に要する主な経費といたしましては、平成二十二年度で約四億四千八百万円を支出しております。その内訳は、電気料が約一億七百万円、交通管制センターで集中制御している信号機等のNTT回線維持料が約一億三千二百万円、交通管制センター及び交通信号機の保守業務委託料が約二億九百万円となっております。  次に、信号機の設置要望箇所数と設置箇所の選定方法についてお答えします。  信号機の設置要望箇所数につきましては、現在四十カ所となっております。信号機の設置に当たっては、交通事故の発生状況、交通量、交差点形状、道路幅員等の道路構造、通学路等の沿道の交通環境のほか、地域住民、小・中学校関係者、関係行政機関、道路利用者の意見、要望を総合的に勘案し、設置の要否を判断して選定しております。  最後に、来年度の信号機設置予定数とそれに伴う予算額についてお答えします。  現在、御審議いただいております平成二十四年度の警察費予算案に計上されている信号機設置予定数は、交差点用信号機九カ所、押しボタン式信号機一カ所の計十カ所を予定しております。また、信号機の設置に要する予算額は総額で六千百八十五万円を計上しております。  以上です。 57 ◯副議長(相川正光) 工藤慎康議員。 58 ◯十五番(工藤慎康) まず初めに、防災公共についてであります。  知事の御答弁の中に、防災公共推進計画、これを策定してというお話がございました。先ほど、この中で応急的にヘリポートをつくってというお話もありましたけれども、現在、ヘリの運航に関しましては日中帯だけと。先ほど御答弁の中にも、いつ何どき起こるかわからない災害でございますので、予算に限りがある話ではあると思うんですが、その中で、安心を求めるために、安心・安全という観点からいけば、やはりなるべく迅速にやっていただくのがいいのかなというふうに思います。  今回、震災に関して、太平洋沿岸に対して津波警報ということで、沿岸地域、路線、通行どめになったところもあります。そうなったときに、事と感じた方々もいらっしゃるわけでございまして、それにだめ押しをしたのが今回の雪なんです。自分たちは大丈夫だと思ったんだけれども、自分のところも車が来れなくなったじゃんというふうに訴える方も実はございました。  災害にもいろんな形といろんな時期があると思います。そういったことを含めると、策定につきましても非常に困難をきわめることとは思いますが、なるべく早目にお願いしたいと思います。  次に、農林水産業に関してであります。  先ほど壇上でも申し上げましたように、被災農地の九割が復旧までに約三年かかるというふうに言われています。そんな中で、中央の大手企業がスポンサーとなって、施設型農業、水耕栽培ですとか、そういった施設型農業が来て、地元の農家を社員として採用してというような取り組みが進んでいるようであります。  これは同じように、本県においても、冬の農業で知事、大分頑張ってこられたんですけれども、いまだに、今回の雪害の例に見るように、パイプハウスですとやっぱり弱点というのが多いんですね。施設型農業の場合は軽量鉄骨を使いますので、多少の雪、今回の雪ぐらいでは余り揺るがないものであります。せっかくでございますので、こういった大手さんが介入してきている施設型農業でございます。こちらのほうにもぜひお力添えをお願いいただければと思っていました。  以前にも、この施設型農業についての弱点は申し上げたつもりでございます。やはり一番は経費でございます。電気代なんですね。だから、そこのところをまた御検討していただいて、これからの農家の方々が取り組みできるような対策をぜひお願いしたいと思います。  それから、創造的復興、中小企業者への支援でございます。  先ほど知事の御答弁にもありましたように、間接被害というのは、見えないようで静かに忍び寄ってきて、ざっくりと長く引っ張られるという傾向があります。いまだに、やはり地元の本当に小さい個人事業主の方々は、あくせく、稼いでも稼いでも銭にならねえんだにというふうなことを言っている方々が相変わらず多いんですね。本人たちも頑張ると思いますので、ぜひ県のほうも新たに取り組んでいただければありがたいと思います。  それから、観光客の誘致と三沢空港の件なんですが、青森空港は非常にうれしく思っております。ただ、三沢のほうもやはり――今、民間と自衛隊と米軍、三者共有の空港でありまして、なかなか主導権の問題等もあって、離発着の枠の問題等もあるというのは聞いています。  ただ、経営再建中という答えが来たというお話でございました。それはもちろんなのでありますけれども、航空会社は一社だけではございませんので、そこのところも含めて、米軍さん、自衛隊さんを巻き込んで、また、三沢の空の町としての歴史を感じさせるような努力を、彼らも頑張っておりますので、ぜひ御協力をお願いしたいと思います。
     それから、最後に、道路の安全対策、歩道の整備についてでありますけれども、高齢者の人たち、かなりの覚悟を決めて歩いているんです。命がけで歩いているんです。ある人は、おめえ、どっちゃ行くやと、いや、わ、これからそっちゃ行くんだけれどもと、へば乗せていってけねなという話までするんですよ。本当だったら自分の足で行きたいと言うんですね。  ですから、BバイCの話がどうしても出てくるんですけれども、やっぱり年寄りが元気でいるためにはまず歩くことが最初だという話もあります。だから、そのためにも、健康のためにも、歩ける空間をぜひ検討していただきたい。  それと、ことしの冬は、歩道があるところも雪のおかげでなくなったんですね。除雪の方々は日々一生懸命、朝晩フル回転で動いていたのは承知しております。冬は寒さもあるので高齢者の方も余り歩かないとは思うんですけれども、歩道の整備に関しては、やっぱりなるべく地域コミュニケーション、ローカルコミュニケーション、高齢者の方々が通るのも、そのコミュニティーセンターを中心に歩かれるんですね。だから、そういったところ。  それと、通勤通学で自転車で駅に通う方はうちの地域はまだあるんですね。そうすると、部落と部落の間に歩道がない。しかも、上り坂、下り坂でカーブがあって見えない。夜間になると街灯もつかない県道があるんです。でも、それが通学路として上がってこないんですよ。高校生なので。だから、そういう安全対策という意味も含めて、自転車で通う子供たちもいますので、歩道と自転車道の併用の形ででも県道に関しては検討していただきたい、そのように思います。  それと、信号機の設置。  維持費を聞いてびっくりしました。こんなに維持費がかかるのかなと改めて認識させていただいたんですけれども、交通事故等の状況等も見てと御答弁いただいたんですけれども、事故が起きてからでは実は遅いと思うんですよ。やっぱりふだんの生活の中で危ないなと思うところに信号機の設置の要望が上がってきていると思うんです。やみくもに信号機信号機というわけにもいかないとは思いますが、その中で、やっぱり御答弁の中にもあった通学路等を優先的に信号機の対策をとられていると思います。  だから、その中でも、先ほどもお話ししましたように、高齢者の方も、うちの地元で、道路のど真ん中を、歩道がないところを渡る高齢者が余りにもふえてしまったんですけれども、余りにも信号が立つのも、我々が車で移動する点では不便な点もあるんですけれども、ただ、やっぱり歩行者の安全という点を考えればある程度必要なのかなというところもあります。  それと、新たな学校統廃合等によって学校が少なくなる、新しく建つ、例えば病院も再編されて新しく建つと。そうなると、それに伴ってやっぱり交通、通行の状態も変化してくると思います。だから、それに応じてそういった場所での交通事故はふえると思いますので、検討していただいて、なるべく早い段階で対応していただければなと思います。  以上、要望を申し上げて、終わります。 59 ◯副議長(相川正光) 三十分間休憩いたします。 午後二時五十一分休憩    ────────────────────── 午後三時三十分再開 60 ◯議長(高樋 憲) 休憩前に引き続いて会議を開きます。  一般質問を続行いたします。  二十五番丸井裕議員の登壇を許可いたします。――丸井議員。 61 ◯二十五番(丸井 裕) 自由民主党の丸井でございます。  本定例会一般質問最後を務めさせていただきます。  大体最後の質問者は割とあっさり目の質問ですが、私の場合、三橋議員の七十七年の重みを感じ、議長は必要ないとおっしゃいましたが、それでもお許しをいただきまして、所感を述べ、質問をさせていただきたいと思います。  ことしは例年にないほど多くの積雪を記録し、百人を超す方が亡くなられました。防災こそ行政にとって最も重要な政策であり、国、県、市町村を挙げて、また、党派を超えて強靭な国土の形成を目指していくことが我々に課せられた厳粛な使命であると思っております。その一方、こうした災害に際し、人々の本当の優しさや思いやりが多く見られますことは救いであります。例えば、今議会でも多くの議員が取り上げました国道二百七十九号の横浜町で豪雪により立ち往生している車に対して、地域住民の皆様からたくさんの思いやりの手が差し伸べられたことが報道されておりました。  災害は決して歓迎されません。それどころか、未然にその発生を防止しなければならず、また、被害を最小限に食いとめなければなりませんが、こうした思いやりや助け合う心を耳にしますと、ほのかな温かさを感じずにはいられませんし、青森県民、日本国民を誇りに思う次第であります。  それに対し、今の政治は本当に国民の声に呼応しているのでしょうか。政治は国民に真の思いやりを持って接しているのでしょうか。花には水を、人には愛をと申しますが、政治は国民を心から慈しんでいるのでしょうか。政治家の端くれとして自問自答する日々であります。  かんがみれば、政権交代が行われましたのは今から二年半前のことでした。政治の流れを変えよう、変えてほしいとの期待から、政権は自民党から民主党に移りました。今となっては懐かしささえ感じられますが、当初、鳩山内閣は七割を超す極めて高い支持率を記録し、国民の期待の大きさが感じられました。我が党の中には、もう政権を奪い返すことはできないのではないかといった悲観論さえ漂いました。しかし、その鳩山内閣の支持率は急降下し、わずか九カ月で総辞職、続く菅内閣も、粘りに粘ったものの、一年三カ月で総辞職しました。二度あることは三度あると申しますが、現在の野田内閣も、発足当初は六割近くの支持率がありましたが、わずか半年で二割台にまで下落しております。自民党政権末期と同じ道です。そして、これらの支持率急落の原因は、国民の飽きやすさにあるのではなく、まさに各政権が国民の期待を裏切ってきた、首相がリーダーシップを発揮してこなかった、そして、国家のかじ取りを担う力量と資質がなかったことに求められるわけであります。  その一方、近年の政党支持率を見ますと、政権党である民主党への支持率は当然大きく下がっておりますが、必ずしも自民党への支持が回復しているわけではありません。それどころか、世論調査によって、多少の差異はありますが、いわゆる無党派層が五割、六割を占めるに至り、無党派層が第一党になっております。この数字はまさに既成政党へのイエローカードであり、政党政治への大きな警鐘だと思います。国政への政治不信が中心であろうと思われますが、それでも、政治に携わる者の一人として、大いに憂慮し、反省しなければならないと思っております。  いつの時代でも政治には批判や不満はつきものですし、建設的な批判は政治の前進に資するものであります。しかし、一番恐れなければならないのは、国民が政治に愛想を尽かしてしまうことであり、今まさにそのような状況に陥っていることを強く危惧いたしております。  もちろん、政治への不信が長引く不況によって拍車がかけられていることは間違いありません。経世済民、つまり、世の中を平穏に治め、人々の苦しみを救うことが経済の語源でありますように、経済が順調であれば、古今東西を問わず、政治や社会への不満は高まらないものですが、まだまだ出口が見えない、景気回復の春が見えないのが現状であります。のみならず、復興のための臨時増税、そして今度は、税と社会保障の一体改革という美名のもとで消費税率の引き上げが俎上にのせられようとしています。  少子高齢化の著しい進展や膨大な財政赤字を踏まえますと、いずれ、それも遠くない将来、消費税の増税は避けられないことに異論はありませんし、世論調査でも半数近くの国民がその必要性を理解しています。しかし、国、地方を問わず、徹底的な無駄の排除と効率化、そして為政者の自己犠牲と身を切る覚悟を実行してからでなければ、多くの国民が納得しないことは自明なことであります。  戦時中、堂々、粛軍演説を行い、軍部の暴走に真正面から待ったをかけた齋藤隆夫衆議院議員は、政治家は一本のろうそくたれとの名言を残されています。自身の身を燃やし、身を削りながら世の隅々まで照らすことこそ政治家の責務でありますが、身を削ることもなく、いたずらに負担増だけを国民に押しつける政治に国民が共鳴するはずはありません。また、長引く不況の中での増税は、生活困窮者を一段と苦しめ、また、消費全体をさらに冷え込ませることも強く懸念されるところであります。  そのような中、国民の強い関心と期待を集めているのが、大阪市の橋下市長が率いる大阪維新の会であります。橋下市長の歯切れのよい発言やメッセージ、素早い行動力が国民を魅了していることは事実でありますが、一人の首長がこれほど期待されるのは、やはり既成政党や現在の国政のていたらくへの不満があるからだと考えられます。  衆議院の解散がいつ行われるかわかりませんが、大阪維新の会、あるいは、それと提携する新興政党が既成政党や現状の政治への不満の受け皿になる可能性は決して低くありません。しかし、見ていて非常に歯がゆい思いを抱きますのは、既成政党が橋下人気にあやかろうとして阿諛迎合する光景であります。既成政党は、むしろ、まずは自己反省と自己改革を断行し、自身の力で国民の信頼を回復する努力を重ねるべきだと思っております。  橋下市長がまだまだ本物かどうかを見きわめなければなりませんが、橋下市長の言動が注目と共感を得ている根底には、もう国政には任せられない、地方がしっかりしなければとの強い思いがあると考えられ、それは地方政治に携わる我々も認識を一つにしてもいいのではないかと思っております。政策は行政によって万全を期して実行されますが、その過程で改善点や改良点が出てくるのは当然でありますし、軌道修正をしたほうが効率的であったり、大きな効果が期待できたり、あるいは安心・安全の度合いが高められることは決して少なくないはずであります。そして、それらは、現行の枠組みは完璧と考えるのではなく、必ずどこかに問題がある、改善点があるという意識で、不断の監視と検証を行うことから生まれてくるのだろうと思います。  以上を申し上げ、順次質問してまいります。  初めに、本県経済の基盤強化についてです。  まず、産業・雇用対策の推進について伺います。  今の日本経済は、平成二十年秋のリーマン・ショックに端を発する世界的経済的不況、歴史的な円高の進展、欧州の信用不安等による世界経済のさらなる減速、加えて東日本大震災にも見舞われ、まさに満身創痍の状態であります。当然本県の地域経済にも大きなダメージがずっしりとのしかかっております。こうした中、我々地方の経済をどう立て直すのか、地域経済の活性化にどう取り組むのか、地域の産業・雇用に対する自前の政策を打ち立てて雇用の維持創出を図る仕組みを回していかなければならない。そういう時代になったのではないかと考えております。  三村知事は、知事就任以来、厳しい経済・雇用情勢の中にあって、地域経済の活性化と雇用対策に全力で取り組んでまいりました。折しも、県では、平成二十年十二月に青森県基本計画未来への挑戦を策定し、生活を支える経済的な基盤は生業(なりわい)という言葉であらわし、県民にとっての経済的基盤を確立しようと県内産業の活性化などに力を尽くしているところであります。  地域政策にとって既存産業の潜在力を一段と高めることはもちろんでありますが、企業誘致や成長分野における新産業の創出など、産業構造の高度化を図ることも必要であります。そして、足元の県内需要を拡大、創出し、県内循環を高めていくということも重要な視点だと考えます。  そこで、二点質問いたします。  一点目は、生業(なりわい)づくりを実現するための産業・雇用分野のこれまでの取り組みをどう評価しているのか。  二点目は、今後県が考えるさまざまな課題に対してどのように取り組んでいくのかをお伺いいたします。  次に、非正規雇用の現状と今後の取り組みについてです。  先月二十日に総務省から労働力調査の平成二十三年平均の速報が公表されました。この調査は、都道府県ごとの数値は公表されておりませんが、調査結果は、役員を除く雇用者のうち、正規の職員、従業員は三千百八十五万人と、前年に比べ二十五万人の減少となっている一方、非正規の職員、従業員は千七百三十三万人と四十八万人増加し、割合で見ても三五・二%と、実に働いている人の三人に一人が非正規雇用になるわけであります。また、年齢別には、高齢者層と在学中の者を除く十五歳から二十四歳で非正規の割合が高くなっております。  多様な雇用形態があるのは認めざるを得ないと思いますが、労働者が正規雇用を望んでいるにもかかわらず非正規雇用を余儀なくされているとしたら、それは決して好ましい状況とは言えません。特に、それが次代を担う若者であれば本県の将来に悪影響を及ぼすものと考えます。  そこで、三点質問いたします。  一点目は、本県における非正規雇用の現状についてどう認識しているのか。  二点目は、非正規雇用労働者が増加し続けた場合の影響について県はどう認識しているのか。  三点目は、正規雇用化に向けて、企業に対してどのような対策を講じているのかお伺いいたします。  次に、安全・安心な住宅リフォームの促進についてです。  安全・安心な住宅の形成は、県民の住生活の向上、安定にとって、また豊かな地域社会をつくる上で重要な意義を持つものです。県内においては、平成二十三年度から、県が青森県安全安心住宅リフォーム促進事業による住宅性能の向上を伴うリフォームへの補助を開始し、また、県内市町村でもさまざまな取り組みを進めているようであります。  私の地元十和田市でも、十和田市住宅リフォーム助成事業を行っていますが、利用状況については地域ごとにばらつきがあるとも聞こえてきています。古い木造住宅等については、今後の地震に備えた早期の耐震改修や高齢者の安全な生活を確保するためのバリアフリー改修の促進などについてさらに強化、加速する必要があります。同時に、全国的に長引く景気低迷により県内でも住宅の新築戸数が激減しており、住宅建築に携わる中小建築業者を初めとする県内建築業界は、住宅リフォームの受注機会の拡大に期待を寄せております。  そこで、二点質問いたします。  一点目は、これまでの県内における安全・安心な住宅リフォームの促進に向けた取り組み状況について。  二点目は、県と市町村とが協力して住宅リフォームを促進することが効果的であると考えますが、今後どのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。  次に、本県のエネルギー分野における産業振興についてです。  青森県は、自然環境に恵まれ、再生可能エネルギーは県内のエネルギー消費量を上回るほどの高いポテンシャルがあるなど、他の地域に比べ非常に優位な立場にあります。実際に県内でも再生可能エネルギーの導入が進んできておりますが、再生可能エネルギーの導入をいかに県内産業の振興や雇用の創出に結びつけていくかということが今後の重要課題であると認識しています。  そこで質問ですが、エネルギー分野における産業振興を目指した青森県エネルギー産業振興戦略の推進に向けて県はどのように取り組んでいくのかお伺いします。  また、エネルギー関連の取り組みの中で最近注目を浴びているスマートグリッドですが、これについて、今年度から六ヶ所村において地域実証が進められていると聞いています。  そこで、スマートグリッド関連技術を活用した産業振興策に県はどのように取り組んでいくのかお伺いします。  次に、循環型社会の形成と本県の環境保全についてです。  これまでの大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済・社会活動は、私たちの生活に便利さや快適さなど大きな恩恵をもたらしてきました。その一方で、廃棄物の大量排出による最終処分場の逼迫や温室効果ガスの排出量の増加などが深刻化し、世界的にも、石油資源、レアアースなどの天然資源の枯渇や地球温暖化の進展など、大きな問題となっています。本県は、世界自然遺産白神山地や十和田湖、八甲田山などの自然の中で水資源や食料にも恵まれ、本当に豊かな自然社会環境を有していると思います。  このかけがえのない本県の環境を次の世代に引き継ぎ、持続可能な地域社会を実現していくためには、これまでの暮らしや仕事のあり方を少しずつ見直すとともに、天然資源の消費を抑制し、再生可能な資源の利活用を進め、廃棄されるものをできるだけ少なくする循環型の社会を目指していかなければならないと考えます。  そこで、三点質問いたします。  一点目は、循環型社会づくりの推進について県の基本的な考え方をお伺いします。  二点目は、県では、循環型社会形成の推進に係るさまざまな施策を実施しているところですが、その施策の基本となる第二次青森県循環型社会形成推進計画の概要についてお聞かせ願います。  三点目は、具体的にどのような取り組みにより循環型社会の形成を進めていくのかお伺いします。  次に、行財政改革の推進についてです。  知事が就任以来、行財政基盤の安定なくして県政なしとの強い思いで徹底した行財政改革を進めてきたことは高く評価されるところであります。平成二十年十二月には行財政改革大綱を策定され、今から三年前の平成二十一年四月から行財政改革実施計画を着実に進め、職員数の見直しや外郭団体の整理統合などを断行されております。もちろん、原資が国民、県民の血税であります以上、行政の思い切った簡素化や効率化は図られなければなりませんが、地方を中心に少子高齢化がますます進み、徐々に、そして着実に行政施策の転換に取り組んでいかなければなりません。  現在、青森県の人口は百三十六万人ですが、十年後には今よりも十万人も少なくなると予想されています。既に平成十五年から八年間で全国の小学校の数が平均一五%減少したのに対し、青森県では、本校、分校を合わせて四百二十九校から三百四十七校になるなど、一九・一一%も減りました。残念ながら、青森県の人口減少率は都道府県の中でも最も大きく、大変粗っぽく申し上げれば、これから毎年一万人ずつ減っていくことになります。そして、それはそのまま経済力、県民力の衰退をもたらしかねません。  このため、一刻も早く財政健全化を図りながら、必要な施策や未来への投資に予算を思い切って費やすことも急務であると言えます。すなわち、行財政改革は単に予算を削ることが目的ではなく、時代の推移や将来を見据えた需要に対応した施策を積極的に展開していくための手段であると考えます。  本県では、これまで財政改革と行政改革を改革の両輪として取り組んできたわけでありますが、財政面での取り組みについては、我が会派の阿部議員が一般質問の初日に代表質問として知事の考えを問い、今後の方向性などを確認したところであります。  そこで、私は、もう一つの車輪である行政改革の面から質問していきたいと思います。  最初の質問は、改革全体の話になります。  去る二月二十七日に県行財政改革推進委員会が開催され、平成二十三年度の行財政改革の取り組み状況の報告等がなされたわけであります。  そこで、平成二十一年度から行っている行財政改革実施計画の現時点での取り組み状況についてどう認識し、また、今後どのように取り組んでいくのかお伺いします。  次に、青い森農林振興公社の経営改革についてであります。  公社の経営改革では、各公社においてさまざまな取り組みを行ってきましたが、こうした中、分収造林事業で膨大な借金を抱え、また、農地保有合理化事業でも、回収困難債権を抱えるなど、厳しい経営環境に置かれている青い森農林振興公社について、県でもいよいよ抜本的な改革に取り組むとのことであります。  そこで、公社問題について三点質問いたします。  一点目は、青い森農林振興公社の経営上の課題に対する経営改革の進め方について。  二点目は、青い森農林振興公社で実施してきた農地保有合理化事業について、その実績とあおもり農林業支援センターへ移管後の事業運営について。  三点目は、分収造林事業における分収割合の見直しについて、取り組み状況と、見直しに同意がない分収林をどのように管理していくのかについてお伺いします。  次に、地域県民局の再編についてです。  地域県民局については、出先機関の見直しとして、行財政改革大綱において、各事務所のおおむね県内三地区への再編を進めていくこととしているところであります。地域県民局の取り組みは、地域によって多少の温度差はあるかもしれませんが、各地域に根差した取り組みが徐々に定着化しているところであります。  したがいまして、この点については、現時点ではまだ検討のさなかであるとは思いますが、さまざまな状況変化などある中で、大綱に示された方向性が果たして最善なのか、考えているところであります。  さまざまな意見や考え方があると思いますが、私の考えとしては、地域県民局が市町村や地域住民とともに地域づくりに取り組むなど、地域において果たしてきた役割を考え、また、これからますます地域の活力を掘り起こすためにも六地区に残すべきではないかと思っております。今回は、方向性が示される前にこのことを言いたかったわけでありますが、通告しておりますので、質問として、再編についての現在の検討状況をお伺いいたします。  次に、適正な財務事務執行の確保に向けた取り組みについてです。  申し上げるまでもなく、県の公金は県民、国民の税金などであり、県の財務事務は厳正な公金意識のもとに適正に執行される必要があります。  本県では、行財政改革における組織の簡素化、効率化などを推進しておりますが、こうした中にあっても財務事務が速やかになっていなければなりません。県民の信頼を損なうことのないよう、適正な執行を確保する仕組みづくりをさらに進めていかなければならないと考えます。  そこで質問いたしますが、財務事務の適正な執行確保に向けて今後どのような点に重点を置きながら取り組みを強化しようとしているのかお伺いいたしまして、壇上からの質問を終わります。 62 ◯議長(高樋 憲) 知事。 63 ◯知事(三村申吾) 丸井議員にお答えいたします。  まず、私から、一点目の生業(なりわい)づくりを実現するための産業・雇用分野のこれまでの取り組みに対しての評価でございます。  私は、「青森の元気は経済の元気から。そして雇用の場づくりから。」との考えのもと、産業・雇用分野を県政の最重要課題と位置づけ、創業・起業の支援、戦略的な企業誘致の推進などによる働く場の確保に努めてきましたほか、本県の強みを生かした製品や技術の開発によるいわゆる高付加価値化、そして、販路開拓、取引拡大による外貨獲得など、県民の経済的基盤を確立するための生業(なりわい)づくりといったことに取り組んできました。  その結果、例えば、企業誘致では、平成十九年度からの誘致・増設件数が百三十件を超えたほか、平成十八年度から県内三カ所に整備しました夢クリエイト工房などのいわゆる創業支援拠点を三百名余りの方々が活用し、四十七名が具体に夢を実現して創業に至っております。  また、平成十七年度からベンチャー企業等が開発した新商品の販路拡大を支援いたしますレッツBuyあおもり新商品事業を実施し、これまでに四十五社、延べ五十九件の新商品を認定したほか、即効性を重視いたしました雇用対策では、基金事業の活用によりまして、平成二十一年度から二十三年度まで延べ二万人以上の雇用創出を実現するなど、中長期的な視点に加えて緊急的な対策も講じ、着実に成果を上げてきたと考えております。  私は、本県の地域特性や強みを生かした農商工連携による産業や医療・健康福祉関連産業、環境・エネルギー関連産業分野などに積極果敢に取り組むことにより、本県経済の活性化と雇用の創出・拡大につなげていきたいと考えている次第でございます。  そして、その関連でございますが、青森県エネルギー産業振興戦略の推進に向けた取り組みであります。  私どもの青森県は、風力や太陽光、地熱など、環境に負荷を与えない再生可能エネルギーの宝庫であります。再生可能エネルギーで県内のエネルギー消費量のすべてを賄うことが可能との調査結果もあるなど、大きなポテンシャルと可能性を有しております。  私は、全国に先駆けて策定しました青森県エネルギー産業振興戦略に基づき、世界初の蓄電池併設型ウィンドファームの推進を初め、再生可能エネルギー関連の先進的なプロジェクトを強力に推進してきました。その結果、風力発電では導入量が全国第一位となるなど、エネルギー先進県として着実に成果を積み上げてきたところであります。  今後、再生可能エネルギーの普及に伴って関連市場の拡大が予想されます。そのことから、本戦略に掲げる持続可能な社会の実現に向けて、本県がこれまでに培った実績とエネルギー分野の高いポテンシャルを最大限に活用する取り組みを強化し、加速していく必要があるとも考えます。  そのため、次代を担うスマートグリッド関連技術や海洋エネルギーを活用した産業振興策の調査検討に取り組むほか、エネルギーを地域資源ととらえ、エネルギーの地産地消の構築に向けた仕事づくりに積極的に取り組み、持続可能な低炭素社会づくりと震災からの創造的復興へ向けた歩みを着実に進めていきたいと考えております。
     循環型社会づくりの推進についての基本的な考え方でありますが、天然資源の枯渇や地球温暖化などの地球規模でのさまざまな環境問題に直面する中、将来にわたって持続可能な社会を維持発展させていくためには、低炭素社会や自然共生社会の構築と相まって、資源の採取や廃棄に伴う環境への負荷を最小にする循環型社会の形成が不可欠であると私は考えるところであります。  このため、青森県基本計画未来への挑戦の中で、本県が目指す姿の一つとして、低炭素・循環型社会の形成を掲げました。その実現に向けて、環境の保全や廃棄物の適正処理と資源の循環利用を一体的に推進するための各種施策に取り組んでいくこととしております。  本県は、世界自然遺産白神山地や十和田湖、奥入瀬渓流を初め、豊かで美しい自然に恵まれ、また、風力やバイオマスなどの環境・エネルギー分野のポテンシャルが高い地域であります。このかけがえのない自然、地域を次世代にしっかりと引き継いでいくためには、自然を敬い、限りある資源を大切にするといういわゆるもったいないの心を県民一人一人が持ち、環境に配慮した行動に積極的に取り組むとともに、再生可能エネルギーの導入も進めていかなければならないと考えます。  今後とも、もったいないの心をはぐくみ、県民一体となった環境に配慮した取り組みの輪を広げていくことにより、将来にわたって県民一人一人が、私ども青森の豊かな環境の恵みを享受できる持続可能な循環型社会の実現を目指したいと考えるところであります。  青い森農林振興公社の経営上の課題と経営改革の進め方についてであります。  社団法人青い森農林振興公社は、農地保有合理化事業や分収造林事業などを実施し、本県農林業の振興に大きな役割を果たしてきました。  しかし、分収造林事業の採算性の悪化が公社経営の大きな課題となっておりましたことから、私は、平成二十二年十二月に、分収造林事業を県が引き継ぐこと、また、本事業に係る日本政策金融公庫の債務処理に当たっては第三セクター等改革推進債を活用すること等を内容とした経営改革の方向を決定し、公表いたしました。  具体的な取り組みとしては、第三セクター等改革推進債を活用するには現公社の解散等が必要となりますことから、分収造林事業以外の事業を引き継ぐあおもり農林業支援センターを設立したところであり、ことしの四月から公益法人として業務を開始いたします。  このセンターにつきましては、経営の一層の効率化を図りますとともに、急務となっております農地の利用集積や担い手支援の機能を充実するなどサービスの質的向上に努め、県民の負託にこたえていきます。一方、現在の公社につきましては、平成二十四年度に債務処理の手続を進め、平成二十五年四月に分収造林事業を県に移管した後に解散することとしております。  県としては、移管後の分収林を県民共通の財産である公共財として、県民負担の軽減に最大限の努力を払いながら適切に管理、運営していきたいと、このように考えております。  私からは以上です。 64 ◯議長(高樋 憲) 総務部長。 65 ◯総務部長(田辺康彦) 地域県民局の再編についての考え方でございます。  地域県民局は、平成十九年度から県内六地区で市町村等の地域づくりを支援してきており、丸井議員御指摘のとおり、県民の皆様にも一定の評価をいただいているものと考えてございます。  一方、県においては、引き続き行財政改革を推進していくこととしており、より効率的な業務執行体制の構築に向けて、より広域的な行政対応等についても検討していく必要があると考えています。  地域県民局の再編については、これまでに地域県民局が果たしてきた役割や定員適正化の取り組みが順調に行われていることなどを十分踏まえながら、行政サービスの維持確保や住民の利便性などに配慮しつつ、専門的な業務の集約や地域県民局間の広域的な連携を図るなどにより順次検討を進めているところでございます。 66 ◯議長(高樋 憲) 行政改革・危機管理監。 67 ◯行政改革・危機管理監(小寺 謙) 行財政改革実施計画の取り組み状況についてお答えいたします。  青森県行財政改革実施計画は、青森県行財政改革大綱に基づき、行財政改革の取り組み方策に係る実施事項やそのスケジュールを定めたもので、平成二十一年度から二十五年度までの五年間に百二十三項目の実施事項を実施することとしております。今年度は平成二十一年度から二十三年度までの集中取り組み期間の最終年度となりますが、今年度末までに各種協議会への県関与の見直しや業務の民間への移行などに係る二十四項目の取り組みの完了等が見込まれ、その他の項目についてもほぼ順調な進捗にあるものと認識しております。  今後につきましても、知事を本部長とする行財政改革推進本部において行財政改革の推進状況を点検し、また、民間有識者で構成する行財政改革推進委員会の意見等も踏まえ、必要に応じて実施計画の見直し等も行いながら行財政改革の着実な推進を図ってまいりたいと考えております。 68 ◯議長(高樋 憲) 環境生活部長。 69 ◯環境生活部長(名古屋 淳) まず、循環型社会形成推進計画の概要でございます。  県では、循環型社会の形成に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、平成二十三年三月に第二次青森県循環型社会形成推進計画を策定し、本県の地域特性を生かした目指すべき循環型社会の中長期的なイメージを掲げるとともに、一般廃棄物及び産業廃棄物の排出量の削減目標等を定め、県や市町村、県民、事業者等の各主体が果たす役割と取り組みを明らかにしているところでございます。  県としては、この計画に基づいて、市町村、県民、事業者等の各主体と連携、協働しながら、低炭素社会や自然共生社会に向けた取り組みとも統合し、県民総参加で廃棄物の適正処理と資源の循環利用を一体的に推進するための各種施策に取り組み、環境負荷のより少ない持続可能な循環型社会の形成を目指していきます。  次に、具体的な取り組みでございます。  県では、平成二十年度からもったいない・あおもり県民運動を展開し、レジ袋の無料配布の取りやめや古紙リサイクルエコステーションの整備、古紙リサイクルセンターの設置、オフィス町内会の設立やその拡大に取り組んできたところでございます。  これらに加え、ごみ減量、リサイクル率の向上のため、ごみ処理費用を見える化し、市町村におけるごみ減量化等の取り組みが促進されるよう必要な支援を行うほか、事業系食品残渣のリサイクルを促進するための仕組みづくりの検討や排出事業者等に対する相談支援体制の整備を行うこととしております。  また、平成二十三年七月には、省エネなど低炭素社会づくりに向けた取り組みもあわせて推進するため、新たなもったいない・あおもり県民運動をスタートさせました。この一環として、県民が日々環境に配慮した取り組みを続けることの重要性にかんがみ、県民の環境配慮行動を環境価値化し、県民、事業者、地域が相互にメリットを享受する仕組みを構築するほか、省エネやレジ袋の削減など、一定の環境配慮行動を行っている事業者をエコ事業所、エコショップとして認定する制度を創設するため、平成二十四年度当初予算案に所要の経費を計上し、本定例会で御審議いただいているところでございます。  県では、引き続き、県民、事業者、各種団体や市町村など各主体による取り組みの拡大を促進しながら、循環型社会の形成に向けて総合的かつ計画的に取り組んでまいります。 70 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 71 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 御質問四点にお答えします。  最初に、産業・雇用対策の推進に向けての課題への取り組みについてでございます。  本県経済は、東日本大震災からの創造的復興、高水準の円高への対応、地域間競争を勝ち抜いていくことができる新産業の創出、回復が見られるものの全国的には依然として低位にある有効求人倍率など、多くの課題を抱えております。  そのため、中小企業者の事業活動の促進及び経営の安定化、とりわけ東日本大震災により影響を受けた中小企業者に対する金融の円滑化を図るため、県特別保証融資制度の充実強化に努めているほか、あおもり元気企業チャレンジ基金などの総額百億円のファンドを活用しまして、創業・起業の促進や農商工連携による食産業の振興、物づくり産業を初めとする地域産業の活性化に引き続き取り組むこととしております。また、新たに、誘致企業による雇用の増加に対する奨励金と県内企業の雇用創出を伴う誘致企業から県内企業への発注を促進することによって、県内経済の資金の流れを活発にして雇用の拡大を図ることとしております。  県としては、このような取り組みを通じまして、他地域との競争に負けない産業基盤を形成することにより地域経済の活性化と雇用の創出を図ることとしております。  次に、本県における非正規雇用の現状への認識についてでございます。  非正規雇用の現状につきまして都道府県ごとの数値が公表されているものとしては、総務省の就業構造基本調査がございます。平成十九年の就業構造基本調査によりますと、本県のパートタイム労働者や派遣労働者などのいわゆる非正規労働者は約十八万人で、雇用者に占める割合は三四・一%となっておりまして、全国の割合三五・五%と比べれば本県は一・四ポイント低くなっております。  しかしながら、平成十四年調査における本県の非正規労働者の割合は二九・七%であったことから、本県においても非正規労働者の割合は増加傾向にあるものと認識しております。  次に、非正規雇用労働者が増加し続けた場合の影響についての県としての認識についてでございます。  非正規労働者の中でも、正規雇用を希望しながらも非正規雇用の形態で働かざるを得なかった労働者の増加が懸念されており、厚生労働省が実施している平成二十二年就業形態の多様化に関する総合実態調査によりますと、正社員として働ける機会がなかったために非正規雇用で働いている者の全国での割合は非正規雇用全体の二二・五%を占め、平成十一年から平成二十二年までの間に八・五ポイント上昇しております。  非正規雇用は、正規雇用と比較しまして、解雇や期間満了による雇いどめなどの雇用調整の対象にされやすく、また、賃金や社会保険の適用率も低く、生活が不安定となっているほか、企業での職業訓練の機会も乏しく、知識、技術等の蓄積がされないことなどの問題がございます。  生活困窮層が増加することは少子化の一層の進行につながるおそれがあり、地域社会の安定性や持続可能性に及ぼす悪影響が懸念されるところでございます。  最後に、正規雇用化に向けての企業への対策についてでございます。  県では、若年者を初めとする非正規労働者の正規雇用化を促進するため、若年者定着・正規雇用化促進支援事業を来年度から実施することとし、本定例会に所要の予算を計上し、御審議いただいているところでございます。  この事業では、企業における正社員への登用制度の導入促進を図るために、社会保険労務士が個々の企業を巡回し、正規雇用化への取り組みに関する支援制度の周知や社内規定の整備等の支援を行うほか、県内全企業を対象とした国等の各種支援制度の周知を図る講習会等を開催することとしております。  また、正社員で採用されても職場に定着できない場合には非正規労働者となる可能性が高いことから、企業に対して人材育成等の研修会の開催や社会保険労務士による各種相談などの支援を行い、若年者の職場定着の取り組みを促進してまいります。  このほかに、希望しても正社員になれない若年非正規労働者を対象に就職支援セミナーや就職面接会を開催するほか、ジョブカフェあおもりとハローワークヤングプラザ等のチームによる一貫した就職支援を実施することとしております。  県としては、国等の関係機関と連携を図りながら、非正規労働者の正規雇用化を推進し、雇用の安定化に努めてまいります。 72 ◯議長(高樋 憲) 農林水産部長。 73 ◯農林水産部長(渋谷義仁) 青い森農林振興公社の経営改革に関する御質問二点についてお答えいたします。  まず、公社で実施してきた農地保有合理化事業の実績と、あおもり農林業支援センターへ移管後の事業運営についてであります。  農地保有合理化事業は、公社が農地を借り入れや買い入れし、それを担い手農家等に貸し付けもしくは売り渡しするものであり、平成二十二年度の実績は、貸し付けが八十六ヘクタール、売り渡しが百七十三ヘクタールで、とりわけ売り渡しについては、県内における農地売買の約二割を占め、担い手農家の経営規模拡大に大きく貢献してきているところであります。  一方、契約農家の経営が破綻したため徴収できなくなった小作料や、当該農家へ売却ができなくなった農地を第三者に売り渡して生じた売買差損など、回収の困難な債権が平成二十二年度末で二億八百万円に及び、公社の経営を圧迫しております。  このため、ことし四月からあおもり農林業支援センターが事業を引き継ぐに当たり、国と県が公社に積み立てしたものの、国から平成二十五年度末までに返還を求められている農地保有合理化促進事業強化基金について、うち県への返還分一億四千九百万円を活用し、回収困難債権の処理を支援することとし、本議会に所要の予算を計上し、御審議をいただいているところであります。  新法人では、業務移管後の本事業の運営についてリスク管理の徹底に努めつつ、その活用を一層推進することで農地の利用集積に寄与していきたいと考えております。  次に、分収造林事業における分収割合の見直しについての取り組み状況と、見直しに同意がない分収林をどのように管理していくのかについてであります。  県と公社では、昨年十一月から、県内各地で地区ごとの説明会の開催や個別の説明、文書による依頼等により分収造林契約者から分収割合の見直しへの同意を得る作業を進めてきたところであり、平成二十四年二月末現在で、契約件数千三百十二件に対して四百八件の同意が得られ、その同意率は三一%となっております。  分収割合の見直しに同意がない分収林の管理については、除伐や枝打ちなどの手入れ的な作業の実施はできますが、収益があった場合に分収が生ずる利用間伐や契約満了時の立ち木の売り払いについては実施できないものと考えております。  このため、県と公社は、今後とも個別訪問等により契約者に対する説明を行い、県移管前の平成二十四年度中に同意が得られるよう取り組みを進めていきますが、仮に同意が得られなかった場合は、県移管後も引き続き同意が得られるよう説明を継続し、分収林の適正な管理に努めてまいります。 74 ◯議長(高樋 憲) 県土整備部長。 75 ◯県土整備部長(大澤健治) 安全・安心な住宅リフォームの促進について二点お答えいたします。  まず、その取り組み状況についてでございます。  安全・安心な住宅の確保は、県民が安心して快適に暮らせる生活環境づくりのために取り組むべき重要な課題であると考えております。このため、平成十八年度に策定した青森県住生活基本計画において、住宅の耐震性や耐久性等の向上を基本的な施策として掲げ、住宅性能表示制度の普及や耐震診断の促進等により県民が安全・安心に暮らせる良質な住宅の確保に取り組んできたところです。  その一方で、安全・安心な住宅の確保を一層推進していくためには、既存の住宅の性能向上を図る取り組みに対して集中的に支援していく必要があることから、県では、今年度、戸建て住宅の所有者等が住宅の耐震性能や省エネ性能を向上させる改修工事を行う場合に工事費等の一部を補助する青森県安全安心住宅リフォーム促進事業を実施したところです。  また、県内の市町村においては、昨年度から三沢市が住宅リフォームへの補助事業を実施しており、今年度は青森市、五所川原市、十和田市及び七戸町の四市町が新たに補助事業を開始するなど、県内における住宅リフォームの促進についての取り組みは徐々に浸透している状況にあります。  次に、市町村と協力して住宅リフォームを促進することが効果的であると考えるが、今後どのように取り組んでいくのかについてでございます。  本県では、住宅リフォーム相談窓口を六地域県民局と四十市町村に設置しており、県と市町村が連携して、県民からの相談への対応や、安全・安心な住宅リフォームの促進に関する情報提供に努めてきたところです。  しかしながら、今年度県が実施した青森県安全安心住宅リフォーム促進事業は、その申請件数が二十件と伸び悩んだことから、来年度は、市町村が窓口となって補助を行い、県が補助金の負担と技術支援を行う共同の実施体制に見直し、あわせて、一件当たりの補助金を増額することとして、それに要する経費を平成二十四年度当初予算に計上し、御審議いただいているところです。  議員御指摘のように、県と市町村が協力して住宅リフォームを促進することは、きめ細かい広報や県民の利便性の向上が図られること、また、県の補助と市町村が独自に行っている補助をワンストップで併用して、手厚い補助として活用しやすくなる等のメリットがございます。さらに、施工者について、その市町村に密着した建設業者等を対象とすることで地域経済の活性化も期待できるものと考えております。 76 ◯議長(高樋 憲) エネルギー総合対策局長。 77 ◯エネルギー総合対策局長(阿部耕造) スマートグリッド関連技術を活用した産業振興策への取り組みについてお答えいたします。  スマートグリッドは賢い送電網とも言われ、再生可能エネルギー導入拡大のための諸課題を解決する有効な技術として国内外で注目され、国や企業により研究開発や実証が進められております。  県では、これに着目して地域実証の誘致に取り組んできた結果、今年度、これまで不安定な電源であることが課題となっている再生可能エネルギーを効率よく活用するための次世代型双方向通信出力制御実証事業が国の事業として公募され、三十三の大学や企業で構成する共同体の提案が採択されました。今回、その一部の企業がむつ小川原開発地区において、電力系統と実際の住環境を活用した国内唯一の地域実証として取り組むことになりました。  この結果、同地域では、エネルギーの創出からマネジメントまで幅広い領域の取り組みが行われ、今後ますます国内外の関係者の注目を浴びるものと考えております。  県としては、今後とも引き続き、現在、国内の研究室で進められている開発の地域実証の誘致に努めるとともに、地元企業が新たな産業分野に取り組めるよう、地域実証で最先端の情報収集ができる利点を有効に活用して、フォーラムや勉強会を開催していきたいと考えております。 78 ◯議長(高樋 憲) 会計管理者。 79 ◯会計管理者(木村正則) 財務事務の執行に関する御質問にお答えいたします。  財務事務の適正な執行確保に向けましては、出納局と各部局とが日常的に迅速、緊密に意見交換しやすい関係を深めていくことを基本としながら、今後、特に二つの点に重点的に取り組んでまいります。  一点目は、不適正な執行を防止する物品調達体制の強化です。物品購入において、物品を必要とする需要機関と調達機関とを分離し、調達機関が納品検査も行うことで、不適正な執行が発生しやすい場面自体を極力減らしていこうとするものです。既に本庁等で実施している物品集中調達制度を、新年度からは県内すべての地域県民局及び教育事務所にも拡大してまいります。  二点目は、管理監督者初め、実務担当者以外の多くの職員への公金意識の醸成です。直接の財務事務担当者だけでなく、契約案件等の決裁過程にかかわる職員についても財務事務研修の対象とし、公金の支出は、その不適正を見逃すことがみずからの責任にもかかわってくる重要な事務であり、しっかりとチェックしなければならないという意識を徹底してまいります。 80 ◯議長(高樋 憲) 丸井議員。 81 ◯二十五番(丸井 裕) まず最初に、県土整備部長にお願いしなきゃならないのは、住宅リフォームの関係ですが、一億二千万の予算をとっておいて、使われたのが三百万か四百万ということでは何ら意味がなかったと、使い勝手が悪過ぎるんだということだと思うんです。やはりその点はしっかりと反省していただきたいと。今度は市町村と組んでやるというお話でございますけれども、先ほど述べられた点をよく注目しながら、そして注視しながら、そして、経済対策という面もあるわけですから、もっともっと使いやすいようにひとつお願いしたいと思います。  再質問いたします。  まず、先ほども申し上げましたけれども、経済・社会情勢が不安定な中にあって、しっかりしなければならないのが政治であります。我が国を牽引すべき民主党政権、野田内閣は空回りを続けております。本県においては、こうしたことのないように、三村知事、そして我々県議会がともに考え、議論し、そして青森県民のための政治を進めていかなければならないと強く思うところであります。また、県の執行部の皆さんも、その執行部隊として引き続き県政をしっかりと支えていってほしいと切に願っております。  そうした中、今年度末で御退職されます県職員の皆様には、長年の御労苦と御活躍に心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。そして、この中でも、新聞等でも報道されておられましたが、名古屋環境生活部長、櫻庭商工労働部長、阿部エネルギー総合対策局長、そして、木村会計管理者におかれましては、今年度定年で御退職されるようであります。本当にお疲れさまでございました。  実は、今回の一般質問で四人の部局長さんの顔を思い浮かべながら、それぞれが担っている分野の主要な部分ということで、産業・雇用対策、エネルギー分野における産業振興策、循環型社会づくりや環境保全の取り組み、財務事務の適正執行ということに対して、大局的な視点からそれぞれの取り組み内容や考え方についてお伺いしたわけであります。それぞれの分野が県政重要課題であり、奥深いわけであります。肝の部分は知事に御答弁をいただきました。部長さん方の御答弁もありましたけれども、私は、もう一歩踏み込んだ答えがいただきたいと思います。  そこで、名古屋部長、櫻庭部長、阿部局長、木村会計管理者に対して、再質問として、今回質問させていただいた各分野での取り組みを一層推進していくに当たっての重要課題や、今後の取り組みの方向性など、直接実践されてこられた部長さんたちの思いある部分だと思いますので、このことについて改めて御答弁をいただきたいと思います。 82 ◯議長(高樋 憲) 環境生活部長。――御静粛に願います。 83 ◯環境生活部長(名古屋 淳) 再質問にお答えいたします。  先ほど知事からも申し上げましたが、やはり本県において、循環型社会の形成を通じまして、低炭素社会、自然共生社会をいかに実現していくかということにかかっているのかなというふうに考えております。  これまでも、県は、もろもろの人間の社会活動によって環境にもたらされる影響をモニタリングし、それが最小になるよう規制、指導、助言をしてまいりました。この取り組みとあわせまして、全国と比較して依然として環境負荷の低減が進んでいない点も何点かありますことから特段の対策が必要と考えているところでございます。  この背景、要因ということを考えてみますと、本県は豊かな自然がすぐ身近にあふれております。そういった人間の社会活動によって損なわれているという実感が余り切実に県民にとっては感じられないのではないかと、そういったことも考えられるわけでありますけれども、結果として環境負荷を増大させているとすれば、やはり県としては放置しておくわけにはいかないということでございます。  このため、県民一人一人が日々の生活の営みのその一つ一つが地球環境と密接に結びついているということに思いをいたし、環境への負荷を最小にするための努力を、それぞれの責任におきましてそれぞれの場所で確実に実行していただく、そういったことを促すことが重要と考えております。  わ一人やらなくたってそったらに悪くならねえねという本県の豊かな自然を満喫している県民に対しまして具体的な行動をとっていただくというのはなかなか困難なことであります。我々環境生活部の職員もそこに非常に苦労しているわけでありますが、県としては、やはり市町村、関係者とともに、県民の具体的な環境配慮行動を促すため、さまざまな場面、事業を通じまして働きかけ、低炭素社会、自然共生社会の構築、循環型社会の形成に向けた取り組みを進めてまいります。  県議会議員の皆様方におかれましても、県民の模範となる率先行動についても、今後とも一層の御指導、御協力を賜りますようお願い申し上げます。よろしくお願いいたします。 84 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 85 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 産業・雇用に関する再質問にお答えします。  大筋につきましては知事からも御答弁させていただいたように、産業・雇用というのは青森県にとって非常に大事な最重要課題だというふうな認識を持ちますし、県を挙げて全力で取り組んできたという思いがございます。  対策につきましては、さまざま質問いただきましたように、国の基金事業というものを使ってカンフル的な雇用対策をやってまいりました。また、さまざまな場面では、先生方からの御理解を賜って、学卒者に対する雇用をどうするのかということでは、低利融資という形で雇用創出特別支援枠というものを毎年毎年つくらせていただいて、その効果も非常に大きく、企業からのニーズも高かったというふうに思っております。  それとあわせて、東日本大震災という形で、直接被害、間接被害、それぞれの融資制度をつくって、経済というものはやはり金が経済の血液という形になってございますので、中小企業を支えるという意味では、金融の円滑化というのが、非常に大事な場面で次から次と増額をさせていただいて、途切れがなくやらせていただいたという思いがございます。
     そういうことに対して、県内の中小企業からもきちっとこたえていただいたと思っております。高卒者の県内求人が確実に増加してきております。さらには、求人倍率も〇・五二ということで、平成四年の十二月以来十九年ぶりに〇・五台まで回復させていただいたということでは、県内の経済関係者に対しても、地元に働いていただくんだという思いがきちっと定着するという形でこたえていただいたというふうに思っております。  まだまだ経済は不透明感があるということでは同じでございますけれども、これからもやはり青森ライフイノベーション戦略ですとか、あるいは低炭素型ものづくり産業振興指針というものを、今年度、県内の中小企業が進むべき方向をある程度私どもとしてお示しさせていただいたのではないかというふうに思っております。  これからそれを具現化するという意味では、まだまだ緒についたばかりでございますけれども、そういうことを確実にやっていくことによって、私ども青森県のオンリーワンの技術を、特徴ある企業を育成するということ、それから、確実に地元の雇用というものをふやしていくということによっては、青森県は決して――未来は明るく元気な青森県というものが期待できるものというふうに考えております。これからも一層の御支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。 86 ◯議長(高樋 憲) エネルギー総合対策局長。 87 ◯エネルギー総合対策局長(阿部耕造) エネルギー分野における産業振興についての再質問にお答えいたします。  本県におけるエネルギー分野、大きく分けますと、再生可能エネルギー、それから国際熱核融合、あとは原子力、この三分野がございます。  このうち再生可能エネルギーにつきましては、先ほど知事からも答弁がございましたけれども、再生可能エネルギーの導入という点につきましては、これまでもエネルギー産業振興戦略に基づくさまざまな取り組みを通じて、例えば、風力につきまして言えば、約三十万キロワットと日本一の容量を誇っているということで、一定の成果は確かにあったと思います。  ただ、やはり議員からも御指摘がありましたけれども、一番の問題は、この再生可能エネルギーの導入が県内の産業振興、それに直接結びつくという例が少ないということが一番大きな課題だと思います。例えば、風力発電について言いますと、青森の風を県外の企業が利用して、利益は県外に持っていくというような構図になっていると。やっぱりこういうことについては、我々としてはきちっと改める必要があるのかなというふうに思っております。  そのため、来年度は、再生可能エネルギーの導入によりましていろんな事業化ができるように、産学官金の連携、ネットワークをつくって、そこで事業化の芽を研究していくとか、そういう活動。それからさらには、風力発電について地元企業が参入できるような方策、そういったことを検討するというふうなことをしてございます。  それから、先ほど先生のほうからもお話がありましたけれども、いわゆるスマートグリッド、これにつきましては、県がいち早く地域実証に名乗りを上げて先行的に取り組んでいると、こういう利点を生かして、県内企業がスマートグリッド関連の業務に参入していく機会をつくっていきたいというふうに考えてございます。  それから、ITERにつきましては、二十二年三月に研究棟が整備されまして、また、この三月十九日には、国内では二番目、世界でも五番目というすごい高速のスパコンが運用開始されるということになっておりまして、着々と整備のほうは進んでおります。ただ、BA活動については当初十年ということでございますので、これから後半の六年目に入るということもございます。したがいまして、将来の原型炉の誘致を念頭に置きながら、研究開発拠点の形成に向けた取り組みを今後強化していきたいなというふうに考えてございます。  それから、原子力につきましてでございます。原子力につきましては、プラントそのものは非常に高度な技術ということで、なかなか県内企業が参入する余地というのはないんですけれども、ただ、メンテナンス業務につきましては十分県内企業でもやっていけるというふうに考えてございます。  ただ、そこで問題になるのは、一つは、県内企業が残念ながら技術力がまだまだない企業が多いということ。したがいまして、県としては、今後とも、そうした企業に対しては、例えば現場で検証していただくというような形で技術力の強化に努めたいというふうに考えてございます。  また、せっかく技術力がありましても、例えば、どんなことをやれるのかというのがわからないという県内業者がおります。また逆に、発注側は、県内にどんな技術を持っている業者がいるのかということがわからないというふうなマッチングのミスがあるということがございますので、原子力の事業者、それから工事の発注業者、それに県内業者、これらの方々を一堂に集めたマッチングフェアというものを実施しております。おかげさまで、つい先日、三月四日になりますけれども、このマッチングフェアで出合った県内企業、それと県外企業の方々が一緒になって原子力施設の検査とか管理をやるメンテナンス業務、それを行うための会社を共同出資で設立したということが先日ございました。今後、こうした動きがほかのほうにもどんどん広がっていければいいなというふうに思っております。  ただ、原子力に関して言えば、付言いたしますけれども、あくまでも我々としては、安全性の確保というのが大前提でございます。さらに、原子力施設につきましては、国の原子力政策、エネルギー政策に沿う施設ということで我々立地に協力してきたということも、これもまたございます。そういったことを前提にしながら、我々としては原子力の産業振興について今後とも取り組んでまいりたいというふうに考えております。  これからも引き続き議員の皆様方の御協力をよろしくお願いしたいと思います。 88 ◯議長(高樋 憲) 会計管理者。 89 ◯会計管理者(木村正則) 財務事務の再質問にお答えいたします。  私どもの行っております支出の審査や指導、検査といった財務の審査指導事務は、一見地味な性格の事務ではございますが、各部局の知恵を絞った事業が無駄なく正確に執行されるよう側面から支える事務だと自負しております。また、事業の財源である税金を負担していただいている県民の目のかわりとなって支出を個別にチェックすることで県民に安心感を与えることもできるという事務でもあります。  このため、支出に関する審査や指導助言という出納部門に与えられた役割の目的を自覚して、どうしたらもっと全庁的に改善していけるのか、県民に安心を与えることができるのか、そういったことを常に考えながら、緊張感を持って職務に当たるよう指導しておりました。  新年度においても、出納部門に求められている時々の課題に組織全体で責任ある取り組みをして指導力の向上を図っていってほしいと思っておりますし、また、私どもは人財確保、人財強化に努めておりますので、必ずやそうしてくれるものと信じております。 90 ◯議長(高樋 憲) これをもって一般質問を終わります。    ──────────────────────       ◎ 本 会 議 休 会 提 議    ────────────────────── 91 ◯議長(高樋 憲) 本職から提議があります。  お諮りいたします。議案熟考のため、明九日は休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 92 ◯議長(高樋 憲) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  なお、三月十日及び十一日は、県の休日ですから休会であります。  以上をもって本日の議事は終了いたしました。  三月十二日は午前十時三十分から本会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。 午後四時四十四分散会 Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...