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平成23年第268回定例会(第4号) 名簿 開催日: 2011-12-02
平成23年第268回定例会(第4号)  本文 開催日: 2011-12-02

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  1. 青森県議会 2011-12-02
    平成23年第268回定例会(第4号)  本文 開催日: 2011-12-02


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(高樋 憲) ただいまより会議を開きます。    ──────────────────────       ◎ 一 般 質 問 継 続    ────────────────────── 2 ◯議長(高樋 憲) 一般質問を継続いたします。  三十八番越前陽悦議員の登壇を許可いたします。──越前議員。 3 ◯三十八番(越前陽悦) おはようございます。私は、自由民主党の越前陽悦でございます。  順次、質問通告に従い質問を行いますので、知事初め各部長におかれましては、具体的かつ明快なる御答弁を賜りますようお願いを申し上げ、質問に入ってまいります。  最初に、福島第一原子力発電所事故を踏まえた原子力防災対策についてお尋ねいたします。  まず第一点目として、原子力防災対策及び避難体制の充実強化についてであります。  去る三月十一日に発生いたしました東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故の発生と同時に、陸海空自衛隊を初め、海上保安庁、警察や消防団など、迅速かつ身を挺しての未曾有の原子力事故の復旧・復興に向け努力されてまいりました関係者の方々に対し、深甚なる謝意を表する次第であります。  発生から約九カ月がたとうとしている現在においても、いまだに収束に至らず、国からの具体的な復旧・復興の見通しが示されていないのはまことに遺憾であり、被災された多くの方々に対し心からのお見舞いを申し上げる次第であります。  被災地におきましては、周辺住民の避難生活が長期化するとともに、影響が広範囲に及び、国民、県民の不安は解消されていない現状であります。  従来から、国策として、安全を第一義に、地域振興を前提に原子力エネルギーの推進を図ってきた我が県といたしましては、今般の原子力災害の重大性にかんがみ、事故発生時にはまず事業者及び国が責任を持って適切に事故に対処することが当然と考えますが、とりわけ、東北電力株式会社東通原子力発電所を初めとする原子力施設が集中立地する我が県において、また、私が住む下北半島地域においては、県民の安全・安心のため原子力施設の安全性が確保されることはもちろんのこと、万が一の場合に備え、県民の生命と財産をいかに守るのかを示すことが大変重要であり、原子力施設の地域防災計画の見直し等に早急に取り組むことが求められておるところでありまして、その上に、原子力防災対策の充実強化についていかに迅速かつ具体的に取り組むかが喫緊の課題となっているところであります。  そこで質問でありますが、福島第一原子力発電所の事故を踏まえれば、原子力施設が集中立地する我が県においても原子力防災対策の充実強化は必須の課題であると私は考えますが、最初に、県の御所見をお願いいたします。  次に、国の防災指針の見直しに当たっては、今回の事故の教訓等を踏まえつつ、地方公共団体による地域防災計画の見直しが適切に行われることが重要であり、そのためには、国による防護区域や避難先、避難経路、避難手段などの避難、安定沃素剤の予防服用などの防護措置等に関する明確な基準を早急に示すことが当然の責務と考えるところであります。  そこで、質問であります。  現在の国の防災指針等の検討状況、県の地域防災計画(原子力編)の見直しに向けた取り組み状況及び今後のスケジュールについてお伺いいたします。  また、福島第一原子力発電所の事故のように大規模な地震、津波と原子力発電所の事故が複合的に発生した場合の大規模な住民避難に当たっては、下北地域の海岸線沿いの幹線道路では津波警報の発表に伴い通行どめになることなどを考慮すれば、陸路による避難道路だけではなく、海路や空路による避難を含めた総合的な避難体制の確保が必要不可欠であると考えるところであります。また、本県は、陸海空自衛隊が所在する唯一の県であります。このような条件を存分に生かしながら避難体制を構築していくことが重要な課題であります。  そこで、質問であります。
     大規模な地震、津波と原子力発電所の事故が複合的に発生した場合に備え、陸海空自衛隊が所在する青森県として、自衛隊を初めとする防災関係機関と連携した避難体制の確保に向けて今後どのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。  二点目として、被曝医療体制の整備についての質問であります。  万が一県内において原子力災害が発生した場合において、不幸にも原子力施設の作業員等が被曝するなどしていわゆる傷病者が発生した場合、いち早く医療機関へ搬送しなければならないわけであります。  先ほども申し上げましたが、青森県は、陸海空自衛隊の基地が所在する唯一の県であります。陸海空自衛隊や海上保安庁、警察などで所有するヘリコプターや県が所有する防災ヘリ、今般知事から二機目の導入が明示されたドクターヘリを利用するなど、関係機関が連携して傷病者の搬送に当たるべきであり、また、受け入れの医療機関の体制整備をしておくことが必要不可欠であります。  そこで質問でありますが、まず、万が一原子力施設から傷病者が発生した場合の搬送体制はどのようになっているのかお伺いをいたします。  また、本県の被曝医療体制の整備に向けた今後の取り組みについてもお伺いをいたします。  三点目は、防災対策重点地域の範囲拡大と県の対応についての質問であります。  先日新聞報道等でもありましたが、防災指針見直しの検討を行っている国の原子力安全委員会において、今回の福島の事故を踏まえ、原子力発電所におけるEPZ(防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲)の考えを見直し、UPZ(緊急時の防護措置を準備する区域)として改め、範囲をこれまでの十キロメートルから三十キロメートルへ拡大したとのことであります。  これに伴い、原子力災害時に適切な事故対応ができるよう、地方公共団体原子力防災対策を講じる上でさらに整備が必要となる防護服やサーベイメーター、線量計、安定沃素剤といった原子力防災資機材については国が責任を持って財政措置を行うべきでありますし、また、国においても防災資機材を整備並びに備蓄するなど、国として広域的な防災体制を整備することは非常に重要であると考えるところであります。  そこで質問でありますが、まず、原子力安全委員会において了承されたUPZ(緊急時の防護措置を準備する区域)などの考え方の概要と県の見解についてお伺いいたします。  また、防災対策を重点的に充実すべき地域が拡大されることによって防災資機材について追加整備が必要と考えますが、県の対応についてお伺いするものであります。  四点目といたしまして、緊急事態における応急対策拠点施設であるオフサイトセンターの整備についての質問であります。  今回の事故では、原子力災害時に国、県、市町村、事業者、自衛隊などの防災関係機関が一堂に会し緊急時の対応を検討するオフサイトセンターが、高放射線、通信の途絶等の理由により本来の機能を果たすことができなかったとされております。まことに残念であります。  県内におきましては、現在、六ヶ所オフサイトセンター東通オフサイトセンターがありますが、今後、私が住むむつ市にむつオフサイトセンター大間オフサイトセンターの整備が予定されております。  私は、原子力施設立地地域の代表として、むつと大間のオフサイトセンターは県民の安全・安心のため是が非でも整備しなければならない施設と認識しているところであり、国において、現在、オフサイトセンターのあり方や機能について検討していることを理由に整備事業が保留されていることは、まことに遺憾であります。  そこで質問でありますが、オフサイトセンターについては、そのあり方や機能などについて早急に見直しを行うとともに、計画どおり整備が行えるよう国に対し強く働きかけていくべきと考えますが、県の見解をお伺いいたします。  次に、今年三月十一日に発生いたしました東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所事故を踏まえて、県内の原子力関連施設において事故が発生したことを想定した原子力防災対策としての避難道路、避難経路の位置づけで、道路整備と早期完成に向けた県の取り組みについてお尋ねをいたします。  最初に、高規格道路の整備についての質問であります。  全国において、人口二十万人以上の都市が高規格道路で結ばれていないのは、唯一、我が県、本県の青森市と八戸市を結ぶ区間だけであります。まことに残念です。  主要幹線道路ネットワークは、地域間の交流と連携を支え、かつ、広域的な避難や物資の輸送など、防災機能の強化の観点からも非常に重要な社会基盤であります。  そこで、原子力関連施設が立地する下北地域と県内主要都市とのネットワーク幹線道路となる高規格道路の整備状況と今後の取り組みについてお伺いをいたします。  次に、下北半島縦貫道路については、現在、野辺地インターチェンジから野辺地北インターチェンジまでの約十三キロが供用開始され、平成二十四年度末には有戸北バイパスが完成すると伺っており、六ヶ所インターチェンジまでの約十九・五キロメートルの供用開始を予定して現在工事が進められているところでありますが、全線の早期完成に向けた今後の具体的な取り組みについてお伺いをいたします。  次に、むつ南バイパスについての質問であります。  全体計画では、平成十五年度に事業着手をし、総延長八千七百メートル区間を総事業費百二十二億円で整備する計画と伺っております。  平成二十二年度までに新田名部川橋の下部工が四基完成しており、平成二十三年度には、六億円の事業費により、改良工事、用地取得に取り組まれているところであります。  そこで、平成二十四年度の取り組みと早期完成に向けた今後の具体的な取り組みについてお伺いをいたします。  次に、国道二七九号全線の国直轄管理区間への編入についてでございますが、県は復興プランにおいて国への要望事項として取り組まれているところでありますが、早期の国直轄管理区間への編入に向けての取り組み状況と今後の具体的な取り組みについて、どのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。  次は、国道二七九号二枚橋バイパスについてでございます。  全体計画では、平成八年度に事業着手をいたし、総延長四千百メートル区間を総事業費五十三億三千万円で整備する計画で取り組まれておりますが、二枚橋一号橋の九十・七メートルは、平成十九年度に既に完成されておりまして、ハーモニー橋と名づけられておりますことは御案内のとおりであります。平成二十二年度までに、二号橋の百六十八メートルにつきましては下部工五基のうち四基が完成し、三号橋の七十八・五メートルについては三基のうち二基が完成しております。  そこで、早期完成に向けた今後の具体的な取り組みについてお伺いをいたします。  同じく国道二七九号むつ市大畑町釣屋浜地区は、急カーブでかつ道路が狭隘な箇所において事故が多発するなど、非常に危険な地域でございます。  県では、ドライバーや地域住民からの強い要望にこたえ、平成二十年度から、百十メートル区間において、国道二七九号橋梁架替事業として一億一千三百万円の予算を計上し取り組んでおりますが、早期完成に向けた具体的な取り組み状況についてお伺いするものであります。  次に、国道三三八号大湊二期バイパスについての質問であります。  これまで何度も機会あるごとに質問してまいりましたが、大湊水源池公園をまたぐ一千二百二十メートルの区間につきまして既に完成しておりますことは、皆様方の御尽力のたまものであり、敬意を表するところであります。  桜木町側の一工区約一キロメートルと大湊浜町側の二工区約二・六キロメートルの区間において、全体計画三千六百七十メートル、総事業費二十四億九千七百万円で、平成二十年度にようやく着手をして、平成二十二年度まで、用地測量、調査設計、一部用地取得にいよいよ取り組んできたところでございます。  本路線は、まさに、原子力船「むつ」が廃船になると同時に関根浜に移行した際、避難道路として着手された路線であります。今、「みらい」にかわった時代にあってもまだこの道路が完成されていないということは、地域住民一同、まことに遺憾に思っているところであります。  本路線は、まさに西通りの幹線道路として迂回路がない一本道路であることから、災害時の避難時においても多大なる支障を来すおそれがあることから、早期完成に向けた今後の具体的な取り組みについてお伺いをいたします。  次は、国道三三八号バイパスのむつ市役所向かい側に計画されているむつ警察署の新築に伴い、以前から提案をしてまいりましたが、むつ市役所が移転されたことにより従来にも増して交通渋滞が著しく、むつ警察署が新築されることによりさらに交通渋滞が予測されるところであります。  したがいまして、交通安全対策交通渋滞解消対策の観点から、将来を見据え、むつ警察署新築に合わせてバス停車帯を整備するべきと考えますが、整備計画についてお伺いをいたします。  国道三三八号白糠バイパスについての質問であります。  本事業については、昭和六十二年に、全体計画六千四百六十五メートル区間について総事業費八十五億円で整備することとして事業着手されてきたものであります。  これまで、一期工区三千八百三十メートルの白糠地区の道路橋梁工事がほぼ完成し、白糠─泊区間のトンネル工事がことし七月に貫通いたしました。県並びに関係者の並々ならぬ御尽力と御努力に対し心から敬意を表する次第であります。あわせて、地権者に対しても感謝を申し上げます。  そこで、一期工区の残工事と二期工区の老部地区における今後の具体的な取り組みについてお伺いをいたします。  次に、東北新幹線全線開業一周年を迎えた県の取り組みについてお尋ねいたします。  まず、観光キャンペーンの効果的な実施についてであります。  三月十一日に発生いたしました東日本大震災は、各地で甚大な被害をもたらしました。東北新幹線は震災直後から全線で不通となり、首都圏や東北各地との移動に大きな支障が生じました。  一方、JR東日本株式会社においては、被災地に一日も早く石油を届けるため、貨物列車が、首都圏の根岸駅から日本海側を通り、青森を経由して盛岡の盛岡貨物ターミナル駅まで運行されるなどの緊急輸送が行われたところであり、改めて、鉄道が地域振興に果たす役割がいかに甚大であるかということを感じた次第であり、JR東日本株式会社の多大なる御尽力と御努力に対し心から敬意を表するものであります。  さらに、本県においても、三村知事を初め関係者の御尽力と御努力により、青森港を活用し、函館から被災地に向けて物資輸送を円滑に行われたところであり、震災復旧に向けた積極果敢な取り組みを行ってまいりましたことに対し心からの感謝を申し上げる次第であります。  さて、JR東日本による懸命な復旧作業により、東北新幹線は四月二十九日より全線復旧し、新青森─東京間を約四時間での運転再開となりました。震災後の厳しい状況の中でありましたが、四月二十三日から七月二十二日まで、JR六社の協力のもと、青森県初の単独デスティネーションキャンペーンが予定どおり実施されたところであり、全国から集中的に誘客がなされたものと考えるところであります。  その後、東北新幹線は九月二十三日から通常ダイヤに戻り、利便性がぐんと高まり、交流人口の増加となったところであり、そして、来る明後日、十二月四日には、早いもので、開業以来、東北新幹線全線開業一周年を迎えるわけであります。まことにおめでたいことでございます。  昨日十二月一日から来年三月三十一日までの期間、東北新幹線新青森開業一周年キャンペーンが実施されます。冬期間でもあり、冬季観光による誘客も視野に入れたキャンペーンにしていくべきと私は考えるところであります。  そこで、質問でございます。  一点目として、県では、青森デスティネーションキャンペーンの成果をどのようにとらえ、また、今後の誘客促進に向けてどのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。  二点目として、東北新幹線新青森開業一周年キャンペーンの実施について、それぞれの駅を中心に、また地域等において一周年開業キャンペーン事業が計画されておりますが、県は具体的にどのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。  次に、県内周遊の促進に向けた鉄道の利便性についての質問であります。  観光客の誘客を図るためには新青森駅から県内周遊型観光を推進することが必要であり、そのためには、新青森から津軽方面や下北方面への新幹線からの接続の利便性向上が重要な課題となってまいります。そして、重要な課題として取り組んでいただいてまいりました。  JR東日本におかれましては、東北新幹線全線開業に合わせまして、ハイブリッドシステムを搭載した新型リゾート列車リゾートあすなろ」を津軽線と大湊線に導入していただき、県内周遊型観光の推進に大きな役割を果たしていることに対し深く感謝を申し上げる次第であります。大事なことは、いかにこの列車を利用して誘客を図るかということであります。  そこで、この東北新幹線新青森駅開業により、青森と東京の距離感がぐんと狭まり、利便性が高まった一方、旧東北本線が青い森鉄道になったことから、特にJR大湊線を利用されるお客様にとって青い森鉄道との乗り継ぎが上下線とも現在は不便であることから、改善を求める声が数多く出されているのであります。  しかしながら、一方では、直通便については、直通列車は非常に便利がいいと、また大変多くの称賛の言葉も聞かされているところであります。問題なのは、乗り継ぎするダイヤについての改善であります。今後、JR大湊線との接続利便性向上と利用者の増を図るためには、県としてJR東日本並びに青い森鉄道と協議を行うなど、早期改善に向けて取り組むことが大変重要であります。  また、JR大湊線においては、強風による運休が数多く発生しており、地域の利用者からは強風対策を早期に講じてほしいとの声が数多く寄せられておるところでございます。私といたしましても、JR大湊線の利便性の向上と利用者の増加を図るためには、JR大湊線の安定した運行が必要不可欠であると考えるところであります。  そこで、質問であります。  一点目として、新幹線駅から青い森鉄道線によるJR大湊線との接続利便性の向上のため、県は今後どのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。  二点目として、JR大湊線の安定運行を確保するためには強風対策が重要課題であり、今後どのように取り組んでいくのかお伺いするものであります。  まさに、観光振興が経済振興につながり、青森県の発展につながる、その思いからの質問であります。  次に、下北地域における漁港及び海岸の防災対策についてお伺いをいたします。  私は、青森県の主要産業である農林水産業の振興や地域の活性化を図る上で、その生産基盤である漁港・漁場の整備のほか、背後集落を災害から守り、漁業者の生活基盤である住居などの生命や財産を守るための防災対策が必要であると考えております。  下北地域では、平成十八年十月に発生した低気圧による暴風雨並びに高波・高潮により、大畑漁港、下風呂漁港、関根漁港などの防波堤が倒壊・破損するなど、被害額約七十八億円と多大な被害が発生いたしたことは記憶に新しいところであります。  災害発生時には、私も、現地漁業者から連絡を受け、いち早く現地に入り、調査をさせていただき、そしてまた、ごみ収集等に一緒になって参加をさせていただきました。きのうのごとく思い出されるところであります。  むつ市大畑町孫次郎間地区においては、今申しましたように、大量のごみ並びに木材等が飛来、堆積するとともに、背後の民家には海水の浸水被害が発生し、二枚橋地区の海岸沿い、背後の民家や他の沿岸においても大量の土砂やごみなどの堆積被害が発生したことから、地元関係者は、早急に対策を行う必要があると考え、直ちに県に対しともに要望活動を展開してきたところであります。  このことについては、県を初め漁業関係者など政官民総力を結集して早期の復旧を図った結果、平成二十年度までには災害復旧を完了し、各自治体並びに各漁業関係者から大変感謝されたところであり、県並びに国に対し心から敬意を表する次第であります。  また、県では、新たに、孫次郎間地区から二枚橋地区区間における海岸の暴風と高潮対策について、平成二十二年度から、大畑漁港海岸保全施設整備事業により、離岸堤及び人工リーフを計画したところであります。  事業内容の検討に当たっては、漁業者及び地域住民への説明会や住民参加によるワークショップを開催するなど、県が推進する環境公共に取り組みながら、地元の意見を反映した事業内容となっていると聞いているところであります。  そこで、災害から生命、財産を守るための大畑漁港海岸保全施設の整備事業の概要とこれまでの進捗状況、今後の具体的な取り組みについてお伺いいたします。  最後に、白糠漁港の整備状況について第一点お伺いするとともに、第二点は、漁船の安全航行を図るための沖防波堤の早期整備が求められておりますが、県の整備計画についてお伺いをいたします。  以上、壇上からの質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。 4 ◯議長(高樋 憲) 知事。 5 ◯知事(三村申吾) おはようございます。  きょうは新人研修をしておるんですが、越前議員の気迫に、新人の方々もみんな、おお、すごいなと思っていると思います。  それでは、越前議員にお答えいたします。  まず、原子力防災対策の充実強化についての考え方でございます。  東京電力福島第一原子力発電所の事故により、多くの方々が避難を余儀なくされ、避難生活が長期化しているほか、放出された放射性物質の影響は広範囲に及んでおり、原子力発電所核燃料サイクル施設が……(発言多し) 6 ◯議長(高樋 憲) 御静粛に願います。 7 ◯知事(三村申吾) ……立地する本県にとっても、県内原子力防災対策の充実強化は喫緊の課題であると受けとめております。  このため、専門家による青森県原子力防災対策検討委員会を設置しまして、今回の事故を踏まえた原子力防災対策の課題、県地域防災計画(原子力編)の見直し等についての検討を進め、年度内を目途として避難実施要領等を取りまとめることとしているところでございます。特に、下北地域における原子力災害時の避難のあり方等につきましては、地元の自治体や関係機関の参加によりますプロジェクトチームにおいて検討を進めているところでございます。  私としては、県民の安全・安心を守る立場から、国における防災指針等の見直し作業を注視しながら、本県の原子力防災対策の充実強化に適切かつ迅速に取り組んでいきます。  高規格道路の整備状況と今後の取り組みでございますが、このたびの東日本大震災では、被災地からの避難、緊急支援物資の輸送や災害復旧活動において、鉄道や港湾施設が機能しない中においていち早く復旧した道路こそが、まさに命の道としての役割を果たしたところでございます。  しかしながら、議員御指摘のとおり、本県では、青森市と八戸市あるいはむつ市などが高規格道路で結ばれていないなど、高規格道路ネットワークの形成がいまだ十分ではない状況でございます。  このことから、高規格道路の整備につきまして、復興プランにも位置づけ、県議会の皆様方を初め関係機関とともに国へ積極的な要望活動を展開してきました。  このうち、八戸・久慈自動車道につきましては、国の二十三年度第三次補正予算におきまして事業化が認められたところでございます。  また、下北半島縦貫道路とリンクいたします上北横断道路──いわゆる八戸と青森をつなぐ道ということになりますが、未着手区間でございました天間林道路の事業化に向けた手続に着手され、国の事業評価部会等で新規事業化を妥当とする答申がなされたところと伺っております。  幹線道路網等の整備は防災公共を推進していく上でも必要なものでありますから、県といたしましては、来年度予算における新規事業の確定に向けて、関係機関と連携を図りながら、引き続き国に強く働きかけていきます。  国道二七九の国直轄管理区間への編入に向けての動きであります。  原子力関連施設が多数立地いたします下北半島地域において、国道二七九号は、国策であるこれらのエネルギー拠点を支援し、国道四号と一体となって本州の大動脈を形成するとともに、地域資源を最大限に生かし、地域の自立的発展を図る上でも非常に重要な路線であると認識をいたします。  このため、県では、本路線の整備促進を図るべく、国直轄管理区間への編入について、これまでも重点施策として位置づけ、機会あるごとに国に対し訴えてきたところであります。  さらに、東日本大震災では、原子力災害時の避難・救援のため非常に重要な路線であることが再認識されましたことから、復興プランに位置づけ、要望活動を行っております。  私としては、国の動向を注視しながらも、今後とも、国道二七九号の路線としての重要性と国の関与の必要性について、地域の声として引き続き粘り強く訴えていきます。  青森デスティネーションキャンペーンの成果と今後の誘客の促進でありますが、東日本大震災による全国的な旅行自粛の広がりの中におきまして、私は、東北復興の先頭に立って頑張るという強い思いから、青森デスティネーションキャンペーンを日本の元気、そして東北の元気回復に向けたリーディングプロジェクトと位置づけ、予定どおり四月二十三日から実施いたしました。  また、JR東日本は、これにこたえ、議員お話しのとおり、四月二十九日から東北新幹線を再開通させたわけであります。私としても、清野社長以下JR東日本の皆様方に心から感謝する次第でございます。  さて、この青森DCの会期中には、中核イベントの「SL津軽路号」の運行やE5系「はやぶさ」を利用したりんごの花ツアー、リンゴやクロマツ等の復興植樹を組み込んだ新たなツアーなどにより本県への集中的な送客が図られ、六月には県内主要観光施設の入り込み数が前年並みに回復したところでありました。  さらに、青森DCを契機といたしまして、県内の各地域が主体となって千五百七十三の観光コンテンツをつくり上げ、また磨き上げ、そして、おもてなしの心の向上などの受け入れ体制の整備も進み、将来にわたり本県の観光力強化を図るための基礎が築かれたことも大きな成果であったと受けとめるところでございます。
     私は、これらの青森DCの成果を今後の誘客に結びつけていくため、開業一周年のタイミングを初め、今後も、あらゆる機会をとらえ、観光事業者や観光関係団体との緊密な連携のもと、国内外へ本県ならではの魅力を強力に発信し、切れ目のない誘客促進に取り組んでいきます。  私からは以上です。 8 ◯議長(高樋 憲) 行政改革・危機管理監。 9 ◯行政改革・危機管理監(小寺 謙) 大規模な地震、津波と原子力発電所の事故が複合的に発生した場合に備えての、自衛隊を初めとする防災関係機関と連携した避難体制の確保策についてお答えいたします。  県では、関係市町村や自衛隊など防災関係機関の参加を得て、原子力発電所の原子力災害時における避難のあり方検討プロジェクトチームを設置し、下北地域沿岸部の地域特性等を踏まえ、原子力災害時の避難経路や避難方法等について検討をしております。  原子力災害時には広域避難が必要となりますが、避難に当たっては、陸路による避難を基本とし、陸海空自衛隊などのヘリコプターや船舶などを活用した空路や海路による避難もあわせた総合的な避難体制を構築することが不可欠であると考えております。  このため、これまで、プロジェクトチームにおいて、地域の現状、課題の把握や避難に関する論点整理等を行い、あわせて、関係市町村や自衛隊などとともに、避難所や避難経路、ヘリポート候補地、港湾・漁港施設等の現地調査も実施してきたところでございます。  今後は、これらを踏まえ、引き続き陸路による避難経路の確保に向けた検討を行うとともに、陸海空自衛隊を初めとする防災関係機関の協力を得ながら、総合的な避難体制の構築に向けた取り組みを進めてまいります。 10 ◯議長(高樋 憲) 企画政策部長。 11 ◯企画政策部長(小山内豊彦) 御質問二点についてお答えいたします。  まず、新幹線駅から青い森鉄道線によるJR大湊線との接続利便性の向上のためどのように取り組んでいくのかについてでございます。  県では、東北新幹線全線開業に向け、県議会、青森県鉄道整備促進期成会等とともに、新幹線から下北方面へのリレー列車の整備・充実等をJR東日本に対し働きかけてきました。  その結果、昨年十二月の東北新幹線全線開業に伴い、八戸駅から青い森鉄道線を経由し大湊線へ直通する「快速しもきた」が一往復から二往復に増便されたほか、青い森鉄道線と大湊線を野辺地駅で乗り継ぐことにより、上り七本、下り四本が八戸駅で新幹線と接続しております。  また、新青森駅からは、観光客を主なターゲットに、新青森駅─大湊駅間を直通する「リゾートあすなろ下北」が観光シーズンや休日を中心に二往復の運転が開始されたほか、青森駅─大湊駅間を直通する「快速しもきた」二往復が運転されています。  県としては、新幹線駅から大湊線へのアクセス向上を図るためには、大湊線から青い森鉄道線への直通列車の増便、野辺地駅での円滑な接続が必要であると考えており、今年度も、県議会、青森県鉄道整備促進期成会と合同でJR東日本に対する要望活動を行ったところであり、引き続き、大湊線を運営するJR東日本に対し働きかけるとともに、野辺地駅での円滑な接続を図るため、接続する青い森鉄道とともに取り組んでまいります。  次に、JR大湊線の強風対策についてでございます。  JR東日本では、平成十七年度に発生した羽越本線の列車脱線事故を受け、風速計の増設、防風さくの設置、強風警報システムの導入拡大等の安全対策を実施しているところです。  大湊線では、JR東日本により、強風対策と利便性の両立を図るため、風速計の増設による速度規制の見直しが行われましたが、JR東日本では、大湊線が赤字路線であることや、防風さくが、東北新幹線全線開業に伴い運行を開始した「リゾートあすなろ下北」のセールスポイントであるところの車窓からの陸奥湾の景観を損なうとの懸念もあり、防風さく等設備の整備による抜本的な対策は実施せず、早目運転規制による安全対策にとどまっているため、運休が増加し、利便性が低下しております。  県としては、これまでも、県議会、青森県鉄道整備促進期成会と合同で、JR東日本に対し、運転見合わせとなった場合に、利用者に配慮した速やかな代替輸送の確保と周知を図るとともに、防風さくの設置等恒久的な対策を早急に実施するよう要望しているところであり、引き続き、JR東日本に対し、観光資源としての景観への配慮も踏まえながら、強風災害事故に備えた安全対策設備の整備と安定輸送による利便性向上の両立を粘り強く働きかけてまいります。 12 ◯議長(高樋 憲) 環境生活部長。 13 ◯環境生活部長(名古屋 淳) 原子力防災対策の御質問四点にお答えいたします。  まず、国の防災指針等の検討状況、県の地域防災計画の見直しに向けた取り組み状況についてです。  国の原子力安全委員会では防災指針の見直しに向けた検討を進めており、去る十一月十七日には、原子力発電所に係る防災対策を重点的に充実すべき地域の考え方について、これまでのEPZ(防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲)にかえて、PAZ(予防的防護措置を準備する区域)とUPZ(緊急時防護措置を準備する区域)を設定する基本的考え方を示したところでございます。  国では、引き続き、防災指針見直しに反映すべき事項の検討を行い、年度末を目途に中間取りまとめを行うとしております。  県としては、原子力防災の専門家などで構成される青森県原子力防災対策検討委員会において、広域避難を初めとした原子力防災対策の課題などについて検討を進め、国の防災指針、防災基本計画の改定後、地域防災計画(原子力編)を速やかに修正したいと考えております。  また、年度末までには、災害時に的確かつ迅速に避難対策を実施できるよう、市町村が避難計画を作成する際の手引きとなる避難実施要領を作成することとしてございます。  次に、UPZの考え方についてです。  去る十一月十七日に原子力安全委員会において了承されました原子力発電所に係る防災対策を重点的に充実すべき地域に関する考え方につきましては、これまでのEPZの考え方にかえまして、急速に進展する事故などを考慮し直ちに避難を実施するなど、放射性物質の環境への放出前に避難などの予防的防護措置を準備する区域として、おおむね五キロメートル圏内を目安とするPAZ(予防的防護措置を準備する区域)を設定するとともに、環境モニタリングなどの結果を踏まえ、避難、屋内退避、安定沃素剤の予防服用などを準備する区域として、おおむね三十キロメートル圏内を目安とするUPZ(緊急時防護措置を準備する区域)を設定することとしたことが主な内容となってございます。  今回国において一定の整理がなされた防災対策を重点的に充実すべき地域につきましては、今後検討される防護対策の判断基準などとともに防災指針の見直しに反映されるものと考えておりますが、県としては、国の検討状況等を踏まえながら、青森県原子力防災対策検討委員会において必要な検討を行うなど、原子力防災対策の充実強化に向けた取り組みを進めてまいります。  次に、防災資機材の追加整備が必要という問いに対してでございます。  県としましては、防災対策を重点的に充実すべき地域が拡大されることに伴い、必要となる防災資機材などの追加整備につきましては、地方自治体への財政支援を含め、国が責任を持って行うよう国に対し要望しているところでありまして、引き続き、原子力防災対策の充実強化に向けて適切に対応してまいります。  最後に、オフサイトセンターの整備についてでございます。  福島第一原子力発電所の事故では、オフサイトセンターが高放射線、通信の途絶などにより本来の機能を果たすことができなかったことから、現在、国において、オフサイトセンターのあり方などを含め、防災指針の改定に向けた検討が進められております。  県としては、国に対し、これまでも、原子力施設などの立地自治体で構成いたします原子力発電関係団体協議会等を通じ、オフサイトセンターのあり方等について早急に見直しを行うとともに、オフサイトセンター等災害対応施設の機能を強化するよう要望してきたところでございます。  今後とも、国の動向等を注視しつつ、地元自治体の意向なども踏まえながら、オフサイトセンターの整備、機能強化について国に働きかけるなど、適切に対応してまいります。  以上です。 14 ◯議長(高樋 憲) 健康福祉部長。 15 ◯健康福祉部長(江浪武志) 被曝医療に関する御質問二点についてお答えいたします。  まず、原子力施設から傷病者が発生した場合の搬送体制についてでございます。  県では、平成二十二年三月に青森県緊急被ばく医療に係る搬送実施要領を策定し、原子力施設などにおいて治療が必要な汚染を伴った傷病者が発生した場合の搬送体制を定めております。  この中で、傷病者の搬送手段については、原則として、汚染拡大防止措置を講じた救急車両で搬送することとしております。なお、傷病者の状態などから緊急搬送の必要がある場合には、県防災航空隊、陸海空の自衛隊、海上保安部などのヘリコプターを活用するなど、関係機関が連携して行うこととしておりますが、救急車両以外の搬送手段については、必要な汚染拡大防止措置に関する運用基準などがないことから、国に対して早期の設定を要望してきたところでございます。  今般の東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、国においても緊急被曝医療に関する課題について検討を行っており、その中でも、汚染を伴った傷病者の搬送や傷病者が多数発生した場合への対応などが問題点として挙げられております。  県といたしましては、これらの検討結果を踏まえ、青森県緊急被ばく医療対策専門部会や搬送機関など関係機関と協議しながら、搬送体制も含めた緊急被曝医療体制の充実強化に努めていきたいというふうに考えております。  次に、本県の被曝医療体制の整備に向けた今後の取り組みについてでございます。  原子力災害時の医療体制は、国で示した指針を参考といたしまして、青森県地域防災計画(原子力編)に基づく青森県緊急被ばく医療マニュアルで定めておりますが、その内容は、地域の住民の方などを対象としたスクリーニングや健康相談などを行う初期被曝医療協力支援機関、救護所活動対応機関、地域における住民対応機関のほか、原子力施設で発生した傷病者などの汚染や被曝の状況に応じた診療を行う初期・二次・三次被曝医療機関と、多くの関係機関から成っております。  この中で、被曝などによる傷病者に対応する中心的な機関は、初期被曝医療機関である青森労災病院、むつ総合病院、十和田市立中央病院、二次被曝医療機関である青森県立中央病院、八戸市立市民病院、青森県三次被曝医療機関である弘前大学医学部附属病院、東日本ブロックの三次被曝医療機関に位置づけられております千葉県の放射線医学総合研究所としております。  県では、県内各被曝医療機関などに対し、必要な資機材の整備や医療関係者の研修への派遣などにより、被曝医療体制の維持向上を図ってきたところでございます。  現在、県では、緊急被曝医療体制の抜本的な見直しに向けた準備に着手をしているところでございまして、今後、国や本県におきます防災指針などの検討結果などを踏まえ、青森県緊急被ばく医療対策専門部会などにおいて適切に見直しをしていきたいというふうに考えております。 16 ◯議長(高樋 憲) 農林水産部長。 17 ◯農林水産部長(渋谷義仁) 下北地域における漁港及び海岸の防災対策に関する御質問三点についてお答えいたします。  最初に、大畑漁港海岸保全施設整備事業についてであります。  本事業は平成二十二年度から平成二十六年度までの五カ年の計画で進めており、平成二十二年度と平成二十三年度においては、離岸堤や人工リーフのブロック製作を行っているところでございます。  今後は、これらブロックの据えつけなど海上工事を実施し、早期の事業完了に向け取り組んでいきたいと考えております。  次に、東通村の白糠漁港施設の整備状況についてであります。  白糠漁港は、下北地域の太平洋沿岸における拠点漁港であり、緊急時の避難港として県が管理する第四種漁港に指定され、平成十四年度からスタートした国の漁港漁場整備長期計画に基づいて継続して整備しているところでございます。  これまでの整備状況は、漁港の出入り口の防波堤や護岸、船揚げ場については既に完成するとともに、漁船の停泊地のしゅんせつが完了しており、現在は、新たな漁船係留場所を確保するための防波堤や岸壁、用地を整備しているところでございます。  最後に、白糠漁港の沖防波堤の整備計画についてでございます。  白糠漁港の沖防波堤については、天気が荒れているときでも漁船が安全に航行・係留できることを目的に計画しているものでございますが、現状では漁船の停泊地が狭いことから、白糠漁業協同組合との調整により現在は係留場所の確保を最優先に整備を進めているところであり、沖防波堤についてはその後着手することとしておりました。  しかしながら、東日本大震災の発生を受け、国の平成二十三年度第三次補正予算において、通常の波浪だけでなく、漁港における防災・減災対策や津波にも対応した漁港施設の復興対策費が盛り込まれたことから、県としては、この事業を活用し、沖防波堤を早期に整備することとして、本議会に所要の予算を計上し、御審議をいただいているところでございます。  以上でございます。 18 ◯議長(高樋 憲) 県土整備部長。 19 ◯県土整備部長(大澤健治) 御質問七点についてお答えいたします。  まず、下北半島縦貫道路の全線完成に向けた取り組みについてです。  下北半島縦貫道路については、下北半島地域の振興や本県の主要幹線道路ネットワーク形成にとって極めて重要であると考え、これまで、県が事業主体となり、重点的に予算配分をして整備に努めてまいりました。  しかしながら、今後も公共事業予算の縮小傾向が続くことが予想されることなどから、全線完成のめどが立っていないのが現状でございます。  このため、県では、全線完成のめどをつけるには、国においても直轄事業として新規着手し、それぞれの役割を分担することが必要不可欠と考え、関係機関と連携しながら、国による事業着手について強く国に働きかけております。  また、有戸北バイパスにつきましては、国の第三次補正予算において四億円の事業費が計上されたことから、平成二十四年度中の完成・供用がより確実なものとなっております。  今後も、下北半島縦貫道路の全線完成に向けた国による事業着手につきましては、最重要課題として、より一層強く国に働きかけてまいります。  次に、むつ南バイパスの平成二十四年度の取り組みと今後の取り組みについてでございます。  むつ南バイパス九・二キロメートルについては、平成十五年度に新規着手し、これまで用地取得を重点的に実施してまいりました。  この結果、九月現在、約九割の用地取得が完了しております。  しかしながら、共有地等の問題により用地取得が困難な箇所もございます。このため、関係される方々と任意交渉を進めるとともに、むつ南バイパス道路改築事業についての事業認定に向けた調整を来年度行う予定としております。  必要な用地が確保された工区につきましては、改良工事をこれまで以上に促進するとともに、一日も早い用地取得に向けて関係者の皆様の御協力をお願いしたいと考えております。  国道二百七十九号二枚橋バイパスについてでございます。  国道二百七十九号むつ市大畑町地区の二枚橋バイパス延長四・一キロメートルにつきましては、これまでに延長約一・五キロメートルを供用したところでございます。  今年度は、改良工事を進めるとともに、用地取得を促進することとしております。  今後は、難航している共有地等の用地取得について、地元の皆様の御協力を得ながら進めてまいります。  次に、国道二百七十九号釣屋浜地区についてでございます。  国道二百七十九号むつ市大畑町釣屋浜地区では、釣屋浜橋及び鳴海橋の二橋の老朽化が著しいこと、また、道路幅員が前後に比べ狭く、急カーブとなっており、冬期におけるスリップ事故の危険性があったことから、平成二十年度に事業に着手し、現在、河川のつけかえ、橋梁二橋の撤去、道路の拡幅工事を実施しておりまして、今年度末には完成・供用する予定となっております。  次に、国道三百三十八号大湊二期バイパスについてでございます。  国道三百三十八号のむつ市桜木町から大湊浜町間延長約四・九キロメートルのうち大湊二期バイパス延長約三・七キロメートルにつきましては、現在、鋭意用地取得を進めているところでございます。  今後とも、早期に埋蔵文化財発掘調査や工事着手ができるよう、地元の皆様の御協力を得ながら用地取得に努めてまいります。  次に、むつ警察署新築計画に合わせたバス停車帯の整備についてでございます。  国道三百三十八号沿いのむつ市役所向かい側に、現在、むつ警察署の新築工事が行われております。  むつ市では、来訪者の利便性確保や交通渋滞の緩和、交通安全の確保等を図ることを目的に、地元町会や関係機関で構成するむつ市役所・むつ警察署の移転に伴う来訪者利便性確保等検討会議を設置し、これまで検討を重ねてきております。  この会議で、警察署側のバス停車帯については、警察署の計画が明確になり次第、設置の方向で協議するとされたところです。  県としては、警察署移転に伴い、来訪車両やバス利用者の増加が見込まれることから、バス停車帯を含む交通安全・渋滞対策について、今後、地元むつ市やバス会社、むつ警察署などの関係機関と連携を図りながら、必要な対策を行う予定としております。  最後に、国道三百三十八号白糠バイパスについてでございます。  国道三百三十八号白糠バイパス延長約六・五キロメートルにつきましては、一期工区延長約三・八キロメートルについて整備を進め、今年度、泊・白糠トンネル本体が貫通したところでございます。  引き続き、設備等のトンネル工事の進捗を図るとともに、平成二十四年度の供用を目標に改良工事等の促進を図ることとしております。  また、未着工区間であります二期工区延長約二・七キロメートルにつきましては、早期に工事着手できるよう、地元の皆様の御協力を得ながら用地取得に努めてまいります。  以上でございます。 20 ◯議長(高樋 憲) 観光国際戦略局長。 21 ◯観光国際戦略局長(馬場良夫) 東北新幹線新青森開業一周年キャンペーンの具体的な取り組みについてお答え申し上げます。  県では、開業一周年を契機とした誘客強化を図るため、昨日から来年三月までの四カ月間、JR東日本や青森県観光連盟と連携いたしまして、東北新幹線新青森開業一周年キャンペーンを実施しているところでございます。  具体的には、JR東日本が本県を重点販売地域に指定いたしまして、「ようこそ、冬のあおもりへ」をキャッチコピーに本県への集中送客を図るのに合わせまして、首都圏のターミナル駅を初めとするJR東日本管内の主要駅等へポスター三千二百枚を掲出しているほか、観光ガイドブック「あおもり紀行」を五十万部作成し、県内外に配付しているところでございます。  また、十一月十一日から十三日まで仙台駅でイベントを実施したのに続きまして、十二月十六日から十八日まで、大宮駅におきまして、観光PRや郷土芸能の披露、特産品の販売などを行いますほか、県内におきましても、各新幹線駅や弘前駅、アスパムなどで記念イベントやお出迎えなど、おもてなしを実施することとしております。  さらに、首都圏キー局のテレビ番組や旅行雑誌など各種媒体を活用し、食、温泉、自然、イベントなど本県の冬季観光の魅力について強力に情報発信していくこととしてございます。  県といたしましては、開業一周年というチャンスを生かし、市町村や関係団体と一層の連携を図りながらキャンペーンを推進いたしまして、本県への誘客促進に努めてまいります。 22 ◯議長(高樋 憲) 越前議員。
    23 ◯三十八番(越前陽悦) ただいま、知事初め各部長から大変丁寧な御答弁をいただき、感謝を申し上げます。  そこで、若干でありますが、再質問をさせていただきたいと思います。  まず、原子力防災対策についてでございますが、先ほど申しましたように、今、国が防災指針の見直しを行って、それを受けての県での防災計画の見直し、そしてまた各市町村においても防災計画が見直しされていくわけでありますが、いずれにいたしましても、この中で大事なことは、言うまでもなく、陸路による避難のあり方、そしてまた、陸路がどうしても使えないというふうな状況が生じた場合の海路、空路での避難のあり方ということに対して──今中間報告の内容を見ましたけれども、それはまだ中間ですから具体的になっていないわけでありまして、それらをいかに今後具体化していくかということがまさに見直しの中で行われていくんだろうというふうに思うわけであります。  私からこの見直しに当たりまして特に意見を申し上げたいのは、例えば、道路が陥没する、橋梁が決壊することで道路が使えなくなったというふうな場合、どうしても海路、空路で避難せざるを得ない状況になるわけであります。その際に、先ほども言ったように、陸海空自衛隊を初めとして海上保安庁や警察等の所有するヘリコプター等々も含めながらいかに避難をするかということでありますが、海上においては、海上自衛隊──私の地元にあります海上自衛隊ですね、大湊自衛隊が所有するいわゆる護衛艦──基本的には国防が任務でありますから、いつ起きるかわからない地震災害とかのためにすべてがいつも定係港に着岸しているということにはならないわけでありますけれども、例えば、今、護衛艦が所属している中で、大湊地方隊では、四千六百五十トンクラスの船が「すずなみ」、「まきなみ」の二隻ございます。三千五百五十トンクラスの船は、「はまぎり」、「せとぎり」というのが二隻ございます。二千トンクラスの船の「じんつう」、「おおよど」、「ちくま」等々を入れますと、八隻ほど──避難のために使う船ということですね、使える船、活用すべきだなという船でございますが、そういう船、また、これ一隻について約四百人から六百人が乗れる──住民を避難させることができる、避難するために乗船ができるということであります。  したがって、今言ったように国防の任務が第一でありますからいつもこれを使えるということでないんでありますが、例えば、最大限三隻使えるとすれば、四百人から六百人乗れるんでありますから、千二百人から千六百人は乗って避難ができるということです。  大事なことは、それに乗ってどこに避難させるか。その先、青森に避難させるのか、津軽半島に避難させるのかというふうな、避難の仕方、避難の先──避難場所、まさにそういうことも踏まえてこれから検討していただきたい──検討の中に踏み込んでやっていただきたいなというふうに思っております。  それから、空路についても、県内に所在する陸海空の自衛隊で所有するヘリコプターは何機あって、何人ぐらいこれに乗れるのか──皆、大きさが違って、乗れる範囲が全部違いますので、やっぱり、これらもきちんと把握した上で、連携をとって、活用できる範囲はどこまでなのかということも踏まえて防災計画見直しに当たっては取り組んでいただきたいということ。  これらについて、私は具体的な検討課題として取り組んでいただきたいと考えますが、この点について再度考え方をお伺いいたします。  なお、陸海空自衛隊を初めとする防災関係機関の輸送能力を活用した具体的な避難方法を早期に確立すべきだというふうに私は考えておりますが、今申しましたように、今後どのようにこれをさらに深めていくのかということもあわせてお尋ねいたします。  次に、西通りでいわゆる陸上交通が困難になった場合、船で逃げるといったときに、最大限脇野沢までは避難できた。その先どういう形で避難するのか。  例えばこういう一例がございますが、その際に、現在運航されている蟹田─脇野沢フェリー、そして青森─脇野沢─佐井を運航している高速艇「ほくと」、そしてまた大間では大間─函館フェリー、これらも具体的に活用できるのかどうかを含めて位置づけていく必要があるのではないか。そういう総合的な取り組みというものが大変重要であるというふうに考えますので、これらについてもひとつお取り組みを願いたい。この点についても検討すべきだということで、ひとつこの点は強く要望しておきたいと思います。  次は道路についてでありますが、防災の観点から、やはり何と申しましても、これは、高規格道路並びに下北縦貫道路、そしてまた、国道二七九号の国直轄管理での位置づけでの整備促進、国道三三八号バイパスについても全く同様であります。  いずれにいたしましても、原子力施設立地地域でありますから、これは、三月十一日以前は──原子力事故が起きる前は、ある面では、一般道路として整備促進がおくれているということに対しても──これでもまだ納得できない状況にあったわけでありますけれども、三月十一日の地震災害発生後におきましては考え方が一変いたしました。今のままではもう耐え切れない、早期に完成だということで、やはり、私は、防災の観点から避難道路としての位置づけを図って整備の促進を図るということが当然だということから、この青森県における原子力行政の原点であるべきであるし、そのためには促進を図っていくべきだということから、三村知事におかれましては、道路の整備については命がけで決意を持って取り組んでいただきたいというふうに考えるわけでありますが、改めて知事の取り組む決意についてお伺いしたい。  あと、大畑の高波・高潮対策については、今、積極的に、具体的に取り組まれております。やはり、海岸沿いでありますから、高波、高潮、津波等には一番被害を受けやすい地域でありますし、沿岸地域はもちろんそうでありますので、これらにつきましては、ひとつ計画どおり完成に向けて取り組んでいただくように要望しておきます。  そしてまた、釣屋浜地区の急カーブは本当に狭隘です。大変危険なところです。事故が多発しております。ただいまの県土整備部長の答弁では、二十三年度末には完成を目指して今取り組んでいるということでありますから、これも予定どおり二十三年度末には完成できるように、そしてまた、何よりも、交通事故が防止できるということに対して、大変ありがたい事業であるというふうに私は考えております。どうか、引き続き完成に向かって取り組んでいただきますように強く要望しておきます。  最後になりますが、開業一周年キャンペーン記念事業であります。  やはり、滞在型から周遊型、周遊型から滞在型というふうにしっかりと位置づけた観光振興をやっていくことが、これからの経済振興につながり、青森県の発展につながると私は確信をいたしております。  そういう意味で、観光客の受け入れ体制づくりも大変重要な課題です。この点につきまして、いかに取り組んでいくかということを再度伺っておきたいと思います。  以上、質問と要望を含めて再質問とさせていただきます。 24 ◯議長(高樋 憲) 知事。 25 ◯知事(三村申吾) 越前議員の再質問にお答えいたします。  先ほども担当部長のほうからお話しさせていただきましたが、現在、関係市町村、関係機関で構成します青森県原子力発電所の原子力災害時における避難のあり方検討プロジェクトチームにおきまして原子力災害時の避難のあり方を検討しているところでございます。原子力事故を想定した避難路としての道路整備につきましてもこの中で検討されるべきと思っておりますが、これらの結果を踏まえまして、下北半島地域の道路整備につきましては今後とも着実に進めてまいります。用地等の御協力を心からお願いします。  以上です。 26 ◯議長(高樋 憲) 行政改革・危機管理監。 27 ◯行政改革・危機管理監(小寺 謙) プロジェクトチームの今後の検討に当たっては防災関係機関とよく連携をとって検討を深めるべき、また、防災関係機関の輸送能力を活用した具体的な避難方策を早期に確立すべきとの再質問にあわせてお答えいたします。  災害時における大規模な住民避難を視野に入れ、陸路による避難だけでなく、空路や海路による避難もあわせた総合的な避難体制を速やかに構築することは極めて重要であると考えております。  陸海空自衛隊等の船舶やヘリコプター等を活用した海路や空路による避難につきましては、まず、基本的な認識として、気象条件や輸送能力等の面で一定の制約があり、また、災害時に本県で活動できる船舶等の数は全国的な活動状況により変動するため、平時から輸送能力を数値化して把握するには一定の限界がございます。  しかしながら、万が一の事態に備えた総合的な避難体制の構築に向けまして、平時から関係機関の間で認識を共有し、連携を密にすることは不可欠でございます。プロジェクトチームでは、海上自衛隊大湊地方隊所属の護衛艦や航空自衛隊三沢基地所属のヘリコプターの輸送能力につきまして、仮定を置いての機械的な計算ではありますけれども、具体的なイメージをつかみつつ、海路による避難の場合に利用が想定される漁港、港湾の施設や、空路による避難の場合にヘリポートとなり得る小・中学校のグラウンド等の洗い出しを行っております。  今後とも、陸海空自衛隊を初めとする防災関係機関との連携を密にし、協力を得ながら、総合的な避難体制の構築に向けた取り組みを進めてまいります。 28 ◯議長(高樋 憲) 観光国際戦略局長。 29 ◯観光国際戦略局長(馬場良夫) 滞在型観光、周遊型観光の推進と受け入れ体制の強化ということについての再質問にお答えいたします。  議員御指摘のとおり、滞在型観光、周遊型観光の推進は、東北新幹線全線開業の効果を持続的に獲得していく上で極めて重要であると認識しております。  このため、十和田湖、白神山地など認知度の高い観光スポットや青森駅周辺のワ・ラッセ、A-FACTORYなどの新しい観光スポットに加えまして、各地域の自然、歴史・文化、祭り、食、さらには先般知事がプロモーションいたしましたいやしスポットなど本県ならではの観光コンテンツを磨き上げ、それらを効果的に組み合わせるとともに、例えば、ぐるりんしもきた観光ルートバスなどの観光客向けの二次交通を十分に生かし、観光客にも喜んでいただけるような観光コースを提案していく必要があると考えているところでございます。  このため、県では、各地域県民局と地域の方々との連携によります新たな魅力創出に向けた取り組みを引き続き積極的に展開していきますとともに、アドバイザーの派遣、モニターツアーや旅行エージェント視察等による観光コンテンツの磨き上げの支援、そして、魅力ある観光地づくりを実践していく人材の育成などを通じまして、多様化する観光客のニーズに合った観光コースの設定・充実、そして受け入れ体制の強化を図り、滞在型・周遊型観光を推進してまいります。 30 ◯議長(高樋 憲) 午さんのため、暫時休憩いたします。 午前十一時四十九分休憩    ────────────────────── 午後一時再開 31 ◯副議長(相川正光) 休憩前に引き続いて会議を開きます。  一般質問を続行いたします。  二十番渋谷哲一議員の登壇を許可いたします。──渋谷議員。 32 ◯二十番(渋谷哲一) 民主党会派、渋谷哲一と申します。  通告に従いまして一般質問を行わせていただきます。  まず初めに、低炭素型社会の実現に向けた取り組みについてお伺いいたします。  福島第一原発事故は、私たちに国のあり方を再考させる機会となりました。本県として、県民に対し、どのような故郷、生活を築いていくのかを示していかなくてはならないのではないでしょうか。子供たちに豊かな自然や安全・安心な暮らし、環境を残していく責任があります。  青森市は三十万都市として世界最大の豪雪地帯だと、前青森市長は事あるごとに話しておりました。しかし、市民は際限なく降り続く雪に頭を抱えているのが実情であり、市の除雪対策は、他の都市と何ら変わらない一般的なものであります。そればかりか、排雪する雪にはさまざまなごみが含まれており、そのまま大量に海に捨てられているのが現状です。  陸奥湾は、本県の水産資源の宝庫であり、安全・安心を追求する食産業の中心でもあります。その海に、このままごみが含まれる雪を捨て続けるべきではありません。  これに関して、予算委員会において、積寒地域道路事業費、雪対策についての私の質問に対して、国、市町村と連携した雪捨て場の確保など、環境に配慮した除排雪に順次取り組むとの答弁がありました。  そこで、青森市内の道路排雪において海への投雪量を減らす取り組みの状況についてお伺いいたします。  また、今後の見通しと、国や青森市との連携の状況についてもお伺いいたします。  次に、青森県低炭素型ものづくり産業振興指針についてお尋ねいたします。  本県の産業は非常に厳しい状況にあります。有効求人倍率は何十年も全国最下位レベル、人口は毎年一万人以上のスピードで減り続けております。  この状況下、三村県政は、エネルギーと環境を青森力アップのための柱の一つとしております。積極的に低炭素型ものづくり産業を本県次世代産業の柱と位置づけ、育成し、雇用創出を図っていかなくてはなりません。  まず、指針策定の趣旨についてお伺いいたします。  また、今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  国は、これから、再生可能エネルギーによる電力の買い取り制度を導入いたします。地球温暖化防止対策、そしてエネルギーの自立の観点からも、本県としても自然エネルギーを積極的に導入していくべきであります。  青森県は、核燃サイクルシステムや蓄電池併設型風力発電、太陽光発電、スマートグリッド、そして核融合の研究と、エネルギーシステムの最先端地であります。国がエネルギーのあり方を根本から見直そうとする今、青森県が国の取り組みを先導する気概を持って進めていかなくてはなりません。特に風力発電は、世界規模で広がり始めております。  そこで、風力発電の導入推進について、県の基本的な考え方をお伺いいたします。  また、風力発電の導入推進に当たっての課題と県の対応についてお伺いいたします。  次に、青森空港の管理運営と利用促進についてお伺いいたします。  さきの議会で青森空港における管理運営費が課題となり、偶然ということでしたが、ちょうど赤字分と除雪関連経費が重なりました。経費の多くを占める除雪関連費を削減しなくては青森空港の赤字を削減することはできません。特に、凍結防止剤購入費と除雪委託料が削減のポイントであります。安全を守りながらこれらをいかに削減していくかが問われるところであります。徹底した経費削減が、税金投入を最低限に抑えるために必要です。  除雪関連経費について、その内容と今後のコスト削減方策に向けた取り組みについてお伺いいたします。  一方で、新幹線というライバルが誕生した今、航空機の利用者をどのようにふやしていくかという知恵が必要です。まずは、これまで飛行機を余り使っていない方々が気軽に使っていただけるような取り組みが必要です。  総務企画委員会の県外調査で広島空港を訪れました。年に一度、ひろしま空の日ふれあい秋まつりが開催され、市街地から距離があるにもかかわらず、約三万人の県民がさまざまなイベントを楽しんでいます。また、能登空港でも四年間でイベントに十六万人以上の参加があり、にぎわっております。  青森空港施設の利活用の現状と今後の取り組みについてお伺いいたします。  航空路線は、海外や遠隔地と本県とを直接結ぶ交流手段として、また、外貨獲得、交流人口の拡大、本県の経済活性化に欠くことのできないものであります。国内航空路線については、青森空港に就航する羽田、伊丹、札幌の各路線において、使用機材が小型化されているためか、実際、利用に当たり、曜日や時間帯によっては予約がとりづらく、需要の取りこぼしがあると思われます。機材の大型化、増便がぜひ必要であります。  青森─名古屋線については、七月からフジドリームエアラインズが運航を開始し、現在一日一往復しておりますが、日本航空が運航していたときは、一日二往復で、年間十一万人が利用していたと聞いております。日本航空が運航していたときのように一日二往復は最低限必要と思われます。  国際航空路線については、三月十一日に発生した東日本大震災の影響で、唯一の国際定期路線である青森─ソウル便が三月二十三日より運休し、国際チャーター便も激減しました。青森─ソウル便は、ようやく十月三十日から週三便で運航再開しましたが、国際チャーター便も含めた運航の拡大が必要であり、青森空港の路線充実は、利用者増、本県の経済、文化、観光等の振興にとってプラスになるとともに、ひいては空港の収支改善にもつながるものと思います。  そこで、県は青森空港の利用拡大に向けてどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  次に、国際交流の今後の進め方について質問いたします。  毎年、青森県も海外との交流事業を行っております。特に、米国メーン州を初め、何カ国かと友好提携を結んでおります。  しかし、近年これらの交流事業が低迷しているようであり、交流のあり方、意義を見直す時期に来ているのではないかと思います。幾ら友好提携をしても、経済交流など具体的な事業がなければ交流が深まっていかないのが実情であります。  以前、スウェーデンのストックホルムから西に位置するカールスタッド市を訪れ、商工会議所の理事長と話し合いを持つことができました。その席上、理事長が強調していたのは、具体的な事業、特にビジネスをベースにした交流がなければなかなか進んでいかないということでした。交流を意義あるものにするためには具体的なテーマと事業が必要です。  まず第一に、今年度実施したアメリカ・メーン州との交流事業の概要と成果をお伺いいたします。  今後、メーン州との交流については県はどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  次に、東アジアへの観光・物産戦略についてお尋ねいたします。  大震災以来、海外からの観光客が激減しております。知事のトップセールスや海外旅行会社の招致などさまざまな取り組みを行っておりますが、いまだに効果が出ていないのが実情であります。  津波や福島の原発事故により、かつてのチェルノブイリやスリーマイル事故に匹敵する厳しい評価であります。青森県だけではできないことも、東北全体で協力していけば、新たな可能性が広がってきます。これまでの本県の戦略を切りかえ、あくまでも東北全体で考えるときではないでしょうか。  AKB48やSMAPも被災地でボランティア活動を行っています。東北全体で取り組んでいけば、アジアで人気のある方々の協力を得ての事業展開も可能になるのではないでしょうか。  東アジアからの観光客を誘致するためには、東北各県、隣接県との連携が有効と考えますが、県の取り組みについてお伺いします。  同時に、東アジアとの海外ビジネスに取り組む県内企業に対して県はどのような支援を行っているのかお伺いいたします。  次に、外国語教育の推進についてお伺いいたします。  国では、国民の語学力の重要性を認識し、新たに小学校五年生から外国語活動を推進していくことになりました。  さきに述べたとおり、ビジネス交流も国際交流を強力に推進する重要な要素ですが、私は、外国語を中心とした海外での交流事業は、本県の子供たちの将来への力となる教育だと思います。異文化に接し、環境の違う子供たちと触れ合うことが必ず我が国の子供たちの糧となると確信いたしております。  県教育委員会では高校生によるメーン州との国際交流事業を行っているが、この中でどのように外国語教育に取り組んでいるのかお伺いいたします。  外国語の教育とともに、実体験は、子供たちにとって必要不可欠なものです。よく、英語を学ぶ前に国語をしっかり学ばせるべきだとの意見は聞きます。しかし、私は、英語は数学と同じではないかと訴えております。数学や音楽は、世界標準のコミュニケーションツールです。言葉が違っても、世界各国の方々と思いを共有できるのです。そして、現在、英語は、まさに世界標準のコミュニケーションツールなのであります。  青森県の子供たちに、世界の人々とコミュニケーションがとれる英語を身につけさせるべきです。そのためには実践あるのみです。海外に出る機会を与え、みずから英語によるコミュニケーションを行うことによって、英語は、難しい勉強ではなく、必要な道具として認識されるのではないでしょうか。必要に迫られれば、必ず使えるようになります。  県教育委員会では高校生の英語力の向上に向けどのような取り組みを行っているのかお伺いいたします。  最後に、オーダーメード型貸し工場についてお伺いいたします。  さきの議員全員協議会において、県からは、株式会社サンテクノロジーとの合弁会社設立に至らなかった原因として、サンテクノロジーのみに問題があったかのような答弁がありましたが、県は相和物産に大きな問題があったと認識していないのでしょうか。  十一月二十九日付で相和物産より知事あてに提出のあった文書「合弁会社設立の解消に関する経緯について」は、解消に至った要因が記載されておらず、県議会の疑問には一切答えず、全く不十分ではないかと考えますが、県の見解をお伺いいたします。  さて、これまでの経緯を私なりに整理してみたいと思います。  二〇一〇年十一月二十九日、青森県によると、何の予告もなしにエーアイエスが破綻しました。そのわずか八日後、議会での何の協議もないまま、相和物産が事業を引き継ぎました。しかも、製造業ではない異業種からの突然の参入です。  十二月二十四日、サンテックが青森県庁を訪問。サンテックより救済を提案し、青森県からは強く歓迎の意向が示されました。  翌二〇一一年、本年二月七日、蝦名副知事(当時)初め県三名、21財団一名がサンテック神戸を訪問し、サンテックに三つの提案を行う。一、サンテック単独での買収、二、サンテック単独でのリース、三、五〇%ずつ相和との共同出資。  二月十七日、サンテックが青森を訪問し、一、相和物産との二者会談、二、県、財団との三者会談を行い、最終的に、蝦名前副知事から、サンテックと相和物産の五〇%ずつの共同運営を打診される。  二月二十五日、サンテックより青森県へ、サンテック三億、相和三億の出資案と事業計画案を提出。  四月十四日、サンテック神戸オフィスに青森県担当課長、相和物産谷川氏が訪れ、サンテックが進めている合弁会社設立準備状況の確認とサンテック提案の工場経費削減案の説明を受けています。このとき、青森県は、議会開会前の五月中に合弁会社設立を目指していました。  五月六日、青森にて、サンテック、相和物産、県、財団の四者会談。  五月二十八日、サンテックより相和物産に対して、五月六日の四者会談のとおり、合弁事業契約書、定款、株主間協定書、出資依頼書のドラフト送付。
     六月六日、県作成の覚書に捺印し、相和物産へ送付。  六月九日、議会開会前、本会議での新合弁会社説明資料について県からの依頼あり。それによって、収支、一年目マイナス九千三百万円、二年目マイナス二千三百万円、三年目プラス一億一千九百万円、四年目プラス七千九百万円の提示。今後採算をよくするポイントは、合理化投資によるランニングコスト低減(電力料金等)、採算性が明らかに違うカラーフィルターとタッチセンサーパネルのミックス改善、さらにはリース料の見直し等を考慮しなければならないと報告。  六月十二日、県から、議会通過のためにはもっと理想的な数字が欲しいと回答。県はこのように要請しております。「今回の議会説明の趣旨は、相和物産単体だと大丈夫かという議会議論の中で、御社との合弁によって経営体質の強い会社ができ、リース料も計画的に入る見込みがあり、大丈夫感を示すことがミッションとなっています。ここを突破できなければ、リース契約締結ができず、工場運営にも影響が出てきます。したがって、いただいた数字の見方はいろいろあると思いますが、担当者から伝えた趣旨を御理解の上、希望的な数字を入れ込んでもらいたいのです。(例)例えば、二〇一一年は経常収支とんとん、二〇一二年は若干の黒字(御社の描いているリース料については財団の計画とは乖離がありますが、これについては、財団も入れて改めてじっくり相談させてください)」。  同日中に、青森県よりサンテックからの回答数字は結果的に却下され、二月に相和物産が旧エーアイエスを引き継ぎしたときに作成した数値を現在協議中という条件で議会に提示する旨の一方的な回答あり。  六月二十七日、相和物産より対案提示あり。取締役数七名(相和三名、サンテック三名に、プラス相和が一名指名)、代表取締役は常に相和側の取締役、人事担当取締役は常に相和側の取締役、借入金発生時は両社が対等の保証をするなど、およそ対等とは言えない内容でありました。  七月一日、サンテックの趣旨は、あくまでも当初の対等合弁である旨主張。  八月十日、サンテック神戸オフィスにて相和物産との会談。結果的に、出席者は、相和物産岡山会長、谷川常務、財団二名、県三名、サンテック一名の四者会談。相和物産側の主張は、役員数三対三の話は、確かに覚書に判を押したが、相和の基本方針は違う。我々はもともとそうではない。県の意向もある。サンテックとは基本的にすべてがかみ合っていない。これ以上の議論は意味がない。相和単独での事業運営を前提にしたい。サンテックとの問題は県側の問題であるという姿勢のまま会談は終わり、県は、もう一度県上層部を加えて検討するので再度時間調整をさせてほしいとのこと。  九月十六日、東京で県、財団、相和、サンテックでの四者会談開催。相和物産側から、サンテックの出資は二〇%、役員数一名、社名も再考として、六月六日の白紙撤回が要請。サンテックが希望するならば、月二万シートのキャパは保証。サンテック側からは、回答保留、近日中に回答。  九月二十八日、相和物産よりサンテクノロジーへの提案提出。サンテクノロジー様との協調・協業のあり方についてA案とB案の二案提示。A案──相和物産が翔栄とコラボレーションする事業体へサンテックが参画するという案で、サンテックが蚊帳の外に置かれたような提案。B案──あくまでも主体は相和物産で、サンテックは四〇%の出資にとどめる提案。この提案の時点で相和物産は既に翔栄と新事業体設立を協議中で、サンテックが参加したければ参加させてやるという内容で、相和物産とサンテックの合弁会社設立の覚書には全く触れられていないのです。  十月七日、県からの要請により、佐々木副知事初め、櫻庭部長、担当課長ほかとサンテック社長の会談。相和物産から提示された九月二十八日付の提案書について話し合う。この席で、サンテックからは、一つ、青森に行って皆のいる前で覚書にサインしたのに守ろうとしない相和物産に対する不信感。一つ、議会を乗り越えるために渋々覚書にサインしたという岡山氏の言動。一つ、A案がそこまで進んでいるのであれば、それを壊してまでサンテックは参入する意思はない。一つ、サンテックと合弁会社設立の協議をしていながら、水面下では他の事業者と協議をし、それをサンテックにA案として提示する意味がわからない。一つ、社内では合弁会社設立は無理だという流れである。こんなむちゃくちゃな経験はない。一つ、来週後半に役員会を開いて最終判断すると。一方、県側からは、十月五日に相和物産から提案書をもらった。相和物産の提案は全く別の提案、唖然とする案である。岡山氏から聞いたとして、A案の国内企業は翔栄である、サンテックが参加するなら翔栄はウエルカムであると言っているとの意向が伝えられる。一つ、サンテックが抜けると根本的に今までの説明が変わるので残ってほしい、もう一度チャンスをくれと説得。一つ、マスコミにはうまくいっていると話してほしい、そうでないと大問題になると。  十月十七日、県にサンテック職員が訪れ、「合弁会社設立の白紙撤回に関するご報告」を提出。佐々木副知事に手渡したいと担当者がお願いするも、会うことかなわず、県の担当者に報告書提出。同時に、マスコミにはまだ話さないでくれと頼まれる。  以上がこれまでの経緯だと思われます。  議会にはひたすら事実関係を隠し、ただ順調に進んでいると報告する隠ぺい体質。議会対策に終始し、本来の貸し工場運営の本質論が議論されていないこと。問題を直視せず、先送りする体質──三村知事、知事が向き合うべきは県民であるはずです。すべての情報を県民にオープンにし、県民と真摯に向き合うべきです。  そして、県議会は県民の思いを預かってきております。我が民主党は、県政では少数野党でありますが、しかし、県政の課題に関しては常に是々非々で臨んでおります。国との連携も、県執行部と県議会の間に立って誠心誠意行っているはずです。なぜ隠そうとするのでしょうか。  三村知事、ぜひ県議会で真摯な議論を交わし、県民に情報を公開し、一緒に考える県政に変えていただきたい。切にお願いいたします。  最後に、貸し工場の利用企業である株式会社ANOVAの事業計画の妥当性について、県はどのように認識しているのかお伺いします。  前のように、議会を乗り切るために数字の調整をしているのでしょうか。今後リース料の支払いが滞った場合どのように対応するのかお伺いします。  以上で終わります。 33 ◯副議長(相川正光) 知事。 34 ◯知事(三村申吾) 渋谷議員にお答えします。  まず、私からは、低炭素型ものづくり産業の振興についてであります。  低炭素型ものづくり産業振興指針においては、十年後の目指す姿として地域の技術基盤の充実強化を掲げております。私は、これを実現していくためには、県内産学官金の力を結集して着実に取り組んでいくことが重要であると考えております。  また、県内企業は、人、物、金、ノウハウといった経営基盤の充実度合いが千差万別であり、指針の目標達成に向けた取り組みを行っていくには、個々の企業の実情に応じたきめ細やかな対応が必要であると認識しているところであります。  このため、本年四月に設置いたしました県内横断的な産学官金の広域ネットワークでありますイノベーション・ネットワークあおもりが中心となって推進していくこととしております。  去る十一月十五日には、産学官金の代表者を集めた会議におきまして、各機関が主体的に取り組んでいくことを確認し、共同宣言として採択したところであります。  具体的な取り組みとしては、県内産業界の実情を熟知した各機関の実務者レベルで構成する作業部会において、取り組み事例の発掘、情報の共有及びコーディネートによる磨き上げ、さらには企業間ネットワークの構築等を通じて、一つでも多くの成功事例の創出を目指すこととしております。  県としては、ものづくり産業が着実に伸びていくよう、今般新たに創設した助成制度等を通じて強力に支援をしていきます。  青森空港の利用拡大に向けての取り組みであります。  他地域との交流を活発なものとし、より多くの外貨を獲得していくためにも、東北新幹線が主に首都圏を中心とした沿線地域との交流手段として重要であるのと同様に、航空路線は、海外あるいは遠隔地と青森県とを結ぶ交流手段として欠くことのできないものであると認識するところであります。  このため、国際航空路線に関しては、私自身が韓国や台湾に直接出向き、十月三十日から再開した青森─ソウル線の週四便化や東アジア地域からのチャーター便の招致というものに努めているところであります。  国内航空路線に関しては、青森空港に就航する羽田、伊丹、札幌の各路線において使用機材が小型化されている中で、本年四月から十月までの利用状況を見ますと、羽田、伊丹、札幌の各路線の利用率はおおむね八〇%を超える数字を残しております。航空需要が極めて高いことを示しているわけでありまして、日本航空に対しましては、利用状況を踏まえた機材の大型化や増便を働きかけているところでございます。  また、七月から就航した青森─名古屋線につきましては、去る十一月三日に、県内経済界の方々とともにFDA鈴木社長を訪問して早期の二便化の実現を要請しており、今後とも、青森空港の利用者拡大に向けて、みずから強い意思を持ってトップセールスを行うなど、関係機関と連携しながら、国内外の航空会社に対して強力に働きかけていく所存であります。  東アジアからの誘客のための東北隣接県との連携というお話であります。  本県を訪れる東アジアからの観光客の多くは、複数の県を広域的に周遊しております。そのことから、私は、震災後減少している外国人観光客を早期に回復させていくためには、東北六県、隣接県等と連携した誘致活動も重要であると考えております。  そのため、東北六県等が構成団体となっております東北観光推進機構や、岩手県、秋田県とともに設置しております北東北三県観光立県推進協議会と連携して、台湾、香港などにおける観光プロモーションや旅行エージェント、マスコミ招聘を実施するとともに、函館市と連携して韓国、台湾のマスコミを招聘し、青函の観光ルートの魅力を発信するなど、広域的な誘致活動を推進しているところでもあります。  また、北海道、東北六県、新潟県等で構成され、私自身が会長を務めております北海道・東北未来戦略会議においても、八道県が、観光、物産、文化一体での海外展開を進めていくこととしております。  今後とも、これら広域観光振興団体等と連携を図ることで、本県の観光客誘致の取り組みと重ね合わせ、海外からの観光客誘致に向けて積極的に取り組んでいく所存であります。  私からは以上です。 35 ◯副議長(相川正光) 佐々木副知事。 36 ◯副知事(佐々木郁夫) 私からは、オーダーメード型貸し工場につきまして、合弁会社設立に至らなかった原因につきましてお答え申し上げます。  ただいま議員から交渉経緯につきましてさまざまお話がございましたが、交渉の経緯あるいは白紙撤回文書の提出につきましては、これまで県として御質問に応じ、誠心誠意御答弁申し上げてきたとおりでございます。  県としましては、合弁協議を円滑に進めるため、もとより公平な立場で対応してきたものであり、相和物産株式会社と株式会社サンテクノロジーの両社を含め関係者におきましては、合弁会社設立に向け、よりよい会社を設立したいとの共通認識のもと、その運営方法、事業内容について、前向きかつ誠実に協議をしてきたところです。その中で、相互に、さまざまな観点からの提案あるいは発言があったものと受けとめております。  合弁解消の原因につきましては、双方からの文書の内容にありますとおり、両社において、会社運営の基本的事項あるいは経営の基本的なことにつきまして、覚書締結後さまざまな協議がなされたものの、結果として合意に至らなかったことにあるものと考えております。 37 ◯副議長(相川正光) 商工労働部長。 38 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 御質問にお答えいたします。  まず最初に、青森県低炭素型ものづくり産業振興指針の策定の趣旨についてでございます。  ものづくり産業の振興を基盤とした地域経済の活性化を図るためには、下請型企業から脱却して、技術や人財に強みを持ち、外的要因に容易に左右されない自主自立型の企業へと転換していくことが重要であると考えております。  そのためには、産業構造の動向を見据えた上で、技術や人財といったあらゆる地域の資源を最大限に活用した取り組みを積極的に展開していく必要があります。  現在、国内外においては、地球温暖化防止のため、環境に配慮した技術変革が求められており、低炭素社会づくりに向けた取り組みが進められているところでございます。  また、さきの東日本大震災以降、省エネルギーに関する取り組みの重要性が高まっており、今後ともその流れは加速することが予測されます。  青森県低炭素型ものづくり産業振興指針は、これらのことを背景に、本県のものづくり産業の活性化のための方向性を示したものでございます。  具体的には、省エネルギーに関する新たな技術開発に取り組む低炭素型ものづくり企業を集中的に支援することによりまして、一つでも多くの成功事例を創出し、その波及効果によって、地域の技術基盤の充実強化と技術や人財に強みを持つ低炭素型ものづくり産業の集積を図り、本県の雇用の拡大と地域経済の活性化を目指すこととしております。  次に、オーダーメード型貸し工場に係る御質問についてお答えいたします。  十一月二十九日付で相和物産から知事あてに提出された文書「合弁会社設立の解消に関する経緯について」は、解消に至った要因が記載されておらず不十分ではないかについてでございます。  相和物産株式会社では、文書作成に当たっては、顧問弁護士と協議し、公表できる範囲で説明したとのことであり、県としては、これまでの県議会の御議論等を踏まえた県の働きかけに対応したものと受けとめております。  次に、株式会社ANOVAの事業計画の妥当性についてでございます。  株式会社ANOVAの事業計画につきましては、株式会社翔栄と相和物産株式会社との協議により作成し、青森県オーダーメイド型貸工場活用促進事業実施要綱に基づき、貸し工場の所有者である財団法人21あおもり産業総合支援センターを通じまして、貸し工場の活用に係る申請書類として提出がございました。  県としては、申請書類やヒアリング等を踏まえまして、将来性の観点から、市場動向の把握及び今後の市場規模の認識、販売計画、長期間の市場動向の変化に対応できる設備投資計画及び研究開発、さらには、経営力の観点から、経営体制、資金調達、経営内容などにつきまして審査を行い、妥当なものと判断したところでございます。  最後に、リース料の支払いが滞った場合どのように対応するのかについてでございます。  県では、貸し工場利用企業からリース料を計画的に徴収できるよう、財団法人21あおもり産業総合支援センターと連携し、企業の経営状況や生産状況などに係る経営上の課題等について指導助言等を行うための会議体を設置することとしているほか、業界に精通した県の企業誘致顧問やアドバイザー等の協力を得ながら、業界動向に係る情報収集や事業環境の変化に対応した生産体制等についてアドバイスをいただくこととしております。  県としては、これらの取り組みを通じまして、同センターと連携しながら、貸し工場利用企業の経営の安定化が図られるよう、チェック体制等の強化に努めてまいります。 39 ◯副議長(相川正光) 県土整備部長。 40 ◯県土整備部長(大澤健治) 御質問四点についてお答えいたします。  まず最初に、青森市内の道路排雪において海への投雪量を減らす取り組みについてでございます。  青森市内の県管理道路における排雪においては、全体の約半数が海上に投雪されております。  そのため、県では、平成二十一年度から、県と青森市が管理するすべての陸上雪捨て場の処理実績、堆雪能力及び受け入れ可能時間帯などを把握するための利用状況調査を行ってきました。  この調査結果を踏まえ、今年度から新たな陸上雪捨て場の整備に着手しております。  次に、県管理道路の除排雪の今後の見通しと、国や青森市との連携についてでございます。  海上投雪量の削減につきましては、国、県及び青森市による道路排雪に係る打ち合わせ会議を昨年度から四回にわたって開催しております。  その中で、県と青森市が設置している陸上雪捨て場の相互利用や、青森市が管理する八重田浄化センターの下水処理水を利用した融雪処理槽の効率的利用などについて意見交換を行っているところです。  今後は、県が新たに整備する陸上雪捨て場の国や青森市との共同利用に関する検討を進め、青森港における、雪が直接湾内に流れ出ない機能を持つ雪処理施設の整備状況なども視野に入れながら、段階的に海上投雪量の削減を図ってまいります。  次に、青森空港の除雪関連経費の内容と今後のコスト削減方策についてでございます。  青森空港の除雪関連経費は、平成二十二年度において、除雪作業業務に係る委託料が約三億七千万円、凍結防止剤購入費等の需用費が約一億五千万円など、合計で約五億三千万円となっております。  これまで、除雪関連経費については、計画的に除雪車両を大型化して除雪の効率化を進めることや、気象状況を踏まえ効果的に凍結防止剤を散布するなど、圧縮に努めてきたところです。  今年度は、経営改善に向けた取り組みとして、学識経験者等から構成される青森空港の管理運営のあり方に関する検討会を立ち上げ、管理運営の効率化や民間活力の活用、空港施設の利活用等について検討することとしており、その中で、除雪関連経費の削減についてもさまざまな観点から検討してまいります。  最後に、青森空港施設の利活用の現状と今後の取り組みについてです。  空港施設の利活用によりにぎわい空間をつくり出すことは、地域の活性化や将来の航空機利用者の増加につながる活動として重要と考えております。  こうしたことから、青森空港では、多くの県民に空港と飛行機について親しみと関心を持っていただくことを目的に、毎年九月に空の日のイベントを開催し、施設見学や、航空・空港に係る各種展示、物産の即売会等を実施しているところです。  今後も、各種多様なイベントの企画や他空港における事例を研究するなど、さらなる空港施設の利活用に向けて検討してまいります。 41 ◯副議長(相川正光) 観光国際戦略局長。 42 ◯観光国際戦略局長(馬場良夫) 国際交流に関する三点についてお答え申し上げます。  まず、今年度実施のメーン州との交流事業についてでございます。  アメリカ合衆国メーン州とは、平成六年五月に友好協定を締結して以来、毎年度、事務レベル協議を重ねながら、両地域を紹介するフェアの相互開催や高校生の相互派遣など各種交流事業を進めてきており、平成二十年八月には、北米経済交流調査団をメーン州にも派遣いたしまして、県内企業と現地企業との商談会を開催するなど、ビジネスの実現に向けた取り組みも進めているところでございます。  今年度は、経済交流の推進を主として、再生可能エネルギー、水産業、県産品の三つの交流テーマで、県及び大学関係者や県内企業等で構成いたします訪問団を九月にメーン州に派遣いたしまして、現地企業等の視察、研究機関等との協議、県産品の試食会と商談、そして、メーン州からの東日本大震災義援金へのお礼を兼ねた感謝イベントなどを実施したところでございます。  今回の成果といたしましては、試食会等で提供いたしました黒ニンニクやリンゴジュースなどの県産品が高い評価を得、メーン州の方々に広く認知されたほか、大学相互の共同研究協定の締結の合意や現地貿易商社との商談、県産品マーケティング調査などによりまして、各分野での新たな人的ネットワークが構築されたところでございます。  次に、今後の取り組みについてでございます。  今年度のメーン州訪問に参加いただいた県内企業等からは、メーン州は、アメリカの他の州に比べて経済規模は小さいものの、北米市場のマーケティング調査先や市場開拓の足がかりとして最適な位置にあるとの声が寄せられておりまして、メーン州との経済交流の意義は高いものと考えているところでございます。  このため、今回の交流テーマでございます再生可能エネルギー、水産業、県産品分野での成果等を踏まえまして、メーン州とは、引き続き各分野のフォローアップに努めることにより交流の深化を図っていくこととしてございます。  具体的には、各交流テーマに関係する行政や専門家、企業関係者等で構成するメーン州訪問団を本県に受け入れ、県内のエネルギーや水産分野の研究機関、試験場、関連企業の視察等を行うことを検討しているところでございます。  県といたしましては、今後も、メーン州と相互の経済交流や高校生の相互訪問など教育分野での交流を継続しながら、北米市場を視野に入れた海外ビジネスに取り組む県内企業等を支援していきたいと考えております。  三つ目としまして、東アジアとの海外ビジネスに取り組む県内企業に対する支援についてでございます。  県では、経済成長著しい中国、香港、台湾などのいわゆる中華圏を中心に県産品の輸出拡大などを戦略的に推進するため、昨年度、青森県中華圏取組戦略を策定させていただきました。  今年度は、本戦略に基づきまして輸出拡大を図るということで、八月に香港、十月に大連市、十一月に上海市において開催されましたそれぞれの国際見本市への出展について、県内企業延べ十一社を支援したところでございます。  また、新たな取り組みとして、青森─大連間のツーウエー方式のチャーター便を活用いたしまして十月に大連市から現地有力企業六社を招聘し、県内企業との商談会を開催するとともに、本県の魅力をアピールするため、県産品の生産・製造現場の視察と、本県の自然、食等を体験するビジネスツアーを実施いたしました。  さらに、中華圏での市場開拓、販路拡大等を現地において支援するため、八月に中国ビジネスコーディネーターを香港に設置いたしましたほか、県内企業の外国語ホームページやパンフレット作成に要する経費などの助成を行っておりまして、これらの取り組みにより、中華圏を中心に東アジアとのビジネスに取り組む県内企業を積極的に支援しているところでございます。 43 ◯副議長(相川正光) エネルギー総合対策局長。 44 ◯エネルギー総合対策局長(阿部耕造) 風力発電に関する御質問二点についてお答えいたします。  まず、風力発電の導入推進についての県の基本的な考え方です。  本県は、風況に恵まれた全国でも有数の風力発電の適地であり、このため、平成十八年二月、青森県風力発電導入推進アクションプランを策定し、風力発電による地域産業の活性化に向けた取り組みを積極的に推進してきたところです。  このアクションプランでは、導入拡大に向けた方向性として、立地場所の拡大や導入モデルの多様化、風力発電への多様な主体の参画などを掲げ、また、風力発電関連産業の創出などにより地域産業の活性化に寄与していくこととしております。
     このうち、風力発電への多様な主体の参画に関しては、本年五月、県内企業としては初めて、外ヶ浜町の第三セクターが売電を目的とした発電事業を開始しており、これをモデルとして県内企業の参入が促進されていくことを期待しているところでございます。  また、風力発電関連産業の創出としては、風力発電施設の集積地である優位性を生かし、メンテナンス業務の受注体制の構築に向けた事業を積極的に展開してきたところであり、県内企業による取引案件が増加するなど、一定の成果があらわれてきています。  風力などの再生可能エネルギーは、これを地域資源としてとらえ、地域みずからが有効に活用し、あるいはそのメリットが地域に還元される仕組みを構築していくことが重要と考えており、県としては、これらの取り組みを通じて、今後とも風力発電の導入推進を地域産業の活性化や雇用創出につなげていきたいと考えております。  次に、風力発電の導入推進に当たっての課題と県の対応です。  本年八月に再生可能エネルギー特別措置法が成立し、来年七月から固定価格買い取り制度が開始されることにより、再生可能エネルギーの導入促進が期待されております。  しかしながら、風力発電は自然条件により出力が大きく変動する不安定電源であることから、電力系統側が安全に受け入れできる風力発電には一定の制限があると伺っております。  このため、風力発電事業に参入できる事業者は、電力系統を所有する東北電力株式会社が抽せんで決定することにより、結果的に多くの案件を持つ県外事業者が多く当選し、県内事業者による事業参入が困難になっているものと考えています。  これらの課題に対し、系統連系可能量については、本年九月、北海道、東北、東京の電力会社三社が共同で風力発電導入拡大に向けた実証試験を実施し、平成二十四年度までに東北電力管内で新たに四十万キロワットを募集するとしたことから、今後、風力発電の導入拡大が期待されています。  また、風力発電事業者の決定に関しては、県として地域産業の活性化の観点から東北電力株式会社に対し地元企業の参入拡大に向けた仕組みづくりをお願いしてきたところ、本年十一月、新たに自治体風力の受け付けを開始することが発表されたところです。  その詳細につきましては今月十六日に開催する説明会で明らかにされますが、これにより県内企業の風力発電事業への参入が促進されることを大いに期待しているところでございます。 45 ◯副議長(相川正光) 教育長。 46 ◯教育長(橋本 都) 御質問二点にお答えいたします。  初めに、メーン州との国際交流事業の中での外国語教育についての取り組みです。  先ほど観光国際戦略局長より答弁しました友好提携に関する協定に基づいて、県教育委員会では、平成九年から高校生の相互派遣による交流事業を実施しております。  メーン州で行われる交流事業では、本県の高校生が、ホームステイ体験で、ホストファミリーとのコミュニケーションを通して文化や習慣に触れるとともに、現地の高校生との交流では、日本文化や青森県の魅力について英語で紹介するプレゼンテーションを行うなど、体験型のプログラムを実施しております。  また、本県で行われる交流事業では、本県高校生の家庭でメーン州の高校生を受け入れ、ホームステイを体験させたり、高校で授業や学校行事などさまざまな活動に一緒に取り組んだりするなど、交流を深めております。  このような交流活動は、本県の高校生にとって、生きた英語に直接触れる貴重な体験であるとともに、コミュニケーション能力の向上につながっており、参加した生徒たちからは、英語によるコミュニケーションの重要性を再認識した、もっと英語を使えるようになり、将来は留学したいなどの感想が寄せられております。  次に、高校生の英語力の向上に向けた取り組みについてです。  平成二十五年度入学生から年次進行で実施される新しい高等学校学習指導要領では、英語に関する各科目について、授業は英語で行うことを基本とすることが示され、英語によるコミュニケーション能力のさらなる向上が求められております。  このため、県教育委員会では、学校訪問の際に、コミュニケーション活動を取り入れた授業を実践するよう各学校の実態に応じた指導助言を行うとともに、県総合学校教育センターでは、英語教員の資質能力の向上に向け研修講座の充実を図るなど、学習指導要領の趣旨の徹底に努めております。  また、現在本県で採用している三十一名の外国語指導助手が直接英語で生徒に語りかけるなど、生きた英語を学ぶ機会を提供しながら、生徒のコミュニケーション能力の育成に取り組んでおります。  さらに、高校生の英語力向上のためには早い段階からその素地を養う必要があることから、平成二十三、二十四年度の重点事業として、小・中・高等学校が連携した世界へはばたけあおもりっ子外国語教育推進事業を実施し、高校生が小・中学校を訪れ、英語による日本文化のプレゼンテーションを行うなどの実践がなされています。  県教育委員会としましては、今後とも、英語教育を充実させ、国際化時代に対応した人財の育成に努めてまいります。 47 ◯副議長(相川正光) 渋谷議員。 48 ◯二十番(渋谷哲一) それでは、幾つかの再質問をさせていただきます。  まず一つ、県管理道路。海への投雪量削減のためにさまざまな調査を行ったと。その調査の概要を教えていただきたい。  二つ目は、毎年九月の空の日のイベント、この概要と成果をお知らせください。  三つ目、急激な円高や福島原発事故の影響などで観光や貿易など海外ビジネスについては大きく環境が変化しているものと思われます。現在の状況を踏まえ、今後どのような対応をしていくのか、県の考えをお聞かせください。  四つ目、今、県は東アジアに多額の投資をしております。今後大きく伸びることが見込まれるアジア戦略は極めて重要と認識しております。しかし、福島原発事故の収束が見えない中、海外からの観光客の大幅な回復が依然として見込まれない状況にあることから、マンパワーも予算も国内からの誘客促進に一層振り向けるべきと考えますが、見解をお伺いします。  最後に、オーダーメード型貸し工場です。  こういう交渉があったにもかかわらず、九月県議会では、合弁の交渉は順調である、合弁に向けて意欲的に協議を進めているとの答弁を繰り返し、十月十八日の決算特別委員会では、前日に白紙撤回の文書が手渡されたにもかかわらず、真意を確認できていないため合弁協議は継続しているとの答弁をし、再三にわたり私が確認しても、真意を確認できていないため合弁協議は継続しているとの答弁を繰り返しました。そして、事実は、御承知のとおり、合弁の白紙撤回であります。また、十一月八日の全員協議会では十月十九日に初めて県と翔栄が協議を行ったと答弁をしておりますが、九月二十八日の段階で翔栄との合弁話が進んでおります。  サンテック、翔栄との合弁の交渉経緯に関する事実について、なぜ県は不誠実な答弁を繰り返すのでしょうか。そして、相和物産の不誠実な対応をよしとするのでしょうか。このままで本当にリース料が回収できるのでしょうか。二十九億円であります。大きく懸念されます。不信感と不誠実に満ちた合弁の先には破綻が見え隠れしています。  全員協議会で、翔栄は取引の七割が海外で、安定しているとの答弁がありましたが、超円高の中、国内だけの生産拠点では国際競争力がないも同然であります。ある日突然、製造拠点を海外に移すことも懸念されます。相和物産だけが取り残されることもあり得るのです。  そこで、今後の貸し工場の運営にかかわる知事の責任についてお伺いします。  また、今後一円たりとも貸し工場や合弁会社に対して追加支出しないと明言をしていただきたいと思いますが、県の見解をお伺いします。  さらには、合弁破綻後に翔栄と交渉したというこれまで答弁してきたことは事実と異なるが、県の見解をお伺いします。  最後に、要望であります。  各市町村で、再生可能エネルギーを進めようという機運が今高まってきております。風力を初め、これらのエネルギーは、市町村ではなかなか体力的に厳しい。そういう中、ぜひとも、県と一緒になって、国と協力して、市町村にこの自然エネルギーの事業を進ませてくれるように要望して、終わります。 49 ◯副議長(相川正光) 知事。 50 ◯知事(三村申吾) 渋谷議員からオーダーメード型貸し工場の運営にかかわっての再質問がございました。  県といたしましては、今般、相和物産のほか、株式会社翔栄と、商社でございます兼松株式会社の三社による合弁会社の株式会社ANOVAが設立され、さらには、今後、大手電機メーカー等の参画も予定しており、一層の経営基盤の安定化や営業力、技術力の強化が図られるものと考えております。  私としては、トータルとして県民の利益が図られるよう県政を推進していくという思いを第一義に、今後とも、貸し工場における雇用の維持拡大、技術の発展を図ることにより本県産業振興につなげるとともに、財団法人21あおもり産業総合支援センターと連携しながら、利用企業の経営状況等に係るチェック体制を強化するなど安定的な工場運営体制を構築することによって、リース料を計画に徴収し、県民負担を生じさせないよう最大限の努力をしてまいります。  私からは以上です。 51 ◯副議長(相川正光) 商工労働部長。 52 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 貸し工場に係る御質問二点についてお答えします。  まず、現在の貸し工場に今後追加の支出はしないという理解でよいかという御質問でございます。  県としましては、オーダーメード型貸し工場に係る財団法人21あおもり産業総合支援センターへの貸付金約二十九億円につきましては、同センターと連携しながら安定した貸し工場の活用を図って、県民負担が生じないよう、二十年以内に計画的に回収するという方針でございます。  それから、合弁解消後に翔栄と交渉してきたというのは事実と異なるのではないかというお話でございます。  これにつきましては、翔栄の参画につきましては、さきの議員全員協議会でも御答弁させていただいたとおり、相和物産としては、まずはサンテクノロジーとの合弁を目指すということで交渉を進めてまいりました。  ただ、その中で、現在の工場での事業を拡大して売り上げをさらに向上したいという思いから、サンテクノロジーとの合弁事業体を第一義としながらも、協業という形で参画できないかという提案をしたというふうに考えてございます。  県としては、あくまでも、翔栄との合弁につきましては、相和物産がサンテクノロジーとの合弁の白紙撤回後の十月十九日に初めて合弁会社設立に向けた協議をしたものというふうに認識しております。 53 ◯副議長(相川正光) 県土整備部長。 54 ◯県土整備部長(大澤健治) 再質問のありました二点についてお答えをいたします。  まず、除排雪の調査についてでございますけれども、この調査につきましては、各施設の堆雪能力を調査しまして、それに基づきまして今後の除排雪の計画を立てたところです。  具体的には、青森市西側のエリアにつきましては、先ほど御説明した、現在調査設計、用地買収を行っている新設の陸上雪捨て場に集約することを中期目標としております。それから、市内中心部につきましては、青森港に新設される予定の雪処理施設に集約、これを長期目標としております。そして、市内東側のエリアについては八重田浄化センターの融雪施設、南側エリアにつきましては県所有の高田陸上雪捨て場に集約するというような計画に基づきまして、県管理道路からの排雪は、直接の海上投雪量はゼロとする方向で取り組んでいきたいというふうに考えております。  それから、空の日のイベントの概要と成果ということですけれども、今年度開催いたしましたイベントにつきましては、飛行場内のバスツアーですとか、物産即売会、気象施設見学、車両屋外展示、それからクイズラリーですとか音楽隊ステージなどさまざまな催し物をやりまして、六百人以上のお客様に来ていただいたという状況になっております。  先ほど議員の御紹介にもありましたけれども、ほかの空港では、多くの関係者の方に協力をいただいて、さまざまなイベントを年を通じてやっているというような状況もございますので、それらを参考にして今後検討していきたいというふうに考えております。 55 ◯副議長(相川正光) 観光国際戦略局長。 56 ◯観光国際戦略局長(馬場良夫) 再質問二点についてお答えいたします。  まず、外国人観光客の誘致あるいは輸出の促進についての今後の展開でございますけれども、今年度、東日本大震災の関係がございまして、インバウンド、そして輸出も一時期大分停滞していたわけでございますけれども、今、大分、その収束のめどといいますか方向が見えてきてございます。  したがいまして、今回こういう震災の中にあって、これまで、韓国、そして台湾という形で知事を筆頭にしてトップセールスを行い、現地のほうの旅行エージェントあるいは輸出関係者と太いネットワークが築き上げられたというふうに考えてございます。  したがいまして、これからは、実務レベルでつくりましたこのネットワークをフルに活用しながら、知事のトップセールス、そして、東北あるいは北東北三県連携の広域の中での取り組みで、現地のマスコミ、エージェント、そして輸出入に関係する代理店等と連携しながら効果的なセールスプロモーションをかけて、輸出促進・インバウンド対策を進めてまいりたいというふうに考えてございます。  二点目の質問でございますが、国内のほうにシフトするべきではないかというお話がございました。  今、我が国では、人口減少という中にあって、交流人口をいかにふやすかということが、輸出においても、あるいは観光の振興においても重要な課題であるというふうに考えてございまして、その交流人口をふやすということからすると、国内からの交流人口、そして海外からの交流人口、あるいは海外への輸出というのはやはり二つの大きな両輪になるものだというふうに考えているところでございまして、これにつきましては、当然国内も頑張ってまいりますし、海外からのインバウンド、輸出についてもやはり同じように頑張っていくということで、二兎を追うということではなくて、二兎をしっかりと獲得するということで進めてまいりたいと考えてございます。  〔渋谷哲一議員、答弁漏れを指摘〕 57 ◯副議長(相川正光) 渋谷議員に申し上げます。  答弁漏れを指摘してください。簡潔にお願いします。 58 ◯二十番(渋谷哲一) 再質問で、今後一円たりとも貸し工場や合弁会社に対して支出しないと明言をいただきたいと思いますが、県の見解をお伺いします。 59 ◯副議長(相川正光) 商工労働部長。 60 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 先ほどもお答えしましたとおり、貸付金二十九億円を回収することが大前提ということでございますので、新たな投資ということについては一切考えてございません。 61 ◯副議長(相川正光) 三番齊藤爾議員の登壇を許可いたします。──齊藤議員。 62 ◯三番(齊藤 爾) 議長に登壇を許されました、三番、自由民主党の齊藤爾です。  通告に従いまして順次一般質問をさせていただきます。  一項目めは、本県リンゴ産業の振興についてです。  今さら言うまでもなく、リンゴ産業は本県の基幹産業であり、特に津軽地域にとっては、地域経済のかなめであり、根幹をなすものであります。  その歴史は、明治八年(一八七五年)に内務省より苗木が配付されて以来百四十年にわたる、さまざまな病害虫への対応、品種開発、栽培技術の研究など、先人たちのたゆまぬ努力と情熱によって今日に至っております。  また、百四十年の歴史の中では多くの災害にも見舞われており、平成に入ってからでも、御存じの、平成三年の台風十九号による総園地の九〇%、被害数量三十八万トン、被害金額七百四十一億円、平成十三年の被害額八十四億円の凍霜害、平成十五年の被害額七十二億円の台風十四号、平成十六年の被害額百五十五億円の台風被害、翌平成十七年の豪雪による樹体被害百十八億円、平成二十年の被害額百三億円の降ひょう被害、昨年までの平成の二十二年間で約一千二百八十億円の被害総額となっております。  リンゴ産業は、これら多くの被害を受けながらも、その都度、国、県、市町村の助けを受けながら農家の努力で危機的状況を乗り越え、平成三年の台風被害時の収穫量二十六万トンを除いて、毎年四十万トン以上の収穫量を維持してきました。  そして、本年平成二十三年産は、八月の青森県発表によりますと前年対比九%減の四十一万二千八百トンと発表されておりましたが、収穫期を終えた今、農家やリンゴ関係団体の多くの声をお聞きしますと、前年対比九%減どころか、二五%から三〇%減、四十万トンどころか、収穫量三十五万トン以下の近年にない大不作ではないかと言われております。  その原因は、昨年の真夏日三十五日、過去八十年間で最も高い六月から八月の平均気温二十三・六度による本年産花芽不足や果実肥大不足などが指摘されております。  そこで、県としては、収穫期を終えた現在、平成二十三年産リンゴの収穫量をどのように認識しているのかお尋ねいたしますとともに、八月の県発表予想収穫量との大きな違いの原因について見解を求めるものであります。  また、大幅な収穫量減少による農家所得に対する影響と対応、さらには、数多くのリンゴ産業に関連する企業への影響と対応につきましてもお答えください。  次に、リンゴ産業における国外とのかかわりについての質問をさせていただきます。  福島原発の事故以来、その風評被害によって、二十二年産リンゴの海外輸出が、主に台湾向けではありますが、大幅に落ち込んだことは周知のことと思います。  その後、知事みずからの台湾でのトップセールス、県議会の皆様、弘前市長、リンゴ関係団体の皆様の台湾での活躍など、さまざまな対応がなされました。地元のリンゴ農家の方たちもその懸命な活動をマスコミを通じて理解しており、知事、弘前市長、西谷県議はテレビで見たが、おまえは何をしていたんだとおしかりを受けるほどでした。  二十三年産リンゴは、先ほど申し上げたように、近年まれに見る大不作であり、円高と相まって輸出にはとても好環境とは言えない状況でありますが、台湾への輸出はリンゴ産業にとって欠かせないものと思いますので、二十三年産リンゴの輸出状況と今後の取り組みについてお答えください。  さらに、輸出という観点から、TPP交渉参加の結果、関税が撤廃された場合における本県リンゴ産業への予想される影響についての県の見解を求めます。  質問の二項目めは、検証結果を踏まえた原子力政策への取り組みについてです。  県議会議員に当選してから地元の方によく聞かれることの一つに原発問題があります。予算規模の大きな違いはありますが、一般的な予算や決算、補正予算、また条例案や人事案件などの審議・議決は市議会でもありましたし、会派単位や委員会単位での活動もありました。大きく違うのは原子力関係の審議があることのように思います。  言いかえれば、青森県が原発の立地県であることの認識はありましたが、福島原発の事故が起きるまで、それほど危険なものとも思いませんでしたし、むしろ、漠然と、原発は必要不可欠なものではないかと考えておりました。  それほど、以前は、原子力政策に対して、私自身、無知で無関心であったように思いますし、今でも、先輩・同僚議員さんたちに比べればまだ勉強が足りないように感じます。  そんな私ですが、質問に入る前に、これまでに学んだことから原子力政策に対する思いを述べさせていただきたいと思います。  くしくも、きょう十二月二日は原子炉の日です。イタリアからアメリカに亡命した物理学者エンリコ・フェルミが、一九四二年(昭和十七年)十二月二日、アメリカのシカゴ大学に設置された実験用小型原子炉でウランの核分裂の持続的な連鎖反応に世界で初めて成功した日であり、まさに人類がプロメテウスの火を手にした日であります。  その後、エンリコ・フェルミは、原子力エネルギーを用いた兵器開発「マンハッタン計画」の中心的役割の一人として三発の原子爆弾を完成させ、一九四五年(昭和二十年)七月十六日、一発目をニューメキシコ州アラモゴードの砂漠で爆発実験をしました。  フェルミのつくった残りの二発の原子爆弾は、御存じのように、八月六日広島に投下、同九日長崎に投下され、多大な死傷者を出すとともに、今日に至るまでなお被害者の苦しみは続いております。  現在多くの国や地域で廃止が叫ばれている原爆と、原子力の平和利用の象徴のような原子炉、原子力発電所の原型が同じ人物から生まれ出たことはまさに皮肉としか言いようがありませんし、アメリカ・デトロイトのエンリコ・フェルミ原子力発電所内の高速増殖炉フェルミ炉が世界初の炉心溶融事故を起こしたこともまた皮肉なものではないでしょうか。  フェルミが原子炉の開発に成功して以来今日までの六十数年間で原子力発電所の進歩は目覚ましいものがあり、進歩とともにその安全性の向上も著しいものであることはだれもが認めるところでありました。  しかしながら、三月十一日の東北地方太平洋沖地震による一連の東京電力福島原発の事故、事故後の政府の対応、東京電力の対応によって、原発の安全神話は崩壊し、その信頼性は地に落ちました。  放射能汚染を受けている福島県の知事の言動は昨日古村議員が説明されておりましたので割愛させていただきますが、自由民主党福島県連においては、その定期大会において、今後原発を一切推進しないとの活動方針を決定し、斎藤県連幹事長は、これまで原子力を推進してきたことは深く反省しているとまで述べています。  あくまで、他県の知事、県連の判断で、本県にすぐに置きかえることは乱暴かもしれませんが、同じ立地県として、被害を受けた県の実情は単純に無視できるものではないと思いますし、他山の石とすべきでしょう。
     また、福島県佐藤知事が、立地県の知事として国と東電に対して原発十基すべての廃炉を求めると、国策に対して強力な意思表示をしたという事実も重いものがあると思います。  原子力政策が国策であり、これまで本県は長らく国策に協力してきたという現実も理解いたしますし、原発を初めとする原子力関係施設が立地していることでの経済効果、雇用、地域振興が果たされてきたことも理解します。  しかしながら、それは福島県でも同様であるはずで、事故が起こってから脱原発を掲げても手おくれであることも福島が証明しています。原発の重大事故は、どのような安全対策をとろうとも起こり得ることなのです。自然の力の前では人間は無力であるし、人間は神ではありませんからミスも犯すのではないでしょうか。  そして、一たび事故が起これば、福島と同様大惨事となり、県民ははかり知れないほどの被害をこうむり、住みなれた土地を追われ、農業、漁業は壊滅し、住民は被曝するのです。そのとき、初めて原子力の恐ろしさに気づいた我々に対して、国や事業者は、魔法のように便利な言葉「想定外です」とささやくことでしょう。  ある中央紙に驚愕の記事がありました。「プロメテウスの罠」と題された記事を御紹介したいと思います。  福島第一原発から約四十五キロ離れた二本松市のゴルフ場が、事故後、毎時二から三マイクロシーベルトの高い放射線量が検出されるようになり、営業困難な状況に陥り、東京電力に除染を求める仮処分の申請を東京地裁に申し立てました。  そこでの東京電力の主張は、原発から飛び散った放射性物質は、東電の所有物ではない、無主物である。既にその放射性物質はゴルフ場の土地に付合しているはずであると。つまり、東電が放射性物質を所有しているわけではないので、除染作業を行う立場にあるのはゴルフ場ではないかというものでした。  つまり、飛び散った放射性物質はだれにも所有権がないものだから、それがくっついた土地の持ち主が除去すべきというむちゃくちゃな主張であり、この主張に対して裁判所はゴルフ場の訴えを退けたとありました。まさに、国と事業者の無責任さを象徴する事例ではないでしょうか。  さまざまな思いや事例を述べさせていただきましたが、結論としまして、一つ、いかに安全対策を講じようとも、原発の安全は完全には確保できないこと。二つ目、事故が起きた場合、その被害が壊滅的かつ長期間、広範囲にわたってしまうこと。三つ目、広範囲にわたる放射能汚染に対する有効かつ短時間での除染方法が確立されていないこと。四つ目、電力需給の観点などから、本県立地原発の再稼働及び新規建設の必要性を見出せないこと。五つ目、福島原発事故後、国、事業者の対応に大きな不安を感じること。以上の理由をもって、私自身、どうしても原発の必要性を見出せない上に、多くの危険を抱え込んでまでのメリットも見出せません。  諸先輩方には原子力政策に対する理解不足とおしかりを受けるかもしれませんが、六十数年前にともった原子炉の火を消すことが次世代への我々の務めであり、現状、本県は脱原発へ向かうべきであるという私なりの考えから、以下の質問をさせていただきます。  一つ目は、青森県原子力安全対策検証委員会の意義についてですが、報告書の細部については七日の特別委員会で慎重審議されると思いますので、大枠での質問になります。  知事は、国及び事業者において講じられる県内の原子力施設における安全対策について厳しく検証する必要があるとのお考えで検証委員会を立ち上げられましたが、そのような知事の意向に反するように、委員会メンバーは委員長を初め原子力村の推進論者が多くを占めてしまった上に、八回にわたる会議の中で、委員長は、毎回のように、幾度となく、時間が限られていますと議事を早め、十分な審議時間が持てなかったことが議事録からうかがえます。  さらに、一回目は視察でありますので、事実上三回目の会議において、早くも県事務局から、そろそろ出口の部分、報告書を見据えたこともやっていきたいとの発言があり、当初から回数ありき、結論ありきであったかのような運営方法をとっています。  よって、検証委員会は、時間、開催回数ありきのものであり、県独自に厳しく検証するというよりは、形だけ繕った委員会であったと推測されます。さすがに報告書だけはうまくつくり込んでありますが、知事が重要な御判断をされる材料たり得ないと思います。改めて検証委員会の意義について御答弁ください。  次に、原子力政策については、国策に追従するだけでなく、立地県の知事としての慎重な判断が重要であり、県民の安心・安全は国によってのみ判断されるべきものではないという観点から、東通原発再稼働の必要性、大間原発の必要性、また、二〇〇二年、東電と経済産業省の間で、多発するトラブルや二兆円以上に膨らんだ建設費を受け、撤退の方向で検討することが合意されたと報道された六ヶ所再処理工場の必要性についても見解を求めます。  最後は、先ほど述べた記事とも関連いたしますが、福島原発事故に伴って放射性物質に汚染された土壌等の除染はどのように行われているのかお尋ねいたします。  質問の三つ目は、中小企業に対する金融対策及び適正な下請取引の指導についてです。  本県経済が長引く不況によって疲弊していたところに、震災、円高と大きなマイナス要因が降りかかりました。県内企業の多くを占める中小企業は、まさに青息吐息で雇用を維持し、経済活動を必死の思いで続けています。  なかなか明るい兆しが見えない中ではありますが、中小企業こそが本県の経済を足元から支え、その活力を取り戻すことが本県の発展に直結するものと思います。  そこで、現在の本県景気動向と、中小企業の景況に対する県の認識についてお答えください。  さらには、一般的に資金需要期と言われる年末を控え、県内中小企業に対する金融支援策についての見解をお伺いいたします。  最後は、建設工事における下請代金の適正な支払いについてです。  先般、ある下請企業の社長さんからお話を伺う機会がありました。多くの元請企業さんは、現金と手形の割合や手形の日数など適正な範囲で下請企業にお支払いしているのでしょうが、中にはそうでないところもあるやに聞いております。手形の割合が多い場合や期日が長い場合、支払いとしていただいた手形をやむを得ず割って使い、手数料を取られる場合もあるそうです。  昨今の厳しい状況下にあっては元請企業も楽だとは言えないのでしょうが、過度の下請にとっての不利益な支払いは避けるべきと考えます。  そこで、建設工事における下請企業の適正な支払いについて、元請企業に対して県はどのような指導を行っているのかお尋ねいたします。  以上で壇上での質問を終わらせていただきます。 63 ◯副議長(相川正光) 知事。 64 ◯知事(三村申吾) 齊藤議員にお答えいたします。  まず、二十三年産リンゴの輸出状況、今後の取り組みということでございます。  また、この件につきましては、輸出の支援、ともに赴いてくださいました県議会議員各位に、私としては心から御礼申し上げたいと思っております。ありがとうございます。  さて、私は、本県輸出農産物の先導役となっておりますリンゴにつきまして、戦後最高値を更新するほどの円高などの厳しい輸出環境にございましても、将来的な国内市場価格の維持及び販路拡大などのためには一定の輸出量を確保することが極めて重要であると考えております。これは、業界、輸出業者を含めそれぞれ同じ思いでございまして、いわゆる商売として、単年度のものではない、これからも続くものであるからこそことし頑張らねばならないと、その思いを一つにしております。  しかしながら、財務省貿易統計によります本県産リンゴの我が国からの輸出量は、円高に加え産地の価格高などの影響によりまして、九月から十月までの累計で九百五十六トンと、昨年に比べ六八%の水準となっております。  このため、県では、関係団体と一体となりまして、県産リンゴの最大の輸出先であります台湾において、最大需要期である来年一月の旧正月、いわゆる春節に向け、今月に再びリンゴキャンペーン及びテレビコマーシャル放映等を行い、青森りんごの安全・安心、そして食味、品質の高さを強力にアピールすることとしております。  また、県と輸出関係団体で組織します青森県農林水産物輸出促進協議会では、十二月に香港でリンゴを中心に農産品のプロモーション活動を行うほか、一月以降には中国、ベトナムでの商談等を実施することとしております。これらの活動により、台湾を初めとするアジア圏に対し県産リンゴの輸出を促進していくこととしております。  TPPで関税が撤廃された場合のリンゴ産業への影響でありますが、私は、すべての貿易品目について関税撤廃を原則とするTPP交渉への参加が本県農林水産業を初め地域経済に大きな影響を及ぼすと考えられますことから、これまでも反対を表明してきたところであり、交渉参加に向け関係各国との協議に入るとの政府決定に対し、農林水産業はもとより地域の産業・雇用を守るという立場から、強い懸念を抱いているところであります。  本県農林水産業の基幹品目でありますリンゴにつきましては、現在一七%となっております関税が撤廃された場合、TPP交渉参加国の中で現在我が国がリンゴ生果の輸入を認めておりますアメリカやニュージーランド、オーストラリアからの輸入が増加することも予想され、特に、本県産の長期冷蔵リンゴの出荷時期となります春から夏場にかけて収穫期、出荷期を迎えます南半球の新鮮な輸入リンゴとの競合が避けられず、販売面で大きな影響を受けるものと考えているところでございます。  このほか、輸入リンゴ果汁──要するにジュース用の原料の大幅な増加が懸念されるなど、加工を初めとしたリンゴ関連産業への影響も避けられないことから、今後国が貿易交渉を進めるに当たりましては、国として、この食料安全保障の確保を図るという基本方針を堅持し、守るべきものは守るという確固たる姿勢で臨むよう強く要請をしているところであります。  資金需要期を迎えての県内中小企業金融支援についてであります。  私は、本県が自主自立の経済を目指し、産業の活性化を図っていくためには、日ごろから懸命な努力を重ねている地域の中小企業をしっかりと守り育てることが大切であると考えております。特に、中小企業経営の血液であります金融の円滑化につきましては、これまでも特段の配慮をしてきたところであります。  年末の資金需要期を控え、現在も残る震災の影響に加え、最近のこの急激な円高、また景気の先行き不透明感など、本県経済は不安定な要素を抱え、予断を許さない状況にあると懸念をいたしております。  県では、中小企業者の経営安定を図るため、経営安定化サポート資金を実施しているほか、震災に伴う間接被害を受けている場合には、別枠で利用可能な経営安定枠をあわせて実施しており、今後も相当の資金需要が見込まれますことから、融資枠を二百五十億円から三百億円に拡大する必要があるものと判断し、今定例会での御審議もいただいております。  さらに、年末の資金繰りの相談につきましては、商工団体等と連携して開催いたします年末移動経営金融相談所を今年度も十一月八日から県内七カ所で開催し、直接中小企業者からの相談に対応したところであります。  県としては、今後とも、関係機関と連携を密にしながら、県内中小企業者の経営に支障が生じないよう、年末における金融の円滑化に努めていきます。  私からは以上です。 65 ◯副議長(相川正光) 企画政策部長。 66 ◯企画政策部長(小山内豊彦) 青森県原子力安全対策検証委員会の意義についてお答えいたします。  東北地方太平洋沖地震を発端として発生した東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故については、県民の間に国及び事業者の対応への不安が広がっている状況にあります。  県としては、このような状況を重く受けとめ、国及び事業者において講じられる県内の原子力施設における安全対策について県独自に厳しく検証するため、青森県原子力安全対策検証委員会を設置したものです。  同委員会では、現地調査を初め、これまで八回にわたる委員会を通じて精力的に御検証いただき、去る十一月十日に検証結果について報告を受けたところです。  この検証結果につきましては、委員会として独自の視点からも御確認いただいたことや、今後必要とされる安全対策についても幅広くお示しいただくなど、県としては、独自の厳しい検証をしていただいたものと考えております。 67 ◯副議長(相川正光) 環境生活部長。 68 ◯環境生活部長(名古屋 淳) 放射性物質に汚染された土壌等の除染についてお答えいたします。  福島第一原子力発電所の事故により放出された放射性物質に汚染された土壌等の除染は、来年一月一日から全面施行されます放射性物質汚染対処特措法の枠組みに基づいて行われることとなりますが、除染は喫緊の課題であることから、同法に基づく除染の枠組みが動き出すまでの間は、八月二十六日に原子力災害対策本部が特措法の趣旨に沿って示した除染に関する緊急実施基本方針に従って実施されております。  特措法では、事故を起こした原子力事業所内の除染等の措置は当該原子力事業者が行うものとするとされているほか、福島県内の警戒区域及び計画的避難区域である地域の除染等の措置は国が実施しなければならないこととされております。  これら以外で、その区域における放射線量が一時間当たり〇・二三マイクロシーベルト以上である区域については、都道府県知事等が策定する除染実施計画に基づき、基本的に市町村が除染等の措置を実施するものとされております。  なお、費用の負担について、特措法では、同法に基づき講ぜられる措置は、原子力損害賠償法による損害に係るものとして、当該原子力事業者の負担のもとに実施されるものとすると規定されております。 69 ◯副議長(相川正光) 商工労働部長。 70 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 御質問二点にお答えします。  まず最初に、収量減少によるリンゴ関連産業への影響と対応についてでございます。  二十三年産リンゴの収量減少によりまして、流通量が減少し、運輸業、移出業における取扱量の減少、出荷のための資材の需要減など、リンゴ関連産業の売り上げ減少が懸念されるところでございます。  県では、このような売り上げ減少等により経営の安定に支障が生じる県内中小企業への金融支援策としまして、県の特別保証融資制度経営安定化サポート資金に経営安定枠を設けているところでございます。  この経営安定枠は、最近三カ月の売上高または受注高もしくは経常利益が過去三カ年のいずれかの年の同時期と比較しまして一〇%以上減少しているものを対象に、融資限度額四千万円、融資利率は金融機関所定利率から年〇・八%引き下げ、融資期間十年以内ということで実施させていただいております。  また、東日本大震災の間接被害により経営の安定に支障が生じている中小企業を対象にしました震災経営安定枠を通常枠とは別枠で利用可能な制度として実施しておりますが、要件に該当する企業におきましては、これもあわせて活用することで一層の資金繰り緩和を図ることが可能となります。  県としましては、今後とも、関係機関と連携を密にしながら、県内の経済状況に応じ、適時適切な金融支援に努めてまいります。  次に、本県景気動向と中小企業の景況の認識についてでございます。  日本銀行青森支店の十一月発表の県内金融経済概況によりますと、県内の景気は、一部に東日本大震災の影響が残るものの、全体としては緩やかな持ち直しが続いております。  個人消費は、家電販売で地デジ完全移行前の駆け込み購入の反動が見られるものの、新車登録・届け出台数が前年を大幅に上回ったほか、生産面でも、一部に震災前の生産水準を下回る企業が見られるものの、鉄鋼、紙・パルプで稼働停止となっていた企業が順次稼働を再開していることから、持ち直しが続いているとされております。  また、県内商工団体が四半期ごとに面接、聞き取りを行っている中小企業景況調査の第三・四半期のデータによりますと、前年同期と比較して業況が好転していると答えた企業から悪化していると答えた企業の割合を引いた業況判断DIはマイナス三八・一ポイントで、震災直後の調査時から一三・五ポイントの改善が見られ、資金繰りDIもマイナス二八・七ポイントで、一一・九ポイントの改善となっております。  このように、本県中小企業の景況は、回復の兆しが見られるものの、最近の円高に伴いコストダウン要請が強まる一方で、原材料価格の高騰が続く状況に加えまして、タイの洪水被害による影響、世界経済の減速など先行きの不安材料もうかがわれる予断を許さない状況が続いているものというふうに認識してございます。 71 ◯副議長(相川正光) 農林水産部長。 72 ◯農林水産部長(渋谷義仁) リンゴ産業の振興に関する御質問二点についてお答えいたします。  最初に、二十三年産リンゴの作柄についてであります。  県が八月二日時点での調査に基づいて発表した二十三年産リンゴの予想収穫量では、昨年夏の高温や日照不足などの影響によりリンゴの花芽が減少し、主力のふじを中心に着果量のばらつきが多かったことから、前年産の実収量よりも九%少ない四十一万二千八百トンとしたところであります。  しかし、十一月二十日ころまでの県内農協や産地市場の集荷状況を見ると、前年産を二割程度下回っており、本年の生産量は当初の予想収穫量を下回るものと見込んでおります。  この要因といたしましては、本年七月から八月中旬にかけて続いた干ばつにより果実の肥大が平年を下回ったこと、ビターピットなどの生理障害果が多かったこと、結実はしたものの果実肥大が進まない生育不良果の発生が多かったことなどによるものと考えております。  次に、収量減少による農家所得への影響と対応についてであります。  本年は、県全体のリンゴ生産量が昨年産を下回る見込みとなっていますが、平年作を確保した生産者も見られるなど、個々の収穫量のばらつきが大きい状況となっております。  一方、本年産リンゴの販売価格については、十月中旬以降、産地市場、消費地市場とも前年や過去三カ年平均価格を上回って推移していることから、今後の動向にもよりますが、現段階では、農家所得が全体として大幅に減少する見通しとはなっていないものと考えております。  しかしながら、減収量が大きく、所得減少を余儀なくされている生産者もおりますので、県といたしましては、これらの方々に対して、地域県民局が中心となって、農協などの関係団体と連携しながら、経営改善や制度資金融資などの相談にきめ細かく対応してまいります。 73 ◯副議長(相川正光) 県土整備部長。 74 ◯県土整備部長(大澤健治) 建設工事における下請代金の適正な支払いについて、元請企業に対しどのような指導を行っているかについてお答えいたします。  県では、建設工事の下請契約及び下請代金の支払い状況について、より一層の適正化を図るため、建設業法に基づき、事業所への立入検査を実施しています。  立入検査の対象業者は、県発注工事の受注が多いものや低入札で落札したものから選定し、対象工事は、県発注工事に限らず、国、市町村及び民間が発注したものを対象としています。  立入検査では、契約や支払いに関する関係書類を確認し、不適切な契約状況等が確認された業者に対しては必要な勧告及び指導を行い、下請契約の適正化を図ることとしています。  これまでに延べ二百八十二者に対して立入検査を実施しており、契約書の記載内容が不十分である、下請負人に対して一定の期間内に支払いを完了していないなどの不適切な状況が確認された二百者に対して勧告及び指導を行いました。  今後も、引き続き、建設業における取引の適正化を推進してまいります。 75 ◯副議長(相川正光) エネルギー総合対策局長。 76 ◯エネルギー総合対策局長(阿部耕造) 東通原子力発電所の再稼働の必要性についての県の認識、大間原子力発電所の必要性についての県の認識、六ヶ所再処理施設の必要性についての県の認識の三点について御質問いただきましたけれども、関連いたしますので、あわせまして回答したいと思います。  まず、原子力施設の必要性の関係ですけれども、エネルギー政策は、国家の安全保障の観点から極めて重要な課題であり、国の責任において、中長期的にぶれない確固たる国家戦略としてその方針を示すべきものと考えております。  我が国のエネルギー政策の基本となりますエネルギー基本計画において、原子力発電については、供給安定性、環境適合性、経済効率性を同時に満たす基幹エネルギーと位置づけられているところであり、また、原子力政策大綱では、資源の乏しい我が国において、使用済み燃料を再処理し、回収されるプルトニウム、ウラン等を有効利用する核燃料サイクル政策を基本的方針としているところです。  本県は、これまで、再処理施設を初めとする県内に立地する原子力施設について、こうした国のエネルギー政策、原子力政策に沿う重要な施設であるとの認識のもと、その立地に協力してきたところでございます。  現在、国においては、来年夏の革新的エネルギー・環境戦略の策定に向け、エネルギー政策を白紙から見直すこととしておりますが、県としては、エネルギー政策については、中長期的にぶれない確固たる国家戦略として打ち出していただきたいと考えております。  また、原発の再起動のお尋ねがございましたけれども、東通原子力発電所を含め、全国の定期検査中の原子力発電所の再起動につきましては、事業者が実施したストレステストの結果を原子力安全・保安院が評価し、さらにその妥当性を原子力安全委員会が確認した上で関係閣僚が政治的に判断するとしているところであり、県としては国の動向を注視していきたいと考えております。 77 ◯副議長(相川正光) 齊藤議員。 78 ◯三番(齊藤 爾) 再質問、要望等をさせていただきたいと思います。  まず、リンゴ産業についてでございますけれども、部長さんのほうも触れられておりまして二割減ということなんですが、実感としてはもう少し少ないんじゃないかというふうに地元の人間としては思います。  ですので、この辺は、おいおいしっかりした数字的なものも出てくると思いますので、そういったものが出た場合、実際の数量に対応した対応を──例えば天融法というのはちょっと厳しいかもしれませんけれども、県単事業であったり、何かしらの対応をお考えいただけないかということをお伺いいたします。  さらに、先ほど、きめの細かい対応ということがございました。やはりそうなんです。個々の農家さんで比べると、前年と変わらないよという方も確かにいらっしゃいますが、一方で、三割しかないというような、農家によっての差、ばらつきが非常に大きい変わった年でもあります。  こういったこともありますので、先ほどおっしゃったような、個々の農家さんに対応していただくように、農協さんであったり、県民局であったり、そういったところに、改めて、県として、指導といいますか、方針を伝えていただければと思います。  そして、もう一点お伺いしたいのが、先ほどは、TPPの関係で、まだ決まってはいませんけれども、仮に撤廃になった場合、入ってくるリンゴもあるでしょうと。やはりそこは影響があると思います。
     それと同時に、一方で、今現在、台湾には青森県産リンゴを知事初め一生懸命売り込んでおります。そういったこと等を考え合わせると、入ってくることも確かに心配ではありますが、こちらから出ていくこと──例えばベトナムであったり、TPP参加国に対して積極的な売り込みをかけていく、攻めの農林水産業というようなことも考えられると思います。  そういったときにひっかかってくるのが、検疫であったり、そういった、いろいろ、関税ではなく検疫の問題が若干考慮されますので、そういったことについて県の見解をお伺いいたしたいと思います。  次に、検証結果ですが、必要性ということで、先般の委員会よりは、エネ局の局長さん、非常に踏み込んだというか、御答弁をいただきました。おおむね理解はいたしますが、一言、御提言といいますか──国の政策に協力してきたと。これは確かにわかります。しかしながら、一方では、きょうの「毎日」なんかでは、二〇〇二年に、東電と経産省の上のほうでは、再処理工場廃止についての合意というか、そういうものがなされたということもあります。一方で青森県として協力しておきながら、一方で、事業者、国は、不誠実といいますか、対応は納得できるものではないと思います。  ですので、知事におかれましても、国に追従するということではなく、青森県のトップとして──確かに再稼働なんかは先ほどの御答弁であれば判断するところじゃないのかもしれませんけれども、しっかりと知事の意見というものも言うということが大事ではないかなと思いますので、御提言させていただきます。  それと、最後、中小企業対策ですけれども、なかなか厳しい中でありまして、県のほうでもいろんな対策をとっていただけるということではありますが、実際、企業の方たちが相談に行くと、やっぱり、なかなか、はいきたとすぐ融資には結びつかないというのが現状のようです。確かに、個々の企業における財務内容であったり各種諸表の問題で──上げるわけではありませんので、あくまでも貸すということが前提ですので、すんなりいかないという場合も多いように思われます。  そういったところも、いま一度、もう少し踏み込んで助ければ何とかなるという企業も中にはあると思います。そういったことで、保証協会なり金融機関なりに、県として──やりなさいということは言えないでしょうけれども、そういったところもおもんぱかっていただくような方向性というのが考慮できないかということをお伺いいたします。  以上です。 79 ◯副議長(相川正光) 商工労働部長。 80 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 再質問にお答えします。  中小企業の金融という部分ではもうちょっと理解していただきたいというお話がございました。  国としても、金融円滑化法という形で、資金繰りが厳しい場合には、条件変更して、いわゆる返済額を猶予するような形で圧縮することによって、新たな資金需要にも対応できるようにという形での指導もしてございます。  私どもも、金融機関に対して、あるいは保証協会に対して、そういう中小企業の金融の円滑化については、引き続き積極的に対応していただきたいというようなお願いは機会あるたびに言わせていただいております。  で、個々の企業の経営内容ですので具体的にはこの場ではお答えできませんけれども、金融機関のほうからは、財務内容がどういう状態に置かれているのかというのがきちっと客観的に判断できるような資料を企業の側もつくっていただかないと正確な判断ができないということで、企業にも、そういう自分のところの財務内容は今こういう状態で、こういう資金が必要だということを金融機関に正確に伝えられるような努力もまた一方ではしていただきたいと。で、金融機関には、きちっとそれを受けとめて、どういう方法がいいのかということで相談に乗っていただけるように、これからもまたそういう形で円滑化が進むように努力させていただきたいというふうに思います。 81 ◯副議長(相川正光) 農林水産部長。 82 ◯農林水産部長(渋谷義仁) 再質問にお答えいたします。  ことしのリンゴの減収について、天災融資法や県災害条例の発動を視野に入れた対応を検討すべきではないかという旨の御質問がありました。  天災融資法に基づく天災資金や青森県農林漁業災害経営資金融通助成条例に基づく災害経営資金は、天災による農林水産物の被害が著しく、国民経済や県民経済に及ぼす影響が甚大であると認められる場合に発動されることから、ことしのリンゴの減収に関しての発動については現段階では難しいものであるというふうに考えております。  なお、津軽地方の農協の中では独自に低利の資金を設けて対応していると聞いており、県といたしましては、これら農協独自の資金や日本政策金融公庫が常設している農林漁業セーフティネット資金の活用について被災農業者を指導してまいりたいというふうに考えております。  また、TPPに関しての検疫のお話がございました。  食品の輸入におきましては、WTOの衛生植物検疫措置の適用に関する協定、いわゆるSPS協定の中で、食品安全に関する措置を実施する権利が各国に認められているとのことでございます。  このため、SPS協定で認められた食品安全に関する措置を実施する権利を妨げる提案を受けることはないというふうに聞いているところでございます。 83 ◯副議長(相川正光) 三十分間休憩いたします。 午後三時休憩    ────────────────────── 午後三時四十八分再開 84 ◯議長(高樋 憲) 休憩前に引き続いて会議を開きます。  一般質問を続行いたします。  三十六番森内之保留議員の登壇を許可いたします。──森内議員。 85 ◯三十六番(森内之保留) 自由民主党の森内之保留です。  所感を申し述べさせていただきます。  東日本大震災により、本県を含め広範囲にわたる地域が甚大な被害を受け、被災地では復旧・復興に向けた取り組みが進んでおりますが、今もなお、多くの人々が心を痛め、元気を失っている状況にあります。  こうした中で、人々を勇気づけてくれたのは、きのう流行語大賞にも選ばれましたなでしこジャパンなどの活躍に代表されるスポーツの明るい話題です。  この夏に開催されました北東北三県によります全国高校総体、いわゆるインターハイも、大きな感動と元気を与えてくれました。  東日本大震災が起こり、計画の見直しを余儀なくされ、また、三県による初の開催で、何度も秋田、被災地岩手両県へ足を運ぶなど、困難を乗り越え、成功をおさめました。  県高等学校体育連盟会長の柴田青森西高校校長を初めとする高体連関係者、会場地となった県内五市、そして橋本教育長を初め県教育委員会の関係者など、多くの方々のこれまでの御労苦に対して敬意と感謝を申し上げます。  総合開会式を見せていただき、各競技会場に実際に足を運んで高校生たちが懸命に取り組む姿を目の当たりにしましたが、その活躍には目覚ましいものがありました。  選手のひたむきな姿、はつらつとしたプレー、総合開会式での生徒代表の越後奈央子さんの歓迎の言葉を初めとして、明るく躍動感あふれる公開演技や式典音楽、そして、大会全体の運営や準備に高校生自身が携わる一人一役活動など、すべての高校生に称賛の拍手を送りたいと思います。  このような本県高校生の活躍を見て、改めて教育の大切さを実感いたしました。子供たちが、本県、そして日本を支えていく人財となっていく過程で教育のあり方が大きくかかわってくるのは言うまでもありません。子供たちには、学業やスポーツに励むのはもちろんのこと、人として大切なあいさつなど、礼儀をしっかりと身につけてもらいたいと思います。  そのためには、教育現場における教員等のさらなる資質向上が不可欠でありますので、教育長を先頭に、本県における教育の質の向上にしっかりと取り組んでいただくようお願いを申し上げます。  さて、本県が目指す生活創造社会に向けた取り組みは、本県の持つ強みを最大限に生かすとともに、可能性の芽を大きく育て、青森県のよさをしっかりと次世代に引き継いでいくものと確信いたしております。知事におかれましては強いリーダーシップを発揮していただくことをお願い申し上げます。  通告に従い一般質問を行います。  初めに、大規模災害時の住民避難対策と防災情報の確実な伝達についてお伺いをいたします。  東日本大震災からはや八カ月が経過し、被害の全容が順次明らかになっていく中で、特別委員会で田名部議員もおっしゃっておられましたが、逃げおくれの問題が浮き彫りになってまいりました。  先般、宮城県のある地域で、地震発生から大津波の到来まで一時間以上の時間があったにもかかわらず、多くの人が逃げおくれ、犠牲になったとのテレビ特集を見ました。  津波を想定した避難訓練を過去に繰り返し実施していたのに、なぜ大津波に対して逃げおくれてしまったのか。それは、私たちが災害時に陥りがちな心のわながあったということです。  一つは、正常性バイアスと呼ばれる意識です。バイアスとは偏見や先入観という意味ですが、警報などで身の危険が予想される状況においても、自分にとって都合の悪い情報を無視あるいは過小評価し、根拠なく大丈夫と思い込んでしまう偏見です。  もう一つは同調バイアスと呼ばれる意識で、大勢の人たちと一緒に行動をとることで大丈夫だと思う偏見です。危険な場所にいても、一緒にいれば恐らく大丈夫だろうという心理状態をいいます。  今回の東日本大震災では、これまでの日本の技術を駆使した防潮堤が破壊されるなど、ハード整備の限界も明らかになりました。そうなると、命を守るためには、津波注意報や警報が出たら即座に避難行動をとることが極めて重要になります。住民に高い避難意識を持たせることと、迅速かつ確実な災害情報の伝達を行うことが不可欠です。  東日本大震災では、八戸市やおいらせ町の沿岸部に設置した防災行政無線の一部が大津波により故障し、津波警報や避難指示が放送されなかったという問題も発生しております。次なる大災害に備え、県や市町村は万全の対策を図っていく責務があると考えます。  三点質問いたしますが、一点目として、東日本大震災では迅速な避難行動の重要性が再認識されたとのことですが、避難意識の啓発に向けて県はどのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。  二点目として、津波警報等の防災情報を迅速な住民避難につなげる観点から、市町村では津波情報や避難指示等の防災情報をどのように住民に伝達していくのかお伺いをいたします。  三点目として、東日本大震災を踏まえ、住民に対する情報伝達体制を充実する必要があると考えますが、エリアメールや衛星携帯電話など多様な通信手段の確保に向けて具体的にどのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。  次に、県産品の販売拡大についてお伺いいたします。  長引く景気低迷に加えて、東日本大震災や原発事故などにより日本経済は非常に厳しい状況にあります。  このような中で、本県経済を活性化していくためには、何よりも、本県の強みである安全・安心な農林水産物や付加価値の高い加工品を積極的に海外へ販売し、食産業を活性化していくことが重要だと思います。全国有数の食料供給県である本県は、高いブランド価値を誇る農林水産物や個性豊かな料理など、食の強みを武器に外貨を獲得していくべきと考えます。  県においては、消費者の立場に立った安全・安心ですぐれた県産品を積極的に売り込む攻めの農林水産業を主要施策に掲げ、全国でも先駆的な総合販売戦略課を設置し、販売促進活動を精力的に展開しております。  知事自身もトップセールスに意欲的に取り組み、その結果、大手量販店との通常取引額は年を追うごとにふえ、首都圏のみならず、関西地域、九州・沖縄地域への販売拡大など、着実に成果があらわれているものと感じております。  ことし七月には、昨年十月末から運休となっていた名古屋との航空路線が県当局の積極的な働きかけにより復活をしております。運航後の高い利用率からもこの路線の必要性が十分認識されたとのことであり、中京地域からの誘客や経済交流活動等のためにも、この路線をしっかりと定着させなければなりません。同時に、中京地域における本県の認知度や県産品の販路拡大を図るための絶好の機会として活用すべきと考えます。  そこで、質問をいたします。  一点目として、県産品の販売拡大に向けた県のこれまでの取り組み実績と今後の展開方向についてお伺いをいたします。  二点目として、青森─名古屋線の就航を機会に中京圏における販売活動を積極的に展開すべきと考えますが、県の取り組みについてお伺いをいたします。  次に、観光振興に向けた幹線道路の整備についてお伺いいたします。  東北新幹線新青森駅開業からはや一年が経過しようとしておりますが、本県の観光業界も、東日本大震災の影響を受け、大きな痛手を負っています。  本県における幹線道路の整備は、県民生活の安全を守り、経済交流を促進させ、さらには観光産業を振興していくために必要不可欠であります。  先月には待望の国道四号土屋バイパスが開通の運びとなったところでありますが、これにより、沿線住民の安全が確保されるとともに、各種産業活動の活発化も期待されるところです。  この土屋バイパスに接続する県道夏泊公園線の整備も、東青地域における観光振興、産業の活性化に必要不可欠であると考えます。  二点質問いたします。  一点目として、夏泊公園線浦田─茂浦バイパスの進捗状況と今後の見通しについてお伺いをいたします。  二点目として、夏泊公園線東滝工区の整備状況と今後の見通しについてお伺いをいたします。  また、北海道新幹線を見据え、津軽半島全域の活性化には、昨年部分供用いたしました国道二百八十号蓬田─蟹田バイパスの早期の延伸も重要であると考えます。  そこで、国道二百八十号蓬田─蟹田バイパスの整備状況と今後の見通しについてお伺いをいたします。  次に、十和田湖への誘客促進についてお伺いをいたします。  十和田湖は、新緑の初夏、鮮やかな紅葉の秋、さらには白銀の十和田湖冬物語と、四季折々に見せる自然の美しさが最大の魅力であり、大町桂月を初め多くの文人に愛され、湖畔には、有名な高村光太郎作の「乙女の像」があります。多くの観光客でにぎわい、日本人はもとより、海外からも多くの観光客が訪れております。  しかし、最近では、以前より貸し切りバスを見かけることも少なくなり、観光客は減少していると伺っております。  私は、十和田湖の魅力は本県にとって貴重な財産であると思います。昨年十二月には、県民の悲願であった東北新幹線が全線開業し、十和田湖への最寄りの駅として七戸十和田駅が誕生いたしました。この一年は、開業記念ということで、観光面でも、大規模キャンペーンを初め、さまざまな取り組みが行われました。  しかし、本当に大切なのはこれからの取り組みです。この契機を一過性のものとして終わらせることなく、本県の力として確立させていくためには、多くの観光客が訪れるような仕組みづくりを工夫しなければならないと考えます。  十和田湖への誘客促進に向け、県はどのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。  次に、大鰐町の財政健全化についてお伺いいたします。  私は、ことし二月の第二百六十五回定例会において、市町村財政について、そこに暮らす住民が安心して暮らしていくためにも、各市町村の財政基盤が将来にわたり安定的に維持されなければならないと申し上げさせていただきました。  新聞報道等によりますと、大鰐町では、懸案であった三セク等の債務の返済方法等について関係金融機関との協議がまとまり、第三セクター等改革推進債の借り入れにより債務を処理し、三セク等を清算することになったとのことでした。  しかしながら、今後、三セク債を三十年という超長期にわたって返済すること、また、依然として十年程度は早期健全化基準を上回るということで、住民の方々にしてみれば、本当に大丈夫なのかという不安もあるのではないかと思います。  大鰐町には、県内を代表する温泉、スキー場、さらには、最近では、温泉を利用した温泉もやしなども有名になってきております。先日、もやしラーメンを食べました。温泉もやしの味がスープにしみ出し、風味が十分に生かされ、大変おいしくいただいております。  それらを含め、大鰐町には貴重な地域資源があります。これらを生かしながら、町の人々が生きがいと希望を持って暮らしていける方策を与えることが必要と思います。町がみずから努力することは当然でありますが、今後も長きにわたり厳しい財政運営を強いられるのは明らかであります。  先般十一月二十八日には大鰐町が県に対し財政の早期健全化に向けた財政支援の要望も行ったようでありますが、県内唯一の財政健全化団体である大鰐町の財政健全化に向け、県はどのような支援を考えているのかお伺いをいたします。  最後に、凶悪犯罪の撲滅についてお伺いいたします。  全国各地で、死体をばらばらにして遺棄するといった残忍な手口の殺人事件や警備保障会社に押し入って多額の現金を奪う強盗事件といった凶悪な事件が毎日のように発生しております。  そして、県内においても、ここ一カ月間で、殺人未遂事件やコンビニエンスストアに対する強盗事件などが相次いで発生しております。幸いにして、これらの事件についてはいずれも早期に犯人が逮捕されましたが、県民にすれば、凶悪な事件が発生すること自体に不安を覚えていると思います。  特に、年末を迎え、この時期に全国的にも多発する傾向にあるのがコンビニエンスストアや金融機関を対象とした強盗事件です。  県警察本部が基本姿勢として掲げている安全・安心まちづくりを進めるためには、早期の犯人検挙はもちろんのこと、何よりも事件を発生させないような対策をとることが重要ではないかと思います。  二点質問いたします。  一点目として、県内における過去三年間の殺人、強盗などの凶悪犯罪の発生状況と検挙状況についてお伺いいたします。  二点目として、コンビニエンスストアや金融機関を対象とした強盗事件の発生を防止するため、どのような対策に取り組んでいくのかお伺いをいたします。  以上、壇上からの質問を終わります。 86 ◯議長(高樋 憲) 知事。 87 ◯知事(三村申吾) 森内議員にお答えします。  まず、県産品の販売拡大に向けた取り組みと今後の方向であります。  私どものふるさと青森県は、肥沃で雄大な農地を有し、豊かな海に囲まれた農林水産物の宝庫であります。  私は、農林水産業を元気にすることが青森県を元気にするとの思いから、本県のすぐれた農林水産品や加工品を売り込んでいく攻めの農林水産業を県政の重要な柱に位置づけ、生産、流通、販売に携わる関係者との協働と連携により、安全・安心で良質な県産品のPRや販売活動を積極的に展開してきました。  具体的には、大手量販店やホテル、レストランなどをターゲットとした県産品の販路拡大を初め、商品力、競争力の強化に向けたブランド化の推進、あるいはふるさと産品消費県民運動の展開による地産地消の推進などに取り組んできたところであります。  その結果、平成二十二年度における国内大手量販店での県産品の取り扱い額が三百億円に達したほか、数々の県産品が首都圏の高級ホテルやレストラン等で取り扱われるようになり、また、地産地消の拠点であります産地直売施設の販売額も百億円を超えるなど、着実に成果が得られてきたものと考えております。
     今後は、このような攻めの農林水産業の成果をさらに大きく育てていくため、これまでの取り組みに加えて、議員からも御指摘がございましたが、中京圏への売り込み拡大や、近年成長著しいネット販売への参入を進めるほか、観光との連携を強化し、県内の生産者や事業者の収益力の向上に向けて、県産品のより一層の販売促進に努めていく考えであります。  浦田─茂浦バイパスの整備状況と今後の見通しでありますが、道路は、県民生活や社会経済活動を支える最も基礎的な社会基盤であり、観光振興の面におきましてもその果たす役割は大きいことから、本県ではこれまでも着実な整備に努めてきたところであります。  主要地方道夏泊公園線につきましては、地域の基幹産業であります水産業を支援する道路として、また、浅虫夏泊県立自然公園の観光振興に寄与する道路として極めて重要な役割を担う路線であると認識をするところです。  しかしながら、浦田─茂浦間は、山地部を通過するため、幅員狭小、そして急勾配、急カーブが続くことから、延長約二・六キロメートルのバイパス事業に平成十六年度から着手をしております。これまでに、起点側約三百五十メートルを部分供用しております。  また、平成二十年度に着手しましたトンネル工事につきましては、平成二十二年一月にトンネル本体が貫通したところであり、今年度は、トンネルの舗装・設備工事を実施するとともに、改良工事の概成に向けて工事進捗を図っております。  先般開通しました国道四号土屋バイパスに接続するこの路線につきましては、観光振興への相乗的な効果なども期待されますことから、浦田─茂浦バイパスの平成二十四年度内の全線供用開始を目指し、地元の御協力を得ながら整備促進に努めていきます。  十和田湖への誘客促進に向けての取り組みでありますが、十和田湖は、全国有数の美しい自然景観を誇る本県を代表する観光地であります。通年観光及び滞在型観光を推進する上でも重要な拠点であると考えております。  しかしながら、旅行形態が団体から個人へと変化していることに加え、ことしは、東日本大震災の影響による教育旅行の行き先変更や青森─ソウル線の運休など例年にない要因もございまして、国内外からの宿泊客が減少するなど厳しい状況となっております。  このため、首都圏を初め、韓国、台湾において、私もみずから旅行エージェント等に対し十和田湖の魅力を直接PRし、旅行商品の造成を強力に働きかけたほか、全国紙を活用した秋の十和田湖のPR、教育旅行の誘致促進、十和田湖冬物語への支援など、十和田湖地域への誘客促進に取り組んでおります。  また、十和田市を中心に近隣市町や関係団体等で組織いたします新たな青森の旅・十和田湖広域観光協議会では、国の観光圏の認定を受け、滞在型観光の促進につながる観光地づくりに取り組んでおり、自然景観の散策以外にも、湖上でのランチクルーズやカヌー、スノーシュー体験など、十和田湖の多彩な楽しみ方を提案する取り組みも行われております。  今後も、十和田市を初めとする関係機関・団体との連携をより一層強化しまして、十和田湖地域における受け入れ体制の充実や誘客促進を図り、十和田湖地域の観光振興に努めてまいります。  大鰐町の財政健全化に向けての支援であります。  大鰐町では、これまで、町が損失補償する第三セクター等に係る債務の返済方法の見直しについて関係金融機関と協議をしてきたところでありますが、私といたしましては、その結果いかんによっては、近い将来財政再建団体への転落の可能性もあるのではないかと危惧をしておった次第でございます。  元気な青森県、自立した地域づくりを進めるためにも、県内市町村を絶対に財政再建団体にするわけにはいかないと考えております。今般、三セク債の活用による債務返済方法等が合意されましたことは、当事者である金融機関を初め、三セク債を引き受ける県内の金融機関が、ともにこの大鰐町を財政再建団体にはしないという共通の意識、共通の思いのもとで一体となって真摯に対応していただいた結果ではないかと認識し、感謝しているところであります。  今後、大鰐町みずからが一層の財政健全化に向けた自助努力を進めていかなければならないことはもちろんではありますが、県といたしましても、町が少しでも早く財政健全化団体を脱却し、将来にわたって持続的かつ安定的な財政運営が行われるよう具体的な支援策を検討したいと考えております。  以上です。 88 ◯議長(高樋 憲) 行政改革・危機管理監。 89 ◯行政改革・危機管理監(小寺 謙) 大規模災害時の住民避難対策と防災情報の確実な伝達に関する御質問三点にお答えいたします。  初めに、避難意識の啓発に向けた県の取り組みについてです。  大規模災害時、とりわけ今回の東日本大震災のように大きな津波が発生した際には、何よりも速やかな避難を最優先するとの姿勢が重要であり、これまでも市町村と一体となって住民避難対策の強化に努めてきたところです。  今回の震災での避難するきっかけとして、地域における避難の呼びかけや率先避難が大きな要因であったことを踏まえ、みずから避難することが地域全体の避難につながることを理解し、ともに声をかけ合いながら迅速に避難するなど、地域が一体となり避難することの重要性を引き続き強く訴えていく必要がございます。  また、災害時に迅速かつ適切に対応するためには、住民が住んでいる地域の特徴や実情をよく把握し、共有することが不可欠です。  県としては、今後とも、住民避難対策に重点を置き、市町村に対し、避難場所や避難経路等を盛り込んだ具体的かつ実践的な津波避難計画の早期策定や内容の充実と住民への周知徹底、防災訓練の実施による実効性の向上を働きかけるほか、さまざまな研修会や出前トーク、地域防災リーダーの育成を通じた自主防災組織の育成強化など、あらゆる機会をとらえて住民の避難意識の啓発に努めてまいります。  次に、市町村における防災情報の住民への伝達手段についてです。  大規模災害が発生した場合には、気象庁等から震度や津波警報等の気象情報が県に伝達され、その内容は防災情報ネットワークを通じて市町村に伝達されます。  市町村から住民への伝達手段として、県内の四十市町村のうち三十八市町村では防災行政無線が整備されており、屋外に設置した拡声子局──スピーカーでございますけれども──や各家庭に設置した戸別受信機を通じて音声により津波警報や避難指示等を伝達することとしておりますが、ほかの二市町においても広報車等により伝達しているところでございます。  また、防災情報が地域住民に確実かつ迅速に伝達されるよう、エリアメールやコミュニティーFM等多様な伝達手段の活用にも努めているところでございます。  最後に、多様な通信手段の確保に向けた具体的な取り組みについてです。  東日本大震災のような大きな津波が発生し、緊急に避難が必要な場合には、住民への情報伝達体制の充実が不可欠であることから、県としては、市町村に対し、非常用電源を備えた災害に強い防災行政無線の充実強化とあわせ、衛星携帯電話やエリアメール、コミュニティーFMなど多様な伝達手段の確保について助言をしているところでございます。  この結果、本年十月までに、すべての市町村が、災害・避難情報等を携帯電話で配信するエリアメールを導入したところでございます。  また、今年度、市町村が孤立集落に衛星携帯電話を整備する場合に国が整備費用の二分の一を補助する地域防災力向上支援事業が創設されたため、今後も、市町村に対し、本事業を活用しての衛星携帯電話の整備について働きかけていくとともに、他の伝達手段の確保につきましても引き続き必要な助言を行い、防災情報伝達体制の充実を図っていきたいと考えております。 90 ◯議長(高樋 憲) 農林水産部長。 91 ◯農林水産部長(渋谷義仁) 県産品の販路拡大に関して、中京圏における販売活動の見解についてお答えいたします。  県では、県産品の販売拡大を図るため、これまで、首都圏を初め、関西地域や九州・沖縄地域を主体に販売促進活動を展開してきた結果、年々販路が拡大してきたところであります。  本年度は、さらなる販売拡大に向けて、新たに、中京圏をターゲットとして、大手量販店での県産品フェアの開催や知事トップセールスを実施したほか、中京地域に拠点を置く量販店に対する県産品の売り込み等に取り組んでいるところでございます。  また、議員御指摘のとおり、本年七月のフジドリームエアラインズによる青森─名古屋便の就航は中京圏へ県産品を売り込んでいく上で好機となることから、県産品フェアの会場内に観光コーナーを設置して、来店者に本県の観光PR等も実施し、物産と観光の両面から青森県の認知度向上を図っているところであります。  今後は、中京圏のニーズを的確にとらえ、関係機関との連携を強めながら継続的な販売システムの構築などに取り組み、これまで以上に積極的な販売促進を図ってまいります。 92 ◯議長(高樋 憲) 県土整備部長。 93 ◯県土整備部長(大澤健治) 夏泊公園線東滝工区の整備状況と今後の見通しについてお答えいたします。  主要地方道夏泊公園線東滝工区延長一・二キロメートルにつきましては、平成二十一年三月に漁業補償交渉が成立したことから、平成二十三年一月に公有水面埋立免許を取得し、今年度から県単事業で護岸工事に着手しております。  今後は、より一層の工事進捗を図るべく、来年度の社会資本整備総合交付金事業への移行を国に要望しているところであり、地元の御協力を得ながら整備促進に努めてまいります。  次に、蓬田─蟹田バイパスの整備状況と今後の見通しについてでございます。  国道二百八十号蓬田─蟹田バイパスは、全体延長約七・二キロメートルのうち、既に供用済みである内真部─蓬田バイパスから外ヶ浜町の町道との交差点部までの約五・一キロメートルを一期工区として、東北新幹線新青森駅開業に合わせて平成二十二年十一月十一日に供用したところです。  これにより、青森市から外ヶ浜町までが国道二百八十号バイパスで直結され、観光振興のみならず、新幹線開業による広域交流の促進や地域の活性化に大きく寄与するものと考えております。  また、二期工区約二・一キロメートルについては、平成二十年度から調査・設計に着手し、現在、来年度からの用地取得を目指して調査を進めるとともに、JR東日本と跨線橋の工事着手に向けた設計協議を進めております。  今後とも、地元の御協力を得ながら整備促進に努めてまいります。 94 ◯議長(高樋 憲) 警察本部長。 95 ◯警察本部長(山本有一) 凶悪犯罪の発生・検挙状況と対策についてお答えいたします。  まず、県内における過去三年間の凶悪犯罪の発生状況と検挙状況についてであります。  警察におきましては、殺人、強盗、放火及び強姦の四罪種を凶悪犯としておりますので、これらの発生状況について罪種別の推移を申し上げます。  殺人の認知件数につきましては、平成二十一年中は十三件、平成二十二年中は二件、平成二十三年一月から十月末までは九件となっており、検挙件数は、それぞれ十二件、二件、九件となっております。  次に、強盗の認知件数につきましては、平成二十一年中は十六件、二十二年中は十六件、二十三年一月から十月末までは十三件となっておりまして、検挙件数につきましては、それぞれ八件、十五件、十一件となっております。  放火の認知件数につきましては、平成二十一年中は十六件、二十二年中は十八件、二十三年一月から十月末までは十二件となっており、検挙件数は、それぞれ十一件、十五件、十一件となっております。  最後に、強姦の認知件数につきましては、平成二十一年中は十三件、二十二年中は十一件、二十三年一月から十月末までは四件となっており、検挙件数につきましては、それぞれ十件、十三件、四件となっております。  次に、コンビニエンスストア・金融機関対象の強盗事件の防犯対策についてお答えいたします。  本年は、これまで、コンビニエンスストア対象の強盗事件の発生は六件、金融機関対象の強盗事件の発生はございません。  県警察では、平素から、コンビニエンスストア、金融機関に対して、店舗内外の防犯体制を確認する防犯診断、立ち寄り時における防犯指導、制服警察官やパトカーの姿を店舗周辺において積極的に見せる街頭パトロール活動を実施しているほか、コンビニエンスストアや金融機関が組織する団体と連携し、「警戒中」の表示板、カラーボールといった防犯機材の配付・整備などを実施しております。  このほか、コンビニエンスストアについては、特に深夜における積極的な立ち寄り、警戒活動を実施しております。また、金融機関につきましては、現金の取り扱いが多くなる年末年始の時期における警戒活動を強化するとともに、強盗事件を想定した防犯訓練などを集中的に実施しております。  県民の皆様の願いは、まさに、森内議員も御指摘のとおり、事件・事故の被害に遭わない平穏な暮らしであり、これらを未然に防止することが重要であると私どもは考えております。  県警察では、今後とも、県民の皆様に不安を与えるこれらの犯罪の予防、未然防止対策への取り組みを強化し、犯罪の起きにくい青森県の実現に向け、県警察一丸となって万全を期していくこととしております。  以上であります。 96 ◯議長(高樋 憲) 森内議員。 97 ◯三十六番(森内之保留) 御答弁いただきました。  ことし最後の一般質問をさせていただきました。それぞれ要望を申し述べさせていただきたいと思います。  災害時の避難対策についてですが、横浜議員への知事答弁にございましたけれども、やはり避難というのが最善の策だというふうに思います。先ほど壇上でも申し上げましたが、ハード面には限界があるのではないかといった考えを持ったほうが適切だと思います。  ハード面の対策と避難が一体となれば多くの人命が助かるというふうに思います。どのような災害で──例えば地震、大津波、それでどこまで避難すればいいのか、どのような避難をすれば安全なのかといったマニュアルというものが必要になってくるというふうに思います。  これは、県のほうで作成しても、やはり各市町村が一体となってやらないと絶対にできない。各市町村の理解を得て、その各市町村から地域防災をやっている町内会とかを巻き込んでやらないと、幾ら県が一生懸命やっても、理解がなければ安全ということは出てこないと思います。その点を各市町村とも連携をしながらやっていただきたい。  私は、御存じのように消防署に勤めていたとき、地震があると、消防車両で岸壁のほうに水位を見に行きました。今考えると非常に危ないことだなと。よく、北海道も映ると、岸壁のところに消防車両がいっぱいいるんですね。本当に危険なんですよ、今考えると。ただ、今までは、そんなに大きいものが来ないから見に行かせていたと思うんです。これからは、やはり、住民の避難をさせて、自分たちも安全だというところを見出していかないとだめだと思うんです。これは、担当の部長であります総務部長、何とかよろしくお願いしたいと思います。  それから、NHKの東日本大震災の特集を見て、先ほどのバイアス、いわゆる偏見、先入観というものを知りました。子供、大人合わせて何十人もの方が学校の三階に避難したそうです。海岸に近かったところでそこも危ないということを全然知らなかったらしいです。そしたら、軽トラに乗った、おじいさんではないですけれども、中年の方が行って、そこは危ないからと何回言っても、いや、ここは三階だから津波は来ないでしょうということで、最初は逃げなかったらしいです。  ところが、本当にそのラジオを聞かせたときに、三十メートルぐらいのが来るんだということで、みんな避難したそうです。避難したんですけれども、どこに避難していいかわからない。とにかく遠くに逃げましょうと。一人が進んだほうに全員行く。一人はこっちに逃げていっても、だれもいないから不安になって、また違うほうに逃げていく。で、襲われた。それがバイアスです。  やはり、津波は来ないでしょうとか、それほど高い津波は来ないでしょうといったようなことが、一回こういうふうにあったんですから、これからは、多分、それぞれの気持ちの中では逃げることが先決というふうになると思います。そこのところ、今後、確実な避難方法というものを確立していただきたいなということをお願い申し上げたいと思います。  先ほど、知事のほうから、県産品の販路拡大について中京圏という話をいただきました。  中京圏──皆さん名古屋に行くとよくわかると思いますが、食べ物を食してみれば味が濃い。津軽に似たようなところがあると思います。赤みそ、みそカツ、きしめんの味も濃い。名古屋の友達も、青森よりも濃いんじゃないかと言う人がいるほど確かに濃いんです。  この前、東奥日報のほうで、FDAの役員の方が増便もという話をしていただいて、大変うれしく思いました。これからは、中京圏も目指しながら、知事、何とか、いつもやっているトップセールスを中京圏でも思いっきりやっていただきたいなというふうに思います。  夏泊公園線のトンネル──越前議員がこの前見てきたそうで、すばらしいところだという話をしていただきました。隣の青森市でありますが、やはり行く機会が多く、あそこは景観もいいし、夏になれば泳ぎに行く人もいっぱいいます。そういう観点から、バイパスもできて、交通渋滞も緩和されるというふうに思います。  道路は、皆さんどの議員からも言われているように、つくってほしい、そして、避難経路にもなるといった状況でありますので、何とぞ今後ともお願い申し上げたいと思います。  いっぱい書いてはいるんですが──大鰐町が財政再建団体に陥らないようにと前回は強い口調で申し上げさせていただきましたけれども、やはり、町の努力、これを町のほうにもしっかりつくっていただきたい。で、県のほうがそれを支援しながら、財政再建団体に陥らないようにということが必要だと思います。  最後に、県警本部長のほうにお願いをしたいと思います。  確かに、凶悪犯を少なくしようと思っても、なかなか、その人の気持ちがどういうふうになるかといった雲をつかむようなことですので、努力はされていると思います。これから減っていくのを私たちも望みたいと思います。  私が一期目のときに、東通で、凶悪犯を警察官が取り押さえようとしたところ、防刃服を着ていたんですが、ナイフでわき腹を刺されてお亡くなりになった悲惨な事件がありました。警棒といいましても、住民の安全を確保して、その後自分の身の安全も確保しなければ、やはり悲惨な事件になるというふうに思います。  そこのところをかんがみながら、今後モチベーションを高くしていただくのが県警本部長の役目だというふうに私も考えておりますので、よろしくお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。 98 ◯議長(高樋 憲) これをもって一般質問を終わります。  以上をもって本日の議事は終了いたしました。  なお、明三日及び四日は、県の休日ですから休会であります。  十二月五日は午前十時三十分から本会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。 午後四時三十五分散会 Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...