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  1. 青森県議会 2011-10-06
    平成23年環境厚生委員会 本文 開催日: 2011-10-06


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ○開 会  午前11時00分 ◯越前委員長  ただいまから環境厚生委員会を開会いたします。  慣例により会議の記録署名委員を指名いたします。長尾委員、安藤委員にお願いいたします。  本日の審査案件は、本会議から付託されました議案4件及び所管事項であります。  なお、審査の順序は、健康福祉部・病院局関係、環境生活部関係の順に行いますので、御了承願います。  それでは、健康福祉部・病院局関係の審査を行います。  審査の順序は、初めに議案について、その後、所管事項について行います。  提出議案について、執行部の説明を求めます。──江浪健康福祉部長。 2 ◯江浪健康福祉部長  それでは、県議会第267回定例会に提出された諸議案のうち、健康福祉部所管に係るものについて、その概要を御説明申し上げ、御審議の参考に供したいと存じます。  議案第1号「平成23年度青森県一般会計補正予算(第4号)案」についてでございますが、健康福祉部関係の補正予算額は、22億7,595万3,000円の増額となっております。  この財源内訳は、使用料及び手数料69万円、国庫支出金16億6,762万1,000円、財産収入195万円、繰入金6億570万3,000円、諸収入2,025万3,000円、一般財源2,026万4,000円の減となっております。  次に、計上いたしました歳出の主なるものについて御説明申し上げます。  地域医療再生計画(三次医療圏)に基づく事業の実施及び支援のための基金の造成に要する経費15億円を計上するとともに、県全域を対象とする三次医療圏における医療機能の強化及び連携促進、がん・脳卒中対策、救急・災害医療体制の整備等に係る取り組みの充実・強化に要する経費1億8,384万7,000円を計上いたしております。  また、青森地域保健医療圏地域医療再生計画に基づき、県立医療療育センターを診療所併設の福祉型施設へ転換するための改修・増築に係る実施計画に要する経費5,071万4,000円を計上いたしております。  さらに、介護基盤緊急整備等臨時特例基金を活用し、老人福祉施設等における防災対策や介護のユニット化のための改修等に対する助成に要する経費2億1,650万を計上したほか、市町村が地域支え合い活動の立ち上げ支援等を行うための経費に対する助成に要する経費を計上いたしております。  東日本大震災対策関連経費としまして、人工呼吸器使用者等のための停電対策として、難病医療拠点協力病院や老人及び障害者福祉施設などにおける自家発電設備等の整備に対する助成に要する経費4,587万1,000円を計上いたしております。
     議案第2号「平成23年度青森県肢体不自由児施設特別会計補正予算(第1号)案」につきまして、県立さわらび医療療育センターの非常用発電装置の修繕等に要する経費222万1,000円を計上いたしております。  以上、健康福祉部関係の提出議案について、その概要を御説明申し上げましたが、何とぞよろしくお願い申し上げます。 3 ◯越前委員長  引き続きまして、病院局長からの説明を求めます。──青山病院局長。 4 ◯青山病院局長  県議会第267回定例会に提出された諸議案のうち、病院局所管に係るものについて、その概要を御説明申し上げ、御審議の参考に供したいと存じます。  議案第9号「平成23年度青森県病院事業会計補正予算(第1号)案」についてでありますが、病院局関係の補正予算額は収益的収入32万2,000円、資本的収入及び支出4,600万円を計上しております。  青森県病院事業会計における主なものといたしましては、県立中央病院における新人看護職員研修の実施に要する経費等の精査により収益的収入32万2,000円計上いたしております。また、地域医療再生計画(三次医療圏)に基づき、県立中央病院において非常用電源の供給体制を強化するのに要する経費として資本的収入及び支出4,600万円を計上いたしております。  以上、病院局関係の提出議案について、その概要を御説明申し上げましたが、何とぞよろしくお願い申し上げます。 5 ◯越前委員長  ただいま説明のありました議案に対しまして質疑を行います。  質疑は議題外にわたらないように願います。  なお、答弁者は、挙手の上、「委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。  質疑はありませんか。──寺田委員。 6 ◯寺田委員  議案第1号、歳出3款2項6目、障害児福祉費県立医療療育センター改修・増築事業について、前回の委員会で安藤委員からの質問に、県立医療療育センター整備基本構想の内容について説明、答弁されておりましたけれども、今回の定例会で県立医療療育センターを診療所併設の福祉型施設へ転換するため、改修・増築に係る実施設計に要する経費が計上されております。基本構想を着実に実行していく上で、福祉型施設に転換するための施設改修等を適時適切に行うことが重要であると考えます。  そこで、1点、質問させていただきます。青森地域保健医療圏地域医療再生計画に基づいて、県立医療療育センターを診療所併設の福祉型施設へ転換するための改修・増築に係る実施設計に要する経費、5,071万4,000円を計上しておりますけれども、施設の改修・増築に係るスケジュールについてお伺いをいたします。 7 ◯工藤障害福祉課長  お答えします。  平成23年3月に策定しました青森県立医療療育センター整備基本構想では、国立病院機構青森病院では医療ニーズの高い重症心身障害児者に対する専門的な医療を中心的に担い、県立医療療育センター2施設では、診療所を併設した福祉施設に転換し、肢体不自由児及び重症心身障害児者のための必要な医療・療育、福祉サービスを提供しつつ、地域の身近な各サービスの拠点として、在宅支援機能を強化することとしております。  一方、同計画の計画期間であります平成25年度までに、県立医療療育センター2施設を診療所併設の施設へ転換するためには、両施設について所要の改修及び増築工事を同年度までに完了させる必要があることから、今定例会に両施設の改修工事等に係る実施設計に要する経費の予算案を提案しているところでございます。  県立医療療育センター2施設の診療所を併設した施設への転換に当たっては、整備基本構想における施設機能及び具体的なサービス内容、国の設備基準等を踏まえた上で、あすなろ医療療育センターにつきましては既存施設の改修及び既存設備の更新等を、さわらび医療療育センターについては既存施設の改修及び既存設備の更新等に加えまして、在宅支援サービスを新たに提供するための増築を行います。  この両施設の改修・増築に係る今後のスケジュールとしましては、平成23年10月から平成24年3月まで実施設計を行いまして、平成24年7月に改修・増築工事の開始、平成25年9月以降工事竣工という予定となってございます。  県といたしましても、引き続き、施設利用者及び利用者団体等の意見を集約しつつ、利用者の利便性を確保し、利用者が安心、安全で快適に過ごすことができる施設の整備に努めてまいります。  以上です。 8 ◯寺田委員  25年の9月に工事が完了するということでよろしいんでしょうか。そして、25年の10月から福祉型施設への転換が行われるということでよろしいんでしょうか。確認させていただきます。 9 ◯工藤障害福祉課長  お答えします。  竣工時期が25年9月以降ということで、具体的にはまだ決まっていないんですが、現時点では、さわらび医療療育センターが9月以降、あすなろ医療療育センターが11月以降の見込みという予定となってございまして、竣工を受けまして、その後、新規入所者の受け入れなども含めまして、ある程度、運営に係る準備期間を設けた上で、診療所及び施設サービスの提供を開始するという予定になってございます。  以上です。 10 ◯寺田委員  福祉型施設へ転換をした施設の運営というのは、いつからなのか、まだ今の段階でははっきりされていないんでしょうか。 11 ◯工藤障害福祉課長  そのとおりでございます。 12 ◯寺田委員  このことについて、地域医療再生計画に基づいて着実に取り組んでいかれるように要望して終わります。 13 ◯越前委員長  ほかに質疑ありませんか。──安藤委員。 14 ◯安藤委員  それでは、最初の質問ですが、議案第1号「平成23年度青森県一般会計補正予算(第4号)案」について、歳出4款4項2目、医務費、被ばく医療普及啓発事業について、地域医療再生特別対策事業費における被ばく医療普及啓発事業の内容についてお伺いします。 15 ◯藤本医療薬務課長  お答えいたします。  今回の三次医療圏を対象といたしました青森県地域医療再生計画案の策定に当たりましては、本県の特徴的な医療課題でございます、1つには医師不足、それから短い平均寿命、そして厳しい自然・地理条件下での医療提供、こういう3つの課題に取り組むこととしております。このうち、厳しい自然・地理条件下での医療提供の医療課題に対しましては、先般の東京電力福島第一原子力発電所の事故を踏まえまして、原子力災害に対する県民の不安への対応が必要となっております。  そこで、県民の不安を軽減し、万が一の事故の際に、県民が適切な行動をとることができるように、緊急被ばく医療体制や放射性物質による健康影響等に関する基本的な知識の普及を図るために、これらに係る施策に取り組むこととしたものでございます。  具体的には、被ばく医療の調査研究、一般県民向けの講演会、講演会の参加者に配布する、わかりやすい放射線に関するリーフレット等の作成、小中高校生を対象とした実験セミナーの開催、これらを本年度から25年度までの3カ年で実施することとしております。  なお、これらの取り組みに当たっては、緊急被ばく医療に係る人材育成とか、被災地である福島県において被ばく状況調査、そして環境調査等を積極的に実施しております弘前大学と連携しながら実施したいと考えております。  このうち、本年度は、被ばく医療の調査研究として、放射性物質による健康影響等に関する調査研究の実施、また、放射線に関する基礎的知識及び人体への影響について、被ばく医療の専門家による講演会、これを下北地域において実施することとしており、これらに要する経費を9月補正予算案に計上し、御審議をいただいているところでございます。  以上です。 16 ◯安藤委員  今の答弁によりますと、今年度は調査研究ということのようですが、この調査研究の主体は弘前大学ということになるのでしょうか。それから、下北地域で講演ということですが、この際の講師等について、もし決まっているのであれば伺いたいと思います。 17 ◯藤本医療薬務課長  調査研究事業の具体的な内容、また、その実施主体については、基本的には委託して行いたいと思っていますけれども、これについては、関係機関とただいま協議中でございます。  それから、下北地域における講演会につきましても、これについてはどのような講師とするかも現在調整中ということで、この場でちょっとお答えすることはいたしかねます。  以上です。 18 ◯安藤委員  青森県の特殊性、厳しい自然にどう立ち向かうかという中の一つの課題として、原子力施設での万が一の事故の際にどう県民が対応するか、どういう意識を持つかという、そういうことだということなんですが、実際に今、福島第一原発事故が起きて、放射線に対する不安というのが今まで以上に大きなものになっているわけですが、日常的にテレビなどでも福島を中心とした放射線量だとか除染の問題を毎日目にし、耳にする中で、大変、青森県民の皆さんも、万が一の事故が起きたと言わなくても、今、実際に万が一の事故が福島で起きて、不安にさらされているわけなんですが、そういう中で、私のところにも、今、青森県でやっている放射線の調査、あるいは被ばく線量の測定などがこれで十分なのか、不十分ではないか、そういう声もいただいています。それで、そうした県民の皆さんの不安にしっかりこたえるためにも、青森県の測定の体制などもしっかりと行っていく必要があると思うわけですが、皆さんのところでの事業の中では、そうした県民の皆さんの不安にどうこたえていくか、相談などにもこたえていける体制が構築されるのか、その辺について、ちょっと伺いたいと思います。 19 ◯藤本医療薬務課長  まず、先ほどお答えした一般県民向けの講演会、これは下北地域というのは今年度、1回やりますけれども、今後、来年度も含めて、各二次医療圏ごとに開催していくと、そうことで全県的にやるということで考えております。  それから、御質問の相談体制ですけれども、現在でも3月に医療薬務課、それから6つの保健所で相談窓口を設置し、相談を受け付ける体制としてはやっております。ただ、これについては、基本的にはスクリーニングの希望がある場合に、御相談があれば、それについて、必要があるのかどうかも含めてやりますけれども、その中には、今、委員の質問のような、いろんな不安のお問い合わせもございます。ですから、それに対しても、こちらのほうでお答えできる範囲ではお答えするということでは、放射線に対する相談の体制は整えていると考えております。 20 ◯安藤委員  自然の中にも放射線があるので、そう心配することないという、余り不安にさせないための報道というか、広報がこれまでも繰り返しされてきたわけですけれども、やはりしっかりとした知識を持つことが、今、大切だと思いますので、科学的知見に基づいた正確な情報をきっちりと提供していただきたいと、これを要望しておきたいと思います。  次の質問です。歳出3款1項4目、老人福祉費、介護施設等自家発電装置整備費補助及び歳出3款1項8目、障害者福祉費障害者支援施設等自家発電装置整備費補助について、今回の介護施設等及び障害者支援施設等に対する自家発電装置整備費補助については、平成23年3月11日の東日本大震災以降に既に購入した自家発電装置も補助対象となるのか伺います。 21 ◯馬場健康福祉政策課長  国の通知でございますけれども、介護施設等及び障害者支援施設等において、平成23年3月11日以降の支出額のうち、補助要件を満たすものについては対象経費とすることができますので、補助対象となります。 22 ◯安藤委員  そうしますと、そういう施設も含めて、今回の補助の対象の施設数について伺いたいと思います。 23 ◯馬場健康福祉政策課長  まず、介護施設等でございますが、71施設が対象でございます。そのうちの9施設が先ほど申し上げました、既に3月11日以降整備されているというものでございます。それから、障害者支援施設は4施設でございます。 24 ◯安藤委員  今の数字の中の施設は、9施設は3月11日以降、準備したということなわけですが、あとの施設については初めて購入するということでよろしいのでしょうか、それともプラスして購入するということなのか。要するに自家発電がなければ命を維持するのに大変な器具、装置をつけていらっしゃる利用者がいるという施設だと理解していますので、その辺の実態というのはどうだったのか伺いたいと思います。 25 ◯馬場健康福祉政策課長  介護施設71施設中9施設が先ほど申し上げました3月11日以降の震災後に整備したということで対象になっているものでございますが、今回の71施設の中には、必ずしも新たに設置したというものばかりでなく、既に1台、2台はあるんだけれども、さらにふやしたいという部分も入っているということでございます。 26 ◯安藤委員  今回は補助が出るわけですが、購入の際の施設側の持ち出しはあるのかどうか。
    27 ◯馬場健康福祉政策課長  国の要綱によりますと、基準額が900万円、2分の1の補助ということになりますので、購入負担は2分の1ということになります。 28 ◯安藤委員  何台も買う施設については、持ち出しもそれだけ多くなると思いますが、それぞれの施設で、その辺は対応でき得るような金額と見てよろしいんでしょうか。 29 ◯馬場健康福祉政策課長  この補助要綱に基づいて、各施設法人のほうから協議が上がってきているわけでございますので、そういう理解でございます。 30 ◯安藤委員  今後、こうした準備がされて、利用者の方たちの命がしっかりと守れるような体制というのを今後も御指導いただければと思います。  次の質問ですが、歳出3款1項4目、老人福祉費、地域支え合い体制づくり事業費補助について、国から地域支え合い体制づくり事業分として交付された4億円のうち、今回事業化したのは1億円であるとお聞きしていますが、市町村に対して事業への取り組みを十分働きかけてきたと言えるかどうか伺いたいと思います。 31 ◯伊藤高齢福祉保険課長  お答えいたします。  本事業は、青森県介護基盤緊急整備等臨時特例基金のうち、昨年度の国の補正予算において、地域支え合い体制づくり事業として積み増しされた4億円を財源として、地域における日常的な支え合い活動の体制づくりの立ち上げに対する支援を行うものであり、これらの取り組みを行う市町村に対して助成するものです。  この市町村に対しましては、国から事業内容が示された後、昨年度のうちから説明会の開催や通知により事業の周知を図ったほか、今年度、事業の募集を行ったところ、市町村の取り組み予定が少なかったということもございまして、再度の募集を行ったものでございます。  以上でございます。 32 ◯安藤委員  再度、市町村に募集をかけたということですが、思うように市町村からの応募というか、それがなかったということの理由について伺いたいと思います。 33 ◯伊藤高齢福祉保険課長  この事業は、地域の支え合い体制の立ち上げに関する新たな取り組みに対する助成であること、また、平成23年度限りで終了する事業でございまして、平成24年度以降、次年度以降に取り組みを継続するためには、その経費は市町村の負担になるということなどを考慮して、各市町村において事業実施を検討したものと考えております。  以上です。 34 ◯安藤委員  既に今回出された地域支え合い体制づくりということについては、これまでも市町村である程度、そういう体制をつくってきたということも言えるのでしょうか。 35 ◯伊藤高齢福祉保険課長  それぞれの市町村において類似したような事業もあると聞いておりますが、この補助金に対しましては、既存の現在行われている事業の財源として振り向けることができないということで、新規事業に対してのみということでございますので、このような形になったと考えております。 36 ◯安藤委員  各市町村が在宅の高齢者の方たちに対して、どういう目配せをしていくかということは大変重要なことだと思うわけですが、ただ、今回のような国からこうした事業費が出されてくるという背景には、やはり介護保険から要支援の高齢者の方たちのサービスを外していくという方向性があるのではないかなと私は思うわけですが、今現在でも要支援のサービスを受けて、何とか自立を維持しているお年寄りが結構いると聞いています。ヘルパーさんの訪問などによれば、中には本当に要支援というサービスなんだけれども、ごみの山の中に生きているというか、そんなようなお年寄りもあったり、それから食べ物についても、手を差し出してあげなければ適切な食事もできないというようなお年寄りもままいらっしゃると聞いています。そういう中で要支援のサービスがなくなるということは、こういうお年寄りたちがこの先どうなるのだろうかという大変不安な声が聞かれます。そういう中での今回のような事業を新たに立ち上げさせるという意図もあるのではないかと思いますが、今回の事業との関連で、こうした要支援のお年寄りたちの今後自立を維持するための状況ということに対する危惧を私は感じるのですが、その辺について、県としてはどのようにとらえているか伺いたいと思います。 37 ◯伊藤高齢福祉保険課長  この事業は、自治体、住民組織、NPO法人等との協働による地域による日常的な支え合い活動の体制づくりの立ち上げに対する支援ということになっています。今回、市町村から協議が上がっている多くは、本事業を活用して要援護者マップ、要援護者と申しますと、高齢者、障害者、乳幼児、妊婦、ときには外国人を含むとされておりますが、これらの状況を、災害時のマップ、台帳を作成しまして、地域における見守りのネットワークの構築等に取り組むというものが多くございます。という趣旨から、要支援の方々の介護保険サービス、介護予防サービスとか、こちらのほうを減らそうという趣旨とか、そのようなものは直接には結びつかないのではないかと考えております。  以上でございます。 38 ◯安藤委員  結びつこうが結びつかないであろうが、やはり高齢者にとって安心して生きていけることのできる地域ということが重要なわけで、そういう意味から、県としては、市町村がどのような体制、高齢者にどう目配せできているのかということについては、ぜひ連携して体制を構築していただきたいと思います。ただ、介護保険の改悪については、ぜひそうした高齢者を守るという立場からも、介護保険の後退については声を上げていただきたいと思っております。  次の質問です。歳出3款1項4目、老人福祉費、介護基盤緊急整備等特別対策事業費補助について、老人福祉施設等における防災対策や介護のユニット化のための改修等については、希望するすべての施設が補助対象となるのか伺います。 39 ◯伊藤高齢福祉保険課長  お答えします。  国の介護基盤緊急整備等臨時特例基金管理運営要領を踏まえまして、県で作成いたしました青森県介護基盤緊急整備等特別対策事業実施要綱、この要件に該当する施設については補助の対象になります。  以上でございます。 40 ◯安藤委員  今回、防災対策という事業なわけですが、この防災対策とは、具体的にはどのような対策が対象になるのでしょうか。 41 ◯伊藤高齢福祉保険課長  お答えします。  対象になる施設の防災耐震改修など、防災補強改修、または利用者の安全確保等の観点から、老朽化に伴う大規模修繕等を実施するという部分についてでございます。  以上です。 42 ◯安藤委員  そうしましたら、その耐震改修などの工事について、今回の補正で何件の対応をするということになるのでしょうか。 43 ◯伊藤高齢福祉保険課長  防災改修支援事業については、25事業所に対しまして、それぞれ650万円でございますので、総額1億6,250万円となっております。  以上でございます。 44 ◯安藤委員  防災対策の一つとして、スプリンクラーについては、この事業とのかかわりはどうなんでしょうか。 45 ◯伊藤高齢福祉保険課長  スプリンクラー整備につきましては、今回の補正ではなく、既に予算化しておるものでございますが、既に、21年度、22年度、23年度までの3年間で補助を継続して行っているところでございます。 46 ◯安藤委員  わかりました。とにかく、老人福祉施設での災害に万全な体制をとっていくということは大変重要ですので、スプリンクラーについても、今年度までということですので、漏れというところがないように、ぜひとも十分配慮していただきたいと思います。  あと、ユニット化についてなんですが、ユニット化というのは個室ということになるわけですが、ユニット化のための改修工事については、施設側の希望というのはどのような状況なんでしょうか。 47 ◯伊藤高齢福祉保険課長  ユニット化の支援事業でございますが、それぞれの県内の市町村等を通じまして要望等を調査したところ、補正予算に計上しているものにつきまして、施設数ではなく床数、ベッドの数ですね、床数でございますが、27床の希望があります。  以上でございます。 48 ◯安藤委員  施設ではなくて、床数で27というのは、少ないなと感想を持つんですが、ユニット化ということに、利用する側の希望があっても、ユニット化になると、それだけ利用料も高くなるという、そういう体制の中で、やはり施設側としても希望者がなければ困るわけで、その辺の現状といいますか、ユニット化が余りどんどん進んでいかないという背景といいますか、利用者の需要というのは現状としてはどうなんでしょうか。 49 ◯伊藤高齢福祉保険課長  利用者個々の希望を調査したわけではございませんが、委員おっしゃいますとおり、従来型の個室あるいは多床室に比べて居住費が高く、低所得者が入居しづらいというデメリットと考えられる部分はございまして、それぞれの施設は従来型、あるいはユニット化、このバランスを考えて、市町村、あるいは県のほうに協議を上げてきたものと考えております。  以上でございます。 50 ◯安藤委員  1つの施設の中に従来型と、それからユニット型を併設するということは可能なんですか。 51 ◯伊藤高齢福祉保険課長  可能でございます。 52 ◯安藤委員  やはりこれについても、お金があるなしにかかわらず、ユニットを希望する人が安心して利用できるような、そういう体制という方向にぜひもっていっていただきたいと思いますので、ぜひ県としても国に声を上げていただきたいということを要望しておきたいと思います。  次に、歳出3款2項6目、障害児福祉費県立医療療育センター改修増築事業費について、あすなろ、さわらび医療療育センターを診療所併設の福祉型施設へ転換するための実施設計を行うに当たって、両施設の利用者の定員数についてお伺いします。 53 ◯工藤障害福祉課長  お答えします。  両施設の利用者の定員数といたしましては、あすなろ及びさわらび医療療育センターの福祉施設の入所サービスの定員としまして、肢体不自由児療護施設サービスが定員10名、障害者支援施設サービスが定員20名、また、福祉施設の在宅支援サービスの定員としましては、肢体不自由児通園施設サービスが定員10名、児童デイサービスは定員10名、日中一時支援事業サービスが定員10名、短期入所サービスにつきましては、障害者支援サービスの空床利用によりサービスを提供いたします。また、あすなろ医療療育センターのみで提供するサービスの定員としまして、重症心身障害児者通園事業B型サービス定員5名、また、有床診療所として病床数19床でございます。  両施設の実施設計に当たりましては、それぞれの障害福祉サービス等の定員等を踏まえて居室、病室等の面積を算定するとともに、施設利用者及び利用者団体等の意見を集約しつつ、利用者の利便性を確保し、利用者が安心、安全で快適に過ごすことができる施設の整備に努めてまいります。  以上です。
    54 ◯安藤委員  前回の委員会でもいろいろ聞いたんですけれども、いよいよ設計に入っていくわけですが、保護者の皆さんへの説明だとか、希望の聞き取りというのは、どのようなスケジュールで行っていくんでしょうか。 55 ◯工藤障害福祉課長  お答えします。  利用者の定員も含めました県立医療療育センター2施設の施設定員につきましては、関係団体とか利用者団体、学識経験者等をメンバーとします検討会議で検討いただいて、いろいろ御意見をいただき、反映させてきたところでございます。また、これまでもあすなろ、さわらびの利用者に対する説明会を開催し、整備内容等について御意見を伺ってきたところでございますが、今月中にも同様の説明会を両施設で開催しまして、各施設の今後の具体的なサービス内容、施設内容等について御説明し、御意見を伺う予定としております。今後とも利用者の御意見を伺いながら、施設整備をより充実したものにしていきたいと考えております。  以上です。 56 ◯安藤委員  現在、あすなろや、それからさわらびに入所している方たちが国立病院のほうに移っていく方もありますし、福祉型としての施設に残る方もあるわけですが、そうした中で、先ほど定員数についてはお聞きしたんですが、今、利用している方のほかにも、新たに希望する方も今後出てくると思いますが、そういう方たちの利用も十分見込んだような定員数になっていると考えてよろしいでしょうか。 57 ◯工藤障害福祉課長  お答えします。  現在の県立医療療育施設2施設に入所している重症心身障害児者は、あすなろで27名、さわらびで23名、合計で50名となっております。一方、今回の整備計画によりまして、青森病院の増床数40床、県立医療療育センター2施設の福祉施設転換後の総入所定員は60名、合計で100名分の受け皿を確保することとしております。まず、現在の医療療育センター2施設に入所している方、50名ですが、今後、青森病院及び医療療育センター2施設に受け入れることは可能でございますし、さらに50床、余裕がありますので、その後の対応も可能と考えております。  以上です。 58 ◯安藤委員  その辺についても、利用者の方たちの希望が十分反映されるようにお願いしたいと思います。  それから、今回の新しい方針の中に、さわらび園にもデイサービスがつくられることになるわけですが、あすなろのほうは、今までも実施されていたと聞いておりましたが、さわらびのほうのデイサービス等について、さわらび園の利用範囲の方たちは、これまではどういうふうな形でデイサービスの利用を行っていたのか、違う施設で利用できていたのか、あるいはそういう施設はなかったものなのか、その辺の背景について、わかれば伺いたいと思いますが。 59 ◯工藤障害福祉課長  お答えします。  デイサービスの利用者は、施設入所者と施設通院者のみで、他施設からのサービス提供は今までなかったということでございます。今後、新たにサービスを施設で行うということで、他施設についても対応できるように検討していきたいと考えてございます。  以上です。 60 ◯安藤委員  入所していない障害者の方たちがデイサービスなどによって、在宅の障害者の方たちも、そうした形でデイサービスを利用できるという理解でよろしいんでしょうか。 61 ◯工藤障害福祉課長  そういう御理解で結構でございます。 62 ◯安藤委員  ということは、今までになかったサービスが新たに取り入れられるということでは前進面だなと思います。いよいよ今月中に利用者の方たちへの説明も始まるようですので、十分、さまざまな意見をお聞きして、利用者の方たちの意向に沿った形での対策を講じていただきたいと思います。そのことを要望して終わります。 63 ◯越前委員長  ほかに質疑はありませんか。  [「なし」と呼ぶ者あり]  ないようでありますから、これをもって質疑を終わります。  これより議案の採決をいたします。  議案第1号中所管分の原案に賛成の方は御起立を願います。  [賛成者起立]  起立多数であります。  よって、原案は可決されました。  次に、議案第2号及び議案第9号、以上2件の原案に賛成の方は御起立を願います。  [賛成者起立]  起立総員であります。  よって、原案は可決されました。  次に、執行部より報告事項があります。──江浪健康福祉部長。 64 ◯江浪健康福祉部長  それでは、社会福祉法人青森県社会福祉協議会の運営体制の改善状況等について御報告をいたします。  まず、これまでの経緯についてでございますが、平成21年度の青森県社会福祉協議会の一般監査及び特別監査におきまして、生活福祉資金貸付金の着服及び使途不明金が発覚いたしました。着服分については、当時、生活福祉資金貸付事業を担当していた元県社協職員により、平成21年9月18日付で返還済みとなっているものの、使途不明金分については原因者の特定ができず、調査に限界があったことから、平成21年11月19日付で県社協から青森警察署に対し、告訴状を提出したところです。  平成21年12月、県社協から、同協議会立て直しに向けて、県職員派遣の要請があったことから、平成22年2月1日から健康福祉部職員3名を派遣しております。なお、派遣期間は平成23年度末までとしております。  平成22年1月以降、県では県社協に対し、平成22年度までは毎月、平成23年度以降は四半期ごとに再発防止策について報告させ、その進捗状況について確認をしております。  平成22年9月に実施いたしました一般監査においては、軽微な事務的ミスなど指摘事項が7件ありましたが、それらについては、平成23年3月末までにすべての指摘事項が改善されております。  次に、平成23年度一般監査の結果についてでございます。期日は、平成23年9月5日から8日までの4日間にわたりまして、延べ監査職員数14人により実施をいたしました。場所は、県社協内の会議室で実施しております。  監査内容につきましては、自主点検表に基づき、平成22年度における県社協の法人運営状況及び各種事業の実施状況について、関係書類の確認及び関係職員からの聞き取りを行ったほか、昨年度の指摘事項の改善状況及び平成22年度の定例報告、再発防止策について、関係書類の確認及び関係職員からの聞き取りを行いました。今回の指導監査結果については、昨年度は指摘事項7件あったものに対し、今回は特段の改善、是正を求めるものはなく、法人の運営体制が改善されていることが確認されました。  次に、生活福祉資金貸付金を着服いたしました元県社協職員の逮捕についてですが、これについては先般、新聞報道されたところでございますが、逮捕者は当時、県社協において生活福祉資金貸付事業を担当していた職員で、平成21年9月30日付で県社協を懲戒解雇をされております。新聞報道によりますと、逮捕日は平成23年9月27日で、逮捕容疑は生活福祉資金貸付事業の返還金、平成19年12月28日分、平成20年1月30日分の一部、44万円を着服したことによる業務上横領の疑いとなっております。今後、残りの着服分についても調べを進める予定とのことです。  平成21年度の特別監査により確認いたしました着服額と使途不明金についてですが、着服額は741万2,325円、これについては平成21年9月18日、当該職員から返還済みでございます。また、使途不明金は1,006万8,140円、利息分といたしまして201万2,679円、合計で1,208万819円となっております。使途不明金へのその後の対応については、平成21年12月25日、県社協において、理事会及び評議員会の承認を得て、県社協の一般会計から特別会計、生活福祉資金貸付事業へ補てんしたところですが、現時点では使途不明金の原因者が特定されていないことから、法人会計においては未収金として取り扱っているところでございます。  今後の県の対応についてですが、県社協においては、今回の使途不明金の原因者が確定した場合、原因者に対し、損害賠償請求していくこととなることから、県としては、今後の動向を注視していくとともに、引き続き、県社協に対し、再発防止策の徹底を指導していくこととしております。  以上、御報告申し上げます。 65 ◯越前委員長  ただいまの報告事項及び所管事項について質疑を行います。  質疑は所管外にわたらないように願います。  質疑はありませんか。──夏堀副委員長。 66 ◯夏堀委員  今の生活福祉資金の貸付金を着服した元県社協職員のことでございますが、平成21年9月31日付で県社協を懲戒解雇ということになってございますが、退職金等はどうなっていますでしょうか。 67 ◯馬場健康福祉政策課長  懲戒解雇でございますので、退職金の支給はございません。 68 ◯夏堀委員  それで、使途不明金ということで、その対応で、未収金として計上してあるということなんですが、これは元金と利息を含めて1,200万ということで、どのくらいの期間、未収金として計上しておくのか、今後の計上方法はどのように考えておられますか、わかりますか。 69 ◯馬場健康福祉政策課長  今回逮捕された職員について告訴したわけでございます。その際には、不明金の部分についても情報提供しております。今の捜査の結果の状況を待って、それがけりがついたとしても、不明金の部分は解明できなかったとなれば、その時点で、その対応をどうするのか、検討していくということになると考えております。 70 ◯夏堀委員  裁判の行方がどうなっていくかによって違うんでしょうけれども、会計というのは、きちんとしなきゃならないと思うので、未収金の取り扱いは、事前にこういうふうなケースの場合はこうなんだということで、その取り扱い方を理事会等で決めておかれたほうが、会計処理上、いいのではないかと思いますので、その辺のところ、どのように考えているか。 71 ◯馬場健康福祉政策課長  県社協の考え方としては、これまで使途不明金については一義的に原因者、特定されれば、原因者に損害賠償請求すると。原因者が判明しない場合、あるいは原因者が判明したとしても回収できない場合については、残りの部分について、当時の責任のある役職員に対し、損害賠償を請求することになると考えております。 72 ◯越前委員長  部長報告に対する質疑が出ましたので、これに関連する質疑はございませんか。──安藤委員。 73 ◯安藤委員  今はまだ使途不明金については捜査中ということなわけで、これまでの具体的な証拠というものがまだはっきりしないということだと思うんですが、本人の供述というか、そういうところにおいて、使途不明金について、逮捕された本人とのかかわりということについてはどのように見ておられるのでしょうか。 74 ◯馬場健康福祉政策課長  21年度の調査をきっかけに、着服とか出てきたわけなんですが、その期間というものは19年度から21年度までの期間にわたっての部分でございます。この横領額の部分の741万2,325円という額については、本人も、その着服を認めたものでございます。その後、それ以前の部分、会計をさらに調査していった結果、使途不明の部分が出てきた。そこの部分は、平成16年度は事務費会計の部分ですが、17、18、19、20年度までの貸付会計の部分について、領収書等のない、あるいは借り入れているんだけれども、借り入れ先が判明しない、あるいは借り入れ先を書いているんだけれども、確認したら借りた記録がないというものが出てきた。その間、この事務を担当していたのは、先ほど懲戒解雇された、逮捕された職員ということでございます。ただ、本人は、そこの部分については認めていないというものでございます。県社協としては、それ以上の調査が不可能ということで、司法当局に告訴したということでございます。 75 ◯安藤委員  あとは捜査にゆだねるしかないとは思いますが、使途不明金のところも一日も早く解決していただきたいと望みます。  それで、こういう事態が起きてしまった社協の体質ということに問題の一面があったわけですが、こうした事件を起こさないための対策というのもいろいろ講じられているとは思いますが、その点について、この事件を契機に新しくとった体制ということについて伺いたいと思います。 76 ◯馬場健康福祉政策課長  県では、22年1月以降、県社協が直ちに立て直しに着手し、実効性のある再発防止策を実施していくため、毎月、再発防止策について県に報告するよう指示してございますけれども、その取り組みの内容といたしましては、1つ目として、職員の意識改革のための研修の実施、これを特別研修等々、実施してございます。それから、文書管理規程や経理規程に基づく内部牽制体制、チェック機能ですね、これの構築ということで、この徹底を図ってきております。そのほか、事務局の組織の改正であるとか、事務局職員の定期的な配置転換であるとか、それから外部からの顧問会計士の導入であるとか、それから年4回、内部点検、内部監査を実施するとか、それから経営会議、課長会議を通じた職場のコミュニケーションの充実、そういったもろもろ、単なるチェックだけでなくて、何のためにこういう手続が必要か、そういったところまで掘り下げて、職員の意識改革を図っているところでございます。
    77 ◯安藤委員  その辺の体制をしっかりと構築して、二度とこうした事件が起きない体質をつくっていただきたいと思います。やはりこういう事件が起きるごとに、県民の信頼を損なってきているのが事実なわけで、これを一つの教訓にして、再発防止に力を入れていただきたいと思います。 78 ◯越前委員長  部長報告に対して、ほかに質疑はありませんか。──相馬委員。 79 ◯相馬委員  こういう事件が発生するのは、やるべきことをやってないからなんです。恐らく会計規程なんかもあって、判こもつかなきゃならないことになっているのに、よく見ていない。これは上司に問題があるわけですよ。大体、事件発生しているのは、やることやってないから発生するんです。だから、原点に返って、やることをきちんとやって、決裁する人はきちんと見て決裁すればいいの。ところが、「そこに判こあるから」なんてやるものだから、住宅供給公社なんか、いい例でしょう。結局、やるべきことを、上司が決裁しなきゃならないのに、きちんと見て決裁しないからなんですよ。判こ、だからね、その辺に置くことはやっぱりだめなの。そこに判こあるからって、忙しいからって、そうすると、都合いいよね、着服する人は。判こ預けてもらうんだから、ばっと押せばいいんですから。そういうようなことで、まず基本に忠実でなきゃならない。会計規則はあるんでしょう、恐らくね。きちんとあると思うの。これをやることがまず第一なんですよ。この職員は、相当なれている職員ではありませんか、ちょっとそれについて答えてください。 80 ◯馬場健康福祉政策課長  済みません、今回逮捕された職員について、ちょっとその辺について把握しておりません。ただ、21年に発覚して、16年からの使途不明に、以前からかかわってございますので、そういう意味ではそれなりの経験がある職員と思っています。 81 ◯相馬委員  いや、こういうのが出てから、今度はこうしなきゃならないと。最初から決まっているんですよ、やること。それをやらないから、着服するんですよ。しかも、大体、長くやっていますと、上司もその人を信頼し過ぎる。だから、こういう事件が発生するんであって、何も金かけて、外部から専門の公認会計士なんか入れる必要ないんですよ。やることをやってればいいの。私も仕事柄、税理士という仕事をやってますから、よくわかるんですが。ですから、それをあんまり金かけてどうこうではなくて、もう一回、基本に返って、そしてやるようにきちんと言ってください。何ぼなれた人でも、なれたからといって、その人に一任しちゃうとやるんですよ。やっぱりこういう不景気な世の中ですから、金があれば、欲しくなるわな。それでも、ぐっと自分で抑えることができるんであればいいんですが、こういう人はそう抑えるわけにいかない。何かに使っているわけですよ。1回やると、次々とそれを埋めるためにまたやらなきゃならない。だんだん金額が大きくなってくるということですから。いろいろさっきの答弁を聞いていますと、そのとおりやれば、今度は発生しないんですよ。そのとおりやれば。しかし、何年かすると、またそこから脱線するわけですよ。だから、そういうことのないように、職員をかえるということも、これはいいんですが、それだけではなくて、原点に返って、決裁する人はきちんと書類を見た上で判こを押す、そういうことをすれば、こういう問題は起きませんから、そういうことで、社協を監督する責務があるんでしょう。きちんと頑張っていただきたいと思います。 82 ◯越前委員長  部長報告に対する質疑はほかにございませんか。  [「なし」と呼ぶ者あり]  ないようでございます。所管事項については、時間の関係上、午後にさせていただきたいと思います。  それでは、午さんのため暫時休憩いたします。  再開は午後1時10分といたします。 ○休 憩  午後 0時08分 ○再 開  午後 1時13分 83 ◯越前委員長  休憩前に引き続き委員会を開きます。  それでは、健康福祉部・病院局関係の審査を続行いたします。  質疑はありませんか。──安藤委員。 84 ◯安藤委員  それでは、所管事項の質問をさせていただきます。  認知症、知的障害、精神障害などによって判断能力が十分でない方を法律的に支援する制度として、成年後見制度がありますが、この成年後見制度について伺いたいと思います。  1つは、高齢者の成年後見制度の利用に向けて、県はどのようにかかわっているのか伺います。 85 ◯伊藤高齢福祉保険課長  お答えします。  高齢者が成年後見制度を利用するに当たって活用できる支援制度としては、介護保険法に基づく地域支援事業により、市町村が成年後見制度の利用が必要と思われる高齢者を制度利用につなげるために説明や関係機関の紹介等を行う権利擁護業務や高齢者の成年後見制度の申し立てに要する登記手数料・鑑定費用等の経費や選任された後見人等の報酬の助成等を行う成年後見制度利用支援事業がございます。県では、当該事業に要する経費の20%を負担しているところでございます。なお、権利擁護業務については必須事業であるため、全市町村で実施しておりますが、成年後見制度利用支援事業については、平成23年度は30市町村で予算措置をしている状況でございます。  以上です。 86 ◯安藤委員  今の答弁で、30市町村ということですが、この30市町村ということは、対象になった30市町村でそういう案件が生まれたという理解でよろしいんでしょうか。 87 ◯伊藤高齢福祉保険課長  あくまで、予算措置をして、対象者がいる場合、いない場合も、その年度によりあると思うんですが、予算措置をして事業をする準備ができているといいますか、その市町村数が30市町村でございます。 88 ◯安藤委員  この30市町村以外の市町村についても、ぜひそういう予算化をしていただきたいと思いますが、県としてはどのように考え、どう対応していくのか伺いたいと思います。 89 ◯伊藤高齢福祉保険課長  高齢者の成年後見制度の利用に向けて、県としましては、全市町村が利用に取り組むことが望ましい姿だと考えておりまして、今後、未実施の市町村については実施を促していきたいと考えております。 90 ◯安藤委員  平成22年度、昨年度についての利用件数はどの程度なのか、おわかりになれば伺いたいと思います。 91 ◯伊藤高齢福祉保険課長  お答えします。  平成22年度は、先ほどの答弁の23年度の予算措置に対応する答えといたしましては、予算措置している市町村は27市町村でございました。そのうち、実績がございました市町村は12市町村でございますが、利用件数何件という個々の件数については把握していないところです。  以上です。 92 ◯安藤委員  高齢者の方たちが、例えば認知症になってから自主的にそういう依頼はできないので、やはり周りの方がどう援助していくかということになると思いますので、ぜひ高齢者の方たちにこういった制度を適用した方がよいという方に対しては、スムーズに取り計らえるよう、そして、先ほどの答弁にもありましたように、全市町村がそうした体制をしっかりと構築できるように、今後も県としても力を入れていただきたいと思います。  それでは、同じ成年後見制度について、今度は障害者の成年後見制度の利用に向けて、県はどのようにかかわっているのか伺います。 93 ◯工藤障害福祉課長  お答えします。  障害者が成年後見制度を利用するに当たって利用できる支援制度としましては、障害者自立支援法に基づく地域生活支援事業により、市町村が、障害者が成年後見制度の申し立てを行う際に要するに登記手数料・鑑定費用等の経費及び選任された後見人等の報酬を助成する成年後見制度利用支援事業があります。県では、当該事業を行った市町村に対し、係る経費の4分の1を補助しております。なお、当該事業の実施実績につきましては、平成22年度は2市で3人の利用があったところです。  以上です。 94 ◯安藤委員  こちらも同じ質問になりますが、市町村でこの補助体制をとれている市町村、また、とれてない市町村の数を教えてください。 95 ◯工藤障害福祉課長  お答えします。  平成23年度で予算措置している市町村は9市でございます。  以上です。 96 ◯安藤委員  こちらも9市というのは、やはり不十分な体制だと思います。全市町村に予算措置が行われるように、その体制を働きかけていただきたいと思いますが、その点について、お考えを伺いたいと思います。 97 ◯工藤障害福祉課長  お答えします。  平成24年4月1日から現在は相談支援事業の1形態として任意事業となっております、この成年後見制度利用支援事業が必須化されることとなります。ただ、県内市町村におきましては、特に町村部で予算措置している自治体がないということから、去る8月9日、市町村障害保健福祉主管課長会議におきまして実施体制の確立を要請したところでありますが、引き続き、未実施の市町村に対し、当該事業の積極的な活用がなされるよう働きかけていきたいと思います。  以上です。 98 ◯安藤委員  先ほどの答弁の中で、平成22年は2市で3人ということでしたが、わりと少ない利用なんですが、この背景はどういうことが考えられるか伺います。 99 ◯工藤障害福祉課長  お答えします。  ただいまもお答え申し上げましたが、やはり市町村により、この事業の実施というのがこれまで任意ということであったということがやはり利用者が少ない原因の一つではないかと考えられるところでありまして、24年4月1日以降、この事業が必須事業となりますことから、今後は事業の利用がより促進されるのではないかと考えております。 100 ◯安藤委員  24年から必須ということになるようですので、ぜひしっかりとした体制をとっていただいて、知的障害、あるいは精神障害の方たちに対する対応が行われることを要望いたしまして、この質問は終わります。  次の質問ですが、高齢者虐待についてです。私のところにも時々、高齢者の方に対する、これは虐待と言えるのではないかというような相談が時々舞い込みます。あってはならないことですが、現実的には認知症の高齢者に対して、周りの方が虐待と思われるような対応をしているという実態もあると聞いています。  そこで伺いたいと思います。高齢者の虐待について、県はどのように実態を把握しているのかお伺いします。 101 ◯伊藤高齢福祉保険課長
     お答えします。  県内における高齢者虐待の状況等については、毎年度、厚生労働省からの通知に基づき実施しております高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律、いわゆる高齢者虐待防止法に基づく対応状況等に関する調査における各市町村からの報告により把握しているところです。なお、養介護施設従事者等による虐待については、高齢者虐待防止法の規定により、市町村が通報や届け出を受けた場合、その虐待の状況を県に報告することとなっております。  以上です。 102 ◯安藤委員  ちょっと聞き漏らしたかもしれませんが、養介護施設従事者による虐待の場合と、在宅において家族や、あるいは違う方からの虐待というケースがあるかと思いますが、両方の場合、すべて市町村に通告という体制になっているんでしょうか。 103 ◯伊藤高齢福祉保険課長  高齢者虐待につきましては、委員おっしゃるとおり、1つとしては在宅での養護者、もう一つとしては養介護施設等従事者、この2つに大別されることです。答弁の繰り返しになりますが、1つとして養護者の虐待防止につきましては、各市町村からの、厚労省からの通知に基づく報告により把握しており、養介護施設従事者等の虐待につきましては、市町村が通報や届け出を受けた場合、その虐待の状況を県に報告すると、いわゆる通知に基づく報告は年1回でございますが、養介護施設従事者につきましては、その都度、報告していただくということになります。 104 ◯安藤委員  県が把握しているその実態についても教えていただきたいんですが。 105 ◯伊藤高齢福祉保険課長  平成21年度でございますが、この年の県内の高齢者虐待の状況は、養介護施設等従事者等による虐待について、これについては3件の相談通報があり、うち、虐待を受けたと判断した事例は1件でございました。一方、養護者による虐待につきましては、相談、通報件数が283件でございました。そのうち、事実確認、調査等により虐待を受けたと判断した事例は、21年度208件でございました。  加えます。失礼いたしました。それから、21年度の208件の内訳を見ますと、虐待の種別、類型では、身体的虐待が約61%と最も多く、次いで心理的虐待が56%、経済的虐待46%、介護等放棄が21%となっております。また、被虐待者の性別でいいますと、女性が164人で約80%となっており、虐待する側の者としては息子である場合が44%、夫が19%となっているところです。  以上です。 106 ◯安藤委員  今のお話によれば、施設の従事者からの虐待も3件通報があって、そのうち1件が実際に行われていただろうということのようですが、こういう事例があること自体、本当に悲しいことなわけですが、実際には、多分、もっとあるのではないかなという気もしています。それから、また、在宅の養護者によっての虐待も283件の通報があって、実際にあったのが150件。 107 ◯越前委員長  質問ですか。質問であれば、質問と言ってください。はい、どうぞ、もう一回。──安藤委員。 108 ◯安藤委員  済みません、もう一度、確認させていただきます。  283件のうち、実際に虐待と認められた件数をもう一度、済みません、お願いします。 109 ◯伊藤高齢福祉保険課長  先ほどの説明がわかりにくい説明で申しわけございませんでした。  283件の相談通報件数に対して、事実確認、調査等により虐待を受けたと判断した事例は208件でございます。 110 ◯安藤委員  208件、在宅では確認されたということで、こうした事態を放置させるわけにはいかないわけですが、虐待と認知されたような事例が生じたときには、どのような対応をするのか伺います。 111 ◯伊藤高齢福祉保険課長  高齢者虐待の対応等については、第一義的に市町村が行うことになっており、県では、それに対する側面的支援を行っているところでございます。 112 ◯安藤委員  側面的な支援ということなわけですが、もう少し具体的に、具体的には市町村が対応するんだと思いますが、連携もすると思いますので、例えば施設で発生した場合はどう対応し、在宅でそういう事態があったときにはどのような対応をして解決を図っていくのか、済みません、もう少し踏み込んだ答弁をお願いします。 113 ◯伊藤高齢福祉保険課長  県では、平成20年度に高齢者虐待防止・支援マニュアルと高齢者虐待対応事例集のそれぞれの改訂版を作成いたしまして、各市町村に配布し、県のホームページにも掲載したほか、毎年度、市町村や地域包括支援センターの職員等を対象に、高齢者虐待防止に関する研修会を開催し、市町村における高齢者虐待対応への支援を行ってまいりました。また、高齢者虐待防止読本やパンフレットの作成・配布、高齢者虐待防止シンポジウムの開催やラジオ放送を通じての高齢者虐待防止に関する啓発などを行って、一般県民を含めて広く高齢者虐待防止に関する理解の促進に努めてきたところでございます。今後も研修会の実施や県の広報活動等を通じて、市町村の高齢者虐待対応への支援、高齢者虐待防止に向けての啓発を進めていくこととしております。  一方で、施設における虐待等につきましては、通報相談等がございましたときには、実態調査をするために、老人福祉法、それから介護保険法による施設の立入調査、あるいは開設者を呼んでの指導といいますか、そういうこともあわせて行っていくことになります。  以上でございます。 114 ◯安藤委員  そうした側面からの県としての支援を十分行って、虐待が確認されたときには速やかに高齢者の方が安心して生活できるような対応を講じていただきたいと思います。そして、今、虐待防止のための対策についてもいろいろお話いただきましたので、その対策についても、きちんと功を奏するように頑張っていただきたいと思います。そして、また、これは市町村との連携も重要な課題ですので、十分連携をとって、虐待防止に向けて力を入れていただきたいと思います。  以上で終わります。 115 ◯越前委員長  ほかに質疑はありませんか。──中村委員。 116 ◯中村委員  1点だけお聞きします。  今、高齢化社会を迎えて、認知症の高齢者がふえています。そういった中で、県では認知症になっても安心して住める地域、これをつくろうということで、ある事業をやっていますね。その事業が高く評価されています。そこで、この認知症地域支援体制づくり推進事業の概要、それからこの事業が必要だった背景、そして、3つ目は今後の事業の進め方、対応について質問します。お願いします。 117 ◯伊藤高齢福祉保険課長  認知症地域支援体制づくり推進事業に係る3点の御質問にお答えします。  1つ目といたしまして事業の概要でございますが、この事業は、認知症になっても安心して暮らせる地域づくりのために、認知症の正しい知識の普及啓発、早期発見・早期対応の体制整備を図るとともに、これまで取り組みが手薄であった若年性認知症者への支援として、若年性認知症者に適切な対応ができる人材を育成することを目的としております。  事業の内容といたしまして、1つとして、地域で暮らす認知症の人や家族を温かく見守り応援する認知症サポーターや、認知症サポーターを養成するための認知症サポーター養成講座の講師役となるキャラバン・メイトを養成するキャラバン・メイト及び認知症サポーター養成事業、2つとして、認知症の早期発見を目的としたもの忘れ検診をモデル市町村において実施し、要精検者を適切な医療ルートにつなげるシステムの構築を図るもの忘れ検診普及推進事業、3つとして、若年性認知症者への適切な対応に関する介護従事者への実地研修やシンポジウムを開催する若年性認知症ケア研修事業、これら3つの事業を行っております。  2点目として、この事業が必要になった背景でございますが、高齢化の進展に伴い、認知症高齢者がますますふえることが今後見込まれておりますが、厚生労働省の推計によれば、認知症の出現率は65歳以上の高齢者のおおむね7%とされておりまして、本県においては、認知症高齢者は平成22年で約3万人、平成27年には約3万6,000人に増加すると見込まれているところです。  こうした中で、県では、平成18年度から認知症対策に重点的に取り組んできたところですが、地域において認知症に対する正しい知識の普及が進んでいない、認知症の早期発見、早期対応システムが構築されていない、あるいは若年性認知症対策の取り組みが十分でないなどの、これらの課題が残されていることから、本事業に取り組んでいるものであります。  3つ目として、今後の事業の進め方、対応でございますが、本事業の進め方といたしましては、事業の概要で申し上げましたキャラバン・メイト及び認知症サポーター養成事業につきましては、社団法人認知症の人と家族の会青森県支部に委託しまして、2市町村において実施することとしております。もの忘れ検診普及事業につきましては、もの忘れ検診を実施するモデル市町村を選定して実施することとしております。3つ目の若年性認知症ケア研修事業につきましては、財団法人こころすこやか財団に委託して実施しているところでございます。  県といたしましては、この事業を重点的に進めるために、平成23年度の青森県基本計画未来への挑戦重点枠事業として位置づけており、認知症に対する正しい知識の普及と認知症の早期発見、早期対応システムの構築を目指すとともに、若年性認知症者支援を推進していくこととしております。  以上でございます。 118 ◯中村委員  答弁、ありがとうございました。この事業は必要な事業であり、いい事業であります。よって、これからもどんどん進めてください。  終わります。 119 ◯越前委員長  ほかに質疑はありませんかか。──相馬委員。 120 ◯相馬委員  高齢化がどんどん進んでおりまして、青森県でもどうですか、4分の1ぐらいは65歳以上という、そういう状況になってきているわけです。したがって、どこを見ても、高齢者にかかわる施設が非常に多い。走っている車も、そういう車が非常に多いということなんですが、そこでお尋ねをいたしたいのは、特別養護老人ホーム、あるいは老健施設だとか、あるいはグループホームだとか、有料老人ホーム等、いろいろあって、施設を見ても、よくわかりません。そこで、県内に一体、どれだけの施設があるのか、まあ、特養は今、ほとんどふえてないようですけれども、老健だとか、あるいは介護療養型医療施設だとか、いろんなのがあるわけですが、これらの件数をまず教えていただきたいと思います。 121 ◯伊藤高齢福祉保険課長  特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、認知症高齢者グループホーム及び有料老人ホームの実態について、県全体、それから青森市、弘前市、八戸市の旧3市におけるそれぞれの施設数についてお答えいたします。いずれも本年4月1日現在の施設数についてでございますが、特別養護老人ホームについては、県全体で99施設、青森市が12施設、弘前市が11施設、八戸市が10施設。介護老人保健施設については、県全体で60施設、青森市が13施設、弘前市が10施設、八戸市が7施設。介護療養型医療施設につきましては、県全体で26施設、青森市が5施設、弘前市が5施設、八戸市が6施設。認知症高齢者グループホームにつきましては、県全体で311施設、青森市が57施設、弘前市が45施設、八戸市が30施設。最後に有料老人ホームにつきましては、県全体で166施設、青森市が45施設、弘前市が34施設、八戸市が19施設となっております。  ただいま青森、弘前、八戸、主に3市だけをお答えしましたが、このほかにほかの市、あるいは郡部にもあるということでございます。  以上でございます。 122 ◯相馬委員  随分施設の数も多いなと。八戸が何かわりあい少ないんですね。みんな元気な老人が多いと見えまして、浜風が効果あるのかな。  そこで、これらの施設のうち、介護保険の給付を受ける対象となる施設というのはどれぐらいなのか、まず教えていただきたいと思います。 123 ◯伊藤高齢福祉保険課長  お答えします。  ただいま言いました施設のうち、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設及び認知症高齢者グループホームが介護保険の給付の対象となります。  もう一つ、有料老人ホームにつきましては、本県に所在するものは介護付有料老人ホームと住宅型有料老人ホームの2つに大別されるわけですが、介護付有料老人ホームは介護保険事業者の指定を受けて、特定施設入居者生活介護といたしまして居宅介護サービス費が介護保険から給付されます。一方、後者の住宅型有料老人ホームは介護給付費の対象となりません。なお、この住宅型有料老人ホームに入居されている方が介護が必要になった場合には、入居者の選択により、訪問介護など地域の介護サービスを利用することになります。  以上でございます。 124 ◯相馬委員  青森県介護保険事業支援計画で何か総量規制をしているようでありますけれども、これの対象となる施設というのは、今、いろいろ言っていただいた施設のうちのどれが入るのかお知らせいただきたいと思います。 125 ◯伊藤高齢福祉保険課長  現行制度では、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設及び認知症高齢者グループホームと、特定施設入所者生活介護を行う介護付有料老人ホームが総量規制の対象となってございます。  以上でございます。 126 ◯相馬委員
     今、福祉の関係の施設というのはどんどんできておりまして、そういう意味では金融の面も相当緩和されているのかなという感じもするわけでありますけれども、公費による補助制度の対象となる施設、あるいは独立行政法人福祉医療機構による施設整備のための貸付金の対象となる施設はどれになるのかお知らせいただきたいと思います。 127 ◯伊藤高齢福祉保険課長  施設の整備に当たりまして、国費による助成制度が設けられているのは、定員29名以下の特別養護老人ホーム及び同じく定員29名以下の介護老人保健施設並びに認知症高齢者グループホームであり、加えて介護療養型医療施設については、他の施設へ転換する場合のみ補助対象とされております。また、県の助成制度につきましては、平成23年度は定員30名以上の特別養護老人ホームの改築整備について対象としております。  次に、独立行政法人福祉医療機構による施設整備費等貸付制度につきましては、有料老人ホーム以外の施設に係る整備を貸付の対象としていると聞いているところです。  以上でございます。 128 ◯相馬委員  有料ホームというのは、かなり多いような気がするんですね。これは、結局、行政とかではなくて、そこに入所する人と施設を運営する人との話し合いで料金が決定すると、こういうようになっているんでしょうか。 129 ◯伊藤高齢福祉保険課長  有料老人ホームにつきましては、建設に当たっては、県の認可等は必要のないものでございまして、基準に合っていれば、その届け出をすれば、県としては受理せざるを得ないという状況でございます。その中身の入所者との契約につきましては、施設と個人との契約ということになります。  以上でございます。 130 ◯相馬委員  それぞれ、じゃあ、料金も違うだろうと。建物の構造だとか、サービスの内容とかによって料金が違うんでしょうけれども、それらについては、県のほうとしては、特に料金等については把握はしてないんでしょうか。 131 ◯伊藤高齢福祉保険課長  有料老人ホームにつきましては、施設によって金額はすべて同じではございません。ただ、その金額につきましては、ホームページで、すべての届け出をされている有料老人ホームにつきましては、その料金については公表しているところでございます。  以上です。 132 ◯相馬委員  そうすると、県のほうに届け出をするとか、あるいは何かの形で報告するとか、そういうようなことは一切ないものですか。 133 ◯伊藤高齢福祉保険課長  有料老人ホームの料金設定につきましては、県に届け出する義務があります。したがって、県で把握しております。 134 ◯相馬委員  有料老人ホームについては、有限会社だとか株式会社だとか、通常、企業でやっているというような感じがするわけなんですが、それはどういう法人であっても、個人でもいいんですか、その点。法人でなきゃならないのか、それとも個人でもいいのか。 135 ◯伊藤高齢福祉保険課長  個人であっても、有料老人ホームを開設することは可能ですが、いずれにしましても県に届け出ていただくという義務がございます。  以上です。 136 ◯相馬委員  市町村によっては、そういう施設をやる人に自粛を求めているところもあるわけですよね。自粛を求められても、それに応じる、応じないのはそれぞれの考え方でしょうけれども、県のほうとしては、特に、さっきの総量規制はあるでしょうけれども、それ以外であれば、有料老人ホームであれば、そういう規制は一切ないと、条件が合っていればいいという、そういうことになるわけですね。  はい、わかりました。 137 ◯越前委員長  ほかに質疑はありませんか。  [「なし」と呼ぶ者あり]  ないようでありますから、これをもって健康福祉部・病院局関係の審査を終わります。  執行部入れかえのため暫時休憩いたします。 ○休 憩  午後 1時47分 ○再 開  午後 1時50分 138 ◯越前委員長  休憩前に引き続き委員会を開きます。  環境生活部関係の審査を行います。  審査の順序は、初めに議案について、その後、所管事項について行います。  提出議案について、執行部の説明を求めます。──名古屋環境生活部長。 139 ◯名古屋環境生活部長  今定例会に提出されました諸議案のうち、環境生活部関係についてその概要を御説明申し上げ、御審議の参考に供したいと存じます。  議案第1号「平成23年度青森県一般会計補正予算(第4号)案」についてでありますが、環境生活部関係の補正予算額は1億3,013万1,000円の増額となっております。  この財源といたしましては、国庫支出金1億1,248万3,000円の増額、財産収入3万2,000円の増額、繰入金1,761万6,000円の増額となっております。  以下、歳出予算に計上されました主なるものについて、御説明申し上げます。  原子力安全対策課関係につきまして、原子力環境対策費において、国の第二次補正予算に対応し、環境放射線等の調査体制を強化するためのモニタリングポスト等の整備に要する経費として、1億1,248万3,000円を計上しております。  次に、予算以外の議案につきまして、その概要を御説明申し上げます。  議案第13号「青森県自然環境保全条例の一部を改正する条例案」については、森林法の改正に伴う所要の整備を行うため提案するものでございます。  以上、環境生活部関係の提出議案について、その概要を御説明申し上げましたが、何とぞよろしくお願い申し上げます。 140 ◯越前委員長  ただいま説明のありました議案に対して質疑を行います。  質疑は議題外にわたらないようにお願いをいたします。  なお、答弁者は、挙手の上、「委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。  質疑はありませんか。──寺田委員。 141 ◯寺田委員  議案第1号、第4款5項4目、原子力環境対策費について、このたび環境放射線等の調査体制を強化するためのモニタリングポスト等の整備に要する費用として1億1,248万3,000円を計上しておりますが、このことについて、きのうの質疑で安藤議員、松尾議員を初め何人かが質問されておりました。その答弁の中で、県内8カ所設置されるという答弁でありましたが、これからその8カ所について、どこにするのか選定作業に入られるのだろうと思いますけれども、その設置場所の選定基準といいますか、設置場所、選定に関する考え方についてお伺いをいたします。 142 ◯工藤原子力安全対策課長  モニタリングポストの設置場所とその選定の考え方でございますけれども、県は、国からの委託を受け、従来から県内全域を対象に、環境放射能水準調査というものを実施してございます。今回の福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、国では環境放射能水準調査の強化として、モニタリングポストを全国に250台増設することとしており、本県においては8台整備する予定としております。  今回、整備するモニタリングポストについては、国から示された考え方を踏まえ、人口及び地理的バランスを考慮して、県内全域を対象に設置することとし、現在、具体的な設置場所について検討しているところでございます。 143 ◯寺田委員  人口と地理的バランスでこれから決めていくということでしたけれども、モニタリングポストについて、前にテレビ報道で聞いたんですが、その高さによって人体に係る影響の数値が、測定の数値が変わってくるということを耳にしたことございますけれども、設置方法に関する基準というものが示されているのかどうかお伺いいたします。 144 ◯工藤原子力安全対策課長  設置高さでございますけれども、今回整備いたしますモニタリングポストの設置高さにつきましては、国において全国一律に地上から1メートルとするとしておりまして、本県においても同様の設置高さで整備することとしております。 145 ◯寺田委員  1メートルの高さで測定をするということで示されているということでございますけれども、本県の場合、特に津軽地方は豪雪地帯であります。積雪が多い地域について、雪の下になってしまうと、正確な測定ができないと思いますけれども、積雪の多い地域について、どのように管理するのかお伺いいたします。 146 ◯工藤原子力安全対策課長  積雪が多い地域での管理でございますけれども、屋外に設置いたしますモニタリングポストの設定高さを地上から1メートルとした場合は、委員御指摘のとおり、設置場所によっては検出器が雪に埋もれてしまうということがございます。設置場所周辺の空間放射線量率が雪の遮へいによって正確に測定できないというおそれも出てきます。このため、県といたしましては、冬季の設備点検時や積雪の多いときには随時除雪するなどの対応を検討しておりまして、正確な測定結果が得られるよう維持管理に努めることとしております。 147 ◯寺田委員  モニタリングポストの管理については、徹底した体制で、住民に安心を与えるよう取り組んでいただきたいと要望して終わります。 148 ◯越前委員長  ほかに質疑はありませんか。──安藤委員。 149 ◯安藤委員  先ほど寺田委員からモニタリングポストの件で、安藤晴美、昨日質問したというようなお話でしたが、質問できないでおりましたので、たくさんの方が質問をしたんですけれども、ちょっと確認できていないところがあるので、質問させていただきます。  今回、8カ所の増設をするということなんですが、これまでも県内には六ヶ所村、そして弘前市、青森市、八戸市に設置されていたわけですが、これまで設置していた器具と同じものなのか、あるいはもっと性能のよい器具が置かれるのか、その点について伺いたいと思います。 150 ◯工藤原子力安全対策課長
     今回設置を予定していますモニタリングポストと、機能的には既設のモニタリングポストは同じでございます。ただ、設置高さは従来の施設につきましては、本県の積雪も考慮いたしまして、設置する高さを1.8メートルにしております。 151 ◯安藤委員  弘前市で設置されていた場所が市役所の屋上に設置したという話も聞いたことがあるんですけれども、その辺については、全部1.8メートルに統一するものなのか伺いたいと思います。 152 ◯工藤原子力安全対策課長  今回の福島の事故を受けまして、既設のモニタリングポストのほかに可搬型ポストというものを弘前市と八戸市に設置してございますが、当初、市役所の屋上とかに設置いたしましたけれども、その後、地上に置きまして、地上高さ1メートルのところで測定しております。 153 ◯安藤委員  今回、8カ所分の器具が備えられるわけですが、今までの4カ所以外に8カ所、モニタリング箇所がふえるという理解でよろしいんでしょうか。 154 ◯工藤原子力安全対策課長  既設のモニタリングポスト等については、現在、テレメーターに接続して、ホームページでリアルタイムで公表しているものにつきましては20基分を公表しております。さらに追加した弘前市と八戸市の分については、毎日、日報で同様に公表しております。既設の分は20プラス2基ということで、今、公表させていただいております。 155 ◯安藤委員  今までの公表されていたモニタリングの箇所がさらにふえるという考え方にはならないんでしょうか。 156 ◯工藤原子力安全対策課長  まさに、増設する分はふえるということになっております。 157 ◯越前委員長  安藤委員に申し上げます。この件については、一般質問や何かで大分質問されておりますから、簡潔にひとつ質問してください。──安藤委員。 158 ◯安藤委員  質問はもう終わりますが、大変、県民の皆さんも心配をして、そして情報を入手できる方は、それを見ながら対応しているわけですが、きのうの質疑にも出ましたが、御自分の家にコンピューターなどがなければ、いち早い情報を得ることができませんので、多くの県民の皆さんにわかりやすいような公表の仕方についても、ぜひ検討していただくことを要望して終わります。 159 ◯越前委員長  ほかに質疑はありませんか。  [「なし」と呼ぶ者あり]  ないようでありますから、これをもって質疑を終わります。  これより議案の採決をいたします。  議案第1号中所管分の原案に賛成の方は御起立を願います。  [賛成者起立]  起立多数であります。  よって、原案は可決されました。  次に、議案第13号の原案に賛成の方は御起立を願います。  [賛成者起立]  起立総員であります。  よって、原案は可決されました。  次に、所管事項について質疑を行います。  質疑は所管外にわたらないようにお願いをいたします。  質疑はありませんか。──夏堀副委員長。 160 ◯夏堀委員  質問させていただきますが、もう既に周知の事実になっていますが、10月4日の報道によると、大間、むつのオフサイトセンターの調査建設費ですね、これは国が交付金の支出を見合わせたという話がございまして、つまり、今年度は福島の事故の検証を優先するというような内容で報道されておりましたが、むつオフサイトセンターの整備について、国が保留をした理由と県の対応についてお伺いします。 161 ◯名古屋環境生活部長  むつのオフサイトセンターの整備につきましては、10月3日に原子力安全・保安院に確認したところ、今回の福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、現在、原子力安全委員会において、オフサイトセンターのあり方なども含め、防災指針の改訂に向けた検討が進められていることから、その状況を見極めた上で判断する必要があるということから、交付金の交付決定を保留したとのことでございました。  県は、これまでもオフサイトセンター整備に向けた国の状況などについて確認し、むつ市に対して随時情報提供してきたところであり、今後とも国の動向等を注視しつつ、情報収集、情報共有に努めてまいりたいと考えております。 162 ◯夏堀委員  今回、その整備が見送られたということでございますが、建設中のリサイクル燃料備蓄センターの事業開始までには完成が困難になるだろうということが予想されるわけですね。そうすると、原子力の防災対策上、どのような形になっていくのか。かなり問題になっていくのかなということが予測されますが、その辺のところ、お願いします。 163 ◯工藤原子力安全対策課長  原子力防災対策上、問題ないのかということでございますが、国によりますと、リサイクル燃料備蓄センターの事業開始までにむつオフサイトセンターが整備されない場合は、既存施設を暫定的にオフサイトセンターとして指定し、むつオフサイトセンターの完成、指定までの間、原子力防災対策の拠点施設とするとのことでございます。なお、本県におきましては、六ヶ所オフサイトセンターが指定されるまでの間、当時の環境保健センター六ヶ所放射線監視局が、また、東通オフサイトセンターが指定されるまでの間は、六ヶ所オフサイトセンターがそれぞれ暫定的に指定された経緯がございます。 164 ◯夏堀副委員長  暫定利用ができる場所があるということなので、それはその間ということになりましょうが、基本的には、特にむつの場合は、大間と東通からの距離もちょうど30キロ、ちょうど真ん中辺にあるわけでございまして、進めてもいいんじゃないか、別に見合わせる必要ないんじゃないかということも考えられますし、今のむつのオフサイトセンターが建設される場所は、もう既に警察署並びにその他が、いろんな形で今、集約されていますので、同時に進めていくということのほうが、むしろ、効果的に、また、スムーズに行くんじゃないかと思うんですが、その辺のところ、どのように考えていますか。 165 ◯工藤原子力安全対策課長  オフサイトセンターにつきましては、原子力災害対策特別措置法に基づきまして、国が原子力事業所ごとに指定することとされておりますけれども、今回、オフサイトセンターの整備に対する国の交付金の交付決定が保留されましたのは、先ほど部長からも御答弁いたしましたけれども、国においてオフサイトセンターのあり方等を含め、防災指針の改訂に向けた検討が進められており、その方向性を見極めた上で判断したいとしたためでございまして、県といたしましては、国の検討状況を注視しながら、地元の意向も踏まえ、適切に対応してまいりたいと考えております。 166 ◯夏堀委員  適切に対処するのは当たり前のことで、当初からそういう予定で、むつのオフサイトセンターができるんだということで、建設される時期も明確に示しながら、交付金をいただくようにしてやっているわけですから、きちんと国のほうに、こういう状態で見直しが入るとか、今の福島の原子力発電所を踏まえて、そういう形でとまるんだという話は、これはもっときちんと説明しなさいということを国に強く訴えてくれと思います。そうじゃないと、いつもこういう形で、何かあれば、逆に国のほうの都合でやられると。やはりいろんな形で、地域を整備しながら、地域づくりをしていく、そういう地域があって、さまざま、こういう原子力のサイクルも備蓄センターも協力しながら、本県はそういう形で今までやってきてますでしょう。そういう意味では、見守りながらとか、注視をするという形ではなくて、何でこうなんだということを強く言っておかなきゃならないと思うんですよ。特に今、こういう状況でありますから、余計に県民の皆さん方が安心、安全ということを第一義に考える、この原子力政策の中で、国策としてやられてきたわけですから、私どもはきちんと、やっぱりそういう意味では、言うことは言うんだということを執行部のほうから言っていただかないと、これはいけないと思うんです。むつ市のほうももちろんそうだと思うんですけれども、ともども一緒になって、強く声をかけていくということを今まで以上に強く出していかないと、これは勝手に、今の、それこそぶれが多い民主党政権がこんなことでしょっちゅう変わっているわけですから、脱原発を含めてですね。それに対して、強く話をしていくということが私は一番大事なんじゃないかと思いますけれども、その辺のところ、部長にお願いします。 167 ◯名古屋環境生活部長  オフサイトセンターの整備ということに関しましては、今の状況というのが、福島の事故の状況というのが一番影響していると考えております。といいますのも、福島のオフサイトセンターというのが4日ほど活動はいたしましたが、不十分な活動にとどまったということ、その後は50キロ離れた福島県庁のほうに移転して活動せざるを得なかったということを踏まえての措置だとは思っております。今の現状のままで新たなオフサイトセンターを建設するというのは、なかなか理解が得られないのではないかと、これは私どももそう思っておりますし、どのような対策をとれれば事故時、ああいった重大事故が起こったときに活動拠点として機能できるのか、これは全く、これから検討されなきゃいけないことだと思っておりますけれども、さまざまな検討が必要になると思っております。そこで活動する対策要員の安全というのがまず大事ですし、機能を維持するための設備面での対策というのが現状では多分、不十分だと思いますので、そういったことを含めて、現にあるオフサイトセンターはもちろんですけれども、新設するオフサイトセンターの仕様とかが、やはりこれから示されるだろうと思っております。それはできるだけ急いでいただきたいというふうに要望しておりますし、これからも強く働きかけていきたいと思っておりますが、現状では、なかなかそこが優先順位からいっても、ないというか、もっと先にやらなきゃいけないことがいっぱいありますので、そこを見極めながら、むつ市の合築の建設計画というのが、これによってどういう影響を受けるのか、我々、これからむつ市さんともよく相談しながら、どういう形で要望していけばいいのか、むつ市のオフサイトセンターの原子力施設というのが原発とは違うんじゃないかということがありますので、そういったことも含めて、さまざまな角度から検討した上で、早急に国との協議ということに入らせていただきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。 168 ◯夏堀委員  部長の答弁は、わかりやすく、理解もするんですけど、やはり大間の場合はオフサイトセンターは3キロと非常に近いということがありますので、今の福島の原発から見て、こういう3キロの近い位置であれば、当然、見直しがあってしかるべきだと思いますし、このために時間がかかるというのはわかりますが、むつの場合は、ちょっとそうじゃないんじゃないかというのが私の意見です。もちろん、むつ市の市民の方々も、そういう意味もあるんだろうと思うんですね、防災拠点にするということで。やはり、当然、部長もそうですけれども、知事もみずからきちんとした形で強い意志を持って、福島第一原発事故は事故としても、我々は国策に協力してきた青森県であるということを自負していますので、そういう意味で、きちんと理解を得るためには、やはり福島第一原発云々と同じ次元で語れないと僕は思うんですね。そういう意味では、きちんと物申していくべきだと、このように思っています。どうでしょうか。 169 ◯名古屋環境生活部長  今、委員御指摘のとおり、むつ市の原子力施設というのが原発じゃないということは当然あります。ただ、オフサイトセンターというのは他との代替施設になり得るということで、現状でどことの代替ということを想定しているわけではございませんけれども、中間貯蔵施設に対応するためだけではない。いずれにしろ、原発に対応するための代替施設になり得るということからすると、レベル、スペックが低くてもいいということはなかなか言えないのではないかと思っておりますし、そこに新たな金を投入して、今、新たに整備するということは、なかなか国の内部でも了解というのか、理解を得るのが難しいかなと、そういう事情もあるかと思います。ただ、いずれにしろ、我々としては、むつ市さんの意向を踏まえて、その辺はしっかりと伝えていきたいと思っておりますし、決して福島のせいでやむを得ないと受け取っているわけではございませんので、どうかその辺は御理解いただきたいと思います。 170 ◯夏堀委員  そういうわけで、本当に一生懸命取り組んでいただきたいし、国のほうとの連絡をきちんとしていただいて、やはり強く言うところは言うということで、よろしくお願い申し上げたいと思います。 171 ◯越前委員長  ほかに質疑はございませんか。──安藤委員。 172 ◯安藤委員  私からは、六ヶ所ウラン濃縮工場について質問いたします。  先日、新聞に新型機稼働12月にという記事がありまして、改めて濃縮ウラン工場の実態に注目をしなければならないと思いました。濃縮ウラン工場は、1992年に操業を開始しましたが、六ヶ所ウラン濃縮工場7つの生産ラインのうち、稼働しているのは1系統だけとなったと報じられています。そこで、六ヶ所ウラン濃縮工場のこれまでの運転実績について、最初に伺いたいと思います。 173 ◯工藤原子力安全対策課長  ウラン濃縮工場の運転実績でございますが、現在、ウラン濃縮工場の設備規模というのは1,050トンSWU・パー・年であり、1運転単位としては150トンSWU・パー・年として7つの運転単位で構成しております。なお、SWUというのは、ウラン濃縮の際に用いられる分離作業の単位でございます。  ウラン濃縮工場の運転実績としては、平成4年3月27日に最初の運転単位が運転を開始し、その後、順次、運転単位をふやし、平成10年10月6日には7つの運転単位、1,050トンSWU・パー・年になりました。その後、平成12年4月3日に最初の運転単位を停止し、平成22年12月15日には7つの運転単位、すべての運転を停止してございます。現在、新型遠心機初期導入分として37.5トンSWU・パー・年の更新工事中であり、ことし12月の運転開始を予定しているところでございます。 174 ◯安藤委員  今現在は7つすべてが停止されているということなんですが、旧日本原燃サービス、現日本原燃の社長、日本原燃相談役兼技術最高顧問などを歴任した豊田正敏氏が原子力委員会に提出した意見書の中で、まず、溶融炉について、十分な実証がないまま、実施主体に引き継がれ、著しい損害をこうむったことは遺憾だと指摘し、ガラス固化技術を開発した旧動燃、現日本原子力研究開発機構からの技術移転の経緯について、動燃からの強い要請で、当初予定していたフランスのラ・アーグ再処理工場からの技術導入を見送り、国産技術を採用することになったと説明し、さらに六ヶ所ウラン濃縮工場に導入され、大半が運転停止している遠心分離機についても、溶融炉に対する指摘とほぼ同じ主張を述べています。そして、豊田氏はウラン濃縮施設、溶融炉とも欠陥商品、両施設について、技術開発し、実用化を十分確認しなかった旧動燃に全責任がある。原燃は原子力機構に改修を要求すべきだ、メーカーも実証試験の結果を十分に確かめ、設計に反映させることを怠った責任は免れない、このように旧日本原燃サービス社長が意見書の中で述べています。その結果、最初は150トンSWUという実績があったにもかかわらず、すべてが停止するという事態に陥っている、こうした工場だと。これは欠陥工場だと指摘されているわけですが、こういう工場であった、実績がこういう状況だったということについて、県はどのようにとらえているか伺いたいと思います。 175 ◯工藤原子力安全対策課長  ウラン濃縮工場の遠心機につきましては、およそ8年から13年程度運転いたしまして、停止しておりますが、日本原燃株式会社によりますと、目標設計事業としては10年程度としており、おおむねその目標を満たしていると考えているとのことでございます。 176 ◯安藤委員  しかし、目標の値から比べると、かなり少ない実績という結果に現実にはなったわけですよね。それで、今、また新しい技術を取り入れると言っているわけですが、新型遠心機の開発主体と、そして今後の導入計画はどのようになっているのか伺います。 177 ◯工藤原子力安全対策課長  まず、目標より短いのではないかという話でございましたが、運転単位によりまして8年、長いものでは13年、目標の10年程度ということからしますと、8年というのは、ややそれよりは若干短いと思いますけれども、平均いたしますと10年程度は運転しており、目標は満たしているということでございます。  それから、新型遠心機の開発主体と今後の導入計画でございますが、新型遠心機につきましては、日本原燃株式会社が主体となって開発を進めるとともに、ことしの12月及び来年、平成24年12月を目途に、37.5トンSWU・パー・年ずつ導入し、その後、10年間程度かけまして1,500トンSWU・パー・年の達成を目指すとしているところでございます。
    178 ◯安藤委員  開発の主体は日本原燃ということですが、それはどこのメーカーが製造するということに、今まではなっていて、これからはどうなるのか、もしわかれば伺いたいと思います。 179 ◯工藤原子力安全対策課長  新型遠心機の製作につきましては、各部品とかは、それぞれメーカーがございますけれども、最終的に組み立てをいたしますのは、六ヶ所村にあります六ヶ所濃縮機器工場、済みません、正式な名前は忘れましたが、民間の工場がございます。そこで組み立てることになっていると聞いております。 180 ◯安藤委員  原発の燃料に使う低濃縮ウランは、年間約1,600トンだそうで、そして、国内需要の約4%を日本原燃で濃縮する計画とされています。電力会社は米国、ロシア、フランスから輸入しているんですが、ほとんどは米国に依存しているという実態のようです。それで、今、備蓄計画がありまして、燃料加工会社の貯蔵施設を利用する予定で、当面、2011年度、原発1基が1年間に使う量に相当する約30トンの低濃縮ウランを蓄え、2015年には120トン引き上げるとされているようです。政府は、備蓄する燃料加工会社にウラン購入費の利子相当分と維持管理費を補助するそうで、2011年から2015年度で計約240億円に上る見通しだと言われています。こういう政府のお金を使って、このような備蓄にまで手を出すという方向性にあるわけですが、今、日本全体がこの原発問題、撤退をすべき、あるいは自然エネルギーに転換すべきという大きな議論の中で、六ヶ所に集中されている原子力施設の中の一つである、この濃縮ウラン工場について、これまでの状況については、たびたび中止せざるを得ないという状況も発生したわけですが、この濃縮工場で、何か問題があったときに、外部への影響をもたらしたような事象ということはなかったんでしょうか。 181 ◯工藤原子力安全対策課長  まず、ウラン濃縮工場でのトラブルということで言いますと、これまで2件ほど法令報告対象のものがございます。内容といたしましては、平成4年、大分昔になりますが、高周波電源系統の故障ということで、高周波インバータへ給電するバスダクトというところに地絡が発生したということと、あと、平成6年の2月でございますが、計測制御設備の異常発生ということで、計装盤内の基盤を交換した後、伝送ラインのコネクタの締めつけトルク確認作業中に2系統ある伝送ラインに異常が発生して、一時的に中央制御室からの操作・監視機能の一部が喪失したということが報告事象としてはございますが、いずれにしても、ウランの漏えいとか、そういう事象はありません。 182 ◯安藤委員  今、新型遠心機が開発されたとはいえ、それがどのように実証されているのかということも不明でありますし、ぜひ県としては監視体制を十分とっていただきたいと思います。それで、原発に使われる濃縮ウランということであり、行く行くはぜひ原発とともに、この濃縮工場についても廃止の方向に行くことを強く願っています。  以上で質問を終わります。 183 ◯越前委員長  ほかに質問はありませんか。──夏堀副委員長。 184 ◯夏堀委員  今度は、県境再生対策室のほうに御質問をしたいと思ってございます。質問漏れがありました。大変申しわけございません。  それで、田子町と岩手県との県境の不法投棄の事案についてお伺いしたいと思っております。  1つ目は、先般も話がございましたが、報告がございましたけれども、浸出水の貯留量が雨水によって増加しているということがありましたけれども、そのときは現場の掘削面積を制限したという話でございましたけれども、この前の台風15号、大変、集中的に雨が降って、うちのほうは洪水になったわけでございますが、それも昭和22年以来という、そのような大きな洪水でございました。その影響がどうなったのかなということを心配している方々が多うございまして、降水量の増大によって掘削作業等に影響はなかったのかお伺いしたいと思います。 185 ◯北沢県境再生対策室長  台風15号の降水による影響ということでございますが、県境産廃の掘削・運搬については、8月の常任委員会でも御説明申し上げましたところですが、浸出水貯留量の縮減、減少を図るために、一時、現場内にシートによる全面キャッピングを施しました後、6月22日から掘削のための開口面積、これを約5,000平方メートルに制限した上で掘削を再開しております。これによりまして、ピーク時に約1万4,000立方メートルございました浸出水貯留量は、8月16日には約9,000立方メートルまで減少いたしました。  しかし、その後、御指摘のとおり、秋雨前線の停滞に伴う降雨により、再び貯留量が増加してまいりまして、さらに9月中旬には台風15号の影響が懸念されましたことから、現場内に一時的に浸出水を貯留させる釜場、これは仮設の貯留池でございますが、これを設置するなどの対策を講じて、これに備えたところでございます。これによりまして、貯留量は台風通過後の9月23日に約1万7,406立方メートルとなりましたが、最大貯留量、1万7,600立方メートルぎりぎりではございますが、その範囲にとどまりまして、本日時点では1万6,035立方メートルまで減少いたしております。  また、釜場の設置にあわせまして、万が一に備えて浸出水貯留池の周辺を粘性土の土砂等によりましてかさ上げをすることによって、貯留可能量を新たに3,100立方メートル追加いたしまして、最大貯留可能量を2万700立方メートルに拡充しております。  掘削・搬出につきましては、これらの対策を講じるために、一時的に休止いたしましたものの、土日・祭日を除きまして実質4日ほど休止いたしましたものの、現在は台風通過前と同様の約5,000平方メートルの開口面積を確保して実施しているという状況でございます。 186 ◯夏堀委員  基本的には、何とか防げたということで、まして釜場をつくったということで、それが非常に功を奏していると、かさ上げもしているということで、多分、地域の皆さん方も安心していることだと思います。ただ、今年、結構、台風が多かったりしますので、もしくはゲリラ豪雨並みの、そういうことが、今後、注意をしていく、注視していく必要があろうかと思いますので、その辺のところ、適切な対応をしていただきたいと思ってございます。  なお、8月あたりのときには、もうしばらくとまってしまったということで、搬出する業者の方々も運び出しを早くして、早く不法投棄のものを処分をしたいということがあったんですけれども、おくれ気味だったということで、仕事も非常になくて、大変な状況だったという話で、今回、4日ぐらいで済んだということなんですけれども、逐次、そういうことがあれば、いろいろと対策を講じるときに、搬出の業者の方々に説明をしていただいたり、話をしていくということが大事だろうと思います。なお、先ほどの話の繰り返しになりますけれども、周知方法等々があるかと思いますので、今後ますますの御尽力をいただきたいと思ってございます。  以上でございます。 187 ◯越前委員長  ほかに質疑はありませんか。  [「なし」と呼ぶ者あり]  ないようでありますから、これをもって環境生活部関係の審査を終わります。  次に、お諮りいたします。  当委員会に付託されております特定付託案件について、さらに継続審査とすることに御異議ありませんか。  [「異議なし」と呼ぶ者あり]  御異議なしと認め、継続審査と決定いたしました。  なお、委員長報告の作成につきましては、本職に一任をお願いいたします。  以上をもって環境厚生委員会を終了いたします。 ○閉 会  午後 2時35分 Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...