青森県議会 2011-07-21
平成23年東日本大震災対策特別委員会 本文 開催日: 2011-07-21
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ○開 会 午後 2時30分
◯熊谷委員長
ただいまから
東日本大震災対策特別委員会を開きます。
会議の
記録署名委員を指名いたします。横浜委員、
奈良岡委員にお願いいたします。
なお、本日は都合により、
小寺行政改革・
危機管理監及び雨森会計管理者が欠席しております。
これより、7月11日に行われた執行部からの報告に対する質疑を行います。
なお、質疑は、お手元に配付の「質疑順序・質疑時間」により行います。
質疑時間の終了2分前に予告を、終了時に終了通告を、それぞれブザーで行います。
質疑は発言席において行い、答弁は答弁席でお願いいたします。
なお、答弁者は挙手の上、「委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。
それでは、質疑を行います。
清水委員の発言を許可いたします。──
清水委員。
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◯清水委員
自由民主党の清水悦郎です。八戸市、おいらせ町、階上町を中心とした太平洋岸は、過去、半世紀を数えただけでも、大きく6回の大震災を経験いたしております。昭和35年、
チリ地震津波、私はまだ小学校5年生でありました。そして翌年、昭和36年、白銀大火、そして昭和43年、
十勝沖地震、
十勝沖地震はもう一回あります。平成15年であります。そしてまた平成6年の
三陸はるか沖地震、そして今回が、世界のだれもがかつて経験したことがない未曾有の大規模の地震と津波でありました。
そこで、第1点、お伺いしたいんですが、
全国知事会議における提言内容について。先般、秋田市で行われた
全国知事会議において、
東日本大震災からの復興に関する提言が取りまとめられたとのことでありますが、その内容についてお伺いします。
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◯小山内企画政策部長
去る7月12日、13日に秋田市で開催されました
全国知事会議において、「日本の再生に向けて─
東日本大震災 復興への提言─」が決定されました。
本提言は、国が被災県から既に提出されている提言・要望に誠実に対応するとともに、当面する緊急課題について、地方と十分に協議の上、速やかに対応するよう
全国知事会として取りまとめたもので、具体的には、第1に、地方の主体性を生かしながら、迅速に
復興対策に取り組むべきとして、
復興基本方針の早期提示、
復興特区の速やかな
制度設計と有効活用、
高速道路ネットワークの整備促進、津波対策のための
防災施設等の
早期復旧・整備、迅速な
がれき処理の推進、
復興財源の確保と自由度の高い
交付金制度等の創設、
被災県ごとの大規模な
復興基金の早期創設及び第3次補正予算の速やかな編成と執行。
第2に、福島第一原発事故の早期収束と
安全対策の確立を実現すべきとして、福島第一原発における事故の早急な収束、
原子力発電に関する
安全対策の確立、
放射能汚染に対する
安全対策の推進、
風評被害対策の強化、
原子力災害に対する十分な財政支援及び国内産品の
輸出証明書発行事務対策。
第3に、
被災者支援施策を充実・強化すべきとして、被災者に対する支援の充実・強化、
原子力災害被災者への
経済的支援、住宅確保のための支援及び
液状化被害からの復旧への支援の充実・強化。
そして第4に、
東日本大震災を踏まえ、地域の防災対策を強化すべきとして、地震・
津波観測監視システム等の構築による観測体制の強化、早急な
津波被害予測の実施、消防力・防災力の強化及び
災害医療体制の充実・強化等の広範にわたる提言がなされているところです。
なお、本提言書については、去る7月15日に
全国知事会会長の
山田京都府知事が、
菅内閣総理大臣及び
細野原発事故の収束及び
再発防止担当大臣に対し手交し、要請を行ったと聞いております。
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◯清水委員
先ほど、6回の大震災があったというお話をしましたが、そのたびに私どもの先人、あるいは先輩方が歯を食いしばって、見事に復旧、復興を遂げてきた歴史があります。現在の八戸市あるいは青森県があるのも、存在するのも、そういう意味で、今こそ英知を結集して、県民が一丸となって頑張るときだと私は思っております。
そこで、質問の2点目に入りますが、県は
復興プランに基づいて、今後どのような理念を持って復興に取り組んでいくのか、お伺いいたします。
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◯竹内生活再建・
産業復興局長
復興プランは、本県が復旧から復興へと新たなステージに移行していくに当たっての方向性を示すとともに、今後の国の予算や
制度設計への提言となるものであり、当面取り組む必要があるものを取りまとめたものです。
プランの策定に当たりまして、単なる復元にとどまらない
創造的復興、被災者の生活の再建、産業の復興、生活と産業を支えるインフラの復興、新しい
県土づくりへの契機と青森力の結集による東北全体の復興という視点を重視したところであり、
取り組み状況の進行管理を行いながら、プランの着実な推進に取り組んでいるところです。
県といたしましては、今後も
復興プランを基本に、情勢の変化やさまざまな意見、要望に柔軟に対応し、
スピード感を持って、適時適切に
取り組みを進めるとともに、今後策定する青森県
復興ビジョンの中で、本県の
創造的復興に向けた中長期的な
取り組みの方向性をお示しし、
関係機関と連携を図りながら、本県の復興、そして東北の復興に取り組んでいきたいと考えているところです。
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◯清水委員
次に、
復興特区についてお伺いいたします。
東日本大震災復興基本法に盛り込まれている
復興特区について、県内の自治体でも積極的に活用すべきと考えるが、県の見解をお伺いしたいと思います。
さらにまた、昭和39年、八戸市が新産業都市に指定され、臨海部に多くの企業が張りつき、経済的にも飛躍的な発展を遂げ、雇用の場が安定的に確保された歴史があります。
その後、
素材型産業から脱却すべく、平成元年、
北インター工業団地に
頭脳立地法が閣議決定され、日本の
最先端企業の研究施設が張りつきました。隣接部には製造部門が着々と張りついておりますが、その代表的な企業が
アルバックグループであります。
しかし、今回の大震災では、大変残念なことに、
三菱製紙八戸工場116億円、太平洋金属32億円、八戸精錬30億円、
北日本造船10億円、
アルバックグループ36億円、飼料工場、
地元企業等、主なる企業だけでも、大変な
被害総額になります。
復興基本法の目玉である
復興特区に真っ先に手を挙げるべきだと私は思いますし、県は積極的に応援すべきと思いますが、特区に対する県の見解について、お伺いいたします。
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◯竹内生活再建・
産業復興局長
東日本大震災復興基本法では、地域における創意工夫を生かして行われる震災からの復興に向けた
取り組みの推進を図るために必要な
復興特別区域制度、いわゆる
復興特区について、総合的に検討を加え、速やかに必要な法制上の措置を講ずることとされているところであり、現在、国において、制度の内容を検討していると聞いているところです。
一方、有識者をメンバーとする国の
復興構想会議や
全国知事会からは、国に対し、特区手法の活用、
復興特区の速やかな
制度設計と有効活用といった内容の提言が行われているほか、青森県
復興ビジョン策定懇話会においても、委員から、
復興特区をビジョンに盛り込むべきといった意見が出されるなど、各方面から、地域の実情や特性に合った復興を地域主導で進めていくための
復興特区の仕組みの導入が求められているところです。
現時点では、
復興特区制度の具体的な内容が明らかになっておりませんが、県といたしましては、今後、国の動向を注視しつつ、
関係市町村とも十分に連携を図りながら、検討していきたいと考えているところです。
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◯清水委員
次に、八戸港について2点、お伺いいたします。1点目は、
八太郎北防波堤の
復旧状況について、2点目は、
定期航路の再開状況と物流の
回復状況について。
八戸港のシンボルにもなっている
八太郎北防波堤が、今回の大震災で約4割が倒壊いたしました。長さ3,496メートルあり、東北では有数の規模を誇り、八戸が新産都市に指定されたのを機会に、1964年に工事着手し、33年の歳月をかけ、完成いたしました。港の外からの波を抑えたり、港内のうねりを抑える重要な役割を果たしてきた
北防波堤が一瞬にして倒壊したということは、津波にも立派に対応してくれたと私は思います。馬淵川の水かさも9割方、増水し、決壊寸前だったと後で知らされ、石堂、八太郎、下長地区の大洪水を未然に防いだともいえ、
八太郎北防波堤は大きな役割を果たしたと思います。
八太郎北防波堤の
復旧工事に着手したと、11日、報道されましたが、
復旧状況についてお伺いいたします。
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◯大澤県土整備部長
八太郎北防波堤の復旧は、
直轄港湾等災害復旧事業により実施されますが、
国土交通省に確認したところ、中央部の約840メートルについては、消
波ブロックの積み上げによる
暫定復旧工事を早急に進め、引き続き、
ケーソン本体を順次復旧し、平成24年度までに本復旧を目指すと聞いております。現地の
復旧工事は6月に補充する消
波ブロックの製作作業が開始され、7月11日には海上でのブロックの移設作業が開始されるなど、着実に
復旧工事が進んでおります。
また、先端部の約700メートルにつきましては、7月19日から20日にかけて現地調査が実施され、今後、
復旧工事に着手していくと聞いております。
それでは2点目ですが、
定期航路と物流の
回復状況についてでございます。
八戸港の
コンテナ定期航路につきましては、4月23日に内
航フィーダー航路が、5月19日に中国・韓国航路が、さらに6月20日には
東南アジア航路が再開され、すべての航路が再開しております。
また、八戸─苫小牧間の
フェリー航路につきましては、7月11日から、震災前と同様の1日4往復で運航再開されております。
平成23年4月、5月の八戸港の
取り扱い貨物量は、対前年同月比で、それぞれ3割程度にとどまっておりますが、被災した八戸市臨海部の主要工場が6月中旬ごろまでに生産を再開していること、6月13日から八戸港に入港する船舶に対する
港湾施設使用料等の減免制度を導入し、同港の利用促進を図っていることから、今後、
取り扱い貨物量は増加していくものと期待しております。
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◯清水委員
次に5点目に入りますけれども、
三陸沿岸道路の整備についてお伺いいたします。
国土交通省では、
三陸沿岸道路のルートの具体化について、去る7月1日に公表いたしましたが、これに関する八戸・
久慈自動車道の今後の整備の見通しについて、お伺いいたします。
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◯大澤県土整備部長
八戸・
久慈自動車道の現在の
整備状況は、
八戸南環状道路及び
八戸南道路を整備しており、階上町から久慈市までの約22キロメートルが未着手となっております。
7月1日に
国土交通省より公表されました八戸・
久慈自動車道を含む
三陸沿岸道路のルートの具体化によりますと、
三陸沿岸道路のすべての未
事業化区間につきまして、8月中をめどにルートの具体化を進めるとされており、八戸・
久慈自動車道の
早期整備が実現するものと期待しております。
今後は、早期に工事着手が実現されますよう、
国土交通省などの
関係機関と連絡調整を図ってまいります。
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◯清水委員
6点目、災害時における広域的な、
し尿処理体制の構築について、お伺いいたします。
1点目は、
八戸市内のし尿等を処理する
八戸環境クリーンセンターの
被災状況と
復旧見込みについて。2点目は、現在、
八戸市内のし尿等は、どのように処理されているのかお伺いします。3点目として、県では、災害時における広域的な
し尿処理体制の構築について、今後、どのように対応していくつもりなのかお伺いいたします。
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◯名古屋環境生活部長
お答えいたします。
八戸環境クリーンセンターは、八戸市、階上町及び南部町の一部のし尿と
浄化槽汚泥の処理を行う施設で、第1処理場、第2処理場合わせて、1日当たり335キロリットルの
処理能力を有しております。
当該施設は、3月11日の
東日本大震災による津波によりまして、処理場の地下階が水没し、ポンプ、
電気制御盤、
し尿等受け入れ槽、曝気槽等の
主要施設が冠水したため、全面的な稼働停止を余儀なくされたところでございます。
現在、応急の
復旧工事を行っており、9月上旬までには一部施設が稼働できる予定でございますが、完全復旧は来年度になりますので、それまではほかの施設を使っているという状況でございます。
被害総額は約14億円になる見込みでございます。
それで、現在どのように処理されているのかについてでございますが、
八戸環境クリーンセンターにおいて、し尿等の処理ができなくなったことから、同
センターを運営いたします
八戸地域広域市町村圏事務組合では、三戸
地区環境整備事務組合及び
十和田地区環境整備事務組合と平成9年に締結いたしました災害等における相互協力に関する協定に基づき、日々発生するし尿等の処理を近隣の
し尿処理施設に依頼し、三戸
衛生センターで1日当たり約3キロリットル、六戸
衛生センターで1日当たり約28キロリットルを処理してございます。
しかし、この
し尿処理施設2施設は小規模でございますので、
八戸環境クリーンセンターで処理していた量の1割弱しか処理できないことから、緊急的な措置といたしまして、八戸市のほか、県、三沢市、階上町の
下水処理施設4施設において、1日当たり約385キロリットルを処理してございます。
この
し尿処理施設2施設、
下水処理施設4施設による
代替処理は、同
センターが完全復旧するまで、年度末まで継続する予定でございます。
それから3点目でございます。今後どのように対応するのか。
県としては、まず、被災した
八戸環境クリーンセンターの早急復旧に向けて、全力を挙げて支援してまいりたいと考えてございます。
あわせて、各
し尿処理施設設置者に対しまして、被災時でも、し尿等が適正に処理されるよう、
下水処理施設を含めた近隣の
代替施設と災害時に相互協力する協定を締結するよう促していくほか、このような協定でも対応し切れない大規模災害が発生した場合は、より広域での
下水処理施設に協力を求めるなどしながら、その状況に応じた適切な対応がなされるよう対処することとしております。
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◯清水委員
最後の質問でありますけれども、県産
農林水産物への
風評被害について、お伺いいたします。
福島第一
原子力発電所の事故に伴い、県産
農林水産物への
風評被害が懸念されておりますが、県では、どのように信頼を確保していくのか、お伺いします。
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◯渋谷農林水産部長
県産
農林水産物の
風評被害対策について、お答えいたします。
県では今後、県内において農産物の生産・販売が本格化し、また、回遊魚の北上も始まることから、県産
農林水産物の安全性をしっかり示し、県産
農林水産物に対する信頼を維持・確保していくため、6月議会で御承認いただいた
農林水産物安全・
安心確保モニタリング事業において、新たに
放射性物質測定機器を県内4カ所に配備して、全県を対象とした県産
農林水産物の
放射性物質モニタリング調査を今月26日から開始することとしております。
あわせて、農協等が
簡易型放射線測定機器を購入し、みずからの
チェック体制を構築することに対しても県が支援し、万全の
モニタリング体制を確立することにより、県産
農林水産物の安全性を幅広く調査し、その結果を、県のホームページを初め、さまざまな広報媒体を使って積極的に情報発信することで、全国の消費者や
流通関係者等への信頼の維持・確保に努めていくこととしております。
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◯清水委員
昨日、私
ども自由民主党青森県連、県会議員は、女川原発の視察に行ってまいりました。その途中で、石巻あるいは女川町の壊滅的な状況を見て、大変驚いたわけでありますし、また、もし、これが八戸市だったら、青森県だったらどうしているのかなという危惧もいたしました。被害の状況を比較はできないわけでありますけれども、大は大なりに、小は小なりに大変な悩みがあると思いますが、しかし、今、岩手県も、そして福島県も宮城県も、それぞれ力を合わせて頑張っております。青森県も、また被災地でありますけれども、被災地なりに一生懸命努力して、さらにまた3県に協力できるところはしっかりと協力していかねばならない、そう感じました。
どうか今後とも、暑い折でありますけれども、
風評被害も、しっかりと受けとめて、そして頑張ろうじゃありませんか。
終わります。
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◯熊谷委員長
沼尾委員の発言を許可いたします。──
沼尾委員。
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◯沼尾委員
自民会派の沼尾啓一です。初めて質問させていただきます。質問に入る前に、早速、通告の順番を変えていただくことを御了承いただきまして、まことにありがとうございます。新人議員であって、特別許してもらえたのかなという感謝の気持ちでいっぱいです。
それでは私から、青森県
復興プランの
取り組みのうち、産業振興について2点、御質問させていただきます。
まず第1点目は、
農林水産業の振興のうちから、
被災水田の復旧及び
被災施設園芸産地の復旧について、質問いたしたいと思います。
まず、農家にとって、農地はまさに
命そのものであると私は思っております。今、農地が使えない。その心情を考えたときに、農家の方々は本当に苦しい思いをしているんだろうと思います。一日も早く従来
どおり耕作ができるように、その復旧を望んでいます。土をつくり、作物を育て、そして自然と闘いながら、そして豊穣をかち取ったとき、この無上の喜び、これが力となって、今後の復興というふうなものに立ち向かっていく元気が出てくるんだろうと思っています。
そこでまず、
被災農地緊急除塩事業の
実施状況と今後の見込みについて、お伺いいたします。
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◯渋谷農林水産部長
被災農地緊急除塩事業の
実施状況と今後の見込みについて、お答えいたします。
東日本大震災の津波により冠水した農地面積は、八戸市、おいらせ町及び三沢市の3市町で合計99.4ヘクタールで、地目別では水田79.3ヘクタール、畑が20.1ヘクタールとなっております。
被災水田等の
復旧状況については、おいらせ町では5月30日から6月3日まで、国の1次
災害査定が行われ、37.5ヘクタールについて、
被災農地緊急除塩事業が認められ、このうち20.6ヘクタールの農地では
除塩対策が完了したことから、15.9ヘクタールで、ことし水稲を作付したところでございます。残りの16.9ヘクタールについては来年度、作付を予定していることから、今後、順次、
除塩対策を実施することとしております。
また、八戸市については、
被災農家へのアンケートや
地元説明会を実施したところ、39.3ヘクタールの農地において、
除塩事業の実施希望が出されていることから、7月19日から22日までの間に2次
災害査定を受け、その結果に基づいて、速やかに事業を実施することとしております。
なお、三沢市につきましては、農家が自力で
除塩対策を行い、0.2ヘクタールで水稲を作付しているところでございます。
20
◯沼尾委員
ありがとうございました。
それでは次に、津波によって
パイプハウスや農業機械などを失った農家がたくさんおります。そこで、このことについての支援について、どのように取り組んでおられるのか。また、今後取り組んでいくのか、お伺いをいたします。
21
◯渋谷農林水産部長
県では、
被災園芸施設復旧等緊急支援事業により、
被災農家のハウスの復旧や農業機械の導入を支援することとし、現在、八戸市、三沢市及びおいらせ町が、事業実施に向けた手続を進めているところでございます。
また、
被災農家の早期の経営再建を図るため、
農林漁業セーフティネット資金や
農業近代化資金の無利子化及び資金の借り入れに伴う
債務保証料を免除するほか、天災資金の融資枠を2億円に設定し、利子助成に対する経費を予算措置したところでございます。
さらに、今年度作付できない農地につきましては、水田や畑のごみ、小石の除去などの復旧作業を共同で行う場合に、
被災農家経営再開支援事業により、水田では10アール当たり3万5,000円の支援金を交付することとしているなど、今後ともさまざまな対策を総合的に実施し、
被災農家の支援に取り組んでまいります。
22
◯沼尾委員
ありがとうございます。
それでは、
農林水産業にかかわる最後の質問をいたします。
除塩対策が行われた農地での水稲等の生育状況が、もしかわっておりましたら、お伺いしたいと思います。
23
◯渋谷農林水産部長
水稲の生育状況につきましては、十分に塩分濃度を下げることができた水田では、除塩作業で田植えが1週間から2週間程度、遅延したことによる生育のおくれが見られたものの、現在のところ、生育は順調でございます。
また、塩分濃度が十分に下がらないまま田植えを行った水田では、草丈が短く、茎数及び葉数ともに少ない傾向が認められますが、徐々に回復してきているという状況でございます。
24
◯沼尾委員
御答弁ありがとうございました。
私、おいらせ町の被災者で、農家の方でありますが、トラクター3台にコンバイン1台、それからダイコン、ニンジンの選別洗浄機、それを覆っている作業小屋の上屋、家、すべてを失った方のお話を聞いてまいりました。自分たちがこれから復興に向けて、どういうふうに取り組んでいけばいいのか。これが、まだ自分たちには見えないという悩みを持っているようであります。まだ、やはり復旧という部分のほうが先行して、復興という部分についての農家の現状というものが、各市町村を通じても、県のほうに伝わっていない可能性があるのではないかという思いもいたして、聞いてまいりました。
今回で3回目の現地からの要望というものがあるようでございますけれども、今後、そういう部分について自分たちの復興にどのように県が支援をし、あるいは国が支援をし、それに自分たちが乗っかって、そして復興していけばいいのかというのが、少し見えるような形での支援が必要ではないのかという思いがしてまいりましたので、その辺も考慮に入れて、
復興ビジョン等の策定に努め、確実にこれが支援策として皆さんに喜ばれるような、そういう対策をとっていただきたいという思いがしておりますので、これを要望したいと思います。
次に2点目になります。被災中小企業に対する金融支援についてでございます。
商工労働観光関係の部分については578億1,027万4,000円という一番大きな被害額となっておりますが、私の場合、特に間接被害の部分について、少し確認をしたいな、聞いてみたいなという思いがあります。
間接被害は本当に目に見えない、先が読めないという状況で、じわじわとその影響が拡大したように思います。そこで、震災にかかわる金融支援策をどのように周知しているのか、お伺いいたします。
25 ◯櫻庭商工労働部長
金融支援策の周知の方法について、お答えいたします。
今回の震災に当たりまして、経営安定化サポート資金におきまして、直接被害及び間接被害を受けている県内中小企業の一日も早い復旧・復興のために、震災直後から金融支援策を実施しております。
この融資制度の創設にあわせまして、県ではホームページに情報を掲載するとともに、報道機関に対し報道を依頼したほか、商工団体や県内金融機関、市町村等関係団体に対しまして、説明会を開催し、制度の周知や利用促進を依頼したところでございます。
また4月には、県内の7カ所で実施している融資制度説明会におきまして、制度内容を説明するとともに、別途、被災した中小企業等の具体的な個別相談に応じるため、青森、八戸、むつ商工会議所におきまして、経営金融相談会を開催したところでございます。
今後とも、今回の震災により被害を受けた中小企業が、震災に係る融資制度を活用しまして、一日でも早い事業の再建が可能となるよう、
関係機関と連携を密にしながら、施策の周知の徹底に努めてまいります。
26
◯沼尾委員
御答弁ありがとうございます。
次に、震災にかかわる金融支援の今年度あるいは現在の融資実績について、お伺いいたします。
27 ◯櫻庭商工労働部長
先ほど申し上げましたように、間接被害、直接被害、それぞれ融資制度を設けさせていただいておりますけれども、特に直接被害につきましては、これまでも御答弁させていただいたように、市町村と協力しまして、全額保証料及び利子補給をするという形で、元本のみの返済で済むような対策もとってございます。また、間接被害についても、さまざまな形での影響が出てくるということで、交通網の分断、あるいは燃料の供給がとまった、あるいは経済活動が停滞したと、そういうことで、影響度合いは、売り上げという形で影響が出たものについて、低利融資をするというふうな取り扱いもさせていただいております。
それで、今年度の実績でございます。7月15日現在で、直接被害の災害復旧枠につきましては390件、約128億6,900万円、間接被害の経営安定枠につきましては703件、約113億3,200万円となっております。
28
◯沼尾委員
ありがとうございます。
最後の質問になります。震災前の既存借り入れ、要するに今までもお金を借りていて、ほとんど借りる枠がない、能力がないという部分もあるようですけれども、この既存借り入れの返済にかかわる金融支援策について、お伺いいたします。
29 ◯櫻庭商工労働部長
既存借り入れに対する対策でございます。
今回の震災に当たりまして、経営安定化サポート資金におきまして、直接、間接被害を受けている中小企業に対する復旧・復興のための金融支援策というものをつくったわけでございますけれども、あわせまして、既存の借り入れにつきましては、金融機関に対し、貸付条件の変更等への対応に係る努力義務を定めました中小企業金融円滑化法が平成24年3月31日まで延長されまして、各金融機関において対応がされていると聞いておりますが、これに呼応しまして、県の特別保証融資制度におきましても、各制度に定める融資期間を最長5年間延長することができる特例を設けておりまして、既存借り入れの条件変更により、経営の安定及び事業の継続を支援することとしております。
これまでも県内金融機関に対して、さまざまな場を通じまして、円滑な金融についての協力を要請してきたところでございますけれども、今回の大震災にあわせまして、6月10日に改めまして
東日本大震災に係る対応状況、さらには協議会の中で、金融機関のとっている対策について伺いました。その中では、震災前後で融資の姿勢を変更したものはないと。それから、震災関連による融資には積極的かつ迅速に対応するとともに、条件変更にも柔軟に対応しているということを確認しております。その場で、改めまして、既存の借り入れにかかわる条件変更や新規の融資への積極的な対応を県から要請させていただいた次第でございます。
30
◯沼尾委員
御答弁ありがとうございました。私も、商工観光関係、少しは担当させてもらいましたので、これまで、中小企業がこの経済の低迷で、本当に苦しい経営を強いられてきた。それに加えて、さらに今回の大震災であります。少し商工会あるいは金融機関、回らせてもらいましたけれども、お金を借りるというのはなかなか難しいから、延ばしてほしいという声のほうが、大きいような状況も見てまいりました。
そこで、今後とも、市町村あるいは県民局、そして
関係機関、これらとの連携を密にしながら、情報収集に努め、支援策の充実を図っていただくように御要望申し上げて、私からの質問を終わります。ありがとうございます。
31
◯熊谷委員長
山田委員の発言を許可いたします。──山田委員。
32 ◯山田委員
民主党の山田知でございます。限られた時間でございます。速やかに順次質問をしてまいります。
東日本大震災から早いもので4カ月半が経過いたしました。公共インフラの損壊、また直接被害を受けた企業、そして間接被害を受けた企業を含めて、まだ復興の途上にございます。大変、地域の経済、厳しい中にございまして、一刻も早い復旧・復興が大きな課題でございます。私は今回の質問については、インフラ復旧、観光客誘客、そして被災企業の支援、3点に絞って質問したいと思います。
まず1点目の八戸港のコンテナターミナルの
復旧状況について伺いたいと思います。八戸港も、
北防波堤などの防波堤や、あるいは荷役機械設備等、甚大な被害に見舞われまして、その後、4カ月半経過しまして、防波堤の応急工事も大分進んできていますし、また主要な
コンテナ定期航路も復旧されてきておりますし、きょうの報道を見ますと、八太郎2号埠頭の倉庫群なども、順次、再開をされていくということで、大分、物流機能の回復が図られてきているわけでございますが、本格的な回復に向けては、やはり八太郎2号埠頭の荷役機械あるいは設備の復旧が不可欠であると思いますが、そこで伺います。
八太郎2号埠頭にございます多目的コンテナ、国際コンテナターミナルのガントリークレーンと冷凍コンテナ用電源の
復旧状況について伺います。
33
◯大澤県土整備部長
ガントリークレーンにつきましては、応急措置としまして、仮受電設備の設置や部品交換などを実施し、4月23日からコンテナ荷役を再開しております。
クレーンの本復旧としては、交換が必要となりました部品の取りつけが一部完了するなど、着実に
復旧工事が進んでおります。
また、冷凍コンテナ用電源につきましては、62個すべてが使用不能となりましたが、仮受電設備による応急復旧を順次進めており、現時点では40個、7月末には50個が使用可能となり、海外からの冷凍イカ等、大量の水産物の輸送・保管にも対応できるようになります。
これらの施設は、年度内の本復旧を目指しています。
34 ◯山田委員
先般、荷役機械のガントリークレーンに関しては、国の閣議決定によりまして、ガントリークレーンの1号機の設計費が計上されておりますけれども、今、2機体制で行っておりますが、震災の津波被害、冠水によって、2機とも十分に稼働できないと。2号機に関しては、ある程度、修繕がなされて、稼働率は低いんでしょうけれども、稼働していると。1号機に関しては今、なかなかまだ稼働できないという状況で、将来的に、これから先、1号機に関しては大分古いんですけれども、どのように使っていくのかについて、考え方を伺いたいと思います。
35
◯大澤県土整備部長
今、御指摘のありました古いクレーンにつきましては、今後、更新という形で要望してまいりたいと考えております。
36 ◯山田委員
わかりました。安定的な港湾の荷役をするに当たっては、2機体制がどうしても不可欠と。ただ、今、1機使えないという中で、2機目、新設という場合でも、大分、年数がかかるのかなと思うんですが、それまでの間、この1号機に関しては使わないのか、ある程度、修繕をして使っていくのかについて、どの程度の修繕をしていくのか、伺いたいと思います。
37
◯大澤県土整備部長
今年度内に応急仮復旧をすることで、今、検討を進めている状況にございます。
38 ◯山田委員
わかりました。
もう一つ、受電設備についてですけれども、仮復旧ということで、ある程度、工事をして、今、稼働していると思うんですが、本復旧に向けては本年度内ということで、先ほどの答弁で、一応、確認の意味で伺いたいと思います。
39
◯大澤県土整備部長
繰り返しになりますけれども、7月末には62個のうち50個の使用が可能となるように現在、進めているところでございます。すべての本復旧につきましては年度内ということで、今、進めているところでございます。
40 ◯山田委員
はい、ありがとうございます。地域の経済、産業の復興に向けて、この港湾機能の回復、物流機能の回復が本当に大きな課題でございますので、一刻も早く本格的な復旧になるように、しっかりとまた取り組んでいただきたいと思います。
次に、震災復興に向けた観光客の誘客について伺いたいと思います。
東北新幹線新青森駅開業の後、春先から観光の本番を迎えるという矢先の今般の震災で、なかなか今、県内の観光客の誘客も大変厳しいものがございます。震災の影響に加えて、原発等のいろんな影響等もあって、なかなか観光客の誘客が思うように進まない、そういった状況にございます。そこで3点伺います。
震災後の観光客の入り込み状況について、まず伺いたいと思います。
41 ◯馬場観光国際戦略局長
震災後におきます観光客の入り込み状況でございますが、県が毎月調査しております県内主要観光関連施設のサンプル調査によりますと、震災直後の平成23年3月が対前年比59.0%、4月が前年比63.7%、5月が前年比76.0%となってございまして、いずれの月も3割から4割前後の大幅な落ち込み、減少となってございます。
しかしながら、6月に入りますと、JR東日本が実施いたしました「大人の休日倶楽部パス」やJR東日本バスの割引切符の効果等もございまして、前年比102.1%と、プラスに転じておりまして、観光客の入り込みは回復基調にあると見ているところでございます。
42 ◯山田委員
震災後の新幹線の全面復旧、あるいは先般の青森─名古屋便の復旧、そしてまた高速道路無料化、不評でございますけれども、こういったものも含めて、交流人口の拡大、そして誘客に向けて、ぜひ弾みがついてほしいなと思っていますけれども、そこで、2点、続けて伺います。
県外からの観光客誘客にどのように取り組んでいくのか。国外からの観光客誘客の現状と今後の
取り組みを伺います。
43 ◯馬場観光国際戦略局長
まず、県外からの観光客誘致でございます。
東日本大震災によります全国的な旅行自粛の広がりなどによりまして、本県観光産業も大きな打撃を受けたと認識してございます。そういうことを踏まえまして、青森デスティネーションキャンペーンは日本の元気、そして東北の元気回復に向けたリーディングプロジェクトと位置づけさせていただき、予定どおり4月23日から実施してきているところでございます。震災後の厳しい環境の中におきましても、全国から送客が図られておりますことから、本県の観光振興に大きな役割を果たしてきているものと認識しているところでございます。
一方、キャンペーン終了後におきましては、夏祭りなどによります繁忙期を過ぎたころから、観光産業における震災の影響がこれまで以上にあらわれることが懸念されますことから、県では、緊急的かつ総合的な誘客対策といたしまして、旅行業者に対する本県への宿泊つき旅行商品の造成支援や、県内各地の着地型観光メニューを盛り込んだモニターツアーなどを実施いたしまして、県外からの一層の誘客促進を図っていくこととしてございます。
さらに、東北新幹線全線開業1周年を迎える時期には、本県観光への興味をより一層喚起するため、1周年記念イベントの開催や、テレビ・雑誌等を通じた首都圏向けの強力な情報発信を行うこととしておりまして、引き続き、県外からの観光客誘致に向けました
取り組みを積極的に切れ目なく展開してまいります。
次に、海外からの誘客でございます。
東日本大震災後、依然として、東京電力福島第一
原子力発電所事故によります放射線に関する懸念は、大きいものがございまして、訪日旅行自体は徐々に回復しているとお伺いしてございますが、東北地方を旅行先といたしますツアーは、ほとんどまだ造成されておりませんで、また造成されたとしても、販売が非常に難しいという状況にあると聞いております。
県では、こうした海外におきます訪日旅行の不安を解消するために、国に対し、訪日旅行の安全性のPR強化を要請いたしますとともに、台湾の渡航規制の解除を台北駐日経済文化代表処に要請するなど、国内外への働きかけを行ってきているところでございます。
また、訪日旅行客を本県への誘客につなげるため、東アジアの誘客重点地域──韓国、台湾、上海、広州、香港でございますが──を中心といたしまして、職員が現地に赴いて、旅行エージェント、マスコミ等へ本県の現状を説明させていただくとともに、韓国、台湾のマスコミに対しましては招聘事業を行いまして、本県各地の状況を実際に直接取材いただきまして、報道や記事掲載をお願いいたしまして、正確な情報を海外の一般の消費者の皆様方にお伝えいただいているところでございます。
今後も、引き続き国に対しては、訪日旅行の安全性のさらなるPR強化を強く要請いたしますとともに、県といたしましても、東アジアの誘客重点地域の旅行エージェント、マスコミ等へのセールスプロモーション活動や招聘事業を積極的に展開いたしまして、本県を含む多様な旅行商品の造成、販売促進、そして知名度向上につなげていきますとともに、市町村、観光事業者等と一体となって、海外での県産品PRとの連携も図って、本県観光のPRや誘客促進を積極的に進めてまいります。
44 ◯山田委員
いろいろと御答弁いただきまして、ありがとうございました。国に対してPRを求めていくという御答弁もございましたが、なかなか今の国に対しては難しいなと思います。余り期待をしないほうがいいかもしれません。
世界地図を見ますと、日本の国というのは小さいです。ですから、福島も東京も青森も、さほど変わらないだろうと。ヨーロッパから見ますと、韓国も日本も大して変わらないというふうに見ていると思いますし、なかなか東アジアに対して、韓国、日本とかその近辺に対しては、かなり放射能の危険を感じて、なかなか、今、訪日向けは若干戻ってきているという御答弁がありましたけれども、しばらくは厳しいと思いますし、まず、福島の原発、しっかり収束させて、その後、国としてしっかり、ほんとにPR、国を挙げてPRしていくという気持ちを本気になって国に持っていただかないうちは難しいんだろうと思いますけれども、余り国を当てにせずに、県として独自で頑張ろうという気持ちはすごく評価したいと思います。
県のほうでも、国内向けの対策ということで、6月の定例会でも補正予算、約1億円、観光客の、宿泊客の誘致ということで計上して、これから取り組んでいくと、秋以降やっていくということでございますけれども、大変、私はいいと思います。
ただ、当初予算で1億2,000万円、海外戦略へ向け、東アジア向けのさまざまな観光とか物産とかに1億2,000万円、予算計上されておりますが、厳しい今の地域の経済、観光客を何ぼでも引っ張ってくるということでいくと、ある程度、当初予算の部分も、全部とは言いませんが、1億2,000万円の1割でも1割5分でも組み直して、こういった国内向けにもっと予算を計上させていく、こういった視点が私はあってもいいなと思いますので、その辺は意見として申し上げたいと思います。
最後に、県内企業の被害状況について伺います。
震災による被害につきましては、津波被害を受けた水産加工業や、地震で建物被害を受けたその他の中小企業など、直接被害を受けた企業だけではなくて、取引の関係、あるいは自粛ムードの広がりなど、本当に幅広く、どこまでが震災による被害なのかというのは大変難しい、とらえ方は難しい部分がございますけれども、県ではしっかり、震災後すぐに県内の中小企業、被災企業等を回って、必要な支援策というのを聞き取りして、その後、予算措置などを行っておりますが、あれから4カ月半経過をしまして、また新たに、今求められているニーズ等もしっかり今後、聞き取りして、後半あるいは来年度に向けて、予算づけに生かしていく必要があると思いますが、そこで伺います。県内企業の被害把握に向けた
取り組みと、その後の対応について伺います。
45 ◯櫻庭商工労働部長
中小企業の被害状況の把握と、その後の対応についてお答えします。
まず、震災によります県内企業の被害状況につきましては、定例会でも御答弁させていただいたように、4月11日から26日にかけまして、県内に事業所を有する企業、約373社を対象にしまして、県と商工団体等の職員による直接訪問で調査をしまして、県内全域の広範な業種において、ほとんどの企業が何らかの形で震災の影響を受けているという実態を把握したところでございます。
県では、この調査での県内中小企業の要望を受けまして、工場や機械設備など事業用資産に直接被害を受けた県内中小企業への支援策としまして、経営安定化サポート資金に災害復旧枠の融資制度、さらには限度額の引き上げ、さらに融資期間の延長、そういう形での
取り組みをさせていただきました。あわせまして、融資枠のさらなる拡大ということもやらせていただきました。また、八戸地域を初めとした臨海部に位置する企業の被害が非常に大きいということにかんがみまして、県が認定する復興事業計画に基づいて、中小企業等のグループが実施する施設・設備の復旧事業に対する助成制度の創設、さらには、復旧に必要な設備をリースまたは割賦で導入する場合の割賦損料、リース料の無料化なども、あわせて実施してきております。
また、間接被害により経営に支障が生じている企業に対しましては、経営安定化サポート資金、経営安定枠の融資限度額の引き上げですとか、あるいは融資枠の拡大などを行いまして、間接被害を受けている中小企業に対する再建ということに積極的に取り組んできたところでございます。
県では、県内全域の広範な業種において、ほとんどの企業が震災の影響を受けているという実態から、時間の経過を踏まえた調査企業の状況を継続的に把握する必要があると判断しまして、去る7月11日から第1回目のフォロー調査を実施しているところでございます。
このフォロー調査では、前年同期と比較して、第1四半期の業況と間接被害の影響の度合い。直接被害の
復旧状況。間接被害の具体的内容、4月以降、どういうふうに変わってきているのかということの把握。さらには、復旧・復興に当たっての課題、必要な支援策等、震災の影響による県内中小企業の経営実態を把握し、企業の声を必要な対策に反映させるなど、今後とも適時適切な支援に努めるために、継続的な調査をフォローアップとしてやらせていただきたいというふうに考えております。
46 ◯山田委員
しっかりと実態をとらえて、十分な支援策につながるように頑張っていただきたいと思います。
終わります。
47
◯熊谷委員長
櫛引委員の発言を許可いたします。──櫛引委員。
48 ◯櫛引委員
青和会の櫛引でございます。大きく5点について、お伺いをいたしたいと思います。
まず大きい1点目は、青森県
復興ビジョンの策定について、お伺いをいたします。
生活再建、産業振興、インフラ復興の3つの分野を柱に、今回の
復興プランが策定されて、復旧作業が現在進められております。そして、さらに復興に向けて、中長期的な
取り組みとして、その方向性を示すために、青森県
復興ビジョン策定懇話会が設置されました。今後10年程度を見通し、県全域を対象にビジョンが策定されると聞いております。それぞれの専門分野の目から、青森県の復興の形を見出していくこととは存じますが、策定懇話会の委員の人選の考え方について、お伺いをいたします。
49
◯竹内生活再建・
産業復興局長
懇話会の委員につきましては、今回の震災が、人的被害や住家被害、港湾、漁港、農業施設等のインフラ被害などの直接被害だけではなく、観光客の減少や農林水産品の
風評被害などの間接被害も大きい状況にあることを踏まえ、幅広い分野にわたる検討を進めるため、農業、水産業、貿易業、エネルギー、医療、防災、ITなど各分野の専門家や有識者、地産地消等に関する事業で起業した方や、NPOで地域づくりに取り組んでいる方、行政関係として市長会、町村会の代表の方々にお願いしたところでございます。
県といたしましては、懇話会におきまして、委員の方々の多様な経験や専門知識を生かした
創造的復興に向けた提言が取りまとめられることを期待しているところです。
50 ◯櫛引委員
地域的に見ますと、3分の1が八戸地域、やはり被災地だという観点からだとは思いますが、県内各地域には2次的被害も発生しております。経済状況が極めて厳しいものとなっていると思っています。委員の多くの皆様方には、2回目は現場のほうに行っていらっしゃいますが、その現場の声、あるいは現場以外からの声に耳を傾けていただいて、今後の青森県が立ち上がるための早期回復に向けて努力してほしいと思っております。
次に、策定に向けた今後のスケジュールについて、お伺いをいたします。
51
◯竹内生活再建・
産業復興局長
今後のスケジュールでございますが、
復興ビジョン策定懇話会につきましては、これまで2度開催したところであり、今後さらに3回程度開催して、提言を取りまとめていただくこととしているところです。
県といたしましては、県議会を初め県民の皆様の御意見を十分踏まえ、国、市町村、
関係機関とも連携を図りながら、年内を目途にビジョンを策定したいと考えているところです。
52 ◯櫛引委員
中長期的な
取り組みということを考えますと、この5回程度でいいものかどうかというのが、ちょっと懸念しているところであります。回数に関して、多くやればやるほど、専門委員の皆さん方の独自の考え方が出てきてしまう、そういう懸念があるというお話も聞きました。ですが、やっぱりそれぞれ専門分野の議論というのは、大いにすべきであると思いますし、今までのビジョン策定というものとは、今回は異なるというふうに考えますので、この点について、もう一度、お伺いをいたします。回数的に大丈夫なものかどうかということをお伺いいたします。
53
◯竹内生活再建・
産業復興局長
年内を目途ということもありますし、また委員の方々のスケジュールもございます。それで、大体、今後、月1回程度と、それから取りまとめる期間を考えますと、あと3回程度ということで考えております。
54 ◯櫛引委員
今、どこからかお話がありましたが、中身の濃い議論になることを期待しております。それであれば、回数が少なくても大丈夫だというふうに思っております。
続きまして2点目で、県内の老人福祉施設等における状況について、お伺いいたします。
今回、被害状況を拝見しますと、非常に多くの件数が提示されておりました。そこで、建物及び設備の被害状況について、お伺いをいたします。
55 ◯一瀬健康福祉部長
県内の老人福祉施設等の
被災状況につきましては、八戸市ほか21市町村におきまして、特別養護老人ホームが13カ所、介護老人保健施設が14カ所、軽費老人ホームが2カ所、認知症グループホームが7カ所、デイサービス
センター28カ所、小規模多機能型共同生活介護が3カ所、生活支援ハウスが1カ所の計68カ所の施設で、建物及び設備の破損が生じており、被害額は合計で6,700万円余となっております。
破損の具体的な内容としましては、壁などの軽易なひびや雨漏り、ボイラーの故障、ガラスの破損、配管の断裂などが主なものであり、建物の基礎的部分に対する被害はなく、使用不能となった施設はありませんでした。
56 ◯櫛引委員
今、御答弁にあったように、件数の割には、土台が崩れるとかそういう大きな被害がなかったというのは、何よりだと思っております。ただ、利用者の方々は非常に身体的にも精神的にも不安に陥ったのではないかと思っております。3月11日は、まだ寒い時期でありました。施設の方々にお話を聞きますと、対応に大変慌てたというお話も聞きます。
そこで、電気を使っての作業が命にかかわるものもある。吸引とかそういう点があると伺っております。施設では、発電機の準備の見直しをしたいということで、急遽、その点を改革しようと動いたそうですが、それに対する国や県での支援というものはあるものかどうか、お聞きします。
57 ◯一瀬健康福祉部長
自家発電装置整備費用の2分の1を補助いたします介護施設等自家発電装置整備事業、備品等の復旧費について定額補助する介護事業諸施設等復旧支援事業などが、国庫補助を財源として行われる予定でございます。
58 ◯櫛引委員
その国庫補助に当たる発電機は、容量とかそういうものに制限があるんでしょうか。
59 ◯一瀬健康福祉部長
先ほどお話しいたしました介護施設等の自家発電装置整備事業の補助としましては、停電により入所者の生命に危険性が生じる人工呼吸器、酸素療法、たん吸引機等を停電時に稼働させるために必要とされる電力量を供給するために設置する自家発電装置の設置費用に対して、補助するものでございます。
したがいまして、停電時の照明、暖房機器等を稼働させるための必要な電力を補うために設置するものについては、補助対象外となっております。
60 ◯櫛引委員
そこにやっぱり問題点があるのではないかなと思うんですね。照明は各施設でも、それはどうにか全員を大きいホールに集めてとかというので、対処はできると思うのですが、寒さ、気温が低下するということに当たっては、同じように生命の危険にさらされるという部門になると思いますので、国がそういう機器に対しての補助であれば、県としても考えるべきではないかと思いますが、その点だけをお答え、お願いいしたいと思います。
61 ◯一瀬健康福祉部長
今回の大震災につきましては、長期間の停電であったとはいえ、それよりも、重油ですとかそちらのほうの油のほうの問題が大きかったかと存じます。それで、単に発電機を準備したとしましても、重油が届かなければ、発電機を動かすことはできませんので、そういったことを踏まえて、総合的に国のほうで対策をとっていただければと考えてございます。
62 ◯櫛引委員
そうですね。それを動かす軽油とかが準備できなければ、幾ら大きな発電機があったとしても、利用はできないというふうになると思います。それで、私もこれから、そういう面に対しては、また要望させていただきたいと思っております。
2点目として、県外からの受け入れ状況について、お伺いいたします。
63 ◯一瀬健康福祉部長
県外からの被災者の受け入れ状況ということの御質問だと思います。
現在、老人福祉施設等で受け入れしておりますのは、介護老人保健施設が3施設、特別養護老人ホーム、短期入所生活介護事業所、軽費老人ホームが各1施設で、合計6施設となっております。
受け入れた県外被災高齢者数は、岩手県から2名、宮城県から10名、福島県から3名、合計15名となってございます。
64 ◯櫛引委員
今回、県外からの受け入れ状況についてお聞きしましたのは、各施設でも受け入れたいという態勢はありながら、なかなか県と思うように対応が、かみ合わせがいかなかったとお聞きしておりました。できれば、せっかく安心な青森県で介護を受けられる施設の余裕があるのであれば、ぜひとも対応に対して、細かいアドバイスといいますか、施設に関してのアドバイスも必要ではないかと思っております。
時間がありませんので、急いで、2つを一緒に聞かせていただきます。
県外被災者への雇用促進住宅の提供について、お伺いをいたします。
今回、八戸管内では雇用促進住宅を利用しての住宅提供がなされたと伺っております。その状況と今後の対応について伺います。
もう一つは、被災者への県営住宅の提供状況と今後の対応について、お伺いをいたします。
65
◯竹内生活再建・
産業復興局長
7月15日現在、県内の雇用促進住宅には86世帯の被災者が入居しております。このうち、県外からは宮城県が3世帯、福島県からが6世帯の9世帯が入居しております。
現在、八戸市、弘前市など198戸の空き住戸を確保し、引き続き被災者への提供が可能となっております。
今後も、県外被災者の本県への避難状況や希望に応じて、市町村と連携し、被災者へ提供してまいります。
66
◯大澤県土整備部長
被災者への県営住宅の提供につきましては、被災者対策を優先させる観点から、一般公募による定期募集を中止して対応してきたところでございます。
被災者向けに計8回の募集を行い、7月4日までに、県内被災者に対し19戸、県外被災者に対し41戸、計60戸の入居決定をいたしました。7月15日現在、44世帯の方々が入居しております。
一般公募による定期募集につきましては、被災者からの申し込み状況が落ちつきつつあることから、東青、中南地域県民局において、6月から再開しているところでございます。
67 ◯櫛引委員
委員長、最後に言ってもいいですか。
68
◯熊谷委員長
意見、要望にとどめてください。
69 ◯櫛引委員
ありがとうございます。実は、この質問をしたのは、当初、一般募集を県営住宅においては停止したという経緯がありました。今、7月の中旬を契機に、また回復はいたしましたが、中身を聞いてみますと、結構、受け入れ態勢があっても、今後、見通しはないというお話が、聞き取りの際にございましたので、それであれば、一般募集を再開し、被災者が来たときには対応するという並行しての募集をしていただきたいと要望して、終わります。
70
◯熊谷委員長
吉田委員の発言を許可いたします。──吉田委員。
71 ◯吉田委員
震災から早4カ月を経た現在、他県の被災地では、まだまだ復興の兆しが見えず、大変な思いで生活されておるようです。今も国会では、国の対応が遅いと言われております。私ども青森県は、復旧から復興への新たなステージへの方向性と国への提言、単なる復元にとどまらない
創造的復興、新しい県づくりの契機、青森力の結集による東北全体の復興、力強く前進できそうな内容の考え方で、本当に心を強く感じております。これらの視点を踏まえながら、青森県の現状等、次のことについて質問いたします。
大きく1つ目は、中小企業等グループ施設等復旧整備事業費補助金について伺います。中小企業等グループ施設といっても、広範囲にわたっておりますが、補助金の交付申請ができる中小企業等グループの要件をお伺いしたいと思います。
72 ◯櫻庭商工労働部長
要件についてお答えいたします。
国の第1次補正予算に係る中小企業等グループ施設等復旧整備事業費補助金の交付申請を行うためには、事前に中小企業等グループが復興事業計画を県に提出しまして、その計画が適当である旨の認定を受ける必要がございます。
中小企業等グループの要件につきましては、国の補助金交付要綱に定められておりまして、
東日本大震災により甚大な被害を受けた中小企業等グループで、当該中小企業等グループが、次の3つのいずれかの機能を果たすと見込まれることとされております。
1つ目は、中小企業等グループが、グループ外の企業や他の地域の産業にとって重要な役割を果たしていること。2つ目は、事業規模や雇用規模が大きく、当該都道府県の経済・雇用への貢献度が高いこと。3つ目としましては、一定の地域内において、経済・社会的に基幹となる産業群を担う集団でありまして、当該地域における復興・雇用維持に不可欠であること。
また、このほかに、地域にとって極めて重要な商店街等が甚大な被害を受けた場合に、補助金の交付の対象となり得るとされてございます。
このように、被災地域や他地域にとって極めて重要な役割を果たす中小企業等グループが甚大な被害を受けた場合に、その施設と設備の復旧に要する経費を補助することによりまして、被災地域の復旧・復興を促進することを目的としてございます。
73 ◯吉田委員
続きまして、補助金交付の前提となる復興事業計画の公募状況と今後のスケジュールについて、お伺いします。
74 ◯櫻庭商工労働部長
公募の状況と今後のスケジュールについて、お答えいたします。
県の中小企業等グループ施設等復旧整備事業費補助金の前提となる中小企業等グループ復興事業計画につきましては、去る6月13日から24日まで公募を行いました。その結果、水産関係など7つのグループから、総額約80億円──事業費でございます。補助金ベースで約58億円でございます。それの復旧事業費の事業計画が寄せられました。
県では、7月11日に外部有識者等で構成する審査会を開催しまして、その結果を踏まえ、7月19日付で6グループの計画を認定いたしました。
今後のスケジュールとしましては、現在、認定した中小企業等グループから、県に対する補助金の交付申請を受け付けているところでありまして、審査、取りまとめの上、今月中に国へ補助金の交付申請を行いまして、その後、審査を経て、国からの交付決定を受け次第、速やかに中小企業等グループに対する補助金の交付決定を行いたいと考えてございます。
75 ◯吉田委員
ありがとうございます。
勉強不足で、中小企業というものを本当に小さい、いろんな企業があるわけですけれども、そういう企業のことなのかなと思っておりましたが、いろんな制約というか、要件を満たさないというその要件のハードルというのが、すごく高いなと今、感じております。その要件に満たされない中小企業の方たちにも、いろいろな補助制度があると思うんですけれども、県のほうでもいろいろ相談に乗って、1人でも、1企業でも多く、復興を目指して頑張っていただけるように御尽力いただきたいなと思います。
問い2番として、基金事業による雇用機会の創出について。約25億円の基金増額により、約1,000人の新規雇用を図ることとしておりますが、これまでに国の確認を受けて開始した事業数と、それに伴い、新規雇用された人数を伺いたいと思います。
76 ◯櫻庭商工労働部長
雇用の関係についての御質問にお答えします。
国の第1次補正予算によりまして、重点分野雇用創造事業が拡充されたことにより、県では、災害救助法適用地域である八戸市及びおいらせ町に所在する事業所を離職した失業者、当該地域に居住していた求職者、または県外の災害救助法適用地域からの避難者で求職されている方といった被災失業者の雇用機会を提供する震災対応事業を実施しているところでございます。
現在、国の確認を受けて実施している事業は、県全体で43事業となっており、また、新規雇用された被災失業者は121名となっております。
県としては、今回の震災により離職された方が一日も早く雇用の場を確保できるよう、今後とも基金事業の積極的な活用に努めてまいります。
77 ◯吉田委員
続きまして、1,000人分の雇用機会を創出するため、県ではどのように取り組んでいくのか、お伺いしたいと思います。
78 ◯櫻庭商工労働部長
1,000名の雇用機会の確保に対する
取り組みでございます。
今回、追加交付されました25億1,000万円につきましては、被災失業者に対する雇用機会を創出・提供する震災対応事業として実施するものでありまして、これまで以上に速やかな事業構築が必要であることから、全庁挙げて取り組むこととし、去る6月10日に、庁内関係部局及び地域県民局等で構成する緊急雇用創出対策事業連絡会議を開催し、事業計画の積極的な構築を全庁的に要請したところでございます。
既に開始した43事業に加えまして、これまでのところ、34の事業が新たに計画中でございまして、今後、事業計画ごとに実施要件等の審査後、国の確認を受け次第、事業開始することとしております。
既存事業と、現在計画中の34事業を合わせますと、900人を超える雇用見込み者数となっておりまして、県としては引き続き、速やかな事業の構築、開始に向けまして、被災失業者への雇用機会の創出ということで、努力してまいります。
79 ◯吉田委員
それでは続きまして、震災対応事業では、内定をもらえずに卒業した未就職者も対象になるのか、伺いたいと思います。
80 ◯櫻庭商工労働部長
お答えします。災害救助法地域である八戸市及びおいらせ町に居住している方であれば、就職が決まらないまま卒業した方や、内定取り消しとなった方であっても、対象となります。また、それ以外の地域の方であっても、災害救助法適用地域に所在する事業所から内定取り消し等となった場合であれば、対象に加えるということになってございます。
81 ◯吉田委員
ありがとうございました。
それでは、問い3になりますけれども、畜産における復興支援対策について、お伺いいたします。養豚における被害状況と県の対応について、伺いたいと思います。
82
◯渋谷農林水産部長
養豚の被害状況と県の対応について、お答えいたします。
東日本大震災における養豚関係の被害は、津波により、おいらせ町の養豚場で、豚舎6棟を初めとする建物10棟が損壊したほか、肥育豚1,500頭が死亡するなど、被害額は、建物が1億2,572万円、死亡豚が4,020万円の計1億6,592万円となっております。
県としては、被災した農場の経営を再建するため、国の被災対策事業を活用して、豚舎などを新たに整備できるよう、国に対し、既に予算を要望しているところであり、あわせて、農業者が作成する農場の事業計画の作成などについても、指導しているところでございます。
83 ◯吉田委員
それでは最後に、要望になると思いますけれども、その養豚をなさっている方は、まず私の住んでいるおいらせ町なんですけれども、今まで、この地域では何人かの養豚の方がいましたけれども、すごく経営の状況が悪くて、やめたり、また続けたりということの中で、唯一、ずうっと続けてこられた方です。
一生懸命やってきましたし、それから、昨年はその事業を継ぐために、東京からわざわざ息子さんたちも帰ってきたということで、これから頑張らなければというときの災害と、それから防潮堤がちょうど切れているところから、すごい勢いで入ってきたものですから、豚が流れて亡くなってるのが、私、まだ目に浮かぶんですけれども、男の人が六、七人でも引っ張り切れないくらいの重さの豚を、迷惑をかけられないということで、近所の方のボランティアとかお願いして、一生懸命片づけておりました。
そういう方のためにも、これからいろんな問題も出てくると思いますけれども、いろいろ耳を傾けていただいて、それで、一日でも早い復興に向けて、みんなが元気で頑張れるように御尽力をお願いしたいと思います。
これで私の質問を終わらせていただきます。
84
◯熊谷委員長
安藤委員の発言を許可いたします。──安藤委員。
85 ◯安藤委員
日本共産党の安藤晴美です。最初の質問は、県内外の被災者への支援についてです。
前回の説明によりますと、人的被害では、死者3名、行方不明者1名、重傷10名、軽傷37名、建物被害は、全壊が307棟、半壊が854棟、一部破損が96棟という状況であります。県内のこうした方たちが大変な御苦労をされているわけです。また、県外から避難されている方たちは、現在、親戚・知人宅におられる方が797名、青森県一時避難施設──ホテルや旅館ですけれども、そこには現在34名、公営住宅などには283名の方々が避難生活をされておられます。
こうした方々に対して、県内外の被災者に対する健康支援の
実施状況について、最初に伺いたいと思います。
86 ◯一瀬健康福祉部長
県では、被災者の健康状態を把握するために、3月14日から28日まで、延べ99名の保健師等を派遣し、八戸市及びおいらせ町の避難所及び被災住宅等において、巡回相談666件、浸水住宅等の訪問90件を実施しました。
この結果、保健師による継続的な健康管理が必要と考えられる被災者については、現在、市及び町の保健師が巡回し、支援活動を実施しております。
一方、現在、他県から本県には1,000名を超える被災者が、ホテル・旅館や公営住宅、親戚・知人宅に避難しております。これらの避難者については、長期間にわたる避難生活により、健康状態の悪化等が懸念されますことから、4月下旬以降、県と市町村の保健師が合同で巡回訪問し、健康状態の把握を進めております。
この結果、6月30日までの調査では、およそ7.2%の方が継続的な健康支援が必要な状況にあること。また、およそ26.7%の方が医療・福祉サービスの提供が必要な状況にあることがわかりました。
県では、引き続き、親戚・知人宅に入居している避難者等の健康調査を進めるとともに、支援を必要とする方に対しましては、
関係機関と連携し、今後とも適切に対応してまいりたいと考えております。
87 ◯安藤委員
地元紙に掲載されておりましたが、弘前保健所は管内市町村の保健師らと情報を共有し、4月末から訪問活動を開始、これまでに100人を超える被災者のもとを訪ねたと報じられています。現在は、職探しや精神的なケアなど、被災者の生活を立て直すためのサポートが求められていると報じられております。
今、答弁にあったように、健康的なケアについて継続して支援を必要とする方々もおられるわけですが、それと同時に、訪問活動などを通して、被災者の方たちのさまざまな要望も出されていると思いますが、この辺について、どのように受けとめておられるでしょうか。
88 ◯一瀬健康福祉部長
先ほどお話ししましたとおり、保健師等、県と市町村が協力しながら、被災者の方のところを回っております。基本的に健康相談のために回っているわけでございますけれども、いろいろなほかの相談事も、保健師等にいろいろ聞いて、相談があることを聞いておりますし、そういった場合には、関係するいろんな機関とか団体等につなぐようにしております。
89 ◯安藤委員
県外からの被災者の中には、福島県からも585人、その中には、原発の事故の収束に向けて活動されている方たちの御家族も、こちらに来ておられるケースも多く見られると聞いています。そういう方たちも含め、また身内の方を亡くされたり、大変心に重荷を持って、現在、こちらで生活されていると思います。
そこで、被災者の心のケアの支援について伺いたいと思うのですが、1つ目は、被災者の心のケアの支援について、これまでの
取り組み状況をお伺いします。
90 ◯一瀬健康福祉部長
県の被災者の心のケアの支援についてのこれまでの
取り組み状況でございますが、精神科医、精神保健福祉士、保健師等で構成しましたこころのケアチームというものがございます。これは3月14日から31日までの18日間、八戸市を初めとしました県南の避難所を巡回し、被災住民の心の健康相談・診察等を行いまして、必要に応じまして、医療機関等につないでおります。
91 ◯安藤委員
八戸市の被災者の方で、公営住宅に住んでおられる方からの御意見ですけれども、全く知り合いのないところに、それもとても不便なところに今、居を構えていて、とても寂しさを感じているというお話も伺います。そういう中で、孤独死などが発生しないような
取り組みが必要だと思うわけですが、そこで、真に心のケアが必要な被災者を支援する体制がとられているのか、現時点と今後の体制について、お伺いします。
92 ◯一瀬健康福祉部長
先ほどお話ししましたとおり、3月中には、精神科医等、専門家を含めました形のこころのケアチームというもので活動しておりましたが、4月以降は、被災地の保健師に引き継ぎまして、巡回の健康相談、家庭訪問により、必要に応じた心のケアを行っております。
被災市町におきましては、避難所から公営住宅等に移った被災者に対しまして、要支援者等の把握のために、保健師等による悉皆調査を行い、必要な支援を実施するとともに、早期に必要な支援が受けられるよう、相談窓口等の紹介を行っていると伺っております。
また、こころのケアチームから、引き続き見守りが必要なケースとして被災市町に引き継いだケースがございまして、これが6件ほどございます。現時点では、この6件を含めまして、継続的に心のケアが必要なケースの人はほとんどおらず、平常時の保健活動に戻っておると伺っております。
以上でございます。
93 ◯安藤委員
保健師の方々が、普通の業務もやりながら、このようなさまざまなケアを行う業務をされているということで、本当に大変だと思います。あわせて、他県へも保健師の方々を派遣されているということで、ますます大変だなと思います。
私は要望として、このような中で、きめ細かな被災者の方たちへの支援活動をするためには、ぜひ保健師さんの数をふやして、対応していただきたいということを要望したいと思います。
次の質問ですが、県外から旅館・ホテルに一時避難している被災者の今後の意向について、どのように把握しているのか伺います。現在でも34人の方がそのような避難生活をされています。よろしくお願いします。
94
◯竹内生活再建・
産業復興局長
7月19日現在、県内の旅館・ホテルには、岩手県から1名、宮城県から5名、福島県から19名、千葉県から3名、計28名の被災者の方々が一時避難しています。
これらの方々には、まず受け入れ市町村の個別面談によりまして、
被災状況や今後の意向等を確認した上で、各地域県民局を初め
関係機関が連携して、各種支援制度に関する情報提供や相談への対応等を実施しております。
その後も、避難後の仕事の状況や避難元の仮設住宅の
整備状況等により、旅館・ホテルでの滞在予定に変更が生じる場合もありますことから、随時、被災者への意向確認を行っているところです。今後も、個々の事情に配慮した支援に努めてまいります。
95 ◯安藤委員
次の質問です。国民健康保険及び後期高齢者医療の被保険者に係る一部負担金等の減免と減免制度の周知徹底の状況はどうなっているのか伺います。
96 ◯一瀬健康福祉部長
県では、一部負担金の免除の取り扱いにつきましては、市町村、青森県後期高齢者医療広域連合、医療機関などを通じまして、被保険者の方々への周知に努めております。
また、報道機関に広報用の文章案やリーフレットを資料提供しまして、報道機関において、周知のために報道していただくようお願いしております。
また、保険料の減免につきましては、市町村や青森県後期高齢者医療広域連合が、条例等に基づいて行うものでありますことから、条例等の整備とともに、保険料の減免対象者や基準等について、保険料の通知書等の送付の機会を活用して、きめ細やかに広報するように助言しているところでございます。
97 ◯安藤委員
これらは申請主義ですので、ぜひ漏れることなく、周知の徹底をよろしくお願いしたいと思います。
次の質問ですが、八戸水産高校の被害状況と対応について伺います。
八戸水産高校の被害状況については、このたびの大震災によって、小型教習艇の1隻が海に流され、他の1隻も被害を受けたと聞いております。八戸水産高校では2隻の教習艇を使用して、1級小型船舶操縦の免許取得を目指しているとのことですが、小型教習艇の被害状況と免許取得に向けた本年度の実習をどのように行うのか、伺います。
また、八戸水産高校では栽培漁業実習場も、津波により大きな被害を受けたと聞いております。ついては、栽培漁業実習場の被害状況と本年度の実習をどのように行うのかについても伺いたいと思います。よろしくお願いします。
98 ◯橋本教育長
委員からお話がありましたように、2隻の小型教習艇がございますが、1隻は海に流され、引き揚げましたものの、船首部分など船体やプロペラ等が破損し、修理不能となりました。
もう1隻につきましては、流されなかったものの、やはり同様に修理不能となっております。
このため、本年度、代替の小型教習艇2隻を発注したところでありますけれども、この大震災の影響により、納品は早くても年内の見込みとなっております。
八戸水産高校では、1級小型船舶操縦の免許取得に向けた実習が行えるよう、小型教習艇2隻を借用しまして、2学期から実習を開始することとしております。
また、栽培漁業実習場については、蕪島に隣接する海岸沿いにあることから、やはり飼育槽の配管が全面的に破損するとともに、電気設備やポンプ設備等が使用不能となるなど、大きな被害を受けたところでございます。
現在、
復旧工事の設計を行い、年内には工事を完了したいと考えております。
この実習場が復旧するまでの間、本校舎内の漁業生物実習室等において、ヒラメの稚魚の飼育や観察などを行うとともに、公益社団法人青森県栽培漁業振興協会や地元の漁業協同組合の施設でも、実習を行うこととしております。
99 ◯安藤委員
免許取得に支障のないように、ぜひよろしくお願いします。
次の質問ですが、震災が発生した3月以降の県内における企業倒産状況について、被災中小企業の経営の安定に向け、県はどのような支援を行っているのか伺いたいと思います。
100 ◯櫻庭商工労働部長
倒産状況についてお答えいたします。
民間の信用情報調査機関によりますと、23年3月から6月までの負債総額1,000万円以上の倒産件数は、前年に比べまして5件多い28件。対前年比、121.7%、負債総額もやはり前年より160億円上回る約196億円、これは対前年比で540.8%となってございます。
内容を見ますと、業種別には、建設業は10件、卸小売業が9件、サービス業5件の順になっておりまして、倒産の原因では、不況型倒産と言われます販売不振によるものが19件で、全体の7割を占めております。
また、3月に倒産しました株式会社中三及びその関連会社にかかわるものが4件、負債総額約148億円となっておりまして、この案件を除けば、ほぼ前年と同程度という認識を持ってございます。
また、県の経営安定に向けた支援でございます。
いわゆる間接、直接に対する被害を受けた企業に対する災害復旧枠とか経営安定枠、それらにつきましては、前にも御答弁させていただいたように、かなり手厚く、枠を増額するなどして、対応させていただいております。
今後とも、それらの融資について、積極的に活用していただけるように周知徹底を図っていきます。
また、このほかに4月8日からは、県と財団法人21あおもり産業総合支援
センターの専門家や
関係機関で構成します専門家チームを現地へ派遣してございまして、必要なアドバイスをしておりまして、さらにより高度な専門的な対応が必要な場合には、その分野の専門家を派遣することとしております。通常は企業から、これらの場合には一部経費を負担していただいておりますが、今回の大震災に係る影響を受けた企業については、無料という形で措置を講じております。
以上です。
101 ◯安藤委員
終わります。
102
◯熊谷委員長
古村委員の発言を許可いたします。──古村委員。
103 ◯古村委員
7分30秒でありますので、4時半前に終わります。
まず、今回の
復興プランで、県のほうでは
風評被害についてコメントしているのは、私は評価をしているところであります。原子力施設、事業者が5社以上もあるんで、そういう中で、県のほうでも
風評被害というのには気を使っているという気がします。
ただ、問題は、国のほうの今、議論されている審査会ですか、紛争審査会ですか、あの中では、
風評被害については、いろいろただし書きみたいなものをつけたりして、
風評被害という言い方については一定の条件等をつけているところでありますけれども、ただ、現実に台湾に輸出の県産リンゴをめぐっては、私は
風評被害が既に生じているのではないかと。特に、去年収穫をし、貯蔵庫に入れた物が今、出荷されているわけなんで、それに対して、輸出がストップしていると。これぞまさしく福島原発の
風評被害そのものではないのか、そう思っているところであります。
県の見解を伺います。
104 ◯馬場観光国際戦略局長
平成22年産リンゴの我が国から台湾への輸出量は、財務省貿易統計によりますと、昨年9月から本年5月末までの累計で、1万5,871トンと、前年同期に比べますと、73%の水準となってございます。
このうち、
東日本大震災前の2月までの累計においても、前年同期比で71%となっており、この要因につきましては、22年産リンゴの産地の価格高や円高などの影響によるものと見ているところでございます。
本年4月の輸出量は約100トンで、前年同月比16%に減少しており、また5月の輸出量はゼロとなっております。
これは、
東日本大震災及び東京電力福島第一
原子力発電所の事故が、台湾国内で大きく報道され、風評の影響により、日本産品に対する消費者の買い控えが生じたことが、主な要因ではないかと考えているところでございます。
一方で、5月30日から6月2日にかけまして、県が実施いたしました台湾での現地調査では、日本産品の信頼回復には原発事故の収束が必須であるものの、消費者の行動は、事故直後に比べ、冷静さを取り戻しつつあるほか、台湾国民が極めて親日的で、日本産品に対する購買意欲が高いことや、青森リンゴのブランド力の強さなどから、今後とも青森リンゴに対する需要については、高い潜在力があると考えているところでございます。
105 ◯古村委員
おらが聞いてるのは、
風評被害なのかどうかと聞いている。知事が今、台湾に行ってるんでしょう、りんご娘だかミスりんごだか連れて。
ですから、
風評被害なのか、
風評被害でないと県が判断してるのか、そこを聞きたい。
106 ◯馬場観光国際戦略局長
あくまでも風評による影響と考えてございます。
風評被害ということで、いわゆる原賠法等に基づく
風評被害のものについては、現在、国のほうで中間報告を取りまとめるということで動いてございますので、それでいうところの
風評被害と、私どもが今、リンゴを売りに行っている風評による影響のものとは、言葉の意味としては使い分けが必要と考えているところでございます。
107 ◯古村委員
今、原子力損害賠償紛争審査会のほうでは、今月中に中間報告まとめるというわけでしょう。それで、
風評被害についても相当、輸出品目も含めて、拡大して対応すると、こうなっているわけなんで、県のほうでは、もう少し積極的に、
風評被害だという考え方を出したほうが、これからの原子力施設を抱える本県にとっても、必要ではないのか。ここであいまいな態度を見せることによって、県民にかえって不信感を与えて、原子力施設に対する不信をさらに強めるのではないかと思いますけれども、どうなのか。
108 ◯馬場観光国際戦略局長
今、国におきましては、委員からお話がございましたとおり、原子力損害賠償紛争審査会のほうで、いろいろ検討されておりまして、7月末をめどに中間指針を取りまとめるということで、新聞報道で承知しているところでございます。
県といたしましては、
風評被害については、例えば掛かり増し経費が発生したとかそういうものについて、国に対し、先般の県の政策提案の中で、要望させていただいているところでございまして、県として、今考えられる
風評被害についての要望は、国のほうにさせていただいているところでございます。
109 ◯古村委員
結局、農水畜産品が一番本県の目玉なんで、畜産業がトップ、その次に果実となっているわけ。それが畜産、牛で今、問題になっている。次は、今年産のリンゴが果たして、土壌とかこれからの
放射能汚染とかどうなるのかというのもあるんで、今の台湾リンゴについて、きちんと
風評被害の手続をとっておくと、こういう準備をしておくというのが必要ではないかと思いますけれども、そこを聞いて終わります。
110 ◯馬場観光国際戦略局長
今、国のほうに政策提案させていただいているのは、23年産リンゴ、今後のリンゴに対する
風評被害の防止という観点でございます。平成22年産のリンゴに関しましては、5月がゼロという数字になってございましたが、これが明確な
風評被害による実態的な損害がどういうふうに出ているかということについては、まだ現状において把握できていないという状況にございます。
以上でございます。
111
◯熊谷委員長
以上で、本日予定した質疑を終わります。
これをもって、
東日本大震災対策特別委員会を終わります。
○閉 会 午後 4時27分
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