28 ◯議長(高樋 憲) これより討論を行います。
討論は、議題外にわたらないよう簡明にお願いいたします。
一部
反対討論、四十七番諏訪益一議員の登壇を許可いたします。──
諏訪議員。
29 ◯四十七番(諏訪益一)
日本共産党の諏訪益一です。
議案に対する一部
反対討論を行います。
議案三件に反対し、九件に賛成します。
反対理由を述べます。
議案第一号「平成二十三年度青森県
一般会計補正予算(第二号)案」について。
この中に
原子力防災対策検討委員会運営費が計上され、本県の
原子力防災対策の強化、見直しを検討するというものです。これで、
原子力安全対策検証委員会と二つの委員会が設置され、過酷事故の防止や、起きた場合の対策、防護区域や避難所、被曝医療、
モニタリングなど、
原子力防災対策を強化したいとの説明がされています。
しかし、この間の一連の動向を見ると、これら二つの組織の限界が見え隠れし、知事の総合判断を含めて厳しく問われるものとなっています。
地震による
原子力災害が発生して三カ月半が過ぎ、今なお収束しない深刻な事態が続いています。
そういう中にあって、この間、幾つかの動きがありました。六月八日には、三村知事が、国家戦略としての
核燃料サイクルの推進について
海江田経産大臣と確認を行っています。六月十六日、国、事業者は、議員に対する説明会で、本県のそれぞれの施設で
安全対策がとられ、妥当である旨の説明を行いました。六月十八日、
海江田経産大臣は、三月三十日の指示、六月七日の追加指示による
安全対策が適切に実施されていると確認したとして、
原子力発電所の再起動をぜひお願いしたいとの談話を発表し、昨日、
特別委員会において、再起動への理解を求めてきました。
ここで問題になるのは、一方で
検討委員会や
検証委員会を立ち上げ、他方で、
核燃料サイクル推進を迫り、
安全対策はとられたとして原発の再起動の動きが出てくる。この関係をどう見るのか。この間の知事、関係部局長の言動を見ると、
検討委員会、
検証委員会の最終的結論と原発の再起動は必ずしもリンクしないという意向です。私たちはその立場を容認することはできません。
日本共産党の志位委員長は、六月二十三日、枝野官房長官と会談し、定期点検などで停止中の原発について政府が安全宣言を行って地元自治体に再稼働を要請したことを批判、菅総理あてに要請の撤回を求める申し入れを行いました。その趣旨は、今回の安全宣言は、国際原子力機関へ報告した教訓に照らしても、そのごく一部分に手をつけたものにすぎず、地震への対策強化も住民の避難対策も全くとられていない。水素爆発防止対策にしても、炉心損傷で水素が発生しそうになったら原子炉建屋に穴をあけるドリルを備えておくというこそくなものである。福島原発の収束も始末もできない政府がどうして他の原発が安全などと言えるのか厳しく問われなければならないと強調しています。
日本共産党は、スリーマイル、チェルノブイリ、福島の三大過酷事故から導き出されるべき方向は、期限を定めて核燃、原発から撤退し、自然エネルギーと低エネルギー社会への大胆な転換を図る以外になく、それは十分可能だということ、なお、核燃、原発からの撤退後も、人類の未来を長い視野で展望し、原子力の平和利用に向けた基礎的な研究は継続・発展させるべきという立場です。
以上、総合的に判断すれば、国も事業者も三村県政もあくまでも核燃・原発推進の立場に変わりはなく、二つの組織の検討・検証作業もそれを前提にしたものにならざるを得ません。
また、
原子力防災対策の強化についてこれから検討を始めようとしているときに、
核燃料サイクルの推進、原発の再稼働へと動き出し、新たな安全神話を広げ、そして、それを食いとめる力を持たない
検討委員会の性格と限界を指摘しておきたいと思います。
議案第五号、職員の退職手当に関する条例の一部改正ですが、十年経過して高校等の職員に転勤する際、百万円の退職金を受け取り、そこからさらに本庁の職員に戻る際に百万円の退職金を受け取る。定年退職時には、退職金から、既に受け取った二百万円を差し引き、同時に、二回の退職金を受け取った日からの利息分を差し引くというものです。
問題にしたいのは、途中二回の退職金を断る権利が付与されていない制度になっているという点は疑問が残ります。
最後に、議案第十二号「青森県副知事の選任の件」です。
提案されているお二人の人物評価からすれば百点満点です。しかし、知事の核燃・原発推進政策や米軍基地の容認など、国策に追従し続けてきた姿勢を補佐するものとならざるを得ず、三村県政の転換を主張している我が党としては、本議案は賛成しかねます。
このたび、蝦名副知事におかれましては退任されるとのことであります。長いこと、重い荷物を背負うがごとく県政運営に当たられてきました。政策上のことは別にして、その御労苦に心からの謝意をあらわしておきたいと思います。
以上、一部
反対討論といたします。
30 ◯議長(高樋 憲) 賛成討論、十七番小桧山吉紀議員の登壇を許可いたします。──小桧山議員。
31 ◯十七番(小桧山吉紀) こんにちは。自由民主党の小桧山吉紀でございます。
賛成討論を行います。
本定例会に提出され、本日採決に付されますのは、議案第一号から議案第三号まで及び追加提案された議案第十号の予算案四件、議案第四号から議案第九号まで及び追加提案された議案第十一号の条例案七件、議案第十二号の単行議案一件、合わせて十二件すべてに賛成、同意するものであります。
さて、今定例会は、三村知事の三期目がスタートして初めての議会でありました。三村知事が初当選を果たした八年前においては、本県の経済を取り巻く環境は大変厳しく、県財政とともに一刻も早く立て直さなければならない状況に直面しておりました。
このため、知事は、果敢に行財政改革を行い、身の丈に合った歳出規模への転換を図った結果、元金ベースでのプライマリーバランスの黒字化達成、また、職員数の適正化等、行財政基盤の確立のための改革を断行されました。
一方で、地域資源を生かした攻めの農林水産業の推進、環境・エネルギー産業の創出、喫緊の課題である医師確保に向けた諸施策、原子力施設の
安全対策の徹底や県民の安全・安心に向けた取り組み等、自主自立の青森県づくりに向けた歩みを着実に進めてきました。
また、本年三月十一日に発生した
東日本大震災における対応についても、復旧に向けて、知事の陣頭指揮のもと、職員が一丸となって、住民の声を踏まえた
災害復旧事業、災害援護資金の貸し付け、中小企業者等が経営再建を図るための
利子補給などの各種経費の予算補正、さらに、各種申請に係る手数料を不徴収するための条例制定などを専決処分するなど、まさにスピード感で対応した結果、着実に復興に向かって前進しているところであります。
さらに、今定例会に提案された議案第一号から議案第三号及び議案第十号の
補正予算案の内容についても、被災地における復興はもちろんのこと、二次災害などに苦しんでいる各種事業者の声をきめ細やかに反映させたものとなっており、これらの取り組みを実施することにより、復興に向けた動きが大きく加速していくものと確信しております。
さきの知事選においての圧勝は、震災からの復興に向け全力を傾注してこられた三村知事の真摯な姿勢と取り組みが県民の皆様に高く評価されたことによるものであり、他候補を圧倒し、参ったとまで言わしめた結果につながったと確信する次第であり、改めてお祝いを申し上げるものです。
依然として厳しい社会経済情勢の中、すぐに好転する材料は見つかりませんが、これからの四年間は、施策の選択と集中の視点を大切にしつつ、今まで以上に柔軟に、かつスピード感を持って、青森県の震災からの復興とステップアップに向けて全力で取り組まれることをお願いするものです。
県民の命と暮らしを守るという強い覚悟のもと、ぶれることのない政策実行とより暮らしやすい地域づくりを実現するため、我々自民党県議団もともに汗を流してまいりたいと思います。
次に、議案第十二号「青森県副知事の選任の件」について申し上げます。
青山副知事におかれましては、よき女房役として三村知事を補佐してこられましたが、これまで発揮されてきた確かな行政手腕を引き続き県政の推進に生かしていただきたい。
また、新たな副知事として提案された佐々木氏におかれては、行政経験豊かであり、県行政の実務にも精通していることから、いずれも適任であると考えます。
次に、提出議案知事説明要旨、オーダーメード型貸し工場の活用状況について申し上げます。
本件につきましては、三月議会でも十分議論され、今回、合弁会社設立のめどが立ち、貸し工場の利用企業として経営基盤の安定化や営業力強化が図られることの判断に至ったとのことであります。
当該工場につきましては、高度な設備と大手企業も認める技術があり、それを支える技術者がいるとのことですが、引き続きこの工場で技術が受け継がれ、技術者の雇用が確保されたことは、本県における産業の基盤となり、地域経済の発展に貢献していくことが大いに期待されます。
これまでの議論の中で、利用企業の経営基盤安定化のめどがついたこと、リース料の計画的徴収により県民負担を生じさせないよう全力で取り組むとした県当局の答弁を踏まえるとともに、金利負担をこれ以上膨らませることのないためにも、早期に二十億七千万円の金融機関への返済を実行すべきであり、正式なリース契約を締結し、しっかり事業の安定化につなげていくべきと考えます。
今回の県の判断を支持するとともに、今後とも関係者が一丸となって取り組み、最終的に県民負担の発生が回避されることを改めて強く期待するものです。
最後に、本日をもって退任される蝦名副知事におかれましては、御苦労さまでした。平成十五年八月の就任以来、女房役として三村県政を支え、時には知事の姿がかすんでしまうようなかかあ天下の女房として、時にはつつましい女房として、厳しい行財政環境にあっても、県勢発展のためのさまざまな施策推進に御尽力をしていただきましたことに感謝申し上げます。
特に、原子力関係では、安全なくして原子力なしという知事の方針のもと、県職員時代からの豊富な経験と卓越した行政手腕で、よき姉さん女房として知事を補佐してきたことに対し、心から敬意を表するものです。
よく、することがなくなった途端体調を崩すという話を聞きます。今後とも、御健康にはくれぐれも御留意をなされて、折に触れて県政に対し御指導、御鞭撻を賜りますようよろしくお願いを申し上げ、私の賛成討論を終わります。
32 ◯議長(高樋 憲) これをもって討論を終わります。
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◎ 議 案 採 決
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33 ◯議長(高樋 憲) これより議案の採決をいたします。
議案第十二号「青森県副知事の選任の件」、本件に同意することに賛成の方は御起立願います。
〔
賛成者起立〕
34 ◯議長(高樋 憲) 起立多数であります。よって、本件は同意されました。
議案第一号及び議案第五号、以上二件は所管委員長報告どおり原案に賛成の方は御起立を願います。
〔
賛成者起立〕
35 ◯議長(高樋 憲) 起立多数であります。よって、原案は可決されました。
議案第二号から議案第四号まで及び議案第六号から議案第十一号まで、以上九件は所管委員長報告どおり原案に賛成の方は御起立願います。
〔
賛成者起立〕
36 ◯議長(高樋 憲) 起立総員であります。よって、原案は可決されました。
37 ◯議長(高樋 憲) 次に、お諮りいたします。
委員会審査報告書中、特定付託案件について閉会中の継続審査の申し出があります。これを継続審査に付することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
38 ◯議長(高樋 憲) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
──────────────────────
◎ 発 議 案 上 程
──────────────────────
39 ◯議長(高樋 憲) 発議案が提出されましたので、お手元に配付してあります。
発議第二号を議題といたします。
──────────────────────
◎ 発 議 案 採 決
──────────────────────
40 ◯議長(高樋 憲) お諮りいたします。発議第二号は、
提案理由説明、質疑、委員会付託及び討論はいずれも省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
41 ◯議長(高樋 憲) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
発議第二号を採決いたします。
発議第二号「平成二十三年度第二次
補正予算の早期編成を求める意見書案」、本件の原案に賛成の方は御起立を願います。
〔
賛成者起立〕
42 ◯議長(高樋 憲) 起立総員であります。よって、原案は可決されました。
なお、意見書の取り扱いについては本職に御一任願います。
──────────────────────
◎ 臨時の協議又は調整を行うための場の設置
──────────────────────
43 ◯議長(高樋 憲) 次に、臨時の協議又は調整を行うための場の設置の件を議題といたします。
会議規則第百二十二条第二項に基づく臨時の協議又は調整を行うための場について、お手元に配付のとおり議会改革
検討委員会を設置することに賛成の方は御起立を願います。
〔
賛成者起立〕
44 ◯議長(高樋 憲) 起立総員であります。よって、さよう決定いたしました。
──────────────────────
45 ◯議長(高樋 憲) 以上をもって議事は全部終了いたしました。
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◎ 退 任 あ い さ つ
──────────────────────
46 ◯議長(高樋 憲) 次に、六月三十日をもって退任されます蝦名武副知事のあいさつがあります。──蝦名副知事。
47 ◯副知事(蝦名 武) このような機会を与えてくださいました高樋議長に心から御礼申し上げます。
三村知事に副知事にしていただき、心から感謝を申し上げたいと思います。この感謝にこたえるために、私の全力を注いでこの八年間を過ごしてまいりました。
八年間の思い出はさまざまありますけれども、ITERの誘致で六ヶ所村がフランスのカダラッシュに負けたことは大変悔しい思いをいたしました。しかし、今、ブロードアプローチとして六ヶ所村に施設整備されています。先般、本島ITER機構長が来られ、カダラッシュの実験炉の次の実証炉は六ヶ所村しかないと明言されました。ITER誘致に取り組んできた者として、将来に夢を残すことができたのではないかと考えております。
次に、原子力政策、
核燃料サイクル政策については真っ正面から取り組んでまいりました。安全なくして原子力なし、これは三村知事の言葉でございまして、私どもはそれに従って原子力政策を事務的に進めてまいりました。
私は、先般、女川の東北電力の
原子力発電所を見てきまして、これからは、安全文化なくして原子力なしということが大事なのではないかと考えております。十四・八メートルの高いところに発電所をつくったのは、国や県から言われたわけではありません。万が一に備えてみずからの判断で行ったものであります。事業者の安全文化の大切さがこれでわかると思います。
県として、電気事業者に安全文化育成部をつくらせ、どのような安全文化に基づいて会社運営あるいは原子力運営をしているのか常にチェックしていくことが大切ではないかと考えます。
クリスタルバレイ構想につきましては、議員の皆様からさまざまな御批判をいただきました。真摯に受けとめさせていただきます。
その他さまざまありますけれども、今回、子供たちの防災教育についての話題がこの議会でなされました。防災教育は本当に大事だと思います。