青森県議会 2011-06-28
平成23年商工労働観光エネルギー委員会 本文 開催日: 2011-06-28
審査の順序は、初めに議案について、その後、
所管事項について行います。
なお、本日は
宮崎経営支援課長が欠席しております。
それでは、
提出議案について執行部から説明を求めます。──
櫻庭商工労働部長。
5
◯櫻庭商工労働部長
今定例会に提出されました諸議案のうち、
商工労働部及び
労働委員会所管に係るものについて、その概要を御説明申し上げ、御審議の参考に供したいと思います。
議案第1号「平成23年度青森県
一般会計補正予算(第2号)案」についてでありますが、
商工労働部・
労働委員会関係の
補正予算額は、83億8,627万9,000円の増額となっております。この
財源内訳といたしましては、
国庫支出金、増額31億7,650万円、繰入金、増額5億7,325万2,000円、諸収入、増額30億4,065万2,000円、県債、増額15億8,800万円、
一般財源、増額787万5,000円となっております。
以下、
歳出予算に計上いたしました主なるものについて御説明申し上げます。
商工政策課におきましては、
制度金融実施費において、
東日本大震災に伴う
間接被害を受けた
中小企業者に対する金融の円滑化を図るための青森県
特別保証融資制度の拡充に要する経費として、29億4,000万円を計上しております。
中小企業振興事業実施費において、
東日本大震災により甚大な被害を受けた地域の
中小企業等グループが
復興事業計画に基づき実施する事業に要する経費に対する補助として45億円、被災した
事業協同組合等が実施する
共同施設等の
復旧事業に要する経費に対する補助として2億6,475万円を計上しております。
また、
東日本大震災で被災した
小規模企業者等の復旧・復興に必要な設備の導入を促進するため、
財団法人21あ
おもり産業総合支援センターが実施する
機械類貸与事業に対する貸付金として1億円、無利子化に伴う
利子補給等に係る補助金として827万7,000円を計上するとともに、2,606万7,000円の
債務負担行為を設定いたしました。
労政・
能力開発課におきましては、
労働力活用対策費において、青森県
ふるさと雇用再生特別基金を活用し、震災による
離職者等に対する継続的な
雇用機会の創出を図るために必要な経費として1億5,536万2,000円、また、青森県
緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用し、震災による
離職者等に対する一時的な雇用、
就業機会の創出を図るために必要な経費として4億1,789万円を計上しております。
議案第3号「平成23年度青森県
小規模企業者等設備導入資金特別会計補正予算(第1号)案」につきましては、議案第1号との関連において、
被災地域の
中小企業等グループが実施する復旧・
復興事業の
自己資金調達のための貸付金として14億9,850万円を計上しているほか、被災した
事業協同組合等が実施する
復旧事業の
自己資金調達のための貸付金として8,795万円を計上しております。
次に、
追加提出議案の概要を御説明申し上げます。
議案第10号「平成23年度青森県
一般会計補正(第3号)案」についてでありますが、
商工労働部・
労働委員会関係の
補正予算額は、70億2,749万円の増額となっております。
この
財源内訳といたしましては、諸収入、増額69億3,105万4,000円、
一般財源、増額9,643万6,000円となっております。
以下、
歳出予算に計上いたしました内容について御説明申し上げます。
商工政策課の
制度金融実施費において、
被災中小企業者に対する金融の円滑化を図るための青森県
特別保証融資制度の拡充に要する経費として、貸付金69億1,900万円を計上したほか、無利子化に伴う
利子補給に係る補助金として6,027万円を計上し、6億6,370万6,000円の
債務負担行為を設定するとともに、
保証料全額免除に伴う補助金として、4,822万円を計上し、5億6,886万8,000円の
債務負担行為を設定しています。
以上、
商工労働部及び
労働委員会所管に係る
提出議案について、その概要を御説明申し上げましたが、何とぞよろしく御審議くださるようお願い申し上げます。
6 ◯高橋副委員長
馬場観光国際戦略局長。
7
◯馬場観光国際戦略局長
今定例会に提出されました諸議案のうち、
観光国際戦略局所管にかかわるものについて、その概要を御説明申し上げ、御審議の参考に供したいと思います。
議案第1号「平成23年度青森県
一般会計補正予算(第2号)案」についてでありますが、
観光国際戦略局関係の
補正予算額は、1億円の増額となっております。
この
財源内訳といたしましては、
一般財源1億円となっております。
以下、
歳出予算に計上いたしました主なるものについて御説明申し上げます。
観光交流推進課におきましては、
観光宣伝費において、震災の影響により大きな打撃を受けている
本県観光産業の復興に向けて、
旅行業者に対する
商品造成支援を行うなどの誘客促進対策に要する経費として1億円を計上しております。
以上、
観光国際戦略局所管に係る
提出議案について、その概要を御説明申し上げましたが、何とぞよろしく御審議くださるようお願い申し上げます。
8 ◯高橋副委員長
ただいま説明のありました議案に対して質疑を行います。
質疑は議題外にわたらないように願います。
なお、答弁者は挙手の上「委員長」と呼び、次に、職名を言って発言を求めてください。
質疑はありませんか。──
諏訪委員。
9
◯諏訪委員
議案第1号「平成23年度青森県
一般会計補正予算(第2号)案」、議案第3号「平成23年度青森県
小規模企業者等設備導入資金特別会計補正予算(第1号)案」及び議案第10号「平成23年度青森県
一般会計補正予算(第3号)案」について、歳出7款1項3目
中小企業振興費及び歳出1款1項1目
小規模企業者等設備導入資金貸付金 中小企業組合等共同施設等災害復旧事業費について、
商工業関係の
被害状況についてお伺いいたします。
6月13日から24日まで募集していた
中小企業等グループ施設等復旧整備事業費補助金に係る
復興事業計画の
公募状況についてお伺いいたします。
10
◯井上商工政策課長
最初に、商工業の
被害状況についてお答えいたします。
県内商工会議所・商工会の調査によりますと、
県内商工施設関係の直接被害の状況は、6月20日現在、24市町村、719件、約509億円に上っています。
市町村別では、八戸市、三沢市、おいらせ町、階上町の4市町における被害額が約505億円で、県全体の99.2%となっており、被害の大部分が
太平洋沿岸地域に集中していることから、主として津波による被害が甚大であったものと認識しております。
次に、補助金に係る
復興事業計画の
公募状況についてお答えします。
中小企業等グループ施設等復旧事業費補助金の交付を受けるためには、事前に
中小企業等グループが
復興事業計画を県に提出して適当である旨の認定を受ける必要があることから、岩手県、宮城県と足並みをそろえまして、6月13日から24日まで公募実施いたしました。
その
応募状況でございますが、
八戸市内、または八戸市を中心とするエリアの7
グループから申請があったところでございます。今後は提出された
復興事業計画につきまして、
中小企業等グループが国の定めた
グループの要件を満たしているか、
復旧経費が
補助対象の要件を満たしているか等事務的なチェックを行った上で、7月のできるだけ早い時期に、
外部有識者等で構成する委員会を開催して判断することとしております。
以上でございます。
11
◯諏訪委員
今の7
グループというのは、
事業所数でいえばどれだけの事業主がかかわった7
グループになっているのかお伺いいたします。
それと、
被災事業所でいえば、事業主の数でいえばどのくらいになるんでしょうか。被災した事業所の数。
12
◯井上商工政策課長
7
グループの構成員でございますが、大ざっぱに見て、まだ申請書の内容とか精査しておりませんので、はっきりしたことは言えませんけれども、数百、大体200程度かなと考えております。
また、被災したところでございますが、八戸市、おいらせ町、三沢市、階上町で719件ですが、それ以外のところが59件ほど入っておりますので、おおむね、八戸市、おいらせ町、三沢市、階上町では650件程度かと考えられます。
以上でございます。
13
◯諏訪委員
そうすると、被災された事業所が、今、件数で言ったんですが、六百数十件で、今度の7
グループで公募した
事業所数は200程度だということになると、かなりの部分は、
グループ等で
復興事業計画を提出してやるというのには、条件から何から整っていないとか、そういう意味での理由というのはあるのでしょうか。
14
◯井上商工政策課長
お答えいたします。
中小企業等グループ、これには要件がございまして、まず1つは、
グループ内の企業や他地域の産業にとって重要な役割を果たしていること。少し具体的に申し上げますと、
サプライチェーンが途切れる、具体的な例は、トヨタの
自動車産業が、ある電子部品の工場が不能になったことによって、それが途切れてしまったというケースがございます。そういうふうな地域とか他の産業にとって重要な役割を果たしていること、もしくは、
事業規模や
雇用規模が大きくて、県の経済等への貢献度が高いこと。少し具体的に申し上げますと、
大手製造業の
企業城下町といった形をイメージしてもらえばいいかと思います。それか、もしくは、経済的、社会的に基幹となる産業群を担う集団であり、
当該地域における復興・
雇用維持に不可欠であること。具体的に申しますと、地域の資源を活用して地域で事業を行っている、例えば、
パンフレット等に載っているところによりますと、水産業を中心とする
グループが載っております。
水産加工業、運搬とか販売とか、そういうふうな一つの地域における
基幹産業だということでございます。これのいずれかをその
グループがまず満たす必要がある。
さらに、その構成員の全部または一部が
東日本大震災により甚大な被害を受けているといったような条件を満たす必要がございまして、したがって、こういうふうな要件を満たすものは、やはりすべて650ではないという形になっているわけでございます。
以上です。
15
◯諏訪委員
今回は24日までで締め切っているんですが、事業所の中に、例えばそういう
グループに入りたかったとか、そういうこともあったのか。
周知徹底上の問題も含めてですね。本来なら支えてやっていい、その
グループの中に入っていいような人たちが、結果として外れてしまっているという問題がないのかどうか、心配になるんです。せっかくの支援策が十分な徹底なり、あるいは、
グループを編成していく過程の中で漏れてしまうということがあれば、ちょっと心配なものですから、その辺の手の打ちよう、例えば、今回は24日で打ち切ったんですが、改めてまた公募の日程というものをつくって、漏れた
グループをなお支援していくというような新たな手の打ちようというものはないのかどうかということについては、どうなんでしょうか。
16
◯井上商工政策課長
お答えいたします。
まず、今回の公募でございますが、13日から24日までというふうな形になっていますが、実際はその前に、各関係者に説明会を開催してございます。具体的に申しますと、5月11日に八戸市等4市町を集めまして、市町村の担当者、それから、
商工会議所、商工会の担当者を集めて、国から来ていただいて、まず説明会を行いました。それから、5月中旬には、八戸の
水産加工業者を対象とした説明会も行いました。それから、27日には
水産加工業者だけではなくて、会議所とも連携しまして、すべての業種を対象とした説明会を行いました。そこでかなり周知は図られたというふうに考えてございますが、改めて公募に当たってホームページで掲載するとともに、改めて4市町、それから、
商工団体に対する
周知依頼、それから、報道機関に対する
周知依頼、この辺をしております。したがって、募集期間はそういうふうな期間だったのですが、事前にそのような形でかなりの周知が図られていたという事実がございますので、かなり周知は図られていたのではないかと考えてございます。
さらに、ここから外れたものはどうなるのかということでございますが、今回は国の予算が全国枠で155億円といったような額でございました。我々の認識としては、それはまだまだ足りないのではないかと考えてございます。したがって、今後の国の補正等で拡大してほしい旨、これについては、6月25日に行われました
国会議員等に対する重点施策の説明、ここでも行いましたし、今後もその増額については働きかけていきたいというふうに考えてございます。その辺ですくっていかなければならない、そのように考えてございます。
以上です。
17
◯諏訪委員
そこで、補助金の交付の対象となる経費というのがあって、施設及び設備というのが出てきました。設備の中で、
復興事業に係る事業の用に供する設備であって、
中小企業等グループまたは構成員の資産として計上するもの、「資産として」という言い方が出てまいります。施設のほうは別に「資産として」というものはないんですが、ただ、「
商工生産施設、
加工施設、
販売施設、
検査施設、
共同作業所、原材料の置き場、その他補助金の目的の範囲内で
復興事業計画の実施に不可欠と認められる施設」とあるんですね。他方、「
グループまたは構成員の資産として」という言い方があって、もう一方、施設のほうでは、それはみな資産になるようなものばかりなんですけれども、そういう資産が
グループまたは構成員の資産上の扱いというものは、どう取り扱われるのだろうか。つまり、
グループというのは改めてまた法人格を取るとか、何かを構成するとか、何かをしてその資産の所有権をどう扱うかということになっていくんだと思うんですが、実際にそれに公募ささっていくわけですからね。それはどう扱われていくことになるんでしょうか。
18
◯井上商工政策課長
今回の補助金でございますが、補助金の
交付対象は
グループだけではなくて、個々の企業が大丈夫だというふうな形になっております。したがって、個々の企業の
損益対照表上、資産として計上されるというふうなものであれば、それは対象となるということでございますので、
グループ共有とか、例えば、組合で持つとか、そういうものには限りません。むしろ、実際に上がってくるのは個々の企業が補助金を申請するといったような形で上がっています。つまり、計画は
グループで認定しますけれども、補助金を充てる場合、その
構成員個々の企業に補助金が交付されるといったような形になっているわけでございます。
以上です。
19
◯諏訪委員
要するに、
グループというのは別に何か、そこで新たな組織が
グループによって編成されるということではなくて、あくまでも手続き上、申請の方法としてそうしていただきたいということなんですよね。ただ、
グループということには、何かのわけがあるんでしょう。実態は別に
グループ編成は何もないんだけれども、個々の企業に資産として補助金が交付されていくんですが、何かそのための意味があるんでしょう。
20
◯井上商工政策課長
お答えします。
通常、補助金でございますが、これは個々の経営のためにプラスになるというのは、やはり補助金としては通常、一般的な考え方としてはなじまない。いわゆるモデル的にやるとか、そういうものであればなじみますけれども、それか、もしくは共同でやる、多くの
中小企業者が集まって共同でやるという場合、やはりそういうふうな補助金というのが通常になるわけでございまして、今回は、しかしながら、そういうふうなことをやっていると、早期の復興にはならないだろうということで、個々の事業者も対象とするというふうな、一歩踏み出したような考え方でございます。
ただ、しかしながら、かといってバラバラにやっていては、やはり補助金という性格から、本来の意味はちょっとおかしいのではないかということで、何らかの形での枠ははめる必要があるということで、
グループの補助金、そして、その
グループがこういうふうな機能を果たしていくのだということを明確にするという意味で、そういうふうな
グループということになっていると理解しております。
以上です。
21
◯諏訪委員
たしか
復興事業計画の
公募要領の中に出てくるんだと思うんですが、「その他県内の施設、設備の復旧でも対象とする場合がある」という文言が出てくるんですね。プロの皆さんだば、どこさ書いてあるかすぐわかるんでしょう。
22 ◯高橋副委員長
暫時休憩いたします。
○休 憩 午前11時37分
○再 開 午前11時38分
23 ◯高橋副委員長
再開いたします。
諏訪委員。
24
◯諏訪委員
自分で質問をするのにチェックしていないで失礼をいたしました。後で確認したいと思います。「その他県内の施設、設備の復旧でも対象とする場合がある」というのが必ずどこかに出てきますので、後で確認します。
次に、
自己負担というのが出てきますね。これは4分の3ですから4分の1
自己負担ということになるんですが、この
自己負担の出し方も、結論から言えば、
グループは関係ないと。要するに、個々の企業がその補助金に対して4分の1の部分は負担します。それでいいですか。
25
◯井上商工政策課長
委員御指摘のとおりでございます。
26
◯諏訪委員
その場合に、
高度化資金の貸付というのがあるんですが、それに相当する部分ですね。今度の
復興事業計画の中には、例えば、そういう融資も受けたいんだというものも挿入してきているものなんでしょうか。
27
◯井上商工政策課長
申請書の様式の中に、その欄がございます。したがって、記入されております。
以上です。
28
◯諏訪委員
これは審査会の中で、そういうことも決定していくことになるんだと思うんですが、せっかく上げた
グループでの復興計画ですから、この
自己負担分の貸付についても最大限のサポートが必要になってくるだろうというぐあいに思うんです。同時に、審査会の審査が延々としているということもまた困る話だから、スピーディーに審査していただきたいということについては、どうでしょうか。
29
◯井上商工政策課長
審査会でございますが、7月の中旬、それも早い時期、具体的に申しますと7月11日でございますが、今、予定してございます。その場で
グループ等につきましては結論を出すという予定にしてございます。
以上です。
30
◯諏訪委員
その審査方法の中で、基本的には非公開だと。経過等審査に関する問い合わせには応じないとなっているんですが、こういう姿勢でいいんでしょうか。
31
◯井上商工政策課長
審査でございますが、やはり
グループの企業、さらに、個々の企業等すべて含まれてきますので、個々の企業情報がそこでかなり明らかになることが考えられます。したがって、やはり内部情報でございますので、そこは非公開というふうな形に考えてございます。ただ、最終的にどの
グループが補助金を受けるかということにつきましては、事後的には公表したいと、そのように考えてございます。
32
◯諏訪委員
そこで、二重ローンの解消の問題ですが、
グループでこういう形で計画を出しますね。4分の3の支援を受けて、4分の1の
自己負担ということになるんですが、しかし、抱えてきたこれまでの負債がある、債務がある。これは新たにまた貸付を受けるということになって、二重ローンが発生する際に、今、国の手当てとして、いろいろやり取りしていましたけれども、何か支援策が出てきた場合に、何か重なってうまく支援策が乗っていくということは考えられるんでしょうか。
33
◯井上商工政策課長
二重ローンの問題ですが、今回の補助金については、まず4分の3は新たな借り入れが生じないということで解消されるという形になります。4分の1については、やはり借り入れという形になりますと、その部分については、ダブる部分が出てくるわけですが、今、国のほうでも6月17日に二重ローンに対する解消方針といったものが出されまして、さまざま検討されているというふうに聞いております。その中では、既存債務をどうするのかといったような問題、ここも議論の対象となっています。これはまだ確定的には決まったものではないということでございますが、再生ファンドを活用した既存債権の権限、そういうことも議題に上がっていると聞いておりますので、そのようなもので既存債務の解消、軽減といったものが図られるかなというふうに考えてございます。ただ、中小企業再生ファンドも、あくまでも再生が前提でございますので、そういうふうなものはこういう補助金での支援というふうなことが必要になってきますでしょうから、そのようなことで解消される道が検討されていると、このように考えます。
以上でございます。
34
◯諏訪委員
次に移ります。歳出7款1項3目
中小企業振興費、青森県
特別保証融資制度及び
東日本大震災機械類貸与特別対策事業費について、経営安定化サポート資金、経営安定枠の融資実績と、そこから見えてくるものは何か。経営安定化サポート資金、災害復旧枠の融資実績と、それから見えてくるものは何か。
東日本大震災機械類貸与特別対策事業は、どのような機械・設備を対象としているのか、それは中小企業の要望に沿ったものとなっているのか、それぞれお答えいただきたいと思います。
35
◯井上商工政策課長
お答えいたします。
まず、経営安定枠についてでございます。今回の震災に当たりまして、経営安定化サポート資金において、
間接被害を受けている県内
中小企業者への金融支援策として、3月25日から経営安定枠を実施してございます。この経営安定枠でございますが、交通網の分断やエネルギー供給の支障、経済活動の停滞など多種多様な影響を受けている県内
中小企業者を対象とするため、売り上げ減少等を判断基準とする低利融資として、具体的には、売り上げ減少の率によって1%、または1.5%という低利になっているわけでございますが、実施してございます。今年度の利用実績につきましては、6月24日までで554件、88億9,000万円となっております。この経営安定枠につきましては、建設業の利用状況が最も多く、次いで、卸売業、製造業、小売業と、これは大体一般の信用保証協会における保証制度と大体同様の傾向となってございます。したがって、これから
間接被害が県内全域で業種も広範囲にわたっていることを反映しているというふうに考えてございます。
ただ、一方で、日本銀行青森支店発表の県内金融経済概況によりますと、県内の景気は、
東日本大震災の影響により需要・供給の両面において強い下押し圧力が見られたが、こうした圧力も徐々に緩和されてきている。それから、国全体で政府の月例経済報告につきましては、基調判断でございますが、厳しい状況にあるけれども、上向きの動きが見られるといったようになっております。
今回の融資枠増額でございますが、こうした状況とこれまでの利用実績とか関係機関からの意見等を踏まえて、当面の資金需要に十分対応できるよう、100億円から150億円へ増枠するとともに、融資限度額も4,000万円から8,000万円に増額して設定したところでございます。
また、今後、4月に実施しました被災企業373社を対象としました被害調査のフォローアップをすることとしてございます。被災中小企業の実態については、その中でさらに把握していきたいと考えてございまして、今後とも被災中小企業の経営の安定に支障が生じないように、必要に応じて適切に対処してまいりたい、そのように考えてございます。
次に、災害復旧枠でございますが、直接被害を受けている県内
中小企業者の金融支援策として、震災直後、3月15日から実施してございます。この災害復旧枠につきましては、事業用資産に直接被害を受けた事業者に対し、県と市町村が強調して全額保証料及び
利子補給を実施するということで、元本のみを返済する制度として実施してございます。今年度の利用実績につきましては、6月24日までで308件、約90億7,400万円となってございます。
この災害復旧枠につきましては、八戸地域の沿岸部に津波被害が集中していることを反映して、
水産加工業を中心とした製造業者や運輸業の利用が半分近くを占めてございます。したがって、先ほど御説明しました傾向とは全く違うということでございます。これは実際に被害を受けたところを反映していると考えられます。
この災害復旧枠につきましては、6月に入りまして実績が急激に急増したところでございまして、これにつきましては、やはり大きな災害を受けたことが、これまで復旧の対応だけに追われてきたというところが、やはり中長期的な視点から、復興に向けた動きが始まって、この設備投資資金の再調達に動き出したと、そのように考えられます。県としては、そのような資金需要に対応できるように、今回、100億円から200億円へ増額設定して、御審議いただいているところでございます。また、その実態につきましても、先ほどお話し申し上げました被害調査、この辺でまたフォローアップすることとしてございます。
最後に、機械類貸与特別対策事業についてお答えいたします。
財団法人21あ
おもり産業総合支援センターでございますが、県内
中小企業者の経営基盤の強化を図るため、新たに設備を導入する
中小企業者に対し、低利で割賦販売、またはリースする
機械類貸与事業を実施してございます。貸与期間は7年以内、割賦の場合、割賦損料は2.1%または2.5%となってございます。
今回の
東日本大震災機械類貸与特別対策事業でございますが、この
機械類貸与事業におきまして、
東日本大震災で直接被害を受けた県内
中小企業者の設備投資に係る負担を軽減しまして、早期の経営再建を支援するため、割賦損料、リース料またはリース料を無利子化しまして、返済期間も、先ほど申し上げました7年から2年延長しまして9年とした、
東日本大震災被災企業枠を新たに設定するものでございまして、今定例会で御審議いただいているところであります。
この対象となる設備でございますが、
東日本大震災で被災した事業用設備を更新するもので、かつ、固定資産に計上できるものであれば対象となります。したがって、
中小企業者の求める特定の設備を貸与、リースできる設備となっております。さらに、幅の広い業種を対象とするために、加工用機械、業務用冷蔵庫、運送用車両のさまざまな設備を対象としてございます。実務的に申しますと、中小企業みずからがこの設備を使用したいというふうに選択してから、この制度を21センターに申し込むといったような形になってございます。21センターでは、原則として、
中小企業者からの申し出があった設備を認めるという形をとってございますので、その点では、
中小企業者が要望した設備が導入できるといったような制度になってございます。
以上でございます。
36
◯諏訪委員
後のところからちょっとやるんですが、仕組み上の、制度上のことでちょっと聞きたいんですが、被災された事業者にはいろんな種類の業種があるんだと思うんですね。あるいは、水産関係で言えば水産業、
水産加工業、いろんな部分の系列みたいなのがあるんですが、みんなそれぞれに機械なり整備なり、消失したり流出してだめになっちゃったり、いろんなものがあるんだと思うんですが、そういうものがすぐ右から左という場合に、あるいは、センターの役割というのはどうなっていくんでしょう。つまり、どこかに貸す機械や設備を持っているところがあって、そこと連絡をとって貸与するという形になるのか。そういうものが実際に十分あって、そういう需要にこたえ得る環境というものが今あるのでしょうか、この機械貸与類。そこちょっと、よく見えないので聞きたいわけです。
37
◯井上商工政策課長
この設備は最初から21センターが準備するといったようなものではございません。そこであるものを持ってくるというふうなわけではございません。あくまでも使用したい方が発注なりディーラーと交渉しまして、この機械を使いたいといったような形で持ってきて、リースとか割賦販売オーケーの認定がされますと、21センターがその設備を購入して割賦なりリースするといったような制度になってございます。したがって、ディーラーにもやはり商品がないともともといけないというふうな制度でございます。ここについては、今、設備が足りないとかいろいろございますが、さまざま日本のものづくり産業は力強いですから、復旧の足音が聞こえてきていますので、早く調達できるような環境は整ってきているのではないかというふうに考えられます。
以上でございます。
38
◯諏訪委員
何か手間ひまかけてるような感じするんだって。一たんセンターが買うというコースをとるわけですよね。ある業者が、その機械ならいいよって、それを欲しいという関係で契約を結んで、例えば、センターがそこで何らかの役割を果たすという意味でいいんだと思うんですが、一たんセンターが買って貸与するという、何でそういう形に、別だコースをとってもいいような気がするけど。
39
◯櫻庭商工労働部長
機械類貸与という事業そのものが、やはり金融機関から支援調達ができない。それから、リース会社とやれば、力関係で高いリース料の設定でないとそのものを入れられないという場合が多いので、あえてそこは
財団法人が買い取るという形で、価格保証をもちろんした上で、入札を入れて、ユーザーである企業のほうがこの機械というものはありますけれども、類似の商品もあるわけですから、許容範囲を聞きながら、その中で入札を入れて、できるだけ安く買い取ってあげて、それを割賦とかリースでやるという形で、中小企業直でやれるところはもちろんそういう形で、銀行のリース会社を使ってやるということも可能ですけれども、できるだけリース料を安くしてあげるために買い取って、それを割賦でという仕組みのほうが、より中小企業にとっては有利に使えるということのために、あえてそこに財団が介在しているということです。
40
◯諏訪委員
わかりました。
融資のほうですが、急増しているということはそれだけ需要があって、受けたいという業者がたくさん出てきているということなんだと思う。それらはいいんですよ。あらわれてきているからね。ただ、金融機関もリスクが大きい、これまでの経営状況を見てもとか、いろいろあって、あらわれない、つまり、融資を受けることのできない事業者というのはどれだけあるのだろうって、これは見えないわけです。金融機関に申し込んで、受理して断られるのか、相談段階で断られるのか、事業はいろいろあるんだけれども、そのことの範疇から見えないわけです。ですから、急増して需要にこたえているという面があるんだけれども、なお受けられない、相当の事業所の数があるんだというぐあいに思うんですね。これまでも経営困難で、それに
東日本大震災が襲うという形で、さらに被害を広げるということですから、それだけの被害をこうむっているという事業者をその機会に、ある意味では大震災、不幸なことですが、それをばねにして、これまで大変だった企業がのし上がっていくという環境をつくってあげるということがとても大事なんだと思うので、最大限の手当てというか、最大限の支援に県の行政としても大いに力を尽くしていただきたいということだけは要望申し上げておきたいと思います。
次に移ります。
歳出5款1項3目雇用対策費、ふるさと雇用再生特別対策事業費及び緊急雇用創出対策事業費について、6月に補正計上した雇用対策の内容について伺います。
41 ◯佐藤労政・
能力開発課長
お答えいたします。
平成22年度に、
ふるさと雇用再生特別基金と緊急雇用創出対策両基金を活用いたしまして実施した事業につきまして、精算額の確定に伴い不用額が生じましたことから、これらの事業、平成23年度末までとなっておりましたので、早期の事業化を図り、震災の
間接被害による
離職者等を対象に、幅広く
雇用機会の創出につなげるための予算措置を行うこととし、所要の経費に係る補正予算を本定例会に提案し、御審議いただいているところでございます。
まず、ふるさと雇用再生特別対策事業につきましては、県、市町村合わせまして1億5,536万2,000円を計上してございます。また、緊急雇用創出対策事業費といたしまして、県、市町村合わせまして4億3,107万1,000円を計上してございます。両事業合わせまして、約200人ほどの
雇用機会の創出を図ることといたしてございます。
県といたしましては、今回の震災により離職された方が一日も早く雇用の場を確保できるよう、両基金事業を積極的に活用してまいりたいというふうに考えてございます。
42
◯諏訪委員
震災以降3カ月半たちました。依然として雇用情勢は大変厳しいものが横たわっています。それで、とりわけ震災で離職を余儀なくされた、安易な部分も一緒にという部分もありますけれども、それで、今度の復旧・
復興事業による雇用対策というものが、どう広がりを見せて雇用対策の拡充につながっているかというところについて、もう少し見えるようなものはあるんでしょうか。震災後3カ月半たって、復旧・復興もいろいろ始まって、そこでの雇用対策というのは、こういうぐあいに今、進展していますという状況をもし説明できれば教えていただきたいと思います。
43 ◯佐藤労政・
能力開発課長
お答えいたします。
まず、震災の後に震災対応といたしまして、まず、本年度当初予定しておりました事業のうち、約4,000人分につきまして、間接の被害者も含めまして、震災離職者に配慮していただくように、県枠の拡幅と、あとは、市町村に関してお願いしたところでございます。
それから、5月補正におきまして、国の一次補正によっていただきました25億1,000万円を事業化いたしまして、約1,000人分の事業することといたしまして、5月補正で御了承いただきまして、なるべく早期に実施するように、今、努力しているところでございますが、まだ現在のところ、何人ぐらいというところで実績をお示しできるところまでまだ集計できていないというのが実情でございますけれども、一応、6月1日現在で、我々の把握しているところでございますと、71人ということで伺っております。ただ、これからなるべく早く事業化して、なるべく一人でも多くの方を雇用していただけるように、関係方面に働きかけていきたいというふうに考えてございます。
44
◯諏訪委員
御苦労されている、あるいは、困難に直面している人たちというのは、目に見えない形で、まだ相当広範に存在しているということを考えれば、引き続き、県の皆さんの御尽力というか、そういうものが求められている環境にあると思いますので、まだ長く続いていくかと思いますが、ぜひ御奮闘をお願いしたいというぐあいに思います。
歳出7款2項1目観光振興費、災害復興支援誘客促進事業費について、まず、事業の内容について伺います。
45 ◯石川
観光交流推進課長
事業の内容についてお答えいたします。
震災復興支援誘客促進事業は、震災後の観光振興に係る緊急的な対策として、夏祭りなどの繁忙期を過ぎた9月以降をめどに順次実施するものでございます。取り組み内容といたしましては、県外からの集中的な誘客促進を図るため、県内に宿泊する旅行商品を造成する
旅行業者に対して、商品造成の経費の一部を支援するものでございます。
また、県内からの誘客促進を図るため、県民を対象とした宿泊モニターを募集し、抽選で県内の宿泊施設で使用可能な宿泊補助券を贈呈する、「県民宿泊モニターキャンペーン」を実施するものでございます。また、本県観光に係ります総合的な情報発信を図るため、県内各地の着地型観光メニューや、青森デスティネーションキャンペーン用の観光コンテンツを盛り込んだ、県外からのモニターツアーを実施することとしております。
さらに、国内外からの誘客促進を図るため、韓国人著名人を起用した復興植樹の実施や、韓国内でのメディアによる情報発信などを行うことを予定しております。本事業の実施により、県内における宿泊者数が増大するとともに、将来に向けた旅行需要の拡大につながるものというふうに考えております。
46
◯諏訪委員
今回の予算、1億円ということになっているんですが、それぞれの事業費の内訳、述べていただきたいと思います。
47 ◯石川
観光交流推進課長
本事業1億円の内訳でございますが、まず、
旅行業者に対する宿泊つき旅行商品の造成支援につきましては、4,000万円、県民宿泊モニターキャンペーンの実施につきまして1,000万、県外からのモニターツアーの実施につきまして2,000万円、国際誘客の推進につきまして2,000万円を予定しているほか、事業管理にかかる経費や委託契約に係る消費税などの諸経費1,000万円を計上しているところでございます。
48
◯諏訪委員
その積算の根拠と、その予算がどこどこに入っていくというか、つまり、直接その予算がどういう形で、だれに措置されていくというぐあいに考えればいいんでしょうか。
49 ◯石川
観光交流推進課長
事業の積算についてお答えいたします。
まず、
旅行業者に対する宿泊つき旅行商品の造成4,000万円につきましては、送客実績に応じて支援することとしており、本県で宿泊1泊につき2,000円で、最大2万泊を積算しておるところでございます。
また、県民向けの宿泊モニターキャンペーン1,000万円につきましては、5,000円相当分の宿泊補助券を県民2,000人に贈呈することを予定しております。
また、県外からのモニターツアー2,000万円につきましては、ツアー代金から参加者の
自己負担を差し引いた額を本事業で負担することとしておりまして、1泊2日のツアーについて、1人3万円で400人分、2泊3日のツアーについて、1人4万円で200人分を予定しております。
また、国際誘客の推進につきましては、韓国人著名人を起用した植樹キャンペーンにかかる開催経費や、テレビ制作にかかる必要な経費を予定しておるところでございます。
なお、だれにというところでございますが、先ほどお話ししました、
旅行業者に対する商品造成の支援につきましては
旅行業者のほうになります。また、宿泊モニターキャンペーンについては、県民の皆さんに5,000円が差し引かれた安価な料金で入るという形で、宿泊事業者さんのほうにも、結果としてそれが入っていくという形になります。県外からのモニターツアーにつきましては、モニターツアーの代金が、青森に来る方の料金が安くなるということと、それから、それに伴って、結果として、各事業者さん、例えば、県内の宿泊の方がモニターツアーとして入っていきますので、その分が宿泊であったり、あるいは、お土産であったり、そういうところにツアーのほうから入っていく形になります。国際のほうにつきましては、地元で開催するイベント開催の部分であったり、あるいは、テレビ番組という形でございますので、これにつきましては、関係するテレビ局等々に入っていく形になっております。
以上でございます。
50
◯諏訪委員
これまでの観光に関する予算措置とは性格を異にしていると思うんですね。直接支援するというぐあいになってきているんだと思うんですが、これだけの大震災ですから、観光、あるいは、観光関連業界も含めて、自粛、自粛で来てなかなか面倒だと。大体にして修学旅行生が東北に来なくなってしまって、これもまた大変な打撃を受けているんだと思うんですけれども、ただ、こういう予算措置が有効に働いていくようにしなければならないんだと思うんですが、その点での有効性というか、見通し、せっかくやるからには何らかの形でのよい結果を出していきたいということなんでしょうが、意気込みも含めて、これからこの予算がどう生きていくというぐあいに見ればいいんでしょうか。
51
◯馬場観光国際戦略局長
本事業につきましては、先ほど石川課長から説明いたしましたとおり、緊急的な対策というふうな位置づけをさせていただいております。予算規模も1億円ということでございますが、この事業につきましては、県の観光連盟のほうに委託するという形で、事業そのものにつきましては、観光連盟が実施いたします。県の観光連盟は、県内の観光事業者の方々が会員になってございますので、今回、2万泊を超えるような宿泊を伴う旅行需要を青森県内に興すということでございますので、それをするに当たりましては、県内のホテル、あるいは、バス事業者、お土産店等の観光事業者と一緒になってその事業を進めていくというふうな枠組みで進めたいと思っております。
あともう一点、県としてこういう形の緊急的な事業を興しますので、それで県内の観光事業者の方々に、一緒にやるということで勇気づけていただいて、困難な時にありますけれども、今頑張るんだということをこういう大きな事業の中で示していきたいということで、まだ夏祭りも予約の状況が厳しいという新聞報道等もございますけれども、それなりに全国の旅行エージェントとか送客いただいていますので、それ以降のショルダーから、それから、紅葉の時期を除いて、また11月のお客様の少ない時期がありますので、その期間に集中的な形で誘客を進めていきたいと考えているところでございます。
52
◯諏訪委員
要望にとどめますが、未曾有の大震災に直面して、我々行政と力を合わせて取り組んでいかなければならないんですが、やはりある程度の地味なというか、時間がかかる部分があるんですよね。しかし、量的な積み重ねというか、コツコツとめげずに、さまざまな手を尽くして支援の手を差し伸べていく、すぐあす何かあらわれるかって、あまりまた期待してしまっても、そのあらわれ方が十分でなければ、またいろいろ考えるところにもなってしまうので、そこはじっくり腰を据えて、一定の期間が来たら、ある意味では質に転化する環境が出てくるということも大いに期待しながら、ぜひめげずに、積極果敢に手を尽くしていっていただければなというぐあいに、ここは御要望申し上げておきたいと思います。
以上です。
53 ◯高橋副委員長
ほかに質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
ないようでありますから、これをもって質疑を終わります。
これより議案の採決をいたします。
議案第1号及び議案第10号中所管分、並びに議案第3号の原案に賛成の方は御起立を願います。
〔賛成者起立〕
起立総員であります。
よって、原案は可決されました。
午さんのため暫時休憩いたします。
○休 憩 午後 0時04分
○再 開 午後 1時05分
54 ◯
阿部委員長
休憩前に引き続いて委員会を開きます。
本日、委員会傍聴の願い出がありますので、これを許可することといたしました。
所管事項について質疑を行います。質疑は所管外にわたらないように簡明に願います。
質疑はございませんか。──齊藤委員。
55 ◯齊藤委員
私のほうからは、観光振興についてお伺いいたします。
観光振興の中でも、特に中南地域の観光振興に絞ってお伺いしたいと思います。局長さんからも冒頭、付託案件の説明のときにございましたが、震災以降、やはり観光客数が減っているというふうなお話がございました。そこで、まずは中南地域の観光客数の入り込み数等について、前年対比であったり、県でとらえている部分をお知らせください。
56 ◯高坂観光企画課長
お答えいたします。
中南地域の観光客の入り込み状況でございますけれども、県では毎月、県内の主要観光関連施設を対象とするサンプル調査を実施してございますけれども、このうち、中南地域の施設につきましては、東北新幹線が全線開業いたしました昨年12月が前年比157%、本年1月が前年比117%、2月は前年比110%と3カ月続けて開業効果により順調な伸びを示していたところでございます。しかしながら、3月11日の
東日本大震災以降は、東北新幹線が運休していたことなどもございまして、旅行客のキャンセルなどが相次ぎましたことから、3月が前年比84%、4月は最も落ち込みが大きく、前年比41%となっております。さらに、4月29日に東北新幹線が全線復旧した後の5月につきましても、前年比68%と依然厳しい状況にございます。
一方で、4月23日から5月8日まで、これは会期を延長したわけでございますが、弘前さくらまつりが行われましたが、こちらのほうは前年比77%の201万人の入り込みがございました。また、その後、りんごの花を見るツアーなどが新たに造成されました復興関連のツアーがございまして、そういったものもありまして回復の兆しが見えてきているところでございます。
以上でございます。
57 ◯齊藤委員
やはり震災の影響ということが大きいということが如実にあらわれていると思います。ただ、このことは、中南地域、青森県のみならず、全国各地で同様に言えるような状況ではないかなととらえております。
そこで、一たん自粛のマインドをリセットするという意味でも、地域の観光資源の磨き上げというものが非常に大切になってくると思います。そこで、地域の観光資源の魅力の向上、そして、ひいては、滞在していただく、そして周遊していただくという観光のありようを進めていくべきだと考えます。そこで、県としては、こういったことに対して、どのような施策をもって当たっているのかお尋ねいたします。
58 ◯石川
観光交流推進課長
中南地域の観光資源の魅力を向上させ、滞在、周遊型観光型推進の取り組みについてお答えいたします。
中南地域は白神山地や岩木山などの自然景観、津軽藩ゆかりの歴史資源、津軽塗やブナコに代表されます匠の技、そして、さくらまつり、ねぷた祭りなど数多くの観光資源を有しており、多くの観光客が訪れる地域となっております。
観光客の方々に本県にできるだけ長く滞在していただき、各地域を周遊していただく、いわゆる滞在型、周遊型の観光を推進していくためには、各地域の自然、歴史・文化、郷土料理などを活用した観光コンテンツの充実・強化によりまして、地域魅力の創出・拡大を図るとともに、各コンテンツを効果的に組み合わせて、観光客に喜んでもらえるような観光コースを提案していくことが重要であると考えております。
中南地域では、津軽地域全体を一つの劇場ととらえた新たな体験型のステージを展開する「弘前感交劇場」の取り組みであるとか、あるいは、弘前の洋館や禅林街、黒石のこみせなどの散策を組み入れた街歩き観光の推進、アップルパイやB級グルメ「黒石つゆ焼きそば」といった食の魅力の展開など、地域の方々が主体的に魅力づくりに取り組んでいるほか、本年5月に開催されました「りんご花まつり」など、弘前城築城400年を記念したさまざまな事業も実施されているところでございます。
また、中南地域県民局におきましても、いわゆるアップルジュースの新しい飲み方、「ホット」という新しい飲み方の普及の推進であるとか、あるいは、温泉資源を活用した誘客促進、町中の魅力の発掘、発信などの取り組みを通じまして、地域の魅力向上を支援する取り組みを展開しているところでございます。
県といたしましては、今後とも地域との連携を密にいたしまして、観光資源のコンテンツ化を支援するためのアドバイザーの派遣であるとか、あるいは、補助制度も活用しながら、中南地域の豊富な観光資源の一層の磨き上げ・活用を図りまして、多様化する観光客のニーズに合った観光コースの設定・充実に努めて、滞在・周遊型観光を推進してまいりたいと考えております。
以上でございます。
59 ◯菊池委員
私のほうからも、震災後の誘客の促進についてお尋ねさせていただきたいと思います。
さきの大震災以降、観光客の減少、まさに壊滅的であることは言うまでもないわけでありますけれども、この時期において、補正予算等の取り組みによって積極果敢に集客を図るということは非常に重要でありますし、集客の増加によって復興を喚起するという位置づけにもなろうかと思います。しかし、一方では、被災に見舞われた住民の方々、そして、自治体の方々への一定の配慮というものが必要になってくると思いますけれども、これについて、県としてのお考えをお示しいただきたいと思います。
60 ◯石川
観光交流推進課長
震災後の誘客に当たりまして、被災地への配慮につきまして、どのように行っているかということにつきましてお答えしたいと思います。
県では、青森デスティネーションキャンペーンの実施に際しまして、直接被災いたしました岩手、宮城、福島を初め、東北各県の御意見を伺ったところでございます。各県からは、「青森DCで東北全体を盛り上げていただきたい」、「元気なところから元気に情報発信をしていただきたい」といった声をいただいたところでございます。
これを受けまして、青森県では、青森DCを日本及び東北の元気回復のための取り組みの一環と位置づけまして、「がんばろう日本!がんばろう東北!」をサブタイトルとして、予定どおり4月23日からスタートさせているところでございます。
また、4月29日には、県立美術館で行われました「演劇津軽」に、県内在住の被災者172名を招待するなど、被災者への元気を届ける取り組みも行っているところでございます。
県としては、多くの方々に、本県はもとより東北各県を訪れていただくことが東北全体の復興への力強い応援になるとの思いから、引き続き積極的な誘客促進を図っていく予定でございます。よろしくお願いいたします。
61 ◯菊池委員
ぜひとも実質的に観光に携わる方々が胸を張ってお客様を呼び込めるような体制づくりを心がけていただきたいと思います。
それと、今のお答えに対して、受けた上でもう一点、観光客の回復のためには、本県が安全であるということに対して再度認識を持っていただくべきと思いますけれども、県ではどのような取り組みをしていくのかお聞かせをいただきたいと思います。
62 ◯石川
観光交流推進課長
本県が安全であるという認識を県ではどのように取り組んでいくのか、その取り組みについてお答えしたいと思います。
県では、青森デスティネーションキャンペーンを予定どおり実施するとともに、東北新幹線が全線復旧した4月29日には、弘前公園において、青森デスティネーションキャンペーンの実質的なキックオフを行い、5月1日には、仙台のクリネックススタジアムで「がんばろう東北!あおもりアップルデー」を、5月12日には、東京ドームで「がんばろう東北!あおもりアップルナイター」を開催し、来場者へ青森県産りんごや観光パンフレットを配布したほか、上野駅での観光パネル展や首都圏等の駅での観光PRを実施するなど、東北の元気、あおもりの元気をアピールしてきたところでございます。
また、あおもりの魅力を満載した「まるごと青森ブログ!」で、4月から元気なあおもりの観光情報の発信を行っているほか、首都圏のテレビ、新聞、雑誌などにおきまして、本県の観光情報の発信と県産品プレゼントを組み合わせた企画を実施しているところでございます。
さらには、いわゆる風評被害の払拭に向けて、来月、東京都内で開催されます東北6県の観光物産展を初め、各種PRイベント等への参加も予定しております。県といたしましては、今後ともあらゆる機会をとらえて、あおもりの元気を発信することによりまして、本県観光が安全であるということをPRしていきたいと考えております。
63 ◯
阿部委員長
ほかに質疑はございませんか。──
諏訪委員。
64
◯諏訪委員
平成24年度青森県重点施策提案について。海外での本県産農水産物の風評被害に対する損害賠償の対象拡大について、県での今回の重点施策提案でどのような提案を行っているのか、現在の国の取り組み状況はどのようになっているのか、まず、ここの点のお答えをいただきたいと思います。
65 ◯小山国際経済課長
それでは、本県産農水産物の風評被害に対する今回の県の重点施策提案の内容についてお答えいたします。
我が国から輸出される農産物につきましては、今回の福島第一原子力発電所事故に伴い、海外での輸入規制強化や風評の影響による現地消費者の買い控えが生じていることから、日本全体で海外消費者等の信頼を回復していく必要があり、国レベルでの風評被害対策の拡充・強化が不可欠であると認識しております。
このため、県では、国に対しまして、本県産輸出農水産物の風評被害回避のため情報発信の強化などと合わせまして、現状、国から出荷制限の指示が出されております福島県など5県以外の本県産農水産物についても、風評被害の損害賠償の対象となるよう求めることとしております。
具体的には、外国政府の輸入規制により、海外での通関時に留め置きなどによりまして輸出品の廃棄が生じた場合とか、あるいは、海外バイヤーなどから、本来不要な放射性物質の検査を求められたことによって生じます掛かり増し経費などについても損害賠償の対象とするよう提案することとしております。
続きまして、国の現在の取り組み状況につきましてお答えいたします。
風評被害につきましては、去る5月31日に決定された原子力損害賠償紛争審査会の第2次指針において、事故との相当因果関係のあるものは賠償の対象とするとの指針が示されております。第2次指針においては、4月までに政府等による出荷制限指示などが出されたことがある福島、茨城、栃木、群馬各県の全域と、千葉県の一部の農林産物、それから、福島、茨城両県の水産物が対象とされております。
また、第2次指針では、これ以外の産品については、引き続き市場動向などの調査、分析等を行った上で、今後検討することとされております。
県としましては、海外の輸入港で本県産輸出農水産物に廃棄などが生じた場合とか、放射性物質の検査費用などについても風評被害の損害賠償の対象とするよう、本県の重点施策提案としまして、7月以降、原子力損害賠償紛争審査会が置かれる文部科学省などの関係省庁に働きかけていくこととしております。
以上でございます。
66
◯諏訪委員
海外での通関に当たり、留置等による輸出品の廃棄が生じた場合とか、本来不要な放射性検査に係る掛かり増し経費等、それから、契約をした、あるいは、出荷直前にキャンセルが来るとか、商談中のキャンセルとか、さまざまなケースがあるんだと思いますが、現時点で損害賠償の対象に据えることと政府に要請しているけれども、現時点で青森県は、被害額に例えると、風評被害の被害額というのは、額として何か認定できるものはあるんでしょうか。ないしは、こういう状況になっているんだと、もう少し、せっかく提案しているからには、それ相応の論拠が必要になってきますので、その辺の実例を含めてちょっと御紹介いただきたいんですが。
67 ◯小山国際経済課長
風評被害の状況の把握について、まずお答えいたします。
県では、4月に県内企業など377社、うち、輸出食品関係は約36企業・団体を訪問して震災の
被害状況などを調査しました。また、りんごを初めとする農水産物の輸出関係業者等からの聞き取りによりまして、本県産農水産物への風評の影響を調査いたしました。これらの調査によりますと、香港向けのりんごやオーストラリア向けのホタテ加工品がキャンセルされたとか、商談が取りやめになった事例や、海外バイヤーが輸入通関時に差し止めとなることを恐れて輸入を見合わせている状況などが確認されたところでございます。
しかしながら、以上のとおり、本県産りんごの海外での販売は非常に厳しい状況にあるものとは認識しておりますけれども、本県産りんごにつきましては、輸出向けが国内に仕向けられたこともありまして、海外での風評による損害額等の実体的被害の把握は困難ではないかと考えております。
以上でございます。
68
◯諏訪委員
風評被害が大きいということで損害賠償の対象を拡大してくださいと言うからには、一定の被害額というものを出していかないと、じゃあ、いくら損害賠償すればいいんですかと、仮にそういう具体的な話になったときに、詰め合うことも何もできないんですよ。風評被害の額の認定するのが困難だということになったら、ちょっとおかしい話になっちゃうので、その辺の科学的な、対象にしてくださいって提案するからには、一定の根拠を持つべきだと思うんですが、その辺の被害認定の出し方について、なお迫りたいんですが。
69 ◯小山国際経済課長
確かにおっしゃるとおり、先ほど申し上げましたとおり、4月に377社を訪問して調査いたしました。しかし、これは第1回目の調査ということで、現時点の企業の状況を定期的に把握する必要があるということで、7月に第1回目の追跡調査、フォローアップを行って、企業の要望とか意見に柔軟に対応して、適時適切な支援に努めていきたいと考えてございます。
また、先ほど申し上げましたとおり、原発事故の風評被害につきましては、去る5月31日に決定されました原子力損害賠償紛争審査会の第2次指針におきまして、事故と相当因果関係のあるものであれば、賠償の対象とすることが示されたところでありまして、指針の内容が今後具体化されていく中で、賠償の対象となる被害の範囲も明確になるものと考えることから、今後、庁内であれば農林水産部とかりんご輸出関係団体と連携しながら、状況の把握に努めてまいりたいと考えてございます。
70
◯諏訪委員
できれば、風評被害も何もないほうがいいんです、逆に言えばね。したがって、さまざまなモニタリングだとか今回、予算が計上されて、農水産物のどれくらい、何百品目か全部測定していくという話になって、そこでの安全・安心というか、従前だと、とにかく外国から日本全体がとか、東北全体がと見られるんですが、個々に今度、一つ一つ合格、安全・安心な農水産物だということが認定されて、それで安全・安心を提供していくというぐあいに、そういう水準になってきているんですけれども、したがって、その辺はしっかりやって、むしろそのほうの強調が大事なんだと思いますので、そこはひとつ抜かりなく、万が一そういうことがあった場合にという、そういう意味での水準の提案になっているんでしょうから、その分野もひとつ漏れなくというぐあいにやっていただければと。変に風評被害に認定されて、損害の賠償の対象になるというのは、それはそれでいいんですけれども、何もならない、別な影響を広げてしまうということのないように、注意深く、かつ毅然として対処していく必要があるだろう。
次に移ります。
観光客の誘客対策です。県では、今回の重点施策提案でどのような提案を行っているのか、現在の国の取り組み状況はどうなっているのかお伺いをいたします。
71 ◯石川
観光交流推進課長
まず最初に、どのような提案を行っているかにつきましてお答えしたいと思います。
海外での渡航規制や風評等によります外国人観光客のキャンセル、青森・ソウル便の運休に伴う韓国人観光客の激減、全国的な観光需要の落ち込みに伴います観光宿泊施設の入り込みの減少を踏まえまして、県では、国に対して、海外における各種メディアを通じた訪日旅行の安全性のPRの強化、そして、在外公館等を活用した訪日旅行の安全性に係る情報発信の強化といった海外向け情報発信の強化と、国内のマスコミを活用した東北観光のPR、大都市圏での東北観光PRイベントの実施といった、本県を初めとする東北への大規模な誘客キャンペーンの実施につきまして提案を行うこととしております。
また、国の取り組みにつきましてでございますが、観光庁におきましては、旅行を通じた
被災地域復興支援等を図るべく、観光交通関係業界と連携いたしまして、官民合同による国内旅行振興キャンペーンを実施しており、同キャンペーンのポータルサイトから、東北の交通・観光情報の発信、イベントガイドお勧めツアーの紹介などを現在行っております。
また、日本政府観光局におきまして、訪日旅行の本格的な復活を目指し、緊急対応事業といたしまして、海外の
旅行業者やメディア等を日本に招聘し、安全で安心な日本の現状を実地に、実際に見ていただいて体験していただく視察や取材事業を集中的に実施しているところでございます。
このような中、県では、観光客誘致対策に係る国への働きかけとして、去る6月20日に観光庁溝畑長官を訪ねまして、本県を初め訪日旅行に対する不安、風評被害を解消するため、訪日旅行の安全性のPR強化や、国として、本県を初めとする東北地方への大規模な誘客キャンペーンの実施につきまして、強く要請したところでございます。
さらに、7月には、今回の重点施策提案につきまして、関係省庁への要望活動を行うこととしておりまして、今後も積極的に国への働きかけを行ってまいる所存でございます。
以上でございます。
72
◯諏訪委員
国は何か予算措置したんでしょうか、これからするんでしょうか。財政上の問題はどうなっていますか。
73
◯馬場観光国際戦略局長
国のほうにおきましては、主にインバウンドのほうが重点でございますけれども、予算措置を講じまして、従来ですと地元負担があったんですが、国10分の10という形で、海外のマスコミですとかエージェントの招聘事業を行っております。国としても、今回の自粛の雰囲気の撤回ということで、主体的な動きをしていただいておりまして、そのほかには、特に、東北地方の被災県、本県を含みます被災県、そして、秋田、山形も含めまして、今夏に向けまして調査事業ということで、特別な事業を緊急に興しまして、委託事業でございますが、観光客の受け入れ体制の向上につながるような支援をしていくということで、国もさまざまな形で事業展開をしていただいているところでございます。
74
◯諏訪委員
これほどの大震災、被害を受けて、沿岸部がかなりやられる。福島原発での影響もまだ広範に存在しているということで、東北にいかに誘客するかと、外国の皆さんも含めて。それで、さっき国の調査事業という話もあったんですが、いわば東北の観光商品と言ったらいいか、やられている部分もありながら、東北にどういう目玉的な商品というか、そういうものを興していくというか、具体的に何か見えているものはあるんでしょうか、東北を興していく上で。もしあったら。
75
◯馬場観光国際戦略局長
国におきましては、具体的な取り組みとしまして、今回、一連のキャンペーンで「がんばろう!東北」ということで、首都圏を中心とするようなところからお客様を送客するモニターツアーを今、集中的に実施しているところでございます。それで、その際のポイントは、地震、津波等の被災の大きかった岩手、宮城等につきましては、その復興といいますか、そういったものも兼ねたボランティアも含めたようなツアー、それから、秋田、山形のほうにつきましては、
間接被害等が大きいものですから、そういうところの新たな観光コンテンツ等を見ていただくようなツアーということで、東北も一つではなくて、それぞれの置かれている県の状況が異なりますので、地元の意見も取り入れながら、国としての送客、モニターツアー等の取り組みを、地域のある程度主体性を生かしながら進めていただいているところでございます。
76
◯諏訪委員
今、ボランティアツアーという言い方をして、この話、前にもちょっと聞いたことがあるんです。ボランティア活動しながら旅行というか、ミックスさせていく話なんですが、そういうのって今、かなり広がっているんですか。それは受けているんですか。やっぱり被災地を目の当たりに、惨状をよく見てもらって、生きていく生きざまとか、そういうものを学びつつ、何かボランティアに参加するという形でのものというは相当メニューとして出てきているという意味なんでしょうか。もう少し事情をお知らせください。
77
◯馬場観光国際戦略局長
ボランティアツアーは、新幹線がちょうど復旧するあたりから、観光庁のほうが主導的に各大手の旅行エージェントにお声がけして生まれてきてございまして、現在は、主な国内の旅行エージェントのほうでそういうツアーを造成してきているところでございます。具体的には、ボランティアで来ていただいて、1日、2日、ボランティア活動をいただいて、宮城県ですと温泉に1回、鳴子温泉に泊まって、鳴子温泉に泊まることも被災地の支援だと。要は、海岸部のほうでごみ片づけとかそういうボランティア活動をするのと、あわせて、鳴子のほうで1泊するのも観光地に対する支援だということで、そういうふうな商品の組み方、コンセプトで進めているところというふうに聞いております。
また、旅行エージェントのほうも、みずからの社員も結構いらっしゃいますので、そういう方々がツアーといいますか、社員の方々でワンバスとか、そういう形で各エージェントさんが東北各県のボランティアの支援にもうかがっているということも聞いているところでございます。
78
◯諏訪委員
これはどちらにも、だれが見ても評価し、歓迎をされるということだったら、大体3カ月半過ぎて、これまでやってきたボランティアもだんだん潮を引いていねぐなってきているという問題もあって、観光とボランティアをミックスさせる事業がどこでも歓迎され、来る人たちも大いに学ぶし、何か提供するものも提供するしということで、もしこれがものすごくいい一つの商品ということなんであれば、全面的にやる。もっと抜本的にやると言ったらいいか、あまりそうしてしまえばまいんだか。つまり、相当有効なものとして動いていけるというんだったら、そうだったらもっと力を入れて、思い切ってやったらいいんじゃないだろうかと、ちょっとそういう気もするものですから、今、2つのケースを御紹介ありましたけれども、いろいろなケース考えていいんじゃないでしょうかね。どういうものなんでしょうか。間違っているんでしょうか。
79
◯馬場観光国際戦略局長
ここからは私の個人的な意見にもなってくるところもあるんですけれども、ボランティアのそういうふうな商品造成がなされていますけれども、それで大勢の方がお越しになっているという意味での商品になっているということではないようでございます。したがって、ボランティアには行きたいけれども、本当のボランティアというんですか、ではなくて、何らかの形で貢献したいというふうな方々に商品として受けられているということは、一部のエージェントの方々からは伺っているところでございます。本来、ボランティアをする方は自分の足で行って、自分で宿をとりながらという方々がやはり多いと思いますので、エージェントの商品を買ってくるというのは、本当のボランティアじゃないというような気持ちもあるのかもしれません。その辺のところは少しいろんな考え方があるだろうと思いますので、今度またエージェントの方とお会いする機会もございますので、その辺のところは、一応、エージェントの方々の見方、あるいは、国のほうの見方についても、少しお聞きしてみたいなというふうに考えてございます。
80
◯諏訪委員
はい、よろしいです。
81 ◯
阿部委員長
ほかに質疑はございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
ないようでありますので、これをもって
商工労働部、
観光国際戦略局関係の審査を終わります。
執行部入れかえのため、暫時休憩いたします。
○休 憩 午後 1時40分
○再 開 午後 1時42分
82 ◯
阿部委員長
休憩前に引き続き、委員会を開きます。
エネルギー総合対策局関係の審査を行います。
付託議案等がありませんので、
所管事項について質疑を行います。
質疑は所管外にわたらないよう簡明に願います。
なお、答弁者は挙手の上、「委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。
質疑はございませんか。──齊藤委員。
83 ◯齊藤委員
私のほうからは、風力発電についてお伺いいたします。
本県は、風力発電の導入量が全国一となっておりますが、その多くは県外資本の事業者のものによる発電所というふうになっております。そこで、県内の企業の風力発電事業に対する参入というものに対して、県としてどのようにお考えかお伺いいたします。
84 ◯松橋エネルギー総合対策局次長
風力発電についての質問ですけれども、県におきましては、平成17年度に策定いたしました「青森県風力発電導入推進アクションプラン」に基づきまして、多様な主体の参画等によりまして、風力発電の導入を進めていくこととしておりますが、これまでは県外大手企業によるものが多い現状でございます。
その理由の一つとしては、コスト面の問題がございます。風力発電出力の増大や平滑化、採算性の観点から、近年、風車の大型化やウィンドファームのような大規模化が進む傾向にあり、これは施設建設時の事業コストの増大につながることから、資金調達面で県内企業の参入が難しくなっているものと認識しております。
このため、県におきましては、東京都などと締結いたしました再生可能エネルギー地域間連携に関する協定の活用による採算性の高い事業モデルや、県内金融機関からの資金調達など、風力発電事業に参入しやすいスキームの構築に努めるとともに、国に対しても債務保証制度など事業化に係る金融面の支援などについて要望しているところでございます。
なお、御承知のとおり、外ヶ浜町の第三セクターである株式会社津軽半島エコエネが地元企業としては県内で初めてで、売電を目的とした風力発電事業に取り組み、本年5月末から本格稼働を開始したところでございます。この竜飛風力発電所は、「竜飛ウィンドパーク」跡地に、風車2基、これは1,675キロワット、2基ございますけれども、これを整備したものでございまして、地域の資源を地元企業が活用いたしまして、その資金調達も県内金融機関からの融資によるなど、まさに地元による風力発電事業の先駆けとなるものでございまして、これをモデルとして、県内企業による風力発電事業への参入が促進されることを期待しております。
以上です。
85 ◯齊藤委員
ありがとうございました。そこで、風というものが青森県においては一つの資源であるという考え方にも立てると思います。そこで、風という資源を県内の産業振興や雇用対策といったものに対して、やはりつなげていくべきだと思いますので、この辺についての県の見解をお伺いいたします。
86 ◯濱館エネルギー開発振興課長
本県の地域資源である風を県内の産業振興や雇用創出につなげていくことが重要である、県の取り組みについてでございます。
県といたしましては、県内企業によります風力発電事業への参入を促進するとともに、風力発電施設の集積地である特徴を踏まえまして、関連産業の創出をしてメンテナンス業務の受注体制の構築のための取り組みも進めてございます。
具体的には、平成21年度に風力発電メンテナンス等現状調査を実施いたしまして、風車の構造や部品、消耗品等の基礎情報、県内風力発電施設の稼働状況やメンテナンス体制等の現状を取りまとめた「風力発電メンテナンス会社検討のためのマニュアル」を作成いたしました。メンテナンス業務に関連する県内企業に配布をしてございます。
また、平成21年度及び22年度の2カ年で、「風力発電関連産業参入サポート事業」を実施いたしまして、発電事業者と県内企業とのマッチングフェアや風力発電施設見学会、技術講習会等を開催してございます。
なお、マッチングフェア後の成約状況、受注の関係でございますけれども、につきまして、県内企業からヒアリング調査を行いましたところ、新たに県内企業へ発注された案件数、21年度は3件、金額にしまして90万円、22年度は7件、約582万円となってございます。従来からの受注分も含めました平成22年度の実績は、20年度比672万円増の4,082万円となってございます。
さらに、今年度は「風力発電メンテナンス人材育成事業」を実施いたしまして、メンテナンス業務受注に意欲的な県内企業2社におきまして、失業者等をそれぞれ3名雇用いたしまして、風車のメンテナンスに係る研修を行い、人材を育成することとしてございます。
県といたしましては、これらの取り組みを通じまして、本県の資源である風を生かした産業振興や雇用創出に努めてまいりたいと考えてございます。
87 ◯齊藤委員
ありがとうございました。先般、エネ局の方から、風力発電について非常に丁寧な、わかりやすい御説明をいただきました。その中で、やはり風力発電の普及には蓄電池の問題が、いわゆる安定化という部分でかかわってきていると。この辺を国に対して、さらに強く要望していただければと思います。
以上です。
88 ◯
阿部委員長
ほかに質疑はございませんか。──
諏訪委員。
89
◯諏訪委員
知事は、去る6月8日に国家戦略としての核燃料サイクルの推進について、海江田経済産業大臣に対して確認を行ったとのことでありますが、どのような確認を行ったのでしょうか。お願いします。
90 ◯阿部エネルギー総合対策局長
核燃料サイクルにつきましては、エネルギー基本計画におきまして、中長期的にブレない、確固たる国家戦略として、引き続き着実に推進するというふうにされておりまして、このことにつきましては、歴代の大臣や官房長官に県としても確認してきたところでございますけれども、知事は去る6月8日、県も加入しております原子力発電関係団体協議会、今現在、この協議会の会長を知事は務めておりますけれども、その会長として、海江田経済産業大臣へ要請を行った際、知事としての立場から、改めて国家戦略としての核燃料サイクルの推進について確認を行ったところでございます。
その際、海江田大臣からは、「核燃料サイクルを維持・強化しなければいけないと考えており、今後、その方向で議論を進めていく」との回答をいただきました。
県としては、核燃料サイクルに関する国の確固たる姿勢を改めて確認できたものと受けとめております。
91
◯諏訪委員
国家戦略としての核燃料サイクルの推進、維持・強化となっているんですが、この際、改めてと言えばなんですけれども、核燃料サイクルの維持・強化という場合に、何を指すと考えますか。核燃料サイクル政策とは何ですか。
92 ◯阿部エネルギー総合対策局長
大臣の言われた維持・強化という中身までについては承知していないところですが、核燃料サイクルというのは、原子力発電所で使用した使用済み燃料を再処理して、そこからプルトニウムを分離して、そしてまた、プルサーマルにつなげていく、その一環の流れを核燃料サイクル政策というふうにとらえております。
93
◯諏訪委員
プルサーマルの部分、核燃料サイクル政策の大きな柱というのは高速増殖炉じゃないんですか。使用済みMOX燃料を再処理するというのもかなめですし、核燃料サイクル政策とは一体何ぞや、その柱とは何かということの今、確認をしているわけです。
94 ◯阿部エネルギー総合対策局長
柱といいますと、核燃料サイクルの場合、さまざまな事業がございます。いわゆる再処理事業、中間貯蔵施設も当然その中のあれになりますし、もちろん、今、委員が言われた、高速増殖炉でプルトニウムを燃やすというのも、当然それはサイクル事業、そういった事業、事業でいくとさまざまな事業がありますけれども、基本的には、使用済み燃料からプルトニウムを取り出し、それをまた再利用するというのは、もんじゅ等で燃やすというのも大きな施策の一つだと思っています。
95
◯諏訪委員
それを国策としてブレない政策として推進いただきたいということを確認してきているんだと思うんですが、確かなものとして進んでいく、そういう見通しを持っていますか。
96 ◯阿部エネルギー総合対策局長
見通しを持っているかということですけれども、先般、たしか5月だと思いましたけれども、菅総理から、今の核燃料サイクル政策を進めていくということを定めておりますエネルギー基本計画について見直しをするというお話があったと。そういったことを踏まえて、今回、知事が改めて海江田大臣に対して、核燃料サイクルの推進について確認させていただいたと。その際、大臣のほうからは、引き続き核燃料サイクルを維持、さらに強化していくというふうなお言葉があって、今後、その方向で具体的な議論を進めていくということになっておりますので、県といたしましては、今後、国の議論の動向等を注視してまいりたいというふうに思っております。
97
◯諏訪委員
一言で核燃料サイクル政策と言うんだけれども、いろんなものが絡んでくるわけですよね。まず、使用済み燃料を再処理するために、六ヶ所の再処理工場、MOXをつくって使用済みMOX燃料を再処理するのは第二再処理だと言っているわけです。しかし、高速増殖炉はそれも一つの柱で、独自のサイクルを構成しなければならないということになっていて、これらの核燃料サイクル政策上のラインと言ったらいいか、この見通しと言ったらいいか、皆途絶えてしまっているわけです。第二再処理工場を2010年度から検討を開始すると言っているんだけれども、どうなることやら、よくわからない。高レベル放射性廃棄物のガラス固化体の最終処分事業もよくわからない。また先送りだと。高速増殖炉原型炉「もんじゅ」はとまってしまっている、動かない。一つ一つ見ると、みんなさまざまな問題を抱えたまま、遅々として進まないわけです。進まないからもう一回やっぱり考え直してみようかとか、いろんなことが起きてくるわけです。
そこで、そうなってくると、知事としては、何だかブレてるんじゃねえのって、ブレることなくちゃんとやりなさいって言うんだけれども、国は、「はい、わかりました。ちゃんとやります、大事なことだから」っていうことがいつも簡単に会話される。しかし、実際の核燃料サイクル事業の一つ一つの展開の仕方というのは、そう単純にいかないんですよ。何十年、何百年という単位でやっていかなければならない事業がゆえに、何かあればとまってしまう。だから、一言で何か合意して、国策としての揺るぎない云々とかっていう単純なものでないということを私は言いたいわけですよ。
その際に、国会議員の木村太郎議員が質問趣意書を出して、我が党の志位委員長とのやり取りの中で、菅大臣が白紙に戻して見直していこうという会話になったがゆえに、それは三村知事に対しても、ブレればまいねということで確認作業していくんだけれども、木村議員の質問趣意書に回答書が寄せられている。別に白紙とか何も言っていないんだけれども、核燃料サイクル事業の進め方について今後検討し、国民からの声も十分聞いていきたい、こういう言い方になっているわけです。
ですから、核燃料サイクル政策を国家戦略として維持・強化してもらいたいということの確認というのは、ただ確認をすればいいという問題でない。ものすごいそれぞれのコースごとに、サイクルごとに難題を抱えている分野だということを肝に命じてやらないと、何かあればすぐ念押しして確認をする。そういうものだという認識に立って核燃料サイクル政策というものを検討していただかないと、オウム返しにしょっちゅうやっていて、繰り返してそういうことになっている。確たる見通しも何もないで。そういう問題について、どう考えるんだろうかというぐあいに思うんですけれども、何かありますか。
98 ◯阿部エネルギー総合対策局長
確かに、核燃料サイクル全体を見ましたときに、さまざまな技術的な問題等があって、その進捗が当初の予定どおり進んでいないとかというものは見受けられるのはたしかでございます。だからこそ、我々としては、国としてしっかりと取り組んでいただきたい、中長期的にブレない、そういった形で核燃料サイクルに引き続き取り組んでいくということを確認する必要がある。今回も、先ほども申しましたとおり、今回、菅総理がエネルギー基本計画を見直しするという発言があったということがありましたので、それで知事が原発協の会長として国に要請した際、その機会を利用して、改めて大臣のほうから確認をいただいたということでございまして、我々としては、今回、そういった大臣のほうから、今後とも核燃料サイクルについては維持・強化をする。そして、その方向で具体的な議論を今後進めていくというお話がありましたので、その具体的な議論の方向性をきちんと注視していきたいと思っております。
99
◯諏訪委員
これ以上やって始まらないんですけれども、ただ、いずれにしても、入り口に入った原子力行政は、原発を燃やして、サイクルにしていこうという入り口に入ったんだけれども、出口が見えないんですね、今のところ。後始末をどうするのかというのに答えを出さないまま見切り発車しているんです、実際は。しかも、地震大国と言われているこの日本に、それぞれ集中立地しているという大問題があるんですよね。何十年単位で動いていくという核燃料サイクル事業ですから、今、我々がその事業に責任を持って、これをプッシュしていけるかという問題、実は宿っているんです。みんな退職していきますよ。50年たったら、だれも生きてやしないんですから。そういう超巨資的な問題に、今我々が本当に責任を持ってこれを押し進めていいのかという問題が鋭く突きつけられている問題だと私は思うんですよ。そういう問題であるということをしっかり受けとめて、核燃料サイクル政策というのは一体何なのかということをもう一回、イロハにひもといて、検討なり議論してもらいたいんですよ。それほどの途方もない遠大な事業ですからね。ということだけは申し上げておきたいというぐあいに思います。
次に移ります。
6月18日に海江田経済産業大臣が「我が国経済の今後の発展のためにも、原子力発電所の再起動をぜひお願いしたい」との談話、声明を発表しましたけれども、それに対する県の見解を伺いたい。
100 ◯阿部エネルギー総合対策局長
先ほども御説明いたしましたけれども、知事が6月8日ですけれども、原発協の会長として国に対して要請をした際、海江田経済産業大臣から、「すべての事業者において緊急安全対策を適切に行っていることを国として確認しており、運転継続や再起動については、安全上支障がないと考えているが、皆様に御理解いただけるよう、引き続き丁寧に説明していく」旨の回答をいただいたところでございます。
今回、海江田経済産業大臣から再起動についての談話があったわけですけれども、この談話は、改めてこのことを踏まえての御発言であると受けとめているところでございます。
ただ、いずれにいたしましても、県といたしましては、原子力発電所の再起動等につきましては、現在行われております原子力安全対策検証委員会での検証結果、県議会での御議論、市町村長の御意見、原子力政策懇話会での御意見、県民説明会における御意見や県内各界・各層からの御意見等を踏まえ、今後慎重に、かつ厳しく見極めてまいりたいというふうに考えております。
101
◯諏訪委員
大臣の談話の中で、今夏の電力供給、ことしの夏の電力供給、西日本も含めた電力需給の安定は、震災からの復興と日本経済の再生のために不可欠だと、逼迫しているという状況のもとで、安全宣言をしているという問題があるんですね。それで、この間、我が党の志位委員長が、この安全宣言は問題だ、論外だと、撤回しなさいという申し入れなどもしていて、そのときに原発立地県である知事がいくらそういう安全宣言をしても、我が県の原発は再起動は許しません、反対だと言えば、知事が再稼働を認めないというんだったら、それは動きませんという言い方もしているわけです。一方では、逼迫しているから再起動を承認する。他方では、知事がそういう状況だという問題があるんですが、その際に、今、検証委員会なり検討委員会なり、議会の議論を含めて総合的に判断すると言ったんだけれども、ことしの夏とか、逼迫しているとかという話が出てきているものですから、東通原発について、何か知事に具体的に要請なり来ているんでしょうか。その際に、知事はどういう態度を示すんでしょうか。
102 ◯阿部エネルギー総合対策局長
先般の海江田大臣に要請した際に、海江田大臣のほうからは、自分としては各自治体のほうに行って丁寧に説明したいというお話がありましたけれども、具体的に、本県知事に対してそういう要請をしたいということは、今のところ、そういう申し入れは具体的にありません。
103
◯諏訪委員
談話や声明がそういうものになっていて、具体的な要請は何もない。そこで、一方では、検証委員会だとか検討委員会とかで話をしていくということになったら、このスケジュールはどうなるんでしょうか。つまり、ことしいっぱい、そういう議論を知事が待つ、総合的に判断する上で。したがって、東通原発もそれは動かない、そういう関係でいいんですか。
104 ◯阿部エネルギー総合対策局長
今、委員のほうからことしいっぱいとかというお話がありましたけれども、現在、原子力安全対策検証委員会で検証を行っているわけですけれども、これは具体的なスケジュールは特に定めているものではなく、別にことしいっぱいとかということでもないですので、今のところ、いつ検証結果が出るかについては、私のほうから予断を持って言えませんので、いつになるかわかりません。
105
◯諏訪委員
検証委員会というのは過酷事故を起こさないための対策をどうとるか、原子力防災検討委員会のほうは、過酷事故が起こった後にどういう防災対策を強化するか、極論を言えば、そういう形で進んでいくものなんですけれども、要するに、この検証が済まない限り、東通原発は再起動も再稼働もない、それでいいですか。
106 ◯阿部エネルギー総合対策局長
先ほども御答弁したところでございますけれども、原子力発電所、東通の原子力発電所も含めた再起動等につきましては、原子力安全対策検証委員会での検証結果、それから、県議会での御議論、市町村長の御意見、原子力政策懇話会での御意見とか、さまざまなそういった手続きを踏まえた上で、最終的に知事が総合判断していくということでございます。
107
◯諏訪委員
だから、その間は東通原発の再起動も再稼働もない、いいですかと聞いている。
108 ◯阿部エネルギー総合対策局長
再起動する、しないの権限は県にはないわけでございますけれども、事業者としても当然、そういった県の検証結果等を踏まえた上で対応するというふうに考えております。
109
◯諏訪委員
今、局長のほうは原子力安全対策検証委員会の検証のほうばかり言っていましたけれども、原子力防災の強化という点で、原子力防災の対策のあるべき姿についての検討委員会というのも今回立ち上げたわけです。それも同時でいいんでしょう。原発の過酷事故を起こさない、起こした場合の原子力防災の強化、両方の検討結果と知事が総合的に判断していく、いいんですね、これで。
110 ◯阿部エネルギー総合対策局長
防災のほうについては、それは原子力安全対策課のほうの所管ですので、具体的な内容については承知はしておりませんが、ただ、1つだけつけ加えさせていただきますと、今現在、検証委員会が行っている検証というのは、シビアアクシデントを起こさないということだけではなく、起きた場合の対応も含めたことを検討しているわけであって、検証委員会がシビアアクシデントを起こさないことを検討し、起きた場合の防災対策を原子力安全対策課がやっているということではなくて、あくまでも検証委員会自体がシビアアクシデントをできるだけ起こさないような対策、それから、起きた場合であっても、できるだけアクシデントを軽減するような対策も含めて検討しているというふうに理解しております。
111
◯諏訪委員
それでいいんですよ。そういう意味のことも言ってるんですよ。過酷事故というのは起こらないようにすべきだし、起きた場合の原発をいかに守るかというのが安全検証委員会なんですよ。ところが、原子力防災の検討というのは、それ以外の全県的な避難対応から何から全部考えないとだめなんですよ。そういう趣旨ではそれは何も構わないんです。だから、両方そういう検討結果が出ないうちは、それこそ東通原発の稼働も何もないですねということを聞いているんだけれども、それは直接的な権限がない。ただし、事業者のほうで、国のほうでこういう形で再起動を要請されている、ぜひ知事のほうに理解を求めたいということで、いずれそういう形の要請があるという手続きにはなるんでしょうか、それは。その辺、ちょっと教えて。
112 ◯阿部エネルギー総合対策局長
先般、6月8日ですけれども、海江田大臣に原発協の会長として知事がお会いした際、経済産業大臣に対しては、今回の国の緊急安全対策の確認結果につきまして、国のほうでは原子力発電所の運転継続や運転再開に安全上の支障はないとしている一方で、浜岡については、運転停止要請がなされたということで、国が具体的に、どういったことをどう評価して支障なしとしたのか非常にわかりにくいということで、その上で、緊急安全対策を確認・評価した際の具体的な判断根拠などについて、浜岡の停止要請との整合性も含め、各立地道県に対して丁寧に説明していただきたいということを要請しております。これを踏まえて、大臣のほうで今後、青森県に対して具体的に説明したいというお話があれば、県としてはそれは聞く用意はございます。
113
◯諏訪委員
別に難しい話をしているわけでも何でもないんですよ。両方の検討委員会の結論が出るまでは、東北電力東通原発は動かしません。いやいや、県としてそういう姿勢で臨みますというんだったら、そう言えばいいだけの話なんです。それだけの検証や検討をしているんだって、今、県としては。ですから、時間がかなりかかってでも、その間は東通原発は動かしませんよ、そういう意思でいますよという態度表明をすべきなんではないかと、裏返しに言えば、という意味なんです。
114 ◯阿部エネルギー総合対策局長
先ほどもお答えしましたけれども、環境生活部で行っている検討委員会については、どういう設置目的で、どういった事柄について検討しているのか、詳細については存じ上げないところでございますけれども、いずれにしても、それについては現在、東通原発の再起動のためにつくったというふうには私ども理解してございません。あくまでも、今、福島の原発の事故を受けて、非常にまだ事態が収束していない、そして、県民の間に安全性に対する不安が広がっているということを受けまして、県として独自に安全対策の検証を今、検証委員会のほうで行っていただいている。その結果や、何度も繰り返しになりますけれども、県議会の御議論等を踏まえて、知事としては総合判断したいということで今、考えているところでございます。
115
◯諏訪委員
おおよそ立場というか、対応の仕方というのが見えてきました。念押しで今、やり取りしているのは、再起動、再稼働の問題、談話、声明が出る、それから、検討委員会、検証委員会がある、知事の総合的判断だとかいろいろ出てきている。核燃料サイクルは国策だといって念押しをする。こういういろんなことの動きが出てきているわけです。これをどう見るかということはとても大事なんですよ。それで、日本は国際原子力機関に報告を出す。いろいろ不十分なものはありますよ。でも、結構丁寧な報告になってるんですよ。しかし、その丁寧な報告も、じゃあ、国民向けにはどうなっているんだかといえば、一言もないに等しいんですよ。そういう問題もあるわけです。
一番大事なのは、福島原発がああなった、まだ後始末もできない、収束もしない、避難区域何キロにするんだ、風向きでどう避難するのだ、まだこれからなんですよ。避難対策から安全対策から何から。ましてや、後始末、収束もしていない。そういう状況のもとでいろんな動きが出始めてきているということなんですね。その際に、これをどう見るかということは、我々としては見る見方としては、厳しい目で見ていかなければならないんです。福島があって、何があっても、進むものは進んでいくという、そういう流れにしてはならんということがあるから、念押ししながらどういう姿勢で臨んでいるのだろうかということをちょっと一時吟味してみたかったわけです。スカッとするような姿勢には立っていないということがわかりました。そういうことがわかったということで、次に移ります。
東日本大震災によるITER計画のスケジュールへの影響についてですが、原子力機構那珂核融合研究所が被災したことにより、ITER計画のスケジュールにおくれが出るとの報道がありますが、現状をお知らせください。
116 ◯駒木ITER支援室長
今月14日、15日の2日間、本県の青森市内において、ITER加盟7極の参加のもと、第8回ITER理事会が開催されたところでございます。
国によりますと、同理事会において、ITER計画のスケジュールについて、
東日本大震災により日本原子力研究開発機構那珂核融合研究所の超電導コイルを試験する建屋などが被災したことにより、重要機器の製作への影響が懸念され、この影響を緩和するための議論がなされたということでございます。
その結果、特別検討委員会を設置して、スケジュール回復に向けた戦略的計画を本年の10月初頭までに作成することが合意されたということであります。
117
◯諏訪委員
報道によれば、復旧のめどが立っていないと書いてるんですが、そういう状況なんですか。復旧のめどが立っていない。何かそれにかわるものというか、代替案とか、あるいは、復旧してからとかという話なんですか。もう少し見えるようにしてもらえれば。
118 ◯駒木ITER支援室長
新聞等の報道については承知しておりますが、ITER計画のスケジュールに影響があるのか、ないのか、その辺のところにつきまして、特別委員会が作成する戦略的計画において明らかになっていくものと認識しております。
119
◯諏訪委員
最初のプラズマへの転化を19年、2019年でしょうね、とする現行のスケジュールについて、非常に厳しい。これを21年度までに実施する考えを示したというのは、19年から3年ぐらいおくれるという意味でこういう報道があるんでしょうか。
120 ◯駒木ITER支援室長
報道につきましては、ITER理事会が終了した後、本島機構長の記者会見での発言だと思いますけれども、機構長としてのお考えを述べたものと理解しておりますけれども、正式には、先ほど説明しました特別委員会におきまして、被災の状況、それから、被災の影響を評価して、おくれを最小限に抑える計画をまとめるものというふうに聞いております。
121
◯諏訪委員
ちょっと勉強用で教えていただきたいんですが、フランスのカダラッシュに建設している実験炉の最初のプラズマへの転化と、那珂にある超電導コイルの試験施設の関係というのは、どういう関係になるんですか。教えてください。
122 ◯駒木ITER支援室長
那珂の核融合研究所で超電導コイルを試験いたしまして、その試験の結果をもとに、日本でコイルを製作して、それをフランスに運びまして、それをもとに初プラズマを達成するというふうに聞いております。
123
◯諏訪委員
日本でそれをつくって、フランスのカダラッシュに持っていって、その実験炉で本格的な実験をやると、こういう意味なんですね。
124 ◯駒木ITER支援室長
委員のおっしゃるとおりでございます。
125
◯諏訪委員
きょうの席は勉強させていただきました。あといいです。
126 ◯
阿部委員長
ほかに質疑はございませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
ないようでありますから、以上をもちまして、
エネルギー総合対策局関係の審査を終わります。
次に、お諮りをいたします。
当委員会に付託されております特定付託案件について、さらに継続審査とすることに御異議ございませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]
異議なしと認めます。そして、継続審査と決定いたしました。
なお、委員長報告の作成については、本職に御一任を願います。
以上をもって、
商工労働観光エネルギー委員会を終わります。ありがとうございました。
○閉 会 午後 2時22分
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