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  1. 青森県議会 2011-06-27
    平成23年第266回定例会(第5号)  本文 開催日: 2011-06-27


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(高樋 憲) ただいまより会議を開きます。    ──────────────────────       ◎ 議案等に対する質疑    ────────────────────── 2 ◯議長(高樋 憲) 議案第一号から議案第十二号まで、報告第一号から報告第十五号まで及び公社等経営状況説明書等を一括議題とし、質疑を行います。  質疑は議題外にわたらないようにお願いいたします。  十四番高橋修一議員の発言を許可いたします。──高橋議員。 3 ◯十四番(高橋修一) おはようございます。  議案等の質疑を行わせていただきます。  初めに、議案第一号「平成二十三年度青森県一般会計補正予算案」についてであります。  今回の補正予算は、東日本大震災からの早期復旧あるいは復興のために、生活の再建、また産業の復興、インフラの整備等に係る予算がそれぞれ計上されております。このうち主なるものにつきまして順次質問をさせていただきます。  初めに、歳出六款一項十六目「総合販売戦略費」及び歳出六款一項十七目「食の安全・安心推進費」、農林水産物安全・安心確保モニタリング事業の内容についてであります。  一点目として、県が導入する農林水産物のモニタリング調査用放射性物質測定機器と農協等が導入する簡易型放射線測定機器をどのように活用していかれるのか御答弁願います。 4 ◯議長(高樋 憲) 農林水産物部長。 5 ◯農林水産部長(渋谷義仁) 農林水産物安全・安心確保モニタリング事業で導入する測定機器の活用についてお答えいたします。  まず、県が導入するモニタリング調査用放射性物質測定機器は、県内四カ所に配備し、県全域の主要な農林水産物を対象に調査を行うこととしております。  導入予定の測定機器は、放射性セシウムなど放射性物質ごとの放射線量の測定が可能であり、その結果を公表することにより、県産農林水産物の信頼の維持・確保を図っていくこととしております。  また、農協等が導入する簡易型放射線測定機器は、放射性物質の特定はできないものの、放射線量を確認でき、小型で携帯可能なことから、その機動性を生かして農協等がみずから幅広い品目、数量を測定することで、それぞれの販売対策に活用するほか、県のモニタリング調査と連携して、県産農林水産物の信頼の維持・確保につなげていきたいと考えております。 6 ◯議長(高樋 憲) 高橋議員。 7 ◯十四番(高橋修一) ただいま測定機器の活用につきましてお伺いいたしましたが、次に、モニタリング調査ではどのような品目をいつまでに調査していくことになるのかお伺いをいたします。
    8 ◯議長(高樋 憲) 農林水産物部長。 9 ◯農林水産部長(渋谷義仁) 県が実施するモニタリング調査は、県産農林水産物への信頼を確保するため、年度内に約千件を調査する計画となっております。  主な品目は、米や大豆等の穀類を八十八件、ナガイモや大根等の野菜を二百九十七件、リンゴを主体とした果実を百七十一件、畜産物として牛乳を七十二件、イカやサバ等の回遊魚及びホタテガイやヒラメ等の沿岸水産物を三百四十二件であり、収穫・漁獲期に合わせて順次調査することとしております。  このモニタリング調査は、攻めの農林水産業業を進める本県が安全・安心で良質な県産農林水産物を供給していく姿勢を広くアピールするために実施するものであることから、原発事故の現状を考慮すると現時点で期限を明示することはできませんが、少なくとも、県産農林水産物への信頼が十分に確保されると判断できるようになるまでは継続して実施していく必要があるものと考えております。 10 ◯議長(高樋 憲) 高橋議員。 11 ◯十四番(高橋修一) 三週間ほど前なんですが、六月十一日に、私ども自民党の青森県連で、青森市内の商店街で福島県産の野菜のチャリティー販売をいたしました。福島県産の野菜の風評被害をなくそうといった趣旨で行ったわけですが、おかげさまで、用意した野菜は、市民の皆様の善意というか、御協力によってすべて完売することができました。  私も売り子をやったんですけれども、ただ、中には、福島県産ということで買うのをためらうような方も見受けられたように感じました。少々残念に感じた部分もあったんですが、しかし、消費者の行動とすれば、慎重になるというのはわからないでもないのかなというふうにも感じております。  農林水産物の風評被害を一掃するためには、きちんとした正確な情報を適切に提供していく、これに尽きると思いますので、この事業をしっかりとやっていただきたく、お願いをさせていただきます。  次に、歳出六款(後刻「九款」に訂正)二項一目「警察活動費」、交通信号機の停電対策についてであります。  初めに、県内における信号機の設置数及び停電時に稼働する信号機の整備状況、これを御答弁願います。 12 ◯議長(高樋 憲) 警察本部長。 13 ◯警察本部長(寺島喜代次) 県内における信号機の設置数と停電時に稼働する信号機の整備状況についてであります。  まず、県内の信号機の設置数でありますが、二千五百五十七カ所であります。そのうち交差点に設置している信号機は二千四十七カ所となっております。  次に、停電時に稼働する信号機の整備状況についてでありますが、大規模震災による主要交差点の信号機停電対策として、平成七年の阪神・淡路大震災を契機に、本県でも、平成七年から九年までの三年間でディーゼルエンジン式自動起動型発動発電機を四十二台、平成二十二年度には充電式の静止型非常用電源付加装置を十台それぞれ整備しておりまして、計五十二カ所の主要交差点では停電時に自動的に対応することが可能であります。  また、これ以外の主要交差点につきましては、持ち運びできる可搬式発動発電機を六十台運用して対応することとしております。  以上でございます。(発言多し) 14 ◯議長(高樋 憲) 御静粛に願います。  暑い折より、上着を脱いでよろしいことにいたします。  高橋議員。 15 ◯十四番(高橋修一) 先ほど歳出六款と申し上げましたが、正しくは九款の誤りでありました。訂正いたします。  ただいま、県内の信号機の設置数二千五百五十七台、うち、整備しているのが──停電時に稼働する信号機の整備状況が合計五十二台ということであります。  今回の補正予算による整備によって、停電時における信号機の消灯をどの程度解消できるのかお伺いをいたします。 16 ◯議長(高樋 憲) 警察本部長。 17 ◯警察本部長(寺島喜代次) 停電消灯した信号機を解消できることになるのかについてお答えします。  停電で信号機が消灯した際には、まず、五十二カ所の主要交差点においては、発動発電機や蓄電池により自動的に電源が確保されて、信号機を作動させます。次に、可搬式の発動発電機六十台を主要交差点に設置して、信号機を作動させることとしております。  したがって、現在、主要交差点のうち百十二カ所については停電時にも点灯することができますので、これに加えまして、今回お願いしている可搬式発動発電機六十台が容認されますと、県下で百七十二カ所の信号機の消灯を解消することができます。  なお、その他の主要交差点につきましては、警察官を現場に配置して交通整理を行うことにより、交通の安全と円滑の確保に努めることとしております。  以上でございます。 18 ◯議長(高樋 憲) 高橋議員。 19 ◯十四番(高橋修一) 二千五百五十七カ所に対して百七十二カ所と。どう考えても足りないと考えます。信号機の設置箇所すべてに発電機を置く必要はないとは思いますけれども、著しく交通渋滞を伴うような箇所、あるいは主要な幹線道路の交差点、これが県内でどの程度あるのか再点検をしていただいて、今後、計画的に停電対策を行うべく、必要に応じて予算計上をしていっていただきたいとお願いをいたします。  次の質問です。歳出十款一項五目「教育指導費」、緊急スクールカウンセラー等派遣事業費の取り組みについてであります。  東日本大震災により被災した児童生徒等の心のケア、教職員、保護者等への助言・援助などのため同事業が行われるものと思います。  初めに、県がこのたび行う同事業の概要についてお伺いいたします。 20 ◯議長(高樋 憲) 教育長。 21 ◯教育長(橋本 都) 緊急スクールカウンセラー等派遣事業は、国の第一次補正予算を受け、東日本大震災により被災した児童生徒等の心のケア、教職員、保護者等への助言・援助などさまざまな課題に対応することを目的に、スクールカウンセラーを派遣するものです。  具体的には、県内の各学校からの要請に対応するため、県内全四十市町村及び県内すべての私立中・高等学校二十一校への派遣ができるよう、スクールカウンセラー延べ六十一人分の予算を計上し、本定例会で御審議いただいているところです。  従前からのスクールカウンセラー配置事業におけるスクールカウンセラーの資格は、文部科学省の実施要領において、臨床心理士、精神科医等と規定されております。また、スクールカウンセラーに準ずる者は、大学や大学院を修了後に、児童生徒の相談業務等について一定以上の経験を有する者等と定められています。  本事業においては、従前の配置事業と比べ資格要件が緩和されていることから、現在採用のスクールカウンセラーの派遣や新たな募集などにより対応することとしております。 22 ◯議長(高樋 憲) 高橋議員。 23 ◯十四番(高橋修一) ただいま、事業の概要についてお伺いをいたしました。全四十市町村、また、私立の学校二十一校分の予算計上をしたということであります。  御答弁もあったんですけれども、スクールカウンセラーについては、高度で専門的な知識と申しますか、資格を要するということであります。しかしながら、本県の場合は、そういった資格を有する方──臨床心理士、あるいは精神科医は、そもそも人数が少ないという実情もございます。  そこで、専門的な知識や経験が必要なスクールカウンセラーを確保するに当たっての課題と、それに対する取り組みをお伺いいたします。 24 ◯議長(高樋 憲) 教育長。 25 ◯教育長(橋本 都) スクールカウンセラーを確保するに当たっての本県の課題としては、臨床心理士等の有資格者が少ないこと、有資格者は既に大学や病院等に勤務しており、兼務が困難な状況にあること、さらには、スクールカウンセラーの居住地に地域の偏りがあることなどが挙げられます。  スクールカウンセラーの確保については、青森県臨床心理士会や大学、病院等の各関係機関と連携したり、県教育委員会のホームページで募集するなど努めており、今年度は、昨年度より、有資格者が三名、準ずる者が六名ふえて、合計四十九名となっております。  県教育委員会としましては、今後も、各関係機関と連携し、理解や協力を得ながらスクールカウンセラーの確保に努め、教育相談体制のさらなる充実を図ってまいります。 26 ◯議長(高樋 憲) 高橋議員。 27 ◯十四番(高橋修一) ただいま課題と取り組みについてお伺いしたわけですが、今回、六十一人分の予算計上、金額では三千三百万円ということになっております。  予算計上したとしても、いずれにしてもやる人がいないということは事実でありまして、そういった意味では予算の執行残も想定されるのかなと思っております。  それで、今後、今回の件に限らず、スクールカウンセラーの確保、そして増員に向けて具体的かつ有効な施策を打ち出していく必要があると考えますが、ただいまの答弁であれば運用面でやっていくということでありますけれども、そもそもの人数をどうやって確保していくのかという部分で、教育長、何かお考えがあればお願いいたします。 28 ◯議長(高樋 憲) 教育長。 29 ◯教育長(橋本 都) 今回の緊急スクールカウンセラー事業については、先ほど申しましたように資格要件の緩和がありまして、教育や福祉の分野において専門的な知識・技術を有する者または活動経験の実績等がある者というようなことを含むことになっております。そういうことを踏まえますと──また、国に対しましても、そういう専門的な有資格者を何とか青森県にも配置できるようにということで、また要望をしてまいりたいと考えております。 30 ◯議長(高樋 憲) 高橋議員。 31 ◯十四番(高橋修一) しっかり行ってください。  次に、歳出十款七項一目「保健給食振興費」、子ども防災力アップ事業費における防災教育についてであります。  すべての学校で防災教育の継続した取り組みを行うためには、学習指導要領に位置づけられることが重要と考えます。  そこで、防災教育は学習指導要領にどのように位置づけられているのかをお伺いいたします。 32 ◯議長(高樋 憲) 教育長。 33 ◯教育長(橋本 都) 小・中・高等学校及び特別支援学校の学習指導要領において、学校における安全指導については、児童生徒の発達段階を考慮して、学校の教育活動全体を通じて、家庭や地域社会と連携を図り適切に行うものとするとされております。  学校における防災教育は、災害時に、的確な判断のもとに、みずからの安全を確保するための行動をできるようにすること、進んで地域等の安全に役立つことができるようにすること、自然災害のメカニズムや災害・防災についての基礎的・基本的事項が理解できるようにすることなどをねらいとし、避難訓練だけではなく、例えば、理科での「火山活動と地震」や社会科での「自然災害の防止」等関連する教科のほか、道徳、特別活動、総合的な学習の時間等において行われているところです。  今回の東日本大震災により、子供の防災意識の向上及び防災教育の充実をより一層図る必要があることから、県教育委員会では、子ども防災力アップ事業を実施することとして、所要の経費を計上し、御審議いただいているところです。 34 ◯議長(高樋 憲) 高橋議員。 35 ◯十四番(高橋修一) ただいま、子ども防災力アップ事業についてお伺いしておりますけれども、今回の震災で多くの子供たちのとうとい命が失われました。まことに残念であります。  しかし、そのような中にありましても、日ごろの防災教育や防災活動が多数の命を救ったケースもございました。ニュース、新聞等でも御紹介され、御存じの方もいらっしゃるかと思いますけれども、その記事は、「「避難三原則」守り抜いた釜石の奇跡 防災教育で児童生徒無事」というタイトルがつけられ、震災による大津波から全員無事に避難した岩手県釜石市の鵜住居小学校三百六十一人、釜石東中学校二百二十二人の避難の様子を記事では伝えております。  記事によれば、釜石市では、平成十七年度から、大学教授の指導のもと、子供たちによる登下校時の避難計画立案、津波の脅威を学ぶための授業を増加──年間五から十時間程度充てているということです。そして、タイトルにもありました避難三原則を徹底してたたき込むということで、その三原則は、想定にとらわれない、状況下において最善を尽くす、率先避難者となるということであります。こういった防災教育に釜石市では市全体で取り組んできたということであります。  それで、もちろん望むものではありませんけれども、この防災教育が今回の震災で効果を発揮して、先ほど申し上げました小学校と中学校では、だれ一人犠牲を出すことなく、また、震災による津波を逃れることができたということであります。  本県では、今回の震災で子供たちへの大きな被害はなかったものの、今後いつ起こるかもわからない大災害から子供たちの安全を確保するというのは、言うまでもなく大変重要であります。  それで、防災力アップ事業──今回予算計上されておりますが、こういった実のある防災教育と申しますか、釜石市の事例等も参照していただいて、県内の各学校で実践的な防災教育が行われることを望みます。以上であります。  続きまして、歳出十一款一項六目「現年発生漁港災害復旧費」、漁港災害復旧費及び県費単独漁港災害復旧費の内容についてであります。  このたびの東日本大震災で被災した漁港施設の復旧に当たり、予算措置など、これまでの県の対応状況についてお伺いをいたします。 36 ◯議長(高樋 憲) 青山副知事。 37 ◯副知事(青山祐治) お答えします。  このたびの大震災により被災した漁港施設の復旧に当たりましては、三月二十三日に、漁港内の道路や用地に散乱した漂着ごみなどの除去作業に要する経費として約一億一千二百万円を専決処分し、三月末までには復旧作業や漁業用車両の通行を可能としております。  同じく三月二十三日には、航路や漁船停泊地内に沈んでいる瓦れき等の支障物の撤去作業や港内に堆積した土砂のしゅんせつ、三沢漁港の流失した浮き桟橋、破損した修理兼用船揚げ場などの復旧に要する経費約二億七千二百万円についても予算措置し、五月上旬には漁船の出入港が可能となったほか、浮き桟橋、船揚げ場等については、既に工事に着手し、夏イカ漁等に間に合わせるため、八月末の完成を目指しているところであります。 38 ◯議長(高樋 憲) 高橋議員。 39 ◯十四番(高橋修一) ただいま、これまでの県の対応、予算措置などについてお伺いをいたしました。  次に、今後の漁港施設の復旧の見通し、これをお伺いいたします。 40 ◯議長(高樋 憲) 青山副知事。 41 ◯副知事(青山祐治) お答えします。  漁港施設の復旧については、倒壊した防波堤や破損した岸壁などを本格的に復旧させる必要があることから、これに要する経費として、国庫補助事業の災害復旧費約二十六億一千八百万円、また、国庫補助事業の対象とならない漁港公園や海水浴場施設の復旧費として約四億五千五百万円を本議会に計上し、御審議いただいているところです。  今後は、七月下旬までに予定している国の災害査定を経た後、速やかに復旧工事を発注し、おおむね二年以内に漁港機能の回復を図ることとしております。 42 ◯議長(高樋 憲) 高橋議員。 43 ◯十四番(高橋修一) 私も、岩手県であったり、あるいは宮城県の三陸沿岸に位置する漁港を何カ所か見てまいりました。釜石であったり、あるいは大船渡、石巻、すべて軒並み壊滅的な被害を受けておりました。  そういった状況の中で、それらに比べれば、県内の各漁港は、最近になって、一部でありますけれども漁も再開されておりまして、復興に向かって動き出しつつあると。あの沿岸は、やっぱり漁業の町でありますので、復興に向かっての最大のシンボルというか、あかしになるのが漁業のしっかりとした復興であるというふうに考えておりますので、その中にあって、青森県の一日も早い漁業再建のために引き続いて御尽力をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。  次に、歳出十一款二項三目「災害国直轄事業負担金」、港湾施設の災害復旧への取り組みについてであります。  初めに、八戸港八太郎北防波堤の災害復旧事業の概要についてお伺いいたします。 44 ◯議長(高樋 憲) 県土整備部長。 45 ◯県土整備部長(大澤健治) 八太郎北防波堤は、水面上四メートルから五メートルで築造されており、延長は約三千五百メートルとなっております。今回の震災によりまして、中央部の約八百四十メートルと先端部の約七百メートルが倒壊しております。  国土交通省に確認したところ、中央部の約八百四十メートルの復旧につきましては、既に港湾局の現地調査が終わり、今後は、早期の物流機能の回復を図るため、消波ブロックの積み上げによる暫定復旧工事を早急に進め、引き続きケーソン本体を順次復旧し、平成二十四年度末までに現状機能での本復旧を目指すと聞いております。  先端部の約七百メートルにつきましては、今後予定されている現地調査を経て、順次復旧工事に着手していくと聞いております。 46 ◯議長(高樋 憲) 高橋議員。 47 ◯十四番(高橋修一) それでは、今回の地震被害を踏まえて、今後の港湾施設整備にどのように取り組んでいかれるのかお伺いいたします。 48 ◯議長(高樋 憲) 県土整備部長。 49 ◯県土整備部長(大澤健治) 港湾の津波防災対策につきましては、国土交通省では、五月に交通政策審議会港湾分科会の防災部会を設置し、被災要因や施設の防護効果を検証し、港湾における津波対策のあり方を検討することとしております。  八戸港についても、国と県で設置しました八戸港復興会議におきまして、今後、国の方針を踏まえつつ、八戸市や港湾利用者の意見も聞きながら、津波防災対策を検討してまいります。 50 ◯議長(高樋 憲) 高橋議員。 51 ◯十四番(高橋修一) 一般質問においても、この八戸の港湾施設の災害復旧について多くの議員から質問がございました。その中で、我が会派の森内議員から防波堤の高さのかさ上げについて指摘がありました。私も全くそのとおりだと思っております。今の答弁だと、四から五メートルでこれまで築造されていた、それを現状機能で復旧するということであります。  早期の物流機能の再開というために今行うということでは十分理解しておるんですけれども、中長期的に見れば、また同じ防波堤をつくるということについては、被災地等の津波の被害をかんがみれば、これはどう考えても不十分であると考えます。  最終的には財源の話になってしまうと思うんですけれども、あの大津波に耐え得るハードの整備事業をどうやって行っていくのかということが今後の最大の論点になろうかと思いますけれども、現段階で結構でありますので、このことに対する部長のお考えがあればお願いしたいと思います。 52 ◯議長(高樋 憲) 県土整備部長。
    53 ◯県土整備部長(大澤健治) 現状機能での本復旧を目指すということが原則でございますけれども、今回の大震災を受けまして、現在の防波堤は高潮対策の防波堤でございますけれども、津波によってもこれまでよりは抵抗力の大きいものにするというような情報もございますので、県としては、従来の復旧とともに、そういった抵抗力の大きいものをつくっていただくよう要望していきたいというふうに思っております。 54 ◯議長(高樋 憲) 高橋議員。 55 ◯十四番(高橋修一) ただいま御答弁いただきましたけれども、内容とすればわかるんですが、やっぱり、被災地の状況を見れば、あれだけの被害をこうむったということを見れば、今後、その大津波に耐え得るハード整備をどうやって進めていくのかということを、県としても本当に真剣に──まずは検討ということになりましょうけれども、やっていただきたいと、このことはお願いをしておきます。  最後であります。提出議案知事説明要旨、オーダーメード型貸し工場の活用状況についての知事報告についてであります。  初めに、貸し工場の活用に関する県の基本的な考え方、これをお伺いいたします。 56 ◯議長(高樋 憲) 知事。 57 ◯知事(三村申吾) 高橋議員にお答えいたします。  私は、このクリスタルバレイ構想十年間で蓄積されてきた貴重な財産であります高度な技術の継続・発展と技術者の確保を図り、また県民負担を生じさせないためにも、一日も早い工場の再開に取り組んできました。  また、これまでの県議会における議論を真摯に受けとめ、利用企業の経営体質強化など、貸し工場における安定的な事業継続に向けて努力をしてきたところであります。  今般、相和物産株式会社と株式会社サンテクノロジーが新たな合弁会社を設立することで基本合意に至りましたことから、貸し工場の利用企業として一層経営基盤の安定化や営業力強化などが図られるものと考えており、貸し工場の安定的な活用によってリース料を計画的に徴収し、県民負担を生じさせないよう最大限の努力をしてまいる所存であります。  今後とも、先般取りまとめましたクリスタルバレイ構想の取り組みと課題を踏まえ、グローバルな産業経済の潮流の中で、本県の産業インフラやポテンシャルを生かした産業競争力の強化に努めながら、将来に向けて本県の産業振興が図られるよう全力で取り組んでいきます。  私からは以上です。 58 ◯議長(高樋 憲) 高橋議員。 59 ◯十四番(高橋修一) 合弁会社の経営が悪化し、貸し工場の運営が困難になった場合、県はどのように対応していくのかお伺いいたします。 60 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 61 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 御質問にお答えいたします。  県としましては、合弁会社による貸し工場の安定した利用によりまして、財団法人21あおもり産業総合支援センターへの貸付金が計画的に回収され、県民負担を生じさせないことが最大の責務であると考えております。  このため、現在進められている合弁会社の事業計画策定に際しましては、県及び同センターも参画しまして、合弁会社へのリース料や県への貸付金の返済内容等も含めまして協議を進めているところでございます。  今後、合弁会社設立後におきまして、同社の経営状況や事業環境を見きわめながら六年ごとにリース料を見直しし、さらなる早期回収に努めるほか、同センターと連携しながら、会計の専門家などの協力を得まして、リース料の支払いが計画的に行われるよう定期的なチェックや指導助言を行うなど、合弁会社の経営安定化が図られるよう努めることとしております。 62 ◯議長(高樋 憲) 高橋議員。 63 ◯十四番(高橋修一) 次に、動きの速いFPD関連産業の中で二十年もの長い期間で貸付金を回収していくためには、カラーフィルターやタッチパネルだけではなく、次の技術や製品開発を進めていく必要があると考えますが、県としてどのようにこれを支援していくのかお伺いいたします。 64 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 65 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) お答えいたします。  これまで、株式会社サンテクノロジー、相和物産株式会社、財団法人21あおもり産業総合支援センター及び県による合弁会社設立に向けた協議におきましては、当面はカラーフィルターや需要の高いタッチパネルの生産を行うこととしておりますが、グローバル化し競争が激化している業界の中で、将来的には製品価格の下落や受注の減少等が十分予想されることから、次の技術も見据えながら経営していく必要があるとの共通認識を持ち、事業計画の作成等を行ってきているところでございます。  そのため、合弁会社においては、県内の試験研究機関や関連企業との連携、両社の持つ国内外のネットワークの活用、同社に出資する大手電機メーカーの協力等も得ながら、新たなビジネスに向けた技術開発等も並行して進めていくこととしており、県としても、円滑に進められるよう、定期的な経営状況のチェック等の場におきまして適切なアドバイス等を行っていきたいと考えております。 66 ◯議長(高樋 憲) 高橋議員。 67 ◯十四番(高橋修一) それぞれ御答弁いただきました。  この件につきましては、昨年の末からこの議会においてもさまざまな議論がされ、また、指摘もさまざましてまいりました。  まず一つ言えることは、このクリスタルバレイ構想ですが、アンデス、東北デバイス、そして今回のエーアイエスが相次いで破綻したことについては、私は痛恨のきわみであります。クリスタルバレイ構想の破綻は、大いに反省し、今後の教訓とすべきと考えます。  また、この貸し工場制度について申し上げれば、エーアイエス株式会社という特定の企業のために多額の資金を投入することの是非、こういった事態に至った責任の所在、あるいは今後の長期間に及ぶ貸付金の回収の見通し等々がこれまで指摘されてまいりました。  そういった中で、先般、去る二月定例会で、二十九億円の貸し付けを行うということを県議会として議決をしたわけであります。これは、貸し工場の制度を今やめてしまえば、金融機関への返済であったり、あるいは、工場をなくしてしまうというか、その工事にも費用がかかるといったことで、直接的な県民の負担をこれ以上生じさせないという一つの判断もあってあのような議決になったものと私はとらえております。  しかしながら、私とすれば、多くの県民の方々が日々懸命に暮らしている中にあって、県民の税金で賄われるこの二十数億円の予算、これを二十年間で回収するとはいえ、これを選択せざるを得ないということは、今さらながら本当に残念でなりません。  よって、県におかれましては、どのような理由があったにせよ、こういった結果を招いてしまったということについては重く受けとめていただいて、今後このような事態が二度と起こらないように誠心誠意取り組んでいただきたいと考えます。  つまりは、今回報告された合弁会社の経営が将来的に悪化することがないように、この合弁会社が貸し工場を安定して活用できるように、計画的にリース料を不足なく支払って、それに基づく二十年間にわたる貸付金の着実な回収を行うということであります。  言うのは簡単でありますけれども、本当にこれは極めて重い責任が生じたわけでありますので、今私が申し上げたことを真摯に対応していただきたくお願いをいたします。  それから、最後にもう一つ申し上げますと、知事は、就任以来、産業・雇用政策を県の最重点課題として、この八年間、全力を尽くしてこられました。クリスタルバレイ構想の破綻は大いに反省すべきなんですが、しかし、反省すべきですけれども、今後、青森県の産業政策、雇用政策が、今回の件で萎縮しちゃって、反省し過ぎちゃって、何ら新しいことにチャレンジできない、これこそ、最悪の事態というか、シナリオであると私は考えます。  よって、県経済の真の意味での自主自立のために、新しい産業・雇用政策にも──知事は、先般の知事選で堂々たる得票を得て当選したわけでもありますので、これには果敢にチャレンジしていっていただきたいと、これを申し上げまして私の質疑といたします。  以上であります。 68 ◯議長(高樋 憲) 二十番渋谷哲一議員の発言を許可いたします。──渋谷議員。 69 ◯二十番(渋谷哲一) 民主党の渋谷哲一です。  通告に従って質疑を行います。  まず初めに、議案第十号「平成二十三年度青森県一般会計補正予算案」歳出七款一項三目「中小企業振興費」、青森県特別保証融資制度実施費について、震災に係る金融支援の今年度の融資実績についてお伺いします。 70 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 71 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) お答えします。  今回の震災に当たりまして、経営安定化サポート資金において、直接被害を受けている県内中小企業への金融支援としまして災害復旧枠を、また、間接被害を受けている県内中小企業への金融支援としまして経営安定枠をそれぞれ実施しております。  災害復旧枠につきましては、事業用資産に直接被害を受けた事業者に対し、県と市町村が協調し、全額保証料及び利子補給を実施することで元本のみの返済とする制度として実施しております。  また、経営安定枠につきましては、交通網の分断やエネルギー供給の支障、経済活動の停滞など多種多様な影響を受けている県内中小企業を対象とするため、売り上げ減少等を判断基準とする低利融資を実施しております。  今年度の利用実績につきましては、六月十七日までで、災害復旧枠は二百九十六件、約八十三億六千八百万円、経営安定枠は五百二十九件、約八十五億三千七百万円となっております。 72 ◯議長(高樋 憲) 渋谷議員。 73 ◯二十番(渋谷哲一) では、今回の災害復旧枠拡充に係る考え方についてお伺いします。 74 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 75 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) お答えいたします。  経営安定化サポート資金災害復旧枠につきましては、さきの五月臨時会におきまして融資枠を四十億円から百億円に増枠する予算措置を講じたところでございますが、六月に入りまして利用実績が急激に伸び、先ほども答弁させていただきましたが、六月十七日現在、約八十三億六千八百万円となっており、融資申し込みを含む金額は百億円近くになっております。  また、県内金融機関や商工団体への融資相談も数十億円に上るとのことでございまして、融資枠の拡大要望が寄せられていることから、県としても、被災中小企業の一日も早い復興を後押しするために、切れ目なく金融支援を継続することとし、災害復旧枠の融資枠を百億円から二百億円に増枠するための所要の予算を本議会に追加提案することといたしました。  今回の震災により大きな被害を受けた本県中小企業が意欲を持って復旧・復興に取り組むことは県内経済の活性化や雇用の確保に大きく寄与するものと考えておりまして、今後とも、県内金融機関・商工団体等と連携しまして、機動的な金融支援の実施により、被災中小企業の復旧から復興へ向けての取り組みに邁進してまいりたいというふうに考えております。 76 ◯議長(高樋 憲) 渋谷議員。 77 ◯二十番(渋谷哲一) このたび、間接被害に係る融資限度額が四千万円から倍の八千万円に引き上げられましたことに関しまして、深く感謝申し上げます。この拡大によってとても使いやすくなったとの声を聞いております。ありがとうございました。この制度を利用して、県内の中小零細企業の経営安定につながることを期待しております。  しかし、東日本大震災によります間接被害はこれからふえていくものと考えられます。経営安定枠については今後さらなる利用拡大が予想されますが、その対応についてお伺いします。 78 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 79 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) お答えします。  今回の震災による間接被害は、県内全域で業種も広範囲にわたりまして、今後の拡大が懸念されるところでございます。  一方で、日本銀行青森支店発表の県内金融経済概況によりますと、県内の景気は、東日本大震災の影響により、需要、供給の両面において強い下押し圧力が見られたが、こうした圧力も徐々に緩和されてきているとのことでございます。  今回の融資枠増枠につきましては、こうした状況とこれまでの利用実績や関係機関からの意見等を踏まえまして、当面の資金需要に十分対応できるよう設定したところでございます。  経営安定枠の融資枠つきましては、今後とも、間接被害の状況や制度の利用実績及び利用者の声を踏まえまして、県内中小企業の経営の安定に支障が生じないよう、必要に応じて適切に対処してまいります。 80 ◯議長(高樋 憲) 渋谷議員。 81 ◯二十番(渋谷哲一) ぜひ、必要に応じて対処していただきたいと思います。  県内の企業を守ることは県内の雇用を守ることにつながります。雇用を守ることは県民の生活を守ることになります。このたびの知事選で三村知事を応援した三十万以上の県民の期待にこたえるためにも、県が抱えている特定の事業に固執することなく、今こそ、県が先頭に立って、これらの制度の利用を拡大し、これまで頑張ってこられた県内の企業、商店を守るため全力で取り組んでいただくことを切にお願いいたします。  次に、議案第四号「青森県東日本大震災復興基金条例案」、基金の活用について。  基金に積み立てする寄附金等の内訳についてと、基金は今後どのようなスケジュールで活用していくのかお伺いします。 82 ◯議長(高樋 憲) 総務部長。 83 ◯総務部長(田辺康彦) まず、基金に積み立てする寄附金等の内訳でございます。  このたび基金として積み立てするのは、全国各地から寄せられた寄附金として約五億一千七百万円、ふるさと納税分として約一千七百万円、合計約五億三千五百万円となってございます。  このうち、寄附金の内訳は、県内外の民間企業、各種団体から約五億四百万円、自治体から約八百万円、個人の方からが約五百万円となってございます。  次に、基金の今後の活用スケジュールについてでございます。  県では、寄附をしていただいた方々の御趣旨を踏まえ、今後、震災からの復興を図るために実施する事業に基金を活用していくこととしてございます。  実施する事業につきましては、避難所等の防災機能の強化、未来を担う子供の防災教育、復興機運の醸成のために行うイベントなど、今後、条例の趣旨を踏まえた事業について、順次予算化し、実施してまいりたいと考えてございます。 84 ◯議長(高樋 憲) 渋谷議員。 85 ◯二十番(渋谷哲一) この基金へは多くの方々の善意、思いが込められております。一日も早く、被災地、そして青森県が復興を遂げてもらいたいという思いであります。その願いにこたえるべく、基金の活用は重要であり、同時に、スピード感を持ち、全国のよき事例となるような取り組みを、知事がいつも訴えている青森力を結集して実行してくださることをお願いいたします。  次に、提出議案知事説明要旨、オーダーメード型貸し工場の活用状況についての知事報告について。  現在貸し工場を利用している相和物産株式会社におけるこれまでの売り上げ実績及び入金の状況についてお伺いします。 86 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 87 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) お答えします。  相和物産株式会社は、貸し工場を利用し、今年三月以降カラーフィルターの生産を開始しておりますが、この間、五月までの実績としまして、約一億四千万円の売り上げがあり、入金につきましては、納品後約二カ月程度を要することから、これまで約四千万円の入金となっていると聞いております。 88 ◯議長(高樋 憲) 渋谷議員。 89 ◯二十番(渋谷哲一) 知事報告では、いよいよ、相和物産とサンテックとの合弁会社が設立され、これから本格的に貸し工場が稼働される予定であるとありました。合弁会社の役員構成及び代表者についてお伺いします。 90 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 91 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) お答えします。  株式会社サンテクノロジーと相和物産株式会社においては、合弁会社設立の合意に係る覚書を六月六日付で取り交わしたところでございます。  この覚書では、役員については両社からそれぞれ三名ずつ指名し、代表者は、相和物産株式会社の常務取締役で元エーアイエス株式会社工場長の谷川氏とする予定とされております。 92 ◯議長(高樋 憲) 渋谷議員。 93 ◯二十番(渋谷哲一) 近年、事業のスピードというんでしょうか、非常に速くなっております。企業の意思決定にスピード感が求められております。ところが、今回の合弁会社の役員構成では、双方から三名ずつということで、意思決定をする際に、本当にこれでスピード感ある決定ができるのか、また、双方意見が分かれたときどうするのか、その辺のことをお伺いします。 94 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 95 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 会社の意思決定のお話がございました。  基本的には、やはり合弁会社でございますので、両社の事業計画等も合弁会社の意思決定として取り扱うということになると思います。  したがって、双方の意見を主張するというよりは、一つの会社として、それぞれの役員がきちっと調整した上で意思決定されるべきものというふうに考えております。 96 ◯議長(高樋 憲) 渋谷議員。 97 ◯二十番(渋谷哲一) 現在、貸し工場の土地の権利関係はどのようになっているのかお伺いします。 98 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 99 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) お答えします。  土地の権利関係につきましては、貸し工場の土地につきましてはエーアイエス株式会社が所有しており、現在、破産管財人が当該土地の処理方法等について検討しているところでございますけれども、貸し工場の所有者である財団法人21あおもり産業総合支援センターが、同社と、平成四十三年まで同センターを地上権者とする地上権設定契約を締結しており、引き続き貸し工場の使用が可能となっております。
    100 ◯議長(高樋 憲) 渋谷議員。 101 ◯二十番(渋谷哲一) 今のお話では、そうすると、平成四十三年までは問題なくこの貸し工場を使うことができると担保されているということですよね──ですか。また、管財人から買い取ってくれという打診はないんですか。 102 ◯議長(高樋 憲) 渋谷議員に申し上げます。もう一度しっかり質問してください。──渋谷議員。 103 ◯二十番(渋谷哲一) そうですよね。平成四十三年まで地上権があるので、この貸し工場を今回の合弁会社がこれから二十年にわたって使い続けるのは問題ないということでよろしいんですね。  もう一つは、管財人から、買い取ってくれ、そういう打診はなかったんですか。 104 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 105 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) お答えします。  利用可能かということにつきましては、地上権設定をしてございますので、法規的な手続をとっておりますから、四十三年までは間違いなく利用可能でございます。  それから、破産管財人から土地の売却についての申し入れがあったのかということにつきましては、具体的な話は私どものほうにはございません。 106 ◯議長(高樋 憲) 渋谷議員。 107 ◯二十番(渋谷哲一) では、その今の地上権、万が一この土地を第三者が買い取って、そのとき、リース料──ただで貸すわけはないと思うんですけれども、そういったことはどのようになるのかお伺いします。 108 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 109 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) お答えします。  地上権設定は契約上でございますので、第三者に転売されたとしても権利設定はそのまま存続される、それを前提に売買契約が成立するということでございますから、地上権に影響を与えるものではないというふうに理解しております。  リース料につきましては、基本契約の中で、賃貸借という形で地上権と同じように月決めの契約をしてございますので、それらが尊重されるものというふうに理解しております。 110 ◯議長(高樋 憲) 渋谷議員。 111 ◯二十番(渋谷哲一) そうすれば、今のお話では、この土地に関するリース料に関しては現在の契約のまま続いていくものと考えるというようなお答えだったと思いますけれども、それでよろしいですか。 112 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 113 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) お答えします。  基本的な考え方は、県としても同様に思っております。 114 ◯議長(高樋 憲) 渋谷議員。 115 ◯二十番(渋谷哲一) それでは、現在どのようなリース料契約になっているんですか。 116 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 117 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 地上権設定とあわせまして、現在の賃借は財団法人21あおもり産業総合支援センターが借り受けするという形になってございます。月々百数十万程度の地上権設定の賃借料として払っております。 118 ◯議長(高樋 憲) 渋谷議員。 119 ◯二十番(渋谷哲一) では、合弁会社からのリース料の徴収計画についてお伺いします。 120 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 121 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) リース料の徴収計画についてお答えします。  株式会社サンテクノロジー、相和物産株式会社、財団法人21あおもり産業総合支援センター及び県とのこれまでの協議におきまして、貸し工場のリース料につきましては、平成二十三年度に一千六百万円、二十四年度に一億二千万円、二十五年度から二十八年度までそれぞれ一億八千万円の合計八億五千六百万円の六年契約とすることを基本に協議を進めてきたところであり、今後作成される合弁会社の事業計画を踏まえまして所要の調整を行い、リース契約を締結することになります。  また、合弁会社の経営状況や事業環境等を踏まえまして、六年ごとに、リース料を見直しの上、契約を更新していくこととしております。 122 ◯議長(高樋 憲) 渋谷議員。 123 ◯二十番(渋谷哲一) 合弁会社設立後は、リース料は合弁会社から徴収されます。しかし、昨年のエーアイエス破綻後から合弁会社設立までのリース料はだれがどのように払うのかお伺いします。 124 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 125 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) お答えします。  これまでかかったリース料につきましては、貸し工場を利用する合弁会社への今後のリース料をもって回収することとしております。 126 ◯議長(高樋 憲) 渋谷議員。 127 ◯二十番(渋谷哲一) それでは、二月定例会で財団法人21あおもり産業総合支援センターへの貸付金として議決した貸し工場の維持管理費五億四千万円、機械取得経費一億九千万円、地盤沈下修繕費一億円についての執行状況、及びこの八億三千万円相当分はリース料として何年で回収できるのかお伺いします。 128 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 129 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 御質問にお答えします。  財団法人21あおもり産業総合支援センターへの貸付金のうち維持管理費五億四千万円につきましては、昨年十一月にエーアイエス株式会社が破綻後、クリーンルーム等を維持する経費等のため、これまで約二億五千万円を執行し、残額につきましては、企業の立ち上がりを円滑に行うため、今後九月までに執行する予定となっております。  機械取得経費一億九千万円につきましては、同センターにおいて、設備の買い取りに当たりまして、査定業者による判断等も踏まえながら、破産管財人や金融機関と協議を行い、適正な価格での購入に努めておりますが、これまで約一億二千万円を執行したところであり、今後、残りの機械の取得等を進めることとしております。  また、地盤沈下修繕費一億円につきましては、東日本大震災の影響によりまして工事がおくれ、五月下旬より沈下測定を開始したところであり、今後、測定結果等を踏まえながら、具体的な工事に着手する予定となっております。  これらの経費八億三千万円につきましては合弁会社に対するリース料をもって回収していくこととしており、仮に当該経費に相当する分の回収ということであれば、現在のリース契約案ではおおむね六年で回収することになります。 130 ◯議長(高樋 憲) 渋谷議員。 131 ◯二十番(渋谷哲一) 今のお話では、クリーンルーム維持費とかに二・五億円これまで執行して、九月までに残りを合弁会社に投入していくということでありました。そして、六年で回収と──追加投資分八億三千万。これを少しでも減らすために──合弁会社が設立した段階で、この維持費、これは必要ないんじゃないですか。これは執行をやめるべきじゃないですか。 132 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 133 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) お答えします。  先ほど言いましたように、現在、六月分等もまだこれから支払いが発生するということもございますけれども、合弁会社設立に係る協議では、予定している資本金約二億二千万円を踏まえまして収支計画等の策定を進めてございます。  その中で、通常の運転資金のほか、先ほど御説明しました生産力向上ですとか、あるいは、その後のランニングコスト削減のための改修工事を自社で行う予定も考えてございます。  このため、設立当初のキャッシュフローがかなり厳しいということが見込まれることから、貸し工場の安定的な立ち上げを支援するという形で、リース料の一部を猶予する方向で協議しているところでございます。 134 ◯議長(高樋 憲) 渋谷議員。 135 ◯二十番(渋谷哲一) 一度失敗した事業に県は二十九億円もの追加投資を決定いたしました。しかし、この追加投資を開始する前に事業が再度破綻することを私は非常に恐れております。二十年間の長きにわたる返済です。前のエーアイエスは十年も続きませんでした。  先般、民主党会派で貸し工場を訪れ、新合弁会社の代表取締役に就任予定の谷川氏に工場の案内と事業説明をしていただきました。クリーンルームが予想していたより大きかったこと、液晶産業に対しての谷川氏の説明が印象的でした。  谷川氏いわく、液晶関連産業では、三カ月・六カ月先であれば事業として見通しができますが、二年後、三年後のことはだれにもわからないとのことでした。  韓国、台湾、中国との熾烈な国際競争、東芝とソニーの事業統合に代表されるような業界内での合従連衡、リーマン・ショックなどの景気による影響、東日本大震災に見られる自然災害による影響、そして、常に技術革新にさらされ、巨額な開発費、設備投資が求められ、まさに、不確実で巨額な投資の継続を求められている、先の見えない産業であります。いまだにこのような産業に行政が深くかかわっていくべきなのだろうかという疑問の念を抱かざるを得ません。  お尋ねします。県として、追加投資せずに、貸し工場を売却し、事業から撤退すべきと考えますが、県の見解をお伺いします。 136 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 137 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) お答えします。  県としましては、オーダーメード型貸し工場について、これまで培ってきた技術の継続と従業員の雇用の場を確保するとともに、高度なクリーンルーム機能を有しており利用価値が高いことから、引き続き貸し工場の有効活用を図り、県民負担を生じさせないようにすることが重要であると考えております。  今回合弁会社に参画する株式会社サンテクノロジーは、既に中国で液晶モジュール等の工場を操業しているほか、国内外に営業拠点を有し、世界規模の営業ネットワークを最大限活用することとしております。また、今後、同社に出資する大手電機メーカーの協力等を得ながら、技術支援や取引拡大につなげていくことが期待されております。  さらに、相和物産株式会社においては、既に、貸し工場を利用しカラーフィルターの生産を行い、大手電機メーカーに納入しているほか、収益性の高いタッチパネル事業についても複数の企業から具体的な生産の依頼があるとのことでありまして、株式会社サンテクノロジーの参画によりまして、さらなる事業の拡充が図られるものと考えております。  県としては、これらの状況を踏まえまして、経営基盤の安定化や営業力の強化が図られ、安定した貸し工場の利用が行われるものと考えております。 138 ◯議長(高樋 憲) 渋谷議員。 139 ◯二十番(渋谷哲一) 今のお答えでは、これまで培ってきた技術、こういったものをぜひとも活用していきたいという話でした。  そこで、知事にお伺いします。  知事、この液晶産業──オーダーメード型貸し工場でやっている液晶産業──知事が訴えている未来への挑戦では、青森県の得意分野を生かして産業につなげていきたいということを前面に打ち出しております。この液晶産業は県の得意分野として入っているんですかどうですか、お伺いします。 140 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 141 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 産業振興との兼ね合いの質問でございます。  あおもり型産業という形では、自然エネルギーの再生可能エネルギーですとかさまざまな分野とあわせまして、自動車関連産業とあわせまして、先端型の技術開発という形でのFPD関連産業も含めました業種を対象にしてございます。 142 ◯議長(高樋 憲) 渋谷議員。 143 ◯二十番(渋谷哲一) 知事、農業とか一次産業、エネルギー産業とかを知事は本県の得意分野と位置づけて、これをぜひとも伸ばしていきたいということで未来への挑戦でうたっているわけです。この液晶産業はそれに入るんですか。もう一度お伺いします。 144 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 145 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) お答えします。  先ほども御答弁させていただいたとおり、あおもり型産業として、産業の振興の施策として県として進めているものに入っております。 146 ◯議長(高樋 憲) 渋谷議員。 147 ◯二十番(渋谷哲一) なぜこのような質問に答えられないのか、本当に疑問でなりません。  現実には、二十九億もの投資を、知事が決断をし、議会が承認してしまいました。エーアイエス株式会社の破綻の反省を踏まえ、県として、今後二十年にわたる長期の貸付金の回収のためにどのように対応していくのか、改めてお伺いします。 148 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 149 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) お答えします。  貸付金につきましては、合弁会社による貸し工場の安定した利用によりまして、財団法人21あおもり産業総合支援センターへのリース料が着実に徴収され、県に対して計画的に返済されることによりまして、県民負担を生じさせないことが重要であると考えております。  このため、県としては、同センターと連携しまして、合弁会社の経営状況や事業環境等を見きわめながら、六年ごとにリース料を見直しし、さらなる早期回収に努めるほか、会計の専門家などの協力を得まして、リース料の支払いが計画的に行われるよう、定期的なチェックや指導助言を行うこととしております。  また、合弁会社が進める新たなビジネスに向けた技術開発につきましては、県内の試験研究機関や関連企業との連携をサポートするとともに、貸し工場の運営の長期安定化を図ることによりまして、貸付金の全額回収に鋭意努めてまいります。 150 ◯議長(高樋 憲) 渋谷議員。 151 ◯二十番(渋谷哲一) 合弁会社の設立によって経営基盤の強化が図られたとの説明がありました。先ほどの説明では、二十九億円のうち八億三千万円相当分に関しては六年で回収する予定だとの説明でした。少なくとも、知事の任期中の四年間でこの分の回収を目指すべきと考えます。そのためにも、立ち上げ時のリース料の減免をやめるべきではないでしょうか。  財団法人21あおもり産業総合支援センターが同社へのリース料を一部減免しようとしている理由についてお伺いします。  なぜ大企業との合弁会社にもかかわらず減免が必要なんですか。本当に計画どおり事業が達成できるのか疑問であり、計画に対する検証が本当に十分と考えているのかお伺いします。 152 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 153 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) お答えします。  株式会社サンテクノロジー及び相和物産株式会社においては、カラーフィルターやタッチパネルの製造販売が軌道に乗るまで、立ち上げの間は相応の資金が必要とされるとともに、継続的な工場の利用を考慮し、タッチパネル基板製造の生産力向上やランニングコスト削減のための改修等を行うこととしておりまして、設立後しばらくはキャッシュフローが厳しいことが見込まれることから、貸し工場のリース料及び工場の維持管理費用を一部猶予する方向で協議しております。  なお、猶予した分につきましては、先ほども御答弁申し上げましたように、後年度のリース料で回収するというふうにしてございます。 154 ◯議長(高樋 憲) 渋谷議員。 155 ◯二十番(渋谷哲一) この問題が提起されてから、私は、詳細な事業計画書を検証せずして貸し工場の継続の是非の判断はできないと、知事にも直接事業計画書の提出を求めてまいりました。しかし、いまだに詳細な計画書が提出されておりません。  原子力に対しては、青森県独自の検証委員会を設置し、慎重に対応しているにもかかわらず、なぜクリスタルバレイ構想は推進が前提なのでしょうか。  合弁会社の正式な事業計画書を検証してから予算執行すべきと考えますが、県の見解をお伺いします。 156 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 157 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) お答えします。  株式会社サンテクノロジーと相和物産株式会社において合弁会社設立の合意に至ったことを受けまして、県としては、合弁会社設立のめどがつき、貸し工場の利用企業として経営基盤の安定化や営業力の強化が図られるものと判断しまして、本定例会に御説明した上で、財団法人21あおもり産業総合支援センターにおいて金融機関への速やかな返済や貸し工場の正式なリース契約を行い、安定的な貸し工場の利用促進を図っていきたいと考えております。 158 ◯議長(高樋 憲) 渋谷議員。 159 ◯二十番(渋谷哲一) しっかりした事業計画のもとに事業推進の是非を検討することもなく、最初に事業継続ありき、これでは県民の納得は得られません。二十九億もの税金が投入されるのです。この事業が失敗して税金が回収できないとき、一体だれが責任をとるんですか。知事が責任をとるのですか。知事、お答えをお願いします。 160 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。
    161 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) お答えします。  県としては、これまで培ってきた技術の継続・発展と従業員の雇用の場を確保し、安定した貸し工場の活用を図っていくことが重要であると認識しております。  このため、合弁会社の経営状況や事業環境等を見きわめながら、六年ごとにリース料を見直し、さらなる早期回収に努めるほか、財団法人21あおもり産業総合支援センターと連携しながら、外部の会計の専門家などの協力を得まして、合弁会社が事業計画どおり運営され、リース料の支払いが計画的に行われるよう、定期的なチェックや指導助言を行うなど貸付金の全額回収に努めまして、県民の負担を生じさせないようにすることが最大の責務であるというふうに考えております。 162 ◯議長(高樋 憲) 渋谷議員。 163 ◯二十番(渋谷哲一) それでは、質問をかえます。  この貸し工場、二十九億の執行、これは、最終的にだれが決断してこの提案をしてきたんですか、お聞かせください。 164 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 165 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 予算につきましては、県として予算を提案させていただいて、議会の議決を経て実行させていただいたというふうに理解しております。 166 ◯議長(高樋 憲) 渋谷議員。 167 ◯二十番(渋谷哲一) 私はだれが提案したのかと聞いていまして、県というのはだれなんですか。知事じゃないんですか。 168 ◯議長(高樋 憲) 総務部長。 169 ◯総務部長(田辺康彦) 予算案の提案は、すべからく知事の提案になります。 170 ◯議長(高樋 憲) 渋谷議員。 171 ◯二十番(渋谷哲一) 予算の提案者は最終的に知事、これは間違いないと思います。じゃ、最終責任は知事にあるんじゃないんですか。知事、どう思われますか。 172 ◯議長(高樋 憲) 知事。 173 ◯知事(三村申吾) お答えいたします。  御案内のとおり、私は、県政全般においての最終的な責任を、いわゆる県民の負託を受けているわけでございます。その中において、産業政策あり、福祉政策あり、医療政策あり、あるいはそれぞれ全般ということになりますので、青森県政全般を進めてまいりますのが私自身に課せられた大きな責務であると考えている次第でございます。  以上です。 174 ◯議長(高樋 憲) 渋谷議員。 175 ◯二十番(渋谷哲一) このたびの一般質問で三橋議員が訴えておりました、国も責任をとるリーダーが必要だと。知事、鳩山元総理は無責任な発言によって総理を辞任いたしました。私も、国のリーダーによる無責任な発言にじくじたる思いをしております。しかし、あの鳩山元総理でさえ、みずからの責任を認め、みずからの身を処しているんです。本日の議場からの中継を見守っている方が大勢いらっしゃいます。三村知事、責任をとる覚悟なくしてこの事業の継続を決めたのですか。二十九億円もの血税の投入を決めたのですか。県民に向かってもう一度明確にお答えください。 176 ◯議長(高樋 憲) 知事。 177 ◯知事(三村申吾) お答えいたします。  先ほどお話ししたとおり、県政全般にわたって、しっかりとした決断とまさに覚悟を持って進めていくというのが私の責任でございます。 178 ◯議長(高樋 憲) 渋谷議員。 179 ◯二十番(渋谷哲一) ぜひ責任を持ってこの案件に臨んでいただきたいと思います。  それでは、最後に、議案第十二号「青森県副知事の選任の件」についてお伺いします。  蝦名副知事は知事に六月三十日をもって退職したい旨を申し出たということでありますが、新聞報道等で、蝦名副知事は続投するものと私は思っておりました。  私なりに、恐らく、今回追加投資した二十九億円を二十年かけて回収し、事業の成功を見守ってから退任するものと勝手に想像しておりました。  任期満了前に退職する理由と、いつ退職すると決めたのかお伺いします。 180 ◯議長(高樋 憲) 蝦名副知事。 181 ◯副知事(蝦名 武) 私は、本を読むのが大好きでございまして、数多くの本を読んでまいりました。その中で、出処進退の大切さを多くの事例から学んでまいりました。  特に、松下電器──現在のパナソニックでございますけれども、取締役の序列がたしか二十二番目、下から二番目だと思うんでありますけれども、山下さんが社長に抜てきされました。彼は、松下電器を再生させ、大変な貢献をしました。多くの方が続投を望みましたけれども、社長は、七年がめどといって去っていきました。  私は、二期目に就任したときから、二期八年でやめるのがいいのではないかと常に自問自答してまいりました。そこで、議会の始まった今月十六日に知事に辞職を申し出たものでございます。  六月三十日をもって退職するのは、新しく選任された副知事が青山副知事と同じく七月一日から就任するほうが適当であると考えたからであります。 182 ◯議長(高樋 憲) 渋谷議員。 183 ◯二十番(渋谷哲一) 昨年十一月議会で、私の質疑に、クリスタルバレイ構想の破綻に対して蝦名副知事は次のように答えております。  「こういう失敗もありますけれども、もちろん青森県として雇用を確保していくためには、やはり果敢に新しい産業に挑戦していくという姿勢はこれからも継続していかなければならないと考えております。ただ、責任の問題につきましては、これは当然、結果責任というのがありますから、これについて私は十分認識しております」と答えております。  蝦名副知事、クリスタルバレイ構想の責任をとっての辞任なのですか。 184 ◯議長(高樋 憲) 蝦名副知事。 185 ◯副知事(蝦名 武) 先ほども言いましたように、二期八年でやめるべきだというのが私のもともとの考え方でございます。  クリスタルバレイ構想については、当時、平成十一年のたしか二月の人口統計で、初めて青森県が自然減になるという事態が発生しました。今まで社会減を自然増でカバーしてきた青森県が自然減になったときに、自然減と社会減が重なって人口が大きく減少し、青森県がこのまま衰退してしまうのではないかという大きな恐怖感を持ったのであります。  ですから、そのときに、さまざまな方と議論し、そしていろいろやった結果、クリスタルバレイ構想をすることによってFPD関連の企業を誘致して、青森県に雇用の場を確保して、若い人たちが生き生きとして生きていけるように、そういう考え方で臨んだものでございまして、当時、県議会でも多くの賛成をいただいて議決したものでございます。  で、今現在三つが破綻しているわけでありますけれども、アンデスは、二期黒字で、順調に再建が進んでいます。東北デバイスは、上場企業のカネカが資本参加し、OLEDとして、有機ELの製造企業として世界の最先端を行っており、大きく羽ばたこうとしております。旧エーアイエスも、相和物産とサンテックとの合弁会社をつくるとの合意に達し、めどがつきました。  そこで、先ほども言いましたように、二期八年で辞職すべきものというみずからの信念に基づいて身を処することにしたものであります。 186 ◯議長(高樋 憲) 渋谷議員。 187 ◯二十番(渋谷哲一) 知事、副知事、今のお話では、責任をとってということを言わない。実際問題、県から債務保証で二十億七千万が支出されていくわけですね。じゃ、一体、だれがこういった事業の失敗──金矢工業団地もあります。桔梗野工業団地もあります。アンデス電気の問題。一体だれが責任をとるんですか。お答えください。 188 ◯議長(高樋 憲) 蝦名副知事。 189 ◯副知事(蝦名 武) 金矢工業団地も、桔梗野工業団地も、随分前の知事の時代にやられたものでございます。県も一生懸命取り組んでまいりましたけれども、それがどうにもならない状態になりましたから、桔梗野工業団地につきましても、金矢工業団地につきましても、これ以上先延ばししてはいけないという判断のもとにこういう整理をしてきたのであります。  分収造林につきましてもそのとおりであります。もうこれは何十年も前からさまざまございまして、そういう形でやってまいりました。三村知事になってからは、分収造林の新しい契約は一つもしないで、これをどうやって解消していくか、さまざま考えているわけであります。  我々は、行政を継続するに当たってさまざまなことに挑戦していきますけれども、その挑戦していく中でさまざまな事態が発生します。しかし、そういうことが発生した場合に、今のエーアイエスの問題もそうですけれども、県の負担が最小限になるように最大限努力していくことが我々執行部側の責務であるというふうに考えております。  昨年十一月三十日にエーアイエスが破綻してから──自己破産という大変厳しいものでございました。しかし、多くの企業がこの旧エーアイエス工場にすぐ発注をしてくれたのであります。なぜでしょう。  十年間培ってきた技術──すばらしい技術がありました。そして、そこにすばらしい技術者がいました。だからこそ大手の企業が発注を決断してくれたものと考えております。  そうすると、この十年間というものは決して失敗の歴史ではない。むしろ、すばらしい技術を育て上げてきた。これによって、これから青森県の発展の一つになっていくであろう。特に有機ELは、恐らく、世界に先駆けて今やっていますから、私は大きく育つものと考えております。そういうものをつくり出していくことが私どもの責任であるというふうに考えております。 190 ◯議長(高樋 憲) 午さんのため、暫時休憩いたします。 午後零時三分休憩    ────────────────────── 午後一時再開 191 ◯副議長(相川正光) 休憩前に引き続いて会議を開きます。  質疑を続行いたします。  十二番奈良岡央議員の発言を許可いたします。──奈良岡議員。 192 ◯十二番(奈良岡 央) よろしくお願いします。青和会、奈良岡央です。  質問項目によりましては、私の所見等を申し述べ、質疑をさせていただきます。  なお、さきの一般質問におきまして理事者各位の御答弁を拝聴いたしましたが、やや早口の方がおられますので、私に対する御答弁は心持ちゆっくりお話し願えれば幸いに存じます。  さて、最初の質問は、提出議案知事説明要旨、オーダーメード型貸し工場の活用状況についての知事報告についてを取り上げます。  結論から申し上げますと、この件について、私は、貸し工場の活用を肯定的に見守っていかざるを得ないのではないかと考えます。  今、この貸し工場が置かれた状況は厳しいものですが、その原点には、本県に新しい事業を起こし、定着させよう、そして地域内発型の産業として育てていこうという熱意が感じられ、これまでにない行政の積極的なかかわりに、私は、大いに賛同し、評価したいと思います。  一方、クリスタルバレイ構想、そしてオーダーメイド型貸工場活用促進事業は、残念ながら、十分な成果を得られず今日に至っております。  しかし、行政は、これに憶することなく、その教訓と経験を生かし、機会があれば、なおも積極的に挑戦し続けてほしいと思います。そして、これら事業に対しこれまで情熱を傾けてこられた蝦名副知事に共感します。  とかく行政にはびこる事なかれ主義にとらわれることなく、積極果敢に挑んできた姿勢に影響を受けた人は多いのではないでしょうか。蝦名副知事が掲げたたいまつは多くの職員の心に残り、変革の精神が引き継がれ、さらに自治体文化として高められることを期待します。  繰り返しますが、私は、貸し工場の今後の活用を肯定的にとらえるものの、他方で、追加融資をしてなおこの事業を継続しようとする行政組織が、これまでを本当に反省し、その経験を踏まえ取り組んでいく資格が真に備わったのかを見きわめたく、通告の質問をするものです。  それでは、質問のその一は、エーアイエス株式会社の破綻後、追加投資してまで貸し工場を再利用することとした理由について伺います。御答弁をお願いします。 193 ◯副議長(相川正光) 商工労働部長。 194 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 御質問にお答えいたします。  オーダーメード型貸し工場につきましては、これまで培ってきた技術の継続と従業員の雇用の場を確保するとともに、使用開始から十年しか経過しておらず、かつ、高度なクリーンルーム機能を有し利用価値が高いことから、引き続き貸し工場の有効活用を図り、利用企業からリース料を徴収することによりまして県民負担を生じさせないことが最善の策であると判断したものでございます。 195 ◯副議長(相川正光) 奈良岡議員。 196 ◯十二番(奈良岡 央) 二点目の質問をさせていただきます。  県は、設立予定の合弁会社が貸し工場を利用する企業としてふさわしいと考えているのか、そもそも今回の合弁会社をどのように評価しているのか伺います。お願いします。 197 ◯副議長(相川正光) 商工労働部長。 198 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 御質問にお答えいたします。  合弁会社の設立に向けまして、資本金については、相和物産株式会社及び株式会社サンテクノロジーよりそれぞれ一億円のほか、取引先となります大手電機メーカー等より約二千万円の合計約二億二千万円とすることで最終調整をしてございます。  また、合弁会社に参画する株式会社サンテクノロジーは、既に中国で液晶モジュール等の工場を操業しているほか、国内外に営業拠点を有し、世界規模の営業ネットワークによりまして、昨年度実績として、一億五千万ドル以上の売り上げを上げ、約二千万ドルの利益を出しており、その機能を最大限活用することとしております。また、今後、同社に出資する大手電機メーカーの協力等を得ながら技術開発や取引拡大につなげていくことが期待されております。  なお、相和物産株式会社においては、カラーフィルターの生産のほか、これまでの技術力が評価されまして、複数の企業から収益性の高いタッチパネル事業についても具体的な生産の依頼があるとのことでございまして、株式会社サンテクノロジーの参画によりまして、さらなる事業の拡大が図られるものと考えております。  県としては、これらの状況を踏まえまして、合弁会社の設立により経営基盤の安定化や営業力の強化が図られるものと考えております。 199 ◯副議長(相川正光) 奈良岡議員。 200 ◯十二番(奈良岡 央) 続いてもう一点質問をいたしますが、財団法人21あおもり産業総合支援センターへの貸付金約二十九億円を二十年以内に回収することについて、県の決意を伺いたいと思います。 201 ◯副議長(相川正光) 商工労働部長。 202 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) お答えします。  県としましては、貸し工場においてこれまで培ってきた技術の継続・発展と従業員の雇用の場を確保して、安定した貸し工場の活用を図っていくことが重要であると考えております。  このため、合弁会社の経営状況や事業環境等を見きわめながら、六年ごとにリース料を見直し、さらなる早期回収に努めるほか、同センターと連携しながら、会計の専門家などの協力を得まして、合弁会社が事業計画どおり運営され、リース料の支払いが計画的に行われるよう定期的なチェックや指導助言を行うなど、県民負担を生じさせないように最大限の努力をしてまいります。 203 ◯副議長(相川正光) 奈良岡議員。 204 ◯十二番(奈良岡 央) 御答弁ありがとうございます。  以上私から三つの質問をさせていただいて、これらの質問の御答弁を踏まえて改めて質問いたしますが、最後の質問の御答弁の中で、合弁会社の経営状況や事業環境を踏まえて六年ごとにリース料を見直し、さらに、定期的に経営状況をチェックして適切な指導を行うとお答えになりましたが、そこで、質問は、定期的なチェックとはどの程度の期間で行うものなのか、また、適切な指導とはどのような指導なのか、さらに、こうしたチェックと指導はその都度議会に報告されるものなのか伺います。 205 ◯副議長(相川正光) 商工労働部長。 206 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 御質問にお答えいたします。  まず、経営状況のチェックの仕方でございます。  これにつきましては、クリスタルバレイ構想の中でもこれまでにもアンデス電気等の問題がございまして、定期的なチェックが十分ではなかったんじゃないかという指摘もされてございます。  そういう意味も踏まえまして、現在、合弁会社の経営状況のチェックにつきましては、定期のスパンということで、四半期ごと──約三カ月に一回程度を考えてございますけれども、設立間もないという段階では、軌道に乗るまでは毎月チェックをさせていただきたいというふうに思ってございます。  それから、指導につきましては、私どものほうと財団法人21あおもり産業総合支援センターにいろんなコーディネーターがおりますので、さまざまな状況について──経営の内容についても含めてチェックさせていただきながら、その際にあわせて指導あるいは助言を行うということを考えております。  情勢に急激な悪化等あるいは変更があった場合には、速やかに議会に対しては報告するということは今後も実施したいと思っております。 207 ◯副議長(相川正光) 奈良岡議員。
    208 ◯十二番(奈良岡 央) 御答弁ありがとうございます。  若干安心しましたのは、今定例会に配付された資料四の中にあるチェック項目や六年ごとのリースの見直し、これが、商工部の方が直接お持ちになった二十三年三月四日付の資料では四半期ごとにと書いていて、これは、定期的にということで、漠然とした表現になって後退したのではないかと心配しておりました。  ただ、リース契約を、三月四日付の書面では三年ごとに見直すというものを六年ごととした理由はどのような理由からでしょうか。 209 ◯副議長(相川正光) 商工労働部長。 210 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) ただいまの御質問にお答えします。  リース契約の期間の設定についてということでございますけれども、二月時点では、二十年契約の中で三年ごとに見直しをしてはということで考えてございました。  現在は、相和物産株式会社と株式会社サンテクノロジーとの合弁の話し合いの中で──進めている中で、六年ごとの契約で、契約期間内の随時見直しをするという方針が合意されたというふうになってございます。 211 ◯副議長(相川正光) 奈良岡議員。 212 ◯十二番(奈良岡 央) 「クリスタルバレイ構想の取組と課題について」三十九ページには、「これまで構想を推進してくる中で、次のような課題が明らかになった。これらについては真摯に反省した上で、今後の産業振興政策に取り組んでいく必要がある」と。  その中の最初の丸の項目の中で、「適時適切なチェック機能を働かせることが必要である」というふうに、真摯に反省した上で述べておりますが、先ほどの部長の御答弁では、議会のチェックは定期的に行われるのですかと聞いたところ、経営状況の変化があったときとお答えになったように思います。  チェック機能を働かせるのであれば、やはり、一定の間隔を置いて定期的に議会に対しても報告すべきではないか、そのように考えるのですが、そのことのお尋ねはちょっと後回しにさせていただいて、今回の事業計画──「オーダーメイド型貸工場の活用状況について」という四枚の資料をいただきました。  資料四ということで、わずか四枚の資料を見て二十九億円の融資の可否を判断せよというのは大変つらいことだと思います。  特に、この資料の中で、相和物産一社分ですが、売り上げの損益計画が出てきます。これであれば、余りにも概略過ぎて、私は余り読めない。特に、財務の専門家でもございませんし、なかなか苦労したんですが、素人なりにわかる範囲で、いろいろこの会社の方向性をこの数値から受けとめようといたしました。  一方で、先ほどの渋谷議員の御質問に、二十九億円のうち二十億七千万円は六年契約によるリース料、そして残りの八億三千万円はまた別なリース料で回収するとありますが、そのリース料であれば売上原価の中に含まれるのか。  私は、これを読み解くときに、まず、議会への提出資料としてはちょっと間違っている部分もあるんじゃないかなと思っているんです。今申し上げているのは資料四の二ページの売上損益計画なんですが、営業外利益でなくて、これは営業外費用になる。逆の表現が使われていると思います。  まあ、それはケアレスミスだといたしまして話を進めますが、「営業外利益」と書かれているところが営業外費用ならば──ちょっとややこしい言い方で申しわけありませんが、二千五百万の計画──二〇一二年一月から十二月期の計画は二千五百万円の支出になる。この中身は支払い利息ではないかと私は受けとめます。  これについてもその中身をお知らせ願いたいのと、支払い利息であれば──これは、支払い利息で大体二・九%の金利で考えると八億三千万円になるんです。それで、およそ二億円の利益を出して、税引き純利益の中で八億三千万円の元金を支払っていくのかというふうに私は読み解いたんですが、ちょっと製造業の決算書の見方がわからないので──全部リースなんですか、借金は。  そうすると、営業外利益がもし費用であるならば支払い利息は生じないと思いますが、その辺はいかがでしょうか。 213 ◯副議長(相川正光) 商工労働部長。 214 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) まず最初に、先ほど、適時適切なチェック機能というお話がございまして、定期的な報告を議会にもすべきではないかというお話でございました。  現在、アンデス電気につきましては、年に一度、定期的な報告という形で議会に報告をさせていただいております。したがって、今後の合弁企業についても──先ほど言った適時適切にという部分では、さまざまな変動があった場合には議会にきちっと報告するということですけれども、経営状況については、年に一度、また御報告させていただきます。  それから、事業計画の二十九億の中のリース料は売上原価に含まれるのかというお話がございました。基本的に、売上原価の中で費用として計上してございます。  それから、営業外収益──ここに「営業外利益」と書いておりますけれども、これは営業外の収入でございます。利益のほうが営業損失を上回った場合に営業外利益という形で表示させていただいておりますので、これは、利益がある分、営業外の利益ということでございまして、支払い利息等は、当然、売上原価の中での計算ということで損益に計上させていただいております。 215 ◯副議長(相川正光) 奈良岡議員。 216 ◯十二番(奈良岡 央) 今の営業外利益であれば、これを差し引くんですね。まあ、差し引いた結果になっていますので。ちょっと私は今の御答弁に理解がついていかないので、御答弁をそのまま承ります。  ちょっと製造業の決算はよくわかりませんが、ただ、私はプラス・マイナス逆に考えましたが、恐らく、この経営計画は、相和物産一社で仮に売り上げが八割になったとしても、何とかもろもろの経費負担に耐えられる計画だなと──この売り上げ計画が正しければ。そういう意味では、こういう数字のとおり推移していくことを願います。  繰り返しますが、通常、中小零細企業は、今の景気状況の中で、そうですね、二百万から三百万で何とか生き延びられる──銀行からの融資があれば二百万から三百万で何とか生き残っていける。その二百万か三百万を借りるために、一千万円の土地に抵当権を設定して銀行融資を受ける。同時に、借りた社長は連帯保証する。  もし、二百万、三百万が丸々返せなくなったときは、土地は人手に渡って、競売になって──当然皆さん御存じの話を私は申し上げておりますけれども、三百万借りたものに二百万でしか売れなかったら、残りを連帯保証人が支払う。ある意味では人生をかけて二百万、三百万を借りて、事実、今の状況では、それで息を吹き返す、あるいは何とかやってしのげるという会社がいっぱいあります。  二十九億円は、三百万、二百万の一千五百倍、一千何百倍にもなっておりますが、その三百万の欲しい方々にも雇用もありますし、一つ一つのことに思いをはせて、この二十九億円の融資の重大さに心して、そして、当初申し上げましたとおり、本当に反省をして、組織がますます成長していくことを願っております。  次の質問に移らせていただきます。  財団法人二十一あおもり産業総合支援センター経営状況説明書の中小企業支援に係る取り組みについてを質問いたします。  その一として、センターの役割と中小企業支援体制について伺います。 217 ◯副議長(相川正光) 商工労働部長。 218 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) ただいまの質問に答える前に、先ほどの答弁の中で指摘のあった件、営業利益、営業外利益、経常利益の関係でございます。  私は、営業外利益は、営業外の収益を差っ引いた形で出しているということで利益ですと申し上げましたけれども、数値からいくと営業外費用のほうが上回っておりますので、この一千万──例示でいえば、四千万に対して一千万引いた残りが利益ということで、三千万という形で営業外の費用という形での持ち出しがあるということで、改めておわび、訂正させていただければと思います。  それじゃ、今の質問に答えさせていただきます。  本県の中小企業を取り巻く経営環境は依然として厳しく、今般の東日本大震災の影響によりましてなお一層厳しさを増している中にありまして、本県における産業振興及び雇用の確保・拡大を図るためには中小企業を前向きに支援していくことが重要でありまして、財団法人21あおもり産業総合支援センターの役割であるというふうに認識しております。  このようなことから、県内中小企業のさまざまな経営課題等の相談に対して総合的かつ積極的な対応を行うために、当センターでは、県内中小企業に対する中核的支援機関としまして、創業や経営革新、新たな分野での事業展開などの相談に対して、ビジネスプランの作成の段階から事業化、販路開拓までの一貫した支援をワンストップサービスという形で対応する支援体制を構築しております。  特に、中小企業の経営に関する相談体制につきましては、中小企業診断士、IT等の専門家であるコーディネーターのほか、創業・起業を支援するインキュベーションマネジャーを配置するとともに、必要に応じて外部の専門家を派遣するなど、中小企業が抱えるさまざまな課題にきめ細かく対応できる体制を整備してございます。 219 ◯副議長(相川正光) 奈良岡議員。 220 ◯十二番(奈良岡 央) 同様に、21財団についての二つ目の質問は、県内中小企業からの相談状況についてお知らせいただきたいと思います。 221 ◯副議長(相川正光) 商工労働部長。 222 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 相談状況についてお答えいたします。  財団法人21あおもり産業総合支援センターでは、窓口の相談にとどまらず、県内の中小企業の現場に出向いて相談等に応じる押しかけ型相談を積極的に行ってございます。  相談件数は、平成二十年度千百七十九件、平成二十一年度千五百五十二件、平成二十二年度二千四百件と毎年度大幅に増加しており、同センターの役割が年々大きくなっているものと考えております。  平成二十二年度における相談の内訳としては、ビジネスプランについての相談が八百八十件、マーケティングについての相談が六百九十四件、経営全般に関する相談が六百十九件、資金に関する相談が六百十七件などとなってございます。  県としては、今後とも、各地域において身近な経営相談に応じております商工会議所、商工会等と連携を図りながら、県内中小企業の経営実態に即して相談に対応してまいります。 223 ◯副議長(相川正光) 奈良岡議員。 224 ◯十二番(奈良岡 央) 三点目として、センタープロパー職員の人材育成の状況についてもお知らせをいただきたいと思います。 225 ◯副議長(相川正光) 商工労働部長。 226 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) お答えします。  財団法人21あおもり産業総合支援センターのプロパー職員につきましては、中小企業支援機関の職員としての資質向上を図るために、全国中小企業取引振興協会などの専門機関が実施する財務研修、債権管理研修等に参加しているほか、設備貸与事業、起業化支援事業などの主要事業の実施に必要な資格取得に努めてございます。これまでに、中小企業診断士一名、創業・起業を支援するインキュベーションマネジャー三名、特許コーディネーター一名の人材が育成されております。  また、センターに派遣されている中小企業診断士の資格を持つ県職員による経営診断手法の指導や、経営相談を担当しているコーディネーターによる創業・起業支援のノウハウの指導等によりまして、プロパー職員の知識・技術の向上を図っております。  県としては、センターの中核的人材であるプロパー職員の人材育成が重要であると認識しておりまして、今後とも、プロパー職員のスキルアップが可能な環境づくりに努めてまいります。 227 ◯副議長(相川正光) 奈良岡議員。 228 ◯十二番(奈良岡 央) 21財団についての御答弁ありがとうございました。  これについては要望を申し上げますが、若干皮肉な言い方かもしれませんが、中小企業を支援する専門家集団の財団法人が独立採算できないでどうすると──独立採算を目指すべき。  そして、例えば今の貸し工場の件につきましても、県には、どうぞ半分だけ負担してください、21財団が責任を持って十五億円は責任回収して、場合によっては銀行から融資を受けるだけの信用力を身につけていますという財団に育てないといけない。そこには人材育成が必要だと。  私は、本来のあるべき姿──そうしないと、県の組織の一部であるかのような意識、財団としての意味がないのではないかというような、ちょっと厳しいことを若干指摘させていただいて、今後、あるべき姿に向かっていただければなと要望をいたします。  続きまして、議案第一号「平成二十三年度青森県一般会計補正予算(第二号)案」について質問をいたします。  その一番として、歳出七款一項三目「中小企業振興費」、青森県特別保証融資制度の活用促進について。  今回の震災に関する金融支援策が県内の中小企業者に実際に活用されるような工夫が必要と考えますが、御見解を伺いたいと思います。 229 ◯副議長(相川正光) 商工労働部長。 230 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 質問にお答えいたします。  今回の震災に当たりまして、経営安定化サポート資金において、直接被害及び間接被害を受けている県内中小企業の一日も早い復旧・復興のために金融支援を実施しております。これまでにも二度にわたってそれぞれ融資枠をふやすなど、非常に利用のニーズが高い制度だというふうに認識してございます。  この融資制度創設にあわせまして、商工団体や県内金融機関に対しまして説明会を開催し、制度の周知や利用促進を図るとともに、県内中小企業の金融円滑化につきまして、県内金融機関及び信用保証協会に対し要請を行っているところです。  また、これまでも、県内金融機関等を構成メンバーとする制度金融運営協議会等の場におきまして金融円滑化への配慮を要請してきており、去る六月十日には東日本大震災に係る対応状況をテーマに再度協議会を開催しまして、金融機関側から、震災前後で融資姿勢に変更はなく、震災関連融資には積極的かつ迅速に対応するとともに、条件変更にも柔軟に対応していることを確認した上で、改めて、既存借り入れに係る条件変更や新規融資への積極的な対応を要請したところでございます。  県としては、利用実績が想定を上回ることから、融資枠の拡大を図るために、本定例会において所要の予算を提案させていただき、御審議いただいているところでございます。  今後とも、あらゆる機会をとらえまして、県の融資制度の活用促進を含む県内中小企業の金融の円滑化につきまして特段の配慮をいただくよう、金融機関に対しまして改めて要請してまいります。 231 ◯副議長(相川正光) 奈良岡議員。 232 ◯十二番(奈良岡 央) 御答弁ありがとうございます。  やや厳しく申し上げますと、震災前の融資の姿勢──県の経済対策の姿勢と震災後の姿勢が、銀行関係者の方々と話をするよりも、やや危機感に欠けるなという印象がございます。申しわけありません。多分部長は一生懸命やっていらっしゃる、そのように答弁では感じました。  銀行の方々がおっしゃるには、これまでも地域経済は中小企業を中心に相当疲弊している。そこに震災が起きた。かつて国が金融支援あるいはいろんな制度融資をやってきたが、それは、とどのつまりは、本当は金融機関のための政策の色合いが強かった。つまり、金融庁なんかは、融資をするかしないかという判断を金融機関に任せて、むしろ金融機関の財務体質を改善させるために行ってきた制度が多かった。だから、貸し渋りや貸しはがしが起きた。評判が悪かった。しかし、今回の震災を受けて、特に地方銀行の役割は、その地方の中小企業を今こそ救うべきだという認識があると、まあ私が会えるのはそんな幹部の方ではありませんが、そういうことをおっしゃっていました。  要望として、知事は、経営トップの方々と──そうした金融機関のトップの方々とお話をされて、県と金融機関がともに力を合わせていく、もっと密接につながり合っていくことで、ぜひ、そういう前向きなさまざまな情報をおとりいただければなと思います。  なかなか難しいことかもしれませんけれども、先ほど言ったように、地域の銀行、地方銀行が本気で取り組むということはリスクをしょいます。同様に信用保証協会もしょいます。そこのリスク分散を、銀行と信用保証協会と県が地元中小企業のために三方一両損ぐらいの気持ちでやっていただければなと思います。  続いて質問をいたします。  歳出四款五項四目「原子力環境対策費」、原子力防災対策検討委員会の役割等について、二つ質問がございますが一緒に申し上げます。  検討委員会の役割及び検討内容についてお伺いいたします。  また、検討委員会の今後のスケジュールもお知らせください。 233 ◯副議長(相川正光) 環境生活部長。 234 ◯環境生活部長(名古屋 淳) 原子力防災対策検討委員会の御質問二点にお答えいたします。  まず、役割及び検討内容についてでございます。  今回の福島第一原子力発電所の事故では、防護区域の拡大、事態の長期化、広範囲への影響など、原子力防災対策を講じる上でさまざまな課題が生じていることから、県としては、県地域防災計画(原子力編)に反映させるべき事項、マニュアルの作成など県が早急に実施すべき事項について検討、取りまとめることとしております。  検討に当たりましては、原子力防災に関する有識者などで構成する原子力防災対策検討委員会を設置し、防災対策上の課題や今後の見直しの方向性などについて意見を聴取するとともに、市町村等関係機関との情報共有を図り、県内原子力防災体制の強化につなげることとしております。  原子力防災対策検討委員会では、防護区域の拡大に伴う広域避難や避難所の確保、オフサイトセンターのあり方、また、事態の長期化に伴う避難所の運営や仮設住宅の確保、役場機能の拠点確保、放射性物質の影響が広範囲に及ぶことに伴う農林水産物の汚染検査や広域的緊急時モニタリングの実施などについて検討することとしております。  次に、今後のスケジュールでございます。  今後の予定につきましては、七月に第一回の検討委員会を開催し、その後、定期的に防災対策上の諸課題について検討を行い、年度末までに、県地域防災計画(原子力編)に反映させるべき事項の取りまとめ、マニュアルの作成などを行いたいと考えております。  また、検討過程で、原子力防災に関連し国に対して提言すべき事項等については、提言、要望してまいりたいと考えております。 235 ◯副議長(相川正光) 奈良岡議員。 236 ◯十二番(奈良岡 央) 要望を申し上げます。  初めてなので、本当は再質問したかったのですが、時間配分を誤りました。  原子力安全対策検証委員会あるいは防災対策検討委員会の役割、守備範囲がちょっと判然としない。本来であれば、疫学調査や放射性物質の毒性調査、あるいは危機管理の問題等々言いたいことがいっぱいありますが、特に私が大事だなと思っているのは、国が、原子力損害賠償法の中で、今の大震災は東京電力にとって天災ではないとしたことについて、私は、これは、別な意味から、青森県にとって大きなマイナスになるのではないかと危惧しております。このことは少し申し上げたかったのですが、時間がございませんので、いつかの機会に回したいと思います。  最後の質問も、恐縮ですが、一括して申し上げます。  歳出六款一項十六目「総合販売戦略費」及び歳出六款一項十七目「食の安全・安心推進費」、農林水産物安全・安心確保モニタリング事業の内容等について。  ア、農林水産物安全・安心確保モニタリング事業はどのような趣旨で行うものか伺いたい。  イ、モニタリング調査をどのように実施して、その結果をどのように公表するか伺いたい。  ウ、調査した農林水産物から食品衛生法の暫定規制値を超えるものが出た場合、どのように対応するのか。  以上です。 237 ◯副議長(相川正光) 農林水産物部長。答弁は簡潔にお願いします。 238 ◯農林水産部長(渋谷義仁) 農林水産物安全・安心確保モニタリング事業に関する御質問三点についてお答えいたします。
     最初に、本事業の趣旨についてでございます。  県がこれまで実施している環境放射線モニタリングにおいては県産農林水産物で特に問題になる状況ではありませんが、今後本県の農産物の生産・販売が本格化することや回遊魚が北上することなどを踏まえ、日本を代表する食料供給基地である本県が県産農林水産物の信頼を維持・確保していくためには万全のモニタリング体制を確保する必要があると判断し、本事業を実施するものであります。  次に、モニタリング調査の実施方法とその結果の公表についてでございます。  県のモニタリング調査では、主要な県産農林水産物を対象として、収穫期や漁獲期を考慮しながら、年度内に約一千件の調査を行うこととしております。  調査の実施に当たっては、その方針や手順を定め、測定業務を委託する地方独立行政法人青森県産業技術センターや市町村、関係団体と緊密な連携をとりながら効率的かつ効果的な調査を実施し、その結果を県のホームページ等で定期的に公表することとしております。  最後に、調査した農林水産物から食品衛生法の暫定規制値を超えるものが出た場合の対応についてでございます。  仮に、県が行うモニタリング調査で食品衛生法の暫定規制値を超過するおそれがあるような異常な測定結果が確認され、さらに精密検査を行った結果、暫定規制値を超えた場合は、生産・出荷団体等に対し出荷の自粛を求めるとともに、食品衛生法を所管する健康福祉部とも連携の上、食品の安全・安心を確保するための対策に万全を期することとしております。  また、精密検査の結果をホームページ等で公表するとともに、周辺地域の農林水産物について、より詳細なモニタリング調査を速やかに実施し、安全性を確認していくこととしております。 239 ◯副議長(相川正光) 三十一番伊吹信一議員の発言を許可いたします。──伊吹議員。 240 ◯三十一番(伊吹信一) 公明・健政会、伊吹でございます。  それでは、まず、議案第一号「平成二十三年度青森県一般会計補正予算(第二号)案」について、歳出四款五項四目「原子力環境対策費」、原子力防災対策検討委員会の運営についてお尋ねをいたします。  福島第一原子力発電所の事故を受け、緊急時被曝状況における放射線防護の基準値である年間二十から百ミリシーベルトに基づいて、半径二十キロメートル以上三十キロメートル圏内を計画的避難区域に指定するとともに、緊急時避難準備区域も見直しをされました。  こうした事態を受け、九州地方知事会がEPZの見直しなどを求める特別決議をしたほか、佐賀県市長会でも同様の決議がされ、浜岡原発周辺四市長による静岡県知事への要望活動、玄海原子力発電所周辺四市長による長崎県知事への要望活動、さらには、福岡県議会や佐賀県議会ではEPZ見直しなど防災・安全対策の強化を求める意見書が採択されるなど、原子力防災体制強化に向けた動きが全国各地で出てきているところでございます。  また、福島県では、福島第一原子力発電所の事故を受け、十キロ圏に設定されているEPZ外でも計画的避難が行われていることからも明らかなように、EPZの範囲拡大を初め、原子力防災体制強化に向けた国の原子力防災計画の見直しが避けられない状況であり、原子力施設立地県としても原子力対策の総合的な見直しが求められているところでございます。  そこで、伺うものです。  今回県が設置するとしている原子力防災対策検討委員会の設置目的について、まずお伺いいたします。 241 ◯副議長(相川正光) 環境生活部長。 242 ◯環境生活部長(名古屋 淳) 今回の福島第一原子力発電所の事故では、防護区域の拡大、事態の長期化、広範囲への影響など、原子力防災対策を講じる上でさまざまな課題が生じております。  このため、県としては、県地域防災計画(原子力編)に反映させるべき事項、マニュアルの作成など県が早急に実施すべき事項について検討、取りまとめることとし、今回の事故の対応状況を踏まえた防災対策上の課題や今後の見直しの方向性などについて各分野の専門的な観点から検討していただくことを目的に、原子力防災検討委員会を設置するものであります。 243 ◯副議長(相川正光) 伊吹議員。 244 ◯三十一番(伊吹信一) この検討委員会の今後のスケジュール及び構成する委員について伺うものでございます。  特に、この構成する委員につきましては、SPEEDIの情報提供が今回の事案でも問題提起されておりました。今後、このSPEEDIの活用ということを前提にした場合であったとしても、気象に強い気象学の専門家の必要性を指摘する声もございます。その辺も含めて御答弁願えればと思います。 245 ◯副議長(相川正光) 環境生活部長。 246 ◯環境生活部長(名古屋 淳) 検討委員会の今後の予定につきましては、七月に第一回の検討委員会を開催し、その後、定期的に防災対策上の課題等について検討を行い、年度末までに、県地域防災計画(原子力編)に反映させるべき事項の取りまとめ、マニュアルの作成などを行いたいと考えております。  また、検討過程で、原子力防災に関連し国に対して提言すべき事項などについては、提言、要望していきたいと考えております。  委員の構成につきましては、原子力防災対策、住民避難対策、被曝医療、放射線等の各分野の専門家を予定しております。  委員御指摘の気象学の専門家につきましてですが、SPEEDIの運用に関する委員を現在考えておりますけれども、この原子力災害時における原子力施設からの放射性物質の拡散については、風向きを初めとする気象が要素の一つとなるわけでありますけれども、今回の事故での対応・教訓を踏まえますと、原子力施設からの放出源情報、あるいは気象庁から提供される気象条件、地形データなどをもとに住民の避難区域や屋内退避区域の防護区域の検討に用いられるべきSPEEDIが、放出源情報が得られないために本来の機能を活用できなかったとされておりますことから、検討委員会では、運営する機関からの委員を選出し、なぜ放出源情報が得られなかったのかも含めて、その辺の情報をしっかり検証した上で対策に生かしていきたいというふうに考えておるものでございます。 247 ◯副議長(相川正光) 伊吹議員。 248 ◯三十一番(伊吹信一) ただいまSPEEDIのお話がありました。  実は、六ヶ所等の施設を立地するための事前の環境モニタリング等の作業に携わった経験のある気象関係の専門家からも、このSPEEDI自体を絶対なものとして考えるのではなくて、今もお話がありましたが、SPEEDIに入れ得るさまざまな情報をどう的確にそこに反映させるのかということも非常に重要であると。そういう面で、この気象の専門家の視点というのは絶対必要だという指摘もございます。  これから設置されるに当たっては、ぜひ、その辺も──委員の選考についても弾力的に検討をいただきたいというふうに思います。  続いて、先ほど、前任者──前の方の質疑の中で検討内容という質問があったんですけれども、私は、さらに一歩踏み込んで、今回のこの検討委員会の検討項目についてちょっとお尋ねをしたいというふうに思います。  計画的避難区域あるいは緊急時避難準備区域の指定に即応できるよう、避難ルート、避難先、誘導先も含め、原子力対策の総合的な見直しが必要とされるわけでございます。  先ほどありました今後の地域防災計画への反映を考えたときには、いま一歩、この検討委員会の役割というのを重層的に、もう少し間口を広げて、原子力の安全対策全般に資するものとなるように考えていただきたい。  そういう意味からいうと、実は、今、本県の下北・大間崎沖北西に活断層があるのではないかといったような指摘が学者の間で議論されているというふうに承知もしております。また、東京電力が東通に立地を計画している施設の検討に当たっては、横浜断層あるいは野辺地断層といった活断層等の存在についてもこれまで議論されてきているところであります。この断層の検証については、第一義的には国が行うべきものであります。  で、今回国から事業者に対してシビアアクシデントへの対応についての指示が出されておりますけれども、これはあくまでも津波とか電源断になった場合のことに対しての指示であって、今立地されている場所の地震といったようなものも含めた安全上の即応体制がどうなのかといったことは残念ながら盛り込まれていないというふうに私は承知しています。  そこで、一つ、繰り返しになりますけれども、今回、この活断層については、改めて国がしっかりと検証するように国に求めていくべきではないかというふうに思いますし、あわせて、検討委員会では、さまざま、幅広く、例えば放射線監視装置を県全域に配置することなども含めて検討していくべきではないかと考えるところでございますけれども、こうした検討項目について伺いたいと思います。 249 ◯副議長(相川正光) 環境生活部長。 250 ◯環境生活部長(名古屋 淳) 検討項目の中で、活断層の安全検証をやってほしいということ、また、国に要望すべきではないかということについてお答えいたします。  原子力安全委員会では、今回の東北地方太平洋沖地震及び余震並びに誘発されたと考えられる地震活動などの発生を踏まえまして、四月二十八日に原子力安全・保安院に対し、耐震バックチェックの確認を行うに当たり、これまで事業者などが調査を行っている断層などについて、耐震設計上考慮する活断層に該当する可能性などについて検討するよう求めております。  これを受け、原子力安全・保安院は、六月六日に各事業者に対し、三月十一日以降に発生した地震に伴って生じた地殻変動量及び地震の発生状況の調査を実施し、考慮すべき断層に該当する可能性が否定できない場合は、地表踏査等を行い、その結果を八月三十一日までに報告するよう指示したところであります。  県としては、今後とも、国及び事業者のこうした対応状況を注視してまいりたいと考えております。  また、県内全域で環境放射線のモニタリングを実施すべきとの問いにお答えいたしますが、県では、県内の原子力施設周辺地域住民の安全の確保及び環境の保全を図るため、モニタリング計画に基づきまして、県内の原子力施設周辺地域において環境放射線モニタリングを継続的に実施し、四半期ごとに評価した上で公表しております。また、国の委託により、県内の環境放射能水準調査を実施してございます。  今回の福島第一原子力発電所の事故を踏まえまして、県では、県民の安全・安心を確保するなどの観点から、空間放射線量率の測定地点に新たに弘前市、八戸市を加えた二十二カ所で実施するとともに、青森市における降下物──雨水とちりでございますが──及び水道水中の放射性物質の測定を毎日実施するなど、県内の環境放射線の監視を強化しております。  これまで空間放射線量率に異常は認められておらず、一部の環境試料から福島第一原子力発電所事故の影響と考えられる人工放射性物質が検出されたものの、いずれも微量であり、健康への影響はございません。  県としては、今後とも、県内における環境放射線の調査を継続して行い、県民への情報提供に努めてまいります。 251 ◯副議長(相川正光) 伊吹議員。 252 ◯三十一番(伊吹信一) 検討委員会における検討結果につきましてはどのように活用されるのか伺います。 253 ◯副議長(相川正光) 環境生活部長。 254 ◯環境生活部長(名古屋 淳) 検討委員会において検討された原子力防災対策上の課題や今後の見直しの方向性につきましては、県地域防災計画(原子力編)の修正やマニュアルの作成などに生かすほか、これらの情報を市町村等関係機関と共有することを通じまして、県内の原子力防災体制の強化につなげていきたいと考えております。  また、検討委員会の検討過程では、原子力防災に関連し国に対し提言すべき事項などについて提言、要望してまいりたいと考えております。 255 ◯副議長(相川正光) 伊吹議員。 256 ◯三十一番(伊吹信一) 福島第一原子力発電所の事故の対応状況を踏まえEPZが拡大された場合、新たにEPZに含まれる市町村に対し、県はどのような対応を行うのか伺います。 257 ◯副議長(相川正光) 環境生活部長。 258 ◯環境生活部長(名古屋 淳) 防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲──いわゆるEPZでございますが──に含まれる市町村は、原子力災害対策に係る地域防災計画を作成し、防災資機材、非常用通信機器などの整備や避難計画などの策定等、防災対策を実施することとなります。  国の防災指針の改訂を受けて新たにEPZに含まれることとなる市町村は、原子力災害対策に係る地域防災計画を作成する必要があることから、県では、円滑な計画の作成に向けた市町村に対する助言、情報提供などの支援をしてまいりたいと考えております。  また、防災資機材や非常用通信機器などの整備につきましては、国の交付金により計画的に整備してまいります。 259 ◯副議長(相川正光) 伊吹議員。 260 ◯三十一番(伊吹信一) 原子力発電所の事故はあってはならないわけでございますけれども、今回の福島での事故事案を受けまして、絶対ないというのではなくて、あるかもしれないということを前提とした防災力・体制、安全対策といったものの強化に努めていただくようお願いしたいと。  とりわけ、検討委員会では、その検討項目を絞り込むのではなくて、あらゆる想定をまずしていただいて、そこから議論を始めていただくようお願いをしたいというふうに思います。  歳出六款一項十六目「総合販売戦略費」及び歳出六款一項十七目「食の安全・安心推進費」、農林水産物安全・安心確保モニタリング事業の内容について伺います。  まず、農林水産物安全・安心確保モニタリング事業について、県のモニタリング調査と農協等のセルフチェックをどのように進めていくのか伺います。 261 ◯副議長(相川正光) 農林水産部長。 262 ◯農林水産部長(渋谷義仁) お答えいたします。  本事業では、県産農林水産物への信頼を維持・確保するため、県が行うモニタリング調査と農協等の生産・出荷団体がみずから行うチェックを組み合わせることによって、県産農林水産物の安全性を確認するための効率的なシステムを構築することとしております。  具体的には、県が、県内全域の主要な農林水産物を対象として、収穫期や漁獲期を考慮しながら年度内に約一千件を調査するとともに、簡易型放射線測定機器でセルフチェックを行う生産・出荷団体には、食品衛生法の暫定規制値を超過するおそれがあるような異常な測定結果が確認された場合は速やかに県へ報告することを求め、県が導入する放射性物質測定機器で再測定し、精度を高めることとしております。  さらに、県のモニタリング調査においても異常が確認された場合には精密検査を行うこととしており、これらによってモニタリング調査の信頼度を高めることができるものと考えております。 263 ◯副議長(相川正光) 伊吹議員。 264 ◯三十一番(伊吹信一) このモニタリング調査の結果をどのように活用していくのか伺います。 265 ◯副議長(相川正光) 農林水産部長。 266 ◯農林水産部長(渋谷義仁) モニタリング調査の結果の活用方法についてであります。  県が行うモニタリング調査の結果は、県のホームページ等で定期的に公表し、県産農林水産物の安全性をアピールすることで、消費者の不安を払拭し、県産農林水産物への信頼の維持・確保を図ることとしております。  なお、仮に、モニタリング調査において、食品衛生法で定める放射性セシウムなどの暫定規制値を超えるおそれがある値が確認され、さらに精密検査を行った結果、暫定規制値を超える事態になった場合には、食品の安全性を確保する観点から、県は、直ちに、生産・出荷団体等に対し出荷の自粛を求めることとしております。 267 ◯副議長(相川正光) 伊吹議員。 268 ◯三十一番(伊吹信一) 出荷規制に至るような事態にならないことを願いますし、また、今回のモニタリング調査をやることによって、本県産の生産物の安全性が確認される、裏づけられるといったようになった場合、市場に出す際に、そのことをしっかりと裏づけて、消費者が自信を持って安全・安心な青森県産だということを見た上で積極的な購買に結びつけられるような、それこそ、よく出ていますけれども、「青森の正直」ですか、そういうシールでもいいし、何かしらそうした取り組みもぜひ検討いただきたいなというふうに思うところでございます。  福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、国において今後EPZの拡大が検討されると考えますが、県内で原子力施設の事故が発生した場合、その範囲にある農林水産物の放射性物質のモニタリング調査体制をどう確保していくのか伺います。 269 ◯副議長(相川正光) 農林水産部長。 270 ◯農林水産部長(渋谷義仁) お答えいたします。  仮に県内の原子力施設において事故が発生した場合は、その状況に応じた農林水産物の放射性物質のモニタリング調査体制の確保が極めて重要となりますが、国の原子力安全委員会におけるEPZの見直しに係る今後の検討結果も踏まえながら、庁内関係部局とともにモニタリング調査体制のあり方について検討し、適切に対応してまいる所存でございます。 271 ◯副議長(相川正光) 伊吹議員。 272 ◯三十一番(伊吹信一) ただいま、適切に対応するという御答弁でございました。  しからば、福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、今後国においてEPZの拡大が検討されると私は考えております。その際、県のモニタリング調査機関であります六ヶ所村にある青森県原子力センターやむつ市大畑の下北ブランド研究所などがその対象範囲に入る可能性が高いと考えられます。  で、EPZに入るこうした施設をその調査機関として位置づけることが果たして妥当なのかどうなのか。状況によっては、この施設の移設、あるいは調査委託機関を別のところに移すか、そうしたことのあり方も検討していくべきなのではないかというふうに考えるところですが、この点はいかがでございましょうか。 273 ◯副議長(相川正光) 農林水産部長。 274 ◯農林水産部長(渋谷義仁) 県としては、いろいろな状況が考えられると思いますけれども、それぞれの状況に応じた体制をとりまして県産農林水産物のモニタリング調査を実施していくということで、場合によってはそういうことも考慮に入れながら、その時々に合ったような検査体制のあり方について検討していきたいというふうに考えております。 275 ◯副議長(相川正光) 伊吹議員。 276 ◯三十一番(伊吹信一) 問題は、さきの質問の原子力防災対策の強化とも関連をするかと思います。EPZ拡大が想定される中で、初めから想定される範囲内にある施設で検証するということが果たして妥当なのか、このことは今後ぜひ慎重に検討を進めていただきたいということをお願いしておきたいと思います。  歳出七款二項一目「観光振興費」、震災復興支援誘客促進事業の取り組み内容等について伺います。  まず、震災復興支援誘客促進事業の実施によりどのような効果を期待しているのか伺います。 277 ◯副議長(相川正光) 観光国際戦略局長。 278 ◯観光国際戦略局長(馬場良夫) お答え申し上げます。  震災復興支援誘客促進事業は、旅行業者に対する本県への宿泊つき旅行商品の造成支援、県民を対象といたします宿泊モニターキャンペーン、着地型観光メニューを盛り込んだモニターツアーなどを実施することとしておりますが、これらの取り組みによりまして、二万泊以上の県内宿泊を創出いたしますとともに、ツアー参加者の意見を観光メニューのさらなる磨き上げや地域のおもてなし向上などに反映させることにより、将来的な観光振興にもつなげていけるという効果が得られるものと考えているところでございます。 279 ◯副議長(相川正光) 伊吹議員。 280 ◯三十一番(伊吹信一) 東日本大震災の被災地の観光振興に寄与するため、被災地への送客、消費喚起を図る、東京都内旅行事業者が企画する被災地ツアーに対し、参加料金を割引する名目で協力金を旅行事業者に支払う被災地消費喚起・観光振興特別支援事業をこのたび東京都が実施する運びとなりました。  一人一泊について月三千円の協力金を支払うというものですが、二泊三日の場合、福島、宮城、岩手の被災三県にとどまらず、隣接する災害救助法適用被災県である青森県もその対象となったところでございます。  これは、我が会派の畠山議員が東京都議会を通じて働きかけを行い、その実現に至ったものでございますが、先ほど御答弁にありました本県独自の事業とも連動させながら、こうした東京都が実施を予定している被災地応援ツアーなども活用し、誘客促進を図るべきと考えますが、県の見解を伺います。 281 ◯副議長(相川正光) 観光国際戦略局長。 282 ◯観光国際戦略局長(馬場良夫) お答え申し上げます。  ただいま伊吹議員から御説明もございましたが、東京都では、東日本大震災の被災地の観光振興のため、都内の旅行業者が企画いたします被災地応援ツアーを対象として旅行業者に協力金を支払うこととしており、二泊三日のツアーの場合は青森県での宿泊が協力金の対象になると伺っているところでございます。  特に、人口が多い東京都においてこのような取り組みが行われることは、本県にとっても本当に、大変にありがたいことでありますとともに、本県の震災復興支援誘客促進事業によります旅行業者に対する商品造成支援との相乗効果も期待されるところでございます。
     県といたしましては、本事業を着実に推進するとともに、県外からのこのような力強い応援もいただきながら、より多くの県内宿泊を創出し、本県観光産業の振興を図ってまいります。 283 ◯副議長(相川正光) 伊吹議員。 284 ◯三十一番(伊吹信一) 今、県では、観光連盟を初め関係機関とも連動しながら、この祭り期間あるいは九月以降の誘客促進に向けた取り組みを一生懸命考えておられる、そうした中身が先ほどの答弁にもあったかと思いますけれども、先ほどの事業を一つのベースにしながらさらなる誘客につなげていくという答弁でもございました。  そこで、伺います。  新たなキャンペーンの実施等について、例えばJR東日本なども含めて──今、残念ながら臨時ダイヤでの運行となっております。これが九月ぐらいには本来のダイヤに戻るであろうというふうに言われているところでもございますので、新幹線本来の効果がいよいよ体感できるとなったころを見計らって、さらに観光客誘客に向けたキャンペーン、取り組みが必要なのではないかというふうに考えるところでございます。  したがって、この新たなキャンペーンの実施等について関係機関に働きかけていくべきと考えますが、県の見解を伺います。 285 ◯副議長(相川正光) 観光国際戦略局長。 286 ◯観光国際戦略局長(馬場良夫) お答え申し上げます。  東日本大震災以降の全国的な観光需要の落ち込みの中にあっても、青森デスティネーションキャンペーンの実施によりまして、本県へは全国からさまざま送客が図られているところでございます。そういう意味で、誘客促進を図るという上では、観光キャンペーンは非常に効果的であると認識しているところでございます。  県では、青森デスティネーションキャンペーン終了後も、東北新幹線全線開業一周年に合わせ、首都圏キー局のテレビ番組や旅行雑誌などによります広告宣伝を実施するほか、首都圏や県内で記念イベントを開催するなどして、本県の魅力を全国に向け強力に発信していくこととしてございます。  また、JR東日本におきましても、本年十二月から来年三月までの四カ月間、本県を重点販売地域に指定し集中的に送客することとしており、本県への誘客促進がより一層図られるものと期待しているところでございます。  さらに、去る六月二十日には、知事が溝畑観光庁長官を訪ね、国として本県を初めとする東北地方への大規模な誘客キャンペーンを実施するよう要請したところでございまして、県といたしましては、今後とも、効果的な時期に観光キャンペーン等が実施されるよう、JR東日本を初め関係機関に積極的に働きかけてまいります。 287 ◯副議長(相川正光) 伊吹議員。 288 ◯三十一番(伊吹信一) ただいま御答弁の中でありました溝畑観光庁長官と面会をされた折、長官からは、もう一度そこに行きたいと思ってもらうには観光地に物語とロマンが求められる、青森にもそれらがもう少し必要だと語ったとの報道がなされました。  私も、ある意味で、この考え方というのは、確かにそういうことはあるなと。リピーターといいますか、さらなる誘客に結びつけていくためには、キャンペーンにとどまらず、底の深い観光資源として青森県の観光資源を造成していくといいますか、育て上げていく、そうした努力が必要かと思います。  そこで、ここでいきなりで済みませんけれども、観光国際戦略局長、ストーリー性のある観光資源の造成をしていくべきというふうに考えるわけですが、県の見解について伺いたいと思います。 289 ◯副議長(相川正光) 観光国際戦略局長。 290 ◯観光国際戦略局長(馬場良夫) それでは、ストーリー性のある青森の観光コンテンツ、観光資源の育成ということでございます。  県では、これまでも、観光資源を観光コンテンツ化していくということで、県内の観光事業者の方々を支援するような取り組みを進めさせていただいてきているところでございます。  また、一つとして、例えば県南地方ですと南部地方の達者村、それから西海岸のほうでございますと海彦山彦、そして下北のゆかい村、あと五所川原地区の太宰治のミュージアムという形のものをさまざまこれまではぐくんできたところでございまして、このような、ある意味広域的な観光コンテンツを結びつけることによって青森らしい旅が創出できるというふうに考えてございまして、このような各地域の主体的な取り組みを県としてバックアップしながら、それらのコンテンツを結びつけていくことによって、滞在型、そして宿泊型の観光振興を図りまして、そして、そこに結びつけていくのがまさにストーリーであるというふうに考えてございますので、ここは、県内の観光事業者の方々と連携を図りながら、ストーリー性のある観光コンテンツの生かし方について今後とも十分に努力してまいりたいというふうに考えてございます。 291 ◯副議長(相川正光) 伊吹議員。 292 ◯三十一番(伊吹信一) ぜひ頑張っていただきたいなと思います。  提出議案知事説明要旨、オーダーメード型貸し工場の活用状況についての知事報告について伺います。  財団法人21あおもり産業総合支援センターの貸し工場建設に伴う金融機関からの借入金残債務約二十億七千万円のほか、エーアイエス株式会社の破産申し立て以降の維持管理や機械設備取得経費約八億三千万円も含め、総額約二十九億円の貸し付けを行うことを二月定例会で議決したところであります。  大型液晶パネルを初めとするFPD関連産業は、国際競争の激化による著しい低価格競争にさらされ、国内大手メーカーの事業再編が進められる、大変厳しい現状にもあります。  このたび設立される合弁会社が生産しようとしているタッチパネルについても、市場の需要が急速に伸び、現在のところ利益率は高いものの、数年後には価格下落が避けられないものと予想されます。  このような厳しい事業環境を踏まえると、約二十九億円もの貸付金の回収期間として二十年は余りにも長い期間であると考えます。これ以上県民負担を生じさせることがないよう確実に貸付金を早期に回収するためには、計画どおり滞りなく返済されるよう合弁会社の経営状況をチェックしていく必要があると考えます。  そこで、伺います。  合弁会社が設立され、財団法人21あおもり産業総合支援センターとリース契約を締結した時点で、具体的な事業計画やリース料等について公表すべきと考えますが、県の見解を伺います。 293 ◯副議長(相川正光) 商工労働部長。 294 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 御質問にお答えいたします。  県及び財団法人21あおもり産業総合支援センターも協力しながら、相和物産株式会社及び株式会社サンテクノロジー両社間において、合弁会社の設立に向け具体的な協議を進めてまいりました。  この結果、新会社の代表者や資本構成等の基本的事項が固まり、両社において合弁会社設立の合意がなされ、去る六月六日付けで覚書を取り交わしたところでございます。  現在、両社間において、事業計画を初め、定款や株主間協定書など、合弁会社設立に向け具体的な手続を進めておりまして、七月中を目途に新会社設立の登記を行うとともに、貸し工場のリース契約も締結していくこととしております。  その際には、同センターとも連携しながら、新会社の具体的な内容等について公表するよう働きかけてまいりたいと考えております。 295 ◯副議長(相川正光) 伊吹議員。 296 ◯三十一番(伊吹信一) リース料の支払いに支障となり得る経営悪化の要因が発生した場合、県議会に対し報告を求めるべきと私は考えているところでございます。  そこで伺うんですが、合弁会社からリース料を確実に徴収していくためにはどのように対応していくのか伺いたいと思います。 297 ◯副議長(相川正光) 商工労働部長。 298 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) お答えします。  県としましては、合弁会社による貸し工場の安定した利用によりまして、財団法人21あおもり産業総合支援センターへのリース料が着実に徴収され、県に対して貸付金が計画的に返済されることによりまして県民負担を生じさせないことが重要であると考えております。  このため、県では、同センターと連携し、合弁会社の経営状況や事業環境等を見きわめながら、六年ごとにリース料を見直しし、さらなる早期回収に努めるほか、会計の専門家などの協力を得まして、リース料の支払いが計画的に行われるよう定期的なチェックや指導助言を行いながら、必要に応じまして適時適切に県議会に御報告するなど、合弁会社の経営安定化が図られるよう最大限の努力をしてまいりたいと考えております。 299 ◯副議長(相川正光) 伊吹議員。 300 ◯三十一番(伊吹信一) この貸し工場の事業を継続していくに当たって考えなければいけない要因は、この貸し工場に工業用水道を供給している六ヶ所工業用水道事業についてであります。  この六ヶ所工業用水道については、採算ベースとなる四千七百立方メートルに対して、最大給水能力二千五百立方メートル、基本使用水量二千三百三十立方メートルで事業を継続しております。  平成二十一年度決算審査報告によると、七千九百十四万二千五百六十九円の累積欠損金が報告され、平成十四年の事業開始以降、黒字化の見通しが立たない厳しい状況が続いております。監査指摘事項で改善を求められているこの六ヶ所工業用水道事業を維持していくべきなのか。今後、設備維持に多額の経費も見込まれることも考慮し、事業継続の是非についても真剣に議論するときなのだろうというふうに私は考えているところでございます。  そこで、表裏一体といいますか、この工業用水道事業と貸し工場事業──私は、六ヶ所に、きょうの答弁でもありました最先端の技術を駆使した生産拠点が形成される、このことは非常に望ましいし、ぜひそうなっていただきたいと願うものであります。ただ、一方で、この貸し工場事業そのものを県が継続することが妥当なのかというと、私は、やっぱり、どこかでソフトランディングさせるべきなんだろうというふうに考えるところでございます。  そこで伺うんですが、リース料については六年ごとに見直ししていくこととしておりますが、県民負担がこれ以上生じることがないよう、今後の事業環境等も踏まえながら、貸し工場の売却を含めて検討していくべきと考えますが、県の見解を伺います。 301 ◯副議長(相川正光) 商工労働部長。 302 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 御質問にお答えいたします。  売却等も含めた検討ということについてでございます。  合弁会社が行うFPD関連事業につきましては、国際競争の中で技術開発や価格競争の激しい産業でありまして、安定した貸し工場の活用のためには、合弁会社の自助努力はもちろんのこと、関係者が協力しながら適時適切な対応をしていく必要があると考えております。  そのため、財団法人21あおもり産業総合支援センターでは合弁会社と当面六年間のリース契約を締結することとしておりますが、県としては、同センターと連携し、合弁会社の経営状況や事業環境等を踏まえながら、貸し工場が有効に活用され、県民負担が生じないことを前提に、契約期間内であってもリース料の引き上げを含めた諸条件の見直しを行っていくなど、状況変化や利用企業の意向等を踏まえまして的確に対応していきたいというふうに考えております。 303 ◯副議長(相川正光) 伊吹議員。 304 ◯三十一番(伊吹信一) 最後に、所感を申し述べて終わりたいと思います。  適切に対処されるということですので、ぜひとも適切に対処されて、ソフトランディングされるよう願うものでございます。  そこで、先ほどは六ヶ所工業用水道事業の事業継続の可否についてちょっと触れましたけれども、これについては、これまでもずっと監査指摘事項として繰り返し指摘されていることでもございます。この累積欠損金が幾らになれば事業継続を断念せざるを得ないのか、ぜひその辺のこともしっかり踏まえながら検討していってもらいたい。  あわせて、今、一立方メートル当たり四十五円で工業用水を販売しておりますけれども、事業者にしてみればこれは割高です。ただ、一方で、事業としては、立米当たり七十八円程度でなければ採算ベースに乗らないというふうにも考えられます。  したがって、この事業そのものが今後とも本当になり得るのか、また、六ヶ所の貸し工場として、工業用水道でなくて簡易水道であってもいいのではないかといったようなことも含めてぜひ考えていってもらいたいし、その前段としては、この工業用水道事業そのものを、今県土整備部が所管しておりますけれども、もし貸し工場事業を当面継続するのであれば、これは表裏一体と先ほど言いましたが、やっぱり水道事業もいわば一つのグロスで考えなきゃいけないというふうに思いますので、商工労働部が所管をして事業のあり方について検討をしていくべきなのではないかということを、私の所感でございますが申し述べて、終わりたいと思います。  以上です。 305 ◯副議長(相川正光) 四十七番諏訪益一議員の発言を許可いたします。──諏訪議員。 306 ◯四十七番(諏訪益一) 日本共産党の諏訪です。  いろいろ答弁も出てまいりましたので、質問の順序を若干変える部分がありますので、御了承いただきます。  提出議案知事説明要旨、オーダーメード型貸し工場の活用状況についての知事報告について。  平成二十二年七月二日付で民事再生手続を開始した東北デバイス株式会社について、手続の進捗状況及びエーアイエス株式会社の労働債権の内容と配当見込みについて伺います。  合弁会社設立に向けた具体的な手続の進捗状況について、また、21あおもり産業総合支援センターと合弁会社とのリース契約日、同センターから金融機関への返済日はいつになるのか、まず伺っておきます。 307 ◯副議長(相川正光) 商工労働部長。 308 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 御質問三点にお答えいたします。  まず、平成二十二年七月の東北デバイス株式会社の手続の進捗状況でございます。  東北デバイス株式会社は、平成二十二年七月二日付で民事再生の手続の開始後、再生計画に基づきまして、労働債権を含めました優先債権等を支払い、残額については再生債権者に対して弁済を行っておりまして、七月中には清算手続を終える予定というふうに聞いております。  次に、エーアイエス株式会社の労働債権の内容と配当見込みについてでございます。  エーアイエス株式会社は、平成二十二年十一月の破産手続開始の決定後、平成二十三年三月に第一回の債権者集会が開催され、破産管財人から負債状況等についての報告があり、当該時点で約八十二億円の届け出債権があり、うち労働債権は約二億四千万円となっております。  現在、破産債権の確定や債権者への配当等に向けまして手続が進められておりますが、その具体的な時期等は未定というふうになっております。  次に、センターと合弁会社とのリース契約日、あるいは金融機関への返済日について、いつになるのかという御質問です。  株式会社サンテクノロジー及び相和物産株式会社の両社間において、六月六日付で合弁会社設立の合意に係る覚書が締結され、その後、定款や株主間協定書を初め、合弁会社設立に向け具体的な手続を進めており、七月中を目途に会社設立の登記を行うこととしております。  同センターとのリース契約につきましては、合弁会社の事業計画を踏まえまして協議を行いながら、合弁会社設立後、速やかに締結することとしております。  また、同センターによる金融機関への返済につきましては、本定例会の議論を踏まえまして総合的に判断し、定例会閉会後、速やかに執行したいというふうに考えております。 309 ◯副議長(相川正光) 諏訪議員。 310 ◯四十七番(諏訪益一) 今の答弁ですが、まず、合弁会社設立後、センターとのリース契約を終えると。そのことを前提にして金融機関への支払いという手順になるんじゃないですか。筋道からいってそう私は思うのですが、見解を問うものであります。  それで、エーアイエスの労働債権の問題、東北デバイスの状況を聞きましたけれども、要するにクリスタルバレイ構想そのものをどう見るかということなんです。これまで「取組と課題」などの文書も提供されましたけれども、クリスタルバレイ構想十年間は、この構想は失敗した、破綻をしたということをまず率直に認めるべきなんです。それをしないのです。失敗を認めるということを前提にして、その次に、今後のありようはどうあるべきかということに生きていくんだと思うんです。この間のやりとりをずっと聞いてきても、率直にそのことが語られない。  構想の最終的な整備目標は何か──世界最高水準の液晶関連企業の一大集積地、世界的FPD関連研究都市の形成。「取組と課題」には簡単に触れているんですよ。この形成には届かずと書いてあるんです。──届かずどころではないんです。まずこの構想は失敗したと認めて、その上で、知事の責任、処し方も含めて県民の皆さんに率直に謝罪を申し上げる、これだけの姿勢を示さないとだめなんですよ。  で、知事、今貸し付け云々で二十九億の話をしていますけれども、知事が貸し付けるんじゃないんですよ。県民の皆さんが貸し付けるんです。その姿勢がないと、県民負担を背負わせることのないようにという言い分でこの問題を釈明しようとするから、やはりどこかに無理があるんですよ。やはり、県民の皆さんに率直に謝罪し、県民の皆さんに、こういう方法でクリスタルバレイ構想を次につなげていきたいという真摯な思いで語ったほうが無理がないんですよ。そのことについて知事自身からお答えをいただきたい。 311 ◯副議長(相川正光) 知事。 312 ◯知事(三村申吾) 諏訪議員にお答え申し上げたいと思います。  クリスタルバレイ構想に基づきまして立地した企業が倒産をいたしました。従業員の方が失業を余儀なくされた事態を生じさせたことで県民、そしてまた県議会の皆様方に御心配をおかけしましたことを深くおわび申し上げたいと思っております。  クリスタルバレイ構想は、この十年間チャレンジし続けたことにより、立地企業とそこで培われました技術と技術者、研究成果と事業化の芽、そして何よりも人財、そしてネットワークなど、貴重な財産をもたらしたものと考えております。  昨年民事再生手続の申請をいたしました東北デバイス株式会社については、株式会社カネカの子会社OLED青森株式会社が有機EL事業を引き継ぎ、世界初の五色──五つの色の照明用パネルの生産に乗り出すなど、これまで培われた技術が大きく花開こうといたしております。  新産業をつくり出していく上で重要なことは、技術と人財を育てることでございます。技術と人財が地域にしっかり根づいていけば、そこから新産業の芽が芽吹いていくものと考えるところであります。  クリスタルバレイ構想十年間で蓄積されてきた貴重な財産であります高度な技術の継続・発展と技術者の確保を図り、利用企業の経営体質強化など、貸し工場において安定的に事業が継続されていくような体制を構築することにより、県民負担を生じさせないようしっかりと対策を講じることが県の責務、そのように考えている次第でございます。  以上です。 313 ◯副議長(相川正光) 商工労働部長。 314 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 合弁会社設立後に金融機関への返済をすべきではないかという御質問についてお答えします。  県としては、合弁会社の設立のめどがつきまして、貸し工場の利用企業として経営基盤の安定化や営業力の強化が図られるものと判断しまして、本定例会に説明した上で、21財団において、金利負担の発生している金融機関への速やかな返済や貸し工場の正式なリース契約を行い、安定的な工場の利用促進を図っていきたいと考えております。 315 ◯副議長(相川正光) 諏訪議員。 316 ◯四十七番(諏訪益一) 契約と返済の関係も、何か、判断すればあたかもそれは可能というふうな言い方をするんですが、手続的に、筋論からいえば、しっかり契約を結んで、その後、その暁に金融機関への返済ということになるんじゃないでしょうか。つまり、物事の進め方の問題なんです。それぞれ見解もありますけれども、筋論からいえばそうなるということだけは言っておきたいと思うんです。  それから、この構想の問題がなぜ問題になるかといえば、やはり、県民の税金を使っていろいろやってきた事柄がどういう結果を生み、引き続きまた税でやるということへの不信感だとか、そういうものへの広がりとして存在しているんですよね。  で、実は、十年前に自民党の県会議員が天までこれを持ち上げたんです、これをやるべきだと。その方が、今度の知事選で民主党から立候補されている。私は、民主党の皆さんがこの問題をどう主張しても、それは構わないんです。ただ、その一員が何の説明もなしに百八十度姿勢を変えるということについても、ここにまた政治への不信という問題も起きてくるので、そこはお互いに十分しっかりと受けとめて今後の対応に当たっていかなければならないということだけは指摘しておきたいというぐあいに思います。  議案第一号「平成二十三年度青森県一般会計補正予算(第二号)案」について。  歳出三款一項四目「老人福祉費」及び歳出三款一項八目「障害者福祉費」、社会福祉施設等災害復旧事業費、社会福祉施設等の災害復旧に係る県の見解について。  自然災害により被災した社会福祉施設に対しては、補助要件等を設けることなく、また自己負担を負わせるようなこともなく支援すべきだと思いますが、県の見解を伺います。
    317 ◯副議長(相川正光) 健康福祉部長。 318 ◯健康福祉部長(一瀬 篤) 復旧・復興に係る財源負担につきましては、全額国庫負担とすべきであると考えております。  県としましては、北海道東北地方知事会を通じまして、社会福祉施設等の迅速な災害復旧支援と十分な財源措置を講じることについて、国に対し要望したところでございます。 319 ◯副議長(相川正光) 諏訪議員。 320 ◯四十七番(諏訪益一) この問題は、単に社会福祉施設等だけの問題ではなしに、自然災害の猛威による、つまり、自分の責任でない部分でも襲いかかってきている、その被害なんですよね。ですから、最大可能、できるだけ自己負担を少なくしてやるという心構えでぜひ臨んでいただきたいという角度だけは指摘しておきたいと思います。  次に、検討委員会の問題。歳出四款五項四目「原子力環境対策費」、青森県原子力防災対策検討委員会運営費、検討委員会の運営方法等について。  東京電力福島第一原子力発電所の事故は、国がこれまで起こり得ないとしてきた過酷事故であり、県は、今後も同様の事故が起こり得るという真摯な姿勢で検討委員会に当たっていただきたいと思うんですが、基本的な見解を聞きます。 321 ◯副議長(相川正光) 環境生活部長。 322 ◯環境生活部長(名古屋 淳) 原子力防災対策は、県民の生命、身体及び財産を原子力災害から保護することを目的とするものであり、東京電力福島第一原子力発電所の事故と同様の事故は起こり得るとの考え方のもと、万が一の場合に備えた体制づくりが肝要であると考えております。  このような考え方のもと、原子力防災対策検討委員会での検討結果につきましては、県地域防災計画(原子力編)の修正、マニュアルの作成などに反映させるとともに、国への提言などの参考にしてまいりたいと考えております。 323 ◯副議長(相川正光) 諏訪議員。 324 ◯四十七番(諏訪益一) この検討委員会をめぐって、大きくは二つの事柄が今起きている。  一つは、海江田経済産業大臣が六月十八日、三月三十日に指示した緊急安全対策と六月七日に追加指示したシビアアクシデント対策が適切に実施されていると確認したとして、定期検査等で停止中の原子力発電所の再起動を地元自治体に求めるという動きが一つ出てきました。  いま一つは、国際原子力機関に対する日本国政府の報告書というのが出ました。教訓五つのグループ、二十八項目の対策を報告したものですが、検討委員会はこれを参考にするとも言っています。  そこで、国際原子力機関に出した報告書の「はじめに」という部分は次のようになっています。「我が国は、この事故が世界の原子力発電の安全性に懸念をもたらす結果となったことを重く受け止め反省している」、「何よりも事故の発生によって、世界の人々に放射性物質の放出について不安を与える結果になったことを心からお詫びする」、こう書いています。  国際原子力機関にはこういう姿勢から始まっている。ならば、我が国の国民に対してこの間何を語ってきたんでしょうか──何も語っていないんです。そして、この間、県知事も、県政含めて、いわば国の原子力行政に追従する──いろんなことをさまざまその都度言ってきたと言っていますけれども、結局は、過酷事故は起こり得ないという姿勢で従属してきたんです、国の原子力行政に。そのことについての真摯な反省があるべきなんです。その声もまた聞こえてこないんです。  ですから、検討委員会を今立ち上げるんですが、検討委員会の性格にかかわる問題が出てきている。安全検証委員会もそうです。一つ一つしっかりやっていこうというやさきに、一方で安全宣言がおりてくる、新たな安全神話がまたまかり通ってくる、こういう問題が起きてきているんですけれども、検討委員会の運営に当たって、その辺の精神というか、心がけといったらいいか、その辺どういう見解をお持ちですか、お答えいただきたいと思います。 325 ◯副議長(相川正光) 環境生活部長。 326 ◯環境生活部長(名古屋 淳) 原子力防災対策検討委員会は、福島原発事故の対応状況を踏まえた防災対策上の課題や今後の見直しの方向性を整理し、県地域防災計画(原子力編)に反映させるべき事項、マニュアルの作成など県が早急に実施すべき事項について検討、取りまとめをし、県内の原子力防災体制の強化を図ることを目的に設置するものでございます。  現在起こっている福島の事故を踏まえると、これまでの対策では不十分であるという認識のもと、現実に同じことが起こったとしたら青森県でどのような避難あるいは防護対策を講ずるべきかを早急に取りまとめたいということで設置しているものでございます。 327 ◯副議長(相川正光) 諏訪議員。 328 ◯四十七番(諏訪益一) きょう、知事が出席しておられますので──これまでは出席しなくてもいいという場面がいろいろあったんですが、オーダーメード型もあるから出席していると思いますが、検討委員会の検討作業と、検討委員会から出てくる方針というか、結論というか──まだ時間がかかるんです。海江田経済産業大臣が六月十八日に談話、声明を発表した。東通原子力発電所に知事はどう対応するんですか。一方で検討委員会が検討していくんですよ。一方で安全宣言をやった。本県の知事としてこれをどう判断するんですか。知事、答えてください。 329 ◯副議長(相川正光) 知事。 330 ◯知事(三村申吾) 諏訪議員にお答えいたしますが、海江田大臣が何かおっしゃっていることがあるかもしれませんが、私どもとして特に正式に受けとめているものはございません。  私どもは、御案内のとおり、事業者とか国が、例えば安全だとか、これこれの基準で、こうで、こうだと言ってきたものに対して、ちょっと待った、我々としてもしっかりと検証させていただくと、その立場を表明し、例の検討委員会のほうで具体にそれをしっかりと検証していると、今はそういう状況でございます。 331 ◯副議長(相川正光) 諏訪議員。 332 ◯四十七番(諏訪益一) 東通の定期検査はもう間もなく終わるんでしょう、七月の上・中旬とかと言っていますから。再起動をやりながら、なお点検をしながら本格的な稼動へと入っていくんだと思うんですが、知事、気をつけないとだめなのは、事業者と国のラインでやられる可能性があるのでね。もちろん、地元の理解を得るようにやるとかと言っているんだけれども、ちゃんとそこは十分警戒してかかってくださいね。ましてや、その検証なり検討なり、安全検証の作業を抜きにしてゴーサインを出すなどということは絶対にしてほしくない。  核燃料サイクル事業の揺るがない確たる推進を、六月八日、改めて求めましたけれども、注意してくださいね。みんな、それぞれ、検証や検討等の過程の中でそういったことの姿勢が一つ一つ見られるんですからね。そうしないと、検討委員会も検証委員会も何なんだということになりますから。そのことについては、今度の予算に対する我々の対応もしっかりと提示しておきたいというぐあいに考えております。  歳出六款一項十四目「水田農業推進対策費」、生産調整推進費、被災農家経営再開支援事業の取り組みについて。  被災農家経営再開支援事業は被災農家の救済に所得面でどの程度貢献できると考えているのかお伺いいたします。 333 ◯副議長(相川正光) 農林水産部長。 334 ◯農林水産部長(渋谷義仁) 御質問にお答えいたします。  被災農家経営再開支援事業は、津波等の被害により今年度の作付を見合わせた被災農家に対し、水田や畑のごみ、小石の除去などの復旧作業を共同で行う場合に支援金を交付するものであり、県では、八戸市ほか四市町に対して事業実施の意向を確認しているところでございます。  被災農家が水稲の作付を見合わせた場合、本事業による支援金は十アール当たり三万五千円となります。これは、県が作成した経営指標では、水稲の場合、粗収入から経営費を差し引いた十アール当たりの所得が約二万七千円となっていることから、被災農家の所得確保に貢献できるものと考えております。 335 ◯副議長(相川正光) 諏訪議員。 336 ◯四十七番(諏訪益一) 今年度作付する農業者に対してはどうなるんですか。さしたる収益にもならないような大豆を植えつけるんですが、ここは対象にならないんですか、お答えいただきたいと思います。 337 ◯副議長(相川正光) 農林水産部長。 338 ◯農林水産部長(渋谷義仁) 先ほど申し上げましたとおり、この事業においては、本年度作付を見合わせた者に対して交付することというふうになっておりますので、作付しない場合、先ほどの、共同での作業を実施した場合は交付されるということになっております。 339 ◯副議長(相川正光) 諏訪議員。 340 ◯四十七番(諏訪益一) そうだから聞いているんです。要するに、今年度作付すると対象外にされてしまうんですよ、支援の。ところが、その作付する中身が例えば大豆であったりすると、いかほどの収益にもならぬのですよ。農業者というのは、とにかくできるだけ早目に耕したいという思いがありますからね、そういう思いに駆られてやろうとすると支援の対象外にされてしまうんですよ。  だから、そういった部分も取り込んでいけるような──実際、今年度作付してこれだけの収益しか上がりませんでしたと。それでは大変だねというので、じゃ一定額支援しましょうとかという制度にしたらどうですか。私の提案なんですが、いかがでしょうか。 341 ◯副議長(相川正光) 農林水産部長。 342 ◯農林水産部長(渋谷義仁) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、本事業は作付しない場合ということでございまして、作付する場合に対する支援といたしましては、早期に復旧を図るための除塩対策として客土や耕起等を行う被災農地緊急除塩事業、またはパイプハウスの整備や種苗の購入等に支援する被災園芸施設復旧緊急事業などの支援によりまして、被災農家の負担を軽減しながら救済しているところでございます。  その結果といたしまして、津波により被災した水田の約二十一ヘクタールで田植えが実施されたということでございます。 343 ◯副議長(相川正光) 諏訪議員。 344 ◯四十七番(諏訪益一) 今年度作付しなければ支援の対象になる、作付すると対象にならない。何かこれはしゃくし定規の支援制度でないかと私は思うんですけれども、幾つかこういう面がちょっと出てきているので、やはり、今度の東日本大震災が引き起こしたさまざまな問題に、より柔軟に支援できるような制度上の改善もこれからは逐一やっていかないとだめだと思うんですが、この点は御要望申し上げておきたいと思います。  歳出六款一項十六目「総合販売戦略費」及び歳出六款一項十七目「食の安全・安心推進費」、農林水産物安全・安心確保モニタリング事業の内容等について。  これもいろいろ答弁が出てきていましたので、一つだけ伺います。県外産農林水産物について放射能汚染が懸念されますが、これに対しての県の対策について、取り組んでいる様子についてお答えいただきたいと思います。 345 ◯副議長(相川正光) 健康福祉部長。 346 ◯健康福祉部長(一瀬 篤) 放射性物質による汚染が懸念されております地域においては農林水産物のモニタリング検査が行われております。その結果、食品衛生法の暫定規制値を超える場合には、国は出荷制限及び摂取制限の指示を行っております。  また、その近隣の自治体に対しましても出荷前の農林水産物を検査するよう要請しており、検査の結果暫定規制値を超えた農林水産物につきましては、当該自治体によって流通を控える取り組みがなされております。  農林水産物の流通範囲は一つの都道府県にとどまらないものであります。県外産までも含めた放射能汚染対策につきまして一つの県が取り組むとしても、安全性確保の面からはおのずと限界があり、国レベルにおいて対策を講ずる必要があると考えております。  また、計画的検査を実施している都県以外で新たに生茶葉から暫定規制値を超える放射性セシウムが検出されるなど、事故発生当初とは状況が刻々と変わってきているところであります。このような状況に的確に対応した放射能汚染対策の実施について国に対して要請してまいりたいと考えております。 347 ◯副議長(相川正光) 諏訪議員。 348 ◯四十七番(諏訪益一) 十一万トン以上の汚染水の収束がどうなっていくか。今、ぎりぎりのところに来ているんですよね。何としてもこれは食いとめなければなりませんけれども、もし海洋に放出された場合、黒潮でどんどん上がってきますからね。青森県の漁業者も全部三陸の沖合で漁をしているわけですから、危機的な状況になる。何としてもこれは食いとめてもらいたい。  それで、岩手でも、この間ずっとないのにプルトニウムを検出したとか、例えば、これまで全然何の発見もなかったのにぽっと出ている。それこそホットスポットに出てくるという危険があちこちに存在しているわけです。  ですから、これまでの出荷制限だとかいろいろ制限しているにもかかわらず、そこから抜け出る県外の農水産物には十分気をつけないとだめなんだと。ですから、学校の給食にしても、できるだけ県産品ということになっていますけれども、まだまだ圧倒的に県外の農水産物に頼るという問題がいろいろありますので、やはり、そこは、直前で、例えば給食を調理する前に何らかの形で測定をして、チェックをして安全・安心を図ると。もうどこかの自治体で今やり始めているんですよ。  そこまで安全・安心の度合いを高めるということについてはどうでしょうか、お答えがあったらいただきたいと思います。 349 ◯副議長(相川正光) 健康福祉部長。 350 ◯健康福祉部長(一瀬 篤) 先ほど申し上げましたとおり、単独の県で対応するのは非常に困難な事態でございます。  それで、「赤旗」によりますと、日本共産党の高橋千鶴子議員が、四月に、市場に出回っている魚は安心という状態を国の責任でつくるべきだという御発言をされております。全くそのとおりだと考えております。 351 ◯副議長(相川正光) 諏訪議員。 352 ◯四十七番(諏訪益一) 部長もなかなか名答弁をする……。いや、本当はちょっとピントが外れているんだよ、今の答弁は。まあ、高橋議員の名前を出したからちょっと許すかもしれませんけれども。  実は、県外からのもので、出荷制限等々から逃れてくるというか、免れてくるものもあるので、やはり、直前でしっかりチェックしていただくことについて、十分、保健衛生課等で、県内のそういう機関の強化というものをぜひ念頭に入れて議論し、検討していただきたいということだけは言っておきたいと思います。  歳出十款七項一目「保健給食振興費」、子ども防災力アップ事業費における防災教育について。  これももう答弁が出てしまっているところで、教育長、ちょっと角度を変えて申しわけないんですが、大事なのは──子供の防災力をアップするというのは大した大事なんです。この間の朝来た地震で、いの孫たちがテーブルの下さばあっと隠れてきた。さすが、教育現場で教えていることを守っているなとよくわかりましたけれども、ただ、大事なのは、子供を守る責任があるのは、やっぱり、保護者、親、教育現場の先生、学校の先生たち、行政なんですよ。学校の避難先をちょっと間違えばたくさんの子供の命を失ってしまうという問題がこの間出ているわけなんですよ。  それから、今度は原発災害でしょう。どこに逃げればいいのかという問題がある。ですから、核燃、原発の危険性について子供たちに事実でもって教えつつ、この原子力防災のあり方は教育の現場ではどうあるべきなのかという問題も含めて追加的に検討していかなければならないことを突きつけているんだと思うんですよ。  したがって、子供の防災力アップなんだけれども、同時に、やっぱり、親たちが、学校や行政の側が果たさなければならない責任ということについて、その上でこの子ども防災力アップ事業が位置づけられる必要があると思うんですが、いかがでしょうか。 353 ◯副議長(相川正光) 教育長。 354 ◯教育長(橋本 都) 今回の東日本大震災を契機に、子供がみずからの命を守るための適切な判断力を養うことや、学校と地域等が連携した防災教育のあり方の重要性が再認識されたところです。  このため、県教育委員会では、命を守るためにみずから考えて適切な行動ができる子供の育成及び万一に備えての防災体制の構築など防災教育の充実を図る必要があることから、子ども防災力アップ事業を実施することとして御審議をいただいているところであります。  議員からお話がありましたように、今後、本事業を進めるに当たっても、継続的に学校、家庭、地域が一体となった防災教育を推進してまいりたいと考えております。 355 ◯副議長(相川正光) 諏訪議員。 356 ◯四十七番(諏訪益一) 議案第四号「青森県東日本大震災復興基金条例案」、基金の活用方策について。  これもいろいろ答弁が出ました。  そこで、私が県内の避難所は何ぼあるかと聞いたら、二千二十三施設あると答えが返ってきました。自家発電機をどこに何台置くかという問題が出てくるわけです。停電が来ると、どうしても発電機が必要になってくる。その際、どれくらいの値段のどれくらいのものをどういうところに置くかという問題が出てくるんですよ。  それから、食料、飲料水、資機材、これをどうするか、どこにどう置くかという問題がある。  それから、防災マップ。ハザードマップの状況も資料で見せてもらいましたけれども、津波に対するマップを持っていないところがあるんですよ、海岸沿いで。これはまず急いで持ってもらう必要があるし、今度、原発災害もあったので、原子力防災マップというやつをどうつくったらいいのか、直ちに検討作業に入ってもらいたい。いろいろ安全検証のほうも検討委員会のほうも作業していくわけですから、当然原子力防災のマップが必要になってくるんだと思うんですが、この点でどなたか代表してお答えいただきたいと思います。 357 ◯副議長(相川正光) 総務部長。 358 ◯総務部長(田辺康彦) 基金条例で定める事業でどういうものがあるかという趣旨からの御指摘だと思いますので、私のほうからお答えをさせていただきます。  条例案の第五条に掲げる四つの事業の中で、一番目に「避難所等の防災機能の強化その他の安心で安全な地域づくりに関する事業」というのを挙げさせていただいております。その中には、先ほど議員御指摘いただいたような、避難所となる防災施設の強化に関することですとか、そういうことも当然含まれるものではございます。  原子力の防災マップについては、今、原子力の防災について改めて今回委員会を設置するという予算を上程させていただいてございますので、その中でもさまざま御議論いただければというふうに考えてございます。 359 ◯副議長(相川正光) 諏訪議員。 360 ◯四十七番(諏訪益一) 報告第六号「平成二十二年度青森県一般会計事故繰越し繰越計算書の報告の件」、事故繰り越しの要因等について。  事故繰り越しの総額が五十億円を超えることついての要因と、繰り越し後の予算の執行状況について伺います。 361 ◯副議長(相川正光) 総務部長。 362 ◯総務部長(田辺康彦) 予算の事故繰り越しは、会計年度独立の原則の例外として、当該年度の歳出予算の経費の金額のうち、年度内に支出負担行為をしたものの、避けがたい事故のため年度内に支出を終わらなかったものについて翌年度に繰り越して使用することができるとする、自治法に定められた制度でございます。  今回報告いたしました百十五件、約五十億二千八百七十一万円の事故繰り越しについては、そのすべてが、東日本大震災により、契約の相手方が被災したもの、施工箇所が被災したもの、機材や資材の確保が困難となったものなど、避けがたい要因によって年度内の事業完了が不可能となったものでございます。  その後の復旧や物流体制の回復等により既にすべての事業が再開しており、このうち完了したものについては、順次支出の手続を進めているところであります。  今後とも、可能な限り早期に事業効果を発揮できるよう取り組んでまいります。 363 ◯副議長(相川正光) 諏訪議員に申し上げます。間もなく質疑時間が終了しますので、まとめてお願いします。──諏訪議員。 364 ◯四十七番(諏訪益一) まとめます。  最後、提出議案知事説明要旨で「各被災県に向けた支援の輪」という表現があって、それで、県の職員の皆さんもいろいろ派遣されている──延べ五百十九人とか、支援量は二千八百五十人日とかという事情も聞きました。  実は、我が党も、義援金を約七億集めて、それから、今現在、六千人のボランティアを各県に派遣して、やっているんですよ。それで、ボランティアの皆さんも、やっぱり、大体三カ月を超えると、潮が引くようにだんだん引いてきていると。ここが問題なのさ。これから必要なのに引いていくということがあるので、やはり、ボランティアの組織問題も含めて、これから支援の輪が必要なんだということで、ぜひ取り組んでいただきますように御要望を申し上げて終わりたいと思います。 365 ◯副議長(相川正光) 十五分間休憩いたします。 午後三時二十分休憩    ────────────────────── 午後三時三十五分再開 366 ◯議長(高樋 憲) 休憩前に引き続いて会議を開きます。  質疑を続行いたします。
     四十八番相馬しょういち議員の発言を許可いたします。──相馬議員。 367 ◯四十八番(相馬しょういち) 提出議案知事説明要旨、オーダーメード型貸し工場の活用状況についての知事報告について、簡単にわかりやすく質問させていただきます。  知事は、新たに創業する合弁会社の枠組みが固まったとして、合弁会社が貸し工場の利用企業として経営基盤の安定化や営業力の強化が図られるとの判断に至ったとして二十九億円の返済凍結を解除するとし、合弁会社と正式なリース契約を結ぶ意向を表明しているのであります。  このことについて、合弁が決まっただけで、どうして経営基盤が安定し、営業力の強化が図られると判断したのか、その具体的な根拠は何なのか明らかにすることを求めます。  この中で、大手の電機メーカーが入るということで、あたかもこれが大きな力になるような言い方をしておりますが、一体このグループ企業は一社でどのぐらいの出資をするのか、その点も明らかにしておいていただきたいと。  特に、この大手電機メーカーの中には、もう既にソニーと組んで約千二百億ぐらいの資金で会社を運営していくと、こういうようなことが報道されているわけでありますので、一体どのぐらいのお金を出して、新たな合弁会社について、この会社がどういうような立場でどういうような協力をすることになっているのか、まずそこをお答えいただきたいと思います。 368 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 369 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) お答えします。  まず、資本金の内訳についてでございます。  合弁会社の資本金につきましては、相和物産株式会社及び株式会社サンテクノロジーよりそれぞれ一億円の出資を予定しているほか、今後の取引や技術支援につながる東芝グループ、日立製作所グループ、三菱電機グループ等からの出資で約二千万円の合計約二億二千万円とすることで最終調整をしております。  また、大手電機メーカーの取引等の具体的な支援というお話がございましたけれども、今、具体的な形での取引というのは、三菱電機グループからの仕事の受注というのはございますけれども、それ以外については今後という形で検討させていただくことになるというふうに理解しております。 370 ◯議長(高樋 憲) 相馬議員。 371 ◯四十八番(相馬しょういち) 大手電機メーカーが一社五百万程度ですか。私の五円よりもまだ少ないわね。どういういきさつでこのグループが資本参加──だって、たかが二億二千万のうちの二千万でしょう。どういうような経緯でこの三つの大手電機メーカーが入ることになったのか、その点のいきさつを答弁願います。 372 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 373 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 大手電機メーカーの出資に至った経緯でございます。  まず、エーアイエス株式会社についても、大手の電機メーカーからの出資を得て、共同出資会社という形でスタートさせていただいておりますし、今回も、そのエーアイエスが破綻した段階でさまざまな関連性のある企業に対してアプローチをさせていただいた中で、具体的にこういう出資という形での参画というものの申し出があったというふうに聞いております。 374 ◯議長(高樋 憲) 相馬議員。 375 ◯四十八番(相馬しょういち) 余り明快な答弁ではありませんわな。まあ、形を整えるためにこの三つの大手電機メーカーに働きかけをしたのではないかなと。しかし、これは、お茶を濁す程度の──一社五百万程度ですからね、これで形が整ったということで、案外、知事は、経営基盤云々、営業力云々ということにこれを使ったのではないかという感じがいたします。私はそんなに疑い深い人間じゃないんですが、今までのやり方を見ていると疑わざるを得ない。  それで、合弁でやることになって、経営基盤が安定し、あるいは営業力の強化が図られると判断したと言うわけですが、どうもその根拠は明快でありませんね。やはり、もっと明快に答えてもらわないと。もう既に前のは倒産しちゃっているわけですからね、倒産しているわけですから、明快な答弁がなければ信用できませんよ。そういう点では非常にだめだというように思うわけです。  実は、ソニーと東芝が一緒になって、恐らく千二百億ぐらいの資本金でやるということですが、その前から企業としてはあるわけで、東芝のほうが資本金百億、ソニーのほうは二百三十一億であったわけです。しかし、これでは世界を相手にして太刀打ちできない、特に韓国のサムスン電子とは勝負にならないということで、約一千二百億の会社をつくってこれからやっていくと、こういうようなことが出てきておりました。  実は、この新聞記事が出た翌朝、私に朝早く電話が来て、この合弁は絶対成功しないよと、だから、そのことを議場で十分話をするようにと、こういうように言われましたし、先般、自民党の元県会議員と会いました。その方も、私に、だれが責任を持つのか、これでいいのかということを徹底して言ってくれと、そういうようなことが出ておりまして、県民はこれは成功すると思っていません。  いいですか、東芝やソニーが千二百億ぐらいでやるのに、二億二千万で、しかも韓国のサムスン電子もある。とても価格競争だとかでやっていけるものではない、こう言わざるを得ないわけですよ。本気でこの合弁会社は成功すると思っていますか。知事、どうですか、答えてください。 376 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 377 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) まず、資本金が過小じゃないかという部分と、大手電機メーカーでもなかなか容易な話ではないのに合弁企業がうまくいくのかという話が一つございました。  まず、大手電機メーカーあるいはサムスンがやろうとしている業態というのは──大規模な世界シェアをとるという形での価格競争も価格形成も大手電機メーカーはやっていけます。  ただ、合弁企業が、そういう大手電機メーカーと競合するような部分ではなくて──かなりニッチな産業としてタッチパネルはさまざまな企業がやっておりますので、小ロットに対して対応できる企業というのはほとんど国内には残っていません。したがって、そういうところは、大手の電機メーカーがやるような業態──パネル数もけた違いに大きな数を量産するわけですけれども、それはまさしく装置型産業でございますから、研究開発に対しても設備投資に対しても半導体と同じように膨大にかかります。ただ、そういう業態だけではなくて、サムスンも含めてですけれども、さまざまな形の業種、あるいは多品種少量のロットを出していくという中では、そういうことに対応できる企業というのはないということで関心を持っていただけているものと思っております。  それから、大手が出資するから安定するという説明ではなくて、私どものほうとしては、株式会社サンテクノロジーが、これまでの売り上げは無借金経営でやっていますし、ベンチャー企業といえどもそれ相応の──中国に工場を持ちながら二千人の雇用を抱えてやっている。その企業が、具体的にこの貸し工場を含めまして合弁という形で参画することによって、さまざまな世界的な視野を持ちながら、視点を持ちながら、次の世代に向けての新製品の開発ですとか、あるいはニーズですとか、そういうものをこの合弁企業に対していろいろ情報提供をしていただく、それから販路開拓をしていただく、そういうことを期待しているということで、決して、大手が出資したからすべてが安定できたというような意味合いでないということは御理解賜りたいと思います。 378 ◯議長(高樋 憲) 相馬議員。 379 ◯四十八番(相馬しょういち) しかし、大手の会社は大きいものだけやるんじゃないんですよね。小さい携帯電話ののもやるというんですよ。ですから、価格競争になってくると、これだけの規模ではなかなか大変だと。  それぞれの企業がいろんなことをやりますけれども、やはり、生き延びていくためにはもうけなきゃならない。もうけるためにはあらゆることをやりますよ、企業は。そうすると、二億二千万でやっても、大手電機メーカー──五百万出している会社が何社かいますけれども、自分のほうが優先ですよ。青森の合弁なんか何も気にする必要はないわけです。これは、ただにしたって、ゼロになったって、自分たちの企業が伸びていけばいいわけですからね。ですから、私は、そういう点では、これは非常に見通しの暗い──一体何年もてるのか。  サムスン電子だって相当やってきて、そのサムスン電子に負けないようにするために、東芝、ソニーが新たな企業をつくり出すと、こういうようなことですので、前からやって倒産したというような経緯もある、それらを何とかしようというその気持ちはわからないわけじゃないですよ。わからないわけではないが、さっきもどなたさんかが言っていましたけれども、県民の税金をつぎ込んでのことですからね、自分のポケットマネーでやっているんじゃないんですよ。そういうことを考えますと、相当危険だと。私に言う人は、ほとんどみんなだめだと、こう言っているんですよ。  さっき言ったように、自民党の元それなりの人がですよ──ここで賛成した方だろうと思います。その人も、だめだから徹底して反対しなさいと。まあ、今回これは反対するとか賛成するとかじゃないと言われていますから、ただ、考え方としては、早晩倒れるようなものに何も言わないでいるんじゃだめなもんですから、はっきり言っておかないといけないと。いや、倒れないことを期待はしますが、間違いなく倒れるでしょう。このことは私は宣告しておきます、本当に残念ながら。  この計画書の中で──何ですか、これ。売上損益計画。大体、営業外費用のところに営業外利益と書いている。こんなものを出すようではだめですよ。緊張感も何もないもんね。営業外費用と営業外利益は全然違うじゃありませんか。で、ここの計算をしてみますと、営業外費用であっても合わないんですよ、数字が。  こんなもので、何ですか、これから会計専門家──まさか、蝦名副知事、副知事をやめてから、税理士の資格があるから、中小企業診断士の資格があるからとやったって、それはだめですよ。責任ある立場で今までいたんですから、妙なことにかかわったりしたら大変なことになります。今度は私が指摘しますから。私のほうが間違いなく四十一年間税理士をやってきていますんでね。まあ、蝦名副知事はペーパードライバーなんですよ。一回も税理士業務をやったことがない。それは間違いないよね、役人をやっていますから。そういうようなことで、非常に危険である。  しかも、こういう経済の状況もよくない中で、納めた県民の税金が──最初から無駄遣いしようとしてやっていないことはわかりますよ。わかりますが、無駄になるおそれが十分です。あえてこれは警告しておきます。  それから次は、中小企業振興費の中で、保証融資──保証協会の保証を受けて、融資を受けて、企業の再建にと、こういうようなことでありまして、これはもう非常に結構なことだし、できるだけ速やかにやっていただきたいわけですけれども、これは、申請した被災者に全部貸しますか。まず答えてください。 380 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 381 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 被災中小企業への融資についての御質問でございます。  私どもとしては、災害復旧枠という形で、通常の融資枠とは別枠の形での融資枠を設定させていただき、議員からも御指摘のように、保証料・利子補給等によりまして、元本のみの返済という形をとってございます。  ただ、私どもが直接融資の審査をするわけではございませんので、融資機関、金融機関を通じまして、保証協会の審査を経て──通常の融資制度と同様に審査を経た上で融資実行というふうになってございますけれども、伸びが急激にふえているということからいえば、かなりのニーズに対しては前向きにという形で、先ほども御答弁させていただいたように金融機関にも数度要請させていただいておりますので、この大震災による影響ということも加味して審査をしていただいているものというふうに理解しております。 382 ◯議長(高樋 憲) 相馬議員に申し上げます。款項目を明確に言ってから質問してください。──相馬議員。 383 ◯四十八番(相馬しょういち) 七款一項三目「中小企業振興費」、青森県特別保証融資制度の内容についてであります。  実際、保証協会と金融機関との現場でのやりとりというのは、皆さん方はよくわからないと思いますよ。なかなか状況が厳しいということになりますと、金融機関は、貸して倒れれば全額損になりますから、できるだけ──できるだけでない、これは完全に保証協会の保証をつけなきゃならない、融資に。  ところが、なかなかこれは順調に進まないんですよ。金融の申し込みをする人は何とかお願いしたいということでやりますが、金融機関はなかなかうんと言わない。保証をつければと──これは、保証がつかなきゃ出ないわけですが。  ところが、保証協会に行くでしょう。いや、これはなかなか大変だ、銀行とよく話をしてくださいと。キャッチボールをやっているんですよ、銀行と保証協会がね。そうこうしているうちに、こっちは倒れますよ、借り入れを申し込みしたほうは。これが現実なんです。担当している職員も部長もそんなことはわからないでしょうから。  ですから、何とか、できるだけ貸すということの前向きの姿勢で取り組んでいただきたいと。そうでなくても、こういう災害に遭っているわけですから、そういうようにしていただきたいと思います。  この保証融資の融資を受けるための条件、これはどういうふうになっているのかお答え願います。 384 ◯議長(高樋 憲) 商工労働部長。 385 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 融資条件の御質問にお答えいたします。  今回の震災に当たりまして、経営安定化サポート資金において、直接被害を受けている県内中小企業への金融支援として災害復旧枠を、また、間接被害を受けている県内中小企業への金融支援として経営安定枠を設けまして、それぞれ実施しております。  災害復旧枠につきましては、県内に事業所を有する中小企業で、事業用資産に直接被害を受け、経営の安定に支障を生じていること、市町村長の罹災証明書等の交付を受けていること、さらに、商工会議所会頭または商工会会長の推薦を受けていることを条件にしてございます。  また、経営安定枠につきましては、県内に事業所を有する中小企業者で、間接被害により、被災後、最近一カ月を含む今後三カ月の売り上げ等が過去三カ年のいずれかの年の同時期と比較して五%から一〇%以上減少するなど事業活動に影響を受けていること、商工会議所会頭または商工会会長の推薦を受けていることを条件にしております。  これらの融資に当たりまして、取り扱い金融機関及び県信用保証協会により、それぞれの融資条件に該当するかどうかを含め、通常の金融審査が行われております。 386 ◯議長(高樋 憲) 相馬議員。 387 ◯四十八番(相馬しょういち) 判断は金融機関ですよね。金融機関というのは、なかなか、こういう状態の中での資金の貸し出しは──本当は、緊急の枠でやっているわけですから出すことが何としても強く望まれるわけですけれども、今、金融庁だってなかなかうるさいんで、金を出す側も──まあ、恐らく今回は、こういう震災──大きな津波、地震があったもんですから多少は大目に見るのかもしれませんが、かなり金融庁は厳しいです。そうすると、金融機関も相当慎重にならざるを得ない。  そういうようなことですから、何とかこれは、順調に、できるだけ貸し出しが行われるように県としても頑張っていただかなければ、なかなか思うように運ばないと思います。制度はつくったが、金は残る、枠は残る、それではせっかくの制度も生かされないわけです。そういうことでお願いをしておきます。  ━━、━━━、━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━──━━━━━━━━━━━━━━━━━。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━、━━━━━━━━━━。  ━━━━━、━━━━━━━━━━━、━━━━━━━━━━━━━━━━、━━━━━━━━━━━━━━━。━━━━━━━━━━━━━━。━━━━━━━━━━━━━。━━━━━━━━━━、━━━━━━━━━━━━━━━、━━━━━──━━━━━━━━━━━━━━━━━━、━━━━━━、━━━━━━━━━━━━━━━━━━。━━━━━━、━━━━━━━━━━━━━━━━━。  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━、━━━━━、「━━━━━━━━━━」━━━━━━━━━━━━━━。━━━、━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━、━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━、━━━━━━━━━━━━━。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━、━━━━━━━━━━━━━━━、…… 388 ◯議長(高樋 憲) 相馬議員に申し上げます。 389 ◯四十八番(相馬しょういち) ……━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。 390 ◯議長(高樋 憲) 相馬議員に申し上げます。通告外の質疑でありますので、質疑をかえてください。 391 ◯四十八番(相馬しょういち) ━━━━━━━。━━、━━━━━━━━。 392 ◯議長(高樋 憲) 通告外です。 393 ◯四十八番(相馬しょういち) ━━━━━━。━━━━━━━━━━━━━━━。 394 ◯議長(高樋 憲) また、私的なことは本会議場ではなじみません。 395 ◯四十八番(相馬しょういち) ━━━━━━━━━━━。━━━━━━━━。━━━━━━━━━━。━━━━━━━。  ━━━━━…… 396 ◯議長(高樋 憲) 相馬議員に申し上げます。通告外でありますので、質疑をかえてください。 397 ◯四十八番(相馬しょういち) ……━━━━━━━━━━━━、━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。━━━━━━━━━━━━━━。  ━━━━━━━━━━━━━、━━━━━━…… 398 ◯議長(高樋 憲) 相馬議員に申し上げます。 399 ◯四十八番(相馬しょういち) ……(聴取不能)━━━━━━━━━━━━━━━。(発言あり)━━━━━━━━。━━━━━━━━━━━━━━━━━━。 400 ◯議長(高樋 憲) 相馬議員に申し上げます。通告外でありますので、質疑をかえてください。 401 ◯四十八番(相馬しょういち) ━━━━━(聴取不能)━━━━━━━━━、━━━━━━━━━━━━━(聴取不能)━━━━━━━、━━━━━━…… 402 ◯議長(高樋 憲) 相馬議員に申し上げます。 403 ◯四十八番(相馬しょういち) ……(聴取不能)━━━━━━━━━、━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━。(聴取不能) 404 ◯議長(高樋 憲) 暫時休憩いたします。 午後四時四分休憩    ────────────────────── 午後十一時十二分再開 405 ◯議長(高樋 憲) 休憩前に引き続いて会議を開きます。  さきの相馬しょういち議員の質疑において、地方自治法第百二十九条及び同法第百三十二条の規定に違反する言動があったので、同法第百二十九条の規定に基づき、発言中不適切な部分について会議録から削除し、本日の会議が終わるまで発言を禁止いたします。    ──────────────────────       ◎ 懲   罰   動   議    ────────────────────── 406 ◯議長(高樋 憲) 成田一憲議員外二十七名より懲罰の動議が本職あて提出されました。所定の発議者がありますので、動議は成立いたしました。  本動議を職員に朗読させます。  〔職員朗読〕      相馬しょういち議員に対する懲罰の動議  右の動議を会議規則第百十条第一項の規定により提出します。 一、理由  第二百六十六回定例会中、相馬議員は、質疑において、地方自治法第百二十九条の規定及び同法第百三十二条の規定に違反したことから、本動議を提出するものである。   平成二十三年六月二十七日      提出者 青森県議会議員 成 田 一 憲 外二十七名 青森県議会議長 高 樋   憲 殿                             以 上    ────────────────────── 407 ◯議長(高樋 憲) お諮りいたします。本動議を日程に追加し、直ちに議題といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
    408 ◯議長(高樋 憲) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  本動議を議題といたします。  地方自治法第百十七条の規定により、相馬しょういち議員を除斥いたします。  〔相馬しょういち議員退場〕    ──────────────────────       ◎ 懲罰動議提出理由説明    ────────────────────── 409 ◯議長(高樋 憲) 提出者の説明を求めます。  二十六番三橋一三議員の登壇を許可いたします。──三橋議員。 410 ◯二十六番(三橋一三) ただいま議題となりました相馬しょういち議員に対する懲罰の動議の趣旨説明をいたします。  本定例会の質疑において、相馬しょういち議員は、通告外及び議題外の発言を行い、地方自治法第百二十九条に基づく議長の再三にわたる発言の制止にも従わず、発言を続けたところです。また、相馬しょういち議員はうわさに基づいて発言を行っており、これは地方自治法第百三十二条の規定に違反するものであります。  したがって、相馬議員の発言は懲罰の対象となることから、本動議を提出したものであります。  以上申し上げまして、懲罰の動議の趣旨説明といたします。 411 ◯議長(高樋 憲) ただいまの説明に対して質疑を行います。質疑はありませんか。  〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕 412 ◯議長(高樋 憲) 質疑なしと認めます。  暫時休憩いたします。 午後十一時十七分休憩    ────────────────────── 午後十一時三十六分再開 413 ◯議長(高樋 憲) 休憩前に引き続いて会議を開きます。    ──────────────────────       ◎ 本 会 議 散 会 提 議    ────────────────────── 414 ◯議長(高樋 憲) 本職より提議があります。  日程を変更いたし本日の議事は終了し、明日の会議は午前零時十分に繰り上げて開くことに賛成の方は御起立願います。  〔賛成者起立〕 415 ◯議長(高樋 憲) 起立多数であります。よって、日程を変更いたし本日の議事は終了し、明日の会議は午前零時十分に開くことに決定いたしました。  本日はこれをもって散会いたします。 午後十一時三十七分散会 Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...