青森県議会 2011-03-14
平成23年度予算特別委員会(第3号) 本文 開催日: 2011-03-14
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◯大見委員長 ただいまから
予算特別委員会を開きます。
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◎ 協議事項変更の協議
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◯大見委員長 協議事項の変更について協議いたします。
本日の質疑は、中断した伊吹委員の残りの質疑を行い、本日中に残る委員の質疑を順次行いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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◯大見委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。
次に、副知事については、地震災害対策に万全を期すため委員会出席を要しないこととしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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◯大見委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。
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◎ 付託議案に対する質疑
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◯大見委員長 議案第一号から議案第十六号までを一括議題とし、質疑を継続いたします。
伊吹委員の質疑を続行いたします。なお、伊吹委員の残りの質疑時間は十五分八秒であります。
伊吹信一委員の発言を許可いたします。──伊吹委員。
6 ◯伊吹委員 このたびの発災の緊急事態を踏まえまして、質問内容等を一部省略をさせていただきたいと思います。
なお、今のこの事態を踏まえて、私が質問しておりました県営住宅を初めとするあんしん見守り体制推進事業に関連して、一、二お尋ねをしておきたいと思います。
今回の大震災に際しまして、県営住宅における被害・被災状況といったようなものが何かあればお尋ねをしたいというふうに思います。
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◯大見委員長 県土整備部長。
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◯竹内県土整備部長 今回の地震によりまして、県営住宅におきまして、停電によって、いわゆる自家発電装置の燃料が切れて水の圧送ができないということで水が供給できなかったといったような例がありますけれども、具体的な件数、場所等については今把握しておりません。
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◯大見委員長 伊吹委員。
10 ◯伊吹委員 ただいまの答弁に関連して一つ二つお尋ねしたいんですが、県営住宅において自家発電装置を備えている団地は、あるとすれば何カ所あるのか、何カ所中何カ所なのかといった数字をもしお答えできるようであれば、お知らせいただけますでしょうか。
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◯大見委員長 竹内部長。
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◯竹内県土整備部長 基本的には、いわゆる水を供給するための受水槽が上にある場合は自然と落ちてくるわけですけれども、停電時において水の供給ができなくなったといった場合には自動的に自家発電装置が働いて供給するということでございますけれども、基本的には、その装置は県営住宅には全部装備されてあるという状況にはなっております。
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◯大見委員長 伊吹委員。
14 ◯伊吹委員 県内の公営住宅──県営住宅にとどまらず、公営住宅における停電ないしは断水の状況が指摘されております。ここで詳細、細部の答弁を求めることはいたしませんけれども、改めて、停電時に対応するための、断水を防ぐ意味でのポンプアップをするための自家発電装置、それと、エレベーターが停止するということが当然出ますので、それに対応するための自家発電装置といったことについて対応を検討すべきではないかと思います。
いま一つは、高層住宅の場合、県営住宅は今順次手すりを設置しているかと思いますけれども、県内の公営住宅においては手すりのついていない公営住宅も散見されるようでございますので、この手すりについても設置を急ぐべきではないかというふうに思います。
もう一つ、最後になりますけれども、これは追加質疑等でも実は触れようと思っていたんですが、高齢者の方が高層階に住んでいる場合、加齢とともに体力的にもなかなか大変だということで、下の低層階への移住を希望しているんですけれども、所管課に聞きますと、それは通常の抽せんと同様の扱いにしていると。高齢者であるということで、ボールを二回入れてもらって、通常の抽せん、公募に応じてもらうといったようなことになっているようですけれども、できれば、その辺も、運用のあり方について、もっと入居者の立場に立った検討をすべきじゃないかというふうに考えるんですが、この三点についてお伺いをしたいと思います。
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◯大見委員長 県土整備部長。
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◯竹内県土整備部長 いわゆる県営住宅にお住まいになっている方々の利便性につきましては、今後、いろんな課題等を整理して、今回の地震に際してのいろんな問題も含めて、総合的に実態を把握して対応を考えたい。
いわゆる手すりの問題につきましても、同じように、実態を把握して、適切な対応をしていきたい。
それから、高齢者を優先的に一階のほうに住まわせるという点につきましては、高齢者について配慮することを十分考えまして、対応について検討していきたいというふうに考えております。
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◯大見委員長 伊吹委員。
18 ◯伊吹委員 緊急時ですのでこれで質問を終わりたいと思いますけれども、今回の事案からさまざまな教訓が見えてくるかと思いますので、答弁をいただいたとおり、ぜひとも今後の県行政にそうした点を生かしていただきたいということを要望して終わりたいと思います。
以上です。
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◯大見委員長 ここで、執行部入れかえのため、少々お待ちください。
〔執行部職員入れかえ〕
〔相川副委員長、委員長席に着く〕
20 ◯相川副委員長 諏訪益一委員の発言を許可いたします。──諏訪委員。
21 ◯諏訪委員 議案第一号「平成二十三年度青森県
一般会計予算案」について、歳出二款一項四目「財政管理費」。県債残高が過去最高を更新していますが、本県の財政構造をどのように認識しているのか伺います。
22 ◯相川副委員長 総務部長。
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◯田辺総務部長 平成二十三年度末における県債残高は、前年度対比で六十億円増の一兆三千百八十四億円と見込まれ、依然として増加傾向が続いております。なお、
臨時財政対策債を除いたベースでは一兆百二十一億円と、前年度から三百二十六億円の圧縮が図られる見込みです。
また、二十三年度当初予算においては、基金取り崩し額を前年度当初予算の三十八億円から九億円と大幅に圧縮し、実質的に収支均衡予算を達成するとともに、県債発行額についても
臨時財政対策債が百三十五億円の減となったという状況でございますが、今はこういう状況でございますので、引き続き厳しい財政状況が見込まれると思います。
24 ◯相川副委員長 諏訪委員。
25 ◯諏訪委員
臨時財政対策債が今回百三十五億減ったんですが、しかし、なお県債残高は伸び続けていると。つまり、償還額が追いつかないという問題がそこにあるのかもしれませんけれども、県債残高を下降、つまり減少させていくための手だてとしては、結局何をどうすればこれが減少していくのか。つまり、引き続き臨財債も一定の水準で維持し、あるいはふえていくということが続いていくんだと思うんですよ。北海道の新幹線の地元負担もやっぱり一定ふえ続けるということ等がありますから、ここはどうして残高を減少傾向に持っていくということが可能となるのか、あるいはどういう手当てをしようとしているのか伺っておきたいと思います。
26 ◯相川副委員長 総務部長。
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◯田辺総務部長 確かに、
臨時財政対策債は昨年度と比べ百三十五億円減少しておりますが、なお四百九十五億円を二十三年度でも発行しておりますので、これをいかに下げることができるかというのが県債残高総額を減少させる一つのポイントになると思います。今のベース──通常債のベースでいいますと、県債残高というのは減少傾向に向かっていますので、いかに
臨時財政対策債を引き続き減少させていくのかというのが一つのポイントだと考えております。
28 ◯相川副委員長 諏訪委員。
29 ◯諏訪委員 それで、県債残高が一定伸びていくということの中に、やはり政策的な誘導があるのではないかという見解をも持たざるを得ない。県債残高を市中銀行別に──大枠でいいので、どの金融機関からどういう割合でこの県債はお借りしているのか、そして、毎年払うであろう公債費、その中で毎年の平均的な利息というものは一体どれくらいになっているのか、部長、わかる範囲でいいので、わかっていたら教えていただきたい。
30 ◯相川副委員長 総務部長。
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◯田辺総務部長 今ちょっと手元に持ち合わせておりませんけれども、基本的には、地方債の発行ですので、国債をベースに利率というのは設定されるという状況でございます。
ただ、例えば市中銀行に借りている場合ですとか、政府系あるいは公庫に借りる場合、いろいろな借り手先というのはありますけれども、基本的には国債をベースにそれぞれの利率が設定されるという状況でございます。
32 ◯相川副委員長 諏訪委員。
33 ◯諏訪委員 金融機関から借りている割合とか利息とかはわかりませんか。
34 ◯相川副委員長 総務部長。
35
◯田辺総務部長 今手元には持っておりませんけれども、そういう借り手先ごとの資料というのはあると思います。
36 ◯相川副委員長 諏訪委員。
37 ◯諏訪委員 年間の利息はおおよそ二百億ぐらいになるのではないだろうか。青銀、みち銀のいわばお借りする割合は、青銀はかなり比重は多いし、その次がみち銀ということになるんですが、やっぱり、相当の利息の返済がこういう金融機関に毎年続行して行われているという理解をするしかない、これは私の見解でとどめておきますが。
それで、臨財債は地方交付税の措置があるんだけれども、この間の地方交付税の総額が減ってくるという問題もあって、これが満遍なく臨財債に対応することが本当にそうなるのか、何かやっぱり不安材料を持つんですが、この点でもし一言あったら。
38 ◯相川副委員長 総務部長。
39
◯田辺総務部長 臨時財政対策債の償還分は後年度措置される──
基準財政需要額にきちんと計算されているという意味では、それはしっかりと措置されております。
ただ、議員御指摘のとおり、交付税の算定というのは、いろいろな需要項目というのが毎年毎年変わってきますので、
臨時財政対策債の需要はふえているけれどもそのほかの項目が削減されると全体としてマイナスになる、そういう場合もございますので、
臨時財政対策債がふえて、そのほかの地方財政の措置についてもしっかりと交付税で見ていただくことが重要だというふうに考えてございます。
40 ◯相川副委員長 諏訪委員。
41 ◯諏訪委員 次の電源三法交付金とも関係があるので次に聞いていきますが、歳入九款二項五目「
商工国庫補助金」、電源三法交付金の活用状況について。
平成二十三年度の県活用額、それから、県活用事業を一覧で公表していますが、この一覧で公表するのは平成二十三年度当初予算が初めてだというお話も聞いていますが、確認させていただきます。
42 ◯相川副委員長
エネルギー総合対策局長。
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◯阿部エネルギー総合対策局長 お答えいたします。
電源三法交付金の活用額ですけれども、平成二十三年度の電源三法交付金の県活用額は、前年度対比六〇・三%増の三十九億二千三百九万円となっております。
これは、主として、国の来年度予算において、
核燃料サイクル施設が全国に一つしかない重要な施設であるという事情にかんがみ、
核燃料サイクル施設に係る
電源立地地域対策交付金制度の充実強化が図られたことによるものでございます。
また、活用事業を一覧で公表しているのは今回が初めてかという御質問ですけれども、昨年八月の
海外返還廃棄物の受け入れをめぐって、地域振興について多くの方々から御意見、御要望が寄せられ、その中で、電源三法交付金がどのような事業に活用されているのか広く県民に周知すべきという声があったことなどを踏まえまして、平成二十三年度当初予算案の公表に当たりましては、電源三法交付金の県活用事業を一覧という形で初めて公表したところでございます。
44 ◯相川副委員長 諏訪委員。
45 ◯諏訪委員 一覧を見ますと、オールマイティーというか、
弘前大学医学部入学生特別対策事業、西北五
地域保健医療圏自治体病院機能再編整備費補助、
がん診療連携拠点病院機能強化事業費補助、県立学校大規模改修費、
弘前中央高校校舎建築調査設計費、こういうのがみんな入ってきているわけです。何というか、何にでも入ってきている。
県立つくしが丘病院、丸々入りました。つがる、むつの克雪ドーム、これも丸々この交付金で建てられている。十和田市の美術館。まあ、青い森鉄道は五十億円の基金を積み立てるということで対応しているのですが、ほかに、
核燃料物質等取扱税は五億ふえて百五十六億円と。いわば、この核燃税とこうした電源三法交付金の交付によって財政運営がされている、ないしは、これなかりせば予算編成はできない、そういう理解でいいんでしょうか。
46 ◯相川副委員長 総務部長。
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◯田辺総務部長 核燃料物質等取扱税につきましては、
核燃料サイクル施設等の立地に伴う安全確保・民生安定・
生業安定対策等の実施に要する財政需要に基づき算定している法定外普通税で、平成二十三年度当初予算においては約百五十六億円を計上しています。
また、電源三法交付金については、立地周辺地域はもとより、広く県全体の振興を図るため、産業・雇用、医療、福祉、人材育成など本県の実情を踏まえた地域振興の推進のために国から交付されるものであり、二十三年度当初予算において、県事業分として約三十九億円を計上しております。
財政運営に当たっては、これらを含むさまざま財源の確保に努めるとともに、これらを有効に活用しながら各種施策の推進に努めていきたいと考えております。
48 ◯相川副委員長 諏訪委員。
49 ◯諏訪委員 やはり、そういう財源がないと予算編成ができないという状況下に──青森県の財政運営はそういう環境に置かれているということなんだと思うんですよ。
それで、私は比較はよくわからないんですが、こういう電源三法交付金の本県における額と、例えば原発銀座と言われている福井だとか新潟だとか、まあ、福島は今ああいう状況になっていますけれども、入ってくる額の水準といったらいいか、比較からすればどういうものなんだろう、何か掌握していることはありますか。
50 ◯相川副委員長
エネルギー総合対策局長。
51
◯阿部エネルギー総合対策局長 お答えいたします。
今般の制度改正以前の国の制度によりますと、サイクル施設については、みなし出力という形で交付金の算定がなされております。このみなし出力──発電所の場合はその出力で交付金が算定されると。
で、従来のみなし出力の考え方からいくと、サイクル施設は非常に評価が低い。例えば再処理施設の場合は、みなし出力でいくと三百二十万キロワットということで、原子力発電所約三基分程度というような形でございますので、県としては、これまでも、国に対し、全国に一つしかないサイクル施設の評価が低いということで、交付金制度を改めるようにということで要望してきたわけですけれども、今般の改正によりましてこれが充実強化されたということでございます。
52 ◯相川副委員長 諏訪委員。
53 ◯諏訪委員 あと一つだけ聞いて終わりますが、今回の震災に対する対策として、補正して財政調整基金で対応するということで、これは、三月、当面のぎりぎりの対応だというお話もあったんですが、今度の大震災に関しての国の動向──今後、引き続き、四月、五月、六月以降もずっと対策、手を打っていかないとだめなんだと思うんですが、この点での国の動向というか、国の大きい考え方なり、何か示されているものがあるでしょうか。
54 ◯相川副委員長 総務部長。
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◯田辺総務部長 災害発生後、本県もそうでございますが、政府におかれても、あるいは各県におかれても、まさに今は、被災者の人命救助あるいは生活の安定ということを最優先にやっているところでございますので、復興に向けてお金をどういうふうに措置するかとか、そういうことについて具体的な方針というのはまだ決まっていませんが、本県も、これから引き続き、人命の救助、被災者の生活の安定に力を入れていくとともに、さらに、産業の復興あるいは公共施設の復旧、いろいろな対策を講じていかなければなりません。それには本県だけの財政では到底賄えるものではございませんので、やはり国の強力な支援というのが必要でございます。引き続き、我々の災害復興のあり方がスムーズに、一日も早くできるよう、我々の対策を講じるための国の支援についても近く求めていきたいというふうに考えてございます。
56 ◯相川副委員長 諏訪委員。
57 ◯諏訪委員 次に移ります。
歳出十款五項一目「特別支援学校費」。平成二十二年五月一日現在、特別支援学校の臨時講師のうち学級担任であった者は何人なのか伺っておきます。
58 ◯相川副委員長 教育長。
59 ◯橋本教育長 小学校、中学校及び高等学校の学級担任は、通常、一学級に教員一人となっておりますが、特別支援学校では、よりきめ細かな指導が必要な場合には、学級担任に加え、子供の障害の状況に応じた教員の配置を行っております。
特別支援学校の平成二十二年五月一日現在における臨時講師の配置人員は百八十八人となっておりますが、学級担任をしている臨時講師は四人となっております。それ以外の臨時講師百八十四人については、教諭の学級担任とともに学級指導や学級活動等を支えたり、子供一人一人に応じた教科指導や自立活動の支援に当たっております。
60 ◯相川副委員長 諏訪委員。
61 ◯諏訪委員 学級担任数は四人、その中で、担任補助という資料をいただいて、それが百六十一名と。担任補助という言い方というのはこれまでもしてきたんでしょうか。
62 ◯相川副委員長 教育長。
63 ◯橋本教育長 資料の記載がそういうふうになっておりますが、補助的な業務をしているということで、担任補助という言葉があるわけではありません。
64 ◯相川副委員長 諏訪委員。
65 ◯諏訪委員 実は、前に一般質問でこの問題を取り上げて、全県でいえば担任を受け持っている臨時の講師は幾らですかという問いをしたときに、全部で四百三十という数字が出てきて、その際、特別支援学校の学級担任を受け持っているのが十三という数字があったんですね。それで、高等学校教職員組合の皆さんがこれは余りにも少ないと言うので、事情を各学校に問い合わせたんですよ。そうしたら、こんな数字でないということがわかってきたもんですから──実際は三人とか四人とかでチームを組んでやっているんですが、臨時講師が学級担任を受け持っていると。で、正規の職員といわば同じ仕事をしているということ等がいろいろ調査の中でわかってきて、そんな程度ではないということになって、改めて県教委に聞いたんです。そうしたら、学級担任数は四人しかいないと。あとは、学級担任を補助する方々で百六十一名だと。そうなると、この担任の補助という言い方は従来とも使ってきたものなのだろうかと。もしそうだったら、臨時講師の皆さんに、学級担任を受け持っているんでないんです、受け持っているのは正規の職員であって、それはあくまでも正規の職員を補佐する担任補佐なんだということを言ってあげないと、みんな学級担任を受け持っているという認識でいるんですよ。それで、正規の職員と同じ仕事をしている。この辺について何か見解はありますか。
66 ◯相川副委員長 教育長。
67 ◯橋本教育長 例えば特別支援学校の場合には、重複学級は三人で一学級という基準になっておりますけれども、実際、特別支援学校の教育というのは、普通の小学校や中学校のように壁を隔ててここで授業をやるというよりは、多様な障害がありますので、その障害の程度とかいろいろなことに応じて、移動とか身辺自立に一人つかなければならないとか、そういうふうにお互い補いながらやっているところがありますけれども、私どもとしては、このクラスの担任はだれというふうなことですが、実際はそのような形で臨時講師の先生も同様にやっていただいているわけであります。そういうことで、職務上の違いというものは決してないというふうに認識しております。
68 ◯相川副委員長 諏訪委員。
69 ◯諏訪委員 職務上の違いはない。ただ、労働条件上の違いはある。断トツにある。ここが問題なんだ。同じ条件で同じ仕事の内容をしていながら、臨時ということで労働条件が格段に下がる。生徒を教育するのは同じなんです。ただ、教職員の皆さんに差があってはならないんで、子供の教育にとって。ですから、せめて幾らかでも彼らの負担を減らしてあげる、身分、待遇を一歩でも二歩でも改善してあげるということで、ぜひ何か検討してもらいたいんですよ。これだと、同じ仕事をしても労働条件の身分上、待遇上の問題で断トツに差があるという問題点がありますので、今後何かしてあげるということについて見解はありますか。
70 ◯相川副委員長 教育長。
71 ◯橋本教育長 今、担当課に指示をして、そういうことが少しでも改善できないかということで──処遇の改善が少しでもできないかということで研究させていただいておりますので、少し時間をいただきたいと思います。
72 ◯相川副委員長 諏訪委員。
73 ◯諏訪委員 それから、地方公務員法二十二条二項で──これはやりとりしません、指摘にとどめますが、これを根拠にして臨時任用という形でやっている。
臨時というのは、災害が発生し、その復旧に緊急の人手を要する場合、年度中途に施設が完成して供用され、正規の職員を補充するまでとりあえず要員を充足する必要がある場合。臨時の職とは、地方公共団体の業務が一時的に多忙となる時期に雇用されるいわゆるアルバイト、パートタイマー、災害その他緊急時に一時的に雇用される労働者だ。これが臨時雇用の性格なんです。臨時ですからね。その臨時雇用に正規の職員と同等の仕事をさせ続けているという点で法律上の無理がある。地方公務員法の法律の改正がない限り、やっぱり無理があるんだと思うんです、それを根拠にするというのは。この点でもぜひ今後検討していただきたいというぐあいに思います。
次、歳出十款一項四目「教職員人事費」。教員採用候補者選考試験の日程はどのように決定しているか。今年度、教員採用候補者選考試験は青森県中学校体育大会夏季大会と日程が重複していたが、来年度における県教育委員会の対応について伺います。
74 ◯相川副委員長 教育長。
75 ◯橋本教育長 まず、日程の決定についてですが、教員採用候補者選考試験は、第一次試験及び第二次試験を実施しており、前年度の教員の人事異動結果や当該年度の退職見込み数を勘案して、募集教科・科目や人数とともに日程についても当該年度に入ってから決定しております。
第一次試験は、筆記試験、集団討論及び水泳実技試験を実施しており、毎年度、二千名を超える志願者がいることから、県立高校三校を試験会場として実施しております。
このため、第一次試験の日程は、試験会場となる学校の行事等に影響がないよう夏季休業中とすることや、合格者を選考するための期間等を総合的に勘案し決定しているところです。
次に、中学校体育大会夏季大会との日程の重複についての対応であります。
今年度の教員採用候補者選考試験は、平成二十二年七月二十五日及び二十六日の二日間で実施したところです。一方、青森県中学校体育大会夏季大会は、青森県中学校体育連盟が主催する行事でありますが、七月二十三日から三日間実施され、最終日の七月二十五日については、教員採用試験の一日目と日程が重複したところであります。
来年度の教員採用試験の日程につきましては、七月二十八日からいわゆるインターハイが開催されることなども踏まえる必要がありますが、最大限努力し、決定をしてまいりたいと考えております。
76 ◯相川副委員長 諏訪委員。
77 ◯諏訪委員 みんなそれぞれ場所を確保するために手を打っているんですよ。採用試験の日程は七月の二十二日、二十三日、中体連の大会は七月の二十三日から二十五日、これは全部場所を確保しているんでしょう。
78 ◯相川副委員長 教育長。
79 ◯橋本教育長 やはり、大きなものですので、一応仮予約ということでは入れておりますけれども、先ほども答弁いたしましたけれども、どのようなことになるかということがまだ定まらないものですから、当該年度に入ってから正式決定したいと考えております。
80 ◯相川副委員長 諏訪委員。
81 ◯諏訪委員 最大限重複させないようにしていただきたい。中体連で行く臨時の先生が自分の採用試験を受けられないなどということがあってはならない。だから、重複させないようにしたいという構えをまず見せていただきたいんですよ。その上で、いろいろやってみて、重複させないということを前提にして作業を進める、まずそれを前提にしていただきたいんですが、いかがでしょうか。
82 ◯相川副委員長 教育長。
83 ◯橋本教育長 委員おっしゃるとおり重複させないのがベストでありますけれども、さまざまな事情からどうしても重複せざるを得ない場合があります。しかしながら、先ほど委員から仮の予想の日程がありましたけれども、もしその日程でいく場合には、中体連の一日目の開会式が重なるという形になります。そうしますと、試合は次の日からということですので、そのようなことで最大限の努力を払ってまいりたいと考えております。
84 ◯相川副委員長 諏訪委員。
85 ◯諏訪委員 重複しないようにぜひお願いします。
歳出十款一項九目「学事振興費」、私立高等学校の入学金について。ゆきとどいた教育を考える三八の会が八戸地区の私立高等学校に対して入学金の納付期限を県立高等学校の合格発表後にするよう要望した件について、県の見解を伺います。
86 ◯相川副委員長 総務部長。
87
◯田辺総務部長 試験日程や入学手続の期限につきましては、私立高等学校の設置者である学校法人がさまざまな事情を考慮して設定しているものです。したがって、入学金の納付期限をどのような時期に設定するかについても当該学校法人が適切に判断すべきものと考えています。
88 ◯相川副委員長 諏訪委員。
89 ◯諏訪委員 入学の手続は何によって決定するんですが、私立高校の入学とは。入学金を払えば入学のための手続が完了するんですか。何によって成立するんですか。その私立高校に入学することを決定するというのは何によって決めるんですか。
90 ◯相川副委員長 総務部長。
91
◯田辺総務部長 これまでの最高裁の判例によりますと、入学金は生徒が当該学校に入学し得る地位を取得するための対価の性質を有するものであり、入学金の納付後に入学辞退等により在学契約等が解除され、また失効されても学校は返還義務を負わないものという判例がございます。
92 ◯相川副委員長 諏訪委員。
93 ◯諏訪委員 何によって入学手続が完了するのかと聞いているんです。
94 ◯相川副委員長 総務部長。
95
◯田辺総務部長 先ほど申しましたように、入学金によって入学し得る地位を取得するための対価を得ますので、最終的には入学者の意思によって決定されるということになります。
96 ◯相川副委員長 諏訪委員。
97 ◯諏訪委員 つまり、入学するしないは本人の意思で決まるということなんでしょう。入学金というのは、入学する意思があって払うものなんですよ。入学しないといったら入学金は払わないんですよ。入学というのは本人の意思なんですよ。ですから、先ほど総務部長が言ったように入学し得る地位を取得するための対価であるんですが、これはそもそも参考例で、大学の場合最高裁の判決として出ているもので、その際に書いているのは、その後に在学契約等が解除され、あるいは失効しても大学はその返還義務を負わないと。つまり、在学契約等が解除され、あるいは失効してもという意味は、本人が入学をするという意思を持って入学手続も終わり、そういう手続を経た上で入学しないということについて、入学金の返還は求められないという意味を言っているんですよ、これ。ですから、入学は本人の意思で決めるわけですから、そこに入らないということだったら入学金を払う必要はないわけです。
したがって、質問したように、県立高等学校の合格発表前にしないで県立高校の合格発表後に入学金を払うという手続をやれば、自分は県立高校に合格したんだからそっちのほうの学校に行きます、これは本人の意思でそうなる。私立のほうには行きません、そうなるんですよ。あくまでも本人の意思で入学を決めるんですよ。決めた段階で入学金を払う、これが筋なんだと思うんですが、どうですか。
98 ◯相川副委員長 総務部長。
99
◯田辺総務部長 入金の納付期限というのは私立学校においてもさまざまでございまして、県立の前期合格発表日前は七校、県立の後期合格発表日前が二校、県立の後期合格発表日以降が八校ということで、さまざまなやり方があります。それは、最終的には学校法人の判断ということになります。
100 ◯相川副委員長 諏訪委員。
101 ◯諏訪委員 やっぱり、常識的に考えるということが大事で、この問題では常識的に考える。だから、三八以外の学校は全部入学金を取るのをやめにしたんですよ。全部やめにした。三八だけにまだ残っているわけですよ。入学しないんだから、払ったものは返してあげなさいと、これは常識的に、道義的に判断する必要があるということだけは言っておきたいと思います。
102 ◯相川副委員長 総務部長。
103
◯田辺総務部長 さまざまな考え方がございます。青森県の状況もありますし、例えば東京の状況だとどういうことになっているかといいますと、東京だと私立の中学校の受験というのは非常に頻繁に行われます。そのときに、第一希望、第二希望、第三希望、第四希望と四校ぐらいかけ持ちで受験されるお子さんたちもいらっしゃるんです。そのときに、それぞれの入学試験日ですとか入学金の手続の期限というのはばらばらなので、例えば四校ぐらい入学金を払って、全部合格しちゃって、それでも一校に進学する、こういう例もあるわけでございます。まあ、いろいろな考え方があるということで御紹介させていただきます。
104 ◯相川副委員長 諏訪委員。
105 ◯諏訪委員 世論上の問題もありますので、引き続き……。
歳出五款一項三目「雇用対策費」及び歳出五款二項二目「職業訓練校費」、学卒未就職者対策について。この事業によって未就職者全員が支援を受けられる見通しについて伺います。
106 ◯相川副委員長 商工労働部長。
107 ◯櫻庭商工労働部長 お答えします。
青森労働局によりますと、平成二十三年三月新規高等学校卒業者の一月末現在の未内定者は九百十八名と前年同時期に比べまして七十四名少なくなっており、昨年三月末の未内定者が四百十一名であったことを踏まえれば、このままの状況で推移すれば昨年三月よりも少なくなるものと見込まれております。
いずれにしても、県としては、まず、年度内に一人でも多くの方が就職できるよう、昨年度に引き続き、県特別保証融資制度におきまして、新規学卒予定者等を雇用する中小企業者に対して最も有利な融資率〇・八%で事業資金を融資する雇用創出特別支援枠を創設するなどの支援を行っているところでございます。
また、卒業までに就職が決まらない方に対しましては、学卒未就職者を対象とした職業訓練コースの新設や拡充、緊急雇用創出対策事業等の基金事業を活用した未就職者の人材育成や雇用促進によりまして、合計四百九十人分の支援を実施することとしております。
さらに、国においても、さまざまなハローワークを通じました関係がございますので、まずは、一人でも多くの就職を三月までに決めるということに全力を注ぎたいというふうに考えてございます。
108 ◯相川副委員長 諏訪委員。
109 ◯諏訪委員 学卒未就職者等地域人財育成事業費、これは派遣会社を通すわけです。全国的にやはり問題も起きていて、これは愛知県のハローワークですが、派遣会社が未就職者を一定期間雇用し、そこから別会社に送り、体験雇用をさせ、その会社が必要とした場合は正規雇用する。別会社では、一定期間無料の労働力を確保でき、最終的に正規雇用、正規採用しなくてよく、賃金などの費用は国が負担するという。売り込みに来た派遣会社の営業は、最終的に就職できるのは多くないと説明した。こんな対策を国が実施していると聞いて?然としたと。派遣会社を通してやるとどうなるかという不安があるんですよ。これは大丈夫でしょうか。
110 ◯相川副委員長 商工労働部長。
111 ◯櫻庭商工労働部長 民間の派遣会社を使った場合ということの御指摘と御質問でございます。
私どものほうとしても、それなりのノウハウを身につけていただくという部分では、そういう人材派遣会社を活用することよってさまざまなノウハウを取得できるのではないかということを期待してございます。これは民間提案という形ですね。ただ、委員から御指摘のように、必ずしも再就職が絶対的な条件というふうにしていないものですから、ベースとしては、ノウハウを生かして人材の育成をやっていただく、で、一年間の中で次の就職先につなげていただけるような取り組み──そこは、人材派遣会社の質の問題が依然として出てくるだろうということは十分認識してはおりますけれども、さまざまな会社──特定の企業、人材派遣会社ということではなくて、さまざまな会社を使いながら、お互い比較検討しながら、いい点、悪い点というものを検証していきたいというふうに考えております。
112 ◯相川副委員長 諏訪委員。
113 ◯諏訪委員 派遣会社にそのままやるんでなくて、県が独自に県内の中小企業から実習先を開拓して、希望者へのマッチングまで面倒を見ているというところも結構出てきているので、その辺の有効な雇用対策をとっていただきたいというぐあいに要望申し上げておきます。
歳出七款一項十目「新産業創造費」、高性能光学素子等関連事業化加速事業について。県としてクリスタルバレイ構想は破綻したと認めるのか聞きます。
114 ◯相川副委員長 商工労働部長。
115 ◯櫻庭商工労働部長 お答えします。
まず、クリスタルバレイ構想の策定以降、FPD関連産業におきましては、議会でも答弁させていただいているように、市場の寡占化が進んだ、それから大型設備投資が一巡するという急速な環境変化がございました。
このため、十九年度に対象分野を広げるというような見直しをしてきたところでございますけれども、リーマン・ショック、中国、そういうさまざまな経済のグローバルの中で、構想に掲げた最終的な整備目標は達成できていないというのが現状でございます。
しかしながら、この間、急激な産業構造の変化の中にあっても、立地企業として培われた技術ですとか技術者、研究成果、あるいは事業化の芽というものがございます。さらに、人財ですとか、ネットワークですとか、これまで培ってきたさまざまなものは今後の産業振興の中で十分生かしていけるものというふうな認識を持ってございます。
ただ、立地した企業が倒産して、従業員が失業を余儀なくされたという事態に至ったことについては重く受けとめまして、今般取りまとめた構想の取り組みと課題を踏まえまして、本県の喫緊の課題である産業・雇用の創出に引き続き取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
116 ◯相川副委員長 諏訪委員。
117 ◯諏訪委員 この構想が破綻したのを認めるかと聞いているんです。もう終わったんですよ。三月いっぱいで終わりなんです、十年だから。だから、これをどう見るかと。あの目標からすれば達成できていない。だから、破綻をまず認めて──次の構想というのはないんだから、生かしてずるずるいくという形になりますから──何か次の構想というのをまた立ち上げるんですか。どうなんでしょう。
118 ◯相川副委員長 商工労働部長。
119 ◯櫻庭商工労働部長 当初のクリスタルバレイ構想に掲げた目標は、規模ですとか従業員の関係、それらについては全く達成していないという事実はございます。それは素直に認めなくちゃいかぬということで理解しておりますけれども、ただ、それがすべてということじゃなくて、先ほど申し上げましたように、さまざまなネットワークですとか、あるいは技術の芽というものも出てきております。また、人財育成でもさまざま取り組んできた部分、それらを生かしていくということは、今後とも、産業政策の中で──その辺の課題という部分も含めまして、産業政策として生かしていきたいというふうに考えております。
120 ◯相川副委員長 諏訪委員。
121 ◯諏訪委員 これまでの本会議場でのやりとりをずっと見てきて、素直でないんですよ。まず認めればいいんですよ。まず認めて、そのことについて県民に率直にお話しして……(発言多し)
122 ◯相川副委員長 静粛にお願いします。
123 ◯諏訪委員 ……その上で生かすものは生かしていくとつなげていけばいいんですよ。そういう姿勢が見えないので、ましてや、知事が立って率直に知事自身の言葉で語るということもまたないもんだから、まず、素直に、率直にそういう姿勢で臨むべきだということを指摘しておきたいと思います。
ただ、リース料を払えなくなって何年たつんですか。何月何日から払えなくなったんですか。今日までずっと破産申し立てするときまで払うことが不可能であった。
ちょっと確認したいんですが、その間、財団はどうしたんですか。県には何か相談があったんですか。
124 ◯相川副委員長 商工労働部長。
125 ◯櫻庭商工労働部長 エーアイエス株式会社のリース料の関係でございます。
これまでも、繰り上げ償還等の話は議会のほうで答弁させていただいております。建物三十九億円につきまして、平成二十年度のリース契約の一部を変更しまして、契約の最終月である二十三年四月までのリース料の残額約十四億円を償還する計画というふうにしてございます。で、結果的には、二十年九月分以降からは支払われていないという状況になってございます。
その間に、21あおもり産業総合支援センターとの関係は、そのリース料の延滞のみならず、さまざまな金融機関からの借り入れ等についてももちろんございますので、金融機関等も交えながら、借入金の元本についてどのように扱うのかというようなことも、リース料もそれも含めまして、あわせてシンジケート団等も含めまして協議を続けてきたということでございます。その間に、経営の好転を期待しながら、さまざまな経費の削減ですとか、そういう面でのアドバイス等は行ってございます。
126 ◯相川副委員長 諏訪委員。
127 ◯諏訪委員 二十年八月分でとまる。そうすると二年の期間がある。二年間支払不能に陥った。みんな知っていたんでしょう、その時点から。県議会にも委員会にも何の情報も入ってこないでしょう。なぜなんでしょう。
128 ◯相川副委員長 商工労働部長。
129 ◯櫻庭商工労働部長 先ほどもお答えしたように、リース料のみならず、金融債務、それらについて金融機関団等もあわせましてさまざまな協議をさせていただいた中で、条件変更という形で償還時期をずらすという形での猶予をしたという事実がございます。決して、単独に21財団のリース料だけ返済を猶予するというような形ではなくて、金融機関も含めて対応策を協議させていただいたという経緯がございます。
130 ◯相川副委員長 諏訪委員。
131 ◯諏訪委員 時間配分のことがあります。
歳出七款一項七目については要望にとどめておきます。誘致企業の撤退件数、事業規模の縮小、それによって失われた雇用者数、これについては、把握できているものもあるけれども、どれだけ失われたか全体として雇用数がつかめない、事業縮小した誘致企業数も状況を把握できていないということなので、今後、このクリスタルバレイ構想の総括も含めて、そういう状況把握をしっかりされるように要望しておきたいと思います。
歳出八款五項三目「公園事業費」、青い森セントラルパーク低炭素型モデルタウン普及促進事業について。優先交渉権者の選定後、民間事業者が何の財源をもって事業を進めていくのか伺っておきたいと思います。
132 ◯相川副委員長 県土整備部長。
133
◯竹内県土整備部長 モデルタウン事業でございますけれども、現在、民間事業者等で構成する共同企業体からの事業提案を募集しているところでございます。その後、審査委員会による審査を経て優先交渉権者を決定することとしております。その後、県と市と優先交渉権者との間で協議を行い、いろんな施設の配置等を含めた事業計画を策定し、行政と民間事業者の役割を定めた上で事業を進めることとしております。
そのための事業者側の財源につきましては、公募の中で資金収支計画の提案を求めているところであり、詳細につきましては現時点では不明でございますけれども、一般的には開発事業者みずからが資金調達をして事業を進めていくというふうに考えております。
134 ◯相川副委員長 諏訪委員。
135 ◯諏訪委員 イロハのイを聞きます。県と市が取得した土地を結局事業者に売却するんですか。そして、事業者は、その土地を活用して低炭素型モデル事業をやって、一般の市民、県民に売却をすると、ぜひ買ってくださいと、こういうことでいいんでしょう。どうですか。
136 ◯相川副委員長 県土整備部長。
137
◯竹内県土整備部長 青い森セントラルパークにつきましては、全体が十二・八ヘクタールあるわけでございますけれども、その中に、いわゆる公共施設、緑地は五ヘクタール以上確保しなさいというふうに決めてございます。さらに、駅前の広場とか道路を計画し、さらには研究施設、さらに、いわゆる低炭素の住区といいますか、それを配置しなさいというふうなことになっておりまして、いわゆる住区の部分について民間事業者が取得をする──すべてじゃなくてですね、というふうな計画になってございます。
138 ◯相川副委員長 諏訪委員。
139 ◯諏訪委員 いずれにしても、全部でないにしても、事業者、企業に土地を売却するわけでしょう。県か市かどっちのほうの比重、割合が多くなるかわかりませんけれども、いずれにしても、取得した土地を売却するわけですよ、一定の面積を。で、それを市民、県民に住宅を建てて売って、そういうものが財源になってくるんですよ。まあ、最初は一定の資金を確保して事業者は事業を進めるんでしょうけれども。そういうサイクルになるわけでしょう。果たして、そこにああいう住宅をつくって、低炭素型とは聞こえはいいけれども、どれほどの値段で売るんだろうと思うんですよ。買うのだろうかとも思うんですよ。
それで、今度のような大震災が起きて、あの広大な土地に仮設住宅でもまず建てようというようなことで、あの広大な土地を防災の観点から有効に活用するということなどもちゃんと考えたらいいんだと思うんです。つまり、あのままの状態にしてあげるということも一つの有効活用になるのであって、結構そういう意見を持つ人はいるんですよ。わざわざ事業者に土地を売って事業をやらせてというぐあいにやっても、うまくいかないって。あれはあのまま残しておこうという見解もあるので、ぜひそういう見解をも受けとめて対応していただきたい──そうなるというわけにはいかない、もう進んでまってるわけだからね。そういう余地は入らないんでしょう、もう。
次に移ります、時間配分もありますんで。
既存住宅ストック性能向上については、一定ちょっと条件上のことがあるのでね。例えば山形県や秋田県──秋田県ではもうそういう条件はつけないと。山形県でも、外壁の改修、屋根の塗装、水回り改修、畳表がえ、それぞれ結構範囲を広げてやってくれていますので、今後の制度の活用に当たってはできるだけ取り込んでいっていただくようにできないものか。答えがあったら、何か一言──長くでなくて、一言お願いします。
140 ◯相川副委員長 県土整備部長。
141
◯竹内県土整備部長 今回の事業でございますけれども、非常に限られた予算ということもございまして、やはり、県が進める住宅の施策の中で今回の事業を進めるということで、耐震性とか、いわゆる省エネ性能の向上とか、そういうのを目指してございますので、すべて何でもありというぐあいにはいかないというのが実情でございます。
142 ◯相川副委員長 諏訪委員。
143 ◯諏訪委員 例えば、省エネ対策だといってふろを直す、省エネ対策だといって流しを直す。解釈によっていろいろ取り込んであげるということも大いに可能なので、ぜひ柔軟な対応を求めておきたいというぐあいに思います。
最後、歳出八款三項六目「河川海岸国直轄事業負担金」、高瀬川における国直轄事業について。小川原湖の水質悪化の要因と対策について伺います。
144 ◯相川副委員長 県土整備部長。
145
◯竹内県土整備部長 小川原湖を管理しております高瀬川河川事務所では、平成二十一年から、学識者、国、県による小川原湖水環境技術検討委員会で小川原湖の水質悪化のメカニズムについて検討を進めております。
水質悪化の要因でございますが、現在検討途中でございますが、長年にわたる流域からの汚濁負荷の流入、それから、近年の海からの塩分の侵入量の増加が考えられるというふうに聞いてございます。
このため、水質対策につきましては流域全体の取り組みが必要でございますので、平成二十三年度に、国、県、流域関係市町村による水環境対策協議会を設立しまして、小川原湖水環境全体計画を策定することとしております。
全体計画では、それぞれの主体が、下水道整備等の流域対策、植生浄化等の湖内対策、塩水対策等を行うことが予定されておりまして、県としても、積極的に国、市町村と連携して水質対策を図っていきたいというふうに考えております。
146 ◯相川副委員長 諏訪委員。
147 ◯諏訪委員 平成十四年からEM菌の大量散布が行われている、平成十九年ごろから水質が悪化し出してきている、そういう報告もあるんですが、この菌の散布が水質を一層悪化させた、それが要因であるという見解を対置している人もいます。そのことについて何か検討されたことはあるんでしょうか。
148 ◯相川副委員長 県土整備部長。
149
◯竹内県土整備部長 県土整備部としては、その件に関しては特に検討はしておりません。
150 ◯相川副委員長 環境生活部長。
151 ◯名古屋環境生活部長 EM菌の散布によって小川原湖の水質に変化があったのかということについてお答えいたしますが、小川原湖へのEM菌の散布は、委員おっしゃったとおり平成十四年七月に始まり、平成十五年度から年間を通して本格的に実施されております。
小川原湖の水質について、有機汚濁の指標でありますCOD(科学的酸素要求量)で見ますと、平成十五年度は、環境基準値であります三ミリグラム・パー・リットル程度でありまして、それまでの測定結果と大きな変化は認められないということがございます。また、EM菌の散布量は、十四年度の散布から平成十九年度まで年間約百トンで変化がないということがございますので、そういったことから考えて、小川原湖の水質が、先ほど委員おっしゃったように平成十九年度に急激に悪化しているということでありまして、これは、中央地点でCODが五・一ミリグラム・パー・リットルということで、環境基準であります三ミリグラム・パー・リットルを大きく超過しているということがございます。
こういった状況から判断いたしますと、EM菌の散布と小川原湖の水質について直接的な関連性はないのではないかというふうに考えております。
152 ◯相川副委員長 持ち時間を超過しておりますので、これをもって諏訪委員の質疑を終了いたします。
ここで、執行部入れかえのため、少々お待ちください。
〔執行部職員入れかえ〕
153 ◯相川副委員長 高橋修一委員の発言を許可いたします。──高橋委員。
154 ◯高橋委員 自民党の高橋修一でございます。
まずもって、このたびの地震、津波により亡くなられた方々の御冥福をお祈りいたします。と同時に、今なお被災されておる方がたくさんいらっしゃいます。心よりお見舞いを申し上げます。
地震発生からちょうど三日ぐらいたとうとしておりますけれども、県知事、また副知事、教育長、警察本部長、また、各部長、執行部の皆さん、不眠不休でその対策に当たられているものと思います。県民の一人として心から感謝を申し上げます。今なお余震も続いておりますので、引き続き万全の対策を講じていただくよう、これまたお願いをする次第であります。
私からは、こういう事態でもありますので、それぞれ通告の順に簡潔に質問をさせていただきたいと思っておりますので、場合によっては割愛する部分もあろうかと思いますが、御答弁いただく際も簡潔明瞭に御答弁いただければ結構でありますので、よろしくお願いいたします。
それでは、歳出六款六項四目「水産業企画調査費」及び歳出六款六項十目「水産業振興費」、ホタテガイへい死対策及び再発防止に向けた取り組みについてであります。
初めに、生産の回復に向けた取り組みの全容とそのスケジュールについて御答弁願います。
155 ◯相川副委員長 農林水産部長。
156 ◯有馬農林水産部長 陸奥湾のホタテガイの生産の回復を図るためには、来年以降の生産に必要となる稚貝の確保が最も重要となりますことから、平成二十一年生まれの親貝を、産卵が終了することしの四月以降まで出荷を抑制し、産卵数を確保することとしています。
また、採苗器を三月末までに大量に作製しまして、それを四月から五月にかけて例年よりも拡大された採苗区域の海中に設置し、七月には稚貝をより多く採取する予定で取り組みを進めているところです。
さらに、平成二十二年生まれの稚貝の一部については、平成二十四年の春の親貝用として、関係漁業団体等と連携し、育成することとしております。
157 ◯相川副委員長 高橋委員。
158 ◯高橋委員 引き続きまして、被害を受けた生産者の収入の減少が予想されますけれども、これをどのようにして補っていくのか御答弁願います。
159 ◯相川副委員長 農林水産部長。
160 ◯有馬農林水産部長 被害を受けた漁業者が共済制度に加入している場合は、契約内容に応じて共済金が三月末あるいは四月末に支払われることになっているほか、経営資金として、県が発動いたしました農林漁業災害経営資金、生活資金としましては、青森県信用漁業協同組合連合会などの用意した漁業高水温被害対策生活資金を活用することができます。
また、漁業者等の収入補てんと雇用の確保を図るため、平成二十三年度は、採苗器の大量投入やホタテ貝殻を活用した漁場づくりなどに約二億三千万円の雇用対策事業を実施することとしております。
さらに、関係市町村においても、市町村民税や国保税等の減免のほか独自の雇用対策などを用意しており、これらを通じて、被害を受けた漁業者の負担の軽減を図っていくこととしています。
161 ◯相川副委員長 高橋委員。
162 ◯高橋委員 しっかり取り組んでいただきたいと思います。
引き続きまして、再発防止のための今後の具体的な取り組みの内容につきましてお伺いをいたします。
163 ◯相川副委員長 農林水産部長。
164 ◯有馬農林水産部長 再発防止に向けた取り組みにつきましては、へい死の要因として、水温二十六度以上の日数が多かったこと、また、養殖かご内の収容密度が高いものや、高水温期に養殖かごを上げた回数が多いもので被害が大きい傾向が見られました。これらを踏まえまして、ことしの夏までに、ホタテガイ養殖業者を対象としまして、養殖管理方法を普及指導する講習会を漁協ごとに開催することとしております。
また、専門家委員会からの提言を踏まえまして、漁場環境モニタリングの充実を図るため、陸奥湾海況自動観測システムに加えまして、特にへい死率の高かった地域の養殖漁場内において、水温や塩の流れ、酸素の量を測定する機器を設置しまして、これらの測定結果をもとにして、水温予測技術や、高水温が発生した場合でも大量へい死を抑えるための養殖技術の開発、こういった取り組みを行うこととしております。
165 ◯相川副委員長 高橋委員。
166 ◯高橋委員 ホタテの関係の最後になりますけれども、昨年の夏のへい死に伴う生産への影響、それから、ちょっと心配しているのは、今回の地震による影響がないのかというのも心配でありますけれども、その分も被害状況がわかれば今教えていただきたいんですが、それも含めて、今後の生産への影響がどのようになっていくのか、いつごろまで続くと見込まれているのか、この部分を最後にお伺いいたします。
167 ◯相川副委員長 農林水産部長。
168 ◯有馬農林水産部長 生産への影響でございますが、平成二十二年生まれの稚貝がへい死しましたことから、それに伴いまして、平成二十三年──本年の四月から六月ごろまでに出荷される半成貝、それから七月から十二月ごろまでに出荷される新貝、平成二十四年──来年の一月から出荷される成貝の生産にその影響が及ぶことが懸念されています。
このため、七、八月に採取される稚貝の確保に向けて全力で取り組んでいるところでありまして、これらを通じて、ことしの採苗及び稚貝採取が順調に行われ、必要な稚貝数が確保されることになれば、平成二十四年四月の半成貝の出荷以降には生産の回復が期待できるものと見ています。
なお、今回の地震の被害については、まだその詳細は明らかに把握いたしておりません。今後、詳細な分析をしていきたいと思っています。
169 ◯相川副委員長 高橋委員。
170 ◯高橋委員 それぞれ御答弁ありがとうございました。
昨年の夏以降、それぞれ補正予算を組んでいただいて、緊急的な対策は講じていただきました。それで、来年度の当初予算が実質的にはホタテの再生に向けたスタートという予算になろうかと思いますので、今般の地震による影響も心配ではありますが、これも含めて、一日も早い陸奥湾の再生のために引き続き御尽力いただくことをお願いいたします。
次であります。歳出七款二項一目「観光振興費」、コンベンションの誘致促進についてであります。
初めに、本県におけるコンベンションの開催状況を簡潔に御答弁願います。
171 ◯相川副委員長 商工労働部長。
172 ◯櫻庭商工労働部長 最近のコンベンションの開催と誘致状況でございますけれども、さまざま積極的に取り組んできた中で、毎年九月に行っている県の調査によりますと、コンベンションの開催状況は、平成二十年度は百五十二件、参加者数が三万五千七百六十六名、平成二十一年度は百八十一件、七万八千六名で、今年度平成二十二年度は、百七十件で四万七千三十三名の予定となっております。
173 ◯相川副委員長 高橋委員。
174 ◯高橋委員 引き続き、来年度平成二十三年度に向けた県の取り組み、それから開催の予定を御答弁願います。
175 ◯相川副委員長 商工労働部長。
176 ◯櫻庭商工労働部長 来年度の予定と取り組み状況でございます。
東北新幹線の全線開業ということで開催団体への誘致活動も積極的にやった結果、二十三年度は、県が開催費の一部を助成するコンベンション開催費助成制度の対象となる、県外からの延べ宿泊者数百名以上の規模のコンベンション数が四十五件、県外からの延べ宿泊者数も四万三千三百三十人と大幅に増加することとなってございます。
このうち、県外からの延べ宿泊者数二千人以上の大規模なコンベンションも九件開催される予定ということで、新幹線開業という効果がその辺にもあらわれているのではないかというふうに考えております。
177 ◯相川副委員長 高橋委員。
178 ◯高橋委員 今新幹線がとまっているという状況が今後どれくらい長引くのかというのがコンベンションの誘致促進にも非常に大きな影響が伴うというふうにも思います。
それで、平成二十三年度──平成二十四年度ですね、平成二十三年度にその翌々年度のコンベンション誘致に向けた取り組みを行うというふうに──大体一年前に誘致活動をするというふうに伺っております。
そこで、平成二十四年度以降のコンベンション誘致に向けた取り組みをどのように行うのかお伺いいたします。
179 ◯相川副委員長 商工労働部長。
180 ◯櫻庭商工労働部長 二十四年度以降のコンベンションに向けての取り組みでございます。
委員からのお話のように、最初盛り上がると、その後しりすぼみになるというのが非常に懸念されるところでございまして、残念ながら、二十四年度以降については、二十三年度ほど大きな需要はまだ来てございません。
そういう意味で、私どもとしても手をこまねいているわけにいかないということで、改めて、コンベンション誘致の体制の強化ということで、それぞれコンベンション協会に誘致の専門員を配置しながら積極的に誘致を行おうということと、さらに、先ほどちょっと申し上げましたように、大規模で経済効果の高いもの──具体的にいうと、会議等だけではなくて、その後エクスカーションをやっていただいて県内あちこちを回っていただくようなもの、二千名以上の大規模なものに対しては助成事業としてさらに加算するような取り組みで、そういう事業を行う主催団体に働きかけてまいりたいというふうに考えております。
181 ◯相川副委員長 高橋委員。
182 ◯高橋委員 一点確認なんですが、今最後に御答弁があった部分で加算するということでありますけれども、具体的な内容等は決まっておりますでしょうか。
183 ◯相川副委員長 商工労働部長。
184 ◯櫻庭商工労働部長 助成事業として、通常であると上限が三百万という形でやってございますけれども、大規模なものでそういうエクスカーションをやる場合には、さらに百万の助成事業の加算を行いたいというふうに考えております。
185 ◯相川副委員長 高橋委員。
186 ◯高橋委員 御答弁ありがとうございました。
やっぱり、御答弁を聞きつつも、今回の地震の影響が本当に心配されるなというふうに感じております。いずれにしても、その影響を最小限に抑えつつ、しっかり対応していただきたいというふうに思います。
続きまして、歳出八款五項三目「公園事業費」、青い森セントラルパーク低炭素型モデルタウン普及促進事業の取り組みについてであります。
先ほど諏訪委員からもこれについては御質問がなされました。私からは、青森商工会議所から先般県に要望書が出されたようでありまして、その内容についてお伺いいたしたいのと、あわせまして、この要望に対する県の対応の方針をお伺いいたします。
187 ◯相川副委員長 県土整備部長。
188
◯竹内県土整備部長 最初に、商工会議所からの要望の内容でございますけれども、商工会議所から昨年八月に出された要望につきましては、新駅設置等の交通基盤の整備や緑・交流拠点の整備など公共の利用を第一義とした利活用を図っていただきたいという内容でございまして、この意見も踏まえながら実施方針や募集要項を設定したところでございます。
その後、先般の二月でございますが、要望書がさらに出されまして、その内容は、青い森セントラルパークの利活用についての議論が不足していることから、議論を深めるために公募を延期するか、あるいは、これまでの要望趣旨を踏まえた審査をし、具体的な事業提案書が選定された段階で早期の説明と十分な協議の場を設けていただくようお願いしたいという内容でございます。
それに対して県の対応でございますが、県の対応方針としましては、優先交渉権者を決定した後に、提案内容につきまして速やかに商工会議所に説明し、その意見も参考にしながら、優先交渉権者と協議して事業計画を策定してまいりたいというふうに考えてございます。
189 ◯相川副委員長 高橋委員。
190 ◯高橋委員 青森商工会議所と青森県の関係というのは、商工政策はもちろんでありますけれども、さまざまな分野で──例えば雇用であるとか、観光であるとか、良好な関係が築かれてきたわけで、私も要望の内容を見てびっくりしたんですけれども、今後十二分に丁寧な説明を尽くしていただいて、そこの部分の対応は私からもお願いいたします。
続いて、歳出八款七項三目「住宅企画費」、優良建築物等整備事業の内容についてであります。
初めに、新町における優良建築物等整備事業の内容についてお伺いをいたします。中新町ウエスト地区でのこの事業の内容と、中新町センター地区──二つあるようでありますが、その内容をあわせて御答弁願います。
191 ◯相川副委員長 県土整備部長。
192
◯竹内県土整備部長 中新町ウエスト地区及び中新町センター地区優良建築物等整備事業でございますが、青森市の中心市街地の活性化を目的としまして、老朽化したビル等の共同化を行うものであり、県は、青森市が行います事業施行者に対する設計費、建物除却費、工事費等の補助に要する経費の一部を補助することとし、所要の予算につきまして御審議いただいているところでございます。
中新町ウエスト地区につきましては、地上七階等の延べ面積約六千平方メートル以上の事務所、立体駐車場を整備するということで、事業期間は平成二十三年度から二十四年度、総事業費は十九億円となっております。
中新町センター地区につきましては、地上十四階、延べ面積約六千七百平方メートルの商業施設、集合住宅、立体駐車場を整備するものでございまして、期間は二十三年度から二十五年度、総事業費は約十五億円となっております。
193 ◯相川副委員長 高橋委員。
194 ◯高橋委員 内容について御答弁をちょうだいいたしました。
それでは、この事業の推進に向けた県の取り組みについて御答弁を願います。
195 ◯相川副委員長 県土整備部長。
196
◯竹内県土整備部長 県といたしましては、青森市が行う補助に要する経費の一部に対して補助を行い、事業の促進を図るとともに、補助事業者である青森市に対しまして、引き続き指導、助言を行うなどの支援を行ってまいりたいと考えております。
197 ◯相川副委員長 高橋委員。
198 ◯高橋委員 御答弁ありがとうございます。
かつて青森市の商業エリアの中心は新町通りであったんですが、この数年でそれが浜田地区のほうに変わりつつあります。そういう意味では、青森市の中心市街地では最近本当に空き店舗が目立ち始めておりまして──他の市町村に比べれば、まだ、商店街という、集客力というんですか、そこは維持されてはいるんですが、かなり衰退の一途をたどっているなというふうにも感じております。
そういう中にあっても、ワ・ラッセ、それからA-FACTORY、それから駅前のバスターミナルも変わって、そういった意味では幾らか明るい話題も出つつありますので、この事業を通じて、今後の新町地区、あるいは青森市の中心市街地の再生のモデルになるような取り組みとなるように期待したいと思います。で、この取り組みがほかの中心市街地に波及するようないい形での事業としていただければというふうにお願いをしたいと思います。
それでは、引き続きまして、歳出八款七項三目「住宅企画費」、既存住宅の性能向上と住宅リフォームの推進に向けた取り組みについてであります。
初めに、既存住宅ストック性能向上緊急促進事業の補助要件設定の考え方についてお伺いをいたします。
199 ◯相川副委員長 県土整備部長。
200
◯竹内県土整備部長 既存住宅ストック性能向上緊急促進事業でございますが、既存住宅の耐震性や省エネ性等の向上によりまして、良質な住宅ストックの形成を図ることを目的としてございます。
県では、青森県住生活基本計画におきまして、県内の住宅の耐震化率を平成十五年の六七%から平成二十七年には九〇%とすることを目標とするなど、住宅の耐震化、環境負荷低減、バリアフリー化に早急に対応していくことが重要な課題であると認識しており、このため、本事業の補助対象について、住宅の耐震、省エネ、バリアフリー、克雪の性能向上を伴う改修工事を条件とすることにより、これらの課題の解決を図っていきたいというふうに考えております。
201 ◯相川副委員長 高橋委員。
202 ◯高橋委員 それでは、次の質問として、県内の市町村にも同様の取り組みが広がりつつあります。県内市町村の住宅リフォームに対する補助の実施状況と、県が行う事業──本事業との連携について御答弁願います。
203 ◯相川副委員長 県土整備部長。
204
◯竹内県土整備部長 住宅リフォームに対します補助は、平成二十二年度に県内九市町村が実施しておりまして、住宅耐震診断を対象とする補助が六市町、以下重複がございますけれども、住宅用太陽光発電システム装置を対象とする補助が四市町、雪処理装置設置等を対象とする補助が二市、住宅リフォーム工事一般を対象とする補助が一市となっております。
これらの補助を継続して実施する市町や平成二十三年度から新たに住宅リフォーム補助制度を実施する市町村につきましては、県民にとって利用しやすい内容となるよう、それぞれの補助制度の内容を整理した上で、これらの市町村と連携しまして、わかりやすい一体的なPRに努めてまいりたいというふうに考えております。
205 ◯相川副委員長 高橋委員。
206 ◯高橋委員 御答弁ありがとうございます。
他県の住宅リフォーム制度を見ますと、県だけではなくて、市町村もかなり同様の制度を立ち上げて、それぞれにその補助制度を創設して、県と市が連携しながら、また、利用者のほうも、県も市も両方その補助制度を使えるという部分もあって、そういう意味でも大変好評なようでありますので、まだまだ市町村への広がりというのはこれからだとは思いますけれども、そういった部分では、県が市町村と一体で連携してこの制度を展開していくことが今後の一つの可能性としてはあろうかと思いますので、その点も十分踏まえて本事業の実施に当たっていただきたいというふうに思います。
それでは、最後の質問項目であります。歳出八款五項三目「公園事業費」及び歳出十款七項二目「体育振興費」、スポーツ振興とスポーツ施設整備に向けた取り組みについてであります。
一点目として、本県のスポーツ振興に係る課題について、これは教育長のほうからお願いいたします。
207 ◯相川副委員長 教育長。
208 ◯橋本教育長 県教育委員会では、これまでも、県民が生涯にわたり気軽にスポーツに親しむことができる環境づくりや本県の競技力の総合的な向上を図ってまいりました。
その一方で、子供たちの体力低下や指導者不足などの課題があり、さらには、国民体育大会等県民に夢や感動を与える大規模な大会を開催するための県有体育施設は、建築後四十年以上を経過し、老朽化が進んでいる現状にあります。
209 ◯相川副委員長 高橋委員。
210 ◯高橋委員 ただいま、本県のスポーツに係る課題の代表的なものを挙げていただきました。指導者の不足であったり、子供たちの体力低下であったり、あと、最後に、大きな大会が開催できる県有の体育施設が老朽化している等々がありました。
そこで、次でありますが、今事業を進められているんでありますが、新青森県総合運動公園球技場は青森市の宮田地区で整備が進められております。この球技場の平成二十二年度末の整備状況についてお伺いするとともに、平成二十三年度の整備概要、それからこの競技場の供用開始についてそれぞれ御答弁願います。
211 ◯相川副委員長 県土整備部長。
212
◯竹内県土整備部長 新青森県総合運動公園球技場につきましては、平成二十一年度から整備に着手してございまして、平成二十三年度の完成を予定しているところでございます。
球技場の今年度末の整備状況でございますが、天然芝のフィールド、観客席などの主要な部分につきまして完成する予定になってございます。
平成二十三年度の整備概要でございますが、球技場周辺の園路、駐車場、外周フェンス、植栽などの工事を施工する予定でございます。
供用開始時期でございますけれども、平成二十三年度の工事が年末に完成する見込みであることや、平成二十二年度に施工した天然芝の養生期間を考慮しまして、平成二十四年度の春以降の供用を予定しているところでございます。
213 ◯相川副委員長 高橋委員。
214 ◯高橋委員 球技場は主にサッカーとラグビーの競技で使われるということでありまして、供用開始を待ち望みたいというふうに思います。
それで、新青森県総合運動場は、これまで、青い森アリーナ、あるいは補助プールであるとか、テニスコートであるとか、そういったものが徐々に完成しつつあって、今、球技場があと一年ということであります。球技場が完成しますと、いよいよ残されるのが、陸上競技場、野球場、それからプール、この三つであります。
それで、教育長にお伺いするわけでありますが、これら県有体育施設の現状を御答弁願います。
215 ◯相川副委員長 教育長。
216 ◯橋本教育長 青森市にある県有体育施設の陸上競技場及び水泳場は昭和四十一年に、野球場は昭和四十二年に竣工し、いずれも四十年以上が経過しております。
しかしながら、陸上競技場については、トラックは八レーンであり雨天走路がないこと、さらに、大規模競技会に必要な電光掲示板や監視カメラがないこと、水泳場につきましては、東北大会以上の大会開催時に必要な補助プール──二十五メートルプールですが──が老朽化により使用できないこと、野球場については、対戦する両チームごとにトイレやシャワー室が設置されていることが望ましいのですけれども、現状では一カ所のみの設置となっていることなどの課題があります。
217 ◯相川副委員長 高橋委員。
218 ◯高橋委員 今、それぞれの施設については昭和四十一年あるいは昭和四十二年に竣工したということで、ちなみに長根のスケートリンクは昭和四十四年で、スケート場のほうが新しいということになります。
それで、最後の質問であります。教育長にお伺いしますが、スポーツ振興基盤整備検討調査費を予算に計上しております。これらの県有体育施設の整備について検討がなされるというふうに思いますが、その内容についてお伺いいたします。
219 ◯相川副委員長 教育長。
220 ◯橋本教育長 県教育委員会では、本県のスポーツ振興を継続的、計画的に推進するため、体力向上を初め、選手、指導者の育成、将来の施設の整備等について調査検討などを行うこととし、所要の経費を計上し、御審議いただいているところであります。
具体的には、スポーツ振興を踏まえた各種基盤整備計画案を検討するため、外部有識者及び関係課により検討調査会議を開催するとともに、県内外の体育施設の調査等を行うこととしております。
また、同会議の結果を踏まえ、体育施設整備の基本構想等を策定することとしております。
221 ◯相川副委員長 高橋委員。
222 ◯高橋委員 御答弁ありがとうございました。
県の行革大綱によれば、県有の既存施設を優先するとは書いております。これ以上申し上げませんが、しっかりとこの調査を行っていただくことをお願いいたします。
それぞれ御答弁いただきました。本当にありがとうございました。終わります。
223 ◯相川副委員長 ここで、執行部入れかえのため、少々お待ちください。
〔執行部職員入れかえ〕
224 ◯相川副委員長 川村悟委員の発言を許可いたします。──川村委員。
225 ◯川村委員 クラブ林檎の川村です。私のほうからも、このたびの震災でとうとい命を落とされました方々の御冥福と、被災された方はたくさんいらっしゃいます。心からお見舞いを申し上げたいと思います。
できるだけコンパクトシティーでまいりたいと思います。
議案第一号「平成二十三年度青森県
一般会計予算案」について質問させていただきます。
最初に、歳出二款二項二目「企画調査費」、人口減少社会への対応について。
本県の人口は、昭和六十年の百五十二万四千人をピークに右肩下がりの一途をたどっております。平成二十二年が百三十八万六千人、二十五年後の平成四十七年には百五万二千人にまで減少すると推計されております。これは国立社会保障・人口問題研究所によるものでありますが、特に、十五歳から六十五歳の生産年齢人口が半減、一方では老齢人口が二・五倍に増加する予想というふうになっております。税金や社会保障のあり方について国において早急にビジョンが示されなければならないところでありますが、自治体においても各分野で人口減少社会への対応についての議論が必要と思っております。
そこで、人口減少によって地域力の低下が深刻になっていくと思われます。限界集落という言葉もありますけれども、県が新年度に実施しようとしている地域力の再生・創出推進事業の概要についてお伺いします。
226 ◯相川副委員長 企画政策部長。
227 ◯佐々木企画政策部長 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、人口減少、少子高齢化の進行により地域社会の活力の衰退が懸念される中、本事業におきましては、都市部や農村部が有する機能、資源を相互に生かし合うことにより地域全体の活性化を図ることを目的として、都市・農村部間の日常的な交流を促進するためのモデルを構築することとしております。
具体的には、新郷村と八戸市をモデル地域とし、地域間の日常的な交流を促進するテーマや関係団体等について調査を行い、県、市、村、関係団体及び地域住民等で構成する検討会議において交流促進のための取り組みを検討し、順次実行に移すこととしております。
本事業の実施により、当該地域での新たな雇用の創出、高齢者の生きがいづくり、地域を支える主体となる人財の育成など、地域力の再生、創出につながることが期待されるところであります。
228 ◯相川副委員長 川村委員。
229 ◯川村委員 八戸市と新郷村をモデルに事業を実施するということでありますけれども、人口減少が進む中、今後の人口減少社会への県としての対応について伺います。
230 ◯相川副委員長 企画政策部長。
231 ◯佐々木企画政策部長 人口減少は、労働力人口の減少、子供を産み育てる年齢層の減少による少子化の進行、地域コミュニティーの機能の低下など、地域の社会経済にさまざまな影響を及ぼす大きな課題です。
本県も含め、我が国全体の人口が今後減少傾向で推移するとの予測の中、人口減少のスピードを少しでも緩やかにするとともに、人口減少を前提とした社会への対応を着実に進めていくことが重要であると考えております。
このため、平成二十三年度未来への挑戦推進事業におきましては、子育てを社会全体で応援する仕組みづくりなど子供を育てやすい環境を整備するほか、創業、起業を初め新産業創出、企業誘致による産業振興などにより雇用の場の確保を図るとともに、高齢化の進行などに対応した、だれもが住みなれた地域で安心して暮らすことができる環境づくりを進めることとしております。
このように、さまざまな観点からの取り組みを進めることにより元気な地域づくりを進め、持続可能な青森型社会の実現に向け、全庁を挙げて取り組んでまいります。
232 ◯相川副委員長 川村委員。
233 ◯川村委員 次に参ります。
歳出二款三項一目「県民生活費」、あおもり新しい公共支援事業の内容について伺います。
県内NPO法人(特定非営利活動法人)の認証数は三百四十一団体です。その活動内容は、保健・医療・福祉、社会教育、まちづくり、文化・芸術、スポーツ、子供の健全育成等々、行政と民間の協働という観点からも非常に重要な活動を行っているというふうに理解をいたしております。
そこで、平成二十一年度に県が行ったNPO法人意識調査というのがございますが、この調査からどのような課題が見えてきたのかお伺いいたします。
234 ◯相川副委員長 環境生活部長。
235 ◯名古屋環境生活部長 県が認証していた二百六十六のNPO法人を対象に意識調査を実施した結果、百二十三のNPO法人から回答がありました。
事業展開上の主要課題についての問いに対しましては、運転資金の確保を指摘する声が一番多くて、次いで消費者へのPR、あるいは人材不足となっております。
NPO法人が事業を継続的かつ効果的に行うためには資金面で大きな課題があり、さらには、情報発信、あるいは人材の育成と確保が課題となっていることが浮き彫りになったところでございます。
236 ◯相川副委員長 川村委員。
237 ◯川村委員 現在、三百四十一団体ということなんですが、この経過の中で、これまで、せっかく法人を立ち上げても四十三団体ほどが解散をされたという経過もあるようであります。この解散をされた理由というんですか、そういったものを今お話できるんであればお聞かせをいただきたいと思います。
238 ◯相川副委員長 環境生活部長。
239 ◯名古屋環境生活部長 解散したNPO法人のそれぞれについて詳しい理由を今手元に持っているわけではないんでありますが、一つには目的を達成したというのもあるでしょうし、あるいは資金面での問題で解散したのもあるでしょうし、当初想定していたことと思惑が違っていたということで活動が思わしくないとか、あるいは会員がうまく集まらないとか、そういう理由があろうかと思いますが、活動が不活発になっていって解散に追い込まれているというのが実態として多いというふうに認識しております。
240 ◯相川副委員長 川村委員。
241 ◯川村委員 先ほどの調査結果にもありますように、資金面での行き詰まりとかいろんな理由があると思うんですが、やはり、NPOなどが自立的に活動していけるということで、その課題解決に向けてどのように検討して支援をしていくのかお伺いいたします。
242 ◯相川副委員長 環境生活部長。
243 ◯名古屋環境生活部長 二十一年に行った意識調査では、今後の課題解決のために必要なことについても尋ねております。
その回答によりますと、行政と支援組織が連携した支援体制の構築が必要とする声が一番多く、次いで、融資や資金調達を受けるための環境整備、公的な委託業務の発注、NPOの専門的な支援機関、人材の充実などとなってございます。
これらの調査結果を踏まえまして、県では、国の新しい公共支援事業交付金を活用いたしまして、二十三年度と二十四年度の二年間であおもり新しい公共支援事業を実施し、NPO法人が抱えている課題の解決につながるよう、さまざまな事業を展開することとしております。新しい公共支援事業を使いまして、新しい公共の担い手として期待されるNPO等が地域社会で自立的に活動できるよう支援していくこととしております。
244 ◯相川副委員長 川村委員。
245 ◯川村委員 今の答弁にもありましたようにいろんな希望、要望が出されておりますけれども、公的な委託業務の積極的な発注を望む声が非常に高いようであります。今、委託業務というのはたくさんありますけれども、ぜひ、こういったNPOの団体等に重点的に発注が及ぶように御努力をいただきたいと思います。
次に、歳出二款三項四目「文化振興費」、ファッション甲子園のこれまでの成果と今後の取り組みということでお伺いします。
私が小さいころ、弘前の土手町には東北で最初のデパートと言われるかくはデパートというのがありまして、そこからファッションを発信しておりました。また、中土手町には花邑という女性ファッションの専門店もありまして、津軽弁のえふりこきも手伝って、ファッションの街として自負していたものであります。時代の流れでこの二つの弘前自慢はなくなってしまったんですが、私は今でも弘前はファッションの街だというふうに認識いたしております。
二〇〇一年八月に全国高等学校ファッションデザイン選手権大会が開催をされ、昨年で十回目という節目を迎えました。大会は、弘前商工会議所、西谷委員──西谷先輩がこれまで大変御尽力されて継続されてきたものでありますけれども、ぜひ今後とも継続をしていただきたい事業の一つでありますので伺います。
ファッション甲子園のこれまでの成果についてお伺いいたします。
246 ◯相川副委員長 環境生活部長。
247 ◯名古屋環境生活部長 全国高等学校ファッションデザイン選手権大会──いわゆるファッション甲子園でございますが、平成十七年度の第五回の大会から、弘前商工会議所を初めとした民間主導の実行委員会方式により運営されております。今年度、節目となる第十回大会が開催されてございます。
ファッション甲子園は、全国に広く認知されてきておりまして、これまで全都道府県から延べ四千四百八十五校、五万二千二百五十七点のデザイン画の応募があり、ファッション分野での活動を志す高校生の人材育成につながっているほか、本事業を通しまして、教員同士だけではなく、教員と県アパレル工業会などの産業界との情報交換、情報共有が図られるなど、教育の環境づくりにも役立っていると考えております。
また、地元商店街や県アパレル工業会などと協力し、さまざまなイベントや講演会を開催するなど、地域活性化、産業振興にもつながってきているところでございます。
特に、今回の大会では、優勝校への副賞といたしまして県外企業からパリ・コレクションなどの見学の機会の提供があったほか、全国放送のファッション関連のテレビ番組でも大きく取り上げられるなど、関係業界からも注目されたところでございます。
さらには、去る三月十一日に、財団法人日本ファッション協会が主催いたします日本クリエイション大賞二〇一〇におきまして、十年間にわたるファッション甲子園を開催し、地方都市から若者の夢を応援してきたとして、これまでの取り組みが評価され、明日を創る若者応援賞を受賞するなど、ファッションを通じた情報発信により、地元弘前市を中心とした本県のイメージアップに大きく貢献しているものと考えております。
248 ◯相川副委員長 川村委員。
249 ◯川村委員 今の答弁で、民間主導という言葉、お話もありましたけれども、このファッション甲子園について、県としては今後どのように取り組んでいかれるのかお伺いいたします。
250 ◯相川副委員長 環境生活部長。
251 ◯名古屋環境生活部長 県では、ファッション甲子園の今後につきまして、弘前商工会議所、青森県アパレル工業会、弘前市、県などで構成いたしますファッション甲子園実行委員会と連携しながら開催内容の充実に努め、ファッション分野での活動を志す高校生が出場の夢を抱く全国大会として評価されるよう、さらに魅力あるものにしていきたいと考えております。
また、外部スポンサーの獲得や収益事業の実施など、これまで以上に地域が主体となって開催していくための民間主導による体制強化にも努めてまいりたいと考えております。
252 ◯相川副委員長 川村委員。
253 ◯川村委員 わかりました。ぜひ、若い方の希望をつなぐ事業として、継続、頑張っていただきたいというふうに思います。
次に、歳出四款六項一目「自然保護総務費」、白神山地自然と文化体験ツーリズム推進事業の内容について伺います。
一九九五年(平成五年)に世界自然遺産に登録されて、ちょうど十五年経過いたしました。新幹線全線開業によって、青森県側から白神山地へのアプローチが多くなることが期待されております。
そこで、白神山地自然と文化体験ツーリズム推進事業の今年度の取り組み内容についてお伺いいたします。
254 ◯相川副委員長 環境生活部長。
255 ◯名古屋環境生活部長 本事業は、世界自然遺産白神山地の保全と持続可能な利用をさらに進めていくため、豊かな自然や文化資源を生かしたこの地域ならではの体験型ツアープログラムを開発し、新たな魅力づくりに取り組むものでございます。ひいては、東北新幹線全線開業の効果を白神山地においても波及させていこうとするものであります。
今年度は、地元の鰺ヶ沢町、深浦町及び西目屋村と連携いたしまして、地元のガイド、観光関係者などによる体験型ツアープログラムの検討、多彩な体験型ツアープログラムを紹介する事業者向けパンフレットの作成、体験型ツアープログラムを担うガイドの資質向上を図るための講習会の開催などを実施いたしますとともに、入り込み者数の増加等を見据えて、遺産地域周辺の入山者等による自然環境への影響についても調査を行ったところでございます。
256 ◯相川副委員長 川村委員。
257 ◯川村委員 それでは、今年度の取り組み内容を踏まえて、平成二十三年度はどのように事業を進めていくのか伺います。
258 ◯相川副委員長 環境生活部長。
259 ◯名古屋環境生活部長 今年度の取り組みを通じまして、体験型ツアープログラムの基礎となるこの地域ならではの多彩な自然・文化資源の掘り起こしが行われ、また地元関係者の意識啓発も進んだことから、来年度は、大手旅行代理店等を招いたモデルツアーの実施、受け入れ体制づくりやガイドの養成など地元の関係者による体験型ツアープログラムの具体化に向けた検討、新たに開発した体験型ツアープログラムの内容に関する情報発信に取り組みまして、各観光事業者等における今後の体験型ツアープログラムの商品化を促進していきたいと考えております。
また、今年度に引き続きまして、遺産地域周辺において自然環境への影響調査も実施いたしまして、その調査結果につきましては今後の保全対策に生かしてまいりたいと考えております。
260 ◯相川副委員長 川村委員。
261 ◯川村委員 この白神山産地のツーリズムということで、先般、環白神云々という秋田県側との連携協議ということも進められているようであります。白神山地は、青森県だけでなくて秋田県とも非常に密接に関連をいたしますので、ぜひ連携をとっていただいて、対策を強化していただくということで要望しておきたいと思います。
で、関連いたしますので、歳出四款六項一目「自然保護総務費」、世界自然遺産海外交流事業の内容と期待される効果についてお伺いいたします。
262 ◯相川副委員長 環境生活部長。
263 ◯名古屋環境生活部長 県では、これまで、本県と同じく世界自然遺産を有します大韓民国済州特別自治道との交流を進めてきたところであります。
昨年十月に済州特別自治道の関係者が来県した際に、世界自然遺産に係る姉妹協力協定を締結いたしました。で、両地域が連携して行う広報活動の展開やイベントへの参加、職員などがお互いを訪問する際の研修協力及び国際ネットワーク拡大について協力関係を深めることとしてございます。
来年度は、本県から済州特別自治道を訪問いたしまして、お互いの世界自然遺産を紹介するコーナーの設置、平成二十四年に済州特別自治道で開催されます世界自然保護会議への参画、民間レベルでの相互交流などにつきまして協議を行ってまいりたいと考えております。
また、白神山地を紹介する韓国語版のパンフレットを作成いたしますとともに、白神山地ビジターセンター館内の外国語案内標示を行いまして、受け入れ体制を整備していくこととしてございます。
今後とも、韓国済州特別自治道との交流を進めながら、白神山地の豊かな自然の魅力を広く世界へと情報発信し、海外観光客の誘客に取り組んでまいりたいと考えております。
264 ◯相川副委員長 川村委員。
265 ◯川村委員 ぜひ、交流人口の拡大のためにも頑張っていただきたいと思います。
なお、六番、七番については、少子化対応ということもありますけれども、一般質問の中でもちょっと触れさせていただきましたので割愛させていただいて、八番の歳出六款二項三目「りんご流通対策費」、青森県りんご経営安定対策事業の内容について伺います。
今年産リンゴは、猛暑の影響があったものの、例年に比べ高値での取引がされているようでありますが、リンゴに限らず食分野では、豊作貧乏という言葉もありますように、一定の価格を維持するということが非常に難しいということを私自身も認識いたしております。
平成二十年産リンゴについて、在庫調整、価格対策で、県における二つの制度──りんご緊急需給調整対策並びにりんご経営安定対策を発動し、リンゴ生産者に対し三億円以上の支援を実施して効果を発揮したところでありますが、今年度で終了する現行対策の取り組み成果と課題についてお伺いいたします。
266 ◯相川副委員長 農林水産部長。
267 ◯有馬農林水産部長 現在実施しています対策につきましては、市場出荷用リンゴの一部を隔離する緊急需給調整対策と生産者に経費の一部を補てんする経営安定対策を内容としまして、平成十九年度から二十二年度まで四年間実施してきました。このうち平成二十年産につきましては、ただいま御発言のように、その制度が適用されたところでございます。
その際の効果を検証しましたところ、この制度の発動によりまして、年明け後から二月までの市場価格の下げ幅が例年の半分程度にとどまったこと、二月以降、市場での荷動きが活発になりまして、三月には出荷量が過去三カ年平均に比べて一二%増加し、あわせて価格の回復が早まったことなどの効果が確認されました。
また、りんご経営安定対策事業につきましては、生産者から、加入上限面積が一ヘクタールということで、中・大規模生産者にとって経営安定に資する面積としては少ないといった声が出されておりまして、今後の検討課題となっているところでございます。
268 ◯相川副委員長 川村委員。
269 ◯川村委員 次に、新たな経営安定対策事業の具体的な内容はどのようなものかお伺いいたします。
270 ◯相川副委員長 農林水産部長。
271 ◯有馬農林水産部長 新たなりんご経営安定対策では、消費地市場価格が低迷したり産地の在庫数量が多かった場合に、一定量を市場から隔離して価格浮揚を図る緊急需給調整対策について、九月から翌年の一月までは国の緊急需給調整特別対策事業を活用するほか、翌年の二月から三月の価格低下への備えとして、これまでと同様、県単独での対策を講じることとしまして、さらに、その仕向け先としては、現在は加工用に仕向けるということでの需給調整ですが、新たに輸出をも需給調整対策の仕向け先として追加しているところでございます。
また、消費地市場価格が一定水準を下回った場合、生産者の経費の一部を補てんするりんご経営安定対策事業については、加入上限面積をこれまでの一ヘクタールから二ヘクタールに拡大したほか、昨今の気象災害の発生等も踏まえまして、新たに果樹共済制度への加入を要件として加えたことなどが主な内容となっています。
272 ◯相川副委員長 川村委員。
273 ◯川村委員 二つの制度──まあ、制度ですから、万全なものではないと思います。幾つか課題も指摘されているわけですが、一つは、今、部長のほうから、今後は輸出ということについても考えていきたいということなんですが、例えば、加工業者が大量に在庫を抱えて需給調整のリンゴの受け入れに非常に差しさわりがあるという経緯もあるんですけれども、こういった課題でありますとか、あるいは果樹共済制度への加入問題というのもあると思います。
生産者の自助努力というものをいかにして構築していくのかといった問題、課題もあるんではないかと思うんですが、その辺についての取り組みをお聞かせいただければと。
274 ◯相川副委員長 農林水産部長。
275 ◯有馬農林水産部長 今回実施を予定しています新たなりんご経営安定対策ですが、輸出に仕向けた場合につきましても対象としまして、キログラム当たり三十円(後刻「二十円」に訂正)──需給調整で輸出に仕向けるという場合についてはキログラム三十円(後刻「二十円」に訂正)を補てんするという制度としています。
また、果樹共済制度につきましては、現在の加入状況は、生産者の割合で見ますと四割以下──三六、七%だったと記憶していますが、この水準というのは非常に低い水準でして、例えばホタテガイの養殖漁業者にあっては九割以上、現在平成二十三年は一〇〇%というような加入状況にもなっていますので、リンゴの生産者につきましても、自助努力ということで、果樹共済への加入をぜひ進めていきたいというふうに思っていますし、果樹農家、リンゴ農家みずからも、そうしたセーフティーネットを張っていくというような意識を持って果樹共済制度への加入をしていただきたいと、このように思っております。
276 ◯相川副委員長 川村委員。
277 ◯川村委員 最後の質問にしたいと思います。歳出六款二項三目「りんご流通対策費」、まるごとアップル加工ビジネス推進事業の内容についてということで、事業の具体的な内容についてお伺いいたします。
278 ◯相川副委員長 農林水産部長。
279 ◯有馬農林水産部長 お答えいたします。
この事業は、新たな加工品の製造、開発や既存の加工製品のマーケット拡大を通じて生産者の所得アップや加工企業の収益向上を目指すために実施するものです。
その具体的な内容としましては、県内で最近取り組み機運が高まっていますリンゴシードルについて、新規取り組み者の掘り起こしや、JR東日本が開設しましたA-FCATORY──ここでリンゴシードルを製造していますが、ここと連携したシードル情報の発信、県内を初め首都圏のレストランやホテル等でのシードルの消費拡大、また、リンゴストレートジュースにつきましては、まだ消費量が少ない西日本等での販売の強化、JR東日本の系列グループやコンビニ等と連携したペットボトル製品の国内外での販路の拡大、加えて、新たな加工ビジネスとしての可能性を持つ、リンゴの機能性成分の一つでありますセラミドを活用した製品の実用化に向けた安全性の検証、あるいはまた起業化の促進、こうした活動に取り組むこととしております。
なお、先ほど私は、輸出用に仕向ける際に三十円と申しましたが、輸出用に仕向ける場合はキログラム当たり二十円、加工用に仕向ける場合についてはキログラム当たり三十円(後刻「二十円」に訂正)ということで需給調整を図るということで、訂正をさせていただきます。
280 ◯相川副委員長 農林水産部長。
281 ◯有馬農林水産部長 済みません。再び訂正をさせていただきます。
加工、輸出ともキログラム当たり二十円ということでの補てんということで、大変申しわけございませんでした。訂正をさせていただきます。
282 ◯相川副委員長 川村委員。
283 ◯川村委員 鹿児島に行きますと、芋じょうちゅうが有名でございまして、蔵元が大小百社以上あるわけですが、まさにリンゴのシードルということでニッカウヰスキーさんがもうブランドでありますけれども、今、黒石の地域でも特区として生産者が力を入れていると。ぜひ、加工分野で、何とかリンゴを──シードルでありますとか、アップルパイでありますとか、いろんな分野で新製品をつくっていかなきゃいけないなということを強く感じておりますので、県の取り組み強化ということで期待をいたしたいと思います。
終わります。ありがとうございました。
284 ◯相川副委員長 ここで、執行部入れかえのため、少々お待ちください。
〔執行部職員入れかえ〕
285 ◯相川副委員長 古村一雄委員の発言を許可いたします。──古村委員。
286 ◯古村委員 社民党・県民クラブの古村一雄であります。
与党のこの強硬な議事運びに弱音を吐かないで続けます。
まず、議案第一号、平成二十三年度
一般会計予算案についてであります。
歳入十五款一項八目「
臨時財政対策債」。通告は残高とその推移等についてということでありましたけれども、先ほど諏訪委員のほうで私が聞きたい内容を尋ねていましたので、私のほうからは、むしろ、交付税措置がされるということでの起債というんですか、借金をする場合がずっと市町村でも続いてきていましたけれども、それが、何か、けじめがなくなってというんですか、だらだらとだらしがなくなって、有利な借金とかそういう言い方をよく市町村の執行部は言っていましたけれども、果たして、交付税で措置されるこういう
臨時財政対策債は、たちのよい借金なのか、たちの悪い借金なのか、総務部長にお尋ねします。
287 ◯相川副委員長 総務部長。
288
◯田辺総務部長 臨時財政対策債がいい借金か悪い借金かということですけれども、これは仕方なく発行している借金でございます。本来は交付税で支払われるべきものが、いわゆるその原資が足りないので、それを補てんするために暫定的に起債でとりあえずは措置しておいて、後年度の負担は交付税でと、そういう仕組みでございます。
あと、有利な起債というのは、過去はかなりありました。一番有名なのは、地域活性化──地総債、地総債と昔よく言って、いろいろな単独事業をやると後での元利償還に非常に有利な措置をするということで、そういうのは、ある意味地域の活性化ということに非常に役立ったということはあるかもしれませんけれども、しばらく後に、それが後年度の財政負担になると。
それ以外にも、例えば補正予算債というのがございます。補正予算をするときに、国と連動して起債をやるときには交付税措置が有利になります。これも、景気対策という面では、その時点では効果のある起債だと思われます。
それ以外に、いい、非常に手厚い例として、最近だんだん少なくなってきましたけれども、合併特例債というのがございました。合併特例債も、いわゆる合併で新しいまちづくりをするという意味では確かに交付税措置が手厚い有利な起債ということでございますが、そういう交付税で手厚い措置をするときというのは事業費補正というやり方をとるわけでございますが、最近は、事業費補正の手厚いいわゆる起債というのは少なくなってきています。傾向的には事業費補正を少なくするという傾向にしておりまして、余り有利な起債をつくらないというのが今の主流でございます。
ただ、その中でも残って有利な起債にしていただいているのが過疎債でございます。過疎債の場合は、過疎地域ということの特有な財政需要というものを考慮していただいて、有利な起債にしております。ただ、その過疎債についても、近年は、単にハード事業だけじゃなくていろいろなソフト事業にも充てられるということで、そういう意味での起債の見直しというのが随時行われているのが最近の状況でございます。
289 ◯相川副委員長 古村委員。
290 ◯古村委員 じゃ、この
臨時財政対策債というのは有利な借金とは言えないということですか。
291 ◯相川副委員長 総務部長。
292
◯田辺総務部長 有利というよりも、先ほど申し上げましたように、これは仕方なく発行している起債でございます。本来は交付税で措置されるべきものが、国のほうの原資が足りないので、とりあえずは地方のほうで起債をしていただいて、残りについては後年度交付税で措置するということで、我々は、発行するのは本意ではございませんが、これを発行せざると一般財源に穴があくということで、仕方なしに発行している起債でございます。
293 ◯相川副委員長 古村委員。
294 ◯古村委員 今の部長の答弁でちょっと安心したところであります。この
臨時財政対策債には、一定の、麻痺してはならないという思いはこもっているような感じがします。
次に、議案第一号の歳出一款一項一目「議会費」及び歳出二款一項一目「一般管理費」。特別職の常勤職員であります知事、副知事及び県議会議員の、特に期末手当の算定について焦点を当ててお尋ねをします。
まず最初に、知事、そして副知事の期末手当の算定方法についてはどうなっているのかお伺いいたします。
295 ◯相川副委員長 総務部長。
296
◯田辺総務部長 知事及び副知事の期末手当は、知事が二〇%、副知事一〇%の減額後の給料月額を基礎として、一般職員の役職加算に相当する係数一・四五を乗じ、さらに、支給月数として、六月期は一・四月、十二月期は一・五五月を乗じて支給額を算定しております。
297 ◯相川副委員長 古村委員。
298 ◯古村委員 知事の今現在の月額のカット率は幾らになるんですか。──カットしているんではないんですか。一〇%カットでしょう。期末手当は、一〇%カットした後に月数を掛けているものなのか。
299 ◯相川副委員長 総務部長。
300
◯田辺総務部長 今、私の説明がちょっと早口で申しわけなかったんですけれども、知事及び副知事の期末手当は──知事だけで言います。知事は、二〇%の減額後の給料月額を基礎として、それを基礎として支給月数を掛けて支給額を算定しております。
301 ◯相川副委員長 古村委員。
302 ◯古村委員 申しわけありませんでしたね。
じゃ、議員のほうはどうなのかということなんですが、我々議員の期末手当の算定方法についてお伺いします。
303 ◯相川副委員長 総務部長。
304
◯田辺総務部長 県議会議員の期末手当の場合は、役職加算係数及び支給月数は知事及び副知事と同じでございますが、算定の基礎となる報酬月額については、現在実施している議長五%、副議長四%、議員三%の減額後の額ではなく、減額前の額により支給額を算定しているところでございます。
305 ◯相川副委員長 古村委員。
306 ◯古村委員 常勤である、例えばきょうもこうして災害で
予算特別委員会を欠席せざるを得ないほど忙しい副知事らは、減額した額に月数を掛けて期末手当を支給していると。我々県会議員は、非常勤であるにもかかわらず、額でいえば七十八万円の減額前の報酬額に月数を掛けて期末手当を支給していると。何でこういうことが起きるんですか。
307 ◯相川副委員長 総務部長。
308
◯田辺総務部長 県議会議員の期末手当は、青森県議会議員の議員報酬の特例に関する条例の規定に基づき、減額前の報酬月額を基礎として算定されます。
この条例は、十九年五月に開催された第八十九回臨時会において議員提案されたものでございますので、詳細な経緯等は把握してございませんが、他団体でも、議会議員の期末手当については減額前の給料月額を算定基礎としているところがほとんどでありますので、こういう方式によったのではないかというふうに考えられます。
309 ◯相川副委員長 古村委員。
310 ◯古村委員 これは、金額でいえばどれぐらいの差があるものなんでしょう、カット後で支給した場合を想定すれば。
311 ◯相川副委員長 総務部長。
312
◯田辺総務部長 期末手当の年額ということで、議員さんの場合の三%の減額の例で答えさせていただきますと、年間で約十万円程度の違いが出るところでございます。
313 ◯相川副委員長 古村委員。
314 ◯古村委員 財政が厳しいとか、こういう災害でこれからもまた金を使うとか、クリスタルバレイ構想の後始末とかいろいろあるわけなんで、そういう十万円ぐらいは、県の執行部のほうから議会に申し入れて、カット後の額で期末手当を算定すると、こういう申し入れなんかはできないものなんですか。
315 ◯相川副委員長 総務部長。
316
◯田辺総務部長 議員さんみずからの提案によって決定された事項でございますので、尊重していくべき問題だと考えてございます。
317 ◯相川副委員長 古村委員。
318 ◯古村委員 言ってみれば、自分で提案して、自分たちが決めて、自分たちがもらうお手盛りということになるかと思いますけれども……(発言あり)うん、返してみたいとは思うんだけれどもさ、おらも供託したりしたことはあるんだけれども、何にもならないということもありまして……。
次に入ります。歳出二款一項六目「財産管理費」、国有資産等所在市町村交付金について。これについては、今災害が起きているときにこういうだるい質問をしてもだめだと思いまして、次に進ませていただきます。
四番目の歳出十款一項五目「教育指導費」、高校教育改革第三次実施計画推進事業について。
一つは、この県立高校教育改革第三次実施計画について、二十三年度中に前期計画を見直す部分があるのかどうかお伺いします。
319 ◯相川副委員長 教育長。
320 ◯橋本教育長 前期計画については、生徒の志願・入学状況や高等学校教育を取り巻く環境の変化によっては、地区ごとの学校規模・配置等について計画内容の見直しを随時行うこととしております。
二十三年度までの計画については、これまでの生徒の志願・入学状況や各地区ごとの中学校卒業予定者数に大きな変化がなかったことから、計画どおり実施してきたところです。
平成二十四年度以降の計画については、平成二十三年度県立高等学校入学者選抜における志願状況等がおおむね見込みどおりとなっていることから、現時点では計画どおり実施できるものと考えております。
県教育委員会といたしましては、引き続き、生徒の志願・入学状況や高等学校教育を取り巻く環境の変化を見きわめて計画を実施してまいりたいと考えております。
321 ◯相川副委員長 古村委員。
322 ◯古村委員 私がこれから問題にしたいのは、弘前、黒石──津軽地方の夜間の定時制のあり方です。
この計画策定時にもいろいろ議論をしましたけれども、弘前中央の夜間普通課程を廃止する。黒石も廃止する。そして、尾上の総合高校──夜間はないんですが、この弘前中央と黒石高校の夜間を廃止したかわりに尾上総合高校に夜間を新設する、こういうことでいいんですね。まず、ここからお伺いします。
323 ◯相川副委員長 教育長。
324 ◯橋本教育長 今の尾上総合高校のことですけれども、定時制三部制を予定しております。
三部制というのは、午前部、午後部、夜間部というふうになっておりまして、そして、どこかの課程、部で生徒が学習するんですが、違う部のほうもできますので、子供によっては三年間で卒業できるような多様な組み方ができるという柔軟性のある部を計画しております。
325 ◯相川副委員長 古村委員。
326 ◯古村委員 じゃ、この尾上という黒石と弘前の中間──しかし、弘前の中央高校なり黒石高校の定時制を見ると、ほとんどが──大半とは言わないんですが、三分の二ぐらいは自転車通学とか徒歩なんかなんです。ですから、離れた尾上──田んぼの真ん中にある尾上の総合高校に持ってきたところで、果たして通学はどうなるのだろうかと──夜間の場合。働いて、疲れて、夜間で何とか高校卒の免状だけは取りたいということで、通学するに大変なのではないのか。この辺については教育長はどう考えているのか。
327 ◯相川副委員長 教育長。
328 ◯橋本教育長 今、働いてというふうな委員からのお話でございましたけれども、現在、例えば弘前中央高校の定時制を考えてみますと、確かに、定職を持っている者は一名おります。それからパート、アルバイト等をやっているような生徒もいますけれども、中には、ゆったりと学習をしたいと──中学校時代に不登校等で、じっくりと勉強したい、そして大学等を目指したいという生徒もおりまして、そういった多様な生徒がおります。
で、委員からのお話の通学ということを考えてみても、弘南鉄道があるわけですけれども、自転車で通うということも可能なことというふうに我々としては判断しております。
329 ◯相川副委員長 古村委員。
330 ◯古村委員 じゃ、夜間の定時制に通う生徒もほとんどが無業だというの。
331 ◯相川副委員長 教育長。
332 ◯橋本教育長 先ほどお答えしたとおりでありまして、弘前中央高校においては現在一名でございます。
333 ◯相川副委員長 古村委員。
334 ◯古村委員 一名というのは定職についている方なんでしょう。じゃ、あと、アルバイトとかパートとかはどうなんですか。
335 ◯相川副委員長 教育長。
336 ◯橋本教育長 弘前中央高校の場合ですけれども、パート、アルバイトが二十四名おります。無職が五十六名となっております。
337 ◯相川副委員長 古村委員。
338 ◯古村委員 じゃ、その無業の五十六名がわざわざ夜間に通うという事情はどういうことなんですか。
339 ◯相川副委員長 教育長。
340 ◯橋本教育長 先ほど答弁させていただきましたように、夜間ではありますけれども、丁寧にゆっくりと学習したいという生徒が大変多く、私も実際に行って授業を見てまいりましたけれども、先生方も大変努力されて、一人一人に応じた非常に丁寧な授業をやっておりました。そういう生徒が大変多いというふうに認識しております。
341 ◯相川副委員長 古村委員。
342 ◯古村委員 尾上の総合高校にあえて夜間を集約したというのがやっぱり理解できない。通学が不便になる。むしろ、どうせ弘前と黒石なら、さっきもあったけれども、大変だということで駅前に置くとか、やっぱり市段階に一つずつあってもいいんではないのかと。何か、今の県教委の考え方を見れば、尾上総合高校というのは前の知事さんが無理に建てたんだ、したがって、無理に使おうということで、弘前中央と黒石高校を廃止して尾上に持ってこようとしているのではないか、そう思えてしようがないんですが、どうなんですか。
343 ◯相川副委員長 教育長。
344 ◯橋本教育長 高校教育改革の第三次実施計画につきましては、有識者、経済関係者等大変広範な方を委員としてのグランドデザイン会議の答申を受けて県教委が策定したところであります。
それによりますと、子供たちが大変少なくなっている中で、進路実現に向けた高等学校教育の教育環境をきちんとつくっていくということが大事であって、定時制課程においても、教育機会均等の観点から、集約──六地区に普通科の定時制を各一校設置するということを基本としたものであります。
生徒が大変少なくなっている中で、生徒たちがさまざまな個性や価値観に触れ、切磋琢磨できる教育環境──例えば、進路実現も多様にというと、やはりある程度の人数が──教員も集約化してその進路実現を図っていかなければいけませんし、例えば部活動とかさまざまな特別活動、学校行事を充実させるという意味でも、ある人数というものが必要というふうに認識しております。
345 ◯相川副委員長 古村委員。
346 ◯古村委員 おらは、この尾上総合高校への集約というのは前期の期間に見直すべきではないのかと。特に、ああいうへんぴなところに夜間通うということになれば、犯罪に巻き込まれたりという事態だって考えられないことはない。そういうような心配をしているところでありますので、県教委のほうでは、何とか──一回、新聞にも、県教委の幹部は知事の出身校が多いというような報道があったりしていましたけれども、どうも、津軽のほうに、地理不案内、土地勘がないんではないか、そういうような思いを持っています。
次に、平成二十六年度からの五カ年、三十年度までの後期計画について、多分県教委の内部ではいろいろ議論していると思いますけれども、この後期計画についてはいつごろ公表するお考えなのか。
347 ◯相川副委員長 教育長。
348 ◯橋本教育長 先ほどお話ししました高等学校グランドデザイン会議からいただきました答申内容を踏まえまして、県教育委員会は、平成二十一年度以降の十年間を見通した高校教育改革の基本的な考え方と、平成二十一年度から二十五年度までの具体的な実施計画であります前期計画について取りまとめたところでございます。
平成二十六年度から三十年度までの具体的な実施計画である後期計画につきましては、この三次計画の基本的な考え方に基づき、生徒の志願・入学状況や中学校卒業予定者数の推移等を踏まえるとともに、前期計画の実施状況について検証しながら策定することとしており、中学生の進路選択に支障がないよう、平成二十四年度中には成案を公表する必要があると考えております。
なお、成案の策定に当たりましては、計画案を公表した上で、説明会を開催するほかパブリックコメント等を実施して、計画の内容について県民の皆様から十分御意見を伺いながら進めてまいりたいと考えております。
349 ◯相川副委員長 古村委員。
350 ◯古村委員 県教委に対しての最後の質問は、この後期計画においても、今回の──まあ、おらに言わせれば統廃合計画なんだけれども、基本である、青森、弘前、八戸は一学年六学級ですか、その他の市部、郡部にあっては一学年三学級と、この基本というのは変えないおつもりですか。
351 ◯相川副委員長 教育長。
352 ◯橋本教育長 これは、グランドデザイン会議の答申に沿ってそのような基本的な部分を出しているのでありまして、これまでの志願・入学状況や各地区の状況をきちんと見きわめながら学校配置というものを考えていくということになりますし、例えば浪岡高校が市町村合併で青森市の学校になったということからすれば、これでいえば六学級以上──三市の普通高校は六学級以上が適正な学校規模というふうになっておりますけれども、そういう位置とか地区の状況を十分に勘案しながらこれから決めてまいりたいと考えております。
353 ◯相川副委員長 古村委員。
354 ◯古村委員 浪高と岩木高校は、現在三学級、それが今度は二学級になるわけですね。ですから、原則として一学年六学級との乖離がますますひどくなっている。したがって、やっぱり、この旧三市における一律六学級というのは何らかの形で見直しをしないと、いわゆる郡部──実質的に郡部の学校である浪高、岩木高校というのは廃止、校舎化ということになるのではないかと、そういう心配をしているところであります。
次に、六款一項三目「農業改良普及費」、職員費、運営費及び普及活動運営事業費の内容についてであります。
農業普及指導員、これは農家の方々には随分ありがたかった存在であります。直接県が農家と結びついているという実感で、農家のお父さんに限らず、お母さん、生活指導なんかも含めて大いに貢献をしてきたところでありますが、県会議員になってみて、この普及指導員の存在というのが非常に影が薄くなった、そういう思いを感じています。
平成十六年と──平成十六年というのは三村知事が誕生したときなんですが、平成十六年と比較してどのような状況になっているのか、現状についてお伺いします。
355 ◯相川副委員長 農林水産部長。
356 ◯有馬農林水産部長 普及指導員は、農業改良助長法が改正施行される前の平成十六年度には、県内十四カ所の地域農業改良普及センターなどに二百十八人が配置されていました。
平成二十二年度からは、地域県民局において現場の指導体制強化と機能集約を図るため、直接農業者に接して技術指導や経営指導に当たる普及指導室と農業施策の企画立案、実施を担う農業振興課を統合し、農業普及振興室に再編強化しており、六地域県民局に六室四分室を設けて、百七十一人の普及指導員を配置しております。
357 ◯相川副委員長 古村委員。
358 ◯古村委員 まあ、そんなに──四十人ぐらいが少なくなっている。その割には普及員の活動が余り目立っていない。机にばかり座ることが多くなっているんですか、業務的には。
359 ◯相川副委員長 農林水産部長。
360 ◯有馬農林水産部長 現場密着ということで現場の指導時間を調査したこともございますが、特にそういった顕著な傾向は見られませんでしたが、生産者の間からはそういった意見も出されておりますことを承知しております。
361 ◯相川副委員長 古村委員。
362 ◯古村委員 まず、経営難ということから農協が営農指導から撤退していると。そういう点では、農業者を直接指導する県の普及指導員の役割というのは、冒頭申し上げたように非常に大きいと思うわけでありますけれども、今後、県のほうとしては農家をどう直接指導していく方向なのかお伺いいたします。
363 ◯相川副委員長 農林水産部長。
364 ◯有馬農林水産部長 県では、農業者を直接指導し、関係機関と連携しながら地域農業の課題解決を図っていく普及指導員の役割は極めて重要であると認識しております。
現在までは、現場と密着した指導が重要であるということを考えまして、現地巡回、それから実証圃の設置、情報の発行、あるいはまた専門的な生産・経営指導を行ってきたところでございますが、今後は、これらに加えて加工、販売の指導等についても充実させながら、地域や農業者の幅広いニーズに総合的に対応していくことで、農業・農村の六次産業化や食産業の充実強化、地域農業の企業化などを強力に指導していくこととしています。
365 ◯相川副委員長 古村委員。
366 ◯古村委員 次に、債務負担行為であります。
県道路公社の有料道路の運営資金借入金に関する損失補償についてでありますけれども、この公社にかかわる債務負担の内容についてお伺いします。
367 ◯相川副委員長 県土整備部長。
368
◯竹内県土整備部長 県では、地方道路公社法に基づきまして、青森県道路公社が管理する有料道路三路線に係る市中銀行からの運転資金等の借り入れに対しまして損失補償を行っており、平成二十三年度の当初予算案には、平成二十三年度から平成三十二年度までの十年間、限度額約十五億八千万円の債務負担行為を設定し、本定例会において御審議いただいているところでございます。
369 ◯相川副委員長 古村委員。
370 ◯古村委員 次に、県の有料道路経営改革推進会議からの提言に対する検討状況についてお伺いします。
371 ◯相川副委員長 県土整備部長。
372
◯竹内県土整備部長 県では、昨年一月、青森県有料道路経営改革推進会議から、みちのく有料道路に関しまして、利用者サービスの維持向上、長期にわたる民間資金の導入による経営の安定化等の提言をいただいております。
この提言に従いまして、利用者サービスの維持向上については、青森県道路公社が来年度行うみちのく有料道路の橋梁耐震補強工事に対し補助するための経費を平成二十三年度当初予算案に計上しており、本定例会で御審議をいただいているところでございます。
また、長期にわたる民間資金の導入につきましては、県土整備部内に設置している有料道路経営改革推進チームを中心に、これまで関係法令の検証や実際の調達可能額の試算などを行っているところであり、今後、これらの検討結果などを踏まえながら総合的に判断していきたいというふうに考えております。
373 ◯相川副委員長 古村委員。
374 ◯古村委員 私は、レベニュー債──収益債というんですか、そのことをお尋ねしているんですが、この長期にわたる民間資金の導入というのはレベニュー債のことととらえてよろしいんですか。
375 ◯相川副委員長 県土整備部長。
376
◯竹内県土整備部長 現在検討している長期にわたる民間資金というのは、有料道路事業の料金収入を原資にしまして、県の債務保証なしで発行する長期の債権を指しております。
レベニュー債というのは、あくまでもアメリカの地方債で、事業目的別歳入債券というふうに称されておりまして、アメリカの州、地方自治体の公営事業の資金調達を目的として発行されて、公営事業の収益のみで元金の支払いを行う債券ということで、レベニュー債とはちょっと異なるというふうに考えております。
377 ◯相川副委員長 古村委員。
378 ◯古村委員 レベニュー債ではない、異なるということなんでしょう。レベニュー債ではないということなんですか。じゃ、どういうものなんですか。
379 ◯相川副委員長 県土整備部長。
380
◯竹内県土整備部長 先ほど申しましたように、いわゆる長期にわたる民間資金というのは、料金収入を原資にしまして債務保証なしで発行する債券ということで、レベニュー債とは異なるというふうに考えております。
381 ◯相川副委員長 古村委員。
382 ◯古村委員 しかし、一般的に、新聞報道では、レベニュー債を青森県が初めて検討、導入するのかということで、相当もてはやされたんではないんですか。じゃ、報道の間違いなんですね、それは。
383 ◯相川副委員長 県土整備部長。
384
◯竹内県土整備部長 県として、これまで、この長期にわたる民間資金について、レベニュー債というふうな言い方をしたことはございません。
385 ◯相川副委員長 古村委員。
386 ◯古村委員 じゃ、そのレベニュー債とちょっと違う考え方を提案したというのはどこなんですか。
387 ◯相川副委員長 県土整備部長。
388
◯竹内県土整備部長 現在、その新たな資金導入のスキームについて検討をしているところでございまして、民間に今委託をしているところでございます。委託先はゴールドマン・サックスということでございます。
389 ◯相川副委員長 古村委員。
390 ◯古村委員 じゃ、そのゴールドマン・サックス証券が提案している長期にわたる民間資金は、県が債務保証する現在のやり方とどの辺が──何が有利なんですか。
391 ◯相川副委員長 県土整備部長。
392
◯竹内県土整備部長 長期にわたる民間資金に期待する効果としましては、道路公社においては、金利を長期間固定できるということで、将来の金利上昇の影響を回避できるというふうなこともございます。
それから、県においては、道路公社への債務保証を解消できるということで、道路公社の経営の自立性が促進されるとともに、県財政の健全化につながることも期待されるというふうにされております。
393 ◯相川副委員長 古村委員。
394 ◯古村委員 じゃ、現状よりもいいことづくめという受けとめ方をしていいんですか。現状のこの県が債務保証するやり方よりもいいことがたくさんある、リスクも少ないと、そういう理解でいいんですか。
395 ◯相川副委員長 県土整備部長。
396
◯竹内県土整備部長 県といたしましては、この長期にわたる民間資金の導入が県にとって有利であるかどうかということを、しっかり、検証といいますか、確認した上で、総合的に判断して、この民間資金の導入について検討していかなきゃならないというふうに考えております。
397 ◯相川副委員長 古村委員。
398 ◯古村委員 年度末までに結論を出すという報道もありますが、その辺はどうなんですか。
399 ◯相川副委員長 県土整備部長。
400
◯竹内県土整備部長 今、その成果について内部でいろいろ検討をしておりまして、県が導入する合理性の確認といったようなこともしっかりしていかなきゃならないということで、今後、ちょっと時間をいただきながら検討していきたいというふうに考えております。
401 ◯相川副委員長 古村委員。
402 ◯古村委員 じゃ、当初の計画よりも時間がかかっているというんですか、延びている、結論が長引いているというぐあいに受けとめていいんですか。
403 ◯相川副委員長 県土整備部長。
404
◯竹内県土整備部長 やはり、新しいスキームの導入でございますので、慎重にしっかり検討していかなきゃならないというふうな認識をしております。
405 ◯相川副委員長 古村委員。
406 ◯古村委員 それで、道路法第四条には私権の制限というのがありますけれども、これもまた報道によれば、国交省の道路課ですか、何か青森県の期待にこたえられるんではないかというようなあいまいな返事をしていますけれども、その見解を示してから一年ぐらいはたっていると思うんです。したがって、国交省のこの道路法第四条に対する見解というのはもうはっきり出ていると思うんですが、それに対して県のほうから報告を受けたいと思います。
407 ◯相川副委員長 県土整備部長。
408
◯竹内県土整備部長 いわゆる地上権の設定等私権を含めまして、まだ正式には国のほうからのお答えをいただいておりません。
409 ◯相川副委員長 古村委員。
410 ◯古村委員 この、レベニュー債とちょっと違う、部長の言葉をかりれば長期にわたる民間資金の導入、これは道路交通法との絡みでは抵触しないのかという問題もあるようですけれども、この辺は整理されたんですか、道交法の関係。
411 ◯相川副委員長 県土整備部長。
412
◯竹内県土整備部長 道路交通法とのかかわりも含めて、今──今といいますか、国といろいろ相談をしている状況にありまして、これにつきましても、今後しっかり国の確認をしていきたいというふうに考えてございます。
413 ◯相川副委員長 古村委員。
414 ◯古村委員 まず、現状では、県が債務保証をして、相当低金利で借りていると思うんです。したがって、これ以上の──今現在以上の条件で民間から資金を引き出せるんだということを部長は本気で考えているのかどうか、そこをお伺いします。
415 ◯相川副委員長 県土整備部長。
416
◯竹内県土整備部長 その債券発行に当たっての利率の設定の仕方とかそういうふうなことからいろいろ判断されて、いわゆる導入が可能かどうかというふうなことが決まっていくのかと思っておりまして、これについては、ある程度具体的な数値がはっきりしていかないと判断できないというふうに考えております。
417 ◯相川副委員長 古村委員。
418 ◯古村委員 このゴールドマン・サックスといえば、記憶にあるのが、古牧温泉の再建に当たった外資系の証券会社ということですね。古牧温泉を経営するに当たって、第二みちのく有料道路、それから上北道路とかが順次整備されて、みちのく有料道路が一体的に整備される、ネットワーク化されるということになれば、古牧温泉の価値も上がるわけなんでしょう、とおらは思うの。
したがって、言ってみれば、民間資金を導入するというのは、その分、県の債務負担、債務保証というのがなくなることによって、まだ区間が決まっていない路線もあるんではないの、順次整備を進めてきているけれども。そこに県が投資できるという、そういううまみも県土整備部のほうでは考えているんではないんですか。
419 ◯相川副委員長 県土整備部長。
420
◯竹内県土整備部長 債務保証がなくなることで、その分をいわゆる国の直轄事業のほうに投資できるというふうな事業のスキームにはなっておりませんので、そういうことにはならないというふうに思っております。
いずれにしても、古牧温泉とのかかわりは、県としては、いわゆるかかわりないといいますか、そういうふうに考えております。
421 ◯相川副委員長 古村委員。
422 ◯古村委員 それは、県のほうでは考えていないでしょうけれども、考えるのはゴールドマン・サックスで、うまみだけあさるだけあさって、あとはもう手を引いたりするわけですから、そういうやばいのと組んであえて危ない橋を渡る必要があるのかどうかと。
今、いろいろ、クリスタルバレイ構想とか──この間も、どうのこうの、相和の二十九億円とか民主党のほうからつっつかれているわけでありますので、こういう時期に──まあ、おらの調査能力はないからこの辺で終わりますけれども、民主党が泣いて喜ぶような新たな疑惑、疑念、ぜひともこういうことが生じないようにするために──今さらレベニュー債を検討したところで何の価値があるのか、おらはあえてそういうことを言いたい。
したがって、この検討会議──こういう危ない話からはもう県のほうでは手を引くべきではないか、そういうことを申し上げて、次に入らせていただきます。
積寒地域道路事業費、流・融雪溝の整備であります。
というのは、おらの基本的な考え方というのは、今現在供用されている流・融雪溝を見れば、何となく、公共事業の事業量を確保するためにだけやってきたんではないかと。実際に使ってみれば、使い勝手が非常に悪い。そういうようなことから、この整備計画の基本的な考え方についてお伺いをしたい。
423 ◯相川副委員長 県土整備部長。
424
◯竹内県土整備部長 流・融雪溝の整備につきましては、水源が確保され排水が可能な地域であることや、地元住民の方々が管理組合を組織して電気料金などの負担をしていただくことを前提としておりまして、これらの条件を満たした場合に、整備計画に掲載して、順次整備をすることとしております。
425 ◯相川副委員長 古村委員。
426 ◯古村委員 だから、その、地元の人が管理組合をつくってというのがみそなのな。というのは、これだけみんな高齢化したり、あるいは空き家がたくさんふえてきたり、しかも、自分の庭に降った雪は軽くてそんなに苦労しないんだけれども、道路の路面のあのかたい除排雪を流雪溝に入れるに苦労しているわけだ。
だから、管理組合とかではなくて、やっぱり、基本的に道路管理者が責任を持つという考え方を持ちながら、住民にも協力してもらうんだというのがなければ、この流雪溝というのはなかなか機能しないんではないか。特に、一たん流・融雪溝を設置すれば歩道の除雪はやらない、そういうことなんでしょう。
427 ◯相川副委員長 県土整備部長。
428
◯竹内県土整備部長 流・融雪溝を整備した区間における除雪の関係でございますけれども、いろいろ地域の実情等もあるかと思いますので、その辺につきましては、いろいろまた、地域整備部といいますか、出先のほうに御相談していただければというふうに考えております。
429 ◯相川副委員長 古村委員。
430 ◯古村委員 何かきょうは県土整備部長をいじめているような感じがしていますけれども、これまでの実績と今後の計画についてお伺いをして終わりたいと思います。
431 ◯相川副委員長 県土整備部長。
432
◯竹内県土整備部長 流・融雪溝は、平成二十二年度までに二百二十一工区、約二百八十九キロメートルが整備されることとなっておりまして、平成二十三年度以降の整備計画は、十四工区、約十八キロメートルとなってございます。
433 ◯相川副委員長 古村委員。
434 ◯古村委員 まあ、難癖をつけているようでありますけれども、実際にもっと流・融雪溝が機能するように、幅なり、深さなり、それから水の量なり──実際に機能するようにつくってほしい、何か半端だというのがおらの言いたいところであります。
それから、空き家とか年寄りでなかなか除雪できない、自分の玄関から道路までの通路もやっとだという人のところは、やっぱり何らかの形で配慮する、それも毎日でなくてもいいからある程度除雪をしてやると、こういうようなことも道路管理者としてひとつ検討していただきたいということであります。
あら、県土整備部長は終わったと思ったら、もう一つあったんだな。
八款五項三目「公園事業費」、これは、高橋委員も質問していましたし、諏訪さんもお聞きをしてあったようでありますが、青い森セントラルパーク低炭素型モデルタウン普及促進事業。
十二・八ヘクタールということでありますけれども、県が青森操車場跡地を購入した当時の利用目的というのは一体何であったのかお伺いします。
435 ◯相川副委員長 県土整備部長。
436
◯竹内県土整備部長 旧青森操車場跡地を購入した当時の利用目的についてですが、県と市は、青森操車場跡地が青森市のみならず県全体の振興に資するという共通の認識に立ちまして、平成九年十一月に青森市が策定した青森操車場跡地利用構想の実現を図るため、平成十年二月に土地を取得しております。
本構想では、「緑豊かな交流協定~あおもりセントラルパーク」を利用コンセプトとし、防災機能や景観に配慮した、公園を中心とした環境負荷の小さい環境共生型の都市を先導する地区などを目指すこととしたものでございます。
437 ◯相川副委員長 古村委員。
438 ◯古村委員 当時の県と市の購入価格というのは一体どれぐらいなものでしょう。
439 ◯相川副委員長 県土整備部長。
440
◯竹内県土整備部長 当時の購入価格でございますが、操車場跡地全体二十一・五ヘクタールのうち約七・六ヘクタールにつきまして、平成十年二月二十五日付で日本国有鉄道清算事業団から二十億六千九百九万一千八百四十三円で取得しております。
441 ◯相川副委員長 古村委員。
442 ◯古村委員 何か、形を変えた、ネーミングだけは格好いいけれども、従来の宅地開発事業とそんなに変わらないんではないか。まあ、いろいろ雪対策とかなんとかをやるだろうからそれなりの造成費はかかるだろうけれども、民業圧迫なのではないか、この御時世に。
したがって、民間の宅地開発事業と何が違うのかというのを端的にお伺いします。
443 ◯相川副委員長 県土整備部長。
444
◯竹内県土整備部長 本モデルタウンの事業手法でございますけれども、民間事業者からの提案に基づきまして、行政機関と民間事業者が協議をした上で事業計画を策定する企画・協働型公募プロポーザルを採用してございます。行政と民間の得意分野を融合するという点で、一般的な宅地開発事業とは大きく異なるというふうに考えてございます。
さらに、その内容におきましても、地球環境問題、高齢化、雪等の諸課題に対応してその解決の方向性を指し示す課題解決型都市モデル、さらには、大学を中心とした最先端の実証研究を実施して産業振興に結びつける、さらには、住民が開発事業者、大学、行政と手を取り合って地域コミュニティーとまちの価値を高めるエリアマネジメントを実施する都市モデルを目指すということでございまして、本事業は将来のまちづくりを先導するモデル的な取り組みであるというふうに考えておりまして、この点からも、一般的な宅地開発事業とは異なると考えております。
445 ◯相川副委員長 古村委員。
446 ◯古村委員 そういうことからいえば、当時の購入価格二十億幾らを下回っても、公募でいいのがあれば、県のほうでは売却を進めていくという理解でよろしいですか。
447 ◯相川副委員長 県土整備部長。
448
◯竹内県土整備部長 今回のいわゆるモデルタウン事業の内容としましては、緑地は五ヘクタール以上確保する、さらには、道路、それから駅を前提とした駅前広場、さらには交流施設、研究施設、そのほかに住宅エリアというふうなことで、我々県が当時購入したすべてを宅地化するということにはなりませんので、御理解をお願いしたいと思います。
449 ◯相川副委員長 古村委員。
450 ◯古村委員 民間が不振にあえいでいる、地価も青森では低落傾向がずっと続いている、そういう時期になぜ今着手しなければならないのかというのが疑問でならない。このまま当分我慢してもいいのではないかと。特に青森市なんかは、コンパクトシティとか、駅前にごちゃごちゃ建物を建てたりしていますけれども、こういう時期に取りかからなくてもいいんではないかと思うんですが、今の時期ということについて部長から答弁をいただいて、部長への質問は終わります。
451 ◯相川副委員長 県土整備部長。
452
◯竹内県土整備部長 このモデルタウンでございますけれども、再生可能エネルギーなどを活用した新しいまちづくり、そして、冬でも生活しやすいまちづくりを行いまして、このモデルを県内の既成市街地へ普及させて低炭素型のまちづくりを目指すものでございます。
この取り組みをしていく中で、新しい産業が生み出されるとか、それから、既存産業が拡大されるということでの新たな雇用の創出が期待できるというふうなことで、この事業を進めるものでございます。
453 ◯相川副委員長 古村委員に申し上げます。持ち時間が少なくなっておりますので、まとめてください。
454 ◯古村委員 議案第九号、二十三年度鉄道施設事業特別会計予算案、青い森鉄道線の運賃についてであります。
並行在来線に、貨物使用料十億円ですか、思わぬ国からの支援措置がありましたんで、この際、先を見込んで青い森鉄道の運賃をJRの運賃並みに引き下げて、むしろ乗客をふやすという方法をとったほうが将来的によいのではないかと、そう思っています。これに対するお答えをいただいて終わります。
455 ◯相川副委員長 企画政策部長。
456 ◯佐々木企画政策部長 少子化の進展など今後見込まれます厳しい経営環境の中にありまして、委員御指摘のとおり、青い森鉄道線の利用者を増加させるということは非常に重要なことと考えてございます。
ただ、現在の運賃は、独立採算制の原則が確保されます適正な受益者負担の水準に設定するという基本を踏まえながら、いろいろなバランスに考慮しまして、線路使用料の一部を免除した場合に収支均衡が図られるものとして、青い森鉄道株式会社、県、沿線市町等から成ります青い森鉄道線青森開業準備協議会において了承されました運賃水準に基づいて設定されたものとなっております。
値下げによる減収を利用者増による増収が上回るかどうか、これにつきましては十二分に見きわめる必要があるということで、慎重に対処すべきものというふうに考えてございます。
457 ◯相川副委員長 これをもって古村委員の質疑を終了いたします。
ここで、三十分間休憩いたします。
午後五時二分休憩
──────────────────────
午後五時三十五分再開
458
◯大見委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
三上隆雄委員の発言を許可いたします。──三上委員。
459 ◯三上委員 民主党の三上隆雄であります。今定例会の最初の発言をいただきました。丁寧な質問をいたしますが、こういう事態にかんがみまして、それなりの質問をしてまいりたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
今までの質問者、それぞれ、冒頭、哀悼の言葉を申されましたが、私も、このような事態に遭遇して、予期しない死亡者一万人、そしてまた不明者がまだ数万人という状況の中で、お亡くなりになりました多くの方々、そして被災に遭われました方々に心からお見舞いと哀悼の意を表する次第であります。
それでは、通告に従いまして質問をいたしますが、まず、議案第一号「平成二十三年度青森県
一般会計予算案」についてでありますが、今、我が国は、不況、デフレの状況にある中で、首都圏から遠い地方ほど、経済環境などあらゆる面で格差が生じております。
その原因は、これまでの大企業や大都市優遇という地方を置き去りにした政治にあったと思います。税制の改正や地方交付税による地方への財源の再配分、そして民主党の地域主権改革により、来年度はさらに自立した財政、行政を進めることができる状況になっております。
こういった状況にある中で、格差是正を図るため、県民の暮らしを第一に、本県産業の振興、県民生活の安全・安心と豊かさなどを求めて、県勢の発展を求めながら質問をさせていただきます。
まず、歳出七款一項十目「新産業創造費」、弘前地域研究所の整備について伺います。
弘前地域研究所は、弘前公園の近隣に建設されて以降、三十六年が経過していると伺っております。資金力の弱い本県中小企業のニーズに基づき、基礎研究や地域の資源を生かした製品づくり、共同研究による新商品開発などさまざまな分野の研究を進めているようでありますが、これまでの弘前地域研究所における主な研究成果について、まずお尋ねをいたします。
460 ◯大見委員長 商工労働部長。
461 ◯櫻庭商工労働部長 研究成果についてお答えいたします。
地方独立行政法人青森県産業技術センター弘前地域研究所につきましては、大正十一年に青森県工業試験場として創設以来、県内の豊富な地域資源の高付加価値化のための研究拠点として、産業振興と地域経済の活性化に貢献してまいりました。
これまでの主な研究成果としましては、ブナコ製品の技術考案、県産酒造好適米「華想い」を使った清酒の開発、県産ナガイモを使用したインフルエンザ予防成分を含むサプリメント「ながいも習慣」の開発、ハチミツ入りりんご酢の製造技術・生理機能評価などがございます。
また、最近では、プロテオグリカンを活用しました化粧品や機能性食品、医薬品などの開発や、東北新幹線全線開業に合わせまして青森駅前にオープンしましたA-FACTORYの中で県産リンゴを活用したシードルを製造しているシードル工房の製品企画、製造設備指導、技術者養成などを行うなど、地域資源の高付加価値化に大きく貢献してきているところでございます。
462
◯大見委員長 三上委員。
463 ◯三上委員 次の質問については、さきの質問者が触れましたので、あえて次の問題に入りたいと思います。
弘前地域研究所の土地、建物ともに非常に狭隘で、地域の企業が求める研究を十分にできないものと思います。建設場所は、津軽地域の企業の利便性、農業者との連携も考慮をする必要があります。また、本県経済が厳しい環境にある中では、一日も早い高度な研究ができる施設の整備と研究体制の構築が求められております。先日も、弘前市を初め津軽地域の市町村長さんらから早期の建てかえの要望があったところでありますが、そこで、弘前地域研究所についてはいつまでにどこに設置するのかお尋ねをいたします。
464
◯大見委員長 商工労働部長。
465 ◯櫻庭商工労働部長 今回予算計上させていただいているものは、来年度に設置する検討委員会におきまして、地域資源の高付加価値化を推進する研究拠点として求められる機能につきまして、弘前地域研究所がハード、ソフトの両面からあるべき姿を調査検討するということにしてございます。
その後の整備方針につきましては、この検討委員会の検討結果を踏まえた上で検討させていただきたいというふうに考えております。
466
◯大見委員長 三上委員。
467 ◯三上委員 要望になりますけれども、来年度は調査を進めるようでありますが、しっかりと地元の企業の方々の意見を取り入れて、高付加価値の商品開発ができる施設、体制を整備し、県民所得の向上に向けて一日も早い整備をされますことを心から要望する次第であります。
次に、歳出六款四項六目「農村整備費」、環境公共推進技術実践事業費におけるマイクロ水力発電の調査内容についてであります。
マイクロ水力発電についてはこれまでも数回取り上げてまいりましたが、津軽地域の中では、弘前市岩木地区の岩木川から取水している岩木川左岸幹線用水路などが、夏場の取水量が安定しており、水力発電に適しているのではないかなと思っていたところであります。マイクロ水力発電は、建設費が安く、落差が少なくても発電できるという特徴があり、農業用水を活用する発電法として非常に有望であると思います。
前回質問した際には、今年度は、岩木川左岸幹線用水路等の二百四十九カ所を対象に、水量や流速、落差から発電の可能性を調査するということでありましたが、平成二十二年度の調査結果について伺います。
468
◯大見委員長 農林水産部長。
469 ◯有馬農林水産部長 平成二十二年度のマイクロ水力発電に係る調査は、県内の主な農業水利施設二百七十八カ所を対象に行い、水量や流速、落差などの発電の条件を満たす施設として九十八カ所が確認されたところです。
さらに、周辺で効率的に電力を利用できる農業用の施設があるかどうかなどについて精査をした結果、平成二十三年度においてより詳細な発電可能性調査を行う施設として、国営の岩木川左岸幹線用水路や国営三本木幹線用水路など五施設を対象とすることとしています。
470
◯大見委員長 三上委員。
471 ◯三上委員 ただいま、岩木川の左岸、それから十和田地域における施設など五施設と、箇所名まで申されましたが、その可能性について、この機会にお尋ねをいたします。
472
◯大見委員長 農林水産部長。
473 ◯有馬農林水産部長 今年度選定いたしました五施設を対象にしまして、発電機の設置などに伴う建設費や維持管理費、さらには、電力を利用する農業用施設におけるコストの縮減額などを算定いたしまして、マイクロ水力発電の採算性を検討することとしています。
474
◯大見委員長 三上委員。
475 ◯三上委員 どうぞ、この有効な資源を活用して早期に実施されますことを希望して、次の問題に入りたいと思います。
それでは、歳出六款二項三目「りんご流通対策費」、青森県りんご経営安定対策事業についてでありますが、リンゴ生産者は、平成二十年度のひょうや霜による被害、そして、二年続けてのふじのつる割れの発生に加えて、ここ数年の市場価格の乱高下により、非常に不安定な経営を強いられております。
このような中で、平成二十二年産リンゴは、わせ種のつがるから高価格で推移し、生産者の多くがことしは久々にいい金がとれるのではないかなとの思いを強く持ちましたが、ここに来て、これまでの高価格に対する陰りが見え始めてまいりました。このような、生産者の努力だけではどうにもならない価格低迷から経営を守っていくためには、経営安定対策が不可欠なものであると考えております。
県では、今年度で終了する県単独事業のりんご経営安定対策について、検討委員会を設置し、委員会の提言を踏まえて次年度以降も継続実施することといたしました。この対策では、新たに果樹共済制度への加入を要件として義務づけておりましたが、その理由をまずお答えいただきたいと思います。
476
◯大見委員長 農林水産部長。
477 ◯有馬農林水産部長 県が新たなりんご経営安定対策を検討するために設置した、リンゴ関係団体等で構成する委員会では、その協議の中で、生産者の経営安定のためには果樹共済の加入を推進するべきとの意見では一致いたしたところです。
しかし、新たな対策で果樹共済への加入を要件とするべきかどうかについては賛否両論が出されました。
県としましては、これらの議論をも踏まえ、リンゴ生産者の経営を不安定にする要因である自然災害と価格下落の双方のリスクに対応できるセーフティーネットが生産者の経営安定に欠かせないという考えのもとで、果樹共済制度への加入を要件としたところです。
478
◯大見委員長 三上委員。
479 ◯三上委員 ただいまのお答えのように、自衛手段として果樹共済にみずから入って、そして制度の充実を図るということは私も前々から主張してきたわけでありますが、そこで改めて果樹共済の加入促進について伺うわけでありますが、先ほども申し上げましたが、平成二十二年のリンゴ生産は、現在は価格が低迷しているものの、リンゴ農家は今後の高値販売に期待しているところです。──これは、ダブっていますから割愛させていただきます。
そこで、改めて質問いたしますが、リンゴ農家の経営安定のためには、すべての自然災害を対象とする総合一般方式の加入が有効であり、加入促進に向けて、掛金を安く、かつ補償割合を高くすべきであると思います。ただ、掛金は安く、補償は高くということは余りにも虫のいい話でありますが、少なくとも、掛金を適正にして補償も適正にするという努力が必要であると思います。その点についての県の見解をただすものであります。
480
◯大見委員長 農林水産部長。
481 ◯有馬農林水産部長 お答えいたします。
果樹共済制度では、総合一般方式は、すべての被害、災害を対象としまして、補償の期間も花芽の形成期から翌年の収穫期までの約一年半と長期にわたっており、その補償割合は、五割から七割の間で生産者が選択できるようになっています。
一方、特定の災害に対する補償を行う特定危険方式は、対象とする災害を特定して補償期間を短くすることにより、掛金が総合一般方式よりも安くなるという特徴を持っております。
県としましては、農家が、みずからの経営の状況、そしてまたこれまでの被害発生の頻度といったことを考えまして、どの方式がいいのかという部分について選択をしてもらえるように、その情報を関係機関と一緒に発信しまして、加入の促進に努めていきたいというふうに思っております。
482
◯大見委員長 三上委員。
483 ◯三上委員 ただいまの部長のお答えでは、いろんな方式があるけれども、なるべく多くの制度に加入してもらいたいという。ただ、今回の要件として果樹共済への加入を求めているというのは、あえてどの部分の共済を求めておりますか。その点を確認してから次に進みます。
484
◯大見委員長 農林水産部長。
485 ◯有馬農林水産部長 今回の加入の要件としては、どの方式に加入しなければいけないということではなくて、果樹共済制度を活用して、その制度に加入していただくということを要件としています。
なお、掛金のお話がございましたが、特定危険方式の場合、最も安い場合ですと、十アール当たり二千三百七十四円、それに共済組合の事務費的な賦課金として約千六百円程度ということで、十アール当たり約四千円程度から加入できるというふうになっておりますので、こういったことも生産者に指導しながら加入の促進に努めていきたいと思っております。
486
◯大見委員長 三上委員。
487 ◯三上委員 ただいまの部長のお答えでは、加入の要件は満たすにしても、入った以上はその制度の恩恵を受けなけりゃ何にもならないわけでありますから、その要件を若干上げて、そして、入った以上は補償させて、将来の経営の安定向上に資するという、そういう条件が伴わなきゃならないと、私はそう思うんであります。
その意味で、総合一般方式の加入を進めて、その場合、もしも三年、五年経過しても災害がない場合、あるいは、その園地によって、例えば風であれば風、霜、ひょうであれば、局部的な災害でありますから、被害のない場合もあります。それに対する、無事故補償というか、無事戻しという──米の場合はそういう制度がございますから、その点、リンゴの場合はどういう条件があるのか、この機会にお答えをいただければありがたいと思います。
488
◯大見委員長 農林水産部長。
489 ◯有馬農林水産部長 総合一般方式の場合は、やはり、特定危険方式に比べて掛金がかなり高いというような状況にあります。なお、共済制度は一定の保険制度ということになりますので、必ず保険が適用になるということではありませんでして、一定の要件、条件を満たした場合にその保険制度が適用になるということになります。
また、無事戻し──被害がなかった場合の掛金の還付のことでございますが、三年間災害がなければ、無事戻しということで、掛金の一定部分が返還されるということになっています。
490
◯大見委員長 三上委員。
491 ◯三上委員 今現在その制度が適用されておるということですか。その点をもう一回確認します。
492
◯大見委員長 農林水産部長。
493 ◯有馬農林水産部長 適用されているということでございます。
494
◯大見委員長 三上委員。
495 ◯三上委員 それでもなおかつ生産者が加入しないという、その点は、これを進める立場の県としては、どういうお考え、あるいはどういう対策をお持ちでしょうか。
496
◯大見委員長 農林水産部長。
497 ◯有馬農林水産部長 先ほどの御質問にもちょっとお答えいたしましたが、果樹共済制度の加入率は三六%台というふうになっています。水産業でホタテ養殖漁業に取り組んでいる人たちの加入率は九割以上、今回は一〇〇%というふうになっています。こういったことで、みずからの経営はみずから守るという、そういった自主的な経営の努力が果樹生産農家にも必要だというふうに認識しておりますので、ここの部分について、そういった周りの状況等もお示ししながら加入の促進に当たっていきたいと思っております。
498
◯大見委員長 三上委員。
499 ◯三上委員 この制度については、私は前から主張してきたことだし、むしろ加入しないほうに問題があるのかなと思っておりますが、今までの十年、二十年前の果樹共済加入者の考え方を聞きますと、三年、五年掛けても補償がない制度には入る必要がないと。例えば、三町歩、四町歩という大面積の方々には、昔の果樹共済というのは掛金が三十万から五十万という人もありました。三年、五年掛けて、たまたま災害に遭わないときがある。五年に一回、果樹共済の恩恵を受ける──対象になった場合に、せいぜい百万か百二、三十万──我々もその程度はもらったことがありますけれども、一年に五十万、六十万掛けて、そして来ない場合には、何にもならない、みずから貯金しておいたほうがいいという考え方もないわけではないんです。
その意味で、災害のない場合はこの果樹共済の制度でも無事戻しはありますか、その点をもう一回確認します。掛金と補償の少ないほう、それには無事戻しはあるかもしらぬけれども……。
500
◯大見委員長 農林水産部長。
501 ◯有馬農林水産部長 制度としてはございます。ございますが、保険ですのでその財源との見合いということになりますので、制度として無事戻しという制度はございますが、共済金の支払い等が毎年毎年頻繁に続いていって財源がないという中で、例えば無事戻しの条件を満たした場合に、財源がないということで制度の適用ができないというケースもある──予想されるということでございます。
502
◯大見委員長 三上委員。
503 ◯三上委員 今、リンゴ生産の現場では──米に対しては戸別の所得補償がある。畑作に対しても、畜産に対しても、今、それが可能となる状況になっております。果樹についてもそれに見合うような制度の充実を図ってもらいたいというのが今の果樹農家の希望でありますから、入ったら、ひとつ、それに見合うような制度であってほしいなと思うわけでありますが、それに対する御見解があったらもう一度御説明をいただきたいと思います。
504
◯大見委員長 農林水産部長。
505 ◯有馬農林水産部長 この平成二十三年度からの経営安定対策を検討する際の検討委員会の方々から出された意見の中で、青森県を代表する農業団体の代表の方から、果樹共済制度の得失といいましょうか、損と得というお話になりますが、長年掛金を掛けて、その掛金を合算した額と補償金としてもらった額のどちらが多いか、ずっと長年にわたって自分で計算をしてみました。その際に、掛金よりも受け取った保険金のほうが多かったと。よって、その青森県を代表する農業団体の組合長からは、そういったことをみずからの組合員に示しながら加入促進を図っていくというような御意見をいただいております。
こういった部分がリンゴ生産者に浸透していくことによって、みずからのセーフティーネットをみずからが張っていくという、そういう機運の盛り上がりになっていくのではないかと思っていますので、私どもも、こういった部分について生産者にお伝えしながら加入促進を図って、果樹共済制度の普及に当たっていきたいと思っております。
506
◯大見委員長 三上委員。
507 ◯三上委員 どうぞ、そのように──お互い、我々も進める立場にありますから、どうぞ進めるようにお願いしたいと思います。
次に、歳出六款一項一目「農林水産総務費」及び六款一項三目「農業改良普及費」、農林水産業の六次産業化による産業の高度化と雇用の創出についてでありますが、一次産業としての農林水産業──それでは、改めて項目で進めたいと思いますので、よろしく対応をお願いしたいと思います。
歳出六款二項三目「りんご流通対策費」、青森県りんご経営安定対策事業について──これもやりましたね。
りんご園の基盤整備に関し、国が平成二十三年度以降も実施することとした果樹経営支援対策についての内容と今後の取り組みについてお答えください。
508
◯大見委員長 農林水産部長。
509 ◯有馬農林水産部長 お答えいたします。
国の平成二十三年度の果樹経営支援対策では、各地域の果樹産地構造改革計画で位置づけられている担い手農家を対象に、改植事業の場合、矮性樹、矮化樹への改植には十アール当たり三十二万円、普通樹への改植には十六万円の定額補助をするほか、園内道路や傾斜緩和などの小規模な園地整備、防風網や防霜ファンの整備等には事業費の二分の一以内で補助することとなっています。
また、国では、この事業で五アール以上の改植を行った場合に限り、改植二年目以降の四年間を収益がない未収益期間と定め、十アール当たり二十万円を定額補助する果樹未収益期間対策事業を新たに実施することとしています。
県では、引き続き、関係機関・団体と連携しながらリンゴ農家に対して積極的にこの事業の活用を働きかけ、生産性が高く、災害に強い園地づくりに取り組んでいきます。
510
◯大見委員長 三上委員。
511 ◯三上委員 事業の名称そのものが、県と国が一緒になってやっているものと国自体でやっているものとで若干の違いがありますから、その点、皆さん御理解ください。
その意味で、ただいま部長がお答えになったこの制度は極めて有効な制度であると私は思っております。しかもまた、面積の要件も、ことし──この点を確認いたします。面積の要件が倍になったということは二十三年度からですか、そのことを確認いたします。
512
◯大見委員長 農林水産部長。
513 ◯有馬農林水産部長 ただいまお答えしました事業につきましては、二十三年度からということでございます。
514
◯大見委員長 三上委員。
515 ◯三上委員 この事業には、小規模園地整備、用水・かん水施設の設置、条件不利園地の廃園、特認事業などなど五項目の事業がございますが、ほとんどが二分の一の補助であります。極めて高率の補助だと思っていますが、これについて、希望者の申し込み状況、それと、県の予算的対応がどうなるのか、その辺も確認をいたします。
516
◯大見委員長 農林水産部長。
517 ◯有馬農林水産部長 この事業は国直轄事業として行われる事業ですので、県としての予算措置は講じていません。
なお、この事業の実施の希望量といいましょうか、事業量については、現在のところ、私どものほうとして詳細な把握はいたしておりません。
518
◯大見委員長 三上委員。
519 ◯三上委員 ただいま部長から、国の事業だから詳細は把握していないというお答えですけれども、やっぱり、先ほどの県の事業と並行して指導していったほうが、むしろ全体としてのリンゴ産業の──米に対する所得補償に匹敵しての議論になっていますから、その点もあわせて御説明、確認したほうがいいのではないかと。
以上、希望を申し上げておきますが、それについてのお考えはいかがでしょう。
520
◯大見委員長 いいですか。──三上委員。
521 ◯三上委員 それでは、次に進みます。
歳出六款一項一目「農林水産総務費」及び六款一項三目「農業改良普及費」。農林水産業の六次産業化による産業の高度化と雇用の創出について、どのような考え方と進め方をしようとしているのか伺います。
522
◯大見委員長 農商工連携推進監。
523 ◯小山内農商工連携推進監 農林水産業の六次産業化による雇用の創出につきましては、地元の県民局の普及指導員も一体となって取り組む中で、集落営農組織が地元の加工業者と連携して漬物用の新作物を導入し、一次加工に取り組んで雇用を創出した例、それから、農業生産法人が規格外の野菜を原料といたしました加工部門を立ち上げ、首都圏等への販売拡大によりまして地域の雇用の受け皿となっている例など、各地域で新たな動きが出てきているところでございます。
平成二十三年度からは、あおもり食産業づくり加速化事業により、安全・安心な県産農林水産物の付加価値向上と利用拡大に係る経費の一部を助成して取り組みの拡大を図りますほか、農商工連携ファントや国の六次産業化関連事業など各種施策を積極的に活用しながら、地域が一体となりまして、本県の食産業づくりを一層加速させて、雇用の創出、拡大につなげていくことにしております。
524
◯大見委員長 三上委員。
525 ◯三上委員 いわゆる六次産業化という考え方とその制度について私の意見を申し上げながら、それに対する見解をお聞きしたいんですが、六次産業ということは、第一次、第二次、第三次、それを足しても掛けても、生産と流通と加工の関係をあわせて六次産業化するという表現であります。
その場合、私が懸念するのは、原料そのものに価値を与えないと、生産の段階では、加工や流通に関与が難しい立場の人がなかなか乗ってこない。それどうするかということが大事だと思うんです。ですから、少なくとも、新鮮で安全な原料そのものに一定の価値を与えて、プラスアルファで加工なり流通を加味していく、その思想でないとこの事業は理想には近くないと私は考えていますが、それに対する、今回のこの六次産業化の考え方そのものについても含めてお答えをいただきたいと。
526
◯大見委員長 農商工連携推進監。
527 ◯小山内農商工連携推進監 今、委員から御意見を賜りましたが、まさに、先ほど例として紹介いたしました、規格外の野菜を原料といたしまして、それを、加工部門をみずから立ち上げる形をとりまして首都圏へ販売し、この農業生産法人につきましては、常用雇用ばかりじゃございませんけれども、約百名を超える雇用を生み出しているという実例でございます。
農林水産物の原料としての価値を最大限に発揮して、県内の中小企業が持っているポテンシャルと結びつけることによって地域に広く経済の波及効果を及ぼしていく。これは、農林水産業者のみならず、商工業者も含めて、ともに成長していく、こういう取り組みであろうというふうに理解しております。
528
◯大見委員長 三上委員。
529 ◯三上委員 次に、歳出七款一項六目「経営振興費」、ベンチャー企業の育成について伺います。
これまでベンチャー企業の育成に取り組んできた成果について、まず御報告ください。
530
◯大見委員長 商工労働部長。
531 ◯櫻庭商工労働部長 ベンチャー企業育成の成果についてでございます。
産業・雇用というのが私どもの喫緊の課題で、特に、廃業等──倒産も含めまして、非常に事業所の数が減っている中で、創業、起業するということが非常に大事だというふうに認識してございます。
成果としては、具体的に、十八年度から県内三カ所に順次、夢クリエイト工房などインキュベーション機能を持つ創業拠点施設を設けまして、これまで二百四十九名がその拠点を利用しております。それから、専門スタッフによる相談対応、あるいは助言等によりまして、これまでに三十九名が自分の夢をかなえまして創業に至ってございます。
また、十九年度から、新幹線開業ということをにらみながら観光分野におけるベンチャー企業の創出を図るために、旅行業ですとか、あるいは観光ガイド業、健康ツーリズム業、こだわり農家による流通・加工業というような観光ビジネスにも新たにチャレンジしていただくための支援も行ってございます。
以上、実績についてお答えさせていただきました。
532
◯大見委員長 三上委員。
533 ◯三上委員 その場合、補助金や資金調達を初めとしたベンチャー企業の支援策の概要についてもこの機会に御報告ください。
534
◯大見委員長 商工労働部長。
535 ◯櫻庭商工労働部長 ベンチャー企業の資金調達等につきましては、私どもも非常に大事な施策だと思ってございます。
具体的なものにつきましては、補助金につきましては、財団法人21あおもり産業総合支援センターに五十億円の基金を造成してございまして、あおもり元気企業チャレンジ基金という形にしてございます。その運用益を財源に、創業ですとか、あるいは経営革新、新たな取り組みに助成をしてございます。
さらに、農商工連携の関係につきましては、地方独立行政法人青森県産業技術センターに二十八億円の基金を造成しまして、あおもり農商工連携支援基金という形で、こちらも運用益を財源にしながら、農商工連携関係のベンチャー企業の育成等に対して助成してございます。
さらに、その先のステップということで、上場を目指すようなベンチャー企業については、あおもりクリエイトファンドという形で、これは出資等の関係でございますけれども、二十二億一千五百万で組成してございます。
そういう資金を活用できるようにしているほかに、運転資金等が必要になるものですから、県の特別保証融資制度「未来への挑戦資金」によりまして、最優遇金利である年一・五%での融資を実施してございます。
こういう形で、さまざまなファンドを活用し、さらに、それを事業化に結びつける段階では融資制度を活用していただくというような形での支援を行ってございます。
536
◯大見委員長 三上委員。
537 ◯三上委員 それでは、次に、歳出三款一項四目「老人福祉費」、高齢者福祉についてお尋ねをいたします。
高齢者が安心して暮らせるための施設について、介護基盤緊急整備等特別対策事業費補助金の事業内容について伺います。あわせて、施設創設整備数十六カ所の施設種別ごとの箇所数及び定員数も含めてお答えをいただきたいと思います。
538
◯大見委員長 健康福祉部長。
539 ◯一瀬健康福祉部長 まず、介護基盤緊急整備等特別対策事業費補助金の事業内容についてお答えいたします。
介護基盤緊急整備等特別対策事業は、国の介護基盤緊急整備等臨時特例交付金及び介護支援体制緊急整備等臨時特例交付金を財源として、県に基金を設置して実施する事業でございます。
この事業は、大きく分けまして二つございます。まず一つ目でございますが、定員二十九名以下の特別養護老人ホーム、認知症高齢者グループホーム、小規模多機能型居宅介護事業所等の創設または増築整備に関する市町村事業を対象とする補助事業、これが一つでございます。もう一つが、特別養護老人ホーム、認知症高齢者グループホーム、有料老人ホーム等にスプリンクラー等を設置する事業者を対象とする補助事業となっております。
次に、施設創設整備数十六カ所の施設種別ごとの箇所数及び定員数についてです。
平成二十三年度の創設整備予定十六カ所の施設種別ごとの内訳は、定員二十九名以下の特別養護老人ホームが四カ所で、総定員が百十六名、認知症高齢者グループホームが七カ所で、総定員が七十二名、小規模多機能型居宅介護事業所が五カ所で、総定員が四十一名となっております。
540
◯大見委員長 三上委員。
541 ◯三上委員 そこで伺いますが、特別養護老人ホームの入所待機者の解消策について、今どういう状況にあって、解消がどうなっているのか、その辺の状況を御報告ください。
542
◯大見委員長 健康福祉部長。
543 ◯一瀬健康福祉部長 特別養護老人ホーム等介護保険施設の整備につきましては、市町村が高齢者の将来人口や介護予防の効果、地域の実態等を踏まえて推計しましたサービス見込み量をもとに、県が策定した第四期青森県介護保険事業支援計画に基づいて計画的に実施しております。
また、平成二十四年度からは、最新のサービス見込み量をもとに策定する第五期計画に基づき、特別養護老人ホーム等の整備を行っていくこととしております。
なお、県では、今年度整備から、平成二十四年度から始まる予定でありました第五期計画に予定される分を前倒しで整備することを容認し、第四期計画を超えて整備を進めることにより、特別養護老人ホームの入所待機者の解消に努めているところでございます。
544
◯大見委員長 三上委員。
545 ◯三上委員 高齢化社会がどんどん進んでいく。財政的な負担も国、県それぞれ重なっていく。在宅介護というものをもっと重要視してもいいのではないか。在宅介護をすることで、そこに相当な介護費用を国、県が投資していく。そうなれば、失業者の関係も雇用の関係も緩和できるという、そういう二つのねらいが満たされると思っております。
もう一つ加えてお聞きすることは、在宅介護をするには、当然にして、リフォーム等、介護しやすい住環境をつくらなきゃならない。その意味では、これは関係課が違うかもしらぬけれども、リフォームの関係も含めてお答えをいただきたいと思います。
546
◯大見委員長 健康福祉部長。
547 ◯一瀬健康福祉部長 在宅介護といいますのは、恐らく、家族による介護を評価するという御質問だと思います。
介護保険制度そのものが、介護問題を社会全体で支える仕組みとして創設されたものでございます。その役割には、それまでの家族の過重な介護負担を軽減することも含まれていたものと理解しております。
また、この介護保険制度の創設に当たりましては、家族介護手当についてもさまざまな議論がなされ、その結果、現行の制度として合意形成がなされたものと考えております。
なお、現行制度におきましても、地域支援事業の任意事業としまして、各市町村は家族介護の利用のための金品を支給することができることとなっております。県内では、平成二十一年度の実績で、十五の市町村におきまして、家族が介護し、介護保険サービスを利用していない世帯などを対象に現金の支給が行われていると伺っております。また、リフォームに関しましても、介護保険制度を利用することが可能でございます。
548
◯大見委員長 三上委員。
549 ◯三上委員 ただいまのお答えでわかりましたが、市町村によっては現金の支給も実際なされていると。どの程度の現金支給がなされて、どのくらいの範囲の市町村が実施されておりますか。
550
◯大見委員長 三上委員に申し上げます。通告外の質疑はしないでください。──健康福祉部長。
551 ◯一瀬健康福祉部長 家族介護の慰労のための金品の件でございますが、金額は市町村や介護度によって異なっております。十五の市町村において、さまざまでございますが、年間十万円程度を支払っている例があるようでございます。
552
◯大見委員長 三上委員。
553 ◯三上委員 年間十万円程度という──年間十万円です。これでは、あったとしても、ないよりはいいけれども、少な過ぎるのではないかなと思っております。しかも、待機者が多く控えているという状況であれば、このことによって待機者が若干でも緩和するということに通ずるわけでありますから、そのことを十分検討されて進めていただきたいと思っております。
それでは、歳出二款二項一目「企画総務費」、構造改革特区制度について伺います。
県内における構造改革特区計画の認定状況について、まず伺います。
554
◯大見委員長 企画政策部長。
555 ◯佐々木企画政策部長 平成十五年の構造改革特区制度開始以降、本県におきましてはこれまで十六件の特区計画が認定されております。このうち全国展開により認定取り消しとなった特区計画が十一件あり、現在は五件の特区計画が認定されている状況にございます。
556
◯大見委員長 三上委員。
557 ◯三上委員 現在は五件の特区計画が──五件と言ったんだよね。
そこで伺いますけれども──構造改革特区計画の認定状況が今報告されたんですね。構造改革特区制度を活用した地域の活性化に向けて今後どのように取り組んでいくのかをお尋ねいたします。
558
◯大見委員長 企画政策部長。
559 ◯佐々木企画政策部長 構造改革特区につきましては、認定申請が年三回程度、構造改革特区の提案募集が年二回程度行われております。また、これらに向け、制度の普及や活用を促進するためのセミナー等も毎年度開催しております。
特区制度を活用した地域の活性化に向けまして、県としては、今後も、制度の普及、活用を促進するとともに、国との連携のもと、特区を活用した地域活性化に取り組む事業者等の掘り起こし、市町村への助言指導を行うなど、制度の積極的な活用が引き続き図られるよう取り組んでまいります。
560
◯大見委員長 三上委員。
561 ◯三上委員 それでは、アルコール特区──先ほどどなたか質問いたしましたけれども、アルコール特区、あるいは高齢化率の高い地域の優遇特区、あるいは人口流出地域の特区、いわば過疎地域振興法の関係も関連するかもしらぬけれども、この三つの特区について本県はもっと進める方針がないかどうか、それに適した事業があるかないかも含めてお答えをいただければありがたいです。
562
◯大見委員長 企画政策部長。
563 ◯佐々木企画政策部長 この特区制度そのものが地域の活性化に向けた取り組みということでございます。ただいまの三つの視点につきましても、それぞれアイデアがあれば、当然のことながら国への提案というのは可能だというふうに考えてございます。
中でも、リンゴ加工ビジネス関係につきましては、既に県内の黒石市、弘前市におきまして特区認定を受けて、それぞれ、販売なり、片方は今まだ醸造の段階でございますが、そこまで進んでいるという事例がございます。
また、高齢者関係のサービスにつきましても、例えば地方公共団体が設置しました特養ホームの管理委託先に株式会社を認めるといったメニューが過去ありましたが、これが全国展開されて、特区でなくても実施されるようになったと。
それぞれ、さまざまな取り組みがございますので、いずれにしましても、特区を活用しましたアイデアがある場合には積極的に提案をいただきたいと県としては考えてございます。
564
◯大見委員長 三上委員。
565 ◯三上委員 ただいま特区でお答えのように、現行の制度にのっとっては、過疎地域なり人口流出県にあってはなかなか中央都市圏とのいろんな競争に対応できないという──現行の法律ではできないけれども、過疎地域である、遠隔地域であるなどなどの要件で、私は積極的に国に提案していく姿勢がなければならないと。
特に、地方交付税の算定の要件についても、今までは、今ある条件に対して地方交付税の対象になっているわけでありますけれども、今なくなった部分、失った部分、それに対する地方交付税の要件があってもいいのではないかと。例えば、人口の流出に対して一定の要件を与えて交付する。高齢化になったことに──高齢化になるということは、若い人が流出しているから高齢化するわけであって、私はそれに対する交付の要件があってもいいなと思うわけでありますけれども、きょうは総務部長がおりませんので、この中におられるどなたか、これに対する適切な御見解を……
566
◯大見委員長 要望にしてください。
567 ◯三上委員 無理ですか。無理であったら私の私見を申し上げておきます。
以上、私に与えられた時間が参りましたので、これで終わることにいたします。ありがとうございました。
568
◯大見委員長 ここで、執行部入れかえのため、少々お待ちください。
〔執行部職員入れかえ〕
569
◯大見委員長 山内和夫委員の発言を許可いたします。──山内委員。
570 ◯山内(和)委員 きょうの予算委員会、引退する私にとりましては最後の委員会の質問ということになるわけでございまして、大見委員長は先日一般質問をやらせていただいて、私のほうは予算委員会ということでございます。
去る十一日にこの会場で委員会を開催しまして、まさに大きな地震がありまして驚いたわけですが、こんなに大きな災害の地震だとは思いませんでした。新聞報道によりますと、一万人を超える犠牲者が出たということでございます。そして、毎日テレビに出ていますが、県内でも大きな被害が発生したと。私、今回、引退する立場で、こういう場面で最後の質問をするということは、何か心の中にいつまでも残っていくものだなと思うんですが、犠牲になられた方々に対しましては心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、災害に遭った方々が一刻も早く元気になってほしい、そういう思いであります。
我々自民党としても、明日、八戸初め三沢等の災害現場を視察する、そしてまた、六ヶ所の原子力施設にも視察に行く──調査をして、国会議員の先生方と一緒になって、何としてでも一日も早く元気な青森県にするということで頑張ってまいりたいという覚悟を新たにしているわけでありますが、県におきましても、知事を先頭にして、職員の皆さんが一丸となって、この災害を一日も早く乗り越えて、県民の皆さん方が安心して暮らせる県政、県づくりのために頑張っていただきたいという願いを込めて質問いたしたいと思っているわけであります。
私は、質問は一点、議案第一号「平成二十三年度青森県一般会計予算」歳出七款三項一目「開発推進費」、むつ小川原開発の推進及び原子力施設に係る地域振興の充実についてということでございます。
私は、昭和四十二年に青森の市会議員になりました。当時は、新産都市というものが青森県に来ると。八戸市、青森市が立候補していろいろ議論した記憶があるわけですが、八戸市が新産都市に決定し、その後、企業も誘致され、そして港湾も整備され、東北では大きな新産都市として発展してまいったところでもございます。
そういう中で、今度、昭和四十七年には国策としてのむつ小川原開発が決まって、そして、多くの県民はそのむつ小川原開発に期待を寄せてきたところであります。
私は、昭和五十年に県会議員初当選でございます。当時は竹内俊吉知事。私どもも、このむつ小川原開発によって青森県が元気になっていくんだ、県民の雇用も進んでいく、企業の誘致も進んでいく、そういう期待をしてきたところでございますが、昭和五十五年、当時、いろいろみんな頑張ったけれども、結局、なかなか企業が来ない。国策としてのいわゆる石油備蓄基地として、あそこに備蓄タンクが、五十一基でしたかできました、昭和六十年に完成したんでありますが。あの備蓄基地のタンク一個が東京ドームと同じだと私たちはその当時聞いていました。東京ドームと同じタンクを五十一基つくって、国内の石油備蓄基地だという。雇用も余りないんです。雇用もない。そして、ただあそこにタンクがあって備蓄して、何か災害があったときに、そこから油を出してやるということです。
しかしながら、我々も期待をしながらも、まずその備蓄タンクができた。そして、さらに、今度は原子力の再処理工場というものが──昭和五十四年に北村知事になりまして、昭和五十八年から六十二年までの四年間──ちょうど私は落選していたときなんですが、そのときに六ヶ所に再処理工場が決定したわけであります。
私どもも、この原子力のサイクル施設は、安全で安心に運転、運営されて、そして、日本のエネルギーのために大きな役割を果たすんだという思いで今日まで来ているわけであります。安全運転ということについて、議会でも皆いろいろと厳しく意見を申し上げて今日に至っているわけであります。
昭和四十七年から今日まで国策としてのむつ小川原開発を進めていながら、来たのは、先ほど言いましたいわゆる石油備蓄基地のタンク、そして、再処理工場のほかに関連する企業が幾らか入っているけれども、あのむつ小川原の開発地域は、まだまだ多くの土地がただあのままで、企業も誘致されない。国策としてのプロジェクトはどこへ行ったんだという思いであります。
そういう中で、今度は、木村知事が誕生して、いわゆるクリスタルバレイ構想を打ち立てたわけであります。私は、これはすばらしいことだなと思いました。日本でも最初の計画だとある新聞に去年載っていましたんですが、すばらしい計画だと。しかし、いわゆる三重県で今開発が進んでいるということで、青森県では進んでいないということでありますが、このむつ小川原開発が昭和四十七年にスタートしてから今日こういう現状なのは──クリスタルバレイ構想も現在こういう状況になっている。この原因は何なのか。私、きょう、実は蝦名副知事においでいただいてお話ししようと思ったら、何か災害できょうはどうしても来られないということであります。ひとつ、担当部長から、このむつ小川原開発がこういう状況なのは、原因が何なのか、何か方策があるのか、まずお伺いをいたしたいと思います。
571
◯大見委員長 エネルギー総合対策局長。
572
◯阿部エネルギー総合対策局長 お答えいたします。
むつ小川原開発は、委員十分御承知のように、昭和四十七年以降、閣議口頭了解に基づく国家プロジェクトとして進められ、当初は、石油精製、石油化学などの大規模工業基地を建設する計画でしたけれども、その後、二度にわたるオイルショック等社会経済情勢の変化により計画の見直しを余儀なくされてきたというふうに考えてございます。
計画が想定どおり進展しなかった理由ということですけれども、今言いましたように、結果として、二度のオイルショックを初めとする経済社会環境の大きな変化に強く影響を受けたと。
それから、むつ会社──開発の母体はむつ会社ということでしたけれども、例えば、むつ会社は、有利子借入金に大幅に依存した形で事業が進められて、債務がずっと累積する形になったということで、平成十一年ですか、十一年、十二年のときに新たな新会社という形でスタートしたと。
そういったことなどが重なって、当初の計画どおりの進展が見られなかったというふうに考えております。
573
◯大見委員長 山内委員。
574 ◯山内(和)委員 委員長にお願いがあります。私のほうから委員の皆さんにちょっと資料をお渡ししたいと思いますので、お許しいただいて……。
575
◯大見委員長 資料の提示及び配付の願い出がありましたので、山内委員に許可することにいたします。どうぞ配付してください。
〔資料配付〕
──────────────────────
576
◯大見委員長 山内委員。
577 ◯山内(和)委員 お手元に配付した「地域の産業グランドデザインと産業立地の課題」というのは、三重県のクリスタルバレー構想の資料でございます。
一枚目をめくりますと、地域の競争力の強化と。これは、三重県のほうで「地域の競争力を決める地域資源」として書いておりますが、物流機能──道路、港湾、空港、そして、情報通信機能──大容量高速通信とか、人材では工業高校、高専、工業大学、大学の工学部とかいろいろ書いております。
そして、次をめくりますと、ここに書いてあるわけであります。「クリスタルバレー構想(三重県)」。これを見ますというと、まず、「クリスタルバレーの情報発信と情報推進体制の整備」、「核企業・関連企業に対する戦略的な誘致活動の推進」、「県内関連企業の変革と新事業創出の支援」、「国内・外の研究機関との連携支援及び地域の研究・技術開発機能等の強化」、「魅力ある企業立地インフラの整備」等が書いてあるわけです。
ここで、具体的な事業として、亀山・関テクノヒルズ(住友商事)三十三ヘクタールに千億円の投資をしているんです。機械設備約六百四十億、土地・建物二百八十億。それから、大型液晶テレビ、液晶ディスプレーから完成組み立て一貫工場が、二〇〇五年ですから平成十七年、青森県の後をこれが──このクリスタルバレーは、三重県では青森県で出した後にここへやっているわけですが、二〇〇六年には二千億円の追加投資を発表している。そして、経済波及効果は、年間出荷額四千億円ということであり、雇用効果は、合計約五千七百名──平成十七年五月。シャープ亀山工場内の総従業員三千三百名、同工場の立地に伴い新設、増設した関連企業の総従業員数二千四百名等、いろいろまた右側にも書いておりますが、早く終わったほうがいいでしょうから、余り言いません。
そこで、最後には、その他の効果として生活環境整備ということでこうあるわけでありますが、青森県でクリスタルバレイ構想を木村知事が挙げたとき、すばらしい構想だと。しかし、青森県の構想を見て、後から出た三重県でやって、三重県ではこういうふうに成功している、私はそう思うんです、このデータを見ると。
ですから、クリスタルバレイ構想は別に悪いわけじゃない、いいんです。よかったけれども、やはり、それに対するむつ小川原開発の中でのいわゆるいろんな環境整備というものがおくれていたからだと。もっと早く、クリスタルバレイ構想と同時にいろいろな環境整備を──国の政策としてのむつ小川原開発ですので、国に対して積極的に要望しながら、そして、最も大事な原子力の再処理工場も受け入れているわけだから、そういうことを踏まえていけば、もっと国に強く働きかけて、むつ小川原開発地域の周辺を全部そういうふうな環境整備をし、住宅環境も整備して一緒にやっていけばこういう結果にならなかったのではないかと私は思っているわけでありますが、何か御意見がございましたらお伺いいたしたいと思います。
578
◯大見委員長 商工労働部長。
579 ◯櫻庭商工労働部長 今、委員のほうから、クリスタルバレイじゃなくて、バレー構想という形で見させていただきました。確かに、非常に似通った時期につくった構想でございますし、ターゲットになっていた業種も全く同じ業種でございました。
また、すべて私が把握しているわけではないんで、当時のことをいろいろ先輩等に聞いた内容では、三重の関係は、私どもよりもおくれて出してきた。そこのインパクトがあった背景としましては、まず、相当数の補助金を用意したというか、私どもの制度をはるかに超える額を用意したということが一つ。それから、ターゲットになった業種といいますか、立地企業が、やはり、関西系の企業という部分でいくと、私どもの距離的なハンディという部分が──どうしても関西の企業は、関西の中での移動という部分に対しては理解をするけれども、事関東から先、東北という部分に対するハンディといいますか、そういう地理的にも理解が薄いという部分で、むつ小川原ということを前面に出してさまざまな取り組みをさせていただいたんですけれども、いかんせん、従業員というものが、新たな立地という部分に対して順応していくのかどうかという懸念を持ったということが一つございます。
ただ、私どもとの違いは、ここにもいろいろ掲げてございますけれども、人材育成ですとか研究開発は、負け犬の遠ぼえではないんですけれども、はかるに青森県のほうが具体的にやってきてございます。ただ、残念なのは、核になる企業がなかったという部分で、周辺部分にも関連企業が相当入った三重県ではございますけれども、既にこのクリスタルバレー構想についても、残念ながら内容が大幅に移転をして、シャープはかなりの部分を三重県から別なほうに移しているという実態もございます。
残る形がどういう形なのか、私どももこれから比較する上でもきちんと勉強させていただくと思いますけれども、取り組みの方向ですとか、あるいはやっている内容については私どもも決して劣るものじゃないというような自負を持ちながらも、結果が伴わなかったという部分では、私どものクリスタルバレイ構想という部分が相対的に低い評価になってしまったということは非常に残念だというふうに思っております。
580
◯大見委員長 山内委員。
581 ◯山内(和)委員 結局、いろんな環境──青森は、雪が降るとか、地域的に東京から離れているとか、いろんな環境があるかもわからない。しかし、今これからまた新しく会社を立ち上げてやっていこうという、そういう時期ですよ。今の考え方からいけば、今立ち上げて、果たしてそれが成功するのかどうかということも不安に思うと思うんです。こういう現状の中で、こういう環境の中で今これから新しく会社がスターとするというときに、それがちゃんと成功するような形でしっかりやっていくためには、やはり、この三重県のことも参考にしながら、青森県ではできないから、国の政策にのっとって──国のむつ小川原開発というものがあったわけだから、やはりもっと国の力をかりながら進めていかなければ成功しないのではないかと私は思うわけです。
そしてまた、きょう蝦名副知事がいればしゃべるんだけれども、これを成功させるには蝦名副知事が社長をやればうまくいくんでねえかと。実は蝦名副知事さしゃべるかと思ったけれども、きょうはいませんでしたので。やはり、蝦名副知事は、長年ずっと商工労働部におっていろいろなことを経験してきているし、あの人はもう天才的才能を持っているわけだから、ああいう人が社長をやれば成功するんでねえかなと実は思ったんですが、いずれにいたしましても、これを成功させるためには相当頑張らなければいけない。
まあ、私は今回引退するんですけれども、そういう意味では、私は、国と一緒になって──これだけ青森県はエネルギー政策に協力している。さっき言ったように、国家備蓄基地としての油タンクもあるでしょう、再処理工場もあるでしょう、原子力発電もあるでしょう。
このことで、ちょっと──実は、昨年十二月二十一日、ホテル青森で、「レッツ・トーク!あおもり二〇一〇~考えよう未来のエネルギー~」ということで、これは、青森県、青森県ITER計画推進会議が主催して、文部科学省、日本原子力研究開発機構とかときて、知事も開会に当たってごあいさつをしたんですが──県会議員の皆さんにも案内は行ったと思うんですが、私と中谷副議長の二人が参加しましたが、このときに、「エネルギーの今と未来」ということで、講師として伊藤聡子先生が講演してくれたんです。これは、フリーキャスターで、事業創造大学院大学の客員教授をやっておられまして、文部科学省の原子力分野の研究開発に関する委員会の委員もやっておられるわけでございまして、ラジオ、テレビにも出演している方だと。この方の講演をお聞きしました。
この方の講演を聞きますと、こういうお話をしていました。かいつまんでお話ししますと、国際的にエネルギー資源のない国は滅びてしまうと。日本の石油、石炭等のエネルギーは日本の自前のエネルギーではないわけですから、一〇〇%輸入しているわけです。日本の自前のエネルギーというのはやはり原子力だ。原子力発電、そして、再処理して新しいエネルギーをつくる再処理施設が必要であると。フィンランドは──世界の国々を歩いたと先生はお話ししていました。世界の国の原子力施設を見たと。フィンランドは、廃棄物の処分場は世界遺産の近くで、そして、大きな都市──町の近くにも廃棄物の処分場があって、原子力施設もある。原子力発電は、他県にもあるけれども、東京には原子力発電も再処理施設もない。よその国では大都市にあるけれども、東京には何もない。青森県は原子力に協力しているということを誇りに思うべきだという講演をしたんです。青森県にはこれだけ再処理工場もあって、原子力発電もあって、大都市にはない。青森県の県民は誇りに思うべきと言う。
私は、それを聞いて伊藤先生に質問しようと思ったんです。こういうようなことを質問したいと思ったんです。確かに、青森県は、原子力発電所、再処理施設、低レベル廃棄物の中間貯蔵、高レベル廃棄物の一時貯蔵などエネルギー政策には協力している。他県にないものがある。東京や大都市は、生活が豊かで、ただエネルギーを消費しているだけだ。だけれども、青森県は原子力のエネルギーに全面的に協力している。また、青森県の防衛問題──三沢にも米軍基地があって、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊もある。車力にもミサイルを探知する基地がある。防衛にも協力している。食料でも、日本の四〇%の自給率の中で、青森県は食料の供給県として頑張っている。そしてまた、このエネルギーの問題と防衛の問題と、こういうふうなことにも協力している。ただ、県民所得が高くなって、我々県民の生活が豊かで、環境が整備されて、青森県に生まれて本当に幸せだなと思えば誇りに思うけれども、今、誇りに思う状況でないでしょう。これだけ防衛問題、エネルギー、食料に協力しても、生活は全国最下位だ。だから、伊藤先生、これをどう思うんですかと質問しようと思ったっきゃきょうは質問は受けませんと言ったから、きょう、今しゃべっているわけですけれども、私たちはそれだけ協力してきているわけだから、もっともっと国に対して求めていくべきだと。
まず、沖縄は防衛問題に協力している。青森は防衛からエネルギー、食料に協力して、沖縄と青森と同じだ。全国最下位でしょう。もっと国に求めて、堂々と求めて、そして、むつ小川原の開発も積極的に進めて、協力していただいて、本当に青森県の人たちがよかったなと言われるようにしなければいけない。
特に、今、原子力の問題ではこの大地震で福島県が大変な状況になっていますけれども、我々も、安全を確保しながら、本当にこの国策に協力していくというふうに思うわけでありますが、これについての御所見をお伺いしたいと思います。
582
◯大見委員長 エネルギー総合対策局長。
583
◯阿部エネルギー総合対策局長 ただいま、委員から、非常に厳しい御意見と、また、むつ小川原という非常に大きな観点からの御質問だと思うんですけれども、先ほどもお答えしたんですけれども、県としては、むつ小川原開発については、平成十九年五月に新たなむつ小川原開発の基本計画を策定いたしまして、環境、エネルギー及び科学技術の分野における研究開発機能の展開と成長産業等の立地展開を図っていく、そして、世界に貢献する新たな科学技術創造県の形成に取り組むこととしているところでございます。
御存じのように、むつ小川原開発地域には、我が国のエネルギー政策にとって重要な国家石油備蓄基地、それから原子燃料サイクル施設の立地に加えて、先生からはまだまだ不十分だというお声があるかもしれませんけれども、それなりに港湾、道路などの基盤整備も進められているほか、世界初の蓄電池併設型の風力発電を初めとする風力発電施設の集積、それから六ヶ所の次世代エネルギーパーク、さらには、ITER計画と並行して取り組まれます幅広いアプローチとして、国際核融合エネルギー研究センターも整備されているということでございます。
県としては、こうした整備された社会基盤、それからむつ小川原開発地域のああいう特性を生かしながら、これからも、国のほうにも十分──国土交通省や経済産業省等関係省庁と一体となって計画の推進に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
584
◯大見委員長 山内委員。
585 ◯山内(和)委員 私ども、原子力についてはいろいろ貢献をしてきているわけですが、これにかかわって、地域振興としての三法交付金、それから核燃税──私がちょっと計算してみただけでも、今まで、三法交付金、核燃税で市町村分には千八百億ぐらい入っているんです。青森県には千六百億ぐらい入っているんじゃないかと。まあ、私は間違っているかもわからぬけれども、そう金額は違わないと思う。そのぐらい。
例えば、千六百億青森県に入っているというと、高等学校一校つくって何ぼですか、十五億ぐらいですか。そうすると、百校つくる分のお金ですよ、千六百億というと。そのぐらい青森県には入っているんです。市町村には千八百億。これだけ経済効果も確かにある。これがなければ青森県も破綻しているでしょう。今年度も、一年に、核燃税は青森県としても大体百五十億ぐらい入っていると思うんですよ、一年に百五十億。だからいろいろな事業ができるけれども、もし核燃税が青森県さ一年で百五十億入らないとすれば、青森県ももう破綻している。基金なんて幾らもないわけでしょう。
ですから、確かに、我々がこの原子力に協力しているということではいいわけでありますが、しかし、それで、本当に県民の生活が豊かになって、県民と原子力が共存共栄していける、そういうふうにならなきゃいけない。今回みたいに福島でああいう問題が出ると大変なわけでありますが、私どもも、そういう意味では、原子力の安全を確保しながら、今後とも一緒になっていかなければならないと、こう思うわけであります。
そこで、これは私の要望でありますけれども、福島県も今原子力で大きな問題を起こしているけれども、福島県ではサッカー場をつくったんですね。サッカー場を百三十億円でつくったんです。いわゆる東京電力ですか、あっちから出して、百三十億で立派なサッカー場をつくっているんですよ。へば、八戸市さスケート場といっても八十億です。八十億のスケート場、これを原子力の関係でつくられねえもんだべかと実は私も思っているんです。答弁は要りません。答弁は要りませんけれども、こういう問題も地域振興ということでやはり考えていく必要あるのではないかと思います。
まあ、この八戸のほうばかりじゃなくて、津軽のほうも──例えば、今、ジョッパルが大変だというんでしょう、あそこ。弘前のジョッパルが大変だと。あそこに例えば電力館なんかをつくって──よその県へ行くと、電力館というのがいっぱいあるんですよ。いっぱいある。青森県は、ちっちゃっこいのが、六ヶ所と、東通かどこかですか、幾らもない。よその県では、原子力施設のないところでも電力館があって、子供でも、女性でも、大人でも、みんな楽しく電気のことを遊びながら学べるような立派なのをつくっている、私も全国を大分歩いてきたけれども。
そういうふうなことを──私、この間弘前出身の県会議員の方と会ったら、いやいや、弘前はジョッパルで大変だ、何とかあそこを利用する方法ないかと。あそこは、弘前のちょうど──弘前はすごいんじゃないですか、公園があってすばらしい。
やはり、青森県は、これから、新幹線が来て──私、これからはほとんど要望にとどめるから──新幹線が来て大きく発展するときだ。青森県は、新幹線が来たたって、莫大な金を負担しているわけですから。これから、千八百億の、さらに北海道の関係からいくと二千五、六百億を青森県で負担していくわけですから、やはり経済効果が出ないといけない。青森県には、すばらしいですよ、十和田国立公園、下北国定公園、津軽国定公園があるし、三内丸山遺跡、亀ヶ岡遺跡、是川遺跡とか至るところに遺跡もあるし、弘前公園には桜があって、農産物、水産物もおいしいし、いろんな豊富なものがある。そういうところで、これだけの原子力の問題も、弘前にも観光客が来るから、あそこにそういう電力館をつくらせてやるべきだと。そして、青森県に来た人たちがみんなそこで学んで帰れるような方法も考えるべきじゃないかと思うんです。
それらのことも──私、今度引退して、来月から質問することはないわけですから、もういなくなりますので、ですから、私は、この新幹線の経済効果、観光物産等のこともあるし、企業誘致の問題もさまざまな問題を抱えているけれども、やはり、原子力の問題に協力するのは協力するけれども、求めるのはしっかりと求めていかなければいけない、私はそう思っているわけであります。
先ほどの三重県のクリスタルバレー構想を見ましても、これは、青森県の後をやってきてこれだけの実績を上げているわけでありますので、青森県の今のままのクリスタルバレイ構想でいくとやはり相当頑張っていかなければいけないわけですので、そういうことで、これからの皆さん方の御活躍をお祈りして終わります。どうもありがとうございました。
586
◯大見委員長 これをもって質疑を終了いたします。
この後、引き続き議案の採決を行いますので、少々お待ちください。
──────────────────────
◎ 付 託 議 案 採 決
──────────────────────
587
◯大見委員長 これより議案の採決を行います。
議案第十六号、本件の原案に賛成の方は御起立を願います。
〔賛成者起立〕
588
◯大見委員長 起立多数であります。よって、原案は可決されました。
議案第一号、議案第二号、議案第四号及び議案第九号、以上四件の原案に賛成の方は御起立を願います。
〔賛成者起立〕
589
◯大見委員長 起立多数であります。よって、原案は可決されました。
議案第三号、議案第五号から議案第八号まで、議案第十号から議案第十五号まで、以上十一件の原案に賛成の方は御起立を願います。
〔賛成者起立〕
590
◯大見委員長 起立総員であります。よって、原案は可決されました。
以上をもって
予算特別委員会の審査を終わります。
なお、委員長報告の作成については本職に御一任願います。
最後に、一言ごあいさつ申し上げます。
今回の予算審査に当たりましては、委員並びに関係各位の御協力により滞りなくその審査を終了することができました。以上、厚く御礼を申し上げます。
これをもって
予算特別委員会を閉会いたします。
午後七時十分閉会
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