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  1. 青森県議会 2011-02-21
    平成23年環境厚生委員会 本文 開催日: 2011-02-21


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ○開 会  午前11時02分 ◯菊池委員長  ただいまから環境厚生委員会を開きます。  慣例により会議の記録署名委員を指名いたします。松尾委員伊吹委員にお願いします。  本日の審査案件は、特定付託案件であります。  なお、審査の順序は、健康福祉部病院局関係環境生活部関係の順に行いますので、御了承願います。  それでは、健康福祉部病院局関係の審査を行います。  執行部より報告事項があります。──一瀬健康福祉部長。 2 ◯一瀬健康福祉部長  初めに、資料の訂正をお願いいたします。「看護師等修学資金債権者管理に関する調査及び処理の状況について」という表題になっておりますが、「債権者管理」でなく、「債権管理」でございますので、修正をお願いいたします。  看護師等修学資金債権管理につきましては、先月の当委員会に報告いたしました。その後の調査及び処理の状況、並びに今後の対応について、お手元の資料により御報告申し上げます。  初めに現在の状況です。返還免除または返還手続が未了となっている可能性のある被貸与者に対して電話により、手続の有無や文書送付先を確認し、確認され次第、必要な手続を行うよう要請しております。  また、電話で連絡がつかないものにつきましては、住所地あてに文書発送を行う等により、引き続き連絡を試みております。  表にありますとおり、先月の14日に調査を開始した時点において、対象件数が312件、貸与金額で2億3,408万7,000円でありましたが、必要な手続を要請したものが279件、金額で2億1,471万円、現在も連絡がついていないものが33件、金額で1,937万7,000円となっております。  手続を要請した被貸与者からの書類提出を受け、内容を審査の上、必要書類に不足等があるものについては再要請を行いながら、処理可能なものにつきましては可及的速やかに処理を行っております。  手続を要請した279件のうち、貸与の全額免除を決定したものが91件、金額で7,357万2,000円。全額返還を決定したものが3件、金額で278万4,000円。その他としまして、特定施設等就業中で期間が満了していないことが判明したものが1件、金額で88万8,000円、合計で95件、金額で7,724万4,000円となっております。  次に今後の対応です。連絡がついていないものにつきましては鋭意、被貸与者の状況把握及び連絡に努め、早期に手続を要請していくこととしております。また、手続を要請したものにつきましては、提出書類の早期審査・決定に努めるとともに、書類提出状況を随時把握し、おくれが生じている場合は再度、要請を行うこととしております。  なお、具体的に処理を進めていく中で、従事期間の詳細な事実確認を行う必要があるもの等が判明してきており、すべてのケースにつきまして慎重に審査し、処理を終えるには、長い期間を要することが見込まれます。
     したがいまして、次回報告は、処理の最終的な見通しがついた段階でいたしたいと考えております。  以上、御報告申し上げます。 3 ◯菊池委員長  成田病院局長。 4 ◯成田病院局長  それでは私のほうから、県立病院成長プランについて御説明申し上げますが、まず前段として、県では平成19年4月に県立病院地方公営企業法を全部適用し、病院局を設置して、平成19年度から平成22年度までを計画期間とする、前の計画でございます「県立病院改革プラン」に基づき、医療提供体制の改革のほか、経営基盤の強化に取り組んでまいりました。  中央病院については、県立唯一の総合病院として、がん診療、循環器、脳神経、糖尿病のセンター化を初め、短命県返上を悲願とする本県にとっての最重要課題である4疾病5事業を中心に医療機能の強化を図ってまいりました。  経営面では、センター化に伴う診療単価の上昇、7対1看護の導入、DPC病院の移行などによる収益性の向上により、キャッシュフローベースでの経営改善が進むなど、安定した経営の実現に向けて取り組んできています。  次に、つくしが丘病院については、院舎の改築・改修工事が完了し、処遇困難症例中毒性精神疾患児童青年期精神医療などの医療機能の充実強化に努めているところであります。  経営面では、新病院での外来患者数の増加、平均在院日数の短縮が進み、収支状況は改善傾向に向かっております。  今般、県立病院として、さらなる地域貢献医療機能の進化や経営基盤の強化を図るため、「県立病院成長プラン」を策定しました。これについて、資料にのっとって御説明したいと思います。  色刷りの広告物でございますが、1ページ目の「第1 基本方針」でございますが、基本方針の1の経営計画の骨子は、ただいま御説明した内容でございまして、前の計画は、改革ということを中心に取り扱ってまいりましたが、新成長プランは、それをもとにして、進化の視点を重視していくことにしております。2の「取組の方針」ですが、中央病院は新成長戦略として地域貢献の進化、医療機能の進化、経営システムの進化、施設インフラの進化の4つの柱を位置づけました。  次に、つくしが丘病院は、処遇困難領域に対する精神科医療の実施など、4つの柱を位置づけました。  3の「計画期間」ですが、平成23年度から平成26年度までの4年間としております。  4の「計画の目標」では、地方公営企業法の理念でもございます県立病院として期待される医療機能の強化と、良質な医療を提供していくため、経営の一層の効率化を図ることを目標としております。  5の「計画の管理」は、各年度において、各種環境要因の変化への対応を含めた行動計画を策定し、計画を着実に実行していきます。  それでは資料をお開きいただいて、2ページ目と3ページ目がございますが、2ページが中央病院の「新成長戦略 4つの柱」、それから右側の3ページのほうがつくしが丘病院の「挑む4つの柱」でございます。  まず、中央病院の「新成長戦略4つの柱」、これにつきましては個別に4つ書いておりますが、まずAの地域貢献の進化でありますが、新成長プランの中で、最も重要なテーマとしており、医療連携の推進や戦略的な広報活動、医師招聘の取り組みや医師派遣の組織的な対応を進めることなどにより、地域貢献を進めていきたいと考えております。  Bの医療機能の進化、これは高度医療専門医療救急医療等についても引き続き取り組んでいくことで、県民の皆様からの期待にこたえる、信頼される病院へと進化を続けてまいりたいと思います。  それから、次のCの経営システムの進化でございますが、最適な医療を提供するために必要な投資を行うとともに、例えばDPC病院への移行により、他病院とのベンチマーク比較や分析を行うことで、診療の標準化を図るといった効率的な経営システムへと進化を遂げながら、経営の改善を続けてまいります。  Dの施設インフラの進化でございます。近未来の医療システム病院経営システムに対応できるよう、医療のIT化など基盤整備を積極的に推進するとともに、診療の効率化を図るため外来の再編成を進めるなど、施設資源を有効活用し、必要な改良を施しながら、医療環境の改善に取り組んでまいります。  次に、右のほうのつくしが丘病院ですが、まず、Eの処遇困難領域に対する精神科医療の実施でありますが、措置入院・応急入院等処遇困難症例への対応に加えて、精神障害者の社会復帰の推進につながる精神科急性期治療機能の充実に取り組んでまいります。  Fの外来等を中心とした精神科医療の拡充でありますが、児童青年期外来の開設、外来患者に対する作業療法の実施、再入院防止と地域生活支援を目的とした訪問看護の充実等、入院期間の短縮を図りながら、外来でのフォローに努めてまいります。  Gの精神科医精神保健指定医の育成・招聘であります。精神科医は全国的に不足している状況にありますが、つくしが丘病院取り組みを全国に発信するとともに、県内外の若手医師に対して、次世代の医療モデルを具体的かつ積極的に示していき、また、精神保健指定医の育成に役割を果たしてまいります。  最後の財務状況の改善でありますが、地方公営企業法全部適用のメリットを生かしつつ、中央病院との協力関係を築きながら、収益性の向上と費用の節減に取り組んでまいります。  今後とも県民に必要とされ、「開かれた県立病院、新たな医療モデルを目指す県立病院」となるよう、病院局一丸となって努力してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。  以上です。 5 ◯菊池委員長  ただいまの報告事項及び特定付託案件について、質疑を行います。  質疑は所管外にわたらないように願います。  なお、答弁者は挙手の上、「委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。  質疑はありませんか。──諏訪委員。 6 ◯諏訪委員  最初に報告事項があったので、お聞きしますが、手続要請済みが279という数字が出て、継続調査中が33。下に処理状況があるんですが、対象件数が95と。279のうち、処理状況が95ということについて、どう受けとめたらいいんでしょうか。つまり、単純に差し引けば、あと184件の扱いがどうなったんだろうと率直に受けとめるもんですから。この辺の事情をひとつお知らせしていただきたいと思います。私が勘違いしているのであれば、そのまま言ってください。  それから、県病のプランが出されたんですが、一つだけ強調しておきたいのは、あくまでも患者が主人公だという姿勢を貫いてもらいたいということです。医師、看護師と患者の関係でいえば、どうしても医師に率直なことを言えなかったり、あるいは医師が高飛車に出てくると、患者はもうとてもつらいという思いになります。そういう関係がどうしても横たわるものですから、やはり患者に親身になって、その声に寄り添っていただきたいということは述べておきたいと思います。とりわけ県病なり市民病院なり、そういう公的な病院における対応というものについては、さまざまな情報も寄せられてきますので、ぜひ、あくまでも患者が主人公だという立場を病院全体の中に貫いていただきたいということについて、もしあったら、お答えいただきたいと思います。 7 ◯藤岡医療薬務課長  それでは私のほうからは、手続要請したものが279件で、既に処理済みが95件であることに関しまして、お答えいたします。  もう既に処理が済んでいるものが95件ございますが、いただいた書類の中にやはり不足書類があったり、再確認を要するものがあるので、再度要請しているものが現在も三十数件ございます。したがって、それらを合計いたしますと、279件中130件前後がもう既に書類をいただいているという状況にございます。なおかつ、書類の要請につきましても、1月14日から調査を始めまして、住所等が判明し次第、随時、要請文書を送付させていただいており、現時点では約半数の方から書類提出がされていることを見ますと、ある程度、順調に推移しているのではないかと考えてございます。  ただ、先ほど部長のほうからも報告いたしましたけれども、一定の期間が過ぎても、なおかつ書類が送られてこないような場合がございましたら、また随時、おくれている方々に再要請しながら、進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 8 ◯佐々木病院局経営企画室長  ただいま委員御指摘の点につきましては、当院としても患者中心の医療というものを理念に掲げまして、長年取り組んできておりますが、今お話にあったような事実はいまだにあるものと受けとめております。今後もこういうことのないように一人一人の意識を変えていくための研修、それから看護師に当たっては接遇研修も、さらに強化しながら、患者さんの申し出に耳を傾ける姿勢を貫いていくように徹底し、努力してまいりたいと思います。  以上です。 9 ◯諏訪委員  調査処理状況について、かなり時間がかかるという話も、部長が報告されていましたけれども、所要期間はどの程度を見込んでいるんでしょうか。 10 ◯藤岡医療薬務課長  現時点で、例えば何カ月ということを明確に申し上げるのは、非常に難しい部分があるのかと思っております。  ただ、恐らく最初のうちは、例えば必要な資料、自分がどこに就労したかという証明をそれぞれの医療機関から出していただいて、そして送付していただければ免除になるものといった、どちらかというと処理が簡単なケースから、片づいていくものと考えておりますが、これについては312件中95件が処理済みになっておりまして、処理を進めつつ、個別のケースによってはいろいろと検討や調査、あるいは御相談ということも出てこようかと思いますので、現時点で、明確に何カ月程度ということを申し上げるのは難しいかと考えております。  以上です。 11 ◯諏訪委員  指摘にとどめますけれども、そもそものところでのしっかりした管理がないがゆえに、今日のような問題が起き、それを処理するのに、その処理期間も不透明にならざるを得ないということについては、改めて厳しい受けとめが必要だと思います。  なお病院局サイドにおいては、率直に御回答いただきましたけれども、なお歴然として、痛ましいやりとりというか、対応がありますので、本当に患者が主人公で、親切な運営ができるように、改めて強調しておきたいと思います。 12 ◯菊池委員長  ほかに報告事項についての質疑はありませんか。──松尾委員。 13 ◯松尾委員  ただいま諏訪委員のほうからも話がありましたが、看護師の修学資金の今後の管理の部分でございます。  先ほど部長のほうからも、事実確認に時間がかかるためということで、お話がありました。確かにこれは時間も手間も、また協力を得られないと、なかなか進まない。それは理解ができます。ただ、管理する側は、要は書類が整えばいいんだという観点であれば、やはりこれはなかなか進まないし、それを仕切れないと思います。  ですので、毎月のこういう報告ということではないと思いますが、おおむね期間を定めて、その間の中でどれだけ処理をしていくことができるのかということを検証していく。そのことも、いわゆるこの管理の問題が発生した根本的な解決につながっていくんだと私は思うんです。ですので、報告等についても、例えば1年を四半期に分けて報告をするとか、そこを一たんの目標と決めて、取り組む必要があるのではないかと指摘をさせていただきたいと思います。  それと、県立中央病院の新成長プランの部分ですけれども、地方自治体のほうであれば、医師の派遣というものがずっと続いていく課題でありまして、この中にも地域貢献の進化ということで、地域医療支援等についても積極的にやっていくんだというお話がございました。  今後、弘前大学から卒業されて医師になっていく方も徐々に出てくるかと思いますけれども、今回の3年間の期間の中で考えたときの見通しについて、お伺いをしたいと思います。 14 ◯佐々木病院局経営企画室長  ただいまの医療支援ということについての御質問でございますが、新成長プランが前回の改革プランと大きく違うところは、内向きのセンター化という院内の医療の仕組みを、縦割りの診療科主体ではなくて、患者さん中心の医療ということを一つの理念として再編したわけですので、今後、青森県全体の医療を支えていくというところに県病としての役割を見出していきたいということが、最大の地域貢献のテーマでございます。  それで、県病としても、それほどお医者さんは潤沢にいるわけでありませんが、一部、何カ所か、お医者さんを応援という形で派遣しているという地域がございます。また、自治医大卒のお医者さんに対しては、これからも支援をしていこうということで考えています。  ただ、今回の医療の見直しの中で考えておりますのは、例えば具体的な項目としてちょっと挙げさせていただきますと、脳卒中超急性期治療への取り組みとか、あと画像診断地域支援とか、それから病院診断ネットワークの検討とか、精神保健指定医の育成強化とか、つまり直接的にお医者さんが出向くということではなくても、ネットワークを組んで、地域において希薄な医療分野について、県病として、地域のお医者さんとネットワークを組んで、診療支援をしていこうということについても、具体的に今回のプランを策定過程において、現場の先生方から提案がございました。それを、幾つかの項目として、プランに掲げさせてもらっておりますので、少ない医療資源、少ないお医者さんをどれほど効果的に、有効に活用していくかということに着目して、計画を策定したところです。 15 ◯松尾委員  今、外に向けた多方面の支援をまずめぐらして、県病の機能を強化し、また、地方自治体の病院も支援していくという内容だったと思っています。  地元を歩いていても、ドクターヘリの話もまた出てくるんですが、ただ、ドクターヘリの機能を十分に使うためにも、やはり医師の確保というのはどうしても避けて通れない部分になってきます。それにまた、センター化を進めていく上でも、医師の確保というのは何といっても重要な部分。その部分に、ぜひとも大きく踏み込んで、この計画、4年間というと、すぐそこに結果が出てくる話になりますので、本当にうかうかしてはいられないと思います。ぜひ頑張って、成果を上げていただきたいと思います。  以上です。 16 ◯藤岡医療薬務課長  先ほど松尾委員からの指摘ということで、いただいてございますけれども、一定の期間を設定して、やはり検証していくべきではないかという御指摘については、まさにそのとおりだと思っております。  例えば四半期ごとにという御提示もございましたけれども、その辺も含めて、こちらのほうも検討させていただきたいと考えております。  以上でございます。 17 ◯菊池委員長  ほかに報告事項についての質疑はありませんか。──渋谷委員。 18 ◯渋谷委員  それでは、この県立病院成長プランについて、お伺いします。これは概要版ということで、大体、基本理念が書かれているわけですけれども、こういった成長プラン数値目標のようなものがあるのかどうか。もしあれば、お聞かせいただければと思います。 19 ◯佐々木病院局経営企画室長  プランでございますので、どのように管理していくかという意味では、個別の管理計画というものを定めてございます。具体的には収支計画、4年間で県立中央病院、それから県立つくしが丘病院収支状況がどのようになっていくのか。これにつきましては、県立中央病院収支計画では、実質損益といういわゆるキャッシュフローベースでの見込みでありますが、4年間で7億7,000万円余のプラスというものを確保したいと考えてございます。  それから、つくしが丘病院は、精神科医療の場合は、かなり診療報酬が厳しい状況でございますので。ただ、各年度の実質損益では、4年間で1,000万円程度のプラスを確保したいと考えております。  以上です。 20 ◯渋谷委員  ぜひ、さまざまな分野でいろいろな目標があるわけですけれども、最終的には数値目標のようなものがなければ、進捗率、その達成、そういうものがきちっと評価されないものですから、ぜひ具体的な目標値を定めて、それに向かって進んでいただきたい。それによって、加速度的に改革が進んでいくと思いますので、よろしくお願いしまして、終わります。
    21 ◯菊池委員長  ほかに質疑はありませんか。──諏訪委員。 22 ◯諏訪委員  むつ市社会福祉協議会における不祥事の内容について伺います。 23 ◯馬場健康福祉政策課長  平成23年2月17日付で、社会福祉法人むつ市社会福祉協議会から下北地域県民局地域健康福祉部福祉こども総室に提出された報告書によりますと、むつ市社会福祉協議会の経理担当者が、平成19年1月から平成22年5月までの間、19回にわたって、法人の預金通帳から無断で現金を引き出しては後日、戻し入れる方法により、約189万円を不正に流用していたとのことです。  その後、平成22年12月24日に、不正に流用した職員から法人へ流用金の返済が完了した後、平成23年2月10日には、職員の処分を検討するため、職員懲罰処分審査会を開催し、不正に流用した職員に対して、6カ月間減給10分の1の処分を決定したとのことであります。  むつ市社会福祉協議会としては、今回の職員の金銭処理不適正事案について、県民の信頼を大きく失墜させたことについて深く反省しているところであり、今後、役職員一丸となって再発防止に努めていきたいという報告があったものであります。 24 ◯諏訪委員  再発防止策という話になるんですが、既に県社協の問題が出ているんですね。それは平成21年9月の監査で判明したものですが、その前に14億円という住宅供給公社の問題がある。大体共通しているんですよ。通帳も印鑑も自由自在に1人でやるということについて、この間、何度も言い続けられてきた問題なのです。  その都度、県は県なりに指導徹底して、そういう行為のないように徹底してきたはずなのに、またそういうことが起こる。ですから、もう少し入り込んで徹底させていくということについて、なおあいまいな、今でいえば、むつ市の社協そのものが問題なんですけれども、そういう余地を残さないような管理システムなり、県のそういう指導の徹底の仕方というところに、なおもっと検討を加えるべき余地があるのではないだろうか。今もなお存在しているかもしれません。ですから、メスを入れる入れ方に、もっと強化すべきものがあるのではないだろうかと思うものですから、その点について、まずお答えをいただきたいと思います。  それから、行為そのものからすれば、一たん引き出して、また戻すという行為ではあるにせよ、犯罪行為になるわけですから、減給6カ月は極めて甘いという声も出るのは、しかりなんです。こういう処分の内容についても、何か相談があったり、そのために県は対応したということがあるんでしょうか。  それから、処分の内容そのものについての見解もお伺いしたいと思います。 25 ◯馬場健康福祉政策課長  委員御指摘のように、これまでもこのような事案があって、また今回も発生したということについては、県としても非常に遺憾に思っております。その原因等については、今回の報告、あるいはマスコミ報道等によりますと、やはり委員が説明されたような通帳と銀行届け出印を別途管理するという徹底を図ってきておりまして、むつ市社協におきましても、そういう形は一応とられていたわけですが、ただ、実質、それが容易に引き出せるような体制になっていた。そこが一番大きな問題だと考えてございます。  今回の報告を受けて、本日、福祉こども総室において、むつ市社会福祉協議会に対し、監査を実施しておりますので、その結果等も踏まえて、このような事例について、どのような確認の仕方等が考えられるのかということも今後考えていきたいと思いますが、今回の報告にもありましたように、架空の伝票をつくって、その年度年度で帳じりが合っていたような事案を、一般の監査において見つけ出すことは、不可能に近い状況だと考えております。一般指導監査はそういう不正調査を直接の目的として行ってございませんし、そういう監査体制にはなってございません。  ですから、今回の確認の調査等の結果を受けて、どういう問題があって、どういう形をすれば改善できるということは、まずそれぞれの社会福祉協議会のほうに、そういったやり方を徹底するような指導を考えていきたいと考えております。  それから、この職員の処分に関しては、県への相談等は一切ございません。  それから、処分の内容が甘かったのではないかというような話でございますけれども、むつ市社会福祉協議会の職員は、むつ市社会福祉協議会の内部の処分規定に基づいて処分されたものでございます。ですから、今回の実地監査等において、これらの規定に基づき、適正に判断されて行われたということであれば、それは法人の判断を尊重すべきものと考えております。 26 ◯諏訪委員  全額返済されたとなっているんですが、これは犯罪なんですか。戻せばいいという話になるんでしょうか。今後のことも含めて、もう少し厳し目に見ておく必要があるんだと思います。  それから、19年1月から、22年5月に発覚すると。5月ですから、12月に返済して、ことしの2月17日に県に報告があるという流れになっているんですが、5月から12月まで、余りにも期間があり過ぎて、物事を処理する上で、何なんだと。しかも、県に報告するまで、なおまた経過があるということになって、この辺あたりも、どうとらえるべきかということも一つあるのだと思うんですが、お答えいただきたいと思います。 27 ◯馬場健康福祉政策課長  むつ市社協の職員の行為について、犯罪ではないのかということでございます。新聞報道あるいはむつ市社会福祉協議会の報告によりますと、流用という使い方はしておりますけれども、本来的には横領というものではないかと私個人は受けとめています。  今回の実地調査の結果、それから2つ目の、いわゆる社会福祉協議会の内部で会長に報告したのが11月ということで、発見から半年ほどかかっている。そういった状況についても、今回の調査で事情を厳しく確認してございます。 28 ◯諏訪委員  再発防止、それから指導の徹底の仕方の問題、十分、分析的に対応していただきたい。二度と起こることのないように対応していただきたいと思います。  横領なんですね、横領罪。これをこういう形で始末をするということが、本当に地域の皆さんにとって理解が得られるものになるのだろうかということ等も、手厳しい対応をしていく必要があるんだと思います。  そこで、この問題で終わりに聞いておきたいのは、むつ市とは違いますけれども、県社協の21年9月監査で発覚した不祥事について、その後、これはどう扱われているのかということについて、報告していただきたいと思います。 29 ◯馬場健康福祉政策課長  県社協の21年度の監査で発覚した事項等については、その後、適切に改善が行われてきております。ただ、その職員の横領した部分については、本人への請求といったことが今後考えてくるわけですけれども、現時点は未収金というような形で処理されております。仮にこれから本人からの回収等ができなかった場合には、また県社協内部で対応を考えていくことになります。  それから、その他のいわゆる業務の執行体制等につきましては、昨年から毎月、県に対して報告をいただいており、そのときにまた、その取り組み状況等を確認しているところでございます。 30 ◯諏訪委員  不祥事を起こした本人の扱いは、どうなっているんですか。 31 ◯馬場健康福祉政策課長  警察のほうの取り調べ等については、情報は入っておりません。 32 ◯諏訪委員  次に行きますけれども、そういう状況だということを確認したまでです。  国民健康保険の被保険者が、保険料(税)の納付相談を行い、分割納付をしていたにもかかわらず、年金等を差し押さえられたという報道もあります。県内で同様の事例があるのか、伺っておきたいと思います。 33 ◯尾坂高齢福祉保険課長  平成21年度に県内市町村において、国民健康保険料、国民健康保険税の滞納によりまして、滞納処分がなされた世帯は6,090世帯となっております。  個々の世帯に係る滞納処分の内容は、県では把握しておりませんけれども、市町村では、滞納者の実情に応じて適切に対応しているものと考えています。  県としては、保険料の納付期限までに納付が得られないときには、督促状の発送、催告書の発送、電話や訪問による納付交渉などを通じて、なるべく滞納処分に移行しないよう、自主納付をしてもらう努力をすることが大切であると考えています。  そのような努力をしても、なお納付を拒む場合に、国民健康保険制度を健全に運営するとともに、負担の公平を確保するための一つの方法として、滞納処分の仕組みが設けられております。  なお、滞納処分の執行は、滞納者の財産権に大きな影響を及ぼすことから、具体的な手続は国税滞納処分に準じて進められることになっており、滞納者の財産のうち特定のものについては差し押さえを禁止しているなど、最低生活の保障や最小限度の生業の維持にも配慮がなされているところです。 34 ◯諏訪委員  差し押さえ数は、延べ6,090、差し押さえ金額は、資料を事前にもらっていますが、21億2,067万円。かなり大きい金額ですね。  現に差し押さえているわけですが、今、課長が答えたような趣旨なら、それ相応の対応をしているということになるんですが、現に差し押さえをしている事例は、そこまでまだ掌握し切れてないんだと思うのですが、21億円も差し押さえているわけですから、何を差し押さえているんですか。これは、市町村に聞かないとわからないということになってしまうでしょうけれども、何かつかめていることはあるんですか。 35 ◯尾坂高齢福祉保険課長  具体的には、県として把握しておりませんけれども、差し押さえの状況、差し押さえ物件の主なものについては、市町村から報告を受けているところです。それを見ますと、預金、生命保険、給与、不動産、国税還付金等の他の法による支給のもの、それから年金、電話加入権などとなっております。 36 ◯諏訪委員  その中で、納付相談を行い、分割納付をしているにもかかわらず、そういった差し押さえがなされているという事例について、把握してないんだ。年金とか預金とかいろいろなものを差し押さえられているということはわかったんですが、分割納付しているにもかかわらず、そういう行為が行われているということについて、問い合わせるなり、行って把握してみるということは必要なんではないでしょうか。 37 ◯尾坂高齢福祉保険課長  分割納付しているにもかかわらず、差し押さえしているかどうかということについては、県では把握しておりません。  一般的には、納付相談をして、履行延期の手続をとりながら、分割納付しているのであれば、差し押さえには至らないものと考えておりますけれども、そのような実態があるのかどうかについては、基本的に国民健康保険税というのは、市町村の独自の事務で、地方税法に基づいて行われているもので、異議申し立て等についても、市町村長の受けるものなのですね。市町村の中で、これが完結するものと考えてございます。  県でも、そういう中でも、市町村に国民健康保険財政の健全運営という視点から、助言等、お願いしているところがございますけれども、その中で滞納整理につきましても、地方税に準じてきちんと行っているかどうかということを確認しているところです。県としては、一律に、そのような調査をするのではなく、従来どおり法令を遵守しているかどうか、市町村の中で確認していくことによって、適正な手続きのもとに滞納処分がされていくと考えています。 38 ◯諏訪委員  生活苦が広がってきている。払いたいんだけれども、払えないという問題も出てくる。一番強調したいのは、納付相談をし、分割納付しているのに、なお差し押さえている事例が出始めているということを問題にしているわけです。  そこで、助言という形もいいんですけれども、市町村で、きちんと納付相談を受けているにもかかわらず、差し押さえ行為が行われていることについては、今、課長が言ったように、それはできないということ、一定の根拠を示しながら、そういうものの差し押さえは行わないよう、ぜひ県として市町村を指導、助言していただきたいということを申し上げておきたいと思います。  これは次の保育料の滞納にもかかわる問題。県内市町村の保育料の滞納額がふえている。これも報道で示されました。まず、県として、これをどうとらえているかということについて伺います。それから、平成23年度子ども手当法案によると、子ども手当から保育料を直接徴収することが可能となるということですが、このことについての県の見解。それから保育料の時効期間が5年とされている根拠について。また、県内で保育料滞納者の差し押さえが行われた事例はあるか、伺っておきたいと思います。 39 ◯川嶋こどもみらい課長  諏訪委員の御質問4点にお答えいたします。  まず、第1点目の滞納額がふえているということについてでございますが、保育所における児童の保育に要する費用は、公費と保護者が負担する保育料によって賄われており、保育料の滞納は、保育料を納めている保護者との公平性の問題はもとより、市町村のほかの予算から補てんするなど他者に負担が生じたり、保育所の安定的な運営に影響を及ぼし、保育所に入所する児童の健やかな育成が損なわれるおそれがあるなど、重大な問題があると考えてございます。  このため、市町村におきましては、保護者の方々に応分の負担をしていただくことの必要性について十分に説明し、理解と協力を求めるなど、滞納額が発生しないよう適切に対応していただくことが必要であるものと考えております。  なお、本県におきましては、すべての市町村において、国が定めます保育料基準よりも低い保育料を設定しているほか、県におきましても、3歳未満の第3子以降の児童の保育料の軽減を図っているという状況にございます。  さらに、保護者の収入が著しく減少するなどの事情で、保育料の負担が困難と市町村が認めた場合には、保育料を減免することができることとされているところでございます。  2つ目の、子ども手当からの徴収の話についてお答えいたします。  平成23年度子ども手当法案におきましては、市町村長は、保育料を子ども手当から直接徴収するか、あるいは、本人の申し出により、子ども手当から保育料を代理納付することができるとされております。  いずれの場合におきましても、平成23年4月分以降の子ども手当が対象となり、徴収することができる金額は、保育料の徴収対象となる子供に係る子ども手当支給額の範囲内とされております。徴収するかしないか。また、徴収するとした場合の徴収方法等につきましては、各市町村の判断で決定するものとされております。  県といたしましては、各市町村が、総合的で適切な子育て支援対策の実施のため、地域の実情に応じ、適切に判断するものと考えております。  3点目の時効の根拠でございますけれども、保育料は、児童福祉法第56条に基づき、市町村が保護者から徴収しているものでございまして、滞納額は公法上の債権として、地方自治法第236条に規定いたします消滅時効の適用を受けるため、時効期間は5年ということになっております。  最後に、差し押さえの事例でございますが、平成19年度に厚生労働省が平成18年度中の全国の保育料の滞納状況等について調査を行っております。そのときの調査結果では、本県におきまして差し押さえを行っている市町村はないという状況にございました。  以上です。 40 ◯諏訪委員  2月17日付の東奥日報の夕刊で、保育料滞納7億3,000万、県内10市となって報道されているのですが、しかも、20年度との比較からいえば、6,000万円ふえているとのことであり、これは県として把握している数字ですか。県内40市町村全体の保育料滞納額は把握しているんでしょうか。その辺の状況について、お答えいただきたいと思います。  それから、常識的に考えれば、子ども手当は子ども手当と。そこから親が自主的に払うかどうかというのは、あくまでも自主性の問題であり、天引きであってはならないというのが普通の考え方なんだと思う。それは市町村にその判断をゆだねることに結局はなるんだと思うんですけれども、画一的に徴収して当たり前だという風潮になってしまうと、趣旨からいってどうなのかという問題が発生してくるので、そういう意味合いのことは言っておきたいと思います。  それから、時効が5年だと。預けて、滞納して、5年たてば、支払わなくていいと。ここにも何か滞納を発生させている──もちろん滞納を発生させる本質的な問題あるんですが、5年時効という問題も、ある程度、影響しているのかというイメージでとらえるんだけれども、その辺はどうとらえたらいいんでしょう。  あと、差し押さえを行った事例はないということですが、ぜひよく相談して、滞納のない環境をつくっていくというのが先決だと思いますので、これからも滞納の差し押さえの発生が生じるということのないように、十分配慮していただきたいということだけは申し上げておきたい。 41 ◯川嶋こどもみらい課長
     諏訪委員の、県のほうで滞納の額等を把握しているのかという御質問にお答えいたします。  先ほど申し上げましたように、18年度中の保育料につきまして、19年度に国が全国的な調査を行いまして、県の状況についても県では把握しておりますが、その後、県といたしまして、市町村の滞納額等の調査等は行っていないという状況にあります。  県といたしましては、各市町村は適切に保育料の徴収、それにかかわるいろいろな滞納処分等については行っているものということで考えております。  それからあと、時効の話ですけれども、質問ではないですよね。申し上げておきたいということで、よろしいでしょうか。 42 ◯諏訪委員  国が把握しようとすれば、そのラインに乗って、県も把握する。国がやらないと、県はやらない。私は、保育行政にとって、第一義的には市町村が対応するものですけれども、保育行政全般で今回のような保育料の滞納問題がふえ続けてきているということについての深刻な意味をとらえる上でも、県はやっぱり毎年度、これがどういう推移をしていくかという点で、掌握すべきなんだと思うんですよ。その点について、終わりに聞いておきたいと思う。 43 ◯川嶋こどもみらい課長  諏訪委員御質問の、県として把握していくべきではないかという御質問でございますけれども、御存じのように、今、国におきましては子ども子育て支援システムなど、保育所にかかわる制度の大きな改革というか、そういうことが予定されておりますので、県といたしましては、それらの動向なども踏まえながら、必要に応じ、とるべき対応について検討していきたいということで考えております。  以上です。 44 ◯菊池委員長  ほかに質疑はありませんか。──渋谷委員。 45 ◯渋谷委員  私のほうから、むつ市社会福祉協議会に関連する事実確認を行いたいと思います。  平成19年1月から職員による出し入れが19回あったという報告でございましたけれども、その出し入れの具体的な金額と、先ほどのお答えは12月24日に返済完了という話になっておりましたけれども、一括返済されたのかどうか。その都度、返済されてきて、返済が完了したのかどうかです。その辺わかりましたら教えてください。  もう一つは、本来あるべき仕方で出し入れがされていたとは思えないわけですけれども、本来はどうあるべきだったのか。そして何が悪かったのか。それで、何が悪くて、このようになったのか、その辺がわかりましたら教えていただけますか。 46 ◯馬場健康福祉政策課長  報告によりますと、その出入りの金額の全体ですけれども、19回で189万円というようなことで、その返済はその都度、年度内には返済されているという形で(「具体的にわかれば」と呼ぶ者あり)具体的、そこまでは報告書にはございません。本日実施している一般監査の中で、その辺は説明できるものと考えております。  本来あるべき姿でございますが、伝票を作成して、その承認をもらって、それで例えば引き出しに行く際には、銀行印を保管している上司から、払戻書に押印してもらい、経理担当者は、その払戻書と通帳を持って銀行に行くこととなります。それが、この報告書の中で見る限りは、別途、銀行印を保管している上司等の承諾を得ずに無断で銀行印を引き出して、通帳から引き出していたと受けとめます。 47 ◯渋谷委員  報告書だけではわからない部分が多々あると思いますので、ぜひ確認してもらいたいんですが、例えば、年度末に返済しているという話です。そうすると、19年3月に1回返済して、そして今度、20年度の予算では翌年の3月に返済する形なのか、できればその辺を調べて、ぜひ明白にしていただきたい。  要は何を言いたいかというと、本当に返す意思があったのかどうかというところが、今の報告だけではわからなかったものですから、ぜひそこを確認いただければ。いつ幾ら引き出して、いつ幾ら返していたのかと。多分そんなに問題なくわかると思うんです。そういうところを調べていただければと思います。  それと、今の引き出しの件ですけれども、銀行印を勝手に持ち出したということです。管理の問題ももちろんあるわけですけれども、ただ、勝手にというところが、先ほども言ったように犯罪性があるわけです。今回の処分が本当にこういうことでいいのかどうか、もう少しきちんと調べて、犯罪だということであれば、もう少し毅然とした対応が必要なのではないかと。そうでないと、いつまでたってもなくならないことになるのではないかと思いますので、その2点を確認していただければと。  あともう一つ、先ほど諏訪委員もおっしゃっていましたけれども、社協でこういう問題があったと。やはり福祉の分野というのは、なかなか民間の方、一般の方がああだ、こうだと文句をつけがたい、半ば聖域のようなところがあるわけです。それがこういう不透明な部分を生んでいるわけです。聖域であればあるだけ、明朗にしていかなければ、今後ともこういうことが後を絶たないと思うわけであります。ぜひとも、各社協のそのような事情があるにせよ、県としても、いろんなお金が社協に入っているわけですので、ぜひともこれを明朗にするための仕組みづくりを今回きちんと考えていってもらいたい。それをぜひ要望いたします。そうでなければ、また第2、第3のむつ社協が出てくる可能性がありますので、ぜひともそれを検討するように要請して終わります。 48 ◯菊池委員長  ほかに質疑はありませんか。──伊吹委員。 49 ◯伊吹委員  冒頭ありましたむつの社協の問題については、言語道断だと思います。したがって、きょう監査に入られているということですので、その監査状況、監査結果、当委員会にきちんと報告をしていただくべきだと思いますので、できれば次回の、今年度最後の委員会がありますけれども、報告していただきたいと思います。 50 ◯馬場健康福祉政策課長  お話のあった点はしっかりと受けとめてまいります。 51 ◯伊吹委員  次回委員会で報告があるものと受けとめさせていただきます。  それでは、私のほうから2点あります。1つは通告していたことなんですが、子ども手当に関しての質問でございます。今、満額支給を既に断念をした段階で、今度は児童手当とそれ以外の税との兼ね合い、これまで減税していた措置を取りやめることによって、この子ども手当の財源を捻出しているのではないかといったような報道等、子ども手当をめぐる議論がにぎやかになってきておりますので、確認の意味もあって、受けとめておきたいと思いますが、平成23年度の政府の予算案における子ども手当についての県負担の見込み額は、どの程度になるのか。また、これまで、子ども手当導入前の児童手当においても、県負担等があるかと思いますけれども、それらとの比較も含めて、お知らせいただきたいと思います。 52 ◯川嶋こどもみらい課長  子ども手当につきましては、平成23年度政府予算案におきまして、3歳未満の手当月額を2万円とするための財源は全額国庫負担ということになりましたが、平成22年度限りの暫定措置でありました児童手当分の地方負担が継続されることとなりました。そのため、公務員分を除く子ども手当に係る平成23年度の県負担額は約26億3,500万円と見込まれ、当初予算案に計上すべきと要請しているところでございます。  なお、平成22年度当初予算の県負担額は約23億7,100万円となっておりまして、この平成23年度に県負担額が増加いたしましたのは、主に平成22年度は10カ月分だったものが、平成23年度は通常ベースの12カ月分となったためでございます。(「児童手当」と呼ぶ者あり)  済みません。これを児童手当の比較でいきますと、平成22年度におきましては、子ども手当負担金当初予算額が、先ほど話しました23億7,100万円。平成22年度実績見込みにつきましては、子ども手当県負担金が約21億7,000万円で、児童手当の県負担金が約4億5,000万円となり、両方合わせますと、県負担金が約26億2,000万円でございましたので、23年度は、1,000万円の県負担金の増加になっております。  22年度は児童手当が2カ月分、子ども手当が10カ月分ということでしたので、23年度は子ども手当の負担分と児童手当の負担分を合わせた額が所要の経費となっております。 53 ◯伊吹委員  つまり、児童手当の取り扱いが今、また議論が出始めてきているんですね。これまで児童手当を継続していたときの県負担と、今度、子ども手当に切りかわって、一時的に児童手当も残した。本来は児童手当をやめて、完全に子ども手当になるはずだったものが、児童手当分も残すという議論があるものですから、軸足をどこに置くのかが、非常にまだ不透明なんですけれども、要は県負担がどうなるのかと、やはり県民の皆さんも関心があるところなので、あえてお伺いをしているわけです。  そこでもう一つ伺うのは、例えばこの子ども手当の県負担分について、予算措置しない、予算計上しないという自治体が、神奈川県などを初めとして全国に出始めておりますけれども、こうしたことに対する認識と県の考えを伺いたいと思います。 54 ◯川嶋こどもみらい課長  本県におきましては、まずもって県民への円滑な子ども手当の支給と、市町村におきます事務に支障や混乱を来すことがないように、それを一番に考えて対処していきたいということで考えております。 55 ◯伊吹委員  一般質問でも、いわゆる県の考えをお聞きしたんですけれども、本来はこの子ども手当というのは、国が財源手当てをすべて行って実施をしますということをマニフェストにも書かれておりましたし、その方向で来たはずなんです。それで、状況が変わってきている。そうであれば、現段階でそこをきちんと各地方自治体にも説明をして、理解を求めるということが必要なんだと思いますけれども、そうしたことがなされないがゆえに、先ほど申し上げたような各自治体の中で、予算措置しないところが出始めているという現状だと思うんです。  そういうことを踏まえての質問なんですけれども、県の認識、つまりこれは県として、来ればそのまま受けるということで、予算計上をただ単純にしているということなのか。一般質問の答弁にもありましたけれども、本来はこれは国が負担すべきだとの思いは変わらないし、今後とも、そのことは国にも求めていくということではあるものの、一方で、各家庭に対しての影響を、生活して行けないという、やむを得ず、今回予算計上するということなのか、そうしたことの認識を伺っておきたいと思います。 56 ◯川嶋こどもみらい課長  県におきましては、これまでも種々申し述べてきましたとおり、子ども手当のように全国一律で、地方の裁量権がない現金給付につきましては、国が全額を負担すべきとして、これまでも全国知事会や地方6団体でも求めてきたところではございますが、今回のようにまた児童手当制度の地方負担が継続されるというようなことは当然、遺憾だと感じております。  しかしながら、実際に市町村の現場におきまして、子ども手当を受給している方々がいらっしゃることを踏まえまして、その方々に支障や混乱が生じないことを第一義的に考えて、平成23年度当初予算案に地方負担も計上したということでございます。  以上です。 57 ◯伊吹委員  最後に一つだけ確認しておきたいんですが、先ほども保育料の問題で子ども手当の議論になりました。子育て支援というのは、子ども手当に限ることなく、それ以外の現物給付も含めて、さまざまなありようというのが議論されてもいますしね。この際ですから、できれば、今後の我が国の、あるいは本県の子育て支援がどうあるべきなのか。その養育環境、親が経済的に厳しい中で、それをどう行政として、どの部分まで措置していくのかということも含めて、この議論をし、考えていかなくてはいけないものなのではないかと考えているんですけれども、今、お話もありました子ども手当についての県の国に対する考え方を今後、継続して要請する際に、私が触れましたようないわゆる子育て全体にかかわる制度設計のありようについても、しっかり国のほうで議論するように、また、地方の意見も裁量もきちんと取り入れて議論していただくように要望すべきなのではないかと考えるんですが、この辺いかがでしょうか。 58 ◯川嶋こどもみらい課長  委員がおっしゃるように、当然、子育て支援サービスは幅広いさまざまなサービスがあると思います。地域の実情に応じました子育て支援サービスの充実を支援する。国のほうでも、新たな交付金制度が設けられることとなりましたが、子育て支援は、経済的な支援だけではなく、多様な保育サービスの充実やワークライフバランスの実現など、先ほど申し上げましたように幅広い施策を総合的に継続して実施していくことが必要であると考えております。  そのため、国に対しましては、引き続き総合的で持続可能な子育て支援体制の構築を強く求めていきたいということで考えております。 59 ◯伊吹委員  最後に、子ども手当に関しての通告していた内容なんですけれども、要は、さまざまな家庭状況が見受けられて、今は基本的に世帯主に対しての口座に子ども手当が振り込まれるという形になっているんですが、DVなどを初めとするさまざまな家庭養育環境の中で、世帯主に振り込まれると、それが子育て支援ではなくて、違った形に使われてしまっているという実態も実はあるんです。こうしたことに対応して、できれば、しっかりと子育てに使われるように、各家庭の申し出等に応じて、柔軟な支払いのありようがあってもいいのではないかと思うんですが、こうしたことについての今の制度の状況等についてお聞かせいただきたいと思います。 60 ◯川嶋こどもみらい課長  子ども手当は現在、原則として、子供を監護し、監護というのは、すなわち親が子供に通常必要とされる監督、保護を行うということでございます。原則として子供を監護し、生計を同じくしている父または母に支給されます。父と母の双方が監護と生計同一条件を満たすときは、主に生活を維持しているほうの親に支給されることになっております。  なお、国のほうでは、現在、国会で審議されております平成23年度子ども手当法案におきましては、DV等があった場合などは、これまでは要件がございましたけれども、そういうことを確認せずとも、親が別居している場合は、子供と同居している親に子ども手当を支給するということで、法案を提出しているところでございます。  以上です。 61 ◯伊吹委員  青森市の担当課に私どもの市議会議員を通じて照会をかけたところ、基本的には現行法制度のもとで、幾ら相談があったからといっても、市の判断で振込先を世帯主以外にかえるということは、なかなかしにくい。それをやってしまうと、ペナルティーを科されてしまうといったような答え方をされておりまして、聞きたかったのは、各家庭、状況は全部まちまちなので、相談があったときに、まずは相談を聞いていただいて、何かしら対応策があるのであれば、その相談に適切に対応してもらいたいと思うわけです。  これを通告する段階で、その相談対応の窓口もあるというお話も伺っていますから。多分、皆さんは知らないと思うんです。だから、あえて聞いているんです。そのことも、できればきちんとお知らせいただきたいと思ったんですけれども。 62 ◯川嶋こどもみらい課長  繰り返しになりますけれども、現行の子ども手当法では、子供の監護と、生計同一であるかどうかが支給要件とされております。それで、手当の認定を行っているところです。ただ、夫が子供に対する生計と監護を放棄しておりまして、妻がそれらを担っているということが客観的に認められる場合は、妻に支給することができるということになっております。  子ども手当は、国が定める法律におきまして、全国一律の制度としての一定の認定条件、必要要件が定められておりますが、各市町村におきましては当然、法律に基づいて、さまざまな法律に照らし合わせて、適切な認定を行うことが求められます。  伊吹委員のおっしゃったようないろいろな事情等々もあるかと思いますけれども、国が新たに出してあります23年度の子ども手当法案におきましては、両親が別居している場合には、子と同居する親に支給するなどの改善を図ることとされておりますので、市町村ではこうした趣旨を踏まえ、適切に受給者を認定することが可能であるものと考えております。  以上です。 63 ◯伊吹委員  県の相談窓口が出先にありますよということをきちんと言ってもらいたかったんですけどね。あと市においても、先ほど言ったように、国がこうだからで切り捨てるんじゃなくて、しっかりと受けとめて対応してもらいたいと思いますので、市の方にもその辺はよく話を通しておいていただきたいと思います。  最後に一つ、これも通告外で申しわけないんですが、実は先ほど一部話が出ていたと思うんですけれども、病院絡みの話なんですが、急性期で入院していた方が、ある程度、医療保険等の兼ね合いがあって、3カ月で退院を余儀なくされるという制度になってしまっていると。  3カ月で退院をする際の転院先の紹介事案の件なんですけれども、基本的には自分で探さなければいけない。特に慢性期というか、医療行為を必要とする場合としない場合とあるので、それによって行く先も違ってくるということと、さまざまな、これも人によってその状況が違うので、一概に言えないんでしょうけれども、いずれにしても、そうしたことを踏まえて、次、どこに行けばいいのか。どういうところがありますよと、あなたの場合はこういうところがありますよというような紹介をしてもらって、経済状況などに応じて、今度は家族がその一軒一軒歩きながら、その入所申し込みのようなことをしている現実があるんです。  こんなことをやっていたのでは、だめなのではないかと思うんですが、これは尾坂課長のほうにも絡む話なのかもしれないんですけれども、要はワンストップの相談体制をきちんとすべきなのではないか。各地域に包括支援センターがあるはずなのに、それが十分機能しているとも言えない状況も見受けられるわけです。どこがそういう機能を担うのか、市民の皆さんはよくわからないでいまして、よく聞かれるんです。こういうところありますよといっても、行くと、そこできちんと丁寧にそこの間に入ってやってくれるかというと、そうではなくて、こういうところがあります、自分で行ってくださいで、終わりと。  家族を抱えていて、子供さんとか娘さんが自分で休みをとって、動ける御家庭はいいんですが、核家族化が進んで、老夫婦だけという世帯がふえている中で、例えばだんなさんが倒れ、残された奥さんが本当に路頭に迷っているような状況が今、急激にふえてきている。こうしたことに対して、できれば、先ほど、県病の新成長プランと、外向けに対しての情報発信だというお話もありました。これは、県病としての、県の医療の中心拠点である県病の考え方だとは思いますけれども、こういうことを打ち出すのであれば、そのベースとして、できれば今申し上げた県内全域の相談体制といったようなことをしっかりと県も整理をしていくべきなのではないかと考えるんですけれども、こうしたことについてはいかがなものでしょう。 64 ◯尾坂高齢福祉保険課長  私のところは高齢者対策なので、高齢者対策としてお答えさせていただきますけれども、確かに急性期の病院は、急性期を過ぎますと、退院していただく。そうすると、在宅になったり、それから療養病床に移ったり、介護保険施設に移ったり、そういうことは、基本的にはそこの病院の地域連携室に相談していただいて、そこから情報発信していただく。確かに交渉自体は、個別具体に本人がそこの施設なり、動くことが必要になります。ただ、その相談は、まず入院中であれば、そこの病院の地域連携室で相談に、退院後というか、地域連携室に相談している中で、高齢者の施設、いわゆる介護保険施設をひっくるめてですが、そういう相談に対しては、地元の地域包括支援センターでも相談に応じます。こういう施設がありますよという話になるわけですが、個別具体になりますと、やはりそこに赴いて、そこでいいのかどうか。それから医療機関の人の話も当然あるでしょうから、それを家族の方が勘案して、どこがいいんだろうと、まず決定していただいて、そこにまず相談していただくということになるんだと思います。  だから、ワンストップで、あなたはここからここに移りなさいという仕組みにはなっておりません。あくまでも、患者及びその家族が選択して、その後どうするかを決定していく。その相談には対応しますよというシステムになっています。
    65 ◯伊吹委員  例えば、地域連携室で相談しました際に、医療を必要とする場合、医療を必要としない場合と、今お話があったように、それぞれの個別の状況に応じて、こういう施設があって、ここは今、空き状況がこうですから、入る可能性があるとかないとか、そうしたことも含めて、何通りか、3つなり4つなりの提案をして、ここに行かれたらどうですかといったようなやり方をしていただいて、できればその中で、今申し上げたように、自分で動けない場合は、その間に入ってもらって、その希望も聞きながら、施設の決定まで支援してくれるようなシステムを望んでいるんですけどもね。  そういうことは、やはり無理なものなんですかね。もはや、そういうことまでしてあげないと。今までは、自分で探してくださいで、来たんですけれども、それだけではもう立ち行かなくなってきているのが現場なんですよ。探せない、探したくても探してくれる人がいない、周りも身内がいないんです。  今、東京でも、孤立無縁という無縁社会のようなことが盛んに報道されていますけれども、それがもう一般的になりつつある。言い過ぎかもしれませんけれども、家庭が崩壊している状況なんですね。親と子が別世帯になって、しかも、子がその地域で働けないために県外に行ってしまって、親の転院先を探すために、わざわざ休みをとって来なければいけない。来たときに仕事先のほうで理解があればいいですけれども、そうでなければ、仕事をやめて、結局、親のために帰ってこざるを得ないという現実まで、私も相談を受けるもんですから、申し上げているんですけれども。  できれば、今すぐどうこうしますとは言えないかもしれないですけれども、こうしたことに対応したことをそろそろ検討して、体制整備を図ってもらいたいと思うんですけれども、いかがなもんでしょう。 66 ◯尾坂高齢福祉保険課長  確かに医療と介護の連携ということでは、県は包括ケアシステムという中で推進して、それの完成を目指し、努力しているところです。おっしゃるように、地域包括支援センターも、まだまだ本来の機能を発揮できないでいるところも、少なくありません。県としても、それらが十分、機能発揮できるように今後支援してまいりたいと考えております。 67 ◯馬場健康福祉政策課長  今、尾坂高齢福祉保険課長が答えましたように、包括ケアの一環として、現在、地域連携の情報共有事業を実施しています。病院の医療連携室と地域のお医者さん、かかりつけ医とか、あるいは包括支援センターなどと、円滑につないでいこうという、その辺で情報を共有していこうということですが、当然、急性期からリハビリ、あるいは安定期というような形で、どういうサービス、どういう情報、その患者の状態がどういう状況で、それを連携パスというような形で提示するものなんですが、あくまでもそういう、家族、つながりをよくしていく事業ということでの取り組みでございまして、これを制度として持っていくのは、もう少し先の話になってくるんだと思いますけれども、これが介護保険制度なり、あるいは医療保険制度の中で見込まれていけば、委員がおっしゃるような姿というのは、幾らか手がかりがあるんですけれども。 68 ◯伊吹委員  では要望しておきます。県全体でというのは、恐らくなかなか難しい部分あると思います。できればモデル地域を決めて、きちんと取り組んでみてもらえないですか。そうした取り組みが可能なのかどうなのか。今、課長からもお話あったけれども、確かに今の介護保険制度の中でやろうと思うと、なかなかこれは難しいということも聞いてもおります。国に対して、こうしたこともしっかり制度化するように、制度設計するように求めていきたいとは思うんですけれども、現状の中で、県としてどこまでそうしたニーズにこたえられるのか。ぜひモデル事業として、どこか取り組んでみていただきたいと思いますけれども、いかがでしょう。 69 ◯馬場健康福祉政策課長  そこは検討させてください。 70 ◯菊池委員長  ほかに質疑はありませんか。  [「なし」と呼ぶ者あり]  ないようでありますから、これをもって健康福祉部病院局関係の審査を終わります。  午さんのため暫時休憩いたします。 ○休 憩  午後 0時36分 ○再 開  午後 1時40分 71 ◯菊池委員長  休憩前に引き続き委員会を開きます。  環境生活部関係の審査を行います。  執行部より報告があります。──名古屋環境生活部長。 72 ◯名古屋環境生活部長  廃コンデンサーの確認と今後の対応ということで、お手元に配付の資料に従いまして、御説明いたします。  まず、確認状況でございます。県境不法投棄現場におきまして、平成22年11月以降に掘削した特別管理産業廃棄物につきまして、平成23年1月31日から行っておりました選別工程で、2月8日に廃コンデンサーが23個確認されております。  別紙1に、廃コンデンサーが投棄されていたと推定されるブロックを示してございます。1枚めくっていただいて、図をごらんいただきたいと思いますが、現場は、不法投棄範囲を1,000立米ごとに区切ったブロックごとに管理しておりまして、1ブロックの大きさは20メートル掛ける20メートルの高さ2.5メートルとなってございます。大半の廃コンデンサーが投棄されていたと推定されます2つのブロックを赤い四角い線で囲んでございます。また、平成22年11月16日から平成23年1月20日までに掘削した範囲につきましては、廃コンデンサーが投棄されていた可能性があるということで、9ブロック、緑色の印で示してございます。  また1ページに戻っていただきまして、1の確認された廃コンデンサーについてでございます。発見された廃コンデンサーは、おおむね40センチ掛ける40センチ掛ける10センチ程度の箱型でございます。内部に絶縁油が残っていないことを目視で確認してございます。また、廃コンデンサー23個のうち12個に、型式等が記された銘板がございまして、銘板を確認したところ、ポリ塩化ビフェニル(PCB)使用廃コンデンサーが1個確認されました。  別紙2、3枚目になりますが、廃コンデンサーのPCB使用状況と判別結果一覧を、別紙3に廃コンデンサーの状況写真ということで示してございます。  まず3枚目の別紙2をごらんいただきたいと思います。管理番号1から11までが、銘板がなかったものでございます。12から23までは銘板がありました。このうち管理番号12につきましては、国内においてPCBの生産が中止される以前の1964年に製造されたものでございます。製造メーカーが公表している型式から、PCBが使用されているものと判断いたしました。  なお、13から23につきましては、銘板に記載された型式からは、PCBが使用されていないことが確認されてございますが、PCBの製造が禁止された以降につきましても、PCBが使用されていないとされているんでありますが、原因は不明でございますけれども、微量のPCB混入の可能性が否定できないとされてございます。  次に、別紙3についてでございますが、これは写真でございます。現場における廃コンデンサーの状況写真、3)、中段の左側でございます。右側もそうですが、3)がPCB使用廃コンデンサーの状況でございます。赤い四角でくくったのが銘板でございます。  また、1ページに戻っていただきまして、大きい2の「既往の調査結果」でございます。県がこれまでに行った現場内及び現場周辺の廃棄物等の調査結果につきまして、平成12年度の現場内廃棄物5カ所及び土壌13カ所、平成16年度の廃棄物2カ所の調査におきましては、PCBは検出されてございません。  また、平成15年度以降、現場内地下水1カ所──これは年2回から4回実施しておりますが、その分析でもPCBは検出されていません。  なお、平成12年度に堆肥様物の浸出水1カ所から、PCBが0.0012ミリグラム・パー・リットルが検出されたことがございますが、これは排水基準値である0.003ミリグラム・パー・リットルを下回っておりました。  平成17年度以降、浸出水処理施設の原水及び処理水──これも年4回実施しておりますが──その分析ではPCBは検出されておりません。  平成12年度から19年度までの周辺環境──表流水につきましては年1回から6回実施、地下水につきましては年2回から4回実施の調査では、PCBは検出されてございません。  以上によりまして、周辺環境には影響がないことが確認されてございます。  3の今後の対応でございます。県は、PCB使用廃コンデンサーが確認されたことを受けまして、直ちに2月14日月曜日から、安全が確認されるまでの間は、産廃の搬出を休止してございます。  今後、専門家からの助言、評価をいただきながら、手順を踏んで、廃コンデンサー23個や周囲の廃棄物、不法投棄現場からの浸出水などにつきまして、PCBの分析調査を行うこととしてございます。  なお、廃コンデンサーの銘板には固有の製造番号が記載されていることから、排出元を特定できないか、あわせて調査をすることとしてございます。  報告は以上でございます。 73 ◯菊池委員長  ただいまの報告事項及び特定付託案件について質疑を行います。  質疑は、所管外にわたらないように願います。  なお、答弁者は挙手の上、「委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。  質疑ありませんか。──諏訪委員。 74 ◯諏訪委員  ただいまの報告ですが、2枚目の別紙1の図面で、今回報告になった23個が赤い部分で発見された。それから緑の丸の9ブロックがあるんですが、つまり23のほかに、なお投棄されている可能性があるブロックとして、受けとめていいのか、その辺をまず確認させてください。 75 ◯山田理事(県境再生対策室長)  この23個で終わりなのか、それともまだほかにあるのかという御質問でございますけれども、今回出てきたのが23個でございます。それで、どこから出てきたのかということの作業記録やら、従業員のお話やらを聞きますと、この赤い四角の中から多く出てきた。それを全部足すと23になるかどうか、ここが確認できないです。23のうちの大半がここから出てきたけれども、それとほぼ同時期にほかのところも掘削しているものですから、この緑の中からも幾つか出てきたかもしれない。ただ、出てきたのは全部で23個ということでございます。 76 ◯諏訪委員  要するに、赤い部分と緑の部分で、全体としては23個なんだけれども、どこから何個出てきたのかというのは不明だと。なぜそうなっているんでしょう。 77 ◯山田理事(県境再生対策室長)  この廃棄物の掘削というのは、現場で作業しておりますバックホーというような機械がございます。そのバックホーの掘削段階でわかるものが、そのバックホーに入り切らない大きなものとか、それから漁網も出てきておりますけれども、引っ張ってもひっかかって上がってこないものとか、そういったサイズの大きいものについては、掘削段階でわかるんですけれども、今回出てきた廃コンデンサーというものは、大きさが40センチ、40センチの10センチぐらい、このぐらいのサイズのものですと、ほかにも石が出てきます。それからコンクリートくず、金属くずとか、それから木くずとか、そういったサイズのものがいっぱいまじっている中で、この廃コンデンサーと特定できなかったということでございます。  その掘削の後の作業というのは、現場で廃棄物を分別いたします。その分別というのは、最終的に5センチ以下の小さいもの、それから5センチから10センチのもの、10センチ以上のものというように分別するんですけれども、10センチ以上のものの分別というのは、そのほかは全部機械で分別しておりますけれども、10センチ以上の大きなものは手作業で分別いたします。その手作業で分別する必要がある10センチ以上の大きなものについては、少しためておくんです。最初の選別の段階でしばらくためておきます。そして、ある程度たまった時点で、その10センチ以上の大きな廃棄物について、どういうものかということを確認いたしますけれども、それはバックホーの中に金網みたいなものをつけて、ごみを落とすわけです。ごみが付着しておりますので、最初の分別では、ごみが何かというのは認識できません。それで、廃棄物を落とした結果、今回の廃コンデンサーであることがわかったわけでございます。  そういった作業手順がございますので、一つのブロックから出てきたごみを全部分別してから、また次のブロックという作業手順ではないんです。ある程度の期間、最初の分別をしておいて、大きなものは分けておいて、その分けた大きなものについて、また再分別をする。石なのか、コンクリートくずなのか、それとも、廃コンデンサーが今回初めて確認されたわけですけれども、そういった作業手順がある関係で、これらの23個の廃コンデンサーがどこから何個出てきましたと正確に認識することはできない状況でございます。 78 ◯諏訪委員  その場所を特定することの意味は大きいんだと思うんです。どの地点で23個発掘されたかという特定は、大変大事なことなんだと思います。  新聞の記事を見ると、2010年11月以降に掘削し、選別作業場の仮置き場にためていた産廃の一部に混入していたという言い方をするんですが、今、室長が言われたのはそういう意味のことなの。一たん仮置きしたことがある。その仮置きしたものは、緑で囲った部分を掘削した相当分のものが仮置きされていたと、こういうことになるんだと思う。  そこで、それを特定していく作業は、どういう角度からやるものでしょうか。23個の位置を特定していく作業は、どのようにしてやるんでしょうか。 79 ◯山田理事(県境再生対策室長)  この廃コンデンサーが出てきた場所は、今回の資料ではその可能性のある場所まで含めて表示をしてございますけれども、最終的に特定は困難かと考えております。  それで、今後の処理なんですが、これは協議会の専門家の先生がいらっしゃいますので、専門家の先生から助言、評価をしていただいた上で、実証することになりますが、やり方としては、可能性のあるところをボーリングで調べる方法が出てくるかと思います。  そこまでやるのかどうか、専門家の先生の御意見を伺った上で、これから決めたいと。 80 ◯諏訪委員  銘板のないものがあるんだけれども、銘板のあるものについては12番に、これはありということになって、あとは、なしということがわかったんですが、その銘板なしの部分で、これを探していくという作業は一体どうなるのだろうか。  それから、銘板があって、なしと決定づけた要素は何なのか、その辺をお知らせください。 81 ◯山田理事(県境再生対策室長)  まず、銘板のないものについて、どうやっていくのかということでございますけれども、今回、PCBが使われていたのが確認されたものが1個ありまして、銘板がないと、その辺が確認できません。したがって、銘板のないものについては、これはすべてPCBがあるのかどうか分析をすることにしている。現に分析中でございます。  それから、PCBが使われていないと判定されるものについて、既にこういった製造されたコンデンサーにつきまして、PCBを使っているのかいないのかが公表されてございます。その公表に基づいて判断をすれば、銘板があるものの12のうちの一つが、PCBが使われていたことが確認された。それ以外は、使われていないことが確認されるわけですが、ところが、使われていないと公表されているコンデンサーの中にも、微量のPCBが含まれているという、絶縁油なんですけれども、その油の中に微量のPCBが混入されているものがあることが、これは確認されていることなんです。  したがって、公表されている仕様でPCBが使われていませんよというものについても、PCBの分析をする必要があると考えておりまして、これも現に今、分析中でございます。 82 ◯諏訪委員  銘板があって、「なし」とされたものは、純粋に、ないんでしょうか。つまり、微量という意味は、また非常に不可解な部分もあるんですが、「なし」といった場合には、もう完璧に、ないという理解でいいんでしょうか。 83 ◯山田理事(県境再生対策室長)  PCBが使われていないと公表されているものについては、完璧にないとは言えません。理由はよくわからないんだそうですけれども、それこそ微量のPCBが混入されているものがある。現に出てきたんだと思います。ということがございますので、公表では使われていないとされているものについても、PCBの含有量も調べる必要があると、当方では判断をいたしまして、分析中でございます。 84 ◯諏訪委員
     そういう姿勢で臨んだほうがいいと思うんです。微量であっても、使われていることを前提にしながら分析する姿勢が必要なんだと思うんです。  安全が確認されるまでは、現場からの産廃搬出作業を休止するとなっているのですね。今後の搬出、撤去作業にどういう影響を及ぼすのかということも、この問題は影響を与えてくるのかと思うんですが、安全が確認されるまで、どの程度の所要期間を見込んで、確認作業に当たることになるんでしょうか。 85 ◯山田理事(県境再生対策室長)  その安全が確認されるまでの間、現に搬出を休止しておりますけれども、それがいつまでということで、なかなか現段階では予断を持ってお答えすることができない状況でございます。  と申しますのは、現在、廃コンデンサーの分析をしております。その結果に基づいて、次にどういうものを分析しないといけないのかと、その範囲をどこまでやって、安全が確認されるかということがございますので、段階的にこれからやっていく調査、それらのすべてが終結して、安全確認ができる日というのは、大変申し訳ないんですけれども、現段階で明確に申し上げることはできません。  それで、休止の期間が長期にわたることになりますと、これは当然、今後の搬出に影響を及ぼすことがあり得ると考えております。その場合であっても、先般、ルールの見直しに伴って、平成25年度までに全量撤去する方針は堅持していきたい、堅持できると考えてございます。 86 ◯諏訪委員  見通しを持てないというか、ないしは今、23個見つかったんですが、新たに別な場所で発見される可能性もある。もうこれ以外はないと断定できるものではないと考えるんだけれども、その辺の見通しをどう思っているでしょうか。 87 ◯山田理事(県境再生対策室長)  今回、廃コンデンサーが出てきたことに伴いまして、原因者であります三栄化学工業の現場の元従業員の方、3名に聞き取り調査をしてございます。どのくらい投棄したのか。コンデンサーというものが投棄されていたことを知っているかという聞き取り調査をしておりますけれども、その3人の現場従事者の方は、そもそも廃コンデンサーを不法投棄した事実そのものがわかりませんでした。したがって、どのくらい現場に投棄されたのかということについても、当然わからないといった状況でございます。  我々、23個を確認しましたけれども、投棄の状況が確認されない以上は、今後、また廃コンデンサーが出てくる可能性を否定できない状況でございます。 88 ◯諏訪委員  予断を持っていないのですが、何掘りでしたか。(「つぼ掘り」と呼ぶ者あり)つぼ掘りで、また新たなものが出てくる。今度の廃コンデンサーで、また新たな状況が生まれてくる。今後も何らかの形で生まれてくるかもしれません。ほとほとこの件が与えている影響というのは、改めて原点に返ると、思い起こすわけですけれども、やっぱり安全第一ですから。住民の健康に被害を与えることのないことが、何よりも前提条件でなければならないので、より一層、慎重に、それから徹底した発見というか、そういうものにより一層努力されて、もちろん、隠蔽する必要も何もありませんので、出てきた事象については率直に、いち早く問題を提起していってほしいということだけは御要望申し上げておきたいと思います。 89 ◯菊池委員長  報告事項を先に行います。ほかに質疑はありませんか。  [「なし」と呼ぶ者あり]  では、特定付託案件について質疑はありませんか。──諏訪委員。 90 ◯諏訪委員  子育て男女再就職支援事業について。その事業の目的と内容について、来年度の事業の継続見通しについて、ひとつよろしくお願いいたします。 91 ◯神青少年・男女共同参画課長  子育て男女再就職支援事業の目的と内容についてでございます。  男女共同参画社会を実現させるためには、子育て等のために就労が制限され、就職の機会も限られるなど、生活上の困難に直面しやすい母子家庭など、ひとり親家庭に対する支援策を推進する必要があります。  この子育て男女再就職支援事業は、母子家庭・父子家庭の親や就職を希望する子育て中の母親たちが、経済的に自立することを目的として、国の緊急雇用創出対策事業を活用し、再就職に向けた支援を行うものです。  具体的には、就職のために必要な技能・知識等を身につけさせる講習として、ビジネスマナー講座とかパソコン講座、面接講座のほかに、仕事と育児を両立するために必要な家族とのコミュニケーション講座などを総合的に就職支援を行う内容となっております。  また、あわせて、講座の受講や就職活動に専念できるよう、受講者及び就職活動中の親が無料で利用できる託児を1月11日から3月18日まで実施しているところです。  次に、来年度のこの事業の継続見通しでございます。  本事業につきましては、講座の受講希望者も多く、今後も継続を希望する声があることから、来年度も引き続き託児を併設した再就職支援事業を県内3カ所に拡大して実施したいと考えております。 92 ◯諏訪委員  無料の託児室は定員4名となっており、これは予約制だと思うんですが、定員4名で十分ということになっているのでしょうか。 93 ◯神青少年・男女共同参画課長  この仕組みと申しますか、総合的な講座を受講される方々のための託児は別に設置されておりまして、今、委員がお話になった部分は、就職活動のためにそのとき預かってほしいという託児で9時から5時までは4名でやっております。  まず、そこに張りつく保育士は2名でございます。それで、そこに基本的には4名という上限で決めておりまして、それは予約制というのは、その4人から、どんどん余って、これを当日来られても、また帰っていただかないとだめなものですから、4人と決めています。それは、保育士のキャパを考えてのものです。ただ、場合によっては、講座の受講者のために6人、保育士がその講座の日にもまいりますので、それをある程度、活用することも、4人という原則ではございますけれども、できるだけニーズにこたえるような対応もしているということでございます。  その実績でございますけれども、1月11日からの28日間の実績は、1日当たりの託児の利用が3.8名ということでございます。十分かどうかというのは、実績からみれば、何とか調整がついている感じもいたしております。 94 ◯諏訪委員  これを3カ所に拡充すると。恐らく当初予算の計上とかにかかわってくるんだと思うんですが、3カ所、どことどこでするんですか。 95 ◯神青少年・男女共同参画課長  これにつきましては、現に実施しておりますものにつきましても、広く事業の実施について企画を募りました。その結果でございますけれども、新年度、どこでやられると、今のところ、同じように県内のやれる団体につきまして周知を図り、その内容等を審査で決定することになっております。  ですから今の段階では、具体的にどこが3カ所とは申し上げることはできない状況です。 96 ◯諏訪委員  仕事探しを応援する。ないしは保育園の一時預かりも含めて、それ相応の要求がありますので、そういう親の就活支援を含めた体制について、健康福祉部サイドと環境生活部で大いに連携をとっていただいて、対策について拡充を図っていただきたいと御要望申し上げておきたいと思います。  畜産施設設置事業に係る環境影響評価について。規模要件の見直し原案について、畜産団体からさまざま意見が出ているようですが、県としての対応方について伺います。 97 ◯北沢環境政策課長  畜産施設等設置に係る環境影響評価の規模要件の見直しについて、県としての対応でございますが、まず本県の畜産施設の現状でございますが、環境影響評価に係る規模要件を設定いたしました平成8年当時と比べまして、飼育規模はかなり大きくなっておりまして、その一方で、家畜排泄物の管理及び処理施設の整備が図られるなど環境保全対策が進み、施設当たりの公害苦情件数というのは減少している状況になっています。  このような状況を踏まえまして、現在、環境影響評価の対象となります畜産施設の設置等の事業について、規模要件の見直し作業を行っているところでございます。  この見直しに当たりましては、現行の規模要件を上回る施設であっても、一定の飼育規模までの事業については、環境影響の程度が著しいものとなるおそれがないと判断される場合、環境影響評価を実施しないことができるようにする方向で検討いたしておりまして、2月上旬に市町村及び畜産団体に意見の照会をいたして、現在、その回答について確認作業、あるいは整理作業をしている状況にございます。 98 ◯諏訪委員  環境アセスの必要について、いろいろなパターンがあると思うんですが、環境アセスが必要だと、実施してもらいたいということについての全国的な要件を教えてください。 99 ◯北沢環境政策課長  環境アセスがどういう場合に必要なのかという御質問でございますが、基本的には、その事業を実施することによって、環境への著しい影響があると想定されるものを環境影響評価の対象と考えています。 100 ◯諏訪委員  事前に聞いたんですが、例えば岩手、秋田などは、排水量か事業面積かをもとにした規制になっていると。排水、それから面積、頭数、およそ3つの対応をしている話を聞いたんですが、全国レベルで見ると、そういうくくりでよろしいんでしょうか。 101 ◯北沢環境政策課長  まず、全国的な状況でございますが、環境影響評価条例におきまして、畜産施設を対象としている県及び政令市は、本県を含めまして、畜種別に申し上げますと、牛では15自治体、豚では18自治体、鶏では6自治体となっております。  これらの自治体の規模要件の設定の仕方は、大きく3つに分けられております。1つは、本県のように飼育数で設定しているものが6自治体ございます。それから2つ目といたしまして、畜産施設または造成地の面積で設定しているものが10自治体。それから排水量で設定しているものが、岩手県と秋田県の2自治体となっています。 102 ◯諏訪委員  本県では、今、いろいろ意見収集もしているんだけれども、結局、頭数でいくことになるんでしょうか。 103 ◯北沢環境政策課長  まず、本県が頭数でこのまま続けていくのかということでございますが、県の環境影響評価条例における畜産施設の設置または変更の事業に係る現行の規模要件につきましては、平成8年に制定されました県環境影響評価要綱の考え方を基本的に踏襲しているものでございます。  畜産施設による環境への影響につきましては、家畜のふん尿による悪臭とか水質汚濁によるもの、これが非常に大きいものと考えておりますので、そういった意味で、飼育数との関連性が最も強いということで、事業面積や排水量だけでなく、家畜の種類別の飼育数で設定しているところでございます。  今回の見直しに当たりましても、この飼育数で定めた当時の考え方に変わりはございませんので、これまでどおり飼育数で定める方向で検討しています。 104 ◯諏訪委員  その飼育数でいくことについて、畜産関係者の間が、それは要望を受けたことにならないと言っているんですが、業界では、なぜそうなるんでしょうか。 105 ◯北沢環境政策課長  県といたしましては、より環境への影響を適切に反映させることができる指標でございます家畜の頭羽数という考え方を持っておりますが、業界の中ではいろいろ、委員おっしゃいましたような考え方がございまして、要望がなされています。  ただ、その辺については、繰り返しになりますが、基本的に最も影響を適切に反映させることができる指標を使うことが、我々としては望ましいと考えておりますので、いろんな要望と一応、対比はさせながら検討させていただきますが、その辺のところを御理解いただけるように努力してまいりたいと考えています。 106 ◯諏訪委員  環境アセスをやる場合の費用とか期間とか、一定の水準でやるとすれば、どれくらいの内容のものになるんでしょうか。 107 ◯北沢環境政策課長  環境影響評価について、どのくらいの内容になると、おっしゃる意味は、例えば経費とか時間とかだと思いますが、経費につきましては、類似の畜産施設に環境アセスが入った事例が九州でございますが、おおむね3,500万円。期間といたしましては、一般的には2年半程度でございますが、そのものによりまして、かなりばらつきがございまして、環境影響評価の項目が絞り込みできたり、あるいは既存の資料が使えるといった場合は、1年程度でできることがございます。 108 ◯諏訪委員  要するに業界団体の最大のネックになっているのはそこなんですよ。色々整理していくと、費用がかかる、期間もかかるということに尽きるんだと思うんですよ。  そこで、皆さんが主張していることは、それは基本中の基本で、正当性があるんだけれども、ただ、金も暇もかかるという業界の言い分も、わからないわけでもないことから判断して、どういう方法がこの問題で考えられるのだろうかと。  一般に環境アセスは、例えば産業廃棄物の最終処分場を建設するに当たって、このアセスは必要だとかと。ある意味では、有害な物質を扱ったりするものに対してのアセスというもの、あるいは、大規模開発で自然が破壊される問題についてのアセスとか、いろいろあるんですが、これは畜産で、食にするものという分野なんだけれども、やはり排水とか悪臭があるために、環境影響評価をやらないとだめだと言っているんですが、ただ性格的に言えば、幾分違うアセスなのかと思うんです。  ただ、やはり排水や悪臭をいかに防止するかと。基本的に、防止すればいいわけです。それが最大の目的なんですから。その点で、費用の面でも期間の面でも、もっと短縮したり額を下げたり、業界がこの水準の、しかも本質的にいえば、きちんと悪臭対策にもなるという点での環境アセスということになると、それは頭数であっても、この程度ならやりましょうと、受けて立つということにもなるのかもしれないし、その辺のいわば按配というものにも、ある程度、配慮して基準を設けていってもいいのではないかと。それが何らかの形で法令上の何かに触れると言うのだったら、それはまた問題になるんですが、その辺はどうくくったらいいかという点での見解があったら。
    109 ◯北沢環境政策課長  現在、その見直しを検討しているのは、まさしく委員がおっしゃったような視点も踏まえて検討しているわけでございますが、このバランスといいますか、その現況が、今までの成長業種と比べて、環境へ与える影響というのが、かなり低減してきている現状もございますので、もちろんそれとのバランスをどこでとれるのかが、まず一番大きな部分だと思います。そういうところですとか、あるいは業界の方々、住民の方々、バランスという意味では、いろんな方々の意見を聞いて、今も、事前に市町村と業界の方々にいろいろ打診して、協議しているところでございますが、そのほか、これが終わりましたらば、パブリックコメントにもかけて、意見を聞いて、その辺のところが、一部のサイドだけでなく、皆さんが納得できるような形で詰めてまいりたいと考えています。  なお、環境影響評価に当たりまして、対象事業により影響を受けるおそれがある環境の要素、例えば大気質とか水質等の項目を選択いたしまして、当該環境要素へ及ぼす事業の影響を客観的かつ科学的に検討することになりますが、その際に選定すべき環境要素につきまして、事業の内容とか周辺の状況によりまして、必要に応じて削除したり、逆に追加することもあるわけですが、そういうことも行っております。  このように、一つ一つの事業に合わせて、合理的に評価が進められるよう、事業者に過度な負担が生じないように、その都度、検討もしているわけですが、今後とも、そういったことも含めて、的確に対応してまいりたいと考えています。 110 ◯諏訪委員  よろしくお願いします。なお、県外の力のある畜産業界が環境アセスの基準緩和をめぐって入り込んでくる問題は、また別な分野で議論せざるを得ないだろう。県内の畜産業界と、いろんな競り合いが出てきますから、そういう問題も別な問題として存在していることだけは言っておきたいと思います。  ガラス固化試験について。日本原燃株式会社では、ガラス溶融炉B系の事前確認試験について、2010年度内の開始を目指しているとしているが、これはだれがいつ明言したのか確認させてください。 111 ◯小坂原子力安全対策課長  明言したことでございます。日本原燃株式会社によりますと、平成22年、昨年9月10日の再処理施設の工事計画の変更に関する記者会見におきまして、「アクティブ試験の再開時期はいつか」との記者からの質問に対し、社長から、「必ずしもお示しした工程の順番どおりではなくなる可能性もあるので、何月からとは言いにくいが、今年度内には事前確認試験を開始したい気持ちを持っている」という旨、答えているということでございます。  以上です。 112 ◯諏訪委員  気持ちを表明したまでだということになっているんですが、気持ちという言い方もいいのかという話はあるんです。竣工を2年後に延期してしまったから、そういう表現にもなっているのかもしれませんけれども、やるんだったら、事前確認試験について、2010年度内の開始を目指しているということについて、気持ちを表明するのではなく、一つのステップとして、年度内にやらさせていただきますというくらいの決意がないと、目指している気持ちをあらわしたんだと。この問題は、年度内に確認試験を行えないで、ずるずるまた4月以降に延びていっても、それは構わないのだとなってしまうんです。  だから、ひとつ、けりをつけるくらいの決意表明が必要なんですよ。そこにこの問題の意味をつかむんですけれども、単に気持ちをあらわした、来年度に移って構わないということだと、優柔不断なんです。物事を一つ一つけじめをつけていくと。年度内にできなかったら、年度内にできなかったことについて、率直に認めると。ここにこういう問題があったというので、次年度にこうしていくというものが育つのであって、目指している気持ちだという姿勢が問題なんだと思う。  そういう意味のことをここでつかんだものですから、このことを問うたわけです。いかがでしょうか。それ以上のことは出ませんか。 113 ◯小坂原子力安全対策課長  日本原燃株式会社によると、ことし1月の定例記者懇談会におきましても、日本原燃株式会社社長は、「できれば年度内に事前確認試験を開始したいと考えているが、事前確認試験の開始が年度内からずれ込んだとしても、全体工程について影響は出ない。来年10月竣工に向け、ほぼ順調に来ている」旨の発言をされたと聞いております。  いずれにしても、県としては一つ一つの作業について安全を確保しながら、着実に進めていただきたいと考えております。  以上です。 114 ◯諏訪委員  指摘にとどめますが、いずれにしても、工程にこういうある程度の目安を持った場合には毅然としてこれを履行する、実行するという構えがないと、だめなんだと思う。そして、それができなかったら、率直に何か対応方針を示していくということがあるのであって、目指すとか、できる限りとかは、何も意味がないとは言いませんけれども、そういう響きになってしまうことだけは指摘しておきたいと思います。  ウラン濃縮工場における漏えいについて。2月4日に発生したウラン濃縮工場の管理排水処理室内におけるシリンダ洗浄後の排水の漏えいの状況について伺います。 115 ◯小坂原子力安全対策課長  シリンダ洗浄後の排水の漏えいについてでございます。  日本原燃株式会社によりますと、2月4日の10時57分ごろ、濃縮建屋の管理排水処理室内──これは管理区域内でございます──において、協力会社社員がシリンダ洗浄後の廃水を脱水処理するため、脱水機凝集液ポンプを起動した。その後、11時23分ごろ、協力会社社員が、当該ポンプ付近から漏えい拡大防止用の堰内に廃水が漏えいしているのを発見したため、直ちに当該ポンプを停止し、漏えいが停止したことを確認したということです。  漏えい量は約7リットルで、放射性物質濃度は、分析した結果、アルファ核種が1立方センチメートル当たり66.7ベクレル、ベータ・ガンマ核種で1立方センチメートル当たり19.8ベクレルであり、これについては全量をウエスでふき取って回収したということでございます。  また、本事象による人及び環境への影響はないということです。  なお、今後、漏えい箇所の特定と原因調査を行った後に対策を実施する予定であると聞いております。  以上です。 116 ◯諏訪委員  漏えいすること自体についての見解を示してください。 117 ◯小坂原子力安全対策課長  前回の常任委員会でも、やはり漏えいの件が、別のところの再処理の件で漏えいの件があって、お答えしておりますけれども、これはウラン濃縮工場でのやはり漏えいでございますけれども、漏えいにつきましては、これがいいという話では絶対なくて、しっかりと原因究明、漏えい箇所の特定と原因の究明、それと対策についてはきちんとやっていただいて、県のほうにも報告していただくことで考えております。  以上です。 118 ◯諏訪委員  前回やりとりをした後の2月4日に発生していることなんです。実際、こういう施設でなければ、事象としてはあり得る話だったりするんです。水が漏えいするという話ですから。ただ、こういう特殊な施設ですから、本来的にいえば、あってはならない事象なんです。しかも、連続して出てきている問題について、やはり県として、この種のものを軽く扱わない。漏えいしないに越したことはないという程度のものではなく、続いているので、この種のものについても、厳重な視点で日本原燃等に物を申していただきたいことだけは指摘しておきたいと思います。そういう構えについて、もしあったら、お答えいただきたい。 119 ◯小坂原子力安全対策課長  前回の漏えいの件もそうですし、本漏えいについても、私どもと事業者の間では、トラブルの要領というのを定めていて、量的にも、これはB情報でございます。B情報ということで、公表はしませんけれども、私どもは原子力センターの職員とかに、ABCに限らず、すべて現地に行かせて、場所を確認させて、状況を聞かせて、なおかつ、彼らがとるべき処置については逐次、どんな原因調査になっているか、対策になっているかについて、こちらのほうに全部、きちんと出せるように指導しておりますので、きちんとやるということでございます。  以上です。 120 ◯諏訪委員  ぜひ、厳しい視点で臨んでいただきたいと申し上げておきます。  終わりに、白神山地の入山者に関する調査について。東北森林管理局では、白神山地の入山者に関する調査を行うということですが、目的、方法について伺います。 121 ◯岡田自然保護課長  御質問でございますが、1月31日に新聞報道されて、御承知おきの方も多いかと思いますが、その関係かと思います。  白神山地世界遺産地域では、環境省、林野庁、青森県及び秋田県で構成いたします白神山地世界遺産地域連絡会議が中心となりまして、適正な保全管理が行われるよう、入山マナーの遵守を呼びかけるとともに、関係機関の職員とか、あるいは各機関が委嘱いたします巡視員などがパトロール活動を実施しております。しかしながら、昨年も立木の違法伐採、あるいはたき火跡の発見が続くなど、何らかの対応が求められている状況でございます。  この対策の一つとなるのかと思いますけれども、1月31日に報道されました1月30日開催の白神山地世界遺産地域巡視員会議におきまして、委員御案内の東北森林管理局から、新年度に入山者調査を実施する予定という報告がございました。  東北森林管理局によりますと、この調査は、遺産地域内への入山の実態を把握しまして、入山動向の全体像を明らかにすることにより、今後の効果的な巡視活動の実施方法とか、あるいは入山マナーの普及啓発方法を検討するために行うものであるとのことでありますが、この内容といたしましては、一つとして、主要な登山口など定点での入山者数調査とか、入山者に対する入山目的、年齢、職業といった個人的な情報、それと入山ルート、過去の入山歴などを聞き取り調査をしたいというのが1点目。2点目として、カメラ撮影よる入山者の来訪頻度の調査。3点目といたしまして、地元のタクシー会社など観光業界から、入山者の送迎、あるいは受け入れの実態などを聞き取り調査をすることを今のところ予定しているとのことでございます。 122 ◯諏訪委員  入山者の届け出許可の人数はわかりますか。要するに、立木被害が後を絶たないことが問題になっているわけです。そこで、届け出許可を受けている入山者数と。逆に言えば、それらの人たちが被害を加えるか。届け出をしたり、許可をもらっている人たちは意外に、いわゆる入山マナーを意外にわかっている人たちなんではないだろうか。  そこで、今度の入山者の動向把握をやるんだけれども、実際に把握する範疇のもの、それから実際に被害を加えるような、そういうすり抜けるようなものを、みんなきちんと把握できるのだろうかとの懸念を持つんですが、その辺はどうつかんだらいいんでしょうか。 123 ◯岡田自然保護課長  まずは前段でございますが、入山者数の概数でございます。今年度、22年度はまだ出てございませんけれども、現在のところ、許可されている者が239名、届け出が166名の計405となってございます。この許可は、学術研究とか報道機関の方が取材を行うとか、公共的な目的があって入るというようなものでございます。私どもも管理のために入るに当たって、その中にございます。  もう一つの届け出というのは、そういう目的ではなしに、登山のための入山という方につきましては、27の指定ルートを限定してございまして、そのコースに入ることについては、届け出をしていただくことによって、どうぞ登山をお楽しみくださいということでございます。  そこで後段の話になりますが、先ほど申しました許可届け出405のうち届け出が166ということでございますので、委員の御指摘のところの、少し人数が少ないのではないかということかと思いますけれども、ここはやっぱり私ども、届け出をされているものがこの数でございますので、この届け出を皆さん遵守して入っているものとは理解したいのでございますが、巡視員さんの印象とか、あるいは地元の方からの声では、残念なことに届け出をしないで入っている方も、多数とは言いたくないのでございますが、いるということかと思います。  この辺の実態を今回、東北森林管理局が照らし合わせ、精査して、それを今後の対策に生かそうということで、計画された事業でございまして、この成果は私ども、地域の連絡協議会のメンバー、県もそうでございますので、共有しながら、次の対策をとっていきたいところでございます。 124 ◯諏訪委員  届け出以外の入山者数というのはわかるんでしょうか。つまり、全体として結局どうなんだと。それで、今回、動向の把握をするんだけれども、どこまで囲って把握できるのだろうか。一定の把握ができれば、それはそれであれになるんですが。ただ、被害を加える行為は一体どういう人たちなんだと。大体わかってるんでしょう、どうなんですか。 125 ◯岡田自然保護課長  なかなかその実態が把握できないので、今回の調査も、その道具としてやるというお答えになるのでございますが、2年くらい前の新聞報道の中では、その新聞社さんの分析で、実際の入山者数は届け出数の5倍近くに上ると言われていることを記事にされているのもございました。それが正しいのかどうかは、私どもとしてまだ検証できないので、この数字が先走ることは望ましくないのでございますが、そういうことがあるとすれば、これは検証しながらやっていきたいのですが、なかなか地域も広いものでございます。検証が難しいというのは、正直ございますけれども、粘り強くやっていくしかないと思っております。 126 ◯諏訪委員  最後に一つ、白神山地のコアの中で、釣りをするのは許されていないんだと思うんだけれども、もしそこで釣りをしていたら、何に触れるんですか。 127 ◯岡田自然保護課長  核心地域内での釣りでございます。これについては、私ども現在、入山マナーとして、釣りは御遠慮くださいと周知をしてございます。そこで、どういう根拠なのかということでございますが、赤石川など核心地域を流れる水源に関しましては、関係する内水面漁協が漁業法等の関係法令に基づきまして、漁業権を設定してございます。その漁業権を設定された各内水面漁協の皆さんが、遊漁規則を設けてございまして、その中で、年間を通じて常に禁漁であるというような措置を講じております。こういうものに違反をした行為に対しましては、関係漁協は、今申し上げた漁協が定めた遊漁規則に基づきまして、中止命令を発することができることになってございます。  また、漁業権の侵害行為といたしまして、漁業権を侵害された漁協さん方が告発をされた場合は、漁業法に基づきまして20万円以下の罰金を科すことができるとされてございます。  そこで、現実的な対応としては、違反行為の現場を押さえることが、残念ながら、なかなか難しい。それと、漁協さん方の告発も必要でございますので、現在のところ、告発に至った事例はございません。  そこで、冒頭に申し上げましたけれども、白神山地世界遺産地域連絡会議といたしましては、今後とも引き続き、守るべき入山マナーとして、利用される方への周知徹底をやっていきたいということでございます。 128 ◯諏訪委員  釣りを行う行為は、罰金その他かなり強い厳罰があるんだということについて、単に入山マナーで、釣り行為はだめというんではなく、そういうものがあるというところまで踏み込まないと。どうしてもそういう環境にあるところで釣れれば、焼きたくなるんですよ。それは魅力的ですよ。何というか、もう少し、厳罰の対象になっていることのイメージがする対応方というか、啓発活動が必要なのではないかと思いますので、ぜひ受けとめて対応していただきたいということで終わりたいと思います。 129 ◯菊池委員長  ほかに質疑ありませんか。  [「なし」と呼ぶ者あり]  ないようでありますから、これをもって環境生活部関係の審査を終わります。  以上をもって環境厚生委員会を終わります。どうも御苦労さまでした。 ○閉 会  午後 2時46分 Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...