ツイート シェア
  1. 青森県議会 2010-11-29
    平成22年第264回定例会(第2号)  本文 開催日: 2010-11-29


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(長尾忠行) ただいまより会議を開きます。     ───────────────────────       ◎ 議   会   報   告     ─────────────────────── 2 ◯議長(長尾忠行) 議会報告として、第六号「地方公務員法第五条第二項の規定による意見について」をお手元に配付してあります。     ───────────────────────       ◎ 県政に対する一般質問     ─────────────────────── 3 ◯議長(長尾忠行) 一般質問を行います。  四十四番成田一憲議員の登壇を許可いたします。──成田議員。 4 ◯四十四番(成田一憲) 自由民主党の成田一憲であります。  通告に従いまして、津軽弁を交えて一般質問いたします。  今、我が日本は、円高デフレといった厳しい経済情勢に加え、尖閣諸島や北方領土、北朝鮮問題などの国際情勢の中でもがき苦しんでいます。雇用・経済不安に始まり、世界一安全な国と言われてきた治安さえも揺れ動く今だからこそ、現政権にはぜひ毅然とした対応を示していただきたいというのが国民の共通の思いではないでしょうか。  一方、我が青森県は、食料供給、エネルギー供給といった根幹となる分野で国に大きく貢献しております。とうとう新幹線もやってきます。新しい時代の幕開けだからこそ、しっかりと地に足をつけて一歩一歩進んでいかなければなりません。  そこで、まず初めに、来年の六月に行われる青森県知事選挙についてお伺いします。  前回、平成十九年六月の青森県知事選挙においては、我々自由民主党は、三村申吾知事に対して、青森県知事選挙についての基本姿勢と青森県の発展と福祉の向上を軸とした政策提言をお示ししながら再出馬を要請いたしました。これを受けて三村知事は、県民に対し、再生から創造へ、ステップアップあおもりをスローガンに、教育、産業、健康、環境、行政基盤づくりの五つの公約を掲げて立候補され、見事再選を果たしたのであります。  思い返せば、三村知事は、一期目就任早々財政改革プランを策定し、県財政の立て直しに乗り出すとともに、生活創造社会の実現に向けて、攻めの農林水産業やあおもり型産業の育成、保健・医療・福祉包括ケアシステムの推進、医師確保グランドデザインなどの新しいシステムづくりといった多くの種をまき、芽を育てました。また、続く二期目にも、行政改革大綱に基づく取り組みによって県債発行を着実に抑制しつつ、元金ベースでのプライマリーバランスの実質黒字を達成するなど、持続可能な財政創造の確立に向けた取り組みを着実に推進する一方で、青森県基本計画未来への挑戦を策定し、本県の持つ食料、エネルギーなどの比較優位資源や、間近に迫った東北新幹線の全線開業などを活用した県民一人一人の経済的基盤の確立である生業(なりわい)づくりに邁進されております。  今、県経済は、何とか健全化への道のりを踏み出すところまでこぎつけたようでありますが、県民生活を取り巻く環境は、円高デフレといった国内の経済状況がもたらす雇用・経済不安に加えて、並行在来線の管理運営や県境不法投棄事案に係る財源問題、核燃料サイクル施設の再処理工場の稼動時期の延期問題など、本県特有の課題が山積しており、決してバラ色の状況とは言えません。  この難局を乗り切る県政のかじ取り役に求められるのは、これまでの経験と知識、そして築いてきたネットワークではないでしょうか。我々自由民主党会派は、余人をもってしては本県が抱える困難な状況を乗り越えることはできないと考え、三村知事のこれまでの政治、行政実績を踏まえて、三期目に向かって引き続き強いリーダーシップを発揮していただきたいと考えております。  そこで、知事選挙立候補について三村知事の決意のほどをお伺いするものであります。
     次に、先般開催された核燃料サイクル協議会について。  本定例会冒頭、知事から報告があったところですが、去る十一月十五日に民主党政権下において初めてとなる第十一回核燃料サイクル協議会が開催され、知事から関係閣僚等に対して、核燃料サイクル政策についてから地域振興策についてまでの五項目について確認、要請を行ったとのことでした。  我々自由民主党会派として、海外返還廃棄物の受け入れに当たって、核燃料サイクル政策が今後とも確固たる国家戦略としていささかもぶれることなく推進されることを確認する意味からも、今後、サイクル政策に係る重要な場面において、国に対して核燃料サイクル協議会の開催を求めていくべきであるとの意見を述べていたところでありますが、知事は、先般の日本原燃株式会社の六ヶ所再処理工場竣工時期の二年延期の報告をとらえて、直ちに核燃料サイクル協議会の開催を国に要請いたしました。そして、核燃料サイクル協議会の場において、核燃料サイクル政策の堅持や特定放射性廃棄物の最終処分などについて現政権に確認、要請を行い、内閣官房長官を初め関係閣僚からの回答を得たことは、県民の安全・安心に大いにつながったものと評価いたします。  そこで質問ですが、知事は、今回の核燃料サイクル協議会の成果をどのようにとらえているのか伺います。また、核燃料サイクル協議会で、知事は、第二再処理工場の検討やその円滑な実現に向けた研究開発に関する取り組み強化についての要請を行ったようですが、その趣旨についてお伺いいたします。  次に、社団法人青い森農林振興公社の経営改革についてであります。  私は長い間、林業・木材産業に携わってきた者として、森林を育てることは、地元の雇用の創出による経済効果はもとより、森林の持つ公益的な役割、特に近年注目されている二酸化炭素の吸収機能など、極めて重要であると考えているところです。このため、今後も本県の森林を適切に管理し、後の世代に伝えていくことが必要であり、青い森農林振興公社が営々と築いてきた森林資源についても同様であると考えております。こうした中、今議会の冒頭で知事から、青い森農林振興公社の抜本的な改革に向けての提言が公社経営検討委員会から県に提出されたとの報告がありました。  そこで、二点お伺いいたします。  一点目は、社団法人青い森農林振興公社のこれまでの実績と果たしてきた役割について伺います。  二点目として、社団法人青い森農林振興公社経営検討委員会の報告書の提言内容と今後の県の取り組みについて伺います。  次に、東北新幹線全線開業と県経済の活性化についてお伺いします。  県民の悲願である十二月四日の東北新幹線全線開業まであと五日と迫りました。これまで県民一丸となって一年でも早い開業を実現するために努力してきたことを思えば感慨無量であります。県内では、新幹線駅が設置される青森市や七戸町など、至るところでカウントダウンイベントを初めとする開業記念行事が行われ、開業に向けた準備も大詰めを迎えているところであります。また、一般公募によって試乗会が今月二十日、二十一日に開催され、多くの方々が一足早く新幹線を体験されました。県内外でも全線開業にちなんだ情報や取り組み、JR東日本によるコマーシャルが頻繁に報じられるなど、開業に向けて大いに盛り上がりつつあります。  そこで、まず最初に、東北新幹線全線開業と二次交通整備についてお伺いします。  言うまでもなく、東北新幹線全線開業は本県全体を活性化させる絶好のチャンスであります。そのためには、例えば新幹線駅におり立った観光客が安心して県内各地に移動できるよう、また県民も新幹線駅までスムーズに着けるような交通アクセス、つまり二次交通の整備が重要であります。特に五所川原市及び西北地域は、昨年度、太宰治生誕百年の記念行事を皮切りに、今年度は太宰ミュージアムがグランドオープンしたほか、ストーブ列車に代表され、今や西北地域の観光のシンボルとなっている津軽鉄道、五所川原の魂とも言える立佞武多、心安らぐ奥津軽の風光明媚な景観など、多くの観光資源と郷土文化に恵まれた地域であり、東北新幹線の全線開業を契機に、全国から多くの観光客に訪れていただくことが期待されています。  そこでお伺いいたします。  新青森駅と五所川原方面とを結ぶ第二次交通の整備状況についてお伺いします。また、五所川原地域への誘客促進のために、新青森駅までの区間に津軽鉄道の乗り入れを実現させるべきと考えますが、その際の課題と実現可能性について県の認識を伺います。  次に、東北新幹線新青森駅前の整備であります。  東北新幹線新青森駅開業により、新青森駅前は県都青森の玄関口となりますが、私は現状に対していささか寂しさを感じており、もっともっとにぎわいのある開かれた空間にする必要があるのではないかと考えます。これから新青森駅を訪れる県外の方々に対して、お土産の提供や食事等を含めて、その整備が極めて重要であります。  そこで、新青森駅前の石江地区土地区画整理事業の整備の現状についてお伺いします。  次に、北海道新幹線についてお伺いします。  東北新幹線全線開業の五年後には、北海道新幹線が新函館まで延伸することになっています。この北海道新幹線新青森─新函館間は青函トンネルを通ることになるわけですが、ことしの二月に国土交通省で開催された整備新幹線問題調整会議の中で、国から、青函トンネル内での新幹線と貨物列車のすれ違いが高速では困難であるとの検討結果と、運行形態について未定稿という形で案が示されました。出席した知事におかれましては、会議の場で余りにも唐突であると述べたようですが、我々県議会や県民にとっても、まさに寝耳に水と受けとめております。  この問題について、県では、去る五月に手続が行われた工事実施計画(その2)認可における国からの自治体への意見聴取において、新幹線・鉄道問題対策特別委員会での議論も踏まえて、これまで課題としてきた青函共用走行、建設費増額等の項目が計画内容から除外されていること、工程上からも早急な認可が必要とされていること等を総合的に勘案し、一、さらなる地方負担の軽減やコストの縮減に取り組むこと、二、青函共用走行の運行形態について、国土交通省が早期に対処方策を示すとともに、新たな地方負担が生じないようにすることの二つの意見を付して同意していますが、これは全く当然のことであります。  整備新幹線の建設に当たっては、本県は現行制度にのっとり毎年多額の建設費を負担してきており、北海道新幹線については、総事業費四千六百七十億円に対して負担額が約七百二十億円にも達すると伺っております。極めて厳しい財政状況にある中、国土の骨格をなす社会資本である整備新幹線といえども、その負担に当たっては、県民が納得できる正当な根拠がなくてはなりません。  そこでお伺いします。  青函共用走行区間の運行形態について、県はどのように取り組んでいくのかお伺いします。  質問の五点目は、農林水産業の課題と今後の取り組みであります。  まず、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)についてであります。  菅内閣は、今月九日に包括的経済連携に関する基本方針を閣議決定し、その中で、TPPに関して関係国との協議を開始すると明記したのであります。国内での議論が全く不十分な状況下でこのような方針を決定したことは、国民世論をないがしろにした暴挙と言わざるを得ません。  これまで我が国は、WTO体制のもとで多様な農業の共存を哲学として、守るべきものは守り、一部の国だけが利益を得るような交渉はしない方針で国際交渉に臨んできたはずであります。今回のTPPは関税撤廃が原則とされ、守るべきものは守らない協定であり、これに我が国が参加することは、すなわち農業の崩壊を意味するものであります。食料自給率五〇%を目指すという我が国の食料・農業・農村基本計画と全く矛盾するものであり、本県が進める攻めの農林水産業にも甚大な影響を与えることは明白であります。  そこで質問ですが、環太平洋パートナーシップ協定への参加によって本県農業が受ける影響について県の考え方をお伺いいたします。  次に、今夏の異常な高温による平成二十二年産の米の減収に対する県の支援策と戸別所得補償モデル対策についてお尋ねします。  ことしの米の作柄については、十月十五日現在の作況指数では、県全体が一〇〇の平年並み、津軽地帯が九七%のやや不良と国から公表されています。しかし、私の出身地域の西北五管内の農家の方々は、国が公表した作況指数よりもさらに減収しており、品質も悪いというのが実態であります。  西北五管内は、県内においても極めて稲作への依存度の高い地域であります。ことしは米価下落が続いている中で、高温による被害を受け、稲作農家の経営は大きな打撃を受けています。このままでは借入金の償還もできないし、来年度の米の再生産にも影響が出てくるものと考えられます。  このような中で、十一月四日には、私も出席させていただきましたが、西北五管内の六市町長と二農協組合長が稲作農家に対する県の金融面での支援を要望しました。  そこで質問ですが、その一点目は、西北五管内からの要望に対し、県はどのように対応するのか伺います。  二点目は、戸別所得補償モデル対策における加入農家への交付額は幾らになるのかお伺いします。  次に、ナガイモの生産振興についてお尋ねします。  本県のナガイモは県南地方に大産地がありますが、津軽においては西北地方で栽培され、砂丘ナガイモとして食味、食感が高く評価されているところであります。ナガイモの歴史をひもとけば、昭和三十年代に栽培がふえ、それに伴う試験研究の開始やトレンチャーの普及などにより面積は急速に拡大し、昭和四十七年には出荷量で、昭和四十九年には栽培面積と生産量で長野県を抜き日本一になりました。  しかし、近年、北海道においてナガイモの生産量が急激に増大していることから、私は、今後とも本県のナガイモ日本一を守っていくためには、収量、品質の低下をもたらす連作障害を回避するための土壌改良と、安定した生産が継続できるような指導体制の充実強化の二点が特に重要なポイントととらえ、それにより生産者の所得の向上を目指すべきと考えております。  そこで質問ですが、県は、今後ともナガイモ生産日本一を守るためにどのように取り組んでいくのかお伺いします。  次に、十三湖のシジミ資源についてお尋ねします。  十三湖のシジミは、古くから地域の貴重な資源として、県内はもとより、全国的に流通されてきたものであり、濃厚な味のシジミは市場で高く評価されています。また、生産量も島根県の宍道湖、本県の小川原湖と並び、全国で三本の指に入るものとなっています。しかし、近年、漁獲量はじわじわと減少しており、最近十年間で最大量を記録した平成十二年と比較すれば半分程度まで落ち込んでいます。十三湖のシジミ資源を利用している漁業協同組合は十三漁協と車力漁協の二漁協となっていますが、シジミはいずれも生産金額の大半を占めており、これまでの努力により高い評価を獲得したシジミ資源の落ち込みは地域の漁家経営に大きな打撃を与えることから、何としても避けなければならないものと考えております。  そこでお尋ねします。  県や地元生産者は、十三湖におけるシジミ生産の安定に向けてどのように取り組んでいるのか伺います。  次に、津軽半島北部の道路整備についてであります。  津軽半島は、国道二百八十号、国道三三九号、主要地方道鰺ヶ沢蟹田線などを縦軸として、主要地方道青森五所川原線屏風山内真部線により、はしご形の道路網を形成しております。先般十一月十一日には国道二百八十号において蓬田─蟹田バイパスが一部開通するなど、陸奥湾側では整備が進められています。  しかしながら、国道三三九号では、津軽半島北部において集落の狭隘区間や急勾配、急カーブが連続する区間が点在することから、主要幹線道路の役割が十分に果たせない現状にあります。また、中泊町小泊地区から北は、国道三三九号竜泊ラインと一般県道三厩小泊線により外ヶ浜町三厩地区に結ばれておりますが、二車線整備になった道路とはいえ、竜泊ラインは山岳道路のために異常気象時にはたびたび通行規制がかけられており、代替路線となる三厩小泊線の整備が望まれているところであります。このように、津軽半島北部においては、より一層の道路整備が必要と考えております。  そこで、現在事業中である国道三三九号の通称七平バイパスの整備状況と今後の取り組みについてお伺いします。  次に、本県のスポーツ振興に向けた取り組みについてであります。  国では、本年八月にこれまでのスポーツ振興法を見直し、今後十年間のスポーツ政策の方向性を示すスポーツ立国戦略を発表したところであり、我が国の一層のスポーツ振興に取り組むことにより、スポーツ立国の実現を目指すとしております。特にこの中で、世界で競い合うトップアスリートの育成強化を戦略の一つとして掲げ、将来を見据えた中長期的なジュニア期からトップレベルに至る体系的な強化体制を構築するとしております。選手の持つ能力を最大限に発揮させるためには、ジュニア期からの一貫した指導体制の整備はもとより、スポーツ科学を熟知した指導者の確保などが不可欠であります。  そこで質問ですが、スポーツ振興に向けたこれまでの競技力の向上の取り組みと成果について伺います。また、今後のジュニア競技者の育成及び強化についてお伺いいたします。  最後の質問として、県境産業廃棄物の推計量の増加についてお伺いします。  本事案は、国内最大規模の不法投棄事案であり、地元の住民はもとより、県民全体が注目している事案であることから、我が自由民主党としても、一日も早い解決に向けて国に対して新たな支援制度を要望してきた経緯があります。県は、全量撤去の基本方針のもと、鋭意撤去を進め、これまでの撤去量は近日中に七十万トンに達すると聞いており、安全かつ着実に実績を重ねてきたことに対して評価しているところであります。  私ども自由民主党も、一日も早い解決に向けた取り組みを切に望むところであり、県議会としても国の財政支援を求めていく必要があるとの認識から、さきの定例会に国の財政支援を求める意見書を提出し、全会一致で採決されたところであります。その後、十月十四日には、知事は長尾議長らとともに国に対して要望したとのことであり、今後の国の動向を見きわめながら、さらなる要望活動を節目節目で効果的に実施していく必要があると考えているところであります。  このような中、報道によりますと、県は四月の時点で撤去量が大幅にふえるとの試算を行っていたにもかかわらず、公表を八月まで先延ばしし、地元の田子町の住民からは県に対する不満の声が上がっているとのことでありました。また、十一月十二日には、田子町から県に対して、県境産廃不法投棄事案に関する要望書が提出されたとのことであります。私は、県はこれまで原状回復対策の進捗状況等に関する情報を積極的に公開し、安全かつ着実な取り組みを進めてきたものと評価していますが、地元田子町住民には十分な理解が得られていないのではないかと感じているものであります。  そこで、二点の質問についてお伺いします。  まず一点目として、県境不法投棄事案について、県はこれまでどのような方針で取り組んできたのか。また、廃棄物等の推計量が増加したことを踏まえ、今後どのような方針で取り組んでいくのか伺います。  二点目として、田子町からの要望内容を踏まえて、今後の取り組み方針について、知事もしくは副知事が田子町に対して直接説明するべきではないかと考えますが、その見解をお伺いして、壇上からの質問といたします。 5 ◯議長(長尾忠行) 三村知事。 6 ◯知事(三村申吾) 改めまして、おはようございます。  成田議員の御質問にお答えいたします。  まず、私からは、青森県知事選挙への対応についてであります。  来年の知事選挙に関し、私自身、三期目ということでいろいろと思うところがあり、当初から御助言をいただいてきた自由民主党青森県連の木村会長に対し、去る十一月二十日、さまざまなお力添えをいただきたい旨をお伝えしたところであり、本日こうして議長を経験されました県議会の重鎮でもございます成田一憲議員から、引き続き強いリーダーシップを発揮してほしい旨のお言葉をいただき、大変ありがたく、衷心より御礼申し上げる次第であります。  私は、知事就任以来、行財政改革を全力で進めてまいりました。行財政基盤の安定なくして県政なしという強い思いのもと、県民の皆様方の御理解と御協力をいただきながら徹底した行財政改革を進めますとともに、産業・雇用や県民生活の安全・安心など、県政の抱えるさまざまな課題に取り組んでまいりました。  その結果、本県財政は、地方交付税の大幅削減などの極めて厳しい歳入環境が続く中、多額の財源不足額に対処し、財政再建団体への転落を回避するとともに、プライマリーバランスを実質的に黒字転換させることにより、持続可能な青森型社会を築き、次世代にしっかりと引き継いでいくための財政構造改革を着実に前進させてきました。  また、青森県をより一層元気にし、暮らしやすさではどこにも負けない地域として発展させていくため、生活創造推進プランや青森県基本計画未来への挑戦を策定し、青森県の発展のための仕組みづくり、仕掛けづくりに取り組んでまいりました。  その結果、攻めの農林水産業の展開による食産業の充実、地域産業の育成や戦略的企業誘致の展開、医師の確保を初めとする県民の命と暮らしを守る取り組み、環境・エネルギー分野での最先端地を目指したネットワークの構築、そして青森の未来をつくる人財──人の財(たから)の育成など、その成果は着々とあらわれてきており、さらには、各地域県民局単位でそれぞれの地域資源を最大限生かした新たな生業(なりわい)づくりに精いっぱい取り組んできたところでもあります。そして何より、今までの行財政改革を通じて財源を捻出し、対応してきた東北新幹線の全線開業が、いよいよあと五日に迫ってまいりました。開業はゴールではなく、青森の元気づくりのスタートとしなければならないものと考えております。  私は、これまで、財政環境が大変厳しい中にあって、さまざまな種をまいてきましたが、今それが徐々に芽を出しつつあるわけであります。これらをしっかり育て、青森県の未来を切り開くことが私の責務であるとの強い思いに至りましたことから、次期知事選への出馬を決意したところであります。  続きまして、核燃料サイクル協議会の成果についてであります。  先般の核燃料サイクル協議会は、民主党政権となってから初めての開催でしたが、私からの、一つ、核燃料サイクル政策について、一つ、特定放射性廃棄物の最終処分について、一つ、我が国の総力を結集した原子燃料サイクル事業の取り組みについて、一つ、原子力施設の立地を生かした試験研究・人材育成について、一つ、地域振興策について等、五項目にわたる確認、要請項目に対し、仙谷内閣官房長官を初め関係閣僚の皆様から誠意ある御回答をいただいたところであり、私としては、政府一体として核燃料サイクルに取り組んでいく決意について改めて確認できたところであります。  また、仙谷内閣官房長官から、これからも青森県との協議を重ねる機会を持ちたい旨の発言をいただいたところであり、私としては、今後とも国及び事業者の対応を厳しく注視しつつ、県民の安全・安心を守る立場から、サイクル政策に係る重要な節目となる場面において核燃料サイクル協議会の開催を国に要請してまいります。  第二再処理工場の要請についての趣旨であります。  エネルギー資源に乏しい私ども日本国においては、使用済み燃料の全量再処理が基本的方針とされており、原子力政策大綱では、使用済み燃料は当面は利用可能となる再処理能力の範囲で再処理を行うこととし、これを超えて発生するものは中間貯蔵することとされております。また、中間貯蔵された使用済み燃料やプルサーマルに伴って発生する軽水炉使用済みMOX燃料の処理の方策、いわゆる第二再処理工場については二〇一〇年ごろから検討するとされているところであります。  今回の核燃料サイクル協議会においては、国内の原子力発電所でプルサーマルが開始され、本県においても日本原燃株式会社のMOX燃料工場及びリサイクル燃料貯蔵株式会社の中間貯蔵施設の建設が進んでいる中にあって、私としては、いわゆる第二再処理工場に係る検討がきちんと進められていくことが必要と考え、要請を行ったものであります。  大畠経済産業大臣からは、第二再処理工場については、二〇一〇年ごろからの検討に先立って、二〇〇六年から経済産業省を含めた関係五者に学識経験者を加えた研究会のもとで技術的検討を進めてきており、今後も研究開発計画の検討など、第二再処理工場の実現に向け、さらに議論を深化させる旨の発言があったところであり、私としては、今後とも県民の安全・安心を守る立場から、引き続き政府一体としての対応を厳しく見きわめていきます。  青い森農林振興公社についてのこれまでの実績、その役割であります。  社団法人青い森農林振興公社は、県が五割を出資する公益法人で、平成十五年四月に農地保有合理化事業等を伴う社団法人青森県農村開発公社を母体に、分収造林事業等を行う財団法人青い森振興公社を統合して設立されたものであります。  これまで公社が実施してきた事業、特に分収造林事業については、国が戦後の振興に伴う木材需要にこたえるため、森林資源を計画的に造成する拡大造林政策を推進し、この一環として昭和三十三年に制定した分収造林特別措置法に基づき、土地所有者以外の資金を導入してその利益を分配するという仕組みを制度化したものでありまして、全国では三十九都道府県に四十五公社が設立され、約三十八万ヘクタールの森林が造成されております。  本県では、昭和四十五年に財団法人青森県造林公社を設立し、分収造林事業を開始させており、平成十四年度までに約一万二百ヘクタールの森林を造成し、管理してきており、山村地域での雇用促進に加え、安全な水の供給に不可欠な水資源の涵養や土砂災害防止等、年間二百三十八億円と評価されます森林の公益的機能の発揮に効果を上げてきております。また、農地保有合理化事業については、平成二十一年度までに約一万五千件、面積にして一万三千ヘクタールの農地の売買や貸借を行ってきており、本県の担い手農家の規模拡大に寄与してきたところであります。さらに、畜産関係の牧草地や施設等の整備を行います公社営畜産基盤整備事業、新規就農者の確保を図ります青年農業者等育成センター事業などを実施してきております。  私としては、青い森農林振興公社が本県農林業の振興にとって重要な役割を果たしてきたものと認識してきており、こうした機能が十分生かされるように経営改革の検討を進めていきたいと考えております。  西北五地域六市町長及び農業協同組合長から要望がございました水稲減収に対する県の金融支援についてであります。  ことしの夏は連日猛暑が続き、津軽地域を中心として高温障害による減収や品質の低下が見られました。被害を受けられた皆様方に心からお見舞いを申し上げたいと思います。  本県の稲作生産は、これまで、寒冷地という立地条件を背景に冷害対策に力を注いできたわけでありますが、ことしは一転して、異常高温により津軽地域を中心に水稲の収量や品質の低下が顕著となりました。特に本県の稲作の約四割を占め、これまで農家の高い技術と努力によって高収量、高品質の米を生産してきました西北五地域では、県の調査においても、地域や農家によって米の収量や品質に大きな被害が発生していることを確認しております。米価が大幅に下落し、特に規模を拡大し、自立を目指している農家にとりましてはその影響が大きく、経営は厳しく、来年の米づくりへの意欲の減退が懸念されるところであります。  私は、被害を受けられた農家の皆様方に安心して来年の米づくりに取り組んでいただき、今後も本県の稲作振興を図っていくためには、米の減収被害に対して早急な金融支援を講じ、農家の経営の安定を図る必要があると判断したところであります。このため、青森県農林漁業災害経営資金融通助成条例を発動することとし、同条例に基づく農業災害経営資金の総額を三億円とした上で、同資金の利子補給に要する経費について本議会に所要の予算を計上し、御審議をいただくことといたしております。  県境不法投棄関連でありますが、これまでどう取り組んできたかと今後の取り組みであります。  私は、県境不法投棄現場の原状回復を進めるに当たっては、地元の御意見や県議会の皆様の御意見等を伺い、馬淵川水系の環境保全を目的とし、汚染拡散の防止を最優先する廃棄物及び汚染土壌は全量撤去を基本とするとの原状回復方針を定め、この方針に基づき、これまで安全かつ着実に廃棄物の撤去に取り組んできたところであります。  今般、推計量の見直しにより廃棄物等の総量は増加が見込まれることとなりましたが、廃棄物等は全量撤去を基本とする原状回復方針はいささかも揺るぐものではなく、私としては、引き続き安全かつ着実に不法投棄された産業廃棄物による支障の除去に取り組み、増加する事業費につきましては、国に対して特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法の期間延長と、その枠組みの中での財政支援を要望しているところであります。  なお、推計量見直しの経緯につきまして、環境生活部長から答弁をいたさせます。  田子町への取り組み方針の説明のことについてであります。  田子町からの要望内容を踏まえまして、できるだけ早い時期に蝦名副知事を田子町に派遣し、県の対応方針と今後の取り組みについて直接説明させることといたしております。  私からは以上であります。 7 ◯議長(長尾忠行) 佐々木企画政策部長。 8 ◯企画政策部長(佐々木郁夫) 御質問二点にお答えします。  まず、新青森駅と五所川原方面とを結ぶ二次交通の整備状況及び新青森駅までの津軽鉄道乗り入れに係る課題等についてです。  新青森駅から西北地域への二次交通については、JR奥羽本線、五能線があるほか、弘南バス青森─五所川原線が全便新青森駅南口経由に経路変更するとともに、新たに五所川原市と新青森駅を結ぶ乗り合いタクシーが運行されます。また、五所川原市からの支線的交通についても、各事業者によって接続を考慮したダイヤ改正が行われたところです。また、津軽鉄道の列車がJR五能線や奥羽本線に乗り入れて運転する場合には、線路を所有するJR東日本の許可が必要となりますが、仮にJRとの間で線路使用に関する協議が調った場合でも、五所川原駅構内で津軽鉄道線の線路とJRの線路とを連結するためのレール、ポイント、信号設備等の新設工事やJRの規定を満たす列車無線、ATSなどの搭載、運転員等の資格取得などが必要となり、これらの経費は原則として乗り入れる側の津軽鉄道ですべて負担することになると聞いています。  したがいまして、津軽鉄道のJR五能線や奥羽本線への乗り入れについては、収支採算性や乗り入れに伴う費用対効果、奥羽本線の列車運行に及ぼす影響などを慎重に検討する必要があるものと考えています。  次に、北海道新幹線について、青函共用走行区間の運行形態への県の対応についてです。  北海道新幹線新青森─新函館間の青函トンネルを含む共用走行区間における運行形態については、ことし二月、国が未定稿のままで五案を示していますが、新たなトンネルの建設や上下線分離のための隔壁設置が含まれるなど、さらなる建設費の増額などが危惧される内容となっています。  このため、五月に行われました工事実施計画(その2)の国の認可に当たり、県では青函共用走行区間の運行形態について、認可主体である国が責任を持って早期に対処方策を示すとともに、新たな地方負担を生じることのないようにすることとの意見を付して回答したところです。また、その後も機会あるごとに国に対して強く要請してきておりますが、いまだ国の方針は示されていない現状にあります。  県としては、今後とも県議会の御協力もいただきながら、青函共用走行区間の運行形態など、北海道新幹線に関する諸課題に強い意思を持って取り組んでまいります。 9 ◯議長(長尾忠行) 名古屋環境生活部長。
    10 ◯環境生活部長(名古屋 淳) 県境産廃の推計量見直しの経緯について私からお答えいたします。  県境不法投棄現場では、平成二十一年度末には撤去量がそれまでの全体推計量の五割を超え、また、昨年からは一部地山が露出する状況となったことから、本年三月下旬、廃棄物の測量成果に基づき大まかに残存廃棄物量を推計した結果、それまでの全体推計量を上回る可能性があるとの懸念が生じました。さらに、本年四月三十日に行った三回目の地山確認においては、二回目までの地山確認を上回るつぼ掘りが確認されたことから、全体の廃棄物量が相当程度増加する可能性が高いものとの予測に至りました。このため、それまでの廃棄物撤去や地山確認で新たに得られた知見に基づき、速やかに全体の廃棄物量等の再推計及び廃棄物量等の増加に伴う事業費の積算を行うことといたしました。  これらの見直しに当たりましては、廃棄物量の推計のほか、汚染土壌の分析結果を踏まえる必要があったこと、国との協議を経て、廃棄物量等の増加に伴い全体の事業費を精査する必要があったこと、廃棄物等の全量撤去を現行計画の期限内に完了できるかどうか見きわめる必要があったことから、一定の検討期間を要し、七月下旬にこれらの見直し結果を取りまとめたところでございます。  県の対応方針につきましては、八月三日の県境再生対策推進本部会議の検討結果を受け、知事が決定し、見直し結果とともに同日公表したところでございます。 11 ◯議長(長尾忠行) 有馬農林水産部長。 12 ◯農林水産部長(有馬喜代史) 御質問五点にお答えいたします。  最初に、社団法人青い森農林振興公社経営検討委員会報告書の提言内容と今後の県の取り組みについてです。  県では、国が示した第三セクター等の改革に関するガイドラインに基づいて、本年九月に大学教授や公認会計士などの有識者から成る経営検討委員会を設置し、去る十一月四日に検討結果の報告を受けたところです。  その主な内容は、分収造林事業以外の事業については経営の効率化やサービスの向上に努めながら継続して実施すべきであること、分収造林事業は企業的経営の視点では再生が困難であることから、分収造林の持つ公益的機能の発揮等、県民共通の公共財としての性格を考慮して県に移管すべきであること、県への移管に伴う債務の処理に当たっては、県民負担の最小化を図る観点から第三セクター等改革推進債を活用すべきであること、分収割合や契約期間延長の変更協議を進め、県の収入確保に努めることを検討すべきであることなどとなっています。  県では、今回受けた提言に加え、県議会議員の皆様や関係市町村・団体などからの御意見等を踏まえ、県民負担を可能な限り軽減できるよう検討した上で、公社の経営改革の方向を決定したいと考えています。  次に、環太平洋パートナーシップ協定への参加によって本県農業が受ける影響についてです。  環太平洋パートナーシップ、いわゆるTPP協定では、全品目について十年以内の関税撤廃が原則とされていることから、我が国がこれに参加し、国内対策や国境措置が講じられない場合は、本県農業にとって、これまで関税により守られてきた米や畜産物などの輸入量が大幅に増加することが予想され、極めて大きな影響を受けるものと認識しています。  その結果として、地域農業が衰退すれば、農家経済の悪化、農村での著しい雇用機会の減少はもとより、加工、流通、販売、サービス産業に至る関連産業へも波及的に影響が及び、地域経済全体に大きな打撃を与えるものと懸念しているところです。このため、去る十一月十八日には、北海道・東北六県の知事が連名で、TPP協定への参加については広く国民の理解と合意が得られるまで慎重に検討するよう国に要請したところです。  次に、戸別所得補償モデル対策における加入農家への交付額についてです。  県では、戸別所得補償モデル対策への加入促進に努めたところであり、交付見込み額は、主食用米の作付面積十アール当たり一万五千円が交付される定額部分が約五十億六千万円、転作作物への助成である水田利活用自給力向上事業交付金では、生産振興を図ってきた飼料用米等の作付拡大等により約六十八億円が交付される見込みです。また、主食用米における当年産の販売価格が国が定める標準価格を下回った場合に支払われる変動部分は、平成二十三年一月までの国内全銘柄の価格をもとに算定されます。仮に六十キログラム当たり千円下回った場合には、十アール当たり約八千八百円、県全体では約三十億円が交付されることとなります。  次に、ナガイモ生産日本一を守るための取り組みについてです。  県では、平成十九年に策定したあおもりながいも産地再生戦略に基づき、本県の課題となっている秀品率と単収の向上、連作障害の防止等を目標に、JA全農あおもりや弘前大学等との連携による県育成の優良系統である園試系6のウイルスフリー種苗の増殖とその配布、JA全農あおもり土壌分析センターによる土壌診断に基づいた肥培管理の徹底や良質堆肥の投入促進などに取り組んできたところです。  今後は、生産量を維持していくための土づくりを基本として、連作障害や根腐れ病対策等の改善を指導するため、秀品率、規格別の生産量などを生産者ごとに提示するながいも通信簿を全農協に作成させ、本県ナガイモの生産日本一の堅持に努めることとしています。  最後に、十三湖におけるシジミ生産の安定に向けた取り組みについてです。  県では、青森県産業技術センター内水面研究所や十三漁業協同組合及び車力漁業協同組合と連携し、十三湖の水温や塩分といった漁場環境のほか、シジミの浮遊幼生や稚貝の分布状況の調査を行っています。これらの調査結果をもとに、両漁協では、シジミの休漁期間や禁漁区域を設定するとともに、漁獲できるシジミの大きさや一日一隻当たりの漁獲量を自主的に決めているほか、岩木川などから流入するごみの堆積を防ぐための清掃活動に取り組んでいるところです。  最近の県の調査では、十三湖に生息するウグイやコイによりシジミ稚貝が捕食されることが判明したことから、今後は実態調査を行うなど、県と地元漁協一体となってシジミ資源の安定確保に努めていきます。 13 ◯議長(長尾忠行) 竹内県土整備部長。 14 ◯県土整備部長(竹内春繁) 御質問二点についてお答えいたします。  石江地区土地区画整理事業の整備状況についてでございます。  石江地区土地区画整理事業につきましては、青森市が事業主体となり、施行面積四十六・二ヘクタールについて、平成十四年度から東北新幹線新青森駅周辺の駅前広場や道路、公園等の整備を計画的に進めております。今週末の新幹線新青森駅開業を控え、メーンストリートである新青森駅前大通り線や東口駅前広場、駅前公園などが既に完成しております。  新青森駅に隣接する約十三・七ヘクタールにつきましては、土地利用計画上の用途が商業地域及び近隣商業地域に指定されており、小売店舗につきましては面積三千平方メートルまでの建設が可能となっております。このうち保留地十八区画の三・九ヘクタールにつきましては、これまで二区画の〇・八ヘクタールが売却されておりますが、全体の約二割にとどまっております。新幹線新青森駅が開業し、交流人口がふえるなど開業効果が実感できるようになれば、売却も進むものと期待しております。  次に、国道三百三十九号、通称七平バイパスの整備状況と今後の取り組みでございます。  国道三百三十九号、通称七平バイパスでございますが、中泊町今泉地区から五所川原市太田地区の間、延長約一・九キロメートルにつきまして、平成十六年度から事業に着手しております。昨年度までに中泊町側の用地取得を完了しており、同町側の区間のうち、延長約〇・六キロメートルの工事を進めてきたところでございます。  今年度は、五所川原市側につきまして用地取得を進めることとしております。今後とも地元の皆様の御協力を得ながら事業促進に努めてまいります。 15 ◯議長(長尾忠行) 橋本教育長。 16 ◯教育長(橋本 都) 御質問二点にお答えいたします。  まず、スポーツ振興に向けた取り組みと成果についてです。  スポーツにおける全国大会や国際大会での本県選手の活躍は、県民のスポーツに対する興味や意欲を喚起し、本県のスポーツの振興に資するとともに、明るく豊かで活力に満ちた社会の形成に寄与するものと考えております。このため、県教育委員会では、国民体育大会を初めとする全国大会等で活躍できる選手の育成に向け、スポーツ科学を活用した選手強化や指導者の養成など、各種施策の充実に努めているところです。  具体的な取り組みとして、国民体育大会候補選手を中心に強化合宿を行う総合選手強化事業、本県の競技力の基盤となるジュニア層の強化を図る中学生強化事業及び高校生強化事業、指導者養成に関する事業など、県体育協会及び関係団体等と連携し、競技力向上を図っているところです。  その成果として、平成二十二年の国民体育大会においては冬季大会第三位、さらに、冬季大会、本大会の成績をあわせた天皇杯では第二十九位と二年ぶりに二十位台を確保したところです。また、全国高等学校総合体育大会、全国中学校体育大会ほか各種全国大会における数多くの優勝や上位入賞など競技力の向上が見られ、スポーツ振興を図る上で大きな力になっているものと考えております。  次に、今後のジュニア競技者の育成及び強化についてです。  本県の競技力を今後も維持向上させるためには、引き続きジュニア選手の育成強化が重要であると考えております。このことから、本年三月に策定した青森県スポーツ振興計画において、重点項目三つのうちの一つにジュニア競技者の育成及び強化を掲げ、関係団体等が連携し、指導者を養成するとともに、ジュニア期から個人の特性や発達段階に応じた強化策を推進することとしております。  具体的な取り組みとしては、各競技団体等が行う強化事業に対しての支援を引き続き行うほか、県スポーツ科学センターでのジュニア競技者の特性に応じた効果的なトレーニング方法や指導方法の開発、各協議団体の一貫した指導体制の確立を目指し、競技特性や発達段階に応じて選手を育成するプログラムの普及などを行うこととしております。  県教育委員会といたしましては、今後とも県体育協会及び関係団体等と連携し、本県のジュニア競技者の育成及び強化に努めてまいりたいと考えております。 17 ◯議長(長尾忠行) 成田一憲議員。 18 ◯四十四番(成田一憲) 二点の再質問と若干の要望を申し上げたいと思います。  たった今、知事から、並々ならぬ意欲と申しますか、感情のこもった決意、私にとっては非常に光栄なお言葉をいただきました。来る来年六月の知事選挙においては、引き続き我々自由民主党会派も一丸となって支えていく所存でありますので、お体を大切にして、ぜひ頑張っていただきたいと思います。  二点の再質問について。  まず一点目、青い森農林振興公社についてであります。  公社の長期収支の償還財源不足については、木材の価格の低下が大きな要因と考えられますが、現在国が検討している森林・林業再生プランで目標としている十年後の木材自給率五〇パーセントが達成できれば、私としては──約三、四十年前の木材価格、丸太、すなわち原木で立方当たり三万円、立木──山に立ったままの価格が立方当たり約一万三千円が前の価格であったわけでございます。当時のことを今思い返せば、当時も卵一個十円でありました。そのときに木材価格が三万円しておったわけでございますので、今は卵は当時のままの約十円でありますけれども、木材は残念ながら約六〇%ないし七〇%下がっておるわけでございます。これがもとに戻れば、卵のように現状維持をすれば、ここに膨大な公社の財産が残るわけでございます。  そのためにはいろいろと、今回の検討委員会なんかも、今現状ある一万二百ヘクタール、これがあと三十年後には一ヘクタール当たり三百立方に立派なものに育つわけでございまして、三十年後にはここに莫大な財産が残るわけでございますので、今、三百五、六十億の赤字がどうのこうのと恐れるべきではない。恐らくそのときには四百億、四百五十億以上の価値観に立ちかわるわけでございますので、県は勇気を持って、堂々と公社を進めていくべきではないか。  しかし、その中には、今までかかった経費なんかは節減しながらこれからやっていかなければならない。環境の問題から、青森県は日本の三本の指に入るような非常に大きな森林資源でありますので、公社は、検討委員会云々ではなく、勇気を持って頑張っていただきたいと思います。  そのためには、個人の住宅はもとより、社会福祉施設や病院など、木造での建築は可能な限り──先般も全国林活議連の役員会がありましたが、今ほかの県では、地元の自治体として、多いところでは住宅一軒に県単で百万円の助成をしているところがあります。そういうような思い切った体制のもとにぜひともやっていっていただきたいと思います。  そこで、県産材を公共事業にも大いに拡大して積極的に利用していただきたい。県はどのように考えているのかお伺いいたします。  次に、スポーツの振興についてであります。  私も、地元の体協会長として三十五年の経験者の一人であります。我が町には西北五管内で一つ、全天候型の陸上競技場があります。津軽の地方では、当町の競技場を利用してスポーツの振興にみんな非常に興味を持っておるわけでございます。  そのためにも、これは再質問でありますけれども、あと十四年で次期国体、青森国体が行われます。今から十年余りで選手を育成するためには、やはり義務教育の中でスポーツに興味関心を持たせる取り組みが不可欠であります。小・中学校の指導者は学校の先生ですが、教員の採用、配置に当たっては、スポーツの指導者という点も十分に配慮すべきと考えますが、市町村教育委員会の声を踏まえて、スポーツの一流選手を指導者として選考、配置すべきと考えますが、県の教育委員会ではどういう考えなのかお伺いしたいと思います。  次に、要望として三点申し上げます。  東北新幹線全線開業についてですが、言うまでもなく、全線開業はゴールではなく、青森県の未来のためのスタートです。開業効果を一過性のものではなく長期間にわたって持続していくためには、今まで以上に観光、産業の振興はもとより、地域経済の発展に関係者が一致団結して努めていかなければなりません。  五年後には新幹線が函館まで延びますが、その際には、奥津軽は本県と道南地域との結節点としてさらに脚光を浴びるチャンスでもあります。そのためにも今まで以上に県と地域とが連携をし、各地域の持つ観光資源の磨き上げや魅力向上など、開業効果のさらなる獲得、持続に向けた取り組みを加速するように要望いたします。  二点目は、北海道新幹線青函共用走行区間の問題であります。  先ほど申し上げたとおり、整備新幹線については多額の地元負担を伴います。地方は厳しい財政環境にある中で、負担の軽減を求めていくことは当然のことであると私は思います。まして青函共用走行の問題については、国が主体となり課題の解決に向けた検討を進め、早期に対処方策を示してもらうことが重要であると私は思います。  そのためにも、引き続き執行部と議会が一丸となり、これらの整備新幹線の諸課題の解決に向けて──私は、今のままであると、新幹線がフル規格で百四十キロで走行するということは、それは新幹線ではないと思います。新幹線よりまだ遅いようなそういう新幹線は我々は求めていませんので、その点を十二分に、新幹線並みの速度で走るような、そういう体系でトンネル内の基準を国に求めていくように強く要望を申し上げます。  最後に、TPPの問題であります。環太平洋パートナーシップについてであります。  先ほど県当局からの御答弁があったとおり、我が国がTPPに参加すれば、本県農業は、米や畜産物を中心に深刻な影響を受けることに間違いありません。私は、TPPへの参加は、農業分野での問題にとどまらず、製造業、販売業、サービス業などあらゆる分野を巻き込んで、地域経済はおろか、県民の雇用や生活にもはかり知れない打撃を与えるものと思っております。さらには、国土の保全や水資源の涵養といった農林水産業が持つ公益的機能が失われ、お金では買えない美しい自然や里地里山などの荒廃を招くおそれがあります。  先般、二十六日に、東京の日本武道館で全国商工会の全国大会があり、約一万人の参加でありました。そのときに来賓として与党の民主党の岡田幹事長、自民党を代表して谷垣総裁が来ました。そのときに一万人の観衆の声、谷垣総裁に対して、自民党を主体として野党全体で現与党に対して何とかこれを阻止してくれよと。そうしないと我々商工業も意欲がなくなってしまうんだと。そういう声が、実にあの武道館の屋根が飛ぶような悲壮な声がありました。 19 ◯議長(長尾忠行) 成田議員、簡明に願います。 20 ◯四十四番(成田一憲) だから、そのようなことを考えて、やはりこのTPPに対しては十二分に配慮した、青森県民の主張として強く求めていくことを要望して、終わります。 21 ◯議長(長尾忠行) 農林水産部長。 22 ◯農林水産部長(有馬喜代史) 県産材の活用促進についての再質問にお答えいたします。  県では、公共建築物への県産材の利用に積極的に取り組んでおり、今年度は、おいらせ町などの福祉施設で県産材を一〇〇%使用した施設が県内で初めて建築されたほか、公営住宅や学校、交番など六十三施設で県産材が利用される見込みとなっています。また、本年十月には、公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律が施行され、国や地方公共団体が公共建築物への木材の利用に努めるよう規定されたことから、国及び県、市町村、関係団体とも連携し、より一層の県産材の利用拡大に努めていきます。  また、個人住宅については、今年度から県産材エコポイント制度を創設したところであり、この制度を推進し、県産材の利用促進に努めていきます。 23 ◯議長(長尾忠行) 教育長。 24 ◯教育長(橋本 都) 小・中学校におけるスポーツ指導力を持った教員の採用、配置という再質問にお答えいたします。  教員の採用につきましては、広い教養、充実した指導力、心身の健康、教育者としての使命感、意欲等、総合的に教員としての資質、能力、適性を有する者を採用しているところであります。配置につきましては、各市町村教育委員会の意見等を参考にしながら、地域や学校において偏りや格差のないよう、スポーツの指導力を含めました教員の適性、資質、能力等をかんがみ、適材適所の配置に努めているところであります。  あと、つけ加えますと、今後とも各地域においてスポーツ振興が図られますよう、関係団体等と連携しまして、地域のスポーツに関する人材活用、これも含めて取り組んでまいりたいと考えております。 25 ◯議長(長尾忠行) 午さんのため、暫時休憩いたします。 午前十一時四十六分休憩     ─────────────────────── 午後一時再開 26 ◯副議長(中谷純逸) 休憩前に引き続いて会議を開きます。  一般質問を続行いたします。  二十三番今博議員の登壇を許可いたします。──今議員。 27 ◯二十三番(今 博) 民主党の今博です。  第二百六十四回定例会に当たり、民主党のトップを切って、通告に従い一般質問を行います。  まずは、知事の政治姿勢、県の基本計画を踏まえた取り組み状況についてであります。  きょう、午前中の一般質問において、三村知事は次期知事選の出馬を表明されましたが、三村県政の八年間について思うところを述べさせていただきます。  知事は、これまで基金取り崩しの圧縮や県債残高の減少をみずからの成果としております。確かに努力もあったでしょう。されたでしょう。しかし、我々民主党政権が三位一体の改革で減少した地方交付税を大幅にふやしたことが大きいのではありませんか。  知事は、一つ目の基本計画では、平成十六年に暮らしやすさのトップランナーを目指す生活創造推進プランを策定しました。その中で五つの戦略分野を定めておりますが、結果、成果はどうだったでしょうか。産業・雇用では、有効求人倍率が全国平均を大きく下回り、常に全国最下位レベルであることに加え、県民所得も一向に上がっておりません。二つ目の健康では、相変わらずの短命県であります。三つ目の人財についても、せっかく優秀な人財を育てても、働く場がなく、貴重な人財が県外へ流出しているのです。四つ目の環境、五つ目の安全・安心といった分野でも、県民の求めるレベルと三村県政における実績は大きく隔たっているのであります。  まさに三村知事就任後の八年間は空白の八年と言わざるを得ません。今まで三村知事に出馬を要請していた自民党に対し、今度は知事みずから要請しなければいけない。つまり、要請される立場から要請する立場に逆転していることも、そのあらわれではないでしょうか。いかがですか。  三村知事は、暮らしやすさのトップランナーを目指すことが、みずからの政治力では到底実現することが困難であることを自覚したのか、平成二十年には、何と第二弾の二十年後における青森県の目指す姿を示す青森県基本計画未来への挑戦を策定しました。この計画については、多くの県民の意見を反映したものではないこと、二十年後を見据えた計画となっていますが、厳しい経済・雇用環境などの現状を十分認識していないこと、少子高齢化の進行、中央と地方の格差の拡大、過疎化のさらなる進行、年金や医療、介護などへの生活不安、子育てに対する現状認識と対策が不十分であることなどから、我が民主党は県民の目線で反対させていただきました。  計画策定から二年を経過しておりますが、前回計画同様に、一向に本県の置かれている環境が改善の兆しを見せておりません。計画、ビジョンづくりは大切ですが、政治はすべて結果が求められるのであります。結果責任です。二度あることは三度あるということわざがありますが、二期やって成果が出ないということは、三期やってもできないのです。そして、出馬は、二度あっても、三度あってはならないのです。  そこで、知事の任期中に二つの基本計画が策定されているが、これまでの県の取り組みをどう総括しているのか伺います。あえて反省すべき点も含めて伺います。  次に、県発注工事を受注する企業の株式の所有についてであります。  九月定例会と決算特別委員会で、三村知事と親族が大半の株式を所有する企業の工事に係る入札状況について指摘をさせていただきました。新聞報道によれば、多くの有識者の方々も疑問視する見解が寄せられております。  実際に三村興業社は、知事就任の平成十五年度から平成二十二年度までで何と六十五億円、年平均で約八億四千万円と多額の受注をしている大会社なのです。年にやっと、どうにかこうにか数百万円を受注している中小企業とはわけが違うのです。また、決算書が開示されている平成十八年から平成二十一年の完成工事高が六十五億円に対し、県発注工事の受注額は三十六億円と、県発注工事が全体の五四%を占める県の公共事業に大きく依存している企業と言わざるを得ません。先日の新聞報道で、知事は、思うところがあって株式を手放すという報道がありましたが、県民の感覚からすれば、なぜ就任時にそうしなかったのか疑問が残るところです。  そこで、知事は、思うところがあって株式会社三村興業社の株式を手放すとの新聞報道があったが、思うところとは何か。また、知事就任時になぜ思うところがなかったのか伺います。  次に、百石漁港の整備と入札制度改革についてであります。  我々民主党会派では、去る十一月十七日に県議会での議論を踏まえ、百石漁港、漁港漁場整備事務所、三八地域県民局において現地調査を実施したところです。私は建設工事に詳しくはありませんが、これまで見た地方の漁港の中でも立派な漁港が整備されております。水揚げ高が二億四千万円で、総額四十一億円の総工費が必要なのか疑問も残るものでありました。また、百石漁港の入札状況を見れば、工事費の大きいものほど特定の事業者に偏っていることが判明したところです。さらに、分割発注をしても、同一企業が受注し、結果として管理費が割高となっている例も見られるところです。  百石漁港は三八地域県民局の管内でありますが、県民局において、最低制限予定価格と同額の入札は、制度改正前の平成二十年度では三百三十六件中百十四件と全体の三分の一に及び、極めて競争が厳しい地域であることがわかったところであります。  そこで、五点について伺います。  一つ、県における条件つき一般競争入札と指名競争入札の違いについて。  一つ、平成十三年度から平成二十二年度までの工事における条件つき一般競争入札と指名競争入札のうち、それぞれの最多受注者の件数と受注の割合、そして受注額について。  一つ、百石漁港における工事の分割発注の考え方について。  一つ、百石漁港整備の費用対効果はどのようになっているのか伺いたい。
     一つ、県では、平成二十一年度に建設工事に係る入札における最低制限価格の設定基準を定める改善策を実施したが、その目的及び効果について伺います。  次に、県境産廃の推計量の増加についてであります。  県では、県境産廃の推計量について四月の段階でおおむね把握していたのにもかかわらず、公表が八月になった。つまり、公表を差し控えていたともとれるわけですが、当然知事も公表を後にすることについて説明を受けていたかと思います。説明を受けていないのであれば事務方の怠慢でしかありません。我々民主党会派も県民も、この事実は知らなかったところですが、事業期間の延長が余儀なくされ、特措法の期限内に撤去が不可能と見込まれていたのにもかかわらずであります。  我々は、こういった経緯があったことも知らないまま、先日、環境省の樋高政務官に対し、県境産廃の推計量の増大による特措法の延長について要望してきたのでありますが、その後にこのような事実が判明したことは、我々にとって、そして当然ながら田子町、そして県民の皆様方にとって極めて残念な事態であり、地元の皆様方の不満も大きくなっており、知事の姿勢、そして判断力が批判されているところであります。  そこで、県境産廃不法投棄問題で、県は撤去量の増量を四月に試算し、八月まで非公表にしたとし、地元田子町の住民から県に対する不満の声が上がっているとの報道があったが、四月の時点で公表し、知事みずからが説明するべきだったと思いますが、見解を伺います。  次に、平成二十二年度の水稲減収に対する県の支援策についてであります。  十月十五日現在の東北農政局青森農政事務所の公表によれば、津軽地域の作況指数は九七と平年をやや下回るペースでありますが、この夏の高温の影響により、一等米比率は例年を大きく下回る七一%となっており、特に私の地元である西北五地域が大きな被害を受けているところであります。このままでは農業者の生活が立ち行かなくなり、農業の継続が困難ともなりかねません。  本県農業がこういった厳しい環境にある中で、環太平洋パートナーシップ協定、いわゆるTPPに参加すべきか否かで国内の議論が急速に高まっています。我が民主党は、さきの総選挙のマニフェストで、EPA(経済連携協定)、FTA(自由貿易協定)が世界経済や産業構造、雇用など多くの面で重要な影響が及ぶことから、国際競争力強化の切り札として適切に推進することとしました。  その一環として、先般閣議決定された包括的経済連携に関する基本方針では、世界経済において新興国の経済が急激に発展する一方で、我が国の経済連携の取り組みはおくれており、このままでは他国におくれをとってしまうとの危機感のもと、国を開き、未来を開くためのかたい決意を示した上で、TPPに関しては関係国との協議を開始すると言及しています。また、農業分野などの国内改革を進めるとし、高いレベルの経済連携の推進と我が国の食料自給率の向上や国内農業・農村の振興を両立させ、持続可能な力強い農業を育てるための対策を講じていくとの方針も示されております。この方針の決定に至るまで賛否両論があったことは承知しているものの、貿易の自由化により最も影響を受けやすいのは農業分野であり、農業を基幹産業とする本県の立場からすれば、我が会派としても慎重に慎重を重ね対応していくべき問題であると認識しているところであります。  我々は、本県の基幹産業である農業を守り、産業振興につなげていくことが責務であると考えていることから、以下の二点について伺います。  一つ、県では今後の稲作の高温対策についてどのように取り組んでいくのか。  一つ、青森県農林漁業災害経営資金融通助成条例の発動による農業災害経営資金の融資枠三億円で農家の資金需要に対応できるのか伺います。  次に、陸奥湾ホタテガイ高水温被害対策についてであります。  米の一等米比率の大幅な低下に加え、本年夏の高温は、陸奥湾ホタテガイにもこれまでにない被害をもたらしたところであります。生産と加工を合わせれば二百五十億円産業であり、関連産業に従事する方も含めれば本県の一大産業であります。我が民主党としても、漁業者の皆様、そして加工事業者の皆様方の状況を把握し、早急に対策を打ち立てるため、十月十一日に岡田幹事長みずからが現地を調査し、早急な対策を講じることを表明したことに加え、我々も田名部匡代農林水産政務官に対し、漁業共済予算の前倒し、農林漁業六次産業化促進法案等に加工業者の救済策を具体的に盛り込むことなどを強く要請したところであります。  県としては、母貝の確保や従事者の雇用対策に積極的に取り組むこととしておりますが、再生産までは一定期間を要することから、雇用の確保、生産者への低利融資等の短期的な対策に加え、持続可能なホタテ養殖のため、中長期的な対策も含めた対策が必要と考えます。  そこで、以下四点について伺います。  一つ、陸奥湾の養殖ホタテガイの高水温によるへい死実態について、調査の進捗状況とその全容がいつ判明する見通しなのかお伺いします。  一つ、ホタテガイ母貝の確保のための二億円の基金により、母貝確保が本当に着実にできるのか。  一つ、国が緊急に取り組んでいる加工業者対策の状況はどうなっているのか。  一つ、今後、高水温に強いホタテガイ産業のあり方について、中長期的視点に立ってどのように検討を進めていくのか伺います。  次に、社団法人青い森農林振興公社の分収造林事業についてであります。  分収造林事業の債務に係る県民負担の懸念については、さきの決算特別委員会で質問をさせていただき、我が民主党会派としても県民に収支見通しを十分説明の上、県民負担の縮減を図るため、事業の整理を含む抜本的対策に早急に取り組むべきという意見を出させていただいたところですが、速やかな対応をしたということについては評価させていただきたいと思います。  分収造林事業については、昭和四十五年から国が進めてきた造林を積極的に拡大する施策に呼応して社団法人青い森農林振興公社が実施してきたものの、労務単価の上昇、木材価格の低下により、将来の負担が明確になっていたのにもかかわらず、無策な国同様、県も何ら対策を打ち出さずにいたことは明白であります。その間、雪だるま式に将来の債務、県民が負担しなければならない額が三百十三億円までも膨れ上がったところです。  県は、確かに公社等経営評価委員会を初め、青森県分収造林のあり方検討委員会、そして今回報告をいただいた社団法人青い森農林振興公社経営検討委員会報告書を最後に、ようやく改革の方向性を決定しようという決意が出たようですが、私に言わせれば、知事がよく言うスピード感が足りないのではないかと思います。  知事就任の平成十五年から新たな造林はしておりませんが、平成十五年度に三百二十三億円あった債務は平成二十二年には三百五十五億円となり、三十二億円増加しております。決断が遅ければ県民負担の増大になるのです。政治家であれば、即座に決断し、血をとめるべきなのであります。にもかかわらず、九月議会に桔梗野工業団地、金矢工業団地の予算を提案しましたが、対応がすべて遅過ぎ、県民に多大な負担を押しつけているにもかかわらず、知事を初め、だれ一人責任をとろうともしない姿勢が問われているのであります。  分収造林の問題にしても、あたかも三セク債で負担が軽減されるような説明でありますが、今後支払われる利子の一部が助成されるだけで、三百五十五億の債務は残るのです。責任を明確にした上で、そのことをしっかりと県民の皆様方に説明し、理解を求めることが政治なのです。三セク債の活用のみならず、県民の皆様方の負担を少しでも少なくする最大限の努力が必要であります。  そこで、以下四点について伺います。  一つ、平成十五年の就任時から、知事は分収造林事業の問題を認識していたのか。  一つ、林業の採算性が悪化する中、県民負担が危惧されるようになったのはいつからなのか。  一つ、第三セクター等改革推進債を活用したとしても、多額の県民負担が生じるおそれがあることについてどのように責任を明確にし、県民に説明していくのか。  一つ、県民負担を軽減するため、分収割合を見直すべきと考えるが、県の見解を伺います。  最後に、私立高等学校に在学する生徒への就学支援についてであります。  民主党政権は、子育て、教育といった将来への人への投資を第一とする政権であり、今年度から高校無償化、そして私立高等学校等就学支援金を支給し、保護者負担の軽減を図っております。公立高校については無償化されたわけですが、私立高等学校の生徒の負担は一定程度残っており、各県において支援策が講じられているところです。しかしながら、所得の低い世帯にとってはこの負担が少なくはないものであり、より一層の支援が必要と考えております。  そこで、以下二点伺います。  一つ、私立高等学校等就学支援金及び私立高等学校等就学支援費補助の内容について。  一つ、年収二百五十万円未満の低所得世帯については授業料等を無償化とすべきと思うが、県の見解を伺います。  以上で壇上からの一般質問を終わります。知事の明快な御答弁をよろしくお願い申し上げます。  御清聴ありがとうございました。 28 ◯副議長(中谷純逸) 知事。 29 ◯知事(三村申吾) 今議員にお答えいたします。  まず、二つの基本計画の取り組み等であります。  私は、知事就任以来、行財政基盤の安定なくして県政なしという強い思いのもと、平成十五年度に財政改革プランを策定し、県民の皆様方の御理解と御協力をいただきながら徹底した行財政改革を進めてまいりました。  その結果、本県は、地方交付税の大幅削減などの極めて厳しい歳入環境が続く中で多額の財源不足額に対処し、財政再建団体への転落を回避するとともに、プライマリーバランスを実質的に黒字転換させるなど、持続可能な青森型社会を築き、次世代にしっかりと引き継いでいくための財政構造改革を着実に前進させてきました。  同時に、青森県をより一層元気にし、暮らしやすさではどこにも負けない地域として発展させていくため、県行政運営の基本方針となります基本計画において目指す姿に生活創造社会を掲げ、本県の強みを生かした攻めの農林水産業の推進やあおもりツーリズムの展開、環境・エネルギー産業などの振興、さらには保健・医療・福祉包括ケアシステムの構築や医師確保のためのグランドデザインに基づく医師確保などの取り組みを進め、持続可能な青森県に向けた仕組みづくりを着実に実践してきました。そして、未来の青森県が輝くものとなるためには人づくりこそが何よりも大切であるとの思いから、平成十九年度には、あおもりを愛する人づくり戦略を策定し、チャレンジ精神あふれる人財の育成にも力を注いできたところでございます。  私ども青森県は、食料や水資源、エネルギーを初め、未来を切り開くための可能性、強みをたくさん有しておる次第であります。こうした可能性を県民の皆様方のために一つ一つ生かしていく、そのことが自分に課せられた一番の責務であると信じ、これまで誠心誠意取り組んできたという思いがございます。  続きまして、いわゆる思うところということにつきまして御質問がございました。(「個別の案件に答えるのか」と呼ぶ者あり)個別の案件ですけれども、一応。  三村興業社の株式につきましては、祖父から譲り受けたものでございますが、政治の道を志して以降、経営には関与していないところであり、また、株式の所有については地方自治法上何ら問題がないということを就任時にも改めて確認しているところでございます。  私は、知事就任以来、青森県を元気にしよう、地方がよくならなければ日本はよくならないとのひたむきな思いで県政運営に当たってまいりました。今後ともこの思いで県政運営を進めるに当たりまして、株式については処分する手続を進めているところでございます。  県境産廃の推計量の増加についてでございます。  午前中、成田議員の御質問に環境生活部長からお答えしたとおり、今回の廃棄物量等の推計量の見直しについては、廃棄物量の推計のほか、汚染土壌の分析結果を踏まえる必要があること、国との協議を経て、廃棄物量等の増加に伴い、全体の事業費を精査する必要があること、廃棄物等の全量撤去を現行計画の期限内に完了できるかどうか見きわめる必要があることなど、四月の時点では不確定な要素があったことから、これらの不確定要素について精査を指示したところでありました。その後、七月下旬に一定の精度を持った見直し結果がまとまり、八月三日開催の県境再生対策推進本部会議での検討結果を受けて対応方針を決定し、同日公表したところであります。  高水温に強いホタテガイ産業のあり方についてであります。  初めに、今回の異常高水温によるホタテガイへい死の被害を受けられました漁業関係者の皆様方に、改めて心からお見舞い申し上げます。  私は、去る十月十六日に平内町、野辺地町の両漁業協同組合で被害実態を目の当たりにし、関係者の生の声を伺い、その被害の大きさを痛感したところであります。地球温暖化が叫ばれる中で、今後、異常高水温の発生頻度が高まるおそれもあることから、今回のような被害の再発防止に向け、高水温に強いホタテガイ産業のあり方を中長期的視点に立って検討する必要があると考えております。  このため、漁業関係団体を初め、水産加工団体、研究機関、市町村、県などから成ります陸奥湾ホタテガイ高水温被害対策専門家委員会を設置し、十一月二十五日に初会合を開き、検討を始めたところであります。今後は、委員会に生産対策、水産加工対策を検討する分科会を設けまして、生産面では、高水温に対応した養殖管理技術の開発やアカガイやホヤなど他魚種との複合経営の転換による危険分散などについて、水産加工面では、原材料が不足した場合でも従前の収益を確保するための付加価値の高い製品や多様な加工品の開発などについて検討していただくこととしております。  分収造林事業の問題の認識についてであります。  分収造林事業は、国の拡大造林政策推進に呼応して始めたものでございますが、土地所有者みずからの力では森林整備が進まない地域において、森林整備に要する経費は公社が負担し、収入については土地所有者と分け合う分収造林契約を結んで森林を造成してきました。  本県では、昭和四十五年度から平成十四年度までに約一万二百ヘクタールの森林を造成し、林業の振興はもとより、山村地域の雇用の確保や地域経済の発展に寄与していることに加え、水資源の涵養や県土の保全など、県民生活を支える公益的機能の発揮に大きな役割を果たしてきたところであります。  しかしながら、輸入木材の増加等に伴い国産材価格が低迷する一方で労務単価が上昇するなど、社会経済情勢の大きな変化に伴い林業の採算性が悪化していたことから、私は、知事に就任して以降、新規契約に取り組むことなく、また、県貸付金の無利子化の継続や株式会社日本政策金融公庫の借りかえ制度の活用による金利負担の軽減、保育作業の削減、森林整備に係る公社負担を伴わない定額助成事業の実施などの経営改善策を指示してまいりました。また、平成十七年度に設置した青森県分収造林のあり方検討委員会から、平成十九年三月に、分収造林を県行造林と統合し、県が森林経営を行うことが妥当であるとの提言を受け、県に移管するとした場合の課題整理のほか、林業公社の債務超過については、全国的な問題であることから、他府県とともに国に対して経営改善に関する実効性のある対策を示すよう働きかけ続けてきたところであります。  しかしながら、分収造林事業に対する林野庁の抜本的な施策は講じられず、このままでは公社の債務がふえ続け、一層厳しさを増す状況にあること。一方で、総務省が平成二十一年度から二十五年度までの時限的特例措置として第三セクター等改革推進債を創設するなどの状況変化があったことから、公社の債務圧縮に向けた経営改革に取り組む必要があると考えたところであります。  私としては、青い森農林振興公社経営検討委員会からの提言に加え、議員各位、関係市町村等、さらには有識者からの御意見等を踏まえ、公社の経営改革、とりわけ分収造林事業について、公益的機能の保全はもちろんのこと、県民負担を可能な限り軽減できるよう検討した上で、改革の方向性を決定したいと考えているところであります。  私からは以上です。 30 ◯副議長(中谷純逸) 総務部長。 31 ◯総務部長(田辺康彦) 一点目は、私立高等学校等就学支援金及び私立高等学校等就学支援費補助の内容についてでございます。  私立高等学校等就学支援金は、家庭における教育費の負担軽減を目的として国が創設し、本年四月から実施している就学支援制度でございまして、その内容は、私立高等学校等のすべての生徒に対して月額九千九百円を助成することとし、さらに、低所得世帯の生徒については保護者の収入に応じて助成金額を加算し、モデルケースで年収二百五十万円未満相当の世帯には月額一万九千八百円を、年収二百五十万円以上三百五十万円未満相当の世帯には月額一万四千八百五十円を交付するものでございます。  次に、私立高等学校等就学支援費補助は、保護者負担のより一層の軽減を図るため、低所得世帯の生徒に対して、国の私立高等学校等就学支援金に独自に一定額を上乗せする県の就学支援制度でございまして、モデルケースで保護者の収入が年収二百五十万円未満相当の世帯には月額四千九百五十円を、年収二百五十万円以上三百五十万円未満相当の世帯には月額二千四百七十円を支給するものでございます。  次に、年収二百五十万円未満の低所得世帯については授業料等を無償化すべきと思うがという点でございます。  保護者の収入が年収二百五十万円未満に相当する低所得世帯の生徒については、国の私立高等学校等就学支援金に加え、県で上乗せして支援をすることにより、平成二十一年度の県内私立高等学校授業料の平均額とおおむね同等額が支給されるよう取り組んだところでございます。  高校授業料無償化の際、私立学校の支援をどうするのか、これは新政権においても大きな課題であったわけでございますが、国においてはさまざまな検討をされた結果、低所得世帯に対して段階的に支援を上乗せすることにより対応することとしたところでございまして、さらに、県としても単独で低所得世帯の方々に対して上乗せして支援している状況を御理解いただければと思います。 32 ◯副議長(中谷純逸) 農林水産部長。 33 ◯農林水産部長(有馬喜代史) 御質問十一点にお答えいたします。  最初に、百石漁港の平成十三年度から平成二十二年度までの工事の受注状況についてです。  百石漁港に係る平成十三年度から平成二十二年度の十月末現在までの工事の総発注件数は五十件で、条件つき一般競争入札は十八件、指名競争入札は三十二件となっています。条件つき一般競争入札のうち最も多く受注した業者の受注件数は十六件で、発注件数十八件に対しての割合は八九%、受注額は二十五億二千二百五十二万円となっています。指名競争入札のうち最も多く受注した業者の受注件数は八件で、発注件数三十二件に対しての割合は二五%、受注額は二億三千二百五十七万円となっています。  次に、工事の分割発注の考え方についてです。  百石漁港も含めて、漁港整備の工事については、防波堤工事やしゅんせつ工事、岸壁工事、道路工事などの多くの工種があること、同一工種においても、作業船を使う海上工事や潜水士による海中作業など、施工に当たって特殊な作業があること、厳しい海の気象条件に対応するため、限られた施工期間内に完了する必要があること、受注機会の拡大が図られることなどを総合的に勘案し、分割発注しています。  次に、費用対効果についてです。  百石漁港整備の費用対効果については、国が定めた水産基盤整備事業費用対効果分析のガイドラインに即して算出しています。効果については、これまで漁業者が三沢漁港や八戸漁港から百石漁場に出漁するために要した移動時間の短縮のほか、新しく整備された漁港の岸壁や用地を利用した漁業活動の効率化等が見込まれ、総費用に対する便益比率は一・一一で国の承認を得ています。  次に、今後の稲作の高温対策についてです。  ことしの稲作は、生育期間中が高温に経過し、十分な生育量が確保できないまま出穂期を迎え、一部地域では、もみ数が減少し、収量低下を招きました。また品質は、米粒の充実度が劣り、胴割れや黒点などが見られたほか、カメムシ類の多発による斑点米も多く、大幅に低下しました。  こうした中で、用水のかけ流しなどで水温、地温を下げて効果を上げた例も見られたことから、今後、県としては、用水のかけ流しを実施できるようにするための土地改良区内での調整、高温下でも品質が安定し、生産性にすぐれた新品種の育成、地球温暖化に対応した栽培技術や病害虫防除体系の確立とその技術による栽培指導の徹底などに取り組んでいきます。  次に、青森県農林漁業災害経営資金融通助成条例の発動による融資枠についてです。  本条例の発動による農業災害経営資金は、農作物の再生産に必要な肥料、農薬、種苗等の経費を対象に融資される資金です。融資枠は過去の発動事例をもとに三億円と設定しているところであり、今回被害を受けた農家の方々の資金需要に対応していきたいと考えています。  次に、ホタテガイのへい死実態調査の見通しについてです。  陸奥湾の養殖ホタテガイの実態を把握するため、十一月二日から十七日にかけて、全養殖経営体の五%を対象に、ことし生まれた稚貝と昨年生まれた新貝の生残状況や生育状況などを調査したところです。また、関係漁協が主体となって、むつ湾漁業振興会や市町村、県産業技術センター水産総合研究所及び県の協力のもとで全養殖漁業者からの聞き取り調査を行っています。  県では、今後、各漁協からこれらの調査結果の提出を受けて、関係機関とともに総合的に解析し、全湾の被害の実態を取りまとめることとしており、十二月中旬を目途に報告できるものと考えています。  次に、ホタテガイ母貝確保のための基金による確保対策についてです。  県では、来年春に産卵する母貝の確保対策を早急に実施する必要があると判断し、むつ湾漁業振興会が行う母貝確保のための二億円の基金造成事業に対して助成することとし、去る十一月四日に一億円の補正予算を専決処分したところです。この事業では、産卵母貝となる成貝の出荷を抑制し、二千トン以上を目途に母貝を確保することとしています。この対策を着実に実施していくためには、漁業者が互いに協力し合うことが不可欠となります。関係漁協や漁業者が、ホタテ養殖の維持安定のために産卵母貝の確保が最も大切であるという相互理解のもとで必要な母貝を確保できるよう支援していきます。  次に、国の加工業者の緊急対策の状況についてです。  国では、ホタテなどの水揚げ量の減少に伴って、水産加工業への加工原料の供給が減少する影響を軽減するため、水産加工原料確保緊急支援事業を実施することとしています。この事業は、本県では、他の地域からの原料ホタテの調達やホタテ以外の魚種での新たな加工品づくりに対して活用でき、原料運搬費などの経費に対して助成が行われ、国全体での補助金総額は一億円以内となっています。  県では、関係団体と連携して、水産加工業者がこの事業を積極的に活用するよう、事業内容と手続等について周知に努めてきた結果、青森市や平内町では、ホタテを主な原料とする加工業者十五社が事業実施に向けて応募したところであり、今後、国において審査が行われることとなっています。  次に、林業の採算性が悪化する中での県民負担が危惧されるようになったのはいつからなのかについてです。  木材価格は昭和五十五年以降徐々に下落を続け、現在はピーク時に比べて約七割も下落しています。また、作業コストのほとんどを占める労務の単価については、昭和四十五年以降上昇し続け、当時の約五倍程度となっています。こうしたことから、林業は、平成七年ごろから採算が合わない状況になってきたものと考えています。  次に、多額の県民負担が生じるおそれがあることに関してどのように責任を明確にし、県民に説明していくのかについてです。  分収造林事業は、国の拡大造林政策に呼応して推進してきたことから、国に対して経営改善対策を要望してきたところですが、林野庁からの抜本的な対策は講じられず、長期収支見通しでは、将来多額の償還財源不足が生じる見通しとなっています。  県としては、本県の多種多様な森林の中で、四十年間にわたって整備してきた約一万二百ヘクタールの分収林は、雇用の場の確保や水源の涵養、県土の保全、二酸化炭素の吸収、固定などの重要な役割を果たしていることから、経営検討委員会から提言された県民共通の公共財として将来に伝えていくことが肝要であると考えています。  しかしながら、分収林は生育途上にあって、間伐等の保育が必要な森林も多いことから、適正な森林の整備により公益的機能の発揮を図りながら、コスト縮減や収入対策に努め、県民負担を可能な限り軽減するよう最大限の努力をしていくことが県としての責任であると考えています。  最後に、分収割合の見直しについてです。  社団法人青い森農林振興公社経営検討委員会からの報告では、現在契約している公社六〇%、土地所有者四〇%の分収割合について、当時の契約時には想定し得なかった木材価格の下落や労務費の上昇などがあることから、契約者の理解を得ながら分収割合の変更協議を進めることと提言されています。  このため、引き続き経営検討委員会において分収割合の見直しについて御検討いただいているところであり、その結果を踏まえ、県民負担を可能な限り軽減できるよう対応してまいります。 34 ◯副議長(中谷純逸) 県土整備部長。 35 ◯県土整備部長(竹内春繁) 御質問二点についてお答えいたします。
     まず、条件つき一般競争入札と指名競争入札の違いでございます。  建設工事の契約を締結する場合、設計額が五千万円以上のものにつきましては条件つき一般競争入札を行い、設計額が五千万円未満のものについては指名競争入札を行っております。条件つき一般競争入札は、工事ごとに設定する同種工事の施工実績、それから経営事項審査の総合評定値等の入札参加資格を公告しまして、参加資格を満たす入札参加希望者により入札を行う方式でございます。また、指名競争入札でございますが、経営状況、工事成績、技術的適性等の指名基準により審査をしまして、この基準を満たす建設業者を指名し、入札を行う方式となっております。  次に、平成二十一年度に実施しました最低制限価格の設定基準を定める改善策についての目的及び効果でございます。  近年、建設工事の入札における競争が激化し、最低制限価格と同額での入札が多発するなど低価格での入札が増加傾向にあったことから、適正な価格での契約を推進するため、国や都道府県が会員となっている中央公共工事契約制度運用連絡協議会のモデルを準用しまして、平成二十一年四月から最低制限価格の設定基準を定めたところでございます。また、平成二十二年四月からは、同モデルの引き上げに合わせまして設定基準の引き上げを行っております。  その結果、最低制限価格と同額での入札が大幅に減少するなど、一定の効果が見られております。今後とも、適正な価格での契約を推進するため、適切な入札契約制度の運用に努めてまいります。 36 ◯副議長(中谷純逸) 今議員。 37 ◯二十三番(今 博) 御答弁ありがとうございました。  再質をさせていただきます。  きのうは日曜日でした。新聞を見まして大変びっくりしました。こういうタイトルで地元紙に出ておりましたが、「自民県連知事選支援の舞台裏 三村興業めぐり懸念の声やまず」こういうことで、中身を見ますと、まさに県民が大変心配しておりますが、知事は自分が株式を持っている三村興業社が漁港の整備工事で高い受注率になっていると、公正取引委員会の動きを懸念する意見が出たという新聞報道でございます。私も大変懸念をしておりますが、法律に抵触していたら大変だな、これは大きな問題になるな、そんな感じを受けたわけです。  先ほど質問しましたけれども、思うところ、まさに今回九月議会でも一般質問、あるいは決算特別委員会、そしてきょうの私の質問でも、我々民主党会派、あるいはマスコミでさまざまな批判が出ている中で思うところが出てこられたのか、もう一度お聞かせいただきたいと思います。そして、思うところが何なのか、それが県民が一番知りたいところなんです。県民は思うところの中身を知りたいんです。知事は何も答えていない。  そこで、株主を手放すとお話しされていますが……(「株主を手放すのか」と呼ぶ者あり)失礼。株式を手放すと言っていますが、いつまでにどうやって手放すのか伺いたい。もう売ってしまったのかどうか。まさに青森県のトップである、行政の長である方が、自分が持っている株式の会社が圧倒的に仕事をとっている。何かおかしいんじゃないのかというふうに思っている方もいるかもわかりません。そうであれば、まさにしっかりと県民に説明すべきだと思います。  さらに、株式を売ったからといってすべてが解決すると思ったらとんでもない。私は、この十七年度から二十一年度までの完成工事高で県発注に五四%も大きく依存しているのであれば、まさに親族が大半を所有している会社、これまでと何ら状況は変わらないと思うんですが、三村知事の見解を伺いたいと思います。  そしてまた、分割発注の事案も出ておりますが、事業者がほぼ同一であれば分割発注する必要性に疑問を持ちますが、そのことについても見解を求めたいと思います。  次に、県境産廃の推計量の増加について。  特に撤去量の増量の試算非公開に関連して、田子町の町民や県民は不信感を持っているわけですが、知事の判断が誤っていたことのあらわれと私は思うんですが、再度知事の見解を伺いたいと思います。  そして、今回、午前中の答弁で、蝦名副知事を田子町に差し向けると言っておりますが、なぜ蝦名副知事なのか。三村知事がみずから真摯に謝罪、説明すべきと考えるが、知事の見解を求めます。  次に、二十二年度の水稲減収でありますが、今回の融資枠はたった三億円です。知事は、雇用対策については、特別支援枠を四回にわたって、十億、三十億、五十億、百億、百五十億、そしてさらに今回は八十億円。農家の人たちは今苦しんでいます。しっかりとして青森県の基幹産業である──皆さんが思っているんですよ。農業が青森県を支えているんだ。農家の人たちが支えているんだ。この厳しい状況において、この融資枠がたった三億円ということでは私は納得できないわけでありますが、知事の見解を伺いたいと思います。  次に、社団法人青い森農林振興公社の分収造林事業について。  民間でも森林事業者も大変努力をされておりますが、この森林事業者も県と同様の状況にあるのか教えてください。民間であれば即座に会社がつぶれるということで緊急に対応するわけですが、これまでの対応について、私はまさに知事の決断は遅きに失したと思いますが、再度知事の見解を伺いたいと思います。  そして、県民負担を軽減するため、検討委員会からの提言を踏まえ、分収割合を見直しするとしているが、県としては、青い森鉄道において六対四を八十五対十五に見直しを求めているように試算すれば、どの程度の負担割合が妥当と考えているのか伺いたいと思います。  そして、これは私の私案ですが、県がこれまでの分収造林を引き継ぐ場合には、県民への説明がしっかりと図られるようにしていただきたい。そのためには特別会計をしっかり設置して、収支を県民に明確にすべきと考えますが、その見解を求めたいと思います。  最後に要望ですが、読み上げさせていただきます。  陸奥湾ホタテガイ高水温被害対策についてですが、先ほど申し上げたように、商工労働部の雇用創出特別支援枠は、昨年度状況に応じ枠を拡大していった経緯もあります。十二月中旬にホタテ被害の全容が判明した後には、速やかな対策の追加について要望します。  そして、私立高等学校に在学する生徒への就学支援について要望いたします。  先ほどの答弁にあったとおり、県では、国の就学支援金制度に対応して、低所得世帯の教育費の一層の負担軽減を図るため、私立高等学校等就学支援費補助を本年四月から実施しており、私としても、この制度は生徒の就学支援にとって大変意義のある制度と評価しているところです。しかしながら、公立高等学校の授業料が完全に無償化された一方で、私立高等学校は、国の就学支援金や県の就学支援費補助の支給を受けた場合であっても、低所得世帯においてなお一定額の保護者負担が生じているのが現状です。  そこで、格差を少しでも是正するため、年収二百五十万円未満の低所得世帯の生徒に対して、授業料や施設整備費等の納付金が無償化されるよう、私立高等学校等就学支援費補助の単価引き上げを要望いたします。  以上であります。 38 ◯副議長(中谷純逸) 知事。 39 ◯知事(三村申吾) 今議員の再質問にお答えいたします。いろいろふえたので、ちょっとお待ちください。(発言あり)済みません。  まず、思うところの話がございましたが、先ほどお話ししたつもりでございますが、知事就任以来、青森県を元気にしよう、地方がよくならなければ日本はよくならない、このひたむきな思いで県政運営に当たってきました。いわゆる祖父由来の株式の所有について、地方自治法上問題はないということでございますが、今後とも、この思いで、さっぱりとした気持ちで県政運営を進めるに当たり、株式については処分する手続を進めているということを先ほどお話ししたというふうに御理解いただければと思います。  二点目でございますが、株式につきましては、会社のほうに株主を辞退したい旨話をしておりまして、これの段取りがいろいろ煩雑だそうで、その点につきましては、実務的なところは株式会社三村興業社のほうに任せてございます。これは粛々と進めているというふうに私としては認識しています。  それから、公共工事の話でございましたが、祖父以来、この三村興業社というものは建設業に従事しております。そのことに対してどう思うかと問われましても、なかなか申し上げられる──生まれたのがそういう祖父の、親父もそこで、親父のもとでございますから、何と申し上げていいかというところでございます。昔からしていたということでございますが、私としては、就任以来一切経営等に関与していないということは繰り返し申し上げていることでございます。  続きまして、田子関係でございますけれども、八月公表の点でございます。  四月時点でいわゆる増加可能性の予測はあったのでありますが、さまざまな不確定要素がございました。多岐にわたる検討が必要でありました。したがって、私としては、全量撤去を基本とする原状回復方針はいささかも揺るがないとの政治判断のもとで、不確定要素に対しまして精査、不確定要素をどれがどうで、どうでということをきっちりとやってくれと、それを指示したところです。その後、七月下旬に一定の精度を持った見直し結果がまとまったわけでございます。それに係る県の対応方針とあわせて例の協議会のほうにも話をして、八月に公表したというところでございます。  また、先ほどお話し申し上げましたが、県では、要するに全量撤去、これは揺るぎない自分自身の姿勢でございます。この方針のもと、安全かつ着実に不法投棄された廃棄物の撤去に取り組んできたわけでございます。今後、この推計量の見直し等、増量が見込まれるということになったわけでございますが、私自身、全量撤去は揺るぎないということについて、十一月十二日の田子町長、また田子町議会議長からの要望を踏まえて、そのことに対しまして蝦名副知事を田子町に派遣するということでございます。その場面において、県の対応方針、今後の取り組みについて直接説明するわけでございますが、この問題は知事就任最初の日曜日に行って田子の方々とお話しし、私として全量撤去を揺るぎないものとするために、まさに精査というところが必要であったということを御理解いただければと思う次第でございます。  続いて、農林公社につきましての部分でございますが、私からは、まず、遅きに何とかという話がございましたけれども、その前に、要するに分収造林事業の根本的改革については御存じだと思いますが、全国的な問題となっております。現在三十五都道府県が林業公社を有しているわけでございますが、このうち経営の見直しを検討しておりますのが十七府県ございます。うち、我々のように検討委員会を設置しての抜本的改革は十二県ということになりますが、全国一斉にこの段取りに今入っています。  分収造林をめぐりましては、平成十九年十一月に滋賀県の林業公社が資金借入先であります日本政策金融公庫などに対して債務の減免を求める特定調停、要するに裁判があったわけでございます。裁判所に申し立てたこと、これが我々としてもなかなか難しい裁判である状況を見ざるを得ないということがございました。また、二十年十一月に国と地方の代表から成ります林業公社の経営対策等に関する検討会が設置されて、やっと公社経営支援策等についての検討が進められるなどの動きが出てきたわけでございます。  こうした動きにも私どもとして注意を払いながら、これまでも機会あるごとに国に対し実効性のある対策を示すよう求め続けてきたわけでありますが、今日に至るまで抜本的な対策は講じられず、分収造林事業を取り巻く環境は一層厳しさを増してきたというところであります。  繰り返しになりますが、私はこれまでも公社債務の圧縮についていろいろな対策を指示してきましたが、平成二十五年までにいわゆる公益法人制度改革がございますし、総務省が第三セクター等改革推進債を創設する、こういった動きをとらえまして、私どもとして、この公社の抜本的改革に取り組むということを強く認識した次第であります。要するに、繰り返しになりますが、県民負担を可能な限り軽減するよう最大限の努力をしていく、このことが私自身責務と考えている次第でございます。この改革に誠心誠意取り組んでいく所存でございます。  私からは以上であります。 40 ◯副議長(中谷純逸) 青山副知事。 41 ◯副知事(青山祐治) 分割発注についてお答えします。  百石漁港工事の分離分割については、受注機会の拡大のほか、工種や施工の特殊性、施工期間内での完了などを総合的に勘案して行っており、これまでの結果は、厳正かつ公平公正に行われた入札結果であると認識しています。 42 ◯副議長(中谷純逸) 知事。 43 ◯知事(三村申吾) 失礼しました。今議員に自分でお答えするのを忘れておりました。  例の米の関係。  とりあえずは今の三億でございますが、不足した場合にはしっかりとこれに対応するということをしっかりとお伝えすることが非常に重要であると思い、手を挙げさせていただきました。  以上。 44 ◯副議長(中谷純逸) 農林水産部長。 45 ◯農林水産部長(有馬喜代史) 再質問にお答えいたします。  分収造林事業に関して民間ではどうなのかという御質問でございましたが、民間にあっても造林事業がここ最近停滞傾向にあります。そういったことからも、民間でも極めて厳しい状況にあるものと考えております。  また、分収割合の見直しについてでございますが、県民負担が最小となるという観点から、現在、経営検討委員会で現在の経営の状況をも踏まえまして、その割合を検討してもらっているところであります。こうした検討結果を踏まえて検討していきたいというふうに考えております。  また、県民への説明をわかりやすくという御質問でございますが、今後とも議員各位からの御意見、それから関係市町村・団体の代表者等からの御意見も承り、経営改革の方向性を決定した上で、県民にわかりやすいという視点から具体的に、より詳しく検討してまいります。 46 ◯副議長(中谷純逸) 二十番伊吹信一議員の登壇を許可いたします。──伊吹議員。 47 ◯二十番(伊吹信一) 公明・健政会の伊吹でございます。  通告に従いお尋ねしてまいります。  まず、青森都市計画区域マスタープラン及び合併後の浪岡地区のまちづくりについて伺うものです。  現在、青森都市計画区域及び浪岡都市計画区域における都市計画マスタープランの見直し作業が進められております。五年ごとに行われる作業であり、青森市は今後十年間の都市計画基本方針として位置づけているようです。県都青森市の将来像を明らかにするとともに、都市計画の基本的方向性を決定する大事な作業であります。地元紙へ投書が寄せられるなど、多くの市民が新幹線新青森駅周辺の地域振興策に期待しておりますが、今回の見直し作業においては、何ら新たな対策が示されず、とりわけ西部地域住民の期待を裏切る深刻な事態となっております。  基本方針において、新青森駅周辺地区を県内他都市、道南地域とを結ぶ広域交流の玄関口としてふさわしい地区形成を進めるとしており、浪岡駅周辺地区を津軽地方の都市との近接性を生かした津軽地方の玄関口としてふさわしい地区形成を進めるとしています。広域交流の玄関口としてふさわしい地区形成とはどのようなものを言うのでしょうか。土地区画整理事業の保留地売却が進まず、一般住宅だけが建設されている新青森駅周辺の景観を目の当たりにして、県内外からの視察客や来訪者は異口同音に、これが新幹線駅ですか、まちづくりはしないのですかと驚いております。  明年三月十二日の九州新幹線鹿児島ルート、博多─鹿児島中央駅全線開業に伴い、JR九州が博多駅に建設を進めている新駅ビルJR博多シティの開業日が三月三日と発表されました。百貨店博多阪急などのテナントを含む新駅ビルは、地上十階、地下三建て、延べ床面積約二十万平方メートルの威容を誇り、JR九州が運営する中核となる複合商業施設アミュプラザ博多は、二百三十店舗が入る見込みとのことです。  先日、鹿児島中央駅を視察してまいりました。博多ほどではないものの、鹿児島への観光客を迎える玄関口としての準備万端の体制に、改めて新青森駅周辺まちづくりのおくれを感じた次第です。博多でも、鹿児島でもない、青森ならではの駅として県外客を迎え、新幹線開業によるストロー現象を回避するためにも、新青森駅周辺の再開発並びに地域振興策に着手すべきと考えます。知事初め県理事者の皆様は、これまで異口同音に新青森駅は県都の玄関口と繰り返し述べてきました。その県都の玄関口がこのままでいいのでしょうか。  石江地区土地区画整理事業の保留地売却が進まない現状を県はどのように見ているのでしょうか。保留地の売却を促進し、基本方針に盛り込まれた広域交流の玄関口としてふさわしい地区形成とするためにも、民間事業者が開発への積極的な姿勢を示している周辺の市街化調整区域の開発を認めるべきと考えます。  先週二十五日に開かれた都市計画マスタープラン住民説明会において、参加した住民からの質問に青森市は責任ある回答もできず、何のための説明会なのかとの青森市に対する不満の声が出されております。今後、十二月二十日、県庁内での公聴会を経て県都市計画審議会に付されることとなりますが、県は、県都の将来像を左右する非常に大事な場面に差しかかっていることを自覚し、計画案見直しをも含め、慎重な対応をするよう青森市に対し強く求めるべきと考えるものです。  十二月四日の全線開業の歴史に名をとどめることになる三村知事には、後世に何もしなかった知事との汚名を残してはならないと強く申し上げるものです。  浪岡地区のまちづくりについては、合併協議の過程で、青森浪岡二十一世紀まちづくり創造会議において決定した青森浪岡二十一世紀まちづくりビジョンにおいて、合併後、両地域の一体性を確保するため、既存道路の活用により新たなアクセス道路の整備を図ることとし、平成二十七年度を計画期間実施期限としております。  一方、浪岡地区内には約二十億円と見込まれる市道建設計画も取りざたされており、その取り扱いが新たなアクセス道路の整備実現に向けた青森市の対応とともに関心を持って見られております。これまで何度となく指摘してまいりましたが、私は、青森市が重点要望として継続して要望している青森空港有料道路の早期無料化が、新たなアクセス道路の整備実現のためには最も現実的な選択なのではないかと考えるものです。  青森市の応分の負担による一日も早い青森空港有料道路無料開放実現に向け、県はできるだけ早く青森市との協議、検討を開始すべきと考えます。また、無料開放実現までの間、割引クーポンや無料クーポンを発行するなど、青森市は浪岡地域の住民の空港有料道路通行に伴う利便性に配慮した事業を実施すべきとの考えも明らかにしておきたいと思います。  浪岡駅周辺地区を津軽地方の玄関口としてふさわしい地区形成を進めるため、そして、何よりも、合併してよかったとの実感を持っていただくために、青森市の英断とともに、県の対応を期待するものです。  そこで伺います。  一つ、新青森駅周辺地区について。  アとして、青森県の新たな玄関口として多くの人々を迎えることになる新青森駅周辺地区について、その将来像を伺います。  イとして、石江地区土地区画整理事業の保留地売却が進まない要因について伺います。  ウとして、保留地の売却を促進するためにも、周辺の市街化調整区域の開発を進めるべきと考えますが、県の見解を伺います。  二、浪岡地区のまちづくりについて。  アとして、浪岡都市計画区域マスタープランにおける浪岡駅周辺地区の将来像について伺います。  イとして、青森市と旧浪岡町との合併に伴う合併特例債の活用方策について伺います。  ウとして、合併協議において公約された新たなアクセス道路建設の取り扱いについて伺います。  次に、陸奥湾ホタテガイ高水温被害対策について伺います。  今夏の高水温による陸奥湾ホタテガイ養殖事業への影響については、正式な調査報告を待たなければなりませんが、深刻な被害は避けられないと見られております。九月半ばに入り、養殖事業者から現地視察の要請が立て続けに入りました。その報告内容は深刻な事態になりつつあることをうかがわせるものばかり、公明党青森県本部では、九月十六日に陸奥湾ホタテガイ高水温対策本部を設置、現地調査に着手いたしました。調査を進めるに従い、お盆過ぎには既にへい死が確認されていたことが明らかとなり、被害は陸奥湾全域に及ぶかつてない深刻な事態を予見させるものでした。  私は、国への支援要請が避けられないと判断、国会議員による現地調査を要請したところ、山口那津男公明党代表みずから調査のため来青、十月三日早朝には、漁業者の要請協力のもと、横山信一参議院議員とともに漁船に乗り込み、養殖海域での現地調査を行いました。九月中旬には稚貝のへい死割合が二割だったものが、二週間後の調査時点には八割に及んでいることが判明し、母貝に至っては、二百枚の中で生存が確認されたのはわずか二枚だけでした。現地調査や漁業者との懇談を通じ、出された課題を整理、県に対策を要請するとともに、国会での代表質問や農林水産委員会での質問を通じ、国による対策を求めたところです。  県は、事態の重要性にかんがみ、母貝確保対策のための基金造成に一億円の助成を専決したほか、再生産対策、共済・金融対策、生活支援対策、雇用対策などの対策方針を決定、現在、陸奥湾沿岸市町村や関係団体とともに対策に着手し始めております。私どもが調査を継続する中で、県の打ち出した対策に対する課題や要望なども寄せられており、その主なものについて県の対応を伺うものです。  一つ、漁業共済金の早期支払いについてですが、漁業共済金の早期支払いについては、国等に対し要請を行ったと聞いていますが、県の取り組みとその見通しについて伺います。  二つとして、生活支援対策についてでありますが、生活支援対策に関する市町村等の対応状況と県の支援体制について伺います。  三つ、被災者等に対する雇用対策について。被災者等の生活安定のため、雇用対策が重要と考えますが、県はどのように取り組み、どの程度の雇用を創出していくのか伺います。  四つ、水産加工対策について。ホタテ加工業者は、冷凍在庫の活用により操業時間の短縮などを行いながら事業を継続しておりますが、年内にはその在庫がなくなる可能性もあります。これから出荷時期を迎えるEU向け製品の製造にも支障を来すことは避けられないと見られており、EU市場から撤退するようなことにでもなれば、他の海外製品の進出を許すことになり、EU市場への出荷は難しい局面に至ることが懸念されます。  生産ラインを来年も稼働していくためには、原材料の確保が最重要の課題となっており、加工業者は、分散作業を通じ、現在進められている保有量調査の結果が、再生産体制維持の目安とされる三千トンを上回り、加工業の原材料確保が可能となるのかどうか、かたずをもって見守っている状況です。各事業者は、独自の営業努力により原材料となるホタテガイ確保に奔走しておりますが、民間事業者の独力だけでは原材料確保が困難な状況となりつつあり、関係機関や県による支援に期待する声が出始めております。  そこで伺います。  アとして、今後のホタテガイ加工業の見通しを立てるため、保有数量とともに、出荷計画の見通しについて迅速な情報提供が必要と考えますが、県の見解を伺います。  イとして、加工業者がホタテガイを調達できるよう、県が北海道へ働きかけるべきと考えますが、県の見解を伺います。  ウとして、今回の高水温被害で影響を受けるホタテガイ加工業者の既存借り入れについて、借りかえや条件変更が円滑に行われるよう金融機関に要請すべきと考えますが、県の対応を伺います。  五として、今後の環境変化の検討と生産者への情報伝達について、陸奥湾の環境変化の迅速な情報提供体制の確立を求める声が漁業者から出されております。異常高水温など陸奥湾のホタテガイ生産に影響を及ぼす環境の一時的な変化について、今後どのように検討し、その結果をどのように生産者に伝えていくのか伺います。  問い三として、地球深部探査船「ちきゅう」による下北半島・八戸沖掘削調査について伺います。  第二百六十回定例県議会及び第二百六十二回定例県議会一般質問に引き続き、再度、県の海洋政策の取り組みを伺うものです。  神奈川県横須賀市を本拠地とする海洋研究開発機構は、八戸東方沖約八十キロでの〇六年の掘削調査の結果を踏まえ、地球深部探査船「ちきゅう」による海底下二千二百メートルという世界最深部の掘削調査に挑戦すると聞いております。〇六年度の調査では、調査域に古細菌が大量に生息していることが明らかとなり、海底下の褐炭層に二酸化炭素を封じ込め、メタンハイドレートへの転換を図る技術開発の可能性が期待されています。  明年三月からの調査は、八戸市八太郎岸壁を拠点港湾として行われることから、物資や燃料調達などによる地元八戸市への経済効果が相当程度見込まれております。また、私の実家のある八戸市鮫町には、百分の一の模型を初めとする全国で唯一「ちきゅう」に特化した常設展示を持つ水産科学館マリエントがあり、県内外からの来館者に親しまれております。  新たな産業創出が求められている中での今回の国家プロジェクトです。三方に海を擁し、水産漁業を基幹産業の一つとする本県において、海洋政策の世界最先端技術の開発プロジェクトが繰り広げられるこの機会を海洋立県への足がかりにできるよう、積極的な情報収集と調査検討に着手していただくことを強く要望するものです。  そこで二点伺います。  一つ、地球深部探査船「ちきゅう」が下北半島、八戸沖での掘削調査を予定しておりますが、このことを県はどのようにとらえているのか伺います。  二として、海底下のメタンハイドレートのエネルギー源としての可能性について県の見解を伺います。  問い四、高等学校に在学する生徒への就職支援についてお尋ねいたします。
     私は、第二百六十回定例県議会において、高校卒業未就職者への継続した就業支援を求めるとともに、高校在学中の資格取得支援対策を講じるよう県に求めました。県は、その重要性を認識され、高校生の就業支援対策として、今年度新たに資格取得支援を柱とした就職スキル向上支援事業を開始いたしました。まだ手探りの高校が多い中、県立青森西高校では、あおもりコンピュータ・カレッジと連携するなど、積極的な取り組みも見られております。今後は、取り組み事例を紹介するなど、今年度の課題を踏まえたより実効性ある取り組みがなされることを期待します。  また、就業支援を目的としていることから、本事業は、就業結果が明らかになるまで継続して実施すべきと考えます。本年度は県立高校での事業実施となりましたが、来年度は私立高校においても同様の取り組みを行うべきと考えます。  そこで伺います。  一つ、高校生就職スキル向上支援事業についてですが、アとして、この事業の今年度の取り組み状況について伺います。  イとして、今年度の課題を踏まえ、今後どのようにこの事業を推進するのか伺います。  二、私立高等学校に在学する生徒に対する就職支援対策についてでございます。私立高等学校に在学する生徒に対する就職支援について県の取り組みを伺います。  問い五、ドクターヘリの運航体制について伺います。  県立中央病院の隣接地で建設工事が進められている完成間近の新救命救急センターを視察してまいりました。明年一月には県に引き渡される予定とのこと、新救命救急センター体制強化は、県保健医療計画において、県立中央病院を拠点とするドクターヘリ本格運航の条件とされております。平成二十三年度からのドクターヘリ全県カバーの本格運航開始に向け、いよいよ準備も加速することとなります。下北、津軽両半島や八甲田連峰を擁する広大な本県全域をカバーするドクターヘリ本格運航により、百三十八万青森県民の生命を預かる救命救急体制が飛躍的に向上するものと大いに期待するものです。  そこで、三点伺います。  一つ、平成二十三年度からの県立中央病院を拠点とする本格運航に向けた準備状況について伺います。  二、共同・分担運航に向け、どのような協議を行っているのか伺います。  三、北東北三県の県境における連携に向けて、隣県との協議を進めるべきと考えますが、県の見解を伺います。  問いの六、子宮頸がん予防対策について伺います。  ヒトパピローマウイルスを感染源とする子宮頸がんは、女性特有の予防できるがんとして知られており、その予防対策は将来の出産を控えた女性を守り、ひいては我が国の国力を維持する上で重要な国家戦略でもあります。私どもはこれまでも予防対策を講じるよう県に求めるとともに、意見書を提出するなど、国の取り組みを促してまいりました。その結果、接種率向上対策の一環として、検診無料クーポンの配布が昨年度全額国庫補助事業として実現、今年度は国庫負担額が半減されたものの、県、市町村の理解のもと、県内ほぼすべての市町村において引き続き事業を継続していただきました。  国においては、今月十九日、公明党が呼びかけ、自民党、新党改革とともに全額国庫補助を柱とした子宮頸がん予防法案を参議院に提出したところです。今年度の国の補正予算では、子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進臨時特例交付金として、ワクチン接種に係る費用の二分の一を予算化しておりますが、残る二分の一の市町村負担分は地方交付税措置されるとのことであります。市町村によって接種環境に違いが出ないよう、全額国庫補助措置すべきと考えます。また、子宮頸がん予防法案にもあるとおり、ワクチン接種に係る費用とともに、検診費用についても全額国庫補助措置すべきと考えます。  そこで二点伺います。  一つ、子宮頸がん予防ワクチンに係る国の補正予算について、本県の対象人員と費用を県はどのように見積もっているのか伺います。  二、子宮頸がん予防対策の推進に関する超党派の動きも踏まえ、ワクチン接種と検診費用については全額国庫負担とし、恒久的な制度とするよう国に求めていくべきと考えますが、県の見解を伺います。  問いの七、妊婦健康診査におけるHTLV-1抗体検査について伺います。  HTLV-1ウイルスは、成人T細胞白血病(ATL)や関連脊髄症(HAM)、関連ぶどう膜炎(HU)などを発症する治療方法が確立されていないウイルスです。一九九〇年に行われた疫学調査により、全国で約百二十万人のキャリアの存在が確認されており、そのうち九州が約六十万人を占めています。世界では約二千万人のキャリアがいるとの報告もあります。抗体検査で陽性と判断され、精密検査でキャリアと判断されても、発症率が低いことに加え、発症までに平均して五十年と言われているため、対策がなかなか進んでいない現状にあります。感染経路としては、授乳を通じての母子感染のほか、男性から女性への性感染、さらに輸血感染などが知られております。  輸血感染については、一九八六年十一月から抗体検査が講じられておりますが、それ以前に輸血を受けた方々は感染を全く否定することはできません。したがって、家族にHTLV-1ウイルスのキャリアがいる場合や心配な場合は、献血や生活習慣病検査など採血する機会に合わせ、抗体検査をしてもらうことが大切と考えます。参考までに申し上げれば、献血者に占めるHTLV-1抗体検査で陽性とされた方は、本県では、平成二十年度三十五人、二十一年度三十七人報告されております。この方々も自分がキャリアであることを知っていただくことが必要と考えます。  去る十月五日に行われたHTLV-1特命チームにおける決定を受け、HTLV-1抗体検査を妊婦健康診査の標準的な検査項目に追加するとともに、妊婦健康審査臨時特例交付金に基づく公費負担の対象とすることが厚生労働省雇用均等・児童家庭局長名で全国各都道府県に対し文書で通知されました。これにより感染拡大経路とされる母子感染予防につながるものと期待されます。  今回の国の決定を受け、抗体検査により陽性とされた方への相談体制など、各市町村での取り組みが必要になるものと考えます。  そこで三点伺います。  一、妊婦健康診査に対する公費負担の継続に係る県の見解を伺います。  二、妊婦健康診査におけるHTLV-1抗体検査の追加の状況と今後の普及啓発への取り組みについて伺います。  三、県内におけるHTLV-1母子感染予防対策の状況について伺います。  問いの八、障害児への医療療育体制について伺います。  去る十月二十日に開かれた第四回青森圏域等療育機能検討会議の席上、再生計画、療育部分の一部見直しが知事から示されました。施設利用者の家族等からの存続を求める要望書提出に紹介議員として立ち会った経緯もあり、計画案一部見直しとした県の見解について二点伺います。  一つ、青森圏域の地域医療再生計画において、あすなろ及びさわらび医療療育センターに診療所を併設する方針に至った経緯について伺います。  二、医療療育機能の充実も包含した総合的な施設の設置について、中長期的整備計画の検討に着手すべきと考えますが、県の見解を伺います。  最後の質問でございます。高齢者の地域における見守り体制についてでございます。  この夏、高齢者の所在不明問題が発端となり、見守りネットワークのシステム構築の必要性が急務の課題として浮き彫りになってきました。家族形態が大きく変わり、高齢者だけの世帯や独居世帯が急増する中、高齢社会を地域全体で支えるハード・ソフト両面にわたる体制整備が急務となっております。相談対応、生活支援、地域参加、居場所づくりによる孤立防止をキーワードとして対策を検討する必要があると考えます。地域包括支援センターをその支援拠点として機能強化を図るべきと考えます。  そこで二点伺います。  一つ、地域における高齢者の見守りに関する県の取り組みについて伺います。  二として、地域包括支援センターを中核とした見守りネットワークの構築を図るべきと考えますが、県の見解を伺います。  若干時間がございますので、議長のお許しをいただいて、自分の所感を申し述べて終わりたいと思いますが、本日入った情報で、来年度、財務省並びに厚生労働省は、基礎年金の国庫負担割合を現行の五〇%から三六・五%に引き下げる方針で調整に入ったとの情報が入りました。国民の生活を支えるこの年金制度の根幹を揺るがす内容でございまして、いわば今こそ民主党は政治主導というこの姿勢を発揮していただいて、国民の生活を守るこの年金制度の抜本的な対策に乗り出していただくよう、期待したいと考えます。  一方、先ほど民主党議員からございました政治は結果責任であるという言葉、私もそう考えます。先ほどの水稲、稲作を取り巻く農家の状況を考えるときに、農家の戸別所得補償制度、固定部分の支払いが始まっておりますけれども、変動部分についての支払いを早急に実施されるよう、これについても国に求めるべきと考えます。  さらには、沖縄普天間米軍基地移設問題、政治と金の問題、こういった点についても何ら決着が図られていない。民主党政権はこの国をどの方向に持っていこうとしているのか、今こそ政治主導で民主党政権の英断を望むものでございます。  以上で壇上からの質問を終わります。 48 ◯副議長(中谷純逸) 知事。 49 ◯知事(三村申吾) 伊吹議員にお答えします。  私からは、まず、陸奥湾ホタテガイ高水温被害対策のうち雇用対策についてであります。  このたびの高水温によるホタテガイ被害は、陸奥湾ホタテガイ養殖始まって以来の危機と私としては受けとめております。今回の被害が、本年のみならず、来年度以降の生産にも大きく影響することが懸念されておるわけであります。被災された漁業者の方々を初め、関連する加工業者やそこで働く方々の生活や雇用の安定を図ることが極めて重要であるとも考えるところであります。  特に減収を余儀なくされた方々の所得を確保し、就業機会を拡大していくためには、雇用の創出を図りつつ、陸奥湾ホタテガイ産業の早期復興にも結びつくような雇用対策に早急に取り組む必要があるものと考えます。  このため、緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用して、稚貝確保のため大量に追加投入します採苗器の作成を初め、へい死によりまして大量発生します貝殻の処理やナマコ等の増殖のための貝殻を活用した漁場の造成、また、地まき漁場の環境を改善するための漁場の耕うん、堆積物の除去などを内容といたします六事業を実施することとし、本議会に所要の予算を計上し、御審議いただいているところでございます。  これらの対策により来年三月までに延べ人数にいたしまして約一万一千人の雇用の創出を図ることとしているほか、市町村においても独自の雇用対策が講じられますことから、これらの取り組みを通じて被災された方々が来年度以降も陸奥湾ホタテガイ産業に従事していくことができるよう、再生産対策や生活支援対策などとあわせて取り組んでまいります。  子宮頸がん予防対策につきまして、このワクチン接種と検診費用についての全額国庫負担、あるいは恒久的制度とすることについての認識であります。  本県の、我々青森県の死因の第一位でありますがんによる死亡率を低減させますことは、本県の平均寿命アップを図る上で非常に重要であります。中でも、子宮頸がんにつきましては、ワクチン等の予防措置の早急な普及が効果的と考えております。  県としては、国民、県民が進んで子宮頸がん予防ワクチンの接種を受けるよう環境が整えられるべきとの考えから、さきの議会における御指摘も踏まえ、本県の呼びかけによって意見集約を行いました。そして、去る十月十九日付ですべての自治体で円滑に事業が実施されるため、全額国庫負担とするよう、他県とともに国に対して緊急要望を行ったところであります。  また、現在、市町村の努力規定にとどまっておりますがん検診につきましても、その実施が法的に明確に位置づけられ、かかる経費につきましても全額国庫負担とするべきと私どもも考えているところです。  県としては、がん予防施策を着実に実施するために、やはり国が前面に立ち、実施体制の整備と適切な財政措置等を講ずるよう、議員各位の御協力を仰ぎながら、国に強く要請していきたいと考えておりますので、今後とも何とぞよろしくお願い申し上げる次第であります。  続きまして、HTLV-1の妊婦健康診査に対する公費負担継続についての見解であります。  子供たちは、社会が生き生きとして輝いていく上での宝であり、その子供たちを産み育て、成長させることは、本県の未来をつくり上げることそのものであると考えるところであります。このため、私どものこの青森県基本計画未来への挑戦では、安心して子供を産み育てることができる環境づくりを推進することとし、親と子の健康増進施策として、妊産婦、新生児の健診や保健指導の充実を図ることなどを主な取り組みとして進めているところでございます。  妊婦健康診査については、妊婦の健康管理の充実と経済的負担の軽減を図るため、県では、国の平成二十年度第二次補正予算により妊婦健康診査支援基金を造成しまして、市町村に対し交付いたしましたことから、現在、県内全市町村において十四回の公費負担が実施されております。  同基金による事業は、今年度までの措置でありましたことから、私は重点施策提案として、恒久的な財源措置をするよう要望してきました。国では、平成二十二年度補正予算において妊婦健康診査支援基金を積み増しするとともに、来年度も公費負担を継続することとしており、本県におきましても、追加補正予算案として対応することといたしております。さらに、私は、今後も引き続き国に対して恒久的な財源措置について提案していく所存であります。  続きまして、あすなろ及びさわらび医療療育センターに診療所を併設するに至った経緯でありますが、青森圏域の地域医療再生計画は、周産期から療育まで切れ目ない医療を提供できる環境づくりを目的として、周産期医療の充実強化とともに、周産期以降の障害児医療については、関係機関の役割分担と受け皿の整備等によって安定的、継続的に医療を提供できる体制を構築することとしております。  計画の療育部分に係る具体的内容につきましては、ことし三月に利用者、関係機関、学識経験者等による青森圏域等療育機能検討会議を設置して検討してまいりましたが、特に県立施設が担っていく医療機能のあり方として、利用者からさまざまな御意見、御要望がございました。私は、利用者の皆様の声を真摯に受けとめ、医師不足やさまざまな課題を踏まえた上で総合的に判断した結果、今般、御要望に沿った形であすなろ医療療育センターには有床診療所を、さわらび医療療育センターには無床診療所を設置するという方針を去る十月二十日に開催いたしました第四回検討会議においてお示しいたしました。  この計画の療育部分は、重い障害を持って生まれたお子さんを、日々懸命にお世話されている親御さんたちから、将来高齢等で介護ができなくなったとき、このままでは我が子を安心して任せられる施設がないというこの切実な声を踏まえて策定したものでございます。  今後とも、利用者や関係者等の御意見を伺いながら、保護者の方々に安心していただけるよう、着実に計画を推進していく所存であります。  私からは以上です。 50 ◯副議長(中谷純逸) 総務部長。 51 ◯総務部長(田辺康彦) 一点目は、青森市の建設事業における合併特例債の発行実績でございますが、平成十七年度から二十二年度までの合計で百二十七億円余り、このうち浪岡地区に係る事業については、りんご貯蔵施設整備事業、浪岡体育館改築事業等五事業、計三十億円余となってございます。  次に、私立高等学校に在学する生徒に対する就職支援対策についてでございます。  全国的な雇用状況の悪化により、来春の新規高等学校卒業予定者に対する求人数は、私立、公立ともに依然として厳しい状況が見込まれてございます。このため、県では、今年度、私立高等学校に在学する生徒に対する就職支援対策として、就職に有利となる資格取得の支援事業等を行っている学校法人に対し、特色教育支援経費補助として事業の実施に係る経費を助成することとしたほか、私立高等学校が就職指導支援員の配置を希望する場合には、緊急雇用創出対策事業を活用し、その事業の実施を支援することとし、今回の補正でも所要の経費を予算計上しているところでございます。  県では、今後とも私立高等学校に在学する生徒に対する就職支援について、関係部局と連携し、積極的に対応してまいりたいと考えてございます。 52 ◯副議長(中谷純逸) 健康福祉部長。 53 ◯健康福祉部長(一瀬 篤) 最初に、ドクターヘリについて三点お答えいたします。  まず、準備状況についてです。  ドクターヘリについては、平成十九年度に青森県医療審議会での合意に基づき、県立中央病院を中心に県内の主要病院等の救急医療関係者が協力し合って運航することを決定したところです。しかし、県民の救命率を早期に向上させるため、県立中央病院の救命救急センターの施設、設備の充実を図るまでの間、暫定的に八戸市立市民病院を運航病院として運航を行うこととしたものです。  その後、今年度に入り、県のドクターヘリを最も効果的、効率的に運航していくため、平成二十三年度から県立中央病院を中心とした八戸市立市民病院との共同・分担運航を行うこととしたところです。  県立中央病院におけるドクターヘリの運用開始に向けた準備状況については、平成二十一年度にヘリポート整備を行い、今年度中に格納庫整備及び新救命救急センターの施設、設備の整備を行って、ハード面での整備を完了する予定のほか、医療スタッフに対する研修を行っております。また、県立中央病院では、ドクターヘリの運航を踏まえた新救命救急センターの人的な体制整備に努める等、ドクターヘリ運航に向けて準備を進めていると聞いております。  次に、共同・分担運航に向けての協議についてです。  共同・分担運航については、本年九月から県立中央病院、八戸市立市民病院及び県の三者による協議を続けてきたところであります。協議に当たっては、本県の救急医療体制の強化、充実のためにドクターヘリを最も効果的、効率的に運航することを大前提とした調整を行ってまいりました。その結果、共同・分担運航の開始を平成二十三年四月からとすること、両病院における運航期間は、おおむね年間半々とすることで合意が得られたところです。  なお、協議を進める中で、県立中央病院から、新救命救急センターの稼働開始とドクターヘリの運航開始が重なるため、救命救急センタースタッフのトレーニングや機器の調整等を行う十分な期間を確保できれば、万全の上にも万全を期した体制でドクターヘリを運航することができるとの申し出があり、三者間で前向きに協議を進めているところであります。  次に、県境における連携についてです。  ドクターヘリの運航について定めた救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法においては、都道府県の区域を超えた連携及び協力の体制整備が求められているところです。県といたしましても、各県のドクターヘリが、特に県境地域において相互に連携し、運航効果を高めていくことが極めて重要であると考えています。  現在、秋田県では平成二十三年度から秋田市に、岩手県では平成二十四年度から盛岡市にそれぞれドクターヘリを配備し、運航するよう検討を進めている状況と聞いております。  県といたしましては、両県の導入に当たっての検討状況を踏まえながら、今後、三県で協力しながら、事故等の発生地点や病院の医療機能などを踏まえた搬送のあり方、さらには災害時の出動体制等について、連携体制の構築に向けて具体的な検討を進めていきたいと考えております。  次に、子宮頸がん予防対策についてでございます。  国の平成二十二年度補正予算に計上されました子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進臨時特例交付金については、子宮頸がん予防ワクチンを初め、インフルエンザ菌b型、いわゆるヒブワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチンの三つのワクチン接種を市町村が実施する場合に、その費用の二分の一について、国から都道府県に基金造成費が交付され、県はその基金から市町村に対して、かかる経費を補助する事業であるとされておりますが、事業の詳細については明らかとなっておりません。  子宮頸がん予防ワクチンの接種対象者につきましては、十三歳から十六歳までの女性とされており、本県における人員は、平成十七年の国勢調査によりますと、約三万人となっております。  かかる経費につきましては、さきに述べました三種類のワクチンの経費配分等が明らかとなっていないため、子宮頸がん予防ワクチン分のみを推計することは困難ですが、県が行った各市町村への意向調査の結果、県内全市町村において実施予定としていることを踏まえ、対象年齢における全国と本県との人口比により国の予算をもとに推計しますと、三種類のワクチン全体で約二十四億円となり、国から約十二億円が県に基金造成費として交付されるものと試算しております。  次に、HTLV-1抗体検査について二点。まず追加の状況等についてです。  成人T細胞白血病等の原因となりますHTLV-1対策としましては、国は平成二十二年十月六日付で望ましい妊婦健康診査の内容にHTLV-1抗体検査を追加しました。あわせて妊婦健康診査支援基金に基づく公費負担の対象としましたことから、県においても青森県妊婦健康診査特別対策事業交付金交付要綱を改正して対応したところであります。  県内では、三十三の市町村が十月六日から公費負担の適用とし、平成二十三年一月からは、残る市町村すべてにおいても公費負担の適用ができるように準備を進めております。  また、妊婦が適切に妊婦健康診査を受診できるよう、妊婦健康診査において検査を実施する意義等について市町村とともに普及啓発を進めてまいります。  次に、母子感染予防対策についてです。  今年度、国では、母子感染予防のための保健指導、カウンセリングの体制づくりとしまして、医師向け、保健師等向け対策マニュアルの作成や妊婦向け周知用リーフレットの作成、HTLV-1対策研修会の実施を予定しています。  県では、医療機関、市町村と連携をとりながら、国が作成するマニュアルやリーフレットを活用するとともに、保健所において実施している女性の健康相談等の活用により保健指導体制の充実を図ってまいります。  次に、医療療育体制についてです。  今後の医師不足の改善状況等を踏まえつつ、障害児への総合的な医療療育体制に関する未来のあるべき姿について検討していくものと考えますが、現段階では、まず、青森圏域等における地域医療再生計画の計画期間内の着実な推進と実現に全力を尽くしたいと考えております。  次に、高齢者の見守りについて二点です。  まず、県の取り組みについてです。  県では、従来から地域におけるひとり暮らし高齢者の孤立防止に取り組む必要性を認識し、市町村が行う高齢者の見守りや訪問活動に対して支援するほのぼのコミュニティ21推進事業を実施しているところです。  また、地域包括支援センターにおける相談支援、民生委員による相談訪問活動、老人クラブの友愛訪問などの高齢者の孤立化防止の取り組みについても支援してきております。  次に、地域包括支援センターについてです。  地域包括支援センターにはさまざまな機能がありますが、その一つとして、高齢者の心身の状況や生活の実態等を幅広く把握し、ニーズに応じて、保健・医療・福祉サービスの利用につなげたり、関係機関へ橋渡しする等の支援を行う機能が挙げられます。  これらの支援については、民生委員や社会福祉協議会等、地域のさまざまな社会資源との連携が不可欠であることから、地域包括支援センターは、日ごろから関係機関との間でネットワークの構築を行っており、地域の見守り活動の中核となることが期待されています。  県は、地域包括支援センター機能の充実を目指して、毎年地域包括支援センター職員研修を実施してきており、今後ともセンターの設置主体である市町村と連携しながら、全国の優良事例を紹介する等して地域の見守りネットワーク構築の支援を行ってまいりたいと考えております。
    54 ◯副議長(中谷純逸) 商工労働部長。 55 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 陸奥湾ホタテガイ高水温被害対策のうち、高水温被害で影響を受けるホタテ加工業者の借りかえや条件変更が円滑に行われるよう金融機関に要請すべきについてお答えいたします。  ホタテガイの水揚げ量減少は、これを原料として操業するホタテ加工業者の経営に大きな影響を与えることが懸念されるところでございます。このため、県では、経営安定化サポート資金において、通常の利用枠とは別枠で利用可能な災害枠を今回の高水温被害の影響を受けるホタテ加工業者等に適用するとともに、その融資限度額を一億円に拡充するなどの対策を講じたところでございます。  また、年末・年度末金融対策として、経営安定化サポート資金の借りかえ枠の創設や県特別保証融資制度の既存借り入れに係る融資期間の特例延長など、ホタテ加工業者を含む県内中小企業を対象とする既存借り入れの負担軽減措置もあわせて、去る十一月八日から実施してきております。これらの対策の利用促進を含め、県内中小企業の金融円滑化につきましては、先般開催した制度金融運営協議会の場におきまして、各金融機関に対し、積極的な活用を要請したところでございます。  県としては、年末、年度末の資金需要期を控え、今回の高水温被害の影響を受けるホタテ加工業者の既存借り入れの借りかえや条件変更が円滑にされるよう、今後ともあらゆる機会をとらえまして金融機関に協力を要請してまいります。 56 ◯副議長(中谷純逸) 農林水産部長。 57 ◯農林水産部長(有馬喜代史) ホタテガイ高水温被害対策に関しての御質問五点にお答えいたします。  最初に、漁業共済金の早期支払いとその見通しについてです。  ホタテガイ養殖業に係る特定養殖共済の共済金については、漁業者の本年の生産金額が確定し、補償水準を下回った場合に、共済責任期間の終了日から約三カ月後に支払われることとなっており、本県の加入者の多くは、その期間の終了日が十二月となっていることから、通常、平成二十三年三月末ごろに支払われることになります。  県では、去る十月に国及び青森県漁業共済組合等に対して、できるだけ早く共済金の支払いが行われるよう要請してきており、その結果、共済組合からは、被害漁業者からの要望に応じて、共済事故による損失または損害の認定を急ぐなど、適切に対応するとの意向が示されているところです。  次に、生活支援対策の市町村等の対応状況と県の支援体制についてです。  市町村等の生活支援対策としては、市町村民税及び国民健康保険税の減免及び徴収猶予のほか、市町村社会福祉協議会が窓口となって行う生活福祉資金の貸し付けなどがあり、高水温によりホタテガイに被害を受けた市町村では、相談窓口を設置して被災した漁業者や加工業者からの相談に応じているところです。  県としては、これらの生活支援対策を適切に講ずるよう市町村と関係機関へ通知したほか、十一月九日には、県と被災市町村の連絡会議を開催し、被害対策について情報を共有するとともに、税の減免等に関する留意点などについて説明したところです。今後も連絡会議の開催などを通じて市町村との連携を強化していきます。  次に、ホタテガイ加工の見通しを立てるための保有数量や出荷計画などの情報提供についてです。  陸奥湾内の養殖ホタテガイの保有数量については、十一月二日から十一月十七日まで実施した現地調査や現在各漁協が取りまとめしている全養殖業者からの聞き取り調査の結果をもとに把握することとしています。  県としては、生産者団体が水産加工業者への出荷計画を早期に示すことができるよう、実態調査結果をできるだけ早く取りまとめ、生産者団体に提供していきます。  次に、加工業者がホタテガイを調達できるようにするための北海道への働きかけについてです。  県では、原料が不足している加工業者が、原料確保やホタテガイ以外の加工製品への転換を支援する国の水産加工原料確保緊急支援事業を積極的に活用し、北海道などから加工原料用のホタテガイの円滑な調達が可能となるよう、関係団体と連携して取り組んでいるところです。  一方で、北海道においても、水揚げが例年より下回り、価格が高騰しているとの情報があるものの、本県の加工業者が原料を確保できるよう、北海道庁や道内関係団体に対して働きかけているところです。  最後に、ホタテガイ生産に影響を及ぼす環境変化についての検討と生産者への伝達についてです。  陸奥湾内の水温等の環境については、現在、湾内三カ所に設置している海況自動観測システムのデータに基づいて、地方独立行政法人青森県産業技術センター水産総合研究所が陸奥湾海況情報やホタテガイ養殖管理情報としてファクスにより各漁協へ伝達しているほか、水産総合研究所のホームページを通じて情報提供しています。  今後は、陸奥湾に流れ込む日本海の水温分布や天気予報における気温の予測などに基づき、陸奥湾内の水温が上昇する以前にその変化を予測する手法の開発を検討していくとともに、これらの情報がインターネットや携帯電話を通じて漁業者に確実に伝わるよう、漁業協同組合を指導し、ホタテガイの適切な養殖管理に努めていきます。 58 ◯副議長(中谷純逸) 県土整備部長。 59 ◯県土整備部長(竹内春繁) まちづくりに関します御質問五点についてお答えいたします。  最初に、新青森駅周辺地区の将来像についてでございます。  現在、県では、市町村と連携しまして、都市計画の基本的な方向性を示す都市計画区域マスタープランの全県的な見直しを行っており、青森都市計画区域につきましても、今月から住民への説明会を開催するなど、見直しの手続を進めているところでございます。  同マスタープランには、目標とする市街地の将来像等が記載されておりますが、今週末に開業を迎える東北新幹線新青森駅の周辺地区につきましては、県内他都市、道南地域とを結ぶ広域交流の玄関口としてふさわしい地区形成を進める地区と位置づける予定としております。  また、青森市としても、交通ターミナル機能に加えて、中心市街地との役割分担を踏まえた一定規模の商業施設や宿泊施設等の立地誘導、青森らしさを象徴する景観誘導などを進めることとしているところでございます。  次に、石江地区土地区画整理事業の保留地売却が進まない要因でございます。  石江地区土地区画整理事業につきましては、施行面積四六・二ヘクタールのうち、十八区画の三・九ヘクタールを保留地として定めております。これまでに二区画の〇・八ヘクタールが売却されましたが、全体の約二割にとどまっております。売却が進まない要因としましては、近年の経済不況などが企業の投資意欲に影響を及ぼしているためと考えられます。  東北新幹線全線開業後の人口交流の増加等に伴い、売却が進むことを期待しております。  次に、周辺の市街化調整区域の開発を進めるべきとの考えについての見解でございます。  青森都市計画区域におきましては、都市づくりの基本理念を新たな市街地の拡大抑制と既存ストックの有効活用を基本とした人と環境にやさしいコンパクトシティーと掲げる予定としております。このため、新青森駅周辺地区につきましても、石江土地区画整理事業区域を含む現市街地の有効活用を推進することによりまして地域の活性化を図ることとしており、その周辺の市街化調整区域につきましては、新たな開発を抑制することとしております。  次に、浪岡駅周辺地区の将来像についてでございます。  浪岡駅周辺地区の将来像につきましては、現在見直しを進めている都市計画区域マスタープランにおいて、津軽地方の都市との近接性を生かした津軽地方の玄関口としてふさわしい地区形成を進めるため、駅前交流施設等の充実を図りながら、都市拠点として商業・業務機能の充実強化を図ることとしております。  最後に、合併協議において公約された新たなアクセス道路建設の取り扱いでございます。  青森─浪岡間の新たなアクセス道路建設につきましては、これまで青森市から具体的な要望が出されておりませんでしたので、現時点では検討しておりませんが、県としましては、青森市から具体的な要望、提案が出された時点で検討していきたいというふうに考えております。 60 ◯副議長(中谷純逸) エネルギー総合対策局長。 61 ◯エネルギー総合対策局長(阿部耕造) 御質問二点にお答えいたします。  まず、地球深部探査船「ちきゅう」による下北半島、八戸沖での掘削調査についてです。  地球深部探査船「ちきゅう」による下北半島、八戸沖での掘削については、独立行政法人海洋研究開発機構が文部科学省の最先端研究基盤事業として実施するものでございます。  同機構では、平成十八年にも同海域において海底下六百四十七メートルまで掘削し、その際の試料解析により、本海底下に古細菌と呼ばれる微生物が優占的に存在する巨大生命圏があるとしております。  本事業では、さらに海底下二千二百メートル以深まで掘削し、海底下生命圏とその役割、海底下深部におけるCO2の挙動、微生物によるCO2のエネルギー変換過程等を解明することにより海底褐炭層を活用した二酸化炭素貯留・エネルギー生成システムの可能性を評価するとともに、我が国独自のCO2海底隔離技術を開発し、低炭素社会の実現を目指すものと承知しております。  海洋資源につきましては、国では、海洋基本計画に基づき、政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策として海洋資源の開発及び利用の推進を掲げて取り組んでいるところであり、本県といたしましても、国等との適正な役割分担のもと、本県のすぐれた資源であります海洋のポテンシャルが十分に生かされるよう、関係部局と連携し、今後とも国からの情報収集に努めるなど、本調査研究の推移を見守っていきたいと考えております。  次に、メタンハイドレートのエネルギー源としての可能性についてです。  国では、平成二十一年三月、海洋基本計画に基づく海洋エネルギー・鉱物資源開発計画を策定し、この中でメタンハイドレートの開発計画を定めており、平成二十年度までの基礎研究段階の成果を踏まえ、これからの十年程度の期間で生産技術等研究実証段階と商業化の実現に向けた技術の整備段階に分けて技術開発を推進していくこととしております。  メタンハイドレートは、我が国の海域でも南海トラフ海域で相当量の賦存が見込まれておりますが、燃える氷と称されるように、地層中に固体の状態で賦存していることから、安定的かつ経済的に生産するためには、新たな技術開発が必要とされているところです。  また、環境に及ぼす影響としても、地盤沈下、海底地滑り等の地形変化、海底に生息する生物への影響、大気へのメタンガスの大規模な放出の可能性等、解決すべき多くの課題があります。  これらのことから、県としては、エネルギー源としての活用可能性について、国による今後の技術開発の動向や知見の蓄積等を注視していきたいと考えております。 62 ◯副議長(中谷純逸) 教育長。 63 ◯教育長(橋本 都) 御質問二点にお答えいたします。  就職スキル向上支援事業の取り組み状況についてです。  各県立高等学校では、専門高校を中心に、これまで生徒の資格取得に向けたさまざまな取り組みを行ってきましたが、昨今の厳しい雇用情勢の中、就職を希望する生徒の進路志望を達成するため、今年度から高校生就職スキル向上支援事業を実施しております。  本事業では、就職希望者が多く、就職内定率を高めるための支援を要する普通高校及び総合高校において、簿記、危険物取扱者、情報関係などの就職に有利となる資格取得講習会を、各学校が生徒のニーズに応じて休業日等を利用して実施しております。  これらの講習会には、十月末現在、十七校、延べ七百六十二名の一年生から三年生までの生徒が参加したところであります。受講した生徒からは、資格取得のための学習を通して自分の将来像を明確にすることができたなどの声が寄せられており、生徒のスキルアップに役立つとともに、就職に対する意識の向上につながっているものと認識しております。  次に、今後のこの事業の推進についてです。  県教育委員会では、今年度から生徒の資格取得を推進し、就職促進に取り組んでおりますが、雇用情勢が一層厳しさを増す中にあって、企業が求める望ましい人間関係を構築する力など、基盤となる能力や態度をはぐくむことがますます重要となってきております。  このため、専門高校を含めたすべての高校の生徒一人一人がコミュニケーション能力の向上を図るなど、望ましい勤労観、職業観を身につけるための取り組みの充実が求められており、就職支援対策をより一層強化する必要があるものと考えております。  県教育委員会といたしましては、厳しい雇用環境の中、生徒が進路志望を達成できるよう、今後とも関係部局や関係機関と連携し、各学校の支援に努め、就職指導の一層の充実を図ってまいりたいと考えております。 64 ◯副議長(中谷純逸) 伊吹議員。 65 ◯二十番(伊吹信一) それでは、再質問及び要望したいと思います。  まず、ドクターヘリの運航体制についてでございます。再質問でございます。  平成二十三年四月に予定されている県立中央病院の新救命救急センター稼働開始をもって本県ドクターヘリの本格運航開始と考えていいのかどうか、県の見解を伺います。  続いて、陸奥湾ホタテガイ高水温被害対策についてでございます。  生産・養殖事業者とともに、この養殖事業を支える加工業の経営安定対策が喫緊の課題となっております。再生産体制維持の前提となります三千トンのホタテガイ確保がもし難しいとなった場合、加工業の原材料調達は極めて見通しが不透明な状況となっていくものと思われます。それにより加工業者はおのずと経営危機に直面することは避けられないのではないかというふうに危惧されているところであります。  先般、加工業者のところを私も訪問しながら現地調査してまいりましたけれども、先ほど答弁でもありました、北海道等に調達に行っておりますけれども、もう既に価格が上がってきていることと、むしろほかの魚種の価格が上がっていることによって、ホタテガイに余り手を出していないという市場のいろんな状況等もあるみたいで。民間企業だけが乗り込んでいっても、なかなかその調達が難しい状況にさらされているということでございます。したがいまして、県のそうした調達に向けた支援の声が強く上げられておりました。  現在、県が推奨しておりますホタテガイ以外の魚種への転換は、新たな設備導入を伴うこととなります。ホタテガイ加工に特化したラインで操業している加工業者にとっては、直面している現在の課題解決の対策としては、事実上難しい現状にあるという声もございます。また、制度面においても、連鎖倒産を防止する経営セーフティー共済はありますが、今回のような自然災害による原材料調達減少のリスクヘッジ対応とはなっていないため、ホタテガイ加工業が直面している経営安定のための支援制度は今のところないとの説明を県担当課から受けたところでございます。  陸奥湾ホタテ養殖事業は、養殖事業者と加工業者の両輪によって成り立っており、再生産体制維持のみならず、それを支える加工業の経営維持、安定もまた図られなければなりません。経営安定に向けたリスクヘッジをどう図るのか、関係部局連携のもと検討を急ぎ、新たな制度創設を国に求めていただくよう要望いたします。  そこで再質でございますが、まず、原材料調達が天候等に左右されるホタテガイ加工業者のためにリスク軽減のための対策を検討すべきと考えますが、新たな制度創設も含めて県の見解を伺いたいと思います。  いま一つは、再生産体制維持の三千トンの数字が確保できるかできないのか。この辺の見通しが一日も早く情報が欲しいという声でございますが、もしその現状がわかった段階で、三千トンなかなか難しいとなった場合であっても、ある程度再生産体制を維持することを最優先する前提の上で、加工業にも一定程度の原料調達をしていく必要があるのではないかというふうにも思いますけれども、この点について県の考えを伺っておきたいというふうに思います。  障害児への医療療育体制についてでございます。これは要望にしておきます。  今回の青森圏域の地域医療再生計画は、関係者それぞれの事情が異なることもあり、意見集約が難しかったものと受けとめております。できれば平成二十五年度までに計画を完了しなければならないとの時間的制約にとらわれず、養護学校のあり方も含め、時間をかけ総合的に検討すべきだったのではないかとの思いを強くしているところであります。現在、対象児童が増加傾向にあることを考えれば、あすなろ及びさわらび医療療育センター医療療育機能の充実も包含した総合的な施設の設置について、中長期的整備計画の検討着手は避けられないというふうに私は考えるところでございます。  県政を見ておりますと、目の前の課題に対応することは得意ではございますけれども、中長期的な視点での取り組みにいま一つ欠ける点があるというふうに考えます。この点については、県立高等学校の再編計画、第三次が行われておりますが、第四次の推進も視野に入れながら連携して、この点をしっかりと進めていただきたいというふうに要望しておきたいというふうに思います。  それと最後、青森都市計画区域のマスタープランの件でございます。この話については、特に市街化調整区域の取り扱い、先ほど部長からは、全く考えていないという答弁で、非常に残念でなりません。そもそもこの市街化調整区域の区域指定というのは、その時代、時代のニーズに応じて取り扱われるべきものであって、今は、この新幹線新青森駅を中心とし青森市の経済的な振興対策を講じなければいけない。こうしたときに何も手を打たずにこのままでいいのかという思いを私は禁じ得ないのであります。多くの経営者がそうした思いを持っております。私も、多くの経営者、あるいは先ほど午前中、成田議員からもありました。新青森駅前に青森ならではの市場のような食あるいはお土産といったものを提供するようなものをつくりたいという、そうした声があります。新青森駅前にそうした計画を考えている方もいますが、さまざまな制約があり過ぎるということで、なかなかそれを正面切っていい出せないという経営者の方もいらっしゃる。これは、確かに一時的には市の問題かもしれません。だけれども、県都であることは間違いありません。県としても、これはこのまま公聴会を経て県の都市計画審議会でよしと、了とするという手続で本当にいいんだろうかということを私はあえて申し上げておきたいというふうに思います。  この件について、今回、地元紙あるいはテレビ局等で新幹線開業の歴史的な経緯をずっとさまざまな角度で掘り下げた内容が報道、あるいは記事が掲載されておりました。この議場にいる山内和夫議員を初めとする大先輩の方々が、むしろ直接かかわりを持ち、または見聞きしてきたことであろうかと思います。これまでJRがあの石江地域にこの新駅設置を決めた経緯、そしてそれに対する地元の反応等、複雑な内容がずっと報道されておりますけれども、そうしたことが今もって新駅の取り扱いについて引きずっているような気がしてならないのであります。今新たなスタートを切ろうとしているときに、この新駅については、ぜひこの新駅と現駅とのこの全体を俯瞰するような都市計画のあり方というものをしっかりと検討すべきと考えます。  そこで、再質を最後に一点させてください。  先ほどありました午前中のやりとりを聞いていますと、開業効果が実感できればまた変わってくるんではないかといった、いわば保留地の売却問題についての答弁がありましたけれども、売却問題ではありませんが、この市街化調整区域の取り扱いについて、もし今後、開業後、市民ニーズの声が高まり、そしてまた、そうした意欲を見せる事業者の動きが活発となってきたときには、この市街化調整区域の見直しについて、この都市計画区域マスタープランの考え方としては、おおむね五年ごとに見直しが行われるが、必要があれば随時の見直しも可能と県はしておりますけれども、県として、その市街化調整区域の取り外しを再検討することは可能なのかどうなのか伺っておきたいと思います。  以上です。 66 ◯副議長(中谷純逸) 健康福祉部長。 67 ◯健康福祉部長(一瀬 篤) ドクターヘリに関します再質問にお答えいたします。  本県のドクターヘリにつきましては、平成二十年七月に改定しました青森県保健医療計画におきまして、県立中央病院の救命救急センターの充実を条件として、同病院を中心とした救命救急センターを有する病院の協力関係を構築し、運航すると位置づけられております。  県立中央病院の新救命救急センターは、平成二十一年度から二十二年度の二カ年で整備し、スタッフの充実も図り、平成二十三年四月から稼働することとしておりますが、県といたしましては、この新救命救急センターが稼働することにより、県保健医療計画に定めている要件が満たされるものと考えております。  その後の環境変化等を踏まえまして、現在、県立中央病院を中心とした八戸市立市民病院との共同・分担運航の協議を進めておりますが、この協議が調い、平成二十三年四月からの共同分担運航という新たなシステムによる運航が開始されれば、それが本格的な運航のスタートとなるものと考えております。  したがいまして、平成二十三年四月に予定されております県立中央病院の新救命救急センターの稼働開始をもって、本格運航開始となるものと考えております。 68 ◯副議長(中谷純逸) 農林水産部長。 69 ◯農林水産部長(有馬喜代史) 再質問二点にお答えいたします。  最初に、ホタテガイ加工業者のリスク軽減のための対策の検討についてです。  現在、養殖ホタテガイ加工業の安定化に向けた対策については、陸奥湾ホタテガイ高水温被害対策専門家委員会で検討していただくこととしています。その検討結果を踏まえて、新たな制度について、国への提案も含めて対応してまいります。  また、再生産対策を前提としながらも、加工業への原料の供給という点についてでございます。  まずは実態の調査結果の取りまとめを急ぎまして、再生産対策と加工業の原料確保の双方にも配慮していかなければならないと考えています。漁業団体等との協議を続けてまいりたいと思います。 70 ◯副議長(中谷純逸) 県土整備部長。 71 ◯県土整備部長(竹内春繁) 市街化調整区域の見直しについてでございますが、県としましては、新幹線開業後における周辺地区の土地利用の具体化の推移をいましばらく見守ってまいりたいと考えているわけでございますが、今後、青森市を取り巻く環境などに大きな変化があった場合などについては、いろいろ検討がなされていくのではないかというふうに考えてございます。  以上でございます。(伊吹議員、「見直すのか、見直さないのか、それだけ答弁ください」と呼ぶ)  今の時点では見直しは考えてございません。 72 ◯副議長(中谷純逸) 三十分間休憩いたします。 午後三時二十八分休憩     ─────────────────────── 午後四時再開 73 ◯議長(長尾忠行) 休憩前に引き続いて会議を開きます。  一般質問を続行いたします。
     四十二番田中順造議員の登壇を許可いたします。──田中議員。 74 ◯四十二番(田中順造) 自由民主党の田中順造であります。  所見を述べながら、通告に従い一般質問を行います。  ことし平成二十二年度は、中国・上海万博での青森ウイークの開催や、あと五日に迫った東北新幹線全線開業に向けてのさまざまな取り組みなど、国内はもとより、世界に向けて青森県を発信する絶好の機会に恵まれた年となりました。  東北新幹線は、くしくも真冬の開業ということになりましたが、日本銀行青森支店の第九代支店長である吉田満氏は、著書「青森賛歌」で次のように述べています。いわく、「津軽の四季の頂点は冬である。真冬である。」に始まり、「津軽の冬は、北国らしい景観だけに生きているのではない。津軽人の美質、例えば辛抱強さ、律儀さは、もっぱら冬によって育まれたとさえ思われる。」と続き、「冬は醇朴硬質な津軽の風土を結晶させた季節である。」と論じています。  十二月四日の全線開業は、まさに青森県の新たな門出にふさわしい季節であり、生活創造社会の実現の起爆剤になるものと確信しつつ、以下質問を行います。  現在、県では、平成二十三年度当初予算の編成作業の真っただ中であります。思えば、平成二十二年度の当初予算は、民主党政権が行った事業仕分けに代表されるさまざまな見直し、制度変更といった状況の中で、前年度と比較して基金取り崩し額の半減や県債発行額の抑制など、財政健全化を進めつつ、国では一五・三%の削減とされた公共事業関係費の減少幅を半分以下にとどめたほか、六千人規模の雇用の拡大、創出の取り組み等も進めながら、前年度とほぼ同額の予算規模を確保しました。さまざまな御苦労があったものと推察いたします。  平成二十三年度の当初予算は、行財政改革大綱に掲げる財政健全化目標の実現に向けた集中取り組み期間の最終年度でもあります。そのような中、子ども手当の地方負担やひもつき補助金の一括交付金化など、国の動向は今なお流動的な要素をはらんでおります。  そこで伺います。国の予算編成や制度見直しが本県予算編成に与える影響と県の対応について伺います。  次に、青森県基本計画未来への挑戦の推進についてお伺いします。  現在、本県を取り巻く環境は、依然として厳しい雇用情勢、少子化、高齢化を伴った人口減少の進行など、対応すべき深刻な課題が山積しております。とりわけ産業・雇用面の弱さは古くから本県が抱える課題であり、何とかして青森県をよくしたいと、これまでも多くの先人たちが長年にわたり真剣に取り組んできたという歴史があります。  こうした中で、県では、平成二十一年度から青森県基本計画未来への挑戦をスタートさせ、本県の強み、地域資源を見詰め直し、これらを最大限に生かした生業(なりわい)づくりに取り組むという挑戦を始めたわけであります。計画の推進に当たっては、取り組みの重点化を図るための仕組みとして、戦略キーワードを毎年度設定することとしており、今年度は、雇用の創出、拡大、あおもり型セーフティーネット、新幹線全線開業元年、あおもり「食」産業、「子ども」総合支援の五本を柱として、厳しい経済・雇用情勢に配慮し、産業の活性化や雇用の創出に積極的に取り組むとともに、県民生活の安全・安心を守るための施策にも取り組んでいます。  また、この計画では、県内の各地域が持つ資源、特徴を生かし、地域が進む道筋を示す地域別計画も策定し、それぞれの特性に応じた取り組みが進められているところであります。  東北新幹線全線開業を迎え、青森県にとっては、いよいよ高速道路、空港、新幹線と、産業振興に存分に取り組むことのできる高速交通基盤が整います。このチャンスを青森県の飛躍につなげていくためにも、基本計画をしっかりと推進し、未来に挑戦していくことが重要であると考えます。  このような観点から、基本計画の推進に当たり、戦略キーワードを柱としたこれまでの取り組みと成果について、そして地域別計画の推進に向けた地域県民局の取り組みと成果について伺います。さらに、これらを踏まえた上で、平成二十三年度予算編成に向けた戦略キーワード設定の考え方を伺います。  次に、雇用の創出、拡大への取り組みについてお伺いします。  県では、緊急雇用創出対策事業やふるさと雇用再生特別対策事業を活用して雇用の創出に取り組んでおり、特に今年度は、重点分野雇用創造事業を積極的に活用し、重点分野での雇用の創出や地域の人材育成に力を入れていると伺っておりますが、まさに時宜を得た取り組みだと思います。国の経済対策においても、重点分野雇用創造事業が拡充されましたが、県としても基金事業を積極的に活用し、県内の雇用創出に一層取り組んでいくべきであると考えます。  そこで、次の二点について伺います。  一点目として、本年度における重点分野雇用創造事業の実施状況についてお伺いします。  二点目として、重点分野雇用創造事業が拡充されたことに伴い、この事業を活用した雇用の創出に一層取り組むべきと考えますが、県としてどのように対応していくのかお伺いします。  次は、あおもり型セーフティーネットの取り組みについてであります。  全国で医師不足や地域・診療科間での偏在が課題となっている中、とりわけ産科医不足や分娩の休止が問題となっており、先般、新聞報道にありましたが、私の地元である上十三地域においても、分娩を休止する医療機関が出ており、産科医療の確保が危ぶまれております。本県において安心して赤ちゃんを産み育てる環境を守るためには、このような厳しい状況を踏まえながらも、どこに住んでいても安心して出産できるような産科医療体制を確保することが必要であると考えます。  そこで、上十三地域において分娩を休止する医療機関が出ているが、県ではどのように対応しているのか、また、産科医療の確保にどのように取り組んでいるのかお伺いいたします。  次に、新幹線全線開業元年に係る取り組みについて伺います。  あと五日で青森県にとって新たな歴史の一ページが開かれる日を迎えます。まことに喜ばしく感じるとともに、知事を初め関係者の方々の長年にわたる御努力に対し、改めて心から敬意を表する次第です。  県内では、既に駅舎等の整備が完了し、開業当日のセレモニーやイベントの準備も着々と進められており、あとは開業を待つばかりとなりました。また、各地域におけるさまざまな取り組みについても連日のように報道されており、県内の機運も盛り上がりを見せています。私も一県民として十二月四日を心待ちにしているところです。  県では、東北新幹線全線開業を契機に、青森県の魅力を強力にアピールしようと大型観光キャンペーンを展開しています。先月から今月にかけては、東京において「とことん青森MAXin原宿表参道」が開催され、青森ねぶたの運行を初め、各種イベントが大変盛況だったとのことで、これが開業後の誘客等に大きな効果をもたらしてくれることを期待するところであります。  上北地域におきましても、新たに七戸十和田駅が誕生し、開業後は多くのお客様が同駅を訪れることとなりますが、これを七戸十和田エリアの観光振興につなげていくためには、新駅と観光地とを結ぶ二次交通の充実や多彩な観光メニューの構築など、観光客の受け入れ体制の整備が重要であると考えます。  そこでお伺いします。  先般開催された「とことん青森MAXin原宿表参道」において、県がどのような手ごたえを感じているのか伺います。  二点目として、七戸十和田駅からの観光客向けの二次交通の充実に向けた取り組み条件について伺います。また、七戸十和田地区における東北新幹線全線開業効果の継続的獲得に向け、県はどのように取り組んでいくのか伺います。  私は、一方で、新幹線の全線開業に伴い、青森、三沢両空港の利用客が減少するのではないかという心配を抱いております。本県の振興のためには、新幹線のみならず、空港路線も不可欠であり、今こそ航空需要の拡大と利用促進に取り組んでいくことが必要であります。  そこで、東北新幹線の全線開業は青森、三沢両空港の国内線に影響を及ぼすものと考えますが、県では利用促進に向けてどのように取り組んでいくのかお伺いします。  次に、上海万博青森県ウイークについて伺います。  十月三十一日に閉幕した上海万博は、開幕期間六カ月の累計入場者数が七千三百八万人に達し、一九七〇年の大阪万博の最多記録を塗りかえました。万博史上最多の二百四十二の国と国際機関が参加した上海万博において、青森県も七月と十月の二回にわたってPRを行い、大好評であったとの報道がなされております。  中国は、今後、観光客の誘致や県産品の輸出において大きなマーケットと有望視されており、三村知事みずからも、二回上海へ足を運ばれたとのことですので、お伺いします。  県では、上海万博青森県ウイークにどのように取り組み、今後、どのように生かしていくのか伺います。  次に、青森の「食」産業の推進についてであります。  本県の農林水産業は、蓄積された技術や夏季冷涼な気候などの特性を生かした優位産業であります。また、一次産品以外でも、加工品や伝統料理、最近話題の御当地グルメなど、全国に誇れる食がたくさんあります。私の地元十和田市で生まれた十和田バラ焼きも、ことし九月に開催されたB-1グランプリで、初出場ながら八位に入賞するなど、これから大いに期待される御当地グルメであります。  これから新幹線を利用して多くの観光客が訪れることとなりますが、観光という非日常的な場面においては、その土地ならではのおいしいものを味わいたいという旅行者のニーズは大変高いと言われています。そのため、本県のすぐれた農産物やその加工品、御当地グルメなどを、県内だけでなく、首都圏など県外へ広くPRしていくことが重要であると考えます。  そこで、東北新幹線全線開業効果を生かした県産品の販売について二点伺います。  一点目は、県外における県産品の販売拡大に向けたフェアなどの開催はどうなっているのかお伺いいたします。  二点目は、御当地グルメなどの地域の名物料理を県内外にどのように宣伝していくのかお伺いします。  続いて、産地直売施設についてであります。  産直施設は、新鮮な農産物が手ごろな価格で購入できることから、昨今非常に人気があります。私の住んでいる十和田市にもとわだぴあという産直施設があり、農産物の品数、販売量の豊富さに加え、農アイスなど特色ある加工品が人気で、土産などの物産販売と相まって、土日などはマイカー客で大いににぎわっております。  産直施設に出荷している農家のお母さんの姿を見ると、実に生き生きしているように見受けられます。産直施設は、身近で現金収入が得られることによって農家も潤い、新幹線開業効果を生かす観光資源としても有望であります。  そこで質問ですが、農産物等の産地直売施設の振興に向けた今後の取り組みについてお伺いします。  次は、農商工連携の推進についてです。  本県の農林水産業は、他産業への波及効果も高く、地域経済を支えてきた基幹産業であることはだれもが認めるところであります。農産物価格の低迷や担い手の高齢化、後継者不足などによる地域農業の疲弊が大きな問題となっています。私は、その課題解決策の一つとして、農商工連携による地域の活性化を重点的に推進すべきと考えております。  そこで、二点お聞きします。  一点目は、本県の食産業の充実強化を図るため、県はどのように農商工連携の推進に取り組んでいるのかお伺いいたします。  二点目は、地域の食産業を担う事業者を育成するため、県はどのように取り組んでいくのかお伺いします。  次に、ホタテガイの高水温被害対策についてであります。  ことしは、猛暑の影響により、米が津軽地域を中心に収量減少と品質の低下、葉たばこでは病虫害の発生の増加、トマトでは花落ち、畜産業ではブロイラーや産卵鶏の死亡など、それぞれの分野で被害が見られました。中でも、水産業においては、海水温のこれまでにない上昇により、陸奥湾のホタテガイ養殖にかつてないほどの被害が見られています。被害を受けられた漁業者の皆様方には、心からお見舞いを申し上げます。  陸奥湾のホタテガイ養殖は、百億円産業として本県水産業の重要な地位を占めており、加工などの関連企業も多く、陸奥湾の沿岸地域にはなくてはならない産業となっていることから、当会派では、知事に対して被害の実態を早急に把握し、陸奥湾を中心としたホタテガイ産業が将来にわたって維持存続できるよう、母貝及び稚貝の確保や漁業共済、金融対策など、万全な対策を速やかに実施するよう強く要望したところでもあります。  県には、漁業者や関連企業などのホタテガイ関係者の不安が一刻も早く払拭され、陸奥湾のホタテガイ養殖が一日でも早く回復するよう、早急な取り組みを望むものであります。  そこで、三点お尋ねいたします。  まず一点目は、ことしの高水温による陸奥湾のホタテガイへい死について、これまでの調査状況から、県は被害の実態をどのように見ているのかお伺いします。  二点目は、ホタテガイ高水温被害に対する県のこれまでの対応についてお伺いします。  最後に、ホタテガイの生産体制を早期に回復させるため、県は再生産対策にどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  次に、環太平洋連携協定、いわゆるTPPの交渉への参加についてであります。  菅首相は、去る十月一日の今国会の所信表明演説において、突如TPP交渉への参加を検討することを明言しました。TPPは、貿易自由化の例外を前提とした参加交渉を認めておらず、交渉のテーブルに着くということは、すなわち米や畜産物などに対する関税も十年以内に全廃することを容認するものであります。もし我が国がTPP交渉に参加した場合、海外からの安価な農畜産物が津波のように押し寄せ、国内農業は壊滅的な打撃を受けることは、火を見るよりも明らかであります。その結果、我が国の食料自給率は大幅に低下し、食料安全保障が脅かされるばかりか、農山漁村や地域経済の崩壊を招くことになりかねません。  特に農業を基幹産業とする本県においては、米や畜産物を中心に打撃を受けることは必至であり、食品製造業などの関連産業も大きなダメージを受けるおそれがあります。  そこで質問でありますが、国内農業に壊滅的な打撃を与えかねないTPP交渉への参加に関する県の見解をお伺いします。  次に、戸別所得補償モデル対策についてであります。  政府では、今年度、米づくりに関する施策を大きく転換し、米の需給調整と水田農業の経営安定を目的に、米の生産費と販売価格の差額を補てんする米の戸別所得補償モデル対策を実施しておりますが、平成二十一年産米の在庫に加え、本対策により米を生産する農家へ支払われる交付金を見越した流通業者の動きにより、米価の下落に拍車がかかり、本対策の問題が浮き彫りになってきたところであります。  あわせて、ことしは猛暑の影響により一等米比率が大きく低下しており、津軽地域を中心に米農家は大変厳しい状況にあると聞いております。米農家は、今後の経営の維持、安定に向けて不安を抱いており、まずはこの交付金の一日も早い支払いを待っているところであります。  そこで質問でありますが、戸別所得補償モデル対策における交付金申請の手続状況と支払い時期についてお伺いいたします。  質問の最後は、青森県のスポーツ振興についてであります。  ことしの本県スポーツ選手の活躍は目覚ましいものがありました。例えば夏の沖縄インターハイでの三本木農業高校女子アーチェリーの団体優勝や千葉国体でのボクシング少年の部における青森工業高校生の個人優勝など、私を初めとし、多くの県民が感動し、たくさんの元気をいただきました。  私は、地域の元気を取り戻すためには、スポーツによる地域の活性化が必要であり、子供のころからスポーツに親しみ、思う存分にスポーツに取り組める環境づくりが重要であると考えております。来年一月には、八戸市、三沢市、南部町で行われる国民体育大会冬季競技大会、そして七月末には、青森、秋田、岩手三県合同によるインターハイが開催されることとなっており、本県選手の活躍を楽しみとしております。  そこで質問でありますが、本県スポーツ振興に向けて県が目指す方向性について伺います。  また、来年度の北東北インターハイに向けての選手強化について伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。 75 ◯議長(長尾忠行) 知事。 76 ◯知事(三村申吾) 田中議員にお答えいたします。  まず、私からは、平成二十三年度予算編成に向けた戦略キーワード設定の考え方であります。  私は、これまで一貫して県民の暮らしの安定を願い、自主自立の青森県づくりに向け、さまざまな仕組みづくりを進めてきました。そして、この仕組みづくりによって生まれた新たな活動基盤の上で、豊かな地域資源を活用し、創造性を発揮しながら新しいものにチャレンジする、このことが本県の未来を切り開く確かな力になるものと考えております。  間もなく東北新幹線が全線開業いたします。このまたとない機会をとらえ、青森の持つ強みを生かして新たな魅力や価値を創造し、青森県の元気づくりにつなげていくことが求められているものと考えます。このため、私は、来年度の予算編成に向けて雇用の創出、拡大、「はやぶさ」時代の元気創造、あおもり型セーフティーネット、未来を支える人財──人の財(たから)育成と地域力再生の四つの戦略キーワードを設定し、具体的には、現在進めておりますあおもり「食」産業の充実強化と環境・エネルギー産業の振興に引き続き取り組むこと。東北新幹線全線開業を本県飛躍のまたとない機会ととらえ、観光産業はもちろんのこと、あらゆる産業の振興と地域の活性化につなげ、雇用の創出、拡大を図っていくこと。保健・医療・福祉包括ケアを基盤とする県民の心身の健康づくりと医療体制の充実に注力するとともに、厳しい雇用情勢にかんがみ、雇用のセーフティーネットの確保に万全の体制で臨むこと。また、現在進めております「子ども」総合支援の取り組みを推進するとともに、本県の未来をつくっていく人財の育成と人口減少社会における地域力の再生、創出に取り組んでいくことといたしました。  これらの戦略キーワードの設定の考え方は、いずれもこれまでの取り組みをしっかりと前に進めるものであり、何よりも青森県を元気にしたいという強い思いからのものでございます。  続いて、雇用創出・拡大につきまして、いわゆる重点分野雇用創造事業拡充を活用した雇用創出についてであります。  私は、産業・雇用分野を県政の最重要課題と位置づけ、本県の厳しい雇用情勢を改善するため、雇用のセーフティーネットの拡充や国からの交付金を活用した雇用機会の創出等に努めてきました。  特に今年度は、昨年度創設された重点分野雇用創造事業を積極的に活用し、今後雇用が期待される重点分野での雇用創出や地域の人材育成に重点的に取り組んでいるところでございます。  本事業につきましては、去る九月十日に閣議決定された国の経済対策において拡充が図られ、本県には二十一億二千万円の追加交付の内示があったことから、県内の厳しい雇用情勢を改善するためには、追加交付金を活用した一層の雇用機会の創出が不可欠と考え、重点分野雇用創造事業で六億八千万円、従来の緊急雇用事業も含めれば約七億円の追加事業を実施することとし、このための補正予算案を本定例会に提案し、御審議いただいているところでございます。  これらにより約一千人の新規雇用を創出することといたしております。また、市町村に対しましても基金事業の積極的な活用を働きかけているところでございまして、引き続き、市町村と連携しながら、一層の雇用機会の創出に取り組んでまいります。  「とことん青森MAXin原宿表参道」においての手ごたえであります。  去る十月二十五日から十一月七日まで開催しました「とことん青森MAXin原宿表参道」におきましては、青森ねぶた、弘前ねぷた、八戸三社大祭、五所川原立佞武多による青森四大祭り競演や表参道ねぶたの運行、本県が誇る御当地グルメを提供する青森ご当地グルメ屋台村、さらには、県内の道の駅が大集合しました青森交流広場など、多彩なプログラムを展開いたしました。  十一月一日に行われました表参道ねぶたの運行には私も参加いたしましたが、約五万人の観衆を集め、表参道全体が熱狂に包まれた様子を肌で感じたところであります。イベント期間中、合計で約三十六万人の来場者がありましたほか、情報番組、報道番組等の全国ネットのテレビ番組や新聞、雑誌等に多数取り上げられるなど、私ども青森県の魅力を全国に向けて強力に発信することができ、今後多くの誘客に結びつくものと大きな手ごたえを感じているところです。  私は、今回のキャンペーンの成果を一過性のものとせず、あと五日に迫りました東北新幹線全線開業、そして平成二十三年四月二十三日から七月二十二日までの青森デスティネーションキャンペーンにおいて全線開業の効果を継続して最大限獲得すべく、市町村や観光関係事業者、県民と一丸となって全力で取り組んでいきます。  上海万博青森県ウイークの成果等についてでありますが、私は、本県経済の成長と活力ある地域社会の実現のためには、海外からの外貨獲得が重要であり、経済成長著しい中国は、今後極めて有望な市場になると考えるところであります。  本年五月から十月まで開催されました上海万国博覧会は、本県の知名度を高め、ビジネス拡大につなげる絶好のチャンスであり、経済団体や農水産関係団体、金融機関等で実行委員会を組織し、私も二度にわたり本県の魅力を直接PRしてきました。  まず、七月には、青森県ウイークとして、日本産業館のステージにおいて、青森ねぶたの展示とねぶたばやしや津軽三味線などの郷土芸能の披露、大型スクリーンでの観光物産の紹介などを行い、大変な好評をいただきました。また、上海市内の旅行会社や流通業者に対しまして私みずからセールスを行ったほか、ビジネス商談会や青森りんごフェアを開催いたしました。  十月の最終週には、喜ぶの文字が二つ並んだ──中華どんぶりによくある喜喜というあれでございますが──双喜の図柄を入れた文字入りリンゴを持参し、私どもの青森リンゴを大いにPRしてきました。  史上最多の七千三百万人を超える入場者を記録した上海万博において、青森県の魅力を強力に情報発信したことに加え、現地の有力な観光物産関係者との人脈も構築されましたことから、今後は、青森県産品フェアやビジネス商談会を継続することにより、本県の魅力を強力に売り込み、中国からの観光客誘致と県産品の輸出拡大に取り組んでまいります。  ホタテガイの再生産対策についてであります。  私は、陸奥湾の養殖ホタテガイが受けた被害の実態が明らかになるにつれ、その影響の大きさと深刻さを痛感するところであります。国内屈指の内湾であります陸奥湾で営まれておりますホタテガイ養殖が、これまで多くの研究者や漁業者の不断の努力により、幾多の困難を乗り越え、百億円産業にまで発展し、加えて、加工業など関連産業の生産額増大にも大きく貢献していることにも思いをめぐらし、何としてもこのホタテガイ養殖を守っていかなければならないという気持ちを強くしているところでございます。  このためには、漁業者が意欲を失うことのないよう、来年度以降の再生産に向けた体制づくりに最優先で取り組む必要があること、特に来年春に産卵いたします母貝を早急に確保することが最も重要と判断し、むつ湾漁業振興会や関係市町村と連携して、二億円の基金を造成することとし、そのうち一億円を補正予算として、去る十一月四日に専決処分したところであります。  また、少ない母貝数でもより多くの稚貝を確保できるよう、例年では採苗器を投入しない沖合までこの採苗区域を拡大し、そこに投入する大量の採苗器を作成、確保するための対策を講ずるほか、中長期的視点に立ちまして、高水温に対応した養殖管理技術の開発や、アカガイやホヤ等を対象としたいわゆる複合養殖の可能性などを専門家委員会で検討することとし、本議会に所要の予算を計上し、御審議いただいているところでございます。  続いて、TPP交渉に対しましての見解であります。  青森県は、食料自給率が高く、米、野菜、果物、畜産物、水産物の生産バランスがとれた我が国有数の食料に強い県であります。本県の農林水産業は、地域経済・社会を支える基幹産業でもあります。このため、私は、知事就任以来、一貫して販売を重視し、収益性向上を目指す攻めの農林水産業を県政の柱に据え、農林水産物の生産や加工食品の製造、流通、販売、料理の提供など、食に関連するすべての産業の充実強化に取り組んできたところであります。
     このような中で、先般、包括的経済連携に関する基本方針が閣議決定されました。これまでに十分な議論をすることなく、また、今後の施策が明確にされないままに、関税撤廃が原則でございます環太平洋パートナーシップ、いわゆるTPP協定に関して、関係国との協議を開始するといたしましたことは、本県の農林水産業者、関係団体、市町村に大きな不安を与えているところであり、県としても強い懸念をいだいているところでございます。  県としては、十一月十八日に、我が国の食料の生産、供給に大きな影響力を持ちます北海道・東北六県の知事が連名で、国際貿易交渉に当たっては、多様な農業の共存を基本理念として、農業、農村の多面的機能の発揮や食料安全保障の確保を図るなど、日本提案の実現を目指すというこれまでの基本方針を堅持し、食の安全・安定供給、食料自給率の向上、国内農林水産業、農山漁村の振興を損なわないように対応することを国に要請しておりますが、私といたしましては、TPPへの参加につきましては、本県の農林水産業を守るという立場から、国が農林水産業振興に対する明確な将来展望と具体策を示し、農林水産関係者や国民の理解と合意が得られない限り慎重にならざるを得ないと考えるところでございます。  私からは以上です。 77 ◯議長(長尾忠行) 田辺総務部長。 78 ◯総務部長(田辺康彦) 国の予算編成や制度の見直しが本県の予算編成に与える影響と県の対応についてでございます。  地方財政に関連する国の予算の状況については、まさにこれから地方交付税の取り扱いを初め、来年度の地財対策の折衝が本格化してきますし、子ども手当の財源やひもつき補助金の一括交付金化につきましては、具体の制度設計がこれからという状況でございますので、県といたしましては、これら国の動向をよく注視し、県財政、ひいては県民サービスへの影響等もよく踏まえ、知事会等と連携し、国に対し適切な地方財政措置を講じるよう訴えていきたいと考えてございます。  いずれにいたしましても、財政当局といたしましては、個々の施策や歳入項目のプラス、マイナスの影響のみならず、地方財政の全体像を踏まえた適切な予算編成をしてまいりたいと考えてございます。 79 ◯議長(長尾忠行) 企画政策部長。 80 ◯企画政策部長(佐々木郁夫) 御質問三点にお答えします。  まず、青森県基本計画未来への挑戦に係る戦略キーワードを柱としたこれまでの取り組み、成果についてです。  基本計画の推進に当たっては、計画期間中を通して継続的かつ集中的に取り組む最重要戦略キーワードである雇用の創出、拡大とあおもり型セーフティーネットに加え、本県の強みである豊富な農林水産資源、地域の活性化に向けた千載一遇のチャンスである東北新幹線全線開業及び人材育成等に着目したキーワードを毎年度設定し、取り組みの重点化を図ってきたところです。  こうした中で、農林水産物の大手量販店との取引拡大、リンゴを主体とした農林水産物の輸出が順調に推移しているほか、環境・エネルギー産業など本県の地域特性を生かしたあおもり型産業の企業立地が推進されていること、観光面では、農業体験を行う修学旅行生や外国人宿泊者数に増加傾向が見られるなど、攻めの農林水産業、あおもりツーリズム、あおもり型産業の育成を初めとした本県が進める各種産業振興施策が着実に展開されていると考えています。  また、医療の面では、県内の初期臨床研修医採用者数、本県出身の医学部合格者数がともに大幅に増加しているほか、がん情報提供システムの整備が来年三月の開設に向けて進んでいるなど、その取り組み効果があらわれてきているところです。  今後とも戦略キーワードの設定を初めとしたマネジメントサイクルをしっかりと展開しながら、計画の推進に着実に取り組んでいきたいと考えています。  次に、地域県民局の取り組みと成果についてです。  地域別計画は、圏域ごとの目指す姿と自立への道筋を示したものであり、より現場に近いところで地域づくりを進めている地域県民局が中心となって、市町村、関係機関など、地域の皆さんと連携し、個性を生かした生業(なりわい)づくりを進めています。  各圏域の取り組みを幾つか挙げますと、ソバを活用した茶系飲料や乾めんの商品開発支援等により、ソバのブランド化を推進している東青地域、ホットという新たなリンゴジュースの飲み方の普及や町歩き観光の推進に取り組む中南地域、物づくり企業のネットワークの強化やコーディネーター設置により物づくり産業の活性化を図る三八地域、太宰を切り口とした地域づくり、軽トラ市の開催による農林水産物の販売促進に取り組む西北地域、七戸十和田駅開業に向けて馬の里づくりや豊富な温泉資源のネットワーク化に取り組む上北地域、キアンコウを初めとした下北産品のブランド化と販路拡大に取り組む下北地域というように、官民一体となった取り組みにより、地域特有の資源、多彩な人財などが有機的につながり、地域の活力を生み出しています。  今後とも、自分たちの地域は自分たちでつくり上げるという気概のもと、地元市町村や関係機関、地域住民と連携し、地域力を最大限に結集しながら、地域別計画を推進していきたいと考えています。  最後に、東北新幹線全線開業後の青森、三沢両空港の利用促進についてです。  航空路線は、観光振興、企業活動の促進、交流人口の拡大等にとって極めて重要な役割を果たしていることから、県としては、新幹線開業後の航空と新幹線の共存に向けて、需要の喚起や利便性の向上に取り組んでおります。  まず、需要の喚起に向けましては、県、地元市町村、経済団体等で構成される青森空港振興会議及び三沢空港振興会と連携しながら、旅行商品の造成支援等を行っているほか、今年度新たに伊丹及び羽田空港において青森県の観光物産をPRするプロモーション活動や日本航空のホームページを活用した本県空港利用促進キャンペーン等を行ったところです。また、九州、中国、四国、北陸地方などから羽田空港を乗り継いで来県する乗り継ぎ需要の掘り起こしや創出、さらには片道新幹線、片道航空機を利用したいわゆる立体観光旅行商品の造成支援にも取り組んでいます。  利便性の向上につきましては、県、青森市、三沢市と日本航空による青森、三沢両空港の利便性確保のための検討の場を設置したところであり、その成果として、十月三十一日からは青森─札幌線が三往復に増便となり、日帰りが可能な運航ダイヤが実現することになりました。また、残念ながら運休となりました三沢─大阪線については、羽田空港での乗り継ぎが円滑に行われるような乗り継ぎ割引運賃の設定がなされました。また、青森─名古屋線については、機材の小型化により、県営名古屋空港からの運航再開について国土交通省、日本航空等に要請しているところです。  いずれにしても、県としましては、今後も関係機関と連携を密にしながら、青森及び三沢両空港の一層の利用促進に努めてまいります。  以上です。 81 ◯議長(長尾忠行) 一瀬健康福祉部長。 82 ◯健康福祉部長(一瀬 篤) 初めに、分娩取り扱い休止に係る対応についてです。  県では、上十三圏域において二医療機関が分娩取り扱いを休止するという事態を受け、地域の産科医療確保を図るため、十月二十五日に、隣接する青森圏域と八戸圏域も含めた県南地域周産期医療連絡会議を開催し、産科医療機関、消防関係者などとの協議を行いました。  会議においては、各医療機関から可能な限り積極的に分娩を受け入れるとの意見が出されたほか、上十三圏域と近隣の圏域とが連携し取り組んでいくことが確認され、医療機関相互の情報共有と連携強化が図られたところです。  また、これに加えて、県、市町村が行政機関としての対策を協議するため、十一月十八日に上十三地域市町村連絡会議を開催しました。この会議では、県から、安定的な産科医療の確保を図るためには、圏域の市町村が一体となって産科医療を支える仕組みづくりを進めることが重要であるとして理解を求めたところであります。また、あわせて、地域住民の不安軽減を図るため、妊婦等に対する相談体制の充実や圏域外での分娩に係る待機宿泊への支援などの具体的な対応策を検討するよう要請したところであります。  次に、産科医療の確保についてです。  県では、本県の産科医療を継続的、安定的に確保していくため、周産期医療に携わる産科医及び小児科医の確保を図るとともに、医療連携体制の整備に取り組んでまいりました。  まず、医師確保については、弘前大学を初めとする関係機関との連携による対策を進めており、この結果、本県出身の医学部合格者や臨床研修医採用者の増加などの成果があらわれてきたところであります。  また、これに加えまして、特に産科医及び小児科医の確保を図るため、弘前大学に対する周産期医療分野への医学生誘導研修などの調査研究委託や八戸市立市民病院を中心とする広域的な産科医療ネットワーク構築に対する支援を行っております。  次に、医療連携体制の整備については、青森県周産期医療システムを構築して周産期医療体制の充実に努めてまいりましたが、今年度から、青森圏域地域医療再生計画に基づく総合周産期母子医療センター及び地域周産期母子医療センターの機能強化や周産期医療に係る調査研究に着手し、本県の周産期医療体制の一層の強化に取り組んでいるところであります。 83 ◯議長(長尾忠行) 櫻庭商工労働部長。 84 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 御質問三点にお答えいたします。  最初に、本年度の重点分野雇用創造事業の実施状況についてでございます。  重点分野雇用創造事業は、国の緊急雇用創出事業臨時特例基金交付金を活用しまして、介護、医療、観光、エネルギー等の今後成長が期待されている重点分野における雇用創出や地域ニーズに応じた人材の育成を行うもので、昨年度三十一億七千万円が国から交付され、緊急雇用創出対策事業の一環として今年度から実施しております。  この事業は、当初、本年度限りの事業となっていたことから、県では、今年度、民間からの事業提案等も活用しながら、これまで集中的に事業を実施してきたところでございます。  その結果、十月末現在までに国の確認を受けました県事業九十七事業、市町村事業六十九事業、合計百六十六事業となっており、これらの事業に伴う新規雇用予定者数は、県、市町村合わせまして約一千四百名となっております。また、これらの事業の十一月一日現在の雇用実績は、県、市町村合わせまして約九百二十名となっております。  次に、観光にかかわる御質問二点にお答えいたします。  七戸十和田駅からの観光客向けの二次交通についてでございます。  観光地を結ぶタクシーやバス等の観光客向けの二次交通の利便性向上は、個人客の周遊型・滞在型観光の推進を図る上で不可欠であることから、県では積極的に交通事業者等への働きかけを行ってまいりました。  七戸十和田駅からの観光二次交通として、タクシーにつきましては、十二月四日の開業日から手軽な料金で観光地をめぐる駅から観タクンが実施されるほか、朝と夜の時間帯に七戸十和田駅と十和田市街のホテルを定額で結ぶ乗り合いタクシー「朝ぷらす」「夜ぷらす」が運行されることとなっております。  また、バスにつきましては、七戸十和田駅から十和田市内の観光施設を周遊した後に十和田湖に向かう十和田奥入瀬まるごとシャトルバスが運行されるほか、七戸十和田駅とむつ市内を結ぶ路線バスが新規に運行されることとなっております。  県としては、これらの観光二次交通に係る周知と利用促進を図るため、交通事業者等に対して宣伝経費の一部を助成するとともに、引き続き交通事業者に働きかけを行うなど、観光客向けの二次交通のより一層の充実に取り組んでまいります。  次に、七戸十和田地区における東北新幹線全線開業効果の継続的獲得に向けての取り組みについてでございます。  十二月四日の東北新幹線全線開業まで、いよいよあと五日となりました。県では、県下全域にある自然、景観、産業、文化、郷土料理等による観光コンテンツの充実強化により、地域の新たな魅力の創出を図り、本県ならではの楽しい時間の過ごし方、地元の人々が体験している本物の魅力を観光客に提案することが開業効果の継続的獲得につながるものと考えております。  本年度県が実施した七戸地区の観光コンテンツ調査では、専門家から並木道や牧場を初めとする素材が評価されるなどの手ごたえがあり、地域内の特色ある観光資源を活用した観光コースのさらなる構築に向けて、引き続き支援しているところでございます。  また、上北地域県民局では、地域の温泉施設のネットワーク化による温泉資源を活用した地域活性化と交流人口の拡大を図る事業を実施しており、先般、上北温泉マップを作成するなど、多彩な観光メニューの構築を推進しているところでございます。  今後とも、東北新幹線全線開業効果を最大限に獲得し、持続していくため、引き続き地域との連携を一層密にしながら、七戸十和田地区の恵まれた観光資源を生かした広域的な滞在型観光の推進に努めてまいります。 85 ◯議長(長尾忠行) 農林水産部長。 86 ◯農林水産部長(有馬喜代史) 御質問六点にお答えいたします。  最初に、県産品の販売拡大に向けた県外でのフェアの開催状況等についてです。  県では、県産品の販売拡大を図るため、市町村や関係団体と一体となって、県外の大手量販店やレストラン等において県産品フェアの開催に取り組み、出品した商品が通常的に取引されるなど、年々取引額が拡大し、大手量販店との取引額は、平成二十一年度では約二百二十六億円となっています。  県では、東北新幹線全線開業を県産品の販売拡大の絶好の機会ととらえ、十一月には首都圏の大手量販店での青森県フェアを開催し、県産品や観光をPRする知事のトップセールスを行ったほか、関西地区では、来年三月に九州新幹線開業を控える鹿児島県との共同キャンペーンを展開し、県産品の販売拡大に努めてきました。  今後は、十二月には、JR東日本系列ホテルとのタイアップによる本県産食材を使用した料理フェア、二月には、都内百貨店内の大規模レストラン街で青森リンゴと鹿児島サツマイモを使ったスイーツフェアを開催するなど、県産品の販売活動を強力に展開してまいります。  次に、地域の名物料理を県内外にどのように宣伝していくのかについてです。  県では、地域独特の風土や伝統を勘案の上、県内を六つの食のエリアに分けて、それぞれの地域の食材を活用した特色ある料理を登録し、観光客への宣伝に努めています。例えば、上北地域においては、十和田・三沢食のエリアとして、十和田バラ焼きのほか、奥入瀬ガーリックポークを使った十和田おいらせ餃子、ヒメマスを使った十和田湖産ヒメマス料理などを名物料理として登録しています。  その宣伝に当たっては、シンボルマークを作成したほか、十一月十日からは青い森鉄道の車両を各エリアの名物料理の広告で包むラッピングトレインを運行しています。今後は、新青森駅や県内観光案内所等で配布する食のエリアガイドブックの作成、さらには首都圏のアンテナショップに新たに設置されたイートインコーナーでの試食、販売を通じて積極的にPRしていきます。  次に、産地直売施設の振興に向けた取り組みについてです。  産地直売を行う施設は、道の駅のように土産品の販売やレストランなどを備える規模の大きなものから無人販売のような小規模なものまでありますが、生産者の顔が見える安全・安心な農林水産物が手ごろな価格で購入できることから、近年多くの消費者の支持を受け、地産地消を推進する上で重要な役割を担っています。  今年度のこれらの施設の全体の販売額は、施設数百七十七カ所で、その販売額は百十五億円となっています。  県では、各地域の産直ネットワーク協議会等で構成されるあおもり産直ねっと一〇〇を中心に、広域的な連携を強化しながら、施設間の相互交流による品ぞろえの充実を初め、施設に併設されるレストランでの地場食材の利用拡大や名物料理による誘客促進、ネット販売への取り組み、さらには施設運営の主要な担い手となる若手女性の起業支援等を推進し、産地直売施設の一層の振興を図っていきます。  次に、ホタテガイへい死について、県は被害の実態をどのように見ているのかについてです。  これまでの調査では、稚貝の生残率は、夏泊半島の西側でゼロから七一%、夏泊半島の東側で三から九七%、また、新貝は、西側でゼロから五二%、東側で三から九五%となっており、地域により被害状況に大きく差が出ていることが判明しています。  県としては、これらの調査結果から、来年度以降の生産にも影響を及ぼしかねない深刻な状況にあるものと認識しています。  次に、ホタテガイ高水温被害のこれまでの対応についてです。  県では、研究機関と連携して、八回にわたり高水温に対応したホタテガイ養殖管理情報を発行したほか、十月十六日の平内町、野辺地町における知事の現地調査、十月十八日の青山副知事を本部長とする青森県平成二十二年陸奥湾ホタテガイ高水温被害対策本部会議の設置を経て、再生産対策や共済・金融対策、雇用対策、水産加工対策などを総合的に検討し、順次実施してきたところです。  また、十一月四日には、特に早急に必要な対策として、母貝確保のためにむつ湾漁業振興会が行う基金造成事業に助成する一億円の補正予算を知事が専決処分したほか、ホタテ加工業者には、訪問相談を実施して加工原料の確保等を支援する国庫事業の活用を誘導してきました。  さらに、国や関係団体に対して被害状況に応じた天災融資法の発動や共済金の早期支払いを働きかけてきたところです。  最後に、戸別所得補償モデル対策における交付金申請の手続状況と支払い時期についてです。  本県では、十一月中旬までに戸別所得補償モデル対策加入者の八割以上の方が国への交付申請の手続を終えており、十一月十六日から順次、加入者が指定する口座へ国から直接交付金が支払われています。  交付手続が順調に進みますと、申請を終えている加入者へは年内にすべて支払いができる見込みとなっていますが、一方で、まだ未申請の加入者もいることから、地域水田農業推進協議会等を通じて早期の申請手続を指導していきます。  また、当年産の販売価格が標準価格を下回った場合に支払われる変動部分については、平成二十三年一月までの国内全銘柄の取引価格をもとに算定されることから、平成二十三年三月ごろに支払われる見込みとなっています。 87 ◯議長(長尾忠行) 小山内農商工連携推進監。 88 ◯農商工連携推進監(小山内一男) 御質問二点にお答えいたします。  まず、本県の食産業の充実強化の取り組みについてです。  県では、四月に農商工連携食産業づくり相談窓口をあおもり食品産業振興チームと各地域県民局に開設し、県内食品製造業者のデータベースを活用しながら、県産原料への切りかえや県内食品製造業者の仲介、各種支援制度の紹介など、食産業の振興に関する相談に対応しております。  また、県が試作品を買い上げることにより新たな連携づくりを支援する食産業連携共同プロジェクト、総額二十八億円を造成いたしました農商工連携ファンドの活用、農商工連携による新たな事業化に向けた取り組みを補助するあおもり農商工連携基礎調査事業、農林漁業者と商工業者の交流促進とネットワークづくりのための農商工コラボマーケットや農商工連携ワークショップの開催といった事業者への支援を展開しております。  県としては、地域資源を活用し、地域の特色を生かした商品サービスの開発、販売など、付加価値を高める農商工連携の取り組みを推進し、本県経済の基盤の確立につながる食産業の充実強化を図っているところでございます。  次に、食産業を担う事業者の育成についてです。  県では、農商工連携関連の支援策等を有効に活用しながら、地域の資源や特色を生かした商品・サービスづくりにより食品製造業者など食関連事業者の収益力を高めるとともに、さらなる経営力の向上につなげるため、発展段階に応じ、効果的な支援を展開していくことが重要であると考えています。  また、現在、集落営農組織や農業法人などが核となって地域全体の収益性の向上を目指す攻めの地域営農企業化戦略や農山漁村女性起業の法人化への取り組み支援など、農林漁業者の側から積極的に農商工連携や六次産業化を取り入れるための施策も進めているところであり、市町村、関係機関、関係団体等と一体となって地域の食産業を担う事業者が持続的に経営発展できるよう取り組んでまいります。 89 ◯議長(長尾忠行) 教育長。 90 ◯教育長(橋本 都) 御質問二点についてお答えいたします。  まず、本県スポーツ振興の方向性についてです。  スポーツは、心身の健康な発達を促し、生活に生きがいや潤いをもたらすとともに、明るく豊かで活力に満ちた社会の形成に寄与するものであり、人々が生涯にわたってスポーツに親しむことは、極めて大きな意義を有しています。  このため、県教育委員会では、平成二十二年度から二十七年度までの六年間を計画期間とする本県のスポーツ振興の指針として青森県スポーツ振興計画を策定し、これを踏まえた諸施策を推進しております。  当計画では、県民の豊かなスポーツライフの実現を目標に掲げ、その達成のために、子供のスポーツ活動の推進、地域スポーツの推進、ジュニア競技者の育成強化の三点を重点項目とし、各市町村や関係団体等と連携を図り、各種施策に取り組むこととしております。  今後とも、県民の生涯にわたる豊かなスポーツライフの実現を目指し、スポーツに親しむ環境づくりと競技力を向上させる環境づくりを推進し、スポーツの振興に努めてまいります。  次に、来年度のインターハイに向けての選手強化についてです。  平成二十三年度に青森、岩手、秋田の北東北三県を中心に開催される全国高等学校総合体育大会、いわゆるインターハイにおいて本県選手が活躍することは、多くの子供たちに夢と希望を与え、スポーツに対する興味や意欲を喚起するとともに、県民の一体感が醸成されるなど、多くの効果が期待されます。  このため、県教育委員会では、インターハイ開催時に主力となる有望選手を対象に、インターハイの会場予定施設などを活用した強化合宿、さらには、県外の有力チーム等を招聘した合同合宿を行うほか、県スポーツ科学センターによる選手たちへのトレーニング支援を行うなど、インターハイ選手強化対策事業を実施してきたところであります。  このような中、本年八月に沖縄県で開催されたインターハイでは、議員からもお話がありましたが、アーチェリーの初優勝のほか、相撲、ボクシング、卓球、陸上競技、バドミントン等で優秀な成績をおさめるなど、各競技における選手強化への取り組みの成果があらわれてきております。  来年度のインターハイまで残すところ八カ月となりましたが、県教育委員会といたしましては、引き続き県高体連や県体育協会等の関係団体と連携しながら選手の強化に取り組んでまいります。  以上でございます。 91 ◯議長(長尾忠行) 田中議員。 92 ◯四十二番(田中順造) ただいま、知事初め各担当部長、そして教育長より十一項目の質問に対し御答弁いただき、ありがとうございます。御要望だけ申し上げたいと思います。  TPP交渉参加について、また、ホタテガイの高水温被害対策については、我が自民党会派としても今定例会で国へ意見書を提出するということにしておりまして、その内容を知事部局におきましても十分精査し、前向きに取り組んでいただきたいことを御要望いたします。
     今、まさにピンチはチャンス、このようなときだからこそ、その先のあるべき郷土青森の将来像を改めて県民みんなで考えてみることも必要であろうというふうに思います。  三村県政は、未来への挑戦を基本方針の柱に据え、二十年後の二〇三〇年を県民一人一人が生業(なりわい)に裏打ちされた豊かな生活を送ることができる社会の実現を目指し、戦略キーワードを実施しております。現状の立ち位置をしっかり検証しながら取り組んでいただきたい、そのように思います。  また、午前中の我が会派の成田議員の質問を受けて、知事は、三選出馬を決意いたしました。最初から応援している一人として、知事の英断にエールを送り、質問を終わりたいと思います。     ───────────────────────       ◎ 議案に対する質疑     ─────────────────────── 93 ◯議長(長尾忠行) 議案第一号から議案第十三号まで及び議案第二十四号を一括議題といたします。  ただいま議題となりました議案に対して質疑を行います。  質疑は議題外にわたらないように願います。  七番渋谷哲一議員の発言を許可いたします。──渋谷議員。 94 ◯七番(渋谷哲一) 民主党会派の渋谷哲一でございます。  通告に従いまして質問させていただきます。  まず、議案第二十四号「権利の放棄の件」、六ヶ所工業用水道の運営とクリスタルバレイ構想のかかわりについてお伺いします。  六ヶ所工業用水道は、平成十二年度に県が策定したクリスタルバレイ構想に基づく液晶関連企業の立地によって工業用水が必要となり、事業として実施されるようになりました。しかし、その実態は、平成十四年四月一日から給水開始したエーアイエス株式会社と今回民事再生手続開始の申し立てをした東北デバイス株式会社の二社のみの利用にとどまり、しかも料金収入の約八九%をエーアイエス株式会社に頼っている状況であります。結果として、平成十四年の事業開始から、毎年約一千万円の赤字が続いている状況であります。  六ヶ所工業用水事業の赤字を解消するためには、経費の削減が必要と考えますが、その対策についてお伺いします。  また、決算状況の推移を見ますと、毎年の金利負担がそのまま赤字となっております。毎年度赤字が生じている六ヶ所工業用水道事業の収支を改善するためには、企業債に係る金利負担抑制策を講じるべきと考えるが、県の見解をお伺いいたします。  今回議案として提案されました東北デバイスの権利放棄の件では、金額的には六ヶ所工業用水道事業の存続にかかわるものではありませんが、利用二社のうち一社が破綻したものであり、クリスタルバレイ構想そのものの存続が明確に問われているものであります。  県は、これまで東北デバイスに産業立地促進費補助金として約一億九千九百万円、企業立地雇用創出奨励費補助金として三百三十万円、むつ小川原工業基地立地促進費補助金約一千四百九十万円、合計二億一千七百二十万円の補助金を交付しております。また、財団法人21あおもり産業総合支援センターを通して、東北デバイスの三億円の社債に対して、八〇%に相当する二億四千万円の債務保証のうち、現在、残高一億六千八百万円の負担が想定されております。さらに、本県初の地域ファンドであるあおもりクリエイトファンドからは一億九千三百六十万円を投資しております。総額約五億七千八百八十万円に上る投資が東北デバイス一社に行われることになるにもかかわらず、今回の破綻であります。  液晶産業は、世界規模の競争にさらされ、莫大な、しかも継続的な投資が求められる産業であり、本当に青森県がこれらを支える覚悟と能力を備えているのか、甚だ疑問であります。  今後、クリスタルバレイ構想にかわる新たな産業振興の方向性について、県はどのように考えているのかお伺いいたします。  次に、議案第十二号「職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例案」、通勤手当の改正についてお伺いします。  まず、今回の通勤手当の改正の趣旨についてお伺いします。  次に、今回の改正によって影響を受けると思われる青森駅と八戸駅間を発着として通勤している職員数についてお伺いします。  また、青森駅と八戸駅間を発着として通勤する場合の青い森鉄道と新幹線鉄道のそれぞれの運賃、通勤手当及び自己負担の額はどうなるのかお伺いします。  今回改定される支給限度額を五万五千円から七万円に引き上げる内容は、青い森鉄道の利用を促進するものであり、必要な改定と考えます。しかし、同時に行われる特別急行列車等に係る通勤手当に係る支給対象職員の範囲を拡大すること、また、特急料金の二分の一県補助が新幹線利用のためであることを考えますと、本当に県は青い森鉄道の利用促進を真剣に考えているのか疑問に思われてなりません。  青い森鉄道の利用を促進する観点から、新幹線鉄道利用者の特別料金に係る通勤手当を廃止すべきと考えますが、県の見解をお伺いいたします。  以上です。 95 ◯議長(長尾忠行) 総務部長。 96 ◯総務部長(田辺康彦) 一点目は、今回の通勤手当の改正の趣旨でございます。  今回の通勤手当の改正は、人事委員会勧告を踏まえ、青い森鉄道線の延伸により、現行の上限額では自己負担が生じる職員が出てくることから、青い森鉄道線の利用者について普通運賃の手当上限額を月額五万五千円から七万円とする特例を設けるとともに、職員の通勤負担の軽減を図るため、新幹線の特別料金等に係る手当の支給要件から、人事異動等に伴う通勤であることの要件を撤廃するものでございます。  次に、青森駅と八戸駅を発着として通勤している職員の数でございますが、現在八十九名でございまして、そのうち特別急行列車を利用する職員は八十六名、普通列車を利用する職員は三名となってございます。  次に、青森駅と八戸駅間を発着として通勤する場合の青い森鉄道と新幹線鉄道のそれぞれの運賃、通勤手当及び自己負担の額の状況でございます。  青森駅─八戸駅間の青い森鉄道の一カ月当たりの定期券の料金は五万七千四百四十円で、この全額について通勤手当が支給されますので、自己負担は生じません。  同区間の新幹線の一カ月当たりの定期券の料金は、六万九千八百四十円でございます。普通運賃につきましては、全額支給となりますが、特別料金につきましては、二分の一の支給でございますので、通勤手当は月額五万三千五百三十円となり、自己負担額は一万六千三百十円となります。  最後に、青い森鉄道の利用を促進する観点から、新幹線鉄道利用者の特別料金に係る通勤手当を廃止すべきではないかという御指摘でございますが、これは今でもJRの特急料金の二分の一というのは支給しているところでございまして、これまで八戸─青森間の遠距離通勤をされていた方が、新幹線ができて、通勤が今までより便利になる、こういう期待している状況の中で、新幹線ができたけれども、青い森鉄道を使ってほしいから、青い森鉄道を利用してくださいというのはちょっと理解していただくのは困難だと思います。  議員の御指摘の趣旨は、県職員が率先して青い森鉄道を利用すべきだという趣旨だと思います。その点は重要な指摘でございまして、県としては、県職員が青い森鉄道をマイレールという意識を持って率先して利用していただくような仕掛けづくりや機運の醸成というものに努めてまいりたいと考えてございます。 97 ◯議長(長尾忠行) 商工労働部長。 98 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 工業用水道の関係二点についてお答えします。  まず最初に、六ヶ所工業用水道事業の収支を改善するため、企業債に係る金利負担抑制策を講ずるべきではないかについてでございます。  六ヶ所工業用水道事業会計の実質資金収支は、企業債の元金償還が始まった直後の平成十九年度から支出超過が続き、平成二十二年度中には資金不足となる見込みとなっております。  このため、当面は資金不足を回避することが最低限必要と考えており、平成二十二年度に一般会計からの長期貸付金で対応することとしているところでございます。  六ヶ所工業用水道事業の経営改善のためには、まずは、工業用水を利用する企業の立地を進めることが必要と考えております。県としては、今後ともさらなる成長が期待される環境・エネルギー関連産業など、本県の比較優位性を発揮できる分野を中心に、積極的な企業誘致活動により、むつ小川原開発地区への企業立地の促進に鋭意努めながら対応策について検討してまいります。  次に、今後、クリスタルバレイ構想にかわる新たな産業振興の方向性についてでございます。  国際競争の激化や円高基調にある為替相場の動向等を踏まえまして、その中で、地域経済が発展していくためには、国際的な産業構造の流れを的確にとらえ、さらには、地域資源を最大限に活用した取り組みが必要と考えております。現在、国際的には、地球温暖化のための環境に配慮した産業構造の変革が求められ、そのための技術開発や事業化への取り組みが急速に進められております。また、国においても、新成長戦略の中で、グリーンイノベーションによる環境・エネルギー大国を掲げ、二〇二〇年までに五十兆円を上回る環境関連市場等を創出することとしております。  このため、本県としても、これらの動向を踏まえまして、低炭素社会づくりに貢献する技術開発や事業化による新市場、新産業の創出をビジネスチャンスととらえまして、県内物づくり企業による事業化や企業集積の可能性等について調査検討するため、低炭素型物づくり産業推進調査検討事業を実施することとし、その経費について九月定例会において御議決いただいたところでございます。  県としては、この事業が新たな産業振興の方向性の一つになるものと考えておりまして、現在、戦略的な取り組みに向けまして検討を鋭意進めているところでございます。 99 ◯議長(長尾忠行) 県土整備部長。 100 ◯県土整備部長(竹内春繁) 六ヶ所工業用水道事業の赤字解消のための対策についてでございます。  六ヶ所工業用水道は、平成十四年に給水を開始したもので、計画した給水能力日量五千立方メートルに対しまして、現在、二事業所に日量二千二百三十立方メートルを給水しております。収支状況を見ますと、赤字基調で推移しており、平成二十一年度決算におきましては、総収益約三千六百八十万円に対し、総費用は約四千六百三十万円、差し引き約九百五十万円の純損失が生じております。この結果、平成二十一年度末での累積欠損金は約七千九百十万円となっております。  これまでも営業費用の節減に努めており、最低限の経費で運営を続けていることから、現在の累積欠損金を解消するだけの経費節減は非常に難しい状況にあると考えております。 101 ◯議長(長尾忠行) 渋谷議員。 102 ◯七番(渋谷哲一) それでは、再質問を三点させていただきます。  まず、今回の通勤手当の改正には、やはり疑問を持たざるを得ません。本県の青い森鉄道は既に最低でも年間約十六億円の赤字が予定され、税金の投入が見込まれております。青い森鉄道の職員と県は、利用促進のためのさまざまな施策を提案しております。今回の通勤手当の改正は、この意欲に水をかけるようなものではないでしょうか。  本来であれば、まず知事を先頭に、県庁職員、議員が率先して青い森鉄道を利用して、少しでも赤字を減らす努力をし、そして県民に利用促進を訴えるべきではないでしょうか。  今回、通勤に関しては、もちろん青い森鉄道を選んでくれるものと確信しておりますが、万が一県関係者が青い森鉄道を利用せず、新幹線を使うようなことがあれば、県民に青い森鉄道の利用促進をどのように訴えるのでしょうか。民間であれば、当然自社の鉄道での通勤手当となるのではないでしょうか。もちろん通勤に対する青い森鉄道のさらなる利便性の確保が必要でありますが、ぜひ県としても、今後の青い森鉄道存続のため、今回の通勤手当改正を本来の目的のために変えていくべきと考えますが、県のさらなる見解をお伺いいたします。  次に、今回の権利放棄の問題は、東北デバイスだけの問題ではありません。クリスタルバレイ構想の今後の抜本対策がきちっと示されていかなければ、さらなる問題へとつながっていくことになります。(発言あり) 103 ◯議長(長尾忠行) 静粛に願います。 104 ◯七番(渋谷哲一) 時代は日一日と変化しており、この変化にどのように素早く対応していくことができるかが、企業、事業の存続に大きくかかわっていきます。  知事は、未来への挑戦で県の強みを生かした産業創出を訴えております。液晶産業は本当に本県の強みなのでしょうか。特に六ヶ所では、エネルギー・環境関連の産業なのではないでしょうか。クリスタルバレイ構想にかわる新たな産業振興の方針を早急に打ち出し、来年度の予算に反映させるべきと考えますが、県の見解をお伺いいたします。  クリスタルバレイ構想が策定された平成十三年三月十二日、当時は蝦名副知事が商工労働部長であり、総額四十二億円の税金が投入されております。今回の東北デバイスにも平成十七年から、負債整理も含めますと総額約五億八千万円が投入されることになります。平成十五年からは、商工労働部担当副知事として商工労働行政に蝦名副知事は深くかかわってこられました。  アンデス電気問題に関しては、十億円の融資の返済が始まらないままさらに約三十一億円の融資が行われ、破綻した今、約二百年をかけて五十八億円の返済が行われております。さきの補正予算案では、桔梗野工業団地造成事業にかかわる累積債務を抑制するための無利子貸し付け約三十億円、これは問題を先延ばししてきた結果であります。青森県新産業都市建設事業団の経営健全化を図るため、県が事業委託して整備した金矢工業団地の債務処理に要する経費に対する補助約六十四億円は、まさしく事業の失敗を裏づけております。  そもそも、工業団地の造成を初めとする企業誘致戦略が間違っているのではないでしょうか。しかし、県ではだれもその責任をとっておらず、県民の負担、しかも巨額な負担だけがふえている状況です。蝦名副知事がまさしく先頭に立って進めた構想が実質破綻している中、みずからの責任をどう考え、今後どう対処するつもりなのか、副知事にお伺いいたします。  それとも、これらは最高責任者である三村知事の責任なのでしょうか。あわせてお伺いし、質問を終わります。 105 ◯議長(長尾忠行) 蝦名副知事。 106 ◯副知事(蝦名 武) 今のクリスタルバレイ構想につきましては、私が次長時代から取り組んでまいったものでございます。それはなぜかといいますと、平成十一年二月に、青森県の生まれる子供よりも亡くなる方が多いということで、自然減ということが初めて発生したのであります。青森県はいわゆる自然増で社会減をカバーして人口を何とか維持してまいりました。しかし、その自然減という状態になれば、青森県の人口が大幅に減る、急激に減っていくという危機感のもとに、さまざま当時議論いたしまして、ちょうど液晶が大変、今後のいわゆる経済の発展にさまざまな寄与をするという観点から、エーアイエス株式会社を誘致したという経緯があります。  それからまた、東北デバイス、要するにクリスタルバレイ構想というのは、その当時、いわゆるアナログからデジタルにテレビが全部切りかわるということで、液晶にどんどん切りかわっていくという構想のもとにつくったものでございます。これは、当時の東北大学の教授、あるいはさまざまな方の意見を聞いて、そういう可能性があるということで果敢に挑戦したものでございます。  そして、今振り返ってみますと、この十年間で、いわゆる日本の物づくり産業が、円高もございまして、海外にどんどん出ていってしまったということでございます。私どもの予測しないその状況の中で推移したということは事実であります。  それから、もう一つ、東北デバイスにつきましては、これは有機ELという大変すばらしい研究をしているのでございまして、日本の中で有機ELをつくれるというのはこの東北デバイスだけでございまして、非常に将来性の高いものだということでこれに投資してきたわけであります。  東北デバイスは、大変残念ながら民事再生になりまして、それをカネカという大企業が今度はこれを支えていくことになりました。今カネカの考え方でいきますと、この有機ELというのは、恐らく将来の照明の主流になるという考え方で、あと十年たつと一千億円の規模になるであろうという予測のもとに今さまざまな事業をやっているわけであります。  ですから、私どもがやってきたことについて、こういう大企業が参加して、優秀な技術者、あるいは優秀な技術を活用していくという芽が出てきているのでございまして、決してクリスタルバレイ構想はマイナスだけではないというふうに認識しております。  ただ、いずれにしても、こういう失敗もありますけれども、こういうものについては、もちろん青森県として雇用を確保していくためには、やはり果敢に新しい産業に挑戦していくという姿勢はこれからも継続していかなければならないと、こう考えております。  ただ、責任の問題につきましては、これは当然、結果責任というのがありますから、これについて私は十分認識しております。 107 ◯議長(長尾忠行) 総務部長。 108 ◯総務部長(田辺康彦) 通勤手当について再度の御質問でございますが、本日雪も厳しくなってきましたけれども、八戸から県庁まで、朝早く出発された議員の先生方もいらっしゃると思います。遠距離で通勤されている方々は、やはり距離が短縮されて通勤が便利になるということの喜びというのは非常に大きいものだと思います。そういうときに、新幹線できたけれども、八戸から青森まで青い森鉄道で今までよりも時間をかけてゆっくりいらしてくださいというのは、筋が違うと思います。先ほど十六億の赤字が見込まれると指摘されましたが、今執行部も議会も一丸となって、民主党県連の御支援のもと、この支援を国に対して要望しているところです。 109 ◯議長(長尾忠行) 商工労働部長。 110 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 新しい産業振興の方針につきまして、早期に打ち出していくべきだということについての再質にお答えします。  先ほど御答弁申し上げました低炭素型物づくり産業推進調査検討事業につきましては、現在、低炭素社会づくりに向けました技術開発、事業化の国内外における動向、県内企業の取り組みや技術課題、それらを踏まえました事業化、さらには企業集積の可能性について調査を実施しております。県としては、この調査結果を踏まえまして、新たな産業振興の方向性についてスピード感を持って検討してまいります。 111 ◯議長(長尾忠行) 三十六番諏訪益一議員の発言を許可いたします。──諏訪議員。 112 ◯三十六番(諏訪益一) 日本共産党の諏訪です。  議案第二十四号「権利の放棄の件」、東北デバイス株式会社の民事再生手続及びその背景等について。  東北デバイス株式会社の負債総額及び優先債権等の内容、金額について伺います。  東北デバイス株式会社に対して、県はこれまでどのような支援をしてきたのか確認しておきます。  東北デバイス株式会社が民事再生手続に至った原因について、県はどのようにとらえているのか伺います。  六ヶ所工業用水道事業の経営状況と事業の今後のあり方について伺います。  クリスタルバレイ構想の成果について、県はどのように評価をしているのか伺います。  提出議案知事説明要旨、職員の給与等に関する報告及び勧告及び議案第十二号「職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例案」の内容について。  特例条例の減額後においては、職員給与が民間と比較して下回っているにもかかわらず、引き下げの勧告をした考え方を伺います。  今回の調整措置については、実質的には遡及して減額する措置であります。遡及することなくと明記しているのに、遡及して減額する。問題があります。見解を伺います。  平成十八年度の給与構造改革による給料表切りかえに伴い措置している現給保障額について、今回の給与改定に伴い引き下げることは問題があると考えますが、見解を伺います。  県職員の給与の引き下げを参考に県内民間企業が給与の引き下げをし、さらに、これを参考に県職員の給与を引き下げるという悪循環が生じていますが、見解を伺います。  行政職給料表四級及び五級の職員について、最高号給に到達している職員の割合が高くなっていることから、給料表の号給を延長する勧告をすべきと考えますが、見解を伺います。  人事委員会の報告では、五十歳代職員の給与のあり方の検討並びに定年延長に向けた課題の整理及び検討を進めるとしていますが、この二つをあわせて報告している趣旨は何か、お伺いしたいと思います。  特例条例による給与の減額措置について。管理職員を対象とした給与の特例減額措置を終了し、一般職員については、将来にわたって実施しないことを明確にすべきであると考えますが、見解を伺います。  臨時・非常勤職員の賃金は、一般職の若年層の給料月額の据え置きを踏まえ、引き下げるべきではないと考えますが、見解を伺います。  通勤手当について。東北新幹線全線開業及び青い森鉄道線延伸に伴う通勤手当の改正内容、また交通機関利用者に係る通勤手当については、基本的に自己負担を解消すべきだと思いますが、見解を伺います。  行政職給料表四級及び五級の職員のうち、最高号給に到達している職員の昇任について、県は、昇任により当該職員を上位級へ昇格させることにより、最高号給に到達している職員の割合が高い状態を解消する必要があると考えますが、見解を伺います。  給与改定に向けた職員組合との交渉の状況について、知事部局、教育委員会、それぞれの所管分でお答えをいただきたいと思います。  優秀な人材を確保する目的である義務教育等教育特別手当の引き下げは慎重に扱うべきと考えますが、教育長の見解を伺います。  議案第十号「特別職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案」、議案第十一号「青森県教育委員会教育長の給与、勤務時間等に関する条例の一部を改正する条例案」及び議案第十三号「青森県議会議員の期末手当支給条例の一部を改正する条例案」。  一般職員の給料月額が引き下げになっていることを踏まえ、知事と特別職及び教育長の給料月額並びに県議会議員の報酬月額を引き下げるべきと考えますが、県の見解を伺っておきます。
     以上です。 113 ◯議長(長尾忠行) 総務部長。 114 ◯総務部長(田辺康彦) 一点は、特例条例による給与の減額措置についてでございます。  管理職員を対象とした給与の減額措置は、本県の厳しい財政状況等を考慮し、管理監督の職責にある職員という立場にかんがみ、平成二十一年度から平成二十三年度までの行財政改革の集中取り組み期間における措置として実施しているものでございます。  また、将来の給与減額の取り扱いにつきましては、その時点での職員の給与の状況はどうなっているのか、さらには、本県を取り巻く行財政の環境はどうなっているのか、その時点で考慮すべき諸般の事情がいまだ不透明でございますので、その取り扱いがどうなるかにつきましては、いまだお答えできるような状況にはないことを御理解いただければと思います。  次に、臨時・非常勤職員の賃金についてでございます。  臨時、非常勤の職員の給与につきましては、一般職員との均衡を考慮して定めるとしているところでございますので、今回の一般職員の給与改定の状況も踏まえ、適切に対処してまいりたいと考えております。  三番目で、通勤手当の改定について、その内容と基本的に自己負担を解消すべきではないかという点でございます。  今回の通勤手当の改定は、人事委員会勧告を踏まえ、青い森鉄道線の延伸により、現行の上限額では自己負担が生じる職員が出てくることから、青い森鉄道線の利用者について、普通運賃の手当上限額を月額五万五千円から七万円とする特例を設けるとともに、職員の通勤負担の軽減を図るため、新幹線の特別料金等に係る手当の支給要件から、人事異動に伴う通勤であることの要件を撤廃するものでございます。  通勤手当は、職員の通勤経費の補助を目的とし、実費弁償に近い性格のものですが、新幹線の特別料金等については、高額な料金負担となるものの、通勤時間の短縮という利便性を享受できること等から、これまでどおり、国と同様に二分の一の支給とさせていただきます。  次に、行政職給料表四級及び五級の職員のうち、最高号給に到達している職員の昇任についてでございます。  職員の昇任は、昇任基準を満たすもののうちから能力、実績等を総合的に勘案して昇任者を選抜しているところでございまして、特定の号給に該当する職員の割合が高くなっている状態を解消するという目的で昇任させることは適当でないと考えてございます。  次に、給与改定に向けた職員組合との交渉の状況についてでございますが、本年の人事委員会勧告の取り扱いにつきましては、その完全実施を青森県職員労働組合及び青森県現業労働組合に提案し、三回にわたり誠意をもって交渉を重ねた結果、両組合から御理解をいただき、妥結に至ったところでございます。  最後に、特別職の報酬月額を引き下げるべきではないかという点でございます。  知事等特別職の給料月額及び県議会議員の報酬月額につきましては、これまで他の都道府県の状況や本県の一般職の給与改定の状況などを考慮し、改定してきましたが、平成五年十二月からは据え置いており、また、現在は、行財政改革の一環として、知事が二〇%、教育長が一〇%、議長五%、副議長四%、議員三%などの特例減額も行っています。  一方、ほかの都道府県との比較では、本県知事の給料月額及び県議会議員の報酬月額は、おおむね全国三十位台中盤の低い水準にございます。また、本県の一般職の給与水準は、最近はマイナス傾向でございますが、平成五年度と平成二十二年度を比較すると、約四%の増となっている中で、特別職の報酬月額はその間据え置かれてきたという状況もございます。  以上の点を踏まえますと、直ちに引き下げ改定を検討すべき状況にはないと考えますが、今後とも、他の都道府県の動向などを十分留意し、適切に対応してまいりたいと考えてございます。 115 ◯議長(長尾忠行) 商工労働部長。 116 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 御質問三点にお答えします。  最初に、東北デバイス株式会社に対するこれまでの支援についてでございます。  東北デバイス株式会社に対する県の支援につきましては、誘致企業に対する支援制度である産業立地促進費補助金を平成十七年度から二十年度の四年間で約一億九千九百万円、企業立地雇用創出奨励費補助金を平成十八年度に三百三十万円、むつ小川原工業基地立地促進費補助金を平成十七年度に約一千四百九十万円、合計で約二億一千七百二十万円の補助金を交付しております。  このほか財団法人21あおもり産業総合支援センターにおいて、クリスタルバレイ構想の推進のため、FPD関連企業の発行する社債に係る債務保証を行う基金を造成しており、平成十八年度、東北デバイス株式会社の三億円の社債を引き受けた株式会社みずほ銀行に対し、保証割合八〇%に相当する二億四千万円の債務保証をしております。  また、新産業の創造や地域経済の活性化等を図ることを目的に、平成十九年六月、地域経済界の主導によりまして創設された本県初の地域ファンドであるあおもりクリエイトファンドにおいては、平成十九年度に同社に対しまして一億九千三百六十万円の投資を行っております。  次に、民事再生手続に至った原因についてでございます。  東北デバイス株式会社は、平成十八年三月から有機ELパネルの生産を開始し、県としても、誘致企業に対するフォローアップの一環として適宜事業の実施状況等を確認し、事業環境の改善に向けまして、可能な限りバックアップしてまいりました。  しかしながら、当初の事業計画に基づく設備の導入と有機ELパネルの需要の立ち上がりがかみ合わなかったことや、世界的な景気後退の影響等から資金繰りが圧迫され、民事再生手続に至ったものと聞いております。  次に、クリスタルバレイ構想の成果についてでございます。  クリスタルバレイ構想の策定以降、FPD関連産業につきましては、市場の寡占化が進み、大型設備投資が一巡するなど、急速な環境変化がありました。このため、平成十九年度には対象分野を広げ、構想を多角的に展開してまいりましたが、その後も、リーマンショックや中国の台頭などによる経済のグローバル化の進展によりまして、構想の推進に大きな影響を受けてきているところでございます。  このような大変厳しい環境変化の中にあっても、これまで構想の推進のために産学官が連携して取り組んできたことにより、企業立地による新たな雇用の創出が図られたほか、研究開発から事業化へ向けた取り組みが進められていること、さらには、八戸工業大学、八戸工業高等専門学校などにおきまして養成した五百名以上のFPD関連の人財が地元の企業等において活躍していることは、本県の産業振興に大きく貢献しているものと考えております。  今般、策定から十年目という節目を迎えまして、また、産業構造の変化や経済のグローバル化の進展を踏まえまして、これまでの取り組みとそれに対する課題等も整理しながら、FPD関連産業だけではなく、別の切り口を含め、構想の再構築を行うこととしているところでございます。 117 ◯議長(長尾忠行) 県土整備部長。 118 ◯県土整備部長(竹内春繁) 御質問二点についてお答えいたします。  東北デバイス株式会社の負債総額及び優先債権等の内容、金額についてでございます。  東北デバイス株式会社の負債総額は、民事再生手続開始の申し立て時に約三十七億円と発表されております。このうち、九月時点で優先して弁済される債権は、借入金や再生手続費用が約一億五千七百万円、税金が約九千六百万円、給料が約五千五百万円、退職金が約三千五百万円、不動産や機械類の抵当権等を外す費用が約三億五千万円(後刻「三億五百万円」に訂正)で、総額六億四千八百万円となっております。  次に、六ヶ所工業用水道事業の経営状況と今後のあり方についてでございます。  六ヶ所工業用水道は、平成十四年に給水を開始したもので、計画した給水能力日量五千立方メートルに対しまして、現在、二事業所に日量二千二百三十立方メートルを給水しております。収支状況を見ますと、赤字基調で推移しており、平成二十一年度決算においては、総収益約三千六百八十万円に対し、総費用は約四千六百三十万円、差し引き約九百五十万円の純損失が生じております。この結果、平成二十一年度末での累積欠損金は約七千九百十万円となっております。  こうした状況の中で、企業誘致が進まない場合は、収入が伸びず、さらに欠損金がふえていくことになります。今後、赤字体質の改善に向けては、商工労働部と連携しまして企業誘致を進めていくことが何よりも重要であるというふうに考えております。 119 ◯議長(長尾忠行) 教育長。 120 ◯教育長(橋本 都) 御質問二点についてお答えいたします。  まず、給与改定に向けた職員組合との交渉の状況についての教育委員会所管分であります。  人事委員会勧告の取り扱いについては、青森県教職員組合、青森県高等学校・障害児学校教職員組合、日教組青森県教職員組合及び青森県学校事務労働組合の四団体に対しまして、平成二十二年十月二十五日に提示し、十一月八日まで三回にわたり誠意をもって交渉を行ってまいりました。  その結果、一定の理解を得られた団体がある一方で、合意に至らなかった団体もありますが、人事委員会勧告制度は、地方公務員の労働基本権の一部が制約されていることに対する代償措置として設けられている制度であり、基本的に尊重されるべきものと考えております。  次に、義務教育等教員特別手当に対する見解であります。  義務教育等教員特別手当は、学校教育の水準の維持向上のための義務教育諸学校の教育職員の人材確保に関する特別措置法、いわゆる人確法に基づき、優秀な人材を確保し、もって学校教育の水準の維持向上に資することを目的に支給されております。  国では、平成十八年七月七日に閣議決定された骨太の方針二〇〇六において、人確法に基づく優遇措置の縮減及びめり張りをつけた教員給与体系の検討を行うこととされました。  これを受けて文部科学省では、平成二十年度予算から部活動指導手当などの教員特殊業務手当を倍増する一方、義務教育等教員特別手当については、平成二十年度及び平成二十一年度予算に引き続き、平成二十二年度予算においても縮減を図ることとしたところであります。  県教育委員会といたしましては、国の予算措置状況及び他の都道府県の状況を踏まえ、国に準じた見直しをすることとしたところであります。  以上であります。 121 ◯議長(長尾忠行) 佐々木人事委員長。 122 ◯人事委員長(佐々木忠一) 諏訪議員より六項目の御質問をいただきました。  第一項目めの、特例条例の減額後においては職員給与が民間と比較して下回っているにもかかわらず引き下げ勧告をした考え方についてお答えいたします。  本委員会としては、給与勧告は、地方公務員法に定める給与決定の原則に従い、国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与等について調査検討を行い、職員が本来受けるべき給与水準、あるべき給与制度について勧告することが役割であると考えているわけでございます。  一方、特例条例による給与の減額措置は、地方公務員法が定める給与決定原則や給与勧告制度の趣旨とは異なるものであります。本委員会としては、給与勧告制度に基づく本来の職員の給与水準が確保されるべきであると考えております。  このため、あくまで減額措置される前のあるべき給与水準について勧告しているものでございます。  二項目めの、今回の調整措置については、実質的には遡及して減額する措置であり、問題があるとの御質問にお答えいたします。  今回の調整措置は、地方公務員法に定める情勢適応の原則に基づき、年間給与の公務と民間の均衡を図る観点から、給与改正条例の施行日以降の給与である期末手当の額により調整を行うこととするものであります。条例の遡及適用により既に確定した給与を不利益に変更して差額を返納させるものではなく、不利益不遡及の原則の法理に反していないと考えているところでございます。  三項目めの、平成十八年度の給料表切りかえに伴う現給保障額を今回の給与改定で引き下げることは問題があるとの御質問にお答えいたします。  給与構造改革による給料表の水準引き下げに伴う経過措置として、その者の受ける給料月額が平成十八年三月三十一日に受けていた給料月額に達しない職員については、その達するまでの間、その差額を給料として支給することとしておりましたが、これは給料表水準の制度的引き下げに伴う激変緩和措置として、同日に受けていた給料月額の水準を保障したもので、引き下げ前における給料月額を保障する趣旨ではございません。  今回のように給料月額の引き下げ改定を行う場合には、現給保障の水準自体の引き下げをしておかないと、給料月額の引き下げ分だけ相対的に経過措置額がふえて引き下げ改定の効果が生じなくなることから、経過措置額についても当該引き下げ改定に見合う減額調整を行う必要があると考え、その旨勧告したところでございます。  第四項目めの、県職員の給与の引き下げを参考に県内民間企業が引き下げをし、さらにそれを参考に県職員の給与を引き下げるという悪循環が生じているとの御質問にお答えいたします。  県職員の給与については、地方公務員法に定める給与決定の原則により、国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与等を考慮して定めることとされていることから、給与勧告においても県内経済や県内民間企業の給与に与える影響等を考慮する仕組みになっていないところです。また、民間企業は、その業績をもとに従業員の給料を考慮していると承知しております。  第五項目めの、行政職給料表四級及び五級の職員について、最高号給に到達している職員の割合が高いことから給料表の号給を延長する勧告をすべきとの御質問にお答えいたします。  本県の給料表は、給与構造の改革として、国及び他の都道府県の動向等を踏まえ、平成十八年度から年功重視から職務重視へ給料表構造を転換することとし、その際、最高号給に一定の号給の増設を行った上で、年功的な給与制度の見直しの観点から枠外昇給制度について廃止したところです。  そのような経緯や定年延長及び高齢期雇用にかかわる高齢層給与の議論があること等を踏まえると、現段階において号給を延長することは適当じゃないと考えております。  六項目めの、本委員会の報告で、五十歳代職員の給与のあり方の検討並びに定年延長に向けた課題の整理及び検討をあわせて報告している趣旨についてお答えいたします。  人事院においては、定年延長に伴う給与制度の見直しを行うことを念頭に置きつつ、特に官民の給与差が大きい五十歳代後半層を中心とする五十歳代職員の給与のあり方について検討することとしています。  本県においても、定年延長に向けた制度見直しの検討は必要であると認識しており、この中で五十歳代職員の給与のあり方についての検討も避けられないと考えているところです。  今後、人事院が示す五十歳代職員の給与のあり方についての検討結果、定年延長に向けた制度見直しに係る意見の申し出内容、さらに本県の昇任管理と給与水準との関連など、人事・給与管理制度のあり方の検討や他の都道府県の動向等も踏まえながら具体的な検討を行っていく必要があると考えているところでございます。  以上でございます。 123 ◯議長(長尾忠行) 県土整備部長。 124 ◯県土整備部長(竹内春繁) 先ほどの答弁の中で、抵当権等を外す費用三億五百万円と申し上げるべきところ、三億五千万円と申し上げました。訂正しておわび申し上げます。 125 ◯議長(長尾忠行) 諏訪議員。 126 ◯三十六番(諏訪益一) 再質を行います。  クリスタルバレイ構想は、今年度で目標の十年目を終えるわけです。到達点がどうなっているか、資料をいただきました。この十年間で事業所数十ないし十五社、到達点FPD関連二社、二〇%。全敷地面積百ヘクタール、到達四・六ヘクタール、四・六%。設備投資二千億、到達四十五億、二・二%。雇用者五千ないし六千人、現在二百六十二人、五・二%。出荷額二千四百億円、到達三十三億、一・四%。これをどう見るかということをしっかり踏まえないと、単に百四十万の債権放棄だけだというわけにはいかない問題がここにあるということを指摘しておきたいと思うんです。  有機ELパネルの需要の立ち上がりがかみ合わなかった。事情を聞いたら、これはかみ合わないんですよ。次の世代の可能性としては需要は起きてくるかもしれませんけれども。そういうことの厳しい吟味というか、対応がやはり求められていたし、今述べた全体としての構想の到達率がそういう状況だということについての評価と責任という問題がこの構想の問題では存在しているというぐあいに考えますが、改めてお伺いしたいと思います。  見通しの甘さ、そういった問題も含めて、しかも数億の補助金、債務保証、こういった問題も存在しているということについて、それをどう見るのか。県民に対するきちんとした説明責任と謝罪、責任の所在、こういったものを明白にして、この問題の債権放棄の説明に当たるべきだと思うんですが、一言もないです。そのことを改めて問います。  同時に、今回の七・六億の譲渡価格が妥当なのか、三・六%の弁済率が妥当なのか。これは民事再生手続の中で出てきたものらしいんですが、単にこういう報告されるだけで納得するわけにいかないんですが、説明できますか。なぜこうなったのかということについて説明していただきたいというぐあいに思います。  六ヶ所工業用水道事業約八千万の累積赤字だって、その他の事業も含めて、こういうことを繰り返してきたんですよ。後々、十年、三十年後に負債処理するとかということが起きているために、この工業用水道事業の事業のあり方というものについて、やっぱり厳密に対処方針というのを示していくべきだと思うんですが、さっきの答弁では、もう全然納得いきません。改めて聞きたいと思います。  給与の問題ですが、実際は減額しているわけです。特例条例の減額措置によって減額している。民間より一千四百六十二円下回っているわけです。減額措置がないものとした給与に基づくという言い方をしながら、他方で減額措置については、人事委員長が述べたように、速やかに給与勧告制度に基づく本来の職員の給与水準が確保されることを望むものであると言っているわけですよ。一方で減額措置する。望むものであるという言い方で。しかし、事実として残っているのは下回っているということですよ。それについての腑に落ちるような説明がないので、また同じ答弁をするんだと思うんですが──委員長、うん、うんと言っていますけれども、だれだって腑に落ちない部分なんです。遡及することなくと言っているんですよ。それなのに調整措置と称して四月から遡及して減額するわけですよ。こんなの理屈上あり得ますか。それもへ理屈で、だれも納得しません。  それから、この十二年間に及ぶ連続した削減据え置きで、ことしの平均年収と一九九〇年との差はマイナス七十三万八千円に達します。これだけの減給というか、減らされてきたわけです。さっきの五十歳代職員の給与のあり方や定年延長の問題も、結局のところ、その年代は能力はある。しかし、できるだけ安上がりの低い賃金で雇おうというねらいがこれは透けて見えるわけです。  勧告の中でメンタルヘルスの対策というのが出てきます。近年、心の疾病に起因する休職者が増加する傾向にある。心の疾病って何ですか。この心の疾病というのは、経済的あるいは労働条件上の物質的基盤に左右されるんです。この十二年間で七十数万も減収になる。これは悪循環なんですよ。これでは円高・デフレも脱却できないんです。ここに鋭くメスを入れるということを、理論政策上もはっきりさせていかないと混迷していくんですよ。悪循環に陥っていくんです。来年度も、再来年度も、結局だんだん下がっていく。脱出しないとだめなんですよ。知恵も工夫もして脱出する方途を見出さなければならない。そこについて、全体としての見解がありましたらお示しいただきたい。  特別職も、県会議員のところも、県職員の下げる問題だけではないんですよ。県民の理解が、特別職や議員の報酬に今向けられてきているんです。県職員の賃下げの問題に見せる姿勢ではなくて、県民の理解を得るという点でどうなのかという点で強調しておきたいと思います。  以上です。 127 ◯議長(長尾忠行) 蝦名副知事。 128 ◯副知事(蝦名 武) クリスタルバレイ構想に関する三点の質問についてお答えいたします。  当時、先ほども申し上げましたように、液晶関連産業が急拡大で発展するという、当時は恐らくそういう考え方で私は正しかったと思っておりますけれども、その後に、クリスタルバレイ構想につきましては、その当時、そういうことで液晶関連産業が、これは恐らく相当な発展をするであろうということは、当時も予測されておりましたし、世界的にアナログからいわゆるデジタルに変わるということもございまして、テレビが全部デジタルに変わるということもございまして、我が青森県にも多くの企業が来るというふうに考えてやってみたものであります。  主として──ある広島の半導体会社もぜひ六ヶ所に出たいという話がございました。これは大規模な投資でございまして、私どもも随分期待したわけでありますが、しかしながら、結果としてなぜだめになったのか。それは、やはり六ヶ所、むつ小川原地域だと、全国から優秀な若者を連れてこれないという、私としては大変ショッキングな話を受け、結果として、その企業がむつ小川原に来なかった。この企業が来れば恐らく千人規模での半導体工場ができたであろうと、予想しているわけでございます。  青森県のむつ小川原地域につきましては、その意味で非常に気候が冷涼だとか、さまざまな面でいい点があるわけでありますけれども、人材の確保という意味で、全国から連れてくる場合に、さまざまな問題点があるということもわかったわけであります。  いずれにしても、クリスタルバレイ構想につきましては、当初予想したとおりにはならないことになっているわけでありまして、この点については大変深く反省しております。  また、結果として東北デバイスの債権放棄、百四十万円を県議会にお願いしなきゃならないということにつきましても、私として県民に謝罪し、また、これについては、先ほども言いましたように、責任はもちろん感じておりますけれども、私どもの責任として大事なのは、この東北デバイスが将来のいわゆる技術として、非常に早い段階に手をつけてやってきた。それに対して県が一生懸命支援してきた。しかし、それが大手の企業に認められて、今新たな出発をしようとしているわけであります。ですから、私どもは、県としては、その責任を果たすためには、今の東北デバイスの雇用を確保し、なお、十年後に一千億円産業ができるように、そうなれば多くの従業員も働くことになるわけでございまして、それが県内において製造できるような、そういう努力をこれからもしていくことが、それに対する責務を果たすことであると考えております。  それから、民事再生で裁判所が九六・四%ですか、やりました。これがどうかということでございますけれども、これはあくまでも裁判所が判断したものでございまして、県がどうのこうの言える立場にはないと、こう思っております。  工業用水につきましても、日量五千リッターでございますから、これを使い切るようなさまざまな企業を誘致していく必要があると、こう考えておりますので、先ほども言いましたように、東北デバイスが、これから一年、二年たって、非常に技術が認められ、世界に進出するようになりますと、工場が大きくなるわけでございまして、こういうものでも十分水を使っていくということになると思いますので、何とかそういう努力をしながらこの解決策を見つけていきたいと、こう考えております。 129 ◯議長(長尾忠行) 人事委員長。 130 ◯人事委員長(佐々木忠一) この問題は諏訪議員がよく御存じだと思っております。特例条例による給与の減額という問題は、人事委員会では手の及ばない問題だということは、もう十分御承知でこういう質問をされたというふうに思っております。  特例条例は、御承知のように副参事以上の方々の減額措置でございます。しかし、私ども人事委員会としては、給料を下げるべきとか、総人件費を抑制すべきとかいった個別の予断を持っているわけではございません。その辺をひとつ御理解いただきたいと思います。  終わります。 131 ◯議長(長尾忠行) 十二番奈良岡克也議員の発言を許可いたします。──奈良岡議員。 132 ◯十二番(奈良岡克也) 十二番、社民党・県民クラブ、奈良岡克也でございます。先議議案に対する私なりの質疑を行ってまいりたいと思います。  大きく二点、県職員の給与に関することと、六ヶ所工業用水道関係について伺いたいと思います。  第一点目は、提出議案知事説明要旨、職員の給与等に関する報告及び勧告及び議案第十二号「職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例案」の内容についてであります。
     人事院は、ことし、国家公務員の五十六歳以上の管理職、行政職の一の六級相当以上の俸給と俸給の特別調整額、管理職手当を一・五%削減すると勧告しました。人事院は、五十六歳以上の給与水準が上がった理由として、天下り禁止により長期在職者がふえたことを挙げています。また、人事院は、企業規模一千人以上で年齢を理由に給与を引き下げている会社は、管理職、課長級で約五割、非管理職で約四割、しかも職務や業務が同じままで引き下げている企業は二割と回答しています。なお、国家公務員の賃金カットは一度も行われていないようであります。  こうした人事院勧告と国家公務員の状況から、各県の人事委員会の勧告はそれぞれの実情に合わせて行われていくために、各県ごとにばらばらの対応となる模様であると伝えられています。  こうした中で、県人事委員会は、去る十月六日、県職員の月例給を平均三百九十一円、〇・一〇%、一時金を〇・一五月分引き下げるという勧告を行いました。民間の労働者賃金の反映とはいえ、月例給、一時金については、二年連続の引き下げとなっています。これによる県職員の年間収入は、平均六万五千円のダウンとなるものであります。  しかし、五十六歳以上の管理職の給料月額と管理職手当での一律削減については、職員組合との交渉により勧告には至りませんでした。本県の五十六歳以上の行政職の職員比率は、昨年度一五・二四%、本年度は一三・八五%であり、この比率は、国家公務員よりもはるかに多く、削減されれば大きな被害が出たはずであります。  県職員の給与は、一般職の賃金カットは中止になっていますけれども、管理職の三から五%カットはいまだに続いています。このカットは、削減期間としては平成二十四年三月までとなっていますが、果たして計画どおりにいくのか定かではないようであります。また、県職員の年収ダウンは十二年連続となっていることから、ことしの勧告は厳しいマイナス勧告と言わなければなりません。  ことしの人事委員会勧告とそれをめぐる県と職員組合の労使交渉は、労使関係という枠組みの中で、職員組合が人事院勧告を尊重せざるを得ないということから妥結を見たと伺っています。しかし、県職員の給与切り下げが及ぼす影響は、市町村職員や中小民間企業等多岐にわたるものであり、厳しい県経済と雇用情勢の中で、デフレ経済からの脱却という課題とも絡み、大変大きいものがあると考えるところであります。  そこで、人事委員会に対して次の質問を行います。  (一)県職員給与の引き下げ勧告について。県内の景気高揚とデフレ脱却のためには、県職員給与の引き下げ勧告をするべきではなかったと考えるが、見解を伺いたいと思います。  次に、(二)給与等の引き下げに係る影響について三点の質問をいたします。  アとして、給与の引き下げは、県職員の士気の低下につながっていると考えますが、県の見解を伺います。  イとして、県内の市町村や民間中小企業では、県職員の給与引き下げを理由に給与水準を低下させている実態があると考えますが、県の見解を伺いたいと思います。  ウとして、今回の給与等の減額改定は、青森県基本計画未来への挑戦が注目指標に掲げる一人当たり県民所得の向上に悪い影響を与えると思うが、見解を伺いたいと思います。  三点目、新幹線鉄道等利用者の通勤手当について伺います。  県職員の通勤手当で青い森鉄道の支給限度額を七万円に引き上げ、同鉄道利用者の自己負担額がなくなったことは評価できると思います。しかし、県職員がこれまで通勤に「白鳥」、「つがる」というJR特急列車を利用していましたが、特急料金の二分の一を自己負担してきた経緯があります。十二月四日より東北新幹線全線開業を迎え、県職員も新幹線を利用しての通勤方法を取り入れざるを得ない状況となっています。  一般職員については、現在の一万六千八百円から一万六千三百十円と若干は軽減されるものの、今後は三カ月ごとに特急料金と一体型通勤定期を購入するために五万円近い負担が必要となる模様であります。また、通勤回数が月平均十回の再任用職員については、現行の三千四百円、一万五百六十円となり、給与の低い再任用職員にとって大変な負担になるようであります。  県としては、新幹線時代が到来したことに際して、県職員が新幹線通勤を利用するためにもっと配慮すべきであると思います。  そこで質問ですが、新幹線鉄道等利用者の特急料金等に係る通勤手当については、特別料金等の二分の一の額ではなく、その全額を支給すべきと考えますが、県の見解を伺いたいと思います。  大きい第二点目であります。議案第二十四号「権利の放棄の件」、六ヶ所工業用水道事業の経営見通しについてであります。  むつ小川原開発構想の開始から既に長い年月が経過しています。県では、同構想の一環として、むつ小川原開発地区及び周辺地域において、産学官金の連携体制のもとで、液晶を初めとするFPD関連産業の集積を図るためと位置づけ、クリスタルバレイ構想を推進してきました。しかし、企業誘致が遅々として進んでいないというのは、先ほどまでの質疑で明らかであります。  六ヶ所村の広大な用地に誘致されてきた企業は現在でも二社だけであり、そのうちの一社である東北デバイスは、本年七月、東京地裁に民事再生手続開始の申し立てを行いました。本年十月二十日、同社は東京地裁に財政計画案を提出しました。それによれば、東北デバイスは、その全事業をOLED(オーレッド)青森(株)に九月三十日に譲渡したということであります。譲渡価額は七億六千万円で、この譲渡代金を財源にして債権者に弁済を行うこととされています。  譲渡代金七億六千万円から優先債権を弁済した残り一億二千万円に、一般債権額三十億四千万円を計算すると、弁済率は三・六%となるそうであります。東北デバイスの六ヶ所工業用水道給水料金の滞納額は百四十五万円余となっていることから、県への弁済額は五万二千円余となり、県の権利放棄額は百四十万円となって、これを認めてほしいと、こういうお話であります。  そこで質問ですが、東北デバイス株式会社に係る債権を放棄することによって、六ヶ所工業用水道事業への影響と今後の見通しはどうなっているのかについて伺いたいと思います。  以上でございます。 133 ◯議長(長尾忠行) 総務部長。 134 ◯総務部長(田辺康彦) 一点目は、今回の給与の引き下げと県職員の士気の低下との関係でございます。  今回の給与改定は、県内の厳しい経済・雇用情勢を反映したものとはいえ、職員一人一人にとっては厳しい内容であることは十分に認識しております。しかしながら、県内のこのような情勢を踏まえれば、職員一人一人がその状況を十分理解し、公の使命感をより強く持ち、より一層効率的な業務遂行と県民サービスの向上に努めていくことが必要であると考えております。  次に、給与等の引き下げが県内の市町村や民間中小企業へ影響するのではないかということでございます。  県職員の給与は人事委員会勧告等を踏まえて決定されるものでございますが、県内市町村職員や民間従業員の給与は、基本的にはそれぞれの団体等において、それぞれのルールに基づき自主的に決定されるものと認識しております。  三点目は、新幹線鉄道等利用者の通勤手当で、その特別料金の全額を支給すべきではないかという点でございます。  通勤手当は、職員の通勤経費の補助を目的として、実費弁償に近い性格のものでございますが、新幹線の特別料金等につきましては、通勤時間の短縮という利便性を享受できることに加え、先ほど渋谷議員が御指摘されましたように、青い森鉄道を初めほかの普通列車の利用者との公平性との観点等もございまして、基本的にはこれまでどおり、国と同様に二分の一の支援としたところでございます。 135 ◯議長(長尾忠行) 企画政策部長。 136 ◯企画政策部長(佐々木郁夫) 給与等の減額改定が県基本計画の注目指標に掲げます一人当たり県民所得の向上に悪影響を与えるのではないかについてお答えします。  一人当たりの県民所得は、国内外の景気の基調に加えまして、県内企業の経済活動や就業率、労働生産性など、さまざまな経済的要因によって変動するものであると認識しているところであり、県民所得につきましては、基本計画を着実に推進し、生業(なりわい)づくりを進めることにより、安定した経済的基盤を確立していくことを通じ、その向上に努めていくことが重要であると考えているところです。  以上です。 137 ◯議長(長尾忠行) 県土整備部長。 138 ◯県土整備部長(竹内春繁) 東北デバイス株式会社に係る債権放棄による工業用水道事業への影響と今後の見通しでございます。  今回の債権放棄によりまして六ヶ所工業用水道事業の収入が約百四十万円減少し、平成二十二年度の収入見込み額およそ三千八百四十五万円に対しまして、約三・六%の減収となります。現在、東北デバイス株式会社から譲渡を受けたOLED青森株式会社が事業を継続しており、工業用水についても、これまでと同量の日量二百五十立方メートルを供給していることから、今後も従来どおりの収入が見込まれるものと考えております。  六ヶ所工業用水道事業の収支状況は赤字基調で推移しており、こうした状況を改善するには、企業誘致が進むことが第一と考えておりますが、今後とも引き続き経費節減に努めてまいります。 139 ◯議長(長尾忠行) 人事委員長。 140 ◯人事委員長(佐々木忠一) 奈良岡議員より、県職員給与の引き下げ勧告について、次の御質問をいただきました。  県内の景気高揚とデフレ脱却のためには県職員給与の引き下げ勧告をすべきではなかったとの御質問にお答えいたします。  県職員の給与については、地方公務員法に定める給与決定の原則により、国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与等を考慮して定めることとされていることから、給与勧告においても県内の景気高揚等を考慮する仕組みになっていないところでございます。  以上でございます。 141 ◯議長(長尾忠行) 奈良岡議員。 142 ◯十二番(奈良岡克也) 職員の給与関係について再質問を二つさせていただきます。  一点目は、管理職員の賃金カットであります。管理職員の賃金カットは、住宅ローンや子弟の就学ローンを抱える世代が中心であり、それを直撃する要因になっていると思います。また、この賃金カットは、県人事委員会勧告と県が実施する月例給与と期末勤勉手当のダウンは、管理職の皆さんにとってはまさにダブルパンチとなって作用します。預かる部署で仕事の成果を上げること、部下の統率力を問われる立場、サービス残業に苦しみ、疲労とストレスにさいなまされ、疲れ切って生気のない顔では、仕事へのモチベーションは上がるものではありません。部下が、このような管理職を見て、尊敬し、上司についていく気持ちになるかといえば、これもまた逆の方向ではないのか。よって、早急に管理職の賃金カットはやめるべきだと思います。一体いつまでこれを続けるつもりなのか、いつこれをやめるつもりなのか伺いたいと思います。  二つ目、公務員の賃金は、長期不況になればなるほど現行を維持し、現在よりもアップさせるべきであります。デフレ基調の経済から脱却を図るためには、消費意欲を少しでも促し、これをもって民間企業に誘発させることが肝心であります。特に県内で最も組織が大きい県庁がその先鞭を切り、青森、弘前、八戸などの市役所に波及させ、他の市町村に拡大し、中小民間にもその意欲をかき立てていくことが何としても求められる情勢ではないのか。そのためには、公務員の賃金が高いことについて強い批判があったとしても、それに耐え、不祥事も絶対起こさない決意が求められると思います。県として先鞭をつける勇気はないのか、再度伺いたいと思います。  三点目、通勤手当の問題であります。  県が主導的な立場をとり、東北新幹線全線開業という四十年余りの県民の悲願がようやく実現した。県全体が新幹線時代を迎えることになります。県職員の通勤も、当然これを享受できるような体制を保障してやるのが本筋ではないかと思います。県職員は、職員定数を削減され、依然としてサービス残業があり、労働強化が深度化し、賃金が抑制されていることを考慮に入れれば、新幹線を含む特急料金の全額支給は当然ではないかと思いますが、再度伺いたいと思います。  また、国家公務員は職場ごとに官舎が整備されていますが、地方公務員は公舎整備が不十分で、持ち家比率が高いという事情に配慮されるべきであります。また、再任用者は、住居手当や単身赴任手当がないため、自宅通勤せざるを得ない特情にあることについても理解されてしかるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。再度お願いいたしたいと思います。  最後、クリスタルバレイと六ヶ所工業用水道の関係は、表裏一体の関係にあるということが既に質疑で明らかになっているだろうと思います。クリスタルバレイ構想の現在の二社、一方はOLED青森が事業譲渡を引き受けたということから、救われた形になっていますけれども、もしももう一方に不測の事態が発生すれば、直ちにこの工業用水道もパンクしてしまうと、こういう関係にあるだろうと思います。  そういうようなことを考えますというと、企業の誘致の関係については、切り口を変えていろんなところに手を伸ばしてというふうに、この問題が取り上げられればそういう答弁が繰り返されていますけれども、そのような悠長な段階ではないのではないか。もう少し緊迫感を持って、緊張感を持って企業誘致に当たるべきが求められる姿だと思いますが、その緊迫感が先ほどまでの答弁ではさっぱり感じられない、これは残念なことであります。もう少し決意を伺いたいと思います。  以上です。 143 ◯議長(長尾忠行) 蝦名副知事。 144 ◯副知事(蝦名 武) 再質問にお答えします。  管理職の賃金カットにつきましては、管理職の皆さんに大変申しわけないと思っておりますけれども、県の財政改革はまだ道半ばでございまして、これからもまだ厳しい環境が続くものと考えておりますので、大変申しわけありませんけれども、もう少し続けていきたいと、こういうふうに考えております。  民間の企業と地方公務員、我々県庁職員の給与の関係でございますけれども、やはり先ほど人事委員長等が答弁しているとおりであると思いますので、この辺は御理解を賜りたいと思います。  特急料金につきましても、先ほど総務部長が御説明したとおりでございますので、御理解を賜りたいと、こう思っております。  あと、さまざまな手当につきましては、それぞれこれからさまざまな状況を勘案しながら検討していきたいと、こう思っております。  クリスタルバレイ構想の企業誘致につきましては、我々は一生懸命努力しているわけでございます。これからなお一層緊張感を高めて、その企業誘致に努力し、工業用水が赤字にならないような、そういう努力をしていきたいと、こう考えております。 145 ◯議長(長尾忠行) これをもって質疑を終わります。     ───────────────────────       ◎ 議   案   採   決     ─────────────────────── 146 ◯議長(長尾忠行) お諮りいたします。議案第一号から議案第十三号まで及び議案第二十四号は、委員会付託及び討論を省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 147 ◯議長(長尾忠行) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  これより議案の採決をいたします。  議案第一号から議案第九号まで、議案第十二号及び議案第二十四号、以上十一件の原案に賛成の方は御起立を願います。  〔賛成者起立〕 148 ◯議長(長尾忠行) 起立多数であります。よって、原案は可決されました。  議案第十号、議案第十一号及び議案第十三号、以上三件の原案に賛成の方は御起立を願います。  〔賛成者起立〕 149 ◯議長(長尾忠行) 起立総員であります。よって、原案は可決されました。  以上をもって本日の議事は終了いたしました。  明日は午前十時三十分から本会議を開き、一般質問を続行いたします。  本日はこれをもって散会いたします。 午後六時三十九分散会 Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...