青森県議会 2010-11-19
平成22年環境厚生委員会 本文 開催日: 2010-11-19
再発防止策につきましては、
特別児童扶養手当の支給が適正に行われるよう、各
福祉事務所においては、
管理監督者による
進捗管理体制の強化、
チェック機能体制の強化、本庁においては、事務の
進行管理体制の強化、指導管理の強化を図ることとしております。
このため、当面の対応としまして、11月16日に各
福祉事務所あてに「
特別児童扶養手当事務の適正な執行について」の注意喚起の文書を発出し、11月18日に
西北地方事務所に対する
特別児童扶養手当指導監査を緊急実施いたしました。
また、11月25日には、平成22年度第2回
特別児童扶養手当支給事務担当課長及び
担当者会議を開催し、
再発防止策の徹底に取り組んでまいります。
支給の遅延により、受給者の皆様、関係者の皆様に御迷惑をおかけいたしましたことを心から深くおわび申し上げます。
今後は、このような事態が再び発生することのないよう適正な業務遂行に万全を期してまいります。
以上が、
報告事項の1になります。
引き続きまして、
報告事項2でございます。
青森圏域の
地域医療再生計画の
療育部分について御報告をさせていただきます。
先般10月20日、第4回の
青森圏域等療育機能検討会議を開催いたしました。その
検討会議の冒頭のあいさつで、知事から、全国的な
医師不足という現状を踏まえ、利用者、関係者の皆様の切実な声を重く受けとめ、さまざまな課題の整理を含めて、総合的に判断した結果、今般
県立施設に残す一部
医療機能として、
あすなろ医療療育センターには
有床診療所、さ
わらび医療療育センターには無
床診療所を併設する方向で計画を進めていくこととし、方向性を示しました。
資料のほうをごらんください。まず一番上に囲ってあります部分でございますが、都市計画では、
医師不足と
重症心身障害児者の
受け皿不足により、
医療資源を
青森病院に集約し、安定的に
医療提供体制の構築を図ることとし、一つは、
医療ニーズの高い方のため、
青森病院に
重症心身病棟を50床増床整理、
あすなろ医療療育センターの
肢体不自由児施設20床は
青森病院に移管し、医師は
あすなろ医療療育センター、さ
わらび医療療育センターから
青森病院に集約するというものでありました。
続きまして、2番目の点線で囲んだ枠になりますが、当初案に対しまして、この
検討会議や利用者・
関係者等から、資料に記載されているような理由で
医療機関としての
訓練機能を存続してほしいという強い御要望をいただきました。
そこで、
あすなろ医療療育センター及びさ
わらび医療療育センターにおける1カ月間の
リハビリ訓練の実態を調査しました。
3番目の枠になりますが、このような御要望と実態調査の結果を踏まえまして、6月1日に開催した第3回
検討会議において、県からは、検討のためのたたき台としまして、
あすなろ医療療育センターは外来機能を継続するために無
床診療所を設置し、さ
わらび医療療育センターは見直しとして、
嘱託医配置案を提示しました。
これに対しまして、利用者・
関係者等からは、
重症心身障害児者の
受け皿づくりの必要性はあるものの、
あすなろ医療療育センターは
肢体不自由児施設を
有床診療所として残すべき、さ
わらび医療療育センターは無床でもよいので診療所を併設して
訓練機能を維持すべきとの御意見をいただきました。
また、この会議で、
青森病院からは、当初
重症心身病棟50床の増床の予定でしたが、効率的な病床運営のために40床の増床とするという説明がありました。
県では、第3回の
検討会議以降、利用者の皆様の強い御要望等を踏まえまして、さらなる見直しのために、必要な
医師確保、財源確保といったさまざまな課題の整理や
関係機関との調整を続けてまりました。その結果、資料の一番下の枠にありますとおり、今後の方向性としまして、計画の骨子である
重症心身障害児者への
医療提供体制構築については、当初の
計画どおり青森病院に集約することとし、
あすなろ医療療育センターとさ
わらび医療療育センターがこれまで担ってまいりました
リハビリ訓練等の
医療機能については見直しすることとしました。
その内容は、
見直し案の1)
あすなろ医療療育センターについて、
肢体不自由児施設は
青森病院に移管せず
有床診療所として存続するほか、これまで
青森病院に設置する方向で検討していた
相談支援センターを
あすなろ医療療育センターに設置し、県内の
重症心身障害児者や
肢体不自由児者の保護者の方からの相談への対応や、情報提供など、
相談支援機能を強化することといたしました。それから、
見直し案の2)さ
わらび医療療育センターについては、無
床診療所を設置して、これまでどおり、隣接している
養護学校生徒を初めとする利用者への訓練を継続することといたしました。
これら提示した
見直し計画案は、利用者・
関係者等からの御要望に沿った形の案となりました。
また、今後の
スケジュール案につきましては、資料の次のページに添付しておりますが、平成24年度1年間をかけて
改修整備工事を行い、
県立施設のオープンは平成25年度を予定しております。この
スケジュール案の24年度の部分の
県立医療療育センターで、利用者の意向調査のところに「必要に応じて
青森病院・
福祉型施設等に移し替え」とありますが、「
福祉型施設」というのは消していただければと思います。ちょっと資料に誤りがありましたので、「必要に応じて
青森病院等に移し替え」というふうに御理解いただければと思います。
今後とも検討会や利用者・
保護者等の意見を聞きながら計画推進に向けて努めてまいります。
以上、御報告いたします。
3
◯菊池委員長
ただいまの
報告事項及び
特定付託案件について質疑を行います。
質疑は所管外にわたらないように願います。
なお、答弁者は、挙手の上、「委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。
質疑はありませんか。──
諏訪委員。
4
◯諏訪委員
特別児童手当の
支給遅延についてですが、本県では11月11日の支給として取り扱ってきたと。この理由について述べていただきたい。通常は12月なんでしょうけれども、その理由について述べていただきたい。
それから、11月11日に取り扱ってきたことが、何か簡単なようなことなんでしょう。担当者のところに伝達されていれば、そういう間違いが起きなかったんでしょうけれども、何でこういういとも簡単なことがきちんとされていなかったんでしょうか。
引き継ぎが徹底されていないということなんでしょうか。
それから、データの
入力状況で、1回目と、その2回目のところの関係というものをもう少し説明してくれませんか。なぜそういう違いが出てしまったのかというものです。
それから、報告だけでひとまずとどめておきますけれども、
あすなろのほうも、さわらびのほうもそういう形で推移していくんですが、
肝心かなめの医師の確保ということについての見通しがある程度あるからこそ、
医療機能の維持ということで有床診療、あるいは無
床診療所という形の対応になったと思うので、その点での確実さと言ったらいいか、確実にしてもらいたいわけですけれども、その辺の事情をもう少し立ち入って説明していただければと。
それから、これから設計委託とかというぐあいに進んでいくんですが、福祉型に
医療機能を持たせる、
有床診療所を併設するといった場合の設計上の問題等について、やはり親の会の皆さんにも説明していただいて、十分な合意を得ながら、そういう施設内容というものについても協議をしていただければというぐあいに思うんですよ。何もないまま設計委託してできてしまって、こんなはずではなかったとかということになっても困る話ですので、その辺についての協議も十分していただきたいということ等についてお答えをいただきたいと思います。
5
◯川嶋こどもみ
らい課長
諏訪委員の御質問3点についてお答えいたします。
まず第1点目の、なぜ12月期の支払いを県が11月期としているかということに対する回答でございますけれども、
特別児童扶養手当につきましては、現在は本人の口座に国が直接振り込む形になっておりますが、以前は個別の証書によりまして、対象者が郵便局にその証書を持っていきまして、支払いを受けているというシステムになってございました。国におきましても、年末の郵便局での混雑や、あとは県のほうといたしましても、年末であるという対象者のこと等を考慮いたしまして、従来から12月期の支払いを11月期としてきたという経緯があるところでございます。
2点目の
引き継ぎについてでございますが、
西北地方福祉事務所に行って確認しましたところ、
引き継ぎにおきましては、
特別児童扶養手当は11月期の支給だということを明示した上での
引き継ぎが行われているということを確認いたしております。
では、なぜ
引き継ぎがされているのに、このような問題が起こったかということでございますが、一つには、
引き継ぎはやりましたが、担当者の習熟度がまだ足りなかったのではないかということが一つ、もう一つは、
管理監督者、上司等の業務の進捗状況についての管理が不十分であったのではないかということになると考えております。
3点目の、データはどのように2回に分けて国のほうに提出されたかということについてお答えしたいと思います。
まず11月11日の
定時払いに間に合いました1市2町につきましては、ちょっとこの制度の仕組みから申し上げなければいけないんですが、年に1回、継続して
特別児童扶養手当を支給している方々に対しまして、この制度自体が所得制限がございますので、
所得状況届というものを毎年8月から9月にかけて
市町村役場を通じまして
福祉事務所のほうに提出していただくことになってございます。その中身を
福祉事務所のところで審査いたしまして、
所得状況届のデータにつきまして入力いたしております。それで、間に合いましたほうの1市2町につきましては、この
所得状況届の入力を、10月13日まで書面によります決裁を受けて入力した上で、支払いのほうの入力も行ったということでございまして、県を経由していく提出期限に間に合いまして、国のほうに直接データが届いたということでございます。
間に合わなかったほうの1市2町についてでございますけれども、この
所得状況届の入力は10月20日に行われたのでございますが、その後の直接の支払いについてのデータがおくれたために、国のほうの締め切りに間に合わなかったということでございます。一括して全データを投げ入れたものではなく、分割して入れたことによりまして、このような全市町村が全部11月中旬に支払われるべきものが、半分の市町におきまして支払われないということになったという形でございます。
以上でございます。
6
◯工藤障害福祉課長
1点目のさわらびの
医師確保部分についてでございますが、
あすなろの
有床診療所につきましては、現状と同様、弘大の整形外科から2名の
整形外科医師を派遣していただくということで了解をいただいております。また、さわらびの無
床診療所につきましては、来年3月で現所長の任期が終了しますが、今後とも弘大、県病等の
関係機関と協議するなどして医師の確保に努め、再編後の
医師確保に万全を期していきたいと考えております。
2点目の計画設計に当たって利用者の皆様の意見を聞いていただきたいということについてでございますが、現在、方針の方向性を受けまして、
基本構想案を策定する作業を、
作業チームを組織して進めているところでございまして、今年度中に策定することになってございます。また、来年度設計に入ることになりますが、これにつきましても、
利用者等を
委員構成員とした
検討会議での意見をお伺いするとともに、利用者・関係者の皆様にも随時説明会などを開催して理解を得ながら、引き続き設計を進めていきたいと考えております。
以上です。
7
◯諏訪委員
支払いデータの
入力状況というのが、よく意味がわからない。つまり、1回目は国のデータの
提出締め切り日に間に合ったことから、11月11日に支払われたと、2回目は間に合わなかったと。そうすると、そういう仕組み上のことが今回の問題の発生要因なんでしょうか。
引き継ぎだとか、そういうようなことではなくて、いわば
締め切り日に間に合えば11月11日に支払われて、間に合わなければ12月になったんだということが今回の要因なのかということでいいんでしょうか。単に11月11日に取り扱ってきたことの
引き継ぎが行われなかったというだけではなしに、そういう仕組み上の問題が今回そうさせたのかということ、大変大事なんで、その辺の事情を説明していただきたいのであります。
それから、この間福井県に
環境厚生委員会で行ってきたんですが、ぜひ
医療機能を維持していくという点で、しっかりした見通しを持って、管理者の声も聞いて対応していただきたいというのが、そういう基本です。同時に、前にも議論したんですが、中長期的には、やはり
総合医療療育センターとしての位置づけをしっかり確保していくということが重要なんだと思うんですよ。今財政上もいろいろな問題があって、そう簡単に右から左というわけにいかないんですけれども、福井県の
県立療育センターというのは、県病のすぐ隣にあって、県病と結ばれているわけですよ。そうすると、有機的にいい環境の中にあるなというので、いい施設だというぐあいに見てきたんですけれども、いずれそういうことも視野に入れながら、しっかりした展望を持って、そういう総合的な
医療療育センターをつくるという環境もきちんとおぜん立てしていく必要があるんじゃないかというぐあいに改めて思ったものですから、改めて問うておきたいと思います。
8
◯川嶋こどもみ
らい課長
今回の
特別児童扶養手当の
支払い遅延の原因は、繰り返しになりますが、担当者が支払い期を12月だと思い込んでいたということでございます。こちらの報告の資料の中の2ページ目のところに「
支払データ締切日」ということで表を載せてございますけれども、今回は
定時払いということで4月、8月、11月の支払いでございますが、毎月1回支払い日というものがございます。本人は、今の
支給遅延になりました方々、支給になった方々、いずれにつきましても、12月10日の
支払い予定日のために入力したものでありますが、たまたま1回目の入力が早かったために、11月の支給日に間に合ったということでございます。
以上です。
9
◯工藤障害福祉課長
福井県のような
センター構想についてでございますが、現時点では、平成25年度までに、まずこの計画に沿った体制整備をしっかり行うことが重要と考えておりますが、委員からお話のありました福井県のような
センター構想につきましても、将来に向けた検討課題とさせていただければと思います。
いずれにしましても、障害を持って生まれた子供たちへの医療を守る観点から、まず現計画の実現に全力を尽くしたいと考えておりますので、御理解をお願いします。
10
◯諏訪委員
社会福祉法人青森県
すこやか福祉事業団について。
今回の不祥事案に係る
改善報告内容についての県の見解。県が定める
社会福祉施設等における
事故発生時の
報告取扱要領に基づく
事故報告が行われなかったことについての県の見解を伺いたいと思います。
11
◯馬場健康福祉政策課長
社会福祉法人青森県
すこやか福祉事業団において、平成19年度以降、利用者の
所持金着服等、職員の不祥事により解雇や減給等の懲戒処分を行った事例が8件発生し、うち6件は臨時職員に対する処分となっているものでございます。
社会福祉施設において、このような事案が連続して発生したことは、あってはならないことでございまして、今回の事例についても、まことに遺憾に感じております。
県としては、個々の事案について、事業団みずからが内部規程に基づき厳正に処分が行われたものと考えてございますが、ただ、その一方で、このような事案が繰り返し発生したということについて、事業団としての
再発防止への
取り組みが十分ではなかったものと受けとめており、平成22年10月22日付で、文書でその改善への
取り組みを求めたところでございます。これを受けて、青森県
すこやか福祉事業団からは、同10月29日に
改善報告書が提出されたということになっております。
その改善策の内容でございますが、幹部職員の
危機管理研修の受講や
事故報告の徹底などの
管理体制の強化、それから、利用者の
小遣い銭等の取り扱いの見直しなど金銭の取り扱い、それから、職員の採用試験の見直しや、各種研修の実施など、職員の採用及び教育という3分野で、計18項目となっております。
県といたしましては、
再発防止に向けた
取り組み項目の内容については、事業団みずからが真摯に取り組もうとしている姿勢と受けとめておりますけれども、今般提出された改善内容に基づいて具体的な
取り組みが実行されるということが大事でございます。そういったことで、今後、監査等において改善策の
実施状況等を確認しながら、引き続き必要な指導・助言等を行ってまいりたいと考えております。
それから、もう一点の
事故報告が行われなかったことについてでございますが、県では、
社会福祉法人における事故等の報告については、
社会福祉施設等における
事故発生時の
報告取扱要領を定めております。具体的には、利用者の負傷または死亡事故、その他重大な人身事故の発生、2つ目として、食中毒及び感染症の発生、3つ目として、職員の法令違反、不祥事の発生、4つ目として、その他報告が必要と認められる事項についての報告を求めているものでございます。
社会福祉法人青森県
すこやか福祉事業団の今回の職員の不祥事については、この要領に基づいた
事故報告がなされなかったものでございますが、施設と法人本部との理解や連携体制が不十分なことから発生した面がございます。まことに残念なことであります。
県といたしましては、
すこやか福祉事業団に対し、適時適切な報告の徹底を厳しく指導したところでございます。事業団からの今回の
改善報告におきましても、
事故報告の徹底を掲げてございます。今後、監査等において具体的な
取り組み内容を確認し、確実に実施されるよう指導してまいります。
以上でございます。
12
◯諏訪委員
改善策について、金銭の取り扱いについてというのがあります。利用者の
小遣い銭の取り扱いについて一部見直しをしたと。これだけだとよくわからないんですが、何を見直ししたんでしょうか。利用者の
小遣い銭の保管をキャビネットから金庫保管とすると。
利用者個人の
小遣い銭出納簿は、全施設とも所属長及び担当課長が毎月確認することを徹底する。これはどういった有効性が発揮されるというぐあいに見たらいいんでしょうか。
それと、気になるのは、謝礼なんですよ。謝礼などとして各2万円を受領した職員がいる。この謝礼を受け取ってはならないというのは、当たり前だと言えば当たり前なんですけれども、例えば、そういうことの教育の徹底だとか、何かに違反しているとか、この辺の関係はどういった形で根絶できるんでしょう。規程違反とか、明確な根拠とかがあるんでしょうか。お願いします。
13
◯馬場健康福祉政策課長
まず金銭関係のことでございます。その改正のところの内容として、
小遣い銭の保管をキャビネットから金庫とかということは、これは、要は、一職員が恣意的に現金を手にするという機会をなくするということでございます。
それから、
小遣い銭の保管の上限額を利用者1人当たり1万円以下とするということについても、同様に、多額の現金を用意するような場面を除くということで、必要最小限にとどめておくということでございます。
それから、
利用者個人の
小遣い銭出納簿を全施設とも所属長及び担当課長が確認するということは、例えば買い物等を頼まれた場合でも、そういった出し入れをきちんと上司の段階で確認していくということであり、いわゆる金銭でのトラブル、あるいは不祥事を防止することを考えております。
それから、利用者からの謝礼を受け取ることについてでございますが、ちょっと規程上、それを制限した規定が明確にあるかどうか、ちょっと手元では確認できてございませんけれども、いやしくも施設という中で利用者のお世話をする、これは当然仕事でございます。そういったことで、利用者から、利用者は当然それに対して利用料なり、あるいは給付費等が払われているわけでございますけれども、それに対して、仮にその利用者の感謝の意であれ、感謝の気持ちであっても、そういったことについては、職員のほうは当然それを受領するということは考えられないことだと思っております。あくまでも職員の職業倫理ということで決定されることだと考えております。
14
◯諏訪委員
繰り返しがあるということについては、やはり手厳しく指導に当たっていただきたいというぐあいに申し上げたいと思います。
謝礼については、現金はもちろんですけれども、今、病院等その他、とにかく物で何かをお返しする、お礼するというか、そういう習慣はもう徐々になくなってはきているんですけれども、なおそういうものが散見されるということがありますので、物であっても、それはもう毅然としてお断り申し上げるということをきちんと何らかの形で周知すると言ったらいいか、そういうことが必要なんだと思うので、ぜひそういう点での各施設での周知徹底というか、公的な施設でないところも、準公的なところでもないところもあるので、その辺が見えるような形で、一切のそういう謝礼、物等を含めてお断りするということをぜひ決定していただきたいというぐあいに思っています。そのことについて一言あったら。
15
◯馬場健康福祉政策課長
謝礼の件については、委員のおっしゃるとおりだと、私ども思ってございます。今後指導の段階で、事業団に対してはもとより、他のいわゆる事業所全体に対しても、何らかの機会にその旨を徹底してまいりたいと思っております。
16
◯諏訪委員
福井県の視察では、地域のがん対策も勉強してきました。福井県と比較し、本県の地域がん登録が低いようですが、本県の現状について、登録制度の向上に向けた
取り組みについてお伺いいたします。
がん検診受診率向上対策として、市町村に対し、がん検診未受診者への受診券の交付、前年度より増加した受診者数に応じた経費の助成等を実施していて、これらの
取り組みががん検診受診率向上のために有効だと考えますが、見解を伺います。
それから、子育ての問題でもいろいろやっているような印象を受けました。「ふくい3人っ子応援プロジェクト」として、市町に対し、第3子以降3歳未満の保育料及び一時・特定保育、一時預かりサービス、病児保育の利用料の原則無料化に係る経費を助成しており、本
取り組みが少子化対策として有効と考えますが、県としての見解を伺います。
17 ◯藤岡医療薬務課長
私のほうからは、地域がん登録についてお答えさせていただきます。
まず現況でございます。地域がん登録、これにつきましては、
医療機関からの届け出及び人口動態統計におきます死亡小票によりまして、がんの罹患数を把握するものでございます。これによりまして、がんの罹患数あるいは罹患率、さらには生存率の基礎的なデータを集計することができるというものでございます。
このがん登録は、そういった性格上、がん予防の推進、さらにはがん医療の向上と評価といった、本県ががん対策を進める上での基礎資料として非常に重要なものとなっております。
しかしながら、本県のがん登録の制度でございますけれども、本県におきましては、地域がん登録の集計取りまとめに当たりまして、
医療機関からの届け出数が少ないということが大きな課題となっております。登録制度を評価する際に、
医療機関からの届け出がなくて、死亡小票で初めてがんの方がわかるという、その比率をDCO率という形で実は評価しておるんですが、この数字が小さければ小さいほど登録精度が高いというか、届け出する方が多い、登録漏れが少ないという形で評価されております。そのDCO率なんでございますが、国立がん研究センターがまとめた2005年のデータで申し上げますと、本県が51.1%、福井県は12.4%となっておりまして、これは本県の2005年に集計されましたデータの半数以上が死亡小票によってのみ把握できたということを意味しております。そのDCO率につきましては、国際的に認められておりますが、10%以下ということでございますので、まずはこれを目指していくことが極めて重要と認識しております。
あと、その10%以下にするための
取り組みでございます。その地域がん登録の精度向上を図るためには、がん診療にかかわる病院からの届け出数、これを増加させるということがまずもって必要でございます。このためには、いわゆるさまざまながん医療だとかに携わる中で、いわゆる登録という業務がいかに効率的・効果的に行われるかということがまずもって重要でございます。したがって、県といたしましては、病院における院内がん登録、これを普及させ、その院内がん登録で登録されましたデータが、地域がん登録とちょっとシステムが違うんですけれども、円滑に地域がん登録のほうにデータを移行させるという基本方針を持って現在進めております。
なお、その院内がん登録につきましては、病院の診療実績の検証という観点から、病院としても、それを進めていくメリットがございます。先ほど申し上げましたけれども、その院内がん登録のデータが、いわゆる電子化されてございますので、それを地域がん登録用に変換させることによって地域がん登録に円滑に移行できるという考え方でございます。
院内がん登録の実施につきましては、まずがん診療連携拠点病院、これにつきましては、まずやることが現在指定要件となっておりますので、拠点病院における院内がん登録と地域がん登録の連携、これをまず確実にするということが非常に重要でございます。
さらに、その届け出を進めるためには、拠点病院のみならずがん診療にかかわる病院の院内がん登録を進め、その院内がん登録されたデータを地域がん登録に移行させるということが重要でございますので、そういった院内がん登録の実務者の研修、こういったものを弘前大学に委託して院内がん登録の推進を進めてきたという状況でございます。平成21年度におきましては、その拠点病院以外の
医療機関で、15の病院が、この院内がん登録の研修に参加していただいておりまして、現在これらの病院の中から、院内がん登録を開始する病院が出てきております。そういったことから、今後さらなる届け出数の増加が見込まれているという状況でございます。
あと、本県の地域がん登録の届け出の状況なんですけれども、平成元年から始めたわけでございますが、その間、当初は県内の限定された
医療機関を対象に、いわゆるがんの部位も5がんに限定してスタートし、その後対象を県内全
医療機関にし、がんの部位についても全がんにすると。さらには、国立がんセンターのほうで示しました標準データシステムに移行するとか、さまざま制度的には移行しておるんですが、届け出数もマックスで5,000件を記録した年もあるのですが、ここ数年二、三千件というふうに、若干減少ぎみでございました。そういったこともあって、50%を超えるようなDCO率だったと思いますが、先ほども申し上げましたとおり、拠点病院の院内がん登録が義務づけられ、それが今地域がん登録に移行されるようになりまして、ことしは10月末現在で4,400件を超えております。あと2カ月を考えますと、さらに伸びるものというふうに思っておりますので、登録精度の向上というものは着実に図られていくのではないかと考えております。
以上でございます。
18 ◯齋藤保健衛生課長
私のほうからは、がん検診受診率の向上対策についてお答えさせていただきます。
がん検診受診率の向上策としては、県では、県民に広く普及・啓発するための活動に加えまして、がん検診の実施主体であります市町村に対して、専門的な見地からの技術的助言などの支援を行っております。特に受診率向上のためには、個別勧奨が有効とされているほか、受診しやすい環境整備として、休日・夜間の集団検診実施が有効とされております。これらが実施されていない市町村に対しましては、研修会等の開催など、技術的な支援を行っているところでございます。
県といたしましては、こうした息の長い地道な努力を重ねることによって、県民の間にがん検診の重要性に対する意識が定着していくことが何よりも重要なことであると認識しております。
福井県で実施されている助成事業等につきましては、市町村や医師会との合意形成など、長期にわたる
取り組みが、現在の充実した施策につながっているものと考えます。
県といたしましては、福井県における
取り組みを参考にしながら、さらなる受診率の向上に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
19
◯川嶋こどもみ
らい課長
私のほうからは、保育料の無料化等についてお答えいたします。
本県におきましては、出生率の向上や、安心して子供を産み育てることのできる環境づくりのため、平成8年10月から、県単独事業といたしまして、第3子以降の保育料を軽減いたします青森県保育料軽減事業を実施しているところでございます。
本事業は、市町村が第3子以降3歳未満の児童の保育料について一定の軽減を行った場合に、軽減した額の2分の1を市町村に補助するものでありまして、平成21年度実績で、県全体の保育料軽減額が約1億6,800万円、県補助額が約8,370万円となっております。一時・特定保育、病児保育等の利用料の軽減につきましては、実施してございません。
県といたしましては、少子化対策といたしまして、経済的負担の軽減は一定の効果があるものと考えておりますが、社会経済状況や財政状況を踏まえながら、子育て環境の整備やワーク・ライフ・バランスの実現なども含めまして、総合的にこのことに取り組んでいきたいと考えております。
以上です。
20
◯諏訪委員
福井県に行ったら資料をいっぱい渡されて、福井県の地域がん登録の精度というのは、福井が95%になって、青森が51から60%だということで、線まで引かれた資料を渡されて、比較されてしまいましたなと、率直な思いを伝えてきたんですけれども、ただ、ここまで精度を高めてきたのには、県の医師会が相当主導して対応してきたことが、そこまで引き上げ、押し上げているんだということの説明もされましたので、ぜひこれを大いに生かして、医師会との協議にも臨んでいただければというぐあいに思うんです。言っている意味はわかるんですが、やはりもっと医師会が前面に立った対応が求められていると思うんですが、ここは一つだけお答えいただきたいというぐあいに思うんです。
それから、何といっても生存している者のがん登録が一番対策として必要なのであって、亡くなった後から、この方はこういうがんで亡くなりましたという統計になってもしようがないわけですから、その辺も、そういうことだという認識だと思いますけれども、ぜひ前向きに対応していただきたいというぐあいに考えているところであります。
あとは、それぞれ大いに参考にしていただいて、今後のがん対策、あるいは子育て支援に当たっては、ひとつ前向きに取り組んでいただきますように要請しておきたいと思います。
病児保育、それから病後児保育の施設の数も、28あるというんですよ。28もあるわけですよ。共働きで働いている、ちょっと風邪を引いたり、病後の対応という点の数の面でも、もう断トツの水準だなというぐあいに思いましたので、ぜひここも前向きに受けとめた対応をしていただきたいというぐあいに考えております。
次に移ります。介護予防事業について。
市町村の介護予防特定高齢者施策の実施状況。現状における課題及び県の対応について伺います。
21 ◯尾坂高齢福祉保険課長
介護予防特定高齢者施策というと、聞きなれないかもしれませんが、要は、介護予防事業の中で、特定高齢者に対して行う介護予防というふうに御理解していただければと思います。市町村では、高齢者が要介護状態になるのを予防するために、要支援・要介護状態になるおそれの高い状態にあると認められる高齢者、この方たちが特定高齢者とされています。この方たちを対象に、通所型介護予防事業と訪問型介護予防事業から成る介護予防特定高齢者施策を実施しています。平成21年度には、通所型介護予防事業には35市町村が
取り組み、運動器の機能向上、栄養改善、口腔機能の向上等のプログラムに約1,200人の高齢者が参加してございます。訪問型介護予防事業には11市町村が
取り組み、閉じこもり予防・支援、認知症予防・支援、うつ予防・支援のため約220人の高齢者を訪問しているところであります。
課題として考えられることになりますけれども、本年4月に、市町村担当者に対して、介護予防特定高齢者施策を実施するに当たっての課題等について県がアンケート調査を行ったところ、事業を実施する上で、いずれのプログラムにおいても、プログラムを実施するための専門職の確保が困難であることも含めて、マンパワー不足や、プログラム利用希望者が少ないことが課題の上位に挙げられているところです。
このため、県としましては、市町村が介護予防事業実施の参考となるよう、各プログラム実施に当たって市町村が工夫している事例、それから、プログラム内容、専門職の派遣についての相談機関等を掲載した資料集を県独自で作成いたしまして、市町村へそれを送付し、支援を行ったところです。
要介護状態になるのを予防する介護予防特定高齢者施策につきましては、大事な事業と考えておりますので、今後とも市町村に対しましては、必要な支援を行っていきたいと考えております。
以上です。
22
◯諏訪委員
利用者の問題、マンパワーの問題なんですが、そういった課題がなぜ起きてくるんでしょうか。つまり、これは大事な事業なんでしょう。ただ、そういったアンケートに答える形で出てきているのは、そういう事情というか、理由によるものなんですが、そういうことがなぜ起きてくるのか、ということの理由や、事情や、考え方が出てこないと、手だても出てこないんじゃないでしょうか。つまり、この事業の持っている重要性というか、認識なり、受けとめなりが弱いと、そういう問題も出てくるのではないでしょうか。認識はあるんだけれども、そういう人材上の問題が厳然としてあると言うんだったら、そういう手当てをしなければならん。単なる支援というわけにもいかない。それの事情がどうなっているのかということが、この問題を考えるポイントなんだと思うんですが、いかがでしょうか。
23 ◯尾坂高齢福祉保険課長
委員御指摘のとおりでございます。県では、その点でも分析しておりまして、まず一つは、市町村における、いわゆる介護予防事業を実施するための計画立案、それから、予算の確保をひっくるめてなわけですけれども、実施する段階での実施の人材、この不足が取り上げられておりますので、一つには、うまくいっている市町村の状況、そこの介護予防プログラムの
実施状況等を披瀝しながら、その経験不足といいますか、企画立案できない、そこら辺を補てんしたいということで資料集をつくったと。
また、もう一方では、専門職、いわゆる、例えば運動器であれば理学療法士とか、作業療法士になりますし、栄養改善であれば管理栄養士になります。口腔機能であれば歯科衛生士とか、そういう人たちになるわけですけれども、それぞれの市町村が個別に雇用するのはかなり難しい状況にあるわけですね。年じゅうそのために従事するということでもありませんので、その点につきましては、各職能団体の了解を得て、個別に、いつ、どういう事業で、どういう人を派遣してほしいという要請があれば、それを個別に対応するということになっておりますので、その相談機関の連絡先を紹介しているところです。
以上です。
24
◯諏訪委員
参加希望者が少ないときは、どうすればいいんでしょう。
25 ◯尾坂高齢福祉保険課長
参加希望者が少ないことにつきましても、それぞれの市町村で工夫しているところもあります。例えば農繁期を避ける。これは、農家の方が多い市町村。農繁期というのは、それぞれの作物によって異なりますから、その対象者がどういう農作業に従事している方なのかということを十分吟味しながら、漁業も同じですし、例えば恒常的に勤められている人、そうでない人によって変わってくるので、参加しやすい事業の実施の仕方というのも、先進地域といいますか、県内ですけれども、そういう
取り組みを披瀝しながら、そこの市町村で取り入れられるものを取り入れていただくということにしているところです。
26
◯諏訪委員
いずれにしても、そういう課題があるという点もしっかり踏まえていただいて、もともと持っている、これが出てきた背景というか、別な意見もいろいろあるんですけれども、せっかくやっている事業、介護を予防するわけですから、これはこれ自体大事な事業ですので、やったからには、十分この事業の趣旨が貫徹されるような環境を整えることが重要だと思いますので、その点は強調しておきたいと思います。
27
◯菊池委員長
ほかに質疑はありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
ないようでありますから、これをもって
健康福祉部・病院関係の審査を終わります。
午さんのため暫時休憩いたします。再開は1時といたします。どうも御苦労さまでした。
○休 憩 午前11時57分
○再 開 午後 1時00分
28
◯菊池委員長
それでは、休憩前に引き続き委員会を開きます。
環境生活部関係の審査を行います。
特定付託案件について質疑を行います。
質疑は所管外にわたらないように願います。
なお、答弁者は、挙手の上、「委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。
質疑はありませんか。──田中委員。
29 ◯田中委員
2点について質問させていただきたいと思います。
まず県境の不法投棄についてでございます。
県は、8月3日に県境産廃の推計量の見直しと対応について公表されましたが、私ども自由民主党会派は、県議会としても、国の財政支援を求めていく必要があるとの認識から、さきの定例会に国の財政支援を求める意見書を提出し、全会一致で採択されたところであります。10月14日には、知事初め長尾県会議長、また、菊池環境厚生委員長が国への要望を行ったところであり、今後は国の動向を見きわめながら、さらなる要望活動を節目節目で効果的に実施していく必要があるものと考えていたところ、新聞報道によりますと、県は4月の時点で撤去量が大幅にふえるとの試算を行っていたにもかかわらず、公表を8月まで先送りし、地元田子町の住民からは、県に対する不満や落胆の声が上がっているとのことでございます。
私は、県はこれまで原状回復対策の進捗状況等に関する情報を積極的に公開し、安全かつ着実に
取り組みを進めてきたものと評価しているところでございます。委員会でも、各委員からいろいろ質問等が出たところでございまして、まず第1点として、今回の報道内容に関する県の見解をお聞かせいただきたいと思います。
30 ◯名古屋環境生活部長
お答えいたします。
県境産廃の撤去量が平成21年度末で53万トン余と、それまでの全体推計量の過半5割を超え、また、平成21年度からは一部地山が露出する状況となったことから、平成22年の3月下旬に廃棄物の測量成果に基づきまして、大まかに残存廃棄物量を推計したところ、それまでの全体推計量を上回る可能性があるとの懸念が生じたところでございます。
平成22年度に入りまして、4月でございますが、4月30日に行った3回目の地山確認において、それまでの2回目までの地山確認を上回るつぼ掘りが確認されたことから、全体の廃棄物量がそれまでの全体推計量よりも相当程度増加する可能性が高いというふうに認識するに至りました。このため、それまでの廃棄物の撤去や地山確認で新たに得られました知見に基づいて、速やかに全体の廃棄物量の再推計及び廃棄物量の増加に伴う事業費の積算を行うことといたしました。
この見直しに当たりましては、汚染土壌の分析結果を踏まえる必要があったこと、国との協議を経て、廃棄物量の増加に伴い、全体の事業費を精査する必要があったこと、廃棄物の全量撤去を現行計画の期限内に完了できるかどうか見きわめる必要があったことから、所要の検討期間を要したものでございます。7月下旬にこれらの見直し結果を取りまとめたところでございます。
県の対応方針につきましては、8月3日の県境再生対策推進本部会議の結果を受けて知事が決定いたしまして、見直しの結果とともに、同日の公表となったところでございまして、先送りしたものではございません。
31 ◯田中委員
ただいまの部長からの御答弁、そういった内容であったということでありますけれども、早朝新聞を見て、そうであったのかというふうな、県民の素直な、率直な意見とすれば、やはりその時点で、少なくとも何回か委員会が開催されておりますので、委員会の中でそういったお話をしていただきたかったなと、そういった手順等の関係でそういうふうになったということは、いろいろ実情はわかりますけれども、新聞報道のほうが走って歩くということもまた、それも理由にならない。せっかく部長初め担当の方々が汗を流しながら頑張っているのにもかかわらず、やっぱりそういったマイナス面だけが出たような状況が昨今見受けられたということも、これから考えていかなければならないことだと思います。
そこで質問でありますけれども、去る11月12日に田子町から県に要望書が提出されたとのことですが、その内容と、県の対応についてもお伺いいたします。
32 ◯山田理事(県境再生対策室長)
田子町から出されました要望書の内容等につきまして、お答え申し上げます。
去る11月12日に、田子町長及び田子町議会議長から、県境産廃不法投棄事案に対する要望書が提出されました。
その内容としては、1つ目が、産廃特措法の期間延長によって財政支援を要望するとともに、現行特別措置法の実施計画期間内での事業費を増額することを国に要望し、平成24年度において、可能な限りの廃棄物の撤去を上積みして進めることにより、産廃特措法の期限内に終了できない撤去量を最少化すること。
2つ目が、撤去期間の延長による搬出車両の通行に伴う住民の受忍を勘案し、早急な国道等の拡張整備及び地元振興対策を継続的に講じること。
3つ目が、環境再生計画の大きな柱となっている自然再生のうちの森林域整備につきまして、廃棄物等の全量撤去が終了する以前から大規模な試験的植栽に着手し、全量撤去終了時期の延長によって影響を受けないようにすること。
4つ目としまして、廃棄物及び汚染土壌の全量撤去を速やかに終了すべく、現時点での終了時期等の詳細見通しを、知事が直接住民に説明することとなっています。
県としては、町からの要望に誠意を持って対応すべく、現在検討しているところでございます。
33 ◯田中委員
田子町からの県に対する要望書について、対策室長から教えていただきました。そういった各要望内容をいろいろ精査しながら、何といっても原状回復することが大きな目標でございますので、これからの国のほうの支援、いろいろと複雑な課題等も多いと思いますけれども、部長を中心として、何とか限られた期間の中で解決に取り組んでいただきたいことを御要望申し上げます。
それでは、次の質問に移らせていただきます。これは世界自然遺産を通じた韓国との国際交流についてであります。
白神山地を訪れる観光客は、平成5年の世界自然遺産登録から増加しており、12月4日の東北新幹線全線開業後はさらに増加するというふうに考えております。また、近年では韓国、中国を初めとしたアジアからの外国人観光客も多く訪れているところであり、世界自然遺産として知られる白神山地は、海外の方々にとっても大きな魅力になっていることというふうに思います。このような中で、先月、部長さんと──本県と韓国済州特別自治道との間で、世界自然遺産を介した姉妹協定を締結した旨の新聞紙上での報道がありましたので、そこで質問をいたします。この
取り組みの経緯と、締結した協定の内容についてお伺いをいたします。
34 ◯名古屋環境生活部長
県では、青森・ソウル便の安定した需要を確保するために、本県と同じく世界自然遺産を持ち、また、海外からの多数の集客力を誇る国際的なリゾート地でもございます済州特別自治道との交流を推進してまいりました。平成21年には、7月に三村知事が同地を訪問いたしまして、12月には済州特別自治道の国際自由都市本部長が来県するなど、交流を深め、意見交換してきたところでございます。
今年度に入りまして、済州特別自治道のほうから、これまでの
取り組みを一歩進めて、世界自然遺産に係る姉妹協力協定を締結したい旨の申し出がございました。県といたしましても、東北新幹線全線開業を控え、韓国からの観光客の誘客や、白神山地の世界に向けた情報発信につながり、かつ、お互いの地域の将来的な発展にも有効と考えまして、10月28日に済州特別自治道世界自然遺産管理本部の呉本部長と本職との間で協定を締結したところでございます。
この協定の中では、互いに有する世界自然遺産に関しまして、一つとして、各種広報活動の展開、一つとして、互いの地域が開催するイベントへの参加、一つとして、行政職員等が互いの地域を訪れた際の学習支援、一つとして、国際ネットワーク拡大のための
取り組みなどについて、協力・連携関係を深めていくこととしてございます。
35 ◯田中委員
済州特別自治道は、国際的なリゾート地であり、また、韓国ではソウルに次ぐ観光地となっているということでございます。こことの交流は、本県として、さまざまな面でメリットがあるのではないかと考えております。また、世界自然遺産の活用に関して、保全と利用に配慮しながら観光資源として大いに活用していくことは、大変勉強になるのではないでしょうか。これも、日韓のいろいろな交流の中で、今まで培ってきた大きな成果ではないかなと。まさに12月4日の新幹線開業をとらえての、そういったいい結果になっているなというふうに思います。
そこで、ただいまの答弁では、広報やイベント参加などの面でお互いに協力していくような内容の協定を締結したとのことですが、そこで質問であります。県では、この協定に基づいて、今後どのように交流をしていくのかお尋ねをいたします。
36 ◯岡田自然保護課長
お答えいたします。現在既に済州特別自治道とは、互いに持っております世界自然遺産に関します公式ホームページを通じまして、相互にリンクを張ってございます。あるいは民間レベルでの交流といたしましては、両地域で行われますウオーキング行事などへの参加というような形で実績を重ねておるところでございますが、今後の
取り組みといたしましては、一つといたしまして、西目屋村にあります白神山地ビジターセンターでの済州特別自治道世界自然遺産の紹介コーナーの設置、あるいは韓国語での館内表示ですとか、そういうようなこと、一つといたしまして、韓国での白神山地のPRの推進、一つとして、関係する国際会議や大きなイベントなどへの参加等々について検討してまいりたいと考えております。
37 ◯田中委員
かけがえのない財産であるというふうに考えております。私は、白神山地の豊富な自然をアピールしていく上では、国内だけではなく、この機会をとらえ、広く国外に向けた誘客と情報発信が大変必要であろうというふうに思います。今回の
取り組みを契機に、韓国だけでなく、将来的には中国、さらには世界各国との交流を進めていただくことを御要望いたしまして、質問を終わります。
以上です。
38
◯菊池委員長
ほかに質疑はありませんか。──松尾委員。
39 ◯松尾委員
ただいまの田中委員の御質問いただいた県境産廃のことについて、私からも少し確認をさせていただきたいと思います。
先ほどの田中委員からの質問・御答弁の中で、要望書に対して、県としては真摯に対応を検討していくということなので、やると言っているのか、まだ検討しているというところなのか、そこは時間もまだそんなにたっているわけじゃないので決まらないのかなという気がしておりますが、特にこの要望書の中の1点目に書いてある期限内での事業費の増額といった部分、これはかなり技術的にも大変なところはあるのではないかなと思いますが、ここについても検討していくのかどうか、そこをお伺いしたいと思います。
40 ◯山田理事(県境再生対策室長)
田子町からの要望事項の1点目でございます、産廃特措法の期限内にできるだけその撤去量をふやして、その後に残る量を最少化することという要望がございます。これに関しましては、これまで環境省・国と何回かの協議をしてきた中で現行の期間内での事業費の増加というのは困難だというぐあいな受けとめをしてございまして、したがって、現行の事業費の中で、前倒しで最大に行ったとした場合の計画量を載せてございます。それで、どうしても全量撤去、あるいは積み増しの撤去というのは、現段階では困難だという受けとめ方をしてございます。
41 ◯松尾委員
それであれば、真摯に対応してというお話ですが、もうできないということを何か宣言しているような感じがいたします。この問題が一番最初の項目に出てきた背景は何かというのを考えると、9月の委員会でも申し上げましたが、やはり期間が延長になるということに対しての田子町民の受け取り方なんだと思います。そこの部分が、県の
取り組みという部分で見えてこないから、やはり期間内での撤去を相当進めてほしい、そういう部分だったと思うんですが、これはもう、仮にこれを実行するということになると、極めて政治的な話になってくると思いますが、これは一応あて名は三村申吾知事殿となっておりますけれども、知事部局、知事側のほうの考え方というのは、その点についてはどうなんでしょうか。
42 ◯名古屋環境生活部長
田子町からのこの要望につきましては、知事にも内容を伝えて、現在その対応について検討しているところでございますので、それ以上のお答えというのは、今この場ではちょっと申し上げることはできませんが、誠意を持って対応するということについては、できることとできないことがございますので、できないことについては、しっかり説明をして、十分納得が得られるように対応してまいりたいと考えております。国とのやりとりが一回だけかという話になると思いますけれども、その辺については、今の田子町の要望があったことを踏まえて、どう対応するのかも含めて、今後検討していくということにしておりますので、それについては、もう少し時間をいただきたい。
43 ◯松尾委員
そこで、これは新聞の記事によりますと、いわゆる県と田子町の足並みの乱れというようなニュアンスで書かれておりましたが、この8月に知事報告で出る際に、その方針決定に際して、田子町のほうとは、このことについて打ち合わせ等をされたのかどうか、ちょっと確認をさせていただきたいと思います。
44 ◯名古屋環境生活部長
事前に打ち合わせをしたのかというお尋ねかと思いますが、田子町に対して、県の方針については、公表当日にはお伝えはしておりますが、事前の打ち合わせを行ってどうしようかという相談をしたことはないということになります。これは県の事業ということでありまして、環境に重大な影響を与える事案であるかどうかということも判断いたしまして、公表時期については、県の対応方針が決定した後に速やかに関係者に通知するという方針でもって臨んだものでございます。
45 ◯松尾委員
それでは、その新聞記事が、今もそういうことではないんだよという御説明をされていましたし、私もそうだと思っていますが、この新聞に出たことについて、田子町役場のほうに、もしくは協議会のほうに、県として釈明なり、その事実をただすという行為は行ったのでしょうか。
46 ◯名古屋環境生活部長
報道されていることの一つ一つについて、県として、ここはこうだとかいう説明をすることはしておりません。ただ、報道されたことを受けて、そういう声があったという、協議会の中でも、一部委員からは、もう少し早く教えていただければという声があったことを受けて、県としては、それを重く受けとめて、今後しっかり対応していきたいと。いずれにしろ、全量撤去するという基本的な考え方には変更はないと、そういうことに向けてしっかりやっていきたいということをお答えして、説明してきております。
47 ◯松尾委員
今何でそんな質問を繰り返しているのかと思われるかもしれませんが、私はもうずっと、県と田子町、また、その地域に住む方々の受け取り方、また、安心感というのをやっぱりつくっていかなければいけないと、こういう思いで今、このような質問をしております。きのう私も、聞き取りをさせていただきましたが、県のほうからはいただけなかったんですが、田子町のホームページに質問書というものが出ておりました。この中身を見ると、大体20問程度の質問が、かなり詳細な部分まで県の情報を教えてくださいと、県が持っているものを本当に包み隠さず教えてもらえれば、我々も十分安心していくことができる旨の内容だと、私はそう理解しております。その質問書について、これも全量撤去が方針として示される前に、もう田子町では、質問書をたしか出していたと思います。あのときにも県は質問の返答をきちんと出したと思いますが、今回の場合は、いつごろをめどに、この質問書に対しての回答をしていくおつもりなのか、それは室長にお伺いしたい。
48 ◯山田理事(県境再生対策室長)
今の委員の御質問にございましたように、田子町からは、要望書とともに、質問・お願いに関する書面をいただいております。それで、こういった書面につきましては、これまでも何度か田子町のほうからいただいておりまして、その都度文書をもって、その回答という形で差し上げてございます。今回も、この質問の中身ですけれども、対応方針から、推計の仕方といった技術的な事項も含めて幾つかございますので、これについては書面をもって町のほうにお返しをしたいということで、現在その回答について準備・検討中でございます。そのめどはということにつきましては、なかなか明確な時期をお示しできませんけれども、できるだけ早い機会に文書でお返しをし、また、説明もしていきたいというぐあいに考えてございます。
49 ◯松尾委員
これもできるだけ早く整理をして、地元に報告をしてもらいたいと思います。そして、何より、その報告をするときには、県としても対応方針が定まって十分安心できるという状況をつくっていかなければならないのはもちろんですが、やはり、そのつくっていく中でも、これは現地に知事が出向いてもらいたいというのはもう、8月23日の要望、また、今回の要望書、そして、その質問まで含めて、地元から出ている強い意見でございます。このことは、知事に伝わっていると思いますが、知事としては、この点についてはどのように考えておられるのか、部長の聞いている範囲の中でお答えいただければなと思います。
50 ◯名古屋環境生活部長
田子町からの要望があり、その内容については、先ほどもお答えいたしましたが、知事には伝えてございます。その点については現在検討しているところでございます。
51 ◯松尾委員
先ほどの最初の質問は、いわゆる期間内での予算の総額ということについての部分で、今のは、とにかく現地へ知事が来て、しっかりと約束してもらいたい、そういう部分、2つなんですね。そこのどちらにしても、まだ検討中ということなんでしょうが、これはもうできるだけ早い機会にというのが大前提だと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げて終わりたいと思います。
52
◯菊池委員長
ほかに質疑はありませんか。──
諏訪委員。
53
◯諏訪委員
ここで、今議論になっていますので、県境の産廃問題を先にやります。
委員会は、4月に入れかわって、基本的には毎月1回ずつ、あるいは定例会ごとにやってきているわけですから、適宜適切に、例えばこれはあくまでも試算ですとの前置きを前提にして、相当程度上回る再推計も、事業費の見直しも出てくるだろうと、そのために一定期間も要しますという程度のお話を委員会で、まず最初にしてあげればいいんですよ。大体みんな事業費はこれくらいになる、大体これくらいになるだろうと、ドーンとこう発表すると。それで、試算してから数カ月たってしまうということ等の、何というか、その見解は何も全然間違ってはいないんだけれども、持っていくスタイル、手法として、今回問題が投げかけられているような気がするのでね、問題の投げかけ方としては、今後検討してしかるべきなんではないだろうか。例えば途中経過であろうが、完結していないものであろうが、そういう検討を今していますということの投げかけ方だけはしたらいいんだと思うんですよ。その点についての見解があったらお聞かせいただきたい。
それから、田子町の要望についてのやりとりを聞いているんですが、期限内に事業費を上積みして可能なのかという話も一つ出ているんだけれども、これは、例えば国とのやりとりの中で、可能性がないんだったら、しかも、期限を延長して、そして対応するということになっているわけですから、田子からの要望については、困難ですというんだったら、困難ですって言い切ってもらいたいんですよ。それとも、なお期限内に事業費を上積みして可能だという余地があるのか、そうすると、今、期限をまた1年延ばして事業費を上積みするよう要請しているわけですよ。だから、それが困難なら困難だとそのまま返さないと、まだ何かあるようなことで言っていることが、また受けとめとしてね、まずい状態になればだめなんだと思う。その辺は毅然と答える部分は答えてしかるべきだというぐあいに思うんですが、その点についての見解をいただきたいわけです。
それから、できるだけこういう方針で臨みたいということについては、現場が田子町ですから、そこでのある程度の了承というか、県の事業ではあるものの、現場を抱えているのは当の町なわけですから、事前のある程度の了承というか、話し合いを持って、こういう形で事業を進めていくことにしたという程度の答えぐらいはやったらいいんだと思うんですね。その点についての見解をいただきたい。
県境問題での終わりにですが、国に対する特別措置法の延長及び財政支援要望をこの間やってきたんですが、その結果について、どういう状況になっているか、お答えいただきたいと思います。
54 ◯名古屋環境生活部長
御質問4点のうち、最初の3つについて私のほうから、最後の結果については、室長の方からお答えさせていただきたいと思います。
まず、途中で経過報告すべきではなかったかと。恐らく報告する先としては県境産廃の協議会のことを想定しておっしゃっているのかなと思いますが、これについては、一つは、公表をいつするのかということが、我々としては、一番大きい問題としてとらえたわけでございます。といいますのは、協議会というのは、基本的に開催する、同時中継でケーブルテレビが入っておりますので、すべてオープンでやっております。そこに出されることはすべて公表になりますので、そういったことから、近接していた協議会の場でなぜ言ってくれなかったのかという委員からのお尋ねもあったわけでありますが、やはりそういうことを優先せざるを得なかったと。協議会というのは年4回(後刻「年5回」に訂正)やってございまして、これは遠くの委員にも参加していただく関係で、年度初めにもう決まってしまっています。何月何日の何時開催とかいうことまで大体決まって、場所も大体決めてやっている協議会でございますので、そういったことから非常に時期を動かしづらいことがありまして、そういうこともあって、情報提供等が前後したということは、今後の反省材料にはなるのかなと思っておりますが、いずれにしろ、県として公表する以上は、実は前回公表したのは間違いでございまして、これはこうなりますというような形での公表の仕方というのは、やはり県としてはするべきではないという判断をいたしまして、ある程度国との協議を経て、見通しについて見きわめがつく段階での公表ということにしたものでございます。
それから、2点目の上積み可能なのかどうかということを現時点ではっきり言ったらどうかということについては、我々、この問題の見直しを検討している中で、7月には最終的には国のほうから、そういう困難であるという見通しを得たものでございますが、やりとりとしては、そういう県の考え方としてやったものでございますので、それを繰り返しやるつもりはございませんが、地元田子町からこういう要望があって、こういう声があるんだけれどもというのは、やはり県に対しての要望ではございますが、県が事業者としてやる、県が事業主体としてやるんでありますが、財源としては国からの金を得てやっている事業でございますので、県としては、そういう声もあるのに答えることができるのかどうかは、やはりもう一度国に聞いてみてもいいのかなということも、今は考えておりますが、実際やるかどうかというのはまだ決めておりません。おりませんが、そういうこともあり得ると、今検討している最中ですので、そういうことをやるかどうかは、はっきり今ここでは申し上げられませんけれども、やはりもうそれは決着済みだからという形で返すのがいいのか、おっしゃったような形でやるのがいいのかというのは、もう少し検討したいと思っております。
それから、県の事業ではあるけれども、田子町の事前の了解をとってやったらどうかということにつきましては、やはり田子町としては、協議会を通じて、町長さんも入って、あるいは町の住民の代表も入った協議会の場で、これらの問題を話し合いたいという意向がございまして、町当局と県との間で、内々でそういうことをやりとりできるようなことには多分なっていないんだろうと思っておりますので、その辺についてはやはりなかなか難しいのかなと。この事業に関して言えば、内々のということでやったとしても、なかなかそれは住民の方に理解が得られないのではないかと。そうではなくて、田子町と事前にやるということになれば公表するということになりますので、それは事前にではなくなるので、なかなか難しいというふうに考えております。
失礼しました、協議会の開催年数は、年4回ではなくて年5回でございました。
55 ◯山田理事(県境再生対策室長)
国に対する要望の結果についてお答えいたします。
去る10月14日に、知事は、長尾県議会議長、それから菊池環境厚生委員長とともに、本多民主党副幹事長に対しまして、特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法の期間延長と、その枠組みの中での増加する事業費に係る国の財政支援を要望いたしました。
本多副幹事長からは、大変な問題であると、法律改正が必要となることから、政策調査会にも伝え、岡田幹事長にもしっかりと伝えて取り組んでいくとの力強いお答えをいただきました。
県としては、今後とも、廃棄物等は全量撤去を基本とするとの原状回復方針に基づき、引き続き安全かつ着実に、不法投棄された産業廃棄物による支障の除去に取り組むとともに、国に対して、県議会と一体となった要望活動を節目節目で効果的に実施してまいりたいと思います。
56
◯諏訪委員
さっき述べたのは、協議会の話をしているわけではないです。委員会が毎月1回開かれるんですよ。ですから、期限外に延ばして、事業費もこういう形で要請していくという、そういう方針が決まってから何か見解を表明する、そういうスケジュールを表明するというんでなくて、当初から相当の量が出てくると、ただ、それについては幾つか検討していかなければならない、試算も含めていろいろやっていかなければならないことがあるので、なお検討期間を要する問題ではあるという程度のものをまず御紹介しておくべきなんではないかと言っている。それについては、一応ある程度部長からの答弁もいただいたんですが、協議会の話ばかりして、委員会にその旨を伝えておけば、こういう問題は起こらなくても対応がわかっているというか、わかってきているという点で、それはマスメディアにもオープンになるでしょうし、それから田子町のほうにも、それは伝わるだろうという意味のことを言っているわけです。そこは少し教訓にしたほうがいいだろうということを述べているわけです。協議会でオープンにして、それがどうなっているかというのは、私どもはよくわかりませんけれども、ただ、協議会でやりとりをして、もう既にそういうやりとりがオープンになっていると言うんだったら、いつの時点で、どういう協議会で検討されたものがオープンになっているということを聞かないとだめになってくるわけです。その辺の事情があったら教えていただきたいわけであります。まずその点についてお答えいただきたいと思います。
57 ◯名古屋環境生活部長
失礼いたしました。常任委員会ということでの御質問だったということでございますが、県といたしましては、やはりある程度の精度、確度を持った数値でもって対応方針等の見通しがついた段階で、やはりそれは御報告すべきものというふうに考えているところでございますが、今の
諏訪委員の御意見については、今後の参考にさせていただきたいと思います。
58
◯諏訪委員
方針を期限外に1年間延ばして政府に要請しているわけですよ。田子町からそういう要請があったと、なお可能性は残っているのだという趣旨の発言をする。何というか、腑に落ちないわけですよ。それでもなお検討してみたい、物すごく水準の高い対応をされているのかなと。行政マンの皆さん、プロの皆さんは、いろんなことでやってきているから、相当のあうんの呼吸というものもあるのだとかという、そういうことで述べているのかもしれませんけれども、通常だとわかりにくいということだけは述べておきたい。
次に移ります。青森県地球温暖化対策推進計画の策定状況。
計画の素案として2020年度に1990年度比25%削減という目標値を示したということでありますが、それでいいのかということの確認も含めてお聞きしますが、どういう理由で25%としたのか、目標設定の考え方についてお伺いしたいと思います。
59 ◯北沢環境政策課長
まず地球温暖化対策推進計画の策定状況でございますが、県では、地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく法定計画でございます青森県地球温暖化防止計画の計画期間が今年度で終了いたしますことから、新たに2011年度を始期とする次期計画を年度内に策定することとしております。
計画策定に当たりましては、学識経験者、産業界、県民・市民団体、行政の各分野の委員で構成いたします青森県地球温暖化対策推進協議会を設置いたしまして、国の動向も見きわめつつ、本県の実情を踏まえた目標のあり方、
取り組み等について現在協議を進めています。
同協議会では、4月に第1回協議会を開催した後、特に対策を講ずる必要があると考えられます家庭、企業及び運輸の3部門につきまして部会を設置して、より幅広い見地から各分野における
取り組み方策について検討を重ねてまいりました。この部会での検討を踏まえまして、11月4日に第2回の協議会を開催し、計画期間や目標などの計画の基本フレーム、そして、具体的な
取り組み方策など計画全体について御協議いただいたところでございます。
今後、当協議会におけるさらなる協議やパブリックコメント等を経て、最終的には環境審議会に諮問した上で、来年3月を目途に計画を策定することといたしております。
それから、もう一点、25%という目標値を示したけれど、これはどういう理由で25%としたのか、目標設定の考え方について伺いたいということでございますが、本県の計画における目標値の設定に当たりましては、国の方針・
取り組み等を踏まえて設定する必要がございますが、2020年度までに温室効果ガス排出量を25%削減するという国の中期目標に関しては、国内対策における削減分、いわゆる真水分という形でありますが、この割合が不明であることや、主要施策が盛り込まれております地球温暖化対策基本法案の成立の行方など、国の動向が不透明な状態、現状にございまして、県が独自に削減見込み量を積み上げすることが困難な状況にございます。
このことから、各種対策による削減見込み量の算定に当たりましては、国の中期目標達成シナリオの検討に用いられております国立環境研究所の分析モデルがございますので、そのモデルに基づきまして、目標達成に向けた国の対策が十分に実施されるという前提のもとで本県の削減量を推計することといたしまして、この分析モデルに示されております国の真水分15%及び20%という2つの削減のケースに基づきまして、本県の削減見込み率を試算したところでございます。
その結果、現状と比べると、いずれも非常に意欲的な削減目標とはなりますが、より現実的と思われる真水分15%削減のケースについて見てみますと、2020年度における本県の削減見込み率は、1990年度比で16.4%というふうに試算されます。これに本県の森林吸収源対策による削減見込み率、8.6%でございますが、これを上積みすると、25%の目標値ということになります。
現在青森県地球温暖化対策推進協議会におきまして、この2020年度の温室効果ガス排出量を1990年度比で25%削減するという案をお示しして検討を進めているところでございます。
60
◯諏訪委員
25%削減という、より現実的だというお話でね。ただ、他方で、排出量がふえてきている。今13%か、12%、どれくらいふえているのかもちょっとお示しいただきたいんですが、この25%というのは、そのふえた分も含めて25%削減すると、そういう目標かというものも、ちょっと確認をしておきたい。
実際、確実に達成できるという見通しはありますか。大体10ぐらいのプロジェクトを立ち上げていくとなっているんですが、自信と言ったらいいか、その可能性をどう見ていますか。
61 ◯北沢環境政策課長
まず先ほどの質問で、25%という削減目標は、現在ふえている状況の中で、それを含んだ数字なのかということでございますが、25%の計算の仕方は、基準年度である1990年度比ということでやっておりますので、これも当然含んでいるということになります。
それで、そのような状況も含めて25%削減は達成可能なのかという御質問についてでございますが、まず最近の状況をちょっと御紹介申し上げますと、直近のデータでございます2007年度の温室効果ガスの排出量、これは速報値でございますが、1,570万トンということで、前年度比で1.3%減少しております。また、現在試算を進めております2008年度の排出量につきましては、前年度比でさらに5%程度上昇するということが見込まれております。そういう状態でございますが、2010年度に6.2%削減することを目標としております現行計画、この基準年である1990年度比では、2008年度はおおむね8.3%増加しているという現実もございます。
このように、現行計画の目標年度に向けまして、近年、今御紹介申し上げましたように、排出量は減少傾向を示しておるわけでございますが、逆に、先ほど委員から御指摘がございましたとおり、基準年度比では増加しているということでございまして、25%削減につきましては、非常に厳しいものでございますが、国はもとより、県、市町村、事業者、県民等の役割が最大限に発揮されて
取り組みが進んだ場合に達成が可能となる非常に意欲的な目標でありますが、達成が可能と見込まれるというふうに考えております。
県といたしましては、今後もこの施策に対応しつつ、県民、事業者等、あらゆる主体と連携・協働しながら、地域課題の解決に向けた施策の展開、そして、地域ポテンシャルを生かした施策の展開という2つの視点から施策の重点化を図った具体的
取り組み等のリーディングプロジェクトを掲げておりますが、これらを着実に進めることによりまして、25%の削減の達成が可能と見込まれるというふうに考えております。そういうふうに目指して努力してまいりたいと思います。
62
◯諏訪委員
産業界、民生用、それぞれ分野はあるんですが、いろいろ金がかかる。何というか、対策にとってはそれぞれみんな、民生用であろうが、産業用であろうが。ですから、最大のネックはそこだと思うんですよね。何かやるとみんな金がかかるわけですから、その辺の理解と、そういう支援ですね。理解を広める問題と、それを実際問題支援していくという、そういう両面で、ぜひこの問題に取り組んでいただきたいというぐあいに御要望申し上げておきたいと思います。
八戸清掃工場ダイオキシン類の排出基準値超過問題での県の対応をお伺いしたい。
63 ◯北沢環境政策課長
八戸地域広域市町村圏事務組合の八戸工場第1工場A号炉でございますが、ここで発生した排出ガスのダイオキシン類が基準値を超過した件の経緯及び県の対応についてまず御説明申し上げます。
同事務組合からの報告によりますと、同工場において本年8月11日、法で義務づけられておりますダイオキシン類の自主測定を実施いたしまして、10月8日に測定業者から同工場がこの自主測定の結果を収受し、その時点で排出基準値超過が判明したということでございます。
この結果を受けて、同工場では、定期点検のため9月3日から運転を停止しておりましたこのA号炉につきまして、同日から10月19日まで再度点検を実施しましたが、特段の異常が見られなかったということで、同月の20日、運転時における機器類の点検のために試運転を開始したということでございます。
その後、同月29日になりまして、同工場から八戸環境管理事務所に対して、A号炉の排出基準値超過につきまして電話で報告がございまして、八戸環境管理事務所では、直ちに運転を停止し、自主測定結果を報告するよう指示いたしますとともに、同工場への立入検査を実施し、今月の1日、同工場から自主測定結果報告書が提出されております。
また、同日、今月1日でございますが、八戸環境管理事務所では、文書によって原因と対策を報告するように指示いたしまして、今月の15日に同工場から改善計画書が提出されました。この改善計画書の内容を検討いたしました結果、これが適当であったと認めたために、今月16日、県は再測定のための運転を承認し、17日に、再測定の実施に向けて、このA号炉の昇温を開始しております。
このような経緯を経て、ちょうど本日でございますが、再測定を今現在始めたというところでございます。なお、測定終了後は、直ちに運転を停止することとしております。測定結果につきましては、来月上旬に判明する見込みでございまして、排出基準値以内であることを県が確認した後に、稼働を再開することになります。
それから、県への報告がおくれた理由につきましてですが、今月15日に提出されました改善計画書によりますと、先月8日、排出基準値超過が判明した時点で、定期点検整備のためにA号炉が運転停止中であったことから、原因の究明を優先したためとしております。
なお、同工場では、排出基準値超過を速やかに県に報告すべきところ、事務手順が不適切であったこと、それから、県への報告前に、試運転とはいえ炉を稼働させたということにつきまして、対応の不手際があったことを認めておりまして、今後は、排出基準値超過が判明した場合、直ちに焼却炉の運転を停止し、県に報告する旨、管理基準書にも明記し、適切に対応するというふうにしております。
県といたしましては、今回の排出基準値超過による環境への影響は極めて小さいと判断しておりますが、排出基準値超過が判明した時点で速やかに八戸環境管理事務所に報告すべきであり、たとえ運転時の点検のためであっても、報告前に試運転を行ったことについては、大変遺憾に感じております。
県では、市町村等担当課長会議におきまして、毎年、焼却施設の排気ガスからダイオキシン類が発生しないよう適正に維持管理するよう指示しているところでございますが、今回の事案を受けまして、自主測定結果が排出基準値を超過した場合は、直ちに施設の稼働を停止するとともに、環境管理事務所に報告しまして、その指示に従うよう、今月5日付で各市町村等に文書で通知したところでございます。
64
◯諏訪委員
奥羽クリーンのときも同様の問題が発生したんですが、検査期間というか、やむを得ない事情もあるようですが、8月11日に測定したものが、10月8日に結果が出ると。8月11日以降、オーバーしている状況がずっと続いているということであると、これはやはり大きい問題なんだということを以前にも指摘し、できる限りそのいわば検査期間を短縮するということが求められているというぐあいに考えるんですが、検査期間は、これでも幾らか短縮になったんですか。もう少し短縮できるという、つまり、放出し続けているかもしれないという問題が事実であったとすれば、それは大きい問題になってしまうので、できるだけ期間を短縮するという点についてどうかということが一つと、それから、10月8日の結果が出た時点で、速やかに県のほうに報告しないとだめだと。しなかったのは、何に違反するんですか。何々に違反するということについて強力な指示を出しておかないと、また繰り返される可能性がある。この2点についてお伺いします。
65 ◯北沢環境政策課長
ダイオキシンの調査にかなり長い期間を要するので、それは、こういう検査結果、もし事故があったときのことを考えて、検査期間をもっと短縮すべきじゃないかという点でございますが、これにつきましては、現状の検査機関の能力ですとか、あるいは検査の効率性等を考えてある中で、各検査機関が努力して、一定の期間で事業をやられているのではないかと思っておりますが、この辺、検査に出すほうとしてはできるだけ短い期間で出すようにお願いしていくことかなと、我々、検査に出すほうとしてできる点はですね。そういうようなことなのではないかという認識を持っております。
それから、速やかに報告しなかったのは何に違反するのかということでございますが、法令上は年に一度報告するというような規定しかございませんで、いつまでとかいうような規定はございません。ただし、法の趣旨から考えますと、特にこういう事故があったときには直ちに報告するというのが当然のことでございますので、そういうことを確認する意味でも、私どものほうから、速やかに報告するようにという文書を出したいということでございます。
66
◯諏訪委員
その文書の性格はどういうものなんですか。単なる指導文書みたいなものなんですか。要するに、結局何に違反するかというのは法令上はないという意味なんですか。あくまでも指導・助言という、文書で指導しているだけと。では、別に違法行為ではないという意味なんですか。ちょっとその辺がわからないな。
67 ◯北沢環境政策課長
法令上はいつまでというような規定はございませんで、法令に違反しているということは言えないと。私どもが出しているのは、文書で指導していると、行政指導という形で対応してまいります、法の趣旨を踏まえて。
68
◯諏訪委員
終わりにしますけれども、手厳しくないと、そうならざるを得ないという要素を持っているわけですよね。しかも、大事な点を扱っているわけですから、何かもっと水準の高い位置づけが求められているような気がいたします。何かひとつ検討課題として対応してもらいたいなと。そうでないと、今、別にそういう指導に従わなくても一向に差し支えないという意味にとらえられてしまうと問題があるというぐあいに思います。もしあったらお答えいただきたい。なければいいです。
原子力安全基盤機構が実施したウラン貯蔵容器に係る溶接検査において、検査の一部が実施されていなかったことについて、県の所見を伺います。
また、六ヶ所再処理工場のガラス溶融炉に関する現在の
取り組み状況もお示しいただきたいと思います。
69 ◯小坂原子力安全対策課長
まず、溶接検査の一部未実施についてお答えします。
本年11月8日に、国の原子力安全・保安院及び原子力安全基盤機構は、日本原燃株式会社ウラン濃縮工場で現在使用中の付着ウラン回収容器6基について、原子力安全基盤機構が行った溶接検査──これは容器製作メーカーが受検しております──の一部が未実施であった旨を公表しております。
原子力安全・保安院は、同日、保安院長名で、この原子力安全基盤機構に対し、検査を一部実施していなかったことは遺憾であり、同機構に対し、原子力安全基盤機構がこれまでに実施したすべての溶接検査について、実施されていない項目の有無を本年11月15日までに報告するよう、また、今般確認された原子力安全基盤機構による溶接検査の一部未実施について、その事実関係、根本的な原因及び
再発防止対策を本年12月8日までに報告するように指示しております。
これを受け、原子力安全基盤機構は11月15日に、保安院に対し、原子力安全基盤機構がこれまでに実施したすべての溶接検査に関する調査結果等の報告がなされております。その報告書によりますと、溶接検査の一部が未実施だったものは、11月8日に公表されたもの以外になかったということ、原子力安全基盤機構は、溶接検査の一部が未実施だった容器6基に対してメーカーが11月11日及び12日に行った試験に立ち会い、溶接の技術基準に適合していることを確認したという報告がなされております。
なお、原子力安全・保安院は、当該試験に現地の保安検査官が立ち会いまして、その溶接検査が適切に行われたことを確認しているということでございます。
国は、今後、原子力安全基盤機構から提出される原因及び
再発防止等に係る報告も踏まえながら厳格に対処していくとしており、県としては、国の対応状況を注視していきたいと考えております。
なお、私のほうからは、原子力安全・保安院には、現地におります地域の原子力安全統括管理官を通じて、口頭ではありますけれども、厳正に対処するよう要請し、統括管理官のほうからは、真摯に受けとめるという旨の回答をいただいております。
次に、六ヶ所再処理工場の現在の
取り組み状況についてでございます。
日本原燃株式会社によりますと、9月30日に設工認の認可を受けたガラス溶融炉の温度計設置工事、これはB系溶融炉についてでございますけれども、これについては、現在据えつけ作業を実施中であるということです。あと、固化セル内における機器の再点検については、事前確認試験に必要な機器について、大部分が終了しているということを聞いております。
以上です。
70
◯諏訪委員
原子力安全基盤機構は、独立行政法人になっているんですが、どういう仕事をするところですか。いわゆる一切の原子力施設の安全性について検査したり、チェックをしたり、そういうところだと思うんですが、この原子力安全基盤機構の性格はどういうものですか。どういう仕事をしているものですか。
71 ◯小坂原子力安全対策課長
原子力安全基盤機構についてでございます。原子力安全基盤機構は、平成15年10月に独立行政法人ということで設立されておりまして、行っている業務の内容でございますけれども、これは炉規制法という法律上で定められておりますけれども、原子力施設の溶接の検査、それと、国が行う使用前の検査、これの一部、こういったものをやるということと、あと、国がいわゆる安全審査とか、事業者が出した安全の解析とかを確認するんですけれども、それのクロスチェックを行うところということがもう一つ。あともう一つは、皆様も御存じかと思いますけれども、原子力の防災関係で、オフサイトセンターでいろいろな機器がございますけれども、そういった原子力防災の機器の運営管理、あとは、私どもが行います原子力防災訓練の支援等を行うと、これは全国的にというところの業務を行っております。
以上です。
72
◯諏訪委員
要するに、今回のような溶接検査をやっていなくて合格証を出すなどということをしてはならない組織なんでしょう。そういう、何というか、その安全性に関して一番厳しい対応を迫られている機構なんだと思うんですよ。そこで検査もしていないで合格証を出すというのは何事かという、さっき、課長は口頭で注意を促したと言っていましたけれども、あってはならないことなわけですから、もう知事名で、文書で厳しく要請してしかるべきものなんだと思うんです。品質保証の問題だとか、これまで何遍議論してきたんでしょうか。にもかかわらず、またこういうことが起きてくるということですから、検査してみたら合格だったという水準の話でないんですよ。していないのに合格証を出すという、この姿勢が問題なんですよ。ですから、手厳しい文書での厳重な要請活動をしてしかるべきだというぐあいに思うんですが、改めてお伺いしておきたいと思います。
いま一つは、現状のガラス溶融炉の関係ですが、10月21日の社長の定例の記者懇談会があって、あいさつの概要を手にしているんですが、現在ガラス溶融炉B系の温度計の製作を行っている、今月中には完成し、来月中旬ごろには溶融炉への据えつけ作業が完了する予定である。据えつけを確認していますか。もう中旬になっています。きょう19日、あした20日ですからね。完了したのかどうか確認していますか。できれば確認して答えていただきたいと言ったんですが、なおまだ作業が続行しているというんだったら、現時点でそうだというのなら、そうお答えいただきたいというぐあいに思います。
それから、A系列の溶融炉の炉内残留物の除去作業や、A系における温度計の設置工事などについても、B系の事前確認試験の前に行うことも検討してまいりたいと考えています。炉内残留物の除去作業、A系の温度計の設置工事、これも時期等何か確認されているものはありますか。いつごろから始まるとか、そっちのほうの温度計はもう施工済み、もうつくって、できていますということになっているのか、その辺の状況もお知らせいただきたいと思います。
それと、崩壊熱の影響でKMOCより炉底部が30度程度高くなると推定されていると。溶融炉が熱いためにKMOCの炉底部に断熱材を設置することなどにより、実機とKMOCとの差をあらかじめしっかりと確認する試験、こういった試験を実施してきたということなんですが、この辺の見通しが得られたということになっているんですが、何か確認できる情報はありますか。お願いします。
73 ◯小坂原子力安全対策課長
まず1点目の、改めて原子力安全基盤機構に対する対応ということでございますけれども、これについては、先ほども申し上げましたけれども、今、国の原子力安全・保安院のほうが、原子力安全基盤機構に対して12月8日までに、その具体的な事象ですとか、原因究明とかを行っている最中でございますので、そういったものを見た上で、いろいろ対処の仕方を県として考えなくてはいけないと思っております。
2点目、10月21日の社長の定例記者懇談会で言っている内容で、温度計が中旬までには設置できるという旨の発言があったが、設置しているかどうか確認しているかということですが、こちらが確認したところ、まだ設置中ということでしか、確認はできておりません。
また、3点目でございますけれども、炉内の残留物の除去の作業前倒しの実施等について。これについても、その時期等について確認しているかということでございますが、これについても、その時期が今どうなるのかというのは確認はしておりません。ただ、県としては、社長がこうやって言っているものについて、黙って始めるのではなくて、きちんとそういった公の場で、こういったものをいつからするのかきちんと公表してからやるようにということで、私どものほうからは、日本原燃のほうには言っているところでございます。
あと、崩壊熱の影響を確認する試験をKMOCで行ったが、これについてどうなったのかということでございますが、これは今、日本原燃が運転の改善の検討結果について改訂版というのを国のほうに提出して改訂しておりますけれども、その改訂書の中に、KMOCの試験の結果についても書いておりまして、そういう崩壊熱の影響とか、実機を模擬した状態でも、何とか事前確認試験ができることを確認した旨のことが、その報告書の中には書かれているところです。
以上です。
74
◯諏訪委員
指摘にとどめますけれども、今、課長が大事なことを言われていましたが、やはり適時適切に段取りができて、作業がこういう展開があるということを、適時適切に情報を公表してもらうと、こういう方向でいきますということを大いに要請して、オープンにいろいろこう議論できる材料を積極的に提供していただくように御要望申し上げておきたいと思います。
以上です。
75
◯菊池委員長
ほかに質疑はありますか。──渋谷委員。
76 ◯渋谷委員
私から、六ヶ所のウラン濃縮工場の検査の一部を行わず合格証を出していたという案件に対して質問をさせていただきます。
先ほど
諏訪委員も聞かれましたけれども、この原子力安全基盤機構が独立行政法人となったのは平成15年からということです。私も、独立行政法人と聞きますと、どうも国からの天下りとか、そういうものがまず先に浮かぶわけですけれども、この基盤機構の役員構成というか、全体の人数とか、重立ったところをちょっと教えていただけますか。
77 ◯小坂原子力安全対策課長
原子力安全基盤機構の構成というか、それについてお答えしたいと思います。
原子力安全基盤機構でございますけれども、理事長1名、理事3名、監事2名の計6名、あと職員が401名という陣容でございます。
それで、役員の経歴等はホームページで公開されていますので、見てみますと、理事長については、元通商産業省で、その後、西部ガス株式会社の常務取締役等をやられた方が就任をされております。理事の中では、京都大学原子炉実験場の副所長ですとか、京都大学の名誉教授をやられた方、それ以外に、やはり通商産業省でやられた方、もう一人の理事についても、この方も通商産業省ということでございます。あと、監事については、国家公務員倫理審査会事務局主席参事官というような方、もう一人については、日本航空株式会社の常務取締役とかいう方、こういった状況でございます。
以上です。
78 ◯渋谷委員
私も、今回、検査もせずに合格証を出していると。今回の事案は、もちろん何もなかったわけですけれども、しかし、原子力、県を挙げて、どうやってこの原子力を県民とともに、地域とともに一緒に歩んで、このエネルギーを確保していくかと苦労しているときに、またもやこういう事案が出てくる。結局はこれ、県民に対する、原子力政策に対する不信感というんですか、そこにつながっていくわけですね。こういうことはもう根絶していかなければならないと再三再四やっているにもかかわらず、同じような事案が次から次へと出てくる。どうしても問題に対して、こういった傾向に対して、県としても、もう毅然とした態度で臨んで、こういうことがないようにという、さらなる
取り組みが必要だと思うんですね。先ほど口頭で厳格に対処してもらいたいということをお答えになっておりましたけれども、県として、厳格というのはどういう意味合いなのか教えていただけますか。
79 ◯小坂原子力安全対策課長
どういう意味でということでございますが、私から、現地の地域原子力安全統括管理官を通じて口頭で言ったところでございますけれども、今、
諏訪委員、あるいは渋谷委員からもありましたけれども、私としては、やはり事業者を監督する立場の国の機関が検査を見過ごすようなことは、たとえ安全は今回担保されていたということであっても、よく知事も言いますけれども、安全・安心なくしてはという、この県民の安心の観点から、あってはならないことであり、こういうことが県民の不安を巻き起こすんだよということで、二度とこういったことが起こらないようにというような気持ちから、厳正にそういう気持ちを県民が持っているんだよということをお伝えしたくて、国のほうに伝えた次第でございます。
以上です。
80 ◯渋谷委員
毎度、今回の問題も、報告書を見てみないとわからないと思うんですけれども、人の問題なのか、組織の問題なのか、例えばマニュアルの問題なのか、まだはっきりしていないわけですね。いずれにしても、本当に機構は、その任に値するような意識を持ってやっているかどうか、ちょっと今回の事案を見ると疑わしいわけですね。そういう中で、県として、厳格に対応するということを口頭で言っているわけですけれども、私は、これに関しては、もう一歩踏み込んで、何らかの対処というんですか、処罰とまでいくかどうかちょっとわからないんですけれども、ただ原因調査して、何というんでしょうか、改善策を求めてということだけでは、いつまでたってもこういうことを繰り返すんじゃないかと思うんですね。ぜひとももう一歩踏み込んだ対応を国に求めていくべきと思いますが、県の見解をお伺いします。
81 ◯小坂原子力安全対策課長
先ほど
諏訪委員にもお答えしたとおり、その原因がやはり、渋谷委員も今おっしゃっていました原因が何であったのかというところをもって、そこを本当に徹底的につぶすように求めていくことが非常に大切だと思いますので、やはり県としても、12月8日の報告書が出たら、原子力安全基盤機構にも直接ちょっと来ていただいて、中身を詳しく聞くといったところから始めて対応を考えていきたいというふうに考えます。
82 ◯渋谷委員
この件に関しては、ぜひ厳格に臨んで、踏み込んだ
取り組みをしていただきたいと思います。
最後に一つお伺いしますけれども、先ほどの答弁で、防災訓練について、この機構に支援していただいていると。その防災訓練の支援について、具体的にどういうかかわり方をしているのか、その辺の概略をお知らせいただけますか。
83 ◯小坂原子力安全対策課長
原子力防災訓練については、実際の原子力災害発生時と同じく、国が主導的に対応・対策を立ててやっていくわけですけれども、そういったものに対して、国の対応はこうやって進んでいくよという、私たちに対する研修とか、実際に防災訓練をやるときに、オフサイトセンターの中で機能班といったものを組んでいろいろ対応方策を立てていきます。そういう対応方策の立て方というのは、いわゆる手順というのがございます。そういう手順について、彼らがサポートして、こういうことをやった後は、次、こうやっていくんだよ、そのためのツールとしては、こういったパソコンですとか、こういったソフトがある、こういうソフトの扱い方は、こうやって扱うんですよといったところをすべて、県の職員だけではなく
関係機関、訓練だとか、研修がありますけれども、そういったものについて、原子力安全基盤機構のほうからしていただいている。あと、もちろんオフサイトセンターにある、国と関係する、そういったオフサイトセンターで使う機器の運営管理について原子力安全基盤機構にやっていただいているというところでございます。
84 ◯渋谷委員
県との予算のやりとりはあるんですか。
85 ◯小坂原子力安全対策課長
県との予算のやりとりはございません。国のほうからお金が直接、原子力安全基盤機構のほうに動いております。
86
◯菊池委員長
ほかにありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
ないようでありますから、これをもって
環境生活部関係の審査を終わります。
以上をもって
環境厚生委員会を終わります。御苦労さまでした。
○閉 会 午後 2時24分
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