青森県議会 2010-10-04
平成22年農林水産委員会 本文 開催日: 2010-10-04
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ○開 会 午前11時01分
◯西谷委員長
おはようございます。ただいまから
農林水産委員会を開きます。
慣例により、会議の
記録署名委員を指名いたします。
三上委員と夏堀委員にお願いいたします。
本日の審査案件は、本会議から付託されました議案3件及び所管事項であります。
なお、審査の順序は、初めに議案について、その後、所管事項について行います。
提出議案について部長の説明を求めます。──
有馬農林水産部長。
2
◯有馬農林水産部長
おはようございます。今定例会に提出されました諸議案のうち、
農林水産部所管に係るものについて御説明申し上げ、御審議の参考に供したいと存じます。
まず、議案第1号「平成22年度青森県
一般会計補正予算(第1号)案」についてでありますが、このうち
農林水産部関係の予算額は26億3,265万8,000円で、これを
既決予算額と合計しますと640億9,652万6,000円となります。
この財源といたしましては、分担金及び負担金3億4,967万5,000円、使用料及び手数料895万3,000円、
国庫支出金14億9,001万3,000円、財産収入753万1,000円、諸収入1万9,000円、県債6億2,200万円、繰入金261万6,000円、一般財源1億5,185万1,000円となっております。
以下、歳出予算に計上されました主なるものについて御説明申し上げます。
構造政策課の
地域農政推進対策事業費1億9,729万8,000円は、国の
割当内示に基づき、
融資主体型担い手育成事業費を増額したものであります。
農地確保・
利用支援事業費7,294万3,000円は、国の
割当内示に基づき
農地利用集積事業費を増額したものであります。
りんご果樹課の
農業生産総合対策事業費8,257万7,000円は、国の
割当内示に基づき
果樹産地総合整備事業費を増額したものであります。
畜産課の
一般公共事業費8,314万2,000円は、国の
割当内示に基づき
畜産担い手育成総合整備事業費を増額したものであります。
林政課の
一般公共事業費7,366万2,000円は、国の
割当内示に基づきそれぞれ
増減調整したものであり、その主なるものは
造林事業費、
治山事業費であります。
農村整備課の
一般公共事業費23億6,717万2,000円は、国の
割当内示等に基づきそれぞれ
増減調整したものであり、その主なるものは、
かんがい排水事業費、
畑地帯総合整備事業費、中
山間地域総合整備事業費であります。
あ
おもり食品産業振興チームの計上額8,355万4,000円は、本年4月1日の組織改正に伴い、必要経費を組みかえたものであります。
漁港漁場整備課の
一般公共事業費減額3億4,592万4,000円は、国の
割当内示等に基づきそれぞれ
増減調整したものであり、その主なるものは
広域漁港漁場整備費、
漁港施設機能強化費であります。
次に、
特別会計でありますが、議案第6号「平成22年度青森県
農業改良資金特別会計補正予算(第1号)案」は、新規就農を促進するための貸付金208万7,000円、及び補助金に係る国への自主納付に伴う
国庫返還金減額113万5,000円、並びに
一般会計への繰戻金に伴う
繰出金減額56万7,000円を計上したものであります。
次に、予算以外の議案についてであります。議案第10号「青森県中
山間地域等直接
支払交付金基金条例を廃止する条例案」は、国が、交付金を都道府県が基金管理する方式から、当該年度の所要額を交付する方式に制度改正したことに伴い、青森県中
山間地域等直接
支払交付金基金を廃止するため提案するものであります。
次に、報告事項についてであります。報告第22号「
地方独立行政法人青森県
産業技術センターの平成21年度における業務の実績についての評価の結果の報告の件」は、
地方独立行政法人青森県
産業技術センターの平成21年度における業務の実績についての評価の結果を、
地方独立行政法人法第28条第5項の規定に基づき報告するものであります。
以上、
農林水産部の提出議案について、その内容を御説明申し上げましたが、詳細については御質問に応じて御説明いたしますので、よろしく御審議のほどお願いいたします。
3
◯西谷委員長
御苦労さまでした。ただいま説明のありました議案について質疑を行います。
質疑は議題外にわたらないように簡明に願います。
なお、答弁者は、挙手の上、「委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。
質疑はありませんか。──
三上委員。
4 ◯
三上委員
それでは、今議会に提案されました付託案件についてお尋ねしたいと思います。
付託案件については、現段階で、国のそれぞれの事業に対する割り当ての内示が示された、そういう観点からあえて議会の議決を得るものだと、こう思っております。そこで、問1として、議案第1号「平成22年度青森県
一般会計補正予算(第1号)案」について伺います。(1)として、
果樹産地総合整備事業費が増額されております。その内容について伺うわけでありますが、国の
割当内示に基づいて、りんご果樹課の
果樹産地総合整備事業費が8,257万7,000円の増額となっておりますが、その増額分は何地区、何施設なのか、もう少し具体的に説明を願いたいと思います。
5 ◯一戸
りんご果樹課長
果樹産地総合整備事業費の増額に関する内容でございます。この事業は、国の強い
農業づくり交付金を活用して県が実施する事業でありまして、今年度、青森県
農村工業農業協同組合連合会(
JAアオレン)がこの事業を活用しまして、新しい
農産物処理加工施設を整備するというものでございます。
今回の
補正予算は、5月末に国から
割当内示された
施設整備に係る交付金について、県の当初予算に間に合わなかった
リンゴジュース貯蔵タンク5基の
追加整備に関する補助金を増額補正するというものでございます。
以上です。
6 ◯
三上委員
ただいま農工連に対する施設の強化の予算だということでありますが、それで青森県の加工に対する強化度がどのぐらい増すのか。それから農工連と、個別に小さな、うちのほうの農協のような極めて小さな加工所もあるわけでありますから、そのカバー率というか、それがどのぐらいになるのか、今の段階でおわかりであれば御報告ください。
7 ◯一戸
りんご果樹課長
今回の整備によりまして、平成19年度の
アオレンの処理量が生果換算で1万4,700トンでございますけれども、これが1万6,000トンに拡大するということになります。加えて、今回の整備では、
アオレンが全国に初めて発売した密閉搾りという空気に触れない搾り方でございますけれども、この施設の大幅な増設ということでございまして、あとは
HACCP対応型と、安全・安心面でもそういう認証制度に準ずるような施設にすると。それからあとは、
ペットボトルのラインということで、
消費者ニーズにあわせた新製品の開発にも供すると、こういうような状況でございまして、これによって付加価値がさらに高まる製品が県外に発売されるというふうに考えております。
また、小さな
加工施設等のカバー率でございますけれども、それについては、それぞれの特色ある加工製品を各地域がつくっておりますので、そういう面では、お互いに補完し合いながら製品開発、もしくは販売強化に結びつくものと考えております。
8 ◯
三上委員
ただいまのお答えの中で、この施設によって、
ペットボトルの製造も強化できるというお答えでありましたが、例えば、今までニッカウヰスキーでは、いろいろな容器を、あるいは酒の種類を製造して好評を博しているわけだけれども、今回のこれは
アルコール類はどうなんでしょうか、その可能性についてお答えいただければなと思います。
9 ◯一戸
りんご果樹課長
農村工業農業協同組合連合会では、以前は
アルコールの製造の免許を持っていたようでございますけれども、現在はそれを持っていないということで、現段階では
アルコール分野への参入というのは難しいと考えております。ただ、最近県内では、そういう
シードル等に取り組む生産者の組織の取り組みが増してきておりますので、今後、
アオレンにもそういうものが整備されることによって、ますますリンゴ酒の分野でも発展する可能性はあるというふうには考えてございます。
10 ◯
三上委員
ただいま、大変関心のある、魅力ある発言がございました。一時期、国も県も、
アルコールに対する特区制度を制定して、
アルコールの研究と販売に着手すると、そういう動きがあったわけでありますけれども、一向にしてまだ伸びていないというのが状況でありますから、この点の開発、促進にもひとつ御努力いただきたい、以上、要望申し上げて、次の問題に入りたいと思います。
それでは、
農村整備課の
一般公共事業費に係る
補正予算の内容について伺うわけでありますが、
一般公共事業費23億6,717万2,000円は、国の
割当内示に基づき
増減調整したものであると思いますが、主なるものは、
かんがい排水事業、
畑地帯総合整備事業、中
山間地域総合整備であるようでありますが、ちなみに
十和田西部地区中
山間地域、それから、県営中
山間地域総合整備地域東北地区、南部町地区中
山間地域、
階上地区中
山間地域の4地区が実施されるようでありますが、この内容についてお答えいただければありがたいなと。
なおまた、名称が、中
山間地域というのは、上へついたり下へついたり、なかなか紛らわしいそれぞれの地域の名称でありますが、その点についても含めてお答えいただければありがたいなと思います。
11
◯北林農村整備課長
委員お尋ねの中
山間地域総合整備事業費につきましては、今回、国からの
追加割り当てがあったことから、約5億円の追加となっておるところであります。
今お尋ねの中
山間地域総合整備事業の4地区につきましては、東北地区が2億円の追加で、農業用の用排水路約930メートル、
階上地区につきましては1億8,000万の追加で農業用の用排水を約1,100メートル、南部町地区につきましては6,500万で
測量試験費一式の増、
十和田西部につきましては2,900万で
測量試験費一式の増となっているところでございます。
なお、中
山間地域総合整備事業でございますけれども、中
山間地域総合整備事業は中
山間地域の
農業生産基盤とあわせて
生活環境の整備を総合的に進め、地域の活性化を図ることを目的としておりまして、正式名称は中
山間地域総合整備事業ということになっておるところでございます。
12 ◯
三上委員
中
山間地域というのは全県に広がっていると思うんです。私も、この制度をつくった段階でかかわった立場もありますから。この4地域、今回たまたま補正がかかったから、4地域全部が県南のほうなのか。津軽には中
山間地域が、この種の事業を張りつけ得なかったのか。その辺の事情と状況をお聞かせください。
13
◯北林農村整備課長
中
山間地域総合整備事業は、現在、この4地区が継続中でございまして、このすべてが継続中の4地区について追加したものでございます。
さらに、この継続の4地区も含めましてこれまで31地区で実施(後刻訂正あり)されておりまして、南部地方のみならず、津軽地方についても実施されているところでございます。
以上でございます。
14 ◯
三上委員
内容よりも、
地域指定の段階で問題が、当時は指定の段階で問題があったなと私は記憶しているわけでありますが、それはなぜかと言うと、
市町村合併によって中山間地の指定の要件が違ってきたわけでありますから、それで当初、
地域指定の段階で問題になりましたが、現状ではその問題、周りがもうないですから、
地域指定枠内にある人はそれで1つの恩恵に浴するわけだから。しかし、あぶれたところから問題は出ていないですか、その辺の事情を御説明ください。
15
◯北林農村整備課長
中
山間地域総合整備事業は、いわゆる五
法指定地域──
過疎地域自立促進特別措置法、
山村振興法、
離島振興法、
半島振興法、特定農山村法──これの該当する地域が対象となっておるところでございます。事業の内容は、先ほども申し上げましたが、
農業生産基盤と
農村生活環境の一体的な整備を行うことになっております。この中
山間地域総合整備事業以外に、
農村総合整備事業等がございますので、そういった事業を活用して、この五
法指定地域以外のところにつきましても、
生産基盤、及び
生活環境の整備を進めていくという形になっておるところでございます。
16 ◯
三上委員
この五
法指定地域の関係で、前に、
総務委員会でも問題になりました。
市町村合併によって、
過疎地域の関係が漏れたり入ったり。あるいは、さらに過疎化が進んだことによって、その要件がこの
地域指定に加味されていないという事情もあって、3年ぐらい前にもめた経過があるけれども、その問題が今、問題ないですか。合併によってその指定から漏れて、今回も、あるいはこれからも漏れていくという可能性はないですか。
17
◯北林農村整備課長
現在の継続4地区につきましては、基本的にこの
対象地域で実施しているということになっております。そして、今後の地区なんでございますけれども、現時点ではまだ具体化した地区というのはございませんけれども、それぞれ関係する市町村等と密接に連携して要望を踏まえて対応してまいりたいと考えているところでございます。
18 ◯
三上委員
例えば、前の三十何カ所ですか、指定されて、事業が終了されている。前に指定された事業はもう終わったという考え方でいいですか、その辺確認してから今の。
19
◯北林農村整備課長
現在、継続地区は4地区でございますから、31引く4で27地区につきましては事業を完了した(後刻訂正あり)ということでございます。
20 ◯
三上委員
そこで、さっきの疑問、特に西北五地域は、合併してもなおかつ、普通合併すればいろいろな人口の
面積当たりの要件などなど、中山間地の傾斜度の問題などなど緩和されて、
過疎地域がなくなるのが普通の考え方であったんですが、二、三年前に議論したときには、合併してもなおかつ過疎が解消しない、されない。中山間地の、それも何も面積が多くなったことによって解消されない、などなどの問題がありましたので、終了した地域にあっては、今後、再開というか、再指定というか、その可能性はどうなんでしょう。
21
◯北林農村整備課長
まず、先ほど31地区──継続を含む──と申し上げましたけれども、失礼いたしました、継続4地区は含まないでございますので、完了した地区が31地区でございます。訂正しておわびさせていただきます。
ちなみに、この完了した31地区につきましてでございますけれども、現在、
追加整備等の要望があるかどうかは把握しておるところではございません。先ほども申し上げましたように、市町村と連携をとりまして、もしそういう要望がありました場合には、要件等に合致するかどうかを審査いたしまして、
事業申請を行っていくということになろうかと思います。
22 ◯
三上委員
ただいまのお答えで、今後慎重に対応すれば、国がその制度をつくれば、入っていく可能性もあるのかなという、私は私なりに判断をいたしました。それでいいでしょうか。
23
◯北林農村整備課長
この中
山間地域総合整備事業でございますけれども、その事業を実施して完了して、再度追加要望がある場合には、再度その
事業要件に照らして事業実施できるかどうか判断できますので、1度完了したからといってできないということはございません。
24 ◯
三上委員
わかりました。よろしくお願いしたいと思います。
それでは、次に、歳出6款6項13目、
水産基盤整備事業費について伺います。
漁港漁場整備課の
一般公共事業の減額3億4,592万円は、国の
割当内示の
増減調整内示の
増減調整をしたものとされていますが、この場合の
広域漁港漁場整備費の
機能強化費とされているのは県内で何カ所になるのか、まず伺います。
25
◯新山漁港漁場整備課長
広域漁港漁場整備費についてでございますが、県内で7地区で実施中でございます。また、
漁港施設機能強化費につきましては、県内で2地区実施中でございます。
以上でございます。
26 ◯
三上委員
広域漁港漁場整備費、及び
漁港施設機能強化費の
補正予算の内容についてお願いします。
27
◯新山漁港漁場整備課長
では、
広域漁港漁場整備費についてから申し上げます。
広域漁港漁場整備費、県内で、
小泊漁港や
大畑漁港など7地区で実施中でございますが、内容は、防波堤や岸壁等の整備を実施中でございます。今年度の国の
割当内示が、県の実施要求に対して減額となりましたことから、6地区で実施計画を見直し、約4億7,860万円を減額としたものでございます。
また、
漁港施設機能強化費につきましては、県内の2地区で実施中でございますが、東青地区の
平舘漁港では、
防波堤改良工事等を促進して効果の早期発現を図ることとし、6,160万円を増額いたしました。また、三八地区の
小舟渡漁港では、2カ年計画で予定していました
防波堤改良工事を前倒しいたしまして、今年度に完成させることとし、その所要額として5,170万円を増額しました。両地区あわせて1億1,330万円を増額といたしました。
こうした
増減調整によりまして、
水産基盤整備事業費全体では3億4,592万4,000円を減額計上し、御審議をお願いしているところでございます。
以上です。
28 ◯
三上委員
内容については、
増減そのものでいくと3億4,592万という、どのぐらいの額になるのか我々予想がつかないけれども、増減によってそういう結果が出ると。そこで伺いますが、この事業の入札の状況、わかったら御説明ください。
29
◯新山漁港漁場整備課長
両事業の入札の状況でございますが、本年9月9日現在の入札状況につきましては、
広域漁港整備事業では、今年度に予定している37件のうち23件が入札済みでございます。また、
漁港施設機能強化事業におきましては、本年度に予定している9件のうち7件が入札済みとなってございます。
以上です。
30 ◯
三上委員
そこで関連して伺いますけれども、先般、一般質問で漁港の関係の整備費についていろいろ問題になりました。そこで、ここでは1地区1つの企業が落札しているという状況ですか、それを端的にまずお答えください。
31
◯新山漁港漁場整備課長
受注状況でございますけれども、その予算の規模に応じて、あるいは工事の発注状況によりまして違います。したがいまして、一概に言えませんけれども、最も受注の多い業者にあっては複数の工事を受注している状況にございます。
以上です。
32 ◯
三上委員
今のような工事の発注と、それから落札、事業実施と、それが好ましいのかなと、我々は常識的にそう考えます。そこで、先般のB社の問題という表現で若干議会が停滞いたしましたけれども。そこで、今回改めてそれに関連してお尋ねいたしますが、あの件については、関連会社が受注率91.7%、普通、異常な状況ではないかなと、1年間でそういう状況であります。そこでお尋ねいたしますが、あれほど短期間に事業を集中して落札しているということになると……(「そこだけとらまえれば」と呼ぶ者あり)ちょっと静かにしてください。実際事業を執行しているのは、先般のあの事業でどういう状況なのか、実際、落札業者が施工しているかどうか、お答えください。
33
◯新山漁港漁場整備課長
工事に関しまして、落札した業者はすべて適正に工事を施工し、完了を迎えております。
以上です。
34 ◯
三上委員
適当に事業を執行しているというお答えでありますが、我々は、逆にこういう感覚を持ったんです。これほどの入札件数を、1社が90%以上も落札するということ、これはいい意味では、県の建設業全体を救済するという、その意味合いからいけば、いいのかも知らんけれども、しかし……(「公正な入札をした結果だべさ」と呼ぶ者あり)静かにさせてくださいよ。(「談合してほしいっておかしい、発言はおかしいと思う、これ」と呼ぶ者あり)何で、まあまあ。今、前段言ったように、B社が落札したものを全部B社で施工しているのかどうか。その辺の追跡調査は、少なくとも公共事業で県が発注して入札している状況でありますから、その点はお答えできるかと思いますが。
35
◯新山漁港漁場整備課長
先ほども申し上げたかと思いますが、落札した業者は円滑に工事を実施いたしまして、無事完成を迎えている、こういう状況にございます。
36 ◯
三上委員
私は、現実を、きょうの委員会であからさまにすれば、それで1つの質問の目的を達したと、こう思っておりますけれども。私は、談合なり丸投げなどなど、入札法に違反する問題もないとは言えません。それは、国全体の……(「事実なの、その丸投げあったとか。事実なんですか。推測でしょう、それは」と呼ぶ者あり)
私は何とも言ってませんよ。丸投げとも言ってません、私は。すべてやっているんであればいいんです。それが果たして県の公共事業の入札のあり方として、この制度がいいのかどうか。これは国全体の中で、全体的に考えなければならないことでありますから。その意味で確認をしたの。したがって、丸投げはしていない、下請にも出していないという判断で結構でございましょうか。
37
◯新山漁港漁場整備課長
元請としてやっているわけで、必要に応じて、下請の部分については下請の業者を使っています。ただ、その時には下請報告を、きちんと規定にのっとって提出してもらった上での実施でございますので、私どものほうとしましては、適正に実施されていると、このように理解しております。
38 ◯
三上委員
きょうの委員会での質疑のやりとりはこのような状況でありました。わかりました。あえて、なぜこの問題を取り上げたかというと、本会議で一般質問に対する再質問に対して、このことは当然質疑になるはずなんです。それをあそこで切ったこと自体、その切ったことに、議会のあり方について問題があるということを指摘して、この問題は終わりたいと思います。
39
◯西谷委員長
山内委員。
40 ◯山内委員
今のにちょっと関連して、私のほうから議事進行でちょっと、よろしいですか。
今、
三上委員から、農林関係の入札問題で質問がございました。そこで、農林関係の入札問題について、現状行われていることに関連して、ちょっとお伺いをいたしたいと思います。
先日の一般質問で質問が出されました。これは農林関係にかかわらず、県内の入札でいろいろとふだんから厳重に我々も見て、間違いがないようにということで取り組んできているわけであります。農林の関係の入札についてどういう方法でやっているのか、まず、ちょっと私のほうからお伺いをしたいと思いますが。1つは工事を発注する場合、ある程度金額が大きいと、参加型という形で入札をしているのではないかと。その入札の仕方、そして、参加型で参加した人たちに、その中から、例えば農林の関係であれば、入札価格を発表すると、いくらの予算ですよという発表をしていると、私どもはこう思っているわけです。入札価格を発表して、参加した人たちに入札してもらうということであります。
この間、渋谷議員が言われたのは、業者が参加して落札したと、なぜか1つの業者が多くとっていると。それよりも、こういう世の中が不景気だから、10社あれば10社の人が1つずつ仕事が当たるようにすればいいのではないかと、そういう方法をやりなさいという質問なんです。これは、10社あったら1つずつ当たるようにやりなさいということは官製談合になると私は判断するわけです。それを渋谷議員が議場で言ったんです。官製談合をやりなさい、みんなに公平に当たるようにしなさいということを言ったんです。(「やれとは言ってない」と呼ぶ者あり)いや、それを検討しなさいと言っている、議事録を見た。そこで、それはおかしいと、やれない。一般参加型にして、入札価格も発表している。いわゆる山内建設なら山内建設というのは、資本とか設備内容、例えば一級建築士とか何々があって、職員の対応があって、こういう資格があれば参加できますよと。だれでも参加資格があれば公平に参加できる制度の中で競争してやれば、その会社の努力によって多くとれるところもあるし、とれないところも。
そういうことで、農林部の入札制度はどうなっているのか、お伺いをいたしたいと思います。そして、全員公平に仕事が当たるような入札制度ができるかどうか。
41
◯新山漁港漁場整備課長
農林水産部の入札方法というか、漁港漁場関係は今どうやっているかということで、お答えしたいと思います。まず、漁港漁場関係工事の入札は、請負工事設計額5,000万円以上の場合は、総合評価落札方式を導入した条件つき一般競争入札を原則として採用してございます。また、5,000万未満の場合は、指名競争入札によって実施してございます。さらにまた、非常に小規模な250万未満の場合は随意契約を結ぶ場合がございます。おおむねこの3つで我々の工事実施しているところでございます。あと、測量・設計等の業務委託もございます。これらにつきましては、ほとんどの場合で指名競争入札で実施しておりまして、100万円未満の場合は随意契約としている、こういう方式で実施してございます。
さらに、お尋ねのあった条件つき一般競争入札でございますが、条件つき一般競争入札は、地方自治法の規定に基づきまして、入札参加資格を建設工事ごとに定めて公告いたします。その上で参加申し込みのあった業者さんを審査いたしまして入札に付するという状況にございまして、先ほど入札価格と委員おっしゃいましたけれども、予定価格と呼んでおりますが、それについては事前に公表している、そういった状況にございます。
以上です。
42 ◯山内委員
それから、各業者に公平に発注できる制度が、県としてできるかということ。
43
◯新山漁港漁場整備課長
我々は、現行の入札契約制度にのっとってやっておりますものですから、今の段階でそういうふうに広く行き渡るというようなシステムにはなっていなく、あくまでも業者さんの競争力に基づいて公正な競争が行われるものと、そのように理解しております。
44
◯西谷委員長
三上委員。
45 ◯
三上委員
ただいま補足の説明をいただき、ありがとうございました。
今の入札制度から言って、県発注の公共事業には、競争力の強い企業がとってもいいという条件が備え過ぎるほど備わっていると思います。しかし、地域経済なり、その地域の状況を考えたときに、それで果たして完全なのかどうか。特にB社というのは県のトップを担っている方でありますから、いわば常識的には遠慮もあってもいいのかなと、あるいは常識があってもいいのかなと。(「それ、談合でないのか」と呼ぶ者あり)いや、談合ではなく、参加しなければいいわけでしょう。(「それは制限できないでしょう」と呼ぶ者あり)だから、そういう状況でありますから、これが国全体の建築入札法として、完全、万全なものか、これもこれから考えていかなければならないことかなと思っております。(「どういう方法で」と呼ぶ者あり)どういうことかって、それは国会で、県議会も含めて考えれば……(「国会でしょう、県議会は法律できないもの」と呼ぶ者あり)県議会の声は国会に反映するの。
46
◯西谷委員長
三上委員、要望として何を言いたいかはっきり。どういうふうに言いたいのかわからない。
47 ◯
三上委員
きょうは、実態をあからさまにすることが目的であります。
48
◯西谷委員長
そこで、要望ですか、質問ですか。
49 ◯
三上委員
少なくとも偏ったこういう状況は好ましくないということだけは断固指摘をしておきます。
50
◯西谷委員長
ちょっと待ってください、偏ったということを決めつけることではない。
51 ◯
三上委員
いや、結果が示してるでしょう。結果はこの事業を見るとわかるでしょう。
52
◯西谷委員長
今、続けてやるんだったら、要望でやめてください。まだ質問あるの。
53 ◯
三上委員
質問はあります。別な質問です。
54
◯西谷委員長
今の件に関して、要望で。
55 ◯
三上委員
わかりました。これについては、後ほど、一定の検討の上で、我が会派でも具体的な調査に入りたいと、こう思っております。これはしかし、会派の決定ではございませんから、そういう意向もあるということだけは申し上げておきます。少なくともこのような偏った結果になったということの現実だけは私はこの場であからさまにしたと、この意味では質問の効果があったのかなと、こう思っておりますから、よろしくお願いを申し上げます。
では次に、問2として、議案第10号「青森県中
山間地域等直接
支払交付金基金条例を廃止する条例案」について伺います。(1)として、これまでの県内の実施の状況と評価はどうなっているか。そしてまた、県はどのように取り組んでいくのかを伺います。
56 ◯山本
構造政策課長
まず、実施状況と評価ですが、本県では、平成12年度から、集落の協定に基づき水路や農道の管理、耕作放棄地の復旧、沿道の花壇整備などの活動に対し交付金が支払われる中
山間地域支払制度を実施しております。平成21年度では31市町村で取り組まれ、交付面積は1万1,000ヘクタール、協定参加者は1万5,000人、交付金額は9億5,000万円となってございます。
制度の活用により、農地の保全にとどまらず、アピオスなどの新作作物の導入や、米粉パンの加工・直売などに新たに取り組む集落があらわれてきているほか、集落のコミュニティ機能の活性化につながる伝統芸能や祭りの復活、小学校や老人クラブなどの交流、グリーンツーリズムの取り組みなど、さまざまな活動が各地で行われるようになっており、本制度に取り組む市町村の約8割から、中
山間地域の農業生産や集落機能の維持等に効果があるという評価をされてございます。
それから、県はどのように取り組んでいくのかということでございますけれども、県では、高齢化や集落機能の低下が進む中
山間地域等の活性化に中
山間地域等直接支払制度を有効に活用することが重要と考え、市町村担当者を対象とする説明会や農家向けのPRリーフレットの配布を通じて、この制度の活用や適正な実施等を周知徹底するとともに、本県における取り組みの優良事例集を取りまとめ、各集落において今後の活動を検討する際の参考としていただいているところです。
今後も、市町村と連携しながら農業者等の支援に努めるとともに、活力ある中
山間地域づくりに向け、地域住民とNPO法人との連携によるビジネスチャンスづくりや、企業による農作業支援活動の呼び込みなど、新たな切り口からの農業・農村の活性化策を紹介する研修会を開催するなど、同制度の有効な活用を促していくこととしております。
57 ◯
三上委員
今回、交付金基金条例を廃止するという、この目的については理解をいたします。しかし、この事業の継続はぜひともやっていただきたい。現場では、昔は雪道の道路に地域住民が出て道路を整備したとかなどなど、小さな地域社会を守るという役割がありました。今では、水路の除草、管理、泥上げなどなどあるわけでありますが、今、農業・農村自体がそういう保守的な活動がなかなかできにくくなっている、そういう状況下にあります。そういう中で、道路の脇の草刈りとか泥上げとか、あるいはいろいろな産業の開発などなどあるわけでありますけれども、現場では、極めて窮屈な労働条件の中で、資金的にもない中で、それに奉仕している皆さんが、その私財に対して、労働に対して、なかなか対価を与えないという苦情が出ておりますから、それを速やかにやれるように。この間、委員長も含めて、弘前地区の集落の環境整備の関係の調査に行ったときに、現場からも強い意見がありました。どうぞひとつ、そういう要望も、積極的にやっているところほどあるわけでありますから、その点について、費用の支払いについては、なるべく早く手当てをするように、その辺の状況がどうなっているかお尋ねしたいと思います。
58 ◯山本
構造政策課長
支払いの関係ですけれども、県では、平成21年度まで、市町村への交付金を事業終了後に支払う精算払いとしていましたけれども、農業者からの早期交付を望む声を受けて、今年度からは事業終了前に支払う概算払いに変更したいと考えております。
59 ◯
三上委員
概算払いになるということは、支払いが早まるという判断でよろしゅうございますか。
60 ◯山本
構造政策課長
今までは、大体3月ぐらいに支払っていたんですが、概算払いにすることによって12月ぐらいをめどに支払いを見込んでいます。
61 ◯
三上委員
付託案件については以上で私の質問を終わります。
62
◯西谷委員長
ただいまの
三上委員の発言の中で、ちょっと議事録の整理のために確認をしたいと思います。B社という表現を使って、91%受注しているのは偏っているということは、公平でないという指摘なんだけれども、これは
三上委員の指摘、見解でいいですか。見解ですか。それが不正だとかなんとかいうんであれば問題なのだけれども、そこを確認したいんですけれども。
63 ◯
三上委員
いやいや、指摘にしておきます。私はこれ以上の権限も何も持っていないので。
常識的に考えて、これほど発注が少ないという状況の中で、1つの特定した業者が、これほど多く落札して……。
64
◯西谷委員長
ということは、その入札方法がおかしいと言っているわけ。
65 ◯
三上委員
私は、結果そのものが、そのものに問題ありと、こう考えています。
66
◯西谷委員長
夏堀委員。
67 ◯夏堀委員
偏ったということは、これは不穏当な発言だと思うんですよ。偏ったというのは、例えばそこの事業だけを考えれば、たまたまその地区だけに考えて、その大きな事業にはその事業者が多かったのかもしれない。であれば、青森県全体の、例えば林道の工事だとか、土地改良事業だとか、
畑地帯総合整備事業とか、全部調べてもらってもいいんじゃないですか、その地区ごとに。例えば八戸地区はどうなのか、三戸郡はどうなのかと、全部調べて、その中で話が偏ったとなればいいでしょうけれども、今の事象だけを見て、事柄だけを見て、偏ったというのは不穏当な発言だと。私は議事録からの削除を求めます。
68
◯西谷委員長
偏ったというのは不正だということではないでしょう。
言いたいことを整理して、ちゃんとわかる言葉で指摘してください。
69 ◯
三上委員
新聞でも、議論の中ではっきり残りました。それを議事録から抹消するというところに問題があるの。あれを抹消しなければ、それなりに議事録が生きているんだから、いついかなるときでも、いいんだけれども。(「だったら何で議事録抹消に応じたのよ」と呼ぶ者あり)まあまあ、そういう考えもある。そういうことで、結果として、私は、偏ったということだけは指摘をしておきます。
以上。
70
◯西谷委員長
それがどうだということじゃなくて、偏ったというだけの……。
71 ◯
三上委員
偏った現実を示した、はい。
72
◯西谷委員長
そうすれば、議事録のほう、偏ったということで。
73 ◯
三上委員
偏っているということで。
74
◯西谷委員長
その後のところ、公平でないとかいうところは取っていいでしょう。
75 ◯
三上委員
まあまあ、公平は別にして。
76
◯西谷委員長
山内委員。
77 ◯山内委員
入札が偏ったと言う。じゃあ、偏らないようにと、公平にいくようにという意味なんでしょう。役所として、行政としてできるんですか、現在の規則の中で。偏らないように皆さん公平にいくようにということが、いわゆる公平にいくためには、官製の談合にならないのかどうか。役所でそれを、行政の場で指導していく、あんたとったよ、とり過ぎだからあんた今度はだめだよ、次はこっちだよとか、できるんですか、行政の場で。委員会で、議会で発言しているわけだから、皆さんに対してそれを求めているわけだから、それができるかどうか、まずそこをお聞きします。
78
◯有馬農林水産部長
議会でも答弁しましたように、県が発注する工事につきましては、先ほど、
漁港漁場整備課長から、漁港関係の工事の入札についてお話がありました。あくまでも総合評価方式、並びに一般競争入札、あるいは指名競争入札等々の要領・要綱に基づいて入札については執行するという、その原則でございます。それに従ってとり行うということでございます。
79
◯西谷委員長
いいですね。
では、議案についてやってしまいたいと思いますので、議案について質疑はありませんか。──一戸委員。
80 ◯一戸委員
議案に対する質疑ですけれども、議案第1号「平成22年度青森県
一般会計補正予算(第1号)案」について、歳出6款4項2目、農地指導管理費、農地利用調整費についてお伺いをします。これは昨年5月に所有から利用へということで、国の法制度が改正をされたと思っておりますし、この改正によって賃貸から貸し付けへの動きも新たなものとして加わったと思っています。その前までの農地法というのは、自作農主義、つまり、土地所有者が直接耕作し、地主を排除するということが貫かれていた法ではなかったかと思います。しかし、5月以降、食料自給率低下、休耕地の増加などなど含め、利用促進を目的としたものに農地法が改正をされたものだというふうに思っているところから、まずお聞きをしたいのは、この21年度の農地法改正の概要についてお伺いをしたいと思います。
81 ◯山本
構造政策課長
農地法の一部を改正する法律は、食料の安定供給を図るための重要な
生産基盤である農地について、貸借規制や転用規制を見直しするとともに、利用状況の定期的な確認を農業委員会に義務づけし、その確保と有効利用の促進に資することを趣旨として平成21年6月24日に公布され、同年12月15日に施行されました。
法改正の主な内容でございますけれども、業務執行役員の1名以上が農業に常時従事することなどの条件を付した上で、農業生産法人以外の株式会社等の一般法人の農地の貸借権の取得を可能としたこと。それから、国や県が行う公共転用における許可権限者との協議制度の新設、及び違反転用に対する罰金の引き上げ等農地転用規制を厳格化したこと。それから、耕作放棄地について、その解消を図るために農業委員会が行う利用状況調査、指導等の手続が新設されたこと。さらには、相続等の届出制度が新設された、などがございます。
82 ◯一戸委員
農業者、農業生産法人以外にも相当数広げられたということでありますけれども、そのほかに今回のこの法改正に伴って、農地基本台帳の変更が見直しをされているというふうに思っていますけれども、その変更内容についてお伺いしたいと思います。
83 ◯山本
構造政策課長
農地法改正によりまして、農業委員会は年1回の農地利用状況調査を行い、その結果を踏まえて耕作放棄地の所有者等に対する指導を行うなど、農地の有効利用に重点を置いた対応が求められることになりました。このため、農地基本台帳については、これまでの農家世帯単位から農地単位により管理されることになっており、具体的には、農業生産法人以外の一般法人の農地の貸借権の管理、利用状況調査や耕作放棄地、相続の届け出への対応などの項目が新たに加わりました。
84 ◯一戸委員
農業法人以外の方が参入されるということで、そういった項目が追加をされたということでありますけれども、先ほどから出ている農業委員会にかかわる部分ですけれども、この農地基本台帳の整備に関する農業委員会の対応状況についてお伺いしたいと思います。
85 ◯山本
構造政策課長
電算処理などによる農地基本台帳システムの改修に要する経費については、平成22年度に国が新設した農地制度実施円滑化事業の補助対象となっております。この補助事業を活用して整備する農業委員会は19、それから、活用せずに整備する農業委員会は6、あわせて25農業委員会が、今年度、農地基本台帳を整備する予定でございます。今年度の整備を予定していない15の農業委員会につきましては、補助事業の活用を促しながら、23年度には農地基本台帳の整備が行われるよう、県農業会議を通じて働きかけてまいりたいと思っています。
86 ◯一戸委員
25農業委員会と。15農業委員会については23年度、来年度に実施をするということでよろしいんでしょうか。
87 ◯山本
構造政策課長
はい、そういうふうに農業会議を通じてお願いしたいと思っています。
88 ◯一戸委員
それでは、農地基本台帳整備後の農地の利用促進について、県はどのように考えているのかお伺いをしたいと思います。
89 ◯山本
構造政策課長
新たに整備される農地基本台帳は、農地ごとにその利用状況や所有者の耕作についての意向、耕作放棄地所有者への指導状況など、農地の利用を促進するための情報を把握することができます。
県では、市町村や農業委員会、農業団体等と連携し、農地基本台帳により把握した農地の貸し付けや、売却を希望する農家や耕作放棄地所有農家に対し、担い手農家へ農地を集積する農地利用集積円滑化事業や、農地保有合理化事業、耕作放棄地の再生・利用を支援する耕作放棄地再生利用緊急対策交付金など、関連施策の活用を働きかけ、農地の有効利用を促進することとしています。
90 ◯一戸委員
農地の活用について、いろいろな項目を出されてきましたけれども、そういった項目については、今後、情報を開放というか、利用できるようなものになっていくんでしょうか。
91 ◯山本
構造政策課長
情報はいろいろこれからも活用できるような形で進めていくことになります。
92 ◯一戸委員
それで、改正農地法の案では、遊休農地の所有者が適正に利用しない場合、改めてどのような対応をしていくのかについてお伺いしたいと思います。
93 ◯山本
構造政策課長
農業委員会が所有者に遊休農地であることを通知して、その後、所有者は利用に関する計画を農業委員会に提出することになっておりまして、その結果に基づいて農地の利用調整などが実施される。計画が適切でない場合や、計画が実施されないなど適正に利用しない場合は、農業委員会は所有者に対して貸し付けすることなどの措置を講じるよう勧告します。
94 ◯一戸委員
今、県内の状況を見ると、所有者の高齢化を含めて適正でない土地もありますけれども、この勧告に、例えば従えないとか出てくるんだと思うんですけれども、放置をしたまま、最終的にはどんな形で進めていくのかについてお伺いしたいと思います。
95 ◯山本
構造政策課長
この勧告に従わない場合は、農業委員会が指定した農地保有合理化法人など、農地の利用を希望する者と、遊休農地所有者が農地の利用権の移転等に関する協議を行い、利用権を設定することになっております。
96 ◯一戸委員
後で要望でちょっと触れたいと思うんですけれども、最後の質問というかお聞きしたいのは、この法改正で日本全体として確保すべき農地面積の目標は国が明らかにしていくということで、明らかになっていると思いますけれども、都道府県においてもこの策定方針で、都道府県ごとに確保すべき農地面積を定めるというふうに法整備の中でうたってございます。現段階で、青森県におけるそういった面積というのは確認をしているのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
97
◯北林農村整備課長
国のほうの農業用地の確保に関する基本指針でございますけれども、平成21年現在の農用地区域内の農地面積が407万ヘクタール、これを平成32年度には415万ヘクタールにするという指針が出ておりますけれども、県においては、その国の基本指針を踏まえて、平成32年度に確保すべき農地面積目標の設定等を内容とする農業振興地域整備基本方針の変更を、ことしの12月に行う予定としておりまして、目標面積については現在検討している、検討中ということでございます。
98 ◯一戸委員
国が415万ということで定めて、県は12月に出していくということでありますけれども、意見になるわけでありますけれども、こういった国の目標、県の目標をそれぞれ立てていくんですけれども、先ほど、農地法を見ていくと、例えば、リンゴ園地、木を植えて更地にしているところ、それも今、耕作放棄地ということに管理をされているんだとは思います。そこに何かを植えてくださいといっても、なかなかそこは進まないだろうと思いますし、
過疎地域において、どんどん農地が、耕作放棄地がふえて、思うようにそれを使う人たちが出てくればいいですけれども、私は、なかなか難しいんじゃないかなと思います。したがって、この法、発足して間もないわけでありますから、法は法としながらも、青森県の実態に合った進め方をしないと、いつまでたっても目標だけで到達できないと、こうであっては、私はやはり実態を把握できないと思いますので、ぜひ、15の団体がこれから来年に向けて取り組んでいくということになっていますけれども、実態に沿った進め方をぜひしていただきたいのと、耕作放棄をしている皆さんが、やっぱり年とって、つくれないのにつくれと言っても無理があるわけですから、ぜひ、その辺の意見をもって事業を進めていただきたいと思います。
以上です。
99
◯西谷委員長
ほかに質疑はありせんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
ないようでありますから、これをもって議案に対する質疑を終わります。
これより議案の採決をいたします。議案第1号中所管分、議案第6号、及び議案第10号、以上3件の原案に賛成の方は御起立願います。
[賛成者起立]
起立総員であります。
よって、原案は可決いたしました。
以上をもちまして、午さんのため、暫時休憩をいたします。
なお、再開は1時15分としたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○休 憩 午後 0時05分
○再 開 午後 1時15分
100
◯西谷委員長
それでは、休憩前に引き続き委員会を開きます。
部長より報告事項があります。──
有馬農林水産部長。
101
◯有馬農林水産部長
では、きょうは5点御報告を申し上げます。
最初に、平成21年産リンゴの販売額についてです。平成21年産リンゴの販売額は770億円で、平成20年産を約14億円下回り、前年対比98%、過去5カ年の平均対比で90%となりました。
その内訳は、県外販売額は約732億円で、平成20年産に比べ約2,600万円増加し、前年対比では100%。県内販売額は約26億円で、平成20年産に比べ約4,000万円減少し、前年対比98%。加工仕向販売額は約12億円で、平成20年産に比べ約13億8,000万円減少し、前年対比46%となりました。
これらの要因は次のとおりでございます。
県外販売については、平成21年産の収穫量が少なかったことなどから、数量が前年対比92%に減少したものの、内部品質センサーの導入による厳選出荷が行われ品質が向上したことや、輸出の拡大による品薄感もあり、価格が前年対比109%に上昇して数量の減少分をカバーしたこと。
県内販売については、数量が前年対比93%と少なかったこと、これに対して価格は上昇したものの、前年対比106%にとどまったこと。
加工仕向については、平成20年産で、霜やひょう害による被害果が多く、例年より多くのリンゴが加工に回され、大量の果汁在庫を抱えていたことから、平成21年産の加工仕向量が減少したことなどが挙げられます。
次に、平成22年産水稲の作柄概況についてです。9月15日現在です。
国が発表した9月15日現在の水稲の作柄概況によると、県全体が平年並みの100、地帯別には、青森が平年並みの101、津軽がやや不良の97、南部・下北がやや良の105と見込まれています。
これは5月下旬の低温と日照不足の影響により、県全体では穂数・全もみ数が平年より少ないものの、登熟期間は高温で経過したことから、全もみ数が少ないことによる補償作用──これは、もみ数が少ない分を米粒が肥大して補うという作用です──補償作用により、登熟は平年に比べ良と見込まれるためとしています。
なお、津軽地帯については、全もみ数がやや少ないが、登熟期間の日照時間が他の地域より少なく高温で経過したことから、登熟がやや良にとどまり、結果として、補償作用が南部・下北地帯よりは働かずに、作柄はやや不良になったとのことでございます。
次に、農作物の生育と農作業の進捗状況等についてです。
まず、これまでの気象経過と今後の見通しです。気象経過、青森市の9月の状況です。平均気温は平年と比べ、上旬は3.8度、中旬は1.9度上回ったものの、下旬は0.4度下回りました。日照時間は平年と比べ103%、降水量は平年と比べ115%と多くなりました。
今後の見通しです。平均気温は高く、日照時間は日本海側で平年並み、太平洋側で平年並みか少なめ。降水量は日本海側で平年並み、太平洋側で多いと予想されています。
農作物の生育・作業進捗状況と今後の対策についてです。
まず、水稲ですが、作柄の概況につきましては先ほどのとおりでございます。9月30日現在の稲刈り進捗率は83%でした。
今後の対策として、刈りおくれによる品質低下を防止するため、速やかに刈り取りをすること。刈り取り後はもみの水分むらに配慮した乾燥を行い、過乾燥米や胴割れ粒の発生防止に努めること。稲わらの有効活用と焼却防止を徹底すること。
畑作・野菜・花きについてです。大豆、高冷地の秋にんじん、秋ギクの生育は、おおむね順調です。ながいもの生育は、いも長が平年を上回っていますが、いもの径は下回っています。トマトの生育は、高温の影響による落花のため、着果数が平年を下回っています。
今後の対策として、大豆は、子実水分等に留意し、適期刈り取りに努めること。トマトなどのハウス栽培では、温度管理、かん水管理を徹底すること。また、排水対策と病害虫防除を徹底すること。
リンゴ等果樹です。ふじの肥大は、横径で平年並み、縦径では平年を下回っています。早生ふじの収穫は、平年よりやや早い9月28日ごろから始まっています。ジョナゴールドの熟度は平年よりややおくれています。
今後の対策として、樹上選果を徹底し、着色管理や収穫を適期に行うこと。台風に備え、防風網の点検・整備や支柱の結束・補強などに努めること。
飼料作物です。牧草の4番草の生育は平年比92%となっています。サイレージ用とうもろこしの収穫時期は、平年より9日早くなっています。
今後の対策として、牧草の収穫作業は天候の推移を見きわめながら行い、降雨が予想される場合は早目にサイレージに仕向けること。サイレージ用とうもろこしは、子実の登熟状況をよく観察し、適期になり次第収穫すること。
次に、県産農産物の販売動向についてです。
東京都中央卸売市場の9月中旬の野菜の動きです。ながいもの価格は、引き続き市場全体の出荷量が少ないことから高値で推移しており、前年比で49%高く、過去5カ年平均に比べても59%上回っています。にんにくの価格は、引き続き中国産の出荷量が少ないことから、前年比で26%高く、過去5カ年平均に比べても9%上回っています。だいこんの価格は、病虫害の発生等により市場全体の出荷量が少ないことから、前年比で34%高く、過去5カ年平均に比べても34%上回っています。トマトの価格は、市場全体の出荷量は平年並みですが、需要が多いことから、前年比で23%高く、過去5カ年平均に比べても55%上回っています。ねぎの価格は、生育期の高温の影響により市場全体の出荷量が少ないことから、前年比で105%高く、過去5カ年平均に比べても45%上回っています。リンゴの価格です。リンゴの価格は、猛暑による果実の日焼けや着色不良による収穫おくれで全般的に出荷量が少なく、なしやぶどうなど競合果実も総じて出荷量が少なかったため、前年比で50%高く、過去5カ年平均に比べても12%上回っています。
最後に、最近の漁模様等についてです。9月の主要魚種の動向です。スルメイカは、日本海及び津軽海峡で低調、太平洋で平年並みに推移しました。ブリは、日本海で平年並み、太平洋側で好調に推移しました。クロマグロは、日本海及び津軽海峡で低調に推移しました。サバ類は太平洋で低調、ウスメバルは、日本海で低調に推移しました。
沿岸の水温の状況です。9月26日から30日までの半旬平均水温は、日本海で22度台、津軽海峡では20から23度台、陸奥湾では22から23度台、太平洋では19から21度台となっています。日本海、太平洋でやや高め、津軽海峡でかなり高め、陸奥湾は甚だ高め、全地点での平年差は平均プラス1.5度で、かなり高めとなっています。
最近の漁獲物の状況です。最近の主要漁獲物の状況は、9月下旬は、日本海ではスルメイカ、クロマグロ、ブリ、津軽海峡ではスルメイカ、クロマグロ、太平洋ではサバ類、スルメイカ、サケとなっています。
陸奥湾のホタテガイ養殖の状況です。ホタテガイ養殖管理情報第8号を発行し、平年より水温は高いが全湾的に水温低下が見られるため、地先の水温、及び稚貝の成長等を確認してから、稚貝の分散作業を実施するよう指導しています。
以上でございます。
102
◯西谷委員長
それでは、ただいまの報告事項、及び所管事項について質疑を行います。
質疑は所管外にわたらないように願います。
質疑はありませんか。──夏堀委員。
103 ◯夏堀委員
午前中はちょっとにぎわったようでございますが、午後は、粛々と質疑を進めさせていただきたいと考えております。
まず最初でございますが、いわゆる米の価格が非常に下がってきているという、先ほど、県内農産物販売動向について、部長のほうからも発言がありましたけれども、本来であれば、野菜の価格もどんどん上がっていますし、米も上がっていただきたいなというのは私の隠さざるところでございます。ただ、どうしても、生産量が多くなっている、その関係上なのかわかりませんけれども、随分販売価格が下がってきているということでございまして、今年度、平成22年産米のいわゆる概算金について、ちょっとお伺いしたいと思ってございます。
先般、いわゆる仮払金のことで、全農、各JAからいろいろと発表があったようでございますが、それがどうも各JAさんによって価格が、金額がそれぞれ、いわゆる偏っているわけじゃないですけれども、まちまちであるような、そういう報道がなされたようでありますので、何か、農家の方々には随分、地域ごとに、我々の地域とほかの地域は違うのかという不公平感というのが、JAさんの仮払金なんですけれども、または米穀商組合ですか、あるということで、非常に釈然としないということが農家の方々の中でお話がありました。独自加算をしているということで、そのことの件だと私は認識しておりますけれども、県内の状況はどのようになっているのかということと、このことに対する県のお考えというか、このことをお伺いをいたしたいと思っております。
なお、それぞれJAさん、もしくは米穀商組合のほうとの関連でございますので、県のほうとしては余り関与はできないのかと思いますけれども、いわゆる考え方ということでお伺いをしたいと思います。
104 ◯長根農産園芸課長
22年産米の概算金の状況についてお答えさせていただきます。
農協の系統、農協系ということでございましたので、まず、全農青森県本部の22年産米の概算金につきましては、1等60キログラム当たり、つがるロマンが前年より2,900円安い8,500円から8,700円、同じくまっしぐらが前年より2,800円安い8,300円から8,500円となっております。
このため、県内10農協のうち、概算金に独自加算している農協、これが7農協ございます。加算なし、加算を行わない農協が3農協になっております。この加算額は、つがるロマン、まっしぐらとも、200円から1,000円までの幅になってございます。
県としましては、全国的に米価の下落傾向が続いている中で、独自加算を決定した農協につきましては、農家の手取りを確保するために、JAそれぞれの厳しい経営状況を踏まえながら独自の判断をされてきたというふうに推察しております。
以上です。
105 ◯夏堀委員
基本的に米余りというものに対して、全く打つ手がないんだということなんでしょうけれども、ただ、その中で、仮渡し金を渡して、後で例えばもっと安くなった場合、逆にもう一回返さなきゃならないというような、逆な現象になると、農家の人は概算金、既にいろいろ使って、農協さん含めてやっているわけですから、そういう意味で、非常にちぐはぐだというか、経営上、非常に思わしくない事態が当然想定されてくる。そういうことであれば、これからまさに米をつくってもこうなんだということであれば、農家の意欲もさることながら、いくら戸別補償制度が充実されて、拡充されても、何か変なふうになっていくのかなというふうなことが考えられますので、そういう各JAさん、確かに、後で過払いし過ぎて返してくれということはなかなかできにくいでしょうけれども、できれば統一した形で、全国一律ではないにしても、そういうできるような形で、農協さんのほうもしていただければ大変いいのかなという。どうもうちのほうの農協は少ないとか、あっちのほうは多いとかという、そういう話を農家の方々が口々に話をしているようでございますので、そういう差が生じないようにしていく形のほうがいいのかなと考えてございますので、その辺を、県とすれば、何も解決することはできないんでしょうけれども、何かいい手だてがあれば、アドバイスいただければいいなと考えてございます。
次に、前回の常任委員会でも質問しておりますが、いわゆるホタテガイの高水温対策。昨日ですか、公明の山口代表も直々に陸奥湾に行って、直接沖合5キロ海上から養殖かごを引き揚げて、被害状況の説明を受けたというふうな報道がございます。まさに、非常に、大変厳しい状況であろうと思っていますが、何か聞くところによりますと、先般、10月1日に会議をするというふうなことを伺ってございました。いわゆるホタテガイの高水温対策会議というものが開催されたように聞いてますが、この内容についてお伺いしたいと思います。
106 ◯松宮水産振興課長
10月1日の会議ですけれども、陸奥湾ホタテガイ高水温対策本部が開催した会議では、まず1つといたしまして、陸奥湾内の水温等の状況、それから、養殖管理の指導についての情報提供、それから、湾内の各漁協間での情報交換、さらに、稚貝生残率調査の進め方、そして、ホタテ稚貝の県外からの移入禁止の4点について意見交換を行いました。
特に、最後のホタテ稚貝の県外からの移入禁止という点につきましては、北海道等の海域では発生しておりますが、陸奥湾ではまだ未確認の麻痺性貝毒、これを引き起こすプランクトンを持ち込むおそれがあるということで、むつ湾漁業振興会ではこれまでも禁止という申し合わせをしておりましたが、これを今回、出席者全員で再確認いたしまして、漁業者に周知徹底することといたしました。
107 ◯夏堀委員
そこで、当然、水温の状況だとか漁協の方の意見とかというのだけれども、出席者、もちろん、漁協さん含めてでしょうけれども、それ以外にと申しますか、それに付随してと申しますか、いろいろな要望があったと思うんですね。こういう状況ですから、何とか、いろいろ調査してくれとか、調査はもちろんですけれども、そのために、例えば、被害を何とか、来年度に向けて少なくしてくれとか、また、そういう何か補償がないのかというようなことが出たと思うんですけど、そのいわゆる要望がどういうふうに出されたのかということをお伺いします。
108 ◯松宮水産振興課長
当日出席いたしました漁業関係者からは、まず、来年の生産に向けた稚貝、それから、来年春に産卵します母貝、この確保について対応を求める声が強く出ました。これにつきましては、今後実施する全湾での稚貝の生残率調査、それから、これに続きまして、養殖ホタテガイの実態調査、これらの結果を踏まえまして具体的に対策を進めていくということになりました。
109 ◯夏堀委員
そのいわゆる稚貝、母貝の問題がある、その点は調査をするということなんだけれども、いつごろ全湾調査をするということはわかるんでしょうか。
110 ◯松宮水産振興課長
まず稚貝につきましては、水温が23度まで低下してきましたので、それぞれの漁業者が自分の持っている貝の成長等を見ながら、分散作業という、かごの入れかえ作業を行います。それを見ながら、県のほうでもサンプルを各漁港ごとに提供していただいて調査を始めることにしてございます。
あわせて養殖ホタテガイの実態調査、例年であれば10月の中旬に行うんですけれども、作業が2週間からそれ以上おくれていますので、それに伴って調査時期は若干おくれるものというふうに考えております。
111 ◯夏堀委員
その調査結果というのは大体いつごろ出てくるかわかりますか。
112 ◯松宮水産振興課長
例年ですと10月の中旬に調査して、12月初めに取りまとめしておりますが、半月、それ以上おくれていますので、調査結果につきましてもやはりそれに準じておくれるのではないかと思っております。
113 ◯夏堀委員
大体、そうすると12月の初旬じゃなくて、中旬かそれ以降ぐらいになるという、中旬にはなるということで認識してよろしいでしょうか。
114 ◯松宮水産振興課長
おおむねそのように今のところは考えてございます。
115 ◯夏堀委員
それでは、いわゆる養殖業をなさっている方々の、被害が多いわけでございまして、被害があるだろうと思いますけれども、実際それに対応する、今、農業では農業共済制度とか、あと、畜産火共さんという災害補償制度が充実されていますけれども。私、自分が勉強不足のせいかよくわかっていないですけれども、漁業に対してそういう共済制度というのがあるのか、また、ありましたらどのような内容になっているのかお教えいただければ。
116 ◯松宮水産振興課長
ホタテガイの養殖漁業者が加入しています、ほたて特定養殖共済というのがございます。これにつきましては、過去5年間の生産金額のうち、一番よかった最高と一番悪かった最低の年2つを除きまして、中庸の3年間の平均生産金額に、業種によって違うんですが、ホタテ養殖の場合は80%を乗じた補償水準というのがございます。これを下回った場合に損失を補てんする保険制度となってございます。
さらに独特の制度として、この補償に上乗せする積立方式がございます。これは積立ぷらすと呼んでございますが、これは、共済ですと80%以上の減額分を補償しますが、この対象とならない90%から80%までの部分を補てんする制度となってございます。
117 ◯夏堀委員
どうなんですか、過去にもいろいろな被害があって、ホタテの養殖をなさってる方々は、共済制度に対して多分、多く加入していると思いますし、加入率も高いんだろうと思いますけれども、実質的に県のほうでとらえている数字といいますか、加入率だとか加入者数を教えていただければ。
118 ◯松宮水産振興課長
平成21年度におきますほたて特定養殖共済の加入率でございますが、82.4%、加入者数では910人というふうになってございます。そのうちで、先ほど申し上げました積立ぷらすに加入している方は390人となってございます。
119 ◯夏堀委員
そういう共済のほかに積立ぷらすというものもあるということで、大変私も勉強になったわけでありますし、そういう意味では、今回のような高水温の場合、共済の補償というのはどのようになるのか、また、高水温の被害だけじゃなくて、今後いわゆる出荷する段階、来年恐らくかなりいろいろな意味で少なくなってくるのでしょうし、そういう、いわゆる全体的な被害というのが想定されるわけでございますが、そういう場合、どのように共済の補償とか、そのような被害に対しての対策というか、補償はどのようになっているのかお伺いします。
120 ◯松宮水産振興課長
このホタテガイに関しましては、1月から12月までの期間が育成期間となっていますので、今後、これから今年中に出荷を予定している貝をお持ちの方、成貝ですとか新貝という呼び方をしてますが、これらがへい死して生産金額がもし減少した場合には、先ほど申し上げましたような計算で、契約内容に応じた共済金の支払いが行われることとなってございます。
来年以降につきましては、また新たな契約ということになりますので、それはその時点でまた支払いの対象にはなるということでございます。
121 ◯夏堀委員
いろいろな形で、そういう共済というんですか、そういう制度があるということで、多分、今回の件に対しても補償されていくんだろうと思うんですが、本県の場合、過去において、ホタテガイのへい死──今回のようなといえば、今回異常な、三十何年、今まで観測史上初めての高温だっていいますから、それは同じことはなかったんでしょうけれども──そのホタテガイのへい死、当然しているわけでございますから、それに対していろいろ原因としてあると思いますけれども、共済金が支払われた前例と申しますか、過去においてそういうケースがあったかというのをお伺いします。
122 ◯松宮水産振興課長
ホタテガイに関しましては、平成15年に、春先の暴風・時化を原因とする大量へい死という事例が発生しました。この際には、8つの漁協671人に対しまして合計4億円余りの共済金が支払われたという事例がございます。
123 ◯夏堀委員
いずれにしても、随分、今後実際に販売するときになって、成貝になって、かなり販売量が、また、販売額も当然下がっていくんだろうと思うのですけれども、非常に、特に本県はホタテが日本一ということを標榜して、まさにそのとおりで、品質も世界に最たるそういう体制をして、外国に輸出しているわけでございますので、いろいろな意味で、大変漁業者の方々も御苦労なさるのだろうということが想定されております。また、いわゆる加工する会社の問題、ひいては今度、産直の施設でも、今現在でも随分少ないんだということでございますから、時期的なことがあって今少ないんだろうと思いますが、今後ますますそういうことが、いろいろな形で複合的にあるだろうと予測されるわけでございまして、やはりその辺のところをきちんと調査をしながら、対策をしながら、いろいろな貝毒の問題があって、よその、噴火湾のほうからなかなか導入できないということでございましたけれども、できるだけ漁業者の方々が、もしくは加工業者含めての、いろいろな形で生活に困らないようなシステム、もしくはそういう体制を、指導をより一層、強めていただきたい、そのように要望をいたしておきたいと思います。ありがとうございました。
124
◯西谷委員長
ほかに質疑ありませんか。──一戸委員。
125 ◯一戸委員
では、私のほうからは大きく2つについて御質問させていただきます。
1つに、買ってもらえる商品づくり支援事業の中の、平成17年度から取り組みをしている商品づくりの事業についてお聞きをしたいと思います。
消費者ニーズが多様化、高度化し、地域間競争が激化をする中で、県の産品拡大販売をしていくために、商品の差別化、付加価値をつけるための取り組みが必要だと思いますし、消費者意欲に訴える商品づくりについても、これからますます取り組んでいかなければならないと思います。
県では、商品開発、改良への意欲の高い事業者などを対象に、ターゲットを明確にした商品づくりをしているものと思いますけれども、お聞きをしたいのは、平成17年度から本年まで、商品づくり支援事業について、どのように取り組んできたのかについてお伺いをしたいと思います。
126 ◯津島総合販売戦略課長
県では、平成17年度から商品開発に補助をする、売れる商品販売戦略モデル事業をスタートさせまして、その後、平成19年度からは、商品開発の補助に加えまして、新たに専門家によるアドバイス、これを加えた県産品マーチャンダイジング支援事業、そしてさらに21年度からは、より消費者視点に立って、首都圏の消費者に商品を評価してもらうという消費者モニタリングを充実させ、なおかつ、それまでの事業者への補助事業を廃止しました。事業者の自主性を最大限生かすスキームとした、買ってもらえる商品づくり支援事業を展開しています。
127 ◯一戸委員
売れる商品づくりだとか消費者モニター、なかなか結果を生むにも厳しいと思いますし、専門家の皆さんの意見も大事だと思いますけれども。
2点目に聞きたいのは、これまで事業の中で支援開発をしてきた商品の状況、また、そういった商品が今現在どのように扱われているのかについてお伺いしたいと思います。
128 ◯津島総合販売戦略課長
平成17年度からこれまで農林水産物に18品目、加工食品が93品目、工芸品が27品目、合計138商品を選定しまして、商品づくり、販路開拓等の支援に取り組んでまいりました。その中では、八戸産のサバと下北産の低アミロース米「ゆきのはな」を組み合わせた冷凍押し寿司。それから、大間のマグロを生かした醤油。それから、岩木山のオオヤマザクラの実を使用したリキュール酒。それから、太宰治生誕100年を記念したリンゴファイバー入りのクッキー。こういった商品については、消費者の一定の評価を得る商品としてできたというふうなことで考えています。
ただ、一方で、中には、ターゲットとか商品コンセプトが明確でないために、なかなか伸び悩んでいるというものもございます。それらにつきましては、県や民間機関が開催するデザインワークショップ、あるいは商品づくりの相談会といった場でさらに改良を加えていくほか、商談会とか物産展のあっせん、あるいはイベントへの紹介ということにより、フォローアップに努めているところです。
129 ◯一戸委員
全体として138商品ができたということで、成果もあるし、上がらないのも私はあるだろうなというふうに思っています。
そこで、事業の継続の中で、商品の開発、付加価値の高揚、
消費者ニーズなどの事業に取り組んできたと思いますが、今後、これまでの事業を生かしながら本県としてどのように進めていくのかについてお伺いをしたいと思います。
130 ◯津島総合販売戦略課長
現在、買ってもらえる商品づくりの事業を展開しているところなんですけれども、今後につきましては、今までいろいろな支援をしてきたんですけれども、今まで以上に事業者の意欲ある取り組みについて積極的に支援したいと、そういったことをやっていきたいと考えています。これまで積み上げてきましたノウハウを生かしまして、物産振興協会、21あおもり産業総合支援センター、あるいは
産業技術センターといった関係機関との連携のもとで、今特に力を入れております生産・加工・流通販売を結びつけた6次産業の視点、そういった視点を持って商品づくりの支援に取り組んでいきたいと考えています。
131 ◯一戸委員
商品づくりはやはり最終的には、事業者の意欲というのが大事だと思いますし、6次産業化も進めていかなければならないとも思っています。
意見になるわけですけれども、17年から継続して今まで、事業の名前が変わってきているということですけれども、それぞれの段階で目的はあるのかもしれませんけれども、私はやはり一貫して、単年度とかじゃなくて、商品開発というのは2年、3年かかる事業だと思います。財政的な取り組みも含めて、2年とかで節目を切らざるを得ないということで、一部お聞きしましたけれども、何とかそういった財政も含めて、長いスパンでものを取り組んでいかないと、商品はなかなか定着をしないし、商品を売っていくことは、フェイス・トゥ・フェイス、顔と顔、こういうことも大事なので、そういった少し長い取り組みをするべきではないかということで、一つお願いをしたいと思います。
それから、2つ目にお聞きをしたいのは、県が首都圏に配置をしている販売戦略チームの状況についてお聞きをしたいと思います。県では、全国に先駆けてこのプロジェクトチームを設置して、生産技術の高度化や、
施設整備、販路の拡大を首都圏において取り組んで、それを販売の強化にしてきたものだと思っていますけれども、お聞きをしたいのは、大消費地である首都圏において、青森県産品の販路拡大を進めるための推進体制について、どのような推進体制で取り組んでいるのかをお聞きしたいと思います。
132 ◯津島総合販売戦略課長
県では、首都圏における県産品の販路の拡大を図るため、平成18年度から、本庁4名、東京駐在2名からなる青森県産品販売戦略チームを設置し、特に東京駐在の2名は、社団法人青森県物産振興協会外商部と連携しながら活動を展開しています。
133 ◯一戸委員
全部で6名ということで、成果についても上がっているんだとは思いますけれども、次にお聞きしたいのは、この事業推進に当たって、県と青森県物産振興協会がかかわっているというお話をお聞きをしました。そこで、販路拡大に当たっては、県と青森県物産振興協会それぞれの役割というのは多分あるんだと思いますし、今後、県は協会との考え方をどのように持って進めていくのかについてお伺いしたいと思います。
134 ◯津島総合販売戦略課長
県の役割としましては、県産品の認知度が、リンゴ、ホタテ、にんにくを除きますとまだまだ十分ではないという状況ですので、本県の産品の産地を理解してもらうための県産品情報の提供、あるいは関係者との接点づくり、あるいは首都圏マーケット動向等の情報収集、そして、その集めた情報の産地へのフィードバックといったことが県の役割であると考えています。
それから、物産振興協会の役割としましては、県が紹介した関係者と具体的な商談を行い、商品の受発注など県産品の取引を進めること等が挙げられます。
今後とも、首都圏における県産品のさらなる認知度アップ、それと販売実績の向上につながるよう、引き続き物産振興協会と連携しながら取り組んでいくこととしています。
135 ◯一戸委員
協会と県との役割はわかりました。それから新聞の中で、青森県の食についてお聞きをしたら、イメージとしてはリンゴが出てくるんですけれども、ながいもだとかそういったものがアンケートの中では出てこないという記事が載っていたような気がします。ですから、いろいろな部分、攻め方もあるのかもしれませんけれども、認知度ということ、我々は日本で一番つくっているというのは、ただ多いというだけじゃなくて、中身の方についてもやはり、首都圏に発信をしていかなければ、なかなか認知度が上がらないなと思いますので、ぜひ、その首都圏における認知度を高めていただきたいと思います。
次にお聞きしたいのは、販売戦略チームの販売活動、つまり、川上から川下までの一連の取り組みがあってこそ、事業化が継続していくものだと思っています。そのことを考えると、川上である生産者にどのようにそのことを伝え、生かしていくのか、それが大変重要になってくると思いますので、そのことについてどのように考えているのかお伺いしたいと思います。
136 ◯津島総合販売戦略課長
販売戦略チームが活動の中で得た
消費者ニーズや動向等の情報については、随時生産者にフィードバックしており、特にレストラン、ホテルの料理長とか、購買担当者による産地訪問の際には、実需者の生の声が直接生産者に伝わるよう、産地で意見交換を行っています。
また、決め手塾など、県が主催する各研修会において、チームの活動結果について生産者に報告しています。
これまでうまく生産者につなげることができた事例としては、こだわりの肉を求めていた都内の和風レストランとガーリックポークの生産者をマッチングさせまして、ガーリックポークのトンカツメニューの取引に結びついたケース。あるいは、都内で野菜をメーンにしたレストランと、極小粒米の「つぶゆき」の生産者をマッチングさせまして、野菜サラダ用の米、あるいは焼きおにぎり用の米として「つぶゆき」を使ってもらえたというケースなどが挙げられます。
137 ◯一戸委員
ありがとうございました。
最後に意見をお話ししますけれども、私は消費者が生産者に意向・意見を伝えるというのも大事ですけれども、生産者が逆に消費地というんですか、行って、その実態がどうなのかということを、やはり感じなければ、つくる側にも伝わらないと思います。ですから、機会を見て、生産者も大消費地に行って、どういう状況になっているのかということも含めて、実態を勉強することも必要だと思いますので、ぜひそのことをお願いして私からの質問を終わります。
138
◯西谷委員長
ほかにありませんか。──
三上委員。
139 ◯
三上委員
それでは、先ほど農林部長から報告があった件について、若干、ただしながら意見を述べたいと思います。
まず今回、今年の夏は高温多雨という、異常な酷暑の連続で、作物にも人間にも大変な夏であったなと思っております。そこで、今になって、その結果から来るいろいろな問題が、例えば、当初は米の収穫予想、作柄予想、これから大きな問題を派生させたのではないかなあと、こう思っております。当初は平年作、あるいは若干上回るという、そういう予想であった。我々も、現場から見て、稲作はことしは良好だよという、そういう考え方でおりましたが、実際、現在に至って、収穫期に至って、そんなに作柄がよくない、あるいは収穫もよくない。収穫もよくないというのは、米がやせている、そういう結果で、大変な、生産者から見ると減収であって、そして、作業はしにくく、相場は下がる、概算金は下がるという、この悪循環が今までの生産予想からいって、そういう現象が起きているんじゃないかなあと、こう思っております。しかも、農協の前渡金が、先ほどどなたかも質問しておりますが、多く出すことによって後で農協の経営の、あるいはその返還金のことも考えると、安易に前渡金を出せるという状況ではない。しかし、私の例からいきますと、私のところはりんご農協でありますから、産地の相場、市場の相場を上げるために、ぎりぎりの前渡金を出すという考え方であります。そのことによって、むしろ銘柄米の価値を上げていって、ひいては産地市場の価値も上げていく。価値を、評価を上げていくということによって、商社も、それから消費者もその認識に立ってそれぞれの経済活動・消費活動をするわけでありますから、これが極めて大事ではないかなと、こう思っております。
ですから、今の米の現象、前段申し上げたように、生産量は少ない、統計は下がる、概算金は少ない、将来の相場を下げてしまうようなムードをつくってしまった。大変な状況になっておりますから、これを何とかして挽回するような、そういう手だてを考えていかなければならんなと、こう思っております。
きょうは、実は、西北のほうの農業団体からの陳情を受けました。陳情は受けたけれども、むしろその方のほうがむしろ心配をしておりますから、経営安定、生産者も農協も、ここはしっかり歯を食いしばって頑張っていかなきゃならんと、こう思っておりますから、それについての農林部長の御見解があれば承って次の問題に入りたいと思います。
140
◯有馬農林水産部長
当初作柄、ことし22年産の作柄のニュースとして出たのは、民間の調査会社の予想データをもとにした発表でして、国等が発表した段階では、そういった大幅にその作柄がよくなるという状況にあったとは理解していませんが、民間の米穀データバンクという会社が、作柄が非常によくなるという予測を出したということは承知しています。
しかし、出来秋を迎えて現実に作況指数は県全体で100、あるいは地域によっては農業者の声としてそれを下回るというような意見も多々あることも承知しています。米の概算、仮渡金も非常に低い状況の中で、稲作農家の経営というのはこれまでよりも一段厳しい状況にあるのではないかと、今現在ではそういう状況、問題意識を持っているところでございます。
141 ◯
三上委員
そこで、これから長期的に心配なのは、農家の戸別所得補償のこの制度からいって、減収になった分については──市場価格よりも下がった分については、定額で1万5,000円、あるいは1万8,000円の線が出ていますけれども、そういう状況になっている。収量が少ないそのものには今の制度の中ではどうにもならない。米の保険制度、その減収は、2俵、3俵減収したのでは共済組合のあの補償はなるのかならないのか、その辺を踏まえながら、担当の方からのお答えをいただければありがたいと思います。
142 ◯仲団体経営改善課長
この共済の中で、米はいわゆる強制加入ということで入っていただくことになります。こちらにつきましてはいろいろな種類がありますが、多くの方が入っていらっしゃるのは、いわゆる8割方の収入を下回れば、その分の補償として補償が行われる共済制度に入っていただいていると承知しております。したがいまして、実際に収量がどのようになるかということもそうですし、共済で6割の補償という制度もございますので、どの仕組みに入っていただいているかによって、共済における補償も変わってきますので、一概には申し上げられませんが、共済制度は収量が下がれば一定の補償が受けられるという仕組みになっておりますので、基本的には米作の農家の方々は共済組合に入っていらっしゃいますので、収量によって補償は受けられることになっていると思います。
143 ◯
三上委員
いやいや、そこなんですよ。10俵の予定収穫量の中から、6俵、7俵という段階まで下がると、収量に対する不足分の補償になるかもしれないけれども、10俵の予定収穫量に8俵あたりは恐らく農業共済のほうでは該当にならないんです。しかも、その戸別所得補償については、収穫された相場の下がった部分については、生産費に対する不足分が補償になるけれども、収量の減収のカウントはないという状況、制度でありますから。ここ、これからの問題として、行政も、我々議会も、政府に強く求めていかなければならんのかなと思っております。それについて見解はありますか、なければ別な質問に入りますが。
144 ◯仲団体経営改善課長
私から答えられるのは、農業共済の話ということではございますので、所得補償制度と共済制度の違いということは、
三上委員おっしゃるとおりでございますが、私の担当しています共済制度で言えば、基本的には収量に対する減収に対する補償を行うという仕組み、いわゆる災害に対する補償ということになりますので、仕組み上、おっしゃったような問題があるというのは否めないところでございますが、他方で、大きな減収のあるところに対して補償を行うという趣旨のところでは、やはり広く行われているこの農業共済制度というのが、やはり基幹となる制度になるのではないかと、そのように考えております。
145 ◯
三上委員
なかなか確答は出ないと思います。これからの問題として、今の制度に対する欠陥とは言えないけれども、いろいろ問題があると思っておりますから、今後の課題として運動していかなきゃならんなと思っております。
そこで、農業における6次産業化が、国も県も極めて大きく取り上げられております。国の動きはどうなっているのか、この6次化に対する国の動き、そして本県が、それに対してどういう対応をしていけるのか、いこうとしているのか、その可能性も含めてお答えいただければありがたいと思います。
146 ◯樋口農林水産政策課長
まず、国の動きでございます。国では、ことしの3月30日、新たな食料・農業・農村基本計画を閣議決定しまして公表しております。その基本的な方針といたしまして、農業・農村の6次産業化を政策として進めるということを打ち出しております。
また、農林水産省では、8月31日に来年度予算の概算要求の概要を公表しております。これによりますと、6次産業化に関係する部分、未来を切り拓く6次産業創出総合対策といたしまして約144億円を要求しております。この内容でございますけれども、主なものでございますが、農林漁業者の加工・販売への取り組みを促進するため、新商品開発や販路開拓、加工・販売施設や農林漁業用機械施設の整備等への支援、それと、これとあわせまして、農林漁業者が加工・販売するための市場を拡大するということを目的に、卸売市場の流通の効率化・高度化や、海外販路開拓への支援などが柱になっております。なお、これらのほか、関連対策といたしましては、グリーン・ツーリズムの農山漁村の交流の促進ですとか、6次産業化に向けた制度融資、こういったものも要求されております。
次に、県としての取り組みについてでございます。県といたしましても、これまで攻めの農林水産業を進めてきたわけでございますけれども、生産から加工、流通・販売までを結びつけて収益性のアップを図るという6次産業化の視点を重視した施策、特に本年度からは農商工連携による食産業づくりに取り組んでいるところでございます。
また、集落営農などの企業化を進める攻めの地域営農企業化戦略や、農山漁村の女性起業──これは業を起こすほうでございますけれども──女性起業の法人化の取り組みなど、農業の側から積極的に6次産業化を仕掛けるという発想で取り組んでいくこととしております。
なお、これらの施策の推進に当たりましては、国の支援策を十分活用していくこととしまして、国の概算要求の内容などを十分に情報収集するとともに、本県の実情を国に伝えながら、本県農業・農村の6次産業化に活用できる施策となるよう働きかけてまいります。
以上でございます。
147 ◯
三上委員
国に対して概算要求、一応出そろったと思うんですが、なかなか今の段階では国に言えないということでありますけれども、何としても、今までは農業は原料を生産する、そして、加工・流通・販売というか、それが商系の部分ということになるわけでありますけれども、私の持論として、前もどなたかに申し上げておきましたが、生産をおろそかにしてはならない、しかも、原料そのものに価値を与えるという、そういう風土をつくらないと、全部搾取される。その搾取されないためにみずからが参入して価値を高めるという考え方もできるけれども、しかしながら、それはなかなかもちはもち屋で、商系は商系で、極めて有能な能力と熱意があるわけだから、生産は、原料そのものに価値のあるような、そのことを生産して、それを行政も一体となって、青森県産の原料は豊かで、安全で、良品ですよと、そういう宣伝を大いにやっていただきたいと思っております。今後、この問題は、根が深くて広くて、長期にわたるわけでありますから、どうぞひとつ、6次産業化の実効が上がるように努力していただきたいということを。この機会に一言あったら御答弁願いたいと思いますが、いかがですか。
148 ◯樋口農林水産政策課長
委員御指摘のとおり、生産物がありまして、1次産品があって、それから加工・流通ということでつながっていくものだと思っています。そして、この6次産業化といいますのは、いわゆる2次産業である加工部門、3次産業の流通・販売部門ということで、付加価値を高めて、そして、付加価値のついたものを売り込んでいくと。そのことによって、それらを県外に売り込むと、または海外に売り込むということで外貨を獲得していく、それが地域全体の収益性のアップにつながるものであるというふうに考えておりますので、生産対策も含めまして今後進めていきたいと思います。
149 ◯
三上委員
すべて生産が基礎でありますから、生産をおろそかにしないで、中間のそれをより効率的に販売して、効果を上げていただきたいということを申し上げておきます。
それで、最後になりますが、ことしの、まだはっきりわかっていないのかもしらんけれども、去年は、3割前後のつる割れが発生しました。ことしが異常なのかどうか、その発生が多く見られていないというのが現場の声です。ただしこれから収穫まであと1カ月以上ありますから、その間に発生するかもしらんと。その意味において、先ほど……(「リンゴの話ね」と呼ぶ者あり)そうそう。リンゴと言わなかったか。失礼、リンゴのつる割れであります。そういうことで、その原因がどこにあるのか、県では調査もしたようでありますから、今の時点でその調査を報告していただければありがたいなと思います。
150 ◯一戸
りんご果樹課長
まず、本年度のつる割れの状況の見込みといいますか、可能性なんですけれども、現在、
地方独立行政法人青森県
産業技術センターりんご研究所におきまして、8月21日以降、定期的に場内でつる割れの発生調査の状況を調査しております。10月1日現在の調査結果では、発生率が、内部の割れ、それから外部の割れあわせて約9%程度ということでございます。これは前年の同日、同期で24%でございましたので、大変少ないという状況になっています。本調査については、11月15日まで10日間隔で定期的に調査を行いますし、また、関係団体等からの情報収集等も行いながら、状況の把握に努めていきたいというふうに考えてございます。
また、発生軽減対策ということでございますけれども、本年3月に、全農青森県本部、それからりんご協会、りんご研究所、それから、県で構成する、ふじのつる割れ発生軽減対策連絡会議を設置いたしまして、現在、原因究明、それから、軽減対策に取り組んでいるところでございます。
具体的には、つる割れの原因として、夏場の肥料の効きぐあい、効果、それから、生育期間の土壌水分がつる割れに影響するのではないかと考えられておりますので、現在、緩効性──緩く効く──肥料、それから、雨水を遮断するマルチ資材、そのようなものを使用した実証ほを設置し、現地で試験を実施しているというところでございます。これらによって総合的なつる割れの発生軽減対策を早期に確立していきたいというふうに考えてございます。
以上です。
151 ◯
三上委員
最後にお聞きするのは、加工品、リンゴの一番下級な部分の底値を支えてあげるということが、リンゴ全体の販売に強力な方法になりますから、加工品、やたらに買いたたきしないように、ことしはないようでありますから、一定の市場の相場はいい状況にあります。ひとつ、今、生産者に元気を与える意味で、行政も一体となって頑張っていただきたいなということを希望申し上げながら、私の質問を終わります。
152
◯西谷委員長
ほかにありませんか。──三橋副委員長。
153 ◯三橋委員
私からも、まず、先ほど報告がありました水稲の作柄状況等について、そしてまた、戸別所得補償制度についてお伺いいたします。これによりますと、津軽はやや不良の97ということでありましたが、私、ここ何日か実際稲刈りをしている農家の皆さんのところを直接訪れながら、実際の作況はどうだと、そしてまた、品質はどうだと、いうことを聞いて来ますと、やはり地区によってバランスにかなり違いがあります。特に、つがる市で言えば、稲垣地区でありますとか車力地区、また、中泊の中里地区、それから金木地区、そういったところにかなり、実際農家として見て、97どころか80程度じゃないかというような感覚、さらには、それ以上に作況指数が低いんじゃないかと。これは、先ほど答弁でありました、米穀データバンクの105という数字がひとり歩きした部分よりも、実際、戸別所得補償で、まず青森県であれば定額部分1万5,000円、これは1俵当たりにならせば大体1,700円程度になりますけれども、これがあるから価格はこの分下がる、これは制度の問題として当然のことであります。だから、まず、この1,700円の部分が下がった部分は制度上の問題点であります。作況指数のせいにしてはいけません。ここが一番の問題点だと私は考えています。
その上で、実際、農家が、昨年までは、ある程度米をつくりながら、価格が下がったとき、政府の対応がおくれたときは、怒りの部分を覚えている感じでありましたが、ことしになったら、あきらめにちょっと変わっている部分があります。やはり新しく導入した戸別所得補償でもこのような結果になるのかと、もう我々の米をつくっていくこれからの見通しがないなと感じている農家が数多くいるというのを感じております。ただ、その農家が希望を失わないためにも、やはり国の制度は国の制度として、県がどのような形で農家と一緒にやるんだという強い意思を出していくか、これが非常に大事だと私は思っています。そしてまた、我々政治家がその農家の声を聞いて、どのような形でこの戸別所得補償制度で足りない部分がまだ絶対あるということ、これは政府も感じていると思いますから、それを、この農業が基幹産業である青森県から大きな声を上げていかなければと思っております。
そんな中で、まず1点お聞きするのは、実際、先ほど
三上委員に対して答弁がありましたけれども、収量が下がったときにはなかなか対応できないということでありますが、今の時期になれば、ある程度数値を当てはめてわかりやすく農家に、ただ、10アール当たりと1俵当たりという、この2つの、大体どちらかの数字を使うと思うんで、これだけでも農家はちょっと戸惑うとは思うんですが、実際の数値を当てはめて、わかりやすく、米価が下落した場合、そしてまた、収量が下落した場合、農家の手取りがどうなるのか。そして、戸別所得補償モデルによる対策が変動部分とどの程度になるのかという点について、まずお伺いします。
154 ◯長根農産園芸課長
今の御質問にお答えします。まず、収量と米価が下落した場合についてということでございますけれども、県の試算では、例えば、青森県の平年収量、全県平均580キロでございますけれども、この収量が例えば1割減収。それから、米価のほうですが、つがるロマンの米価が過去5カ年の中庸3カ年平均よりも1割下がった場合、米価と収量とも1割ずつ下がった場合ですと、私どもの計算ですと、農家の手取り額は10アール当たり2万1,000円ほど減少するのではないかというふうに見ております。
一方、米のモデル対策、この変動部分につきましては、23年1月までの国内全銘柄の相対取引価格をもとにしまして、10アール当たりの単価が全国一律に決められます。その単価をもちまして、農家個々の作付面積に応じて交付金が支払われることになります。この場合に、全国の標準価格でございます、これが1割下落した場合ということを想定しますと、10アール当たりの補償金、これは530キロが全国の平均だというのですが、これで割り返しますと、1万582円が10アール当たりの補償単価になるのではないかと見てございます。したがいまして、先ほどの定額の1万5,000円と、それから、収量・米価が1割ずつ減少した場合の手取り額につきまして補てんができるということで、最終的に農家の手取りは10アール当たり4,500円ほど残る見込みになっております。ただ、米価が、あるいは収量が2割ずつ減少してしまった場合には、収支は逆に10アール当たり3,600円ほど赤字になるのではないかというふうに見込んでございます。
以上です。
155 ◯三橋委員
制度がまだしっかりと伝わっていないんで、収量が1割減で金額も1割減だと、まだ青森県としては手取りがふえると。これだけでもそれなりに農家としては少し、最終的な手取りの部分ですから、一息つけるのかなとは思いますけれども。実際、価格動向等を見ますと、変動部分の予算措置されているのが1,400億円程度しかありません。これが大体、全国平均でならせば、どの程度価格が下がってもこの予算で対応できることになるんでしょうか。
156 ◯長根農産園芸課長
今の予算の中では、全国平均で1,200円米価が下落した部分にまでは対応できる予算というふうに聞いてございます。
157 ◯三橋委員
つまりは、全国平均1万1,978円が、1万778円までは今の予算で対応できると。ただ、これが実際問題としてこれ以上の下げ幅になったとき、これは当然、国の責任として約束を守ってもらわなければいけませんので、どれだけ下がっても、しっかりとその変動部分に対しては対応していただくように、これは強く国に対して本県からも求めていかなければいけないと思います。
そして、それよりもやはり農家が感じているのは、一たん下がった米の価格は、もうV字回復なんていうことはないだろう、ことしの水準にまた戻るということはないんだろうというふうに感じているようであります。固定の1万5,000円の部分がある、ここでカバーできる部分よりもさらに下落を続けるんじゃないかということになれば、これから先、過去3年間の平均をとっていくということでありますから、変動部分、ことしはある程度もらえる、しかし、これから何年かすると変動部分はほぼもらえなくなるというのが現状だと思いますが、この下落が続いた場合の、まず、来年度の算定方法はどのようになって、どういった金額になるのか、お伺いします。
158 ◯長根農産園芸課長
今の変動部分の考え方でございますけれども、今年度につきましては、過去3カ年の平均を用いて算出しております。ですが、来年度の予算の概算要求の中では、過去5カ年の中庸3カ年の平均を用いるという内容になってございます。したがいまして、米価が大幅に下落した場合でも、標準的な販売価格に直接影響を及ぼすとは限りませんが、委員御指摘のように、米価が全体的に毎年毎年下落が続くという場合には、補償基準となる標準的な販売価格も自動的に下がっていくということになると思います。
159 ◯三橋委員
5年中庸3年というのは、一番高いところと一番低いところを削って間3年ということですね。要は、もう1年だけはこの制度のままでも、何とか青森県の米をつくっている人たちにも猶予はあると。ただ、その次の年になると間違いなくこの変動部分が下がっていく。5年たってしまえば、米がことしが幾らになるのかわかりませんが、戸別所得補償制度が始まって下落したこの水準が当たり前の価格になってしまう可能性が十分あるということであります。ですから、この残されたあと1年の間に、我々がやはりこの問題をしっかり指摘して、不備な点を変えていかなければいけない、そのような強い意思でさまざまな発言をさせていただきたいと思うんですけれども。
現実問題、全国一律でやったとき、青森だけ豊作のとき、青森だけ不作のとき、そういう場合もあります。それから、九州はいいけれども東北はだめとか、地区によって違いがある場合もあります。ただ、それを全国一律でやってしまうというのは、ことしの、例えば青森県でも南部、下北はいいわけでありますから、そういう県内であってもこれだけ作況指数が8ぐらいのばらつきがあるということを考えれば、まず、全国一律でやるというこの方式に大変問題点がある。それぞれの地区に対して係数を掛けるとか、作況指数にあわせた係数の計算とかいうのが、まず一番やりやすい方法だとは思うんですけれども、そういった作況指数の悪いところで、さらに仲課長のところの共済で対応できない部分、ことしのような1割程度の減というのは、農家にとっては非常に、一番こたえることになると思います。そういったことに対応するように、この係数制度とか、そういったものも国に対して訴えていかなければいけないのかなと思います。
それから、概算金の話で、ことしあたりは下げの傾向があるわけですから、変動部分をもう少し前倒しして、最初から組み入れて、その上で農家に対して渡すと。これ、来年だったらできるはずです、5年中庸3年をとるわけですから、そういった変動部分も、3月、この時期では、結局資金繰りができない農家が続出してしまいますので、そういった先渡しの制度というのが求められるのではないか。実際、1月で平均単価を決めて3月に変動部分を渡すというのであれば、この定額部分を締め切った時点から、この理論でいけばあと2カ月あれば支払いはできる、12月ではなくもう少し前倒しで固定部分に対しても払うことができるんじゃないかと。こういった本当に詰める部分をどんどんやっていっていただかないと、結局、農家としては、3月の資金繰りでショートして、その次の年の米がつくれなくなってしまうというようなことが起きると思います。
ぜひ、この部分に対応するため、ことしに関しては、この23年3月に支払われる予定の変動部分に関して、農協から何とか無利子でつなぎ融資をしていこうと。それに対しては、県に対しても、利子助成でありますとか、何らかの方策を求めるということが実際あると思うんですけれども、こういった要望に対して県はどのように対応していくのか。これ、ぜひ、部長にお答えいただきたいんですが、よろしくお願いいたします。
160
◯有馬農林水産部長
先ほどもちょっと申し上げましたように、非常に稲作の経営が今一段厳しいという認識を持っているということであります。それから、資金繰りの話につきましても、例えば、既に借り入れしている資金の償還、こういった部分に対しての猶予を金融機関に申し入れをする、要請するというのは、きょう付で、県内の各農協初め市中の金融機関に対しても、今般の稲作の経営の厳しさという状況を認識をしていただいた上で、償還条件等の猶予を要請してきたところであります。
いずれにいたしましても、稲作経営の状況が、地域によって非常に厳しい状況にあるといったような問題意識を、今持っているという状況でございます。
161 ◯三橋委員
やはり、特に大規模でやっている農家の方々ですと、減収に対応する部分だけで所得が500万、1,000万という単位での減収になる農家の方々が数多くいらっしゃると思います。そしてまた、本当に小さくやっている人たちにも補償はしているわけでありますけれども、そういった方々も、やはりことしの水準ではなかなか厳しいということで、とにかく、地域全体が冷え込んでしまったような感じがあります。これが3月の部分で一たん変動部分が入れば、ことし1年乗り切れたとしても、そこから先あと何年かしたらもう食べていけないんだろうなというような状況にならないよう、まず、ことしは、県がそういった形でどんどん声を上げて、我々とともになって、農家に対するいろいろな補助、そういったものを行っていく。そして、この戸別所得補償の問題点は、与党も野党も関係なく県議会全体として、青森県の農家の声として何とか届けていきたいと思います。ある程度、数字をわかりやすく入れたものを、農家にもぜひ、うまく伝えていただきたいなと。ことし1,000円下がった場合はこれくらいはもらえますよと。それから、2,000円下がった場合にはこうなりますと。ただ、余り過度の期待を持たせてもいけませんので、数字は、3,000円もらえるとか4,000円もらえるという話が余りひとり歩きしてもいけませんので、現実に1月に数値が出た時点では、間違いなくこれだけの変動部分が3月には入るんだということを素早く周知できるように、体制を整えていただきたいと思います。
そしてまた、戸別所得補償に問題点があると言いながら、現実、今、国はこの政策で動いているわけでありますから、この制度の中で何とか農家がもう一度笑顔を取り戻していただけるように、これは津軽地区がことしは悪かったですけれども、毎年毎年その作柄というのは変わってきますので、県全体の取り組みとして、やはり青森県の県産米を全国にしっかりと売っていけるような、そういった体制もあわせてお願いして、私の質問を終わらせていただきます。
162
◯西谷委員長
ほかに質疑はありせんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
ないようでありますから、これをもって質疑を終わります。
次に、お諮りをいたします。
当委員会に付託されております特定付託案件について、さらに継続審査とすることに御異議はありませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]
異議なしと認め、継続審査と決定いたしました。
なお、委員長報告の作成については、本職に御一任を願います。
以上をもちまして
農林水産委員会を終わります。
○閉 会 午後 2時34分
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