それでは、質疑はありませんか。──越前副
委員長。
4
◯越前委員
おはようございます。
ただいま
橋本教育長さんから処分の内容について御報告がございましたけれども、これは
前回報告があったことでございますから、これに対してはどうのこうの言うところではありませんが、ただいま
教育長さんからお話がありましたように、これらの事案については、再度、
再発防止に向けまして、厳しい
指導といいますか、各現場における
管理体制の
あり方といいますか、こういうものに対してもう一度見直ししながら厳しく
指導に当たっていただきたいというふうなことを強く要望しておきたいと思います。
それでは、まず最初に、
進路指導の充実についてお尋ねいたします。
進学力パワーアップ推進事業についてでございますが、先ごろ、平成22年3月に県内の
高等学校を卒業した生徒の
大学進学率が42.7%であったというふうに公表されました。
大学進学率は本県におきましても着実に向上してきているところでありまして、各
高等学校での実践的な
進路指導や
県教育委員会のさまざまな
取り組みに敬意を表したいと考えております。
大学進学におきましては、具体的な施策として、私は、7月の
常任委員会におきまして、医師を志す
高校生のための
メディカルサポート推進事業についての質問をいたしてございまして、その概要や課題について確認をさせていただきました。この
事業におきましては、
地域医療を維持・拡充させ、
高校生の
医学部進学を促進する上で非常に効果を上げているということでございました。このことについては、
三村知事も県政の課題として積極的に取り組んでいるところであります。
そこで、最初に、
進学力パワーアップ推進事業の概要についてお伺いをいたします。
5
◯中村学校教育課長
では、お答えいたします。
県教育委員会では、本県の
大学進学率の一層の向上を図るため、平成20年度から
進学力パワーアップ推進事業を実施しております。
その内容は、
1つ目として、
国公立大学等への
進学を志望している
高校3年生を対象として、
県内全域の
高校から
参加者を募り、実践的な学力の向上を図るため、
夏季休業中に4泊5日の日程で、
進学指導力に定評のある講師による
学力向上セミナーを実施しております。また、この
セミナーでは、
県内高校教員が講習を参観するとともに、予備校の
講師等を交えた
意見交換会を実施するなど、
教科指導力の向上を図っております。
2つ目として、教員の
進学指導力向上と、生徒・
保護者の
大学等への
進学についての
意識啓発や
理解促進を図るため、各
県立高校が具体的に企画した
進学に係る
事業を
支援する
取り組みを行っております。今年度は9校の
高校を指定しておりまして、
教員対象の
小論文の
指導者研修会でありますとか
保護者対象の
進学講演会等が実施されているところでございます。
以上です。
6
◯越前委員
ただいま、
高校3年生を対象に各
事業所・企業に4泊5日で実施をしている、ことしは9校を対象に実施していくんだというふうな御答弁をいただきました。積極的に取り組んでいることについては
十分理解をいたしているところでございますが、毎年そうなんですが、近年、
高校は、特に
就職難ということで、逆に
進学が非常にふえてきておる現状でございます。
そういう中にあって、大学を目指したというときに、終わってきて、いろんな
就職を頼まれるんですが、なぜこの学部を選んだのかと聞くと、ほとんど、
就職がないから大学へ行ったと。大学を終われば何とかなるだろうというふうなことで
進学したという方がかなり多く見受けられます。
皆さんがそうだとは言いませんが、かなりそういう方が多いというふうに感じておりますし、私も触れ合う方々からはそのように伺っているところでございまして、やっぱり、
進学力をパワーアップしていく、また
進学率を向上させるという上で大事なことは、大学を終わった後、自分がどういう目的、どういう職種に向かって、それに従ってこの大学を選ぶんだ、また学部を選ぶんだ、それが終わった後に必ず
就職へつながるんだというふうなことでの目標を持った
進学でなければ、私は、ただ
進学したからいいんだということにはならないんじゃないかと。
そういう意味では、せっかく取り組んでおられるこの
進学力パワーアップ推進事業につきましても、
大学卒業後の進路についてきちんとした目的を持たせ、そして、技術や資格を取ることについても、きちんとそれらの技術を学ぶ、向上させる、その上で資格を取る、それで
就職に結びつけるというふうなきちんとした目標を持った上での
進学を目指す、また
進学率向上を図るというふうなことで取り組んでいくことが非常に望ましいのではないかというふうに私は思っております。
したがいまして、この
進学力パワーアップ推進事業におきましても、それらを踏まえた
取り組みというようなことに意を用いて一層取り組んでいただきたいなというふうに、ひとつ心から希望するところであります。
そこで、この
進学力パワーアップ推進事業、概要を今お伺いしたところでありますが、この
事業のこれまでの成果と課題については、どのような成果があり課題があるのか、この点について再度お伺いいたします。
7
◯中村学校教育課長
本
事業のこれまでの成果といたしましては、
学力向上セミナーにつきましては、受講した
高校生から「
苦手分野を克服することができた」、「受験に向けてよいスタートが踏み出せた」等の感想が多く寄せられ、
学力向上と、
先ほどお話のございました
学習意欲等の喚起も図られているところでございます。
一方、参加した
県内高校の教員からは「
受験指導に必要なポイントが確認できた」、「
重要事項の説明の仕方が参考になった」等の感想が寄せられ、
指導力の向上につながっているものと考えております。
また、各
県立高校が企画した
進学の
学力向上の
取り組みといたしましては、これまで、「教員の
小論文指導力が向上した」、「
保護者の
進学意識が向上し、生徒との話し合いが活発になった」というふうな成果も報告されているところでございます。
県教育委員会といたしましては、本
事業で実施した
取り組み内容について
報告書を作成し、県内の全
高校に配付することで本
事業の成果の普及を図っておりますが、今後とも、生徒の
進路志望実現のために、そしてその
目的意識のところを含めまして、より一層、普及・
充実面の
指導を図っていく必要があるというふうに考えております。
8
◯越前委員
ありがとうございました。
やはり、青森県の未来をこれから切り開いていくということに対して人材の育成というものは非常に大変重要であるというふうに考えております。一人一人の生徒の
進路実現の施策は極めて重要な課題だというふうに私も理解をいたしておりますし、
県教育委員会におかれましては、医師を志す
高校生のための
メディカルサポート推進事業及び
進学力パワーアップ推進事業の着実な推進を図っていただきますよう、この件については強く要望しておきたいと思います。
それから、次は、
県立高校就職指導支援事業についての質問であります。
高校生の
進路指導の充実を図る上で、
大学等への
進学指導と並んで
就職指導についても積極的な
取り組みが必要であると私は考えております。また、県、
教育委員会におかれましてもこれまでも積極的な
取り組みをなされておられますことに対しまして心から敬意を表するところであります。
青森労働局によりますと、平成22年3月──ことしの3月の
高校卒業者における6月末時点での
就職率は94.5%であったというふうに発表されております。
そこで、きのうたまたま
青森労働局が発表され、昨日はテレビ、きょうは
新聞等で報道されておるところでありますが、
高校求人が前年に比べて10%減だということで、来春の
新規高卒者に対する8月末現在の
求人数が2,796人と、過去5年間で最も少ないということであります。前年同月比で見ても10.3%減少したということでありまして、県外の求人が前年同月比で23.9%、530人の減というふうに大幅に落ち込んだということが影響しているというふうなことであります。当の
労働局におきましては、
経済情勢を考えても求人がふえる要素は少ないというふうに見ているようでありますし、今後もかなり厳しい状況は続くだろうというふうな推測をされているようであります。たまたま、きょう9月16日からは来年の
高卒者の
就職に向かって
新規高卒者の
就職試験が始まり、まさに
就職解禁というふうなことでありますが、この大変厳しい状況の中で
危機感を強めているというふうなこの報道でございます。
そういうことからいたしまして、来年の
卒業者についても
就職についてはかなり厳しい状況の中で、この
卒業生に対する
就職支援、
就職指導というものに対して具体的に取り組んでいかなければならない状況にあるというふうに私なりに認識をいたしているところでございます。
そこで、長引く不況、低迷する県内の
経済状況の中にありまして、地域の雇用問題は極めて重要な問題であるというふうに私は認識しておりますし、皆様も同様であるというふうに理解をいたしております。私は、
高校在学中から
就職実現に向けたさまざまな
取り組みが必要不可欠であるというふうに考えておるところであります。
現在、
県教育委員会におきましては、教員が生徒一人一人に対してきめ細やかな
就職指導を行うとともに、
就職内定率の向上を図るため、
県立高校就職指導支援事業を実施しているということでございますが、まず最初に、この
県立高校就職指導支援事業の概要についてお伺いをいたします。
9
◯中村学校教育課長
それでは、お答えいたします。
県の
教育委員会では、先ほど少しお話しいただいたところですけれども、生徒一人一人にきめ細かな
指導を行える環境を整え、
就職指導の充実を図るため、平成22年度から
県立高校就職指導支援事業を行っております。
この
事業は、国の
緊急雇用創出事業を活用し、これまでの
就職状況を踏まえまして、
支援を要する
県立高校に、教員の補助を行う
就職指導支援員を配置するものでございます。
就職指導支援員の具体的な業務といたしましては、1つとして、
関係機関や団体及び企業などとの連絡・調整、2つとして、
インターンシップや
職業講話等の準備・運営、3つとして、生徒に提供する
就職情報の
データベース化に係る業務など、各
高校の状況に応じた業務に従事することとなっておるところでございます。
10
◯越前委員
この
事業の推進に当たっては、企業並びに
事業者との連携ということと、また、
インターンシップ事業の推進を図りつつこの
事業を進めていくという御答弁でございました。
私も、
PTAは長いので、各
高校のいろんな
校長先生方とお会いする機会もございますし、また、
就職についても、各委員の
皆さんもそうですが、各地域において
就職を頼まれるというふうなことでは、我々もまた
県議会議員として県に携わっている以上はそれにおこたえするために努力をしていかなきゃならないということで、各企業に
お願いに歩いたりというようなことも間々あるわけでありますが、いずれにいたしましても、各企業の社長さん方とお会いしてこの課題についてお伺いするところによると、今こういう厳しい時代であればこそ、昔のように、
研修期間を設けて、何カ月か研修をして
職場配置をするというふうな生易しい時代ではないんだ、いわゆる即戦力として直ちに職場で使える、そういう生徒でなければ、また
卒業生でなければ企業としては今は使えない、そういう余裕がない時代だから即戦力でなければ使えないんだというふうなお話でございます。
まさにそうだなと思いました。我々の時代は、
就職する際にも一人で何十社も選べる時代でありましたが、今は逆に企業が人を選ぶ時代ですから、まさに、
企業側から見ると、即戦力としていかに自分の企業として必要な人間であるか、使える人間であるかというものが一つの基準になると。それに対して採用するかしないかというのは決まっていくというふうなことを、各企業の社長さん方が、これは生の声としておっしゃっているわけです。
そういたしますと、我々は、いろんな形で頼まれるこの
子供たちを一人でも
就職させてあげたいというような気持ちで
お願いに歩くんですが、やはり、その
本人そのものが即戦力になり得る人材に育っているのかどうかというところが非常に大きな課題なわけです。
したがいまして、私の言いたいのは、まさに
就職を希望する生徒については、卒業後に即戦力になる人材にいかに育て上げていくかということが
高校3年間の非常に重要な課題ではないのかというふうに私は考えておりまして、それらについても従来も積極的な
取り組みをしていただいているのは十分承知いたしてございますが、こういう厳しい時代であればこそ、即戦力として使える人材にいかに育て上げていくかということに対して、より意を用いて取り組んでいくべきではないのかというふうに考えているところであります。どうか、その点についても、今後の
事業推進に当たっては、ひとつ十分意を用いた
取り組みをしていただきたいなというふうに思っているところであります。
そこで、関連いたしますけれども、この
県立高校就職指導支援事業のこれまでの成果と、それから課題についてはどのようにとらえているのか、その点についてお伺いをいたします。
11
◯中村学校教育課長
本
事業の成果といたしましては、これまで教員が対応しておりましたさまざまな
進路指導に関する業務を
就職指導支援員が行うことにより、教員が生徒と向き合う時間が確保され、
就職指導の充実に役立っているものと考えております。
また、
就職指導支援員の中には、
学校や企業での
勤務経験のある人材、それから
コンピュータースキルのある
人材等も採用されており、
学校からは、教員だけでは対応し切れない業務の補助をしていただき、大変助かっているという報告を受けております。
県教育委員会といたしましては、昨今の厳しい
雇用状況を踏まえ、本
事業を平成23年度に向けどのように充実させ、
就職促進につなげていくかが現在の課題となっておりますけれども、今後とも、
関係機関と連携しながら
就職指導の強化・充実を図り、生徒それぞれが
進路希望を達成できるように
支援してまいります。
12
◯越前委員
ありがとうございました。
高校生の卒業後の進路というものは、まさに
大学進学にしても
就職にしても大変重要な課題であり、
県教育委員会としても、また青森県にとりましても県政の重要な課題であるというふうに認識をいたしてございます。
次代を担う
子供たちがしっかり勉強に励み、そしてまた将来の青森県を支えていくためには、大学へ
進学したい生徒、
高校卒業後
就職したい生徒一人一人の
進路実現に向けた
学習指導、
進路指導が大変重要な課題だというふうに思っております。
県教育委員会におかれましては、各
学校におきまして、生徒の希望に応じた適切な
学習指導、
進路指導の
取り組みがこれからもより具体的に、より積極的にできますように
支援いただくよう強く要望しておきたいと思います。
次に、
特別支援教育の充実についてお尋ねいたします。
特別支援教育の充実に関しましては、
高校生のための
相談等総合支援事業についてでございますが、
高校生の
進路実現のためには、直接的に
大学進学等に向けた
指導を行うことも必要でありますが、あらゆる視点に立った
取り組みもまた重要であると認識いたしてございます。
私は、機会あるごとに申し上げてございますが、
平成元年から平成11年まで青森県
特殊教育諸
学校PTA連合会会長を仰せつかってまいりました。まさに、そういう期間の中で、障害を持つ数多くの
子供たちとの
触れ合い、また、障害を持つ子の悩める親との
触れ合いの中で、外から見てもわからない、触れてみなければ理解のできない、そういう、厳しい
現実社会の中でいかに力強く生き抜こうとして努力しているかというものをまざまざと見せつけられ、また、私もそれを体験しながら、
ともども力を合わせて、協力し合いながら頑張っている現状であります。
そういう状況の中で、それ以降におきましても、私もまた
特P連の顧問としていろいろと
触れ合いを持って頑張っているわけでありますが、障害を有する
子供たちの健やかな成長と社会との共生を実現するための活動に全力を尽くしてきたことについては、
県教育委員会が先頭に立って、連携をとりながら各
PTA、各
関係者が取り組んでまいりましたし、そのことによって今までも大きな成果を上げてきたところでございまして、改めてその御尽力と御努力に敬意を表するところであります。
この中で、近年、小
学校、中
学校、
高等学校に在籍する
児童生徒の中において、
学校生活になじめないなど特別な
支援を必要とする
子供たちがクローズアップされているという話を多く聞いております。こうした
児童生徒に適切な対応をするためには、
特別支援学校の有するノウハウを十分活用することが重要であるというふうに私は考えるものであります。
そこで、現在、
県教育委員会におきましては、
高校生の学習・
生活面での不
適応等に早期かつ適切に対応するために
高校生のための
相談等総合支援事業を実施しているわけでありますが、まず、この
事業の概要についてお伺いをいたします。
13
◯中村学校教育課長
近年、
高校におきましては、
発達障害などにより
学校生活になじめない生徒への対応が課題となっております。
このことから、
県教育委員会では、平成21、22年度の2カ年
事業として
高校生のための
相談等総合支援事業を実施し、
学校生活になじめない生徒を組織的に
支援するため、
高校の
校内支援体制を整備するとともに、
特別支援教育について
専門性の高い
総合支援推進員を配置しております。
この
総合支援推進員は、県内6地区の
県立高校にそれぞれ1名を配置しており、その役割は、1つとして、各
高校で
特別支援教育の
推進役として指名されているコーディネーターへのアドバイスや
発達障害等の生徒を
指導する教員を
支援するといったこと、2つとして、外部から派遣される
支援役である
特別支援学校の教員と
連絡調整を図るなどでございます。このことによりまして、
関係者が連携し、
学校全体として生徒の実態に応じた
支援を行っております。
また、すべての
県立高校の教員を対象とした
特別支援教育に係る
研修会を年3回実施し、生徒への具体的な
支援の
あり方等について教員の
理解促進を図っております。
14
◯越前委員
学校生活になじめない子供への適切な対応ということで、これはぜひともより積極的に取り組んでいただきたいというふうに
お願いするばかりでございますが、今申しましたように、
特別支援学校PTA連合会においても、同じ
障害者であっても──盲であっても聾であっても、いわゆる種別の違う障害を持つ
子供たちにおいて、それぞれまた、一緒にできない、何といいますか、個々の状況に応じた適切な
指導というものが本当に必要なんだということを目の当たりに見せていただいており、そういう意味におきましては、各現場において担当する
先生方というのは
大変御苦労が多いものというふうに思っております。
そういう中におきまして、子供の
指導はもちろんでありますが、とかく今問われているのは──昔は、子供が
学校でお世話になる以上は、親は
PTA活動ということで
学校に一生懸命協力して、
先生方には
子供たちのために一生懸命
教育指導に当たってもらいたい、そういうことで
学校と
PTAが連携をとれたというふうな時代があったわけですが、今は、子供は
お願いするけれども、どちらかというと親のほうの
協力体制がいまいち足りないんじゃないかと問われているところもございます。まあ、これは余り言っちゃうとまずいのでこの辺でとめておきたいと思いますが、いずれにいたしましても、今、厳しい世の中であればこそ、ただ
学校だけに子供を任せるんではなくて、
学校だけで教育的
指導を行うんではなくて、昔のように──例えば、あいさつをきちんとしなさい、玄関に入ったら靴をきちんとそろえなさいというのは道徳教育の中で教えられてきたんですよね。それが、今は、すべて
学校で教えなきゃならない時代になってしまっています。ある意味では親に対する社会教育の場が必要なんではないか。そういう意味では、機会をとらえて、生徒
指導は基本でありますけれども、現代社会に生きる親の
あり方として、やっぱり、親に対してもそういう理解と協力を求め、そして、子供のために、子供の行く末を見詰めつつ、
教育委員会と連携をとりながら、まさに
学校との連携の中でしっかりとそれに取り組める、協力していただける、そういう体制づくりも大変重要な課題ではないのかというふうにも思っております。
私の地元、むつ市大平なんですが、大平小
学校・中
学校の学区で毎年1回地域との懇談会というのをやっていまして、私も、
PTAが長かったものですから、招待されて行ってまいりました。先般も行ってまいりましたが、ここには、小
学校、中
学校の先生はもちろんですが、それから
PTAですね、それから警察からも参加されて、それぞれの立場からの事案発表ということで現状を報告しながら、それに対して
皆さんからの意見を聞く、そして、その課題をこれからどう解消していくかということに対して
皆さんからまた意見を聞く、それに対して今後は一緒になって取り組んでいこうというふうな、
学校と
PTA、まさに地域──地域の中には町内会長さんもいます。それから、いろいろ民生委員の方々も出席しています。今言ったように警察官の方々も出席されています。そういう意味では、そういう教育力の向上を基本として、防犯に対しても一体となった
取り組みをしていくということでの地域懇談会等が開催されているわけでありますが、私は、そういう意味では、先ほど言いました、親に対する理解、そして、社会教育といいましょうか、理解を深めるための一環としては非常にいい機会だったなというふうにとらえているわけであります。
どうか、その点、
教育委員会におかれましては──これは
教育委員会が主導的にやる
事業じゃございませんけれども、各
学校現場において取り組んでいく中において、それらも含め、
学校と
PTAと地域の連携をいかに深めるかということに対してはこういう事例もございます。
教育委員会等の考え方もいろいろおありと思いますが、より具体的に積極的に取り組んでいただきたいというふうなことを要望しておきたいと思います。
そこで、
学校には、今申しましたように、障害が異なるさまざまな
児童生徒が在籍してございます。青森県の未来を担う人材の育成のためには、一人一人の教育的ニーズに応じたきめ細やかな対応が大切だというふうに私は常々考えております。
県教育委員会におかれましては、この
高校生のための
相談等総合支援事業などの成果を生かして、すべての県立
学校で情報共有できるような体制を整備して、より積極的に取り組んでいただきたい、この件についても強く要望申し上げておきたいと思います。
最後でありますが、ただいまも触れましたけれども、次に、
学校・家庭・地域の連携による社会全体の教育力の向上についてお尋ねいたします。
近年、少子化、核家族化などの社会情勢の変化に伴いまして地域のつながりが希薄化しておるというように言われておりますが、そのことが子供の規範意識の低下や社会性の不足をもたらしている原因でもあるというふうにもまた指摘されているところでございます。また、家庭の教育力の低下や地域の教育力の低下の一連の要因にもなっているというふうにも考えるところでございます。
そのために、人と人とのつながりを大切に、そしてまた食育を取り戻すための
取り組みが重要不可欠であるというふうにも考えるわけであります。
学校・家庭・地域の連携が
子供たちの育成と地域づくりのために大変重要なことというふうに認識しておるところでございます。
県教育委員会におきましては、
学校・家庭・地域の連携による社会全体の教育力の向上のためにさまざまな
取り組みを行っているわけでありますが、そこで、
学校・家庭・地域の連携強化のためにどのような
取り組みを行っているのか、この点についてお伺いをいたします。
15 ◯松田生涯学習課長
学校・家庭・地域の連携が
子供たちの育成と地域づくりにとって重要なことは、副
委員長御指摘のとおりであります。
このため、
県教育委員会では、今年度の社会教育行政の方針と重点を一部改定し、「
学校・家庭・地域の連携による社会全体の教育力の向上」を重点施策の一つに設定したところです。
この施策を実現するための主な
事業として、
学校支援地域本部
事業と、地域ぐるみで子どもを育む基盤形成
事業を実施しているところです。
学校支援地域本部
事業は、
学校教育活動の中で
保護者や地域住民がボランティアとして
学校支援活動を行うものであり、一方、地域ぐるみで子どもを育む基盤形成
事業は、地域の教育力を高めるため、地域社会で
関係者間の相互の連携を強化する仕組みをつくるものであります。
これらの
取り組みによって、
学校・家庭・地域の連携強化につながるものと考えております。
16
◯越前委員
ただいま御答弁がありましたが、まさに、地域ぐるみで子どもを育む基盤形成
事業というふうなことでございました。
学校支援地域本部
事業については、さきの8月の
常任委員会でも説明がありました。その中で、ただいま御答弁がありましたように、地域ぐるみで子どもを育む基盤形成
事業について取り組んでいるということでございましたが、これまでの
取り組み状況と成果についてはどのようにとらえているかお伺いをいたします。
17 ◯松田生涯学習課長
地域ぐるみで子どもを育む基盤形成
事業は2つの
事業で構成されております。
1つには、子どもを育む地域づくり推進
事業です。この
事業では、地域づくりや健全育成のためのフォーラム及び交流会を開催するとともに、県内6地区で実践活動のモデル
事業を実施しております。
このモデル
事業は、子供会、町内会及び老人クラブ等の地域の団体が連携を強化し、
子供たちとスポーツ活動やものづくりなどに取り組むことにより、世代を超えた地域住民同士のつながりを深めることを目的としております。
これらの成果としましては、地域住民同士の連帯感が強まり、日常的な3世代交流が行われるようになったことや、近隣地域へ
取り組みが広まったことなどが挙げられます。
もう一つは、地域における子育て
支援の仕組みづくり
事業です。その内容としては、
事業を実施する14の市町村協議会が子育て
支援コーディネーターを配置し、家庭教育相談や子育て中の親と地域住民との交流などを
関係機関と連携を図りながら実践する子育て
支援モデル
事業を実施しております。
成果としては、子育てに関する身近な相談窓口の整備や
支援団体の活動が活性化したことが挙げられます。
以上です。
18
◯越前委員
ただいまの答弁を伺いまして、なるほど非常に積極的な推進を図っていることについては理解をいたしているところでございますが、ただいまの答弁にありましたように、子どもを育む地域づくり推進
事業ということで、6地区において老人クラブや子供会などで取り組んでいるということでございますが、私も子供会は三十数年やってまいりましたけれども、昔と違って今は、子供会はありますけれども、なかなか子供会に入る人がいなくなったんですね。そして、なぜ入らないかというと、親が、子供を立派にしたいということから一生懸命塾通いをやらせている。だから、子供自身が親よりも余裕がない状況なんですね。
学校へ行って勉強して、終わってうちへ帰って、すぐ塾ですよ。そういう方が多いです。パーセンテージは私はちょっと調べていません、
教育委員会で調べているかどうかわかりませんが、そういう方が今は多いです。
それは、親の願いですから、子供を立派にするために、
学校で勉強して、塾に通わせて、より勉強させて能力を向上させる、立派な人材に育ってほしいという願いで通わせているということについては私は非常にいいことだなと思いますが、一方では、そういうふうに子供会活動、子供会組織がありながらも、今はもう、そういう状況から、入れない、入っている人が少ないというふうなことで、子供会の組織が、減少というよりも、なくなっていますね。したがって、そういう意味では非常に残念だなと。
今までは、
学校でできないものの地域社会での受け皿として子供会活動があったり町内会活動があったり、そういうことで子供を支えてきたわけですよね。それが、今、先ほどの話じゃないんですが、社会の変化といえども希薄化されているというふうなことでございまして、それら──今、例えば幼稚園なんかの運動会へ行っても、老人クラブを招待して、そして、その幼稚園の方々、
子供たちと老人クラブの方々と一緒になって交流をしたり、運動会をやったり、物をつくったりというようなことをやっております。まさに、体験学習といいますかね、特に
教育委員会でよく進めている体験学習。物をつくるとか──例えば、米はどういうふうにできるのか。先般も新聞・テレビに載っていましたが、米を植えて稲刈りをした、初めてやった、うれしかった、こういうふうにして稲を刈るものだというのを初めて覚えたというコメントを見せていただきましたけれども、ああ、そうだなと。
正月でも祭りでもそうなんですが、昔は、よく親がもちをつくって、我々もよく食べました。今は、つくる時代でなくて、みんな買ってきてやっています。親もつくることを知らない。ましてや、子供も、もちがどうやってできるかわからない。ただ、できたものを食べるのはみんな知っています。そういう意味では、何といいますか、できたものが、どうしてこういうふうにできるのか、その経過すらわからないという。そういうことをどうやって教えていけばいいのか、これがまさに体験学習の一環じゃないのかなというふうなことで、まあ、これをどこで教えるのかは別にいたしましても、やっぱり、教えるとなれば、社会教育の中で教えていくとすれば、
教育委員会が、地域社会との連携の中で、機会あるごとに、
学校が社会とそういう連携をとる機会に、そういうことを取り上げながら、
子供たちにも知っていただく、親にもかかわっていただく、そうやって一緒に理解を深めていただくというふうなことにつなげていくということが非常に大事なことじゃないかなというふうに考えております。どうか、その点についても、ひとつ意を含めて取り組んでいただければというふうに思っております。
未来の青森県を担う
子供たちを育てること、まさにこれは県政にとりまして重要な課題でございます。このため、ただいま申しましたように、
学校・家庭・地域がそれぞれの役割を果たしながらしっかりと連携を図り、そしてまた、社会全体で子供を見守り、育てる仕組みを充実・強化することが重要な課題であるというふうに私も考えてございます。
県教育委員会におかれましては、
学校・家庭・地域の連携強化がさらに推進されますよう、引き続き具体的かつ積極的に取り組まれますよう強く要望して、私からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
19
◯高樋委員長
ほかに質疑はありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
ないようでありますから、これをもって
教育委員会関係の審査を終わります。
午さんのため暫時休憩いたします。
○休 憩 午前11時42分
○再 開 午後 1時04分
20
◯高樋委員長
休憩前に引き続き
委員会を開きます。
警察本部関係の審査を行います。
初めに、
執行部から
報告事項があります。──寺島本部長。
21 ◯寺島警察本部長
先般、青森警察署の留置施設からの逃走事案が発生いたしましたので、御報告し、おわび申し上げます。
発生いたしましたのは、本年8月21日午前8時ころから同じく8時5分ころまでの間であります。逃走したのは、青森警察署の3階にあります留置施設の窓からであります。逃走した被留置者は、建造物侵入で起訴勾留中の33歳の男性であります。
この事案が発生した当日は男性の入浴日でありましたが、看守係が、この男性が入浴終了後に涼みたいと申し出たことから、本来ならば居室に入れて施錠すべきところ、廊下で涼ませたまま他の被留置者を入浴させました。この男性は、そのすきに無施錠の鉄格子をあけて窓をあけ、3階から1階駐車場に飛びおり、そのまま逃走したものであります。その後、同日午前9時41分ごろ、この逃げた男性を発見し、逮捕いたしました。
今回の事案発生の原因は、鉄格子窓が無施錠のまま施錠等の対策がなされなかったこと、看守係が被留置者から目を離すなど監視体制が不備であったことにあります。
県警察といたしましては、
再発防止対策を徹底いたしまして、適正な留置管理業務に努めてまいる所存であります。
以上でございます。
22
◯高樋委員長
それでは、ただいまの
報告事項及び
特定付託案件について質疑を行います。
質疑は
所管外にわたらないように
お願いいたします。
なお、
答弁者は、挙手の上「
委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。
それでは、質疑はありませんか。──越前副
委員長。
23
◯越前委員
それでは、私のほうから何点か質問させていただきます。
ただいま、寺島本部長から、8月21日に発生いたしました青森警察署留置場からの逃走事案についての報告がございました。今回の事案につきましては、建造物侵入罪で逮捕・起訴され、青森警察署の勾留場に勾留されていた33歳の男が、3階の窓から飛びおり、逃走して、約1時間半後に青森市内で身柄を確保されたというものでございます。
今回の事案につきましては、施設の設備を把握していなかったこともあるようでありますが、最大の原因は、ただいま本部長から報告があったように、係官が監視を怠り、目を離したためであるというふうに考えるところでございます。確かに、3階の窓から飛びおりるということは通常考えつかないのが当然だと思うわけでありますが、刑務所に入ることが確実となったため、看守のすきをつき、常識では考えられない行動に出たものと考えるところであります。
今回の事案につきましては、幸いにも第三者に危害が加えられることがなく身柄が確保されたということでありますが、民家に押し入り、人質をとったりすることなど当然考えられたわけでありますから、県民に大きな不安を与えたことにつきましては深く反省をしていただきたいというふうに思うわけであります。
既に、原因究明や施設の不備については、ただいま本部長の報告にありましたように、点検を行い、
再発防止対策を講じているとのことでございますが、二度とこのような事案が発生しないよう、幹部の
皆さんの適正な指揮のもと、基本原則にのっとって適正に業務を遂行していただきたいと強く念願するものであります。
そこで、ただいまの本部長報告に関しまして何点か確認の質疑をさせていただきたいと思います。
まず最初に、ただいまも寺島本部長からの報告の中にありましたが、
再発防止対策を講じたとのことでございますけれども、具体的にはどのような対策を講じたのか、その点についてお伺いをいたします。
24 ◯大橋警務部長
御質問にお答えいたします。
まず、逃走事案が発生した青森警察署では、今回の逃走場所となった無施錠の鉄格子窓について、電気錠システムを廃止しまして、はめ殺しにして、開閉できないように改修いたしました。
また、青森警察署以外の警察署については、電気錠を取りつけた鉄格子窓はないこと、それから無施錠の鉄格子窓はないことを確認いたしました。また、鉄格子窓以外のすべての設備についても、確認と適正な管理の徹底を指示いたしました。
さらに、全署に対し、被留置者に応じた十分な監視体制の確保を指示したところであります。
本年8月31日には緊急の留置主任官等会議を、また9月9日には臨時県下警察署長等会議をそれぞれ開催し、これらの指示を徹底するとともに、
再発防止のための本部長通達、警務部長事務連絡を発出したところであります。
25
◯越前委員
ただいま、大橋警務部長からの答弁で、
再発防止については具体的に講じたということの報告をいただきました。
そこで、まさに今答弁にありましたように、警察署における
管理体制の強化が今後大きな課題であるというふうに考えますが、この
管理体制の強化と本部の管理状況についてどのようになっているのかお伺いをいたします。
26 ◯大橋警務部長
御質問にお答えいたします。
まず、警察署においては、看守係員が交代で24時間、被留置者の監視や処遇に当たっており、留置主任官が業務の管理や
指導に当たっております。
警察署長は、留置施設の構造・設備、監視体制、看守係員の勤務状況等を確認し、必要な指示・
指導を行うなど、留置業務全般を監督・管理しております。
次に、警察本部においては、警務部の留置管理課が県内18警察署すべてを対象に随時の業務
指導や巡回教養、年1回以上の実地監査等を実施しているほか、警務部幹部による巡視や総合監察を実施して、業務の改善や適正な運営に努めております。
また、民間有識者で構成する留置施設視察
委員会の委員の方には、留置施設の施設や設備、被留置者の処遇の状況等について実地に視察をしていただいており、その結果を受けて施設や処遇の改善を図っているところであります。
今回の逃走事案発生後には、青森県公安
委員会の
委員長以下委員全員と先ほど申しました留置視察
委員会の
委員長に青森警察署を御視察いただき、青森警察署長を初め関係職員に対して留置管理業務全般について御
指導をいただいたところであります。
今後は、これらの御
指導も踏まえながら、業務が適正に行われているかを検証し、不備な点があれば早期に是正するなどして、一層適正な留置業務の推進を図ってまいる所存であります。
27
◯越前委員
ただいま、
管理体制と本部の管理状況について、大変詳しくその
取り組み内容について御報告いただきました。今回の事案につきましては、まさにあってはならない事案であるというふうに考えるところでございます。また、今回の事案発生についても、深く反省するとともに、施設の点検はもちろんでありますけれども、担当係官に対する教養等も徹底していただき、改善すべき点は早急に改善していただき、二度とこのような事案が発生しないように取り組んでいただくことが非常に重要であるというふうに考えておりますので、この点については強く御要望申し上げておきたいと思います。
あわせて、今回のような事案が発生いたしますと組織全体の士気が低下するものと考えるところであり、この点を私は非常に危惧するところでございます。警察の任務は、もとより県民が安全で安心して暮らせる社会を確保することでございます。県民の信頼を回復すべく、警察の基本方針にあります安全で安心なまちづくりのため、さらなる一層の努力をしていただくことを強く強く御要望申し上げて、この件については要望とさせていただきます。
次に、けん銃等の使用についてお伺いいたします。
この件につきましては、9月6日の新聞記事等によりますと、9月5日午前0時40分ごろ、青森市内において包丁となたを所持していた男性を銃刀法違反で逮捕したとのことでございますが、その際、駆けつけた警察官に包丁を向けてきたため、けん銃を取り出し、警告して取り押さえたとのことでございます。
最近は、刃物で切りつけるといった多種多様な事件が全国各地で多数発生しているとの報道等もあり、現場に駆けつけた警察官に向かってくるという非常に危険な状況も想定されるわけであります。駆けつけた警察官が切りつけられてけがなどをすることのないよう、実践的な訓練をしていただきたいというふうに考えるところでございます。
そこで、次の点について質問いたします。まず第1点は、けん銃使用に関する教養並びに訓練の実施状況について、どのような実施をなされているのかお伺いいたします。
28 ◯大橋警務部長
御質問にお答えさせていただきます。
けん銃使用に関する教養・訓練は、1つは、適正かつ妥当なけん銃使用に必要な知識の習得と、もう一つは、射撃技能の向上を図るための射撃訓練とに大別されます。
そこで、警察官職務執行法を初めとする根拠法令及び具体的な状況下における使用の判断基準を理解・習得させた上で、実際にけん銃を用いて射撃を行うなどの訓練を行っております。
また、この射撃訓練については、地域警察官、機動捜査隊員等けん銃を使用する可能性の高い職務に従事している警察官を優先しながら、実弾による訓練や模擬弾によるけん銃使用の判断訓練を年1回以上実施するなど、全警察官を対象に計画的に実施しております。
29
◯越前委員
訓練状況、実施状況についてただいま御答弁いただきまして、大変理解を深めたところでございますが、こういう事案の際、私は素人の立場から心配するんでありますが、そういう事案に差しかかったときに、例えば急に刃物で襲われるといった光景を想定したときに、正当防衛といいましょうか、自分の身を危険──一歩間違うと命にかかわるという紙一重の状況の中で、瞬間的判断で自分の身を守り、そしてまた危険を防止する、それから事件を事前におさめるというふうなことに関しては、本当に神わざ的判断で対応しなければならないのではないかというふうに私は考えるわけでありまして、そういう意味で、正当防衛の瞬時の判断というのは非常に難しい判断を強いられるということに対しては、まさに、ただいま答弁がありましたように、日ごろの訓練の中で、瞬間的な判断──それに対して即応できる対応というものを訓練の中で身につけて、危険の中でも、自分の身も守りつつ県民の安全・安心を守れる、対応できるような県民警察であってほしいというふうに私は心から念願しているものであります。
そこで、次の点につきまして続いてお尋ねしたいと思いますが、凶悪犯人などの逮捕に必要な技術を身につけるため、どのような訓練を実施しているのかということであります。そしてまた、現場での活用事例なども含めて、どのような事例が現場ではあるのか、この点をあわせてお伺いいたします。
30 ◯大橋警務部長
お答えさせていただきます。
警察官は、いかなる犯人であっても、相手に与える危害は必要最小限でこれを制圧・逮捕することとされており、そのために、平素から、柔道、剣道、逮捕術、けん銃等の術科訓練を実施しております。
具体的には、例えば包丁や日本刀等の凶器を振り回して暴れている犯人に対しては、警棒、警杖、さすまた、それから盾等を活用して、持っている凶器を払い落とした上でこれを制圧・逮捕したり、けん銃を取り出して使用する場合の構え方、警告の要領、威嚇射撃をしたりする訓練を行っております。また、映像を用いた模擬弾によるけん銃の使用判断訓練なども実施しております。
次に、現場での活用事例についてであります。
本年2月下旬、青森警察署管内で下着盗が発生いたしましたが、その犯人、これは身長170センチ、体重65キロ、年齢24歳の男性でありましたが、これを発見した女性警察官がこの犯人に1人で立ち向かい、逮捕術を有効に活用して制圧し、現行犯逮捕いたしました。
これは、御質問のけん銃使用の事例も含めまして各種訓練の成果のあらわれと考えておりますが、今後も、青森県警察といたしましては、いかなる犯人であろうと、県民の方々に危害を加えさせることなく、これを迅速かつ安全に制圧・逮捕するために、あらゆる訓練を計画的に推進してまいりたいと考えております。
31
◯越前委員
現場での活用事例なども大変詳しく御答弁いただきまして、まことにありがとうございました。大変心強く感じたところでございます。
先ほど申しましたように、こういう、急に警察官が切りつけられるとか、また、今までも、交番等に急に押し入り、刃物で切りつける、また、殺傷事件が発生する、事案によっては警察官が命を落とすというふうな事例もこれまでも何度か全国各地で起こっているわけでございまして、そういう意味におきましては、こういう予期せぬことが急に起きた場合の警察官の対応というものは、瞬時に判断をしてそれに対応しなきゃいけない。今、警務部長さんから御答弁がございましたけれども、県民を守るということも大事でありますけれども、警察官みずからの身を守るということも大事でございますから、その辺を大事にしながらも、県民の安全・安心を守るための訓練をしながら、これからもまた県民が安心して暮らせる青森県づくりのためにひとつ一層御尽力いただきたい、この点についても強く御要望を申し上げておきたいと思います。
では、次に入りますが、次はちょっとやわらかい質問に入ります。交通安全教育車「ふれあい号」についてでございます。
先般、枯れ葉のようだと不評がございました高齢運転者標識、いわゆるもみじマークのデザインが新しくなり、四つ葉のクローバーをデザインしたものになったとの報道がございましたが、公共交通機関の整備がおくれている地方にとりまして、移動手段として自動車やバイクは欠かせないものであるというふうに考えるわけであります。
高齢化社会を迎えている現在、高齢者の方が運転する割合は右肩上がりで増加するものと思われるところでございます。交通事故防止には高齢者対策が大きなポイントでありまして、高齢者の対策とあわせて運転者対策が重要不可欠であります。身体能力や視覚、聴覚といった機能の低下についても認識していただく必要があると思うわけであります。
このような中におきまして、8月23日、全国共済農業協同組合連合会県本部(JA共済連青森)が警察本部に対して、交通安全教育車、いわゆる「ふれあい号」を寄贈したと
新聞等に掲載されておりました。記事によりますと、運転シミュレーターや動体認知診断機など、主に高齢者の運転能力を診断する機器が備えられているとのことでございまして、高齢運転者対策に大いに活用できるものと私は考えているところであります。
そこで質問でありますが、今回寄贈されました交通安全教育車「ふれあい号」に搭載されております資機材と活用方針等についてお伺いいたします。
32 ◯工藤交通部長
本年8月、全国共済農業協同組合連合会青森県本部から交通安全教育車を寄贈いただき、県警ではこの車両を「ふれあい号」と名づけ、既に運用しているところであります。
この「ふれあい号」は、2トントラックのパネル車を改造し、安全運転が体験学習できる4輪車ドライビングシミュレーター、運転能力がチェックできる運転操作検査器、反射材の効果等が体験できる夜間視認性体感装置、認知・判断・動作能力が総合的に診断できる運転・歩行能力診断、シートベルトの必要性が理解できるポータブルエアバッグ体験装置といった、運転者や歩行者も、子供や高齢者も、幅広い方々に楽しく参加・体験・実験していただく中で交通安全を学ぶことができる充実した装備を搭載したものであります。
特に、交通事故で亡くなった方の約7割を占める高齢者の方々にとっては、夜間の視認性体感装置や身体能力等の診断結果が数値で表示される運転・歩行能力診断等では、自分の現状を自覚できることから、交通安全教育上大きな効果が期待できると考えております。
「ふれあい号」は、8月末に県交通安全母の会主催の交通安全キャラバン隊でデビューし、下北地域における交通安全教室でも大きな好評を博しました。
「ふれあい号」については県警ホームページでも紹介しているところでありますけれども、県警といたしましては、今後の県内各地で開催される各種イベント、
学校・老人クラブ・企業等からの要請に積極的にこたえ、効果的な出前型交通安全教育を展開してまいりたいと思います。
33
◯越前委員
ありがとうございました。
交通安全教育車「ふれあい号」については、幅広く活用され、その効果が非常に大きく出ているということで、今後の
取り組みにも大いに期待をいたしてございますので、一層の
取り組み方をひとつ強く要望申し上げておきたいと思います。
では、最後の質問でありますが、最後の質問は、私の所在地にありますむつ警察署の移転先の駐車場についてお尋ねいたします。
先般5月27日に当
委員会で実施いたしました県内調査におきまして、弘前自動車運転免許試験場の視察をさせていただいたところでございます。弘前自動車運転免許試験場におかれましては、小
学校跡地ということもありまして、見るからに幅が広い。お伺いするところによりますと、駐車場には150台の車両が駐車可能ということでございました。来場者が非常に多い。近くの日用雑貨店の駐車場も利用させていただきながらそれに対応しているということでございまして、まさに、
学校の跡地であり敷地も広く、駐車場も非常に広い、見るからに広い、何とすばらしいんだろうというふうに感激をして見せていただいてきたわけでありますが、それでもなおかつ狭いというふうなことをお伺いいたしまして、それだけに、県民の
皆さんがこの弘前自動車運転免許試験場の新築に当たってどれだけ期待を持っていたのかなと、期待のあらわれであろうというふうに思うわけであります。
そこで、私の所在するむつ警察署につきましては、御案内のとおり、もう既に用地造成が終わっておりまして、警察本部長を先頭に既に設計・着工というふうな段取りで進められておりますし、なお、今後の計画としては、平成25年度の供用開始に向けて、これもまた運転免許試験場を開設するというふうなことで今
取り組みが行われているところでございます。ぜひとも、この件については、計画どおり着工に結びつけ、完成に向かって取り組んでいただきますように、まずは強く要望しておきたいと思います。
そこで、このむつ警察署については、現むつ市役所向かい──新しいむつ市役所の向かいに移転することが既に決まってございますが、現地を見てみますると、弘前自動車運転免許試験場に比べまして駐車場のスペースが非常に狭いというふうな感じを受けます。
で、この点については、来月の26日から28日まで、当
委員会がまた県南・むつ下北地域の県内調査で参ります。
委員長を初め、
委員会で調査に参ります。その際にはむつ警察署も視察をしていただくことになっておりますので、今現在のむつ警察署、それから、いわゆる新むつ警察署の予定地を見ていただくとわかると思いますが、見ただけでも狭いというふうに私は思っております。
移転に伴いまして、自動車運転免許の即日交付が行われるということもあり、それから日曜窓口を開設する予定ということでありますから、場合によりましては、この移転先のむつ警察署の駐車場だけでは足りなくなるのではないかというふうに私は心配をし、危惧をしているところでございます。
建設してしまいますと、これを広げたり建物を移動したりということは当然不可能なことでありますので、当然のごとく、今の設計段階から、この駐車場をきちんと確保すべく対応しておいたほうがよろしいのではないかというふうに、私なりに現地の人間として現場を見てそのように考えているところでもあり、
関係者の方々の声を聞きましても、やはり狭くなるのではないかというふうな心配の声もあるわけであります。
したがいまして、今から──これから上北・むつ下北の中核の警察署となるむつ警察署の新築に当たりましては、自動車運転免許の即日交付ができる免許センターも併設されるわけでありますから、そういう意味では地域住民の期待が非常に大きいわけであります。
それから、むつ下北地域は、御案内のとおり、上北を含めまして原子力施設の立地地域でありまして、それにかかわるさまざまな事案等が発生するかもわからないという危惧も抱いているわけでありますので、そういう意味におきましては、上北・下北の拠点的なむつ警察署になっていくものと、また位置づけられているものというふうに私は考えているところであります。
このむつ警察署の移転・建てかえに伴いましては、より多くの駐車スペースを確保するためにひとつ十分に検討すべきであるというふうに考えますが、この点について県警としてどのように考えているのかお伺いをいたしたいと思います。
34 ◯一戸会計課長
御質問にお答えいたします。
むつ警察署の移転・建てかえにつきましては、ただいま副
委員長からも御指摘がございましたように、現在、庁舎の建築設計作業を進めておりまして、平成25年度の業務開始に向けていろいろ検討を進めておるところでございます。
御質問のございました来庁者用の駐車場につきましては、約80台分のスペースを確保することとしておりまして、新庁舎を利用される方に御不便をおかけすることはないものと考えておりますけれども、駐車場が不足するような場合に備えまして、隣接して建設が予定されております中間貯蔵施設のオフサイトセンターの一般用駐車場、それから、国道を挟んで向かいにございますむつ市役所の来庁者用の駐車場、こちらも利用できるように既にむつ市と協議してございまして、むつ市の了解もいただいておるところでございます。
以上でございます。
35
◯越前委員
ありがとうございました。
私が心配するとともに、既に県警におかれましては、地元の状況を把握され、そしてまた、ただいま答弁にあったように、予定として80台の駐車場を確保するということでありますが、不足した場合は、併設されるオフサイトセンター、並びに向かいにある新しいむつ市役所の駐車場を確保することによって十二分にそれに対応できるというふうな御答弁でございました。
それにつきましても、今、お話し合いが済んで、もう了解済みであるということでありますが、私も、先般も市長と会って、その話につきましては、いろいろと
お願いもしたり、また、県警察本部のほうからもそういう打ち合わせがあり、要望についてはきちんとおこたえしてまいりたいというふうなことで話をお伺いしておりましたので、私は、それで対応できるのであればよろしいなというふうに思っているわけであります。いずれにいたしましても、見た感じは非常に狭く感じますので、ただ、今答弁にあったように、そういうことで対応できるということであれば、それで対応してよろしいのかなというふうに私は思っております。
いずれにいたしましても、他の施設を借りる場合において、トラブルが起きないように──この点については、お借りするといっても、たまたま理解をしている方が担当でいる場合はいいんですが、オフサイトセンターなどは、特に管理区域に入りますから、簡単にとめて簡単に出るということに対してもいろいろと規制が出てくるんではないかというふうに思いますので、その辺、果たしてきちんとお話し合いをして十分に理解を得ていただかないと後々また問題が生ずる可能性もありますから、その点については、ひとつまた十二分に協議をして、理解を深めて対応できるようにしていただければというふうに思っているところでございます。
いずれにいたしましても、このむつ警察署の建設につきましては、予定どおり計画的に進めていただきたいというふうにも思っておりますし、また、警察署、あそこは国道338号なんですね。338号バイパスでございますので非常に交通量が多い場所でございますから、警察署が建ちますと、警察署前停留所というのが当然必要になってまいります。これは前にも一般質問等で質問してございますし、県土整備部の管轄でありますから、県土整備部とも連携をとりながら、警察署前のバス停車帯の設置──これはやはり地元でも強く望んでいるものでありますから、ひとつ、関係県土整備部とも連携の上、この警察署が建った暁には、このバス停車帯がきちんとつくられて、交通渋滞に支障を来さないように、交通支障が出ないように、それらについてもひとつ対応方を検討して取り組んでいただきたいということを強く要望申し上げて、私からの質問を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。
36
◯高樋委員長
ほかに質疑はありませんか。──
中村委員。
37 ◯
中村委員
飲酒運転の取り締まりについて質問いたします。
去る7月の
委員会で、飲酒運転による交通事故発生状況及びその取り締まりの状況、さらには飲酒運転抑止に向けた今後の
取り組みについて質問いたしました。そうしましたらば、7月及び8月を飲酒運転取り締まり強化期間と定め、徹底した取り締まりを実施中であると、そういう答弁をいただいております。
言うまでもなく、飲酒運転は、重大事故に直結する極めて悪質なものであり、特に交通死亡事故の発生に歯どめをかけるためにも、より多くの場所で検問などによる取り締まりを強化していただきたいと思います。
そこで質問ですが、1点目として、7月及び8月に実施した飲酒運転取締り締まり強化期間の実施結果について、2点目として、今後、年末に向けた飲酒運転根絶の対策についてお伺いいたします。
38 ◯工藤交通部長
まず第1点目ですけれども、県警では、本年の7月、8月の2カ月間、飲酒運転取り締まり強化期間を実施いたしましたが、その結果についてのお答えでございます。
飲酒運転については、委員御指摘のとおり、重大事故に直結する極めて悪質で危険性の高い違反であるにもかかわらず後を絶たないことから、全国警察が最も力を入れて行っている取り締まりであります。
本県では、夏場のレジャーやお祭り等で飲酒する機会がふえることを踏まえ、例年、7月、8月を飲酒運転取り締まり強化期間に設定し、
県内全域において強力な飲酒運転取り締まりを行っております。
本年の同期間中の飲酒運転の検挙件数は228件で、昨年と比べると15件多く検挙しております。この結果、本年1月から8月末までの飲酒運転の検挙件数は474件で、昨年の同時期より10件ふえております。
次に、2点目の年末に向けた飲酒運転根絶対策についてお答えいたします。
本年1月から8月末までで飲酒運転による交通事故は既に38件発生しております。昨年の同時期に比べ13件、25.5%減少しているものの、先ほども御説明いたしましたように、飲酒運転を根絶させるためには一層の
取り組みが必要であります。
このため、青森県警察では、下半期の交通死亡事故抑止対策の最重要課題の一つとして飲酒運転根絶対策の強化を掲げ、既に各警察署・隊にも指示し、県警を挙げて取り組んでおります。
特に、年末にかけては、忘年会等での飲酒の機会がふえ、重大事故に直結することが懸念されることから、徹底した飲酒運転取り締まりを実施することはもちろんのこと、冬の交通安全県民運動や年末特別警戒等を通じ、交通
関係機関・団体の方々とも連携しながら、飲酒運転根絶キャンペーンの展開、家庭訪問や
事業所訪問活動による飲酒運転根絶の呼びかけ、飲食店に対する飲酒運転追放の協力依頼活動などを積極的に繰り広げ、飲酒運転を絶対にしない、させない環境づくりの実現に努めるなどして、飲酒運転の根絶を目指してまいりたいと考えております。
39 ◯
中村委員
御答弁ありがとうございました。
これまでの
皆さんの御努力に敬意と感謝を申し上げます。どうぞ、これからも県警を挙げてこの飲酒運転防止に全力で取り組んでいただくよう希望して終わります。
40
◯高樋委員長
ほかに質疑はありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
ないようでありますから、これをもって
警察本部関係の審査を終わります。
以上をもって
文教公安委員会を終わります。
○閉 会 午後 1時43分
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