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平成22年原子力・エネルギー対策特別委員会 本文 開催日: 2010-07-30
平成22年原子力・エネルギー対策特別委員会 名簿 開催日: 2010-07-30

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  1. 青森県議会 2010-07-30
    平成22年原子力・エネルギー対策特別委員会 本文 開催日: 2010-07-30


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ○開 会  午前10時32分 ◯神山委員長  おはようございます。  ただいまから原子力・エネルギー対策特別委員会を開きます。  本日は、さきの委員会で決定したとおり、夏の軽装でよろしいことにします。  慣例により、会議の記録署名委員を指名いたします。夏堀委員、山田委員にお願いします。  本日の委員会は、海外返還廃棄物の受入れに係る安全性チェック・検討会、国、事業者の方々に参考人として出席していただいております。  担当書記より参考人の方々の御紹介を願います。 2 ◯担当書記  それでは、参考人の方々を御紹介いたします。  海外返還廃棄物の受入れに係る安全性チェック・検討会、山村修主査です。 3 ◯山村主査  山村でございます。よろしくお願いいたします。 4 ◯担当書記  同じく、高橋邦明委員です。
    5 ◯高橋委員  高橋でございます。よろしくお願いいたします。 6 ◯担当書記  同じく、藤田智成委員です。 7 ◯藤田委員  藤田でございます。よろしくお願いいたします。 8 ◯担当書記  次に、内閣府原子力政策担当室原子力委員会事務局、中村雅人参事官です。 9 ◯中村参事官  中村でございます。よろしくお願いいたします。 10 ◯担当書記  同じく、石沢昇政策調査員です。 11 ◯石沢政策調査員  石沢でございます。 12 ◯担当書記  次に、内閣府原子力安全委員会事務局、竹内大二総務課長です。 13 ◯竹内総務課長  竹内です。よろしくお願いいたします。 14 ◯担当書記  次に、経済産業省資源エネルギー庁、横尾英博電力・ガス事業部長です。 15 ◯横尾電力・ガス事業部長  横尾でございます。よろしくお願いいたします。 16 ◯担当書記  同じく、森本英雄原子力立地核燃料サイクル産業課長です。 17 ◯森本原子力立地核燃料サイクル産業課長  森本でございます。よろしくお願いいたします。 18 ◯担当書記  同じく、佐野俊核燃料サイクル産業立地対策室長です。 19 ◯佐野核燃料サイクル産業立地対策室長  佐野でございます。よろしくお願いします。 20 ◯担当書記  同じく、足立恭二放射性廃棄物等対策室室長補佐です。 21 ◯足立放射性廃棄物等対策室室長補佐  足立でございます。よろしくお願いいたします。 22 ◯担当書記  次に、経済産業省原子力安全・保安院、中津健之放射性廃棄物規制課長です。 23 ◯中津放射性廃棄物規制課長  中津でございます。よろしくお願い申し上げます。 24 ◯担当書記  同じく、真先正人核燃料サイクル規制課長です。 25 ◯真先核燃料サイクル規制課長  真先でございます。 26 ◯担当書記  次に、電気事業連合会、久米雄二専務理事です。 27 ◯久米専務理事  久米でございます。よろしくお願いいたします。 28 ◯担当書記  同じく、田沼進理事・原子燃料サイクル事業推進本部長です。 29 ◯田沼理事・原子燃料サイクル事業推進本部長  田沼です。よろしくお願いします。 30 ◯担当書記  同じく、丸茂俊二原子力部部長です。 31 ◯丸茂原子力部部長  丸茂でございます。よろしくお願いします。 32 ◯担当書記  次に、日本原燃株式会社、川井吉彦代表取締役社長です。 33 ◯川井代表取締役社長  川井でございます。よろしくお願いいたします。 34 ◯担当書記  同じく、鈴木輝顕代表取締役副社長です。 35 ◯鈴木代表取締役副社長  鈴木でございます。よろしくお願いします。 36 ◯担当書記  同じく、大和愛司代表取締役副社長です。 37 ◯大和代表取締役副社長  大和でございます。よろしくお願いします。 38 ◯担当書記
     同じく、中村裕行理事・再処理事業部再処理計画部長です。 39 ◯中村理事・再処理事業部再処理計画部長  中村です。よろしくお願いします。 40 ◯担当書記  同じく、齋藤英明理事・再処理事業部土木建築部長です。 41 ◯齋藤理事・再処理事業部土木建築部長  齋藤でございます。よろしくお願いいたします。 42 ◯担当書記  同じく、新沢幸一理事・再処理事業部品質管理部長です。 43 ◯新沢理事・再処理事業部品質管理部長  新沢でございます。よろしくお願いいたします。 44 ◯担当書記  同じく、越智英治理事・再処理事業部再処理計画部部長です。 45 ◯越智理事・再処理事業部再処理計画部部長  越智です。よろしくお願いいたします。 46 ◯担当書記  同じく、大枝郁再処理工場技術部長です。 47 ◯大枝再処理工場技術部長  大枝でございます。よろしくお願いいたします。 48 ◯担当書記  以上でございます。 49 ◯神山委員長  これより、去る7月20日開催の「海外返還廃棄物の受入れに係る安全性チェック・検討結果についての議員説明会」における説明及びこれに関連する事項に対して質疑を行います。  なお、質疑は、お手元に配付の質疑順序により行います。質疑時間は、答弁を含めて、定められた時間以内でお願いします。質疑の持ち時間終了5分前及び終了時にチャイムにより時間を通告しますので、御協力をお願いします。  質疑は所定の発言席において行い、答弁は所定の答弁席でお願いをいたします。  なお、答弁者は、挙手の上、「委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。  それでは、質疑を行います。  阿部委員の発言を許可いたします。──阿部委員。 50 ◯阿部委員  おはようございます。  遠いところからおいでいただいた方もあるようでございまして、大変御苦労さまでございます。  自由民主党の阿部でございます。よって、もとより推進派でございます。が、しかし、このごろちょっと慎重派になっています。県も同じでございまして、安全な上に安全をという慎重さを持ちながらこの事業を青森県が推進している、そういうところでございます。そういう意味合いの中からいっても、我々も、我々というよりも私も、推進派の中で慎重派であるという、そういうスタンスの中で質問をしてまいりますから、よろしくお願いいたします。  冒頭に、けさの新聞等でいろいろ、地方紙から、中央紙も書いておったようでありますが、原燃の川井社長の今のサイクル施設等にかかわる発言が、それが新聞に掲載されておりました。後々の私の質問にも関連いたしますので、まず冒頭、最初に、川井社長が工程についても検討を行っていきたいと考えているというこの趣旨やいかに。 51 ◯川井代表取締役社長  おはようございます。原燃の川井でございます。  今の阿部委員の御質問にお答えしたいと思います。確かにきょう──きのうの夕刊、東奥日報では夕刊でございましたが──朝刊各紙にいろいろな報道がなされております。これは、実は昨日、私、定例の記者会見をやりまして、私のほうから申し上げた結果が、けさほどの記事になったということでございます。  これは、アクティブ試験の見通しが立たなくなったとかということではなくて、むしろ逆でございまして、第1点目は、これまで7カ月にわたるKMOC、これは東海にあります、六ヶ所の実機と全く同じ規模の試験設備でございますが、このKMOCを使って詳細な試験をやってきたと。それで、一昨年10月、実は流下不調が起こったわけでございますが、その流下不調の原因もわかって、安定運転のためにはやはり温度管理がすべてであると、重要であると。その安定運転に向けての運転方法がはっきりわかってきたということをまず申し上げました。つまり、今後のアクティブ試験に向けて、7カ月にわたるKMOCでの試験、かなりの知見としっかりとした見通しを得ることができたというふうに御説明をいたしました。  2点目は、さらにアクティブ試験をより確実に進めていくために、3点申し上げましたけれども、1つ目、ちょっと代表して御紹介しますが、例えば、温度管理が非常に重要だと。そうするためには溶融炉に追加する温度計の設置がやっぱりどうしても必要である、ということを申し上げまして、したがって、今後の工程を考えていくためには、その温度計の設置にどれぐらいの工期がかかるかということについても検討してまいりたいというようなことを申し上げたわけでございます。  特に竣工時期につきましては、御質問がございまして、確かに10月の竣工というのは厳しいと認識しておりますが、現時点でその看板をおろすつもりはありませんというふうに申し上げた次第でございます。つまり、先ほど申し上げたように、より確実に進めていくための検討をアクティブ試験にきっちりと反映していくためには、当然それがどれぐらいかかるかという検討を行っていく必要がある。そうした意味で工程についても検討してまいりたいというふうに申し上げたということでございます。  いずれにしても、アクティブ試験、いつになるかわからなくなったということではなくて、今後のアクティブ試験につきましては、この7カ月にわたるKMOCの試験の結果、大きな手ごたえを感じているところでございまして、むしろ1歩、2歩前進。れんがはもう回収できました。ドレーンアウトも、うまくドレーンアウトできたと。そういう意味では、ようやく1歩、2歩、3歩大きく前進しているというふうに考えております。  ぜひ、私自身不退転の決意でしっかりと竣工に持っていきたいと考えておりますので、ぜひ御理解を賜りたいと思います。よろしくお願いいたします。 52 ◯阿部委員  社長から、まずこれは聞いておかなきゃならんというようなあんばいで聞かせてもらいました。いずれにしても、17回その工程の変更ということをされてきている今回のことでもございますので、その辺も踏まえながらはっきりした御答弁をいただいたなというふうに感じておりました。  それでは、質問をしてまいりたいと思います。  ことし3月1日に資源エネルギー庁の石田長官が、そして3月6日には直嶋大臣が本県へおいでになりまして、今回の低レベル廃棄物を高レベル廃棄物貯蔵に一緒にさせてくれというような等々のお願いがあったようでありますが、大臣が何を、本当に何を要望にいらっしゃったのか。後ほど本議会での知事の説明等々の文も紹介いたしますけれども、何やらぼやけている。そういう中で、実際直嶋大臣は何を本県に要望に来たのか、まずお聞きしたいと、こう思います。 53 ◯横尾電力・ガス事業部長  お答え申し上げます。  今、委員御指摘のとおり、去る3月6日に、石田資源エネルギー長官に続きまして直嶋経済産業大臣が青森県庁を訪問させていただきまして、三村知事及び古川六ヶ所村長に要請をしたわけでございますが、これは、海外、すなわち英国及びフランスから返還される低レベルを含めた廃棄物の受け入れ及び貯蔵でございます。  本件につきましては、核燃料サイクルの大きい輪の一つの大変重要な要素で、使用済みの燃料から生ずる廃棄物の貯蔵管理ということで海外から返還をされるもの、これにつきましては事業者が既に青森県に対して申し入れをしたことを踏まえまして、ぜひ国としても御検討をいただきたいということでお願いをしたということでございます。  なお、そのときに、フランスから返還される廃棄物につきましては、同国との関係におきまして、2013年からの受け入れ開始になっているということから、特に大臣から言及をさせていただいたということでございます。 54 ◯阿部エネルギー総合対策局長  ただいまの国からの回答にちょっと補足させていただきます。  去る3月1日、経済産業大臣の命を受けて来県いたしました資源エネルギー庁の石田長官から、我が国が原子力を利用していく上で国外へ委託したものも含め、再処理によって生じる高レベル放射性廃棄物やTRU廃棄物を貯蔵管理することは非常に重要である。加えて、フランスからの返還廃棄物につきましては、2013年から返還開始とされており、返還がおくれた場合、我が国の国際的な信用を損なうことが懸念されるとした上で、返還廃棄物貯蔵管理の政策的重要性・緊急性にかんがみ、海外返還廃棄物の受け入れについて御検討をお願いしたいとの要請がございました。  知事からは、このことにつきまして、経済産業大臣から直接お話を伺って確認をする必要がある、と考える旨石田長官に伝えたところ、3月6日には直嶋経済産業大臣が来県されまして、大臣からも同様に、返還廃棄物貯蔵管理の政策的重要性・緊急性にかんがみ、海外返還廃棄物の受け入れにつきまして、ぜひ検討をお願いしたい旨、改めて要請があったところでございます。 55 ◯阿部委員  国からと県からの答弁がございました。ただ、我々が議会で聞いているのは、知事の追加提案の際の、「議長のお許しを得て」というようなところの中で、「海外返還廃棄物の受け入れによる国及び事業者からの要請について報告をする」と、こういうふうになっているんです。  それで、今、横尾さんは、イギリス等々の単一返還にかかわるようなこともおっしゃっておりました。  しかし、我々が議会で知事からの報告を受ける際には、こういうことなんですね。3月1日に石田長官がいらっしゃって、1、我が国が原子力を利用していく上で、再処理によって生ずる高レベル放射性廃棄物やTRU廃棄物を貯蔵管理することは非常に重要である。2番目には、フランスからの返還廃棄物については、2013年から、我が国の国際的な信用を損なうことが、返還がおくれた場合は損なうことが懸念される。そして3番に、返還廃棄物貯蔵管理の政策的重要性・緊急性にかんがみ、海外返還廃棄物の受け入れについて御検討をお願いしたいとの要請があった。これがエネルギー長官からの要請であるというふうに本議会場の中で知事が我々に報告した内容なんです。  ただ、この際のことの中で、聞き取りの際お聞きしましたら、石田長官からは口頭での申し入れだったということでございました。そして、その際、知事からは、我が国の国際的な信用を失わないためにも、国から要請があったものと受けとめていますが、経済産業大臣から直接お話を伺いたい、これを受けて大臣がいらっしゃった、そのくだりがこうなんです。  「3月6日には直嶋経済産業大臣が来県され、「フランスからの──ちょっと省いていますけれども──フランスからの返還開始時期がおくれた場合、我が国の国際的な信用を損なうおそれがあるため、我が国と諸外国との国際的な原子力協力、相互信頼の維持の観点から、海外返還廃棄物を青森県六ヶ所村で受け入れ、一時貯蔵してほしい旨の御要請がありました」と知事は我々に報告をしておるんであります。もちろん、直嶋大臣がいらっしゃったときも、口頭での要請というふうに承っております。  その要請を受けて知事は、県民の安全・安心を守る立場から、直嶋経済産業大臣に対して3つ、今回の御要請は我が国の国際的信用にかかわる、政府が前面に立った要請であるということ。六ヶ所再処理施設の安全操業を初めとする核燃料サイクル政策を確固たる決意で推進するというようなこと。3番目に、地層処分相当の低レベル放射性廃棄物について、高レベル放射性廃棄物と同様に、青森県を最終処分地としないこと等を政府と一体となって不退転の決意で取り組むことの3点をそのとき確認をしたと、こういうことです。  そして、その確認を、知事からの確認を受けて経済産業大臣は、今回の要請は政策的な云々というような、国として国際的信用を維持するための要請である旨、そして2番目には、政権交代後も核燃サイクルの推進については何ら変わりなく、安全の確保を大前提に進める旨、3番目には、高レベル放射性廃棄物と同様に、地層処分相当の低レベル放射性廃棄物について、青森県を最終処分地にしない旨、または最終処分地の立地選定に向け、あらゆる機会をとらえて国が前面に立って取り組む旨、これを大臣は確約をしていったということなんですね。  そこで冒頭の質問に入るんですけれども、私は質問者の先陣として、今回の大臣がいらっしゃった、こういうことの中から、どういうことがそこにあったのかというようなことを浮き上がらさせていかなければならないというような意味合いの中から今この質問をとっているんであります。  ですから、この大臣の要請そのものについては、確かにフランスから来る。フランスから来るから、今、低レベル廃棄物の管理センターそのものは間に合わないから、高レベルのあいている部分に入れてくれ、そのお願いですよね。  先ほど、イギリス等々の話が横尾部長さんからございましたけれども、一切イギリスの話は出てきてない。フランスということをきちっと言葉に出しながら、そして今、低レベルのやつが25年から入ってくると。そういうようなところの中で、入れるところがないから高レベルのところへ入れてくれと。それを受けないと国の信用にかかわるというようなことですよ。これを言っていった。  部長にお尋ねしますけれども、イギリスというやつが一切出てきていない。どういうことなんでしょうか。 56 ◯横尾電力・ガス事業部長  お答え申します。  先ほど御答弁申し上げましたとおり、直嶋大臣からは、事業者の申し出があったところでございますが、国からもぜひお願いをしたいということで、海外からの返還廃棄物の受け入れ貯蔵管理のお願いをさせていただいたところでございます。  海外、すなわちイギリス、フランスでございますが、特にフランスにつきましては、今、委員御指摘のとおり、2013年という期限があることにかんがみまして、特にそれについては明示的に言及をさせていただいたということでございます。 57 ◯阿部委員  私は今、国のほうへお聞きするに、エネルギー長官と大臣のそのいらっしゃったところの経緯を我々が知り得る、そういうところの中で今質問しているんであります。  そこの中で、今御答弁の中にあった事業者ということが出てまいるんでありますが、3月1日には長官が、3月6日には大臣が、そして、ここに、3月2日に事業者がおいでになっていたと。今までのいろんな経緯から見れば、最初は事業者さんからのいろんな要請、そして後追いの中で、エネルギー長官、あるいは大臣は今まで来たこと、いらっしゃったことはない、そういう経緯の中で、長官と大臣の間に事業者がおいでになっておる。  その事業者からのことを今ちょっとまた触れさせていただきますけれども、我々は、本議場において聞いていることを今そのままぶつけているんですから、そこの中で、先ほども部長がおっしゃいました、事業者からは、3点目に、イギリスから返還低レベル廃棄物と交換して単一返還される高レベル放射性廃棄物については、既設の高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターにおいて一時貯蔵する計画であるとの、今度は説明ですよ。そういうことの中で、長官、そして事業者、そして大臣と、こういうふうに続いて参るんですね。  川井社長がおいでになっていますけれども、この3月2日に、これは文書で御要請になられたんだろうと思いますけれども、その辺の確認でございます。お願いします。 58 ◯川井代表取締役社長  議員御指摘のとおり、あのときは電気事業連合会会長と私と、事業者ということで知事にお会いさせていただいて、口頭で申し入れをさせていただいたというふうに記憶しております。 59 ◯阿部委員  さて、これがことしの3月。ですから、私が考えるには、エネ庁の長官がおいでになって、フランスからのと、このときもきちっとフランスのことは言っておりました。そして、直嶋大臣もきちんとフランスということは言っておりました。イギリスときちっと言ったのは事業者なんですよ。その事業者をとらまえて大臣が、事業者が言った返還というようなことになっていったんですか。エネルギー庁そのものの考え方の中でというようなことではなかったんですか。事業者のことを踏まえての今回の大臣の動きだったんですか、確認の意味で。
    60 ◯横尾電力・ガス事業部長  私どもは、石田長官及び、引き続きまして直嶋経済産業大臣からは、海外、すなわち、我が国は核燃料サイクルの確立を国策としてございます。ただ、今、使用済み燃料の再処理は海外、すなわちイギリス及びフランスで行っておりますので、その再処理の結果としての廃棄物、これをイギリス、フランスから返還をして、これを日本で受け入れ・貯蔵をしなければならないということで、海外ということで申し上げましたので、当然、イギリス、フランス双方含まれているということでございまして、当然実際にこれを契約をして行うのは事業者でございますので、事業者及び国としてもこれを、事業者の申し入れも踏まえまして国としても、国策の一環でありますので、これをお願いをしたいということでお願いさせていただいた次第でございます。 61 ◯阿部委員  時間をさかのぼります。平成18年の10月に事業者が──これは事業者です──再処理施設の増設及び海外返還廃棄物の受け入れ等について、県に要請においでになっています。その際の、これはまた先ほどの議会の議員の我々が知り得る、そういうところというのは、我々に説明されていませんので、知事の報告をまた受けているわけですよ、平成18年の10月。10月に来たやつを平成18年の11月の県議会、248回の知事の説明要旨で、これもまた、その「議長のお許しを得て、再処理施設の増設にかかわる検討結果について御報告を申し上げます」というようなことで知事から、県の執行部から報告を聞いておりました。  時間的なものがございますので、ちょっとはしょっていきますけれども、これは知事の言った報告書の要旨でありますけれども、この際、原燃のほうからは、六ヶ所再処理施設を操業していく上で必要となる製品の貯蔵建屋、廃棄物の処理貯蔵建屋などの計画的に増設をするお願いで参っております。  第1は、第二ウラン酸化物貯蔵、次はウラン、プルトニウム、第2、低レベル廃棄物、第3、4番目には第三低レベル廃棄物貯蔵建屋、そして第5のMOX燃料加工施設との接続工事等々で、この部分について増設をお願いしたいというような事業者からの県へのお願いです。  それと同時に、海外返還廃棄物の受け入れについて。そして、ここでは、先ほど横尾部長さんもおっしゃっておりましたけれども、フランスから来る返還低レベルの廃棄物の受け入れ、そしておっしゃっておったイギリスからの返還低レベル廃棄物との交換廃棄物の受け入れ、これが、先ほど、22年の3月でしたけれども、時間をさかのぼりました。平成18年までさかのぼりました。もう既にその平成18年から、事業者にあっては、もしくは国にあっては、と言いかえてもいいんだろうと思いますけれども、国にあっては、フランスから返還低レベルが入ってくる、この受け入れについて、あるいはイギリスから入ってくる交換廃棄物、これがもう既に18年に、もう既に事業者からは県に申し入れやっているんですね。この申し入れに際しての県の答えはどうだったんですか。  県の答えはどうだったんですか。 62 ◯阿部エネルギー総合対策局長  平成18年10月の事業者から申し出があった際には、まず、再処理工場の本格操業に向け、アクティブ試験の安全かつ着実な実施に全力を傾注しなければならない状況であるということで、今は検討できる状況にはないというお答えをいたしました。 63 ◯阿部委員  それだけでなく、検討開始したものもある。私、2つ聞いている。 64 ◯阿部エネルギー総合対策局長  失礼いたしました。  それから、再処理に係る増設につきましては、今後の操業に必要となる各種建屋にかかわるものでございますから、県民の安全・安心に重点を置いた対応の観点から、安全性に関する専門家の意見等も参考にしながら検討させていただくという旨の回答をいたしました。 65 ◯阿部委員  この件に関しても、知事はこういうふうに答えたんだというペーパーがあります。「各種建屋の増設等を行いたいという趣旨は理解をした」と、こういうふうに知事は答えています。「ただ、フランス、イギリスともに再処理に伴う発生する低レベル等については、イギリスについては直接低レベル放射性廃棄物を返還するのではなく、等価な高レベル放射性廃棄物を返還するとの提案を受け入れた上で、両国からの返還廃棄物を六ヶ所において貯蔵管理したいとの意向を明らかにされたというふうには理解した」と、こう知事は言っているんです。  ところが、これの答えに、先ほどの増設の部分はおきますけれども、「この海外再処理に伴う返還廃棄物については、今は検討する状況にはない」というふうに県が事業者にお答えをしたはずであります。問題は、平成18年、この平成18年というのはいかに大事な、そういう時期だったのかということを後で私、また質問してまいりますけれども、そういうことを踏まえながら、事業者は、ぜひお願いしたい、お願いしたいんだというようなことの中でいろいろ県のところをたたきましたけれども、増設に関してはあれだけれども、海外から来るやつは、これは検討できる状況ではない、というふうになった。  問題は、ここの問題は、我々が──単一返還というふうに言わせてもらいますけれども──単一返還にかかわる問題について議論したことがないんですよ。聞いたことがないんです。今初めて、平成22年の3月に初めてお聞きした。その経緯を私が言っているんです。県は、事業者からは18年のときにもう既に、単一返還にかかわることはもうクローズアップされて、県にはお話をした、話をした。しかし、県は、検討する状態ではないんだからというようなことで、私どもにそれは知らされてなかった。  そこに問題があって、今まさにここに、22年の3月に大臣が来て、先ほど部長も言いました、イギリスの分も入っているんだ、というようなことを我々は突然聞いたんですよ。ところが、このことは平成18年の10月に、もう既に事業者は話をしている。  国のほうでは、この平成18年10月の事業者からの県に対する申し入れということはお聞きになっていましたでしょうか。 66 ◯森本原子力立地核燃料サイクル産業課長  お答え申し上げます。  平成18年、それ以前から、イギリスからの提案を踏まえて事業者がそのような検討を行っており、それを県への申し入れを行ったことは我々としても承知しております。──事業者はそのような検討を行っており、県へそうした申し入れを行ったことは承知しております。 67 ◯阿部委員  国は、既にイギリスのその単一返還にかかわる、これはもうきちっと県のほうにアプローチされたというふうに、そういうふうに受け取った、それで私は理解していいですか。増設の関係とフランスから来るやつ、イギリスから来るやつ、これの部分についてはすべて県のほうには事業者の真意として伝わった、県のほうでは受けてくれた、受けた。そのよしあしは別として、2013年に返還になってくるというようなものも含めながら、県は処置してもらったというふうに認識したんですか。 68 ◯森本原子力立地核燃料サイクル産業課長  我々としましては、県のほうの受けとめ方というところまで我々が申し上げるべき立場にはございません。しかし、そうした計画を事業者が持っており、申し入れを行ったことは承知しております。  以上です。 69 ◯阿部委員  それでは、県のほうにお聞きします。  海外再処理等々について、それから低レベル等々についてもだと思うんですけれども、返ってくる、フランスから返ってくる、そういう返還廃棄物がある、それから、イギリスから等価単一返還の中で返ってくる、そういうことを事業者から受けられて、なぜお断りになったんでしょうかね。 70 ◯阿部エネルギー総合対策局長  先ほども御答弁申し上げましたけれども、平成18年10月の事業者からの要請におきましては、2013年ごろから返還を開始したいという御説明はございましたけれども、当事者間の合意による搬出開始期限であるという説明がなかったため、緊急性等については特に感じられず、また、当時、アクティブ試験につきましては第2ステップの途中の段階にあったと思いますけれども、県としては、まず再処理工場のアクティブ試験に全力を傾注すべきであり、海外返還廃棄物についての検討は時期尚早であるという思いを伝えたものでございます。 71 ◯阿部委員  その際の、私は不手際とは申しません。不手際とは申しませんけれども、その際の県の事業者からのいろいろな申し入れのとり方によって、低レベル廃棄物の貯蔵センターそのものの建設がおくれちゃった。そして、この単一返還にかかわるこの問題、イギリスでもいろいろ議論があった。8年間も──いろいろ提案されてから8年間もいろいろ議論があった。そういうような単一返還にかかわる問題でも、何でその申し入れを受けなかったのか。今はアクティブ試験に全力を傾注していただきたいというようなところが県側の今の言い分でしたけれども、そのとききちっと対応していけば、きょうのようなこういうことはない。  低レベル、さっき、平成18年が、何で大事な年なのかということをお話しさせてもらえば、高レベル廃棄物の貯蔵センター、これをつくった際、もちろんその後大きい地震があって、耐震の設計制度が違ってきたとか何とかと、こう言われておりますけれども、それも19年ですからね、地震があったのは。平成18年のところの中で、何で平成18年が大事かといえば、高レベル廃棄物のセンターを完成させるにも、認可の申請をしてからほぼ7年から8年かかっている。だから、逆算してみれば、逆算というよりも足し算ですよ。18年に7年を足した、そういうもので操業までの時間を足せば、ちょうど平成25年なんですよ。低レベル廃棄物がフランスから返還されようとする、そういう時期に入ってくる。だから平成18年というのは大事な、事業者としてもタイムリミットだったんですよ、これは。それをね。と思った。  そこでもう一回、今度は事業者に振りますけれども、この──知事さ聞いているのを部長が答えてるんだもの──このことを断られた、県に。県にこれはまだ時期尚早だと言われた。そして、ずっと年表なんか見ていましても、いろいろ勉強させてもらいましたよ、私も。白書、安全白書、原子力年鑑、いろいろ勉強させてもらいましたよ。平成18年からは、事業者からの海外から来る、そういう申し入れというのはぱたりととまっちゃった。何でなのかな。  私は、多分、県に言っても、アクティブ試験をきっちりやっているのかと、進んでいるのかと、そればっかり言われて。18年もそれでこれは断られたんですから。そういう重荷があるがゆえに、この平成18年にお願いをしたこの問題について、事業者が言うマウスを閉じちゃったのかな。そういう気がしてなりません。社長、いかがですか。 72 ◯川井代表取締役社長  お答えします。  別にマウスを閉じたわけじゃなくて、あの当時、たしか、御指摘のとおり、海外に委託した結果出てくる廃棄物と、それから私ども再処理工場が稼働する過程で出てくる廃棄物、大きく分けると2つ実はお願いをしたということでございます。後半のものについては、わかったということで御了解いただいたわけでございますが、前半の海外からのものについては、先ほど御説明があったように、今そういう段階でない、アクティブ試験に全力を傾注すべきだというお話がありました。  これは確かに、その年の3月31日にアクティブ試験にようやく入ったわけでございます。第1ステップがようやく終わって、第2ステップ、10月でございますが、ほぼ順調に来たということで、それでお話をさせていただいたわけですけれども、知事のほうから、やっぱりアクティブ試験に全力を挙げろと。これは、ある意味私どもとしても納得をいたしました。  と申しますのも、1つは、そのときの竣工時期が翌年の8月なんですね。その年考えた竣工時期が翌年の8月、1年後ぐらい。したがって、竣工後にまた再度お願いすれば何とかぎりぎり間に合うかなという思いもありました。と同時に、やっぱり一番の重要課題は、アクティブ試験、これを完遂して再処理工場を竣工に持っていくというのが重要課題でございますから、そういう意味合いも含めて、一応、まあなるほどおっしゃるとおりだなということで、御意見を承ったということでございます。  その後、マウスを閉じたというわけじゃなくて、実は耐震設計の見直しがございました。それから、中越沖地震──柏崎の地震もありました。したがって、当初考えている耐震設計で本当に大丈夫かどうかというような検討を開始しまして、結果としてそれに時間がかかったということも一つの背景にあるということは御理解いただきたいと思います。 73 ◯阿部委員  時間が押していますので。結局はその後の単一返還等、あるいはフランスから返ってくるやつ、というのは事業者からアピールがなかった。そしてことしの3月ですよ。我々議会は何も聞いていません。執行部のところへは皆さん方行かれて、そうやって説明しているんでしょうけれども。  そこで、知事、知事、これだけは聞いておきたい。先ほど私がずっと一連お話ししました、18年のときそれを受けておったらこういうことはなかったんじゃないのかというようなことも踏まえて、今の現状、今どうとらえて、どうしていかなきゃならないかというふうに知事は思っているのか、聞かせてください。 74 ◯三村知事  まず、18年の段階につきましては、今、日本原燃社長からもお話がございましたけれども、アクティブ試験にやはり全力を投入すべき、そういう状況であったと私どもとしては認識するところでございます。何分それまでの間もさまざまな課題等があり、全員協議会等も随分お開きいただいたわけでございますけれども、等々の中においてアクティブ試験に入っていったわけでございますから、やはり第2ステップの段階で、しかも進捗率も多分30%、数字はちょっと自信ありませんけども、30%程度であったと思います。  その後、第3ステップまでにいわゆる施設の安全機能とか機器の整備とか、そういうこと等々やっていくという段取りがあったわけでございますから、私どもといたしましてというか、私といたしましては、アクティブ試験、これに全力投球すべき時期というふうにお話しさせていただいたと、そう考えております。そう考えておりますというか、そのようにお話をさせていただきました。 75 ◯阿部委員  平行線になるんでしょう。あのときどうしたこうしたの話ですからね、平行線になるんでしょう。ただし、国の威信が、国の信頼、国の信用性、そういうものがかかっている低レベルの廃棄物が返ってくるという事実があっていれば、県はもうちょっと原燃の話に耳を傾けたほうがよかったんじゃないのかなというふうに思うんであります。(三村知事、「委員長」と呼ぶ) 76 ◯阿部委員  質問していません。 77 ◯三村知事  失礼しました。 78 ◯阿部委員  私はそう思うんです。  そういうところの中で、時間が押していますので、この単一返還にかかわるこの問題は、いろいろ技術的な部分、あるいは法律的な部分そのものは次の工藤委員にお任せをして、最後に私から、核燃料サイクル協議会の設置についてです。この件については、平成9年に設置してあって、もう既に10回やられている。私は、先ほど冒頭、川井社長のいろいろな、アクティブにかかわるそういうことをも踏まえながら、時期の検討とかというようなことも言われておりますが、私はこの核燃サイクル協議会が形骸化してしまっているというような気がしているんですよ。  これはやっぱり内閣府やいろんな関係の官庁が入って、そこの大臣が入られて、そういう協議会なわけですよ。そこで県が国に述べる大変いい機会であるし、大変いい窓口だというふうに思っているんですけれども、10回やられていますが、21年の6月が最後でありますけれども、今ここに至って、政権交代にも相なりました。本当にマニフェスト等には、いろいろ国がもっと前に出てというようなことの中で新政権は言われています。そういうところの中にあっても、この核燃サイクル協議会の中で、国のこの事業に対する考え方、あるいは姿勢というのを私は確かめる必要があるんじゃないのかなと思う。ただ確認の覚書をもらったとか、そういう問題でない。こういう公的なところの中でしっかりと青森県の位置づけを私はするべきだと思うんですけれども、執行部の考え方。 79 ◯三村知事  阿部委員にお答えいたします。  少し詳細をお話し申し上げたいと思いますが、例えば今回……(「時間ないんだ、時間」と呼ぶ者あり)あ、時間ない。じゃ、詳細でなく、簡略に話させていただきます。  今回の場合、御案内のとおり、じゃ簡単に話しますが、核燃サイクル協議会、このことについての考えを申し上げたいと思いますが、これまで、サイクル政策に係る重要な節目となる場合において、国のサイクル政策推進に係る姿勢も確認するために開催を求めてきた経緯がございますが、私としては、昨年の政権交代後、民主党政権の核燃料サイクル政策等を確認するべく、昨年の例えば10月13日には直嶋経産大臣、川端文科大臣、平野官房長官、また12月10日には現在の総理でございます当時の菅科学技術政策担当大臣、また、前原防災担当大臣にお会いいたしまして、核燃料サイクル政策の堅持や高レベル放射性廃棄物の最終処分などについて確認、要請してきたところでございます。  また、去る3月6日に直嶋経産大臣から要請があった際にも、直嶋大臣から、政権交代後もこの核燃料サイクルの推進については何ら変わりなく、安全の確保を大前提に進める旨など明確な国の方針を確認しているところでございます。  したがいまして、今回の場合におきましてのこの核燃料サイクル協議会の開催につきましては、必要性のないものと考えたところでございます。 80 ◯阿部委員  いろいろ行政そのものというのは動いていますしね。今そういうふうに、これにかかわるものはない、そういうことを言っていましたけれども、先ほど、冒頭私、川井社長に聞きましたが、そういうことのところの中で、また大きく今ステップを踏み出そうとしている。その工程についても検討を行っていきたいんだというようなことの旨もおっしゃっている。  この期間は、時間があればもっともっと国の皆さん方とも話をしたいんですけれども、ただ単に個々から覚書云々って、確認云々、そのことを知事はおっしゃっていましたけれども、みんな担当大臣たちが一緒にいたところの中で、議事録もとられて、きっちり残る、そういう核燃サイクル協議会というのは形骸化しては私はならないと思う。(「そうだ」と呼ぶ者あり)そのとおりだべ。(「そうだ」と呼ぶ者あり)そうしたら、開く気はありますか、まずこれを聞いて終わります。 81 ◯三村知事  阿部委員にお答えいたします。  核燃サイクル協議会というのは非常に重要な節目節目において開催されるべきものと考えるところでございます。これまでもサイクル政策に係るまさしく重要な節目において、国のサイクル政策推進に係る姿勢も確認するなど、開催を求めてきた経緯がございます。  例えばですけれども、私としては、今後、想定されるサイクル政策に係る重要な節目としては、例えば、再処理工場の運開に当たっての判断の際等が考えられるところというふうに考えておる次第でございます。非常に重要な場面において開くと。ここぞというときこそ開く。 82 ◯阿部委員  もうその重要な場面が来ていますよ。来ています。  これで私の質疑は終わりますけれども、委員長に御要望申し上げたいと思います。よろしいでしょうか。
    83 ◯神山委員長  どうぞ。 84 ◯阿部委員  これまでの質疑、いろいろ御答弁いただきました。この問題について判断するに当たり、安全性の確保は当然であります。そのほかに、先ほど来からも話をしています、政権交代後における国のエネルギー政策、特に原子力にかかわる政策の継続性について、1つ、原子力核燃サイクル施設等の立地受け入れに伴って、地域振興はどうあるべきなのかというようなことについて、1つ、高レベル放射性廃棄物の最終処分場について、これもやっぱり急いでいただかなければならない、こういうことについて明らかにする必要が私はあると思います。  そこで、当委員会として、この本日の質疑を経て、国及び事業者に直接確認や要望を行う必要があると思います。  私は、先ほど来から言っています、執行部にはいろいろ国も事業者も説明がありますけれども、我々議会は知事の報告をもって聞いているだけなんですよ。ですから今重大な時期になってこういう乖離が生まれてくる。ですからね、そういうことがあってはならないというような思いで、直接我々、この委員会が働きかける必要があるんじゃないのか、その要望を委員長にお願いをしておきます。 85 ◯神山委員長  ただいまの阿部委員の提案については、本日の質疑の終了後に協議したいと思います。  工藤慎康委員の発言を許可いたします。──工藤委員。 86 ◯工藤委員  自民党の工藤慎康であります。  私のほうからは、返還廃棄物の中での単一返還について御質問したいと思いますので、簡明なる御答弁お願い申し上げます。  まず初めに、単一返還について、いつ、どのように英国のほうから、イギリスのほうから提案なされたのか、まず初めにお伺いいたします。 87 ◯久米専務理事  工藤委員にお答えを申し上げます。  イギリスのほうから単一返還についてどのようなアプローチがあったかということだというふうに思いますが、平成8年にイギリスの再処理業者、当時はBNFLと呼んでおりますけれども、これが仮に単一返還という廃棄物の交換を提案した場合、実施したいと考えるかといった希望を確認をする提案がございました。  この提案を受けまして、日本では、原子力委員会及び原子力部会などで審議をされた結果、イギリスからの提案を受け入れることは妥当であると評価をされました。その後、平成19年には、最終処分法が改正されるなど法整備も行われました。その議論の際、私ども電気事業者も、事業の内容、廃棄物量、交換指標、交換によるメリット等について御説明をさせていただいております。  私ども電気事業者といたしましても、廃棄物の交換を行った場合、輸送回数の低減や一時貯蔵施設や処分施設等の縮減が可能となることから、ぜひ皆様方の御理解を得た上でぜひとも実現したいというふうに考えているところでございます。  以上、お答え申し上げます。 88 ◯工藤委員  今のイギリスからの提案というのは、そうすると国に対してあったということなんでしょうか。それとも事業者に対してあったということなんでしょうか。 89 ◯久米専務理事  失礼しました。事業者でございます。事業者にございました。 90 ◯工藤委員  先ほどの御説明ですと、原子力委員会等で審議をしたというお話がございました。この原子力委員会というのはたしか国の機関の一つだったと思うんですが、国においてそれではこの単一返還に関してどのように検討してきたのか、具体的にちょっとお教え願えますか。 91 ◯中村参事官  御質問にお答えしたいと思います。  原子力委員会、内閣府にある組織でございますけれども、平成17年10月に原子力政策大綱というものを取りまとめてございます。この原子力政策大綱の取りまとめに当たりまして、今回御質問ありました単一返還についても取り上げて議論をしてございます。  この大綱でございますけれども、平成16年の6月に第1回の会議を開きまして、延べ33回の会議を開いてございますけれども、その中で、第18回の会議におきまして放射性廃棄物の処理・処分を取り上げました。このときに今の単一返還の問題も取り上げて議論を行いまして、さらに次回、第19回の会議でございましたけれども、放射性廃棄物につきましての論点の整理を行ってございます。その中で、さまざまな点がありましたけれども、今の返還廃棄物につきましても取り上げてございます。  簡単に御紹介しておきたいと思いますけれども、どんなふうに取り上げたかということでございます。交換されて返還される高レベル放射性廃棄物は、これまで返還された高レベル放射性廃棄物と同じ仕様であり、安全に輸送・貯蔵され、処分できる。あるいは輸送回数が減少し、貯蔵管理施設が縮小できる等々の議論の結果としての結論となってございました。  さらに、この提案を受けることについては、「国民との相互理解に基づく実施の原則」に基づいて、その地域社会の理解を得ることが重要であるということで、結論でございますけれども、この受け入れについては、事業者が判断すべき事項ではありますけれども、国としては、事業者からの提案の説明を受けまして、その交換の指標の妥当性の評価ですとか、これを受け入れるための制度面の検討などを速やかに行うべきであると、こういうふうに結論を出したところでございます。 92 ◯森本原子力立地核燃料サイクル産業課長  今、原子力委員会での検討の結果について内閣府から御説明ございましたが、この結果を受けて、当方の資源エネルギー庁の国の審議会でございます総合エネルギー調査会の原子力部会放射性廃棄物小委員会等においてその後の検討を行っております。  例えば、交換比率の算定に用いる指標の妥当性等の検討を行い、この検討の結果、平成18年8月に取りまとめられました原子力部会の報告書、「原子力立国計画」において、電気事業者が英国提案を受け入れることは妥当との評価がなされ、その後、必要な制度的措置を講じるべきとの方針が示されております。  以上でございます。 93 ◯工藤委員  原子力委員会のほうでは平成16年からということですよね。その前に、平成15年の段階で、電気事業分科会コスト等検討小委員会というのが平成15年に開催されているようでありまして、その中で、15年の11月にもう既に事業者のほうからこの返還廃棄物についてのコストの検討に入っているわけであります。  今の御説明ですと16年からということなんですが、実際、本当のところ、平成8年にイギリスさんから提案があったと。記録として私が見れる範囲の中では、この分科会のコスト検討委員会までしかちょっと調べられなかったんですが、その間はどのようにこの単一返還について検討をなされたのか、お教え願えますか。 94 ◯久米専務理事  お答えをいたします。  単一返還につきましては、先ほど申し上げましたように、平成8年に英国の再処理事業者から提案がございました。しかしながら、その後、英国政府につきましては、単一返還の実施に関しまして、ちょうど1年前の平成7年のときでございますが、放射性廃棄物管理政策に関する白書というものがございます──これはイギリスのほうでございます──の中で、廃棄物の等価性が適切に計算されること、燃料再処理後25年以内に今回の低レベル相当の処分場が供用開始されることを前提条件としてございました。  こういう中で、平成9年に英国の環境大臣から、今回の低レベル相当の処分場が廃棄物の発生から25年以内に確立される可能性が低いという、こういう見解が示されまして、英国内におきまして、政府内では単一返還の実施に対して少し否定的な状況となりました。これを受けまして英国内におきましては、この25年という制約について再検討の議論が起こりまして、英国環境・食料・農村地域省というのがございますが、これが廃棄物管理政策を策定するために意見を広く求めた公開審議を開始をいたしております。これが、平成14年末には、英国貿易産業省が、単一返還の実施に伴う経済性や環境への影響等に対します評価を第三者機関に委託をした結果、平成15年に単一返還の実施が妥当である旨の評価を英国貿易産業省に提出をいたしました。  したがいまして、これらをもとに平成16年に英国貿易産業省が、単一返還について、交換指標を妥当とする意見公募を実施し、賛成多数の意見がございました。これらの経緯を踏まえまして平成16年12月に英国貿易産業省は単一返還の実施を認める声明を発表いたしました。これを受けまして我々もこれに向けて準備を進めてきたというところでございます。  以上でございます。 95 ◯工藤委員  コストの削減、輸送回数の減少ということでの話だということなんですけれども、しからば、この低レベル廃棄物と高レベル廃棄物の返還について、その返還指標という、ITPというのがあると思うんですが、このITP、正直言いましていまいちよくわからないんですが、どのような算定方法でその指標をつくっているのか、それちょっと御説明願えますでしょうか。 96 ◯森本原子力立地核燃料サイクル産業課長  今御質問ございましたITPということについて、先ほど、原子力部会でも議論はなされておりますので、まず私のほうから概略御説明を申し上げたいと思います。  このITPというのは、累積影響度指数というふうに呼ばれています。Integrated Toxic Potentialというのの頭文字を集めたものですが、これは、種類が違う放射性廃棄物について、放射線による影響がございます。その影響を定量化、いかに量を定めてはかるかという指標として、イギリスの再処理事業者でございますBNGSという会社が92年に提案したものです。当時はBNFLでございました。その指標として、廃棄体の交換比率の算定、計算のために用いるものとして提案されております。  御承知のとおり、高レベル放射性廃棄物と低レベル放射性廃棄物では、放射能の濃度も異なりますが、そこに含まれる放射性物質の種類も異なります。したがって、人体への影響等も異なります。こうしたことで、このITPと呼ばれる指標を使って、廃棄物による放射線の影響を相互に比較するということが可能となることでございます。  具体的には、このITPの計算に当たっては、放射性物質によって人にどのような影響があるか、潜在的にどのように影響があるかというものをはかる計算をして、それで人体への放射線の実効線量と呼ばれるものを評価するわけでございます。  廃棄体の実際の交換比率、交換をするときに、違った廃棄物を交換をするときの算定にこのITPを使うということに関しましては、先ほど申し上げました国の審議会であります総合エネルギー調査会の原子力部会の放射性廃棄物小委員会において検討を行ったわけでございます。  その結果、先ほど申し上げた原子力立国計画におきまして、人への潜在的な影響を評価することが可能であって、また、廃棄体の形が違っても、差異による影響を受けないということ、それから、計算が一定の簡便さでもって行えるということで、一定の合理性を有しておって、したがって、放射線の影響が同じであるということを確認するための契約上の指標として適当であると認められると結論づけられているところでございます。  以上でございます。 97 ◯工藤委員  このITPについては私も事前にちょっと説明を聞いたんですが、地層処分して地表に出てくるまでが大体500年であろうと。その後からこの10万年の間に受ける影響度数を通常我々が受ける1年間の平均まで薄めるのにどのぐらいの水を飲めばいいのかというのを比率的に出したものだというふうに伺っているんですけれども、それでよろしいんですよね。 98 ◯森本原子力立地核燃料サイクル産業課長  実際の計算に当たっては、おっしゃるように、水でどれだけ薄めることができるかということで、1年間に普通の人が飲む水の量を、おっしゃるように、500年から10万年までの間、積分という計算を行ってやっているところでございます。 99 ◯工藤委員  その委員会の審査において、妥当であると。簡便な指標であると。ある一種の目安として評価されたということであります。今のその検討の結果、原子力政策大綱に先立つ平成15年の総合資源エネルギー調査会電気事業分科会コスト等においての議論があった内容だということでございます。それも質問させていただきました。  最後に、国として、原子力政策大綱の策定に当たり、単一返還に関する検討を盛り込むという判断をした理由は何なのか、また、その判断をした時期はいつだったのかというのをお教え願います。 100 ◯中村参事官  お答えいたします。  先ほど内閣府の原子力委員会での議論の開始時期については述べさせていただきました。その議論は、さまざまな議論がございました。今回の単一返還については非常に重要なものであるということで議論を取り上げまして、委員からはさまざまな意見が出てございました。  そのいろいろな議論の結果を取りまとめた時期についての御質問でございますけれども、先ほど、16年から長計の検討が始まり、17年の2回会議がありというところまで御説明いたしましたけれども、その後につきましては、具体的なやりとりについては、ホームページで公開しておりますので割愛させていただきたいと思いますけれども、御意見を聞く会を全国何カ所かでも開きましたし、それから、パブリックコメントということで国民にいろんな意見を求めました。そのような答えも反映させながら最終的に大綱というのはまとめたものでございまして、大綱をまとめたのが17年の10月ということになってございます。 101 ◯工藤委員  大綱を、17年ということですね。  その後、原子力の立国宣言を18年8月にしていると思うんですが、その計画というものは、計画自体の立案は10年、それの見直しが5年という計画になっていると思うんですね。来年度が見直しの時期になっていると思うんですけれども、これからまたその見直しをする段階において、今のこの単一返還も含めていろんな課題が出てくると思います。それをやはりリアルタイムで進めていくべき案件でもございますので、情報提供も含めて今後も、原子力協力県として、本県に対しての情報提供を私からお願いしたいと思います。  以上で終わります。 102 ◯神山委員長  熊谷委員の発言を許可いたします。──熊谷委員。 103 ◯熊谷委員  それでは、私からは初めに、海外返還廃棄物の海上輸送時における安全性と責任の所在についてお伺いをいたします。  安全性チェック・検討会から出された説明書では、海外返還廃棄物の受け入れに係る安全性につきまして、廃棄物輸送船がむつ小川原港へ入港時の際に必要な安全対策を確実に実施をすること、そして、着岸後の陸上輸送については記されております。しかしながら、輸送船が着岸するまでの公海上、いわゆる公の海、あるいは青森県のこの海域を含む経済水域、200海里内における安全性については議論も、また、説明も見えないというところだと思います。  そこで、公海を初め日本の経済水域、200海里内の海上における輸送上の安全対策はどのようになっているのかについてまずお伺いをいたします。 104 ◯田沼理事・原子燃料サイクル事業推進本部長  熊谷委員の御質問にお答えします。  まず、海外から返還される廃棄物の輸送に使用する輸送船、これは、安全な航行をするために、万一船舶との衝突ですとか座礁ですとか、そういうものを考慮いたしまして、船体の側面、それと底のほう、底面、それを二重構造としまして、浸水に対して十分な浮力を保つことができる、極めて沈みにくい構造の船となってございます。
     また、安全航行をするために、航海のレーダーですとか、衝突などの事故を未然に防止するための自動衝突予防援助装置というものをつけておりまして、それで、さらに自動的に海の深さを測定しながら、音響測定器等を備えておりまして、この返還廃棄物自体、そもそも不燃物ではあるんですけれども、万一の火災に備えまして、廃棄体の輸送容器を納めている船の区画ごとに防火設備を適切に配置するということで、十分な火災対策についても講じております。  また、実際の輸送に当たりましては、むつ小川原での入出港時は、原則として水先案内人、これを乗船させたタグボートを使用するといったことを講じておりまして、安全な運航に万全を期していると。  この輸送船のそもそもの構造要件につきましては、国際的に、国際海事機構という機構がございまして、そこが放射性廃棄物ですとか使用済み燃料ですとか、運ぶための船の構造要件をつくっております。それを我が国の国交省が受けておりまして、海査450とか海査540とかいう番号で法律化しておりまして、構造的な要件は国際的にも国内的にも定められておりまして、それに従った運航、船をつくって運航しているという状況でございます。 105 ◯熊谷委員  今御答弁いただきました。公海上の安全性の議論だけではなくて、万が一この輸送船が海難事故を起こす、最悪の場合は沈没事故を起こすというようなことになれば、海面を利用する第三者に対して損害賠償が生じるような被害が発生することも想定されるわけであります。その際、一般的な事例ではありますが、船籍が外国船である場合に、責任の範囲や所在が見えにくいといった事例も過去にあったかと思います。  そこで、輸送船の荷主、運航責任者、賠償責任保全等の実態についてお伺いをいたします。 106 ◯田沼理事・原子燃料サイクル事業推進本部長  御質問にお答えいたします。  まず、輸送船に積んだ容器の荷主、これは我々電気事業者でございます。それと、運航責任者につきましては、我々電気事業者が、契約に基づきまして海外の船会社にお願いしております。今は、現在はPNTLという会社の運航会社のほうにお願いして輸送していただいています。  次に、賠償責任のほうでございますけれども、通常の油による汚染ですとか船舶の衝突や網を壊したといったような一般的な事故に関する損害につきましては、公海、日本領海内問わず、船舶の所有者であります今申しましたPNTL、これが船主の責任保険、船主責任保険に加入しておりまして、当該保険に基づき補償されることになっております。  また、公海上、原子力災害に関しましては、英国の、イギリスの原子力損害賠償制度に基づきまして原子力保険が掛かっており、これによって対応されます。また、日本の領海内における原子力災害におきましては、日本の原子力損害賠償法に基づきまして、我々電気事業者が責任を負うことになっております。万一電気事業者の保険の限度額を超えるような損害が発生した場合には、国のほうで被害者保護のために必要な措置をとるということになっております。  これらは、これまで運んできています高レベル放射性廃棄物の輸送に実際に適用されておりますけれども、これから考えております低レベル放射性廃棄物についても同様な対応をしていこうということで考えております。 107 ◯熊谷委員  仮に受け入れとなった場合、安全性の確保が第一であることは言うまでもありませんが、事故が起きたとき、漁業被害を初め、県民生活に大きな影響を与えるということも想定されるわけであります。洋上における安全性の確保と賠償責任の保全について、十分に留意されることを指摘をさせていただきます。  次に、最終処分場の選定です。単刀直入にお伺いをいたします。  この受け入れに当たって、県民説明会でもいろいろと意見が出てきたようであります。県民の不安の一つが、この最終処分場の選定の動向であります。計画では、最終処分は平成40年代後半を目途として開始としてありますが、国及び事業者の最終処分地選定に向けた現在までの取り組み状況と今後の見通しについてお伺いをいたします。 108 ◯森本原子力立地核燃料サイクル産業課長  お答え申し上げます。  高レベルの放射性廃棄物の処分につきましては、この処分場の選定は、エネルギー政策をやっぱり推進していく上で必須の課題というふうに認識しております。そうした認識のもとで、この処分事業について、今、委員御指摘のとおり、平成40年代後半を目途に処分の開始というスケジュールを立て、これを踏まえて、一刻も早い文献調査の着手に向けて取り組みを進めているところでございます。  特に、高知県東洋町で一たん応募があったところ、その後取り下げもあったということで、こうした反省も踏まえて、平成19年度からは、公募のみだけではなくて、国による文献調査の実施申し入れというものを可能とするとともに、あわせて、その地域でのいろいろな形での地域振興構想の提示といったようなことも行っているところでございます。  もちろん、同時に、国民との相互理解ということを深めるために、全国47都道府県でのエネキャラバンというふうなシンポジウムの事業、それから、さらによりきめ細かい形で住民参加型のワークショップを行っているところでございます。  さらに、昨年10月には、「放射性廃棄物処分広報強化月間」として、国と原子力発電環境整備機構──NUMOが実施主体でございます。NUMOと連携して集中的な広報活動を行ったところでございます。  いずれにしましても、一刻も早く文献調査に着手できますよう、国が前面に立って、これらの事業者とも連携しながら最大限努力してまいりたいと思っております。  以上でございます。 109 ◯久米専務理事  今、国のほうから御説明がございましたとおり、私ども電気事業者といたしましても、国、NUMOと連携を強化をいたしまして、平成40年代後半を目途に操業開始できるような積極的な理解活動に取り組んでいるところでございます。  具体的には、平成19年9月に電気事業連合会内に地層処分推進本部というのを設置しておりますほか、平成21年3月には、NUMOと共同で北の丸科学技術館にPR施設を設置し、理解活動に努めております。それからまた、各電気事業者も、それぞれのPR館の中にこの地層処分についてのPR施設等、展示物等を設けましてPRに努めているところでございます。  また、先ほどお話がございました、昨年10月におきましては、NUMOが実施をいたしました「あなたはどう考えますか?「電気の廃棄物」問題」というのをスローガンに、私どももこれに協調する形でキャンペーンを行っていると。キャンペーンというか、PRをしっかりやっているというところでございます。  以上でございます。 110 ◯熊谷委員  今いろいろ御答弁をいただきました。それと、前回の議員説明会の後にもいろいろと説明をいただく場面もあっておりますが、大変失礼な言い方かもしれませんが、正直言って、この程度のことしかやっていないのかなというふうな印象を持っております。単に説明会、シンポジウムの開催ということだけでなくて、もっと具体的、インパクトのある理解促進策というものも進めていただきたい。  そして、本県を最終処分地にしないという、国は文書で確約をしておりますが、改めてでございますけれども、この青森県民の不安を受けとめて、最終処分場の選定をとにかく急いでほしい、そのことを強く求めます。  最後に、地域振興であります。  これも県民説明会において意見が出たようでありますが、県民の関心が高いのが原子燃料サイクル事業に伴う地域振興であります。本県は、改めてまた申し上げますが、全国の原子力発電所の運転を支える六ヶ所再処理工場を初め、中間貯蔵施設、MOX燃料加工施設などが立地し、他の原子力施設立地地域とは異なり、国の原子力政策への貢献度が高いと、私はそのように考えております。  自民党会派におきましても、これまで、全国のいろんな原子力施設が立地する地域を調査をしているところでありますが、原子力発電所が複数、多数立地している地域というのは、生活基盤、産業基盤の整備というのがやはり進んでいるなというふうに受けとめております。  一方で、県内のこの電源地域の皆さんの声を聞いておりますと、まだまだ整備途上にあり、地域振興を今後一層充実させていくべきだという意見があり、そういう県民の意見というものを我々自民党はしっかりと受けとめて、国や事業者にお伝えをする責任があるというふうに思っております。  そこで、原子力政策に対する本県の貢献度に対する国の認識と本県に対する地域振興の基本的な考え方についてお伺いをいたします。  同様に、我が国の主要な原子力施設が立地している本県において、事業者はこれまでどのような認識のもと、本県の地域振興にどのように貢献してきたのか、さらに、今後の考え方についてお伺いをいたします。 111 ◯横尾電力・ガス事業部長  お答え申し上げます。  原子力政策におきまして、核燃料サイクル政策、これは我が国の基本方針でございまして、先般、6月に閣議決定をされましたエネルギー基本計画におきましても、中長期的にぶれない、確固たる国家戦略として着実に推進するというのを盛り込んでございます。  今御指摘のとおり、ここ青森県は、この核燃料サイクルの施設の集積地でございまして、我が国の国策である核燃料サイクル政策のかなめとなる地点でございます。これまで、地元県民の方々の御理解と御貢献に大変感謝をしている次第でございます。  核燃料サイクル政策を推進していくに当たりましては、地域がサイクル施設とともに発展していけますように、共生、そして地域の振興というのが大変大事な課題であるというふうに考えてございます。  私ども、地域の創意工夫を生かした地域振興が図れるようにということで、いわゆる電源三法に基づく電源立地交付金制度等々、支援措置を講じてございます。昨年の11月にも事業仕分けの対象になりましたが、この電源立地交付金制度の重要性を指摘して、むしろ使い勝手がよくなるようにということで不断の改善を図っているところでございまして、引き続きしっかり地域振興を図ってまいりたいというふうに考えてございます。 112 ◯久米専務理事  電気事業者のほうから御回答を申し上げます。  私ども電気事業者といたしましては、やはり日本原燃と協力して、原子燃料サイクル事業を着実に推進をし、地域と共存共栄を図っていくことこそが最大の地域貢献であるというふうに考えてございます。  これまで、具体的な地域貢献につきましてでございますけれども、日本原燃の事業に対しますメンテナンス見本市によります県外企業の進出の御支援、あるいはむつ小川原地域・産業振興財団を通じての県内市町村に対する助成事業等を行っております。今後とも、地域と共存共栄を図っていくよう努めてまいる所存でございます。 113 ◯川井代表取締役社長  日本原燃のほうから私どもの考えを御説明したいと思います。  私どもは、地域との共存共栄、これが経営の基本であるというふうに考えております。そういう意味では、まず事業をしっかりと進めること、とりわけ最大の事業であります再処理工場、これをしっかりと竣工に持っていきたいということが大事であるというふうに考えています。  そういう上に、加えて、私ども、青森県の企業でございますので、何がしか地域の皆様にお役に立ちたいということで、具体的に言いますと、雇用面では、私ども、社員が2,300名ほどおりますが、約6割弱が青森県の皆さん。協力会社の皆さん、大体2,000名おります、これはほとんど恐らく青森の皆さんだと思いますが、そういう中で、採用につきましても、毎年大体100名程度採用してきておりますが、約半分の高卒の皆さんについては青森県出身の皆さんを採用すると。  それから、最近うれしいのは、大学卒の皆さんも、青森県出身の方が、東京なら東京の大学に行かれて、また戻ってきて、六ヶ所で働きたいという方がふえていまして、その100名の中の8割が今青森県出身ということになっております。  そういう意味では、何がしか雇用の面でもお手伝いできているのかなというふうに思いますし、もう一つは、再処理工場が竣工していきますと、当然のことながら予備品等々が必要になってきます。それから、メンテナンスも始まります。そういう仕事の中で、ぜひ青森県内の企業の皆さんに手を挙げていただきたいということで、予備品倉庫見学会とかメンテナンス見本市とか、あるいは元請の皆さんとのお見合い会みたいなことをやって、ある程度いろんな形で青森県の企業の皆さんが我々と一緒になって仕事をしていただける状況になってきたと。  いずれにいたしましても、今後とも地域に根差した企業を目指して何とかお役に立っていきたいというふうに考えておりますので、ぜひ御理解を賜りたいと思います。 114 ◯熊谷委員  そこで、今回の海外返還廃棄物の受け入れに伴う電源三法交付金上の取り扱いについて、県はどのように考えているのか。そして、県の答弁を踏まえて国はどのように考えているのかお伺いをいたします。 115 ◯阿部エネルギー総合対策局長  お答えいたします。  六ヶ所村の原子燃料サイクル施設について、県としては、安全確保を第一義に、地域振興に寄与するとの観点からこれまで協力してきたところでございまして、国からの電源三法交付金の交付による支援措置は、地域振興を図るため非常に重要なものと認識してございます。  今回の海外返還廃棄物の受け入れの是非につきましては、現時点で最終的な判断はなされてはいないものの、仮に受け入れるとした場合、新設される低レベル放射性廃棄物受け入れ・貯蔵施設の着工などに伴い、他の原子力関連施設と同様に、国に対し、電源三法交付金の交付を求めていきたいというふうに考えております。 116 ◯横尾電力・ガス事業部長  国のほうでございますが、ちょうど今週27日に来年度の概算要求基準が決定をされたわけでございますが、電源立地交付金をめぐる財政状況が大変厳しいわけでございますが、先ほど申し上げましたとおり、核燃料サイクルに占める青森県の重要性にかんがみまして、今、県のほうから御答弁がございました、仮に受け入れた場合、電源三法交付金の交付を求めていきたいという県の御要望を重く受けとめまして、真摯に検討してまいりたいというふうに考えてございます。 117 ◯熊谷委員  重く受けとめて真摯にという、一定の前向きな答弁であったというふうに理解をしたいとは思います。  今回の受け入れは、地層処分相当の低レベル放射性廃棄物の受け入れと単一返還という特別な事情があります。仮に受け入れるという判断がなされた場合でありますけれども、この返還廃棄物貯蔵の政策的重要性というものを十分に考慮いただいて、地元の要請も踏まえて、できれば県民に見えるような形での地域振興というものを考えていただきたいと思います。  そして、改めて申し上げます。何よりも最終処分地選定の件であります。具体的な進捗がもう少し見られていれば、今回のような事例に対する県民の受けとめ方も違ったのではないかなというふうに思います。どうか最終処分地の選定を急いでいただきたい。  これからも我々青森県民は原子燃料サイクル施設と共存していくわけであります。先行き不透明なプロジェクトと共存していくということは、不安を抱えながら県民生活を送るということになるわけでありまして、そのことを十分受けとめていただきたい、そのことを申し上げて、終わります。 118 ◯神山委員長  午さんのため、暫時休憩いたします。  なお、再開は午後1時10分といたします。 ○休 憩  午後 0時07分 ○再 開  午後 1時10分 119 ◯高樋副委員長  休憩前に引き続き委員会を開きます。  質疑を続行いたします。  山内崇委員の発言を許可いたします。──山内委員。 120 ◯山内委員  それでは、質問をさせていただきます。  基本的に推進の立場で、推進の推進の立場で質問させていただきますけれども。  まず最初に、何点かかぶっているところもありますので、非常に自民党の質問の内容が濃かったものですから、私は余りかぶらないようにしてやりたいと思いますが、確認の意味も含めて改めて伺うところは伺います。  まず最初に、2点伺いたいと思いますけれども、単一返還について、これについて2点伺いますが、国、事業者がどのような検討を行ってきたのかという話は先ほどの質問で一定程度明らかになったかと思っております。
     そこで、私はその検討の粗々の部分もそうでありますけれども、イギリスから提案を受けて、その後の検討というものがなされて、それに対しての具体的な評価、有益性を認めるというふうな形になっているわけですけれども、その評価について、端的にまずそれぞれの立場の皆様から伺いたいと思います。  そして、電事連の方には改めて、資料はいただいておりますけれども、単一返還によらない場合、改めてこれも聞くわけですけれども、単一返還によらない場合どういう事態が想定されるのかということを改めて伺いたいと思います。  以上2点でございます、まず。 121 ◯森本原子力立地核燃料サイクル産業課長  今の御質問に関して、評価に関して、国の審議会で行われたところの結論だけ申し上げます。  これは、原子力部会の原子力立国計画のところでまとめられておるものでございますが、評価につきましては、イギリスからの提案は、輸送時のセキュリティー上のリスク低減や関係諸国との調整事務の軽減、経済的なメリットなどにおいて、我が国にとっても有益なもので、認められると。  それから、先ほどちょっと私も御説明申し上げましたITPでございますが、廃棄体の交換比率の算定に用いる指標についても、一定の合理性を有しており、放射線による影響が等価であることを確認するための契約上の指標として適当であると認められるというふうに評価されております。  以上でございます。 122 ◯久米専務理事  私ども電気事業者といたしましては、やはり廃棄物の交換を行った場合、輸送回数の低減、あるいは一時貯蔵施設や処分施設等の縮減が可能となりますので、ぜひ実現したいという評価でございます。  以上でございます。 123 ◯中村参事官  御説明申し上げます。  大綱を受けて、さらに詳しい検討の結果についても、森本課長からお答えされてしまったところでございますけれども、大綱でどう書いたかということだけ私のほうから御紹介をさせていただきます。  大綱の議論におきましては、廃棄物量の低減が考えられること、それから輸送回数が低減するということ、それから、我が国における管理施設の規模が縮小できること、このような効果があるというふうに検討をされてございます。  以上です。 124 ◯久米専務理事  単一返還によらない場合、どういう事態が想定されるかという御質問でございますが、これにつきましては、先ほどから、この単一返還によりますメリットにつきましては、国等でも御検討いただき、我々事業者としては非常に有意義だというふうに考えておりますので、ぜひとも地元の方々の御理解を得た上で進めさせていただきたいというふうに考えているところでございます。  しかしながら、仮に単一返還によらない場合におきましては、イギリスからセメント固化体など約7,800本の低レベル廃棄物が返還されることになりますので、それにあわせた輸送回数の増加、それから一時貯蔵施設や処分施設などの拡張などを計画せざるを得ないことになります。  具体的には、廃棄物の交換をいたしますと、輸送回数が1回で済むところでございますが、これが25回程度となるということでございます。それから、処分施設の規模も約4倍程度必要になるということでございます。 125 ◯山内委員  そこで、もう一点伺います。  単一返還によって1,300億円のコスト削減がなされると。経済的メリットというお話がありましたが、この点についての見解を伺います。 126 ◯久米専務理事  1,300億円という数字でございますが、これにつきましては、単一返還を採用することによります我が国におけるメリットとして、平成18年の国の資源エネルギー調査会原子力部会放射性廃棄物小委員会において提示をさせていただいた試算値でございます。これは、電気事業者の利益となるものではなくて、将来にわたり皆様がお支払いいただく電気料金に反映されるものでございます。  具体的に説明をさせていただきますと、廃棄物の処理・処分などの費用は、バックエンドの積立金制度というものが法令などで規定をされてございます。これは、将来発生いたしますバックエンド費用を、世代間の公平の観点から、あらかじめ電気料金で回収して積み立てていくものでございます。積立額は、法令によって国が決定するものでございます。  このため、積立金制度では、例えば費用総額が当初の想定より1,300億円減少するとされた場合、国は、それ以降に電力会社が積み立てる額を1,300億円減少をさせまして、積立総額と費用総額を一致させる仕組みとなってございます。  したがいまして、単一返還に伴い電力会社が支払います費用総額が1,300億円減少することになりますれば、積み立てのために電気料金で回収する額も1,300億円減少することとなります。つまり、電力会社の利益となるものではなくて、電気料金をお支払いいただきます皆様方全員のメリットにつながるものでございます。  以上です。 127 ◯山内委員  みんなの電気料金にはね返る問題ではありますけれども、事業者にとってもプラスがあるということはもう一目瞭然なわけで、あえて紹介しなかったのかもしれませんけれども、コスト削減の部分では、輸送費用、あるいは貯蔵費用、処分費用ということでかかるわけですけれども、それに対して、英国に対しての650億の支払いも含まれていると。ここら辺をどう理解していいのかという部分はありますけれども、この点で話がややこしくなるようなところもあるわけであります。  地域振興の話もあるわけですけれども、それほどにこの地域、青森県というのは、雇用や経済というものが非常に厳しい。そういう中にあって、地域に対しての支援というものを求める声というのは非常に強いわけです。先ほどの三法交付金の話もありましたけれども、それについては後ほど触れますけれども、やはりこういう厳しい情勢であればあるほど、こういうコスト削減だけを言って理解を求めるということも、経済的メリットだけではなくて、本来そこに入る以前の問題として、環境に対しての負荷はどうなのかと、そういう視点がこの説明には私は欠けているのではないかなという気がするわけでございます。  単純に経済的メリットだとか輸送回数だとか貯蔵施設と、それだけでは説明はやはり十分とは言えないと、こういうふうに私は指摘をしたいわけでございますけれども、ですから、やはり金銭面だけではなくて、環境への負荷、CO2を含めて今の温暖化を考えたときに、今回のこの単一返還の方式がどれほど有益性があるのかということ、そういう説明が足りないのではないかと。この点について、いま一度答弁をいただきたいと。国の評価も含めて。国も、ぜひこの点については、これまで原子力政策大綱、あるいは原子力立国計画の中でこの有益性というのはうたってきておるわけでございますけれども、そういう環境面についても、やはりまず第1に言うと。そして、その上で経済的な分野も含めて言うと。これが筋ではないかと思いますが、いかがでしょうか。 128 ◯中村参事官  お答えいたします。  先ほど来の御説明の中で御説明不足のところがあって、まことに申しわけございませんでした。  原子力委員会、大綱の検討をさせていただいたというふうに御紹介しましたけれども、その中の第19回、平成17年の会議でございましたけれども、多くの意見が出てございました。例えば、今ちょっと、手元にありますのは議事録ですので、細かくは申し上げませんけれども、ある委員からは、やっぱり廃棄物というのは高レベルよりは低レベルのほうが扱いやすいんじゃないかとかという議論もありました。あるいはまた別の委員からは、廃棄物のことを考えるならば、できるだけボリュームが少なく、小さいほうが環境には優しいですよという議論もございました。  いろんな議論はございましたけれども、廃棄物の取り扱いについては、放射性廃棄物を最小化しようというのは、これはやっぱり原則じゃないかと。それが環境にも優しいことになるぞというような議論がございまして、大綱の中では、結論として、やはりこれは進めるべきじゃないかというような結論に至った経緯がございます。 129 ◯田沼理事・原子燃料サイクル事業推進本部長  お答えします。  環境への負荷という観点から申し上げますと、先ほど御答弁がありましたように、廃棄物は、基本的には容量の小さいほう、それをねらってこれまで、一般の廃棄物もそうですけれども、産業廃棄物もそうですけれども、ボリュームを小さくしようということで我々努力してきております。  今回の単一返還のことに関しましても、ボリュームを小さくするということで、環境負荷を含めて大きなメリットがあるんであろうという判断をしております。ちなみにですけれども、輸送回数が25分の1になるということを考えましても、今の輸送船、かなりCO2を出しながら走っておりますので、その点からも地球環境に優しい対応ではないかなと思っております。  以上です。 130 ◯山内委員  単一返還方式については、おおむねこれについては妥当であり、極めて有益性が高いという評価で関係者は一致しているというふうに考えます。  それでは次に、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターについて2点伺います。結果として低レベルの貯蔵施設の建設が間に合わないということで、機能追加してこれをやっていくと。高レベルのほうで受け入れるということになるわけですけれども、この機能追加3項目に関しての工事の内容、経費、工期等について伺います。  あわせて、現在1,440本の増設の工事が行われているわけでございますけれども、この見通しと海外返還廃棄物を含めた施設の運用について、全体について伺います。 131 ◯大和代表取締役副社長  お答え申し上げます。  まず、御指摘の機能追加3項目の工事内容でございますが、第1項目の制御設備のソフトウエアの機能追加についてでございますが、現在、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターには高レベルガラス固化体を受け入れておりますが、これに加えまして、今回お願いしております固型物収納体及び低レベルのガラス固化体、これを取り扱うということになりますので、これらの廃棄物をまず取り扱えるようにするということ、それとともに、廃棄物の取り違えを防止することができる、そういったソフトウエアにしていくということが第1点であります。  第2項目は、受け入れ検査、それから測定装置の機能追加ということでありますが、重量測定の範囲の変更、それから比較的低い放射能、ガラス固化体に比べまして10分の1、あるいは100分の1程度ということになりますので、比較的低い放射能を測定できるような測定レンジの変更などを計画しております。  3項目めの放出管理設備の機能追加でございますが、廃棄物は、溶接構造のステンレス鋼性の容器に収納されて、閉じ込めが確認されたものを受け入れ・貯蔵いたしますので、内部から放射性物質の漏えいはないと考えておりますけれども、万一のことを考慮いたしまして、検出しやすいクリプトン、あるいはトリチウム等を監視・測定する装置の設置工事を計画しております。  次に、工期でございますが、地元への御説明、御理解を得た上で、廃棄物管理事業変更許可申請を行うなど必要な許認可を取得した後、2012年10月からの着工を計画しておるところでございます。  なお、工事期間につきましては、全体で約1年程度を想定しております。  最後に、費用でございますが、現在、精査いたしておるところでございますけれども、数十億円程度となるものと想定しておるところでございます。 132 ◯越智理事・再処理事業部再処理計画部部長  日本原燃の越智でございます。それでは、先ほどの質問についてお答えさせていただきます。  高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター、こちらのほうには、貯蔵容量1,440本のガラス固化体貯蔵設備がございまして、こちらのほうに英仏から返還されましたガラス固化体1,338本が今のところ貯蔵されている次第でございます。  また、これに加えまして、同容量、1,440本のガラス固化体貯蔵建屋B棟を現在建設しているところでございます。この建屋につきましては、来年2月の竣工を予定しているところでございます。  それで、これが完成いたしますと、貯蔵容量といたしましては、両方合わせて2,880本となりまして、単一返還を含むガラス固化体の貯蔵というものを考慮いたしましても、650本の余裕が生まれるということとなります。  現在はガラス固化体を貯蔵しているところでございますが、今回お願いしているところの仏国から返還される固型物収納体及び低レベルガラス固化体も貯蔵するということになりますが、貯蔵に当たっては、同じ収納管にこれらの廃棄物が混在しない、まざらないように収納する計画でございます。  また、ガラス固化体は現在9段積みで貯蔵しておりますけれども、固型物収納体につきましては、その重量が重いということもございますので、収納管1本当たりの貯蔵本数を5本程度に制限するというような計画をしているところでございます。  なお、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターに貯蔵いたしました低レベル廃棄物は、処分場に搬入されるまでの間は、そのまま貯蔵する計画でございます。  以上です。 133 ◯山内委員  そうすると、今の追加工事は2012年の12月ころ着工で1年間の工事、数十億、かなりアバウトな話ですけれども。これにCSD-C、Bが入るわけですよね。そうしますと、2013年の返還ということになりますと、これは間に合うんでしょうかね、これ。そこをちょっと確認をさせてください。  もう一点伺いますけれども、2013年までにフランスから返還される低レベルの見通しと、英国からの高レベルガラス固化体、これの返還の見通し、つまり海外返還廃棄物の返還の見通し、これについてもあわせてお知らせください。 134 ◯川井代表取締役社長  まず、最初の御質問につきまして私のほうから回答させていただきたいと思いますが、先ほど御説明したように2013年……、それにつきましては、それほど裕度はないということでございます。地元の御了解をいただきますれば、その後速やかに国のほうに事業変更許可を申請をしたいと。その後、国の安全審査ということになります。国から、安全審査で、これでいいだろうと許可をいただいた後、着工と。それが先ほど御説明しましたように12年の10月と。工事期間が1年ということで、そういう意味では、2013年返還受け入れという意味ではそれほど裕度がないということでございますので、正直な気持ち、できるだけ速やかに御了解いただきたい、御理解をいただきたいという気持ちでございます。ぜひよろしくお願いいたします。 135 ◯丸茂原子力部部長  高レベル放射性廃棄物の貯蔵管理センターに返還される見通しについてというお話でございましたけれども、まずフランス分につきまして、低レベルの放射性廃棄物、CSD-C、CSD-Bについて、具体的な返還の計画、本数は関係者間で調整中でございますが、2013年度には固型物収納体、低レベルの放射性廃棄物のガラス固化体、CSD-C、CSD-Bにつきまして、輸送容器1基分、約20本程度なんですが、これにつきまして、このセンターのほうに受け入れ・貯蔵する予定でございます。  その後、低レベルの廃棄物受け入れ・貯蔵施設が2018年度に操業を開始するまでの間、こちらの高レベルのセンターのほうで受け入れる予定でございます。  また、英国から単一返還で返還されます高レベルの廃棄物、高レベルのガラス固化体でございますけれども、これにつきましては、ことしの3月から受け入れを開始してございまして、約10年間、8回程度の輸送で、850本、当初の計画の850本と合わせまして、単一返還分の70本を加えました数量を返還して受け入れる予定でございます。この8年間の計画につきましても、関係者間で調整していくということで考えてございます。 136 ◯山内委員  なかなか施設に関しては時間的な余裕が厳しいなという感じはいたしました。できるだけこういうふうな返還のスケジュール等については、防御の観点もあるでしょうけれども、明確にできる部分については、していただきたいなという感じでございます。  それでは、低レベルのほうに移ります。低レベル廃棄物受け入れ・貯蔵施設について、これについてまず伺います。  この低レベル放射性廃棄物は、2013年返還開始ということでフランスと合意しているということは御案内のとおりでございますけれども、これが2013年に決まった経緯についてお伺いをいたします。電事連に伺います。 137 ◯久米専務理事  お答えをいたします。  平成16年、2004年から2005年にかけまして、フランスのアレバNC社との間で返還について協議を行ってまいりまして、その中で、2013年に返還をするということで合意をしているということでございます。 138 ◯山内委員  それはそうでしょうよ。伺いたいのはね、もう少し、ですから13年になるにしても、フランスからはもっと急いで返して、もっと早く持っていってくださいとか、そういう経過がないんですかということですよ。そういう中で、こちらとの、電事連さんとの、事業者とのやりとりの中でいろいろあったけれども、交渉の結果こうなりましたということで答えてもらわないと話が次に行かないじゃないですか。お願いします、もう一回。話せる範囲で。──じゃ、委員長、少し考えていただきまして、じゃ先に。これがないとちょっと次の質問に行きづらいんですけれども。大丈夫ですかね、いいですか。
    139 ◯丸茂原子力部部長  2004年から2005年にかけまして、アレバ社と日本電力の間で、いつから返還できるかということを協議してまいりました。その時点で、アレバ社のほうは2008年からの返還を求めてまいりました。それで、他の国を申しますと、オランダが2009年から、スイスが2009年から、それからベルギーにつきましては2010年からの返還ということで合意してございまして、そのように彼らのほうは返還が開始されているところでございます。  日本電力としましては、2005年の段階で、2009年からの返還では施設の建設等間に合わないというお話をさせていただいて、2013年に決まったという経緯でございます。 140 ◯山内委員  それほど早い段階から返還廃棄物についてはフランスとの間での話し合いというのはあるわけですよね。そういう中で、今この低レベルの廃棄物貯蔵管理施設が間に合わないということについては、やはりこれは問題だと言わざるを得ないわけでございます。  そこで、次の質問に関連して移るわけでございますけれども、2013年に操業を開始しなければならない施設が、先ほども質問あったわけですけれども、もう一度伺います。県は、2018年操業となったことについて県はどう受けとめているのか。この間の経緯もありましたけれども、それをまとめてひとつお答えをいただきたいと思います。 141 ◯阿部エネルギー総合対策局長  先ほどもお答えしたわけなんですけれども、平成18年10月の事業者からの要請があった際には、2013年ごろから返還を開始したいという説明はあったわけですけれども、ただ、日仏当事者間の合意による搬出開始期限であるという説明がなかったため、緊急性等については特に感じられなかったと。  県としては、まずは再処理工場のアクティブ試験に全力を傾注すべきであり、海外返還廃棄物についての検討は時期尚早であるという思いを伝えたところでございます。  また、その後、電気事業連合会及び日本原燃株式会社においては、平成18年の要請時に計画しておりました低レベル廃棄物受け入れ・貯蔵施設について、平成18年に発電用原子力施設に関する耐震設計審査指針が改定されたことに伴う設計対応、それから、平成19年に発生しました新潟県中越沖地震を踏まえた新しい知見の反映などによりまして、2013年からの海外返還廃棄物の受け入れが困難なものであることが明らかになったということでございまして、そこで、この返還期限を達成するため、いろいろな方策を検討したところ、既設の高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターにおいて、返還低レベル廃棄物の受け入れ・貯蔵することについて技術的なめどが立ったということで、今回の申請になったというふうに聞いております。 142 ◯山内委員  結局、今までの答弁を総合してみますと、阿部委員への答弁も含めて今聞いてみると、要はフランスとは2004年ないし5年のあたりから話があって、2008年からの返還という、当初そういう話もありましたと。日本以外の国への返還というのもあったでしょうから、そういうことがあったということで、最終的には2013年に落ちついたという経過だと思うんですよ。  ですが、結局この2006年当時の経緯というんでしょうかね、を考えてみると、事業者からの申し入れがあった時点で、要するに再処理施設の増設についてはオーケーだけれども、先ほどの答弁では、アクティブ試験に全力を傾注してほしいという県の立場、原燃の社長からは、恐らく再処理施設が2009年の8月には竣工予定で、間に合うと思ったのでという非常に県をおもんぱかった答弁がございましたけれども、やはりこのときの経過というのはいかがなものなのかなと。  余り知事に聞きたくないんだけれども、このときの経過について、こういうフランスからの申し入れ、今の答弁で明らかになりましたけれども、知事はこういうふうなやりとりは御存じだったのか。それがまず1点。  そして、このときの、結果として拒否する形になったわけですね、海外返還廃棄物については。今の局長の答弁にあるような形で。この点について、知事、おっしゃりたいことがあれば、ここはぜひ聞きたいところなんですけれども、御答弁をいただきたいと思います。 143 ◯三村知事  山内委員にお答えしますが、今、局長からも話があったんですけれども、この18年10月の要請においては、まず事業者からの要請だけでしたですよね。そして、国からの要請はなかったということは一応確認しておいてください。  それと、2013年ごろから返還を開始する計画云々ということよりも、その期限についての特に説明等がなくて、私ども、日本の国の国際的信用というお話もなかったというふうに認識をいたしております。したがって、先ほどもお話しさせていただきましたが、いろいろ、御案内のとおり、さまざまトラブル等々やりながらの中でのアクティブ試験スタートし、やっとこさ、それも3割程度の状況の中でございましたし、アクティブ試験に全力で傾注してほしいというふうにお話しさせていただくことは、私どもとして真っ当な筋だと思っております。 144 ◯山内委員  それじゃ、国のほう、エネ庁にも伺いますし、電事連にもまた伺いますけれども、結果として2013年の返還開始にこの低レベルの施設が間に合わなかったと。ずばり伺いますけれども、この2018年に操業が繰り延べになったということについて、責任についてはどのようにお考えになりますか。 145 ◯久米専務理事  青森県さんのほうにお願いをした時点で、アクティブ試験に全力をということでございましたが、その後、先ほどからも説明をさせていただいておりますけれども、新たな耐震新指針、これへの対応。あるいは新潟県中越沖地震を踏まえた新知見の反映などといった新たなものが出てまいりまして、この施設をつくるに当たって、そうしたことを考慮してまいりますと、2013年というのは非常に厳しくなったと。これはやむを得ないものであったというふうに思っております。最終的にそれがまとまりましたのが、昨年の4月ぐらいに、やはり2013年に受け入れ設備を完成することは非常に難しいということがわかりました。  その後、いろいろな方策を検討いたしました結果、今回御説明をさせていただいているような、既設の高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターでの返還低レベル放射性廃棄物の受け入れと貯蔵ということにつきまして、こういった工夫をすれば2013年の受け入れには間に合うと、めどが立つというところから今回お願いに上がっているところでございます。  そういった意味で、新たな耐震新指針、あるいは中越沖地震の新知見といったものが出てまいりましたので、これは、2013年度に建屋が間に合うという部分では、やむを得なかったというふうに判断をしております。 146 ◯森本原子力立地核燃料サイクル産業課長  先ほどのお尋ねの中で、2013年の返還開始と、それから2018年の操業について、事業者のほうからの計画は、今、久米専務からお答えしたとおりでございますが、2018年の操業までの間に、結局、高レベル廃棄物貯蔵管理施設に2013年からは貯蔵するということになるわけですけれども、この事業者の計画自体は、国としても妥当なものというふうに考えております。  一方、国としての責任といいますと、やはりこれらの施設で、貯蔵管理について、やはりしっかりと安全性を確認していくということに関して、これは国が責任を持ってやっていかなければいけないことだというふうに考えております。 147 ◯山内委員  何かちょっとさっぱりしませんけれども。もう一回確認します。先ほど知事は、さっきに戻りますけれども、そういう交渉の経過とかいろいろありますが、知事は知らなかったと、結論から言うと。ということですけれども、これについては、その後、正式というか、非公式にでも県に対して事業者は申し入れしてこなかったのかと。知事の答弁のあれで確認をさせてもらいますけれども、その点についてまずお答えください。  それから、例えばね、新たな要素、新知見云々かんぬんという話はあるわけだけれども、例えば2006年当時もし同意を得ていれば、もしの話はないかもしれないけれども、もしあの時点で作業に入っていれば間に合っていたのかどうか、これについてもお答えください。 148 ◯久米専務理事  2006年以降、特段の御要請はしていないというふうに聞いております。  それから、間に合っていたかどうかというのは、ちょっと仮定のお話でございますので、私どもとしては何とも申し上げられることはないというふうに考えております。 149 ◯山内委員  これ以上は時間もあれですから。ただ、皆様そうやっておっしゃるけれども、この事業というのは、中長期の見通しに立ってしっかり進めていくというのが当たり前じゃないんですか。例えば最終処分を考えたって、100年単位、100年でも小さいぐらいのスパンで進めていくわけですよ。それがわずかこの数年の間のやりとり。コミュニケーションもとれていないということでしょう、これは。知事に対して皆さんは、こういう交渉経過があって、13年にやらなければいけないと。13年から返ってくるということについて、しっかりとした申し入れを行ってこなかったということでしょう、これは。だから、知事は知らないと言っているんだよ。しようがないんだ、言わないんだから。  したがって、そういうことになると、皆様、本当に我々に対して、事業の推進、中身についてしっかりと話をしていくと。地元に対して話をしていくという姿勢を電事連は疑われるわけですよ。この点については、しっかり反省してもらわないといけないと思います。  次に、海外返還廃棄物についてに移ります。これは基本認識の確認ですから、短く答えてください。単一返還に伴う高レベル放射性廃棄物ガラス固化体並びにフランスから返還される固型物収納体、つまりCSD-C、CSD-B、この六ヶ所への搬入についても立地基本協定に含まれるというふうな理解でいいのかどうか、関係者、簡明にお願いします。 150 ◯阿部エネルギー総合対策局長  お答えします。  昭和59年の原子燃料サイクル事業に係る立地協力要請において、電気事業連合会から、海外に委託している使用済み燃料の再処理に伴う返還物の受け入れ及び一時貯蔵を行うことが示されているところです。今回の要請は、この海外から返還される放射性廃棄物について、返還数量や仕様など具体的な返還計画が示された上で要請がなされたものであり、県としては、海外返還廃棄物の受け入れについては、立地協力要請に包括的に含まれるものと認識しております。 151 ◯川井代表取締役社長  お答えいたします。  日本原燃としても、本件につきましては、ちょうど25年前になりますけれども、締結させていただいた立地基本協定に含まれる、包括されるものというふうに考えております。  しかしながら、英国からのこの今回の単一返還、返還する形としては新たに提案されたということで、これは立地基本協定締結後の考え方が今回示されたということになると思いますので、改めてこれにつきましては地元の皆様に御説明、御相談をさせていただいて御理解を賜りたいというふうに考えているところでございます。 152 ◯久米専務理事  ただいま原燃の川井社長がお答えいただいたのと全く同じでございます。同趣旨でございます。 153 ◯山内委員  包括的に県は含まれるという考え方で、しかし、基本的にはこれ、後からの部分ではありますけれども、CSD-C・B、あるいは高レベル、ハル圧縮体等々については、やはりこれは進めて、そういう認識のもとに、基本はそうだろうなというふうなことで確認をさせていただきたいと思います。  そこで、ちょっと県のほうに伺いますけれども、この返還廃棄物について、核燃料税、この課税対象として私は検討すべきと考えておりますけれども、いかがでしょうか。 154 ◯田辺総務部長  核燃料物質等取扱税との関係でございますが、これにつきましては、海外返還廃棄物の受け入れの有無にかかわらず、核燃料物質等取扱税条例の次期更新時、これが平成24年4月になりますので、この時点における県内原子力施設全体の状況ですとかそれに伴う財政需要等を踏まえ、総合的な検討が行われることになると思います。 155 ◯山内委員  非常にそつのない答弁で。核燃料税は平成3年に創設をされてきているわけです、1991年。その後、5年に1回の更新を経て今日に至っていると。今1,213億円、これまでの課税実績は1,213億円と。課税客体についても、それぞれ、使用済み核燃料を含めてあるということですから、これは当然、ちょうど平成24年ということであれば、いいタイミングでございますので、しっかりとこの点については対象としてやっていただきたいということを強く要望しておきます。  次に、先ほども質問があった三法交付金について。国の見解は、真摯に検討すると。前向きにやるということだと理解をいたしました。当然の話でございます。  これについて、今までの交付金の実績を見ますと、約2,000億円ほどあるんじゃないかと思っております。主な分としては、県分が──これは水力、火力も入っていますので、正確かどうかあれですが、ほとんどが原子力関係だと思いますので──例えば県分でいくと、今までに381億。地元の立地村を見ますと、六ヶ所が366億、東通が251億、大間が99億、こういうふうな形になっておりまして、これに隣接、隣々接が入ってくるわけでございます。しかしながら、それの対象となっている市町村というのは、やはり下北、上北に集中していると。  これまでも市町村と県の、その核燃サイクル交付金だとかさまざまな議論がありましたけれども、ここに来て、私はあえて立地村、立地の皆様からの誤解を恐れずに言わせていただくならば、三法交付金については、県全体の振興をどう考えていくのか、そういう観点からの検討も必要になってきているのではないかなと私は思っております。  それは、立地村、あるいはその周辺の地域との格差というものが今県内でも生じてきているのではないだろうかと。確かにそれを受け入れるに当たっては、大変な御苦労をなさって地元の皆さんがやってきているわけでございますけれども、しかし、青森県という全体を考えたときに、この三法交付金のあり方を含めて、よくよく検討すべき時期に来ているのではないだろうかと。  金額も金額でございますし、やはりほかの皆様も含めて、共存共栄、先ほど原燃の社長もおっしゃっていましたけれども、お互いにうまくやっていくと、こういう関係をしっかりつくっていくためにも、三法交付金のあり方も県も含めてしっかり検討していただきたいと思うわけでございますが、多分これは蝦名副知事は答弁できるんじゃないかと思いますけれども、これらについて、三法交付金、さまざま県の財政厳しき折でございますので、それについても、もし見解があればいただきたいなというふうに思っております。 156 ◯蝦名副知事  三法交付金につきましては、国のさまざまな配慮によりまして、先ほども、今、委員も述べていましたとおり、多額に上っているわけでございます。ただ、これは、法律上とか仕組み上、立地村とその周辺市町村等に限られているわけでございます。それで、あと25市町村につきましては、これらの交付金の対象にならないということなので、いわゆる電事連さんがむつ財団を通して、今現在は5年間で32.5億円を25市町村に、さまざまな地域振興のために配分をしているということでございますので、これらについては今後、私どもとしても、25市町村の御理解は非常に必要なものだというふうに考えておりますから、これらについては、国のほうで制度の改正等が行われる可能性があるのであれば、それらの要請もいたしますし、電事連に対しても要請をしていきたいというふうに考えております。 157 ◯山内委員  もう一つ踏み込まさせていただきます。先ほど、原燃の川井社長から、共存共栄もそうですが、青森県の企業として、地域における役割をしっかり果たしていきたいという、そういう趣旨の話があったと思います、雇用の面も含めて。私は、そういうお話については、非常に前向きで結構だと思うわけです。ですから、これを端的に申し上げますと、原子力産業というものをこの青森県においてどう位置づけていくのかと。いや、青森県だけではなくて、国の政策としてこれをどうとらえていくのかという、そろそろそういうところに踏み込んでいく時期が来たのではないかと。  いつまでも迷惑施設云々というような形での後ろ向きの、迷惑料をもらうような、これは言葉はちょっと適切でないかもしれないけれども、そういう交付金制度ではなくて、地域をつくって、これからの日本の産業とか、アジア地域における役割をしっかり果たしていくと。そのための原子力産業を育成すると、こういう方向に進むべきではないかと思いますけれども、これは日ごろ思っていることでございますので、ぜひこれ知事、知事の意見と私の意見は多分かぶっているところが多いかと思いますが、これに関しては。ぜひこれは知事の答弁をいただきたいし、エネ庁が今これに関してコメントできる立場にあるかどうかはわかりませんけれども、国の立場でコメントできる方、いたらお願いします。 158 ◯三村知事  山内委員にお答えします。  御案内のとおり、私ども、御審議もいただきましたが、「未来への挑戦」の中においても原子力産業の振興ということを掲げておりますし、また、これまでも、環境エネルギー産業振興戦略という中において、この位置づけもしっかりと示してまいりました。  我々青森県、いわゆるこのサイクル施設関連、複数立地しておりますし、メンテナンス等の参加というものもございますし、また、核融合を原子力と考えるかどうかということはともかくとしても、いわゆるエネルギー関連ということにおいて、非常に私ども、エネルギー、要するに原子力、再生可能エネルギー、それぞれについての最先端の青森ということを目指しているわけでございます。  そういった観点からも、しっかりとした、今後、研究開発のみならず、それによるところのいわゆるアジア地域、あるいは世界における第一人者としての青森と。青森県が技術を持つわけではありませんが、全体としての技術を持つと、事業者も含めて。そのことは大いに、地域振興のみならず、このアジア地域を含めての安定ということ、エネルギーの安定ということに役立つものと考えている次第でございます。同じ御意見だと思います。 159 ◯横尾電力・ガス事業部長  ただいま、原子力産業に対する国の姿勢ということについて御質問がございました。  御案内のとおり、世界で今、原子力発電所が430基あって、日本が54基運転をして、世界第3位の保有国でありますし、世界のメジャープレーヤーのうち、日本の三菱重工、日立、東芝というのは大変重要な位置を占めるメジャープレーヤーでございます。かつ、その基盤となる部材産業、これは世界ナンバーワンシェアの企業が幾つもあるなど大変重要な産業基盤となってございます。  私ども、ことしの6月に原子力発電推進行動計画というのを策定いたしまして、そのエッセンスは、閣議決定をしたエネルギー基本計画に盛り込まれておりますが、この中でも、例えば次世代軽水炉を初めとする技術開発の推進、原子力の人材の育成推進、そして、部材産業を含めた厚みのある産業基盤の構築といったことを盛り込んでおりまして、日本の原子力産業の推進というのは大変重要な課題で、しっかり取り組んでまいりたいと思います。  また、青森県におきましても、今、知事からもお話がございましたが、私ども、電源立地交付金制度、先般の事業仕分けもございまして、なるべく地域の創意工夫に従った使途の裁量の拡大ということで取り組んでございます。県におかれては、原子力産業の推進、これは国の方向とも一致しますので、そのために交付金を使っていただけるということであれば大変私どもとしてもうれしい限りでございまして、交付金の使途の自由化の中でぜひ地域振興に役立てていただきたいというふうに思っております。 160 ◯山内委員  しっかりこういう認識を持ちながらこうした原子力政策全般を推進していくと、こういう視点が我々自身求められているのではないかなと思っております。  原子力だけですべてが解決するわけではありませんけれども、こういう厳しい経済、雇用情勢の中で、青森県がしっかりやっていきたいと。そのためにも、この地域が、非常に雇用もない、毎年人口が減っていく、こういうふうな状況であってはならないわけであります。その点もしっかりと受けとめていただきたいと思います。  次に、具体的な話、2013年からの返還開始を前提とした場合、事業変更許可申請をいつまでに行う必要があるのか伺います。
    161 ◯川井代表取締役社長  これは、先ほども御説明させていただきましたけれども、比較的時間的には余裕がないと、後ろからこう考えていきますと。そういう意味では、ぜひできるだけ早期に御了解をいただきたいというふうにお願いする次第でございます。 162 ◯山内委員  お願いする立場の事業者としては、いつまでにという話はなかなかしづらいというふうに理解をしておりますが、基本的に申請を上げてから着工までという期間を考えてみますと、確かにないなという感じがいたします。過去の例を見ましても、過去の高レベル、短いほうで見ても大体2年ぐらいはかかっているなというふうな感じもいたしますので、この点については速やかに意見を取りまとめる必要を私どもも感じるところでございます。  そこで、これに関連をいたしまして、あえて伺うわけでございますけれども、知事の権限について伺うわけですが、この事業変更許可申請には県の同意が必要だというふうに私は現実考えているわけでございますが、海外返還廃棄物の六ヶ所への搬入に関して、知事には具体的にどういう権限があるんでしょうか。これは知事はなかなか言いづらいでしょうから、局長でいいですから、お答えください。 163 ◯阿部エネルギー総合対策局長  原子力の利用に係る規制につきましては、法令により一元的に国が行っているところでございまして、知事が権限を有するものはございません。 164 ◯山内委員  余り、権限がないとか、そう言い切る必要もないわけで、過去にはしっかり接岸拒否もやっているわけです、青森県は。それをやれと言っているんじゃないですよ。ですが、それぐらいの、やはりこの問題、事業全体をとらえたときには、覚悟というものが問われているわけでして、そうストレートに権限はないと、そこまで言ってしまったら国も困るんじゃないかと思いますけれども、そういうことではなくて、私は、法的な問題だとかそれ以前の問題として、信義則として、地元の同意と。国のほうでも、やはり原子力政策大綱あるいは立国計画をつくる中で、特に関係者、地元関係者、そういうところの相互理解というものを強調していると。3点の中の1点にあったと記憶をしておりますので、そういう点が大事なんじゃないかなと思っております。  そこで、これ、最後の質問になるかと思いますけれども、サイクル事業全体を通じて、これはエネ庁と電事連の方に伺いますけれども、地元の理解と同意を得て進めることが大前提だと。知事、権限ないって局長は言っているわけですから、このことについて、国及び事業者の見解、しっかりした見解をここでお願いをしたいと思っております。 165 ◯横尾電力・ガス事業部長  今、委員御指摘の原子力政策大綱、それから原子力立国計画、それと、直近で、先月のエネルギー基本計画、閣議決定をした。その中でも、「安全の確保を大前提に、国民の理解・信頼を得つつ原子力発電を積極的に推進する」というふうにされておりまして、特に地元の御理解という点では、「地域の実情等に応じたきめ細かな広聴・広報などを通じて、立地地域の住民や地方自治体との相互理解を促進する必要がある」というのをしっかり盛り込んでございます。  青森県、核燃料サイクル施設の集積の地でございます。我々にとって大変かなめの地域でございます。今、権限がないというお話がございましたが、青森県の皆様方の御理解が必要であるのは言うまでもないことでありまして、引き続き国としても、県とも連携をとりながら、地元の御理解、御協力をますます得ていくべく引き続き努力をしてまいりたいというふうに考えてございます。 166 ◯久米専務理事  原子燃料サイクルを含めました原子力発電の推進というのは、我々、これをやっていかなければ、これからやはり低炭素社会を築いていく中でも、やはり我々エネルギー供給業者として重要な施策でございます。  そういった中で、六ヶ所再処理工場につきましては、国内で商業規模のプルトニウム技術を定着させていくための重要な第一歩でございます。原子燃料サイクル技術の確立には長時間を要するものでございますが、地元の皆様方の御理解、これはもう当然のことでございますが、これを得ながら着実に進めてまいりたいというふうに考えてございますので、引き続きぜひまたいろいろ御高配いただきますようにお願いいたします。 167 ◯山内委員  地元の理解と合意、これが何よりも大事ですし、きょうの私の質疑、やりとりを通じて、やはり私は、県ないし県議会とのコミュニケーションはもう少しとっていいのではないかと、事業者の皆様は六ヶ所にいるだけではなくて、もう少しこの青森に、我々は結構六ヶ所に行っておりますけれども、もっとここに来て意見交換、あるいはこういう状況にあるということを、余り敷居を高く思わないで、県議会の各会派を含めて我々にお話をしていただく機会をもっと設けていただきたいというふうに思うわけです。  知事も、このやりとりの中で、大事な部分では説明を受けてなかったということもございましたので、そういう点をやはりこれからはもう少し配慮していただくと。それには青森での広報・広聴活動を含めてしっかりと対応を強めていくようにお願いをしたいということでございます。  以上で終わります。 168 ◯高樋副委員長  次に、畠山委員の発言を許可いたします。──畠山委員。 169 ◯畠山委員  公明・健政会の畠山でございます。  原子燃料サイクル事業を安全・安心に推進したいと、そういう立場で質問していきたいと思います。  去る3月に国及び事業者から県に要請のあった海外返還廃棄物、これはすべて地層処分相当の廃棄物であります。これを踏まえ、今月13日に県が、国や事業者から、高レベル放射性廃棄物と同様に地層処分相当の低レベル放射性廃棄物についても本県を最終処分地としない旨の文書による確約を得たことは、県民の安心の醸成につながるものと評価できると思います。  しかしながら、最終処分地の選定は、青森県民や事業者や国など一部の関係者だけの問題ではありません。原子力発電の恩恵を受けているすべての国民が意識し、考えなければならない課題であります。目をつぶっている間に、知らないふりをしていればどこかのだれかが引き受けてくれるだろうということにしてはならない。そこで、確約の履行である最終処分地の選定に向け、国民への理解促進の観点から伺いたいと思います。  放射性廃棄物の最終処分地の選定がいまだ不透明な状況でありますが、国では、最終処分地の選定について、国民の関心はどの程度か調べた調査結果があるのか、また、国では、国民への理解促進のために何をしてきているのかを伺いたいと思います。 170 ◯森本原子力立地核燃料サイクル産業課長  今、委員お尋ねの最終処分地の選定についての国民の関心でございますが、これは、原子力に関する特別世論調査というものが昨年の11月に内閣府政府広報室から発表されております。その中で、原子力発電を行えば、原子力発電に伴い高レベル放射性廃棄物が発生するということについて、半分以上の53.7%が認知しているというふうな回答がございます。  そしてさらに、この処分地については、「高レベル放射性廃棄物の処分地を、私たちの世代が責任をもって、速やかに選定するべき」について、「そう思う」、それから「どちらかと言えばそう思う」、いわゆる「はい」という答えでございます、が82.2%に達しております。これは、「そう思わない」という側の8.8%と比べると非常に大きな数字となっております。  国での国民への理解促進の活動についてもお尋ねがございました。これは、全国47都道府県でのシンポジウム、エネキャラバンというふうに申しております、この開催。それから、地域でのワークショップ、もっと突っ込んだ議論をする、そうしたワークショップの実施等、さまざまな方法、広聴・広報活動によりまして行っております。こうしたことの成果の一つというふうにも考えているところでございます。  さらに、国でもっと相互理解を深めていくということで、原子力に関して、賛成、それから慎重な考え方、いろんな方もいらっしゃいます。その双方が参加したシンポジウムをことしの3月から開催をしているところでございますし、また、海外で進んだ取り組みをしている、具体的にはスウェーデンからの市長さんを招いて話を聞く等の広報強化月間を昨年10月にやったところでございます。  いずれにしましても、高レベル放射性廃棄物の処分事業がエネルギー政策を進めていく上で最重要課題の一つと考えております。一刻も早い文献調査を実現するために、全国及び地方、地域レベル双方で国が前面に立って取り組みを進めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。 171 ◯畠山委員  今、処分しなければならない必要性、82.2%という話だったと思うんですね。総論ではそうだと。だけど、それは私のところではありませんよ、ということだと思うんですね。大事なことはそこの部分でありまして、あなたのところかもしれないんだと。青森県の問題じゃなくて、全国どの地域に行くかわからないという、そういう理解を私は進めるための施策が必要なんじゃないかなと。片づけたほうがいいですか、片づけないほうがいいですかと言ったら、それは片づけたほうがいいと。ただ、うちじゃないという、そういうことですから、そういうところの活動が全く不十分なんじゃないかなと、私はそう思っているんですけれども、どうですか。 172 ◯森本原子力立地核燃料サイクル産業課長  先ほど、地域のワークショップの件を申し上げました。私自身も、東京で開催されたワークショップに参加いたしましたが、そこではまさに、小グループで、あなたの地域に処分場を受け入れてほしいという話があったらどうするかということに基づいて、50人ぐらいのメンバーが小グループに分かれてその議論をいたしました。もちろんこれは地域の申し入れという形ではございませんが、むしろまだいろいろな形で理解活動を進めていく中で、そうした地域での議論を通じて我々としても理解促進活動を進めているところでございます。 173 ◯畠山委員  繰り返しますけれども、受益には必ず負担が伴うんだということを国民がひとしく理解しなくちゃいけないと。ですから、今そういう活動をされているようですけれども、もっと広範に、さらにマスコミにも出るようにしていただかないといけないなと。こういう問題があるんだということをほとんどの国民は知らないと思うんですね。ぜひそのことを知らしめていくことがこの最終処分地を決めていくために不可欠であると、このように思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。  それから次に、国内の原子力発電により発生する各種の放射性廃棄物ですけれども、どこにどれだけあるのかよくわかりません。高レベル放射性廃棄物、地層処分相当の低レベル放射性廃棄物、それ以外の低レベル、そして使用済み燃料、現在の保管場所と保管量を伺いたいと思います。 174 ◯丸茂原子力部部長  国内の原子力発電により発生します高レベル放射性廃棄物、地層処分相当の低レベル、それから低レベル放射性廃棄物、使用済み燃料についての保管場所、保管量でございます。  まず、高レベルの放射性廃棄物につきましては、これは平成20年10月の使用済燃料の管理及び放射性廃棄物管理の安全に関する条約、ちょっと古いデータでございまして、恐縮でございますけれども、こちらのほうに国内のものがまとまってございます。  これによりますと、高レベル放射性廃棄物につきましては、六ヶ所のほうに約1,370本程度、それから、電力会社も東海の日本原子力研究開発機構のほうに再処理を委託してございましたので、そちらのほうで約250本保管してございます。  それから、使用済み燃料でございますけれども、こちらのほうにつきましては、平成20年10月のデータとしては、六ヶ所のほうに約2,500トン、それから発電所及び日本原子力研究開発機構、東海のほうに合わせまして約1万2,000トンでございます。新しい数字で言いますと、六ヶ所のほうには2,766トンが今入ってございまして、発電所のほうには、昨年のデータとしては1万3,000トン弱ぐらいの数量となってございます。  それから、地層処分相当の低レベル放射性廃棄物でございますけれども、これにつきましては、最終処分法におきまして、ある放射能濃度の高いものは地層処分相当となってございますので、これについては、どの濃度のものがどれぐらいあるかというのがなかなか区別することが難しゅうございますので、現在あります発電所と、それから東海の日本原子力研究開発機構にあります低レベル放射性廃棄物、200リットルのドラム缶換算で約60万本が保管されているというものでございます。 175 ◯畠山委員  ちょっと聞いていてよくわからなかったんですけれども、縦横の一覧表にして後でもらえないですかね。よろしいですか。はい。  それから、例えば、高レベルの廃棄物の話は、今、六ヶ所に1,400本弱、東海村に250本弱ということでした。そうすると、青森県に約85%程度あるということになります。国内の原子力発電所にまだ保管されているものもあるわけですけれども、いずれは六ヶ所村に搬入されてくることになると。加えて海外返還廃棄物の受け入れを今回了解すれば、さらにその分も入ってくるということになります。  今回の要請を本県が了解した場合、本県における返還廃棄物の受け入れ量及び保管期間を伺います。 176 ◯丸茂原子力部部長  返還廃棄物の受け入れ量及び保管期間についてですけれども、受け入れ量につきまして、フランスから返還されますCSD-C──固型物収納体、それからCSD-B──低レベルの放射性廃棄物ガラス固化体につきまして、最大4,400本と最大28本、おのおのとなってございます。  それから、英国の低レベル放射性廃棄物のかわりに単一返還を行います高レベルにつきまして──ガラス固化体につきましては、約70本と計画してございます。  それから、六ヶ所の再処理工場でも同じように、燃料被覆管、それから使用済み燃料の端末のエンドピースを圧縮いたしまして、同じような固型物収納体、ハル等圧縮体と呼んでございますけれども、これが約700本年間に発生いたします。こちらにつきましては、最終処分法で地層処分相当とされておりますので、最終処分施設が操業開始し次第速やかに青森県外に搬出することとしたいというふうに考えてございます。  それから、代替取得いたします英国から返還されます高レベルガラス固化体につきましては、これまでも貯蔵いたしております高レベルガラス固化体と同様、最終処分施設ができますまでの間、六ヶ所のほうで貯蔵いたしまして、施設ができましてからそこへ搬出するということで計画してございます。 177 ◯高樋副委員長  先ほど畠山委員から要請ありました資料につきましては、電気事業連合会のほうより議会事務局に提出をいただき、議会事務局より各委員に配付していただきますようにお願いします。──畠山委員。 178 ◯畠山委員  最終処分場が操業し次第、速やかに搬出するということでした。それでは、それはいつごろになるのかということでありますけれども、まず、最終処分地選定に向けた手順及び段階ごとのスケジュールについて伺います。 179 ◯森本原子力立地核燃料サイクル産業課長  最終処分地選定への手順でございますが、高レベルの放射性廃棄物の地層処分、この事業につきましては、いわゆる最終処分の法律に基づいて、「特定放射性廃棄物の最終処分に関する計画」というものを閣議決定しております。ここにおいて、文献調査、そして概要調査を実施した後、平成20年代中ごろをめどに精密調査地区を選定し、平成40年前後をめどに最終処分施設建設地を選定、さらに、平成40年代後半をめどに処分を開始するということになっております。 180 ◯畠山委員  では続いて、国及び原子力発電環境整備機構の取り組み状況と課題について伺います。 181 ◯森本原子力立地核燃料サイクル産業課長  国等の取り組み状況でございます。  まず、処分事業を進めていく上で、何よりも、幅広い国民全般との相互理解、そして地域住民との相互理解、そして、国が前面に立った取り組み、また、事業と地域との共生による地域振興、こうしたものが課題であり、取り組むべきものというふうに認識しております。  国は、そうしたことを踏まえまして、前面に立った取り組みといたしまして、先ほども私のほうから申し上げましたが、国からの文献調査の実施申し入れというものを可能とするということを平成19年度から始めております。また、相互理解の促進に向けて、全国47都道府県でのエネキャラバンの開催、また、地域でのワークショップ、これは先ほども申し上げました。こうしたものの実施、そして、地域振興構想の提示等を行っているところでございます。  さらに、昨年の10月には、放射性廃棄物処分広報強化月間といたしまして、国と、それからNUMO、原子力発電環境整備機構、こうした機関が連携しまして集中的な広報活動を行ったところでございます。その中で、スウェーデンから自治体の方も招きながら、直接話を伺ったところでございます。  そして、ことしの春から、原子力の賛成、あるいは慎重、それぞれの意見を持った方に参加いただいた双方向の、双方型のシンポジウムをやっているところでございます。  NUMOにおきましても、草の根的な対話を行いながら相互理解活動を行い、もちろんマスメディアも活用して広報活動を行って、広聴・広報活動を拡充して行っているところでございます。  さらに、実施主体として、処分事業に対して関心を持った地域に積極的に出向いて、いろいろな形での説明、事業の説明を行うなど、機会をとらえた理解活動を行っているところでございます。 182 ◯畠山委員  先ほど来話が出ておりますけれども、この事業は青森県民の理解を得なければ進んでいかないということだと思います。先ほどスケジュールのお話がありましたけれども、それによれば、今のこの時期、平成22年は文献調査が終わって、概要調査地区が選定されていて、で、精密調査地区選定に向かっていると、こういうタイミングであろうと思います。おくれているわけですね、はっきり言って。なぜおくれているのか。これが着々と進んでいればこそ県民も安心して、とりあえず預かっておこうかということになるわけですけれども、そこが予定どおり進んでいないと。なぜおくれているのか。  それから、これまでの課題を踏まえた、今後、国はどう対応していくのかということについて、わかりやすくお願いしたいと思います。 183 ◯横尾電力・ガス事業部長  お答え申し上げます。  先ほど森本から答弁申し上げましたとおり、全体では国民の相互理解というのは進みつつある中で、やはり、いわゆるNIMBYというか、うちのところには持ってきてほしくないというのをいかにして御理解を賜るかということで、今申し上げましたような取り組みをやっておりまして、中身の工夫というのを大分進めてございます。これは今後とも引き続き拡充、充実をしていきたいというふうに思っております。
     それから、NUMOにおきましても、今答弁申し上げましたが、その処分事業に対して関心を表明をしてくれる地域には積極的に出向くということでございますが、我々国としても、その地域からの問い合わせ、関心というのが寄せられればそれに積極的に出向いていくと。現に幾つか動きがございます。そうした地域からの問い合わせに対して、もちろん安全性の問題もそうですが、交付金を活用した地域振興のプランのアイデアの提示等も含めて丁寧に対応しながら、一刻も早く文献調査の着手に向けて、国が前面に立って、NUMO、電気事業者と連携しながら最大限努力していきたいというふうに考えてございます。 184 ◯畠山委員  このことはみんなが、ここにいらっしゃる方皆さんそう思っていることでありますし、県民の最大の関心事でもございますので、言ってしまうと壊れるという話もあるかもしれませんけれども、ぜひ県民が納得できるような、そういう仕事を進めていただきたいと、このように強く求めておきたいと思います。  次に、今回事業者から要請のあった内容に関して、安全性について少し質問をしたいと思います。  検討会報告書では、返還低レベル廃棄物と高レベル放射性廃棄物の外観が同様であることが何度も述べられています。高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターに返還低レベル廃棄物を一時貯蔵するというアイデアも、外見が同じだからこそそういうことも可能だというふうに思います。  そこで、報告書で気になることも指摘をされていました。返還低レベル廃棄物と高レベル放射性廃棄物の外観が同様であることから、廃棄物の取り違え事故が起こり得るということでありました。その防止対策について具体的に伺いたいと思います。 185 ◯越智理事・再処理事業部再処理計画部部長  高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター、ここにおきましては、機能追加をいたしまして、3種類の廃棄物を受けることになります。まず、海外から輸送、返還される場合ですけれども、1つの輸送容器には1つのものしか入れないと、他のものが混在する輸送はしないということがまずございます。  それで、原燃に入ってからの取り扱いですけれども、受け入れる前に、制御設備、計算機のほうにですけれども、輸送容器ごとに廃棄物の識別番号、廃棄物にはそれぞれ個々に識別番号というのがついておりますので、識別番号を入力し、制御設備上においてまず管理するということでございます。  2つ目でございますけれども、廃棄物を輸送容器から取り出すときとか受け入れ検査を行うとき、これには、そこについております識別番号をちゃんと確認するということでございます。  3点目でございますけれども、固型物収納体、これにつきましては、収納管1本当たりの収納する本数を制限するということでございますので、制御設備で管理するということを計画しております。  今御紹介いたしましたようなシステムにより廃棄物の取り間違えを防止するということを計画している次第でございます。  以上です。 186 ◯畠山委員  設備上の対応、システムでのというお話でございました。ただ、いろいろこれまでも人為的ミスということもございました。これまで、ウラン・プルトニウム混合酸化物貯蔵建屋における電源設備の停止事象など、人為的ミスによるトラブルが多発しておりました。そういう経緯がございますので、今の取り違えについても、システムではこうなっているということなんですけれども、それを動かす人によるミスが懸念をされます。  そこで、日本原燃では、この人為的ミスを防止するためにどのような対策を講じているのか伺います。 187 ◯新沢理事・再処理事業部品質管理部長  人為ミス防止のための方策について御説明させていただきます。  返還廃棄物の取り違えを防ぐための管理といたしまして、発送元から送られました記録に基づきまして、まず輸送容器ごとに廃棄物の識別番号を制御設備、これは計算機でございますけれども、これに入力する際に、画面上で誤入力がないかを2人の人間によりダブルチェックすることとしております。  また、廃棄物を輸送容器から取り出す作業の前に、再度この計算機から入力データを紙で出力いたしまして、その識別番号が発送元の記録の識別番号と相違ないことを2人の人間により照合することとしております。  さらに、輸送容器から取り出した後、検査工程に持っていくんですが、ここにおいて、監視盤の画面に表示されております識別番号とITVで実際に取り出した検査体を見ますが、ここの画面に映し出されます実際の廃棄物の識別番号を操作者と、それから記録者の相互によってダブルチェックを行うこととしております。これらの人為ミス防止対策によって取り違えの防止は図られるものと考えております。  以上でございます。 188 ◯畠山委員  ぜひそういうことのないようにお願いしたいと思います。祈るばかりですね。  検討会報告書では、今回のことだけでなく、日本原燃の防災対策をチェックしています。この報告書には、今後の留意点として、原子力関連施設における地震の際の迅速な報道対応が住民の信頼を得るために肝要であると記述されています。これを留意点として掲げた趣旨について伺いたいと思います。 189 ◯山村主査  お答えいたします。  安全性チェック・検討会では、日本原燃株式会社における防災管理体制は、新潟県中越沖地震を踏まえた最新の知見に基づき適切な対応が行われていると評価しているところですが、耐震・防災の専門家である源栄委員より、新潟県中越沖地震の際の教訓から、防災体制の整備に加えて、実際に地震が発生した際の対応として、季節や時間帯など状況に応じた時系列に沿った報道対応が可能となるように、発表する項目を具体化しておくことが重要であること。その項目は、地震観測データや放射線モニタリングデータといった観測情報に基づいたものである必要があることについて御指摘がありました。  当検討会としては、県民の安全・安心を確保する上で、地震発生時の具体的な対応体制の確立が大切であると考え、今後の留意点として申し添えたところでございます。 190 ◯畠山委員  この留意点について、日本原燃の自己評価と今後の取り組みについて伺います。 191 ◯大枝再処理工場技術部長  御質問にお答えいたします。  当社といたしましては、住民の皆様方の信頼を得るために、災害時の迅速な報道対応に努めるべく体制を整備してきたところでございますけれども、新潟県の中越沖地震の教訓を踏まえ、当社の整備状況で不足している部分、こういうものを評価検討いたしまして、通信手段のインフラ整備等、幾つかの体制強化の措置について新たに講じております。  安全性チェック・検討会においても、迅速かつ適切な対応が可能だという評価をいただいておりますが、具体的な内容は幾つかございます。例えば、六ヶ所村で震度6以上の地震がございました場合は、招集されなくても自主的に参集する、あるいは青森県内で震度4以上の地震がございまして、六ヶ所村が震度3以下の場合でも、当社施設の点検をいたしまして、異常、それから被害の有無を確認し、その結果を社内外に情報を伝達するということにしております。  それから、インフラについても、衛星電話を導入する、あるいは優先電話の配備ということの拡充をしてございます。路面状態が悪い不整地において高い機動性を有する水槽つきの消火ポンプ自動車の導入も既に配備しております。  いずれにしましても、迅速な報道対応が適切に実施できるという対策を立ててございますので、自己評価といたしましては、それなりに実施できるものと考えておりますが、トラブル対応については終わりがございませんので、トラブルの都度、我々は、反省点がございましたら、継続的にそれを改善していくということでございます。  さらに、教育・訓練を繰り返し繰り返し実施いたしまして、これを確実なものにしていきたいというふうに考えております。ぜひ御理解のほど、よろしくお願いします。 192 ◯畠山委員  それでは、時間となりました。最後に、返還ガラス固化体のこれまでの実績にかんがみますと、チェック・検討会の結論は基本的には理解できると。ただ、事業者は、人為的ミスなどヒューマンエラー対策に万全を期していただきたいと。  また、これまでの高レベル放射性廃棄物ガラス固化体に加えて、地層処分相当の低レベル放射性廃棄物の返還では、国、事業者においては、繰り返しますが、最終処分地の選定に向け、これまでの対応を一層加速していただきたいと強く要望したいと。  さらに、最終処分だけでなく、原子力発電や再処理は国民全体が恩恵を受けるナショナルプロジェクトであることから、現状のように立地点だけが対応を求められるのではなく、全国民の問題として国民の理解が得られるように、国、事業者の対応を強く望んで、終わります。  ありがとうございました。 193 ◯高樋副委員長  15分間休憩いたします。 ○休 憩  午後 2時42分 ○再 開  午後 3時02分 194 ◯神山委員長  休憩前に引き続き委員会を開きます。  質疑を続行いたします。  安藤委員の発言を許可いたします。──安藤委員。 195 ◯安藤委員  日本共産党の安藤晴美です。よろしくお願いします。  最初の質問は、国、事業者からの要請について、まず県に伺います。平成18年に申し入れがあった際、知事は、今は検討できる状況にないと拒否したと聞いておりますが、その理由は何か。  また、今回検討しているのはなぜか。先ほどの答弁ともちょっと一部重複しますが、よろしくお願いします。 196 ◯阿部エネルギー総合対策局長  先ほども御答弁申し上げたところなんですけれども、平成18年10月の事業者からの要請におきましては、2013年ごろから返還を開始したいとの説明はあったものの、当事者間の合意による搬出開始期限であるとの説明がなかったため、緊急性等については特に感じられなかったところです。  また、アクティブ試験につきましては、平成18年10月の時点ではアクティブ試験の第2ステップの途中の段階にあったところでございまして、県といたしましては、まずは再処理工場のアクティブ試験に全力を傾注すべきであり、海外返還廃棄物についての検討は時期尚早であるとの思いを伝えたところでございます。  その後、アクティブ試験につきましては、現在第5ステップまで進み、ガラス固化を除いて、再処理工場の主要なプロセスである前処理、分離、精製、脱硝施設等の試験をほぼ完了した状況にあるところでございます。  今般、3月に行われた一連の要請においては、国、事業者ともに、フランス側との約束による返還開始期限があることを明らかにするとともに、直嶋経済産業大臣みずからが来県し、返還廃棄物貯蔵管理の政策的重要性・緊急性にかんがみ、国として国際的な信用を維持するため、要請されたことを重く受けとめまして、六ヶ所村長の意向も踏まえ、検討を開始することとしたところでございます。 197 ◯安藤委員  そうしますと、2006年の申し入れのときには、事業者とフランスとの合意内容ということについては一切触れられなかったということでよいのでしょうか。 198 ◯阿部エネルギー総合対策局長  事業者と外国の事業者との間の合意であるという説明は受けておりませんでした。 199 ◯安藤委員  過去のことになりますが、もしそのときに合意内容、搬入時期、期間等についての説明があったのであれば対応は違っていたというふうに理解してよろしいですか。 200 ◯阿部エネルギー総合対策局長  仮定の質問でございますので。ただ、当時の状況といたしましては、先ほども御答弁申し上げましたとおりに、まずはアクティブ試験に全力を尽くしていただきたいということで、その思いを伝えたということでございます。 201 ◯安藤委員  アクティブ試験に傾注してほしいということだったということなんですけれども、今の現状について、そのアクティブ試験がなかなか思うように進まない。17回も延期になり、そしてまた今回もどうも延期になりそうだというような状況下にあるわけです。アクティブ試験に傾注したいという前回の状況と、アクティブ試験がスムーズにいっていないということについては、現状は変わらないというふうに私は思うんですが、その辺について、受け入れる、検討する環境が整っているというふうに見てよいと思うのでしょうか。 202 ◯阿部エネルギー総合対策局長  今回検討を開始したのは、先ほどもお答えいたしましたけれども、直嶋経済産業大臣みずからが来県し、返還廃棄物貯蔵管理の政策的重要性・緊急性にかんがみ、国として国際的な信用を維持するため、要請されたことを重く受けとめ、六ヶ所村長の意向も踏まえ、検討することとしたものでございます。  なお、アクティブ試験につきましては、先ほども御答弁申し上げましたけれども、現在、第5ステップまで進み、再処理工場の主要なプロセスである前処理、分離、精製、脱硝施設等の試験をほぼ完了した状況にあるということで、アクティブ試験については当時よりも進んでいるというふうには認識しております。 203 ◯安藤委員  当時よりは進んでいるということはもちろんそうですが、一番肝心なガラス固化体のアクティブ試験が中断していると。そして、なかなか見通しもまだ見えないという状況下にあるということからすれば、慎重にすべきだというふうに意見を述べておきます。  次は、電気事業連合会に対しての質問ですが、2013年からの返還開始について、いつ、どのような内容でフランス側と合意がなされたのか伺います。 204 ◯田沼理事・原子燃料サイクル事業推進本部長
     お答えします。  先ほど同様の御質問がありましたので、簡潔に申し上げますと、我々電気事業者は、フランスの再処理事業者、これはアレバNCという会社でございますが、その会社との間で、2004年ころから返還時期について協議を重ねてまいりました。  フランスとしましては、顧客に対して早期返還を求めるという状況で、それに対し、我々日本国内での受け入れの準備、これが相当時間必要だということを協議しつつ、2005年ころに、2013年を目指す方向で進めるということで合意をしたものでございます。 205 ◯安藤委員  事業者は、その合意内容に沿ってこれまでどのような準備を行ってきたのか。準備をした段階で、2006年に青森県に対し申し入れをしたけれども、そこでは拒否されたという事態があったわけです。そういう中で、事業者としてその後どのような準備をされてきたか。  また、他県への低レベル廃棄物受け入れ・貯蔵施設の建設の検討はなされなかったかということについて確認させていただきます。 206 ◯丸茂原子力部部長  平成17年のフランス・アレバNC社との合意以降、電気事業者は、日本原燃と協力して、耐震設計審査指針の見直しを反映して、当初、低レベル廃棄物の受け入れ施設と貯蔵施設は別々のものでございまして、底辺が長方形の形をしてございましたけれども、これを一体にしまして、正方形にして建屋の安定性を高めるというような設計変更を行ってございます。  また、平成19年に発生いたしました中越沖地震で得られました最新の知見を取り入れて設計変更の検討を行ってまいりました。  これらのものと併行いたしまして、2013年返還達成のための方策をいろいろ検討してまいりましたけれども、今般、高レベルの貯蔵管理センターの一部機能を追加をすることによりましてフランスの低レベルの放射性廃棄物を受け入れすることが可能となりましたので、今回お願いしているところでございます。  それから、他県へ貯蔵する検討につきましては、行ってございません。  以上です。 207 ◯安藤委員  2013年からの搬入が可能になるように、高レベル貯蔵施設で受け入れるような、そういう形で県のほうにお願いしようということになったということなんですけれども、そういうふうな形をすれば青森県としては知事も了承するだろうという、そういう期待というか、もちろんそれはあったかと思うんですが、事業者としては、そういう申し入れの内容が変わってきたわけですけれども、そのことに対してのどのような予想といいますか、想定を持って申し入れをしたか、ということを伺いたいと思います。 208 ◯丸茂原子力部部長  電気事業連合会としまして、日本原燃と協力しまして、2013年を、どうにかアレバ社との合意事項を厳守したいという考えがございまして、高レベルの貯蔵管理センターに機能を追加して貯蔵する方法、それから、例えば低レベルの受け入れ・貯蔵施設を、小さいものをつくって、まず2013年に受け入れを開始できないものかとか、輸送容器のまま一時、2013年に受け入れて、一時それを保管することができないかとか、いろいろな方策も考えてまいりましたけれども、我々としましては、いろいろな新しい制度だとか許認可の成立性を考えまして、高レベルの貯蔵管理センターの機能追加が一番実現性があるものと考えて、今回お願いしている次第でございます。 209 ◯安藤委員  次は県に伺いたいんですが、海外返還廃棄物の受け入れを今回了解すれば、最終処分地の選定も進んでいない中、六ヶ所村は核のごみ捨て場となるのではないか、こういう県民の不安はさらに強まると思いますが、こうしたことに対する県の認識を伺いたいと思います。 210 ◯阿部エネルギー総合対策局長  県としては、かねてから、最終処分地を選定する責任と権限を有する国から、本県を高レベル放射性廃棄物の最終処分地としない旨の明確かつ明快な文書による確約を得ているところでございます。  今般、国及び事業者から県に要請のありました海外返還廃棄物の中に地層処分相当の低レベル放射性廃棄物が含まれておりますことから、3月6日、最終処分地選定の権限と責任を有します直嶋経済産業大臣から、直接、高レベル放射性廃棄物と同様に、地層処分相当の低レベル放射性廃棄物について、青森県を最終処分地にしない旨の確約を口頭で得たところであり、このことについて、去る7月13日に改めて文書による確約を得たことは非常に重いものと考えております。 211 ◯安藤委員  県民の一人の思いとしては、何度確約書を交わしたとしても、最終処分地は一向にその選定が進まないという中では、非常に不安が募るという実感があるということをこの場で言っておきたいと思います。  次に、日本原燃に対しての質問ですが、廃棄体の仕様についてです。ハル等圧縮体は、再処理した使用済み燃料の燃焼度が高いため、フランスから返還される固型物収納体より放射能濃度や発熱量が高いと聞いていますが、なぜ燃焼度が高いと放射能濃度が高くなるのか伺いたいと思います。 212 ◯越智理事・再処理事業部再処理計画部部長  今回フランスから返還されます予定の固型物収納体、また、六ヶ所再処理工場から発生いたしますハル等圧縮体、これは両方とも、主として再処理に伴い発生するハル及びエンドピースを圧縮処理したものでございます。  ここから若干専門的になるんですけれども、ハル及びエンドピースには、その構造材、材料の中にコバルトというものを含んでおります。このコバルトというものは、原子炉の中で中性子の照射を受けますと照射化する、放射能を帯びてくるという性質がございます。また、ハル、これには若干の核分裂生成物、これが付着している可能性がございます。  こういうことで、ハルの含まれる放射化生成物、また、ハルに若干付着する可能性があろう核燃料生成物、これらは原子炉内での燃焼に伴い増大するものでございます。ということで、放射能量や発熱量が、燃焼度が高くなるとこれらも高くなるというところでございます。  なお、これらはいずれも、当社が15年間にわたり貯蔵施設で安全に受け入れ貯蔵しております高レベルガラス固化体の10分の1から100分の1の発熱の量、放射能でございます。  以上でございます。 213 ◯安藤委員  いずれにしても、放射能濃度が高いわけですので、放射能の外への流出ということをきちんと防ぐ対策を講じていただきたいというふうに思います。  また日本原燃への質問ですが、六ヶ所再処理施設で年間800トン処理した際に、どのような低レベル放射性廃棄物がどの程度発生するのか伺います。 214 ◯越智理事・再処理事業部再処理計画部部長  六ヶ所再処理工場、年間800トン再処理いたしますと、低レベル廃棄物、これにつきましては、200リットルドラム缶換算、これで年間約9,100本発生すると想定しております。  主な廃棄物の内訳について御紹介させていただきますと、低レベルの濃縮廃液、これを固型化したもの、これが約2,000本、それとハル・エンドピース、先ほど御紹介いたしましたけれども、ハル・エンドピース、これが約2,000本。200リットルドラム缶換算でございます。  あと、燃料に附属して再処理工場に運び込まれますチャンネルボックス、バーナブルポイズンと呼ばれているもの、これが約550本。雑固体が約4,300本発生すると見込んでおります。また、これ以外に使用済みの樹脂、そういうものも発生いたしまして、これらが約250本発生するということで、800トン処理いたしますと、トータル9,100本が毎年出るというふうに想定しております。  なお、今回お願いしている低レベル廃棄物受け入れ・貯蔵施設、こちらには、再処理工場で製造するハル等の圧縮体、これについても受け入れる計画としておりますが、このハル等圧縮体を製造する第2低レベル廃棄物処理建屋、こちらが完成いたしますと、先ほど御紹介したハル・エンドピース、200リットルドラム缶で約2,000本、これがキャニスターで約600本というふうになります。  また、雑固体廃棄物、これらにつきましても、焼却・溶融等を実施する計画でございますので、これらがなりますと、総計で約6,700本程度の低レベル廃棄物が発生するというふうに見込んでおります。  以上です。 215 ◯安藤委員  そのハル圧縮体を保管するためには、その調印も必要だと思いますが、その調印はいつごろを予定しているのか。そして、全国から搬入されているピット処分相当の低レベル廃棄物は、現在、幾つの埋設施設で何本処分されているのか、そして、最終的な処分本数はどのくらいなのか伺います。 216 ◯中村理事・再処理事業部再処理計画部長  現在、全国の発電所から、当社の埋設事業、こちらのほうに埋設されています廃棄物の数量でございますが、21万9,667本でございます。 217 ◯安藤委員  いつごろ、ハル等圧縮体についての調印というのは、県との調印はいつごろするのかということについての答弁がありませんでした。 218 ◯中村理事・再処理事業部再処理計画部長  調印の意味がちょっとわからないんでございますが、ハル等圧縮体を製造します第二低レベル廃棄物処理建屋、これにつきましては、先ほどから話がございます18年の申し入れをさせていただいたときに御検討いただきまして、事前了解をいただいてございます。 219 ◯安藤委員  次の質問ですが、単一返還されない場合、どのような仕様の廃棄物で返還されることになるのか。また、その仕様は、日本において貯蔵管理や最終処分することはできるものなのか伺います。電気事業連合会にお答え願えればと思います。 220 ◯田沼理事・原子燃料サイクル事業推進本部長  お答えします。  単一返還を受け入れない場合、これは、通常、本来返ってくるべきガラス固化体以外に、セメント固化体ですとか雑固体、いわゆるセメントで固めたものですとかそういうものが返還されることになっております。  万が一この単一返還が実施されない場合でも、その形で日本に返還されましたとしても、我が国の再処理工場から発生する廃棄物と同様の性状であろうということは想像できますから、貯蔵及び処分に関しては技術的には問題になることはないと考えております。  いずれにしましても、単一返還を実施することによりまして、返還廃棄物の物量は大幅に削減されます。すなわち、輸送のリスクの低減ですとかコストの低減を図ることが可能になることから、関係各位の御理解を得て単一返還を実現したいと考えております。よろしくお願いします。 221 ◯安藤委員  技術的には可能だということですが、2013年から受け入れるためには、今回のような高レベル放射性の貯蔵センターに当面受け入れるわけですけれども、今考えている返還も、単一返還をしなくても受け入れるということは可能なのかどうかということを伺っているんですが、どうでしょうか。 222 ◯丸茂原子力部部長  今の質問でございますけれども、高レベルの貯蔵管理センターで、単一返還をしないで、英国からセメント固化体、雑固体が返還される場合に、2013年というお話がございましたが、2013年を約束しておりますのはフランスのアレバでございますので、特に英国との間で何年というのはございません。  それで、セメント固化体、雑固体を受け入れるとなりますと、その期限はないんですけれども、新たにそれ専用の、7,800本相当ございますので、それ用の貯蔵施設の建設が必要となってまいります。 223 ◯安藤委員  そこがすごく重要なポイントだと思います。新たな施設をつくらなければならないという状況をつくらないために、コスト削減だとか本数を少なくできるというメリットがあるということなわけですけれども、そういうふうな問題も発生するということは頭に入れなければいけないというふうに思います。  次の質問ですが、低レベル廃棄物受け入れ・貯蔵施設について、日本原燃に伺います。日本原燃は、今後、低レベル廃棄物受け入れ・貯蔵施設を何棟増設する計画なのか伺います。 224 ◯中村理事・再処理事業部再処理計画部長  当社では、40年間の再処理施設の操業で3万2,000トンの使用済み燃料の再処理を計画していますが、この場合、ハル等圧縮体が2万4,000本製造すると考えてございます。  それから、今回の返還廃棄物が最大4,400本返りますので、総計2万8,400本となります。今回新設を計画しております貯蔵容量8,320本の施設と同じ規模の施設であれば、計算上4棟が必要になるということになります。  一方、40年代の後半からは最終処分地への搬出が始まりますので、実際には3棟の建設を想定しているということでございます。 225 ◯安藤委員  次の質問ですが、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターにおける返還低レベル廃棄物等の貯蔵について、電気事業連合会に伺います。  2018年までに高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターに一時貯蔵する返還廃棄物の数量及び運搬計画を伺います。 226 ◯丸茂原子力部部長  高レベルの貯蔵管理センターに一時貯蔵する廃棄物の数量、運搬計画でございますけれども、フランス分につきましては、現在関係者間で調整中でございますが、2013年度から固型物収納体──CSD-C、低レベルのガラス固化体──CSD-Bにつきまして、輸送容器1基分、20本程度を毎年この高レベルの貯蔵管理センターのほうで受け入れを開始する予定でございます。その後は、2018年度に操業を開始いたします低レベルの廃棄物受け入れ・貯蔵施設のほうで受け入れを行う予定でございます。  それから、英国におきます単一返還に伴いますガラス固化体でございますが、当初、850本に加えまして、単一返還分の70本を加えました約920本につきまして、約10年間かけまして8回程度の輸送を計画してございますが、具体的な返還計画につきましては、関係者間で調整をしていきたいと思います。 227 ◯安藤委員  フランスでは、返還予定の低レベル放射性廃棄物は現在どのように貯蔵管理されているのか。また、事業者は、低レベル廃棄物受け入れ・貯蔵施設の操業が2018年に延びることを踏まえ、返還開始時期を繰り延べるための交渉を行ったのか伺います。 228 ◯丸茂原子力部部長
     フランスでは、CSD-B──低レベルのガラス固化体につきましては、高レベルのガラス固化体の貯蔵施設にて、収納管方式による貯蔵を行う予定でございます。それから、固型物収納体──CSD-Cにつきましては、CSD-C用の貯蔵施設にて、管理されましたエリア、管理区域の中におきまして、1本ずつ立てた状態で貯蔵を行っております。  それから、平成16年から早期に返還を求めるフランス・アレバ社との協議を重ねまして、平成17年、2005年に、2013年からの返還ということで進めておりますけれども、当初、アレバ社の要求につきましては2008年からの返還開始ということを求めておりましたが、我々のほうは、施設の受け入れを行うための準備が整わないということで、2013年からの返還ということでアレバ社と合意したというものでございます。 229 ◯神山委員長  質疑時間が終了しました。  次に、川村委員の発言を許可いたします。──川村委員。 230 ◯川村委員  クラブ林檎の川村でございます。  質疑を行います。質疑の幅が大分狭くなってまいりましたので、重複する点についてはお許しをいただきたいと思います。核燃サイクル事業については慎重に推進すべきであるという立場から、大きく5項目についてお伺いいたします。  最初の質問は、地層処分についてであります。核燃料サイクル事業において、高レベル放射性廃棄物等の最終地層処分事業がいまだに確立されていないことが各事業への不信・不安を払拭できない大きな要因になっていると思います。国において、できるだけ早い機会での地層処分事業の確立が重要と考えるものであります。そこで伺います。最初に、海外における地層処分の推進状況についてお伺いいたします。 231 ◯森本原子力立地核燃料サイクル産業課長  海外の地層処分の推進状況、特に立地状況についての御質問と承知します。それについてお答え申し上げます。  まず、世界で、基本的にどの国も高レベル処分については地層処分を行うということになっております。そして、その中で既に立地場所が決まった、処分場建設地が決定しておりますのがフィンランド、ここは2001年に、スウェーデンは2009年に決定しております。  また、最近動きがございましたところでは、米国でございますが、米国は2002年にネバダ州のユッカマウンテンというところに処分場が決定し、2008年にはいわゆる建設認可の申請がなされております。ただ、このネバダ州ユッカマウンテンのサイトにつきましては、2009年に現オバマ政権はこの計画を撤回しております。その後、米国の政府はブルーリボン委員会という組織を組織しまして、代替案を含めた検討を行っているところでございます。  ほかの国で幾つかもう少し御紹介いたしますと、フランスにつきましては、昨年の12月に、この処分の実施主体でありますANDRAという機関がございます。A、N、D、R、Aと書きます。ANDRAがこの処分につきまして、詳細調査を行うその候補の場所として、フランスのビュールというところに地下研究所がございます。この近辺で、30平方キロぐらいの区域を候補サイトといたしまして、これを政府に提案して、ことしの3月に政府が了承しております。  そのほか、ドイツ、スイス、イギリス等につきましても、地点選定に向けた取り組みが行われておりますが、まだ地点が決定しているわけではございません。  以上でございます。 232 ◯川村委員  海外においては3つの国で既に地層処分地が決定をしているということで御答弁をいただきましたが、この決定までに相当時間をそれぞれ要しているんではないかと思うんですが、各国によって違うと思うんですけれども、その辺の年数等についてお伺いをしたいと思います。 233 ◯森本原子力立地核燃料サイクル産業課長  各国の取り組みの状況の中で、もともとの候補地点が挙がったところから最終的に決まるまでの間には、さまざまな形での自治体あるいはその地元との動きがございます。私もすべての活動を承知しているわけではございませんが、例えばスウェーデンは、昨年首相がいらっしゃって、そのときに話を伺いましたが、やはり十数年前に一度その話があった中で、もう一回振り出しに戻って、それから地元とのいろいろな形での研究活動あるいは対話活動を進めたというふうに伺っておりますし、また、フランスでも、バタイユ法という法律をつくって、その後十数年かけていろんな形で議論をしたと承知しております。 234 ◯川村委員  我が国では、平成40年代後半をめどとして地層処分を開始することとし、平成20年代中ころに精密調査地区の選定、平成40年前後に最終処分施設建設地の選定をすることといたしております。そうしますと、早くてもあと二十数年経過しなければ地層処分が開始できないと。この間、政権交代もあれば、総理大臣や閣僚の交代も数多くあると思います。法律や確約書に基づいて本当に地層処分を開始することができるのか、県民の多くが不安を感じているところであります。  そこで伺います。最終処分地の選定については最終的にだれが責任を持つのかということについてお伺いいたします。 235 ◯森本原子力立地核燃料サイクル産業課長  ただいまの御質問にお答えいたします。  立地活動に時間がかかるという話と、その間、いかに仕組みを担保した形できちっと前へ進めていくかということをいかに確保するかということでございますが、この最終処分施設につきましては、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律という法律に基づいて、原子力発電環境整備機構、NUMOが処分施設の建設地を選定、建設、そして埋設、管理をするということになっております。  この事業を、最終処分を計画的に、そして確実に実施するということのために、先ほど申し上げたこの法律に基づいて、基本方針、そしてこれに基づいた最終処分計画を5年ごとに定めるということになっております。したがって、これを決めた上で、NUMOがこの処分計画に従ってNUMOの実施計画を作成しまして国の承認を受けるということになっております。  この処分事業を行う場所、その建設地については、文献調査、そして概要調査、精密調査という3つの調査を経て決定されることになっています。次の段階に進むとき、そして、何よりも建設地の選定に当たりましては、その場所の市町村長、そして知事の意見を聞きながら、それを十分に尊重した上で、最終処分計画の中で政府が決定するということになっております。  このように、最終処分地、施設の建設地の選定については、事業としてはNUMOが行いますが、最終的には国の責任において決定されるものというふうになっております。  以上でございます。 236 ◯川村委員  高レベル放射性廃棄物の最終処分問題については、私は、沖縄における基地問題と共通する部分があるんではないかと思っております。必要な国策であっても、1つの県のみに負担を強いることになれば、県民の不信を買うこととなります。青森県に核燃料サイクル事業のすべての負担を求めることになれば、県民の理解を得ることはできません。やはり青森県を最終処分地にしないという確約、信義を国が責任を持って守り、できるだけ早い機会に国民の理解を得られる広報・広聴活動等を積極的に展開し、早期に処分地を決定していただくよう改めて申し上げておきたいと思います。  次に参ります。返還される低レベル廃棄物についてであります。  まず、電気事業者はフランス及びイギリスに使用済み燃料の再処理を委託しており、これに伴って発生した放射性廃棄物は日本に返還されることとなっているが、フランスやイギリスにおける日本以外の国との委託状況及び返還状況はいかがなものかと。また、トラブルは発生していないのかお伺いいたします。 237 ◯丸茂原子力部部長  フランスに再処理を委託している国は9カ国ございまして、日本以外に、オランダ、スイス、ドイツ、イタリア、スウェーデン、スペイン、ベルギー、オーストラリアでございます。CSD-Cを採用している国は、オランダ、スイス、ドイツ、ベルギーでありまして、このうち、スイス、オランダ、ベルギーにつきましては既に輸送の実績がございます。それから、CSD-Bにつきましては、採用している国は承知してございませんが、製造につきましては、ことしから製造を開始しておりまして、まだ輸送の実績はございません。  それから、イギリスにつきましては、8カ国が再処理委託をしてございまして、オランダ、スイス、ドイツ、イタリア、スウェーデン、カナダ、スペインでございます。このうち単一返還を採用している国はオランダとスイスとドイツでございまして、イタリアが現在検討中というふうに承知してございます。  それから、返還実績につきましては、単一返還とあわせましてオランダがことしの3月に28本を返還輸送したということを聞いてございます。  それから、トラブルにつきましては、特に承知してございません。 238 ◯川村委員  大変数多い国々でこの再処理が委託されているということで、トラブルについても聞いていないという御答弁でありますが、この新しくフランスから返還される低レベル廃棄物のガラス固化体、CSD-C、CSD-Bについて、フランスではどれくらいの製造実績や保管実績があるのか、これについてもトラブル等の発生はないのかお伺いいたします。 239 ◯丸茂原子力部部長  フランスでの低レベル放射性廃棄物の製造実績でございますけれども、CSD-Cにつきましては、平成14年から製造を開始しまして、現時点で約1万本製造したというふうに聞いてございます。それから、CSD-Bにつきましては、ことしより製造を開始しておりまして、現時点で約40本製造が終了したということでございます。保管実績は、返還分を除き、すべて保管されているということでございます。  それから、フランスで特にトラブルがあったというお話は承知してございません。 240 ◯川村委員  先ほどの答弁で、CSD-Bについては、新技術ということで、まだ輸送実績がないんだというお話をいただいたわけでありますが、このCSD-Bについて、安全はきちんと確保されるのか、その辺についてももう一度見解をお伺いします。 241 ◯丸茂原子力部部長  CSD-C、それからCSD-Bともに、日本におきましても、国の委員会等におきまして、その廃棄体の安定性、それから輸送時の安定性について御議論いただいておりまして、輸送においても、特に問題なく輸送可能というふうに考えてございます。 242 ◯川村委員  次に参ります。原子力安全・保安院も御出席をされておりますので、伺います。  原子力安全・保安院が行う安全規制の中で、貯蔵の安全性はどのように確認されるのか、また、原子力安全委員会においてはどうなのかについてもお伺いいたします。 243 ◯中津放射性廃棄物規制課長  お答え申し上げます。  私どもは、地元の理解を得て事業者のほうから事業変更許可申請が出ますれば、原子力安全・保安院におきまして、原子炉等規制法に基づき、施設の位置、構造及び設備が貯蔵する廃棄物による災害防止の観点から支障がないことや、事業者に当該事業を的確に遂行するに足りる技術的能力があることなどについて審査を行うことになります。また、施設の建設段階におきましては、施設に関連する設計、工事の方法が法令に定める技術基準に適合していることを確認いたします。  また、施設の使用開始前までに当該施設にかかわる保安規定の認可を行いますとともに、施設の建設工事終了後には使用前検査を実施し、実際の貯蔵開始後は、施設定期検査、保安検査等を定期的に行うことを通じて安全規制を行ってまいります。  他方、返還される廃棄物そのものにつきましても、その貯蔵の前に、ここの廃棄体の寸法ですとか重量、発熱量、放射性物質の種類ごとの放射能濃度が施設において安全に貯蔵できるものであることなどを確認いたします。 244 ◯竹内総務課長  お答えいたします。  原子力安全委員会におきましては、先ほど原子力安全・保安院が答弁されましたような原子力施設、廃棄事業の変更に当たりまして、経済産業大臣からの諮問を受けまして、廃棄の事業を適切に遂行するにするに足りる技術的能力があること、廃棄物管理施設の位置、構造、設備が、核燃料物質、または核燃料物質によって汚染されたものによる災害防止上支障がないものであることについて調査・審議を行いまして、経済産業大臣に対して意見を述べることになります。  また、後続の規制であります保安規定の認可、設計及び工事の方法の認可、立入検査の実施状況、事故報告等、原子力安全・保安院から報告を受けまして、必要がありましたら意見を述べるということになります。 245 ◯川村委員  わかりました。  次に参ります。先ほども各委員から質疑が集中しておりましたけれども、イギリスの廃棄物交換についてであります。  廃棄物交換については、放射線による影響が等しくなるような換算をしているということでありますが、その計算が正しいかどうかというのはどこでチェックをすることになるのかお伺いいたします。 246 ◯丸茂原子力部部長  電気事業者は、廃棄物の交換による返還を実施する前に、特定放射性廃棄物の処分に関する法律、最終処分法に基づきまして、廃棄物交換により返還する高レベル放射性廃棄物につきまして、環境への影響の程度が交換前のものに比べて大きくないことを事前に確認した上で返還に向けた手続、輸送を行うこととなります。  この実際の結果につきましては、各年度、その輸送が行われたその次の年度に、その拠出金の申請にあわせまして、NUMOのほうに、その評価した結果をあわせて提出するということになってございます。  以上です。 247 ◯川村委員  もう一点お伺いいたします。  単一返還での交換対象となる中・低レベル放射性廃棄物のイギリスにおける処分区分は地層処分対象となるのか。処分の簡単な低レベル放射性廃棄物のかわりに扱いの厄介な高レベル放射性廃棄物を日本に押しつけてきたということはないのか、お伺いいたします。 248 ◯丸茂原子力部部長  英国政府の方針、「安全な放射性廃棄物管理-地層処分実施に向けた枠組み-」というものが2008年、平成20年の6月に出ております。この中で、高レベル放射性廃棄物ガラス固化体に加えまして、使用済み燃料、それから炉内構造部から生じます金属雑固体や一部低レベル放射性廃棄物、これは、アルファ線を放出する放射性物質としましては、日本の基準とほぼ同等であります4ギガベクレル/トンという同じような数値でございますが、こちらも地層処分をすることと明記されておりまして、英国におきましても、単一返還で交換される前の低レベル放射性廃棄物のほとんどは地層処分対象でございます。  それから、厄介なものを日本に押しつけていないかということでございますけれども、単一返還は、人に与える影響の程度が等価な交換でありまして、処分施設の規模も約4分の1程度になりますものですから、妥当なものというふうに判断してございます。 249 ◯川村委員  イギリスにおいても、ほとんどがもう地層処分対象ということで、理解をさせていただきました。  次の質問でありますけれども、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターにおける低レベル放射性廃棄物に係る安全性についてであります。  低レベル廃棄物受け入れ・貯蔵施設は平成30年以降完成という電気事業者及び日本原燃の想定スケジュールでありますが、施設完成後も、空きスペースがあれば、こちらのほうに低レベル廃棄物を搬入することになるのか、その点についてお伺いいたします。
    250 ◯越智理事・再処理事業部再処理計画部部長  低レベル廃棄物受け入れ・貯蔵施設、こちらの竣工後は、返還されます低レベル廃棄物につきましては、低レベル廃棄物受け入れ・貯蔵施設のほうで受け入れるという計画となっております。 251 ◯川村委員  次に参ります。  低レベル固型物収納体、CSD-Cからクリプトンやトリチウム等が放出をされる可能性があることから、測定設備等の対応とは別に、設計時に想定していない核種、核の種類でありますけれども、施設の健全性に悪影響を及ぼしたりすることはないのか、この点についてもお伺いいたします。 252 ◯越智理事・再処理事業部再処理計画部部長  フランスから返ってまいります廃棄物、これは、高レベルガラス固化体と同様、溶接構造のステンレス鋼性容器に収納され、閉じ込めが確認されたものを受け入れ・貯蔵するものでございますので、内部から放射性物質の漏えいはないと考えております。ただ、万一のことを考慮いたしまして、検出しやすいクリプトン、トリチウム等をモニタリングを行うということとしております。  また、容器に収納されているのはハル・エンドピース及び金属雑固体でございまして、想定しない核種が悪影響を及ぼすようなことはないと考えております。  また、放射性核種ではございませんけれども、チェック・検討会でも御説明させていただきましたが、固型物収納体、こちらのほうには有機物の放射性分解により発生する可能性のある塩化水素、こちらがございます。これにつきまして、固型物収納体の容器、内表面の腐食を評価いたしまして、容器内面に悪影響を与えないということを確認しております。 253 ◯川村委員  このクリプトンやトリチウム等の放出が仮に確認された場合に、どういった処置、対応をされるのかお伺いいたします。 254 ◯越智理事・再処理事業部再処理計画部部長  まず、先ほども御説明させていただきましたとおり、今回、受け入れ廃棄物は溶接構造のステンレス性のもので、閉じ込めが確認されたものを受け入れますので、そういう事態は発生しないというふうに考えております。万が一そういうことが発生した場合には、その都度対応を考えさせていただきたいというように考えております。 255 ◯川村委員  その都度対応を考えるのでは少し遅いんではないかと。いろいろシミュレーションできるわけでありますので、やはり今からそういった、測定されるわけでしょうから、放出が確認された場合はこういうふうな対応をするという今から対策を確立しておくことが必要ではないかということで、もう一度お答えをいただきたいと思います。 256 ◯越智理事・再処理事業部再処理計画部部長  廃棄物が収納されております収納管、これにつきましては、それぞれわかっております。ということで、もしそういうものが万々が一、検出された場合には、その廃棄物というのはまずは我々特定いたします。特定いたしました後、取り出すことも可能でございますので、それらについてしかるべき対応、例えば溶接等もございますかと思いますけれども、そういうものに対応するということを検討しているところでございます。 257 ◯川村委員  ちょっと何かすきっとしませんので。溶接をして、結局その容器から漏れているという部分があるから出てくると思うんですね。したがって、溶接をして、こういった元素が出てこないようにするということであればわかるんですが、その辺、ぜひ誤解を与えないような対応をしっかり確立をしていただきたいと思います。  次に参ります。廃棄物輸送時の安全性についてであります。  低レベル放射性廃棄物のフランスからの輸送に当たっては、輸送時安全確保がされなければなりませんが、フランス、日本のそれぞれにおいて、輸送物等についてどのような検査が行われるのか伺います。 258 ◯丸茂原子力部部長  電気事業者といたしましては、これまで、高レベル放射性廃棄物の受け入れ時に、閉じ込め性、要は密封されているか、それから放射能量、発熱量などを確認してまいりました。これらの実績を踏まえまして、フランスからの低レベル放射性廃棄物につきましても、その特徴を踏まえまして、同等の品質が確認できるよう努めてまいりたいと思います。  実際にフランス、日本のどちらで検査を行うかというのは、これから関係者間で調整をしていくこととしております。 259 ◯川村委員  最後になりますが、昭和59年、電気事業連合会が青森県及び六ヶ所村に原子燃料サイクル3施設の立地申し入れをしてから、既に四半世紀を経過いたしております。この間、県内においては、反核燃のあらしが吹き、政治的に極めて難しいかじ取りを強いられる場面もありましたが、我が国の原子力エネルギー政策の重要性を多くの国民が、県民が理解し、これらを乗り越えてきたものと思っております。近年は、地球温暖化防止の観点から、再生可能エネルギーとしての風力、太陽光とともに原子力発電が世界的にも見直しされ、核燃料サイクル事業の確立がより一層重要性を増している状況にあります。  このたびの返還放射性廃棄物については、既に返還高レベル放射性廃棄物で貯蔵実績があり、しかも、低レベルといえども高レベル扱いをされるということでありますから、十分に安全性は確保されるものと思いますが、念には念を入れた取り組みが必要であると思います。県民の安全・安心の視点に立って、より一層の安全確保を要請しておきたいと思います。  以上であります。 260 ◯神山委員長  以上をもって川村委員の質疑を終わります。  次に、古村委員の発言を許可いたします。──古村委員。 261 ◯古村委員  お疲れのことかと思いますけれども、あと30分の辛抱であります。おつき合いを願いたいと思います。  私は、検討会の山村博士、先生と呼ばせていただきますが、国の指針や事業者の対策、あるいは現地に足を運んでということで、専門的な立場からいろいろ検討をなされて、業者は、としていると。したがって、安全性は確保される、技術的に十分実施可能であるとか、あるいは妥当である、問題がない、こういうことで報告書を作成をしておりますので、この観点から山村先生とお話をしてみたいと思っています。  というのは、86ページの記述にちょっと驚きと新鮮味を覚えたところであります。というのは、県民目線に立っての検討という言い方をされておりますので、さまざまな原子力施設を抱え、これからもいろんな施設が立地を予定されている本県、県民の安全・安心を守る観点から、山村先生がどのような認識でこの報告書を中心になってまとめられたのか、お尋ねをしてまいりたいと思います。  まず1点でありますけれども、検討会が県民目線に立って検討したとしていますけれども、私から言わせれば、実は懐疑的でありまして、どこの何が県民目線なのか、まずは冒頭、山村先生にお尋ねをいたします。 262 ◯山村主査  御指摘ありがとうございます。お答えさせていただきます。  私、3月30日に第1回海外返還廃棄物の受入れに係る安全性チェック・検討会の場において、蝦名副知事から委嘱状の交付を受け、冒頭に、今回選任された私ども5名は、事業者の海外返還廃棄物の受け入れに係る安全確保の基本的な考え方について、専門的な知見を踏まえつつ検討を進めてまいりますが、私どもの検討が県民にわかりやすく、透明性のあるものと努めてまいりたいとあいさつを申し上げたところでございます。  私は、このことを常に念頭に置きながら、4回にわたる安全性チェック・検討会での議論を通じて、安全性の確認に関して、抜け落ちがないか検討を進めてきたところでございます。ほかの専門家4名の委員の方々もまた同様に、県民にわかりやすく透明性のあるものを、ということを常に心がけながら検討を進めていただいたものと受けとめているところでございます。 263 ◯古村委員  次なんですが、地域住民イコール県民の安全・安心確保というよりも、今回のこの受け入れ要請の安全性に関して、国と事業者の言い分が果たして正しいのかどうかということのみについて検討したように私は思うのでありますけれども、海外返還廃棄物の受け入れに係る安全性について、国、事業者の言い分だけで確保できると判断したことは先生は妥当だとお考えなものでしょうか。 264 ◯山村主査  お答えいたします。  安全性チェック・検討会としては、事業者が安全確保のためにとろうとする基本的な考え方及び主要な安全対策が私どもの専門的知見、あるいは国内外の経験等に照らして妥当であり、実施可能であるかを検討するという目的を果たすべく、さまざまな角度から、抜け落ちがないか、あるいはそのように注意しながら検討を行ってまいりました。  事業者からは、公開の場である検討会において3回にわたって説明をしていただき、総体的に評価をした結果、海外返還廃棄物の受け入れに係る安全性は確保できると、そういうことと考えられるとの結論に至ったものでございます。 265 ◯古村委員  それでは国の安全審査方式を追認しただけではないのか、という疑問を持ちます。県民には、これまでの経過やら国や事業者に対する不信感というのは相当根強いものがあります。きょうも与党なりの方からいろいろ出されたところでありまして、これでは県民の安全・安心というよりも、知事なり副知事なりを安心させるためだけの、国の安全審査方式に屋上屋を重ねた、意味のない検討、報告ではないのかと思いますけれども、先生はいかがお思いなのかお伺いいたします。 266 ◯山村主査  厳しい御指摘ですが、原子力施設の安全性については、法令に基づき、国が一元的に安全審査等において確認する仕組みになっているところですが、当検討会としては、県民の安全・安心に重点を置いた対応の観点から、海外返還廃棄物の受け入れについて、県としての受け入れの是非に係る判断等を行うに当たり、あらかじめ事業者が安全確保のためにとろうとする基本的な考え方及び主要な安全対策について、専門的知見、国内外の経験等に照らして妥当であるかについて検討を依頼されたものと承知しております。 267 ◯古村委員  検討会は、返還廃棄物の数量や返還時期、安全性の検討に当たって、その前提となる契約書の写しなどの提示を受けて、その内容が妥当なのかどうかを精査したものかどうか、お伺いいたします。 268 ◯山村主査  お答えさせていただきます。  本検討会は、事業者が安全確保のためにとろうとする基本的な考え方及び主要な安全対策が、専門的知見、国内外の経験等に照らして妥当であり、実施可能であるかを検討するものであり、個別の契約内容等については、本検討会の検討対象ではないものと承知しております。 269 ◯古村委員  次に移ります。  2013年、返還が既に決まっているから、廃棄物受け入れを検討してくれというのでは、この順序、手続が逆ではないかと私は思いますけれども、まず地元の受け入れ了解が先ではないのかと思っています。この点に関して山村先生はどうお考えでしょうか。 270 ◯山村主査  繰り返しになりますが、原子力施設の安全性については、法令に基づき、国が一元的に安全審査等において確認する仕組みになっているところですが、当検討会としては、県民の安全・安心に重点を置いた対応の観点から、海外返還廃棄物の受け入れについて、県としての受け入れの是非に係る判断等を行うに当たり、あらかじめ事業者が安全確保のためにとろうとする基本的考え方及び主要な安全対策について、専門的知見、国内外の経験等に照らして妥当であるかについて検討を依頼されたものでございます。 271 ◯古村委員  私は、低レベル廃棄物貯蔵施設も整備され、そして地元了解を得てからイギリスなりフランスと交渉をし、搬出時期などを合意すべきではないかと思っています。ですから、イギリス、フランスというのはいわば民主主義の本家、元祖、本場でありますので、地元了解が得られていないという理由、事情を十分に説明すれば理解してもらえるのではないか、言ってみれば延期してもらえるのではないか、そう思っています。山村先生の御認識はいかがなものでしょうか。お伺いいたします。 272 ◯山村主査  私のお答えできる範囲でお答えさせていただきます。  安全性チェック・検討会は、あくまで事業者が安全確保のためにとろうとする基本的考え方及び主要な安全対策が専門的知見、国内外の経験などに照らして妥当であり、実施可能であるかを検討するものでございます。 273 ◯古村委員  この30年から50年、あるいはさらにそれ以上、最終処分地探しの行方によっては超長期の途方もない期間を、一時的に青森県が預かってほしいと言われても、相手は厄介な死の灰とも呼ばれる放射能の固まりであります。それがきょう、あすにでも返ってくるかのような、事業者が9月中に返事をよこしてくれとせかされても、我々県民にとっては、どだい無理である、そう思っていますけれども、この辺について山村先生の思いはいかがでしょうか。 274 ◯山村主査  たび重なる厳しい御指摘に私なりにまたお答えをさせていただきます。  安全性チェック・検討会は、あくまでも事業者が安全確保のためにとろうとする基本的な考え方及び主要な安全対策が専門的知見、国内外の経験等に照らして妥当であり、実施可能であるかを検討するものと承知しております。 275 ◯古村委員  海外から持ち込まれる返還廃棄物に関して、一時貯蔵から最終処分地に搬出されるまでの間、国、電事連、電気事業者、そして原燃のこの管理責任の範囲、どこがどこの段階まで責任を負うのか、検討会はそれらを確認した上で報告書をまとめられたのでしょうか、先生にお伺いします。 276 ◯山村主査  この御指摘も厳しい御指摘ですが、私のお答えはその範囲でさせていただきます。
     安全性チェック・検討会は、あくまでも事業者が安全確保のためにとろうとする基本的考え方及び主要な安全対策が専門的知見、国内外の経験等に照らして妥当であり、実施可能であるかを検討するものでございます。 277 ◯古村委員  それでは、単一返還についてお尋ねします。  阿部委員からも山内委員からもありました。単一返還については、この放射能の影響等が等価な交換であるというならば、なぜイギリスに650億円もの金を支払わなければならないのかということです。等価でありますから。もう既に支払い済みになっているのか私は承知していませんけれども、検討会の立場としては、今回の資料の出し方を含めて、というのはメリットが3ページにわたっていますけれども、検討会の資料には2ページだけで、具体的な金額が記入された3枚目は出されていないわけですが、こういう今回の資料の出し方を含めてどのように山村先生は御理解しているのかお伺いします。 278 ◯山村主査  本検討会において650億円の支払いといった資料については示されておりませんが、いずれにしても、コストの問題については本検討会の検討対象ではないと認識しております。 279 ◯古村委員  最終処分地が全く担保されていない現在の状況下で、放射線の影響が強い高レベル廃棄物ガラス固化体、いわゆる単一返還を受け入れるよりも、コストはかかるとしても、青森県としては低レベルで廃棄物を受け入れたほうが長期的には安全・安心なようにも私は考えますけれども、検討会としてはどのようなお考えで判断したものでしょうか。 280 ◯山村主査  同様なお答えになりますが、安全性チェック・検討会としては、事業者が安全確保のためにとろうとする基本的な考え方及び主要な安全対策が専門的知見、国内外の経験等に照らして妥当であり、実施可能であるかを検討するものであり、今回事業者からは、イギリスから低レベル放射性廃棄物で返還するとの事業計画は示されておりません。 281 ◯古村委員  原燃の問題なんですが、原燃はきのう、29日、再処理工場の10月完工時期を見直すことと明言いたしました。ガラス固化への原燃の対応にいまだに成果が見られない、そういうことで、2006年10月17日に「アクティブ試験に全力を傾注すべき」と知事が検討を拒否した当時以上に、今が一番大きな山場であると私は思っています。したがって、今回も知事は受け入れを拒否すべきだと思っているわけでありますけれども、本県の事情をよくよく承知している山村先生の御認識をお伺いいたします。 282 ◯山村主査  青森県の重要性について、認識は私は先生と共通だと思っています。  ただ、今回の御質問に対しては、安全性チェック・検討会では、事業者が安全確保のためにとろうとする基本的な考え方及び主要な安全対策が専門的知見、国内外の経験等に照らして妥当であり、実施可能であるかを検討するものであり、受け入れの是非については、県が判断するものと認識しております。 283 ◯古村委員  高レベル廃液漏れ、さらには溶融炉のふん詰まり、攪拌棒が曲がる、れんがが落ちるなどの事故、トラブルを再処理工場は頻発していますが、原燃は安全には影響ないと、宣伝、大量の宣伝を垂れ流すばかりでありまして、県民には納得できるような説明は直接、一切行われていません。このような原燃の県民に対する対応、現地も視察をしたり、お話もしているかと思いますけれども、検討会の山村先生はどのように承知をしているものかお伺いいたします。 284 ◯山村主査  ありがとうございます。厳しい御指摘ですが、感謝申し上げます。  安全性チェック・検討会は、事業者が安全確保のためにとろうとする基本的な考え方及び主要な安全対策が専門的知見、国内外の経験等に照らして妥当であり、実施可能であるかを検討するものです。  なお、日本原燃株式会社におけるトラブル等発生時の情報提供、公表体制については、トラブル等対応要領を定め、同要領に基づき活動することにより、迅速かつ的確な活動ができる体制が整備されている旨の説明がありました。  が、本検討会としては、日本原燃株式会社においては、今後も安全対策等、慎重に対応するとともに、県民の安全・安心の視点に立って、不断の努力を続けるよう望むものでございます。 285 ◯古村委員  県民の一番の不安というのは、なし崩し的に本県が最終処分地にされるのではないか、ということにあるかと思いますけれども、電気事業者や原燃の事故、トラブルに当たっての隠蔽体質や説明責任のなさ、これが不信の原因ではないのかと。つまり、国、事業者への信頼がない、そう思っています。  検討会は報告をまとめましたけれども、海外返還廃棄物の受け入れ検討に当たって、県民の信頼をかち得るためには、こうすべきであるという対応を、さらに重ねて検討する気はないのか。特に山村先生は県民説明会にもすべて出ていますし、六ヶ所の村議会とも議論をしていますし、きょうこうして県議会とも議論をしています。さらに報告書を補充、補強していってもいいんではないか、私はそう思っていますが、先生の御見解をお尋ねします。 286 ◯山村主査  本検討会としては、3月に県から御依頼のあった検討項目についての検討を終え、去る7月1日に知事に対して御報告を行いました。そして、本検討会に課せられた役目は果たしたものと認識しております。  なお、今後の実施段階において事業者が留意すべき事項としては、今後の留意点として報告書にまとめたとともに、今後とも安全対策等、慎重に対応するとともに、品質保証体制、体系の質的水準の維持向上に努めるなど、より一層安全確保に向けて万全の体制で取り組み、県民の安全・安心の視点に立って、不断の努力を続けるよう望む旨を結論とさせていただいたところでございます。 287 ◯古村委員  山村先生には最後の質問になりますが、県民目線をうたって、さらに先生自身が説明会なり、我々の勉強会でも何度か県民目線ということを強調しておられましたけれども、どうしても県民目線の報告書という受けとめ方はできない。そういうことから、この報告書の内容だけでは県民は納得しないんではないかと思っています。  むしろ、県民目線の報告と自負するんであれば、知事が設置した検討会に県民は何を期待しているのか、検討会みずからが県民から直接意見を、報告書を出してから議論をして県民を説得しようと努めるんではなくて、直接意見を募集するなどして、さらに知事と協議をして、継続して安全性を検討する気は起こらないものなのでしょうか。  私どもは、青森県民の安全・安心のために山村先生に大いに期待をして、今まで見詰めてきたところでありますけれども、最後に山村先生の御答弁をお願い申し上げます。 288 ◯山村主査  御指摘ありがとうございます。  本検討会としては、3月に県から依頼のあった件について、4回における公開の場である検討会における検討を通じて報告書として取りまとめ、去る7月1日に知事に対して報告をしたところであり、海外返還廃棄物の受け入れについて、電気事業者及び日本原燃株式会社における安全確保のため、基本的考え方及び主要な安全対策が専門的知見や国内外の経験等に照らして妥当であり、実施可能であるかどうかを検討すること、また、その検討を県民にわかりやすく、透明性のあるものにするという役割は完了したものと認識しております。 289 ◯古村委員  時間がありますので、最後に知事にお答えをしていただきたいと思います。というのは──眠そうですけれども──この受け入れの是非をめぐって、知事は多数を採用するものなのか、それとも、議論の中身を聞いて、なるほどという方向を、あえて少人数であってもそちらの意見のほうをとるものなのか。是非に当たっての知事の判断基準というものをお尋ね申し上げます。 290 ◯三村知事  古村委員にお答えいたします。  これまでも、御案内のとおり、私といたしましては、例えばこうして県民の代表たる県議会における議論であるとか、あるいは市町村長会議であるとか原子力政策懇話会であるとか、あるいは県民説明会であるとか御意見を聴く会であるとか、さまざまな御意見等をしっかりと拝聴しながら総合的な判断をしてきた次第でございます。このたびもそのように努めていきたいと考えております。 291 ◯古村委員  最後の最後であります。本当に終わります。  これからのスケジュールというんですか、市町村長会議というお話が今、知事からありましたし、懇話会ももう一度開く、さらにはいろんな団体とも話し合うという、御意見をお聞きするというお話も漏れ伝わってきていますけれども、蝦名副知事、これからの、県民の意見を聞く、どういう会合があって、いつごろをめどにしているのか、御説明をいただければ、時間が余ってもあとやめます。 292 ◯蝦名副知事  市町村長の御意見につきましては、前に担当課長等にまず説明申し上げて、そして、近いうちに市町村長から直接御意見を賜りたいと、こう考えております。また、政策懇話会につきましても、近い時期に、前回説明したばかりでございますので、質疑をいただいて、さまざまな御意見を賜りたいと、こう考えております。  また、知事はそのほかに、反対派の団体の意見やら、あるいは商工団体、農業団体等の意見、あるいは学識者の意見を聞く、そういう場も設けたいと考えております。それらを総合的に検討した上で、先ほども知事が答弁しましたように、総合的に判断されるというふうに考えております。 293 ◯古村委員  終わります。 294 ◯神山委員長  以上をもって、本日の予定した質疑を終わります。  一言ごあいさつを申し上げます。  参考人の皆様に対しては、委員会を代表して一言お礼を申し上げます。本日はお忙しい中を当委員会に御出席くださり、委員の質問に御回答いただき、心から感謝を申し上げます。本日はまことにありがとうございました。御苦労さまでした。  これをもって委員会を終了します。 ○閉 会  午後 4時30分 Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...