青森県議会 2010-07-21
平成22年文教公安委員会 本文 開催日: 2010-07-21
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ○開 会 午前11時00分
◯高樋委員長
ただいまから
文教公安委員会を開きます。
慣例により会議の
記録署名委員を指名いたします。
中村委員、
三村委員にお願いいたします。
本日の
審査案件は、
特定付託案件であります。
なお、審査の順序は、
警察本部関係、
教育委員会関係の順に行いますので、御了承願います。
警察本部関係の審査をいたします。
特定付託案件について質疑を行います。
質疑は所管外にわたらないようにお願いいたします。なお、答弁者は、挙手の上「
委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。
それでは、質疑はありませんか。──越前副
委員長。
2
◯越前委員
おはようございます。私から何問か質疑をさせていただきます。
まず最初に、
APEC首脳会議開催に伴う県警の
対応状況についてお伺いいたします。
マスコミ報道によりますと、近年の
世界情勢につきましては、
国際テロが依然として発生しているなど、非常に厳しいものがあるというふうに承知いたしているところであります。
各国首脳が一斉に集う
国際会議等では
反対勢力による激しい
抗議行動が行われ、先月も、カナダで開催されました
サミットにおきまして
警察車両が放火されるなど、大変な暴動にまで発展したことがニュースで報じられたところであります。
こうした中におきまして、本年11月には神奈川県横浜市におきまして
APEC首脳会議が開催されるとのことであり、この会議におきましても当然のごとく激しい
抗議行動が予想され、警察では
全国規模の大がかりな
警備体制をとるものと私は考えているところであります。
全国の警察が一丸となって行うこの大規模な警備におきましては、これまでも本県警察から
応援部隊を派遣していると伺っているところでありますが、当然、今回の
APEC首脳会議でも本県からの部隊の応援があるものと私は考えております。そういう中におきまして、
警察本部における指揮官のもと、与えられた任務を全うしていただきたいと強く念願をいたしているところであります。
また、多数の
応援部隊を派遣した場合におきましては、県内の治安が心配されるところでもありまして、その
安全確保に努めていただくとともに、県内に所在する
原子力施設など
重要施設についても
警戒警備に万全を期していただき、県民の安全・安心な生活の確保をぜひお願いいたしたいというふうに強く念願するものであります。
そこで、次の点についてお伺いをいたします。
まず第1点目でありますが、本年11月に
APEC首脳会議が横浜市で開催されることに伴う
応援派遣の予定や
訓練状況など、県警としての
対応状況についてお伺いをいたします。
3
◯成田警備部長
越前副
委員長の御質問にお答えいたします。
APEC首脳会議は、本年11月13日、14日の2日間、神奈川県横浜市で開催されることとなっております。
青森県警では、昨年11月25日、
警察本部長を長とする青森県
警察APEC警備対策委員会を設置し、県警察の総力を挙げて、
テロ対策を含めた警備諸対策を推進しております。
副
委員長御指摘のとおり、平成13年の
米国同時多発テロ事件以降、
世界各地で
イスラム過激派等による
テロ事件が相次いで発生し、
国際テロ情勢は依然として厳しい状態で推移しております。
本年6月にカナダで行われたG20
トロント・
サミットでは、会場となった
トロント市の中心部で約1万人の
抗議デモがあり、その一部が暴徒化して、商店の
窓ガラスを割ったり
警察車両に放火したりして約900人が身柄拘束されたと報じられるなど、近年、
世界各地の主要な
国際会議では、反グローバリズムを掲げる過激な勢力等による大規模な
抗議行動において一部が暴徒化することが半ば常態化しております。
APEC首脳会議への
部隊特別派遣につきましては、現在のところ未定でありますが、
派遣要請が想定されるところであり、本県におきましても、さきに御説明したような情勢を踏まえ、精強な
部隊錬成を目的として、大規模なデモや暴動に対処する訓練を実施するとともに、今後も継続して各種の訓練を実施することとしております。
また、
APEC首脳会議には多数の
外国要人が来日する見込みであることから、部隊の中には
警護要員の
派遣要請も想定されるため、派遣に備え、要人の身辺の安全を確保するための訓練を反復実施しているところであります。
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◯越前委員
ただいまの答弁を伺いましても、昨年から既に
警備態勢に入っているというふうなことで、まずは一安心しているところでありますが、なおかつ訓練に訓練を重ねられているというようなことでございまして、これまた心から敬意を表するところでございます。
何事におかれましても、外国からおいでになる要人の方々につきましては、日本の警備の底力をしっかり見せつけて、安全・安心で事故なくこの
APECの会議が開催されて、帰っていただくというふうな
受け入れ態勢は非常に重要だというふうに考えております。そういうことで、この件については、さらに訓練を強化されまして、万全なる態勢で臨んでいただきたいということを強く要望しておきたいと思います。
そこで、引き続き2点目でございますが、
会議開催に伴いまして、先ほども申し上げましたが
応援部隊を派遣することとなりますが、県内の
治安維持に少なからず支障があるのではないかというふうに懸念されておるところでありますけれども、
応援部隊派遣中における県内の
治安対策についてはどのような対策を講じていこうとしておられるのか、この点についてお伺いいたします。
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◯成田警備部長
応援部隊を派遣した場合の県内の
治安対策でありますが、派遣中に
自然災害や
突発事案が発生した場合には、残留する部隊が中心となって対応に当たることとなっております。
一昨年の
洞爺湖サミット応援派遣の直前に岩手・
宮城内陸地震が発生しましたが、迅速かつ的確な
災害警備活動を推進したところであります。
青森県警では、
応援派遣中、県内の
集団警備力を確保するため、先ほど申し上げました
警備訓練には、派遣が想定されている者だけではなく残留者も参加させて、その
練度向上に努めているところであります。
また、県内における
テロ対策として、次の4点を重点に取り組んでおります。
その1つは、
重要施設に対する
警戒警備の強化であり、事業者に対する
危機管理対策や警察との連携の強化を進めているところであります。
その2つは、
インフラ事業者や
公共交通機関等対策であり、昨日、鉄道やバス等の事業者を集めての
公共交通機関等安全対策会議を開催するなどして、
不審情報の通報や
自主警備の強化、
サイバーテロ対策の推進等を働きかけております。
その3つは、
関係機関との実戦的な
合同訓練であり、6月22日に青森港における
テロ対策訓練、7月8日に
青森空港における
不法侵入対応訓練を実施するなど、有事に備えた
事業者等との連携をより強化し、
対処能力の向上に努めているところであります。
その4つは、県民への広報であり、不審者・
不審物件発見時の
早期通報等、県民の方々の御協力を呼びかけております。
APEC首脳会議の開催まで4カ月余りとなり、県警といたしましては、今後も、県民の方々の御理解と御協力の確保に配慮しつつ、
関係機関とも連携しながら、テロの
未然防止と
県民生活の
安全確保に全力で取り組んでまいります。
6
◯越前委員
ただいま御答弁いただきましたように、
APECに参加される方々の御尽力はもとより大変な御苦労があると思いますが、また一方で、地元を守られる、治安の維持に努められる警察官の皆様におかれましても、大変な負担を強いられる中、県民の安全と安心を守るために御尽力されるわけでありますので、ただいま
警備部長から御答弁いただきましたが、この4点の項目はまさにそのとおりだと思います。各
関係機関と十分なる連携をとりながら、県民が安心して、安全な状況でこの
APECの開催が無事終わりますことを強く念願しておきたいと思います。
また、この
警備態勢におきましては、さらなる
訓練体制を強化し、そして万全を期して臨んでいただきたいと、強く要望しておきたいと思います。
次に、ただいまの答弁の中でも触れましたけれども、次の質問は、たまたまつながる問題でありますので取り上げているわけでありますが、港湾における
テロ対策訓練についての質問でございます。
この問題につきましても、
新聞記事等によりますと、6月22日、青森港新
中央埠頭において、県警や
海上保安部など
関係機関によりまして、
テロリストの入港を想定した
合同訓練が行われたとのことでございます。本年11月に横浜市において開催される
APEC首脳会議の開催を妨害することを目的に
テロリストが
不法侵入してくることも当然のごとく想定されるところでありまして、特に本県は、三方を海に囲まれていることなどから、今まで以上に警戒を強化する必要があると私は考えているところであります。
海上につきましては基本的に
海上保安部が所管していることは承知しておりますが、県警の協力なくして
不法侵入の
未然防止はできないものというふうに私は考えておりまして、引き続き、
関係機関との密接な連携のもと、
具体的対策を講じていただきたいと強く念願をしているところでございます。
そこで、第1点目として、港湾における
テロ対策訓練の
実施目的と
訓練内容についてお伺いをいたします。
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◯成田警備部長
越前副
委員長の御質問にお答えいたします。
御承知のとおり、本年6月22日に青森港新
中央埠頭において、
青森県警察のほか、10
行政機関と青森港に関連する
民間事業者など18の機関、事業者から約120人が参加して
テロ対策訓練が実施されました。この訓練は、毎年、青森港において、
青森県警察、
海上保安部、税関等の各機関が連携して、
水際対策を強化することを目的に実施しているものであります。
訓練の内容でありますが、青森港に入港しようとする
外国貨物船に
テロリストが乗船しているとの想定に基づき、
青森県警察を初め
関係機関による
情報伝達訓練及び
参集訓練、
青森県警察による陸上での
テロリスト出迎え者に対する
職務質問・
車両検索訓練及び
爆発物撤去訓練、
青森県警察と
海上保安部等関係機関との連携による海上での
テロリストに対する
制圧訓練、などを実施しております。
越前副
委員長御指摘のとおり、本年11月には横浜市において
APEC首脳会議の開催も予定されており、引き続き、
関係機関とも密接な連携を図りながら、
テロリストを県内に入れさせない、
テロリストに拠点をつくらせない、テロを敢行させないという方針のもと、
テロ対策を強化することとしております。
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◯越前委員
ありがとうございました。毎年実施をされている港湾における
テロ対策訓練、本年は120名ほどが参加されて実施をされたというようなことでございまして、訓練は当然のごとく功を奏しているものというふうに、大いに敬意を表するとともに期待をいたしているところでございます。
そこで、2点目といたしまして、海上からの
テロリスト侵入を想定した
未然防止対策についてはいろいろと対策を講じられているというふうに私は考えているところでございますが、その海上からの
テロリスト侵入を想定した
未然防止対策について、どのような対策を講じられているのかお伺いいたします。
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◯成田警備部長
次に、海上からの
テロリスト侵入を想定した
未然防止対策についてお答えいたします。
海上からの
テロリスト侵入を想定した
未然防止対策の大きな柱の一つとして、青森港
保安委員会や八戸港
保安委員会の2つが主催し、それぞれ関係各機関が連携して、
テロ対策訓練を毎年実施しております。
また、
水際対策の強化が必要な情勢がある場合には、警戒、検査等の強化について調整を図るため、青森港に
青森県警察の
外事課長を、八戸港に
八戸海上保安部長をそれぞれ
危機管理担当官として、7
行政機関が集まって、相互に連絡・
通報態勢等について協議、確認しております。
さらに、
青森県警察では、沿岸を管轄する
鰺ヶ沢警察署等10警察署において
沿岸警戒を実施しておりますが、
地域住民の方々が不審船や不審者を発見した際には早期に警察へ通報していただくよう、
広報活動も推進しております。
青森県警察といたしましては、引き続き、
関係機関等とも密接に連携して
水際対策を強化し、
県民生活の
安全確保に全力で取り組んでまいる所存であります。
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◯越前委員
御答弁の中で、大変積極的な取り組みをしていることを理解することができました。まさに、今御答弁にありましたが、青森港、八戸港を中心とした訓練をなされている内容については理解したところでありますが、先ほども申し上げましたように、青森県は三方を海に囲まれているわけでありまして、侵入しようとすればどこからでも入れるという、まさに、
日本海域といいますか、海域上からすれば
日本列島すべてがそういう状況にあるわけでありまして、
水際対策については、今まで以上に具体的な対策を講じながら、しっかりと
テロリストの侵入を防ぐ、防止をするということで、ひとつ、一層の御尽力と、また対策を講じて取り組んでいただきたいというようなことを強く要望して、この質問については終わらせていただきたいと思います。
次に入ります。次は、青森県
爆発物原料対策連絡会の開催についての質問であります。
これもまた、先般の
新聞報道によりますと、県警におきましては、本年7月6日に青森県
爆発物原料対策連絡会議を設置したとのことであります。
聞くところによりますと、ある程度の知識があれば、一般の店舗におきまして販売している塩酸などの薬品を調合することによって
爆発物を製造することが可能とのことであり、
テロリストが
爆発物を製造するために県内の販売店から薬品を購入することも考えられるところでございます。
薬品販売店や
関係機関などと密接に連携をし、
不審人物などについての
通報体制を確立していただくなど、
テロ防止対策に具体的に努めていただきたいというふうに考えておるところであります。
そこで質問いたしますが、
爆発物原料対策連絡会議の
設置目的と、第1回
連絡会開催の内容について、どのような
開催内容になっているのかお伺いをいたします。
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◯成田警備部長
越前副
委員長の御質問にお答えいたします。
まず、
爆発物の
原料対策の必要性について御説明いたします。
青森県警察では、国外における
テロ事件や国内での
爆発物製造事件の発生を踏まえ、
爆発物の原料となり得る塩酸、硫酸等については、薬局、
ホームセンター等で容易に入手できるだけでなく、インターネットによる
通信販売でも
大量購入が可能であることから、塩酸や硫酸等を販売する事業者に対し、その
保管管理の徹底や不審な購入者の警察への通報等をお願いしているところであります。
そのために、
青森県警察では、
関係機関と緊密な連絡や
情報交換をしながら、効果的な
爆発物原料対策を推進することを目的に、本年7月6日に青森県
爆発物原料対策連絡会を設置したところであります。
次に、第1回連絡会の
開催内容についてお答えいたします。
連絡会には、
青森県警察を初め、
県健康福祉部医療薬務課等の5機関、青森県
薬剤師会等の6団体、
爆発物原料を販売している県内の
ホームセンター3事業者から21人が出席いたしました。
第1回連絡会では、警察側から、
国際テロ事件として、昨年末のデトロイト市行き
アメリカ航空機を標的とした
自爆テロ未遂事件や本年5月のニューヨーク市繁華街における
爆弾テロ未遂事件、また、国内の事案として、昨年2月に北海道の高校1年生が同級生の
殺害目的で
爆発物を製造していた事案等を報告するとともに、大量に薬品等を購入するなどの
不審情報の連絡・通報の要請、
盗難防止等のための
保管管理の徹底や発生時における
早期通報、警察及び
会員相互間の
情報共有、
爆発物原料に関する
広報啓発活動等について協議・検討を行ったところであります。
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◯越前委員
ただいま御答弁いただきましたが、大変詳しく御答弁いただきましてありがとうございました。
塩酸、硫酸などの
保管管理の徹底ということで御答弁いただいておりますが、本当にそのとおりだと思います。私が大変懸念いたしますのは、販売店でいつでもそういうものを簡単に買うことができるというこの状況下において、いかにこれを、
テロリスト等が容易に手に入れて悪いほうに活用させないように未然に防止するかというようなことが非常に重要ではないかと思っております。
現在私が非常に疑問に思うのは、こういう重要な事案に結びつくような薬物の販売等について、例えば
販売規制などはできないのかというようなことについてもいろいろと私なりに課題としてとらえているわけでありますが、一つの
問題提起として、できますれば、いろいろと法律やさまざまな問題があると思いますが、やっぱり、
テロリスト等に結びつくような薬品の販売等については、きちんとした法律の規制などを求めていかなければならないのではないか。そうでなければ、県警察が一丸となってどんなに努力しようとも、一方ではまた、見えないところでそういうものが販売されて、見えないところでそういう
爆発物をつくり、それがまた被害に結びつくような事案が発生するというようなことに結びついていくとすれば大変なことでありますから、それを未然に防止するために日ごろから
警察本部は頑張っているわけでありますので、そういう意味において、
販売規制などについても今後の課題として取り組んでいただければというふうに思っておりますので、この点については強く要望しておきたいと思っております。
次は、最後の質問でございます。
いよいよ
夏祭りのシーズンを迎えることとなりました。きょうも温度は30度を超えております。8月に入りますと、いよいよ県内におきまして、
青森ねぶたを初めとして、八戸の三社大祭、弘前のねぷたまつり、
五所川原の
立佞武多、黒石の
ねぷた祭り、そしてまた、私の地元の
大湊ねぶた祭り、
田名部まつりなどなど、
夏祭りが相次いで開催される時期となってまいります。
特に、
青森ねぶた祭や
五所川原立佞武多におきましては、いわゆるカラスハネトが出没いたしまして、県内外からの見物客に大変な迷惑をかけることとなることから、県警の皆様方には、その対策のために連日連夜大変な御苦労をなさってきているところであり、また、ことしもそういう大変な御苦労をなされるものというふうに推察をいたしております。
また、
花火大会などにおきましても、多くの見物客が1カ所に集中するなど、他県におきましては多くの死傷者が出た事案も発生しておりますことから、観光客が安全に見物ができるよう万全の対策を講じていただきたいというふうに心から願っているものであります。
そこで質問いたしますが、本年におけるこれから迎える
夏祭りの
雑踏警備方針について、どのような方針のもとに取り組んでいかれようとしているか、ひとつ方針についてお伺いをいたします。
13 ◯嶋山
生活安全部長
御質問にお答えをいたします。
本年も、7月30日の
黒石ねぷた祭りを皮切りに、
青森ねぶた祭、八戸三社大祭、弘前ねぷたまつり、
五所川原立佞武多、そして、
下北最大の
夏祭りであります
田名部まつり、その他、各地の
花火大会等、多数の観客が集まる
夏祭りが開催される予定でございます。
本県警察におきましては、これらの
夏祭りの
雑踏警備につきまして、これまでも、祭りへの参加者や観客の方々の利便を尊重しつつ、雑踏から生ずる
転倒事故や犯罪の防止、適切な
交通規制による
交通事故の防止と円滑な交通の確保、祭りに乗じて騒いだり混乱を生じさせたりしようとする者による
違法行為の防止などを中心に、県民や観客の方々の安全を守ることを
基本方針として
雑踏警備に当たっております。
また、過去の
教訓事例といたしまして、平成13年7月の兵庫県明石市での
花火大会において、歩道橋で観客が折り重なって倒れる
群衆雪崩が発生し、11人が死亡、183人が負傷した
雑踏事故を踏まえまして、
雑踏警備の実施に当たりましては、
警察署幹部による綿密な
実地踏査、主催者への的確な指導と関係者との連絡・連携を行った上で、十分な
雑踏事故防止対策を盛り込んだ
雑踏警備計画を策定し、観客の方々の
事故防止に万全を期すよう努めております。
なお、
夏祭りの
雑踏警備は、
祭り関係者や観客の方々の御理解と御協力を得ることによってその目的が達せられるものであると考えており、本県警察といたしましては、主催者との事前の検討をしっかりと行い、
警備現場におきましては、毅然とした
職務執行に努めるとともに、観客の方々に対しては親切で丁寧な対応を心がけてまいりたいと考えております。
以上でございます。
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◯越前委員
夏祭りを迎えての、また、休む暇なくいろんな対策を講じていかなければならない
警察本部の皆様方に改めて敬意を表したいと思います。
ただいま御答弁がありましたように、まさに何といっても、他県から、今は車社会でありますから車でおいでになる方々、また、もちろん、市内を初めとする県内からおいでになる方々も、列車で来る方もいらっしゃると思いますが、自家用車で来る方がかなり多いわけでありまして、そういう意味では、
交通事故防止対策がまず第一だというふうに当然考えておりますし、また、青森市内を見ましても、駐車場が非常に少ないということで、おいでになった方々がかなり困っているわけですね。したがって、どうしても違法駐車をやらざるを得ない。もちろん、違法駐車をすれば罰せられるというようなことになるわけで、これは県警本部だけの問題じゃありませんが、青森県全体の問題として、また、各
関係機関の方々の強い、深い理解と協力をいただいて、全体的な課題としてこの駐車場対策についても取り組んでいくということで、今後の課題として取り組んでいただければ大変ありがたいというふうに思っております。
それから、ちょっと所管外になるんですが、
青森ねぶたばかりじゃありませんが、お祭り期間になりますと、よそのほうはちょっと聞いておりませんが、青森県はなぜか、お祭り料金といいまして、日常の料金が2倍になるということが非常に観光客の不評を買っているところでございます。
具体的には、ホテルなどが日ごろの料金の2倍になると。私もホテルに泊まっているわけでありますが、日常の2倍取られるわけです。もちろん払うわけですが、これが非常に観光客の不評を買っているわけですね。2倍にしなくても2割増しぐらいだったらまだいいんでしょうけれども、2倍になってしまうということで、せっかく遠くから、国内外から青森においでになったお客様が、料金がふだんの2倍だと。遠くまで行って、つらい思いをして、料金を倍も取られたというようなことで、不快な思いをして帰るということの批評といいますか、批判といいましょうか、そういうようなことの声を数多く聞いているわけでありまして、これは前にも商工労働部関係で質問したことがあるんですが、やっぱり、県警本部だけじゃありませんが、いろいろな機会をとらえて、いろんな立場から、各機関から話題提供といいましょうか、提供しながら、青森県に来てくださるお客様を、まさにこれから新幹線開業を迎えて、本当にもてなしの心でお迎えできる、そういう体制づくりというふうなことは大変重要だと思いますので、そういう一環の中での対策ということでとらえながら、今後ひとつ課題として取り組んでいただきたい。
これは県警本部がやるということではなくて、
関係機関とまた話題提供しながら、何かの機会にまたそういう点も青森県の体制づくりのために取り組んでいただければということに対して、この点については要望にしておきたいと思います。
そこで、最後は、私は今、一連の質問をしてまいりましたが、特に警察の業務というのは、事件・事故の
未然防止や犯罪捜査など、青森県内における
治安維持が基本でありますけれども、ただいま各項目につきまして御答弁いただきましたとおり、他県への
応援派遣や
テロリストなどの
不法侵入未然防止対策など、我々県民の知らない場面におきましてもさまざまな活動をなされておることにつきましては、まさに心から敬意を表すると同時に、また、県民の皆様方にはその点についてわからない人が数多くいるのではないかというふうに思っております。ある意味では、そういうことに対しても、これだけ一生懸命頑張っているということを知っていただく機会があってもいいのではないかなと、私なりにそう思っております。まさに縁の下の力持ちというふうな感じを抱いているところでございます。
どうかひとつ、引き続きまして、寺島本部長を初めとして各部長の皆様方の的確な指揮のもと、健康には十二分に留意をされまして、今まで以上に職務を遂行されますよう強く御要望申し上げて、私からの質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
15
◯高樋委員長
ほかに質疑はありませんか。──田名部委員。
16 ◯田名部委員
越前委員の質問の関連なんですが、
爆発物の原料となる硫酸、塩酸の管理の問題ですけれども、確かに、少量のものについては
薬品販売店とか
ホームセンターでは把握できると思いますが、製造元、それから大量に使用しているところで従事している方々にどういう意識を持たせるかということは大変重要なことだと思います。
八戸では、硫酸をつくっている──企業名は言いませんが、大量につくっています。そこから400cc、500cc持ち出すのは簡単なんですよ。それから、大量に使っているところでは、何立方メートル──10立方メートルとか保存しているところがありますが、そういうところから四、五百cc持ち出すのは簡単で、量としてもわからない。それをどういうふうに、従事している方々、また管理している企業の経営者の方々に意識づけをしていくかということが大変重要なことなんです。量としては把握できません、はっきり言って。それが簡単に持ち出せる状況になっていますから、
ホームセンターとかインターネットで販売はできます、入手もできますけれども、つくっているところ、大量に使用しているところの管理というものをきちっとしないと、簡単に入手できるし、出すことができるということでもありますから──私はそういう経験をしてきました、そういう職場にいましたので、盲点になっていくと思いますから、その辺にも気を配っていったほうがいいと思いますので、意見として申し上げておきます。
17
◯高樋委員長
ほかに質疑はありませんか。──
中村委員。
18 ◯
中村委員
飲酒運転の防止対策についてお伺いします。
本年における県内の
交通事故発生状況は、亡くなられた方が31人と、前年同期比で5人の増加と聞いております。
交通事故発生の原因はさまざまでありますが、中でもこの飲酒運転につきましては、その事故率が大幅に増大することから、徹底した取り締まりを行う必要があります。特に、8月になりますと、県内各地で
夏祭りが開催され、お盆などで飲酒する機会も多くなることから、この対策を講じていただきたいと、このように思います。
そこで質問ですが、第1点目として、飲酒運転による
交通事故発生状況と飲酒運転の取り締まり状況について、2点目は、飲酒運転防止に向けた今後の取り組みについてお伺いいたします。
19 ◯工藤交通部長
第1点目は、飲酒運転による
交通事故の発生状況と飲酒運転の取り締まり状況ということでございました。
まず、飲酒運転を伴う
交通事故の発生状況についてですが、本年6月末現在の飲酒運転を伴う
交通事故は、発生件数が25件、前年同期比でマイナス14件です。死者数は1人、前年同期比プラス1人、負傷者数は31人、前年同期比マイナス20人となっており、前年の同期と比較しますと、発生件数と負傷者数は大幅に減少しております。死者数は1人となっておりますが、過去5年間の死者数の平均2.4人を下回っており、飲酒運転を伴う
交通事故は総じて減少傾向にあります。
これは、昨年6月に施行になった飲酒運転に対する行政処分の大幅強化、例えば、酒気帯び運転であっても、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.25ミリグラム以上であれば一発で運転免許が取り消されるなどの効果があらわれたものと考えております。
また、飲酒運転を伴う
交通事故25件については、時間帯別では午前7時台が5件と最も多いこと、年齢別では50歳台が8人と最も多いこと、事故の形態別では車両同士の事故が17件と最も多く、その中でも追突事故が8件を占めていることなどが目立ちます。
次に、本年における飲酒運転の取り締まり状況ですけれども、飲酒運転は、その悪質性、危険性にかんがみて、本県警察が最も力を入れて取り締まりを行っている交通違反の一つですが、本年6月末までに246件を検挙しております。その内訳は、酒酔い運転が15件、これは前年同期比プラス5件です。酒気帯び運転が231件、前年同期比マイナス10件となっております。
また、いわゆる飲酒運転周辺三罪と呼ばれている、飲酒運転をすることを知りながら車両を提供した場合の車両等提供罪、酒を勧めたり酒を提供した場合の酒類提供罪、自分を送ってほしいという要求や依頼をして同乗した場合の同乗罪、これが平成19年の道路交通法の一部改正で新たに設けられ、運転者以外にも厳しい罰則が科されることになりました。
これについても、本年6月までに、野辺地警察署で、酒酔い運転をした男性にビール等の酒類を提供した男性を酒類提供罪で、また、十和田警察署では、運転者と一緒に飲酒した後、自分の車両のかぎを渡して運転を依頼した女性を車両等提供罪で、それぞれ検挙しております。
それから2つ目の御質問ですが、飲酒運転防止に向けた今後の取り組みということでございました。
県警察では、本県の交通警察の推進重点の一つとして、「飲酒運転“絶対しない・させない”大作戦」を掲げて、力を入れて取り組んでおります。
具体的には、飲酒運転や、先ほど御説明いたしました飲酒運転を助長する犯罪の取り締まり強化、交通
関係機関・団体の方々とも連携しての、飲酒運転根絶の広報、飲食店への協力依頼活動、「飲酒運転しない・させない」事業所宣言、酒酔い体験ゴーグルを活用した飲酒運転疑似体験教室の開催などを行っております。
また、再犯防止対策として、飲酒運転による運転免許の停止や取り消しの処分者への講習では、飲酒運転の危険性を強く再認識させる特別なカリキュラムを盛り込んだ飲酒学級を実施しております。
各団体においても取り組みを進めていただいており、今月14日には、青森県トラック協会さんから、協会加入の運転者や家族の方が署名した「飲酒運転は絶対しない」という1万7,003人分の誓約書の御提出をいただいたところでもあります。
委員御指摘のとおり、特にこれからの時期というのは、
夏祭りやお盆等を控えて飲酒の機会も多くて、飲酒運転を伴う重大事故の発生が懸念されますので、7月、8月の2カ月間を飲酒運転取り締まり強化期間と定め、徹底した飲酒運転の取り締まりを実施中でもあります。
以上です。
20 ◯
中村委員
御答弁ありがとうございました。日夜、交通
事故防止のために活動されていることに感謝するとともに、引き続き、
交通事故による犠牲者を一人でも少なくなるように今後とも頑張っていただきたいということを要望します。
21
◯高樋委員長
ほかに質疑はありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
ないようでありますから、これをもって
警察本部関係の審査を終わります。
午さんのため暫時休憩いたします。
○休 憩 午前11時40分
○再 開 午後 1時02分
22
◯高樋委員長
休憩前に引き続き委員会を開きます。
教育委員会関係の審査を行います。
本日は、松田生涯学習課長が欠席しております。
それでは、
特定付託案件について質疑を行います。
質疑は所管外にわたらないようにお願いいたします。なお、答弁者は、挙手の上「
委員長」と呼び、次に職名を言って発言を求めてください。
それでは、質疑はありませんか。──越前副
委員長。
23
◯越前委員
早速、私のほうから何点か質問をさせていただきます。
まず最初に、今年度の重要施策にございますスクールカウンセラー配置事業についてお尋ねいたします。
昨今、学校を取り巻く環境におきましては、私どもの時代に比べまして本当に複雑化してきているというふうに考えております。今の学校の先生方におきましては、子供たちの暴力行為などの問題行動や不登校の解決に本当に苦労されているというふうに私は考えております。
こうした問題行動や不登校に対応するため、県教育委員会におきましてはスクールカウンセラーという専門家を配置しているというふうに伺っておりますけれども、まず、このスクールカウンセラー配置事業の内容と、地区ごとの派遣校数など具体的な取り組み状況についてお伺いをいたします。
24 ◯中村学校教育課長
お答えいたします。
スクールカウンセラー配置事業は、いじめや不登校などの問題行動等に対応するため、児童生徒の臨床心理に関して高度で専門的な知識、経験を有するスクールカウンセラーを学校に配置し、児童生徒や保護者へのカウンセリングのほか、教職員と連携して、いじめや不登校、問題行動等の
未然防止や心のケアに取り組んでおります。
平成22年度は、40名のスクールカウンセラーを中学校40校に配置し、さらには近隣の中学校及び小学校にも派遣して、123校の小・中学校で活動を行っております。
具体的には、東青地区が小学校10校、中学校20校、西北地区が小学校4校、中学校6校、中南地区が小学校8校、中学校16校、上北地区が小学校6校、中学校10校、下北地区が小学校4校、中学校6校、三八地区が小学校11校、中学校22校となっております。
これらの小・中学校以外の学校におきましても、突発的な事故や事件等に伴い、児童生徒が精神的に不安定となり、学校教育活動に支障を来す場合などについては、学校や市町村教育委員会からの要請に基づき、県教育委員会からスクールカウンセラーを派遣し、悩みや不安の解消に努めております。
なお、平成20年度の文部科学省の調査では、本県公立小・中学校のいじめの認知件数や不登校児童生徒数がともに前年度に比べて減少しており、このことは、教員の教育相談に関する指導力の向上や校内における教育相談体制の充実にスクールカウンセラーが果たしてきた役割が大きいものと考えております。
25
◯越前委員
ただいま、22年度に向けましては、スクールカウンセラー40名を中学校40校に配置しているというふうな御答弁がございました。20年度における文部科学省の調査では減少しているというふうなことでございまして、まさにその成果が出ているんだなというふうに認識をいたしたところでございます。
そこでまた、ただいまの答弁を伺いまして、高度な専門知識、経験を有するということでその効果が出たものというふうに理解をいたしますが、このスクールカウンセラーには具体的にはどのような資格や経験が必要になるのか、この点について再度お伺いをいたします。
26 ◯中村学校教育課長
お答えします。
このスクールカウンセラー配置事業は、国の補助事業として実施しておりまして、文部科学省が定める実施要領において、スクールカウンセラーの資格について規定されております。
具体的には、臨床心理士、精神科医、そして、児童生徒の臨床心理に関して高度で専門的な知識、経験を有する大学教授等と規定されております。
また、このほかに、大学や大学院を修了した心理臨床業務または児童生徒の相談業務について一定以上の経験を有する方などがスクールカウンセラーに準ずる者として定められております。
27
◯越前委員
ただいまの答弁で、国の補助事業としてスクールカウンセラーが実施されてきているということで、取り組まれている内容について御答弁いただいたわけでありますが、ただいまの答弁の中にもありましたように、スクールカウンセラーにおきましては、臨床心理士、精神科医、大学教授など資格が必要だというふうなことでございました。県内でこうした専門家を確保することについては非常に難しい、大変なことではないのかなというふうに私なりに理解をいたしているところでございます。
そこで、この人材確保の困難さを踏まえまして、県教育委員会におきましては今後どのようにスクールカウンセラーを確保していこうとしているのか、この点について再度お伺いをいたします。
28 ◯中村学校教育課長
今年度のスクールカウンセラー配置事業では、臨床心理士、大学教授が16名、児童生徒の相談業務についての経験者が24名となっておりまして、臨床心理士などの資格を持ったカウンセラーは少ない状況となっております。
さらに、スクールカウンセラーの方々は地域によって偏りがあり、スクールカウンセラーを確保し、県全体として教育相談体制を整えることは大きな課題の一つとなっております。
このため、県教育委員会といたしましては、今後とも、弘前大学を初めとし、各大学、病院等の
関係機関と連携したり、県教育委員会のホームページで募集について広く周知するなど、スクールカウンセラーの確保に努めてまいります。
29
◯越前委員
まさに今、県内はもとより、全国的にそうでありますが、特に私どもの県内は医師不足ということで、今、医師確保に県を挙げて取り組んでいる状況下にあるわけでありまして、そういう意味では、スクールカウンセラー事業につきましては、非常に重要な課題だと思います。また、取り組みについても敬意を表するところでありますが、そういう医師不足の中での臨床心理士とか精神科医等々の確保については大変困難を強いられるのではないかというふうに考えている次第でございまして、そういう難しい中であっても、この事業を成功させるためにはやはり確保していかなきゃならないというふうなことからして、困難を強いられると思いますが、ひとつ困難を克服しながら、より積極的な取り組みをしていただきたいということについて、まずは要望しておきたいと思います。
この点についても、子供たちの気持ちをまずはくんであげる、内面から問題点を明らかにしていく、そしてまた問題を解決していくというふうなことが非常に大事だろうと。そしてまた、そうしたスクールカウンセラーの役割については、各学校の運営に不可欠な存在になりつつあるというふうに私も考えております。
どうか、多くの学校におきまして子供たちの相談に乗ってあげられるよう、県教育委員会には、スクールカウンセラーの体制充実に具体的、かつ、より積極的に取り組んでいただきたいということを重ねて強く要望しておきたいと思います。
次に、これも今年度の県教育委員会の重要施策の中に載せられているわけでありますが、医師を志す高校生のためのメディカル・サポート推進事業についてお尋ねをいたします。
まず第1点は、県民の命と暮らしを守る施策の中で、地域の医療サービスの充実、とりわけ医師確保の問題は、ただいま申しましたように、県政の重要課題の一つであると私は考えております。また、さまざまな取り組みの中で、健康福祉部と教育委員会の連携により、一層重要になっておるこの問題に対して対応していくべきだというふうにも考えているところであります。
そこで、最初に、医師を志す高校生のためのメディカル・サポート推進事業については平成20年度から実施してきているところでございますが、これまでの取り組み状況と事業の成果並びにその課題についてどのようにとらえているのか、最初にお伺いをいたします。
30 ◯中村学校教育課長
県教育委員会では、医学部医学科進学を目指す高校生の意識を高め、生徒の学力と教員の指導力向上を図るため、平成20年度から、医師を志す高校生のためのメディカル・サポート推進事業を実施してまいりました。
この事業では、県内の3つの地域の拠点校が中心となって、県内全域の高校から参加者を募り、高校1年生及び2年生を対象とした予備校講師による学力向上セミナーを、夏季休業などを利用し、年3回ほど実施してきました。あわせて、教員は、授業参観とともに、講師を交えた意見交換を行うなど、教科指導力の向上を図ってまいりました。
また、この事業をさらに充実させるため、健康福祉部と連携を図り、県内外の医師による講演会や市部と郡部の医療施設見学会を開催するなど、高校生が医療現場の様子を肌で感じたり、働く医師と直接意見交換できる、そういう機会を設けております。
このような取り組みや各学校の計画的、継続的な進路指導の結果、医師を目指す高校生が増加するとともに学力の向上が図られ、本事業の1期生である平成22年3月卒業生の医学部医学科の合格者数は、前年度の44名から19名増加し、63名となっております。
一方、全国的に医師確保が叫ばれ、各都道府県が医学部医学科への進学対策を講じている中にあって、本県におけるこれまでの成果をさらに高めていくためには、高校3年生に対する取り組みを含めたより一層の指導の強化が必要であると考えております。
31
◯越前委員
医師を志す高校生のためのメディカル・サポート推進事業、まさにこれは大変重要な課題だと思っております。三村知事はみずから、いろいろな生徒さん方に対して、一人でも医師を目指す生徒をつくろうということで大変積極的な行動展開を起こして取り組んでいるところでもありまして、そういう意味におきましては、県の教育委員会として今年度の重要施策として掲げている事業としても、まさに時宜を得たものだというふうに思っております。
ただいまの御答弁の中で、20年度から実施している内容としては高校1年生と2年生を対象としてきたというふうなことでございまして、また合格者も、44名から19名増、63名の合格者ということで、その成果が着々と出ていることを今御答弁いただきました。ひとえに御尽力と御努力のたまものだというふうに心から敬意を表するところであります。
それで、ただいま申しましたように、御答弁の中にもございましたが、医学部を志望する高校生の中で1年生と2年生を対象にしてきたということでございますが、私は、さらに、1年、2年はもちろんではありますが、継続した取り組みをしていくことによって実を上げていくということを考えれば、3年生を対象にした取り組みも必要ではないのかというふうに考えるわけでありまして、どうか、このことを含めて、22年度の取り組みをどのように展開していこうとしているのか、その点についてお伺いいたしたいと思います。
32 ◯中村学校教育課長
県教育委員会では、将来の本県の地域医療を支える医師確保を着実に進めるため、医学部医学科合格者の増加傾向の維持向上を目指し、今年度においても引き続き本事業を実施することとしております。
今年度の具体的な取り組みとしては、高校1・2年生については、これまでどおり、英語、数学、国語を中心としたセミナーを年3回実施する予定としております。
また、今年度は、新たに高校3年生を対象に、発展段階として医学系の論文指導を取り入れるなど、より効果的なプログラム構成で年2回実施することとしております。
県教育委員会といたしましては、今後とも、健康福祉部など
関係機関と連携を図るとともに、実施校と連絡を密にしながら、医師を目指す高校生の意識啓発と学力向上に向けた取り組みの一層の充実に努めてまいります。
33
◯越前委員
ただいまは大変力強い御答弁をいただきました。医学部医学科の合格者の増加を目指すというようなことでございます。まさに、そのような具体的な方針のもとに、一層成果が上がるように取り組んでいただきたい。
先ほど申しましたように、青森県における医師不足の現状は非常に厳しい状況にあり、そういう中にあっても、知事を先頭に県政が一丸となって取り組んでいる中でありますから、県教育委員会におかれましても、これからの医師を育てるための重要な、医師を志す高校生のためのメディカル・サポート推進事業を積極的に推進してくださるよう心から念願し、また要望しておきたいと思います。
まさに、県民の命を守るということは大変重要なことでありますし、健康を支える地域医療を維持していく、また拡大し、拡充するということは大変重要な課題であるというふうに考えます。本県出身の医学生を育成していくことも不可欠な重要な課題であるというふうに考えております。
どうか、県教育委員会におかれましては、今後とも、高校生の医学部進学を促進する施策に、より具体的に、より積極的に取り組んでいただきますよう、この点についても強く御要望を申し上げておきたいと存じます。
最後の質問になります。最後の質問は、県立青森南高等学校における不適切な指導についてお尋ねをいたします。
去る7月6日の新聞記事を読みまして、私は大変驚いた次第でございます。私も、小・中・高PTA、特殊教育──ただいまは特別支援学校になっておりますが、長年PTAに携わってきた者として、PTA側からの学校との連携ということで、長年、35年間ほど、ともに取り組んでまいりました。
そういう関係からも私も大変驚いた一人でありますが、報道によりますと、県立青森南高校の先生がクラス全員の前で生徒に土下座をさせたというふうな記事でございました。理由はどういうふうなことであったのか、また、どうであれ、それが事実であるとすれば、やはり行き過ぎた指導であると言わざるを得ないというふうに私は考えております。
一方、なぜこの先生がそのような指導をしたのかというふうなことについても大変疑問を持つわけでありまして、これは、私のみならず、恐らく、父母の方々も──学校関係者の方々、また地域の方々がどう思ったのかわかりません。さまざまな意見を聞いているところでありますが、その経緯についてもやはり知っておく必要があるのではないかというふうに考えるわけであります。
そこで、最初にまず、このたびの不適切な指導の経緯については、どのような経緯だったのかということをまずお伺いいたします。
34 ◯中村学校教育課長
青森南高等学校においては、去る7月1日から2日にわたって校内球技大会が開催されました。7月1日の予選実施後、大会運営に携わった担当生徒が、翌日の決勝トーナメントの組み合わせ抽せん会を実施するため上位8クラスの代表を呼び出しましたが、その中に、得点集計の誤りにより、本来は決勝トーナメントに進めないクラスが1クラス含まれていたことが明らかになったものです。
このことについて、同日1日夜に、担当生徒3名が、間違って呼び出したクラスの担任を訪ね、事情説明と謝罪をした後、担当生徒3人とその担任が話し合いをして、翌日朝のホームルームで担当生徒3人が当該クラスの生徒全員に謝罪することを決めました。
この話し合いの中で、担任は、時代錯誤という認識はあったものの、誠意ある謝罪として土下座をすべきと発言をしました。
翌7月2日の朝、この生徒3名が当該ホームルームにおいて起立したままで事情説明と謝罪をしたところ、担任から「それがおまえたちの示す誠意なのか」という発言があり、3名はひざをついて再度謝罪したものであります。
35
◯越前委員
新聞報道でもただいまの答弁の内容も報道されておりますが、私どもは
新聞報道のみで知るしかないものですから、その経緯について、ただいま質問して確認をさせていただいているわけでありますが、やはり行き過ぎた指導ではないのかなというのが偽らざる気持ちでございまして、この問題については、一度は決勝に出場できるというふうな連絡を受けて、そして、その後、ただいま御答弁にありましたが、集計ミスが判明して決勝に進めなくなった、自分のクラスだけではなく全校生徒が、また父母や学校関係者の方々も非常に落胆したのではないかと、その状況については想像を絶する心理状況であったろうというふうに私なりに理解をするわけであります。
しかしながら、そういう中で、集計ミスをした生徒が、今答弁にもありましたが、クラス全員の前で土下座をしたという点につきましては、どうしてもそこに大きな問題があると私は考えます。なぜ土下座までさせなければいけなかったのか、注意、指導で済まなかったのかどうかというような問題もございます。
そこで、この件に関しまして県教育委員会の対応はどのように行ってきたのか、この点について県の対応についてお伺いしたいと思います。
36 ◯中村学校教育課長
今回の件では、校内球技大会の成功を目指して生徒が自主的、積極的に活動した過程で起きた集計ミスについて教員が過度の謝罪を促したことは、教育的配慮に欠けた不適切な指導でありまして、大変遺憾であります。
校内球技大会などの特別活動では、望ましい集団生活を築くために、生徒同士が協力して目標を決め、自分の役割や責任を進んで全うしたり、実際に直面する諸問題への対応や解決の仕方を実践的、体験的に学ぶことが重要です。このとき、教員は、それらの諸問題解決のために、生徒を中心に置き、受容的な態度で根気強く支援することが必要であります。
こうした観点から、県教育委員会では、このたびの不適切な指導について、青森南高等学校に対し、事実確認を行うとともに、当該生徒に対する謝罪を含め、適切に対応するよう指導してきたところです。
これを受けて、青森南高等学校においては、事実確認の上、まず校長が当該担任を指導し、引き続き、土下座をした生徒3人の保護者に謝罪しました。また、臨時全校集会を開催し、校長が全校生徒に対して事情を説明の上謝罪するとともに、当該教員が、土下座をした生徒3人に直接謝罪しました。さらに、当該担任が生徒3人の保護者に直接謝罪するとともに、臨時保護者会を開催し、校長等が事情説明と謝罪を行うなど、生徒及び保護者の理解を求めてきたところです。
このような対応の結果、現在、生徒は気持ちを切りかえて意欲的に学校生活を過ごしているとのことであり、青森南高等学校としましては、引き続き、生徒に対するきめ細かな配慮を心がけることとしております。
県教育委員会としましては、今後も、各学校に対し、学校訪問等を通じて、学習指導要領の趣旨を踏まえた指導の徹底を図り、生徒の心情に配慮した適切な対応がなされるよう取り組んでまいります。
37
◯越前委員
県教育委員会の取り組みについては、大変心のこもった適切な指導がなされているというふうに今の答弁で理解することができました。
この種の問題は、今回の問題ばかりではなくて、各学校において大なり小なりいろんな問題が発生するわけでありますが、その際に、いち早くその対応策を協議して、いかに早く手順を追って、加害者と被害者とがあるとすれば、被害を受けた方々にいち早く、関係のある方、例えば学校であれば学校長、教頭、担任であれば担任の先生が直接本人のうちへ行ってまず謝罪をするというようなことからスタートすれば、もっと早く解決できたのではないか。また、こういう問題は、いついかなるとき発生した場合であっても、そういう問題に対処する方法として、早く解決することに結びつくのではないかというふうに考えるわけでございまして、手の打ち方といいますか、同じ謝罪するにも、日数がかかるとかおくれたとかというようなことで、ある意味では誠意がないとか誠意があるとかというふうな誤解をされる、せっかく一生懸命やっているのにまともに真意を受け取ってもらえないというふうなことにつながって、それがまた事件化していくというようなこともたまたまあるわけでございまして、今回も一生懸命な余りこういうようなことになったのかなという一面もございますが、それにしても、
新聞報道等にも取り上げられますと、新聞を見た方々は「何をやっているのか」ということのとらえ方になってしまいますし、教育委員会としても一生懸命やっているわけでありますから、やはり、こういうことについては、こういうことのないように、ひとつ、これからも、学校現場に対しての指導、また、学校現場は現場として、起きた場合の対応の仕方というものに対しては、いち早く手順を追って対応できるような体制づくりというものが非常に重要ではないかというふうに考えているところであります。
そこで、私は、学校現場において子供たちのために日夜頑張っている先生方がたくさんおることを今までの経験でずっと見てまいっておりますし、心から信頼をいたしておるわけでありますが、やはり、こういう問題が起きますと、どうしても不信感を抱いてしまう、今までせっかく一生懸命やってきたことが「何をやっているのか」というふうな解釈に変わってしまう、これは残念でなりません。
したがいまして、こうした教員がたまたま事故を起こしたわけでありますけれども、多くの方々は──すべての方々は、皆さん基本的には一生懸命やってくださっているわけでありますから、そういう意味では、私は、前にも申しましたが、特別支援学校に対しても東北6県の中では模範的な取り組みをしてくださっている青森県教育委員会であります。そういう点については大変自負している一人でありますが、そういう意味におきましては、教育指導に当たっては、適切な指導を積極的に行うことによって、大なり小なり起きる問題についても的確な対応ができるように、また、するように現場を指導していただきたいし、県教育委員会としても取り組みをしていただきたいというふうに考えているわけであります。
いずれにいたしましても、私的な感情がどうしても出てまいりますこの種の問題、そしてまた、目の前にいる生徒たちに愛情をもって接していくことになれば、これは当然わかってもらえるというふうに私は考えております。もちろん、当の子供たち、それから父母の方々に対しても誠意を持った対応をすることによって理解をしてもらえるものだというふうに思っておるわけであります。
どうか、今回のこの事件といいましょうか、起きたことにつきましては、起きたことは起きたこととしてきちんとした対応を行うということで取り組んでいただくことをよく理解いたしましたので、県教育委員会におきましては、今後とも、各学校に対して、生徒に対して不適切な指導が行われないように、ひとつ今後ともしっかりとした御指導をしていただきたいということを強く御要望申し上げ、さらなる青森県の教育力の向上に向かって一層取り組んでいただきたいと強く御要望申し上げて、この点についての私からの質問を終わります。ありがとうございました。
38
◯高樋委員長
ほかに質疑はありませんか。──工藤委員。
39 ◯工藤委員
委員長のお許しをいただいて、所感を申し上げながら15分程度質問させていただきたいと思っています。
駅から3里、これは「柿の木坂の家」の文句ではありません。鰺ヶ沢町の駅から岩木山の山ろくに向けて3里、80戸ぐらいの独立した長平というところがあります。その部落で、昭和34年3月、いよいよ春を迎えようとするとき、多くの方々においでをいただき、答辞の読みがあって、「仰げば尊し」や「蛍の光」を歌って、思い出多い学びやを後にする16人の生徒があったわけであります。1人だけ鰺高ということで、ほとんどは集団就職列車に乗ったのであります。
そして、この当時は、長平地区80戸、この集落には小・中学校が一つの建物でありまして、小学校、中学校合わせて100人はおったと思います。それが、幾年月が過ぎて中学校は統合され、そしてまた、時代は過ぎて小学校は閉校になりました。そして、草むらの中に閉校記念碑だけが寂しく建っているという状況であります。
以前から、少子化に歯どめをかけなきゃいけないということで、国、県、市町村ともに連携をとって頑張ってきたところでありますけれども、なかなかその成果が上がってこないのが実情であります。そして、私の部落では、今、中学校3年生が3人、中学校2年生がゼロ、そして中学校1年生は2人であります。
しかし、こういう状況にあっても、やはり、国づくりは人づくり、人づくりは教育、こういう観点に立って、学力低下をさせてはならない、なお一層学力向上に努めていかなきゃいけない、こう思います。そして、統廃合や学級減、あるいは、地域性を考え、いろいろな施策を講じていかなきゃいけない、こういう思いで質問をさせていただきたいと思います。
まず初めに、県立高等学校教育改革第3次実施計画について質問をしたいと思います。
西北地区は、県立高等学校教育改革第3次実施計画の前期において、平成21年度入学者から
五所川原高等学校普通科が1学級増になり、普通科5学級、理数科1学級の1学年当たり6学級になりました。また、4月7日に、県教育委員会は、中学校卒業予定者の減少や求職状況と照らし合わせて、平成23年度に
五所川原工業高校電子科を廃止と
新聞報道され、平成23年度より
五所川原工業高校は1学年当たり4学級となります。この計画では、平成25年度までに木造高校が1学級減、鰺ヶ沢高等学校が1学級減となっております。西北管内中学校在籍者数は、平成21年度卒業者1,672人に対し、平成22年度卒業予定者は1,591人で、前年度対比81人減となります。
そこで、お伺いします。西北地区における県立高等学校教育改革第3次実施計画をどのように進めるのかお聞かせください。
40 ◯奈良教職員課長
県立高等学校教育改革第3次実施計画は、社会の変化や中学校卒業予定者数の減少が予想される中にあって、小学校や中学校で学んでいる子供たちが、夢をはぐくみ、進路実現に向けた高等学校教育を受けることができるよう策定したものであります。
この中で、具体的な実施計画(前期)においては、平成25年度までの5年間の県内6地区の中学校卒業予定者数や地域の実情等を考慮して、個々の学校のあり方を示しております。このうち西北管内においては、平成21年度に中学校卒業予定者数の増加が見込まれたことから
五所川原高等学校を1学級増としたところでありますが、その後中学校卒業予定者数は減少する見込みであるため、平成25年度までに、
五所川原工業高等学校、木造高等学校、鰺ヶ沢高等学校をそれぞれ1学級減とすることとしております。
なお、
五所川原工業高等学校につきましては、学科改編を伴うことから、中学生の進路選択に支障がないようにするため、本年4月に、平成23年度から電子科を募集停止することについて決定し、公表したものです。
41 ◯工藤委員
6月下旬に、西津軽郡、つがる市の、鰺ヶ沢高等学校へ入学している中学校を訪問し、聞き取り調査をした結果、鰺ヶ沢高等学校所在地近隣中学校の鰺ヶ沢第一中学校、鰺ヶ沢第二中学校、大戸瀬中学校、森田中学校の平成21年度卒業者186人に対し平成22年度卒業予定者は211人で、前年度対比25人増になります。地元鰺ヶ沢町の東條町長は、地域の雇用状況、県民所得、公共交通機関など地域の実情を調査した上で、鰺ヶ沢高等学校の1学年当たり1減を適正な時期に実施してほしいと要望しております。また、私の地元、鰺ヶ沢高等学校のPTA、後援会、同窓会、地元の中学校PTAの方々から、平成23年度に鰺ヶ沢高等学校が1学年当たり1減になるのか、現状のままでいくのか、近ごろ頻繁に問いかけられます。
そこで、お伺いします。どのような考えに基づいて鰺ヶ沢高等学校の学級減を実施するのかお聞かせください。
42 ◯奈良教職員課長
県立高等学校の募集定員については、これまでも、地域の高校教育を受ける機会の確保という観点から、県内6地区ごとの学校配置や生徒の通学状況などを考慮して策定してきたところであります。
県立鰺ヶ沢高等学校の募集定員につきましては、これまでの志願・入学状況や今後の中学校卒業予定者数を踏まえながら、西北地区全体の募集定員を策定する中で総合的に検討してまいります。
43 ◯工藤委員
この前、8日、9日ごろであったと思うんだけれども、鰺ヶ沢高等学校の同窓会というものに初めて御案内をいただいて行ってきました。いつもは80人ぐらいしか集まらないというお話でしたけれども、そのときには200人も来ました。
それで、東條町長が会長でしたので、会長あいさつのときに、「鰺ヶ沢の町長は何もまいねもんだ、鰺ヶ沢高校しか出はってねえんだとみんなしゃべる」と。「わ、へば、長平の中学校しか出てねえ」と、そう思っていました。しかし、深浦の吉田町長も鰺ヶ沢高校卒業だそうであります。「ああ、そうでしたか。へば、スポーツ界では、海鵬もそうだべし、安美錦もそうだべ。舞の海もだでば」と言ったっきゃ、「そうでねえ、舞の海は違うだね」と。木造高校だった……。そういうことで、鰺ヶ沢高校からは地域に大きく貢献している人材を輩出しているということで、鰺ヶ沢高校に思いを寄せる会員の人たちが大勢集まったものと思っています。
そこで、要望でありますけれども、西北教育事務所管内の中学校で7月上旬に実施した第1回目の志望校への入学希望調査によると、鰺ヶ沢高等学校に入学希望している中学生は97人いるそうです。中学校の関係者の話によると、今後鰺ヶ沢高等学校への入学希望者がふえると予想されることから、鰺ヶ沢高等学校の1学年当たり1減を、前段に述べましたように地域性もいろいろ考慮しながら、適正な時期に実施していただきますように御要望して終わります。
44
◯高樋委員長
ほかに質疑はありませんか。──
中村委員。
45 ◯
中村委員
児童生徒の体力の向上についてお伺いいたします。
最近の新聞等によれば、本県の子供たちについて、体格は身長、体重とも全国レベルを大いに上回っているものの、体力については全国平均を下回っている、そういう報道がなされております。
近年の子供たちを取り巻く社会状況は、昔と違って、都市化や生活の利便化など、体を動かす機会の減少、身近な遊び場がないなど、大きく変化しています。また、睡眠や食生活など、子供の生活習慣の乱れも心配されております。
言うまでもなく、体力は生きる力の基礎となるものであり、子供たちの体力が低下傾向にあることは、本県の活力ある社会の形成の上で極めて憂慮すべき状況であると考えます。
そこで、質問の第1点は、本県の児童生徒の体力の状況はどうなっているのか。第2点は、子供たちの体力向上を図るための今後の取り組みについてお伺いします。
46 ◯増田スポーツ健康課長
まず、本県の児童生徒の体力の状況についてでございますが、県教育委員会では、児童生徒の体力の現状を明らかにし、体力・健康づくり等に活用するために、毎年度、小・中・高等学校の児童生徒を対象に、体格・体力・ライフスタイル調査を実施しております。
本県の児童生徒の体力は、調査項目によっては、文部科学省が実施しております体力・運動能力調査の全国平均を上回るなど、ここ数年上昇傾向を示しておりますが、総合的に見ますと、筋力、筋持久力、敏捷性は全国平均を上回るものの、スピード、全身持久力、瞬発力は全国平均を下回るという傾向が見られております。
2点目の、子供たちの体力の向上を図るための取り組みについてでございます。
体力は、人間の発達、成長を支え、人として創造的な活動をするために不可欠なものであり、生きる力の極めて重要な要素となるものであります。
県教育委員会では、これまで、「体力つくりの手引き」や体力向上に関するパンフレット及び実践事例集を作成し、小・中学校での積極的な活用をお願いしております。
また、平成21年度には、小・中学校期における体力向上にかかわる実践的な指導法の充実を図り、積極的に運動、スポーツに取り組む児童生徒を育成するため、1つとして、小・中学校の教員を対象とした体力向上実技講習会の開催、2つとして、児童生徒の体力向上支援プログラムの作成などを行ったところです。
さらに、今年度は、10月に、この体力向上支援プログラムをDVD化し、県内6カ所で実技講習会を開催するとともに、すべての小・中学校に配付して、積極的な活用をお願いすることとしております。
県教育委員会としましては、今後とも、児童生徒が生涯にわたって運動に親しむ資質や能力を身につけるとともに、体力の向上と健康の増進が図られるよう、学校体育・スポーツの充実に努めてまいります。
47 ◯
中村委員
御答弁ありがとうございました。将来の青森県をつくる子供たちは貴重な財産であります。この子供たちの基本は体力ですね。ですから、このことを踏まえてこれからも大いに向上に努力してほしい、このことを強く要望します。
48
◯高樋委員長
ほかに質疑はありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
ないようであります。
ここで報告事項があります。──赤坂学校施設課長。
49 ◯赤坂学校施設課長
ただいまお手元に配付しましたのは、公立学校施設の耐震改修状況についての調査結果の資料でございます。
1枚目に書いてございますとおり、文部科学省におきましては、きょうの1時半から──先ほどからですけれども、プレス発表したところでございます。これを受けまして、青森県教育委員会におきましても、きょうの午後2時から報道機関に資料を提供して説明する予定となってございます。つきましては、この場をおかりしまして、本県の状況の概要をるる説明させていただきます。
2枚目をお開き願います。国の資料から本県の状況と全国の状況を抜粋したものでございます。
まず耐震化率でございますけれども、本県の状況は、小・中学校が、昨年度の4月1日の状況で、58.8%が9.8ポイント引き上がりまして68.6%になってございます。高等学校につきましては、同様に75.8%が3.6ポイント上昇しまして79.4%になってございます。また、特別支援学校につきましては、87.5%が4.3ポイント上昇しまして91.8%になってございます。
次に、3枚目をお開き願います。3枚目の表は耐震診断の実施率でございます。
本県の状況につきましては、小・中学校について、昨年の4月1日、79.4%が15.7ポイント引き上がりまして95.1%までになりました。高等学校につきましては、90.1%が3.9ポイント引き上がりまして94.0%、また、特別支援学校につきましては、80.0%が2.5ポイント引き上がりまして82.5%までになってございます。
次のページをお開き願います。次は、Is値の区分等を書いてございますけれども、注意書きのところでございます。
Is値というのは、耐震の計測値というか、数値でございますけれども、Is値が0.3未満の場合は、大規模地震に際して倒壊または崩壊する危険性が高いとされてございます。
これに該当する施設が次のページでございます。資料2と付してございます。
まず、Is値0.3未満の幼稚園、小・中学校でございますけれども、ここには小・中学校について一覧してございます。青森市から始まりまして、最後、南部町まででして、合わせますと22市町村92棟となってございます。
この状況につきましてはこれまでも新聞で報道されてございますけれども、青森市とか八戸市、弘前市等におきまして、今後計画的に進めるという形になってございます。
それでは、次のページをお開き願います。資料3と付してございます。
同様にIs値0.3未満の高等学校についてでございます。高等学校につきましては、計のところ、21棟となってございます。また、下の表、特別支援学校につきましては、県立盲学校1棟となってございます。
この表に載っている県立学校でございますけれども、一番上の、例えば青森工業高校でございましたら、来年4月1日からの供用を目指しまして、現在、移転改築作業を進めてございます。それから、田名部高校については、既に改築補強工事等を進めてございます。
五所川原高校につきましては、前回の常任委員会でも御説明しましたけれども、改築に向けての調査を進めているということでございます。そのほかの高等学校、それから県立盲学校につきましては、ほとんどのものが、今年度、補強工事を実施いたします。
また、例えば板柳高校とか弘前南高校でありますけれども、本年度、第一体育館の改築をしておりますので、第二体育館については来年度実施するというふうな内容になってございます。
最後は、参考までに文書の紙をつけてございます。よろしくお願いいたします。
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◯高樋委員長
御苦労さまでした。
それでは、これをもって
教育委員会関係の審査を終わります。
以上をもって
文教公安委員会を終わります。
○閉 会 午後 1時56分
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