1ページから6ページまでは、国、
電気事業連合会、
日本原燃株式会社からの説明と重複しますので割愛させていただき、7ページの「III.
廃棄物の仕様等について」から御説明いたします。
ここでは、
海外返還廃棄物の
受け入れに係る
安全性の検討において大前提となる貯蔵を前提とした
廃棄物の
安全性に関して検討を行いました。
初めに、「1.
海外返還廃棄物の仕様」です。既に
事業者から御説明がありました
フランスから返還される低
レベル放射性廃棄物としては、固
型物収納体である
CSD-C及び低
レベル放射性廃棄物ガラス固化体である
CSD-Bの2種類があり、その仕様については次の8ページの表に示しております。
同じ表の右側に、既に
フランス及びイギリスから返還が行われている高
レベル放射性廃棄物の仕様を参考に示しております。
CSD-C及び
CSD-Bは、高
レベル放射性廃棄物と比較すると、寸法、外形は同一、最大放射能濃度と最大
発熱量は10分の1から100分の1程度です。
廃棄物の起源については表III.1の下から3つ目の欄に示しておりますが、
CSD-Cは、ハル・
エンドピース及び
雑固体廃棄物を圧縮したものです。ハル・
エンドピースとは、
使用済み燃料を剪断して溶解した際に溶け残った
燃料被覆管や、剪断時に取り除いた燃料の末端部分のことです。
雑固体廃棄物は、不要となった剪断刃、配管、ポンプ、弁などの金属類です。
CSD-Bは、再処理で発生する低
レベル放射性廃液をガラスとともに固化したものです。1本
当たりの最大重量については、
CSD-Bは高
レベル放射性廃棄物と同等の550キログラム、CSD-Cは、300キログラム重い850キログラムとなっております。
9ページをごらんください。
CSD-B及び
CSD-Cの処分区分についてですが、特定
放射性廃棄物の
最終処分に関する法律、いわゆる
最終処分法に定める第2種特定
放射性廃棄物に
当たり、図III.1に示されていように、高
レベル放射性廃棄物ガラス固化体と同様に
地層処分相当となります。
7ページの4段落目に戻ります。
廃棄物の安定性の評価についてです。
廃棄物の安定性について、電気
事業者は、
原子力安全委員会
放射性廃棄物安全規制専門部会報告書を踏まえ、固化ガラスの安定性、耐放射線性、熱的安定性、容器の耐食性、閉じ込め性の5項目について評価を行い、
廃棄物自体が安定性を有していると評価しております。また、返還低
レベル廃棄物の
安全性については、総合資源エネルギー調査会
原子力安全・保安部会
廃棄物安全小委員会でも確認が行われております。
次に、11ページ、「2.六ヶ所再
処理工場から発生する
ハル等圧縮体の仕様」です。
ハル等圧縮体の仕様は8ページの表III.1に示しておりますが、
フランスからの
CSD-C及び
CSD-Bと同一の寸法、外形でハル・
エンドピースを圧縮して、
ステンレス鋼製容器に収納された
廃棄物です。
日本原燃株式会社は、
ハル等圧縮体自体の安定性が確保できるよう、耐放射線性、熱的安定性、容器の耐食性、閉じ込め性といった必要な管理項目を明確にし、それぞれに定められた基準等に沿って的確な管理を行うとしております。
次に、12ページ、「3.低
レベル放射性廃棄物の貯蔵期間」です。返還低
レベル廃棄物及び
ハル等圧縮体は、技術的には、高
レベル放射性廃棄物ガラス固化体のような30年から50年にわたる冷却期間を設定する必要はないとされています。
地層処分相当の低
レベル放射性廃棄物は、平成18年に国の総合資源エネルギー調査会電気事業分科会
原子力部会が取りまとめた
原子力立国計画において、高
レベル放射性廃棄物ガラス固化体と併置処分することにより、処分場の低減、処分施設の手続や一部施設の共有化による合理化等の経済性の向上が見込まれるとされていることから、電気
事業者は、高
レベル放射性廃棄物ガラス固化体とあわせて返還低
レベル廃棄物及び
ハル等圧縮体を
最終処分場へ搬出することとし、それまでの間、適切に貯蔵したいとしています。
平成20年3月に閣議決定された特定
放射性廃棄物の
最終処分に関する計画では、特定
放射性廃棄物の
最終処分は平成40年代後半をめどとして開始することとしており、電気
事業者は、
最終処分に係るスケジュールを踏まえ、
廃棄物が貯蔵中において十分な安定性を有していることを評価しています。
次に、13ページ、「4.
廃棄物に係る品質保証について」です。
フランスからの
CSD-C及び
CSD-Bについては、電気
事業者と
フランスの
アレバNC社との間で仕様を定め、
アレバNC社の品質保証体系の中で製造が実施されます。電気
事業者は、定められた仕様の範囲内で製造されていることを、第三者機関ビューロ・ベリタス社に監査を委託して確認します。
日本への返還に際しては、製造品質記録を電気
事業者が確認することとしています。このような品質保証体系に従って、電気
事業者は、
アレバNC社の高
レベル放射性廃棄物ガラス固化体を1,310本返還した実績があります。この返還低
レベル廃棄物に関する品質保証については、国の総合資源エネルギー調査会
原子力安全・保安部会
廃棄物安全小委員会でも確認が行われております。
六ヶ所再
処理工場で製造する
ハル等圧縮体の品質保証については、
廃棄物製造施設において品質管理、検査等を実施することとし、さらに、再処理事業変更許可申請書、及び再
処理工場に関する設計及び工事の方法の変更認可申請に必要な記載を行い、再処理事業所再処理施設保安規定またはその下部規定等に定めることを計画しております。
以上のことから、当
検討会の評価としては、
海外返還廃棄物、六ヶ所再
処理工場で製造する
ハル等圧縮体のいずれについても、その安定性についての電気
事業者の評価や管理に係る考え方、また製造に当たっての品質保証体系はいずれも専門的知見、国内外の経験等に照らして妥当であり、貯蔵期間を踏まえても
廃棄物の安定性は確保されるものと考えられるとしております。
続いて、14ページ、「IV.低
レベル廃棄物受入れ・
貯蔵施設の
安全性について」です。この施設では、
フランスから返還される低
レベル放射性廃棄物及び六ヶ所再
処理工場から発生する
ハル等圧縮体を最終的な処分がなされるまでの間適切に管理するため、新たに設置する計画となっています。表IV.1に施設の概要が示されていますが、既に操業されている高
レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターと基本的に同じ構造となっています。
15ページをごらんください。「2.施設の
安全性」について御説明いたします。
まず、「(1)放射線しゃへい対策」です。貯蔵区域や検査室などを厚い壁で覆うことにより、放射線業務従事者等が受ける線量が法令に定める線量限度を超えないようにするとともに、施設からの直接線及びスカイシャイン線により公衆の受ける実効線量が法令に定められた実効線量限度である年間1ミリシーベルトを十分に下回るよう設計するとしています。
16ページをごらんください。「(2)
放射性物質の閉じ込め機能」です。この施設では、閉じ込め性の確認がなされた
廃棄物を
受け入れ・貯蔵することとしていますが、念のため、
放射性物質の漏出や拡散を防止するため、施設内の気圧が外気圧より低い負圧となる設計としています。なお、万一容器の閉じ込めが喪失した場合に放出される可能性のある放射性核種を踏まえたモニタリング設備を設置するとしています。
「(3)火災・爆発防止対策」としましては、消防法及び建築基準法を満足する火災・爆発防止対策を行うとしています。なお、固
型物収納体(
CSD-C)については、少量の残留水分及び有機物が含まれ、これらが放射線により分解することにより水素が発生し、その水素が燃焼するおそれが考えられますが、容器内の水素濃度が空気中における燃焼下限濃度の4%を超えないことを確認するとしています。
ハル等圧縮体についても、同様に、容器内部の水素濃度が4%を超えないよう製造・管理を行うとしています。
17ページをごらんください。「(4)耐震性」です。施設の耐震性については、
原子力安全委員会が平成18年9月に改定した発電用原子炉施設に関する
耐震設計審査指針を満足するよう、十分な耐震性を持たせるとしています。また、設計においては、平成20年9月4日に経済産業省
原子力安全・保安院より出された「新潟県中越沖地震を踏まえた
原子力発電所等の耐震
安全性評価に反映すべき事項について」を踏まえた対応を行うとしています。
19ページ、「(5)冷却」です。
CSD-C、
CSD-B及び
ハル等圧縮体は、
廃棄物中に含まれる
放射性物質が崩壊して熱を発生します。温度が高くなると、
CSD-C及び
ハル等圧縮体に含まれる、再処理工程で
燃料被覆管を剪断した際に発生するジルカロイという合金の微細な粉末が自然発火するおそれがあり、
CSD-Bでは、ガラスの温度が最低結晶化温度を超えて結晶化が起こると、ガラスの特性が変化して、閉じ込め性に影響を与えるおそれがあります。
そこで、貯蔵時に適切に冷却するため、既に稼働中の高
レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターで実績のある間接自然空冷貯蔵方式を採用し、ジルカロイ発火点やガラスの最低結晶化温度に対し、十分低く冷却できるとしています。また、貯蔵区域を構成する天井及び側壁のコンクリートの健全性を確保するよう、適切に除熱できるとしております。
20ページ、「(6)
飛来物対策」です。立地地点である六ヶ所村周辺の社会環境等に配慮して
飛来物対策を行うこととし、
廃棄物を取り扱う区域の外壁及び屋根により防護することにより、航空機に対して貫通が防止でき、かつ、航空機による衝撃荷重に対して健全性を確保できるように設計するとしています。
21ページ、「(7)その他の
安全対策」です。施設の低
レベル放射性廃棄物を取り扱うクレーン等には、ワイヤーの二重化などの落下防止策を施すとともに、つり上げ高さを、落下試験により
廃棄物の健全性の維持が確認されている高さである9メーター以内にすることとしています。
続きまして、「3.線量評価」です。この施設では、閉じ込め性の確認がなされた
廃棄物を
受け入れ・貯蔵するとしており、低
レベル放射性廃棄物自体を発生源とする気体
廃棄物の発生はないとし、気体
廃棄物の放出に係る一般公衆の線量は無視できるとしています。また、施設からの直接線及びスカイシャイン線による周辺監視区域外の実効線量についても、法令に定める線量限度である年間1ミリシーベルトを大きく下回り、年間10マイクロシーベルト以下であるとしています。
「4.要員の確保・育成」です。
日本原燃株式会社は、高
レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターにおいて高
レベル放射性廃棄物ガラス固化体の
受け入れ・貯蔵の実績を有しており、必要な要員が確保・育成されている、低
レベル廃棄物受け入れ・
貯蔵施設に必要な要員を計画的に確保するとともに、実務経験等を通じ、知識の習得・向上を図ることができるとしています。
22ページ、「5.品質保証活動」です。
日本原燃株式会社では、過去の経験から品質保証体制の改善・強化を実施しているとしており、低
レベル廃棄物受け入れ・
貯蔵施設についても同様な品質保証体制を実施できるとしています。
以上のことにより、当
検討会としては、低
レベル廃棄物受け入れ・
貯蔵施設の
安全対策は専門的知見、国内外の経験等に照らして妥当であり、また、一般公衆が受ける線量は十分低く抑えられ、
安全性は確保されるものと考えられる、要員の確保・育成及び品質保証活動についても適切に実施することは可能と考えられると評価しております。
次に、23ページは、高
レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターにおいて低
レベル放射性廃棄物を
受け入れ・貯蔵する計画の
安全性についてです。
まず、「1.高
レベル放射性廃棄物との仕様の違いと
安全性の考え方」です。繰り返しになりますが、返還低
レベル廃棄物は、高
レベル放射性廃棄物ガラス固化体と比べて、寸法、外形は同一であり、最大放射能濃度及び最大
発熱量は10分の1から100分の1程度としています。本施設での貯蔵に係る具体的な
安全対策について、返還低
レベル廃棄物受け入れ・
貯蔵施設と同様な観点で確認を行いました。
まず、「(1)放射線しゃへい対策」です。高
レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターについては、既に、直接線及びスカイシャイン線による周辺監視区域外の線量は年間約8マイクロシーベルトと評価されています。返還低
レベル廃棄物の最大放射能濃度は高
レベル放射性廃棄物ガラス固化体の10分の1から100分の1程度であり、核種組成を考慮しても、施設の遮へい設計に影響を与えるものではないとしています。
次に、「(2)
放射性物質の閉じ込め機能」です。返還低
レベル廃棄物については、閉じ込め性の確認がなされた
廃棄物を
受け入れ・貯蔵するとしていますが、もともと高
レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターには建屋換気設備が設置されており、施設内の気圧は、外気圧よりも低い負圧となっています。なお、万一容器の閉じ込め性が喪失した場合に放出される可能性のある核種を踏まえた従来のセシウム、ルテニウムに加えて、
CSD-Cから放出される可能性のあるクリプトン、トリチウムなどを新たに測定できるようにモニタリング設備を設置するとしています。
「(3)火災・爆発防止対策」です。高
レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターでは、消防法及び建築基準法を満足する火災・爆発防止対策を施しているとしています。なお、
CSD-Cについては、低
レベル廃棄物受け入れ・
貯蔵施設と同様に、容器内部の水素濃度が空気中における燃焼下限濃度4%を超えないことを確認するとしています。
「(4)耐震性」です。高
レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターの多くの機器の設計条件は、高
レベル放射性廃棄物ガラス固化体の重量に対して余裕があり、約300キログラム重い
CSD-Cの重量も包含するとしています。
収納管については、高
レベル放射性廃棄物ガラス固化体9本貯蔵時と重量が同等となるように、
収納管1本
当たりに貯蔵する本数を制限することで、耐震上安全な取り扱い・貯蔵が可能であるとしています。なお、高
レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターでは、
原子力安全・保安院の指示により耐震バックチェックを実施し、平成18年9月に改定された発電用原子炉施設に関する
耐震設計審査指針に適合することを確認するとしています。
「(5)冷却」です。返還低
レベル廃棄物は最大
発熱量が高
レベル放射性廃棄物ガラス固化体の10分の1から100分の1程度のため、現状の除熱設計に影響を与えるものではないとしています。また、ジルカロイ発火点、ガラスの最低結晶化温度に対して十分な余裕を確保しているとしています。
「(6)
飛来物対策」です。高
レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターにて
受け入れる輸送容器TN28VT型輸送容器は、輸送容器自体が防護機能を有しており、25ページの図の左側、輸送容器一時保管区域では輸送容器自体で、右側の貯蔵区域では、壁、天井スラブで防護する設計としています。
次に、「2.高
レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターにおける
機能追加の概要」です。高
レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターに返還低
レベル廃棄物を
受け入れるに
当たり、1、
受け入れ検査・測定装置における測定レンジの変更、測定対象核種の追加などの
機能追加──これは、日本で検査・測定を行う場合に必要とされております。2、新たにクリプトン、トリチウムなどを測定するための放出管理設備の追加、3、高
レベル放射性廃棄物ガラス固化体に加えて返還低
レベル廃棄物のハンドリングを可能にするためのソフトウエアの
機能追加を行うとしています。
以上の結果、28ページの下の段落ですが、当
検討会の評価としては、高
レベル放射性廃棄物ガラス固化体と返還低
レベル廃棄物の仕様の違いを踏まえれば、高
レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターにおける返還低
レベル廃棄物の一時貯蔵に係る
安全性に関する対応は専門的知見、国内外の経験に照らして妥当であると考えられるとしております。
続きまして、29ページ、「VI.英国からの
廃棄物の交換による返還に係る妥当性について」でございます。ここでは、英国からの低
レベル放射性廃棄物との交換による高
レベル放射性廃棄物の
受け入れについて、その妥当性の検討を行いました。
今回の交換は、図IV.1に示すように、低
レベル放射性廃棄物約7,800本を高
レベル放射性廃棄物ガラス固化体約70本と交換するものですが、この
廃棄物交換に
当たりましては、累積影響度指数(ITP)というものが交換比率の指標として提案されております。
30ページをごらんください。ITPの交換指標の妥当性については、国の総合資源エネルギー調査会電気事業分科会
原子力部会及びその下の
放射性廃棄物小委員会において、「一定の合理性を有しており、放射線による影響が等価であることを確認するための契約上の指標として適当であると認められる」とされています。
また、交換により返還される
廃棄物の処分については、平成19年3月に
最終処分法の改正が行われ、
原子力発電環境整備機構(NUMO)による
最終処分の対象に追加されております。
最終処分法及び同施行規則において、代替取得により取得するものについては、ITPにより計算した影響度が代替取得の対象となった被汚染物の環境への影響の程度に比して大きくないと規定されており、ITPを指標とした適正な交換がなされるべきことが法令要求事項となっております。
以上、当
検討会としての評価としては、交換指標についてはその妥当性が確認されているとともに、当該指標に基づき適正な交換が行われるよう制度が整備されていること、国内における
最終処分の対象とされていることから、
廃棄物の交換による返還に係る妥当性については問題がないと考えられるとしております。
続いて、31ページ、「VII.返還低
レベル廃棄物輸送時の
安全性について」です。
海外返還廃棄物の
受け入れにおいては
廃棄物の輸送
安全対策も重要な事項であることから、これらについての確認を行いました。
「1.輸送容器の概要」ですが、次の32ページの表VII.1に示します2種類の容器を使用する予定としています。一つは、新たに製造する低
レベル放射性廃棄物輸送容器TN843、もう一つは、これまで高
レベル放射性廃棄物の輸送に使用していた容器TN28VTです。
31ページに戻りまして、「2.輸送物の安全設計」ですが、
放射性物質の閉じ込め、遮へい等、核燃料物質等の工場または事業所の外における運搬に関する規則等に規定されている安全要件に適合することを基本としています。また、輸送時の
安全性を担保するため、輸送時における固縛設計を適切に行い、固縛装置の健全性については構造解析により確認することとしています。
33ページ、「3.輸送の
安全対策」ですが、輸送は陸上輸送と海上輸送を併用し、海上輸送に当たっては、むつ小川原港入港時に必要な
安全対策を確実に実施するとし、陸上輸送に当たっては、公道輸送可能なトレーラータイプの専用車両を使用するとともに、隊列に警備車両等を配置するなど、安全かつ円滑な交通を確保することとしています。
以上のことから、当
検討会の評価としては、これまでの高
レベル放射性廃棄物ガラス固化体の輸送の経験を踏まえ、適切に輸送を実施することにより確保することが可能であると判断されるとしております。
次に、34ページ、「VIII.
日本原燃(株)における防災管理等について」をごらんください。平成19年に発生した新潟県中越沖地震による
原子力施設における防災対策に対するさまざまな教訓を踏まえ、周辺住民に不安感を与えないという観点を中心に、最近の知見に基づき、
日本原燃株式会社の防災管理体制、トラブル等発生時の情報提供・公表、モニタリング活動等について確認を行いました。
1、
日本原燃株式会社の防災管理体制ですが、
日本原燃株式会社では、
原子力災害対策特別措置法に基づき
原子力事業者防災業務計画を定めており、同計画に基づき、迅速かつ適切な活動ができるよう、防災管理体制が整備されているとしています。
35ページ、「2.
日本原燃(株)におけるモニタリング活動の例」です。青森県において震度4以上の地震が発生した場合には、速やかに制御室において保安上重要な警報の発報の有無を確認するとともに、六ヶ所村において震度4以上を観測した場合には、現場点検を実施し、異常の有無を確認するとしています。
また、一番下の段落ですが、施設から放出される
放射性物質の濃度は、換気筒に設置した排気モニタリング設備により常時監視するとともに、異常が確認された場合や
原子力災害が発生した場合には、周辺監視区域境界に設置したモニタリングポストによる監視に加え、モニタリングカーによる測定を実施するとしています。
36ページ、「3.新潟県中越沖地震の教訓を踏まえた体制の強化」です。
日本原燃株式会社では、新潟県中越沖地震の教訓を踏まえ、1、社内対応会議の要員は、六ヶ所村において震度6弱以上の地震が発生した場合、自主的に出社、2、緊急時対策室の扉を耐震対応型に改修済み、また、37ページの左上の図に示します免震構造の新緊急時対策建屋を建設中、3、路面状態が悪い不整地においても高い機動性を発揮できる、37ページ右上の図にあるような小型消防車の導入、などの体制強化等の措置を講じたとしています。
以上のことから、当
検討会の評価としては、
日本原燃株式会社において実施されている新潟県中越沖地震を踏まえた最近の知見に基づく対応は適切に行われており、災害発生時においても迅速かつ適切な対応を行うことが可能であると考えられるとしております。
38ページをごらんください。当
検討会として
海外返還廃棄物の
受け入れの実施段階において留意すべきと考えた点を2段落目以降にまとめております。
今回新たに返還される低
レベル放射性廃棄物は高
レベル放射性廃棄物ガラス固化体の10分の1から100分の1程度の放射能濃度ですが、
事業者は、これに油断することなく、
安全対策等慎重に対応していくことが必要であること、高
レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターにおける返還低
レベル廃棄物の一時貯蔵については、取り違えを起こさないようしっかりと確認し管理していくことが必要であること、
海外返還廃棄物の品質については、製造を行う海外再処理
事業者、監査を行う第三者機関及び日本の電気
事業者の3者間の密なコミュニケーションを継続することなどにより、品質保証体系の質的水準の維持・向上に努めるとともに、その結果を十分に説明することが肝要であること、コールドクルーシブルメルター方式により製造される
ガラス固化体である
CSD-Bについては、なお技術の進歩に当たって最新の知見を反映することも必要であること、地震発生時の時系列に沿った防災体制の確立は極めて大切であり、その際、地震観測データを含めて、放射能の放出の有無など種々のモニタリング情報を有効に活用する必要があること、例えば、施設の異常の有無やその結果を踏まえた迅速な報道対応を行うことが必要であること、また、
原子力関連施設の
耐震設計では適切な安全余裕の確保がなされていることを踏まえ、地震時の対応体制も地震の大きさに応じた多段階の体制が重要であり、住民の理解が肝要であること、以上を本
検討会として申し添えております。
39ページをごらんください。最後に、
検討会の議論を踏まえたまとめであります。
計画されている
海外返還廃棄物の
受け入れに係る
安全確保の基本的な考え方は専門的知見、国内外の経験等に照らして妥当であり、安全評価、閉じ込めの機能、放射線監視等の安全審査指針等の基本的考え方に沿うとともに、平成18年9月に改定された発電用原子炉施設に関する
耐震設計審査指針を満足するよう十分な耐震性を持たせるとしていることから、
安全性は確保されるものと考えること、計画されている主要な
安全対策は、
我が国や諸外国の技術水準、実績、技術開発状況等にかんがみて技術的に十分実施可能であると考えられること、
廃棄物の交換による返還に関しては、累積影響度指数(ITP)という指標を用いて交換を行うことには一定の合理性があり、国内における
最終処分の対象とされていることを初めとして必要な諸制度が整備されていることから、返還に係る妥当性について問題がないと考えられること、以上のことから、本
検討会としては
海外返還廃棄物の
受け入れに係る
安全性は確保できるものと考えますが、電気
事業者及び
日本原燃株式会社においては、今後とも、
安全対策等慎重に対応するとともに、品質保証体系の質的水準の維持・向上に努めるなど、より一層
安全確保に向けて万全の体制で
取り組み、県民の安全・安心の視点に立って不断の努力を続けるよう望む旨の結論に至りました。
以上で
検討会としての御報告とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。
15
◯長尾議長
山村主査、ありがとうございました。
これをもって
海外返還廃棄物の
受入れに係る
安全性チェック・検討結果についての
議員説明会を終わります。
○閉 会 午後 2時07分
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