青森県議会 2010-06-21
平成22年農林水産委員会 本文 開催日: 2010-06-21
また、業界の
取り組みですが、青森県
りんご商業協同組合連合会では、商協連と
会員組合に
適正表示を監視する委員会を設置し、
加盟各社に対し
巡回指導を実施するとともに、
加盟各社は
表示責任者を設置することとしています。
また、
JAS法に係る研修会を年2回開催するほか、県外の
主要市場を訪問し、謝罪と
再発防止策の説明を実施しています。
弘果弘前中央青果株式会社では、バーコードにより瞬時に産地を確認できる新たな
荷受システムを導入する計画となっています。
また、木箱へ確実に貼付させるため、秋田県産シールを無償で配布する、こういった対策が講じられることとなっています。
次に、農作物の生育と農作業の
進捗状況等についてです。
これまでの
気象経過と今後の見通しですが、
平均気温は、平年と比べ5月は0.7度下回りましたが、6月前半は0.4度上回っています。
日照時間は、平年と比べ、5月は84%と少なかったわけですが、6月前半は133%と多くなっています。
降水量は、平年と比べ、5月は128%、6月前半は降雨がありませんでした。
主な
農業用ダムとため池の
貯水状況は、
農業用ダムが平年を上回っており、ため池では平年を下回っています。
今後の見通しですが、
平均気温は高く、降水量及び日照時間は平年並みと予想されています。
次に、農作物の生育・
作業進捗状況と今後の対策についてです。
水稲ですが、6月10日現在の
生育状況は、黒石市の「つがるロマン」では平年よりややおくれていますが、十和田市の「まっしぐら」では平年並みとなっています。
今後の対策です。低温時の深水、高温時の浅水などの水管理で分げつを促し、茎数の確保に努めます。
また、
斑点米カメムシ類防除のため、7月中旬までに
地域ぐるみで畦畔や
水田周辺の草刈りの徹底を指導してまいります。
畑作・野菜・花きです。
小麦「ネバリゴシ」の開花が平年よりおくれたため、収穫時期は7月中旬ごろから始まる見込みです。
ニンニクの地上部の生育は平年を上回っていますが、球の肥大はおくれています。
ナガイモの植えつけは6月上旬にほぼ終了しました。
花き類の生育は、平年並みからややおくれています。
今後の対策ですが、小麦、
ニンニクは
適期収穫に努めること。
ナガイモの追肥は、新いも長やつる長などの生育を見ながら適期に行うこと。
花き類は、病害虫の
適期防除に努めることを指導してまいります。
続きまして、
リンゴ等果樹ですが、リンゴの結実は、平年並みの着果量を確保できる見込みですが、果実肥大は低温の影響により平年を下回っています。
オウトウの着果量は平年を下回っており、佐藤錦の収穫は平年より5日遅い6月25日ごろの見込みです。
今後の対策です。
高
品質リンゴの生産のため、摘果は例年以上に早く強く行い、
早期適正着果に努めること。
オウトウは
適期収穫を徹底すること。
リンゴの
斑点落葉病、
ハダニ類及びぶどうの灰色かび病の防除を徹底することを指導してまいります。
飼料作物です。
牧草の1番草の収量は平年を下回り、
刈り取り作業は平年より進んでいます。
サイレージ用トウモロコシの生育は、草丈、葉数とも平年を下回っています。
今後の対策とし、牧草は、降雨が予想される場合には、早めに
サイレージに仕向けること。
サイレージ用トウモロコシは、
雑草防除を徹底することを指導してまいります。
次に、県産農産物の販売動向についてです。
まず、野菜ですが、東京都
中央卸売市場の6月上旬のものです。
ナガイモの価格は、引き続き市場全体の出荷量が少ないことから、高値が維持されており、過去5カ年平均に比べ、59%上回っています。
ニンニクの価格は、安定した需要に支えられ堅調であるものの、昨年の高値と比較すると安値となっており、過去5カ年平均に比べても27%下回っています。
ダイコンの価格は、天候不良による生育のおくれから出荷量が少なく、品質がよいことから、昨年と比較すると高値となっており、過去5カ年平均に比べても39%上回っています。
リンゴです。リンゴの価格は、市場への出荷量が前年同期より2割少ないことに加え、他の果実の出荷量も生育おくれ等によっておおむね少なく、果実全体に品薄感があったことから、前年産を26%上回っています。
子牛です。
黒毛和種の子牛価格は、景気低迷により
肥育農家の導入意欲が依然として低いことから、前年と比べて3%下回っています。なお、先月よりは高めとなっています。
最後に、最近の
漁模様等についてです。
5月の
主要魚種の動向です。
ウスメバルは、日本海で好調、
津軽海峡でやや低調、太平洋で低調に推移しました。
クロマグロは、日本海及び太平洋で好調に推移しました。
ヤリイカは、日本海で好調、
津軽海峡で低調に推移しました。
マダイは、日本海で平年並み、イカナゴは太平洋で低調に推移しました。
沿岸水温の状況です。6月11日から15日までの半
旬平均水温は、日本海で17度台、
津軽海峡で12から14度台、陸奥湾で15から17度台、太平洋で11から13度台となっています。日本海でやや高め、
津軽海峡でやや低め、陸奥湾でかなり高め、太平洋で平年並みとなり、全地点での平年差は平均で、プラス0.2度で平年並みとなっています。
その他、最近の
主要漁獲物の状況です。
6月中旬の
主要漁獲物は、日本海では
スルメイカ、
ウスメバル、ブリ、マダイ、
津軽海峡では
スルメイカ、マダイ、太平洋では黒マグロ、
ウスメバルとなっています。
陸奥湾の
ホタテガイ養殖の状況です。平成21年に生まれた貝の生育は、若干のへい死はあるもののおおむね順調です。また、平成22年に生まれた貝の採苗器1袋当たりの付着稚貝数は、昨年に比べ多く、
必要数量は確保できる見込みです。
八戸港の水揚げの状況です。5月の水揚げは3,609トンで、前年同月より5%増加、金額は8億3,000万円で、25%増加しました。主な要因として、
海外スルメイカの数量及び単価が昨年よりも高かったことが見られます。なお、1月から5月までの
累計数量は2万713トンで、前年同期累計より6%減、
累計金額では46億6,700万円で12%減となっています。
以上です。
4
◯西谷委員長
ただいまの
報告事項及び
所管事項について質疑を行います。
質疑は所管外にわたらないように願います。
なお、答弁者は挙手の上、「委員長」と呼び、次に、職名を言って発言を求めてください。
質疑はありませんか。──
夏堀委員。
5
◯夏堀委員
おはようございます。
先ほど天候の状況もお聞きしました。ほぼ順調な状況であると思います。
畜産の方の関係で、先般も質問がたくさん出ておりましたけれども、いわゆる口蹄疫について、宮崎県では、初動のおくれと申しますか、そういうふうなことが指摘をされておって、発生が見られてから、もうそろそろ2カ月という随分長い時間が経過したわけでございます。いまだに
終息宣言というのがされておりませんし、殺処分においても大変な数があり、なかなか処分も追いつかないという状況で、宮崎県の
畜産農家、
宮崎県民も困惑していることだと思います。いろんな意味で、大変、被害が出て困っておられるということが言われております。
これは
家畜伝染病予防法に基づいて、いろんな措置がされているわけであります。宮崎県の場合でございますけれども、今後、どのような形で
終息宣言がなされるのか、その辺のところがおわかりになれば教えていただきたい。
本県では発生しておりませんが、そういうふうなことの推移を理解していきたいというふうに考えますので、おわかりになるところで結構ですので、教えていただければ大変ありがたいと思っています。
6
◯中村畜産課長
宮崎県でございます。現在、まだ一部発生していますけれども、今後、患畜ですとか疑似患畜、こういったものの殺処分、埋却、畜舎消毒、こういった
防止措置がすべて終了いたしまして、21日間新たな発生がなければ、その地域は
移動制限を解除されます。
以上でございます。
7
◯夏堀委員
21日間発生がなければという前提があって
移動制限が解除されるということでございますけれども、例えば21日間、仮に発生がなかったとすれば、その後は
移動禁止から次の措置に、次の段階にはどのような
ステップで進んでいくのかと思います。
8
◯中村畜産課長
その後は、さらに3カ月という規制がございまして、当然ワクチンを接種した家畜もすべて処分して、3カ月間異常がないという条件であれば、さらに周辺の農場の牛なり豚をピックアップしまして、
抗体検査をします。
抗体検査の結果、異常がなければ宮崎県は解除されまして、その後は終わりというような、
国際獣疫事務局の方に、日本国が清浄国であるというふうな申請の事務が入ってきます。
以上でございます。
9
◯夏堀委員
大変なことでございまして、いわゆる清浄国というところまでなるということで、終わりという中で、清浄国として認められるか認められないかというのは、これは大変大きな問題でございますけれども、そういう経緯でいく。大変長い道のりなんだなということを改めて考えさせられました。
そこで、前回の
常任委員会で私が質問したところ、本県の場合、宮崎県の発生を踏まえながら
マニュアルを改正していく、つくっていくという話がございました。その改正される口蹄疫の
防疫マニュアルは関係者にどのように周知するのかということが、一番大きな問題になってくるかと思いますけれども、その辺のところはどうなっていますか。
10
◯中村畜産課長
マニュアル改正の後は、その
マニュアルの周知ということが課題でございますけれども、まず
庁内連絡会議で
関係部局に周知いたします。それから、
県関係機関及び
関係団体につきましては、県の
防疫対策会議、こういったもので
周知徹底ということで、これを受けて各
県民局単位でも会議が開催されて周知を図ります。なお、県の
ホームページの方にも、
マニュアルを掲載して周知を図ることにしてございます。
以上でございます。
11
◯夏堀委員
不幸中の幸いと申しますか、対岸の火事ではないんですけれども、我が県では口蹄疫が発生していないということでございます。いざということになれば、この口蹄疫の
防疫マニュアルというのが非常に大事なウエートを占めてくると思います。まして、いろんな各種の
畜産団体を含めて、もちろん
家畜保健衛生所も含めて、県の
出先機関、各市町村も含めて、いろんな意味でこの
防疫マニュアルが役に立っているというふうに思うわけでございます。
そういうふうな意味で、
ホームページをダウンロードして印刷すればできるんだと思いますけれども、今後の糧にさせていただきたいと思いますので、でき得る限り私
ども委員にも配付していただきたいと思ってございます。
12
◯中村畜産課長
マニュアルが完成しましたら、直ちに委員の方々にはお配りするということでございます。
13
◯夏堀委員
非常にそういう意味では御努力、御尽力されているということで、私も敬意を表しているところでございます。
そこで、次に質問したいのは、私
ども青森県の「第一花国」の大変優秀な精液を、いまだに保存していると聞いてございます。過去において
種雄牛づくりということで宮崎県から入手した「安平」という、いわゆる主力の非常に高能力の
凍結精液が本県にもあると伺っておりますけれども、その
利用状況がどうなっているのか、また、宮崎県は大変お困りになっていると思いますけれども、宮崎県に対する「安平」の
凍結精液を活用した支援について、どのように考えているのか、お伺いします。
14
◯中村畜産課長
宮崎県の「安平」の
凍結精液でございますけれども、
種雄牛づくりを目的といたしまして、平成17年度に、青森県の「第一花国」とそれぞれ100本ずつ交換してございます。本県におきましては、これまで「安平」を78本、県外の優秀な雌牛に交配いたしまして、雄であれば23頭の子牛が生産されてございます。さらに、その23頭の中から9頭を選抜いたしまして、増体量ですとか肉質などの能力を調査しており、平成23年度以降には、順次能力が判明いたしますので、成績の優秀なものにつきましては、青森県の種雄牛として利用することとしてございます。
それから、宮崎県に対する支援ですけれども、まず、
凍結精液を他県と交換する際の条件といたしまして、それぞれの県で優秀な種雄牛をつくり上げた場合には、相互に精液を供給しあうということになってございます。それで、本県で「安平」を父とする種雄牛が選抜された場合には、宮崎県にこの
凍結精液を供給することになってございますので、今後、宮崎県の口蹄疫の
終息状況を確認しながら、対応してまいりたいと考えてございます。
15
◯夏堀委員
非常にこれも大事なことと申しますか、私どもの
種雄牛づくりのために宮崎県からいろんな形で手に入れた、入手したわけでございます。
宮崎県では種雄牛が不足する、今後の改良に関して困ってくるだろうと思われるわけでございますので、ぜひその辺は積極的に、もちろん宮崎県からの要請があればという前提でありましょうけれども、そういうふうな交換、かつてそういうふうにやってきたわけでございますので、声をかけていただくなり、情報を交換するなり、密に連絡をとっていただければ、宮崎県の畜産も少しは安堵できるんではないかというふうなことも考えますので、よろしくどうぞお願い申し上げたいと、このように考えているところでございます。
次に、話は果樹の方に移らさせていただきます。
先ほど来の天候の話がございましたけれども、どうも
地球温暖化、
異常気象ということで、最近、農家の方々は、いろんな意味で困惑しているところもあるかと思います。特にそういう意味では、
果樹共済制度が、これからクローズアップされていくのじゃないかなというふうに思われるわけでございます。特に我が県は、三村知事が攻めの
農林水産業を標榜しているわけでございます。その中で、
果樹共済の
加入促進というのは、非常に大事な大きなポイントになってくるかなというふうに考えてございます。
そこで、平成22年度産の果樹の──リンゴでございますが、
共済加入率は37.6%と、前回の
常任委員会でもお伺いしていますけれども、今後、平成23年度の加入率50%の目標に向けてどのように取り組んでいくのかということもお伺いしたいというふうに思います。
16
◯仲団体経営改善課長
夏堀委員おっしゃるように、
果樹共済、特に本県においてはリンゴ、ブドウ、特にリンゴにつきましては、本県の
基幹産業でございます。
リンゴ農家の災害による損失を補てんして、
農業経営の安定を図る上で極めて重要な役割を担っていると、そのように私ども考えているところでございます。
加入推進、こちら平成20年にひょうの被害、あるいは霜の被害ということで、平成23年度までに、加入率50%に引き上げるといったことで
取り組みを進めております。
22年産が、
取り組みにとっての2年目ということになっておりまして、委員御指摘のように、37.6%という結果が出ているところでございます。
これまでも
加入推進につきましては、県内3地区に
共済組合が3地区に分かれておりまして、各3
地区ごとに設置しました
地域果樹共済加入促進協議会、こちらを中心にしまして、そのメンバーである
農業共済組合、あるいは各
地区農協、市町村、そして県の出先である
地域県民局等による、未
加入農家を対象とする説明会の開催、あるいは戸別訪問を初めといたしまして取り組んでまいりました。
特に各市町村におきましては、
農家負担、掛け金、こちらの一部を助成していただいたり、あるいは市場による貸し付け、こちらを実施していただくということで取り組んできております。その結果が、ことし37.6%ということで、確かに23年度、来年に向けて50%というところでは、ホップ・
ステップ・ジャンプのところでは、
ステップのところでもう一つ、もう一足伸ばしたかったというところが本音ではございます。
そういった意味を踏まえまして、来年に向けてあと残り1年ということになっておりますので、より積極的な活動を行っていきたいというふうに考えております。
地域果樹共済加入促進協議会におきましても、
新規加入者の獲得、そして
継続加入ですね、今まで入っていただいた方に続けて入っていただくような御努力というのを、行っていただくということでやろうという話もしておりますし、県におきましても、市町村に直接出向いて
加入推進の協力依頼を行うとか、あるいは、
加入申し込み手続の簡素化を検討する、あるいは、直接農家に出向いて
果樹共済の必要性、どういった役割を果たしているのかと、経営安定について目指していきますと、このためにぜひお願いしますという形で説明していくという機会を設けるなど、これまで以上の
取り組みに努めて、来年50%達成、こちらに向けて取り組んでいきたいと、そういうふうに考えております。
17
◯夏堀委員
50%の目標が高いのか低いのかというと、私、何とも言えないところがあるんですけれども、どうも37.6%というのは、50%に近づけるのは厳しいのかなという感じも受けるんですね。
各町村で、それぞれの考え方があって、町村によっては、助成をしたり、さまざまいろんな創意工夫をなさっているところもあるようでございます。
加入促進ということで各活動、運動、それもいいんですけれども、県として何かもっと別な目玉を持って、農家の方々が積極的に加入できるような対策を考えていかなきゃならないのかなと。23年度の50%に向けての努力は努力として、していただきますけれども、そういう何か目玉のようなものを、今後、考えられていくのも1つの方法ではないかというふうに考えます。
私もその辺のところ、農家の方々からも状況をお伺いしながら、逐一、いろんな場面で発言をしていきたいし、意見を交換したいと思ってございます。
次に、
農林水産委員会でございますので、水産の方も大事な
基幹産業でございますので、お伺いしなくちゃならないということでございます。
特に本県はヒラメが全国1位ということで、20年間続けている、こういう栽培漁業でございます。そのヒラメの生産向上対策ということについてお伺いしたいというふうに考えます。
まず、1番目でございますけれども、ヒラメ栽培漁業の
取り組みと成果についてお伺いをいたします。
18 ◯松宮水産振興課長
ヒラメについてです。ヒラメは、本県沿岸の各海域で漁獲されまして、全国でもトップクラスの漁獲量を上げておりました。しかし、昭和48年度、1,562トンをピークに、徐々に減少を続けていましたので、資源の増大を図るために、昭和62年、県、それから沿岸の市町村、さらに漁業団体によって、社団法人の青森県栽培漁業振興協会を設立いたしました。それから、種苗生産施設を整備するなど、体制を整えまして、平成2年度から20年間にわたりまして、毎年200万尾以上の種苗放流に取り組んでまいりました。
ヒラメの放流事業と並行いたしまして、放すだけでは足りないということで、全長35センチ未満という小型のヒラメを再放流するということを柱にします資源管理への
取り組みも、強力に推進してきました結果、平成元年には224トンまで減少していました漁獲量が、平成12年には1,807トン、過去最高を記録しました。その後も、毎年1,000トン前後の漁獲量を上げております。平成21年には4年連続で、栽培漁業を始めてから通算で13度目の日本一ということになってございます。
19
◯夏堀委員
私の住まいをしている三戸郡内も、階上町がございまして、大変一生懸命取り組んでいるというふうに伺っています。先般も、津波の被害はそんなになかったということですが、前の地震のときにいろいろ被害があったということで、私も視察に行った経緯がございますし、いろんな意味でときどき、見学、視察をしているわけでございます。
漁獲量が日本一だったわけでございますし、それを生かしていかなきゃならないということでございますので、特に他県産のヒラメというのが当然あるわけでございまして、消費の段階でスーパー、デパート等で競合していくということが、当然常日ごろからあるわけでございまして、その辺のところ、他県産のヒラメとの差別化にどのように取り組んでいるのかというようなことをお伺いしたいと思います。
20 ◯松宮水産振興課長
本県のヒラメは、トップクラスの漁獲量ということで、全国的にも知名度が高くなっております。寿司店ですとか、専門家の間では高く評価されまして、一部では高値で取り引きされています。しかし、全体的には価格が低迷してございます。このために、青森県産業技術センター食品総合研究所では、漁獲したヒラメを、1週間、まず、安静状態に保ちます。それから、活け締めをして、5度でさらに丸2日、48時間経過させることによりまして、食味と食感を最高の状態にするという技術を開発いたしました。
県では、この技術を普及いたしまして、食卓に最高の状態のヒラメを届けるということで、本県産ヒラメの消費者への評価を高めていきたいと考えまして、今年度その一環といたしまして、東北新幹線全線開業に伴いまして、大幅な増加が期待される観光客をターゲットに、県内のホテル、旅館等にこの技術を利用した「青森天然ひらめ」を安定的に供給する体制づくりに取り組んでいます。そして、本県産ヒラメの差別化を図ってまいりたいと考えております。
21
◯夏堀委員
大変すばらしいことだと思います。産業技術センターのそういう、商工連携と申しますか、そういうものができていくんだなと。私も今初めて聞きましたけれども、東北新幹線全線開業を受けまして、48時間経過させる等工夫して、「青森天然ひらめ」──非常にいい商品を考えてございますので、それ以外にもいろいろと創意工夫をなさって、できるだけ他県産のヒラメとの差別化を図っていくということに御努力をいただきたいというふうに考えてございます。
それから、3番目になりますけれども、ヒラメ以外にも栽培漁業はさまざまありますし、本県でもいろいろとお伺いしたところ、他の魚種についても取り組んでいるということをお聞きしてございます。特に生産性向上対策ということでの
取り組み事例ということは、どういうことができるのか、お伺いしたいと思います。
22 ◯松宮水産振興課長
ヒラメと同様に、生産量が全国でもトップクラスになっておりますのがキアンコウ、いわゆるアンコウとし食されている。本県でのキアンコウの水揚げ量は、年間で900トン程度で推移しておりまして、その半分が下北地域で漁獲されております。この下北地方では、生きたまま漁獲されるという特徴がございます。
こういう優位性を生産向上につなげるために、まずキアンコウ、成長が極めて早いということ、それからあまり遠くまで動かない、移動範囲が狭いという特徴がございますので、平成20年度から価格が高い冬場にとると。それまでは春から夏にもとっていたんですけれども、価格の高い冬場に、しかも大きなサイズで漁獲するという資源管理に取り組んでまいりました。その結果、産地価格が大幅に向上したということに加えまして、冬場の観光客誘致を目指しました、「下北ゆかい村鮟鱇祭り」という、新たなイベントの開催にもつながってきまして、関係の方々の注目を集めてございます。
今年度からは、下北地域県民局が中心になりまして、管内の市町村、漁協と連携しまして、さらに広範囲に資源管理を展開するということ、それから青森県産業技術センター下北ブランド研究所の指導によりまして、県外への販売を目指した新たな商品開発に取り組んでまいります。
23
◯夏堀委員
答弁、ありがとうございました。キアンコウというのも大変おいしいものだそうでございまして、下北のほうへ冬場に行ったことがないものですから、今度は視察にでも、調査にでも行って、「ゆかい村鮟鱇祭り」ですか、そういうのもぜひ見てみたいなというふうに考えてございます。今後の
取り組みにもより一層の御期待を申し上げて、質問にかえます。ありがとうございました。
24
◯西谷委員長
ほかに質疑はありませんか。──
清水委員。
25 ◯
清水委員
先ほどの部長からの説明の中で、1点だけお伺いしたいんですが、知事が6月3日から5日まで、県外の
主要市場のほうを訪問して、いろいろ説明したという説明があったんですが、県外の市場というのはどういうふうに、何カ所くらいか、どういう市場か、その辺を教えていただけますか。
26 ◯津島総合販売戦略課長
全国の青森りんごの会の卸売業者のところを回ってきました。ですから、東京、名古屋、大阪、北九州、福岡の各地の青森りんごの会の会員である卸売業者のところを訪問してまいりました。
27 ◯
清水委員
説明を受けた方の印象というんですかね、どういう印象だったのか、その辺を。さまざまあったと思いますけれども、その辺を教えていただければ。
28 ◯津島総合販売戦略課長
部長と私がずっと同行していたんですけれども、おおむね各地域ともあまり影響はないと。知事がみずから説明に来て、そして今後の対策を説明していただいたということについて、各地域とも非常に好意的に受け取ってくれていたというふうに感じました。
29 ◯
清水委員
すみません、ありがとうございました。
通告してなかったんですが、いちごのことでちょっとお伺いしたいんですが、夏秋いちごについて、県で何年か前からか奨励しています。指定地区でやってもらっている、取り組んでいると聞いていますが、県全体での出荷量というんですかね、何年ごろから始めて、全体でどれぐらいの出荷量とか。あとは、
取り組み始めてまだ何年かしかたっていないと思うんですが、農家の件数とか、その辺の概略を教えていただければ。
30 ◯長根農産園芸課長
今、御質問をいただきました夏秋いちごでございますけれども、平成20年3月に県として夏秋いちごの振興方針を策定してございます。当時、アメリカのほうから夏秋いちごが4,000トン入ってきておりますので、その1割を青森県産で確保していきたいということで、平成24年を目途とします振興方針を策定してございました。
スタートが、本県出荷量が136トンでございましたけれども、中間の目標は、平成22年が540トン、平成24年にさらに300トンの840トンということで、北海道が今、第1の産地なんですけれども、第2の産地ということで産地づくりを今、目指しているという状況でございます。
栽培面積は、平成19年が約9.7ヘクタールでございましたが、平成21年度実績で13.4ヘクタールに伸びてございます。それから農家戸数の方も、118戸から147戸ということで、約30戸ほど伸びてございます。
そういう状況でございますが、さらには販売ルートも、県外のほうの市場ですとか、ケーキ屋さんだとか、そういう業務筋のほうを中心に、新たなルートの販売も考えながら鋭意努力しているという状況でございます。
31 ◯
清水委員
あと、例えば三八地区で何軒やっているとか、その辺わかりましたら。大体で結構ですから。
32 ◯長根農産園芸課長
面積のほうは今、手持ちがあるので。
地区ごとの農家戸数までは今、手元に持って来ていませんでしたので申しわけございません。
地域別には、平成21年で、三八地区が197アールということでございます。面積的には、1番が中南地域でございますけれども、そのほか下北とか西北も。三八の方も冬いちごに続いて夏秋いちごも順次入ってきているということでございます。
旧八戸広域農協の管内ですけれども、夏秋いちごの専門部会とか研究会が30名ほどでできてございますので、これから順次拡大していくのではないかというふうに思っておりますし、東京のほうに出荷されている方も数名いらっしゃいますので、順次規模、ことしもまた拡大する、数量もふえる状況であります。
以上です。
33 ◯
清水委員
それじゃ、あと県の方で多分いろんな助成をされていると思うんですが、例えばハウスについて、どういう助成制度があるのか、今までしてきたのか、お伺いします。
34 ◯長根農産園芸課長
昨年度まで、重点事業の中で、ハウス等助成事業として3分の1の補助率の事業を実施してまいりました。今年度からはちょっと補助率が下がりますが、4分の1ということで、通常の野菜のハウスの助成と同じような補助率で、ハウスの建設、それから高うね栽培ですとか、いわゆる夏秋いちごベンチ栽培とか、現地でごらんいただいた方もいらっしゃるかもしれませんけれども、高設栽培と言われる養液栽培のシステムへの助成だとかを補助対象としてございます。
以上であります。
35 ◯
清水委員
素人だからちょっとわからないんですが、いちごの品種改良とか、そういうものに対して助成をしているのか、するつもりなのか、その辺も教えていただければ。
36 ◯長根農産園芸課長
続きまして、品種のことでございますが、夏秋いちごにつきましては、大きく民間育種の方でスタートしておりました。北海道の「ペチカ」という品種と、徳島のほうで民間で開発されました「サマールビー」というのが、2大品種としてこれまでスタートしてございました。それから、盛岡にございます国の東北の農業研究センターで「なつあかり」という品種もつくってございます。
これらが、各地域ごとにそれぞれいろんなルートで独自に入ってございましたので、私どものほうは、地域に入った品種をいかに生産性を高めるか、あるいは販売ルート、「ペチカ」の場合は、業者さんが専門に内部の供給から販売まで一手にやりますので、我々はあまり販売の方に入れませんが、「サマールビー」ですとか「なつあかり」ですと販売は生産者の自由ですので、そこら辺の県内外への販売のマッチングですとか、そういう部分を連携しながら指導しているという状況でございます。
品種がほかにもいろいろございますので、県のほうでは本県で栽培することが適正かどうかという品種の比較試験はしてございます。その中から今の「なつあかり」ですとか、いろんな部分の、世代管理の技術だとかを確立していく、順次やっているということでございまして、独自の品種改良の試験はしてございません。
37 ◯
清水委員
かつて青森県で
ナガイモをかなりやったら、その間に北海道がかなり大きい面積でやり始めたものですから、
ナガイモの値段が下がったというので、大変な時期がありました。今度は北海道に負けないぐらいの夏秋いちごをぜひつくっていただきたいと、そういう感じで取り組んでいただければありがたいと思っております。通告していなかったものですから、後でまたいろんなお話を聞かせていただければなと。
以上です。
38
◯西谷委員長
ほかに質疑はありませんか。──三上委員。
39 ◯三上委員
昼の時間まで終われるかどうか知りませんが、委員長の御配慮で。
実は先般の質疑の中で質問をしようとしましたが、所属
常任委員会の質問は好ましくないということで、きょうの委員会で質問します。
青い森農林振興公社の分収造林事業について、お聞きしたいと思います。
平成21年度末現在で、公社分収造林会計の債務額は幾らになったのか。試算では306億6,800万円と、この間の報告書で見込まれておりますけれども、その根拠と実態がどうなっているのかということを、まず伺います。
40 ◯村川林政課長
まず、青い森農林振興公社の分収造林事業による債務の方なんですけれども、日本政策金融公庫から135億円、それから県から220億円、合計で355億円の債務となっております。
それから、先ほど306億円だったという件。これは公社の分収造林事業での長期見通しで、収入が、昭和45年から終了する平成68年度までの間に、立木の販売収入約220億円、造林植林収入約95億円、それから県及び日本政策金融公庫からの借入金が約671億円など、総収入で約1,006億円。
それから、支出面で、分収契約者への分収支払金84億円、それから森林の整備に要する経費280億円、県及び日本政策金融公庫への償還金が889億円、総支出額で約1,313億円で、その差し引きで、307億円の償還財源不足が生じるということでございます。
41 ◯三上委員
いろんな見積りと試算のもとに負債の合計額が出てくると思います。差額が出てくると思うんですが。将来、木を販売したときの、材価の単価がどうなっているのか、現状の単価で試算しているのか。その点について改めて伺います。
42 ◯村川林政課長
今の長期見通し、いわゆる長期収支見通しは、あくまでも現在の木材価格で算出しております。将来、平成68年度の材価というのはちょっと想定できませんので、現在の価格で査定しております。
43 ◯三上委員
その分収造林事業の経営の改善計画というのを、この機会に改めて伺えれば、ありがたいと思います。
44 ◯村川林政課長
分収造林事業は、保育に要する事務費などを、県や日本政策金融公庫からの借入金によって賄っています。これまでも保育作業の見直し、それから低利資金への借りかえなど、経費の縮減に取り組んできてございますが、今年度はさらに自己負担を伴わない国の定額補助金の導入、あるいは利用間伐による収入確保などを図るなど、経営改善に努めております。
45 ◯三上委員
造林事業というのは、苗を植栽して、下刈りをして、何十年も管理して、一定の樹齢になったときに販売して、長期的な販売と経費の差額をもって経費としているものであります。
最近、切り捨て間伐と、それから利用間伐があるんだよと聞いたんですが。一定の面積に何百本か植えて、弱いものを伐採して残ったものの価値を高めるというのが、今までの通常の間伐の考え方でございます。この利用間伐というのが最近出てきて、それをどのぐらいの範囲でというか、考え方そのものをまず示してください。
46 ◯村川林政課長
切り捨て間伐、それから利用間伐というのがあるんですが、もともと間伐というのは、委員おっしゃられるように、残った木を健全に、あるいはもっと材価が上がるように切っていくと。本来、林業というのは、木を植えてから伐採で収入を得るまで長期間を要します。その間の収入というのはないんですね。それを間伐という作業でもって、ある一部分でも収入にするというのが考え方だったんですが、現在、今の材価でいけば、いわゆる間伐の伐採経費、これが材価を上回ってしまうということで、ほとんどは結局、間伐をやればやるほど赤字になってしまうという形になるもんですから、ほとんどが切り捨て間伐という形になってしまう。
本当は、利用間伐をやっていくのが筋だったんですけれども、なかなか材価が上がらないで赤字になるから、切り捨て間伐だけで済ませてしまうというふうな形が多かったんです。
ただ、今現在は、やはりいわゆる製材用にならないものでも、例えば合板用のものとか、そういうふうなものに利用されるケースが非常に多くなりましたので、利用間伐がどんどんふえてきているというふうな形になっています。
ですから、どういう形で利用間伐するかとか、どういうケースで実施ということではなくて、もともと本来であれば利用間伐する林業の姿が本来であるという形のものです。
47 ◯三上委員
今、最後のほうの言葉の中で、最終的には利用間伐のほうがいいんだという考え方、それはそれとしていいと思いますけれども、土地所有者と公社との最終的な取り分配分の段階で──途中でいいものから切っていくわけだから、最終的に残ったものの材価というのは必然的に落ちていくから、そのときどのような状況を想定しながらこの方法へ切りかえたのか。民間と公社の方との密接な連携のもとにやられているのか。
もう一つそれと関連して、当初は4対6の割合、40対60で、土地所有者と公社との間で長期委託契約をしたと思うけれども、最近は30対70という考え方もあって、数年前にその再契約の行動も起こしたはずでありますから、その辺の経過も踏まえて、絡めて御報告いただければと思います。
48 ◯村川林政課長
まず、今、委員おっしゃられるように、利用間伐というのはいわゆる売り物になるというか、そういうものをやっていくということなんですが、決していいものから切るというわけではございません。やはり間伐というのは、最終的に山の状態を、いい林木に育てていくというのが間伐の目的でございます。ですから、必ずしもいい木から切って残ったのは悪い木だということではございません。
そして、先ほども言ったように、利用間伐されるのは、やはり合板用とか、低質でも売れるような状態になってきているので、例えば間伐のコスト縮減ですとか、いろんなことをやって、なるたけ間伐において収入が上がるように努力した結果、少しでも収入になれるものであればやっていこうというふうに進めることになっております。ですから、最終的にはいつもいい山になるというような考え方です。
それから、分収割合の変更については、平成14年から19年までの6年間で全事務所に対して意向調査というものを行ってきました。その合意は、4分の1程度しか、分収割合の変更については、変更の部分については、4分の1にしか同意が集まらなかったという結果になっております。
49 ◯三上委員
その割合の変更の意向調査、まだ4分の1しかなされていないというのは、後始末はどうされる予定ですか。
50 ◯村川林政課長
分収割合の検討については、14年から進めてきたのは、あくまでも意向調査であります。ですから、分収割合を変更した上で、今の新しい公社の改善にするということではなくて、あくまでも分収割合の変更も含めて、現在、公社のあり方というものを検討しているところです。
51 ◯三上委員
いつまでもこうしていて、伐期が近づいてきて、利用間伐もまた絡んでくるわけだから、なるべく早く確認をする必要があって、お互いの土地所有者と公社との関係もすっきりした根拠のある形にしないと。最終的には県が財政負担しなきゃならないという事態も想定されるわけだから、早く解決すべきと思いますが、具体的な日程的な計画はおありですか。
52 ◯村川林政課長
県では分収割合のあり方というものを検討しており、国ですとか他県の状況等をよく見極めた上で、県民の負担が最小限になる、あるいは公社の山が県民全体の財産として残っていくという姿を今、検討してございます。いつまでというのは今のところ申し上げられませんけれども、現在、そういうふうにして検討しています。
53 ◯三上委員
なるべく早い時期にはっきりした決定をして。決定することによって進め方も具体的に確実になっていくわけでございますから、早期に済ませていただきたいということを、まず要望しておきたいと思います。
54
◯西谷委員長
午さんのために、暫時休憩いたします。再開は午後1時といたします。
○休 憩 午後 0時01分
○再 開 午後 1時03分
55
◯西谷委員長
[再開宣告]
質疑を続行いたします。──三上委員。
56 ◯三上委員
戸別の所得補償の問題についてお聞きしたいと思います。これは、米をモデルとして今回、戸別補償を提案しておるわけでありますが、その具体的動きが始まりましたが、今、示されている枠組みでの認識でお答えいただければと思っております。
米を中心として所得補償すると、多くの産物がある中でも米をモデルにしていると。今、農家の多くというか、米以外の農家、農業生産している人は、米と同じような補償をしてくれよと、そういう意味の声が非常に多いわけでありますから。そこで米以外の生産目標なり、それに対する質問をするわけでありますが、その前に、今現在、政府がまだはっきりは方針は出してないにしても、今の段階でわかる範囲で、この所得補償を進める上での問題点を、県としてどう考えてどうやろうとしているのか、まず伺います。
57 ◯長根農産園芸課長
現在、実施されております米の戸別所得補償モデル対策についてでございますが、御案内のとおり、米のモデル事業ともう一つ、いわゆる自給率向上事業がセットで実施されてございます。
このうち、米のモデル事業の交付内容につきましては、面積当たりの定額助成部分と販売価格に対応した変動部分となっておりますけれども、県ではこれらに加えまして、規模拡大に取り組む担い手や集落営農組織などへの助成金を加算していただくことによりまして、スケールメリットを生かした
農業経営へ誘導できるものと考えております。ということで、その辺につきまして、来年度の本格実施に向けて、現在、国に提案、要望しているところでございます。
それから、もう一つの自給率向上事業のほうでございますが、飼料用米や米粉用米などに対して助成金が交付されてございますが、これらの品目は、販売収入が生産・流通経費を大きく下回る状況にございます。このため、県では、調整水田などを有効に活用できるこれらの作物を生産拡大し、
農業経営の安定化を図るために、国に対して飼料用米と米粉用米も戸別所得補償制度の対象品目とするよう要望しているということでございます。
以上です。
58 ◯三上委員
そこで、前段申し上げましたけれども、米以外の品目に対する所得補償、今現状で走っている事業もあるかと思いますが、それに対する県の対応をまずお聞かせください。
今までは市場原理主義で、食料の需給関係によって、市場で買いたたかれるような状況があった場合に、極めて不利な状況下にあります。需給関係よりもむしろ売り手と買い手の関係で買いたたかれて、そして相場として青森県の、あるいは農業県の所得が少ないという、そういう状況が続いてきたと思われていたんですけれども、今の政府は、もっと農業環境というものを大事にしなきゃならない。そして、生産金もまた米だけでなく補償しなきゃならない。その認識だけは社会全体で広まってきたのかなと、こう思っております。
そういうときであるがゆえに、本県が単なる市場流通だけでなく、独自産業という表現のもとに、政府も県もやろうとしていますけれども、その点の説明をひとつ総合的にこの事業をどう円滑に進めていくか、そのことについて県の見解をただすものであります。
59 ◯樋口農林水産政策課長
米以外の戸別所得補償制度の状況でございます。
まず、畜産・酪農につきましては、いろいろ検討しているという状況となっております。
それから、野菜・果樹につきましては、現在の戸別所得補償制度の仕組みがそのまま適用されることにはならないが、消費者ニーズに即した商品の安定的な供給や価格安定の確保等を図る観点から、新たな支援策を検討するというふうになっております。
以上でございます。
60 ◯三上委員
そこで、青森県で一番特殊な品目である、リンゴに対して、この間、農林水産省が、生産目標を発表いたしました。その生産努力目標に設定した目標値とその基本的な考え方をまずお示しください。
それから、2番としては、平成25年度までの目標達成が可能と見ているのかどうか、この目標値についてもお伺いするものであります。
61 ◯樋口農林水産政策課長
攻めの
農林水産業の基本方針における生産の努力目標の目標値と、まず基本的な考え方についてお答えさせていただきます。
攻めの
農林水産業の基本方針では、平成25年度を目標に大まかな指標として生産努力目標を設定しております。
主な品目の目標値でございます。これは平成19年度の生産量をベースにしております。米につきましては、主食用米の需要の減少を、米粉と輸出に取り組むことで、全体では現状維持。飼料用米、大豆は大幅に拡大。野菜は、業務用・加工用への対応や、夏秋いちごですとか寒締め野菜等の新品目の産地化、これらに取り組むことで現状維持。リンゴにつきましては、輸出の振興によってやや拡大。畜産は、第一花国効果等の活用によって、やや拡大としております。
この目標値の設定に当たっての基本的な考え方でございますけれども、1点目としまして、総合販売戦略に基づく販売対策によりまして需要の維持拡大が図られること。2つ目としまして、必要な生産関連施設の導入など、生産体制の整備を積極的に進めること。3つ目としまして、担い手対策、集落営農などの経営システムの導入で、労働力が確保されること。4つ目としまして、自給率の向上に向けた国の支援対策が十分に確保されること。これらを前提に設定しているところでございます。
2つ目の御質問でございます。この計画、平成25年度までということですが、達成が可能と見ているのかというようなことでございます。
農林水産物の生産動向、これはWTO農業交渉など国際交渉の行方、それから世界的な穀物価格や原油価格の高騰などの要因、また、国の支援対策の内容などによって左右されていくというふうに考えておりますが、25年度の生産の努力目標の達成見込みにつきましては、攻めの
農林水産業の基本方針に基づいて、総合販売戦略、担い手対策、生産体制の強化対策を積極的に推進することにより、達成に向けて努力していきたいというふうに考えております。
以上でございます。
62 ◯三上委員
生産目標を127%にすると。この間までは117%と。自給率を117%まで私は記憶していましたが、今回の目標が127%ということは、10%上げるということですね。その10%上げるということは容易なことではないのかなと、私は思っていますが、それに対してもう一度答えていただければと思います。
63 ◯樋口農林水産政策課長
平成20年の本県のカロリーベースの自給率でございますが、121%でございます。ただいま説明させていただきました基本方針における生産量の努力目標、これが達成された場合、本県のカロリーベースでの自給率は127%となる見込みでございます。
以上でございます。
64 ◯三上委員
そこはわかりました。そうすると、リンゴの数で。リンゴの農水省の生産目標、85万トン、これは国全体であります。ミカンは90万トン。かつてミカンは300万トン以上ありました。リンゴは100万トン時代というのがずっと長く続いてきましたが85万トン台に下がっております。しかし、今の見通しとして、10年後、リンゴは87万2,000トン、面積で5%の減という見込みをしていますけれども、それに対する考え方をお示しください。
65 ◯一戸りんご果樹課長
国では、22年産について、青森県の場合、46万2,000トンと生産目標を立てています。これはこれまでの需給バランスを加味した青森県への目標生産量ということで配分をされているわけです。これについては、さらに価格が下がった場合は加工に回すなどの需給調整も含めて、これまでの経緯を含めて青森県に目標として定められたものでございますので、本県としても需給調整をきちっと見極めながら、良品生産という形でこの目標に向けて頑張っていきたい。
ただ、5%面積削減というのは、これはおそらく生産者の高齢化とか、そういうもので生産が減ってくると、それから、消費も人口減でやはり減少してくるだろうと、そういうものを見込んでの5%減ということであると、我々は把握しております。
66 ◯三上委員
この面積の5%減というのは、既存園の状況、園地の状況、それから伐採されている状況から見ると、こんなものではないなと、私はそういう予感がします。
昔、米から転作したときに、平場に、矮化栽培を中心として、多くの品種が拡大されました。その要素を今回含められておりますか、加味されておりますか、その点についてお尋ねしたいと思います。
67 ◯一戸りんご果樹課長
青森県の場合は、果樹支援対策という事業を活用しながら、平場への移行とか、さまざまそういう形で園地の充実を今、進めているところでございます。それでもやはり後継者の問題とか高齢化の問題等で、これは減少していく傾向にあるだろうなという思いがあります。
そのほかに昨今の価格の下落等を含めまして、他県の産地の面積も同様に減らしている状況にあると。ただ、青森県の場合は、その減少率が他県に比べて低いという状況にありますので、青森県はその減少率をできるだけ抑えるような形で、園地の充実を図っていきたいというふうに考えています。
68 ◯三上委員
ちょっと品目を別なものにすりかえた議論をしてみたいんですが、きのうかおとといの農業新聞に、長野県か山梨県の農協だと思いますが、ブドウが今大きな房になっていると。1口というか、1回で食べ切れる房のブドウを今、品種改良して生産されていると。リンゴもそうあってもいいのではないか。今まではどっちかというと良品もの、良品ものというのはイコール大玉であります。色にむらのないもの、それを求めてきました。それは必ずしも上品ものではないはずなんです、食味からいって、商品の価値からいって。それをこれから国内だけでなく、輸出も含めた議論もいっぱいされておりますが、将来輸出するときに、日本の消費市場の考え方というものでいくのか、むしろ一口でとは言えないにしても、1食で食べ切れる量にして、そういう方向にむしろ切りかえる必要があるのではないかなと、こう思っています。
ただ、我々生産の現場から見ると、小玉系のリンゴを多くとるとですね、木の寿命が持たないという、これが特に売価の関係、宿命的なものがありますから。その辺を品種改良も含めて、研究機関等を含めて、一体となって将来のリンゴづくりの品質と輸出の関係、品種改良などなどを含めた考え方を示していただければありがたいなと、こう思います。
69 ◯一戸りんご果樹課長
委員御存じのとおり、リンゴの品種というのは品種特有の大きさを持っております。これを小玉化して多くならせるということは、先ほどおっしゃられたとおり、木に対する負担が非常に大きいということで、隔年結果を招くと。
ただ、消費全体の動きをやはり我々も十分考えながら、消費者が一体これから何を望んでいくのか、市場は何を求めるのか、そういうところをきちっと把握しながら、それに合わせて品種改良も当然必要になってくるんではないかなと。それは加工適性の高いものを含めてでございますけれども、やはり消費の動向をきちっと把握しながら、そういう大玉がいいのか小玉がいいのか、そういうものを含めて今後、十分検討していかなければならない課題であるというふうに考えています。
70 ◯三上委員
今、課長の答弁でおおよそ決論的なものが見えていますので、やっぱり消費志向も変わって生産量も頭打ちだと、そういう中で外貨をとるための品種改良と品質の生産の目標というか、技術というか、品種改良も含めて、これからのリンゴ産業が、これからの自然と環境をともにして生きていくような、それに対応できるような品種改良も含めて努力していただきたいなと、そのことをお願いを申し上げながら、その可能性について最後にお答えをいただいて、質問を終わりたいと思います。
71 ◯一戸りんご果樹課長
小玉のリンゴというのは、実は三戸の方で「ミニフジ」と言われる品種をある農家の方が育成しています。本当に五、六センチ、「アルプスおとめ」というリンゴよりも一回り大きいような形のものが、インターネット等宅配で非常に好評を博しているというお話も聞いています。それからすると、やはり消費者はある程度小玉リンゴも求めているのかなという気は、我々もしておりますので、ただ、まだ育種の上で、そういう小玉を目指した育種というのは行われておりませんので、その辺のところは今後、試験研究機関と打ち合わせをしながら、消費動向を見極めながら、育種の素材として検討していきたいというふうに考えています。
72
◯西谷委員長
ほかに質疑はありませんか。──一戸委員。
73 ◯一戸委員
それでは、大きい項目でいくと2点あるんですけれども、きょうの最初に部長のほうから報告があった、
リンゴ原産地表示に係る最近の動向について、こちらについてお聞きしたいと思います。
報告の中にありましたけれども、適正な表示徹底研修会などを含めての業界の
取り組みのほうで、監視委員会の設置ということで、これはりんご協同組合が設置をするというふうに受けとめたんですけれども、この監視委員会というのは単年度なのか、あるいは常態的に設けるのかについて、まずお伺いしたいと思います。
74 ◯鈴木食の安全・安心推進課長
商協連が設置いたします監視委員会でございますけれども、これにつきましては、単年度ではなく、今後、継続して常態的に設置されるというふうに聞いております。
75 ◯一戸委員
常態的に設置をするということ、これは協会の話ですけれども、監視の位置づけというか、指導する場合の拘束力というか、そういったものはどういうふうに委員会の中で持ち合わせているのか、わかりましたら教えていただきたい。
76 ◯鈴木食の安全・安心推進課長
あくまでも商協連内部の役割ということでございますので、その中身についてまで、まだ確認はしてございませんけれども、その組織の中で一定の拘束力、指導力というものを持つものだというふうにされています。
77 ◯一戸委員
具体的なものがわからないということであれば、実施時期とか回数とかも、今の段階では、まだわからないということでよろしいんでしょうか。
78 ◯鈴木食の安全・安心推進課長
今年度から直ちに設置するということだけは確認してございます。
79 ◯一戸委員
あわせて、これからなのかどうかわかりませんけれども、このりんご商業協同組合以外の部分について、どのような
取り組みになっているんですか。
80 ◯鈴木食の安全・安心推進課長
商協連に加盟していない事業者の方もおられるわけですので、県がただいま実施しております
巡回指導、あるいはまた現在、実施してございます研修会の中で、このような形で内部に監視する機能を持たせるべきということを、強く誘導してまいりたいというふうに考えております。
81 ◯一戸委員
そういった仕組みづくりが私は必要だと思いますし、あまり強くてもまた大変かなと思いますけれども、ぜひ今後取り組んでいただきたいのと、それと先日、部局からいただいたファクスで、指示・指導・勧告の考え方について、それぞれ回答をしていますけれども、届け出先が指示の場合と勧告の場合は県知事になっているんですけれども、指導の場合は何で部局に報告するということになっているんですか。
82 ◯鈴木食の安全・安心推進課長
指示・指導、それから
厳重注意も、同じく県に対して、知事に対して報告というふうなことでございます。(後刻「指導については農林水産部長あて提出する」旨に訂正)特に指示・指導で異なった扱いというふうなことではありませんので。
83 ◯一戸委員
そうすれば、もらった中では、例えば指導の内容で1から5、あるいは表示がない場合に、1から3という中で、それぞれの6項目目、それぞれの4項目目に平成22年6月30日までに、青森県農林水産部長あてに提出をすると。これはやっぱりきちんと訂正をしたほうがいいと、私は思います。
84 ◯鈴木食の安全・安心推進課長
申しわけございません。指示につきましては、法律に基づく指示ということで、こちらに書いておりますとおり知事あてに提出することというふうになってございまして、指導は行政指導でございますけれども、こちらの文書でお示ししたとおり、農林水産部長あてに提出するというふうなことで、先ほど私が申し上げました県に対してという意味では同じでございますけれども、訂正させていただきたいというふうに思います。あくまでも指示は知事あてに提出と、指導につきましては、農林水産部長あて提出するということでございます。
85 ◯一戸委員
今後のこともあるので、その扱いについて質問しているわけでありますけれども、それぞれの項目を見ても、極めて同じような部分ではないかというふうに思いますし、指示の内容というのは、意識的に秋田県産が入っているものを、一緒に売った業者さんが指示になっていると。そして、指導の場合は、入っているかどうかわかりませんと認めながらもそういったことに対して指導しているというふうになっているわけであります。しかし、今言ったように、報告先が、やっぱり知事が個別のそれぞれの市場を歩いたということであれば、中身の精査については農林水産部長であってもいいのかもしれませんけれども、やっぱりどういう状況にあったとしても、県知事の方が一般的にはいいのかなと。指導という内容が知事あてである、部局あてだという決まりがあればまた別ですけれども。私はそういった取り扱いをするのがいいと思いますけれども。
86 ◯鈴木食の安全・安心推進課長
先ほども申し上げましたとおり、法律に基づく指示ということで、前回も含めて今回、知事あてに提出ということでさせていただきました。また、指導につきましては、部長あてに提出するというふうな形で指導したわけですけれども、委員の御提言を踏まえて、今後、検討させていただきたいなというふうに思います。
87 ◯一戸委員
質問の通告した順番と違いますけれども、関連性があるので次の質問をしたいと思います。
それは、5月31日で県庁で開いた新聞報道の関係ですけれども、農林水産部長が不
適正表示の原因について、流通関係者の法令遵守に関する認識が極めて甘い、あるいは各流通過程において、原産地管理体制が極めてずさんだと、こういう発言の記事がありました。
6月中旬に県内各地区でリンゴ取り扱い業者を対象とした研修会を実施するということでありますけれども、この食品表示研修会の内容についてお聞きしたいんですけれども、1つ目は、リンゴ原産地の不
適正表示に係る再発防止として、県が今、主催をしている研修会の内容についてお伺いしたいと思います。
88 ◯鈴木食の安全・安心推進課長
お答えいたします。まず、県では、この6月を「食品表示適正化強化月間」といたしまして、県内の8つの卸売市場に登録されております
リンゴ買参人、全部で464者ございますけれども、これまでの調査で既に巡回済みの138者を除きました326者を対象に、6月11日から
食品表示適正化指導チームによります「
指導ローラー作戦」を実施して、
適正表示の徹底を強く指導しているところでございます。
また、委員お尋ねの研修会でございますけれども、県内卸売市場のリンゴを含む青果物の買参人に対象を広げまして、6月15日の五所川原市を皮切りに、青森市、八戸市と、本日開催してございます弘前市の4会場で、
適正表示徹底研修会を開催しているところでございます。
この研修会では、
JAS法に基づく義務表示事項や
遵守事項につきまして、わかりやすく解説しながら法令遵守の徹底をお願いするとともに、
適正表示を事業者みずからが責任を持ってチェックした上で販売するため、事業所内で
表示責任者を設置するよう強く指導しているところでございます。
89 ◯一戸委員
326者を対象にということですけれども、細かい話になるかもしれませんけれども、仕事の関係上、どうしても参加できないとか、そういった箇所、業者が出てくると思うんですけれども、そういった方々に対するフォローというのはどういうふうにお考えでしょうか。
90 ◯鈴木食の安全・安心推進課長
今、お話がございました仕事の都合などでどうしても来られない業者につきましては、
巡回指導の中でも当然我々個別にお話しいたしますし、また機会を改めて、例えば秋口にも研修会を開くなどして、徹底して指導してまいりたいなと、研修会の場を設けたいなというふうに考えてございます。
以上です。
91 ◯一戸委員
協同組合の関係でも教育するそうですけれども、研修会を終了しても、継続的な
適正表示がされるような仕組みづくりというのが、私は必要ではないかというふうに思いますし、業者の皆さん方はわかりましたけれども、今後、県はどのようにこういった再発防止に向けた継続的な
取り組みをしていくのかについて、お伺いしたいと思います。
92 ◯鈴木食の安全・安心推進課長
まず、今回、指示・指導等を行いました33事業者につきましては、県は事業者の講じた改善措置が適正に実施されているかを継続して確認・指導することとしています。
また、本年産、22年産リンゴの販売が秋口から始まりますので、これについても目を光らせていくということにしてまいります。
また、青森県
りんご商業協同組合連合会及び
加盟各社においては、
適正表示を監視する委員会や責任者を置くこととしておりますが、
JAS法に係る研修会を年2回開催するというふうに、部長から報告があったとおりでございます。
こういった独自のチェック体制をとることとしておりますので、この実施状況についても注視していくというふうに考えてございます。
また、県といたしましては、商協連加盟以外の、先ほどお話がありました各事業者についても、このような
適正表示に向けた自主的な
取り組みがなされるよう、研修会ですとかローラー作戦で誘導していくと。
これまで重点的に行ってきた食品製造事業者への
巡回指導に加えまして、今後は、リンゴを含めた青果物流通事業者を重点指導の対象として位置づけまして、事業所内の
表示責任者の設置、あるいは
適正表示の徹底について、集中的にかつ継続的に指導を行ってまいりたいというふうに考えております。
93 ◯一戸委員
大体業者さんの方はわかりましたけれども、少し不透明なので改めてお聞きするのは、弘果卸売市場での部分でありますけれども、どのように原産地表示の管理を改善するのかについてお聞きしたいと思います。
94 ◯津島総合販売戦略課長
弘果での原産地表示の管理改善についてお答えします。弘果では、これまでも秋田県の生産者に対して、秋田県産コーナーでリンゴを荷おろしすることや、木箱に「秋田県産シール」を張ることを指導してきましたが、これが徹底されていませんでした。このため弘果では、今後、1点目としまして、22年産リンゴの収穫の前に、秋田県で生産者大会を開催し、秋田県産シールを確実に木箱に張って、秋田県産コーナーに荷おろしすることの周知。
2点目としまして、すべてのリンゴを出荷する生産者に、生産者の住所などの情報をバーコード化して管理するカードを配布し、荷受け時に確実な原産地の確認を行う新荷受けシステムの導入。
3点目としまして、競りで落札されたリンゴは、秋田県産と青森県産に完全に区分けして荷さばきするよう、社員への指導徹底などの改善策を打ち出しており、その具体的な内容は、今月末までに県に提出されることになっています。
95 ◯一戸委員
弘果の部分では、そういった徹底したバーコードの管理だとか、ぜひきちっと取り組まれるようにお願いをしたいのと、最後の質問ですけれども、県内の青果卸売市場での原産地表示の状況についてどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。
96 ◯津島総合販売戦略課長
県内のほかの青果卸売市場での
リンゴ原産地表示の状況についてお答えいたします。県では、5月に県内の全青果卸売市場を巡回しまして、
リンゴ原産地表示の確認を行った結果、青森市、五所川原市、十和田市、むつ市の卸売市場においては、他県産の取り扱いはなく、八戸市及び南部町の卸売市場では、他県産を取り扱っているものの、伝票類に原産地が明確に表示されていることを確認しています。
特に岩手県産リンゴの取り扱いが比較的多い南部町の卸売市場では、荷受けするすべてのリンゴの木箱に、産地に応じて岩手県産シール、または青森県産シールを張ることを義務づけており、シールの張っていないものは荷受けしないなど、原産地表示を徹底しています。
97 ◯一戸委員
弘果の場合はお聞きしましたが、ピーク時には相当量が入ってきて、置き場も非常に狭隘になるということで理解はしますけれども、これからいろんな協会での対応だとか、県の対応があるわけでありますけれども、私はやっぱり内部だけの監査というか、体制じゃなくて、外部のチェック機能が少し働くような機能をつくっていくことが必要ではないかと。
表示責任者だとか販売責任者だとか、事業者の中でつくること、あるいは表示することはわかりますけれども、内部だけの問題にせず、年に1回とか3年に1回とか、外部の目が入るような方向も、やっぱり私はこれから青森県産リンゴを守っていくためには必要かと思いますので、今後、業者から出される回答書、あるいはそれらを含めて、ぜひ御検討をいただきたいという意向を付しておきたいと思います。
次に、午前中に三上委員からもお話がありましたけれども、社団法人青い森農林振興公社の経営状況についてお伺いしたいというふうに思います。
まず、1つは、青い森農林振興公社で実施する分収造林事業についてでありますけれども、この事業については、公社が土地を借り受け、公社の費用負担により植林や手入れを行い、立木販売収益を土地所有者と公社が契約に基づいて事業を進めるというふうにお聞きをしているわけでありますし、1点目通告をしておりました青い森農林振興公社が行っている分収造林の経営状態についても、若干質問をしておりましたし、長期負債等々のお話をされましたので、この部分については省略をしますけれども、県の分収造林のあり方検討委員会で、この分収造林について、早急に見直しを含めた対応が必要ではないかという、こういう意見がされている状況だと思います。
そこで、お聞きしたいのは、この公社造林の経営改善に向けて、国と地方が行っている協議の内容についてお伺いしたいと思います。
98 ◯村川林政課長
全国の林業公社の経営改善について検討するために設置されました国と地方の代表によります「林業公社の経営対策等に関する検討会」では、昨年の6月に最終報告書を公表し、日本政策金融公庫の利子負担の軽減、あるいは公社を廃止する場合の措置などについて、国の支援の方向が示されたところです。
このため、現在、支援策の具体化に向けて、最新の公益法人会計基準を適用するために必要となる森林資産の時価評価方法や、総務省が創設しました「第三セクター等改革推進債」を活用する場合の条件等について、国と地方が引き続き協議を進めているところでございます。
99 ◯一戸委員
昨年の6月に国の対策で、これからやっていくということは理解をしました。ただ、公社に関係する経費だとか、いろんな部分を考えると、相当厳しい状況にあるのではないかというふうに思いますし、そのことを受けてお聞きしたいのは、公社の経営改善に向けて早急に対応する必要があるということが、やっぱり喫緊の課題だと。その部分についてこれからどう取り組んでいくのかについてお伺いしたいと思います。
100 ◯村川林政課長
先ほども申し上げましたけれども、分収造林については、保育作業の見直しですとか、低利資金への借りかえなど、いろいろ経営改善に向けて努めてきております。
また、現在、県では、公社分収造林のあり方について、抜本的な見直しを進めて検討しているところですけれども、国と地方との支援策に関する協議の内容、今後のあり方を判断する上で極めて重要と考えておりますので、この状況を見極めた上で、当然、県民負担が最少だという観点、これに立って対応してまいりたいと思っています。
101 ◯一戸委員
この項目の意見です。先ほど三上委員にも答えておりましたけれども、公社が植林から伐採まで50年から60年、こういうふうに設定をしているわけであり、将来は幾らになるかわからないと。
これは利益を生み出すということでつくった事業だと思います。利益の配分は、公社が60%、そして地主が40%、それぞれ利益を得るというふうになっています。早急に方向性を出さないと、例えば利益が出ても何ら貸した方にメリットがないということも、私は出てくるんだと思います。負債を抱えながら売ったけれどもどうなのとなってくると思います。やっぱり検討委員会で出された意見に沿って、早急に時価評価に切りかえながら負債を整理することによって、貸した側の方にも、それは当初予定よりも低い額かもしれませんけれども、判断する材料として、この問題については結論を見出していくことが、必要だと思います。公共環境、環境事業として県が扱うほうが理屈に合うんじゃないかと、こういう意見もいただいていると思いますので、ぜひこの分収事業については、方向性を早急に出していただきたいというふうに思います。意見です。
それから、2点目は、青い森農林振興公社で実施する農地保有合理化事業についてお聞きしたいと思います。この事業は、国の
農業経営基盤強化促進法に基づいて実施をされておりますし、農家が規模拡大をするに当たって、計画的にその規模が拡大することのいろいろな多面的な部分、あるいは税制面でもそれぞれ優遇措置が施されている、社会的ニーズも適応しているというふうに思っておりますけれども、この農地保有合理化事業、その目標達成に向けた主要な手段として実施をされてきたものだと思いますけれども、お聞きをしたいのは、1点目は、農地保有合理化事業の実績及び未収小作料と長期保有農地の状況について、どのようになっているのか、お伺いしたいと思います。
102 ◯山本構造政策課長
公社では、規模縮小農家から農地の買い入れや借り入れをして、規模拡大をしたい農家に売り渡しや貸し付けをすることで、
農業経営の規模拡大や農地の集積を促進する「農地保有合理化事業」を実施しているところでございます。
それで、平成21年度の農地の貸し付けの実績でございますけれども、件数で441件、面積で549ヘクタール、また、売り渡しの実績は、件数が150件、面積が157ヘクタールとなってございます。
それから、平成21年度末で、公社への支払いが滞っている小作料は1億4,800万円、また、売り渡し期限が過ぎても売れずに公社が所有している長期保有農地が37ヘクタール、土地価格総額で1億4,300万円、合わせて2億9,100万円となっているものの、過去5年間で最大であった平成17年度末の7億1,800万円に比べると大きく減少しているところでございます。
103 ◯一戸委員
未収状況、小作と長期保有で2億9,000万円の負債の部分がある、こういうことだとお聞きをしましたけれども、事業数がどんどん減ってきている中で、そういった不良的なものは早期に回収をする必要があると思うので、その未収小作料と長期保有農地の解消に向けて、どのように県が取り組んでいるのかについてお伺いしたいというふうに思います。
104 ◯山本構造政策課長
公社では、専門の相談員3名を配置して、その間に用地貸し付け時に経営状況の把握や返済能力の審査を徹底するとともに、貸し付け後に
巡回指導を実施し、未収小作料や長期保有農地の発生防止に努めているところです。
また、発生した場合については、平成20年に整備した小作料等滞納整理事務提要に基づきまして、公社職員と現地駐在員2名による定期的な巡回・交渉を実施し、解消に努めているところでございます。
具体的には、未収小作料につきましては、延滞発生後直ちに督促状を送付して、その後も納入がない者に対しては巡回面談を実施しており、その際、分割返済により確実に返済が見込めるものに対しては、連帯保証人を付した上で分割返済を認めています。
一方、経済力があるにもかかわらず支払わない者に対しては、訴訟、差し押さえを実施しておりまして、平成21年度には訴訟1件、差し押さえ1件となってございます。
また、長期保有農地の解消につきましては、分割払いで購入できると判断される場合は、分割返済を推進し、また、購入できないと判断される場合については、第三者への売り渡し等も行っている、そういうふうになっております。
105 ◯一戸委員
早急に債権回収するということでありますけれども、これからもあると思うんですけれども、未収小作料等長期保有農地で債権放棄をしたものは、具体的にあるのか件数をお聞きしたいのと、債権放棄に当たっての基準というものが明確になっているのであればお知らせいただきたいと思います。
106 ◯山本構造政策課長
公社には、債権放棄の基準は設定されておりません。また、これまで債権を放棄した例はございません。
ただし、公社が策定した「小作料等滞納整理事務提要」の中で、貸倒損失処理の基準を定め、破産法に基づく自己破産手続開始決定後に、免責許可決定を受けた者や、債務者が死亡し、無財産でかつ相続人が相続放棄をしている場合などに該当するものについては、貸倒引当金の範囲内において貸倒損失処理を行っております。
なお、平成21年度までの損失処理の件数は13件で、金額は2,300万円となっております。
107 ◯一戸委員
意見になるわけでありますけれども、基準がないということでありますけれども、ある程度透明性、公平性を持つために、何らかの方向性を示した基準があってもいいのではないかと、こういうふうに、考えていただきたいというふうに思っております。
それと、この農地保有合理化の事業を見ても、年々耕作放棄地も含めて拡大している中でこれが広がっていくかというと、なかなか進んでいかないんじゃないかなというふうにも思っておりますし、債権発生して速やかに対応するということでありますけれども、長期保有農地の中で、発生が平成4年度、売り渡しから、今22年度ですから、相当たっているものも実態としてあるわけだと私は受けとめております。平成4年ですから、もう18年間回収に当たっているというのはどうなのかなというふうに思いますので、公社の財政厳しい中では金額の大小ではなくて、小さい額であっても、早急に回収する体制と仕組みをつくっていただいて、何回訪ねてもできないところに対しては、先ほど言った基準等があればある一定の対応ができると思いますので、そういう対応をお願いして終わります。
108
◯西谷委員長
ほかに質疑はありませんか。──三橋副委員長。
109 ◯三橋委員
先日、盛岡に行く機会がありまして、青森駅におりて駅ビルに入りました。お昼御飯を買おうと思ってお寿司屋さんを見たら、当店のお米はコシヒカリ100%ですと。これはやめだと思って、隣のおにぎり屋さんに行ったら、当店のお米はおいしいあきたこまち100%ですというふうに書いてありました。
これから新幹線開業を迎えて、新青森から青森駅に来るお客さんも数多くいると思いますけれども、自分たちの表玄関でさえ、やはりコシヒカリやあきたこまちを前面に出して売るということは、やはりまだ「つがるロマン」や「まっしぐら」という本県産の米に対する県民の購買意欲というんですかね、そういったものはまだ完全ではないのかなと。そういったことから多少業務用米に振り分けられるということも考えられると思います。そんな中で始まる米の戸別所得補償のモデル事業でありますけれども、それは本県産の米にとって果たしてどのような影響をもたらすのかというのを、この委員会、1年ありますけれども、この期間を通して、さまざまな角度から質問しながら、ぜひ考えていきたいと思っております。まず、お米の戸別所得補償のモデル対策がスタートするに当たって、田植えも終わって一段落して、加入も一気にふえたようであります。
いろんな地元の農協等に聞きますと、今まで減反に協力していた人たちはほぼ加入したと。新規に入ってきた人はいるかと言ったら、それほどでもないと。そうしたら、ことしぐらいの数量は県内では作付されるのかなというふうに見ているところでありますけれども、本来これはもっと魅力的な事業で、これだったら農家もずっとやっていけるんだということを前面に打ち出してPRしていけば、今まで減反に協力しない人たちも本来は加入して、そして作付が多少ふえるという事業になるはずだったんですけれども、なかなかそうもいかないようであります。そこで、戸別所得補償モデル対策の農業者への今までの周知方法について、まずお伺いします。
110 ◯長根農産園芸課長
戸別所得補償モデル対策のこれまでの周知方法についてお答えいたします。今年度から実施されております戸別所得補償モデル対策、これにつきましては、ことしの1月25日に、青森市におきまして、国から市町村、農協等
関係団体に対しまして、事業内容や加入申し込み方法等について説明がありました。これを受けまして、農業者へは、2月から3月上旬にかけまして、各地域の集落説明会等で青森農政事務所や市町村、農協等から説明をされてきたところであります。
また、2月には県、JA青森中央会などで構成しております青森県水田農業推進協議会から、すべての水田をつくっている農業者に対しまして、チラシを配布して、本対策の周知を進めてまいりました。
現在も、市町村や農協などで構成しております地域水田農業推進協議会では、未加入者に対しまして、はがきや自宅訪問などによる
加入促進を続けて行っております。
それから、青森県水田農業推進協議会では、6月9日から25日までの17日間、1日3回のラジオによる呼びかけ、あるいは6月16日にはラジオ番組に出演して、
加入促進を行っているということで、6月30日の加入期限まで農業者への周知を図っていくことになっております。
以上です。
111 ◯三橋委員
この数字は、来月の委員会になれば、どれぐらいの加入があったかというのはわかると思いますので、そのときにまたいろんな形で聞いていきたいと思いますけれども、これは実際にモデル対策を行うときに、やっぱり1万5,000円の定額部分があると。そして、1万3,703円等の差額の部分で考えたときに、卸売業者の側から見れば、1万5,000円あるんだし、幾ら値段が下がったってちゃんと補償されるんだからもうちょっと安くよこせと、まとめて買ってやるから安くよこせと。商売の鉄則としては多分こうなるんじゃないかなと。
高速道路無料化のときに、農家の人たちと話をしたときに、農家の人たちは、高速が安くなれば、ただになれば、その分の輸送費が自分たちに入ってくると期待していて、それに対して私が答えたのは、その分、絶対運賃を下げられて、販売価格は下がるかもしれないけれども、農家の手取りとしては多分入ってこないだろうと。要は流通形態がしっかりしていてどこに幾らで売られるかというのがわかれば、多分、今回の戸別所得補償をやったとしても、農家の手取りがふえてくれればそれにこしたことはないですし、それがずっと税金を幾ら投入したとしても継続していければいいんですけれども、その制度の逆の面からいって、こういうふうな買いたたき、これは実際にもう既に発生しているようでありますし、これがひどくなっていく可能性があるんじゃないかと思うんですけれども、この辺に関して、県はどのように考えていらっしゃるかお聞きしたいと思います。
112 ◯長根農産園芸課長
今の御質問でございますが、いわゆる販売業者等の買いたたきの現象といいますか、そういう懸念に対してということでございますけれども、今までも米のモデル事業の実施を契機にしまして、助成金が交付されることを理由として値引きを要請するといった、いわゆる買いたたきの事態が懸念されるという声もありまして、去る5月14日付で、「米モデル事業の実施に伴う流通分野における不適切な取引の発生の防止について」という文書を、関係業界へ通知しまして、不適切な取り引きが行われないよう
周知徹底を図っております。
それから、5月17日付で、本省及び地方農政局に、米の流通分野における不適切な取り引きに関する相談窓口を設置するとともに、独占禁止法に抵触する疑いのある情報については、公正取引委員会と連携して対応していくということになってございます。
一方、米の卸売会社でつくっております全国米穀販売事業共済協同組合におきましても、このモデル事業による助成金を理由に、農協などの仕入れ先へ値引き要求を行うことのないよう、傘下の組合といいますか、団体、組合の方に
周知徹底を図っているというふうに聞いてございます。
県としましても、このような国や業界などの動向、対応を見守っていきたいというふうに考えております。
113 ◯三橋委員
どれだけ指導したとしても、多分これは自然発生的に値段はある程度下がるというのは、これは織り込みながら、その上で本県のつがるロマンやまっしぐらというのは買いたたきに遭わないような、ブランド力も向上させなきゃいけないですし、やはり値ごろ感というものを前面に打ち出す部分も必要かと思いますけれども、これで、たとえ買いたたきをしないとしても、その自然と下がる部分はあるでしょう。
今の平均、全国が約1万2,000円という計算のもとにこれはスタートしたわけでありますけれども、例えば1万2,000が1万1,000円、1万円になったとしたら、これは過去3年の平均で平均価格を見るようでありますから、平均価格は1万1,000円というところになってしまうわけです、2,000円下がるだけで。となれば、初年度には2,000円もらえた差額が、次の年には1,000円しかもらえないというふうになると思うんですけれども、これは国の考え方としては、あくまで変動部分に関しての標準的な考え方は過去3年で見るというので間違いないですか。
114 ◯長根農産園芸課長
米のモデル対策では、今、三橋副委員長からもお話がありましたように、ことし22年産の販売価格が標準的な販売価格となった場合は、その差額をもとに算定された交付単価を交付する。その部分については、過去3カ年間の平均を用いるというふうになってございます。それについては間違いないです。
115 ◯三橋委員
3年の平均をとるということであれば、下がったら下がった分をもとにして平均価格として出してしまうということは、基本的に下がった分は農家の手取りというか、生産費との差額の部分も当然低くなってしまうと。要はこれは、戸別所得補償が3年たったら、農家にとってはことしよりも収入として減る可能性が高いと我々は考えているところであります。もうスタートしたわけでありますから、これを防ぐためには、やはりスタートした年の基準価格をある一定の基準値として何とか固定させると。例えば、これからどれだけ下がっても、5%、10%以上下がったら、それ以上は絶対その平均としても下げないというような形で見ないと、結局、下がったがゆえに、今まで戸別所得補償には入っていないけれども、ただつくっているだけでは間に合わないから入ってくるという消極的に減反に入ってくる人たちもいるかもしれませんので、その辺を考えたときに、これ以上は絶対下がらないというある一定の基準があるべきと考えています。
私の杞憂であればいいんですけれども、多分このままでいけば、米の販売価格もなだらかに下がっていく、もしくは急激にことし下がって、その安値がずっと続いていくと、これは実際走ってみないとわからないことでありますが、そうなることが想定されますから、ぜひ青森県として一定の基準を設けて、過去3年の平均とは言っているけれども、激変緩和的な基準を設けて、戸別所得補償スタート元年の基準を基本ベースにしていくんだというようなことを、農家の皆さんにしっかり理解してもらうというか、農家の皆さんと共有してもらうようでなければ、結局、農家にどんどん税金を投入するけれども、1銭ももうからずに、ただ差額部分を払うだけということになってしまえば、消費者は多少はいいかもしれませんけれども、国の本来考えている政策とは合致しないはずであります。
現在の仕組みでは、米価下落が続いた場合、補償の算定基準としている標準的な販売価格も下がり、結果として農家への助成金も減少していくということ、これに関する県の見解を伺いたいと思います。
116 ◯長根農産園芸課長
先ほどお答えをさせていただきましたように、ことし実施されておりますのは、過去3カ年の販売価格をベースにしてということでございますが、現在、国では、来年度からの本格実施に向けまして、制度の見直しを検討中というふうに聞いてございます。県としましては、今、副委員長からお話がありましたように、販売価格が下がると補てん部分も下がってくるという心配がございますので、県としましては、交付単価を生産者の再生産が可能な補償基準、いわゆる再生産できる補償基準にすべきではないかということで、米価が下落しても農業者への助成金が減少しないような仕組み、そういうことにしていく必要があるんじゃないかと考えております。
117 ◯三橋委員
ここの部分は本当にやはり農家の生命線になりますので、過去3年というのは絶対にこれはやめさせて、見直ししたときには少なくともこの基準単価で。ただ、これでやっても、結局、今、米農家は食っていけないという状況、要はことしの単価があれば十分というものではないんです。これより、もう何千円も上積みして、初めて後継者に田畑を任せることができるというような状況になりますから、戸別所得補償をこれ以上に上げるということは、やはり米のブランド力を上げてコシヒカリ等に近づける、高く売るという、これはやっぱり県の政策の方にもかかっていますので、国の戸別所得補償は戸別所得補償であって、県の政策を融合させることによって米農家にとっての所得が上向いていくということ、これがやっぱりこれから話し合わなきゃいけないことですし、また、大事なことだと思っていますので。
それと、あともう1点、聞いておきます。せっかく大きく団地化して、農業法人とか集落営農でやり始めた中にあって、貸しはがしができるんじゃないかと。所得補償がある程度うまみがある政策だったとしたら、貸しはがしがあるんじゃないかというような懸念も最初されていたんですけれども、ここは実際問題どうですかね、動きは出ていますか。
118 ◯山本構造政策課長
貸しはがしの状況について、青森農政事務所と県内の全農業委員会に聞き取りをしたところ、県内では戸別所得補償モデル対策への参加を理由に、農地の貸借契約を解除している事例はありませんでした。
今後、貸借契約の解除が発生した場合は、
農業経営に影響がないように、新たに設置された農地利用集積円滑化団体による農地のあっせんや農地利用集積事業等の活用により、新たな農地の集積を働きかけていくこととしています。
119 ◯三橋委員
多分この貸しはがしがないのも、まだ制度が動いていないので、実際にプラスになるかマイナスになるかが見えてないから、ことしはこのままで走っていこうというふうになると思います。プラスになるとすれば、多分そういう貸しはがしというような状況も生まれてくるでしょうし、マイナスになるとすれば、またさっきのような対策で我々声を上げていかなければいけないということであります。
何しろ農家にとっては品目横断もありまして、それから「水田・畑作経営所得安定対策」も、覚えたかと思うと次から次へと変わって、戸別所得補償が来年また名前が変わるんじゃないかというようなぐらいに、悩んでしまっている農家の方も多くいますので、ある程度、腰を落ち着けてやる部分としての定額部分等を何とか抑えていくというところがありますけれども、先ほど言ったような、農家にとって必ずマイナスになるような買いたたきや、米価の下落といったことまでいかないように、ここは県としても我々議会としても、そしてまた、農家1戸1戸がこの対策に関してはしっかり注視して、いろんな形でまた検討会、勉強会を開いていかなければいけないことになると思いますので、ちょっと長い議論になると思いますけれども、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
今月はとりあえずここで終わります。
120
◯西谷委員長
ほかに。──三上委員。
121 ◯三上委員
質問というよりも、場合によっては今の政治に対する反論になるかもしれない。今、三橋委員の発言、一番重要なところは、どんどん下げられていくんじゃないかということ。だから、基準値を県が示して、国が示して、それよりは下がらないようにするという、そういう趣旨の発言かなと思っています。
民主党が考えている補償というのは、全国平均の生産費を基準に、その原則に立って、生産性が上がった地域は多くもうかる、それよりも怠った生産性の乏しいところは、場合によっては1万5,000円の基準価格を下回るということもあるから、設定する段階で議論があったと思います。
ですから、少なくとも本県の見通しとしては、全国の平均よりも生産性が高い、生産量も高い、生産費も低い。生産費が低いということは、補償が基準よりも低ければ、それだけ基準値が1万3,000円だとして、生産費が1万2,000円だとするとむしろもうけが多くなるわけですから、それは誤りがないなという、その思いで今の制度を設定したわけです。
ただ、三橋さんと共通することは、平均してだんだん下がっていくことによって、それが出てくる可能性、これはリンゴの価格補償の段階でも問題になったことであります。ただ、私も歯切れの悪い質問をしているけれども、私は与党の立場でそれを言ってもいいのかという質問のやりとりをするもんだから、あまり突っ込んだこともできないし、ですから、もう少し、せっかくの制度を見守ってあげて、来年の段階でもう少し詰めなきゃいかんのかなと思っております。そういうことであります。
122
◯西谷委員長
いいですか。
ほかにないようでありますから、これをもって審査を終わります。
次にお諮りいたします。当委員会に付託されております特定付託案件について、さらに継続審査とすることに御異議はありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
異議なしと認め、継続審査といたします。
以上をもって
農林水産委員会を終わります。
どうも御苦労さまでした。
○閉 会 午後 2時14分
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