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平成22年度予算特別委員会(第4号)  本文 開催日: 2010-03-17
平成22年度予算特別委員会(第4号) 名簿 開催日: 2010-03-17

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  1. 青森県議会 2010-03-17
    平成22年度予算特別委員会(第4号)  本文 開催日: 2010-03-17


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯森内委員長 ただいまから予算特別委員会を開きます。     ───────────────────────       ◎ 質  疑  継  続     ─────────────────────── 2 ◯森内委員長 毎日のことでございますが、携帯電話のほうはよろしくお願いいたします。  議案第一号から議案第十六号までを一括議題といたし、質疑を継続いたします。  渋谷哲一委員の発言を許可いたします。―渋谷委員。 3 ◯渋谷委員 民主党会派、渋谷です。よろしくお願いいたします。  それでは、まず、議案第一号「平成二十二年度青森県一般会計予算案」についてお伺いします。  議案第一号、歳出四款一項五目「精神保健福祉費」、自殺対策に係る相談・支援体制の現状と課題について質問いたします。命を守りたいと、鳩山総理が所信表明で繰り返し訴えられておりました。まさに今、青森県が必要としている政策ではないでしょうか。青森県民の平均寿命は、男性が昭和五十年から、女性が平成十二年から全国最下位であり、特に男性は四十六位の秋田県より大きく離されており、全国一の短命県であります。国が命の問題を掲げている今だからこそ、全国一の短命県である青森県であるからこそ、国とともに命を守る抜本的な政策を打ち出すときではないでしょうか。その観点に立って質問をいたします。  短命の原因の一つである自殺は、本県で年間五百から六百人の間で推移しております。周りの気づきや支えで救える命が数多くあったはずであります。本県における相談・支援体制はどのようになっているのでしょうか。また、相談窓口間の連携が重要であると考えますが、その現状及び課題についてお伺いいたします。 4 ◯森内委員長 一瀬健康福祉部長。 5 ◯一瀬健康福祉部長 まず本県における相談・支援体制はどのようになっているのかというお尋ねでございますが、自殺対策におきまして、人々の悩みを聞き、心の支えとなる相談窓口の役割は極めて重要なものとなっております。問題を抱えた人が相談したいと思ったときに気軽に相談でき、かつ相談に適切に対応できるよう相談・支援体制の整備・充実を図るとともに、関係窓口の幅広い連携により、各種相談窓口を広く周知する取り組みが必要と考えております。  このため、県としましては、平成二十年度に相談者の複雑・多様な相談ニーズに対し、県内相談機関の協力により、こころの相談窓口ネットワーク電話番号一覧表を作成し、市町村やコンビニ等を通し配布するなど、相談窓口支援機関の周知を図っているところでございます。また、その相談窓口間の連携が重要であるということでございますが、その現状及び課題についてお答えいたします。  相談する方はさまざまな悩みを抱えているとともに、これらの問題が複雑に絡み合い、一つの機関や相談窓口だけでは対応が困難な場合や、自分の悩みに適切に対応できる相談窓口を見つけることができない現状が見受けられます。そのため、自殺を防ぐためには、さまざまな相談窓口支援機関が密接に連携し、相談者を包括的に支えることが必要と考えております。県では、県立精神保健福祉センター、保健所において心の健康相談を実施しているほか、相談される方のいわゆるたらい回しにならないよう、自殺のおそれのある方の相談対応の手引きを作成し、各相談窓口に配布しております。また、今年度は、年末に求職者を対象としたワンストップサービスとしまして、弁護士会や司法書士会社会福祉協議会、労働局、市町村と連携し、心の健康相談や生活相談、法律相談の内容を含めた対面型相談支援事業を実施するなど、各相談窓口の連携に努めているところでございます。  しかしながら、相談窓口担当者が他の相談窓口支援機関の役割や基礎的知識等を十分有していないこと等から、現状としては、相談する方が求められている連携レベルに達していないと考えられます。そのため、相談を受けた窓口が相談内容に適切に対応できるよう他の相談窓口や専門機関に適切につなぐことができるようなネットワークを構築していくことが今後の課題であると考えております。 6 ◯森内委員長 渋谷委員。 7 ◯渋谷委員 相談窓口・専門機関に連携してやっていくという話ですが、今挙げられた課題に県は今後どのように取り組んでいくのかお伺いします。 8 ◯森内委員長 健康福祉部長。 9 ◯一瀬健康福祉部長 相談窓口の連携が十分とは言えない状況でありますことから、今月の十八日に相談窓口を所管する機関を対象とした会議を開催し、それぞれの相談窓口の役割や対応可能な相談内容を確認するとともに、各相談窓口が抱えている問題点や相談窓口間の課題について検討することとしております。また、平成二十二年度には、直接相談に対応する相談員の会議や研修会において、相談内容を適切な相談窓口や専門機関に紹介するための相談員の相談スキルの向上を図ることとしております。
     なお、相談員等、相談支援に従事する者は、時には相談者を助けることができないこともあるなど、非常に強いストレスにさらされることも多く、みずからの心の健康を損なうおそれもありますことから、相談員みずからの心の健康を維持するための対応方法についての内容も研修に盛り込む予定としております。今後とも、相談する方の立場に立ちまして、相談内容をより適切な相談窓口につなげることができるよう相談・支援体制ネットワークの構築に努めてまいります。 10 ◯森内委員長 渋谷委員。 11 ◯渋谷委員 今月十八日に、その取り組みについて各関係機関と話し合うという話であります。秋田県で、実はチャイルド・セーフティー・センターという子供SOSへの対応や非行・被害防止活動を二十四時間体制で行う取り組みが始まったと聞いております。そこに、今この内容なんですけれども、相談機関の種類は、窓口が警察本部少年課であって、設置目的が少年の悩み事や困り事に関する相談を二十四時間体制で受理し、助言・指導、所管行政機関への連携と必要な措置を講ずると。そして、具体的には、いじめや不登校、児童虐待等の悩みに関する相談・通報への対応、駅周辺等の巡回、子供の非行・犯罪被害防止のための各種教室等の活動を行うと。今こういう取り組みが始まっているわけです。  ポイントは、恐らく二十四時間体制ではないかと思います。このような体制を自殺対策として本県で取り組んでいけないものでしょうか。実際、警察では、自殺対策専門というわけではありませんが、二十四時間体制でさまざまな問題に現在も対処しております。自殺SOS二十四時間体制を警察と連携をして対処することができれば、相乗効果が生まれるのではないかと思います。個々に頑張っていてはなかなか打ち破れない問題も、横の連携を図り総力戦で臨むべきだと思います。県当局と警察の連携を自殺対策に対してぜひお願いしたいと思います。  次に、歳出四款一項三目「健康増進費」についてお伺いいたします。子供は青森県の宝であり、健康に生まれてくる環境をつくるための取り組みを行っていかなくてはなりません。そのためにも、医療体制の強化や妊婦の健康診断を含む健康管理が必要不可欠であります。まず、妊婦の健康対策に係る取り組み、妊婦の喫煙及び飲酒の現状についてお伺いします。また、妊婦に対する禁煙などの働きかけについてどのように取り組んでいるのかお伺いします。 12 ◯森内委員長 健康福祉部長。 13 ◯一瀬健康福祉部長 まず、妊婦の喫煙及び飲酒の現状でございますが、平成二十年度の妊婦の喫煙の現状については、妊婦連絡票による割合を申し上げますと、妊娠届け出時に喫煙している妊婦は七・七%、妊娠後禁煙した妊婦は二三・一%、喫煙していない妊婦は六九・〇%となっています。喫煙している妊婦の推移を見ますと、平成十四年度に一五・二%であったものが、平成十六年度は一二・〇%、平成十八年度は九・六%、平成二十年度は七・七%と低下を続けております。また、妊婦の飲酒の現状について申し上げます。妊娠届け出時に飲酒している妊婦は七・八%、妊娠後、禁酒した妊婦は三九・五%、飲酒していない妊婦は五二・五%となっています。飲酒している妊婦の推移を見ますと、平成十四年度に一八・六%であったものが、平成十六年度は一〇・七%、平成十八年度は九・四%、平成二十年度は七・八%と、こちらも低下を続けております。  妊婦に対する禁煙等の働きかけについてでございますが、まず市町村における取り組みを御紹介いたしますと、妊婦が市町村の窓口に妊娠届け出を提出する機会や母親教室、両親学級等の健康教育、保健師が家庭訪問する活動を通じて母子の健康の保持・増進や日常生活全般にわたる指導・助言を行っております。特に喫煙につきましては、低出生体重児や乳幼児突然死症候群の要因の一つと言われており、妊娠中だけでなく、育児期間においても禁煙するよう指導・助言しております。  また、飲酒につきましては、胎児に対する飲酒の影響や、女性とアルコール依存症の関連など、飲酒リスクに関する知識の普及も図っております。また、県の取り組みといたしましてですが、平成二十一年度の新規事業としまして、妊娠・出産をきっかけに禁煙した親が再び喫煙しないよう新生児訪問を通じて適切に指導する体制を整備する親子の喫煙母子推進事業を実施しております。 14 ◯森内委員長 渋谷委員。 15 ◯渋谷委員 今の数字の低下は、間違いなく妊婦の禁煙・禁酒は間違いなく進んではいるようですが、しかし、まだ完全になくなっているわけではない。これはもっと進めていかないといけないと思いますし、先般、政府が公共の場での受動喫煙防止対策を発表し、公共の場での徹底した分煙なり、禁煙が進められていくと思っております。妊婦の受動喫煙防止対策を進める上でも、県として今後どのように取り組んでいくのかお伺いします。 16 ◯森内委員長 健康福祉部長。 17 ◯一瀬健康福祉部長 県では、県の健康増進計画であります健康あおもり21に基づき、受動喫煙防止対策などの喫煙対策推進事業を実施しているところでございます。これまでも受動喫煙防止対策を適正に実施している施設が増加するよう関係団体に働きかけ、空気クリーン施設として広報を行っているところであり、平成二十一年十二月末現在、千五百五十五施設の認証と前年度より六十六施設増加しております。また、平成十七年には、たばこの規制に関する枠組条約が発効され、第二回締約国会議において採択された受動喫煙からの保護に関するガイドラインの中では、すべての分煙は不完全であるとされており、受動喫煙を取り巻く環境は変化してきております。  このような状況のもと、平成二十一年三月に取りまとめられました「受動喫煙防止対策のあり方に関する検討会報告書」を踏まえ、今回、国から今後の受動喫煙防止の基本的な方向性等に関しての通知がありました。受動喫煙による健康への悪影響につきましては、医学的に明らかになっておりますが、妊婦の受動喫煙に関しましても、本通知において、受動喫煙によりたばこを吸わない妊婦であっても、低出生体重児の出産の発生率が上昇する、と記載されております。また、受動喫煙防止対策の考え方につきましては、建物内全面禁煙は、受動喫煙対策として極めて有効であると考えられているため、受動喫煙防止対策の基本的な方向性として、多数の者が利用する公共的な施設については、原則として建物内全面禁煙であるべきである。少なくとも官公庁や医療施設においては建物内全面禁煙とすることが望ましい旨の記載があります。  県では、本通知を受けまして、県内の地方公共団体に対して受動喫煙防災対策に関する積極的な取り組みを依頼する旨の通知をしたところですが、今後は、官公庁以外の公共的施設に該当する医療機関、飲食店、宿泊施設等関係機関に対しても通知するなど、受動喫煙防止対策の推進に向けて努力してまいりたいと考えております。 18 ◯森内委員長 渋谷委員。 19 ◯渋谷委員 次に、歯科保健対策に係る県の取り組みについてお伺いします。施設入所者に対する口腔ケアは、健康維持の観点から非常に効果が高いと証明されております。もちろん各福祉施設や医療施設ではその取り組みが行われていることと思いますが、歯科医師会と連携して、さらなる普及・啓蒙をしていくべきと考えますが、県として今後どのように取り組んでいくのかお伺いします。 20 ◯森内委員長 健康福祉部長。 21 ◯一瀬健康福祉部長 国では、歯科保健対策としまして、八十歳になっても自分の歯を二十本以上保つ社会を実現するために、八〇二〇運動を展開しているところでございます。八〇二〇運動は、幼児期・学童期では、う蝕予防対策や食育に関する事業、成人期では、歯周病予防対策生活習慣病予防と食育に関する事業、高齢期においては、口腔ケアや摂食・嚥下に関する事業等を実施し、国民の歯の健康づくりを推進することとしております。  本県におきましても、八〇二〇運動として、県の健康増進計画であります健康あおもり21に基づき、これまで小児期から高齢期までの各ライフステージに応じた事業を青森県歯科医師会等と連携しながら実施してきたところであります。口腔ケア分野におきましても、これまで在宅寝たきり老人等訪問歯科健康診査等や、知的障害者等に対し、訪問による歯科健康診査及び歯科保健指導の実施、市町村、施設職員等を対象とした口腔機能向上のための研修会等を実施してまいりました。今後も引き続き青森県歯科医師会と連携しながら、機会をとらえて施設に対し口腔ケアの必要性について周知していくなど、口腔機能向上が図られるよう歯科保健対策に取り組んでいきたいと考えております。 22 ◯森内委員長 渋谷委員。 23 ◯渋谷委員 私も青森市の歯科医師会長と話をする機会がありまして、会長は、歯科医師として使命感を持ってこの問題に取り組んでいきたい。ぜひとも県ともっと協力してやっていきたい。その旨を訴えておりました。ぜひとも官民の連携を強力にして取り組んでいただくことをお願い申し上げます。  歳出三款二項一目児童福祉総務費」及び歳出十款六項一目社会教育振興費」、放課後子どもプラン実施に係る対応について。働くお母さんが一番困っておりますのは、やはり子供の問題であります。病気になったとき、どうするのか。勤務時間が延びたとき、そして、小学校低学年では、早く家に帰ってもだれもいないなど、さまざまな問題を考えると、なかなか子供を積極的に産もうという考えになってこないのではないでしょうか。  これらの問題は、やはり行政や社会全体で支える仕組みが必要であります。その意味では、放課後子どもプランは有力な取り組みでありますが、まだまだお母さん方の希望に十分にかなっていないのが現状であると思います。放課後子どもプランの実施状況をお知らせください。放課後児童クラブ放課後子ども教室の連携が必要と思いますが、連携事例についてお伺いします。 24 ◯森内委員長 田村教育長。 25 ◯田村教育長 お答えいたします。まず、放課後子どもプランの実施状況についてであります。放課後子どもプラン推進事業は、放課後の子供の安全で健やかな活動場所を確保するため、文部科学省のすべての児童を対象とした放課後子ども教室推進事業と、厚生労働省共働き家庭等の小学校低学年児童を対象とした放課後児童健全育成事業を一体的に、あるいは連携して実施する総合的な放課後対策事業であります。  今年度は、三十五市町村で事業が実施されており、その中で放課後子ども教室は二十五市町村で九十一教室、放課後児童クラブは二十八市町村、百八十七クラブが開設されております。来年度は、放課後子ども教室が二十六市町村、九十四教室、放課後児童クラブが三十市町村、二百十五クラブが開設され、三十八市町村で事業が実施される見込みとなっており、本定例会に所要の経費を計上し、御審議いただいているところであります。  次に、放課後児童クラブ放課後子ども教室の連携事例でございます。放課後子ども教室放課後児童クラブの連携事例としては、八戸市や藤崎町など十市町村において、放課後子ども教室を実施する際に、放課後児童クラブの子供も対象として、スポーツ活動ものづくり体験活動などを実施しております。横浜町では、夏休みにふれあいセンターを会場に、菜の花キッズフェスティバルを開催し、放課後子ども教室放課後児童クラブの子供たちを一堂に集めて、物づくりやゲーム、読み聞かせなどを実施しております。また、鶴田町では、町内すべての小学校の余裕教室等に、すべての児童を対象にするサンシャインスクールを開設し、放課後子ども教室放課後児童クラブを一体的に運営しております。 26 ◯森内委員長 渋谷委員。 27 ◯渋谷委員 今、話をしていただいた数字を見ても、このプランが確実に進んでいるのが伺えます。ただ、縦割りをなくして、これらのプランの中のさまざまなプログラムを連携させて、要はお母さん方がどうしたら助けられていくのか、そういう視点に立っていっていただきたい。県でもこの連携をもっと積極的に推進すべきと考えますが、県の見解をお伺いいたします。 28 ◯森内委員長 教育長。 29 ◯田村教育長 お答えいたします。県では、関係市町村を対象に、放課後子どもプラン担当者連絡協議会を開催し、放課後子ども教室放課後児童クラブの連携方策について協議するなど、放課後子どもプランの効果的な運営に努めております。また、放課後子ども教室放課後児童クラブの両事業を実施する市町村では、教育委員会と福祉部局が合同で放課後子どもプラン運営委員会を設置し、両事業の事業計画の策定や連携方策の協議、活動プログラムの企画などを行っております。県教育委員会といたしましては、関係部局と連携をとりながら、今後とも、市町村担当課長会議などを通して放課後子ども教室放課後児童クラブの連携の拡大について働きかけてまいります。 30 ◯森内委員長 渋谷委員。 31 ◯渋谷委員 今現在でも、子供を抱えて働いているお母さんは、困っている方がまだまだいらっしゃいます。ぜひとも県でこの取り組みを進めて、一〇〇%のお母さん方が子供を持って働けるという環境をつくっていただくように、よろしくお願いいたします。  歳出三款一項四目「老人福祉費」、介護職員処遇改善特別対策の概要と県の対応についてお伺いします。介護職は、働く場がないと言われている、この就職が厳しい中でも、なかなかなり手がいないと言われている職種であります。要因の一つが仕事に対しての処遇の悪さだと言われております。今回、その問題を少しでも解決しようとする取り組みが介護職員処遇改善特別対策事業だと言われておりますが、事業の概要についてお伺いいたします。 32 ◯森内委員長 健康福祉部長。 33 ◯一瀬健康福祉部長 介護職員処遇改善特別対策事業の概要でございますが、国におきましては、介護職員について他の業種との賃金格差を縮め、介護職員の処遇改善を進めていくことを目的として、介護職員処遇改善等特別対策事業を経済危機対策関連施策として実施することとしたところでございます。具体的には、県に平成二十一年度から平成二十四年七月までを設置期間とする介護職員処遇改善等臨時特例基金を設置し、介護職員について一定の処遇改善を行う介護サービス事業者に対し介護職員処遇改善交付金を交付するものでございます。 34 ◯森内委員長 渋谷委員。 35 ◯渋谷委員 一方で、今回の取り組みが本当に介護職員の処遇改善につながるのかといった心配がされております。介護職員処遇改善特別対策事業の効果について検証し、介護職員の処遇向上に資するべきと考えますが、県の見解をお伺いします。 36 ◯森内委員長 健康福祉部長。 37 ◯一瀬健康福祉部長 平成二十一年度介護報酬改定と介護職員処遇改善交付金の影響を踏まえました、介護従事者の処遇改善の状況を把握し、次期介護保険制度及び介護報酬の改定のための基礎資料を得ることを目的としまして、介護事業経営状況調査及び介護従事者処遇状況等調査を平成二十二年七月に国が実施する予定と聞いておりますことから、今後、国の動向を見ながら適切に対応してまいりたいと考えてございます。 38 ◯森内委員長 渋谷委員。 39 ◯渋谷委員 県民の命を守り、全国一の短命県の汚名を返上するのは政治の責任であり、近年の調査によるさまざまな指標は、青森県の政治がその責任を果たしていないことを示しているのではないでしょうか。三村県政二期目も、あと約一年となりました。副知事、今回の予算と、これまでの七年間の取り組みで、県民の命を守るための取り組みに対する評価をお伺いします。また、全国一の短命県という汚名返上はいつになると思いますか。その見解をお伺いします。 40 ◯森内委員長 青山副知事。 41 ◯青山副知事 御質問にお答えしたいと思います。命は何者にも変えがたい、大変大事なものと認識しております。そのため、知事を先頭に、さまざまな政策について、各部局が連携して一生懸命、各種施策を展開しております。安全・安心な青森県づくりを目指し、そして、県民の命を守るために、今、一生懸命努力をしている最中でございます。短命県返上、いつまでとかという確たる数字は今、持っていないわけでございますが、今回、提案させていただいております予算案にそれぞれ、渋谷委員からお話があったことが散りばめられておりますので、何とぞ御理解を賜りますよう、よろしくお願いします。 42 ◯森内委員長 渋谷委員。 43 ◯渋谷委員 ぜひともこの由々しき全国一の短命県という汚名を返上すべく、具体的な目標を立てて取り組んでいただきたいと思います。  次は環境問題であります。歳出四款五項一目「環境政策総務費」、地球温暖化防止行動推進事業における取り組みについてお伺いします。次期青森県地球温暖化防止計画策定に係る進捗状況と、温室効果ガスが増加傾向にある中、国の二五%削減目標を踏まえ、地球温暖化対策を一層推進する必要があると考えますが、次期計画策定に当たっての基本的な考え方をお伺いします。 44 ◯森内委員長 名古屋環境生活部長。 45 ◯名古屋環境生活部長 現行の青森県地球温暖化防止計画は、地球温暖化対策の推進に関する法律に基づきまして、平成十三年四月に策定し、平成二十二年度までの計画となっておりますことから、平成二十三年度から始まる次期計画を来年度策定することとして、現在、作業を進めているところでございます。今年度は、基礎調査の一環といたしまして、二十歳以上の県民二千名、児童・生徒約六百名、そして、従業員五十名以上の五百二十八事業所を対象にアンケート調査を実施いたしますとともに、二〇〇六年度及び二〇〇七年度の県内の温室効果ガス排出量について算定することとしております。  現在、アンケート調査、温室効果ガス排出量調査ともに、集計取りまとめ作業を鋭意進めているところでございます。これらの調査結果を踏まえまして、今後示されることとなる削減目標達成に向けた政府のロードマップなど、国の動向も見きわめつつ、計画期間や計画の目標、取り組むべき施策など、これは法律に定められておりますので、そういったことにつきまして、多岐にわたる対策について、有識者などと協議を行い、検討を進めてまいりたいと考えております。  次に、次期計画策定に当たっての基本的な考え方でございますが、地球温暖化対策を進めるためには、県民一人一人のライフスタイルを省エネルギー型に転換させていくとともに、社会経済システム全体を化石燃料に対する過度の依存から脱却させ、持続可能な低炭素社会に転換していく必要があると考えております。  国におきましては、一九九〇年比で温室効果ガスを二五%削減する目標を初め国内排出量取引制度、地球温暖化対策税などを盛り込んだ地球温暖化対策基本法案を去る十二日に閣議決定したところでございます。  県といたしましては、県民・事業者・行政などあらゆる主体が互いに協力しながら、産業、運輸、民生の各部門において地球温暖化対策を進めることが重要であると認識しており、特に二酸化炭素の排出量の増加が著しい民生家庭部門において具体的な取り組みを促すことに重点を置いて策定作業を進めてまいりたいと考えています。また、県庁内におきましては、昨年二月に、知事を本部長といたします、あおもり低炭素社会づくり庁内推進本部を設置しているところでございます。部局横断的な体制のもと全庁一体となって本県の地球温暖化対策を着実に進め、次期計画が実効性あるものになるよう努力してまいりたいと考えております。 46 ◯森内委員長 渋谷委員。 47 ◯渋谷委員 さきの一般質問で一戸議員も訴えておりましたが、本県は積極的に原子力政策を推進しております。温暖化問題に対して原子力サイクルを含めて、これが評価されない。これは非常に問題だと思います。県として積極的に国に対して、原子力がいかに温暖化に貢献しているか、その問題を訴えていくべきと考えますが、県の見解をお伺いします。 48 ◯森内委員長 環境生活部長。 49 ◯名古屋環境生活部長 国が示しております地球温暖化対策地方公共団体実行計画策定マニュアルにおきましては、温室効果ガス排出量の現況推計の手法といたしまして、電気の使用に係る二酸化炭素の算定に当たりましては、電気の使用量に対して電気事業者ごと―会社ごと―の排出計数を乗じて推計することとされております。  したがいまして、電力会社によって、原子力発電所が多いところは排出計数にそれが反映されているということになります。同マニュアルは、温室効果ガス排出量の推計に当たって、少しでも実態に近い数字を得ることを目的に推計手法を定めているものでございます。したがいまして、原子力発電所が県内に立地されているということをもって、県内において原子力発電から得た電力だけを使っているということにはならないものですから、電気使用に係る二酸化炭素排出量の算定上は、電力会社一本でかけるということになります。したがって、そういう何らかのメリットを受けるということは実態からかけ離れてしまうということになりますので、このマニュアルに沿ってやるということになっている関係上、そこはそういう計算を国全体ですることになっているということでございます。 50 ◯森内委員長 渋谷委員。 51 ◯渋谷委員 これから、東京電力一号機、大間のMOXの原発など、これだけ青森県が電力に対して貢献して、それがなかなか反映されない。そういうのはいかがなものかと思います。ぜひとも県としても、これはしっかり考えて国に訴えていくべきだと思います。  副知事、今、計画策定しているわけですが、前にもこの計画を策定したけれども、結果的には、減らすどころか、ふえていっているのが現状であります。この問題は計画的だけではだめなんだと思います。滋賀県の知事は、滋賀県独自にその目標を、高いハードルを掲げて、今、温暖化に立ち向かっているわけです。そして、鳩山総理が二五%を掲げております。県もこれから二五%目標を掲げてやっていくのか、それとも、国からの指導に従っていくのか。県の姿勢をお伺いいたします。 52 ◯森内委員長 蝦名副知事。 53 ◯蝦名副知事 鳩山総理が一九九〇年に比較して二五%削減を表明しました。たまたま私は表明した時期に、ある電気メーカーの社長、会長をやって、今、相談役をやっている方に、そうなった場合に、製造業としてどういう対応をとられるのかと聞いたわけであります。その相談役は言下に、日本に工場をつくることはやりませんと答えたわけでございまして、いわゆるさまざまな製造業が今、日本の中で大変厳しい状況にありながら、CO2をもし二五%カットしていくとなりますと多くの排出権を買わなきゃならない。そのコストというのは膨大であるという認識をされたわけであります。  一方、青森県を見てみますと、一九九〇年に比較して、現在は二〇数%も多くなっているわけでございまして、もし一九九〇年の二五%カットをやるとすれば、たしか私の記憶では、数字が間違っているかもしれませんが、四七%ぐらいカットしなければならないということになります。  さて、これは各世帯においても大変な努力が必要なんです。青森県は非常に厳しい冬の寒さがあるわけでありまして、その寒さをうちの中でさまざまな、田中忠三郎さんが言うように、ぼろ着て、そして、ストーブをたかないで我慢することが果たしてできるのかどうか。私は、そういう目標について、国家全体として、国民全体の声を聞いて、そして、国民全体がその方向で行くということについてさまざま議論しながら、どうやったらそうなっていくのかということを議論しなければならないと私は思います。地球温暖化について反対しているわけではありませんけれども、要するに国民全体の議論をしないで、国が一方的に決めて、はい、これをやれということが果たしていいのかどうか。私は今、原子力政策を青森県は進めていますけれども、当時、平沼経済産業大臣が言いました。一九九〇年に比較して、たしかあの当時、六%ぐらいの、いわゆるCO2の削減ということが出されまして、そのときに、大体二百万キロワットの原子力発電所を二十基つくると、六%はできるんだという話もされまして、しかし、今やもう日本という国はCO2が非常に多くなりまして、それを守るということになりますと大変な努力が必要です。さまざまな雑誌とか、あるいは新聞等で言われていますけれども、一世帯当たり三十数万の負担になるとも言われているわけでございます。ですから、そういうものについての国民の理解、あるいは県民の理解をどう得ていくのか。これは大変難しいことだなと私は思っているわけでありますけれども、ただ、しかし、国が決めた以上、それに従って地球温暖化対策を図るということは私どもの責務でありましょうから、計画を立てて、国民、県民の理解を得ながら進めていくということになると考えています。 54 ◯森内委員長 渋谷委員。 55 ◯渋谷委員 青森県はエネルギー先進県、低炭素、環境、公共をうたっているわけです。私は、ここでは青森県独自の温暖化に対する姿勢を示すことによって、県の産業も新たについてくるんじゃないかと思って、ぜひとも積極的な推進をお願いしたいと言って、次に進みます。  歳出八款二項四目「積寒地域道路事業費」、雪対策についてお伺いします。青森市内の道路排雪作業における雪捨て場の現状と今後の取り組みについてお伺いします。 56 ◯森内委員長 山下県土整備部長。 57 ◯山下県土整備部長 青森市内の道路排雪作業における雪捨て場の現状と取り組みについてお答えをいたします。県では、冬季間の安全で円滑な通行を確保するため、道路除雪作業に加えまして排雪作業を実施しているところでございます。この冬に、青森市内の県管理道路で実施をいたしました道路排雪作業の延長は延べ約九十三キロメートル、排雪量は約三十五万立方メートルとなっております。これに使用しました雪捨て場は、県有地が二カ所、市有地が二カ所、民有地が三カ所。それと、堤埠頭と油川埠頭の合計九カ所となっておりまして、堤埠頭と油川埠頭には約十九万立方メートルが投雪をされております。  雪処理に当たりましては、八重田浄化センターの下水処理水を利用した融雪処理槽を使用しておりますほか、陸上部の雪捨て場の確保につきましては、国や青森市との連携を図ってきたところでございまして、今後はさらに連携を深め、雪捨て場の確保に努めてまいります。  なお、青森港におきましては、港湾環境整備事業の一環といたしまして、雪が直接湾内に流れ出ない機能を持つ雪処理施設の整備を進めておるところでございます。 58 ◯森内委員長 渋谷委員。 59 ◯渋谷委員 青森市を除く県内の道路排雪作業における雪捨て場の現状と今後の取り組みについてお伺いします。 60 ◯森内委員長 山下県土整備部長。 61 ◯山下県土整備部長 青森市を除く県内の状況でございます。この冬の青森市を除く県内の県管理道路におきます道路排雪作業の延長は延べ約百二十四キロメートル、排雪量は約四十一万立方メートルとなっております。これに使用いたしました雪捨て場でございますが、国直轄の河川敷が二カ所、県有地が五カ所、市有地などが五カ所、民有地が三カ所、それと平舘漁港と野辺地港、合計で十七カ所となっておりまして、平舘漁港、野辺地港には、約九千立方メートルが投雪をされております。平舘地区、野辺地地区につきましても、関係機関と連携を図りつつ、今後は陸上部の雪捨て場の確保に努めてまいります。 62 ◯森内委員長 渋谷委員。 63 ◯渋谷委員 私が今この問題を聞きましたのは、現在、雪が海に投棄されて排雪されているということであります。排雪する雪の中に数多くのごみだとか、いろいろなものがまざっているわけです。それが現状では、そのまま海に捨てられているわけです。副知事、環境、公共をうたって県内、白神山地グリーンツーリズム、育てる漁業、こういったものを推進している青森県が現状のまま、今、雪を海にそのまま廃棄していいのかどうか。これもやっぱり事務局の方と打ち合わせをしましたら、それは改めるために取り組んでいきたいという旨の話をしておりました。しかし、これに対しても予算とか、いろいろな問題、ハードルが高いと思います。これに対しても県のトップのリーダーシップが必要かと思いますけれども、この問題に対する決意のほどをお伺いさせていただきます。 64 ◯森内委員長 青山副知事。 65 ◯青山副知事 お答えします。環境に配慮した除排雪につきましては、県としては当面、先ほど山下部長からお答えしたとおり、国、市町村と連携した雪捨て場の確保や、青森港における環境に配慮した港湾環境整備事業などに順次取り組んでいきたいと考えております。 66 ◯森内委員長 渋谷委員。 67 ◯渋谷委員 恐らく雪の問題は、降ってきたきれいな雪だけ捨てるのであれば何ら問題ないと思いますけれども、現実問題はいろいろなものがまじっている。そして、これはいずれ環境問題というか、そういう問題になると思います。まず県が率先してこの問題に取り組んで、そして、一番の排雪場である青森市に対する連携、手本を示していっていただきたい。そして、いずれは、今、行政が海、川に排雪、川はどうかな、海に排雪しているものですから、民間、一般の方々も川や海に雪を排雪しているという現実があります。その方々にも、もうだめなんだと示すためには、県が、行政が率先してそれをやめていかなければ言えないと思いますので、ぜひこれに積極的に取り組んでください。  歳出四款六項一目「自然保護総務費」、白神山地自然と文化体験ツーリズム推進事業の内容についてお伺いします。白神山地を訪れる来訪者数の推移、そして、白神山地を生かした地域の振興が必要と考えるが、白神山地自然と文化体験ツーリズム推進事業の目的と具体的な事業内容をお伺いします。 68 ◯森内委員長 環境生活部長。 69 ◯名古屋環境生活部長 本年二月二十一日に、環境省が公表いたしました白神山地世界遺産地域の入山者数調査結果によりますと、平成二十一年五月から十一月にかけての入山者数は約六万九百人でありまして、場所ごとの内訳といたしましては、暗門の滝が約四万二千九百人と全体の七割近くを占めております。次いで秋田県側、岳岱が約五千百人、白神岳が約四千二百人などとなっております。  昨年は、高速道路の料金割引や九月の大型連休のほか、暗門の滝歩道が大雨の増水等で閉鎖する期間が前年に比べ短かったことなどもありまして、入山者数が対前年比で約七千人増加しておりますが、平成十六年から統計がございますが、それの推移を見てみますと、若干の増減はあるもののおおむね減少傾向にあるということでございまして、平成十六年の約八万一千人と比べますと、二十一年の入山者は二万人以上の減少という状況になっております。  次に、体験ツーリズム推進事業の目的と具体的な事業内容でございます。本年十二月の東北新幹線全線開業は、白神山地の大自然を国内外にアピールし、白神山地周辺地域の活性化を図る絶好の機会ととらえております。その一方で、来訪者の増加に伴う自然環境への影響の拡大が懸念されるということで、自然環境の保全に配慮いたしました利用促進に努める必要があると考えております。このため、白神山地を適切に保全しつつ、持続可能な利用を図る、白神山地ならではのエコツーリズムを推進することを目的といたしまして、一つとしては、体験活動メニューの検討と、各メニューを組み合わせたツアープログラムの考案、二つとして、ツアーを担うガイド育成のための講習会やモデルツアーの実施、三つ目として、モデルツアーのマニュアル作成やホームページによる情報の発信、四つとして、ツアーの実施による自然環境の影響や既存歩道の植生調査、影響を調査するということなどに取り組むこととしております。 70 ◯森内委員長 渋谷委員。 71 ◯渋谷委員 多くの方々が縄文杉を見に屋久島へ行っております。そのとき、通常のパターンは、まず前日に屋久島に入って、次の日、一日かけて縄文杉を見に行って帰ってくる。そしてもう一泊して、その次の日に帰る。二泊三日が大体の行程なわけです。白神山地もぜひそういった体験メニュー、ルート設定の工夫などによって滞在型に、滞在が必要ものにすべきと考えますが、それに対してどうか。  もう一つは、今、金木の地吹雪ツアーとか、きょうはふぶいていますけれども、なかなかふぶかなくて大変な思いをしていると聞いております。通年の入り込みを図るためにも、白神山地の冬、雪を活用したメニューに取り組むべきではないかと思うんですが、県の見解をお伺いします。 72 ◯森内委員長 環境生活部長。 73 ◯名古屋環境生活部長 滞在が必要なものにすべきと考えるがについてお答えいたしますが、白神山地の豊かな自然や文化を十分満喫し、理解を深めていただくためには、現地に滞在しながら、時間をかけて体験活動をする必要があると考えております。来訪者の滞在時間がふえることによりまして、委員御指摘のとおり、白神山地周辺の市町村では、雇用の確保とか、経済波及効果があるとか、地元の人々の交流の促進につながるということで、地域の活性化が期待されると考えております。また、白神岳は登って帰ってくるだけで七時間以上の行程がありますので、そこを目指すと自然と泊まることになるのではないかと考えていますので、そういったことも考えながら、メニューを設定していきたいと考えています。  白神山地には全国に誇る豊かな自然のほか、地域に根差したマタギの文化などもございます。これらの素材を生かした体験活動などによって、来訪者の方にできるだけ長く滞在していただいて、また、リピーターになっていただけるようにする魅力あるメニューを組み合わせて、多様なニーズにこたえる滞在型のツアープログラムを検討していくこととしてございます。  それから、冬とか、雪を活用したメニューにも取り組むべきではないかということでございますが、白神山地への来訪者は、大半が春から秋にかけてのシーズンに訪れているということで、冬場の厳しい季節には利用がないということでございますので、利用促進をこれから図っていく必要があるのではないかと考えております。  このため、本事業におきましては、各町村それぞれが持っている冬や雪にかかわる特徴を多面的にとらえまして、それらを生かしたプログラムについても検討していくこととしています。また、こうした魅力あるプログラムを含めた白神山地の総合的な情報についても、ホームページ等による発信を行うとともに、市町村や関係機関、旅行エージェント等と連携しながら、誘客につなげていきたいと考えています。具体的には、マタギ小屋でお話を聞くとか、あるいは動物の足跡を追いかける動物トラッキングとか、そういったことができるのではないかと考えています。 74 ◯森内委員長 渋谷委員。 75 ◯渋谷委員 ありがとうございます。委員長のお許しをいただいて、ちょっと時間配分がだめで、私の責任なんですが、順番を変えてやらせていただきたいと思います。  歳出二款二項六目「並行在来線対策費」、並行在来線対策について。青い森鉄道の利用促進のため、県はどのような取り組みを進めてきたのか。また、今後どのように取り組んでいくのか。また、計画素案にある運賃水準について、どのような考え方で定めたか。また、今後、具体的な運賃はどのように決められていくのか。それに、県は十六億円の負担を軽減するために、今後どのように対応していくのか。お伺いします。 76 ◯森内委員長 奥川企画政策部長。
    77 ◯奥川企画政策部長 三点、お答えいたします。まず、青い森鉄道線の利用促進でございます。県では、青い森鉄道の利用促進が図られるためには、沿線地域が主体となった自主的な取り組みがなされることが重要と考え、沿線地域において青い森鉄道をマイレールとして積極的に利活用していただくためのガイドとなるよう、平成十九年度に青い森鉄道利活用ビジョンを策定いたしました。昨年度からは、このビジョンに沿った目時・青森間の沿線地域における青い森鉄道を活用したイベントなどの取り組みを沿線市町と連携しながら支援してきております。二十年度は四事業、二十一年度は八事業と、徐々に沿線地域が主体的に利活用に取り組む機運醸成がなされてきているものと考えております。また、地域主体の利活用を推進していくため、目時・青森間の沿線全市町と青い森鉄道株式会社、そして県が連携して、一体となって取り組んでいくことが重要と考えます。このことから、青い森鉄道線青森開業準備協議会におきまして、青森開業に向けた利活用推進体制の検討が進められてきましたが、来年度、それぞれの関係者もそれぞれ御負担もしながら、体制を整備し、一体となって利活用に取り組んでいくこととしてございます。  次に、運賃水準でございます。運賃につきましては、独立採算の原則が確保される適正な受益者負担の水準に設定することが基本ではございますが、旅客運賃によって青い森鉄道線の収支を均衡させるには、輸送密度から見て現行のJR運賃を大幅に見直さざるを得ない一方で、運賃の大幅な値上げは利用者の減少につながる可能性がございます。このため、利用者、特に通学定期利用者の負担増加に配慮しつつ、青い森鉄道株式会社の経営の健全性が図られるようなバランスといったものも考慮しながら、具体の運賃を決めることとしたものでございます。青い森鉄道線青森開業準備協議会におきまして、こうした考え方に立ち、運賃水準について協議をいただき、線路使用料を減免した上で青い森鉄道株式会社の収支が均衡する水準として、普通運賃についてはJR運賃の一・三七倍、通勤定期は一・六五倍、通学定期は同じ、一倍という水準が了承されたものでございます。現在、会社におきまして、この運賃水準を踏まえながら具体の運賃を設定しているところでありますが、運賃については、国土交通大臣の認可を得る必要がございます。会社では周知期間等を考慮し、十二月開業の六カ月前には認可を得る必要がありますことから、来年度早々の申請を想定していると伺ってございます。  それから、十六億円の負担を軽減するための今後の取り組みについてであります。国におきましては、昨年十二月二十四日、整備新幹線の整備に関する基本方針を決定いたしました。そして、これに基づきまして並行在来線の維持のあり方などの検討を行っております。その検討の一環として、整備新幹線問題調整会議によるヒアリングが現在、行われているところでございます。  去る二月九日のヒアリングにおきましては、知事から、本年十二月に青森開業となる青い森鉄道線の維持・存続に当たっては、多額の県費負担が大きな課題となっていること。経営区間が我が国物流の大動脈であることから、貨物輸送維持のために高水準の保守管理を行わざるを得ない状況となっていることなどを説明し、その上で、国に対して線路使用料の見直しについては、資本費と保守管理経費における貨物の掛かり増し経費についてJR貨物が負担するよう線路使用料の負担割合の見直しを提案し、本年十二月の青森開業までにぜひとも実現するよう直接強く要請してきたところであります。  五月からは、調整会議におきまして、並行在来線の支援などの必要な論点を整理するための議論を行っていくこととされてございまして、国土交通大臣政務官の発言によりますと、本年夏までを一つの目標として結論を得たいとしているところでございます。県といたしましては、こうした国の動向を注視しつつ、青い森鉄道線にかかる県負担を最大限軽減するスキームの実現に向けて、県議会の皆様、そして、国会議員の皆様、関係道府県と連携し、強く求めていきたいと考えています。 78 ◯森内委員長 渋谷委員。 79 ◯渋谷委員 仮にこのまま国からゼロ回答であった、JR貨物からはゼロ回答であった。その場合はどうするつもりですか。 80 ◯森内委員長 企画政策部長。 81 ◯奥川企画政策部長 県としては、先ほど申し上げましたように、JR貨物の掛かり増し経費については、まさに粘り強く求めていくという基本的な考え方であります。 82 ◯森内委員長 渋谷委員。 83 ◯渋谷委員 現状は、このまま赤字十六億。税金を毎年、投入してこの鉄道を運営することになるわけです。今、るるおっしゃったのは、国から、JR貨物から。これはあくまでも仮定であって、今のところ、どうなるかわからないわけです。そうなのであれば、県として、赤字十六億を独自にどうするのか、ただこのまま税金を投入していくのか、そういった対案が必要なんじゃないですか。 84 ◯森内委員長 企画政策部長。 85 ◯奥川企画政策部長 並行在来線の経営につきましては、沿線の市町村とともに協議をしながら進めてまいりました。そして、十二月開業に向けて、今まさに鋭意取り組みを進めているところでございます。そのスキームの中で、不足となります十六億円については県の一般財源で手当てをするということでお願いをしているところでございますので、どうぞ御理解をお願いいたします。 86 ◯森内委員長 渋谷委員。 87 ◯渋谷委員 今、沿線市町村と話し合っているという話でしたけれども、貨物という新たな要素が今回の十六億という数字をはじき出しているわけです。沿線市町村とはこの件に関して話し合ったことはあるんですか。そして、沿線市町村に負担を求めようとする気持ちはありますか。 88 ◯森内委員長 企画政策部長。 89 ◯奥川企画政策部長 並行在来線の運営につきましては、平成九年に県としての基本的な考え方をお示ししたところでございます。初期投資及び開通後の運営経費については、県が中心となって対応し、沿線市町村に対し財政運営に支障を与えるような負担を求めることがないようにする。こういった方針をお示しをし、その上で経営分離がなされ、そして、また開業のための具体の協議がなされてきたものでございます。したがいまして、今後ともこの方針を踏まえて対応をしていくということを基本にいたしたいと考えております。 90 ◯森内委員長 渋谷委員。 91 ◯渋谷委員 並行在来線に対する県の対応方針、平成九年五月に出ているこれを私は持っています。二の二、初期投資及び開通後の運営経費については、県が中心となって対応し、沿線市町村に対し財政運営に支障を与えるような負担を求めることがないようにしますと書いてありますけれども、私はいま一つ、この意味がよくわからないんですけれども、財政運営に支障を与えるような負担を求めることがないようにします、これはどういう意味ですか。負担を全くさせないという意味ですか。それとも財政運営に支障を与えるような負担はやめるという意味ですか。どっちですか。 92 ◯森内委員長 企画政策部長。 93 ◯奥川企画政策部長 ただいま申し上げました基本方針を示し、そして、協議会において市町村の皆さんと御議論をさせていただきまして、それを踏まえて市町村から御出資をいただくということになってございます。そういったことで、その文章については考えているところでありまして、まさに、支障を与えるような負担を求めることがないようにするということであります。 94 ◯森内委員長 渋谷委員。 95 ◯渋谷委員 どうも今の話を聞いてもわからないんですけれども、負担を求めるんですか、求めないんですか。 96 ◯森内委員長 企画政策部長。 97 ◯奥川企画政策部長 市町村については、県が平成九年五月に示した方針を踏まえて対応するということであります。 98 ◯森内委員長 渋谷委員。 99 ◯渋谷委員 なかなか質問にきちんと答えていただけないものですから、時間も来たので、まず、ほかに予定していた質問があったんですけれども、本当に申しわけありません。改めておわびを申し上げまして、終わらせていただきます。 100 ◯森内委員長 午さんのため暫時休憩いたします。 午後十二時休憩     ─────────────────────── 午後一時再開 101 ◯三橋副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。  質疑を続行いたします。  最後の質疑者となりました相川正光委員の発言を許可いたします。―相川委員。 102 ◯相川委員 自民党の相川正光でございます。通告の順に従って質問をしてまいります。  議案第一号「平成二十二年度青森県一般会計予算案」、歳出五款二項一目「職業訓練総務費」、若年技能者育成支援事業についてお伺いいたします。昨日、部長のほうから一足先に、二月末の就職内定率、新規高等学校の八二・三%、六百四十二人が未内定者のままで卒業式を迎えたということになるわけでございます。求人倍率も過去五年間で最低の水準。特に県外求人も前年同月比四割減という、本県高校生を取り巻く環境は非常に厳しい状況になっております。御案内のとおりであります。厳しい状況であればあるほど、就職するためには高校在学中に資格の取得や技能の向上を図ることが重要と思われます。そのためには、教員の指導力だけでなく、地元企業や熟練した技能者の協力も必要と考えられます。  そこで、二点についてお伺いをいたします。一点目は、県内における技能士の人数と高校生の技能士取得状況について。二点目は、来年度実施をいたします若年技能者育成支援事業の具体的な内容についてお伺いをいたします。  次に、同じ高校生の就職関係ですので、続けて、歳出十款一項五目「教育指導費」、介護の仕事を目指す高校生の就職支援事業についてお伺いをいたします。新規高卒者の就職内定率向上のためには、先ほど申し上げましたけれども、教育現場においても現在の厳しい就職環境に適切に対応した、より効果的な対策の実施が求められるところでございます。来年度、県教育委員会では新たに高校生のための就職支援事業を立ち上げ、普通高校、総合高校及び専門高校の在学生の資格取得等を通じた就職支援に取り組む事業予算を計上してございます。本事業はその取り組みの一つであり、現在、我が国において質・量の両面で一層の充実が求められております介護分野に着目した事業と聞いております。そこで、この介護の仕事を目指す高校生の就職支援の具体的な内容についてお伺いをいたします。 103 ◯三橋副委員長 櫻庭商工労働部長。 104 ◯櫻庭商工労働部長 御質問二点にお答えいたします。まず県内における技能士の人員と、それから高校生の技能士取得の状況でございます。技能士は技能に対する社会一般の評価を高め、働く人々の技能と地位の向上を図ることを目的として、職業能力開発促進法に基づきまして昭和三十四年から実施されている技能検定に合格した者だけが称することができる国家検定資格でございます。県内における技能士の取得状況でございますけれども、平成二十年度末現在で特級が二十九名、一級が一万四千七百七十五名、単一等級が四百八十八名、二級が一万五千七百八名、三級が千八百九十一名の合計三万二千八百九十一名が取得してございまして、このうち高校生で取得した人員というのは、二級で三十名、三級が八百四十八名の合計八百七十八名となっております。  次に、来年度実施する若年技能者育成支援事業の内容でございます。工業・農業高校生の就職活動をより有利に進めるためには、高校在学中に技能士の資格取得や技能競技大会への出場など、目標に向かって努力したり、お互い切磋琢磨するなどのさまざまな経験を重ねることが重要であると認識してございます。来年度は、県内技能士の実態調査及び協力企業等の掘り起こし調査を実施しまして、技能士等のデータベースを作成するとともに、高校生及び教員の技能向上を図るため、教育機関・業界団体・企業等で構成されます若年技能者育成検討会を設置しまして、技能士等を活用した若年技能者の育成方策を検討することとしてございます。また、若年技能者育成支援に協力いただける技能士等の現場の声を聞く場としまして意見交換会を開催することにしております。  さらに、高校生の日ごろの練習成果を発表する場としまして、各種競技大会の地方予選大会というものを開催しまして、来年度はプレということで、地方大会を開催して、実際にどういう運営方法がいいのかということについての検証も行いながら、引き続きまた技能の習得に取り組みたいと考えてございます。 105 ◯三橋副委員長 田村教育長。 106 ◯田村教育長 介護の仕事を目指す高校生の就職支援事業についてお答えいたします。各県立高等学校では、高校生の就職支援対策として、これまでもインターンシップや資格取得などの取り組みを行い、生徒の進路達成を図ってきたところでございます。しかしながら、昨今の厳しい雇用情勢の中、新規高卒者への求人数に対して希望する生徒数が少ない介護・福祉分野について、生徒の理解を深めさせるとともに、より生徒の進路選択の幅を広げるため、県教育委員会では介護の仕事を目指す高校生への就職支援事業を実施することとしております。  本事業では、全高校を対象に、県内四地区において介護・福祉分野に関する講演会を開催し、講演・実習を通して高校生の介護・福祉についての理解促進を図ります。また、長期休業中に、県内四地区においてホームヘルパー二級取得のための講習会を開催し、介護・福祉分野への就職を支援します。県教育委員会といたしましては、これまでの支援策に加えて、このような資格取得を支援する事業により、生徒それぞれが進路希望を達成できるよう支援してまいります。 107 ◯三橋副委員長 相川委員。 108 ◯相川委員 最初に、技能取得のほうなんですけれども、今、取得の状況のお話がございました。最終的には、工業高校、農業高校の就職力を高めるという、これも一つの事業でございます。きのうですか、おとといですか、部長は中長期的には働く場所を、やはりあおもり型産業を中心にして、企業誘致、産業の創出をしながら、働く場所をつくることが大事だという御答弁がございました。  午前中、自動車関連産業の質問も、私は期待して、聞きたかったんですけれども、今、東北で二カ所目の組み立て工場が間もなく操業するという状況の中で、東北各県一緒になってこれに取り組もうという動きを今、してございます。その中で人材の育成としては、やはり工業高校、こういう中でそれを目指した技能ということも踏まえながら、今後、技能の育成を進めていってほしいと私は思っておりますので、そのことを要望しておきたいと思います。  それから、介護のほうでございますけれども、今、教育長から、二級の取得を目指すんだというお話がございました。そして、県内四地区で取得のための講習会をやるんだというお話がございました。三級であれば町村単位でもよくやっているんですけれども、二級というのは期間も長い。いろいろな施設とか、そういうのがあるのでしょうけれども、県内のこの就職難のときに、高校生は、二級というのは非常に魅力がある介護の講習だと私は思っております。公明党さんの新聞を見ますと、介護の施設というのは三倍増が必要なんだということで総理のほうにも提言をしておられることが新聞報道にも書かれてございます。そういう意味では、高校生の立場に立ち返れば、県内四カ所というよりも、希望のある生徒たちが行きやすいように、県内六カ所に何とか今後、ひとつ検討していただきたいということを要望しておきたいと思います。  そして、この二つのほかにも、もう既に未就職者対策、あるいは四月からの高校生のための就職対策を去年と違って、大幅に支援の事業に取り組んでございます。今までの高校生の支援事業といえば、私が思い浮かぶのは、ローラー作戦しか思い浮かびませんけれども、今回はいろいろな事業を立ち上げてございます。高校生の方々も、保護者の方々もこの事業に注目して、恐らく取り組んでいくだろうと思いますので、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。  次に、農業関係の質問に移らせていただきます。最初に、歳出六款一項一目「農林水産総務費」、あおもり食産業連携強化促進事業についてであります。本県は、知事が進めている攻めの農林水産業の取り組みによって、カロリーベースの食糧自給率は御案内のように全国第四位の一一九%で、米、野菜、果樹などの生産バランスがとれた国内有数の食糧供給県となっております。食は生活の基礎であり、本県の良質で安全・安心な農林水産物は全国の消費者から厚い信頼を得ているものと確信をしてございます。  一方、農林水産省の試算によりますと、国内農林水産物全体の三分の二、野菜の半数が食品製造業や外食などの食品産業仕向けとして利用されていると言われてございます。本県の強みである食をさらに発展させていくためには、食品製造業・外食産業への供給を視野に入れ、地域内の食品製造業者と連携した一次加工や商品化などによって本県産の農林水産物の付加価値を高めることが重要であると思っております。県の基本計画に掲げております農林水産業を軸としたあおもり食産業の充実・強化はまさに時宜にかなった内容であり、平成二十二年度、来年度に新たに設置される農商工連携推進監はこれを強力に進めようとすることのあらわれであると感じてございます。  そこで、あおもり食産業連携強化促進事業のねらいと具体的な取り組みについてお伺いをいたします。 109 ◯三橋副委員長 有馬農林水産部長。 110 ◯有馬農林水産部長 本事業は、農林水産業者と食品製造事業者等の連携を一層強化し、本県の食産業を振興して県経済の活性化にもつなげていくことをねらいとするものでございます。具体的に申し上げますと、県内の原材料や食品製造業者、県内外の実需者など、食産業に関する幅広い情報を集約し、活用できるデータベースを充実・強化すること。そのほかに、専門の支援チームを設け、農林漁業者や食品製造業者の相談に応じるとともに、新たな連携を企画し、事業者に対して積極的に提案していくこと。それから、商品開発の実現性が高い連携については、専門家の招聘や事業者との連絡調整を図りながら、一体となって製品化を進めることなどに取り組んでいくこととしています。 111 ◯三橋副委員長 相川委員。 112 ◯相川委員 今、二十二年度の事業内容について、部長のほうから御答弁頂きました。日本の食糧市場の規模、これはこの間、先般、新聞でちょっと見たんですけれども、七十三兆円だという記事がございました。その中で一次産業の漁業者の取り分というのは一三%、食品加工業が三三%、外食産業が一八%、関連の流通業というのが三四%という内容の記事がございましたし、また本県の食料品の出荷額というのは年々減っているんだそうですけれども、二千七百五十億円という報道がなされてございます。今、食品製造業を強化して外貨を獲得していく柱となる産業を充実・強化していくということで、連携推進監も置いて取り組むわけでございますけれども、御案内のように、六次産業化については今、国のほうで法案が閣議決定になって、この国会に提出されようとしてございます。こうなりますと、当然各県も同じようにこういう事業に取り組んで、各県の競争にまたなるんだと私は思っております。そういう意味では、青森県の強みを生かした、他県に負けない食産業の強化対策になるように、ひとつ期待をしておりますし、頑張っていただきたいと思っております。  次に、歳出の六款一項十六目「総合販売戦略費」、青森の食産業を支える「儲かる農業」実証事業についてであります。御案内のように、近年の農業を取り巻く環境は、国内外の産地間競争が激化していることに加え、景気の低迷や農業資材等の価格高騰により厳しい状況にございます。  一方、農業経営に目を向けますと、多くの生産者は高品質な農作物の生産に苦心しているものの、販売は市場取引が主体で、所得がなかなか向上していないのが実情ではないかと感じております。今後、本県農業を魅力あるものにしていくためには、つくるだけでなく、生産者自身が工夫を凝らした販売活動を展開し、みずからが価格決定権を持つなど、所得向上を図っていくことが重要であり、もうかる農業を実践することで後継者の確保にもつながっていくものと思います。  そこで、今回の事業でございます青森の食産業を支える「儲かる農業」実証事業のねらいと、具体的な取り組みについてお伺いをいたします。  次に、歳出六款一項二目「農業振興費」、寒冷地型植物工場技術開発普及促進事業についてであります。去る三月十日の日経新聞に、「岐路の東北」と題して、最先端の技術力を生かした東北各地の農業への取り組みが紹介されてございました。その中に、本県のところでは、地方独立法人青森県産業技術センターが国の事業採択を受けて、黒石市にモデル的な植物工場の研究拠点を整備して、付加価値が高い野菜の生産などに取り組むという記事が掲載されておりました。農業を魅力ある産業として若い人に引き継いでいくためには、最新の技術を駆使して、他産業と変わらない所得と雇用の場が確保される植物工場のような組織が重要であると考えており、その普及拡大に大いに期待をしているところであります。  そこで、二点についてお伺いをいたします。最初は、県が産業技術センターに委託して実施するとしている寒冷地型植物工場技術開発普及促進事業の目的と、その内容についてお伺いをいたします。  二点目は、同センターでは、植物工場の普及拡大に向けてどのような研究に取り組んでいくのかお伺いをいたします。 113 ◯三橋副委員長 農林水産部長。 114 ◯有馬農林水産部長 御質問三点にお答えいたします。最初に、「儲かる農業」実証事業のねらいと取り組みについてです。農業所得の向上を図り、経営を維持していくためには、市場価格の変動等に左右されずに、安定的に収益を確保できる流通戦略を農業者みずからが組み立て、経営を実践していくことが必要であります。このため、本事業では、有利販売に向けた農業者の意識啓発と所得向上に向けた新たな流通への取り組みを促進することとし、もうかる農業を実践している農業生産法人の代表者等を講師としたフォーラムの開催、新たな販売チャンネルを模索する若手農業トップランナー等を対象とした首都圏における外食事業者等のマッチングへの支援、異なる品目を栽培する複数の生産者と販売業者が連携した直接取引など、物流コストを低減する新たな流通モデルの構築などに取り組むこととしております。  次に、植物工場についての御質問です。本事業は、青森県産業技術センターが現在、整備中の植物工場研究施設において、寒冷地に対応した植物工場の生産技術の確立と普及促進に取り組み、雇用の創出と拡大を図ることを目的としています。事業の内容といたしましては、平成二十二年度から二カ年間で、低コストで効率的な生産技術の開発に加え、県内の普及促進に向けた植物工場の新技術に係る研修会の開催などを産業技術センターに委託して行うものです。  なお、事業の実施に当たっては、産業技術センターが新たに研究助手を五人雇用し、同センターの研究員と一緒に技術開発や普及促進に取り組むこととしており、事業終了後は、この五人が植物工場に参加する企業等に技術者として就職することにより、植物工場の普及・定着と雇用の拡大に結びつけていきたいと考えています。  最後に、植物工場の普及に向けてどのような研究に取り組んでいくのかについてです。産業技術センターでは、寒冷地型の植物工場の普及に向けて、太陽光を利用しながら、堆肥熱や雪の冷熱を活用した効率的なエネルギー供給システムの確立、地域の有機質資材の活用や音頭、湿度などの制御による低コスト・省力栽培技術の開発、イチゴやホウレンソウ等の生産性向上技術の開発と寒冷地向きの品目の選定などの研究に取り組むこととしています。さらに、設置・運営コストの低減など、植物工場に関するさまざまな課題を解決するため、農業者や企業等と共同研究体制をつくり、経営試算を踏まえたビジネスモデルの実証により、植物工場の普及と幅広い産業振興に結びつけていくこととしています。 115 ◯三橋副委員長 相川委員。 116 ◯相川委員 ありがとうございました。本県では、今まで販売を重視する攻めの農林水産業ということで取り組みをしてまいりましたけれども、「儲かる農業」実証事業というのは、私はそれから一歩踏み込んだ事業だと理解をしてございます。今、御答弁ございましたように、もうかる農業を実際に実践している方々のフォーラムだとか、いわゆるマッチングだとか、今、事業がございますけれども、生産者にとってはやっぱり農業所得、農産物からいかにして所得を上げるかということが今一番大事でございますので、ひとつこの事業の成功を期待してございます。  それから、今、植物工場でございますけれども、さっき聞きましたら、もう間もなく、今月いっぱいで完成をするということで、これから実証の試験に入るんだと思いますけれども、高収益の作物だとか、あるいは寒冷地においては冬場の暖房費の削減というのが大きな課題でございます。それと並んで、普及していくとなれば、人材の育成というのが非常に大事だと思っております。そういう意味では、この産業技術センターでこれらの課題を克服しながら、そして、県内に普及させていくと。インターネットで植物工場のところで調べてみましたら、現在、県内には六ヶ所にあります花の工場と、黒石にも一カ所、たしか前に委員会で視察に行った記憶がありますけれども、二カ所ということになってございます。そういう意味では、これを普及させていくためには、今、話をしたことを克服して、そして、今、いろいろな中小企業、特に建設業あたりは新しい分野に進出も働きかけしていかなければならないという時期でございますので、先ほどのもうかる農業と同じで、実証の中で、もうかるんだ、成り立つんだということをひとつ実証のために努力していただきたいと思っております。  次に、リンゴ関係でございます。歳出六款二項二目「りんご生産対策費」及び歳出六款二項三目「りんご流通対策費」についてであります。  まず、初めに、平成二十二年産のリンゴの生産対策についてお伺いいたします。二十一年産リンゴは二十年産のように深刻な気象災害の発生もなく、品質、食味等も上々のでき上がりとなりましたが、リンゴ農家から聞こえてくるのは、二年連続で多発した、ふじのつる割れ果のことであります。農家によって発生の程度は異なるようですが、つる割れ果は良品ものと比較できないほど価格が安く、多くが加工向けとなるため、経営が維持できないと嘆く農家もございます。県では、消費者が求める安全・安心で良質な農林水産物を生産販売するため、諸般の政策を講じておりますが、私は、試験研究機関や生産現場とスクラムを組んで、このつる割れ果対策に取り組むことが重要であると考えるものであります。そこで、平成二十二年産のリンゴ生産に向け、どこに重点を置いて取り組むのかお伺いをいたします。  次に、台湾向けリンゴの輸出対策についてでございます。御案内のように、我が国のリンゴの輸出先は主に台湾であり、本県で生産されたリンゴが大部分を占めております。その歴史は古く、二〇一〇年、ことしは日本と台湾政府で締結した日台貿易協定によるリンゴの輸出が始まって六十年という大きな節目を迎えております。先般、その式典も行われたということも新聞報道されてございます。この間、さまざまな苦難を乗り越え、近年の輸出量は九州市場に匹敵する約二万トンを上回るまでに拡大してきたところでございます。  しかし、一昨年、台湾に輸出したリンゴから農薬が検出され、陸揚げできないという事案が発生し、その影響が心配されたところであります。このような事案を踏まえ、今後、県産リンゴの国内の販売を有利に進めるためにも、リンゴの輸出振興を図っていくことが重要であると思いますけれども、そこで、台湾向けリンゴの輸出拡大を図るため、生産面でどのような対策を講じていくのかお伺いをいたします。  次に、リンゴの最後ですけれども、リンゴ加工の振興に向けた対策についてであります。一昨年からの景気低迷の影響により、消費者は嗜好品などを中心に一段と買い控えが進み、特にリンゴやミカンなど果樹飲料の需要が落ち込んでいると聞いてございます。今後もこのような状況が続けば、本県の地域経済に貢献しているリンゴの加工産業にも深刻な影響を及ぼす事態となりかねません。このような状況を解決するためには、リンゴジュースがリンゴの主産県である本県でつくられたものであることを消費者に積極的に明示していくことが販売拡大につながるものであり、早急にその対策を講じることが重要だと考えております。そこで、リンゴを含む果樹飲料の消費が減退している中で、リンゴ加工の振興に向けてどのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。 117 ◯三橋副委員長 農林水産部長。 118 ◯有馬農林水産部長 御質問三点にお答えいたします。最初に、平成二十二年産リンゴの生産に向けた重点についてです。平成二十二年産リンゴについては、二十一年産が適正な着果量は確保されたものの、二年連続でつる割れ果の発生が目立ったことから、高品質リンゴの安定生産に向けて、つる割れ果の発生を軽減していくことが大きな課題となっております。このため、県では、去る三月九日に、生産者団体等で構成する、「ふじ」のつる割れ発生軽減対策連絡会議を立ち上げたところであり、県内三百カ所での発生状況調査に基づいて軽減事例を収集・提供していくほか、つる割れの発生が樹勢や夏場の降水量などに関係すると考えられることから、効き目の遅い肥料を使用した施肥、あるいは土壌表面を被覆するマルチ資材を活用などの検証を行い、総合的に軽減対策を進め、高品質リンゴ生産実践運動を強力に推進していきます。  次に、台湾向けのリンゴの輸出拡大についての生産面での対策についてです。台湾へのリンゴ輸出を拡大するためには、「トキ」などの新たな良食味品種による年内の需要の掘り起こしのほか、台湾で定められている農薬残留基準を遵守することや、検疫対象病害虫であるモモシンクイガの被害果の混入を防ぐなど、生産体制を整備していくことが重要となっています。このため、県では、台湾で残留基準が設定されている農薬だけを使用した防除体系の確立や、輸出向け園地の指定に向けた可能性の検討、さらには、長距離輸送中に果実から発生する炭酸ガスが原因となって果肉褐変障害を防止する、こういった技術の実証に取り組むこととし、所要の予算を計上しているところです。  最後に、リンゴを含む果樹飲料、リンゴ加工の振興についてです。県としましては、リンゴ果汁の需要が落ち込んでいる中で、本県のリンゴ加工の振興を図るためには、大手飲料メーカーへの原料果汁販売に依存してきた体質から脱却し、県内の加工業者みずからが県産リンゴジュースの自社製品比率を高めていくことが必要であると考えています。このため、県では、青森県りんご加工協会と一体となって、青森県産を消費者に強く印象づける原料原産地を明確に表示することを基本として、これまでほとんど県産リンゴジュースが販売されていなかった西日本をターゲットに、しぼりたてのおいしさを強調しながら、量販店等に売り込みを図っていくことや、消費者が飲みやすいペットボトル製品や飲むゼリーなど、新たな商品づくりに支援することとし、所要の予算を計上しているところです。 119 ◯三橋副委員長 相川委員。 120 ◯相川委員 最初に、台湾向けの輸出拡大の生産対策でございますけれども、今、御答弁ございましたように、台湾で残留基準が認められている農薬の防除体系を進めていくんだと。私はこれにもう一点、日本で今、認められて散布していますけれども、台湾で残留基準がまだない農薬についても、時間がかかっても、認めてもらう基準をつくってもらう要望活動を国に対して、国を通してするべきだと私は思っております。それと、今この農薬の残留基準が非常にリンゴ生産者の中で話になっていますけれども、今、部長答弁がございましたように、モモシンクイガも、一回で青森県のリンゴがとめられるし、二回で日本全体のリンゴがとめられるという厳しい制約がございますので、これも生産面では非常に指導を強くしていかなきゃいけないと私は思っております。特にリンゴについては、人口が減少の時代の中で販売を維持していくためには、国外に販売をして外貨を稼いでいかなきゃいけないし、さっき申し上げたように、そのことが結果的に国内の需給調整になっていくわけですので、一層その点を、指導をひとつ強めていただきたいというお願いをいたします。  それから、リンゴの果汁でございますけれども、今言いましたように、販売されているリンゴ果汁の大半が、濃縮果汁の還元のジュースでございます。青森県のストレートジュース、このおいしい青森県産のジュースというのは、これが本当のリンゴの味だということを国民がまだまだわかっていないと私は思っております。そういう中で、今回、県内の加工業者が県産をわかりやすく統一して表示をして販売に向けていくんだという取り組みのお話が今ございました。ぜひこの取り組みを成功させていただきたいと思うし、また、長年、リンゴ生産者や県もそうですけれども、国に対して主張してまいりました原料原産地表示の取り組みでございます。御案内のように、もう日本国内には、生果に換算いたしますと、日本の国内のリンゴ生産量、七、八十万トンに匹敵するぐらいの果汁が入ってきていると言われてございます。その大半がいろいろな食品問題を起こした中国から入ってきていると言われてございます。そういうことを考えますと、原料原産地表示も国に対して粘り強く求めていくべきだと私は思いますので、このことも要望しておきたいと思います。  次に、本県の未来を担う子供の健全育成という観点から、初めに、歳出三款二項一目児童福祉総務費」、子供を守る地域ネットワークに係る取り組みであります。平成二十年度の全国の児童相談所における児童の虐待相談件数は四万二千六百六十二件、本県では四百四十五件と過去最多を記録したとのことでありますが、ことしに入っても、東京、兵庫、奈良、埼玉と幼い子供虐待による死亡事件が連日のように報道されてございます。本県においても、平成二十年度に乳幼児の死体遺棄事件が発生し、大変驚きましたが、先日、県で公表した死亡事例検証の結果を見ましても、子供を取り巻く環境の変化、人間関係の希薄さ、特に地域からの孤立が一番の問題となっていると感じております。市町村には、関係機関が連携して子供の虐待に対応するため、要保護児童対策地域協議会を設置することになっております。児童虐待を防止するためには、子供たちが生活している地域で子供たちを見守り、支援が必要な家庭を早期に発見し、関係機関が連携して守っていくための取り組みが必要であると考えます。  そこで、最初に、市町村要保護児童対策地域協議会の設置状況と課題についてお伺いいたします。二点目は、子どもを守る地域ネットワーク強化支援事業にどのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。 121 ◯三橋副委員長 一瀬健康福祉部長。 122 ◯一瀬健康福祉部長 県では、平成十七年度から、虐待を受けている子供を初めとした要保護児童に対し福祉・保健・医療・警察・学校等が連携して対応するための機関である要保護児童対策地域協議会の設置支援を行い、平成十九年度末には県内全市町村に設置されています。  児童虐待死亡事例検証では、要保護児童対策地域協議会の課題としまして、関係機関の連携強化、市町村への支援の充実、要保護児童対策地域協議会調整機関職員の専門性の向上などが挙げられており、それに対する提言がなされています。県では、提言を受けて、来年度、先ほど議員のお話がございました、子どもを守る地域ネットワーク強化支援事業に取り組むこととしております。子供を守る地域ネットワークの強化支援を行うために三つの取り組みを実施いたします。  一つは、要保護児童対策地域協議会の関係機関相互をつなぐ新たな視点、新たなケース検討方法を導入するワークショップを実施することなどにより、ネットワーク力の強化を図ります。二つ目は、児童相談所職員に対し、みずから動くのではなく、動いてもらうために必要な能力を強化するための研修を実施し、児童相談所からのバックアップ力の強化を図ります。三つ目は、要保護児童対策地域協議会の調整機関としての役割を担う市町村職員に児童福祉司相当の知識を付与する講習会を準備し、専門性の向上を図るものです。これらの取り組みにより、子供を守る地域ネットワークである要保護児童対策地域協議会を強化し、戦略キーワード「子ども」総合支援に基づく社会全体で子供をはぐくむ体制づくりを推進していきたいと考えております。 123 ◯三橋副委員長 相川委員。 124 ◯相川委員 きのう、櫛引委員の質問に対して福祉部長が児童福祉司の配置、国は五万から八万人に一人と。私は六万八千人と聞いているんですけれども、本県の場合、それに対して三万三千人だと、基準の倍の配置をしているんだという御答弁がございました。私も、児童虐待、子供の命を守る、虐待については、本県は全国の先頭を行っていると思っておりまして、全国の見本だと思っております。今、このネットワーク協議会、あるいは窓口を市町村にお願いするという十七年の四月からですか、児童福祉法の法律改正がなって、ちょうど今、五年目で、協議会のほうは設置できた、市町村のほうにも窓口は設置できたという状況だろうと私は思っております。  今、部長のほうから、市町村の職員に児童福祉司相当の力をつけてもらう専門性向上事業をするんだと御答弁ございました。それも本当に大事なことだと思っています。私は、四十市町村すべてとは言いませんけれども、せめて福祉事務所を設置している十市に対しては専門の児童福祉司の資格を持った職員を配置する。これを青森県が国に対して県同様、交付税措置を要望していくべきだと私は思っております。というのは、児童虐待というのは最悪、死に至るということを考えながら、初期からすべて行動しなければいけないと私は聞いております。そういう意味では、市町村の担当者の専門性というのは本当に強く求められてくると思うし、特に今、県民局が行革大綱の中では、将来、六つから三つにするんだという構想も掲げられてございます。そういうことも踏まえますと、市町村の担当者の専門性というのはこれからますます大事になってくると思っておりますので、その辺のところもひとつ国に対してはよろしくお願いをしたいと思っております。  次に、歳出十款七項一目「保健給食振興費」、未来を担う子どもの健康生活推進事業についてであります。本県は、脳血管疾患、心疾患、糖尿病などの生活習慣病による死亡率が全国平均より高い水準にあり、これらの原因の一つと考えられる成人の肥満者の割合が全国平均よりも高くなっているだけでなく、子供の肥満傾向も全国のトップレベルと聞いております。  そこで、一点目は、本県の子供の肥満状況について。次、子供の健康な生活を推進するための今回の事業でありますけれども、その取り組みについてお伺いをいたします。  次に、同じ子供のことですので続けていきます。歳出六款一項十七目「食の安全・安心推進費」、みんなで進める子どもの食育応援事業についてであります。私の地元では平成十六年に朝ごはん条例を制定して、町を挙げて食育に取り組んでございます。その背景には、朝御飯を食べない子供の増加、それから、子供の肥満、そういうことから、早寝、早起き、朝ごはん運動を推進することによって生活習慣を改善し、それに伴い安全・安心な農作物の消費拡大につなげようという運動であります。県民一人一人が健全な心と体を培い、生涯にわたって健康で生き生きと暮らすことができるようもっと県を挙げて食育に取り組むべきと考えます。  そこで、二点お伺いいたします。一点目として、これまでの食育への取り組みによってどのような成果が得られ、どんな課題があるかについてお伺いをいたします。二点目は、みんなで進める子どもの食育応援事業を通して、どのような食育を進めていくのかお伺いをいたします。  次、歳出十款七項二目「体育振興費」、子どものスポーツ活動推進事業についてお伺いいたします。近年、少子化の影響などからスポーツをしない子供がふえていると聞いております。子供のころから、スポーツに親しむことは、健康面ばかりでなく、協調性や忍耐力、創造性がはぐくまれるなど、人とのかかわりや社会生活のルールを身につける上で、大変スポーツは有意義であると思っております。子供たちの将来を考えた場合、スポーツに興味を持たせ、親しむ機会をふやすことが必要であると考えます。そこで、この子どものスポーツ活動推進事業の目的と概要についてお伺いをいたします。 125 ◯三橋副委員長 教育長。 126 ◯田村教育長 三点にお答えいたします。初めに、本県の子供の肥満状況についてであります。文部科学省が毎年、行っている全国学校保健統計調査の平成二十一年度調査によると、青森県における児童・生徒の肥満度二〇%以上の肥満傾向児出現率は、小学校から高等学校までの全年齢で全国平均を上回り、そのうちの九つの年齢層において全国一位または二位という状況にあります。この状況は、肥満傾向児出現率の統計をとり始めた平成十八年度からほぼ同じ傾向にございます。  次に、子供の健康な生活を推進するための取り組みについてであります。県教育委員会ではこれまでも児童・生徒が生涯を通じて健康を保持・増進するためには、児童・生徒が健康についてみずから考え、判断し、行動できる実践力の育成及び健康的な生活習慣の確立が重要であると考え、いきいき青森っ子健康づくり事業、あおもりっ子食育推進事業など、関係部局等と連携し、健康教育推進の取り組みを進めてきたところでございます。
     しかしながら、依然として、子供の肥満傾向児出現率が高いことから、平成二十二年度から、新たに未来を担う子どもの健康生活推進事業を実施することとして、本定例会に所要の経費を計上し、御審議いただいているところであります。この事業では、医学等の専門家による子供の生活習慣病改善推進協議会の開催、肥満原因及び解決方法を探るための調査、健康運動プログラムの作成、健康フォーラムの開催などを行うこととしています。その結果、科学的に本県の肥満化傾向の原因と対処法を明らかにするとともに、児童・生徒の健康観を養い、生涯にわたって生き生きと生活できる基盤をつくることとしております。今後とも、県教育委員会では、関係部局や関係団体と連携し、健康教育の充実に努めてまいります。  次に、子どものスポーツ活動推進事業の目的と概要についてであります。本県における子供のスポーツ活動については、少子化等により、地域によって団体競技のチーム編成ができない状況が見受けられるほか、指導者の高年齢化や人材不足などにより、十分な指導ができないなどの課題があります。このため、近隣市町村の連携により、広域的、組織的に子供がスポーツに親しむ機会の充実を図ることを目的に、新たに子どものスポーツ活動推進事業を実施することとし、本定例会に所要の経費を計上し、御審議いただいているところであります。  具体的な内容としては、県内六地域に、市町村やスポーツ団体等の関係者で構成する子どものスポーツ活動推進協議会を設置していただき、地域の特性を生かし、それぞれが企画・運営するスポーツ教室や交流会、指導者研修会などの活動に対して支援するものであります。  また、各地域において子どものスポーツ活動応援団を組織し、民間企業等から各種支援を得るとともに、県教育委員会が主催し、県内の指導者や保護者等を対象に、子供のスポーツ活動推進に向けたフォーラムを開催することとしています。今後とも、市町村や関係団体等と連携し、子供のスポーツ活動の推進に努めてまいります。  〔森内委員長、委員長席に着く〕 127 ◯森内委員長 農林水産部長。 128 ◯有馬農林水産部長 食育推進に関する二点にお答えいたします。最初に、食育推進のこれまでの成果と課題についてです。県では平成十八年度から、市町村や関係団体とともに、いただきます! あおもり食育県民運動を展開しており、その結果、地域の食文化や地産地消の大切さを学ぶ取り組みがふえつつあるほか、これまで養成してきた約三百名の食育指導者が地域で活動する素地が広がる取り組みも進んできております。さらに、今年度は県内七つの卸売市場が連携して市場食育祭りを開催するなど、地元の食と流通の仕組みへの理解を深める動きも見られています。  一方、本県では、生活習慣病による死亡率が依然として高く、また、その予備軍とされる子供の肥満も多いことから、地域や学校とも連携し、本県のすぐれた農林水産物を生かした食育活動をきめ細かやかに展開していくことが必要であると考えています。  次に、今後の食育をどのように進めていくのかについてです。今回行います、みんなで進める子どもの食育応援事業は、地域県民局単位に設置している地域食育ネットワーク協議会に食育活動の調整役となる食育コンシェルジュを配置するほか、地域の指導者である食育サポーターが学校や保育所などで調理実習や農林漁業体験などの食育活動を展開するための体制づくり、それから、食育に意欲的な民間団体が子供の食育活動を全県的に展開するための活動の支援などを行うこととしています。県では、この事業を通して子供と保護者の食育を重点的に推進するほか、引き続き食育県民運動を展開して、健全な食生活の実践と健康で活力に満ちた暮らしの実現に努めてまいります。 129 ◯森内委員長 相川委員。 130 ◯相川委員 今、三つ一回に質問させてもらいましたけれども、子供の肥満傾向を改善していくためには、医学的なほうからも、あるいは食育のほうからも、そして、スポーツを通したほうからも連携をしながら、ぜひ肥満傾向児を少なくする努力をしていってほしいと思います。  それから、最後、食育の話が今、出ましたけれども、初日、阿部委員から、今、学校で食の指導をしている栄養教諭の採用の件が出ましたけれども、国で食育基本法をつくって、そして、学校の栄養士を栄養教諭に、資格を取らせるための講習については、たしか国で予算を計上しながら、県で実施したと私は記憶しているんですけれども、国ももう一歩進めて、せめて交付税を算入して、栄養教諭を各県に配置する。こういうことはしなきゃいけないと私は思っております。口は出すけれども、金は出さないということでは通らないと私は思っておりますので、さっきの、国で児童福祉司に対してはちゃんと盛っているわけですから、同じ子供のためですので、せめて交付税算入で配慮するぐらいのことはしなきゃいけないと思うし、私はそのことを要望してほしいと思っております。  最後に、同じく歳出十款七項二目、岩木青少年スポーツセンターの改修事業についてであります。これは予算書を見てわかるように、一億六千万、改修のために補助金が計上されてございます。そこで、県教育委員会では岩木スポーツセンターの改修事業に補助することとしておりますが、その改修内容、改修後のセンターの運営についてお伺いをいたします。 131 ◯森内委員長 教育長。 132 ◯田村教育長 お答えいたします。岩木青少年スポーツセンターは昭和五十年に建築され、これまでも部分的な修繕や耐震補強を行うなど、施設の維持・修繕に努めてまいりました。しかしながら、三十五年が経過し、経年劣化による機能低下が見られたことから、今回、大規模改修を行い、施設の機能回復を図るため、その経費を所有者である県体育協会へ補助することとし、本議会に所要の経費を計上し、御審議いただいているところであります。  改修内容としましては、管理棟・附属棟・宿泊棟の外壁及び内装の工事、宿泊棟・附属棟の屋上の防水工事、体育館の階段及びスロープの改修工事、暖房用配管及びトイレ排水管の取りかえ工事など、施設の機能回復を目的とした改修であります。改修後は、安全でより快適な環境を提供することによって、スポーツ競技団体の利用者はもとより、当センターが主催する各スポーツ大会や各種事業などにこれまで以上に参加者がふえることが見込まれ、本県のスポーツ振興につながるものと考えています。 133 ◯森内委員長 相川委員。 134 ◯相川委員 今、三十五年たったセンターだというお話がございました。この改修、一億六千万計上に当たっては、恐らく内部で相当検討を、議論をされたことと私は思っております。そういうことで、その議論には踏み込みませんけれども、今、六千九百二十三億円の予算を見ておりましても、その約半分が義務的経費。しかし、それ以外の経費についても、もう法律や条例やいろいろなもので縛りがかかってしまって、県のほうで自由に裁量、動かす予算というのは本当に少ないのでないかなと私は思っております。  そういう中で、行革大綱のほうから見ますと、着実に二十一年から三年間の集中取り組み期間で基金に頼らない財政運営をするんだという、それに着実に沿っておりますし、また、公共事業一つ見ましても、県債、前年度よりも大幅に臨財債が伸びたにもかかわらず、減らしております。そういう中にあっても、公共事業、大幅な国の削減の中で、その圧縮を図っております。私はそういう意味では評価をいたしますし、また、そのことによって、基本計画未来への挑戦のかかわる事業というのは百六十九億円。選択と集中と言われますけれども、百六十九億円の中では、百万、二百万、三百万とか、こういう予算配分になるんだろうなと私は思っております。そういう中では、この予算の中で一億六千万の改修に対する補助は非常に目立つ予算だと私は思っております。ただ、ここはひとつ、今、教育長が言われましたように、この改修後の利用に対しては、一億六千万を生かして活用がなされるように、ひとつ利用を進めていただくことを最後に要望して、私の質問を終わります。ありがとうございました。 135 ◯森内委員長 これをもって質疑を終了いたします。この後、引き続き議案の採決を行いますが、少々お待ちください。     ───────────────────────       ◎ 付 託 議 案 採 決     ─────────────────────── 136 ◯森内委員長 これより議案の採決をいたします。  議案第一号、議案第二号、議案第四号、議案第九号及び議案第十六号、以上五件の原案に賛成の方は御起立を願います。  〔賛成者起立〕 137 ◯森内委員長 起立多数であります。よって、原案は承認されました。  議案第三号、議案第五号から議案第八号まで、議案第十号から議案第十五号まで、以上十一件の原案に賛成の方は御起立を願います。  〔賛成者起立〕 138 ◯森内委員長 起立総員であります。よって、原案は承認されました。  以上をもって予算特別委員会の審査を終わります。  なお、委員長報告の作成につきましては本職に御一任を願います。  最後に、一言ごあいさつを申し上げます。  今回の予算審査に当たりましては、委員並びに関係各位の御協力により滞りなくその審査を終了することができました。委員長、副委員長あわせての御礼を心より申し上げます。まことにありがとうございました。  これをもって予算特別委員会を閉会いたします。 午後二時二分閉会 Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...