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平成22年第261回定例会(第3号)  本文 開催日: 2010-03-04
平成22年第261回定例会(第3号) 名簿 開催日: 2010-03-04

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  1. 青森県議会 2010-03-04
    平成22年第261回定例会(第3号)  本文 開催日: 2010-03-04


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(田中順造) ただいまより会議を開きます。    ──────────────────────       ◎ 新  任  者  紹  介    ────────────────────── 2 ◯議長(田中順造) 日程に先立ち、新任者の紹介をいたします。木村八脩公安委員。 3 ◯公安委員(木村八脩) ただいま紹介にあずかりました木村八脩でございます。  公安委員を拝命し、大変光栄に存じております。日ごろより公安のお仕事には関心を持ってまいりましたけれども、いざ自分がこの場に立ちますと、今まで暮らしてきた環境と余りにも違うような感じがいたしまして、緊張と不安でいっぱいでございます。先輩委員の教えを賜り、ここに御臨席の諸先生方の御支援をいただきながら、誠心誠意職責を全うしてまいりたいと存じますので、よろしく御指導のほどお願いいたします。 4 ◯議長(田中順造) 日程に入ります。    ──────────────────────       ◎ 一 般 質 問 継 続    ────────────────────── 5 ◯議長(田中順造) 一般質問を継続いたします。  四十一番高樋憲議員の登壇を許可いたします。―高樋議員。 6 ◯四十一番(高樋 憲) 自由民主党の高樋憲であります。  第二百六十一回定例会で一般質問の機会をいただきまして感謝いたします。  それでは、通告に従いまして質問いたします。  初めに、地域主権改革についてお伺いいたします。  昨年九月に、自民・公明連立政権から民主・国民新・社民連立政権にかわりました。三党連立政権は、選挙に掲げたマニフェストに沿って政権運営を行おうとし、官僚に依存しない政治主導の形をとり、政策が進められているように見せているためか、国民の目には新鮮に映る一方で、地方にとっては必ずしも好ましくない結果も示されるといったさまざまな意見があるようです。また、根本である経済運営や財源の見通しもいまだにはっきりしていません。このような中で、新政権が一丁目一番地の政策として掲げる地域のことは地域に住む住民が決める地域主権改革については、大いに期待したいと思います。  申すまでもなく、我が国の行政システムは、明治維新から国にいろいろな権限が集中する体制、すなわち中央集権体制が確立し、それによって我が国を世界有数の先進国に成長させる上で大いに役に立ってきたわけです。しかしながら、欧米並みの経済水準を手に入れ、成熟社会を迎えた現代社会においては、量よりも質に人々の価値観が移り、地域でも個性や多様性が尊重されるようになり、全国均一の基準やルールを土台とする中央集権体制はかえって足かせになっており、さらに東京一極集中の是正、少子高齢化社会への対応など、新たな課題に的確に対応することも難しくなってきているのです。  私が最も気がかりなのは、国あるいは東京中心の発想の中で進められてきた行政においては、地域が持つさまざまな個性を十分に生かし切れてこなかったのではないかということです。
     本県は、食料、水、エネルギーといった豊かな資源を有し、国民生活や経済発展に貢献してきています。また、三内丸山遺跡などの歴史的遺産、ねぶた・ねぷた祭り、三社大祭、黒石よされなどの祭り文化や十和田湖、白神山地などの自然豊かな財産があります。こうした豊かな個性を十分に生かし、ひいては自立的な地域経営をも可能にしていくためには、やはり国が決めたルール、施策をひたすら守り、進めるという中央集権型の考え方では限界があると思います。  地域みずからがどのような資源をどのように生かしていくのか、みずから考え、みずから決定し、みずから実行し、みずからその責任を持つという考え方が中心になくてはならないと思うのです。  地域主権改革は、地域が主役であるとした上で、地域がみずからの判断と責任で統一的な戦略のもと、広域的、総合的な施策を行い、魅力と競争力のある地域づくりを進めていく仕組みであり、知事が先頭に立って目指している生活創造社会を実現する上でもなくてはならないものであると考えております。そして、本県においては、この地域主権改革をチャンスとしてとらえて、地域経営をする上でさまざまな施策に生かしていくことこそが必要だと考えます。  そこで、政府が進める地域主権改革を知事はどのようにとらえているのかお伺いいたします。  次に、穀物自給率の向上についてお伺いいたします。  我が国の食料自給率は約四〇%ですが、この数字はカロリーベースのものです。カロリーベース食料自給率の低さは、国内で完全自給している米の消費量の落ち込みによるところが大きいようです。自給率の高い米の消費が減り、自給率の低い畜産物や小麦の消費がふえているため、食料自給率が低下したようです。そのほかに、生産額で算出する金額ベースの食料自給率は六〇%強と、それほど低い数字ではないようです。むしろ注目すべきは、重量ベースで見た穀物自給率です。日本の場合、米こそ一〇〇%に近い自給率ですが、飼料向けを含めても、全体のわずか二七%とさらに低い現状です。  平成二十年の春から夏にかけて米、小麦、大豆、トウモロコシの国際価格が過去最高値を更新したのは記憶に新しいところだと思います。このとき、世界各国で米や小麦などの輸出の禁止、輸出税の賦課や輸出枠を設定しました。さらに、アフリカなどの国々を中心に食料をめぐる抗議運動や暴動が起き、さらには、東南アジアにおいても米をめぐって暴動が起きました。  また、食料自給率は低いが外貨準備の豊富な国や企業などが将来の食料危機に備え、アフリカやアジアの政府などと農地の購入や長期リースの契約を結び、収穫物を優先的に輸入するいわゆる農地の囲い込みの動きが世界的に広がっており、その面積は既に日本の総面積の三分の二に相当するという報告もあります。私は、日本の食料の安全保障の観点からも、日本の農地を有効に利用することが大事だと思います。  身土不二という言葉があります。体と自然は一体であるという思想です。我々の先祖は、自分が住んでいる三里四方でとれた季節のものを食べることが病気にならない秘訣であると考えていました。地産地消、旬産旬消です。  食料政策の最も重要な目的は、国民の食料を確保することが大前提です。海外の農地を買ったり借りたりする前に、国内でできることから行動していくことです。本県も含めて、それぞれの地域特性を最大限生かした取り組みが必要だと考えます。  そこで、穀物自給率を高めていくための主な課題について県はどのようにとらえているのかお伺いいたします。  次に、県産農水産物の輸出促進についてであります。  国内の人口減少、少子高齢化による消費の低迷や経済のグローバル化が急速に進む中にあっては、海外を県産農水産物の市場としてとらえるという視点は、本県農林水産業、ひいては地域経済の維持発展にとって極めて重要になってきています。  本県は、リンゴを初め、世界トップレベルの品質を誇る農水産物を有し、県でも、それらを国内外に積極的に販売していく攻めの農林水産業を推進しており、県産農水産物の輸出についても重要な施策の一つとして位置づけ、知事みずからも海外にトップセールスに赴き、外貨の獲得に力を入れております。私自身も、東南アジア、ロシアの市場を視察し、その重要性を実感してきたところであり、これまでも輸出促進の必要性をあらゆる場面で述べてまいりました。  輸出については、北海道や東北各県も取り組んでおり、ともにライバルではありますが、協力できるところは協力し合い、スケールメリットを生かし、広域的な輸出促進対策の展開も必要ではないかと考えるのです。  私は、地域主権をうたわれる今日、道州制をも見据え、地域内での過度な産地間競争を行うよりも、広域的な農水産物の輸出戦略を立て、輸出の窓口を一本化して、産地間の調整や各国との商談などに取り組むことにより効率的な輸出促進を展開することが可能となると考えております。  平成十八年に北海道・東北未来戦略会議が設立され、官民が連携して当地域の総合的な発展に向けた検討を進めており、その中で当地域の貿易拡大に向けた広域的対応方策などについても活発な意見交換が行われていると伺っております。  そこで、北海道・東北未来戦略会議で検討されている貿易拡大に向けた広域的対応方策について、農水産物の輸出促進に係る県の考え方をお伺いいたします。  次に、県では、今後、農水産物の輸出促進についてどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  次に、林業の振興についてお伺いいたします。  本県の森林は、県土の保全による良好な生活環境の確保や安全・安心な農水産物を生産する基礎となるきれいな水の供給など、多くの役割を果たしています。また、最近は、二酸化炭素を吸収する森林の役割が注目されているところであり、間伐などの森林整備の着実な推進とともに、二酸化炭素を長期にわたって固定する効果がある木材の利用拡大が求められているところです。  しかし、一方では、一昨年秋の米国発の金融危機、リーマン・ショックに端を発した世界的な不況による雇用環境や所得環境の急激な悪化などにより、木材利用の中心となる平成二十一年の住宅着工戸数は、全国で前年比二八%減の七十八万八千戸となり、昭和三十九年以来四十五年ぶりとなる八十万戸を割り込んでいます。また、本県では、前年比一七%減の五千三百戸で、昭和三十八年以来の六千戸を割り込むなど、非常に厳しい状況となっており、これにより木材需要が低迷し、本県の林業・木材産業界は深刻な状況にあります。  私は、木材利用を促進することは、林業・木材産業に加え、建築業や家具、建具などの製造業、また、運送業といった幅広い産業の活性化につながるものであり、県が目指す産業・雇用対策としても積極的に取り組むべきであると考えております。  そこで、林業の振興を図るために、間伐材を含めた県産材の利用拡大が必要と考えますが、県の取り組み状況についてお伺いいたします。  次に、木質バイオマス発電についてお伺いいたします。  間伐材の利用方法の一つとして木質バイオマス発電が考えられます。  私は、以前、化石燃料の削減に取り組む環境先進都市として知られるスウェーデンのベクショー市を訪問したことがあります。森と湖の町ベクショー市は、スウェーデン南部の人口七万六千人の風光明媚な学園都市です。早くからローカルアジェンダ21に取り組み、一九九六年には脱化石燃料宣言をし、二〇一〇年、CO2を九三年比五〇%削減を打ち出しました。第一次オイルショック後間もなく、一九七四年に木質バイオマス・コージェネレーションプラント計画を打ち出し、七九年にベーアブ社を市の一〇〇%出資する株式会社として発足させ、このCO2ニュートラルな環境配慮電力で、二千世帯の住宅と商店、工場などの電力とお湯を賄っています。また、ベクショー市の飛行場にも専用の木質バイオマス発電が整備されていました。このようなことは、単に二酸化炭素の排出を削減するという環境的側面だけではなく、その根底には間伐材の有効利用による林業振興というものがあったと確認いたしました。  国内においても木質バイオマス発電施設が整備されてきていますが、残念ながらその多くが建設廃材などを燃料としており、直接林業振興にはつながっていないと感じています。幸いにも本県は森林資源に恵まれ、二酸化炭素吸収源対策として発生する間伐材は年間十五万トンあると聞いております。  間伐材の用途はさまざま考えられるところですが、地域にある資源を地域で活用するといったエネルギーの地産地消、さらには、大量かつ安定的に間伐材を利用することは、林業振興の観点からも、今後はバイオマス発電の取り組みを進めていくことが必要であると考えます。  そこで、林内に放置されている未利用間伐材を活用するためには、木質バイオマス発電での利用が有効であると考えますが、県の見解をお伺いいたします。  次に、県が昨年十二月に東京都、千代田区と協定を締結した再生可能エネルギー地域間連携についてお伺いいたします。  国は、二〇二〇年の温室効果ガスを一九九〇年比二五%削減する目標を掲げており、先ごろ目標達成に向けた行程表案が発表されたところです。それによると、二五%のうち、少なくても一五%分を国内で削減し、残りを海外から排出枠などで賄うとされています。国内削減分の達成のために、産業や家庭などの部門別の排出量が盛り込まれ、高断熱住宅やハイブリッド車などの普及と太陽光など再生可能エネルギーによる電力の買い取り制度や補助制度の拡充が必要とされており、行程表が今月には取りまとめられるということです。  一方、東京都では、既に二〇〇八年に条例改正を行い、ことし四月から大規模事業所を対象に二酸化炭素の排出削減を義務づけ、独自の排出量取引制度を導入することとしています。事業所ごとに排出枠を設けて取引する制度は国内初であり、埼玉県でも来年度から同様の制度を開始する予定であると報道がなされておりますが、首都圏一都三県の八自治体では共同の排出量取引制度の創設を検討していることも明らかになっています。  地球温暖化対策として、温室効果ガス排出量削減は、真剣に取り組まなければならない課題であり、今後、このような動きがさらに加速すると思われますが、課題解決のためには再生可能エネルギーの導入を積極的に進めるべきと考えます。  本県は、風力発電を初めとした再生可能エネルギーの賦存量が豊富であり、県では、これらの導入を進めるとともに、産業振興に結びつける取り組みを行ってきましたが、都市の排出量削減の動きは本県の取り組みにとって絶好の機会であると考えます。  そこで、東京都、千代田区との協定締結による県のメリットは何なのか。また、今後、本協定を生かすための県の取り組みについてお伺いいたします。  最後に、仮称西十和田トンネルの整備についてお伺いいたします。  観光は、国民の福利の増進と地域再生、内需拡大に貢献する国家的課題です。少子高齢化の影響で、今後の日本では、ほとんどの地域で定住人口の減少と地域経済の縮小が生じます。  地域再生を実現するためには、交流人口の拡大による地域活性化が不可欠です。つまり、各地域で観光を基軸とした交流人口の拡大が地域経営の基本となりつつあります。幸い、ことし十二月に悲願であった東北新幹線が全線開業を迎えます。今まで、それぞれの地域の自然、歴史、文化などの特色を生かした観光圏の形成など、さまざまな取り組みをしてきたと思います。各圏域では、特性を生かした観光ルートのメニューを準備し、対応しようともしています。  しかし、ここで問題になるのが交通アクセスの問題です。新青森駅から県内各地に向かうルートが整備されているのか。また、圏域からの移動に支障はないのかです。特に懸念されるのが、太平洋と日本海を結ぶルートです。津軽地域から十和田湖を経由し、南部地域へと移動するには、夏場はどうにか対応できますが、冬期間は大変厳しい状況です。特に、弘前・黒石方面から十和田湖への主要ルートである国道四百五十四号は、急勾配や急カーブが連続し、冬期間には閉鎖される厳しい道路状況となっております。観光客がどのような状況でも安心して移動できる環境を整えることは受け入れる側の務めです。  そこで、仮称西十和田トンネルの整備に対する県の今後の考え方についてお伺いし、壇上からの質問を終わります。 7 ◯議長(田中順造) 知事。 8 ◯知事(三村申吾) おはようございます。高樋議員にお答えします。  まず、政府が進める地域主権改革についてであります。  私は、町長、国会議員を経験し、今、知事職という立場にありますが、常に思い、また主張してきたことは、地域、地方が元気になってこそ日本の国が元気になる。そのための地方分権改革だと、そういう思いであります。  こうした考えは、政府が進める地域のことは地域に住む住民が決める活気に満ちた地域社会をつくるための地域主権改革の趣旨とも決して異なるものではないと思っております。また、かねてから、国から地方への分権の流れに伴い地方の自立が求められている中、地域経済の活性化と安定した住民福祉の実現には、地方の財政基盤の強化が不可欠であると訴えてきたところであります。  今後、政府において義務づけ、枠づけのさらなる見直しや基礎自治体への権限移譲、国の出先機関の見直しや補助金の一括交付金化などの地域主権改革が進められることになると思われますが、これらの取り組みに当たっては、地方、現場の声を十分に踏まえ、しっかりとした財源の裏づけを伴った改革として進めていただきたいと、そう思っているところであります。  青森県の明るい未来に向け、みずからの地域はみずからつくり上げるというチャレンジ精神を大切にしながら、地域主権改革の具体化をも踏まえ、創意工夫を生かした施策の実現に一層努めていきたいと考えているところであります。  穀物自給率を高めていくための課題であります。  歴史と風土が織りなし、人々の暮らしを支えてきた稲作文化の国日本、豊葦原瑞穂の国日本。私は、その中でも豊富できれいな水資源や、これまで培われてきた高い技術、そして広大な豊かな農地に恵まれております私ども青森県が食料供給県として果たす役割は大きいものと考えます。  かつて昭和三十五年ごろ八割を超えていた私ども日本の国の穀物の自給率は、畜産物の消費拡大等に伴い、飼料としてのトウモロコシや麦類などの輸入がふえたことで、現在は極めて低い状況にあります。この飼料用の穀物というものをいかに国内産に置きかえていくことができるのか、その場合に、生産力の高い水田と技術力をどう最大限に活用していくかが課題であると考えています。  このため、平成二十三年度から本格導入が予定されております農業の戸別所得補償制度の検討に当たっては、主食用米や大豆、小麦に加え、水田の機能を最大限に発揮できる飼料用米や米粉用米なども制度の対象とすることで農業経営の安定を図り、穀物自給率の向上につなげることが必要であると考えます。また、その際には、水田の汎用化や農業水利施設の維持更新などの生産基盤整備等を常々訴えていますが、環境公共の理念のもとで推進し、山、川、海をつなぐ健全な水循環システムの再生保全に努め、水田農業を主体とする穀物の生産システムを持続していかなければならないと考えております。いわゆる一定の公共投資というものも必ずこの場面においては必要であるというのが私の訴えでもあります。  県産材の利用拡大についてでありますが、県では、青森県基本計画未来への挑戦の中で、青森力の結集による販売活動の強化を掲げ、安全・安心ですぐれた青森県産品をこれまで以上に県内外に販売していくこととしており、林業分野におきましては、あおもり産木造住宅コンテスト等による県産材住宅の普及や、国内最大の住宅・建築関連専門展示会ジャパンホームショーへの県産材の出展による首都圏でのPRなど、間伐材を含めた県産材の利用拡大に取り組んでいるところであります。  昨年、私は青森市内の製材工場を訪れた際、関係者から、本県ではスギやヒバ、アカマツなどの多種多様な県産材を適材適所として活用できること、木材はぬくもり感、リラックス効果をもたらすことなどのお話を伺い、県産材の利用拡大を図ることは本県林業・木材産業の振興と地域経済の活性化はもとより、私たち県民が安んじて生きられる生活創造社会の実現にも大きく寄与することを改めて強く感じた次第でございます。よりよい県産材の住宅に快適に住んでいただく、そのことの必要性を感じたのであります。  このため、来年度からは、県内木造住宅における県産材のシェアを高め、地球温暖化防止にも貢献するため、一定量のスギ等の認証県産材を使用して住宅の新築やリフォームを行う場合に、県産材を使用した家具や建具などの木工品と交換できる全国初の県産材エコポイント制度を創設することといたしております。  また、県産材の生産・流通・販売体制を整備するため、県産材の供給情報等を提供する民間総合窓口ワンストップサービスの設置や需要者からの注文に対し即時に納品できる製品ストックヤードの整備への支援などを実施し、安心して使ってもらえる県産材の利用促進と木材関連産業の活性化を図ることとし、本議会に対しまして所要の予算を計上し、御審議をいただいているところであります。  東京都、千代田区との協定締結によるメリットであります。  県では、昨年十二月四日、再生可能エネルギーの活用による地球温暖化対策に向けた取り組みを東京都及び千代田区と連携して行うことを目的とした再生可能エネルギー地域間連携に関する協定を締結いたしました。  これは、東京都が国の検討に先駆け、ことしの四月から実施する排出量取引制度の導入を本県のビジネスチャンスととらえ、再生可能エネルギーを豊富に有する本県が都市部の二酸化炭素排出量の削減に貢献すると同時に、本県への資金の還流を通じて地域経済の活性化に結びつくことをねらいとした取り組みであります。  本協定は全国初の試みであり、それぞれの自治体の役割を確認し、グリーン電力の需要開拓や再生可能エネルギー開発支援等の取り組みを連携して行うこととしております。  私としては、導入量全国第一位の風力発電を初め、地熱、木質バイオマスなど再生可能エネルギーのポテンシャルを豊富に有する本県が東京都及び千代田区と連携した取り組みを行うことで再生可能エネルギーを活用した企業立地や県内企業のエネルギー分野への参入、こういったことが促進され、産業振興及び雇用の拡大につながることも期待するところであります。  私からは以上です。 9 ◯議長(田中順造) 農林水産部長。 10 ◯農林水産部長(有馬喜代史) 御質問三点にお答えいたします。  最初に、北海道・東北未来戦略会議で検討されている農水産物の輸出促進の広域的対応に係る県の考え方についてです。  北海道・東北未来戦略会議では、地域経済を再生・活性化させるための広域的取り組みの一つに貿易拡大を取り上げ、昨年九月から貿易連携部会を設置し、海外メディアなどを活用した観光、文化、物産の一体的なプロモーションの実施、海外共同アンテナショップの設置や貿易モデルケースを目指した試験輸出などについて具体的な取り組み内容の検討を進めているところです。  輸出に際しましては、各道県で重複する特産農林水産品も多く、それらの調整が必要になることも予想されますので、当面は、北海道・東北地域のイメージや産品の認知度を高めるための広域的な共同PRやプロモーション活動などに取り組むことが重要であると考えています。  次に、今後の農水産物の輸出促進の取り組みについてです。  県では、農水産物の輸出促進を図るためには、これまで築き上げてきた相手国の優良な取扱業者との結びつきをより強固にするとともに、新たな販路開拓に取り組んでいくことが重要であると考えています。  このため、県と関係団体で組織する青森県農林水産物輸出促進協議会等が中心となって活動を展開することとし、中東やロシア、中国、北米、香港を対象に、小売・卸売業者等に対する商談活動やメディアなどを活用した消費宣伝、東南アジア諸国では、タイを販売拠点に周辺各国への波及をねらった卸売業者等に対する商品提案やベトナムなどへの輸出可能性の調査、リンゴの最大の輸出先である台湾での消費宣伝活動などに取り組んでいくほか、今後の輸出促進戦略の再構築に取り組むこととし、本議会に所要の予算を計上して御審議をいただいているところです。  最後に、木質バイオマス発電に対する県の見解についてです。  木質バイオマス発電には、木質バイオマスを主燃料とする発電と補助燃料とする発電の二つの方法があり、いずれも二酸化炭素の排出削減に効果的であることから、近年全国的にふえてきており、本県では、三菱製紙株式会社八戸工場が主原料である廃タイヤ等に建築廃材を混ぜて発電を行っています。  木質バイオマス発電は、大量の木質燃料を低価格で安定的に供給する必要があり、間伐材を利用する場合、建築廃材と比べて、伐採、輸送等にコストがかかることや、水分が多く発熱量が小さいことなどから利用量は少ない状況にあります。しかし、未利用間伐材を利用する木質バイオマス発電は、県産材の利用拡大による林業・木材産業の振興のほか、地球温暖化防止にも寄与することから、先進事例等を検証しながら、試験研究機関等と連携し、木質バイオマス発電の有効性についての調査研究を進めたいと考えています。 11 ◯議長(田中順造) 県土整備部長。 12 ◯県土整備部長(山下 勝) 西十和田トンネルの整備に対する今後の考え方についてお答えいたします。  国道四百五十四号仮称西十和田トンネルにつきましては、平成七年度から調査に着手し、これまで環境調査や関係機関との協議を進めてきておりまして、今年度も調査を継続しております。このトンネルは、国立公園内に位置し、青森・秋田両県にまたがる長大トンネルであり、施工に当たりましては、高度の技術と莫大な事業費を要するなど多くの課題があることから、今後は、これまで実施してきました各種調査の結果を整理し、これら課題への対応について検討してまいりたいと考えております。 13 ◯議長(田中順造) エネルギー総合対策局長。 14 ◯エネルギー総合対策局長(佐々木郁夫) 地域間連携協定を生かすための取り組みについてお答えします。  県では、風力、地熱を初めとした再生可能エネルギーのポテンシャルを活用し、地域での新たな産業クラスターの形成を図ることによって県全域の地域振興に結びつけていくため、平成十八年度に青森県エネルギー産業振興戦略を策定し、本戦略に基づき、エネルギー関連の先進的なプロジェクトの導入を進めているところです。  一方、温室効果ガス排出削減への機運の高まりに応じ、再生可能エネルギーの導入に積極的な企業もあらわれており、具体には、東京丸の内にある新丸の内ビルディングでは、電力のすべてを本県の風力を初めとした各種再生可能エネルギーで賄う計画を進めているところです。  今後は、再生可能エネルギー地域間連携に関する協定に基づいた連携事例のさらなる具体化を図ることはもとより、協定締結を契機として、県内企業のエネルギー産業への参入あるいは先進的プロジェクトの導入をさらに進め、引き続き再生可能エネルギーを活用した産業振興を図っていきたいと考えています。 15 ◯議長(田中順造) 午さんのため、暫時休憩いたします。 午前十一時十一分休憩    ────────────────────── 午後一時再開 16 ◯副議長(清水悦郎) 休憩前に引き続いて会議を開きます。  一般質問を続行いたします。  四十七番菊池健治議員の登壇を許可いたします。―菊池議員。 17 ◯四十七番(菊池健治) 民主党会派の菊池健治であります。  いつもながら多岐にわたっての質問でございますが、あらゆる面でおくれておりますむつ・下北のことを思いますと、一つでも二つでも、知事初め各部長に明快なる御答弁をいただきたくて質問をさせていただきます。  さて、本定例会に提案されました二〇一〇年度の一般会計当初予算案は、昨年と比べ〇・二%の増額で、前年比プラスになったのは十年ぶりのことです。国の三位一体改革のもとに、地方交付税が連続して削減され、国の公共事業費が縮減されたといえども、地方交付税などが現政権になって初めて増額されることとなりました。これからは、必要なところに必要な予算を組み込むことができるという地域主権の時代に変わっていく一つの姿であります。まさに県政運営の手腕が問われることとなります。もう言いわけはできません。  本県においては、地域間格差が大きく、むつ・下北地域は、国政に協力をしているにもかかわらず、他の地域と比較して、その差が歴然としております。道路網の整備、スポーツ施設などを例にしても明らかであり、むつ・下北地域に目を向けた事業計画や予算編成が強く求められます。  それでは、産業振興及び雇用対策から質問させていただきます。  去る二月二日に公表された日本銀行青森支店の経済概況によると、県内の景気は厳しい状況にあるとされており、来年度以降も、県内中小企業の資金繰り支援を引き続き実施し、経営の安定を図ることが重要と考えます。雇用創出融資枠を五十億円に拡充しただけでなく、中小企業の資金繰り状況を調査、把握し、金融機関から融資が得られないところがないように配慮すべきであります。  また、雇用情勢は、全国的な景気低迷の悪化を受け、県内の有効求人倍率が〇・三倍程度で低水準に推移しているほか、一月末の高卒者就職内定率が七三・六%にとどまるなど、ますます厳しい状況になっております。来年度も、産業振興、雇用の維持安定に向け、これまで以上に中小企業支援や雇用の創出、新卒者の就職支援など雇用対策の強化を図っていく必要があります。  そこで、来年度においての産業振興施策及び雇用対策の主な内容について、また、県内中小企業の資金繰り支援について取り組みを伺います。  次に、観光振興についてです。東北新幹線全線開業が本年十二月に迫ってまいりました。  これは本県の観光振興に大きく貢献するもので、開業による効果を最大限に獲得していくことが期待され、チャンスを生かして、一層の誘客を図るためには、首都圏など大都市圏において本県を強力にPRするキャンペーン展開が不可欠であると考えます。  先ごろ、県は、青森県観光連盟とともに、東北新幹線全線開業のプレキャンペーンとして「とことん青森2010in原宿表参道」を開催し、本県ならではの自然、文化、歴史、食など多彩な魅力がPRされ、下北からは大湊海軍コロッケや下北かさまい焼きがご当地グルメ屋台に出店し、大きな注目が寄せられたところですが、これを一過性のものにすることなく、さらに強力なキャンペーンを展開していくことが必要です。  そこで、プレキャンペーンの成果を踏まえ、今後首都圏でのキャンペーンにどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
     また、新幹線全線開業は、首都圏からの移動時間の短縮や大量輸送の実現により来県する観光客の増加が大いに期待されます。  下北地域は、風情あふれる温泉、海や山からとれる豊かな食材を初め、霊場恐山、仏ヶ浦、尻屋岬と寒立馬、田名部祭りなど、観光客のニーズにこたえる多種多様な観光資源に恵まれております。これらの素材を結びつけ、滞在型観光への取り組みを進めることが地域経済の活性化に大きくつながると思います。特に、一月二十四日に上野動物園で一般公開された北限のニホンザルを観光大使に任命し、天然記念物北限のサルの生息地むつ・下北への誘客PRに活用すべきと思いますが、いかがでしょうか。  現在、観光振興で最も影響力のあるJTBの清水常務取締役は、下北半島といえば恐山しか知らない人がまだ多い。このままだとむつ・下北に観光客は来ないと、手厳しい準備のおくれを指摘しておりました。  下北県民局では、局長が率先して有意義な講演会などを開催し、むつ・下北の観光振興に努力されておりますが、まだまだ地元の準備不足は否めません。  そこで、下北地域における滞在型観光の推進についてどのように取り組んでいくかお伺いいたします。  また、全線開業効果は、八甲田山、十和田湖の入り口、むつ・下北地域への玄関口として七戸十和田駅が重要なポイントとなり、人口交流、物流、ビジネスとさまざまな可能性を秘めていると考えます。しかし、従来からむつ・下北地域は、他の地域に比べ、時間と距離という致命的なハンデを背負っており、何としても、新幹線駅からの移動手段を真剣に、かつ具体的に考えなければなりません。それが公共交通における利便性の向上と観光振興につながるアクセス交通の確保となるのです。  そこで、むつ・下北地域への二次交通をどのように整備していくのか伺います。  次に、むつ・下北地域の有数な観光資源は広大なエリアに点在しており、下北半島は一周三百キロメートル以上もあると言われ、路線バスだけで周遊することは不可能に近い。観光客に周遊して楽しんでいただけるよう、三次交通の利便性を高めることが必要不可欠であると考えます。  そこで、むつ・下北地域における観光客の周遊を促進するため、三次交通の利便性の向上についてどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  次に、農林水産業の活性化についてです。  下北の農業の中で重要な畜産部門の経営者の方々から非常に厳しい話が聞こえております。特に、ここ二、三年、飼料穀物の高騰に伴う配合飼料が高どまっていることに加え、不況の影響で、牛乳の消費低迷、牛、豚などの価格が下がり、経営が赤字状態です。かつては牧草資源が豊かで畜産基地として期待されていましたが、酪農の衰退は甚だしいものがあります。しかし、観光と農林水産業の振興が生命線であるこの地域は、斗南ヶ丘開拓のフロンティアスピリッツに学び、酪農の再生に努める必要があると考えております。  さらに、下北で大切な米は、減反面積がふえ続ける中、全国的に二十年産米がだぶつき気味で、二十一年産の価格も芳しくなく、稲作農家の所得も減っています。私は、こんな状況を何とかしてほしい、戸別所得補償で現状を打開してほしいという農家の皆さんの切実な声が新たな政権を誕生させたと思います。  二十二年度はモデル的に米の戸別所得補償を行い、あわせて水田を活用した食料自給率向上の対策をセットで農業政策の大転換を進め、二十三年度から戸別所得補償を本格実施していくため、畜産部門をどうするのかも含め、制度設計を引き続き検討することとなっていますが、ぜひ、政権交代で変わった政治・政策の流れを最大限生かし、下北の農業、畜産をしっかりとしたものにしていく必要があると考えます。  そこで、国の農業政策が見直される中、下北地域の水田を活用した酪農・肉用牛振興や畜産の経営安定対策についてどのように考えているのかお伺いいたします。  また、地域の六次産業化について、下北地域には、大間のマグロはもちろんのこと、風間浦のキアンコウ、大畑の海峡サーモンなどのほか、一球入魂かぼちゃや夏秋イチゴなど、脚光を浴びている農水産物がふえてきていますが、私は、このせっかく育ってきた資源を生かし切れていない、まだまだ取り組みが足りない、貪欲さが足りないと感じております。  その中にあって、地元では、特区制度を利用したどぶろくやカボチャしょうちゅうづくり、下北の牛乳を使用したクリームチーズやカマンベールチーズなど、また、短角牛のソーセージやベーコンも研究開発し、一部商品化もされています。しかし、まだまだ採算ベースまでは届かない現状で、それでも、むつ・下北のブランド商品をつくりたい、何か行動を起こさないと事業は生まれない、最初から利益の見込める事業などないとの思いで頑張っているところもありますが、現実は、新しいものに取り組む余裕がない。人、資金、技術、販路などの課題があり、一企業や個人ではなかなか難しく、それでも地域の力を結集して商品化、事業化を進めていかなければならないと考えております。  去る二月二十日付の新聞に掲載されておりました「新幹線が来る」には、JR東日本青森支店の石井氏が、観光商品化を急いでと、声高に訴えたとありました。  そこで、農商工連携による地域の六次産業化をどのように進めていこうとしているのかお伺いいたします。  また、二月十四日、渡辺総務副大臣が八戸圏域定住圏の南部町の達者村と八市を現地視察した際、グリーンツーリズムの推進について、熱心な意見交換が交わされておりました。  また、むつ・下北地域においても、先月二十七、二十八日、国土交通省主催の半島地域づくり会議in下北が開催され、青山副知事も御参加していただき、下北の自然を生かした冬の体験ツアーやワークショップが行われるなど、地域の自然や資源を活用したグリーンツーリズムに対する取り組みの機運が着実に高まってきていることを実感しているところであります。全国のお客様に、地域住民により守られてきた豊かな自然とゆったり流れる時間、独自の食材と風土、歴史にはぐくまれてきた特色ある食文化など、下北のよさをわかってもらい、ぜひ、遠くても行ってみたい地となってほしいと願っております。  そこで、むつ・下北地域のグリーンツーリズムの活性化をどのように進めていくのかお伺いいたします。  次に、漁港・漁場整備についてで、下北地域の産業、経済を考える場合、地場産業である一次産業の振興が大変重要であり、太平洋、津軽海峡、陸奥湾に囲まれた下北半島において、水産業は地域経済の重要な位置を占める基幹産業で、その生産基盤である漁港、漁場の整備は、漁業経営の安定などを図る上でも一日も早く望まれております。  そこで、下北地域における主な漁港、漁場の整備状況と今後の見通しについて伺います。  次に、国道二百七十九号は我が国におけるエネルギー拠点を連絡する路線であり、国策上からも非常に重要で、特に下北半島縦貫道路の早期完成は、地域住民の悲願として、二十三年間、再三再四にわたって強く訴え続けてまいりました。  縦貫道は下北半島の生命線であるとともに、東北縦貫道八戸線と一体となり、本県の主要幹線道路ネットワークを形成するもので、半島地域の活性化にとって欠くことのできない路線であります。  また、二十一年十一月二十八日には、県、むつ市、下北未来塾が共催、下北半島縦貫道路の早期完成を願う下北からのメッセージ二〇〇九が開催され、集まった四百名を超える地元の皆さんから早期完成に向けた切実な想いが発信されたところです。  以前、大間町の女まぐろの会の有志の方が、命の道、下北半島道路の早期建設を訴えて、国土交通大臣に陳情した経緯がありました。今も命の道であることに変わりはなく、日増しにその重要性が感じられます。私は、一日も早い完成を求め、むつ・下北の民意を背負い政府に陳情したいとまで思い詰めております。知事もこの思いに賛同していただきたい。  そこで、施工中のむつ南バイパスも含めた下北半島縦貫道路の整備状況と整備促進に向けた今後の取り組みについて伺います。  また、国道二百七十九号易国間地区の災害防除事業、むつ市大畑地区における二枚橋バイパス及びむつ市関根地区の視距改良事業の整備状況及び今後の見通しについて伺います。  国道三百三十八号についてはこれまでも整備が図られてきましたが、継続して整備を進める必要があります。  むつ尻屋崎線は、むつ市から東通村尻屋地区を結び、地域経済を支える道路で、観光道路としても重要な路線ですが、岩屋から尻屋地区間は、大型車両の通行が多いにもかかわらず、幅員が狭く、車両のすれ違いが困難な箇所もあります。  薬研佐井線は、山岳部を経由し、大部分が未改良、未舗装で円滑な交通が確保されていない状況であり、また、むつ市から北通り三町村への国道の迂回路的機能も持ち合わせております。  これらの半島内道路は、産業振興や地域住民の安全・安心確保のため、整備促進が早期に必要です。  そこで、国道三百三十八号白糠バイパス及び大湊二期バイパス、県道むつ尻屋崎線の尻屋工区及び岩屋バイパス、薬研佐井線の整備状況と今後の見通しについて伺います。  次に、河川及び砂防事業について、近年、我が国において、ゲリラ豪雨などによる水害や土砂災害が全国的にも多発している状況があります。本県でも、県民の生命や財産をこれらの被害から守るため、河川改修事業や砂防整備事業などの促進は急務であると認識し、早期に、かつ着実に進めていくべきと強く感じております。  そこで、現在整備を進めている下北地域における河川及び砂防事業などの整備状況と今後の見通しについて伺います。  下北地域は、三方を海に囲まれた地理的条件の中、物資などの輸送拠点として古くから港とともに栄え、歩んできた地域で、今後も、地域の活性化と地域振興、さらには防災拠点としての機能を図るため、着実に整備を促進すべきです。  そこで、下北地域における港湾整備状況と今後の見通しについてお伺いいたします。  次に、新田名部川漕艇場は、陸奥湾とも接続し、立地条件に恵まれ、古くからボートやヨットが盛んで、これまでも各種の漕艇競技大会が開催されております。  昨年六月、熊本県で開催されたジュニアオリンピック全日本ジュニア選手権大会において、むつ工業高校の石田尚也選手は、男子シングルスカルで優勝、九月にはトキめき新潟国体で優勝、十一月には台湾で開催されたアジア・ジュニア選手権で銀メダルを獲得する活躍は、記憶に新しいところです。  これまでもオリンピック選手を輩出するなど、漕艇競技が盛んな土地柄で、地域を象徴するスポーツとして根づいております。そのため、全国規模の各種大会が開催可能となる新田名部川漕艇場の整備を何としても実現したく、平成二年から十二回、今回で十三回目の質問をするもので、平成九年度から七年間、基本計画の策定や環境調査を行い、約五千万円を費やした悲願の漕艇場でしたが、克雪ドーム建設により計画が延期され、さらに、現知事になってから五年間凍結されました。  予定では二十一年度に凍結が解除される計画でありましたが、県の財政状況が厳しいという理由で、そのまま放置されていることは許しがたいことです。むつ・下北地域の活性化のため、本県スポーツ振興の観点から、一日も早い漕艇場の整備を望むものです。約束は守っていただかなければなりません。  新田名部川における漕艇場の整備の見通しについて伺います。  次に、原子力発電施設等立地地域特別交付金について、私は、地元選出議員として、地元の活性化を図るために、エネルギー政策への協力という理念のもと、原子力発電所や使用済み燃料中間貯蔵施設などの原子力関連施設の立地を契機とした地域振興に大いなる期待を抱き、これまで長きにわたり、渾身の力を込め、各種課題に誠心誠意取り組んでまいりました。  大変厳しい財政状況が続いている中、先日、原子力発電施設等立地地域特別交付金に係る交付規則が昨年九月に改正された旨報道がありましたが、あろうことか、県内市町村から知らなかったという声が相次いだとありました。柏崎刈羽原発を抱える新潟県柏崎市では、規則改正は官報と新潟県からの連絡で知ったとしています。原子力関連施設が多い本県においては、まことにお粗末な対応であり、怒る気持ちさえ出てきません。  そこで、交付規則の改正内容について、また、今後この交付金を市町村が国に申請する場合に、県としてどのようにかかわっていくのかお伺いいたします。  東通原子力発電所は、たびたび計画におくれが生じ、地元の雇用や経済にも影響を及ぼしてきましたが、ようやく東北電力一号機が十七年十二月に営業運転を開始、東京電力一号機は、十八年十二月より建設に向けた準備工事が開始され、原子力発電所の建設工事に伴う経済効果は、地域の活性化に非常に重要なもので、地元の期待にも大きいものがあります。  そこで、東通原子力発電所の今後の建設スケジュールについて、また、建設工事や資材などの購入について地元への経済効果、雇用効果について伺います。  次に、再生可能エネルギーについて、私は、本県の産業振興に結びつけていくためにも、県内に豊富に賦存する再生可能エネルギーを積極的に導入する必要があると考え、産学官の取り組みと動向を注視してきました。  しかし、まだまだ敷居の高い事業であり、県内において建設に意欲を持っている人々への後押しができていないように思います。また、本県では、国の住宅用太陽光発電の設置補助を申請した件数が急増していますが、設置補助申請がふえる一方で、悪質な訪問販売やずさんな施工もふえていると聞いております。もっと民間ベースでの普及拡大と安心・安全に沿った情報提供を行政指導していただきたい。  そこで、風力発電施設の建設、また、県内の太陽光発電の導入にかかわる情報提供及び普及啓蒙支援体制状況について伺います。  最後に、通信網の利便性向上について、御承知のとおり、携帯電話などは、観光地などの旅先からでも、公衆電話を探すことなく、交信できる便利な道具であるばかりでなく、遭難防止の観点からも重要な連絡手段となっております。携帯電話、メールによる通信は、緊急時の連絡手段として重要な役割を果たしています。  インターネットなどを利用するための光ファイバーなどによる高速通信のブロードバンドは、現代社会において、観光情報の提供はもとより、企業の経済活動や市民生活を支える重要な情報伝達手段であり、県、市町村などからの行政情報の提供もこれらを利用したものがふえております。  携帯電話やブロードバンド利用地域の拡大は、ますます重要になってくるものと考えます。下北地域、特に恐山周辺や東通地区は整備がおくれております。  そこで、今後、下北地域における携帯電話やブロードバンドの情報通信基盤整備に向けた県の考え方をお伺いいたします。  以上をもちまして、壇上からの質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。 18 ◯副議長(清水悦郎) 知事。 19 ◯知事(三村申吾) 菊池議員にお答えします。  まず、県内中小企業の資金繰り支援についてでありますが、私は、青森の元気は経済の元気から、そして雇用の場づくりからとの考えから、これまで地域を支えてきた中小企業をしっかりと守り育てることが大事であると考えてきました。  このため、多くの中小企業が経営課題とする資金の確保につきましては、これまでも青森県信用保証協会への補助による三千億円の保証枠の創出など、その時々の県内中小企業の経営環境を踏まえた融資制度の拡充に努めてきたところであります。  来年度につきましては、目前に迫りました東北新幹線全線開業に向けた取り組みなど、中小企業の前向きな取り組みに必要な資金に対し、県の特別融資保証制度に、現行制度に比べて大幅に融資利率を引き下げた未来への挑戦資金を創設します。また、厳しい経済状況下における日々の運転資金需要に対しましては、経営安定化サポート資金として融資限度額の拡大及び融資期間の延長といった特例措置の継続により県内中小企業の資金調達の円滑化を図ることとしております。なお、国でも信用保証協会が一〇〇%保証を行う景気対応緊急保証制度を来年度末まで実施することとしており、県としては、今後とも、国や関係機関と連携して、厳しい経済情勢下で経営安定を図ろうとしております中小企業の方々の資金繰りを積極的に支援していきます。  新幹線全線開業に向けた今後首都圏でのキャンペーンの取り組みでありますが、本年一月の「とことん青森2010in原宿表参道」におきましては、そのクライマックスであります表参道冬ねぶたの運行に私も参加しました。表参道全体が熱狂に包まれた様子を目の当たりにし、本県の多彩な魅力を強力にアピールする上での大きな成果があったと考えております。  今回のキャンペーンの成果を一過性のものとしないために、効果等を十分検証した上で、平成二十二年度には、開業時期に合わせてさらに強力なオープニングキャンペーンを首都圏で展開し、継続した情報発信につなげることとしております。  このキャンペーンは、東京都内のさまざまな場所で集中的かつ多面的に青森県をアピールすることとし、青森ねぶた、弘前ねぷた、八戸三社大祭、五所川原立倭武多による四大祭りの競演、津軽三味線流し隊等による都内の飲食店等での演奏などを中心に、東京を青森県の雰囲気で埋め尽くします東京ジャックを柱として展開することとしております。  さらに、全線開業後の勢いを平成二十三年度の青森デスティネーションキャンペーンを中心としたメーンキャンペーンの展開へとつなげ、青森ファンの拡大に向けた切れ目のない情報発信を強力に推進し、県内各地への誘客に結びつけていきます。  私は、この全線開業効果を最大限に獲得すべく、首都圏で本県の魅力を余すことなくPRしていくため、市町村や観光関係事業者、県民の皆様方と一丸となって全力で取り組む所存でございます。議員の御協力もまたあわせてお願いする次第であります。  続いて、下北地域の水田を活用した酪農・肉用牛振興や畜産の経営安定対策でありますが、下北地域には、先人が血のにじむような努力と開拓者魂により、原野を切り開き、厳しい気候風土の中にありながらも、牛とともに寝起きし、懸命に酪農にいそしんできた歴史があります。私は、この下北の礎であります酪農を初めとする畜産振興こそがこの地域のさらなる発展につながるものと認識します。  このため、県としては、この地域における畜産経営の安定対策として、平成二十二年度から実施される国の施策を活用して飼料自給力向上を図ることとし、稲ホールクロップサイレージの生産を加速させるなどの体制づくりを進めていくこととしております。  特に、酪農につきましては、来年度から、下北ならではの未利用資源であるワイン搾りかすなどを利用したTMR飼料の生産実証や下北産牛乳の消費拡大活動のほか、地域特産でキイチゴの一種でありますボイズンベリーを組み合わせた乳製品の開発などを通じて経営の安定を図ることとしており、本議会に所要の予算を計上し、御審議をいただいております。  さらに、来年度から酪農・肉用牛等の価格安定制度の仕組みが一部改められる予定となっておりますが、県としては、みずからの経営安定に向けた取り組みとして、生産者に対して、今後ともこれらの対策への加入が促進されるよう、関係者との強力な連携のもと、制度内容の周知徹底に努めることといたしております。  下北半島縦貫道路の整備状況と整備促進に向けた取り組みであります。  道路は県民生活や社会経済活動を支える最も基礎的な社会基盤であります。したがって、これまでも着実な整備に努めてきました。特に、下北半島縦貫道路の整備につきましては、下北半島地域の振興や本県の主要幹線道路ネットワーク形成にとって極めて重要であり、県としても重点的に整備を進めてきました。  下北半島縦貫道路は、これまでに有戸バイパス及び野辺地バイパスを完成供用するとともに、現在、むつ南バイパス、有戸北バイパス及び吹越バイパスの整備を進めております。  平成二十二年度の政府予算案では、道路整備予算が大幅な削減となりましたが、下北半島縦貫道路につきましては、道路整備のための予算が確保されるよう、引き続き国に対して強く働きかけていく必要がございます。  このことから、一月には東北地方整備局長に対し、下北未来塾の皆さん方とともに、下北半島地域の実情を訴え、整備促進を強く要望してきたところであり、今後も全線の整備促進が図られるよう地方の声を国に対し届けていく所存であります。  私からは以上です。 20 ◯副議長(清水悦郎) 企画政策部長。 21 ◯企画政策部長(奥川洋一) 御質問二点にお答えいたします。  初めに、新幹線駅とむつ・下北地域を結ぶ二次交通の整備についてであります。  新幹線駅から県内各地を結ぶ二次交通の整備については、昨年度、交通事業者、市町村等から意向を確認し、新幹線駅から交通結節点となる地域への基幹的交通や、交通結節点からの支線的交通を整備していくという基本的な方向性を取りまとめました。現在、この方向性をもとに、交通事業者、市町村等をメンバーといたします新幹線二次交通等整備協議会において協議を行っているところです。  むつ・下北地域については、むつ市を交通結節点としたアクセス交通を整備することとし、七戸十和田駅からむつ市へは、新たなバス路線の整備などについて協議を進めています。また、七戸十和田駅から野辺地駅を経由したJR大湊線によるアクセス、青い森鉄道を経由した八戸駅、青森駅からのアクセスを活用するほか、下北西部地域については、青森港、蟹田港からの航路によるアクセスも活用することとしています。  なお、むつ市から各地域へのバスによるアクセス交通の整備に当たっては、下北駅からのアクセスについても考慮することとしています。引き続き、鉄道、バス、タクシー等、需要に応じた交通機関による効率的で利便性の高い二次交通の整備に向けて協議を進め、十二月の開業に万全の体制で臨みたいと考えています。  次に、下北地域の情報通信基盤の整備についてであります。  携帯電話やブロードバンドなどの情報通信基盤は、下北地域においても順次整備が進められてきているところですが、観光地を含む半島部や山間部などの条件不利地域を中心に、通信事業者側の採算性等の問題から施設整備がおくれ、依然としてサービスを利用できない地域が存在しています。  そこで、県では、今年度、携帯電話の利便性の向上を図るため、佐井村において、国の支援制度を活用し、携帯電話等エリア整備事業により、携帯電話の鉄塔や無線設備等の基地局施設の整備を進めています。また、これまで携帯電話サービスを利用できない状態が続いておりました恐山地域についても、現在、携帯電話事業者が基地局施設の整備を進めており、このまま順調に工事が進捗した場合、今月下旬にはサービスが開始される見通しであると聞いています。  また、ブロードバンドについては、むつ市、東通村、風間浦村、佐井村が国の支援を受けて光ファイバー網の整備を進めており、これによって下北地域におけるブロードバンドサービスが全く利用できない地域、いわゆるブロードバンドゼロ地域は解消される見込みです。  県としては、今後とも県民生活の利便性向上に不可欠な情報通信基盤の整備を促進してまいります。 22 ◯副議長(清水悦郎) 商工労働部長。 23 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 御質問四点にお答えいたします。  最初に、平成二十二年度において県が取り組む産業振興施策の内容についてでございます。  厳しさを増す経済情勢に立ち向かうためには、緊急的な対策として、県内中小企業の経営安定化を図ることはもとより、将来に向けた足腰の強い産業づくりが重要であると考えております。このため、県では、県内中小企業の経営力向上や地域の特性を踏まえたあおもり型産業の創造育成を推進するとともに、戦略的な企業誘致や産業人材の育成、確保などにより地域産業の活性化に取り組んできております。  来年度は、地域産業の成長力をさらに加速するため、農商工連携の推進による食品製造業の振興、県内企業が有する知的財産や技術の掘り起こし、さらには、首都圏企業とのマッチングなどの支援を強力に推進していくとともに、地域資源を活用した新産業の創出や技術開発による商品の高付加価値化を通じ、県外での取引拡大による外貨の獲得を目指します。また、ベンチャー企業を育てるための専門家の育成や支援拠点の機能強化により創業、起業を促進するほか、次世代自動車関連産業の集積に向けた取り組みなど、本県の優位性を生かした企業誘致を推進してまいります。  ことしの十二月に迫った東北新幹線全線開業は、観光面のみならず、地域産業にとっても大きな波及効果が期待されることから、この効果を最大限に獲得するため、産業振興に向けた各種施策を積極的に展開してまいります。  次に、平成二十二年度における雇用対策の内容についてでございます。  本県の雇用情勢は、長引く景気低迷の影響を受け、非常に厳しい状況が続いており、極めて深刻な事態と受けとめております。  そのため、県では、雇用の維持安定を図るため、若年者、中高年齢者、障害者などの就職や失業者の早期再就職が円滑に進むよう、雇用のセーフティーネットの充実を図っていくこととしております。  具体的には、喫緊の課題である雇用の場の確保について、来年度も引き続き国の交付金を活用したふるさと雇用再生特別対策事業と緊急雇用創出対策事業を最大限活用し、民間からの事業提案等も行い、県内市町村と連携しながら約六千人の雇用機会の創出を図ることとしております。  また、離職者訓練については、来年度は、新たに保育士養成コースの新設や定員をふやすなど、約千九百人を対象に委託訓練を実施することとしております。  さらに、学卒未就職者対策として、学卒未就職者向けの職業訓練コースを新設するほか、基金事業を活用し、約四百九十人を対象に就職支援や資格取得、スキルアップを行っていくこととしております。
     このほか、ジョブカフェあおもりによる若年者に対する総合的な就職支援を行うほか、中高年齢者や障害者に対する就労支援等について積極的に取り組むこととしており、県としては引き続き県内の雇用の維持安定を図ってまいります。  次に、下北地域における滞在型観光の推進への取り組みについてです。  全国各地から下北地域を訪れる観光客の方々にできるだけ長く滞在していただくためには、地域内の豊かな観光資源を活用し、多様化する観光客のニーズや旅行形態に即した魅力ある観光コースをいかに構築していくかが重要と考えております。  そのため、今年度から、より広域的な滞在側旅行商品の開発に向け、下北半島及び太平洋側地域において、それぞれの文化、産業、郷土料理等を体験できるメニューを組み合わせ、首都圏の方々や旅行エージェントに現地視察、検証してもらう観光コンテンツステップアップ滞在型観光推進事業を実施し、特に鮟鱇まつりでは旅行エージェントやモニターツアーのお客様から大変好評を博すなどの手ごたえもあり、下北地域と他の地域を結ぶ滞在型旅行に適したテーマやコースの開発に鋭意努力しております。  また、下北地域県民局では、地元の観光関連事業者の方々とともに下北地域の豊かな自然、温泉、郷土料理などを活用した下北滞在プログラムの検討を進めており、今後具体的な商品化に結びつけていくこととしております。  県では、東北新幹線全線開業効果を最大限に獲得するため、引き続き地元市町村、観光関係団体や観光関連事業者の方々と連携を図りながら、下北地域の恵まれた観光資源を生かした滞在型観光の推進に努めてまいります。  最後に、むつ・下北地域における観光客の周遊を促進するための三次交通の利便性向上に向けた取り組みについてでございます。  観光地を結ぶバスやタクシーなどの観光客向けの交通の利便性向上は、周遊観光の推進に不可欠であることから、県では、積極的に交通事業者等への働きかけを行ってまいりました。  バスについては、昨年七月から十月にかけて下北半島を周遊するぐるりんしもきた観光ルートバスの試験的な運行が行われたところでございますが、平成二十二年度は、開始時期を早め、六月末からの運行が計画されているほか、本年十二月の東北新幹線全線開業を踏まえ、冬期間の運行を前提に、具体的な運行コースの検討などの準備が進められております。  タクシーについては、昨年から青森駅、弘前駅及び八戸駅において実施されている手軽な料金で観光地をめぐる駅から観タクンが今後むつ地区においても実施される予定となっており、開始時期やコースに係る検討が進められているところでございます。  県では、来年度、これら観光客向けの交通に係る周知と利用促進を図るため、交通事業者等に対して宣伝PR経費の一部を助成するとともに、観光二次交通等に係る総合的な情報発信を行うこととし、本定例会に所要の経費を計上し、御審議いただいているところでございます。  県としては、今後とも交通事業者等によるさらなる働きかけを行い、観光客向けの交通の利便性向上に取り組んでまいります。 24 ◯副議長(清水悦郎) 農林水産部長。 25 ◯農林水産部長(有馬喜代史) 農林水産業を生かした下北地域の活性化についての御質問三点にお答えいたします。  最初に、農商工連携による地域の六次産業化の進め方についてです。  下北地域では、これまで県民局が中心となって、一球入魂かぼちゃや大湊海軍コロッケのブランド化への取り組み、下北ブランド研究所が開発したハマナスから取り出した植物性乳酸菌を使用したヨーグルトや海峡サーモンの加工品の開発などを支援しているところです。  また、これらの取り組みを飛躍させ、下北地域の六次産業化を進めるため、一球入魂かぼちゃと地元の酪農家が連携したアイスクリームの製造、販売、津軽海峡産キアンコウの資源管理と新たな冷凍保存技術を活用したなべセットの開発、販売などの取り組みを支援するほか、農商工が連携して六次産業化を目指す意欲的な取り組みについては、県の農商工連携ファンドなどの有効活用を指導し、地域の活性化に結びつけていきます。  次に、下北地域のグリーンツーリズムの活性化についてです。  下北地域のグリーンツーリズムは、風間浦村のフノリとりやイカ釣り、東通村のそば打ちやブルーベリーの収穫、佐井村の木工品づくり、大間町のべこもちづくりやマグロウオッチング、むつ市のワイン用ブドウの収穫やバターづくりなど、多種多様な農林水産物を背景としたバラエティーの豊かさが強みとなっています。  今後は、こうした各地で行われている活動を組み合わせたコースを設けること、下北固有の伝統芸能である能舞、歌舞伎などをも取り込むこと、地域特産物を原料とした薬膳料理や特産として期待が高まっているアンコウを素材とした料理など、食を組み込んだ企画の提案等を通じて下北地域のグリーンツーリズムの活性化を支援していきます。  最後に、漁港、漁場の整備状況と今後の見通しについてです。  県では、漁港漁場整備長期計画に基づき、水産資源の生産力向上、安全で安心な漁村の形成を目標として整備を進めており、下北地域においては、白糠、大畑、脇野沢など二十九の漁港と佐井、大畑、野牛など二十四の漁場の整備を計画しています。  平成二十年度までに桧川や尻労など九漁港と木野部や野牛など十六の漁場が完成したほか、二十一年度には、宿野部漁港など四漁港、正津川漁場など五つの漁場が完成する予定となっており、進捗率は事業費ベースで六八%を見込んでいます。  また、平成二十二年度は、新規地区の蛇浦漁港を含む十五漁港と三漁場、海岸保全施設整備事業の新規地区として大畑漁港海岸の整備を予定しています。  県としては、今後とも漁業関係者の意見をきめ細かく聞くなど、地元ニーズの的確な把握に努めながら漁港漁場整備の着実な推進に努めてまいります。 26 ◯副議長(清水悦郎) 県土整備部長。 27 ◯県土整備部長(山下 勝) 下北地域の道路、河川、港湾などの整備についてお答えいたします。  まず、下北半島縦貫道路の整備状況と取り組みでございます。  むつ南バイパス九・二キロメートルにつきましては、平成十八年度より用地取得を進めておりますが、一部の区間で用地取得が難航しており、平成二十二年一月末時点の取得率は面積ベースで約七九%となっております。今年度は、仮称新田名部川橋の下部工を完了するとともに、用地取得及び改良工事を進めております。二十二年度はさらにその促進を図ることとしております。  有戸北バイパス六・三キロメートルにつきましては、昨年度までにすべての用地取得が完了し、今年度は、埋蔵文化財発掘調査、改良工事などを進めるとともに、野辺地北インターチェンジで接続する県道の土工事に着手をしております。平成二十二年度は県道つけかえ工事の完了と改良工事の促進を図り、平成二十年代中ごろの完成を目指しております。  吹越バイパス五・八キロメートルにつきましては、昨年度に新規事業採択となり、今年度は道路設計、用地測量などを進めております。平成二十二年度は、新たに用地取得及び改良工事に着手することとしております。  むつ市から横浜町間の未着手区間につきましては、今後、概略の検討を進めることとしており、全線の着実な整備促進に努めてまいります。  次に、国道二百七十九号易国間地区の整備状況と今後の見通しでございます。  国道二百七十九号風間浦村易国間地区の災害防除事業につきましては、延長二・七キロメートル区間を落石対策区間として平成十七年度から実施しております。急崖部の危険岩塊の除去工事は平成二十年度までに完了しており、同年度からはのり面対策工事にも着手しております。今年度も引き続きのり面対策工事を実施しておりまして、今年度末の進捗率は約七五%と見込まれております。引き続き、急崖部の落石対策工の平成二十三年度完了を目指して整備促進に努めてまいります。  次に、二百七十九号二枚橋バイパスでございます。  国道二百七十九号むつ市大畑町地区の二枚橋バイパス延長四・一キロメートルにつきましては、これまで延長約一・五キロメートルを供用したところであります。今年度は、埋蔵文化財発掘調査、用地取得及び仮称二号橋橋台、仮称三号橋橋脚の工事を進めてきております。今後は、地元の皆様の御協力を得て用地取得の完了に努めるとともに、埋蔵文化財発掘調査及び橋梁工事につきましても促進を図ってまいります。  次に、二百七十九号むつ市関根地区の視距改良事業についてでございます。  国道二百七十九号むつ市関根地区は、交通量も非常に多く、また道幅も狭い上に急なカーブ区間となっております。このような状況を改善するため、道路の見通しを確保し、カーブを緩やかにする視距改良事業を計画しており、来年度の交通安全事業での採択に向け、国へ要望しておるところでございます。  次に、三百三十八号白糠バイパスでございます。  国道三百三十八号白糠バイパス延長約六・五キロメートルにつきましては、一期工区延長約三・八キロメートルの整備を進めてきておりまして、これまでに延長約〇・七キロメートルについて供用したところでございます。  今年度は、改良工事及び用地取得を促進するほか、平成二十三年度までの三カ年工事によりまして仮称泊・白糠トンネルの工事に着手したところでございます。また、未着工区間であります二期工区延長約二・七キロメートルにつきましては用地測量に着手をしております。今後は、一期工区の工事促進を図るとともに、二期工区に早期に工事着手できるよう、地元の皆様の御協力を得ながら用地取得に努めてまいります。  次に、大湊二期バイパスでございます。  国道三百三十八号のむつ市桜木町から大湊浜町区間延長約四・九キロメートルにつきましては、これまで宇曽利バイパス延長約一・二キロメートルを平成二十年三月に完成、供用したところでございます。  大湊二期バイパス延長約三・七キロメートルにつきましては、昨年度、国の補助事業として採択され、測量、設計を進めてきたところでございます。今年度は大湊浜町側の用地測量を実施しており、年度内に用地取得のための地元説明会を予定しております。今後は、早期に工事着手できるよう地元の皆様の御協力を得ながら用地取得に努めてまいります。  次に、むつ尻屋崎線尻屋工区の今後の見通しでございます。  県道むつ尻屋崎線尻屋工区におきましては、集落内の狭隘区間の解消を図り、村道との一体的な道路網を整備するため、延長約〇・五キロメートルのバイパス事業に着手しております。  今年度は、地元の皆様の御協力をいただき、用地取得をおおむね完了しておりまして、来年度は道路改良工事に着手をすることとしており、今後も整備促進に努めてまいります。  次に、むつ尻屋崎線岩屋バイパスでございます。  県道むつ尻屋崎線東通村岩屋地区における岩屋バイパス延長約四・〇キロメートルにつきましては、これまでに用地取得を完了し、一部道路改良工事に着手するとともに、仮称岩屋一号橋から三号橋までの三橋の整備が完了しております。  今年度は引き続き道路改良工事を実施しているところでございまして、今後も引き続き整備促進に努めてまいります。  薬研佐井線の整備状況でございます。  県道薬研佐井線は国道二百七十九号及び国道三百三十八号の代替路線としての機能を有する路線でありますが、道路幅が狭く、急カーブが連続する厳しい道路状況となっております。  このような状況を改善するため、電源立地地域対策交付金により平成十七年度から交通安全対策や舗装工事などを進めてきておりまして、来年度も引き続き同交付金を活用しながら舗装工事などを進めることとしております。  また、改築工事につきましては、薬研工区及び佐井工区の調査、設計を進めておりまして、来年度は用地の一部を取得する予定でございます。今後とも整備の促進に努力してまいりたいと考えております。  次に、河川及び砂防事業についてでございます。  下北地域における県管理の河川は四十五河川となっておりまして、現在、田名部川及び脇野沢川において河川改修事業を行っております。  今年度は、田名部川につきましては、むつ市大瀬橋から上流約百七十メートル区間で護岸工や河道掘削などを実施しております。また、脇野沢川では、県道の橋梁の整備や河道掘削などを実施しております。今年度末における進捗率は、事業費ベースで田名部川が約七九%、脇野沢川が約七二%となる見込みでございます。  次に、砂防関係でございますが、砂防事業では、むつ市大荒川ほか三渓流で砂防堰堤工などを実施しております。また、急傾斜地崩壊対策事業では、佐井村磯谷区域ほか二カ所でのり面工などを実施しており、むつ市川内町家ノ上区域が完成予定になっております。  その結果、土砂災害危険箇所の今年度末における整備率は約四一%となる見込みでございます。今後とも河川事業や砂防事業などの整備を着実に進め、安全で安心できる地域づくりに努めてまいります。  最後に、港湾の整備状況と今後の見通しでございます。  まず、大湊港では、大平地区の耐震岸壁を今年度の完成に向け整備中でございまして、平成二十二年度は隣接する岸壁の工事に着手をする予定であります。  また、大湊地区でございますが、海岸侵食対策事業として自然環境に配慮した石張護岸の整備を進めておりまして、計画延長九百メートルのうち六百十八メートルを整備しております。  次に、大間港でございますが、根田内地区において泊地マイナス五・五メートルのしゅんせつを行っておりまして、全体約二・九ヘクタールのうち約二・二ヘクタールを終了しております。  また、烏の間地区の船揚場につきましては、平成二十二年度の供用に向けて整備しております。  次に、尻屋岬港でございますが、港内の静穏度を確保するために防波堤の整備を進めております。防波堤東につきましては計画延長八百四十三メートルのうち七百六十五メートルを、防波堤西については二百二十メートルのうち百七十八メートルを完成しております。  仏ヶ浦港でも、やはり港内静穏度確保のための防波堤の整備を進めておりまして、計画延長百メートルのうち四十メートルを完成しております。  今後とも、それぞれの港の特性を踏まえ、着実な港湾整備に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 28 ◯副議長(清水悦郎) エネルギー総合対策局長。 29 ◯エネルギー総合対策局長(佐々木郁夫) 御質問にお答えします。  まず、原子力発電施設等立地地域特別交付金の交付規則改正の内容についてですが、平成二十一年九月十四日付の交付規則の改正により、当該交付金の交付対象が都道府県から都道府県または市町村となり、都道府県に加えて市町村も新たに申請できることとなったところです。  次に、市町村が申請する場合の県の対応についてです。  交付要件に該当する市町村が同交付金の交付を申請する場合、基本的に、当該市町村が直接国に対し同交付金の申請をすることとなりますが、県としましても、適時、市町村の交付申請に係る情報を把握しながら交付申請を行う当該市町村と連携して対応してまいりたいと考えています。  次に、東通原子力発電所の建設スケジュールの見通しについてです。  東京電力株式会社によると、東通原子力発電所の東京電力一号機については、本年十二月着工、平成二十九年三月運転開始を目指し、現在、国による安全審査が行われているところであり、同二号機については、着工を平成二十五年度以降、運転開始を平成三十一年度以降としているところです。  また、東北電力株式会社によると、東北電力二号機については、着工を平成二十七年度以降、運転開始を平成三十二年度以降としているとのことです。  県としましては、引き続き国において厳正な安全審査に取り組んでいただくとともに、事業者においては、今後とも安全確保を第一義に着実に取り組んでいただきたいと考えています。  次に、東通原子力発電所の建設工事等による経済効果等についてです。  東北電力株式会社によりますと、平成九年三月から平成二十一年九月までの東通原子力発電所一号機の建設工事等及び営業運転開始以降の工事等に係る地元企業の受注額は約四百八十一億円、地元就労者数は延べ約百四十八万人、また、東京電力株式会社によりますと、平成十八年十二月から平成二十一年九月までの東通原子力発電所一号機の準備工事に係る地元企業の受注額は約百三十四億円、地元就労者数は延べ約二十二万人となっているとのことです。  県としましては、原子力施設の建設工事に伴う地域への経済波及効果が最大限発揮されるよう、今後とも事業者に対して地元発注及び地元雇用により一層努めるよう要請してまいります。  次に、再生可能エネルギーのうち、風力発電施設の建設にかかわる情報提供等についてです。  風力発電事業の実施に際しては、電気事業法に規定されている諸手続のほか、設備の規模、設置場所などに応じて、建築基準法、森林法などさまざまな法律が関係してくることから、これらに基づく諸手続も必要となります。このため、県としましても、一般的な御相談があった場合には、国が作成している企業向けの導入ガイドを提供するなど、問い合わせに対応しているところです。  いずれにしましても、風力発電に限らず、新エネルギーの導入に関する諸手続、助成制度などの問い合わせは、経済産業省資源エネルギー庁及び地域の経済産業局、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)や財団法人新エネルギー財団などで受け付けておりますが、風力発電の導入を促進している県としましても、御相談の内容に応じ、これら窓口の紹介を通じ、その積極的な活用を呼びかけていくほか、関連情報をみずから提供するなど、できる限りの支援を行ってまいります。  最後に、太陽光発電の導入にかかわる情報提供等についてです。  県では、平成二十一年二月に青森県太陽エネルギー活用推進アクションプランを策定し、太陽エネルギーの普及拡大に向けた取り組みを進めています。  県民に対する情報提供に係る取り組みとしては、平成二十一年七月に青森市、九月には弘前市において自然エネルギーフォーラムを開催し、本県の太陽エネルギーのポテンシャル等に係る情報発信を行ってきたところです。また、本年三月には、八戸市において県消費生活センターとも連携した内容での開催を予定しているほか、平成二十二年度においても他の三地域で開催するなど、引き続き県民に対する正確できめ細かい情報提供等に努めてまいりたいと考えております。  また、住宅用太陽光発電設備導入に対し、経済的インセンティブを与える取り組みとして、本年度、環境省からの委託を受け、青森県グリーン電力証書需要創出モデル事業を実施しているところであり、県としましては、今後ともアクションプランに基づく各種取り組みを着実に推進していくことで太陽エネルギーの普及拡大に努めてまいりたいと考えています。  以上です。 30 ◯副議長(清水悦郎) 教育長。 31 ◯教育長(田村充治) 新田名部川における漕艇場の整備についての御質問にお答えいたします。  新田名部川では、毎年、県春季選手権大会や県高校総体、国体県予選会、県秋季選手権大会などのボート競技会が開催されており、昨年七月には第三十六回東北総合体育大会が開催されたところであります。  これまで、大規模施設については財政健全化のめどが立つまでは新規着工を見合わせてきており、全国規模の大会が開催可能な漕艇場の整備についても引き続きこの方針に沿った対応を基本としております。  なお、今年度の東北総合体育大会開催に当たっては、県、むつ市及び競技団体がそれぞれ経費を負担し、所要の整備を行い、日本ボート協会コース規格規定におけるC級公認コースとして認定され、今後、全国大会の地域予選会を開催することが可能となったところでございます。  以上でございます。 32 ◯副議長(清水悦郎) 菊池議員。 33 ◯四十七番(菊池健治) 知事初め教育長、各部長から、それぞれ誠意のある御答弁をいただきまして、ありがとうございました。  三点ほど再質問させていただきます。  まず初めに、農林水産業を生かした下北地域の活性化についてであります。  具体的に申しますと、下北地域における酪農振興であります。  かつて下北地域では、輝かしい酪農の歴史、斗南ヶ丘酪農農業集団施設事業がありました。戦前の昭和十七年から十九年にかけて、県は、酪農奨励のため、北海道から酪農の成功実績を持つ技術者を迎え、斗南ヶ丘の地に、当時の田名部町から四百十五町歩の土地を譲り受け、北海道の各地から二十戸の農家を入植させました。連れてきた乳牛は百四十一頭で、一戸平均七頭だったと言われております。
     その後、幾多の困難や災害を乗り越え、昭和四十三年から四十五年に、全国牧草コンクールで一位、四十六年には朝日農業賞、四十八年には日本農業奨励賞を受賞し、酪農経営では全国のトップクラスでありました。まさに、草資源の豊富な下北が畜産の基地としてふさわしいことを証明した実績でありました。  しかし、乳製品の自由化による乳価格の低迷や飼料の高騰など、酪農を取り巻く情勢が厳しくなり、現在では、離農、廃業が相次いでおり、農家数が半分以下の八戸。田名部町から四百何十町歩も譲り受けた酪農が二十戸で、今八戸なんです。まことに憂うべき状態であります。  しかし、私は、むつ・下北地域の活性化は、観光と農林水産業振興以外にはないと思っております。  かつて、日本のトップクラスまで名をとどろかせた酪農を再び活性化させたい、そうでなければ、これまで酪農を手がけてきた農家の雇用の場が失われてしまう。変な話ですけれども、首つり自殺したいとか、もう死にたいとか、そういう方々もいるんですよ。それを我々は何とか確保して地域の活性化を図ってやらなきゃならない、そういうふうな思いで、知事、やらさせていただいているんですよ。  下北半島は、斗南藩が来たときも、下北半島は雲の地なりというわけでみんな引き揚げていく。その引き揚げたところで、我々下北の人間が一生懸命汗して頑張ってやっているわけですよ。そういうようなことで、まさに六次産業化に向けた取り組みであります。つまり、雇用の場の確保、下北を豊かにしたいという熱意のあらわれでございます。  県は、このような取り組みに投資するほどの意気込みで支援する気持ちがあるのかないのか。知事から率直に御答弁いただきたいと思います。  次に、北限のニホンザルについてであります。  これまで、下北半島のニホンザルについて、収穫前の農作物を食い荒らしたり、住宅に侵入、子供や女性に威嚇したり、その悪行に対して厳重なる処置を知事や教育長に、私、求めてまいりました。天然記念物などと優遇されても、許さないという気持ちであります。  しかし、このたび上野動物園に北限のサルが引き取られ、一般公開されるに及び、首都圏でも話題になっております。一般公開の当日に逃げ出した一匹のニホンザルに、人々は驚きながらも興味を持ったようです。ある意味では、不良のニホンザルも東京で認知されたということです。とすれば、これまで悪逆非道、迷惑の限りを尽くした北限のサルに借りを返してもらう必要があると思います。自然豊かな下北の観光大使として任命し、むつ・下北の観光誘客の手伝いをしてもらってはいかがでしょうか。  最近では、北限のサルを見ながらトレッキングを行うアニマルトレッキングなどもふえており、観光振興に大いに役立つものと思います。知事のお考えを聞かせていただきたいと思います。  最後は、下北半島縦貫道路の整備促進についてであります。  部長からも本当に懇切丁寧な御答弁をいただきましたけれども、下北半島縦貫道については、ここ二十三年間、再三再四、要望、懇願してまいりました。  ことしの十二月、待ちに待った新幹線が新青森駅まで到達し、東北新幹線全線開業となります。八戸駅まで新幹線が来てから八年を経過、このときもむつ・下北は高速交通体系の蚊帳の外でした。今回の全線開業という最後のチャンスもまた蚊帳の外です。  知事、いつまでもむつ・下北の人々を阻害するのではなく、県内においてこれほど格差を強いられている地域は他にないと思いますよ。下北半島縦貫道路は土木工事のレベルではありません。人として同格に扱っていただけるかの政治の道です。  平成七年に最初の工事が始まり、はや十五年になろうとしています。供用開始した部分は、全六十キロのうち、およそ四分の一弱の十三・二キロですよ。これでは地域住民の理解が得られないのは当然でないでしょうか。下北未来塾や大間町の女まぐろの会の有志がみずから行動を起こしているのは、我々の政治力の弱さを批判していると思います。ここはぜひとも、地域住民の信頼を回復する必要があります。真剣に訴えております。ともに国に陳情し、何としても早期完成を目指すための不退転の決意がありますでしょうか。知事から御答弁をいただきたいと思います。  私は、この議員の中でも、自民党の山内幹事長ともども、何としてもおくれている。自民党の総意でぜひひとつやらなきゃならない。そういうふうなお声を何回も聞かせていただいているんです。ですから、今度、何とか知事も、その気になったら、皆さんにお願いして、そうして陳情いたしたいと思っていましたので、知事から克明なる、誠意のある答弁をお聞かせいただきたいと思います。  以上です。 34 ◯副議長(清水悦郎) 知事。 35 ◯知事(三村申吾) 菊池議員の再質問にお答えいたします。  酪農の六次化、後で部長から話をさせますが、我々としてもしっかりと進めていくということでございます。また、何というんでしょう、サルの恩返しというか、その点につきましては、また部長のほうから考え等をお話しさせていただきます。  やはり議員とはこの道路問題について常に壇上におきましてやりとりをしてきたわけでございますが、不退転以上の決意、選択と集中という思いで、知事就任以来 この案件に取り組んできたことは、後で県土整備部のほうから議員にこれまでの、知事就任以来、どのような予算を配置してきたかということを含めて、それは個別にお話しさせていただきますが、この下北半島縦貫道路の整備促進につきましては、これまでも機会あるごとに、私自身、直接国に対して要望してきました。  例えば、昨年の十二月十一日には、民主党の高嶋筆頭副幹事長を初め、関係省庁の政務三役にもお会いし、下北半島縦貫道路の整備促進について直接訴えるなど、提言活動を行ったところでございます。  今後も、議員を初めといたしまして、県議会の皆様方、地元の皆様方と一緒になって地方の声を国に対し届けていく次第でございます。  以上であります。 36 ◯副議長(清水悦郎) 商工労働部長。 37 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 北限のニホンザルと観光についての質問にお答えいたします。  まず、国の天然記念物に指定されております北限のニホンザルは、学術的に貴重であるほか、下北ならではの魅力的な観光資源でもあるというふうに理解してございます。議員の御提言は、北限のニホンザルが動物園ではなく、実際に生息している地域を見てもらうことも観光コンテンツとして活用すべきであるという趣旨と理解しており、北限のニホンザルについても、下北地域ならではの観光コンテンツの一つとして積極的に活用してまいります。 38 ◯副議長(清水悦郎) 農林水産部長。 39 ◯農林水産部長(有馬喜代史) 再質問にお答えいたします。  下北地域では、酪農を中心とした六次産業化が重要であると考えておりまして、下北産の牛乳を活用した乳製品の開発や地域資源を活用した飼料自給力の向上に向けた活動等に支援するため、来年度から立ち上がれ下北酪農活性化事業を実施すべく、本議会に所要の予算を計上し、御審議をいただいているところです。 40 ◯副議長(清水悦郎) 七番畠山敬一議員の登壇を許可いたします。―畠山議員。 41 ◯七番(畠山敬一) 公明・健政会の畠山敬一であります。  通告に従って質問してまいります。  初めは、コンクリートから人への予算編成による公共事業費削減の影響について伺います。  国の平成二十二年度予算案では、予算編成の基本理念の一つとしてコンクリートから人へを掲げ、公共事業関係費を大幅に削減いたしました。このことは、社会資本整備がおくれている地方と大都市との格差をさらに広げることになり、本県においては影響が大きいと懸念しています。社会資本は地域の経済活動を支える基本であります。地域間交流に必要な幹線道路あるいは地域住民の身近な道路や橋梁の整備などにおいて、その完了がおくれることになります。  また、農業農村整備事業費の大幅な削減は、本県の基幹産業であり、本県が掲げる攻めの農林水産業の推進に多大な影響を与えるのではないかと懸念しています。このたびのコンクリートから人へのかけ声は、人へとは言うものの、県民の生業(なりわい)、経済、雇用に影響を与え、結果として人を置き去りにしていくことになるのではないでしょうか。  そこで質問いたします。  一点目として、県土整備部所管事業について、国の公共事業関係費の削減による影響をどのように考えているのか。  二点目として、県土整備部所管の県単公共事業費はどのような方針で編成されたのか。  三点目として、国の農業農村整備事業費が大幅に削減されたが、本県農業に与える影響について伺います。  次は、学卒未就職者・高校生就職支援策についてです。  新卒者の雇用環境は、一昨年のリーマン・ショックの金融危機からの経済不況によって引き続き厳しさの度を増しています。青森労働局によると、一月末の内定率は七三・六%で前年を下回り、決まっていない生徒の数は九百九十二人で前年を二百三人も上回っています。高校の卒業式はきのうまでで大方終わりました。今後の未就職者への対応はどのようになるのでしょうか。また、来年度以降の卒業者についても楽観できる材料はありません。でき得る限りの対応を整えていただきたいと思います。  そこで質問ですが、一点目として、平成二十二年三月の新規学卒者の内定状況と今後の対応について。  二点目として、高校在学中の資格取得が必要と考えるが、どのように取り組んでいくのか伺います。  次は、再生可能エネルギー利用による産業の振興についてです。  太陽エネルギーの利活用についてまず伺います。  本県は、昨年十二月、東京都と千代田区との三者で、地球温暖化対策を推進するため、再生可能エネルギーの利用促進を図る協定を締結しました。本県が持つ豊富な再生可能エネルギーを活用することで本県の産業振興、雇用拡大を図っていくこのような取り組みは、大変有効であり、積極的に進めていくべきであると考えています。  風力発電については既に日本一となっていますが、今後本県で利用できる再生可能エネルギーを考えた場合、私は、太陽エネルギーの利活用が大きな可能性があると考えています。特に県南地方は、全国の日当たりのよい代表的な都市と比較しても日射量が多く、全国有数の太陽光発電の適地であり、この優位性を本県の産業振興に生かす取り組みを進めていく必要があると考えています。  そこで、一点目として、太陽エネルギーの利活用に係る県の考え方とこれまでの取り組み状況について。  二点目として、次年度における取り組みについて伺います。  この項の二つ目、次世代自動車関連産業について伺います。  二〇〇九年七月、イタリア・ラクイラでのG8サミットで、二〇五〇年までに先進国全体で温暖化ガスを八〇%削減することで合意しています。二〇二〇年に二五%削減は中間目標となります。CO2削減の取り組みは一日延ばしにできない重要な課題です。日本国内の石油使用量の約四〇%が自動車であり、今のガソリン車等を全部電気自動車に置きかえれば、日本のCO2はそれだけで二〇%削減できるそうです。つまり、この部分の低炭素化、無炭素化が温暖化対策に欠かせない、避けて通れない重要なポイントです。  電気自動車は、ガソリン車等の内燃機関と違い、構造が単純で、モーターとバッテリーがあればつくれると言われています。NHKスペシャルで、中国・山東省の農家の人たちが手づくりで十三万円、最高時速四十キロメートルの電気自動車をつくっている様子が最近放送されました。公道を走るのは違反ですが、堂々と走っていました。部品は寄せ集めの小規模メーカーで、山東省だけでも二十社余りあるとのことです。  電気自動車製造への参入はこのように容易なため、アメリカ、中国、インドなどでは中小のベンチャー企業が既に実績を上げつつあり、これまで大企業が独占してきた産業構造は、早晩、大きく変化すると言われています。国内の自治体においても、鳥取県と愛媛県では研究機関と組んで電気自動車の開発に最近乗り出し始めました。  以上のように、世界的な趨勢はもとより、国内の他の自治体の状況からすれば、電気自動車を初めとした次世代自動車関連産業への取り組みの強化は、本県製造業振興に向けて直ちに取り組むべき課題であり、後発から脱皮するチャンスでもあると思います。  そこで、次世代自動車関連産業に対する県の取り組み方針について伺います。  また、本県製造業者の中にはすぐれたものづくり技術を有する事業者がたくさん存在していると思います。これらの事業者の中には、みずからの技術が次世代自動車の製造や関連部品に応用できることを知らない方もいるのではないかということを懸念しています。今後需要が高まるであろう次世代自動車が本県製造業者の取引拡大、技術力向上などの底上げにつなげていくためには、積極的な参入の支援が必要であります。  そこで、本県製造業者の次世代自動車関連産業への参入支援についてどのように取り組んでいくのか伺います。  次は、ナガイモ・ニンニク農家の所得向上に向けた取り組みについてです。  本県の食料自給率は、カロリーベースで全国四位、生産額ベースで全国三位となっており、多くの農林水産物を全国に供給しています。とりわけ県南地域で生産が盛んなナガイモ、ニンニクにあっては日本一の生産量を誇っており、地域農家の所得を支える極めて重要な品目となっています。昨今、野菜を取り巻く環境は、消費者の国産志向が強まり、生産拡大の好機とはなっているものの、長引く景気低迷の影響に伴い市場価格が低迷していることや、国内外の産地間競争が激化していることなど、依然として厳しい状況にあります。  このような中で、本県の野菜生産農家の経営安定や所得向上を図っていくためには、これまで以上に良品質な生産への取り組みと、県内外での消費の拡大に努めていく必要があると考えています。  そこで質問ですが、本県が日本一の生産量を誇るナガイモ・ニンニク農家の所得向上に向けた取り組みについて、一つとして、品質向上に向け、日本一健康な土づくり及び種苗供給体制の整備にどのように取り組んでいるのか。  二つとして、消費拡大に向け、どのように取り組んでいるのか。  三つとして、B級品等の有利販売に向け、どのように取り組んでいるのかを伺います。  次は、東北新幹線全線開業対策についてです。  最近報道された記事にショッキングなものがありました。みちのく銀行の新幹線延伸に関する特別調査というものです。県内企業を対象とした一月の調査とのことで、その内容は、開業準備の予定がないという回答が七四・六%、経済効果について十分得られないと思うが五四・四%、そして、都市部に人や金が吸い取られるストロー現象を懸念する声が目立ったというものでした。私も心配性なのでいろいろ悩んでおりますけれども、ここまでとは思っていませんでしたので、驚いています。  そこで、この調査が実態を反映しているのか、それともそうでないのか伺いたいと思います。  一つとして、東北新幹線全線開業を県内の産業振興にどのように生かしていくのか。  二つとして、新幹線開業に伴う商店街対策について伺います。  また、県内各地域で開業に向けた取り組みが進められていますが、その内容が必ずしも県民に十分認知されていないのではないでしょうか。  そこで、東北新幹線全線開業に向けた県内における取り組みを県民にもっと知っていただくことにより県内の機運醸成を図るべきと考えるが、県はどのように取り組んでいるのか伺います。  次は、災害時要援護者への支援体制についてです。  近年は地震などの(「津波」と呼ぶ者あり)―津波もありました。自然災害は忘れる間もなく発生しており、また、断水のようなインフラの事故によっても、災害弱者と言われる方々は特に被害や不便を強いられます。一昨年、平成二十年四月に開催の政府中央防災会議で、平成二十一年度までをめどに、市町村において要援護者情報の収集、共有等を円滑に進めるための避難支援プランの全体計画などが策定されるよう促進し、災害時要援護者が安全に避難するための支援体制を確立することが示されています。  全体計画の締め切りであることし三月末を控えて、この問題について県内の実態を把握するために、私ども公明党青森県本部は、この一月に県内四十市町村を対象に災害時要援護者対策の取り組みについてアンケート調査を行いました。三十四市町村から回答をいただいており、内容を簡単に紹介いたしますと、全体計画については十一市町村が策定済みであり、そのほかは策定中、検討中でした。また、災害時要援護者台帳への登録者数は十三市町村の一万九千九百九十七名で、そのうち個別支援計画を作成しているのは一万四千五百二十三名です。県全体の災害時要援護者の対象者数は把握できませんが、一つの目安として、六十五歳以上の高齢者数三十四万人との比較で見ると、登録者数で五・九%、個別支援計画数で四・三%になります。これは小さな値であり、積極的に推進しなければならない状況にあります。  また、町内会における自主防災組織の設置率も聞きました。回答のあった十九市町村の集計で三百十八団体、設置率で二五%でした。災害時には、行政の支援である公助が届くまでに三日かかると言われています。その間を地域の共助が対応しなければなりません。これを担うのが自主防災組織ですので、その整備が急務であります。今回の調査で自主防災組織一〇〇%設置の自治体が一カ所あることがわかりました。それは深浦町でした。大変すばらしい取り組みをされていると思います。  さて、災害時要援護者対策の現場での有効なツールとして救急医療情報キットというのがあります。これは、本人のかかりつけ医や持病、服用薬、血液型、緊急連絡先などの情報を筒状のプラスチック容器のキットに入れて冷蔵庫に保管する仕組みです。どこの家にでもある冷蔵庫に緊急時の必要な情報があるという約束によって、駆けつけた救急隊員が患者の情報を正確に把握し、対応できるというものです。県内では野辺地町が導入済みであり、むつ市も新年度に導入予定と聞いております。  今回の調査結果から何点か紹介しましたが、これを踏まえて、以下、質問いたします。  一点目として、県内市町村における災害時要援護者の避難支援計画の策定状況と、市町村の策定に向けて県としてどのように取り組んでいるのか伺います。  二点目として、県内市町村における自主防災組織の現状と、自主防災組織の組織化に向けて県としてどのように取り組んでいるのか伺います。  三点目として、救急医療情報キットの県内への普及について県の対応を伺います。  次は、ドクターヘリについてです。  ドクターヘリの運航開始から今月の二十五日で一周年を迎えます。導入に至るまでには多くの関係者によるたくさんの努力がありましたし、私ども公明党も、長きにわたってその必要性や効果等について、議会を初めあらゆる場をとらえて訴えてまいりました。導入後の本県のドクターヘリによる救命の効果、活躍については議会内外でもしばしば取り上げられているところであり、ドクターヘリがなければ命が救われなかったという事例も教えていただいております。  運航病院である八戸市民病院の救急救命チームが質量ともに充実していることや、ヘリポートから救急救命室までの距離が国内で最も短い構造になっていて、治療がより迅速にできることなども関係者には知られているところであり、それゆえ県外からの視察も多く訪れていると聞いております。  そこで、運航一周年を迎えるドクターヘリの運航実績及び効果について伺います。  冬場の降雪期においては、県内でも地域によって気象条件が大きく異なり、ドクターヘリの出動が限定される状況にあることも考えられます。運航病院周辺は気象条件がよく出動が可能であるのに、患者発生現場の天候が悪く出動要請ができないことや、出動しても、途中で天候が悪化し、戻らなければならないなどの事例もあるのではないかと考えられます。また、ランデブーポイントは県内に五百カ所以上確保されていますが、冬期では除雪の問題もあります。  そこで質問ですが、降雪期におけるドクターヘリの離着陸場の確保状況について、また、ドクターヘリ運航における降雪の影響について伺います。  今や本県にとって救命救急のツールとして欠かせないドクターヘリとなっています。この分野における先進国ドイツでは、この救急の仕組みを徹底していて、国内全土に十五分ルールを適用して配備しています。国内のどこから出動の要請があっても十五分以内に駆けつける体制が構築されています。これによって交通事故の死亡者数が三分の一に激減したと言われております。本県は広域であるため、現状の一機では十五分ではカバーし切れません。また、先ほども申し上げましたが、特に冬期にあっては県内でも気象条件が大きく異なります。その不利な条件を克服してドクターヘリの出動機会をより多く確保するためには、相互のバックアップ体制としての二機体制が必要と考えますが、県の見解を伺います。  次は、視覚障害者の支援についてです。  障害者の支援については、これまで市町村による移動支援事業等は行われてきましたが、視覚障害者は他の障害者に比べてもより大きなハンディキャップを抱えているため、文字媒体からの情報収集を行ったり、広い範囲で外出するといった活動を行うための支援体制はいまだ十分とは言えません。視覚障害者の自立した生活を支援し、社会参加を推進するためには、このような情報収集や外出時の移動を円滑に行えるような体制を構築する必要があります。  視覚障害者の情報収集の手段として点字がありますが、それを読むことのできる方の数は限られており、また、点字への翻訳作業が必要となること等から、新たな方法による支援が求められています。現在、文書に音声コードを印刷することにより、視覚障害者が音声読み上げ装置を用いて情報を得る仕組みが整いつつあります。さらに進んで、携帯電話にこの音声読み上げの機能を搭載する技術が本年秋には実用化されるということが、日本視覚障害情報普及支援協会から私どもに、また担当部局にも情報提供がありました。これにより、視覚障害者がみずから文字媒体からの情報収集が可能となり、新たな支援として期待がされています。  また、視覚障害者の旅行に際しての支援体制は整っていないのが現状です。外出先においても視覚以外の感覚による情報の提供も必要となります。こうした視覚障害者の特性に配慮した情報提供や移動支援の体制が整うことにより、生活の質の向上や社会参加の推進が期待されます。  そこで、一つとして、音声コードの普及について県の取り組みを伺います。  二つとして、障害者あおもり体感推進事業の内容について伺います。  次は、児童生徒のいじめ等、問題行動の防止についてです。  先月、子どもをネット・ケータイの被害から守る青森情報交換会議に出席いたしました。これは、インターネットや携帯電話サイトを通じて中高生が犯罪に巻き込まれたり、いじめに遭ったりする問題に対処するための取り組みであり、弘前大学教育学部の「ネット・ケータイ問題」研究プロジェクトが主催されたものです。弘前大学の学生で組織するネットパトロール隊の発表では、ネットいじめの実際として、他人を誹謗中傷する、他人の個人情報を公開する、けんか、暴力の誘発発信をする、プロフのコメント欄への誹謗中傷をするなどと、匿名性ゆえの内容の過激さが報告されていました。見えにくいいじめから、より一層見えないいじめへと広がっていることが容易に想像できます。  そこで、一つとして、本県公立小・中・高等学校のいじめと暴力行為の件数の推移と傾向について伺います。  二つとして、いじめ、暴力行為等の問題行動の要因と問題行動への対応について伺います。  次は、学校給食における食の安全についてです。  一つ目は、学校給食における安全・安心な県産食材の利用について伺います。  給食を実施している小・中学校などでは米飯給食が広がっていて、全国平均で〇七年度は週三回、〇八年度で週三・一回にふえていると言われます。給食で米を主食にすれば、おかずも和食がふえ、地元でとれる野菜や魚介類を多く利用することになり、地産地消が進むことになります。
     さて、八戸市で起きた給食用県産豚肉の偽装事件がありました。偽装された肉は、昨年の七月から八月に、南郷区を除く八戸市内の六十六の小・中学校の給食で使われました。幸いに子供たちには健康被害がなかったようですが、給食は安全だと保護者も一般の私たちも信じているわけですから、その信頼を傷つけた行為は許しがたいと思います。県は、偽装などの事件が起きた際には、これまで巡回指導や食品表示研修会を開いてきたようですが、今回の事業者は、給食の食材納入業者であるにもかかわらず、その参加対象外であったとの指摘もあり、対応がなされるべきと考えます。  そこで質問ですが、一つとして、学校給食への県産食材の利用状況と利用率向上に向けた今後の取り組みについて。  二つとして、学校給食における食品偽装問題等、安全・安心な食材の確保にどのように取り組んでいくのか伺います。  この項の二つ目は、栄養教諭による食育活動です。  栄養教諭は、本県においては平成十九年より配置をされており、順次増員されていると思います。平成二十年六月に改正された学校給食法では、学校給食を活用した食に関する指導が規定されていて、栄養教諭の実践的な活動が明記されています。その背景には食の乱れがあります。好きなものを好きなときに好きなだけ食べるといった偏った不規則な摂取の仕方は今や多数派になっているのではないでしょうか。家庭で正しい食習慣をしつけるのが基本ですが、近年、それは難しい面があったと思います。日本の食の歴史にあって、食品、食事をめぐる環境がこの三十年から四十年の間に激変をしたからであります。大手食品メーカーのテレビCMのなすがままに食べて育った第一世代が私たちであり、それがそのまま子供にしつけをする側の親になってしまいました。食の激変の時代に対応した正しい食習慣が確立されないまま漂流してきた時代であったと言えます。食育の取り組みが各方面で始まっていますが、そういう意味では、これは日本の食文化を正常化させるための重要なことであると思います。  そこで、一つとして、栄養教諭の配置状況とその効果について。  二つとして、特別支援学校における栄養教諭の取り組みについて伺います。  最後は、八戸市中心市街地活性化のための道路整備について伺います。  八戸市の中心市街地は、拠点となる地域観光交流施設「はっち」を現在整備中であり、市内外から多くの人が集まる多文化交流によるにぎわいの創出を目指しています。また、城下町としての名残を残す小路や横町を生かし、商店街と連動させ、回遊性の向上を図ることで買い物や散策を楽しめる町なかの魅力を高めることにも取り組んでいます。東北新幹線JR八戸駅と中心市街地とのバスのアクセス向上とともに、中心市街地の最寄り駅であるJR本八戸駅と中心街区を結ぶ駅通り歩行空間の改善に取り組み、安全な環境を整えることが来街者をふやす重要なポイントです。本八戸駅通り地区の現道は、幅員が九メートルと狭く、そこにバスが通り、一般車両も多く、歩道は整備されていませんが、歩行者が多いという危険な道路となっています。  そこで、中心市街地の活性化のためには、以下の道路、歩道の早期整備が必要でありますので、対応を伺います。  一つとして、都市計画道路三・五・一号沼館三日町線の概要と今後の見通しについて。  二つとして、くらしのみちゾーンにおける妙売市線の整備について。  三つとして、国道三百四十号、八戸市二ツ屋の歩道整備の今後の見通しについて伺います。  以上で壇上からの質問を終わります。 42 ◯副議長(清水悦郎) 知事。 43 ◯知事(三村申吾) 畠山議員にお答えします。  まず私からは、次世代自動車関連産業に対する取り組みであります。  県では、自動車関連産業の集積に向け、平成二十年一月に青森県自動車関連産業振興戦略を策定し、地場企業の育成、強化などに取り組んできたほか、本県の優位性を生かした環境重視型の自動車関連産業の誘致を図ってきました。  その後、国において二〇二〇年までに温室効果ガスを一九九〇年比で二五%削減するとの表明がなされるなど、低炭素社会形成に向けた社会的要請の高まりを背景に、電気自動車やプラグインハイブリッド車を初めとした次世代自動車の普及が加速度的に進んでおり、次世代自動車に力点を置いた新たな産業振興戦略が重要となっております。  このような流れを受けまして、県では、北国型の電気自動車導入モデルによる低炭素社会の実現を目指して、二十一年六月に策定した青森県EV・PHVアクションプランの取り組みとの連携を図りながら、エレクトロニクス関連産業の集積、すぐれた人材の豊富さなど、本県の優位性を生かした次世代自動車関連産業の集積をより一層重点的に推進していくこととしております。  次世代自動車関連産業は、自動車産業の中でも今後の大きな成長が期待される分野でありまして、本県製造業の振興に資することが大きいことから、今後積極的に支援体制を強化していくことといたしております。  日本一健康な土づくり及び種苗供給体制の整備であります。  本県のナガイモ、そしてニンニクは、日本一の生産量を誇り、本県農業の主要な品目となっております。今後ともこの地位を維持、発展させ、ナガイモ・ニンニク生産農家の所得向上を図っていくためには、一層の生産性と品質向上が不可欠であり、その基礎となる土づくりの推進と優良種苗の供給が最も重要と考えます。  特に土づくりにつきましては、私は、消費者の安全・安心志向にしっかりと対応し、環境を守りながら全国に誇れる農産物を生産して販売拡大に取り組む必要があると考え、市町村、農業団体と一体となって、県内すべての販売農家が健康な土づくりに取り組むことを目指す日本一健康な土づくり運動を展開しておるところであります。堆肥を活用した土づくりや土壌診断による適正施肥の実証、普及などにより生産技術を高め、品質、おいしさ日本一のナガイモ、ニンニクの生産を目指しているところでもあります。  加えて、種苗の供給につきましては、ウイルス病などの病害虫に感染していない優良種苗の安定供給に向け、地方独立行政法人青森県産業技術センター野菜研究所に大規模な原々種苗生産施設を整備してきたほか、全農青森県本部や農協、弘前大学と連携のもと、種苗供給体制を確立するため、採種生産組織の育成に向け、主要産地の農協に支援してきたところでございます。  今後とも、本県を代表するこれらの作物の生産基盤となります土づくりと優良種苗の供給体制を維持し、ナガイモ・ニンニク農家の所得向上を図ってまいります。  新幹線全線開業を県内の産業振興にどう生かすかでありますが、開業元年、このチャンスをいかに生かすか、ことしは私たちの知恵と力が試される年であり、その開業効果を全県的、重層的に波及させることが極めて重要であると考えています。  東北新幹線全線開業による首都圏等との交通アクセスの向上は、企業誘致や県内企業の新事業創出、販路開拓にとって絶好の機会であり、この機会をとらえ、本県の企業立地関連情報を重点的に発信するとともに、アンテナショップにおいてイートイン(店舗内飲食)を導入するなど、情報発信力を強化することとしております。  また、本県の比較優位産業であります食産業の充実、強化を図るため、農商工連携の推進など、食にかかわるすべての産業を一体的にとらえた横断的な取り組みを進めることとし、特に首都圏の販路開拓に向けては、外食・中食産業を初めとする食品加工品の大口需要者とのマッチング等により、幅広い県産食材、加工品の導入促進に取り組みます。  さらに、首都圏企業との取引拡大、業務提携を図るため、知的財産や技術の磨き上げの支援、マッチング支援など、県内企業の新商品開発や新事業創出に向けた支援を加速していきます。  東北新幹線全線開業は、本県の産業振興にとっていわば千載一遇のチャンスであり、県としては、開業効果をさまざまな分野に波及できるよう全力で取り組んでいく所存であります。  私からは以上です。 44 ◯副議長(清水悦郎) 行政改革・危機管理監。 45 ◯行政改革・危機管理監(阿部耕造) 災害時要援護者対策についての御質問二点にお答えいたします。  まず、県内市町村の災害時要援護者の避難支援計画の策定状況と県の取り組みについてでございます。  災害時要援護者の避難支援対策につきましては、国が平成十七年に取りまとめた災害時要援護者の避難支援ガイドラインによりますと、市町村が実施すべき取り組みとして、要援護者の避難支援に関する方針等を定めた全体計画の策定、要援護者リストの整備、要援護者一人一人の避難支援を定めた個別計画の策定等が必要とされており、このうち全体計画につきましては、国では平成二十一年度中に全市町村が策定することを目標としております。  本年二月末時点で、県内において全体計画を策定しておるのは十三市町村となっております。  県では、市町村における災害時要援護者の避難支援計画の策定を促進するため、これまで市町村担当課長会議の場や市町村防災担当者に対するヒアリング等の際に積極的に計画策定を要請してきたほか、その進捗状況を逐次確認しているところであり、また、本年二月二十四日付で各市町村に対し、改めて、早期の策定について文書で要請したところです。  未策定の市町村においては、現在、策定に向けた作業が進められており、今年度末には三十六市町村において、また、残る四市村においても平成二十二年度中には策定済みとなる見込みとなっておりますが、今後とも的確な情報提供及び助言を行い、早期の策定を促進してまいります。  次に、県内市町村における自主防災組織の現状と県の取り組みについてでございます。  自主防災組織の組織率は総世帯数に対する自主防災組織に加入している世帯数の割合であらわされますが、消防庁の調査結果によりますと、平成二十一年四月一日現在、本県の組織率は二七・〇%となっております。  災害が複雑多様化、大規模化する中で、地域の防災力を高め、災害時要援護者の避難支援対策を推進していくためには、地域住民みずからが協力して避難誘導等の迅速な防災活動を行う自主防災組織の充実を図ることが極めて重要であると考えており、県といたしましても、これまで各種研修会の開催、パンフレットの作成などを通じて自主防災組織づくりへの働きかけを行ってきたほか、今年度は県内四カ所でシンポジウムを開催するなど、より幅広い普及啓発に努めてきたところです。  これらの取り組みにより、県内市町村の自主防災組織率は、平成二十一年十一月末時点では二八・四%と、四月時点より一・四ポイント増加してきているところであり、今年度末にはさらに増加が見込まれているところでございます。  今後とも市町村等と連携して組織率の向上に向けた普及啓発活動に一層取り組んでまいります。 46 ◯副議長(清水悦郎) 健康福祉部長。 47 ◯健康福祉部長(一瀬 篤) 最初に、救急医療情報キットの普及についてお答え申し上げます。  救急医療情報キットについては、災害時における安全・安心のための手段の一つとして、県内の自治体においても活用や検討が始まっており、県民の命を守るための優良事例として、会議等の機会を通じて県内の市町村、保健・医療・福祉関係者等に伝え、県民が住みなれた地域において健やかで安心して暮らせる社会を目指してまいります。  次に、ドクターヘリの運航実績等についてです。  本県のドクターヘリは、昨年三月二十五日から八戸市立市民病院において運航を開始し、運航開始後十一カ月となる二月二十四日までの運航実績は、出動要請二百二十三件のうち出動が二百四件となっています。このペースですと、年間二百三十件ほどの出動件数になるものと思われ、本県と同様の降雪地である北海道、福島県の初年度実績とほぼ同程度となっています。  ドクターヘリの効果について、個々の事例では、スズメバチに刺され、ショック状態のため心肺停止となった方や、体温二十四℃というほぼ凍死状態の方が回復した事例など、ドクターヘリの活用による医師の早期診断や搬送時間の短縮により救命や後遺症の軽減に至った事例が報告されています。  しかしながら、ドクターヘリ運航事業全体としての効果については、出動件数の重症度ごとの分析を行い、現場での医師による医療行為や搬送時間の短縮が救命率、後遺障害の軽減等にどのような効果があったのか等について医師等の専門家により検証することが必要であり、その上で判断すべきものと考えています。  次に、ドクターヘリ離着陸場の確保状況についてです。  ドクターヘリの冬期間の運航では、積雪により着陸困難となることが予想されることから、安全な離着陸場の確保が必要です。  そのため、県では、昨年十月に県内各消防本部に対し、各管内において最低一カ所、常時除雪または圧雪された離着陸場を確保すること、積雪のある場所における着陸に係る留意事項等について通知しました。また、本年一月には、各消防本部に冬期間のランデブーポイントの確保状況について照会したところ、県全域で五十七カ所が確保されています。  次に、運航における降雪の影響についてです。  一般的に、ドクターヘリの運航は目視による有視界飛行であることから、運航病院所在地である八戸市が天候不良のため出動できなかったり、出動の際の目的地や経路が悪天候だったことにより途中で帰投することもあります。  昨年三月二十五日の運航開始後十一カ月となる二月二十四日までの出動要請二百二十三件のうち、悪天候の影響によりヘリが不出動となったり途中帰投となったものが十七件となっており、このうち降雪の影響によるものが五件となっています。  次に、ヘリの二機体制についてです。  本県におけるドクターヘリの導入は、救急医療関係者で構成する救急・災害医療対策協議会による基本的、技術的な検討を経て、八戸市立市民病院長も委員として参画いただいた青森県医療審議会計画部会において真摯な議論がなされ、さらに、医療分野を初めとする多くの分野の有識者等で構成される青森県医療審議会で調整、合意がなされ、青森県保健医療計画に位置づけられて実現したものです。  導入に当たっては、津軽、下北の両半島を初め県内全域をカバーできるという地理的条件や全体としての病院機能等を踏まえて、本県のドクターヘリは、県立中央病院を中心に県内の主要病院等の救急医療関係者が協力し合って一機で運航することとしたものです。  この合意は非常に重いものであり、まず、県立中央病院を中心とした運航体制を早期に構築した上で、その運航実績を積み重ね、気象条件、症例に応じた搬送先への搬送時間の短縮効果等についての検証、分析を行う必要があるものと考えています。  次に、音声コードの普及についてです。  視覚障害者に音声で情報を提供するため印刷物に印刷する音声コードについては、音声コード読み取り装置が市町村の日常生活用具給付等事業の対象品目となっており、利用者は一割の負担で給付を受けることができることとなっています。また、現在、読み取り装置よりも使い勝手のよい携帯電話による読み取り技術や製品の開発が進められています。  県といたしましては、このような技術や製品開発の伸展を注視しつつ、音声コードへの理解促進と視覚障害者への情報提供支援の充実を図るため、市町村や関係機関に対し、広報紙等への音声コードの印刷について、さまざまな機会に周知してまいりたいと考えています。  最後に、障害者あおもり体感推進事業についてです。  現在の障害者施策では、障害者に対する日常生活面での支援は充実が図られてきているものの、生活の質の向上や生きがいづくりに大きく寄与する、例えば旅行のための支援等はほとんど取り組みがなされていない状況にあります。  特に視覚障害者は、他の障害者以上に情報収集や移動手段の確保の面等で支障が大きいことから、来年度、障害者の特性に配慮した支援体制を強化し、視覚障害者も味や音、におい、触感などによりふるさと青森の魅力を体感できるような環境づくりに取り組む障害者あおもり体感推進事業に係る予算案を本定例会において御審議いただいているところです。  この事業では、関係機関や一般県民等による検討会議を開催し、障害者の旅行における課題を整理するとともに、ボランティア等障害者の旅行の支援につながる福祉資源、観光資源の情報収集及びネットワーク化の検討等を行うこととしています。また、障害者が旅行先で移動や周囲の情報把握を行う際のサポートを行う人材を育成するボランティア研修会の開催や、バリアフリー観光マップの作成等によるバリアフリー観光情報の発信を行うこととしており、この事業を通じて障害者の生活の質の向上と、より一層の社会参加の促進を図ってまいります。 48 ◯副議長(清水悦郎) 商工労働部長。 49 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 御質問四点にお答えいたします。  最初に、新規学卒者の内定状況と今後の対応についてでございます。  青森労働局によると、一月末現在の平成二十二年三月新規高等学校卒業予定者の内定率は、議員の御発言のとおり七三・六%となっており、就職未内定者は九百九十二人となっております。  このため、県では、特別保証融資制度において新規学卒予定者等を雇用する中小企業者に対し、融資利率一%で事業資金を融資する雇用創出特別支援枠を一月に創設するなど、年度内に一人でも多くの方が就職できるよう、求人拡大のための取り組みを行っているところです。  それでもなお未就職者が多数発生することが懸念されることから、来年度は、一点目として、学卒未就職者を対象にした職業訓練コースの新設や拡充、二点目として、緊急雇用創出対策事業など基金事業を活用した未就職者の人材育成や雇用の促進により合計四百九十人を対象とした支援を実施することとし、所要の経費を本定例会に提案しているところでございます。  県としては、今後とも青森労働局や県教育委員会と連携を図りながら未就職者の就職支援に積極的に取り組んでまいります。  次に、本県製造業者の次世代自動車関連産業への参入支援についてでございます。  電気自動車を初めとした次世代自動車関連産業への参入に当たっては、モーターやバッテリー、電子制御用部品といった関連部品の機能や構造を十分に理解することが重要になります。  このため、県では、今議会に提案しております平成二十二年度当初予算案に計上している次世代自動車関連産業集積促進事業において、本県製造業やベンチャー企業による参入促進を図るため、実際の分解部品の見学と専門講師の解説により具体的な知識を得ることで自社が持つ技術の応用検討が可能となるような次世代自動車関連部品機能・構造研修会を開催することとしております。  また、次世代自動車関連産業への参入や取引拡大に意欲のある県内製造業者にアドバイザーを派遣し、次世代自動車に関する最新情報の提供や、生産工程管理等の技術指導、他の企業とのマッチングのためのアドバイスなどを行うこととしております。  次世代自動車関連産業が本県製造業の技術力向上や取引拡大に着実につながっていくよう、さまざまな機会をとらえ、きめ細かな取り組みを進めてまいります。  次に、東北新幹線全線開業に伴う地元商店街対策についてでございます。  県内商店街を取り巻く環境が厳しい状況の中で、県では、地域経済の活性化の観点から、魅力ある個店づくりやイベント支援、若手リーダー研修による人材育成等、幅広い支援を行っているところでございます。  このような中、東北新幹線全線開業により、消費者がこれまで以上に首都圏等へ行く機会が高まることも懸念されますが、一方では、観光客やビジネス客等の増加による交流人口の拡大が見込まれ、県内商店街への来街や買い物の増加等が期待できる千載一遇のチャンスでもあります。県としては、商店街活性化への取り組み機運の醸成が高まる東北新幹線全線開業元年のこの機をとらえ、新たに商店街づくり等を支援する商店街地域連携創出事業を実施することとしております。  この事業では、新しい商店街のあり方を創出するため、観光などのテーマごとに商店街と地域団体とのマッチングを行い、例えば商店街に埋もれている地域資源を活用してテーマやストーリーで観光ルート化することにより、地域内外からの来街者の増加を図る商店街観光などの連携事業プランを作成していくこととしております。  県としては、東北新幹線全線開業効果を最大限生かしつつ、市町村や関係団体と密接に連携、協力を図りながら商店街の活性化に努めてまいります。  最後に、東北新幹線全線開業に係る県内の機運の醸成についてでございます。  東北新幹線全線開業に向けて、観光客に本県の魅力をより一層楽しんでいただくため、県内各地域では、観光コンテンツの発掘と磨き上げなど、受け入れ態勢の充実に向けた取り組みが加速化されてきております。これらの取り組みを県民の皆様に広く知っていただくことは、さらなる取り組みの促進につながるとともに、県民一人一人が本県の新たな魅力を理解し、観光客のおもてなしを図る上でも重要であると認識しております。  このため、県では、開業に向けて積極的な取り組みを行う県民に焦点を当てたニュースレター「A・Move(エー・ムーブ)」を年二回、各三万部発行しているほか、テレビや毎戸配布紙などの県の広報媒体を活用して、県内における取り組みを広く紹介しているところでございます。  さらに、昨年十月からは、社団法人青森県観光連盟において、「結集!!青森力キャンペーン」として、テレビ、ラジオ、新聞等の媒体をフルに活用し、東北新幹線全線開業に係る機運醸成を図るため、観光分野を初め産業全般での取り組みや、県民一人一人による具体的な取り組みの促進を図ることをねらいとした広報活動を強力に展開しているところでございます。  県としては、今後とも関係機関との連携を強化しながら、あらゆる機会を通じて県内における一層の機運醸成を図ってまいります。 50 ◯副議長(清水悦郎) 農林水産部長。 51 ◯農林水産部長(有馬喜代史) 御質問四点にお答えいたします。  最初に、国の農業農村整備事業費削減の影響についてです。  平成二十二年度政府予算案では、農業農村整備事業予算は二千百二十九億円で、対前年度比三六・九%と大幅に削減された一方、新たに一千五百億円の農山漁村地域整備交付金が創設されましたが、合計でも前年度に比べほぼ半減する見込みです。  県では、こうした予算削減による影響を最小限にとどめるよう、国に対し、食料供給県として継続的な生産・生活基盤の整備が必要である事情を考慮した予算配分を働きかけるなど、予算の確保に努めているところです。  国の予算削減が継続された場合には、工事期間の長期化や事業計画の見直し、中止も想定されるところであり、農業水利施設の機能の低下、水田の汎用化や耕作道の整備のおくれなど、担い手や集落営農組織による効率的な農業の展開や生活環境の整備に支障を来すことが懸念されます。  次に、ナガイモ、ニンニクの消費拡大についてです。  県では、全農青森県本部と連携しながら、ナガイモ、ニンニクの消費拡大に取り組んでおり、ナガイモは、県内での料理コンテストを実施し、その上位メニューを青森市内の三つのホテルで採用していただいたほか、若年層への消費をふやしていくため、県内の小学生への料理レシピを添えたプレゼントや、東京都内の小学生を対象とした親子クッキング教室の開催などに取り組んでいます。  一方、ニンニクについては、生果販売だけではなく、数週間熟成発酵させた黒にんにくを全国各地で開催する青森フェアやアンテナショップ等で重点的にPRするなど、新たな需要喚起により消費拡大を図っているところです。  次に、B級品等の有利販売に向けた取り組みについてです。
     ナガイモの市場流通では、A級品と平芋や傷芋などのB級品以下の下位等級品の価格は一五%以上の開きがあることから、下位等級品の有利販売が求められています。  このため、全農あおもりが平成十八年度に十和田市にやさいパッケージセンターを整備し、消費者が買い求めやすいカットナガイモ等に加工して出荷しているほか、とうほく天間農協では、今年度、農産物処理加工施設を整備し、ナガイモの漬物加工等による販売を行うこととしております。  また、ニンニクは、上北農産加工農業協同組合で加工原材料として活用されているほか、財団法人田子町にんにく国際交流協会では、地方独立行政法人青森県産業技術センターとの共同特許を活用したニンニク卵黄粉末等の一次加工品を製造するなど、下位等級品の有利販売に取り組んでいます。  最後に、学校給食への県産食材の利用状況と利用率向上に向けた取り組みについてです。  県では、学校給食における県産食材の利用を拡大するため、これまで、食材の供給者側と学校給食センター等とのマッチングや、毎年十一月にふるさと産品給食の日を設定しての県産メニューの提供、さらには、県民局単位にモデル市町村を定めて地元食材の利用品目の拡大を図るなどの取り組みを進めてきたところです。  この結果、平成二十年度における県産食材利用率は、米、リンゴ、牛乳はほぼ全量、畜産物が三一%、芋類、野菜類が三〇%となり、食材の重量換算で六二%、購入金額では四七%となっています。  県では、今後新たに、県民局単位に学校給食関係者、生産者組織、加工事業者、行政など地域が一体となった地元産食材の供給体制づくり、産直施設から直接地元の学校給食に食材を供給するモデル実証、地元加工業者と連携した県産の米粉製品や冷凍野菜など、学校給食用加工品の開発に取り組むこととし、本議会に所要の予算を計上し、御審議をいただいているところです。 52 ◯副議長(清水悦郎) 県土整備部長。 53 ◯県土整備部長(山下 勝) まず、国の公共事業関係費の削減による県土整備部所管事業への影響についてお答えいたします。  平成二十二年度の政府予算では、公共事業関係費がこれまでにない大幅な減少となっておりまして、社会資本の整備がいまだ十分でない本県にとって整備促進への影響は少なくないものと考えております。個別の事業についての影響は、国からの正式な予算配分がない段階であり、不明でございますが、道路事業では、原則として新規事業の着手が見送られたことから、本県の主要幹線道路ネットワークの整備におくれが出ることが懸念されます。また、本県では、公共事業が地域の雇用や経済を下支えしている状況にあることから、国の公共事業関係費の大幅な減少は、これらにも影響を及ぼすことが考えられます。  次に、県土整備部所管の県単公共事業費の予算編成方針でございます。  県の平成二十二年度当初予算の編成に当たりましては、国の公共事業関係費の大幅な減少による雇用や地域経済への影響に配慮し、国からの交付金を活用するなど、財源面でも工夫を凝らしつつ、可能な限り県単公共事業費を増額することといたしました。  事業の内容としては、県内企業が受注できる舗装の維持修繕を初めとする既存施設の維持補修に要する経費などを主体に、雇用の維持、地域経済の活性化、安全・安心な県民生活の確保を図るために必要な予算を計上し、今定例会で御審議いただいているところでございます。  次に、八戸市中心市街地活性化のための道路整備についてお答えいたします。  まず、沼館三日町線の概要と今後の見通しについてでございます。  都市計画道路三・五・一号沼館三日町線は、八戸市沼館地区を起点とし、本八戸駅及び八戸市庁を経由し、国道三百四十号に至る延長千八百五十メートルの路線であります。このうち起点側延長千百七十メートルは整備済みでありますが、残る本八戸駅から国道三百四十号までの間延長六百八十メートルにつきましては未整備となっております。  この区間は、車道幅員が狭いことから交通渋滞が発生しており、また、一部歩道が未整備であることから歩行者などの通行に支障を来しているほか、この区間にある本八戸駅通り商店街については活性化が望まれているところであります。  八戸市では、当該街路事業に合わせて、地元住民と連携し、旧道沿いに残る商店街を含む周辺地区の再生に取り組むこととしております。県としては、自動車交通の円滑化と歩行者などの安全確保を図るとともに、地域再生を支援するため、新規着工路線として来年度の当初予算に所要の予算を計上し、御審議いただいているところであります。  次に、くらしのみちゾーンにおける妙売市線の整備についてでございます。  くらしのみちゾーンは、中心街区などにおいて、身近な道路を歩行者・自転車優先とし、あわせて無電柱化やバリアフリー化などの環境整備を行うことにより交通安全の確保と生活環境の質の向上を図ろうとする取り組みでございます。  八戸市が主体となりまして中心市街地を対象にくらしのみちゾーン基本計画を策定したことを受け、県では、平成十八年度から県道妙売市線の長横町地区において事業に着手し、これまで歩行空間確保のための一部区間の一車線化や無電柱化の検討を行っております。  平成二十二年度は、国道三百四十号三日町交差点から市道上組町湊線との交差点までの約九十メートル区間について、無電柱化に向けて支障となる占用物件の移設や歩道工事を行うとともに、残るゆりの木通りまでの約二百六十メートル区間の詳細設計を行い、さらに関係機関との協議などを進める予定としております。  整備に当たりましては、地域全体の積極的な取り組みが不可欠であることから、今後とも地域住民の方々を初め関係機関の協力を得ながら合意形成を図り、事業を進めてまいりたいと考えております。  最後に、国道三百四十号の歩道整備の今後の見通しでございます。  国道三百四十号の八戸市二ツ屋地区は交通量が非常に多い路線でございまして、沿線には図南小学校、長者中学校があり、通学路にも指定されております。  しかしながら、県道八戸環状線との交差点から市内寄りの旧自動車学校に面した区間には、狭い上に段差が生じたままの歩道が残されており、児童生徒の通行に支障を来している現状でございます。  このような状況を改善するため、歩道の拡幅及び段差解消を計画しておりまして、来年度の交通安全事業での事業採択に向け、国へ要望しているところでございます。  以上でございます。 54 ◯副議長(清水悦郎) エネルギー総合対策局長。 55 ◯エネルギー総合対策局長(佐々木郁夫) 御質問二点にお答えします。  まず、太陽エネルギーの利活用に係る県の取り組み状況等についてです。  県では、平成二十一年二月に青森県太陽エネルギー活用推進アクションプランを策定し、太陽エネルギーの利活用に向けた取り組みを進めてきたところであり、これまで自然エネルギーフォーラムによる普及啓発、八戸合同庁舎への太陽光発電設備の率先導入、グリーン電力証書需要創出モデル事業等の県民、事業者への経済的インセンティブを付与する仕組みづくり、さらには、メガソーラーの誘致等積雪寒冷地型太陽エネルギー・プロジェクトの導入等に取り組んできたところです。  昨年度実施した県民などへのアンケートでは、太陽エネルギーの活用は本県には適していない、あるいは太陽エネルギーについてよく知らないという回答が上位を占め、本県の有する太陽エネルギーのポテンシャルが県民に十分認識されていないとの調査結果が得られたところです。しかしながら、その後の平成二十一年における国の住宅用太陽光発電導入支援対策費補助金の交付申請受付件数を見ますと、本県は全国でもトップクラスの伸び率となっており、アクションプランに基づき、太陽エネルギー利活用に係る普及啓発を初めとした各種取り組みを進めてきたこともあり、県民の意識が変わりつつあるのではないかと考えております。  次に、次年度における取り組みについてです。  次年度においては、県民の太陽エネルギー利活用に係る機運の高まりを踏まえ、引き続き、自然エネルギーフォーラムの開催などにより、正確できめ細かい情報提供に努めるほか、県有施設への率先導入も進めていきます。  また、国の緊急雇用創出対策事業を活用し、電気設備事業者などに対する太陽光発電に係る研修や普及啓発活動を実施することで、住宅用太陽光発電の普及促進による産業振興や雇用創出を図る取り組みを進めるとともに、中南、三八、上北の各地域県民局と連携し、省エネルギーや新エネルギー関連の施工技術者を育成する研修事業等を実施してまいります。  今後とも、アクションプランに基づき、太陽エネルギーの普及拡大に向け県民の普及啓発に努めるとともに、本県の産業振興につなげていく取り組みを進めていきたいと考えています。 56 ◯副議長(清水悦郎) 教育長。 57 ◯教育長(田村充治) 御質問六点にお答えいたします。  初めに、高校在学中の資格取得への取り組みについてであります。  各県立高等学校では、これまでも生徒の資格取得に向けた取り組みを行ってきたところであります。  しかしながら、昨今の厳しい雇用情勢の中、新規高等学校卒業予定者の就職促進に資するため、県教育委員会では、高校在学中の資格取得を支援する三つの新規事業を行うこととし、本定例会に所要の経費を計上し、御審議いただいているところであります。  まず、高校生就職スキル向上支援事業では、普通高校及び総合高校を対象に簿記や危険物取扱者試験など、就職に有利となる資格取得のための講習会を行います。  次に、介護の仕事を目指すための高校生への就職支援事業では、全高校を対象に、介護、福祉に対する生徒の理解を深めるための講演会やホームヘルパー二級取得のための講習会を行います。  また、未来のスペシャリスト育成事業では、専門高校を対象に就職に有利となる資格取得のための講習会を行うとともに、高度な資格取得のためのセミナーや、大学、企業、研究機関と連携した課題研究などを行い、専門性の深化を図ることとしております。  県教育委員会といたしましては、これまでの支援策に加えて、このような資格取得を支援する事業により、就職指導の一層の充実を図っていきたいと考えております。  次に、本県公立小・中・高等学校のいじめと暴力行為の件数の推移と傾向についてであります。  文部科学省の児童生徒の問題行動調査によりますと、本県公立小・中・高等学校のいじめの認知件数は、平成十八年度が千百八十八件、平成十九年度が千四十七件、平成二十年度が八百三十四件と減少傾向にあり、在籍する児童生徒数に占める割合は全国平均を下回っております。  また、暴力行為の発生件数は、平成十八年度が五百五十三件でありましたが、平成十九年度の調査からより広く暴力行為をとらえるよう定義が変更されたことから、平成十九年度は五百八十四件に増加いたしました。しかし、平成二十年度は四百十四件となっており、在籍する児童生徒数に占める割合が全国的には増加する中、本県では減少しております。  次に、いじめ、暴力行為等の問題行動の要因と問題行動への対応についてであります。  文部科学省では、いじめ、暴力行為等の問題行動の要因として、規範意識や他者への配慮の欠如など児童生徒本人にかかわる要因、過保護、放任など家庭にかかわる要因、友人関係のストレスなど学校にかかわる要因、有害情報のはんらんや大人の規範意識の低下など社会にかかわる要因を挙げております。  問題行動への対応については、本県では、各学校が児童生徒の性格や家庭環境などを理解した上で個々の問題行動の要因を把握し、それぞれに合ったきめ細かな対応に努めております。  このような各学校の取り組みを支援するため、県教育委員会では、スクールカウンセラーの配置、派遣、相談電話の設置、教育相談窓口の周知カードやポスター、リーフレット及び教師用指導資料の作成、配付などを行っております。  県教育委員会といたしましては、今後とも、学校、家庭、地域社会、関係機関や民間団体と連携、協力しながら、いじめ、暴力行為等の問題行動の未然防止、早期発見、早期解決に取り組んでまいります。  次に、学校給食における食品偽装問題等、安全・安心な食材の確保にどのように取り組んでいくのかについてであります。  給食を実施している学校や給食センターでは、学校給食法の規定に基づき策定された学校給食衛生管理基準を踏まえ、安全・安心な食材の確保及び給食の提供に努めております。  しかしながら、先般、八戸市の学校給食において、本来、安全・安心であるはずの学校給食用食材に産地偽装が発生したことは、まことに遺憾であります。  このため、県教育委員会といたしましては、関係県立学校及び市町村教育委員会に対し、学校給食用食材の購入に当たっては、定期的に生産履歴等の提出を求めること、食品表示が明らかでない食品については使用しないこと、使用原材料の原産国についての記述がある食品を選定することなど、学校給食の衛生管理の徹底を図るよう引き続き指導してまいります。  次に、栄養教諭の配置状況とその効果についてであります。  県教育委員会では、学校給食の管理と食に関する指導を一体的に行うことを目的に平成十九年度から栄養教諭を配置しており、平成二十一年五月一日現在、小・中学校及び特別支援学校に配置している百一名の学校栄養職員等のうち、栄養教諭は公立小・中学校に十五名、特別支援学校に三名の計十八名となっております。  栄養教諭が配置された学校では、学校給食と関連させた食に関する指導計画を策定するとともに、校内の指導体制を整備し、学校、家庭、地域が一体となった計画的、系統的な指導を行っております。  その結果、食事のあいさつ、バランスよく食べるなど、食に対する実践力が向上するとともに、感謝の心がはぐくまれるなどの効果があらわれております。  また、栄養教諭が中心となり、親子料理教室や食育講演会の実施、食育だよりの発行など積極的な取り組みを行うことにより、家庭や地域の食育に対する意識が高まるなどの成果が上がっています。  このため、各学校においてより充実した食に関する取り組みが推進されるよう、平成二十二年度には小・中学校に栄養教諭を新たに三名配置することとして、本定例会に所要の経費を計上し、御審議いただいているところであります。  最後に、特別支援学校における栄養教諭の取り組みについてであります。  特別支援学校では、八戸第一養護学校、県立盲学校及び弘前第一養護学校の三校に栄養教諭を配置しており、それぞれの学校で創意工夫した食育を推進しているところです。  例えば、肢体不自由の子供たちが学んでいる八戸第一養護学校では、これまでは、障害に応じた食事の提供や食べる機能を高めるための指導を中心に給食指導が行われていましたが、栄養教諭を配置したことに伴い、食材の栄養、県産品等についての紹介、児童生徒による給食についての寸劇の実施、児童生徒が考えたメニューの給食への活用、保護者に対するおやつの上手なとり方等の指導なども行われるようになりました。  この結果、児童生徒及び保護者の食への関心が高まるとともに、教職員が共通理解のもと、学校教育活動において楽しく食育が進められるようになったと聞いております。  県教育委員会では、今後とも、健康状態の維持、改善、食べる機能の改善、向上に加え、学校給食を生きた教材として、食に関する知識、食を選択する力、望ましい食習慣等を身につけることができるよう、特別支援学校における食育の充実に努めてまいります。  以上でございます。 58 ◯副議長(清水悦郎) 畠山敬一議員。 59 ◯七番(畠山敬一) 御答弁ありがとうございました。  再質問と意見、要望を若干申し上げたいと思います。  けさ、私は八戸から特急「つがる43号」で熊谷議員とともに一時間かけてやってまいりました。一年後、来年の二月定例会のときには新幹線に乗ってやってきます。(「青い森鉄道は」と呼ぶ者あり)新幹線に乗ってやってきます。ただ、四月以降はどうなるかわからない。(発言あり)頑張ります。何を言うか……。新幹線の話で、開業対策で、壇上でもちょっと言いましたけれども、気になっていることは県民の雰囲気ということであります。一方では大変盛り上げを図っているわけですけれども、他方では音なしといったようなアンバランスな感じを私はしていると。答弁いただきましたけれども、県民向けの周知、機運醸成を図っているという答弁でしたけれども、やってはいただいていると思いますが、なかなか感じられないと。  そこで、開業効果を一過性ではなくて、来る人にこの機会に青森県のファンになっていただくためにはということで、青森県に現に住んでいる県民自身がみずからの言葉で本県のよさ、よいところを県外の友人、知人にアピールする、お伝えすることが一番有効な宣伝になるんだろうと、こう思っています。  ただ、そのためには、県民自身が県内各地域の、言われるところの観光コンテンツを体験するなり、そのよさを実感しないことにはお話ができないということになります。県民自身が宣伝マンになることが一番大事なことで、県民県内大交流の勧めということを言いたいわけです。  ですから、これまでたくさん観光コンテンツが磨かれたというようなお話が出るわけですけれども、そのことを県民に対してもう少し徹底していただいて、県民を動かす仕掛けを考えなくちゃいけないんじゃないか、このように思います。  もう一つは、観光資源の素材の話ですけれども、県内各地の食材や料理が三十種類以上も紹介されている「美味しんぼ」―コミックですね。百巻、青森編、これの活用とか、そのほか、明治十一年に東京から北海道への道中、本県も旅をした、今から百三十年前の黒石方面の風俗習慣、行事、出会った人物などを詳細に描写しているイザベラ・バードの「日本奥地紀行」など、本県を取り上げているそういう資料を活用して、磨けば光る玉としてはどうかというふうに考えております。  先ほども猿のサファリパークの話が出ましたけれども、さまざまな資源を活用して、より県民に県内を動いていただく県民県内大交流と、磨けば光る玉、これについてお聞きしたいと思います。  それから、いじめの話でありますけれども、問題行動の要因としてさまざま、社会的要因、心理的要因とあるわけですけれども、このほかに、実態調査を踏まえた研究として生物学的要因があるということが研究者から指摘をされております。この研究を続けてこられた岩手大学名誉教授の大沢博先生は、生物学的要因について説明されておりまして、食の乱れ、偏った食事を象徴的に言えば米離れと砂糖のとり過ぎということであり、これが非行、暴力、精神の不安定などを引き起こす要因の一つになっている場合がある。砂糖のとり過ぎというのは、米の御飯はほとんど食べないで、スナック菓子、コーラ、缶コーヒー、ジュース、菓子パン、カップラーメン、こういうものばっかり食べている、こういうことを指しているわけです。  食事全体の栄養バランスがよければ、これらのものを食べても問題ないわけですが、こればっかり食べるということになると問題が起きてくる。人間の体や脳は化学反応によって肉体も精神も維持していますから、インプットのところでバランスよく入れるのと、糖を大量に入れるということでは、体と脳の反応、肉体と精神の反応は正常と違ってくる、こういうことをこの先生は言われているわけです。  県内においても、聞くところによりますと、問題行動の要因をとらえる際に、このような食事のとり方を観点として、問題行動の未然防止や早期解決に活用している養護教諭や生徒指導の先生がいるというお話も伺いました。ということですので、ぜひこの観点、県の教育委員会におかれても、食事と問題行動との関係に着目した観点を持って、さまざまな場面での活動に生かしていただきたいと要望いたします。  教育長は、きのう、不易と流行というお話をされました。時代に応じて変化するという意味では、こういう食事のこともぜひ留意していただきたいと。二重丸をつけて引き継ぎをお願いしたいと思います。  それから、災害時要援護者のところで、二十八日の大津波警報、私も作業服を着て、身を引き締めて海岸線に近いところを何軒か訪ねて歩いたわけですけれども、警察も出ていまして、沿岸部に進入する道路は通さないようにしているというような状況で、私も緊張して行ったんですけれども、そうしたら、住んでいる人は落ちついておりまして、五十年前のチリ地震のときもここは来なかったから大丈夫だということで逃げないわけです。そういう方が一人、二人ではなくて何人もいて、こっちはドキドキしているのに向こうは落ちついているという、このようなことがありました。  避難率が少なかったという報道がされましたし、知事も調査ということで指示をされたようでありますので、ぜひその結果が防災対策に生かされるように期待をしています。  それから、要援護者のほうはどうだったのかということですけれども、今回の津波警報の発表に伴う避難を実施した中で、要援護者の避難に係る対応状況や課題を調査し、その結果を公表することによって制度の一層の普及と意識啓発を図るべきと考えます。この点は再質問でお願いをしたいと思います。  それから、食の話がありまして、給食の話です。給食にかかわる関係者、事業者、子供たちの成長の一端を担っているという使命感を持って取り組んでいただいていると思います。また、地産地消、自給率向上にさらに努めていただきたいと思います。先ほどの話でもありましたけれども、自給率を上げるということで、冬場の野菜のところの課題が、冷凍野菜の話が出ました。ここが進むと自給率もぐんと上がっていくんだろうと、このように思います。新年度の新しい事業に期待をしたいと思います。  最後に、ドクターヘリです。秋田県が二十三年度、岩手県が二十四年度の導入を目指して準備中と聞いていました。北東北三県が固まりとして、限られた医療資源、貴重な救急医療のノウハウを有効に活用するためにも、また、県境を気にすることなくドクターヘリが飛んでいける体制、三県四機体制ということも先々考えられるだろうと。  ここは知事にお聞きするわけですけれども、先ほど、一機飛ばすのも意味は重いというお話がありました。二機飛ばせばもっと意味は重いと思います。そういう意味で、先々のことも見据えて二機体制が私は必要だと思いますけれども、知事の思いを聞いておきたいと思います。 60 ◯副議長(清水悦郎) 知事。 61 ◯知事(三村申吾) 畠山議員にお答えします。  先ほど部長からも答弁をいたさせたわけでございますが、このドクターヘリ、まず、県内のいわゆる救急医療関係者、専門家同士が話し合った中において、県立中央病院を中心としての主要病院等の救急医療関係者が協力し合って運航するシステムをつくったわけでございます。この合意は私は非常に重いものと思っておりますし、何よりも医療、特に救急医療関係者におけるところのシステムづくりということが具体に今始まっているわけでございますから、そういった推移をしっかりと見きわめ、今後、いわゆる搬送時間の短縮と効果、検証、分析を行う、そのことがまず現時点においては大切ではないかと考えている次第でございます。  以上です。 62 ◯副議長(清水悦郎) 行政改革・危機管理監。 63 ◯行政改革・危機管理監(阿部耕造) 災害時要援護者の避難に係る対応状況、それから課題を調査してそれを公表するべきじゃないかという再質問にお答えいたします。  まず、今回の津波警報等による避難の状況につきましては、要援護者の方に限らず、一般の住民の方々が避難所に避難した数が少ないのではないかという指摘がありますことから、市町村とも協力し合って、その避難の実態について検証することにまずしたいと考えております。  ただ、災害時要援護者対策の普及、充実を図るという観点からすれば、先ほども御答弁申し上げましたけれども、まず、全市町村において全体計画を早期に策定すること、さらには、要援護者リスト、それから個別の支援計画、これらについて早急に市町村のほうに言って策定するよう、県としても積極的に市町村に働きかけてまいりたいと考えております。 64 ◯副議長(清水悦郎) 商工労働部長。 65 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 新幹線開業の関係の二点の再質問にお答えいたします。  まず、漫画の「美味しんぼ」あるいはイザベラ・バードの旅行記という形で本県を取り上げているものがさまざまあると。そういうものを有効に活用すべきじゃないかというお話がございました。まさしく「美味しんぼ」の中ではさまざまな郷土料理あるいは人について記述されておりまして、大変好評を博している。そういう意味では、伝統ですとか文化ですとか、それから風景ですとか、そういうものが青森県のよさをアピールしていただいているということでは非常に有効なものだろうというふうに思ってございます。
     また、最近では、太宰生誕百年の関係では、太宰に関するさまざまな映画が全国で上映されるということで、改めて太宰の人気というもので来ていただけるような形をとってございますし、津軽地方で「津軽百年食堂」という百年間続いている食堂についてを題材にした映画が今撮影されるというような形の動きがございまして、これらは全国的にやはり青森県に対するアピールということでは関心を持っていただける非常にいい機会ではないかと思ってございます。  それから、県民一人一人が宣伝マンにというお話がございました。私どものほうも、やはり実際に県民の方々に知っていただくことが非常に大切だろうと。よさというものを本人の言葉で伝えていただくということは非常に現実味、真実味も持ちますし、コミュニケーションをとる上で大事だろうと思ってございます。  ただ、皆さんに回って歩くというのは非常に難しいものですから、私どもとしては、さまざまな広報を通じて青森県のいいところというものを、四季折々を通じて、あるいは食材を通じて広報活動の中で御紹介させていただいておりますので、そういうものをごらんいただきながら、一人でも多くの方にできれば直接足を運んでいただけるような取り組みというものを期待してございますけれども、私どもとしては、そのための機運醸成というものを、一人一人が宣伝マンになるということを意識したような取り組みを今後とも続けてまいりたいと思います。 66 ◯副議長(清水悦郎) 十五分間休憩いたします。 午後三時五十二分休憩    ────────────────────── 午後四時十三分再開 67 ◯議長(田中順造) 休憩前に引き続いて会議を開きます。  一般質問を続行いたします。  六番小桧山吉紀議員の登壇を許可いたします。―小桧山議員。 68 ◯六番(小桧山吉紀) 六番、自民党の小桧山吉紀でございます。  通告に従いまして十項目ほど質問したいと思います。関係当局の明快なる御答弁をお願いいたします。  忘れもしません。昨年八月三十日、我が自民党は、下野したというより、あたかも高いジャンプ台から転げ落ち、思い切り野にたたきつけられてしまったと言うほうがいいでしょう。戦後一貫して政権与党として政治を背負ってきた誇りもプライドもどこかへ行ってしまいました。国民の事業仕分けにあった自民党には全く覇気がありません。このままで四カ月後の参議院議員選挙が戦えるのか、いささか疑問符であります。  一方、勢いに乗った民主党は、何を考えてのことか、県外在住の女子アナの方を候補として青森県に送り込むとのこと。私は、青森県の政治は青森県人が行うのが基本というのが持論であり、地元の人に支えられてこそ地元に必要な人間に育てられていくのであります。小沢ガールと言われる落下傘部隊の一メンバーがどれほど青森県をわかっているのかということ。しかもこの大変な時期にであります。とにかく若くてきれいで勝ちさえすればいいという考えは、青森県に対しても失礼であります。民主党青森県議会議員の中にも経験豊富で立派な方がたくさんいるではありませんか。その方たちが三人も四人も青森県のために頑張りたいとせっかく手を挙げたのに、ばっさりと切って捨てた民主党本部の目は節穴か、はたまた掛け軸の鷹の目かと疑いたくもなります。また、地方分権制度普及にも水を差すものであります。  一方、我が党は、党員同士の中で札入れをして山崎力氏を選びました。自民党はバックギアーに入ったとやゆする人もいましたが、東京の空の下で党公認が決まってくるどこかの党よりもはるかに民主的でわかりやすいと、候補者ではなく、選び方が世間では好評でした。  我が党に対する逆風も、徐々にではありますが弱くなってきている昨今、反省すべきは反省し、七月にはさわやかな風のもとで堂々と戦ってみたいものだなと思う昨今であります。  以上、最近の所見を述べ、質問に入らせていただきます。  高レベル廃棄物最終処分地の選定について。  日本語の旅行という言葉は英語でトラベルと訳すことはだれもが知っていることですが、トラベルの語源はトラブルだということを発見したとき、私はなるほどと納得しました。その昔、お伊勢参りと言われるような長期間旅行をするときには、相当な覚悟を決め、水杯を交わしてから旅立ったということからもわかるように、すり、追いはぎ、果ては強盗など、旅の途中ではさまざまな困難が待ち受け、時には命を落とすようなトラブルに遭遇することもあったことから、旅立ちの前にはそのようなことをしたのでしょう。  さて、私たちは先月、原発関連施設の視察のためフランスに行ってきましたが、思い起こせば、何とトラブルの多かったことか。しょっぱな、いきなり韓国からの到着便が二時間おくれで、当然のことながら出発は二時間おくれでした。フランス国内では、男子トイレの高さが余りにも高いので、思わず踏み台を探したほどです。行くたびに背伸びをして用を足すのも疲れますので、時々大のほうへ回ってみれば大男の先客。事の最中であったことから、思い切りにらまれもしましたが、こちらも負けじと「鍵ぐらいかけろ」とフランス語で言いたかったのですが、言えるわけもなく、笑ってごまかし、急いで退散。  ラ・アーグまでの移動バスも、視察が終わってから帰る直前に見送りの人を待たせたままバッテリー上がりでエンジンがかかりません。見送りの人と顔を見合わせて笑っているだけ。だれも騒ぐでもなく、みんな大人でした。そのまま修理の車が来るまで大分待たされ、暗くなってからようやくシェルブールのホテルへたどり着きました。  早朝の朝市視察では、そこへ行くために地下鉄を利用しなければなりませんでした。が、なぜか私の切符だけ改札口が開かず、力任せに下をくぐり抜けて、結果的にずるをしました。太ってなくてよかったなと、つくづく思いました。もしここで駅員が見ていれば、トラブルがもう一つふえたことでしょう。  フランスが世界に誇る高速鉄道TGVの中では、私だけが二回も切符を調べられました。魔法使いのような目つきをした女性車掌は、私がテロリストか挙動不審者に見えたのでしょう。おまけにそのTGVは二時間もおくれる始末。日本であれば車掌に食ってかかるような場面をほうふつさせますが、ここの人は鈍感なのか、人がいいのか、よくわからない国民性でありました。私の大好きなジンジャーエールは、行く先々で注文したものの、結局フランス国内では飲むことがかないませんでした。どうもフランスは私を歓迎していないようでした。  が、トラブルはここで終わりではなく、日本に着いてからも、私の荷物だけが届かず、入国審査では、スーツケースの中身はどんな荷物だとか、お土産は幾らぐらいの金額になるとか、知らない人から預かったものはないかとか、いろいろ問いただされました。三日後、おくれてようやく到着。全員の荷が届かぬのであれば何かの手違いがあったのだろうと思いますが、私のだけというのであれば、さまざまな取り越し苦労もしてみました。もうしばらくフランスはいいです。  さて、アメリカ百七基、フランス五十九基、日本五十四基、ロシア二十七基、韓国二十基、世界ベストファイブの原発の数です。脱CO2社会と資源の枯渇という観点から、世界は原発推進へとかじを取り始めています。世界トップクラスの産油国であるサウジアラビアやアラブ首長国連邦でさえ原発建設を計画しています。  さて、フランスの首都パリから北西へ四百二十キロメートル、バスで四時間半、フランス北西部、ノルマンディー地方はコタン半島中央高台にありますラ・アーグ再処理工場へ行ってきました。会社名アレバ社。ここで五時間半もの長時間のつきっきりの説明を受けました。大変ありがたかったです。その前の段階の質疑の中で最終処分地のことを尋ねてみました。日本では困難をきわめていますがと切り出して尋ねてみましたが、フランスでは国の原子力庁が全面的に前へ出て力を入れているので間もなく決まるとのこと。自信たっぷりにさらりと言ってのけたので、日本でのような回答が来るものと思っていた私にとっては意外でした。フィンランドやスウェーデンは決定されたという報道はありましたが、フランスも後を追うように間もなく決まるようです。  我が国では高知県の東洋町や鹿児島県のある島、福島県の楢葉町など、これまで幾つもの自治体が手を挙げましたが、皆、住民の反対運動に遭い、頓挫しています。世界で唯一の被爆国という呪縛なのか、慎重さなのか、いずれにしても、全国からの公募による選定は限界でしょう。しかし、トイレなきマンションとやゆされるように、ガラス固化体の製造と並んでこの問題が解決されなければ、原燃サイクルはいつまでも未完成な状態が続くのです。  しかも、既に九五年から返還高レベル廃棄物であるガラス固化体も一時貯蔵され、たまってきている現状です。今さら言うまでもなく、この事業は国策であり、もう少し国がフランスのように前に出て尽力してくだされば大きく前に進むものと思っていた折も折、おとといの新聞で、エネルギー庁の石田長官が、何と本県に対し低レベル廃棄物の受け入れ要請をしてきました。低レベル廃棄物とはいえ、放射能レベルの極めて低い廃棄物とは異なり、燃料集合体を処理したときに出る金属切片や濃縮廃液を固めたもので、強い放射線を発しますので、高レベル廃棄物と同じ地層処分が必要なものです。  もとより、本県知事は、青森県を高レベル廃棄物の最終処分地にはしないと言ってきましたので、今回の国側の要請はあくまでも一時預かりで、しかも低レベルだからお願いするとのことでしょう。いずれにせよ、国は、本県が現状では最終処分地の最短距離にいるものと判断したのでしょうか。とりあえず低レベルから打診をして、様子を見ながら徐々にレベルアップをという作戦なのか、それとも、額面どおりあくまで一時的なものなのか、いずれにせよ、喫緊の決断を迫られることでしょう。慎重な判断をお願いするものであります。  さて、我が国の高レベル最終処分地の選定スケジュールは、平成二十年の中ごろをめどに精密調査地区を選定し、四十年代には処分を開始する計画になっていますが、二十年代中ごろまでにはあと数年しかないのが現状です。  そこでお伺いします。  最終処分地の早期選定に向けた国の取り組み状況を伺います。  二つ目として、県として国に一層の取り組み強化を求めていくべきではないかと思うが、県の見解を伺います。  二つ目として、原子力関連施設メンテナンス事業への参入支援について。  青森県二区はエネルギー発信の地区として、誇りを持つ者もあれば、原子力半島とやゆする者もいます。いずれにせよ、これから、六ヶ所のみならず、東通原発、大間原発等の施設は確実にふえていきます。原発施設を負の遺産ととらえる人もいますが、私は、建設及びこれらの施設運営は、地元に雇用の場を創設し、経済振興の旗頭として大いに貢献していくものと理解しています。しかも、例えば核燃税一つにしても、次年度の税収は百五十一億円であり、県税に占める割合の一三・四%にも上ります。  原発施設建設中は、隣接の三沢も、その関連の工事等で直接、間接に潤った面もありましたが、工事がほぼ終わった今、悪い意味で静かになりました。うるさいのは飛行機ばかりです。工事はいずれ終わるにしても、当然のことながら、あれだけの事業ですので、メンテナンスという仕事が存在し、雇用が発生するはずでありますが、そのメンテナンスを地元雇用に結びつけていただきたく二つの質問をしたいと思います。  地元企業の原子力関連施設メンテナンス業務への参入促進に向けた取り組みについて。  そしてまた、二つ目として、参入促進のためには地元企業における人材育成が重要と考えるが、県はどのように支援を行っているのか伺いたい。  三つ目として、新規高卒者の雇用対策についてです。  その昔、大学は出たけれどという言葉がはやったことがありました。大学さえ出ておけば就職は見つかるだろうと考えていましたが、現実は大変厳しく、大学を出ても就職口が見つからなかったことを風刺的に言った言葉だと記憶しております。  リーマン・ショック以来、我が国の経済は未曽有の不況で、かつてのときよりさらにその風は強く、いまだやみそうもありません。新規に高校を卒業しても就職がなく、就職がないから専門学校等に進学するという。親はさらにそれを支援しなければならず、一向に楽になれない不自然な状況をよく耳にします。  有効求人倍率が最下位クラスに属する本県に住む若者たちは、将来に希望を持てないどころか、不安さえ抱いている現実がそこにあり、大変気にかかるところです。二月時点でまだ二五%以上の高校生が就職先未定ということですが、そのような中、県は、新規学卒者を年度内に就職させるため全力で取り組むとのことで、雇用促進のための支援策を打ち出したとのことですが、その内容はどのようなものか、詳細をお伺いしたいと思います。  四つ目として、知的財産の保護について。  知的財産とは一般の人には余り聞きなれない言葉でしょうが、発明、考案、植物の新品種、産業財産権の一つであります意匠、著作物、そのほか人間の知的創造的活動により生み出されるものや、商標、商号など事業活動に用いられる商品の役務を表示するもの、さらに営業秘密など事業活動に有用な技術や営業上の情報のことを言うが、それらをつくった人の財産を保護することを目的とすることを知的財産権制度と言いますが、そこで、本県でも、今年度、知的財産支援センターを設置しましたが、これまでどのような取り組みをしてきたかお伺いします。  二つ目として、知的財産を活用して事業展開に取り組む企業に対し、今後どのような支援をしていくのか。  この二つについて伺いたいと思います。  五番、がん対策の推進について。  三大成人病のうち死因の一位はがんであり、毎年病気全体の三割の人ががんで亡くなっていることは、既に皆さん御存じのことと思います。このこともあり、本県の七十五歳未満の死亡率が五年連続ワーストワンという不名誉な記録を更新中であります。平成十九年四月、がん対策基本法、同年六月、がん対策推進基本計画の閣議決定を受けて、本県でも青森県がん対策推進計画を策定し、青森県基本計画未来への挑戦においてもがん対策の取り組みがなされております。  その事業の中で、情報センターから情報発信をするとともに、一方では、推進計画の大きな目標として、一、がんそのものの死亡者の数を減少させる、二として、がん患者とその家族の苦痛、精神的負担の軽減と療養生活の質の向上に努めることを掲げています。特に患者の立場から言えば、苦痛を取り除くことは重要なことと考えます。また、がん医療を進める上でがん診療拠点病院の果たす役割は大きいのですが、三沢市立病院もがん拠点病院に指定されており、先月、国の検討会で他の四病院とともに指定更新が認められたことは大変うれしいことです。  ちなみに、三沢市立病院の坂田院長は、次年度、全国胃がん学会の会長に就任が予定されています。地元としては大いに期待をしているところであります。  そこで伺います。  一つ目として、がん対策の推進に向けて今後重点的に取り組む内容についてはどのようなものか。  二つ目として、がん患者に対する緩和ケアのアとして、がん患者や家族に対する緩和ケアの提供において、がん診療連携拠点病院の果たす役割と具体的な取り組み状況について伺います。  イとして、緩和ケアの普及に向けた県の取り組み状況についてを伺います。  六番目、本県における中国残留邦人等の状況及び支援についてお伺いします。  平成七年、日中の共同制作によりドラマ化されました山崎豊子原作の「大地の子」という番組を御存じでしょうか。好評のため、当時省略されていた四十分を新たに加え、アンコール放送もされました。日本では大変な反響を呼んだこの名作も、中国では一般には放映されませんでした。主人公が文化大革命中に受けた拷問や、主人公の妹も育ての親である中国人から拷問を受けるシーンなどがあったのですけれども、それらをすべてカットしても中国側のイメージダウンにつながるということでしょうか。  国家の命令的誘いにより故国を遠く離れ、中国東北部、当時は満州と呼ばれていた地へ入り、一生懸命開拓に励んでいましたが、突然の敗戦により着のみ着のまま逃げなくてはならないうちに、どうしても我が子を異国の地に置いてこなくてはならなかったのです。主人公の陸一心という子が戦後大きくなり、中国人の育ての親と産みの親との間での葛藤を描いた番組で、それはそれは大変悲惨なものでした。私もこれを見るたびに、幾度となくまくらをぬらしたものでした。  「大地の子」はフィクションでありますが、三沢でも旧満州や樺太からの引揚者が多くおり、その中で、やはり引き揚げ時に子供を置いてきたり、あるいは帰国途中に死んだ子を異国の地に置いてくるのがかわいそうで途中まで死体をおんぶし、いよいよ腐敗が進み、やむなく中国国内のどこかに埋めてきたという方を知っています。その方は私の同級生の母ですが、もう一度絶対にそこを探して行ってみたいということを亡くなる直前まで言っておりました。  平和な社会に住む我々には想像を絶するような現実の荒波の中で生きてきた人たちがまだ周りにいるのですが、そのような戦争犠牲者の人たちの処遇をきちんとしなければ、ある意味、まだ戦後ではありません。  そこで、本県関連のいわゆる中国残留孤児と呼ばれる残留邦人等のこれまでの帰国状況及び現在の在住者数はどのようになっているのか。  二つ目として、中国在留邦人等に対する支援策はどのようになっているのか。  以上、二つについて伺います。  七つ目として、リンゴ新品種の普及拡大について。  昨年、青森県りんご試験場ですばらしいリンゴが誕生しました。本県リンゴ史の中で輝かしい品種がまた一つ加わりました。リンゴ王国青森にふさわしいすぐれた品質を持ち合わせたこのリンゴは、あおり21とあおり27という品種で、27のほうには千雪(ちゆき)というかわいい名前までもついています。この千雪さん、さまざまな手違いで品種登録はなされませんでしたが、特にあおり27は、従来のものと比べ褐色しにくく、すりおろして一週間程度経過しても変色しないところから、サラダやカットフルーツ、ジュースなどの加工用として需要拡大が期待されています。品種登録はできなかったにしても、リンゴの持つすぐれた商品性には変わりがなく、商品価値はかなり高いはずです。したがって、このリンゴをつくって市場に出すべきと考えますが、このリンゴでありますあおり21とあおり27の普及について県はどのように取り組んでいくのかお伺いします。  八つ目として、松食い虫被害対策について。  松の木は遠い昔から日本人と深いきずなで結ばれ、美しいふるさとのどこかに必ずあったり、歌にも詠まれ、能や歌舞伎舞台の後ろ絵としてもなじみのある木です。黒松には保水力があり、土砂流出を妨げ、災害を防ぐ力があります。したがって、海岸林や防風林になって保安林の役割を果たし、地域を守ることもあるのです。景観上も美しく、自然保護の観点からも重要な樹木であります。そのほかにも建材として、燃料として、さまざまな形で私たちの生活の中に入ってきていますので、市町村の木としている自治体も結構多いのです。  三沢市の木は松、つがる市や平川市も松。蓬田村や外ヶ浜町、平内町、鶴田町、東北町、大間町、南部町もそうですし、県内市町村の木としては最も多く採用されている木です。  多くの県民に愛されている松の木ですが、これまで青森県と北海道を除く四十五都府県に蔓延はしていましたが、本県にはないとされてきた松枯れ病が蓬田村で発見されました。近くには松並木が連なる有名な松前街道もあります。  ある虫が松の木の細胞を壊し、木を枯らしてしまいますので、一般には松枯れ病と呼んでいますが、正式名はマツ材線虫病と言います。進行の速いこの伝染病の被害は、マツノザイセンチュウという糸状の体長一ミリメートルにも満たない線虫が樹木内に入ることにより引き起こされます。ですので、よく聞かれる松食い虫という虫は存在しません。このマツノザイセンチュウは自分自身では移動できず、他の虫によって運ばれます。その線虫の移動に利用されているのがマツノマダラカミキリという昆虫です。いわゆる昆虫媒介性伝染病ですので、大半はこの昆虫を退治することにより解決されます。  松枯れ病被害は秋田、岩手の両県北まで侵入し、いずれ青森県にもと思っていました折、三年前の六月、秋田、青森の両県境を越え、深浦町岩崎地区で発見され、マスコミ等の報道で大騒ぎしたことはまだ記憶に新しいことかと思います。以前に見つかったときは、公園づくりのために他県から持ち込まれた木による発生ということで原因がはっきりしていたのでよかったのですが、今回は事情が違うようです。感染経路がわからないというと、余計気になるものであります。  減少傾向にあった被害量は、最近、増加する傾向にあるとも言われております。青森県は森林県として全国的にその名をはせておりますが、これから温かい時期の到来とともに虫の動きも活発になってくるでしょう。価値ある樹木を守るため、状況に即応した的確な対策を推進していく必要があると思います。  そこで、本県蓬田村で発生した松食い虫被害の原因と今後の対策をお伺いいたします。  九番目として、小川原湖のシジミ漁業の安定生産について。  東北町、六ヶ所村、三沢市の三市町村に面するところに県下一大きな湖、小川原湖があることを知らない人はいないはずです。この湖は上北郡の宝のみならず、青森県全体の財産として守っていかなければならないものと理解しています。また、小川原湖は宝沼―宝の沼とも呼ばれ、多くの水産資源があり、内水面漁業の盛んなところでもあります。シラウオ、ワカサギの水揚げは日本一であり、他にハゼ、ウナギ、コイ、フナなどがあり、特に小川原湖の宝石と言われるシジミ貝は日本でも屈指の産地であり、年間十億の売り上げは地元漁民の生活安定にはなくてはならないものです。  かつて、水質の汚れ等、環境の変化により水揚げ量も大きく減少したこともあり、地元漁民はこれまで人工種苗放流をしたり、幾度となく体を張ってこの湖を守ってきました。それにより小川原湖というブランドも定着しつつあり、新幹線開業を機に、これからさらに全国的に売り上げを伸ばすべく地元が頑張っています。  そこで、小川原湖におけるシジミ漁業の安定生産のために、県はどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  最後、十番目として、上北道路の整備についてであります。  二十万人以上の都市を結ぶ道路で全国一貧弱なのが青森―八戸間であると、市議会議員時代、国土交通省に陳情に行ったときの役人の言葉が非常に印象的でした。青森―八戸間は青森県で言う大都市であります。が、大都市間でありながら車で二時間近くもかかり、車での移動は不便この上もありません。  上北横断道路の開通による県内道路のネットワークの早期完成は青森県における道路政策上の最重要課題として位置づけられています。しかしながら、平成二十二年度の公共事業予算において、新規着工区間の原則凍結や予算の大幅削減が行われるなど、今後の見通しが立たない状況にあります。  県都と南部の新産都市が高架道路で結ばれてこそ、津軽と南部の均衡ある発展に大きく貢献するのです。したがって、この道路は地元悲願の道路ということで、前政権時代から何度も国へお願いし続けてきた経緯があります。何とか目鼻がつくのかなと思いきや、わずか二十五キロメートルに三十年もかかると言われたこともありました。これでは全く雲をつかむような状態で、地方はばかにされているようでした。この気の遠くなるような時間を詰めるべく、沿線自治体が必死になって努力をしてきました。結果、時間的なものはかなり縮小できたと喜んでいたやさき、昨年八月の政権交代により、コンクリートから人への方針転換がなされ、先が全くわからなくなりました。しかし、新政権下であっても、必要な道路と判断されれば予算をつけると二転三転しているようです。  そこで、平成二十二年度政府予算案では道路整備予算の大幅な削減が示されましたが、上北横断道路の整備への影響について伺いたいと思います。  以上、十項目をお願いして一般質問とさせていただきます。  終わります。 69 ◯議長(田中順造) 知事。 70 ◯知事(三村申吾) 小桧山議員にお答えします。  まず、新規高等学校卒業予定の未内定者に対する就職支援であります。  長引く景気低迷の影響により、今春の新規学卒者の就職内定状況は悪化しており、本県におきましても、一月末現在の高校生の内定率が七三・六%と、前年同月比七・四ポイント減少するなど厳しい状況となっております。  新規学卒者の就職対策につきましては、私みずから、青森労働局長、教育長とともに経済団体に二度の求人拡大等の要請を行ったのを初めとして、一月には県の特別保証融資制度の雇用創出特別支援枠を創設し、先般、融資枠を五十億円に拡大するなど、年度内に一人でも多くの方に就職していただくためのさまざまな取り組みを行っているところであります。  しかしながら、それでもなお多くの未就職者の発生が懸念されますことから、来年度は、職業訓練や働きながら資格を取るための事業等を内容とする学卒未就職者対策を取りまとめ、合計四百九十名の支援を実施することとしております。  これらの取り組みにより、一人でも多くの未内定者の方が就職に結びつくよう、関係機関とも連携しながら未就職者の就職支援に全力で取り組んでいきます。  知的財産を活用して事業展開に取り組む企業に対する支援であります。  私は、知的財産の重要性を広く周知し、知的財産による新事業等の創出の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進していくことが本県の経済の健全な発展、雇用の場の創出にも重要であると考えます。  このため、県内企業が持っております知的財産・技術に磨きをかけ、首都圏の企業とのマッチングや業務提携などを促進するとともに、知的財産の管理、活用戦略の策定等を担当する人材の育成を支援することとし、昨年四月に知的財産支援センターを開設したところであります。また、東北新幹線全線開業という大きなチャンスを生かすため、農林水産物を初めとする地域資源について、知的財産による高付加価値化を図り、地域ブランドを全国ブランドへと飛躍させるための支援に取り組んでいくなど、知的財産の創造、保護及び活用による新事業の創出や本県産業活動の付加価値の向上を図ることとしております。  県としては、新たな事業展開に積極果敢に取り組む企業に対し、知的財産を最大限活用できる環境を整備することによって地域経済の活性化に努めていきます。  がん対策の推進に向けての重点的取り組みであります。  本県では、昭和五十七年からがんが死因の第一位であり、近年では年間四千人を超える方ががんで亡くなっております。また、全国的に見ても、本県における七十五歳未満のがん年齢調整死亡率は、平成十六年以降、全国で最も高い状態が続いており、がん対策の推進は本県における喫緊の、そして重要な課題であるものと認識をします。  このため、私は、県民のだれもがどこでもがんと闘えるシステムをつくり、がん対策の先進県を目指すこととし、青森県基本計画未来への挑戦におきましても、がんの克服を初めとした健康寿命アップの推進に積極的に取り組むこととしております。具体的には、青森県がん対策推進計画に基づき、一次予防対策やがんの早期発見、早期治療に向けた効率的な検診システムづくり、地域医療のネットワークの構築などに取り組んできたところであります。  今後、がん対策を一層推進するに当たりましては、まず県民一人一人ががんについての正しい知識を持ち、がん予防に取り組み、そして、がん検診の受診によりがんを早く見つけ、早く治療に取り組むことが重要と考えます。  このため、がんに関する情報を広く県民に発信するとともに、医療機関等の関係機関が活用できる情報を集積、提供するがん情報センター機能を整備して、本県におけるがん対策の基盤づくりに取り組むこととしております。  続いて、蓬田村内での松くい虫被害の原因と対策であります。
     私は、平成十八年七月に、秋田・青森県境から秋田県側二百五十メートル地点で松くい虫被害が確認された際に、被害が県下全域に蔓延するようなことになれば、農林水産業を初めとする産業経済のほか、本県が誇る自然景観や観光資源などにも大きな影響を与えることになると考え、県境部に全国で初めてとされます一定区間の松をすべて除去する除去帯を設置いたしました。  このような予防対策を講じてきたにもかかわらず、本年一月二十日に蓬田村内に自生するクロマツに被害が確認されましたことは、まことに残念に思っております。  被害の状況に関しては、二月十日に独立行政法人森林総合研究所等により詳細な調査が行われ、今回の被害は極めて少数のマツノマダラカミキリによってもたらされたこと、また、被害木からカミキリの幼虫が発見されなかったことから、遺伝子鑑定は不可能で、感染経路を解明することは難しいことなどが明らかになりました。  私は、被害を絶対に拡大させてはならないとの強い決意のもと、被害発生地から半径二キロメートル以内を被害拡大防止重点監視区域として設定し、この区域を中心に、被害の感染源となる、枯れたり葉が変色した松の徹底した調査と除去、地上からの巡視活動のための松くい虫防除監視員の増員、空中写真の撮影や県防災ヘリコプターによる上空からの探査などの対策を強化することとして、本議会に所要の予算を計上し、御審議いただいているところであります。  なお、県民の皆様方には、今後とも枯れた松等に関する情報提供などの御協力をお願いいたしますとともに、県としては、国や市町村等の関係機関、林業関係団体とも連携して被害の拡大防止対策を着実に実施していきます。  私からは以上です。 71 ◯議長(田中順造) 健康福祉部長。 72 ◯健康福祉部長(一瀬 篤) 最初に、がん診療連携拠点病院による緩和ケアについてお答えいたします。  がん診療連携拠点病院には、地域におけるがん医療の拠点として、集学的治療や緩和ケアの提供といった診療機能の整備のほか、相談支援センターの設置、院内がん登録の実施、病病連携、病診連携の協力体制の構築などが求められています。  このうち、緩和ケアの提供については、患者自身の身体的な苦痛のみならず、患者、家族の精神的な苦痛も軽減されることが重要であり、治療の初期段階からの緩和ケアの実施が求められています。このため、拠点病院においては、医師、看護師等により構成されるチームを編成して緩和ケアの提供に取り組んでいます。  また、地域においてがん診療を担う医師等を対象とした緩和ケアに関する研修会を実施して、地域においてがん診療の早期から緩和ケアが適切に提供される体制の構築にも取り組んでいるところです。  次に、緩和ケアの普及についてです。  県としては、地域におけるがん医療の中核となるがん診療連携拠点病院に対して、地域内の医師等を対象とした緩和ケア研修会の実施を求めるとともに、その経費については、がん診療連携拠点病院機能強化事業の対象とすることによって研修の実施を支援しています。  緩和ケア研修会は昨年度から実施されており、昨年度末時点では七十八名の医師が修了しています。さらに、今年度末には六十七名程度の修了者が見込まれております。  また、在宅における緩和ケアにおいては訪問看護師が大きな役割を果たします。このため、県では、疼痛の緩和や患者の家族へのケア等に関する研修を実施することによって、専門的知識、技能を有する訪問看護師の育成にも取り組んでいます。  次に、中国残留邦人の帰国状況等についてです。  本県関係の中国残留邦人につきましては、昭和四十七年の日中国交回復以後、これまで九十三名の方々が、また、ロシアのサハリン等からは五名の残留邦人の方々がそれぞれ永住帰国しておられます。  現在は、ロシアからの帰国者一名を含め二十八名が本県に在住しておられます。  最後に、中国残留邦人等に対する支援策についてです。  永住帰国した中国残留邦人等が満額の老齢基礎年金を受給してもなお生活の安定が十分に図られない場合には、老齢基礎年金を補完するものとして支援給付を行っております。支援給付の内容、基準は、生活保護法の規定の例によるところとなっており、金銭給付による生活支援給付及び住宅支援給付等と、現物給付による医療支援給付及び介護支援給付があります。  また、中国残留邦人等のみならず、二世等をも対象として実施されている中国帰国者定着促進センターによる日本語学習支援事業、遠隔学習課程の受講者に対し、県が講師を派遣して対面方式のスクーリングを実施して、実用会話の習得の促進を図っております。  さらに、地域での生き生きとした暮らしや安心した生活に資するため、県内の中国残留邦人等、その支援者及び自治体担当職員等が参加し、昨年十二月四日に県が東北中国帰国者支援・交流センターとの共催により交流会を開催する等、さまざまな支援策を講じてきたところであります。  今後とも、国の助成制度等を十分に活用しながら、中国残留邦人等に対する支援を続けてまいります。 73 ◯議長(田中順造) 商工労働部長。 74 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 今年度設置した知的財産センターのこれまでの取り組みについてお答え申し上げます。  知的財産支援センターは、知的財産による新事業の創出を推進するため、センター内や各商工会議所での無料相談会や中小企業への訪問型相談活動などを通じて、アイデア段階での知的財産の掘り起こしから製品化までの各段階に応じた支援を行ってまいりました。  特に、センターの活動のスタートとなる今年度は、農林水産関係者を対象にしたセミナーの開催、PRパンフレットの作成、配布、テレビ広報番組での知的財産の紹介などの普及啓発活動に力を入れてまいりました。この結果、センターでの相談件数が前年の約一・三倍にふえたほか、日本弁理士会と締結した協力協定の一環として、本年一月には、全国初となる日本弁理士会による弁理士事務所が青森市に設置されることにより、身近でかつ迅速な相談体制の構築を図っていくことが可能となりました。  また、知的財産を活用した事業化の支援としては、県内初となる特許ビジネス市を開催し、県内企業が所有している特許権や実用新案権のマッチングを支援したほか、現在、特許シーズ集の作成にも取り組んでおります。  知的財産支援センターの設置により、知的財産に対する県民の理解が深まるなどの効果があらわれつつあるものと考えております。 75 ◯議長(田中順造) 農林水産部長。 76 ◯農林水産部長(有馬喜代史) 御質問二点にお答えいたします。  最初に、あおり21とあおり27の普及についてです。  平成二十一年十二月末現在の苗木の販売本数から推計した栽培面積は、あおり21が約二十一ヘクタール、あおり27が約六ヘクタールとなっていますが、今後の普及拡大に向けて、生産面では適正な樹勢を維持できる生産技術、販売面では貯蔵中の管理方法などの早急な確立が求められているところです。  このため、県は、引き続き生産者団体や産業技術センターなどと一体となって、県内八カ所の普及モデル展示圃を拠点とした現地検討会の開催による生産意欲の喚起、現地における果実品質の特性調査や収穫時期の違いによる貯蔵性の検討、試食宣伝会の開催などによる市場関係者や加工業者に対する知名度向上などに取り組み、普及拡大に努めていきます。  次に、小川原湖におけるシジミ漁業の安定生産についてでございます。  本県産シジミの漁獲量は全国第二位で、そのおいしさから全国トップレベルのブランドとして本県の内水面漁業の重要な資源となっています。小川原湖では、平成七年以降漁獲量が落ち込んだこともあり、平成十四年度から県と小川原湖漁協が共同で八十九地点でシジミ資源量の調査を行ったところ、塩分濃度が低く、稚貝の発生量が少ないことが判明しました。このため、漁協では、漁獲制限に加えて、平成十六年度からは人工種苗放流を行ってきたところです。  県としては、種苗の大量生産及び放流技術の向上を図るため、今年度からシジミの増殖技術開発に取り組んでいるところであり、今後も漁協が実施する資源造成への取り組みを支援するとともに、引き続き、現存量や生態調査による資源動向の把握のほか、水質、底質などの漁場環境調査を行い、小川原湖におけるシジミ漁業の安定生産に取り組んでいきます。 77 ◯議長(田中順造) 県土整備部長。 78 ◯県土整備部長(山下 勝) 上北横断道路の整備についてお答えいたします。  道路は、県民生活や社会経済活動を支える最も基礎的な社会基盤であり、特に主要幹線道路ネットワークの整備が重要であります。中でも上北横断道路の早期整備が本県の最重要課題となっております。  平成二十二年度の政府予算案では道路整備予算が大幅に削減されたことから、国が進めております道路整備のおくれが懸念されるところであります。このような状況にありますが、上北横断道路のうち、上北道路につきましては、平成二十四年度の完成を目標に工事が進められますとともに、平成二十年度に事業着手された上北天間林道路につきましては、新たに用地取得に着手される予定となっております。  しかしながら、残る国道四号までの区間であります仮称天間林道路につきましては、平成二十二年度の政府予算案において、原則として新規事業は行わないとされたことから、事業化が見送られております。  県といたしましては、引き続き本県の実情を訴え、道路整備予算の確保及び既着工区間の着実な整備推進と、仮称天間林道路の早期事業化について地方の声を国に対して届けてまいります。 79 ◯議長(田中順造) エネルギー総合対策局長。 80 ◯エネルギー総合対策局長(佐々木郁夫) 御質問四点にお答えします。  まず、高レベル放射性廃棄物最終処分地の早期選定に向けた国の取り組み状況についてです。  国においては、全都道府県単位での説明会やNPOと連携したワークショップの開催などの国民全般への広報の拡充、処分事業と地域振興プランについて取りまとめた地域振興構想の作成、配布、深地層研究施設を活用した地層処分概念の体感設備の整備などの国民理解に資する研究開発などの強化策を進めているところです。  また、平成二十年代中ごろを目途に精密調査地区の選定、平成四十年代後半を目途に処分の開始というスケジュールを踏まえ、当面は一刻も早い文献調査の着手に向け、原子力発電環境整備機構、いわゆるNUMO(ニューモ)や電気事業者と一層連携して、国が前面に立って最大限努力するとした上で、文献調査はNUMOによる公募または国による申し入れにより、早期に数カ所以上のできるだけ多くの箇所で行うとしているところです。  県としては、引き続き、最終処分地の早期選定に向けた国及び事業者等の取り組みを厳しく注視してまいります。  次に、国に一層の取り組み強化を求めていくべきではないかについてです。  県としては、これまで機会あるごとに国に対し最終処分地の早期選定が図られるよう求めてきたところであり、先般の鳩山内閣の関係閣僚への確認においても、最終処分地の選定に当たっては、国が前面に立ち、事業実施主体である原子力発電環境整備機構や電気事業者と連携しながら、一刻も早い文献調査の着手に向け最大限努力するとの強い意志が示されているところです。  県としましては、引き続き国及び事業者等に対し、最終処分地の早期選定に向けた一層の取り組み強化を求めてまいります。  次に、原子力関連施設メンテナンス業務への参入促進についてです。  県では、平成十九年度から原子力施設に係るメンテナンス業務の受注促進に向けた仕組みづくりを目指し、原子力メンテナンス参画サポート事業を実施しており、原子力技術コーディネーターによる地元企業への助言や、メンテナンス業務を担う工事会社との仲介などの支援を行っています。  また、平成二十年度には、県、中小企業団体中央会等の共催により、メンテナンス業務を担う工事会社と地元企業とが一堂に会した原子力メンテナンスマッチングフェアを開催するなど、具体的な商談のサポートや新規参入の促進を図ってきており、現在までで四社の新規参入事例が見られるなど、着実に成果が上がってきているものと考えています。  今後は、このような取り組みについて、さらに県内企業に対し積極的に周知を図るとともに、一社でも多くの企業がメンテナンス業務に参画できるよう努めてまいります。  最後に、参入促進のための人材育成についてです。  県では、メンテナンス業務等に係る従事者の技術向上等を支援するため、原子力発電施設等安全対策等研修事業を実施しています。具体的な研修内容としては、第二種放射線取扱主任者等の資格取得につながる専門研修や設備、機材の点検、保修に係る実技訓練を行っています。  今年度の研修では、受講者が延べ百九十三名で、定員に対し九九%と充足率が高く、多くの受講者や参加企業から、技術向上等に大いに役立ったとの意見をいただくなど好評を得ており、今後の継続実施や内容のさらなる充実等、要望が数多く寄せられているところです。  以上です。 81 ◯議長(田中順造) 小桧山議員。 82 ◯六番(小桧山吉紀) いずれも誠意ある御回答をいただきましたので、今回は要望も再質問もございません。  大変ありがとうございました。 83 ◯議長(田中順造) 以上をもって本日の議事は終了いたしました。  明日は午前十時三十分から本会議を開き、一般質問を継続いたします。  本日はこれをもって散会いたします。 午後五時五分散会 Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...