ツイート シェア
  1. 青森県議会 2009-12-07
    平成21年第260回定例会(第6号)  本文 開催日: 2009-12-07


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長田中順造) ただいまより会議を開きます。    ──────────────────────       ◎ 議   会   報   告    ────────────────────── 2 ◯議長田中順造) 議会報告として、第七号「例月出納検査の結果について」、第八号「新幹線・鉄道問題対策特別委員会経過報告書」をお手元に配付してあります。    ──────────────────────    ──────────────────────       ◎ 委 員 会 審 査 報 告    ────────────────────── 3 ◯議長田中順造) 各委員長から委員会審査報告書が提出されましたので、お手元に配付してあります。    ──────────────────────    ──────────────────────       ◎ 各 委 員 長 報 告    ────────────────────── 4 ◯議長田中順造) 議案第十五号から議案第三十一号まで及び報告第一号並びに請願陳情一括議題とし、各委員長の報告を行います。  総務企画委員会委員長、十七番熊谷雄一議員の登壇を求めます。―熊谷議員
    5 ◯総務企画委員会委員長熊谷雄一) 総務企画委員会の審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。  当委員会は、去る三日開催し、本会議より付託されました議案十一件、請願二件について審査の結果、議案第十五号中所管分、第十六号及び第十八号については多数をもって、その他の議案については、いずれも満場一致をもって原案どおり承認することに決定いたしました。  以下、審査の過程における質疑の主なるものについて、その概要を申し上げます。  「平成二十一年度青森県一般会計補正予算(第四号)案について、地域活性化公共投資臨時交付金の一部を地域振興基金に積み立てることとしているが、本県に交付される総額と今後の取り扱いについて伺いたい」との質疑に対し、「地域活性化公共投資臨時交付金の本県への交付限度額については、現時点では確定的に申し上げることはできないものの、あえて申し上げれば、交付対象となる公共事業費等地方負担額を約八十四億円と見込んでいるので、その九割で試算すると七十五億円程度の交付額になるものと考えている。当該交付金の今後の取り扱いについては、今後の予算補正において既に計上している県債と振りかえることが基本と考えるが、来年度予算での活用も視野に入れ、既に内示のあった分について地域振興基金に暫定的に積み立てておくこととしたものである」との答弁がありました。  このほか 一つ、定住自立圏等民間投資交付金事業主体及び事業内容について 一つ、公債費平準化対策の内容等について 一つ、野内新駅の構造及び開業までの全体スケジュールについて 等の質疑があり、それぞれの答弁がありました。  また、請願の審査結果については、お手元に配付の委員会報告第一号のとおりであります。  以上、審査の概要を申し上げ、報告を終わります。 6 ◯議長田中順造) 環境厚生委員会委員長、二十四番山内正孝議員の登壇を求めます。―山内議員。 7 ◯環境厚生委員会委員長山内正孝) 環境厚生委員会の審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。  当委員会は、去る三日開催し、本会議より付託されました議案四件について審査の結果、議案第十五号については多数をもって、その他の議案については、いずれも満場一致をもって原案どおり承認することに決定いたしました。  以下、審査の過程における質疑の主なるものについて、その概要を申し上げます。  まず、「地域医療再生基金の見直しにより、西北五圏域の計画案が縮小されたが、圏域の自治体や関係者及び地域住民の不満や不安にどのように対処するのか伺いたい」との質疑に対し、「計画案を見直すに当たっては、つがる西北五広域連合と協議しており、圏域の市町長の了承を得ていると聞いている。また、同広域連合が住民に対し十分な説明を行っているものであり、この圏域の自治体病院機能再編成は着実に推進されるものと認識している」との答弁がありました。  次に、「青森県医療施設耐震化臨時特例基金対象施設決定手続について伺いたい」との質疑に対し、「対象医療施設への説明会を実施した結果、むつ総合病院から事業計画書が提出され、国から計画どおり交付決定を受けたところである。今後、国の承認を受けた上で、県が同病院を耐震化整備指定医療機関として指定し、整備の進捗状況に応じ、本基金を取り崩して補助金を交付していくこととなる」との答弁がありました。  このほか、介護資格取得支援事業等についての質疑があり、それぞれ答弁がありました。  以上、審査の概要を申し上げ、報告を終わります。 8 ◯議長田中順造) 農林水産委員会委員長、十六番岡元行人議員の登壇を求めます。―岡元議員。 9 ◯農林水産委員会委員長岡元行人) 農林水産委員会の審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。  当委員会は、去る三日開催し、本会議より付託されました議案第十五号「平成二十一年度青森県一般会計補正予算(第四号)案」中所管分及び陳情一件について審査の結果、議案については満場一致をもって原案どおり承認することに決定いたしました。  以下、審査の過程における質疑の主なるものについて、その概要を申し上げます。  まず、「HACCP(ハサップ)対応型魚市場具体的整備内容について伺いたい」との質疑に対し、「HACCP対応型魚市場は、八戸漁港館鼻地区に鉄筋コンクリート一部二階建てで、HACCP管理上問題となる汚染要因を回避するため、密閉型構造として整備することとしている。主な機器設備としては、構造改革型まき網漁船で高度に衛生管理されたサバへの鳥のふんや昆虫、鉄さびなどの異物混入を防止するため、荷揚げをフィッシュポンプによることとしたほか、船で氷温管理された魚体の温度を低温に保ったまま迅速処理が可能となるベルトコンベア及び流動計量器、魚体を傷めず急速に冷却可能な最新の海水シャーベット氷の製氷・給氷システム、入札時の人による汚染を防ぐための電子入札システムなどを整備することとしている。荷さばき能力については、高鮮度に管理されたサバを、水揚げから箱詰め、搬出までの工程において、一日当たり最大六隻、六百トン、半自動処理することが可能となっている」との答弁がありました。  このほか、HACCP対応型魚市場利用計画と想定される事業効果について質疑があり、答弁がありました。  また、陳情の審査結果については、お手元に配付の委員会報告第二号のとおりであります。  以上、審査の概要を申し上げ、報告を終わります。 10 ◯議長田中順造) 商工労働エネルギー委員会委員長、十四番丸井裕議員の登壇を求めます。―丸井議員。 11 ◯商工労働エネルギー委員会委員長(丸井 裕) 商工労働エネルギー委員会の審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。  当委員会は、去る三日開催し、本会議より付託されました議案第十五号「平成二十一年度青森県一般会計補正予算(第四号)案」中所管分について審査の結果、多数をもって原案どおり承認することに決定いたしました。  以下、審査の過程における質疑の主なるものについて、その概要を申し上げます。  「高速道路利用観光客実態調査の内容について伺いたい」との質疑に対し、「自家用車等を利用する観光客の実態をとらえ、新幹線のみならず、さまざまなルートで本県入りする観光客の今後の受け入れ態勢の整備や誘客活動等観光施策に資する目的で自家用車等の利用者が多く立ち寄る県内観光地点二カ所に調査員を配置し、来年一月から三月までアンケート調査を実施することとしている」との答弁がありました。  このほか、中小企業診断士養成課程の受講について及び県職員の中小企業診断士従事状況等についての質疑があり、それぞれ答弁がありました。  以上、審査の概要を申し上げ、報告を終わります。 12 ◯議長田中順造) 文教公安委員会委員長、十五番三橋一三議員の登壇を求めます。―三橋議員。 13 ◯文教公安委員会委員長三橋一三) 文教公安委員会の審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。  当委員会は、去る三日開催し、本会議より付託されました議案第十五号「平成二十一年度青森県一般会計補正予算(第四号)案」中所管分及び請願一件について審査の結果、議案については満場一致をもって原案どおり承認することに決定いたしました。  以下、審査の過程における質疑の主なるものについて、その概要を申し上げます。  まず、「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群世界遺産登録に向けた取り組みに関連し、イギリスで開催した講演会等の成果について伺いたい」との質疑に対し、「世界遺産登録実現に向け、日本の縄文文化に対する理解を深めてもらうため、去る十一月十七日、ロンドン市内において講演会及び縄文遺跡群に関する説明会を開催したところである。参加者からは、縄文遺跡群構成資産の範囲や遺跡の保護、保存に関する手法等についてさまざまな意見が出され、今後の国際的合意形成の促進に当たって多くの示唆を得ることができたと考えている」との答弁がありました。  次に、「交番・駐在所再編プラン実施状況について伺いたい」との質疑に対し、「本県では、厳しい治安情勢に対応し、安全で安心な県民生活を確保するため、平成十六年度から交番・駐在所再編プランを推進しており、当初二百十五あった交番、駐在所が、再編プランがほぼ終了する本年十二月には、六十二施設減の百五十三施設になる予定である。廃止された箇所の勤務員を隣接あるいは新設の交番等に再配置することにより、夜間警戒力や機動力の強化を図った結果、平成十四年に戦後最悪を記録した本県刑法犯認知件数は六年連続で減少し、再編プランによるプラス効果があらわれているものと考えている」との答弁がありました。  また、請願の審査結果については、お手元に配付の委員会報告第三号のとおりであります。  以上、審査の概要を申し上げ、報告を終わります。 14 ◯議長田中順造) 建設委員会委員長、十八番相川正光議員の登壇を求めます。―相川議員。 15 ◯建設委員会委員長相川正光) 建設委員会の審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。  当委員会は、去る三日に開催し、本会議より付託されました議案三件及び陳情一件について審査の結果、議案についてはいずれも満場一致をもって原案どおり承認することに決定いたしました。  以下、審査の過程における質疑の主なるものについて、その概要を申し上げます。  「木造住宅耐震診断の体制を構築するために要する経費を計上しているが、これまでの住宅の耐震化に係る県の取り組みを伺いたい」との質疑に対し、「県では、青森県木造住宅耐震診断マニュアル及び青森県木造住宅耐震改修マニュアルを作成するとともに、これらを活用した講習会を開催し、耐震改修技術者の育成を図っている。また、県民への普及、啓発のため、青森県耐震改修ガイドブックを作成し、希望者へ配布するとともに、セミナー等を通じて普及に努めている。さらに、平成十九年度に創設した青森県住宅耐震診断推進事業において、住宅耐震診断を平成十九年度は二市町で十六戸、平成二十年度は五市町で五十三戸実施し、今年度は五市町で九十戸実施する予定である」との答弁がありました。  このほか 一つ、市町村負担金情報開示に係る全国的な動向について 一つ、市町村負担金の透明性の確保について 等の質疑があり、それぞれ答弁がありました。  また、陳情の審査の結果については、お手元に配付の委員会報告第四号のとおりであります。  以上、審査の概要を申し上げ、報告を終わります。 16 ◯議長田中順造) 以上をもって各委員長の報告を終わります。  ただいまの報告に対して質疑を行います。質疑はありませんか。  〔「質疑なし」と呼ぶ者あり〕 17 ◯議長田中順造) 質疑なしと認めます。    ──────────────────────       ◎ 討          論    ────────────────────── 18 ◯議長田中順造) これより討論を行います。  討論は議題外にわたらないよう、簡明に願います。  一部反対討論、三十六番諏訪益一議員の登壇を許可いたします。―諏訪議員。 19 ◯三十六番(諏訪益一) 日本共産党諏訪益一です。  議案に対する一部反対討論を行います。  議案四件に反対し、ほか十二件と報告一号に賛成します。  主なる議案の反対理由を述べます。  議案第十五号、一般会計補正予算(第四号)案、十六号、公債費特別会計及び十八号の鉄道施設特別会計は、関連があると見て、一括して述べます。  今回、青森県行財政改革大綱に基づく公債費の平準化を図るため、財政融資資金既借入金の一部について繰り上げ償還を行うのに要する経費を計上しました。繰り上げ償還元金と補償金を合わせ二百一億五千二百万円で、その分を新たに金融機関から借り入れをし、返済は先延ばしされるものの、逆に元利合計をふやすことになります。公債費の推移と臨時財政対策債及び新幹線建設分の状況を見ると、臨時財政対策債が、平成十九年度・二十年度決算、二十一年度当初の比較で、八十億、九十五億、百十一億円とふえ続け、新幹線建設分は、五十一億、五十七億、六十五億円とふえ続けています。これが繰り上げ償還をしなければならない事情、背景です。  普通建設事業等公債費は、一千十九億、一千十五億、九百九十六億円と減少してはきているものの、公債費の土台をなしていることには違いありません。平成十四年以降、国の経済対策に追従してきたツケが今なお続いていることを示しています。  借金をしてまでも公共事業をふやし続けることを誘導され、その上、三位一体改革と称して地方交付税を大幅に減らし、臨時財政対策債に振りかえる。新幹線建設費地元負担並行在来線のJRからの経営分離という枠組みを含め、こうした一連の政策的手法が最も財政基盤の弱い青森県や地方に押しつけられてきたことに対し、一体だれがこうした政策を持ち込んできたのか、歴史的経過に立ち、自問自答すべきであり、そのことへの率直な態度表明が求められています。今、地方交付税の復元、増額や新幹線建設費地元負担の軽減、並行在来線への財政支援を強力に求めることに異論はありません。同時に、今からでも新幹線建設並行在来線基本スキームを抜本的に見直すことを公然と対置するよう主張するものです。  ほかに、補正で計上されている予算執行に当たっては、他の団体、機関、企業との不公平とならないよう、かつ、地元業者に仕事が回るよう配慮を求めたいと思います。  終わりに、意見を付します。  まず、県社協の横領、使途不明金について。  償還と貸し付けの取り扱いで共通しているのは、口座から口座への移動ではなく、現金で一たん払い戻しができる余地があったこと。しかも、その直前まで、会長、局長、部長の関与という流れがあるのに、払い戻し後の確認手続がなされていないという最も初歩的な会計準則が守られていなかったことです。扱われているお金が、国民、県民の税金であることの自覚、全体の奉仕者としての自覚及び人間としてのあるべき姿を深めることの大切さからして、県社協役員の責任の重さはもとより、指導監督に当たる県の責任もまた問われなければならないことを強調しておきます。  高レベル放射性廃棄物の最終処分問題や核燃料サイクル政策の推進について新政権の閣僚と確認、要請を行った点については、この事業が一々大臣や政権がかわるたびごとに確認しなければならないような極めて不透明な事業に陥っていることを教えるものとなっていることです。技術上の問題を含め、極めて困難な事業がゆえに、その対応も場当たり的にならざるを得ないものとなり、既に十七回目の延期となったガラス溶融炉は、さらなる延期も必至という様相です。  この事業のあらゆる分野が、平成十年七月に交わした県、村、事業者との覚書、いわゆる事業が著しく困難になった場合に該当しつつあることの判断や、県としての大局的で自主的なある判断を下す状況にあることの認識を持たれますよう指摘しておきたいと思います。  最後に、政府税制調査会が十二月四日の全体会合で、所得税の扶養控除廃止と連動して住民税扶養控除を廃止する方針を固めた問題です。  扶養控除が廃止されると、所得税と住民税が増税となり、保育料や国保料などにも雪だるま式負担増が波及します。子ども手当財源捻出で、子育て世帯を初め、幅広い世帯を負担増の波が襲い、子ども手当が帳消しとなる懸念が出てきたこと。子ども手当の給付を受けられない二十三歳以上、七十歳未満の家庭を扶養している世帯は、何らかの措置がとられない限り、増税だけが押しつけられることになることなど、正される必要のある問題として、日本共産党は広く国民に訴え、運動を強めていく所存であります。  以上、申し上げ、討論といたします。 20 ◯議長田中順造) 賛成討論、十七番熊谷雄一議員の登壇を許可いたします。―熊谷議員。 21 ◯十七番(熊谷雄一) 自由民主党の熊谷雄一です。  賛成討論を行います。  本定例会に提出され、本日採決に付されますのは、議案第十五号から議案第十八号までの補正予算案四件、議案第十九号から議案第二十五号までの条例案七件、議案第二十六号から議案第三十一号までの単行議案六件並びに専決処分した事項の報告及び承認を求めるの件一件であり、そのすべてに賛成、同意及び承認するものであります。  初めに、議案第十五号「平成二十一年度青森県一般会計補正予算(第四号)案」について申し上げます。  まず、地域医療再生計画についてであります。  この計画は、地域が抱える医療課題に対応した医療提供体制の構築を図るものであり、中でも西北五圏域における自治体病院機能の再編成は、圏域の市町においていち早く取り組みが進められ、全国的なモデルとして位置づけられております。  本年度の国の補正予算で創設された地域医療再生基金は、この取り組みを飛躍的に推し進めるものとして期待をしておりましたが、政府による本基金の見直しにより、百億円規模の支援が二十五億円程度に縮小されたことは、まことに残念なことであります。これにより、西北五圏域の計画は、ソフト面に重点を置いたものに見直されるところでありますが、本基金の最大限の活用を通じて、計画に基づく取り組みの着実な推進を図り、圏域の地域医療の再生にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  次に、八戸漁港における流通構造改革拠点漁港整備事業について申し上げます。  八戸漁港においては、魚市場の運営や集約などの抜本的な流通構造改革が喫緊の課題となっておりました。このため、八戸市では、本事業により魚市場を集約し、機能の効率化や衛生高度化を図るため、新たな荷さばき施設の整備に取り組むこととしております。  一時、国の補正予算見直しによる影響を心配した時期もありましたが、今回、その第一歩を踏み出すことができることは、地元関係者にとっても大きな展望であります。また、今後計画されている施設についても早期の整備が望まれるものでありますが、公共事業に係る政府の方針が不透明な中、県におかれては、これまで以上に国に対する働きかけを強めていただくよう要望するものであります。  次に、本定例会を通じて多くの議論がありました並行在来線について申し上げます。  来年十二月の東北新幹線全線開業と同時に、東北本線八戸―青森間は、青い森鉄道線として運行されることになります。青い森鉄道線は、沿線住民にとって生活の足であり、その維持、存続は極めて重要であると考えています。一方、青森開業後の青い森鉄道の経営には、年間約十六億円もの県費負担を要するものであり、今後の県財政に与える影響を強く危惧するものであります。  もとより、本県の並行在来線は、多数の貨物列車が走行する我が国の物流の幹線として重要な役割を担っておりますが、貨物線路使用料は実態を反映しておらず、青い森鉄道の経営を圧迫する最大の要因となっております。  また、経営分離に伴う初期投資や新規設備投資に多額の負担が見込まれる中、本県が並行在来線を維持、存続していくためには、初期投資や運営経費への助成、貨物線路使用料の大幅な増額など、国による支援策の実現が不可欠であります。青森開業まで残された時間は一年であり、国に対してこれまで以上に厳しい姿勢で支援の実現を求めていかなければなりません。  このため、本定例会では、並行在来線並びに整備新幹線への財政支援等を求める意見書が採択されたところであり、我々県議会としても、県との連携を密にしながら、国による支援の早期実現に向けて全力で取り組んでいきたいと考えております。  次に、青森県社会福祉協議会における一連の不祥事について申し上げます。  この件につきましては、本定例会の冒頭、知事から報告がありましたとおり、生活福祉資金貸付事業に係る横領の事実が確認されたことに加え、新たな使途不明金が判明したことは極めて遺憾であります。同協議会は、本県の地域福祉を推進する重要な役割を担っており、今回の事態は県民にとっても看過できない重大な問題であります。  現在、同協議会ではすべての会計について再点検が行われており、県では、その結果を受け、今後の事業の継続の可否を確認するとしております。この再点検の結果は今後明らかとなりますが、同協議会が実施する事業は、社会的弱者の生活安定のための事業が中心であり、停止できない事業が数多くあると思われます。  そのためにも、同協議会が県民の信頼を回復することが最も重要であり、責任の所在を初め、同協議会がみずからを厳しく律し、運営の適正化を図ることはもちろんのこと、県におかれても同協議会が担う役割を踏まえ、より積極的かつ厳正な指導、監督を行っていくことを強く望むものであります。
     最後になりますが、これから来年度の予算編成が本格化する時期に入ります。また、国では、デフレ宣言や急激な円高を受け、ようやく経済対策に取り組むようであります。  しかし、農道整備事業の廃止を初めとした公共事業関係予算の削減など、国の事業仕分けの結果がそのまま予算編成に反映されるとなれば、本県経済や県民生活に多大な影響を与えることは想像するまでもありません。さらに、本県の生命線である地方交付税についても抜本的に見直すとされているほか、最近になって、政府関係者の一部から、子ども手当や戸別所得補償制度への地方負担の導入といったことまで言及されております。  急激かつ行き過ぎた改革は、国民生活、地域経済に直接影響するものであり、産業構造や社会基盤の整備状況など、地域の実情に合わせた見直しというものが必要であります。  国の予算編成の先行きが不透明な中、県の予算編成への影響が懸念されますが、知事におかれましては、現下の経済・雇用情勢など、本県の実情を踏まえた予算編成に最大限配慮されることを強く要望するものであります。  以上申し上げ、賛成討論を終わります。 22 ◯議長田中順造) 一部反対討論、十三番奈良岡克也議員の登壇を許可いたします。―奈良岡議員。 23 ◯十三番(奈良岡克也) 十三番、奈良岡克也でございます。  社民党・県民クラブを代表して、一部反対討論を行います。  反対する議案は、第十五号、第十六号、第十八号、第二十八号の四議案であります。  以下、反対議案に対する主な理由を申し述べます。  議案第十五号「平成二十一年度青森県一般会計補正予算(第四号)案」につきましては、雇用対策の問題、一点を反対理由の代表例に取り上げたいと思います。  全国的には、景気の低迷に円高とデフレが加わり、この状況が年末に向けてさらに厳しくなると見られ、二番底の懸念もあると言われています。こうした中、青森県内の経済は完全に冷え込んでおり、中小企業の倒産が相変わらず続く中で、県内の雇用情勢は、労働局推計の完全失業率で六・二%、有効求人倍率は〇・二九といずれも全国最低クラスに位置し、新規高校卒の求人も五〇%台と極めて厳しさを増しています。これに加えて、公務員の賃下げの影響が民間にも波及し、勤労者の可処分所得はさらに低下する状況となっています。  こうした県内経済の底上げを図り、回復基調に戻していくためには、何よりも雇用対策の拡大と勤労者の賃金の安定化が図られ、勤労者の個人消費を高めていくことが重要となります。しかし、今回の県の補正予算案では、雇用対策予算が二千六百万円しか計上されず、新規雇用創出人員が全体で百五十人という寒さであります。  県では、九月補正で国の交付金を活用し、ふるさと雇用再生特別対策事業や緊急雇用創出対策事業を活用し、今年度四千四百人の雇用創出を図るとしていますが、厳しい県内の雇用情勢の中でその効果を実感できないというのが多くの県民の感想であり、ハローワークに毎日のように通っている多くの県民の率直な気持ちではないかと思います。これから年末に入ればさらなる状況悪化が予想されることから、商工労働部がもっと強力にリーダーシップを発揮し、県庁全体の横断的な雇用創出を図るべきだと思います。  蝦名副知事の答弁では、情勢が厳しくなればそのとき考える。国の補正の動きも視野に置いてなどというものでしたが、年末年始に対する具体的な方針は、予算の裏づけを含め、具体的な内容は何も示されなかったと思っております。  このように、県の雇用対策は厳しい現下の雇用情勢に適合するものとは言えないと判断し、議案第十五号には反対いたします。  第二点目は、議案第十六号「平成二十一年度青森県公債費特別会計補正予算(第一号)案」についてであります。  この件は、プライマリーバランスの黒字を何とか維持しながら、県債を借りかえし、返済を先送りするものとしておりますが、これにより支払い利息が増大し、後世にツケを残すことは避けられないことになると思います。したがって、コンクリート行政等の不急の事業を徹底的に見直しすることがまず先決ではないかと思うことから、賛成することはできません。  第三点目は、議案第十八号「平成二十一年度青森県鉄道施設事業特別会計補正予算(第四号)案」」についてであります。  並行在来線八戸―青森間開業後の青い森鉄道において、青森工業高校の野内地区移転に伴う新駅建設の経費等に係る補正予算案でありますが、青い森鉄道の利便性の向上と利用者数の増加を図るためには、必要不可欠の事業であると思います。しかし、去る十一月二十五日、県が国土交通省に提出した鉄道事業許可申請書には、これに付記して、国の助成措置が実現しなければ、今後は十六億円の県費持ち出しになると記載されており、このような許可申請書提出は極めて異例な形と県民の目にも映っていると思います。  そもそも、並行在来線には、整備新幹線建設着工の条件として並行在来線のJR経営分離を認めるとした当時の基本的スキームが国から当該の沿線の関係県等に押しつけられたという諸悪の根源的な問題があります。これは、国鉄分割民営化で発足したJR各社の経営の安定を図る政策の一環として位置づけられたもので、まさに国鉄改革の負の遺産とも言うべきものであります。国鉄改革から既に二十二年が経過しようとしている今日、一刻も早くこのJR経営分離のスキームを根本的に見直し、国の支援制度の確立を鳩山連立内閣に求め、早期に実現を期さなければなりません。  国が第三セクター鉄道会社の経営を支援し、経営を守ることの担保がないままに、いたずらに県費を投入するやり方には、賛成することはできません。  第四点目は、議案第二十八号「市町村に負担させる金額決定の件」についてであります。  建設事業費に係る市町村負担金について、関係市町村に対する情報開示の問題や、要望、意見の聴取等について県として十分対処しているとの答弁ですが、しかし、市町村を取り巻く状況を伺えば、国と県との直轄事業費の問題と同じく、財政が逼迫状態にある市町村では財政捻出が困難になっている状況があり、市町村の財政格差が原因で均一な県民サービスを享受できない可能性があるという点で問題があり、この議案には反対いたします。  第五点目は、第二百六十回定例会提出議案知事説明要旨により報告された社会福祉法人青森県社会福祉協議会の不祥事についてであります。  元職員の約七百万円余の着服、約一千万円余の使途不明金、役員の期末手当の加算金の三つの要素が含まれていますが、四十年の長期間にわたり、県社会福祉協議会の常勤役員のポストが県庁幹部OBの事実上の指定席として今日まで続き、歴代の常勤役員がこの組織の歴史と職場風土をつくる中心軸に位置し、今回のような不祥事が起きる温床をつくってきたことは明白であります。  このことに関する県としての責任の所在が、今次定例会で何ら明確にされていないことが大きな問題として取り残されており、来る十二月二十五日の県社協の報告と、これに対する県の対応を注視してまいりたいと思います。  最後に、知事説明要旨により報告された核燃料サイクル政策等に関する関係閣僚への確認、要請についてであります。  知事は、去る十月二十三日、新政権鳩山内閣の関係閣僚と会い、核燃料サイクル政策の堅持と高レベル放射性廃棄物の最終処分について確認、要請をしてきたと報告しております。  この中で、高レベル最終処分地問題については、新政権となった鳩山内閣に対して確約書を求めないと答弁していますが、自公連立政権と全く性格の違う民主、社民、国民新党の三党連立政権に対してなぜ確約書を求めないのか、県の態度に県民の多くは疑問符を持つのではないかと思います。  そして、確約書に高レベルガラス固化体の最終処分地の選定年月の目標年次や搬出時期等を明示することは、県民を安心させるためにぜひとも必要なことであります。しかも、今後も関係閣僚が交代するたびごとに確約書の引き継ぎを確認するため、足しげく確認に出向く必要をなくするために、高レベル拒否条例を採択することが県民の安全・安心を保障する最も確かな道であることを申し上げ、一部反対討論といたします。 24 ◯議長田中順造) これをもって討論を終わります。    ──────────────────────       ◎ 議   案   採   決    ────────────────────── 25 ◯議長田中順造) これより議案の採決をいたします。  議案第二十九号「青森県教育委員会委員の任命の件」、本件に同意することに賛成の方は御起立を願います。  〔賛成者起立〕 26 ◯議長田中順造) 起立多数であります。よって、本件は同意されました。  議案第三十一号「青森県公害審査会委員の任命の件」、本件に同意することに賛成の方は御起立を願います。  〔賛成者起立〕 27 ◯議長田中順造) 起立多数であります。よって、本件は同意されました。  議案第三十号「青森県公安委員会委員の任命の件」、本件に同意することに賛成の方は御起立を願います。  〔賛成者起立〕 28 ◯議長田中順造) 起立総員であります。よって、本件は同意されました。  議案第十五号、議案第十六号、議案第十八号及び議案第二十八号、以上四件は所管委員長報告どおり原案に賛成の方は御起立を願います。  〔賛成者起立〕 29 ◯議長田中順造) 起立多数であります。よって、原案は可決されました。  議案第十七号、議案第十九号から議案第二十七号まで及び報告第一号、以上十一件は所管委員長報告どおり原案に賛成の方は御起立を願います。  〔賛成者起立〕 30 ◯議長田中順造) 起立総員であります。よって、原案は可決されました。    ──────────────────────       ◎ 請 願 陳 情 採 決    ────────────────────── 31 ◯議長田中順造) 次に、請願陳情の採決をいたします。  請願受理番号第五号、請願受理番号第六号、陳情受理番号第二号及び陳情受理番号第三号は、起立により採決いたします。  請願受理番号第五号、請願受理番号第六号、陳情受理番号第二号及び陳情受理番号第三号、以上四件に対する委員長の報告はいずれも不採択であります。  ただいまの四件は、所管委員長報告どおり不採択とすることに賛成の方は御起立を願います。  〔賛成者起立〕 32 ◯議長田中順造) 起立多数であります。よって、請願受理番号第五号、請願受理番号第六号、陳情受理番号第二号及び陳情受理番号第三号は不採択とすることに決定いたしました。  次に、お諮りいたします。請願受理番号第七号は、所管委員長報告どおり採択とすることに御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 33 ◯議長田中順造) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  次に、お諮りいたします。委員会審査報告書中、特定付託案件について閉会中の継続審査の申し出があります。これを継続審査に付することに御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 34 ◯議長田中順造) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。    ──────────────────────       ◎ 発  議  案  上  程    ────────────────────── 35 ◯議長田中順造) 発議第五号から発議第九号までを一括議題といたします。  発議案を職員に朗読させます。  〔職員朗読〕  発議第五号 「新過疎法」の制定促進を求める意見書案   青森県議会会議規則第十五条の規定により提出する。    平成二十一年十二月七日   青森県議会議長 田 中 順 造 殿       提出者 青森県議会議員 山 内 和 夫 外四十五名  発議第六号 電源立地地域対策交付金制度の交付期間延長等を求め        る意見書案   青森県議会会議規則第十五条の規定により提出する。    平成二十一年十二月七日   青森県議会議長 田 中 順 造 殿       提出者 青森県議会議員 山 内 和 夫 外四十三名  発議第七号 改正貸金業法の早期完全施行等を求める意見書案   青森県議会会議規則第十五条の規定により提出する。    平成二十一年十二月七日   青森県議会議長 田 中 順 造 殿       提出者 青森県議会議員 山 内 和 夫 外三十二名  発議第八号 さらなる緊急雇用対策の実施を求める意見書案  発議第九号 子どもたちの生命を守るため、ヒブワクチン及び肺炎        球菌ワクチンへの公費助成、定期接種化を求める意見        書案   青森県議会会議規則第十五条の規定により提出する。    平成二十一年十二月七日   青森県議会議長 田 中 順 造 殿       提出者 青森県議会議員 山 内 和 夫 外三十名                            以 上    ──────────────────────
       ──────────────────────       ◎ 発  議  案  採  決    ────────────────────── 36 ◯議長田中順造) お諮りいたします。発議第五号から発議第九号までは、提案理由説明、質疑、委員会付託及び討論はいずれも省略し、直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 37 ◯議長田中順造) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  発議第五号から発議第九号までを採決いたします。  発議第五号から発議第九号まで、以上五件の原案に賛成の方は御起立を願います。  〔賛成者起立〕 38 ◯議長田中順造) 起立総員であります。よって、原案は可決されました。  なお、意見書の取り扱いについては、本職に御一任願います。    ──────────────────────       ◎ 議   員   派   遣    ────────────────────── 39 ◯議長田中順造) 議員の派遣を議題といたします。  お諮りいたします。会議規則第百二十三条第一項の規定により、お手元に配付のとおり派遣を決定することに御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 40 ◯議長田中順造) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。    ────────────────────── 41 ◯議長田中順造) 以上をもって議事は全部終了いたしました。    ──────────────────────       ◎ 閉 会 あ い さ つ    ────────────────────── 42 ◯議長田中順造) 知事のごあいさつがあります。―知事。 43 ◯知事(三村申吾) 県議会第二百六十回定例会の閉会に当たり、一言ごあいさつを申し上げます。  今回の議会におきましては、去る十一月二十日開会以来、本日まで十八日間にわたり、本議会に提案いたしました平成二十一年度青森県一般会計補正予算案など三十五件の議案につきまして慎重な御審議をいただき、それぞれ原案どおり御議決、御同意、御認定並びに御承認をいただき、まことにありがとうございました。その執行に当たりましては、審議の過程において議員各位からいただきました御意見を十分尊重し、最善の効果をおさめるよう誠意をもって努力していきたいと思います。  さて、本年も余すところわずかとなりました。来年十二月には県民の悲願でございます東北新幹線全線開業がいよいよ現実のものになろうとしております。東北新幹線全線開業は、交流人口の大幅な増加による産業や観光の活性化など、本県の経済発展に大きく寄与するものと確信しております。県では、東北新幹線全線開業という大きなチャンスを最大限生かすため、官民一体となりまして、「結集!!青森力」のスローガンのもと、産業・雇用など、その効果をあらゆる分野に結びつけていく取り組みを全力で進めていきますので、引き続き議員各位の格段の御協力をお願い申し上げます。  また、国では、明年度の予算編成を鋭意進めているところでありますが、当面の最重要課題であります地方交付税の復元、そして増額や、国の制度改正等による地方財政への影響、さらには並行在来線を初めとする本県固有の課題に対する国の対応等について最大の関心を持って注視していきますとともに、今後とも地方が一致団結して地方分権を支える地方財政の充実強化を強く求めていく所存でございますので、引き続き議員各位の御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げるところであります。  歳末を迎え、議員各位におかれましては、一層多事多端なこととお察しいたしますが、御自愛の上、よい年を迎えられますよう心からお祈り申し上げ、閉会のごあいさつといたします。ありがとうございました。 44 ◯議長田中順造) これをもって第二百六十回定例会を閉会いたします。 午後五時二十七分閉会 Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...