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平成20年度決算特別委員会(第3号)  本文 開催日: 2009-10-16
平成20年度決算特別委員会(第3号) 名簿 開催日: 2009-10-16

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  1. 青森県議会 2009-10-16
    平成20年度決算特別委員会(第3号)  本文 開催日: 2009-10-16


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯中村委員長 ただいまから決算特別委員会を開きます。    ────────────────────────       ◎ 質  疑  継  続    ──────────────────────── 2 ◯中村委員長 議案第二十三号から議案第二十五号までを一括議題といたし、質疑を継続いたします。  安藤晴美委員の発言を許可いたします。──安藤委員。 3 ◯安藤委員 おはようございます。日本共産党の安藤晴美です。最初の質問に早速入ります。歳出三款一項三目「地域福祉費」、生活福祉資金貸付事業の執行についてです。県社会福祉協議会元職員が計七百四十一万二千三百二十五円を横領した今回の事件は、青森県の福祉を守るとりでで起きた事件であり、しかも低所得者世帯障害者世帯などの方々が大変面倒な手続をして、保証人までつけて貸し付けを受けてやっとの思いで返済したお金を職員が横領した、とんでもない事件です。二〇〇一年に起きた青森県住宅供給公社の十四億五千万円巨額横領事件の際に県議会が決議した中で、原因として指摘された公社組織の緩みと公金を扱っていることへの緊張感の欠如、公社及び県の監査体制の不備、こう指摘された問題が教訓として生かされていないことに大きな怒りを禁じえません。昨日のこの件についての報告を受け、他の社会福祉法人と同等、同様だというふうな報告がありましたが、しかし、この同協議会には一億三千万円という年間の補助金などなど多額の県民の税金が投入されています。  そこで、一つ、最初に確認をしたいんですが、今回の生活福祉資金にかかわって貸し付けの原資となる県からの支出はどれくらいであるのか、最初に確認をさせていただきたいと思います。 4 ◯中村委員長 一瀬健康福祉部長。 5 ◯一瀬健康福祉部長 生活福祉資金の原資のうち県費の額は幾らかというお尋ねでございます。平成二十年度予算には含まれておりませんが、貸付原資三十三億二千五十五万七千円のうち生活福祉資金一般分につきましては七億七千三百五十一万九千円、離職者及び要保護分については二億五千万円を県が補助しております。 6 ◯中村委員長 安藤委員。 7 ◯安藤委員 ただいまの説明にありましたように、原資は青森県の七億七千三百五十一万九千円というお金が回って使われていたと。結果的には、今回の横領はこうした県の県民の税金が横領されたというふうにとらえてよいと思います。こういう視点から、しっかりこの問題を押さえていきたいというふうに思います。  それでは、通告している質問に移ります。県が今年度実施した青森県社会福祉協議会指導監査における平成二十年度分の生活福祉資金貸付事業関係の指摘内容についてお伺いします。 8 ◯中村委員長 一瀬健康福祉部長。 9 ◯一瀬健康福祉部長 平成二十年度分の生活福祉資金貸付事業関係の指摘内容は、一つとして、今回の不祥事に係る事項であります償還金を振替する際の仕訳伝票と総勘定元帳の金額が一致しないため、実態を調査し、報告すること。二つとして、毎月末に償還金を資金種類ごとに振り替えする際、入金額と振替額の合計が一致しないため、実態を調査し、報告すること。三つとして、平成二十一年度未執行の経費を含めて補助対象経費として未払金に記載しているため、二十一年度会計において是正処理を行うこと。また、補助金の実績報告について訂正すること。四つとして、離職者支援資金特別会計欠損補てん積立金繰り入れ支出について総勘定元帳と未払金の合計額と決算額が一致しないため、実態を確認し、精査すること。以上の四点でございます。 10 ◯中村委員長 安藤委員。 11 ◯安藤委員 結果的には県の監査によって発見できたわけですけれども、そこで伺いたいんですが、指導監査というのは、年に一回やられていたということですけれども、昨年の指導監査の際には、今回、発見したような問題点をなぜ指摘することができなかったのか伺いたいと思います。 12 ◯中村委員長 一瀬健康福祉部長。 13 ◯一瀬健康福祉部長 毎年原則として一年に一回行っております監査につきましては、抽出の調査を行っておりますので、すべてのものを見るわけではないので、今回の事案につきまして発見できなかったものと考えております。 14 ◯中村委員長 安藤委員
    15 ◯安藤委員 せっかくの一年に一回の指導監査がそれでは不十分ではないかという印象を持ちます。  次の質問ですが、青森県社会福祉協議会における横領事件について報道されているわけですが、同協議会の内部監査にかかわる規定などの位置づけと実施状況についてお伺いします。 16 ◯中村委員長 一瀬健康福祉部長。 17 ◯一瀬健康福祉部長 社会福祉法人青森県社会福祉協議会内部監査につきましては、社会福祉協議会モデル経理規程に基づきます青森県社会福祉協議会経理規程におきまして実施を義務づけておらず、同協議会の公表資料によりますと、内部監査が長期にわたり実施してこなかったとされております。同協議会としては、今回の不祥事を受け、再発防止対策の一環としまして内部監査の実施を掲げておりますので、県としましても、内部監査体制の確立と確実な実施について助言、指導していきたいと考えております。 18 ◯中村委員長 安藤委員。 19 ◯安藤委員 経理規程第五十一条、五十二条の内部監査、外部監査をすることができるという規程があるわけですが、これはしなければならないという義務規程ではなかったという……、その結果だったと思うのですが、こうした内部監査が全くやられてこなかったという現実をやはり青森県が指摘できてこなかったということも大きな問題だというふうに思います。  そこで、この経理規程を義務規程に変更すべきではないかと考えますが、この点についてはいかがでしょうか。 20 ◯中村委員長 一瀬健康福祉部長。 21 ◯一瀬健康福祉部長 内部監査は、業務執行の最高責任者であります協議会会長がみずからの法人が適切に業務を遂行していることを確認するために行うものであります。内部監査社会福祉協議会モデル経理規程に示されておりますが、任意の実施となっており、青森県社会福祉協議会においても経理規程上、強制適用となっておりません。県としましては、今回の不祥事を受けまして、同協議会の業務規範の遵守及び適正化を進めるためには、内部牽制の確保に加えまして内部監査が重要であると考えております。このため、十月九日付で通知しました指導監査の実施結果に、内部監査を実施するなどにより適正な経理事務の遂行を図ることを盛り込んだところであり、今後、内部監査の実施について指導していきたいと考えております。 22 ◯中村委員長 安藤委員。 23 ◯安藤委員 規程を義務規程に変更するべきだというふうに私は考えますので、その辺も含めてぜひ指導していただきたいというふうに思います。  〇六年に、これは新聞報道からですけれども、監事の一人から、内部監査を実施したほうがいいという指摘を受けたというふうに報じられております。なぜこの時点でやられなかったのかということについて見解を伺いたいと思います。 24 ◯中村委員長 一瀬健康福祉部長。 25 ◯一瀬健康福祉部長 ただいま委員のほうから御指摘がありました報道につきましては、私どもの調査の上でまだ確認がとれておりませんが、ただ、実施の根拠となります規程において義務づけていなかったことから、実際上、監査が行われていなかったものと認識しております。 26 ◯中村委員長 安藤委員。 27 ◯安藤委員 社会福祉協議会の監事の方が内部監査をしたほうがいいと指摘したのにもかかわらず、やられなかったというこの問題は、やはり内部の組織的な体質の問題がこういうところにあったというふうに指摘せざるを得ません。  もう一方、経理規程第二十六条に会計責任者金銭預貯金の確認が義務づけられているとされていますが、この点で確認はなされてこなかったのか伺いたいと思います。 28 ◯中村委員長 一瀬健康福祉部長。 29 ◯一瀬健康福祉部長 委員お尋ねの件につきましては、現在、特別監査中ですので、現在のところ、結果がわかっておりません。 30 ◯中村委員長 安藤委員。 31 ◯安藤委員 ぜひこの点についてもしっかり調査をしていただきたいというふうに思います。  次の質問ですが、青森県社会福祉協議会の理事と管理職員に係る県職員OBの状況についてお伺いします。 32 ◯中村委員長 一瀬健康福祉部長。 33 ◯一瀬健康福祉部長 社会福祉法人青森県社会福祉協議会には、平成十九年度、理事三人、管理職員三人、平成二十年度、理事三人、管理職員一人、平成二十一年度、理事二人、管理職員一人の県職員OBが在籍しております。 34 ◯中村委員長 安藤委員。 35 ◯安藤委員 今お話にありましたように、理事は平成十九年、二十年、三人ずつ、また今年度は二人、管理職員も三人、一人、一人と、こうした人事が行われていたわけです。今出されました県OBがどんな役職についていたのかわかりましたら、お答えください。 36 ◯中村委員長 一瀬健康福祉部長。 37 ◯一瀬健康福祉部長 役職のお尋ねでございます。常務理事と専務理事についております。 38 ◯中村委員長 安藤委員。 39 ◯安藤委員 常務理事、専務理事といえば、この組織の大黒柱だというふうに思います。県OBの方がこうした重要なポストにいながら、今回のような事件が起きたということは大きな問題だというふうに思います。  そこで、青森県住宅供給公社と同じように、天下り人事によるチェック機能が働かなかったと言えるのではないかと思いますが、県の見解を伺いたいと思います。 40 ◯中村委員長 一瀬健康福祉部長。 41 ◯一瀬健康福祉部長 人事につきましては、県によるものではなく、青森県社会福祉協議会独自の判断によるものでございますので、議員御指摘のようなことはないものと存じております。 42 ◯中村委員長 安藤委員。 43 ◯安藤委員 青森県の行政組織の中でさまざまな角度から訓練された方たちが組織の中心にいたということで、今回の事態を重く見なければならないというふうに思います。  次の質問に移ります。平成二十年度青森県歳入歳出決算審査意見書基金運用状況審査意見書について。四ページ、個人県民税収入未済額増加の要因とその対策についてお伺いします。 44 ◯中村委員長 田辺総務部長。 45 ◯田辺総務部長 平成二十年度の個人県民税収入未済額は二十二億六千九百万円余となりまして、前年度より四億二千七百万円程度増加したところでございます。この要因といたしまして、昨日も申し上げたことも関係するんですが、一つは、平成十九年度の税源移譲によりまして、課税額が大幅にふえたことに比例して滞納額がふえたというのがあると思います。さらに昨年秋以来、非常に景気が悪くなりまして、家計が厳しくなっているというのも原因だと思います。さらに言いますと、これまで給与の支払い者から特別徴収されていた方々が企業の倒産ですとか、リストラ等に伴いまして、みずから納付する、いわゆる普通徴収に変わったというのも原因として考えられるところでございます。  そういうことで、平成二十一年度は市町村等の徴収対策を県と共同でやることを強化いたしまして、共同催告、共同滞納整理を実施しましたり、特定の滞納者について徴収を県が市町村から引き継いで直接徴収する、いわゆる徴収の引き継ぎなどのメニューを強化したところでございます。そのほか、徴収支援チームというのを新たに発足させまして、四月から二十市町村と共同で徴収に当たっているという状況でございます。 46 ◯中村委員長 安藤委員。 47 ◯安藤委員 県としては、また市町村にしても税金の滞納が多いということは非常に問題なわけですが、県民の立場からすれば、やむを得ず払えないという方も中にはあります。こういう方たちに、やはり減免制度などについての周知についてもきちんと図っていただきたいというふうに思います。  もう一点、要望を申し上げたいんですけれども、派遣切り、失業、倒産などによる生活の困窮から発生する多重債務の問題なんですが、これによって税金滞納のケースも多く発生していると思います。自治体のさまざまな窓口で、例えば収納の窓口なども含めて滞納理由を確認し、多重債務が要因である場合はその解決の方向を誘導して差し上げる必要があると思います。今、全国の自治体ではこうした取り組みが行われておりまして、過払いの解決などで滞納分を完納するというケースも生まれていると聞いています。ぜひ青森県でも市町村と連携して、こうした取り組みに力を入れていただくように要望したいと思います。  次の質問に移ります。五ページ、品種登録取り消し事案を踏まえた再発防止策について。品種登録取り消し問題に関して、県は再発防止の観点に立ってどのようなチェック体制をとっているのか伺います。 48 ◯中村委員長 有馬農林水産部長。 49 ◯有馬農林水産部長 県では、品種登録取り消し問題の発生後、直ちに業務体制を見直ししまして、すべての品種に係る登録料納付状況等を確認するためのチェックリストを作成し、担当職員以外の職員も情報共有できるよう課内に掲示したほか、県民が確認できるよう品種の特性や登録情報を掲載したホームページを開設するなど、手続業務を的確にチェックできる体制をとっています。また、今年度からは、青森県産業技術センターの設立を契機に品種登録業務を同センターに移管したところですが、チェックリストについては県とセンター双方に掲示し、登録料の納付状況等を随時確認するとともに、県の知的財産支援センターとも連携し、相互に情報共有できる体制をとっています。さらに、登録料の納付期限が品種ごとにまちまちであることから、年度の早い段階で一括納付することで納付漏れを防止し、事務手続の合理化を図ったところでございます。 50 ◯中村委員長 安藤委員。 51 ◯安藤委員 チェック体制の強化が図られるということでありますが、本当にこれは県民及び県の職員の方々もあわせて本当に残念な事件だったわけで、二度とこうしたことが起きないように、今、話されましたチェック体制の強化をきちんと行っていくように求めたいと思います。  もう一つの質問ですが、昨年度の品種登録問題にかかわる公印の不適正な使用を踏まえ、その後、県はどのような再発防止策を講じたのかお伺いします。 52 ◯中村委員長 田辺総務部長。 53 ◯田辺総務部長 県では昨年度の公印の不適正な使用を踏まえまして、昨年の十一月以降、すべての所属におきまして公印使用の承認をした者がみずから直接押印すること、あるいは公印の設置・押印場所を公印管守者が直接監視でき、かつ周囲の職員からも目が行き届く場所に設定することなど、そういう再発防止策を講じ、二度とこのような事態が行われないよう公印管守者による審査・監視体制の強化を図ったところでございます。また、公印の適正な管理及び使用を徹底するためには、公印の押印の趣旨やその重要性を職員みずからが十分認識することが最も重要でありますので、平成二十一年度は、それらの趣旨や公印管守者の役割、起案文書の審査項目等を簡潔にマニュアル化したものをつくりまして、「公印の押印等の手引」というものをつくっております。また、公文書の意義ですとか、施行、保存等に至る一連の文書事務の処理方法を網羅した「文書事務ハンドブック」というものをつくったりいたしまして、職員に周知しております。今後ともさまざまな取り組みを通じまして、公印の適正な管理及び使用の一層の徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。 54 ◯中村委員長 安藤委員。 55 ◯安藤委員 今話されました対策というのは本来、もともと行われているべきであったものだなということを、聞いてつくづく感じます。しかし、今回の事件が契機になって、こういう穴があったということを再確認できたわけでありますので、ぜひ職員の方たちへの教育も含めてしっかりと対応していただきたいというふうに思います。  次の質問です。五ページの財務事務の適正化に向けた具体的な取り組みについてですけれども、昨日の質問で答弁が出ましたので、質問は省きたいと思います。ただ、一点、要望したいと思います。不適正な経理処理などについての再発防止に向けた取り組みを今後しっかり行い、県民からの信頼を取り戻していただきたいというふうに思います。  次の質問は、八ページ、一般会計の県債残高の状況と地方交付税の増額の必要性について。県債残高の増加要因である臨時財政対策債の残高の推移と今後の見通しについてお伺いします。 56 ◯中村委員長 田辺総務部長。 57 ◯田辺総務部長 臨時財政対策債でございますけれども、これは地方財政計画における財源不足の対応として、平成十三年度から地方交付税の補てん措置として発行が認められているものでございまして、本県においても御指摘のとおり、その残高が年々増加しておりまして、平成二十年度末は前年度比百七十四億円増の千七百四十億円という規模になっております。いわゆるこの臨時財政対策債による地方交付税の補てん措置につきましては、平成十九年度の地方財政対策で平成二十一年度までの措置とされているわけでございますが、これは平成十三年度以降続いておりますし、また、昨今の税収を初めとする国、地方の厳しい歳入環境を見ますと、これは当面、国として抜本的な見直しを行わない限り、しばらくは続けざるを得ないものと認識しております。  今、総務省においてまさに昨日、概算要求が行われて地方交付税の増額ですとか、国税五税から地方交付税原資への繰り入れ割合、いわゆる法定率と言われていますけれども、その引き上げを求めていく方針は総務省として基本的な考え方を示しているところでございますけれども、これから、いわゆる財政当局といろいろな議論が行われると思います。ただ、基本的には、こういう地方交付税を増額するという動きが臨時財政対策債の依存からの脱却を図る上で非常に重要だと思いますので、そのような動きを注視するとともに、地方団体としても、青森県も地方団体と連携して声を上げていきたいというふうに思っています。 58 ◯中村委員長 安藤委員。 59 ◯安藤委員 本来、地方交付税でしっかりと地方の財政を守るべきものを臨時財政対策債という形で発行されてきたことに大きな問題があるというふうに感じています。公債費の増加に見合う地方交付税の増額が図られなければ、本県財政は立ち行かなくなると思いますが、県はどのような対応をしていくのかお伺いします。 60 ◯中村委員長 田辺総務部長。 61 ◯田辺総務部長 これからの地方財政を考えると、まさに議員御指摘のように、地方交付税をいかに増額していくのかが一番重要な課題だと思っています。今申し上げましたけれども、県としても地方公共団体と連携して地方交付税の総額の確保、いわゆる地方交付税の増加、一層の充実という声を出していきたいということでございます。 62 ◯中村委員長 安藤委員。 63 ◯安藤委員 一層の声を上げていきたいということですが、今、新政権になったわけでありまして、この新政権に対して、地方交付税増額について具体的にどのような形で声を上げていくのか、あるいはもうしているのかお聞きしたいと思います。 64 ◯中村委員長 田辺総務部長。 65 ◯田辺総務部長 もう既に新政権発足後直ちに三村知事みずから政府関係者の方々にお会いして地方財政の一層の充実というのをまずイの一番に訴えております。それ以外にも、先般も知事会が開かれまして、地方財政の充実について声を上げていこうという意思統一も図っています。今のところ、総務省としましては、そのあたりの地方の声をよく聞いていただいて、概要要求等についても、地方交付税の増額についての基本的な方針というのは示していただいていますけれども、今から概算要求を受けて、これからどういう予算編成が行われるかということが一番重要でございますので、その予算編成の過程、過程で必要な声を上げていきたいというふうに思っております。 66 ◯中村委員長 安藤委員。 67 ◯安藤委員 民主党のマニフェストを読ませていただきましたが、この中に地域主権を確立し、第一歩として地方の自主財源を大幅にふやしますという項目があります。これをどう理解するかということなんですけれども、これはまさしく地方交付税をふやしますと言っているというふうに理解をしたいと思うわけですけれども、こうした民主党のマニフェストが示されているわけですが、先ほどもお話に少しありましたけれども、地方交付税の増額について期待できるものというふうに認識しているかどうか所見を伺いたいと思います。 68 ◯中村委員長 田辺総務部長。 69 ◯田辺総務部長 期待しております。 70 ◯中村委員長 安藤委員。 71 ◯安藤委員 次の質問に移ります。民主党よろしくお願いします。  歳出四款五項四目「原子力環境対策費」及び歳出七款三項一目「開発推進費」、原子力施設の耐震安全性について質問します。日本原燃の六ヶ所再処理施設の直下に長さ十五キロ以上の活断層がある可能性が高いと渡辺満久、東洋大学教授が昨年開かれた学会で発表しました。縁外部海域の大陸棚外縁層とつながっている可能性もあり、その場合、断層の長さは百キロメートルに達し、M八級の地震が起きる恐れがあり、耐震性を再検討すべきと指摘しています。  電源開発、大間原発の周辺でも、原発周辺の津軽海峡底に長大な活断層が存在する可能性を否定できないと中田高、広島工業大学教授が昨年の五月十一日の原子力安全委員会で見解を示しました。原発敷地付近は南十キロの佐井村に比べ、十二万五千年前の段丘で約三十メートル、二十万年前の段丘で約五十メートル高くなっていたといい、最近の地層隆起を示す地形で、原発のある北側が顕著としています。  そこで、東洋大学の渡辺教授らが大間周辺海域や六ヶ所村にその存在を主張している活断層について、県民の不安は大きいことから、県として客観的にその知見を把握した上で、必要があれば国、事業者に対して意見を述べるべきと思いますが、見解をお伺いします。 72 ◯中村委員長 佐々木エネルギー総合対策局長。 73 ◯佐々木エネルギー総合対策局長 お答えいたします。原子力安全・保安院によると、渡辺教授等が存在の可能性を主張する活断層については、大間原子力発電所の安全審査や六ヶ所再処理施設に係る耐震バックチェック報告書の確認において専門家の意見を聴取しつつ確認した結果、活断層はないと判断しているが、今後、事業者から新たな知見を含めた調査結果が保安院に提出された場合には、その内容について確認を行っていくとしています。県としては、今後とも国、事業者の対応を注視して参ります。 74 ◯中村委員長 安藤委員。 75 ◯安藤委員 国、事業者の姿勢を注視していくというだけではやはり県民の不安は払拭できないわけです。ぜひ青森県は国の核燃推進に協力しているという立場ですけれども、県民の不安にこたえるためにも、ぜひこうした新しい知見を考慮した上での県民に対してのきちんとした科学的な根拠などについても県として十分調査検討することが必要だというふうに考えております。ぜひそういう立場で検討していただくように要望したいと思います。  六ヶ所再処理工場及び東通原子力発電所一号機の耐震バックチェックの状況についてお伺いします。 76 ◯中村委員長 私語が多過ぎます。──名古屋環境生活部長。 77 ◯名古屋環境生活部長 平成十八年九月の耐震設計審査指針の改訂に伴い、日本原燃株式会社では平成十九年度十一月に再処理施設の耐震バックチェック報告書を国に提出いたしました。この報告に対し、原子力安全・保安院の確認が行われ、本年六月の二十九日、評価は妥当である旨、同社に通知されたところでございます。現在、原子力安全委員会において確認が行われていると聞いています。また、東北電力株式会社では、平成二十年三月に東通原子力発電所の耐震バックチェック中間報告書を国へ提出し、同年九月ごろに最終報告を予定していたところでございますが、同年九月、原子力安全・保安院から「新潟県中越沖地震を踏まえた原子力発電所等の耐震安全性評価に反映すべき事項について」が示されたことから、同社におきましては、最終報告の提出を延期し、耐震安全性評価に適切に反映していくと聞いているところでございます。 78 ◯中村委員長 安藤委員。 79 ◯安藤委員 東京電力、柏崎刈羽原発の基準地震動を従来の四百五十ガルから最大二千二百八十ガルへ、さらに新耐震設計審査指針に基づく再評価中間報告で二千三百ガルへ再度引き上げになりました。新潟大学の立石雅昭教授は、基準地震動の大幅引き上げというが、これらの地震規模はなお過少評価であるとしています。六ヶ所再処理工場や東通原子力発電所一号機においても、耐震バックチェックによって新基準地震動四百五十ガルから、この柏崎刈羽原発の地震を受けてさらにこの新基準地震動が引き上げられるという可能性が大きいと思いますが、この点についての県の認識を伺いたいと思います。 80 ◯中村委員長 名古屋環境生活部長。 81 ◯名古屋環境生活部長 基準地震動につきましては、新耐震指針にのっとり敷地ごとに震源を特定して策定する地震動及び震源を特定せず策定する地震動を考慮して策定することとされております。立地地域の震源特性や地下構造特性により異なるものと考えておりまして、六ヶ所再処理施設、東通原発の四百五十ガルは引き上げる必要がないというふうに聞いております。 82 ◯中村委員長 安藤委員。 83 ◯安藤委員 この断層問題を含めた耐震基準などについての県民の思いというのは大変関心の高いところです。それで、ぜひ副知事にお答えいただきたいんですが、これらの問題で率直に県民の疑問に答え、そして、両者の知見を県民の前で公開討論会だとか、そういうふうなものを開催していただきたいというふうに思いますが、こうした点についていかがでしょうか。 84 ◯中村委員長 蝦名副知事。 85 ◯蝦名副知事 先ほども環境生活部長から答弁いたしましたように、さまざまな事象が生じて、国がその事象に応じた耐震審査をしているわけでございます。これらについては、国においてさまざまな意見を聞きながら対応しているわけでございますので、安全に関するものについては国が審査を行っているわけであります。したがって、国のほうできちんとやるべきだと思っておりますし、今のところ、県としては考えていません。 86 ◯中村委員長 安藤委員。 87 ◯安藤委員 新潟県とその辺の姿勢が違うんだなというふうにつくづく感じます。新潟県では技術委員会というものをしっかり持って、国の結果をどう見るかということをしっかり県が独自に判断するための委員会を設けています。最低限そういうふうな体制が必要だというふうに思いますので、ぜひ検討していただきたいと思います。  次の質問に移ります。歳出六款一項九目「農業協同組合指導費」、歳出六款一項十一目「農業共済団体指導費」、歳出六款四項三目「土地改良総務費」、歳出六款五項三目「林業振興指導費」及び歳出六款六項一目「水産業協同組合指導費」、農林水産団体に対する検査の実施状況について。平成二十年度の農林水産団体に対する検査の実施状況についてお伺いします。 88 ◯中村委員長 有馬農林水産部長。 89 ◯有馬農林水産部長 県が行う農林水産団体の行政検査については、法律に基づきまして、農業協同組合、漁業協同組合、土地改良区などを対象としているところであり、平成二十一年三月三十一日現在での対象組合数は二百四組合となっています。県では、信用事業を行う組合は二年に一回、その他の組合においてはおおむね三年に一回、検査を実施しており、平成二十年度の検査実績は農協が二十二組合中十五組合、漁協が八十二組合中二十九組合、森林組合が十三組合中四組合、農業共済組合が三組合中二組合、土地改良区が八十四土地改良区中二十二土地改良区となっています。 90 ◯中村委員長 安藤委員。 91 ◯安藤委員 二年に一回及び三年に一回という検査体制で十分な検査が行えるのかということを率直に感じます。その点についてどのように考えているか。  それから、土地改良法第百三十三条で保証されている請求検査についての実施状況はどうなっているか伺います。 92 ◯中村委員長 有馬農林水産部長。 93 ◯有馬農林水産部長 県が行う行政検査につきましては、先ほども申し上げましたように、一定のサイクルで実施をしているわけですが、それぞれの検査の段階できちんとした検査を行って、その検査結果を踏まえて現地でそれぞれの団体の役職員等に対して現地での講評を行い、その後、検査において問題のあった事項が明らかになった場合については、検査書において改善を指摘し、さらにはその改善の状況報告を求めるというような手順で行っておりますので、こういった形でもってそれぞれの農林水産団体の検査を今後も実施していきたいというふうに考えております。  もう一点につきまして、土地改良区の請求検査のお話でございますが、土地改良区の請求検査につきましては、土地改良法第百三十三条の規定に基づきまして、総組合員の十分の一以上の同意を得て土地改良区の事業、または会計が法令や定款等に違反する疑いがあることを理由として組合員から検査を請求された場合に知事が行う検査でございます。
    94 ◯中村委員長 安藤委員。 95 ◯安藤委員 今言われました請求検査の土地改良法についてはわかるんですけれども、県内においてのこの土地改良法第百三十三条に基づく請求検査というものがなされている実績があるのかどうか伺います。 96 ◯中村委員長 有馬農林水産部長。 97 ◯有馬農林水産部長 土地改良法の規定に基づきます請求検査につきましては、平成二十一年六月十二日付で一件、請求がありました。県では、その請求の内容が法律に基づく要件を満たしているかどうかを審査して、その要件を満たすと判断したことから、去る平成二十一年七月十四日から十六日までの三日間、請求検査を実施したところでございます。 98 ◯中村委員長 安藤委員。 99 ◯安藤委員 請求検査を実施した土地改良区の名前について公表していただければお願いしたいというふうに思います。 100 ◯中村委員長 有馬農林水産部長。 101 ◯有馬農林水産部長 請求は弘前北部土地改良区の組合員からの請求でございました。 102 ◯中村委員長 安藤委員。 103 ◯安藤委員 県は農林水産団体に対する検査の実施をどのような対応をしているのか伺います。 104 ◯中村委員長 有馬農林水産部長。 105 ◯有馬農林水産部長 今回の請求検査につきましては、先ほど申し上げましたように、平成二十一年七月十四日から十六日までの三日間、請求検査を実施し、その後、その結果につきましては、二十一年九月十四日に弘前北部土地改良区に対しまして現地講評を行うとともに、検査請求代表者に対しましても、その結果について講評、説明を行ったところでございます。 106 ◯中村委員長 安藤委員。 107 ◯安藤委員 九月十四日に講評、そして説明をされたということですが、これで県としての役割は終わったということなんでしょうか。さらに、土地改良区に対しての指導などがなされるのか伺いたいと思います。 108 ◯中村委員長 有馬農林水産部長。 109 ◯有馬農林水産部長 検査の結果につきましては、十月中に土地改良区に対して検査書を交付する予定としております。この検査書で検査指摘事項等について改善措置の状況報告の提出を求める予定としています。 110 ◯中村委員長 安藤委員。 111 ◯安藤委員 組合員の方たちが十分の一の署名を集めて請求したこの請求検査ですので、しっかりと最後まで対応、指導などを行っていただきたいというふうに要望したいと思います。  次の質問ですが、平成二十年度主要施策成果説明書について。三十ページ、禁煙対策推進事業の取り組みについて。(「喫煙」と呼ぶ者あり)失礼しました。喫煙対策推進事業の取り組みについて。すいません。思いが先行してしまいまして。  平成二十年度の喫煙対策推進事業の取り組み結果と今後の方針をお伺いします。 112 ◯中村委員長 一瀬健康福祉部長。 113 ◯一瀬健康福祉部長 県では、県民一人一人が健やかな命と心をはぐくみ、豊かな暮らしを送ることができる活力ある長寿県の実現を目指しております。このため、壮年期の死亡を減少させ、痴呆や寝たきりにならない状態で生活できる期間、いわゆる健康寿命を延伸させることなどを目標に、個人の力と社会の力をあわせて国民の健康づくりを総合的に、県民の健康づくりを総合的に進めていくための県民健康づくり運動として、健康あおりもり21を策定しております。この健康あおりもり21では、平成二十四年度までに成人喫煙率を男性二五%以下、女性五%以下、妊婦と未成年者の喫煙率をゼロ%、公共の場及び職場における禁煙、もしくは効果の高い分煙の実施を一〇〇%とするなどの目標を掲げ、防煙教室や受動喫煙防止対策、禁煙支援などの喫煙対策推進事業を実施しているところでございます。  防煙教室につきましては、学習指導要領に基づき小学校や中学校などにおいて子供たちが喫煙しないよう学校教諭や養護教諭、学校薬剤師、学校医、市町村や保健所の保健師などが講師となって喫煙による健康への影響について学習しております。  受動喫煙防止対策につきましては、平成十五年度に健康増進法が施行され、多数の者が利用する施設の管理者が受動喫煙を防止する措置を講ずるよう努めなければならないと規定されました。これを受け、県では平成十五年度より受動喫煙防止対策が適正に実施されていることが確認できた施設を空気クリーン施設として認証しておりますが、平成二十一年三月末現在、千四百八十四施設の認証と前年度より百八十五施設増加しております。  禁煙支援につきましては、市町村や保健所において禁煙相談を行っており、地域保健・老人保健事業報告の最新データによりますと、平成十九年度の実績は被指導延べ人員が一万百人と全国的にも高い傾向にあります。また、平成二十一年三月現在で七十の医療機関が保険適用によります禁煙治療を行っており、この情報を県庁のホームページに掲載しております。  さらに喫煙に関する実態把握のために、平成二十年度には県内十校の大学生、専門学校生を対象としました青年層の喫煙実態調査を行いました。その結果、現在喫煙している学生は、男性が二六・九%、女性が一四・三%。以前吸っているが、今はやめている学生は、男性が一四・九%、女性が一一・九%で、初めて喫煙した時期は小学生から中学生の時期に急激に増加しておりました。  平成十九年度に実施しました小・中・高等学校生の実態調査では、現在喫煙している児童・生徒は小学校五年生は、男子が〇・二%、女子が〇・一%、中学一年生は男子が〇・四%、女子が〇・五%。中学三年生は男子が二・四%、女子が一・五%。高校三年生は男子が一一・六%、女子が四・八%となっています。初めて喫煙した時期は、青年層の調査と同様に、小学生から中学生の時期に急激に増加しておりました。  子供が喫煙している場合、家族の喫煙率が有意に高く、特に母親の喫煙が子供の喫煙行動に影響を与えることがわかっています。今後の取り組みにつきましては、引き続き防煙教室、受動喫煙防止対策、禁煙支援を行うほか、今年度より、妊娠を契機に禁煙した母親が再喫煙しないよう関係者が支援するための研修会の開催や、学校、地域や家庭が一体となった未成年者の喫煙防止に向けた検討会を開催し、目標実現に向け努めてまいりたいと考えております。  しかしながら、行政だけの取り組みには限界がありますことから、委員初め多くの皆様方に御理解、御協力を賜りたいと考えておりますし、実際に青森県タクシー協会では平成二十二年八月六日から全面禁煙とすることを決定しているなど、自主的な取り組みも今後推進していけるものと考えております。 114 ◯中村委員長 安藤委員。 115 ◯安藤委員 丁寧な答弁ありがとうございました。健康あおりもり21で示す未成年者、妊婦の喫煙ゼロ%、成人の喫煙率二五%以下を目指して、ぜひ県民の健康維持のために頑張っていただきたいというふうに思います。  次の質問ですが、四十ページ、乳幼児はつらつ育成事業費補助に係る対応について。平成二十年十月から給付対象を拡大しているが、実績についてお伺いします。 116 ◯中村委員長 一瀬健康福祉部長。 117 ◯一瀬健康福祉部長 本事業は乳幼児の健康保持増進、保護者の経済的な負担の軽減を図るため、県内全市町村が実施しており、県は市町村で給付しました乳幼児医療費の自己負担分について二分の一を助成しております。これまでの制度では、通院の補助対象はゼロ歳から四歳未満まで、入院はゼロ歳から就学前の児童までとなっておりましたが、平成二十年の十月診療分からは補助対象を拡大し、四歳から就学前の児童までの通院も対象としました。当事業の平成二十年度補助金の対象となります乳幼児医療費につきましては、平成十九年十二月から平成二十年の十一月までの診療分となっており、制度拡充後の四歳から就学前の児童までの通院の給付実績は、平成二十年十月と十一月の二カ月分で給付件数が一万九千九百十六件、補助対象となります医療費総額がおよそ一千九百四十万円、県の補助としてはおよそ九百七十万円となっております。 118 ◯中村委員長 安藤委員。 119 ◯安藤委員 四歳以上の通院が月千五百円、入院一日五百円の自己負担があります。格差社会の広がりで生活に困窮する貧困層がふえている中、子供を医者につれていけない世代も急増しています。この自己負担をなくすという方向が必要だと思いますが、その点について見解を伺います。 120 ◯中村委員長 一瀬健康福祉部長。 121 ◯一瀬健康福祉部長 この事業は子育て家庭の経済的負担の軽減を図り、安心して子供を産み育てることのできる環境づくりを進めるためのものであり、今後も継続して実施していくものと考えております。  したがいまして、県及び市町村において持続可能な内容とすべきであり、一定の負担を県民に求めることはやむを得ないものと考えております。 122 ◯中村委員長 安藤委員。 123 ◯安藤委員 その結果、病気になっても医者に行けないという子供がいるという現実をしっかり直視していただいて、この自己負担分をなくしていくように、ぜひ検討を進めていただきたいというふうに思います。  今、県内の市町村ではこの乳幼児医療費の給付制度はとても広がっています。給付対象も中学校卒業までが四自治体、所得制限をなしにしているのが十自治体、自己負担額がなしにしているのが九自治体、現物給付にしているのが十三自治体と大変各市町村が頑張っているような様子がこの結果で見てわかります。こうした市町村の頑張りにこたえて、県としても助成制度を拡充する必要があると思いますが、この考えについて伺います。 124 ◯中村委員長 一瀬健康福祉部長。 125 ◯一瀬健康福祉部長 当事業の実施主体は市町村となっておりまして、県は事業を実施した市町村に対し補助を行っております。平成二十年十月から制度の拡充を行ったところですが、この際にも一部負担金を導入して市町村に財政的な負担をかけずに、全市町村での実施が可能な内容として拡充を図っているところでございます。県では、乳幼児医療費助成制度は本来、国において行うべき重要な少子化対策であると考えております。これまでも県の重要施策提案として国に要望してきております。今般の新政権、民主党の政策集にも小児医療の自己負担の軽減が掲げられておりますし、社民党の政策にも国の制度とし、就学前の子供の医療費を無料化するとなっております。今後もさまざまな機会をとらえて国に働きかけるとともに、事業の実施主体は市町村であり、その財政状況等も勘案することが必要でありますことから、市町村の意向等の把握に努めていきたいと考えております。 126 ◯中村委員長 安藤委員。 127 ◯安藤委員 この点についても新政権にぜひ期待したいというふうに思います。また、その新制度に移行するまで、現物給付を実施する市町村に対するペナルティーをやめるように国に働きかける必要があると思いますが、これについてはいかがでしょうか。 128 ◯中村委員長 一瀬健康福祉部長。 129 ◯一瀬健康福祉部長 市町村が被保険者の一部負担金に相当する額を被保険者にかわって保険医療機関に支払う、いわゆる現物給付を実施しました場合、国民健康保険の国庫負担金等の算定においてはその療養等に要する費用の額に一定の調整率が乗じられ、減算されることになっております。このことにつきましては、県では、毎年開催されます北海道・東北・新潟ブロック国民健康保険主管課長会議として、市町村の国民健康保険財政への影響を減らし、また、少子化対策を推進していく観点から、減額措置を廃止するよう国に対して要望しているほか、さきに申し上げましたとおり、根本的な解決策としましては、国みずからが医療費無料化制度を創設すべきと考えております。 130 ◯中村委員長 安藤委員。 131 ◯安藤委員 次の質問に移ります。六十一ページ、経営体育成基盤整備事業の取り組みについて。一つ質問を省きまして、本事業の実施地区において区画整理に伴う旧道水路の取り扱いはどのようになっているのか伺います。 132 ◯中村委員長 有馬農林水産部長。 133 ◯有馬農林水産部長 本事業の実施地区をも含めて区画整理では、整備前の水路や道路、いわゆる旧道水路を含めて区画が整理されることになりますので、大半は旧道水路は圃場となりまして、新しく道路や水路がつくられていくということになります。 134 ◯中村委員長 安藤委員。 135 ◯安藤委員 経営体育成基盤整備事業等により区画整理を実施した地区外において、旧道水路の取り扱いは一般的にどのようになっているのかお伺いします。 136 ◯中村委員長 有馬農林水産部長。 137 ◯有馬農林水産部長 事業を実施した、しないは別にいたしまして、一般的な一つの例としまして、例えば複数水路があった場合、現実的に区画整理した後、一本の水路で間に合うといった場合についてはもう一本の水路は廃止されることになります。その廃止された旧水路の取り扱いについては、市町村が管理する場合と土地改良区が管理する場合があります。 138 ◯中村委員長 安藤委員に申し上げます。要望事項のみにしてください。──安藤委員。 139 ◯安藤委員 その土地改良区が管理するという場合について、確認を一本だけさせてください。 140 ◯中村委員長 要望のみにしてください。 141 ◯安藤委員 それでは、この弘前北部土地改良区で請求検査をした一つの内容がこの道水路の取り扱いについてでした。道水路に対しての市町村の管理すべき道水路についてはしっかりとそうした体制で管理が行われるよう県のほうから指導を徹底していただきたいというふうに思います。この点を言わせていただきます。  あと何点か残してしまいまして、申しわけありません。また、次の機会にやらせていただきます。 142 ◯中村委員長 午さんのため暫時休憩いたします。 午後零時一分休憩    ──────────────────────── 午後一時再開 143 ◯丸井副委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。  質疑を続行いたします。  川村悟委員の発言を許可いたします。──川村委員。 144 ◯川村委員 クラブ林檎の川村でございます。通告に従って質疑を行います。  最初に、平成二十年度青森県歳入歳出決算審査意見書基金運用状況審査意見書について伺います。一点目は、財政構造の硬直化の問題についてであります。意見書の三ページに財政運営の状況が記載されています。この中で主要な財政指標については、財政力指数が〇・三二七二、経常収支比率が九九・七%、公債費比率が二〇・九%と高水準にあり、依然として財政構造の硬直化が進んでいると指摘しております。  そこで人件費、扶助費、公債費等の経常経費の割合を示す経常収支比率については、相当動脈硬化が進んでいる状態にあること。また、実質公債費比率が一八%以上になりますと、地方債発行に国の許可が必要となるなど、現在の状態は黄色い信号か、赤の点滅状態にあるのではないかと思いますが、これらの指標が高水準にある要因についてまずお伺いいたします。 145 ◯丸井副委員長 田辺総務部長。 146 ◯田辺総務部長 経常収支比率の分子となる経常的な歳出におきましては、社会保障関係費や公債費が増加したものの、それ以上に人件費などの歳出抑制が図られましたので、十八億円の減となりました。比率の改善要素はあったんですけれども、その一方で分母となる経常一般財源の総額、歳入のほうでございますけれども、それが地方税の減収等によって約十八億円の減額となりましたので、結果的に経常収支比率は昨年度と同水準となっております。  次の実質公債費比率でございますけれども、公債費が増加傾向にありますので、昨年度より〇・八ポイント悪化しているという状況でございます。このように社会保障関係費ですとか、公債費の増嵩が続いておりますし、いまだ歳入環境が依然として厳しいので、懸命の行政財政改革努力にもかかわらず、財政の硬直化が進んでいるというふうに認識しております。 147 ◯丸井副委員長 川村委員。 148 ◯川村委員 依然として厳しいということでありまして、県は平成十六年から二十年にかけて五年間の財政改革を進めてきたのでありますが、平成二十年が最終年度であり、総括が必要なのではないかと思います。  そこで、財政構造改革のこれまでの取り組みと平成六年のピーク時には一千八百億円余の基金残高であった基金の現在の状況についてお伺いいたします。 149 ◯丸井副委員長 田辺総務部長。 150 ◯田辺総務部長 本県では平成十五年度に財政改革プランを、そして、平成十七年度に中期的な財政運営指針というものを策定いたしまして、最終的には基金に頼らない財政運営の確立を目指してきたというところでございます。  しかしながら、地方財政対策によりまして、たび重なる地方交付税の削減などの影響を受けまして、平成十六年度から二十年度までの財源不足額約四千億にまで拡大したという状況にありました。そのため、これまで人件費の抑制、事務事業の見直しの徹底など懸命な改革努力を行いまして、何とか予算の執行段階における財源確保なども含めて約三千五百億円の財源不足の圧縮というのを行ってきました。ただ、財源不足額、四千億ありましたので、その分は依然として基金の取り崩しによって頼ってきたという状況にございます。その結果、平成十五年度末に七百八十五億円あった財政調整用の基金残高──これは改革の努力をしなければ今はもう底を突いていたという状況でございますけれども、今のところ、何とか平成二十年度末には三百十六億まで保っておりますけれども、あと残りわずかになってきたという状況でございます。 151 ◯丸井副委員長 川村委員。 152 ◯川村委員 平成二十一年度から二十五年度を期間とする青森県行財政改革が本年度よりスタートしておりますが、県として平成二十年までの財政改革の成果と反省を踏まえ、また、引き続き厳しい国の財政状況を見据えて、県として財政構造改革を今後どのように進めていこうとするのか改めて伺います。 153 ◯丸井副委員長 田辺総務部長。 154 ◯田辺総務部長 本県としましては、昨年十二月に策定した新たな行財政改革大綱に基づき、持続可能な財政構造の確立を目指し、歳出改革の推進、財源確保の取り組みを徹底するなど、引き続き財源不足額の圧縮に努めることとしておりますが、地方財政を取り巻く環境が悪化しておりまして、具体的には社会保障関係費、あるいは公債費の増加への対応、税収の急激な落ち込み、地方交付税総額の動向が不透明など、非常に一団体の努力ではおのずと限界があるものと認識しております。そのため、先ほども申し上げましたけれども、やはり地方交付税の充実、増額というのは不可欠でございまして、新政権における地方財源対策、地方財政対策というものに期待申し上げていると先ほど申し上げましたが、期待申し上げていると同時に、若干の懸念材料というのがございまして、今、概算要求なんかの状況を見ていますとやはり新政権がマニフェストに従って行うべき施策をするためには、かなりの規模の新しい財政需要が必要になってきます。それをこれまで既存の財政を切り込んで新しい財政需要に対応するということになるんですが、今、国の当初予算を見ても、先ほど義務的経費がふえているということでございますが、これは地方だけでもなく、国もある意味当初予算ベースで見るとほとんどが義務的経費になっておりまして、なかなか新しい施策をするための財源を生み出す努力というのは大変厳しい環境にあると思います。  最終的にどういうものが切り込まれるかと申しますと、公共事業というのは、マニフェストにもありましたけれども、かなりの額もう既に概算要求でも出ておりますが、公共事業というのはかなりの額減るだろうということと、あとはどこに切り込み材料を見つけるのかということで、個別の事業を個々、個々見ていくと、まだこれは不要じゃないか、あるいは不要不急ではないかという事業が見つかるとは思うのですが、やはり規模が何兆円という規模になって、財源を見つけ出すということは非常に大変な作業だと思われます。  平成十六年のときに、いわゆる三位一体改革というのが行われましたけれども、最終的には地方交付税というのは三年間で五兆円削られたときも同じように、いろいろな財政対策をしてもなかなか国の財政規律が保てないということで、ある程度の規模を持った額をばさっと削らないとなかなか当初の国の財政の規律が保たれないということで、地方交付税がばっさり削られたという経緯もございますので、最終的に国の財政のつじつま合わせに地方交付税が使われないように、よく注意する必要がありますし、やはり新政権が唱える地域主権というのを達成していただくためにも、地方交付税の充実というのをまずは地方公共団体は訴えていく必要があると思います。 155 ◯丸井副委員長 川村委員。 156 ◯川村委員 県がこれまで国の交付税等が引き下げられる中で大変な財政改革の努力をされてきたということは認めます。そして、現在の財政状況、これからの対応等の認識も同じだということであります。そして、予防しておきたいんですが、今、部長のほうからもお話がありましたように、政権が交代いたしまして、今後地方がどうなっていくのか。地方交付税がどうなっていくのかという心配があります。改革に痛みを伴うということは十分理解いたしますが、ただ、地方が置き去りにされるということは何としても阻止していかなければいけない課題だと思います。きのうもダムがどうなるのかという議論もありました。また、西北五地域の地域医療再生計画、国の支援が百億円ほど見込まれてあったわけですが、二十五億から三十億にとどまるんではないかというふうな見通しなどもありまして、私どもとしても、いろいろな機会を通じて地方の声が国のほうに反映されるように行動してまいりますが、県としてもこの点について最大限の努力を要請しておきたいと思います。  二点目は、四ページ、留意改善する事項の中で収入未済額百六十七億三千六百十九万円余の問題についてであります。県境不法投棄産業廃棄物処理の行政代執行分が百二十七億五千八百四十九万円余と収入未済額の七六・二%を占めております。悪質業者の不法行為によって、前代未聞の産廃不法投棄が行われ、県の監視活動の不備等によって多額の税金を投入しなければならないという状況が現在も続いているわけであります。この問題については昨日の畠山委員の質疑によって概要は理解をいたしました。  そこで、監査委員から、実態を十分把握の上、法令に基づいた適時適切な債権管理を行っていく必要があるとの意見に対して、県としてどのように取り組んでいくのか伺います。 157 ◯丸井副委員長 名古屋環境生活部長。 158 ◯名古屋環境生活部長 県境不法投棄事案の原因者に対しましては、平成十五年度以降、毎年度、行政代執行費用に係る納付命令を発出しているところでございます。このうち一部について納付があったものの、原因者二社のうち一社につきましては、破産手続が終了していると。もう一社につきましても、現在、清算手続中であるなど、回収は極めて困難な状況にございます。収入未済に係る債権管理につきましては、監査委員の意見も踏まえ、原因者及び金銭債権に係る第三債務者に対して定期的に納付の催告を行うこと。また毎年度の納付命令の発出後、迅速に事項中断の措置を講ずること。随時財産調査を行って、可能なものは差し押さえを行うと。既に差し押さえている不動産につきましては、計画的に公売を実施いたしまして、換価処分することなどによりまして、引き続き適時適切な債権管理に努めていくこととしております。 159 ◯丸井副委員長 川村委員。 160 ◯川村委員 今後、行政代執行費用がほとんど回収できないというふうに思われるわけでありますが、費用を回収できなかった場合の最終的な手続というのをどのように考えておられるのか伺います。 161 ◯丸井副委員長 名古屋環境生活部長。 162 ◯名古屋環境生活部長 行政代執行にかかる費用につきましては、費用の確定した翌年度に、不法投棄の原因者に対しまして納付命令を発出してきているところでございます。これに対する原因者から納付が一部にとどまっていることから、納付命令額のほとんどが収入未済となっているものでございます。行政代執行費用を回収できなかった場合の最終的な手続につきましては、現在、差し押さえ債権の回収及び差し押さえ不動産の換価等による収入未済額の縮減に努めているところでございまして、現段階において明確な見通しを持つには至っていないところでございますが、これらの収入未済に対する取り組みが終了して、差し押さえるべき財産がなくなった場合につきましては、当該案件が財務規則に定める不納欠損処分の要件を満たすことになるということから、適切に対応してまいりたいと考えております。 163 ◯丸井副委員長 川村委員。 164 ◯川村委員 欠損処分をせざるを得ないということで、手続についてはわかりました。  次に参ります。三点目は四ページ、普通財産の未利用地解消の問題についてであります。総務部が所管する未利用地が前年度に比較して一万三千余平方メートル、二・九%、前年度に比較をして増加しているという理由は何か伺います。 165 ◯丸井副委員長 田辺総務部長
    166 ◯田辺総務部長 県では県有施設の有効な利活用というのを推進することを目的としまして、平成十九年の三月に青森県県有施設利活用方針というものを策定しております。この方針では、県有施設の保有総量はできるだけ縮小し、効率的な利用を推進しようということにしておりますので、利用見込みのない場合には積極的な売却を行って歳入の確保を図ることとしております。  したがいまして、総務部が所管する未利用地がふえているというのは、今まで行政財産として使っていたものを用途を廃止して普通財産としたことが原因でございます。 167 ◯丸井副委員長 川村委員。 168 ◯川村委員 行政財産から普通財産に切りかえたということで、二・九%増加したんだということでありますが、これら未利用地の解消のため、今後どのような取り組みをしていくのか伺います。 169 ◯丸井副委員長 田辺総務部長。 170 ◯田辺総務部長 未利用地につきましては、市町村などに公益的活用をまず確認いたしまして、利活用計画がないということになりますと売却することとしております。売却に当たりましては、これまでも積極的な広報活動や予定価格の事前公表などさまざまな工夫を努めてきたところでございますけれども、平成二十年度からは売却可能性調査から事後対応に至るまでの一連の売却業務を宅地建物取引業者、いわゆる民間へ委託することにより、効率的で適正な売却業務を推進しているところでございます。今後とも未利用地の実態把握に努め、有効活用を図るとともに、利用の見込みのないものについては積極的な売却に努めてまいりたいと考えております。 171 ◯丸井副委員長 川村委員。 172 ◯川村委員 きのうも畠山委員の質疑の中でこの未利用地の中に旧県青年の家というのがあるというお話であったわけですが、旧青森県青年の家、二十三万余平方メートルということで未利用地の大部分を占めるということになって、売却が最大の課題ではないかというふうに受けとめております。  そこで、昨日の質疑の中で、青森市が購入について検討したいという表明をしているようでありますが、現在の市長は鹿内博氏であります。市長選挙に発表されたマニフェストがございまして、六つのプロジェクト事業が掲げられておりまして、この中に、子供の幸福を広げ、生命と教育を大事にするプロジェクトという中に、旧県青年の家と細野山の家を青少年と市民の宿泊・体験野外活動に活用と記載をされているのであります。古村さんに聞いたほうが早いのかもしれませんけれども、したがって、売却の見通しは、私は一〇〇%に近いのではないかなというふうに受けとめているものでありますけれども、県として県青年の家の跡地の売却についての見解と売却の時期等についての見直しがありましたらお聞かせいただきたいと思います。 173 ◯丸井副委員長 田辺総務部長。 174 ◯田辺総務部長 今、青森市のほうで具体的な検討をされているようでございます。その検討内容が我々のほうに伝わりましたら、その際に譲渡等も含めて旧青年の家のあり方への対応をよく対処してまいりたいと考えております。 175 ◯丸井副委員長 川村委員。 176 ◯川村委員 次に、主要施策成果説明書について伺います。  一点目は、三ページの青森の強みを生かした戦略的企業誘致の取り組みについてであります。平成二十年度における企業誘致は十六件ということで、この時期にあっては大きな成果ではないかと思っております。この十六件の主な業種、雇用の創出数、企業進出の背景、理由等について伺います。 177 ◯丸井副委員長 櫻庭商工労働部長。 178 ◯櫻庭商工労働部長 企業誘致の関係でお答えいたします。まず、企業誘致は地域活性化のかぎを握る雇用と所得を生み出すことに即効性があると認識しております。このため、本県のすぐれた人材の豊富さや立地環境の強みを積極的にアピールしながら、企業誘致活動に取り組んでおり、その結果、平成二十年度の誘致件数は二年連続で平成のバブル崩壊後では最多の十六件となりました。これらの企業の雇用見込み者は約五百三十名となってございます。また、立地した企業による工場等の増設も十九件と、平成十九年度の十一件を大幅に上回っておりまして、大きな経済効果が期待されているところでございます。具体的な業種の関係でございますけれども、誘致した件数の中の業種としては、原子力及び風力発電などのエネルギー関連企業が五件、自動車の納車整備センター及び自動車制御センサを製造する自動車関連企業が二件、コールセンターなどの情報サービス産業が二件などとなってございます。進出の理由としては、本県におけるエネルギー関連産業の集積、豊富で勤勉な人材のほか、事業パートナーとなる企業が本県に既に立地していることなどが理由に挙げられております。 179 ◯丸井副委員長 川村委員。 180 ◯川村委員 五百三十の雇用をふやすことができたということで、県の大変な御努力に敬意を表したいと思うんですが、ただ、ことしに入ってなんですけれども、昨年以降の世界同時不況ということから、企業誘致もますます厳しくなることが予想されるわけですが、二十一年度もちょうど半年経過をいたしました。現在の状況と企業誘致の今後の取り組みについてお伺いいたします。 181 ◯丸井副委員長 櫻庭商工労働部長。 182 ◯櫻庭商工労働部長 委員御指摘のとおり、昨年の暮れあたりからの世界同時不況と言われる経済情勢の中で、企業誘致を取り巻く環境というのは非常に厳しくなってきてございます。また、地域間競争も当然ございますので、その中で私どもとしては雇用の場の拡大ということ、それから、今まで培ってきた企業とのネットワークというものを生かしながら、本県の地域の優位性、あるいは新幹線等も含めまして企業誘致に積極的に取り組んでいくというふうな姿勢でございます。今後は、これまでの産業集積、あるいはローカルテクノロジー、それから、人材等の本県の優位性が発揮でき、さらに成長が期待される環境エネルギー産業や農工ベストミックス関連産業などのあおもり型産業を中心に、企業誘致の取り組みを強化していくほか、進出企業に対する人材確保のための取り組み、あるいは進出企業に対するさまざまな相談等も含めまして、ワンストップサービスで対応するというような形で地道な努力を続けていきますけれども、決して今までどおりの件数というものを獲得できるかどうかということについてはまだ非常に不透明な状況にございます。 183 ◯丸井副委員長 川村委員。 184 ◯川村委員 大変厳しい経済環境でありますけれども、本県の強み、特性、エネルギー分野でありますとか、環境分野での可能性というのはまだまだあると思います。ぜひそういう特性を生かした企業誘致に全力を挙げていただきたいと要望しておきます。  二点目は、四ページ、国内外のビジネス展開の取り組みについて伺います。ジェトロ青森貿易情報センターの統計によりますと、平成十五年比較で見て、年々、輸出額、輸入額ともに増加いたしております。県経済全般にとって大変好ましい状況といえます。内容としては、民間の工業製品等の出荷額、原材料費の輸入等が反映されたものと思いますが、県の取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。県内企業の中国、アジア地域でのビジネス活動促進の取り組みについて、その成果と今後の取り組みについて伺います。 185 ◯丸井副委員長 櫻庭商工労働部長。 186 ◯櫻庭商工労働部長 中国、アジアでのビジネスの活動展開についてお答えいたします。平成二十年度における中国・アジア地域における県内企業のビジネス活動を支援するために、中国大連市及び瀋陽市でビジネス商談会を開催したほか、遼寧省企業を青森県に招聘して招聘ビジネス商談会を開催したところでございます。その成果として、青森県側参加企業は延べ三十四社、中国側参加企業は延べ七十一社、商談件数は延べ百三十六件で、成約見込み額は食料加工品を中心に約四億七千万となってございます。国内の少子高齢化による消費需要の減少、あるいは経済のグローバル化が加速する中で県内企業が成長、発展するためには、人口規模が大きく、一定の経済成長が持続している中国・アジア地域をターゲットとして販路開拓等を取り組むことが重要だと考えております。  そのため、今年度から新たに中国大連市で現地のコンサルタントを活用して、通年で商談機会を県内企業に提供しているほか、中国上海市でビジネスコーディネーターを委嘱しまして、上海でビジネスに取り組もうとする県内企業に対しても支援しているところでございます。今後とも県内企業のニーズ、あるいは動向を踏まえながら、中国・アジア地域でのビジネス展開を積極的に支援してまいります。 187 ◯丸井副委員長 川村委員。 188 ◯川村委員 ぜひビジネス活動の促進ということで取り組みをすればするだけ成果が出ているわけでありますので、推進をお願いしたいと思います。  もう一点は、こういった東南アジアに特に青森県のリンゴの輸出ということが県政の大きな課題ではないかと思います。リンゴ輸出におけるこれまでの成果と今後の取り組みということでお聞かせをいただきたいと思います。 189 ◯丸井副委員長 有馬農林水産部長。 190 ◯有馬農林水産部長 二十年産リンゴの輸出量は、世界の経済不況、あるいは円高という厳しい経済環境の中にありましても、全国ベースで約二万二千トンとなっておりまして、その約九割が本県産のリンゴで占められていると見ております。特に台湾においては、これまで県も含めて生産・販売団体と一体となった輸出拡大に取り組んできたこと、WTOへの加盟により台湾の輸入制限枠が撤廃されたことなどから急増してきた状況にあります。今後は、青森県農林水産物輸出促進協議会が中心となりまして中国、東南アジア、中東への輸出拡大に向けた新たなルートの開拓に努めることとし、見本市への出展、あるいは輸出取り扱い業者に対する販売促進活動などを行うこととしています。 191 ◯丸井副委員長 川村委員。 192 ◯川村委員 台湾の輸出については今、残留農薬の問題等もありますけれども、ぜひ課題をクリアしていただいて、更なる飛躍を期待したいと思うんですが、特に中国への輸出、あるいは岡元委員が特に頑張っているベトナム等への輸出についてもこれから頑張っていかなきゃいけない課題ではないかと思いますので、特段の取り組みをお願いをしておきたいと思います。  次に、三点目、七ページのユビキタス情報システム導入促進事業の取り組みについて伺います。青森市中心商店街をエリアとして、昨年十二月から今年三月まで委託機関として本事業の実証実験が行われたようでありますが、ユビキタス情報提供モデルシステム構築事業の内容とその効果について伺います。 193 ◯丸井副委員長 奥川企画政策部長。 194 ◯奥川企画政策部長 県では平成十七年度からゆきナビあおもりプロジェクトを実施し、本県を訪れる観光客等が安心して快適に移動できる環境づくりを目的とした実証実験を行い、より有効な情報提供の手法に関する検証を行ってまいりました。昨年度、県が構築したユビキタス情報提供モデルシステムはこれまでの実証実験で得られた成果を踏まえつつ、広く普及しております携帯電話を活用し、店舗や施設の前に張られたQRコード等を読み取ることで営業時間やお勧めのメニュー、口コミ等の情報を提供するものです。このシステムにおきましては、青森市中心商店街の約百店舗の協力をいただいて、ことしの二月中旬から約一カ月間にわたり実証実験を行い、約三百三十名のモニター参加者に実際に携帯電話を使って情報にアクセスしていただきました。実証実験終了後、アンケート調査を実施しましたところ、過半数を超えるモニター参加者から、操作が簡単との評価をいただいたほか、約三分の一のモニター参加者がこのシステムを利用し実際にお店に行ったと回答していることから、県としては情報提供システムとして一定の効果が得られたものと考えております。 195 ◯丸井副委員長 川村委員。 196 ◯川村委員 この実証実験によって構築したシステムを今後どのように展開をしていこうとするのかお伺いいたします。 197 ◯丸井副委員長 奥川企画政策部長。 198 ◯奥川企画政策部長 平成二十年度に構築したこのシステムは、実証実験終了後におきましても、地域の主体的な活動によりまして継続的な運用が図られております。県としては県内の他の地域においても同様の環境を整備することによって、店舗や施設等の情報をより幅広く提供し、利用者の利便性の向上を図っていくことが重要であると考えております。このため、今年度から三カ年にわたり、ふるさと雇用再生特別基金事業を活用して県内の店舗や施設等のデータ収集等を広く行い、順次システムの中に反映させながら、全県的な展開を図っていくこととしております。このシステムによる情報提供を広域的に展開することは、来年十二月の東北新幹線全線開業を見据えた観光客やビジネス客等への情報提供手段の拡大にもつながることから、引き続きこのシステムの拡充に取り組んでいきたいと考えております。 199 ◯丸井副委員長 川村委員。 200 ◯川村委員 四点目に入ります。十三ページ、日本一健康な土づくり農業実践事業の成果について伺います。平成二十年度までの二カ年、二年間の継続事業として土づくり事業が行われてきたところでありますが、本事業の内容と成果について伺います。 201 ◯丸井副委員長 有馬農林水産部長。 202 ◯有馬農林水産部長 県では消費者が求める安全・安心ですぐれた農作物を生産供給していくため、農業生産の基本である土づくりにすべての農業者が取り組むことを目指して、平成十九年度から日本一健康な土づくり運動を展開しており、本事業はその一環として土づくりの基礎となる土壌診断に基づく適正施肥の推進と、有機物の施用などによる土づくり技術の実証、普及、農家の高齢化や労働力不足をカバーする堆肥散布などの作業請負組織の育成、老朽化した堆肥センターの改修整備などに取り組んだところでございます。この結果、平成二十年度は簡易診断機器を用いた土壌診断が約二万四千件実施され、土壌状態を確認した上で適正な施肥を行うという意識が高まったほか、土づくり作業を請け負う組織が新たに二十九組織育成され、また、加えて堆肥センター五施設の改修が行われたところであります。こうしたことを通じて健康な土づくりの着実な推進が図られているところでございます。 203 ◯丸井副委員長 川村委員。 204 ◯川村委員 日本一の健康な土づくりをこの二年間の成果を生かして、今後どう進めていこうとするのかお伺いいたします。 205 ◯丸井副委員長 有馬農林水産部長。 206 ◯有馬農林水産部長 今後はJA全農あおもり土壌分析センターを活用した土壌診断の推進と適正施肥の一層の徹底、また、肥料の施用量を抑制できる部分施肥技術の導入拡大や、堆肥など地域の有機質資源の利用拡大と広域的な流通、堆肥散布などの作業請負組織の活動強化や新たな組織づくりなどに取り組み、化学肥料の使用を減らして経費の節減を図るとともに、健康な土づくりを基本とした環境に優しい農業を拡大して県産農作物の評価向上に努めてまいります。 207 ◯丸井副委員長 川村委員。 208 ◯川村委員 農産物についてもやはり他県と差別化をしていくということが大変に重要ではないかと思います。土づくり運動の事業の内容、効果等については理解をいたしました。  そこで、「奇跡のリンゴ」ですっかり有名になりました弘前市の木村秋則さんでありますが、木村さんの農業も実はこの土づくりにあるんだと思っております。現在は野菜づくり等についても、あるいは果物、こういったことで宮崎のマンゴーを初め各地の野菜、果物づくりに木村さんの土づくりの技術が生かされているというふうに聞いております。世界各地から今、技術を学ぼうということで木村さん詣でが行われているようであります。また、けさの新聞報道では、中泊町の三上新一さんが有機農業で天皇賞をいただくことが明らかになっております。青森県にはこのようなすばらしい人材がたくさんいるということでありますから、これを率直に受けとめて、私たちは学んでいかなければいけないのではないかと思っております。  したがって、ぜひ県の土づくりの施策にもこういった方々のノウハウというものを十分生かして今後の運動を、事業を展開していただくように強く要望しておきたいと思います。  次に、五点目、十三ページの「夏秋いちご」日本一飛躍産地育成事業の取り組みについて伺います。県内の「夏秋いちご」の栽培状況については、きのう、西谷委員の質疑でわかりましたので、その点については省略をいたします。  そこで、「夏秋いちご」の生産振興に当たっての課題は何かということについてお伺いいたします。 209 ◯丸井副委員長 有馬農林水産部長。 210 ◯有馬農林水産部長 「夏秋いちご」の生産振興に当たっての課題でございますが、生産、出荷──最初の立ち上がりに対して初期の投資経費がかさむこと。また、品質や出荷量の安定確保に向けた品種の選定をどうするのかということ。あるいはまた、品質や収量が低下しやすい夏場の安定生産技術を確立しなければいけないこと等々が挙げられると思います。また、そのほかに、産地や生産者間における品質のばらつきの解消に向けた技術の高位の平準化などが挙げられると思います。 211 ◯丸井副委員長 静粛に願います。──川村委員。 212 ◯川村委員 今、課題のお話があったんですが、この課題の解決に向けて県としてどのような取り組みをしていかれるのかお伺いいたします。 213 ◯丸井副委員長 有馬農林水産部長。 214 ◯有馬農林水産部長 生産量の拡大、増大と初期投資の軽減を図るために、県単の補助事業によりハウスや冷蔵施設等の導入を支援しているところです。また、品質や出荷量の安定確保に向けて試験研究機関においては、主要品種の特性や施肥方法を把握するための試験を実施しているほか、夏場の安定生産技術を確立するため、主要産地に設置した実践圃において例えば細かな霧を発生させる冷房機、高温障害防止用の光を遮る資材などについての調査研究も進めています。このほか、生産技術の高位平準化に向けては、実践圃を活用した研修会、各産地における巡回指導や勉強会、生産者等による情報交換会などを開催しているところです。 215 ◯丸井副委員長 川村委員。 216 ◯川村委員 私も生産者の声というものを聞いてみたわけでありますが、例えば一つのパック、二十四玉から三十玉ということで、生産原価が五百円ぐらいだということなんです。夏場の作物でありますから、今、部長からもお話がありましたように、結構ばらつきが出てくるということで、ケーキ等のお菓子に使えないものが相当出てくると。そういったときに、生食で販売ができればいいんだけれども、酸っぱくてとても生食には使えないという特性があるようであります。したがって、生産者からはぜひその点の改良というものを県にお願いしたいんだと。時間はかかるかもしれないけれども、ケーキとして利用できなかった分が生食としても値段がつくようであれば、非常に収入が安定するということ。また、現在の状況はそういう使えないものというのはイチゴジャムにするわけでありますけれども、そのジャムがせいぜい二、三十円にしかならない。そうしますと、これも全く収入としては見込めないわけでありますので、良質なジャムをつくる技術の面でも県に何とか支援をしてもらいたいという声も非常に強くありますので、その点についてもしっかり受けとめていただきたいと思います。  また、もう一点は、大量に商品があれば十分なんですけれども、どうしても品不足ということもあって、配送する場合にコストが高くつく。東京などの首都圏の場合はほかの荷物にまぜるからいいけれども、例えば北陸、あるいは新潟での需要もあるんだそうです。そういった場合には、なかなかいっぱいにならないのでコスト割れをするという配送上の問題もあるようでありますから、その辺についてもいろいろな配送の技術等も含めて県のほうもしっかり研究をして生産者、あるいは関係者に情報提供していただくということを強く要望しておきたいと思います。  次、六点目、十四ページ、「冬の農業」産地拡大施設整備事業の取り組みについて伺います。本事業の二十年度の取り組み状況とこれまでの成果についてお伺いいたします。 217 ◯丸井副委員長 有馬農林水産部長。 218 ◯有馬農林水産部長 本事業は「冬の農業」に取り組むハウス栽培の産地拡大を図るため、耐雪型ハウスの整備や除雪機、暖房機の導入などを支援するもので、平成二十年度には十六市町村で五十五棟のハウスが整備されたほか、暖房機が九台、除雪機が八台導入されています。平成十八年度に事業を開始して以降、合計百八十二棟のハウスが整備されたほか、暖房機が三十八台、除雪機が三十四台導入され、ホウレンソウやイチゴなどの産地が拡大したほか、端境期に出荷が可能なアスパラガスやハウスネギのほか、ガーデニング等で需要のある比較的低温に強い鉢花などが栽培されています。加えて昨年度までの原油高騰、原油価格の高騰を背景としまして、廃油や廃タイヤなど石油代替燃料による暖房や内張りカーテン、温度むらをなくするための空気の循環機器などの導入も進んでいるところでございます。 219 ◯丸井副委員長 川村委員。 220 ◯川村委員 「冬の農業」の施設整備を進めるに当たっての課題と今後の取り組みについてもお伺いいたします。 221 ◯丸井副委員長 有馬農林水産部長。 222 ◯有馬農林水産部長 先ほどの答弁と少し重複しますが、「冬の農業」の施設整備を進めるに当たっては、やはり暖房用の石油燃料の価格上昇が懸念されるということから、省エネルギー対策を一層徹底していくことが課題であると考えています。このため、県では平成二十一年度から、「冬の農業」省エネ施設等整備事業を実施し、二重被覆や内張りカーテンなどを備えた省エネ型のパイプハウスの整備に対する支援のほか、暖房機の導入に当たっては燃油の使用料を二割以上削減する省エネ計画の作成を助成の要件にするなど、加温栽培の省エネ対策の徹底を図ることとしています。今後はさらに県内企業が開発を進めている木質バイオマスを利用する暖房機の導入促進や、地域の未利用エネルギーを熱源として活用する実証にも取り組んで県産野菜の供給拡大を図ってまいります。 223 ◯丸井副委員長 川村委員。 224 ◯川村委員 七点目、十八ページ、エネルギー産業クラスターの形成に係る取り組みについて伺います。県民は原子力関連施設への雇用の拡大、電源三法交付金や核燃料税などの地域振興資金の交付に加え、これら原子力産業等への地元企業の参入という点でも大きな期待をしているものと思っております。  そこで、原子力産業への地元企業の参入や従事する人材育成の推進に係る取り組み内容について伺います。 225 ◯丸井副委員長 佐々木エネルギー総合対策局長。 226 ◯佐々木エネルギー総合対策局長 県では平成十九年度から、原子力施設に係るメンテナンス業務の受注促進に向けた仕組みづくりを目指して原子力メンテナンス参画サポート事業を実施しており、原子力技術コーディネーターを通じて新規参入を希望する地元企業への助言やメンテナンス業務を担う工事会社との仲介などの支援を行っています。昨年九月には、県、中小企業団体中央会、日本原燃株式会社等の共催により、メンテナンス業務を担う工事会社と地元企業とが一堂に会し原子力メンテナンスマッチングフェアを開催したところ、地元企業八十八社の参加が得られ、今後の参入が大いに期待される事例も見られるなど、着実に成果が上がってきているものと考えています。  また、県では、メンテナンス業務等に係る従事者の技術向上等を支援するため、原子力発電施設等安全対策等研修事業を実施しております。具体的な研修内容としては、第二種放射線取扱主任者等の資格取得につながる専門研修や設備、機材の点検・補修に係る実技訓練を行っていますが、昨年度の研修では多くの受講者や参加企業から、実際に技術向上等に役立ったとの意見や継続実施、あるいは内容の充実等の要望が寄せられているところです。 227 ◯丸井副委員長 川村委員。 228 ◯川村委員 それでは、来年度以降の取り組みということと、今後の課題についてお伺いいたします。 229 ◯丸井副委員長 佐々木エネルギー総合対策局長。 230 ◯佐々木エネルギー総合対策局長 今後の課題等についてお答えいたします。これまで二カ年にわたる原子力メンテナンス参画サポート事業の実施により、事業者、工事会社と地元企業とのマッチングや商談の進行などに着実に成果があらわれてきていますが、当初の目的の一つである民間主体の受注促進体制の確立に向けてはさらなる取り組みが必要であると考えております。このため、県では今年度からさらに二カ年、原子力メンテナンス参入促進事業を実施し、地元企業の受注促進に向けた仕組みづくりをさらに支援していくこととしています。また、研修事業につきましては、県内企業のニーズや受講状況等を踏まえ、より効果的な研修項目の設定、受講者の拡充を図り、すべての受講希望者に研修機会を提供できるよう努めていきたいと考えております。 231 ◯丸井副委員長 川村委員。 232 ◯川村委員 次に、原子力人材育成・研究開発事業の現状と成果についてお伺いいたします。 233 ◯丸井副委員長 佐々木エネルギー総合対策局長。 234 ◯佐々木エネルギー総合対策局長 県は原子力関連施設が数多く立地展開するという本県のポテンシャルを、本県の人づくり、産業づくりに生かしていくことを目的に、平成二〇年二月に青森県原子力人材育成・研究開発推進構想を策定し、その中で活動拠点としまして、仮称でありますが、原子力人材育成・研究開発センターを位置づけ、その開設に向けて取り組みを進めてまいりました。昨年度は構想を具体化するための基本的な調査検討を行ったところです。  調査の概要でございますが、まず、一つとして、センター整備の基本指針として、一つ、原子力に関する研究者、技術者等の教育の拠点。二つ、原子力の人材育成・研究開発を通じて地域振興と経済活性化に寄与する拠点。三つ、国内外から多数の学生・技術者等が集まる原子力の国際教育研究拠点。四つ、大学の進出や原子力にかかわる人材の交流機会の創出拠点。以上の方針を示しております。この整備方針を踏まえ、センターに必要な機能として、研修、実験、宿泊及び管理運営の機能が必要とされること。また、センターの大まかな建築計画や管理運営体制などの管理運営計画についても検討しています。  以上のように、今回の調査により、今後のセンター開設を進めていく上で必要とされる基本的事項について整理がなされたものと考えております。 235 ◯丸井副委員長 川村委員。 236 ◯川村委員 原子力人材育成・研究開発推進構想の具体化に向けて今後どのような取り組みをされていくのか伺います。 237 ◯丸井副委員長 佐々木エネルギー総合対策局長。 238 ◯佐々木エネルギー総合対策局長 今年度、県では昨年度の調査を踏まえ、センターにおける具体的な活動計画、設置・運営手法などの検討課題について、国内の原子力に関連する大学を初めとする関係者と検討、協議を進めております。このような中で、東北大学が昨年度、原子力関連事業者の社員を対象とする大学院教育をスタートさせ、今年度からは六ヶ所村に新たな研究部門を設置し、研究開発、教育、地域の産業化支援にかかわる事業を開始するなど、センターの活動を先取りする動きも出てきております。県としての今後の取り組みにつきましては、引き続き設置・運営手法の検討を進めるとともに、センターの活動を支える体制づくりなども含め関係機関とさらなる検討を重ね、センターの早期開設につなげてまいりたいと考えております。 239 ◯丸井副委員長 川村委員。 240 ◯川村委員 この点について要望を申し上げておきますが、地元企業の参入のためには、技術力の問題、あるいは設備、資金等の確保の問題などクリアしなければならない課題が多いと思います。ただ、電気事業者にお任せということではなくて、私はこの核燃サイクル施設にいたしましても、原子力の発電所にいたしましても、百年単位で続く事業であるということでありますので、ぜひアンデス電気に見せた支援策同様、この分野への県内企業参入に強力に取り組んでいただきたいということを強く要請をしておきたいと思います。  ちょっと時間の関係もありますので、質問八、九、十、十一も予定していたんですが、別な機会にさせていただきます。準備された部門には大変御迷惑をおかけしますけれども、別な機会ということでよろしくお願いいたします。  最後に、歳出三款一項三目「地域福祉費」、生活福祉資金貸付事業の執行について伺います。県社会福祉協議会は、県が出資した公社、法人ではない。社会福祉法人の一民間団体であります。しかし、その目的は社会的弱者の救済活動にあると思います。多額の県事業費、補助金が交付されているわけで、県民は公共団体、県の外郭団体として受けとめているわけであります。このような現場で横領事件が発生したということは、私の気持ちは情けないを通り越しております。早い時期に全容解明がされ、再発防止策が確認をされ、県民の信頼回復に努めなければならないというふうに思っております。  そこで、青森県社会福祉協議会において職員が生活福祉資金の償還金を横領する事案が発生したわけでありますが、事案の発見に至る経過について、これまでも重複する部分があると思いますが、伺います。 241 ◯丸井副委員長 一瀬健康福祉部長。 242 ◯一瀬健康福祉部長 このたび社会福祉法人青森県社会福祉協議会において発生しました生活福祉資金償還金の横領については、平成二十一年九月七日、県が平成二十年度分の生活福祉資金貸付事業について指導監査を実施したところ、不明瞭な経理処理が認められ、同月八日、実態を調査し、報告するよう指示したことが端緒となっております。  県の指示を受け同協議会が調査を実施したところ、その過程において、当時の担当職員が平成十九年十二月から平成二十一年八月まで十九回にわたり償還金七百四十一万二千三百二十五円を横領していたことが明らかになり、十月八日、同協議会が理事会の合意を得て公表したものでございます。 243 ◯丸井副委員長 川村委員。 244 ◯川村委員 青森県社会福祉協議会が取り組む再発防止対策と県の対応についてお伺いいたします。
    245 ◯丸井副委員長 一瀬健康福祉部長。 246 ◯一瀬健康福祉部長 平成二十一年十月十三日に実施した特別監査において社会福祉法人青森県社会福祉協議会では、今回の不祥事を受け、県民の信頼回復に向けて同協議会が一丸となって再発防止に努めるとの報告を受けております。同協議会からは職場内特別研修の実施により、法令遵守の徹底、会計経理事務の重要性等について職員の意識改革を図る。経理部門を通して処理を行うよう経理事務の正常化を図り、あわせて生活福祉資金業務担当職員を二名配置し、業務執行体制を強化する。内部監査制度を確実に実施する。公印管理の徹底。通帳管理の厳格化、職員の定期的な配置転換などにより内部牽制機能を強化する。財務について透明性と客観性を高めるため、顧問税理士制を導入するとともに、将来的に外部監査の導入を検討する。職場内で情報共有を図り、報告、連絡、相談が行える職場環境を整えるなどのコミュニケーション対策を行うなどの再発防止策が示されております。  今後、県としては、適正対応及び再発防止対策の徹底を指導し、改善が図られるまで重点的かつ継続的に対応していくこととしております。 247 ◯丸井副委員長 川村委員。 248 ◯川村委員 時間の関係もありますので、聞きたいことはあったので、最後、要望だけ申し上げておきたいと思います。昨日の質疑で、今回の処分等の人事には県は関与していないという答弁がありました。これは建前だと思うんです。県からは、これまでも会長、あるいは専務理事等の役員に部長経験者が再就職しているという実態があります。職場の人間関係でこのような部分にも一因があるのではないかというように指摘をしておきたいと思います。今、県の特別監査が行われているわけでありますが、この結果を待って全容解明が必要だというふうに思います。県民が注目している事案でありますので、この問題にしっかり対応していただきたいということを要望申し上げます。 249 ◯丸井副委員長 ここで執行部入れかえのため少々お待ちください。  〔執行部職員入れかえ〕 250 ◯丸井副委員長 古村一雄委員の発言を許可いたします。──古村委員。 251 ◯古村委員 社民党・県民クラブの古村一雄であります。  今回の決算委員会に当たって、新たにどれぐらい職が生み出されたのか。さらには民主党ばりに言えば、人よりもコンクリートから、コンクリートより人へと変えていくのか。そのためには地域はどうあればいいのか。こういうことを考えながら質問をしてみたいと思っています。多岐にわたっていまして、私ども野党の場合は、質問時間を残すと支持者に不勉強だといってしかられる風潮がありますので、たくさんの質問を通告しています。もしも時間切れの場合は十一月の一般質問で間違いなく引き続いてお尋ねをしたいと思っていますので、その辺は御容赦願いたいと思っています。  まず第一点は、先般の一般質問なりでも出ましたけれども、大学は出たけれどもというのが昔ありましたが、高校を終えたけれども、職はない。奨学金の返済が迫ると、こういう重い現実があります。自民党政権、この間の末期のときから何か給付型の奨学金を検討してあった。そういう記事がきのう、きょうの新聞に出ていました。先にそういうことをやればこういう結果になっていないのではないかと思っていますが、民主党政権のほうは引き継ぐようであります。  それで、まず第一点なんですが、主要施策成果説明書、三ページの青森の強みを生かした戦略的企業誘致の推進について。一つは、二十年度の企業誘致実績及び企業誘致に要した経費についてまず冒頭お伺いしてまいりたいと思います。 252 ◯丸井副委員長 櫻庭商工労働部長。 253 ◯櫻庭商工労働部長 企業誘致の関係にお答えいたします。企業誘致に係る事業経費につきましては、青森県工場整備促進資金貸付金一億八千二百六十万七千円、青森県産業立地促進費補助金一億一千二百九万一千円のほか、平成二十年度からの新たな取り組みといたしまして、人材の確保等にかかわる企業誘致人材確保サポート事業などを実施しております。これらを含む企業誘致に係る事業経費としては、先ほどの貸付金を含めまして五億一千九百二十二万六千円を執行しております。このような取り組みの結果、平成二十年度は平成十九年度に続きまして、先ほど申し上げましたように、バブル経済崩壊後では最多となる十六社、雇用としては約五百三十名というふうになってございます。 254 ◯丸井副委員長 古村委員。 255 ◯古村委員 知事のほうでは、自動車産業の誘致に力を入れるということで取り組んでいるようでありますけれども、その成果、実績のほどをお伺いします。 256 ◯丸井副委員長 櫻庭商工労働部長。 257 ◯櫻庭商工労働部長 自動車関連産業の関係でお答え申し上げます。本県の立地状況としては、平成十八年度から平成二十年度までの三カ年で七社となっておりまして、最近では、ことし一月に静岡県に本社があるスズキ株式会社の納車と整備を行う東北納整センターが八戸市に、三月には長野県に親会社がある多摩川ジャイロトロニクス株式会社が南部町に立地するなど、着実に成果があらわれています。  現在、自動車業界は一時期の苦境を脱しまして、我が国が優位性を持つ次世代環境対応車などを中心に新たな投資の動きが出ているところでございまして、県ではこのような動きを的確にとらえて、今月の二十六日には中部圏の企業を対象にしたあおもり産業立地フェアを名古屋市で開催します。さらに十一月中には、中部圏からの企業を本県への視察会に御案内する予定というふうにしております。 258 ◯丸井副委員長 古村委員。 259 ◯古村委員 着実な成果を上げている。特に名古屋中部圏ということで思い出すのは、名古屋事務所を設置をして、この自動車産業なりに相当県のほうは力を入れているわけでありますけれども、着実な成果を上げつつあるというんであったら、さらに名古屋事務所を拡充、充実を図るという考えはないものなんでしょうか。 260 ◯丸井副委員長 櫻庭商工労働部長。 261 ◯櫻庭商工労働部長 お答えいたします。現在は、名古屋事務所が名古屋情報センターとなってございますけれども、物産の関係、あるいは観光の関係も含めまして企業誘致とあわせてやってございました。それを新たに企業誘致専属ということで、青森県名古屋産業立地センターという形で、独自に誘致活動をするための取り組みとして、大手の自動車メーカーのOBをコーディネーターに迎えましてさまざまな自動車関連産業の情報を収集する、あるいは本県の立地展開へのアドバイスをいただくというような形で内容を強化してございます。 262 ◯丸井副委員長 古村委員。 263 ◯古村委員 副知事にお伺いしますけれども、何というのか、先端技術産業を育成しようということで、アンデス電気では失敗しつつあると、おらは思っているんだけれども。ですから、むしろ第一次産業、農・林・漁業・畜産、この食産業を核にするというのか、的を絞るというか、核にして誘致企業なり、独自の産業を起こしたほうが青森県の行く行くこの先にはためになるのではないか。そう思っていますが、その辺のお考えを聞いて、この項を終わりにしたいと思います。 264 ◯丸井副委員長 蝦名副知事。 265 ◯蝦名副知事 今、雇用の問題、青森県は非常に、高校生も含めてなかなか雇用する場がないということで、知事を先頭に一生懸命努力しているところであります。そのためには、やはり一番大事なのは、まず地場産業をどう育成していくかというのがあると思います。それは農林水産業も含めて、食品加工も含めて、いわゆる地場産業をきちんと育成していく。それがやはり一番の基礎になるであろうと思います。ただ、時代の中で今、グローバルな時代になってきますと、そういう先端産業もやはり育成をしながら雇用を確保していくということは非常に大事なことだと思っておりますので、その双方を同時に進めていくことが青森県の雇用対策、あるいは活性化につながっていくものと理解しております。 266 ◯丸井副委員長 古村委員。 267 ◯古村委員 散漫になって、今、山内(やまのうち)議員も言っていますけれども、アブハチ取らずという結果になるのではないかと心配しています。雇用のセーフティネットの充実であります。雇用安定創出対策本部というものがありますけれども、果たしてどういう役割を負っているのか。その概要と実施状況について御説明をいただきたい。 268 ◯丸井副委員長 櫻庭商工労働部長。 269 ◯櫻庭商工労働部長 雇用安定創出対策本部につきましてお答えいたします。本県の厳しい雇用情勢のもとで産業界や労働界を初めとする各団体から広く意見をお聞きして必要な施策に反映させ、地域に密着した雇用の安定と創出に向けた対策を全県を挙げて取り組むため、平成十三年九月に設置したところでございます。対策本部は、知事を本部長とし、産業・労働団体二十二機関、教育機関三機関、支援機関二機関、行政機関四機関の計三十一の機関で構成されてございます。  昨年度は本部会議を二回開催しておりまして、平成二十年九月十日の第一回対策本部では二十年度の国及び県等の雇用関連の施策や産業施策の概要について御説明申し上げ、御意見をちょうだいしたところでございます。また、二月の二十六日には第二回の対策本部を開催しておりまして、今年度、二十一年度における県の重点事業を初め国及び関係機関の雇用対策事業の概要について御説明し、意見交換をしたところございます。  県としても、これまで雇用安定創出対策本部の機会を活用しまして、県の雇用施策の周知、あるいは県内各業界における雇用情報の収集ということを行うとともに、さまざまな御意見を提言、要望も含めましてちょうだいしてございまして、それらを的確に政策に反映させるということをやってございます。 270 ◯丸井副委員長 古村委員。 271 ◯古村委員 それで思い出すのは、キヤノンという弘前にある工場が千人規模で採用したいとかということで、弘前市も大喜びで大騒ぎをし、県に頼んだりというのがありましたけれども、二十年の秋になったらしぼんじゃって、解雇したり、契約を打ち切ったりというのがありました。このキヤノンプレシジョン株式会社の生産調整に関して同社の現在の状況について──実際は果たして、では、あれだけ大きな人員を採用しようとしたけれども、結果的に、この不況でどうなったのか。プラスとマイナスはどうなのかというのをお聞きしたかったんですが、県のほうでそこまではというので、同社の現在の雇用状況についてお伺いしたい。 272 ◯丸井副委員長 櫻庭商工労働部長。 273 ◯櫻庭商工労働部長 キヤノンプレシジョンについてお答えいたします。内容は今、株式会社のほうに確認したところ、現在の直接雇用者数は約二千八百名。その内訳としては、正社員が約一千七百名、期間工が一千百名となってございます。また、会社の方針として、今後は期間工から正社員化を推進するということでございますので、今後は正社員が増加する傾向にあるというふうに思ってございます。 274 ◯丸井副委員長 古村委員。 275 ◯古村委員 こういう大騒ぎをして、ぬか喜びをしたんですけれども、こういうこと等も雇用安定創出対策本部で議論になったものかどうか。言ってみれば、直近の対策本部の議論の内容等について紹介していただければと思います。 276 ◯丸井副委員長 櫻庭商工労働部長。 277 ◯櫻庭商工労働部長 直近の状況ということでございますけれども、雇用対策本部の中では基本的には雇用の話、さまざましてございますけれども、特定の企業についての発言等はしてございません。雇用情勢全般についてでございます。具体的にということでございますので、今年度、九月九日に開催されました第一回の対策本部会議におきまして、新政権発足に伴う今年度補正予算の事業凍結の情報を受けまして、出席者からは、地方団体関連の基金事業の凍結は本県の経済、雇用に及ぼす影響が大きいということで、ぜひ継続する必要があるというような御意見が複数の方々から出ておりました。また、そのほかには、平成二十年度、二十一年度、県が実施した中高年の再就職支援事業を二十二年度以降も継続していく必要があるのではないか。あるいは緊急人材育成の期間中に二級のヘルパー資格を取得できるような取り組みをしていただきたい。  それから、介護福祉分野は人材が不足しているので、魅力ある仕事だということを高校生にぜひ知らしめていただきたい。あるいは農林水産分野が高齢化がどんどん進んでいるということで、若い方にぜひ体験を通じて生産というものに参加するような形での教育というものをやっていただきたいなどの意見がございました。  県としては、この対策本部の御意見を踏まえまして、速やかに知事が直接国に出向き、新事業等を含む国の補正予算等に関する緊急提言という形で実施したところでございます。 278 ◯丸井副委員長 古村委員。 279 ◯古村委員 副知事にお伺いしますけれども、何か雇用対策本部、こういう勤め口がない新卒の高校生にあっては〇・一六倍という大変な状況の中にあって、何か本部は、緊迫感がないというんですか。緊急的な今緊急に迫っている対策を話し合う、そういう場にすべきではないかと。そうそうたるメンバーだけ集めて何か情報交換だけやっている。高校の現場とはかけ離れている感じがしたわけなんですが、そういう点では、この対策本部、このままでいいのかというのをお聞きを申し上げて終わりたいと思います。 280 ◯丸井副委員長 蝦名副知事。 281 ◯蝦名副知事 今、櫻庭部長から答弁いたしましたように、雇用対策本部をつくりまして、それぞれのもちろん教育委員会も入っておりますし、労働局も入っているわけであります。さまざまな商工三団体も入りまして、さまざまな観点から雇用を掘り起こしていこうということで、さまざま意見交換をしているわけでありますし、先ほども部長から答弁がありましたように、さまざまな意見が出され、その出されたものを県の行政に反映していくということも考えているわけであります。そのほか県庁挙げて雇用ローラー作戦をやりまして、いわゆる雇用の新たな開発に県庁を挙げて取り組んでいるわけでありますし、先般も知事が、いわゆる知事と教育長と労働局長を含めて商工三団体等に要請をしたり、さまざまな雇用対策本部の意見を聞きながら、県としてはさまざまな対応を進めているわけでございます。  したがいまして、今、古村委員からありました件については、私どもも十分その意見を参考にしながら、これから反映させていきますけれども、これからも雇用対策本部を中心に雇用の開発に取り組んでいきたいと思っております。 282 ◯丸井副委員長 古村委員。 283 ◯古村委員 五十七ページの農地・水・環境保全向上対策事業の取り組みについてお尋ねを申し上げます。私はこの事業に大いに疑問を持っています。十九年度から始まっていますけれども、三百八十の活動グループに対して十三億一千三百万の支援交付金を出して、果たして効果はどうなのかということでございますが、本事業、県内農地面積、どの程度カバーをしているのかお尋ねをしたい。 284 ◯丸井副委員長 有馬農林水産部長。 285 ◯有馬農林水産部長 本事業は、農業者はもとより、地域住民などが幅広く参加して農地や農業用水路、農村環境などの地域資源を保全する共同活動と、化学肥料や化学合成農薬の使用を大幅に低減する営農活動、この二つを行うものであります。本事業による農地や農業用水路等に係る共同活動は約三万三千三百ヘクタールの農地を対象として取り組まれています。これは県内の農業地面積の二二%をカバーしています。 286 ◯丸井副委員長 古村委員。 287 ◯古村委員 二十年度、昨年度はこの事業開始から二年目、果たして二年よりたっていないわけでありますけれども、効果をどのようにとらえているのか。 288 ◯丸井副委員長 有馬農林水産部長。 289 ◯有馬農林水産部長 平成二十年度末の活動組織を対象として実施したアンケート調査では、農道や農業用水路などの農業用施設の補修が図られたこと、農業用施設とその周辺における花の植栽や清掃活動などにより農村環境が向上したこと、活動についての話し合いの機会がふえたことなどにより地域のきずなが深まったことなどの回答が寄せられております。  こうした回答を見ますと、県としましては、本事業の実施により、農地・水・環境の保全と地域ぐるみによる取り組みの定着などに効果が見られたものと認識しております。 290 ◯丸井副委員長 古村委員。 291 ◯古村委員 私が現地調査で聞き取りをしたり、見たり聞いたりした段階では、言ってみれば、農地の所有者、受益地、受益者が道路補修をしたり、水路補修をしたり、泥上げをしたり。これは今までもやられていたことであります。何もそれに対して後追い的に二千五百円とか五千円の賃金を出してまでこういう農業補助をする必要があるのかどうか。農業補助金で道路の縁に、わきにコスモスだのヒマワリだの植える必要があるのか。しかも十分の十であります。こういうのに一億、十三億円も金を出すのであったら、むしろスプレヤーとか、そういうのに出したほうが生産者としてはありがたい。みずから今までやってきた自主的な作業に金を出すことによって、五年後、この金がなくなればどうなるのか。おらはうまくやられていたものに、農林水産省がもう能力も手立てもなくなって、税金を投入して何とか事業を遂行しているのではないか。そういうような感じをしているわけでありますけれども、これら事業の中には、土地改良区に事務委託金を払って補助事業の事務を行わせているところもあります。果たして三百八十活動グループの中で土地改良区に事務をお願いをしているのは何件で、その総額は幾らなのかお尋ねをしたい。 292 ◯丸井副委員長 有馬農林水産部長。 293 ◯有馬農林水産部長 この事業で平成二十年度に土地改良区へ事務委託している件数は百八十二件あり、その委託費の総額は三千四百九十万円となっています。 294 ◯丸井副委員長 古村委員。 295 ◯古村委員 先ほどの三万三千三百ヘクタールが対象面積。県内の農地面積の二二%と言っていましたけれども、では、田んぼや畑、草地、この割合、面積はどうなっていますか。 296 ◯丸井副委員長 有馬農林水産部長。 297 ◯有馬農林水産部長 共同活動の取り組みを行っている農地三万三千三百ヘクタールの地目別面積の内訳は、水田が二万八千四百十七ヘクタール、畑が四千三百六十八ヘクタール、草地が五百十四ヘクタールとなっています。 298 ◯丸井副委員長 古村委員。 299 ◯古村委員 おらは、この補助金は、いわゆる農家以外の人に誤解を与える。農業は補助金づけだ、農家は丸抱えで補助金づけになっている。こういう批判を受けるのではないか。それを恐れて、この事業は民主党政権にお願いしてでもやめるべきではないか。そう思っているところであります。十一月に常任委員会がありますので、その場にさらに引き続いて議論してまいりたいと思います。  アンデス電気の関係で資金運用状況審査意見書、三十九ページでありますけれども、質疑の再質問の際に蝦名副知事のほうが私にリップ大サービスをしまして、すべて蝦名副知事が答えて、あっけにとられている間に、答弁漏れがあったのを忘れていました。それで、この場で再度お尋ねをいたします。アンデス電気株式会社に対する融資、フォローアップの中で、オオバを生産するアグリ金矢事業所というものがあります。不採算部門ということで廃止しておりますけれども、これら不採算部門に対して県はどのような指導を行ってきたのかということをお聞きいたします。 300 ◯丸井副委員長 櫻庭商工労働部長。 301 ◯櫻庭商工労働部長 アンデス電気の不採算部門についての指導でございます。県では、アンデス電気株式会社が組合員となっております八戸企業団地協同組合と各組合員に対し、毎年度、高度化事業実施後の経営状況等の把握、あるいは助言等を行うために運営診断を実施してきております。平成二十年度の運営診断において、さらなる事業の選択と集中を促進し、経営資源の重点投入により、事業性、成長性の早期確保を図る事業戦略の再構築に努めるよう助言し、不採算部門の見直しを指導してきたところでございます。  しかしながら、結果として、このような会社更生法というような事態を招いたということについては、県としては貸し付け後のフォローアップというものについての課題があったものと謙虚に反省し、今後、有識者の御意見を伺いながら、見直すものは見直すというふうに進めてまいりたいと思います。 302 ◯丸井副委員長 古村委員。 303 ◯古村委員 二点目は、アンデス電気の関連会社でありますエーアイエスの経営状況についてであります。副知事は、アンデスと切り離して自立をして厳しいやりくりを強いられている。こういう答弁をしておりましたけれども、このエーアイエスの経営状況について、県はどのように把握をしているのか、もう一度お伺いします。 304 ◯丸井副委員長 櫻庭商工労働部長。 305 ◯櫻庭商工労働部長 エーアイエス株式会社の経営状況につきましては、世界同時不況などの影響を受けまして、受注の減少はあるものの、従来アンデス電気株式会社経由で行っていた取引先への出荷体制を直接出荷する体制への切りかえを終了してございまして、経営面での支障が生じることのないよう対策を講じていると聞いております。 306 ◯丸井副委員長 古村委員。 307 ◯古村委員 このエーアイエスに対するフォローアップというんですか。どのように行ってきたのか。 308 ◯丸井副委員長 櫻庭商工労働部長。 309 ◯櫻庭商工労働部長 エーアイエスに対するフォローアップということでございますけれども、県と財団法人21あおもり産業総合支援センターは適宜経営状況等についてのヒアリングを行っており、その際に必要に応じて同社の経営指導などのフォローアップを行ってきてございます。 310 ◯丸井副委員長 古村委員。 311 ◯古村委員 クリスタルバレイ構想についてももう一度、再点検をしなければならないと思っていますし、工業用水についても八戸の企業団の上がりでむつ小川原のほうが賄われている、赤字を補てんしているというような状態でありますので、これらについてもこれから議論をしてまいりたいと思っていますけれども、最後に、アンデス電気の企業再生というのが動き出しましたけれども、最近の為替──余り知らないんだけれども、最近の為替が八十円台後半から推移していますけれども、この為替というものが円高の影響というものがアンデス電気のこれからの再生の動きに水を差すのではないか。そういう思いをテレビのニュースを見て思い立ちました。これに対する副知事の御見解などを伺わせていただければと思います。 312 ◯丸井副委員長 蝦名副知事。 313 ◯蝦名副知事 この円高につきましては、輸出産業であれば当然影響を受けるわけでございます。ただ、今、我々の聞いているところでは、海外との取引は代金を円で決済するということでございますので、そういう契約になっているということでございますから、その今の円高については直ちに影響を与えるものではないというふうに考えておりますけれども、ただ、さまざま輸出関係につきましては、円高になれば当然高くなるわけですね。そうなると注文が減るということもあり得るわけでありますから、ただ、そういう状況の中でもアンデスが何とか再生できるように、我々も側面から支援してまいりたいと考えています。 314 ◯丸井副委員長 古村委員。 315 ◯古村委員 これで終わるつもりだったんですが、一つ忘れておりました。三千万円返済するというの……。では、二十一年度は返済するのか。来年度はどうなのか。二十年度はどうであったのか。言ってみれば、二十一年度、三千万円返ってくるのかということなんですが。 316 ◯丸井副委員長 櫻庭商工労働部長。 317 ◯櫻庭商工労働部長 今年度の賃貸料の支払いについてですけれども、まだ再生計画がすべて手続が終わったという段階にはなっていませんので、仮定の話になりますけれども、このまま順調に進んで、再生計画どおりスタートするということであれば、今年度分についても支払いを受けるという予定にしてございます。 318 ◯丸井副委員長 古村委員。 319 ◯古村委員 次に、歳出六款五項五目「造林費」、青い森農林振興公社の分収造林事業についてであります。私は、これは毎年、質問しておりまして、まず、分収造林のあり方検討委員会からの提言を受けて、二十年度にはどういう検討をなさってきたのか具体的にお聞きをしたい。 320 ◯丸井副委員長 有馬農林水産部長。 321 ◯有馬農林水産部長 平成十九年三月に、青森県分収造林のあり方検討委員会から、分収造林を県行造林へ移管することが妥当であるとの提言を受けて以降、日本政策金融公庫の債務処理や分収造林資産の継承、県貸付金の処理などの課題について検討してきたところです。こうした中で、平成二十年度中に総務省が第三セクター等の整理や再生に必要となる経費を起債対象とする制度の創設について検討を始めたこと。本県を含む林業公社を有する都道府県の要望を受けて、昨年十一月に国が林業公社の経営対策等に関する検討会を設置し、利子負担軽減策等について具体的な検討を進めたことなどの動きがありました。  県としては、これらの動きは公社の今後のあり方を判断する上で極めて重要であることから、検討会に職員を参加させ、情報収集に努め、特に地方公共団体が行う林業公社への支援に対する起債措置について、その検討内容を注視してきたところです。 322 ◯丸井副委員長 古村委員。 323 ◯古村委員 何か今回の定例会の答弁を聞けば、注視するというのが大はやりでございまして、とうとう決算委員会では農林部長にまで伝染したみたいな感じであります。今の答弁でありますとほとんど何もやっていないと。山内(やまのうち)議員が言っていましたので、そういうことであります。  それで、ここでお聞きをしたいのは、では、公社の債務、この造林にかかわってでありますけれども、公社の債務及び長期の収支見通し、これはどうなっているのかお聞きをいたします。 324 ◯丸井副委員長 有馬農林水産部長。静粛に願います。 325 ◯有馬農林水産部長 公社の債務の状況については、長期借入金が平成二十年度末までで三百五十一億円となっており、平成十九年度末と比べて約三億円増加しています。また、公社の長期収支見通しについては、平成二十一年度の試算では、事業開始の昭和四十五年から事業が終了する平成六十八年度までに約三百七億円の償還財源不足が生じる見通しとなっており、平成二十年度に比べて木材価格が低下したことにより、約三十一億円増加する結果となっています。 326 ◯丸井副委員長 古村委員。 327 ◯古村委員 ということになれば、毎年繰り返していますけれども、分収造林事業について、県はこれからもまたどのように対応していくのかというのをお尋ねします。 328 ◯丸井副委員長 有馬農林水産部長
    329 ◯有馬農林水産部長 先ほどお答えした中に林業公社の経営対策等に関する検討会、これは国が国と地方の協議の機関として設置した検討会でございますが、この検討会は本年六月に、公社を存続または廃止する際の起債措置の活用や、公社借入金の利子負担軽減などの公社の経営改善対策に関する国の支援方向も盛り込んだ報告書を出しております。この支援方向の具体的な内容等については、今後さらに引き続き国と地方が協議していくこととされています。県としては、国の支援策の内容やその取り扱いが本県にとって活用しやすいものとなるよう、例えば起債措置の適用要件などについて国に提案しているところであります。また、県民負担を最小にするという観点から、これからの方向を決定する必要があるという考えでおりまして、今後、国からどのような支援策が具体的に示されるのかを見きわめて分収造林事業のあり方を判断してまいります。 330 ◯丸井副委員長 古村委員。 331 ◯古村委員 木材の値上がりに一喜一憂するのではなくて、成長そのものがゼロ成長とかで、これからは右肩上がりが望めないというのがほぼ定着しているわけなので、そういう中では人口の減少もあって、木材価格──木材も大量に供給される。そういう中で価格の値上がりというのも恐らく期待できないだろうと。そういうことを考えれば、この辺で副知事なんかは決断をする。もうそういう事態になっているのではないか。部長の話を聞けば、あくまでも国頼み。それも有利な借金。そういうような答弁に受けるわけなんで、もう部長段階ではなくて、トップの段階ではないかと思うんですが、私から見れば、このままだらだら来年、再来年の知事の任期が終わるまでほったらかしにしておくと、こういうぐあいに映るんですが、最後に副知事からお尋ねしたい。 332 ◯丸井副委員長 青山副知事。 333 ◯青山副知事 部長からさまざまお答えしたとおりでありますが、県では、分収造林のあり方を判断する上でさまざま検討している状況でございます。申し上げましたように、国が公社や県に対しどのような具体的支援策を示すのか。現段階では大変重要なことであるというふうに考えています。そのため、近いうちに有馬部長を総務省と関係省庁に派遣することにしております。したがいまして、現時点で新たな経営方針についてお示しできる段階にはございません。 334 ◯丸井副委員長 古村委員。 335 ◯古村委員 そのほかに今回のこの農林水産部の決算の説明書を見れば、林業・木材産業改善資金の貸し付けに係る償還金、違約金の未収済額が一億六千十二万五千円。それから、不納欠損処分三百二十四万九千円。何も公社だけが厳しいんではなくて、青森県の林家というのか、それから、製材業などが軒並み苦しい状態にあるのではないかと私は思っていますので、美しい青森、美しい青森と知事が言うんであったら、やっぱりこういう林業対策、木材産業に対して本格的な手立てもここで必要ではないかというのを一言申し上げて、次、コンクリートに移りたいと思います。  歳出八款三項六目「河川海岸国直轄事業負担金」津軽ダム建設事業であります。事業進捗率がきのうのお話で三六%、去年の十一月からダム本体工事に取りかかっていて、二十八年度に完成するということでありますけれども、この津軽ダム、唯一の国直轄事業。県内経済に与える波及効果というものをお伺いをしたい。 336 ◯丸井副委員長 山下県土整備部長。 337 ◯山下県土整備部長 津軽ダム建設事業による県内経済の波及効果でございますが、国土交通省の津軽ダム工事事務所で平成二十年度に弘前市及び西目屋村への経済波及効果を検証しておりますので、その範囲内でのお答えとさせていただきますが、その結果によりますと、平成二十年度に地元企業などに対し支出された金額は元請及び下請への支払い、生コンクリートなどの資材購入費などを合計いたしますと約二十八億円となっておりまして、予算額約四十六億円の約六割となっております。また、地元の雇用も促進をしておりまして、ダム工事事務所の非常勤職員が八人、ダム工事現場の作業員が一千五十三人、埋蔵文化財発掘調査員が百十六人の合わせて千百七十七人の雇用が創出されまして、地域経済に大きく貢献しているところであります。 338 ◯丸井副委員長 古村委員。 339 ◯古村委員 最近は公共事業と環境、景観というのが随分議論をされて、判決なんかも出ているようでありますけれども、私もこの旧、旧と言うよりも岩木川水系を見ますと非常に汚れているというのは、一因はダムが放水をストップしちゃう。そういうような事態もありますので、この新しい大きなダム、日常的に放水をして岩木川の浄化に役立てれば賛成しなければならないのではないかという考えも持っているんですが、果たしてこの渇水時に限らず、常に放水をするのか。そういうダムの機能を備えているのかお尋ねをします。 340 ◯丸井副委員長 山下県土整備部長。 341 ◯山下県土整備部長 津軽ダムの環境面への効果でございますけれども、平成十九年三月に策定をされました岩木川水系河川整備計画の中では、岩木川におけます動植物の生息環境や良質な水質環境を守るために適正な水量の確保が必要不可欠というふうにされております。  しかしながら、岩木川流域では夏期、夏場の降水量が少ないということで、かんがい用水、水道用水などへの供給量が不足するとともに、動植物などの自然環境の維持・保全できる水量が確保されない状況が生じ、環境悪化の一因となっております。今回、津軽ダムの建設によりまして、こうした渇水期におきましても不足する水量を安定的に確保することが可能になりまして、各種用水の確保とともに河川の自然環境の維持保全にも大きく寄与するものと考えております。 342 ◯丸井副委員長 古村委員。 343 ◯古村委員 そのほかにも駒込ダムなどあるわけでありますけれども、これについては青森市選出県議会議員の中でも少し詰めてから質問をさせていただきたいと思っています。  次に、港湾管理費についてであります。まず七里長浜の利用状況。これについてもたびたび質問してまいりました。七里長浜港の整備内容及び進捗状況、さらには使用料収入及び維持管理費についてお尋ねを申し上げます。 344 ◯丸井副委員長 山下県土整備部長。 345 ◯山下県土整備部長 まず、七里長浜港の整備内容等でございますが、七里長浜港は津軽地域の産業振興の拠点等といたしまして昭和五十八年から整備に着手をしておりまして、平成九年度に供用を開始しております。現在は、港内の静穏度を向上させるために防波堤の延伸を実施をいたしておりまして、平成二十年度はケーソン二函のほか消波ブロックなどの製作を行っております。七里長浜港整備事業の進捗率は、平成二十年度末で約九二%となっております。また、平成二十年度からは海岸環境整備事業に着手をしておりまして、快適な海岸空間の創出を目指し、水上バイクなどマリンスポーツのための安全な水域と駐車場などの陸上施設の整備も進めております。平成二十年度は海岸護岸・人口海浜の整備を行っており、平成二十一年度で完成する予定であります。  次に、使用料収入及び維持管理費でございますが、平成二十年度の決算では、一般会計及び港湾整備事業特別会計合わせまして、七里長浜港の使用料収入は十三万五千円となっており、その主なものは係留施設使用料で、十二万円となっております。また、維持管理費は一千八十万四千円となっており、その主なものは維持しゅんせつ費で、八百四十五万八千円となっております。 346 ◯丸井副委員長 古村委員。 347 ◯古村委員 続いて入港船舶数、さらにはその取扱品目、取扱貨物量。林業会議のニュースを見れば野辺地港から県産杉材を中心に船積みにして大量販売に取り組んでいると。しかし、津軽地域の国有林、青い森農林振興公社、民有林から生産された杉材一千五百立方メートルという記事がありましたけれども、本当に涙ぐましい努力をして当面をつくろっているのではないかと思いますので、その辺についてお尋ね申し上げます。 348 ◯丸井副委員長 山下県土整備部長。 349 ◯山下県土整備部長 七里長浜港の利用状況などについてでございますが、平成二十年の港湾調査によりますと、七里長浜港への入港船舶数につきましては五十八隻となっております。主な取扱品目は石灰岩、それから、石材など、建設資材が中心となっております。取扱貨物量につきましては、平成九年の供用開始以降、五万トン程度で推移をしてきておりますが、平成二十年の貨物取扱量は約六万六千トンとなっております。 350 ◯丸井副委員長 古村委員。 351 ◯古村委員 地元負担を強いられている鰺ヶ沢町、御多分に漏れず町財政は大変であります。これについても負担をしているようでありますけれども、やはり今ある、できてしまったものですから、これを壊せとは言いませんけれども、現在ある施設をどう有効的に利用し、運用改善に重点を置いてこれから図っていくのか。町に対してどういうメリットをもたらしていくのか。そういうような利用促進の取り組みというのをお尋ね申し上げます。 352 ◯丸井副委員長 山下県土整備部長。 353 ◯山下県土整備部長 今後の利用促進でございますが、七里長浜港の利用促進を図るため、これまで石灰石を取り扱う企業へ重点的にポートセールスを実施をしてきました。昨年度からは、新たな貨物の掘り起こしを図るために、津軽地方における間伐材の国内向け海上輸送の可能性について農林水産部及び林業関係団体などと情報交換をし、検討してきたところでございます。その結果、委員のお話にもございましたように、ことし八月には、青森県森林組合連合会による県外向け間伐材の移出が本港では初めて実現をいたしまして、新たな取扱貨物の掘り起こしが図られたところでございます。今後は引き続いて農林水産部及び林業関係団体などと連携を図りながら、継続的な港の利用が図られるよう津軽十四市町村及び関係団体からなる七里長浜港利用促進協議会とともにさまざまな利用促進に向けて努めてまいりたいと考えております。 354 ◯丸井副委員長 古村委員。 355 ◯古村委員 二十三年度で七里長浜については事業を完了する予定が、鰺ヶ沢町の財政事情の苦しさのために二十八年度ころまでちんたらちんたらやらざるを得ない。そういうお話を聞いていましたけれども、部長のほうで、これは承知していますか。 356 ◯丸井副委員長 山下県土整備部長。 357 ◯山下県土整備部長 鰺ヶ沢町の厳しい財政事情については、私としても聞いておりますが、今後どのように工事を進めていくかにつきましては再度、鰺ヶ沢町と調整しながら検討していきたいと考えています。 358 ◯丸井副委員長 古村委員。 359 ◯古村委員 次に、我が青森市の青森港の利用状況であります。青森港の使用料収入、維持管理費、さらには入港船舶数、貨物取扱量をお聞きいたします。 360 ◯丸井副委員長 山下県土整備部長。 361 ◯山下県土整備部長 まず青森港の利用状況の中で使用料収入等でございますが、平成二十年度の決算におきましては、一般会計及び港湾整備事業特別会計合わせまして、青森港の使用料収入は一億六千六百六十二万四千円となっております。その主なものは、港湾施設の用地使用料六千二百二十三万一千円。曳舟使用料三千八百九十五万九千円となっております。また、維持管理費は一億七千三百三十三万三千円でありまして、その主なものは光熱水費三千九百五十三万四千円、臨港道路などの除雪費二千八百三十四万三千円となっております。  また、入港船舶数などでございますが、平成二十年の港湾調査によりますと青森港への入港船舶数は九千五百八隻となっておりまして、取扱貨物量は約二千六百六十三万五千トンとなっております。取扱貨物量のうち、フェリーの貨物量が約九割を占めておりまして、それ以外では、石油製品などの化学工業品が約二百三十一万六千トンとなっております。 362 ◯丸井副委員長 古村委員。 363 ◯古村委員 私の青森港というイメージはこちらのほうだと思っていまして、せいぜいねぶたのときに飛鳥が来る。たまに自衛艦が来る。その程度のものにどうしてあれだけ大規模な緑地造成なんかする必要があるのかという感じでしたけれども、今は全体をお答えをいただきましたけれども、これらについては、いつまで今の事業は続いていくのか。その後に新たに計画をして、これから着手をしていく港湾事業というものはあるのかお尋ねをして、この項を終わりたいと思います。 364 ◯丸井副委員長 山下県土整備部長。 365 ◯山下県土整備部長 現在、県で主に進めておりますのは、中央埠頭の整備、それから、浜町の緑地の整備でございます。これにつきましては平成二十一年なり、平成二十三年に、それぞれとりあえずはめどが立つ予定でございまして、その後は、こういった港湾施設がより有効に機能するような施設についても検討して事業を進めていきたいというふうに考えております。 366 ◯丸井副委員長 古村委員。 367 ◯古村委員 次は、歳出四款五項四目「原子力環境対策費」、六ヶ所再処理工場についてであります。これについては先般の特別委員会でも質問をいたしました。八月末現在で雑固体廃棄物等二万二千四百九十八本が保管廃棄されていると。このうちアクティブ試験で発生したものは何本で、どこに保管廃棄をされているのかということであります。 368 ◯丸井副委員長 名古屋環境生活部長。 369 ◯名古屋環境生活部長 日本原燃株式会社によりますと、再処理工場では平成二十一年八月三十一日現在、二百リットルドラム缶換算で二万二千四百九十八本分の雑固体廃棄物等が保管廃棄されておりまして、このうちアクティブ試験などに伴いまして再処理工場本体で発生した九千百六十六本分につきましては、第二低レベル廃棄物貯蔵建屋に保管廃棄されている。使用済燃料受入れ貯蔵施設で発生いたしました一万三千三百三十二本分、残りの分につきましては第一低レベル廃棄物貯蔵建屋に保管廃棄されているとのことでございます。 370 ◯丸井副委員長 古村委員。 371 ◯古村委員 この使用済燃料受入れ貯蔵施設の廃棄物、仮置きしているということもあります。そして、原子力安全・保安院から八月の三十一日に改善指示を受けていますけれども、どのような改善策を講じて仮置き、私に言わせれば、廊下などに放置しているという言い方をしたいところなんですが、この仮置き状態を解消しようとしているのかお尋ねをします。 372 ◯丸井副委員長 名古屋環境生活部長。 373 ◯名古屋環境生活部長 今後の改善方策につきましてでございますが、一つは、保管廃棄能力の向上にかかわる改善策ということで、使用済燃料受入れ貯蔵施設内における保管廃棄場所の新規設定、あるいは第二低レベル廃棄物貯蔵建屋の先行使用、あるいは第四低レベル廃棄物貯蔵建屋、第五低レベル廃棄物貯蔵建屋の増設。これが手続を要するものでございます。  それから、そういった保管廃棄能力向上等の改善策が確保されるまでの措置といたしましては、既に作業開始しているところでございますけれども、容器への封入、封入済み容器内のすき間の有効利用──圧縮するという作業でございますが、これらにつきましては二十二年三月までに完了したいという計画でございます。さらには使用済燃料受入れ貯蔵施設に保管中のアクティブ試験廃棄物を再処理の本体施設のほうに移しまして処理するといったようなことを考えています。  それから、もう一つは、三番目としては、廃棄物発生量の低減ということで、これまでの廃棄物発生量低減対策に加えて管理区域の養生シートの再利用とか、ゴム手袋を洗濯して再利用する、あるいは必要な工事以外の延期を行うといった対策を実施して改善に努めてまいりたいというふうに聞いております。 374 ◯丸井副委員長 古村委員。 375 ◯古村委員 まだ使用前検査が終わっていないで、まだ使用されていないと思ってあった第二低レベル廃棄物貯蔵建屋、竣工済みということでありますが、これにも試しに保管廃棄をするということなんですか。しているということなんですか。 376 ◯丸井副委員長 名古屋環境生活部長。 377 ◯名古屋環境生活部長 第二低レベル廃棄物貯蔵建屋につきましては、これから手続を行う必要があるものでございまして、それはアクティブ試験に伴って発生したもの以外は送れないということになります。 378 ◯丸井副委員長 古村委員に申し上げます。間もなく持ち時間が終了いたしますので、指摘要望にとどめてください。──古村委員。 379 ◯古村委員 私は時間を守ることで有名でございまして、心配には及びません。ほら、委員長、何て聞くか忘れた、ほら。  次の質問。では、固化セル内のパワーマニピュレータ交換をして、十四日、セル内機器の洗浄を再開したと報道がありました。極めてスケジュールどおりに行っているなと思って、私は実は複雑であります。今回の交換作業で取り外したマニピュレータ、取り外した部品、これをどこに保管処分されるのか。また、時間がないのであれですが、この部品のストックというのはまだまだあるものなのかお尋ね申し上げて終わります。 380 ◯丸井副委員長 名古屋環境生活部長。簡明に願います。 381 ◯名古屋環境生活部長 日本原燃株式会社によりますと、今回取り外したパワーマニュピレータにつきましては、必要な補修などを行った上で予備品として再度使用する予定としているとのことでございますので、置く場所も固化セル内の保管場所とかいうことになるのではないかというふうに考えます。 382 ◯丸井副委員長 ここで十五分間休憩いたします。 午後三時四分休憩    ──────────────────────── 午後三時二十一分再開 383 ◯中村委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。  質疑を続行いたします。  工藤兼光委員の発言を許可いたします。──工藤委員。 384 ◯工藤委員 決算特別委員会二日目、四番目であります。議席番号は十九番の名前は工藤兼光。  早速質疑に入ってまいります。歳出六款六項八目「漁業調整費」、資源回復計画推進事業についてお伺いいたします。我が国周辺水域において緊急に資源回復が必要な魚種についての資源回復計画を実施し、対象資源の動向、回遊状況等についてモニタリング調査を行い、また、資源回復計画の実施に当たって必要となる関係漁業者との協議を総合的に支援する事業と認識しております。  そこで、資源回復計画を推進するため、どのように取り組んでいるのかお伺いをいたします。 385 ◯中村委員長 有馬農林水産部長。 386 ◯有馬農林水産部長 お答えいたします。本県が取り組んでいる資源回復計画は全体で八つありますが、このうち、国が策定した五つの広域資源回復計画は、日本海北部のマガレイ、ハタハタのほか、太平洋北部の沖合性カレイ類、太平洋系のマサバ、陸奥湾で産卵されたマダラ及び日本海北部系のスケトウダラを対象としています。また、県が策定した三つの地先資源回復計画は、ウスメバル、イカナゴ及び太平洋海域のヒラメを対象としています。これらの計画では、平成二十三年度を目標年として目標漁獲量などを定めており、それぞれの計画ごとに操業期間の短縮や網の設置数の制限などによる漁獲量の規制や小型魚の保護、産卵場所周辺での漁獲の制限等による親魚の確保などに取り組んでいます。 387 ◯中村委員長 工藤委員。 388 ◯工藤委員 特に日本海沿岸漁業にかかわる日本海北部マガレイ・ハタハタ資源回復計画及び青森県ウスメバル資源回復計画の進捗状況を踏まえ、これら資源の回復を今後どのように目指すのかお伺いをいたします。 389 ◯中村委員長 有馬農林水産部長。 390 ◯有馬農林水産部長 日本海北部マガレイ・ハタハタ資源回復計画については、本県から富山県までの広域の取り組みとして国が策定し、目標漁獲量をマガレイで三百四十一トン、ハタハタで五千トンと定め、平成十五年度から減船や休漁、小型魚の放流などの資源回復措置を実施してきたところ、平成二十年の漁獲量では、マガレイが三百三十四トン、ハタハタが四千八百七十六トンと目標に近づいています。また、県が策定した青森県ウスメバル資源回復計画については、日本海の深浦町大間越から津軽海峡の東通村岩屋までを対象海域とし、毎年の目標漁獲量を三百四十六トンと定め、小型魚の荷受け制限や休漁日の設定などを実施してきたところ、平成二十年は三百六十八トンと目標を達成しています。これらの状況を踏まえ、引き続き関係機関との連携を図り、計画に沿った資源回復措置への取り組みを継続していきます。 391 ◯中村委員長 工藤委員。 392 ◯工藤委員 要望いたします。東北農政局の試算によれば、平成十九年度における本県の魚介類の食料自給率は三一三%とのことであります。水産県である本県が今後とも国民に安全・安心でおいしい水産物を安定的に供給していくため、引き続き資源管理型漁業や栽培漁業になお一層取り組んでいただきますよう御要望いたします。  次に、歳出六款六項十目「水産振興費」、栽培漁業振興事業についてお伺いをいたします。ヒラメを初めホタテガイ、サクラマス、キアンコウ等の資源管理型漁業やつくり育てる漁業の推進を図っております。特に日本一の漁獲量を誇る県の魚ヒラメは、消費者や食品事業者等が求める安全・安心ですぐれた水産物として高く評価を得ております。ヒラメの漁獲動向を見ると、平成十二年に過去最高の千八百七トンとなった後、減少したけれども、平成十七年来、増加に転じ、平成二十年の漁獲量は千百七十六トンとなっております。  そこで、ヒラメの種苗生産状況についてお伺いをいたします。 393 ◯中村委員長 有馬農林水産部長。 394 ◯有馬農林水産部長 県及び沿岸漁業団体や市町村で構成する社団法人青森県栽培漁業振興協会では、ヒラメの安定生産を図るため、平成二年から毎年、全長五十ミリメートル以上の稚魚二百万尾の生産・放流に取り組んできております。同協会では、階上町の施設においてヒラメの親魚を養成して採卵・ふ化飼育し、同施設のほか鰺ヶ沢町とむつ市脇野沢の中間育成施設で全長五十ミリ以上まで育成した後、県内全域の沿岸に放流しています。昨年は、稚魚二百二万尾を放流し、ことしも九月末現在で百六十八万尾余りを放流し、さらに五十六万尾を飼育継続しているところです。 395 ◯中村委員長 工藤委員。 396 ◯工藤委員 県や栽培関係者が一丸となって資源管理や種苗放流に努めた結果、本県のヒラメ漁獲量は全国トップクラスとなっているとのことでありますけれども、このようにして生産されたヒラメの評価を高め、漁業者の所得向上に生かす取り組みが重要と考えます。  そこで、美味しさ日本一・青森ひらめ創造事業の取り組み状況と県産ヒラメが市場競争に打ちかつために今後どのように取り組んでいくのかお伺いをいたします。 397 ◯中村委員長 有馬農林水産部長。 398 ◯有馬農林水産部長 ヒラメは刺身としての歯ごたえとうまみが商品価値を大きく左右する要素であるとされていることから、この事業では、地方独立行政法人青森県産業技術センター食品総合研究所が科学的な成分分析を行い、食卓で最高の食味を発揮するためのヒラメの生け絞めや流通時の温度管理などについて具体的な処理方法を検討し、その成果をマニュアルに取りまとめているところです。現在、新深浦町漁協においてこの技術により処理を行ったヒラメを試験的に出荷する取り組みが行われており、市場での評価も良好であることから、この取り組みが県産ヒラメの評価向上につながるものと期待しています。  また、県産ヒラメが市場競争に打ちかつためにどのように取り組むのかについてでございます。県産ヒラメは今申し上げましたように、すぐれた肉質と日本一の生産量を背景として、市場に安定供給されることを強みとして市場関係者や調理師などから高い評価を得ています。しかし、今後このような評価をさらに高めて、県産ヒラメと他産地産との差別化を図るために、開発した生け絞めや温度管理の技術を普及、活用して、これまでの生産量日本一に加え、おいしさ、品質も日本一という形で青森天然ヒラメを消費者に安定的に供給できるよう生産サイドの指導に取り組んでいくこととしています。 399 ◯中村委員長 工藤委員。 400 ◯工藤委員 県の栽培漁業基本計画に基づき、キツネメバルの親魚養成、種苗生産、中間育成、放流技術の開発を行うきつねめばる資源増大技術開発事業の取り組み状況についてもお伺いをいたします。 401 ◯中村委員長 有馬農林水産部長。 402 ◯有馬農林水産部長 この事業は平成十八年度から実施しているもので、親魚の養成と種苗生産の技術開発試験を社団法人青森県栽培漁業振興協会に委託し、新深浦町漁協の協力を得て海中網生けすにおいて中間育成を行い、放流後の効果を把握するため稚魚に標識をつけて放流をしているものです。  昨年度は全長七センチメートルの稚魚一万二千尾を放流しており、今年度も一万尾以上の稚魚を十一月下旬に放流する予定となっています。これまでの取り組みにより、親魚養成や種苗生産、中間育成技術について、一万尾以上の放流種苗を生産するなど一定の成果を得ることができたことから、今後は放流魚の再捕結果から放流効果を把握していくこととしています。 403 ◯中村委員長 工藤委員。 404 ◯工藤委員 要望いたします。産地間競争に打ちかっていくためには、すぐれた商品を生産することに加え、それを消費者に知ってもらい、ブランドイメージの形成につなげていくことが必要であると思います。関係者の努力によって開発された新たな技術により県産ヒラメがすぐれている点について、消費者や市場の周知を図ることは極めて重要と考えております。今後はこの部分を含めてなお一層取り組んでいただくように御要望いたします。  そして、次に、歳出六款六項十二目「漁港管理費」、日本海の藻場礁開発支援事業についてお伺いをいたします。県は平成十八年度より二カ年の試験研究で、ホンダワラがはぐくむ豊かな海づくりを実施し、ホンダワラ類のアカモクについて養殖技術試験を確立し、人工種苗を沖出ししたところ、冬から春に成長すること、湯通しして食用のギバサとして、味にくせがなく、粘りがあり、おいしいなどの知見を得たと聞いております。また、日本海沿岸の砂場に適した藻場礁を開発するために、平成十九年度からは深浦町岩崎地先を試験海域として民間企業参画により藻場礁を設置し、その後のモニタリング調査を本年三月まで実施したと承知しております。  そこで、この事業の成果についてお伺いをいたします。 405 ◯中村委員長 有馬農林水産部長。 406 ◯有馬農林水産部長 日本海の藻場礁開発支援事業の成果についてですが、これまでの成果として、藻場礁を設置した試験礁の多くが砂への埋設や波浪による移動がなく、十分な安定性を持っていることに加えて、付着した海藻の生育量が順調に増加するなど、砂場海域においても藻場造成が十分に可能であることが確認されました。県としては今後、本事業で得られた藻場礁造成に必要なデータを本県日本海沿岸での藻場づくりや漁場づくりに活用していきます。
    407 ◯中村委員長 工藤委員。 408 ◯工藤委員 要望させていただきます。本県の日本海沿岸で沿岸漁業を営んでいる漁業者にとって、ハタハタの魚類の産卵や稚魚の生育の場となるほか、藻場礁に付着する海藻自体が海域での高い浄化作用を持つ点で、知事が推進する環境公共にも大いに貢献することにもなります。加えて、このホンダワラ類アカモクは食用になり、新たな食産業となり得る可能性も秘めていると思います。沿岸漁業者にとって藻場礁設置事業は、魚類の資源回復及び維持ばかりでなく、高齢者でも行うことができる採介藻漁業の資源造成に寄与するなど生業(なりわい)づくりにも必要な事業であると考えています。  したがって、県においては、これまでの蓄積した成果を踏まえ、日本海沿岸に本格的な藻場礁の設置をなお一層検討していただくよう強く要望させていただきます。  次に、六款一項二十一目「総合販売戦略費」、うまいぞ青森!地産地商い事業についてお伺いいたします。平成二十二年十二月には東北新幹線全線開業予定となっております。このことは本県にとって大きなビジネスチャンスであり、特に本県が得意とする食を核とした魅力的な観光づくりが喫緊の課題となっております。本県は、全国トップの生産量、漁獲量を誇るリンゴ、ナガイモ、ニンニク、ヒラメやホタテなど多量で豊富な農林水産物があります。私はこれらの農林水産物を生かした郷土料理や旬の味覚、地域グルメなどを観光客に提供できるようホテル・旅館、飲食店等での県産食材の利用拡大を早急に図っていく必要があると考えており、これまでも県産食材の供給体制の構築や食の観光の推進について、一般質問においてもたびたび質問してきたところであります。  県はこれまでも地産地消に向けた取り組みを進めてきておりますが、まだまだ県内のホテルや旅館、レストラン等での県産食材の供給体制が整っていないと感じております。このような中、県では平成二十年度から平成二十一年度までの二カ年において、県産食材の利用拡大に向けて供給体制を構築する、うまいぞ青森!地産地商い事業に取り組んでおります。  そこで、平成二十年度の取り組み内容とその成果や課題はどのようなものかお伺いをいたします。 409 ◯中村委員長 有馬農林水産部長。 410 ◯有馬農林水産部長 本事業は平成二十年度から実施しておりまして、県内のホテルや旅館、飲食店等が県内外のお客様へ提供する県産食材を活用したメニューのPRや食材の安定的な供給体制づくりに取り組んでいるものです。具体的に申し上げますと、本事業への参加希望があった県内のホテル、旅館、飲食店と食材事業者を個別にマッチングする食材商談会を実施し、これにより三十の食材事業者の四十四品目について商談が成立しました。また、昨年九月から十一月までを県産食材の利用促進月間とし、八市町、四十二カ所のホテル、旅館、飲食店で「あおもり食材フェア」を実施したところです。課題としましては、昨年度実施した事業の中で食材フェアの参加店のうち約六割が青森市に集中していたことなどから、全県的な取り組みへの拡大が課題として挙げられました。 411 ◯中村委員長 工藤委員。 412 ◯工藤委員 次に、平成二十年度の状況を踏まえ、今年度どのような取り組みを進めているのかお伺いをいたします。 413 ◯中村委員長 有馬農林水産部長。 414 ◯有馬農林水産部長 今年度は、七月八日に地産地消商談会を、また九月から三カ月間にわたり「あおもり食材フェア」を開催しています。このうち商談会につきましては、現時点で十の食材事業者、十五品目で商談が成立しているほか、季節食材の個別商談についても継続的に実施しているところです。  また、「あおもり食材フェア」については県内のホテル、旅館、飲食店に広くPRし、これにより昨年は八市町でありましたが、ことしは十二市町へと地域が拡大したほか、店舗数も昨年よりも九店舗多い五十一店舗で実施されております。また、こうした取り組みについては、全国的な旅行情報誌やインターネットでPRするなどの情報発信の充実にも努めているところです。県としましては、二カ年の取引状況等を検証しながら、今後とも生産者とホテル等をつなぐ県産食材の供給体制の強化に取り組むとともに、本県が有する食の魅力を各種メディアを活用して県内外へ強力にPRしてまいります。 415 ◯中村委員長 工藤委員。 416 ◯工藤委員 何といっても、観光客にとっては、その土地を訪れた際の食もまた大きな魅力の一つでもあります。これによって、次もまた来てみたいとの思いを抱いてもらうことが大事なことであります。それが知事が常々述べている外貨獲得につながるものと考えております。本県は多様で豊富な農林水産物に恵まれていますので、ぜひそれらを活用した郷土料理やしゅんの味覚を観光客に提供できるようホテル・旅館、飲食店等に働きかけるとともに、食材が安定して供給できる体制を一刻も早く構築するよう取り組みの強化をお願いいたします。  次に、平成二十年度主要施策成果説明書についてお尋ねをしてまいります。二十二ページ、あおもりツーリズム実践強化事業及び地域力観光推進事業についてお伺いをいたします。平成二十二年十二月の東北新幹線全線開業は観光関連、商業関連事業者を中心に、事業拡大や新事業への挑戦など、県内企業にとって絶好のビジネスチャンスであるとともに、地域にとっても地域活性化の大きなチャンスであると思います。  特に観光の面では、本県の自然、歴史、文化、食などを生かし、この開業効果を最大限に引き出すことが必要であります。県ではゆったりと流れる時間の中で、本県ならではの食材や、多彩な自然を全身で満喫してもらう、あおもりツーリズムの実践強化のための各種事業に取り組んできておりますが、まず、新幹線開業対策地域連携促進事業の取り組みについてお伺いをいたします。 417 ◯中村委員長 櫻庭商工労働部長。 418 ◯櫻庭商工労働部長 新幹線開業対策地域連携促進事業についてお答え申し上げます。来年十二月の東北新幹線全線開業に向けまして、県内各地域での交流人口の拡大を生かした取り組みを推進していくために、取り組み意欲のある人材の育成や各地域の団体等との連携促進を図るとともに、それぞれ地元住民みずからが地元の魅力を再発見することなどを目的として、昨年度、新幹線開業対策地域連携促進事業を実施したところでございます。この事業では県内六地区において、先ほども委員のほうから御指摘がありました郷土料理、それから、文化、歴史など、地域ならではの観光資源や地域の魅力を高めるためのアイデアを出し合い、観光ルートを検討する「地域資源活用方策ワークショップ」と、検討したルートを実際に歩きながら具体的な検証を行う「まち歩きワークショップ」を開催したものでございます。この事業には、観光関係者のほか、商工団体やNPO法人関係者、ボランティアガイド、学生など合計で約百八十名の参加がありました。この事業の実施により、地域住民みずからが再発見した観光資源等を活用した十八の具体的な観光ルート案が取りまとめられるなど、地域全体で魅力向上に取り組む気運の醸成と連携の促進が図られたものと考えております。 419 ◯中村委員長 工藤委員。 420 ◯工藤委員 次に、わくわく観光コンテンツ発掘育成促進事業の取り組みについてお伺いをいたします。 421 ◯中村委員長 櫻庭商工労働部長。 422 ◯櫻庭商工労働部長 わくわく観光コンテンツ発掘育成促進事業は、通年型や滞在型といったあおもりツーリズムの推進に不可欠な観光資源の質的、量的充実を図るため、観光資源の発掘や磨き上げに積極的に取り組む団体に対し専門的な立場で助言・指導を行うアドバイザーの派遣や、具体的に観光コンテンツに仕上げていく経費に対して助成したものでございます。平成二十年度においては、リゾートしらかみで鰺ヶ沢駅を訪れるシニア女性をターゲットとして、女性の視点からの「歩いてみたいまち」を実践するための提案について専門家からアドバイスをいただきました。このほか、太宰治の足跡をたどる文学ガイドの養成、古都弘前の夜を演出するイルミネーションの設置、「青森味噌カレー牛乳ラーメン」のブランド化などの事業に要する経費に対して助成するなど、県内各地のさまざまな取り組みに対して支援してきております。 423 ◯中村委員長 工藤委員。 424 ◯工藤委員 次に、地域力観光推進事業の取り組みについてお伺いをいたします。 425 ◯中村委員長 櫻庭商工労働部長。 426 ◯櫻庭商工労働部長 地域力観光推進事業として本県ならではの体験等をすることができる観光コンテンツの充実を図りながら、観光客を受け入れる側の地元旅行業者等から、これらの観光コンテンツを生かした旅行を提案する、いわゆる着地型観光を推進するセミナーを昨年十一月に開催したところでございます。このセミナーには県内旅行業者、観光協会、交通機関関係者、宿泊事業者、市町村など合わせて百九十一名の参加があり、着地型観光に関する先進的な取り組み事例や旅行商品の流通の現状を理解していただくとともに、地元旅行業者等による着地型旅行商品の開発、販売のノウハウを学ぶ場として県内観光関係者の気運の醸成を図ったものでございます。 427 ◯中村委員長 工藤委員。 428 ◯工藤委員 県ではこれらの事業の実施を通じてあおもりツーリズムの実践強化を展開しておりますけれども、今後どのように取り組みを行っていくのかお伺いをいたします。 429 ◯中村委員長 櫻庭商工労働部長。 430 ◯櫻庭商工労働部長 通年型観光や滞在型観光につながるあおもりツーリズムを実践強化していくためには、地域の魅力向上に向けた観光客の受け入れ体制の整備や観光コンテンツの質的向上、量的拡大が不可欠と考えてございます。このため、平成二十一年度においても、引き続きわくわく観光コンテンツ発掘育成促進事業を実施してきており、本年九月末現在でアドバイザーの派遣を決定したものが四件、新たな観光コンテンツの発掘や磨き上げに要する経費に対する助成を五件決定しております。また、創意工夫に満ちた着地型観光のより一層の普及のため、昨年度に引き続き地域力観光推進事業を実施し、地元旅行業者や観光協会などの観光事業者を対象に、着地型旅行商品の造成のノウハウ形成を習得するため、ワークショップや専門家同行のモニターツアーを実施することとしております。県では東北新幹線全線開業の効果を最大限に獲得するため、県内の各市町村、関係団体等と連携しながら、県内の観光コンテンツを生かしたあおもりツーリズムの推進に努め、本県の観光振興及び地域経済の活性化に寄与するよう努めてまいります。 431 ◯中村委員長 工藤委員。 432 ◯工藤委員 要望させていただきます。平成二十二年十二月には東北新幹線全線開業予定となっており、本県の地域活性化の起爆剤となる大きなチャンスであり、この開業効果を最大限に引き出すために、地域活性化、観光素材の発掘・磨き上げ、着地型旅行商品の開発になお一層努めるよう御要望して、私の質疑を全部終わります。ありがとうございました。 433 ◯中村委員長 以上をもって本日の質疑を終わります。  次に、本委員会の現地調査についてですが、現地調査の申し出がないようでありますから、行わないこととしたいと思います。  十月十九日は午前十一時から委員会を開き、質疑を継続いたします。  本日はこれをもって散会いたします。 午後三時五十三分散会 Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...