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  1. 青森県議会 2009-10-07
    平成21年農林水産委員会 本文 開催日: 2009-10-07


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ○開 会  午前11時01分 ◯岡元委員長  ただいまから農林水産委員会を開きます。  慣例により、会議の記録署名委員を指名いたします。中谷委員古村委員にお願いいたします。  本日の審査案件は、本会議から付託されました議案2件及び所管事項であります。  なお、審査の順序は、初めに議案について、その後、所管事項について行います。  提出議案について、部長の説明を求めます。──有馬農林水産部長。 2 ◯有馬農林水産部長  おはようございます。  今定例会に提出されました諸議案のうち、農林水産部所管に係るものについて御説明申し上げ、御審議の参考に供したいと存じます。  まず議案第1号「平成21年度青森県一般会計補正予算(第2号)案」についてでありますが、このうち農林水産部関係の予算額は8億5,533万3,000円で、これを既決予算額と合計しますと724億1,793万5,000円となります。  この財源といたしましては、分担金及び負担金、減額2,269万6,000円、使用料及び手数料、減額6万3,000円、国庫支出金2億221万円、財産収入33万6,000円、諸収入2,718万2,000円、県債900万円、繰入金5億9,957万2,000円、一般財源3,979万2,000円となっております。  以下、歳出予算に計上されました主なるものについて御説明申し上げます。  総合販売戦略課の「もうすぐ開業」まるごと青森首都圏プレキャンペーン事業費900万円は、東北新幹線全線開業に向けて、県産品の認知度向上及び誘客促進等を目指して首都圏において行うキャンペーンに要する経費を計上したものであります。  構造政策課構造政策総合推進事業費、減額4,784万3,000円は、事業実施予定地区からの申請取り下げによる集落営農推進人材育成事業費補助金の減額によるものであります。  りんご果樹課のりんご緊急需給調整対策事業費5,950万円は、リンゴの在庫量が一定基準を上回った場合等に、生食用リンゴの一部を加工用原料として市場隔離し、価格浮揚を図るための交付準備金の再造成に要する経費を計上したものであります。  台湾向けりんご残留農薬緊急対策事業費408万7,000円は、台湾における農薬残留基準に対処し、リンゴの台湾向け輸出を円滑に進めるため、台湾向けリンゴの防除体系の確立に向けた防除試験等に要する経費を計上したものであります。  畜産課の青森家畜保健衛生所移転事業費5,720万1,000円は、青森家畜保健衛生所移転に伴う工事に要する経費を計上したものであります。
     一般公共事業費2億3,686万4,000円は、国からの割り当て内示に基づき、畜産担い手育成総合整備事業費を増額したものであります。  林政課の森林整備地域活動支援交付金基金積立金4,172万7,000円は、森林の持つ多面的機能の維持・向上を図る地域活動の支援に要する森林整備地域活動支援交付金基金の積立金を追加計上したものであります。  森林整備地域活動支援交付金367万9,000円は、森林整備地域活動支援交付金基金積立金を活用し、森林所有者等による森林施業の集約化等に必要な地域活動を支援する市町村に対する交付金の交付に要する経費を計上したものであります。  森林整備加速化林業再生事業費補助5億5,000万円は、森林整備加速化林業再生基金積立金を活用し、作業道の整備や高性能林業機械の導入等を支援するために要する経費を計上したものであります。  県営林作業道整備事業費1,200万円は、森林整備加速化林業再生基金積立金を活用し、県が県営林の作業道を整備するために要する経費を計上したものであります。  一般公共事業費1億4,578万4,000円は、国の割り当て内示等に基づきそれぞれ増減調整したものであり、その主なるものは、治山事業費林道事業費であります。  農村整備課一般公共事業費減額3,696万5,000円は、国の割り当て内示等に基づきそれぞれ増減調整したものであり、その主なるものは、畑地帯総合整備事業費海岸保全施設整備事業費広域営農団地農道整備事業費であります。  過年発生土地改良災害復旧費、減額8,882万8,000円は、事業費の精査により減額調整したものです。  水産振興課漁業経営維持安定資金利子補給費補助127万4,000円は、国の漁業緊急保証対策事業創設による資金融資枠の拡大に伴う利子補給費の増額によるものであります。  漁港漁場整備課一般公共事業費、減額1億6,087万9,000円は、国の割り当て内示等に基づきそれぞれ増減調整したものであり、その主なるものは、漁村再生事業費漁港海岸保全整備費であります。  次に、特別会計についてでありますが、議案第6号「平成21年度青森県林業・木材産業改善資金特別会計補正予算(第1号)案」は、林業・木材産業経営の改善や林業・木材産業後継者の養成等に資するための貸付金2億3,366万7,000円を計上したものであります。  以上、農林水産部提出議案について、その内容を御説明申し上げましたが、詳細については御質問に応じて御説明いたしますので、よろしく御審議のほどお願いいたします。 3 ◯岡元委員長  ただいま説明のありました議案について質疑を行います。  質疑はありませんか。──西谷委員。 4 ◯西谷委員  今説明のありました議案第1号の中から2点だけお伺いします。  最初に、構造政策費で説明のありました集落営農推進人材育成事業について。これがよくわからないので、まず最初にこの事業内容をお伺いします。 5 ◯市川構造政策課長  お答えいたします。  この事業は、集落営農組織等が効率的な生産体制を確立するため、既存の農業機械整理合理化し、高性能な機械を導入するのに必要な経費の一部を補助する事業でございます。  具体的には、集落内農家が保有いたします農業機械の状況を調査し、整理合理化計画を策定した上で、農業機械の査定や処分、それから高生産性農業機械の新規導入、さらに小規模基盤整備や簡易な施設整備等に要する経費で、経費の2分の1以内を補助するものでございます。 6 ◯西谷委員  そうすると、今回これを減額したということは、どういう経緯でそうなったのかということをお伺いいたします。 7 ◯市川構造政策課長  平成21年度は3集落営農組織から、トラクター、コンバインなどを導入する事業実施希望があり、その予算を計上いたしましたが、実施に当たりまして事業計画を精査いたしましたところ、2つの組織につきまして、既存の農業機械整理合理化が難しいというふうなことが判明してまいりましたので、実施を取りやめ、事業費を減額するものでございます。  なお、これらの組織につきましては、担い手経営展開支援リース事業等他の事業を活用しまして、希望した農業機械については導入できる見込みとなっております。  以上です。 8 ◯西谷委員  わかりました。  次に、りんご流通対策費、りんご緊急需給調整対策事業ということで、これも市場隔離をするということが気になって質問するんですけれども、昨年産のリンゴでリンゴ果汁を搾って、在庫が相当抱えているというふうに各委員が何回も聞いていましたけれども、これをやりますと、りんご緊急需給調整対策をすると、またその加工用のリンゴがふえてしまうのではないかということで、私も何か、いろんな摘果して高品質にして高価格でというふうな中でやっているけれども、大量にとれて、またリンゴを加工用に回すと、去年余ったものが、さらにまたふえていくという状況にならないのかどうかという心配をしましたので、県の考えをお伺いします。 9 ◯塩谷りんご果樹課長  昨年産のリンゴの加工処理量というのは約11万2,000トンぐらいです。このうち、生果換算で約2万7,000トンに相当するリンゴ果汁が在庫として冷凍保管されているというような状況になっています。  こういうことですので、県では、とにかくリンゴジュースの一層の消費拡大、それから販売促進ということで、例えば県内ではスーパー18店舗でそのジュースの販売促進員を設置したり、それから空港あるいは観光施設12カ所にジューススタンドを設置したりしまして、あるいは県外では関係団体と一体となりまして、全国展開している大手量販店、あるいはJR東日本とタイアップしながらその販売促進活動に努めているところです。  今後も、知事のトップセールスを初めとしていろいろなところで販売促進活動を展開していくということのほかに、リンゴ果汁の利用拡大に向けて、県内加工協会がありますので、その人たちと意見交換しながら果汁の在庫の縮減に努めていきたいという形で考えております。 10 ◯西谷委員  そうすると、この5,950万円という予算は何に使うお金なんですか。我々も商工会議所あたりで、議員に何箱ずつ買えとか、非常に無理やり買わせられているということもあって、おかげで全国の友達に送ったりして、結構喜ばれたりしているので、消費拡大には相当協力しているつもりなんですけれども、それでもまだ相当ダブついているんではないかという話も聞いていますから、これをまた加工用に回せばまたダブつくのではないかということなので。で、この予算は何に使うんですか。消費拡大に使うの。 11 ◯塩谷りんご果樹課長  この予算は、この緊急需給調整対策事業というのが、リンゴの価格が低迷した場合、例えば12月末の在庫量が一定基準を上回るとか、あるいは1月以降の価格が下がってしまうとかという場合に、その関係団体から成る緊急需給調整委員会というものを開催しまして、その中で、その最大で8,500トンを加工に回したらいいのかどうかということを検討することになります。それは早くても12月の在庫を見て判断するということになりますので。それで、そうした場合に、その8,500トンをつぶすというときに、その5,950万円を、県のお金、5,950万円を含めて、その商協連が積んだもの、それから全農が積んだもの、市町村全部を合わせたお金が1億7,000万ほどになりますので、そのお金で加工に仕向けるためのその選果経費とかその辺に支援していくというような形になります。 12 ◯西谷委員  助成するわけですか。 13 ◯塩谷りんご果樹課長  そうです。 14 ◯西谷委員  その加工に回して、それを搾るための。要するにまた在庫がふえることにはなるんだよね。でも、必要なければ使わないんだ。 15 ◯塩谷りんご果樹課長  そうですね。 16 ◯西谷委員  とりあえずここに置いといて、必要なときにはこの予算でもってやりますよという予算だと、こういうふうに理解すればいいんだな。わかりました。 17 ◯岡元委員長  ほかに質疑はありませんか。──今副委員長。 18 ◯今委員  議案第1号「平成21年度青森県一般会計補正予算(第2号)」について質問をいたします。  国は地域グリーンニューディール基金事業という新しい地球温暖化に向けた事業を基金を積み立てながら進めていこうという事業を展開しておりますが、まさに今、地球温暖化の中で、雇用と、そしてまた地域経済社会のさらなる構築を図るためにこのような基金を積み立てておりますが、その中で、当然私どもの青森県もそれに並行して、地産地消型のエネルギー活用、「冬の農業」と。再生事業ということを並行しながら進めているようでありますが、今回の予算の中に、歳出6款1項2目、木質バイオマス活用、「冬の農業」推進事業について予算を上げておりますが、第1点は、この木質バイオマス活用、「冬の農業」推進事業の目的とその内容をまずお伺いしたいと思います。 19 ◯花田あおもりの「冬の農業」推進チームリーダー  この事業は、国が、地球温暖化対策等の喫緊の環境問題を解決するため、21年度の補正予算で措置しました地域グリーンニューディール基金を活用し、石油燃料に依存しない施設栽培の推進や二酸化炭素の排出を抑制して低炭素社会を形成する観点から、石油にかわるエネルギーの利用を一層促進し、「冬の農業」の振興を図ることを目的に実施するものです。  その事業内容は、県内有数規模のイチゴの生産ハウス約36アールを対象に、本県に豊富に存在する間伐材や公園木の枝などの木質バイオマスを燃料とする暖房設備の導入に対して支援するものです。本年度は、暖房設備2基を導入することとして、全体計画では22年度事業においてもさらに2基導入することにしております。  県では、このような大規模施設全体を木質バイオマスを利用して暖房する事例がこれまでなかったことから、本事業の実施を通じて、ハウス内温度の安定性や暖房機の操作性のほか、経営的な視点から設備導入・運営コストなどのデータを収集・活用し、地域への普及を進めていくこととしております。 20 ◯今委員  ここ二、三年、間伐材を利用して、ペレットを使って家庭用の燃料、あるいはさまざまな施設等々のストーブ売りに今一生懸命やっているようですが、先んじて今度は、まさに私ども地元の青森県にとっては、「冬の農業」の対策はまさに喫緊の課題だと思うので、今、CO2の発生の問題もあって、まさに地産地消型のエネルギーをこういうバイオマスを使ってさらに推し進めようということは大変評価できることだと思っておりますので、ぜひとも前向きに積極的にやっていただきたいと思いますが、今後どのように、さまざまな課題もあるとは思うんですが、青森県としてどのように取り組んでいくか、最後にお聞かせいただきたいと思います。 21 ◯花田あおもりの「冬の農業」推進チームリーダー  県では、「冬の農業」の推進に当たって、生産ハウス省エネ対策の徹底に加えまして、主に使用されている石油燃料が今後価格の再高騰が懸念されているほか、地球温暖化の一因ともされておりますので、これにかわるエネルギー源への切りかえを進めることが必要と考えております。  このため、地域で排出され、未利用になっているリンゴの剪定枝、雑木、もみ殻や稲わらなどのバイオマスエネルギー、廃食用油などのリサイクルエネルギー、温泉熱や地中熱などの活用を図ることとしておりまして、これまでも県単事業などで積極的に支援してきたところでありまして、取り組み事例が各地域で見られております。  こうした地域エネルギーの活用は、エネルギーの地産地消を進める観点からも重要と考えておりまして、本年度からは、未利用資源の収集体制づくりや効果的な活用方法などの課題の検討、ハウス栽培への導入・実証を行う地産地消型エネルギー活用「冬の農業」再生事業を取り進めております。  本年度は、リンゴ剪定枝やもみ殻のバイオマス資源を対象に、地域の関係者や専門家等によるプロジェクトチームを設置し、課題の解決を進めながら「冬の農業」での実用化を目指すこととしています。 22 ◯今委員  以上です。 23 ◯岡元委員長  ほかに質疑はありませんか。  [「なし」と呼ぶ者あり]  ないようでありますから、これをもって議案に対する質疑を終わります。  これより議案の採決をいたします。  議案第1号中所管分、議案第6号、以上2件の原案を承認することに賛成の方は御起立を願います。  [賛成者起立]  起立総員であります。  よって、原案を承認することに決定いたしました。  次に、部長より報告事項があります。──有馬農林水産部長。 24 ◯有馬農林水産部長
     3点御報告を申し上げます。  まず最初に、農作物の生育と農作業の進捗状況等についてです。これまでの気象の経過でございますが、9月の青森市の気象の経過では、平均気温は平年と比べて0.5度ほど下回っています。日照時間は平年と比べて107%と多く、降水量は89%と少なかったということです。  今後の見通しですが、平均気温は高く、日照時間は少なく、降水量は平年並みから多いというふうに予測、予想されております。  次に、農作物の生育と作業の進捗状況と今後の対策についてです。  まず水稲でございますが、農林水産省が発表した9月15日現在の作況指数は、青森と津軽地帯が100、南部・下北地帯が99ということで、県全体では100の平年並みとなっております。9月30日現在の稲刈り進捗率は4.7%で、平年よりもおくれています。  今後の対策ですが、今後は、適期刈り取りと適正な乾燥調製に努め、良食味・高品質米に仕上げること、それから、稲わらの有効利用と焼却防止に努めること、こういったことを指導していきたいと思っています。  畑作・野菜・花卉でございます。大豆、ナガイモの生育は平年並みから平年を下回っています。高冷地の秋ニンジンの生育も平年を下回っているということで、ゴボウや秋ギクの生育はおおむね順調です。  今後の対策ですが、大豆につきましては、わい化病株や雑草の抜き取りを徹底するとともに、適期収穫に努めるということです。花卉のハウス栽培では、きめ細かな温度管理で生育を確保すること、それから排水対策病害虫防除を徹底するということを指導してまいります。  リンゴ等果樹です。リンゴの肥大は各品種とも平年並みから平年を上回っています。早生ふじの収穫は平年より7日早い9月24日ごろから始まり、現在は終盤を迎えています。ジョナゴールドの熟度は平年並みです。ブドウ、スチューベンの収穫は9月20日ごろから始まり、現在盛期となっています。  今後の対策です。樹上選果を徹底し、着色管理や収穫を適期に行うこと、台風に備え防風網の点検・整備や支柱の結束・補強などに努めること。  なお、台風18号の接近に伴う対策につきましては、その資料にも添付してございますが、10月の5日に臨時情報を発行しまして注意を促しているところでございます。  飼料作物です。牧草の3番草までの合計の乾物収量は平年比94%となっています。サイレージ用トウモロコシの収穫期は平年より1日遅いと。牧草は、長雨が予想される場合はサイレージ調製に切りかえるなど、天候に応じた収穫作業体制をとること、サイレージ用トウモロコシ適期収穫に努めることを指導していきたいというふうに考えています。  次に、県産農産物の販売動向についてです。9月下旬の東京都中央卸売市場の県産農産物の販売動向でございます。まず野菜ですが、ナガイモの価格は昨年と比較するとやや高値ということで、過去5カ年平均とほぼ同じ水準です。ニンニクの価格は、昨年の高値と比較しますと大幅安く、過去5カ年平均に比べても27%下回っています。大根の価格は、昨年と比較すると大幅安で、過去5カ年平均に比べて21%下回っています。トマトの価格は、昨年と比較すると高値で、過去5カ年平均と同等でございます。  なお、リンゴでございます。リンゴの価格は、入荷量が多いことなどから前年産を6%、過去5カ年平均を29%下回っています。特に今回はミカンの入荷量が多かったこと、カキの入荷量も非常に多かったことと、それぞれ3割程度多いということで、リンゴの価格に影響しているものと思われます。  次に、最近の漁模様等についてです。9月の主要魚種の動向です。  スルメイカは全海域で低調に推移しています。サケは日本海で好調、津軽海峡及び太平洋で低調、クロマグロは日本海で好調、津軽海峡で低調、ブリは日本海及び太平洋で好調、サバ類は太平洋で好調、ウスメバルは日本海で好調に推移しています。  沿岸の水温です。9月の26日から30日までの半旬平均水温は、日本海では21度台、津軽海峡で19度から21度台、陸奥湾では20度から21度台、太平洋では18度から19度台となっておりまして、すべての海域で平年並みでして、全地点の平年差は平均でマイナス0.3度となっています。  そのほかとして、最近の主要漁獲物の状況でございますが、9月下旬の主要漁獲物は、日本海及び津軽海峡ではスルメイカ、クロマグロ、サケ、太平洋ではスルメイカ、サバ、ブリとなっています。  陸奥湾のホタテ貝養殖の状況ですが、稚貝の生育は順調で、西湾の一部で分散作業が始まっています。成貝の生育に異常は見られていません。  大型クラゲの出現状況です。9月30日現在では、陸奥湾を除く全海域で定置網に1,000個以上の入網がありました。定置網に引き続き県内各地の底建網では、10月から大型クラゲの一斉駆除が実施されているところでございます。  以上でございます。 25 ◯岡元委員長  それでは、ただいまの報告事項及び所管事項について質疑を行います。  質疑は議題外にわたらないよう簡明に願います。  質疑はありませんか。──中谷委員。 26 ◯中谷委員  大きく2点にわたってお伺いをいたしたいと思います。  その前に、今、漁模様の報告があったわけですが、先般私もちょうど議会から帰る途中、ラジオをつけましたら、宝多さんが何か大型クラゲの駆除のことで、青森県はこういうことをやっているよということが放送されていました。それから比べてもまだまだこの大型クラゲの発生が多いようですから、ぜひとも、何と言うんですか、指導を徹底して大型クラゲの駆除に努めていただきたいなと、これを要望しておきたいと思います。  それでは、まず第1点ですが、第1次産業における企業社会貢献活動、CSR活動と言われているものですが、このことについてお伺いをいたしたいと思います。  先般、9月29日の東奥日報に、「農作業を企業がお手伝い」というタイトルで企業社会貢献活動の記事が掲載されておりまして、興味深く拝見をさせていただいておりました。そういう中にあって、また引き続き、今月、10月の「青森の農業」ということで我々に冊子が配られていますが、この中においても、企業の森づくり活動という未来づくり・森づくり支援事業が農政関連の記事ということで掲載されておりました。それぞれ構造政策課あるいは林政課という形で、所管は違いますけれども、今まさに農商工連携が叫ばれているわけでありますけれども、そういう中にあってもさらにこういう民間企業の方々にこの第1次産業に対する関心を持ってもらって、その企業で働く方々が実際にこういう作業なり今の森づくりの事業を通じて第1次産業に関心を持ってもらうということは、私は第1次産業の振興のためにも重要なポイントではないのかなと考えているものであります。  今言ったように、この事業は2課にわたっていますけれども、それぞれ質問するわけにいきませんので、3点ほど質問しますが、それぞれの所管ごとに御答弁を願えればなと思っております。事業名としては、構造政策課のほうは、農山漁村と企業連携による農村活性化事業というタイトルのようであります。また、林政課のほうは、未来づくり・森づくり支援事業となっています。そういう意味で、まず第1点として、こういう民間というか、民間企業の社会貢献活動を巻き込んでこういう事業を導入するに至った経緯とその事業の内容並びにこの効果についてお伺いをしたいと思います。 27 ◯市川構造政策課長  CSR活動というのは、英語のコーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティー、企業の社会的責任の頭文字をとったものでございます。企業側にとりましては、社会奉仕活動を行うことによってイメージアップが図られると。受け入れ側にとりましては地域の活性化が図られるというふうに相互にメリットがあるものでございます。  県では、高齢化の進行などにより労働力が減少するとともに、元気がなくなってきている農山漁村の活性化を図るため、このような活動も有効であるとの考えから、本年度、委員先ほど申されました農山漁村と企業の連携活性化事業に取り組むこととしたものです。  実施に当たりましては、県内外の企業約300社にアンケート調査を行ったところ、28社から活動に前向きな回答が得られました。また、受け入れ側となります県内の生産者団体に働きかけましたところ、16団体から参加の意向が示されました。  県では、この結果に基づきまして双方のマッチングを行ったところ、初年度となる今年度は、企業側が7社、受け入れ側9団体による12の活動の実施が決まり、去る9月24日にむつ市のブドウ園、有限会社エムケイヴィンヤードというところで、八甲田ホテルの従業員の方がワイン用ブドウの摘果作業等を皮切りに、今後順次さまざまな活動が行われることとなっております。  なお、本事業では、こういったマッチングのほかに、CSR活動の普及啓蒙のための事例収集の作成であるとか講演会の開催なども行う予定としております。  以上でございます。 28 ◯樋口林政課長  事業の経緯でございますけれども、県内の森林の中には、長期にわたる木材価格の低迷等により放置され、森林の持つ土砂崩れの防止や、また二酸化炭素の吸収等の機能が低下しているものが見られております。一方で、企業の社会貢献活動として森林整備への参加を希望する企業が多く出てきております。このため、県内外の企業が本県での森林整備に取り組めるような、そういう環境を整備するということからスタートしたものでございます。この支援としましては、平成19年度から行っているところでございます。  県が行っております事業の内容ですが、森林整備を希望する、そういう森林の情報を県が収集いたしまして、それを企業のほうに提供しております。そのほか、企業が現実に、実際に取り組むということになった場合には、森づくりのためのプランの提案ですとか技術の指導などを行っております。  こういう取り組みの結果、平成20年度でございますが、青森銀行の従業員組合さんと青森市、県の3者で、本県では初めてとなります「森林づくり協定」という協定を締結して、既に植樹活動が行われております。  また、ことしの5月ですけれども、株式会社東芝さんと県の間で、県内全域の民有林を対象としました「森林整備に関する包括協定」というものを締結しております。それで、七戸町において今年度植樹活動を行いました。今月末には、三沢市において間伐作業を実施する予定としております。  さらに、株式会社東芝さんでは、間伐などで生産された木材からつくられた紙、これを若干高く購入していただきまして、その高く購入していただいたお金を森林所有者に還元します。そして森林所有者がまた間伐に努めていくというような新しい取り組みも行われる予定でございます。  なお、現在、これらのほかに2つの団体とこの森林づくり協定の締結に向けて調整をしているところでございます。  以上でございます。 29 ◯中谷委員  今、経緯とその内容と効果について伺ったわけですが、いろんな効果が出ているということは理解をできました。ただ、林政課さんは平成19年度から、それから構造政策課はことしから始まったということでありますけれども、期間的には構造政策課はまだ始めて6カ月で短いわけですが、それなりに何かこれに取り組むいろいろな課題もまた見えてきたと思うんですが、その辺はいかがですか。 30 ◯市川構造政策課長  農業分野でのCSR活動は、全国では静岡、島根に続いて本県が3番目でございます。これから拡大が期待される分野でございますが、今、委員申されましたとおり、まだ始まったばかりでございます。まだまだその認知度が低いという課題がまず1つあるだろうと思います。  また、受け入れ側にとりましては、やはり素人の方が来られますので、つきっ切りで作業の指導をしなければいけないということで、そういった面での負担がふえるといった課題もございます。  このため、本活動が今後継続的に行われていくためには、やはり活動の内容の工夫であるとか、何よりも企業とその受け入れ側が良好な関係をまず築いていくということが不可欠なんではないかなというふうに考えております。  以上でございます。 31 ◯樋口林政課長  活動を支援してきた課題といたしましては、やはりまだこの仕組みの周知ですね、不足しているということがまず挙げられます。それから、森林所有者、森林を提供する側の森林所有者側にとってみますと、いわゆるボランティアとか、企業の社会貢献活動、これらによる森林整備というものに抵抗を示す方も中には見られます。逆に企業側にとってみすまと、森林整備というものは危険を伴うということもございます。そのために、候補地として選定していただく場合には、比較的平坦な森林を希望するということで、そうなりますと、その森林整備を希望している側とのマッチング、この辺のところで森林が限定されていくというようなことが挙げられます。 32 ◯中谷委員  わかりました。  それぞれまだ事業展開されてから期間も少ないと。それからまた、どうしても来る方は素人ですから、さっき言ったブドウの摘果ですか、そういうのでもやっぱり農家に方々にすれば、あの人で大丈夫なのかなという不安にかられるのもこれは事実だと思います。  そしてまた、樋口課長からもお話があったように、どうしても山の仕事というのはいろんな危険が伴うということもありますが、ただ、多くは植樹作業のほうが多いようですけれども、そういういろんな課題があるわけでありましょうけれども、私は、冒頭申し上げたように、やっぱり第1次産業に今まで何ら関心を持っていない方に関心を持ってもらって、例えば、さっき、ブドウを摘んで、そしてそこはワインになりますよね。そして、このワインになったものが、じゃ我々のつくったブドウでこのワインをつくったと。すると消費の拡大にもそれはつながっていくと思うんですよ。ですから、これはぜひともこの事業を多くの方々に認知してもらうことを含めて拡大をしていっていただきたいと思うんですが、今後の対応についてそれぞれお伺いをしたいと思います。 33 ◯市川構造政策課長  本事業は本年度と平成22年度、来年度の2カ年にわたる事業でございますが、今年度は活動の結果をモデル事例といたしまして取りまとめ、今後開催する講演会の中で紹介するほか、県のホームページに活動の概要であるとかモデル事例を掲載するなどして広く県民、企業の関心を高めるとともに周知を図ることといたしております。  また、来年度も引き続きまして企業と農山漁村とのマッチングを行いまして、新たな取り組み事例をふやすほか、県のホームページに、本県の農山漁村でCSR活動を希望する企業と受け入れ地域の情報を紹介するコーナーを設けまして、活動の拡大・継続に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 34 ◯樋口林政課長  今後の取り組みでございますけれども、この社会貢献活動が実施できる候補地をさらに充実させていきたいと思っております。本県での整備活動を積極的にPRしていきたいとも思っております。  特に、県外の企業に対しましては、大手企業を対象とした林野庁が主催しております「企業の森づくりフェア」というものがございます。これまでもこのフェアに参加してきましたが、今後も引き続き参加しながら本県をPRしていきたいというふうに考えております。  それから、ダイレクトメール、県ホームページ等の活用によります本県の森林の状況はもちろんですけれども、文化ですとか歴史ですとか観光といったものもあわせて情報発信していきながら本県での森林整備を推進していきたいというふうに考えております。  以上でございます。 35 ◯中谷委員  ありがとうございました。  今後の取り組みということで、先ほどの構造政策課の課長のほうからは、300社アンケートをとったんだけれども、回答が28しかなかったと。この辺がやっぱり認知度がまだまだ低い部分なのかなと思っております。そういう意味で、それぞれの事業予算を聞きましたら、構造政策課のほうは185万ぐらいだと。それから林政課のほうは39万5,000円だと。私は、こういう、何といいますか、事業予算的にはそう多くはない事業なんですが、これがこれからこう拡大・浸透していくことによってこの予算の30倍も40倍も効果が出る事業だと私は思っています。したがって、先ほどから申し上げているように、ぜひこの事業を大事にしていただいて、拡大に努めていただくよう要望したいと思います。  それから、次に第2点目ですが、地方独立行政法人青森県産業技術センターによる植物工場研究施設の整備についてお伺いをしたいと思います。  このたび産業技術センターが国に申請しておりました植物工場研究施設整備事業が東北で唯一補助対象に選定をされたと伺っております。先ほど今委員からもあったように、我が県は積雪の多いほうでありますし、また、「冬の農業」活性化ということで大いに力を入れている分においては、まさしくこの天候に左右されない植物工場というのはこれからもまたいろいろの部分で求められていくんだろうと思います。  そういう観点からも、この施設の整備を終えた後のこれを利用した研究成果に大いに期待をいたすとともに、まさしくこの植物工場というのは、新産業の創造を模索している現況においても、その植物工場としての技術を確立して、これにはまた民間の企業、あるいは民間の農家の方々がこれに参加して普及・拡大していくという将来性のある事業だと思います。  そういう意味で、まず第1点目としてお伺いをいたしますが、この研究施設を整備するわけでありますが、この施設の整備の概要についてお伺いをいたします。 36 ◯渋谷農林水産政策課長  地方独立行政法人青森県産業技術センターでは、今年度、国の補助金を活用いたしまして、寒冷地対応型植物工場基盤研究拠点を黒石市の農林総合研究所敷地内に整備することとしております。  その施設の主な概要は、研究の中心となります太陽光と人工光を併用いたしました半密閉型の100坪のハウスを2棟、それと植物工場のコストや生産性等を比較するための一般型の、これも100坪のハウスを1棟、それと、人工光と環境制御を行う閉鎖型を検証するための苗テラス用の施設を1棟、あと、エネルギーの効率的利用を検証するための太陽光パネル、それと風力発電、地中熱交換システムなどでありまして、施設面積は1,634平方メートル、整備費が4億5,300万円というふうになっております。 37 ◯中谷委員  内容、概要事業の理解をいたしました。  それでは第2点として、このたびこの施設整備費、補助金が東北では唯一我が県だけだと。全国でも9事業が採択されたと伺っておりますけれども、本県のこの研究施設の特徴と言えるものがもしありましたら御披露いただきたいと思うんですが。 38 ◯渋谷農林水産政策課長  この研究施設につきましては、委員おっしゃるとおり、東北地域では唯一採択されました。特徴といたしましては、雪や夏期冷涼な気象など本県の寒冷地特有の自然環境と、それから農林水産業から出される地域資源エネルギー、これを活用いたしまして、低コスト、それから省力技術を実証する太陽光利用型の植物工場、研究施設というふうになっております。  具体的には、自然環境と地域資源エネルギーの活用といたしまして、夏場に雪冷熱の活用を図るほか、冬場には堆肥熱やリンゴ剪定枝チップボイラーを活用いたしまして暖房費の節減を図るということとしております。  また、自然エネルギーといたしまして太陽光、それから風力、地熱等を組み合わせて利用し、エネルギーの効率化、それから化石燃料の低減にも取り組んでいきたいというふうに考えております。  以上です。
    39 ◯中谷委員  今まさに出たように、地域資源の有効活用と、そしてまた自然エネルギーを導入したということが特徴のようでありますが、前回、前々回でしたっけ、古村委員のほうからまたこの植物工場のことでも、何かもっと自然を、自然というか、この植物工場というのは自然から離れた水耕栽培とかそういうことをやるからどうのこうのという話もあったんですが、私は逆に、そうではなくて、こういう天候に左右されない、特に積雪の多い我が県にとってはこれを、植物工場のこの技術を確立して大いに広めていくことがより一層これから求められると考えているものであります。  それでは次に、最後になりますけれども、この施設を利用いたしまして産業技術センターはどのような研究を進めていくのか、お伺いをいたします。 40 ◯渋谷農林水産政策課長  これらの研究施設を活用いたしまして、植物工場の強みを生かせる生産システム、それから生産技術の開発に取り組むということを主眼といたしまして、灯油や電気代等の30%削減を目標といたしまして効率的なエネルギー供給システムの確立、それと、使用する肥料や資材コスト、これも30%削減を目標といたしまして低コスト・省力栽培の技術の開発と。それとイチゴやホウレンソウ等の生産性向上技術の開発と高収益で寒冷地向きの品目の選定と、大きく分けてこの3課題を研究の柱に掲げております。  また、今後は、本県型の植物工場を確立いたしまして、それを普及していくということが必要になりますので、農業者や企業、学校等と連携して、産学官が一体となった共同研究体制づくりと。それから、農業者及び中小企業者への技術指導・移転や人材育成、それに経営試算を踏まえました植物工場のビジネスモデルの実証ということに取り組みまして、農業分野のみならず、農商工連携による幅広い産業振興を促進していくと。このことによって地域経済の活性化に結びつけていきたいというふうに考えています。 41 ◯中谷委員  それでは、御要望申し上げます。  今の、さっきから何回も繰り返して言っていますけれども、この施設整備を終えた後の技術センターの研究成果に大いに期待を申し上げますが、このことと同時に、先般技術センターでは、9月の28日と伺っていますが、弘前大学との研究連携の中で、今までも連携していたというんですか、研究連携推進に関する協定というのも何か結んだようであります。したがって、ぜひとも、産業技術センターのみならず、この弘大も巻き込んだ中での研究成果に持ち込められることを要望いたしたいと思います。  さらに1点、新聞に載っておりましたけれども、この植物工場というのは新しい産業となるといううたわれ方の中に、逆に言うと、法律や制度の対応がまだおくれてきているという内容もございました。というのは、この植物工場というのは、普通の誘致企業であれば、工業だといろんな地元が企業誘致に向けて優遇制度を利用できるわけですが、この植物工場というのは農業に種分けされているそうなんですね。したがって、企業誘致のその優遇制度の適用がなかなか難しいということもありました。  したがって、やっぱりせっかく全国でも9カ所の研究指定を受けた本県、あるいはほかの都道府県もあろうかと思いますが、ぜひともこの新しい産業、植物工場というこの農業の部門を新しい産業として、いろんな企業誘致の優遇制度が可能になるような制度の確立に向けても、県としても国に大いに要望ないしは働きかけていただくことを要望して終わります。 42 ◯岡元委員長  ほかに質疑はありませんか。──中村委員。 43 ◯中村委員  1点だけお聞きします。  過日の新聞に、今、県のりんご協会の青年部で、葉取らずリンゴの栽培の普及と販路の拡大に取り組んでいると、こういう報道がありました。なかなかユニークな発想だなと思っていまして、この栽培の方法と、プラス、いい面とマイナス、悪い面があると思います。その辺をまずお聞きします。 44 ◯塩谷りんご果樹課長  この葉取らずリンゴというのは、一般的に収穫の前に果実に色をつけるために葉摘みをするわけですけれども、その葉摘みを省略するというような作業をやるわけです。それで、単なる葉摘みにとどまると、葉摘みを省略するということになれば、手抜き栽培だという形で言われますので、やはり高品質のものをとるためには、樹冠内部まで、つまり木の内部まで光を当てるような枝づくり、つまり整枝・剪定作業ですよね。それからあと、食味をいかにアップさせるか。つまり外観が、葉っぱの形がつきまして色がつかなくなる、部分的に色がつかなくなりますので、やはり食味が大きな武器ですので、その食味向上のために土づくりを徹底するとかというような作業が、きめ細かな栽培環境といいますか、というものが必要になるわけです。  こうした栽培によりまして今言ったように葉摘み作業が省略されるということになりますので、そこで労力が浮くわけですね。その労力を自分の園地の中の違う畑のほうに投入しまして、その畑は、高品質なもの、本当の、手をかけて、いいものをつくっていくというようなことができるようになると。  それからあとは、やはり普通の栽培よりもそういう食味良好になるために、樹冠の中まで日光を当てることによって糖度が高くなるとか、あるいは、部分的に色がつかないんですけれども、その周りの色が非常に鮮明になるとか、そういうふうなことがあります。  それからもう一つは、やっぱりその葉っぱを置いておくということなので、葉っぱで養分が使われますので、その養分が来年の花芽の形成に、花芽の充実にうまく作用するというような大きなメリットがあります。  しかしながら、葉っぱの形がつくとかになれば、やはり外観が通常より劣るので、消費者にそういうことを納得させながら販売していかなければと。例えば生協さんとかその辺で販売ルートを確立していくとか、あるいは食味を上げるために特に収穫をおくらせて、みつを入れたりするんですけれども、そういうことをやることによって、年によってその収穫がおくれれば、雪が降って雪害の危険性があるとかということなので、一気に生産拡大というのが非常に難しい面があるんじゃないかという形で考えています。 45 ◯中村委員  この葉取らず栽培など、いわゆるこだわりリンゴ、この生産について県はどう考えていますか。 46 ◯塩谷りんご果樹課長  こだわりリンゴについては、こうした葉取らずリンゴのほかに、例えば光センサー選果機を利用してみつ入りを識別して、無袋ふじを、みつが入ったリンゴということで、相馬村農協さんあたりでやっている、みつまるくんという名前で販売したり、あるいは小玉で食味良好な品種に、こうとくという、ちょっと昔の品種なんですけれども、それは非常にみつが入りやすいということなので、果実全体にみつをたっぷり入れて、それをこみつという名前で売っている例とかという、そういうふうなこだわりリンゴというのがあります。  こうしたリンゴをブランドとして定着させていくためには、前言ったように、受光態勢といいますか、光が内部まで入って、1本の木の中で品質にぶれのないような、品質が均一化されるようなリンゴをつくっていくということはもちろんですけれども、そのほかに、やはり消費者とか販売業者に対して知名度を高めていくとか、あるいは契約栽培等によって栽培ルートを確立するとかということが必要であるというふうに県では考えております。 47 ◯岡元委員長  午さんのため暫時休憩いたします。  なお、再開は午後1時といたします。 ○休 憩  午前11時56分 ○再 開  午後 1時01分 48 ◯岡元委員長  休憩前に引き続き委員会を開きます。  質疑を続行します。  質疑はありませんか。──古村委員。 49 ◯古村委員  いやいや、本当に申しわけありません。しょっちゅう質問していましたので、今回ぐらいやめても、そう緊急性もないと思っていましたけれども、申しわけありません。どうせ3人ですので。  西谷さんの質問を聞いていましたら、野党の勉強をしているのかなという感じを受けました。きょうの新聞に、農水省が米の戸別補償を全面実施、来年度から前倒しでやるという記事が載っていました。たまたま私のほうで一般質問で出されていました農地集積加速化事業、これについて、部長のほうで、中止されれば差しさわりがあると、こういうような答弁しておりましたので、この農地集積加速化事業の内容というのをもう一度きちんとお伺いをしたいというのと、2点目は、予算執行が停止されれば営農上どういうような影響があるのか、具体的に伺いたいということでお願いを申し上げます。 50 ◯市川構造政策課長  お答えいたします。  まず1点目の事業の内容でございますが、農地集積加速化事業は、生産性の向上に結びつく農地の面的な集積を促進するため、一定条件のもと、担い手農家等に面的集積につながる貸し付けが行われた農地の所有者に対して、10アール当たり1万5,000円を最大5年分一括交付する事業でございます。  2点目の御質問でございますが、予算執行により営農上どういう影響があるのかということでございますが、本事業は、6年以上の賃貸借契約の締結を条件にしております。したがいまして、この事業を活用して集落ぐるみで農地の利用集積を進め、安定した土地利用を確保して規模の拡大を図ろうとしていた集落営農組織などにおいて、長期間な視点での営農計画の策定ができなくなるといった影響が出てくることが懸念されるところでございます。  なお、これらの組織等に対しましては、政府が打ち出している支援策等を十分検討の上、活用できるものは今後最大限活用して、今後も農地の集積が図られていくよう支援していきたいというふうに考えているところでございます。  以上です。 51 ◯古村委員  私も要綱、要領をいただいて、ちょっと目を通してみたんですが、実施主体というのと活動主体というのがありまして、この実施主体というのがどうもぴんとこないというんですか、どういうものなのか。これについてちょっと説明いただければと思います。 52 ◯市川構造政策課長  実施主体というのは、全国の担い手協議会というのがございまして、そこが国から基金を受け入れて実施主体になると。活動主体というのは、実際の現場で、現場にございます市町村であるとか農協、こういったところが、実際農地を出してもいいですよというような人を集めて、そこが中心となって取りまとめて、実施主体である全国のほうに申請等を行うというふうな位置づけになってございます。 53 ◯古村委員  この実施主体と活動主体については質問通告していないんですが、お昼にちょっと見てみまして、ありゃと思ったんですけれども、じゃ、今の説明を聞くと、実施主体というのが基金を受け入れる、お金を受け入れるということなので、天下り団体ということになるのかどうか。 54 ◯市川構造政策課長  ここが全国的に1つの大きな窓口になりまして、全国の農業会議所というのが実際事務局をやって、国から基金を一たん受け入れて、あと地域の各自治体のほうに申請があって、内容が適切であればお金を交付するというふうなものでございます。  以上でございます。 55 ◯古村委員  それから、21年度から、ことしから5年間ということなので、部のほうでは既に市町村なり、あるいは市町村からそれぞれの組織にこういう制度・事業がありますよというのをもう既に伝えてあると思うんですけれども、そういう点で、何なんだと。やると言いながら、私たちの努力がむだになったとか何とかという、そういう、私の言葉は文句だな。文句、おしかりを受けているものかどうか。 56 ◯市川構造政策課長  この事業につきましては、7月ごろに大体県内を回りまして、市町村であるとか農業委員会等関係団体に説明をしておりました。委員も新聞等で御存じかと思いますが、ある営農組合では、やはりしておったということで、そういう、どういうことだというところがございますけれども、それ以外は、私どもが説明した中である程度いろんな情報がございましたので、もしかすればそういうこともあり得るかもしれないということを御説明申し上げておりましたので、新聞以外のものについてはそういった苦情等は来ておりません。  以上でございます。 57 ◯古村委員  農水省も民主党政権にすり寄っているようでありますので、青森県の農林水産部もむだな抵抗をしないで、戸別補償制度を早く、何というんですか、受け入れる態勢、そういう準備をしたほうがいいんではないかというのを申し上げて、この点に関しての質問は終わります。  2点目なんですが、下北のほうから鳥獣駆除というんですか、野生生物の農産物被害について非常に県のほうに要望が出されておりましたけれども、最近は浪岡でも、私の畑でも去年クマが目撃をされたりしておりますので、何か自然全体が狂ってきているのかなという観点から、一般質問の質疑を聞きながら、県内全部の農産物被害というんですか、野生動物による農作物被害についてどの程度なのかまずお聞きしたいのと、現在とっている農林部としての対策をお尋ねします。 58 ◯三浦食の安全・安心推進課長  では、お答えいたします。  野生動物による農作物被害でございますが、平成20年度の被害ということでお知らせしますが、県内31の市町村で農作物被害が発生し、その被害面積は約430ヘクタール、被害金額にすればおおむね1億3,800万円に上っています。  その主な内訳でございますが、まず猿による被害が10市町村で、被害金額の割合でいけば全体の約30%、それからクマによる被害が県内で18市町村、それは全体の17%、それからカラスによる被害が全部で16市町村で、被害金額にすれば25%ぐらいということになっております。  こういった農作物被害を防ぐために各市町村では、猿やクマについては、侵入防止のための電気さくなどのさくを回すという対策、あるいはおりとかわなを仕掛けて捕獲する、あるいは下北のようにモンキードッグを導入して追い払いをするというふうな取り組みを進めております。  また、カラスなどの鳥については、農家個々に防鳥網を張っていただく、テグスを張って入ってこないようにするとか、あるいは花火とか、最近はいろんな音波、超音波とか悲鳴のような音、何かそういうような音を出して追い払うとか、あるいは猟友会にお願いして銃器による捕獲をするとか、そういうふうな取り組みも行われてきています。  以上です。 59 ◯古村委員  特に津軽のほうではカラスの被害が大きいと。特に集団化して、何か夜が暮れるあたりはもう電柱にずらり。私の畑でも防風網の上にずらりとおぞましいぐらいカラスが固まっている。反面、スズメなんかが今どきであれば田んぼにふわっと降りるんだけれども、スズメが見えなくて、最近見えるのがサギ、だまかす詐欺でなくてサギの灰色をした大きいのが、二、三年前は小さい、真っ白なサギが見えていんですけれども、最近は大きいのが居ついて、すみついているみたいなので、そういう点では、何というんだ、環境の変化というのが、こういう野生動物が非常にふえたり、食物連鎖というのか、そういうのを壊しているんではないのかという感じがしますので、そういう点についてお尋ねをします。 60 ◯三浦食の安全・安心推進課長  食物連鎖によるのかどうか、その辺、分析はいまだできておりませんけれども、カラスについては、一般にカラスの天敵というのはワシとかタカとか、そういう猛禽類が天敵なんだというふうに言われおります。ところが、最近のカラスというのはそういう山とか畑、農地のほうにいるんじゃなくて、どちらかというと町のほうにおりまして、そういう天敵なんかも影響が少ないのかなというふうな気はいたします。  そもそもカラスはいろんなものを食べる雑食性だということ、それからもう一つは、いろんな環境に柔軟に適応する能力が高いという特性を持っています。そういうことから市街地のいろんな生活ごみ、そういったものをえさにしながら、ビルなどの陰で巣をつくる、冬越しもしやすくなっていると、そういうふうな、いろいろ環境を都合のいいように活用してふえてきているのかなという、そういうふうに思っております。  一方、猿とかクマにつきましては、それぞれ、猿については今までいろんな防護対策をしてきているということがございます。それから、クマなどにつきましては、前の年に山の木の実がたくさんとれたその翌年は子供がたくさんできて出没が多くなるというふうなことも言われております。そういういろいろその動物の特性によってそれぞれ考えられることはございますけれども、どれがどうでこうなっているというふうに断定的にできるだけの資料はまだ持ち合わせておりません。
    61 ◯古村委員  それで、カラスについては、特に農家の人は、鉄砲で撃ってくれと。猟友会ということなんですが、最近は猟友会の人も年をとって、なかなか、はいと素直に出動してくれない、そういう悩みもあるし、また、ただそうやって撃ち殺していいのかという思いもありまして、特にカラスは、私も憎かったんだけれども、夕暮れどき、畑から帰れば、県のほうで整備した側溝、U字溝、ベンチフレームという大きいのがあるんだけれども、そこに必ず2羽いるんだよな。あれは夫婦ではないかなと思えば情がわいたりして、どうも最近これについてはなじみが深いんですけれども、一般質問を聞きながら、あら、新幹線が来るし、何とか共生できないものかなと。私がリンゴをもいでいるはしごの下でクマが遊んで、猿がリンゴの木のてっぺんにいて、はしごが届かないところからリンゴをとって私に渡すと、こうなればもう新幹線は満員ではないかなと思いながら、そういうことを考えてこういう質問をしているのですが、何とかこの共生というのはできないものなのかと。ただ退治をしたり電気ショックをかけたりするんでなくて、そういう考えというのは農林部の所管ではないと言われそうですけれども、何かこう思って、夢みたいなお話をいただければと思いますが。 62 ◯三浦食の安全・安心推進課長  大変有意義な御質問でありますが、私たちはふだんからいろんな生き物とのつながりの中で生活してきているというふうな実態がございます。したがいまして、委員がおっしゃるように、野生動物との共生を目指していくということは、自然の生態系のバランスを維持する、そして生物の多様性を保全していく、そういう意味で大変重要なことであると考えています。  ですけれども、現に目の前でそういう農作物の被害が出ているわけでございますから、私どもとしましては、農作物の被害を防止するために、地域とか集落ぐるみで、そのえさとなる収穫残渣とか生ごみ、そういったものを食べられないようにちゃんと撤去するとか、あるいは動物が農地のほうに入ってくるための侵入路になり得るやぶとか草原、それから雑木林、そういったところをちゃんと伐採、刈り払いして空間をつくると。そうすると、動物たちには恐怖心があって、むき出しのところを通っていきにくくなるということがございます。  それからまた、電気ショックということをおっしゃられましたけれども、電気さくとか防鳥網などで園地のほうに入ってこないようにするということをしながら、農地と生息地域との境界というものをはっきりさせていって、お互い間合いを持っていくことが大事なんではなかろうかというふうに思っております。 63 ◯古村委員  確かに、今おっしゃったように、生態系のバランスとか人の食い物をどうきちんと後片づけするかとかいろんな問題があって、農林水産部の中でも農地を担当する課と山を担当する、林務、林政のほうと、それから県全体では教育委員会とか自然保護課ですか、そういうところがいろいろあると思うんですが、それぞれの縦割り行政の、何というの、それぞれ所管するのがちょっとわからないもので、それを説明していただきたいと。保護と駆除、被害防止というんですか、そういうのをちょっとお聞きしたいと思います。 64 ◯三浦食の安全・安心推進課長  県庁の関係部局といたしましては、まず鳥獣を保護する、あるいは有害鳥獣などを捕獲する、そういう担当をしております環境生活部の自然保護課というところがつ1つ、それから、下北の猿など天然記念物の保護を担当する部局として教育委員会の文化財保護課というところがございます。それから、人の被害、人的な被害を担当するところということで、警察本部の生活安全部地域課というところがございます。あと、私どものほうで農作物の被害対策を担当している食の安全・安心推進課ということで、この4つの部局が野生動物による被害対策というものをそれぞれ担当していると。  私ども、それぞれまたがっているものですから、いろいろ情報交換しながら連携してやっていくように努めております。  以上です。 65 ◯古村委員  まず要望になりますけれども、連携して、常に情報交換しているという話ですけれども、きちんとした連絡協議会みたいなものをつくってこれらの対策をきちんとしないと、ややもすれば駆除にだけ力が入っていくと。えらい迷惑をこうむっているという人様から見ての観点からの対策になるんではないかと思いますので、やっぱり、猿、クマ、カラス、彼らのほうがむしろ被害者ではないかという観点もかんがみて対策をとっていただきたいと、そう思っています。  最後の質問に入ります。アンテナショップ北彩館東京店についての議論がありました。そして、知事答弁のほうでは充実を図るというようなお話もありましたので、この北彩館東京店の運営主体、そしてその経営というのは一体どこでだれがやっているのか、県のこのかかわり方、支援のあり方、支援は具体的にどうなのかということについてお尋ねをします。 66 ◯平舘総合販売戦略課長  北彩館東京店についてのお問い合わせ、質問にお答えします。  まず、県のアンテナショップであります北彩館東京店、これは県が平成14年4月にオープンしております。その運営につきましては、青森県産品に対する十分な認識あるいは販売ノウハウを持っているということで、それとあわせて、県内の生産者、それから製造事業者の方々、関係団体、これらを統括しているということで、公益法人の社団法人青森県物産協会に委託しております。  2つ目の経営の状況なんですが、近年売り上げを伸ばしておりまして、20年度の売り上げは、店舗売りと、それから外商という2部門あるんですが、両方合わせまして3億4,700万ほどになっております。ちなみに収益のほうは両方合わせまして2,500万ほど上がっております。もちろんこの収益は、県産品振興を目的とした公益事業のほうに活用されております。  それから、県のかかわりなんですが、県が店舗の賃借料、いわゆる家賃ですね、これを939万9,000円、940万ほどなんですが、これを負担しておりまして、そのほかの運営に関する人件費あるいは販促の経費、これにつきましては、受託しております県の物産協会のほうが収益の中から充当とか、そういう部分を行っております。  4つ目なんですが、県のかかわり、今後のことなんですが、アンテナショップの機能強化、これを図らなければならないという考えに基づきまして、それが1つと、それから来年の12月の新幹線もございますし、青森の食の魅力を味わえるコーナー、いわゆるイートイン、これを何とか設置したいというのが1つと、それから、産地からのしゅんの食材情報、あるいは生産者の取り組みをテレビ画面みたいなものでリアルタイムの動画で提供できるというデジタルサイネージというのがあるそうでございまして、このシステムを導入しながら機能強化を図っていきたいというように考えております。 67 ◯古村委員  そんなに好調で、3億円も売れているというんであったら、東京のど真ん中、銀座1丁目とかにさらに出店すればどういうものなの。 68 ◯平舘総合販売戦略課長  大変貴重な御意見です。実は、売り上げがトップの、例えば銀座にあります沖縄のわしたショップ、それから岩手県の銀河プラザですか、歌舞伎座の向かいの。それから有楽町の駅前の北海道のどさんこプラザだとか、軒並み1億を超えるお金を出しております。 69 ◯古村委員  県で。 70 ◯平舘総合販売戦略課長  はい。ほとんどが家賃なんですが。それを考えると、うちのほうは1,000万円を切る額で。そういう面では、県で出しているお金に対しての費用対効果から言えばかなりいいほうじゃないかというふうに認識しています。 71 ◯古村委員  じゃ、必ずしも銀座とかに出すよりも、生活圏、生活しているところに近いところのほうがいいということなんですね。  それで、この出品している、販売している商品の選定、業者とか商品、知事が南部だからといって南部の業者だとか南部のものばかり売っているんでないかという感じはしないんですけれども、一体どういう選定基準なのか、それから売れ筋商品というのはどういうものか、そういう点もお聞きしたいと思います。 72 ◯平舘総合販売戦略課長  まず、商品の選定基準なんですが、一応の原則がございます。まず、条件は3つございまして、主たる原材料が青森県産であること、これが1つ目、それから2つ目が、青森県内の事業者の方が加工をして商品化していることですね。それから3つ目が県内で加工していること。これら3つのうちの2つの要件をクリアしたものを扱いましょうと。で、基本的には買い取りでございます。  それから、売れ筋商品のほうなんですが、売っているものは、1次産品の果物、野菜、もちろんございます。それから水産加工品、お菓子、それから地酒、それから、余り商品的には動かないんですが、工芸品なんかも置いてございます。約700アイテム置いてございまして、売れ筋が、県内でも日常的に愛用されています例えばシャイニーのリンゴジュースだとか、それからヤマモト食品のねぶた漬とか、それからスタミナ源たれとか、それからアオレンのふじこちゃんとか、コムラのなんばんみそとか、この辺は立地が、飯田橋にありまして、ほかにアンテナショップはないんですよ。ある意味では好き放題と言うんですか、好きなようにやれることと、お客様の過半数が、六、七割が、その辺に居住している方々が、スーパーにないもんですから、いわばスーパーがわりに使っている実感もかなりございます。 73 ◯古村委員  ありがとうございました。じゃ、私のリンゴを出すからと蝦名副知事に頼んでもだめなんですね。  最後なんですが、アンテナショップは県内生産者の所得向上にどう寄与しているのかというのをお尋ねをして終わりたいと思います。 74 ◯平舘総合販売戦略課長  北彩館東京店ですね、開設以来、首都圏において自力による営業活動がなかなかできがたい生産者あるいは加工グループ、それから中小製造業者の方々、これらの販売促進活動の拠点ということで成果を上げてきていると思います。  具体的には、お店での定番商品もございますが、行ったことのある先生方だったらおわかりいただけると思うんですが、1週間置きに店の前で店頭イベントを行っておりまして、ここへのいわば参加は割と広く構えております。このことによりまして生産者や事業者がみずから販売、いわば対面販売することで消費者の商品に対するニーズがどうなのかとか評価がどうなのか、そういうふうなのを直接自分で肌で感じて、パッケージや次の商品改良につなげていただければなというふうに考えてございます。  特に、近年は店舗自体が結構首都圏のテレビなんかでも取り上げられまして、例えば毛豆とかおからコンニャク、それからむしりタラといって、こうやってやるあれですね。それなども番組放送を機会に大幅に売り上げが伸びたり、いわゆるブレークですね。定番商品になるという事例もふえています。  県としては、今後とも、アンテナショップの機能強化を図ることにより、間接的ではありますが、物産協会が仕入れてという所得向上には少なからず寄与してまいりたいというふうに考えてございます。 75 ◯古村委員  ありがとうございました。 76 ◯岡元委員長  ほかに質疑はありませんか。──今副委員長。 77 ◯今委員  質問をいたします。  日本は、古来から米文化で大和民族が支えられてきました。そして、最近はお米という問題について、自給率やら米の価格やらさまざまな現代風の課題が政治の国づくりの大きな焦点になっておりますけれども、今回、新しく日本の政治が政権交代という形で変わりました。そして、この主食である、まさに日本人を支えている米文化もまた変わろうとしています。それはなぜか。まさに米づくりに対する根本的な農政が今政権交代によって変わると。  きょうの新聞にも書かれておりますように、新しい政権は、戸別所得補償制度、農家の所得をしっかりと守りながら日本の文化、日本の命を支えていこうという新しい政策転換をいたしました。そして、この戸別所得補償制度は、今まで日本では体験したことのない新しい制度であります。当然青森県も、米、水田、要するに稲作、農林水産県であります。この農政の大転換に向けて、私たちの地元の青森県政、行政側もしっかりと新しい政権交代の政策に乗っかる形で進んでいかなければならないと思うわけであります。  そこで、民主党の政権は、今回の戸別所得補償制度についてはモデル地区を中心としてまずやってみようという最初の考え方でしたが、農家も思いもありますし、まさに今農家の苦しんでいる立場を考えれば、早急に、地域別ではなくてすべての農家にこの米でまず最初に所得補償制度を実施しようと、来年度、新年度から。そして概算要求では3,000億円から5,000億円を盛り込んで、今まさに進めようとしております。  農林水産省も10月の1日には戸別所得補償制度の本部を設置して、赤松農林大臣を本部長に、今全国にこの制度がしっかりと伝わるように、地域の農家の声をしっかりと聞いて、生産意欲がわくように対応しようとして本部を設置したわけでありますが、来年の4月実施となりますとあと数カ月足らず、半年ぐらいしかありません。  そういう中で、農家の人たちがこの制度に戸惑うことなく熟知する必要があると思います。当然農林水産省も各都道府県、各市町村に向けて発信はしていくと思いますが、そうであればなおさら、先んじて私たちの青森県もしっかりと生産農家あるいは市町村に対してこの新しい制度を熟知させる必要があると思うわけです。  そこで農林水産部長にお聞きしたいんですが、我が青森県内にも、行政側に対しても、この戸別所得補償制度をしっかりと制度として農家や生産者に向けて発信するために、プロジェクトチームや、あるいは戸別所得補償制度の対策本部、あるいは特化して県の、農産園芸課か農林水産政策課かは知りませんが、その課の中にしっかりとした組織としての位置づけをしたほうがいいというふうに思うわけですが、その辺の御所見を行政側からの立場で、まさに我々は政治主導ではやっておりますが、行政のお考えも聞きたいわけでございますので、よろしければ部長から御答弁をお願いしたいと思います。 78 ◯有馬農林水産部長  今回、国のほうで検討されています戸別所得補償、きのう大臣が記者会見で、これをモデル的にやるか、大臣の言葉をかりて、どーんとやるかというようなお話で、そういったことを踏まえてのきょうの報道もあったというふうに理解をしています。また、農水省の中に、全体で大臣を長とする本部が立ち上がったということも私も承知しています。  この制度をこれからるる詳細検討されていって、いよいよ平成22年産からということになろうかというふうな今の段階の情報ですが、私どものほうとしては、これまで、水田農業そのものについては、水田農業の県、それから団体等々で構成する協議会をつくっていまして、ずっと水田農業の推進、これは米の生産、それから転作、もろもろ含めてではありますが、いわゆる水田農業をどう持っていくかという部分についてはその水田農業の協議会を設けてやってきているところです。  したがって、今回の米の戸別所得補償という部分についても、基本的にはその県あるいは農業団体、あるいはまたそのほかの国の構成機関といった部分から成る協議会で、実際これが地域で十分に理解してもらえるような広報活動、あるいはその情報の発信活動を展開していくということを基本としながら今進めていこうというふうには思っている段階です。 79 ◯今委員  今回の戸別所得補償制度は、今、部長がおっしゃったように、転作とか減反、それは廃止しようという方向なんですよ。ですから、今までのメンバーで議論するような課題ではなくて、一歩踏み込んだ新しい組織がどうしても必要なんですよ。継続ではなくて変革、変えるんですよ、全く根本的に、米づくりについては。  ですから、そういう意味では、ただ単に今まである組織で議論するよりも、もう少し行政側も構えて、新しい組織づくりや現場の農家の人たちも含めた新しいそういう米づくり、青森県の農政転換を図る意味での組織づくりや考え方を切りかえたらいかがかなという思いも含めてもう一度お聞きしますが、もっと踏み込んだ組織づくりあるいは考え方、お持ちかどうか、部長からお聞かせいただきたいと思います。 80 ◯有馬農林水産部長  今回の戸別所得補償制度につきましては、生産数量を、一定のその生産数量の確保、こういった部分を条件といいましょうか、数量の確保という言葉では、実際はもう少し使い方が違うんですが、ちょっと今記憶にありませんので。ニュアンスとしては一定の生産目標数量というのを達成することを一つの目安としながらこの所得補償制度を導入するということでございますので、今回のその米の所得補償という制度も、1つは米の生産目標、生産の数量をどの程度にするかという部分と相交わっていく部分があろうかというふうに理解をしています。  その際に、私ども、もう議会でもちょっと答弁をさせていただきましたが、生産調整の部分は実質的には選択制にというふうになるという、そしてまた、そういった選択をされた方がこの戸別所得補償制度の対象になっていくという、そういった仕組みになるのではないかというふうにマニフェストからは読み取れるわけですので、そういった部分を考えていきますと、その生産目標数量をどう確保していく、どう維持していくかということと、その対象となるべきその米の所得補償を受けられる農家という部分は一体的にチェックをしながら進めていかなければいけない部分だと思います。  副委員長のおっしゃるように、大転換という意識は持っているつもりであります。したがって、これまでの延長ということではなくて、新しいその政策の枠組みがこれから進められるという部分は、そういった承知はしていますが、今生産者に実際その情報を発信する際には、そういった形でパッケージとして情報を発信していかなければいけないというふうに私どもも思っていますので、そういった心構えで新しい政策を見きわめていきたい、また情報を発信していきたいというふうに考えています。 81 ◯今委員  あと申し上げませんが、農家の人たちは、米を今までつくっている人たちは転作もしたくないんですよ、本当は。やっぱり自分で米農家として何十年もつくり上げたのは、米をどんどんつくりたいというのが本当の農家の気持ちなんです。だからこそ民主党は生産意欲をわかして、コシヒカリにも負けないようなすばらしい安心・安全な米をつくってくれ、そして国は、農家がすばらしいものをつくるために、生産費が売り値よりも高くなればその赤字を補てんしてやろうと、所得で補てんしてやろうという、まさに頑張れと、そういう国の政策の中で、青森県もコシヒカリみたいな1俵2万5,000円もするような米がつくれれば、全国的にも負けない、そしてまた将来は海外にも輸出できるだけの安心・安全でおいしい青森米をつくってほしい、そういう制度と私は理解しているんですよ。  ですから、青森県は農業で支えられると、農林水産業で支えると、そういう思いがありましたので、部長のほうにさまざまな御提案、御要望させていただきました。これからもひとつよろしくお願いします。  どうもありがとうございました。 82 ◯岡元委員長  ほかに質疑はありませんか。  [「なし」と呼ぶ者あり]  ないようでありますから、これをもって審査を終わります。  次に、お諮りいたします。  当委員会に付託されております特定付託案件について、さらに継続審査とすることに御異議ありませんか。  [「異議なし」と呼ぶ者あり]  御異議なしと認め、継続審査と決定いたしました。  なお、委員長報告の作成については本職に御一任願います。
     以上をもって農林水産委員会を終わります。 ○閉 会  午後 1時41分 Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...