青森県議会 2009-08-21
平成21年環境厚生委員会 本文 開催日: 2009-08-21
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ○開 会 午前11時02分
◯山内委員長
おはようございます。ただいまから
環境厚生委員会を開きます。
慣例により会議の
記録署名委員を指名いたします。北委員、
高橋委員、お二人にお願いいたします。
本日の
審査案件は、
特定付託案件であります。
なお、審査の順序は、
健康福祉部・
病院局関係、
環境生活部関係の順に行いますので、御了承願います。
それでは、
健康福祉部・
病院局関係の審査を行います。
執行部より
報告事項があります。──
一瀬健康福祉部長。
2 ◯
一瀬健康福祉部長
本県の
新型インフルエンザの患者の
発生状況等について、御報告申し上げます。左肩に「
報告事項」と書いてあります書類をごらんください。
まず、患者の
発生状況についてです。裏面、2枚目のほうをごらんいただければと思います。
発生状況の推移が書いてございますけれども、週は月曜日から日曜日までを単位に1週間ごとに、1月1日を含む週を第1週として数えておりまして、7月第28週に県内で初めての患者が確認されて以来、第29週を除く毎週、患者が確認されております。特に8月に入りまして、第32週は確定及び疑似症患者合わせまして107名、第33週には91名について
医療機関からの届け出があり、8月20日現在での累計は247名となっております。
患者の状況でございますが、また1枚目の本文を見ていただきまして、患者の病態につきましては、全員が既に回復したか、または現在、快方に向かっておるところでございます。
なお、患者7名が入院しておりますが、脳症等の重篤な症状を呈した患者はなく、全員が回復しております。
今後の県の対応でございますけれども、罹患しますと重症化するリスクの高い妊婦、幼児、
基礎疾患のある方を対象とした
リーフレットの作成及び配布を予定しております。
また、
医療提供体制の充実を図るために、
病院長会議の開催を予定しております。また、産科・
人工透析医療、こちらのほうから重篤化するおそれがある方々に携わる
医療機関によります会議は、5月よりずっと打ち合わせをやっておりまして、間もなく体制が整うこととなっております。また、
医療従事者の研修会などを行う予定でございます。
その他、地域におけます
感染拡大防止などに果たす市町村の役割が重要でありますことから、市町村の
取り組みを推進するとともに、県との
連携強化のため、
市町村担当課長会議を開催する予定でございます。
以上でございます。
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◯山内委員長
ただいまの
報告事項及び
特定付託案件について、質疑を行います。
質疑は所管外にわたらないよう、また簡明にお願いをいたします。
質疑はありませんか。──
奈良岡委員。
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◯奈良岡委員
社民党の
奈良岡克也でございます。
健康福祉部関係にかかわって、大きく2点について、質問をさせていただきたいと思っています。
まず第1点は、今、
健康福祉部長のほうから報告がありました
新型インフルエンザの
総合対策事業について、伺ってまいりたいと思います。
毎回のように
インフルエンザに関する質問をさせていただいているわけでありますけれども、最近の
マスコミ報道などを見ていますというと、世界的にも南半球のほうを中心にして、かなり大規模に拡大の様相が伝わってきているというふうな状況にありますし、国内におきましても、死亡者も発生をするというふうな報道もなされているというような状況になっています。そういうふうなことから、世界の
発生状況及び国内外の
発生状況、本県についてはただいま報告いただきましたので、これらについて、まずはお知らせをいただきたいというように思います。
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◯磯野保健衛生課長
国外の
新型インフルエンザの
発生状況でございますが、WHOが8月6日現在で発表した内容は、170の国と地域において、確定例が17万7,457名、
うち死亡例が1,462例に上っていると公表しております。
国内の
発生状況でございますが、国は、全国の患者数を
全数把握で集計していましたが、国の
対応方針を改訂した7月24日以降は、
集団発生の把握に移行して集計を行っております。
集計方法の改訂後は、8月16日現在で公表されている数値は、全国で1,734件の
集団感染があり、患者数は4,790名となっております。
以上でございます。
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◯奈良岡委員
日本の国内の中でも、次第に
発生件数がふえて、患者、罹病数もふえてきているということは、これ間違いのない状況のようであります。これから夏が終わって、秋、冬に向かうわけでありますので、これまでもこの委員会の中でも質問してきましたけれども、傾向として、いよいよ
インフルエンザの本番というような状況になるだろうというふうに思います。
次の2番目の質問ですが、今回の
新型インフルエンザの特性として、どのような方々が重症化する可能性を持っているかというふうな問題について、伺いたいと思っています。
先ほども報告がありましたとおり、持病を持っている人が
インフルエンザにかかって、それが引き金となって、死亡に至るというふうな状況かなというふうに私も思ったりしているんですけれども、県としてはどのようにこのような
状況把握をしているのかというふうな点について、伺いたいと思います。
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◯磯野保健衛生課長
6月19日には国のほうでは、「医療の確保、検疫、学校・
保育施設等の
臨時休業の要請等に関する
運用指針」──改訂版でございますけれども、これを示しております。これによると、
新型インフルエンザに感染することで重症化するリスクが高いと考えられる者については、以下の者と示してございます。
それはまず一つは、妊婦さん、幼児、高齢者、
慢性呼吸器疾患、
慢性心疾患、糖尿病などの
代謝性疾患、
腎機能障害、ステロイドの
全身投与などの
免疫不全の患者であって、
治療経過や管理の状況を勘案して、医師により重症化へのリスクが高いと判断される者、これらの方々が、重症化するおそれが非常に高いというふうに国のほうでは示してございます。
このことは、県のほうではいろいろ
サーベイランス等をやりまして、
入院サーベイランスという
サーベイランスをやって、いろいろ把握に努めて対応しているところでございます。
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◯奈良岡委員
この
新型インフルエンザ、毒性としては弱毒というふうなことで、しかし今、課長のほうからお話があったとおり、そのような要件を持っている方々が、重症化に転ずる率が余計だというふうな話になっているわけでありますけれども、この重症化する事例を抑制していくというこのために、県ではどのような対策を講じているかというようなことについて、3点目、お伺いします。
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◯磯野保健衛生課長
この重症化する事例を抑制するための対策といたしましては現在、県のホームページにおいて、
基礎疾患をお持ちの方や妊婦の方への
注意喚起を行っているところでございます。そのほか、産科・
人工透析医療については、各
保健医療圏で、保健所が中心となって、
医療機関の連携を図るための協議、内容は患者の受け入れや
医療支援体制等についての話し合いを現在、継続して行っているところでございます。
また、今後の対策といたしましては、妊婦・小児・
基礎疾患のある方を対象とした
リーフレットの
作成配布を行うほか、
医療提供体制の充実を図るため、
病院長会議の開催、産科・
人工透析医療に携わる
医療機関による会議の開催、
医療従事者の研修会など、予定してございます。
さらには、感染の拡大を防止するために最も効果的なことは、県民の皆さん一人一人が手洗いや
せきエチケット、
インフルエンザ様症状が少しでもある場合には、休んで様子を見る等の
感染防止対策を、自覚を持ってみずから実践することが大事と考えておりますので、その点はよろしくお願いいたします。
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◯奈良岡委員
御丁寧にお答えをいただきましてありがとうございます。
これから、例えば妊婦さんたちには、
リーフレットをつくって配布をするなどという対策をやっていきますよというふうなことなんですが、時期はいつごろまでにやるというようなことをお考えですか。
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◯磯野保健衛生課長
リーフレットの作成については、近々印刷にかける予定でございます。それから会議等でございますけれども、
医療従事者研修会、それとあわせて県民への
説明会等も予定してございますけれども、時期的には10月中には各
医療圏ごとに開催したい。一部11月に入るかもしれませんけれども、その時期には開催したいと考えております。
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◯奈良岡委員
国のほうの関係も、これから質問しようと思っているんですけれども、10月、11月という時期になると、だんだん風も冷たくなって、特に
北国青森県でありますので、ちょっと時期としては遅いのではないかというふうに考えられるんですけれども、もう少し早めるという気持ちはないんでしょうか。
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◯磯野保健衛生課長
会議等については時期的にちょっと早めることができると思いますので、できれば9月中に実施の方向で検討してみたいと思います。
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◯奈良岡委員
やはり会議は9月中ぐらいにやって、県庁としての体制を徹底して、
医療機関とか保健所に体制を整えさせていくというふうなことをしていかないというと、夏の段階でも想定外のような状況に、国内各地でそういうふうになっているだろうと思いますので、ぜひ体制的にはそういうような方向でお願いをしたいと思いますし、
リーフレットも、配布していかないというと、子供をおなかに抱えた女性の方々というのは、なってしまうとすぐ危険になるというふうな状況があります。本県も、
少子化進行率が全国でトップクラスのほうにあるというふうにも聞いてますので、特に妊婦の方々に対する対応というものは、早過ぎても、遅過ぎるというふうなことのないようにお願いを申したいものだなというふうに思っています。
それから次ですが、前回も
ワクチンの話、質問をさせていただいていますけれども、きのうきょうの新聞等によると、
マスコミ報道等によると、国のほうでは5,200万人分ぐらいの
ワクチンを準備する予定だというふうな報道も出ていたかに私は見受けているんですけれども、この関係についての、ご認識はいかがでしょう。
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◯磯野保健衛生課長
ワクチンの製造量といいますか、それに関しては当初、委員御指摘のとおり5,000万人強を予定していたようですけれども、その後、国においては、国内の
推計生産量、これは7月から12月末まで製造した場合においては、1,300万人から1,700万人分を予定できる。それから、22年2月まで製造するとすると、2,200万人から3,000万人分を製造できると推計していると、国のほうでは出しております。
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◯奈良岡委員
アメリカなどのニュースも、この間、テレビで私、見たんですけれども、
ワクチンの投与の問題ですね。投与の問題としての
優先順位の関係は、早い段階から
優先順位の検討を始めて、
インフルエンザがいよいよ本番の状況になったときに備えておかなければならないんじゃないかというふうなことも、欧米のほうではそういう議論が始まっているというふうに聞いているところであります。
国内においても、そういう方向で検討が進められるべきだと思いますし、本県もそういう立場で、検討を早期に進めるべきだというふうに思います。そういう考えはないのかというふうなことと、国も、
厚生労働省も10月ぐらいからの話だというふうに聞いていますので、それもスピードを上げる必要があるんではないかという要請を、改めて県としてやるべきではないかというふうに思うんですが、そういうことについての考えはどうでしょう。
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◯磯野保健衛生課長
ワクチンの
接種関係につきましては、国においては8月20日、きのうでございますけれども、
専門家等による
意見交換会を開催してございます。そして、
接種対象者や
優先順位に係る意見の聞き取りを行ったようでございます。この
意見交換会では、
医療従事者や
医学的ハイリスク者、妊婦・
乳幼児者などが
接種対象として意見が出ていたようでございますが、結論は出したということではないようでございまして、引き続き8月27日も
意見交換会を開催して、接種のあり方を定めていく方向と聞いております。
県としては、今後の国の対応を注視しながら、接種の方針が定まり次第、県の対応も定めていかなければと考えております。
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◯奈良岡委員
寒くなればなるほど、危険な状況が拡大をするということは、これ間違いないだろうというふうに思います。日本列島の中央に位置する東京と、
本州最北端の青森とでは、状況が違うというふうに思いますので、そこの点についてはやはり時期を見て、国のほうにそういう対策を講ずるように、県として対話をしていっていただきたいということを要望として、最後につけ加えておきたいと思います。
続きまして、大きい2番、がんの克服について、お伺いしていきたいと思います。がんの関係については、青森県
基本計画「未来への挑戦」の中でも、安全・安心・
健康分野におけるがんの克服を初めとした
健康寿命アップの推進、こういう項目があって、先般、
県議会議員のほうにも送付をされてきましたアウトルックレポートですか、これを見ていましても、そういう中間的なことが書かれていたわけでありますが、このことに関する質問と、それから平成21年度当初予算の
主要施策の概要、
健康福祉部関係の資料に基づいて、質問項目を考えてみましたので、よろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。
がんの克服の質問の第1項は、青森県の
がん対策推進計画の目標として掲げる
がん年齢調整死亡率の意義と、その状況について伺いたいと思います。
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◯藤岡医療薬務課長
まず、
年齢調整死亡率の意義でございますけれども、がんは加齢によっても、
発症リスクが増加する疾病でございます。このため、高齢者の多い
高齢化率が高い
都道府県では、死亡率が高くなるという状況にございます。このため、
年齢構成の異なる集団について、より正確な比較をするためには、
年齢構成を調整する必要があります。具体的には、
年齢構成を国が示すモデルと同じだとした場合の人口10万人に対する死亡数である
年齢調整死亡率というものを用いて、指標としているものでございます。
したがって、青森県
がん対策推進計画では、
がん死亡者の減少を目標としておりまして、他
都道府県と比較するため、さらには経年変化を把握するため、この
年齢調整死亡率を指標として設定したものでございます。
次に、現在の状況でございますけれども、ことし1月5日に
国立がんセンターから公表されました75歳
未満がん年齢調整死亡率、これにつきましては平成19年が103.7でございまして、平成18年と比較して、1.4ポイント減少しております。ただ、残念ながら平成16年以降、4年連続で
全国最下位となっています。
県といたしましては、平成20年5月に青森県
がん対策推進計画を策定し、
がん対策を進めてきたところでございますけれども、これまで以上にその
取り組みを強化していく必要があるというふうに考えております。
以上でございます。
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◯奈良岡委員
全国最下位クラスの
年齢調整死亡率ということが、ここ数年続いているというふうな状況であります。何としても、この不名誉な記録というものを塗りかえて、死亡率を減少させていかなければならない。そういうことで、県としても
推進計画などをつくって、あるいはまた
重点施策などに予算を盛り込んで、
取り組みを進めていると、こういう状況にあるわけでありますけれども、その中の具体的な問題として、次、2番でありますが、
がん情報センターという
取り組みを進めていると、こういうふうなことも盛られております。つきましては現在、検討を進めている
がん情報センターの役割と、その
検討状況について伺いたいと思います。
21
◯藤岡医療薬務課長
まず、
がん情報センターでございますが、これは青森県
がん対策推進計画におきまして、本県のがんによる死亡者の減少のためには、県民にがんに関する正しい知識を普及すること、これも必要であるということから、平成20年度
がん医療検討委員会の中に、
がん医療の専門家や関係者で構成する
がん情報センター検討部会を設置して、がんに関する情報の
普及啓発を行う機能のあり方、これらの検討を進めているものでございます。
検討部会では、がんに関する正しい知識の
普及啓発のため、本県のがんの罹患率、
生存率等を正しく把握・分析する必要があること、それらが把握できる
地域がん登録の一層の充実を図り、精度の高い
地域がん登録のデータをもとにした
情報発信を行うことなどが、
がん情報センターの有すべき機能として議論が進んでおります。
今後は、さらに具体的な
設置方法等について検討を深めていくこととしている状況でございます。
以上でございます。
22
◯奈良岡委員
この
がん情報センターというものでありますけれども、今、課長のほうから説明があったんですけれども、これから県内のどういうところにこの
センターというのが設置をされていくのかというふうな点についてはいかがでしょうか。
23
◯藤岡医療薬務課長
現在、いわゆるその機能について議論を進めているところであり、
設置場所等についての議論は、まさにこれから具体的に詰めていくことになります。ただ基本的に、県内に数カ所設置するというものではなく、県内1カ所と申しますか、一つの機能というふうに考えております。
以上でございます。
24
◯奈良岡委員
センターという格好で別の建物をつくって、そこに人を配置して、そこから県内に発信をするというようなイメージではなくて、
がん情報センターという機能を、例えば今ある組織の中のどこかに、そういう機能をするためのものを設置するんだと、こういうふうな考え方で、そういう理解でいいんですね。
25
◯藤岡医療薬務課長
現時点の
検討内容としては、まさに機能としての設置ということで進めております。
以上です。
26
◯奈良岡委員
その機能が発揮をされるというのは、いつごろからということを想定しているでしょう。
27
◯藤岡医療薬務課長
機能を現在、各方面から検討しておりますが、先ほど申し上げましたとおり、
がん情報センターで
情報発信するベースとなりますのが、
地域がん登録の充実等でございます。これらの充実についてはもう既に取り組んでいるところなんですが、例えば県民に対する機能の一部を、
情報発信機能を進めるということは、
フル体制になるのがいつかということはまた別としましても、一部
情報発信ということで考えますと、来年度からでも進めたいというふうに考えております。
以上です。
28
◯奈良岡委員
そのことがなかなか進みにくいのが、がん登録というものがなかなか進まないというふうな話も、いろいろお話を聞く中では、そういう話も伺っているんですけれども、登録ということの困難さ、それはどういったところから来ているのかというようなことについてはいかがですか。
29
◯藤岡医療薬務課長
がん登録につきましては、例えば平成20年にがんで亡くなった方が、県内4,600人余の方がいらっしゃいます。実はがん登録がすべて完璧にできていますと、そのがんで亡くなった方々については、すべて生きてらっしゃるときから、がん登録されていれば、これはほぼ完璧な状態なんですが、現時点では、がんで亡くなった方の約半分くらいの方しか、実は生前に登録されてないという状況にございます。なぜ、その精度が低いのかということに関していえば、まず一番大きな問題は、従来これらが法定化されておらず義務ではなかったこと。さらに、医師とかコメディカルスタッフも含めて多忙な中で、登録に関する労力というものが非常に大きなネックであったと思います。
ただ、今のがん診療連携拠点病院の設置要件の中に、院内がん登録を行うことが義務づけられましたので、院内がん登録から
地域がん登録へのデータ移行が円滑に行われることによって、飛躍的に登録精度が上がっていくものというふうに理解しております。
以上です。
30
◯奈良岡委員
私もがん検診、大腸検査を何年か前にやったきりで、あとはほとんど何もやってないので、非常に健康上、不安を抱えている状況なんですけれども、できるだけそういうふうなことで、自分の健康管理も含めてやっていかないと、ほかの人にもなかなか勧められないと、こういうふうな関係にあるんだと思いますので、気をつけていきたいなというふうに思いますが、今お話がありました、がん診療連携拠点病院というお話が出ましたので、3点目、お伺いをしますが、がん診療連携拠点病院の機能と、がん診療連携拠点病院機能強化事業というのがありますけれども、この内容について伺いたいと思います。
31
◯藤岡医療薬務課長
まず、がん診療連携拠点病院につきましては、地域における
がん医療の中核として、国の定める要件を充足する病院を県が推薦し、国が指定するものでございます。
現在、
都道府県がん診療連携拠点病院としては県立中央病院が、あと地域がん診療連携拠点病院としては弘前大学医学部附属病院、八戸市立市民病院、三沢市立三沢病院及びむつ総合病院が、それぞれ指定されております。
がん診療連携拠点病院は、まず質の高い
がん医療の提供に加えまして、地域の
医療機関の医師等を対象とする研修、そして診療支援、さらにはがん患者や家族等に対する相談支援や情報提供、
がん対策の基本的なデータを把握する院内がん登録、
都道府県がん診療連携拠点病院を中心にした連携体制の構築などの機能が求められております。
さらに、県のがん診療連携拠点病院機能強化事業、これにつきましては、今申し上げましたこれらの機能を果たすために必要な事業の実施や、そのほか人材養成に要する経費を対象に、国庫補助制度を活用しながら補助を行っているというものでございます。
以上でございます。
32
◯奈良岡委員
事業費補助として5,340万円ほど計上されているみたいでありますけれども、この青森県
がん対策推進計画、平成20年5月の資料を見てますというと、西北五が空欄になっているというふうな状況のようでありますが、この関係についてはどのように考えていますか。
33
◯藤岡医療薬務課長
まず先ほど申し上げましたとおり、国が求める要件に合致する
医療機関でなければならないことで、現時点における西北五圏域では、これらの要件を満たす
医療機関がないということでございます。現在進んでおります西北五地域の機能再編成、新たな中核病院の建設の中で、これらのことも含めて、種々、今、議論が進められているというふうに認識しております。
以上です。
34
◯奈良岡委員
そうすると、地元の西北五地域、五所川原を中心としたそういう中で、充実に向けた意欲があって、そういう条件をつくっていくと、そういうふうなことで、西北五医療圏の中で、がん診療連携拠点病院が必要だというふうなことの動きが出てきて初めて、国がそれを要件として認めていくというようなことになれば、病院の設置といいますか、そういうふうな形で動きが始まるというふうに理解していいですか。
35
◯藤岡医療薬務課長
仮に、新中核病院がそういった国の要件を満たす形での医療機能を立ち上げて、連携拠点病院としての要望があれば、こちらのほうでは推薦することになります。
ただ現時点において、さまざまな限られた医療資源の中で、どのような医療機能を持つべきかということも含めて、現在、西北五で地域において議論が進められておるというふうに聞いておるところであります。
以上です。
36
◯奈良岡委員
拠点病院を整備をするに当たっても、専門の医師がいないとなかなか難しい。大前提になるのは医師を確保することだというふうなことも伺っているわけでありますけれども、その関係で次、質問の4番でありますが、
がん医療にかかわる人材育成の
取り組みということについて、状況を伺いたいと思います。
37
◯藤岡医療薬務課長
まず、
がん医療に関する人材養成につきましては、県、そしてがん診療連携拠点病院、さらには大学といった関係者が連携して取り組んでいるところでございます。
1つ目といたしまして、まず、がん診療連携拠点病院におきまして、
がん医療に携わる人材の養成にかかる経費について、これを県のほうで、先ほど申し上げましたがん診療連携拠点病院機能強化事業の補助対象として支援しているところでございます。
次に、県が直接、がん専門分野における質の高い看護実践能力を有する看護師を育成するための研修、そして在宅緩和ケアに関する専門的な訪問看護師を育成するための研修を実施して、がんに係る専門分野の人材養成に取り組んでいるところでございます。
次に、各大学でございますが、まず今年度から県立保健大学が東北で初めて、がん化学療法に関する認定看護師教育機関に認定されました。そこで県内の資格取得が可能となり、今年度は16名が受講しておりますが、うち8名が県内の看護師さんということでありまして、これまで県内のがん化学療法については5人しかいなかった看護師でございますが、これらの分野の看護師が今後増加していくことが期待されているところでございます。
またさらに弘前大学では、秋田大学、岩手医科大学とともに、文部科学省のがんプロフェッショナル養成プランに取り組んでおり、弘前大学においては、放射線腫瘍医や、化学療法を専門とする腫瘍内科医などの養成に取り組んでいると聞いているところでございます。
引き続き、各関係機関と連携しながら取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
以上でございます。
38
◯奈良岡委員
県としては、
がん医療にかかわる人材育成の
取り組みをしていくに当たって、例えば1年で専門医師、どれぐらい必要と見込んでいるのか。あるいはまた、認定看護師の関係、それぞれの分野別にどれぐらいと見込んでいるのかというふうなことについての目標といいますか、見込みといいますか、何とかこの辺、この人数ぐらいだけは確保していきたいものだなというふうな目標的な数字はあるんでしょうか。
39
◯藤岡医療薬務課長
現時点におきまして、その具体的な数値目標というのは持ってございません。ただ一つ、非常に大きな課題というのが、やはり専門医であれ、認定看護師といった専門的な看護師であれ、それらの専門的な資格等を取得するためには、かなり長期間にわたった研修等を受ける必要がございます。一方で、医師不足といった現在の状況の中で、それぞれ努力していただいて、今それぞれの専門医、あるいは認定看護師の資格を取得していただいているところでありますので、ある意味で、数値目標というのは非常に難しい部分があるのかなというふうに考えております。
以上でございます。
40
◯奈良岡委員
がん専門医という前に、医師の絶対数が不足をしていると、こういう状況の中で、その中から、がんの専門医を養成をしていくということについての困難性は、私も十分、理解をしていますけれども、去年、総務企画委員会に私、所属してまして、十和田の十和田市立病院ですか、あそこに県内視察ということで参加をさせていただきまして、全部見せていただいて、がんの専門の医療機器も含めて、見学をさせていただいたんですけれども、お話を聞いてみますというと、先にいい先生が十和田の市民病院に配置になって、そこから、がんの治療を何とかしていきたいというふうな中で、医療機器が配備をされたというふうなことで、十和田、上十三地域のみならず、県内各地、あるいは県外のほうからも、特に喉頭がんの患者が集まるような状況になっているというふうな話をお聞きをして、すばらしい病院だなというふうに思ったんですけれども、なかなか、病院をつくっても、あるいは医療機器を配備をしても、それを使いこなす先生がいないと、宝の持ち腐れになるというふうな話もあるというふうに思うんで、いずれにしても、まず医師を十分に確保するということの中から、がん専門医ということを県としても十分これから力を注いで、つくっていっていただきたいなというようなことを要望しておきたいと思います。
次、5番目ですが、
がん対策推進事業費というのが盛られているわけでありますけれども、平成20年度のがん相談従事者研修会というふうな事業も行われているわけでありまして、この研修会の開催状況はどのようになっているのかと、がんに対する、いわゆる県民に対する予防対策というようなことの
取り組みを含めて行っているようなんですが、この関係について伺いたいと思います。
41
◯磯野保健衛生課長
このがん相談従事者研修会は、非常に多くの県民の皆様に、がん予防に対する正しい知識を普及・啓発することを目的として、実際には市町村の保健師や保健協力員などを対象として開催するものでありまして、平成20年度においては青森市内において1回開催いたしました。約150名ほどの参加をいただいたところでございます。
今年度は、圏域ごとに県が6カ所において研修会を開催したいと考えてございます。県としては、この研修会の開催によって、参加者が習得した正しい知識を各自の地域レベルで普及し、がんになりにくい生活習慣の定着や、がん検診の受診率向上に資することができるものと考えております。
以上です。
42
◯奈良岡委員
20年度は青森市内で1回150名、21年度は6カ所で開催していくというふうなことでありますが、このことを行っていくわけでありますけれども、研修会の成果といいますか、そういうものはどういう形であらわれてくることを期待しているのかというようなことについて、伺いたいと思います。
43
◯磯野保健衛生課長
昨年度、1回より開催できなかったわけですけれども、我々としてはこれの回数をふやしていきまして、このことがいわゆるがん検診の受診率の向上に今後、役立っていけばいいなというふうに期待しております。
44
◯奈良岡委員
同じこの事業では、がん予防につながる体験談の募集というふうなことも、内容としてあるようなんですけれども、これは体験談の募集というのは幾らか集まっているものですか。
45
◯藤岡医療薬務課長
がんの体験談、済みません、課がいろいろと入れかわるんですが、これについては今、募集しておりまして、現時点で5件ほど応募があったというふうに聞いております。
以上でございます。
46
◯奈良岡委員
5件ほど集まってるというふうなことなんですが、大事な
取り組みだろうというふうに思いますので、ぜひ充実させていくように取り組んでいただくようにお願いをしたいと思います。
次に6番目の質問は、健康啓発等事業費補助の問題ということです。補助金が174万円ほど計上されているようなんですけれども、この件に関してお伺いをしますけれども、補助金の交付先が県の医師会、県の歯科医師会、薬剤師会、栄養士会などというふうになっているわけでありますけれども、事業の実施期間と、これまでの講座の開催状況というのはどのようなことになっているんでしょうかということについて、伺いたいと思います。
47
◯磯野保健衛生課長
この健康啓発等事業費補助は、がんの予防を念頭に、生活習慣病等が健康に及ぼす影響について、専門的な観点から広く県民に対する知識の普及や健康づくり意識の
普及啓発を行うことを目的として、各団体が主催する講座の開催に要する経費に対して、2分の1以内を補助しているものでございます。平成19年度から23年度までの5カ年で実施することとしております。
これまで各団体は、一般県民を対象として公開講座などを毎年1回、多い団体では数十回開催しております。平成19年度は合計で65回で、延べ8,600名、平成20年度は合計28回で、延べ約4,100名が参加しております。
以上です。
48
◯奈良岡委員
健康啓発等事業というのは、それぞれの県医師会とか歯科医師会とかという
医療機関の団体に要請をして開いてもらって、それに対する補助金を出すと、こういうふうな形でやってもらっていると、そういうようなことの理解でいいですか。
49
◯磯野保健衛生課長
県のほうでは、県医師会、県歯科医師会、県薬剤師会、県栄養士会のほうへお願いいたしまして、開催していただいております。
50
◯奈良岡委員
まさに、がんの死亡率が高い青森県といたしましては、県民に対するこうした啓発事業というものも、予防という観点からすれば、非常に大事な
取り組みだというふうに思いますので、今後とも、それぞれの医師会などの団体との連携を密にして、そういう
取り組みを重点的に進めていっていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
最後の質問ですが、青森県小児がん等がん調査事業というものについて、伺いたいと思います。青森県小児がん等がん調査事業費についてでありますけれども、これは平成21年度の当初予算
主要施策の保健衛生課ナンバー8というところに盛られていますけれども、822万円が計上されております。原子燃料サイクル事業と、県民の健康との関連性を検討するため、県内の
医療機関を対象とした小児がん等に関する調査に関する事業費ということになっていますが、この小児がん等に関する調査の内容というものは、どういうものなのかというふうなことについて伺いたいと思います。
51
◯磯野保健衛生課長
青森県小児がん等がん調査事業は、六ヶ所村における原子燃料サイクル施設に係る県民の健康に対する不安の解消を目的として、平成11年度から国と連携して実施しております。
この調査では、県内全域を対象に、関係
医療機関から、小児の悪性腫瘍や白血病、肉腫などに関するデータを継続的に収集、蓄積して、そのデータを青森県小児がん等がん調査委員会で分析しているところでございます。
また、この調査結果については、毎年、県のホームページや新聞に掲載しているほか、報告書として取りまとめ、県内外の関係機関へ配布しております。
以上です。
52
◯奈良岡委員
この小児がん等調査事業、小児がん等という「等」とはどういう意味を持っているんでしょうか。
53
◯磯野保健衛生課長
小児がんのほかに白血病、あるいは肉腫、そういうものを含めてということでございます。
以上です。
54
◯奈良岡委員
それで、青森県小児がん等がん調査委員会というところで、この調査をデータ集計していると。そして、報告を県に対してするというふうなことでありますけれども、県として原子燃料サイクル事業と県民の健康との関連性については、どのような方法で検証をしてきたのか。これから、しようとしているのかというようなことについて、伺いたいと思います。
55
◯磯野保健衛生課長
この調査では、弘前大学医学部教授など小児がんに係る医療関係学識経験者、財団法人環境科学技術研究所、独立行政法人放射線医学総合研究所などの疫学等の学識経験者、それから県医師会や県内自治体病院関係者などから構成する青森県小児がん等がん調査委員会を設置して、検討しております。
また、現段階では、主に再処理施設の操業開始前の集積・蓄積データとしての妥当性について検討しているということでございます。
以上です。
56
◯奈良岡委員
再処理工場があのような状況にありますので、アクティブ試験の第5ステップで今とまっていますけれども、そこまで行った段階での放射能放出というぐらいが、今のところでありますので、課長が今おっしゃったように、学術的な基礎データというふうな蓄積というふうなことでとらえていいのだというふうには思いますけれども、それでもアクティブ試験の中で、実際に剪断・溶解が行われたというふうな状況の中では、一定程度の放射能の値が上がったというふうなこともありますし、これから、いつの時点で六ヶ所再処理工場が本格操業になるのかわかりませんけれども、これからも、この調査というものは続けられていかなければならないし、そういうふうになっていくだろうと思いますが、特に小児がん等の調査を行うということについて、そこに着目をしたというのは、放射線の影響を子供が一番受けやすいからというふうに判断をして、小児がん等の調査というふうなことになっているのだと、私は理解をしたいんですけれども、そこら辺のことはどうなんでしょう。
57
◯磯野保健衛生課長
小児がんについては、一般的にその治療が小児がんの場合、長期間にわたるということがございます。県民の健康に対する不安の中でも、子供さんのこととなりますと、非常に大きいものと考えられるわけでございます。そういうことで、県医師会等の有識者等の方々から、調査を実施すべきとの御意見を当時たくさんいただいたことも踏まえて、小児がん調査を行っているところでございます。
以上です。
58
◯奈良岡委員
私は去年の5月にチェルノブイリ原発の視察に行ってきました。政務調査費を活用させていただいて、2回目の現地訪問であったんですけれども、二十数年たってからの状況は、やっぱり世代を超えて、放射線の影響というのがまだまだ続いているというふうな状況になっているわけでありまして、本当に子供が真っ先に犠牲になっているという姿をまざまざと、入院している姿など、それからまた子供たちを面倒見ている親御さんたちの話などを聞いて、本当に原子力施設の安全性が保たれなければ、一番先に悲惨な結果、被害をこうむるのは子供たちだというふうに強く感じてきました。
さらにまた、イラク戦争の中で劣化ウラン弾が使用されてきたという地域の中で、小児がんの発生率が非常に高くなっているというふうなデータも、先般、発表されたようであります。
そういうふうなところから、これから先も六ヶ所再処理工場、あるいはまた東通原発もありますし、これから大間でもフルMOXの原子力発電所が建設されるというふうな方向にあるわけでありますので、六ヶ所から下北半島一帯にかけての調査というものをさらに強化をしていく必要があるのではないかというふうなことの意見をつけ加え、なおかつ少子化対策というふうなことも念頭に入れて、ぜひこの子供たちを守る視点を持って頑張っていただきたいなというようなことを最後、要望をつけ加えさせていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
59
◯山内委員長
ほかに質疑ありませんか。──
高橋委員。
60 ◯
高橋委員
一点だけ確認させてください。
冒頭、部長から本県の
新型インフルエンザの
発生状況等について、御報告をいただきました。その中で、7月6日以降、8月23日までの本県の患者の
発生状況をお知らせいただきましたけれども、第28週、第29週、第30週、第31週と、7人、0人、3人、7人ということでありまして、第32週以降、107名、91名、32名と、急激に患者の発生が増加しているという状況にありますけれども、この要因と申しますか、そこの部分、済みません、聞き漏らしたかもしれませんけれども、お知らせいただければと思います。
61
◯磯野保健衛生課長
8月に患者数が非常に増加しているわけでございますけれども、これに関しての保健所の調査によれば、患者のほとんどが児童・生徒であり、その多くが学校の部活動等に参加しております。また、夏休み期間中のスポーツ大会等、各種イベントにおいて感染した児童等も多かったということが、8月に患者数が増加した原因ではないかというふうに考えております。
以上です。
62 ◯
高橋委員
それから、今後の県の対応についての(1)で、「
基礎疾患を有する者や妊婦等への
注意喚起」という部分でありますが、これ新学期の始まりによって、学校を通じた感染拡大が予測されるということであります。それで、おそらく来週ぐらいから、各学校が2学期になるという状況の中にあって、予測されるのはわかるんでありますが、ここに書いてるのは「ハイリスク者への
注意喚起」と、ここに力を入れるという部分で、県の対応と書いてるんですけれども、教育委員会との連携の中で、新学期が始まることに向けて、今、何らかの対応はとられておるんでしょうか。
63
◯磯野保健衛生課長
教育委員会のほうとは随時、いろんな連絡を取り合いながら進めておりますけれども、夏休みがこれから終わる段階においてですけれども、先般、教育委員会のほうでも、各市町村の教育委員会を通しまして、周知徹底の文書等を流しておるというふうに確認しております。
64 ◯
高橋委員
わかりました。それから、先ほど
奈良岡委員のほうからもございましたが、8月以降、かなり患者が急速に増加しているという状況をかんがみれば、チラシの作成であったり、あるいは市町村担当会議であったり、担当課長会議であったり、研修会等々、でき得る限り早目にその努力を最大限行っていただきたいと、そのことを要望して、終わります。
65
◯山内委員長
ほかに質疑ありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
ほかにないようでありますから、これをもって
健康福祉部・
病院局関係の審査を終わります。
午さんのため暫時休憩いたします。
○休 憩 午前11時59分
○再 開 午後 1時03分
66
◯山内委員長
休憩前に引き続き委員会を開きます。
環境生活部関係の審査を行います。
特定付託案件について質疑を行います。
質疑は所管外にわたらぬよう、簡明に願います。
質疑はありませんか。──
奈良岡委員。
67
◯奈良岡委員
社民党・県民クラブの奈良岡でございます。環境厚生常任委員会、
環境生活部関係の所管事項について、8点ほど質問させていただきたいと思っています。
まず、日本原燃の社長が交代したという新聞報道を拝見をいたしました。前社長がかなり重い病にかかられたというふうな報道が、この内容のようでありますけれども、日本原燃の社長交代に関する県としての見解をまずお伺いをしておきたいなと思います。
68 ◯名古屋環境生活部長
病気療養中の兒島伊佐美社長の後任として、日本原燃株式会社の社長に就任された川井副社長は、これまで副社長として兒島社長を支えながら、苦労をともにされてきた方でございまして、会社の方針や県からの要請などについて十分、理解されている方であると思います。
県としては、川井新社長がしっかりとかじ取りを引き継いでいただき、今後とも安全確保を第一義にアクティブ試験を安全になし遂げていただきたいと考えているところでございます。
69
◯奈良岡委員
新しい社長は主にどういうふうな畑といいますか、分野でこれまで活躍というか、任務を果たされてきた方なんでしょうか。
70 ◯小坂原子力安全対策課長
川井副社長、新しい社長ですけれども、東京電力出身の方で、広報部門を主にずっとやってきた方だというふうに聞いております。
以上です。
71
◯奈良岡委員
東京電力出身、一番大きい電力会社の出身ということで、広報を主にやってこられた方というふうなことでございますので、これから先もぜひ情報公開をきちんとやっていただいて、いろいろなトラブルについては正直に包み隠さず県民の前に
情報発信をしていただくというふうなことに私も期待をしながら、日本原燃、とりわけ六ヶ所再処理工場の問題について、これからもいろいろ質問などをさせていただきたいなと思っておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
続いて大きい2番の関係は、六ヶ所再処理工場のアクティブ試験にかかわる問題について、何点か質問をさせていただきたいと思っています。
1点目は、六ヶ所再処理工場のガラス固化施設のパワーマニピュレータの機能回復や固化セル内の洗浄作業の再開等の動きが、マスコミでも報道されているわけでありますけれども、この補修状況の動向についてどのようになっているのかについて、伺いたいと思います。
72 ◯小坂原子力安全対策課長
マニピュレータの状況についてお答えいたします。
日本原燃株式会社によりますと、動作不良が発生していた固化セルパワーマニピュレータについては、マニピュレータ本体を昇降させるテレスコープ一式の交換作業を実施し、交換後の作動確認を行い、健全性が確認されたことから8月12日に復旧した。
その後、セル内の監視カメラの点検等を行った上で、準備が整い次第、洗浄作業を再開する予定であるとのことでございます。
以上です。
73
◯奈良岡委員
前回の常任委員会でもお伺いしたんですけれども、このパワーマニピュレータ、控えの機械はやはり用意はされていないという理解でよろしいですか。
74 ◯小坂原子力安全対策課長
前回の常任委員会で
奈良岡委員のほうからも御指摘があった件で、パワーマニピュレータの予備品の件でございますけれども、新しい予備機のほうを今つけたということで、予備機がないような状況になっておりますので、県のほうとしても、そういうところはどういうことなのかというふうにただしたところ、今回、テレスコープを交換したので、その分の予備品をただいま手配中ということで聞いてございます。
以上です。
75
◯奈良岡委員
パワーマニピュレータにかかわる段取りが済み次第、洗浄作業に入ると、こういうふうなことでありますけれども、一説に、固化セル内の機器に硝酸溶液などがしみ込んで、ちょっと一通りの水の洗浄作業ぐらいでは落ちないのではないかというふうな指摘もあるんですけれども、その辺の関係については県としては何か把握をされておりますか。
76 ◯小坂原子力安全対策課長
固化セル内の硝酸への影響についてでございます。
このパワーマニピュレータについては、補修をするときにそういうさび等は見受けられなかったというふうに聞いております。
ただ、日本原燃のほうからは今後、この取り外したパワーマニピュレータについては詳細に点検をしていくというふうに聞いてございます。
そのほかの、洗浄で今後どうなるかにつきましては、洗浄の結果が出ましたら、日本原燃のほうから、その洗浄の結果と、あと今、途中になってございます固化セル内のいろいろな機器がございます。これの硝酸への影響というのを彼らは点検してございますので、その結果についても、あわせて報告等があると考えております。
以上です。
77
◯奈良岡委員
固化セル内を洗浄作業すると、洗浄作業が完了するというふうな状況になると、現在の固化セル内の放射線の状況から、かなり放射線の影響力が下がるというふうなことで、理解をしていいのかどうかについてはいかがでしょうか。
78 ◯小坂原子力安全対策課長
固化セル内の放射線の状況でございますけれども、そもそも固化セルの中はそういった高放射性の廃液ですとか、その放射性廃液が混じったガラスとかが入っているセルでございますので、放射線の線量自身はもともと高いということで認識しておるところでございます。
以上です。
79
◯奈良岡委員
そういうことからすれば、これから先も固化セル内には、人間は入ることはないと、こういう理解でよろしいですか。
80 ◯小坂原子力安全対策課長
そういう認識で間違いないというふうに考えます。
以上です。
81
◯奈良岡委員
それでは、2つ目の質問に移らせていただきます。
日本原燃株式会社は、今月にも六ヶ所再処理工場の竣工時期の変更を発表するということになっていると思うんですけれども、本格操業の見通し及び竣工に至るまでの一連の工程というのは、どのように見込まれるのかというふうなことについて、現時点での県の把握はどのようになっているでしょう。
82 ◯名古屋環境生活部長
日本原燃株式会社は、8月末までにガラス固化施設に係る作業や検討の状況を踏まえ、竣工に係る適切な見通しを検討するというふうにしているところでございます。
県としては、事業者において、核燃料サイクルの確立に向けて、安全の確保を第一義に、当面する課題を一つ一つ着実に解決し、しっかりした安定運転を実現することが重要であるというふうに考えているところでございます。今後とも、安全を最優先に進めていただきたいと考えています。
83
◯奈良岡委員
それでは、大きい3番目に移らせていただきます。3点目は、六ヶ所再処理工場における使用済み核燃料の取り扱いについて、伺いたいと思います。
1点目は、日本原燃の今年度の使用済み燃料の取得計画及び予定再処理数量は、331トンを搬入をして、160トンを再処理をする計画になっているというふうに承知をしております。ですが、竣工時期の変更ということによりまして、これが計画のとおりになるかどうかは不透明な状況にあるというふうに思うんですけれども、県に対して日本原燃のほうから、現時点で計画の変更案というものが提示をされているものなのかどうかというような点について、伺いたいと思います。
84 ◯小坂原子力安全対策課長
再処理計画の変更関係ですけれども、現時点で、事業者から今年度の使用済み燃料の取得計画及び予定再処理数量の変更案の提示等はございません。
以上です。
85
◯奈良岡委員
そうしますというと、計画変更ということが発表されるんですけれども、発表された後の段階では、この問題についての変更案というのが示される状況になるのかどうか。いつごろ、それがなるのかというふうなことについて、それはいかがでしょうか。
86 ◯小坂原子力安全対策課長
少なくとも、竣工時期の変更を発表するときには、それに伴って、再処理予定数量の変更が、あわせて変更がなされるものと、発表されるものというふうに認識しております。
以上です。
87
◯奈良岡委員
わかりました。質問の小さい2番目に入ります。
アクティブ試験では430トンの使用済み核燃料を再処理する計画になっているというふうに思いますけれども、これに対して、現在では425トンの処理にとどまっていると、こういう状況になっていると思います。そうなりますというと、残りの5トンはどうなるのかというふうなことになるわけですけれども、これは再処理をしないまま竣工という形になるのか、どのようになるのかというようなことについて、県はどのように考えているのかということについて、伺いたいと思います。
88 ◯小坂原子力安全対策課長
再処理の計画関係ですけれども、日本原燃株式会社によりますと、アクティブ試験では、これまで行った約425トンの処理をもって、当初アクティブ試験で計画していた処理量に対応した処理は終了しておるというふうに聞いてございます。
以上です。
89
◯奈良岡委員
430トンの使用済み燃料の剪断・溶解というふうなことは、これはもう終わってしまっていると、こういう理解で。残り5トンの分についてはガラス固化溶融炉、ガラス固化製造のところはまだできてない。だけど、それはもうそのままにして竣工という格好になってくる、こういうことですか。
90 ◯小坂原子力安全対策課長
奈良岡委員の質問にお答えします。
アクティブ試験で予定していた剪断・溶解及びそのガラス固化を含めてですけれども、それに使うための燃料すべて、終了し終わったということでございます、425トン。それで、この中の発生している廃液の中から、今、ガラス固化試験は御存じのように中断しておりますけれども、そこで発生した廃液を使って、ガラス固化の試験をやっておるところであるというふうに認識しております。
以上です。
91
◯奈良岡委員
その後、注目をしていきたいと思います。
質問の大きい3番目の3つ目でありますが、日本原燃の事業指定申請書では、使用済み燃料の再処理後のウランとプルトニウムの生産量、そしてガラス固化体の年間推定発生量が示されているというふうに承知をしておりますけれども、アクティブ試験における実績というのはどのようになっているのかと、この点について伺いたいと思います。
92 ◯小坂原子力安全対策課長
アクティブ試験における実績等について、お答えいたします。
日本原燃株式会社によりますと、事業指定申請書では、使用済み燃料の予定再処理数量というのは、BWR使用済みウラン燃料及びPWR使用済みウラン燃料合わせて800トン・ウランに対して、予定生産量というのはウラン酸化物で730トン・ウラン、ウラン・プルトニウム混合酸化物で16トンというふうに書かれております。
なおかつ、ガラス固化体は約1,000本発生するというふうに記載されております。
これに対しまして、これまで行われたアクティブ試験では、425トン・ウランの使用済み燃料を剪断・溶解し、6月末時点でウラン酸化物約364トン・ウラン及びウラン・プルトニウム混合酸化物約6,656キログラムを回収した。発生したガラス固化体は現在までのところ107本であるとのことでございます。
以上です。
93
◯奈良岡委員
そうすれば、大きい4番に移らせていただきます。大きい4点目は、原子力施設から生ずる核廃棄物の問題について、伺ってまいりたいと思います。
1点目でありますが、高レベル放射性廃棄物ガラス固化体、これは30年から50年後に六ヶ所村から搬出される、そういうことになっていますけれども、40年後に操業を終える予定になっている六ヶ所再処理工場、この解体によって発生する放射性廃棄物はどのように扱われていくのかと、こういうことについて伺いたいと思います。
94 ◯小坂原子力安全対策課長
解体廃棄物の件にお答えいたします。
日本原燃株式会社によりますと、操業終了後、解体により生じる放射性廃棄物は、その放射能レベルに応じ、適切な処分施設にて処分することとなる、ということでございます。
以上です。
95
◯奈良岡委員
六ヶ所再処理工場から発生をする高レベル放射性廃棄物以外の放射性廃棄物に関する処分方法とか、あるいは法律、制度、こういうのはどのようになっているのかというふうな点について伺いたいと思います。
96 ◯小坂原子力安全対策課長
処分に関しては、所管外でありますので、お答えはちょっと責任を持ってお答えできませんが、一般的に資源エネルギー庁とかのホームページを見ますと、放射性廃棄物の処分に関する法制度、こちらに関しては、発電所の解体廃棄物ですとか、高レベル廃棄物、低レベル廃棄物ともに、法律としては制定されてきておるところというようなことが、ホームページ等からは見受けられる状況です。
以上です。
97
◯奈良岡委員
全国の原発などの原子力施設から生ずるいわゆる核の廃棄物の処分は、これまで、それぞれの施設内で長期保存、長期貯蔵されてきているわけでありますけれども、いずれ、その各原発の貯蔵施設も満杯になる時期が来る可能性が強いというふうになると思うんですけれども、これらの核廃棄物、核のごみと、六ヶ所再処理工場が解体をされて出る高レベル以外の核の廃棄物は、そうすると、今、課長が言われた、今、制定をされている法律、あるいは制度などによって、適切に処理処分をされていくものだというふうに理解をしていいんですか。
98 ◯小坂原子力安全対策課長
そういうふうに私どもも考えております。
以上です。
99
◯奈良岡委員
それでは、そういうふうな理解にして、これからまたいろんな質問をさせていただきたいなというふうに思います。
この件についての2つ目の質問ですが、前回の常任委員会で、県の回答をいただいているわけでありますけれども、再度、この件について見解を伺っておきたいということで、お伺いしますけれども、県では、再処理の過程で生ずるウラン製品やプルトニウム製品、放射性固体廃棄物の電力会社ごとに数量を把握しない、こういう方針であるというふうに伺っておりましたけれども、これでは各電力会社の放射性廃棄物生産者としての責任が不明確になるのではないかというふうに私は思います。そういうことから、六ヶ所再処理工場から発生する高レベル放射性廃棄物ガラス固化体については、発生者の責任を公表するべきだ。海外返還のやつはそういうふうになっているというふうに伺っておりますので、そういうふうな扱いにしていくべきだというふうに思いますけれども、県の認識はいかがですか。
100 ◯小坂原子力安全対策課長
前回の常任委員会でもお答えしたとおりでございます。県としては、放射性廃棄物の保管数量というものは今、安全協定に基づいて、毎月、施設ごとに報告を徴収するとともに、これは公表しております。現状で、保安上ということでは問題はないというふうに考えております。
以上です。
101
◯奈良岡委員
そうなりますというと、30年から50年後、海外から返還されたものは搬出をされることになる。そうすれば、各電力会社ごとの高レベルガラス固化体が明らかになっているので、それぞれの電力会社がそれぞれの責任で最終処分時に搬出をしていくと、こういう作業になるというふうに思っているわけでありますけれども、六ヶ所再処理工場から生ずるいわゆる高レベル放射性廃棄物ガラス固化体についても、混乱することなく、そういうことに搬出作業というのがなると、こういうふうに理解してよろしいでしょうか。
102 ◯小坂原子力安全対策課長
今、
奈良岡委員がおっしゃったとおり、六ヶ所の再処理施設ででき上がったガラス固化体についても、発生したガラス固化体は電力会社が責任を持って、最終処分地へ搬出することになっており、発生者の責任は明確ということを日本原燃からも聞いておりますので、そのとおりだということで認識しております。
以上です。
103
◯奈良岡委員
六ヶ所再処理工場は、40年操業を経て任務完了というふうな形の中で、解体をされる。低レベル放射性廃棄物については、行くところは決まっている。高レベルはただいま話されたような状況です。低レベルと高レベルの中間のものはどういうふうなことになると理解すればいいでしょう。
104 ◯小坂原子力安全対策課長
処分に関するところに関しては所管外でありますので、ちょっと責任持ったお答えができないということでございます。
105
◯奈良岡委員
失礼をいたしました。別の場所で、それでは質問を考えたいと思います。
それでは、大きい5番目に移りたいと思います。六ヶ所再処理工場の放射線管理区域における作業員の作業の問題でございます。
これまでもいろいろ放射性物質の付着という問題だとか、6月段階でも何件か続けて、この種の問題が発生をしたわけでありますけれども、8月に入って2件ほど、似たようなといいますか、これの範疇に入るようなトラブルが発生をしたと、こういう報道がなされています。
まず1点目は、8月7日にガラス固化体貯蔵建屋において、未登録の作業員が放射線管理区域内に立ち入り、作業していたということが報道されています。このことについて、このような作業実態に関する県の認識と対応はいかがなものかというようなことについて、伺いたいと思います。
106 ◯小坂原子力安全対策課長
8月7日の作業員未登録の件について、お答えいたします。
日本原燃株式会社によりますと、8月7日、これは第1ガラス固化体貯蔵建屋東棟におきまして、出入管理装置の点検に伴う代替措置として、出入管理台帳による入域管理を行っていたところ、当該建屋における作業員名簿へ登録準備中の協力会社作業員1名が、管理区域へ入域したことが確認された。
当該作業員は、電気設備保守点検のため入域したものだが、放射線業務従事者指定を受けているとともに、ガラスバッジ所持等の放射線管理上の措置は講じられており、当該作業員の放射線による被曝はなかった、とのことでございます。
本件については、管理区域への出入り管理の問題として、これは原子力安全・保安院から、原因究明と再発防止策の報告を8月31日までに行うよう指示が出ており、県としては、国とこの事業者の対応状況を注視していきたいというふうに考えております。
以上です。
107
◯奈良岡委員
2点目の質問ですが、8月11日にも、今度は高レベル廃液ガラス固化建屋において、作業員が放射線の線量計を未着用のまま、放射線管理区域に入ったということでありますが、この件に関する県の認識と対応についても、伺っておきたいと思います。
108 ◯小坂原子力安全対策課長
8月11日の事象の件でございます。
日本原燃株式会社によりますと、8月11日、これは再処理施設の放射線管理区域に入域した社員1名が、個人線量計──ガラスバッジを着用していたものの、作業管理のために着用することとしている警報つきポケット線量計を着用せずに約1時間、当該管理区域に入域していたと。
本件については、これは先ほどと同じですが、管理区域への出入り管理の問題として、原子力安全・保安院より、原因究明と再発防止対策について、8月31日までに報告するよう指示が出ているとのことでございまして、県としては、国と事業者の対応状況を注視していきたいというふうに考えます。
以上です。
109
◯奈良岡委員
6月にも立て続けに2件、これとは違う話なんですけれども、いわゆる日本原燃の協力会社の作業員、今回も協力会社の作業員だと私は承知をしているんですけれども、このような状況になっているというふうなことについて、あれだけ日本原燃の幹部が、県に対しても国に対しても、今度は絶対そういうことがないようにするんだというふうに言っておきながら、2カ月もたたないうちに今度はこのようなことになっていると、未登録の者が管理区域に入ったとか、あるいは義務づけられている線量計をつけないまま入ったというふうなことについては、協力会社の作業員を監督をする立場の日本原燃の社員の責任というものが、厳しく問われていかなければならないんじゃないかというふうに私は強く思っているわけです。原子力事業者として、まさにあり得ないミスの繰り返しをやっているというふうなことでありまして、そういう点に対する日本原燃のこういう放射線管理区域、原子力の危険な区域で作業をさせる作業員の教育訓練というものが、全然効をなしていないのではないかというふうに思うんですけれども、この点に対する県の見解というものは、どういうものなんでしょうか。
110 ◯小坂原子力安全対策課長
教育等の件についてでございます。
まずは8月11日に未着用で入っておったのは、協力会社じゃなくて、日本原燃の社員そのものということで、11日の件は聞いております。
それと、そういった事象が多発するといったところについて、県としてどういうふうに考えるかというところでございますが、事業者においてはトラブルの未然防止に努めるとともに、トラブルが発生した場合は、反省すべき点は真摯に反省して、その反省を安全確保の徹底や品質保証体制の改善につなげていくことが重要というふうに認識しております。
このため、国においては、日本原燃株式会社における保安活動、品質保証体制の向上等について、六ヶ所再処理施設総点検に関する検討会といったものがございまして、これに諮って、保安検査及び現地の保安検査官による巡視点検を通じて、順次、確認していくというところでございます。
県としては、今後ともこういった国及び事業者の対応を注視していきたいというふうに考えております。
以上です。
111
◯奈良岡委員
8月11日のやつは日本原燃の社員だということになると、ますます、大もともたるんでいるというふうな話に、たるみ切っているという話になってしまうわけで、県と我々がやっても限界があるというふうに私は思うんだけれども、県はもう少し厳しい態度で日本原燃にきちっと対応していくということをもっと強くやっていかなきゃならないんじゃないか、ということを指摘をさせていただきたいなというふうに思います。
それで、協力会社による作業員への教育、こういうことも、これは行われているのかどうかということと、行われているとすれば、どのような形で行われているのかというふうな点については、どのように把握されているんでしょうか。
112 ◯小坂原子力安全対策課長
協力会社への教育でございますけれども、管理区域に入るというときには、事前に教育をしておるというふうに聞いております。
教育の内容でございますが、放射性業務に従事する者に対して、法令に基づき、放射線業務の従事者に、従事する前にまず学科として、核燃料物質や汚染されたものに関する知識、作業の方法に関する知識、あと設備の構造及び取り扱いの方法に関する知識、電離放射線の生体に与える影響、関係法令、また実技として、作業の方法及び同施設にかかわる設備の取り扱いの教育を実施しているとのことです。これは従事する前ですね。その後は年に1回、放射線管理に関することとして、現場での放射線防護、放射性固体廃棄物の取り扱い、原子力災害時における放射線防護、トラブル事例等についての保安教育を実施している。
なお、これらには線量計着用方法など、管理区域への出入りに関する教育訓練が含まれているとのことでございます。
113
◯奈良岡委員
今、課長が報告をされたのは、協力会社自体が協力会社所属の作業員に対して行っている教育訓練の内容であると、こういうふうに承知していいですか。それとも、日本原燃が協力会社の作業員に対して直接、そういう教育訓練を行っているということの理解、どちらが正しいのでしょうか。
114 ◯小坂原子力安全対策課長
教育についてでございます。
日本原燃自身がやっているか、その協力会社がどこかに依頼してやっているかは、ちょっと確認はしてございませんけれども、とにかく法令によって、そういう教育を受けなくちゃいけないということで、受けておるというふうに聞いておるところです。
以上です。
115
◯奈良岡委員
そういう教育訓練の内容のペーパーは、私どもにもいただけるものなんでしょうか。
116 ◯小坂原子力安全対策課長
事業者に確認してみないとわかりませんので、ここではお答えできません。
以上です。
117
◯奈良岡委員
社内決起大会とか、国に対してもいろんな約束事をする、県に対しても、二度とこういう不祥事は起こしませんという誓いを立てていながら、繰り返しをされるというふうなことについて、県民としても、やっぱり六ヶ所再処理工場なり日本原燃という会社に対する信頼感という点ではもう著しく、これは損ねている状況にあるというふうな状況がある。したがって、どういう教育が内部で行われているのかというようなことについては、これは県民も等しくそういうところを知りたがっているということだろうというふうに思うんです。
ですから、広報関係で活躍をされてきた方が、今度は新たな社長になったわけでございますので、ぜひ、そういう点での情報開示というものも、県として求めて、我々
県議会議員にも、そういうふうなことの情報開示を行っていただければ、非常にありがたいというふうに思いますので、ぜひそういう点で御努力をお願いをしておきたいと思います。
またさらに、8月31日に再発防止対策が国に対して報告をされるというふうなことでありますので、この点も私どもも注目をしながら、今後のいろんな対応を考えていきたい、このように思っていますので、よろしくお願いします。
大きい6点目に移ります。六ヶ所再処理工場のプルトニウム・ウラン混合酸化物貯蔵建屋における非常用電源装置の一時停止というふうな事象も発生をしたというふうになっています。
8月18日にこれが発生をしたわけでありますけれども、このトラブルについての県の認識と対応について、伺いたいと思います。
118 ◯小坂原子力安全対策課長
ウラン・プルトニウム混合酸化物施設のトラブルに関してでございます。
日本原燃株式会社によりますと、8月17日、ウラン・プルトニウム混合酸化物貯蔵建屋において、2系統ある電源系統のうち1系統、A系と言われるものの点検のため、当該系統の非常用無停電交流電源装置の給電切りかえを実施していたところ、警報が発報し、調査の結果、8月18日1時57分ごろ、この非常用無停電交流電源装置が、前日20時ごろ実施した操作の誤りにより停止していたということを確認した。もう1系統、B系については異常のないことを確認した。
また、非常用無停電交流電源装置のA系に接続された機器は、設備点検のため事前に電源を切っており、動作しない状態にしておいてあったということであります。
非常用無停電交流電源装置、このとまっていたA系については18日に復旧した。
本事象に伴う周辺環境への影響はなかったとのことでございます。
県は、当該事象について、8月18日、通報を受けまして、トラブル等対応要領に基づき、B情報として連絡を受け、同日、原子力
センター職員を派遣し、現地の確認を行っております。
以上です。
119
◯奈良岡委員
この一時停止をした非常用電源装置は、どのような機能を有しているのか。どのような場合に使用されるのか。これが本当に電源が切れてしまうというふうなことになると、どのような影響が出るのかというようなことについてはいかがでしょう。
120 ◯小坂原子力安全対策課長
非常用無停電交流電源装置の件についてでございます。
日本原燃株式会社によりますと、この非常用無停電交流電源装置は、外部電源が喪失した際に、非常用自家発電機──ディーゼルですね──が起動、安定運転されるまでの間、電源供給を必要とする機器に、瞬断することなく電源を供給する設備である。外部電源が喪失した際に、非常用無停電交流電源装置からの電源供給が停止していた場合は、当該系統の機器は停止することになるが、今回は点検のため、あらかじめこれらの機器の電源を切っていたため、影響がなかったということでございます。
以上です。
121
◯奈良岡委員
ところで、この作業は2人1組で行う作業で、そういうふうな形になっていた中での作業ミスというふうに伺っておりますけれども、2人1組の作業で、2人とも勘違い、ミスをしてしまったというふうなことになるんでしょうか。
122 ◯小坂原子力安全対策課長
作業のミスの件でございます。
日本原燃株式会社によりますと、現在、どのような状況で作業ミスが発生したかなど、原因究明を行い、今回のこういう操作の誤りに対しての対策を検討したいということでございます。
以上です。
123
◯奈良岡委員
この件の再発防止対策というのは、いつごろ講じられることになるんでしょうか。
124 ◯小坂原子力安全対策課長
今、御説明したとおり、今なぜそういった作業ミスが発生したかといったようなところの原因究明をやっておる最中ということで、それを原因究明をしてから、その再発防止策も一緒にそれにあわせて、私どもは説明を伺うということで、いつということについては、まだ伺っておりません。
以上です。
125
◯奈良岡委員
六ヶ所再処理工場関連については以上で終わりますけれども、9月議会では、再処理工場などに関する原子力施設の関係の特別委員会の設置について、動きがあるというふうに伺っております。ぜひ特別委員会が設置をされて、所管外事項という壁が取り払われた中でのいろんな議論ができる、質問ができるような環境をつくるように、私どもの会派としても、これは絶対に必要であるというような認識のもとで対応する中で、これからもいろいろ質問させていただきたいと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。
最後、第8点目ですが、古紙リサイクルエコステーションということについて伺って、終わりにしたいと思います。
青森県
基本計画「未来への挑戦」アウトルックレポートというのをめくっておりましたら、48ページに、古紙リサイクルがなかなか進まない、こういうふうな記述がありまして、そしたら、翌日の新聞でしたか、ちょうどエコステーションということについての、東奥日報でしたか、新聞記事が出ておりましたので、少しこれについて質問してみようかというようなことで、これを取り上げさせていただくことになりました。
それで、質問ですが、県は家庭から出る紙ごみの回収拠点として、県内各地域に古紙リサイクルエコステーションを設置するという報道がなされましたけれども、これについて何点か質問をさせていただきたいと思います。
まず1つは、エコステーション設置の動機とねらいは何かというようなことについて、お答えいただきたいと思います。
126 ◯山田環境政策課長
エコステーション設置の動機とねらいについてでございます。
本県は、全国と比較して、県民1人1日当たりのごみ排出量が多く、また、ごみリサイクル率は低迷している状況にあります。その要因としては、新聞・雑誌・段ボール等の紙ごみの資源化量が、全国平均の約半分程度にとどまっていることが挙げられます。
このため、一般家庭における紙ごみのリサイクルを促進することを目的として、事業者やNPO、民間団体が実施主体となって、スーパーなどの地域住民が集まる場所に紙ごみを回収するエコステーションを設置する
取り組みに対して補助する古紙リサイクルエコステーション整備事業を実施することとしたものです。
市町村や古紙回収業者による収集は、定期回収が一般的ですが、このエコステーションでは、地域住民がいつでも紙ごみを持ち込むことができる利便性があることから、紙ごみの資源化量の増加につながるものと期待しております。
127
◯奈良岡委員
報道でも、このエコステーションが設置をされることとなった地域の町内会の皆さんとかの反応がよくて、評判を呼んでいるようなあれもあるんですけれども、これから先、どの地域でどれぐらい、何カ所ぐらい、こういうことが設置をされていくのかという見通しについてはいかがでしょうか。
128 ◯山田環境政策課長
エコステーション設置の予定でございますけれども、先ほど答弁しましたとおり、補助金によりやっております。現在、補助申請、補助決定を経まして、青森市内に2カ所、弘前市内に1カ所、合計3カ所に設置されておりますけれども、引き続き補助申請を受け付けてまいりますので、交付決定に当たっては、古紙回収量の見込みや地域バランスも考慮しつつ、設置地域及び設置箇所の拡大に向けて取り組んでいきます。
129
◯奈良岡委員
そうすれば、NPO団体とかがそういうふうなことをやりたいと手を挙げれば、県としては、それに応じて補助をするかしないかの検討をして、オーケーということになると、どんどんふえていくと、こういう理解でいいですか。
130 ◯山田環境政策課長
今、委員おっしゃったとおり、そのような理解でいます。
131
◯奈良岡委員
それでも、金の関係で限度が出てくると思いますので、当面、これをやっていくための事業費というのは、どれぐらい見込んでいるのか、その辺について。
132 ◯山田環境政策課長
当該事業の補助金につきましては、エコステーションの設置経費の3分の1を補助するというものでありまして、1台当たりの補助上限額を6万円としております。
そして、今年度は56台分の補助相当額を予算計上しており、事業費としては336万円を計上しております。
133
◯奈良岡委員
それで、このエコステーション、設置をされていくというふうなことになるんですけれども、管理というのはどのようなことになっていくのかという点について、伺いたいと思います。
134 ◯山田環境政策課長
エコステーションの維持管理ですけれども、補助事業者が設置しますので、この維持管理につきましても、設置主体である補助事業者が行うことになります。
135
◯奈良岡委員
このエコステーション設置ということになってきますというと、関係する市町村とか町内会といったことの連携も必要になってくるというふうに思うんですけれども、その関係はどのようになるんでしょうか。
136 ◯山田環境政策課長
エコステーション設置にかかわる市町村、町内会との連携でございますけれども、市町村は、生活系紙ごみを初めとする一般廃棄物の処理責任を有しております。県では、本事業を実施するに当たり市町村に対しては、管内の事業者等に対する周知、それから古紙回収業者等に関する情報提供、それから設置場所・管理体制に係る助言、地域住民に対する広報等について、市町村に対して協力を依頼しており、市町村と連携を密にして、事業を推進しております。
また町内会に対しても、市町村や補助事業者を通じて、事業の制度内容やエコステーションが設置された場合の周知等が行われるよう配慮しております。
137
◯奈良岡委員
このエコステーションで回収した紙ごみは、どのようにリサイクルをされていくのかということと、リサイクルの実績と成果はどのようにあらわれるのかというふうなことについて、まとめてお答えいただきたいと思います。
138 ◯山田環境政策課長
2点についてお答えします。
まず、回収した紙ごみはどのようにリサイクルされるか。エコステーションで回収した紙ごみについては、補助事業者が古紙の売買契約等を締結した古紙回収業者を通じて、製紙会社等に引き渡され、再生利用されることとなります。
それから、このエコステーションで回収した紙ごみのリサイクルの実績、成果はどのようにあらわれてくるかということですが、本補助金の交付要綱によりまして、補助事業者は、毎年度の古紙回収量の実績を県に報告することとしてます。
県では、報告を受けた古紙回収量の実績をエコステーションが設置されている市町村に報告しまして、当該市町村において、環境省が毎年度実施している一般廃棄物処理事業実態調査の結果に、このエコステーションにおける回収の実績値を算入──加えることにより、ごみリサイクル率の成果に反映されていくことになります。
139
◯奈良岡委員
最後ですが、全国ワーストの記録を、このことによってどの程度まで改善をしようとするのかということについて、目標みたいなことが県としてあれば、お答えをいただきたいと思いますし、
基本計画「未来への挑戦」の中で、持続可能な循環型社会、これは非常に大事な
取り組みだろうというふうに思いますので、ぜひ効果あらしめるような形の中で、今後ともこのエコステーションというものが、できれば、もう少し市町村とのかかわりの中で、有機的に広がっていくといいますか、そのようなことを期待をしながら、最後の質問をして終わりたいと思います。
140 ◯山田環境政策課長
このエコステーション事業によるリサイクル率の改善目標はどの辺かということでございますけれども、平成18年度のごみリサイクル率は、全国平均が19.6%、これに対しまして、本県は12.3%と低迷している状況にあります。
このため、昨年度から開始した「もったいない・あおもり県民運動」において、平成23年度までにごみリサイクル率25%を目標として掲げております。
この目標実現のためには、一般廃棄物の処理責任を有する市町村はもとより、ごみ排出者である県民や事業者の協力が不可欠であることから、県民総参加による県民運動のより一層の浸透に努め、一人一人の
取り組みの拡大につなげていきたいと考えております。
141
◯山内委員長
ほかに質疑はありませんか。
[「なし」と呼ぶ者あり]
ないようでありますから、これをもって
環境生活部関係の審査を終わります。
以上をもって
環境厚生委員会を終了いたします。
○閉 会 午後 1時55分
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