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  1. 青森県議会 2009-08-21
    平成21年商工労働エネルギー委員会 本文 開催日: 2009-08-21


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ○開 会  午前11時00分 ◯夏堀副委員長  おはようございます。ただいまから商工労働エネルギー委員会を開きます。  本日、丸井委員長は欠席であります。  暑い折から、上着を脱いでよいことにいたします。  会議録の署名委員を指名いたします。越前委員、一戸委員にお願いいたします。  本日の審査案件は、特定付託案件であります。  なお、審査の順序は、商工労働部エネルギー総合対策局の順に行います。  商工労働部関係の審査をいたします。  それでは、特定付託案件について質疑を行います。  なお、質疑は所管外にわたらないよう簡明にお願いいたします。  質疑はありませんか。──越前委員。 2 ◯越前委員  皆さん、おはようございます。いよいよお盆も過ぎました。本県の短い夏ももうすぐ終わろうといたしております。近ごろは、ヒヤッとするぐらい寒くなりまして、健康には留意したいところであります。  さて、本県の観光にとりまして、青森ねぶた祭りを初めとして、全国規模のお祭りが開催される夏場は特にですね、県内外からたくさんのお客様が来られて、1年で一番の稼ぎどきであるというふうにとらえておるところであります。先月もこの常任委員会において、私のほうからこの点について質問させていただいてきたところでありますが、本県の夏祭りには、県外からの観光誘客に大きく貢献する、本県にとって特に集客力の強い最大の観光資源となっているところでございます。  今年は雨や気温が余り上がらない日もあったようでございますが、今年の県内の主なお祭りの集客状況はどうであったのか。また、青森ねぶた祭りやその他のお祭りに対しても、夜の開催でありますので、観光においでになった方々は、昼は三内丸山や県立美術館、あるいは浅虫水族館などの県内における各観光施設もそれぞれ訪問していただいているものと思っておりますし、夏場は特に、より多くの方々においでいただいているものと考えているところであります。  そこで、次の2点についてお伺いいたします。  まず第1点は、今年の夏場における本県の主な祭り、ねぶた祭りや三社大祭など、及び観光施設への観光客入込状況は、昨年に比較いたしましてどのような状況になっているのか、まず最初にお伺いをいたします。
    3 ◯雪田観光企画課長  越前委員の質問にお答えいたします。  今年の本県の主な夏祭り観光客の入込数は、「青森ねぶた祭」は、雨や肌寒い日はあったものの、前年より11万人増加の330万人、「八戸三社大祭」は、曜日の配列に恵まれるなど、前年より13万人増加の118万8,000人、「五所川原立佞武多」は天候に恵まれるなど、前年より10万人増加の173万人となっております。一方、「弘前ねぷた祭」は、82団体と多くの団体が参加したものの、会期中、天候に恵まれなかったことなどから、前年より11万人減少の158万人の入り込み数となっております。  以上の4大夏祭りの入込数の合計は、昨年が756万8,000人、今年が779万8,000人と、昨年を23万人上回る結果となっております。  なお、その他の各地域の夏祭りでは、「みさわ七夕まつり」が前年に比べ微増となっているほかは、「八戸七夕まつり」、「十和田湖湖水まつり」、「東北町湖水まつり」、「大湊ネブタまつり」ともに入込数が前年に比較し減少しております。  また、主な観光施設の夏場、7月20日から8月16日の期間でございますが、これの入込数は、「県立美術館」、「浅虫水族館」、「弘前市立観光館」は前年に比べ減少しておりますが、「三内丸山縄文時遊館」、「アスパム」、「五所川原立佞武多の館」は前年より増加となっています。  今年の夏場における主な夏祭り観光施設については、不況下であったものの、それぞれの積極的な取り組みや、ETC休日特別割引などの効果により、総体的にはまずますの観光客の入込みではなかったかと考えております。  以上でございます。 4 ◯越前委員  夏祭りの現況についてですね、今、御答弁いただきました。青森、八戸、五所川原等々については増加をしているということでありますし、また、地域によっては減少しているところもあるわけでありますが、施設もまた同じく、増えているところ、減っているところ、あるようであります。これは祭りについては、地域の主体の祭りでありますから、それぞれについては、どうこう申し上げる立場にありませんけれども、県有施設の誘客については、さらにですね、これからもお客様においでいただくための施策というものをしっかり展開していただくというふうなことが非常に重要ではなかろうかというふうに考えておるところでございます。そういうことで、夏祭りについては、ただいまの報告で了解をいたしました。いずれにいたしましても、県内の観光振興経済振興につながるように、しっかりとさらに取り組みを図っていただきたいということを強く御要望申し上げておきたいと思っております。  そこで、第1点の質問とも関連するわけでありますが、第2点目でございますけれども、いよいよ来年度、2010年12月に予定されております東北新幹線全線開業に向けまして、さらなる誘客の強化に向けまして、より積極的に取り組んでいく必要があるというふうに考えておりますが、県の対応について、先の常任委員会でもお尋ねいたしてございますが、その取り組みの成果が一つ一つあらわれてきておりますので、そういう意味におきまして、さらなる取り組みについて、これまたきょうの時点で再度お伺いしておきたいと思います。 5 ◯櫻庭商工労働部長  来年12月の東北新幹線全線開業に向けた取り組みということでございます。まず、地元でのもてなしの気持ちというものでですね、温かく迎えるということが引き続きやはり底辺にあって、継続的にやっていかなくちゃいけないだろうと思ってございます。ただ、いずれにしても、誘客ということが必要でございますので、全線開業に向けました新たな青森ファンの獲得ですとか、そういうことを目指しまして、社団法人青森観光連盟との連携のもとに、大型観光キャンペーンに取り組むこととしてございます。  本年度は開業1年前ということで、プレキャンペーンを来年の1月11日から24日まで、一部新聞報道等で御承知のことかと思いますけれども、東京の原宿、表参道、明治神宮表参道ヒルズなどにおきまして、「とことん青森2010in原宿表参道」を実施する予定としてございます。  期間中は表参道ヒルズと青森をリアルタイムで結び、距離を超えた交流や物産販売が行われ、「ワープスタジオ」の設置を初め、青森ねぶたの展示を行う「お祭り工房」や「青森ご当地グルメ屋台」の設置、青森の自然・歴史・文化などを学べる「青森学講座」の開催、表参道の目抜き通りへのバナーフラッグの掲出等を予定してございまして、首都圏の方々に青森をとことん楽しんでいただくとともに、東北新幹線全線開業を強く印象づけ、青森への旅の動機づけを図りたいというふうに考えてございます。  また、平成23年4月23日から7月22日にかけまして実施します「青森デスティネーションキャンペーン」に向けまして、来年の5月を目途に全国の旅行エージェント等を集めまして、青森で「全国宣伝販売促進会議」を開催し、新たに開発、あるいは磨き上げました観光コンテンツを初めとする本県の観光の魅力を大いにアピールするとともに、誘客のための旅行商品の造成を強く働きかけることとしてございます。  県としては、これらの取り組みによりまして、東北新幹線全線開業に向けた切れ目のない情報発信を積極的に展開しまして、さらなる誘客の推進に努めてまいります。 6 ◯越前委員  ただいま櫻庭部長から、大変、さらなる取り組みについて、より具体的な取り組み状況について御答弁を賜りました。プレキャンペーンを迎えるに当たって、さらにまた、原宿、表参道等で独自の事業を展開していくということでございますし、来年5月にまた観光コンペの開催に向けてですね、取り組むというふうなことでございます。そういう意味におきましては、先ほど申しましたように、毎月、毎月、観光に対する取り組み等々については、1日たりともその努力の成果がどんどん出てきているわけでありますし、また、その努力の成果が成果としてあらわれるようにですね、いかにこれから取り組んでいくかということがですね、大変重要であろうと思っております。したがいまして、これからJR等々も十分なる連携をとりながら、やはり取り組んでいくということが重要であろうと思います。  また、新幹線に乗ってみましてもおわかりのとおり、電子掲示板などでも大いに県内各地の宣伝等もやっていただいておりますし、そういう意味では、宣伝力からいいますと、大変、そういうJRとの連携というものに対しては大変重要不可欠ではなろうかというふうに思っております。そういう意味で、県独自で努力していくもの、また他機関との連携をとりながら、そういう観光PRに結びつけて成果に結びつけていくものというふうなことで、具体的な取り組みをさらに強化していただければ大変ありがたいというふうに思っております。  我々県民といたしましてもですね、またこの委員会といたしましても、商工労働部とも十分連携をとりながら、やはり青森県においでいただくお客様をおもてなしの心でお迎えする。来ていただいたお客様は1日でも多く滞在していただける、そういう迎え入れの、おもてなしの心で迎える姿勢というもの、体制づくりに対してですね、しっかり取り組んでいくんだということで取り組ませていただきたいというふうに考えておりますので、より一層の御尽力と御努力を賜りますよう強く御要望申し上げて私からの質問を、簡単ながら終わらせていただきます。 7 ◯夏堀副委員長  ほかに質疑はありませんか。──安藤委員。 8 ◯安藤委員  最初に、弘前オフィス・アルカディアについて伺います。  この事業は、医療・福祉の拠点、弘前に誕生する次世代の新産業拠点というふうに銘打って行われた大規模開発でした。1992年制定の地方拠点法を受けて、弘前市が地方拠点都市地域に指定され、県知事の承認を経て1998年から地域振興整備公団、青森県、弘前市の三者が弘前市の国道7号線沿いに進めているものです。総面積28ヘクタールの土地に分譲用地整備造成事業を行い、2001年12月から分譲を開始しています。この事業について、最初に、その現状について伺いたいと思います。 9 ◯葛西工業振興課長  弘前オフィス・アルカディアの現状についてお答えします。  弘前オフィス・アルカディアは、いわゆる地方拠点法に基づく、弘前地方拠点都市地域業務拠点地区でありまして、現在の独立行政法人中小企業基盤整備機構事業主体となって整備を進めてまいりました。  この事業は、医療・健康・福祉関連分野情報通信関連分野等を中心とした事務所・研究所等の集積を目指すとともに、企業誘致の促進を図るため、中小企業基盤整備機構や弘前市等関係機関と連携し、分譲促進に取り組んできたところです。  分譲状況につきましては、平成13年12月に分譲を開始して以来、全部で57区画のうち現在31区画が分譲済みでありまして、分譲率は55.6%となってございます。 10 ◯安藤委員  この事業に弘前市は多額のお金をかけてきました。造成事業にかかわる分として、上下水道施設公園緑地整備など、地区内の市負担事業に7億1,400万円、市道整備河川改修、農業用水付けかえなど地区外周辺整備事業に28億9,800万円など、現在、これまでに40億円を投入しているわけです。これだけの投入をして、期待されてきた開発事業なわけですが、実際に進出した事業所などの中で、当初見込んでいた健康・医療・福祉関連及び高技術関連分野の進出の実態については、どのようになっているか、わかりましたらお伺いします。 11 ◯葛西工業振興課長  この地域は、医療・健康・福祉関連分野等の研究所、事務所等の集積を目指すという計画で進んできているわけですが、現状で、例えば医療業であれば黎明郷などが立地しておりますし、医薬品卸売業、あるいは、医療検査薬等卸売業等といった企業が立地しております。  以上です。 12 ◯安藤委員  先ほど答弁いただいた31区画の進出企業の中で、今、お話しされた分野がどのくらいの割合かというのについては、お答えいただけますか。 13 ◯葛西工業振興課長  事業所数でいきますと、医療業が、先ほど申し上げたように、黎明郷が1件、医薬品等卸売業が3件、医療検査薬等卸売業が1件、そのほか、省エネ・環境分析業が1件、食品安全分析業が1件などとなっております。 14 ◯安藤委員  なかなか分譲が進まなかったという経緯もあって、地区計画が平成14年と平成21年2月に変更されておりますが、この変更内容というのは、どのようになっているでしょうか。 15 ◯葛西工業振興課長  この地区については、ことし2月に地区計画の変更がございまして、従来は工場等の製造業の立地が制限されておりましたが、その地区計画の変更におきまして、一定の工場も立地できるようになっております。 16 ◯安藤委員  それで、工場の進出も実際に行われているんですか。 17 ◯葛西工業振興課長  現在、まだその立地はございません。 18 ◯安藤委員  最初の触れ込みで、企業を呼び込んで、高卒者3,300人の新規雇用を創出するというふうに言われておりましたが、実際に新規雇用の創出というのにどの程度役立っているかということについては、いかがでしょうか。 19 ◯葛西工業振興課長  手元にデータがございませんので、後ほどお答えしたいと思います。 20 ◯安藤委員  それから、この事業に関連して、中核施設としての第三セクター弘前産業開発センターというものが当初は立ち上げられました。1998年に発足しましたが、2005年に解散をするという、こういうふうな状況になりました。当初は、この開発センターの役割というのは、かなり期待できるものだというふうなことが言われていたわけですが、これが解散したということで、第三セクターに県も3億円の出資をしておりますが、弘前市、それから、中小企業基盤整備機構が6億円、弘前市が4億円、民間企業が1億6,670万円、合計14億6,670万円の出資金でつくられたものなんですが、この出資金については、どのような対応をされたんでしょうか。 21 ◯葛西工業振興課長  この三セク、株式会社弘前産業開発センターについては、委員御指摘のとおり、平成17年3月31日をもって解散いたしまして、それぞれ分配金として返ってきておりますが、金額については後ほどお答えしたいと思います。 22 ◯安藤委員  もう一点、とても大事なことなんですが、弘前オフィス・アルカディアに関する覚書にかかわる確認書というのが交わされています。この中で、企業等誘致についてということで2点示されているんですが、その1つは、「県及び市は、弘前オフィス・アルカディア公募開始から2年を経過した時点において、なお分譲済み面積分譲予定面積の2分の1に満たない場合には、公団と協議の上、分譲済み面積分譲予定面積の2分の1との差の面積について、公団が算定する原価により引き取るよう努めるものとする。」、2つ目が、「県及び市は、企業等誘致が進まない事態がさらに長期間続き、その後の企業等誘致が著しく困難と判断される場合には、公団と協議の上、優遇制度の創設、拡充または公団が算定する原価による引き取り等、所要の措置を講じるよう努めるものとする。」ということで、地域振興整備公団と青森県と弘前市がこうした確認書を交わしているんですが、今、示しましたこの企業等誘致についての2つの確認について、県はどのようにとらえて、この確認事項にどう努めようとしているのか伺いたいと思います。実際に、現在でも55.6%の分譲ということで、決してうまくいっているとは言いがたい状況だと思います。そういう中で、分譲が進まないときの確認ということだったと思うんですが、これらの確認書についてのお考えを伺いたいと思います。 23 ◯櫻庭商工労働部長  先ほどの第三セクターも含めまして、基本的には、地方拠点法という法律に基づいて当時、地域指定を受け、計画の認定をするという行為がございました。その中に、中核施設が必要だということで、既存の施設の中で中核施設があれば、それはそれで構わないんですけれども、なければ業務団地の中に新たに整備するという計画の中でスタート、要は、枠組みとしてそういうスタートの段階での条件がありました。  分譲についても、お互い努力していきましょうという部分の確認の意味合いで、できるだけ早期に分譲を完了したいという、当時の地域公団の思いもございまして、地元としても協力しましょうということで、それに伴って、具体的に何か、先ほどの買い取りですとか、そういうことは一切、今までも行われてございませんし、当時の経済情勢から、また、その後、分譲開始になってからの経済情勢というのは、お互い努力してもなかなか難しい状態にあるということは双方とも認識しながらですね、やはり分譲を促進するための対策ということで、地元弘前市も含めまして、三者で鋭意努力を続けていきましょうという考え方で進めさせていただいております。  それから、優遇策の拡充につきましては、先ほどもありましたように、対象業種を広げることによって、優遇策についても、対象業種を拡大することに合わせて補助の対象も、具体的には産業立地促進補助金ですとか、そういうものの拡充をしてございますので、それらについても、今、中小企業基盤整備機構とも相談させていただきながら、鋭意努力はさせていただいているというふうに思ってございます。  今後ともまた、それは業務団地としてですね、完売するように、地元弘前市ともよく連携をとりながら進めさせていただきたいというふうに思ってございます。 24 ◯安藤委員  結局、中心的役割を担うと言われていた中核施設弘前産業開発センターはできなかったという中で、そこのオフィス・アルカディアの価値というか、意味というのも若干、当初の計画から後退している現実はあると思うんですね。そういう中で、「弘前オフィス・アルカディア企業立地促進協議会」というのがあるというふうに聞いていますが、その協議会がどういう役割を現在担っているのかお尋ねします。 25 ◯櫻庭商工労働部長  「弘前オフィス・アルカディア企業立地促進協議会」は、当時の一番最初、分譲開始前の段階から、当時の地域整備公団と青森県、弘前市が構成メンバーに入って協議会を設立してございます。それは基本的には、分譲促進するためにそれぞれ地域公団のツールを使う、あるいは青森県のツールを使う、弘前市にも協力していただく、そういうことで三者三様にアルカディアを分譲促進するための連携、それから情報交換、そういうものを進めるための協議会でした。今も分譲促進のための取り組みとして、この協議会は生きてございます。 26 ◯安藤委員  先ほどの質問とも関連しますが、2つ目に用意していた質問ですけれども、弘前オフィス・アルカディア分譲促進に対する県としての取り組みについて伺いたいと思います。 27 ◯櫻庭商工労働部長  三者三様の取り組みということでございますけれども、やはり実際に事業要請をした県及び弘前市、それから事業の実施主体になっている中小企業基盤機構、この三者で運用については企業誘致に取り組んでございます。  また、立地促進に係る補助金ということで、優遇策としては、「テレマーケティング関連産業立地促進費補助金」ですとか、あるいは先ほど申し上げました「産業立地促進費補助金」もございます。それらについても、計画の変更に伴いまして業種を広げる取り組みをしてございまして、それらの活用も含めまして、積極的な企業誘致というものに取り組んでまいりたいと考えてございます。 28 ◯安藤委員
     青森県の優遇措置と弘前市の優遇措置とそれぞれあるわけなんですが、青森県の示している優遇措置を活用されている実態というのはいかがでしょうか。 29 ◯葛西工業振興課長  今、部長が答弁したように、県のほうもさまざま優遇制度を用意しておりますが、立地した企業で実際適用した事業所というのはありません。 30 ◯安藤委員  青森県としても、このような優遇措置があっても、それを活用しきれない企業の状況というか、実際に示していても、それを使われていないというのが実態なわけです。それで、先ほど確認書をお話しさせていただいたんですが、これは、このとおりに確認書の内容どおり進んでいないということなわけなんですけれども、この中に「県や市は、公団が算定する原価による引き取り等、所要の措置を講じるよう努めるものとする。」とされているわけなんですが、この地域に、県として公共的な施設などについて、この土地を活用するというふうな方向性というか、検討というものは全くされていないんでしょうか。確認書にはそのようなことも触れているものですから、そういうふうなことも検討の中に入るのかなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。 31 ◯櫻庭商工労働部長  分譲開始当初からの計画というのはさまざま動いておりますので、これまで一回もなかったのかと言われればそういうことではなくて、いわゆる医療・健康・福祉を主役として、地域の健康を守るための機能を果たしていただこうということで、第三セクターも含めましてですね、さまざま検討は、県の公的な施設も含めましてですね、検討はされた時代がございます。今現在、委員御承知のように、こういう県財政でございますので、今この段階では、検討はされましたけれども、具体化に至らずに、今、白紙という形になってございます。 32 ◯安藤委員  今現在は白紙ということなわけですね。今後の経済情勢だとか県のさまざまな状況変化の中では、今後、分譲は進んでいく、なかなか思うように100%の分譲が進んでいかない折には、そういうことも検討の一つにはなるという、現在は白紙になっているんでしょうけれども、将来はそういうことも検討の一つにはなるというふうなとらえ方でよろしいでしょうか。 33 ◯櫻庭商工労働部長  要は、分譲促進のための拠点という考え方だけではなくて、県の施設等を何かつくるというふうになれば、さまざまな客観情勢も含めまして、あるいは、ニーズも含めて検討されるべきものだろうと思っております。したがって、ここに拠点をつくるかどうかということも含めまして、現在は全く検討していないものですから、将来的なお話は、具体的にお約束になることは申し上げる段階にはないというふうに思います。 34 ◯夏堀副委員長  安藤委員に申し上げます。簡潔明瞭にお願いいたします。 35 ◯安藤委員  この質問は終わりたいと思います。  それで、当初、健康・医療・福祉関連施設での集約する場所ということで、大変期待を持たせる事業でした。この近くには、「ウェルフェアテクノハウス弘前」というものが建てられまして、これは介護を必要とする高齢者や障害者の住宅としての利便性を体験する施設ということで建てられました。これにも県は4,000万円支出されていまして、約2億1,900万円を使った事業費でつくられました。実際に、この事業も当初の研究と連携した施設として活用するというふうに言われていましたが、なかなかその研究もうまくいっていないようですし、利活用についても、見学はできるんだとは思いますけれども、当初のような華々しさはなくなっているというふうな状況です。  全国の状況を見ても、全国で10カ所、同じような、地域整備公団による産業業務施設用地造成事業というのが行われましたが、全国的にもなかなか分譲は難しくなっているという状況を見るにつけ、このようなたくさんのお金をかけて事業を進めてきたことが本当に適切であったのかというふうな疑問も抱かざるを得ないという結果だと思います。弘前市などからも、オフィス・アルカディアの分譲が進むように、県の融資の拡大なども要望に出ておりますので、この事業が、これからの推移がいい方向に行くような、県としての努力も必要ではないかというふうに思います。その辺について触れさせていただきまして、この質問は終わります。  次に、日本原燃株式会社への二重派遣問題について、作業員を出向させていた会社に処分が出されましたが、この件について、県の考え方を伺いたいと思います。県内で働く労働者が二重派遣によって中間搾取されていたというふうな報道がなされ、大変私たちとしてもショックを感じました。この件についての県の考え方を伺いたいと思います。 36 ◯佐藤労政・能力開発課長  二重派遣の問題についての御質問についてお答えいたします。  青森労働局のほうからは、作業員を送り出していた会社に対しまして、東京・青森などの各労働局から改善命令などの行政処分がなされたというふうに聞いております。  県といたしましても、今後、こういうことがないように、これまで以上に指導・監督の権限を持つ青森労働局と十分連携を図りまして、関係法令の遵守などについて周知を図ってまいりたいと思っております。 37 ◯安藤委員  特に今回、六ヶ所の核燃再処理工場だったということに非常にさまざまな問題点があるなというふうに思っています。その中で、派遣労働者という身分の労働者が、もし被爆を受けたり、事故に遭ったりしたときに、どこが責任を持つのかということが大変危惧されるんですけれども、こういうふうな二重派遣というふうな実態、あるいは、二重派遣でなくても、派遣労働者の場合でも、その責任の所在というのはどこになるんでしょうか。 38 ◯佐藤労政・能力開発課長  二重派遣につきましては、確かに委員の御指摘のとおり、使用者責任があいまいになるということで禁止されていることでございまして、通常の派遣の場合につきましては、労働安全衛生法の基準にのっとりまして、使用者側、実際に派遣先と派遣元と共同して、きちんと責任を持つと理解しております。 39 ◯安藤委員  そうすると、原燃で仕事をしていた場合でも、原燃には全くその責任は問われないというふうなことでよろしいでしょうか。 40 ◯佐藤労政・能力開発課長  詳細につきましては、労働基準監督署のほうで所管しておりまして、今、こちらで、具体的に何について、どちらが責任を持つというのは私も把握しておりませんので、後ほど確認いたしまして、お知らせいたしたいと思います。 41 ◯安藤委員  現時点では二重派遣という状況はなくなっているというふうには聞いておりますが、そもそもこの事件が発覚したのは、労働者からの告発というか、相談ということから端を発したというふうに認識しているんですが、やはり労働者の方たちが相談できる環境というものをきちんと整備していくことが、こうした違法行為を取り締まる上では大変重要だというふうに思います。それで、今後、二重派遣を発生させないための再発防止対策について、県はどのように考えているのか伺いたいと思います。 42 ◯佐藤労政・能力開発課長  二重派遣の再発防止策についてお答えいたします。  まず、この件につきましては、昨年4月に新聞報道がございまして、県からは、その法律を所管する青森労働局のほうに対しまして的確な対応を要請したところでございます。  それから1年余りの調査を経まして、今回、行政処分というのが出されましたけれども、二重派遣については、まず権限を有する青森労働局が引き続き指導・監督をしていただくということが重要であると考えております。  それから、県といたしましても、今後こういうことがないように、青森労働局とこれまで以上に連携を図りまして、例えば、法令の遵守について周知を図るですとか、委員、今、御指摘ございました労働相談について、今、県でもやってございますけれども、そういうことについて周知を図ってまいりたいというふうに思っております。 43 ◯安藤委員  ぜひ、県としては相談窓口の充実を強化していただきたいというふうに思います。それから、抜本的な今回のような問題が引き起こされないためには、やはり派遣労働者を簡単に使えるような、行われてきた派遣労働法の改正というものが問題だったというふうに思います。今、必要なのは、派遣労働法の抜本改正というものが目指さなければいけない問題だなというふうなことを感じています。  雇用については正規雇用というのが当然だというふうな取り組みがされるように、今後、県としてもぜひ声を上げていただきたいと思います。特に、原燃の施設などについては、大変重要な、安全性も確保しなければいけないという重要な仕事ですので、正規雇用というのは当たり前だというふうに考えますので、その辺についても、労働者の安全を守るという意味からも、ぜひ声を上げていただきたいということを申し上げまして、この質問は終わります。  次に、緊急人材育成支援事業についてです。前の委員会でも質問させていただきましたが、6月の完全失業率が5.4%、青森県の有効求人倍率は0.29倍と、依然厳しい状況になっています。そうした中で、今回打ち出されている緊急人材育成支援事業というのは、期待もされております。私の周りにも、とにかく仕事が見つからなくて、雇用保険も底をついたと、期限が切れたということで、生活することも困難だという方々の相談もたくさん受けています。  そこで質問したいんですが、緊急人材育成支援事業における県内の基金訓練の見通しについてお伺いします。 44 ◯佐藤労政・能力開発課長  県内の基金訓練の見通しについてお答えします。  緊急人材育成支援事業における基金訓練は、雇用保険を受給できない方などへの職業訓練といたしまして、国の平成21年度補正予算によって新たに創設され、専修・各種学校ですとか教育訓練企業、NPO法人、社会福祉法人などが中央職業能力開発協会というところから訓練実施計画の認定を受けて実施するということとされております。  県内の基金訓練は、現在のところ5つの機関で延べ13コースが中央職業能力開発協会のほうに申請中ということで、これらのコースが認定されれば、順次、ハローワークの窓口ですとか職業能力開発協会のホームページのほうで公表されて訓練を実施するということになっておると聞いております。 45 ◯安藤委員  この事業は、基本的には雇用保険を受給できない人というのが条件になっているかと思うんですが、例えば、先ほど申し上げましたように、雇用保険を受けていた方が期限が切れてしまったという方たちもいるわけなんですが、こういう方たちは対象にはならないんでしょうか。 46 ◯佐藤労政・能力開発課長  先月もお答えしたかと思いますけれども、切れた方でも、今、受けていない方であれば対象となるということでございます。 47 ◯安藤委員  もう一つの質問ですが、訓練・生活支援給付金の周知と申請状況について伺いたいと思います。 48 ◯佐藤労政・能力開発課長  訓練・生活支援給付金は、雇用保険を受給できない方がハローワークのあっせんによりまして、基金訓練または公共職業訓練を受講する場合に、一定の要件を満たせば訓練期間中の生活保障として支給される制度でございまして、支給額は、被扶養者のいる方が月額12万円、それ以外の方が月額10万円となっております。  訓練・生活支援給付金は4月29日から実施されましたが、まずは、その時点で県が実施する公共職業訓練を受講している方も、要件を満たせば支給対象となることから、訓練受講者のうち雇用保険を受給できていない方に対しまして、リーフレットの配布ですとかハローワークによる説明等を行いまして周知を図ったところでございます。  現在、県が実施している公共職業訓練を受講している方のうち、訓練・生活支援給付金の支給対象となる方については、順次、申請の手続きを行っているところでございます。 49 ◯安藤委員  とりあえず生活・支援給付金が入るということは大変助かることなわけで、この対象になる方たちへの周知をぜひ徹底していただきたいというふうに思います。ハローワークを通してという方が多いかと思うんですけれども、ハローワークと県もぜひ連携して周知を徹底していただきたいということを申し上げまして、この質問を終わります。  最後ですけれども、ふるさと雇用再生特別対策事業及び緊急雇用創出対策事業について、両事業の現在の雇用状況と今後の県の取り組みを伺いたいと思います。 50 ◯佐藤労政・能力開発課長  お答えいたします。  まず、緊急雇用創出対策事業につきましては、これまで国の確認を受けた事業につきましては、県で90事業、市町村266事業の合計356事業で、これらに伴う新規雇用の予定者数は3,434人となっております。一方、ふるさと雇用再生特別対策事業につきましては、これまで国の確認を受けた事業が、県で44事業、市町村で77事業の合計121事業で、これらに伴う新規雇用予定者数が518人となっております。  また、事業の実施に伴う雇用状況につきましては、8月7日現在の聞き取りにより把握した人数でありますけれども、緊急雇用創出対策事業が1,526人、ふるさと雇用再生特別対策事業が378人となっております。  今後の取り組みといたしましては、まず、緊急雇用創出対策事業につきましては、事業概要ですとか求人の予定などについて、現在も県のホームページや各ハローワークで情報発信しておりますけれども、これを引き続き実施することによりまして、県民への周知に努めるとともに、より多くの方々に雇用機会を提供できますように努めてまいりたいというふうに考えております。  また、ふるさと雇用再生特別対策事業につきましては、追加の事業提案を受け付けているところでございまして、特に市町村に対しては、去る7月27日に担当者会議を開催するなど、今後とも事業構築を働きかけるなど積極的な活用を図ってまいりたいと思っております。  県といたしましては、引き続き、ハローワークなどの関係機関と連携いたしまして、緊急雇用創出対策事業及びふるさと雇用再生特別対策事業の活用により、雇用・就業機会の創出に努めてまいりたいというふうに考えております。  以上です。 51 ◯安藤委員  失業している方にとっては、短期間でも職に就けるということは非常に助かることであり、周知を徹底して、その仕事に就ける方をぜひ多くしたいというふうに思います。  それで、ふるさと雇用再生特別対策なんですけれども、市町村分の当初予算額の新規雇用枠が400人に対して257人の予定者数となっています。188人の新規雇用者数という実態なんですが、この予算分に対して新規雇用予定者数と雇用者数に差がかなり大きくあるなというふうに思います。緊急雇用創出対策事業に比べてもその差が大きいというふうに思います。それで、先ほどの答弁では、市町村の担当者の会議を開いたということなんですが、市町村のほうで、なかなか予算どおり進んでいかないということについての理由はどんなふうに考えておられますか。 52 ◯佐藤労政・能力開発課長  お答えいたします。  特に、ふるさと雇用再生特別対策事業の市町村分につきまして、なかなか進んでいないということでございますけれども、伸び悩んでいる要因といたしましては、本事業がまず民間企業などへの委託事業となっておりますことから、まず、相手先を見つける必要があるということと、それから、事業終了後に雇用の継続性というものが求められておりますことから、なかなか委託先の選定ですとか、あとは、事業の構築というのが難しいというのが要因として挙げられると思っております。  県といたしましても、継続的な雇用が見込まれる市町村事業の早期の構築に向けまして、先ほども申し上げましたが、市町村の担当者会議を開催いたしまして、ほかの自治体の事例ですとか、そのほかの各種の情報提供のほか、必要に応じて事業の計画の策定につきまして、個別に市町村に対してアドバイスを行うなど、今後とも市町村の事業の構築を積極的に働きかけてまいりたいというふうに思っております。 53 ◯安藤委員
     国が示したふるさと雇用再生特別対策事業ということ、そして、緊急雇用創出対策事業、これは、せっかく掲げた予算どおり進まなければ、当初の雇用創出というのが短期間でも見込まれないし、特に、ふるさと雇用再生特別対策のほうでは、正規の雇用につなげるという意味合いがありますので、ぜひ、これらの雇用がしっかりと結びついていくように期待をしたいというふうに思います。よろしくお願いします。 54 ◯夏堀副委員長  ほかに質疑はありませんか。  [「なし」と呼ぶ者あり]  ないようでありますから、これをもって商工労働部関係の審査を終わります。  午さんのため、暫時休憩いたします。なお、再開は午後1時からといたします。 ○休 憩  午前11時51分 ○再 開  午後 1時00分 55 ◯夏堀副委員長  休憩前に引き続き、委員会を開きます。  エネルギー対策局関係の審査をいたします。  暑い折から、上着を脱いでもよいことにいたします。  それでは、特定付託案件について質疑を行います。  なお、質疑は所管外にわたらないよう簡明に願います。  質疑はありませんか。──安藤委員。 56 ◯安藤委員   一点目は、再処理の竣工時期が16回延期され、決められた8月もあと10日と迫っております。そこで、本年8月とされている再処理工場のしゅん工が事実上不可能であることについて、県の見解を伺いたいと思います。 57 ◯八戸原子力立地対策課長   日本原燃株式会社では、「8月末までにガラス固化施設に係る作業の状況等を踏まえ、しゅん工に係る適切な見通しを検討する。」としております。   県としては、事業者において、安全確保を第一義に、当面する課題を一つ一つ着実に解決して、しっかり安定運転を実現することが重要であると考えております。今後とも安全を最優先に進めていただきたいと考えております。 58 ◯安藤委員  県も大変いろいろと心配をされていると思うのですが、今後の竣工時期延期について、原燃のほうから県への打診はあるのでしょうか。 59 ◯八戸原子力立地対策課長  この竣工時期は、法に定めています工事計画、これを国に提出すると、変更があったら提出するということになっております。あくまでも事業者、国の間でそれがなされるものと考えております。県には事前にそういった竣工時期に関して、一切お話はございません。 60 ◯安藤委員  「じっくり腰を据えた取り組みを」と、核燃料サイクル協議会で三村知事が発言をしてきております。しかし、原燃が新たな工程を示せないのは、ガラス固化体製造試験の見通しが全く立たないためではないかという報道もされております。そういうふうな県の姿勢と現実の状況を見据えたときに、県としては、知事の言う「じっくり腰を据えた取り組み」ができる期間というのが大体どのくらいの期間を想定されるのかお答えいただければと思います。 61 ◯八戸原子力立地対策課長  事業者が定める竣工時期について、県がいつまでが妥当なのかということは、一切県としては申し上げる立場ではございません。あくまでも日本原燃株式会社では8月末までに、8月竣工となっていますので、8月末までに、今現在の作業状況を踏まえて、さらに、原燃が言うさまざまなリスク要因を考えながら、今後の適切な竣工時期を見通していくべきと考えているところでございます。 62 ◯安藤委員  今度の延期期間がどのくらいになるのか、それは発表を待たないと定かではありませんが、見方としては、竣工そのものが難しいのではないか、そういうふうな声もあるということをお知らせをしながら、一応、この問題については終わります。  次の質問ですが、日本原燃株式会社への労働者の二重派遣が行われたことは、トラブルなどの要因にもなるというふうに思いますが、県の見解を伺いたいと思います。再処理工場という非常に特殊な職場環境の中で、こうした雇用主体がはっきりしないような、このような二重派遣が行われたということは、非常に大きな問題であり、そうした中での県の見解を伺いたいと思います。 63 ◯八戸原子力立地対策課長  お尋ねの二重派遣の問題については所管外でございますが、県としましては、二重派遣に起因して、安全管理上の問題が生じたというふうには聞いていないところでございます。 64 ◯安藤委員  この間、トラブルが非常に続いて、保安規定違反も指摘されるという、そういう事態があったわけで、そういうふうな原燃の体質が生まれたという、その背景には、このような二重派遣で雇われた労働者が現場にいたということは、全く関係ないというふうには言えないのではないかと思いますが、再度見解を伺いたいと思います。 65 ◯八戸原子力立地対策課長  委員御承知のように、日本原燃ではさまざまなミス、トラブルが続いているわけでございますが、その原因を究明して二度と起こらないように、再発防止を徹底していくことが重要かと思っております。これまでのところ、二重派遣が原因でミス、トラブルが起きたということは聞いていないわけでございます。ただ、二重派遣というのは長期間にわたって見過ごされてきたということでございますので、今後はチェック体制をですね、しっかり強化してやっていきたいというふうに考えております。 66 ◯安藤委員  今、お話にあったように、原燃がこの二重派遣に5年間も気づかなかったと、こういうこと自体がやはり原燃の体質を物語っているなというふうに思います。こうしたことが繰り返されないように、県としてもぜひ厳重な申し入れをしていただきたいし、監視をしていただきたいというふうに思います。  次の質問に移ります。次は、プルサーマルについて質問いたします。  プルサーマルについては、この計画をめぐって日本全国で中止を求める運動が進められてきています。福井県高浜町では、プルサーマル計画の是非を問う住民投票条例の制定を求める直接請求署名が行われましたし、新潟県でも柏崎市と刈羽村で、住民投票条例制定を求める請願署名が取り組まれて、確定署名数でいずれも有権者の3割を超えたということがありました。  また、最近では、ごく最近ですけれども、「茨城県原発を考える会」が東海第2原発の酷使について、プルサーマル計画の中止や60年運転を想定した高経年化対策の問題点、不適切な耐震安全評価の3項目で交渉をしています。また、「佐賀県原発問題対策会議」と「玄海原発対策住民会議」は、両会長連名で佐賀県議会議長あてに、九州電力玄海3号機へのプルサーマル導入の延期を求める請願を提出しています。これを受けて、佐賀県議会が、知事と九州電力に対して、プルサーマル実施の延期と計画自体の再点検、再検討を求める意見書の提出を求めております。  こういうふうな状況の中で、最近配られてきました「AE原子力だより」というのを見ましても、プルサーマルの記述があるんですが、こうした住民の持っている不安というものに対して十分にこたえていない広報の仕方だなということを強く感じています。  そこで質問したいのですが、プルサーマルの安全性に対する県の見解についてお伺いします。 67 ◯八戸原子力立地対策課長  国によりますと、現在の軽水炉におきましても、プルトニウムの核分裂によって発生するエネルギーが全体の約3分の1を担っていると。プルトニウムによる核反応の評価というのは既に確立されているところであります。それからMOX燃料については、諸外国で多くの実績があり、安全上の課題も見当たらないとしております。そういうことから、プルサーマルについては、ウラン燃料と同等の安全性を確保できるとしております。また、国としましては、プルサーマルの実施に、プラントごとに厳正な安全審査、安全規制を行って安全確保に万全を期していくとしております。 68 ◯安藤委員  2010年までに16基から18基のプルサーマル導入の計画が5年延期になったということがあったわけですが、この計画どおりに進まなかった理由の一つに、プルサーマルについての安全性への不安が地域で起きているということも一つの要素ではないかというふうに考えるのですが、この点についてどのような認識を持っておられるでしょうか。 69 ◯八戸原子力立地対策課長  今、申し上げましたように、プルサーマルを実施しても、それは現在のウラン燃料と同等の安全性を確保できるという国の確認結果が出ているわけでございます。基本的には県としても、プルサーマルの実施による安全性というのは確保できるというふうに理解しているところでありますが、いろいろプルサーマルに反対する団体等もございます。このプルサーマルに対する安全性というものについて、広聴広報活動の面で、より一層充実強化していく必要があるものというふうに考えております。 70 ◯安藤委員  プルサーマルの危険を指摘した米核管理研究所のライマン報告というのが出されていますが、この方の報告について、もし見解をいただければと思いますが、いかがでしょうか。 71 ◯八戸原子力立地対策課長  申しわけございませんが、今、突然言われましても手元にございませんので、申しわけございません。 72 ◯安藤委員  その点につきましては、後ででも結構ですので、見解をお寄せいただけましたら、よろしくお願いします。 73 ◯夏堀副委員長  安藤委員のところに直接来ていただければいいということですね。 74 ◯安藤委員  はい、それで結構です。 75 ◯夏堀副委員長  わかりました。お願い申し上げます。 76 ◯安藤委員  それから、先ほどの県の答弁では、国が安全性を確保できると言っているので安全性に問題ないのだという県の立場が示されましたが、科学者の方たちの中で具体的な危険性について、いろいろな指摘がされています。その指摘された危険性について、どのような見解を持っておられるのかお聞きしたいのですが、その一つは未装荷の燃料に大量のプルトニウムが存在することは、燃料の製造、輸送、貯蔵の各局面でプルトニウムの取り扱いに伴う困難に直面することになると。2つ目は、原子炉運転時の燃料棒の効きが悪くなる問題があるということ。3つ目は、原発事故時の問題としては、大事故、小事故にかかわらず、プルトニウムの環境汚染や被爆の特徴が大きな問題の中心となっているというふうに言われています。この3点について、どのように受けとめられるでしょうか。 77 ◯八戸原子力立地対策課長  県のほうから安全審査の内容について、その評価を申し上げることはできませんが、今、委員が御指摘された3点につきましては、国におきまして、慎重に、かつ厳正なるチェックをしております。例えば、MOX燃料を使用しても原子炉の制御が十分可能なのかどうか、あるいはそのMOX燃料が損傷したりすることはないのか、そういった核的な性質、あるいは、燃料の振る舞いとか、さまざまな観点から安全審査において厳正にチェックされてきているというふうに受けとめているところでございますので、そういう原子力安全・保安院、それから原子力安全委員会のダブルチェックにおいて、厳正なる安全審査を経てプルサーマルの実施がなされていくというふうに考えています。 78 ◯安藤委員  具体的な県の認識もぜひ伺いたいところでしたが、このプルサーマルにかかわっての指摘の中には、ほかにも再処理にかかわる問題とか、それからMOX燃料の高レベル放射性廃棄物の処理の問題などについても、いろいろな問題が指摘されています。それは質問という形ではなく、こういうふうな問題点が指摘されているということでちょっとお話しをしたいのですけれども、「使用済みのプルサーマルのMOX燃料を再処理して取り出したプルトニウムは、通常の軽水炉燃料を再処理して取り出したプルトニウに比べて、核分裂性のプルトニウム239の割合が減って、燃えないプルトニウム240などを多く含んでいる。このようなプルトニウムを高次化プルトニウムと呼ぶ。もしMOX燃料を繰り返し再処理して使えば、高次化はさらに進む。要するに、プルサーマルは毒性が強くかつ利用価値も低いプルトニウムを大量に生み出すことになる」というふうに指摘されています。  処理の問題については、「高次化したプルトニウムは、高レベル廃棄物の処分にも大きな影響を及ぼす。燃えないプルトニウム同位体を含むプルトニウムは、もはや使い道がないので廃棄しなければならない。半減期などの点で、高次化したプルトニウムは、廃棄物としてはマイナーアクチノイドの一種とみなすことができる。プルサーマルを進めることは、このやっかいなマイナーアクチノイドをせっせと増やすことを意味しており、高レベル廃棄物の処分に関して、やっかいな問題を抱え込むことになる」ということで、プルサーマルを導入することによって再処理の問題や、最終処分の問題でも大きな問題をはらんでいるという指摘があるということを強調しておきたいと思います。  そして、プルサーマルは安全だと言っておりますけれども、プルサーマルを導入する動機が、原子力利用の安全性、健全性という視点で導入されたものではないということは、このことが非常に重要だというふうに考えています。そういう状況の中で、この安全性ということに対しての疑問は払拭されないということを強調しておきたいと思います。  次の質問ですけれども、大間原発におけるフルMOXの安全性に対する県の見解を伺いたいと思います。
    79 ◯八戸原子力立地対策課長  フルMOXの安全性につきましては、安全審査の基本的な考え方をまとめた「フルMOX報告書」というものが国において出されています。その報告書におきましては、「全MOX燃料装荷炉心におきましても、従来のウラン燃料装荷炉心と大きく変わらない特性を有する炉心設計が可能である」とされているところであります。  県としましては、大間原子力発電所につきましては、国において、フルMOXの特性を十分に考慮した、慎重かつ厳正な安全審査が行われ、設置許可がなされたものと認識しております。 80 ◯安藤委員  フルMOXでも安全というのであれば、操業当初からフルMOXという形で始められるのでしょうか。 81 ◯八戸原子力立地対策課長  当初からフルMOXという形ではなく、最初は3分の1装荷から徐々に入っていきます。その際には、安全性を十分確認しながら、徐々にフルMOXにもっていくというふうに聞いております。 82 ◯安藤委員  今の説明を聞いても、安全だと言いつつも3分の1から始めるというところに大変危惧を感じます。その点に矛盾があるのではないかなというふうに思います。日本ではまだプルサーマル導入が開始されていない中で、同時進行でフルMOXの建設も進めていくということに大きな問題があるなというふうに感じています。世界でもフルMOXの稼働はないという中で、MOX燃料3分の1から始めるということ自体、世界的に見ても、日本の大間原発で実験の一つとされるような、そういう事態なのではないかというふうに強く危惧します。地元や、それから函館方面の方たちからも、フルMOXに対する安全性への不安というのは非常に高いということも実際にあるわけですので、県としては、やはりフルMOXの安全性ということに対して十分な説明といいますか、そういうものがなければ、ただ国が安全だと言っているから大丈夫だというのでは、決して理解が得られないというふうに思います。フルMOXでなくてもプルサーマル導入ということでもいろいろな危険性が指摘されている中で、世界初というフルMOXは危険が非常に大きいのだということを強調しておきたいというふうに思います。  次の質問に移ります。六ヶ所再処理工場を初め、県内の原子力施設にかかわる市民団体等からの申し入れ状況について伺います。 83 ◯八戸原子力立地対策課長  県内の原子力施設に係る過去3カ年の市民団体等からの申し入れ状況を申し上げますと、平成18年度が32件、平成19年度が30件、平成20年度が27件となっております。  このうち、六ヶ所再処理工場に係る申し入れ件数は、平成18年度が32件のうち30件、平成19年度が35件のうち25件、20年度が27件のうち24件を占めております。 84 ◯安藤委員  再処理施設にかかわる申し入れが大きいということですけれども、その申し入れの主な内容というのは、どういうことになるでしょうか。 85 ◯八戸原子力立地対策課長  多くが六ヶ所再処理工場に係る申し入れなわけですが、内容につきましては、主に本格操業に係る安全協定を締結しないようにと、それから本格操業を中止するようにといった内容が多くなっております。 86 ◯安藤委員  県内はもとより、全国あるいは世界の中で六ヶ所の安全性なり、放射性物質が一般の原発の1年分の放射能が六ヶ所再処理工場では1日で排出されるということに対しての危険性の声が日本中あるいは世界の中から起きているわけですが、先ほどの申し入れとのかかわりで、県外の皆さんからの申し入れの状況というのはいかがでしょうか。 87 ◯八戸原子力立地対策課長  県としては、県民の安全・安心を確保するという観点から、基本的には、県民が参加する市民団体等の申し入れを受けるとしております。ただ、県内の方と御一緒に県外の市民団体の方が参加されている場合がございます。それは平成18年度は7件、平成19年度が17件、平成20年度は10件となっております。 88 ◯安藤委員  こうした皆さんの、県内外の皆さんの声ということに対して、県は真摯に受けとめる必要があると思います。そして、県の原子力政策に対する方針、見解というものも十分、市民団体の皆さんからの申し入れを生かすべきだというふうに思いますが、こうした申し入れ内容がどの程度、県の政策に取り入れられているのか伺います。 89 ◯八戸原子力立地対策課長  県内の市民団体等の申し入れに対しては、まさしく真摯に対応し、断っている例はございません。さまざまな質問状に対しても、精一杯誠意をもって回答しているところでございます。いろいろな意見がございますので、それについては十分参考にさせていただいているところでございます。 90 ◯安藤委員  次の質問に移りますが、この間、六ヶ所再処理工場にかかわるトラブルや作業ミスが続きました。こういう中で、県内外の消費者の方たちから、内容はよくわからないけれど、いろいろなことが起きているということに対しての不安の声がありまして、とりあえず青森県のものは買わないでおこうという声も実際にあるわけです。そこで伺いたいのですが、六ヶ所再処理工場にかかわるトラブル、作業ミスが続いているが、これにより青森県のイメージダウンを招き、風評被害につながるのではないかと考えるが、県の見解をお伺いします。 91 ◯八戸原子力立地対策課長  風評被害の発生を防ぐためには、まず国及び事業者において、原子力施設や放射線等に対する国民の理解を促進するとともに、トラブル等が発生した場合においては、事業者が迅速かつ正確な情報提供をし、安全性の周知徹底を図ることが重要であると考えています。  こういう観点から、県としては、国及び事業者に対しては、情報公開の徹底や広聴広報事業の一層の取組強化を求めてきているところでございまして、県みずからも県民の理解促進のために、県民の目線に立った広聴広報活動の充実に努めているところでございます。 92 ◯安藤委員  風評被害認定委員会というのがあるというふうにお聞きしましたが、この委員会で認定審査が行われた実績というのはいかがでしょうか。 93 ◯八戸原子力立地対策課長  これまで申立を受理し、その被害認定事務に当たったということはございません。ただ、平成18年2月に十和田市の農業従事者から風評被害の申立がございまして、その際には、日本原燃株式会社との協議が不調に終わったために申立をしたということでございましたけれども、この風評被害認定委員会において協議した結果、まず、その被害者とそれから日本原燃株式会社との協議が不十分であると、さらに協議を重ねてほしいということで、その申立を受理しないという決定がなされた経過がございます。 94 ◯安藤委員  特に、先ほどおっしゃられた平成18年には、十和田の農業者から申立があったということなのですけれども、生産者の方たちに対する風評被害のこういう委員会があって、こういう申立という方法があるというふうなことについての周知というのはされているのでしょうか。 95 ◯八戸原子力立地対策課長  これまでも何回か広報誌等に取り上げ広報してきた経緯がございますが、毎年、風評被害認定委員会が設置されて、申立を受けていると、そういう定期的な広報というのはしていないところです。 96 ◯安藤委員  していないということのようですので、やはり定期的にぜひ広報をしていただきたいというふうに思います。風評被害が続発するということが起きてはもちろんいけないわけなんですけれども、風評被害が起きないようにするためには、一番、より近い措置というのは、やはり六ヶ所の再処理工場をストップさせるということが風評被害が起きないということになるというふうに思います。しかし、実際に風評被害という事態がもし生産者の方にあるということがあれば、きちんと対応できるような仕組みと、それから広報の徹底を要望したいというふうに思います。 97 ◯夏堀副委員長  ほかに質疑はありませんか。──山内崇委員。 98 ◯山内崇委員  この前ですね、私、海外調査に行ってまいりまして、フランスの原子力庁の研究施設ですとかさまざま見てきたわけでございますが、その際、フランスでは旧型の原子炉から新型にこれから切りかえていくというふうな世代交代の時期を迎えておりました。さまざま、いろいろ勉強させていただいてきたのですが、都合2度ほど行って、ラ・アーグの再処理工場、あるいはメロックスのMOX工場ですとか、さまざま行ってきたわけなんですよ。  今、いろいろ議論になっておりますが、プルサーマルは、実際問題、進むのはゆっくり進んでいくということになろうかと思いますけれども、一体、反対される方というか、反対も賛成もそれはいいわけですが、自由にあるわけですけれども、どういう点がこのプルサーマルの場合は、とりわけ問題になっているのか、危惧されているのかというのが、どうも私にはいま一つピンと来ないわけでございます。それがまず1点ですね。どういう点がそうなのかなと。  つまり大間については、フルMOXということで前提にしておりますし、私どもは再処理工場を持っておりますから、当然この後、MOX燃料も生産をしていくという形になるわけです。となれば、東通を含めて当然、県内の原発こそプルサーマルの対象にすべきだと思うのでございますけれども、そうすべきだとはなかなか今の段階で、行政の立場では言えないとは思いますけれども、何か問題があるのかと。答えづらいところは結構ですから、答えやすいレベルで答えてもらえればと思います。  この2点について、最初伺います。 99 ◯佐々木エネルギー総合対策局長  御質問2点いただいたと思います。  まず最初の、プルサーマルのいわゆる考え得る問題点というふうなお話でございます。これにつきましては、最終的にはもちろん県の立場としては進めるべき立場ということでの推進でございますので、いろいろ先ほど安藤委員の御質問にもございました申し入れもございますし、そういった中からくみ取って考えますに、やはり安全性の確保というところが一番最大のポイントなのかなと。これにつきましては、先ほど来、課長からも答弁申し上げておりますとおり、現在のプルサーマル進展の中で、それぞれのサイト、原発におきまして、国の厳正な安全審査というものが既に終了して終わったところもございますし、また現在進んでいるところもある、またこれから申請するところもあるというふうなことですが、いずれにしても所定の手続きでもって、それぞれのサイトで装荷した場合の安全性というものが厳正にチェックなされるであろうというふうに思っております。  また、フルMOXの場合におきましても、初装荷3分の1から順次フルMOXに移行してまいりますものは、我々が聞いている限りにおきましては、あくまでも経済性の適合性として、やはり最初から全炉心型でやりますと、輸送においても全炉心の分だけ特殊な容器を用意しなければなりませんし、またサイトにおきましても、一時的に保管するスペースといったものも全炉心に対応したスペースを確保する必要があります。それよりは、順次3分の1ずつですね、フルMOXへ移行するに当たって、そういう過程を経て経済性も確立させるということでございまして、決して安全性の観点からそういった対応をとっているというふうには聞いていないところでございます。  いずれにしましても、この点につきましては、徹底した情報公開なり広報活動の強化というふうなことを通じまして、国民理解の促進といったものが非常に大切であろうと思います。この点は、先のサイクル協議会におきましても、河村官房長官からもそういったことで国民の理解を得るためにやっていくと、国としても力を入れるというふうな言葉もいただいているところでございますので、今後ともそういった姿勢で、また県としてももちろん、そういった形で、広報につきましては基本にしていきたいというふうに考えてございます。  それから、県内の原発でのプルサーマルの実施ということでございますが、先般、5年延期ということで、現在、事業者側の計画としまして2015年までに全国で16ないし18基と。その中で東北電力としましては、女川のほうに現計画をもって揺るぎない方向で進むというふうな状況でございますので、県として、県内での導入というところを考えている状況にはないというふうに思います。 100 ◯山内崇委員  現段階では、県内の原発にプルサーマル云々という話は、それはないというのはわかるわけですが、MOX燃料の加工工場を六ヶ所にまず、あの再処理工場内につくるわけですよね。そうなったときに、一番近いところでMOX燃料を燃やさないで一体どこで燃やすのかというふうなことも、自然の成り行きとしては考えられるわけなので、将来の課題としては、これは当然念頭に置いておくべきではないかなと私は思うわけでございます。  それと、やはり産業政策としてのエネルギー政策、そういうことをもう少し県は前に打ち出してもいいのではないかと。安全・安心、これは当たり前の話であって、同時にエネルギーが青森県の産業を支えていく、青森県の経済を支えるその一つの柱になるんだということをもう少し自信を持って言わないと、エネルギー総合対策局の役割というのは何か。原子力を含めた、私が言うこともないんだけれども、新エネルギー、あらゆる分野においてですよ、これをきっちり進めて日本のエネルギー分野において先を走っていくと、それを引っ張っていくと、そういう地域をこの青森県につくろうということでやっているわけです。  再処理についても、今、さまざま困難に直面はしてきているけれども、フランスとて簡単に、はい、この方式でいきましょうといってできたわけではないわけですよね。行って初めてわかりましたけれども、かなりの本音の部分を聞いてまいりましたが、やはり数年を要しているわけでございます。ですから、そういうスパンの中で考えたときに、この日本が再処理技術を国産技術として持つことの意義、この意義というのは極めて大きいし、日本の国益にかなうわけであります。  これからの核の不拡散、あるいは平和利用というのを考えたときに、我々はどう対処していかなければならないのか。中国、アジア全域、インドも含めてですけれども、そしてロシア、こういう地域を見たときに、日本の再処理技術は、間違いなく地域の原子力を支えていく、こういう高い目標というものを持って我々は進んでいかなければならないと、私はこう思っております、私の自論として。  同時に、今、私たちの足元に目を向けたときにはですね、電源三法交付金、あるいは核燃税、これを無視できないところまで来ているわけです、きれいごとではなくて。ですから、そういうことも含めて原燃自体が今、本体で2,400名の雇用を抱え、協力会社も1,000名を超えると。この結果、六ヶ所は不交付団体としてやっているわけですよね。ですから、いろいろな部分がありますけれども、こういう総体で考えたときには、やはりもっと前に出てですね、産業政策、青森県を支えていく経済のその一つの柱としてエネルギー分野というものをもっと高らかにうたい上げていく必要があるだろうと。そのための努力というのは、エネルギー総合対策局が中心になってやってきているというのは認めますけれども、もっと骨太の部分を出していってもいいのではないかと、そういうふうに思いますが、少し大きい話になってしまいましたから、局長がまとめて答えてくれるといいと思いますけれども、そういう大きい部分でですね、私はもう少しエネルギー総合対策局がその方向にシフトしていってもいいのではないかと。だから、三役、知事含めてですね、安全・安心、それも大事だ。それで、核燃サイクル協議会をやって、高レベルの最終処分地にはしないという、書類を持ってくるのも結構だけれども、もっとこのプラスの側面というものをしっかりとやって、そしていろいろな問題、マイナスの部分も含めてですよ、評価をしていくと、これが正しいあり様ではないかというふうに思いますので、その点について、ひとつコメントがあればお願いします。 101 ◯佐々木エネルギー総合対策局長  ただいま、さまざま高い観点からの御指摘をいただいたと思います。本県としましては、これまでも核燃料サイクル政策、国策に沿う重要な事業だというふうなことで、安全確保を第一義として、あくまでも地域振興に資するという前提でこれにかかわってまいったわけでございます。そういった意味で、地域振興というのを具体的に掘り下げるならば、ただいま委員がおっしゃったとおり、やはり地域産業の振興を通じたいろいろな産業づくり、そういった方向をさらに強めていくということが最終的な一つの姿なのかなと。  一方、21世紀を展望したときによく言われますのが、エネルギーと食の時代だと。大きな課題がある世紀になるというふうなことですが、本県は幸いこの2つに関しましては、それぞれ大きな優位性を持っている、本県の優位性のある資源だというふうなことでとらえております。その中で、エネルギーを所管する当局といたしましても、平成18年度にエネルギー産業振興戦略ということで、まさに委員の御指摘の問題意識のもとにですね、本県の持つポテンシャルをどう生かして、最終的に産業振興、産業クラスターの形成につなげていくかという大きな目標を平成18年度に掲げてございます。  そういうことで現在、その大きな方針のもと、新エネルギーはもちろん御承知のとおりさまざまな分野で進めてございますし、また原子力の分野におきましても、決して産業振興に腰が引けているということではなく、むしろですね、この辺も本県の強みというふうなことで、平成19年度に原子力人材育成構想という形でまとめ上げ、現在、その具体化に向けてさまざまな方策を検討しているわけでございます。  そういう中で、最終的には、原子力、放射線のさまざまな産業への活用方策、その場面を大学と企業の共同研究だとか、地域企業が参画したその取り組み、そういったことを通じてですね、新技術なり新製品、そして新産業、地場産業の確立といった、そういった大きな視点を持ちましてですね、先ほどの構想などについても、将来的に着実に進めるべく努力してまいりたいというふうに思っているところでございます。 102 ◯夏堀副委員長  ほかに質疑はありませんか。──一戸委員。 103 ◯一戸委員  私のほうから、大きくは2点についてお伺いしたいと思います。  先ほどもエネルギーの関係の話がありましたけれども、県内における新産業、あるいは新技術というのは、まさに本県にとって大変重要な課題でありますし、雇用拡大ということでも大変重要な政策になってくるのではないかなというふうに思っておるところであります。  そこで質問を、お聞きをしたいのはですね、平成20年度の事業として計画をされました、青森県先駆的水素事業化可能性調査にかかわる事業を計画をされたところでありますし、重点項目の予算として800万円程度の予算が計上され、内容的には水素エネルギー、燃料電池分野における技術革新の状況や将来性に鑑み、産学官の連携を通じて青森県における先駆的な組織や体制をつくっていく事業だというふうにお聞きをしてございます。この事業を通じて、本県産業の振興を図るそうでありますけれども、我が国の水素エネルギー、燃料電池分野の発展にもですね、やはり、今、電気自動車とかありますけれども、この水素エネルギーにかかわる研究分野というのは大きく進展をしていく状況ではないかと。そういうことで、この分野の将来に大きくかかわる事業、1年を経過した中でお伺いしたいわけでありますけれども、平成20年度青森県先駆的水素事業化可能性調査費補助金の内容について、どのようになっているのかお伺いしたいと思います。 104 ◯関エネルギー開発振興課長  目前に迫った水素社会ということに向けて、青森県の特色、独自性をどう活かしながらこれに向かっていくのかということでございます。補助金の内容につきましては、今、委員からお述べいただきましたので割愛させていただきますけれども、実績ということで、平成20年度ですけれども、県からの公募に対しまして2件の応募がございました。事業の選定委員会の審査を経まして、いずれも妥当だということで、2件採択させていただいております。  そのうちの1つですけれども、株式会社東芝の実施した事業でございます。この事業は、青森県内の産業ポテンシャルを活かすというところにポイントがございまして、県内のバイオマスであるとか、あるいは産業廃熱を利用した水素製造技術、あるいは利用技術の可能性を探るための調査検討を行った事業でございます。もう一つは、五所川原市の有限会社ビット・テックという部品メーカーが行った事業でございまして、水素電池の中にもいろいろなタイプ、いくつかのタイプがあるようでございますけれども、固体高分子形と呼ばれるタイプの燃料電池がございまして、その電池のうちのセルとかスタックと呼ばれる重要部品、要は電気を発生する燃料電池の核となる部品、パーツでございますけれども、その開発、事業化の調査を行ったという案件でございます。
    105 ◯一戸委員  今の2事業、東芝さんとビット・テックさん、こういうことで実績的に事業を展開しているということでありますし、専門的な用語がちょっと多過ぎて、具体的に何かと聞かれるとわかりづらいところもあるんですけれども、やはりわかりやすいように説明をしていくのもまた一つの方法かなと思います。  そこで、それはそれとしながらも、まさに水素エネルギーというか、こういったものをきちんとしていく場合はですね、対象事業がその後どのように、予算化をして2事業が入りましたけれども、どのように取り組んでいるのかについてお伺いしたいと思います。 106 ◯関エネルギー開発振興課長  なかなか専門外のものをわかりやすくというのは、不勉強でちょっと難しいわけでございますけれども、申し上げた一つ、ビット・テックの事業でございます。その中で、先ほど「スタック」というあまり聞きなれないことを申し上げました。要は燃料電池の核となる部分ですけれども、その部分につきましては研究の材料とか、あるいは学習教材用の燃料電池の部品として、この事業後に製品化されております。ビット・テックさんのホームページを開いてみてもですね、こんなことをやっていますという紹介がなされております。  また、東京都が国内の中小企業の販路拡大、それから企業間連携などのビジネスチャンス提供のために計画しております「産業交流展2009」というのが11月に東京ビッグサイトで開催される予定でございますが、県では同社を出展企業として推薦するなどの後押しをさせていただいているところでもございます。  それから株式会社東芝の案件についてですけれども、実証に向けた技術的な課題はおおむね解決しているということですけれども、実際のところの水素の需要であるとか、あるいは社会インフラ整備との調整ということもございますし、実証試験を行うためのプラント建設に多額の費用を要するといったこともございまして、経済産業省、あるいは環境省、NEDOなどの支援メニューを紹介するなどいたしまして、事業化に向けたフォローアップを進めさせていただいているという状況でございます。 107 ◯一戸委員  具体的なものとして、11月に東京で産業交流展に出展をしていくと。そしてまた東芝では実証試験プラントをつくっていくということがわかりましたけれども、では将来的に、この2つの事業ですけれども、水素社会への準備として、県としてですね、その成果をどう活かしていくのかについてお伺いをしたいというふうに思います。 108 ◯関エネルギー開発振興課長  全国を見てみまして、水素エネルギーの展開ということでございますけれども、全国の家庭で、これまで実証試験が進められてきました家庭用燃料電池が本年5月から一般販売されております。例えばエネオスさんの例などもございますけれども、水素エネルギーの利用が拡大しつつございまして、今後も一層の利用が期待されるものというふうに考えております。  県におきましては、平成17年度に「あおもり水素エネルギー創造戦略」ということで、青森県が今後の水素社会にどう向かっていくかという方向性を出しておりますし、その戦略を推進すべく平成18年度には推進母体である戦略会議というものを設立いたしまして、他に先駆けた取り組みを進めてきているところでございます。  このような中で、先ほど東芝の例で申し上げたのですけれども、国内でも先進的な技術を持った企業等が本県にかなり注目していただいているという非常にありがたいことでもございまして、今後、これまで支援してきた案件の事業化でありますとか、あるいは今後また新たな案件の掘り起こしであるとか、こういったことも進めまして、地域エネルギーの自立の向上、あるいは環境負荷の低減につながる持続可能な水素社会の実現ということに向けて、将来のことであるからということではなくて、今から一歩一歩、実現に近づけるように取り組んでいきたいというふうに考えております。 109 ◯一戸委員  意見になろうかと思いますけれども、先ほど言った原子力エネルギー、そしてまた新たなエネルギーということで今、水素エネルギーということで取り上げた部分だと私は思います。これもまた、非常に時間と経費と労力がかかっていくということになるんだと思います。そこで、単年度の事業になるようでありますけれども、私はやはり原子力のほかに、こういった大きな水素エネルギー、確立はされていないわけでありますけれども、一つの大きな政策の中にですね、きちんと組み入れて予算化をしていくと、このことが私は大事ではないかなというふうに思っています。  それと人材育成、水素エネルギーが始まってからの人材育成というのでは、私はやはり遅過ぎると、研究者、技術者、働く人、そういった一連の人材育成も含めてですね、この水素エネルギーの取り組みをしていくことが私は重要だと思いますし、きょう、あす、来年にできるようなものではないと。やはり夢を与えて、また青森から発信できるような、そういった産業にやはりしていくための取り組みをしていただきたいというふうに思います。  次の質問ですけれども、核燃料サイクル交付金にかかわる地域振興計画についてお聞きをしたいと思います。この核燃料サイクル交付金についてでありますけれども、平成18年11月に資源エネルギー庁が新たな交付制度ということで発足をさせたと思っております。交付金対象自治体としては、平成18年度までにプルサーマルの実施を受け入れた、受け入れに同意した県とか、あるいは平成22年度に中間貯蔵、あるいはMOX燃料加工施設といったサイクル施設の同意をした県が対象になっているようであります。  本県では、先日、新聞でも出ましたけれども、むつ市の使用済核燃料中間貯蔵施設、あるいは六ヶ所のMOX燃料、大間の原子力発電所が対象でありますし、交付額については1施設60億円、トータルで考えると180億円が交付されてくることになるわけであります。そこで、交付を受けるために経済産業省、資源エネルギー庁に対して提出をしなければならない地域振興計画というものがあるわけでありますけれども、その記事の中身を見ますと、当初の交付金については、今年度中の活用を計画をしていましたけれども、施設対象時期の見直しなどで延期をされたということで読ませていただきました。そこでお聞きをしたい1つ目はですね、核燃料サイクル交付金の前提となる地域振興計画の策定状況について、どのようになっているのかお伺いをしたいというふうに思います。 110 ◯八戸原子力立地対策課長  核燃料サイクル交付金の前提となる地域振興計画の策定につきましては、昨年12月に関係市町村から提出された事業計画を踏まえまして、県事業の選定作業を進めてきたところでございます。ことし4月に使用済燃料中間貯蔵施設及びMOX燃料加工施設の工程が変更されたことに伴いまして、充当事業等について見直し作業をこれまで進めてきたところです。  今般、見直し作業が終了しまして、地域振興計画案について、関係市町村の理解が得られたことから、去る8月13日に国に提出したところであります。 111 ◯一戸委員  この交付金制度における地域振興計画の公表ということについてでありますけれども、私もちょっと見ましたら、規則第7条第6項に経済産業大臣の交付決定後に明らかにしていくということになっているようでありますけれども、重要なのは今後の交付決定までのスケジュール、来年度の予算、本県にとっても大変厳しい中でこの交付金が出てくるというふうに思っていますけれども、具体的な交付事業の内容が明らかになる時期について、どのようになっていくのかについてお伺いをしたいというふうに思います。 112 ◯八戸原子力立地対策課長  国へ提出しました地域振興計画案は、今後、国による事前審査、それから外部有識者で構成する審査会による審査を経て、国の認定を受けることになります。その後、認定された地域振興計画に基づいて、各年度ごとに実施する事業につきましては、その年度に交付申請をして交付決定を受けるという手順になってまいります。  それから、地域振興計画の具体的な事業内容の公表時期につきましては、今後の国の審査の過程におきまして、変更も十分あり得ますので、先ほど委員からもお話がありましたように、交付規則に沿って国によってこの地域振興計画が正式に認められ、交付決定を受けた後になるというふうに考えております。 113 ◯一戸委員  国が認定をしなければ、なかなか明確に出ないということでありますけれども、私はやはり、早期に国が明確にするように、決定をいただくように努力をしていただきたいというふうに思いますけれども、そこで、それぞれ運転前と初期段階、運転段階ということで、それぞれ分かれているようでありますけれども、交付対象施設の事業の進展状況によっては、振興計画の見直し、あるいは交付の見直しということがあり得るのかどうかということについてお伺いをしたいというふうに思います。 114 ◯八戸原子力立地対策課長  本県の地域振興計画案は、対象施設となっております使用済燃料中間貯蔵施設、大間原子力発電所、MOX燃料加工施設、この運転開始スケジュール等を策定しているところでございます。  したがいまして、これら対象施設の運転開始時期の変更によっては、事業計画の見直しが必要になるということも想定されています。 115 ◯一戸委員  意見になると思いますけれども、合計で180億円、初期段階が30億円、運転段階で150億円ということで計画されるわけですが、初期段階の30億円については、それぞれ予定どおりになるのかもしれませんけれども、運転段階ということになると、それぞれの3施設の中で危惧をしなければならない点が私はあるのではないかなというふうに思っております。特に、県もそうでありますけれども、財政の厳しい市町村の中での運転段階後の予算、150億円になると、例えば工期が延期をされることによって、国の予算を見直しするということでありますけれども、ぜひ私はやはり原子力政策に理解をしていただいている市町村に対してですね、規則は規則としながらも、8年ぐらいとか実施段階ではトータルの期間が6年ですかね、ありますけれども、見直しをされたとしても、前期段階、それから運転段階という連続性をする事業も認められるとすればですね、そういった工事の変更があったとしても、県としてですね、ぜひそういった対応については早急に、影響が出ないような対応をしていただきたいというふうに思いますし、具体的に過去の事例も、1つそういう事例があったやに聞いているところであります。  これからますます県財政、市町村財政が厳しくなりますので、この交付金の活用についても、国からの指導もあるかもしれませんけれども、極力、県としての使えるものについて、十分検討、対応をしていただきたいというふうに思います。  以上です。 116 ◯夏堀副委員長  ほかに質疑はありませんか。  [「なし」と呼ぶ者あり]  ないようでありますから、これをもってエネルギー総合対策局関係の審査を終わります。  以上をもって商工労働エネルギー委員会を終わります。御苦労さまでございました。 ○閉 会  午後 2時05分 Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...