令和 2年 第7回 定例会令和2年第7回稚内市議会(定例会)会議録令和2年9月24日(木曜日)第2号 ○議事日程第1号 開議宣告
会議録署名議員の指名 事務局長の諸般の報告日程第1 議案第92号 令和2年度稚内市
一般会計補正予算(第8号) 議案第93号 稚内市
港ギャラリー条例の一部を改正する条例日程第2 市政に関する一般質問 ○出席議員(18名)議 長 岡 本 雄 輔 君副 議 長 横 澤 輝 樹 〃議 員 相 内 玲 子 〃 〃 伊 藤 正 志 〃 〃 近 藤 文 恵 〃 〃 佐 藤 由加里 〃 〃 鈴 木 茂 行 〃 〃 鈴 木 利 行 〃 〃 田 端 かがり 〃 〃 田 森 和 文 〃 〃 千 葉 一 幸 〃 〃 中 尾 利 一 〃 〃 中 村 公 博 〃 〃 藤 谷 良 幸 〃 〃 本 田 満 〃 〃 松 本 勝 利 〃 〃 吉 田 大 輔 〃 〃 吉 田 孝 史 〃 ○説明員市 長 工 藤 広 君副 市 長 川 野 忠 司 〃教 育 長 表 純 一 〃総 務 部 長 山 崎 智 〃ま ち づ く り 渡 辺 直 人 〃政 策 部 長建 設 産業部長 中 村 清 司 〃環 境 水道部長 近 江 幸 秀 〃教 育 部 長 佐 伯 達 也 〃監 査 事務局長 斎 藤 英 樹 〃
市立病院事務局長 松 谷 幸 浩 〃地 域 共生社会 高 師 伸 恵 〃対 策 監子 ど も子育て 細 川 早 苗 〃対 策 監地 方 創生課長 遠 藤 直 仁 〃特 命 担当主幹 太 田 真 大 〃財 務 課 長 野 村 和 博 〃総 務 防災課長 田 中 克 良 〃I T 担当主幹 新 井 俊 幸 〃防 災 担当主幹 小 室 宏 明 〃人 材 育成課長 堀 江 美 奈 〃税 務 課 長 菅 原 賢 〃総 合 窓口課長 山 谷 知 孝 〃
長寿あんしん課長 太 田 潤 〃
健康づくり課長 櫻 井 紀 之 〃宗 谷 支 所 長 渋 谷 崇 雄 〃沼 川 支 所 長 坂 本 政 仁 〃保 険 事 業 堀 昌 恵 〃担 当 主 幹観 光 交流課長 岡 田 丈 生 〃農 政 課 長 熊 谷 信 〃
農業委員会担当 深 貝 秀 人 〃主 幹サ ハ リン課長 西 角 尚 人 〃
サハリン事務所長 三 谷 将 〃
環境エネルギー 市 川 正 和 〃課 長くらし環境課長 板 坂 篤 樹 〃水 道 料金課長 川 田 智 之 〃水 道 施設課長 相 原 哲 哉 〃教 育 総務課長 秋 山 淳 一 〃学 校 教育課長 山 川 忠 行 〃社 会 教育課長 円 山 久 人 〃スポーツ・レク 中 村 直 樹 〃
レーション担当主 幹学 校 給食課長 西 村 和 重 君
市立病院庶務課長 手 塚 光 行 〃 ○
事務局出席職員事 務 局 長 中 川 徹 君庶 務 課 長 武 藤 俊 一 〃主 査 大 沼 拓 哉 〃書 記 足 立 麻 紀 〃 〃 三 宮 祥 平 〃 〃 小野寺 太 一 〃開会 午前10時01分
△1.開議宣告
○議長(岡本雄輔君) :ただいまから本日の会議を開きます。 ただいまの出席議員は18名です。 したがいまして、会議は成立いたします。 本日の
会議録署名議員として、本田満君、横澤輝樹君を指名いたします。 この際、事務局長が諸般の報告をいたします。
議会事務局長。
◎
議会事務局長(中川徹君) :御報告申し上げます。 本日の議事日程につきましては、お手元の日程表のとおりでございます。
△1.日程第1 議案第92号及び議案第93号
○議長(岡本雄輔君) :日程第1議案第92号令和2年度稚内市
一般会計補正予算案及び議案第93号稚内市
港ギャラリー条例の一部を改正する条例案を一括議題といたします。 本案のうち、まず、第92号を問題といたします。 本案に関する提案説明を求めます。 工藤市長。
◎市長(工藤広君・登壇) :ただいま上程されました議案第92号令和2年度稚内市
一般会計補正予算案につきまして、その概要を御説明申し上げます。 今回追加する補正予算は、本市が株式会社副港開発から稚内副港市場の建物の一部を譲り受けることに伴い、当該施設の管理に要する経費を追加するものであります。 先般の
市議会全員協議会の場におきましても御説明申し上げたところでありますが、副港市場は、本市にとりまして観光拠点の一つであるとともに、地域経済の活性化と発展を担う重要な施設であります。
新型コロナウイルス感染症終息後の市内経済の回復を見据え、本市として、この施設を閉鎖に追い込むことだけは避けたいと考え、当面の間、市が直営で管理を行っていくため、このたび関連予算を上程させていただきました。 また、商業施設としてテナントなどが入居できる市場棟につきましては、民間のノウハウが何より不可欠であり、市場機能の維持や観光客を中心とした食事提供などを必須条件に、民間事業者への売却に向け取り組んでいきます。 それでは、歳出から御説明申し上げます。 商工費におきましては、1,312万2,000円の追加であります。これは、稚内副港市場の建物の一部を市が譲り受けることに伴う施設の管理に要する経費の追加及び港ギャラリーの管理運営経費の減額であります。 教育費におきましては、312万2,000円の減額であります。これは、樺太記念館の維持管理経費の減額であります。 以上、歳出合計1,000万円の追加となります。 次に、歳入につきまして御説明申し上げます。 地方交付税におきまして880万9,000円の追加、財産収入におきまして38万8,000円の追加、諸収入におきまして80万3,000円の追加で、歳入合計1,000万円の追加となり、歳入歳出予算の均衡を図ったところであります。 以上が
一般会計補正予算の概要であります。 御審議のほど、よろしくお願いを申し上げます。
○議長(岡本雄輔君) :次に、第93号を問題といたします。 お諮りをいたします。 本案については提出者の説明を省略したいと思います。 御異議ございませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(岡本雄輔君) :御異議なしと認めます。 したがいまして、そのように決定をいたしました。 本案に対する審議の方法についてお諮りをいたします。 議案第92号及び第93号の2件の議案の審議については、
議会運営委員会の決定により、9月14日に設置された
議案特別委員会に追加付託をし、審査を行うこととしたいと思います。 御異議ございませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(岡本雄輔君) :御異議なしと認めます。 したがいまして、本案の審議については
議案特別委員会に追加付託をし、審査を行うことに決定をいたしました。 議事の都合により、暫時休憩をいたします。 休憩 午前10時06分 再開 午前10時07分
○議長(岡本雄輔君) :休憩前に引き続き、会議を開きます。
△1.日程第2 市政に関する一般質問
○議長(岡本雄輔君) :日程第2、一般質問を議題といたします。 質問の通告がありますので、順次発言を許します。 佐藤由加里君の質問を許します。 なお、持ち時間は20分となります。 佐藤由加里君。(
佐藤由加里議員、演台へ登壇・拍手)
○議長(岡本雄輔君) :暫時休憩をいたします。 休憩 午前10時08分 再開 午前10時08分
○議長(岡本雄輔君) :休憩前に引き続き、会議を開きます。 佐藤由加里君の質問を許します。
◆
佐藤由加里議員 :日本共産党の佐藤由加里です。 通告に従い、大きく5項目について質問をいたします。 第1に、コロナ禍における
生活弱者支援及び子育て支援の拡大充実について伺います。 1点目は、低所得者層への継続した政策の実施についてです。
新型コロナウイルス感染症の終息が依然として見えない中、感染対策として、どの家庭においても、マスクや消毒液、うがい薬の購入など、従来は必要としなかった経費が生じています。中でも
生活保護世帯をはじめ、低所得者世帯では、とりわけ、その負担が重くのしかかっています。 しかし、このような状況下でも、国は、3年計画の最終年として、この10月より生活保護基準の引き下げを行おうとしています。従来よりも支出が増えることに加え、扶助費の引き下げまで行われたら生活がますます苦しくなるのは明らかです。
生活保護世帯をはじめ、低所得者世帯に対して感染対策に必要なものに関しては、本市独自に、マスクや消毒液、うがい薬の支給なども含め、特別な
新型コロナウイルス対策として
生活弱者支援事業などを実施し、継続的な負担軽減策に取り組むべきと考えますが、見解を伺います。 2点目は、
福祉灯油支給事業の拡充についてです。 本市には、昭和56年度以来、継続して取り組まれてきた
福祉灯油支給事業がありますが、平成25年に支給量が減らされ、障がい者世帯150リットル、独り親世帯100リットルだったものから一律90リットルとされました。これから冬を迎えるに当たり、長引くコロナ禍の中で
インフルエンザの流行が重なることも心配されています。冬場の生活では何よりも暖を取ることが必要となりますし、適切な温度環境で過ごすことが病気や風邪の予防にもつながります。しかし、低所得者世帯にとっては、その対策そのものが困難な状況になることが予測されます。 生活弱者の健康を守り、さらに、罹患を防ぐ支援策の一つとして、今こそ
福祉灯油支給事業による支給量の上乗せを図るとともに、冬期加算が減額されてきた
生活保護世帯も対象とすべきと考えますが、見解を伺います。 3点目は、子どものワクチン接種に対する助成についてです。 この10月からようやくロタウイルスワクチンが定期接種となることで、主なワクチンはほぼ定期接種となり、保護者負担の軽減とともに、子どもの健康が守られることになりましたが、とりわけ、これからの時期は
インフルエンザワクチンの接種が始まります。 本市では、高齢者への助成は行っていますが、子どもに対する助成は行われていません。コロナ禍の今こそ、
インフルエンザワクチンへの助成を実施すべきであり、あわせて、いまだに未接種となっている
おたふく風邪ワクチンに対しても助成を強く求めるものですが、見解を伺います。 4点目は就学援助における休校中の給食費の取扱いについてです。
新型コロナウイルス感染症による影響で、小・中学校では4月、5月が休校となり、児童生徒や保護者には様々なストレスや負担が生じました。中でも、昼食に関しては、休校となったため、給食を食べることができず、各家庭での昼食への負担は、準備することと併せて、その費用も負担増となりました。 国では、このような事態に鑑み、
生活保護世帯への給食費に関しては、学校給食があったとみなし、返還を求めないこととする措置を取りました。あわせて、準要保護世帯、いわゆる就学援助世帯の給食費についても、国からは要保護世帯への対応趣旨を理解いただき、地域の実情に応じて適切に判断、対応いただくよう求める事務連絡が出されているところです。 この事務連絡に基づき、道内でも札幌市をはじめ、旭川市、函館市、苫小牧市、北見市などのほか、多数の市町村が準要保護世帯に給食費の支給を行っています。 本市においても、他都市同様、休校中の準要保護児童に対する学校給食費においては、学校給食があったとみなし、返還を求めないこととした
生活保護世帯と同様の扱いをすべきであり、準要保護世帯への給食費は支給すべきものと考えますが、本市における取扱いについて伺います。 第2に、多胎児育児への支援について伺います。 一昨年、愛知県の豊田市で、生後11か月の三つ子の次男を母親が床にたたきつけて死なせてしまったという大変悲しい事件が起きました。この事件をきっかけに、多胎児育児の実情が広く世間に知られるようになり、各自治体や
子育て支援団体などが再発防止の取組を始めています。 2019年には、多胎児育児のサポートを考える会が多胎児家庭の育児の困り事に関する
アンケート調査を実施し、約1,600件の回答があり、育児中につらいと感じた場面においては、複数回答で、「外出、移動が困難である」が89.1%、「自身の睡眠不足や体調不良」と「自分の時間が取れない」がともに77.3%、「大変さが周囲に理解されない」が49.4%との結果となっています。 また、「気持ちが塞ぎ込んだり、落ち込んだり、子どもに対してネガティブな感情を持ったことがあるか」との問いには、何と、93.2%の方が「ある」もしくは「あった」と回答しています。また、寄せられたコメントには、「多胎児は意味が分からないくらい毎日が戦争」「気が苦しい、死にたくなる」「虐待する気持ちも分かってしまう」「何度子どもを殺してしまうかもと思ったことか分からない」など、切実な実態が浮き彫りとなりました。 平成30年3月には、
一般社団法人日本多胎支援協会が多胎児家庭の虐待死リスクは、単体時に比べて2.5倍から4倍であるとも指摘しており、これらの現状に対する手厚い支援策が国及び自治体に求められています。 そこで伺います。 1点目は、本市における多胎児出産、育児の実態についてです。 本市における直近5年間の多
胎児出産件数と今年度の出産件数、あわせて、多胎児育児の困難さや生活実態などをどのように把握していて、どのような相談が寄せられているのか、伺います。 2点目は、支援やサポート体制の現状についてです。 一般的な妊産婦支援ではなく、多胎児特有の悩みや困難さに寄り添った支援が求められていると考えますが、本市における多胎児出産や育児に関して、具体的には、現在、どのような支援やサポート体制があるのか、伺います。 3点目は、多胎妊産婦への新たな支援策の実施についてです。 国では、孤立しやすい多胎妊産婦への支援策として、同じような多胎児育児の経験者との交流会の開催や相談支援事業などの
多胎ピアサポート事業や、
育児サポーターを派遣し、外出時の補助や日常の育児に関する介助を実施する
多胎妊産婦サポーター事業を開始していますが、本市でもこれらの事業に積極的に取り組む考えはないか、伺います。 第3に、
公立保育所再編計画について伺います。 1点目は、公的保育に対する認識についてです。 市長の公約及び教育長の
教育行政執行方針では、公立保育所の役割を未満児に特化した人たちとし、待機児童の解消を図るということがこの間に示されてきました。
民生文教常任委員会において、令和4年度には、港保育所と白樺保育所を統廃合し、その後、当分の間は白樺保育所において5歳児までの保育も継続するとの報告がされました。 このことは段階的に未満児に特化した公立保育所に移行する方針を持っていることにほかならない報告であると考えますが、公立保育所としての公的保育に対する認識について伺います。 2点目は、保育士確保の問題点についてです。 公立保育所を未満児に特化することの理由に、保育士確保が困難であり、1か所に集中することで未満児の待機児童の解消が図れるためと言われていますが、この間、未満児の待機児童をゼロにするための保育士確保の努力をどのように行ってきて、なぜ確保につながらなかったのか、伺います。 3点目は、保育士や
児童福祉関係者の受け止めについてです。 将来的には市長の公約や教育長が示しているとおり、公立保育所を未満児に特化した施設にする計画について、現場の保育士や保護者、
児童福祉関係者にはどのように受け止められていて、どのような意見が寄せられているか、伺います。 4点目は、子どもや保護者への影響についてです。 未満児に特化した保育所になった場合、幼児が3歳を迎える年に新たな環境の変化を強いられることになりますが、このことが成長過程にある幼児に与える影響についてどのような認識をお持ちか、さらに、きょうだい入所や新たな保活など、保護者に生じる様々な負担についてはどのようにお考えか、併せて答弁を求めます。 5点目は、就学前の一貫した保育の実施についてです。 公立保育所におけるこのような再編計画は、就学前の子どもへの本市の児童福祉に対する基本姿勢が問われる重要な問題であり、一部の関係者だけで決めていけるような事案ではないと考えます。 公立保育所での3歳から5歳における公的保育の放棄は、本市自らが児童福祉を軽視するようなもので、決して許されるものではありません。子どもの健やかな成長のためにも、就学前の一貫した保育の実施こそが求められています。年齢で断ち切るような
保育所再編計画における
待機児童解決策については、その撤回を強く求めるものですが、見解を伺います。 第4に、第8期
介護保険事業計画について伺います。 1点目は、廃止予定の事業及び新規予定事業についてです。 8月の
民生文教常任委員会で、第8期
介護保険事業計画において、廃止される予定の事業が報告されました。このほかにも廃止予定の事業があるのか、あわせて、新規に取組を予定している事業があるのか、伺います。 2点目は、第8期の計画において廃止予定となっている
介護保険事業を本市独自の福祉施策として継続して実施する考えはないか、伺います。 3点目は、介護保険料の見込みと抑制策についてです。 介護保険制度が始まってから20年、計画が更新されるたび、毎回のように保険料の引き上げが行われてきました。本市においては、制度導入時には、基準額が年額3万7,700円だったのが、今や6万3,000円となっており、市民にとっては大変な負担増となっています。 そこで伺います。 第8期における介護保険料の見込み額をお示しください。 また、現状よりも保険料の引上げが見込まれる場合は、
介護給付費準備基金を取り崩して、最低でも現状の保険料を維持し、可能な限り保険料を引き下げる計画を策定すべきと考えますが、見解を伺います。 さらに、現在の
介護給付費準備基金を全額取り崩した場合、1人当たりの保険料に対し、どれだけの引下げ、あるいは、抑制につながるのか、併せて答弁を求めます。 第5に、
DV防止基本計画について伺います。 DVは、配偶者または事実婚のパートナーなど、親密な関係にある男女間における暴力のことを指し、その被害者の多くは女性です。殴る蹴るなどの身体的暴力だけでなく、人前で暴言を浴びせたり、生活費を渡さないなどの精神的暴力や性行為の強要などの性的暴力も含まれます。これらの暴力の多くは、家庭という私的な生活の場で起こるため、ほかの人に見つかりにくく、長期にわたり繰り返し行われることで被害者に恐怖や不安を与え、深刻なダメージへとつながります。 また、このたびのコロナ禍の下、休業や休校、外出自粛要請などに伴い、自宅で過ごすことが増え、様々なストレスや先の見えない不安の中、全国的には、夫婦間での暴力、あるいは、子どもに対する虐待の被害が深刻化しており、従来の延長線上にとどまらない対策が必要となっています。以前より、市町村においては、
DV防止基本計画の策定に努めることとなっていますが、計画策定に対する本市の見解と今後の策定方針をどのようにお考えか、お示しください。 以上、大きく5項目について質問をいたしました。 答弁をよろしくお願いいたします。(
佐藤由加里議員、発言席へ着席)
○議長(岡本雄輔君) :議事の都合により、暫時休憩をいたします。 休憩 午前10時20分 再開 午前10時21分
○議長(岡本雄輔君) :休憩前に引き続き、会議を開きます。 ただいまの質問に対する答弁を求めます。 工藤市長。
◎市長(工藤広君・登壇) :日本共産党、
佐藤由加里議員の御質問にお答えをいたします。 初めに、コロナ禍における
生活弱者支援と子育て支援の拡大充実に関する御質問で、まず、低所得者層への継続した支援策の実施というお尋ねについてでありますが、市民の皆さんに対する
感染症予防対策として、本市では、マスクの入手が容易でない時期に、万が一、感染した場合の重症化リスクが高い高齢者や障がいのある方などに優先的にマスクを配付するなど、独自の対策を講じてきたところであります。 マスクなどの衛生用品につきましては、一時期は品薄で価格が高騰していたことから、家庭での負担感もあったものと承知しております。しかし、現在、マスクの入手は、価格も一時期に比べ落ち着き、比較的容易になったこと、また、手作りマスクなど、皆さんが工夫されており、消毒液などについても石けんを用いた丁寧な手洗いが習慣になるなどの変化が見られており、現状では特別な負担軽減策を講じる予定はありません。 次に、
福祉灯油支給事業の拡充というお尋ねについてでありますが、現行の制度では、1世帯につき1か月当たり18リットルを基本として、厳冬期の5か月分90リットルを支給することとしております。支給量につきましては、過去に制度の見直しを行った際、全道平均を参考として定めたものであり、現在も同様の状況にありますので、支給量の上乗せについては考えていません。 また、
生活保護世帯につきましては、冬期間は光熱費などの増加に対応するため、生活保護費に上乗せする形で冬期加算が支給されており、これまでも申し上げているとおり、
生活保護世帯を支給の対象に加える考えはありません。 次に、子どもの
インフルエンザワクチンや
任意予防接種への助成というお尋ねについてでありますが、
季節性インフルエンザ、おたふく風邪の
任意予防接種につきましては、発症予防や重症化予防に一定の効果があるとされているものの、感染を完全に阻止する効果がなく、その効果の検証がまだ必要であるとして、任意接種と位置づけられているところであります。 予防接種は、次代を担う子どもたちを感染症から守り、健やかな成長を応援するため、重要な役割を果たしていると認識しておりますが、
任意予防接種の助成につきましては、副反応による健康被害への対策などの体制整備が必要であり、現時点での料金の助成は難しいと考えているところであります。 就学援助における休校中の給食費の取扱いにつきましては、後ほど教育長から答弁をさせていただきます。 次に、多胎児育児への支援に関する御質問で、まず、本市における多胎児出産、育児の実態と支援というお尋ねについてでありますが、本市における直近5年間の多
胎児出産件数は、平成27年度から令和元年度までで合計4組であり、今年度の出産件数は8月末現在で81件、そのうち、双子が2組生まれています。 国の多胎児の割合は、出産100件に対して1組程度であることから、直近5年間の本市の割合は低いほうだと捉えています。ただ、多胎児育児の実態につきましては、一般的に、多胎児の育児負担は、単体児に比較すると非常に大きく、それに伴う身体的疲労や精神的負担が重なるため、身近な方のサポートが非常に重要となると思っております。実際に、本市の家庭訪問や乳幼児健診でも同様の傾向があると把握しているところであります。 そのため、妊娠届時から保健師が関わり、産後の協力体制を整えることや妊婦が妊娠初期から多胎児の育児をイメージできることを一番の目的として多胎児への支援やサポートを行っているところであります。 そのほかにも、昨年度から医療機関に宿泊し、助産師から育児や授乳の相談を受けることができる産後ケア事業を開始したところでもあります。この事業は、多胎児を持つ母親にとっても身体的・精神的休息を確保できると考えております。 次に、多胎妊産婦への新たな支援策の実施というお尋ねについてでありますが、多胎児は単体児と比べると早産になることが多く、低出生体重児の割合が高い傾向にあります。そのため、保護者へは、育児負担軽減のほか、精神的な支援や個々の状態に合わせた支援が必要であります。 このことから、国は、従来の多胎妊産婦支援に関する事業に多胎児の育児経験者家族と交流や相談ができる多胎ピアサポーター事業と外出の補助や育児に関する介助を行う多胎妊産婦サポーター等事業を追加しました。 しかし、本市は、先ほどお話ししたように、多胎児の出産が少ない傾向にあることから事業化はせず、まずは、育児環境や発達などの状態に合わせて保健師による家庭訪問を継続的に行うことや、多胎児の親同士が交流できる機会を調整するなど、保護者に寄り添った個々の支援を充実させていきたいと考えております。 3点目の
公立保育所再編計画についての御質問は、後ほど教育長から御答弁させていただきます。 次に、第8期
介護保険事業計画に関する御質問で、まず、高齢者サービス事業の廃止や新規予定事業というお尋ねについてでありますが、去る7月9日開催の
民生文教常任委員会で報告させていただきました家族介護用品支給事業でありますが、国や北海道からの交付金措置が今年度中に廃止される予定ですので、他市の状況も参考にしながら、本市としても今年度中の廃止に向けて検討しているところであります。 また、新規の事業などについては、現在、第8期
介護保険事業計画の策定に向け、市民ニーズ調査や介護事業所調査などを行い、集約、分析を進めている段階ですので、現時点では申し上げることができません。 次に、廃止事業の独自の福祉施策としての継続実施というお尋ねについてでありますが、国は、これまで行ってきた支援事業のうち、市町村が独自に取り組んできた任意事業に対し、高齢者の自立支援と要介護状態の高度化防止などの観点から、優先順位を定め、事業の拡充や見直し、廃止を検証するよう方針を示しています。本市としても、国の方針の下、事業の検証を進めております。 次に、介護保険料の見込みと抑制策というお尋ねについてでありますが、第8期における介護保険料の見込みは、今後、75歳以上の後期高齢者の増加に伴い、日常生活において支援を必要とする高齢者が増加することが予定されていることから、介護保険料も増加するものと考えます。 これまでも、
介護給付費準備基金を活用しながら、介護保険料の抑制に努めてきたところは御承知のとおりであります。現時点では、
介護給付費準備基金を全額取り崩した場合の引下げ幅を推計することはできませんが、前回の第7期
介護保険事業計画におきましては、基金2億1,000万円のうち、今後の制度運営を考えながら、1億2,000万円を取り崩し、結果として月額345円を抑制したところであります。 次に、配偶者からの暴力防止及び被害者支援基本計画、いわゆるDV防止計画に関する御質問で、策定に対する見解と今後の方針というお尋ねについてでありますが、DVは、人権を侵害し、命を脅かす重大な犯罪であり、市民の安全を守ることはもちろん、男女共同参画社会を実現させるためにも重要な課題の一つであると認識しております。 道内では、昨年10月時点で、35市中11市が計画を策定しておりますが、そのうち、1市を除く10市が男女共同参画計画の中に
DV防止基本計画を含める形で策定しております。 本市は、稚内市男女共同参画行動計画の中に
DV防止基本計画を含めたものという位置づけまでには至っていないものの、DVの根絶につきましては、四つの重点目標の一つとして掲げており、相談があった場合には、御本人の安全を確保できるよう、関係機関と連携を図り対応しているところであります。 現時点で、改めて計画を策定する予定はありませんが、コロナ禍において、生活不安やストレスなどから、DVや虐待など、家庭内暴力の増加が懸念されており、弱い立場にある人をしっかりと守っていくためにも、DV防止はこれまで以上に重要であると認識しているところであります。 今後も、DV被害者が安心して相談できるよう努め、さらに周知を図っていきたいと考えています。 以上、日本共産党、
佐藤由加里議員の御質問にお答えをいたしました。
○議長(岡本雄輔君) :議事の都合により暫時休憩をいたします。 休憩 午前10時31分 再開 午前10時32分
○議長(岡本雄輔君) :休憩前に引き続き、会議を開きます。 答弁を求めます。 表教育長。
◎教育長(表純一君・登壇) :日本共産党、
佐藤由加里議員の御質問にお答えをさせていただきます。 初めに、コロナ禍における
生活弱者支援及び子育て支援の拡大充実についての御質問であります。 就学援助における休校中の給食費を準要保護世帯に支給すべきではないのかとのお尋ねでありますが、
新型コロナウイルス感染症に伴う学校の休校により、子育て世帯において家計費負担が増大したことから、本市では、子育て応援事業として小・中学生1人につき2万円の地域商品券を6月に全世帯へ配付をしております。 この支援内容は、国で示している学校給食費の対応よりも手厚い内容であると認識しており、休校における給食費を新たに支給することは考えておりません。 次に、
公立保育所再編計画の御質問についてであります。 まず、公的保育に対する認識のお尋ねについてであります。 公的保育とは、自治体が法律の下に課せられた保育の実施義務を認可保育所等によって適正に実施することと承知しており、したがって、再編を進め、待機児童の多い0歳から2歳児の解消に向け、公立保育所の役割が大変重要であると認識をしているところであります。 次に、保育士確保の問題点のお尋ねについてであります。 公立保育所の保育士の採用については、この間、保育士採用計画に基づき、年齢構成等を踏まえた計画的な採用を行ってまいりました。 次に、保育士や
児童福祉関係者の受け止めのお尋ねについてでありますが、保護者においては公立保育所再編に関わる意向調査を行っていますが、0歳児から2歳児に特化した公立保育所の意向については、保護者及び保育士、
児童福祉関係者への意見聴取は行っておりません。 次に、子どもや保護者への影響のお尋ねについてでありますが、成長過程にある幼児に与える影響については、0歳から就学前まで、一貫した保育が望ましいことではありますが、これまでも事業所内保育所及び企業型保育所から保育所へ入所する児童や、逆に、3歳児から幼稚園へ転園する児童もおり、子どもの成長過程に特に大きな影響を与えるとは考えておりません。 次に、保育所入所や保護者に生じる様々な負担のお尋ねについてであります。 これまでも子どもの入所における保護者からの聞き取りや、随時、寄せられる保育園の相談、また、特に、きょうだい入所についても、同じ保育所に入所できるように配慮しており、今後も引き続き保護者から希望を踏まえ対応してまいります。 次に、就学前の一貫した保育の実施のお尋ねについてであります。 保育を必要と全ての子どもに保育を保障するため、令和4年度には待機児童ゼロを目指して再編を進めるとともに、今後の児童数や保育ニーズなど、全体的な状況を勘案しながら適切に進めてまいりたいと考えております。 以上、日本共産党、
佐藤由加里議員の御質問にお答えをさせていただきました。
○議長(岡本雄輔君) :議事の都合により暫時休憩をいたします。 休憩 午前10時36分 再開 午前10時37分
○議長(岡本雄輔君) :休憩前に引き続き、会議を開きます。 これより再質問に移ります。 再質問はございませんか。 佐藤由加里君。
◆
佐藤由加里議員 :順次、再質問をさせていただきます。 まず、予防接種への助成についてです。
インフルエンザ等の予防接種の助成については、副作用による健康被害、それへの対策など、体制整備が必要であるということですが、現時点では、そういったものが必要であるため、料金の助成は難しいという答弁だったと思います。 ただ、
インフルエンザに関しては、既に高齢者に対しては助成をしているわけです。ですから、健康被害や体制というのは子どもに対して助成できない理由にはならないのではないかなと思います。 それでは、そういった理由として述べられるということは、例えば、高齢者と子どもではワクチンを打った際の副作用の出方が違うなど、そういった明らかな何か理由があるのかどうかを伺いたいと思います。 高齢者には助成できるけれども、子どもには助成できないとの理由として述べられていることについての整合性をお聞かせください。
○議長(岡本雄輔君) :答弁を求めます。 生活福祉部長。
◎生活福祉部長(藤原淳君・登壇) :お答えいたします。 佐藤議員から今お話があったとおり、副作用の出方については、基本的には、小学生以下の幼児も含めて、高齢者も何ら変わるものではないと認識しております。 ただ、高齢者に限っては、重症化のリスクが高いため、副作用が出るということを前提にしてでも多くの方に接種していただきたいという趣旨で、高齢者については助成をしているということで御理解をいただきたいと思います。
○議長(岡本雄輔君) :再質問はございませんか。 佐藤由加里君。
◆
佐藤由加里議員 :理解はできませんけれども、そういった答弁だということは分かりました。 特に、今年は、厚労省からも、高齢者や子どもに対し、コロナ禍の下ですから、優先的に
インフルエンザの予防接種を呼びかけているといいますか、そういう通知も出ていると思うのです。とりわけ、多子世帯では
インフルエンザの予防接種は大変な負担になるわけです。 1人の子どもだけに打てばいいというわけではなく、1人が打ったら、そのきょうだいも皆打たなければいけないのです。そうなると、子どもの場合は2回接種しなければいけないですし、数万円単位の負担が生じるのですが、今、こういった状況の中でも子どもの健康を守るのだという立場に立って検討していっていただきたいことは強く求めておきたいと思います。 次に、多胎児育児への支援についてです。 先ほどの答弁では8月末で2組ということでした。その後、9月に出生欄からほかにも生まれていることで確認していまして、多分、現在は3組になっているのかなと思います。 それで、言われたように、産後ケアについては、本当におっしゃるとおりで、大事な支援事業だと認識をしています。本当に精神的にも身体的にも助けられる制度だと思います。 ただ、利用については、例えば、産後4か月未満であることのほか、宿泊費用もあり、最大7日間、この1回で終わりというわけでありませんけれども、そういった様々な制限があるにもかかわらず、産後ケアを受けた後の自宅に戻ってからの日々の育児に対する支援もとりわけ多胎児には求められていると思います。 産後ケアについては私も理解していますが、本市における日常の多胎児育児に対する具体的な支援策はどうなっているのか、伺います。
○議長(岡本雄輔君) :生活福祉部長。
◎生活福祉部長(藤原淳君・登壇) :お答えいたします。 今御質問がありました多胎児育児についてですが、多胎児に限っての制度として本市で特に実施しているものはございません。 単体児というか、一般のお子さんの成長を見守るということで、出産されたお母さん方の支援をしている状況下で多胎児のお母さん方の支援もしているということです。 出産後の家庭に入っての買物、その他お子さんを預けてということに関しては、ファミリー・サポート・センター事業など、いろいろな事業がありますので、そういったものを活用していただくように丁寧に説明してまいりたいと考えております。
○議長(岡本雄輔君) :佐藤由加里君。
◆
佐藤由加里議員 :多胎児に限定した支援というのは本市においてはないということが明らかになりました。しかし、国のサポーター事業等を積極的に実施してほしいと考えています。 多胎児の出産の割合が多いからとか少ないからというわけではなく、そういった育児をしている方たちはいらっしゃるわけで、そこに対する支援策が必要になってくると思います。 先ほど参考としたアンケートでは、つらいと感じた場面と同時にどのような支援やサポートがあれば気持ちが和らぐかという設問も設けていて、その結果、家事、育児の人手による支援が68%、金銭的援助が57%、預ける場所の確保が52%で、本市が行おうとしている親同士の交流については43%となっています。 とりわけ、子どもが小さければ小さいほど目は離せませんし、1人が寝つけば1人が起きるということもあり、多胎児育児というのは目の回るような忙しさがあるのです。 家事、育児への直接的な支援こそ求められていると思いますので、積極的に国のサポート事業を取り入れていけるように努力していただくことを求めておきます。 次に、休校における就学援助の給食費の扱いについてです。 子育て応援事業のことをおっしゃっていましたけれども、子育て応援事業として、地域商品券を配付し、手厚い内容であるということでした。ただ、商品券というのは、あくまでも子育て応援事業として実施したものであって、これは要保護、準要保護も関係なく、全ての子育て世帯を対象にしている事業だと思うのです。 一方で、就学援助は要保護に準ずる児童生徒を支援する制度として確立されているものであって、子育て応援事業の趣旨とは全く違う制度だと私は考えます。 制度としてはあくまでも別の事業として取り扱うべきものではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○議長(岡本雄輔君) :表教育長。
◎教育長(表純一君・登壇) :お答えをさせていただきます。 先ほど答弁でも述べさせてもらったとおり、今回の休校中に伴う家計費が増大したという中で、本市においては、小・中学生の全ての方、また、皆さんの意見を受けて、0歳から就学前の子どもたちに子育て応援事業を実施しておりますけれども、休校中の家計費が増大したということに対するものでして、生活保護、そして準要保護を上回る基準であると思っております。
○議長(岡本雄輔君) :佐藤由加里君。
◆
佐藤由加里議員 :応援事業は応援事業ですばらしいものだったと思います。ただ、就学援助における給食費というのは、そもそも、制度自体が違いますから、全く別扱いにしなければならないものだと思うのです。 制度の趣旨を考えると、就学援助における給食費というのは、本来は
生活保護世帯と同様に保護者に渡っているべきお金だと思います。本市では、どこもそうだと思いますが、会計処理上、給食費を保護者に一旦渡さず、給食センターに直接支払っているだけの話ですよね。 今回、
生活保護世帯は、給食費があったとみなすというところが大事であって、ですから、
生活保護世帯はそういった返還を求めないという扱いをしたのであれば、では、それに準ずる準要保護世帯に対しても同じような扱いをするということになれば、当然、その間の給食費は支給するということになると思うのです。 そういう考え方に立っていただきたいなというふうに思いますが、ちょっともう一度お願いします。
○議長(岡本雄輔君) :表教育長。
◎教育長(表純一君・登壇) :お答えをさせていただきます。 先ほど議員が質問でいみじくもおっしゃったとおり、地域の実情に応じて判断すべきということであります。そして、稚内市においては、先ほど答弁したとおり、地域の実情の中で、分け隔てなく、全ての世帯に休校中の応援をしているということでして、新たな支給は考えておりません。
○議長(岡本雄輔君) :佐藤由加里君。
◆
佐藤由加里議員 :確かに、おっしゃるとおりで、国としても別に強制力を持って言っているわけではないので、各自治体の対応が本当に分かれてくるものだと思います。でも、これは準要保護世帯に対する認識が根本的に問われてくるものであって、まさに本市が力を入れている子どもの貧困対策にも直結する内容のものではないかと思います。 他の自治体では行っている支援策でありますので、子育て平和都市宣言をうたっている本市においてもしっかりと実行していくような検討をしていただきたいと思います。 最後に、公立保育所の再編計画について何点か伺います。 待機児童の多い未満児の解消が公立保育所の役割として重要と認識しているということでしたが、では、これまで、公立保育所として未満児の待機児童を解消するための努力をどのように行ってきたのか、伺います。
○議長(岡本雄輔君) :表教育長。
◎教育長(表純一君・登壇) :お答えをさせていただきます。 公立保育所といいますか、先ほど言ったように、保育の実施という観点では、私立保育所を含めて、未満児においても、法律で認められている定員を超える範囲の中の受入れを全ての保育所に要望しており、少しでも多い未満児の受入れについて、保育の実施という観点で努めてきました。
○議長(岡本雄輔君) :再質問はございませんか。 佐藤由加里君。
◆
佐藤由加里議員 :聞いていることに関する答弁ではなかったと思います。 今まで未満児の解消が公立保育所としての役割として重要と認識しているということなのですね。そこで、これまでそういった重要さを認識している公立保育所として、未満児の待機児童解消にどういった手だてを取ってきたのかを伺いたいのです。
○議長(岡本雄輔君) :表教育長。
◎教育長(表純一君・登壇) :お答えをさせていただきます。 答弁は、そういう意味ではなくて、あくまでも、今後、今の課題である未満児の待機児童が多いという中で、今後、果たすべき役割としては、公立保育所が未満児に特化していくというお話をさせてもらっており、現在は、今できる状況の中でするべきことをやっているということです。
○議長(岡本雄輔君) :佐藤由加里君。
◆
佐藤由加里議員 :再編計画の中で取り組むのではなく、これまでもこれからも、公立保育所として0歳から2歳の待機児童を解消することに力を入れていっていただきたいと思います。 時間がありませんので、省きますけれども、一貫した保育が望ましいという点では、教育長も答弁でおっしゃっていました。その点は一致しているのです。また、待機児童の解消についても一致しています。 だとしたら、問題は、待機児童の解消の手だてをどのように取るのかになると思うのです。単純に、待機児童をゼロにするために、3歳以降については、ほかの幼稚園や保育所に行ってもらいますよということではなく、望ましい保育の在り方をどうやったら守っていけるのかももっと検討していただきたいことを強く求めておきます。 これは、今後も繰り返し取り上げていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○議長(岡本雄輔君) :佐藤由加里君の一般質問はその持ち時間に達しました。 したがいまして、佐藤由加里君の一般質問は終結いたしました。(
佐藤由加里議員、自席に着席・拍手) 質問者交代のため、10分間休憩をいたします。 休憩 午前10時51分 再開 午前10時59分
○議長(岡本雄輔君) :休憩前に引き続き、会議を開きます。 次に、千葉一幸君の質問を許します。 なお、持ち時間は25分となります。 千葉一幸君。(千葉一幸議員、演台へ登壇・拍手)
◆千葉一幸議員 :志政会の千葉一幸です。 通告に従いまして、4項目を質問いたします。 1項目め、
新型コロナウイルス感染症対策について質問いたします。
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金は、各自治体に家賃支援を含む事業継続や雇用維持等への対応分、新しい生活様式を踏まえた地域経済の活性化等への対応分として交付がなされていますが、交付から現在までの経過状況について、また、今後の活用方針について本市の考えを伺います。 本市は、
新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい、その感染の危険と隣り合わせの状況の中、強い使命感を持ち業務に従事する一般廃棄物収集従事者特別給費金を独自に給付することとしました。 登別市や苫小牧市、北斗市などでは、保育施設等従事者慰労金事業の実施をしています。本市の一般廃棄物収集業務従事者への特別給付金を給付する理由同様、自らが感染するリスクが高い環境において、集団感染の防止に努め、業務に従事いただいた保護者の就労環境を守るために開所を続けた認可保育所や認可外保育施設、預かり保育事業に従事いただいた幼稚園、認定こども園などの従事者が対象として慰労金給付事業は実施されています。 小・中学校が一斉休校になった際において、施設が閉鎖されていた場合は、経済損失や社会的混乱は今以上に深刻だったことと推察は容易であります。本市においても同様の業務に従事されている方がいるわけですが、自治体が違うことにより、給付されていない現状であります。
新型コロナウイルス感染症対策としての慰労金給付に対する本市の考えを伺います。 さきの6月定例会において、新型コロナウイルス感染拡大と
インフルエンザの流行時期が重なってしまう想定が必要であり、感染症の動向に対し、医師会や薬剤師会などの関係機関との情報共有や感染症対策に向け、協議していくことが必要と述べさせていただきました。医療資源は限られており、市民の健康、安心につながる対応が求められています。 この間、本市は、関係機関とどのような協議をされてきたのか、伺います。 自治体によっては、
インフルエンザの予防接種費用の助成対象を広げています。自己負担を軽くすることで重症化するリスクが比較的高い人の予防接種を促し、新型コロナウイルスとの同時流行、ツインデミックによる医療体制の逼迫を防ぎ、住民を守るために接種費用助成に取り組む自治体が増えてきています。 地域の医療、福祉を守るためにも、介護の職に従事する方などへ接種費用助成を拡充することなど、コロナ禍における感染症対策として、
インフルエンザの予防接種費用助成拡充が有効と考えますが、本市の考えを伺います。 2項目め、森林・林業・木材産業の振興について質問いたします。 昨年末より、複数の議員より林道の整備について質疑がなされています。このたび、会派にて、8月7日の大雨の影響による川西地区森林作業道一部崩壊、早期復旧した箇所を含め、林内路網の現状を関係者同行により視察してきました。 視察の際には、走行が困難な箇所もあり、林内路網整備による森林施業に従事する方たちの安全が求められていることは言うまでもありません。 公表されている稚内市森林整備計画において、路網整備の維持管理は森林環境保全整備事業実施要領、民有林林道台帳などに基づき、管理者が台帳を作成し、適切に管理する、また、細部路網については、森林作業道作設指針に基づき、森林作業道が森林施業の目的に従って継続的に利用できるよう、適切に管理すると公表しています。 適切に管理する意味においても、巡回の必要性、都度、関係者の声にきめ細かく対応できる環境が必要と考えます。 森林産業の振興に向けた林道整備体制の在り方について、本市の考えを伺います。 国は、森林整備や木材利用が地球温暖化防止のみならず、国土保全や地方創生にも重要な役割を果たしている一方で、森林現場は所有者や境界の不明、担い手不足などの根本的問題を抱えている現状に、これらの課題を克服しつつ、自治体が主体となった森林整備を進めることとして、必要な財源として森林環境譲与税の仕組みがなされている現状にあります。 本市の森林環境譲与税の活用に向けた基本方針では、森林整備やその促進につながる取組を計画的かつ効果的に進めるとあります。本年3月の
議案特別委員会の質疑では、森林環境整備事業による現地調査、森林所有者との面談などを経て、全体の問題の解決に向けた検討を進めると方向性を示されました。 警備が行き届いていない森林所有者へ参画提案、森林の経営、管理が難しい際は、市や意欲ある林業経営者へ委ねるよう働きかけることを基本方針では示しています。 この中で具体策は示されていませんが、未立木地への計画的な植栽や効果的な間伐実施、伐採適齢期を迎えた原木の伐採などを円滑に行える環境整備が持続可能な循環型産業への推進を下支えすることの具体策として考えられると思います。 森林・林業・木材産業の振興は、地球温暖化防止に資することでもあり、環境都市宣言をしている本市の将来に貢献できるものであります。持続可能な循環型産業に向けた本市の考えを伺います。 3項目め、災害時における市立稚内病院の避難対応について質問いたします。 市立稚内病院内には、地域の透析医療を担うべく透析センターが平成17年4月から開設されています。現在、33床のベッド数により、常に満床に近い状態で稼働、午前、午後の2部制によって、多くの透析患者を受け入れ、住民の命をつなぐことに、日々、医師、医師、看護師が従事されています。 透析療法は、腎臓の働きが低下し、血液のろ過が十分に行えず、水分や老廃物のコントロールができなくなってしまった方へ人工的に血液の浄化を行うことであり、透析の頻度は、週3回、1回4時間が標準的な回数と言われています。 市立稚内病院は土砂災害警戒区域内であり、山側は土砂災害特別警戒区域です。土砂災害警戒区域は、土砂災害による被害が発生するおそれがある区域であり、土砂災害特別警戒区域は、土砂災害警戒区域のうち、建築物に損壊が生じ、住民に著しい危険が生じるおそれがある区域と定義されています。 土砂災害から国民の生命及び身体を保護することを目的とした土砂災害防止法では、市町村は、土砂災害発生のおそれがある区域を明らかにし、警戒避難体制の整備を行うことが義務とされています。 国土交通省は、土砂災害から身を守る三つのポイントとして、場所が土砂災害警戒区域かの確認をすること、雨が降り出したら、土砂災害警戒情報に注意すること、自治体からの避難勧告、警戒レベル4発令による安全な場所に避難することをポイントとしています。 市立稚内病院の透析センターは、土砂災害特別警戒区域内の施設でありますが、透析療法されている方などへの警戒避難体制について伺います。 医療は、人々の安全と健康を守るために日々継続される必要があります。災害自体の被害だけではない、日常の医療を中断させることは多くの人が危険にさらされてしまいます。事業継続計画、通称BCPは、企業などが通常の業務を災害などで中断しない、あるいは、中断しても許容時間内に許容水準に回復させる取組であります。 東日本大震災での危機管理、救援活動、復興への取組、医療分野では、特に災害拠点病院におけるBCPが住民には重要であり、厚生労働省からは、災害時における医療体制の充実強化について、都道府県を通じ、災害拠点病院に自ら被災することを想定して災害対策マニュアルを作成するとともに、BCPマニュアルの整備要請がなされています。 BCPマニュアルは、リスク増大、社会情勢の変化に伴い、うまく機能しない可能性も考えられることから、毎年のように、繰り返し、見直し策定が必要とも指摘されています。 市立稚内病院は、宗谷地域の第2次医療圏の災害拠点病院として指定されています。災害対策マニュアルによる避難対応、事業継続計画―BCPにおける復旧対応について考えを伺います。 4項目め、JR抜海駅の存廃について質問いたします。 6月定例会にて、本市は、JR抜海駅の現在の利用状況では、地域公共交通の役割を満足に果たしていない、別の交通手段への転換が望ましいと廃止方針を示されました。 私は、抜海、クトネベツの両町内会が駅の存続を求めていること、市民の目線に立ち、まちの魅力や強みを生かすことの必要性を訴えました。 本市は、住民自治の観点から協議を続けることとし、本市主催の地域との意見交換会を7月28日に抜海町内会で開催、8月12日にクトネベツ町内会で開催、どちらの意見交換会にも参加しましたが、両町内会は本市提案に賛成できないとの考えであり、現在も存続を求めていることに変わりはありません。 意見交換会の際、本市は、地域の合意なしに駅を廃止することはできない、思いをしっかり受け止めたい、両町内会の意見等を踏まえ、できるだけ早く存廃の結論を出したいと地域に示されました。関係者からは、地域の合意なしに廃止しないとの考えに希望を抱いたとの声であります。 7月22日には、美深町が、3月には廃止方針だったJR宗谷線恩根内駅を地域住民の要望で方針転換し、まちの負担で存続させる方針を明らかにしています。両町内会との意見交換会によって、本市提案、別の交通手段への転換は地域の合意を見られないことが明らかになったこと、JR抜海駅存続が求められていることが明白になりました。 地域の合意なしに廃止はしない、両町内の意見を踏まえ、できるだけ早く存廃の結論を出すと地域に示したJR抜海存廃について、市長の考えを伺います。 両町内会との意見交換会の中で、本市は、観光を含めた駅の有効活用は、担当部署同士の協議では具体的な取組を示す状況にないと言及していました。 このたび、市民有志がJR抜海駅を活用した宗谷線に乗って抜海駅弁を食べよう会を企画し、関係者によると既に定員は満たしているそうです。両町内会は、観光客や市民に参加してもらい、抜海駅の魅力を知ってもらい、存続への理解を得たいとの報道であります。 稚内の貴重な観光資源、平日に稚内駅から抜海駅をJR利用し、往復をしてきましたが、行きも帰りも1両列車に20人以上の方が乗っており、大半は観光客の様相であります。利尻富士が望めるスポットでは、多くの方がカメラ片手に撮影に励む光景で、抜海駅での滞在時間の1時間6分には、バイクや車での来訪者があり、駅内外にて写真撮影、ライダーの方からはツーリング雑誌に抜海駅が最北の無人木造駅舎と紹介されていることもあり、多くの人が来ることにつながっているのではと駅の魅力を話されていました。 稚内駅直前からは、列車内から到着までの動画撮影、到着してからもホームで写真撮影をしている光景からは、まちの観光資源としての鉄路の存在意義は非常に大きなものを感じました。 本市は、9月27日に、普通列車で行く上勇知満喫ツアー申込開始から30分で定員と報道にありました。JR宗谷線の維持存続に向けた利用促進策の一環としての取組でありますが、市民にとっては非常に関心の高いことは、即日定員にて明らかかと思います。 今後も、様々なJR利用促進策を企画、検討し、開催する際は周知していくとしていますが、駅を活用した観光と地域交流による利用促進策に対する本市の考えを伺います。 以上、4項目について質問いたしました。 市長の意のある答弁を期待し、私の質問とさせていただきます。(千葉一幸議員、発言席へ着席)
○議長(岡本雄輔君) :暫時休憩をいたします。 休憩 午前11時15分 再開 午前11時16分
○議長(岡本雄輔君) :休憩前に引き続き、会議を開きます。 ただいまの質問に対する答弁を求めます。 工藤市長。
◎市長(工藤広君・登壇) :志政会、千葉一幸議員の御質問にお答えをいたします。 初めに、
新型コロナウイルス感染症対策に関する御質問です。 まず、
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の経過と今後の活用方針のお尋ねについてでありますが、本市への地方創生臨時交付金の交付限度額は、第1次と第2次を合わせて約8億2,300万円であり、この交付金に係る第2次実施計画を今月末日までに提出することになっており、現在、取りまとめ作業を進めているところです。 この後、時期は未定でありますが、最終の第3次計画の内示がある予定であり、そこに向けて、最終の事業調整を進めていくことになります。 御承知のとおり、これまでは、休業要請などに対する支援や感染予防対策、そして、疲弊した地域経済の回復に向けた対策を中心に取り組んできたところであります。 今後におきましては、感染拡大に注意しながら、引き続き、景気回復への取組を検討していくとともに、これから迎える冬期間における
インフルエンザとの同時発生への対策やアフターコロナに向けた対策の検討を進めていきたいと考えております。 次に、慰労金給付に対する考え方というお尋ねについてでありますが、今述べましたとおり、これまで、様々な角度から検討を重ね、それぞれの時期に合わせた対応を行ってきたところであり、御質問のあった慰労金の支給に関しましてもその一つであります。 慰労金の支給に当たっては、市民の生活を守るため、感染リスクを抱えながら業務に当たっている方が多いことは承知しておりますが、その中で、特に一般廃棄物収集業務従事者につきましては、感染拡大が続いている時期も感染のおそれのあるものが混入している可能性がある一般家庭ごみを取り扱うという極めて危険性の高い業務を継続してきたことに対し給付を決定したものであり、今後もそのような判断基準で進めていきたいと考えております。 次に、感染症対策についての関係機関との協議内容というお尋ねについてですが、稚内保健所をはじめ、医師会や薬剤師会などの関係団体とは、主に新型コロナウイルスの検査体制や感染者の発生時における診療体制、搬送方法などについて協議してきました。 また、
インフルエンザと新型コロナウイルスとの同時流行を見据え、市内の病院、診療所を回り、発熱者への対応や施設の感染予防対策、
インフルエンザワクチンなどの医療物資の確保状況を伺い、改めて急性期医療やかかりつけ医としての役割を担っていただくようお願いしているところであります。 加えて、今月、厚生労働省から
インフルエンザの流行期に備えた体制整備の基本的な考え方が示されました。今後は、これらについて、情報共有を含め、しっかりと協議してまいりたいと考えております。 次に、
インフルエンザ予防接種費用の助成拡充というお尋ねについてでありますが、医療、介護などに従事する方々につきましては、各施設において、感染症への罹患を予防し、感染症の媒介者にならないよう、例年、
インフルエンザワクチンの接種を実施しているものと認識しているところであります。 今後も、感染症の感染リスクが高いと言われる医療職、介護職などの方々には積極的に接種していただくよう呼びかけてまいります。 次に、森林・林業・木材産業の振興に関する御質問です。 まず、林道整備のお尋ねについてでありますが、本市が管理している林道につきましては、日頃から安全に作業ができるように維持管理に努めており、森林の施業を行う際、作業に支障のないよう、事前に森林施業者と路線の状況について確認し、必要に応じてその都度整備を行っており、引き続き連携して進めていきます。 次に、持続可能な循環型産業への取組のお尋ねについてですが、本市では、これまで、造林、間伐などの森林整備、市民植樹祭や苗木配付などの緑化推進に取り組んでいるところであります。また、さらなる森林整備の促進に向けて、今年度は、森林環境譲与税を活用し、森林の現況調査を行っており、10月に完了する予定です。 森林資源は、植える、育てる、使うというサイクルを推進することで、適切な森林整備が確保されるとともに、将来にわたる木材利用が可能となり、森林資源を循環利用する中で森林整備を着実に進め、地球温暖化防止、国土保全、土砂災害の防止などの多面的機能が持続的に発揮されるものであります。 今後は、現況調査の結果を踏まえた上で所有者の意向を確認しながら間伐や林道整備などを計画的に実施し、森林産業の活性化につなげていきたいと考えております。 次に、災害時における市立稚内病院の避難対応に関する御質問です。 まず、透析療法患者などの警戒避難体制のお尋ねについてでありますが、透析センターの避難体制は、土砂災害などにより透析中の患者に緊急避難が必要と判断される場合には速やかに透析を中断し、指示された避難場所まで職員の誘導や介助などにより避難していただくこととしております。 また、万が一、透析センターが被災し、透析治療を行えない事態となった場合の対応につきましては、同様の施設が近隣にないことから、患者の受入れ施設の確保に向け、北海道をはじめとした関係機関との連携、協議を進め、具体的な受入れに係る対応策について研究していきたいと考えております。 次に、災害対策マニュアルによる避難対応のお尋ねについてですが、大規模災害が発生、または、発生するおそれがある場合には、市立稚内病院災害対策マニュアルに基づき、院内に院長を本部長とする災害対策本部を設置し、本市の災害対策本部との連携を図るとともに、必要な対策を講じることとしています。 また、災害対策本部が患者の避難を決定した場合は、被災状況に応じた避難方法や避難経路を選択し、まずは、患者の安全を第一に誘導を行うこととしています。 次に、事業継続計画の現状というお尋ねについてですが、平成29年3月に、災害拠点病院の指定要件の一部が改正され、被災後、早期に診療機能を回復できるよう、業務継続計画の整備が求められており、被災状況を想定した研修や訓練を実施することが要件とされております。この改正に伴い、市立稚内病院においても、災害拠点病院の要件を満たすべく、業務継続計画を策定しております。 近年増加傾向にある自然災害などを想定した災害医療対策訓練や研修会を継続的に実施し、日頃から不測の事態に備えておくことが重要であると認識しております。 今後も、様々な災害にいち早く対応し、早期に診療機能を回復できるよう、必要に応じて計画の見直しを行うほか、医師会をはじめ、地域の関係機関との連携を強化するとともに、定期的な共同訓練を行うなど、災害拠点病院として、その責務を果たせるように取り組んでまいります。 次に、JR抜海駅の存廃という御質問についてです。 JR北海道の厳しい経営環境につきましては今さら申し上げるまでもございませんし、現在のコロナ禍にあって、その立場はこれまで以上に厳しいと受け止めているところでありますが、御承知のとおり、JR北海道は、平成28年の10路線、13線区をJR北海道単独では維持困難との表明以降、経営改善に向けて様々な対策を進めているところであります。 今回の件につきましても、平成30年に国がJR北海道側に求めた経営改善への取組の一環として位置づけられ、乗車人員が過去5年間で1日平均3人以下の極端に利用が少ない無人駅を廃止するものというもので、全道の対象線区のうち、JR宗谷線では29の駅の廃止方針を示すとともに、地元として駅を維持したい場合は、所在自治体による維持管理費の負担を求めています。 抜海駅は、JR北海道の調査によると、乗車人員は、過去5年間、1日平均の利用者数が1.4人と、極端に利用の少ない無人駅に該当し、今回廃止対象となったものと受け止めております。 特に、抜海駅の場合は、駅の所在地が抜海市街地から2キロメートルも離れていることが利用につながらない大きな要因と考えていますが、地域住民の方にとっては、駅そのものが地域のシンボルという考え方が強く、利用するしないにかかわらず、駅を廃止することには反対という立場に何ら変わりはなく、今日に至っているところであります。 本市としては、地域も認めている利用の不便さを考えれば、少ないとはいえ、通学や通院などに当たっては別の交通手段を考えてはと提案してきたところですが、受け止め方には大きな差異がありますし、だからといって地域のみに責任を押しつける考えもありませんので、今後も一緒に考えたい気持ちに変わりはありません。 また、JR北海道では、例年12月には次の年のダイヤ改正を公表することから、それらの準備作業を考えるといつまでも結論を先延ばしするわけにもまいりません。今も説明したとおり、地域側の意見をそのまま受け入れるとしたら、市が駅の維持管理費を負担しなければなりませんので、このままの形で残すことは慎重に考えざるを得ないというのがこれまでの市の姿勢でしたが、この間に、地域側から駅の利用や財源捻出に積極的に取り組みたいという考えが示されているとのことでもありますので、解決のためには、それらの状況を見極めるなど、もう少し時間をかけざるを得ないと考えていますが、お尋ねのお話の合意の件であります。 私の理解は、合意がなければ何も決められないということではなく、できるだけ双方が納得し合いたいという趣旨だと受けとめております。JR北海道には、当然、これらの地域の事情を伝えますし、様々な御意見があることは十分承知しておりますが、駅の本来の使命は一定の数のJR利用者があってこそ果たせるものという考えに変わりはございません。 次に、今後のJR宗谷線の利用促進策に対する本市の考え方というお尋ねについてですが、JR宗谷線そのものを将来にわたり維持していくためには利用者の増加が不可欠でありますが、JR北海道からは、利用が少なく、鉄道を持続的に維持する仕組みの構築が必要な線区と捉えられており、それを克服するために、JR北海道が昨年度に策定したアクションプランに基づいて、この2年間、関係者が一丸となり、JR北海道の経営改善を含め、線区の維持存続に強い危機感を持ちながら取り組んできたところであります。 JR北海道では、今年、北海道鉄道140年の節目の年に当たり、観光列車としては28年ぶりにイベントなども行える多目的の特急型車両「はまなす」を新しく製作し、来月17日から営業運転を開始するということであります。 この車両は、旅を楽しむ観光客にとって、ラウンジや掘りごたつ式の個室など、魅力あふれる車両となっており、特急宗谷などの車両としても運行が予定されているということでありますので、本市としても、この機会を逃すことなく、地域が持つ観光の魅力を沿線自治体とともにJR北海道や旅行会社へ旅行商品の企画などの集客に結びつく提案をしていきたいと考えております。 また、JR宗谷線に興味や関心を持っていただくために、これまでも取り組んできた普通列車を利用した小規模ツアーや写真コンテストなどの様々な取組により、自らの地域の鉄道を守り育てていこうというマイレール意識の醸成にも引き続き取り組んでまいります。 利用客の増加には、やはり、移動の手段としてJRを選択していただくことが重要なことであり、鉄道の特性である定時制あるいは大量輸送、さらには、飛行機にはない目的の駅に直接乗り入れることができる優位性などを利用者に伝えることに加え、従来の旅客だけの利用促進という発想ではなく、列車の幅広い活用を提案するなど、JR北海道の経営改善にもつながるような利用促進の取組を進めてまいります。 以上、志政会、千葉一幸議員の御質問にお答えをいたします。
○議長(岡本雄輔君) :暫時休憩をいたします。 休憩 午前11時31分 再開 午前11時31分
○議長(岡本雄輔君) :休憩前に引き続き、会議を開きます。 これより再質問に移ります。 再質問はございませんか。 千葉一幸君。
◆千葉一幸議員 :まず初めに、
新型コロナウイルス感染症対策について再質問をいたします。
新型コロナウイルス感染症対応の地方創生臨時交付金の今後の活用方針について、冬期間における
インフルエンザとの同時発生への対策など、検討を進めていくとされていましたので、事後対応にならないよう、感染リスクが高いと言われるような状態への具体策は講じていただきたいことを求めておきます。 慰労金支給に対する考え方ですが、感染リスクを抱えながら業務に当たっている方々が多いことを承知しているのであれば、稚内市は市中感染が今のところない本市において線引きによる不公平感は拭えないと私は思います。
新型コロナウイルス感染症対策としての慰労金給付はまだ検討の余地があると思います。ぜひ御検討をいただきたい。この件に関しては、午後からの鈴木茂行議員の通告にもありますので、この程度にいたします。 新型コロナウイルスと
インフルエンザの同時流行を見据えて、市内の病院や診療所を回り、役割を担っていただけるようお願いをしている、厚生労働省からの
インフルエンザ流行期に備えた体制整備の基本的な考え方、情報共有を含め、協議していくとの答弁でありましたが、流行期への備えに向け、どういった体制を整備し、また、どのように情報共有していく考えなのでしょうか。 これからの関係機関との協議についてお聞かせをいただきたいと思います。
○議長(岡本雄輔君) :生活福祉部長。
◎生活福祉部長(藤原淳君・登壇) :お答えいたします。 医師会、稚内保健所、そして稚内市で状況の共有を図るなどしておりますが、全ての市内の開業医の皆様が一堂に会しての会議は開催することが困難であります。そういったことから、本市の職員が各医療機関を回り、個別に病院ごとの感染予防や発熱せき症状のある患者の皆様の受入れ体制など入札聞き取りをしており、その情報については、稚内保健所に本市から情報提供し、双方が情報を共有することを考えております。 また、厚生労働省から
インフルエンザ流行期に備えた体制整備の基本的な考えが示されましたが、北海道から地元の稚内保健所にはまだ詳細が伝えられておりません。詳細が分かり次第、その内容を市内の各医療機関に情報提供しまして、今後の患者の受入れ体制について変更があるかなど、そういった内容を確認してまいりたいと考えております。 最終的には、発熱やせき症状がある場合の医療機関への受診について、医療機関によって対応が異なりますので、本市が取りまとめをしまして、早い段階で
新型コロナウイルス感染症に留意した病院のかかり方、相談の仕方、これにつきまして、市民の皆様が発熱した際、どのように受診すればいいのかなど、困ることがないよう、広報紙やホームページなどを活用しまして情報をお伝えしたいと考えているところです。
○議長(岡本雄輔君) :千葉一幸君。
◆千葉一幸議員 :そのように進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、2項目め、林道の整備全般について再質問いたします。 答弁では、日頃より安全に作業ができるように維持管理に努めている、森林の施業を行う際、作業に支障のないよう事前に路線状況を確認するという答弁でありました。 森林施業に関わる本市管理下の林内路網については、稚内市森林整備計画の各路網整備に関する事項に基づいて、森林施業前に確認をし、安全に作業ができるよう整備するという認識でよいものかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。
○議長(岡本雄輔君) :建設産業部長。
◎建設産業部長(中村清司君・登壇) :お答えをさせていただきます。 今、議員がおっしゃったように、私どもとしては、そういった体制で事前に協議をしながら進めてまいりたいと考えております。
○議長(岡本雄輔君) :千葉一幸君。
◆千葉一幸議員 :そのように、よろしくお願いいたします。 同じようにはなるのですが、今は事前にということでありました。 また、答弁では、必要に応じて都度整備を行う、連携して取り組むという内容だったと思いますが、森林施業中において、本市管理下の林内路網において作業に支障を来す状況が確認された場合もさきと同じく、各路網整備に関する事項に基づいて安全に作業できるよう整備するという認識でよいのかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。
○議長(岡本雄輔君) :建設産業部長。
◎建設産業部長(中村清司君・登壇) :お答えをさせていただきます。 先ほど議員の質問にもございましたけれども、先般の大雨の際にもその点については作業の支障のないように対応させていただいたところでありますので、今後におきましても、そういった場合でも、十分協議の上、進めさせていただきたい、対応してまいりたいと考えております。
○議長(岡本雄輔君) :千葉一幸君。
◆千葉一幸議員 :よろしくお願いいたします。 3項目めの市立稚内病院の災害、透析等々に関する質問です。 答弁でいただいたとおりに進めていただきたいと思います。また、透析患者などへの避難・警備対応というのは非常にデリケートな案件だと思いますので、関係機関と連携しながら、患者または従事者の安心・安全に努めていただくよう研究していただければと思います。よろしくお願いいたします。 4項目め、JR抜海駅の存廃について再質問いたします。 市長は御存じだとは思いますが、国土交通省が示している地域公共交通に求められる役割は、地域住民の移動手段の確保だけではなく、観光来訪者の利便性、回遊性の向上による人の交流を活性化させることや外出機会の増加によるにぎわい創出、歩いて暮らせるまちづくりによる健康増進などを求められている役割としています。 本市は、地域公共交通の役割は、そこに住む皆さんの移動の利便性を高めることであり、別の交通手段を提案している現状ではありますが、繰り返しになりますけれども、抜海、クトネベツの両町内会としては、鉄路が存続している以上、別の交通手段は受け入れられないとの認識であります。 現在のJR抜海駅の利用状況では役割を満足に果たしていないという認識を示していますが、本当にそうなのでしょうか。 観光など、様々な分野で大きな効果をもたらすよう、自治体が中心となって地域戦略の一環として取り組む必要があると解決の方向性を国が示しています。地域公共交通の役割、地域戦略の一環としてJR抜海駅を存続させることは、地域の足の確保、観光による人の交流、健康増進などに地域にとっても効果をもたらすものと私は考えますが、存続に対する市長の考えを改めて伺います。
○議長(岡本雄輔君) :工藤市長。
◎市長(工藤広君・登壇) :お答えをさせていただきます。 今、国交省の通達か通知かは分かりませんけれども、そのようなお話をいただきました。 先ほどの答弁でもお話しさせていただいているように、私もJRの利用者の数だけが全てだとは言っていません。また、先ほども言ったように、様々な意見があるということも認識しております。 今お話をされていた項目それぞれは大事な話でありますが、今回は、JR北海道が経営を維持するために様々な考えを整理した中で出てきた案件であって、我々としては、お話の地域住民の交流が云々というような話を否定するつもりは全くなく、経費の問題としてどうなのだということをお話しさせていただいているのです。 何度も言うように、必ずしもこちらに加担し、あちらに加担してということではなく、いろいろな御意見がある中でもってどの道を選択するか、それが私の与えられた使命だと思っておりまして、今いただいた意見も参考にしながらしっかりと判断をしていきたいと思います。
○議長(岡本雄輔君) :暫時休憩をいたします。 休憩 午前11時42分 再開 午前11時43分
○議長(岡本雄輔君) :休憩前に引き続き、会議を開きます。 質問の続行であります。 千葉一幸君。
◆千葉一幸議員 :答弁にありましたが、地域のみに責任を押しつける考えもないということです。しかし一方で、地域側から駅の利用や財源捻出に積極的に取り組みたいと考えが示されている状況を見極めるため、時間をかけざるを得ないという答弁もありました。 地域が駅の維持管理費用を例えばクラウドファンディングなどで確保したとしても、存廃の判断は本市にあるわけです。言うなれば、資金が集まれば存続するということなのか、そのような考えこそが地域に責任を押しつけることにはなると思わないのか、その点についての市長の考えをお聞かせください。
○議長(岡本雄輔君) :工藤市長。
◎市長(工藤広君・登壇) :お答えをさせていただきます。 先ほどは、それらの状況を見極めたいというお話をしたわけであり、金を出したからいい悪いとかという判断に立つという話ではございません。
○議長(岡本雄輔君) :千葉一幸君。
◆千葉一幸議員 :ちょっと分かりにくいですね。 それらの状況を見極めるというのは、駅の利活用、そして財源の捻出ということだと思うのですが、市長の頭の中ではどういうことを考えているのか、答弁ではのみ込めないものですから、そこを具体的にお聞かせいただきたいと思います。
○議長(岡本雄輔君) :工藤市長。
◎市長(工藤広君・登壇) :お答えをさせていただきます。 新聞にも載っておりましたけれども、クラウドファンディングで資金を調達する考え方を持っているという話を伺っておりますので、そのことであります。
○議長(岡本雄輔君) :千葉一幸君。
◆千葉一幸議員 :ただ、先ほどの答弁では経費の問題としてというような話もありました。 クラウドファンディングの話が報道には出ていたと思うのですけれども、地域がクラウドファンディング等で財源をもし集めることができれば、市としては駅を存続させるという判断になるという認識でいいのか、お聞かせください。
○議長(岡本雄輔君) :工藤市長。
◎市長(工藤広君・登壇) :お答えをさせていただきます。 金の話が全てだと言っているつもりはありません。なぜそこにJRの駅があるのか、それをもっと利用促進させるために何ができるのか、そういう観点でもってしっかりと捉えたいということをお話ししているつもりであります。
○議長(岡本雄輔君) :千葉一幸君。
◆千葉一幸議員 :それでは、本市主催の意見交換会にて、地域の合意なしに廃止はしない、思いをしっかり受け止めると地域に示したことから、私個人としては廃止から方針転換すると思っていました。 また、さきの答弁の中では今後も一緒に考えたいということがあった一方、合意がなければ何も決められないということではない、一定の利用があってこそという話もありました。 つまり、市長の考えとしては、さきの意見交換会で部長が言われたこと、それは市の主催で、市側の話として、地域の合意なしに廃止はしないということとは違うという認識なのでしょうか、お聞かせください。
○議長(岡本雄輔君) :工藤市長。
◎市長(工藤広君・登壇) :お答えをさせていただきます。 それそのものを私がそばで聞いたわけでありませんから、正確な説明はできないと思いますけれども、私どもの市政運営の姿勢といたしまして、声が大きければそれを受けるということではなく、いろいろな御意見を交換する中で双方が納得し合いたい、そうできなくても、最後は民主主義のルールでもってしっかり物事を進めていきたいということです。そうでなければ、モラルの低下にただつながるだけです。 そういう思いで部長もきっと話してくれたと思っておりますが、残念ながら、今お話ししたとおり、そばにいませんので、そのニュアンスについては必ずしも正確に把握しているとは言えません。
○議長(岡本雄輔君) :千葉一幸君。
◆千葉一幸議員 :難しいことではないと思うのですが、地域の合意なしに廃止はしないということ、それはニュアンスの問題で、そこにいたから分かる、いなかったから分からないという問題ではないと思うのです。 市長は、先ほど、合意がなければ何も決められないわけではないという認識を示されましたが、部長が地域に示した考えと市長の考えは違うということなのでしょうか。私には違うようにしか聞こえないのですけれども、それについてお聞かせいただきたいと思います。
○議長(岡本雄輔君) :工藤市長。
◎市長(工藤広君・登壇) :お答えをさせていただきます。 何度も繰り返しますけれども、私はそこにいないので、ニュアンスをはっきり正確に把握できているかは自信がありませんけれども、私としては、そのような報告を受け、今のようなお話をさせていただいております。
○議長(岡本雄輔君) :千葉一幸君。
◆千葉一幸議員 :最後にします。 6月の定例会での再質問の際に、市長は、私が言って解決するならやぶさかではないという話をされました。今後、市長として何らかの活動をすると決めているものはあるのかどうか、最後にお聞かせいただきたいと思います。
○議長(岡本雄輔君) :千葉一幸君の一般質問はその持ち時間に達しました。 したがいまして、千葉一幸君の一般質問は終結いたしました。(千葉一幸議員、自席に着席・拍手)
○議長(岡本雄輔君) :議事の都合により、暫時休憩をいたします。 休憩 午前11時50分 再開 午後1時01分
○議長(岡本雄輔君) :休憩前に引き続き、会議を開きます。 次に、田端かがり君の質問を許します。 なお、持ち時間は40分となります。 田端かがり君。(田端かがり議員、演台へ登壇・拍手)
◆田端かがり議員 :自由クラブの田端かがりです。 通告に従いまして、質問させていただきます。よろしくお願いいたします。 さきの6月定例会におきまして、先輩議員の質問にSDGsに関することがありました。我々がよく目にする、SDGsの17の目標は非常に抽象的で、キャッチーな言葉で書かれています。 そこで、別の視点からSDGsに関してのお話をさせていただきます。 SDGsとは、2015年の国連サミットで採択された2030年を年限とする17の国際社会共通の目標であります。日本では、2016年に推進本部が設置され、2017年にはジャパンSDGsアワードの創設、2017年から毎年12月にはアクションプランが決定されています。 しかしながら、その認知度は決して高くはなく、2020年3月時点での報告によると、聞いたことがあるという人は3人に1人という結果でありました。これは、東京、神奈川在住の15歳から69歳に対するウェブアンケートの結果であり、地方ではこれを下回ることが予想されます。 6月の市長答弁の中に、本市でも、国の方針を踏まえ、今年3月に第2期稚内市まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定していますが、そこに位置づけられた各種施策を実行していくことでSDGsの達成に貢献できるものと考えているとありましたが、まさにそのとおりだと思います。 第2期稚内市まち・ひと・しごと創生総合戦略には、第2期における新たな視点の②に新しい時代の流れを力にするとあり、さらに、Society5.0の実現に向けた技術の応用、SDGsを原動力とした地方創生とありますが、創生総合戦略も、さらには、第5次稚内市総合計画もSDGsと相互に関連していると考えられます。 つまり、SDGsとは、国際社会共通の目標でありながら、日本という国の一方自治体においても目標となり、指針となるものなのです。 では、本題に入ります。 まず最初は、17の目標の1番目の貧困をなくそうです。これはアイコン用に短く要約された言葉で、本当は、あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせるです。ここまで書いても、SDGsを分かっていらっしゃる方の中には、MDGsの名残の目標と捉える方も多いかもしれませんが、そうではありません。 169ある具体目標の中の1-2には、2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある全ての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させるとあります。 日本の貧困率は、OECD―経済開発協力機構の基準に基づき算出されていて、これが日本の定義であるということなので、2018年の厚生労働省のデータによると、日本の相対的貧困率は15.4%、子どもの貧困率は13.5%、7人に1人は貧困であるということです。これを十四、五に1人の割合にしましょうというのがSDGsの目標として存在しているということはあまり知られていない気がします。 さらに、もう一つデータをつけ加えますと、独り親家庭の貧困率は、2018年のデータで初めて50%を切り、48.1%という数字ですが、1985年以降、ずっと50%超で推移していました。現在は、新型コロナウイルスの感染拡大により、これらの数字は上昇しているものと推測できます。 次に、目標の2番目を見てみますと、飢餓をゼロにです。これこそ関係ないだろうと言われるかもしれませんが、シンボリックな言葉に要約されているだけで、実際の目標は、飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を推進するです。 具体目標2-1には、2030年までに飢餓を撲滅し、全ての人々、特に貧困層及び幼児を含む脆弱な立場にある人々が、一年中、安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにするとあります。 ここで考えるべきは、一年中、安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにするということでしょう。貧困の中で生活する人、とりわけ、成長期にある子どもが、一年中、安全かつ栄養のある食料を十分に得られていない現状がここ日本にもあるということを我々は知らなくてはなりません。そこから貧困対策が始まると言っても過言ではないのではないでしょうか。 貧困は、子どもから多くのものを奪います。栄養、教育、医療、雇用、社会へのアクセス、教育に関しては親の収入と進学率には明らかに関係性があるということは10年以上も前から言われていますし、これはお金がないから進学を諦めるということだけではなく、年収と子どもの学力にも明らかに比例関係が見られるという調査結果もあります。 これは、SDGsの目標3のあらゆる年齢の全ての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する、及び、4の全ての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進するを阻害することにもつながります。 稚内市には、子どもの貧困問題から子どもの貧困対策本部がつくられ、そこから発展した教育連携会議があります。そこには、子どもの貧困問題と真剣に取り組む姿勢が感じられます。大人たちが頑張らなければ、子どもが貧困から抜け出せずに、貧困の連鎖の波にのみ込まれてしまう可能性は大きく、連鎖は次世代へと受け継がれてしまいます。 昨年の12月に開催された子どもの貧困連鎖ストップ講習会において、表教育長の講演は、私にとっては、正直、圧巻でした。このまちだからこそできるものがあると題して行われた講演は、教育のみならず、ほかの分野にも希望の光が見えてくるものでした。このまちだからこそという視点はとても大切だと考えます。 ここで、質問に移ります。 昨年度、貧困をテーマにした講習会等に参加した際の資料では、国の貧困率をベースにしているものしかなく、稚内では推計で300人の子どもが貧困であるとありました。稚内の貧困率はデータとして存在しないのでしょうか。また、その理由はどこにあるのでしょうか。 SDGsアクションプラン2020、第2期稚内市まち・ひと・しごと創生総合戦略、そのどちらにも貧困率の半減に対する明確な記述はなく、数値目標もありません。しかしながら、子どもの貧困は根が深く、教育機関、教育関係者だけでは抜本的な解決は望めません。稚内市としての子どもの貧困対策としての取組があれば教えてください。また、その取組で貧困率の改善につながっているのかどうかも併せてお聞きします。 続きまして、ジャパンSDGsアワードについて少しお話しさせていただきます。 これは、SDGsの達成に資する優れた取組を行う企業、団体等を表彰する制度であり、栄えある第1回の本部町賞は北海道の下川町が受賞しました。第1目は2017年なので、それ以前からSDGsへの取組を開始しており、まちの売りの一つに先見性があったのもうなずけます。 下川町は、課題先進地域であることをアドバンテージと捉え、持続可能な森林経営を中心に、適正な木材、木製品の生産と供給、森林の健康や教育への活用、未利用森林資源の再エネ活用、再エネ供給システムを核としたコンパクトタウン等を推進しています。林業の持つ地球に優しい循環システムは、持続可能なシステムであり、まさにSDGsに合致すると言えます。 通告では、林業の地産地消、地材地消という循環型産業としての今後の取組ということでしたが、午前中の質疑にも循環型産業についてということとその回答もあったことから、私は地産地消、地材地消についての利活用についてお聞きします。 現在、道内ではカラマツの8割、トドマツの6割が利用期を迎えているということを昨年に参加した北海道林活議連総会の場で聞きました。北海道の森林資源は人工林を中心に増大、木材需要も増加傾向にあることで、森林資源の循環利用の推進が、北海道のみならず、全国規模で広がっています。 また、木材の持つ負のイメージ部分は技術の進歩により改善され、木質耐火部材の開発や強度の増大は、中・高層建築物や非住宅建築物へと利用の幅を広げています。特に、公共施設への木利用の動きは顕著であり、ここでは、昨年の総務経済常任委員会視察における宮崎県小林市の例と北海道の木造庁舎の雄・当麻町の例を少しだけ述べさせていただきます。 小林市は、林務部に林業担当が1名、事業者も森林組合のほかに統括1社、林業5社と規模的には稚内と変わりません。市有林を活用し、市が木材を一貫して所有管理する方式を取っていました。特筆すべきは、東館と呼ばれる議会棟が木造で、大手メーカー工法は面白くないという理由から、小林式オリジナル耐力壁を東京大学の教授にアドバイスを受けて開発、使用したことです。 当麻町は、道内初となるCLT材を執務室の天井部に一部用いていること、当麻町産材を100%使用しているなどの特色があり、グッドデザイン賞や北海道赤レンガ
建築賞を受賞し、新聞でも取り上げられたので、御存じの方もいらっしゃるかと思います。 両者には共通している点が二つあります。一つ目は、前例のないことをやってのけたこと、二つ目は、在来木造工法を採用し、地元の大工さんが建築に参加できる形態を取ったことです。木材の利活用、木材の地産地消と一口で言っても切り口はたくさんあることを教えられました。 昨年度に創設された森林環境譲与税も林業の活性化に拍車をかけています。森林環境譲与税の使途は限定的ではありますが、その中の木材利用を見ると、各自治体の特色が見えて非常に参考になります。特に、岩手県の西和賀町におけるそれは、小・中学校の授業の一部に木育を超えた森林環境教育なるものを実施、講師を外部から招き、体験学習も含まれており、譲与税の使途である木材利用、普及啓発を超えた効果も多分にある利用方法です。 ここまで幾つかの木材の利活用を紹介させていただきましたが、本市ではどのような利活用がなされているのでしょうか。また、公共施設への木利用という観点から見れば、今後、本市では市庁舎建て替えと義務教育学校の創設による稚内中学校の建設が予定されています。稚内における大型公共施設であり、庁舎は稚内の顔となるもの、稚内中学校は、稚内の初めてを形にするものです。数多くの制約や条件が伴うことではあるかと思いますが、私は稚内の木をぜひ活用してほしいと思っています。 そこで、現在の展望として、稚内産木材を使用する可能性についてお聞かせ願います。 最後に、Society5.0社会の実現に向けての稚内市の取組についてお伺いいたします。 Society5.0とは、平成28年1月に策定され、第5期科学技術基本計画において初めて提唱された定義であり、第2期稚内市まち・ひと・しごと創生総合戦略の資料には、サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会とあります。非常に難解な定義です。 情報社会と言われて久しいですが、それがSociety4.0です。インターネットや携帯電話、スマートフォンなどの普及により、どこにいてもネットワークさえあれば瞬時に情報を知ることができるようになりました。しかしながら、知りたい情報が必ずしもやってきてはくれません。逆に、情報があり過ぎて、必要な情報にたどりつけない場合もあります。 Society5.0においては、例えば、私たちが日々触っているスマートフォンから、その位置情報やSNSでの通信情報など、あらゆるデータが集積され、その分析をAIが担います。その分析された情報は私たちに還元され、様々な知識や情報を短時間で得られると同時に、多くの作業が簡略化や省力化され、時には作業からの解放があり、時間という有効な資源を得ることができます。その得られた時間は、自分や周り、地域へと還元され、有効活用されるという好循環をもたらすもの、それがSociety5.0だと言われています。経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会であるという根拠がそこにあります。 簡単な事例を挙げますと、車の自動走行がもうそこまで来ています。今は運転手がスマホ片手に運転すると法律に触れますが、自動走行だと、通勤時間でテレワーク会議が一つ終わるかもしれません。そこでできた時間は自分への御褒美時間にしてもいいですし、新しいアイデア、新しい価値を生み出すチャンスの時間になるかもしれません。それこそがSociety5.0が目指すものです。 自動運転の一例を挙げてみましたが、ほかに過疎化や高齢化が進む地方では交通インフラの維持にも期待できます。 前述のとおり、Society5.0では、IoTを通じてビッグデータと言われるデータの集積が不可欠となります。このデータを利活用することは、企業の国際競争力強化といった経済発展だけではなく、個人の生活の質の向上や社会課題解決にもつながると期待されています。 そのためには、行政のデジタル化、行政機関間のデータ連携、民間を含めたデータ連携の拡大へと進んでいかなくてはなりません。 その前段階として、各課の持つデータについて質問いたします。 稚内版ビッグデータというのは私が勝手につけた名前で、要は、稚内市の各課、各機関が持つデータの集合体を指します。私は稚内版ビッグデータを作成すること、そして、それを職員が情報として共有することは非常に有意であると考えます。もちろん、共有できない情報も多々存在するでしょうが、職員が横断的に触れることのできる、触れるべき情報もたくさんあるのではないでしょうか。 例えば、私が今日取り上げた子どもの貧困率です。稚内市では学校教育課がその数字を持っていますが、ほかの子どもを取り扱う課の職員が知っていてもいい、知っているべき情報の一つだと思います。仮に、その施策を取り扱わない部署であっても、その情報があることにより、所属する課の施策に反映できるかもしれませんし、個人にスポットを当てると所属課のことしか分からないというのではなく、横断的に広い知識を持つことができ、市民サービスの向上にもつながります。 そこで、稚内版ビッグデータの作成は、外部とのデータ連携の前にやっておくべきだと考えますし、データ連携の際にデータを精査するであろうことを考えると、まずは職員間の共有である程度のふるいにかけておくことは必須かと思いますが、市の見解はいかがでしょうか。 ここまで、Society5.0のよい側面や強みばかりを語ってきましたが、ネットワークに依存したシステムであるということには違いなく、現在問題となっている部分はそのまま継承されます。セキュリティー対策と個人情報、プライバシーの問題は、今後も課題となってのしかかってきます。行政組織としての考えをしっかりと持ち、より便利な世の中になるためのリスクに対するマネジメントも行っていかなくてはなりません。 稚内市の持つデータが集合体であるなしにかかわらず、その情報量に大きな違いはないと思いますが、膨大なデータを扱うことに変わりはありません。また、セキュリティー対策等のリスクに対応できる人材が担当部署には必要であると考えます。これらの仕事が委託である、もしくは、委託になるとしても、委託先と対等の話ができる人材が必要です。今後、データを扱っていくにはより高度で専門的な知識や技術を持った人材が必要不可欠であり、現在の人員で十分なのかどうか、将来展望も含め、見解をお聞かせください。 Society5.0の概念は、私は、師である当時の稚内北星学園大学のゴータム教授から聞きました。今年の2月のことです。先生はSociety5.0のその先の未来の話もしてくれました。この地に大学があるということのありがたみをしみじみと感じたときでもありました。 Society5.0社会に不可欠のIoTやAI、ロボット等への大学の取組はかなり前からやっています。それが地域に還元されていないことが残念でなりません。昨年の存廃騒動から1年以上が経過し、学校内での熱量が感じられないのが何とももどかしいところです。 しかしながら、稚内北星学園大学には、ITに関する専門的知識を持つ先生が在籍しています。学生も100余名おります。人材、知識、技術がそこにはあるのです。今こそ、包括連携協定の下、Society5.0に向け動き出すときなのではないでしょうか。言葉は適切ではないかもしれませんが、稚内市がどんどん大学を活用すればよいと思うのです。 岩見沢緑葉高校という高校があります。この高校にはパソコン部があり、小学校のプログラムミング教育が必修となって、その教材を提供したことで新聞にも取り上げられました。 稚内市では、稚内GIGAスクール構想において、稚内北星学園大学のノウハウを十分に活用しとの6月答弁がありましたが、ノウハウだけではなく、岩見沢市の取組である教材作成は学生の勉強にもなるし、成果品を世に送り出すという一石三鳥にも四鳥にもなる連携事例です。 市と大学の包括連携協定を結んでから5年が経過しました。その間、どんな取組があったのか、教えてください。また、稚内北星学園大学開学から34年の間に情報関連での連携があれば教えてください。 今回は、総じてSDGs及びSociety5.0について、その中の一部ではありますが、質問させていただきました。SDGsは国際目標であり、そこに書かれている文章、言葉は時には難解なものもありますが、私的にはこの地球という星で人類が末永く暮らすための目標だと考えています。 稚内市の施策一つ一つがSDGsの達成に資するものであるとの認識で、市長をはじめ、職員の方々にはこれからも市政運営を全うしていただきたいとの思いを込めて、一般質問を締めくくらせていただきます。御答弁をよろしくお願いいたします。(田端かがり議員、発言席へ着席)
○議長(岡本雄輔君) :議事の都合により暫時休憩をいたします。 休憩 午後1時24分 再開 午後1時25分
○議長(岡本雄輔君) :休憩前に引き続き、会議を開きます。 ただいまの質問に対する答弁を求めます。 工藤市長。
◎市長(工藤広君・登壇) :自由クラブ、田端かがり議員の御質問にお答えをいたします。 初めに、稚内におけるSDGsへの取組に関する御質問です。 なお、1点目のSDGsの目標1の貧困をなくそうに対する考え方と子どもの貧困に対する取組については、後ほど教育長から答弁をさせていただきます。 私からは、2点目のSDGsの目標15の陸の豊かさも守ろう第1次産業である林業に対する考えと、地産地消、地材地消という循環型産業としての今後の取組というお尋ねについてお答えをしたいと思います。 様々な事例を含めて大変興味を持って聞かせていただきましたが、本市の平成30年度の木材生産量は2万5,170立方メートルで、宗谷管内の27%を占めております。そのうち、94%が針葉樹であり、半数以上の1万2,652立方メートルが住宅用建材、そのほかはチップ材やバイオマス用として出荷をされているところであります。 公共施設への稚内産木材利用の可能性でありますが、今述べたとおり、本市の木材で大半を占めるのは針葉樹であり、特にトドマツは継続して造林してきており、現在、利用可能な時期を迎えているところでもあります。 ただ、これまで、トドマツは、広葉樹と比べて傷つきやすく、樹脂が出たり、若干の臭いがあるなど利用の難しさがありましたが、加工技術が進み、北海道全体で利用促進に取り組んでいるところでもあります。本市としても、それらを視野に入れながら、他地域の事例を参考に、市庁舎をはじめ、公共施設での稚内産木材の利用について検討をしていきます。 次に、Society5.0社会の実現に向けての本市の考え方と取組に関する御質問についてであります。 まず、稚内版ビッグデータの取扱いと横断的な情報共有というお尋ねについてでありますが、人工知能や身の回りのあらゆるものがインターネットにつながる仕組み、いわゆるAIやIoTを活用し、超スマート社会を目指すSociety5.0への取組を強力に推し進めるためには、国はデジタル庁を創設する方針を示しており、今後は社会全体のデジタル化が飛躍的に進展するものと認識しています。 本市では、行政のデジタル化を進めることで経済発展と社会的課題の解決の両立を望んでいますが、現状では、職員の間にSociety5.0社会に関する知識や理解、また、業務改革や業務効率に積極的に取り組む意識が高いとは言えない状況だと受け止めております。 お話のとおり、それぞれの課が持っているデータを組み合わせ、分析することは、必ずしもビッグデータに限らず大変重要な発想でありますので、今後は、職員一人一人の意識改革がSociety5.0社会に対応するために重要であると捉えながら、まずは、庁内データの横断的な利活用の目的や意義を理解するセミナーや研修の開催などを通じて、職員間における業務改善意識の浸透に努めてまいります。 次に、専門知識、専門技術を有する専門部署、専門職の増設、増員というお尋ねについてですが、現在は情報システムに関する部署を総務部に設置をしており、行政情報化の推進や情報処理業務の運用などを行っております。 担当する職員は専門職としての採用ではありませんけれども、日頃の職場内での教育研修、研さんを通じ、業務に必要な専門知識などの習得に努めております。Society5.0社会の実現に向けては、より高度な専門知識や技術を持った人材、あるいは担当部署の体制強化が必要となることは理解いたしますが、市の行政は総合行政であり、人材確保においても全体のバランスが求められることは申し上げるまでもございません。 今後も、専門分野に精通した職員の育成に努めることはもちろんでありますが、行政需要に幅広く応えるため、本市施策の状況に応じた専門人材の確保や体制強化の方法についても並行して検討を進めてまいります。 また、スマート社会の中でのスマート行政においては、職員一人一人がデータを活用し、課題解決のために一歩踏み出すという意識が必要であり、今後は、データ分析能力の向上に必要な知識などの習得を図るだけでなく、職員の仕事に対する考え方や意識の変化につながる取組も進めなければならないと考えているところであります。 稚内北星学園大学との連携につきましても、この後、教育長から御答弁をいたします。 以上、自由クラブ、田端かがり議員の御質問にお答えをいたしました。
○議長(岡本雄輔君) :暫時休憩をいたします。 休憩 午後1時30分 再開 午後1時31分
○議長(岡本雄輔君) :休憩前に引き続き、会議を開きます。 答弁を求めます。 表教育長。
◎教育長(表純一君・登壇) :自由クラブ、田端かがり議員の御質問にお答えをさせていただきます。 初めに、稚内におけるSDGsへの取組の御質問についてであります。 SDGs、貧困をなくそうに対する考え方と子どもの貧困に対する取組についてでありますが、まず、本市における貧困に関するデータとしては、平成28年度、小・中学生及び高校生から抽出した学年を対象に北海道が実施した北海道子どもの生活実態調査の結果があります。このデータから、本市の子どものおよそ8人に1人がいわゆる相対的貧困の状態にあると捉え、各種施策に活用をしております。 次に、子どもの貧困対策の取組のお尋ねについてであります。 子どもの貧困の連鎖を止めるためには、教育環境の整備や教育の機会均等を図ることが重要であるという認識の下、貧困対策を進めており、稚内市子どもの貧困対策本部会議で出された提言に基づき、全庁的に取り組んでいるところであります。 取組の重点として、貧困世帯を孤立させず、人とのつながりや教育、福祉、医療の支援で支えるため、地域コーディネーターを養成する研修を実施しており、中学校区ごとに配置し、セーフティネットの構築を進めております。 また、ただいま申し上げたほかにも、昨年度要請を受けた奨学金制度の創設など、引き続き検討を進めているものもあり、具体的な目標数値は定めておりませんが、本市の子どもの貧困対策の基本である子どもを誰一人取り残さないという意識に立ち、貧困問題に対応してまいります。 次に、Society5.0社会の実現に向けての稚内市の考え方と取組の御質問についてであります。 稚内北星学園大学との連携についてでありますが、包括連携に関する協定書を稚内北星学園大学と平成26年度に締結して以降の取組については、教育連携会議への参画や放課後学力グングン塾をはじめとして、様々な場面で学生ボランティアの派遣を行ってもらうなど、主に教育分野において連携した取組を展開しております。 情報関連の連携については、これまで、平成26年度に採択された地(知)の拠点整備事業の一つとして、学校現場におけるICT機器の活用のための研修会講師の派遣、また、まちなかメディアラボでのパソコン講習など、情報経済学の専門性の強さが発揮されております。 また、本年度から全面施行となった小学校のプログラミング教育をはじめ、コロナ禍におけるリモート学習や学校ホームページに対する助言など、包括連携としての成果がもたらされております。 大学開学から培われた情報系大学がもたらした特徴的な連携として、少し古いですけれども、平成11年から平成16年までの間に行われた稚内地域実験研究ネットワークが挙げられます。 これは、当時の郵政省通信総合研究所と大学、そして本市を含めた共同研究であり、大学をはじめ、市内の中学校、高校、さらに、市庁舎など、市の施設と当時の電波観測所を無線LANで接続し、通信状況を調査するという、当時、国内でも先駆的な事業が行われております。 このように、大学の先進的な取組は本市の情報分野活性化に大いに寄与したところであり、Society5.0社会に向け、今後も大学との包括連携を強力に推し進めていく考えでおります。 以上、自由クラブ、田端かがり議員の御質問にお答えをさせていただきました。
○議長(岡本雄輔君) :暫時休憩をいたします。 休憩 午後1時36分 再開 午後1時36分
○議長(岡本雄輔君) :休憩前に引き続き、会議を開きます。 これより再質問に移ります。 再質問はございませんか。 田端かがり君。
◆田端かがり議員 :まず、稚内の子どもの貧困率についてですが、素朴な疑問が1点あります。 回答には、本市の子どものおよそ8人に1人が相対的貧困にあると捉えているとのことですが、昨年12月に開催された子どもの貧困連鎖ストップ講習会では、割合にして13.9%、7人に1人が貧困であるとのデータが提示されました。 稚内の相対的貧困率は北海道のそれより低い状況であるとの答弁もありましたが、では、なぜ8人に1人という数字を使わなかったのでしょうか。稚内の教育関係者の間でも8人に1人という数字が共有されていないのでしょうか、お聞かせください。
○議長(岡本雄輔君) :表教育長。
◎教育長(表純一君・登壇) :お答えをさせていただきます。 私たちが子どもの貧困対策を問題にし、いろいろなシンポジウムをやってきた際には、国の基準を当初から使っておりまして、当時は6人に1人という状況でした。それが次の調査で7人に1人となってきました。 今、議員の御質問に答弁したとおり、平成28年の北海道の調査の中では稚内市は8人に1人だったわけでありますけれども、先ほど議員がおっしゃったとおり、国の子どもの貧困率は13.5%で、それが7人に1人という実態です。 今、数字については忘れましたけれども、8人に1人というのは単純に割ると12.5%になります。そうすると、1%しか有意差はないわけであって、そういうところよりも、やはり、まず、子どもの貧困状態は稚内においても決してそんなにいいわけではないのだという状況を皆さんに分かってもらうということが子どもの貧困対策において重要なのだろうという観点から、あえていいデータを使わずに、国と同じような状況にあるということで、今まで7人に1人ということで統一をさせてもらっております。
○議長(岡本雄輔君) :田端かがり君。
◆田端かがり議員 :平成29年及び30年の定例会において、先ほどから教育長がおっしゃっている北海道が実施した調査の本市分のデータを提供されること、そして、そのデータを基に分析を進めていることなどが報告されていますが、このとき、クロス集計まではできていないのだがという前置きがありました。 そこで、クロス集計後、新たな気づきや本市の傾向、それに伴っての取組等があれば教えてください。また、このときに稚内北星学園大学に委託予定とされていた
アンケート調査があったかと思うのですけれども、そちらの実施結果も併せてお示しください。
○議長(岡本雄輔君) :表教育長。
◎教育長(表純一君・登壇) :お答えをさせていただきます。 当時、まだクロス集計ができていないので、今後、クロス集計を行っていきますというような話をさせてもらいました。そのデータは北海道がもらったもので、北海道ではクロス集計をやっているのですけれども、当時、参加した市町村に対して、北海道の調査の中においては参加した市町村ごとにクロス集計をするような集計結果にはなっておらず、クロス集計ができるようなデータを渡すことができないということでした。 それから、その後に、稚内北星学園大学にその調査を委託しましたが、これは、数字というよりは、当時の大学関係者によって子どもの貧困の実態を具体的にといいますか、実際に起こっている貧困を具体的に捉え、問題の本質を抽出することが中心でした。そして、その中で、貧困が起こっている原因やそれを解決するための手段などを具体的に提言されました。我々としては一人も取り残すことがないようにということを目指しておりますけれども、そういう課題に非常に現実的で具体的な課題が提言されておりますので、それを各地域の支援ネットワークにおいて支援策として活用をしているところであります。
○議長(岡本雄輔君) :田端かがり君。
◆田端かがり議員 :調査に関しましては最後にお聞きします。 北海道の生活実態調査における調査結果といただいた本市の調査結果とを比較すると、各調査項目において大きな有意差は生じていないと先ほどの御答弁にありました。また、だから、全体的な傾向は北海道と変わらないと認識しているとの御答弁もありました。 北海道では、北海道子ども貧困対策推進計画の2期目に入っていますが、全国平均に比べて
生活保護世帯の割合が約1.8倍、独り親世帯の割合は約1.3倍、社会的養護児童数の出現率は約1.6倍とのデータがありますが、本市も同様であると考えてよろしいのでしょうか、稚内市の実情をお聞かせください。
○議長(岡本雄輔君) :表教育長。
◎教育長(表純一君・登壇) :お答えをさせていただきます。 議員がおっしゃったことについて、今、私たちはデータを持ち合わせておりませんで、北海道と稚内市でどうなのかについてはこの場で即答することができませんので、御理解をいただきたいと思います。
○議長(岡本雄輔君) :田端かがり君。
◆田端かがり議員 :では、機会を改めて聞かせていただきます。 第2期北海道子ども貧困対策推進計画では、計画の目指す姿として23の指標を掲げています。第1期が12項目でしたので、倍増しています。これは、関連施策の実施状況や対策の効果等を客観的に検証、評価することが重要であるとの認識からです。 本市においては、子どもの貧困対策における18の提言に関し、毎年、検証を行ってはいますが、これは大人による大人の検証にすぎず、その効果がどうなのかは正直分かりません。 本市の行っている子どもの貧困対策への先見性や現在行っている取組にはすばらしいものがあります。支援という名がつくものもつかないものもありますが、多くの手が差し伸べられる現状があり、実態把握もできているほうだという関係者の自負もあります。だからこそ、その取組がしっかりと貧困率の改善に向かっていっているかどうかという検証が必要であり、そのためにも定期的な調査が必要であると考えます。 子どもを誰一人取り残さないという言葉の裏には、その把握が欠かせないということも含まれていると思います。時折、伊藤議員からも子どもは待ってくれないという言葉が出ますが、平成28年の調査時点で調査対象となった中学校2年生と高校2年生はもう大人です。 また、先日の新聞報道には、
新型コロナウイルス感染症の拡大により、母子家庭の実に18.2%が1日の食事回数が減ったとの記事がありました。これはNPO法人の調査によるもので、定期的な調査のほかにも、今回は
新型コロナウイルス感染症という突発的な要因ですが、より実態に即した対応を検討、実施するための調査の必要性も大きいのではないでしょうか。 そこで、今後の調査に関する展望と、いま一度、貧困率の改善についてのお考えをお聞かせください。
○議長(岡本雄輔君) :表教育長。
◎教育長(表純一君・登壇) :お答えをさせていただきます。 貧困率の改善をデータで示せるかどうかですが、ある意味では非常に難しいのだと私は思っています。相対的貧困率と言っているわけですから、中央値の2分の1というようなことであります。でも、中央値が変われば貧困率も変わるわけであって、相対的貧困率が高くなった低くなったということについて、国や道という大きな単位では非常に本当に大きいと思うのですけれども、先ほど来答弁させてもらっているように、私たちはこの地域において中学校区単位でセーフティーネットを持っていまして、非常に多くのことを把握できる環境を持っているのです。 そこで、その環境をうまく生かしながら貧困に陥っている家庭に手を差し伸べること、また、進学や不登校など、困り事がある子どもたちにしっかりとアドバイスができる体制を個々につくっていける、そんな地域ではないのかなと考え、そういうことに今まで私たちは力を入れてきました。 ただ、道の指標を見ますと、参考になるべき点もあります。当然、私たちでも独り親家庭の問題などについて調査ができるものもあると思っておりますので、できるものについては改善をしながら、また、今までのとおり、一人も子どもを取り残さないという思いを大事にしながら進めていきたいと考えております。
○議長(岡本雄輔君) :田端かがり君。
◆田端かがり議員 :セーフティーネット等があり、物すごく子どもの近くにいらっしゃるということは重々承知した上で、だからこその検証が必要ではないかという考えでいるのは変わりませんので、今後とも引き続き御検討いただければと思います。 続きまして、稚内産木材の地産地消、地材地消についてですが、内部での検討が前向きに進んでいるというお話も耳にしましたし、利用促進に関しましては、それが稚内の森林及び森林資源、もっと大きな視点で言うと、地球環境を守ることにもつながりますので、引き続き利活用を前提とした循環型産業としての取組を続けていただきたいと思います。 続きまして、稚内版ビッグデータの取り扱いと横断的な情報共有、専門部署、専門職の増設、増員についてですが、まずは、庁内の意識改革、その上での業務改革、業務効率化、人材育成であるとの御回答かと思います。 私が議員になり、1年数か月が経過し、昨年の9月定例会でも職場環境の改善ということで、ICT活用、管理職の研修、職員の意識改革に積極的に取り組み、一層の改善に努めるとの回答がありました。 今日まで行ってきたであろう意識改革は功を奏していないということでよろしいのでしょうか。それとも、ある程度の結果は出ているが、まだ不足しているということなのでしょうか。この1年間の経過も含め、お聞かせください。
○議長(岡本雄輔君) :総務部長。
◎総務部長(山崎智君・登壇) :お答えいたします。 事務事業の見直しや職員の意識改革については議会でもたびたび御指摘を受けておりますが、改善に向けて努力してきているところでございます。 その上で、御質問の昨年からの取組経過を含めた効果についてです。 まず、ICT、情報通信技術の活用ということでは、せんだっての特別定額給付金の支給について、手書きの申請書に対し、AI、OCRあると言われるものを使って人口知能で読み取り、その読み取った手書きデータをRPAと言われます入力データを人の代わりに自動的に入力する技術を使い、給付金の口座振込データの作成まで、一連の作業を繰り返して行わせるなど、導入に向けてテストを行いました。 また、今年、税住民情報等のシステムを札幌市のデータセンターと専用回線を使ってやり取りを行うクラウド化へ移行することとなっております。 さらに、Society5.0の社会に向けました情報化研修会の開催にも取り組んできたところでございます。 人材育成部門では、管理監督者向けに、管理監督者の立場から、組織の効率化を目指すタイムマネジメント研修や業務の効率化のスキルアップ研修など、職員の仕事に対する意識改革につながる研修を行ったほか、全管理職にヒアリングを実施し、組織の業務改善の問題点の整理分析を行ってきたところでございます。 こうした取組で一定の成果は見込めたところですが、それが全庁的なものにはなっていないということはあります。今後、先ほど市長が答弁いたしましたとおり、スピード感を持って仕事に対する考え方や意識の変化につながる取組を進めてまいりたいと思います。
○議長(岡本雄輔君) :田端かがり君。
◆田端かがり議員 :数々の取組をなされていることは理解できました。 意識改革というものは一朝一夕では到底できないということも承知しております。しかし、そんな中、Society5.0という今までとは桁違いのスピードを持った社会が到来しているのもまた事実です。 意識改革が終わってから、例えば、庁内データの横断的な利活用のための仕組みを整えているようでは遅きに失すると思われます。 くしくも、先日の平井デジタル改革相の発言に、省庁横断的に全ての予算を要求段階から新しいデジタル庁に集め、国民にとってベストのシステムをつくっていくとありました。これからは横の連携が鍵を握っていると言っても過言ではなく、稚内市が稚内版ビッグデータを取り扱うということは市民のためにほかなりません。一時的な人材の増員等があるかもしれませんが、業務改革や業務効率化により、それも長い目で見ればしっかりと市民に還元できるものとなるはずです。 そこで、Society5.0へと向かう市長の強い思い、決意をお聞かせください。
○議長(岡本雄輔君) :工藤市長。
◎市長(工藤広君・登壇) :お答えをさせていただきます。 Society5.0に向かう思いの御質問についてでありますが、毎年、総務省から、全道市長会や全国市長会で、この件については一生懸命旗を振って、それに何とか向かって取り組めという話があるのでありますが、正直なところ、ついこの間まで、Society5.0という言葉にあまり切迫感を感じておりませんでした。 今の部長の説明をどうこう言うつもりはございませんけれども、OCRだとか何とかというインターフェースまがいのものが高度な機械だとか何とかということがどんどんと先行するということのほか、データが今まで考えられなかったくっつき方をして、我々は全く違う発想でもってデータを処理したり、社会生活をしたりするということになります。 今回の特別定額給付金は、言ってみれば、紙媒体の発想のその延長であり、機械でもって紙に書いてあるものを写し、それをどうかしたということで、マイナンバーを使って様々な高度な社会を築きたいという狙いとは全く合致していなかったのが現実であります。 ただ、御承知のとおり、今、デジタル庁ということが大きく取り上げられていますし、それに伴ってマイナンバーの在り方も見直されております。これまで、Society5.0の中でもって、スマート社会やスマート農業、あるいは、スマート教育など、様々なことが言われてきましたけれども、その中のスマート行政というものが本当に現実のものになるのだとしたら、我々が今まで考えていなかった、できないと思っていた納税や住民記録、国民健康保険、選挙など、ありとあらゆることに、今まで無駄とも感じていなかった二重三重の無駄な事務が大きく変えられるという社会がもしかしたらすぐ目の前に来ているかもしれないという気持ちになりました。 今、新庁舎を建設しようとしているこの時期ということで、とても興味の湧く話ですし、これからは大いに関心を持って取り組んでいきたいと思っております。 私は大型コンピューターに携わった経験がありますから、データベースということについてはよく知っておりますけれども、ビッグデータというのは、単に大きいだということではなくて、構造も形式も違うそういうデータに関し、IT技術で今まで管理することは無理だと思われていたものをくっつけるということもあるのです。 先ほど各課で必要だと思われるものとおっしゃられていましたが、その課では必要だけれども、よその課の者は知らないというようなデータでも、技術をかませることによって、それらが有効に活用できる社会が目の前に来ているなという思いをしています。 だからといって、一朝一夕に職員に理解を求めるということには無理があります。でも、若い職員は私と違って頭は柔らかいと思っております。Society5.0ということで、そんな時代を語れることに喜びを感じながら、そんなに長い期間ではないと思いますけれども、私が先頭に立ってしっかりとその社会を目指し、取り組んでいきたいと思っておりますし、そのような意識改革にも取り組んでいきたいと思っています。
○議長(岡本雄輔君) :田端かがり君。
◆田端かがり議員 :非常に熱い思いをありがとうございました。 最後に、稚内北星学園大学との連携についてお話しさせていただきます。 稚内市と稚内北星学園大学が包括連携協定を結んで以降は、主に教育分野での連携した取組ということでした。それは私も存じ上げております。コロナ禍の今、稚内北星学園大学の知が教育関係のアドバイスとなって存在していることに少し安堵しております。 ただ、大学の持つポテンシャルを考えるとまだまだ不足していると思っています。一昨年のETロボコンで、企業も出場している中、全国一になったことは記憶に新しく、情報分野において、教育関係だけではない連携がもっとできるのではないか、できるはずだと思いました。 例えば、稚内版ビッグデータを利活用するに当たり、専門職を登用せずとも、大学という財産が稚内にはあるわけです。専門人材を潤沢に抱えることが非常に難しいのなら、アドバイザーとして活用する、その作業の一端を学生が担うことにより、学習の一環として捉えることもできますし、稚内北星学園大学のウェブサイト研究会が図書館のシステム改修を行っているという記事を読んだ方もいらっしゃると思いますが、報道にもあるとおり、教員の下で学生がやっているのではなく、学生自身が行っています。稚内北星学園大学は稚内市の情報化にも必ずや貢献できる大学だと思います。 そこで、今後、強力に推し進めていくとおっしゃった大学との包括連携について、どのようなビジョンをお持ちなのか、お聞かせください。
○議長(岡本雄輔君) :表教育長。
◎教育長(表純一君・登壇) :お答えをさせていただきます。 まず、教育について語らせてもらいます。 議員の先ほどの質問にあったSDGsやSociety5.0のターゲットは2030年です。今、我々が進めている新学習指導要領も2030年に社会に出る子どもたちにしっかりとした力をつけるというためにということで今年度から始まっています。 そういう意味では、2030年という10年後に向けてターゲットがスタートしているという状況でありまして、そういう中で、教育の分野においては、稚内北星学園大学との連携をしっかりとしていくことが必要だと考えております。この10年間のうちに新たなAIの時代に生きるためのしっかりとした力をつけさせることが可能になってくるのだろうと思っています。 もう一つ、大学が持っているポテンシャルについてです。 毎回、産・学・官ということがよく言われながら、なかなか進んでいないという状況ではないのかなと思っています。そういう中で、今の大学の松尾理事長ともお話をさせてもらっていますけれども、松尾理事長は、やはり、大学自身がしっかりと稼ぐことが重要だと言っており、そういう意味では、今以上に産や官との連携を進めようとしておりますし、特に今のアフターコロナにおいてはリモートに特化するということも非常に重要になってくると思っています。 そういう技術を持っている情報系大学の特異性は非常に発揮できる時期だと思っておりますので、市長部局ともしっかりと連携しながら、教育委員会としても大学との連携を進めていきたいと考えております。 なお、包括連携自体は市長部局でも担当しておりますので、今後、さらにそれが発展できるよう、全庁的に取り組んでいきたいと思います。
○議長(岡本雄輔君) :田端かがり君。
◆田端かがり議員 :今のお話の発展形になるかと思うのですけれども、Society5.0における経済発展という見地からも稚内北星学園大学は可能性を大いに秘めていると私は考えております。 これは私のたわごとになってしまうかもしれませんが、例えば、稚内北星学園大学がデータサーバー基地となる、もしくは、データサーバー基地を別途設立し、企業といった形態を取るのもいいかもしれません。そこでは、リモートコントロールがもちろん主となりますが、やはり人の手は必要です。大学でネットワークを学んだ学生が働く場所をつくると雇用の創設にもなります。サーバー基地は高温を好みませんので、日本の最北端に位置する稚内は好適地かと思われます。 そして、当然のことながら、多量の電気が必要ですが、電力の地産地消、地域エネルギー会社設立を目指している稚内市にとっては、スマートコミュニティーの中の一環として、その業態を新設することも夢のあることだと思っています。 話は変わりますが、広報わっかない9月号でSDGs周知、啓発が開始されました。稚内市青少年科学館でのクイズボードでは対象が限定的であるのに対し、広報わっかないは全戸に配付されます。SDGsの周知、啓発の手綱を緩めることなく、SDGsの達成に貢献するであろう第2期稚内市まち・ひと・しごと創生総合戦略の各種施策の実行、達成に稚内市が邁進することを要望とし、再質問を終わらせていただきます。
○議長(岡本雄輔君) :再質問なしと認めます。 したがいまして、田端かがり君の一般質問は終結いたしました。(田端かがり議員、自席に着席・拍手)
○議長(岡本雄輔君) :質問者交代のため、暫時休憩をいたします。 休憩 午後2時04分 再開 午後2時12分
○議長(岡本雄輔君) :休憩前に引き続き、会議を開きます。 次に、鈴木茂行君の質問を許します。 なお、持ち時間は40分となります。 鈴木茂行君。(鈴木茂行議員、演台へ登壇・拍手)
◆鈴木茂行議員 :公明党の鈴木茂行です。 今年は、我が国において4年に1度のスポーツの祭典のオリンピック、パラリンピックが開催される予定でしたが、新型コロナウイルスの影響により1年間延期となり、世界中のアスリートや国民を落胆させました。 その後も、世界中で新型コロナウイルス感染者が拡大し、9月23日現在、3,161万6,000人で、死者数は97万2,000人に達しようとしております。我が国においても感染者は約8万人で、死者は1,525人となり、社会経済活動が制限され、日常生活に大きな支障が生じております。 一方で、地震や台風、低気圧による豪雨災害も多発し、安心・安全な暮らしを市民に提供する行政としては、年々、大変な時代になってくると思いますので、アンテナを高く掲げてのスピーディーな対応を切望いたします。 それでは、通告に従い、大項目4点について質問をいたします。 1項目めは、コロナ禍における今後の財政運営と新たな支援策についてであります。
新型コロナウイルス感染症により、2020年4月から6月の国内総生産の実質成長率が年率28.1%減で、リーマンショック後の2009年1から3月期の17.8%を超えて、歴史的悪化を記録しました。7から9月期で幾らかは回復しているものの、再び悪化して、底打ちをする2番底へと年内に転落するおそれがあるとの予測もあります。 コロナ禍においては輸出の減少に加え、GDPの5割超を占める個人消費の外食や旅行・レジャー需要が大幅に減少となり、悪化に拍車をかけました。リーマンショック時は、GDPが500兆円まで減少し、元の水準に回復するのに4年がかかったと言われ、今回のコロナウイルスも同等もしくはそれ以上の期間がかかるとの見方もあります。 日銀の旭川事務所は、7月の道北の景気判断を、悪化した後、感染症の影響が引き続き見られ、厳しい状況にあるとしております。6月議会において、藤谷議員より財政運営についてるる質問がありましたが、私もコロナ禍における来年度からの財政運営が心配でなりません。 市長の財政運営は、長年の経験により積極的であることは評価します。ちなみに、一般会計の決算ベースでは、平成29年度は歳入274億5,500万円で、平成30年度は269億3,100万円、そして、今議会上程の元年度決算は304億1,600万円と、ふるさと納税の恩恵や1次産業の好調、財政調整基金の取り崩しはあるものの、少子高齢化、人口減少などによる景気経済の縮小という逆風の中、大幅な増額決算となったことは、地域経済に配慮し、苦慮されながらの財政運営であったと推察いたします。 今年度は、コロナ禍において国のスピーディーな1・2次補正予算により財政措置がなされ、6月議会での答弁にありましたように、年度当初の25億2,000万円の基金の上乗せもできるとのことでした。 結果、今議会での補正後で1億2,000万円の増額の26億4,000万円となり、コロナ対策による本市の持ち出しが今のところはほとんどありません。しかし、新型コロナウイルスの終息が見通せない現状においては、観光産業や飲食業などの大幅な減収、水産業の魚価安、それに伴う雇用の減少など、多くの業種において打撃となり、市税を含めた歳入の減少額は数年に及ぶものと予想されます。 一方で、市庁舎の新築資金、病院への繰出金の増額予想、異常気象に対応する防災・減災対策費の計上、高齢者福祉予算の自然増などが財政圧迫への懸念材料であります。また、国や道の交付金、補助金なども不透明さを増してくると考えます。 6月議会にて、来年度以降の予算編成について、例年4月以降から今後7か年の財政収支に関わる推計作業を実施しているとのことで、7月頃から事務所管課へのヒアリングを実施し、新型コロナウイルスによる社会情勢の変化やそれに伴う国の地方財政対策も予想し、将来にわたって健全な財政運営を堅持し、経済を守り発展させるための積極的な予算措置にも配慮していきたいとの力強い答弁がありましたが、現時点での歳入の確保と歳出のバランスをどのように考えているのか、来年度から7か年の財政収支推計をお聞かせください。 国の2次補正分の地方創生臨時交付金の事業計画提出は9月末での受付となっておりますが、その後も見据え、以下の活用を提言します。 国民に好評価された特別定額給付金については、5月以降、多くの自治体が4月27日以降に誕生した子どもにも10万円の支給をしておりますので、ぜひとも支給へとかじを取っていただきたいと思います。また、市の助成金対象外ホテルや販売が低迷している水産加工業、客足が戻らない飲食店には水道料の減免をすべきであります。 感染のおそれがある中で業務に当たってきた医療・介護・障がい福祉サービスの職員に対する1人当たり5万円から20万円の慰労金の給付が8月下旬以降から各都道府県で始まりました。 本市においても、今議会の病院会計補正予算で1億2,700万円が計上され、可決後、10月中には支給される予定であります。医療・介護・障がい福祉サービスの職員の皆様には、この場をお借りし、敬意と感謝を申し上げる次第であります。 また、過日の臨時議会で、一般廃棄物収集業務従事者に対し、特別給付金総額108万円の支給を可決しましたが、それらに匹敵する職業とも言える保育所、保育園、幼稚園の従事者は、密になりやすい子どもたちの感染リスクに気配りし、今までは業務ではなかった毎日の消毒作業などの重労働を余儀なくされていますので、本市独自で慰労金を支給すべきであります。 また、地元産材活用事業として、地方公共団体が水産物、畜産物、木工品などを地元の民間施設や公共施設等で活用する際の物品購入費や木工事業等に充当する場合も交付金の対象となりますので、学校給食や病院食に農水産物をもっと活用すべきであります。 ちなみに、道は需要が低迷している北海道産ホタテを買い取り、小・中学校などの給食向けに無償提供しています。本市でも、木工製品を製作している事業所の製作品を公共施設や福祉施設にもっと活用すべきであります。併せて見解をお聞かせください。 これらの支援助成終了後は、アフターコロナ対策へとシフトすべきと考えますが、認識をお聞かせください。 2項目めは、ウィズコロナと地方創生についてです。 コロナ禍の影響により在宅勤務やテレワークなどを経験し、ゆとりある暮らし、新しい働き方の意識変化が起きてきております。内閣府の調査では、東京圏に住む約4割、とりわけ30代から40代が強い関心を示しています。 その要因として、政治経済の中心地で交通機関も便利なことは魅力的であるが、集中豪雨や大地震発生への懸念や人口の過密化による3密を余儀なくされることから、感染症などの災害リスクが極めて高くなっているからであります。 新しい働き方のテレワークは、人口減少に悩む本市をはじめ、地方都市においては、首都圏や札幌圏から移住や短期移住などに追い風が吹いてきております。本市としては、2015年からちょっと暮らし移住体験推進事業に取り組んでいるものの、移住への成果が乏しいのが現実であります。 そこで、発想を転換し、空き店舗やちょっと暮らし住宅を活用し、テレワークセンターの創設やテレワーク適用住宅への改修を提案します。これらの通信環境整備や施設改修費が交付金の対象であります。 北見市では、テレワークを軸にした企業誘致を推進、地元学生の就職先確保とともにUターン支援にもつながっているとのことであります。駅前商店街にあった空き店舗を活用し、サテライトオフィス北見として、30席の作業スペースやテレビ会議システムなどを整備し、今では年間300人ほどが利用され、地元の北見工業大学とも連携し、即戦力の学生確保にも一定の成果を上げております。本市においても即戦力の学生を輩出していいます稚内北星大学がありますので、積極的な取組をすべきと思います。 また、昨年オープンした移住者によるきた北海道移住支援型シェアハウスが稚内への移住を発信してくれておりますが、事業者と連携しての地方創生ができないのかもお伺いいたします。 また、観光客などの宿泊客が減少しているホテルや旅館を利用してのワーケーンションプランに割引クーポンを付与する取組も地方創生につながるものと考えますが、見解をお聞かせください。 3項目めは、サハリン航路とサハリン交流についてです。 コロナ禍において、また、定期航路の休止により、サハリンとの交流活動が停滞していることは残念であります。特に、今年は、本市において10月に予定していた第13回友好都市経済交流促進会議と稚内-コルサコフ定期航路利用促進合同会議が開催されず、来年度に延期されるなど、全ての会議や交流事業が今年度開催できない状況にあることは、今後のサハリンとの経済・文化・民間交流に少なからず影響を受けると思います。 まずは、定期航路の件ですが、今年で2年間休止となっており、今年1月の総務経済常任委員会にて報告がありましたように、本市とコルサコフ市の双方にてワーキンググループを設置、使用船についての議論をし、本市としては、欠航しにくいある程度の大きな貨客船が望ましいとしたものの、サハリン側では、過去に運航した双胴船のPENGUINという270トン、定員80人のものよりもっと小さな船舶が望ましいのではとの考えも示されたとのことで、双方の考え方に大きなギャップがあることは懸念材料であります。 一方で、北海道サハリン州政府との間で昨年10月に友好・経済協力推進協議会第19回合同会議が開催されました。その意見交換会にて、サハリン側から、2020年の運航に向けて意見が出されたものの、道としては、民間経営による持続的な運航が重要であるとし、旅客や貨物の現状調査や将来予測などを行い、今後の運航の在り方について検討を進めていく最中であり、その調査結果を待って次回の会議で説明し、意見交換する方向とのことであります。 今日までの経過を見ますと、サハリン州側は、航路再開に積極的とうかがえますが、本市としては、道の考えが主体で、それに従うようなニュアンスに聞こえます。例えば、道が運航不可能との結論になれば仕方がないとするのか、それとも、サハリン州と積極的な運航への協議をなされるのか、コロナ禍における、また、終息後も見据えた本市のサハリン航路の考え方についてお伺いをいたします。 また、航路運航に向けて貨客船が望ましいことは多くの関係者が語るところでありますが、貨物の確保が課題であります。現在は、貨物船チャーター事業にて年5回運航の予定でありますが、1回目は0.5トン、2回目は2.9トンと、500トン級の貨物船でありながら、少量であるのが気になります。以前の計画では、ベースカーゴとして、将来的には多くの貨物輸送を目標にしていたものの、この現状では、乗船客の確保も含め、多くの課題が山積しておりますので、常に航路再開に向けた準備をしておくべきと思いますが、見解をお伺いします。 船舶については、北方四島との交流事業に使われている「えとぴりか」の使用の検討や打診をされたことがあるのかも伺います。 次に、サハリン事務所の在り方についてですが、コロナ禍により、これだけの各種会議や交流事業が休止、延期となり、加えて、企業進出や経済活動が不透明になった現状において、また、過日行われた稚内-旭川―サハリン間オンラインミーティングの開催で、サハリンビジネスの支援の情報交換や現地情報がうかがえることなどから、サハリン事務所の業務や役割が減少してきていると言っても過言でありません。 今年度の事務所費の当初予算では、職員給与を含まず、1,184万円を計上しておりますが、再生運営が年々厳しくなる中、これだけ多額の経費をかけても事務所継続が必要不可欠なのか、サハリン交流の考え方も含めて見解をお伺いいたします。 次に、平成28年9月議会の一般質問で触れましたコルサコフ港の整備状況についてですが、ターミナルビルの建設、岸壁の延長工事の準備や水産クラスター創設プロジェクトも進められているとの答弁で、現状についてと観光誘致にも力を入れるとのことでしたが、観光地整備の進捗状況もお尋ねいたします。 4項目めは、高齢運転者の交通事故防止対策についてであります。 新たな高齢者の免許制度や自動ブレーキなどの安全装置を備えた安全運転サポート車の限定免許の創設やあおり運転による妨害運転罪などを盛り込んだ改正道路交通法が今年6月2日に成立し、6月30日から施行されました。 改正のきっかけは、昨年4月19日、東京池袋で当時87歳の高齢ドライバーの車が暴走し、母親と3歳の女児が死亡、男女9人が重軽傷を負う大事故や、アクセルとブレーキを含み間違えての事故が年々増加していることなどからであります。このことを受け、国は、2019年度補正予算で、65歳以上を対象にサポカーと後づけ装置の購入補助金を創設しました。 早速、東京都では、昨年7月から70歳以上を対象に後づけ装置の9割補助をスタートさせ、事故のあった豊島区では残り1割を区が負担し、設置者の負担はなく、事故防止を優先した先進的な取組をしています。また、愛知県小牧市では、今年4月から来年3月までに、65歳以上の高齢者を対象に、上限はあるものの、取りつけ費用の8割を助成しております。 各自動車メーカーは、ペダル踏み間違い加速抑制装置の販売に力を入れており、国は、今年3月に受付を開始した国のサポカー補助金も追い風となり、高齢者を中心に導入が進んでおります。 後づけ装置は、工賃を含めて7万円から10万円程度と言われております。本市においては、今のところ、高齢者のアクセルとブレーキの踏み間違いによる大きな事故はないものの、公共交通の便数が少ないため、病院や買物で高齢になっても運転を余儀なくされているドライバーが少なくないと思います。ゆえに本市においても何らかの助成制度を考えるべきと思いますが、見解をお聞かせください。 また一方で、高齢者の免許返納も課題となっておりますが、先ほど述べましたように、公共交通の便数が少ないことなどからちゅうちょされていると考えます。本市における高齢者の免許返納数は、2018年は67人、2019年は94人と、増えてきております。留萌管内では、運転免許証を自主返納する65歳以上の高齢者が増加傾向にあり、2017年が79人、2018年が77人、2019年が112人、今年は7月末で50人となっており、返納の主な動機は、高齢者が加害者となった重大事故ニュースを見てのことや警察署が発行する運転経歴証明書により、自治体によっては様々な割引や特典が効果を上げているものと考えます。 このことについては、以前に私や同僚の議員からも質問し、答弁では、稚内市地域公共交通網形成計画で、まちづくりと一体に高齢者が運転免許証を返納しても安心できる公共交通環境づくりに努めるため、稚内市地域公共交通活性化協議会において協議を進めるとしているものの、一向に進んでいない現状であります。 高齢になっても住みやすい、また住み続けたいまちと思える一つの施策と思いますので、高齢者による痛ましい交通事故が起こる前に、バス券やタクシーチケットの助成、デマンドバス・タクシーの運行、買物時の特典などを含めた効果的な自主返納推進策を考えるべきであります。見解をお聞かせください。 以上、大項目4点に対しての市長の意のある答弁を望みます。(鈴木茂行議員、発言席へ着席)
○議長(岡本雄輔君) :暫時休憩をいたします。 休憩 午後2時33分 再開 午後2時34分
○議長(岡本雄輔君) :休憩前に引き続き、会議を開きます。 ただいまの質問に対する答弁を求めます。 工藤市長。
◎市長(工藤広君・登壇) :公明党、鈴木茂行議員の御質問にお答えをいたします。 初めに、コロナ禍における今後の財政運営と新たな支援策の御質問についてであります。 まず、今後の財政推計のお尋ねについてですが、令和3年度から令和9年度までを期間とする今後7年間の財政推計につきましては、現在、各課へのヒアリングを終え、その集計作業を進めているところであります。 一方、国の令和3年度予算における概算要求の取りまとめ時期が、
新型コロナウイルス感染症の影響によって、例年より1か月遅い今月末までとされたところであり、地方自治体の予算編成における指針の一つであります地方税収の状況や地方交付税総額などが盛り込まれた地方財政計画の仮試算が示される時期についても同様の状況となっています。 国におきましては、
新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた税制改正をはじめ、地方税の減収に対応した新たな交付金の創設など、地方財政に配慮した検討が様々に行われ、令和3年度の国の予算編成過程で具体化されるものと考えています。 今後7か年の財政推計作業に当たりましては、
新型コロナウイルス感染症の影響による市税などの減収も見込んだ上で収支状況を算出いたしますが、一層厳しい財政運営を強いられることは想像にかたくありません。 将来にわたり健全な財政運営を堅持することは私の大きな使命の一つでもあります。コロナ禍がどんな影響を及ぼすのか、まだまだ不透明な点も多々ありますが、しっかりと情報を把握し、状況を見極めるとともに、このまちの経済を守り、発展させるための施策と財政運営のバランスを図りながら、来年度の予算編成に向けて取り組んでいきます。 次に、新生児への特別定額給付金支給とホテルなどの水道料金減免というお尋ねについてでありますが、新型コロナウイルスの全国的な感染拡大に伴い、本市も4月に緊急経済対策本部会議を立ち上げて以来、様々な事業を検討、実施してまいりました。 4月から6月にかけては感染拡大期であり、休業要請や学校休校による影響を考慮した給付型支援を主に実施してきたところであります。7月以降は、新北海道スタイルに基づく感染予防対策を実施しながら、観光関連産業を中心に経済を動かし、疲弊した景気を回復させる対策に重点を移してきたところであります。 今後の方向性としては、もちろん、本市の様々な分野での状況を把握することが大前提でありますが、今のところ、減収の補填や減免というよりは、経済を動かし、景気を回復させるためのさらなる支援策や、感染が終息した後のアフターコロナ社会に向けた対策等、次につなげるという観点に重点を置き、実施していきたいと考えています。 次に、保育所・幼稚園従事者への慰労金給付というお尋ねについてでありますが、本件につきましては、先ほど志政会の千葉議員の御質問にお答えしたとおりであり、一般廃棄物収集業務従事者については感染拡大が続いている時期も感染のおそれのあるものが混入している可能性がある一般家庭ごみを取り扱うという極めて危険性の高い業務を継続してきたことに対し、給付を決定したものでありまして、今後もそのような判断基準で進めていきます。 次に、地元産材活用の推進のお尋ねについてであります。 北海道がホタテを買い取り、学校給食などへ無償提供していることは報道などにより承知をしておりますが、それらの取組を含め、様々な地場の生産品や製品を応援する対策は重要だと考えていますし、一部については検討を指示しているところでもあります。 アフターコーナーにおいて、少しでも地場産品へのダメージを抑えるためにも、経済界とともに協力していきたいと考えていますので、さらに、緊急経済対策本部会議などを通じて意識の徹底を図りたいと思っております。 次に、アフターコロナ対策のお尋ねについてであります。 新型コロナウイルスの感染拡大は、地域経済に甚大な影響をもたらしただけでなく、同時に様々な課題も浮き彫りにしたところであります。当然のことながら、感染リスクを減らすこと、経済を動かし、生活を安定させていくことが最重要であることは言うまでもありませんが、あわせて、それぞれの職場での働き方について社会全体が考える機会にもなりました。 今回のこのような事態を経験し、間違いなく、行政、民間を問わず、業務のオンライン化やデジタル化への動きが加速していくことはもちろん、テレワークの導入、さらには、ワーケーションやサテライトオフィスなど、他地域で仕事を行うビジネススタイルへの発想もさらに広がるものと考えております。 なお、今後の対策の考え方につきましては冒頭で御答弁したとおりであります。 次に、ウィズコロナと地方創生の御質問についてであります。 初めに、情報通信技術を利用した時間や場所にとらわれない働き方であるテレワークの拠点となるテレワークセンターのお尋ねについてでありますが、首都圏を中心に
新型コロナウイルス感染症を拡大させない取組の一つとしてテレワークが注目され、その普及が首都圏から地方都市への人の流れにつながっていくことに期待が高まっていることは承知しているところであります。 本市としても、テレワークの実施場所として、東京直行便で約2時間というアクセス性や、真夏でも30度を超えることのない冷涼な気候、さらには、災害の少なさといった住みやすいまちの魅力を首都圏に対して十分にPRすることができると考えています。 しかし、首都圏の企業からは、在宅でも仕事ができる環境があるのに、稚内でテレワークをするメリットがあるのか、テレワークの場所だけではなく、稚内での営業先の開拓につながらなければ難しいなどの様々な御意見も伺っておりまして、まずは、企業ニーズなどの情報収集から始めてまいります。 テレワークセンターの整備に当たっては、利用する企業側のメリットとなる負担軽減が可能となるよう、「風~るわっかない」など、公共施設の空きスペースや、空き店舗、移住体験住宅の活用なども検討していきたいと考えています。 また、稚内北星学園大学との連携につきましては、先ほど教育長からもお話がありましたが、学生の人材育成、あるいは、企業側にとっては、情報処理の知識を持った人材確保につながるものであることから、本市としても企業とのマッチングを応援していきたいと考えています。 次に、本市に移住し、起業した方との連携のお尋ねについてですが、本市のちょっと暮らし移住体験推進事業を活用し、移住や2地域居住を始めたお2人の方がシェアハウスを運営しながら、本市や近隣市町村への移住検討者のサポートや地域の魅力を広く情報発信していただいていることは承知しております。 本市としても、移住・定住施策の推進に当たり、移住者の目線に立ったアドバイスが期待できることから、市のホームページでシェアハウスの取組を紹介するなど、移住を検討している方への情報提供を行っているところです。 本市では、昨年度、18組、44人の方が移住体験されており、今年も、
新型コロナウイルス感染症の影響から受入れは中止していますが、多くの方から申込みをいただいたところであります。 昨今、コロナ禍によるテレワークの拡大など、地方で暮らすことの可能性が広がっており、今後は、都市部から地方への移譲について今まで以上に注目されることが予想されます。 本市の取組につきましては、これまでも、移住を検討している方向けの情報誌や北海道の移住情報ポータルサイト、総務省の検索サイトへの登録など、様々な機会を活用して周知してきました。また、受入れに当たっては、より地域を知っていただき、移住後の就業にもつながるような機会として、酪農や昆布干し体験なども実施してきたところであります。 今後も、移住体験が移住そのものにつながるよう、本市に移住されている方との連携も含め、事業の周知方法や、住宅や仕事、子育てといった本市での生活についての相談、サポート体制など、より一層の工夫、充実を図りながら、移住、定住の促進に取り組んでいきます。 次に、旅行先で仕事をしながら余暇も楽しむワーケーションのお尋ねについてでありますが、このワーケーションとは、新しい働き方として、あるいは、新しい旅のスタイルとして、コロナ禍を機に注目が集まっており、道内のホテルでは、プリンターやコピー機などの環境整備や長期滞在に対して客室を定額で提供するなど、新たな宿泊者の需要の掘り起こしに取り組まれています。 本市としても、ワーケーションは、首都圏から本市への新たな人や仕事の流れを創出する地方創生の目的に合致するものだと考えています。 先ほどのテレワークと同様に、首都圏からのアクセスや夏場の冷涼な気候、雄大な自然、豊かな食など、滞在中には観光も楽しめる環境があり、PRをする場合、割引クーポンは興味を持っていただくための有効な手段と考えていますが、現在、国による経済対策であるGoToキャンペーンや北海道のどうみん割り、また、本市での稚内応援クーポンなど、利用者にとって特典の選択肢が増えてきていると考えているところであります。 次に、サハリン定期航路とサハリン交流の御質問についてであります。 まず、サハリン定期航路の考え方でありますが、サハリン定期航路に関しては、その必要性や今後の在り方に関し、北海道と本州の間で連絡を密にし、様々な協議を進めてきたところであります。 過去、船舶を替えながらも20年以上にわたり運航が継続された本航路は、2019年から休止となっておりますが、今までの経験から、どのような形で再開したとしても厳しい収支バランスが予想されます。再開後の自立的、持続的な運航に向けて、まずは、旅客、貨物の両方で輸送量の確保、需要開拓の取組を進める必要があるという点について、本市と北海道は認識を共有しているところであります。 そのため、旅客航路がない中ではありますが、本航路の強み、特性を生かした潜在的な旅客需要の掘り起こしと貨物需要の確保に関し、様々な独自の取組を提案していきたいと考えています。 旅客については、サハリンに関する情報発信の強化に努めるとともに、宗谷地域とサハリンを一体の観光地域と捉え、より多くの観光客を迎えられるようなアイデアを関係機関と連携して検討していきたいと考えています。 貨物につきましては、需要開拓に向け、引き続き、貨物船チャーター事業に取り組んでいきます。これらについては北海道が事務局を務める日ロフェリー定期航路利用促進協議会からも全面的に御協力いただける予定であります。 本市にとっては、サハリン定期航路の意義は、北海道とサハリンを含めたロシア極東地域が結ばれる手段の主要な選択肢の一つで、サハリンの振興発展につながることはもちろん、遠くヨーロッパまで人や物の流れをつくり出すことにより、稚内はもとより、北海道の発展に大きく寄与できる道だと考えています。航路の再開に向けて、今後も、北海道や様々な機関と連携しながら、まずは、需要の開拓に関する取組を重点的に進めてまいります。 次に、貨物量の確保のお尋ねについてでありますが、貨物船チャーター事業では、取組を開始して以来、サハリンへ最も距離が近いという稚内港の優位性を広く発信するべく、ウェブサイトなどを通じた情報発信を続けてきました。これらの取組を通じて、建設資材などの各種産業資材、輸送機械、食品などの様々な輸送計画の連絡を受けるようになってきました。 年間5回の運航を行うようになった2017年度は、1回当たり平均で約8.34トン、一昨年度は約13トン、昨年度は約15.5トンと増加傾向にあり、少しずつではありますが、本事業が認知されてきたと感じているところであります。 これまでの貨物としては、サハリンビジネスを手がけてきた市内事業者の貨物に加え、道内外の企業や団体による機械類、建設資材、生鮮食品、花など、サハリンへの素早い輸送が求められる貨物に対する需要が多く見受けられました。また、北海道や道北各市が取り組むサハリンでのビジネス創出や産品の輸出を目指す事業においても稚内港を利用いただいています。 そうした中、稚内港からサハリンへ貨物を輸出したいという新たな企業からの連絡もこのところは増えており、本年度は、貨物量に加え、貨物の種類が増えることも期待しておりました。残念ながら、昨今のコロナ禍により、関係企業などの間で商談が思うように進められず、計画されていた取引が遂行できない事例が重なり、貨物の集荷に苦慮しているというのが現状であります。本事業は、持続可能なサハリン定期航路を目指す取組の一環であり、昨今のコロナ禍の状況であっても情報発信などの取組を継続していくことが大切と考えております。 本市としては、今後も貨物量を増やしたいと考えていますので、それに向けて、新たにSNSを活用した宣伝、輸入貨物の掘り起こしなど、潜在的需要を取り込むべく、様々な取組を展開していきたいと考えています。 次に、「えとぴりか」の使用のお尋ねについてでありますが、「えとぴりか」は、北方四島との交流事業に使用する前提で用意されている船であり、主に5月から10月まで、根室市を拠点として使用されています。 一方、稚内-コルサコフ間定期航路の運航時期も、気象状況や需要を考えると、同じく5月から10月頃までが想定されます。そのため、過去にも検討した経緯はありますが、遠く離れた両地域で同じ船を使用することは難しいとの判断に至ったものであります。 次に、サハリン事務所の在り方とサハリン交流の考え方というお尋ねについてですが、現在は、感染症拡大防止の観点から、日ロ間で人の往来が制限され、本市サハリン事務所の職員も3月に一時帰国して以来、サハリンへ渡航できない状態が続いています。 そのため、サハリン事務所の運営に関しては、現地のロシア人スタッフと連絡を取りながら、友好都市との連絡調整を図っているところであります。 本年は、人の往来が伴う友好都市経済交流促進会議などを延期せざるを得ませんでしたが、サハリン側関係者の皆さんからは、往来が可能になればすぐにでも交流を再開していこうという趣旨のメッセージをいただいています。 サハリン側関係者とのオンラインミーティングは、旭川市をはじめとする道北とサハリンの企業とのビジネスマッチングを踏まえて実施したものであり、近年は、広域的な連携による経済交流の取組を進めているところであります。 今後のサハリン事務所については、このようなオンライン環境への変化なども十分に考慮しながら、現地でしか果たせない機能は何なのかも含め、よく検討したいと考えています。 次に、コルサコフ港整備とサハリン州の観光地整備の実情のお尋ねについてですが、コルサコフ港については、ターミナルビルの建設、岸壁の延長、水産クラスターなども含めて、今のところそれらが着工したという事実はありませんが、今年に入ってからも、埠頭の拡大、しゅんせつ、走行施設の拡充など、大幅な改修計画が報道されているところであります。 コルサコフ港では、日本からのクルーズ船寄港の増加とそれに伴う旅客の対応のため、大型船が入港可能な岸壁のほか、外国人観光客向けのトイレ、各種インフラの整備なども計画されていると伺っています。 日ロ間の首脳同士の話合いを基に両国間でビザの緩和の流れが進んだことから、コルサコフ港やユジノサハリンスク空港において、電子ビザの制度が適用されたことも日本人観光客の増加に寄与しています。 各友好都市との間で開催している経済交流促進会議の場でも、サハリンでの観光振興、観光インフラの整備は、主要な議題の一つとして様々報告を受けています。実際に訪問した際の印象でも、主要都市を結ぶ幹線道路やホテルなど、外国人向け宿泊施設などが十数年前とは見違えるほど整備が進んでいると感じています。 ユジノサハリンスク市内のスキー場「山の空気」では、昨年、スキーやスノーボードのアジア国際大会が開催されるなど、特区制度による優遇措置で企業の投資を呼び込み、極東でも最大規模のリゾート創設を目指すべく、さらなる整備を進める計画と聞いています。これらについては、サハリンへ向かう旅客の需要増加にも関連があることから、今後も情報収集を継続したいと考えております。 最後に、高齢者の交通事故防止対策に関する御質問であります。 まず、自動車加速抑制装置への助成制度のお尋ねについてですが、国は、本年3月から、高齢運転者の安全を守る機能を有した車両の普及促進を図るため、65歳以上となる方を対象として、予防安全措置を備えた対歩行者衝突被害軽減ブレーキ、ペダル踏み間違い急発進等抑制装置の搭載車、通称サポカーでありますが、さらに、後づけのペダルの踏み間違い急発進等抑制装置の購入費の一部補助を開始したところであります。 この補助金制度の本市の申請状況は、8月末現在で、サポカー購入補助が約150件、後づけ装置購入補助が約30件の申請ということで、この補助制度自体がまだ広く知られていないことや対象車種が自動車メーカーによって限定されているということなどから現在のような申請件数にとどまっているものと思われます。 このことから、まずは、国の補助制度を積極的に周知するとともに、道路交通法の改正により75歳以上を対象とした安全運転サポート車限定免許が創設となることや各自動車メーカーによるサポートカー及び後づけ装置の開発と普及状況、また、他自治体などの動向を注視しながら、本市としての高齢者交通事故防止対策を進めていきます。 次に、高齢者の運転免許自主返納推進策のお尋ねについてですが、本市の自動車運転免許証を自主返納した65歳以上の高齢者は、平成27年は46人、平成28年は61人、平成29年は51人、平成30年は67人、令和元年は94人と、増加傾向にあります。 これは、高齢化によるもののほか、本市がこれまで行ってきた高齢者の交通手段の確保に対する取組として、交通空白地域の解消や高齢者バス乗車証など、安心して公共交通を利用できる環境づくりに努めてきたことも運転免許証返納者の増加につながってきたとが要因と考えているところです。 また、今年度の本市としての取組につきましては、本年1月に、稚内警察署や商工会議所、交通事業者などで構成し、地域公共交通の活性化やまちの発展について協議している稚内市地域公共交通活性化協議会において四つの取組を決定しているところであります。 まず、一つ目としては、運転免許証返納手続ができる相談窓口を、試験的に、稚内警察署協力の下、本年6月に市役所本庁舎で開催したところでありますが、今後においても、出張相談窓口の開設を含め、運転免許証の返納しやすい仕組みづくりを稚内警察署や関係機関と連携を取りながら進めていきます。 二つ目として安全運転サポート車の体験会、三つ目として高齢者向けバスの乗り方教室を開催する予定でしたが、
新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、今後の状況を見ながら実施したいと考えているところです。 最後に、四つ目として、運転免許証を自主返納した方が、市内の登録店舗などにおいて、商品の割引や配達サービスが無料となるなどの特典を受けることができる本市独自の制度を検討していたところでありますが、本年10月から北海道高齢者運転免許自主返納サポート制度が開始される予定となったため、本市としては、北海道と連携し、特典を受けることができる協賛店の登録拡大を図りながら、運転免許証の返納しやすい環境づくりを進めていきます。 今後も、乗合タクシーやスクールバスへの住民混乗を継続し、交通不便地域の解消と移動支援対策の充実を進めるとともに、稚内警察署や交通事業者などの関係機関と連携して各種啓発活動を行い、高齢者の交通事故防止対策に取り組んでいきたいと考えております。 以上、公明党、鈴木茂行議員の御質問にお答えをいたしました。
○議長(岡本雄輔君) :暫時休憩をいたします。 休憩 午後2時57分 再開 午後2時57分
○議長(岡本雄輔君) :休憩前に引き続き、会議を開きます。 これより再質問に移ります。 再質問はございませんか。 鈴木茂行君。
◆鈴木茂行議員 :丁寧な御答弁をありがとうございます。 何点か再質問をさせていただきたいと思います。 まず、財政推計についてです。 先ほど御答弁がありましたが、1か月遅れであり、国の財政の見通しもなかなかつかないということでありますけれども、そんな中でも各課へのヒアリングを行ったということでした。 これはどんな形で行ったのか、また、中身はどうなっているかをお聞きしたいと思います。
○議長(岡本雄輔君) :まちづくり政策部長。
◎まちづくり政策部長(渡辺直人君・登壇) :お答えをいたします。 各課へのヒアリングについてです。 まず、内容につきましては、来年度の重点項目を中心に、特に、一般財源が発生し、また、新たな取組の内容について、財務担当がヒアリングをさせていただき、来年度に財政運営に関わることを重点的に聞き取らせていただきました。
○議長(岡本雄輔君) :鈴木茂行君。
◆鈴木茂行議員 :ということは、歳入は別にして、歳出を中心とした考え方があったのでしょうか。
○議長(岡本雄輔君) :まちづくり政策部長。
◎まちづくり政策部長(渡辺直人君・登壇) :お答えをいたします。 今、歳出についてお話をさせていただきました。先ほど市長からも答弁がございましたが、国から正式な地方財政計画がまだ示されていないという状況があります。ただ、現在把握している内容といたしましては、税収の落ち込みといいますか、減免制度に対するものとして、減免分を補填する国の特別交付金の制度が創設されたという話も聞いてございます。 また、市税に関しましても、今年度、6,000万円ほどの納税猶予が既に出ていますという新聞報道もあったかと思います。国は、令和2年度に関しては、地方財政対策として創設された地方税の徴収猶予特例債という地方債を、あるいは、市税の減税対策としての減収補填債をつくっております。 これらが来年度も引き続きあるかないかも含め、また、収入の状況やその活用も見据えながら進めていきたいと考えております。
○議長(岡本雄輔君) :鈴木茂行君。
◆鈴木茂行議員 :これ以上はやり取りができないというか、まだはっきり見えない部分があるということですので、財政推計についてはまたの機会にお伺いしたいと思います。 次に、新生児への10万円支給ということについてです。 市長も御存じだと思いますけれども、出産される年齢の若い人たちというのは、どちらかというと、収入が厳しい方が多く見受けられますし、奥さんがパートで働き、夫婦で何とか家計をやりくりしている方もおります。しかし、そんな中で子どもを産み育てるということは至難のわざというか、育児の悩みを含め、金銭的な悩みが出てくるのではないかと思います。 まだあまり多くないとしても、全国的には10万円支給をされているところがありますが、まず、今の若者の人たちの収入状況を市長はどのように捉えていますか。
○議長(岡本雄輔君) :工藤市長。
◎市長(工藤広君・登壇) :お答えをさせていただきます。 どちらかというと今後の対策ということについてお聞きしているのだと思います。もちろん、若い方は収入が少ない、あるいは、新生児がそこにいて、新たな負担が増え、経済的に苦しんでいる方がおられるというのは重々理解しているところであります。 ただ、私は、この先の対策として、新型コロナウイルスの感染を防ぐというのは、最低限、絶対にやらなければいけないものでありますが、何とか次のアフターコロナにつなげるということも重要でありまして、そういう観点で言えば、できれば経済的にはお金を回すような施策を打ちたいと考えております。 今の話が、では、お金が回らなのかといったらそれは違います。もちろん、そういう観点でもいろいろなことを検討しますけれども、単に貯蓄に回ったり、あるいは、別な次元に消費されたりということではなく、できるだけ景気対策になるものを行いたい、それに歩調を合わせた経済対策を打ちたいということでこれからの施策を検討するということです。 そういう意味でもって、今するとかしないとかというお話ではなくて、まさしくそういう効果を生む施策を優先的に実施していきたいということであります。
○議長(岡本雄輔君) :鈴木茂行君。
◆鈴木茂行議員 :確かに、財政の問題もあって、優先順位というものもあるかと思いますけれども、地方都市の宿命というか、若い人が都会に出ていくということがありますし、高齢化がどうしても進んでしまうという状況もあります。 そんな中、若い人たちが子育てしやすいまちとするための施策は打っていますけれども、プラスして10万円があると、稚内はすごく住みやすいまちですね、いいですね、稚内に住み続けていきますというようなこともあり得ると思うのです。 ちなみに、昨年の新生児出生数は189人ですから、単純に10万円を掛けたら1,890万円となります。アフターコロナも大事ですけれども、若者向けの施策をと思います。今後とも出さないというのではなく、様子を見ながらということもありましたので、これは含みがあるということで受け止めたいと思います。ぜひ前向きな御検討をお願いします。 次に、ホテル、水産加工場、飲食店の水道料の減免等についてです。 今は、GoToキャンペーンなどでホテル関係も結構いい状況になっているという話はお聞きしますけれども、この地域の観光は10月がいいところ、延びて11月ということですが、その後は厳しい状況が続くわけです。 今まで、持続化給付金や休業協力、あるいは、感染リスク低減支援金などをもらっていますけれども、あまり長引くと息が苦しくなってくるという事業者の声を聞きます。 この点については再考していただけませんか。
○議長(岡本雄輔君) :工藤市長。
◎市長(工藤広君・登壇) :お答えをさせていただきます。 先ほどの答弁の延長になりますけれども、もちろん、倒産してしまったら元も子もありませんから、今、個別の業種については言えませんけれども、事業所を守らなければならないと思っております。 ただ、支出を抑えるということでもって経済が好転するのであれば、それは一つの選択肢だと私も思いますけれども、この地域にお金が回っていく施策を優先し、アフターコロナにつなげていきたいということです。
○議長(岡本雄輔君) :鈴木茂行君。
◆鈴木茂行議員 :お金が回っていくということですけれども、水道料を減免することによっても、それに代わる支出が出てくると思うのです。今まで自分たちで負担していたものでも、減免してもらったおかげで違うものに使わせてもらうというふうになることもあり得るわけです。そういうことを考えると、一概に回るお金だけというのは解せません。 もう一度御答弁をいただけますか。
○議長(岡本雄輔君) :工藤市長。
◎市長(工藤広君・登壇) :お答えいたします。 先ほどの件もそうで、答弁しましたように、事、これらの問題については緊急経済対策本部会議を都度開いて、いろいろな議論をしております。 そこでは、これが駄目だ、あれはできないだ、これをやるのだと言っているのではなく、予算も限られておりますから、いろいろな事業を並べてみて、その中で優先順位を決めていくということで、今おっしゃっている事業が全く論外であるというような話をしているつもりは全くございません。
○議長(岡本雄輔君) :鈴木茂行君。
◆鈴木茂行議員 :先ほど千葉議員からも話がありましたけれども、保育所、保育園、幼稚園の従事者の慰労金については私からも本当に強く要望します。 次ですが、全国
児童福祉関係者並びに社会福祉法人等組織関係者が要望を取りまとめました。それによりますと、子どもが感染で重症化するリスクは低いとされていますが、保育士は、無症状で当園してくる子どもがいても、自ら感染する可能性がある中で働いておりますというコメントを出しているわけです。ですから、児童だけが対象外であることに納得はいかないということです。国としてはそういうところに光を当ててほしいのですが、自治体としても手を差し伸べていくべきだなと思っている次第です。 また、先ほど、一般廃棄物事業者の手当に関する答弁では、極めて危険性が高いという答弁がございました。そこに保育所や幼稚園等は入らないという認識なのだと思いますけれども、親から感染するという場合もあるわけです。親もいろいろな職業の人がおりますし、出張などで東京や札幌に行ったということもあるかと思います。そうした家庭から子どもが登園してくるという状況があるわけですから、「極めて」という中に入ると私は認識をしているのです。 この点について御答弁をお願いします。
○議長(岡本雄輔君) :工藤市長。
◎市長(工藤広君・登壇) :お答えをさせていただきます。 決して保育所や幼稚園の従事者の慰労金を否定するつもりは全くありません。むしろ、医療従事者とともに、その生活をしっかりと支えるべきだと思っておりますが、先ほどお話をさせていただいたのは、一般収集の業務に携わる方、これは全国1,700ある自治体の中で様々な形態があるとは思います。しかし、私どもの判断で選んで助成をしたということです。 保育所にあっても幼稚園にあっても全国共通の話でありますから、それは、むしろ、国や広域自治体である都道府県でしっかりと対応していただくべきものだろうと思っております。我々としては、我々が手を差し伸べなければいけないようなところに重点的に取り組んでいきたいという意味であります。ですから、別に基準でもってこれが危険だ危険ではないと判断したつもりではないということです。
○議長(岡本雄輔君) :鈴木茂行君。
◆鈴木茂行議員 :次に、地方創生臨時交付金という1・2次補正で8億2,300万円ほどをいただいたと先ほどの答弁でお聞きしましたが、この使い道は決まっておられるのでしょうか。それとも、残しておいて、今後使うという方向性が見えているのか、お聞きします。
○議長(岡本雄輔君) :工藤市長。
◎市長(工藤広君・登壇) :お答えをさせていただきます。 私の認識ですが、これまで何度も臨時議会を開いていただいて、その都度の状況に合わせて様々な事業を執行してきました。しかし、全額を使っているわけではありませんし、それから、3次の補正という話もないわけではありません。今年度中の進行状況に合わせて、先ほど来御説明しているいろいろな事業に向けていきたいとは考えておりますが、まだ最終形ではないということであります。
○議長(岡本雄輔君) :鈴木茂行君。
◆鈴木茂行議員 :今すぐやるやらないというところでは平行線をたどっています。 あってほしくないのですけれども、今後とも感染拡大が起こった場合には、これらの提案にも検討の余地はあるということで思っておりますので、よろしくお願いいたします。 次に、サハリン定期航路の件です。 先ほどの答弁では、道と連携をしながら運航再開に向けて頑張っていくというか、協議を重ねていくということでございました。でも、道が、採算など、いろいろなことを考えて、今のところは厳しいという結論に達した場合、以前のように、本市として、サハリン州と協議をしてでも、金額など、いろいろな問題があるかもしれませんけれども、運航できれば運航したいという方向で考えているのかどうか、お尋ねいたします。
○議長(岡本雄輔君) :工藤市長。
◎市長(工藤広君・登壇) :お答えします。 北海道が厳しいねという判断をしたとき、我々としては北海道の意に従うのか、あるいは、別にしっかりと取り組んでいくのかというような御趣旨の御質問だと承りました。 3年前ぐらいから、御承知のとおり、北海道も我々の主張をある意味でしっかりと受け止めてくれており、地域振興という観点から運航の応援をしてくれていました。それは、宗谷総合振興局というレベルだけではなく、北海道として必要性は理解していただいているということです。 先ほど説明したように、誰がやったとしても、あるいは、どんな船を使ったとしても、やった時点で非常に厳しいという認識には変わりはありませんけれども、少しでも乗り越えられる状況が出てくれば、お互いに協力しましょうということになるかと思います。 比率として5対5の負担とか何とかという具体的な話は今後のことでありますが、精神論的な観点では、今年度もいろいろな調査をしていただいていますし、これからの問題についても認識を共有すべく取り組んでいます。ですから、たもとを分かつとか何とかという話ではないと理解しています。
○議長(岡本雄輔君) :鈴木茂行君。
◆鈴木茂行議員 :過去は、サハリン州と本市で交渉し、お金を出し合ってという流れでありましたけれども、今後につきましては、道としっかりと連携を取りながら、道の意向を重視しながら航路運航については考えていくということですね。 貨物輸送が大きな課題だと思うのですけれども、今回、コロナ禍によって貨物が少なくなったという実態があるわけです。また、答弁では、建設機械や建設資材、その他北海道フェアに出す産品など、荷送りについては希望がありますといった話でしたよね。このように、人も大事ですけれども、貨物を安定的に送れるようになれば収入は確保されると思っているのです。 道とは協議をもちろんされていると思いますけれども、道の貨物に対する協力というのはどのように感じていますか。
○議長(岡本雄輔君) :工藤市長。
◎市長(工藤広君・登壇) :個別に道がそこにどれだけ協力するかという話ではなく、この事業は、何年間かやってきて、一番のネックは需要といいますか、まず、航路を知らないという人がたくさんいて、そういうことだから荷物がなかなか集まらないということがあります。それで、先ほど答弁したように、周知についていろいろと探りながらやっているのです。 しかし、今は、よく見ていると、サハリンそのものの経済がなかなか厳しい状況にあるということなのです。ですから、我々も一生懸命努力していますけれども、今はまだ肩荷の状態から脱する状況にはないということです。こうした認識は共有していますけれども、だからといって、どこかから荷物を探してくるというような話ではありません。 これからもさらに情報収集はしますが、まずは何とか向こうの経済が上向くように、そして、そのことが結果として定期航路にもつながっていくということで御理解をいただければと思います。
○議長(岡本雄輔君) :鈴木茂行君。
◆鈴木茂行議員 :先ほど答弁いただきましたコルサコフ港やサハリンの観光地の整備についての答弁の中でも、何年、何十年と言っていいかもしれないけれども、計画されているのになかなか進んでいないというような答弁をいただいてきたわけです。 この整備の状況によって、船のトン数といいますか、大きさに影響してくるような気がするのです。こちらがどうすれということではありませんし、市長もなかなか進まないのですという答弁をずっとしていますけれども、その辺についてはどうですか。
○議長(岡本雄輔君) :工藤市長。
◎市長(工藤広君・登壇) :相手の国のことでありますから、私が軽々しく話はできませんけれども、おっしゃるとおり、港にしても埠頭にしても、様々な計画が持ち上がりましたが、それが全く進んでいないというのは先ほどの答弁のとおりであります。 ただ、私が何回か行って見ている限りにおいては、向こうの、特にユジノサハリンスクに関して言えば、十数年前と今とでは観光に対する認識は本当に変わっております。ただ、それが今言ったハード事業にどれだけつながるかです。でも、サハリンは、今、国際的なエネルギー事情が非常に悪い状況ですから、そういう意味では、かつてほど元気がないなと見ています。 これは相手の国の話でありまして、我々がどうこうできる話ではありませんけれども、できれば、かつて、プーチンと安倍さんの長門会談で言われたような、当時は八つの経済協定のような話でしたが、ああいうものが一つでも動いてくれれば、それにサハリンを絡めれば、状況は随分と変わるなと思っています。これは期待を持って長い目で見るしかないのだろうと思っています。
○議長(岡本雄輔君) :鈴木茂行君。
◆鈴木茂行議員 :サハリン事務所の件です。 今は、新型コロナウイルスにより、事務所長は、3月に戻って以来、行けていないため、現地のサハリン関係の人にお願いをしているという状況とのことです。そこで、旭川、稚内、サハリンでオンラインミーティングをやり、その中で情報収集をされたということでした。 平成14年にサハリン事務所が設置されて、18年が経過しようとしています。当時は、友好都市が3市ありますから、その3市、それから、サハリン側の関係機関・団体との連絡調整が主であって、人的・経済的交流もかなり行われました。スポーツにしろ、民間交流にしても、経済交流にしてもそうです。私も5回ほど伺っておりますけれども、先ほど市長から答弁がありましたように、行くたびに、インフラ整備をはじめ、よくなってきているなという印象を受けております。 ただ、サハリンプロジェクトの支援、情報収集もこの間に行ってきまして、重機の輸出や船舶の修理なども請け負い、かなりの収益を上げたということもありました。しかし、今、サハプロも一段落し、情報収集というか、それに結びつく仕事がなかなかないとのことです。それから、ビジネス環境もサハリン経済が低迷によって厳しくなってきたということです。 そういう中、オンラインで会議を行ったということですが、サハリン事務所をこのまま続けていくかどうかということです。もちろん、予算が許し、これからこんなことに頑張って、こういう成果を上げられるだというものがあるのであればいいのですけれども、どうなのでしょうか。 答弁では具体的なものを示していなかったのですけれども、今後の展望についてはいかがでしょうか。
○議長(岡本雄輔君) :工藤市長。
◎市長(工藤広君・登壇) :お答えをさせていただきます。 過去に何度も同様の質問をいただいておりますし、私もこの立場になって10年になりますから、問題意識は持ち続けているところであります。 ただ、先ほど答弁でお話しさせていただいたように、この10年間でオンライン環境も随分変わりました。もちろん、向こうのトップの方もいろいろと代わっているのでありますが、現地にいることでしか果たせない機能は一体何かも含めて、去年から所長を新しく勤務させておりますが、しっかりと検討するようにという指示を与えております。 今すぐどうこうという話でありませんけれども、しっかりと検討したいと思っております。なおかつ、コロナ禍が長引くようであれば、そのときは違う面からの判断も迫られるのだろうなと考えています。
○議長(岡本雄輔君) :再質問なしと認めます。 したがいまして、鈴木茂行君の一般質問は終結いたしました。(鈴木茂行議員、自席に着席・拍手) 以上で本日の日程は終了いたしました。
△1.散会宣告
○議長(岡本雄輔君) :本日は、これをもちまして散会をいたします。 散会 午後3時26分...