札幌市議会 > 2024-03-19 >
令和 6年第二部予算特別委員会−03月19日-09号
令和 6年第一部予算特別委員会−03月19日-09号

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  1. 札幌市議会 2024-03-19
    令和 6年第一部予算特別委員会−03月19日-09号


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    令和 6年第一部予算特別委員会−03月19日-09号令和 6年第一部予算特別委員会  札幌市議会第一部予算特別委員会記録(第9号)               令和6年(2024年)3月19日(火曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 34名     委 員 長  小 形 香 織      副委員長   坂元 みちたか     委   員  三 上 洋 右      委   員  鈴 木 健 雄     委   員  五十嵐 徳 美      委   員  長 内 直 也     委   員  細 川 正 人      委   員  よこやま 峰子     委   員  佐々木 みつこ      委   員  北 村 光一郎     委   員  小 竹 ともこ      委   員  中 川 賢 一     委   員  藤 田 稔 人      委   員  山 田 洋 聡     委   員  山 田 一 郎      委   員  ふじわら 広昭     委   員  しのだ 江里子      委   員  村 上 ゆうこ     委   員  林   清 治      委   員  かんの 太 一     委   員  あおい ひろみ      委   員  水 上 美 華     委   員  篠 原 すみれ      委   員  定 森   光     委   員  國 安 政 典      委   員  福 田 浩太郎     委   員  熊 谷 誠 一      委   員  竹 内 孝 代
        委   員  森 山 由美子      委   員  池 田 由 美     委   員  田 中 啓 介      委   員  丸 岡 守 幸     委   員  荒 井 勇 雄      委   員  米 倉 みな子       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時     ―――――――――――――― ○小形香織 委員長  ただいまから、第一部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、わたなべ委員からは、熊谷委員と交代する旨、届出がございました。  それでは、議事に入ります。  第8款 教育費 第1項 教育委員会費から第9項 学校整備費まで及び第11款 職員費 第1項 職員費中関係分について、一括して質疑を行います。 ◆篠原すみれ 委員  私からは、野外教育総合推進事業について質問いたします。  まず、野外教育総合推進事業の概要についてです。  文科省が公表した令和4年度問題行動・不登校等調査の結果では、全国の小・中学校における不登校児童生徒数は29万人を超え、過去最高を記録しております。本市においても右肩上がりで増加しており、不登校児童生徒を、学校をはじめ地域社会全体でサポートしていくことは喫緊の課題です。  感染症の流行をきっかけに、生活スタイルは様変わりし、学校での過ごし方はもとより、家庭における子どもの教育環境も、ICTを積極的に活用する方向へと大きく転換いたしました。  そのような状況下にあっても、子どもの発達にとって、人、自然、社会と直接つながり、その関係性の中で様々な体験を通じ、自主性、協調性、社会性等を育むことは非常に大切です。  我が会派も、これまでに、子どもの学校と家庭以外の居場所の必要性、子どもに関する施策に官民が連携して取り組むことの重要性について訴えてきたところです。  これら社会状況を踏まえると、今回のアクションプランに掲載された野外教育総合推進事業は、不登校により宿泊学習等の機会に参加できない子どもたちにも、自然や他者と触れ合う体験機会を提供するものであり、本物の経験を生み出す場として重要な役割を果たすと考えます。  そこで、質問ですが、野外教育総合推進事業の概要について伺います。 ◎木村 生涯学習部長  野外教育総合推進事業についてお答えいたします。  これまで、札幌市では、林間学校等での自然体験を通じまして子どもたちの自主性を育んできたところでございますが、事業参加につながりにくい困りや悩みを抱えた子どもたちにも体験の機会を広げていく必要があると認識しております。  そうした子どもたちに自然や他者と関わり合う機会を提供するチャレンジ自然体験を、初年度は教育支援センターを利用している不登校の子どもたちを対象として実施いたします。また、多くの子どもたちが自然体験できる環境を整えるには活動の担い手の確保が重要であることから、大学などと連携し、18歳以上の市民を対象に、地域などにおいて活動プログラムを行う人材を養成します自然体験活動リーダー養成も実施いたします。  野外教育総合推進事業は、これらの二つの事業で構成しておりまして、自然体験活動リーダー養成で必要な能力を身につけた方がチャレンジ自然体験のスタッフとなって活動するなど、両事業を連携して進めてまいりたいと考えております。 ◆篠原すみれ 委員  ただいまご答弁がありましたように、体験の機会とリーダーの養成を同時に両輪で行うというのは、とても特徴的であり、また、すごくいい発想だと思っております。行政だからできることがたくさんあると思いますので、そのところに期待するところです。  次に、野外教育総合推進事業における自然体験活動リーダーの養成についてです。  答弁でも触れられておりましたが、本事業は、不登校の子どもたちに二つの事業を提供し、一体的に実施されるというところが肝であると捉えております。チャレンジ自然体験自然体験活動リーダー養成の二つの事業ということです。  その自然体験活動リーダーの養成については、大学等とも連携し、18歳以上の幅広い年齢層を想定しているところに注目しています。  そのため、リーダーの養成では、ただ人材を育成するのではなく、どのようなリーダーを育成するかの具体的なイメージ、また、リーダーになった者自身が指導者として実際に活躍する姿や場所をイメージできるものであることが求められます。それこそが、学校とは違う体験機会の創出のために必要不可欠な要素だと考えます。  そこで、質問ですが、野外教育総合推進事業における自然体験活動リーダーの養成をどのように進めていくのか、伺います。 ◎木村 生涯学習部長  自然体験活動リーダー養成の進め方についてお答えいたします。  自然体験活動リーダー養成では、リーダーとして必要な実践的な能力を身につけていただくために、国立青少年教育振興機構が行っております指導者養成事業などを参考に、講座の内容について検討しているところでございます。  特に、必須のプログラムに受講者が自ら企画をしてイベントを行う実践を取り入れることで、指導者として活躍する姿をイメージできるようにするとともに、活動への意欲を高めていきたいと考えております。  受講者の募集につきましては、大学、専門学校の学生などに多く応募していただけるよう、教育委員会のホームページへの掲載やチラシの配布だけではなくて、直接大学を訪問し講座の案内をするなど、効果的に周知してまいりたいと考えております。 ◆篠原すみれ 委員  単に大学に説明に行くだけではなくて、大学生や若年層の方々が子どもたちにいろいろ提供できる機会を与えられるよう、広報もしていくというふうに理解いたしました。  初年度の取組は、今後の事業の継続、拡充のためにも重要ですので、ぜひ、効果検証をしっかりと行うことも求めたいと思います。  ところで、チャレンジ自然体験について、初年度では、教育支援センターを利用する子どもたちのみを対象とする理由の一つが、初年度による試行的な開始であるとのことでした。  一方で、不登校の児童生徒の中には、教育支援センターを利用していない子どもたちも数多くいると想像いたします。また、現時点では、その全ての子どもたちを本事業の対象とするのは困難であるとも思われます。  しかし、教育支援センターに通っていない子どもたちにとっても、チャレンジ自然体験なら行ってみようかなと思えるような場所にすることも本事業の本来目指す姿と考えます。  そこで、質問ですが、チャレンジ自然体験の今後の展開についてどのように考えているのか、伺います。 ◎木村 生涯学習部長  チャレンジ自然体験の今後の展開についてお答えいたします。  今回初めて不登校の子どもたちを対象とするため、まずは教育支援センターと連携いたしまして、参加者一人一人の状況に合わせて、個別の活動を中心にプログラムを作成して実施する予定でございます。  また、活動の終了後、子どもたちや保護者へのアンケート調査等によって効果の検証を行い、その結果を踏まえて、徐々に活動の範囲を広げていきたいと考えております。  あわせて、他都市の先進事例も参考にしながら、対象者も含めまして、札幌市としてふさわしい事業の在り方について、継続して検討してまいりたいと考えております。 ◆篠原すみれ 委員  ただいま、個別のプログラムをご用意されるというふうに伺いまして、さらに期待が膨らむところです。ただし、その分、大変なところもあると思いますので、一つ一つ着実に進めていただきたいと思っております。  チャレンジ自然体験の実施に当たっては、きめ細やかな対応が求められるところ、今のような個別的なプログラムもその一つだと思います。保護者や子どもたちのニーズをしっかり把握して、適切に柔軟に対応していくことが必要です。  本事業は、子どもたちの貴重な居場所となり、過ごし方の一つの選択肢ともなります。本市が目指す豊かな心、健やかな体の形成の一助になると期待できます。学校や家庭、習い事、子どもたちにとって様々な居場所がある中で、なかなかその居場所が見つけられない子どもたちにとって、一つの大きな希望になることを願うばかりです。  リーダーの養成においては、チャレンジ自然体験との一体的な実施はもとより、そのほかの場面での活躍も想定しながら、そのような機会の創出などについても並行して検討していただきたいと思います。  両事業の特性上、長期的な視点で事業効果を高めていく必要があることから、効果の検証をしっかりと行い、あわせて、安定的、継続的に事業を提供できる体制の確立についても着実に進めていただくことを求めて、私からの質問を終わります。 ◆竹内孝代 委員  私からは、総合教育会議を踏まえた今後の取組について、教職員の声を聞く体制について、青少年科学館と企業、大学等との連携についての3項目、質問をさせていただきます。  初めに、総合教育会議を踏まえた今後の取組についてお聞きしたいと思います。  本定例会における我が会派の代表質問で、いじめ防止に向けた取組について取り上げさせていただきました。  子どもの命を守り、学ぶ権利を保障していくためには、市民の代表である市長が教育の取組に対し積極的に関わっていくことが必要であるとの我が会派の主張に対し、市長からは、教育委員会との直接対話の場である総合教育会議をさらに活用し、札幌市全体で子どもの命を守ってまいりたいとの答弁がありました。  そうした中、3月5日、総合教育会議が開催され、私も傍聴させていただきましたけれども、議題として、教育の大綱、いじめ対策、この二つの議案について、未来を担う子どもたちのために大変に深い議論がなされました。  この総合教育会議は、市長と教育委員会が十分な意思疎通を図り、教育の課題やあるべき姿を共有して、より一層、民意を反映した教育行政の推進を図るために、地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づいて平成27年度からスタートしたものであり、これまで毎年開催されているものと承知をしております。  今回の総合教育会議の第1の議案で議論されました教育の大綱は、札幌市のこれからの教育の基本的な方向性を示すものとして市長が策定するものであり、市長、副市長が、教育長、教育委員と協議を行って、平成27年に作成して以来、9年ぶりに見直されたものでありました。この会議には町田副市長も出席され、様々なご提言をいただいたと思っております。  この新たな教育の大綱は、互いの個性や多様性を認め合い、他者と協働しながら、人生、社会をより豊かにするための新たな価値を創造する力を育む、こうしたことを方針としておりまして、ぜひこれからの札幌市の教育振興につながっていくものになるよう進めていただきたいと考えます。  そこで、質問ですが、今回、新たな教育の大綱の策定を受けて、今後、教育委員会ではどのように子どもたちを育んでいくのか、お伺いいたします。 ◎木村 生涯学習部長  新たな教育の大綱についてのご質問にお答えいたします。  新たな教育の大綱における、子どもの思いや願いに寄り添いながら、安心感、充実感が得られる環境を整え、社会総がかりで子どもを見守り、支えることが重要とした市長の思いを受けまして、教育委員会としても、具体的な子どもの姿を思い描き、取り組んでいくことが必要と認識しております。  総合教育会議では、子どもの育みにつきまして、これまでの大綱では、創造的に考えることができるとしていた取組の柱を、新たな大綱では、社会の発展に向けて行動することができるとし、「考える」から「行動する」に捉え直したことが重要な視点であると、市長と教育委員との間で共有したところでございます。  教育委員会では、次年度からの第2期札幌市教育振興基本計画におきまして、学校、家庭、地域が目指す子どもの姿を共有し、子どもの声を大切にする取組を進めながら、主体性を伸長していく所存でございます。  今後、市長部局とより一層連携しながら、子ども一人一人のよさや可能性を生かし、子どもが踏み出す一歩を後押しすることで新たな価値を創造する力を高め、持続可能な社会の発展に向けまして、札幌の将来を担う人材を育んでまいりたいと考えております。 ◆竹内孝代 委員  子どもたちの願いや思いに寄り添いながら、大切な一歩を後押しできるようにといったお話がありました。市長部局としっかり連携してということでありますので、どうかよろしくお願いをいたします。  総合教育会議の第2の議案として議論されましたのが、いじめ対策についてでありました。  いじめの防止に向けては、学校、家庭、地域総ぐるみで、いじめは「しない」「させない」「許さない」を徹底するといったビジョンを掲げて、札幌市全体で取り組む必要性について議論が深められておりました。  いじめの防止に当たっては、チーム学校として、校長のリーダーシップの下、教員や多様な人材がそれぞれの専門性を生かして、能力を発揮して取り組んでいくのはもちろんのこと、家庭や地域、子どもの支援を担当する部局を含めた関係機関など、一人でも多くの市民に発信して理解を得ながら連携していく、これがチーム学校としての大事な取組であると思っております。  そこで、次の質問ですけれども、この社会全体で子どもを見守っていくという考え方を、どのように地域、関係機関、また市民の皆様に共有していくのか、その取組について伺います。 ◎廣川 児童生徒担当部長  社会全体で子どもを見守っていくという考え方を地域や関係機関と共有していくことについてお答えをいたします。  いじめの問題が複雑化、困難化する中、社会総ぐるみいじめ防止の取組を進めるためには、学校と家庭、地域との連携はもちろんのこと、札幌市全体で子どもを見守り、支えていくことが重要と認識しております。  教育委員会では、学校での見守りに加えまして、学校以外の場においても早期にいじめの疑いを把握できるよう、いじめのサインチェックシートを、児童会館などの放課後や休日に子どもが活動する施設と共有するなど、学校と地域や関係機関が一体となっていじめに対処する仕組みを整えることとしております。  また、教育委員会いじめ相談窓口をはじめ様々な関係機関の相談窓口を紹介し、児童に配布しております相談窓口周知カードサインチェックシートチェック項目も加えまして、広く地域等にも配布し、協力を依頼する予定でございます。  今後、年度の早い時期に、子どもの支援を担当する部局などが参加する札幌市いじめ対策連絡協議会を開催いたしまして、こうした仕組みについて共有するなど、札幌市全体で重層的、包括的な支援を行う体制を整えてまいりたいと考えております。 ◆竹内孝代 委員  本市においても、本当に痛ましい事案がありました。ぜひとも社会全体で子どもを見守っていく、こうした社会の構築を進めていくために、今、様々なご報告をいただきましたけれども、一人でも多くの市民の皆様とこうした思いが共有できるように、また、子どもに関わる様々な施設等でチェックシートを置いてくださるということでありましたけれども、その活用を常にチェックしていただいて、しっかりと子どもたちを見守っていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  次に、教職員の声を聞く体制について質問をさせていただきたいと思います。  今回見直しがされました教育の大綱につきましては、先ほど答弁いただきましたように、子どもたちの思いや願いに寄り添いながら、子どもたちが安心して学びに向かうことができる、そうした環境の整備を取組の柱にされているというふうに思います。  今後、様々な子どもの困り、また課題に真摯に向き合って、学校、家庭、地域が、社会総がかり子どもたちを見守り、そして支えていくことが重要というふうに議論もされておりました。  先ほどの答弁でもお話がありましたように、教育委員会としても、教育の大綱の実現に向けた取組を推進していくというふうに言っていただきましたけれども、学校におきましては、教職員が子どもの小さな変化に気づいたり、また思いを酌み取り、そして支えていくことが求められておりますけれども、そのためには、教職員自身が心身ともに充実し、やりがいを持って意欲的に職務に取り組んでいただく、そうした環境が重要であると思います。  近年、グローバル化や情報化と言われておりますけれども、社会の急激な変化に伴って高度化、複雑化しております教育現場の諸課題、こうした対応がますます必要となっている中、不安や悩みを抱えながら職務に向き合っている教職員も多いのではないかと思っております。こうした教職員の不安や悩みを聞き取って、解決、改善につなげていく体制の整備が必要であると考えます。  そこで、質問ですが、現在の札幌市における教職員の声を聞く体制についてお伺いいたします。 ◎佐藤 教職員担当部長  現在の札幌市における教職員の声を聞く体制についてお答えいたします。  学校におきまして、周囲に相談しやすい、風通しのよい職場環境をつくっていくことが重要でありまして、管理職による助言や教職員同士の支え合いなど、チーム学校として、問題を一人で抱え込まない取組を進めているところでございます。  また、教育委員会内に札幌市教職員相談室を設置いたしまして、教職員の勤務状況を理解している学校管理職経験者と健康管理に関する専門知識を有する看護職の2名により、電話、メールによる相談や、オンラインも含めた面談を実施しております。  あわせて、公立学校共済組合においても、心の健康相談事業として、保健師や教育行政経験者等による電話相談及び面談体制が整備されておりまして、本市の教職員も利用可能となってございます。  このほか、特に新規採用教職員につきましては、悩みやストレスを抱え込まないよう、札幌市教職員相談室の相談員が全員に対してオンラインによる個別面談を実施しているところでございます。 ◆竹内孝代 委員  これまで、学校内で風通しのよい職場環境を基本としながらも、今お話のありました教職員の相談室や面談等をされているということでありました。  続いて質問させていただきますけれども、現在の相談状況、また、相談後の対応はどのような状況であるのか、現状をお伺いいたします。 ◎佐藤 教職員担当部長  相談状況や相談後の対応につきましてお答えいたします。  令和4年度の札幌市教職員相談室への相談件数は、令和3年度から80件増加し延べ253件で、令和5年度は、2月末時点で220件を超えている状況であり、増加傾向にあると認識しております。  相談内容につきましては、学習指導、生徒指導、学級経営や職場内の人間関係などに関する悩みが最も多く、健康やハラスメントに関する相談も一定数生じております。  寄せられた相談に対しましては、相談員からの助言のほか、相談内容や本人の意向に応じて、教育委員会の担当部署や所属の管理職へ共有し、課題解決に向けた支援につなげているところでございます。 ◆竹内孝代 委員  相談の状況は増加傾向にあるということ、また、学習指導なども一番多いということで、よりよい教育をしたいという思いからの悩み相談が一番多いけれども、健康やハラスメント等の相談もあるということであります。  相談した教職員の意向に寄り添いながら、課題解決に向けて支援をしてくださっているんだなというふうに思いますけれども、私の下に寄せられておりますご相談の中には、相談した後にどのような支援が受けられるか分からなくて相談をちゅうちょしているとか、なかなか相談が解決せず、長期化して悩んでおられるといったような声も寄せられているところであります。  教育委員会で定めている学校職員のハラスメント防止等に関する要綱を拝見しますと、札幌市の教職員相談室苦情相談窓口を設置しております。そして、相談した教職員からの事情聴取など、必要な調査をした上で、助言、あっせん等を行うというふうにされております。  また、教育長は、ハラスメントに該当する行為を防止または排除するために必要と認めたときは、人事管理上、適切な措置を講ずるものというふうに定められております。そのほか、懲戒処分にも触れられていることを拝見しました。  ハラスメントの一部の案件というのは、相談はしたものの、先ほども申しましたけれども、例えば問題が長期化してしまったり、複雑化してしまったり、また、ほかの方に知られないように解決したいがために、なかなか解決までの道筋が難しいといったことも聞いております。  ですけれども、早期の課題解決に向けた取組というのが重要なのではないかというふうに思っております。  子どもにとって最大の教育環境は教職員であります。子どもと関わる教職員が、様々な悩みを抱え、また、悩みや困り事が深刻化したり、長期化したり、複雑化していくということがないように、ぜひとも支援する体制を充実していただきたいです。  こういう支援を充実するということは、教職員を支援することのみならず、ひいては、子どもたちにとって教育環境を充実させるものであるというふうに確信をしております。  そこで、質問ですけれども、不安や悩みを抱えている教職員の声を聞いて、学校や教育委員会全体で支える取組をぜひとも充実していただきたいと考えておりますけれども、今後の充実に向けた取組について伺いたいと思います。 ◎佐藤 教職員担当部長  不安や悩みを抱える教職員の声を聞き、学校や教育委員会全体で支える取組の充実についてお答えいたします。  各学校において、校長などの管理職が教職員に対して日常的に職務や健康状況等を把握して支援や相談対応を行うラインケアがより確実に機能していくよう、全ての校長を対象とした研修を新たに実施する予定でございます。
     また、札幌市教職員相談室の利用を契機に問題解消するケースがあることを踏まえまして、教職員が相談しやすいよう、リーフレットを見直し、今まで以上に積極的な周知に努めてまいります。  相談内容や相談者の状況によりまして、学校内での解決が難しく、長期化が懸念される場合などにおいては、教職員の気持ちに寄り添いながら、できる限り早期の課題解決に向けまして、引き続き所属の管理職と連携して支援に努めてまいりたいと考えております。 ◆竹内孝代 委員  ぜひともよろしくお願いいたします。  一言申し上げますと、今後の教職員の声を聞く体制整備に向けては、相談内容を解決、改善に導くためのフローチャートのようなものをつくっていただく必要があるのではないかと思っております。  そうしたフローチャートを作成し、明示して、全職員がしっかりと見る、また、管理職の方が確認をする、こういう流れで相談し、こうやって解決、改善に導いていくんだということが分かることで、安心して相談されることもあるかと思いますし、解決に向けた取組にも力が入ると思いますので、ぜひともご検討いただきたいと思います。  また、チーム学校として、学校や教職員、教育委員会の皆さんで、しっかり組織的に支援する体制を整備する必要があるのではないかというふうに思います。ぜひとも教育委員会が主体となって、より踏み込んだ対応を進めていただくように求めます。  これらを実現、充実させていくためには、先ほど相談室の方々が、新規採用教職員全員の面談をしているとか、多くの方の多様な相談に乗ってくださっているというふうに伺いましたけれども、こうした相談員や担当されている教職員の方々、また学校長も含めて、いろんな悩みを受けとめていらっしゃる部門の方々の心身の健康もすごく重要ですので、そちらへの支援も必要であることを申し上げまして、この質問を終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。  最後に、青少年科学館と企業、大学等との連携について伺いたいと思います。  このたび、いよいよ待望の青少年科学館が、展示物の大規模なリニューアルとともに、施設の長寿命化のための改修工事を終えて、4月1日にリニューアルオープンするというふうに伺っております。  青少年科学館が所在をしております新さっぽろ駅周辺地区のまちづくりということに視点を置きますと、老朽化した市営住宅を高層化させて余剰地を生み出し、G街区と呼ばれるところに教育機関の誘致が必要だということで、我が会派の丸山議員が中心となって議会で何度も主張してまいりましたけれども、2021年には、この地域に私立大学と看護の専門学校が整備、開校され、新さっぽろ駅周辺地区の新たな魅力が生まれていると承知をしております。  そうした中、昨年末には、ホテルやマンション、商業施設や医療機関を集積したI街区もマールク新さっぽろとしてグランドオープンし、このたびは、いよいよ待望の青少年科学館のリニューアルオープンと続くことになります。  文教地区とも言われておりますこの地区の再開発によりまして、新たに企業や医療施設、さらには、従前から取り上げておりますように、最先端の技術や研究を行っている近隣のテクノパークと連携強化を図って、青少年科学館から様々な発信をすることで、お互いに相乗効果を生み出して、科学館の魅力アップ、そして、地域のより一層のにぎわいと活性化を図っていただきたいと考えております。  そこで、これまで様々な歩みをしてまいりました新札幌の地域に所在することになっておりますけれども、青少年科学館のリニューアルオープンを踏まえて、企業等と今後どのような連携を行うことを考えていらっしゃるのか、現在の進捗状況も含めてお伺いしたいと思います。 ◎木村 生涯学習部長  青少年科学館と企業との連携につきましてお答えいたします。  今回の青少年科学館のリニューアルでございますけれども、これまで科学館が大切にしてまいりました「見て、触れて、考える」を継承しながら、大部分の展示物の入替えを行う、過去最大規模の改修となっております。  リニューアルに当たりましては、企業との連携も重視しておりまして、新たに、企業が持つ科学技術などを市民に分かりやすく提供する場として、企業連携エリアを2か所設けたところでございます。  具体的には、新札幌の再開発に参画して青少年科学館と包括連携協定を締結しております大和ハウス工業、北海道ガス、ドーコンによるまちづくりに関する展示物のほか、日本赤十字社北海道ブロック血液センターや北海道ヘルスケア産業振興協議会による人体や生命に関連する展示物を制作しております。  今後も、青少年科学館が大切にしてまいりました近隣地域とのつながりをより一層重視しながら、区内に関わりのある企業をはじめ、様々な団体等と連携し、身近な科学から先端科学技術まで、幅広く紹介してまいりたいと考えております。 ◆竹内孝代 委員  青少年科学館というのは、新さっぽろエリアにおける中核的な教育学習施設であります。地域の交流拠点、また、地域に開かれた学びの場としても、ぜひとも親しまれる施設になってもらいたいということで、これまで本当に歴史を刻んできたというふうに認識しております。  これまで、近隣にできた大学や専門学校の学びをぜひともこの科学館で生かすことが大切であるということ、また、連携協定が必要ではないかということを繰り返し取り上げてまいりましたけれども、今、答弁をいただいたように、しっかりと連携を図り、また、協定も結んで取り組んでいくということでありますので、そうしたスピーディーな取組を評価させていただきます。  この青少年科学館の大規模なリニューアルに合わせまして、最新の科学技術や研究成果の展示、また、講演会や体験教室、こうした学生の参画をぜひとも絡めていただきたいというふうに思っておりますし、科学館は、知の拠点にふさわしい新たな価値を獲得していくだけではなく、参画していく学生自身にとっても、自分の将来に大きな示唆を与えてくれる、そういう機会を得られるものではないかというふうに思っております。  先月、文教委員会といたしましても、ほぼ完成に近づいている状態でありました当施設を視察させていただきました。施設の概要や準備の状況をご説明いただいて、先ほど「見て、触れて、考える」というお話がありましたけれども、私どもも、その魅力を実際に目にして、今後の新たな取組の可能性に期待を持ったところであります。  そこで、次の質問ですけれども、青少年科学館というのは、地域の重要な教育機関の一つとして、近隣の大学や専門学校とさらに連携協力していくことが必要だというふうに思っております。また、魅力をさらに高めていただきたいと思っておりますけれども、その対応状況や今後の考え方についてお聞きしたいと思います。 ◎木村 生涯学習部長  青少年科学館と近隣の大学、専門学校との連携についてお答えいたします。  青少年科学館は、札幌市の生涯学習を支える教育施設として、地域における様々な学びを支援する拠点の役割を果たすことも重要と考えておりまして、近隣の大学、専門学校との連携を重視しているところでございます。  現在、来館する子どもたちのために、学生が展示案内ボランティアとして活動することとなっておりますほか、開館後のイベントの企画、実施に学生が参加することにつきましても協議を行っているところでございます。  今後も、積極的な連携を通じまして、双方の特徴や専門性を生かした取組を行い、青少年科学館が地域における学びの機会の創出に一層寄与できるよう努めてまいりたいと考えております。 ◆竹内孝代 委員  近隣の大学、専門学校が直接参画していただいて、一緒に取り組んでいくような内容についてご答弁がありました。しっかり連携していくということだと思いますので、よろしくお願いいたします。  また、近隣の大学、専門学校に限らず、青少年科学館というのは、札幌市内はもとより、全道各地からの見学旅行や、子どもから大人まで、多くの方々が視察に訪れる場所だと思っております。  今後、大学や専門学校、さらにはテクノパークを含めた周辺企業との連携を強固にして、さらに魅力ある施設としてどんどん磨き上げをしていただきたいと思うと同時に、今後は、ぜひとも学割も導入できるような施設になっていただきたいということを求めまして、私の全ての質問を終わります。 ◆田中啓介 委員  私からは、スキーリサイクル事業について質問をいたします。  本市教育委員会は、新たに策定される第2期札幌市教育振興基本計画において、雪に関わる学習を全ての市立学校で取り組むべきものとしております。その学習の一つにスキー学習があり、雪が降り積もる札幌市として、大切な教育活動だというふうに思います。  このスキー学習を実施するに当たっては、スキー用具の保護者負担があります。スキー用具一式をそろえるために数万円かかるだけではなく、子どもの場合、すぐにサイズが合わなくなってしまい、数年で買い替えが必要になってきて、子育て世帯にとって負担は大きいものがございます。  本市教育委員会は、2010年から、スキーのリサイクル事業として、さっぽろっ子スキーリサイクルを実施しております。この事業は、リサイクル可能なスキー用具を市民から回収し、点検、整備をした上で、本市の学校などに通う子どもがいる家庭へ無料で配付をするものでございます。  そこでまず、伺います。  本市教育委員会がこのスキーのリサイクル事業を始めた目的について、改めて伺います。 ◎長谷川 学校教育部長  さっぽろっ子スキーリサイクル事業の狙いについてお答えいたします。  札幌市のように、6メートルもの降雪量があり、近隣にスキー場が多くある大都市は、世界的にも珍しく、そのような環境を生かした体験的な学習であるスキー学習は、札幌の子どもにとって重要な取組であると考えております。  また、スキー学習が、冬の体力向上や、雪と親しみ雪と共生しようとする心を培う効果もあると考えておりますが、子どもの成長に合わせてスキー用具を用意することは、保護者の負担になっているとも認識しております。  こうしたことを踏まえまして、スキー学習を継続していくためには、保護者の負担を少しでも軽減したいという思いから、本事業を推進してきたところでございます。 ◆田中啓介 委員  子どもがスキーをするためには、スキー用具のほかにも、スキーウエアやスキー場に行くための交通費、リフト代などの費用がかかって、今の答弁にありましたように、子育て世代にとっての負担は大きいものがございます。そのリサイクル事業によって、一人でも多くの必要としている子どもに、無料でスキー用具が行き渡るようにしていくことが重要だと思います。  そこで、より多くの子どもがスキー用具を受け取ることができるようにしていくためにはどのような課題があるのか、伺います。 ◎長谷川 学校教育部長  さっぽろっ子スキーリサイクル事業の課題についてでございますが、現在、一定の回収期間を設けて、札幌市10区、それぞれ2校ずつの小学校に回収場所を設置するとともに、近年は、一部の民間企業にも回収場所として協力していただいていることによりまして、回収する数は徐々に増えております。  スキー用具の配付数は、事業を開始した平成22年度は275名でありましたが、現在では約5倍の配付数となっており、着実に増加はしているものの、応募数につきましては今年度6,000件を超えており、いまだに抽せんにより配付している現状となっております。  今後、一人でも多くの子どもにスキー用具を配付するためには、まずもって市民の皆様から回収させていただく用具の数を増やしていくことが課題であると考えているところでございます。 ◆田中啓介 委員  この事業がスタートした当初から、今年度においても、配付数が応募する数に追いついていない。今年度に関しては、6,000件の応募があって、実際に配付できたのは1,300弱、4人から5人に1人にしか配付できていない。全ての希望した子どもに行き渡らない現状があることから、本事業を拡充していくことが必要だと思います。  その回収する数をいかに増やしていくか。部長の答弁にもありましたように、一定の期間、あるいは一定の協力校、例えば一つの行政区2校が協力しているということでありましたが、その回収する場所と併せて、回収する時期や期間、こういうことも工夫が必要ではないかというふうに思います。  例えば、私の地元西区で言うと、二つの協力校がございますが、私が住んでいる地域からは、どちらの学校もスキー用具を持って歩いていくことはとても困難な位置にあります。もっと身近な公的施設など、回収する箇所を増やしていくことによって、回収する数を、スキー用具一式をもっと増やしていくことができるのではないか。  また、時期や期間についても、チラシがございますが、一つの学校で回収を受け付けているのは、9月、10月の2日間だけで、協力してくれている企業も、3日間から、長くても2週間で、どちらも9月、10月という時期になっております。  この9月、10月というのは、まだ雪が降り積もっていない時期です。例えば、私の場合は、子どもが冬休みに入る12月ぐらいに、3学期のスキー学習に向けて、各家庭で準備をという学校からのお便りを見て、うちの子どものスキーはまだ大丈夫かなということがやっと気になるわけです。そのときに買い替えが必要だというふうになって、使わなくなったスキー用具をさっぽろっ子スキーリサイクルに提供しようと思っても、そのときにはもう回収の受付は締め切られている、こういうこともございます。  そこで、質問いたします。  より広く市民に知らせるために、周知の在り方の工夫、回収場所の充実、期間の延長、あるいは回収時期を後ろにずらすなど、回収するスキー用具を増やしていくことを検討する必要があると思いますがいかがか、伺います。 ◎長谷川 学校教育部長  スキー用具の回収数を増やすための取組についてというご質問でございましたが、これまでは、スキー用具の回収に向けまして、広報さっぽろへの掲載、地下鉄構内へのポスター掲示等で周知を図るとともに、園児や小・中・高生の保護者の皆様には、各学校へチラシを配付するなどいたしまして、協力を依頼してきたところでございます。  今後は、多くの皆様がより回収に応じやすいよう、回収場所を増やしたり、保護者向けには、新年度から全ての園、学校に導入される保護者連絡アプリを活用して教育委員会から直接周知を図るなど、回収数の増加に向けて様々な工夫をしてまいりたいと考えております。 ◆田中啓介 委員  様々な工夫をするに当たって、そのために必要な予算というものが出てくると思います。その予算をしっかりと確保して、スキー用具をより多く回収し、一人でも多くの子どもにスキー用具が行き渡るよう事業の拡充を図っていくことを求めて、質問を終わります。 ◆荒井勇雄 委員  私は、先日行われました総合教育会議を傍聴させていただきまして、何点か気になる点がございましたので、そちらを踏まえまして質問をさせていただきたいと思います。  まず1点目、いじめ防止に向けた取組、いじめを訴える子どものSOSを把握した際の対応についてお伺いたします。  いじめの問題は社会的な課題であり、全国的にいじめの認知件数が増加傾向にある中、本市においても、過去最多件数を上回るとの報告がありました。これは、学校においていじめ防止対策推進法の正しい理解が進み、小さないじめも見逃すことなく認知した上で解消に向けた取組が進められていることが背景にあると推察しております。  その一方で、本市において重大な事態が発生するなど心配な状況もあり、子どもがいじめの不安を抱えることなく安心して生活できる環境の整備について、学校や教育委員会において積極的に進めていただきたいと考えております。  先日の文教委員会の中では、札幌市いじめ防止基本方針の改定について報告がありました。その中には、ICTの活用や地域との連携など、子どもの悩みを早期に把握する手だてが盛り込まれておりました。教職員の視点のみならず、様々な手だてを講じた子どもへのSOSの把握は、大変有効であると考えております。  これらの取組が形だけのものではなく、子どもの安心につなげるには、子どものSOSを受け取る側の大人が、子どもの悩みに親身に寄り添い、その解消に向けて対応に当たることが重要であると考えます。  そこで、1点目の質問でありますが、学校がいじめを訴えた際、子どものSOSを把握し、解消と判断するまで、どのように対応を進めていくのかをお伺いいたします。 ◎廣川 児童生徒担当部長  学校がいじめを訴える子どものSOSを把握した際の対応についてでございますが、学校は、校長を責任者とする学校いじめ対策組織において事実確認をした上で、いじめの認知を行い、いじめた側、いじめを受けた側双方の保護者と連携して、解消に向け組織的に取組を進めることとしております。  具体的には、まず、いじめを受けた子どもの安全・安心を確保した上で、養護教諭や心理、福祉の専門家と十分に相談をしながら、心のケアや不安の解消に努めてまいります。  また、いじめをした子どもに対しましては、いじめを受けた子どものつらさや苦しみを理解し、深く反省できるような指導をするのはもちろんのこと、その子ども自身が悩みを抱えているような場合には、その支援も併せて行いながら、可能な限り人間関係の修復につなげていくことが大切であると考えております。  いじめの解消につきましては、国の方針に基づき、少なくとも3か月以上いじめの行為がやんでおり、いじめを受けた本人及びその保護者に心身の苦痛を感じていないことを確認した上で、学校いじめ対策組織で判断するとともに、解消後におきましても、保護者と連携しながら見守りを継続するなど、再発防止に努めることとしております。 ◆荒井勇雄 委員  先日の総合教育会議で気になった点は、いじめた側の対処について話合いがなかったので、僕は大変懸念したんですけれども、今回、いじめた側の心のケアという件に関してご答弁をいただいたので、その点に関しては大変安心いたしました。  いじめが行われた際には、組織的な対応や検討がなされるとのことであり、私も非常に重要なことだと考えておりますので、今後もしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  一方で、いじめが起こらないようにする未然防止の視点で、いじめの対策も重要であることは言うまでもありません。  今回の総合教育会議の場で、この未然防止のことについて協議されており、札幌市いじめ防止等のための基本方針の中でも、豊かな心の育成や自己肯定感を高めることに着目した内容が話し合われておりました。  秋元市長も、自己肯定感を高めるにはどうすればいいのか、自己肯定感が大事だという発言をお伺いしております。子どもは、自分が大切にされていると感じるからこそ、他者を思いやることができるのではないでしょうか。  8年ぶりに改定されました教育大綱においても、新たな教育方針として、子どもたちが自他のよさや可能性を認められるように育んでいくことが挙げられており、学校において具体的な取組に期待しているところであります。  そこで、2点目の質問になりますが、子どもの自己肯定感を育んでいくために、今後どのように取り組んでいくのかをお伺いいたします。 ◎長谷川 学校教育部長  子どもの自己肯定感を育む取組についてお答えいたします。  子どもが自己肯定感を高めていくことは、自分のよさを実感するとともに、他人のよさを認めることができる人権感覚を身につけていく上で、欠かせないことであると認識しております。  このことから、自分が考えたことや努力して取り組んだことを他者から認められたり、うまくいかないことがありましても、励まし合いながら課題を乗り越えたりする経験を通して、子ども自らが自他のよさや可能性を見いだしていくことが重要だと考えております。  これまでも、学校におきましては、学級の諸問題について話し合う学級活動や、学習発表会や合唱コンクール等の目標に向かって粘り強く取り組む行事など、あらゆる場面を通して、子ども同士が互いの成長を感じられるよう取り組んできたところであります。  今後は、子どもが自ら様々な活動を企画、運営するさっぽろっ子自治的な活動を、学校、家庭、地域が一体となって支えながら充実し、互いの成長を実感したり自他のよさに気づいたりできる経験を増やすことを通して、自己肯定感の醸成につなげてまいりたいと考えております。 ◆荒井勇雄 委員  今回、旭川のように責任のなすり合いがなく、非を認めて謝罪をし、すぐに対策に当たったという点を私は大いに評価しております。  最後に2点の要望を申し上げまして、私の質問を終えたいと思います。  先日の総合教育会議において、石井知子教育委員から、現在はなかなか評価されていないが、偏差値教育では測れない非認知能力の向上というものが大変必要だというお話がありました。  非認知能力の向上とは、簡単に申しますと、グループワークでリーダーシップを発揮したりコミュニケーションを高めるといった能力で、今後の日本の教育において大切だというご指摘がありました。私も同様に思います。数値で表せない能力の向上の教育方針をより明確にし、教育内容に盛り込んでいただきたいと思います。  2点目、自己肯定感を高めるという件に関してですが、札幌出身の精神科医の樺沢紫苑先生という方がいらっしゃいます。その方の最新の著作に、脳科学の観点から、自己肯定感を高める、他者に対して評価する点に関して、具体的に自分のよい点を1日に三つほど挙げるべきだというお話が書かれております。  脳科学の観点から、セロトニンやオキシトシンが分泌され、自己肯定感が高まり、その上で、他者のいいところを3点ほど毎日挙げていくことは生きる上で大切だと著作に書かれておりますので、ぜひとも参考にしていただき、子どもの自己肯定感が高まるような具体策を取っていただきたいと思います。  私の本日の質疑が札幌市の子どもたちの未来につながるように要望を申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ◆中川賢一 委員  先ほど来、いじめ対策の話がいろいろ出ておりますけれども、私からも、それに関連しまして、来年度、いじめ対策の一環として拡充される予定でありますスクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーのことにつきまして伺ってまいりたいと思います。  本市では、学校でのいじめ対策の一環としまして、来年度、令和6年度の予算におきまして、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの配置時間の拡充経費などを盛り込みまして、不登校やいじめなどへの相談体制の強化を図ることとしてございます。  現在、教育委員会では、いじめ防止基本方針の改定を進めておりまして、その改定の中でも、専門家も含めた学校における組織的対応の徹底が挙げられておりまして、生徒を取り巻く課題に対して、心理や福祉などの専門家の関与を拡大して、教員と連携して子どもを見守る体制を充実させていこうということでございまして、この点は一定程度評価をするところでございます。  そこでまず、確認をさせていただきますけれども、来年度からスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置がどのように拡充されて、そのことによって学校のいじめ防止に係る体制がどのように強化されていくのか、お伺いをしたいと思います。 ◎廣川 児童生徒担当部長  スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置拡充と学校のいじめ防止に係る体制強化についてお答えいたします。  心理や福祉の専門家でありますスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーは、いじめや不登校など子どもの様々な困りや悩みを確実に捉え、学校が組織的に対応する上で重要な役割を果たしていることから、今回、体制の強化を図ったところでございます。  具体的には、小学校のスクールカウンセラーの配置時間を、これまでの年間69時間から140時間に倍増するとともに、スクールソーシャルワーカーの支援時間を大幅に拡充し、担当する学校を定期的に訪問することで、心配な子どもや家庭を継続的に支援できるようにしたところでございます。  これらの体制強化によりまして、子どもの見守りや教育相談の充実が図られるとともに、学校いじめ対策組織の必須の構成員といたしましたスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが、子どもの小さなSOSを早期に捉えることで、専門家の視点を含めた適切ないじめの対応や子どもに対する支援が可能となるものと考えているところでございます。 ◆中川賢一 委員  スクールカウンセラー、ソーシャルワーカー、こういった専門家を活用した学校の相談体制が量的にも時間的にも強化をされていくということでございますので、彼らの視点を学校内に取り入れていくということで、より適切な対応につながっていくことは期待をしたいと思います。  しかしながら、私は、相談体制が単に学校内において物理的に強化されるだけでは十分ではないのではないかなというふうに問題意識を持ってございます。  これまでいじめが引き起こした悲劇というものは全国で数多く発生してまいりましたが、それらのニュースなどを拝見しておりますと、先ほど荒井委員からは、子どものSOSの取扱い、判断について取り上げておられましたけれども、こういった子どもが発したSOSのサインや家族など関係者の不安の声、また、重要な情報といったようなことが学校の中だけで判断、処理されるにとどまり、その結果、事態の深刻さにふさわしい対応が取れずに最悪の結果に至ってしまったというようなケースも少なくないように思えてなりません。  そういったことから、私は、相談機能の強化と併せまして、そういった中から出てきた情報などを学校内にとどめるのではなくて、教育委員会、あるいは外部の第三者機関などでも結構ですけれども、こういったところと共有する仕組みというものが効果的なのではないかというふうに思うところでございます。  今のスクールカウンセラー、ソーシャルワーカー、これは学校長への報告が基本になっていると思いますけれども、こういった学校長への報告と並行して、外部機関も報告先としていくことで、学校内から見えるものとは異なる客観的なセカンドオピニオンが得られることもあろうかと思いますし、家族などの不安感にも多様な形で対応していけるんじゃないかというふうに考えます。  このたびの札幌市のいじめ防止基本方針の改定案では、いじめの見逃しや深刻化を防ぐため、学校の取組を教育委員会としてもしっかりと把握して、必要な支援や指導・助言を行うこととされておりますけれども、せっかく専門家の関与を強化するのであれば、その視点を効果的に生かしていくよう、踏み込んだ形で仕組み化していくことが望ましいのではないかと考えます。  そこで、次の質問ですが、このたび強化されました専門家との連携体制を効果的に役立てていくためにどのように取り組んでいくお考えなのか、お伺いしたいと思います。
    ◎廣川 児童生徒担当部長  専門家との連携体制を効果的に役立てるための取組についてお答えをいたします。  教育委員会では、心理職のセラピストや警察官OBのスクールセーフティアドバイザーなどを含めまして、いじめ対策を担当する部署が学校の取組状況を確認し、必要な支援を行う体制を整えているところでございます。  その上で、各学校を担当するスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが、学校いじめ対策組織の中で、専門家の立場から効果的な助言や支援を行うことができるよう、教育委員会として、こうしたスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの活動状況を把握いたしまして、迅速かつ効果的に学校を支援することとしております。  その中でも、特に深刻化、重大化する懸念のあるいじめにつきましては、こうした専門家と連携しながら、教育委員会として積極的に学校の対応状況を確認し、必要な指導・助言を行うなど、学校と一体となっていじめ防止の取組の徹底を図ってまいりたいと考えております。 ◆中川賢一 委員  教育委員会としても積極的に学校現場に関与していくんだというような決意の表れだったかと思います。  今年度新たに強化し、また、教育委員会としても関与を強めていくというようなことでありましたので、この件に関しては一旦状況を見せていただいて、本日の質問はこの程度にさせていただきますけれども、今後、この制度をより効果的に活用していく上で、私の考えも述べさせていただきたいと思います。  先ほども申し上げましたとおり、学校内で起きましたいじめなどの事案を悪化させないためにも、学校内の目線や見え方のみならず、外部の第三者による客観的なものの見方もときには有効でありましょうし、ダブルチェックという意味からも、情報の学校内外の共有を仕組み化していったほうがいいのではないかというふうに考えております。  今回、心理や福祉などの専門家の視点を幅広く入れるということでございますけれども、場合によっては、紛争解決ですとか、言い過ぎかもしれませんけれども、犯罪抑止的な視点など、幅広い観点から対応が講じられるように備えていくべきではないかと考えます。  そうしていくことで、事案が発生した際に、よくある話ですが、情報の抱え込みや対応が後手に回ったなどの非難に必要以上にさらされない、こういったことにもつながっていくのではないかというふうに考えます。  また、昨今、教職員の役割というのが、いわゆる教育の部分のみならず、学校内外の生活など幅広いところまで求められるようになってまいりまして、教職員の長時間労働やストレスというものが深刻な問題となっております。そういった中で、働き方改革の視点からも、外部の専門家などの力を積極的に取り入れていくことは、教職員の負担や責任を軽減していくという意味からも重要だと考えます。  生徒に関わることは何でも教職員の仕事、責任とするこれまでの教育現場の前提を少しずつ整理していく上でも、今回のような機会に根本的な在り方を議論して、できるものはどんどん外部化するなどの工夫をしてはどうかと思います。  もちろん子どもの悩みや人間関係といったデリケートな情報でありますので、個人情報保護の観点などからも、安易に外部化や共有できるものではないかもしれませんが、そういった配慮をしながらも、情報のダブルチェックや業務の効率化の仕組みというものを先入観抜きで議論、模索すべきと考えます。  制度の設計を単に学校目線、教育委員会目線で行うのではなくて、利用者や第三者の目線や心理、価値観などを考慮した、使いやすく実効性のあるものとしていくよう申し添えまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 ◆林清治 委員  私からも、いじめ防止のために学校を支援する教育委員会の取組について質疑をしていきたいというふうに思います。  我が会派は、代表質問で、いじめから子どもの命を守るための体制強化について質問をして、子どもの支援を担当する部局と一体となって、子どもの困りや悩みに寄り添う体制強化について答弁をいただきました。  また、2月27日の文教委員会においては、札幌市のいじめ防止基本方針改定の報告を受け、このたびの重大事態のようなことを二度と繰り返さないため、対応の在り方や方向性について質疑をしたところであります。  本日は、今後のいじめ防止の取組に、より実効性を持たせるために、提言を交えて質疑をさせていただきたいというふうに思っております。  先般公表されたこの重大事態の調査報告書は私も目を通しましたが、当時の学校の対応で気になるところが幾つかあります。  報告書によると、当該生徒が小学校高学年時に所属していた学級においては、市教委が毎年11月に実施している悩みやいじめに関するアンケート調査で、クラスで10件を超えるいじめ被害の訴えがあったが、組織的な対応がなされていなかったという記載があります。  また、当該中学校においては、日頃の生徒の様子や心配事を全校の教職員で共有する仕組みを活用していましたが、重大事態に至ったいじめに関する情報については、学校いじめ対策組織で取り扱われておらず、保護者への情報提供もなされていなかったことが指摘されております。  これらのことから、当時の小学校、中学校ともに、把握したいじめに関して、現場レベルでの事の重大性の認識が不十分で、情報の取扱いが不適切であったことに加え、学校いじめ対策組織が正しく機能していなかったことがいじめを深刻化させた大きな要因であると考えられます。  また、報告書では、教育委員会は、学校の取組状況を点検し、必要に応じた学校長等への指導ができていなかったことも指摘されております。  そこで、1点目の質問ですが、学校が把握したいじめに関する情報の取扱いや組織的な対応について、教育委員会としてどのように学校を指導していたのか、伺いたいと思います。 ◎廣川 児童生徒担当部長  学校が把握したいじめに関する情報の取扱いや組織的な対応についての教育委員会の取組についてでございますが、いじめのアンケートにつきましては、その実施後、速やかに記載内容を複数の教職員で確認するとともに、学級担任などによる個別面談を通して、いじめを含めた様々な悩みや困りを聞き取るなど、子どもの発するSOSを確実に捉えるよう繰り返し示してまいりました。  また、いじめに関する情報を把握した場合には、国及び札幌市の方針に基づき、学校いじめ対策組織において情報を共有し対処するよう、研修や通知において求めてきたところでございます。  しかしながら、このたびの重大事態を招きましたのは、いじめ防止対策推進法の趣旨が十分に徹底されず、学校いじめ対策組織を適切に機能させることができなかったことが大きな要因であると考えておりまして、さらに、教育委員会もそれを十分に監督することができなかった、この責任を重く受け止めているところでございます。 ◆林清治 委員  今、答弁をいただいたとおり、いじめに関する情報の取扱いや組織的に対応することについて繰り返し啓発してきたけれども、現場レベルで徹底されていなかったということだと思います。そうしたことをしっかり受け止め、今後は、確実な組織対応がなされるように、これまでの啓発の仕方を見直し、実効性ある方法を工夫すべきであるというふうに言えます。今回の方針の中にもその辺のことはいろいろ書き込んでありますが、これをどう実行していくかがこれからの問題になってくるのかなと思っております。  また、多忙を極める学校現場において、子どもが発するいじめのサインを見逃すことなく適切に対応していくためには、教育委員会が学校に対して法に基づく対応の徹底を求めるばかりではなく、積極的に学校の取組を支えていくことが最も必要なことだというふうに思っております。  そこで、次の質問ですが、学校におけるいじめ防止の取組を教育委員会としてどのように支援していくのか、伺いたいと思います。 ◎廣川 児童生徒担当部長  学校のいじめ防止の取組に対する教育委員会の支援についてでございますが、教育委員会では、新学期が始まる前に、この2月に公表しました調査報告書を用いた研修を全ての学校で実施するとともに、報告書の提言を踏まえたこのたびの市のいじめ防止基本方針の改定案につきまして、全ての教職員と共通理解を図ることとしております。  その上で、学校では、管理職を含みます一人一人の教職員が、今回の事案に真摯に向き合い、自校の取組に生かすことにより、年度当初からいじめ防止を徹底してまいります。  こうした学校の取組に加えまして、教育委員会といたしましても、いじめ対策を担当する部署の課長職、指導主事を増員するとともに、警察官OBであるスクールセーフティアドバイザーや心理職でありますセラピストなどの専門職員も加えまして、学校への支援体制を強化し、学校と一体となって、いじめの防止に係る取組を進めてまいりたいと考えております。 ◆林清治 委員  学校への支援ということで、しっかり増員もしながら対策をつくっていくという答弁でありました。  それ以外にも、学校を支える取組として、先ほどの質疑にもありましたが、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの学校への配置の拡充にも注目しております。教員だけに負担がかからないためにも、大変重要な取組になるのかなというふうに思います。  専門家の配置体制の拡充に当たっては、新規に採用する方々もいると思いますが、新たに加わる方々も含めて、それぞれが持つ専門性を生かし、能力を発揮して、チーム学校の一員として、教員と連携・協働していくことができるような取組をしっかり進めていただきたいというふうに思います。  先ほど来出ているとおり、重大事態の調査報告書にもあるとおり、いじめ防止体制の形骸化について言及されているところでもあります。このような重大事態が発生して、防止の取組が徹底されても、学校現場では、日々の業務に追われて形骸化していくおそれがあります。  5年、10年と経過する中で、管理職や教職員も入れ替わり、こうした取組が日常業務の一つのルーティンとして、何となくやっていくという形になることが一番恐ろしいのかなというふうに思っております。  札幌市のいじめ防止基本方針で掲げる取組、各学校のいじめ対策組織、そしてスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーによる支援体制の拡充、これが形だけのものじゃなくて、実効的に機能することを強く求めておきたいというふうに思います。  そのためにも、学校現場でのそうした情報を教育委員会が共有する、そして必要な学校に必要な専門家を配置して支援していく、そうした取組をしっかり固めていただきたいというふうに思うところであります。  そうした形の中で、教育委員会が学校の取組を支援する体制をより強化していくことは評価できますが、教員は、日々の教育活動やその他の多種多様な業務により多忙な状況が続いており、子どもと向き合う時間の確保にはまだまだ大きな課題があると考えております。  そういう意味では、我が会派がこれまでも質問として取り上げ、現在進めている少人数学級の拡大は、教員一人が受け持つ児童数が少なくなり、きめ細かに児童を見ることができるという点では有益であるというふうに考えております。  来年度は小学校5年生の少人数学級を全面実施するとのことでありますが、一方で、少人数学級の拡大により、教員の取組が増加し、教員の未配置が起きないかという点では不安も持っております。  そこで、次の質問ですが、教員の未配置が起きないよう、どのように教員確保に努めていくのか、伺いたいと思います。 ◎佐藤 教職員担当部長  教員確保策についてのご質問かと思います。  教員の定数につきましては、4月の児童生徒数により確定するものでありますが、令和6年度の教員の採用登録者については、例年よりも大幅に増員して採用を予定するとともに、現在、臨時教員の確保にも努めているところでございます。  教員の採用につきましては、一般選考に加え、道外の学校で勤務している者や本市の臨時教員等を対象とする特別な選考区分を設けるなど、幅広い年齢層から優秀な人材を確保するよう努めてきたところであります。  今後は、長期間教壇から離れている教員免許保有者を対象とした説明会などの積極的な広報活動のほか、元正規教員への第1次検査免除をはじめとした採用制度のさらなる改善を図りまして、引き続き必要な教員の確保に努めてまいりたいと考えております。 ◆林清治 委員  ただいま答弁をいただいて、教員の確保について様々な取組をしているということでございました。  これが確実に実施されるようにお願いしておきたいと思いますし、今、答弁があったように、少し時間の空いた教員などには、採用を決定した後の指導をしっかりやっていただいて、即戦力になっていただけるように、教育委員会は責任を持ってやっていただきたいというふうに思っております。  しかし、そうした教員が確保できたとしても、小学校のクラス編成、先ほど答弁にあったとおり、4月の新学年の編成時は児童数が決定しておりまして、35人学級を基本としながらも、年度途中の転入などによってさらに児童数が増え、1クラス40人程度になる場合も考えられます。そうしたときの対応も、年度途中のクラス替えというのは児童への教育や指導上無理なことは承知しておりますが、先ほども質疑したように、いじめ防止の観点でも、教師が児童と向き合って変化を感じ取ることが重要と考えておりますので、担任教員以外の児童への関わり方や、学年、学校全体で児童の見守り体制をしっかりとつくり上げるよう検討していくことを求めておきたいというふうに思っております。  また、今後の6年生の少人数学級の実施、さらには中学校における少人数学級の推進も確実に実施していただきたいというふうに思っております。そのことを求めまして、私の質問を終わらせていただきます。 ◆熊谷誠一 委員  私からも、これまで質疑が続いておりますいじめに関して、特に1人1台端末を活用したいじめ・不登校対策について伺いたいと思います。  文科省が実施する令和4年度の調査によりますと、既に様々議論されていますけれども、不登校児童生徒数が過去最多、いじめの認知件数についても過去最多という報告が出ております。  このような状況を踏まえ、国においては、児童生徒が安心して学ぶことができる、誰一人取り残されない学びの保障に向けた取組の緊急強化を図るため、令和5年10月に不登校・いじめ緊急対策パッケージを取りまとめ、各自治体に通知しているところでございます。  その中では、子どもの心のSOSを早期に把握し、支援につなげるためのアプリ等による心の健康観察を推進することが取組の一つに掲げられているところでございます。  これまで、我が会派として、東京大学大学院の開発によるタブレット端末を活用した子どもの自殺対策RAMPSを導入している新潟県を視察するなどし、政策調査も重ねてまいりました。  昨年の第2回定例会の代表質問において、我が会派から、子どもの心の小さなSOSを察知し、見逃さず、早期に寄り添い支援につなげることは、子どもが直面する様々な問題の長期化、深刻化を未然に防ぐために重要との観点から、1人1台のタブレット端末を活用した他都市の事例を通し、子どもの心や体調の変化を早期発見する取組を本市でも推進するべきと提言させていただいております。  教育長からは、1人1台端末を活用して子どもの心や体の日々の変化を見るようにすることで、問題が表面化する前から教職員が子どものサインを確実に捉え、学校全体で必要な見守りや支援を行うことができる取組を検討している、今後、ICTの活用の幅を広げるなどとの答弁があったところでございます。  そうした中、本市において、札幌市のいじめ防止基本方針の改定が進められており、現在、パブリックコメント、キッズコメントが行われているところでございます。  私も、先般、総合教育会議を傍聴させていただきましたけれども、ここで議論されている改定案に目を通しましたが、子どもの不安や悩みを早期に把握し対応につなげるために、1人1台端末を活用して健康観察を行うことなどが盛り込まれております。  令和6年度の予算においても、いじめ対策関連の中で、1人1台端末を活用した心の健康観察の導入が盛り込まれており、この仕組みを有効に活用することにより、子どもの見守りや支援の体制の充実につながるものと期待しているところでございます。  そこで、1点目の質問ですが、1人1台端末へ導入されるアプリには具体的にどのような機能が備わっているのか、お伺いいたします。 ◎廣川 児童生徒担当部長  1人1台端末に導入されるアプリに備わる機能についてでございますが、札幌市では、昨年10月から、文部科学省のモデル事業といたしまして、中学校1校、小学校3校の計4校で、心の健康観察やアンケートを行うことのできるアプリを用いた実証実験を行っております。  このアプリは、子どもが心と体の状態を毎日入力し、心身の調子の変化をグラフ化するものであり、自分自身の心と体の状態の好不調の傾向を視覚的に捉えることができるものでございます。  また、管理職を含む全ての教職員が子どもの入力状況を同時に確認することも可能となっておりまして、心配な兆候が見られます子どもをアラートで知らせ、教職員の見逃しを防ぐ機能も伝わっております。  さらに、アプリ上で、子どもが担任だけではなく相談しやすい教職員を選ぶといった機能が備わっておりまして、教職員の日常的な見守りが可能になることに加えまして、様々な手だてによりまして、子どもの困りや悩みを早期に把握し対処できるものと考えているところでございます。 ◆熊谷誠一 委員  アプリの具体的な機能と活用の仕方については理解させていただきました。  昨年の10月から、4校のモデル校で実証実験を行っているとのことでございますけれども、実際にアプリの機能を活用して期待される効果が得られているのかが気になるところでもございます。  今後、本格的な導入を進めるに当たって、実証実験の結果を踏まえて十分に生かす必要がございます。  そこで、次の質問ですが、モデル事業における成果とその課題についてお伺いいたします。 ◎廣川 児童生徒担当部長  モデル事業における成果と課題についてでございますが、まず、成果につきましては、毎日の健康観察により、心配な子どもの情報を複数の教員が共有することで、重点的に見守り、声をかけることができたなどの報告が上がっております。  また、先ほどの相談を申し出る機能によりまして、いつでも相談しようと思えば相談できる安心感があるとの声や、アプリで相談を申し出たその日のうちに先生がすぐに対応してくれたなどの声が子どもからも寄せられております。  さらに、アンケートをアプリ上で行うことによりまして、結果の集約と確認を即時的に行うことができたとの声や、リスクを抱える子どもが自動的に表示されることから、すぐに組織で対応することができるなどの声も上がっておりまして、教職員が子どものささいな変化を見逃さず、適切に対処することにつながったものと考えております。  一方、課題につきましては、小学生では、毎日のように相談を申し出る子どもがいるなどの状況も見られまして、蓄積したデータの分析やアプリの効果的な支援につなげるための方策につきましては、引き続き検討することが必要であるというふうに考えております。  今後、今回の成果と課題を踏まえまして、新年度から全ての学校に導入することとしておりますアプリを選定いたしまして、早期に運用を図るとともに、引き続き複数のモデル校を指定いたしまして、効果的な活用の在り方について研究を進めてまいりたいと考えております。 ◆熊谷誠一 委員  ぜひモデル事業の成果を生かしていただいて、早期の導入を実現していただきたいと思います。  このたびのアプリの導入に当たり、学校現場において、子どもの支援に期待できることは分かりましたけれども、不登校の状況にある子どもへの支援にも活用できるのではないかと考えます。  先ほど触れました不登校・いじめ緊急対策パッケージや、同じく国が令和5年3月に発表した誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策、いわゆるCOCOLOプランにおいても、1人1台端末を活用し、心や体調の変化の早期発見の推進が必要であるとされております。  令和2年2定代質において、我が会派から、様々な理由により登校が困難な子どもたちの学びの支援について、1人1台端末、ICTの活用を推進するよう提言させていただいております。  当時の教育長から、様々な理由により登校が困難な子どもたちにとって効果的になるよう、個々の状況に応じたきめ細やかな支援について、関係機関の協力を得ながら検討を進めるなど、一人一人の豊かな学びを保障するための環境整備に努めますとの答弁があったところでございます。  こうした中、令和5年6月から、オンラインを活用した不登校児童生徒への支援が試行実施され、9月には、会派として本市における取組を視察させていただきましたけれども、不登校の子どもが、画面を通し学習に取り組む姿を目の当たりにさせていただき、不登校支援の一つのツールとしての可能性を大きく感じたところでもございます。  さらに、令和5年決算特別委員会において、我が会派から、オンラインを活用した不登校児童生徒への支援として、教育委員会が取り組んでおります教育支援センターオンラインコースにおける支援の成果について質問させていただきました。  教育委員会からは、これまで全く登校できなかった不登校の子どもが、ビデオ通話やチャットによる会話を通じて、教育支援センターのスタッフと一緒に学習に取り組めるようになったり、元気を回復してきた子どもが登校につながったりするなどの状況改善があったとの答弁があったところでございます。  このことからも、不登校の子どもの支援に際しても、ICTの活用が効果的であると考えるところでございます。  そこで、最後の質問でございますけれども、アプリの活用を含め、不登校対策としての1人1台端末の活用についてお伺いいたします。 ◎廣川 児童生徒担当部長  アプリの活用を含めました不登校対策としての1人1台端末の活用についてでございますが、1人1台端末は、現在でも教室に入ることが難しい子どもが、学校内の別室や家庭にいながら、オンラインで朝の会議に参加したり、あるいは授業を受けたりするなど、不登校支援のツールとして活用されております。  このたび導入することといたしましたアプリにおきましても、教室外で子どもが体や心の状態を入力することができることから、教職員が全ての子どもの困りや心の変容などの小さなSOSに気づくことが可能であり、いじめだけではなく、不登校の未然防止にも有効であると考えているところでございます。  また、学校外の学びの場である教育支援センターにおきましても、現在取り組んでおります1人1台端末を活用したオンライン支援と併せてこのアプリを活用することで、教育委員会と学校が連携しながら、不登校状況にある子どもへの支援を行うことも可能と考えております。  教育委員会といたしましては、学校内外において1人1台端末やアプリを用いた効果的なICTの活用を進めまして、これまで以上に子どものニーズや困りに寄り添い、誰一人取り残されない教育を確実に進めてまいりたいと考えております。 ◆熊谷誠一 委員  今回、いじめ・不登校対策として、1人1台のタブレット端末の活用を取り上げさせていただきましたけれども、あくまでツールの一つであることは言うまでもございません。  こうしたツールを活用し、子どもの心の小さなSOSを察知した後に、早期に寄り添い支援していくこと、そして、その体制が重要でございます。ぜひそうした体制をチーム学校として構築していただきますよう、よろしくお願いいたします。  先ほどから触れられております札幌市いじめの防止のための基本的な方針の改定の第2章4の(4)におきまして、教育委員会と学校の連携のところのICTの活用では、学校、教育委員会のデータの一元化を進め、関係機関と連携して、困りを抱えた子どもに対応できるよう、情報共有の方法の検討を進めると書かれておりました。  これは、しっかりと有効な情報共有をしていただくとともに、子どもの相談の内容はセンシティブなもので、また、プライベートに関わるものばかりでございますので、これから紙ベースの情報管理からデジタル化に向かっていくであろうことからも、情報管理の在り方には細心の注意をお願いしたいと思うところでございます。  また、小学校での相談事案が、中学校、事によっては他区へ引き継ぐべき案件もあるかと思います。そうしたこともスムーズにできるよう、学校内での情報共有の在り方と併せて、小・中学校間や転校した場合など、他区の学校との連携の在り方についても、ぜひ協議していただきたいと思います。  今回の取組が子どもたちにとってよりよいものとなるよう、今後使用していく中で、必要に応じて子どもたちの声を聞くなどし、効果検証していただき、それを基にさらに改善していただくことを求めまして、私の質問を終わります。 ◆丸岡守幸 委員  私からは、学校施設の長寿命化について確認させていただきます。  札幌市には、現在300校を超える学校施設がありまして、札幌市が保有する建築物の面積のおよそ4割を占めております。  これら学校施設の多くは、昭和40年代後半から50年代にかけての児童生徒急増期に一斉に整備されたものが多く、今後の維持・更新には多額の事業費が必要となってきます。  学校施設を維持・更新していく手法の中では、言うまでもなく、校舎を完全に建て替える改築の事業規模が特に大きく、物価高騰や労務単価の上昇により事業費が大きく増加していることから、将来に大きな負担を先送りすることなく、改築事業を平準化していく必要がございます。  そのためには、時期を捉えて適切な改修を行いながら、学校施設をできるだけ長期間使用することによりまして、費用対効果を高めて効率的に運用していくことが必要であり、学校施設の長寿命化のための取組が今後不可欠になってまいります。
     文部科学省におきましては、厳しい財政状況の中、改築一辺倒ではなくて、費用を縮減しつつ効果的・効率的に老朽化対策を進める手段といたしまして、長寿命化改修を推進しております。  札幌市におきましても、平成28年3月に札幌市学校施設維持更新基本計画を策定して、施設更新に係る事業量を平準化していくための手法といたしまして、学校施設長寿命化改修事業、いわゆるリニューアル改修を導入してきたところでございます。  そこで、1点目の質問でございますが、リニューアル改修の実施内容についていかがか、伺います。 ◎池田 学校施設担当部長  リニューアル改修の実施内容についてのご質問でございました。  リニューアル改修につきましては、学校の建築後40年以上経過いたしました学校施設に対しまして、施設の耐久性を高めることに加えて、機能性を向上させることを目的として、平成29年度より導入してきているものでございます。  具体的な実施内容でございますが、施設の耐久性を向上させるため、柱やはりなどの躯体の補強のほか、屋上防水の張り替え、外壁の塗り替え、暖房機などの老朽化した設備の更新を行っているところでございます。  また、施設の機能性を向上させるため、空調設備や照明器具の更新のほか、老朽化したトイレの改修やエレベーター整備などを実施しているところでございます。 ◆丸岡守幸 委員  ただいまの答弁で、リニューアル改修により、学校施設の耐久性の向上や教育環境の機能性向上を図ってきたことを確認し、理解させていただきました。  冒頭でお伝えしましたとおり、これまでの耐用年数を迎えたら改築するという考えから、学校施設をより長持ちさせることで、年間の改築事業量をならすとともに、財政支出を抑えるといった考え方に転換する必要があると考えます。  これまではリニューアル改修により長寿命化が図られてきたものと思われますが、しかしながら、増加し続ける改築事業費に対応するには、さらなる平準化を進めていかなければならず、そのためには、学校施設のより一層の長寿命化が不可欠でありますが、現在のリニューアル改修の実施内容には限界があるのではないでしょうか。  そこで、質問でございますが、リニューアル改修の課題についていかがか、伺います。 ◎池田 学校施設担当部長  現在のリニューアル改修における課題についてのご質問でございました。  現在行っておりますリニューアル改修では、児童生徒が校舎を使用しながら工事を行っておりますことから、学校運営に細心の注意を払いながら工事を進めることが必要でございます。  そのため、廊下や階段の床や壁の張り替えなど、特に大きな音の出る工事などにつきましては、夏休みや冬休みなどの長期休養期間に集中させて行う必要があり、工事請負の業者からは、人員や資材の調達面での負担が大きいとの声が上がっております。  また、学校施設のより一層の長寿命化という観点におきましては、校舎全体にわたる電気配線や排水管などの全面的な改修が必要でございますけれども、現状の改修ではそのような工事を行うことが難しいということが課題でございます。 ◆丸岡守幸 委員  リニューアル改修は、児童生徒が校舎に残った状態で改修しなければならないことから、今以上の一層の長寿命化を図るために必要な改修が難しいということでございました。  学校施設の整備には多額の事業費を必要とすることから、せっかくリニューアル改修を行うのでありましたら、その効果を最大限に発揮する必要があり、抜本的な長寿命化を行うことができないということでございましたら、施設の効率的な運用という観点で課題があるのではないかと考えます。  このような中、今年度から第2次札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2023がスタートしまして、令和6年度に設計に着手するリニューアル改修からは、レベルアップ版リニューアル改修として、改修メニューの充実が図られていくと聞いております。長寿命化に併せて、教育環境の充実にも寄与するものと期待をしております。  そこで、最後の質問でございますが、レベルアップ版リニューアル改修のレベルアップの内容について、また、その効果について、いかがか伺います。 ◎池田 学校施設担当部長  リニューアル改修のレベルアップ内容及びその効果についてのご質問でございました。  レベルアップ版リニューアル改修では、児童生徒や教職員を仮設校舎に移動させた上で、これまでのリニューアル改修では対象としてこなかった校舎全体にわたる設備改修を行うほか、窓や壁などの断熱化と併せた省エネルギー性能の向上を図る考えでございます。  また、校舎のレイアウトを変更いたしまして、新たなオープンスペースやICTに対応しました多様な学びのための活動空間を創出することも可能となります。  教育委員会といたしましては、学校施設のより一層の長寿命化を進めまして、改築需要のさらなる平準化や省エネルギー化を図るとともに、時代に対応した教育機能を整備することで、子どもたちにとって、快適で居心地のよい学習・生活の場を確保してまいりたいと考えております。 ◆丸岡守幸 委員  現行のリニューアル改修を、レベルアップ版リニューアル改修として発展させることにより、これまで対象としてこなかった改修工事についても実施することができるとの答弁でございました。  冒頭で申し上げましたとおり、学校施設は、札幌市が保有する建築物のおよそ4割を占めていることから、より一層の長寿命化を進めることは市政運営上の重要な視点であると考えます。  レベルアップ版リニューアル改修を進めるに当たりましては、学校施設のより一層の長寿命化という観点から充実した改修を行っていくことはもちろんでございますが、一方で、第3回定例会の私の代表質問で、我が会派が求めてきましたトイレの洋式化やエアコン整備なども含めまして、子どもたち教育環境のさらなる向上という観点でも、しっかりとご検討していただきながら進めていただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。 ◆山田一郎 委員  私からは、(仮称)こども本の森について質問いたします。  札幌市は、安藤忠雄建築研究所から北海道大学に寄贈される建物において、子ども向けの図書施設の運営に携わっていくと伺っております。未来を担う子どもたちのために、安藤忠雄氏が私財を投じてこのような取組を行うことについては、私は大変興味深く感じます。  しかしながら、この事業は、さっぽろ読書・図書館プラン2022や他の行政企画に位置づけられたものではないため、札幌市がどのような理由で参画していくかについては、市民に対してしっかりと示していくことが求められると思います。  札幌市は、これまで、図書館の整備・運営や読書活動推進のために各種施策を行ってきておりますが、現状の取組が充実しているのか、また、図書館の数は足りているのか、足りていないのかなど、(仮称)こども本の森の運営への参画を機に、一度振り返ってみる必要があると考えます。  そこでまず、質問ですが、札幌市の図書館の現状と課題についてどのように考えているのか、伺います。 ◎矢萩 中央図書館長  図書館の現状と課題についてのご質問でございます。  札幌市には、中央図書館をはじめとします47の図書施設がございまして、そのうちの43か所をオンラインシステムで結び、どの施設の蔵書でも、希望する施設で貸出し、返却できる体制を構築してまいりました。  特に、2014年の電子図書館、2016年のえほん図書館、2018年の図書・情報館の開設は、多様化する市民のニーズに応える新たな図書館サービスとして高く評価されまして、2019年のLibrary of the Year大賞の受賞につながったところでございます。  一方で、えほん図書館は、幼児期の読書活動の推進を目的に開館いたしまして、一定の成果を上げているところでございますが、デジタルメディアの急速な普及など、現在の子どもを取り巻く情報環境の変化などによりまして子どもの読書離れが進んでおり、子どもの読書環境の充実と読書活動の支援が課題になっているところでございます。 ◆山田一郎 委員  ただいまの答弁では、札幌市としては、図書施設やネットワークを充実させて、近年では市民ニーズに合わせた図書館づくりを進めており、えほん図書館については一定の成果が上がっていますが、その一方で、子どもの読書離れが課題となっているというようなことでありました。  子どもが読書習慣を身につけていくためには、子どもの立場に立って継続的な取組を行うことが重要であり、札幌市がこども本の森の運営に携わっていくのであれば、そこから得られる効果や今後の展望についても見通しを立てていく必要があると考えます。  そこで、質問ですが、(仮称)こども本の森がもたらす効果と展望について伺います。 ◎矢萩 中央図書館長  (仮称)こども本の森の効果と展望についてのご質問でございます。  効果といたしましては、えほん図書館よりも上の年代で読書離れが進んでいる小・中学生を対象にしまして、様々なジャンルの本に触れ、読書の楽しさを知るきっかけをつくり、読書活動の推進を強化することができると考えております。  また、北海道大学との連携によりまして、研究することの楽しさや奥深さ、学術に対する関心を高めるといった、図書館だけで成し得ない学びの広がりといったものが期待できると考えております。  展望といたしましては、(仮称)こども本の森の運営から得られる知見やノウハウ、そういったものを既存の図書館や学校図書館にも共有することで、有機的な連携を図ってまいりたいと考えております。 ◆山田一郎 委員  子どもの読書離れが進んでいるということで、小・中学生を対象として、その知見やノウハウを既存の図書館に広げていくというような答弁でございました。  このこども本の森は、世界的建築家である安藤忠雄氏が手がける施設でありまして、図書館としての利用目的以外に、先行施設では、安藤建築に魅せられた国内外からの来館者も多数予想されている状況でございます。  また、知の拠点である北海道大学の敷地内に設置されるため、開館までに様々な調整を図っていく必要があると考えます。  一方で、運営に関して気になる点もございます。  一番は、運営費用の負担でございます。先行施設では、年間数千万円の運営費用がかかっていると聞いており、図書の購入のほか、運営に関する様々な費用が継続して発生することになります。施設自体は安藤忠雄氏から寄贈いただき、土地は北大の土地を借りるということになりますが、今後のランニングコストに関しましては本市が負担することになると聞いております。ただより高いものはないという言葉もございますが、ランニングコストは施設が存続する限りずっとかかっていくものですから、重要な課題であると感じております。  そこで、質問ですが、(仮称)こども本の森の運営に係る費用についての考え方を伺います。 ◎矢萩 中央図書館長  運営に係る費用についてお答えいたします。  運営費用は、それぞれの施設規模や運営方法により違いが生じてくるものと認識しております。  (仮称)こども本の森につきましては、昨年締結いたしました基本合意の中で、札幌市と北海道大学が協力して施設を運営いたしまして、その方法や費用負担については別に定めることとしております。本市のみがランニングコストを負担するということではなくて、北大とともに協議をしながら分担していくという考え方でございます。  先行施設の状況も踏まえながら、引き続き施設規模や運営方法等の検討、そして、北海道大学との協議を進めまして、運営費用について精査してまいりたいと考えております。 ◆山田一郎 委員  今、施設規模と運営方法は検討中ということでありました。施設規模も検討中ということでありますので、安藤氏からの寄贈であっても、どのようなサイズのものが来るかというのも分からず、費用も出すのも難しいところはありますので、その点はいささか不安を感じるところではあります。  今回の予算で、こども本の森開設準備費として1,300万円が計上されることも踏まえて、これは今後とも注視してまいりますし、運営費用については、引き続き精査していただくようにお願いいたします。  私としては、本を読むことは大切なことであり、子どもが読書できる場所の提供や北大との連携による波及効果等を鑑みると、札幌市がこども本の森の運営に関わっていくことについては賛同いたしますが、引き続き効果的な運営の在り方やサービスの質の確保について検討を重ねていただくようにお願いいたします。  読書活動は、感性を磨き、想像力を豊かにするすばらしいものであり、人生をより深く生きる上で不可欠なものであることは誰もが認めるところであります。  その一方で、デジタル化の進展により大量の情報があふれる時代となり、我々にとって、その価値が年々見過ごされる状況になっているんじゃないかと危惧しております。  そうした中で、読書活動を推進し、図書館の運営を担う札幌市としては、読書活動や図書館の役割について、今後どのように方向づけていくのかが問われることであると感じております。  最後の質問でございますが、矢萩館長は、市民の声を聴く課の課長も務められ、また職員研修も扱ってきたと伺っておりますし、札幌市の図書館事業の発展に多大な貢献をされてきていますので、長年のご経験と深い見識を持っていらっしゃると思います。  そこで、質問ですが、これからの札幌市の図書館が目指すべき方向性について、矢萩館長のお考えを伺いまして、私からの質問を終わります。 ◎矢萩 中央図書館長  札幌市の図書館の今後の方向性についてのご質問でございます。  さっぽろ読書・図書館プラン2022では、市民の生涯にわたる学びや創造的な活動を支えるということを基本理念に掲げておりまして、日々、これに基づく取組を進めてきたところでございますし、また、その最中でもございます。  本は、あるときは悩みや課題に寄り添い、それを解決するきっかけとなり、また、あるときは見知らぬ世界への扉を開き、その人の可能性を広げ、豊かな人間性を育む、そういった礎になるものと考えております。  図書館には、そうした本の力に加えまして、多くの本に囲まれる高揚感ですとか、本に親しみ学ぶ人たちと空間を共にすることで生まれる向上心、また、いつでも受け入れてくれる安心感といったものが、図書館が場として持つ力だというふうに私は考えております。  これからの図書館は、これらの力に加えまして、本や情報を介して人と人とを結びつけ、交流と活動の場として機能する、そういった機能が加わることで、より創造的な活動を支える場として成長していくものと考えております。  図書館は、人を育み、まちを育む場でございます。一朝一夕に成果が表れるものではございませんが、一人一人の市民や地域が、より豊かで暮らしやすくなっていくために、言い換えれば、人とまちのウェルビーイングに貢献する場となることを目指して、これからも努力を続けていくことが大切だというふうに考えております。 ○小形香織 委員長  ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後2時56分       再 開 午後3時20分     ―――――――――――――― ○坂元みちたか 副委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆しのだ江里子 委員  私からは、(仮称)こども本の森についてとインクルーシブ教育の推進について、2本質問をさせていただきます。  まず、(仮称)こども本の森についてです。  昨年11月7日に、札幌市、北海道大学、そして株式会社安藤忠雄建築研究所の3者は、この施設を建築、運営することについて基本合意に至り、札幌市はその運営に参画することになったとの報告がございました。  こども本の森は、現在、大阪市、岩手県遠野市、神戸市に設置されておりまして、昨年12月にこども本の森神戸を視察いたしました私ども会派の議員からは、壁一面の本棚に様々なジャンルの本が並び、椅子として利用できる階段や読み聞かせができるスペースなど、子どもたちがわくわくするような空間づくりや仕掛けが随所に見られ、たくさんの魅力があふれる施設と聞いており、私もぜひ一度訪問してみたいと考えております。  世界的建築家の安藤忠雄氏が設計し、北海道大学に寄贈するこの施設は、子どもたちに多様な本を手に取ってもらい、無限の想像力や好奇心を育んでほしいという安藤氏の思いを十分に受け止めつつ、北海道大学という立地環境を生かした札幌ならではの独自性を有する運営を実現してほしいと考えます。  また、その運営に当たって重要な要素となります蔵書については、子どもたちが親しみやすい多様なジャンルを取りそろえていく必要があるのではないかと考えるところです。  そこで、質問ですが、(仮称)こども本の森の蔵書の構成についての考えを伺います。 ◎矢萩 中央図書館長  (仮称)こども本の森の蔵書の構成についてのご質問でございます。  蔵書の構成は、子どもたちにとって魅力ある図書館となるためには、極めて重要な鍵となるものと認識しております。  例えば、大阪のこども本の森中之島におきましては、自然と遊ぼう、動物が好きな人へ、未来はどうなるなどといった12のテーマに分類いたしまして、子どもたちの日常生活や好奇心に寄り添い、語りかけるような蔵書構成となっております。  (仮称)こども本の森につきましては、こうした先行事例も参考にしながら、館のコンセプトや特色に見合ったテーマの設定、分類を検討いたしまして、子どもたちの興味や関心を引き出し、より深い本の世界へといざなうような蔵書構成にしていきたいと考えております。  また、北海道大学との連携によりまして学術的な視点も取り入れることで、将来にわたって学びや想像力の原点となるような魅力ある書棚をつくってまいりたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  今、矢萩館長から様々なお話を伺いました。  他都市のこども本の森の主な対象者は、乳幼児から中学生、18歳までの子どもたち、さらに未就学児から小学生と様々です。  札幌市には、韓国大田広域市を参考に、主にゼロ歳から5歳の乳幼児を対象にした2016年11月完成のえほん図書館もありますので、できるだけ蔵書が重ならないように、主な対象者を考えていくことも必要だと考えます。  小・中学生を主な対象とするならば、この図書館内ばかりではなくて、広大な北海道大学構内にも活動の場所が広がるような、先ほどもお話がございましたような学びを、ぜひ札幌の子どもたちに機会を与えていただきたいと考えます。  次に、収集方法ですけれども、魅力ある蔵書を実現していくためには、図書の購入や入れ替えを継続的に行っていくということが重要だと考えます。  えほん図書館ができました際、私も何度か視察をさせていただいたんですけれども、貸出しの絵本が思いのほか多くて、本棚に配架されている本が少なく感じることがございました。せっかく訪れても、潤沢な本の中に目指す本がなければ、期待がそがれてしまいます。  そのためにも、札幌市には、購入のための予算の確保に努めていただくことに加えて、それ以外にも充実させていく手法を考えていく必要があるのではないかと考えます。  そこで、質問ですが、図書の収集をどのように行っていくのか、伺います。 ◎矢萩 中央図書館長  図書の収集方法についてお答えいたします。  本市図書館には、これまでも多くの図書が市民の方々から寄贈されておりまして、(仮称)こども本の森におきましても、市民の皆様に広く寄贈を呼びかけてまいりたいと考えております。  加えて、ふるさと納税制度などを活用いたしまして寄附金の募集を行い、図書の購入費用に充てるなどして、子どもたちにとって魅力ある蔵書を充実させていきたいと考えております。  また、こうした活動を通じて、市民とともに支え合っていく図書館を目指してまいる所存でございます。 ◆しのだ江里子 委員  図書の寄贈や寄附金の募集に当たっては、市内外から多くの賛同が得られるよう効果的に広報を行っていただき、また、個人や企業だけではなく、ライオンズクラブやロータリークラブ、ソロプチミストなど、奉仕活動を行っている団体や企業にも働きかけを行っていただきたいと考えます。  先ほどご答弁にありましたように、今までも多くの寄贈をしていただいているということであり、今回も、ふるさと納税など新たな取組もしていくわけですが、ぜひとも潤沢な本の収集ということに関して進めていただきたいと考えます。  往々にして様々な奉仕団体や企業では、周年行事の事業として、大きな金額の寄附などを数年前から計画を立てていくということがございますので、早め早めの広報をしていただいて、ぜひそこに合致できるようにしていただければと思います。
     開館については2026年夏頃と聞いておりますが、限られた時間の中で事業を進めていくためには、関係者との緊密な連携が不可欠なものと認識しております。  そこで、質問ですが、事業の進捗状況と、今後、札幌市はどのようなスケジュールで進めていくのか、伺います。 ◎矢萩 中央図書館長  事業の進捗状況と今後のスケジュールについてお答えいたします。  現在、北海道大学では、建設予定地の現地調査を実施しており、また、安藤忠雄建築研究所では、基本設計を行っているところでございます。  (仮称)こども本の森の運営に携わっていく札幌市としては、令和6年度以降、運営に係る基本方針を策定した上で、開館に向けて、関係規程等の整備など諸準備を進めてまいりたいと考えております。  先行施設にはない、北海道大学が有する知や豊かな自然環境という特色を最大限に生かしまして、子どもたちだけではなく、幅広い年代の市民に愛される図書館を目指してまいりたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  先行施設にはない、札幌ならではのこども本の森を期待したいと思います。今後、運営に関する基本方針を策定するということで、関係者との連携、調整を慎重に進めつつ、子どもたちをはじめ、幅広い世代の意見を十分に考慮して決定していただくようにお願いしたいと思います。  (仮称)こども本の森が、札幌の子どもたちの学びや成長に大いに資する場となり、その果実が既存の図書館に広がっていくことを期待し、そのためには、本日いらしている財政局の生野部長には、今以上に、既存図書館と(仮称)こども本の森への図書館蔵書に向けた予算をしっかりとつけていただくことを求めたいと思います。  また、矢萩館長には、様々なご指導をいただきましたことに感謝を申し上げ、この件についての私の質問を終わります。  次に、インクルーシブ教育の推進について、学校におけるバリアフリー化と学びのサポーターについて伺います。  我が国は、2007年に障害者権利条約に署名して以来、国内法整備が進められ、2013年に障害者差別解消法が制定、2014年にようやく障害者権利条約を批准し、締結国となったところです。  2022年8月には、スイスのジュネーブで、障害者権利条約の日本への建設的対話が開かれまして、その9月には権利委員会から日本政府へ勧告が出されております。  その中の第24条である教育では、権利委員会からは、障がいのある子の中に通常学級で学べない子がいることを問題視し、分離された特別支援教育の中止に向け、障がいのある子もない子も共に学ぶインクルーシブ教育に関する国の行動計画をつくることを求めております。  それは、子どもは子どもの中で育つ、そして地域の普通学校こそ、共に学び生きる場という本来の意味でのインクルーシブ教育を目指すことにつながると考えます。  2023年3月には、文部科学省が設置します通常の学級に在籍する障がいのある児童生徒への支援の在り方に関する検討会議の報告を踏まえ、通知されました通常の学級に在籍する障がいのある児童生徒への支援に係る方策についてという中では、インクルーシブな社会の実現に向けて、関連施策などの一層の充実を図ることが求められております。  インクルーシブ教育を推進していくためには、ハード・ソフト両面での充実が必要であり、ハード面で言えば、障がいのある子どもたちがスムーズに移動できるよう、校舎内のバリアフリー化を推進していくことが重要であり、ソフト面では、様々な障がいのある子どもたちが、適切な指導、支援を受けることができる体制を整えていくことが重要となります。  札幌市では、次期札幌市教育振興基本計画の重点項目の一つである誰一人取り残されない教育の推進の中で、バリアフリー化整備の推進や通常の学級等における子どもの支援体制の充実を図ることが示されており、障がいのある子もない子も、共に学ぶインクルーシブ教育を一層推進する上で、重要な施策であると認識しております。  文科省は、それに先立ち、2020年12月に、学校施設におけるバリアフリー化の一層の推進について通知を発出し、公立小・中学校などにおけるバリアフリー化について、2025年度末までの緊急かつ集中的な整備目標が示されたところであり、札幌市立の学校約300校においても、順次整備が進んでいることと思われます。  そこで、質問ですが、学校施設におけるバリアフリー化の整備状況について伺います。 ◎池田 学校施設担当部長  バリアフリー化の整備状況についてのご質問でございました。  市立学校におけるバリアフリー化につきましては、障がいのある児童生徒が安心して学校生活を送るだけでなく、災害時における避難場所など、地域コミュニティの拠点としての役割も踏まえ整備を行っているところでございます。  現段階の整備状況でございますが、エレベーターにつきましては、要配慮児童生徒が在籍または通学見込みの学校を適宜把握した上で、必要な整備を行っております。また、令和5年度末までに、バリアフリートイレにつきましては241校、スロープにつきましては276校の整備が完了する見込みでございます。  教育委員会といたしましては、文部科学省の整備目標を踏まえまして、エレベーター整備を随時進めてまいりますほか、令和7年度末までに、各校最低1か所のバリアフリートイレと段差解消のためのスロープ整備を着実に進めてまいる考えでございます。 ◆しのだ江里子 委員  現在の整備状況について伺わせていただきました。トイレにおいては、令和5年度で241校、そしてスロープが276校ということでありました。  国は、2020年に、公立小・中学校などの施設のバリアフリー化に関する2025年度末までの国の整備目標の一つとして、バリアフリートイレについては、避難所に指定されている全ての学校に整備すること、2番目、スロープなどによる段差の解消については、全ての学校に整備すること、そして3番目、エレベーターについては、要配慮児童生徒などが在籍する全ての学校に整備することとしています。  学校施設は、多くの児童生徒が1日の大半を過ごす学習、生活の場であり、このバリアフリー化は、障がいのある児童生徒が安心して学校生活を送ることができるようにするだけではなくて、先ほどもご答弁にありましたように、災害時における避難所など、地域のコミュニティ施設の拠点としての役割を果たすことなども考えられますことから、学校施設のバリアフリー化を一層進めていく必要があると認識しております。  スロープやトイレに関しては着実に進んでいることは確認できるわけなんですが、特にエレベーターにつきましては、工事が大変大がかりであり、整備完了までは数年かかるということから、要配慮児童生徒が在籍する間にエレベーターの整備が間に合わないケースがあるということが多々聞こえてまいります。  教育委員会には、その間の対応として、要配慮児童生徒の負担軽減のため、例えば昇降機など、必要な整備が可能な限り迅速に行われるようにお願いしたいと思います。また、要配慮児童生徒が入学を予定する学校には、個別整備で年に複数校実施していただくということですが、児童生徒、保護者からの要望などが入学前に届きやすい環境を、ぜひ教育委員会にはつくっていただきたいと思います。  続いて、通常の学級などにおける子どもの支援体制の充実に向けた取組として、学びのサポーター活用事業について伺います。  本事業については、私は、2010年から複数回、支援を必要とする児童生徒の増加の対応として、配当時間数を増やすことなどを要望してまいりました。そして、段階的に事業が拡充されてきているものと認識しております。  また、学びのサポーターの謝金額についても、多くの学びのサポーターが継続して活動することができるよう、見直しの必要性について繰り返し指摘をしてきたところですが、昨年、2023年1定予算特別委員会において、私どもの会派から改めて要望したところ、このたび、2024年度予算案に増額改定を見込んでいただいた事業案が計上されております。  今までの謝金単価が決まりました頃の北海道の最低賃金は700円台でした。それを上回る単価でしたが、昨年10月より、北海道の最低賃金は960円になっております。今回の見直しで、ようやく学びのサポーターの皆様の活動が再評価されたものと思いますが、交通費の支給はございません。  このような中、支援の必要な児童生徒は年々人数が増加していることに加え、ますます障がいの多様化も進んでいることから、学びのサポーターを活用した校内の支援体制を充実することがより一層求められている状況となっております。  こうした背景を踏まえ、各学校では、学びのサポーターの人材を確保することが大変重要となっておりますが、有償ボランティアである学びのサポーターについては、なかなか独自に見つけることが難しいとのお声も聞いており、人材確保に向けて、教育委員会として一層工夫が必要なのではないかと考えます。  そこで、質問ですが、学びのサポーターの人材確保の現状と課題、併せて、今後の改善策について伺います。 ◎長谷川 学校教育部長  学びのサポーターの人材確保の現状と課題、あわせまして、今後の改善策についてお答えいたします。  平成21年から始めました学びのサポーター活用事業は、事業開始当初、小学校における活用が大半を占めておりましたが、その後、中学校にも活用が徐々に広がり、令和5年度には、ほぼ全ての小・中学校において活用が図られているところでございます。  学びのサポーターの活動者数は年々増加し、現在は900名を超える方が協力してくださっておりますが、支援の必要な児童生徒はそれを上回る勢いで増加しており、一部の学校では、人材を十分に確保できない状況が生じていると認識しております。  今後は、学びのサポーターを希望する大学生への働きかけを強化することに加えまして、まちづくりセンター等へ募集チラシを掲示するなど、周知方法についても工夫し、子どもたちが学びのサポーターの継続的な支援を受けられるよう努めてまいる所存でございます。 ◆しのだ江里子 委員  昨年、2023年10月にお聞きしたところ、2022年度は既に891人が登録されておりまして、各校に700時間が担保され、1,757人の児童生徒が学びのサポーター、介助アシスタントによる支援を受けて、289校の通常学級で学び、生活をしているということでした。  今のご答弁でも、900人を超える方たちが学びのサポーター及び介助アシスタントとして登録していただいているということですが、登録したものの、時間が合わなかったり、近くの学校ではなかったりということで、実働に至らない方も少なからずいらっしゃるのではと推測いたします。  昨年度末から、ホームページで事業内容の掲載を行い、今年度は、市内や周辺の大学に案内チラシの送付をしていただいたということで、大学生をはじめ、今までになく多くの方が興味を持っていただいているということには、大いに期待をするところです。  学びのサポーターも介助アシスタントも、本来は学校のある地域を想定していたため交通費の支給がないということであれば、募集ポスターを、地域の方が立ち寄ることの多いまちづくりセンターや近くのショッピングセンターの広報板に掲示していただいたり、そしてまた、学校から保護者へのお便りの際に募集を記載していただくなど、周知方法をさらに一歩進めていただきたいと思います。  今回、通常の学校に通学する医療的ケアを必要とする児童生徒が学校生活を送る上で、介護、介助には、専門的知見を必ずしも有していない教員や介助アシスタントが対応しておりましたが、札幌市立学校における看護師配置事業により看護師配置がされており、今後、日常生活動作全てにおいて、常に大人の介助が必要となる医療的ケア児に関しては、医ケア担当看護師が介助を担っていただくことに変更していただけるということで、要望されていた児童生徒も保護者も安心につながるので、大いに評価をするところです。  札幌では、学びのサポーターや介助アシスタントなしには、インクルーシブ教育は実現できないと考えます。ようやく導入から15年を経て、謝金の単価を上げていただくことになったというのは何よりでありまして、様々な方が子どもの学びを支えてくださっているということに感謝をいたします。  今回質問はいたしませんでしたが、就学相談等では、いまだに特別支援教育への振り分けと思われる指導も聞かれるということから、教育委員会には、さらなるインクルーシブ教育、障がいがある子もない子も共に学び育つというインクルーシブ教育の実現に向けた取組を要望して、私の質問を終わります。 ◆福田浩太郎 委員  私からは、いじめの未然防止教育についてお伺いしたいと思います。  今回のいじめの重大事態を踏まえ、再発防止の取組を徹底する観点から、いじめが発生したときの法に基づく組織的な対応の重要性や、いじめ防止の取組を進める上での心理や福祉の専門家との連携強化について、さらに、スクールロイヤーの活用について、さきの文教委員会で指摘したところでございます。  しかし、そもそもいじめは未然に防ぐという視点が重要であり、子ども一人一人が、いじめの問題を自分のこととして捉え、いじめに向かわない態度や意識を育むための未然防止の教育を充実させることが必要であります。  さきの文教委員会の質疑では、ほかの委員の質疑に対して、いじめの未然防止について、道徳教育を通じて、命を尊重する心や他者を思いやる心を育んできたという答弁がございました。  そこで、1点目の質問ですが、これまで道徳教育を通して、いじめに向かわない子どもの態度や意識をどのように育んできたのか、お尋ねをいたします。 ◎廣川 児童生徒担当部長  道徳教育を通して、いじめに向かわない子どもの態度や意識をどのように育んできたのかでございます。  道徳教育は、思いやりの心や互いに尊重し合う心などを育みながら、他者と共によりよく生きようとする態度を身につけることを狙いとして、学校の教育活動全体を通じて行うものでございます。  札幌市では、道徳教育の要である特別の教科道徳におきまして、いじめの未然防止の視点を重視した教科書を用いて、小・中学校の全ての学年におきまして、いじめを重点主題とした授業を行っております。  その中で、人間尊重の教育を基盤とし、子どもがいじめの問題を自分のこととして捉え、考え、議論することを通して、いじめに向かわない態度や意識を育んでまいりました。 ◆福田浩太郎 委員  道徳が教科外の授業であったものを、特別の教科として、さらに、重点項目としてカリキュラムを組んで、自分ならどうするのかを問いかけ、考え、議論する授業へと転換されてきているということでございました。私自身が受けてきた道徳教育からは、量も質も大きく変わっているようでございます。  道徳の授業を中心に、いじめに向かわない態度や意識を育むことはもちろん重要でございます。ただ、昨今のいじめの複雑・深刻化をしている状況を見ますと、道徳の授業以外にも、私は、多様ないじめの未然防止の取組を試してみることの必要性が増しているのではないかと感じているところでございます。  そこで、さきの文教委員会の質疑の際にも触れましたように、フィンランドにおけるいじめ防止プログラムKiVaのように、実際のいじめの場面を想定し、特に、いじめを周囲で見ている傍観者に焦点を当てて、擬似的な体験を取り入れたプログラムなど、より実践的な学習を試行してみてはどうかと考えているところでございます。  そこで、2点目の質問でございますが、いじめに焦点を当てた、より実践的な取組を今後どのように進めていくのか、お尋ねいたします。 ◎廣川 児童生徒担当部長  いじめの未然防止に焦点を当てたより実践的な取組についてでございますが、いじめの未然防止教育に当たりましては、いじめは絶対に許されず、人間の尊厳を踏みにじる人権侵害行為であることを、頭で理解するだけではなく、いじめはしない、させない、許さないという感覚を、実際に行動できるようになるまで高めることが重要と認識しております。  そのため、スクールカウンセラーや弁護士などの専門家を講師とし、いじめる側や傍観者の心理を体験しながら学ぶ授業や、いじめが犯罪行為となる場合があることなどを法的な視点から考える授業など、実践的な未然防止教育も有効であると考えております。  今後は、こうした専門家との連携も含め、実際の事例を教材として話し合う授業や、お話のありましたような、いじめの場面を疑似体験できるような授業に関するモデル授業を進め、効果的な指導事例を全市に展開するなど、いじめの未然防止教育の充実を一層進めてまいる所存でございます。 ◆福田浩太郎 委員  しっかりと学習して行動変容を促すような、心理など様々な専門家のアドバイスを聞きながら、実践的な教育、いじめの傍観者に焦点を当てたモデル授業も行っていくというお話でございました。  森田洋司氏は、「いじめとは何か」という著書の中で、いじめの4層構造論を展開されております。一つには、いじめる生徒、加害者、二つには、いじめられる生徒、被害者、三つには、観衆、これははやし立てたり面白がったりして見ている方々でございます。最後は、傍観者、見て見ないふりをする、そういう生徒さん方でございます。  この4層があるということでございますが、いじめの持続や拡大には、いじめる生徒といじめられる生徒以外の観衆や傍観者の立場にいる生徒が大きく影響しているとのことでございます。  観衆は、いじめを積極的に是認しているということは皆様もよく分かることと思います。傍観者については、一見、何もしていないように思われるわけでございますが、いじめを暗黙的に支持し、いじめを促進する役割を担っていると、安田女子大学の竹田敏彦氏は解説されておりまして、いじめを克服する最大のポイントは、傍観者を仲裁者に変えることであることは言うまでもないと提言されております。  いじめの未然防止のためには、傍観者を仲裁者に変えていく手だてが必要であり、このような取組を考える上で参考になるのが、フィンランドのKiVaプログラムでございます。札幌市においても、いじめの傍観者に焦点を当てたKiVaプログラムを参考にしながら、札幌ならではのいじめ阻止プログラムの充実を期待し、今後も注視をしていくことを申し上げて、質問を終わります。 ◆藤田稔人 委員  私からは、子どもの体力向上に向けた取組の推進について、そして、不登校への対応について、2点質問させていただきます。  まず、子どもの体力向上に向けた取組の推進についてお伺いさせていただきます。  教育委員会では、このたび策定した第2期札幌市教育振興基本計画の前期アクションプランにおいて、重点的に取り組んでいく三つの重点項目の一つに、生涯にわたる健やかな体の育成を掲げております。  その理由の一つとして、この2月に公表された令和5年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査における札幌市の結果が、小・中学校、男女ともに、ほとんどの種目で全国の平均値に届いておらず、その差が拡大している状況が見られることが挙げられるかと考えております。  また、最近、小学生が公園で遊ぶ姿を見ることが少なくなったことや中学生の部活動の在り方が変化していることを踏まえると、子どもの体力向上については、学校だけではなく、社会全体で考えていかなければならない重要な問題であると考えております。  そこで、質問ですが、教育委員会として、これまで体力向上に向けてどのように取り組んできたのか、お伺いさせていただきます。 ◎長谷川 学校教育部長  これまでの体力向上の取組についてお答えいたします。  札幌市におきましては、健やかな体の基礎となる体力は、生涯にわたる健康維持のほか、気力を充実し、知性を高めていく基盤となるものであり、これからの変化の激しい社会を生き抜いていくために、極めて重要なものであると認識しております。  このことを踏まえ、教育委員会では、平成27年度に、体力向上に向けた方針等を、さっぽろっ子「健やかな体」の育成プランとしてまとめ、各学校においては、本方針に基づいた年間計画を立てて取組を進めてきたところでございます。  各学校におきましては、体育や保健の授業の充実を図るとともに、休み時間に縄跳び運動やダンスに取り組んだり、投げる力が高まるよう、体育館に的を設置するなどの環境整備を進めてまいりました。  また、コロナ禍におきましても、オンラインを活用して家庭でできる運動の動画を配信することや、コロナ禍でもできる水泳学習の指導者用映像を作成するなど、子どもたちの体力向上に努めてきたところでございます。 ◆藤田稔人 委員  教育委員会と各学校が連携して、コロナ禍も含めて様々に取り組んできたとのことでございました。  しかしながら、実際に札幌市の子どもの体力の調査結果を見ると、その成果が明らかに数値となって表れているとは言い難いかなと感じております。成果を上げていくためには、現状の課題を明確にして取り組んでいくことが重要であります。  そこで、質問ですが、教育委員会ではどのようなことを課題として捉えているのか、お伺いさせていただきます。 ◎長谷川 学校教育部長  子どもの体力向上の課題についてでございますが、令和5年度の全国体力・運動能力、運動習慣等調査の札幌市の結果によりますと、体育の授業以外で運動していない子どもの割合は、小学校は例年と同様でありましたが、中学校は、令和4年度よりも増加する傾向となっておりました。  さらに、札幌市の子どもは、運動やスポーツが好きと考えている子どもが多いものの、実際に体力向上につながっていない状況があり、特に中学校においては、運動時間も少ないという分析結果でありました。  以上のことから、体力の向上に当たりましては、体育の授業以外で運動していない子どもはもとより、運動時間が少ない子どもの運動機会をどのように増やしていくかが課題と捉えております。 ◆藤田稔人 委員  調査の結果から課題の分析を行っているとのことでございましたが、必要なのは、その分析結果に基づいて、実際にどのような手だてを講じていくかということだと考えております。子どもが運動したくなる環境を整えていくことが重要だという分析でございましたが、これまでも各学校において様々な取組をしているのは、先ほどお伺いしたところであり、さらなる充実というのは容易なことではないのではないかと考えております。  また、子どもの運動機会を創出していく際には、子どもが自らの意思で運動やスポーツに親しむことができるような環境づくりを進めていくことが、将来にわたって体力を向上させる意識の高まりにつながるのではないかと考えております。  そこで、質問ですが、今後の子どもの体力向上に向けてどのように取り組んでいくのか、お伺いさせていただきます。 ◎長谷川 学校教育部長  今後の子どもの体力向上の取組についてということでございますが、北海道教育大学に委託いたしました調査研究によりますと、運動機会の少ない子どもは、仲間、時間、空間のいわゆる3間があれば運動したいと考えていることが明らかになっております。  このことから、次年度は、体力向上の取組を、子どもの思いや願いを実現していくさっぽろっ子自治的な活動と関連づけ、学校、家庭、地域が一体となって、子どもたちの主体的な運動習慣の形成につながる取組を支援し、体力向上を図ってまいりたいと考えております。  具体的には、子どもたち自らが、いつ、どこで、何をするのかを考えて運動機会を創出するなど、先進的な取組を推進するモデル校を指定し、取組の成果を広く全市の学校と共有していく予定でございます。  子どもの体力向上は、札幌市が大切にしているウェルネスにも通じるものであることから、今後も、子どもが生涯にわたって健康で豊かな生活を送ることができるよう、取組を充実してまいる所存でございます。 ◆藤田稔人 委員  教育委員会が捉えた課題の解決に向けて、ただいまご答弁いただいたとおり、様々な施策により前向きに取り組んでいこうということでございましたので、今後も注視してまいりたいと考えております。  勉強には、いわゆる一夜漬けという言葉があり、それで試験を乗り切るようなことがあるかもしれませんが、体力はそのようなことはなく、一朝一夕に向上するようなものでないのは誰もがご存じのことと思います。  子どもたちは、体育の授業をはじめ、休み時間や遊び、習い事や部活のほか、食事や睡眠なども含めて、毎日の様々な活動の積み重ねの結果として体力というものがあると思っております。  札幌の子どもたちは、体力が全国の平均以下であるということは、何らかの活動の量が足りていないのか、質が不十分なのか、しっかりとこれからも分析を重ねて、体力の向上に向けて取組を進めていただきたいと考えております。  また、先ほど3間という表現をしていらっしゃいましたが、運動の楽しさは、何かをできるようになるだけではなく、チームスポーツのように、仲間と楽しむなど、社会性を身につけることでもありますので、様々な観点から、運動に向けて子どもたちのモチベーションを高めていただきたいと考えております。  今回は、体力の向上に向けた取組の推進について質問させていただきましたが、体力の向上のみならず、先ほどはウェルネスという言葉遣いをされましたが、健康づくりという観点も重要であります。  例えば、オリンピック・パラリンピック教育では、スポーツを通じて精神的にも成長することを学ぶことができたり、あるいは、産婦人科医師や助産師による講師派遣事業などで命の大切さを学ぶことができたり、児童生徒の心身共に健やかな成長を促すすばらしい取組を実施していることから、そういったことも関連づけて、生涯にわたる健やかな体の育成を図る取組を充実させていただきたいと考えております。  続きまして、不登校への対応についてお伺いさせていただきます。  ちょうど今、卒業シーズンでございますが、七、八年前、自分が中学校を卒業してから25年ぶりに来賓として地元中学校の卒業式に参列し、欠席者があまりに多く、驚きました。当初は、風邪かインフルエンザによる体調不良の欠席かと思いましたが、後からそれが不登校による欠席と聞き、胸の潰れる思いでございました。
     かく言う私も、小学校3年生、4年生ぐらいのときに、正直なところ、あまり学校には行きたくない子どもでございました。ちょっと懐かしいものを探してきたんですけれども、そのときの通知表の3学期のところを読ませていただきます。  学習に、生活に、楽しく充実した3学期だったと思います。周りの友達からの信頼も次第に大きいものになってきたので、4年生になったら、ぜひリーダーとしての仕事をたくさん経験して、ますます自分の力を大きくしてほしいと思いますと、こういった担任の先生からの温かい励ましの言葉を胸に、何とか学校に行きたくないという気持ちを乗り越えて、学校にきちんと通ったことを思い出しております。  担任の名は、ここに引地秀美と書いてありますが、本当にお世話になった先生ということで感謝しておりますし、誰もが学校に行きたくないことはあると思うんですけれども、そういったことを乗り越えていかなきゃいけないのかなと感じている次第でございます。  さて、文部科学省が公表している不登校に関する調査結果によると、令和4年度の全国の小・中学校における不登校児童生徒数は、約30万人と過去最多となっております。札幌市も同様の傾向にあり、平成20年代は毎年微増傾向が続いておりましたが、私が議員となった5年前で約3,000人、それが今や約4,800人と急増しており、大変重要な問題であると認識しております。  不登校は様々な要因が複雑に絡み合ってのことですが、文部科学省の報告によると、新型コロナウイルス感染症の影響により、生活リズムの乱れや学校生活において様々な制限がある中で、交友関係を築くことが難しくなるなど、登校する意欲が湧きにくい状況があったことも挙げられております。  また、保護者や家庭の中には、登校を渋る子どもに対し、無理に学校へ行かせようとはせず、子どもの気持ちを優先するようなこともあるようで、以前より保護者が子どもを家庭から学校へ押し出す力が弱くなってきているようにも思います。  子どもの意見を聞くことは大切ですが、学校に行きたくない子どもに行くか行かないかを聞いたら、行かないと言うに決まっており、子どもの意見を尊重すればよいということは必ずしも言えないかなと思っております。  こうした状況を踏まえると、新型コロナウイルス感染症の影響や保護者の意識の変化もあり、学校そのものに子どもが登校したくなる、あるいは、保護者に子どもを登校させたいと思わせるような動機づけが薄れてきているのではないかと心配しております。  札幌市においては、不登校児童生徒のための学校以外の学びの場や居場所づくりが進んでいることは承知しており、先日、私は、教育支援センターを視察させていただきましたが、不登校児童生徒への支援が充実しつつあることは、一定の評価をさせていただきます。  しかしながら、学校は、家庭の中だけでは育めない子どもの社会性などを身につける大変重要な学びの場であることから、いま一度、学校教育の意義を再確認しながら、子どもたち一人一人のために、各学校において不登校を未然に防止するための教育活動や、不登校の子どもが再び学校に通えるようにするための支援体制の充実を進める必要があると考えております。  そこで、質問ですが、札幌市の小・中学校における不登校の現状やその分析と、不登校支援に対する基本的な考え方についてお伺いさせていただきます。 ◎廣川 児童生徒担当部長  札幌市の小・中学校における不登校の現状と分析、また不登校支援に対する基本的な考え方についてですが、令和4年度の札幌市の小・中学校における不登校児童生徒数は、小学校が1,489人、中学校が3,347人の計4,836人となっており、全国同様、増加傾向にあります。  特に、ここ数年、小学校の不登校児童の増加が顕著となっております。その背景には、いろいろな困りや悩みが複雑に絡み合っていることや、多様な学習機会を確保することの重要性を示した教育機会確保法の趣旨の浸透により、不登校に対する保護者や社会の受け止めが変化してきたことなどが挙げられます。  しかしながら、特に小・中学校の段階は、将来における社会的自立のための基礎を養うなど、学校の果たす役割が極めて大きいことから、学校、家庭、地域が連携して、不登校の未然防止や早期対応の充実を図ることと、不登校の子ども一人一人の思いやニーズに寄り添った支援を行うこと、この両面から取り組むことが必要と認識しております。 ◆藤田稔人 委員  札幌市の現状としましては、小学校の不登校児童の増加が顕著であること、また、対策については、未然防止というご答弁いただきました。  最近は不登校に対する社会全体の認識も変わり、学校以外の学びの場づくりなどが進み、様々な選択肢が増えてきたことで、不登校の子どもも、自分の状況に応じた学び方や生き方が選択できる社会になっており、一昔前であれば、家に閉じ籠もり気味になっていたかもしれない子どもが、現在では、社会とのつながりを持てるようになっているケースもあるのではないかと考えております。  一方で、どれだけ社会の中に子どもの選択肢が増えたとしても、今ある学校教育が不要になるとは思っておりませんし、学校の中だからこそ学ぶことができる価値は、昔と変わらずにあり続けるのではないかと考えております。  また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による長期間に及ぶ休校等を経験したことで、子どもの成長における学校教育の役割の大きさが見直された面もあると考えております。  札幌市においても、不登校状況にある子どもへの支援とともに、新たな不登校を生まない未然防止の取組や不登校傾向にある子どもに対する学校での支援の充実にも、一層力を入れていただくことが重要であると考えております。  そこで、質問ですが、不登校に対する未然防止の取組や不登校傾向にある子どもに対する学校での支援の今後についてお伺いさせていただきます。 ◎廣川 児童生徒担当部長  不登校に対する未然防止の取組や不登校傾向にある子どもに対する学校での支援の今後についてでございます。  教育委員会といたしましては、各学校において、子ども一人一人の学習状況に応じた支援を行うなど、日々の授業改善に取り組むのはもちろんのこと、誰もが安心して学びに向かうことのできる環境の整備が重要であると認識しております。  具体的には、子どもが円滑に学校生活を送ることができるよう、幼・小・中の校種間連携により生活や学習の状況を丁寧に引き継ぐことや、日々子どもや保護者から寄せられる相談に当たる教職員に対する研修の充実とともに、スクールカウンセラーなどの専門家と連携した対応も進めてまいる必要があると考えております。  また、新年度からは、これまでの中学校に加えまして、全ての小学校においても相談支援パートナーを配置しまして、教室に入ることが難しい子どもに対して、オンラインを活用した支援や校内での居場所づくりを進めるなど、学校における支援の充実に努めてまいります。  今後、札幌らしいコミュニティ・スクールにおきましても、不登校傾向にある子どもの学校での居場所づくりについて協議を行うなど、家庭や地域との連携を一層強化し、子ども一人一人が自分が大切にされていると実感できる学校づくりを進めてまいります。 ◆藤田稔人 委員  不登校に対する未然防止ということで、幼・小・中の校種間連携を強化する、教員研修の充実を図る、学校内の支援体制を強化する、家庭と地域との連携を強化する、そういったご答弁だったかと思います。  不登校になった児童生徒への対応は本当に大変でございまして、現場の教員も、それに膨大な労力を割いていることかと思います。  不登校になった後の支援はもちろん重要でありますが、先ほど来議論させていただいているとおり、不登校にならないよう、未然防止に努めるということが何より重要であると考えております。  昨年、岡山県総社市を視察させていただきまして、こちらがそのときの資料でございますが、総社市のだれもが行きたくなる学校づくり、不登校、問題行動の未然防止に向けた学級集団づくりということで、勉強させていただきました。  この中には、マルチレベルアプローチ、包括的生徒指導なども含まれており、事前に本市の担当課長とお話をさせていただきましたところ、こういった先進事例はもちろんご存じとのことでございましたので、ぜひ参考にしながら未然防止に取り組んでいただきたいと考えております。  特に、ただいまご答弁にもございました教員研修の充実については、参考にすべきことが多いと考えておりますし、心の教育をさらに推進して、道徳教育のほか、児童生徒へのメンタルトレーニングなどにもぜひとも取り組んでいただきたいと考えております。  1問目では子どもの体力の向上について、2問目の不登校対策は心の問題の解決に向けての取組であり、そういった意味で、心身ともにたくましい札幌の子どもたちを、ぜひこれからも育めるように努力していただきたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  私は、札幌市青少年科学館のリニューアルオープンなどについて質問をいたします。  質問の1点目は、リニューアル後の事業についてです。  私は、2016年の予算特別委員会から、札幌市青少年科学館の展示物更新や科学館の目指す方向性などについて取り上げてまいりました。  科学館は、科学及び科学技術に関する知識の普及啓発を通じて、創造性豊かな青少年の育成を図ることを目的として設置された社会教育施設であり、また、博物館法に基づいて登録された施設であります。  この間の質疑を通じて、2019年度に札幌市青少年科学館活用基本構想を策定後、整備計画が策定されております。  この中で、基本構想及び整備計画では、第3次生涯学習構想の理念や新さっぽろ地区の再開発と連動し、市民の誰もが学べる環境づくりを進めていくこと、また、学校教育における理科教育の重要性を踏まえた科学館を、理科授業で活用しやすくなるよう、施設・設備や学習プログラムの充実を盛り込むということでありました。  ソフト面では、プラネタリウムの更新、展示室の年間パスポート券、そして、新年度からはプラネタリウムの年間パスポート券を2,500円で既に販売を始めているところであります。  また、2013年1月には宇宙飛行士の山崎直子さんに名誉館長にご就任いただいて、今日に至っているわけであります。  青少年科学館は、1981年に開館以降、展示物などの部分的な更新によって、各展示コーナーのコンセプト、概念や構想の統一性が損なわれつつありました。  私は、この間の予算・決算特別委員会で、展示物の大幅な更新と各展示コーナーの統一性や施設全体のレベルアップを取り上げてまいりました。  青少年科学館は、2022年8月から科学館を休館し、施設の整備、展示物などの全面的なリニューアル工事をはじめ、今年4月1日にリニューアルオープンが予定されております。  私も先日、文教常任委員会の同科学館視察に同行させていただきました。約130点の展示物の中から、メインとなる展示物の一部として、スノードームシアター及び低温プレイグラウンドなどの設置目的、性能説明などを受け、体験もさせていただきました。  視察をして感じたことは、同科学館がこれまで蓄積したソフト・ハード面のノウハウや実績を生かし、子どもたちも大人も、様々な体験を通じ、これまでとは違った見方で発見したり、考えたりする力をさらに延ばそうとするコンセプトが伝わり、理解をしたところであります。  こうしたコンセプトを具体化した展示物の技術や情報などの提供にご協力いただきました北海道大学、札幌管区気象台、北海道赤十字血液センターなど、専門機関や企業に改めて感謝を申し上げたいと思います。  展示物の更新は順調に進んでおりますが、今後は、更新した展示物を活用したソフト事業の検討が重要であります。  そこで、質問ですが、リニューアル後のソフト事業の検討状況についてどのように考えているのか、伺います。あわせて、山崎直子名誉館長のご協力をいただきイベントなどを行うべきと考えますが、どのように検討しているのか、伺いたいと思います。 ◎木村 生涯学習部長  青少年科学館のリニューアル後の事業につきましてお答えいたします。  今回の展示リニューアルは、昭和56年の開設以来、最大規模のものとなっておりまして、北方圏の科学館として特徴的なエリアでございます雪・氷エリアや科学の原理を学ぶことのできるサイエンスパークエリアなどを整備したところでございます。  これらの新たな展示物等を活用した事業として、マイナス30度まで寒くすることのできる低温プレイグラウンドでのぬれたタオルが瞬間的に凍る実演のほか、サイエンスショーコーナーでは、例えばレモンに含まれる物質がゴムを溶かすなど、子どもたちが興味・関心を持つような新しい実験も考えているところでございます。  また、山崎直子名誉館長が関わるイベントについてでございますけれども、宇宙や科学をテーマに、講演会をこれまで定期的に開催しているところでございますが、今後の企画に当たりましては、リニューアルの効果を最大限に発揮できますよう、内容をさらに充実してまいりたいと考えているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  質問の2点目は、リニューアルオープンに伴う混雑対策についてでございます。  8年前、一度に1億個の星が投影できるプラネタリウムがリニューアルオープンした際にも、年間約40万人が訪れております。1日当たり約1,000人以上が訪れていることになるわけであります。  これまで青少年科学館は、オープンしてから43年が経過いたしますけれども、約1,400万人以上の市民などが利用されている状況にあります。今回も、これまでにないリニューアルによって、多くの人がオープンを期待しているところであります。見学や体験時間には個人差もありますが、混雑対策が必要だと思います。  そこで、質問ですが、青少年科学館のリニューアルオープンに期待する市民が大勢押し寄せることが想定されます。間近に迫ったリニューアルオープン時の混雑対策はどのように講ずるつもりなのか、伺いたいと思います。 ◎木村 生涯学習部長  青少年科学館の混雑対策についてでございます。  委員のご指摘のとおり、リニューアルオープン直後は、特にチケット購入窓口などの混雑が想定されますことから、スムーズに入場できますよう、来館時間を指定したチケットをオンラインで事前販売することといたしました。  また、職員研修や事前のシミュレーションも実施するなど、準備を進めてきたところでございますが、さらに、当日は動線の要所要所に職員を配置するほか、特に混雑が予想される人気の展示物には、整理券を用意するなど、来館した方が楽しく科学に触れることのできるよう、万全な体制で運営を行ってまいりたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  質問の3点目、最後の質問になりますけれども、実験室の拡張についてです。  先ほども述べさせていただきましたけれども、この間の取組の中で、理科教育の充実を掲げてきたわけであります。  リニューアル前の科学館の学校利用の主な事例としましては、プラネタリウムが多く活用されておりますけれども、実験室は定員が32名のため、授業で活用するには機能面に課題がある状況でありました。  2020年の予算特別委員会の答弁では、実験室と準備室を拡張することで、より活用しやすくするよう整備するとのことでありました。  そこで、質問ですが、観察、実験を含めた子どもたちの体験的な学習を充実させるためにも、実験室の活用はとても大切だと思いますが、どのように考えているのか伺いたいと思います。 ◎木村 生涯学習部長  実験室の拡張についてでございます。  これまでも、科学館を訪れる多くの小学生から、展示室の見学だけではなく、実際に理科の実験を体験したいという声が寄せられていたところでございます。  そこで、リニューアルを機に定員を40名まで拡張いたしまして、一つのクラスが一度に理科の実験を体験できるようにいたしました。  市内の小学校を対象としまして、令和6年度の実験室の利用募集を開始したところ、既に多くの申込みをいただいておりまして、今後も、実験室を効果的に活用して、子どもたちの体験的な学習をさらに充実させてまいりたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  要望申し上げまして、質問を終わりたいと思います。  1点目の要望につきましては、名誉館長の山崎直子さんにご協力いただくイベントをしっかり企画していくべきだと思います。  8年前にプラネタリウムを更新したリニューアルのときにも山崎直子さんにお越しいただきました。私も参加させていただきましたけれども、山崎直子さんのお話に子どもたちや大人から質問があった際は、プラネタリウムのステージからわざわざ質問者のところに近づいて、質問者のそばで分かりやすく説明されていた姿勢は、多くの方から高く評価されてきているわけであります。  山崎直子さんは、子どもさんもまだ中学生くらいだと思いますので、子育てでなかなか時間が取れない場合もありますけれども、ぜひとも早く札幌市で連絡を取って、山崎直子さんを中心としたイベントなどに取り組んでいただきたいと思います。  2点目として、札幌市は、青少年科学館はつくったけれども、どういうコンセプトで運営していくのかという基本構想、それに基づく整備計画がつくられてこなかったわけでありまして、今回、改めてこうしたことが具体化となって、リニューアルオープンを迎えるわけであります。  ぜひ、リニューアルオープンを迎えたことで安心することなく、これからもしっかりとしたコンセプトを持ち続けるなり、変えるなどして、市民の期待に応えていただきたいと思います。  3点目は、今後も山崎直子名誉館長のご助言やご指導をいただくとともに、青少年科学館が長年蓄積したノウハウを生かし、展示物を活用したソフト事業を積極的に開催することを求めて、質問を終わります。 ◆森山由美子 委員  私からは、帰国・外国人児童生徒への支援について、教員研修についての2項目について質問をいたします。  初めに、帰国・外国人児童生徒への支援について質問をいたします。  住民基本台帳によると、札幌市の外国人の住民の数は過去最多となっており、今後も増加することが見込まれております。  このことに伴い、帰国・外国人児童生徒の数も増えていくことが予想され、そうした子どもたちが、言葉の壁によって学習や進路選択に困ることがないよう、日本語指導をしっかり受けることができる体制を構築していくことが重要になると考えます。  これまでも、教育委員会では、帰国・外国人児童生徒向けの日本語教室を教育センターで実施したり、日本語指導協力者を学校に派遣する帰国・外国人児童生徒教育支援事業に取り組んだり、日本語指導担当教諭を拠点校に配置し、複数の学校を巡回する仕組みを整えるなど、支援の充実に努めてきたと認識をしております。  そのような中、教育委員会では、令和6年度から10年間を見据えた第2期札幌市教育振興基本計画を策定し、前期アクションプランで重点的に取り組んでいく三つの項目の一つに、誰一人取り残されない教育の推進を掲げております。  その中の具体的な取組の一つとして、帰国・外国人児童生徒教育支援事業を取り上げておりますが、それは帰国・外国人児童生徒が増加し、派遣型の支援を充実させる必要があることを踏まえてのことではないかと考えております。  そこで、質問ですが、本事業の対象となる子どもの数の推移と支援の現状について伺います。 ◎長谷川 学校教育部長  日本語指導が必要な子どもの数の推移と支援の現状についてお答えいたします。  本事業の支援児童生徒数は、平成18年度の開始当初は9校12名の支援でありましたが、今年度2月末現在においては94校156名に増えており、近年は、人数の増加に加えまして、国籍や言語の多様化も進んでいる状況であります。  本事業におきましては、対象となる子どもが、まずは学校に慣れ親しみ安心感を持てるよう、遊びや簡単な会話を通して指導協力者との信頼関係を築くことを大切にしており、その上で、各学校において、子ども一人一人の教育的ニーズを踏まえた指導計画を作成し、きめ細かな支援に努めているところでございます。  具体的な支援につきましては、国際プラザなどの関係機関との連携やボランティア団体の協力も得ながら進めており、学習効果を高めるための日本語指導に加え、学校生活の円滑な適応に向けまして、心のケアも含めた文化や習慣の理解を図る関わりも行っているところでございます。 ◆森山由美子 委員  帰国・外国人児童生徒は、言葉の障壁などコミュニケーションが思うようにうまくいかず、壁にぶつかり、そこから不登校になったり、進学への不安が大きくなったりすることも少なくないと聞いております。  帰国・外国人児童生徒には、日本語指導だけではなく、安心して学校生活を過ごせるように、心の支援も大切にしていくことは我々も重要と考えており、引き続き継続をしていってほしいと思います。  答弁にもありましたように、今後、支援を要する子どもの人数がさらに増えていくことが予想されるため、大都市札幌においては、支援を要する子どもの居住地が広範囲にわたることが懸念されます。そのため、全ての子どもが確実に支援を受けられるようにするためには、より一層の支援体制の充実が必要になると考えます。  また、帰国・外国人児童生徒が、将来にわたって札幌に居住し、共生社会の一員として今後の札幌を形成する存在になることも見据え、日本語指導だけではなく、進路の見通しや将来のキャリア形成についても丁寧に指導するなど、様々な支援をしていくことも重要だと考えます。  そこで、質問ですが、こうしたことを踏まえ、今後どのように取り組んでいくのか、伺います。 ◎長谷川 学校教育部長  今後の帰国・外国人児童生徒教育支援事業に係る取組についてお答えいたします。  近年、札幌に在住する帰国・外国人児童生徒の居住地が全ての区に広がっていることを踏まえまして、来年度からは、指導協力者を公募により増員し、支援回数も増やすなど、体制を強化する予定でございます。  また、指導協力者や学校の教職員を対象とした支援の専門性を高めるための研修を充実させるなど、より効果的な取組に向け、改善を図ってまいりたいと考えております。  進路の見通しや将来のキャリア形成に関わりましては、中学生用進路資料の翻訳版を作成し、帰国・外国人児童生徒及び保護者を対象とした進学ガイダンスを実施するなどしておりますが、今後も、より多くの方々に参加していただけるよう工夫していきたいと考えます。  教育委員会といたしましては、今後も、帰国・外国人の子ども一人一人が、自分のよさや可能性を伸び伸びと発揮し、札幌っていいなと実感できるよう、取組の充実を図ってまいる所存でございます。 ◆森山由美子 委員  全ての帰国・外国人の子どもが安心して学校生活を過ごし、進路選択についても丁寧な指導がなされるよう、支援体制の強化を図っているとのことだったと思います。今後も誰一人取り残されない教育の推進の観点からも大事なことと受け止め、この取組について会派としても注視をしてまいりたいと思います。  今後、札幌市は、多様性を認め合うユニバーサルを掲げていることから、世界中の様々な国や地域の人々を引きつけ、国籍、民族、言語、文化的背景等が異なる人々が集うまちを目指していくことが必要と考えるため、本事業をますます充実していくことを要望いたしまして、この質問は終わります。  次に、教員研修について質問いたします。
     我が会派では、昨年の第3回定例会の代表質問において、教員の学びについては、一人一人の主体性が一層重要になると考え、今後の教員の資質向上について質問をしたところです。  教育長からは、教員一人一人が、自らの強みや課題を明らかにしながら、切れ目なく学び続けることのできる研修体制を整備するとの答弁がございました。このことから、一人一人の子どものよさや可能性を引き出そうとする教育の実現に向け、教員研修の改善に積極的に取り組もうとする教育委員会の姿勢を感じ、期待を高めたところです。  しかしながら、現在、教育現場では、多岐にわたる教育課題が山積し、教員が対応することが増えていることから、自己研さんの時間や教員間で見識を伝え合う場面を十分につくれないのではないかと危惧をしているところです。  こうした状況の中、教育活動等の充実を図っていくためには、今後の研修について、現状を踏まえたしっかりとした検討が必要であると考えます。  そこで、質問ですが、来年度の研修について、どのような方向性で実施をしていくのか、伺います。 ◎佐藤 教職員担当部長  来年度の研修の方向性についてお答えいたします。  近年、国が示しております令和の日本型学校教育におきましては、教員研修の在り方に大きな転換が必要であるということが示されておりまして、札幌市としましては、国が導入するICTを用いた新しい研修システムを活用しながら、より効果的な研修計画にするべく、見直しを図ってきたところでございます。  見直しに当たりましては、人材育成に携わる外部の有識者などの意見も取り入れるため、協議会を開催しまして、教員一人一人が、自身の強みや課題に応じた切れ目のない学び、これを続けられる研修体制の方向性について議論をいただいたところでございます。  協議会の議論も踏まえまして、今後は、校内での学びや校外での学びなど、多様な学びを効果的に組み合わせながら、教員一人一人の主体的な学びを応援する研修環境の整備に努めてまいる所存でございます。 ◆森山由美子 委員  教員研修につきまして、よりよい研修を立案する努力を行ってきたということでございました。  私は、教師は、子どもに最も大きい影響をもたらす最大の教育環境で、その教職という仕事は、子どもの成長を支えるという重要かつ崇高な使命を担っていると考えており、教員自らが主体的に学び続けることが大変重要であると認識しております。  また、研修を通じて時代のニーズに応じた情報に触れ、教員自身が知識や考え方を、都度、アップデートしていくことも大変重要であると考えております。  その意味でも、教育委員会が実施する教員研修については、内容や実施方法などの面から充実を図っていただきたいと願うところです。  そこで、質問ですが、教育委員会として、新たな研修計画においてどのような取組を進めていこうとしているのか、今後の取組について伺います。 ◎佐藤 教職員担当部長  今後の取組についてお答えいたします。  今後は、管理職が各教員の学びに対して適切に指導や助言をするとともに、新たな研修システムを活用しながら、各教員が自身の強みや課題を把握し、計画的に研修を進めるなど、各学校において全ての教員が切れ目なく学び続ける取組を推進してまいります。  一方、いじめ防止対策やインクルーシブ教育など、学校を取り巻く教育課題が複雑化し、組織的な対応が求められていることから、初任者や管理職など教職経験や職能に応じ、今日的課題に対応した研修の充実を図っていく所存でございます。  教員一人一人が着実に実践的指導力を高めるためには、子どもとの日々の関わりから学ぶことが重要でありますことから、教育委員会としましては、学校と一層緊密に連携を図りながら、子どもの学びや成長を支える教員の育成に努めてまいります。 ◆森山由美子 委員  このたび、札幌市が新しい研修システムを活用することによって、教員がこれまでの研修を容易に振り返ったり、最新の教育情報に触れたりできるようになるということは、教員にとっても大変心強いことというふうに思います。  教育現場においては、教員が多忙感を抱きながら業務についたり、研修に参加したりしていると聞いております。このような状態だと、学校は一つの組織体、チームであるとの認識が次第に薄れて、コミュニケーションのための時間が思うように取れずに、課題を抱えて孤立してしまう教員が増えないか、とても心配をしているところです。  今回の研修の取組が、教員同士の対話につながり、情報共有や課題解決の一つの手がかりとなり、教員の質の向上、チームとしての学校の力、ひいては子どもたち教育環境のさらなる向上につながることに期待をいたしまして、私の質問を終わります。 ○小形香織 委員長  以上で、第1項 教育委員会費等の質疑を終了いたします。  以上をもちまして、本委員会に付託されました全案件に対する質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、3月22日金曜日午後1時から、討論及び採決を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後4時40分...