札幌市議会 > 2023-11-10 >
令和 5年(常任)厚生委員会−11月10日-記録

ツイート シェア
  1. 札幌市議会 2023-11-10
    令和 5年(常任)厚生委員会−11月10日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    令和 5年(常任)厚生委員会−11月10日-記録令和 5年(常任)厚生委員会            札幌市議会厚生委員会記録            令和5年11月10日(金曜日)       ────────────────────────       開 会 午前10時     ―――――――――――――― ○佐藤綾 委員長  ただいまから、厚生委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  それでは、議事に入ります。  最初に、陳情第12号 精神障害者公共交通機関運賃割引導入促進を国に求める意見書に関する陳情を議題といたします。  陳情第12号は、本日が初審査ですので、提出者から趣旨説明を受けるため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午前10時1分       再 開 午前10時13分     ―――――――――――――― ○佐藤綾 委員長  委員会を再開いたします。  それでは、質疑を行います。 ◆うるしはら直子 委員  私から、精神障がい者運賃割引について、2点質問いたします。  ただいま、陳情者の方からの説明にありましたとおり、2021年6月に国土交通大臣から同省の職員に対しまして、JR各社大手民鉄などをはじめとした交通事業者における精神障がい者運賃割引に係る取組の具体的な方向性や目標などを早期に定め、その実現に向けた検討を行う、このような趣旨の指示がございました。しかしながら、障がい者に対する運賃割引を実施するか否かの判断については、各交通事業者が状況によって判断をするものです。  札幌市では、市営交通が2019年4月に精神障がい者の割引を開始しておりますけれども、他の市内の民間バス事業者の多くは、経営事情などから、いまだに開始ができていないといった状況にあると認識しております。
     こうした状況は札幌市に限ったものではなく、全国的にも同じような状況にあるのではないかと考えるところです。  そこで、お尋ねします。  全国の公共交通機関における精神障がい者割引導入状況について伺います。 ◎成澤 障がい保健福祉部長  全国の公共交通機関における精神障がいのある方への運賃割引導入状況についてお答えいたします。  国土交通省による2022年4月1日現在の状況では、鉄道と路面電車等事業者における精神障がいのある方への運賃割引導入率は58.9%でありまして、導入する事業者は年々増加している状況にございます。  一方で、バス事業者における導入率は39.1%で、鉄道など他の事業者と比べると導入率は低く、毎年の導入伸び率も僅かとなっております。  なお、バス事業者導入率が低い理由としましては、鉄道事業者と比べて事業者数が多い、そして民営事業者の割合が高いことが原因ではないかと考えているところでございます。 ◆うるしはら直子 委員  精神障がい者の運賃割引を導入する交通事業者は、鉄道ですとか路面電車などについては年々増加しつつあるということでありますが、全国的にも導入率は決して高くない状況にある、そのことがよく分かりました。  本市では、現在、新たなアクションプランにおいても、ユニバーサル、共生社会の実現を掲げておりますが、共生社会を実現するためには、障がい者の自立だけではなく、社会参加への支援も必要不可欠と考えます。  精神障がい者への運賃割引は、まさにその社会参加の促進につながるものであり、ぜひとも交通事業者にはその理念に沿った対応をしていただきたいと考えるところです。  一方で、国からも交通事業者への精神障がい者の運賃割引導入働きかけをしていくこと、また、この導入に向けた支援などが重要であると考えます。このことについて、札幌市からも国に対して働きかけを求めるべきではないでしょうか。  そこで、質問ですが、札幌市として、精神障がい者の運賃割引実現に向けてどのような取組を行っているのか、伺います。 ◎成澤 障がい保健福祉部長  精神障がいのある方の運賃割引実現に向けた札幌市の取組についてお答えいたします。  札幌市では、全国の政令指定都市及び東京都で構成をしております二十一大都市心身障害者(児)福祉主管課長会議におきまして、毎年、国に対して要望書を提出しておりまして、公共交通機関運賃割引制度早期実現と充実を求めているところであります。  このほかにも、北海道とともに、毎年、JR北海道北海道バス協会北海道ハイヤー協会に対しましても、精神障がいのある方への運賃割引導入を要望しているところでありまして、引き続き、実現に向けて国及び交通事業者へ要望を続けていくことを考えております。 ◆うるしはら直子 委員  国に対して要望していること、また、交通事業者に対しても毎年要望を続けているということは確認いたしました。  最後に、私からの意見を申し上げさせていただきまして質問を終わりたいと思いますが、この身体、知的、精神のいわゆる3障がいの制度格差については、これまでにも、2006年に障害者自立支援法、そして、2013年に障害者総合支援法へと法改正を経て一元化されて久しいことが挙げられます。  この精神障がい者の運賃割引制度の導入は必須であり、早く実現、充実させるべきと考えます。  これには、本市だけではなく、全国の政令指定都市が一体となって国に要望を上げていくことで実現性が高くなると考えますので、引き続き、さらにこの取組は続けていただきたいと思います。  一方で、先ほどの答弁の中で、バス事業者導入率が低いのは民営事業者が多いことが要因として考えられるとのことでしたが、これは、経営の厳しい民営の交通事業者が多くて、精神障がい者割引までには一歩踏み切ることが難しいという実情があるのではないでしょうか。  実際に、私も、市内バス事業者から、来年には2024年問題も間近に迫る中で、経営が非常に厳しいために、精神障がい者割引を実施したくてもなかなか導入に踏み切れないといった声も聞いております。  このような状況から、国は、交通事業者に対して精神障がい者割引の導入を求めるだけではなく、精神障がい者割引を導入した場合に補助金を交付するなどの様々な取組を行うことで、交通事業者の経営面の安定が図られ、精神障がい者割引に踏み切ることができるのではないかと思います。  そのことをしっかりと求めるべきということを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。 ◆長屋いずみ 委員  私からも、陳情第12号に関わり、4点質問をさせていただきます。  精神障がい者は、障害者自立支援法によって、身体、知的とともに制度的に一元化されました。にもかかわらず、身体や知的障がい者には交通機関運賃割引制度が普及している一方で、精神障がい者は一部にとどまっております。3障がい一元化としながら、実態はもどかしいものである、こういった思いからの陳情です。  そこで、質問ですが、本市の市営交通では、2019年4月から、それまでは身体・知的障がい者のみ半額としていた運賃割引を精神障がい者にも広げましたけれども、それはどのような目的だったのか、お伺いいたします。 ◎成澤 障がい保健福祉部長  2019年4月に、市営交通におきまして、精神障がいのある方へ運賃割引導入をした目的についてお答えいたします。  目的は2点ございまして、1点目は、障害者基本法の理念に基づき、市営交通における障がいのある方に対する運賃割引制度を身体、知的、精神の3障がい同一の取扱いとすること、2点目としましては、市営交通として精神障がいのある方の経済的な負担の軽減を図り、社会参加を促進することを目的に運賃割引制度を導入しております。 ◆長屋いずみ 委員  日本は、2014年に国連の障害者権利条約を批准しております。私は、障がい者の方々の権利の実現に向け、大変重要な条約だと思っております。その第20条に、障がい者の移動の権利を保障すること、自ら選択する方法で、かつ、負担しやすい費用で移動することを容易にすると書かれております。また、国会での請願採択を受け、精神障がい者割引導入促進について、先ほども話がありました国土交通大臣より、毎年、旅客自動車運送事業者などに指示が出されております。  そこで、質問ですが、精神障がい者が北海道や県をまたいで広域の移動をしたいと思った場合の運賃割引状況について、JR6社と国内航空会社対応状況についてお伺いいたします。 ◎成澤 障がい保健福祉部長  JR6社と国内航空会社における3障がいの運賃割引状況についてお答えをさせていただきます。  まず、JRにつきましては、6社とも、身体、知的に障がいがある方への運賃割引制度は導入しておりますが、精神障がいのある方には導入をしておりません。  次に、国内航空会社につきましては、JAL、ANA、スカイマーク、エアドゥなどでは、3障がいの運賃割引は導入しておりますが、ピーチやジェットスターなどの一部の航空会社では、障がいのある方に対する運賃割引を導入していない状況となってございます。 ◆長屋いずみ 委員  次に、本市よりJRやバス事業者働きかけをしていること、先ほども述べておられました、そこの点については承知しておりますが、本市内のバス事業者タクシー事業者の3障がいへの現在の対応状況についてお伺いいたします。 ◎成澤 障がい保健福祉部長  市内のバス・タクシー事業者における3障がいの割引状況についてお答えいたします。  まず、市内のバスでは、全ての事業者が身体や知的に障がいのある方への運賃割引は導入しており、精神障がいのある方への割引につきましては、ばんけいバスのみが実施をしている状況にあります。  次に、市内タクシーでは、バスと同様に全ての事業者が身体、知的に障がいのある方への運賃割引を導入しておりますが、精神障がいのある方への割引につきましては、MKハイヤーのみ実施している状況となってございます。 ◆長屋いずみ 委員  先ほどの部長のご答弁では、3障がい同一か、また、障がい者の経済的負担を軽減したいとのことで、本市は地下鉄ですとか市電で導入しているとのことでした。  陳情者のお話にあり、文章にも載っておりますけれども、障がい者の7割は、外出の際、バスを乗り継いでいるとのことですから、本市の目的が、ぜひ民間でも共有でき、市内のどの公共交通を使っても運賃割引があると言えるようにしたいと私も思います。  そこで、障害者基本法障害者権利条約の理念を踏まえ確認してきました現状について、本市はどのように受け止めておられるのか、伺います。 ◎成澤 障がい保健福祉部長  精神障がいのある方に対する公共交通運賃割引、現状の実態についての札幌市の受け止めについてお答えいたします。  市営交通を除くバスやJRなど、ほぼ全ての公共交通機関におきまして、精神障がいのある方への運賃割引が導入されていない実態を受けまして、札幌市といたしましては、障害者基本法障害者権利条約の理念にある全ての障がいのある方の社会参加支援の観点から、身体や知的の障がいのある方と同様に取扱いすることが望ましいと考えているところであります。  そのため、札幌市では、先ほどもご答弁しましたとおり、毎年、国やJR北海道北海道バス協会北海道ハイヤー協会に対しまして、精神障がいのある方の運賃割引導入を要望しているところでありまして、今後も実現に向けて要望を続けてまいりたいと考えております。 ◆長屋いずみ 委員  国土交通大臣が全国に指示を出しても、まだ実現は道半ばです。課題があるのだろうと感じております。それでも、諦めずに粘り強く運動を進め、今回、陳情が厚生委員会に提出されております。  今日の各会派の質疑で、3障がい同一の基準、この点では共通の認識だと思いました。本市は、地下鉄や市電の市営交通では導入されているものの、民間のバスやJRでは導入されておりません。課題を明らかにし、国に対してどのように求めていくのがよいのか、積極的に検討していきたいと考えます。  よって、陳情は、今回、継続審議とすべきと述べて、私の質疑を終わります。 ○佐藤綾 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○佐藤綾 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  ここで、陳情第12号の取扱いについてお諮りいたします。  取扱いは、いかがいたしますか。  (「継続」と呼ぶ者あり) ○佐藤綾 委員長  それでは、陳情第12号を継続審査とすることにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○佐藤綾 委員長  異議なしと認め、陳情第12号は、継続審査とすることと決定いたしました。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午前10時29分       再 開 午前10時30分     ―――――――――――――― ○佐藤綾 委員長  委員会を再開いたします。  次に、新型コロナウイルス感染症対応の検証についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎西條 医務・健康衛生担当局長  私どもは、今般、これまで実施してきました札幌市の新型コロナウイルス感染症への取組を振り返り、今後に向けた検討を進めるために検証を行ってきたところでございます。  本日は、その内容につきまして、お手元に配付しております資料1、検証報告書概要版に基づき、ポイントを絞って説明させていただきます。  なお、この検証報告につきましては、10月4日に開催されました札幌市新型コロナウイルス感染症対策専門家会議に付議し、専門家の皆様からいただいたご意見を参考にして作成させていただいたものでございます。  全体につきましては危機管理局から、医療提供体制保健所の体制などの医療に係る内容につきましては保健所からご説明させていただきます。  それではまず、危機管理部長の浅山から全体についてご説明いたします。 ◎浅山 危機管理部長  まず、資料1、概要版の左上1 目的をご覧ください。  最後の段落にありますとおり、3年以上にわたるこれまでの経験を今後の備えに生かすことが重要であるため、取組について振り返り、将来に向けた検討を進めることを目的として検証報告書を作成しております。  次の2 市内陽性者数の推移については、陽性者数累計のグラフを掲載しております。  次の3 取組検証をご覧ください。  構成としましては、これまでの取組を六つの項目に分類し、項目ごとに実施した取組などを整理しております。  初めに、実施体制についてです。  主な取組としましては、危機管理局の統括による全庁一体となった対策を行いました。  今後に向けてのところですが、全庁体制への迅速な切替えや、平時からの医療機関との連携強化等に関して検討が必要であると考えております。  次の項目、サーベイランス情報収集についてです。  主な取組のところですが、関係情報の収集、共有や、市独自の取組として、下水中のウイルスを検査する下水サーベイランスを実施しました。今後に向けては、関係マニュアルの更新などが必要と考えております。  横に移りまして、次に、情報提供・共有についてです。  主な取組としましては、ホームページ、SNS、報道機関市長記者会見などを通じた情報発信を行いました。  今後に向けてですが、情報発信の体制や手法等の検討が必要と考えております。  その下、予防・まん延防止についてです。  主な取組としまして、緊急事態措置など、特措法に基づく要請を踏まえた取組などを実施しました。  今後に向けては、行動制限必要性等を整理の上、行動計画を改定するという対応が必要と考えております。  続く、医療に関する内容につきましては、後ほど保健所長よりご説明いたします。  先に、1枚目の裏面に移っていただけますでしょうか。  裏面の右下、下段のところですが、生活・経済の安定確保をご覧ください。  主な取組としましては、特別定額給付金など、掲載のとおり、数々の支援を実施してまいりました。  今後に向けては、市民生活経済活動への影響を見極めつつ、適切なタイミングでの支援などについて実施が必要と考えております。  続いて、保健所長の山口より、医療に関する内容についてご説明をいたします。 ◎山口 保健所長  保健所及び医療対策室における対応である、医療についてご説明をいたします。  資料1の1枚目、表面の右側の中段をご覧ください。  初めに、相談体制について、救急安心センター(#7119)での帰国者接触者相談センター機能の確保や、一般電話相談窓口を早期開設し、流行拡大期にはWEB7119の開設など相談機能を充実してまいりました。  今後に向けましては、外部コールセンター等早期活用に備え、開設手順の整理などに努めてまいります。  次に、検査体制について、流行初期からPCR検査センターを開設したほか、流行株の特性も考慮した体制を整備し、抗原検査キットの配布や、陽性者登録センターの開設等を行いました。  今後も、医療機関医師会等の各団体、民間検査機関等に協力していただけるよう、連携体制を構築してまいります。  続いて、医療提供体制病床確保についてでございますが、市内の医療機関の皆様のご協力をいただきながら、入院受入れ病床拡大等を行ってまいりました。  今後に向けましては、平時から各医療機関役割分担を定め、速やかに移行できる体制の構築に努めてまいります。  次に、資料1枚目の裏側、左側の上段をご覧ください。  医療提供体制判定プロセスについてでございます。  検査結果の告知を電話連絡からショートメッセージへ転換するとともに、療養判定サイト等の開設を行ってまいりました。これらの取組と同時に、自動化、ICT化を前提とした業務フローの構築が必要と考えております。
     次に、入院調整についてでございますが、病床の状況を共有するシステムを大学の協力により開発し、入院調整の円滑化を図りました。また、流行拡大時には、入院待機ステーションを開設するなどの対応を行ってまいりました。  今後に向けましても、医療機関との情報共有や連携により、入院が必要な患者を適切に医療につなげていくことが必要と考えております。  次に、自宅療養についてでございますが、アプリを活用した健康観察体制構築陽性者サポートセンターの開設、パルスオキシメーターや自宅療養セット送付による支援などを行ってまいりました。  今後に向けましては、早期にワンストップ相談体制を開始できる体制の整備に努めるとともに、市民自身による平時からの備え、啓発も重要と考えてございます。  次に、積極的疫学調査クラスター対策についてでございます。  高リスク施設等に対しては、必要に応じて助言を行いつつ、大規模クラスター発生時には現地対策本部を設置しました。  今後に向けましては、専門機関の支援を要する場合も想定した平時からの連携が重要と考えてございます。  次に、ワクチン接種体制の整備についてでございます。  医療機関における個別接種を中心に、集団接種会場接種体制を補完しながら、高齢者施設等における訪問接種や、事業所や大学などにおける職域接種により接種を促進してまいりました。  今後に向けては、感染状況に応じて速やかに接種が開始できるよう、平時から関係機関連携体制の構築に努めてまいります。  このほか、次なるパンデミックに備えた保健所初動体制の見直しや、データ収集管理体制に向けた検討が必要と考えてございます。  続いて、危機管理部長の浅山より、資料の2枚目についてご説明いたします。 ◎浅山 危機管理部長  続きまして、私から、市民アンケート専門家の意見についてご説明させていただきます。  概要版の2枚目、左側をご覧ください。  市民アンケートの主な結果を掲載しております。  初めに、コロナの影響により困ったことという問いに対し、外出制限などの行動制限が56%、友人等との交流機会の減少は44%という結果になりました。  続いて、札幌市のコロナ対応の中で評価できることという問いに対しては、ワクチン接種体制が34%、続いて、市長記者会見などを通じた情報発信が26%、評価できる項目はないが25%という結果になりました。  また、逆に、評価できないことはという問いに対し、該当する項目はないが47%、続いて、市長記者会見などを通じた情報発信が15%、医療提供体制全般が11%という結果になりました。  最後に、今後、同じような感染症が発生した場合にどのような施策を実施してほしいかという問いに対しては、医療提供体制の強化が66%、続いて、検査体制の拡充が47%という結果になりました。  アンケートの説明につきましては、以上となります。  続いて、専門家意見についてご説明いたします。  資料の右側をご覧ください。  専門家会議における主な意見を掲載しております。  まず、初動対応については、すぐ動けるような具体的なシステムの構築などに関するご意見、続いて、感染症対応を行う人材については、平時から情報を収集し、有事には即時に対応できる人材を確保するようご意見がありました。  続いて、平時からの備えについては、病院等と協力体制役割分担を決め、訓練しておくといったご意見、自然災害との関係については、感染症自然災害同時発生の想定等のご意見をいただきました。  続いて、在宅の要配慮者支援者など、福祉関係者についても、支援の仕組みづくりの教訓を生かすべきといったご意見をいただきました。  最後に、検証の手法については、流行の波による感染状況の違いを踏まえた総括を行う必要があるとのご意見や、生活、経済の安定確保の対策に関し効果検証を行い、特に有効な対策を次に生かすべきといったご指摘をいただきました。 ○佐藤綾 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆村山拓司 委員  まず初めに、これまでの間、特に感染拡大が始まった令和2年から、新型コロナウイルス感染者の軽症の受入れ先であるホテルの対応ですとか、あるいは、ワクチン確保のために北海道と度重なる交渉を行うなど、市民のために、ほぼ毎日、朝から夜中まで、保健福祉局の職員はもとより、全職員が一丸となってコロナ対応に取り組んでいただいたおかげで、今、様々な対策が行われているわけであります。当時、対応に当たられて、既に市の職員を退職された方もいらっしゃることと思いますけれども、対応に当たられた職員の皆様に、心から感謝を申し上げたいと思います。  新型コロナウイルス感染症の流行は、今もなお終息しているわけではなく、医療介護の現場では、現在も感染症対策が継続している状況でありますが、これまで行ってきた対応は、どこかで振り返り、そして、検証を行う必要があり、今回、市が検証報告書を取りまとめたわけであります。  札幌市のコロナ対応については、昨年度まで、新型コロナウイルス感染症対策調査特別委員会で報告されてきましたが、この検証報告書の中身を見ますと、市がこれまで様々な取組を行ってきたということを実感しています。  ただ、検証報告書は、作成することが目的ではなく、どのように活用していくのかが重要でありまして、市が、今回、新型コロナウイルス感染症の対応に係る検証報告書を取りまとめた目的についてお伺いいたします。 ◎浅山 危機管理部長  検証の目的についてお答えいたします。  このたびの新型コロナウイルス感染症は、ウイルスの変異による症状や感染力の変化など、これまでの想定を大きく超える世界的なパンデミックであったことから、従前の備えでは対応が難しい局面があったものと受け止めております。  そのような中、これまで3年以上にわたり、全庁体制で対策を進めてきたところでございますが、初動期の体制整備の在り方や、医療提供体制の構築、検査体制の確保など、数多くの課題が浮き彫りになったと考えております。  その一方で、これらの課題を乗り越えるべく、札幌市医師会をはじめとした関係団体の皆様と連携を図りながら、入院病床の確保や抗原検査キットの配布、ワクチン接種体制の充実など、様々な対応を進めてまいりました。  この経験や取組は、決して無駄にすることなく、将来の新興・再興感染症対応に生かしていかなければならないと認識しております。  そこで、これまでのコロナ対応につきまして、専門家や市民目線も取り入れた多角的な視点による振り返りを行い、感染症に関する計画の策定などに活用するということを目的としまして、検証を実施したところでございます。 ◆村山拓司 委員  今回の新型コロナウイルス感染症は、従前からの想定では対応がなかなか難しく、想定を大きく超えるものであったわけであります。この3年以上にわたる数々の経験や取組は絶対に無駄にすることがないように、今後の感染症に関する計画や取組の中で役立てていただきたいと思います。  感染症に関する計画については、昨年12月に国が感染症法を改正して、これまで都道府県のみに策定を義務づけていた感染症予防計画について、保健所の設置市にも策定が義務づけられることとなり、札幌市でも、現在、感染症予防計画の策定が進められているかと思います。  また、昨年9月には、内閣感染症危機管理統括庁が設置され、感染症や、有事の際に向けた政府行動計画の改定に向けた検討が進められるなど、国において、今後の感染症による危機に向けた備えが進められています。今後、新たな感染症危機が発生した際には、こうした感染症に関する計画が非常に重要だと考えます。  そこで、質問ですが、これまでの取組と振り返りを踏まえて、感染症予防計画などにどのように反映していくのか、検討状況についてお伺いいたします。 ◎敦賀 調整担当部長  感染症予防計画への反映と検討状況についてお答えいたします。  まず、感染症予防計画への反映についてでありますが、国が、全国的な取組や課題を踏まえ、計画策定の指針を示しております。札幌市においても、基本的にこの指針に基づき策定を進めているところであります。  このたびの検証報告書でまとめた振り返りについては、札幌市感染症予防計画に反映させるほか、来年度以降に策定や改定を行う関連計画の中でも具体的な取組の検討に役立てていく考えであります。  次に、感染症予防計画の検討状況についてでありますが、現在、北海道が設置しております北海道感染症対策連携協議会において協議を行っているほかに、市で設置しております札幌市新型インフルエンザ等対策有識者会議にお諮りしながら、年度内に策定し、公表することを予定しているところでございます。 ◆村山拓司 委員  今回の検証内容や専門家の意見では、平時における関係機関との協力体制役割分担などの備えが必要とされております。札幌市における新型コロナウイルス感染症の対応は、道内全域の感染症対策を担う北海道とは切っても切れない関係でありまして、様々なご苦労がありながらも、しっかりとした対応に当たってこられたものと推察いたします。一方で、北海道と対策の方向性に違いが見られる場面があるなど、連携体制に課題があったのではないかと思います。  また、新型コロナウイルス感染症のみならず、今後の新たな感染症危機に立ち向かうに当たって、広大な面積を持つ北海道は、道内一律の感染症対策ではなく、地域の実情に応じた柔軟かつ機動的な感染症対策を講じる必要があると考えます。特に、政令指定都市であり、感染拡大のリスクが産業、経済に及ぼす影響も高い札幌市が、ほかの地方公共団体と同様の権限や財政負担などで対応することは非常に厳しく、国や道の財政措置を伴う権限移譲が特に重要だと認識しております。  そこで、質問ですが、新型コロナウイルス感染症への対応を行ってきた中で、知事との権限の関係や予算措置についてどのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎山口 保健所長  感染症危機発生時における権限や予算措置についてお答えいたします。  北海道内における発生初期におきましては、札幌市は、道内の他地域と比べて患者数が多かったこともあり、医療提供体制の構築など先行して対策を検討する必要があり、そうした各種対策の検討の過程では、北海道との間の調整に時間がかかった場面もありましたが、各所管同士で随時調整や打診を行い、協力して取り組むことができたと考えております。  一方、札幌市は、道内唯一の政令指定都市として、感染対策に最前線で取り組むことになるため、都道府県知事の権限のうち、必要と考えられるものにつきましては、希望する政令指定都市の市長に移譲することができるよう、国に対しても要望を行っているところでございます。  また、財源につきましても、新たな感染症危機への備えとして、物資の備蓄や訓練等が必要となりますが、財政負担が大きいことから、状況に応じて財政措置を要望していきたいと考えてございます。 ◆うるしはら直子 委員  私からも、新型コロナウイルス感染症対応に関する検証について、何点か伺います。  質問に入ります前に、これまで皆様方が、新型コロナウイルス感染症の対応に3年間にわたりましてご尽力いただきましたこと、今回、私たち民主市民連合では、構成委員3人のメンバーが新型コロナウイルス感染症対策調査特別委員会のメンバーということもありまして、今回の検証を見ながら改めて振り返りまして、皆様に大変ご尽力いただいたこと、そして、パンデミックを乗り越えられたことに敬意を表させていただきたいと思います。  改めまして、ただいまの村山委員の質問に対しまして、今回検証を行った目的につきまして、これまでの3年以上にわたる経験や取組を無駄にすることなく、将来に活用するための基礎資料とするとの答弁がございました。  本市では、2020年10月にも、コロナ対応に係るこれまでの対応の点検と今後の取組と称した中間的な報告書を取りまとめております。この報告書の中では、外部からの意見などが掲載されていなかったため、当時の新型コロナウイルス感染症対策調査特別委員会において、我が会派のおんむら委員から、最終的な検証においては有識者からの意見をいただくこと、また、市民アンケートの実施なども検討すべきであることを指摘させていただきました。  今回、本市が取りまとめました検証報告書においては、まさに、この専門家の意見や市民アンケートを実施した結果も掲載されており、我が会派の指摘を受けての対応を行ってきていただいたものと認識しております。  この3年という年月の中での本市のコロナ禍対応に関する検証の結果ですので、これを将来に備えた資料にとどめずに、これまで新型コロナにより多大な影響を受けた市民の意見、これを十分に調査して、今後の有事に備え、課題の解消に向け、平時から対策を図ることが重要であると考えます。  そこで、質問ですが、改めまして、今回、市民アンケートを行った目的とその結果をどのように受け止めているのか、伺います。 ◎浅山 危機管理部長  市民アンケートを行った目的と結果の受け止めについてお答えいたします。  将来の新興・再興感染症に対応するためには、市民の理解と協力は必要不可欠でございまして、その意見に耳を傾け、しっかりと検証に反映することが重要と認識しております。そのため、市民生活に与えた影響など様々な観点からの意見の把握を目的としまして、感染症法上の位置づけが、いわゆる5類に変更された後、速やかに市民向けのインターネットアンケートを実施いたしました。  このアンケートでは、新型コロナウイルス感染症にかかったときに困ったこと、今後に期待する施策、あるいは評価できない対応など、厳しい意見を含め、参考となる結果をいただいたところでございます。  中でも、新型コロナウイルス感染症感染時の課題や、今後の感染症発生時に求めることとして、発熱外来への受診や検査体制の充実等に対する意見が多く挙げられていることから、改めて、これらの結果をしっかりと受け止め、今後の計画の策定に生かしてまいります。 ◆うるしはら直子 委員  今回の市民アンケートについては、5類となった後に速やかに市民意見を聴取するための方法であったこと、また、厳しい意見なども含め、市としては参考となる結果が得られたと認識していることを確認いたしました。  5類に移行してすぐに市民からの意見聴取を開始し、そして、これを取りまとめたことについては一定の評価をするところです。しかしながら、480人という調査対象者からの意見、これだけではなく、新型コロナウイルス感染症の流行という世界的な未曽有の出来事に対する調査としては、これでは十分とは言えないのではないかということも感じております。  本市が、今後、新たな感染症、これはあってはほしくないことですけれども、こうしたことに対する対策、また、パンデミックなどにも備えた具体の検討を進めるに当たりましては、さらに幅広い意見を取り入れていく必要があるのではないかと考えます。例えば、医療や介護の現場の方々は、この流行拡大期には大変なご苦労をされており、また、今後に生かすべき貴重な経験もされております。  今後、将来の新興感染症にも備えるためには、今回の市民アンケートの結果を生かすといったことに加え、さらにより多くの市民、また介護、医療の現場の方々をはじめとした様々な業界からの幅広な意見が極めて重要ですが、今回の検証報告書ではその点が網羅されているとは言えないのではないかと感じています。  そこで、質問ですが、将来の新興感染症への備えの検討に当たっては、より幅広い意見を取り入れるべきと考えますがいかがか、市の見解を伺います。 ◎西尾 業務調整担当部長  より幅広い意見の取り入れについてお答えいたします。  まず、これまでの新型コロナウイルス感染症対応におきましては、ウイルスの性質や国の方針、現場の状況などがめまぐるしく変化する中で、札幌市医師会をはじめ、医療や介護などの現場の意見や要望などを把握しながら、適宜、改善に取り組み、よりよい体制を整えてきたところでございます。  また、せんだって開催した専門家会議にて、これまでの対応の振り返り、検証を行いました結果、各分野から様々な意見を頂戴し、検証報告書に反映したところでもございます。  一方、今後の新興・再興感染症を想定した関係計画等への反映に向けては、検証報告を踏まえることはもとより、引き続き、多角的な視点からご意見をいただくことが重要と考えております。  そのため、年度内に策定を予定しております感染症予防計画においても、パブリックコメントを実施しまして広く意見を求めてまいりたいと存じます。また、平時から関係団体と機会を捉えて意見交換を行うなど連携しまして、今後の感染症危機発生時に備えてまいりたいと存じます。 ◆うるしはら直子 委員  今後の関係計画の策定検討に当たって、パブリックコメントを活用することですとか、また機会を捉えて関係団体と意見交換を行っていくとの答弁でしたが、今後は、さらに幅広な意見を取り入れるために、様々な工夫を凝らしまして前向きに取り組んでいただきたいと思います。  さて、我が会派では、これまでに複合的な災害への備えが重要であることを指摘してきておりまして、あわせて、厳冬期の災害発生の対応なども進めるべきといった観点からも質疑を繰り返してきております。  複合的な災害の一つの形として、新型コロナウイルスのような感染症自然災害が同時に発生した場合、また、それが厳冬期であった場合なども今後想定していくべき事項であると考えます。  今回の検証報告書においても、本文の89ページになりますか、専門家の意見としては、今後は感染症と地震等の自然災害が同時に起こる状況を想定した対策の検討を行っていくことが大切であるとの記載がございます。全国的に見ますと、コロナ感染が流行しているさなかに発生した令和2年7月豪雨の中では甚大な被害をもたらしたことが記憶に新しいところでありますけれども、この際にも、避難所の感染対策の課題が浮き彫りになりましたし、その後も、様々な災害、また、大雨による河川氾濫などが同時に発生したケースも続いております。  幸い、札幌市ではそのような状況は発生しなかったものの、近年の気候変動により、全国的に大雨による災害のリスクが高まっていること、また、地震災害が多い我が国の特性、そして、厳冬期に課題を抱える本市の課題があることからも、改めて、感染症自然災害の複合災害については十分に想定して備えを進める必要があると考えます。  そこで、最後に、感染症自然災害が同時に発生した場合を想定した備えについて、今後どのように検討を行っていくのか、伺います。 ◎浅山 危機管理部長  感染症との複合災害への対応についてお答えいたします。  札幌市においても、厳冬期に地震などの非常災害が発生したケースに加えまして、今後は、感染症によるパンデミックとの複合災害の発生を前提とした備えを進めることは重要と認識しているところです。そのため、避難所では、冬の寒さ対策に重点を置き、床からの冷えを防ぐベッドの増強や、非常用電源の配備に向けた検討などを行っております。また、感染症対策としましては、消毒液やパーティションなどの物資の備蓄に加え、症状のある方を隔離するための感染症室を設置することとしております。  さらに、今回の検証結果では初動期の対応に課題が示されていることから、複合災害の発生時においても、危機管理局の統括により、保健所を含めた全庁体制を速やかに構築し、自然災害感染症から市民を守るための取組をしっかりと進めてまいります。 ◆うるしはら直子 委員  今後、関係する計画の策定、また、見直しを具体的に進めていくに当たりましては、ただいまご答弁いただきましたように、危機管理局の統括の下で、感染症自然災害同時発生ということも十分に想定していただきたいと思います。  また、そのような場合にも、着実に対応できるようなマニュアルの整備、またBCPの策定などもスピード感を持って取り組むことを要望したいと思います。  今回の検証結果を基に、今後は予防計画にも反映するということも聞いておりますので、これからの対策につきましてはまた改めて質問したいと思いますけれども、今回の報告書の取りまとめにとどまることなく、また、新型コロナウイルス感染症の感染はまだ終わったわけでは決してございませんので、さらに検証を行い、今後の札幌市の対応、対策の強化を図っていただきたいと思います。  また、職員の応援体制の検証についても、現在、内部で取りまとめているということを聞いております。長く続いた応援体制でありましたので、そうした市職員の声の中からも新たな課題が見えてくるものと思います。  また、北海道との連携といったことにも課題があるかと思います。そうしたことについても、今後さらに検証をしっかりと進めていただくようお願いしたいと思います。  先ほども触れましたが、将来への備えに向けては、幅広い意見を聞き、そして、本市の感染症対策、また、危機管理体制をさらに強固にして有事に備えること、このことを要望いたしまして、私の質問を終わります。 ◆好井七海 委員  私からも、皆様に、これまで長きにわたりまして本当にご尽力いただいたことに、心から敬意を表したいと思っております。  私からも、検証報告を踏まえました新型コロナウイルス感染症の対応について、端的に2点お伺いいたします。  1点目に、他の5類感染症と同様の対応に向けた取組等について質問をいたします。  これまで3年以上にわたります新型コロナウイルス感染症への対応について振り返りの検証として今回まとめられたとのことで、今後いつ訪れるか分からない新たな感染症危機発生時の対応にこのたびの経験を生かすためにも、将来に向けた検討を進め、課題等を関連計画などに反映していくことは非常に重要であります。  また、新型コロナウイルス感染症は、5月8日より5類感染症に移行し、10月1日から支援制度の一部見直しも行われ、行政の関与を前提とした特例的な対応から、他の5類感染症と同様の対応へと徐々に移行している段階にあると認識しております。  一方、現在は、インフルエンザの流行によります学級閉鎖等が増えている状況でもあり、かつ、新型コロナウイルス感染症自体もなくなったわけではありませんし、先般も第9波と言われるような新型コロナウイルス感染症の患者数が増加していた時期もありましたので、まだ市民としても支援が必要と感じているところであります。  そこで、質問ですが、札幌市では、他の5類感染症と同様に対応することについて、どのように考え、どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 ◎西尾 業務調整担当部長  他の5類感染症と同様の対応に向けた取組などについてお答えいたします。  検証報告のとおり、3年以上にわたり行政が様々な支援を行ってきましたが、当面は、一定の支援を継続しつつ、徐々に5類感染症としての対応に移行していくことが重要と認識しております。  このため、国や道の方針などを踏まえ、札幌市においては、市民や医療機関などの不安や混乱を軽減できるよう、コールセンターを活用した相談体制医療機関同士の入院調整困難時の助言、外来対応医療機関の拡充に努めるなどの支援を来年3月末まで継続する予定でございます。  また、次年度以降も流行状況の把握と市民への情報提供、ゲノム解析によるウイルスの特徴の変化の監視などは継続しまして、流行拡大時には必要に応じて注意喚起などを実施することで、新型コロナウイルス感染症に対応してまいりたいと考えております。
    ◆好井七海 委員  他の5類感染症と同様の対応に向けた考え方や取組については理解させていただきました。  次に、平時からの備えに対する考え方についてお伺いいたします。  今回の検証報告書で挙げられました課題については、今後の新たな感染症危機発生時の対応に生かすために将来に向けた検討を進めていくことは非常に重要であります。専門家からは、感染症危機発生時の初動体制感染拡大期の課題だけではなく、平時からの備えの必要性等についても指摘があったところであります。  また、我が会派では、5類移行前の患者への支援について、例えば、自宅療養セットの配送の遅れなどの課題への質問、要望を行ってきたところでありまして、平時から市民自身が備えることも重要と考えます。  そこで、質問ですが、検証報告書には、5類移行前まで実施してきた様々な取組と課題等の記載がありますが、平時からの備えについてはどのようにお考えか、お伺いいたします。 ◎西尾 業務調整担当部長  平時からの備えに対する考えについてお答えいたします。  平時からの備えとして、専門家会議においてご意見をいただきました関係機関との協力体制の構築や役割分担を決めた訓練の実施、人材育成などについて課題があると受け止めておりまして、関連計画等に反映していく予定でございます。  また、市民の備えとして、食料や医薬品等の備蓄を新型コロナウイルス感染症が5類に移行する前から呼びかけを行ってきたところでございますが、市民の健康を守るため、引き続き平時から備えていただけるよう、普及啓発等に取り組んでまいりたいと存じます。 ◆好井七海 委員  新たな感染症がいつ起こるか分かりませんし、現在も、インフルエンザの流行など、今後も想像できない感染症や災害がいつ起こるか分かりません。  そのような事態に備えるためにも、3年間の新型コロナウイルス感染症で学んできたことを大いに生かしていけるよう、ふだんの備えはもちろんのこと、今後もこの検証結果を基に保健所危機管理局が中心となって部局横断的に取り組むよう要望しまして、質問を終わります。 ◆長屋いずみ 委員  新型コロナウイルス感染症発生からこれまでの経験を、今後起こり得る新興・再興感染症に対する備えに生かしていくことが重要だとして、この間の取組等の検証、そして、将来に向けた検討を進めることは、私ども共産党としても全く同感であり、検証を深める立場で5点質問をさせていただきます。  我が会派は、2020年2月に新型コロナウイルス感染対策に関する緊急申入れを行い、その後も、20年には5回、21年には2回、22年に1回と、9回にわたって、迅速な情報提供や民間医療機関への協力要請、PCR検査の体制拡充、各区でのワクチン接種など、状況に即時対応するように申入れを行ってまいりました。  高齢者や子どもなど抵抗力の弱い人を守ることと併せて、人と人が密接に関わらざるを得ない施設での感染防止策として、スクリーニング検査の強化、拡充を図ることを最初期から求めてまいりました。  1点目は、スクリーニング検査の拡充についてお伺いいたします。  予防的スクリーニング検査の意義と効果についてどのように分析されているのか、また、現在の対応はどのような状況なのか、伺います。 ◎西尾 業務調整担当部長  予防的スクリーニング検査の意義と効果、現在の対応についてお答えいたします。  感染拡大の予防を目的とした無症状の従事者へのスクリーニング検査につきましては、国の方針に基づき実施してきたところでございますが、その効果について確証を得ることは難しいと考えております。一方、施設従事者の感染管理の意識啓発としては一定の意義があると認識しておりまして、今年度につきましては、4月より、希望する施設に抗原検査キットを配付いたしまして、令和6年3月末までの期間で、施設において必要と判断した時期に実施していただいております。 ◆長屋いずみ 委員  我が党は初期からスクリーニング検査を求めてきました。防疫目的です。無症状の人を対象に、気づかない間に感染している人を見つけ、ほかの方への感染性の有無を評価して感染拡大を防止するという感染源対策です。  確証を得ることは難しいとのご答弁でした。しかしながら、現場からは早く発見できてよかったという声をいただいております。必要だから要望があると思っております。  本市は、2020年12月から、医療機関や高齢・障がい者施設などに実施してきたと承知しております。5類移行後も感染拡大はしております。現在の定点報告数は6.4人と、感染が抑えられない状態です。感染を収束させていくためには、市民がためらわずに検査できるように、無料のPCR検査や抗原抗体キットの無料配布の再開が必要だと思いますし、これらは今後にも生かしていただくことが必要だと思います。  次に、医療提供体制についてです。  最初期の第1波のときには、民間医療機関で治療可能な確保病床はゼロでした。つまり、市立札幌病院に頑張っていただきましたが、第4波には市内の全確保病床の3割を民間の医療機関の病床が占め、2021年6月には28病院614床まで拡大しております。本来の高度急性期病院としての機能を制限して感染者を受け入れ続けてきた市立札幌病院の努力と、また、関係者の皆さんのご尽力があったからだと思いますが、このように公的医療機関が本来の機能を制限し、また、民間の医療機関も様々な内部努力の中でなし得た医療提供体制の拡充だったと思います。  こうした医療提供体制の拡充の背景にはどのような働きかけがあったのか、伺います。 ◎敦賀 調整担当部長  医療提供体制の充実の背景についてお答えいたします。  新型コロナウイルス感染症の患者と疑似症患者の方につきましては、原則、感染症指定医療機関における感染症病床に入院させる必要がございましたが、全国的な感染拡大により、感染症病床だけでは対応できなかったため、暫定的な取扱いとして、国がそのほかの病床でも受入れ可能といたしました。  そのため、感染症指定医療機関である市立札幌病院に加えまして、救急医療に対応している医療機関を中心に、個別に入院受入れのための病床の確保について協力を呼びかけてまいりました。  その後、市が、各種補助制度などを創設するとともに、関係団体などとも連携いたしまして、医療機関に対して呼びかけを行うことで医療体制の拡充を図ってきたところでございます。 ◆長屋いずみ 委員  医師会など関係者と築いた連携で市民の命を守ってきたのだと思いますが、いまだ新型コロナウイルス感染症は続いておりますので、今後も連携は必要だと思うところです。  次に、介護が必要な高齢者の入院先の確保についてです。  高齢者ほど重症化リスクも高いということで、本市は支援を行い、また、2022年2月からは要介護高齢者病床を運用しております。高齢者施設への支援の内容を伺います。あわせて、要介護高齢者病床の設置の目的と効果はどのようなものだったのか、お伺いいたします。 ◎敦賀 調整担当部長  高齢者施設の支援と要介護高齢者病床の設置についてお答えいたします。  1点目の高齢者施設への支援についてでありますが、感染拡大を防止し、重症化リスクが高い入居者の感染を可能な限り抑制するため、陽性者が発生した施設に医療職が訪問することなどにより、現場の状況に応じた感染対策の助言や検査調整などの支援を行ってまいりました。また、施設の入居者の病状に応じて、医療機関との連携により、往診や外来診療、入院など、必要な医療につなげてきたところでございます。  2点目の要介護高齢者病床の設置についてでありますが、医療機関における要介護高齢者の対応につきましては、医療従事者や設備を手厚くする必要があるため、医療機関の役割を分担し、効率的に入院受入れを行うことを目的として、高齢者用の病床を確保したところであります。  さらに、高齢者用の病床の受入れ情報を各医療機関とともに共有することにより、円滑な入院調整や病床の確保に努めてきたところでございます。 ◆長屋いずみ 委員  国は2006年の医療保険制度の改革によって、医療型療養病床の大幅削減と介護型療養病床の全廃を決めましたが、介護が必要な高齢者の入院先をやはり必要としていたということです。保健所職員の施設訪問で、現場の状況に応じた感染対策の助言などは本当にありがたかったと施設職員が私のところにも声として寄せておられました。今後にも生かしていただきたいと思います。  この間、多くの医療機関の協力を得て病床を確保してきました。今後も様々な連携が必要だと考えます。その上で、各医療機関においては、新型コロナウイルス感染症感染症法上の分類が5類へ移行後、抱える課題や要望も変化しているのではないかと考えます。  どのように情報共有をされておられるのか、伺います。 ◎敦賀 調整担当部長  5類移行後の医療機関との情報共有についてお答えいたします。  これまで、新型コロナウイルス感染症対応に係る通知の発出や講演会の開催、関係医療機関とのウェブ会議の実施やメーリングリストの活用などにより情報共有を行ってきたところであります。  今後も、新型コロナウイルス感染症の流行への対応は続きますことから、様々な機会を捉えて、これまでと同様に、関係団体などと情報共有を密にしながら、適切に流行に対応してまいりたいと考えております。 ◆長屋いずみ 委員  日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会の3団体が、4月に医療機関経営状況調査結果を公表しておりました。  21年、22年度の病院経営では、コロナ関連等補助金がなければ、7割の病院が病院経営は危機的な状況にあるとしておりました。10月から病床確保料が削減され、さらに慢性的な人手不足、クラスター、来年度からは医師の働き方改革による労働規制もあります。医療機関から、先日、その言っていたとおりの事態が今起こっているとお聞きしました。  5類移行後もウイルスの性質は変わっておりませんから、医療機関では、これまで同様の厳しい感染対策をしております。感染拡大は、診療制限などにもつながります。医療機関が経営的に立ち行かなくなってしまえば、今後の各医療機関役割分担など、これまで築いた連携も成り立ちません。  また、先ほど市民アンケートの説明をいただきましたが、「強化してほしい」、これまでの施策を「実践してほしい」としたところの「入院病床の確保」など、医療提供体制の強化を求める市民の声が圧倒的に多くありました。  医療機関の課題や要望などは、地域医療全体を守る本市の課題と捉えて、要望などをお聞きして、国に届けることが必要だと考えるものです。  次に、保健所体制、特に医療対策室の職員配置体制について伺います。  国の政策によって保健所と職員が削減され、本市においては、9か所あった保健所が1か所になりましたから、大変なご苦労があったと思います。初動期においての医療対策室では、専門性が求められる中で、派遣スタッフの雇用期間や業務の経験値の蓄積、継続性、こういった対応が求められました。どのような対応であったのか、また、これまで多くの派遣スタッフや職員が円滑な運営を目指して様々な努力を重ねてこられたと思いますが、それはどのようなものであったのか、伺います。 ◎石原 管理担当部長  医療対策室における派遣スタッフの活用についてお答えいたします。  派遣スタッフにつきましては、事務全般の補助や看護師として健康観察等を担うなど、市職員とともに一連の感染症対応を行ったところでございます。  派遣スタッフの雇用期間につきましては、派遣会社と派遣スタッフとの契約により3か月ごとの更新が基本となっていたところでございますが、可能な限り継続して従事するよう派遣会社に依頼をし、現実的にはほとんどの派遣スタッフが長期にわたって従事したものと認識をしてございます。  これにより、業務経験値の蓄積や継続性を図りますとともに、雇用機会の確保も図ることができたと理解をしております。  加えて、スタッフの入れ替わりが生じる際は、しっかりと引継ぎを行うよう派遣会社に伝え、これによる業務機能の継続を図ったところでございます。  また、従事者は、業務ごとにマニュアルを活用しますとともに、毎日の職員とのミーティングの中で流行状況や困難事例に関する対応方法の共有などを密に行い、業務が適正かつ円滑に進むような取組を重ねてきたと認識してございます。 ◆長屋いずみ 委員  感染拡大期には、連日の際限のない業務に、職員の皆さんは心が折れそうになったこともあったと思います。同時に、市民も、保健所機能と体制の充実が重要だと感じたと思います。ですから、新興・再興感染症の到来に備える体制の構築のためには、コロナ危機の教訓を踏まえた保健所機能とそれに見合った体制にすることが必要です。  市には、各区に保健センターがあります。コロナ禍で各種検診の受診率が低下し、早期発見や予防活動の低下により、重症化や新たな疾患を引き起こす可能性、また、同様に高齢者は行動制限で心身の機能が低下している、こういったこともあります。保健センターの人員を増やし、公衆衛生を強化する必要があると考えます。  同時に、保健所の複数化についても検討内容に入れていただきたいと思います。その際、全庁を挙げてやってこられましたが、区役所業務に支障を来すことのない体制とならなければならないと申し述べておきます。  最後に、情報発信についての要望です。  5類への移行によって、全数把握を見直しました。インフルエンザは定点値によって注意喚起をします。一方で、新型コロナウイルス感染症についてはありません。しかし、インフルエンザ同様に、新型コロナウイルス感染症においても、市民が適切な行動が取れるように、分かりやすい注意喚起のメッセージは必要と考えます。  市民アンケートで評価できるとされたことに情報発信がありました。本市独自の基準などをつくることの検討もしていただきたいと申し述べて、私の質疑を終わります。 ◆こじまゆみ 委員  私からも、一つご質問をさせていただきたいと思います。  この間、新型コロナウイルス感染症対策調査特別委員会等で一緒に頑張ってまいりました副委員長のしのださんもいらっしゃることですから、まずは、皆様のこの間の働きぶりに本当に心から敬意と感謝を申し上げます。ありがとうございました。  これから感染症予防計画を策定されるということでありましたけれども、検証報告の中には、どちらかというと、市、行政側からの視点のほうが多かったと思うのですが、市民の方からは、アンケートという形で、500名近くの方の回答をいただいているように拝見いたしました。ただ、市民の理解と協力がなければ、これだけの感染をコントロールするということは難しかったと思います。それを、保健所の皆さん、危機管理局の皆さん、そして、医療対策を担ってこられた皆さんは感じていらっしゃると思います。ですから、この感染症に慣れてきてしまっている市民に対して、今後、この感染症の新たな計画にはしっかりとそれを書き込んでいただくようにお願いをしたいと思いますけれども、どのように市民の理解、協力を促進する計画に取り組んでいかれるのか、伺わせていただきたいと思います。 ◎敦賀 調整担当部長  感染症予防計画につきましては、現在、いろんな会議体で、外部の先生方も踏まえて、いろんな専門家の方からの意見を取り入れながら策定している段階でございます。  今、委員がご指摘のとおり、市側ではなくて、いろんな方々の意見も、今回の検証報告の内容も取り込みながら、よりよいものにしていきたいというふうに考えております。あくまでも一方的なものではなくて、入れられるところについては、なるべく市民視点からも含め入れたいと思います。  ただ一方で、国や道と協調して整合性を図る計画になってございますので、どこまで入れられるかというところもございますが、今後、精いっぱい、よい計画を策定するよう頑張ってまいりたいと思います。 ◆こじまゆみ 委員  今回の検証報告で、新型コロナウイルス感染症に関しては、いっとき収束を迎えるわけではありますけれども、先ほどの新興・再興感染症というものもありますし、感染を管理するということはとても難しいと思います。目に見えないものを、それも市民の理解や協力を得て、皆さんがそこに集約されて、連携して、そして、協働しながら闘っていかなければならない感染症との闘いだったと思います。  ですから、これを契機に、縦割りの行政の体制からしっかりと横串を刺していただいた形の取組を進めていただきたいと思いますし、私どもも、道や国に対して予算要望、財政措置をしっかり求めてまいりますので、これから何かあっても一緒に協力をしながら、感染管理のみならず、危機のときには共に頑張ってまいりますことをお約束申し上げて、本当にお疲れさまでした、そのことだけお伝えして、私の質問を終わります。 ◆しのだ江里子 議員  私からも、1点だけ質問させていただきます。  市民アンケートの中で、問21からコロナワクチンに関しての質問がございます。特に問23、問24なのですけれども、「コロナワクチンの接種を検討する上であなたが不安に感じる、感じたことはどれですか」という質問、そして、問24の「あなたが知りたいことはどれですか」という質問の中で、問23では副反応の症状や頻度に関して、75%の方たちがやはり感じていると。そしてまた、問24では、副反応のことに関して知りたいということで、71%の方がこのように回答されているわけですが、札幌市としては、こういった市民のこの回答に対して、今までどのようにされてきたのか、そして、また今後も続くと思いますけれども、どのようにこの回答に対して答えていくおつもりなのか、伺います。 ◎井上 ワクチン接種担当部長  今、議員からご質問のあった内容についてですが、今までも、ワクチン接種につきましては、ありとあらゆる手段を講じて接種の推進を図ってまいりました。一方で、副反応についても、一部の方からお困りだという声をいただいているのは事実でございます。  札幌市といたしましては、副反応でお困りの方に対して、相談体制を整えるとともに、いろんな医療機関でフォローできるような情報発信をしております。今、議員のお話にもございましたけれども、副反応については、今なおワクチン接種を継続しておりますので、引き続きお困りの方に対して情報発信を進めるとともに、ワクチン接種でお困りの、例えば健康被害救済制度というものもございますので、そちらの情報も提供しながら、寄り添った対応をしてまいりたいというふうに考えております。 ○佐藤綾 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○佐藤綾 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午前11時33分...