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令和 5年第一部決算特別委員会−10月20日-07号
令和 5年第二部決算特別委員会−10月20日-07号

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  1. 札幌市議会 2023-10-20
    令和 5年第二部決算特別委員会−10月20日-07号


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    最終取得日: 2024-09-10
    令和 5年第二部決算特別委員会−10月20日-07号令和 5年第二部決算特別委員会  札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第7号)               令和5年(2023年)10月20日(金曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 32名(欠は欠席者)     委 員 長  丸 山 秀 樹      副委員長   太 田 秀 子     委   員  勝 木 勇 人      委   員  高 橋 克 朋     委   員  こんどう 和雄      委   員  こじま ゆ み     委   員  中 川 賢 一      委   員  川田 ただひさ     委   員  松 井 隆 文      委   員  村 松 叶 啓   欠 委   員  村 山 拓 司      委   員  三 神 英 彦     委   員  小須田 大 拓      委   員  和 田 勝 也     委   員  福 士   勝      委   員  小 野 正 美     委   員  林   清 治      委   員  中 村 たけし     委   員  うるしはら直子      委   員  たけのうち有美     委   員  おんむら健太郎      委   員  森   基誉則     委   員  好 井 七 海      委   員  小 口 智 久     委   員  わたなべ 泰行      委   員  熊 谷 誠 一     委   員  吉 岡 弘 子      委   員  長 屋 いずみ
        委   員  小 形 香 織      委   員  脇 元 繁 之     委   員  波 田 大 専      委   員  山 口 かずさ     委   員  成 田 祐 樹       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時     ────────────── ○丸山秀樹 委員長  ただいまから、第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、伴委員からは中川委員と、前川委員からはわたなべ委員と、佐藤委員からは小形委員と交代する旨、それぞれ届出がありました。  それでは、議事に入ります。  最初に、第6款 土木費 第5項 都市開発費のうち関係分及び第7項 建築費について、一括して質疑を行います。 ◆波田大専 委員  私からは、セーフティネット住宅に関する相談状況及び登録要件について質問させていただき、その上で、セーフティネット住宅規模要件の緩和について要望させていただきます。  札幌市では、令和2年度に開設した住宅の確保に関して悩みを抱える方に対する相談窓口である、みな住まいる札幌において、これまでも様々な相談を受けてきていると伺っております。  安定した住まいを確保することは生活をしていく上で必要不可欠なことであり、その住まいに関する悩みを相談する場があるということは、悩みを抱える方々にとっては大変貴重なものであると認識しております。  しかしながら、令和4年度にみな住まいる札幌で相談に対応した件数は1,365件と伺っておりますが、これに対し、実際に入居決定に至ったのは116件にとどまっております。  そこで、質問ですが、相談件数に対して実際に入居決定に至った件数があまり多くない要因について、ご認識をお伺いいたします。 ◎藍原 住宅担当部長  相談件数に対して実際に入居決定に至った件数が多くない要因についてのご質問でございます。  みな住まいる札幌におきましては、住宅の物件に関する相談に加えまして、相談者の生活上の困り事ごとなどにも丁寧に聞き取りを行いながら、状況に応じたアドバイスを行い、福祉関係の窓口等の適切な関係先などにもつなげております。  相談件数は1,365件でありますが、その全てが必ずしも引っ越しが必要な方の相談ではなく、住み替え先の物件を紹介した件数は652件でありまして、このうちの入居決定数が116件となっております。  また、この116件につきましては、相談者または貸主の方から連絡をいただけたものに限った件数でありますので、実際に入居に至った件数はもっと多いものと認識しております。  なお、みな住まいる札幌を利用した方の相談窓口の満足度に関しますアンケート結果によりますと、「満足」または「おおむね満足」と回答された方が85%を超えておりまして、相談窓口としての役割は十分に果たすことができているものと考えておりますが、今後も、相談者のニーズに応えることができますよう、相談者に寄り添った窓口の運営に努めてまいります。 ◆波田大専 委員  ご答弁にございましたとおり、住居探し以外にも様々な目的でいらっしゃる方がいらっしゃると。そして、実際に入居に至った方の数については、全てを追跡して把握ができているわけではないということを理解いたしました。  しかしながら、そうであったといたしましても、住み替え先の物件を紹介した652件の方々の中には、希望した条件に合う物件が見つからずに終わってしまった方も多くいらっしゃるのではとも思うわけでございます。住まいの確保に悩みを抱えている方に対する一つの方策として、セーフティネット住宅登録制度があります。高齢であることや障がいがあることを理由に入居を拒まないセーフティネット住宅の登録数を増やしていくことも、住宅確保要配慮者が住まいを確保するためには重要なことと考えます。  このセーフティネット住宅登録要件のうち、札幌市では、規模要件を25平米以上としております。しかし、私は、この25平米以上という札幌市の規模要件が住まいを探す方々にとっての選択肢をひときわ狭めているようにも思うわけでございます。  と申しますのも、セーフティネット住宅を探し求める方々の中には、生活保護を受給されている方が多くいらっしゃると認識しておりますが、札幌市における生活保護住宅扶助額は、単身の場合、月額3万6,000円です。  参考までではございますが、不動産、住宅に関する大手総合情報サイトで検索をかけてみますと、家賃が3万5,000円以下の物件は札幌市内で約3万4,000件出てきます。しかし、そのうち、25平米以上の物件となりますと、約1,300件となり、全体の約4%程度の物件数に限定されてしまいます。つまり、生活保護住宅補助額の予算内で物件を探すとなると、その大半が25平米以下の物件となるにもかかわらず、これらの25平米以下の物件は、セーフティネット住宅登録要件を満たさないため、セーフティネット住宅としては登録されていない現状があるようにも思います。  この25平米以上という規模要件は、国土交通省が定める登録基準に準じたものと認識しております。しかし一方で、国交省では、地方公共団体供給促進計画で定めることで、耐震性などを除く基準の一部について評価緩和が可能としており、実際に、大阪市では18平米以上、川崎市では20平米以上など、規模要件を緩和している自治体もございます。また、横浜市や福岡市などでは、築年数に条件をつけた上で、規模要件を18平米以上に緩和しています。  そこで、質問ですが、札幌市では現状の規模要件についてどのように認識されているのか、お伺いいたします。 ◎藍原 住宅担当部長  現状の登録住宅規模要件についての認識に関するご質問でございます。  札幌市の住宅マスタープラン2018におきましては、健康で文化的な住生活を確保する観点で定められました最低居住面積水準であります25平方メートルを下回る住宅につきましては解消すべきと目標に設定しているところであります。  また、委員がご指摘のとおり、25平米以上の住宅が少ないのではないかということでございましたが、市内には25平方メートル以上の賃貸住宅が相当数存在しておりますことから、現在のところはこの規模要件を見直す予定はございません。  なお、今年度、国におきまして、5年に一度の住宅・土地統計調査が実施されておりますことから、その調査結果なども踏まえながら、住宅セーフティネットの在り方を含め、総合的に検討すべき事項というふうに認識しております。 ◆波田大専 委員  ご答弁にございました健康で文化的な住生活を確保するという観点は、大変重要であり、もちろん、できることなら部屋は広いほうがいいわけであります。しかし一方で、限られた予算の中で物件を探すとなると、当然、ほかの様々な希望や条件を諦めなければならないこともあるかと思います。  特に、生活保護を受給している世帯の約8割が高齢者や障がい者、傷病者の世帯であることを踏まえますと、部屋は少し狭くてもいいから、駅やスーパーから近いところがいい、あるいは、多少狭くてもいいから、階段ではなくエレベーターがついている物件がいいという方も多くいらっしゃるかと思います。  このように、人によって様々な希望や条件がある中で、この25平米以上という札幌市の規模要件が存在するがために、セーフティネット住宅にたどり着くことができない方がいらっしゃったり、足が悪いのに駅から遠い物件しか見つからない、エレベーターのない物件で階段の上り下りを強いられている方がいらっしゃるとすれば、それこそ、むしろ、健康で文化的な住生活とはあまりにもかけ離れた実態ではないでしょうか。  セーフティネット住宅規模要件の緩和によって、より多くの方のニーズに合った賃貸物件が数多く登録され、みな住まいる札幌に相談に訪れる方のうち、これまで以上に少しでも多くの方が希望の条件に合った物件に入居できるのではないかと考えるところでございます。  そのためにも、他の政令市の事例も踏まえまして、いま一度、札幌市においてもセーフティネット住宅規模要件について見直しを検討いただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。 ◆松井隆文 委員  ファシリティーマネジャー資格者の松井でございます。本日は、同じファシリティーマネジャーの資格をお持ちのこじまゆみ委員もいらっしゃいますけれども、私から質問をさせていただきます。  私からは、民間建築物長寿命化について質問をさせていただきます。  企業、団体などがその組織活動のために施設とその環境を総合的に企画、管理、活用する手法がファシリティーマネジメントでございます。  昨今、建築物の老朽化を背景に企業や自治体などにおいて、ファシリティーマネジメントの一環として、建物を長寿命化の推進を図る取組が盛んに行われております。  この札幌市におきましても、平成18年3月に市有建築物資産管理基本方針を策定するなどして、早くからこの問題に取り組んでいることは承知しているところであります。  私は、従来のスクラップ・アンド・ビルドという考え方ではなくて、建物をメンテナンスしながら長期的に使い続ける考え方、これは公共施設であっても、民間建物であっても重要なことであるというふうに思うところであります。  そこで、建築物に関する施策を主に所管しております都市局に質問したいのですが、都市局では、民間建築物長寿命化に資する施策として、現在どのような取組を実施してきているのか、お伺いいたします。 ◎二宮 建築安全担当部長  民間建築物長寿命化に資する都市局の取組についてお答えいたします。  都市局では、建築物の安全性の向上を図る目的から、耐震化に係る補助制度を設け、耐震改修などの取組を支援しております。  また、建築基準法に基づく定期報告制度では、建築物や利用者の安全性を確保することを目的として、建築物の所有者等建築物等の状況を定期的に報告するよう定めており、報告された内容に応じて、必要な場合は改善の指導を行っております。  これらの取組は、建築物を安全かつ長期的に使用することにつながり、民間建築物長寿命化に資するものと考えております。 ◆松井隆文 委員  今のご答弁にありましたように、ファシリティーマネジメントの観点からしますと、定期検査であるとか必要な修繕を行うことが建物の長寿命化につながるということは理解をしております。  また一方で、例えば20年以上前に建てられた商業ビルなどが札幌市内にも多くございますけども、そろそろそうしたビルはメンテナンスにかかる費用が増大してくる時期になります。そうした物件の所有者の多くは、あと数十年ぐらいしたら建て替えかなというふうに想定をしながら進めてきていたが、建設コストがどんどん上昇し、担い手不足もあるという状況の中で、建物をもたせていかなければならないといった状況になってきているわけですね。  商業ビルですので、安易に閉鎖をすることもできないですし、適切に管理をしていかないと、お客様といいますか、不特定多数の利用者にとって危険な状況になりかねないというわけであります。また、昨今の物価上昇等によりまして、新築時に見込んでいた設備改修等のコストも大きく膨れ上がっている、これが企業の経営を著しく圧迫しているというケースもございます。そうしたずれを支援していく必要があるのではないかと考えるところであります。  そこで、そうした事業者の声も多く把握していて、企業支援を担っております経済観光局に質問をいたしますが、商業事業者に対する建物改修の支援は、現状どのようになっているのか、お伺いいたします。 ◎庄中 経済観光局経営支援雇用労働担当部長  商業事業者に対する建物改修支援の現状についてお答えいたします。  商業事業者からの各種経営相談については、中小企業支援センターにおきまして、中小企業診断士などが無料で相談に応じており、建物改修に向けた資金調達のアドバイス事業計画策定などについても対応しているところでございます。  また、現在、札幌市融資制度において活用できる資金といたしましては、5,000万円以上の増改築を行う事業者を対象とする大型設備投資支援資金のほか、投資金額にかかわらず中小企業者全般を対象とする産業振興資金を設けているところでございます。 ◆松井隆文 委員  先ほどご紹介いたしましたファシリティーマネジメントの活用によって期待される効果というのは、一つは企業経営に対する貢献、また、省エネルギー化によって二酸化炭素の排出量を抑制していくといった脱炭素化に資するという側面もございます。  例えば、都市局で実施をしております住宅エコリフォーム補助制度がございますけれども、その補助対象一般住宅に限られているわけですね。一方で、商業施設に関しては、改修時期を迎えた物件を保有している事業者も多い中で、改修にはやはり多額の修繕費が必要という状況に直面しているわけであります。  さて、そこで、再び都市局に戻り最後の質問でありますが、先ほどの経済観光局として融資等における支援をしているという答弁を受けまして、やはり、建物の長寿命化という点では、各部局がばらばらに対応してきておりますので、部局連携が必要ではないかというふうに私は考えてございます。  そこで、商業施設を含めた民間建築物の改修を後押しすべく、市中の建築物が長期にわたって適切に保全、活用されるためには、経済振興や脱炭素化の施策とも緊密に連携して、専門性ある建築物関係を所管する都市局が一体となって支援していくことが重要と思うがいかがか、部局横断的な連携をしますという力強い答弁を期待しつつ、都市局長の見解を伺います。 ◎中村 都市局長  建築物の長寿命化と他の施設との連携についてでございます。  建築物の保全に当たっては、躯体の健全性を確保するとともに、給排水や電気・機械設備の更新など、適時のタイミングでの取組が重要とされています。  事業者が改修工事を行う際に、省エネ化バリアフリー化などの機能改善を行う場合には、国などで実施するものを含め、一定の条件の下で、各種補助容積率緩和などの支援策も設けられているところでございます。  こうした支援策の活用が図られるよう、関係部局とも連携を図りながら、今後とも丁寧な相談対応や啓発に努め、民間建築物の改修を後押ししてまいります。 ◆うるしはら直子 委員  私からは、大きく2項目、住宅エコリフォーム補助制度についてと建設系工事における入札不調について伺います。  初めに、住宅エコリフォーム補助制度について伺います。  この制度は、2009年度に全議員提案により成立した札幌市環境負荷低減等のための住宅リフォームの促進に関する条例に基づく補助制度です。  住宅の省エネルギー化バリアフリー化を図るリフォームを行う市民に対して、工事費の一部を補助するものであり、2010年度にこの補助制度の運用が開始されて以降、多くの市民に利用されてきました。  また、本制度は、市内の中小企業に対する経済対策といった側面もあり、多くの事業者が請負施工業者として市内の住宅のリフォームを実施してきたところです。  制度の運用開始から14年目となりまして、本市によるパンフレットですとかポスター掲示などの様々なPR活動や広報さっぽろ、本市のホームページへの情報掲載などの成果もあり、多くの市民や事業者にもこの制度が浸透したものと感じています。  一方で、申請件数の増加により、近年では、申請された補助金額が予算額を上回ったために抽せんとなった年もありまして、本市として、こうした高まるニーズに対応していくために、2020年度に、それまでは1億2,000万円だった補助額から1,000万円増額し、1億3,000万円としました。2022年度についても同額の予算としていたところと承知しています。  そこで、質問ですが、令和4年度、2022年度におけるエコリフォーム補助制度利用状況について、件数と予算の執行状況について伺います。 ◎藍原 住宅担当部長  令和4年度の補助制度利用状況についてのご質問でございます。  令和4年度は、5月と9月からの2回の申請期間を設けまして、合計で1,292件の申請を受け付けたところでございます。いずれの回においても、抽せんになることなく、最終的には1,224件に対しまして補助金を交付しております。  また、予算の執行状況といたしましては、1億3,000万円の予算に対しまして執行額は1億2,300万円で、執行率は約94%でございました。  不用額が生じた要因といたしましては、補助金の交付決定を受けた後、何らかの事情で工事を取りやめる方が毎年一定数いるため、最終的に補助金の交付に至らなかったためでございます。 ◆うるしはら直子 委員  予算を増額したことにより、抽せんになることはなく、募集期間内に応募のあった方には補助金を交付できたということでありました。  一方で、申請をしたものの、何らかの事情で申請を取り下げた方が一定数いたとのことです。  この申請を取り下げた理由は様々だと思いますけれども、昨今の建設業界における人手不足ですとか、また、物価の高騰などにより、リフォーム工事を行う事業者にもいろいろな影響が出ていることもあるのではないかと推察するところです。  そのため、市民はもちろんのこと、事業者が工事をスムーズに進められるようにするための工夫や制度の改善が必要かと思います。  このリフォーム補助制度は、工事の着手前に補助申請行い交付決定を受ける必要がありますけれども、これに対して我が会派では、2022年の予算特別委員会において、着工時期にかかわらず補助制度を利用できるようにすべきといった趣旨の要望を私からさせていただきました。  そこで、質問ですが、市民はもちろんのこと、事業者に対してもこのエコリフォーム補助制度が使いやすくなるような見直しを行ったものがあるのかどうか、伺います。 ◎藍原 住宅担当部長  事業者が使いやすくなるような制度の見直しを行ったのかといったご質問でございます。  委員がご指摘のとおり、令和4年度までは、エコリフォーム補助制度を利用するためには、まずは、補助の申請をしていただきまして、札幌市からの交付決定を受けた後でなければ工事に着手できないこととなっておりました。そのため、特に事業者から制度の見直しを求める声が寄せられていたところでございます。  そこで、今年度から、制度を見直しまして、年度内に着手した工事であれば補助対象としたところでございます。これによりまして、補助の交付決定を待つことなく、事業者が予定していた時期に着工することができるようになり、工事をスムーズに進めやすくなったのではないかというふうに考えております。  今後も、社会状況の変化や市民、事業者のニーズに即したよりよい制度となるよう、必要な見直しを検討してまいります。 ◆うるしはら直子 委員  今年度から、年度内に着手した工事であれば、この補助金の交付決定前であっても着工できるような変更がされたとのことで、まずは、我会派の要望もそうですし、事業者の皆様のニーズに応えて改善していただいた点は大変評価させていただきます。  1点、この件で要望させていただきまして、この質問を終わります。  制度が見直され、また、市民もさらに今後利用しやすくなることと思いますけれども、それと同時に、申請される方もまた増えるといったことが想定されます。  昨年度は、抽せんにこそはなっていませんけれども、申込みの数も1,300近いですし、執行率が94%ということであり、今後また抽せんになってしまうということも考えられます。  資材高騰の中、工事費が高くなっている中でも、エコリフォームを望まれる方、必要とする市民もたくさんいらっしゃいますので、こうした状況で、一部の市民が抽せんに外れたために補助金を受けられなかったということにならないよう、答弁にもありましたように、現在の社会情勢などに合わせて、さらに補助金の増額や枠の拡大の検討もするよう求めさせていただきたいと思います。  また、今後も多くの市民にとって使いやすい制度となるようお願いしまして、次の質問に移りたいと思います。  次に、都市局発注建設工事不調状況について質問したいと思います。  先般行われました代表質問において、建設系の工事に不調が多く発生しているといったことが取り上げられました。  都市局では、建築系工事を多く発注しており、その工事は、学校をはじめとして、市営住宅ですとか地区センターなどの改築工事改修工事で、私たちの生活に密接に関係する公共施設などが対象です。  こうした工事の不調により、これらの施設の整備が進んでいかなくなるということは、市民の生活、子どもたちの学習環境などにも大きく影響が出るのではないかと懸念するところです。  そこで、質問ですが、まずは、今年に入って都市局が発注した建築系工事における不調の状況とその要因についてお伺いします。 ◎田縁 設備担当部長  都市局が発注した建築系工事不調状況とその要因についてお答えいたします。  最初に、不調の状況でございますが、今年10月13日時点の不調の件数は、再告示件数を含む総告示件数245件に対しまして47件となっておりまして、昨年の不調件数の9件から急激に増加している状況でございます。  また、その内容につきましては、学校をはじめとして、様々な施設の工事で発生しており、特にトイレや流し台、水回りの配管などの施工に係る衛生設備工事が今年の不調の7割以上を占めている状況でございます。  次に、不調の要因についてお答えいたします。  コロナ禍後の民間工事が増加していることや、工事を管理する技術者不足と昨今の工事量の増加に伴い、建設技能労働者の中でも特に配管工が不足していることが考えられます。
     さらに、働き方改革に伴う週休2日対応などにより長期にわたって技術者配置が必要になっているほか、改修工事には限られた期間や長期休みに施工が集中することなども要因と考えております。 ◆うるしはら直子 委員  ただいまご答弁をいただきましたけれども、この不調の数が大変多いことに驚きました。  そしてまた、今年に入って急激に増えたといったところにもかなり課題があるのかなと思って聞いておりました。  特に、水回りの施工に係る衛生設備工事に不調が多く発生しているとのことで、コロナ禍後に民間需要が活況になってきたことで、人手不足に拍車がかかり、入札不調という結果で表明してきていたと考えるところです。  昨今の報道では、資材高騰や人手不足による北海道新幹線の札幌延伸の延期ですとか、また、札幌駅前の再開発の見直しなど、工事が計画どおりに進まないといった状況が続けて報道されてもおります。  私たち市民が利用する公共施設において、特にトイレですとか手洗いなどの水回り設備は必須となっております。そういった工事に不調が発生し、工事が予定どおりに進まない状況では、本当に、今後、様々な影響が出るのではないかと思います。  そこで、質問ですが、これらの不調に対して発注部局としてどのような対応をしているのか、また、施設の利用者への影響が出ているのか、お伺いします。 ◎田縁 設備担当部長  不調に対する発注部局の対応と施設の利用者への影響についてお答えいたします。  最初に、不調に対する発注部局の対応についてでございますが、入札不調となった案件に関しましては、入札参加要件の一つであります元請としての施工実績を下請として施工した実績でも参加可能とするなど、可能な範囲で参加要件の緩和を行っております。  そのほか、工事内容といたしまして、作業が集中しないよう、工程を工夫したり、予定価格を見直したりすることで、一部工事については応札につながっている状況でございますが、全ての工事の解消には至っていない状況でございます。  引き続き有効な対策を検討いたしまして、不調が減るよう取り組んでまいりたいと考えております。  次に、施設利用者への影響についてでございますが、現在受注が決まっていない工事につきましては、工期の延期や、後年次に新ためて工事を実施することとなります。このことで、新・改築施設の利用開始が遅れるほか、改修工事では、トイレなどの設備が改修できず古いままであることや、一部、バリアフリーが進まないことなどが考えられます。  一方で、設備の改修が行われなくても施設の利用は可能なことから、現時点で利用者への大きな影響は生じないと考えておりますが、古い設備の故障などが発生した場合には、施設所管部局と連携して速やかに対応していきたいと考えております。  また、整備計画への影響などにつきましては、施設所管部局と情報共有を図りながら、可能な限り施設利用者への影響を出さないように取り組んでまいりたいと考えております。 ◆うるしはら直子 委員  参加要件の緩和など、いろいろな対策を講じまして、一部の案件については受注につながっていることは理解しました。  また、現時点では大きな影響は出ていないとのことですが、新しい設備や施設を心待ちにしている利用者もいる中で、今後もこの不調対策にはしっかりと取り組んでいっていただきたいと思います。  さて、先般、建設局の決算特別委員会におきましても、私から、社会インフラの維持管理の観点から、建設産業全般の担い手確保に関する質問をさせていただいたところです。その中でも述べさせていただきましたけれども、来年度から、労働基準法に係る時間外労働の上限規制、24年問題で、建設業にも全面適用となり人手不足に関する状況が一層厳しくなることを危惧しております。  そして、これからの公共施設を維持していくことを考えた場合、さきの質問で、民間の工事であっても家庭でエコリフォームなどを必要とする方の需要も一定程度ある中では、設備工事分野における担い手の確保は必須であると考えます。  そこで、質問ですが、担い手の確保についてどのように取り組んでいくのか、お伺いします。 ◎田縁 設備担当部長  担い手確保の取組についてお答えいたします。  設備工事分野におきましても、さっぽろ建設産業活性化プランにあるとおり、担い手確保は課題と認識しており、それに向けて、PRなどに業界団体と協働で取り組むことが大切と考えております。  そのため、新たな試みといたしまして、今月の12日に、札幌市と業界団体が協力して、小学校高学年約80名を対象に、設備を中心とした学校改築工事の現場見学や配管施工体験などを行ったところでございます。  参加した児童の皆さんも、配管施工に興味を持って取り組み、反応もよくて、壁や天井の中など、ふだん見ることができない部分が見られて新鮮だったといった声があったほか、先生も児童に対しまして、このような配管がないと水が出ないんだよと設備の大切さを伝えていただけることなど、効果的なPRとなったと考えております。  また、担い手確保にはインターンシップの取組も有効であると考えており、多くの企業に実施していただけるよう、本市の助成金制度の利用を働きかけてまいります。  建築部といたしましても、担い手確保につきましては、事業を進める上でも重要な課題と考えており、今後も業界団体と協力して設備業界のPRに努めるとともに、有効な取組をさらに進めてまいりたいと考えております。 ◆うるしはら直子 委員  今のお話の中にあった小学生に対しての体験会の取組ですけれども、私も先日、新聞報道を見させていただきまして、大変いい取組だなと思って聞いていました。配管をパズルのように組み立てたり、自分たちの教室などに設置されるような配管に文字を書いたり、そういった体験をして、子どもたちは興味・関心が大変くすぐられたといった記事でした。これは、ひいては将来の子どもたちにつながるいい取組だと思いますので、こうしたPRや活動は続けていただきたいと思います。  不調の対策、人手不足解消と、いろいろ考えながら取り組んでいらっしゃることは理解しました。人手不足が要因となると特効薬はなかなか難しいことと思います。また、今後、千歳方面のラピダスの建築とか、引き続きの再開発でさらに建設業の人材不足が見込まれるといった状況も懸念されます。  都市局の皆さんも、さっぽろ建設産業活性化プランの改定メンバーとして検討していることと思いますけれども、今後とも、この問題、課題、不調がなくなるように取り組んでいただきたいと思います。  最後に、これは石川副市長にも強くお願いしたいのですが、喫緊の課題である設備関連の人手不足の対応とともに、建設業界の工事に係る人手不足については、まさに本市のまちづくりに大きく影響し、その進捗も左右します。企業の人材確保、そして、人材育成の支援をしっかりと拡充することはもちろんですが、最近、工業系の高校ですとか大学への進学を希望する方も減少していると聞きますので、こうした学校への進学への支援、後押しをするような取組、また、資格取得を拡大するなどの支援のさらなる充実に注力することが必要ではないかと思います。  魅力を感じるような環境づくりのためのフォローアップも必要ですので、こうした効果的な取組を全庁挙げて、そして、一丸となって計画し、実施していただくよう要望しまして、私の質問を終わります。 ◆熊谷誠一 委員  私からは、札幌市居住支援協議会の取組、そして、崖地対策と大規模盛土変動予測調査について、順次質問させていただきます。  住まいは、人々の暮らしの基礎となるものであり、住まいの確保に課題を抱える方への居住支援の取組は、高齢化が進む札幌市においてますます重要性が増す取組であり、我が会派も機会を捉えて議会で取り上げてきたところでございます。  札幌市では、令和2年1月、不動産関係団体、福祉関係団体、札幌市の福祉部局、住宅部局などで構成される札幌市居住支援協議会を設立し、居住支援の取組を進めているところでございます。  また、令和2年4月には、住まいの相談窓口である、みな住まいる札幌を開設し、今年で3年が経過したところであり、相談件数は年々増加しているとお伺いしております。  先ほどの質疑への答弁では、1,365件中116件が入居につながったといったお話もございましたけれども、相談の内容について、必ずしも住まいを紹介してほしいという相談だけではなく、将来の住まいに不安があるといったご相談や、夫婦や家族間での困り事など、相談内容が多岐にわたってきており、相談時間も長くなってきていると伺っているところでございました。我々の元にもそういったご相談がたくさんあるところで、真っ先にご相談先としてご紹介するのが、みな住まいる札幌でございます。大変お世話になっております。  そのため、我が会派からは、今年の予算特別委員会で、このような相談ニーズの増加に対応するための取組について質問をし、今年度より、札幌市から居住支援協議会への補助金を増額し、ご相談を受ける時間を前後30分ずつ拡大するとのことでございました。  みな住まいる札幌では、対面や電話、メールなど様々な方法で相談が寄せられておりますが、相談を受ける時間を拡大した結果、これらの相談状況にも変化があったものと思います。  そこで、最初の質問でございますが、みな住まいる札幌における令和5年度の相談状況についてお伺いいたします。 ◎藍原 住宅担当部長  みな住まいる札幌の相談状況についてのご質問でございます。  今年度は、9月末時点で相談件数の合計が725件で、そのうち電話などでの相談が189件、対面相談が536件となっております。昨年度の9月末時点と比較をいたしますと、合計件数はほぼ同数でありますが、電話などでの相談は131件減少いたしまして、対面相談は110件増加している状況でございます。  これまで、各種イベントでの出張相談や新聞の折り込み広告、インターネット広告などでみな住まいる札幌のPRに努めてきましたことで、昨年と同様に多くの相談を受けており、また、相談窓口の受付時間を拡大したことが対面相談の件数増加につながっていると考えているところでございます。 ◆熊谷誠一 委員  様々な方法でPRに努めてきたことや相談窓口の開設時間を拡大したことで、引き続き多くの方に利用されている状況が分かりました。今後も、丁寧かつ積極的に取組を進めていただきたいと思います。  次に、賃貸住宅への入居の円滑化に向けた支援についてお伺いいたします。  賃貸住宅への入居の際には連帯保証人が必要になるのが一般的でありますが、最近では、家賃債務保証会社を活用することが一般的になってきていると伺っております。  また、賃貸住宅の入居時に貸主が加入を求める火災保険についても、最近は、部屋で亡くなった際に残された家財の処分等に係る費用が対象となる保険商品も広がってきていると伺っているところでございます。  これらの仕組みを利用するに当たっては、賃貸人が費用を支払う必要がありますが、生活に困窮している方などは、この負担が重荷となり、入居の妨げになっている場合も考えられるため、入居の円滑化に向けた支援が必要だと考えます。  そこで、質問でございますが、住宅確保要配慮者の賃貸住宅への入居の円滑化に向けて、どのような支援を行っているのか、お伺いいたします。 ◎藍原 住宅担当部長  住宅確保要配慮者が賃貸住宅に入居する際の支援についてのご質問でございます。  支援の取組といたしましては、令和2年度から、家賃債務保証料に対する補助制度を設けまして、令和3年度には補助対象を孤独死残置物に係る保険料にも拡大をしたところであります。  しかし、補助要件をセーフティネットの専用住宅に限定をしていたため、これまで利用がなかったことから、今年度、補助対象をセーフティネットの登録住宅に緩和をする補助要件の改正を行ったところであります。  また、賃貸住宅に入居する際に求められることが多い緊急連絡先につきまして、身寄りのない方々の入居の円滑化を図るため、緊急連絡先の引受先に対する費用も新たに補助対象に追加したところでございます。  今後、これらの制度を積極的に活用してもらうため、居住支援法人などの関係団体と協議を進めてまいります。 ◆熊谷誠一 委員  相談体制の拡充と併せて、入居の円滑化に向けた支援策についても徐々に対象を広げるなどしているということでございますので、制度が活用されるよう、これからはお一人様も非常に多くなってくる社会情勢もございますので、PRに努めていただきたいと思うところでございます。  一方で、前回、平成29年に大きな改正があった住宅セーフティネット法でありますが、改正から6年が経過し、現在、国土交通省、厚生労働省、法務省の3省合同で、住宅確保要配慮者に対する居住支援機能等のあり方に関する検討会を開催し、様々な議論が行われております。  この検討会では、住宅確保要配慮者の方に物件を紹介するといった入居前の支援だけではなく、入居中も安心して暮らしていけるための対応の充実など、入居から退去までの一貫した支援について言及されております。  居住支援協議会の仕組みを積極的に活用し、福祉部局と住宅部局がしっかりと連携し、入居前、入居中、そして、退去時まで切れ目のない支援に取り組んでいただきたいと存じます。  そのためには、居住支援協議会のメンバーだけではなく、様々な居住支援に関する取組を行っている居住支援法人の機能を効果的に活用していくことが今後重要になってくると考えます。  そこで、質問でございますが、居住支援法人との連携について、現在どのような取組を行っているのか、また、今後の方向性についても併せてお伺いさせてください。 ◎藍原 住宅担当部長  居住支援法人と連携するための取組と今後の方向性についてのご質問でございます。  まず、現在の取組でありますが、みな住まいる札幌に来られる相談者の中には、身寄りがなく緊急連絡先が見つからないといった方や、障がいがあって日常生活に支障がある方など、生活上の課題などに合わせて、解決をしなければ住まいの確保に至らない方々もおられます。このような方々につきましては、住まいの確保に結びつけられるよう、相談者の状況に応じた居住支援法人を紹介する場面が増えてきているところであります。  居住支援法人は、得意とする支援の分野が異なるなど、それぞれ特徴がありますことから、法人が集まる勉強会を開催することなどにより各法人の特徴を把握し、法人等の関係性の構築に努めているところでございます。  また、市内で活動している居住支援法人は26団体ございますが、全ての法人の業務内容や特徴を把握できていないことから、今後、各法人が得意とする支援内容などをまとめました居住支援法人のガイドブックを作成することとしております。  このガイドブックを活用することで、みな住まいる札幌の相談員などが居住支援法人の特徴や得意とする支援内容を把握することができ、相談内容に応じ、より的確に居住支援法人を紹介していけるようになると考えているところでございます。 ◆熊谷誠一 委員  居住支援法人との連携を強化しながら、入居時の支援だけではなく、入居中や退去時における対応までを見据えて取組を強化しようということかと思いますので、引き続き積極的に取組を進めていただきたいと思います。  また、今回、居住支援法人ガイドブックを作成するなど、居住支援法人との連携強化を図っていくことで、区役所等においてもこのガイドブックが活用されることが期待されると思います。  今年度からは、相談窓口の受付時間を拡大し、相談ニーズの増加にも対応しているということで、よりよく取り組んでいただいていることに一定の評価をさせていただきます。  一方で、みな住まいる札幌の相談員の負担が増えているのではないかということが気がかりでもございます。居住支援法人と連携を図りながら、みな住まいる札幌の相談体制についても、今後も持続可能な運営をしていけるよう、体制の在り方についても検討が必要な時期に差しかかっているのではないでしょうか。引き続き、体制の拡充も含め、相談員の方々の事情にも配慮していただき、よりよい相談体制を構築していただくことを求めさせていただきたいと思います。  次に、崖地対策と大規模盛土変動予測調査についてお伺いいたします。  本年も、全国的に局地的大雨による土砂災害が頻発しております。特に、7月には、九州地方において大雨特別警報が発表され、大雨による土砂災害及び人的住宅被害も発生しておりました。本市においても、今年は既に大雨警報が6度も発表されております。幸い、大きな被害はなかったものの、9月の警報時には、民有地から大雨により土砂が道路に流れ出したため、土地所有者や土木センターが緊急的な対応を行ったという状況があったことも聞いております。  土砂災害はいつ起こるか分からず、このため、市民の方々が大雨による土砂災害への意識をより一層高めていくことが重要ではないかと考えております。  我が会派では、危険な箇所を事前に周知する土砂災害警報区域の指定が重要と考え推進してまいりました。令和元年の決算特別委員会では、我が会派の竹内委員から、崖地の状況や地域の特性などを記載したがけ地カルテを市民に公表しておりますが、内容が専門的で分かりづらいとの市民のお声を受け、対応を求めたところ、イラストや写真などを用いて、より分かりやすく取りまとめた市民用がけ地カルテを作成するとの答弁をいただいたところでございます。  また、令和3年の予算特別委員会では、市民用がけ地カルテの検討状況について質問し、令和4年度までに全崖地のカルテを作成するとのことでございました。万が一、災害が発生したときに自分の身を自分で守れるよう、自分の住む地域の状況を的確に把握し、災害の備えをしていただけるよう、市民用がけ地カルテで市民に分かりやすく説明することは非常に重要であると考えております。  そこで、質問ですが、市民用がけ地カルテは全崖地で作成を終えたのか、また、市民に対してがけ地カルテを用いて説明を行ったのか、行ったのであれば、市民からどのような反応があったのか、お伺いいたします。 ◎高田 市街地整備部長  市民用がけ地カルテの作成状況とがけ地カルテを用いた市民への説明の状況、反応についてお答えいたします。  まず、市民用がけ地カルテにつきましては、連合町内会単位で作成いたしまして、崖地が存在する40連合町内会分について、令和4年度までに全て作成を終えたところでございます。  次に、この市民用がけ地カルテを用いた市民への説明につきましては、令和3年度から順次進めております。コロナ禍で書面開催となったところも含めまして、令和3年度に3地区、令和4年度に4地区、今年度は現時点で1地区の説明会を行っているところでございます。  市民からの反応につきましては、土砂災害の前兆現象が具体的にイメージできた、写真やイラストを用いているので分かりやすかった、こうした情報提供が非常に重要である等の意見があったところでございます。 ◆熊谷誠一 委員  現段階の状況をありがとうございます。  市民用カルテには市民から分かりやすいとの反応があるということでございましたが、そうであるのであれば、できるだけ早く全崖地への説明を終わらせていただきたいと思います。また、町内会や住民も人が替わっていくため、1周回って終わりということではなく、地域からの要望に耳を傾けながら、説明を継続していくことを求めさせていただきたいと思います。  次に、大規模盛土造成地変動予測調査について伺います。  北海道胆振東部地震から5年が経過いたしました。当時、私も現地を確認させていただきましたが、里塚地区の液状化被害の状況には大きな衝撃を受けました。  先月のテレビ、新聞等でも、清田区を中心に発生した宅地被害の振り返りや復旧に係る報道がなされるなど、いまだ市民にとって関心が高いことと思います。  被害のあった4地区のうち、3地区は復旧が完了し、残る1地区の対策も間もなく完了すると伺っており、震災復興は着実に進んでいるものと認識しております。  一方で、そのほかの大規模盛土造成地の住民にとっては、胆振東部地震では被害がなかったとはいえ、今後の大震災によって被害が起こるのではないかと不安に思われていると考えるところでございます。  本年5月5日にも震度6強の揺れを生じた令和5年奥能登地震が発生するなど、大地震の発生については予断を許さない状況にあると考えます。  我が会派では、今後の予防保全による地域住民の安全・安心の確保が重要と考えており、これまでも、我が会派の竹内議員から、大規模盛土造成地の抽出、予備調査など大規模盛土造成地の変動予測調査については継続的に質問してきたところでございます。  令和3年の3定では、先行して詳細調査を行う目的について質問し、今後の調査により、重視すべき点や修正点に役立てるとの回答がありました。詳細調査は1か所につき2年かかると聞いておりますが、令和3年度より調査を開始したモデル地区1地区は既に結果が出ていると考えます。  また、本年1定の代表質問では、我が会派の國安議員から、優先度評価を踏まえた大規模盛土造成地の継続的な防災対策について質問し、令和5年より35か所の盛土について、優先度の高いものから着手し、早期の全件完了に努めるとの回答があったところでございます。  調査に本格的に着手する今年度は、モデル地区の結果や知見を役立て、効果的に調査をしていく必要があると考えます。  そこで、質問でございますが、モデル地区における調査結果と、今後の調査に役立てるため、どのような知見が得られたのかお伺いいたします。 ◎高田 市街地整備部長  モデル地区の調査結果と今後の調査に役立てるための知見についてお答えいたします。  まず、モデル地区として、令和3年度、令和4年度の2か年で先行して詳細調査を行った平岡地区では、国が定めたガイドラインに沿って調査を行いまして、有識者にもご意見をいただきながら、盛土の安定性を確認したところでございます。  次に、今後の調査に向けて得られた知見といたしましては、様々な調査項目のうち、盛土形状把握のために行う表面波探査の結果と、開発許可申請などで提出された造成図面の盛土形状には乖離がなく、また、翌年に調査いたしました2盛土でも同様の結果が得られたところでございます。  この結果を踏まえまして、有識者にもご意見をいただきながら、今後は、造成図面がある盛土につきましては表面波探査を行わなくても足りるとして、調査の省力化を図っているところでございます。 ◆熊谷誠一 委員  モデル地区の知見については理解できました。今後の調査の省力化に寄与できたとのことで、引き続き、市民の地震時の不安を払拭するため、スピード感を持って詳細調査を進めていただきたいと思います。  1か所に2年かかる詳細調査を35か所進めていくとなれば、相当の年数がかかると考えます。また、何か所かは地震時の安定性が確認されないとの調査結果が出ることも想定されるところでございます。しかし、全ての詳細調査が終わるまで対策がなされないのであれば、そこの住民は不安な思いで何年も過ごすことになるのではないかと思います。  そこで、質問ですが、今後、詳細調査と対策をどのように進めていくのかお伺いいたします。 ◎高田 市街地整備部長  今後の詳細調査と対策の進め方につきましてお答えいたします。  委員がご指摘のとおり、安定性が確認されないと判断された盛土を長期間放置することは望ましくないと考えております。このため、詳細調査と並行して対策工事も順次進めることとしております。  対策工事は、測量や各種設計の上、地元合意の下で工事を行っていくため、完了までに少なくとも3か年を要することから、安定性が確認されなかった盛土につきましては、速やかに対策に着手してまいりたいと考えております。
    ◆熊谷誠一 委員  対策も順次進めるということで、ひとまず安心いたしました。  地域住民の不安を払拭できるよう、しっかりと対応していただきたいと思います。しかしながら、対策工事と並行して詳細調査を行うのであれば、業務量が増えることは明らかであり、これまでのように調査を進められるのかという疑問が残るところでございます。  詳細調査は、地域住民の安全・安心の早期確保のために速やか、かつ、確実に進めるべきであり、対策と並行して詳細調査を進めていくためには、さらなる省力化など、何らかの工夫が必要ではないかと考えるところでございます。  そこで、質問ですが、35か所の詳細調査をどのようなスケジュールで進めていくのか、また、効率的に進めるための工夫をどのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎高田 市街地整備部長  詳細調査のスケジュールと効率的に進めるための工夫についてお答えいたします。  まず、スケジュールにつきましては、詳細調査を行う35か所の盛土のうち、令和4年度に改訂した大規模盛土造成地マップにおきまして早期に調査が必要とした7盛土につきましては、特に優先的に調査を行うこととして、今年度中に大半の調査を開始し、残りにつきましても、令和6年度に調査を開始する予定です。  その他の28盛土につきましては、アクションプラン2023の完了年であります令和9年度までに10盛土の調査を開始し、残りの盛土につきましても早期の調査に努めてまいりたいと考えております。  次に、詳細調査を効率的に進めるための工夫といたしましては、現在、複数箇所の一括発注による省力化を施行しております。今後もさらなる調査の効率化に努めながら進めてまいりたいと考えております。 ◆熊谷誠一 委員  最後に、要望でございます。  市民の不安を早期に払拭するためには、調査の効率化への取組は今後もお願いしたいと考えるところでございますが、詳細調査は慎重かつ確実に進めるべきものであり、また、現場条件を詳細に捉えるため、時間も手間もかかるものと認識しております。  今のご答弁を踏まえますと、調査完了までに10年近くかかるものと思いますが、必要な調査を適切に進めた上で、できるだけ早く完了していただくよう要望いたしまして、私の全ての質問を終わります。 ◆川田ただひさ 委員  私からは、市営住宅に入居する単身高齢者への対応について、そして、マンション管理の適正化に向けた取組について、大きく2点質問をさせていただきます。  まず初めに、市営住宅に入居する単身高齢者への対応についてお伺いいたします。  市営住宅に入居する単身高齢者への対応に関して、市営住宅のニーズは依然として非常に高いものがあり、特に利便性に優れた築年数が浅い団地の需要は高く、団地別の応募状況にも顕著に表れているわけでございます。  通常、市営住宅は、入居者が退去した後、指定管理者が原状回復の上、新たな入居者の募集を行うことになっております。しかし、ある団地の自治会から、入居の需要が高いと考えられる住戸にもかかわらず、入居者が住戸内でお独りで亡くなり空き家となった後、長期間にわたり次の入居者の募集がなされていない住居があるという話を聞いたところでございます。  市営住宅は、廊下や階段など共用部分の照明やエレベーターなどの電気料、団地内の除排雪、草刈りに要する費用は共益費として団地自治体が管理しているところであります。長期間にわたり募集がなされていない住宅があると、その分、自治会費が徴収できず、自治会の運営にも支障が生じ、自治会活動の低下につながってしまうとの懸念の声が団地自治会から上がっているわけでございます。  そこで、質問でございますが、単身の入居者が住戸内でお独りで亡くなった後、新たな入居者の募集を行っていない住宅は何戸あるのか、また、高齢化が進む市営住宅において、単身高齢者世帯の市内全体と厚別区の状況についてお伺いいたします。 ◎藍原 住宅担当部長  単身の入居者が住戸内でお独りで亡くなった後、新たな入居者の募集を行っていない住宅の戸数と単身高齢者世帯の市内全体と厚別区の状況の2点についてのご質問でございます。  初めに、入居者が市営住宅の住戸内でお独りで亡くなった状態で発見された住宅のうち、入居者の募集を行っていない住宅でありますが、令和5年3月末で127戸となっており、これらの住宅につきましては、周囲の入居者や新たな入居者への影響を考慮いたしまして、一定期間、募集を停止しております。  次に、単身高齢者の世帯数についてでありますが、全入居世帯約2万2,700世帯のうち、65歳以上の単身高齢者世帯は全市で約8,200世帯、そのうち、厚別区は約3,000世帯となっております。 ◆川田ただひさ 委員  厚別区でも約3,000世帯あるというお話をお伺いしました。  また、入居者が市営住宅の住戸内でお独りで亡くなられた状態で発見された場合は、一定期間、募集を停止しており、そうした住宅が令和5年の3月時点で127戸という回答をいただいたところでもございます。  厚別区には、青葉、ひばりが丘、もみじ台、新さっぽろの四つの団地があり、いずれも大規模で、単身高齢者世帯も多く、市営住宅における65歳以上の単身高齢者世帯約8,200世帯のうち、約3,000世帯が厚別区内の市営住宅にお暮らしになっているわけでございます。  市営住宅に単身で入居するためには、独立して日常生活を営めることが前提と聞いているわけでございます。しかしながら、入居時は元気に暮らしていても、年齢を重ねるごとに、心身の衰えや認知機能の低下など様々な症状が出てくることも考えられるわけでございます。また、かつては家族で住んでいて、世帯構成が変わることで単身になる場合もあるわけでもございます。  単身高齢者が相当数入居している状況においては、孤立死に至らないための取組が重要と考えるところでもございます。  そこで、質問でございますが、孤立死防止に向けどのような取組を行っているのか、お伺いいたします。 ◎藍原 住宅担当部長  孤立死防止に向けた取組についてのご質問でございます。  本市におきましては、福祉部局が中心となり、民生委員の見回り活動のほか、福祉のまち推進センターなどの地域の方々や、協定を締結いたしました宅配業者等の民間事業者による見守りの事業など、様々な方々の協力を得ながら、高齢者の孤立死防止を含めた見守りの取組を行っているところでございます。  また、市営住宅に入居する単身高齢者につきましては、住宅管理公社におきまして、連携する事業者が実施する安否確認サービスの案内を実施しておりますほか、指定管理者の中には、看護師、ケアマネジャー、管理栄養士などの専門職員が入居者の心身の健康や日常生活で不安を感じることの電話相談や定期的な住戸訪問などによるサポートを実施しているところでございます。  さらに、単身高齢者の入居者が増加していることを踏まえ、安否確認など、入居者の不測の事態に対応するため、連帯保証人とは別に、緊急連絡先を伺い、定期的に更新を行っているところでございます。  今後も、福祉部局などの関係部局や住宅管理公社、指定管理者とも連携や情報共有を図りながら、孤立死防止に向けて取り組んでまいります。 ◆川田ただひさ 委員  保証人なども含めて定期的に連絡先を更新しているというお話でございました。先ほどの回答にもあったように、127戸ということでございます。入居が決まるまでに一定の時間がかかっているということもあるわけでございます。  そういう日常生活に至って、いろんな対応をされているというお話でございましたが、やはり、高齢化が進むことで、自治会や町内会、民生委員さんだけでは限界に来ているのではないかと思っているところでございます。  そういう意味で、また違う形の財政措置や対策というものを考えていく場面に来たんではないかというふうに私は思ってるところでございます。今、まちづくり戦略ビジョンとかいろいろと考えられているわけではございますが、具体的にこういったことを防止するために取り組んでいただくことは要望してまいりたいと思います。  次に、孤立死の防止はもちろんのこと、それによる自治会員、自治会費の減少、活動の停滞を招かないためにも、引き続き、先ほども要望したとおり、取り組んでいただきたいところでございます。  高齢化が進んだ市営住宅の諸課題については、我が会派でも度々取り上げてきたところでもございますが、このまま高齢化の進行に伴い退去者も増加していけば、入居者全体が大きく減っていくことにもつながり、除排雪や草刈り、見守り活動、教育費の負担などといった自治会の活動はもとより、入居者が安心して暮らせるコミュニティーを維持していくこと自体が困難になっていくと思います。  さらに、自治会活動だけではなく、家賃収入が減少し、ひいては、札幌市の財政への影響も懸念されるところでございます。市営住宅全体で空き住宅が3,800戸存在し、このうち、募集するために修正が必要な住宅は、変動はあるわけではございますけれども、約2,000個あると聞いたところでございます。私は、これらの修繕を早急に進める必要もあると思っているところでございます。  そこで、この件に関する最後の質問でございますが、今後の空き住宅修繕についてどのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎藍原 住宅担当部長  今後の空き住宅修繕の考え方についてのご質問でございます。  委員がご指摘のとおり、入居者の高齢化に伴いまして、退去者数が増加をし、毎年1,000戸以上の空き住宅が発生しております。  修繕につきましては、進めてはいるものの、労務単価や資材価格の上昇によりまして、1戸当たりの修繕単価が高騰している影響もあり、空き住宅の修繕が十分に行えていない状況にございます。  そのため、令和5年度におきましては、通常の指定管理費による修繕とは別に予算を計上しまして、交通の便がよいところや比較的新しい団地など、応募者が多い傾向にある団地の修繕に取り組んでいるところでございます。  今後も、そのような人気があります需要の高い住宅の修繕を重点的に進め、入居を希望する市民の方々の期待に応えてまいりたいと考えております。また、修繕を終えた住宅につきましては、速やかに募集を行い、新たな入居につなげてまいります。 ◆川田ただひさ 委員  確かに、今、いろんなところで言われているわけでございますが、物価の高騰でありますとか、人材不足であるとか、いろいろとあって非常に大変な中ではございますが、自治会の運営もだんだんと大変になってきているわけでございます。先ほどもお話ししたように、自治会自体も高齢化が進んで、ケアをしていくこともなかなか難しいわけでございます。そうした声に応えるべく、入居者の確保に向けて、今後も厳しい状況であることは重々承知しておりますが、引き続き取り組んでいただきたいと思っているところでございます。  この点についての質問を終わります。  次は、マンション管理の適正化に向けた取組についてお伺いいたします。  我が会派は、マンション管理の適正化の取組が札幌市のまちづくりにおける重要な課題であると考え、これまでも度々議会で取り上げてまいりました。  このような中、札幌市では、この4月に札幌市マンション管理適正化推進計画を定め、マンション管理の適正化に向けて様々な施策に取り組んでいくこととしています。計画に定めた具体的な取組の一つとして、マンション管理計画の認定制度があるわけでございますが、これは、マンション管理組合が策定した管理計画が一定の基準を満たしていれば市から認定を受けられる制度で、認定を受けることで市場評価の維持・向上、管理運営の見直しの機会となることが期待されているわけでございます。  また、認定を受けたマンションに対する固定資産税の優遇措置や、住宅金融支援機構が提供する大規模修繕工事に向けた修繕積立金の運用をサポートするマンションすまい・る債の利率上乗せなど、優遇措置も設けられているところでございます。  札幌市では、この4月のマンション管理適正化推進計画の策定後、5月からこの認定制度の運用を始めているわけでございますが、約半年が経過をいたしました。  そこで、質問でございますが、現在、管理計画認定制度の認定件数、または認定を受けたマンションの築年数、住戸数、区別の状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。 ◎藍原 住宅担当部長  認定を受けたマンションの状況についてのご質問でございます。  本年5月からマンション管理計画認定制度の運用を始めまして、現在までに8件の計画を認定してございます。  認定したマンションの築年数につきましては、41年から2年までと様々でございまして、住戸数も53戸から300戸までと中規模なものから大規模なものまでと多岐に渡っている状況でございます。  また、区別の状況でございますが、中央区が3件、西区が2件、東区、豊平区、手稲区がそれぞれ1件ずつとなっております。 ◆川田ただひさ 委員  満遍なく10区の中で中央区、西区、東区、豊平区、手稲区ということで、我が厚別にはまだないのでしょうけれども、それぞれ認定を受けて8件ということで、ある程度は順調に進んでいるのかなと思っているところでございます。  また、新しいものや大規模なマンションに偏ることなく、比較的満遍なく申請されているということも、適正化に向けた形でマンション管理の重要性が少しは浸透してきているのかなというふうにも感じたところでもございます。  ただ一方で、マンション管理実態調査の結果では、管理不全が懸念されるマンションもあるわけでございます。適切に維持管理がなされているマンションであれば問題はありませんが、例えば、管理組合がない、必要な修繕がなされていないなど、マンション管理上の問題が放置されれば、外壁の崩落など周辺地域への深刻な危害にもつながる可能性があるわけでございます。  管理不全マンションの具体的な事例として、私もこの場で度々挙げましたが、滋賀県野洲市のマンションでは、管理不全による環境の悪化により、全ての住民が転居し、行政代執行により解体することとなり、巨額の費用を費やした上、その費用も一部しか回収できてないという事例もあります。  このような状況になると、行政の財政的な負担が大きいばかりでなく、周辺地域の環境にも多大な影響を及ぼすことになるため、マンションの築年数が浅いうちから管理組合が適正な管理を行うという意識を持ち、問題が大きくならないうちに、機を逃さずに対処していくことで、管理不全の未然防止や資産価値の維持・向上にもつながると考えているところでございます。  管理不全を未然に防止するためには、さきに述べたマンションの管理計画の認定制度を通じ、管理水準の向上を図っていくことが有効と考えられますが、一方で、既に管理不全が懸念されるマンションに対しては速やかな対応が必要と考えられます。  そこで、質問でございますが、管理不全が懸念されるマンションに対してはどのように取組を行っていくのか、お伺いいたします。 ◎藍原 住宅担当部長  管理不全が懸念されるマンションへの取組についてのご質問でございます。  委員がご指摘のとおり、マンションの管理不全を防ぐためには、管理組合が抱える課題を組合自身で解決していけるよう、住民の主体的な管理を促していくことが重要と認識しております。  そのため、このたび、マンション管理士等の専門家を現地へ派遣し、管理組合に対してマンションの管理に関するアドバイスを行うマンションアドバイザー派遣制度を開始したところでございます。  このアドバイザー派遣は、管理組合からの要請に基づき派遣をいたしますものと、管理組合からの要請がない場合でも札幌市が必要と判断した場合に派遣をする、いわゆるアウトリーチ型での派遣も予定しているところでございます。  アウトリーチ型につきましては、マンション管理実態調査に基づき、管理組合の運営に大きな課題があるマンションに対しましてアプローチをしているところでございます。  引き続き管理組合による適正な管理がなされるよう、セミナーの開催をはじめ、その他の施策も順次推進してまいる予定でありますので、札幌市としてもしっかり取り組んでまいります。 ◆川田ただひさ 委員  現在、マンションは、修繕積立金の不足、老朽化に伴う建て替えなど、多くの課題を抱えております。さらに、マンションは、意識や価値観、経済力などの異なる区分所有者の集まりでもあるわけでございまして、合意形成も難しいわけでございます。  こうした課題に対応していくためには、住民一人一人が自身のマンション管理に関心を持ち、適切な情報を知った上で主体的に取り組むことは当然重要でございます。そのためには、広く情報提供を行うなど、普及啓発活動が必要不可欠であると思っているところでございます。広く情報を提供することによって意識が高まる、また、うちはどうなっているのかなというふうに感じる機会を多くつくるということが、管理不全を少しでも防ぐ手だてになるというふうに考えているところでございます。今後も情報提供などの充実に努めていただきたいと思っているところでございます。  そこで、局長にご質問をさせていただきますが、管理計画の認定を受けようという動きの高まりに合わせ、相談も多く寄せられていると思いますし、アドバイザー派遣を行うに当たっても、マンション管理士の打合せを精密に行うなど、きちんと対応するためには、札幌市側もしっかりと体制を整える必要性があると思っているところでもございます。このことは、常々述べさせてもいただきました。  冒頭にも申しましたが、管理不全マンションへの対応は、札幌市のまちづくりを進める上で非常に重要な取組でもございます。現在、次期まちづくりアクションプランの策定も進められているわけでございますが、札幌市マンション管理適正化推進計画を着実に推進していくためには、予算、組織体制を含め、しっかりと取り組む必要性がございます。  これまで何回もお伺いはしておりますが、改めて、マンションの適正管理の問題に対する認識と取組についての決意を中村局長にお伺いいたします。 ◎中村 都市局長  市内には3,800棟を超えるマンションがあり、マンションの需要の高まりから、この先も建設は続くと考えられております。また、2030年には築40年を超えるマンションが約30%になるなど、高経年マンションが増加する見込みであるため、マンション管理の適正化を図っていくことは、安全・安心な札幌のまちづくりにおいて極めて重要であると認識しております。  そのため、今年の4月に、札幌市マンション管理適正化推進計画を策定し、今、部長から答弁しましたとおり、マンションアドバイザー派遣制度など、マンションの管理に関する新たな施策にも取り組んでいるところでございます。  個人の財産でありながら、マンションは区分所有建物であることや、鉄筋コンクリートなど堅固で大規模なものであることから、マンションが抱える課題は戸建て住宅とは異なるものと認識しております。  こうしたマンション特有の課題に適切に対応していくため、人と予算をしっかり確保すべきではないか、地域ともしっかり情報提供をしながら行ってほしいとのお話がございましたので、まさにご指摘のとおり、マンション管理士会、管理組合連合会などの関係団体のお力をお借りし、他部局ともしっかり連携し、取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 ◆川田ただひさ 委員  本日は、石川副市長もお越しになっているところでもございますが、これは吉岡さんが副市長のときから何回もお話をしております。  これは、ただ単にマンションだけの問題に限らず、もしこれが老朽化してとんでもないことになれば、周辺に与える影響は非常に大きなものがございます。この分譲マンションにお住まいになっている方は、お聞きしたら、約15万世帯で、家族も入れれば30万人は超えるというふうに思っております。これだけ多くの方々に影響を及ぼすこと、または周辺にも影響を及ぼすことを考えれば、とても重要な課題でもございます。  私たち自民党としては、マンション管理士会の方やマンション管理組合連合会の方とも、勉強会を通じていろいろと情報を共有させていただいております。道関連の方にお話を聞きますと、今では、札幌市だけではなく、北海道内の各地方都市からも呼ばれて、この問題についていろいろと相談を受けているというお話もございます。  そういった中で、このことをしっかり解決して、よりよいまちづくりをするためにも、先ほども要望いたしましたが、人と体制、またお金も含めて、ありとあらゆる形で対処していただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終了いたします。 ◆たけのうち有美 委員  私からは、市営住宅に関わって、単身入居対象者の追加と、駐車場の空き区画の有効活用の2点について伺います。  まず、市営住宅の単身入居対象者の追加について伺います。  市営住宅などの公営住宅は、住宅に困窮する低所得者の方や、住まいの確保に課題を抱える方々の居住の安定には欠かせないものと認識しています。  そこで、昨年の第3回定例市議会決算特別委員会では、児童福祉施設や養育里親の家庭などで育った社会的養護の経験者、いわゆるケアリーバーの方が市営住宅に入居することができるよう、単身入居の対象を拡大することの認識について質問したところです。  このことは、私がかねてより児童福祉施設で育った子どもたちと関わりがあることや、社会的養護の経験者の自立を支える団体などからも、頼れる実家がないことによる連帯保証人の問題、収入と家賃の関係など、特に自立後の住まいに関わる多くの相談を受けていることから注目してきたところです。  決算特別委員会の答弁では、社会的養護の経験者を含め、住まいの確保に課題を抱える方々が居住の場として市営住宅を選択肢の一つとして考えられるよう、他都市の状況や附属機関の意見なども踏まえ、検討を進めていくとの答弁でした。  このことは、社会的養護の経験者のみならず、支援者からの期待も大きく、私自身、前向きな検討がなされることを期待していたところです。  そこで、質問ですが、単身入居対象者の追加に関する検討状況について伺います。 ◎藍原 住宅担当部長  市営住宅の単身入居対象者の追加に関する検討状況についてのご質問でございます。  本年の7月、本市の附属機関でございます札幌市営住宅入居者選考委員会へ諮問を行いまして、審議の結果、児童福祉施設や養育里親の家庭などで育った社会的養護の経験者をはじめ、様々な事情により住宅の確保が困難な方々を単身入居の対象者とすることは妥当である旨のご意見をいただいたところでございます。その意見を踏まえ、追加する単身入居対象者の検討を行い、現在、パブリックコメント手続によりまして市民意見を募集しているところでございます。  社会的養護の経験者など、住宅の確保が困難な方々が単身で市営住宅に入居することが可能となるよう、今後、議会でのご審議を経て、令和6年度からの新制度運用を目指して取り組んでまいります。 ◆たけのうち有美 委員  自立に向けて新たな一歩を踏み出そうとする社会的養護経験者が自らの住まいを決める際、市営住宅も選択肢の一つとして考えられるよう、門戸を広げることは非常に望ましいことであると考えます。  また、社会的養護の経験者以外にも住まいの確保に課題を抱える方々の入居機会が広がることは、住宅セーフティネットの中核をなす公営住宅の目的や役割を鑑みて、有意義なことであると認識しています。  ただいまの答弁では、来年度からの運用を目指すとのことですが、例年であれば、4月に市営住宅の定期募集があると思います。新たに単身入居の対象者が追加されることとなれば、社会的養護の経験者など、これまで応募できなかった方々に対して必要な情報が届くことが重要と考えます。  そこで、質問ですが、今回新たに単身入居の対象となる方々への周知方法について伺います。 ◎藍原 住宅担当部長  新たに単身入居の対象となる方々への周知方法についてのご質問でございます。  令和6年4月の運用開始前に本市の公式ホームページへの掲載や広報さっぽろ等でお知らせをいたしますほか、毎年度作成しております入居者募集の案内パンフレットにも分かりやすく掲載したいと考えております。  また、区役所等の窓口におけるパンフレットなどの配架や、児童相談所等の関係機関を通じまして新たに対象となる方々へ直接お伝えする方策も検討するなど、多様な手法で周知に努めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆たけのうち有美 委員  公式ホームページへの掲載や広報さっぽろのほか、関係機関などとも連携し、多様な手法で周知を図るとのことでした。
     社会的養護の経験者のみならず、追加される単身入居の対象となる日本国籍を有しない者、更生保護対象者など、情報提供に当たり配慮と工夫が必要な方々も多くいらっしゃると思います。  そういった方々や支援者などにもそれぞれ広く周知が行き渡ることが大変重要と考えます。今後も、そのために必要な施策を講じていただき、必要としている方に必要な情報が速やかに確実に届くよう十分に検討していただくことを求めて、この質問は終わります。  次に、市営住宅駐車場の空き区画の有効活用について伺います。  市営住宅の駐車場については、入居者の高齢化が進み、車を手放す方が増えたことにより空き区画が増え、現在は、設置区画の4割、数にして約7,000台分が未使用となっているとのことです。  また、駐車場の管理運営は、各団地自治会が一部を担っていますが、契約台数の減少や入居者の高齢化による担い手不足などから管理に苦慮するという声も一部自治会からは聞こえています。有効活用を積極的に進めていくことがそうした課題を解決する糸口になるのではないかと考えます。  そこで、昨年の第3回定例市議会決算特別委員会において、駐車場の空き区画の民間事業者への貸出しの状況と今後の拡大の見通しについて質問し、積極的に有効活用するよう求めたところです。  これに対して、有効活用には、国の許可など一定の条件はあるものの、周辺地域の利便性の向上を図る面からも有効と考えられ、事業者へのヒアリングを通じて、駐車場に対するニーズが高く、有効活用が可能と考えられる団地の調査を進めながら、あわせて、団地自治会とも協議を進めていくとの答弁がありました。  そこで、質問ですが、駐車場の空き区画の有効活用に向けた現在の検討状況を伺います。 ◎藍原 住宅担当部長  市営住宅駐車場の空き区画の有効活用に向けた現在の検討状況についてでございますけれども、今年度、市内で駐車場運営を行っております幾つかの民間事業者に対してヒアリング等を行いまして、貸し駐車場としてのニーズなどを調査したところでございます。駐車場の空き区画を有効活用するためには、団地自治会の理解と協力が前提であることから、現在、ニーズ調査の結果などを踏まえまして、ある程度まとまった台数分の区画を活用できる、そういうふうに考えられる団地のうち、五つの団地自治会と協議を開始したところでございます。 ◆たけのうち有美 委員  有効活用に向けて、五つの団地自治会と協議を開始するなど、具体的な取組を進めているとのことです。答弁でもあったとおり、駐車場の空き区画を有効活用するためには、その大前提として団地自治会の協力を得ることが必須であると考えます。  そこで、質問です。  既に複数の団地と協議を進めているとのことですが、理解や協力を得るためにどのような点に留意して協議しているのか、伺います。 ◎藍原 住宅担当部長  理解と協力を得るためにどのような点について留意しているのかといったご質問でございます。  駐車場空き区画の有効活用に向けては、大きく三つの点について、団地自治会や入居者から理解、協力を得る必要があると考えております。  一つ目は、いずれの駐車場も入居者の利用区画が点在しておりまして、まとまった台数分の区画を確保するためには、現状の利用者に移動してもらう必要があること、二つ目は、市営住宅の入居者ではない方が駐車場利用のために敷地内に出入りをすること、三つ目は、除雪した雪を駐車場の空き区画に仮置きをしている場合がありますので、その場所が減る可能性があること、以上の3点につきまして丁寧に説明し、自治会や入居者の皆様にご理解、ご協力をいただけるよう努めているところでございます。 ◆たけのうち有美 委員  駐車場の空き区画の有効活用は、今の答弁にあったように、自治会にとって幾つかの課題があると認識しています。しかし、冒頭で述べましたように、設置区画の4割、約7,000台の未使用があること、自治会が駐車場の管理に苦慮しているという声などがあることから、今後、有効活用による利益が自治会に還元される仕組みをつくるなどして、自治会にそのメリットをしっかりと伝えていただくよう求めまして、私からの全ての質問を終わります。 ◆好井七海 委員  私からは、札幌市の空き家対策についてお伺いいたします。  初めに、市の相談窓口と対応についてです。  空き家対策については、平成27年に空家等対策の推進に関する特別措置法、いわゆる空家法が施行されたことを契機に、全国の市町村で空き家対策の取組が進められてきたところでありますが、法施行後も空き家は増加を続けており、今後、さらに増加が見込まれております。  こうした状況から、総合的な対策強化を図るため、空家法が改正されることとなり、さきの国会での審議を経て、年内にも施行される予定となっております。  空き家に関する市民からの相談は私のところにも多数寄せられており、樹木が生い茂って道路や隣地に越境している、ネズミなどの害獣が発生しているなどのほか、積雪寒冷地の札幌ならではの悩みとして屋根からの落雪で困っているといったものもあり、適切な管理が行われていない空き家によって、1年を通じて様々な問題が発生しております。  多くの空き家は、所有者の連絡先が分からず、近隣の方や町内会で対応できることがほとんどないのが実情です。このため、市に相談したいけれども、問題が多岐にわたることから、どこに相談すればよいのか分からないという声を多くいただいております。  そこで、確認も含めてお聞きしますが、空き家で困っている場合の市の相談窓口はどこになるのか、また、相談を受けて市はどのような対応を行うのか、お伺いいたします。 ◎二宮 建築安全担当部長  空き家の市の相談窓口と対応についてお答えいたします。  空き家に関する市民からの相談は、内容にかかわらず、全て建築指導部の空き家対策担当で受け付けております。  相談を受け付けましたら、相談内容に応じて、消防局や土木センターなど関係部局と情報を共有しながら対応を進めてまいります。  具体的な対応としましては、空き家の管理は所有者自身で行うことが基本であるため、まずは相談のあった空き家の所有者、所有者がお亡くなりになっている場合は、相続人を調査して見つけ出し、適切な管理に向けた助言や指導を行います。  また、相談や不動産取引、解体などについて、本市と連携して空き家対策に取り組んでいる民間団体などの相談窓口を案内することで、所有者による自主的な改善を促しております。 ◆好井七海 委員  空き家対策に関する相談は、建築指導部が窓口となり、関係課と連携して対応しているとのことでありましたが、問題が多岐にわたる複雑な空き家の問題について一元的な相談窓口を設けていることは市民にとってよいことでありますが、きっかけとなる建築指導部の連絡先など、窓口ということを知られていないと思いますので、もう少し周知をお願いいたします。  次に、相談件数と特定空き家等の認定件数等についてお伺いいたします。  空き家対策の中でも、そのまま放置すれば倒壊するおそれがある空き家等、空家法における特定空き家等については、周辺地域へ及ぼす影響の大きさを考えますと、重点的に対応すべきと考えます。  そこで、質問ですが、窓口である建築指導部への相談件数と、危険な空き家である特定空き家等に認定した件数、そのうち解決した件数についてお伺いいたします。 ◎二宮 建築安全担当部長  空き家の相談件数と特定空き家等の認定件数等についてお答えいたします。  市民から建築指導部に寄せられた相談や通報の件数は、年度によってばらつきはあるものの、毎年度200件から300件程度であり、空き家法が施行された平成27年以降で累計2,000件を超えております。このうち、特定空き家等に認定した件数は、令和5年9月末までで累計763件あり、そのうち526件については、解体などにより解決に至っており、残りの237件は指導を継続しているところでございます。 ◆好井七海 委員  市に対して、毎年度200件から300件の相談が寄せられており、所有者への指導などにより、これまで500件を超える特定空き家等が解決しているものの、現在も200件以上が継続指導中ということでありました。  次に、令和4年度の補助金の交付件数について伺います。  倒壊などの危険性がある特定空き家等については、解体が有力な解決策であると認識しておりますが、特定空き家等の解体には、札幌市危険空家等除去補助制度があり、解体費用の一部を市が補助することで、特定空き家等の解体を促進しておりますが、これまでは補助金の交付実績は想定よりも少なかったと聞いております。  そこで、質問ですが、令和4年度の補助金の交付件数と交付件数を向上させるための改善策、そして、今年度の現時点の交付状況をお伺いいたします。 ◎二宮 建築安全担当部長  令和4年度の補助金の交付件数と改善策、今年度の交付状況についてお答えいたします。  令和4年度の補助金の交付実績は、15件分の予算を確保しておりましたが、補助金を交付したものは10件でありました。  令和4年度は、補助の申請を6月初旬に締め切り、申請されたものの中から、特定空き家等のうち、特に危険性の高い15件の空き家を交付対象に決定しましたが、この15件の中に、解体に向けた業者との調整などが整わずに、年度内に解体できないものが複数ありました。交付対象を追加決定するなど対応したものの、結果として、工事が完了し、補助金の交付に至ったものは10件にとどまったところでございます。  そこで、令和5年度からは、申請受付の運用を見直しまして、申請の受付期間を9月末までに延長するとともに、特定空き家等のうち、解体工事の準備が整ったものから先着順で申請を受け付けるように改善いたしました。  このような改善を行った結果、令和5年度については、21件分の予算を確保しているところ、9月末時点で21件の交付決定を行い、そのうち12件から工事完了の報告を受け、順次、補助金の交付手続を行っており、おおむね想定とおりの件数で推移しているところでございます。 ◆好井七海 委員  補助制度の問題点を洗い出して改善したことで今年度の交付件数が増えていることは評価できますが、今後も課題ごとに改善して、より使いやすい制度として、多くの特定空き家等が解体されることを期待しております。  こうした補助などを活用して解体に至ったものは、所有者への指導が功を奏したものと思われますが、指導しても所有者が対応しない、またはできないケースも多いと聞きます。このため、適切な管理のされていない空き家を発生させないことも今後の空き家対策では重要になると思います。改正される空き家法では、国の責務として、空き家の適切な管理などに関する啓発に努めることなどを求めておりますが、より市民に身近な存在である札幌市におきましても、危険な状態にある特定空き家等への対応とともに、空き家の所有者の意識啓発を行うなど、適切に管理されていない空き家の発生抑制にも取り組むよう要望します。  最後に、繰り返しになりますが、空き家の相談窓口が建築指導部というのは、市民には非常に分かりづらい名前でありますので、例えばネーミングを空き家相談窓口として調べやすくしていただくことを要望しまして、私の質問を終わります。 ◆林清治 委員  私からは、高断熱・高気密住宅普及促進事業について質問したいと思います。  まずは、札幌版次世代住宅基準の見直しについて質問いたします。  札幌市では、ゼロカーボン都市の実現に向けて、札幌版次世代住宅の普及に取り組んでまいりました。  札幌版次世代住宅は、国の省エネ基準を上回る札幌市独自の高断熱・高気密住宅であり、認定制度や補助制度を通じて、世界でもトップレベルの断熱性を持つ住宅の普及をリードしてきた取組であります。  今回、国の省エネ基準の改正を踏まえ、6年ぶりに基準が見直されました。  従来、トップランナーから始まっていた5段階の等級がプラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズの4段階に見直しされるなどの変更はありましたが、当初のコンセプトを変えることなく、より分かりやすく見直されたものと評価しております。  今回の見直しにおける新たな視点としては、住宅本体の省エネ性能だけではなくて、サステーナブル要件として再生可能エネルギーの導入にも踏み込んだことであります。新たに太陽光発電と蓄電池の設置が要件に加えられました。  また、上位等級の住宅を増やすため補助制度も変更されており、最高等級のプラチナは220万円、ゴールドは180万円、シルバーは60万円という補助額が設定され、市民や事業者にとってインパクトのある制度になっていると思われます。  さらに、補助金の抽せん方法も、従前は等級に関係なく一律に抽せんを行う方式だったところ、まずはプラチナとゴールドの上位2等級を優先して採択するという方式に見直されています。  そこで、最初の質問ですが、このような新しい基準で札幌版次世代住宅の取組が行われていますが、今年度の補助の申請数について、等級ごとに状況を教えていただきたいと思います。 ◎藍原 住宅担当部長  補助の申請数についてのご質問でございます。  今年度の補助につきましては、これまでに4月、6月、8月と3回の募集を行ったところであります。従前のトップランナーに相当しますプラチナは、昨年度の延べ申請件数4件に対しまして12件、従前のハイレベルに相当するゴールドは、昨年度の17件に対して24件と、第3回目の募集の時点で既に前年度の申請件数を超えております。シルバーにつきましては、昨年度の305件から9件へと大幅に減っておりますが、この要因といたしましては、補助額を110万円から60万円に引き下げましたことで、国が実施している補助制度を活用する方が増えたのではないかというふうに考えております。  なお、これまでの3回の募集では、いずれも抽せんになっておらず、今年度最後となります募集を10月18日から行っているところでございます。 ◆林清治 委員  基準や補助金額などの見直しにより、これまでに年間数件しかなかった従前のトップランナーに相当するプラチナや等級の2番目のゴールドの申請件数が増えているということでございます。見直しの効果が出てきているのかなというふうに思われます。現在、建築資材の高騰または品薄の状況などもありまして建築費が高騰している状況の中で、住宅建築がどのように推移するか心配していたところでもございますが、成果を上げているということで一安心しています。  また、今年の夏は例年にない猛暑でしたが、高断熱住宅はエアコンの効きもよくなるという利点もあります。夏の暑さに対応するという点でも、本州でも高断熱・高気密住宅の普及がどんどん進んでいる状況になってきております。  北海道で培われた住宅の断熱化に関する施工技術などは、本州でも活用できる貴重な財産であり、この札幌市の取組は全国的にも注目されている状況であります。引き続き、札幌版次世代住宅の取組を通じて、札幌発のイノベーションが起こるように取り組んでいただきたいというふうに思うところであります。  続いて、今後の普及啓発について伺いたいと思いますが、上位等級であるプラチナ、ゴールドの申請件数が増加していますけれども、このような高断熱、高気密な住宅をさらに普及させていくためには、これまで、プラチナ・ゴールドレベルの住宅を施工したことがない事業者にも関心を持ってもらって施工につなげていくことが重要であると思っております。  市内の多数の建築業者も、標準レベルの断熱性と気密性を備えた新築住宅の建設には取り組んでいるところが多いんですが、ここまで高度なZEH基準までは取り組んでいない事業者もまだ多くいます。特に、今回の見直しでは、太陽光発電と蓄電池が要件とされたため、これらの設備に関する知識も必要となってまいります。  札幌版次世代住宅を今後も増加させていくためには、市民はもちろんのこと、事業者に対してPRしていくことも大事になってまいります。  そこで、次の質問ですが、新しい札幌版次世代住宅の普及啓発について、これまで、どのような取組を行い、また、今後どのように取り組んでいくのか、伺いたいと思います。 ◎藍原 住宅担当部長  札幌版次世代住宅の普及啓発に関する質問でございます。  委員がご指摘のとおり、実際に住宅の設計や施工を行う事業者にも制度や基準を知ってもらうことが大変重要であると認識しております。  そのため、主に事業者をターゲットといたしまして、今年の3月に新しい札幌版次世代住宅基準や補助制度の内容に関する説明会を実施いたしまして、オンライン配信と会場参加の方を合わせて約120名の方にご参加いただいたところであります。  また、8月には、北海道建築技術協会と連携をし、太陽光発電と蓄電池に関します技術的なセミナーを開催し、こちらはオンライン配信と会場参加の方を合わせて約80名の方にご参加いただいたところであります。  今後も引き続き次世代住宅の普及を図るためのセミナーなどを開催するほか、パンフレットやポスター、イベントへの出展などによるPRに加えまして、例えば札幌版次世代住宅の実例を住宅雑誌に紹介いたしますなど、市民や事業者に対する普及啓発を進めてまいります。 ◆林清治 委員  札幌版次世代住宅は、一般住宅よりも建設費がかかる住宅であるため、希望する市民の方が補助制度をしっかり利用できるよう、また、今後も多くの市民にこの制度を活用してもらうように様々な検討をしていただきたいと思います。今、国も、省エネ住宅の補助が、若年・子育て世帯に向けた補助がもう打切りになるような状況にもなってきておりますので、そうした若い世代の皆さんにもっともっとこの制度を知っていただいて、利用していただけるように継続していただきたいと思います。  高断熱住宅は、戸建てにとどまるものではなく、多くの市民が暮らしている集合住宅の省エネ化も今後重要になってまいります。これから長い冬を迎えることになりますが、昨年から続くエネルギー価格の高騰の影響もあり、集合住宅についても、できるだけ暖房を使わなくても温度変化が少ない高断熱住宅が当たり前になるよう普及啓発に取り組んでいかなければならないと考えております。  このような課題に対して、都市局では、民間集合住宅への高断熱住宅の普及啓発を図るため、以前には市営住宅をモデルにした高断熱改修の実証実験を行っており、今年度からは、集合住宅の省エネ化に向けた取組を行うとのことであります。  札幌市住宅マスタープラン2018では、良質な住宅ストックの形成及び将来世代への承継という目標が掲げられており、集合住宅についても、数世代にわたって住み続けることができる良質なマンションストックの形成も必要になってまいります。  そこで、次の質問ですが、集合住宅の高断熱化に向けてこれから具体的にどのように取り組んでいくのか、伺いたいと思います。 ◎藍原 住宅担当部長  集合住宅の高断熱化に向けてどのように取り組んでいくのかといったご質問でございます。  今年度の新たな取組といたしまして、既存集合住宅への省エネ改修コンサルタントの派遣制度を創設いたしまして、集合住宅の省エネルギー化を図る取組を始めたところであります。  この省エネ改修コンサルタント派遣制度でございますが、既存の集合住宅について、外断熱工法による高断熱改修を促していくため、専門家を派遣し、現状の断熱性能や設備の省エネルギー性能、こういったことを診断しながら、管理組合等の所有者に対しまして高断熱改修に向けたアドバイスなどを行うものでありまして、10月18日から募集を始めたところでございます。  専門家のアドバイスを受けた集合住宅の所有者等が外断熱工法により改修を行うことで、CO2の削減はもちろん、住環境の改善や建物の長寿命化にも資するものであると考えております。  この取組を進めることで、札幌市住宅マスタープラン2018の目標に掲げております将来世代へ承継できる良質な住宅ストックの形成を目指してまいります。 ◆林清治 委員  今、答弁をいただいたとおり、今後の取組ではありますけれども、しっかりやっていただき、事業者の皆さんとも意見交換をしながら、この普及度合いも見ていただきたいと思います。  集合住宅の高断熱・高気密化というのは、先ほど言ったように、今、全国的に注目を集めております。特に、この夏の猛暑では、省エネのためのZEH化を進めようとする動きがどんどん広まってきており、公営住宅では関東圏でも実例が出てきております。  また、民間企業の社宅などでは、関東北陸などで施工実績もどんどん増えている状況になってきております。集合住宅の省エネ建築でも、札幌市営住宅というのは全国的にも先進的な事例であります。市内の民間集合住宅への拡大も今後また進めていただきたいというふうに思います。  住宅の高断熱・高気密化というのは、これまでも予算拡大の要望をしてきたんですが、なかなか実現していない。今後、SDGsやカーボンニュートラル実現に向けて、ZEH基準住宅の拡大というのは必要不可欠な取組になってまいります。  財政局へも我が会派からしっかり要望を出していきたいというふうに思います。そうした中で、アクションプランの中でもZEH相当の省エネ性能を持つ新築戸建て住宅の割合を2022年の79%から2027年は92%まで引き上げるということが目標とされております。  先ほど言ったように、今後、予算の増額、戸建てか集合住宅かにかかわらず、一棟でも多くの省エネ建築物が札幌市内に増えていくように取組を強化していただきたい、しっかりと中村局長にも石川副市長にもこれを考えていただきたいし、後ろに菊地財政課長もいますので、しっかりと受け止めていただければありがたいなというふうに思います。  もう一つ、札幌版次世代住宅の取組というのは、全国の自治体やZEH住宅に関心を持つ建築家も多くの関心を持ち、注目される事業へと成長しました。  事業開始の2012年当時は、まさに次世代住宅という名称がぴたりと当てはまっていたというふうに思いますし、注目を集めることもできました。10年が経過し、高断熱・高気密住宅の必要性などが常識になってきている今、この名称の変更も検討してはよいのではないかなと思います。  私にはそういうセンスがあまりないんで、いい例を提示できないんですが、例えば、札幌ZEHプロジェクトとか、専門家の意見なども聞きながら、インパクトのある名前もぜひとも考えていただければありがたいなというふうに思います。  そうしたことを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ○丸山秀樹 委員長  以上で、第5項都市開発費のうち関係分等の質疑を終了いたします。  次に、土地区画整理会計決算のうち関係分及び第10款 諸支出金 第2項 他会計繰出金のうち関係分について、一括して質疑を行いますが、通告がありませんので、質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、10月24日火曜日午後1時から、下水道河川局及び水道局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後2時57分...