札幌市議会 2023-10-20
令和 5年第一部決算特別委員会−10月20日-07号
令和 5年第一部
決算特別委員会−10月20日-07号令和 5年第一部
決算特別委員会
札幌市議会第一部
決算特別委員会記録(第7号)
令和5年(2023年)10月20日(金曜日)
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●議題 付託案件の審査
●出席委員 34名
委 員 長 松 原 淳 二 副委員長 藤 田 稔 人
委 員 三 上 洋 右 委 員 鈴 木 健 雄
委 員 五十嵐 徳 美 委 員 長 内 直 也
委 員 細 川 正 人 委 員 よこやま 峰子
委 員 佐々木 みつこ 委 員 北 村 光一郎
委 員 小 竹 ともこ 委 員 伴 良 隆
委 員 山 田 洋 聡 委 員 山 田 一 郎
委 員 ふじわら 広昭 委 員 しのだ 江里子
委 員 村 上 ゆうこ 委 員 かんの 太 一
委 員 あおい ひろみ 委 員 水 上 美 華
委 員 篠 原 すみれ 委 員 定 森 光
委 員 國 安 政 典 委 員 福 田 浩太郎
委 員 前 川 隆 史 委 員 竹 内 孝 代
委 員 森 山 由美子 委 員 佐 藤 綾
委 員 池 田 由 美 委 員 田 中 啓 介
委 員 丸 岡 守 幸 委 員 坂元 みちたか
委 員 荒 井 勇 雄 委 員 米 倉 みな子
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開 議 午後1時
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○松原淳二 委員長 ただいまから、第一部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、中川委員からは伴委員と、わたなべ委員からは前川委員と、小形委員からは佐藤委員と交代する旨、それぞれ届出がありました。
それでは、議事に入ります。
第3款
保健福祉費 第2項
子ども福祉費及び令和4年度札幌市
母子父子寡婦福祉資金貸付会計歳入歳出決算について、一括して質疑を行います。
◆定森光 委員 私からは、困り事を抱え、悩みを抱えている子どもの支援という観点から、子どもの
くらし支援コーディネート事業、子どもの
居場所づくり支援、そして
ヤングケアラー支援、この三つの事業について、順次質問いたします。
最初に、子どもの
くらし支援コーディネート事業についてであります。
新型コロナウイルス感染症の拡大、物価高騰など、家庭を取り巻く
社会経済情勢は厳しさを増しており、孤立傾向などの課題を抱える子ども、家庭が増えてきております。
本市では、子どもに関わる問題の深刻化を防ぐために、困難を抱える子どもや家庭を早期に発見し、適切な支援につなげるための
子どもコーディネーターを設置しております。
本事業は、2018年に1名体制で試行的にスタートし、3か月後に3名体制、2019年からは5名体制と、徐々に体制と対象地区を拡大しております。2021年度からは、対象を市内全域に広げ、現在の7名体制となり、子どもと関わる地域の関係先を巡回しているものと承知しております。
そこで、最初の質問ですが、昨年度の主な巡回先と
相談実績についてお伺いいたします。
◎佐藤
子ども育成部長 ただいまの令和4年度の主な巡回先と
相談実績についてのご質問にお答えいたします。
令和4年度は、合計753回の
巡回活動を行っており、そのうち、児童会館、
ミニ児童会館が約7割を占める512回、次に、札幌市のまなびの
サポート事業の会場である
学習支援会場が114回、
子ども食堂が52回の順となっています。
相談実績については、前年度からの継続分687件に加えて、年間で新たに188件の相談を受理し、
保護者面談や
関係先訪問、各種手続への同行など、必要とする支援につなげる活動を行ったところです。
他の専門機関への紹介や状況の改善などによって支援が終結するケースもあれば、長期化するケースもあり、令和4年度末時点における支援件数は584件となっています。
◆定森光 委員 今の答弁では、753回
巡回活動をして、新規として188件、継続584件ということで、必要な支援の同行なども行ったということでありました。
巡回753回ということで本事業の認知度が関係機関に広まっているものと思います。
しかしながら、先ほどの答弁を聞きますと、巡回先は開拓の余地があるように思います。主な巡回先である児童会館、
ミニ児童会館、
子ども食堂など、いずれも学齢期の子どもが集まる場所であります。
未就学児は、行動範囲が限られることから接する大人が少なく、また、本人の口からなかなかSOSを発しにくいという年代であります。未就学児と接する機会のある関係者と
コーディネーターとの連携から、虐待などの深刻な問題を未然に防ぐという効果も期待ができると思います。学齢期ではない年齢の子どもが集まる場所など、さらなる巡回先の拡大が必要であると考えております。
そこで、次の質問ですが、これまでの取組を踏まえ、今後どのように事業を展開していく考えか、お伺いいたします。
◎佐藤
子ども育成部長 ただいまの今後の事業展開についてのご質問にお答えいたします。
これまで、学齢期の子どもを中心に取組を進めてきた中で、小学校低学年に発達面での問題を抱える子どもが多いことを把握しており、より早い段階での支援へのつなぎが課題と捉えてきました。
そこで、今年度、未就学児童が集まる場所のうち、まずは令和元年6月の死亡事例に係る
検証報告書で
虐待対応強化を指摘された
認可外保育施設に対して
ニーズ調査を行った結果、対象とした10か所の施設から9件の相談が寄せられ、助言や情報提供を行ったところです。
調査終了後も引き続きの支援を希望する声が多数寄せられており、一定のニーズが確認されたことから、今後は、より早い段階から困難を把握し、支援を行うための体制整備などを検討してまいります。
◆定森光 委員
先ほど答弁では、
認可外保育施設への
ニーズ調査を行っているということでありました。調査対象とした10か所の施設から9件の相談があったということです。
これは、施設側にもともと支援の必要性があるかもしれないと気になりながらも、
支援機関に相談することをためらっていたケースもその中にはあるのではないかというふうに思います。日々子どもと接している保育施設の皆さんだからこそ気づける子どものSOSがあると思いますので、この事業との連携で適切な支援につないでいくことを進めていただきたいというふうに思います。
一方で、巡回先を拡大していきますと、当然、
コーディネーターの負担は増していきます。
コーディネーターの負担ばかりが増えては、当然、支援の質に関わってきますので、支援の質をしっかり担保する意味でも、
コーディネーターの数、増員を要望し、次の質問に入りたいと思います。
次に、子どもの
居場所づくり支援について質問をいたします。
困難さを抱える子どもの早期発見、見守りの場所として、
子ども食堂などの子どもの居場所が本市においても大きな役割を果たしております。
子どもコーディネーターの連携先としても子どもの居場所が重要であるということは、我が会派がこれまで主張してきたところであります。
子どもの居場所は、食事や学習機会、様々な体験活動が提供され、子どもが一人でも行けて安心して過ごせる場所であり、地域で子どもを見守り、子どもを育てる場所であります。
こうした中、本市は、食事を提供する子どもの居場所、いわゆる
子ども食堂に経費を一部補助する
子ども食堂活動支援補助金を実施しております。
そこで、質問ですが、本補助金のこれまでの実績と成果についてお伺いいたします。
◎佐藤
子ども育成部長 ただいまの
子ども食堂活動支援補助金のこれまでの実績と成果についてのご質問にお答えいたします。
子ども食堂活動支援補助金は、令和2年度の事業開始から令和4年度までの間、新規開設を目指す9団体、
学習支援や多世代交流など
レベルアップに取り組む32団体、合計41団体に補助を行ってきたところです。
札幌市が把握している市内の
子ども食堂は、令和2年度の61か所から、令和4年度末には97か所まで増加しており、本補助金も
子ども食堂の
量的拡大等、活動の質的向上に一定の成果を上げているものと考えています。
◆定森光 委員 先ほどの答弁では、補助金が始まった令和2年度から4年度で
子ども食堂は36か所増えておりました。そのうち、新規開設の補助を受けたのは9か所ということですから、
子ども食堂の広がりに一定程度の役割があったというふうに考えます。
私の記憶では、
子ども食堂が札幌市で広がり始めたのは、2016年前後だったと記憶しております。その当時、私も
子ども食堂を立ち上げた方々のお話を聞く機会が度々ありました。多くの方は、
子どもたちに安く食事を提供したいという思いよりも、どんな家庭環境だとしても、子どもが安心して過ごせる場所を地域につくりたい、こうした思いが強かったように思います。
食事の提供を通して、親や学校の先生とは異なる地域の大人が
子どもたちと関係をつくり出していく、そんな子どもの居場所を広めていった一つが
子ども食堂だと思います。
しかしながら、子どもの居場所を地域につくっていく方法としては、必ずしも食事の提供を伴うとは限りません。本市には、様々な方法による子どもの居場所が今は広まっております。
例えば、
学習支援を通じた子どもの居場所であります。ある団体は、大学生らが子どもに学習のサポートをしております。学習のサポートを通じて大学生と
子どもたちが信頼関係をつくっていくことで、子どもが大学生に日頃の生活の悩みを打ち明けたり、将来の就職のことを相談したりと、こうした関係性をつくっている場所があります。
ほかにも遊びや体験による居場所もございます。
子どもたちが屋外、屋内で遊びながら日中過ごす場、こうした場を通じて子どもと一緒にご飯をつくったり、畑仕事をしたり、子どもがやりたいというニーズを聞いていろんな体験活動を行っている、こうした子どもの居場所もございます。
本補助金は、食事の提供をする子どもの居場所のみが対象となっておりますが、今ご紹介させていただいたように、本市では、家庭や学校以外にも、地域の団体が
子ども食堂に限らない様々な子どもの居場所を運営しております。
そこで、質問ですが、このような多様な地域の子どもの居場所に対する本市の認識と今後の支援についてお伺いいたします。
◎佐藤
子ども育成部長 ただいまの多様な地域の子どもの居場所に対する認識と、今後の支援についてのお尋ねにお答えいたします。
コロナ禍を経て、
子ども食堂だけではなく、様々な形で子どもを支援しようとする機運が高まっており、
学習サポートなど多様な子どもの
居場所づくり活動が広がっているものと理解しています。
一方で、子どもが居場所に求めるものも、
学びや交流体験活動など、一人一人異なることから、食事の提供にとどまらない多様な子どもの居場所が必要と認識しています。
このため、第2次札幌市
まちづくり戦略ビジョン・
アクションプラン2023において、
子ども食堂以外の食事を提供しない居場所への補助拡大を予定しており、具体的な事業構築に向け、引き続き検討を進めてまいります。
◆定森光 委員 子どものニーズは多様であるということから、多様な子どもの居場所への支援を今検討しているという答弁でありました。
この子どもの居場所は地域に広がっているわけですけれども、子どものこうした様々なニーズを受け止めた地域の大人たちが、自発的に多様な活動を展開しているところにあります。しかしながら、今の補助は、どうしても対象事業や、また活動経費なども制約があるということから、少々使いにくさを指摘する団体もございます。自発的な活動を後押しできるような、そして、多様な居場所が地域に広がっていくように補助の要件の見直しをぜひ進めていただきたいと思います。
要望もございます。
こうした多様な子どもの居場所と、先ほども述べました
子どもコーディネーターとの連携が進むということも1点要望として挙げたいと思います。
もう一つですけれども、子どもの居場所が持つ機能というのは多様であります。子どもを見守るというだけではなくて、いろんな関係機関に同行する、こうした
生活支援に取り組んでいる団体もございます。
子どもの居場所に来た子どもや親から様々な相談を受けて、区役所に行ったり、いろんな
支援機関に同行したりと、こういうふうな
コーディネーター機能を持つ居場所もございます。これは子どもと親との信頼関係ができているからできる支援でもあります。
こうした
生活支援に取り組む子どもの居場所と、公的機関との連携強化も要望して、次の質問に入りたいと思います。
最後に、
ヤングケアラー支援についてであります。
ヤングケアラーの支援に当たっては、本年
予算委員会で我が会派が指摘したように、周囲からの気づきだけではなく、
ヤングケアラー自身が自発的に相談できる環境も重要であります。
ヤングケアラーからの悩みを相談したいというニーズがあったということから、昨年度の10月から、ピアサポートの場である
ヤングケアラー交流サロンを開設したというふうに伺っております。
また、本年度は、
ヤングケアラー専用の
相談窓口も設置を本市はしております。
そこで、質問ですが、これまでの
ヤングケアラー交流サロンと
相談窓口の利用実績についてお伺いいたします。
◎佐藤
子ども育成部長 ただいまの
ヤングケアラー交流サロンと
相談窓口の利用実績についてのお尋ねにお答えいたします。
交流サロンは、令和4年10月に
市内中心部での開催からスタートし、令和5年度からは、これに加えて、各区の
若者活動センターにも開催場所を広げ、事業開始からの1年間で延べ89人が参加しています。
令和5年度に開設した
相談窓口では、4月から9月まで延べ641件の相談を受けており、この中には、
交流サロンでの支援員との関わりから相談につながったものや、
アウトリーチ活動として実施した
定時制高校での出前授業から相談につながったものもありました。
◆定森光 委員
交流サロンはこの1年間で89名、
相談窓口の利用もこの半年で641名ということでありました。
サロンの利用者から相談につながったという事例もあるということですので、このサロンと
相談窓口が両輪で、
ヤングケアラー自身が継続的に相談できる環境が今できつつあると評価しております。
ただ、サロンの場所ですけれども、先ほど、
市内中心部、そして
若者活動サポートセンターなど、いろんな場所を増やしているということではありますが、どうしても行動範囲が広い高校生は行きやすいとは思うのですが、小・中学生とかはなかなか一人では通いにくいのかなというふうに思います。
子どもコーディネーターや子どもの居場所などとも連携しながら、
ヤングケアラーが相談しやすい環境を地域でも整えていくということを要望したいというふうに思います。
続いて、研修についてもお伺いをいたします。
ヤングケアラーについては、本人やその家族も自覚がないという場合が多く、周囲の大人の気づきが重要になってきます。
本市では、
支援ガイドラインの策定や福祉、介護、教育等の関係者に対する研修会など、子どもに関わる支援者が
ヤングケアラーを早期発見する基盤の整備を進めております。特に、
ヤングケアラーの周辺の
支援者向けの研修は、昨年度が初めての開催であります。
我が会派からも研修会に参加させていただいたのですけれども、非常に実践的な中身の研修で、受講者にも非常に好評だったというふうに聞いております。そして、2年目となる今年度にも期待をしているところであります。
そこで、質問ですが、今年度はどのような研修を実施する予定なのか、お伺いをいたします。
◎佐藤
子ども育成部長 ただいまの今年度の研修の実施予定についてのご質問にお答えいたします。
2年目となる今年度は、他機関との連携の仕方や、
ヤングケアラー本人と家族への関わり方などを重点的に学んでいただきたいと考えています。
また、今年度は、北海道と連携して研修を開催することとしており、多くの知識や事例に強みを持つ北海道には、概論や事例検討を担っていただき、より住民に近いサービスに強みを持つ札幌市は、現場で求められる実践的なスキルの演習を分担することとしたところです。
これにより、札幌市のみならず、他市町村から参加する受講者にも体系的な理解と実践的な技術の両方を学んでいただくことができ、北海道全体の
ヤングケアラー支援の
レベルアップにも貢献できるものと考えています。
◆定森光 委員 今年の研修は北海道と連携していくということでありました。昨年度はなかった新しい大きな試みだというふうに思います。
北海道が持つ強み、そして市が持つ強み、それぞれを生かした研修会になることを期待したいというふうに思っております。
最後に、要望なのですけれども、福祉、介護、医療の関係者、教育等への
ヤングケアラーの認知度を高めるという取組は、今、本市がやっているということは承知しております。それに加えて、やはり市民の認知度も高めていくということが、結果的に支援を必要とする
ヤングケアラーに必要な支援が届くということにつながると考えます。
研修会で連携をする北海道ですけれども、北海道は、
ヤングケアラーに限らず、近親者、家族などの無償の介護、看護、援助等する者をケアラーとして捉え、そして、事業者、関係者のみならず、道民の認知度を高めていき、必要な支援につなげるよう
北海道ケアラー支援条例というものを昨年4月に施行しました。
社会全体でケアラーの方々を支えるという機運を高めていくためにも、本市も
ケアラー条例の策定に向けた議論を進めていくべきだと考えます。そのことを最後に要望して、私からの質問を終わります。
◆竹内孝代 委員 私からは、
子育て施策の推進をテーマに質問をさせていただきます。
本年1定の
予算特別委員会では、
子育て支援施策の充実強化の観点から同様のテーマで質問をさせていただきました。
最後に答弁をしていただきました町田副市長からは、
子ども施策、
子育て施策というものは、札幌市政の体系の根幹をなすべきものと考えています、国の施策と連携しながら、あるいは、国の施策に先んじてと申しましょうか、先行していろいろな形で子ども・
子育て施策をやっていくような心意気、心構えを持ってしっかり取り組んでまいりたいとの心強い発言をいただいたところでございます。
札幌市の中期計画、
アクションプランの中では、保育料、また
子ども医療費の支援の対象の拡大が盛り込まれるなど、長年要望してまいりました事業を国に先行して独自に進める考えは、我が会派としても評価をしております。
我が党は、
子育て応援トータルプランにおいて、妊娠時から出産、子育てまで切れ目なく、全ての妊婦、子ども、
子育て家庭を支援していく
伴走型相談支援により、安心して子どもを産み育てる社会をつくることを掲げております。
国が策定いたしました、
こども未来戦略方針の中でも、これまで比較的支援が手薄でありました妊娠・出産期から0〜2歳の支援を強化し、妊娠、出産、育児を通じて全ての
子育て家庭の様々な困難、悩みに応えられる
伴走型支援を強化することが示されたところであります。
また、この
伴走型支援とともにプッシュ型の支援、つまり、支援を要する方々に行政から
アプローチをする形に可能な限り転換をしていくことが求められるというふうにされております。
私は、かねてより、
子育て相談の入口であります
子育てインフォメーションのさらなる活用で、
子育て家庭への支援体制を強化すべきと提案をしてまいりました。
この
子育てインフォメーションは、乳幼児健診から
ワクチン接種等の際に立ち寄ることができ、また、子どもを遊ばせながら
子育て家庭に対して
保育士職員が悩みや困り事を聞いたり、また必要なサービス、情報を紹介する、さらには、専門部署へ引継ぎをしていただくこともできるといった
子育て家庭の重要な相談の場であると認識をしております。
しかし、孤独を感じたり子育てに困難を抱えながら相談に来ることがなかなか難しい、また外出しにくい、あるいは、人が集まるところは得意ではない、電話では子どもの様子を伝えにくいなどの理由から、なかなか相談につながらず必要な支援が届いていない、こうした家庭への
アウトリーチも必要だと考えております。
札幌市では、保育士による訪問相談、
出前子育て相談事業を平成19年度から2区で試行実施し、翌年度から全区で実施しております。15年間以上続く先駆的な事業であると評価をさせていただく一方、
新型コロナウイルス感染症などの影響もあり、利用数は伸び悩んでいると伺いました。
さきの
文教委員会の行政視察で訪れました明石市では、
オムツ定期便事業を実施しております。配達する見守り支援員が赤ちゃんと保護者にお会いし、紙おむつなどの
赤ちゃん用品を毎月無料でお届けしながら、子育ての悩みやお困り事があれば気軽に相談を受けているといったお話でございました。
相談内容に応じて市の
子育てサービスや
子育て関連施設、関係部署も紹介してもらえると、
子育て家庭の孤立化を防ぎ、つながりが続けられるということで、時期を逃さず必要な支援を提供しているすばらしい取組だと、委員の皆様と一緒に感銘を受けてきたところでございます。
行政に自ら相談に来ることが難しい家庭にどのように
アプローチをするかといったことは、各自治体の工夫によるところと考えます。ぜひ、札幌市でも、
子育てインフォメーションでの実績を生かして、この
出前子育て相談をより利用しやすいものとしていただきたいと思います。
そこで、まず初めの質問ですが、
出前子育て相談の実績と効果をどのように評価しておられるのか、また、身近な相談機関とのつながりが途切れがちな家庭を含めて、全ての
子育て家庭とつながり続けるために、
出前子育て相談をぜひともしっかり評価をしていただきたいと思っておりますけれども、今後どのように展開されていくのか、伺います。
◎伊藤
子育て支援部長 ただいまの
出前子育て相談について、実績と効果、また今後の展開についてお答えいたします。
これまでの実績といたしましては、コロナ禍前の平成28年度から平成30年度までは、1年間に50件を超える訪問を行っていましたが、令和元年度から令和4年度までは、1年間に25件程度、今年度は9月末時点で6件というふうになっております。
その内容は、
子育て情報を求めるものや、自宅での子どもとの関わり方や発達に関する相談などで、訪問したことによりまして相談者に安心した様子が見られ、
子育てサロンや専門機関に結びつくなどの効果も認められているところであります。
本事業は、未就学児を育てる家庭に保育士が出向いて相談を受けることで、孤独感や不安感を軽減し、安心して子育てできるよう支援するものとして積極的に活用していきたいと考えております。
そのため、4か月健診の際に行っている絵本配布に合わせて新たに事業周知を行うほか、さっぽ
ろ子育てアプリの
プッシュ通知により周知するなど、様々な機会を捉えまして支援を必要としている方の利用につなげていきたいと考えております。
◆竹内孝代 委員 効果がすごく感じられる事業である、でも、なかなか件数が伸び悩んでいるといったことでありますけれども、新たに4か月健診の際の絵本配布のときに必ずお会いできますので、このときに、こうした相談があるんですよ、できるんですよ、おうちに行けますよということを言っていただけるということであります。よろしくお願いいたします。
行政に相談ができるご家庭というのは、つながりが持てますので支援にも結びつきやすいと思いますが、リスクがある
子育て家庭の中では、なかなか相談をしたくない、また、どうしたらいいだろうかと、そのように孤立をしている方々が一定数いると思います。こうした方々が心配であります。
先ほど事例で出しました明石市のように、おむつなどを無料でお配りしながら訪問すると、訪問したご家庭の95%の方にお会いできるといったお話を伺ってきたところであります。
札幌市においても、リスクを抱え心配なご家庭も含めて、例えば、物資による支援を一緒に行う
アウトリーチ型の支援も必要であると要望をしておきます。
先ほど来、繰り返し申し上げていますように、行政に自ら相談に来ることが難しい家庭に対しての支援は、孤立化を防ぐためにも、児童虐待を未然に防ぐためにも重要だと思っております。子どもにとって年齢に合った成長を促す保育環境を確保したり、また、
子育て家庭の孤立化を防ぐためにも、私は、本市による専業主婦家庭の保育所の定期利用制度の創設の必要性を訴えてまいりました。このことにつきまして、本年1定の
予算特別委員会に続きまして、このたび、本定例会の我が会派の代表質問においても取り上げさせていただいたところであります。
札幌市からは、国による、こども誰でも通園制度の導入を見据えて、一時預かり事業などを利用する保護者や関係事業者の声を丁寧に聞くとともに、国の検討状況を踏まえながら課題の整理を進めていくと答弁をいただきました。
この国で検討されておりますこども誰でも通園制度では、基本的に週1回のペースで定期的に預かりを行うことを想定していると聞いておりますが、この一時預かり事業では、保護者の通院、また一時的な体調不良などのほか、保護者の育児等に伴う心理的・肉体的負担の解消のために、その都度、保育所を利用できるものであると認識しております。
未就園児の家庭も利用できます現在の一時預かり事業といったものがこの誰でも通園制度につながっていくものになると思いますが、子ども・子育て支援法に基づいて全国で一時預かり事業が実施されており、本市でも保育所等の施設でこうした事業を実施しているところがあります。
最近、一時預かり事業について、そもそもこの制度の周知がしっかりと行われているのか、また、制度上このままでよいのかと疑問に思った事例がありました。
2人の小さな子どもを育てている母親から、育児不安と心身の疲労がピークに達して体調不良を起こしてしまい、精神的にも不安定になっていると相談を受けまして、すぐにご自宅に伺いました。かなり緊迫した状況で、母親の医療的ケアと同時に、一時的に親と話す時間が必要であると、一時預かりが利用できる園を探します。しかし、低年齢児を受け入れられる園がなかなか見つからず、やっと2人のお子さんのうち1人だけ1日預かってもらえる、一時預かり事業をしてもらえる園を見つけて、利用をいたしました。
今回のご相談を通じて分かったことは、札幌市が公表している一時預かりができる園の一覧表を基に電話をし続けても、空きがなかったり、園の多くからはそもそも3歳以上しか預かっていないという回答が返ってくるということでありました。
この一時預かりは事前登録が必要な制度ですので、支援を必要とする方が必要なときにすぐに制度を利用できるようにしておかなければ、孤立を深めることになりかねないと考えております。
そこで、質問ですが、一時預かり事業の制度の周知をどのように行ってきているのか、伺います。
また、支援を必要とする方に情報が行き届くよう、周知の強化をどのように取り組んでいくのか、併せて伺います。
◎伊藤
子育て支援部長 一時預かり事業の周知についてお答えいたします。
これまで、
子育て家庭向けの冊子であります、さっぽろ子育てガイドや
子育て情報サイトでの紹介のほか、一時的な預かり制度を1枚にコンパクトにまとめたリーフレットなどを用いまして周知をしてきているところでございます。
リーフレットにつきましては、区の
子育てインフォメーションや保育・子育て支援センターちあふるをはじめ、乳幼児の保護者が訪れる窓口で順次拡大をしてきているところでございます。
今後も、支援を必要とする方の利用に結びつくよう、
子育てサロンなど民間事業者に広く周知の協力を依頼するほか、妊娠期から制度を知っていただくために、例えば母親教室の機会を利用するなど、周知の強化に取り組んでまいりたいと考えております。
◆竹内孝代 委員 周知の強化に取り組むということでありました。
公表されている内容につきまして、3歳児以上預かっていないとか、ゼロ歳、1歳児、2歳までは預かっているとかといったことが分かりづらいこともありました。
ぜひとも、先ほど申し上げましたように、実際に利用できる施設にたどり着くまで時間を要してしまうといったことが課題ではないかなと思っております。電話をし続けなければならないというのは、相当の負担もありますし、途中で諦めてしまうといったこともあるのではないかなと思います。
他都市では、一時預かり事業の利用の際に電話での予約のほか、インターネット上で施設の空き状況の確認、また、予約ができるシステムを構築しているところもあります。一時預かり事業のほかにも、現在、国で検討が進められております、こども誰でも通園制度が実施となる場合には、さらなる利用者の増加も見込まれますので、ぜひとも、利用者が制度の利用を途中で諦めることがないよう、しっかりと支援につながることができるよう、簡単に施設の空き状況の確認、予約ができるような仕組みの構築を要望させていただきます。
先ほど、一時預かりを3歳以上に限定している園が多いということを申し上げましたが、その理由を探るために、園長先生方にお話をお聞きしてまいりました。
その内容として、保育スペースはあるけれども、園に慣れていない子どもを一時預かり保育をするのに、必要な保育士、適切な保育士数を配置するには財源が捻出できないといったことが理由でありました。
今後想定されますこども誰でも通園制度に向けて、代表質問の答弁では、関係事業者の声を丁寧に聞くと言っていただいております。ぜひとも早急に実態調査をしていただいて、必要な補助金制度の見直しを要望させていただきます。
この認可保育所等の補助金の見直しについて、引き続きお聞きしたいと思います。
認可保育所等は、国が定める公定価格に基づいた給付費を主な原資として運営されております。より質の高い保育を提供するために、札幌市では、独自の補助事業、保育施設に対して実施をしていただいております。
平成28年度の
決算特別委員会で、認可保育所等の経営をサポートするために補助制度の見直しをすべきと主張させていただき、子ども未来局からは鋭意検討したいと答弁をいただき、その後、正規職員の雇用を促進するための補助の拡充、補助単価の大幅アップを実施するなど、9年ぶりの改定のご報告を議会でいただいたところであります。
そして、そのときに、関係団体と十分に意見交換しながら、時代に即した補助金の在り方についても考えていくといった方針も示していただきました。
こうした方針も示していただきましたので、私も、引き続き事業者からヒアリングを継続させていただいて、本年1定の
予算特別委員会で見直しの状況を伺いました。
子ども未来局からは、職員雇用に係る補助単価は、人事院勧告等に照らしながら毎年見直しを行っていると。一方で、関係団体からは、より質の高い安全・安心な保育を提供するために、さらなる補助制度の拡充を求める声が上がっているということ、特に、中でも障がい児保育に係る補助の見直しは、保育士の皆さんの負担軽減を図るため、札幌市としても検討が必要だとの認識を示していただいたところであります。
そこで、質問ですが、障がい児保育に係る補助事業について、その後の見直し状況についてどのようになっているか、お伺いいたします。
◎渡邉 支援制度担当部長 障がい児保育に係る補助の見直しについてのご質問でございます。
札幌市におきましては、障がいのある児童に対応する保育士を加配するための人件費の一部を認可保育所等に対して補助することで、障がいのある児童を受け入れやすい環境整備を後押ししているところでございます。
この補助制度の充実に向けまして、次期
アクションプランの計画を策定するに当たり、各施設に対し、障がいのある児童に対応する保育士の配置に関する調査を昨年度実施いたしました。
この調査結果によりますと、現行の補助制度では、障がいのある児童の受入れに当たって必要と考える十分な職員配置が困難であるということが判明したところでございます。
このことを踏まえまして、来年度からは、従来よりも手厚い職員配置が可能となるよう、補助単価の増などを検討しているところでございます。
これによりまして、障がいのある児童の円滑な入所を促進するとともに、障がいのある児童の受入れを行う保育士のさらなる負担軽減を図ってまいりたいと考えております。
◆竹内孝代 委員 調査結果を踏まえて検討いただいて、来年度から、補助単価の増で従来よりも手厚い職員配置ができるような見直しをしていただけるということであります。障がいのある児童の受入れが円滑になっていく、また、保育士も安心して保育ができる環境につながっていくものと思います。
職員の確保、また入所の準備を考えますと、ぜひとも詳細について早急に詰めていただきまして、各園には、早めに情報提供、丁寧なご説明をしていただくようお願いいたします。
私は、幼稚園、保育現場に長く勤務しておりましたので、
子どもたちが伸び伸びと遊べる環境の大切さを実感している一人でもあります。
今年8月、
札幌市議会文教委員会の視察団で、静岡県浜松市にあります浜松こども館を視察させていただきました。平成13年にオープンした施設で、ビルの6・7階部分の約3,000平米にホールやプレイルーム、乳幼児広場や屋上庭園などを設け、児童に健全な遊びの場と創造的な体験や交流の場を提供しておられました。
この施設は、市民ボランティアを活用した市民参加型の施設であり、JR浜松駅から徒歩10分と利便性が高い立地にもありました。
また、年末年始を除き、無休で年間約20万人の
子どもたちに利用され、好評を博しているといったことを聞いてまいりました。
令和4年度の札幌市子ども・子育てに関する市民アンケート調査の結果では、今後充実してほしい子育て支援策として、子連れでも出かけやすく楽しめる場所の整備が65.4%と高くなっており、浜松こども館のような屋内型の遊び場施設のニーズも高いと思っております。
道内では、旭川、また函館等で屋内型の遊び場施設があります。旭川市では、木のボールプールをはじめ、多くの大型遊具は全て木製で、木のぬくもりを感じながら遊ぶことができると。また、函館市では、クライミングウォールやハンモックのように宙に浮いた大きなネット遊具があり、体を動かす遊びができる状況にあります。また、最近では、近隣の南幌町でも、はれっぱがオープンし、札幌からも多くの親子が遊びに来ていると現地の方にお聞きをいたしました。
そこで、質問ですが、札幌市において天候に左右されない大規模な子どもの遊び場が必要と考えますが、その認識について伺います。
◎佐藤
子ども育成部長 ただいまの屋内型の子どもの遊び場に対する認識についてのご質問にお答えいたします。
子どもが他者と交わり、体験し、様々なことを学ぶ機会となる遊びは、子どもの成長にとって大切であり、季節を問わず、
子どもたちが伸び伸びと遊べる環境があることは重要と認識しています。
札幌市内には、都心部で親子が遊べるおおどりんこをはじめ、滝野すずらん丘陵公園、川下公園、さとらんどなど、屋内に遊具スペースがある施設とともに、札幌オリンピックミュージアムや下水道科学館など、体験型で学んだり遊んだりできる屋内施設も多く立地しています。
また、これまでも、札幌ドームなど屋内施設を会場として、大型遊具を設置した民間イベントなども開催されてきたところであり、今後も引き続き、市内全域の様々な資源を生かして
子どもたちに遊びの機会を提供してまいりたいと考えております。
◆竹内孝代 委員 今、たくさんご紹介いただきましたように、札幌市内にはたくさんのそうした施設がございますという趣旨の答弁でないかなというふうに思いますけれども、最初に言っていただきました、季節を問わず、
子どもたちが伸び伸びと遊べる環境があることは重要と認識していると、また、最後に、様々な資源を生かして遊びの機会を提供したいというふうにも言っていただきました。
先ほど申し上げましたとおり、市民アンケートでの皆様のご要望というのは高いと思っております。このたびの
アクションプランには、当然、こうした屋内型の遊び場については入っておりません。ですので、なかなか、そうしたことについてはご答弁いただけないものだとは思いますけれども、私は、天候や季節に左右されない屋内遊び場というものは皆様のご要望だと思っておりますので、官民連携型も含めて、ぜひとも、先ほど遊びの機会を提供するというご答弁をいただきましたので、ご検討いただきたいということを要望させていただきます。
最後に、
子ども施策を力強く推進するための体制の構築についてお聞きをしたいと思います。
これまで、母子保健施策と
子育て支援施策が総合的に歩みを進めていくためには、保健福祉局が所管する母子保健施策と、子ども未来局が所管する
子育て支援施策が一体となって密接な連携体制の構築が図られるよう、機構改革の必要性を提言してまいりました。
今年の6月、国が策定しました、
こども未来戦略方針において、全ての子ども・子育て世帯を切れ目なく支援するといったことが三つの基本理念のうちの一つに掲げられました。子ども、子育て世帯に対して切れ目なく支援をする体制づくりが重要と考えます。
改めまして、昨年の第2回定例会の我が会派の代表質問において、札幌市における母子保健施策と
子育て支援施策を一体的に推進できる体制を検討し、
子育て家庭に対する支援のさらなる充実を図るべきとお伺いいたしました。
このときの答弁では、両施策が連携して幅広い施策を展開することが重要であるため、庁内の連携に努め、効果的な組織の在り方を検討する旨の答弁がありました。
その後、組織の再編については、継続して検討を進めていただいていると思います。
そこで、質問ですが、母子保健施策、そして、
子育て支援施策の一体的な推進に向けての組織の再編について、今後の方向性を含め、お考えを伺います。
◎佐藤
子ども育成部長 ただいまの組織の再編についてのご質問にお答えいたします。
子ども・子育て世帯の多様化するニーズに的確に対応していくためには、全ての
子育て家庭に対して、ライフステージに沿った切れ目のないきめ細やかな支援を提供していくことが必要と認識しています。
こうした観点から、既に区役所の支援現場においては、健康・子ども課という一つの部署において、妊娠期から子育て期までを通して、母子保健と子育て支援の両面から包括的に支援を行っているところです。
今後は、母子保健施策と
子育て支援施策をさらに一体的に展開できるよう、両施策を企画、立案する本庁部門を子ども未来局に統合して、組織体制の強化を図りたいと考えており、子ども未来局への母子保健事業の移管に向けた検討をより一層加速させてまいります。
◆竹内孝代 委員 母子保健施策と
子育て支援施策の一体的な展開ができるように、本庁部門、子ども未来局に、これを統合して組織体制を強化するといった答弁でございます。また、一層加速化させて検討されるということであります。
この機構再編については、ぜひとも来年度の実現を目指していただきたいというふうに求めておきます。これにより、全ての子ども・子育て世帯を切れ目なく支援する体制構築をしていただいて、全国をリードする札幌市の
子ども施策推進をお願いしたいと思っております。
1点申し上げたいことがあります。
このたび、情報をいただきまして、国による今後の補正予算の中に食品アクセス支援団体活動支援事業という事業が導入される、こうした議論がされるというお話をお聞きいたしました。この内容の中には、
子ども食堂やこども宅食を行う団体への支援が入っております。
一昨年前、子ども見守り強化事業の創設を訴え、早速、事業化していただきました内容にも、
子ども食堂、こども宅食事業への支援が入っておりますけれども、今回のこの事業の提案についても、例えば、食品の取扱量を増やすですとか、提供数を拡大することが目的で検討がされているというふうに伺っております。
また、先ほど要望させていただいた様々な取組についてもそうなのですけれども、
アクションプランには入っていないけれども、ぜひとも早急な検討や導入が必要だと申し上げていくようなものが今後また出てくると思います。
ぜひとも、子どもや
子育て家庭を支援するのに有効な施策については積極的な姿勢で新たな取組を導入していただくよう要望して、質問を終わります。
◆佐藤綾 委員 私からは、放課後児童健全育成事業、民間児童育成会とミニ児童館、児童会館での関わりに関連して質問をいたします。
最初に、民間学童保育所である民間児童育成会への家賃、賃貸料と転居費用への補助について伺います。
本市では、近年、民間児童育成会の運営費などの補助を少しずつ引き上げてきました。しかし、民間児童育成会では、ほとんどが一戸建てやアパートなどを借り運営していますが、家賃補助額は変わっておりません。運営の中でも経費の節約に努めていますが、家賃は固定費です。児童が増えて広いところに転居したいと考えても、新しいところは家賃も高くなっており、校区内に限られますから、家賃が見合うところがなく苦労をしております。
現在の家賃補助は、登録児童数が10人から19人では月額3万5,000円、20人から35人では4万3,000円、36人以上は5万円と、支給基準は実質額の50%以内という基準です。
そこで、お聞きいたしますけれども、家賃補助の基準はいつからこの基準額なのか、伺います。
また、民間学童保育所の現状の賃貸料について、最低と平均、最大は幾らであるのか、伺います。
◎佐藤
子ども育成部長 ただいま、2点のご質問を賜りました。
まず、現在の家賃補助額の適用時期についてのご質問です。
現在の児童数に応じた基準額の適用は、平成20年度からとなっています。
2点目、民間児童育成会の入居施設の家賃についてのお尋ねです。
令和5年4月時点の最低家賃は3万9,500円、最高家賃は33万円、平均は9万9,562円となっております。
◆佐藤綾 委員 民間学童保育所は子どもが放課後を過ごす場所でありますから、広い場所が必要であり、借りている一軒家やアパートなどはそれなりの家賃となってしまい、さらに耐震基準を満たし一定の広さとなると、条件に見合うところは高い家賃となります。
先ほど、33万円というところもございました。安いところは3万9,500円ということですけれども、これは特殊な場合だというふうに思いますが、好意によって大変安くお借りしているところもあるとお聞きをしております。
40年以上家賃補助額が変わらない間に、民間の賃貸物件の賃貸料が値上がりをしております。札幌市の地価価格の推移を見ますと、40年前の昭和58年、1983年との比較で、2023年の今年は約1.6倍となっています。先ほど、平成20年度から家賃補助の基準はこの基準になっているということでしたけれども、この20年くらいの間にも大変上がっているというふうに思っております。
また、移転する場合の転居費用への補助は、耐震性がない建物から耐震性のある建物への転居である場合、登録児童数が増えた場合に限られていますので、登録児童が少なくなり、賃貸料の削減のため移りたいと思っても、転居費用の補助はありません。登録児童数が減った場合、運営助成額も減り、家賃補助額も減り、転居もできないと運営はさらに厳しくなってしまいます。
そこで、質問いたしますが、基準額は、先ほど平成20年度とおっしゃっていましたけれども、額自体は1982年から変わっていないと思っておりますが、細かい基準が定められたのが平成20年だと思います。
この家賃補助基準の見直しと、転居費用への補助の要件を広げるなど、改善を検討すべきと考えますが、認識を伺います。
◎佐藤
子ども育成部長 ただいまの家賃補助や転居費用補助に関する考えについてのご質問にお答えいたします。
札幌市では、基本的に国基準に基づき運営費補助などを行っている中で、家賃補助については札幌市独自の支援であり、引き続き、これを継続できるよう努めていることにご理解をいただきたいと思います。
また、転居費用については、国基準に基づき補助しているものであり、今後も国の状況を見ながら適切に対応してまいりたいと考えております。
◆佐藤綾 委員 札幌市のほうで独自でしていただいているということで、それは大変いいことだと思っております。先行して行っている子育て支援として、ある事例だと思います。
児童数は、1年間のうちでも減ったり増えたりするもので、一定ではありません。固定費である家賃の補助と転居費用要件を見直し、新しい民間学童保育所の運営の支援は強化すべき検討をしていただきたいと申し上げます。
次に、ミニ児童館、児童会館の利用数増による混雑と指導員の人材確保について質問をいたします。
児童会館の児童クラブとしての利用数が多いところは、大変混雑しているとお聞きをしております。このたび、札苗北小学校の校区には児童会館がありますが、民間学童保育所を公募するということです。札苗北小学校は、全校で1,091人と、年々児童が増加しているところです。
そこで、お聞きいたしますが、札苗北小学校の児童が通う札苗児童会館の1日当たりの利用者数と混み合っている状況について伺います。
◎佐藤
子ども育成部長 ただいまの札苗児童会館の一日の利用者数と混雑状況についてのお尋ねにお答えいたします。
令和5年4月から8月までの期間における1日の平均利用児童数は、事前登録をしていない自由来館の児童を含め139人となっており、他の児童会館の平均利用児童数65人と比べ混雑している状況にあります。
◆佐藤綾 委員 昨年度、
新型コロナウイルス感染症で少し少なかったのですけれども、今年もまた増大しているというふうにお聞きしてきました。139人という利用数で、自由来館の
子どもたちを含めてということでしたけれども、この数は大変多いのではないかというふうに感じます。学校併設の児童会館や
ミニ児童会館では利用が多くて、特に低学年は、学校児童数の6割から7割の子どもが来るところもあるとお聞きしております。
年間の利用数2万人を超えるところは、大分混み合っているのではないかと感じますし、児童会館の体育館にマットを敷き対応する、別の離れた場所を借りるなどして対応されるところもあるとお聞きをしております。
そこで、質問ですが、
ミニ児童会館では、空き教室を利用する場合、校舎内でも違う階というところもあるとのことですが、そうした対応のところは現在何か所であるのか、伺います。
◎佐藤
子ども育成部長 ただいまの階が離れた複数の部屋を使用する
ミニ児童会館数についてのご質問にお答えいたします。
現在、全89か所ある
ミニ児童会館中、該当する
ミニ児童会館は6か所ございます。
◆佐藤綾 委員
ミニ児童会館で違う階、違うフロアの空き教室に離れると、指導員も別れて、離れての保育となるため、何かあったときの対応にも苦慮するのではないかと思います。
本市では、小学校全体の児童数が減少傾向であるものの、放課後を過ごす民間学童保育所や児童クラブの登録児童数は、2019年の2万964人から、今年度は2万4,366人と増加しています。そのうち、公設の児童クラブの登録数は、学校児童数の26%も占めております。今後も増加する傾向が続くのではないかと推察されます。しかし、混雑したままで課題がそのままなのではないか、それでよしというものではないと思います。
混み合っている児童会館では場所がなく、長期休みには学習時間を2回から3回交代でする、昼食も3交代という状況だということです。保護者からは、
子どもたちがトイレにも困ったとお聞きをしております。
子どもたちにも影響が出ていると言わざるを得ません。
ミニ児童会館、児童会館の混み合っている状況から、札苗北小学校区以外でも問題と考えられる校区があるのではないか、また、今後出るのではないかと懸念するところです。
そこで、質問ですが、札苗北小学校区で公設の児童会館の増設等ではなく、民間児童育成会の公募とした理由についてと、今後ほかの校区でも公募を検討されるのか、併せて伺います。
◎佐藤
子ども育成部長 ただいまの札苗北小学校区で公募している理由と、他の校区での検討状況についてのお尋ねにお答えいたします。
札苗北小学校区では、児童会館を利用する児童数が多い中、増築も困難であり、たびたび札苗北小学校の体育館や多目的室などを臨時的に借りる必要が生じているところです。
また、当面、この校区では、利用児童数の減少が想定されないことに加えて、一定の保育ニーズが見込まれる民間児童育成会の新規参入によって混雑状況の改善も期待できることから、札苗北小学校区を公募の地区としたところです。
現時点で、これに類して他の校区で検討し公募を予定しているところはございません。
◆佐藤綾 委員 民間の設置により、子ども本人の特性から、小規模で異年齢で兄弟のように過ごせる民間学童がよい子や、大勢の中で過ごせる体育館もあるところがよい子と、それぞれの面で本人に合う場所を選べるというメリットが、公設と民間でつくることで出てくると思います。しかし、これまで校区内に
ミニ児童会館、または児童会館があると、民間児童育成会の新たな設置を認めてきませんでしたが、過密化が問題となっている校区があったために、設置基準を見直して、本市が指定した校区に限り設置を可能としたところです。
民間児童育成会では運営に苦労されています。これまで、10人未満となり運営補助が出なくなり、閉所となったところもあります。しかし、児童数は、その時々で増減するものなのです。今回、児童数が増えているけれども、公設児童会館の拡張計画もないからつくらないということですので、新たに民間を公募し設置をする、児童が少なくなったときには10人未満で補助を打ち切る、調整弁のような利用の仕方では、結局、しわ寄せは民間学童保育所に来るのではないでしょうか。
前段、家賃補助や転居費用について質問しましたけれども、補助費を手厚くして民間学童保育所の運営を安定的にしていくことを強く求めるものです。
次に、児童会館等で働く職員の人材確保について伺います。
ミニ児童会館、児童会館は、安定的な運営が必要であることから、非公募で公益財団法人さっぽろ青少年女性活動協会の指定管理での運営です。児童会館は、放課後児童クラブのほか、午前中から
子育てサロンや
子どもたちの自由来館、町内など地域活動の部屋の利用、また、夜間には中・高校生のためのふりーたいむ、全館体験活動などにより、開館時間は、8時45分から、夜間利用がある場合は21時までとなります。
常勤で働くのは、支援員資格のある正職員と1年契約とする臨時職員、そしてパートで対応されているということで、規模にもよりますが、2人から3人の正規職員と常勤臨時職員5〜6人のパートで運営されています。
児童クラブの時間など時間帯や長期休みの関係など様々あり、常勤のほか、短時間勤務などのパートが必要であるところですけれども、どちらも定着が難しいとお聞きをしております。ホームページで常時募集している様子が見てとれます。
そこで、質問ですが、指定管理業務でありますが、人材確保、定着での課題や人材不足などについて把握されているのか、本市としてどう認識されているのか、伺います。
◎佐藤
子ども育成部長 ただいまの人材確保の面での課題認識についてのご質問にお答えいたします。
児童会館及び
ミニ児童会館の職員については、国が定める配置基準に基づき確保しておりますが、放課後児童クラブの利用児童数に対応し、必要な職員数も年々増え続けており、人員確保や離職防止、人材育成が課題となっていると認識しています。
今後も、児童会館の業務水準を維持していくために職員の計画的な採用及び育成が必要であり、引き続き指定管理者と協力して進めてまいりたいと考えております。
◆佐藤綾 委員 学校行事の都合で、例えば、個人懇談の週は利用数が増えて、インフルエンザでの学級閉鎖や大雪時に学校が休校、早退となるなどの場合、臨時の対応が必要です。ほかに地域や町内と連携した行事などにも参加をしています。
そうした多忙さの中での利用数の増大による混雑状況で子どもが多いとトラブルも多くなります。いい保育をしたいと思っても、毎日、安全に心がけ、
子どもたちにけがなどないように過ごすだけで精いっぱいと、また、仕事量の多さから残業も多い、職員が発達段階に応じた主体的な遊びや社会性、生活習慣を身につけるという視点で現場でも努力されておりますけれども、一人一人に配慮し、今日はこんな成長が見られましたよと保護者にも声をかけ、子どもの様子を話したりするのですけれども、できないときも多いとお聞きをしました。
しかし、採用の募集を見ると、資格あるなしにかかわらず、パートで時給990円、1年契約の臨時職員は月15万7,000円と、これは最低賃金ぎりぎりの給与です。正職員で配置されても、やはり仕事量が多いのに給与面で似合わず、3年ほどで辞めてしまう方が多いということでした。人材が不足し、さらに多忙となり、児童会館の利用増加での混雑も相まって、パート職員も定着しにくいという悪循環ではないでしょうか。
先ほど、ご答弁で指定管理者と協力し合ってまいりたいとおっしゃっていただきました。人材確保のために、せめて待遇面の改善が必要ではないかと感じるところです。
そこで、質問ですけれども、給与水準などの面で引上げを検討すべきではないかと思いますがどうお考えか、伺います。
◎佐藤
子ども育成部長 ただいまの給与水準の引上げについてのご質問にお答えいたします。
給与水準引上げなど職員の勤務条件については、指定管理者において定めるものであり、札幌市としては、適正な給与水準を設定できるよう、引き続き予算の確保に努めてまいりたいと考えております。
◆佐藤綾 委員 ぜひ事業者さんのほうからも現状をお聞きして、指定管理の予算の引上げに努めていただきたいというふうに切に思っております。
指定管理者の皆さんには大変頑張っていただいております。放課後児童クラブは民間も同様ですけれども、
子どもたちが安心して豊かに放課後を過ごす場所として人材は欠かせないものです。本市としてもしっかりと支援していくことが大変重要と申し上げまして、私の質問を終わります。
◆坂元みちたか 委員 私からは、若者出会い創出事業について、2点質問をいたします。
このたび、札幌市の政策として、AIマッチングシステムを備えたオンライン結婚支援センターを実施されるということであります。AIマッチングシステムを備えたオンライン結婚支援センターと言いましても、少々ぴんとこない方もおられると思います。
これはインターネット上のサービスでありまして、結婚を望む男女にご登録をいただき、そのプロフィールを人工知能が解析をして、人工知能が相性がいいと判断した男女の縁を結ぶというものであります。世の中、そこまで進んできたのかなというものでもあります。こんなすばらしいものが30年前にありましたら、私もぜひ利用させていただきまして、私の人生ももう少し幸せに満ちたものになったかもしれない、そう羨ましく思う面もあるわけであります。
さて、この事業といいますのは、行政ではなかなか腰が引けてしまうものでありますが、我が札幌市は、20ある政令市の中で先駆けて実施をされるということであります。高く高く評価をして、大きく期待をしております。
と申しますのも、札幌の非婚化、少子化の状況は、全国的に見ても非常に悪い数字であるからであります。子どもがどれだけ生まれているかを示す指標、合計特殊出生率は年々低下の一途をたどり、札幌は、現在20ある政令市の中で最下位。具体的な数字で申しますと、札幌の特殊合計出生率は令和4年度で約1.0なのであります。この1というのは、既に少なくなってしまった若者層から生まれてくる
子どもたちは、親の世代の半分しか誕生しないことを意味します。
もちろん、札幌市も手をこまねいたわけではなく、数々の子育て支援や出産の支援をし、一定の効果を上げていることは承知をしております。しかし、残念ながら、決して十分な効果が上がっているとは言えない状態です。なぜ大きな効果が上がらないのか。それを考えてみますと、従来の子育て支援や出産の支援には一つ欠陥があったと思うのです。
順を追って考えてみたいと思います。
子育てをする前には出産があります。出産をする前には結婚があります。結婚する前には恋があります。そして、恋をするためには出会いが必要なわけです。すなわち、出会いがなければ絵に描いた餅、どんなに子育てを充実させても、子育て支援を充実させても、十分な効果が上がらないのです。ですので、この若者出会い創出事業こそ、札幌の少子化を止める可能性を秘めた重要な事業だと期待をしているわけであります。
さて、最近の若者の恋愛事情ですが、新聞に、昨今の世の中では、コロナ禍で同僚と友人の飲み会が減ったことや、人とのつながりが希薄になったことを背景に、男女の出会いが変わりつつあると報道されています。
具体的には、結婚相談所の入会やマッチングアプリの利用が広がっているとのことでありました。まさに機は熟していると思います。
さらに、札幌市で行うAIマッチングシステムを備えたオンライン結婚支援センターは、AIの解析任せではなく、相談員という形で人的にも支援を行うとお聞きしています。マッチングアプリと結婚相談所の両方のよさを兼ね備えた内容と受け止めているところであります。
私は、この事業を結婚を希望する一人でも多くの方々に利用していただきたいと思っており、そうなりますと、やはり気になるのは料金なのであります。
そこで、一つ目の質問であります。
札幌市が行う結婚支援センターの利用料金についてはどのような設定をされているか、伺います。
◎佐藤
子ども育成部長 利用料金の設定の現時点での考え方についてのご質問にお答えしたいと思います。
結婚支援センターの利用料金の設定に当たっては、二つの考え方に立っています。
一つ目は、持続的に結婚支援を行っていくために、収支均衡が保たれた自立的運営を基本とし、センター運営費全額を会員からの登録料収入のみで賄える料金設定にしていきたいということ、二つ目は、そうした受益者負担の下、極力運営費を圧縮し、料金を抑えていきたいということです。
これらの考え方に基づき、事業スキームの検討を進め、結婚を希望する若者に一人でも多く登録いただけるよう、利用しやすい料金設定にしてまいりたいと考えております。
◆坂元みちたか 委員 ご答弁をありがとうございます。
現在の段階では幾ら幾らというような話にはならないかと思います。しかし、一般的にお金があまりないと、若い層は言われております。その点は十分に留意していただきたいと思います。
私は、結婚を希望されている方に情報を届けることが大事であり、多くの方に利用していただくことで、安定した成婚数を維持することにつながると考えております。
そこで、二つ目の質問であります。
どのようにこの事業の周知を行おうと考えているかを伺います。
◎佐藤
子ども育成部長 ただいまの事業の周知についてのご質問にお答えいたします。
結婚を希望する若者はもちろん、周りの方にも広く本事業を知っていただけるよう、様々な広報媒体を最大限活用し周知したいと考えています。
具体的には、札幌市公式ホームページや広報さっぽろで広く周知するほか、特に若者に対しては、
若者活動センターなどへのポスターの掲示やリーフレットの配架をするなど、ターゲットを見定めた的確な情報発信を行いたいと考えています。
また、結婚支援センターの運営に当たり、公募型企画競争により事業者選定を行う中で、SNSなどのより効果的な広報手法について提案を受けながら、戦略的な広報を行ってまいりたいと考えております。
◆坂元みちたか 委員 最後に、一つです。
この事業の成功のためのポイントは、多数の方々が参加をしていただく、多数の男女に参加をしていただくということになるかと思います。どんなに優れたAIが、どんな優れたアルゴリズムを持っていたとしても、参加している方が少なければ、これはもうどうしようもないわけであります。ふだん情報を届けることが難しい若者層にもしっかりとリーチできるよう、私はインターネット広告を活用した広報を検討、注力をしていただきたいと思っております。
もう一点は、イメージ戦略であります。
若い層をつかむには、ここが非常に重要です。どんなにすばらしい事業を計画しても、ここをしくじると全てが水泡に帰してしまいます。
一般に行政がやる仕事は、ここが苦手であります。格好悪い、ダサい、そういうふうな形にならないよう、そういうイメージを持たれないよう、しっかりと留意して事業を進めていただきたいと思います。
◆山田一郎 委員 私からは、家庭訪問型子育て支援事業、通称ホームスタート事業について、そして、保育人材の確保についての2点質問いたします。
まずは、通称ホームスタート事業について、何点か質問をしていきます。
札幌市は、安心して子どもを産み育てることができる子育てに優しいまちを目指し、様々な
子育て施策を実施しております。
その取組の一つである
子育てサロン事業は、子育て中の家庭が自由に集い、気軽な交流を楽しむ場を提供するだけでなく、子育てに関する相談や情報提供を行い、子育てしやすい環境づくりの充実を図るもので、開催曜日や時間は様々でございますが、市内には288か所設置されているものと認識しております。
札幌市が設置しているもののほか、児童会館やNPO法人、地域団体が開催しているものもあり、
子育て家庭にとって身近なところで遊びに行くことができ、また、ほかの
子育て家庭の地域の方たちとつながることのできる大切な場所であるものと思われます。
また、札幌市には、行政の
子育て相談窓口も数多く用意されており、保育所と一体的に整備されている区保育・子育て支援センター、通称ちあふるや、認定こども園にじいろのほか、各区保健センターには、健診のときなどに気軽に立ち寄ることができる
子育てインフォメーションがございます。
それらの窓口においては、子育ての悩みや困り事をお聞きする相談業務に加え、子育てに関する行政情報やサービス、地域の情報を紹介したり、必要に応じ専門部署へ引き継いだりもしているとのことで、多くの子育て世代が活用しております。
しかし一方で、子どもを連れてサロンに行くことを迷っている方や、誰かと話がしたいけれども周りに話し相手がいない、頼れる人がいないといった方、行政の
相談窓口に行くことにハードルを感じている方など、サロンや
相談窓口に結びついておらず、不安感や孤独感を抱えている家庭もあります。
そのような中、行政ではなく、
子育てサロン運営団体が行う家庭訪問型子育て支援事業、ホームスタート事業が令和4年1月から試行実施されております。
この事業は、研修を受けた子育て経験のある地域ボランティアが週に1回、2か月程度、
子育て家庭を訪問し、友人のように寄り添い、気持ちを受け止めながら話を聞く傾聴のほか、家事や外出を一緒に行う協働といった活動を行うものであります。
子育て家庭の孤立を防ぎ、児童虐待の防止や育児ストレスの軽減につながるとともに、必要に応じて子育て支援に関する制度の紹介や関係機関との連携を図ることができ、地域の力を利用した重層的な支援を行う取組として大変期待しているところであります。
そこで、質問でございますが、まず最初に、ホームスタート事業に対する札幌市のお考えをお聞かせください。
◎伊藤
子育て支援部長 ただいまのご質問にありました家庭訪問型子育て支援事業についての札幌市の考え方についてお答えをいたします。
直近、令和4年度の子ども・子育てに関する市民アンケート調査の結果において、子育てに悩みを抱えながら相談できる人がいないと答えた方は2%、誰に相談してよいか分からないと答えた方は2.7%と、不安や孤独を抱えながら子育てしている家庭が一定程度いるものと認識をしております。
一方で、悩みを抱えている人の相談先として行政窓口を挙げた人は3.3%と少なく、行政が提供する子育て支援サービスの利用に敷居の高さを感じる世帯が多いことがうかがえる結果となっております。
訪問型の本事業は、育児に不安を抱えつつも社会的に孤立しがちな
子育て家庭に対し、地域のボランティアが
アプローチするものであり、地域の力を活用して重層的に支援を行うことで、孤立を防ぐことを目的としているものであります。
身近な地域のボランティアが訪問し、悩みの傾聴、家事や外出を一緒に行う活動を通して、
子育て家庭の孤立を防ぎ、地域とのつながりの構築や、地域の中での継続的な見守りに寄与するものと考えているところであります。
◆山田一郎 委員 ただいまの答弁でも、子育てに悩みを抱えながら、相談先としては誰に相談していいか分からないという方がやはり一定程度いるというような答弁でございました。
行政ではない研修を受けた地域ボランティアが訪問するという新たな手法で、複数回、また継続的につながり続けることは、不安感や孤独感を抱える家庭への
アプローチの一つとして効果的であると考えます。
また、札幌市は転出入が多く、身近に頼れる人がいない
子育て家庭にとっても重要な取組の一つではないでしょうか。一方、子育て経験のある方とはいえ、家庭を訪問するボランティアの研修や養成には時間がかかると思われます。また、複数回の訪問をするこの事業は、各家庭への支援にも時間を要すると考えております。
そこで、質問ですが、ひろば型
子育てサロンを運営する団体が試行実施を始めて1年半が経過しているところでありますが、令和4年1月から試行実施してきたこのホームスタート事業の実績と効果、また課題についてお伺いします。
◎伊藤
子育て支援部長 事業の実績と効果、課題についてお答えいたします。
まず、実績でありますが、手稲区では、令和4年1月に事業を開始いたしまして、令和5年10月17日現在、延べ44人の申込みを受けておりまして、訪問回数は合計約230回に上っております。
また、令和5年8月に対象エリアを西区に拡大いたしまして、現在、西区では10人の申込みを受け、順次、希望する支援の聞き取りやボランティアとの面談を行いまして利用を開始したところでございます。
これまでの利用者の多くから、話を聞いてもらえて気持ちが楽になったとの声が寄せられており、また、ボランティアが
子育てサロンに同行したことで訪問終了後も継続したサロン利用につながった例もあるなど、期待していた効果が見られてきているところであります。
課題としては、支援を必要としながら情報が伝わりにくい方や、利用をためらう方への効果的な周知の在り方、加えて、訪問する地域ボランティアの継続的な確保が課題であると考えているところでございます。
◆山田一郎 委員 最初に始めた手稲区で既に44人、8月に始まった西区でも10人の申込みがあったということで、着実に利用者数は伸びていることが分かりました。
また、利用者の気持ちが楽になったという感想ですとか、サロンの利用につながったというお話もありました。導入当初に期待していた効果が得られているというふうには思いますので、安心しております。
しかし、試行実施、特に西区の拡大は始まったばかりであり、まだまだ利用実績は少ない状況であります。この事業は、訪問するボランティアの養成から始まり、複数回の訪問を重ね効果を実証することが必要であり、定着までには時間がかかる事業と思います。引き続き試行実施を続け、ニーズや効果をしっかり検証してほしいと思います。
そこで、質問ですが、ホームスタート事業の今後の取組についてお伺いします。
◎伊藤
子育て支援部長 今後の取組についてお答えいたします。
支援を必要としながら利用につながっていない方へタイミングを逃すことなく情報をお届けするため、運営団体や庁内関係部署と協力して、子育てアプリの
プッシュ通知を活用したりするなどによりまして、定期的に周知を行ってまいりたいと考えております。
また、これまでにも年に複数回訪問ボランティアの募集を行い、養成をしてきたところでありますが、今年度においても既に追加の募集を行っておりまして、年内にも養成を終えて活動いただける運びとなっております。
取組の効果検証につきましては、今年度から、これまで行っていた利用終了直後のアンケート調査に加えまして、その後の状況を把握するため、3か月経過後の調査も始めたところでございます。
これらの結果を踏まえて、しっかりと事業効果の検証を行い、今後の支援につなげてまいりたいと考えております。
◆山田一郎 委員 周知方法の工夫ですとか、アンケート結果を踏まえ検証を行い、今後の支援につなげていくとのことでした。
最初の答弁でも、市民アンケート調査の結果で、子育てに悩みを抱えながら相談する人がいない、誰に相談していいか分からないという結果がありました。育児に不安を抱えつつも社会的に孤立しがちで、悩みや不安を相談できない方でございます。少数ではあるかもしれませんが、このような悩みを抱えている方に
アプローチできるのが、このホームスタート事業のいいところだと思います。誰一人取り残さない、そんな子育て支援の目標を掲げている本市だからこそ、この事業の大切さを分かっているものだと思います。
子育ての支援は、実績や件数だけではもちろん図られるものではありません。未来の投資であると考えております。
本日は、後ろに財政局の生野部長にも来ていただいておりますが、財政においても持続可能な運営のための予算の検討等をお願いして、この質問を終わります。
次に、保育人材の確保について質問いたします。
国は、
こども未来戦略方針において、子ども・子育て支援の拡充や、共働き・共育てを支える環境整備などを進め、若者、子育て世帯が経済的な不安を覚えることなく、結婚、妊娠や出産、子育てを選択できるよう取り組むことを掲げているところであります。
札幌市としても、先日公表されました第2次札幌市
まちづくり戦略ビジョン・
アクションプラン2023(案)において、安心して子どもを生み育てることができる、子育てに優しいまちを基本目標に掲げ、子ども・
子育て施策のさらなる充実に取り組むこととしております。
子育てに優しいまちの実現には、子育てをしながら安心して働くことができる環境の整備が必要であり、特に保育の充実や質の向上などに資する取組を強化するには、保育園や幼稚園で働く保育士や幼稚園教諭の人材の確保がとても重要になると考えます。
札幌市では、保育人材確保に向け、保育人材支援センター、さぽ笑みによる求職者と事業者のマッチングや合同就職フェアなど、人材確保に向けて様々な施策に取り組んでいることは承知しているところであります。
一方で、結婚や育児など様々な理由で一度保育現場を離れた、いわゆる潜在保育士の方が仕事の責任や業務負担に対する処遇の低さなどから保育士としての復職を希望しない方もおり、現場の園からは、求人を出してもなかなか応募がないなど、人材不足に係る切実な声も届いております。
そこで、最初の質問ですが、札幌市における保育人材不足の現状についてどのように認識しているか、伺います。
◎渡邉 支援制度担当部長 札幌市における保育人材不足の現状についてのご質問でございます。
令和5年1月の札幌圏における有効求人倍率は、全業種が0.96倍であるのに対しまして、保育士は2.41倍と大きく上回っております。高止まりの傾向が続いているといった状況でございます。
札幌市保育人材支援センター、通称さぽ笑みでございますけれども、こちらによります就職支援や高校生の職業体験などの取組によりまして人手不足の改善は進んでいるものの、依然として厳しい状況にあるものと認識をしてございます。
保育人材の確保は、保育の質の向上につながるとともに、親が安心して働く環境を整え、札幌市全体の労働力を確保するための重要な取組であり、引き続き必要な支援に取り組んでまいりたいと考えております。
◆山田一郎 委員 今の答弁でもありましたが、保育士の有効求人倍率は2倍台と、現場で働く保育士の人材不足、また人材確保が喫緊の課題であるということは分かりました。
そのような中、
アクションプラン2023(案)において、新たな保育人材確保策として就職支度手当の補助制度が盛り込まれました。園や関係団体と連携しながら保育人材確保を進めるに当たり、この制度が創設されることはとても喜ばしいことであります。
一方、近隣市においては、既に導入している自治体もあり、また、札幌市における令和3年度の保育士養成校の卒業生約900人のうち、市内の保育施設に就職したのが半数の約450人とどまっており、約3割が市外の保育施設、約2割が保育施設以外に就職している状況となっております。
これまでは、一部の施設が個々の努力によりまして就職支度手当などを支給しておりましたが、このたびの補助制度の創設により保育業界全体で導入が進み、保育人材確保につながるものと期待しているところであります。
そこで、質問でございますが、保育人材のさらなる確保に向け、就職支度手当の補助制度を創設する目的と内容について伺います。
◎渡邉 支援制度担当部長 就職支度手当の補助制度についてのご質問でございます。
この制度は、保育士養成校の卒業生の一定数が他の業種に就職している現状などを踏まえまして、学生が就職先を検討する際に保育施設を選択する後押しとなるよう創設するものでございます。
今後は、この補助制度を活用いただきまして、多くの保育施設で就職支度手当が導入されることによりまして、さらなる人材確保が図られるとともに、職場のイメージアップにもつながるものと期待をしているところでございます。
補助制度の具体的な内容といたしましては、新卒者など初めて保育士等として働く方に対しまして、保育施設が支出する就職支度手当に上限を設けて半額を補助するということを想定しておりまして、令和6年度からの実施に向け、引き続き関係団体等と連携しながら制度設計を進めてまいりたいと考えております。
◆山田一郎 委員 今の答弁でもありましたが、この就職支度手当の補助制度の創設でございますが、関係団体でございますとか、その加盟園から多くの喜びの声が届いております。私としても、この制度が創設されたことを大変評価しているところであります。
また、先ほどの答弁で、新卒者など新たに保育施設に就職する方を対象にするという予定でありましたが、年間で約1,100人の方が保育施設を退職している状況でございます。人材不足解消には、新卒者のみならず、潜在保育士の活用も重要であると私は考えております。
本制度の開始後は、その内容や効果をしっかり検証いただき、ぜひとも対象に潜在保育士を加えるなど、より実効性のある仕組みとしていただくことを要望いたしまして、私からの質問を終わります。
◆篠原すみれ 委員 私からは、保育人材確保に向けた一時金給付事業と札幌市保育人材支援センターさぽ笑みの機能強化について質問いたします。
まずは、一時金給付事業についてです。
子どもを安心して預けることができる保育環境の整備は、働きやすい社会の実現につながり、社会全体の人材不足解消の一助となる重要な取組です。
現在、札幌市は、施設整備などに取り組み、保育施設はほぼ充足していると認識しております。一方で、施設整備が進んでも、そこで働く保育士を確保できなければ、質の高い安心・安全な保育を提供することはできません。
実際に市内の多くの保育施設では定員を割っており、施設からは、保育士が不足していて、これ以上子どもを受け入れることができないといった声を聞いております。
保育人材の確保を進めていくためには、職員の処遇や労働環境などの面から改善を行い、保育業界への就労希望者を増やすことと、職場定着の促進に向けて取り組むことが必要と考えます。
保育士の待遇については、近年、少しずつ改善されてはいるものの、国の賃金構造基本統計調査による令和3年度の給与水準は、全職種では約489万円であるのに対し、保育士職は約382万円となっており、他業種と比較すると給与水準は依然として100万円ほど低い状況にあります。
なお、2021年度の札幌市保育士等実態調査では、市内の保育士、保育教諭の平均年収は352万円と、全国平均よりさらに30万円ほど低い状況です。
札幌市では、2019年度から独自の施策として、認可保育所などに継続して勤務した保育士や幼稚園教諭等に対し、3年、6年、9年という節目の時期にそれぞれ10万円を支給する一時金給付事業を実施しております。これは、就職の促進に加え、職場への定着や離職の防止にもつながる大変意義のある施策だと思います。
そこで、質問ですが、保育人材確保に向けた一時金給付事業の実績及びその評価について伺います。
◎渡邉 支援制度担当部長 保育人材確保に向けた一時金給付事業の実績と評価についてのご質問でございます。
保育施設に継続して勤務している方に対しまして、3年、6年、9年の節目に10万円を支給する一時金給付事業は、令和元年度に開始をいたしまして、これまで延べ4,000人を超える方々に支給をしてきたところでございます。
保育士の処遇改善など様々な取組もありまして、令和元年度からの2年間で保育士の勤続年数は約1.5年延びたほか、市内の保育士数が約800人増加しておりまして、本事業が離職防止や保育人材の掘り起こしに一定の寄与をしたものと認識をしてございます。
今後も多くの保育士や幼稚園教諭に本事業を活用していただきまして、就業継続につなげることで保育人材の定着化を図ってまいりたいと考えております。
◆篠原すみれ 委員 一時金給付事業については、これまでに4,000人を超える多くの方々に支給され、また、2年間で1.5年延びるなどの数字を挙げていただいたのですけれども、離職防止などに一定の効果があったということでした。
国の調査では、国内の全産業の平均勤続年数が12.3年とあります。札幌市の保育職の平均勤続年数が7.8年と、国内全産業より低く推移している中、それでも1.5年延びたということは、一時金給付事業が少なからず平均勤続年数を押し上げる要因にもなっていると思います。
また、モチベーションアップにもつながったり、また、聞いている声においては、先輩や仲間が実際に給付金をもらったことで、私もあと1年頑張ればもらえるという、またそれも大きなモチベーションにつながっていると聞いたこともございます。
そういった意味でも、この給付金事業は効果があったものと理解しており、今後も引き続きこの事業を実施していただくことを求めます。
続いて、札幌市保育人材支援センターさぽ笑みの機能強化について伺います。
これまで、札幌市は、札幌市保育人材支援センターさぽ笑みを運営し、保育施設などへの就労支援や求人と求職者のマッチング、また、施設の合同説明会など、様々な取組を展開してきたことは承知しております。
さぽ笑みからの発表では、2022年度求職者の登録実績は225人であり、その中で採用に至ったのは104人ということです。しかしながら、市内の保育施設の数や求人数、保育士登録者数などから考えると、やや物足りなさを感じております。
また、残念ながら、さぽ笑みの紹介で保育士を採用できたという話を保育施設の事業者らから聞くことはほとんどなく、一部の施設では、さぽ笑みに求人を出してもなかなか応募がないことから、やむを得ず民間の人材紹介会社を利用しているとのことでした。結果として、多額の紹介料を負担し、施設の運営が厳しい状況になるという話も耳にしております。
民間の人材紹介会社では、各保育施設の調査研究や求職者の希望に沿った施設の紹介など、手厚いサービスが行われているようです。
一方、さぽ笑みは、行政が運営しているという安心感や、手数料がかからないなどのメリットもあるため、人材紹介機能などをさらに強化し、多くの保育施設などに活用してもらえるよう取組をすることが重要であると考えます。
そこで、質問ですが、保育人材のさらなる確保に向け、さぽ笑みの機能強化が必要と考えますが、今後どのように取り組むのか、伺います。
◎渡邉 支援制度担当部長 さぽ笑みの機能強化についてのご質問でございます。
保育人材不足の解消には、人材確保施策の中核を担うさぽ笑みの取組が重要でございまして、就職支援の充実や認知度向上など、さらなる機能強化が必要と認識してございます。
そこで、令和5年度から職員を増員し、求職者と保育施設のマッチング機能を強化したほか、ハローワークと連携して出張相談会を月に1回程度実施をするなど、取組の充実を図っているところでございます。
加えて、合同就職説明会における参加施設数の拡大を図るほか、保育士登録を所管する北海道と協力をいたしまして潜在保育士に対する周知を行うなど、引き続き保育人材確保に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
◆篠原すみれ 委員 ただいまのご答弁で、かなり具体的な取組を伺うことができました。
そして、潜在保育士の問題は、今、大変話題になっている中で、数字を知りたかったので調べたところ、なかなか正確な数字を割り出すのが難しいということだったので、こちらで数字は言及しないのですけれども、実際、潜在保育士の人数はかなりの人数であることは分かりました。
先ほど、山田一郎委員からもありましたが、
子どもたちは札幌の未来の宝です。
子育て施策に投資をするということは、札幌の未来への投資につながり、目に見える以上の効果が期待できると思います。
私としては、子育て支援にはもっと多くの予算を費やすべきだと考えております。特に社会のインフラとも言える保育サービスの充実は、大変重要な取組です。私も、保育施設を利用している一人の親として、保育サービスがあることで仕事に取り組むことができており、安心して仕事ができます。その大切さを実感しております。
その保育を支える保育士や保育教諭を確保するためにも、就職支度手当への補助制度の創設やさぽ笑みの機能強化の取組については大いに期待しているところです。
一方で、保育人材確保は待ったなしの厳しい状況にあることから、今後もさぽ笑みを含めた保育人材確保策の充実に積極的に取り組んでいただくことを要望いたしまして、私からの質問を終わります。
◆森山由美子 委員 私からは、児童会館へのエアコン設置についてと、社会的養護の自立支援についての2項目について質問をいたします。
令和5年第2回定例会に上程された補正予算案に関し、本年7月4日に行われた議案審査特別委員会での審議の中で、我が会派から
ミニ児童会館におけるエアコンの設置状況等について質問をいたしました。その結果、固定式エアコン未設置の
ミニ児童会館が76館あり、このうちの42館に対し、既往予算の活用も視野に入れながら、移動式エアコンを設置するとの答弁でありました。
その後、相次ぐ猛暑日が続く中、会派として、8月29日に記録的な猛暑に対応するための緊急要望の中で、かねてから多く声をいただいていた学校はもちろん、保育園、幼稚園、公共施設や福祉施設へのエアコン設置や、そのほか市民の命を守る視点から6項目にわたる内容を提言させていただきました。
そのような中、去る9月15日に発表された第2次札幌市
まちづくり戦略ビジョン・
アクションプラン2023(案)の中で、学校の普通教室等にルームエアコンを整備する計画が示されたところであります。
この計画は、学校施設の中にある
ミニ児童会館についてもルームエアコンを整備する内容となっており、この点を大いに評価する一方で、児童会館の状況が気になるところです。
そこで、質問ですが、今回の計画に含まれていない児童会館について、現在のエアコン設置状況を伺います。
◎佐藤
子ども育成部長 ただいまの児童会館へのエアコン設置状況についてのお尋ねにお答えいたします。
児童会館には、思いっきり体を動かしてスポーツをすることのできる体育室のほか、
子どもたちの遊びや生活の場としてのプレイルームや図書室、クラブ室などがあります。
そのような中、暑い夏でも
子どもたちが快適に過ごせるよう、読書をしたり宿題をしたりして過ごす図書室を基本に、それぞれの施設の状況に応じて、ルームエアコンなど固定式のエアコンを設置してきたところです。
その結果、110館ある全ての児童会館にエアコンがあり、そのうち、小学校に併設する新型児童会館など35館には、
子どもたちの遊びや生活の場となる全ての部屋にエアコンが完備しております。
◆森山由美子 委員 110館ある全ての児童会館にエアコンがあり、そのうち、小学校に併設する新型児童会館など35館には、
子どもたちの遊びや生活の場となる全ての部屋にエアコンが完備しているとの答弁でございました。
しかしながら、札幌市では、この夏、過去最高気温となる36.3度を記録する猛暑の中、児童会館を利用する児童からは、エアコンのないプレイルームで友達とボール遊びをしていたらとても暑かった、本当は友達と走り回りたかったけれども、暑いので涼しい図書室で本を読んでいたという声が、働く児童会館の先生や親御さんを通して多数届いており、
子どもたちのことは、体はもちろん、心の面も懸念がされます。
そこで、質問ですが、このような状況を踏まえ、
子どもたちのためにも児童会館へのさらなるエアコン設置を検討してはいかがかと思いますが、考えを伺います。
◎佐藤
子ども育成部長 ただいまの児童会館へのさらなるエアコン設置の考えについてのご質問にお答えいたします。
例年、札幌の夏は暑い時期が限られていることから、児童会館においては、エアコンのない部屋を利用する際に、扇風機などにより暑さ対策をしてきました。
しかし、この夏は記録的な猛暑であったことから、例えば、エアコンのある部屋で順番に
子どもたちを涼ませるなどのさらなる対策を講じ、厳しい暑さをしのいだところです。
このような状況を踏まえ、
子どもたちが暑い夏でも安全かつ快適に過ごすことができるよう、エアコン設置台数が少ない児童会館について、さらなるエアコン設置を検討してまいります。
◆森山由美子 委員 エアコン設置台数が少ない児童会館について、さらなるエアコン設置を検討していきたいとの答弁でございました。
この夏の記録的な猛暑の経験を一過性のものとするのではなく、一つの教訓として、
子どもたちのために快適な環境を整え、暑い日であっても、
子どもたちが思い思いに楽しく過ごせる児童会館としていただくことを強く要望いたしまして、この質問は終わります。
次に、社会的養護の自立支援について伺います。
社会的養護は、保護者の適切な養育を受けられない子どもを、公的責任で社会的に保護、養育するとともに、養育に困難を抱える家庭への支援を行うものであり、全国で4万2,000人、札幌市では800人ほどの児童が社会的養護下にあると言われております。
児童養護施設や里親などの下で生活してきた児童について、原則18歳の年齢到達で公的な措置は解除され、それまで社会的に擁護されていた若者は自立を求められ、全国で毎年約4,000人が保護を離れた人、いわゆるケアリーバーとなり自立生活を始めていると言われております。
しかし、何かあったとき戻る家庭もない環境で、経済的な困窮や孤立に追い込まれるケアリーバーは多いという課題も指摘がされてきました。
そうした中、札幌市は、平成29年度より、社会的養護自立支援事業において児童養護施設や里親等で生活している児童が18歳で措置を解除された後も、個々の状況に応じて引き続き支援が必要な場合には、22歳まで児童養護施設等での生活を継続できるよう支援することで、将来の自立へと結びつくよう取り組んできたことは承知をしております。
我が会派といたしましても、これまで、自立支援の重要性については折に触れて訴えてまいりましたし、公明党として、当事者や支援者らの声を基にケアリーバー支援を強力に推進し、年齢制限の撤廃や孤立防止を訴えてきたところで、いよいよ令和6年度からの児童福祉法改正において、22歳までとされていた年齢要件についての弾力化、いわゆる年齢制限の緩和が図られることとなりました。
そこで、一つ目の質問ですが、児童福祉法の改正を踏まえ、社会的養護の自立支援において、年齢要件の弾力化により支援内容がどのように変わるのか、伺います。
◎宮本 児童相談所長 自立支援における年齢要件の弾力化についてお答えいたします。
令和6年度施行の改正児童福祉法におきましては、社会的養護にある方々の自立に当たり、原則22歳に到達した時点でこれまで支援を終了していたものが、一律に年齢で支援を打ち切ることなく、一定の見通しが立つまで、これまで入所していた児童養護施設などで生活を継続することが可能となります。
具体的な例としましては、22歳の以前から教育機関に就学している方をはじめ、就職活動を継続している方、あるいは安定的な雇用に至っていない方、こういった方への継続的な支援が想定されているところでございます。
さらに、一度は自立をして支援が終了した方も、22歳を過ぎてから生活に行きづまった場合には、再度の支援を受けることができるようになり、社会的養護経験者一人一人の実情に沿った制度の運用が見込まれるところでございます。
◆森山由美子 委員 児童福祉法の改正における年齢要件の弾力化について、どう支援内容が変わるのかについて理解をいたしました。
社会的養護下にある方々に対する支援については、一律に年齢で区切られるべきではなく、児童の最善の利益が何かを考え、個々の状況に寄り添った丁寧な対応が求められます。さらに、今後は、年齢制限の緩和により、一度自立をして22歳に到達した方でも、再び支援の対象になり得るということです。
先日、市内の児童養護施設の園長から、会派の委員がお話を伺う機会がございました。ケアリーバーは就職3年目までには約6割が離職するというデータもありますが、自立したものの会社等でうまくいかなくなり、行き場がなくなってしまうなど、本当に困っているときには、空き部屋があるときには次の見通しが立つまで住まいを提供するなど、生活費の援助も含めてこれまで受け入れてきたことも伺いました。
一方では、社会的養護経験者の方々は、自立後に行政やそれまで入所していた児童養護施設等とのつながりが途絶えてしまっていることも多いというお話も伺っております。
一度は就職をした若者がすぐに会社を退職し、経済的な自立が続かず、生活に困窮するというケースは一般的にも生じておりますが、特に社会的養護の経験者というのは、そうした困難な状況に陥った際に相談する相手がいなく孤立してしまうということが十分に想定されます。
したがって、今回の法改正による年齢制限の撤廃に当たって、先ほどの答弁にあった新たな支援対象となる方々についても、孤立することなく必要な支援が行き届く体制づくりが重要であると考えます。
そこで、質問ですが、社会的養護経験者等の自立支援について、札幌市としての今後の取組について伺います。
◎宮本 児童相談所長 自立支援に対する札幌市の今後の取組についてお答えいたします。
今般の児童福祉法の改正では、社会的養護経験者等の孤立を防ぎ、必要な支援に適切につなぐことを目的として、自立支援のための拠点を設置することが求められております。
札幌市としましては、この自立支援拠点の設置に当たり、就職や進学に向けた計画を策定する従来の支援
コーディネーターを配置するほか、生活や就労の
相談窓口といった既存の機能を集約することに加え、社会的養護経験者等の相互交流の場を設けること、こういったことも想定しているところでございます。
さらには、自立支援拠点を中心として、先ほどのお話にもありましたとおり、現在も施設退所者のアフターケアを担っている児童養護施設等とのネットワークを強化し、社会的養護経験者の方々が適時適切な支援に結びつくよう、体制の構築を今後検討してまいりたいと考えております。
◆森山由美子 委員 社会的養護経験者等に対する自立支援については、対象となる年齢制限の緩和に加え、自立支援拠点の設置も検討されているという前向きな答弁であり、今後の取組に期待をするところであります。
先般、会派視察で大阪市こども青少年局主催の大阪市若者自立支援事業、コネクションズおおさかを見てまいりました。人と関わることが苦手、自信をつけたい、将来に不安がある15歳から29歳までの若者と保護者のための相談室を展開しており、オンライン、LINE相談のほか、就労支援においては、寝ながらできるはたらく相談と題し、何から相談すればよいかさえ分からない方でもハードルをなくし、一緒に考える、寄り添う体制を整えており、学ばせていただいたところであります。
札幌市におきましても、自立支援拠点の設置の準備に当たっては、法改正の趣旨も踏まえ、それぞれの事情に寄り添い、支援を必要としている方に役立つ体制を整えていただきますよう要望いたしまして、私からの質問を終わります。
○松原淳二 委員長 ここで、およそ20分間委員会を休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後2時53分
再 開 午後3時15分
――――――――――――――
○藤田稔人 副委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
◆池田由美 委員 私からは、障がい児の保育所の受入れに関わって、それと併せて障がい児保育巡回指導について質問をいたします。
ダウン症など先天的な障がい児の保育所の入所について、保護者から見学に行った時点で断られる、また、電話で見学を申し込む時点で、障がいのあるお子さんは受け入れていないなど、希望する保育所を決める段階から非常に苦労されているお話を伺います。
見学先を探す段階で入所を断られ、見学にさえ行けないと、心が折れると、要望に来られたお母さんの涙ぐむ姿を思うと、本当に胸が痛むところです。
保育現場では、保育士不足から職員体制が厳しい状況であったり、障がい児保育の経験の有無など、障がい児を受け入れるには様々な事情があるのではないかと推測するところです。
障がい認定を受けている子どもの保育入所や保育についてどのような課題があるとお考えなのか、最初にお伺いいたします。
◎伊藤
子育て支援部長 障がい児保育認定を受けている子の保育についての課題についてでございますが、保育園等では、認定を受けた子どもの障がいの種類や程度に応じた指導計画を立て、保育を実施しているところでございますが、年々認定児数が増加をしているところであります。
また、保育園等からは、認定を受けてはいないが、発達の上で配慮を要する子どもに係る相談が認定児よりも多く寄せられている実態がございます。
保育園等によりましては、配慮を要する子どもの保育に関するノウハウや経験が少ない園もあるため、障がい等の特性や場面に応じた適切な関わり方ができるよう、各園に対しまして丁寧に支援を行っていく必要があると考えております。
◆池田由美 委員 障がい認定を受けている子どもの保育入所が増えているとともに、認定を受けていないけれども、発達の上で配慮を必要とする子どもに係る保育所からの相談も増えているとのことであります。
0歳児から入所し、成長するにつれて発達上の問題が見えてくる場合があります。そうすると、保育現場では、遊びや食事、午睡など、生活全般にわたってその子に合わせた配慮が必要となります。担任以外に保育士を配置して十分な保育を行おうとすれば、ふだんから余裕がないぎりぎりの職員体制を余儀なくされている保育所にとっては、さらに厳しい状況になるのではないかというふうに思います。
今後、発達上で心配される児童が増えている状況だとの答弁でありましたが、ここで質問いたしますが、今後どのように対応されていくのか、お伺いをいたします。
◎伊藤
子育て支援部長 課題への対応についてお答えいたします。
保育園等において、個々の特性や場面に応じた適切な関わり方ができるよう、障がい児保育の認定の有無にかかわらず、配慮を要する子どもについて、公認心理士などの巡回指導専門員が各園を回りまして、きめ細やかに助言等の支援を行っております。
また、様々な障がいに対する知識や子どもへの理解を深めるため、毎年、保育園等の職員を対象に研修を行っておりまして、令和4年度は、発達が気にかかる子への関わりをテーマに実施をし、延べ209施設の参加がありました。この研修については、今年度も実施する予定でございます。
◆池田由美 委員 個々の特性に合わせて配慮を要する子ども、または、障がい児保育の認定の有無にかかわらず、きめ細やかに巡回指導専門員の指導・援助を進めてきているということであります。そして、研修なども進めているというご答弁でありました。
児童一人一人に特性がありますので、公認心理士などによる巡回指導により、それぞれの障がい児への関わり方を学ぶことは、保育士の安心や自信となっていく、そして、障がい児保育の経験が深まることにつながるというふうに思います。そのことは、保育所での障がい児の受入れにもつながるのではないかと考えるところです。
ここで、質問いたしますけれども、先ほどの答弁にあった巡回指導に係る体制と巡回指導を行った回数、巡回指導においての相談の対象となった児童数について、認定を受けている児童数と受けていない児童数の数を、2022年度、令和4年度の実績でお伺いをいたします。
また、巡回指導を必要とする相談の傾向や、保育所での相談においてどのような悩みが多いのか、具体的にお聞きいたします。
◎伊藤
子育て支援部長 巡回指導の実績、傾向、そして相談内容についてお答えいたします。
令和4年度では、公認心理士などの巡回指導専門員7名と市の保育士5名体制で、年に2回、認定児のいる222施設を対象に延べ336回訪問したほか、認定児のいない22施設からも依頼を受けまして、同様に対応しているところでございます。
巡回指導において相談の対象となった児童数でございますが、年間で延べ795人に上りまして、その内訳は、認定児が376人、認定児以外の児童が419人となっており、認定児以外の人数のほうが多い状況でございます。
また、保育園等からの相談内容といたしましては、配慮を要する子どもの集団保育における関わり方などのほか、保護者への支援の方法について悩んでいるといったものが保育園からの相談で多い状況となっております。
◆池田由美 委員 保育現場では、配慮を必要とする子どもへの関わり方、保護者への支援に悩んでいるとの答弁も先ほどありました。特に保護者への働きかけは、保護者が自分の子どもの障がいを受け入れるまでに十分な時間と働きかけ、話合いが必要となります。
巡回指導での公認心理士からの助言は、現場で働く保育士の保育への自信や保護者との関係を築く上で力となり、保育士集団にとっても大きな学びにもつながると考えるところであります。
しかし、年に2回という巡回指導の回数で足りているのかなど、指導体制の強化についても課題があるのではないかというふうに考えるところです。
そこで、質問いたしますが、障がい認定を受けている子どもが増えてきており、一方で、認定を受けていない子どもの相談件数も多いという状況が明らかとなりました。
今後、障がい児保育巡回指導体制の在り方の検討が必要となると考えますがいかがか、伺います。
◎伊藤
子育て支援部長 今後の巡回指導の体制についてお答えいたします。
現在は、巡回指導専門員と市の保育士でチームを組みまして、1日当たり2園から3園、訪問による支援を行っているところでございます。
認定児数の増加に伴う受入れ施設の増加、認定を受けていない配慮を要する子どもが多い状況、さらには、保育園等から訪問の回数を増やしてほしいとの声も寄せられていることなどを踏まえまして、今年度から巡回指導専門員を1名増員して対応しているところでございます。
今後とも、配慮を要する子どもに関して自信を持って保育を提供いただけるように、丁寧に支援を行ってまいりますとともに、巡回指導の体制や在り方についても引き続き検討してまいりたいと考えております。
◆池田由美 委員 2023年度から、巡回指導の専門員である公認心理士を1人増やして、8名体制で取り組んできたというご答弁でありました。
しかし、答弁の中にもありましたけれども、障がい児認定を受けている子どもが増え、認定は受けていないけれども、発達に不安がある児童も増えているといったことが明らかになってきている状況であります。
今後、指導体制の在り方についても引き続き検討していくというご答弁でありました。巡回指導のさらなる充実、このことを求めて、私の質問を終わりたいと思います。
◆佐々木みつこ 委員 私からは、民間児童育成会のエアコン設置についてお伺いいたします。
先日、札幌市からの助成金と保護者会費により、留守家庭の子どもの預かりを実施している民間児童育成会の会合に参加いたしました。
民間児童育成会が運営する放課後児童クラブは、父母等が中心となって、長年にわたり地域に根差しており、公設の児童会館、
ミニ児童会館の児童クラブとともに、子どもの放課後の大事な居場所であることから、児童が安全・安心に過ごすためにも、その環境整備等については重要だと考えております。
この夏は全国的に記録的な猛暑となり、札幌市でも8月の平均気温が平年を4度以上も上回り、本市の史上最高を更新したところです。
そうした中で参加させていただいた白石区と厚別区の民間児童育成会の会合では、エアコン設置等、暑さ対策の必要性について多くの声が上がっておりました。
そこで、質問ですが、民間児童育成会のエアコンの設置状況についてお伺いいたします。
◎佐藤
子ども育成部長 ただいまの民間児童育成会のエアコンの設置状況についてのご質問にお答えいたします。
民間児童育成会は、札幌市の放課後児童健全育成事業の一翼を担い、
子どもたちに家庭的な保育環境で放課後の居場所を提供している団体です。
この夏、記録的な猛暑となったことを踏まえ、民間児童育成会における暑さ対策の実態を把握するため、家庭用ルームエアコンの設置状況などについて9月にアンケート調査を実施いたしました。
その結果、民間児童育成会の全43団体のうち、10団体はエアコンを設置していないことが判明し、設置済みの団体を含めた27団体からは、暑さ対策が十分ではないとの意見が寄せられたところです。
◆佐々木みつこ 委員 いち早く民間児童育成会の状況を把握されたことをまず評価いたします。そして、アンケート回答では、エアコンを設置しているところはあるものの、約半分の27か所は暑さ対策が十分ではないということでした。
今年は、最高気温が30度を超える日が37回と、記録的な暑さになった札幌市です。私が9月に足を運んだ日も最高気温は29度ぐらいの日でしたが、エアコンがない児童クラブ内で、夜7時過ぎでも蒸し暑く、汗がほどばしったほどです。
クラブでは、暑さ対策として、連日、ビニールプールを広げて水浴びなどの対策をしているということでしたが、設置できないクラブの中では、資金面等の課題があり、すぐに実現することが難しいとの声も聞かれました。民間児童育成会としても、エアコンの設置等の暑さ対策を自らしたいとは考えているわけです。
来年も猛暑かもしれません。何かあっては困ります。札幌市の大切な
子どもたちの放課後が快適かつ安全に過ごせるよう、行政としての支援も必要ではないかと考えるところです。
そこで、質問ですが、民間児童育成会へのエアコン設置に対する支援の考えについてお伺いいたします。
◎佐藤
子ども育成部長 ただいまの民間児童育成会へのエアコン設置に対する支援の考えについてのご質問にお答えいたします。
札幌市では、民間児童育成会に対して、基本的に国基準に基づき運営費補助などの支援を行っており、エアコン設置を対象とする国の支援メニューがないことから、運営費補助をやりくりするなど、各団体の判断で対策を行うものとしてきたところです。
そうした中、このたびのアンケート調査の結果により、一部の団体において、この夏、エアコンを設置している部屋に避難させていたなど、
子どもたちの活動に影響が及んでいることが分かりました。
そこで、今夏のような猛暑の再来にも備え、
子どもたちのよりよい環境を整えるという観点から、エアコンの設置を希望する民間児童育成会への支援に向けた検討を行ってまいります。
◆佐々木みつこ 委員 ただいま、支援に向けた検討を行うという前向きなご答弁をいただきました。子どものことを第一に考え、その健やかな成長を社会全体で後押しする、まさにこどもまんなかの考えにのっとり、公設、民間にかかわらず、いち早く
子どもたちにとってよりよい環境を届けることを求めて、質問を終わります。
◆水上美華 委員 私からは、大きく2点、1点目に社会的養護における子どもの権利擁護に向けた取組について、2点目に母子
生活支援施設を活用した妊婦支援について伺いたいと思います。
初めに、社会的養護における子どもの権利擁護に向けた取組についてお伺いいたします。
2022年6月、社会福祉法等の一部を改正する法律成立に伴い、社会的養護に係る子どもの権利擁護に関する様々な取組が規定され、子どもの意見表明権を保障する仕組みとして、次の3点が新たに定められたところです。
一つ目が、児童相談所や児童福祉施設における意見聴取等、二つ目が、意見表明等支援事業、そして三つ目が、子どもの権利擁護に係る環境整備であります。
中でも2点目の意見表明等支援事業については、子どもの権利条約にうたわれた意見表明権を保障するためのもので、同様の内容は児童福祉法第2条にも規定されています。
私ども会派は、これまでも、子どもの意見表明権が子どもの権利擁護として重要であることを繰り返し訴え、その実効性を求めてきたところであります。自分の意見を伝えることができない患者や高齢者、障がい者に代わって代理人の意思や権利を伝えることや、擁護をする、指示をするといった概念であるアドボカシーは、児童福祉施設への入所や里親への委託、一時保護の決定時など、児童相談体制の強化においても大変重要と考えます。
2022年の第4回定例会代表質問では、子どもの権利擁護に関する今後の取組についての質疑の中で、2024年の改正児童福祉法の施行を見据え、子どもの権利擁護について具体的に実現していくための取組が必要であると認識しており、今後は、一時保護中の子どもの意見表明の支援制度を整備することで、当事者としての意見を十分に取り込み、適切に処遇へ反映させていく仕組みの構築を考えたいとの答弁がありました。
特に児童福祉施設など社会的養護の下で生活している子どもの多くは、家庭において不適切な関わりを受けた経験があり、大人に対して不信感を抱え、自分の意見を聞かれる経験が乏しいことから、意見を表明することが難しいケースも少なくありません。こうした子どもの状態について理解を示しながら、年齢や発達の程度などに応じた、きめ細やかな支援が求められます。
常日頃から児童相談所などの関係機関では
子どもたちに寄り添って対応していることは承知しています。しかし、子どもが身近な大人に気を使って本音が話せなくならないように、児童相談所など関係機関から独立していること、そして、子どもから聞いた内容を本人の確認なしに伝えないという守秘などの原則をしっかりと守り、中立・公平な立場で
子どもたちの側にだけ立つ、子どもの声を代弁する存在である意見表明等支援員、アドボケイトの存在が非常に重要であると考えます。
そこで、質問ですが、札幌市児童相談所における子どもの権利擁護に係る取組の現状と課題について伺います。
◎宮本 児童相談所長 児童相談所における子どもの権利擁護の取組の現状と課題についてお答えいたします。
社会的養育を必要とする
子どもたちの権利保護の取組は、今般の児童福祉法改正に定められた重要な柱の一つであると認識しております。
これまでの取組としましては、施設等で暮らす
子どもたちが自身の持つ権利を理解するための子どもの権利ノートを全面的に改訂し、子どもの年齢や理解力に応じて表現を変えるなどの工夫をしたところでございます。
また、意見表明の支援につきましては、嘱託の弁護士1名が一時保護所を定期的に訪れ、中学生以上の
子どもたちを対象に、ふだん感じていることや困っていることなどについて、中立・公平の立場で意見を聞いたり、意見を述べるための支援を試行的に行い、約8か月間で延べ41名の児童から様々な意見を聞き取っているところでございます。
今後は、一時保護所のみならず、児童福祉施設に入所している
子どもたちに対する意見表明の支援を行う体制を速やかに整備していくことが課題と考えております。
◆水上美華 委員 権利ノートの全面的な改訂です。そして、意見表明等支援事業の試行実施など、子どもの権利擁護に向けた取組を進めてきたということに関しましては、一定の評価をいたします。
一方、アドボケイトについて国の調査によれば、子どもの幅広いニーズに応じることができるよう、子どもが話しやすい環境整備や、子どもと信頼関係が持てる人など、様々な職種の経験があるアドボケイトの確保が求められています。
また、児童福祉法改正では、アドボケイトには専門的な知識や技術が必要なため、適正なプログラムによる研修等が行われることが求められています。
本市でも意見表明等支援事業の拡充を考えますと、アドボケイトの養成のための取組が必要であると考えます。
先ほどの答弁で、試行的に行っている取組では、アドボケイトは1名ということで、現在入所している一時保護所の
子どもたちへの十分な対応や、今後、児童福祉施設への展開を考えると人数の面でも不十分であると考えますし、専門性を獲得するための取組も構築していく必要があると考えます。
そこで、質問ですが、今後、本市としてアドボケイトをどのように確保していく考えなのか、お伺いいたします。
◎宮本 児童相談所長 意見表明等支援員、いわゆるアドボケイトの確保についてお答えいたします。
意見表明等支援員は、第三者として中立・公平な立場で
子どもたちと向き合うことが求められるため、その役割や子どもへの関わり方などについて十分な知識と技術を習得していることが重要と考えております。
先行実施している自治体の中には、権利擁護に関して活動のノウハウを有する民間の法人に事業を委託し、意見表明等支援員、アドボケイト向けの研修実施を含め、計画的に養成する仕組みなどを構築しております。
札幌市といたしましても、これらの好事例を参考に、アドボケイト、意見表明等支援員の養成や確保について、今後、具体の検討を進めてまいりたいと考えております。
◆水上美華 委員 意見表明等支援事業を始めるに当たり、国で子どもから行った意見聴取では、子どもが意見を言える仕組みについてそもそも知らなかったり、児童相談所の職員がほかの子どもに対して対応しているので、迷惑をかけないようにあまり意見を伝えないなどの意見が寄せられております。
意見表明等支援事業を導入することで、関係機関から独立した存在であるアドボケイトが、子どもに寄り添い、子どもの声を聞くことに徹し、そのことができると期待をしているところであります。
また、子どもの意見表明を支援していくためには、アドボケイトを受け入れる側の職員とも、意見表明等支援事業について十分に共通理解を図っていく必要があると考えます。
このたび、2024年度のこの事業の試行に向け、国が事業費の2分の1を補助する方針を示しておりますが、本市としても、ぜひこれを活用し、意見表明支援の取組を本格的に進めていただきたいと強く考えているところであります。
そこで、質問ですが、今後、本市として国が示す意見表明等支援事業にどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
◎宮本 児童相談所長 今後の意見表明等支援事業の取組についてでございます。
意見表明等支援事業を既に取り入れている施設では、子どもの意見を聞き取ることの重要性について、大人がまず認識し、それが子どもに伝わっていくことにより、子ども自身が職員に対して自分の言葉で思いを伝えられるようになった、こういう効果が報告されているところでございます。
法改正に伴う本事業の開始に向けては、施設に対して、この取組の必要性と効果を丁寧に説明し、理解を得ることが前提になると考えております。
その上で、意見聴取に係る具体的な方法として、意見表明等支援員の養成や施設への派遣方法、あるいは、聴取した子どもの意見をどのように扱っていくのか、こういったことをしっかりと議論しながら、子どもの最善の利益を守る新たな仕組みを構築してまいりたいと考えております。
◆水上美華 委員 本市では、これまで、フォスタリング機関による里親支援や一時保護専用施設の整備など、社会的養護の下で生活している子どもや、一時保護中の子どもの支援に力を注いでいることは理解しております。
今後、法改正の大きな柱である子どもの権利擁護を実現する環境を推し進めるために、ぜひとも、本市においても意見表明等支援事業の本格的な実施を強く要望いたしまして、この質問を終わります。
次に、妊娠に不安を抱える方への支援、特にここでは母子
生活支援施設を活用した妊婦支援についてお伺いをいたします。
私ども会派では、これまで、妊娠に不安を抱えた方への相談支援体制や居場所支援について、その必要性と支援体制の整備を繰り返し求めてまいりました。妊娠が確定し母子健康手帳を交付した後は、妊婦健診の公費負担制度や初妊婦訪問事業等、数ある母子保健事業の対象となりますが、これらの母子保健事業につながらない妊婦から重大な児童虐待事案が発生していることが少なくありません。
思いがけない妊娠をして悩んでいる女性と、その子どもにまつわる社会問題は、出生後間もない子どもの虐待死を防ぐための重要な課題であります。
妊娠に不安を抱える方への支援については、今年の第1回定例会の
予算特別委員会第二部の保健福祉局にて質問を行い、出産後の居場所支援に関する支援について答弁をいただき、私からは、支援体制の強化は待ったなしの状況であること、早急に具体的な取組の議論を進めることについて要望いたしました。
また、私ども会派では、これまで、子ども未来局に対しても母子
生活支援施設の在り方検討に関する質問を行っており、昨年第4回定例会の
文教委員会において、職員による24時間体制や特定妊婦支援事業等についても検討する旨の答弁をいただいております。
国では、来年4月に施行される改正児童福祉法において、利用者の状況に応じた支援計画の策定や、子どもの養育や自立に向けた相談等を行う妊産婦等生活援助事業が創設されるなど、困難を抱える妊産婦への支援が整備されていく予定となっております。
また、本市においても、先日開催された札幌市子ども・子育て会議児童福祉部会で、母子
生活支援施設の目指す方向性として、施設の24時間化や妊婦支援などの機能強化について検討すると示されております。
そこで、質問ですが、母子
生活支援施設を活用した妊婦支援に係るこれまでの検討状況についてお伺いいたします。
◎伊藤
子育て支援部長 これまでの検討状況につきましてお答えいたします。
これまで、施設の入退所理由の分析、女性支援や妊産婦支援に係る団体等へのヒアリングなどを行ってまいりました。その中には、市内に妊婦の居場所支援を行う場所が不足していること、入所の際には生活面や就労の支援なども併せて行う必要があることなどのご意見がございました。
また、先ほどのご質問にもありましたけれども、母子
生活支援施設の在り方についてご審議をいただいております子ども・子育て会議の児童福祉部会においても、孤立している若年夫婦などの特定妊婦への支援の重要性についてご意見を頂戴しているところでございます。
こうしたご意見を踏まえまして、母子
生活支援施設とも協議を行い、施設の24時間化や妊婦支援の実施などに関する機能強化の方向性について検討してきたところでございます。
◆水上美華 委員 施設の機能強化などの方向性について検討されていることは理解いたしました。
また、関係団体からのヒアリングでは、居場所支援が不足しているという意見や、生活や就労相談も重要との意見もあったということで、課題に対する今後の取組についてしっかり検討を進めていただきたいと思います。
現在、本市の民間で運営する出産後の居場所支援も、その数は2部屋と非常に限られていることから、居場所支援を求めてやっとの思いで相談につながったものの、満床で利用できず、支援を受けられないケースも複数あったと伺っております。
また、妊娠葛藤を抱える相談者は、居所を転々とし、大変危機的な状況に陥っている場合が少なくありません。妊娠によって精神的、経済的、社会的に困難な状況に陥る女性の背景には、貧困、家庭内の複雑な事情、パートナーからのDV、性産業への従事、精神疾患、知的障がい、社会からの孤立等が複雑に絡み合っていると言われております。
そのため、妊娠に不安を抱えた方への居場所支援については丁寧な対応が求められるものであり、十分な支援体制を整備する必要があります。
そこで、次の質問ですが、施設における妊婦支援を行うに当たっての課題についてどのように考えているのか、お伺いいたします。
◎伊藤
子育て支援部長 妊婦支援の実施に当たっての課題についてお答えいたします。
妊婦の居場所支援の実施に当たりましては、入所者が安心して暮らせるよう、生活面や心身のケア等に関する支援体制の構築が課題であると認識しております。
具体的には、施設における看護師等の専門職の配置や夜間対応の強化など、職員体制の整備が必要であると考えております。
また、庁内の関係部署及び妊娠
相談窓口等の関係機関と連携を図りながら、各機関がそれぞれの特徴を生かした役割を担いつつ、支援が必要な方に対して重層的に関わっていくことが重要であると認識しております。
◆水上美華 委員 入居者の安心のため生活面や心身のケアにおける支援体制の構築が課題というような答弁でございました。今後、しっかりと検討していただいて、対策を講じていただければと思います。
本市では、民間や北海道と連携をして、24時間体制の妊娠SOS
相談窓口が開設されておりますが、そのニーズは非常に高く、開設当時の予想を超えた件数の相談がこれまでに寄せられております。
居場所支援を行う上では、この受入れを行う施設、要するに、居場所支援をする施設と、その前段階の
相談窓口等が切れ間なくつながっていることが必要であります。ただいま答弁のあった関係機関による重層的な支援体制の構築をしっかり取り組んでいただくことが重要であります。
そこで、質問ですが、母子
生活支援施設で居場所支援を行うに当たって今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
◎伊藤
子育て支援部長 居場所支援に係る今後の取組についてお答えいたします。
まずは、令和6年度中の受入れ開始を目標といたしまして、看護師等の専門職の配置や既存職員のスキルアップに向けた研修の実施などについて、施設の方とともに検討を行っていく予定でございます。
また、妊娠相談支援団体と相談から入所までの連携について、具体的な事例に基づいた協議を行ってまいります。
今後も、母子を一体で支援することができるという母子
生活支援施設の特徴を生かしまして、妊娠や出産後の生活に不安を抱える方が安心して支援を受けられる環境の整備に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。
◆水上美華 委員 来年度中の受入れを目標に職員配置や研修の実施を検討されていること、そして、相談実施団体等の相談から入所までの連携について検討していることを十分に理解いたしました。
妊娠に不安を抱えた方への支援について、先日公表されました
アクションプラン2023(案)で、
相談窓口については、母子保健における児童虐待予防強化事業、妊娠SOSと併せて、居場所支援につきましては、母子
生活支援施設を活用した女性支援事業と二つの事業が新規事業として取り上げられております。
これまで、まずは
相談窓口を開設、整備をしていただきたいという思いで、第二部の保健福祉局のほうで熱く質問をさせていただいておりましたけれども、やっと、居場所支援ということで、こちらの第一部の子ども未来局に質問をさせていただく時期になってきたのかなと思っております。
私の勝手な推察ではありますけれども、第一部、第二部と分かれている中で、保健福祉局、そして子ども未来局と両方に出席をされている町田副市長の大きな事業に対するご理解とご尽力があったのではないかと思っております。
母子
生活支援施設を活用した妊婦支援の検討を始めていただいていること、そして、具体的な取組の検討を進めていただいていることを高く評価をするとともに、今後の展開に期待をしております。
最後に、要望でありますが、今後も開催される検討会で医療機関や民間団体、北海道、庁内での連携を進め、早急に役割分担を含めて、妊娠、出産、育児の切れ間のない支援体制の整備について、具体的な実施に向けての議論を進めていただくことを求めまして、私の質問を終わります。
◆前川隆史 委員 私からは、若者出会い創出事業の取組についてお伺いしたいと思います。
婚活事業につきましては、私が市議会議員に初めて立候補した際に公約として掲げ、以来、一貫して取り組み、議会で繰り返し主張させていただきました。当初、婚活を公約にする考えなど全くございませんでした。しかし、立起表明の後に若者の声を聞く懇談会を白石区内の各所で行わせていただきまして、その際に若者から最も多く寄せられた声が、札幌市で婚活をやっていただきたい、こういう声であったわけでございます。それも、かなり深刻に悩んでいる様子がうかがえました。
当時の私には想定外の内容でございまして、衝撃でした。最初はユーモアで言っているんだろうと、うかつにも、ついにやにやしてしまい、要望された若者から、その場で、前川さんは何でも言ってくださいと言われたから思い切って話したのに、今、笑いましたよねと大変なけんまくで怒られまして、土下座して謝ったのを昨日のように思い出されます。
最初は戸惑いましたけれども、何人もの若い方から繰り返しこうした要望をいただくうちに、結婚のことで悩んでいる人たちが訴える機会がなく、埋もれていた若い人たちの声と受け止めるに至りました。
その後、議会議員としての立場をいただき、早速、委員会で婚活事業を提案しました。当時は、政府主導で地方創生の取組として、地方版人口ビジョン、それから、地方版総合戦略を人口減少対策として各自治体が策定中でございまして、これに合わせて、全国の多くの自治体で既に婚活支援事業が行われ始めておりました。
しかし、札幌市での議論はかなり難航いたしました。税金を使って婚活などはけしからんですとか、人権問題だとか、民業圧迫だなどと、たくさん反対のご意見をいただいてきましたけれども、繰り返し主張してきた結果、若者出会い創出事業として、決して予算額は大きくはありませんでしたけれども、札幌市で初めての婚活支援事業がスタートしたところでございます。
コロナ禍でしばらく休止状態でございましたけれども、このたび補正予算で事業化となり、この先の将来の札幌の未来をも見据えた持続可能な事業となることを大いに期待するところでございます。
私は、今年の1定の
予算特別委員会において、札幌市の婚活支援事業は、若い世代にとどまらず、年齢に関係なく結婚を望む人にすべからく機会が与えられるよう取り組んでほしいと考えまして、年齢条件を設けず、40代以上の方々も対象とした出会いの場づくりを要望しました。その際に、町田副市長からは、まずは20代から30代の若年層の体制づくりに取り組み、その中で対象年齢を検討していきたい、こんな答弁があったところでございます。
私としては、この時代、結婚の適齢期なるものは存在しないのではないかと思っておりまして、人にはそれぞれのライフプランがあって、それを行政が支援することで、若者から中高年の方々まで、それぞれの生活が充実することとなり、それぞれが人生を前向きに生きていけるのではないか、このように思っているところでもございます。
そこで、質問でございますが、このたびのオンライン結婚支援センターでの利用登録者の対象年齢の設定についてどのように考えているのか、お伺いいたします。
◎佐藤
子ども育成部長 ただいまの利用登録者の対象年齢についてのご質問にお答えいたします。
若者の希望する理想のライフプラン実現に寄与することに主眼を置きつつ、結婚を希望する様々な年代の方の期待にも応えられるよう、利用登録者の対象年齢については、成年年齢の18歳からを対象とし、年齢上限は設けない方向で考えています。
これにより、結婚支援センターに期待を寄せるより多くの方々に出会いの機会を提供してまいりたいと考えております。
◆前川隆史 委員 年齢上限は設けないということでございました。よくぞ決心していただいたなと、このように思っております。
40代以上の結婚支援ということも、正直、私自身も実は以前は全く想定しておりませんでした。若者出会い創出事業が札幌市で動き始めてから、年齢制限があることを知らずに申込みをされた方が多くいらっしゃいまして、年齢制限をなくしてほしいとの声をたくさん、これまでいただいてまいりました。
特に、私のところには、40代から60代の女性からのご要望をこの件で多くいただきました。なぜか男性からは、全くそのご要望がないのですが、もしかしたらこの辺りの分析が必要かもしれません。ともあれ、世代を問わず結婚を希望する方に喜んでいただけるよう工夫して取り組んでいただきたい、このように思うところでございます。
そして、次の質問でございますけれども、私から、今年の1定の
予算特別委員会において、今後の婚活支援体制構築の方向性についてお伺いしました。
昨年度実施された出会い意識調査において、約7割を超える方が、結婚に際して札幌市内の居住にこだわっていないとの回答だったことから、広域的な事業展開も視野に入れて、若者の希望のライフプランを応援していきたいとの答弁があったところでございます。
そこで、伺いますが、広域的な事業展開についてどのように考えているのか、お伺いいたします。
◎佐藤
子ども育成部長 ただいまの広域的な事業展開に関するご質問にお答えいたします。
人口減少や高齢化が進行する中、札幌市のみならず、通勤など一体的な日常生活圏を形成する札幌圏域全体の活力を維持・向上していくことが必要だと認識しています。そのため、利用登録者の要件については、近隣市町村で構成するさっぽろ連携中枢都市圏内に在住する方や在勤する方にまで広げ、さらには、その圏域内に移住を希望する方をも対象に加えることを考えています。
今後は、現在策定中の次期さっぽろ連携中枢都市圏ビジョンの中に本事業を位置づける予定であり、構成する11市町村と連携し、広域的に事業周知を行うなど、札幌圏域全体で結婚を希望する若者のライフプラン実現に向けた取組を行ってまいります。
◆前川隆史 委員 連携中枢都市圏を中心とした都市圏の中で広くこの事業を進めていきたい。また、在勤する方も対象にということで、そういう意味では、さらに広くなるということなのでしょうけれども、そういった方も対象にして大きく、あまり範囲にこだわらず、その人たちのライフプランが自由自在に展開されるような事業にしていきたい、多分、このようなことかと思います。
さきの代表質問でも申し上げましたけれども、ぜひスピード感を持って、札幌市のオンライン結婚支援センターの開設にしっかり取り組んでいただきたいと思います。
さきの3定の代表質問では、町田副市長より、オンライン結婚支援センターの令和6年度開設について、100年先の札幌の未来を見据えて取り組んでいくと、このように大きな志を持って取り組んでいくというご決意もいただいたところでございます。
どうか、来年度の開設に向けて、様々な工夫を凝らして多くの皆さんに喜んでいただける事業になるように力を尽くしていただきますことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
◆伴良隆 委員 私は、児童虐待防止に向けた情報連携について質問させていただきます。並びに、子ども、若者や家庭に関する情報の一元化と連携共有については、山本局長から最後にご答弁をいただきます。
まず、日々、児童虐待防止に関わる様々な緊張度のある大変なお仕事をされている児童相談所をはじめ、子ども未来局の皆さん方には感謝を申し上げます。
さて、私、この児童相談所、そして児童虐待の防止ということに関わって質疑をさせていただいてきました。これまでもですね。そのきっかけが平成23年でございます。これは、中学3年生というか、16歳の無職の少女が養父に、あまり詳しくは言いませんけれども、入れ墨や覚醒剤ということの中で虐待を受けていたという事案がございまして、これはなぜかなということを、当時、疑問に思って、そして、各関係者にいろいろと聞き取りをさせていただいたところ、これは、ヒューマン、人がどう関わっていくかということが極めて大事で、もっと言うと、連携が全く足りていない。各人がそれぞれの業務に陥っていたというふうに私は思ったわけでありまして、これをきっかけにして、虐待の早期発見の気づきを知っていただくために、また連携していただくために、それぞれ内外の各部署がガイドラインを持って、各人がチェックシートをしっかり持って、気づきというものをしっかりやるべきだということを皆さん方に訴求を何度もさせていただきました。
平成26年頃ですけれども、児童虐待対応の手引きというものを作っていただいて、この中にチェックシートが書かれているわけであります。
しかし、残念ながら、平成27年、この前に白石の精神の弱い母親の関係の刺殺があったと記憶していますけれども、それも残念でありましたが、特に、平成27年、これは手稲区だったと思いますが、児童が養父に殺されるということがございまして、これは大変ショックでありまして、このときの検証報告もございました。
このときに、当時の村山子ども未来局長は、これは全庁一丸となってやらなければならないし、そうじゃないと無理ですというぐらいのご答弁をしていただいているところです。
そういった中で、私は、さらにきちんとした手引を作ってほしい、汎用性のあるものをということで、児童虐待防止ハンドブックを作っていただいています。これは、改訂も含めて今日に至ります。この中にいろんなことが書かれていますけれども、虐待に至るおそれのある要因ということで、転居を繰り返す家庭であるとか、保護者自身が虐待を受けて育った場合であるとか、乳幼児健診、幼児健診の未受診であるとか、これは割愛しますけれども、こういったことが書かれています。
それから、通告、相談の受理後の支援の流れということで、子どもを取り巻く生活の現場がいかに区家庭児童相談室、家児相のほうにどう伝えるかということもフローで分かりやすく書いてあります。
子どもの様子だと、急に虫歯が増えているとか、衣服や体がいつも不潔であるとか、おびえた表情があるとか、説明を嫌がるとか、親にしてみれば、登校や登園をさせないとか、連絡に応じないとか、援助の申出に拒否的であるとか、こういった私たちにとってすっと分かるような内容を作っていただいて、当然、オレンジリボン協力員の皆さん方にもお伝えしているところと。
しかし、令和元年に、皆さんがよくご承知の中央区における2歳の女児の死亡事案がございまして、これが非常に全国的にも話題になったところでございます。
当時、質疑を厳しくさせていただいて、なぜそれが48時間以内に達成できなかったかとか、私は目黒の殺人事件の事案をきちんと省みるべきだと言ったのに、所長が言うことを聞いてくださらなかった。その1年後にこの事件が起きたわけでありまして、これはもう非常に重要ということで私も取り上げさせていただきました。
私だけじゃなくて、松本委員長ですか、
検証報告書がございますけれども、ここに衝撃的な言葉が載っていて、札幌市は、これまでの死亡事例等から本気で学ぶつもりがあるのか。市民の困難を共感的に洞察し、協働の文化を持つ組織になる必要性を、本気で感じているのか。市政のあり方そのものが問われていると、非常に重たい言葉でありました。
そして、その中で第3次の児相体制強化プランということで、割愛しますが、関係機関との連携・支援の体制や支援制度の強化、あるいは、アセスメントシートの活用や進行管理の徹底、児童虐待防止ハンドブックの活用、関係機関と連携した支援の体制ということが書かれていて、そして、全体を通した今回の中央区の事例の反省として、子どもとしての理解、そして、当事者の側に立って問題を把握する観点、支援の在り方における問題点、その他様々な問題点が指摘されているところでございます。
私からすれば、なぜもっと早くにという気持ちもあり、よく言えば、事例を積み上げて地道にやっていただいているということもあるのですけれども、しかし、日に日に事態というものが深刻になる場合もございますので、何とかこういったことを防ぎたいと思ってやってきて、私の力足らずで、自分なりには大変責任を感じているところでございますので、今日は最後にしっかり山本局長に答弁を求めたいと思います。
それでは、質問に入りますが、どんな人や組織でも虐待への気づきと情報共有ができるよう、一定の判断基準となるガイドラインを設け、チェックシートを組織問わず各自が持ち運用できるように、これは抜けや漏れが出てしまわないようにということでございます。そして、他の自治体同士もそうであります。他の自治体同士、転居していきますね。このときに、お互いが同じ感覚で、同じ用語で、藤崎課長に教えていただきましたけれども、きちんと申し送りをして措置をする、支援をするというふうになっているかどうかということですけれども、これも目黒の事案で一歩前に進みました。国が、厚労省がです。
そこで、質問でありますけれども、児童相談所は、無論、学校など、子どもや家庭に関わる関係機関が同じ気づきや共通認識を持てること、このために事案のアセスメントのための、アセスメントというのは気づきということでございますが、アセスメントのための基準の共有化に向けて、これまでどのように取り組んできたのか、経緯、経過をしっかり確認させていただきます。
◎宮本 児童相談所長 アセスメント基準の共有化への取組についてお答えいたします。
過去の事案の対応を踏まえまして、平成30年3月に虐待の程度や、子ども、家庭の状況などからリスク判定や支援に必要な確認項目を抽出し、子どもに対する危険性の認識を関係機関と共有するためのツールとして、在宅支援アセスメントシートを策定いたしました。
このアセスメントシートの定着に向けましては、児童相談所や区役所の職員を対象に、毎年、外部講師による研修を開催するとともに、児童虐待防止ハンドブックにも掲載しまして、学校や保育所といった子どもの支援に携わる関係機関にも幅広く配布をしているところでございます。
また、他自治体への転居の際には、国の指針などに基づきまして、全ての児童虐待事案におけるアセスメント情報や支援経過を確実に引き継ぐことで、児童相談所間における世帯状況の理解やリスクの認識に差が生じないよう努めているところでございます。
◆伴良隆 委員 アセスメント、気づきのシートを作っていただいて、そして、様々な、
子どもたちが亡くなっていくごとに、厚労省もそうですが、我が市も積み上げていっているということでございます。先ほど、学校や保育所といったお話もありました。それから、他の自治体との連携というお話もありました。
それでは、二つ目の質問でありますが、私も、特に手稲の事案から中央の事案を見ていくときに、母子保健にお詳しい宮本所長でありますが、例えば、養父などとともに虐待の加害者となり得る母親といった若者女性が生まれた家庭環境といったものなどを聞いていますと、恵まれない環境にいる若者への
アプローチが中長期的には児童虐待防止策となり得るというふうに私も思った次第でございます。これは、要は母子保健ということになります。
そこで、質問でありますが、児童福祉と母子保健の情報連携については、児童相談所と区家庭児童相談室、母子保健の各システムの情報共有を実現した子育てデータ管理プラットフォームをはじめとして、この5年間で区の保健センターにおける一体的な体制の下、支援が必要な子どもの早期発見に向けた情報共有の仕組みが一定程度整理をされてきたものということで、児童虐待の防止に向けた情報連携にどのように取り組んでこられたのか、伺います。
◎宮本 児童相談所長 母子保健との情報連携の取組についてお答えいたします。
令和元年の2歳女児死亡事案を契機に、児童相談所と各区家庭児童相談室の情報をまず共有化するとともに、その後、児童福祉と母子保健の各担当部署がこれまでそれぞれのシステムで管理をしてきた支援対象者の情報についても、一体的に共有できる仕組みの構築に取り組んでまいりました。
これは、令和3年7月から各部署の情報連携の共通基盤となる子育てデータ管理プラットフォームの運用を開始し、母子保健側の妊娠届出や乳幼児健診等の情報と、児童福祉側の相談支援や虐待通告などの情報を共有し、適時適切に相互に利用できるようにしてまいりました。
このことによりまして、出産前から、あるいは出生後は、子どもの成長発達に応じた切れ目のない支援はもとより、関係機関が同じ情報を確認しながら、それぞれの専門性を生かしつつ一貫した支援を実践できるようになり、事案の深刻化を未然に防ぐという児童虐待防止に向けた幅広い効果が得られていると認識しているところでございます。
◆伴良隆 委員 少し長い時間はかかっていますけれども、着実にはやっていらっしゃるということなんだと思いますけれども、しかし、まだまだであります。
この子育て管理プラットフォームでありますけれども、内容は、守秘に関わる内容もございますので割愛しますけれども、情報が更新された世帯が自動的に一覧表示されるということで、各システムから連携された情報、つまりは、氏名等の基本情報や支援策の取扱い情報、接触経過記録等が一括表示される。ここまでにいたしますが、そういう中においてリスクアセスメントシートが反映されておりまして、児童虐待の緊急度の目安のチェック項目を入力していく中で、例えばアラートが鳴るということ、アラートが出るというふうな仕組みになっています。
ただ、私、前任者の方には、これをやらせてほしいというお話があって、それは当然なのですけれども、これを使うのは人ですからということで、やはり限界もあるだろうということは申し添えたところでございます。情報の中身を含めてです。
新年度、来年度からは、国もこども家庭ソーシャルワーカーなるものの新資格を取ってもらうために、早期発見、対応、児童の自立支援まで切れ目ない対策ということで、新しく支援をしていくという報道も出ておりますけれども、人への支援、研修ということは、松本検証委員会委員長も強くおっしゃっているところでございます。
それでは、話題を教育委員会に変えます。
この質問は、教育委員会と保健福祉局に了解を得て質問をしています。その上で児相の所長にお答えいただきます。
教育委員会におきましては、個別の教育支援計画ということで、福祉、医療、労働等の関係機関と連携を図りつつ、乳幼児期から学校卒業までの長期的な視点に立った教育的支援を行うということで、サポートファイルさっぽろというものを、保健福祉局の障がい福祉課が作ってくれています。これを活用して個別の指導計画ということでサポートプランを作っているということであります。
では、このサポートファイルというものは何なのかということでありますけれども、皆さんもご承知だと思いますが、切れ目のない支援ということで、本人の個性や特徴、これまでの経過などを共通理解し、自立に向けた手だてを共有したりすることにより、切れ目ない支援を受けることをサポートするためのツールということで、札幌市では、福祉、教育、医療等の場において幅広く活用を進められていますということで、基本様式となっていて、ツールの一つということでございます。これは非常に汎用性がございます。
中身についても、様々な生育歴、お母さんが生む前からということでございますけれども、いろいろな生育歴、いろんな特徴などが書かれるということで、保護者と一緒になって作っていくんですね。家族構成は、同居人、養育に関わる人も含んだほうがいいと私は思いますけれども、こういうサポートファイルさっぽろというものがあります。
そこで、質問に入りたいと思いますけれども、児童虐待を未然に確実に防ぐために、困り事を抱えた家庭の情報について抜けや漏れがないよう、部局の枠を超えた関係機関がしっかりと情報連携するような仕組みをつくることが極めて重要でありまして、このような既存ツールの情報を活用し、困り事を抱えた保護者の情報を児童相談所や学校で日常的に共有することなど、教育委員会との情報連携に当たってどのような効果が見込まれ、どのような課題があると考えているか、伺います。
◎宮本 児童相談所長 教育委員会との情報連携の効果あるいは課題についてお答えいたします。
学校が保有する児童生徒の情報を連携することで、子どもの発達をはじめ、不登校やいじめなど学齢期の子どもが抱える問題について、これまで以上に実態を把握しやすくなることが想定されます。
この連携が実現すると、現在の母子保健と児童福祉の一元的なシステムに、さらに就学後も困難を抱える子どもの情報が加わることになります。こういったことから、より長期的かつ切れ目のない予防的な支援につなげていくことが可能になると考えております。
一方、情報連携に当たりましては、学校に限らず、教育委員会の各部署が保有する数多くの情報の中から、日常的な共有により支援策を検討する上で有効と考えられる情報を選別していくという課題があるものと認識しております。
◆伴良隆 委員 部局をまたいだ答弁だというふうに解釈しております。
子どもの発達をはじめということで、不登校やいじめという言葉まで使われまして、就学後も困難を抱える子どもの情報が加わることになり、より長期的かつ切れ目のない支援、これは予防的なものも含みますが、こういったことにつながるだろうと。しかし、課題は、様々な情報を選別していく、また、管理の部分も、利用の部分もそうですけれども、課題があるということで、私もそう思います。
これは、教育委員会の方々もぜひご理解をしていただきたいし、この件について質疑することは了解を得ていますので、あえて今日は出席要請をしておりません。しかし、共感はしていただいているものというふうに思います。それが、今日、宮本児童相談所長としての答弁に裏打ちされたものということで、今後、私は最初に中学3年生の女の子のお話ししましたけれども、なぜその子の身体の入れ墨などに気づけなかったかということ。これは誰が悪いとは言いませんけれども、やはり教育であると。そして、手稲の保育園ですね。養育の場で、実は保育園のほうでも気づいていたというふうな話も聞いています。気づきがあった。しかし、それがなぜか伝え切れなかったと。
こういうことで、ヒューマンエラーとまで言いませんけれども、非常に
子どもたちに申し訳ないことがあったという意味では、日々、
子どもたちを我が子のように育てている教員の方々、あるいは保育士の方々含めてですが、今日は教育委員会、公的な部分ですが、教育委員会のことを聞きましたけれども、ぜひそういった方々の目、気づきということをぜひこういった情報に反映していただいて、そしてそれがひいては、学校側の責任である学びの支援というものにつながっていくというふうになってほしいと思うのであります。
それでは、最後に、山本局長に伺ってまいります。
山本局長は、皆さんご承知のとおり、子ども未来局、児童相談所の24時間体制の判定課長ということで大変ご苦労されていましたし、私の議会対応にも大変苦労されていたというふうに思います。非常に、そういう意味では、ご苦労をされて、献身もあって、担当局長もされましたね、児童相談所の。そういう意味では、今日、この場でまたお目にかかれて非常に私はありがたいわけでありますけれども、しかし、ここはきちんと答えていただくべく私も積み上げてまいりましたので、今日は、子ども未来局長のご答弁ということでありますが、教育だけじゃありません。
保健福祉局障がい福祉課が持っているサポートファイル、そして肝心なのは、生活保護世帯の部分のケースワーキングです。こういった方々も非常に重要な情報をお持ちですし、守秘義務もありますけど。こういった情報をですね、先ほど、るる委員の方々からいろんなお話がありました。家庭の状況とか経済的事由とか、そういったものがあります。こういうものも捉まえていくと、保健福祉局の生活保護担当の方々がお持ちの情報、こういったものも非常に重要なわけであります。
そこで、質問でありますが、児童虐待は、養育者の生育歴や心身の状態、経済的要因、夫婦関係、養育者の育児負担などの家族の抱える要因や、社会的なつながりなどの様々な問題が複雑に作用して発生すると言われています。
児童虐待の未然防止に向けては、教育委員会のほか、保健福祉局の保護課や障がい福祉課が持つ情報など、札幌市が保有する世帯に関する情報を幅広く集め、様々な観点から子どもやその家庭の状態を分析し、支援につなげていくことが必要だと考えます。
そして、私も当初、生意気にも申しましたけれども、虐待を防ぐためには、他人の子を我が子と思う、最終的にはそういう気持ちと、そして、もしかしたらという気づきと危機感、そして、できることは何でもやるという覚悟と行動力、これは限界をつくらないということであります。部署を越えて。
ですから、いわば業務や仕事と見るか、それとも責任や使命と見るかということは強く訴えさせていただいたところでございます。
そこで、子ども未来局長として、松本委員長がおっしゃった、部局間を超えた市政の在り方が問われているという前提の下で答弁をいただきたいと思いますが、今後の部局間の情報連携の推進に向けてどのように取り組んでいくのか、山本子ども未来局長に伺います。
◎山本 子ども未来局長 令和元年の中央区女児死亡事案を契機に、私どもは、児童虐待対策推進本部会議を立ち上げまして、これまでに会議を重ねて効果的な対策というものがどうあるべきかということを議論してまいりました。
その中で、今年の4月に、子ども虐待防止に関する職務に従事する職員の人材育成ビジョンというものを策定いたしました。これは、児童虐待防止の職務に関わる職員が全て虐待から子どもを守るということ、そして、子どもの最善の利益を実現する、これについて関係局において、協働の文化、あるいは組織文化、そして専門性の強化に取り組むということを明言したものであります。
したがいまして、虐待から子どもを守るという目的は、各局関係職員が共有しているものであります。さらなる情報連携をはじめ、同じ目的に向かって関係各局が協働して取り組んでいくという思いも共有されていると認識しております。
学校など教育委員会の情報をはじめ、
生活支援、発達支援など保健福祉局が持つ情報とこれが共有できれば、各部署での支援のための情報の精度が上がります。児童虐待の未然防止にもつながっていくというように考えます。
情報の連携推進、これらを含めました児童虐待防止の取組は、引き続き児童相談所が中心となりまして、これらの課題に当初から関わっております私の責任の下、確実に進めていく考えであります。
◆伴良隆 委員 ここに至るまで、私もいろいろと調整をさせていただいてまいりましたし、平成23年以降そうですが、お話がありましたとおり、部局を越えるというのは、言葉だけじゃなくて、命の安全と、この子はこうあったらいいなという想いや理想はあると思います。しかし、我々、親や社会としては、その子の安全、命、今日も無事に帰ってきてほしいという気持ちは、誰しも、きれいごとじゃなくて、思うことだと思います。これで部局を越えるしかないんだと思うんですね。
山本局長は、今日、組織の長として答えていただいたわけでありますが、今お話のとおり、我が子のように、子どもというのは社会の財産である、札幌市としても当然であるというお話だったと思います。
全ての子ども、児童にというお話もありましたけれども、まさに裏打ちされている昭和26年の児童憲章の主語は「全ての児童は」と書いてありまして、
子どもたちを対象にしております。
市民憲章においても、第4章でありますけれども、未来をつくる子どもの幸せなまちにしましょう、こういうふうにございます。
ぜひ、失われた命、あるいは、命だけじゃなくて、非常につらい思いをしてきた子どもや、時には母親もあるかもしれませんが、そういった事案に報いる形でぜひやっていただきたいというふうに思いますし、先ほど、情報の均一化、統一するという方向性を、こうしたいんだというお話がありましたので、ぜひ、時間はかかりますけれども、早期にやっていただきたいというふうに思います。
加えて、保健福祉局、教育委員会の皆さん方にも、ここを通じて私からもお願いをしたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。
◆ふじわら広昭 委員 私は、2項目質問いたします。
1項目めは、病後児デイサービス事業について、2項目めは、今後の保育所などの整備についてです。
初めは、1項目めの病後児デイサービス事業についてです。
質問の1点目は、近年の利用状況についてです。
札幌市の第4次さっぽろ子ども未来プランでは、安心して子どもを産み育てられる環境の充実が目標の一つとして掲げられています。保護者に代わって病気回復期の子どもを一時的に預かる病後児デイサービス事業は、子育てと就労の両立を支援するために欠かせない取組です。
札幌市では、1999年度から乳幼児健康支援デイサービス事業として開始後、2009年度に現在の病後児デイサービス事業として、市内の医療機関のご協力を得て現在に至っております。
2022年4月から、これまでに未開設でありました南区におきまして、自衛隊札幌病院の真駒内駐屯地こどもデイサービスセンターが開所となり、現在、市内6区7か所の開設となっています。
改めて、札幌市医師会をはじめ、ご協力をいただいております各病院に心から感謝を申し上げたいと思います。
現在、中央区、北区、西区、清田区が未開設となっており、地域的な偏在もあるほか、風邪が流行する時期などは、定員超過により受け入れられない状況が生じております。こうしたことからも、かねてより、本事業の拡大の必要性について要望してきたところです。
そこで、質問ですが、昨年度、一昨年度では、
新型コロナウイルス感染症の影響もあったものと拝察しますが、利用者の利用主体ニーズに応えられている状況であるのか、最近の利用状況についてまず伺います。
◎渡邉 支援制度担当部長 病後児デイサービス事業の最近の利用状況についてのご質問でございます。
年間延べ利用児童数は、令和3年度は1,687人、令和4年度は1,488人となってございまして、本年度は、4月から7月までの4か月間の集計でございますけれども、555人となっているところでございます。
利用意向のあった申込み人数に対して、利用できなかった延べ人数でございますけれども、令和3年度は年間で287人、4年度は259人であったところ、令和5年度は、7月までの4か月間で429人と、既に令和3年度、4年度の年間実績を上回って推移している状況でございます。
◆ふじわら広昭 委員 質問の2点目は、病後児デイサービスの次期中期計画
アクションプラン2023における考え方についてです。
今の答弁にもありました利用状況を踏まえますと、市民の利用ニーズに応えられる状況にはいまだ至っておらず、実施施設を増やすことは、引き続き課題であると考えています。
今年の
予算特別委員会では、増設について、
アクションプラン2023においても、未開設区への設置などしっかり位置づけてほしいと求めたところであります。
そこで、質問ですが、
アクションプラン2023の計画期間における本事業の検討内容、特に施設拡大の考え方について伺いたいと思います。
◎渡邉 支援制度担当部長 次期
アクションプランにおける検討内容や施設拡大の考え方についてのご質問でございます。
現在、札幌市の病後児デイサービス事業は、市内7か所で実施しておりまして、次期
アクションプランの計画期間中に市内10か所まで拡大することを目標とした計画案としてございます。
本事業につきましては、地域偏在を解消するため、これまでは全ての区で実施することを想定していたところではございますけれども、実施条件に見合う医療機関が全ての区に存在しているとは限らないということから、行政区域単位ではなくて、実施医療機関と保育所等との位置関係を踏まえて追加施設数を想定し直したところでございます。
この結果といたしまして、次期
アクションプランの計画期間中には実施施設を3か所追加いたしまして、合計で10か所というふうに考えたところでございます。
◆ふじわら広昭 委員 札幌市医師会の中におきましても、札幌市のこの事業に対する助言などを見ますと、原則として、病院の診療科目に小児科を有していること、また、複数の常勤小児科医が在籍していること、内科医での代替は不可という提言というか、アドバイスが出ているわけでありますけれども、やはり、これを踏まえると、今、部長の答弁にもありましたように、こうした常勤の小児科医師が複数いるとか、様々な条件を見ますと難しい要素もあるので、一定の理解はするところであります。
質問の3点目は、そうしたことを踏まえて、施設の拡大に向けた取組についてでございます。
次期
アクションプランでも施設数を増やす想定とのことですけれども、今答弁がありましたけれども、前回の
予算特別委員会では、これまでに新規開設を打診した病院などからは、様々な課題に対する意見として、事業開始に踏み込めない一つの要因として、札幌市から受託する際に受け取る委託費では運営が難しいという声があったとのことでありました。
そこで、質問ですが、こうした病院などの声を受け止めた見直し状況及び今後、
アクションプラン2023計画(案)における市内10施設での実施に向けてどのように取り組んでいくのか、その考え方を伺います。
また、この新規開設の検討に当たっては、本事業は札幌市の事業として取り組んでいることからも、市立札幌病院もその役割を担うことも考えられると思います。その検討状況について、併せて伺います。
◎渡邉 支援制度担当部長 施設数拡大に向けました今後の取組について、3点ほどご質問をいただきました。
まず、1点目の病院等のお声を受けた事業の見直しについてでございます。
これまでにいただいた医療機関からの声を受けまして、本年度から、運営に係る委託費用のうち、保育士、看護師の配置に係る人件費の単価を増額したところでございます。
次に、2点目の次期
アクションプラン計画期間における取組についてでございます。
現在は、病気の回復期に当たる病後児を預かる事業としているところでございますけれども、今後は、入院等は不要であるものの、病気の回復期には至っていない病児の預かりも視野に入れまして、その負担に見合った委託費に見直すことなどについて検討しているところでございます。
なお、病児の預かりに当たりましては、受入れ可能な症状の目安などを実施医療機関や地域の医師会と協議の上、慎重に検討を進めていく必要がありますことから、関係する医師等が一堂に会する協議の場を設けるなどして調整を進めてまいりたいと考えております。
最後に、市立札幌病院等での実施に向けた検討状況についてでございます。
市立札幌病院での実施の可能性につきましては、昨年来、子ども未来局と病院局双方で課題整理を進めておりまして、引き続き病院局とより具体的な協議を重ねております。
そのほか、対象となり得る医療機関への働きかけを行うことを通じまして、実施施設の増加に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
◆ふじわら広昭 委員 要望を申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
やはり、受け入れていただく病院などでのこうした負担が自己負担につながらないようにするためにも、今、答弁をいただいたような形で、病院の実情に合った委託費というものをさらに充実していただきたいと思いますし、また、第4次さっぽろ子ども未来プランの中でもありますように、安心して子どもを産み育てられる環境というものを一層充実していくために、この5年間で3施設をしっかり拡大していただきたい。
特に、先ほども申し上げましたけれども、同事業は札幌市が取り組んでおりますので、市立札幌病院もいろいろな役割を担って大変なことは私も十分承知はしておりますけれども、ぜひとも市立札幌病院との協議というか、しっかり進めていただいて、対象区の改善に向けて取り組んでいただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。
次は、2項目め、今後の保育所などの整備についてです。
質問の1点目は、保育所などの建て替えに関する意向調査の状況についてです。
私は、さきの第1回定例市議会の
予算特別委員会において、保育所などの老朽化対策や、これに伴う事業者への支援策について質問をいたしました。
当時の支援制度担当部長は、札幌市立の公立園、また、賃貸物件の保育施設などを除いた自己所有物件の認可保育所や、認定こども園の数は、当時295園あるという答弁がされているわけであります。
また、耐用年数を超過している施設は、当時12施設あり、今後、10年後には26施設、20年後には39施設になるという見込みを答弁されているわけであります。
保育所の建て替えについては、民間の運営事業者が検討した上で実施をするものでありますけれども、保育所などが国の公定価格に基づく給付費で運営される仕組みになっていることから、事業者が建て替え費用の全額を捻出することは難しい状況にあります。
したがって、札幌市においては、これまでも保育所の建て替えに際して費用の一部を補助するなどの支援を行っており、今後とも事業者のニーズや施設の状況などを的確に把握しながら適切な支援策を講じていくことが重要と考えます。
質問するに当たり、子ども未来局に確認をしたところ、直近では、2023年6月に保育所など各園に対して、この先、数か年における園舎の建て替えに関する希望を聴取する意向調査を実施したとのことでありました。
そこで、質問ですが、保育所などの建て替えに関する意向調査の結果はどのような状況であったのか、まず伺いたいと思います。
◎渡邉 支援制度担当部長 保育所等の建て替えに関する意向調査の状況についてのご質問でございます。
札幌市では、保育所等の整備計画を検討する際の参考とするため、運営事業者に対しまして園舎の建て替えに関する意向調査を毎年度行っておりまして、今年も6月に認可保育所と認定こども園の合計376の施設に対して行ったところでございます。
この調査結果では、耐用年数を既に経過している12の施設のうち、四つの施設と、まだ耐用年数を経過していない二つの施設、合計で6施設から、園舎の建て替えを希望するとの回答がございました。
また、今回、建て替えを希望すると回答した全ての施設から、保育定員の増加を伴わない改築整備を行いたいとの意向が示されるとともに、このうち、耐用年数を経過している二つの施設からは、老朽化のため早期に改築整備を実施したいとの希望がございました。
◆ふじわら広昭 委員 札幌市が実施をした意向調査の結果から、この数か年において実際に保育定員の増加に伴わない改築整備を希望している運営事業者が複数いることが明らかになったわけであります。
質問の2点目は、保育所の改築整備補助の再開に向けた検討状況について伺います。
現在、札幌市は、既存の園舎より規模の大きな園舎を新たに建築することで保育定員を30人以上増加することを条件とした、いわゆる増改築整備についての募集を行っており、保育定員の増加を伴わない改築整備については、2017年度を最後に募集を行っていない状況であります。
さきの第1回定例市議会の
予算特別委員会において、私は、この改築整備に対する補助の再開について質問をしたところ、補助の実施については、次期中期実施計画の中で整理するとの答弁がありました。
さきの意向調査の結果にも見られますように、改築整備に対する補助を行うことで老朽化した園舎の建て替えが可能な園があるのであれば、老朽化施設の更新を計画的に進める観点からも、早期に補助を実施すべきであるものと考えます。
そこで、質問ですが、保育定員の増加を伴わない改築整備補助を早期に再開すべきと考えますが、現状における検討状況を伺いたいと思います。
◎渡邉 支援制度担当部長 改築整備補助の再開についてのご質問でございます。
老朽化した施設の更新を計画的に進めることは、保育の質の向上という観点からも非常に重要であると認識してございます。
これまでは、増加する保育ニーズに対応するため、保育定員の増加を伴う増改築整備に対してのみ補助を行ってまいりましたが、次期
アクションプランにおきましては、保育定員の増加を伴わない改築整備に対する補助制度の再開を盛り込みまして、令和6年度から実施をしたいと考えております。
◆ふじわら広昭 委員 改築整備補助については、
アクションプラン2023(案)の中で再開する予定であるという答弁がありました。安心・安全な保育環境確保のためにも速やかに実施すべきだと思います。
最後の質問、3点目は、今後の保育所などの整備方針について伺います。
改築整備に対する補助の必要性については、これまで述べてきたところでありますけれども、その一方で、今後は、少子化がさらに進むことにより、保育を必要とする子どもの数が減少していくことが予想されるため、従前のように新設整備を中心とした保育の供給量確保の必要性は低下するものと思われます。しかしながら、大規模マンションの建設などにより保育ニーズが急増する地域については、地域の実情に合わせた受け皿の確保が必要になるものと考えます。
このように保育を取り巻く環境が変わりつつある中、今後の保育所などの整備の考え方についても見直しをしていく必要があるのではないかと考えます。
そこで、質問ですが、改築整備を含めた2024年度以降の保育所などの整備についてどのように進めていく予定か、伺いたいと思います。
◎渡邉 支援制度担当部長 次年度以降の保育所等の整備方針についてのご質問でございます。
これまで、待機児童の解消に向けて保育定員を拡大するために保育所等の新設を中心とした施設整備に取り組んできた結果、市内の保育の供給量は充足しつつある状況にございます。
したがって、今後とも、地域における保育ニーズの変化や需給状況を定期的に確認した上で供給量の不足が見込まれる場合には、必要に応じて施設の整備等を検討してまいります。
また、耐用年数を過ぎる施設が年々増加することから、引き続き園児が安全に過ごせる保育環境の確保に向けまして、改築整備における運営事業者への補助などの支援を行うことによりまして、老朽化が進んだ施設の更新を進めてまいります。
◆ふじわら広昭 委員 要望を申し上げて、質問を終わります。
先ほども申し上げましたけれども、安心・安全な保育環境を確保するために、今後の改築整備補助の財源をしっかり確保していただきたいと強く求めておきたいと思います。
二つ目は、数多くの法人事業者が認可保育園を運営しているわけでありますけれども、こうした増改築などをする際には、その園の将来の存続も含めて経営者の皆さんは判断していくわけでありますけれども、こうした相談の体制というものを常に充実していただいて、各園を運営しております法人や事業者の皆様の対応をしっかりしていただくことを求めて、質問を終わります。
○松原淳二 委員長 以上で、第2項
子ども福祉費等の質疑を終了いたします。
以上で、本日の質疑を終了いたします。
次回の委員会ですが、10月24日火曜日午後1時から、教育委員会関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後4時46分...