札幌市議会 > 2023-10-18 >
令和 5年第一部決算特別委員会−10月18日-06号
令和 5年第二部決算特別委員会−10月18日-06号

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  1. 札幌市議会 2023-10-18
    令和 5年第一部決算特別委員会−10月18日-06号


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    最終取得日: 2024-09-10
    令和 5年第一部決算特別委員会−10月18日-06号令和 5年第一部決算特別委員会  札幌市議会第一部決算特別委員会記録(第6号)               令和5年(2023年)10月18日(水曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 34名     委 員 長  松 原 淳 二      副委員長   藤 田 稔 人     委   員  三 上 洋 右      委   員  鈴 木 健 雄     委   員  五十嵐 徳 美      委   員  長 内 直 也     委   員  細 川 正 人      委   員  よこやま 峰子     委   員  佐々木 みつこ      委   員  北 村 光一郎     委   員  小 竹 ともこ      委   員  川田 ただひさ     委   員  山 田 洋 聡      委   員  山 田 一 郎     委   員  ふじわら 広昭      委   員  しのだ 江里子     委   員  村 上 ゆうこ      委   員  かんの 太 一     委   員  あおい ひろみ      委   員  水 上 美 華     委   員  篠 原 すみれ      委   員  定 森   光     委   員  國 安 政 典      委   員  福 田 浩太郎     委   員  わたなべ 泰行      委   員  竹 内 孝 代     委   員  森 山 由美子      委   員  吉 岡 弘 子
        委   員  池 田 由 美      委   員  田 中 啓 介     委   員  丸 岡 守 幸      委   員  坂元 みちたか     委   員  荒 井 勇 雄      委   員  米 倉 みな子       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午後1時     ―――――――――――――― ○松原淳二 委員長  ただいまから、第一部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、中川委員からは川田委員と、小形委員からは吉岡委員と交代する旨、それぞれ届出がありました。  それでは、議事に入ります。  第2款 総務費 第2項 市民生活費中関係分の質疑を行います。 ◆山田洋聡 委員  私からは、地域文化財認定制度について質問させていただきます。  令和2年2月、文化財の保存、活用についてのマスタープランである札幌市文化財保存活用地域計画が策定されております。  その後、この計画を推進するために、札幌市と札幌観光協会札幌商工会議所で構成する札幌市歴史文化のまちづくり推進協議会を立ち上げ、これまでに、ワークショップなど、様々な取組が実施されてきているところです。  先日の代表質問にて、今後の文化財の保存、活用に当たっては、札幌市地域文化財認定制度などを活用するというご答弁をいただきました。  そこで、質問ですが、今年度新たに創設された札幌市地域文化財認定制度の創設経緯と内容、また、制度開始からこれまで具体的にどのような周知をしてきているのか、伺います。 ◎柏原 文化部長  地域文化財認定制度の創設の経緯と内容、具体的な周知につきましてお答えいたします。  札幌市文化財保存活用地域計画におきましては、文化財とは、指定や登録の有無にかかわらず、市民にとって大切な歴史的資産としております。  国や道、市が指定や登録をした文化財は、後世に受け継いでいくことができるよう保存と活用に努めておりますけれども、それ以外の文化財は価値が見いだされないまま失われてしまうことがないよう、本制度を創設したところでございます。  対象は、地域の歴史の中で生まれ、育まれ、今日まで守り伝えられてきた資産で、記念物や文化的な景観を除きまして、おおむね50年を超えたものとしております。市民等から募集をし、文化財保護審議会からの意見も踏まえまして年度内に認定することとしておりまして、次年度以降も募集する予定でございます。  具体的な周知方法でございますが、広報さっぽろ8月号や、札幌市ホームページに募集記事を掲載するとともに、区役所及びまちづくりセンター等に募集案内と推薦書を配架したところでございます。 ◆山田洋聡 委員  制度の信頼性を維持するためには、しっかりとした価値評価を行う必要がありますので、文化財保護審議会の委員の意見を聞いていただきながら進めていただきたいと思う反面、定めた基準も重要ではありますが、有形無形を問わず、申請された文化財を受け入れる寛容な姿勢も大切にしていただきたいというふうに思います。  なぜならば、特に歴史ある文化財には先人の思いが感じられ、どんな成り立ちで造られ、伝えられ、今に至るのか、そこに思いをはせることで、感謝や次世代のために受け継ぐ気概が醸成されるのではないかというふうに考えており、示した基準を知りながらも、申請されてくる理由がきっとあると思うからこそ、寛容な対応をお願いしたいというふうに思います。  また、文化財には郷土愛を育む力もあると考えており、例えば明治十年台に建築された時計台、豊平館、旧永山武四郎邸、清華亭、大正15年に建築された札幌市資料館のような、札幌にも誇れる文化財はあります。それをまとめたすばらしい札幌の文化財めぐりMAP、私も常時持ち歩かせていただいているのですけれども、そういうパンフレットもありますので、文化財認定制度もしかりですが、答弁にありました周知方法以外にも、例えば、広報部のほかの仕組み、枠組みのものを利用する、活用するなど、多くの方にもっともっと知っていただきまして、私たち札幌市民がもっと文化財に触れて、札幌に生まれてよかった、住んでよかったと一人でも多くの市民が感じてほしいと願っております。  そこで、質問ですが、新たに創設した地域文化財認定制度を通じて、今後の文化財の保存、活用をどのように進めていく考えなのか、伺います。 ◎柏原 文化部長  地域文化財認定制度を通じた今後の文化財の保存、活用についてお答えいたします。  認定いたしました地域文化財は、札幌市ホームページや文化部が所管をいたします札幌市歴史文化のまちづくり推進協議会のイベントなどで幅広く情報発信をしてまいります。  その際には、地域文化財が持つ特徴や歴史等を紹介するなど、地域住民だけではなくて、観光客にも知ってもらえるような工夫をしてまいりたいと考えてございます。  指定、登録に続く認定制度を設けますことで、文化財や地域の歴史の価値と魅力を多くの市民の方々と共有し、新たな文化財の掘り起こしや、将来の指定や、登録文化財の増加につながっていくよう、着実に取組を進めてまいりたいと考えてございます。 ◆山田洋聡 委員  今ご答弁いただいた内容をぜひ具体化をしていただいたり、後追いなどをしていただいて数値化していくと、より有意なものになっていくのではないかと個人的に思います。文化財は私たちの大切な財産であり、先人たちからの文化財を丁寧に受け継いで、後世に大切に引き継がなくてはならないというふうに思っております。せっかくの文化財がその価値が正しく理解されぬままに失われることがあってはならないと思っています。  まだスタートしたばかりのこの制度ではありますが、文化財に興味を持つ人はもとより、興味がない人にも知っていただけることが大切で、今後運用していく中で生まれる課題をしっかりと整理、対応をしながら、その目的が果たせるよう進めていただくことを求めまして、私からの質問を終わります。 ◆かんの太一 委員  私からは、札幌国際芸術祭SIAF2024についてお伺いいたします。  先日、10月6日に、札幌国際芸術祭SIAF2024の開催概要が発表されました。そこでは、ディレクターである小川秀明氏のアルスエレクトロニカにおける経験に基づき、多様な市民参加の創出や、本市の創造性を支える文化インフラとしての機能を確立していくこと、企業等が有する様々なリソースを活用し、持続可能な文化事業としての将来的な在り方を模索していくとのことでありました。  我が会派といたしましては、これまでの代表質問などの質疑で、市民が様々な形で参加できる仕組みづくり、既存事業との連携などを提言しており、それがどのような形で実現されるのか、期待をしているところであります。  まず、1点目の質問でありますけれども、市民参加の取組についてお伺いをいたします。  小川ディレクターが所属するアルスエレクトロニカでは、企業、行政、文化教育機関研究機関等の連携が進められており、その大きな方向性として、市民参加型コミュニティーの創造、次世代の文化教育プログラムの実践が掲げられております。  さきに触れたとおり、今回の芸術祭では、目指すものの一つとして、多様な市民参加の創出が掲げられております。札幌国際芸術祭を一過性のイベントとして捉えるのではなく、札幌市民が主体性を持って関わっていくことが必要であり、将来のまちづくりの主役となっていく子どもたちや若者の参加を促すこと、他の事業との連携を積極的に図っていくことが肝要であると考えます。  そこで、質問でありますが、市民が様々な形で芸術祭に参加できる仕組みづくりをどのように図ってきたのか、お伺いいたします。 ◎片岡 国際芸術祭担当部長  市民参加仕組みづくりについてお答えいたします。  SIAF2024は、会期前から多様な参加機会を創出することで、アートを鑑賞する場としてだけでなく、市民が主体的に参加できる芸術祭を目指しております。  具体的には、子どもたちの参加という観点から教育委員会と連携しながら、アーティスト小・中学校10校に出向き、プログラミングを活用して雪の結晶を描く授業を行っているところであり、今後の展開としては、子どもたちが制作した雪の結晶を用いて、アーティストが完成させた作品を実際に東1丁目劇場施設で展示し、参加した児童を招待する予定でございます。  また、4月からは、来場者の満足度向上のため、会場案内や作品鑑賞ガイドを作成していただくサポーターを募集しており、市民が運営面においてもSIAFに関わることのできるプログラムを実施しているところでございます。  このほか、冬の札幌を共に盛り上げるべく、SIAF会期中に市内で開催するイベント等を公募した結果、演劇やコンサートをはじめ、多様なジャンルの企画が集まるなど、市民が様々な形で参加できる仕組みづくりを図ってきたところでございます。 ◆かんの太一 委員  主体的に市民が参加できるように、教育委員会と連携して、小・中学校10校とプログラミングの授業をする。または、サポーターの募集ですとか、事業としては演劇などとの連携ということが、今、述べられました。  やはり、国際芸術祭だけではないのですけれども、様々な、例えばPMFとかもそうですが、市民が自ら参加している、意識を醸成していくということが非常に大切であると思います。  そしてまた、先ほども述べましたけれども、将来のまちづくりを形づくっていく子どもたち、若者たちに、早くからこういう文化芸術に触れていただくと、参加していくという視点というのは非常に大切だと思いますので、これからもしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。  2点目といたしましては、来場者見込みについてお伺いいたします。  先日の記者発表では、さっぽろ雪まつり大通2丁目会場をはじめとした主要6会場の開催概要のほか、アーティスト情報チケット情報について発表されたところでありますけれども、来場者数については、どの程度を見込んでいるのか、お伺いいたします。 ◎片岡 国際芸術祭担当部長  来場者見込みについてお答えいたします。  SIAF2024は、初の冬開催であることから、来場者が安全に、また満足度の高い鑑賞ができるかという視点を考慮し、前回と比べ、会期日数や会場の数を絞り込んでの開催を予定しており、来場者数は約7万人を見込んでおります。  これは、さっぽろ雪まつり大通2丁目会場を除いた5会場の見込みであり、1会場における1日当たりの来場者数は1割程度増えると試算しているところであります。  さらに、さっぽろ雪まつり大通2丁目会場での来場者数も加えて、最終的な来場者数になるものと認識しており、200万人を超える方が訪れるさっぽろ雪まつり会場で、多くの方にSIAFの作品に触れていただき、アートの楽しさや札幌の冬の魅力を一層発信してまいりたいと考えてございます。 ◆かんの太一 委員  今回の芸術祭は冬開催ということでありますから、先ほど述べられましたように、安全面にも留意して、会期や会場数というものを絞り込んだというお話でありました。5会場の来場者見込みが7万人程度ということでありました。  一方で、雪まつり会場全体では、200万人を超える方が訪れるわけでありますけれども、2丁目会場では、多くの方が通過するだけではなく、足を止めて鑑賞いただくことが芸術祭として大切だろうというふうに思うところであります。  そこで、質問でありますけれども、さっぽろ大通2丁目会場に係る芸術祭としての来場者数についてはどのように把握されるのか、お伺いいたします。 ◎片岡 国際芸術祭担当部長  さっぽろ雪まつり大通2丁目会場に関わる芸術祭としての来場者の把握についてお答えいたします。  さっぽろ雪まつり大通2丁目会場は、街区全体を未来の雪のまちに見立てており、来場者には、会場に一定の時間滞在していただくことで、アートとテクノロジーによる未来のまちをじっくり体験していただくことを目指しているところであります。  そのため、一定時間足を止め、鑑賞をしていただいた方の数を把握すべく、雪まつり会場で連携する企業と協力し、デジタル技術を活用して来場者の滞在時間を把握し、それを基に鑑賞者数を推計するとともに、今後の測定手法の確立に向けた実証実験の機会としてまいりたいと考えてございます。 ◆かんの太一 委員  一定の時間、滞在していただくことが大切であって、それを把握するために企業と連携をして、デジタル技術を活用しながら実証実験をしていくということでありました。以前開催されたときに、地下歩行空間の数をどうやって把握していくのかというようなことも議会の中で議論になったかと思います。  そういう議論も踏まえまして、今回、こういう企業との連携ということも検討され、そして実行するということであろうと思いますので、ぜひとも開催後にはしっかりとした報告をしていただきたいというふうに思います。  最後に、要望を述べまして、私の質問を終わりたいと思います。  今回の芸術祭では、企業等との協働による持続可能な文化事業としての将来的な在り方を模索することもSIAF2024の目指すものとされており、企画や準備の段階から、様々な形で連携協力するイニシアチブパートナーとして、数社の企業が参加しています。  芸術祭のディレクター、小川秀明氏が深く関わるオーストリアのアルスエレクトロニカでは、世界各国の企業やクリエイターなど、多くの方々と継続的な関係を築いております。芸術、文化の持つ創造性と最先端技術の融合は、新たな価値観を生み出すとともに、大きな経済効果を生み出す可能性を秘めております。  今回のイニシアチブパートナーは初の試みとなりますが、開催期間における相乗効果などを検証し、その後の本市とのまちづくりにおける協働につながるように取組を進めることを要望し、私の質問を終わります。 ◆森山由美子 委員  私からは、防犯カメラ設置の促進について、地域コミュニティ施設エアコン設置について、総合案内・おくやみ窓口の利用者からの評価について、自転車利用者のルール、マナーの理解促進についての4項目について質問をいたします。  まず、防犯カメラの令和4年度補助実績設置促進に向けた取組について質問をいたします。  我が会派では、防犯カメラが、犯罪の未然防止や事件の早期解決につながり、地域の防犯力の向上に大きく貢献するという認識の下、町内会における防犯カメラ設置促進に向けた取組について、継続的に議会で取り上げてまいりました。  札幌市では、平成30年度に防犯カメラ設置補助事業を開始してから、補助限度額の引上げやカメラの上限台数の増加といった補助内容の拡充を図る取組を進めてきたところです。  また、令和4年第3回定例会の決算特別委員会では、我が会派の福田委員からの質問に対して、防犯カメラ設置補助制度周知チラシを配布するとの答弁があり、昨年12月には各町内会に対するチラシ配布が実現しております。  こうした補助内容の改正や周知を進めてきたことについては、防犯カメラ設置促進に効果的な取組として一定の評価をするものであります。しかしながら、防犯カメラを設置していない町内会はまだ数多く存在しており、今後も地域の安全・安心に大きく貢献する本事業は、重要な取組であると考えております。  そこで、質問ですが、防犯カメラの令和4年度補助実績設置促進に向けた取組について伺います。 ◎永澤 地域振興部長  防犯カメラの令和4年度補助実績設置促進に向けた取組についてお答えいたします。  令和4年度は、21の町内会に対し、計79台の新規設置補助を行っておりますが、これは、制度開始以降、最も多い補助台数となっております。また、今年の5月には、本事業の活用促進の一助とするため、防犯カメラを設置した町内会に対して補助制度に関するアンケートを実施し、設置の効果等について意見集約を行いました。  アンケートでは、地域の防犯意識が向上した、設置場所付近を安心して通行できるようになったといった設置効果を感じる声が多く寄せられたところです。多くの設置団体が防犯カメラ設置効果を実感していることから、今後も地域のご要望に応じた出前講座などを通じて、防犯カメラ設置の意義などについて周知を進めてまいりたいと考えております。 ◆森山由美子 委員  アンケートの結果からも多くの町内会が防犯カメラの設置による効果を実感しており、特に地域住民の防犯意識や安心感の向上などに好影響を与えているとのことでございました。  こうした地域の声をまだ防犯カメラを設置していない町内会にしっかりと伝えていくことが、町内会における設置に向けた円滑な合意形成に結びつくものと考えます。  地域の自主的な防犯活動をサポートする防犯カメラのさらなる普及を進めるため、今後も補助制度の改善の検討を継続するとともに、相談があった町内会に対して丁寧な説明を行うなど、相手に寄り添った対応に努めていくよう要望して、次の質問に移ります。  次に、地域コミュニティ施設エアコン設置状況について質問をいたします。  札幌市内の地域コミュニティ施設には、区民センターコミュニティセンター地区センターがあるほか、まちづくりセンターに併設されている地区会館もあり、地域住民コミュニティ活動を行う上で重要な拠点となっております。  今年の夏は、8月の月平均気温が過去最高となったほか、最高気温が35度以上の猛暑日の日数が過去最多となるなど、記録的な猛暑となり、市民生活にも大きな影響があったところであります。  地域の方からは、新型コロナウイルス感染症がようやく収束し、地域の交流活動も4年ぶりに正常化したところ、猛暑により会館等の利用をキャンセルするケースもあり、再び地域の活動が止まってしまったという声が私のところにも寄せられておりました。  今年のような猛暑では、扇風機などで暑さをしのぐことは難しく、エアコンがない場所に人を集めての活動は厳しいと考えますが、地域コミュニティ施設については、エアコンが設置されているところとされていないところがあるというふうに聞いております。  そこで、質問ですが、市内の公共施設のうち、地域コミュニティ施設エアコン設置状況について伺います。 ◎永澤 地域振興部長  地域コミュニティ施設エアコン設置状況についてお答えいたします。  札幌市内には、区民センター10館、コミュニティセンター2館、地区センター24館の合計36館のコミュニティ施設があります。このうち、区民センターは貸室及び事務室にエアコンが設置されております。  コミュニティセンター2館と地区センター24館のうち、19館は同様に、体育室やホール等を除いた貸室にエアコンを設置しておりますが、7館については、一部の貸室にエアコンが設置されていない、もしくは事務室にエアコンが設置されていないという状況です。  また、市内に地区会館は58館ありますが、そのうち、29館には、一部の貸室にエアコンが設置されていない状況です。 ◆森山由美子 委員  コミュニティ施設のうち、区民センターには、それぞれの貸室にエアコンが設置をされていますが、地区センター地区会館については、一部の部屋にエアコンが設置されていない施設があるということでございました。  地域コミュニティ施設で活動する地域の方は高齢者である場合が多く、猛暑の中での活動は、熱中症をはじめとした健康への影響が懸念されます。  我が会派では、今夏のような記録的な猛暑に必要な対策として、学校をはじめ、公共施設へのエアコン設置の加速化に向けた財源の確保や、家庭でのエアコン導入補助制度の拡充などについて市長に要望をしたところでありますが、市民の利用に供する地域コミュニティ施設についてもエアコンを設置すべきと考えます。  そこで、質問ですが、コミュニティ施設に対する今後のエアコン設置の考え方について伺います。 ◎永澤 地域振興部長  今後のエアコン設置の考え方についてお答えいたします。  区民センター地区センターなどのコミュニティ施設につきましては、市民が利用する公共施設として、今年のような夏の暑さでも市民が様々な活動に利用できるよう対策を講じる必要があると考えております。  また、地区会館についても、地域住民コミュニティ活動を行う拠点であることから、同様の対策が必要であると考えております。  暑さ対策には、各施設へのエアコン設置が有効であると考えておりますが、電気設備容量や機材の調達、施工業者の確保等の課題もあることから、今後どのように進めることができるか、検討してまいりたいと考えております。 ◆森山由美子 委員  コミュニティ施設は、公共施設である点や、地域コミュニティの拠点であることを踏まえると、今年のような夏の暑さへの対策を講じる必要があり、電気設備の容量などの課題も踏まえ、どのように進めることができるか検討したいとの答弁でございました。  昨今の猛暑や線状降水帯をはじめとした異常気象は、温暖化の影響を少なからず受けているものと推測されますが、今年の猛暑は、まさにそれらが顕著に現れたものであり、時代の狭間である今、エアコン設置を積極的に進めていく必要があるというふうに感じております。  地域のコミュニティ施設は、貸室でのサークル活動をはじめ、地域住民コミュニティ活動を行う上で重要な役割を果たしている施設であることから、ぜひ、利用者の利便性を考慮し、エアコン設置を早急に検討することを求めまして、この質問を終わります。  次に、区役所窓口利便性向上について質問をいたします。  区役所窓口は、市民サービスの最前線として、社会情勢の変化や、それに伴う市民ニーズの変化に応じ、不断の改革が必要であると認識をしております。  本市においては、これまで区役所に訪れた方々が迷わずに用件を済ますことができるよう、全ての区役所に総合案内を設置するほか、手続が多岐にわたり、比較的複雑な死亡に関する手続をご遺族に寄り添いながら支援するおくやみ窓口を設置するなど、取組を進めてきたところでございます。
     特に、おくやみ窓口については、我が会派も導入時から注目をしており、昨年、令和4年の決算特別委員会において、全区展開直後の利用状況や課題認識とその対策について質問をし、順調に全区展開を開始することができ、今後も案内の充実に取り組む旨の答弁があったところでございます。  このたび、全区展開から1年以上が経過し、市民にとってもこれらのサービスが定着してきたものと思われます。  そこで、質問ですが、全区展開開始後、約1年が経過した現時点の総合案内、おくやみ窓口の利用者からの評価について伺います。 ◎永澤 地域振興部長  総合案内及びおくやみ窓口に対する利用者の評価についてお答えいたします。  総合案内及びおくやみ窓口の利用者に対して、本年7月から9月にアンケート調査を実施いたしました。  総合案内の利用により、窓口までスムーズに行けたかという設問については、スムーズに行けた、ややスムーズに行けたと回答した割合が94.7%でありました。また、おくやみ窓口での説明や案内の分かりやすさに関する設問については、満足、やや満足と回答した割合が91.4%となっており、利用者からは高い評価をいただいているところです。 ◆森山由美子 委員  総合案内及びおくやみ窓口について、利用者から高い評価があったとの答弁でございました。これらは、来場した市民が目的の窓口へスムーズに行けるよう案内する機能ですが、今後は各窓口での個別の手続についても利便性を向上させていく必要があるというふうに思います。  先日公表された第2次札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2023(案)においては、中央区役所仮庁舎において、マイナンバーカードを活用した申請書作成支援システムが試験的に導入されると示されております。  このシステムは、マイナンバーカードを読み込ませると、氏名や住所、生年月日、性別などが自動的に申請書に印字されて発行される仕組みであり、こうしたシステムの導入は、本市では初めての試みとのことです。  私は、この取組が今後の区役所窓口利便性向上につながるものと考えており、今後の運用に大変期待をしているところであります。  そこで、質問ですが、今年度、中央区役所仮庁舎で導入を計画している申請書作成支援システムについて、具体的な運用方法や想定している効果について伺います。 ◎永澤 地域振興部長  中央区役所仮庁舎における申請書作成支援システムについてお答えいたします。  このシステムは、マイナンバーカードを活用し、氏名や住所などを記載しなくても申請書を作成できる仕組みでありまして、中央区役所仮庁舎に1台、試験的に導入する予定です。ほかの窓口に比べ利用者の多い戸籍住民課で取扱う申請書の一部をまずは対象とすることを想定しております。ご自身の手続に必要な申請書が分からない方やシステムを操作することが難しい方に対しては、案内員によるサポートも想定しております。  この取組により、申請書の作成が簡単になるとともに、書き間違いの防止も期待できることから、円滑な手続が可能となり、市民の負担軽減につながるものと考えているところです。 ◆森山由美子 委員  ただいま答弁がありましたとおり、市民の負担軽減となりますよう、今後の取組に大いに期待をしたいと思います。  一方で、将来的には、デジタル技術を活用しながら、オンライン申請などと連携させた仕組みが構築されることも期待されるところです。  引き続き、先行自治体の事例なども参考にしつつ、区役所窓口利便性向上に資する取組について検討していただくことを要望いたしまして、次の質問に移ります。  最後に、自転車利用者のルール、マナーの理解促進について質問をいたします。  自転車は、環境に優しく経済的であるだけでなく、コロナ禍にあっては、密を避ける移動手段として改めて注目されるなど、その利用が推進されているところです。  気軽に利用でき、また非常に便利な乗り物ではありますが、軽車両という、れっきとした車両であり、交通ルールにのっとり適切に運転しなければ、重大な交通事故につながり、被害者にも加害者にもなり得ます。  そこで、最初の質問ですが、札幌市として自転車の安全利用に関してどのような取組を行っているのか、伺います。 ◎永澤 地域振興部長  自転車の安全利用に向けた取組についてお答えいたします。  札幌市では、保育園児、幼稚園児から高齢者まで、あらゆる世代を対象に、交通安全教室や出前講座などの交通安全教育を実施しております。また、スタントマンが事故を再現するスケアードストレート教育技法による交通安全教室を、今年度は、高校で7か所、地域で2か所実施いたしました。  そのほか、市内中心部を自転車マナー推進地区と位置づけ、自転車利用者に直接声をかけて自転車ルールの徹底とマナー向上を呼びかける街頭啓発活動を行っております。  さらに、自転車利用中の事故当事者の約3割が自転車通勤の社会人であることから、本年8月から北海道、北海道警察と共同で、一般企業での自転車の安全教育促進に向けた動画配信を行っております。 ◆森山由美子 委員  自転車のルール徹底、マナー向上のため、札幌市が幅広い世代を対象に様々な事業を実施しているということが分かりました。  一方で、他都市から札幌市に転入された方や、札幌市を訪れる観光客から、札幌市内で自転車を利用している方のマナーがよくないという声を聞くことがあります。  札幌市は、住みたいまちや観光に行きたいまちといったアンケートでは必ず上位に来る魅力的なまちですが、このような声があることは非常に残念です。また、札幌市において、自転車が関係する交通事故は例年800件前後、自転車事故により亡くなった方は昨年で7人、今年に入って既に2人と聞いておりますが、これをできる限りゼロに近づけるためには、全ての自転車利用者に交通ルール、マナーを身につけ、徹底していただくことが重要です。  そこで、次の質問ですが、札幌市は、自転車利用者のルール、マナーの浸透状況についてどのように認識をしているのか、伺います。 ◎永澤 地域振興部長  自転車利用者のルール、マナーの浸透状況についてお答えいたします。  今年6月に実施した札幌市民の自転車利用に関する調査におきまして、自転車は原則として車道の左側を走る、歩道では歩行者が優先といった基本的なルールを知っているという回答は80%を超えておりました。  一方で、実際には歩道を走行しているという回答が約66%。歩道を走行する場合、徐行をせず、いつもどおりのスピードで走るという回答が約23%といった結果もあり、ルールを知っていても、それが徹底されていない状況にあると認識しております。  自転車を利用される方に交通ルール、マナーを徹底していただくことが、交通事故の防止、被害軽減につながることを、引き続き強く訴えていきたいと考えております。 ◆森山由美子 委員  自転車に関する交通ルールの認知度はそれなりに高いということですが、一方で、利用者の方にはそれをさらに徹底していただく必要があるなということが分かりました。自転車の交通ルールの一つとして、今年4月から全ての自転車利用者が乗車時にヘルメットを着用することが努力義務化されたことはご存じのとおりです。  自転車による死亡事案の中で、もしもヘルメットをかぶっていれば助かっていたであろう事故が何件もあるとも伺っております。  このように、ヘルメットは万が一の自転車事故の際、頭部を守り、被害を軽減することに非常に有効と考えますが、1年の半分近くは積雪により自転車が使えないためか、北海道の普及率は全国でも低い状態にあるというふうに聞いております。  そこで、質問ですが、札幌市における自転車乗車用ヘルメットの着用状況及び普及に向けてどのように取り組んでいくのか、伺います。 ◎永澤 地域振興部長  自転車乗車用ヘルメットの着用状況とこれからの取組についてお答えいたします。  令和2年に民間の調査機関が行った調査では、北海道のヘルメット着用率は2%でありましたが、今年6月に札幌市が行った調査では、市民の着用率は約11%と、少しずつですが、普及しつつあると考えているところです。  今年度は、ヘルメットの着用を呼びかけるポスターを、市内小・中・高校をはじめ、各所に掲示したほか、交通安全啓発イベント開催時の展示により、実物に触れることでヘルメットの着用について考えていただく機会を設けました。  今後も、交通安全教室や出前講座において、ヘルメットの着用が努力義務化されたこと、事故の際の被害軽減に有効であることを周知するなど、引き続きヘルメットの普及に努めてまいりたいと考えております。 ◆森山由美子 委員  札幌市がヘルメットの普及に取り組んでいること、また、ヘルメットの普及が少しずつ進んでいることは分かりました。しかしながら、地道な啓発活動だけでは、全ての自転車利用者がヘルメットを着用するようになるには時間がかかるようにも思います。  現在、様々な種類のヘルメットが販売されており、おおむね3,000円から8,000円程度の物が多く見られるようには思いますが、利用者にとっては少し高額に感じるのではないかなというふうに思っております。  普及をさらに促進するためには、購入時の負担感を軽減することも重要であると思いますので、ヘルメット購入費用の一部補助といった経済的な支援も含め、引き続き、様々な対策を検討、実施していただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。 ◆丸岡守幸 委員  私からは、共同利用館の後継施設に関しまして質問をさせていただきます。  一つ目の質問は、道内各地における生活館の状況についてでございます。  共同利用館は、昭和53年に札幌市生活館として開館して以来、札幌市におけるアイヌ民族の拠点として、舞踊の練習や集会、儀式、民具の製作や講演会など、様々な用途で利用されてきたアイヌ民族にとりましては、重要な意味を持つ施設でございます。  このような施設は生活館と呼ばれており、アイヌ民族が暮らしている道内の各自治体において整備されておりますが、近年では、札幌市の共同利用館と同様に、老朽化が大きな問題となっている施設が多くあると聞いております。  そこで、質問でございますが、まず、道内各地にある生活館の実態はどのようなものであるか、また、近年において、生活館の建て替えが行われたという事例はあるのでしょうか。もし建て替えの事例があるのでしたら、その施設規模についても併せてお伺いいたします。 ◎田口 市民生活部長  道内における生活館の状況と事例につきましてお答えさせていただきます。  まず、道内各地にございます生活館の状況でございますが、北海道から得ている情報によりますと、国の補助対象となっている生活館は、道内の25自治体に140施設が設置されていると聞いております。  ただ、ご質問にもございましたとおり、多くの生活館で老朽化が課題となっているとも聞いております。令和元年度に国のアイヌ政策推進交付金が創設されまして、生活館の建て替え等が補助の対象となりましたことから、道内各地の生活館について、順次、建て替えや改修などが行われているようでございます。  近年の事例でございますが、釧路市や白老町、それから、洞爺湖町やむかわ町などで建て替えが行われており、敷地につきましては、おおむね1,000平方メートルから6,000平方メートルと幅がありますが、建て替え後の建物の延べ床面積はおおむね500平方メートル前後となっている状況でございます。  共同利用館の後継施設の検討に当たりましては、ほかのこのような自治体における生活館の建て替え事例なども参考にしてまいりたいと考えております。 ◆丸岡守幸 委員  道内各地の生活館の状況や建て替えの事例についてご説明いただきまして、ありがとうございました。  そこで、質問の二つ目は、共同利用館後継施設の整備場所についてでございます。  札幌市において、共同利用館の後継施設を着実に整備していく必要があることはもちろん、アイヌ文化がきちんと保存され、さらには、若い世代にもしっかりと伝承されていくように、必要な規模、面積などの大きさ、かつ、必要な機能をきちんと備えた施設にしていく必要があると考えます。  現在の共同利用館は、木造モルタル2階建てで、建築後約44年と、老朽化が非常に進んでおり、私も先日見学してきましたが、集会室が狭いなど、特に古式舞踊の団体での練習や集会の実施に支障があるとの声も少なからず聞いているところでございます。十分な冷暖房設備もなく、ここ数年、特に夏場は大変過酷な環境であったとの話も聞きました。  また、共同利用館の場所につきましても、地下鉄駅から距離があり、特に冬場などは、高齢者が来館するに当たって、雪道、アイスバーン等で危険を伴うという話も聞いております。さらに、敷地が狭いために、駐車場が狭く、せいぜい五、六台分くらいの駐車スペースしかなく、自家用車で来館するにも苦慮するということでございました。  以上のことから、共同利用館の後継施設については、位置と広さの両方の観点から、私は、現在の敷地で建て替えるのは不適当であると考えております。  そこで、質問でございます。  共同利用館の後継施設について、現地での建て替えではなく、別の新たな場所において整備すべきであると考えますがいかがか、ご見解をお示し願います。 ◎田口 市民生活部長  共同利用館後継施設の整備場所についてお答えいたします。  この共同利用館後継施設は検討部会がございまして、その中間報告におきましては、後継施設の立地について、公共交通機関で利用しやすい場所であることや、十分な駐車場を確保することができることなどが求められているところでございます。  現在の共同利用館につきましては、地下鉄東西線南郷18丁目駅から、徒歩で時間にして10分程度の位置ではございますが、ただいまのご質問にもございましたとおり、特に冬場は高齢者にとってはアクセスがしづらい、危険を伴うという声でありますとか、敷地が狭く、駐車場が足りないという声を私どもも聞いているところでございます。  一方で、昭和53年に現在の地にこの施設を設置して以降、アイヌ文化の拠点として活用されてきた施設でもございます。現在の場所に慣れ親しんだ方というのも多いというふうに聞いております。後継施設をどこに整備することが適当かということにつきましては、現在地での建て替えや移設の可能性、必要性も含めまして、今後、検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆丸岡守幸 委員  確認させていただきました。  共同利用館の後継施設について、必要な機能や広さを確保していくためには、一定の整備費用が必要になると思われます。  特に、昨今におきましては、材料単価や人件費の上昇などがあり、数年前に比べましても、かなり施設整備の費用が高騰しているものと承知しております。  そこで、質問の3点目ですが、共同利用館後継施設整備の財源についてでございます。  後継施設の整備に係る財源につきましては、国のアイヌ政策推進交付金を活用する方法があると聞いておりますが、交付金を活用するに当たってはどのような条件があるのでしょうか。また、札幌市の後継施設について、実際に活用の見込みはあるのでしょうか、併せてお伺いいたします。 ◎田口 市民生活部長  共同利用館後継施設整備の財源についてお答えさせていただきます。  内閣官房が定めておりますアイヌ政策推進交付金の事業実施要綱においては、老朽化した生活館の耐震改修等に要する経費が交付金の対象になるものとされておりまして、さらに、同交付金要領におきましては、施設の創設、増築、改築、大規模改修、解体撤去等が対象とされておるところでございます。  また、地域計画というものは5年間でつくられることになりますが、この5年間の地域計画の計画期間内に、計画から設計・施工、供用開始までを実施する必要があると聞いております。  共同利用館につきましては、現在は、先ほどから話の挙がっております生活館という取扱いではございませんが、内閣官房には交付金上の扱いについて事前に照会をさせていただいておりまして、後継施設を整備する場合、現行施設の改築に当たるものとして、交付金の対象になる旨の回答を得ているところでございます。 ◆丸岡守幸 委員  申し訳ございませんが、今の答弁についてもう一度確認させてください。  国の交付金を活用した施設整備を行う条件としましては、一つの地域計画内で施設整備の計画段階から設計、整備の開始、そして、供用開始までを行う必要があり、地域計画をまたぐことはできないという答弁でございましたが、ということは、次の地域計画で共同利用館の後継施設を整備する場合には、令和10年度までに供用開始しなければならないという認識でよろしいのでしょうか、お伺いいたします。 ◎田口 市民生活部長  共同利用館後継施設整備のスケジュールについて、改めてお答えさせていただきます。  先ほどから出ております地域計画、現在のものが令和元年度から5年度までとなっておりますので、次期計画は令和6年度から令和10年度までの5年間を予定していることになります。  そこから考えますと、後継施設の整備を仮に次の地域計画において事業化する場合は、令和10年度までに施設の供用を開始することが求められる形になると考えております。 ◆丸岡守幸 委員  しっかりと確認させていただきました。  一連のお答えをいただきましたので、最後に、要望を申し上げたいと思います。  改めて申し上げますが、共同利用館は、アイヌ民族が集い、アイヌ文化をしっかりと保存して、若い世代に継承していく意味合いを持つ、重要な施設でございます。その意味においては、現在の施設では十分な活動ができるとは思えません。道内のほかの地域で新たに整備した生活館につきましては、いずれの地域におきましても、敷地面積が1,000平米以上、延べ床面積は500平米くらいとのことでございますが、現在の共同利用館の敷地は僅かに300平米程度になっていると聞いております。  私は、現在の狭い敷地内での建て替えは、十分な機能を持った施設整備はできないというふうに考えており、広く、そして、よりアクセスのよい場所への移設の方針を早急に打ち出すべきだと考えております。  アクションプラン2023の案の中で、共同利用館後継施設の関係では、調査費は200万円しか計上されておりません。本当にそれでいいのかと強く思います。調査費200万円で一体どのようなことができるのか、施設の計画をきちんとつくることができるのか、大いに疑問に思いますので、設計や建設費につきましても早急に決定していく必要があると考えます。  現状では、新たな施設の整備ができるのかどうか、心配でなりません。国の交付金を活用するためには、次期地域計画の期間中、つまり、令和10年度までには供用開始をする必要があるとの答弁もございました。  現在の共同利用館で、夏の暑さや冬の寒さ、そしてまた、施設の狭さを我慢しながら活動を続けているアイヌ民族の方々、いち早く皆さんに安心していただくために、移設しかないということで、一刻も早く札幌市の方針を決定していただきたい。その上で、設計の費用や施設整備の費用など、必要な予算をしっかりと確保していただき、令和10年度までの供用開始につなげていっていただきたいということを強く希望いたします。  繰り返しになりますが、一日も早く共同利用館の後継施設の整備の方向性を決定していただき、現在地での建て替えではなく、移設に向けて動き出していただきたいと思います。  そして、アイヌ文化の保存と継承のために、十分な機能を持つ施設整備に向けて取り組んでいただきたいということを強く求めまして、私の質問を終わります。 ◆川田ただひさ 委員  私からは、アイヌ政策全般につきまして質疑をさせていただきたいと思います。  大通情報ステーションを廃止して、大通観光案内・アイヌ文化PRコーナー、まだ仮称でございますが、開設するということでございます。場所としては、優良な場所であることは言うまでもございません。市のスペースということではございますが、そこでアイヌの方々が製作した物販も販売するということを考えているという話もあると聞いております。  近隣の民間で営業しているテナントとはどういう関係を持つのか、不公平感があるかどうか、この部分もきちんと考えた上でやるべきであるというふうに私は思っておりますし、先日の10月4日の総務委員会でも、北村委員の質疑でこの部分については指摘をされたところであると思っております。  私が調べたところ、今度のPRコーナーをやるところは、面積としては28.68平方メートルとお聞きしております。  そこで、近隣で、民間でいろいろと販売活動をされている三つのところを調査したところ、例えば、元気ショップは80.41平方メートルとPRコーナーよりも広いですから、年当たり2,100万円を賃料として払っているということでございます。セブン−イレブンは、これは大きいですので、179.57平方メートルで2,700万円です。ただ、ミスタードーナツについて言いますと、19.96平米ということで1,000万円、いわば、先ほどのPRコーナーよりも小さいスペースで1,000万円を年で払っているということでもございました。  こういったことを考えますと、やはり、私としては、物販販売について、どのような形であるかはいろいろと議論はあるかと思いますが、市に対しても何らかの形でコストをちゃんと支払っていただいて物販販売をするということが適切ではないかと思いますが、その点についてどのようにお考えになっているのか、お伺いいたします。 ◎田口 市民生活部長  私から、アイヌ工芸品販売のコスト負担に関しましてお答えさせていただきます。  市民文化局といたしましても、アイヌ工芸品のPRが主なのですけれども、アイヌ工芸品の販売をここで持続可能な形で継続していくために、大通情報ステーション跡地で新たに開始する販売の際には、売上金額に応じた経費を一定の割合でご負担いただくことを検討しているところでございます。  ただ、どの程度の割合の負担にすることが適当、適正かということにつきましては、市の類似事業なども参考にさせていただきながら、引き続き検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆川田ただひさ 委員  そういった形で、いろいろと構想がありますし、また、PRという観点もあるでしょうから、先ほどお話ししたような高額なものにはならないかと思いますが、やはり不公平感がないような形にはしていただきたいと思っているところでもございます。  次に、令和3年4月20日または令和5年8月21日に、市民文化局長の名前で、アイヌ民族への配慮ということで庁内文書を配付しているかと思います。その中で、開基という言葉などは使わないでほしいといった内容の通知文書があったわけでございます。確かに、いろんな考えはあるのかもしれませんが、しかしながら、北海道は全てアイヌの方々が住んでいたわけではなく、多くの人たちも住んではいたにせよ、今とは人口規模が全く違う、全く誰も住んでいないところもあって、そこを新しく明治以降に市町村としてつくったところもあるわけでございます。
     ですから、私は、開基というのは、ある意味では、北海道は長い歴史を持つわけでございますが、一つありなのかなと思っておりますので、この解釈はいろいろとあるかと思います。  こういった文章を送ったことについて、どのような趣旨なのか、まずはお伺いしたいと思います。  また、同化政策、土地政策などによりアイヌ文化が存続の危機にさらされたとありますが、私も議会で何回も質疑をしておりまして、改めてまた同じことをお話させていただきますが、当時のアイヌの方々も含め、日本人全員が様々な時代に翻弄されながらも生活をし、今日を築き上げてきたわけでございます。  そういった視点で考えますと、特に、江戸幕府におきましては種痘なども行ったり、明治政府になっても、例えば狩猟などにおいても、アイヌの方々だけに銃を貸与し、税金も免除されたという歴史もございます。また、土地政策についても、確かに明治政府になってからは、所有としては開拓使で管理されたけれども、地租、要は税金ですが、これを免除され、自由に使用できるようにもなっているわけでございます。  すなわち、様々な形で当時の日本人、アイヌの方々も含めて、多分、不満などもあったかもしれませんが、いろいろと困難を乗り切るために、皆さんひとしくいろんな負担をしてきたという歴史があるわけでございます。  そういった観点から、私としては、まずは江戸幕府または明治政府がアイヌの方々に対しても様々な手当てをしたという歴史もきちんと認識をしていただきたいと思っているところでもございます。  市としては、このような認識もあるのかどうなのか、まずは改めてこの点についてお伺いしたいと思います。 ◎田口 市民生活部長  二つご質問をいただきました。  まず、1点目の通知文の中での開基という言葉の取扱いについてお答えさせていただきます。  市民文化局からは、令和5年8月21日付で、各局・区で実施する事業等におきまして、アイヌ民族への適切な配慮がなされているか、いま一度確認をしていただけるよう、依頼、お願いをする文書を発出したところでございます。  この通知の中で不快感を与えるような表現はないかという着眼点の一例として、今のご質問にございました、開基という文言も記載させていただきました。  開基という文言でございますけれども、物事の基、もといを開くことを意味する言葉という解釈がございまして、地域の周年行事等で開基という言葉を使われた場合に、あたかもその時点からその土地の歴史が始まったかのように感じられ、先住民族であるアイヌ民族の歴史を無視した表現とも捉えられかねないという指摘がありましたことから、注意喚起の一例として記載したものでございます。  なお、特例の歴史的な事実を我々が否定をするという意図でこの文言を記載したわけではございませんので、ご理解いただければと思います。  それから、2点目の江戸幕府、明治政府がアイヌに対して様々な手当てをした歴史的な経緯について市は認識しているかというお尋ねでございました。  国のアイヌ政策の在り方に関する有識者懇談会におきまして、平成21年7月に、アイヌの歴史や先住民族としての意義、アイヌ政策の理念などに関する報告書が取りまとめられております。以降、この報告書が国や北海道のアイヌ政策の基礎として活用されてきております。  札幌市におきましても、この報告書に基づく歴史認識により市のアイヌ政策を実施しているところでございます。札幌市としても、報告書に記載されているように、江戸幕府や明治政府の施策によりましてアイヌ民族の労働環境等が改善された事例でありますとか、北海道旧土人保護法が施行され、保護の施策が採られたといったことなどについても認識しているところでございます。 ◆川田ただひさ 委員  そういうことでございますが、文面を見ますと、そういう観点まで捉えられるかどうかというような内容だったものですから、そういった意味においては、しっかりと再考していただきたいと思っているところでもございます。  私は常々、アイヌ政策については、アイヌの文化を伝えていく、またはアイヌ文化をモチーフにして新たな文化をつくるということは、北海道の一つの文化としてとても重要であるという観点で話を進めてまいりました。  先日も、大屋課長にお世話になりまして、ピリカコタンにも久しぶりに視察に行ってまいりました。10年ぶりぐらいだったわけですが、中身もちょっと変わったかなということで、私もいろいろと学ばせていただいたところでもございます。  しかしながら、先ほどの歴史認識というのは、間違ってしまえばとんでもないことになるわけでございます。札幌アイヌ協会の役員や会員の中にも、この金日成・金正日主義研究に様々な投稿をされている方もいらっしゃるわけであります。または、チュチェ思想研究会、これは北朝鮮の一つの思想でございますけれども、こういった団体に属している方もいるわけでございます。  また、かつて役員であった方が、2019年の1月でございますが、プーチン大統領に対して一つの要望書を出しているわけでございます。文面を全部読みますと時間がありませんので、割愛いたしますが、クリル諸島をアイヌ民族の自治州、区としてください。いわば、クリル諸島というのは千島です。クリル諸島の自然環境を保全してください。特に南クリル地域については、ユネスコ世界自然遺産登録地である知床半島、これは括弧して「北海道等」と書いていますが、知床半島との一体的な保全管理をご検討くださいと要望しているわけでございます。これは、誰に要望しているかと言えば、ロシアなわけでございます。  こういったことを考えていくと、どういうことなのかなというふうに思うわけでございますが、しかしながら、これに呼応したかどうかは分かりませんが、2022年4月、これはウクライナ戦争が始まってからの話でございますが、ロシアの野党のセルゲイ・ミロノフ氏という方、この方は連邦院の議長を務めた経歴を持っており、下院の副議長もその当時は勤めていたわけでございますが、この方が何と言っているかというと、ただ単にツイートではありますけれども、日本はロシアに対して繰り返しクリル諸島に関する主張を繰り返してきたが、一部の専門家によると、北海道の全権はロシアにあるというふうにツイートしたわけでございます。  そして、これに呼応したかどうかは分かりませんが、2023年、本年の9月でございます。本年の9月に、北海道は日本の領土でないと、ロシアの国営メディアが放送したわけでございます。この国営放送のRIA、ノーボスチと言うのでしょうか、ここで、ロシアを代表する日本学者の一人、アナトリー・コーシキンという方が、北海道は、日本の領土ではなく、大和国の領土でもなく、アイヌとの数々の戦いで征服された植民地だというふうに述べているわけでございます。  私は、特にロシアもほかの国もそうでございますが、この領土問題というのは、ある意味では、今のウクライナ情勢を見ても、こじつけなのかどうなのか、不確かなところもあるような形で、あのような挙に出ているわけでございます。  私は、こういった視点で考えますと、ただ単に歴史学というのは、歴史学の事実があった、なかったということだけではなくて、しっかりとした我々としての主権意識を持った認識を持つということは、とても重要なことでございます。  私も、この議会で何回も言っていますけれども、これはとても重要なので、私は改めて同じことをお聞きいたしますけれども、北海道というのは、大和朝廷の基盤が確立した7世紀頃から、律令体制の中でいろいろと関わりを持ってきているわけでございます。  新札幌市史の第1巻通史においても、この8世紀から律令政府との関わりを持った人が北海道にいたということを正式に認めているところでもございます。  すなわち、ここは、密接不可分で、どこの統治を受けたこともない、本州と四国と九州と等しく同じ日本なわけでございます。これに異議を申し立てる人は、この日本国内には全くいないはずでございます。  そういった視点で、私は、当時の上田市長へも同じことは聞いたわけでございますが、先ほどの文書を送られている、行政を担当されている職員の皆様方の認識を改めてお聞きいたしますが、北海道は明治以前から日本であることをアイヌ施策課として認識しているかどうか、お伺いいたします。 ◎田口 市民生活部長  北海道は明治以前から日本であるとの認識かというご質問でございましたが、我々といたしましても、明治以前から北海道は日本であったものと認識をしているところでございます。 ◆川田ただひさ 委員  田口部長を信じて本当によかったなと思うのですが、すごく、今までの質疑の中で一番、実は緊張した回答でございました。まさか、もしかすると、そうではなかったというふうに言われたらどうしようかなというふうに思って、もちろん、そのときには違う質疑を考えてはいたわけですが、ただ、そう思うゆえんがあるわけでございます。  今現在、札幌市は帝国書院の歴史教科書を使っているわけでございます。検定を通っていますので、どの会社も、若干の違いはあるにしても、ほぼ同じでありますが、歴史の舞台を訪ねてみようと、これは帝国書院の歴史教科書です。  この歴史を尋ねてみようというところは、旧国境とあるのですけれども、北海道が白抜きになっているのですよ。これは、さっきのロシアの話ではないですけれども、だんだんとこういったことがなおざりになっていくと、とんでもない話になっていくと私は思います。ですので、先ほどアイヌの方々の共同利用館の話もありました。私も、新しくするときなんだろうなとは思いますけれども、そういうこともとても重要でございますが、道都札幌市として、やはり、こういった検定は間違いなんじゃないかということをしっかりと国に対して言うこともとても重要だというふうに私は思っているところでございます。  この点については、ここが質疑する場ではありませんので、また違う機会で質疑はしたいと思っております。  こういった現状の中において、本年は、これは道が行うものだと思いますが、アイヌの方々の生活実態調査があるとお聞きしております。毎回、札幌アイヌ協会に委託してアンケート調査を行っているわけでございますが、アイヌの方々を対象としてアンケート調査を行っている場合、札幌市内にどれぐらいのアイヌの方々がいるのか、または、何をもってアイヌと認定をしているのか、さらに、誰がアイヌと認定しているのか、確認いたします。 ◎田口 市民生活部長  北海道が行いますアイヌ生活実態調査等につきましてお答えさせていただきます。  ただいまの北海道アイヌ生活実態調査は、直近では平成29年度に実施されておりまして、今年度は6年ぶりの調査が実施されることになります。  こちらは、現在、実施に向けた準備を進めているところでございますが、この調査は、北海道が道内各市町村に依頼をし、現時点でのアイヌの方々の生活状況等を調査するとともに、北海道の調査員が訪問等をしまして、アンケート調査を行うなどの方法で実施されるものでございます。  札幌市では、アイヌ民族個人の情報を保有、把握はしておりませんので、こちらにつきましては、札幌アイヌ協会に対しまして、協会員や過去に協会員であった方への調査票の発送などの協力を依頼しているところでございます。  ちなみに、平成29年度の札幌市における調査の際には、全部で365世帯が対象となって調査票を発送しているところでございます。  なお、札幌アイヌ協会におきましては、協会への加入に当たりまして、戸籍等の提出をいただいて、アイヌ民族であるか等の確認を行っていると私どもは聞いているところでございます。 ◆川田ただひさ 委員  生活実態調査を行う対象の方々は、やはりアイヌの方々に限られるということだと思いますが、家族の方も、血縁の方でしょうけれども、含まれているということで、平成29年度は365世帯といった形になっているというお話でございました。  私は、10年前から、住宅資金貸付金などにおいて、この要件なども聞いてまいりまして、最近お伺いしたところ、認定の際には、以前よりもかなり厳しく戸籍なども確認しているというお話も聞いているところでもございます。  すなわち、様々な事業において、場合によってはいろいろと恩恵を受ける事業も受けられるわけでございますから、この認定作業というのはとても重要な観点だと私は思っているわけでございます。そして、それはやはり、協会の方々にどうしても言わなければいけないということも、そうなのだろうと思っているわけであります。  すなわち、協会がどのような状況で運営されているかということも改めてとても重要な視点だと思っているところでもございます。  様々な事業を受けることができるということを考えますと、協会の在り方についてどうなのかということを私としては見ていかなければいけないと思っておりまして、札幌アイヌ協会の総会も、本年は不成立に終わっているというふうにお伺いしているところでもございます。また、昨年も、一応、形上は成立したとなっているのかもしれませんが、会計などでかなりもめたという話もございました。  こういったことを考えますと、運営費をはじめとして様々な事業の委託費を支払っている市としては、このような状態になっていることはどのように認識をしているのか、お伺いしたいと思います。 ◎田口 市民生活部長  札幌アイヌ協会の状況についてお答えさせていただきます。  確かに、今年度、令和5年度の総会につきましては、委員がご指摘のとおり、まだ成立しておりませんので、現在、必要な準備が整いつつあり、近日中には開催できるような見込みであるという情報は私どものほうにも届いているところでございます。  札幌市から札幌アイヌ協会に様々な業務を委託しているところでございますが、この委託している業務につきましては、その都度、適切に履行されていることを確認しておりますが、協会の運営につきましても円滑に行われるべきものだと我々は認識しておりまして、引き続き、助言や必要な協力などは行っていきたいと考えているところでございます。  なお、協会自体の運営に関する経費に関しましては、札幌市からは補助等は行われておりませんので、申し添えさせていただきたいと思います。 ◆川田ただひさ 委員  運営といいますか、事務費とか、そういったことでいろいろと支払っているかと思います。そういう意味で、協会の運営については、それこそ先ほど助言というお話もございましたが、しっかりとしていただきたいと思っているところでもございます。  私としては、ピリカコタンにも行きまして、本当に一つの文化だなということは、改めて感じたところでございます。  先ほど山田洋聡委員からも指摘がございましたが、札幌市においては様々な隠れた文化があるかと思います。残念なことに、私の地元の厚別にある百年記念塔は、これは北海道の話ではございますが、とうとう破壊が進められてしまったわけであります。今、この部分は最高裁まで闘っているわけでございますが、やはり、一度なくなってしまえば復活することはできません。そういう意味において、アイヌの方々の文化をはじめとして、様々な文化がこの札幌市内にあるわけでございます。  開拓で来られた方々の出身地のいろんな文化を今でも伝承されている方も数多くいるわけでございますから、そういった文化といろいろと調和した形で札幌市の文化が発展すること、このことが一番重要だというふうに考えているところでもございます。  また、先ほど、歴史教科書のお話もございました。現場では、江戸幕府においても、天領にして、各藩から当時の北方防衛のために派遣をされたであるとか、もし子どもたちからそういう質問があればそのようにも答えているという話でございます。  しかし、ここで多くは語りませんけれども、全国で同じ教科書の内容になっているわけであります。すなわち、東京で学ばれた方も、四国で学ばれた方も、九州で学ばれた方も、漠然と、北海道が白抜きになっているということは違うのかなという認識を持ってしまうわけでございます。これは、札幌市全体の話ではございますが、やはり、改善をしていただくべく、私は国にも要請するべきだと思いますし、これからのアイヌ施策の運営等を含めまして、いろいろと質疑を通じまして、私も正しい形で札幌市が行政をやっていっているのかどうなのか、見てまいりたいと思います。 ◆定森光 委員  私からは、札幌市文化芸術創造活動支援事業について質問をいたします。  文化芸術は、私たちの暮らしの豊かさに欠かせないものであり、人々の創造性と感性を育み、国籍や民族の違いを超えた交流を生み出す、そして、特色あるまちづくりや創造性が発揮された経済活動の基盤になるものであるということは、多くの方が認めることだと思います。  こうした文化芸術の持つ価値は、文化芸術の担い手であるアーティストによる既存の価値観に縛られない自由な発想に基づく創造活動によって成り立ちます。しかしながら、本市のアーティスト約1,300人が回答したおととしの文化芸術実態調査によれば、アーティストの約97%が、場所や資金、人材など、活動上の課題を抱えているというアンケート結果が出ております。  こうした課題がある中、2020年から2021年にかけて、文化芸術関係者らで構成された札幌文化芸術未来会議では、本市の今後の文化芸術政策として、アーティストの抱える課題に対応する伴走型のきめ細やかなアーティスト支援が重要であること、加えて、社会と文化芸術をつなぐアートマネジャーの育成が重要であるとの方向性が会議で示されました。  この未来会議での議論を踏まえ、コロナ禍における緊急支援の側面だけではなく、中長期的なアーティスト支援の在り方のモデル事業として、この札幌市文化芸術創造活動支援事業が昨年度実施されたものと理解しております。  本事業は、アーティストの現状やニーズ等を把握している中間支援組織から、コロナ禍におけるアーティストの創造活動を支援する取組の提案を受け、採択された中間支援組織がアーティスト支援を図るというものであります。専門性を持つ文化芸術関係者と行政との新たな協働による文化芸術政策として、我が会派として期待をしてきたところです。  そこで、一つ目の質問ですが、昨年度に実施した本事業の支援内容や支援対象のアーティスト数についてお伺いいたします。 ◎柏原 文化部長  創造活動支援事業の支援内容と支援対象のアーティストの数についてお答えいたします。  アーティストを支援する中間支援組織には43件の応募がございまして、その中から4団体を選定したところでございます。  その4団体の支援内容といたしましては、商店街や学校など、文化施設以外の場所で実施をするアーティスト活動への支援や、アーティストの発信力向上への支援などのほか、アーティストを支えるコーディネーターの育成があったところでございます。  支援を受けましたアーティスト等は、81組の個人及び団体となりました。 ◆定森光 委員  81組のアーティストの方の支援につながったということでありました。  文化芸術の分野は、音楽、演劇、伝統芸能など、多岐にわたりますし、メディア芸術など、時代によっても新たな文化芸術の領域が登場してきます。  分野ごとの専門性は当然異なることから、それぞれの分野に精通した、今回で言う中間支援組織が支援するということは、多様な支援ができるということで、大いに期待ができる結果になったのではないかと思います。  さて、この事業ですけれども、本市は、今年度に事業検証を行い、来年以降の方針を定めるというふうに聞いております。これまでにないアーティスト支援の形である本事業は、成果と課題を丁寧に検証する必要があると思います。  そこで、二つ目の質問ですが、本事業の成果と課題についての本市の認識を伺います。 ◎柏原 文化部長  創造活動支援事業の成果と課題につきましてお答えいたします。  本事業の評価検証としまして、アーティストを支援した中間支援組織と実際に支援を受けたアーティストの双方にアンケート調査を実施したところでございます。  まず、成果といたしまして特徴的だったことは、金銭的な支援の評価はもとより、金銭以外の支援の評価が一層高かったということがございまして、中間支援組織が行った伴走型の支援がアーティストに評価をいただいたものと分析しているところでございます。  また、中間支援組織同士の連携や、中間支援組織とアーティストの新たな関係構築など、関係者の中で新たなネットワークを構築できたとの回答もいただいておりまして、支援の広がりにつながったものと認識しております。  一方、課題といたしましては、事業期間が短かったことや、事務局体制が不十分だったことなどについてのご指摘をいただいたところでございます。 ◆定森光 委員  今、伴走支援に対する高い評価があったという答弁がございました。  きめ細かな伴走支援があったことで、課題を抱えているアーティストの皆さんは、悩みがあってもなかなか相談ができない中で、今回の事業が中間支援による支援ということで応えたのではないかと思います。  こうした伴走支援は、行政は公平性を重視せざるを得ないということから、一人一人に合ったきめ細やかな支援というのはなかなかしにくいものだと思います。中間支援による支援という今回の事業の特徴がアーティストの皆さんからの高い評価につながった、そのように理解しております。  また、本事業では、中間支援組織自体も伴走支援を受けております。全国で活躍するアートマネジャーの方が選定委員として中間支援組織にも支援をしております。  私の耳にも、中間支援組織の方がアートマネジャーとしての支援スキルを向上できたという声が届いております。  今回の事業というのは、伴走型のアーティスト支援、そして、アートマネジャーの育成の両面において成果が生まれたというふうに言えるのではないかと思います。  一方で、今回の事業を継続させていくには、昨年度のままというわけにはいかないです。検証の中では、事務局側の問題や事業期間の短さが指摘されているなど、課題も浮き彫りになっております。  何よりも、昨年度はコロナ禍の緊急支援的な取組という目的があったと思うのですけれども、今後の継続的な事業とするためには、こうした事業目的を含めた整理が必要であると考えます。  そこで、質問ですが、この事業を継続的に実施するためには、どのようなことが必要と考えているのか、お伺いいたします。 ◎柏原 文化部長  この事業を継続的に実施するためにどのようなことが必要かという点につきましてお答えいたします。  委員がご指摘のとおり、令和4年度の事業は、コロナ禍におきまして、アーティスト等の多様なニーズに応じて迅速な支援を行うという目的がございましたけれども、コロナ後におきましては、アーティストの支援に加えまして、その効果が市民に還元される事業となる必要があるものと認識してございます。  そうした意味におきましては、アーティストのステップアップをはじめといたしまして、教育、地域活性化、福祉、観光といった異分野におけるアートの力の活用など、アーティストの新たなチャレンジを支援することや、アーティストを支える人材を育成することによりまして、札幌市の文化芸術のレベルを上げたり、アートによるよりよいまちづくりが行われたりするような取組が望ましいと考えるところでございます。  加えまして、中間支援組織が市から補助を受けてアーティスト等へ再配分を行うという仕組み上、公平性や透明性が確保されることも重要と考えているところでございます。 ◆定森光 委員  先ほどの答弁では、今回の事業を、来年度以降、方向性としては、まちづくりに生かして市民に還元をもたらす事業にしていきたいというような内容だったと思います。  アーティストらの実態調査は、先ほども触れましたが、このアンケートの中で、ほかの文化芸術領域や、福祉、まちづくり、教育などのほかの社会領域との連携について、8割近いアーティストの方が連携を希望しているという結果も出ております。しかしながら、これがなかなか進まないという理由として挙げられているのは、この領域の間をつなぐ人がいないということが最も大きく挙げられていた課題となっています。  今回の事業は、中間支援組織という伴走支援がありますので、こうした伴走支援によって、文化芸術とほかの領域との連携が進む可能性があると思いますので、先ほど示した方向性は非常に評価したいというふうに思っています。  文化芸術が持つ価値というのは、福祉や観光、まちづくりと、いろんな領域との連携によっても発揮されるものであり、それぞれの社会領域がより活発化する、そういったきっかけに文化芸術が与える効果は大きいというふうに思っています。まちづくりに生かすという方向性を評価しておりますし、今回の中間支援による支援という事業の特徴が生きるというふうに考えております。  最後に、その方向性に対する懸念として、一つ要望があります。  先日、ある若い画家が制作した二つの展示物を見ました。一つは風景画でとても分かりやすくて、もう一つは、絵と写真を組み合わせた独特の作品で、正直、なかなか分かりにくかったです。本人に聞くと、分かりやすい風景画の絵というのは、活動資金を得るために、要は販売用の作品としてつくっております、本当は自分のオリジナリティーを追求した作品をつくりたいということなのですけれども、創造的な作品というのはなかなか売れにくい、結果として、売れるための作品に時間を割かなければならない、こんな創作活動の悩みが若い方には多いのではないかなというふうに思います。  今回の事業は、今後の方向性として、まちづくりに生かしたいということでしたが、売れる作品を量産するという短期的な利益を追求するのではなく、創造性ある作品がしっかり地域に根を張って世に広まっていく、こうしたことを後押しできるような事業となってほしいというふうに思います。  当然、そのためには、アーティストが抱える課題、先ほど97%の方が課題を抱えているということですから、そこに応えるアーティスト支援という本事業の目的、これはしっかりと軸に置いていただきたいというふうに思っております。  アーティストの支援の成果が出るには、当然、時間がかかります。昨年度は半年に満たない支援対象期間というケースもございました。今後の見直しの中では、しっかりと対象期間も長く取れるような見直しをしていただきたい、そのことを要望して、私からの質問を終わります。
    ◆わたなべ泰行 委員  私からは、札幌国際芸術祭2024に多くの市民や観光客が来場するための準備について、アーティスト等との意見交換の仕組みについて、札幌芸術の森美術館の入場料について、順次、質問をいたします。  初めに、札幌国際芸術祭2024に多くの市民や観光客が来場するための準備について質問をさせていただきます。  先ほど、かんの委員からもございましたけれども、先日の10月6日には、小川ディレクター及び秋元市長により、札幌国際芸術祭2024記者発表が実施をされました。50組を超えるアーティストチケット情報等が発表されたところでございます。  今回の札幌国際芸術祭は、初の冬季開催となる札幌の魅力や特徴を生かした札幌ならではの展開が数多く見られ、また、開催時期は雪まつりがあり、国内外から多くの観光客が訪れるこの時期に芸術祭を開催することは、文化芸術の視点からも札幌の魅力をアピールする絶好の機会になるのではと大変期待をしているところでございます。  今後、市内では、まち中の街頭ビジョンにおいて、今回の記者発表に合わせて新たに制作されましたプロモーション動画が放映される予定など、いよいよ残すところあと3か月余りとなりました開幕に向けて期待感が高まっていくであろうと感じているところでございます。  コロナ禍を経て約6年半ぶりに開催される文化芸術イベントであるからこそ、ぜひ多くの市民に参加していただき、文化芸術に触れることで、創造性を醸成する場となることを期待しております。  そこで、質問ですが、札幌国際芸術祭2024において、多くの市民や観光客が来場するため、これまでどのような準備をしてきたのかを伺います。 ◎片岡 国際芸術祭担当部長  多くの市民や観光客が来場するための準備についてお答えいたします。  今回の芸術祭では、アートとテクノロジーの世界的祭典であるアルスエレクトロニカ・フェスティバルでの小川ディレクターの知見を生かし、華やかで直感的に楽しむことができる作品のほか、社会課題等、未来について考えることのできる作品展開をしてまいります。具体的には、市内中心部では、さっぽろ雪まつり大通2丁目会場や、札幌文化芸術交流センターSCARTSなど、誰もが気軽に鑑賞することができる空間を活用して、華やかでインパクトのあるメディアアート作品を展示する予定でございます。  また、これまで劇場として使用されてきた東1丁目劇場施設では、天井の高いステージや、ふだん立ち入ることのできない奈落といった会場特性を生かし、ステージ上の大型作品や、奈落での神秘的な空間展開などにより、来場者が未来について考えることのできる未来劇場として、美術館とは異なる見せ方の工夫をしてきたところでございます。  こうした内容を多くの市民や観光客の方にしっかり伝え、来場につながるよう、まち中での街頭ビジョンや壁面広告のほか、テレビCM、SNSなど、広報プロモーションの強化を図り、開幕に向けた盛り上がりをつくってまいります。 ◆わたなべ泰行 委員  この華やかでインパクトがあるメディアアート作品を市内の中心部に展開しまして、会場の特性を生かしてそのときにしかない美術館を創る、こういったような仕組みづくりや広報プロモーションの強化を図っていくとの答弁でございました。  プロモーションについてなのですけれども、私も、専用ホームページで新しいプロモーションの映像を拝見させていただきました。数パターンございますね。本当にこれを見たときに、SIAFがさらに進化したなというふうに期待が持てる内容でございました。先ほど、街頭のビジョン、またCM等を流すというお話でございましたけれども、さらに、この展示内容が市民の間で話題になっていくような、こういったプロモーションの強化をさらに検討していただくことを求めます。  この進化しましたSIAFに、ぜひ多くの方々に会場に足を運んでいただきたいと考えているところでございますけれども、一方で、今回の新たな取組でございます冬の開催は、吹雪などの悪天候、こういったときには出かけるときに苦労すると考えてしまう、こういった時期でもあると思います。  この冬の時期は、特に付き添いや介助などを必要とする障がいのある方たちにとっては、気軽に参加することに対して懸念があるのではないかというふうに憂慮いたします。  我が会派では、これまで、障がいのある方の文化芸術活動、こちらは当事者の自己肯定感の向上、自己表現や社会参画の促進につながること、また、様々な方たちとの交流、こういったことを通じて、互いを理解し合って尊重し合う共生社会への架け橋になる活動と考えて、議会等で何度か質疑をさせていただいておりました。  本市では、令和4年度に身体障がいのある児童及び知的障がいのある児童等を対象として、そしてまた、今年度は、新たに聴覚に障がいのある児童も対象として、参加型の音楽ワークショップを、札幌コンサートホールKitaraで実施をしているところでございました。  私は、本年2定の議案審査特別委員会におきまして、この事業の効果について質問をいたしました。その際、ふだんはなかなか文化芸術施設に来ることができない子どもたちが、笑顔で楽しみ、その後の行動に変化が見られたこと、さらには、次の機会を期待する声が多いなど、事業の需要や実施効果が非常に高かったとの答弁でございました。  改めて、文化芸術は、人を前向きにさせていく力がある、こういったことを認識させていただきました。札幌国際芸術祭2024におきましても、障がいのある方が参加しやすい取組を期待しております。  そこで、質問ですが、障がいのある方が参加しやすい取組について、どのように考えているのかを質問いたします。 ◎片岡 国際芸術祭担当部長  障がいのある方が参加しやすい取組についてお答えいたします。  未来劇場では、劇場の特性上、階段や狭い空間があるため、例えば車椅子を使用している方が安全に鑑賞することができるよう、障がいのある方の移動支援に携わるNPO法人と連携しながら、スタッフの配置等について、現在検討しているところでございます。  また、昨年度、視覚あるいは聴覚に障がいのある方と共同で実施した鑑賞プログラムの実績を踏まえ、障がいのある方が作品を楽しむことができるよう、例えば筆談を用いた鑑賞プログラムなどについて、現在、当事者の方々とともに検討を進めているところでございます。  あわせて、これらの来場者向けの取組が当事者の方にしっかり伝わり、様々な方にとって参加しやすく、満足度の高い鑑賞体験につながるよう、ウェブサイトや各種広報媒体を活用し、効果的に発信をしてまいります。 ◆わたなべ泰行 委員  会場では、来られたときには鑑賞しやすい取組、また、参加者の満足度を高めていくためにも、筆談プログラム、こちらを検討しており、そして、これらの取組が当事者にしっかりと伝わるようにとの答弁でございました。  要望です。  開催までに、今、準備に大変忙しくて、拍車がかかっている時期だとは思います。それでも、本市の文化芸術事業の中でも、やはり代表的な、通常でいけば3年に一度しかない国際芸術祭に障がいのある方たちが参加しやすくなる取組をさらに検討していただくことを求めます。  また、我が会派は、観光の観点におきましても、共生社会の実現を目指しており、ユニバーサルツーリズムの取組を推進しているところでございます。今回のSIAFの取組が、障がいのある方たちが冬の札幌に観光で訪れることの後押しになる、こういったことも期待して、この質問を終わります。  次に、アーティスト等の意見交換の仕組みについて質問いたします。  我が党は、これまで、文化芸術は多様性を受け入れることができる、心豊かな社会の形成につながることから、住みよいまちづくりのために欠かせないものとして、国の文化芸術振興基本法の制定を主導するとともに、子どもの体験教室や芸術家育成など、多くの施策を推進し、文化芸術立国の実現に向け、全力を挙げてきたところであります。こうした施策を実現するためには、文化行政が担う責任は極めて大きいものと認識しております。  本市におきましては、札幌市文化芸術基本条例が制定されており、その第10条で、「市は、市民、芸術家等、文化芸術活動を行う団体等の自由な発想が文化芸術に関する施策の推進に欠かせないものであることに鑑み、市とこれらの者とが、文化芸術に関する施策の推進に関し、互いに自由かつ率直に意見の交換を行うことができる仕組みの整備を図るものとする。」とうたい、アーティスト等との意見交換の仕組みを整備しております。  どういった施策でも共通することかと思いますけれども、政策について検討するに当たっては、実際にその分野の最前線で活躍をされている方の意見を聞くことは非常に大切なことであり、文化芸術においても同様のことだと考えております。  そこで、質問ですが、アーティスト等との意見交換について、札幌市では、これまでどのように取り組んできたのかを伺います。 ◎柏原 文化部長  これまでの意見交換の取組につきましてお答えいたします。  アーティスト等との意見交換につきましては、札幌市文化芸術基本条例の趣旨にのっとりまして、平成21年度以降、毎年実施をしております。  例えば、令和2年度、令和3年度に開催いたしました札幌文化芸術未来会議におきましては、アーティストへのコロナ禍における緊急支援と中長期的な支援の両面から議論を重ねたところでございます。  この成果といたしまして、令和4年度には、中間支援組織を介したアーティスト支援であります札幌市文化芸術創造活動支援事業のモデル実施につながったところでございます。  今年度につきましても、札幌市文化芸術創造活動支援事業の評価検証、それから、第4期札幌市文化芸術基本計画の策定に当たりまして、こうしたアーティスト等との意見交換の仕組みを活用しているところでございます。 ◆わたなべ泰行 委員  令和2年度、令和3年度は、札幌文化芸術未来会議を開催しました。今も意見を聞く機会を設けているということが分かりました。  特に今は、話がありました札幌市文化芸術創造活動支援事業につきましては、私は令和4年1定の予算特別委員会におきまして、本市の文化芸術活動の支援に、中間支援組織の必要性を訴えてきたところでございます。  文化芸術の現場に深く関わっている専門性に富んだ団体がアーティストの伴走支援を行う仕組みは、先ほどの答弁でもございましたけれども、現場のアーティストからも非常に評判がよく、また私のところにも、さらに実現をしてほしいといった声も寄せられているところでございます。  今後とも、ぜひよりよい文化行政を実現するために、しっかりと現場の意見を聞くことは大変重要なことだと改めて認識させていただきました。  一方で、アーティスト等との意見交換の場は、市民への文化芸術活動を推進することや、私も議会等で訴えてきましたけれども、文化芸術の力を他分野の課題解決に使っていって活用していただきたい、こういうことを議論していただきたい、札幌市政に生かしてもらいたいというふうに考えているところでございますけれども、一方で、こういった内容だけではなく、時にはアーティスト個人の要望を述べるだけの場になってしまう可能性も秘めているのではないかと懸念をするところでございます。  そこで、質問ですが、意見交換のあるべき姿とはどういうものなのか、そして、それを実現するために留意すべきことをどのように考えているのかを伺います。 ◎柏原 文化部長  意見交換のあるべき姿、それから、留意すべき点につきましてお答えいたします。  アーティスト等との意見交換は、広く札幌市民が成果を実感できるようなよりよい文化行政を実施するためのものというふうに認識しているところでございます。  このため、特定の芸術家や文化芸術活動を担う団体だけではなく、文化芸術に関わる様々な分野の方の意見を広くいただく場とすることが重要と考えております。そのため、今年度の第4期札幌市文化芸術基本計画の策定に当たりましては、まちづくりや福祉、観光などに知見をお持ちの有識者の方にご参加をいただくとともに、アーティストからのご意見もいただくために、別途、個別にヒアリングも実施しているところでございます。  今後ともよりよい意見交換の場とするために、アーティストの参加はもちろんのこと、幅広い知見を持つ方々からの意見もいただけるように、適切なバランスを意識した会議体の設定に努めてまいりたいと考えております。 ◆わたなべ泰行 委員  アーティストだけではなくて、幅広い知見を持った方も意見交換の場には参加していただくという答弁だったと思います。  私は、これは非常に大切なことだと思っておりまして、アーティストの皆様に、もしかしたら経験がない福祉のこと、教育のこと、経済のことについて意見を出してくださいと言っても、かなり厳しいときがあるかもしれません。一方で、幅広い知見のある方たちにとっても、アーティストとして生きてきたときにどんな課題があるのか、これはアーティストの人生を送ってみないと分からないものでありますから、この方たちが一つのテーブルの場で話し合う、これは本当に必要なことかなと思っております。  様々な課題はあるかもしれませんけれども、先ほどの答弁にありました札幌市文化芸術創造活動支援事業は、札幌文化芸術未来会議の成果の一つだと思っております。文化芸術関係者と膝を交えた話合いの場を定期的に開催することは、本市の文化芸術施策をよりよく推進するためには必要だと考えますので、来年度には、ぜひ札幌文化芸術未来会議のような取組を実現していただくことを求めて、この質問を終わります。  最後に、札幌芸術の森美術館の入場料について質問をいたします。  札幌芸術の森美術館は、平成2年9月に開館し、展覧会事業として国内外の美術を幅広く紹介しており、札幌、北海道にゆかりのある作家に焦点を当てた札幌美術展シリーズ、札幌芸術の森美術館の学芸員が自ら創意工夫を凝らした企画展、全国で開催されている巡回展、美術館の収蔵作品展など、様々な企画展を展開し、大人から子どもまで多くの市民に親しまれている施設でございます。  今年の夏に開催されました展覧会、「チームラボ学ぶ!未来の遊園地と、花と共に生きる動物たち」は、最新のテクノロジーを活用したシステムや、デジタルコンテンツの開発を行うアート集団チームラボによる期間限定展示で、開催前から大きな話題を呼んでおりました。  私も、メディアアーツ創造都市札幌を推進している立場からも、札幌でメディアアートを鑑賞できることを楽しみに展覧会に足を運びました。自分で紙に書いた魚が目の前の壁に映し出された水族館で泳ぎ出す世界とつながったお絵かき水族館や、大小様々な光のボールを転がすと、色や音が変化する光のボールでオーケストラなど、見て、触れて、楽しめる展示を中心に、鑑賞者の創造力や表現力などを刺激するすばらしい内容でございました。  館内は、子どもを連れた方々を中心に、大変なにぎわいを見せていまして、7月8日から9月3日までの会期中、これまでの芸森美術館の展覧会の歴代最多となります延べ15万3,735人の方々が美術館を訪れたとのことでございますので、非常に大きな成果があったと思います。  さて、このチームラボ展は、全国各地を巡回する展覧会でございますけれども、今回の芸森美術館の入場料は、一般料金で1,500円に設定されておりました。一方で、他都市の一般料金の設定状況を見ますと、令和元年に名古屋市科学館で開催された際は、本市と同じく1,500円でしたけれども、昨年、島根県立美術館で開催されたときは1,700円、現在開催されている名古屋市の金山南ビル美術館では、平日の限定券が1,800円、土日祝日券及び当日券が2,000円となっております。  必ずしも全く同規模の展覧会ではないかもしれないですけれども、開催地によっては、入場料の設定金額が大きく異なっています。  そこで、質問ですが、チームラボ展における札幌芸術の森美術館の入場料の設定の考え方について伺います。 ◎柏原 文化部長  チームラボ展における札幌芸術の森美術館の入場料の設定の考え方につきましてお答えいたします。  今回のような展覧会、いわゆる特別展の入場料につきましては、札幌市都市公園条例によりまして、1,500円の範囲内で、その都度、市長が定める額と定められているところでございまして、同美術館を含みます札幌芸術の森の指定管理者である公益財団法人札幌市芸術文化財団が入場料を設定し、市の承認を得て決定したところでございます。  チームラボ展は、展覧会の内容や開催経費、他都市で実施された際の金額等を考慮いたしまして、条例上の上限であります1,500円と設定されたところでございます。  なお、この1,500円という上限額は、平成2年の札幌芸術の森美術館開設時に、美術館の建物規模が同程度の全国の公立美術館19館の特別展の入場料を調査いたしまして、最高額が2,000円、最低額が500円、平均額が1,300円であることを踏まえて設定したところでございます。 ◆わたなべ泰行 委員  ただいまの答弁で、都市公園条例で、平成2年のときの設定で1,500円が上限ということで、今回のチームラボも1,500円が上限だったことが分かりました。  ただ、近年は、人件費、展示造作費、作品の輸送費も上昇しておりまして、様々な事情によって展覧会の入場料が上がる傾向にあります。  特に首都圏におきましては、美術的価値が高い作品や社会的評価の高い作家、これらの巡回の展覧会、こちらの入場料は2,000円を超える場合も見受けられております。  そのような展覧会は、札幌芸術の森美術館で開催しようと思っても、この上限1,500円が足かせとなってしまって、開催が事実上できなくなり、札幌市民がこういった作品に触れる機会が減ってしまうではないかと私は懸念しております。  このため、今後、魅力ある展覧会を札幌芸術の森美術館で実施するための手法の一つとして、入場料が高額に設定されている展覧会も開催できるように、入場料の上限額を引き上げるなど、仕組みを整える必要があると考えます。  そこで、質問ですが、条例における特別展の入場料の上限額について、今後の方向性を伺います。 ◎柏原 文化部長  条例における特別展の入場料の上限額についての今後の方向性についてお答えいたします。  委員がご指摘のとおり、今後、札幌芸術の森美術館で魅力ある展覧会を開催するに当たりましては、入場料が現在の条例上の上限額である1,500円を超える巡回展等が開催候補となる可能性があるものと認識をしてございます。  平成2年の美術館の開設時点と比べますと、現在は開催に係る各種経費が上がっていることなどを踏まえまして、市民の皆さんが一層魅力ある展覧会を鑑賞する機会を確保できるよう、他都市の公立美術館における特別展の入場料や、全国巡回展の入場料を調査研究いたしまして、今後、必要な対策を講じてまいりたいと考えてございます。 ◆わたなべ泰行 委員  ぜひ検討していただきたいと思います。  最後に、要望です。  私が今回のチームラボの作品展に伺った際に、天井には数多くのプロジェクターがつってありまして、バックヤードも拝見させていただきました。本当に多くのコンピューター機器がありまして、こういったデジタルを活用した展示会の運営は通常よりも経費がかかるのだなということを改めて実感いたしました。昨今の人件費等の経費の上昇を考えますと、入場料の上限が1,500円では、先ほども述べましたように、企画展の内容は限られてしまいます。美術的価値が高い作品や社会的評価の高い作品を鑑賞する機会が札幌市民から失われないように、展覧会の内容によっては入場料の設定を変えられる仕組みづくりを行っていただくことを求めまして、私の質問を終わります。 ◆篠原すみれ 委員  私からは、札幌市における消費者市民社会の実現に向けた取組について質問いたします。  国は、消費者教育の推進に関する法律を定め、消費者教育を幼児期から高齢期までの各段階に応じて体系的に実施するなどして、自立した消費者を育成し、消費者市民社会の実現を目指しております。  この消費者市民社会とは、消費者が消費者被害を受け、救済されるという受動的な存在にとどまらず、日々の消費生活に関する行動が現在及び将来の世代にわたって、内外の社会経済情勢及び地球環境に影響を及ぼし得るものであることを自覚し、公正かつ持続可能な社会の形成に積極的に参画する社会のことを言います。  この消費者市民社会の実現のための具体的な行動として、商品の説明書をよく読んで使用すること、環境や社会に配慮された商品の選択や消費者のための制度理解、情報の活用等が挙げられます。  そこで、本市では、現在、第4次札幌市消費者基本計画を策定し、消費者教育をはじめとした様々な施策を打つなど、消費者の自立を支援し、消費者市民社会の実現に向けた取組を行っております。  例えば、本市ホームページの「市民(消費者)のみなさまへ」には、啓発活動の一環として、インパクト絶大のレトロかわいいイラストと軽快な音楽を使った動画がアップされており、その親しみやすさから本市の取組が身近な行政サービスであることを感じ取ることができるとともに、その積極的な取組は一定の評価をいたします。  本市のホームページに消費者市民社会という文言こそ使われておりませんが、このたび策定された第4次消費者基本計画の一つ前、2018年度から2022年度における第3次消費者基本計画においては、市長の挨拶の中でも使われている言葉であります。  そして、実際に数々の施策が消費者市民社会の実現を概念としていることは、取組や広報内容からも大きく酌み取ることができ、本市が消費者の権利の確立と自立の支援のための消費者施策に力を入れていることが理解できます。  消費者施策は、社会や環境問題への人々の意識が変わることで、消費者行動にも変化があるため、施策もその変化に応じたものでなければなりません。  そこで、質問ですが、消費者市民社会の実現を目的として、札幌市では、具体的にどのような考えで、どのような取組を行ってきたのか、伺います。 ◎田口 市民生活部長  消費者市民社会の実現に対してどのような考えで取組をしてきたか、お答えさせていただきます。  札幌市は、消費者が自主的かつ合理的に行動することができるよう、消費者の自立を支援することを札幌市消費生活条例に基本理念として掲げているところでございます。  この基本理念や消費者が将来にわたって社会経済情勢や地球環境に影響を及ぼし得る存在であるということを踏まえ、消費者市民社会の実現に向けて、これまで様々な施策を行ってきているとこでございます。  この施策の主な取組といたしましては、基本的な消費者トラブルに関する教育や啓発を実施して消費者の自立を支援するとともに、消費者からの相談電話がきっかけで声が集まりまして、法律改正につながることをイメージしたポスターを作成して、消費者の積極的な行動を呼びかけてきたところでございます。  さらに、省資源・省エネルギー、それから、食品ロスや地産地消などにも配慮したエシカル消費等の講座も実施しておりまして、消費者が将来にわたって持続可能な消費生活を送ることができるよう、必要な知識の普及に努めてきているところでございます。 ◆篠原すみれ 委員  消費の自立というちょっと分かりづらい概念でもあるかなと個人的には思うのですけれども、基本理念として条例に掲げているというのは大変重要なことですし、また、今のご答弁からも様々な取組が実践されていることを理解できました。  次に、自立した消費者の育成を目指した若者に対する施策についてです。  2022年4月の民法改正により、成年年齢が18歳となってから約1年半経過いたしました。10代、20代の若者たちは、ほかの世代に比べ判断能力も十分でないこと、社会経験が少ないことから、自立に向けた支援がさらに必要です。  契約者年齢別の相談件数の統計によりますと、依然として60歳代以上の相談が高い割合を占めている一方で、20歳代以下の相談割合は、2020年度以降、増加傾向にございます。  成年年齢の引下げを契機として、若者の消費者被害はさらに深刻化していく恐れがあり、札幌市においても、より一層の消費者被害防止の取組が必要と考えます。  実際、若者に多い消費者トラブルの相談は、ダイエットサプリメントなどの健康食品に関するもの、オンラインゲーム、副業サイトなどのデジタルコンテンツに関するもの、原状回復トラブルなどの賃貸住宅に関するものが多いと聞いております。  既に本市では、学校での出前講座、教材提供、大学生または新社会人向けの啓発活動などを行っており、今後も引き続き、若者の生活スタイルや陥りやすい被害の傾向、特徴に合わせた消費者教育や啓発活動が必要です。  そこで、質問ですが、成年年齢の引下げから約1年半が経過した今、若者に対する施策について、具体的にどのような点に留意して行っているのか、伺います。 ◎田口 市民生活部長  自立した消費者の育成を目指した若者に対する施策についてお答えいたします。  若者は、インターネットを活用して素早く知識を得たり、幅広いネットワークを築けたりする点では、ほかの年齢層、世代よりも優れた面があるとも言われております。その一方で、今のご質問にもございましたとおり、社会経験が十分でない面があり、悪質商法の標的になりやすいことから、消費者市民社会を担う自立した消費者の育成を目指し、より適切に消費者教育を行っていく必要があると認識しているところでございます。
     この若者の消費者トラブルにつきましては、SNS広告をきっかけとして購入した商品であるとか、SNSで知り合った相手から勧誘された契約など、非常にSNSに関連した相談が多く、事業者の手口もだんだん複雑になってきております。  札幌市では、このような相談の傾向等を集計して手口の分析をした上で、若者にタイムリーな情報を届ける出前講座等を行っているところでございます。  また、相談等を受けることができる消費者センターに対する認知度は、若者世代ほど低い傾向がございます。  そのため、ユーチューブやティーバーなどの若者が利用するメディア媒体を使って啓発を行うなどして効果的に消費者センターの情報を含め、情報を届けるよう留意をしているところでございます。 ◆篠原すみれ 委員  既に本市では若者向けの施策を行っていると私も認識しておりますし、今のご答弁からも、若者をターゲットにするならではの啓発活動など、既にそういうものがされていると思うのですけれども、さらにたくさんの取組をしていただくことを期待しております。  そして、若者の消費者トラブルはSNSをきっかけとしたものが多いことも今確認できたのですけれども、さらなる施策を講じていただきたいと思います。  次に、消費者の自立と消費者市民社会の実現に向けた課題と今後の取組についてです。  高齢者のトラブルについても、悪質な訪問販売、強引な訪問買取りなどが後を絶ちません。高齢者に対する施策として、札幌市では、消費生活サポーター制度を導入し、地域の方がサポーターとして地域の方々を見守ったり、地域内で消費者教育の講座を行ったりなどして、消費者市民社会の形成に資する活動を行っていると聞いております。  また、その他の世代においても、通信販売による化粧品の定期購入に関するトラブルや、雪国ならではの除排雪事業者に関するトラブルなどもあり、内容は多岐にわたります。その上、時代の移り変わりによってもトラブルの内容が変化いたします。  消費者である市民にとって、困ったときやトラブルに遭ってしまったときに相談できる先があることは重要であります。先ほど、消費者センターについても言及がございましたが、それも一つだと思っております。それと同時に、地域で市民の安全・安心を見守るという多角的な支援が必要です。  加えて、消費者自身も、正しい情報を得て、トラブルに遭わないよう自立していかなければなりません。それこそが、さっきの消費者の自立と言えます。また、国や本市が目指す消費者市民社会の実現のために必要不可欠なことです。  そこで、質問ですが、消費者の自立と消費者市民社会の実現を目指す上で、現在の札幌市の消費者行政にはどのような課題があり、その課題に対して今後どのように対処していくのか、伺います。 ◎田口 市民生活部長  現在の消費者市民社会の実現に向けた課題と今後の取組についてお答えさせていただきます。  平成29年3月に学習指導要領が改正されておりまして、このときより小学校、中学校において消費者教育が実施されていることになっておりますが、それ以前の世代につきましては学校での教育が行われておりません。その結果、これらの世代にしっかりと基本的な消費者教育を届けていくことが必要と感じているところでございます。  また、令和3年実施の市民意識調査によりますと、先ほども申し上げました消費者センターで相談ができることを知っている人の割合が全体の63.9%にとどまっていることから、この相談機能を持つ消費者センターについて、より一層の認知度向上が必要とも認識しているところでございます。  そこでまず、学校での消費者教育を受けられなかった世代に対しましては、一般の事業者とも協力いたしまして、職域における消費者教育を充実させ、そこで受講された方々への教育効果、それだけにとどまらず、その方々が家庭内にお戻りになったときの啓発効果も期待して進めてまいりたいと考えておるところでございます。  あわせまして、これまで行ってきておりますポスターなどによる啓発や、お話もございました消費生活サポーターに登録していただいている、こちらは個人も事業者もございますけれども、事業者などとも連携した啓発を行うなど、消費者センターの認知度向上をさらに図ってまいりたいと考えております。  この消費者センターの認知度がさらに上がることによりまして、より多くの消費者トラブルの情報が集まることが期待されます。これが集まることによりまして、それを基に消費者が自ら考え、行動するための消費者教育を一層充実させることができるかと思いますので、それを充実させることによりまして消費者市民社会の実現を目指してまいりたいと考えております。 ◆篠原すみれ 委員  先ほどのご答弁に、平成29年3月から義務教育で消費者教育をしているというお話で、それ以前の受けていない方々、年齢へ向けての啓発活動がすごくポイントになるというふうに改めて感じました。そして、その職業での特徴を生かした教育なども踏まえて、様々な角度からのいろんな啓発活動によって消費者の自立が促されるんだと思います。  私たちは、日々、物を買うなどの消費活動を頻繁に行っております。消費活動を行わない日々はほぼないとも言えるのではないでしょうか。それほどまでに、消費活動は私たちの生活に密着しており、その分、身近にトラブルの危険性をはらんでおります。  社会経済活動において、消費活動は大きなウエートを占めており、一人一人の消費活動が、消費行動が、社会、経済、環境等に大きな影響を与えます。  こうして、私たちの生活に必要不可欠である消費活動を行政と地域の方々でしっかりと支援し、そのことが市民が安全・安心に生活するための支えになるのではないでしょうか。  日常の安全・安心が保たれるまちづくりは、アクションプラン2023にも盛り込まれており、これは、消費者市民社会の実現に通ずるものがあり、共生社会の礎になると考えます。  本来、人生を豊かにするために行う消費活動が、リスクに侵されてしまうという事態にならないために、私たち一人一人の意識醸成を図ることも必要不可欠です。  最後に、消費者市民社会の目的である、市民が公正かつ持続可能な社会の形成に積極的に参画できるよう、本市には引き続き、消費者市民社会の実現に向けての取組に寄与していただき、それが一人でも多くの市民に届くことを期待いたしまして、私の質問を終わります。 ◆ふじわら広昭 委員  私は、2項目質問をいたします。  1項目めは、第4期札幌市文化芸術基本計画について、2項目めは、次期札幌市アイヌ施策推進地域計画と共同利用館後継施設についてです。  最初は、1項目めの第4期札幌市文化芸術基本計画についてです。  私は、2024年度から向こう5年間の第4期札幌市文化芸術基本計画について、現在開催されています検討委員会における委員の皆様のご意見や国の基本計画、他都市の文化施策、そして、私がこれまで次期文化芸術基本計画策定に向けて札幌市に提言させていただいた事項も交えながら、現段階での計画素案などについて質問をいたします。  質問の1点目は、今後の第4期札幌市文化芸術基本計画策定までのスケジュールについて、まず伺います。 ◎柏原 文化部長  基本計画策定のスケジュールにつきましてお答えいたします。  札幌市文化芸術基本計画検討委員会は、第2回定例市議会で補正予算の議決をいただいた後に立ち上げをいたしまして、7月25日に第1回目を開催いたしまして、これまで4回開催してきております。今後、今月末までに、さらに検討委員からのご意見をいただくこととしてございます。いただいた意見を踏まえまして基本計画の原案を作成し、庁内での議論を経て、計画の素案を策定いたします。年明け以降になりますが、教育委員会での審議、それから市議会、財政市民委員会における報告、それからパブリックコメントの実施を経まして、今年度末の計画策定を目指しているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  質問の2点目は、第4期基本計画の方向性について、3点伺います。  質問の1点目は、新しい計画を策定するに当たって、第3期計画の施策を再構築し、第3期計画の振り返りを行い、これを新しい計画に反映させることは非常に重要です。第3期は、新型コロナウイルス感染症の影響で、札幌国際芸術祭の中止をはじめ、多くのイベントの開催が大きな影響を受け、評価が難しいところがあります。  そこで、質問ですが、第3期基本計画には、施策を四つのステージに分類していますが、見直しの視点として、ステージごとにどのように評価されたのか、伺いたいと思います。 ◎柏原 文化部長  第3期基本計画のステージごとの振り返りにつきましてお答えいたします。  第3期基本計画には四つのステージがございまして、第1回の検討委員会ではそれぞれの振り返りを行ったところでございます。  一つ目のステージの全ての人々に充実した文化芸術活動への参加の機会、場を提供するなどの機会の充実につきましては、コロナ禍によりまして、多くの文化芸術イベントが開催の可否を含めて大きな影響を受け、オンラインでの発信などにも取り組みましたが、総じて厳しい期間になったと受け止めております。  二つ目の未来への布石、育成、支援では、子どもたち文化芸術活動の充実や、アーティスト等のステップアップの促進を掲げておりまして、先ほどの機会の充実と同様に、コロナ禍で厳しい期間となりましたが、アーティストを支援するため、施設使用料の半額補助を行う札幌市文化芸術活動再開支援事業を構築するなど、一定程度の取組ができたものと認識しております。  三つ目の文化の保存・活用では、文化遺産や自然遺産の保存と活用や、国内外への魅力発信などの取組を目指しましたが、一部、新型コロナウイルス感染症の影響で取組ができず、指標としております施設利用者数や来札観光客数は、コロナ禍の影響を大きく受け、現状では回復傾向にあるものの、厳しい期間であったと認識をしております。  ステージ4では、各ステージの取組を効果的に進めるための施策を定めてございまして、市と文化芸術関係者などとの間で意見交換を行うための札幌文化芸術未来会議を設置して、議論を重ね、札幌市創造活動支援事業を立ち上げ、コロナ禍に即した対応も行うことができたと認識をしております。 ◆ふじわら広昭 委員  質問の2点目は、基本計画の策定においては、今年3月に閣議決定されました国の第2期文化芸術推進基本計画を取り入れていくことが大切ですが、第1期計画を踏まえた課題はどのようなものか、これを踏まえて基本計画を策定することが肝要と考えています。  特に、この計画の中に、文化芸術の担い手の活動基盤が脆弱で、担い手の確保が必要と記載されていますが、第4次基本計画の策定に当たって非常に重要な課題と言えます。  そこで、質問ですが、札幌市として国の文化芸術推進基本計画をどのように計画に取り込もうとしているのか、伺います。 ◎柏原 文化部長  国の計画の取り込み方につきましてお答えいたします。  国が策定いたしました第2期文化芸術推進基本計画におきましては、文化芸術の担い手が安定的に活動を継続することができる環境の整備や文化観光の推進、それから、障がい者をはじめ、誰でも文化芸術に触れることができる環境の充実などを主な課題としております。  こうした課題は札幌市においても同様と考えておりまして、第1回札幌市文化芸術基本計画検討委員会でも委員の皆様にご説明を行いまして、国の計画も参考にしながら議論を進めていただいているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  質問の3点目は、札幌市の文化行政の方向性として、文化芸術の価値、札幌市まちづくり戦略ビジョンにおける文化芸術の姿、そして、札幌市の文化行政が目指すものはどのようになっているのか伺いたいと思います。 ◎柏原 文化部長  札幌市の文化行政が目指す方向性につきましてお答えいたします。  国の計画では、文化芸術は、本質的価値及び社会的・経済的価値を有するものと整理しております。また、第2次札幌市まちづくり戦略ビジョンでは、文化芸術につきましては、一つ目として、誰もが文化芸術に親しみ、創作や表現ができる環境、二つ目として、札幌市ならではの文化が育まれ、世界に発信される、三つ目として、自然、歴史、文化の未来への継承、以上の三つの目指す姿を示しているところでございます。  これらを受けまして、第2回目の検討委員会では、札幌市の文化行政においては、基本計画の実施を通じ、本質的価値、社会的価値、経済的価値をそれぞれ高めることがビジョンに掲げる目指す姿につながるものという考え方を共有したところでございます。  検討委員からは、特に第4期基本計画においては、社会的価値、経済的価値の向上に向けて、文化芸術の力を様々な分野で生かすことを目指すべきとのご意見があったところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  次の質問に移る前に、要望を申し上げておきたいと思います。  国の第2期文化芸術推進基本計画の中では、16の施策が位置づけられているわけであります。  先ほど、部長は、検討委員会の中でも参考にしていきたいという答弁をされていましたけれども、参考ではなくて、16の国の施策に基づいたものをしっかり札幌市の基本計画の中に位置づけていただきたいということを強く求めておきたいと思います。  次に、第4期札幌市文化芸術基本計画の素案を検討している検討委員会のホームページを見ますと、第4期札幌市文化芸術基本計画は、三つのステージで構成する案が示されていますので、各ステージごとに質問します。  初めは、ステージ1、機会の充実ですが、各施策と重点事項について2点伺います。  質問の1点目は、施策1、多様な文化芸術に親しむ機会の提供です。  重点事項として、障がいのある方の多様な文化芸術に参加できる環境づくりを進めるとのことですが、私はこれまでも、他分野、福祉、教育などと連携しながら、多様な価値を認めるダイバーシティー、社会的包摂環境を推進し、まちのにぎわいを創出することが大事だと提言をしてきました。  特に検討委員会の委員からも、アール・ブリュットは、昔風に言うと、アウトサイダーアートですが、プロの芸術家だけではなく、昔なら素人とみなされる芸術が評価されていること、また、創造都市札幌として、積極的に取り組むべきものとして、障がい児・者や専門的芸術教育を受けていない人たちの作品にどう取り組むのか、アール・ブリュットという概念を明確に扱ってほしいなどの貴重な意見が出されております。  昨年から、札幌市文化芸術財団は、Kitaraで障がい者が参加した音楽ワークショップやコンサートなどに積極的に取り組み、社会参加と文化芸術の取組を行っており、人々に感動と魅力を与えております。  そこで、質問ですが、アール・ブリュットという概念を計画の中に位置づけすべきと思いますが、どのように考えているのか、伺います。 ◎柏原 文化部長  アール・ブリュットの位置づけにつきましてお答えいたします。  アール・ブリュットの考え方を計画に盛り込むことにつきましては、検討委員会の中でも前向きなご意見を多くいただいているところでございます。  一方で、アール・ブリュットは、正規の美術教育を受けていない人による芸術を指す幅広い概念であることから、障がい者アートのような形に限定して押し出すことへの適否についても意見があったところでございます。  こうしたことから、アール・ブリュットの考え方を受けまして、あらゆる人が文化芸術に容易に触れることができる場や、参加する機会をつくるという大きな取組の中で、障がいのある方が多様な文化芸術活動に参加できる環境づくりを進めるということを施策に記載をする方向で、現在議論をいただいているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  ぜひとも、アール・ブリュットという概念を計画の中にしっかりと反映させていただきたいと思います。  質問の2点目は、施策2の文化芸術のための施設の活用等についてです。  これまでも、札幌芸術の森のハロー!ミュージアム、Kitaraのファースト・コンサートなど、教育や社会活動の一環として、積極的に文化芸術施設を活用してきました。  とりわけ大規模な多目的ホールであります札幌文化劇場hitaru、札幌市民ホール、札幌市教育文化会館の3館があり、いわゆる3館体制を維持していくことが今後の文化芸術施策を展開する上で必要と考えます。  そこで、質問ですが、今後、これらのホールの施設の在り方を検討し、将来的な3館体制の維持について、札幌市は現段階でどのように考えているのか伺います。 ◎柏原 文化部長  大規模ホールに関する本市の考え方につきましてお答えいたします。  現状の大規模ホールの必要性に関しましては、令和元年度に将来の需給調査を行ってございまして、2040年頃までは、現在の施設に見合う需要が見込まれるとの調査結果を得ているところでございます。  しかし、その後のコロナ禍の影響も考えられますことから、今後、そうしたことも加味して検討する必要があるものと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  今の体制では、2040年までは大丈夫ではないかと。しかし、今後は、こうしたコロナ禍の影響なども含めた施設の在り方をということでありますけれども、やはりこれから札幌市がつくる第4期の5年計画の文化芸術基本計画は、これまでの札幌市の取組をさらにレベルアップ、充実をしていくという目的を持っていると思うのです。  文化芸術に携わる人などからは、今の3館体制でも足りないということが指摘をされているわけであります。それは、皆さん方のところにもそういう声が届いていると思うわけです。  ですから、2040年までというわけではなくて、やはり常に文化というのは発展を広げ、裾野が広がっていくわけでありますから、今からしっかり検討をしていくというようなことも、この計画の中に位置づけていかなければ、私は市民のこうした期待、特に札幌の文化芸術アーティストの要望、さらにはそれを鑑賞していく市民の要望に応えることができないのではないかと思いますので、そうした取組をしっかりと位置づけていただきたいと思います。  次は、ステージ2、未来への布石、育成、支援ですが、各施策と重点事項について4点質問します。  質問の1点目は、施策1の子どもたち文化芸術を体験する機会の充実です。  重点事項として、家庭環境に左右されることなく、子どもたち文化芸術に触れる機会を提供するため、引き続き学校と連携した取組を推進するとのことが示されております。  そこで、質問ですが、ハロー!ミュージアムやファースト・コンサート以外に、新たな取組、例えば札響や、オペラ歌手の出前コンサートや演劇など、文化芸術を体験する機会を増やすことを検討すべきと思いますが、どのように考えているのか、伺います。 ◎柏原 文化部長  文化芸術を体験する機会の充実につきましてお答えをいたします。  検討委員や、8月に開催いたしました子ども教育委員会会議における子どもたちからも、興味の有無や家庭の状況に関わらず、学校での文化芸術体験はとても大切であるというご意見をいただいたところでございます。  これまでも学校と連携した取組は優先して進めておりまして、現在も、ハロー!ミュージアムやKitaraファースト・コンサートをはじめ、おとどけアート事業や学校DEカルチャーといった様々な事業に取り組んでおります。  既存の事業も含めまして、今後どのような展開をしていくかにつきましては、子どもたちが多くの時間を過ごす学校や、文化芸術の担い手との連携を図りながら、どのようなことが可能か検討してまいりたいと考えてございます。 ◆ふじわら広昭 委員  実際に、現在も、例えば二期会のオペラなどが市内の小学校などで出前講座をして、体験や触れる機会を確保していると思うんですね。ですから、先ほどの部長の答弁にありましたように、子どもたちからも非常に評価がされているわけであります。  そこで、もっとこういうものは積極的に取り組んでいくべきだと私は思いますし、一つここで提案をしておきたいと思いますけれども、東京の世田谷区には、パブリックシアターというものが1997年に開館されて、芸術監督は何人か替わっておりますけれども、2022年の3月までは、野村萬斎さんに芸術監督を務めていただいて、専任の学芸スタッフとか様々な専門家を確保して、出前事業をいろんなグループ団体に呼びかけて協力をいただいております。  こうした事例もありますので、ぜひしっかりとした取組を基本計画の中に位置づけていただきたいというふうに思います。  質問の2点目は、施策2の多面的なアーティストの支援です。  特に、2022年に実施しました札幌市創造活動支援事業は、アーティストの支援は今後も必要と思っており、この事業について振り返り、検証を含めて今後の進め方が重要と考えています。  基本計画の検討委員会においても、改善点はありながらも、当該事業にしっかり取り組んでいくべきとの意見が出ております。  そこで、質問ですが、当該事業の目的や課題を整理し、2024年度からの再度の事業化を目指すことを現時点で文化部としてはどのように考えているのか、その基本的な考え方を伺います。 ◎柏原 文化部長  札幌市創造活動支援事業の再度の事業化につきましてお答えいたします。  札幌市創造活動支援事業につきましては、モデル事業の評価検証を行っていたことから、アクションプランには掲載されなかったところでございます。評価検証を踏まえまして、検討委員会でも説明を行ったところでございまして、第4期の基本計画の中に位置づけまして、再度の事業化に向けて取組を進めている状況にございます。 ◆ふじわら広昭 委員  私どもの会派と秋元市長との懇談の中でもこの問題を取り上げて、秋元市長からは、確かに札幌市の第4期の文化芸術基本計画は今策定中なので、このアクションプランの中には位置づけが間に合わなかったけれども、そうした計画が近々策定をされて、その成熟度が増しているのであれば、予算については確保していきたいという趣旨の答えが返ってきておりますので、ぜひそういうことをしっかり踏まえて、アーティスト不在の事業とならないよう、そしてまた、アーティスト支援という目的と意義をしっかりと位置づけるようにしていただきたい。このことについては、後ろに座っている財政部長にも求めておきたいというふうに思っております。  質問の3点目は、中間支援団体を通じた取組についてです。  アーティストのステップアップやアートマネジメント機能の強化のために、全国的に展開されているアーツカウンシル、私はこの間、議会の中で芸術評議会という解釈をしてまいりました。この芸術評議会組織の必要性は、喫緊の課題であると思います。  検討委員会の皆様からも、一つ目には、アーツカウンシルという動きが日本全国で進められていますが、札幌市に適した総合芸術の支援をどうするのか研究する必要があり、創造活動支援事業にも結びつくので、深く検討したほうがよいのではないか。  二つ目には、他分野との連携をするためにも担い手が必要であり、そのためには、アーツカウンシルのような組織をつくって、他分野と連携する形になるのではないか。  三つ目には、各地のアーツカウンシルは、積極的に芸術を支援しており、大きな成果を上げています。
     これらは非常に大きな仕組みであり、早急に導入すべきではないかとの積極的な意見が多く検討委員から出されております。  国においても、既にアーツカウンシルの導入に取り組むべきとの提言を閣議決定しており、アーツカウンシル導入の検討は、早期に終了し、導入に向けて前向きに取り組むべきと考えます。  私は、特に横浜市の事業が参考になると思います。  アーツコミッション・ヨコハマ(ACY)は、2007年7月から、公益財団法人横浜市芸術文化振興財団が運営する芸術文化と社会を横断的につないでいくための中間支援のプログラムであります。  横浜市の掲げる文化芸術創造都市施策の実現に向け、財源的な助成、プロモーション、イベントなどを通じて、都心臨海部におけるアーティスト、クリエイター、企業、行政、大学、NPO、非営利団体などの創造の担い手が活動しやすい環境づくりを推進しております。  具体的には、一つ目には、新進アーティストの発掘・育成・支援、活動拠点や文化施設での積極的な発表の機会を創設、二つ目には、ステップアップにつながる取組の推進、三つ目には、文化芸術を支える人材の育成、支援を行い、大学やNPOと連携し、文化芸術と社会をつなぐ創造的活動を担う人材の育成支援をしております。  また、アーティストやクリエイターの支援、創造性を生かしたまちづくり、創造的産業の集積と創造性を生かしたまちづくりのために、横浜市は次の3項目に取り組んでおります。  一つ目には、制作・発表・滞在を支援、空き家などのスタジオ、ギャラリーへの転用、二つ目には、アーティスト、クリエイターのネットワークづくり、企業などとの協働を推進し、新たなビジネス機会の創出、三つ目には、アーティスト、クリエイターを支援するアーツコミッション機能の充実を図っております。  そこで、質問ですが、このようなアーツカウンシルの重要性を第4期基本計画に記載し、積極的に導入すべきと考えますがいかがか、伺います。 ◎柏原 文化部長  アーツカウンシルの検討状況につきましてお答えいたします。  アーツカウンシルにつきましては、委員がご指摘のとおり、アーティストの支援ですとかアートを生かしたまちづくりの拠点となるべきものと認識しているところでございます。  検討委員会におきましても、委員からは、アーツカウンシルが必要との意見が多く、必要性だけではなく、仕組みの検討といった体制や機能面に踏み込んだ意見もあったところでございます。  第4期計画では、アーツカウンシルの検討について、重点取組事項として位置づける方向で議論が進められているところでありまして、こうした状況を受けまして、本市といたしましても、札幌市にふさわしいアーツカウンシルの検討をさらに深めてまいりたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  ぜひしっかりした位置づけをしていただきたいと思います。  質問の4点目は、アーティスト・イン・レジデンスの展開についてです。  アーティスト・イン・レジデンスや、道外アーティストの招聘は、地域社会の活性化、地域資源の再発見、魅力形成、コミュニティーの活性化、札幌らしさを創出し、札幌のまちを世界に発信できます。海外、道外のアーティストに札幌を見てもらい、何かを持って帰ってもらうことも大事であり、パシフィック・ミュージック・フェスティバル、また札幌国際芸術祭などを活用して、海外から人を呼び込む、外向きに文化を発信することがこれまでよりも大切になっていると思います。  これは、次に質問する経済、観光・MICEと関連しますが、札幌独自のイベントの創出につながり、これがまちづくりや活性化に大いにつながると思います。  公益財団法人滋賀県陶芸の森の創作研修館では、1992年の開館以来、世界各国から陶芸家を受け入れ、この信楽の地で自由に作品を作成する機会を提供してきました。創作研修館という創作の場で、各自それぞれ自身のメニューで制作をし、常時10人前後の陶芸家が制作しております。作風や国籍などの異なる方々との交流を深めることで、刺激的な制作環境をつくっております。  このレジデンス事業は、大きく二つに分かれております。一つ目は、スタジオ・アーティストで、応募、選考のプロセスを経て、創作研修館で滞在、制作される作家の方々です。二つ目は、ゲスト・アーティストですが、陶芸の森が招聘した作家の方であります。また、ゲスト・アーティストの一部については公募制を取り入れており、多くの陶芸家たちと交流しながら、また創作研修館の機材をフルに使いながら、自分自身のレベルアップを図ってもらうことが、創作研修館のアーティスト・イン・レジデンス事業の考え方であります。  そこで、質問ですが、文化芸術を推進するために、さっぽろ天神山アートスタジオに加えて、札幌市芸術の森が主体となって、廃校となった常盤小学校の活用も含め、アーティスト・イン・レジデンスや道外アーティストの招聘を積極的に展開すべきと思いますがいかがか、伺います。 ◎柏原 文化部長  アーティスト・イン・レジデンス事業の展開につきましてお答えいたします。  天神山アートスタジオで実施しておりますアーティスト・イン・レジデンスにつきましては、札幌市の特徴ある文化施策の一つとして認識しているところでございます。  検討委員会では、拠点である天神山アートスタジオを十分に活用し、事業を積極的に進めるべきといった意見もあったところでございます。こうしたことから、アーティスト・イン・レジデンス事業は、第4期基本計画にも位置づけられるものと考えておりますけれども、その上で、令和6年度以降の具体的な手法についても検討してまいりたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  ぜひ、しっかりとした位置づけをして取り組んでいただきたいと思います。  次は、ステージ3、文化資源の保存・活用、各施策と重点事項について伺います。  施策2、文化芸術の様々な分野との連携・活用の関連で、検討委員会の委員からも、にぎわいづくり、経済の活性化のため、文化とまちづくりの関係をもう少し具体的にすべき、また、文化と他分野の連携、観光とまちづくりでは、DMOと呼ばれております観光地域づくり法人は、官に頼らないまちづくりであり、こうした創造都市と文化の関係を明確にすべき、また、経済分野との連携は、国でも示されていて、これも整理したほうがよいという意見が多数出ており、私も同じ考え方であります。  文化芸術は、人々に感動を与え、魅力を与え、観光・MICEにも連なる札幌のにぎわいづくりにつながります。また、産業が創出され、札幌経済の活性化にもつながります。  そこで、質問ですが、重点取組事項として、漫画などのポップカルチャーを活用した取組や、札幌国際芸術祭の活用など、現段階でどのような取組を考えているのか、伺います。 ◎柏原 文化部長  文化芸術の様々な分野との連携、それから、活用についてお答えいたします。  まず、漫画等のポップカルチャーを活用した取組におきましては、まちづくり政策局にて、今年度、企画展の開催が予定されておりますけれども、令和6年度以降も、展示などを通じたポップカルチャーの経済的効果を調査していくことを想定しているところでございます。  また、札幌国際芸術祭につきましては、先ほど、かんの委員からもお話がございましたけれども、今年度のSIAF2024におきまして、その方向性に共鳴した企業をイニシアチブパートナーと位置づけまして、企画や準備の段階から連携・協働をしております。  そのため、本祭の開催年のみならず、それ以外の年におきましても、こうした企業との関わりを通じました新たな創造性を醸成する取組を想定しているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  要望を申し上げて、次の質問項目に移ります。  これからの都市は、単に人口規模や経済規模のみを指標とした優位性を争うものではなく、いかに国内外の社会に貢献する創造的な価値を生み出すことができるか、オリジナリティーを持っているかなどが、新たな活力を生み出す都市の条件となっていると思います。  子どもたちから高齢者まで、幅広い市民が豊かな文化芸術を授受し、生き生きと活動することは、地域社会の活性化につながります。地域における文化芸術事業の展開は、地域資源の再発見による魅力の形成や地域課題の取組を促し、コミュニティーの活性化にもつながります。優れた文化芸術は、人々に感動を与え、多くの人を引きつける魅力を都市に与えます。特色ある札幌ならではの文化芸術を発信し、観光・MICE振興にも連なる札幌のにぎわいづくりにつなげていかなければなりません。こうした創造的な人材が集まる都市には、活力が生まれ、新たな産業の創出を促します。文化芸術創造都市づくりを進めることにより、札幌の経済の活性化につなげていかなければならない、このことをしっかりと計画の中にも位置づけていくべきだと思います。  また、こうした文化芸術は、先ほども申し上げましたけれども、観光、教育、福祉、あるいは国際交流や産業などと連携したまちづくりを重視していかなければなりません。そういう意味では、文化芸術というのは、1年や2年でその成果や指標が現れないわけであります。やはり、費用対効果だけではなくて、しっかりと息の長い文化芸術活動を取り組んで、札幌市のそうした福祉や教育、産業に通じる、そして、ひいては札幌の稼げる力、税収をしっかり確保していくものに私は位置づけていく哲学を持って、札幌市は文化芸術事業に取り組んでいただきたいということを強く求めておきます。  次は、2項目めの次期札幌市アイヌ施策推進地域計画と共同利用館後継施設についてです。  私は、昨年の決算特別委員会で、札幌市が2021年に作成した第2次札幌市アイヌ施策推進計画がありますが、2019年に策定したアイヌ施策推進計画が2023年度で前半の5年が終わり、2024年度から後半の5年計画を今年度中に策定し、国の認定を得るための準備、検討に入る大事な年であることを指摘し、幾つか質問をしてまいりました。  具体的には、1点目には、次期アイヌ施策推進地域計画について、2点目には、白石区にあります共同利用館の後継施設の検討については、アイヌ施策推進委員会に部会を設置して検討すべきなどについて取り上げてきたところであります。  質問の1点目は、現札幌市アイヌ施策推進地域計画の進捗状況と課題についてです。  札幌市のアイヌ施策については、国のアイヌ政策推進交付金を活用して事業を実施しており、今後も交付金を有効に活用しながら事業を進めていく必要があります。  交付金の活用に当たっては、札幌市は、2019年度から2023年度までのアイヌ施策推進地域計画を策定し、国の認定を受けて各種施策を行っています。  そこで、質問ですが、現在の地域計画について、これまでの進捗状況と各事業を実施していく中でどのようなことを課題として認識しているのか、まず伺いたいと思います。 ◎田口 市民生活部長  現在のアイヌ施策推進地域計画の進捗状況と課題についてお答え申し上げます。  まず、現地域計画の進捗状況についてでございますが、この計画では、数値目標といたしまして、アイヌ文化体験講座や、白老にありますウポポイとアイヌ文化交流センターを巡るバスツアーへの参加者数、小金湯にございますアイヌ文化交流センターの来館者数、アイヌ工芸品販売会の購買者数、それから、小・中・高校生向けの体験プログラムの参加学校数を設定しているところでございます。  令和元年度から令和5年度までの計画期間におきましては、ご承知のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響などによりまして、小金湯のアイヌ文化交流センターの来館者数については、目標としておりました令和5年度における6万2,000人の達成は非常に難しい見込みであると考えておりますが、そのほかの項目につきましては、目標値を何とかおおむね達成できるものと見込んでおるところでございます。  次に、この事業実施における課題でございますが、まず、小金湯にありますアイヌ文化交流センターの来館者数を増やしていくためには、こちらの施設の認知度をさらに向上させる必要があるということに加え、引き続き、展示物の充実などに取り組んでいく必要があると考えているところでございます。  また、アイヌの高齢者から若手への文化の伝承でありますとか、伝承の場としてのお話が出ております共同利用館後継施設の確保などが大きな課題であると認識しているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  質問の2点目は、次期札幌市アイヌ施策推進地域計画についてです。  進捗状況と課題についての答弁がありましたけれども、現在、札幌市は、2024年度以降の新たな地域計画について検討を進めております。次の地域計画においては、現在の課題を解消するための施策を行っていく必要があります。  そこで、質問ですけれども、新たな2024年度以降の同地域計画の検討状況と、次の計画で新たに取り組んでいく予定の事業について、主にどのような施策を予定しているのか、伺いたいと思います。 ◎田口 市民生活部長  次期地域計画についてお答えいたします。  現在、令和6年度から5年間の次期地域計画を策定するために、札幌市アイヌ施策推進委員会においてご議論をいただいているところでございます。  議論中でございますので、まだ計画といいますか、固まったものではない部分もございますが、この次期地域計画におきましては、推進委員会における議論も踏まえ、アイヌ民族の高齢者、男性の高齢者を指すエカシ、女性の高齢者を指すフチ、これらの貴重な体験を後世に残していくため、聞き取りを行い、これを記録に残していくという新たな事業を現在検討しているところでございます。  また、アイヌ文化や歴史に関するパネル展を開催するなど、アイヌ民族に対する理解を深めるための取組を新たに行ってまいりたいと考えているところでございます。  さらに、アイヌ文化交流センターの認知度向上のための施策といたしましては、現在のホームページの内容の整理や見直しを図っていきたいと考えております。  これらの事業に加え、先ほどもお話にちょっと触れましたけれども、引き続き、共同利用館の後継施設について、こちらはアイヌ文化の保存や継承を行う場としてふさわしいものとなるように検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆ふじわら広昭 委員  ぜひとも新たな取組事業というものを実現できるようにしていただきたいと思います。  質問の3点目は、共同利用館後継施設検討部会における議論についてです。  現在、白石区にあります共同利用館の後継施設でありますけれども、1978年に生活館として開館して以来、アイヌ民族文化保存や伝承活動の拠点の一つとして利用されてきました。しかしながら、建築後45年を経過するところであり、老朽化に加えて、狭隘化や設備の不足など、様々な課題があります。この共同利用館の後継施設の整備に対するアイヌ民族の期待は非常に高く、活動に必要な施設の整備を着実に実施していく必要があります。  そこで、質問ですが、昨年度から札幌市アイヌ施策推進委員会に共同利用館後継施設検討部会を設置して検討を続けていますが、同部会においてこれまでどのような議論が行われているのか、伺います。 ◎田口 市民生活部長  札幌市アイヌ施策推進委員会に設置されました共同利用館後継施設検討部会における議論についてお答えいたします。  この検討部会におきましては、これまで3回の会議を開催しておりまして、後継施設に関する基本的な考え方についてご議論いただいております。  このうち、第2回目の会議につきましては、一般の参加者にも参加を公募いたしまして、意見交換会として実施しており、幅広くご意見を伺ったところでございます。  その上で、今年3月に、こちらの部会において議論の内容を中間報告としてまとめていただいたところでございます。  この中間報告におきましては、後継施設の目指す姿として、世代間交流等を通じて文化を継承するための施設とすることでありますとか、安心して集うことができ、身近で使いやすい施設とすることなどが挙げられております。  また、後継施設の機能としましては、大人数での舞踊の練習などが可能な一定程度の広さの集会室でありますとか、伝統料理を調理するための調理室、それから、アイヌの方々の生活相談の機能、儀式などに関する伝承活動を行うための機能なども求められているところでございます。  このほか、アイヌ民族の方々が利用しやすいような配慮でありますとか、施設の立地に関する考え方などについてもご提言いただいたところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  ぜひとも中間報告を具体的にまとめて、実現に向けて取り組んでいただきたいと思います。  最後の質問の4点目は、共同利用館後継施設の今後の検討についてです。  部会において様々な観点から議論されているということでありました。今後、この議論を最大限尊重しながら、具体的な施設整備につなげていく必要があります。  このような中、アクションプラン2023案において、共同利用館後継施設検討事業が事業化されたことについては一定の評価をしますが、調査費200万円のみという計上にとどまっており、重要な後継施設の整備が今後着実に進められるのか、懸念や不安を感じています。  そこで、質問ですが、今後、共同利用館の後継施設の検討をどのように進めていく予定なのか、伺います。 ◎田口 市民生活部長  共同利用館後継施設の今後の検討についてお答えいたします。  共同利用館の後継施設につきましては、今年度、施設整備に関しての検討業務を発注する予定で考えております。  この検討業務におきましては、道内各地の類似施設の調査を行うほか、後継施設として必要な機能、それから、適正な施設の規模などについて整理していくことを考えているところでございます。  この検討内容につきまして、今後、共同利用館後継施設検討部会においてもご議論いただきながら、検討をさらに深めつつ、施設整備の方向性をまとめていきたいと考えているところでございます。 ◆ふじわら広昭 委員  要望を申し上げて、質問を終わります。  今後、調査をするということでありますけれども、まず、そうした調査を行って、基本方針などを作成して、基本設計、実施設計、それから、建設をするための入札が行われていくわけですが、5年というのはあっという間に過ぎてしまうというふうに思うわけであります。ぜひともしっかりとした取組を求めておきたいと思います。先ほど申し上げたように、この共同利用館の後継施設は、アイヌ新法に基づく国のアイヌ政策推進交付金を活用して建設することになります。札幌では、ほかの公共施設のように、類した施設を複数建設することは難しいと思いますので、私は、様々な角度から情報収集や調査検討をして、アイヌ民族の文化、歴史を後世に継承するためにふさわしい施設にしなければならないと思います。  そのためには、共同利用館の後継施設検討時の調査費200万円は、極めて少ないと言えます。これは、通常ある既存のいろいろな公共施設を新しく建て替えるときなどは、この程度の金額でいいのかもしれませんけれども、先ほど来申し上げてきたような観点からいけば、少なくとも最低でも500万円以上は確保することを強く求めておきたいと思います。  財政部長も、今後の文化部のアイヌ施策課からのそうした要望に対してしっかりと応えて、いい施設を造っていただきたい、このことを申し上げて、質問を終わります。 ○松原淳二 委員長  以上で、第2項 市民生活費中関係分の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、10月20日金曜日午後1時から、子ども未来局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後3時59分...