札幌市議会 2023-09-28
令和 5年第 3回定例会−09月28日-04号
議案第7号 令和4年度札幌市
下水道事業会計剰余金処分及び決算認定の件
議案第8号 令和5年度札幌市
一般会計補正予算(第3号)
議案第9号 令和5年度札幌市
介護保険会計補正予算(第1号)
議案第10号 令和5年度札幌市
公債会計補正予算(第2号)
議案第11号 令和5年度札幌市
病院事業会計補正予算(第1号)
議案第12号 令和5年度札幌市
軌道整備事業会計補正予算(第1号)
議案第13号 札幌市
個人番号利用条例の一部を改正する条例案
議案第14号 札幌市印鑑条例の一部を改正する条例案
議案第15号 札幌市
旅館業法施行条例の一部を改正する条例案
議案第16号
札幌市営住宅条例の一部を改正する条例案
議案第22号 訴えの提起の件(
保証債務履行請求)
議案第23号 訴えの提起の件(
保証債務履行請求)
議案第24号 損害賠償及び和解に関する件
議案第25号 町の区域を変更する件
議案第26号 市道の認定、変更及び廃止の件
議案第27号 令和5年度札幌市
一般会計補正予算(第4号)
議案第28号 札幌市
子ども医療費助成条例の一部を改正する条例案
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〇出席議員(67人)
議 長 飯 島 弘 之
副 議 長 しのだ 江里子
議 員 和 田 勝 也
議 員 山 田 一 郎
議 員 山 田 洋 聡
議 員 定 森 光
議 員 篠 原 すみれ
議 員 森 基誉則
議 員
おんむら健太郎
議 員 水 上 美 華
議 員 波 田 大 専
議 員 荒 井 勇 雄
議 員 脇 元 繁 之
議 員 丸 岡 守 幸
議 員 坂元 みちたか
議 員 米 倉 みな子
議 員 小須田 大 拓
議 員 藤 田 稔 人
議 員 三 神 英 彦
議 員 村 山 拓 司
議 員 村 松 叶 啓
議 員 あおい ひろみ
議 員 たけのうち有美
議 員 うるしはら直子
議 員 熊 谷 誠 一
議 員 森 山 由美子
議 員 佐 藤 綾
議 員 長 屋 いずみ
議 員 吉 岡 弘 子
議 員 成 田 祐 樹
議 員 松 井 隆 文
議 員 中 川 賢 一
議 員 川田 ただひさ
議 員 伴 良 隆
議 員 かんの 太 一
議 員 松 原 淳 二
議 員 竹 内 孝 代
議 員 わたなべ 泰行
議 員 前 川 隆 史
議 員 小 口 智 久
議 員 好 井 七 海
議 員 田 中 啓 介
議 員 池 田 由 美
議 員 太 田 秀 子
議 員 小 竹 ともこ
議 員 北 村 光一郎
議 員 こじま ゆ み
議 員 佐々木 みつこ
議 員 よこやま 峰子
議 員 中 村 たけし
議 員 林 清 治
議 員 村 上 ゆうこ
議 員 丸 山 秀 樹
議 員 福 田 浩太郎
議 員 國 安 政 典
議 員 小 形 香 織
議 員 山 口 かずさ
議 員 細 川 正 人
議 員 長 内 直 也
議 員 五十嵐 徳 美
議 員 こんどう 和雄
議 員 高 橋 克 朋
議 員 勝 木 勇 人
議 員 鈴 木 健 雄
議 員 三 上 洋 右
議 員 ふじわら 広昭
議 員 小 野 正 美
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〇欠席議員(1人)
議 員 福 士 勝
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〇説明員
市 長 秋 元 克 広
副 市 長 町 田 隆 敏
副 市 長 石 川 敏 也
副 市 長 天 野 周 治
交通事業管理者
交 通 局 長 中 田 雅 幸
水道事業管理者
水 道 局 長 佐々木 康 之
病院事業管理者
病 院 局 長 西 川 秀 司
危機管理監
危機管理局長 櫻 井 英 文
総 務 局 長 山 根 直 樹
デジタル戦略推進局長 浅 村 晋 彦
まちづくり政策局長 小 角 武 嗣
財 政 局 長 笠 松 拓 史
市民文化局長 前 田 真 子
スポーツ局長 梅 田 岳
保健福祉局長 粟 崎 寿 也
子ども未来局長 山 本 健 晴
経済観光局長 一 橋 基
環 境 局 長 菅 原 祐 雄
建 設 局 長 荻 田 葉 一
下水道河川局長 小 泉 正 樹
都 市 局 長 中 村 範 仁
会 計 室 長 野 島 聡
消 防 局 長 村 井 広 樹
教育委員会教育長 檜 田 英 樹
教育委員会委員 道 尻 豊
選挙管理委員会委員長 畑 瀬 幸 二
選挙管理委員会委員 佐々木 肇
選挙管理委員会委員 宮 村 素 子
選挙管理委員会委員 猪 熊 輝 夫
人事委員会委員 長 岡 豊 彦
人事委員会事務局長 槙 智 洋
監 査 委 員 藤 江 正 祥
監査事務局長 佐 藤 伸 二
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〇
事務局出席職員
事 務 局 長 鈴 木 和 弥
事 務 局 次 長 酒 井 欣 洋
総 務 課 長 森 譲
政策調査課長 安 澤 哲
議 事 課 長 岩 岡 吾 一
議 事 係 長 木 村 公 彦
委員会担当係長 村 上 雅 俊
委員会担当係長 中 村 久 弥
書 記 伊 藤 友 介
書 記 上 田 真 士
書 記 酒 井 彰 悠
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開 議 午後1時
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○議長(飯島弘之) ただいまから、本日の会議を開きます。
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○議長(飯島弘之)
出席議員数は、67人です。
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○議長(飯島弘之) 本日の
会議録署名議員としてかんの太一議員、
脇元繁之議員を指名します。
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○議長(飯島弘之) ここで、事務局長に諸般の報告をさせます。
◎事務局長(鈴木和弥) 報告いたします。
本日の議事日程、
質問順序表は、お手元に配付いたしております。
以上でございます。
――
――――――――――――――――――
○議長(飯島弘之) これより、議事に入ります。
日程第1、議案第1号から第16号まで、第22号から第28号までの23件を一括議題といたします。
昨日に引き続き、代表質問を行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
丸岡守幸議員。
(
丸岡守幸議員登壇・拍手)
◆
丸岡守幸議員 こんにちは。
札幌市議会維新・大地の丸岡守幸でございます。(「知っています」と発言する者あり)ありがとうございます。
このような高いところに立ちまして、足が震えるほど緊張しておりますが、本日、質問のお時間をいただきました。飯島議長並びに皆様に心より感謝申し上げます。
ありがとうございます。(拍手)
代表質問に入ります前に、一言、お伝えさせていただきます。
私ども維新・大地が
札幌市議会において会派を結成してから5か月近く経過いたしました。この間、
臨時市議会、第2回
定例市議会、そしてまた
常任委員会、
特別委員会と議論をさせていただきましたが、市長をはじめ、市の理事者の方々の答弁をお聞きしていますと、どちらかというと、こういうことだからできないとか、困難であるからできない、そういった理由を聞くことが多いような感じがしております。
我が会派としても、決して無理難題を申し上げているわけではございませんし、お尋ねしているわけでもございません。市民生活の一層の向上を目指すということでは、市長も私ども会派も同じ気持ち、いわば一心同体でございます。したがいまして、なかなか難しいと思われる事柄でも、どのようにしたら実現することができるかということを常に念頭に置き、お互いに創意工夫を凝らしながら議会での議論を重ねてまいりたいと考えておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、まず、税財政問題と
アクションプラン2023につきましてお尋ねをいたします。
本議会に提案されました令和4年度一般会計に係る決算の状況を拝見しますと、歳入面では、コロナ禍を経た地域経済の回復や市街地再開発事業の進展などによって、
個人市民税や
固定資産税・
都市計画税を中心とした市税収入は、前年度決算比で130億円の増加、3,476億円と過去最高額に達しております。
また、札幌市における歳入の面で大きなウエートを占める
地方交付税も、予算額を23億円ほど上回る規模で確保することができたほか、
北海道新幹線の用地の売払いなどの財産収入を約190億円も計上することができたとのことでございます。
一方の歳出面におきましては、前年度より市債償還のための公債費を大幅に削減できたほか、
保健福祉費をはじめ、各費目全般にわたり
予算執行面で節約に努めたとのことでございます。
この結果、令和5年度への繰越分を除いて、実質68億円の
決算剰余金が生じて、その半分を
財政調整基金に積み立てたため、札幌市の
財政調整基金の残高は314億円と、過去最高であった令和2年度末の319億円に次ぐ規模に達しております。
こうした状況を受けて、札幌市の主要な財政指標を見てみますと、
実質公債費比率や将来負担比率を基にした
健全化判断比率は、政令市20市の中で引き続き健全な水準を保っているとのことでございます。
そうした中で、市長は、先般、2023年度からの今後5年間を見据えた第2次札幌市
まちづくり戦略ビジョンの
アクションプラン2023を策定し、その概要を公表されました。
大きな四つの柱、すなわちバリアを取り除くとともに、全ての人の
利便性向上に向けたユニバーサル、生涯を通じた
健康づくりや社会参加の場の充実に向けたウェルネス、
スマートシティの推進や
産業競争力の強化、雪を利活用する取組の推進などを目指すスマート、そして、結婚や出産を望む市民の希望を実現し、住み続けたくなる取組の推進を目指す
人口減少緩和の分野横断的な施策体系の下に、子ども、若者など八つの具体的な
アクションプラン600事業を提示されました。
事業費総額1兆7,854億円に上る壮大な計画でございます。どの施策、事業とも、秋元市政のこの任期中はもちろん、次なる100年を見据えつつ、もっと輝き続ける札幌、これを目指したものと受け止めておりますが、とりわけ札幌市も人口減少の社会に突入している中で、それを食い止め、
子どもたちが、そして若い世代が札幌の将来に夢を持って住み続けたいと思えるような
子育て支援策の拡充は何より重要であると考えます。
この
子育て支援策として、市長は、
子ども医療費の助成対象を高校3年生まで拡大するとともに、第2子以降の保育料を年収や兄弟姉妹の年齢差にかかわらず無償化する方針を打ち出しておられますが、総額68億円に達するこれらの支援策は、我が会派としても強く求めてきた政策であるだけに、市長の英断を高く評価させていただきたく存じます。
ちなみに、この
子ども医療費助成の拡大は、34年間にわたって私は
医薬品業界で勤務しておりましたが、その私の経験から、議員、すなわち政治家の道を目指すことになったきっかけの一つでもございます。
この
医療費助成の拡大に向けて、これまでご尽力いただいた先輩議員の皆様、そして関係職員の皆様、何より秋元市長に、この場をお借りいたしまして厚く御礼を申し上げます。
ありがとうございます。先輩方、ありがとうございます。
ただ、市長が発表された
子育て支援策の中で一つだけ申し上げたいのは、市長は、公約の中で
学校給食費への公費負担をさらに拡大したいと述べられておりました。そこで、我が会派としましても、この
アクションプランに
給食費無償化への道がどのように組み込まれるのか、大いに関心を抱いていたところでございます。
しかしながら、市長が示されたのは、昨今の物価高騰を踏まえ、
子育て世帯への支援として
学校給食費の負担軽減を継続しますとのことでありました。つまり、食材費が上がっても給食費の値上げはしないということだと思いますが、無償化について尋ねられた市長は、
学校給食費に係る公費負担を拡大するとした公約との関係について、学校における冷房施設の設置を優先したためと説明されております。
札幌市における
学校給食費の無償化には、毎年60億円以上の財源が必要との試算があり、大きな財政負担を伴うものであることは我が会派としましても十分承知しておりますが、冒頭で述べましたように、札幌市の財政は、政令市の中でも比較的健全度を保っているということで、力強さを蓄えているものと認識しております。
そこで、お伺いいたします。
税収が比較的好調で、
財政調整基金などの大きな蓄えがある今だからこそ、
学校給食費の無償化に段階的にでも取り組み、
子ども医療費の助成対象も拡大、保育料の無償化と相まって、
子育て支援の3本柱として、それを異次元とか次元の異なるとまでは言いませんが、
秋元カラーとして鮮明に打ち出していくべきであると思います。いかがか、お伺いいたします。
次に、
札幌ドームの
活用促進策についてお尋ねいたします。
プロ野球日本ハムファイターズの本拠地が、今シーズン、
札幌ドームから北広島市の
エスコンフィールドに移転しておよそ半年が経過いたしました。ほかに類を見ないという
エスコンフィールドの施設・設備や集客力について注目が集まる一方で、日本ハムの移転によって
使用料収入が激減することとなる
札幌ドームの運営は一体どうなるのか、かねてより、市民の間から心配する声が上がっておりました。
そこで、札幌市は、昨年度予算でおよそ10億円を投資して、施設の
ハーフ使用、すなわち新
モード仕様にして
イベント誘致をしやすいよう措置したところでございます。
しかし、去る9月10日の
ラグビーワールドカップ2023
フランス大会のパブリックビューイングでの使用はあったものの、この新モードは苦戦続きの状態と聞いておりますので、今後、いろいろな使い方をアピールして
札幌ドームがもっともっと利用されるように努力するべきであると考えます。
私は、プロ野球では前身の大洋ホエールズからの
横浜ベイスターズファンでありますが、ここで少し振り返って
北海道日本ハムファイターズについて申し上げますと、平成16年に本拠地を北海道に移して以来、5回の
リーグ優勝と2度の日本一を成し遂げております。そして、その活躍の場は
札幌ドームであったわけですから、いわば
札幌ドームは、今日の
ファイターズの育ての親、育ての場とも言うべきで、
日本ハム球団としてその親への恩返しの気持ちがあってもよいのではないだろうかと思うのであります。
こうした経緯を踏まえますと、
札幌ドームの稼働率を少しでも上げる上では、新庄監督の来季の継続も決まりましたし、この
日本ハムファイターズの試合を、年間10試合とは言いませんが、数試合開催してもらえましたらと願っているのは私だけではありません。
我々市民は、雪で閉ざされた冬の間も含めて、一年を通じてスポーツやイベントのできる施設を夢見て
札幌ドームを形にしたのであり、札幌市民のみならず、広く道民にとっても誇れる施設でございます。
それどころか、先般、
札幌ドームで
ワールドカップフランス大会に向けてラグビーの
日本代表戦が行われた際に、あのサモアのチームから、すばらしい施設だ、このドームをそのままサモアに持って帰りたいと絶賛されたほどの施設なのでございます。
しかしながら、正直申し上げて、
日本ハムファイターズ関係の営業収入がおよそ3分の1を占めていた
札幌ドームにとって、赤字経営を回避することはなかなか難しいのではないかとも思われております。
そうした中で、この10月には
高校ラグビーの全
道大会決勝と高校野球の全道大会が、さらには、11月には
全国高校サッカー選手権北海道予選の決勝戦が、いずれも初めて
札幌ドームで開催されることになりました。
ちなみに、昨日から高校野球の
札幌地区大会の秋季大会が始まりましたが、先日、朝の街頭演説の際に、ある野球部の高校生の生徒さんが
札幌ドームで試合がしたいですと気合満々で話してくれました。やはり、高校球児にとっても
札幌ドームの全道大会は魅力的で大きな目標になっているようでございます。
また、これらに加えて、今後、大学・
社会人野球など
アマチュアスポーツの積極的な誘致や、
日本ハムファイターズを含む
プロ野球球団の主催試合の開催、さらには、冬場における文化芸術、音楽系の
イベント開催によって
札幌ドームににぎわいを取り戻すことは、十分に可能であると考えるわけでございます。
そこで、お伺いいたします。
これからの
札幌ドームの運営は、数字と心の両面で市民・道民の理解、応援が得られるよう、仮に赤字であっても施設のにぎわいを取り戻す、市民・道民にとっての心の黒字化を目指す方向にかじを取り、汗をかいていくべきと考えますが、
株式会社札幌ドームの大株主である札幌市の市長はこの点についてどのようにお考えか、お聞かせください。
次に、宿泊税の導入についてお伺いいたします。
さきの第2回
定例市議会の代表質問において、宿泊税の導入を尋ねられた際、市長は、宿泊業界の皆さんのご意見を伺いながら、制度の内容や導入時期、導入後の活用方法などを検討していきたいと答弁されております。
その後、北海道が今年8月に3年半ぶりに宿泊税に係る
有識者懇談会での議論を再開し、税額については、1人1泊200円での検討を提案する意見も出て、全体的に税額を引き上げるべきだという方向性が打ち出されました。これは、コロナ禍前の令和2年2月の懇談会では、1人1泊100円の課税を念頭に議論がなされておりましたが、人手不足への対応や観光施設の充実に生かすべきとの考えから、この8月の懇談会では、
段階的定額制の導入も視野に置きつつ、
課税ベースを引き上げる動きとなったものと理解しております。
こうした中で、前回の懇談会から僅か1か月後の去る9月14日の懇談会での場で、道側が宿泊料金に応じて100円から500円の幅で段階的に徴収する案を提示いたしました。この道の試算により、年間60億円規模の税収額になるとのことでございます。
この新たな税の活用方法については、基金を設けて毎年度の
観光事業費に充てるほか、毎年度、一定額を基金に積み立てて、大災害や感染症による
パンデミックなど不測の事態に備えておきたいとのことでございます。
ただ、基金の設置は、とにかく予算の執行面が見えづらいとの指摘があるほか、年間60億円もの税を徴収しておきながら、その一部を貯金しておくというのは、幾ら将来の危機対応に備えていることとはいっても、納税者には理解しがたい面があるのではないかと思います。
そして、この道の
宿泊税導入に向けた一番の問題は、札幌市をはじめ、函館市や小樽市、富良野市など、
宿泊税導入に向けて検討を進めている
関係自治体との協議が十分になされないまま、道主導で新税導入の動きが加速していることでございます。
これに対して、札幌市の担当局長が9月14日の道の懇談会にオブザーバーとして出席した際に、税収規模が先行して議論されていることに危機感を示し、今後、市町村との合意がなされるよう丁寧な議論を求めたことは正論であったと考えます。なぜなら、道が設定しようとしている宿泊税のレベルがどのようなものになるかによって、
北海道観光の主要エリアであり、またビジネス客の多い札幌市が受ける影響がとても大きいからでございます。
ところで、我が会派としましても、全国的な課題として大きな関心を寄せているのが、都道府県という
広域自治体と市町村という
基礎的自治体の二重行政の問題でございます。その点からしますと、宿泊税の議論を進めるに当たりましても、その使い道が道と札幌市で重複するようなことがあってはならないと考えます。
そこで、質問ですが、今後における
宿泊税導入の検討に当たり、札幌市と道との役割分担についてどのようにお考えかをお伺いいたします。
次に、
ふるさと納税についてお伺いいたします。
自分の出身地やゆかりのある地域を応援する制度として、平成20年度に
ふるさと納税制度がスタートいたしました。寄附する自治体を自由に選ぶことができる上に、返礼品として地場産品などをもらうことができ、納税額は年々増え続け、
全国ベースでの令和4年度における寄附の総額は9,654億円に達しております。
しかし、この
ふるさと納税は、制度の問題が表面化し、今、大きな曲がり角に立っていると言っても過言ではございません。それは、この
ふるさと納税制度が寄附金の5割以下で返礼品の調達費用や広報費用を賄い、残りは自治体の収入になる仕組みとなっているものの、納税額を増やそうと自治体間での
返礼品競争を招き、仲介サイトによる返礼品の
カタログショッピングと化している側面があるからでございます。
この制度のゆがみを端的に表しているのが近年における寄附額ランキングで、令和3年度、4年度ともに宮崎県の都城市をトップに、北海道の紋別市、根室市、白糠町、大阪府の泉佐野市がトップ5に名を連ねており、ご存じのように、これらの自治体は熟成ブランド牛やカニ、ホタテなどの地場産品で全国的に名をはせ、こうした返礼品が納税意欲をそそる形となっていると考えざるを得ません。
そうした中で、令和4年度における札幌市への
ふるさと納税の状況を見ますと、寄附総額は17億4,000万円となっております。その一方で、札幌市が自分の故郷などの自治体に
ふるさと納税したことによる市民税控除額、言い換えますと市民税の減収額は64億7,000万円にも上っております。この減収分の75%に相当する48億5,000万円が
地方交付税で穴埋めされておりますので、差引き1億2,000万円ほどのプラスになっておりますが、寄附額の半分が返礼品等の経費で消えてしまいますから、札幌市の場合、この
ふるさと納税による収支は、実質的に赤字となっているのが実態でございます。
一方、毎年、
ふるさと納税で全国の上位に名を連ねる紋別市の場合、令和4年度の
ふるさと納税額は194億円にも上っております。紋別市の一般会計の規模は420億円ほどで、寄附額はその半分近くを占めておりますから、この額がいかに大きいものであるかが分かります。
そして、このように
ふるさと納税額が多額で財政面が豊かになると、
地方交付税が大きく減っているかといいますと、決してそうはなっておりません。それは、ご存じかと思いますが、
ふるさと納税で寄せられたお金は、自治体の歳入としては、税収ではなく、寄附金の扱いになりますので、
地方交付税を算定する上での基準財政収入額には算入されないためなのでございます。国は、紋別市のように、市税収入の何倍もの寄附を受けている自治体に、その寄附額とは全く関係なしに
地方交付税を交付し、その一方で、横浜市や名古屋市、大阪市など、
ふるさと納税で住民税が減収になった自治体には交付税で穴埋めするという、余分に税金を投入するような措置を講じていることになります。
この
ふるさと納税のゆがみを是正するため、総務省は、来月、10月から返礼品に係る経費の基準などの見直しに乗り出すとのことでございます。
そこで、質問でございますが、市長は、この
ふるさと納税制度について、現在、どのような認識を持っておられますか。
返礼品の中身をよくして納税額を増やすといったことではなく、純粋にふるさとを応援するための制度であるならば、その返礼品は感謝の気持ちを表す程度のものにすべきであると思いますがいかがか、お伺いいたします。
また、この
ふるさと納税制度が自治体間で財政構造に大きなゆがみを生じさせ、とりわけ大都市に多大の不利益をもたらしている側面があるとすれば、指定都市市長会として、早急にそれを改めていく行動に出るべきと思いますが、市長のお考えをお示し願います。
次に、学校の冷やし方改革についてお伺いいたします。
今年の北海道は、真夏日が40日以上連続したほか、最高気温が35度以上の猛暑日も全国各地で続出し、道内の6月から8月にかけての平均気温は、平年に比べて3度も高かったと言われております。また、札幌市におきましても、8月に中央区で22日間、手稲区で23日間の真夏日を記録したほか、猛暑日も中央区と手稲区で3日間を記録するなど、まさに記録ずくめの猛暑でありました。このため、熱中症で搬送される人が相次いだほか、学校でも猛暑のために授業時間を午前中で切り上げるといった対応を余儀なくされるなど、まさに沸騰するような夏であったと言えます。
したがいまして、高齢者はもちろん、
子どもたちにとっても酷暑の夏であったと思われますが、市長は、このたびの
アクションプラン2023における子ども・教育施策の中で、来年度からの4年間で、市立の幼稚園や小・中学校、高校など全学校施設の普通教室などにルームエアコンを整備するほか、18の公立保育所のうち、エアコンが未整備状態の13施設とミニ児童会館にもルームエアコンを整備すると発表されました。
そしてまた、学校でのルームエアコンの整備には時間を要することとなるために、緊急対応として、本年度中に全学校の保健室にルームエアコンを整備するための補正予算措置を講じられたほか、来年度には移動式エアコンを約4,000教室に配備するとのことでございます。
この学校をはじめとする子ども関連施設へのエアコン整備につきましては、
子ども医療費の助成対象拡大や保育料の無償化拡大といった施策と併せて、秋元市長の子ども施策への熱く強い思い入れがひしひしと感じられるのでございます。
そこで、私ども会派は、実際に学校現場の声も聞いた上で、学校の冷やし方改革として、2点お伺いしたいと思います。
1点目は、緊急対応として、来年度に導入する予定の移動式エアコンについてでございます。
今年、各学校では、扇風機を小まめに配置したり、外気温が高過ぎるときは窓を閉め切って遮光カーテンで室温を上がらないようにしたりと、暑さ対策として様々な工夫を凝らしておられました。一方、移動式エアコンは、取り付けたホースから排熱するため、猛暑の中でも窓を開ける必要があり、今年のような気温35度以上の猛暑日では、逆に窓から熱風が入り込んできて、使いづらいといった声が聞こえました。さらに、近年は、教室の廊下側の壁を取り払ったワークスペース方式の教室が増えているため、移動式エアコンでは、室温低下の効果はさほど感じられないとの声も聞いているところでございます。
そうした中で、ルームエアコンが整備されるまでの緊急対応として、普通教室など約4,000教室に移動式エアコンの導入を進めるということですが、この事業費は約2億円に上ると見込まれているため、本格的にルームエアコンが装備された後、移動式エアコンが無駄にならないよう配慮することが重要であると考えます。
そこで、学校冷やし方改革の1点目としてお伺いいたします。
緊急対応として、来年度に予定している移動式エアコンの導入に当たりましては、学校現場の声も取り入れつつ、その必要性と効果を十分に吟味しながら進めるべきと考えますがいかがか、ご見解をお示し願います。
学校の冷やし方改革に関する質問の2点目は、屋内運動場、体育館への冷房設備の整備についてであります。
このたびの
アクションプランにおける学校施設冷房設備整備事業では、屋内運動場はその対象にはなっていないとのことでございます。しかし、屋内運動場は、時には激しい運動を伴う場所であり、また、時には地域の避難場所として今年の夏のような猛暑の中で市民の方が避難を余儀なくされる場合も十分にあり得るため、冷房設備の導入は不可避と考えます。
屋内運動場への冷房設備の整備に当たりましては、校舎と同様に、文部科学省の学校施設環境改善交付金、こちらを利用することになると思いますが、この補助制度は建物に断熱性があることが要件とされており、札幌の市立学校の場合は屋内運動場も断熱化されているため、本州の学校と比べましても国の援助を受けやすく、整備に当たってのハードルは比較的低いものではないかと思われます。
そこで、お尋ねいたします。
今後、屋内運動場につきまして、国の補助制度を十分に活用して冷房設備の整備を進めていくべきと考えますがいかがか、お伺いいたします。
最後に、学校トイレの整備の在り方についてお伺いいたします。
今年6月、地元新聞の読者の声の欄に、学校トイレに関して、札幌市内の小学校女性教諭の声が寄せられておりました。それは、小さい頃から洋式のトイレで育った
子どもたちが安心して学校のトイレを利用できるよう、洋式トイレの完全設置を願うものでございました。
今や、一般家庭のトイレは洋式が主流となっているため、学校でも洋式トイレを使いたい子が大半であるにもかかわらず、入学したばかりの1年生の教室があるフロアのトイレがほとんど和式トイレであるため、
子どもたちは、僅かな休み時間の間に、和式トイレを使わず、洋式トイレの前に並んでいることも多いとのことでございました。
そこで、市教育委員会に確認してみましたところ、学校のトイレについては、文部科学省の基準があって、男子トイレ、女子トイレごとに何人に1台設置すべきとされているとのことでございます。そして、札幌市の小・中学校の場合、どの学校も洋式トイレと和式トイレの比率はおおむね6対4となっていて、この洋式トイレ6割という範囲内で文部科学省のトイレ設置基準は満たしているとのことでございました。
しかしながら、先ほどご紹介した現場教員の声にもありますように、学校全体では洋式トイレの数が十分であっても、フロアによっては洋式トイレが少ないために、
子どもたちに不自由な思い、つらい思いをさせていることもあるのではないかと考えます。
私が小学校低学年の女子児童から聞いた話ですが、和式トイレの場合は、かがむとスカートなどが床について汚れやすいので、嫌だと言っておりました。また、私の選挙区である東区では、比較的大規模な学校が多いために、洋式トイレをもっと増やしてほしいという切実な声も寄せられているところでございます。
ただ、学校のトイレを全て洋式化していいかというと、必ずしもそうとは言い切れない面がございます。ほかの人が座った洋式トイレは使いたくないとか言うお子さんもいるでしょう。保護者から聞いた話ですが、公園のトイレやキャンプ場のトイレは和式トイレがほとんどなので、
子どもたちにとって、和式トイレを経験しておくという意味では和式トイレは完全になくさないほうがいいというご意見もございました。
そこで、お伺いいたします。
近年の
子どもたちの育ち方からすると、学校全体で十分な数の洋式トイレを整備していくべきという声がある反面、和式トイレも残しておくべきという考えもありますが、今後におけるトイレ整備に当たっての市教育委員会の考え方をお示し願います。
次に、誰でも使えるトイレについてお伺いいたします。
先日、我が会派全員で東区の本町小学校を訪問させていただきました。改築したばかりの小学校で、壁や床に木をふんだんに使った造りや玄関部分の徹底したバリアフリー化、ゆったりとした職員室など、何もかもが新しく、様々な工夫を凝らして造られたことがかいま見えた中、あるトイレを紹介されました。
トイレの前のスペースに入りますと、青い人型マークが表示された男子トイレと赤い人型マークが表示された女子トイレが配置され、そのすぐ隣のみんなのトイレと表示された部分には、車椅子利用者も使える広めのトイレが用意されておりました。そして、もう一つ、緑の人型マークが二つ並ぶ形で表示され、自然に男女が関係なく使えるような配慮がされた男女共用トイレも設置されておりました。利用者の状況に応じた選択肢が用意されていて、まさしくみんなが使えるトイレ、誰でも使えるトイレと言えるものでございました。
近年は、バリアフリー法改正に伴って社会インフラのバリアフリー化が加速しており、全国的にバリアフリートイレの整備が進められているところですが、私立の大学や民間の事務所ビルなどでは、性的マイノリティーに配慮した男女共用トイレが設置された先進的な取組もあると聞いております。
この本町小学校における取組は試行的なものだと聞いてはおりますが、学校現場において、今後は性的マイノリティーとトイレ使用の問題が顕在化してくることも考えられますので、学校の改築を契機として、バリアフリートイレとともに、男女共用トイレの設置に先駆的に取り組んだ市教育委員会の姿勢には敬意を表させていただきたいと思います。
そこで、お尋ねいたします。
今後、学校の新・改築なりリニューアル改修を進めていくに当たりまして、このように誰でも使えるトイレをぜひご用意していってはどうかと考えますが、市教育委員会の考えをお伺いいたします。
以上で、私の代表質問の全てを終わらせていただきます。ご清聴、誠にありがとうございました。(拍手)
○議長(飯島弘之) 答弁を求めます。
秋元市長。
◎市長(秋元克広) 全体で6項目にわたり、ご質問をいただきました。私からは、大きな1項目めの税財政問題と
アクションプラン2023について、そして、3項目めの宿泊税の導入についてお答えをさせていただきます。その余のご質問に対しましては、担当の町田副市長、石川副市長、教育長からお答えをさせていただきます。
まず、1項目めの税財政問題と
アクションプラン2023についてお答えをいたします。
子育て世帯への負担軽減は、少子化対策の観点からも非常に重要なことだと認識をしておりますが、多額の財政負担、とりわけ独自財源を伴うものでありますことから、財政運営への中長期的な影響を見極めた上で、施策の優先順位を判断することが必要と考えております。
アクションプラン2023の策定に当たりましては、今後30年間の財政収支の推計を行った上で、この夏の歴史的な猛暑を踏まえた学校への冷房設備の整備を優先するとともに、学校給食におきましては、収束の見えない物価高騰を考慮し、食材費の一部について公費による負担軽減を継続するとしたところであります。
学校給食費の負担軽減につきましては、国の支援措置や本市の財政状況、さらには物価上昇の動向などを見極めた上で、毎年度の予算編成の中で検討してまいりたいと考えております。
次に、3項目めの宿泊税の導入についてお答えをいたします。
宿泊税の導入に当たりましては、基礎自治体と
広域自治体がそれぞれの役割を担いながら、札幌、北海道の観光振興が効率的に図られるよう検討を進めていく必要があるものと認識をしております。
本市は、これまで、観光資源の磨き上げなど様々なコンテンツの充実や、観光客の受入れ環境の整備など、基礎自治体が果たすべき観光地としての魅力向上に努めてきたところであり、この役割は今後も変わらないものと考えております。
一方、北海道に対しましては、デジタル技術を活用した観光客の行動履歴等の分析や、交通拠点と観光地及び観光地間の交通のシームレス化など、複数市町村にまたがる施策の充実を期待しているところであり、今後は、札幌市が果たすべき役割と北海道に期待する役割を示しながら、適切な役割分担と効率的な連携ができるように求めてまいりたいと考えております。
私からは、以上です。
○議長(飯島弘之) 町田副市長。
◎副市長(町田隆敏) 私からは、大きな4項目め、
ふるさと納税についてお答え申し上げます。
そのうち、1点目、
ふるさと納税に対する認識についてでございますが、
ふるさと納税制度は、寄附を通じて生まれ育ったふるさとなどに貢献できる仕組みであり、一定程度、地方に寄附が偏る性質を持つものと認識するところでございます。
一方で、多額の財源が流出してしまうことは、財政運営上、好ましい状況ではないと考えており、札幌市では、シティプロモートの観点から旅行クーポンなどを返礼品とすることにより、寄附の獲得に努めているところでございます。
過度な
返礼品競争は望ましいものではございませんが、今後もこうした返礼品を活用し、経費も含めた実質的な収支の均衡を図ってまいりたいと考えるところでございます。
次に、2点目、指定都市市長会を通じた制度見直しに係る要望活動についてでございますが、指定都市市長会では、
ふるさと納税により都市部における税収減が非常に大きくなっている現状を是正すべく、これまでも税額控除の上限を設けることなど、制度の見直しを国に要望しているところでございます。
札幌市といたしましても、制度本来の趣旨が自治体の財政状況に大きなゆがみを生じさせることなく実現されるよう、引き続き見直しを求めてまいります。
私からは、以上でございます。
○議長(飯島弘之) 石川副市長。
◎副市長(石川敏也) 私から、大きな2項目め、
札幌ドームの
活用促進策についてご答弁を申し上げます。
札幌ドームにつきましては、現在、
日本ハムファイターズ移転後の収益確保に向けまして、プロスポーツやコンサート、展示会などの
イベント誘致、自主イベントの開催等に取り組んでいるところでございます。また、
アマチュアスポーツ大会の開催や、日常的なスポーツの場としての活用も積極的に進めていくことに加えまして、周辺地域をスポーツ交流拠点として整備していく中で、多くの市民が集い、楽しんでもらえる空間を実現したいと考えているところでございます。
今後も、全天候型多目的施設であります
札幌ドームの特徴を生かしまして、一年を通してスポーツやイベントを行える施設として市民から愛される
札幌ドームを目指してまいります。
以上であります。
○議長(飯島弘之) 檜田教育長。
◎教育長(檜田英樹) 私からは、大きな5項目め、学校の冷やし方改革について、そして、6項目め、学校トイレの整備の在り方についてお答えをさせていただきます。
まず、学校の冷やし方改革についてでありますが、その1点目、移動式エアコンの必要性及び効果についてでありますが、移動式エアコンにつきましては、大きな工事がなく、簡単に導入でき、熱中症予防にも一定の効果があることから、令和2年度から導入を進めております。今後、普通教室などへのエアコン整備を進めてまいりますが、整備が完了するまでの間も、今年のような猛暑となることを想定し、引き続き、移動式エアコンによる対応は必要であるというふうに認識をしております。
また、
子どもたちは普通教室以外の様々な場所でも活動することから、エアコンが整備された後にも、移動式エアコンを学校内のあらゆる空間で活用したいと考えておりまして、引き続き、学校と連携して暑さ対策に努めてまいります。
次に、2点目、屋内運動場における冷房設備の整備についてでありますが、このたびの市立幼稚園、学校へのエアコン整備につきましては、国の補助制度を活用して普通教室あるいは特別支援の教室、職員室など、児童生徒や教職員が常時使用する場所への整備を行うものでありまして、屋内運動場については、他の自治体の動向を注視しながら今後検討してまいります。
次に、大きな6項目め、学校トイレの整備の在り方についてお答えをいたします。
まず、1点目、学校トイレの洋式化などについてでございますが、学校のトイレについては、様々なご意見があるということは認識しておりまして、日常生活におけるトイレの洋式化が進んでいることを踏まえ、必要な洋式トイレを確保すべく整備を進めてきたところでございます。
今後は、学校関係者はもとより、
子どもたちの意見も聞きながら、より使いやすいトイレの整備を進めてまいりたいというふうに考えております。
次に、2点目、誰でも使えるトイレについてでございますが、札幌市では、学校の新・改築あるいはリニューアル改修時のほか、既存校につきましても、車椅子を利用する方などに対応したバリアフリートイレの整備を進めているところであります。さらに、新たな取組として、新・改築時には、男子トイレ、女子トイレ、そして、バリアフリートイレに加えまして、ジェンダーに配慮したトイレの整備を試行的に開始いたしました。
今後は、他の児童生徒などの目を気にせず使用できる工夫をするなど、誰でも使いやすいトイレの在り方を検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
(
丸岡守幸議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(飯島弘之)
丸岡守幸議員。
◆
丸岡守幸議員 答弁いただき、ありがとうございました。
私から、1点だけ、学校トイレの整備の在り方について、再度、質問させていただきます。
質問に入る前に、
学校給食費の無償化につきまして、要望を1点させていただきたいと存じます。
私どもが求めております
学校給食費の無償化は、一気に実現できればそれにこしたことはないのですが、それが札幌市全体の財源との見合いもあってなかなか難しいとすれば、例えば、ほかの自治体で取り組んでおりますように、進学を控えております経済的な負担の大きいと思われます小学校6年生ですとか中学校3年生から無償化をする、そういった方法ですとか、もしくは、5割負担から始めて、3割負担、そして完全無償化に移行していくといったような段階を踏んだやり方も考えられると思いますので、そういった様々な手法があると思いますので、保護者の方や有識者の方の意見も酌み入れて、学校給食の無償化実現に向けて取り組んでいただきますよう、これは、私や会派から強く要望しておきたいと思います。
そこで、学校のトイレの整備につきまして、再度、お尋ねいたします。
トイレの洋式化が進んでいることを踏まえて、必要な洋式トイレを確保するべく整備を進めてきているとの答弁でございました。
ただ、私が質問の中でも触れましたように、学校全体での洋式トイレの数が十分であったとしても、児童や生徒が授業を受けているフロアによっては洋式トイレが少ないために、
子どもたちに不自由な思いやつらい思いをさせてしまっているのではないかなと思います。
そのようなことがないよう、トイレ改修に係る経費をしっかり学校施設改修費の中に確保してトイレの洋式化を加速させていくべきと考えますが、改めてご意見を伺えたら幸いでございます。お願いいたします。
○議長(飯島弘之) 檜田教育長。
◎教育長(檜田英樹) 学校トイレの洋式化などについて再質問をいただきました。
学校のトイレにつきましては、保護者を含めまして様々なご意見があるということは教育委員会としても認識をしておりまして、日常生活におけるトイレの洋式化が進んでいることを踏まえまして、必要な洋式トイレを確保すべく、この後も進めてまいりたいというふうに考えているところであります。
今後、
子どもたちの意見のみならず、学校関係者の方の意見も聞きながら、より使いやすいトイレの整備を進めてまいります。
以上でございます。
○議長(飯島弘之) ここで、およそ20分間休憩いたします。
――
――――――――――――――――――
休 憩 午後1時53分
再 開 午後2時15分
――
――――――――――――――――――
○議長(飯島弘之) これより、会議を再開します。
代表質問を続行します。
山田洋聡議員。
(山田洋聡議員登壇・拍手)
◆山田洋聡議員 私は、ただいまから、自由民主党議員会を代表し、一昨日の三神英彦議員の代表質問に引き続き、本定例会に上程されました令和4年度決算、諸議案並びに市政の諸課題につきまして、順次、質問を行います。
質問に先立ち、一言、申し述べさせていただきます。
27歳のとき、第3子の保育園入園の際に政策、政治に関心を持ち、34歳で、世の中の
子どもたちのために、将来、政治家になることを決め、54歳で立候補する予定でしたが、42歳の今、様々なご縁に導かれ、この場に立たせていただいております。この先の札幌、北海道、そして国を生きる全ての
子どもたちのために人生をささげる、その覚悟を決めて活動を続けてまいりました。ぶれることなく、そして、これまでの全てに感謝の意を表しまして、質問させていただきます。(拍手)
最初に、市長の政治姿勢についてです。
まず、初めに、ラピダスについて伺います。
千歳市へのラピダス社による新工場進出の効果を、札幌市としても、地域経済の活性化、さらにまちづくりにつなげていくためには、関連企業の誘致、人材育成、交通インフラの整備の3点が特に重要であると考えます。
ラピダス社の工場進出は、これからの北海道にとって長期に経済効果をもたらすことになりますが、一方で、クリアしなければいけない課題も多く、この課題解決に札幌市が積極的に関わることで、北海道、そして札幌市により一層大きな効果がもたらされるものと確信しております。
8月には、北海道と熊本県が、密接な連携を図り、半導体関連国家プロジェクトを推進することで、両地域の経済活性化につなげていくことを目的とした連携協定を締結しました。協定の中では、関連産業の集積促進をはじめとする半導体関連事業について、連携協力して取り組んでいくことなどが掲げられています。
先日、我が会派は、熊本市へ直接赴き、台湾の半導体製造大手、TSMCの熊本進出に関連した半導体施策についてヒアリングを行ってまいりました。
熊本市では、従来から工業用地が不足している状況にある中、TSMCの進出を契機とした半導体関連企業の集積に対する期待の高まりなどを受け、企業誘致を促進するため、市内での新たな工業団地の整備に向けた取組を始めたところであります。
熊本市と札幌市では、もともと置かれている状況は異なりますが、熊本市の企業誘致施策に学ぶことはあり、先行事例を学ぶことで、さらなる進展を追求する姿勢を市民や民間企業も求めていると思います。札幌市においても、工業用地は不足している状況にあり、熊本市を参考に工業用地を創出し、民間の積極投資につなげる施策は必須と考えます。
千歳市との玄関口となる清田区は、札幌ハイテクヒル真栄という地区があり、真栄地区にはほかにも大きな面積の土地があることから、様々な可能性が見いだせる地域でもあります。
一方、半導体関連人材の育成や確保に向けた取組はまだ始まったばかりでありますが、道内外の大学や高専でも半導体関連分野の増員や新科目の設置といった動きが見られるところです。一方、半導体産業を支え、その将来を担う人材の育成、確保は極めて重要であり、本市としても、関係機関とも連携しながら、人材の育成や確保に向けた取組を進めていくことが必要であります。
さらに、交通について考えてみますと、ラピダス工場が立地する千歳市と本市の位置関係では、さきにも述べたとおり、方角的な玄関口は清田区になります。ほかにも、JR線では新札幌駅の厚別区、道道16号支笏湖公園線経由では南区が挙げられますが、千歳からの移動手段に車を考える以上、国道36号の交通量が増えることが予想されます。
ラピダスの小池社長が提唱する苫小牧から石狩までを一帯で展開する北海道バレー構想の観点からも、国道36号は重要な幹線になります。半導体関連企業の立地場所が札幌市内であっても、千歳市を含めた近郊市であっても、企業が集積し、人材育成拠点の整備も進むことで、人の流れが増え、国道36号のさらなる渋滞が懸念されます。まちづくりの観点からも、この機に公共交通の再整備は重要でないかと考えます。
そこで、質問ですが、ラピダス社の千歳進出により、本市にも様々な影響や効果がもたらされることが予想される中、これらを踏まえて、企業誘致や人材育成、交通インフラ整備をはじめとした政策を描いていく必要があると思いますが、どのように認識し、どのような取組を進めていくのか、伺います。
次に、札幌市客引き行為等の防止に関する条例について、2点伺います。
1点目は、現状と今後の取組についてです。
札幌市では、近年、薄野地区などの市内中心部の繁華街において、一部の居酒屋等の客引きが通行人に対して頻繁に声かけを行うなど、迷惑行為が後を絶たず、大きな問題となっておりました。こうした状況を背景に、条例等による規制を求める市民や地元の事業者などからの声の高まりを受け、札幌市では、札幌市客引き行為等の防止に関する条例を令和4年4月1日から一部施行し、その後、周知期間を経て、同年7月1日からは禁止区域、罰則なども含めた全面施行に至ったところです。
札幌市が実施した客引き行為等の実態調査によりますと、禁止区域であるJR札幌駅周辺から薄野地区における令和4年度中の客引きの人数は、条例制定前の令和3年度と比べ、おおむね半数まで減少していることが明らかになっています。この点につきましては、条例の理解促進を目的とした広報啓発の展開や、客引き行為等防止指導員による巡回指導などの効果が現れたものとして、一定の評価をさせていただきます。
一方で、本年度に入り、5月には新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行したことで市民の外出機会が増加しており、市内中心部では国内外からの観光客の姿を多く見かけるなど、人流の回復は目覚ましいものがあります。こうした状況は、条例施行時には見られなかった光景であり、今後、市民及び観光客を狙った客引きの数が増えてくることが懸念されております。
客引き活動の活発化を抑制するためには、条例の認知度を高めることが不可欠と考えております。市民や観光客に対する条例周知を図り、客引きを利用しない意識を高めるとともに、条例の認識不足から客引き行為に至ることがないよう事業者に対しても丁寧な説明が求められるところです。また、客引きの動向に柔軟に対応し、客引き行為等の活動の抑制につながるような巡回指導の在り方などを検討していく必要もあると考えております。
そこで、質問ですが、条例全面施行から1年余りが経過した現在の客引き行為等の状況と今後の取組について伺います。
2点目は、再開発に応じた禁止区域の追加についてです。
札幌市が日本有数の大都市に発展を遂げていく過程の中で建設されてきた建物の老朽化が進み、更新の時期を迎える中、札幌の都心部を中心とした再開発の動きは年々加速しており、現在も複数の再開発事業が進行しています。
記憶に新しいところでは、今年7月に、狸小路地区において大型複合施設モユクサッポロが開業したところです。このモユクサッポロは、商業店舗を中心としたテナントビルの跡地に建設された施設ではありますが、近年、これまで主にビジネスの用途として活用されていたビルが商業機能や宿泊機能を備えた大型複合施設に生まれ変わるような計画もあるなど、再開発の態様は多様化しております。こうした大型複合施設の開業は、これまでなかった新たなまちのにぎわい創出につながるものとして大いに期待をしているところです。
札幌市客引き行為等の防止に関する条例では、民間事業者が管理する公共の場所については、当該民間事業者の権限によって、事実上、客引き行為等を制限することが可能であるため、条例による規制を最小限とする観点から、原則、禁止区域には含めないこととしています。一方で、多数の通行が想定され、施設利用者等の待ち合わせなどで滞留するスペースで客引き行為等が行われる可能性が懸念される場合については、施設管理者等の要請に基づき、禁止区域とすることが可能となっております。
今年の秋には、ススキノラフィラ跡地に大型商業施設、COCONO SUSUKINOの開業が控えておりますが、施設内には多数の市民や観光客が通行、滞留できる屋外広場を備える予定です。また、今後、新たに開業する民間ビルにおいても、施設周辺の道路と連続した敷地に市民や観光客の憩いの場として待合スペースを設置するなど、公共的な空間を整備することが想定され、客引きの活動範囲が拡大していく可能性があります。
札幌市としては、条例の趣旨を踏まえ、民間事業者の意向に配慮しながらも、市民や観光客等が安心して施設を利用できるよう、再開発の状況に応じた禁止区域の追加を検討していくべきと考えます。
そこで、質問ですが、新たな民間ビルの開業などに応じた禁止区域の追加について、札幌市としてどのように対応していくのか、伺います。
次に、次期札幌市高齢者支援計画の策定について伺います。
札幌市高齢者支援計画は、高齢者保健福祉計画と介護保険事業計画を一体的に策定し、高齢者支援施策の総合的な推進と円滑な実施を目指す計画です。令和3年度にスタートした現計画は、計画期間が今年度までであり、現在、次期計画の策定作業が進められていると認識しています。
介護保険事業計画については、国が基本指針を示し、これに沿って各市町村が策定することとされていることから、ともすれば、国が示した計算式や型にはめればよいという認識で機械的に計画策定作業が進められてしまうこともあり得ると懸念され、やはり、自治体としては、地域の実情に即した計画とするよう最大限努力することが肝要と考えます。
近年、介護を取り巻く環境は確実に悪化しており、例えば、身体の状況や介護をする家族の実情などから施設入所を希望しても、制度の制約などもあり、なかなか施設利用が許されず、結果として在宅介護を選択せざるを得ないようなケースも少なくないと聞いています。
また、介護人材の不足も根深い問題であり、十分な人が確保できないのであれば、当然、提供できる介護サービスの量やメニューが限られるわけで、そういったことも、希望する介護がなかなか受けられないですとか、手続などに時間がかかるなどといった利用者の不満の声につながってきていると考えられます。
近年の人手不足の問題は、介護の分野だけにとどまらず、多くの分野でも深刻な問題となっており、理由や背景は複雑なものがあると思いますが、やはり、厳しい仕事である割に報酬が決して高くないということも根本の問題としてあるのではないかと考えます。
また、介護にまつわる課題は、介護を受ける方ばかりのものだけでなく、ご家族の負担なども大きなものがあり、老老介護や介護離職などといったことも広く言われる中、家庭での介護が限界に達しているケースも少なくないと推察されます。
そういったことからも、次期計画の策定に当たっては、国の指針の下、進めていくことは基本としながらも、できる限り、札幌市の状況や現場の実情、実態などに目を配った上で、地域の課題をしっかりと解決していけるようなものとしていく姿勢が肝要です。そのためには、現計画の成果や実情、課題などをしっかりと具体的に把握していくことがまず第一歩であると考えます。
そこで、質問ですが、次期高齢者支援計画を策定するに当たり、札幌市において、どのような課題があると認識しているのか、また、その課題を踏まえ、どのような計画を策定していくのか、伺います。
次に、今後の観光施策についてです。
新型コロナウイルス感染症の影響により観光需要は大幅に落ち込んでしまいましたが、今年5月には、感染症法上の取扱いが5類に移行され、全国旅行支援が7月中旬まで実施されたことなどにより、全国的にも国内観光客の動きは活発化し、ここ札幌においても多くの観光客を見かけるようになりました。お盆休みには、都道府県をまたいで移動する旅行需要の回復が顕著であり、旅行先としては北海道や沖縄はコロナ禍前を超えたとの一部報道もあるなど、回復基調は継続していくものと思われます。さらに、市内では、アジアを中心に多数の外国人観光客の姿も見られ、今後もさらなるインバウンドの戻りを大いに期待しているところです。
コロナ禍によって影響を受けた市内観光関連産業の復活のためには、大幅に減少した観光客数を早急に回復させることが重要であることは言うまでもありませんが、将来にわたって足腰の強い観光関連産業を維持し、持続可能な観光を維持するためには、国の観光立国推進基本計画と同様に、観光客の人数だけではなく、観光消費額を高める取組への転換が必要と考えます。
ちょうど、市内においては、欧米豪の富裕層に人気のあるアドベンチャートラベルの世界的な商談会であるアドベンチャー・トラベル・ワールド・サミットが開催されたばかりであることや、今後、複数の富裕層向けのホテルの建設が予定されているというチャンスを踏まえますと、観光客のニーズを適切に捉え、札幌ならではの付加価値の高い商品やサービスを提供し続けることが不可欠と考えます。
そこで、質問ですが、今後、観光コンテンツの付加価値向上の取組を一層推進していく必要があると思いますが、札幌市の見解を伺います。
次に、ウインタースポーツシティーにおける氷上競技環境についてです。
これまで、札幌市では、1972年の冬季オリンピックのほか、近年では、2015年の世界女子カーリング選手権、2017年の冬季アジア大会など数多くの国際大会が開催され、観光の振興や国際交流などウインタースポーツを通じて様々な効果がもたらされています。このように、札幌市にとって、ウインタースポーツは、市民が厳しい冬を楽しむ手段であるとともに、まちににぎわいを与える大切な文化の一つとなっています。
令和4年10月に策定されたまちづくりの最上位計画である第2次札幌市
まちづくり戦略ビジョン(ビジョン編)では、まちづくりの基本目標として、世界屈指のウインタースポーツシティーを掲げています。
この基本目標では、市民の身近なところでウインタースポーツを楽しむことができる環境を充実させ、札幌で育ったアスリートが活躍する、また、大規模な大会が開催され、札幌が世界から注目される、そうしたまちの姿を目指していくこととしています。
札幌市では、もともとウインタースポーツの中でも、スキーやスノーボードが盛んである一方で、スケートやカーリングといった氷上競技については、競技を行う場が限られ、体験機会や競技人口のさらなる拡大を図ることが難しい状況となっています。具体的には、市内に四つあるスケートリンクのうち、美香保体育館と真駒内セキスイハイムアイスアリーナについては冬期間のみの稼働となっているため、フィギュアスケート競技などは夏場の競技環境不足が顕著となっています。
また、市内唯一のカーリング専用施設であるどうぎんカーリングスタジアムについては、どの時期、どの時間帯においても非常に利用率が高く、高い抽せん倍率をくぐり抜けないと利用ができないなど、市民のカーリングに対するニーズを受け止め切れていません。さらに、カーリングは、近年の人気の高まりから、観光客からの競技体験需要がありながらも、希望する観光客の半数以上が利用できていないため、経済観光分野の面からも損失が生じている状況にあります。
こうした中、札幌市が所管するスケートリンク施設である月寒体育館と美香保体育館は、建設から約50年が経過し、更新時期が近づいてきているため、我が会派では、これまで、市内における氷上競技の環境を今後も確保し、その可能性をさらに高めていく必要があるという立場から、議会の中で質問を重ねてきました。
令和5年第1回定例会の予算
特別委員会では、両体育館の更新に向けた検討状況及び今後の進め方について質問したところ、市内における現状の課題を踏まえ、将来に向け、必要となるアイスリンクの機能の整理を進めており、その検討内容について、市内におけるアイスリンク施設の全体像を示す基本構想として取りまとめていきたいとの答弁があったところです。
この基本構想は、将来の札幌市における氷上競技環境の方向性を示すものであり、月寒体育館や美香保体育館が更新時期を迎える機会を捉え、現在課題となっている夏場のスケート環境やカーリング機能が不足していることへの対応を示すことが不可欠であると考えます。
加えて、今後の人口減少に伴い、税収の低下が見込まれる中、施設整備を進めるに当たっては、その投資効果を最大限発揮することが重要になるため、月寒と美香保、両体育館の更新に当たっては、単純に建て替えるのではなく、まちづくりと連携させることは必須です。
両体育館とも、実際の場所の選定に当たっては、交通インフラや敷地の観点などからも、理想を追求し、様々な検討を進めながらも、解決が困難な諸課題が幾つかあることも伺っているところではありますが、各地域のポテンシャルを高め、札幌市全体の魅力と活力の向上へとつなげていくことが必要です。
そこで、質問ですが、世界屈指のウインタースポーツシティーを目指す上で、月寒体育館、美香保体育館の更新に当たり、今後の氷上競技環境の拡充及びまちづくりとの相乗効果についてどのように考えているのか、伺います。
次に、今後の文化財の保存、活用についてです。
令和2年2月、文化財の保存、活用についてのマスタープランである札幌市文化財保存活用地域計画が策定されました。この計画では、文化財は、文化財保護法等の法令による指定等がなされているか否かにかかわらず、地域の歴史の中で生まれ、育まれ、今日まで守り伝えられてきた資産と定義され、指定等の有無にかかわらず、文化財を保存、活用していくものとされています。
令和2年度から計画を推進する札幌市歴史文化のまちづくり推進協議会を立ち上げ、ワークショップ、ボランティアガイド講習会、モニターツアー、シンポジウム、パンフレット制作等を行い、文化財の保存、活用に取り組んでいることは承知しています。
こうした取組を進めている中、我が会派から、令和3年第3回定例会で、さらなる文化財の掘り起こしと価値評価をどう進めるのかを質問し、市長からは、具体的な価値評価の手法について令和4年度をめどに整理するとの答弁があり、令和5年度から、未指定、未登録文化財の掘り起こしや、価値の発信を目的とした新たな制度として札幌市地域文化財認定制度の運用が開始されたところです。
そこで、質問ですが、改めて、文化財に対する認識と今後の保存、活用の取組について伺います。
次に、教育環境等の推進、充実について、2点伺います。
1点目は、学校トイレのさらなる洋式化についての現状認識及び今後の対応についてです。
現在、小・中学校における個室トイレの数は、男子は50人当たりに一つ、女子は20人当たりに一つの基準としており、札幌市立の各小・中学校においては、和式、洋式いずれも設置されている中、洋式トイレのみでおおむねこの基準を満たしているとのことです。
しかしながら、学校の現場の実態としては、授業中にもトイレの使用を認めるといった柔軟な対応をしている小学校もあるものの、特に、中学校では、休み時間中の女子トイレにおいて列ができて混雑して使えないという状況もあります。
大、小にかかわらず、
子どもたちがトイレを我慢して学校生活を送ることは、様々な側面から問題があると考えます。第1に、健康面です。排せつの我慢は、度が過ぎると病気に発展しかねず、
子どもたちの健康を直接的に害することが心配です。第2に、授業への影響です。集中力の低下は誰もが経験していることだと思います。それもまた経験と言ってしまえばそれまでかもしれませんが、今は、授業日数や学習指導要領、そして教員の働き方改革の問題があり、限られた授業日数を効果的に進めることが求められる中で、授業に集中できない環境を改善することは行政としても必須であると考えます。実際に保護者から伺った話でも、子どもが学校でトイレを使用できず、一日中我慢して急いで家に帰ってくるということがあるとのことです。
社会全体として和式トイレが多数を占めているのであれば、現状のままと判断するのもやむを得ないかもしれませんが、今や、家庭を含め、和式トイレを見かけることがほとんどない状況であり、学校だけに和式トイレが数多く残っている状況に全く意味を感じません。和式トイレを残すことに文化の保存のような意味があるとすれば、それはしかるべきところですればよいのであり、学びの場である学校で行う必要はないと考えます。
子どもたちの声を保護者の方が聞いて、札幌市は子育てしやすいと感じられると思うでしょうか。
子どもたちには、今ある環境の中で生活するしか選択肢はありません。
それと、忘れてはいけないのは、教員の皆さんです。日々、時間に追われながらトイレに行く時間すら惜しいと思った教員も数多くいらっしゃることでしょう。トイレの環境は、大人も子どもも大切なことなのです。
次世代を担う子どもへの投資として、基準を満たしているから終わりではなく、残っている和式トイレの洋式化をさらに進めていくべきです。この夏のような猛暑対策ももちろん必要ですが、一年を通じて使用するトイレについても真剣に取り組むべき切実な問題です。
そこで、質問ですが、学校トイレのさらなる洋式化についての現状認識と今後の対応について伺います。
2点目は、地域学校協働活動についてです。
近年、急激な社会変化の中で、地域においては、地域社会の支え合いの希薄化、教育力の低下、家庭の孤立化などの課題が指摘され、学校においては、いじめや不登校など子どもを取り巻く問題が複雑化、困難化していると言われており、社会総がかりでこれらの課題に対応することが求められています。
このような中、
子どもたちには、学校だけで得られない知識や経験、能力を地域の方に支えられながら身につけること、そして、地域の方たちには、主体的に地域づくりを行う意識を持ってもらうことが重要です。
そこで、これらの問題の解決を図るべく、国は、平成29年3月に、社会教育法を改正し、新たに地域学校協働活動の推進について定めました。地域学校協働活動とは、地域の住民、保護者、学生、企業、NPOなど幅広い地域住民等の参画を得て、地域全体で
子どもたちの学びや成長を支える活動のことです。人生100年時代を迎え、地域住民の知識や経験を
子どもたちのために生かすことは、本人の生きがいづくりに資するだけでなく、学校への教育支援や子どもを中心に据えた住民同士のつながりづくりにも結びつき、今後ますます重要な取組となると考えます。
このような地域学校協働活動の今後の在り方を考えるに当たっては、コミュニティスクールとの有機的連携を視野に入れる必要があるのではと考えます。コミュニティスクールとは、学校と地域住民等が目標やビジョンを共有し、学校の運営や必要な支援に関する協議を行う場のある学校のことですが、昨年の第3回定例会で、我が会派より代表質問を行い、教育長から導入する旨のご答弁をいただいたところです。文部科学省においても、地域学校協働活動とコミュニティスクールの連携した推進を求めていることから、両仕組みを効果的に結びつけていくことが重要であると考えます。
そこで、質問ですが、今後、コミュニティスクール導入を見据え、どのように地域学校協働活動を推進していく考えか、伺います。
次に、防災・雪対策について、2点伺います。
1点目は、雪対策についてです。
昨冬は、気象予報による年明けの大雪に備え、雪堆積場の早期開設の準備として、全市的に年内の排雪を実施し、年明け1月4日の緊急除排雪実施本部においては、積雪深が50センチメートルを超えた北区と東区の一部でフェーズ1が判断され、排雪作業の強化として道路脇の雪山を全て排雪する雪出し排雪が実施されました。その後に、大雪の予報があったほかの地区においても計画排雪の前倒しが行われました。また、大雪対策のポイントの一つである雪堆積場の増強においては、我が会派がこれまでに国へ働きかけを行ってきた、市内中心部に近い豊平川河川敷を活用した堆積場が3か所増強されました。
昨冬の降雪状況は、令和3年度の大雪は例外としても、近年の降雪状況と比較し、結果的に大雪とは言えないシーズンであったものの、大雪対策として策定したフェーズ1の対応や計画排雪の前倒し作業、雪堆積場の増強は効果的なものであり、それらの作業の結果がその後の良好な道路状況につながったものと考えます。実際、市民や報道関係においてもそのような評価をよく耳にしました。
そこで、質問ですが、昨冬の除雪作業が高評価であったことから、今後についても、昨冬のような先手、先手の対応をすべきと考えますがいかがか、伺います。
2点目は、避難所における健康2次被害の防止についてです。
平成23年の東日本大震災を教訓として、本市では、平成25年3月に避難場所基本計画を初めて策定し、避難場所に求められる機能とともに備蓄物資の必要性を位置づけ、避難所の応急救援備蓄物資の整備を進めてきました。その後、熊本地震や西日本豪雨、北海道胆振東部地震など各地で大きな災害が発生していることから、令和元年9月にこの計画の見直しを行い、食料等の備蓄を発災後24時間分から48時間分までに変更したほか、在宅で避難する方にも一定量を渡せるよう整備されるようになりました。さらに、この計画によって、寒さ対策として、従来の高規格寝袋や毛布に加え、段ボールベッドや移動式灯油ストーブを増強、停電対策として可搬式の発電機が全ての基幹避難所に備えられることとなりました。
このように、災害発生時における避難所の対策が整備されてきたところですが、札幌の地域特性を踏まえますと、いまだ万全ではないと考えられます。札幌は積雪寒冷地であり、当然、寒さの厳しい時期に災害が発生することも考えられます。せっかく難を逃れて避難してきても、しっかりとした寒さ対策が取られていなければ、低体温症などにより体調の悪化を招くことになります。
一方で、今年は、観測史上、過去最高の気温を更新するなど蒸し暑い日が長く続き、熱中症疑いによる救急車の搬送が、こちらも過去一番多かったとのことですが、地球温暖化による異常気象が見込まれる中、蒸し風呂のような避難所では体調を崩すことになりかねません。
また、気候以外には、感染症への対応も大切で、新型コロナウイルス感染症は、感染症法上、5類となったものの、いまだ感染力が強く、油断はできないところです。新型コロナウイルス感染症以外においても、過去の全国における災害では、インフルエンザ等の感染症が蔓延した事例もあることから、今後も引き続き避難所での感染症対策は必要と考えます。
避難所のこうした健康2次被害を発生させないためには、常日頃から最悪の事態を想定した上で先回りして対応を考える必要があり、もっと大胆に危機管理局に知見を集中し、より機動的な組織とすべきですし、将来の市民の命を守るための資材や物資も拡充すべきと考えます。
そこで、質問ですが、避難してきた被災者に対し、さらに健康2次被害に遭わせないために、札幌市としてどのようにすべきと考えているのか、伺います。
最後に、清田区の諸課題について、3点伺います。
1点目は、地下鉄東豊線の清田区延伸についてです。
地下鉄東豊線の清田区延伸については、これまでも何度も議論されてきたところであります。札幌市のまちづくりの観点から、札幌市長期総合計画や札幌市総合交通計画が策定され、南北線、東西線、東豊線と地下鉄が整備されてきました。
清田区は、平成9年11月に豊平区より分区されましたが、その以前の昭和54年11月、札幌市総合交通対策調査審議会のときに、東豊線については清田区北野地区までの計画となっておりました。当初、緊急整備区画として北東部が位置づけられており、昭和63年12月には、栄町駅から豊水すすきの駅まで新設されたところから始まり、今に至っております。最新の状況としては、平成23年に清田地区における公共交通の機能向上に関する検討があり、事業の採算性などを含め、説明があったところです。
さて、これまで、地下鉄延伸の歴史は、昭和53年3月に南北線北24条駅から麻生駅、昭和57年3月に東西線白石駅から新さっぽろ駅、平成6年10月に東豊線豊水すすきの駅から福住駅、そして、平成11年2月に東西線琴似駅から宮の沢駅と4回あります。
例えば、宮の沢駅の延伸後を分析してみますと、様々な要因が考えられる中であることは前提としても、地下鉄の計画のみならず、平成6年3月のバスターミナルの建設及び周辺地区の開発計画の策定があり、宮の沢駅周辺の開発が進むという明確な指針が示された中で、人口は増加し、リーマンショックのときには数年の影響は受けたものの、地価の上昇は今もなお続いていることが確認できます。このときも、本市と民間事業者との間で開発計画を策定しており、民間との協力もあり、本市のまちづくりは確実に進みました。
地下鉄延伸により交通インフラ整備が進み、民間の様々な施設が建設され、近隣には人の数も流れも増え、経済は活性化され、地価の上昇により税収が上がれば、さらにほかの地域のまちづくりに広げることもできます。行政主導で民間活力を向上させることは可能です。
そして、これからの本市のまちづくりを考える際、ラピダス新工場誘致に伴い、札幌での企業誘致なども検討されている中、道路交通を考えると、人の移動や物流などの観点からも国道36号の利用が増えることは間違いありません。現状、冬の実態としても交通渋滞が頻発している状況であり、市民生活はさらなる不便を被ることになります。
さらに、清田区も地域交流拠点としての位置づけがあり、札幌市内の各地域交流拠点においてJRも地下鉄もないのは清田区だけであります。
札幌ドーム周辺は高次機能交流拠点、スポーツ交流拠点となっており、人の流れが増えたりすることが予想され、既に混雑度1.27、これは、ピーク時間帯はもとより、ピーク時間を中心として混雑する時間帯が加速度的に増加する可能性が高い状態と分析されている中で、清田方面から都心へのアクセスは不便になるばかりです。同じ札幌市に暮らし、清田区だけがJRや地下鉄の選択肢がないのは、さきに述べた状況に鑑みてもさすがに不自然と言わざるを得ません。
そこで、質問ですが、地下鉄東豊線清田区への延伸とまちづくりについて、現状認識と今後の対応について伺います。
2点目は、清田警察署の設置についてです。
清田区は、分区を契機に、消防署、区民センター、体育館、老人福祉センターなど区民の生活に密接に関わる公共施設が整備されましたが、警察署の設置は見送られております。
我が会派では、清田区分区の検討が行われていた平成6年の代表質問において、警察署誘致に対する姿勢については三上洋右議員より質問しており、札幌市からは、これまでも関係機関への警察署の設置要請を行っているが、今後も、地域住民の要望も踏まえ、要請していく旨の答弁がありました。しかしながら、その後も清田警察署の設置は実現せず、現在に至るまで、豊平警察署の管轄となっています。
清田区と同じく分区により誕生した厚別区と手稲区では、平成13年に厚別警察署、平成16年に手稲警察署が設置されています。いずれも、平成元年の分区から一定の年数が経過しておりますが、区民の要望の高まりが設置実現の背景にありました。
警察署の設置を願う区民の声は、清田区も例外ではなく、平成13年には、町内会連合会、PTA、商工振興会などで構成された清田警察署設置促進期成会が発足しております。この期成会には、清田区選出の市議会議員及び道議会議員も顧問として参加し、北海道及び北海道警察への要望活動を後押ししてきました。
期成会による粘り強い要望活動の結果、平成18年には美しが丘交番、平成23年には緑ケ丘交番が設置されましたが、それでもなお、ほかの区と比べて交番数は最も少なく、最寄りの交番まで相当な距離がある地域も存在しています。交番は、地域住民の安全と安心のよりどころであり、様々な事件・事故に対して即応的な対応が求められることからも、現在の交番配置は適正とは言い難い状況です。
令和4年の清田区の刑法犯認知件数は338件と、前年から56件の増加、その増加率は約20%であり、札幌市全体の増加率を上回っています。また、清田区の地域特性として、高齢者と14歳以下の年少者の人口比率が、全市平均に比べ、高い傾向にあり、高齢者を狙った特殊詐欺被害の発生や子どもが重大な事件に巻き込まれるリスクといった懸念は、他区に比べて高いものと危惧するところです。
以上のことからも、地理的状況を勘案した交番の配置はもちろんのこと、地域の防犯拠点となる清田警察署の設置については、今後も、札幌市の重要な課題の一つと位置づけ、設置に向けた積極的な取組が必要であると考えます。
そこで、質問ですが、清田区民が安全に安心して暮らせるまちを実現する上で欠かせない清田警察署の設置に向けて、今まで以上に強く働きかけを行っていくべきと考えますがいかがか、伺います。
3点目は、里塚斎場、里塚霊園への民間活力の導入についてです。
札幌市では、今後、少子高齢化が進み、多くの方が寿命を迎えられる多死社会の到来に対応するため、令和3年度末に札幌市火葬場・墓地に関する運営計画を策定しています。この計画に基づき、里塚斎場の再整備について、現在、整備計画の策定に向けた検討が進められている一方で、火葬場使用料の料金体系見直しも検討されていると伺っております。
運営計画によりますと、里塚斎場の整備費用については、220億円から265億円が想定されており、札幌市の大きな財政負担となるとともに、将来的には火葬場使用料として使用者の負担増にもつながっていくと予想されることから、整備費用の削減は大きな課題であります。整備費用の削減においては、火葬炉数や施設規模の適正化が重要であり、火葬需要を慎重に見極める必要があります。
里塚斎場は、連携中枢都市圏の市町村のうち、特に北広島市民の利用が増えており、10年前の平成25年度は年間で41件で、里塚斎場全利用者に占める割合が約0.4%だったものが、令和4年度は年間617件と約15倍に増え、割合も約4.6%と大幅に増えています。このため、より一層、北広島市との連携を念頭において、互いに今後の火葬場整備の方針を確認し合いながら検討を進めていってもらいたいと考えております。
そして、この整備費用の削減こそ、民間活力の導入が大きな鍵を握っています。山口斎場においては、建設、運営、維持管理を資金調達から含めて民間事業者の力を活用して実施する、いわゆるPFI事業を他都市に先駆けて火葬場へ導入しており、予定価格約234億円に対して契約額約185億円と、約49億円の財政負担縮減効果が得られたとのことであります。このような山口斎場の実績を踏まえ、次期里塚斎場の整備においても、ぜひ民間事業者の力を大いに活用し、経費の削減やサービスの向上に努めるべきと考えます。
次に、里塚霊園について、施設・設備の老朽化という問題を抱える中、今後、整備を進めていく上で切り離せない問題が近隣の交通インフラ整備です。特に、お盆時期は交通麻痺を起こすほどの交通量になっている状況であり、これは、地下鉄や電車など自動車以外の交通手段がないことが大きな要因と考えられます。
こうした将来的な課題にも対応しつつ、喫緊の課題である管理事務所やトイレなどの老朽化、霊園内の道路など構造物の修繕、園内のバリアフリー化などに対応していくためには、概算で約17億円の経費が必要であるという試算が出ています。
市営霊園のよりよい整備方法等について、民間事業者から広く意見、提案を求めるため、令和元年度に対話型の市場調査を実施した結果、自主事業の許可や事業規模の大規模化など参入する企業の意欲を高める工夫が必要ではありますが、市営霊園の運営に民間活力を導入できる可能性があることが示されています。市営霊園は迷惑施設と捉えられがちですが、指定管理制度を導入している他都市の例では、終活セミナーやフリーマーケットなど地域に貢献するような自主事業を行っている事例もあり、使用者のみならず、多くの市民にとってもメリットがある施設となるよう、その運営や整備に民間活力を導入することは必須であると考えます。
そこで、質問ですが、今後の里塚斎場、里塚霊園の整備や運営への民間活力の導入についてどのような方向性で進めていく考えか、伺います。
以上で、私の質問の全てを終了いたします。長時間にわたり、ご清聴、誠にありがとうございました。(拍手)
○議長(飯島弘之) 答弁を求めます。
秋元市長。
◎市長(秋元克広) 全体で7項目にわたり、ご質問いただきました。私からは、大きな1項目めの私の政治姿勢についての3点、お答えをさせていただきます。その余のご質問に対しましては、担当の町田副市長、石川副市長、天野副市長、教育長からお答えをさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
1項目めの私の政治姿勢についてのうち、まず、1点目のラピダスについてお答えをいたします。
ラピダス社の立地に伴いまして本市にも様々な影響や効果が見込まれますことから、それらを多面的に把握し、経済の活性化や地域の発展につなげていくことが必要だと認識をしております。
これまで、熊本での現地視察を行ったほか、ラピダス社や千歳市、大学等関係機関との意見交換等を通じて情報収集を進めており、先日は、小池社長とも直接お会いをして、現状について協議をさせていただいたところであります。さらに、今年度、設備投資や雇用、住宅、教育、インフラなど、幅広い視点から本市への影響や効果をはかる調査に着手し、今後取り組むべき政策の方向案を検討しているところであります。
熊本市と札幌市の場合とでは、半導体製造拠点との位置関係や産業基盤など異なる面はありますが、熊本での事例も参考にしながら、地域経済の発展につなげていく取組を進めてまいる考えであります。
次に、2点目の札幌市客引き行為等の防止に関する条例についてお答えをいたします。
まず、現状と今後の取組についてでありますが、客引き行為者等の動向把握を目的とした実態調査によりますと、薄野地区の客引きが増加をしており、8月には、条例施行前である令和3年度の平均人数を上回る客引きが確認をされているところであります。
今後、客引きの多い地点に指導員が一定時間とどまるなど、巡回方法の工夫を図るとともに、市民、観光客、事業者に対し、様々な媒体を活用した周知・啓発に努めてまいります。
次に、再開発に応じた禁止区域の追加についてでありますが、条例施行後、対象区域内に開業した大型商業施設については、施設管理者からの要請に基づき、施設内の禁止区域の追加を、順次、進めているところであります。今後も、条例の実効性が確保されるよう、都心の開発状況を注視し、新たな民間ビル等における禁止区域の追加について、施設管理者との協議を進めてまいる考えであります。
次に、3点目の次期札幌市高齢者支援計画の策定についてお答えをいたします。
次期計画策定に向けた調査結果などから、札幌市におきましては、コロナ禍における高齢者の心身への影響、認知症の方の家族の介護負担の重さ、介護人材の需要の高まりなどといった課題があるものと認識をしております。
今後の高齢化の進行も踏まえ、高齢者の社会参画を促し、健康寿命の延伸を図ることや、認知症施策の充実強化、要介護高齢者を支える介護人材の確保や定着などに取り組んでいくことが重要だと考えており、次期計画では、元気な方も介護が必要な方もウェルネス推進の観点を踏まえ、一人一人の高齢者が希望と生きがいを持って自分らしく暮らしていけることを目指してまいりたいと考えております。
私からは、以上です。
○議長(飯島弘之) 町田副市長。
◎副市長(町田隆敏) 私からは、大きな6項目め、防災・雪対策についての2点目、避難所における健康2次被害の防止についてのご質問と、大きな7項目め、清田区の諸課題についての3点目、里塚斎場、里塚霊園への民間活力の導入についてのご質問にお答え申し上げます。
まず、大きな6項目めの2点目、避難所における健康2次被害の防止についてでございますが、避難所の生活に起因する主な健康被害は、寒さによる低体温症、あるいは暑さによる熱中症、それから、プライバシーの確保が十分でないことにより生ずるストレス障害などが考えられるところでございます。こうした健康被害を未然に防ぐため、東日本大震災や熊本地震での経験に基づく知見を収集しているほか、札幌市立大学と共同で研究に取り組んでいるところでもございます。
今後も、こうした知見を基に健康被害に対して有効な対策を講じていくとともに、必要な物資を迅速に届けられるよう体制の構築にも努めてまいります。
次に、大きな7項目めの3点目の里塚斎場、里塚霊園への民間活力の導入についてのご質問でございますが、人口減少や多死社会を迎えまして、将来にわたって火葬場や市営の霊園を安定的かつ効率的に運営していくため、民間活力の活用について検討していくことは重要であると認識するところでございます。
先行事例でございます山口斎場のPFI事業におきましては、財政負担の縮減効果に加えまして、維持管理水準が向上したことによる火葬炉の長寿命化などの効果が得られているところでございます。
里塚斎場及び里塚霊園の整備や運営の在り方につきましては、山口斎場の実績や他都市の状況を踏まえまして、市民サービスのさらなる向上や経費削減につながるよう引き続き検討を進めてまいります。
私からは、以上でございます。
○議長(飯島弘之) 石川副市長。
◎副市長(石川敏也) 私からは、大きな2項目め、今後の観光施策について、そして、3項目め、ウインタースポーツシティーにおける氷上競技環境についてご答弁を申し上げます。
まず、大きな2項目め、今後の観光施策についてであります。
食や自然をはじめとする札幌らしい観光資源を活用し、通常とは異なる演出や時間帯で特別な体験を提供する、いわゆる付加価値の高いコンテンツの造成は、持続可能な観光地経営のためには非常に重要であると認識をいたしております。
中でも、自然やアクティビティーを専門のガイドつきで体験するアドベンチャートラベルは、地域への経済波及効果が非常に高い旅行形態でありまして、先日開催されましたアドベンチャートラベル・ワールドサミット2023を契機として、札幌、北海道においても大きく発展していく分野であると考えているところでございます。
今後は、専門ガイドの育成や札幌ならではのツアー造成などを通じまして、アドベンチャートラベルの取組を進めることに加え、スノーリゾートシティーのさらなる推進や観光コンテンツの充実などによりまして、世界の旅行者から選ばれ続ける観光地を目指してまいりたい、このように考えております。
続きまして、大きな3項目め、ウインタースポーツシティーにおける氷上競技環境についてでございます。
アイスリンクは、ウインタースポーツシティ札幌にとりまして、氷上競技の振興、裾野拡大を図る上で欠かすことのできない機能であり、月寒体育館と美香保体育館の更新に当たりましては、まちづくりと連携しながら競技環境の維持、拡充を図ってまいりたいと考えているところでございます。
この考え方に基づきまして、月寒体育館につきましては高次機能交流拠点であります
札幌ドーム周辺を、また、美香保体育館につきましては地域交流拠点栄町に近接するつどーむ敷地を後継施設整備の候補地として今後具体的な検討を進めてまいりたい、このように考えております。また、競技環境に係る現在の課題を踏まえまして、既存の施設機能を確保しながら、美香保体育館の後継施設につきましては、スケートリンクの通年化を図りますとともに、新たにどうぎんカーリングスタジアムと同程度のカーリング機能を確保することも検討してまいりたい、このように考えております。
私からは、以上であります。
○議長(飯島弘之) 天野副市長。
◎副市長(天野周治) 私からは、大きな4項目め、今後の文化財の保存、活用について、大きな6項目め、防災・雪対策についての1点目の雪対策について、大きな7項目、清田区の諸課題についての1点目の地下鉄東豊線の清田区延伸について及び2点目の清田警察署の設置についてお答えをさせていただきます。
まず、大きな4項目め、今後の文化財の保存、活用についてお答えをいたします。
文化財は、私たちの貴重な財産であり、ふるさとの歴史や文化を知る上で欠くことのできないものと認識しており、令和2年に札幌市文化財保存活用地域計画を策定し、様々な取組を進めているところでございます。
今後の文化財の保存、活用に当たりましては、札幌市地域文化財認定制度などを活用するとともに、これまでの取組結果を検証し、令和6年度末に向けて新たな計画を策定することとしております。これからも、文化財の価値が見いだされないまま失われることのないよう、文化財の価値と魅力を多くの市民と共有し、後世にしっかりと引き継いでまいりたいと考えております。
次に、大きな6項目め、防災・雪対策についての1点目の雪対策についてでございます。
昨年度は、令和3年度の大雪を踏まえ、積雪深や気象予報、作業の進捗状況に応じた対策の実施をあらかじめ定めるとともに、関係機関などと連携し、大雪時における応援体制の確保に努めたところでございます。
それを踏まえ、シーズン中には、気象状況や各区の道路状況などを見極め、緊急除排雪実施本部会議において排雪作業の前倒しなど適時判断したところであり、今後につきましても、大雪傾向が見込まれる場合などには先手、先手の対応に努めてまいります。
次に、大きな7項目め、清田区の諸課題についての1点目の地下鉄東豊線の清田区延伸についてお答えをいたします。
地下鉄の延伸につきましては、将来需要が重要であることから、今後の人口の推移や人の動き、土地利用の状況などを十分に見極めた上で対応していかなければならないと認識をしております。
一方、令和4年1月に
札幌ドーム周辺地域におけるスポーツ交流拠点基本構想を取りまとめ、現在、具体的な計画を検討しているところでございます。地域交流拠点清田の将来のまちづくりも見据えた地下鉄東豊線の延伸の可能性については、今後の
札幌ドーム周辺における土地利用の状況や将来的な需要の推計等を踏まえて、総合的な検証を行ってまいります。
次に、2点目の清田警察署の設置についてでございます。
清田区の安全で安心なまちづくりを進める上では、地域の実情にきめ細かに寄り添うことができるよう、警察署が行政区域内に設置されていることが非常に重要であると認識をしております。
今後も、清田警察署設置促進期成会の要望活動に対する支援を継続するとともに、北海道警察・札幌市行政連絡会議において警察署の早期設置を望む地域の切実な声をしっかり伝えてまいります。
私からは、以上でございます。
○議長(飯島弘之) 檜田教育長。
◎教育長(檜田英樹) 私からは、大きな5項目め、教育環境等の推進、充実についてお答えをいたします。
まず、1点目、学校トイレのさらなる洋式化についての現状認識及び今後の対応についてでございますけれども、学校のトイレにつきましては、近年の新・改築時におきまして全てのトイレを洋式としてきたほか、既存の学校についても洋式トイレのみで必要な数を満たすよう取組を進めてきたところであります。
一方で、児童生徒数の急増でありますとか普通教室の配置などによりましてトイレが混雑する学校があるということも承知をしており、今後は、各学校の実情を把握した上でトイレ環境の整備を進めてまいりたいと考えております。
次に、2点目、地域学校協働活動についてでありますけれども、将来の予測が困難な時代におきまして、
子どもたちが豊かな人生を切り開く力を育むためには、学校だけではなく、様々な方々とのつながりの中で学ぶ機会の充実を図っていくことが、より一層重要であるというふうに認識をしております。
札幌市では、幅広い地域住民などの参画を通して、
子どもたちが豊かに学び、そして、体験する機会を提供するサッポロサタデースクールの事業をこれまで実施してきており、今年度からは地域学校協働活動推進事業として平日にも実施するなど、さらなる拡充を進めているところであります。
今後は、現在策定中の第2期札幌市教育振興基本計画の主要な取組にもコミュニティスクールと、そして地域学校協働活動を位置づけまして、
子どもたちの声を受け止めながら一体的に推進し、地域全体で子どもの学びや成長を支えてまいります。
以上でございます。
(山田洋聡議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(飯島弘之) 山田洋聡議員。
◆山田洋聡議員 ご答弁、ありがとうございます。
再質問の前に、月寒体育館について要望させていただきます。
さきの答弁では、月寒体育館の更新に係る候補地は
札幌ドーム周辺で検討していくとのことでした。一部、最終調整に入っているような情報も出ておりますが、答弁の中には、まちづくりに連携するという旨もございました。
月寒体育館は、札幌冬季オリンピック終了後から数多くの国際大会、国内大会が行われているとともに、広く市民に一般開放され、多くの市民に親しまれている施設であります。新施設は、通年型アイスリンクとプロバスケットボールの基準を満たして、コンサートなどの催しも可能な多目的アリーナを備え、完成後は、さらに多くの市民が親しみ、交流できる施設になると期待をしております。まちづくりが、そのため、より重要になってまいります。
私たち札幌市民、とりわけ清田区民にとりましては、地下鉄50キロ構想に基づく清田区の延伸は、清田区民50年来の悲願でありまして、新月寒体育館につきましては、清田区側の、
札幌ドーム東側に整備してほしいと願っております。このことを、札幌市としても認識した上で整備していくことを強く要望させていただきます。
再質問させていただきます。
ラピダスについてでございます。
調査を前倒しした件は評価をさせていただいておりますが、ラピダス社などの動きは非常に速いものがありますので、本市としても、スピード感を持って取り組むべきと考えております。
そこで、再質問ですが、行政として、ラピダス社などの民間事業者のスピード感に合わせて積極的に取り組んでいる姿勢を示すべきと考えますがいかがか、伺います。
○議長(飯島弘之) 答弁を求めます。
秋元市長。
◎市長(秋元克広) 今ご質問にありましたように、ラピダス社の動きは大変速いものがございます。こういった民間の動きに連動して、関連の企業の進出、こういったようなこともいろいろな意向が出てきている状況であります。
そういう中で、苫小牧から石狩までの道央圏におけるこのラピダス社の進出に伴う様々な企業進出、こういったものに札幌市としてもしっかり対応していけるように、ご質問にあったような形でスピード感を持って取り組んでまいりたい、このように思っております。
以上であります。
○議長(飯島弘之) ここで、およそ20分間休憩いたします。
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休 憩 午後3時16分
再 開 午後3時40分
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○議長(飯島弘之) これより、会議を再開します。
代表質問を続行します。
森 基誉則議員。
(森 基誉則議員登壇・拍手)
◆森基誉則議員 連日の代表質問でお疲れとは存じますが、オーラスです。30分間、お付き合いをどうぞよろしくお願いします。(拍手)
私も、他の新人議員と同様、議員になる思いというのはたくさんあったんですが、何せ30分という時間がかつかつなため、早速、本題に入らせていただきます。
私は、民主市民連合を代表して、今定例会に秋元市長が提案されました予算案、諸議案並びに市政の諸課題について、順次、質問してまいります。
初めに、プラスチック資源循環促進法への今後の対応について伺います。
プラスチックは、現代社会に必要不可欠な素材の一つですが、海洋プラスチックごみ問題、気候変動問題、諸外国の廃棄物輸入規制強化等への対応が必要となっています。
こうした世界の趨勢を背景に、プラスチック資源循環促進の重要性が高まり、我が国では、2022年4月にプラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律が施行されました。この法律では、市町村に対し、製品プラスチックの分別収集と再商品化することを求めており、リサイクルの方法として、国が指定した法人に引き渡す方法と、国の認定を受け、リサイクル事業者に直接引き渡す方法を定めています。
法律施行から1年が経過し、2023年度から実際に製品プラスチックの回収に取り組み始めた自治体が出てきており、政令指定都市の中では、京都市と仙台市が、容器包装プラスチックに加え、今年4月から製品プラスチックも一括して回収し始めました。京都市では、容器包装プラスチックの選別で使用した二つの市有施設のうち、一つを民間に委託することで処理能力の向上と、経費を削減した上で、国が指定した法人に引き渡す方法でリサイクルしています。一方、仙台市は、容器包装プラスチックと製品プラスチック両方のリサイクルに対応可能な事業者の工場が仙台市内にあったことから、国の認定を受けた上でリサイクル事業者に直接引き渡す方法です。
このように、一部の自治体では今年度から製品プラスチックの回収に取り組み始めていますが、既存の収集体制や選別施設等の設備の状況、市内または近隣に対応可能なリサイクル事業者があるかなど、自治体それぞれで置かれている環境が異なることから、単純に比較することは難しいかと思います。
今年の第1回
定例市議会の予算
特別委員会において、我が会派からの質問に対し、製品プラスチックに限定したモデル事業について検討していきたいと答弁があったところですが、今年10月から厚別区の一部地域を対象に試行調査が実施されます。
一方、本市の一般廃棄物処理基本計画である新スリムシティさっぽろ計画では、ごみの発生・排出抑制であるリデュースと再使用であるリユースの2R、この2Rを重点的に取り組むとしており、製品プラスチックのリサイクルに向けた検討を進めると同時に、プラスチックごみの減量に向けた市民理解の促進にも引き続き取り組んでいくことが重要であると考えます。
そこで、質問ですが、プラスチック資源循環促進法に定める製品プラスチックの分別収集と再商品化について、今後どのように対応していくのか、伺います。
次に、さっぽろヒグマ基本計画2023に基づく取組について伺います。
ここ数年、札幌市内におけるヒグマの出没件数は毎年150件を超えていますが、今年度は8月末時点で144件の出没情報がありました。市街地に出没するケースも見られ、2021年は東区の住宅街、2022年は
札幌ドームの敷地内など、これまで出没が確認されていなかった地域でもヒグマが出没するようになっています。
また、今年度は、西区西野や南区藻岩下及び北ノ沢等に出没しております。直近では、熊の目撃が相次いでいた南沢で、25日、高校が臨時休校となるなど影響が広がりましたが、このヒグマは地元猟友会のハンターによって駆除されました。ヒグマを駆除したのは、7月の北ノ沢以来、今年3回目となります。
このような中、本市では、今年3月、さっぽろヒグマ基本計画2023を策定しました。この計画では、市街地にヒグマが出没する大きな要因として、ヒグマの生息域である森林と人口密度の高い市街地が広範囲で接している札幌の特性を挙げています。さらに、人口減少や高齢化の進行に伴い、緩衝帯の役割を果たしてきた市街地周辺の農地面積が減少する傾向は今後も続き、人とヒグマの距離がますます近くなっていくことが懸念されます。また、ヒグマの体毛等のDNA分析や自動撮影カメラによる生息状況調査の結果から、市街地近郊の森林に複数の雌熊が定着していること、2015年と比較して、2020年には分布が拡大したことなどが分かっています。
このため、同計画では、人の生活圏とヒグマの生息域の間に緩衝帯を設けて管理するゾーニング管理の概念を導入し、札幌市域を四つのゾーンに分けて、各ゾーンに応じたヒグマ対策を実施していくこととしています。また、本計画では、新たに都市近郊林ゾーンが設けられ、これまで以上に人の生活圏とヒグマの生息域をしっかりと分けていますが、市民が安全に安心して暮らしていける方策を進めることが重要です。
本市では、ヒグマを市街地に出没させない対策として、草刈り活動やごみ拾い活動に取り組んできました。ヒグマ対策として有効である草刈り活動は、今年も南区を中心に地域住民や学生が主体となって実施されています。こうした活動には、市の担当者も参加し、草刈り道具の貸出しを行うなど、行政と地域が共に行動する姿が報道でも取り上げられています。
同計画で掲げるヒグマについて考え、行動する市民の意識を醸成するという基本目標の達成に向けては、札幌市や北海道などの行政機関だけでなく、専門家、関係事業者や環境NPO等の団体、市民がそれぞれ主体となり、取り組んでいく必要があります。特に、市民がヒグマの習性を理解しながら、草刈りや山道のごみをなくすなどの機会を増やし、ヒグマを市街地に出没させない取組を充実させていくことが重要と考えます。
そこで、質問ですが、現在のヒグマの出没状況を踏まえ、今後、基本目標にも掲げている市民意識の醸成をどう進めていくのか、認識を伺います。
次に、円山動物園の魅力を高める運営について伺います。
札幌市は、動物園が野生動物の保全を通じて生物多様性の保全に寄与する施設であるという動物園のあるべき姿を明確にした札幌市動物園条例を去年6月に制定し、この条例の趣旨を踏まえ、良好な動物福祉の確保の取組を強化しています。
これまでの取組が実を結び、8月19日にはアジアゾウの子どもが生まれ、9月15日に展示も始まりました。アジアゾウの出産は道内で初めてで、飼育員が柵越しに健康管理などを行う準間接飼育という方法で飼育されたアジアゾウの出産は、国内初とのことで注目を浴びています。加えて、この秋にはライオンがやってくることも決まり、円山動物園のさらなる活性化につながることが期待されます。
円山動物園では、去年、新たに仲間入りしたアムールトラや肉食動物に対して、捕獲された野生動物の肉を骨や皮がついたまま餌として与える屠体給餌に取り組んでいるほか、現在建設中の新オランウータン館においても、オランウータンが野生本来の能力や行動を発現できるよう様々な工夫がされていると伺っています。これからの動物園は、飼育動物の生き生きとした暮らしを守りながら、野生動物が存続できるような環境づくりや繁殖の取組を充実させていくことが重要です。
また、動物を飼育する職員は、人工的な飼育環境の中で、動物たちがもともと持っている能力を発揮させるための取組である環境エンリッチメントの工夫をするなど、日々、大変な努力をされていることは、会派としても評価をしております。
今後も、動物福祉の一層の向上に向けて、新たな動物を迎える際には、適時適切な施設改修にも取り組んでいただきたいと思います。
一方、近年、秋から翌春にかけて鳥インフルエンザが猛威を奮っており、道内でも養鶏場が大きな被害を受けました。貴重な野生動物を飼育する円山動物園においても、鳥インフルエンザ対策には非常に神経を使っていると承知しています。
そうした中、現在、北海道大学の研究チームが、円山動物園で飼育されている絶滅危惧種の鳥が感染した場合に、ヒト用のインフルエンザ治療薬を投与できるのかを調べるという、全国でも例のない治験が進められています。自然と人が共生する社会をつくり育てるという動物園条例の理念に基づいた取組、これを積極的に推進することが求められています。
そこで、質問ですが、動物園条例制定後の円山動物園の魅力を高める運営についてどのように考えているのか、伺います。
次に、医療的ケア児への支援について伺います。
我が会派は、これまで、医療的ケア児の学習権の保障や保護者の負担軽減等に向けて、医療、保健、福祉、教育、労働の5領域における各分野の連携を強化し、社会全体で切れ目のない支援が行える仕組みづくりの必要性を提言してきました。
本市においては、2016年の児童福祉法改正や我が会派の提言を受け、
アクションプラン2019において、札幌市医療的ケア児支援検討会で継続的に議論されてきた支援策の具体化が図られ、先進的な取組を進めてきたことを評価しております。
2022年度からは、特別支援学校で、保護者が、常時、学校で待機しなければならない状況が改善されたり、地域の学校への看護師配置が段階的に拡充し、学校種に限らず看護師を配置する体制が整いました。さらに、今年度からは、市立幼稚園に看護師配置を開始させるなど、合理的配慮の提供が進んできています。
一方、国においては、永田町子ども未来会議での議論を経て、2021年6月に医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が成立しました。同法においては、地方公共団体の責務が明記され、保育や教育等においての適切な支援を行うことや、「医療的ケア児の健やかな成長を図るとともに、その家族の離職の防止に資し、もって安心して子どもを生み、育てることができる社会の実現に寄与すること」が目的として示されました。
しかし、この法律を受けて2022年6月に設置された北海道医療的ケア児等支援センターには、保育園の体制が整わず、仕事に復帰できない、学校管理下外で預かる体制が十分に整っていないなど、保護者からの相談が多数寄せられていると聞いています。
本市においては、2019年度から公立保育所である区保育・
子育て支援センターちあふるにおいて医療的ケア児保育モデル事業を開始しています。しかし、
アクションプラン2019において、5施設で受入れ体制を整えるとしていたところ、実際に入所しているのは3施設にとどまっています。その要因として、職場や住居に近い場所での保育環境の提供ができていないことや、保育受入れ時間が短いなど、利用者ニーズに十分な対応ができていないことが課題として挙げられます。
また、本市は、医療的ケア児を受け入れている私立保育所等に対して看護師配置に係る費用の補助を実施していますが、この補助制度の周知や北海道医療的ケア児等支援センターといった相談機関があることなど、情報の周知をしっかりと行う必要があると考えます。
また一方で、医療的ケア児を受け入れるに当たっては、長時間となる保育時間における看護師の確保の問題やノウハウが十分にないなど、不安を感じるという声もあります。こうした課題の解決には、各局が持つ医療的ケア児への支援のノウハウを共有しつつ、個々の状況に即した切れ目のない支援を行うという観点に立ち、子どもを預ける保護者のみならず、保育所等も安心して受け入れることのできる環境を整備していくことが必要です。
今年11月には、医療的ケア児者を応援する市区町村長ネットワークが発足予定であり、秋元市長も発起人の一人として名を連ねています。ぜひ、本市の先進的な取組や課題を医療的ケア児・者支援に思いを持つ全国の市区町村と共有し、国にも現場の声を伝えるなどの行動を進めながら、本市が率先して医療的ケア児・者やその家族が安心して暮らせるまちになることを期待しているところです。
そこで、質問ですが、医療的ケアを要する乳幼児を持つ保護者が安心して就労などの日常生活を送るために、公立保育所等での受入れ環境を今後どのように整えていくのか、伺います。
次に、多文化共生社会の形成に向けた取組について伺います。
近年、グローバル化や外国人材の拡大などにより、日本に在住する外国人の人数が増加し、国籍や民族などの異なる一人一人が互いに違いを認め合い、地域社会の構成員として生きていく多文化共生社会の実現が求められています。
我が会派は、これまでも、本市の外国人市民の労働や生活の支援等について提言し、2023年第1回
定例市議会の代表質問においては、多文化共生社会の実現に向けた本市の考えや取組についてただしました。
本市の外国人市民は、2022年4月に1万3,095人でしたが、今年9月時点で1万6,852人と増加を続けており、国籍についても中国、韓国、ベトナム、次いでミャンマー、インドネシアなど多岐にわたります。
外国人市民の人口が増加する傾向は中長期的に続くことが予想される一方で、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少は加速しております。加えて、働き方改革に伴う2024年問題などが迫る中、様々な分野における労働力不足が深刻化しています。
政府は、こうした課題の対策として、2019年に新たな在留資格、特定技能を創設し、人手不足が顕著な12の産業分野における外国人の雇用が認められました。
また、2019年当初から働く特定技能1号の取得者の在留期限が2024年で終了することから、さらなる外国人材の受入れを拡充するため、今年6月、熟練した技能を要する特定技能2号の対象分野拡大を閣議決定しました。これにより、特定技能1号の対象となる全ての分野で長期就労が可能となり、より多くの外国人労働者が在留期限を切られずに日本に滞在できるほか、家族の帯同も可能になりました。
この制度により、本市においても、幅広い分野で働く外国人市民や、これまで家族と離れて暮らしていた方も、配偶者や子どもと一緒に生活するケースが増えることが想定されます。今後も、本市で暮らす外国人労働者が適正な労働環境の下で安心して働けるよう支援することに加え、留学、就労、国際業務や結婚などにおいて、外国人市民が国籍や民族にかかわらず社会参画できるよう、幅広くかつ細やかにサポートしていくことが必要です。そのためには、私たち札幌市民が外国人市民を地域社会の一員として受け入れ、同じ社会で共に暮らしていくという意識を育むことが不可欠です。
市長は、先般の選挙公約において、共生社会の実現を掲げるとともに、札幌に住む外国人の孤立防止と暮らしの不安解消を図るとしています。また、今年度内には(仮称)多文化共生・国際交流基本方針が策定される予定であり、コミュニケーション支援や生活支援のほか、日本人も含めた市民全体の多文化共生意識の醸成に取り組む方向性が打ち出されるなど、外国人施策の充実が期待されるところです。
我が会派としても、多文化共生の形成に向けて、基本方針の対象期間10年間の中でしっかりと取り組むことが重要と考えます。
そこで、質問ですが、多文化共生社会の形成に向けて今後どのように取組を進めていくのか、伺います。
次に、ポップカルチャーを活用した取組の推進方法に関連して、2点伺います。
まず、1点目は、多様な主体との連携についてです。
大衆向けの文化全般を表すポップカルチャーは、具体的に漫画やアニメ、ゲーム等を指しており、現在では伝統文化と並ぶ日本を代表する文化の一つとなっています。海外では、アニメや漫画は日本の文化芸術として高い評価を得ており、日本動画協会の発表によると、2021年の世界の日本アニメ市場が2兆7,422億円であるとのことでした。コロナ禍で落ち込むことはあっても、市場規模は拡大傾向にあり、3兆円に近づきつつあります。
国内のみならず、海外からも注目度が高い日本の漫画やアニメですが、昨年度に本市が実施した図書(マンガ)を核としたライブラリー、ミュージアム及びビジネスの展開に関する可能性調査において、ポップカルチャーを活用したまちづくりには多くの可能性やポテンシャルが秘められていることが示唆されました。この可能性調査では、市民の生涯学習、課題解決支援のためのライブラリー機能、漫画の保存と活用及び国内外からの旅行者に地域の魅力を伝えるミュージアム機能、そして、ビジネス創出や産業振興のためのビジネス機能という三つの機能を併せ持ち、連携させることが提案されています。市長も、公約において、漫画やアニメなどのポップカルチャーを活用した取組を進めると掲げており、今後の本市の取組に大いに期待するところです。
札幌市では、まちづくりを進める上で、市民、企業、各種団体、行政など関係する様々な主体がそれぞれの持つ力を発揮しながら連携して進めることとしており、ポップカルチャーを活用した取組においても、多様な主体が連携することでより効果的に推進できるものと考えます。例えば、漫画、アニメに関連した大規模イベントの開催など、ビジネス機能の推進を考える際にも民間企業の活力を生かした事業展開が不可欠です。
しかし、漫画やアニメは著作権を伴うものであり、漫画家を含めて権利を持つ各方面の方々から理解を得て協力関係を築いていかなければ、多様な主体と連携して推進することは難しくなります。その点において、本市が北海道マンガミュージアム構想に賛同する北海道ゆかりの一部の漫画家の方々から協力体制を得られているということは、今後、事業を推進していく上で既に優位な状況にあると考えられます。
そこで、質問ですが、多様な主体による連携を掲げる札幌市として、今回のポップカルチャーを活用した取組をどのように進めていくつもりか、伺います。
2点目は、ポップカルチャーの推進拠点についてです。
現在、本市は、観光消費単価の伸び悩みや、観光需要の時期による繁閑差などの課題があり、今後は、食や自然だけではない、札幌、北海道の魅力発信や高付加価値の商品、サービスの提供、観光客の滞在日数の長期化等の取組に注力していく必要があります。適切な事業スキームを構築した上で、京都市や北九州市にあるような漫画ミュージアム施設が本市にできれば、観光誘致や産業振興にとどまらない大きな効果を生み出す可能性があると考えます。
例えば、スポーツにおいては、国内でのスポーツの盛り上がりを語る上で、それぞれの競技を取り上げた漫画の存在は無視できません。「キャプテン翼」のサッカーや「スラムダンク」のバスケットボールなど、スポーツの機運を高めた漫画の事例は枚挙にいとまがありません。これらの漫画やアニメは、それぞれのスポーツを頑張っている選手たちの心のよりどころであったり、競技を始めるきっかけにもなっています。ミュージアム施設で取り上げる作品によっては、こういったスポーツのファンも訪れる可能性を秘めており、逆に、ミユージアム施設で知った作品のスポーツに挑戦してみたいと思う人たちも出てくる可能性があります。
そこで、質問ですが、札幌市が取組を進める上で、ポップカルチャーの推進拠点となる施設の設置についてどのように考えているのか、伺います。
最後に、さっぽろ雪まつりについて伺います。
観光は、本市の経済や雇用に寄与する役割が大きく、その指標の一つである総観光消費額は、2018年度には5,780億円に達していました。しかし、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、さっぽろ雪まつりをはじめとした大型観光イベントの開催中止や規模縮小、また、本市全体の経済活動の停滞も相まって、2021年度は2,183億円にとどまり、大幅な減少を余儀なくされました。
このように本市の観光にとっては厳しい状況が続いていましたが、我が会派では、去年の第4回
定例市議会の代表質問で雪まつりの開催意義について質問し、官民を挙げて3年ぶりの会場での開催を実現し、札幌観光が本格的に動き出すことを国内外に発信し、冷え込んだ経済の回復に向けた起爆剤としたいという答弁を受けました。
実際、今年の大通会場の来場者数は175万人と、直近のリアル開催であった2020年の158万人を上回り、国内外の多くの観光客に夢と感動を与え、ホテル等の宿泊施設や飲食店など様々な事業者に大きな経済効果をもたらしました。国内外から多くの観光客を呼び込むことができる本市最大の観光イベントである雪まつりのリアル開催は、まさに札幌観光再始動の象徴であったと思います。
2024年の雪まつりの開催概要が今年7月に発表されましたが、大通会場に再び5基の大雪像が設置され、つどーむ会場や国際雪像コンクールが4年ぶりに再開されるという内容はポジティブに受け止めており、観光関連事業者は特に大きな期待を寄せているものと思います。
加えて、大通2丁目会場が6年半ぶりに開催される札幌国際芸術祭2024の会場の一つとなることも注目されています。この会場では、実験区として、今後の札幌における冬の暮らしや楽しみ方をアートを介して模索するとのことで、札幌の冬の未来像を共有する意味でも、雪まつり会場で実施されることは意味があるものと考えています。
つどーむ会場については、会期が従前の12日間から8日間に短縮され、大通会場と同様の期間となりました。同会場は、屋外に設置された滑り台や遊び場、市民がつくった雪像など、子どもから大人までが楽しめると評価を受けていました。
世界的な物価高騰、労務単価の上昇などの影響で、4年ぶりの再開を従前の規模で実現することは難しいものであったとは思いますが、評価が分かれるところだとも感じています。
また、気候の面から見ますと、直近10年間の平均年間降雪量は約420センチとなっており、年間5メートル以上あった降雪量は減少傾向にあるように見えます。将来の雪まつりに向けては、このような新たな課題にも対応していくことが求められると考えます。
雪まつりは、もともと、戦後の暗い雰囲気を吹き飛ばし、厳しい冬の寒さを乗り越えるための市民イベントでした。地元の中・高校生が制作した6基の雪像から始まり、様々な困難を乗り越えて世界的なイベントまで成長し、今日に至っています。こうしたスピリットの象徴として、雪まつりは後世に継承し、さらに発展させていく必要があると考えます。
そこで、質問ですが、雪まつりを将来にわたり持続可能なイベントにしていくため、札幌市はどのように考えているのか、伺います。
これで、私の質問の全てを終了いたします。ご清聴、ありがとうございました。(拍手)
○議長(飯島弘之) 答弁を求めます。
秋元市長。
◎市長(秋元克広) 全体で7項目にわたり、ご質問をいただきました。私からは、3項目めの円山動物園の魅力を高める運営についてと、5項目めの多文化共生社会の形成に向けた取組についてお答えをさせていただきます。その余のご質問に対しましては、町田副市長、石川副市長からお答えをさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
まず、3項目めの円山動物園の魅力を高める運営についてお答えをいたします。
動物園条例は、野生動物を保全し、自然と人が共生できる社会の実現に寄与することを目的としており、この目的の実現を目指し、生物多様性の保全に向けた取組を道内及び市内の動物園、水族館と連携して推進していくことが重要であると認識をしております。
このため、特に優先すべき取組として、動物園における良好な動物福祉の確保が展示の魅力を高めることにつながると考えていることから、一層の動物福祉向上のため、施設の改修を含めた飼育環境の工夫等を進めていく考えであります。さらに、アジアゾウのパールが無事に子どもを出産した経験を生かして、それぞれの動物に適した環境づくりや種の保存などの取組を強化していく必要があると考えております。
今後も、市民をはじめ、多くの人々に愛され、足を運んでいただけるよう、動物園応援基金などへの市民、企業からの支援もいただきながら、円山動物園の魅力をしっかりと高めてまいります。
次に、5項目めの多文化共生社会の形成に向けた取組についてであります。
本市に住む外国人の数は、過去10年間で2倍近くに増加をしており、今後も増加が続くと予想されますことから、国籍にかかわらず、誰もが安全・安心に暮らせる環境づくりが急務と考えております。とりわけ、家族も含めた全ての外国人が不安なく生活することができるよう、日本語学習をはじめとしたコミュニケーション支援や、子育て、就学などのライフステージに応じたきめ細やかな支援を行っていくことなどが求められていると認識をしております。
本市に住む外国人のニーズに沿って、必要な取組を着実かつスピード感を持って進めるとともに、企業や大学、市民団体など様々な主体と手を携えながら、社会全体で多文化共生に取り組んでまいりたいと考えております。
私からは、以上です。
○議長(飯島弘之) 町田副市長。
◎副市長(町田隆敏) 私からは、大きな4項目め、医療的ケア児への支援について、6項目め、ポップカルチャーを活用した取組の推進方法についての二つについてお答え申し上げます。
まず、大きな4項目め、医療的ケア児への支援についてでございますが、医療的ケア児を乳幼児の時期から切れ目なく支援できる体制を整えることは、その子どもの心身の成長や、保護者が安心して子育てをする上で大変重要なことと認識するところでございます。
これまで、看護師配置等に対する補助制度の創設のほか、区保育・
子育て支援センターちあふるでのモデル事業によりノウハウを蓄積し、課題を検証してきているところでございます。今後、ちあふるにおける実施数や受入れ時間を拡大するとともに、専門機関と連携して保育所等に対する研修や相談体制の充実を図るなど、子どもを安心して預けられる環境づくりに努めてまいりたいと考えるところでございます。
次に、大きな6項目め、ポップカルチャーを活用した取組の推進方法についての1点目、多様な主体との連携についてでございますが、本事業は、作家や出版社のほか、コンテンツビジネス、商品開発・販売、イベントなどに関わる民間企業、さらに人材育成の観点も含めて、ポップカルチャーを学術的な面から研究する大学などとの連携が不可欠と認識するところでございます。
今年度の実証事業におきましても、民間と連携した進め方を試行的に実施し、検証を進めていくところでございまして、どのような事業スキームが最善であるかを検討してまいりたいと考えております。
次に、ポップカルチャーの推進拠点についてのご質問でございますが、施設の設置ありきではなく、実証的な事業を進め、様々な関係者との協力関係を築く中で、札幌独自の在り方、札幌ならではの在り方を追求し、多くの関係者の皆様の考えをまとめ上げていくという形で施設の必要性も検討してまいりたいと考えております。
私からは、以上でございます。
○議長(飯島弘之) 石川副市長。
◎副市長(石川敏也) 私からは、大きな1項目め、プラスチック資源循環促進法への今後の対応について、そして、2項目め、さっぽろヒグマ基本計画2023に基づく取組について、そして、7項目め、さっぽろ雪まつりについてご答弁を申し上げます。
まず、大きな1項目め、プラスチック資源循環促進法への今後の対応についてであります。
製品プラスチックの収集と再商品化の実施に向けましては、経費負担や回収体制など解決すべき課題が多いことから、様々な検証を踏まえ、最善の方策を検討していくことが必要であると認識をいたしております。
このため、他自治体の検討状況についてヒアリングを行いますとともに、今年度、2,000世帯を対象に厚別区の地区リサイクルセンターで回収するモデル事業を実施しまして、それらの結果を踏まえ、さらなる検証の必要性も含め、今後の具体的な取組について検討を進めてまいります。
あわせて、プラスチックごみ自体を減らしていくことも重要でありまして、リデュース、リユースの2Rの推進に向けまして、引き続き市民理解の促進にも取り組んでまいります。
次に、大きな2項目め、さっぽろヒグマ基本計画2023に基づく取組についてであります。
計画で掲げる人とヒグマのすみ分けを実現するためには、行政が施策を行っていくだけではなく、市民一人一人がヒグマの問題を考え、行動していく意識の醸成が不可欠であります。
ご指摘にございました草刈り活動やごみ拾い、放棄果樹の伐採など、環境整備につきましては、地域の方々の理解と協力が必要でありまして、南区では、学生や町内会の協力の下、毎年、恒例の行事として地域に定着した取組も行われているところでございます。
今後は、より多くの市民が活動に参加できますよう働きかけを工夫していくとともに、ワークショップやヒグマ講座等を活用しながら、札幌市のヒグマ対策に関する市民の理解を一層深めてまいりたい、このように考えております。
次に、大きな7項目め、さっぽろ雪まつりについてであります。
さっぽろ雪まつりは、観光閑散期である冬期間に200万人を超える市民、観光客が訪れる、札幌市にとって欠かせない観光コンテンツであると認識をいたしております。
このイベントを後世に継承していくためには、引き続き、多くの観光客に来ていただくことに加えまして、市民にも楽しんでいただくことが重要であり、これまでも、プロジェクションマッピングの導入や体験型アトラクションの拡充など、時代のニーズに合わせて変化させてきたところであります。
今後も、デジタル先端技術との融合や芸術分野との連携、さらには、様々な雪遊び体験の提供などによりまして新たな魅力を創出し続けるとともに、環境にも配慮した会場づくりを進め、持続可能なイベント運営を目指してまいります。
私からは、以上であります。
○議長(飯島弘之) 以上で、代表質問は全て終了しました。
(伴 良隆議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(飯島弘之) 伴 良隆議員。
◆伴良隆議員
特別委員会設置及び委員会付託の動議を提出いたします。
ただいま議題とされております議案23件のうち、令和4年度決算に関わる議案については、委員34人から成る第一部決算
特別委員会及び委員33人から成る第二部決算
特別委員会を設置し、お手元に配付の議案付託表のとおり両
特別委員会に、また、その他の議案については、同表のとおり関係の
常任委員会にそれぞれ付託することを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(飯島弘之) ただいまの伴議会運営委員長の動議に対し、所定の賛成者がありますので、本動議を直ちに問題とし、採決を行います。
動議のとおり決定することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(飯島弘之) 異議なしと認めます。
したがって、ただいま議題とされております議案23件のうち、令和4年度決算に関わる議案については、委員34人から成る第一部決算
特別委員会及び委員33人から成る第二部決算
特別委員会を設置し、お手元に配付の議案付託表のとおり両
特別委員会に、また、その他の議案については、同表のとおり関係の
常任委員会にそれぞれ付託されました。
――
――――――――――――――――――
○議長(飯島弘之) ここで、日程に追加して、ただいま設置されました第一部・第二部決算
特別委員会の委員の選任を議題といたします。
本件につきましては、お手元に配付の委員名簿のとおり指名することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(飯島弘之) 異議なしと認めます。
したがって、委員名簿のとおりそれぞれ選任されました。
なお、両
特別委員会における発言のための委員交代は、先例によりまして、両特別委員長の許可を得た上で行っていただくようお願いいたします。
――
――――――――――――――――――
○議長(飯島弘之) さらに、日程に追加して、第一部・第二部決算
特別委員会の委員長の選任を議題といたします。
(伴 良隆議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(飯島弘之) 伴 良隆議員。
◆伴良隆議員 第一部・第二部決算
特別委員会の委員長の選任につきまして、指名推選の動議を提出いたします。
第一部決算特別委員長に松原淳二議員を、第二部決算特別委員長に丸山秀樹議員をそれぞれ選任することを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(飯島弘之) ただいまの伴議会運営委員長の動議に対し、所定の賛成者がありますので、本動議を直ちに問題とし、採決を行います。
動議のとおり決定することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(飯島弘之) 異議なしと認めます。
したがって、第一部決算特別委員長に松原淳二議員が、第二部決算特別委員長に丸山秀樹議員がそれぞれ選任されました。
――
――――――――――――――――――
○議長(飯島弘之) お諮りします。
本日の会議はこれで終了し、明日9月29日から10月3日までは委員会審査等のため休会とし、10月4日午後1時に再開したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(飯島弘之) 異議なしと認めます。
したがって、そのように決定いたしました。
――
――――――――――――――――――
○議長(飯島弘之) 本日は、これで散会いたします。
――
――――――――――――――――――
散 会 午後4時21分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 飯 島 弘 之
署名議員 か ん の 太 一
署名議員 脇 元 繁 之...