札幌市議会 2023-06-27
令和 5年第二部議案審査特別委員会−06月27日-02号
令和 5年第二部
議案審査特別委員会−06月27日-02
号令和 5年第二部
議案審査特別委員会
札幌市議会第二部
議案審査特別委員会記録(第2号)
令和5年(2023年)6月27日(火曜日)
――
――――――――――――――――――――――――――――――――
●議題
付託案件の審査
●
出席委員 33名
委 員 長 松 井 隆 文 副
委員長 長 屋 いずみ
委 員 勝 木 勇 人 委 員 高 橋 克 朋
委 員 こんどう和 雄 委 員 こじま ゆ み
委 員 伴 良 隆 委 員 川田 ただひさ
委 員 村 松 叶 啓 委 員 村 山 拓 司
委 員 三 神 英 彦 委 員 小須田 大 拓
委 員 和 田 勝 也 委 員 福 士 勝
委 員 小 野 正 美 委 員 村 上 ゆうこ
委 員 松 原 淳 二 委 員 うるしはら直子
委 員 たけのうち有美 委 員
おんむら健太郎
委 員 森
基誉則 委 員 福 田 浩太郎
委 員 丸 山 秀 樹 委 員 小 口 智 久
委 員 前 川 隆 史 委 員 熊 谷 誠 一
委 員 太 田 秀 子 委 員 吉 岡 弘 子
委 員 佐 藤 綾 委 員 脇 元 繁 之
委 員 波 田 大 専 委 員 山 口 かずさ
委 員 成 田 祐 樹
――
――――――――――――――――――――――――――――――――
開 議 午後1時
――――――――――――――
○
松井隆文 委員長 ただいまから、第二部
議案審査特別委員会を開会いたします。
報告事項は、特にございません。
議事に先立ちまして、
審査方法について確認をいたします。
質疑者、
討論者及び
答弁者は起立して発言すること、
答弁を行う部長及び課長は、冒頭に職及び氏名を名のってから発言すること、なお、同一
委員への
答弁が続く場合は最初だけでよいこととします。また、
質疑及び
答弁は、簡潔を旨とし、前置きなどは極力省き、内容の
重複等も避けながら、定められた
審査日程のとおり進めることのできるようご協力をお願いいたします。
なお、室内の気温が上がることもございますので、
上着等も含め、各自で調節していただければと思います。
それでは、議事に入ります。
議案第1号
令和5年度
札幌市
一般会計補正予算(第2号)中
関係分ほか、
付託議案4件を議題といたします。
最初に、第3款
保健福祉費 第3項
老人福祉費の
質疑を行います。
◆
伴良隆 委員 私は、
健康増進を目指す市政について、並びに、このたびの予算においては
高齢者健康寿命延伸調査事業費に関連して
質疑をさせていただきます。
健康という言葉を私もこれまで何度となく使わせていただきましたけれども、
健康増進を目指す市政ということを
テーマに、約5年前から
質疑を繰り返させていただいて、他部局でもやらせていただいてまいりましたけれども、正直、当時の
行政側の反応というのはいまいちでございました。
なぜかというと、それは
保健所マターだよねということもありましたけれども、我々にとってみても、健康というふうに言っても、英語で言うヘルス、つまり、健全な体という部分の健康であったり、あるいは、今回、
まちづくりの
重要概念三つの中に
ウェルネスが入ってきた。
ウェルネスとなりますと、健康な状態ということだと思います。つまり、身体的なものと、心、精神的なものと、そして、社会的な健康というようなことがあろうかというふうに思います。
ただ、それだけ非常に抽象的なものですから、先ほど申したように、健康といっても、
健康度、幸せ度というところまでなかなか行き当たらないんだと思うんですけれども、以来、繰り返し
質疑をしてきまして、だんだん具体化してきて、
まちづくり戦略ビジョンにも掲げられたというのは、非常に大歓迎して安心してはおりますが、当時、10年前に
まちづくり戦略ビジョンをつくったときに、私は
元気高齢者という言葉を使わせていただきました。首をかしげる方もいましたけれども、
高齢者は年を取っていくのだから元気じゃなくなるんだというような、そんなささやきも聞こえたような気はしましたけれども、僕はそうは思っていませんでした。
ただ、実際に健康に対して興味があって、実際に
健康行動をしている人、気をつけている人は、僕の認識では
市民の約3割、そして、健康はもちろん大事だと分かっていて興味はあるのだけれども、実際にはできていない人が約3割、そして、全く興味もないし、それは関係ないという人も残念ながら約3割、これは健康さっぽろ21におよそ書いてあったと思いますけれども、僕は大体そういう認識でおります。
そうなりますと、ややもすると、今回の行政の動きは
自己満足に至ってしまう
可能性もありますし、一部の
健康市民と言われる方々だけに効果がとどまって、先ほど来、私が心配している
きれいごとに終わってしまうという
危険性をはらんでいると僕は思っています。
そのような中で、正しい英語かどうか分かりませんけれども、
エージレスとか
エージフリーという言葉も造語としてあるのか分かりませんが、年代を超えて、
年齢という数字だけで何かを区切るのではなくて、その人の健康のライフスタイルというか、
年齢に応じた健康というものをどう考えていくかという、ある種、心豊かな抽象的なものであるのですけれども、僕は、今回の
老人福祉という、老人という言い方もいろいろ議論は分かれるようですけれども、
年齢で区切っていくという
考え方は、健康というものにおいては、ちょっと見直していくべきじゃないかなというふうにも思っているところでございます。
そこで、
質問なのですけれども、こういう抽象的な、ある種、
きれいごとであり、場合によっては、
市民の約3割の方が健康はどうしても後回しになってしまうという方々もいる中において、
札幌市がこれから本当に、トレンドとしてやるんじゃなくて本気でやるのかどうかということを改めて確認をしたいと思います。
本
事業、
高齢者健康寿命延伸調査事業に対する市としての総合的な健康、
ウェルネスというものに対する
意気込みを、まずは
西村高齢保健福祉部長に伺いたいと思います。
◎
西村 高齢保健福祉部長 この
事業に対する
札幌市の
意気込みということかと思います。
健康寿命の
延伸ということに関しましては、本市では、
ウェルネス推進体制を立ち上げまして、それぞれの
ライフステージに合わせた心身の健康を維持し、向上するという
取組を全庁的に進めるということとしております。
そんな中、
市民の
健康寿命が
男女共に
全国平均を下回っておりまして、
高齢者の
健康寿命延伸というものは、当部においても早急に取り組むべき課題と、そのように認識しているところでございます。
健康寿命の
延伸は、自分らしく生きられる期間を延ばすという
意味合いにおいて、数字だけの問題ではなくて、
市民の
幸福感の
高まり、そういったものにつながっていくと認識しておりまして、誰もが生涯健康で、学び、自分らしく活躍できる社会を実現するためにも、
スピード感を持って、全力を挙げて取り組んでまいりたい、そのように考えているところでございます。
◆
伴良隆 委員 先ほど僕も
エージフリー、
エージレスという言葉を引用させていただきましたけれども、
年齢によっては、今日は
保健福祉局、今は
高齢保健福祉部長に聞いているぐらいですから、
年齢的には、いわゆる
老人福祉でございます。
ただ、健康というのは、人は生まれながらにして助走をつけていっているわけでありますから、
推進本部の
本部長でありました町田副市長も今日いらしていますけれども、そういう
意味では、
年齢を問わず、これは
保健所が得意としているところですが、今日は
高齢福祉のたがをかけておきますけれども、そういう
意味では、僕は、
年齢を問わずということをいかに
市民の側に訴えていくかというのは、全庁的な
取組でなければいけないというふうに思っています。
これは最後に言いますけれども、そういう
意味で、今日は
高齢保健福祉部長がご
答弁されましたけれども、これは
札幌市全体としての見解であってもいいというふうに僕は思っていますし、
皆さんもそういうおつもりだというふうに思います。
現に、僕は、
西村部長に申し訳なかったですけれども、ずっと対応させていただいて、結果的に、今年度から
高齢保健福祉部のところに
調整担当の特命の課長をつけていただいたわけであります。
こういうところからも
意気込みが伝わってきますし、今までの
質疑に向けても、その優秀な
担当課長とやり取りをさせていただきましたけれども、
西村部長とも、数年来、この件で、僕は向かっていきますから逃げないでくださいねということで、
西村部長からそんなつもりは毛頭ございませんというお話がありましたけれども、そんなことで、今日、
本気度を改めて問わせていただきました。
しかし、
きれいごとだけに収まりたくないというお話もさせていただいたんで、この
スケジュール感を伺いたいと思います。
事業化に向けた
スケジュール感はどうなのか、具体的な
事業構築はいつ頃から取り組むことを想定して
検討を進めていくのか、この所見を伺いたいと思います。
◎
西村 高齢保健福祉部長 事業の
スケジュール感と具体的な
事業構築時期ということかと思います。
高齢者の
健康寿命延伸に向けた施策は、先ほども早急にと申し上げさせていただきました。
高齢者は、加齢に伴う
健康リスク、
フレイルリスクの
高まりに加えまして、近年では、
新型コロナウイルス感染症によりまして、
外出機会や他者との
交流機会といったものが減少してしまいまして、
健康面への影響も懸念されるところでございます。
そこで、速やかに、
外部有識者で構成される
検討委員会を開催して、
事業の
方向性等についてご意見をいただくこととしたものでございます。あわせまして、
市民意見を得るなど、
検討を重ねた上でですが、
令和6年度当初から準備が始められるように鋭意進めてまいりたい、そのように考えているところでございます。
◆
伴良隆 委員 やはり、時間を区切っていただくというのは王道でありますけれども、今、
令和6年度当初ということでございますので、遡って言えば、
サマープレビューから含めて、来年度に向けた
予算化ですね。当然、ご
答弁に基づけば、来年度の
予算化に向けて、早速、諸課題を乗り越える準備を急ぎ徹底していただくように、私のほうから指摘をさせていただきたいと思います。
今度は
規模感の話を聞いてまいりたいと思います。
スケジュール感を押さえて言質を取りました。次は、
規模感であります。
私は、
まちづくり政策局に同じように
健康増進に関わって
質疑をさせていただきました。その中で、今の
デジタル戦略推進局ですね、
デジタル推進関係の
仕組みを、どのようにしてDXを持ってくるかという話も、以来、議論をさせていただいてまいりました。
ただ、全国的にもいろんな
取組がされていますので、そのコピーみたいな、二番煎じみたいな、それも悪くはないのですけれども、それが古くさくなってしまうようでは困るし、あるいは、
高齢者、今日は
高齢者のほうの
保健でありますので、その
システムやスキームが使い勝手が煩雑で悪いとか、魅力を感じないようなものでは困るわけです。
そういう
意味では、ある程度の
規模感、
母集団がいないと、
皆さん方にとっても、
札幌市にとっても、メリットがないということになりますし、
個人個人にとってみても、使いやすさやインセンティブと言われるような、自分に対して
自己利益にもつながる、あるいは、
社会的還元、
生きがいにもつながるということで、その
仕組みに関しては、非常に大きな市政の諸課題であるというふうに僕は思っているわけであります。
そこで、その
母集団をどれぐらいの
規模で考えるかを伺いたいと思います。どういった
規模感を想定した
事業として構築しようとされているのか、伺いたいと思います。
◎
西村 高齢保健福祉部長 事業の
規模感というご
質問になります。
本
事業は、現時点で市の人口の3割弱を占める
高齢者55万人の
健康寿命を延ばしていくということが目的になろうかと思います。さらに、将来的には
市民の4割を超える方が対象となるという
意味で、極めて大きな
事業になるものと認識しております。
先ほど来、話が出ていますとおり、健康に関心が薄い
市民の方についても
行動変容を継続的に後押ししていく必要もあると考えているところでございます。
そのため、具体的な
事業規模というのは、もちろんこれから
検討ということになるのですが、一人でも多く
事業に参加いただき、全ての人に関わる
健康寿命の
延伸に向けて取り組んでまいりたい、そのように考えているところでございます。
◆
伴良隆 委員 高齢者ということで、約55万人というお話がありました。非常に大きな
規模感を提示された部分においては、ご
自身方にプレッシャーをかけたものということでございますので、それは、私も案が出れば一生懸命応援をしてまいりたいというふうに思っておりますけれども、いろいろな
考え方がある中で、私も昔、
高齢者の方々の中で、健康に非常に気を遣っている方々からすると、
札幌市もそうだけれども、健康に一生懸命頑張っている割には、も
うちょっといいことがあってもいいんじゃないかと。
健康でいること自体が、本当は
自己利益になるのですけれども、やはり、
札幌市ももちろんそうですけれども、駄目ではないんですけれども、
ベッドのほうに向かっていく、いわゆる死という、僕は多
死社会の
質問を堂々とさせていただきましたけれども、人が嫌がる死というものに向かっていくような、
ベッドでの生活になるべく行かないようにしていくというのは、何も悪いことではございませんので、要するに、
予防介護であるとか、
フレイルであるとか、ふだんの
成人保健であるとか、これは
保健所ですけれども、こういうことをしっかりやっていっていただくということは、今後、
札幌市の
事業、施策を見ても、どちらかというと、そういう体が悪くなってからのものが今まで多岐にわたってありまして、それは悪いことじゃありませんが、もっともっとそういうほうに行かないように、少しでも遅らせていくというのでしょうか、自らの力でなるべく生活ができるように、これを僕は
幸福度と言いますが、そういうふうにしてもらいたいというふうに思っています。
これは、
保健福祉局の粟崎さん、これは
保健福祉として大事なことだと思っています。
今日は、最後に提案と指摘をさせていただいて終わろうと思います。
副市長と
保健福祉局長に指摘をさせていただきたいと思いますが、
健康寿命延伸推進本部が当時立ち上がって、その
縦割りの弊害に私は警鐘を鳴らしてきた経緯がございます。
このたび、
保健所部門に
ウェルネス推進担当部があります。無論、健康は多世代型であり、
成人保健も極めて重要でありますが、
役割分担とはいえ、
高齢者のことは
高齢部門でというふうに押しつけ合うことなく、例えば
企業会計部門であろうと、全ての部署が
健康増進に向き合っているということを改めて強く指摘をさせていただきます。
次に、提案でございますが、
高齢保健福祉部と、
財政部は
菊地課長にお願いします。
高齢保健福祉部とともに
財政部に提案でございますが、
札幌市特定健診であるとくとく健診のとくとくの名称の由来の一つに、健康でいることは人生にとってお得感があるとの
意味を込めた記憶がございますけれども、
健康施策それ自体について、どの
市民も応援するはずではありますけれども、問題は、その興味・
関心度や
手間暇や
継続性、そして、いずれも健康であることがいろいろな
意味でお得かどうかということであり、そのためにも、一定の使いやすさとともに、
利用者となる
母集団の
規模を大きく取り込む
制度設計が必要でございます。
私は、
健康増進を目指す市政という
テーマで、昨年度末に
まちづくり政策局質疑においても同じく
質疑をした中で、
まちづくり戦略ビジョンで主眼として掲げた
ウェルネス、つまり、
健康状態、健康というものに関連し、
札幌市の
敬老パス事業をもっと工夫して、
健康行動に結びつけるように組み替えていくことを、当時、年度末に既に提案をさせていただいております。
そこで、本日この場でも確かに提案をさせていただきますが、この
高齢者健康寿命延伸調査事業においても、広く
市民に浸透し、一定の
規模感がある
敬老パス事業について、様々な視点から、工夫できる視点で
検討を行いながら、
健康寿命延伸に組み込んでいくこと、そのことで、
皆さん方、多くの
市民が健康でいることのお得感を
市民が持てるような、持続可能な制度となるような
仕組みづくりを行うように、このことを本日確かに求めまして、
質問を終えたいと思います。
◆
森基誉則 委員 私からは、まず、
高齢者の
健康寿命延伸に向けた
取組について伺います。
我が会派では、
予防医学の充実などにより
健康寿命を延ばし、
居場所や
生きがいのある
社会づくりを
基本政策としています。実際、さきに行われた
代表質問にて、
札幌市の
まちづくりの
重要概念の一つである
ウェルネスについて伺ったところです。
今後、
札幌市においても、
健康寿命の
延伸に向けた
取組を行うとしていますが、特に
高齢者は置かれている心身の状況や
生活スタイルなども異なり、他人から健康に留意するよう言われても、捉え方は千差万別だと思います。そういった状況で、
高齢者が無理なく自発的に
行動を継続してくれるように行政が後押しをできるとすれば、
キーワードとして、楽しみながら参加できるような環境、この楽しみながらという部分が肝要だと考えています。
そこで、
質問です。
高齢者が
健康寿命の
延伸に向けて、楽しみながら取り組んでいける環境をどのように整えていくのか、具体的な
仕組みや工夫を伺います。
◎
西村 高齢保健福祉部長 楽しみながら
健康寿命の
延伸に取り組むことのできる
環境づくりというご
質問だったかと思います。
高齢者の皆様に
健康寿命の
延伸に向けて自発的な
活動に取り組んでいただくためには、無理なく自然と
行動につながる環境が整っていること、それから、
行動習慣を定着させていくための
仕組みといったものが重要でございまして、先日開催いたしました
検討委員会におきましても、
アプリの活用といったものが効果的と、そういったご意見もいただいたところでございます。
アプリを用いる場合につきましては、
デジタルといったものに
苦手意識がある方にも使用しやすいような設計とすることはもちろんのこと、
機能そのものも、やっぱり楽しいものということが必須であろうかと。例えば、歩くという点を取りましても、
参加者同士の
歩数ランキングでありますとか、
シェアリング機能、あと、
目標達成時の報酬とか、
市内各地の
ウオーキングコースなんかの
コンプリート機能とか、いろいろ考えられるかなと、日常の楽しさという面でですね、そのように考えます。
詳細はもちろんこれから
検討ということにはなるんですが、
市民が楽しみながら
活動に参加できる
仕組みを設けて、その
活動に継続的に参加する方を増やしたいと、そのように考えているところでございます。
◆
森基誉則 委員 いいですね。楽しみながらという
キーワードが、今の
アプリのお話からも非常に私も感じることができました。
歩数ランキングとか、
報酬制度というのは非常にいい試みだと思います。大いに期待しています。
もう一歩踏み込ませていただきます。
今のはどちらかというと
エンタメ色が強かったんですが、今度は医学的な部分からなんですが、健康を維持するための
取組です。
当然でありますが、やみくもに体を動かせばいいというだけではなくて、医学的な見地からの意見も必要になってくると思います。特に、
高齢者は、
フレイル予防などのため、日々の
健康管理が重要で、ふだんと異なる状態を察知した際には、医学的に適切な対応が大切になってきます。
そこで、
質問です。
高齢者の健康を効果的に増進していくため、どのように医学的な知見を取り入れていくのか、伺います。
◎
西村 高齢保健福祉部長 高齢者の健康に医学的な知見をどのように取り入れていくかということでございます。
高齢者の
健康寿命延伸に向けた
取組となりますと、医学的な見地からの視点も必要でございまして、その要素も取り込んだ
制度設計が必要であると認識はしております。
今回の
検討委員会におきましても、
医師職の
専門家にお力添えをいただき、
事業の
仕組みを構築する段階から、医学的な知見に基づく視点を取り入れているところでございます。
また加えまして、
新型コロナウイルス感染症対策のときにこびまるという
アプリで
市民の
健康管理のほうを行っていたところでございますが、こびまるというものは、大学の医師でございますとか、
システムの
専門家らの監修の下、制作されたものでございました。これから構築する
事業につきましても、このこびまるに関わりましたチームにご参画いただきまして、そういった面で、様々な目線から、よりよい
仕組みを確立していきたいと、そのように考えているところでございます。
◆
森基誉則 委員 こびまるのお話も出ましたけれども、
札幌市の
新型コロナウイルス対策に尽力くださった
専門家と連携して取り組むということで、今まで築き上げた
関係性をより深化させていくものと期待しています。
ところでなんですが、先ほどの
答弁で、
アプリ等を用いた
取組を進めるとあったんですが、
札幌市の
思惑どおり、
高齢者が
健康管理に
当該アプリを使用してくれれば、多くの
データ取得が可能と考えます。ここで集めた
データは、
高齢者の生活を反映した医学的にも有意な情報であり、仮に活用できなければ、宝の持ち腐れとなってしまうと思います。
そこで、
質問です。
アプリ等を通じて得られた
データは、大切に活用を図っていくべきと考えているんですが、その認識について伺います。
◎
西村 高齢保健福祉部長 得られた
データの活用ということのご
質問だったかと思います。
多くの
高齢者に
アプリなどを活用いただきますと、健康に関わる数多くの
データを蓄積することができるようになります。そこから得られた
健康データを
匿名性に配慮しながら検証することで、
健康管理の意義などを視覚的に伝えるなど、様々な活用が考えられます。
さらには、
健康データを
札幌市が持つ様々な情報と併せて活用することで、
市民の効果的な
健康づくり活動へもつなげることができまして、こういった
取組は、行政が担うべき役割なのではないかなと認識しているところでございます。
そのほか、大学をはじめとする
研究機関とも連携して分析を行うなど、得られた
健康データを効果的に活用いたしまして、
ウェルネスの好循環を生み出すことができるような、様々な角度からの
検討を行ってまいりたいと、そのように考えているところでございます。
◆
森基誉則 委員 そうですね。
ウェルネスの好循環、いい言葉ですよね。
アプリ等で得られた
データを
ウェルネス施策に活用していくということで、今後の
取組がさらに充実したものになるよう、
制度設計を改めてよろしくお願いいたします。
加えて、これは要望になるのですが、
高齢者が住み慣れた地域で生活を送る
地域包括ケアを実現していくためには、地域が支え合う
仕組みを起こし、
高齢者が自発的に他者との交流を深めていくということが大切だと思っています。例えば、
まちづくりセンターなどの地域の
活動拠点における様々な
活動や人の交流を促し、
居場所や
生きがいをつくり上げていくことも、
健康寿命を延ばすことにつながると思っています。
このような
取組を評価していく
システムの構築を求め、私からの
質問を了します。
◆福田浩太郎
委員 私からも、先ほど来
質問がありました
高齢者の
健康寿命延伸調査
事業に関しまして、社会的な健康づくりに向けた
取組と
デジタルを用いた
取組の推進についてお尋ねをいたしたいと思います。
我が国が直面をする最大の課題の一つは、言うまでもありませんが、人口減少、少子高齢化でございます。2025年には、全ての団塊の世代が後期
高齢者となります。認知症、がん、生活習慣病や
高齢者の移動手段の確保など、長寿命化に伴う課題は山積し、あわせて、家族、地域のつながりの弱まりや単身
高齢者の増加なども見込まれています。
これらを見据え、
札幌市は、
デジタルを用いた
取組の推進により、全ての人が健康を維持しながら、住み慣れた地域で
生きがいを持って暮らし続けることのできる社会を構築していかなければならないと考えます。
そこで、これから人生100年時代を迎えるに当たりまして、まずは、その土台となる健康を維持・向上していく必要がございます。
WHOによれば、健康は、身体的健康、社会的健康、精神的健康の三つが充足している状態とされていますが、
高齢者は、加齢に伴う身体的健康の低下に加え、退職などによる人と人とのつながりの減少により、社会的健康の低下、さらには、精神的な健康も低下をする傾向にございます。
ご高齢の方が社会とつながっている安心感を持って生活をすることは、社会的な健康につながり、それが体と心に循環することで三位一体となった健康を実現していくものと思います。加えて、知識や経験が豊富な
高齢者が多様な世代と関わることで、明るく豊かな社会、そして、社会の発展につながっていくことも期待できるところでございます。
そこで、
質問ですが、
高齢者の社会的健康を増進するため、どのようにして社会参加を促進していこうとしているのか、お尋ねをいたします。
◎
西村 高齢保健福祉部長 ただいま
委員からもございましたとおり、健康とは、身体的健康、精神的健康、社会的健康の三つの要素から構成されるものと認識してございます。
高齢者が自身の役割や生活の目標を意識しながら社会に参加し、多様な人と接点を持ったり、つながったり、支え合いの関係を築くことは、
高齢者への理解、世代間の相互理解にもつながりまして、このようなことで形成される社会的健康の要素といったものは非常に重要だと、そのように認識しているところでございます。
近年では、定年延長などもございまして、様々な要因で長く現役で活躍される方も増加傾向にございますが、やはり、
年齢を重ねるにつれて、社会とのつながりといったものが薄くなってしまうということが危惧されているところでございます。
こうした課題の解決に向けましては、
高齢者が様々な世代とつながることができるよう、イベントへの参加や社会参加を促す
仕組みでございますとか、気軽に社会参加できる体制、そういったものを整えていくことなどが必要と、そのように考えているところでございます。
◆福田浩太郎
委員 ご
答弁によりますと、
高齢者に対する理解や世代間の相互理解を深め、
高齢者の社会参加へつなげていく体制を整えていくということでございました。
ご
答弁にもありましたけれども、人は、目標や役割があると、それに向けた
行動を起こす一つのきっかけとなりますので、ぜひ、楽しみながら、先ほどもありましたけれども、楽しみながら
活動へ参加できる
仕組みをつくっていただきたいというふうにお願いを申し上げます。
ただ、本
事業は、
デジタル技術を活用して
高齢者の
健康寿命を
延伸していくということでありますけれども、ご案内のように、
高齢者は、
デジタル技術を活用することが難しい方の割合が他の世代に比べると高いのが実情でもございます。そのため、これから施策を展開していくには、
デジタルを使用できない方も考慮をしながら、内容を
検討していく必要があると考えるところでございます。
そこで、
質問ですが、
デジタルを使用していない方へ配慮を行った上で
取組を進めていくべきと考えますがいかがか、お尋ねをいたします。
◎
西村 高齢保健福祉部長 デジタルを使用していない方への配慮というご
質問でございます。
デジタル社会といったものが形成される中で、
高齢者の皆様の中には、
デジタル機器の活用が苦手な方、あと、興味がないという方が一定数いらっしゃいますが、
デジタルを活用できないということによる情報格差の広がりが懸念されるところでございます。
そのため、
デジタル社会から取り残されることがないよう、それぞれのニーズに合わせて、誰もが
デジタル化の恩恵を実感できるようになることが望まれるという状況ではございますが、一方で、この
事業には一人でも多くの
高齢者の皆様に参加していただきたい、対象としたいと考えているところでございますので、
デジタルを使わなくとも
事業に参加できるような
仕組み、そういったものも整えてまいりたい、そのように考えているところでございます。
◆福田浩太郎
委員 デジタルの活用が難しい方に対する配慮をしていくということ、承知をいたしました。
今お話もありましたけれども、配慮はもちろんですけれども、不慣れな
高齢者に対して、
デジタルを利用できるような支援、私ども会派では何度も取り上げてまいりました
デジタルディバイドを是正する
取組、これもしっかりと行って、施策を組み立てるようお願いをしたいというふうに思います。
さて、先ほど社会的な健康に関して
質問いたしましたが、コロナ禍において、デイサービスなどの通いの場所が閉鎖されていたときにも、タブレットを用いてオンライン上で参加し、新たな人と人との交流が生み出されたといった体験談もお聞きしたところでございます。
市民生活が多様化している中で、
デジタルの活用により、欲しい情報を入手しやすくなり、様々な手続が
デジタルで行えるようになるなど、便利な生活につながるため、
高齢者が
デジタルに親しめるよう支援に努めていく必要がございます。
そこで、最後にお尋ねをいたしますが、
高齢者の社会参加について、
デジタルを利用して促進していくべきと考えますがいかがか、お尋ねをいたします。
◎
西村 高齢保健福祉部長 デジタルを活用した社会参加を促していくといったことについてのご
質問でございます。
札幌市におきましては、誰もが生活の質の向上につながる
デジタルを利用して快適な生活を送ることができるよう、庁内一丸となって
市民の
デジタル活用を支援しているところでございます。
我々
高齢保健福祉部といたしましても、
高齢者の社会参加に
デジタルを活用できるよう、関係部局との連携ということにもなっていくんですけれども、例えば、スマートフォン教室の実施でございますとか、あと、
デジタルを気軽に体験できる支援、そういったものを行うなど、
苦手意識を持つ
高齢者の方でも
デジタル機器を活用したいなと思えるような、そんな環境を整えてまいりたいと、そのように考えているところでございます。
◆福田浩太郎
委員 デジタルを用いて
高齢者の社会参加を促して、生活を向上させていくということの方向性、そのとおりと思いますし、また、
デジタルディバイドの是正についても、局をまたいだ
取組をしていくということをお願いしたいと思います。
最後に要望させていただきますが、私ども会派では、さきの統一地方選挙におきましても、公約で健康ポイントの導入などを重点施策として挙げておりまして、
高齢者の
健康増進や介護予防にもつながるポイント制度の導入、ぜひ実現していただきたいとお願いしたいと思います。
そして、これから行う調査
検討は、
高齢者が
デジタルを使い、効果的に社会参加を促そうとしている点が重要だと考えます。繰り返しになりますけれども、
デジタルに不慣れな
高齢者に対しても、
デジタルを利用できるような支援、これをしっかりと徹底して地道に行っていただいて、ぜひとも、多くの
高齢者が
デジタルを使用して生活が便利になるよう
取組を進めていただくことを求めて、
質問を終わります。
○
松井隆文 委員長 以上で、第3項
老人福祉費の
質疑を終了いたします。
次に、第5項 健康衛生費の
質疑を行います。
◆うるしはら直子
委員 私からは、
ウェルネス推進について、2点ほど伺います。
本市は、第2次
まちづくり戦略ビジョンの
重要概念の一つとしまして、先ほどから名前が出ておりますこの
ウェルネスを掲げまして、誰もが生涯健康で、学び、また、自分らしく活躍できる社会の実現を目指して様々に取り組んでいるところです。
今回の補正予算におきましても、この
ウェルネス推進費が計上されておりまして、今年度新設された
ウェルネス推進担当課を旗振り役としまして、民間企業や大学等の連携による、働く世代を中心とした
市民の健康意識、また、運動習慣等の改善の支援を進めるとしています。
また、さきの我が会派の
代表質問におきましても、
市民の
健康寿命の
延伸に向けた
取組について伺ったところ、本市からは、幅広い世代への浸透が重要であり、また、
年齢を問わず気軽に取り組むことができるウオーキングの普及ですとか、また、食生活の改善に向けて、各区での
取組や、企業、大学との連携を進めていくとの
答弁があり、今回の
事業もそうした一環であると認識をしております。
これから人生100年時代を迎えるに当たっては、
健康寿命の
延伸は非常に重要な
テーマであり、また、シニア世代では高い関心を持って食生活改善に取り組んでいる方も多くいらっしゃいますが、今後は、このシニア世代はもとより、若い世代ですとか、また、働き盛りの現役世代を含めた幅広い世代の方にも、将来に向けて健康でいられることを意識して、それを行動に移していくことが大切だと考えます。
2021年の厚労省の国民生活基礎調査や国際比較調査グループISSPの調査などによれば、国民の健康に関する意識の変化につきましては、コロナ禍を機に年代を問わず高まっているという一方で、生活習慣病など、健康不安を抱える人が、特に若年層などにおいても増加している傾向にあることが分かっています。
健康に対する意識はあっても、実際に健康に今は特段問題がないという段階から
行動に移すということはなかなか難しい、そういった方や、また、取り組める環境にそもそもないという方も少なくないのではないかと思います。体調不良ですとか、健康診断の結果が悪いなどの不健康のサインというのが出る前に、
市民の方が一歩踏み出すことができるよう、個々人の意識と
行動を変えるための
取組が必要だと考えます。
そこで、
質問ですが、
市民の健康への意識を醸成し、
行動に移すよう促すため、具体的にどのように取り組むのか、伺います。
◎
西村 ウェルネス推進担当部長 ただいまご
質問のございました
市民の健康意識や
行動の変容に向けた具体的な
取組についてお答えいたします。
個々人の生活様式や価値観が多様化している中で、
市民の健康意識の醸成や
行動の変容を促進する第一歩として、自身の
健康状態を知り、健康の大切さを自分事として認識することが重要でございます。
そのきっかけづくりとして、各種健診の受診勧奨や各区での健康づくり
事業での働きかけに加え、
札幌駅前通地下歩行空間や大型集客イベントに出向いて、野菜摂取量などの健康に関する測定の場を設け、様々な健康指標の見える化に積極的に取り組んでまいります。
また、測定結果に応じて、日常生活で気軽に取り入れられる
取組をアドバイスするほか、健康改善に関するセミナーやイベントなどの情報提供を通じて、
市民の自発的な
健康づくり活動の定着を図ってまいりたいと考えてございます。
◆うるしはら直子
委員 いわゆる健康指標の見える化、この機会をつくることで、
市民自身が健康を自分事として捉えて
行動に移してもらうというような
取組をしていくということでした。
この健康測定につきましては、今は、いろいろな
アプリですとか、電子機器というのも出ておりますけれども、誰かに測定してもらったりですとか、また、アドバイスが直接受けられるということは、またその次の
行動にもつながるものと考えます。
また、生活習慣病などの予防に関しては、特に食生活の改善というのが大変重要になりますけれども、意外に本人は気をつけているつもりであったり、知識があると思っていても、実は野菜摂取不足だったとか、糖分が過多であったという方なんかもいると思いますので、こうした見える化で改善されていくというのは、大変いい
取組だと思います。ぜひ、各区だとか、幅広いところと連携をして、働きかけ、広げていっていただきたいと思います。
さて、この
事業ですけれども、
市民向けのイベント、こうしたものも実施しながら、
ウェルネスを推進することと聞いております。こうした健康に関するイベントや、また、施設に通う
市民の方は、もう既に健康意識が高いという方が多いのではないかと思いますけれども、特段、今は健康に問題がないという方、あるいは、健康について無関心だといった層の方にも、ぜひ、このイベントの場に足を運んでもらい、自発的な
健康増進の意識づけ、こうしたことをしていくような工夫も必要と考えます。
また、特に、健康問題に直面する機会が特に少ない若い世代、ここに関しましては、進学や就職などによって生活環境が大きく変化したり、または、食生活の乱れですとか、過剰なストレス、また、運動不足といったことが将来の自分の
健康状態にも大きく影響していく大切な時期であることからも、他の世代とは違ったアプローチ、この工夫が必要であると考えます。
本
事業につきましては、大学とも連携しながら進めていくということです。大学は、多くの若い世代との接点を持つことができる場としても非常に重要な存在でありまして、また、単に
研究機関としての役割にとどまらずに、もっと広い
意味での連携をすべきと考えます。
そこで、伺いますが、若い世代への普及を含めて、大学とどのように連携していくのか、伺います。
◎
西村 ウェルネス推進担当部長 ただいまご
質問のございました若い世代への普及を含めた大学との連携についてお答えいたします。
健康寿命の
延伸における大学との連携につきましては、専門的な知見の活用だけではなく、学生の教育の一環として、大学が主体となって健康づくり関連の
取組を行うことが重要であると認識してございます。このため、今年度から、大学との連携
事業を開始することとし、7月には、
札幌市立大学デザイン学部が遊びを取り入れながら体を動かす親子向けイベントを実施する予定でございます。
このような
取組に学生が主体的に関わることで、学生が健康に関心を持ち、自分事として捉え、将来にわたって健康意識の醸成や
行動の変容が期待されます。したがいまして、今後、連携する大学を増やし、大学の特色や専門性に合わせた
取組を進めてまいります。
◆うるしはら直子
委員 この大学と、専門的な知見の活用だけではなくて、また、学生の教育の一環としても連携していくというようなことで、特に、今ご
答弁にありました大学との親子向けイベント、遊びを取り入れたこうしたイベントというのは、
ウェルネスという観点を超えまして、様々な心身の面ですとか、コミュニケーションといったようなことでも、大いに効果が期待できるのではないかと思います。ぜひとも、
取組を積極的に進めていただきたいと思います。
この
健康寿命の
延伸や、
高齢者や働く世代、また、若い世代など、多くの
市民が自分事として捉えることは重要と考えますので、また、それぞれの世代にアプローチの手法は異なりますけれども、工夫しながら進めていってほしいと思います。
最後に、2点要望を申し上げて、
質問を終わりたいと思います。
今後、この
事業を進めていく上では、健康に関する意識や関心を高めること、これは何より重要ですが、運動習慣ですとか、生活習慣に関しては、食生活を改善していきたくても、経済的な理由で、例えば、体にいいものを買いたいけれども、高くて買えないといったような理由で取り組めないといった方、また、家族が多くて、栄養面よりも、質より量を優先するといった方も少なからずいらっしゃると思います。
そうした
市民の方も
取組ができるように、例えば、
保健所の中に栄養士チームの方がいらっしゃったり、各区にも栄養士の方はいらっしゃいますので、安価で栄養バランスのよい食材を紹介するですとか、そうした調理レシピのことをホームページや
アプリなどで広く周知するなど、幅広く、そして、きめ細やかに進めていただければと思います。
また、
市民への普及に当たりましては、都心部ですとか、人の集まるところ、そういうところが多いとは思うんですけれど、そういったところだけに偏らないように、
まちづくりセンターですとか、各地域、そうした中でも積極的に展開していただくこと、この2点をお願いしまして、私の
質問を終わりたいと思います。
◆熊谷誠一
委員 私からは、
ウェルネス推進
事業についてと3歳児健診における視覚検査
事業について、順次
質問させていただきます。
新型コロナの位置づけが、先月、5類相当に引き下げられるなどし、各種イベントや地域のお祭りなども再開され、徐々に日常が戻ってきてはいるようですが、コロナ禍の影響は根強く残っており、健康な生活の大切さは再認識され、
健康寿命の
延伸はこれまで以上に重要な
テーマとなっていると感じております。
この
健康寿命の
延伸には、生活習慣における様々な観点があり、世代はもとより、
ライフステージやライフスタイルによっても、必要な
取組はおのおので異なってまいります。
一方で、禁煙、今日はあまり深掘りしませんが、こういったものをはじめとして、一つ一つの健康課題を改善させていくことは簡単ではなく、より効率的・効果的に取り組まなければ進展していかないことが懸念されます。
健康分野は、医療機関や研究分野のほかに、企業
活動も活発であり、
市民への訴求力を含め、民間企業との連携が大変重要な分野でもあります。
そこで、
質問でございますが、民間企業との連携をどのように強化していくのか、お伺いしたいと思います。
◎
西村 ウェルネス推進担当部長 ただいまご
質問のございました民間企業との連携強化についてお答えいたします。
運動や食事、禁煙などの健康に関する課題は多岐にわたることから、様々なノウハウなどを有する企業と連携して取り組むことは、これまで以上に重要であると認識してございます。
そこで、生命保険会社や食品製造会社などと締結している健康づくりに関する連携協定につきまして、これまでは、ポスター掲示など、普及啓発への協力が中心でございましたが、企業主体によるセミナーの開催ですとか、情報発信など、より活発で実践的な
取組に重きを置くよう、各社と協定内容の見直しの協議を行っているところでございます。
さらに、
市民の健康づくりの支援に意欲的な企業との意見交換を通じ、新たな連携先との協議も進めているところでございます。
市民の
健康寿命の
延伸に向けて、企業と目的を共有し、積極的にコミュニケーションを図りながら、さらなる連携の強化に努めてまいります。
◆熊谷誠一
委員 様々な健康課題に対し、今ありました協定を刷新して民間企業の活力をより一層生かしていくとのことだったと思います。
取組の実践といっても、
健康寿命の
延伸には、身体的な健康だけではなく、
生きがいや学びなど、精神的、社会的な健康といった観点や、いわゆるQOLも重要であり、幅広い分野の
取組が必要となります。
また、まち歩きなどは、観光や文化、地域振興の
取組ではありますが、結果的には健康的な
行動につながっているなど、健康に結びつく
取組は多くございますし、市内を見渡すと、人々が強制的にではなく、よりよい選択を自発的に取れるようにする方法であるナッジの理論も活用されてきており、健康分野においてもさらなる活用と進展を期待するところでございます。
そうした中、このたび旗振り役として新組織が設置されたとは思いますが、それぞれが独自に動くのではなく、
取組の相乗効果を見据えて、目標を同じくして取り組むことが重要でございます。
そこで、
質問ですが、健康課題解決に向けて、分野を横断する
取組をどのように進めていくのか、お伺いいたします。
◎
西村 ウェルネス推進担当部長 ただいまご
質問のございました健康課題解決に向けた分野を横断する
取組の推進についてお答えいたします。
健康課題の解決に向けましては、個々人のライフスタイルや
健康状態に応じた多様なアプローチが必要でございます。スポーツや文化、教育など、幅広い分野を取り入れた
取組が必要でございます。
このため、先ほどの
答弁で触れました連携企業に加え、専門的な知見を有する大学やプロスポーツチームなどと、様々な分野のメンバーが参画する
ウェルネスの推進に向けた会議を新たに立ち上げる予定でございます。この会議において、それぞれが有する知見や各種
取組を共有することにより、異業種間の連携につなげ、分野横断的な
取組を活性化させることで、
ウェルネスを広く
市民に浸透させてまいります。
◆熊谷誠一
委員 ご
答弁がありましたこの協定や
ウェルネス推進会議、これが形骸化することがないように、しっかりと取り組んでいただくことをまた求めさせていただきたいと思います。
さらに、企業や大学等の参画を促し、産学官が一体となって、全国的にも
ウェルネスの
取組が進んでいる自治体となるよう取り組んでいただきたいことを要望いたしまして、次の
質問に移らせていただきます。
次は、3歳児健診における視覚検査
事業についてでございますが、子どもの弱視は、早期に発見し、治療を開始することで改善できる場合が多いと言われていることから、我が会派では、3歳児健診で弱視を発見し、医療につなぐことが極めて重要であるとの認識の下、さきの予算特別
委員会や決算特別
委員会において、屈折検査の早期実現を要望し続け、導入に向け、
検討していくとの
答弁があったところであり、このたびの補正予算において計上されたことを大変うれしく思っているところでございます。
屈折検査は、日常生活では気づかれにくい片側の目の弱視等を検出するのに有用であることから、
令和4年度から、国の予算においては、市町村が行う屈折検査機器等の整備に活用可能な補助
事業として母子
保健対策強化
事業が創設され、あわせて、3歳児健診の視覚検査に関する体制整備についての通知も発出されたところでございます。
3歳児健診は、市町村が実施主体となっており、既に実施している、あるいは、眼科医と連携して屈折検査が実施できている市町村もありますが、その現状には地域差があることから、地域によって検査の精度に差が生じてしまうことを懸念しているところでございます。
そこで、
質問ですが、このたびの屈折検査の導入に当たり、市としてどのように進めていくのか、お伺いいたします。
◎山口
保健所長 屈折検査の導入の進め方についてでございますが、今年度は、屈折検査機器を購入し、モデル区を1区選定した上で、
保健センターでの3歳児健診において、屈折検査を試行的に実施してまいります。
試行実施によりまして、検査を行う人員や健診の流れの見直しなど、具体的な課題の整理を行いまして、全区での実施に向け、実施方法及び実施体制について
検討を重ねてまいります。そのほか、屈折検査は薄暗い環境で行う必要がありますことから、全区の
保健センターにおいて、検査に適した環境の整備を順次進めてまいります。
◆熊谷誠一
委員 今年度から、試行実施、1区をモデル区としてするということですので、しっかり検証していただいて、子どもたちの視力を守り、安心して子育てができるよう、早期に全区での導入を着実に実現していただきたいと思います。
ただ、屈折検査を実施し、スクリーニングを行うことで、精密検査の対象となる方が2倍に増える見込みである一方、
札幌市が委託する眼科の精密検査実施機関が現在11か所と限られていると聞いており、スクリーニングができればよいということではなく、早期に精密検査対象のお子さんが治療を開始できる環境を整えることが非常に重要と考えます。
そこで、
質問ですが、
令和4年度の3歳児健診の検査結果や精密検査受検の状況についてお伺いいたします。
◎山口
保健所長
令和4年度の3歳児健診の検査結果や精密検査受検の状況についてお答えいたします。
札幌市では、現在、保護者が家庭で簡易的検査を行い、その結果を踏まえ、3歳児健診で医師が精密検査の要否を判断してございます。
令和4年度に3歳児健診を受検された方1万2,666名のうち、精密検査が必要と判断され、眼科を受診した方は、約2.7%に当たる342人でありました。このうち、弱視や屈折異常と診断された方は26名であり、全体の0.2%でありました。
今後、3歳児健診において屈折検査によりスクリーニングを行うことで、精密検査の対象者が増える見込みであるため、眼科の精密検査実施機関の拡充も併せて
検討し、早期に治療を開始できる体制づくりに取り組んでまいりたいと思います。
◆熊谷誠一
委員 日本全体における弱視の子どもの数は、50人に1人、2%と言われており、今、
答弁で、
札幌市の3歳児健診において、検査票の結果による弱視及びその疑いの子どもの数は26名、全体の0.2%ということで、全国で2%と言われているものからすると、3歳児健診では見つからなかった弱視の子どもが一定数存在するのではないかと懸念するところでございます。
3歳という
年齢は、視力が向上していくタイミングと言われておりますが、自分の見え方が正常かどうかの判断は難しい時期であるとも思います。3歳児健診において適切にスクリーニングを行い、早期に医療機関を受診できる環境整備は急務であり、安心して子育てができるよう、全区での屈折検査の導入及び精密検査実施機関の拡充を強く求めさせていただき、私からの
質問を終わらせていただきます。
◆和田勝也
委員 私からは、産後ケア
事業の拡充についてと働く世代の
ウェルネス推進について、2件ご
質問させていただきます。
まず、産後ケア
事業の拡充についてお伺いします。
私自身、8か月の娘を持つ父親の一人として、育児に奮闘するお母さん方の思いを代表してご
質問させていただきたいと思います。
昨今は、核家族化などにより、産前産後の身体的、精神的に不安定な時期に家族等の身近な人の支援が十分でない状況が見られております。さらに、社会的・心理的背景から、親と子の関係に様々な事情を抱え、親を頼れず、育児不安や孤立感を抱える母親は少なくございません。こうした状況が見逃されますと、鬱状態に陥ったり、虐待の誘因ともなり得るため、育児を家庭のみに任せるのではなく、地域における社会的な支援体制を充実させることが重要な課題となっております。
札幌市では、出産後の母親の身体的回復や心理的な安定を促進するとともに、母子の愛着形成を促し、母子とその家族が健やかに生活できるよう支援することを目的に、平成28年9月より、北海道助産師会に委託し、産後ケア
事業が実施されております。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大後は、里帰りができず、親の支援を受けることが困難となったことから
利用者が増え、また、
令和3年からは、利用対象者を従来の生後4か月未満の乳児を持つ産婦から、生後6か月未満の乳児を持つ産婦へ拡充されたことから、さらに利用ニーズは高まっていると認識しております。
また、今年度より、国において産前産後ケアの体制の充実及び
利用者負担の軽減のため、
利用者の所得にかかわらず、産後ケア
事業を必要とする全ての
利用者に対して、
利用者負担額の減免支援が導入されたことから、
札幌市においても4月から利用料を大幅に減額しており、これまで以上に
利用者の増加が想定されております。
事業の利用へのハードルを下げ、希望する多くの方にご利用いただける体制の整備に取り組んでいることは大変評価しております。
我が自民党会派では、
令和4年4定
代表質問において、
利用者のニーズの
高まりや
利用者数の増加などの課題に対し、今後の
事業展開について
質問し、今後は、助産所に限定せず、医療機関への委託の拡充や、
利用者のニーズに合わせた支援の提供について
検討すると回答をいただきました。
そこで、
質問でございます。
このたび産後ケア
事業の拡充を行うとのことですが、どのように医療機関への拡充を行っていくのか、お伺いします。
◎山口
保健所長 医療機関への拡充についてでございますけれども、産後ケア
事業を空きがなく利用できない
市民や、潜在的な利用希望者に対応するため、地域性も考慮しつつ、医療機関にも委託先を拡充いたします。
委託に当たりましては、適切なケアが提供されますよう、委託に係る要件や応募資格について定め、医療機関へ
事業内容の詳細を丁寧に説明した上で募集し、その後の実地調査を踏まえ、居室や人員の確保など、必要な基準を満たす医療機関を選定してまいります。
心身の不調や育児不安のある産婦を含め、希望する方が安心して利用できますよう、鋭意、準備を進めてまいります。
◆和田勝也
委員 医療機関へ拡充する手法についてご説明いただきました。
産後ケア
事業の質がしっかりと担保されるよう、厳正に
取組を進めていただきたく、お願い申し上げます。
令和元年12月に公布された母子
保健法の一部を改正する法律において、産後ケア
事業の対象は、出産後1年を超えない女子及び乳児とされていたところでありますが、これは、低出生体重児等の場合に、入院期間の長期化で退院時期が出産後4か月を超える場合もあることや、産婦の自殺は出産後5か月以降にも認められるなど、出産後1年を通じてメンタルヘルスケアの重要性が高いことなどを踏まえて、改正に至ったものでございます。
また、
令和5年度の実施要綱の改正では、産後ケア
事業はユニバーサルであることが明確化され、誰もがひとしく利用できるサービスとして位置づけられたところでございます。こうした観点から、
利用者ニーズに沿った
事業の展開がますます望まれております。
そこで、
質問でございます。
産後ケア
事業の今後の
事業展開についてどのように考えているか、お伺いします。
◎山口
保健所長 産後ケア
事業の今後の
事業展開についてでございます。
安心して子育てができるよう、誰もが利用しやすい体制を整えることは必要と強く認識しており、引き続き、
利用者の様々な声に寄り添えるよう、ニーズを把握してまいります。
また、
令和元年の法改正では、対象を出産後1年以内の母親と乳児としておりますが、
札幌市では、施設の受入れ体制等の課題もあり、現状、出生後6か月未満の母親と乳児を対象としてございます。
また、様々な事情により施設に出向くことができない方もいらっしゃいます。今後は、これらの課題に対応するため、助産師が自宅に出向いて相談に乗るアウトリーチ型支援の導入など、支援の在り方について
検討してまいります。
◆和田勝也
委員 産後、周囲に頼れる人や相談できる人がいなくても、お母さんが少しでも安心して子育てができるよう、妊娠期、出産期、産褥期、産後という、赤ちゃんという新しい命との出会いに経験の豊富な助産師が温かく寄り添い、産後の体と心の管理をサポートしてくれるこの
事業は、子どもを産み育てやすい環境整備において大変重要でございます。
また、産後鬱の予防、早期発見、乳児の成長・発達に助産師が関わることで、不適切な養育や児童虐待の防止にも寄与することができます。育児に対する不安を軽減、解消させ、ネウボラ的サポートが子どもの成長・発達を一緒に見守っていけるよう、月齢の拡大を行ったり、上の子どもがいても利用しやすいよう訪問を行うなど、母子共に健やかに安心して利用できる産後ケアのさらなる拡充を求めて、
質問を終えます。
続きまして、働く世代の
ウェルネス推進についてお伺いします。
ウェルネスの推進につきましては、全国に比べて
札幌市の
健康寿命が短いこと等の課題を受け、健康無関心層の多い働く世代を中心に
健康増進を推進するとのことで、大変重要な
取組と認識をしております。
働く世代の健康づくりにつきましては、平成30年度に実施した健康さっぽろ21の中間評価においても課題となっておりました。
保健所においては、これらの課題を受け、
令和元年度から
令和4年度までに、働く世代を対象に
アプリを活用し、
健康増進プログラムに取り組む人にインセンティブを付与することで
健康行動を促す、働く世代への
健康増進アプローチ研究
事業を実施しておりました。
我が自民党会派では、
令和4年1定予算特別
委員会で
質問し、最終年度の
令和4年度においては、参加者の
データを分析し、最終的な効果検証を行うとの
答弁をいただいたところでございます。
そこで、
質問でございます。
働く世代への
健康増進アプローチ研究
事業のこれまでの成果と課題についてお伺いします。
◎秋野
成人保健・歯科
保健担当部長 働く世代への
健康増進アプローチ研究
事業の成果と課題につきましてお答えをいたします。
令和4年度までに実施をいたしました働く世代への
健康増進アプローチ研究
事業につきましては、身体
活動量が低下したとの報告も多いコロナ禍におきましても、開始当初と比較して、参加者の平均歩数が1,124歩増加したことや、体重、血圧のほか、血中脂質や血糖値などの血液検査
データにつきましても改善が見られたところでありまして、歩数を増やすことにより、健康指標の改善が分かったところでございます。
また、
健康行動を取った人のきっかけにつきましては、健診結果がよくなかったが最多であり、また、開始当初は
健康行動に無関心であった層に、管理監督者への研修を通じ、従業員への
取組を促す等によりまして、
行動変容のきっかけになったという結果も得られたところでございます。
一方で、歩数に応じてポイントの付与などを行うインセンティブにつきましては、
行動変容のきっかけにはなったものの、
行動の継続には会社からのアプローチとの併用も必要であること、また、忙しくて時間がないとの理由により、運動の
取組を行わなかった人も一定数いたことも確認されたところでございます。
◆和田勝也
委員 調査研究については、コロナ禍でも、歩数の増加や、血圧、血糖値などの血液検査
データ等が改善したとのことであり、
健康行動を継続的に行った人については、
取組の結果、一定の効果が認められたとのことでした。しかし一方で、忙しいことを理由に
健康行動を取らない人もいたとのことであり、このような方たちこそ、働きかけが必要であると思っております。
また、インセンティブ付与の有効性につきましては、個人の価値観の違いもあると思われ、それぞれの
生活スタイルに合わせた様々なアプローチが必要であると思っております。国も、従業員等の
健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する健康経営を推進しているところでございます。
生涯健康に過ごすためには、現役時代から健康的な習慣を身につけることが大変重要でございますが、多忙な現役世代にどう情報を届け、
健康行動につなぐかが重要であると考えております。
そこで、
質問でございます。
健康行動が後回しになりがちな働く世代の
ウェルネス推進に研究結果をどう生かして取り組んでいくか、お伺いします。
◎秋野
成人保健・歯科
保健担当部長 働く世代の
ウェルネスの推進に研究結果をどのように生かしていくのかについてお答えをいたします。
研究
事業の結果から、自ら
行動を変えるきっかけとして、自身の
健康状態を知る機会をつくり、健康への関心を高める
取組をしていくことが重要であることを再確認したところでございます。
また、働く世代の
健康増進にとって、自分の生活に取り入れやすい、歩く時間を延ばすことや、食習慣の改善が重要であり、それには企業全体で従業員の
健康増進に取り組むことが効果的であると考えております。
このため、今後は、企業が従業員の
健康行動を後押しするきっかけづくりとして、エビデンスに基づく、歩く
活動をはじめとする運動の促進や、食生活改善などに必要な啓発媒体等のツールの提供など、企業の
環境づくりや従業員への啓発について支援を進めてまいりたいと考えております。
◆和田勝也
委員 札幌市は、誰もが幸せを感じながら生活し、生涯現役として活躍できることを目指す
ウェルネスを
重要概念の一つとしております。
私たち、ここに座っている
委員も理事者の皆様も、一
市民として、この
ウェルネス推進について、私たちが先陣を切ってしっかりと頑張っていかなければならないと改めて感じたところでございます。
その実現に向けて、
市民が自発的に楽しみながら自然と健康になれる
取組を展開できるよう要望し、私の
質問とさせていただきます。ありがとうございました。
◆丸山秀樹
委員 私からは、(仮称)動物愛護センターの開設を契機とした
札幌市の動物愛護管理の推進について
質問をさせていただきます。
最初に、新センターオープンに向けた広報
活動について伺いたいと思います。
我が会派では、かねてより、
札幌市が平成27年に策定をいたしました
札幌市動物愛護管理基本構想において掲げられました人と動物が共生する社会の実現、人と動物が幸せに暮らせるまち・さっぽろという基本理念に賛同するとともに、大きな期待を寄せてまいりました。
また、これまで、会派としても、先行事例であります旭川市や横浜市、京都市や宮崎市なども視察をいたしまして、その中で、従来のような引き取ることを主とした施設のつくりではなくて、保護や収容、譲渡、愛護思想の普及啓発を核とした動物愛護センターの新設を強く要望してきたところであり、新設が決まってからも、その進捗状況を注視し、機能や
取組の充実に向けた働きかけを行ってきたところであります。
今年の秋頃、ついに待望の施設が竣工すると伺っておりまして、本市の動物愛護管理が大きく進む転換点として、大いに期待をしているところであります。
さて、これまでの動物管理センターは、どうしても、動物を収容し、殺処分をするというネガティブな捉え方がされてしまうことが多かったのではないかと感じております。ついては、新センターから発信する情報に能動的に触れてもらい、学びの場として活用してもらうためには、センターの存在を知ってもらうことや、
取組を理解してもらい、親しみを持ってもらうことがとても重要であり、今回の新センターの開設をその契機にしていかなければならないものと考えます。
そこで、
質問ですが、新センターがオープンすることやその
取組を知り、積極的に活用してもらうためにどのような広報
活動を行うおつもりなのか、お伺いいたします。
◎吉津 生活衛生担当部長 (仮称)動物愛護センターの開設を契機とした
札幌市の動物愛護管理の推進についてお答えいたします。
広報
活動についてのお尋ねでございますが、新センターのオープンを契機として、多くの人にセンターの存在や役割を知ってもらい、かつ、親しみを持ってもらうため、現在、愛称を募集しているところであります。
さらに、オープンに向けましては、ポスターやSNSなどの多様な媒体を活用して積極的なPRを行うとともに、オープニングイベントを開催して、センターの役割や
取組を発信する機会を設けてまいります。
オープン後も引き続き、庁内の関係部局や関係団体と連携しながら、多くの人に親しみを感じてもらえるよう、効果的に広報してまいります。
◆丸山秀樹
委員 新センターの広報
活動については、おおむね理解をしたところであります。
施設の開設という大きな転換点でもありますので、オープニングイベントの開催に合わせた多様な媒体を活用するとの
答弁もありましたけれども、機会を逃がさず、ぜひ、よいスタートを切っていただきたいと思います。6月30日を締めとする愛称の募集も大変楽しみにしているところであります。
一方で、新型コロナウイルスの感染症の拡大以降、巣籠もり需要の側面として、市内はもとより、全国で新たにペットを飼い始める人が増えたと見聞きしており、中には、事前の
検討が不十分なまま衝動買いしてしまい、後々、こんなはずではなかったと手放すに至ってしまうというケースも少なくはなく、コロナ禍で市内のNPO法人が新たに飼い主を探す譲渡が毎年のように過去最高を更新しました。その数は、年に450件を超えたというように伺っております。
そうした不幸な事態をなくすためには、新たにペットの飼育を考えている
市民への啓発や、ペットについて悩みや心配事がある飼い主が改めてしつけ方法を学ぶ機会を充実させていく必要があるものと考えます。
そこで、
質問ですが、新センターの開設後の動物の愛護や正しい飼い方についての教育普及について、どのような
取組を行うことを予定しているのか、お伺いいたします。
◎吉津 生活衛生担当部長 教育普及の
取組についてお答えいたします。
新センターには、100名程度収容可能な多目的ホールを備えており、これからペットの飼育を考えている人を対象に、どうぶつはじめて講習会を新たに開催し、より多くの
市民にペットを迎えるに当たっての心構えなどをお伝えすることといたします。
また、既に動物を飼育している人を対象とした飼い方セミナーや動物愛護に関する子ども向けのワークショップも開催することで、しつけ方などをより深く学ぶ機会を提供してまいります。
さらに、新センターに来た人がペットの飼育について気軽に学ぶことができるような解説パネルなども充実させることといたします。
オープンに向けた広報
活動と併せまして、教育普及につきましても積極的に実施してまいります。
◆丸山秀樹
委員 新センターができることで、飼育を考えている人を対象としたどうぶつはじめて講習会であるとか、既に飼育している人を対象とした飼い方セミナー、また、子ども向けのワークショップなどの開催も行うという、広報
活動と併せた教育普及についても積極的に実施をぜひ行っていただきたい、このように思います。
今年に入って、全国各地で実は地震が非常に頻発をしているように感じます。
答弁にあった広報と併せた教育普及は、災害時の備えにもなると私は考えております。
令和2年の1定の予算特別
委員会で、愛護センター開設後の福移支所の在り方について、災害時用の動物のための物資保管場所としての要望もさせていただいたところもございますが、家庭でのペットの災害備蓄品の備えや、同行避難を見据えた訓練、そして、しつけの在り方などについても積極的に
取組を進め、普及啓発に当たっていただく必要があるものと私は考えます。
教育プログラムについては、様々、先ほどのお話もあり、
検討されておりますけれども、センターのイベントとして、例えば、動物愛護センターで、以前、
保健所も関わっていただいて開催したことがある災害時等に出動する動物レスキュー団体と連携した、いざというときの対応のための講演や、犬と猫の防災手帳を有効に活用した災害対応のためのフェアなども開催するとか、また、市とか区が行うそうした防災訓練時に動物のための災害対応ブースを設けた普及啓発を図るなど、人と動物が共生する社会の実現のために、災害時への対応は欠かせない状況にあるものと思うのであります。ぜひとも、愛護センターでは開設を契機とした
取組推進を求めたいと思います。
次に、収容動物のケアの充実について伺います。
市民の動物愛護の意識の向上には、動物福祉の
考え方に基づいた収容動物の適切な管理や殺処分の低減、譲渡の推進などの
取組も大変重要と考えます。
そこで、
質問ですが、新センターの収容動物のケアの充実についてお伺いいたします。
◎吉津 生活衛生担当部長 収容動物のケアの充実についてお答えいたします。
センターには、これまでにどのような病気にかかったのか分からない動物が収容され、感染症の持込みや蔓延の防止が極めて重要であることから、新センターには、検疫室や隔離室といった感染症対策のための部屋も新たに設けることとしております。
さらに、レントゲンや血液検査のための設備なども新設いたしまして、獣医師会等の協力を得ながら収容動物の
健康管理を行うとともに、ボランティアの方々の協力も得まして、人になれてもらうための
取組の充実を図ってまいります。
これらの
取組や新センターの周知及び教育普及
活動を通じて、動物福祉の
取組を進め、さらに譲渡を促進することにより、引き続き、人と動物が幸せに暮らせるまち・さっぽろの実現に向けて取り組んでまいります。
◆丸山秀樹
委員 私は、
令和2年の1定の予算特別
委員会で、
札幌市と動物愛護団体や獣医師系の大学などの教育機関や獣医師会等との連携強化の重要性についても議論をさせていただいておりましたが、着実に連携強化等、収容動物の受入れ環境や飼育環境の向上につながる整備を図っていただいているものというように感じたところでもあります。
施設環境の充実はもとより、獣医師会や動物愛護団体等とは日頃から協議をしていただく場を設けて、様々なイベントや普及啓発
事業の推進を共に図っていただくとともに、人材育成の場にも大きく役立てていただきたいと思います。
札幌市では、既に、動物愛護管理の推進
活動を行う団体との連携・協働を目的といたしました
市民団体登録制度や動物愛護ボランティアの
活動も推進していると思いますので、そうした方々からの意見も取り入れた
取組を進めていただき、より
市民の期待に応えられる動物愛護センターを目指していただくことを求めて、私の
質問を終わります。
○
松井隆文 委員長 以上で、第5項 健康衛生費の
質疑を終了いたします。
最後に、議案第7号
札幌市健康づくりセンター条例の一部を改正する条例案の
質疑を行いますが、通告がありませんので、
質疑を終了いたします。
以上で、本日の
質疑を終了いたします。
次回の
委員会ですが、6月29日木曜日午後1時から、建設局及び都市局関係の
質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後2時23分...