総 務 局 長 山 根 直 樹
デジタル戦略推進局長 浅 村 晋 彦
まちづくり政策局長 小 角 武 嗣
財 政 局 長 福 西 竜 也
市民文化局長 前 田 真 子
スポーツ局長 梅 田 岳
保健福祉局長 粟 崎 寿 也
子ども未来局長 山 本 健 晴
経済観光局長 一 橋 基
環 境 局 長 菅 原 祐 雄
建 設 局 長 荻 田 葉 一
下水道河川局長 小 泉 正 樹
都 市 局 長 中 村 範 仁
会 計 室 長 野 島 聡
消 防 局 長 村 井 広 樹
教育委員会教育長 檜 田 英 樹
教育委員会委員 道 尻 豊
選挙管理委員会委員長 畑 瀬 幸 二
選挙管理委員会委員 佐々木 肇
選挙管理委員会委員 宮 村 素 子
選挙管理委員会委員 猪 熊 輝 夫
人事委員会委員長 常 本 照 樹
人事委員会事務局長 槙 智 洋
監 査 委 員 藤 江 正 祥
監 査 委 員 愛 須 一 史
監査事務局長 佐 藤 伸 二
―
――――――――――――――――――
〇
事務局出席職員
事 務 局 長 鈴 木 和 弥
事 務 局 次 長 酒 井 欣 洋
総 務 課 長 森 譲
政策調査課長 安 澤 哲
議 事 課 長 岩 岡 吾 一
議 事 係 長 木 村 公 彦
委員会担当係長 村 上 雅 俊
委員会担当係長 中 村 久 弥
書 記 伊 藤 友 介
書 記 上 田 真 士
書 記 酒 井 彰 悠
―
――――――――――――――――――
開 会 午後1時
――
――――――――――――――――――
○議長(
飯島弘之) ただいまから、令和5年第2回
札幌市議会定例会を開会し、直ちに本日の会議を開きます。
――
――――――――――――――――――
○議長(
飯島弘之)
出席議員数は、68人です。
――
――――――――――――――――――
○議長(
飯島弘之) 本日の
会議録署名議員として
勝木勇人議員、福士 勝議員を指名します。
――
――――――――――――――――――
○議長(
飯島弘之) ここで、
事務局長に諸般の報告をさせます。
◎
事務局長(
鈴木和弥) 報告いたします。
監査委員から、
監査報告2件が提出されましたので、各
議員控室に配付いたしました。
本日の
議事日程、
陳情受理付託一覧表は、お手元に配付いたしております。
以上でございます。
――
――――――――――――――――――
○議長(
飯島弘之) 次に、去る5月19日の本会議において同意の議決を行い、選任されました本市副市長をご紹介します。
まず、町田副市長。
◎副市長(
町田隆敏) さきの議会でご同意をいただき、再び副市長を拝命いたした町田でございます。
札幌市も大きな変革の時代を迎えようとしております。気持ちを新たに、与えられました職務を果たしてまいりたいと考えております。引き続き、議員の皆様のご指導、お力添えを賜りますようよろしくお願いを申し上げます。(拍手)
○議長(
飯島弘之) 次に、石川副市長。
◎副市長(
石川敏也) さきの議会におきまして、皆様のご同意を賜り、再び副市長の任を拝命いたしました石川でございます。
職責の重要性を十分に理解した上で、札幌市のさらなる発展に向け、努力してまいります。議会の皆様方の引き続きのご指導、ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
○議長(
飯島弘之) 次に、天野副市長。
◎副市長(
天野周治) さきの
臨時議会におきまして、皆様からご同意をいただき、副市長に就任いたしました天野でございます。
与えられた職責の重さを認識し、
札幌市民のため、札幌市の発展のために、
誠心誠意、努めてまいります。皆様のお力添えをどうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
――
――――――――――――――――――
○議長(
飯島弘之) これより、議事に入ります。
日程第1、会期の件を議題といたします。
(伴
良隆議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(
飯島弘之) 伴
良隆議員。
◆
伴良隆議員 会期設定の動議を提出いたします。
本定例会の会期を本日から7月11日までの30日間とすることを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(
飯島弘之) ただいまの
伴議会運営委員長の動議に対し、所定の賛成者がありますので、本動議を直ちに問題とし、採決を行います。
動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
飯島弘之) 異議なしと認めます。
したがって、本定例会の会期は、本日から7月11日までの30日間と決定されました。
――
――――――――――――――――――
○議長(
飯島弘之) 次に、日程第2、議案第1号から第17号までの17件を
一括議題とします。
いずれも、市長の提出によるものです。
提案説明を求めます。
秋元市長。
(
秋元克広市長登壇)
◎市長(
秋元克広) ただいま上程をされました諸案件の説明に先立ちまして、これからの
札幌市政について、私の所信を申し述べさせていただきたいと存じます。
4月の
札幌市長選挙におきまして、引き続き
札幌市政を担うこととなりましてから2か月が経過をいたしました。私たちが愛してやまないふるさと、このすばらしい
まち札幌の魅力と活力をさらに高め、豊かな形で将来の世代に引き継いでいくために、全力を尽くしていくことを改めて決意いたしますとともに、その使命と責任の重さを痛感しているところでございます。
今後も、市議会の皆様とともに、誰もがいつまでも安心して暮らしていけるまちをつくり上げてまいりたいと存じますので、皆様におかれましては、一層のご協力を賜りますよう心からお願いを申し上げます。
ここで、具体的な施策について申し上げます前に、
まちづくりについての私の基本的な考え方につきまして申し述べさせていただきます。
昨今の
世界情勢は、
新型コロナウイルス感染症の
感染拡大、ロシアによる
ウクライナ侵攻、
エネルギー危機や急激な
物価高騰など、歴史的な出来事が次々と起こる混沌とした状況が続いています。
世界が激動の時代にある中、
我が国日本は、2008年の約1億2,800万人をピークに
人口減少が進行し、2020年に約1億2,600万人だった人口は、50年後の2070年には約8,700万人まで減少するものと推計されています。
とりわけ少子化は深刻な状況で、2022年の出生数は、1899年の
統計開始以来、初めて80万人を割り込み、2070年の推計では14歳以下の
年少人口が1割にも満たなくなるとされるなど、もはや
社会機能の維持も危惧される状況であることから、子ども・
子育て支援をはじめとする
人口減少対策は先送りの許されない課題となっております。
また、我が国の経済については、緩やかな持ち直しが続いており、さらに、
新型コロナウイルス感染症の扱いの5類への引下げにより
外国人旅行者が大幅に増加するなどの明るい話題もある一方で、世界的な
エネルギー・
食料品価格の高騰や、
欧米各国の金融引締め等による世界的な
景気後退などの懸念もあるため、政府は、景気下振れのリスクに先手を打ち、
民間主導での成長力の強化と構造的な
賃上げ等を目指しています。
私たちの
まち札幌においても、去る2月に、3年ぶりに会場を設けて開催したさっぽ
ろ雪まつりでは、
コロナ禍前には及ばないものの、
大通会場では約175万人が来場し、その後も
旅行制限の緩和により国内外から多くの観光客が訪れており、観光地では再びにぎわいを取り戻し始めています。また、
北海道新幹線の
札幌延伸を起爆剤として、
民間主導で数多く展開される都心部の再開発に加え、バスターミナルの再整備が進むなど、今、札幌のまちは大きく生まれ変わろうとしています。
そのような中、札幌市の人口は、2021年から2年連続で減少するなど
減少局面を迎えており、2040年代には、
年少人口が1割を下回り、
高齢者人口が約4割を占めるようになるなど、
少子高齢化の一層の進行が見込まれています。
このような少子化の背景には、若い世代の経済力の弱さがあり、このことによる所得の低さ、将来の子育てや
教育費負担への不安などが、結婚や妊娠、出産をためらわせ、さらなる出生数の低下につながっているものと考えられます。
これを断ち切るためには、これまでも重点的に取り組んできた
子育て支援策の
充実強化を進めるとともに、将来の展望を描ける質の高い安定した雇用を創出するほか、社会や地域全体で子育てを支える意識への転換を進め、若い世代が地元で就職し、結婚し、安心して子どもを産み育てられる、希望を持てるまちをつくらなければなりません。
加えて、
生産年齢人口の減少による労働力不足に対して、
デジタル技術の活用による
生産性向上や多様な主体が活躍できる環境を整備することにより、まちの活力を維持していくほか、気候変動問題にも取り組み、自然豊かで魅力にあふれるまちを持続可能な形で引き継いでいく必要があります。
さらに、目まぐるしく変化する時代の中にあっても、誰もが住み慣れた地域で自立した生活を送り、社会との関わりの中で生きがいを感じながら充実した毎日を過ごすことができる、そのようなまちをつくり上げていくことが求められています。
これまでの100年間、札幌市は、様々な時代の変化や困難を乗り越えながらも、
先人たちの努力によって成長を続け、世界に誇る都市に発展いたしました。札幌のまちが次の100年も魅力と活力を創造し続けるまちであることを目指して、私は、引き続き、誰もが安心して暮らし生涯現役として輝き続ける街と、
世界都市としての魅力と活力を創造し続ける街という二つの心豊かで明るい札幌の未来を描き、これから申し述べます四つの視点を大切にして
市政運営に取り組んでまいります。
一つ目は、次なる100年を見据えた
市政運営であります。
今後、
人口減少が一段と進む中で、様々な課題が顕在化することが見込まれますが、札幌のまちが今後も魅力と活力を創造し続けるために、経済力を高めることにより税収を伸ばし、それを
行政サービスの充実につなげ、まちの魅力をさらに向上させていく好循環をより一層確かなものにしていくことが重要です。
このため、中長期の展望を持ちながら、都市の
魅力向上や人材の育成など将来に向けた投資と、
市民生活に直結する喫緊の課題への対応を
バランスよく両輪で進めてまいります。特に、中長期を見据えた今後の
まちづくりに当たっては、SDGsの視点に加え、第2次札幌市
まちづくり戦略ビジョンで掲げるユニバーサル、ウェルネス、スマート、
人口減少緩和の観点も踏まえながら、100年先を見据えた取組を進めてまいります。
二つ目は、市民・企業等と協働して取り組む
まちづくりであります。
近年、
社会的課題は複雑化・多様化しており、行政だけで課題の解決を図ることは一層困難になっていることから、地域の実情や
市民ニーズに適切に対応していくために、行政のみならず、このまちに関わる多くの方々と力を合わせることが必要不可欠です。
そこで、札幌の目指すまちの姿や実現に向けたプロセスを市民に示し、対話を重ね、意見を市政に反映する
仕組みづくりを進めるとともに、
行政課題の解決に民間の知見やノウハウを活用するため、
規制緩和などの提案を積極的に受け入れる体制を整備するなど、
産学官民の力を合わせて協働による
まちづくりを進めてまいります。
三つ目は、健全で持続可能な
財政基盤の堅持であります。
限られた財源の中で、
行政サービスを維持・向上させていくため、
デジタル技術の活用による業務の効率化や生産性の向上などに取り組み、時代に適合した形で
既存業務の見直しや再構築を進めてまいります。
あわせて、市債や基金の適切な管理にも取り組み、将来世代に過度な負担を残さない
財政運営に努め、健全で持続可能な
財政基盤を堅持し、次の世代にこれをしっかりと引き継いでまいります。
四つ目は、道内他市町村との連携と道都としての役割であります。
札幌の魅力は豊かな自然や食などの北海道の魅力に支えられているという認識の下、さっぽ
ろ連携中枢都市圏11市町村をはじめ、道内178市町村と相互に補完し、高め合う関係を築き、北海道全体の活性化に取り組んでまいります。
特に、
気候変動対策の分野においては、北海道が
再生可能エネルギーの宝庫と言われるほどの大きなポテンシャルを持ち、新たな投資が行われていくことを踏まえ、札幌市が、道都としてその先頭に立ち、牽引役として道内他市町村と力を合わせて共に行動してまいります。
以上に申し上げた
市政運営に当たっての四つの視点を念頭に置きながら、次の六つの
まちづくりに取り組んでまいります。
一つ目は、不安なく健やかに暮らせる街をつくることであります。
コロナ禍において顕在化した
医療提供に関する課題に対応するため、有事を見据えた平時の
体制強化を図る必要があるほか、人生100年時代と言われることから、子どもから高齢者まで、全ての市民ができるだけ長く心身の健康を維持し、住み慣れた地域において生き生きと暮らせる
環境づくりを進める必要があります。
そこで、これまでの
新型コロナウイルス感染症の対応を検証し、
デジタル技術の活用や民間の
医療資源との連携を図りながら
医療提供体制を強化するとともに、より迅速に
救急医療を提供できる仕組みを構築します。
また、
高齢者人口のピークを迎える2040年代を前に、世代を問わず、身近な場所で楽しみながら運動ができる環境や仕組みの整備を行い、市民の
健康行動を促進します。
さらには、福祉に関する幅広い困り事を抱える市民からの相談を総合的に受ける体制を強化するとともに、
関係機関の協力も得ながら、分野を越えて連携し、必要な支援を拡充していきます。
二つ目は、安全で快適に暮らせる街をつくることであります。
予期せぬ災害などから市民を守ることを最優先に取り組むとともに、暮らしやすさを高める
行政サービスの提供に努め、市民、企業等との対話を通じ、共に住みやすい札幌のまちをつくり上げていくことが求められます。
そこで、まずは、大雪にも強い
まちづくりに向けて、引き続き、運搬排雪の前倒しなど機動的な対応を行っていくとともに、道路の機能、役割に合わせた除排雪の在り方を含め、将来に向けて持続的な除雪についての議論を進めます。
また、地域の
課題解決に向けた
まちづくり活動や
町内会活動を支援するほか、災害や事件・事故等から市民を守る環境を整備します。
さらに、市民がいつでも、どこでも
行政サービスを受けることができるよう、オンラインで可能な手続等を充実させるとともに、
デジタル機器の操作を苦手とする方への支援や、利便性の向上を市民が実感できる取組を進めます。
加えて、
まちづくりに対する市民や企業等の声を市政に反映していくため、
市民参加の
仕組みづくりを行うほか、多様な知識や経験を持つ企業等のアイデアを
行政運営に反映させる新たな
官民連携による
まちづくりの仕組みを構築します。
三つ目は、未来の担い手が希望を抱いて自分を磨ける街をつくることであります。
物価高騰をはじめ、不安定な
社会情勢の中にあっても、札幌の明日をつくる大切な
子どもたちが、
経済状況によることなく、健やかに安心して暮らし、多様な価値観の下で個性を伸ばしていける環境を整備しなければなりません。
そこで、子どもや
ひとり親家庭の医療費、保育料、
学校給食費などの
子育て世帯の負担を軽減する取組について、段階的に拡大してまいります。
また、小学校の少人数学級を拡大するなど、引き続き、きめ細やかな学習指導を行うとともに、
外国語教育、
プログラミング教育、
理数教育等を推進し、
子どもたちの学びの環境の充実と、国際的に活躍できる人材の育成を進めます。
さらには、
子どもたちにスポーツや体を動かすことの楽しさを知ってもらい、将来の
健康維持にも役立つ基礎体力の向上につなげる取組を行うほか、
アスリート育成のサポートも強化します。
四つ目は、誰もが自分らしく活躍できる持続可能な街をつくることであります。
自然豊かで魅力や活力にあふれるまちを後世に引き継いでいくために、障がい、性別、年齢、人種、国籍などにかかわらず、誰もがお互いの価値観や生き方を尊重し、受け入れる
共生社会を実現するとともに、世界的な潮流であるグリーントランスフォーメーションに率先して取り組み、脱炭素化など
気候変動対策を進めていかなければなりません。
そこで、道路や建物などの
バリアフリー化や、人と人とがお互いに理解を深める心の
バリアフリーを進めるとともに、誰もが互いの個性や違いを認めて尊重し合い、差別のない社会の実現を目的とする新たな条例を制定することにより、目指すべき理念の浸透を図り、市民や企業とともに
共生社会の実現に向けて取り組んでまいります。
また、ワーク・ライフ・
バランスの充実や、仕事と育児を両立させる
職場環境の整備など、全ての人が働きやすい
職場づくりを進める企業への支援を行い、社会全体での多様な働き方の受入れに向けて取り組んでまいります。
さらには、脱
炭素先行地域として、CO2の排出削減に向け、市民や企業の
行動変容を促すとともに、太陽光や
水素エネルギーをはじめとする
再生可能エネルギーの積極的な活用に向けて、
地場企業や
金融機関と連携して環境関連投資を促進し、脱炭素化の加速と地域経済の活性化の両立を図ることにより、
エネルギーの安定確保や脱炭素社会の実現を強力に推し進めていきます。
五つ目は、経済が活性化し社会が潤う街をつくることであります。
経済の活性化は、市民所得の増加や雇用の創出、消費の拡大、投資意欲の向上のほか、若者の流出抑制や子育ての不安解消にも資する重要な分野であることから、引き続き、稼げるまちの実現に向けて力を入れて取り組まなければなりません。また、それを支える基盤である経済活動を担う人材の確保、育成にも早急に対策を行う必要があります。
そこで、都心部再開発と連動した戦略的な企業誘致活動を展開するとともに、革新的な挑戦を行う企業が求める
規制緩和や、これらの企業による実証実験などの取組への支援を通じて民間ノウハウの活用の幅を広げるなど、新たな民間投資を誘発していきます。
また、札幌市内企業の9割以上を占める中小企業や市民に身近な商店街への支援を引き続き進めるほか、札幌の持つ観光、食などの資源を生かしながら、新たな産業の創出や振興を促すとともに、流通業務団地の施設更新を含めた物流循環の活性化にも取り組みます。
さらに、インバウンドをはじめ、国内外から数多くの観光客が訪れるよう、冬季の観光資源を充実させ、長期間楽しめる都市型スノーリゾートを形成するとともに、体験型観光などによる付加価値の向上を図り、観光振興を推進します。
このほか、人手不足の解消等に向け、札幌を働く場として選んでもらうため、市内の大学や企業と連携して若者の地元就職やUIJターン就職を支援するほか、経済界、労働界と協力して雇用環境の改善に取り組んでまいります。
六つ目は、世界を引きつける魅力的な街をつくることであります。
先人たちが築き上げた札幌のまちを豊かな形で将来の世代に引き継いでいくためには、まちのリニューアルや、スポーツ・文化芸術活動の振興等により、都市としての魅力と活力に一層磨きをかけていかなければなりません。
そこで、新幹線の
札幌延伸などを契機に、札幌駅前周辺エリアの再開発を進めるとともに、新幹線の改札口にも通じる創成川東エリアや、札幌の顔である大通公園エリア、市内各所の拠点のリニューアルを着実に進めるほか、郊外の住宅地においては、
デジタル技術を活用して地域交流、移動手段、医療、介護等の課題に取り組みます。
このほか、丘珠空港の機能強化や周辺整備、バスターミナルの再整備、創成川通の機能強化など、札幌のまちの
魅力向上はもとより、北海道全体にも効果が及ぶ広域交通ネットワークを形成してまいります。
また、更新時期を迎えるスポーツ施設の再整備を進めるとともに、ウインタースポーツ競技を中心とした国際大会の誘致を目指すなど、スポーツによる
まちづくりを加速させるほか、冬季オリンピック・パラリンピックの招致については、透明性、公正性の高いクリーンな大会に向けた運営見直し案を取りまとめ、市民の意向を確認した上で招致を目指します。
このほか、漫画等のポップカルチャーを活用するなど、幅広い文化芸術活動を推進し、さらなるまちの
魅力向上を目指します。
以上の施政方針に基づく施策を実行するに当たり、第2次札幌市
まちづくり戦略ビジョンの中期実施計画を本年中に策定し、次なる100年の礎を市民とともに築いてまいります。
続きまして、今回提案しております補正予算につきましてご説明申し上げます。
まず、議案第1号 令和5年度札幌市
一般会計補正予算についてでありますが、この編成に当たりましては、ただいま申し上げました施政方針の六つの
まちづくりの柱に沿って、公約としてお約束いたしました事柄を中心に、第2次札幌市
まちづくり戦略ビジョンの推進に資する事業、特に、
コロナ禍により落ち込んだ経済の活性化や、ゼロカーボン都市、環境首都・札幌として脱炭素社会の実現に向けた取組など、早期に着手し、または事業化のめどをつける必要のあるものについて計上いたしました。
また、福祉や子育ての分野については、さきに議決をいただきました令和5年第1回臨時市議会での補正予算による低所得の
子育て世帯を含む世帯への支援などに加えて、今回の補正予算でも上積みを図り、当初予算、さきに議決をいただいた予算の補正、そしてこのたびの補正により、一体的に取組を進めてまいります。
そのような中にあっても、財政規律の堅持に努め、当初予算において留保した地方交付税を最大限活用するとともに、将来の
まちづくりのために再開発に伴う市有地の売却益等を基金に積み立てるなど、将来世代に過度の負担を残すことなく、財政
バランスを重視した予算編成となるよう意を用いたところであります。
それでは、一般会計の補正予算の主な事項の内容を、六つの
まちづくりの柱に沿ってご説明いたします。
1点目は、不安なく健やかに暮らせる街の実現に向けた施策であります。
まず、第2次札幌市
まちづくり戦略ビジョンに掲げるウェルネスの推進に向けた事業としまして、民間企業や大学等と連携した市民の健康意識や運動習慣の改善に向けた支援を行うほか、
デジタル技術を活用した健康寿命延伸に寄与する事業の構築に向けた検討を行います。
次に、ユニバーサル社会の実現に向けた取組としまして、分野横断的な計画の策定及び企業や団体が取り組むユニバーサル推進事例の普及啓発等を行うほか、区役所において、来庁者が迷わず円滑に手続等を行うことができ、居心地よく落ち着いて過ごすことができる空間を整備いたします。
2点目は、安全で快適に暮らせる街の実現に向けた施策であります。
まず、災害への備えの強化として、災害発生時に迅速に避難所まで物資を供給する体制を構築するための調査検討や、避難所における生活環境の向上及び感染症対策として簡易ベッド等の追加配備を行うほか、火災の早期鎮圧のために、新たに開発した消火用ノズルなどを配備いたします。
また、除雪関連では、除排雪業務の人材確保につながる労務費の追加や、東部水再生プラザにおける融雪施設の整備に向けた設計を行います。
次に、
デジタル技術を活用した市民サービスの向上や市役所業務の効率化に向けた取組として、
行政課題を
デジタル技術により解決する民間事業者の提案を一元的に受け付ける窓口であるDXラボを新設するとともに、職員のデジタル対応力を高めるための研修を実施するほか、生活保護業務のペーパーレス推進に向けた調査検討やAI議事録の導入を行います。
3点目は、未来の担い手が希望を抱いて自分を磨ける街の実現に向けた施策であります。
まず、教育・子育て環境の充実に向けて、児童会館等における快適な学習・生活環境の整備のため、インターネット環境や移動式エアコン等を整備するほか、各区保健センターで実施する3歳児健診において、弱視のスクリーニングを行う検査体制の整備を順次進めます。
次に、スポーツを楽しめる機会を創出する取組として、冬季に減少する子どもの運動機会を確保するため、子ども向けスポーツイベントを開催するほか、スポーツ観戦の機会を増やすため、札幌で開催されるトップレベルの試合への親子無料招待等を実施いたします。
さらに、文化芸術施設への来館機会が少ない障がいのある児童向けの音楽ワークショップを開催するほか、バイオ産業やコンテンツ産業の振興に向けた人材育成のため、小・中学生向けのイベントや高校生向けの交流会等を実施します。
4点目は、誰もが自分らしく活躍できる持続可能な街の実現に向けた施策であります。
まず、脱炭素社会の実現に向けた取組として、家庭の
エネルギー消費量の低減のため、省エネ性能が高い寒冷地エアコン、ガス暖房給湯器及び冷蔵庫を購入する市民へのキャッシュレスポイントの付与等を行うほか、製造業の工場等において、事業者の
エネルギー消費量の低減による持続可能な事業展開を可能とするため、脱炭素化、省エネの取組への支援を行います。
また、中央体育館跡地に整備する定置式水素ステーションの整備事業者を支援するとともに、道内自治体と連携し、道内で生産される
再生可能エネルギーの一部を札幌市が利用できる枠組みを構築します。
次に、女性がより安心して生活し、活躍できる
環境づくりに向けた取組として、心身の不調や育児不安がある産婦の体調の回復力や育児力を高めるため、産後ケア事業の実施施設を拡大し、希望する産婦が利用できる体制を整備します。
5点目は、経済が活性化し社会が潤う街の実現に向けた施策であります。
まず、札幌の経済を牽引する産業や人材の育成を進める取組として、スタートアップ企業の集積や支援に向けた取組を拡充するほか、食産業、バイオ産業、コンテンツ産業などの振興や人材の育成、将来的に札幌を牽引することを目指す企業への集中的支援などを実施します。
また、商店街の活性化に向けて、地域のにぎわい創出、SDGsの実現に寄与する地域課題の解決並びに集客力向上のための販促活動及び環境整備等の取組を支援するとともに、商店街への専門家派遣や若手商店主等の商店街加入促進に取り組みます。
次に、国内外から人が集まる観光都市を目指す取組として、都市型スノーリゾートとしての世界的ブランド確立に向けた市内スキー場の魅力アップ等への支援や、インバウンドの回復に向け、市内宿泊施設が行う多様な観光客の受入れ環境の整備への支援を行います。
6点目は、世界を引きつける魅力的な街の実現に向けた施策であります。
まず、まちの拠点となるエリアの整備として、清田区民センターの清田区役所周辺への移転に向けた基本計画の策定等に取り組むとともに、厚別区もみじ台・青葉地区及び新さっぽろ地区において、高齢者等を対象に生活支援や健康増進、コミュニティーの活性化につながる新たなスマートシティモデルを構築するほか、大通公園や中島公園の
魅力向上に向けた検討を行います。
また、持続可能な公共交通ネットワークの構築に向けて、北5西2地区における再開発に伴うバスターミナルの整備を支援するほか、新たな公共交通システムの社会実験の準備や、丘珠空港の利用促進に向けた新たな路線のPR活動などを実施します。
次に、豊かな文化や芸術活動を通じた交流に向けた取組として、漫画などのポップカルチャーを活用した
まちづくりの可能性を高めるため、企画展示と経済波及効果の調査・分析を実施するほか、クラシック音楽鑑賞者の裾野を広げるため、低料金で気軽に楽しめるコンサートを開催いたします。
次に、スポーツによる
まちづくりの取組として、更新時期を迎える月寒体育館や美香保体育館等の再整備に向けた調査を行うほか、冬季オリンピック・パラリンピック招致については、透明性、公正性の高いクリーンな大会に向けた運営見直し案や開催意義についての情報発信に加え、討論会等の市民対話事業を実施します。
次に、札幌駅交流拠点の再開発に伴う市有地の売却益等を将来の
まちづくりの資金として基金に積み立てます。
以上、一般会計の補正予算に計上した事業の内容について述べてまいりましたが、今回の補正を含めた令和5年度の各会計の予算規模といたしましては、繰越事業分を除いて、一般会計では1兆2,441億8,532万1,000円で、令和4年度当初予算と比較して7.1%の増となり、後ほどご説明いたします公債会計以外の特別会計、企業会計を合わせた合計でも、前年度比5.3%の増となる1兆9,015億8,832万1,000円であります。
また、今回の
一般会計補正予算341億6,832万1,000円の財源につきましては、国庫支出金や市債、財産収入などの特定財源311億538万円のほか、当初予算時に留保しました地方交付税30億円を充て、なお不足する財源については、令和4年度からの繰越金をもって充てるものであります。
次に、債務負担行為の補正でありますが、先ほどご説明した歳入歳出予算の補正に伴うもののほか、PFIによる新展示場の整備、
東山児童会館の運営管理及び清掃車両等の購入に関する債務負担行為を設定するほか、地方債証券のうち、環境課題や
社会的課題の解決に向けた事業の資金に充てるESG債を新たに共同発行することに伴い、連帯債務の限度額を変更するものであります。
なお、これに関連しまして、
東山児童会館の
指定管理者を指定するため、議案第4号 公の施設の
指定管理者の指定の件を提出しております。
次に、議案第2号 令和5年度札幌市
土地区画整理会計補正予算は、篠路駅東口地区土地区画整理事業における公共用地の先行買収に係る経費を追加するものであります。
次に、議案第3号 令和5年度札幌市
公債会計補正予算は、一般会計の補正予算に関する市債のほか、各会計の前年度からの繰越事業に係る市債を整理するものであります。
以上で、補正予算に関する説明を終わりますが、私が公約に掲げた事柄のうち、今回の補正予算に盛り込んでいないものにつきましては、本年中に策定することとしております第2次
まちづくり戦略ビジョンの中期実施計画の中で、財源の見通しを踏まえ、順次、事業化を図ってまいりたいと考えております。
続きまして、一般議案につきましてご説明申し上げます。
議案第5号 札幌市
税条例等の一部を改正する条例案は、地方税法等の一部改正に伴い、固定資産税について、長寿命化に資する大規模修繕工事を行ったマンションに係る税額を軽減するとともに、軽自動車税について、種別割におけるグリーン化特例を延長する等の改正を行うものであります。
議案第6号 札幌市
証明等手数料条例の一部を改正する条例案は、区役所窓口の混雑緩和などによる市民サービスの向上等を目的として、コンビニエンスストアなどに設置されている端末機による個人番号カードを使用した証明書等の交付に係る手数料を減額するものであります。
議案第7号 札幌市
健康づくりセンター条例の一部を改正する条例案は、中央健康づくりセンターで実施している健康増進事業について、同センターの休館期間中は西健康づくりセンターにおいて実施することとするため、所要の改正を行うものであります。
議案第8号 札幌市
児童会館条例の一部を改正する条例案は、地域における児童福祉の向上を図るため、元町北小学校の改築に伴い、同校内のミニ児童会館を児童会館に転換するものであります。
議案第11号は、工事請負変更契約締結の件であります。
これは、(仮称)動物愛護センターの新築工事について、工事の内容を変更し、契約金額を増額する請負変更契約を締結しようとするものであり、増額後の契約金額が札幌市議会の議決に付すべき契約に関する条例に定める金額に該当することから、議会の議決を求めるものであります。
議案第12号から第14号までは、いずれも工事請負契約締結の件であります。
これらは、市営住宅伏古団地の新築工事及び札幌コンベンションセンターの改修工事の請負契約につきまして、一般競争入札により、各議案記載の請負業者が契約の相手方となりましたので、このたび、それぞれ請負契約を締結しようとするものであります。
議案第15号
損害賠償及び和解に関する件は、本市の消防車両による交通事故につきまして、このたび、
損害賠償の額について和解のめどが立ちましたので、議会の議決を求めるものであります。
以上ご説明いたしました議案以外の一般議案の内容につきましては、いずれも議案末尾に記載の理由によりご了解いただけるものと存じますので、説明を省略させていただきます。
また、報告第1号から第7号までは、いずれも令和4年度予算の繰越しに係る計算書であり、報告第8号から第11号までは、市営住宅に係る訴えの提起及び調停、本市の業務に関して発生した事故に係る
損害賠償及び和解並びに工事請負契約の金額変更に関する専決処分の報告であります。
以上で、ただいま上程をされました各案件についての説明を終わります。よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。
○議長(
飯島弘之) お諮りします。
ただいま説明のありました議案17件のうち、議案第1号から第10号まで、第15号から第17号までの13件につきましては、議事の都合上、その議事を延期することとし、議案第11号から第14号までの4件につきましては、これよりその議事を続行したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
飯島弘之) 異議なしと認めます。
したがって、そのように決定いたしました。
これより、議案4件に対する質疑に入りますが、通告がありませんので、質疑を終了します。