(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○
成田祐樹 委員長 異議なしと認め、議案第31号は、可決すべきものと決定いたしました。
ここで、
理事者交代のため、
委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後1時41分
再 開 午後1時42分
――――――――――――――
○
成田祐樹 委員長 委員会を再開いたします。
次に、さっぽ
ろヒグマ基本計画2023(案)についてを議題とし、資料に基づき、
理事者から説明を受けます。
◎米田
環境局長 本日は、さっぽ
ろヒグマ基本計画2023(案)につきまして、その素案がまとまりましたので、ご報告をさせていただきます。
詳細につきましては、お手元に配付の資料に基づき、所管であります
吉津環境管理担当部長からご説明をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
◎吉津
環境管理担当部長 さっぽ
ろヒグマ基本計画2023(案)について説明させていただきます。
お配りしている資料は、資料1のさっぽ
ろヒグマ基本計画2023(案)の
概要版、資料2の
基本計画の冊子でございます。
それでは、資料1の
概要版に沿って説明いたします。
初めに、資料1の1枚目をご覧ください。
こちらの左上、第1章 計画の策定にあたってから説明いたします。
ヒグマは、かつての
春熊駆除が廃止されて以降、
個体数が
増加傾向にあると言われており、札幌市でも
市街地の
ヒグマ出没が相次いでいることから、今後も、人と
ヒグマの距離はますます近くなることが懸念され、先進的な
ヒグマ対策が必要になっているところです。
札幌市は、2017年3月に策定したさっぽ
ろヒグマ基本計画に基づき取組を行ってまいりましたが、2021年6月には、
ヒグマの
生息域から離れた東区の
市街地に
ヒグマが現れ、市民4人が負傷する事故も起きてしまいました。
そこで、
ヒグマを取り巻く現状と課題に対応するため、このたび、新たにさっぽ
ろヒグマ基本計画2023を策定することといたしました。
現行の計画では、南区や西区など、一部の区のみが対象でしたが、新しい計画では、札幌市全域を対象とし、
計画期間は5年間といたします。
次に、資料1−1の右側をご覧ください。
続いて、第2章
ヒグマに関する現状と課題についてでございます。
札幌市に寄せられる
ヒグマ出没の傾向として、ここ数年、
市街地への出没が
増加傾向にあるほか、
ヒグマの
生息域である森林を有しない区でも出没しています。
また、札幌市でこれまで行ってまいりました
家庭菜園用電気柵の
普及事業や
河川敷等での
草刈り活動により、2019年度に44件あった果樹への被害が2021年度には14件に減少しています。一方で、市民への
意識調査では、札幌市の取組はあまり知られていないことなども分かっています。
以上のことから、札幌市が抱える
ヒグマ対策の課題として、人の
生活圏への
侵入抑制策など四つの課題を提示し、施策を整理することとしました。
続きまして、その下にあります第3章 計画の目指す姿についてでございます。
本計画では、市民の安全・安心を確保した上で人と
ヒグマの共生を目指すため、「人は街で、
ヒグマは森で。〜
すみ分けによる安全・安心な
暮らしを目指して〜」という
ビジョンを掲げております。この
ビジョンでは、人の
生活圏と
ヒグマの
生息域の
すみ分けが重要な視点になりますので、次の章で詳しく説明しております。
続きまして、資料の2枚目をご覧ください。
資料1−2、左上の第4章
ゾーニング管理でございます。
すみ分けを実現するためには、市域を幾つかの地域、すなわち
ゾーンに分けて、各
ゾーンに適した
ヒグマ対策を進めていくという
ゾーニング管理の考え方が重要になります。
本計画では、これまで設定していた三つの
ゾーンに加え、
市街地ゾーンの外側の
森林部分に新たに
都市近郊林ゾーンを設けます。
都市近郊林ゾーンでは、
市街地に
ヒグマが入ってこないように、
ヒグマが住みつくのを防ぐ取組を進めていくことといたします。
続きまして、資料の3枚目をご覧ください。
資料1−3の左上の第5章
基本目標と施策の
方向性では、
ビジョンを実現するための三つの
基本目標とそれぞれの施策の
方向性を示しています。
一つ目の
基本目標、人の
生活圏への
ヒグマ侵入抑制策を推進しますでは、
電気柵など、
ヒグマを寄せつけない
対策のほか、
草刈りや
放棄果樹伐採などの
緑地管理の強化や、
ICT等の技術による
対策の推進などを掲げております。
二つ目の
基本目標、市民の安全を第一に迅速かつ適切な
ヒグマ出没対応を行いますでは、出没時の体制や市民への
情報発信の強化を施策の
方向性に掲げています。出没した
ヒグマへの対応については、資料1−3の右側にあります
有害性判断表と
基本対応方針表により決定することになります。
本計画では、特に
市街地出没時には捕獲を第一選択肢とする方針を打ち出しております。一方で、
森林ゾーンでは、人を積極的に攻撃する場合などを除き、基本的には
捕獲方針は取りません。
三つ目の
基本目標、
ヒグマについて考え行動する市民の意識を醸成しますでは、
ヒグマについて学ぶ場を提供し、
公園管理者などの
ヒグマ対策を促す仕組みについても検討してまいります。
続いて、第6章 計画全体に係る施策になります。
ここでは、計画の土台になる施策や全ての
基本目標にまたがる施策などを提示しています。
このうち、特に西区
三角山から
藻岩山周辺を含む地区は、人と
ヒグマの距離が特に近いことが懸念されており、
ヒグマ対策重点エリアとして、
侵入抑制策のほか、
普及啓発などを積極的に行ってまいります。また、最近は、
自治体をまたぐ
ヒグマの出没も目立っていることから、さっぽ
ろ連携中枢都市圏の
枠組みを活用して、広域での
対策を検討してまいります。
最後に、第7章 計画の推進にあたってでは、
ヒグマ対策を進めていく上での市民、
事業者、行政など、各主体に求められる行動をまとめております。
特に、市民については、
ヒグマについて正しく理解し、最新の
出没情報を確認しながら、
ヒグマとの事故を防ぐために自らができる
対策を考え、実践していただくことを掲げています。また、
有識者などから成る
協議体を設置して、計画の
進捗管理や
情報共有を行っていくこととしており、行政だけでなく、様々な主体が関わり合いながら
ヒグマ対策を進めていくことで、
すみ分けによる人と
ヒグマの共生を目指してまいります。
○
成田祐樹 委員長 それでは、質疑を行います。
◆
松井隆文 委員 私から、ただいま説明のありました
計画案について質問させていただきます。
最近、
市街地、
住宅地に
ヒグマが出没するケースが大変増えているということでありますが、実際にそのように感じるところでありますし、特に、一昨年の6月、この資料にもありますが、東区で市民が負傷したという事故が起きたということも大変衝撃的な出来事でありました。また、昨年は、私の地元である手稲区の手稲金山、また、
星置南地区といったところでも
ヒグマの出没が続いて、住民が大変心配していたということは記憶にも新しいところであり、今回の新しい計画に基づいてしっかりと
対策をしていただきたいというふうに思うところであります。
そこでまず、私からは、この概要の中にもありました計画の
ビジョンに込められた思い、また、考えという点について伺いたいと思うのですが、
先ほどの説明の中で、第3章 計画の目指す姿(
ビジョン)というところで、「人は街で、
ヒグマは森で。〜
すみ分けによる安全・安心な
暮らしを目指して〜」という
ビジョンを掲げておりますけれども、人と
ヒグマの
すみ分けを図っていくということでありました。
人も
ヒグマも安心して
暮らしていけるというのはすばらしいことだと思うのですけれども、この実現においては、これだけ
市街地に
ヒグマが入ってきているという現状を考えますと、どこまでしっかりとした
すみ分けを実現できるのかというのをまず思うところであります。
そこで、1点目の質問ですが、この
ビジョンを掲げた意図と、それから、これをどのように実現させていくのかという点について、まずお伺いしたいと思います。
◎吉津
環境管理担当部長 ビジョンを掲げた意図と、どのように
ビジョンを実現させていくのかということについてお答えいたします。
新しい計画では、人と
ヒグマの
すみ分けにより、人の
生活圏である
市街地の
人身事故や
農業被害を防ぎ、
地域住民の不安を軽減することで、市民の安全・安心を確保していくことを目指して
ビジョンを掲げたところであります。
ビジョンを実現させていくため、地域の状況に応じて
ヒグマ対策を行う
ゾーニング管理をさらに推し進めることとし、従来の三つの
ゾーンに加えて、
ヒグマを
市街地に侵入させない
対策をより強化するため、いわゆる
緩衝帯の役割を担う
都市近郊林ゾーンを新たに設けることとしております。
◆
松井隆文 委員 今のご答弁にありましたように、新しい
ゾーンを設けて
緩衝帯の役割を持たせて、
ヒグマの
市街地出没を減らしていくという考えについては理解するところであります。
そこで、次に、具体的にどのような
対策を講じるのかということであります。
札幌市では、
ヒグマの
市街地への出没を抑制する取組として、これまでも、
河川敷ですとか、周辺の緑地の見通しをよくする
草刈り、こういったものは南区を中心に行ってきていると思いますが、一方で、今回、新しく設定されております資料の第4章を見ますと、
都市近郊林ゾーンというものが設けられています。これは、資料を見る限り、樹木に覆われた森林の部分に設けられておりますし、
緩衝帯として機能させるということであると、
草刈りのほかにも新しい工夫をしていかないといけない部分ではないかという印象を受けるところです。
そこで、2点目の質問として、この
都市近郊林ゾーンでの
ヒグマへの
対策方針、また、取組の
進め方についてどのように考えられているのか、お伺いいたします。
◎吉津
環境管理担当部長 都市近郊林ゾーンでの
対策方針と取組の
進め方についての
お尋ねでございます。
委員がご指摘のとおり、
都市近郊林ゾーンは、主に
市街地ゾーンに接する森林に設けることから、
緩衝帯として、
ヒグマの侵入はある程度想定される中で、
ヒグマが住みつくことを抑制する方針としております。
具体的には、
捕獲技術者、いわゆるハンターなどによる見回りや追い払いを試みることで、
草刈りなど従来の取組に加えて、
ヒグマに人への
警戒心を与え、
市街地近郊の森林に定着させないための取組を検討してまいります。
◆
松井隆文 委員 今、
都市近郊林ゾーンの対策ということでご答弁いただきましたけれども、この
対策が、まさに
市街地に
ヒグマが出没することを抑えられるかどうかという
ポイントになるのではないかなというふうに思うところであります。
今回の資料を拝見しますと、
都市近郊林ゾーンのほかにも、第6章の中に書かれておりますが、
ヒグマ対策重点エリアというものが設けられるということであります。この
重点エリアというものを見ますと、まさに多くの人が登山ですとか観光で訪れる
藻岩山、あるいは
旭山記念公園といった場所が含まれております。こういった地域でも度々
ヒグマが目撃されているということで、特別な
対策をしていく必要があるという考えは理解できるところでありますが、
ヒグマ対策重点エリアという部分で具体的にどのような
対策を行っていくのかという点についてお伺いしたいと思います。
◎吉津
環境管理担当部長 ヒグマ対策重点エリアでの
対策についての
お尋ねでございます。
これまで札幌市が行ってきた調査などから、
ヒグマ対策重点エリアに設定した山には複数の
ヒグマが定着していることが分かっており、人と
ヒグマの距離が特に近いことから、重点的な
対策が必要と考えたところであります。
重点エリアにおきましては、まず、
エリア内の過去の
ヒグマ出没状況を整理、分析するほか、
地域住民や
有識者へのヒアリング、現地の調査などを行っていくこととしております。
これらの結果を踏まえながら、
市街地への
侵入抑制策、
エリア内での
ヒグマの
生息密度を下げる
対策、
登山利用者等への啓発などの取組について、効果的な手法を検討してまいります。
◆
松井隆文 委員
先ほども述べましたように、
藻岩山や
旭山記念公園は、札幌市を代表する
観光スポットということでもありまして、多くの
観光客が訪れる場所であります。また、
都市近郊林ゾーン、
ヒグマ対策重点エリアといったところは、登山ですとか、スキーだとか、そういったことでも多く利用される場所でもあります。こういった場所で市民が
ヒグマと出会って、事故に遭う、被害に遭うといったことはあってはならないことだということで、
ヒグマを
市街地に入れさせない
対策はもちろんのこと、この
エリアでの
ヒグマの
生息密度を下げていくといった
対策ですとか、また、
登山利用者等への啓発というのは大変重要な観点ではないかと思います。
この人と
ヒグマの
すみ分けという目指すべき姿をしっかりと見据えながら、市民が安心して
暮らしていけるよう、できる取組からしっかり進めていく、そしてまた、市民にしっかり周知していくということを要望いたしまして、私からの質問を終わります。
◆うるしはら直子 委員 私からも、さっぽ
ろヒグマ基本計画2023(案)について、2点ほど伺います。
先ほどの説明の中にもありましたとおり、一昨年の6月に札幌市東区の
住宅街で
ヒグマが出没しまして、住民が大けがをされたということで、多くの市民が不安に思ったところです。また、
ヒグマに対する出没や
目撃情報が、近年、従来生息している地域と見られていた
山間部以外でも発生するようになりまして、市民の
ヒグマに対する
危機感は大変高まっているところだと感じています。
これまでも、本市では、2017年3月にさっぽ
ろヒグマ基本計画を策定しまして、
ヒグマとの共生や
安全確保を目的として、
ヒグマの
出没可能性が大きかった市内の6区で
対策を講じてきたところと認識しております。
今回、新たに考えられましたこの計画には、
先ほどの東区の件を含めて、札幌市全区、全域が計画の対象となっており、今後は、これまで
ヒグマ対策にはなじみのなかった住民にもしっかりと周知をして、理解をしていただく必要があると考えるところです。
また、今回のさっぽ
ろヒグマ基本計画2023(案)においては、大きく変更となったことの一つに、
市街地ゾーンに
ヒグマが入った場合は、
有害性判断表がレベル1であっても捕獲の対象となるということが示されておりまして、より一層、
対策が強化された計画になっていると感じております。
そうしたことからも、このレベル分けしました
ヒグマへの
対応方針ですとか、また、共生していくために必要な
対策として、
電気柵の設置や、また、
草刈りなど、現況に即した新たな
ヒグマ基本計画を市民に広く周知していく必要があると考えるところです。
そこで、お伺いいたしますけれども、新たな
ヒグマ基本計画について、まず、どのように住民に周知していくのか、見解を伺います。
◎吉津
環境管理担当部長 計画内容の市民への周知についてお答えいたします。
委員がご指摘のとおり、新しい計画では、
ヒグマ出没時の
対応方針を大きく見直しております。新しい方針では、
市街地に出没した
ヒグマについては、市民の安全を第一に、まずは捕獲を検討することとしております。
このため、警察や
猟友会など
関係者における体制の整備や、出没した際の市民への
情報発信の充実などを図っていくこととしており、計画の内容も広く市民にお知らせしていきたいと考えております。
計画の周知につきましては、本日の
総務委員会でのご報告の後、
子ども向けの
キッズコメントも含めた
パブリックコメントにより、広く
意見募集を実施することとしております。
意見募集用に配架する資料は、
ビジョンを大きく表紙に掲げて、札幌市が目指す姿を明示するとともに、区役所や
まちづくりセンターのみならず、札幌駅
前地下歩行空間や
円山動物園など、幅広い施設の協力を得ながら、周知も兼ねて、できるだけ多くの市民の目に触れる工夫をしてまいります。
計画策定後は、
パネル展などのイベントや
市民向けの
ヒグマ講座の機会を活用しまして、計画の
ポイントを紹介するなど、計画の内容や札幌市の取組を広めてまいります。
◆うるしはら直子 委員 様々な、いろいろな方面に周知・啓発していくということで、特に、
キッズコメントも取るということでしたけれども、現行の計画でも
子ども版というものを策定しているのを私も先日見ました。
これを見ましたところ、
子どもだけではなくて、大人が見てもとても分かりやすいものだと思いますので、こうしたものも利用しながら、特に、今回、
子どもの意見というものもしっかり取り入れながら、さらに市民に分かりやすい啓発をしていただきたいと思います。
次に、広域での
対策についてお伺いしたいと思います。
まず、
先ほども言いました東区に出没した
ヒグマですけれども、この
ヒグマは当別の山のほうから来たと推測されておりまして、
ヒグマの広範囲な
活動範囲には本当に驚くところですが、
ヒグマの行動に関しては、
自治体の区域をまたいで様々なところに出没することから、
単位自治体だけではなく、広域で
対策に取り組んでいく必要があると考えるところです。
これまでも、我が会派からは、複数の
自治体にまたがる石狩川において、
河川敷の
草刈りなどについて、広域での取組の
必要性を訴えさせていただいたところですけれども、昨今は、
札幌圏全体において
ヒグマの
出没頻度が高まっていることからも、より一層、
近隣自治体との連携の
必要性が高まっているのではないかと考えます。
今回の計画の中にも、第6章にありますとおり、
周辺自治体との連携について新たに記されておりますので、そこについて伺いたいと思いますけれども、この
ヒグマ対策について、今後の
近隣自治体との連携をどのように図っていくのか、見解をお聞かせください。
◎吉津
環境管理担当部長 近隣自治体との連携についての
お尋ねでございます。
ヒグマ、特に雄の
ヒグマは、
行動範囲が広く、
自治体をまたぐ出没も珍しくないことから、
自治体間の連携は非常に重要であると考えております。
計画を先取りしまして、今年度から既に、さっぽ
ろ連携中枢都市圏の
枠組みによる合同での
職員研修のほか、江別市での
ヒグマ講座実施などの取組を始めたところであります。
今後は、
市街地出没を想定した
近隣自治体との
合同訓練や、各
自治体で
問題行動を起こす
ヒグマの
情報共有など、具体的な
対策について、
札幌圏域での連携を強化しながら検討を進めてまいります。
◆うるしはら直子 委員 今のご答弁にありましたとおり、特に雄の
ヒグマの
行動範囲が広いということで、札幌市のホームページを先日見ておりましたら、雌ですと百十数キロ平方メートル、雄だと数百キロ平方メートルということで、本当に広いのだなということを感じております。
本当に
近隣地域での
ヒグマの出没が大変増えておりますので、ぜひ、さらに都市間の連携を強めながら、また、研修だけではなくて訓練といったような視点でも連携をしっかりとしていただきたいと思っております。
いずれにしましても、啓発ということが市民の命を守る第一だと思っておりますし、また、全国的にもこの
ヒグマのことが注目を浴びて、時々、誤報のような情報が流れることもございますので、そうしたことも踏まえまして、札幌市として、啓発、そして周知をしっかりして、市民の命をしっかり守っていただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
◆くまがい誠一 委員 私からも、さっぽ
ろヒグマ基本計画2023(案)に関して質問させていただきます。
今まで各委員が触れてきたように、2021年6月18日、東区で
ヒグマが出没し、
被害者が出たことが全国的に注目されて以来、私の住む中央区においても、隣接する西区の
三角山や、
中央区内では円山西町などで
出没情報が相次いでいるところでございます。
そうした中、我が会派では、これまでも、AIで識別できる
自動撮影カメラや、
クマ対策に特化した犬である
ベアドッグなど、
ヒグマ対策における新しい技術の導入について質問や要望を重ねてきたところでございます。
特に、
自動撮影カメラについては、昨年の
決算特別委員会で我が会派から質問させていただいた際に、今年度、増設された
カメラの
設置状況のほか、
地域住民への迅速な
注意喚起等に結びついた例などについて答弁をいただいております。
現在の
保有台数は15台と聞いておりますが、一方で、新しい計画が全市域に拡大され、
対策が必要な
エリアも増えること、
基本目標1に掲げる人の
生活圏への
ヒグマの
侵入抑制策をより進めていくことを考えると、まだまだ台数が十分とは言えないのではないでしょうか。
また、計画にも、
都市部の
ヒグマ対策について、札幌市が先進的な取組を行っていく必要があると書かれていることからも、
自動撮影カメラ以外の最新の技術や手法についても積極的に活用していっていただきたいところでございます。
そこで、質問ですけれども、新しい計画では、
ICTをはじめとする新しい技術や手法を駆使して、より効果的な
ヒグマ対策を行っていくべきと考えますがいかがか、お伺いいたします。
◎吉津
環境管理担当部長 ICTを活用した
ヒグマの
侵入抑制策についてお答えいたします。
新しい計画では、全部で七つの施策の
方向性を示し、その一つに、
ICT等の技術を活用した
ヒグマ対策の推進を掲げまして、
最新技術や知見の
情報収集に努め、効果の検証とともに、積極的な導入も検討していくこととしております。
自動撮影カメラにつきましては、これまで進めてきた
ヒグマが
市街地への
移動経路として利用し得る河川や緑地での監視をさらに強化していくため、来年度、新たに30台分の導入を
予算案として盛り込んでおります。
このほかにも、ドローンの活用や
ベアドッグによる
対策など、他
自治体の
取組事例や成果も参考にしながら、
ヒグマの
市街地への
侵入抑制や、
市街地近郊の森林での
ヒグマの
定着防止に向けたより効果的な取組を検討してまいります。
◆くまがい誠一 委員
市街地への出没がこれほど増えている中、
都市部の
ヒグマ対策は新たな局面に入っていると言ってもよいのではないかと思います。
その
対応策として、新しい技術を有効に活用することで効果的な取組をぜひ進めていっていただきたいと思います。
さて、
市街地出没が増えていることについて、報道や
専門家の方のお話では、全道的な
ヒグマの
個体数増加が理由の一つであると言われております。かつては、冒頭にご説明があったように、
春熊駆除により
ヒグマの数は大きく減少したようですが、平成2年の
春熊駆除廃止以降は増え続けているとのことでございます。
これまで、札幌市では、
ヒグマの毛やふんから取れるDNAを分析することで、札幌市内に生息する
ヒグマの個体識別を行ってきたと聞いております。
個体識別を継続して実施することで、
ヒグマの
個体数の動向を確認することができると思いますし、DNAのデータから、そのほかにも得られる情報は多いのではないでしょうか。
そこで、質問ですが、DNAから分かる札幌市に生息する
ヒグマの
個体数の動向と出没する
ヒグマの特徴についてお伺いしたいと思います。
◎吉津
環境管理担当部長 DNA分析から見る
ヒグマの
個体数の動向と特徴についての
お尋ねでございます。
札幌市では、
市街地近郊の森林での生息状況調査や、出没した際の現地調査で採取したサンプルから、DNAによる
ヒグマの個体識別を行っており、近年の分析結果から、識別
個体数が増加し、
生息域も拡大していることが分かっております。
また、過去の識別データと照合することで、出没に関係しているのは、
市街地近郊に生息する
ヒグマのうちの一部で、
行動範囲が狭い雌の個体が繰り返し出没するという傾向も分かってきており、警戒すべき個体や地域もある程度絞られてきております。
一方で、親から離れたばかりの
ヒグマが突然
市街地に出没するという例もあることから、生息状況調査等での
個体数の動向把握やDNAデータの蓄積は今後も重要と考えており、引き続き、
市街地に出てくるなど
問題行動を起こす個体の管理に努めてまいります。
◆くまがい誠一 委員 要望でございます。
DNAの分析結果から、
ヒグマの識別
個体数が増加して
生息域も拡大していること、そして、
市街地に出没する
ヒグマは、雌や若い個体が多いという特徴も見えてきているとのことでございました。
ぜひ、これから、判明した結果を生かして、誘引物
対策などの
侵入抑制策や、
都市近郊林ゾーンでの
対策を進めていただきたいと思います。
また、全体の
個体数に関して、増え過ぎた
ヒグマの数を減らす、いわゆる
個体数調整が必要な時期に来ているのではないかというお声も市民から多く伺っているところでございます。この件については、広域での
個体数推定や
個体数調整の在り方を所管する北海道ともしっかりと意見交換や
情報共有を行っていただき、必要な対応を検討していただきたいということを要望して、私からの質問を終わらせていただきます。
◆田中啓介 委員 私からも質問をいたします。
本市の場合、大都市でありながら自然豊かな都市である一方で、一部の
ヒグマの
専門家によりますと、森林とつながる緑の回廊が
ヒグマの
市街地への侵入ルートになっているという指摘がございます。
そこでまず、1点質問いたします。
本市の進めてきた緑の連続化など、
市街地への
ヒグマの
侵入抑制策について、まちづくり、また、都市計画に盛り込まれていくよう、今後、見直しを検討していく必要があるというふうに思うのですけれどもいかがか、伺います。
◎吉津
環境管理担当部長 市街地への
ヒグマ侵入抑制策についてお答えいたします。
ヒグマは、一般的に身を隠して移動する習性があると言われており、
河川敷や緑地などの見通しをよくすることは、
市街地への
ヒグマの侵入を防ぐ上で効果的であると言われております。
そこで、札幌市では、
地域住民などと協働で
草刈りを行っているほか、
ヒグマの通り道となり得る場所で
自動撮影カメラによる監視を行うなどの取組を進めており、新しい計画でも
対策をより強化していくこととしております。さらに、本計画では、
市街地近郊にある公園の管理に携わる方々を対象にした
ヒグマ対策の研修を行っていくことも盛り込んでおります。
それぞれ所管している計画に
ヒグマ対策の観点を反映していくということは、今後の検討課題になりますが、まずは、庁内の関係部局と連携しながら、
市街地での市民の安全・安心確保に引き続き努めてまいります。
◆田中啓介 委員 この計画を改定するに当たっての検討
委員会でも、札幌市のまちづくりの上位計画の中に、
ヒグマをはじめとする野生動物の侵入防止みたいなことをうまく取り組んでもらうよう働きかけが必要というような意見も出ております。
今、吉津部長からもありましたように、今後、この計画を本当に実効性あるものにしていくためにも、まちづくりとか都市計画にも
ヒグマ基本計画の観点をしっかりと盛り込んでいただくよう求めておきます。
次に、この計画の
基本目標2の市民の安全を第一に迅速かつ適正な
ヒグマ出没対応を行いますで、その施策の
方向性として、今計画から新たに出没した
ヒグマの有害性の判断表と、それに応じた
基本対応方針表が示されております。
もちろん、市民の安全が第一という考えに異論はございません。しかし、この計画の表題にもなっております「人は街で、
ヒグマは森で。」とあるとおり、人と
ヒグマの
すみ分け、つまり、駆除に至る前の対応を重視すべきだというふうに思っております。
検討
委員会においても、出没してもらわないことを目指しているが、そこが見えない感じがするというような意見が出されたり、また、別の委員からは、
ヒグマの密度抑制の議論以前に、そこに出没させないとか、これ以上入れないような
対策をまず具体的に行う、出てきているものに関しては確実に追い払うような試みをすること、そういうことがまず行われるべきと述べられております。
私も、この計画を読んで、
ヒグマが生息を担保されている
森林ゾーンで
ヒグマの生息がどう担保されているのかがよく見えません。実際に、検討
委員会の中でも委員からは、人間から見たときの
対策のことばかり書いてあって、
ヒグマの保護的なことがどこにも書かれていないと指摘されております。
森林ゾーンにおいて、
ヒグマの
個体数の動向把握だけではなくて、その
森林ゾーンが
ヒグマが生息しやすい環境なのかどうかの調査、また
対策をしていくこと、
先ほどの質疑の中でもありましたが、森林は複数の
自治体にまたがっていて、札幌市だけでは
ヒグマの
行動範囲とか傾向、生態を正確に把握するということには限界があると思いますが、この調査をする、また、
対策をしていくことも
市街地への
侵入抑制策として重要だというふうに思っております。
そこで、伺いますが、
森林ゾーンにおける
ヒグマの生息環境管理など、駆除に至らないような
対策強化が重要だというふうに思うのですがいかがか、伺います。
◎吉津
環境管理担当部長 質問の趣旨は、
市街地の出没に至らないような
対策の強化ということかと思われますので、お答えいたします。
市民の安全・安心確保のため、新しい計画では、三つの
基本目標のうち、
市街地への
侵入抑制策の推進を
一つ目に掲げるなど、札幌市としても、
市街地への
ヒグマの侵入を防ぐ
対策に重きを置いているところであります。
具体的には、
市街地周辺
ゾーンや
都市近郊林ゾーンにおいて
電気柵や
草刈りなどの
対策を行うことにより、
ヒグマを
市街地に寄せつけない
対策を積極的に進めていくこととしております。
森林ゾーンにつきましては、奥山の生息状況の把握に努めていくとともに、
有識者の意見も伺いながら、必要に応じて関係機関とともに
対策を検討してまいりたいと考えております。
◆田中啓介 委員
侵入抑制策をはじめ、この計画を進めていく中心的な役割を担うのが本市環境局
ヒグマ対策課の皆さんであって、また、
ヒグマの生態や自然環境について研究、調査されている専門の方々だというふうに思います。
本計画から全行政区に拡大したことからも、それぞれの地域特性もある専門的な研究・調査データの蓄積、その活用をしていくこと、また、その計画を実施するためにも、十分に対応できる人材を確保していくことも重要であると思います。
検討
委員会でも、委員から、
ヒグマの侵入防止のためには、札幌市に専門的な知識を持った人材をきちんと配置するということ、また、きちんと人がいることが大事と述べられております。
そこで、伺います。
計画の第7章の各主体に求められる役割の記載の中で、本市として、
ヒグマ対策を担う人材確保など、専門集団としての体制強化が求められているというふうに思いますが、どのように強化を図っていくお考えか、伺います。
◎吉津
環境管理担当部長 ヒグマ対策の体制についての
お尋ねでございます。
札幌市では、現在、環境局のほか、各区の地域安全担当の職員が
ヒグマの出没対応に当たっておりますが、市民の安全を第一とした対応では、警察や専門の
事業者などとの連携が最も重要と認識しているところであり、各主体の強みを生かして、適材適所の
対策を進めていくことで、状況に応じた体制の確保に努めてまいります。
◆田中啓介 委員
ヒグマの
侵入抑制策の推進と、生態を把握して、自然環境の保全をするためにも必要な
対策を取っていく、そのためには、やはり、人員の配置、また、その支援のためにも費用が伴ってまいりますので、これらにはしっかりと予算を確保していただきたいというふうに思います。
また、加えて、本市内の森林は
近隣自治体につながっていることからも、
近隣自治体との連携強化はもちろん必要ですけれども、あわせて、国や北海道との連携、財政的な支援もしっかりと求めていくことが重要と申し上げて、質問を終わります。
○
成田祐樹 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
成田祐樹 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
以上で、
委員会を閉会いたします。
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閉 会 午後2時24分...