札幌市議会 2022-10-28
令和 4年総合交通政策調査特別委員会−10月28日-記録
◎生野
新幹線推進室長 北海道新幹線において発生する対策土の性質についてお答えをいたします。
北海道新幹線の対策土につきましては、国によりまして、土に含まれる
重金属等の濃度である
土壌含有量基準と水に溶け出す重金属の濃度であります
土壌溶出量基準という二つの基準が設定されてございます。
この基準は、
日常生活において、70年間、その土の上で生活をしたり、地下水を毎日2リットル飲んだりした場合でも健康に影響が現れない濃度に設定されているものでございます。この基準を少しでも上回るような土は対策土として処理されることになってございます。
このうち、
土壌溶出量基準につきましては、水道水と同じ基準が設定されておりますことから、国の基準値は、非常に厳しい条件の下、設定されているものと認識してございます。
札幌市内におきましては、
定山渓地区の川の底からヒ素を含む温泉水が自噴をしていまして、豊平川に流入するなど、市内にはヒ素を含む土壌が広く分布しておりまして、
北海道新幹線における対策土も
自然由来のものでありまして、
受入れ地において適切な対策を取ることで、人の健康や環境に影響を与えないものと認識してございます。
このことにつきましては、
住民説明会や
オープンハウスにおいても説明しておりまして、特に
オープンハウスにおきましては、土の性質や基準の考え方について疑問をお持ちの方に対しまして、一人一人、個別に説明したところでございます。
◆
藤田稔人 委員 当委員会においても、鉄道・
運輸機構の職員を参考人招致し、
対策方法について確認した上で、昨年12月から対策土を搬入しているものと認識しております。
そこで、質問ですが、
手稲山口受入れ地において、現在実施している
対策方法についてお伺いさせていただきます。
◎生野
新幹線推進室長 手稲山口の
受入れ地における
対策方法についてお答えをいたします。
手稲山口受入れ地における
対策方法につきましては、
北海道新幹線の
建設主体であります鉄道・
運輸機構が、専門家などによります
第三者委員会の審議を踏まえまして、
地盤改良や二重遮
水シート、遮水壁などの対策を実施しているところでございます。
◆
藤田稔人 委員 今まで説明されてきました対策を適切に実施されているということでございますので、今後も安全には十分にご配慮して工事を行っていただきたいと考えております。
◆
水上美華 委員 陳情の中で心配されているとおり、本市の土壌には
自然由来の重金属が多く含まれており、2003年に
土壌汚染対策法が施行されてから、
大型工事を伴う際に度々課題となってきております。
その中で、このたびの
新幹線延伸工事に伴う対策土にもヒ素などが含まれていることから、発生する対策土の性質や
対策方法をこれまでも住民に説明してきました。特に、
手稲山口受入れ地における住民への説明については、
受入れ地に決定するまでに十分に説明のプロセスを踏んできたものと理解をしております。
いま一度の確認ではありますが、本市としては、これまでどのように住民の意見を聞く場を設けてきたのか、伺います。
◎生野
新幹線推進室長 住民の意見を聞く場の確保についてお答えをいたします。
手稲山口市有地における
受入れ地決定に当たりましては、
手稲山口地区の方を対象とした
住民説明会を2回、合計6日間開催しております。また、それ以外の地域の方も含めて参加可能な
オープンハウスというものを3回、合計8日間開催しているところでございます。
また、
対策土受入れに当たりましては、
手稲山口地区の住民を対象とした
地域協議会を立ち上げ、昨年12月の
対策土受入れ開始前に1回目を開催し、約3か月置きにこれまで合計4回開催してきておりまして、継続的に
地域住民からの意見を聞きながら
受入れ工事を進めているところでございます。
◆
水上美華 委員
対策土受入れ後、これまで、
山口地区の住民を対象とした
地域協議会を継続的に開催し、地域からの意見を聞いているということでございました。
これまでも、私
ども会派といたしましては、
手稲山口受入れ地の
対策土受入れに当たっては、この地域からの意見をしっかりと聞きながら適切な対応をするよう求めてきたところでございます。
そこで、質問ですが、対策土を搬入後、現在に至るまで、
地域協議会においてどのような
意見交換を行ってきているのか、また、あわせて、
地域協議会の中で工事の中止を求めるような声は出てきているのか、伺います。
◎生野
新幹線推進室長 地域協議会における
意見交換の内容についてお答えをいたします。
地域協議会におきましては、工事における粉じんや振動などにつきまして、参加者からご意見、ご要望がありまして、鉄道・
運輸機構や
工事受注者におきまして、適宜対応しているところでございます。
また、協議会の中では、
受入れ地の
跡地利用のほか、地域内の施設の改修要望など、
手稲山口地区の今後について住民の方々と
意見交換を行っているところでございます。
また、今月22日には、
手稲山口地区の住民の方を対象に、
手稲山口の
受入れ地工事や
トンネル工事の
現場見学会を開催したところでございます。
これまで、
地域協議会や
現場見学会におきましては、参加者から工事の中止を求めるような声は受けていないところでございます。(傍聴席から発言する者あり)
○
前川隆史 委員長 傍聴人に申し上げます。
傍聴人は静粛にお願いいたします。
◆
森山由美子 委員 私からも質問をさせていただきます。
まず初めに、
手稲山口受入れ地における
モニタリングの
実施状況や
モニタリング結果を受けた対応について伺います。
工事の施工業者が地域に配付している今年10月の
ニュースレターに記載している
水質モニタリングを見ると、
受入れ地内の
地下水モニタリングにおいて
基準値超過が認められたと記載をされております。また、粉じんについては、直ちに人の健康に影響があるものではないとのことではありますが、それでも
粉じん自体は、近隣の方に、また
近隣住民の方に迷惑なものであるというふうに考えます。
そこで、質問ですが、
手稲山口受入れ地における
モニタリングの
実施状況や
モニタリング結果を受けた対応について伺います。
◎生野
新幹線推進室長 手稲山口受入れ地における
モニタリングの
実施状況と、
モニタリング結果を受けた対応についてお答えをいたします。
手稲山口受入れ地におきましては、地下水と粉じんの
モニタリング調査を実施しておりまして、地下水については、
受入れ地内と周辺河川において調査を行っております。
また、粉じんにつきましては、
受入れ地南東側の隣接地との境界付近や
星置地区センターにおいて調査を行っております。
モニタリング結果につきましては、
地域協議会の場で
情報提供するとともに、3か月を目安にしまして発行しております
ニュースレターを
手稲山口地区の住民の皆さんへ配付するなどして
情報周知に努めているところでございます。
また、
地下水モニタリングにおける
ヒ素濃度の
基準値超過につきましては、この地域では
対策土受入れ前から
ヒ素濃度の高い値が検出されておりますことから、工事による影響ではなく、ヒ素を含む土壌が広く分布している札幌市の
地域特性に起因したものであると考えております。
なお、基準値の超過が判明した後は、直ちに周辺の
地下水利用者、井戸をご利用されている方なのですけれども、その方々に説明を行うとともに、
地域協議会において説明、報告をしているところでございます。
また、粉じんの
モニタリングにつきましては、総
粉じん量を測定するという方法でありますことから、
受入れ地以外の要因も含まれている可能性がございますが、今年の春先には、昨年の同時期と比較して
粉じん量が増加傾向にあったところでございます。
このため、鉄道・
運輸機構におきましては、
粉じん防止剤の散布などの対策を強化いたしまして、現在は
対策土受入れ前と同程度の
粉じん量となっていると聞いてございます。
◆
森山由美子 委員 次に、
対策土受入れに伴う農業への影響についてお伺いいたします。
我が会派では、これまで、当委員会において、
風評被害を防止する対策としてどのように対応していく考えなのか、具体的な取組を確認してきており、市からの答弁として、地下水の
モニタリング結果など広く市民にお知らせをし、しっかりと安全性を示すことで
風評被害の防止に努めること、万が一、
風評被害による
農業被害が確認された場合には、鉄道・
運輸機構が適切に対応することを確認していたところでございます。
発生土受入れによる影響で
風評被害があった場合には、農業で生計を営む方たちにとって死活問題になることが想定され、農家の方々へ丁寧に対応すべきものと考えるものです。
手稲山口は、
大浜みやこという
カボチャや
サッポロスイカなどが特産品でありますが、昨年12月の
手稲山口地区への
トンネル発生土の受入れ以降、今年の夏が初めての収穫でございました。私も、毎年恒例、今年もこの時期、
カボチャやスイカを楽しみにしている一人として訪れましたが、そのときは今年も変わらずにぎわっている印象は持ちました。
そこで、質問ですが、今年の農産物の収穫時期に当たって、
風評被害を受けているとか、対策土の影響で売上げが減少したという声があったのか、伺います。
◎生野
新幹線推進室長 対策土受入れに伴う農業への影響についてお答えをいたします。
手稲山口の特産品であります
大浜みやこ、
サッポロスイカにつきましては、今年7月と8月の初競りにおきまして、それぞれ例年同様の高い値がついたと聞いております。また、地元には幾つか直売所がございますが、売上げが減少したという声は届いていないところでございます。
なお、ある直売所の方からは、日によってはその日のスイカが売り切れるなど、人の入りは例年と大きくは変わっていないと聞いておりまして、
対策土搬入によって農業への大きな影響はなかったものと認識してございます。
◆
吉岡弘子 委員 私からも少し質問させていただきますが、その前に、今の前にお話しされていたところで、一言、申し上げたいと思います。
去年の12月以降、
地域協議会を開いているということだったのですけれども、
地域協議会に出られる方というのは、本当にそこの地元の町内会の方だけに限られているのではなかったかなというふうに私は記憶しております。
星置の方たちや何かは、
住民説明会をしてほしいと言っても、なかなかしてもらえなかったのですけれども、暮らしているのは、処分場がある本当にそこだけではなくて、風で飛んだりとか、いろんなことがありますし、広い範囲でいろんな住民の皆さんが心配されていると思うのですが、そういう方たちの声を聞くような仕組みは今はないのではないかなというふうに思っています。
それと、
モニタリングのお話なのですが、先ほどのお話にもありましたけれども、札幌市は、確かに手稲のところで、地下水の
モニタリングではいろいろヒ素なんかも調べているのですけれども、粉じんのところでは量しか調べていないですよね。
ですから、粉じんのヒ素の怖さというのを、先ほど堀井さんが少しお話しされていたと思うのですけれども、そういう意味では、粉じんの相対量ではなくて、きちんと、ヒ素がどのぐらい含まれているのかとか、そういった調査が必要なのではないのかな、そういうことを住民の皆さんは願っているのではないのかなというふうに思って聞いておりました。
それでは、質問させていただきます。
札樽トンネルから出る230万立米の掘削土のうち、
有害物質を含む115万立米が要対策土で、その中には、人体や生態系に害を及ぼす猛毒のヒ素が基準値の190倍も含有している、このことが2020年の6月、
住民説明会の資料で判明いたしました。
手稲区山口の処分場では、飲料水の汚染や遮
水シートの問題、将来にわたる住民の健康と環境保全への不安を払拭されないままに、昨年12月から搬入されています。
このたびの陳情は、手稲区とともに、厚別区の
山本地区の方も提出者となっております。
新幹線札幌延伸工事に関わる陳情は、これまで、陳情第4号、これは
金山地区、陳情第13号、第14号、これは
山口地区、第32号は中央区の
桑園地区、第104号は同じく手稲区金山、こういったところから提出されています。
有害掘削土の
受入れ反対や
トンネルルートの変更、
有害掘削土搬入ルートの変更など、いずれも
新幹線工事に直結する内容です。
そこで、質問ですけれども、工事が始まって半年過ぎても陳情が上がってくる、これまで上がった第4号、第13号、第14号、第32号、第104号に続いて6度目となっています。いずれの陳情も解決されないと工事を進められない重要な問題だと思いますけれども、このことに対する本市としての認識を伺います。
◎生野
新幹線推進室長 陳情に対する認識についてお答えをいたします。
それぞれの陳情につきましては、その内容や主張が異なりますので、個々の受け止めにつきましては一概にはお答えできませんが、いずれにしましても、
新幹線事業に対して市民の関心が高いがゆえのものと認識をしてございます。
これまで市議会に提出されました陳情につきましては、本委員会におきまして、委員の皆様にご審議いただいたところでございます。札幌市としましては、これまで、委員の皆様からいただいた様々なご意見やご審議の結果を踏まえ、
事業主体である鉄道・
運輸機構と連携して事業を進めてきたところでございます。
◆
吉岡弘子 委員 今、関心が高いということをおっしゃっていましたけれども、関心が高くて出したわけではなくて、困っているから住民の皆さんは出しているのです。安全な生活を返してほしい、そういう思いの訴えではないでしょうか。
このたびの陳情者が最も心配しているのは、
トンネルから出てくる土砂や粉じんに含まれるヒ素の毒物性が健康や命、環境に及ぼす影響だと話されました。
手稲山口は、
カボチャやスイカなど野菜の生産地としても、地下水や
粉じん汚染は深刻な問題です。小さなお子さんを抱える世帯ではなおさらです。
先ほどもヒ素のいろいろなお話がありました。本当に、住民の皆さんの健康や命、そして、環境に関わる不安にぜひしっかり寄り添うのが地方自治体の責務ではないかと私は思います。
秋元市長は、市議会の答弁で、
地域住民をはじめ、皆様の理解を得ず、その先へ進めることはできないと言いながら、住民が求める
星置地域の説明会は実施しないできました。
先ほど、
陳情提出者から、住民側に公正な
意見陳述の場を設けてほしいと要望がありました。
陳情提出者が公正な陳述の場をと言ったのは、説明会の開催をしてもらえないまま推移してきた、そしてまた、
公開討論会が全くできなかった、そういうことに対する切実な思いではないかと思います。
そこで、質問ですが、札幌市は、
陳情提出者に対し、
意見陳述の場を設けるべきだと思いますが、どのようにお考えですか。また、これまで札幌市に求めてきた
公開討論会の開催などがどのような理由で開催されなかったのか、お聞きいたします。
◎生野
新幹線推進室長 公開討論会の開催についてお答えをいたします。
手稲山口受入れ地における対策土の受入れにつきましては、
住民説明会や議会における議論などを踏まえて決定したものでありまして、現在、
地域協議会において、地元の方々の意見を伺いながら、鉄道・
運輸機構と連携して事業を進めているところでございます。
したがいまして、改めてこの受入れの是非について議論するための
公開討論会を開催することは考えてございません。
◆
吉岡弘子 委員 これまでの
新幹線工事に関わる陳情は、
新幹線そのものへの賛否にかかわらず、住民の納得と合意のないまま強引に進められたことへの訴えです。
完成時期を5年前倒しして、
新幹線駅舎の計画の変更、札幌工区の高架から
地下トンネル化への変更など、国や機構、札幌市が繰り返す計画変更に市民が翻弄され、合意も納得もないまま進められていることへの抗議と私は受け止めています。
手稲山口に
搬入予定の
有害掘削土は90万立米です。札幌市の
トンネル工事から出る
有害掘削土、要対策土は約115万立米ですから、札幌市はまだ
受入れ地を探しており、工事が続く限り、ヒ素を含む
有害掘削土の搬入は続き、手稲区金山、厚別区山本も候補地のままです。
本市が札幌市まで延伸してこそ効果があるとあくまでも
北海道新幹線2030年開業に固執するならば、市民との信頼関係は大きく損なわれ、将来にわたって禍根を残すことになります。
山口処分場への
有害掘削土の
搬入中止と
原状回復及び
北海道新幹線札幌延伸工事は一旦立ち止まるべきだと申し上げて、質問を終わります。(傍聴席から拍手)
○
前川隆史 委員長 傍聴人は静粛にお願いいたします。
◆
石川さわ子 委員 私からも、陳情第149号について伺いたいと思います。
提出されましたこの陳情は、
有害掘削土の
搬入工事の中止などを求める内容でありまして、その理由としましては、
住民説明会で使用されました鉄道・
運輸機構が作成した
説明資料の中に偽りの安全性というべき記述があるというふうにおっしゃっております。
何について何を偽っているのかということについては、陳情者の方が提出された資料に説明されておりまして、先ほども陳情者の方に伺ったところであります。
それによりますと、
住民説明会の資料において、重金属が含まれる土を毎日100ミリグラム、70年間体内に取り入れても健康に有害な影響がない濃度に設定するという記載がありますが、含有量の基準値を示さないでこうした記載をすることは、不正確で曖昧な記述であり、また、見逃すことは大きな危険性があり、無責任な安全性の誇張になるというのが陳情者の方のご主張であります。
そこで、質問でありますが、
住民説明会におきまして、基準値ではなく、重金属が含まれる土を毎日100ミリグラム、70年間体内に取り入れても健康に有害な影響がない濃度に設定するというような記載をした意図はどういったことなのか、伺います。
また、毎日100ミリグラム、70年間摂取したとしても健康に影響がない濃度とは、土壌100ミリグラム中に何ミリグラムのヒ素が含有された土なのか、改めて伺います。
◎生野
新幹線推進室長 住民説明会における基準の説明の意図についてお答えをいたします。
住民説明会につきましては、
土木工事などになじみのない一般市民の方が対象であるため、具体的な事柄を話す前に、まず、枠組みから説明する必要があると考えまして、国が定める二つの基準の考え方を説明した上で、
札幌市内の
新幹線工事から発生する土について説明したものでございます。
この基準の考え方に基づく
土壌含有量の基準は、土壌1キログラム中に150ミリグラムのヒ素が含まれた状態でございます。この基準値につきましては、
住民説明会の資料におきましては、基準の考え方をご紹介した次のページ以降に、工事から発生する土に含まれる重金属の濃度とともに記載をしているところでございます。
したがいまして、ご質問の毎日100ミリグラム、70年間摂取したとしても健康に影響がない濃度とは、土壌100ミリグラム中であれば0.015ミリグラムのヒ素が含まれた状態でございます。
◆
石川さわ子 委員 二つある国の基準の考え方に基づいて市民の皆さんに説明を分かりやすくするということに基づいての説明の資料だったというふうに受け止めました。
しかし、例えば、対策土という言い方にいたしましても、これが対策を行った土のようにも受け止める方がいらっしゃるように、これまでの説明でも分かりにくいということが私は多々あるというふうに受け止めております。
このたびの市民の皆さんの陳情の指摘を真摯に受け止めていただいて、鉄道・
運輸機構や、また、札幌市の説明の仕方とそれに対する市民の受け止め方にそごがないように、私は丁寧に分かりやすく行っていただきたいということを求めておきます。
次に、
地域協議会について伺います。
地域協議会は、
山口東町内会、また、
西町内会の方が参加して、
情報共有や
跡地利用、また、
手稲山口地区の
地域振興のための課題の共有など、そうした問題の解決のために活動されているというふうに認識をしております。工事の安全性ですとか、
モニタリング結果の確認、そうしたことの課題を共有しているというふうに伺っております。
私は、昨年4月の本委員会におきまして、
地域住民の不安を払拭するために、
地域協議会の活動としましては、協議会での
協議内容の発信だけではなく、広く地域の意見を募りながら協議することを求めました。
そこで、質問でありますが、
地域協議会で協議している内容は地域で広く
情報共有するべきと考えますが、どのように
情報共有をされているのか、伺います。
◎生野
新幹線推進室長 地域協議会における
協議内容の
情報共有についてお答えをいたします。
地域協議会における議論の内容につきましては、
地域協議会だよりを発行いたしまして、参加者の確認を受けた上で
山口西町内会と
山口東町内会に回覧で周知をしているところでございます。
また、この
地域協議会だよりにつきましては、札幌市の
新幹線推進室のホームページに掲載し、広く市民に対して
情報提供を行っているところでございます。
◆
石川さわ子 委員
地域協議会だよりを発行されて、その内容を
情報共有されているということでありますが、先ほども申し上げましたが、そもそもこの協議会のメンバーは山口東と西地区の住民のみが対象となっておりまして、その
協議内容を話し合っている最中に例えば
星置地区の方たちは参加をすることができないという、そういう
情報共有についての差があるということは私は問題だというふうに捉えながら、昨年以来、そうした地元の意見をしっかりと募りながら協議をしていってほしいということを求めてきました。
住民の皆さんは、ヒ素の濃度が薄くても、また、
粉じん量が仮に僅かであっても危険や不安を感じており、本日の陳情の内容のように疑問や懸念は払拭されていないというふうに受け止めているところです。
こうした不安や懸念を抱える
星置地区も含め、広く
地域住民の方に真摯に向き合い、さらに説明を尽くすことを強く求めまして、私の質問を終わります。
○
前川隆史 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
前川隆史 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
ここで、陳情第149号の取扱いについてお諮りいたします。
取扱いは、いかがいたしますか。
(「継続」「採決」と呼ぶ者あり)
○
前川隆史 委員長 継続と採決とに意見が分かれておりますので、改めてお諮りいたします。
陳情第149号を継続審査とすることに賛成の委員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○
前川隆史 委員長 起立少数であります。
よって、陳情第149号は、本日結論を出すことといたします。
それでは、討論を行います。
◆
藤田稔人 委員 私は、自由民主党議員会を代表し、陳情第149号について不採択とする立場から、討論させていただきます。
これまでも、当委員会においては、
北海道新幹線トンネル工事において発生する対策土について、
自然由来によるものであり、
札幌市内には広く分布していること、基準値は非常に厳しい基準により設定されているものであること、適切な対策を取れば人の健康や環境に影響がないことなどを確認してきたところであります。
また、
手稲山口受入れ地の対策については、鉄道・
運輸機構を参考人招致するなど、十分な対策であることを確認してきたところであり……(傍聴席から発言する者あり)
○
前川隆史 委員長 傍聴人は静粛にお願いいたします。
◆
藤田稔人 委員 (続)本日の審議においても、これまで説明されてきた対策が適切に実施されていることを確認させていただきました。
今後も安全には十分に配慮して工事を行っていただき、
北海道新幹線札幌延伸を一日も早く実現するため、引き続き事業を着実に進めていただきたいと考えております。
私からは以上です。
◆
水上美華 委員 私は、民主市民連合を代表して、陳情第149号を不採択とするべきとの立場で、討論を行います。
北海道新幹線札幌延伸は、首都圏との交流促進に加え、近年は東北と北海道との経済交流、人的交流への効果も期待されています。そして、決定された
新幹線延伸工事を進めるための環境を整える責任が自治体にはあると思います。しかし、本市の土壌には
自然由来重金属が多く含まれており、2003年に
土壌汚染対策法が施行されてから、
大型工事を伴う際に度々課題となっております。
新幹線延伸工事に伴う対策土などに含まれるヒ素などが人体に直接影響を及ぼすことはないと示された数値であっても、地域の方からは不安や心配などの意見が出されることは理解できます。
こうした中、本市はこれまで、機会を捉え、市民の不安解消に努めてきたところであります。
本日の委員会において、様々な質疑が行われ、昨年12月から
手稲山口に搬入をしている対策土は、より安全な対策として、専門家などによる
第三者委員会の審議を踏まえ、
地盤改良や遮水壁などの対策を実施していることを確認いたしました。
また、
地域住民への説明は、
手稲山口地区に、本市初のケースとなる工事中、工事後と長期に継続的に時間をかけて、
地域住民の皆さんへ環境調査の結果報告や
意見交換を行う場として
地域協議会を設置し、昨年12月の
対策土受入れ開始前に1回目を開催、それ以降、約3か月置きに開催しており、今年度も2回開催しています。
地域協議会で参加者から意見、要望があった工事における粉じんや振動などについては、鉄道・
運輸機構や
工事受注者において適宜対応をしてきています。加えて、今月22日には、
手稲山口地区の住民を対象に、
手稲山口の
受入れ地工事や
トンネル工事の
現場見学会が実施されています。
これまで、跡地の活用のほか、地域内の施設の改修要望など、
手稲山口地区の今後について
意見交換を行っていますが、
地域協議会や
現場見学会においては、参加者から工事の中止を求めるような声は受けていないことを確認いたしました。
本日の説明や質疑により、地域の方が心配されていることがおおむね解決できる方策を本市は適切に対応してきているものと判断いたします。
これからも、市として
地域住民との
意見交換の実施を継続して確認していくことを述べて、私の討論を終わらせていただきます。
◆
森山由美子 委員 私は、公明党議員会を代表して、本委員会に付託されました陳情第149号について不採択とする立場から、討論を行います。
当委員会においては、我が会派として、これまでも
モニタリング調査とその情報発信を適切に継続していくことを求めてきたところです。
本日の審議において、鉄道・
運輸機構は、地下水と粉じんについて、定期的に
モニタリングを行っており、おおむね3か月置きに
モニタリング結果を記載した
ニュースレターを発行、配布するなど、
モニタリング結果の周知を図っていることが確認できました。
また、対策土を受け入れたことによって、
風評被害など地元の農業への大きな影響は生じていないとのことであり、安心をしたところでございます。
さて、事を進めていくに当たっては、何か異常があった場合には、早めに見つけて早めに対応していくということが安全・安心の基本と考えているところです。引き続き、
モニタリングをしっかり行い、適切に
情報提供を行うことで、住民の安心を確保しながら事業を進めていただきたいことを求め、私の討論を終わります。
◆
吉岡弘子 委員 私は、日本共産党所属委員を代表して、陳情第149号に賛成し、採択すべきとの立場で、討論します。
山口処理場に搬入される要対策土には、人体や生態系に害を及ぼす猛毒のヒ素が高濃度で含有しています。住民は、飲料水の汚染や粉じん、そして、遮
水シートの耐久性への不安、将来にわたる命と健康、そして、環境への不安は払拭されず、合意も納得もないまま強引な搬入が進められています。
秋元市長は、市民の理解なしに先に進めることはできないとしながら、住民の求める説明会や
公開討論会に真摯に向き合おうとせず、
有害掘削土の搬入を強行しました。住民は不安と深い憤りを持っております。
本市が、札幌市まで延伸してこそ効果があると、あくまでも
北海道新幹線2030年開業に固執するならば、市民との信頼関係は大きく損なわれ、将来にわたって禍根を残すことになります。
よって、鉄道・
運輸機構との協定破棄と
山口処理場への
有害掘削土の
搬入中止、
原状回復を求める本陳情は採択すべきと申し上げて、討論を終わります。(傍聴席から拍手)
○
前川隆史 委員長 傍聴人に申し上げます。
静粛にお願いいたします。
◆
石川さわ子 委員 私は、市民ネットワーク北海道を代表し、陳情第149号を採択すべきとの立場から、討論をいたします。
手稲山口地区への掘削土の搬入に関しましては、何度も陳情審査を行ってきておりまして、さらに本陳情が提出されたということは、
重金属等による健康への影響など、地域の方々の不安や懸念が払拭されていないということの表れと私は受け止めております。
この間、市長をはじめ、担当者の方の発言におきましては、
地域住民をはじめ、市民の皆様の理解を得ず、その先に進めることはできないとおっしゃっておられるように、対策土の搬入等につきましては、説明と地域の理解を得ることは必要不可欠と考えます。
その趣旨から言いますと、例えば、
星置地区での説明会を開かずに行った事前調査やその後の掘削土の搬入など、
地域住民からは強行的と受け止められてもやむを得ないのではないかと感じるところです。札幌市は、
地域住民に、真摯に向かい合い、さらに説明を尽くすべきと考えます。
したがって、継続審議とすべきと考えるところでありますが、結論を出すとのことから、陳情第149号につきましては採択すべきと考えます。
以上で、私の討論を終わります。(傍聴席から拍手)
○
前川隆史 委員長 傍聴人に申し上げます。
拍手等によりまして公然と可否を表明することは、札幌市議会の傍聴に関する規則第7条に禁止されております。再三注意しておりますので、これ以上行いますと私は退場を命じなければいけなくなります。そうしたくございませんので、どうかご協力をよろしくお願い申し上げます。
ほかに討論はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
前川隆史 委員長 それでは、採決を行います。
陳情第149号を採択すべきものと決定することに賛成の委員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○
前川隆史 委員長 起立少数であります。
よって、陳情第149号は、不採択とすべきものと決定いたしました。
ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後3時57分
再 開 午後3時59分
――――――――――――――
○
前川隆史 委員長 委員会を再開いたします。
次に、丘珠空港の将来像(案)についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。
◎村瀬 都市計画担当局長 本日は、丘珠空港の将来像(案)につきまして、ご意見を伺った結果と将来像(案)への反映についてご説明させていただきます。
それでは、詳しい内容は空港活用推進室長の木村からご説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。
◎木村 空港活用推進室長 私から、配付させていただいております資料に基づきまして説明をさせていただきます。
お手元に、資料1、丘珠空港の将来像(案)について、資料1−2、丘珠空港の将来像(案)に関するパブリックコメント意見集計表、資料2−1、丘珠空港の将来像(案)、資料2−2、丘珠空港の将来像(案)の修正箇所をお配りしております。
それではまず、丘珠空港の将来像(案)に係る意見聴取の結果を資料1−1にてご説明させていただきます。
まず、将来像(案)に係る意見聴取についてでございます。
将来像(案)につきましては、パブリックコメントを54日間、
地域住民との
意見交換会を空港周辺九つの連合町内会区域で開催したほか、
オープンハウス型
意見交換会を札幌駅前通地下歩行空間や北区及び東区の商業施設など5か所で計7日間行いました。延べ1,837名の方から3,855件のご意見をいただきました。
今回の意見聴取に当たりましては、より多くの意見をいただけるよう、パブリックコメントの期間を通常より長く設定し、あわせて、空港周辺地域の約12万8,000世帯を対象に、パブリックコメントの資料と参考資料、解説書にありますが、こちらを配布可能なところに各戸配付をさせていただきました。
続きまして、将来像(案)に係る意見の概要でございます。
意見提出につきましては、自由記載とさせていただいておりましたので、お1人の方から複数の意見をいただくこともありました。将来像(案)に対しまして、肯定的あるいは否定的なご意見のほかにも、各項目に対しましての要望、提案、ご質問といった様々なものをお寄せいただき、将来像(案)に関する意見につきましては、3,657件あったところです。
意見の傾向につきまして、左下の表にお示しをしております。
1.の原案に対する肯定または否定を示した意見でございますが、原案に肯定的な意見といたしまして1,095件、否定的なご意見といたしまして237件ございました。原案に対するご意見といたしましては合計で1,332件となりますが、このうち8割が肯定的な意見でございました。
また、これ以外の原案に対して肯定または否定というところを明確に示していないご意見、またご質問につきましては、その下の2.にお示しをしております。
原案以上の機能強化を求めるご意見、また、さらなる検討が必要だというご意見、周辺環境への影響に関するご意見などがございました。
主な意見の概要につきましては、資料右上をご覧ください。
原案に肯定的な意見といたしまして、将来像(案)や滑走路の1,800メートル程度の延伸、路線の拡充に賛成といったご意見がございました。
原案に否定的な意見といたしまして、滑走路の延伸や路線の拡充に反対、現状のままでよい、騒音や危険性の増加につながるといったご意見がございました。
続きまして、原案以上の機能強化を求めるご意見といたしまして、2,000メートルの滑走路延伸が望ましい、羽田、大阪など大都市圏への就航を希望する、空港の機能強化に伴い地下鉄東豊線の延伸を要望するといったご意見がございました。
さらなる検討が必要というご意見に関しましては、LCCの就航、また、道内路線の拡充の検討が必要であろう、新千歳空港と丘珠空港間のアクセス検討が必要、空港緑地はできる限り残すように検討してほしいといったご意見がございました。
周辺環境の影響に関するご意見でございますが、現在でも騒音が気になり、増便による騒音の増加が不安のため、防音対策などを検討してほしいというご意見、また、その一方で、航空機の騒音は問題ない、ある程度の我慢は必要だというようなご意見もございました。
本書の記述に関するご意見、質問といたしまして、1,800メートルの滑走路長で冬期間の安全は大丈夫なのか、具体的に想定している路線が知りたい、ターミナルビルの拡張規模が知りたいといったご意見がございました。
計画策定手法に関するご意見といたしましては、
地域住民の意見を大事にしてほしい、若い世代の意見も聞いてほしい、今後どのようなプロセスで決定をしていくのかといったご意見がございました。
その他のご意見として、ターミナルビル内への飲食店、お土産店の設置、それから、現状の空港のアクセスが悪いといったご不満のご意見もあったところでございます。
次に、これまでの調査検討と意見聴取結果などを踏まえた将来像(案)についてご説明させていただきます。
平成28年から行ってきた利活用検討、市民1万人アンケート、また、札幌丘珠空港利活用検討委員会での議論を踏まえまして取りまとめた将来像(案)につきまして、繰り返しになりますが、今回の意見聴取の結果、原案に対するご意見として、約8割が肯定的な意見という結果でありました。
また、原案に対する意見には含めておりませんが、2,000メートルへの滑走路延伸や羽田などへの就航といった原案以上の機能強化を求めるご意見も多く、これらは丘珠空港の機能強化という方向性としては肯定的であろうというふうに捉えております。
その一方で、周辺環境への影響に関するご意見には、騒音が気になる、また、落下物が心配だといったご意見もあり、こちらも原案に対する意見には含めておりませんが、否定的と理解すべきものと考えております。
このような原案に対する意見以外の状況を考慮いたしましても、丘珠空港の機能強化を期待する声を多くいただいたというふうに考えているところでございます。
続きまして、主な意見の概要と市の考え方につきまして、こちらは意見の数が多かったものを挙げさせていただいております。
滑走路の延伸に関しましては、2,000メートルへの滑走路延伸が望ましいといったご意見がございました。札幌市の考え方といたしましては、騒音レベルの大きさや周辺への影響、事業費、事業期間などを鑑み、将来像(案)のとおり1,800メートル程度の延伸を国に要望していきたいという考えでございます。
路線の拡充に関しましては、羽田や大阪など大都市圏への就航希望といったご意見がございました。札幌市といたしましては、具体的な就航路線につきましては、今後、関係機関と
情報共有を行い、必要に応じて航空会社に働きかけを行っていきたいというふうに考えております。
空港へのアクセスの充実に関しまして、地下鉄東豊線の延伸を要望するというご意見がございました。事業採算性を考慮すると延伸は難しいと考えているところでございますが、利用状況などを見ながらアクセス向上につながる取組を検討していくという考えでございます。
航空機騒音に関しまして、現在でも騒音が気になり、増便による騒音の増加が不安なため、防音対策などを検討してほしいというご意見がございました。今後も航空機騒音の環境基準の範囲内での運用とする考えでございまして、空港周辺の生活環境の保全を図っていくため、毎年の航空機騒音調査、また、その結果の公表を引き続き行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
続きまして、今回いただいたご意見を参考とし、将来像(案)の修正を行い、反映させたところに関しましてご説明をさせていただきます。
反映させた案が資料2−1になりますが、この修正箇所をまとめたもの、一番最後に添付をさせていただいております、資料2−2でご説明をさせていただきます。
修正箇所は全部で12項目ございますが、主な修正につきましてご説明をさせていただきます。
まず、4項目め、将来像(案)の8ページの(5)航空機の低騒音化についてですが、約20デシベルの低減とあるが、理解できないというようなご意見がございました。このご意見を踏まえまして、20デシベルについての補足説明を追記しております。
次に、6項目め、将来像(案)の12ページ、4−3 空港と周辺地域の共生に関する基本方針につきまして、増便に伴う騒音の増加を懸念するご意見や、騒音調査と調査結果の公表の充実を望むご意見がございました。
今後も、航空機騒音の環境基準の範囲内での運用とする考えでありまして、空港周辺の生活環境の保全を図っていくため、毎年の航空機騒音調査とその結果の公表を引き続き行っていく、また、今後の騒音調査の方法などにつきまして、地域のご意見を伺いながら検討していく考えである、そういうことから、その説明を追記しております。
裏面に移りまして、7項目め、将来像(案)の13ページ、滑走路の延伸について、9項目め、将来像(案)15ページの路線の拡充について、また、10項目め、将来像(案)15ページの空港アクセスの充実につきましては、先ほどご説明いたしました主な意見の概要と市の考え方でご説明した内容を反映するよう追記をしたところでございます。
丘珠空港の将来像(案)に対する主な意見の概要とこれに対する市の考え方やご意見を参考といたしました将来像(案)への反映について報告をさせていただきました。
本委員会でのご議論をいただき、必要に応じて修正をした上で将来像を策定、公表いたしまして、同時に、主な意見の概要とそれに対する市の考え方についても公表してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○
前川隆史 委員長 それでは、質疑を行います。
◆
藤田稔人 委員 丘珠空港の将来像(案)について市民意見を取りまとめたということでございますので、それにつきまして、私から、滑走路の延伸について、路線拡充について、空港周辺のにぎわい創出について、そして、策定プロセスについて、大きく4点ご質問をさせていただきます。
まず、滑走路の延伸についてお伺いさせていただきます。
我が会派は、丘珠空港の滑走路延伸によって、1年を通じて道内外に路線を展開し、ビジネスや観光などの交流人口を増やし、北海道、札幌のさらなる活性化を図るよう求めてきたところです。
今般実施されましたパブリックコメントや丘珠空港周辺地域で開催されました
意見交換会においても、滑走路の延伸については肯定的な意見が多かったと認識しており、一定の理解を得られたと考えております。
丘珠空港の将来像(案)では、滑走路を1,800メートルに延伸すると示されておりますが、今般の意見の中には、滑走路を2,000メートルに延伸したほうがよいという意見も多く見られました。その理由としましては、大型機の運航やLCCの就航が可能になるといったものが見られ、利便性の向上への期待も大きいのではないかと推測されます。
そこで、質問ですが、滑走路延伸については、2,000メートルへの延伸が必要との意見もありましたが、それでも1,800メートルの延伸を要望することについて、札幌市の認識を改めてお伺いさせていただきます。
◎木村 空港活用推進室長 滑走路長1,800メートル程度への延伸を要望するということにつきましてお答えさせていただきます。
延伸後の滑走路長につきましては、これまで、1,800メートルと2,000メートルの2案につきまして、市民との
情報共有、また、議論や検討を行ってきたところでございます。
滑走路長が1,800メートル程度となることによりまして、リージョナルジェット機の通年運航、また、医療ジェットも滑走路面や気象などの条件が整った場合に通年運航が可能となります。
また、現在の滑走路方向に約300メートル程度の延伸であれば、丘珠空港緑地の範囲内でおおむね収まると想定をしておりまして、事業費、事業期間の面も考慮すると、より周辺への影響が少なく済むというふうに考えているところでございます。
一方で、滑走路長が2,000メートルの場合ですが、大型の航空機が就航可能となる一方で、1機当たりの騒音レベルが大きくなるため、航空機騒音の環境基準の範囲内での運用といたしますと、現状では1日に運航可能な総便数が少なくなりまして、年間の旅客数に大きな差はないというふうに想定をしております。
今回の意見聴取では、2,000メートル、またはそれ以上の滑走路長を望む意見もあったところでございますが、札幌市といたしましては、将来像(案)に掲げている1年を通じて安定した空港利用が可能となる滑走路長1,800メートル程度とするために、300メートル程度の延伸を国に要望してまいりたいと考えているところでございます。
◆
藤田稔人 委員 現状においては、滑走路を300メートル延伸して1,800メートルにするという方向とし、滑走路延伸の早期実現を求めるのがふさわしいと考えておりますが、今回の市民意見も踏まえまして、環境が整いましたら、2,000メートルの延伸ということも頭の片隅にぜひ入れておいていただきたいと考えております。
次に、路線拡充についてお伺いいたします。
今回のパブリックコメント等で、市民からの意見に、羽田空港や関西、中部など大都市圏にある空港と路線就航を求める声もたくさんあったかと思います。かつて、丘珠空港では羽田便も就航していた経緯があり、今後、丘珠空港の利便性向上や経済、観光の活性化という意味では、関東、関西、中部など大都市圏への定期便就航が多くの市民から期待されているのではないかと思います。
そこで、質問ですが、路線の拡充について、札幌市は、これらの意見を受けて、どのような課題を認識し、今後取り組んでいくのか、お伺いさせていただきます。
◎木村 空港活用推進室長 大都市圏への就航に関してのご質問でございます。
路線の拡充につきましては、新千歳空港との役割分担も踏まえる必要があると考えております。北海道との直行便がない道外各地との路線就航を将来像(案)では主なコンセプトとしているところでございます。
そのような中で、大都市圏との路線を望む声を多くいただいたということもございますので、このことも含めまして、引き続き、関係機関と
情報共有を行いまして、必要に応じ、航空会社に働きかけを行っていきたいというふうに考えているところでございます。
◆
藤田稔人 委員 パブリックコメント及び
意見交換会の結果概要をご説明いただきましたが、将来像原案への肯定、否定にとどまらず、滑走路の2,000メートルといったさらなる機能強化や周辺環境への影響、対策など、非常に多くの意見や要望が出ていると理解しております。
今後は、これらの意見をしっかり踏まえて、北海道、札幌の魅力、活力の向上、また、地域の発展に向け、しっかりと取り組んでいただきたいと考えております。
一方で、ご説明いただいた資料には、空港周辺のにぎわい創出に関する項目がその他に分類されており、にぎわい創出に関連する意見も見られるところです。
そこで、質問ですが、さきのパブリックコメント及び
意見交換会において、周辺地域との調和と共生やにぎわいの創出について、どのような意見が出ていたのか、また、札幌市としてそれをどのように受け止めているのか、お伺いさせていただきます。
◎木村 空港活用推進室長 周辺地域との調和と共生やにぎわいの創出に関するご意見、また、その受け止めについてというご質問でございました。
地域からのご意見といたしましては、商業施設や宿泊施設、
地域住民の憩いの場の設置や音楽フェス、滑走路ウオークなどのイベント実施を期待するといった意見が多く寄せられたところでございます。
そのほか、空港緑地、また、緑地内の遊具を残してほしいというご要望、また、ランニングコースがなくなるのではないかといった懸念の声もありましたが、おおむねの意見といたしましては、地域の発展やにぎわいの創出を期待されているものというふうに受け止めているという状況でございます。
◆
藤田稔人 委員 将来像にも示されている調和と共生の実現に向けては、空港周辺のにぎわい創出に関する意見を現段階でしっかりと認識し、今後の検討に生かしていく必要があります。
我が会派では、空港周辺における調和と共生の取組は重要と指摘してきたところであり、この丘珠空港の将来像が策定された場合には、これらの市民意見を参考にさらなる検討が必要と考えております。
そういった中で、我が会派の五十嵐議員が先日の決算特別委員会において、空港周辺のにぎわいの創出等に向け、丘珠空港とその周辺を札幌の魅力と活力の向上を先導する拠点である高次機能交流拠点に位置づけるべきと質問したところ、札幌市からは、丘珠空港周辺を高次機能交流拠点として位置づけることを検討し、北海道、札幌市の魅力と活力の向上に資する高次な都市機能が集積するエリアとなることを目指すと答弁がございました。
このことから、第2次まちづくり戦略ビジョンの戦略編において、丘珠空港周辺に高次な都市機能の集積を検討していくとともに、にぎわいの創出について、地域との協議を進めていくべきと考えております。
そこで、質問ですが、空港周辺のにぎわいの創出について、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いさせていただきます。
◎木村 空港活用推進室長 にぎわいの創出に関する今後の取組についてお答えをさせていただきます。
空港周辺のにぎわいの創出につきましては、将来像(案)において、周辺地域の共生に関する基本方針として掲げており、環境配慮の取組と併せて、
地域住民をはじめとした関係者と協議していくこととしております。
地域との協議におきましては、空港の機能強化の検討状況などについて
情報共有をしながら、空港周辺の取組に関する
意見交換を重ねてまいりたいというふうに考えているところでございます。
そのほか、ホームページや
ニュースレターなどによる情報発信、必要に応じましてアンケートを実施するなど、様々な手法により地域の意見を把握しながら、空港の機能強化とともに、にぎわいの創出に向けた取組を進めてまいりたいと考えているところでございます。
◆
藤田稔人 委員 最後に、丘珠空港の将来像における策定プロセスについてお伺いさせていただきます。
今般、延べ1,837名から3,855件の意見を得た中で、総じて肯定的な意見が多く、市民の理解を得られたと認識しております。もちろん、丘珠空港の将来像が策定された場合においても、航空機騒音などへの不安などは課題として残るため、今後も丁寧に対応していく必要があることを申し添えさせていただきます。
その上で、これだけ多くの意見をいただき、内容としても、丘珠空港に対する関心が非常に高く、また、滑走路延伸などの機能強化に対しても期待の声が多かったと考えております。
滑走路の延伸とそれによる路線の拡充は札幌経済のさらなる発展や観光の活性化はもちろんのこと、空港周辺のにぎわいの創出など、大きく夢が開かれていくことと考えております。
こうした市民の期待の声をしっかりと受け止め、札幌市にはぜひ策定を進めていただき、国への要望を進めていただきたいと考えております。
そこで、質問ですが、札幌市は、丘珠空港の将来像を策定した場合、今後どのようなプロセスを経て国に要望することとなるのか、村瀬局長にお伺いさせていただきます。
◎村瀬 都市計画担当局長 策定プロセスについてお答えいたします。
丘珠空港につきましては、平成28年、2016年から、さらなる利活用について検討を進めてきておりました。
今年の6月に丘珠空港の将来像(案)を公表し、このたび、パブリックコメントや
地域住民との
意見交換会などで、
地域住民を含む多くの皆様から約3,800余のご意見をいただいたところでございます。
将来像(案)に対する肯定的なご意見、否定的なご意見、さらなる機能強化を求めるご意見、航空機騒音に関するご意見など、多岐にわたりご意見をいただいており、札幌市といたしましては、将来像策定に当たりまして、必要なご意見をいただけたものと認識しております。
こうしたことから、丘珠空港のさらなる機能強化を進めることが必要と判断したところでありまして、本委員会でのご議論も踏まえ、将来像を策定したいというふうに考えております。
その後、まずは北海道に協力を要請し、地元経済界や航空会社などと連携を図りながら、札幌、北海道全体の発展に寄与する将来像の早期実現を目指し、北海道と一体となって国に要望したいと考えております。
◆成田祐樹 委員 私からも、丘珠空港の将来像について何点かお伺いしたいと思います。
まずは、パブリックコメントを受けての話なのですが、総意見数3,855件という数や、原案に対する意見として肯定的な意見が8割ほどあったということを踏まえると、丘珠空港の利活用については、多くの人が求めている状況かなと感じているところです。
特に、丘珠空港の滑走路延長を含めた利活用については、就航先の道内外自治体及び今後就航を検討している航空会社や地域からも、かなり強く賛同の声が上がっているとも聞いており、その点については今回の資料にも記載されておりますが、空港に関しては、単に札幌という地域の問題だけではなく、就航先の空港所在地の自治体などからの意見というのもしっかり聞く必要があるのかというふうに思っております。ただ、残念ながら、今回のパブコメにその部分は含まれていないのかなと受け止めているところです。
そこで、まずお伺いしますが、道内外の空港所在地の自治体及び近隣自治体からは、丘珠の滑走路延長についてどのような声が上がっているのか、もう少し詳細についてお聞かせ願えればと思います。
◎木村 空港活用推進室長 道内外の空港所在地自治体及び近隣の自治体の声ということでお答えをさせていただきます。
将来像(案)のパブリックコメントにおきましては、委員がご指摘の自治体関係からのご意見というものはございませんでしたが、近隣自治体の関係者が集まる会議の場などにおいて適宜
情報提供を行っているところであり、将来像(案)に対する一定の理解はいただいているものと認識しております。
一方で、道外の関係自治体におきましては、丘珠空港との路線展開について前向きな意向を示していただいている自治体が複数ございます。そういった自治体と適宜情報交換を行っているところでございます。
今後も引き続き、関係自治体への
情報提供を行いながら、
意見交換などを行っていきたいと考えているところでございます。
◆成田祐樹 委員 空港は、相手先があっての話だと思うのです。自分の空港だけで乗ってぐるぐる回って戻ってくるという話ではなくて、やはり、相手側に要望があれば、それに伴って丘珠も考えていくというところがあると思いますので、ぜひ、そういったような希望がある自治体さんの意見等をさらに集約していただければというふうに思っております。
地域によっては、丘珠に就航している飛行機によって自分たちの地域が支えられていると明言してるところもたくさんございます。
コロナ禍前の2019年に利尻空港のある利尻町と利尻富士町を視察した際に、両町長や病院関係者の方からもお話を伺いましたが、お話を聞いて印象に残っているのが、札幌は隣まちなのだという話をされていたことでした。
利尻から稚内に行くこともあるけれども、ふだんの日用品を購入する際に丘珠便を使って札幌に行くこともよくあるし、何よりも医療機関を受診するために丘珠空港を使う場合が非常に多いと。特に、私のいる東区の病院に通われている方というのが多くて、東徳洲会、勤医協、禎心会といった高度医療のできる病院に定期的に通院をされており、利尻の方の中には、丘珠空港から東区の医療機関へ回るバスなんかはできないだろうかというような話もされたところです。
さらには、札幌市民の方で、自宅が清田区にありながら利尻島で勤務されている方がいまして、札幌と利尻を頻繁に往復されているという医療職の方もおり、私たちも非常に驚いたところです。
私たち札幌市民が想像しているよりも、飛行機でつながっている自治体にとってみると、札幌は隣まちであって、医療や生活の部分で依存している部分が大きいのではないかということを再認識したほうがよいかなと思っております。
そこで、もう一歩踏み込みたいのですが、空港利活用の医療の部分に関してです。
案の中には、通院やメディカルウイングの運用についても書かれています。
メディカルウイングの話ですと、つい最近、月曜9時からフジテレビ系でドラマが始まりまして、「PICU」という小児の集中医療のドラマで、これは丘珠空港が出てきて、その横にある丘珠病院というところがメインになっていて、俳優の吉沢 亮さんやTEAM NACSの安田 顕さんが出演されていて、本当に小児の医療の大変さとか、道内の医療機関の搬送の大変さ等を問題提起しているのかなというふうに思っていて、非常に注目をされているというふうに聞いています。
そのメディカルウイングの運用もありますけれども、やはり、意外に実は影響が大きいのが医療従事者の空港利用についてです。特に、道内各地においては、医療資源というのは決して潤沢ではなく、休日の当直業務などは札幌や本州から医師が医療過疎地に行くということによって、その地域の医療が守られているという部分があります。
例えば、紋別市は、丘珠−紋別便の再就航を切望されていますが、これは、地域の経済的な部分だけではなく、今、紋別市が夜間急病センターの医師について外の力に頼らざるを得ないということもあり、現状では唯一就航している紋別−羽田便を利用して、本州の医師が紋別に定期的に通っているという状況にあります。これが、札幌との路線が復活するということになれば、札幌からの派遣も見込め、地域の医療体制の安定化につながることにもなります。
また、昨今、道内の様々なところで、診療科によっては医師不足が顕著になっており、特に周産期医療に関しては厳しさを増していると伺っています。既に、地域によっては医療体制の縮小が行われていますが、ある程度以上減らすと、その診療科が成り立たなくなってしまうため、その地域の医師を全くゼロにすることはできないと言われており、そうなると、足りない部分については、いよいよ札幌の医師を剥がして地方に送らざるを得なくなってくるということでした。
ただ、ここで空路を使えると話は変わってきます。空路を45分で行ける利便性があれば、医師が足りない際には行ってすぐ戻ってこられる。これが陸路で片道4時間、5時間かかるということになれば、やはり、その地域に移住しなければ厳しいわけですが、丘珠空港の路線が増える、便数が増えることで、札幌の医師が札幌に居住しながら地方の医療体制の維持に貢献できるわけです。
結果として、札幌から医師の流出を防ぐこともでき、札幌の医療を守ることを考えると、丘珠空港の将来像(案)に記載されている内容よりも、道内の医療に関する丘珠空港の役割というのはもっと重要ではないかというふうに思っているところです。
ここで、お伺いしますが、道内の医療における丘珠空港の必要性をどのように考えているのか、見解をお伺いしたいと思います。
◎木村 空港活用推進室長 道内医療におきます丘珠空港の必要性につきましてお答えをさせていただきます。
丘珠空港は、
札幌市内の医療関係者が地域医療に従事する際や、離島などの医療過疎地から札幌への通院時の移動手段となるなど、道内医療を支える役割を担っていると認識をしております。
過去に行った機内アンケートにおきましては、道内便において、医療従事や通院などによる利用が多く、社会生活にとって重要な路線として役割を担っているという結果にもなっております。
また、平成30年に北海道が策定いたしました北海道航空ネットワークビジョンにおける丘珠空港の将来展望といたしまして、道内各地の経済・医療・防災を支える航空ネットワークの実現が掲げられており、道内医療への貢献という役割を果たしていくこととされているところでございます。
このような役割をより一層果たせるよう、航空会社などと連携した道内路線の維持、拡充といったものを目指してまいりたいと考えているところでございます。
◆成田祐樹 委員 本当に大事だと思っているのです。
もちろん、滑走路の延伸に関わって、騒音が増えて心配だという方もいると思います。しかし、その一方で、同じ道民として、北海道の地域医療を、札幌市民がこれを見過ごすことができるのかと、そういったことも私たち札幌市民というのは考えなければならないと思うのです。
そういった丘珠空港の在り方一つで、就航している道内の地域医療の体制が大きく変わるということを考えていかなければならないと思っています。同じ道民の健康や生命を維持していくということを考えると、単に札幌の都合や事情だけではなく、北海道全体での総意を酌んでいく必要があるのではないかと私は思っております。
また、今回の案では滑走路の延長が一つのテーマとなっておりまして、大は小を兼ねるという発想は分からなくもありませんが、滑走路の距離を長くすることに議論や時間をかけるよりも、まずは、滑走路延長を早期に実施するという方向性を打ち出し、丘珠空港に就航する路線を増やしていく、欠航を減らしていくという部分を優先したほうが、最終的には丘珠の利活用に大きく貢献するのではないかと考えているところです。
ただ、そのためには、より安定した機材の運用ができるよう、空港の運用時間について考えていく必要があると思います。
ここで、お伺いしますが、運用時間の延長とその効果についてはどのように考えているのか、見解をお伺いしたいと思います。
◎木村 空港活用推進室長 空港運用時間の延長とその効果についてお答えをさせていただきます。
空港運用時間につきましては、日帰り移動が可能となるビジネスや医療従事、通院の需要への対応のほか、搭乗便の選択自由度が広がることによる移動機会の拡大などを目的といたしまして、現状の運用時間を前後30分拡大し、朝7時から夜21時とすることを要望したいというふうに考えているところでございます。
その効果といたしまして、幅広いダイヤ設定が可能となることにより、利便性の向上や利用者の増加が期待できること、また、降雪などに伴う運行の遅延による欠航便の減少というところにもつながるのではないかというふうに考えているところでございます。
◆成田祐樹 委員 今おっしゃっていただきましたけれども、丘珠の場合は、時間が最後、間に合わなくて、戻ってこられなくて欠便になったということが結構あるというふうに聞いております。
やはり、先ほども申し上げましたけれども、生活に密着しているというところを考えると、なかなか欠便が多くなるとそういったところに大きな影響が出てきますので、ぜひ、運用時間の延長や効果について、さらに深く検討をしていただければというふうに思っております。
最後の質問ですが、この将来像にあるような道内外の路線維持及び拡充については、航空会社にとっても需要がしっかりあるなどといった採算性や、空港における航空機運用や整備に係る環境が整っている必要があるかと思っております。日頃から丘珠空港の利用促進を実施することによって、路線の需要を喚起し、航空会社が路線を維持できるような経営環境を支えることが大事かと思っています。
今回要望する丘珠空港の機能強化は、航空機の通年運航を可能とすることで、利用者の利便性が向上すると同時に、航空会社の経営を安定させることに寄与するもので、これによって、路線の維持も含め、市民、道民に大きな利益が期待できることから、札幌市には、ぜひ丘珠空港の将来像の実現に向けてしっかり取り組んでいただきたいと考えております。
丘珠空港に就航している航空会社は、現状、北海道エアシステム、HACと、夏ダイヤのみ運航しているフジドリームエアラインズ、FDAの2社であり、この2社による路線維持、そして拡充への協力は、将来像の実現に当たってすごく重要なものでありまして、今後とも、2社としっかり連携し、より強固なものにしてほしいと思っているところです。
一方で、北海道内には、実際、民間航空機が運用されているものとして12の空港があり、それぞれの空港で各航空会社の路線が展開され、これに対応している機体整備や燃料補給などの環境を各航空会社が整えていると認識しております。
そこで、現在、丘珠空港から就航していない空港への路線を検討するには、既に就航している2社はもちろんのこと、その他の航空会社にも、丘珠空港の将来像に対する説明や理解を求めていく必要があるのではないかと思われます。
そこで、質問ですが、今回の丘珠空港の将来像の策定に当たっては、より多くの航空会社との連携に向けて丘珠空港の将来像を説明していくべきと考えますが、札幌市の見解を伺いたいと思います。
◎木村 空港活用推進室長 航空会社との連携につきましてお答えをさせていただきます。
今回の将来像(案)につきましては、丘珠空港に就航しております北海道エアシステム、またフジドリームエアラインズと、そのご意向も伺いながら検討を進めてきたところでございます。
また、この2社以外の国内航空会社、道内7空港を運営している北海道エアポート株式会社にも、将来像案の内容、また進捗状況につきまして、適宜、
情報提供、
意見交換を行ってきたところであります。
引き続き、
情報共有を図り、連携を強化してまいりたいと考えているところでございます。
◆成田祐樹 委員 ぜひ、連携を図っていただきたいなというふうに思っております。
路線拡充に関して、どうしても地方路線というと厳しい部分もありますけれども、一方で、今、大手の航空会社が2社、熊本県の天草で共同運行を始めたというような、以前だと考えられなかったような状況が起きております。
ぜひ、同じ北海道の中でも、地方路線等を維持するために様々な模索をして、路線拡充について取組を行っていただければと思います。
最後に要望になりますが、私たちは、2,000メートルを否定するものではございませんけれども、先ほど申し上げたとおり、どちらかというと路線を拡充していく、様々なところで道内外につなげていく、そして、それを早期に実施していただいて、道民、そして、道内外から来られる方の札幌への来訪についてより利便性を高めていくというところを重視しております。
ぜひ、今後とも、空港の利活用を行う際に、2,000メートルにこだわらず、1,800メートルというところでまずはしっかりと議論をしていただいて、迅速に進めていただくところを求めるとともに、札幌はやはり道内の様々な部分の支えになっており、その玄関口が丘珠空港であるということをぜひ再認識していただいて、利活用に取り組んでいただくことを求めまして、質問を終わりたいと思います。
◆小口智久 委員 私からも質問させていただきます。
まず初めに、丘珠空港における医療、防災の役割について伺います。
丘珠空港には大きく分けて六つの役割がありますが、その一つである医療・防災機能は、命を守るために大変重要な役割であると我が会派は認識しております。
北海道は、唯一、メディカルウイング、医療用ジェットが事業化され、運用しておりますが、滑走路が短いため冬期間は着陸できないという弱み、ウイークポイントがあり、滑走路を1,800メートルに延伸することによって通年で運用できるようにすることは大きな意義があると考えております。
冬期間に万一の事態があった場合、小型ジェットの離着陸が可能か否かは、医療、防災という観点から大きな違いがあります。丘珠空港の利活用やメディカルウイング運用のほかにも、北海道胆振東部地震の際に新千歳空港の代替機能を果たした経緯があるため、今後、道内の医療を支え、防災機能を持つ空港として重要な役割を担うのではないかと考えます。
そこで、質問ですが、今回のパブリックコメントなどで、丘珠空港の将来像における医療、防災の役割についてどのような意見が寄せられているのか、また、札幌市はこれをどのように受け止めているのか、伺います。
◎木村 空港活用推進室長 医療、防災の役割に関する意見とその受け止めについてお答えをさせていただきます。
医療、防災の役割に関するご意見につきましては、丘珠空港が担う医療、防災の役割は重要であり、それぞれの拠点として機能強化を図ることが必要であるといったご意見もいただいたところでございます。
また、医療に関しましては、地方都市と札幌の医療格差をなくすためにも丘珠空港が担う役割は重要である、メディカルウイングの通年運用が必要、また、新千歳空港を含む道内7空港との連携やドクターヘリの活用についても検討が必要といったご意見をいただきました。
防災に関しましては、支援物資などの集積及び搬送拠点としての備蓄庫の設置につきまして、札幌市のためだけではなく、道内全体で考える必要があるのではないかといったご意見もいただきました。
札幌市といたしましては、丘珠空港の医療・防災機能をさらに強化していく必要があると考えており、メディカルウイングの通年運用や災害時に活用するための備蓄庫の設置などにつきまして、北海道などの関係機関と協議しながら検討を進めていきたいと考えているところでございます。
◆小口智久 委員 医療、防災の拠点という点において、市民からの反対意見はほとんどない、また、命を守るという観点で私たちも大変期待しております。今回の丘珠空港の将来像に掲げる機能強化は、札幌、北海道の活性化、さらに市民生活の安全・安心に寄与するものとして必要であると思います。
次に、空港へのアクセスについて伺います。
第3回定例市議会の代表質問において、我が会派の竹内議員が丘珠空港の利便性向上に向けた歩み出しについて質問し、より多くの方に丘珠空港を利用していただくには、空港へのアクセスが重要であると指摘いたしました。
資料の主な意見の概要では、丘珠空港までの地下鉄東豊線の延伸を希望という意見が多いものの、事業採算性の課題があるということは認識しております。しかしながら、市民の足となる空港を目指すのであれば、様々な移動手段を選択できることが重要であります。
他のアクセスとしては、車で行きやすい空港としての強みを持つことは重要です。そのためにも、使いやすい駐車場、キャパシティーの増強はもちろん、満車で困らないよう予約もできる体制、次世代自動車対応、シェアリングカーの拡充、そして、車の乗降レーンの工夫など、環境にも配慮しながら体に負担をかけないという発想が重要ではないかと思います。
そこで、質問ですが、今回の
意見交換などで、空港へのアクセスについてどのような意見が出され、札幌市はどのように受け止めるつもりなのか、伺います。
◎木村 空港活用推進室長 空港へのアクセスに関する意見とその受け止めについてでございますが、ご意見といたしましては、バス路線の充実や改善、駐車場の拡充などにより利便性をよくしてほしい、また、地下歩道の設置を要望するといったご意見をいただいているところでございます。
天候や渋滞に左右されない2次交通として、地下鉄東豊線の丘珠空港への延伸を望む意見も多かったところでありますし、ゴンドラはどうだろうといったご提案もいただいたところでございます。
こういったご意見や今後の丘珠空港の利用状況などを見ながら、空港連絡バスの運用を含め、アクセスの向上に向けた取組を検討してまいりたいと考えているところでございます。
◆小口智久 委員 様々な工夫、また、いろいろなアイデアを取り入れていただきたいと思います。
次に、航空機騒音について伺います。
今回、丘珠空港の将来像(案)について肯定的な意見が多かったことを受けて、将来像の策定に進んでいただきたいと思いますが、しかしながら、航空機騒音への不安、懸念に対する意見が一定程度寄せられております。
札幌の
地域特性としては、夏は窓が全開で直接音が入るためにうるさい、冬は窓を閉め切る、また、雪の消音効果もあり、思ったより静かという声も聞いており、夏と冬で音の聞こえ方が大きく異なります。
そういったことからも、騒音については、今後、パブリックコメントなどの声をしっかり認識し、策定後の課題として、懇切丁寧に相手に寄り添った説明を心がけていただきたいと思います。
そこで、質問ですが、今回寄せられた航空機騒音に関する意見に対して、札幌市はどのように対応していくつもりなのか、伺います。
◎木村 空港活用推進室長 航空機騒音に関する意見への対応につきましてお答えさせていただきます。
航空機騒音に関しましては、現在でも騒音が気になる、増便による騒音の増加が不安である、騒音調査と調査結果の公表の充実を望むといったご意見をいただいたところでございます。
札幌市といたしましては、今後とも、航空機騒音の環境基準の範囲内での運用とする考えでありまして、空港周辺の生活環境の保全を図っていくため、毎年の騒音調査、その結果の公表も引き続き行っていく考えでございます。
また、今後、運航便数の増加も想定されることから、これに応じて、騒音調査の方法などにつきまして、地域と協議をしながら検討していく考えであります。
◆小口智久 委員 様々ありましたけれども、
モニタリング、公表と、丁寧な対応をお願いしたいと思います。
先日、地元の方とお会いしたときに、丘珠空港からメディカルウイングが飛んでも、道内の他の地方の空港の滑走路が短ければ意味がないのではないかというご意見がありました。この方は、ほとんどの道内の地方の空港は2,000メートル級であるということをご存じなかったようでございます。例えば、女満別は2,500メートル、稚内は2,200メートル、先ほどもお話がありましたけれども、離島の利尻は1,800メートルと、明らかに丘珠空港より他の地方空港のほうが長いということでございます。
こうした意見から、少なからず先入観、誤解をされている方もいるのではないかと感じ、この点も周知していかなければいけないと思い、必要性を感じたところでございます。
また、我が会派として、以前から申し上げていたとおり、札幌、北海道の活力向上のみならず、命を守るという観点からも丘珠空港の機能強化は重要と認識しており、将来像の実現を期待しております。
その思いに応えるように、今月8日、我が党の石井幹事長、元の国交大臣ですけれども、丘珠空港を視察しましたが、吉岡副市長から機能強化に向けた計画の説明を受けた際、石井幹事長からは、地域活性化や医療体制の強化につながるため、しっかり支援していきたいと党を挙げて応援する旨の話がありました。
市としても、パブリックコメントなどの意見をしっかり受け止め、取り組んでいただくよう要望し、私からの質問を終わります。
◆
吉岡弘子 委員 私も、丘珠空港の将来像(案)に関するパブリックコメントについて質問をいたします。
本市は、丘珠空港の将来像(案)について、市民3,657件のパブリックコメントを取りまとめました。10月27日付の北海道新聞には、滑走路延長案8割賛成、丘珠空港、市の意見公募と報道されました。しかし、このたびのパブリックコメントの集計では、丘珠空港の将来像(案)に対し、肯定的な意見1,095件と否定的な意見237件となっていますが、3,657件の63%に当たる2,523件の意見が抜け落ちたものとなっております。
そこで、質問ですが、肯定的な意見、否定的な意見以外の2,523件の意見をどのように捉えるのか、伺います。
◎木村 空港活用推進室長 原案に対する意見以外の考え方に関するご質問かと思います。
原案に対する肯定または否定を示した意見、それ以外のご意見につきましては、肯定、否定にとらわれず、多岐にわたる様々な意見をいただいたものと考えております。これらの意見も踏まえた上で、将来像(案)に反映すべきものは反映したところでございまして、今後の検討に向けても必要なご意見であるというふうに考えております。
◆
吉岡弘子 委員 パブリックコメント意見集計表がありますが、その4ページに、航空機騒音等、周辺環境への影響に関する意見の8項目で661件ありますが、主な意見を読むと、ジェット機の騒音が心配、自宅の上空を現在飛んでいます、騒音はすごいです、宅地で多くの家が建ち、飛行機の騒音の低レベル化になったと書いてあるが、住んでいる住民はそうは思わない、落下物もあるという声を聞いています、これ以上増えると住民の安全は守られないのではないか、ジェット機の騒音が大きい、自衛隊、海上自衛隊やマスコミ関係のヘリも飛ぶので、その点も考慮してほしい、こういった意見となっており、ほぼ否定的な意見ではないかと思います。
8項目全体で見ると661件ありますが、このうち、記述の仕方への意見を除く594件は肯定的、否定的に含まれていません。もっとはっきり言いますと、否定的に分類されるべき意見がかなり反映されていないのではないかと推察されます。
そこで、質問ですが、自衛隊機やオスプレイなど、軍用機などへの意見はどのように集約されているのか、伺います。
◎木村 空港活用推進室長 自衛隊関係の航空機やオスプレイに関する意見の集約に関してお答えをさせていただきます。
パブリックコメント、また、地域での
意見交換会におきましても、自衛隊機やオスプレイに関する意見を複数いただいたところでございます。
現状に対するご意見、また、将来像の実現により自衛隊機が増加するのではないかといった懸念のご意見があったところでございますが、それぞれの意見の内容から、将来像(案)との関連を確認した上で、将来像(案)に関する意見とその他の意見というところに分類して集約したところでございます。
◆
吉岡弘子 委員 自衛隊機のことだけを記載した意見というのは、その他の意見ということでよろしかったでしょうか。
◎木村 空港活用推進室長 自衛隊機のご意見を記述された意見の中にも、反対というふうにしっかり書かれているものがございました。また、ただ、安全性等が心配だというご意見もありました。反対と書かれているものに関しましては、反対の意見のところに集約をしております。
◆
吉岡弘子 委員 軍事利用の拡大に関する意見というのは69件寄せられております。ここには、オスプレイに関する意見も入っていたとお聞きしました。今後、飛来が繰り返されるおそれもありますが、こうした不安や心配の声が否定的なものとしてカウントされなかった可能性はないのかという懸念があります。
丘珠空港は自衛隊との共有ですから、住民からすれば、民間機も、自衛隊機やオスプレイなどや米軍機も両方含めて生活環境に影響が及ぼされます。滑走路が延伸したら自衛隊機としての活用が広がることは容易に想像がつくことです。騒音、周辺環境を考えるとき、両方併せて検討しなければなりません。
こうして考えると、肯定的、否定的に含まれない635件と自衛隊機などの69件、合計704件のかなりの意見は否定的に集計されるのではないかと考えます。貴重な意見はたくさん寄せられたけれども、それを集計する際の分類や、約8割が肯定的な意見であったとする資料の記述は、集計結果を正確に表したものとは言えません。
市長は、丘珠空港の将来像(案)へのパブリックコメントの肯定的、否定的の集約数をもって国に要望するのはやめるべきと申し上げて、質問を終わります。
◆
石川さわ子 委員 私からも、丘珠空港の将来像(案)について伺いたいと思います。
この将来像(案)において、市民の意見聴取の結果、それから、それに対する本市の考え方、また、そうした意見の将来像(案)への反映について報告をいただいたところでありますので、これまで私が取り上げてまいりました課題について、改めて確認をさせていただきたいと思います。
まず、新千歳空港との役割分担について伺います。
丘珠空港の役割につきましては、2019年の第3回定例議会の決算特別委員会で伺いました。2016年、2017年度に北海道と札幌市が丘珠空港の利活用について検討し、道内航空ネットワークの拠点空港、また、道内医療を支える空港、防災機能など六つの役割があるというふうにまとめられておりまして、六つの役割の一つに、道外や国外とを結ぶ都市型空港であり、このたびの丘珠空港の将来像(案)にも示されております。
しかし、1年を通した全国各地方との定期便の就航により、ビジネスや観光による交流人口を増やし、札幌、北海道の活力向上を図るという目標をどう実現するのかについての手法に関しましては、新千歳空港との役割分担の中でもう少し整理をすべきというふうに考えます。
離島路線の維持ですとか、道内観光の活性化に向けて、丘珠空港の路線の維持、拡大など、拠点としての役割に重きを置くべきというふうに考えるところです。
そこで、伺いますが、丘珠空港の在り方として、新千歳空港との役割分担をどのようにお考えか、改めて伺います。
◎木村 空港活用推進室長 新千歳空港との役割分担に関するご質問でございました。
丘珠空港は、道内航空ネットワークの拠点空港としての役割のほか、道外とも路線を結ぶ都市型空港としての役割、医療・防災機能など重要な役割を担っていると考えております。
このことから、新千歳空港との役割分担は重要であると認識しておりまして、将来像(案)における路線展開のコンセプトとして、北海道との直行便がない道外各地との路線就航を目指していくほか、災害時における航空路線の相互補完的な役割も担っていきたいというふうに考えているところでございます。
また、新千歳空港をはじめとした道内空港全体と連携を図りながら、引き続き、道内路線の維持、拡充に取り組み、道内の移動にも貢献していく考えでございます。
◆
石川さわ子 委員 そうした現在結ばれていない路線を結ぶ可能性があり、そういうポテンシャルが高く、また、都心からも近いということをお聞きをしているところでありますけれども、丘珠空港は、ご存じのように、第1種住居専用地域が近接しておりまして、また、自衛隊との共用空港でもありますから、私は、ポテンシャルが高いという一方で、おのずと限界のある空港であるというふうに考えるところです。
北海道の航空網としましては、
北海道新幹線が延長され、札幌まで開業され、それに伴って地域の足を支えてきた在来線の廃止が相次ぐなど、今後、さらに地方の疲弊が進む懸念があります。また、一括民営化された道内空港のコロナ禍での厳しい、苦しい経営状況も報じられております。
そういう状況の中で、丘珠空港の潜在力を何のために発揮すべきかと考えたときに、道内航空ネットワークの拠点として最大限の努力が求められているというふうに考えるところです。
1996年に北海道と札幌市が丘珠空港の滑走路を2,000メートルに延長し、ジェット化を進めましたが、当時の運輸省がそれを認めなかった理由としては、丘珠空港と千歳空港との役割分担があり、その考え方は、私は今にも通用するのではないかと考えておりまして、役割分担は明確にすべきだということを申し上げておきます。
次に、300メートル再延長すると就航が可能になる飛行機の機種の説明について伺います。
参考資料、解説書というふうに書いてありますが、この15ページに就航可能な機種が掲載されております。
旅行事業者関係の情報によりますと、新潟を拠点とするTOKI AIRが国土交通省に、11月以降、航空運送事業許可を申請し、2023年3月にも新潟−札幌丘珠線を開設する方針という情報がありまして、このTOKI AIRという会社のホームページにも紹介をされております。
この機種は、ATR72−600型機で、現在、丘珠空港でHAC、日本エアシステムが運行しているATR42−600型機と同様のプロペラ機で、座席数がHACよりも30席多い機種であります。
そこで、質問でありますが、ATR72−600型機は、1,500メートルの滑走路で、冬期間も含めた通年運行が可能というふうに思われますが、就航可能な機種の中に記載されていない理由について伺います。
◎木村 空港活用推進室長 通年運航が可能な航空機が記載されていない理由についてのお尋ねでございます。
将来像(案)に掲載している滑走路の長さと離着陸可能な航空機につきましては、平成28年からの利活用検討におきまして、丘珠空港で運航をし、今後の通年運行を目指しているリージョナルジェットや医療ジェット、また、道内で運行されている代表的な航空機について調査検討を行ったものでございます。
ご指摘のATR72−600型機をはじめとして多くの機体がある中で、その全てを記載しているわけではございませんが、就航の可能性がある機材につきましては、適宜、情報収集をしてまいりたいと考えているところでございます。
◆
石川さわ子 委員 適宜、情報収集をしていきたいということでありますが、このATR72−600型機は、現在、丘珠−静岡便、松本便でフジドリームエアラインズのジェット機であるERJ−175とほぼ同じ座席数でありまして、空港の機能強化として道外路線が必要ということであれば、このATR72−600型機は旅客需要に対応できる機種ではないかと考えるところです。
そこで、質問ですが、現在の滑走路でも70席クラスのプロペラ機の就航が可能であるということは、現状での利活用に道を開くものでありまして、滑走路の延長が本当に必要かという点において再検討が必要ではないかと考えますがいかがか、伺います。
◎木村 空港活用推進室長 滑走路延長の必要性の再検討についてのご質問にお答えをいたします。
滑走路の延伸につきまして、道外を結ぶ中・長距離路線では、将来像(案)で例示したようなジェット機が運航されており、また、医療ジェットの通年運航も重要な役割であることを踏まえ、検討をしてきたところでございます。
今後の航空機の開発や更新などによりまして、掲載していない航空機の離着陸も想定されますが、現在、丘珠空港に夏ダイヤのみ就航している機材の通年運航を目指すといった中において、滑走路長1,800メートル程度を要望することに変わりはないというふうに考えているところでございます。
◆
石川さわ子 委員 情報収集は継続していただきたいと思います。
次に、騒音について伺います。
今年の6月の本委員会におきまして、滑走路が再延長された場合の騒音の範囲の広がり、また、最大値の受け止めについて質問をいたしました。
7月には、市民団体から市長宛てに、丘珠空港の滑走路の延長及び増便を行わないでほしいという趣旨の要望書が提出されております。
航空機騒音調査の測定値、Ldenというものは、夜間等の加算をしているものの、1日の平均数値になっております。飛行機が通過する最大値は、2021年8月の調査では百合が原公園で89デシベルと高く、1日70便にも増便をされると安心した生活とはほど遠いものとなると要望書では訴えております。
今後、航空機の運航便数が増便となった場合、最大値となる騒音の回数は当然増えていくことが予想されます。それは、航路直下やその周辺の住民にとって、先ほど申し上げましたが、生活環境の悪化にほかならないと考えるところです。
このたびの札幌市が行った
意見交換会におきましても、私も傍聴を重ねさせていただきましたが、自宅そばを飛行しているときの騒音をうるさいと思っているとの意見が多く、やはり、住民にとって、騒音は、平均値で捉えられるものではなく、最大値で捉えているというふうに感じました。
そこで、質問でありますが、環境基準を超えない範囲で増便するとのことでありますが、環境省が定める環境基準を守っていても、騒音の最大値が基準値を優に超える地域に住んでいる住民の生活環境が悪化することについての認識について伺います。
◎木村 空港活用推進室長 騒音の最大値による生活環境の悪化に関するご質問でありました。
航空機騒音の環境基準につきましては国が定めておりまして、聞こえ始めから聞え終わりまで、人が受ける騒音の最大値も含めたエネルギー量の総量で評価することになっております。
札幌市におきましては、毎年、騒音調査を行いながら、騒音が発生する回数が増えたとしても、国が定める航空機騒音の環境基準内での運用となるよう関係機関と協議調整を行い、引き続き、空港周辺の生活環境の保全を図っていきたいと考えているところでございます。
◆
石川さわ子 委員 航空機騒音の環境省による基準値は確かにそのとおりでありまして、行政としてそれを遵守するというところは当然のことであり、そのことによって住民の生活環境を守るという説明をこれまでも聞いてまいりましたけれども、先ほども申し上げましたように、最大値の騒音の中で生活環境の悪化というふうに捉えている住民がおります。
このたびの意見聴取の中におきましては、原案に否定的な意見という数字で言いますと、割合が賛成、肯定的な意見よりも確かに少ないというところはありますけれども、こうした一つ一つの意見をしっかりと受け止めていただきたいと思います。
私は、空港周辺の生活環境を保全するという札幌市の考え方の中に、航路直下の方たちのそうした状況は含まれていないのではないかということを指摘しておきたいと思います。
次に、滑走路の延長について伺います。
環境悪化をさせないなど、空港整備の基本的な考え方は変わっていないということを、これまで、代表質問ですとか委員会質問で札幌市の考え方を確認してまいりました。
2018年の第1回定例議会の代表質問におきまして、空港整備の基本的な考え方に変わりはないと確認しましたし、予算特別委員会でも、滑走路の長さについても、全長1,500メートルとするという考え方に変わりはないのかと質問をいたしました。
いただいた吉岡副市長の答弁の内容でありますが、現在においては、1,400メートルから1,500メートルに延ばしたときの議論の経緯、あるいは、環境基準を守ることについての思いは当時と変わってはいないというふうに答弁をされました。
航路直下の住民は、当時、YS−11の後継機種に対応し、道内航空ネットワークの拠点という役割を果たすとしての100メートルの延長と受け止めたというふうに記憶をしております。
このたびの将来像(案)では、滑走路をさらに300メートル延長するということが打ち出されております。
そこで質問でありますが、滑走路の延長をしないでほしいという趣旨の陳情が出されるなど、
地域住民の意見を把握した上で、札幌市が100メートルの延長を地元案として提案したにもかかわらず、滑走路を300メートル再び延長するというのは、明らかに住民理解をほごにするものと考えますが、札幌市の認識はいかがか、改めて伺います。
◎木村 空港活用推進室長 平成10年度の地元合意のときのお話と、今回の滑走路延長との関係についてのご質問かと思います。
平成10年度でございますが、北海道と札幌市が取りまとめました空港整備に関する基本的な考え方につきましては、滑走路の100メートル延伸とともに、空港周辺の生活環境の保全を図ることを目的に
地域住民と合意したものでございまして、札幌市としても重要なものと認識しているところでございます。
一方、近年におきましては、航空機の技術革新による離着陸に必要な滑走路長の短縮化や機材の騒音低減などが図られているところであります。また、丘珠空港におきましても、平成28年からリージョナルジェット機が夏ダイヤのみ定期便を運航している状況でございます。
このような取り巻く環境の変化を受けまして、平成28年から、丘珠空港のさらなる利活用について検討を始めたところであり、これまでの検討や議論を踏まえまして、丘珠空港が進むべき方向性といたしまして、今年6月に将来像(案)を公表させていただいたところであり、リージョナルジェット機が通年運航可能となる滑走路の300メートル程度の延伸ということをお示ししているところでございます。
今般、
地域住民の皆様をはじめとした市民の皆様からの意見聴取を行った結果、原案に肯定的な意見を多くいただいたところでございまして、一定の理解を得たものと認識をしているところでございます。
◆
石川さわ子 委員 1999年のことを申し上げましたが、当時、100メートル延長された後、YSの後継機種として導入された機種はDASH8−300型機、ダッシュ8−300と呼んでいましたけれども、こういった機種でありました。
当時のエアーニッポンは、当初、ダッシュ8−400から購入経費や旅客需要をにらんで小型化したという経緯がありました。大きな航空機を導入できるようにというふうに100メートル延長したわけでありましたけれども、当時の現状1,400メートルで飛ぶことができる飛行機になったということでありました。
コロナ禍で航空事業者の経営は厳しさを増していると思います。計画どおりに路線や旅客数が増えるのかについては疑問があると思います。札幌市は、航空会社とも情報交換をしているというふうに思いますが、まずは住民の様々な意見に真摯に向き合っていくことを求めておきます。
この間、いろいろな質疑の中で、騒音を分かって住み始めたのに文句を言うなという声も聞くところでありますが、住民の方に聞きますと、住んでから初めて騒音に気がついたという方が多く、また、そういう環境を次世代に残さない、あるいは、離陸直前の飛行機が小学校の上空を飛ぶような、そういったことがもっとひどくならないようにするのが自分たちの責任だとも聞きます。
この間、6月から7月にかけて、私も様々な空港周辺の方のお声を直接伺いました。騒音が物すごく、また、落下物が危険である航路直下に介護施設がたくさんあり、札幌市は弱者の立場に立っていないなど、生活者の不安な意見が多く聞かれました。
札幌市は、少子高齢化が進み、2022年から人口減少に転じております。新型コロナウイルス感染症による影響が長期化する中、多額の税金を使い、10年後に滑走路を延ばしても、どれだけの航空機の運航需要があるのかは未知数というふうに考えます。
したがって、丘珠空港の将来像(案)を国に提案することは次世代に禍根を残すというふうに考えることから、丘珠空港の滑走路の延長及び増便などの案につきましては、市民の意見を重く受け止め、再検討することを強く求めまして、私の質問を終わります。
◆長内直也 委員 今、一通り各会派からの質疑が終わりまして、私ども自民党からは藤田委員から質問があったわけでありますけれども、私から改めて、丘珠空港の将来像の早期実現を求める立場から質問させていただきたいと思います。
我が市議会自民党といたしましては、2030年末に新幹線の札幌までの延伸、また、これに合わせる形で大型の再開発が多く控えている中にありまして、こうした機会を捉えて、丘珠空港の機能強化につきまして、現行では事業期間はおおむね10年というふうに聞いているところでありますけれども、これをできる限り早期に実現すべきであると、今までも指摘をさせていただいたところであります。
今回の市民意見の概要を見ましても、実現を早めるような意見があったということでありますけれども、せっかく機能強化を行うのであれば、早くに取り組んでほしいという意見を私どもも多くいただいているというのが現状であります。
そこで、質問でありますけれども、市民には丘珠空港の将来像の早期実現を望む声もありますけれども、札幌市の意向をお伺いしたいと思います。
◎木村 空港活用推進室長 将来像の早期実現についてのご質問でございました。
将来像の実現に向けましては、空港整備などについての国への要望、また、国による事業実施の判断、また、仮に事業実施になったといたしましても、空港を運用しながらの整備になるといった想定の中、そういった制約を考慮いたしますと、おおむね10年程度の期間を要するのではないかと札幌市では想定しているところでございます。
しかしながら、今回の市民意見、また、地元経済界や航空会社などからの将来像の早期実現を望む声というものも多くいただいていることから、札幌市といたしましては、将来像を策定した後には、札幌、北海道全体の発展に寄与する将来像の早期実現を目指して取り組むことが必要であるというふうに考えているところでございます。
◆長内直也 委員 ただいま答弁いただきました。早期にしたいという思いは同じかというふうに今聞いたところでありますけれども、今回の丘珠空港の将来像(案)に対してのパブリックコメントでありますが、実に3,800件を超える意見が寄せられたということは、まずは、先ほど答弁にもありましたとおり、一定の意見集約ができたというふうに私どもも感じております。また、多くの市民にとって非常に関心が高いということもお示しできたかと思います。
今後も、様々な意見もございましたので、航空機の騒音への対応はもちろんでありますけれども、冬の降雪時の対応ですとか、ターミナルビルを拡充してほしいという意見ももろもろあって、まだ課題があるとは認識しておりますが、それを大きく上回る丘珠空港への機能強化に対しての肯定的な意見、8割が賛成ということでありますし、期待が寄せられたということは、一定の理解が得られたというふうに認識しているところであります。
札幌市は、市民の意見、期待をしっかりと認識すべきでありまして、機は熟しているというふうに感じているところであります。
丘珠空港の将来像の策定につきまして、この結果を見て、札幌市は速やかに策定すべきであるというふうに考えますけれども、可能な限り早く北海道に要請して、国に要望すべきであるというふうに考えているわけでありますが、吉岡副市長がいらっしゃいますので、その決意を含めてどのようにお考えか、お伺いをしたいと思います。
◎吉岡 副市長 今までのやり取りの中で、今、長内委員からもございましたけれども、丘珠空港の将来像(案)につきましては、地域の皆様をはじめとして多くの皆様から、本当に多くの様々なご意見をいただいたところであります。
吉岡委員から集計に関するご指摘がございましたけれども、大くくりで申し上げますと、肯定的なご意見が多かった状況にございます。
札幌市といたしましては、今回の一連の市民意見聴取結果、そして、これまでの議会でのご議論等を踏まえますと、滑走路の延長を含む丘珠空港の機能強化に対しまして期待を持っていただいている、肯定的に捉えていただいている、このように認識していると考えます。
もちろん、ご心配やご懸念の声に対しましては、引き続き、機会を捉えて丁寧に説明していかなければならないとの思いも強くしたところでありますし、地域の皆様とも、まちづくりに関する
意見交換などをしっかり進めていかなければいけないと強く感じたところであります。
札幌市といたしましては、丘珠空港の機能強化や利活用の推進等に期待する多くの声にしっかりと対応していくためにも、将来像を速やかに策定したいと考えておりまして、成田委員からの要望の中で、まずはとにかく300メートル延伸すべきだというお声もいただいておりまして、私どもも、室長から答弁申し上げたとおり、まずは300メートルの延伸を含む機能強化、利活用の推進を進めていきたいと考えているところでありまして、その後の北海道への協力要請、国への要望を可能な限り早くすべきであるがいかがかという長内委員の質問でございますけれども、これは、可能な限り早く、スピード感を持ってしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○
前川隆史 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
前川隆史 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
以上で、委員会を閉会いたします。
――――――――――――――
閉 会 午後5時25分...