札幌市議会 > 2022-10-18 >
令和 4年第二部決算特別委員会−10月18日-05号
令和 4年第一部決算特別委員会−10月18日-05号

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  1. 札幌市議会 2022-10-18
    令和 4年第二部決算特別委員会−10月18日-05号


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    最終取得日: 2024-09-10
    令和 4年第二部決算特別委員会−10月18日-05号令和 4年第二部決算特別委員会  札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第5号)               令和4年(2022年)10月18日(火曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33名     委 員 長  北 村 光一郎      副委員長   松 原 淳 二     委   員  三 上 洋 右      委   員  鈴 木 健 雄     委   員  高 橋 克 朋      委   員  長 内 直 也     委   員  よこやま 峰子      委   員  佐々木 みつこ     委   員  飯 島 弘 之      委   員  伴   良 隆     委   員  中 川 賢 一      委   員  小 田 昌 博     委   員  藤 田 稔 人      委   員  小須田ともひろ     委   員  峯 廻 紀 昌      委   員  しのだ 江里子     委   員  山 口 かずさ      委   員  村 上 ゆうこ     委   員  中 村 たけし      委   員  岩 崎 道 郎     委   員  たけのうち有美      委   員  水 上 美 華     委   員  恩 村 健太郎      委   員  國 安 政 典     委   員  丸 山 秀 樹      委   員  小 口 智 久     委   員  わたなべ 泰行      委   員  森 山 由美子
        委   員  小 形 香 織      委   員  村 上 ひとし     委   員  吉 岡 弘 子      委   員  田 中 啓 介     委   員  千 葉 なおこ       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午前10時     ―――――――――――――― ○北村光一郎 委員長  ただいまから、第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、三上洋右委員からは遅参する旨、小竹委員からは伴委員と、長屋委員からは田中委員と交代する旨、それぞれ届出がありました。  それでは、議事に入ります。  最初に、第6款 経済費 第2項 農政費のうち、農業委員会関係分の質疑を行いますが、通告がありませんので、質疑を終了いたします。  農業委員会の説明員の方は、退席されて結構です。  次に、第5款 労働費 第1項 労働費の質疑を行います。 ◆たけのうち有美 委員  私からは、雇用対策の観点から、奨学金返還支援事業とシニアワーキングさっぽろの2点について伺います。  まず初めに、奨学金返還支援事業について伺います。  本市では、20代の若者の道外流出が大きな課題となっており、大学に進学する際に道外へ転出する、あるいは道内の学生が道外企業へ就職するために転出する傾向があります。  2021年の札幌市から道外への転出超過は1,446人と、コロナ禍前には2,500から3,000人弱で推移していたのと比べると大きく改善はしていますが、依然として転出超過であることに変わりはありません。  札幌市では、若者の道外流出を食い止めるため、地元企業への正社員就職を支援するワークトライアル事業や、地元企業と学生とのマッチングを促進するローカルマッチプロジェクト事業など、様々な施策を展開してきたところです。  奨学金返還支援事業もその一つであり、札幌市が認定する札幌圏の企業や団体に就職した方に、入社後2年目から4年目にかけて、年間18万円を上限に、3年間で最大54万円を支援する事業です。  日本学生支援機構の調査によると、大学生の2人に1人が奨学金を利用しているという結果が出ており、また、別の団体が調査したところによると、奨学金の借入れ総額は平均320万円、返済期間も平均で約15年となっています。学生にとって、就職後、間もない奨学金返還の支援は大変ありがたいものではないでしょうか。  そこで、質問ですが、2020年度から始まった本事業について、2年目である2021年度の活用実績と認定した企業の内訳、また、その受け止めについて伺います。 ◎久道 経営支援雇用労働担当部長  奨学金返還支援事業の活用実績と認定協力企業の内訳、その受け止めについてお答えをいたします。  支援金の申請者数につきましては、事業を開始した令和2年度には85人、令和3年度には91人と、定員の100人には2年連続で届かなかったものの、事業の浸透とともに徐々に増加してきていると認識しているところでございます。  一方、認定協力企業数は、令和2年度には109社でしたが、令和3年度には188社に、さらに、令和4年9月末には214社まで増えているところでございます。認定協力企業を業種別に見ますと、令和4年9月末時点で建設業が54社と最も多く、続いて、卸売業、小売業が28社、医療、福祉が27社となっており、人手不足業種の企業にもご利用いただいているものと受け止めているところでございます。  企業側には、支援金の半分の負担をお願いしておりますが、若手の人材確保に積極的な企業とともに若者を応援し、地元で活躍してもらえるよう、引き続き、企業開拓を行い、増やしてまいりたいと考えております。  また、今年度は、令和2年度の対象者が入社して2年目を迎えるため、10月から交付申請の受付を開始し、初めてとなる最大18万円の支援金を支払うよう手続を進めているところでございます。 ◆たけのうち有美 委員  9月末現在で、認定企業は214社と順調に伸びているとのことでした。2021年度の対象者は91人とのことであり、2020年度よりも多くの方に応募してもらったものの、まだ定員に達していないため、引き続き周知に力を入れていただきたいと思います。  また、認定企業の業種についても、やはり数が多いのは人手不足の職種であり、学生がそれらの企業や仕事内容について理解できていない可能性もあることから、本事業を通じて、多くの学生に地元企業の魅力を知ってもらえるよう工夫をしていただきたいです。  今年度より支援金の支払いが始まるとのことですが、事業開始から2年が経過し、これまで企業や学生とのやり取りから、本事業に対する声や要望というものがあったのではないかと思います。  そこで、質問ですが、本事業における企業や学生の評価はいかがか、また、それを受けて今後の展望、事業展開について伺います。 ◎久道 経営支援雇用労働担当部長  奨学金返還支援事業の評価と今後の展望、事業展開についてお答えをいたします。  奨学金返還支援事業につきましては、経済団体をはじめ、様々な企業や学校などの関係機関から、よい取組であるため、長く続けてほしいと評価をいただいているところでございます。また、申請者向けアンケートを実施したところ、奨学金の返済を支援してくれるのは非常にありがたいとの声が多くございました。さらに、就職する決め手になったと答えた対象者が6割を超えており、多くの方が本事業をきっかけに札幌圏の認定協力企業に就職していると受け止めているところでございます。  一方で、まだ周りには支援制度のことを知らない学生がいるという声もありましたことから、事業周知を強化していく必要があると認識しているところでございます。  今後は、企業への周知はもちろんのこと、大学のキャリアセンターへ積極的にアプローチを行い、学生への事業周知を依頼するなど、多くの学生にしっかりと情報が届くよう取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 ◆たけのうち有美 委員  認定企業のみならず、経済団体や学校など関係機関からも一定の評価を得ているとのことでした。学生からも感謝の言葉があったとのことで、大変意義のある事業であると思います。  一方で、今後も、若者を支援するためには、こういった事業をまずは多くの方に知ってもらう必要があります。ぜひ、該当する学生に情報が届くような工夫を重ねていっていただきたいと思います。  給付型奨学金の要件も、次第に緩和されてきているものの、返済が必要な貸与型の利用者は依然として多く、社会人になって奨学金の返済に苦慮する若者の生活の一助となる本事業は、大変重要であると認識しています。将来の札幌を支えていく企業と若者のかけ橋として本事業が多くの若者に周知され、そして活用されることで札幌の発展に寄与していただけるよう、息の長い事業になっていくことを求めて、この質問を終わります。  次に、シニアワーキングさっぽろについて伺います。  私は、少子高齢化の進行に伴う生産年齢人口の減少により、今後、労働力人口がさらに減少していくことを見据え、シニア世代の方々の就労意欲を喚起する取組が必要であることを2020年決算特別委員会でも取り上げました。  北海道労働局の発表によると、札幌圏における2022年4月から8月までの新規求職者のうち、55歳以上の方は前年同期比で8.2%の増加となっており、年齢が高い世代の求職者の割合が増加しています。  一方で、今年2月に札幌市が実施した企業経営動向調査によれば、企業の37.9%が人手不足を経営上の問題として挙げています。これらの課題に対応するため、札幌市では、就労意欲の高いシニア世代の就業支援と人手不足企業の人材確保を目的として、2017年度から、シニアワーキングさっぽろという仕事体験つき合同企業説明会を開催しています。  この事業では、多数の企業がブースを構えて参加していることから、参加者は様々な企業からホームページ等に掲載される企業情報だけではなく、会社の雰囲気など紙媒体やデータだけではない、生きた情報を得ることができます。また、加えて、その場で簡易な仕事体験ができるため、未経験の職種であっても不安を払拭することができるものとなっていると聞いています。  本事業は、参加企業、参加者の双方にとって非常に重要なマッチングの機会となっていると認識していますが、昨年度は、緊急事態宣言の期間中に開催されたことから、何らかの制約があったと考えます。  そこで、質問ですが、昨年度の事業の実施状況と成果について伺います。 ◎久道 経営支援雇用労働担当部長  シニアワーキングさっぽろの実績と成果についてお答えをいたします。  昨年度は、緊急事態宣言の期間中でしたが、入場前の検温、消毒、マスク着用の徹底のほか、事前予約制による3密状態の回避など感染防止対策を徹底し、中央区の北ガスアリーナで2日間にわたり開催をいたしました。  参加予定企業の一部が参加を見送るといった影響はありましたが、合計で504人の求職者と81社の出展企業が参加し、本事業をきっかけにして114人の方の就労に結びついたところであり、求職者と企業とのマッチングを推進する機会となったと認識しているところでございます。  また、本年度についても、昨年度と同様に9月に中央区の北ガスアリーナで2日間開催しており、参加者は合計で786人、出展企業は100社となっております。 ◆たけのうち有美 委員  昨年度は、本事業を通じて114人の方の就職につながったとのことでした。緊急事態宣言下での開催でしたが、感染防止策を徹底して就労支援のために事業を実施したことについては評価したいと思います。  さて、昨年度の参加者アンケートを拝見したところ、居住する区によって参加者数に差が見られました。また、自宅から会場までが遠い、近隣で開催してほしいという参加者の声も見受けられました。  本事業の効果をより高めるためには、近年、中央区で実施している大規模会場での開催に加え、その他の区でも開催し、より多くのシニア世代の方に参加してもらうことが非常に重要であると考えます。  そこで、質問ですが、本事業の課題をどう認識し、今後、どのように対応していくのか、伺います。 ◎久道 経営支援雇用労働担当部長  シニアワーキングさっぽろの事業の課題と今後の対応についてお答えをいたします。  本事業の主な目的は、シニア世代の方々が就業に関する不安を払拭し、地元企業の魅力や働くことのやりがいを発信することでございますが、ご指摘のとおり、会場のある中央区の参加者が多くなっており、お住まいの区によって参加者数に差が生じていることが課題であると認識しております。より多くのシニア世代の方々にご来場していただくとともに、多種多様な地元企業との接点を創出することが重要であることから、今後は、中央区での開催を軸にしながら、複数区での開催も視野に入れて鋭意検討してまいりたいと考えているところでございます。 ◆たけのうち有美 委員  今後の事業展開については、参加者の利便性の向上のため、開催する会場についても検討していただけるとのことでした。  長期的な視野に立てば、労働力人口の減少による社会の担い手を確保する必要からも、シニア世代の方々の就労意欲を掘り起こす本事業のような取組は、ウィズコロナの状況においても継続していかなければならないと考えます。今後も、来場者や参加者のアンケートから傾向を分析し、シニア世代のニーズに応えることのできるような事業の充実を要望して、全ての質問を終わります。 ◆森山由美子 委員  私からは、シニア世代の就労とUIターン就職支援の2項目についてお伺いいたします。  まずは、人生100年時代と言われる昨今、シニア期を充実させる雇用対策という視点で、シニア世代の就労について、2点お伺いいたします。  国の発表によれば、令和4年4月1日時点の65歳以上の高齢者は3,623万人で、総人口に占める割合は28.9%であり、令和47年度には38.4%にも達すると見込まれております。一方で、内閣府が60歳以上の方を対象として実施した調査によれば、70歳くらいまで、またはそれ以上働きたいと回答している方が約6割もいます。このように、働くことに意欲的な高齢者の方々に社会の担い手としてご活躍していただくことは、今後ますます重要になっていくものと考えます。  また、市内の企業においても、人手不足を経営の課題に挙げる企業が増えてきております。そして、札幌市が行った調査によれば、この課題の解決に当たって、企業の43.0%がシニア人材を雇用する意向があると回答をしております。  就労意欲の高いシニア世代就労支援人手不足企業の人材確保という課題を解決するためには、就労意欲がある方々に寄り添い、必要な情報を適宜提供するなどの支援を行っていくべきであります。さらに、シニア世代は就業に対して不安や課題を抱えている傾向があることから、継続的に寄り添った支援が重要であると考えます。  そこで、質問ですが、シニア層への継続的な就労支援の取組についてお伺いいたします。 ◎久道 経営支援雇用労働担当部長  シニア層への継続的な就労支援の取組についてお答えをいたします。  委員のご指摘のとおり、シニア世代就労支援につきましては、就職活動の基本的なノウハウの提供や就業に対する不安の解消といった取組を継続的に行っていくことが重要だと認識しているところでございます。  本市では、就業サポートセンターにおいて、相談に来られた求職者に対してヒアリングを行い、希望する職業条件等を把握した上で、セミナーやスキルアップ講座など必要なメニューを組み合わせた支援プランを策定し、早期就職に向けた継続的支援を行っているところでございます。 ◆森山由美子 委員  今、ご答弁いただいたように、就業サポートセンターでは、個別のニーズに合わせた多様な支援メニューを提供しているとのことでした。就職を希望する個々人の希望を踏まえて継続して支援を受けられることについては評価をしたいと思います。  ところで、昨年度も、新型コロナウイルス感染症の影響から、シニア世代の方には、できるだけ移動を控えたい、近くで就労支援を受けたいというニーズがあったものと考えます。加えて、シニア世代の方々は、自宅近くでの就労を希望する方が多いと思われます。これらのことから、私は、就労支援についても、地域に根差した継続的に利用しやすいものとすべきではないかと考えているところです。  そこで、質問ですが、昨年度の各区での就労支援の取組と今後について伺います。 ◎久道 経営支援雇用労働担当部長  昨年度の各区での就労支援の取組と今後についてお答えをいたします。  各区に開設しておりますあいワークでは、シニア世代を含めた求職者に対して就職支援を行っているところでございます。さらに、就業サポートセンターでは、各区民センター等におきまして、高齢者向け就職活動セミナーシニア世代の採用を検討している企業と交流するシニア向け交流座談会を開催いたしました。  新型コロナウイルス感染症の影響により、やむを得ず中止したものもありましたが、合計で23回実施し、延べ147人の方にご参加いただいております。  参加者を対象としたアンケートでは、90%以上の方が役立ったと回答しており、参加者にとって満足度の高い支援を行うことができていると認識しているところでございます。  今後も、感染防止対策を徹底し、実際に働いているシニアの方や企業の採用担当者から生の声を聞く機会を充実させながら、シニア世代の方々がお住まいから近い最寄りの会場で安心して参加し、多くの方が就労できるよう努めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆森山由美子 委員  今後についても、各区でセミナー等を継続し、就労支援に取り組んでいくというご答弁でございました。  私は、シニア世代の方々はまだまだ社会で活躍することができると考えており、行政側から必要な情報を積極的に提供していくことが重要だと考えております。また、利便性の観点からも、お住まいの区、あるいは近隣区で支援を受けられることが望ましいと考えております。シニア世代の方々が安心してセミナー等に参加できるように、感染症対策を徹底して各区での開催を継続していただきたいというふうに思っております。また、意欲的な高齢者の方々がご自身の職域、キャリア等を生かして活躍できるよう、また、これまで職に就いていない女性ならば、人生経験を生かせるような、例えば子育て・介護経験等を生かすなど、少しでも生きがいを持てるような職域、職種を広げる検討も進め、一人でも多くの方が活躍する場を得ることができるように支援していただくことを要望しまして、一つ目の質問を終わります。  続いて、UIターン就職支援について、2点伺います。  これまで増加の一途であった札幌市の人口は、人口減少局面を迎えつつあり、15歳から64歳までの生産年齢人口の減少も一層進むことが懸念されるところです。その中でも、20代については、道外への転出者が多く、生産年齢人口全体の転出者の約4割を占めており、新型コロナウイルス感染症の拡大前には、毎年増加し、1万人を超える規模になっていたところ、令和2年以降は9,000人台までの減少に転じました。  また、30代から40代のいわゆる働き盛りの年代について見てみると、こちらも転出超過で推移をしてきましたが、感染拡大を機に、令和2年以降は転入超過に転じております。  さらに、札幌市が実施している移住による就業者・起業創出事業において、移住支援金を活用して札幌へ移住した方について見ると、約8割が30代、40代となっております。これは、新型コロナウイルス感染症を機にテレワークで仕事をする環境が整ったことで、働く場所を選択することが可能となり、実家のある札幌に戻りたい、または、一度住んでみたいと思っていた札幌へと、そういう流れができたのではと推察をするところです。  こうした状況は、道外からのUIターン移住者を支援するために実施している札幌UIターン就職支援事業にとって、まさに追い風であります。UIターン就職センターは、JR東京駅そばの大手町に常設のUIターン就職の支援に特化したセンターを設置し、東京圏の学生や社会人に対して就職相談や札幌の企業とのマッチングイベントの開催など、様々な支援を実施してきました。  令和3年度における本センター登録者に関する実績を伺ったところ、登録者数が1,216人、就職相談件数が1,924件、登録者の就職内定件数については212件であり、年々増加傾向にあり、順調に推移をしているとのことです。登録者は学生と社会人という大きく二つの属性に区分されますが、それぞれの支援の形があるものと考えております。  そこで、質問ですが、令和3年度のUIターン就職センターの実績における属性ごとの傾向と、そこから見えてくる課題について伺います。 ◎久道 経営支援雇用労働担当部長  UIターン就職センターの属性別の傾向と課題についてお答えをいたします。  令和3年度末の本センターの登録者数は、学生が692人、社会人が524人であり、令和2年度からの伸び率は、学生が28%、社会人が34%の増となっているほか、相談件数は、学生が842件だったのに対し、社会人の方が1,082件と多く、就職内定件数は、学生が149件、社会人が63件と、どちらも増加傾向にありますが、社会人は前年度比70%増と大きく伸びているところでございます。  また、本センターが社会人を対象に実施したアンケートによりますと、回答者の約8割がコロナ禍によりUIターンの関心が高まったと回答しており、社会人を中心に移住の機運が高まっていると認識しているところでございます。  一方で、UIターンに向けて求める情報につきましては、学生と社会人で傾向が異なっており、学生については、オンラインを含めた面接のノウハウや道内企業の情報収集に関する相談が多くなっております。それに対し、社会人につきましては、道内の雇用状況や労働環境に関する相談に加え、住まいや生活に関することなど内容が多岐にわたっております。このように学生と社会人では支援の在り方が異なっており、それぞれに合った対応をする必要があることが課題と認識しているところでございます。 ◆森山由美子 委員  学生と社会人との違いと今後の課題について、それぞれの特徴がよく表れているなという印象を受けました。  学生は就職活動を初めて行うということもあり、漠然とした不安や心細さといった悩みも多いと考えます。また、大学に所属していることから、各キャリアセンターとの関係の構築は必須です。社会人については、日々の仕事や生活に追われる中で、生活拠点を変え、仕事を変えるという大きな決断を下そうとしている方が多いと考えるところです。  こうした背景を踏まえて、登録者にとって利用しやすい、頼りになるセンターになっていただき、安心して札幌に来てもらえるよう努力をしていただきたいというふうに思います。  そこで、質問ですが、札幌へのUIターン就職を考えている学生、社会人に対して、これからのUIターン就職センターの果たすべき役割とその方向性について伺います。 ◎久道 経営支援雇用労働担当部長  UIターン就職センターの果たすべき役割と方向性についてお答えをいたします。  本センターの役割として、学生と社会人それぞれのニーズに合った支援を展開していくことが重要と認識しているところでございます。学生につきましては、就職活動やインターンシップに参加するための交通費の負担が大きいことが課題と認識しておりまして、令和3年度まで1往復を上限に実施していた交通費の一部補助を、令和4年度には2往復に拡大したところございます。また、オンライン型の合同企業説明会やセミナーなどを充実させることで、遠隔地からも容易にアクセスが可能になることから、道内出身者が多い関西圏の大学にもアピールをしていきたいと考えております。  また、社会人につきましては、具体的な生活をイメージできるように、移住セミナーや転職相談会といったイベント等を通じ、仕事のみならず、住居や子どもの教育環境といった社会人の知りたい情報を発信する場を充実させてまいりたいと考えております。  さらに、令和4年度から、新たに短時間の企業紹介動画を作成し、ユーチューブなど各種SNSにて配信をすることで、多くの方に情報を届け、札幌市へのUIターン就職を加速させてまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆森山由美子 委員  交通費の助成は、オンラインが浸透しているとはいえ、最終面接は対面で行うという企業が数多くあり、必ずニーズはあるものというふうに考えております。センターに登録して、札幌での就職活動の際には、ぜひ利用してほしい制度であります。また、コロナ禍を契機に関心が高まっている地方への移住にも注目をしてしっかりとニーズをつかみ、必要な情報を必要としている方に提供していってほしいというふうに思います。そして、ますます重要性が高まっている大手町にあるUIターン就職センターをより多くの人に知ってもらい、たくさんの若者や移住者を札幌に呼び込む情報発信拠点となることを期待しまして、私の質問を終わります。 ◆しのだ江里子 委員  私からは、若者の地元定着支援事業であるワークトライアル事業について伺います。  2022年8月における札幌の雇用情勢は、有効求人倍率が0.95倍と前年同月を0.12ポイント上回り、14か月連続で前年同月を上回っていると聞きます。新型コロナウイルス感染症の拡大によって0.80倍まで低下した有効求人倍率は、コロナ禍前の水準までではないものの、順調に回復してきていると言えると思います。  また、若年層の就職状況は、2022年3月卒の道内大学生の就職率が92.4%と前年を0.4ポイント下回り、コロナ禍となった2020年以降、3年連続で前年を下回っているものの、過去10年間における平均値は上回っているとのことです。  一方で、働きたい企業に出会えず、就職浪人をしている若者や、就職しても実際に自分がやりたい仕事ではなかったとして辞めてしまったり、また、正社員になれず、非正規雇用で働きながら正社員を目指している方もおります。  近年では、就職後に職場の人間関係などで悩みを抱え、メンタル面の不調を訴えて離職を余儀なくされた方や、学生時代に周囲の人間関係でトラブルを抱え、就職活動もままならなかったという若者も多くいると聞いております。  このような様々な理由で就職したくても自力で就職するのに時間を要する未就職者や、非正規で働いている雇用者と、正社員を雇いたい企業を結びつける事業の一つとしてワークトライアル事業があります。
     本事業は、座学研修と給付金が支払われる職場実習を組み合わせて実施するなど、伴走型のきめ細やかな支援を通じ、今まで正社員として働いたことのない参加者の職業観を養いながら、就職に必要なスキルを身につけて正社員として就職することを支援しているものです。  私は、2016年度の事業開始時からこの事業に注目をし、私どもの会派としても、何度か質問をさせていただいたところです。  今年で7年目を迎える本事業は、ほかの事業との統合や対象年齢の引上げなど、その時々の状況に応じて少しずつ形を変えながら継続実施してきました。最近では、特にメンタル面に不調を抱えた方が数多く本事業に参加していると聞いております。  そこで、最初の質問ですが、事業開始からワークトライアル事業がどのように変わり、実績にどう影響してきたのか、まず、伺います。 ◎久道 経営支援雇用労働担当部長  ワークトライアル事業の変遷と実績への影響についてお答えをいたします。  平成28年度に事業を始めた当初は、おおむね35歳以下の求職者を対象に、60人を定員として実施し、正社員就職率は60.6%でございました。令和元年度には対象年齢を40歳に引き上げたほか、求職者のニーズを捉え、新卒3年目までの未就職者を対象としたフレッシュスタート塾事業と統合し、定員を現在の130人としたことにより、正社員就職率は76.1%と、初めて70%を超えました。その後、対象年齢につきましては、令和2年度に49歳に拡大し、現在は50歳まで引き上げたところございます。  また、近年では、メンタル面に不安を抱えた参加者が増えていることを踏まえまして、個別カウンセリングに力を入れ、個々に応じたきめ細やかな伴走型支援を行っております。このように時宜を得た事業の見直しを行うことで、令和3年度には135人に参加いただき、正社員就職者数は99人、正社員就職率は73.3%という実績につながったと認識しているところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  2016年以降、本当に様々な状況に応じて条件を柔軟に変えていただいたと思います。最初は、35歳以下であったものを40歳、そしてまた、まさに就職氷河期の方たちを対象にしたものと思われる50歳までということで、昨年度、2021年度は135人の方が参加をされたということでした。そして、その中で、99人の方が就職をされたということで、70%を超える高い就職率を実現してきたということが分かりました。  この事業の特徴は、職場実習により、より仕事や職場のことを理解した上で就職することができるところにあると思います。参加者への対応はもちろん大切でありますけれども、本事業には実習を受け入れてくださる企業があってこそ成り立つものであると思います。ここ2年ほどは、コロナ禍による行動制限もありまして、実際に企業に出向いて行う職場実習には大変ご苦労もあり、そしてまた工夫が必要だったのではないかと思います。  そこで、質問ですが、2021年度の実習受入先企業はどのような観点で開拓をされてきたのか、また、その理由も併せて伺います。 ◎久道 経営支援雇用労働担当部長  職場実習の受入先企業の開拓における観点と理由についてお答えをいたします。  参加者におきましては、幅広い職種から自分に合った仕事を選びたいという方と、既に希望を絞り込んでいる方がいるほか、企業においては人手不足が深刻なところもあると認識しているところでございます。  そこで、人手不足の業種を含めた幅広い職種と、参加者の個別ニーズを踏まえたピンポイントの職種という二つの観点から、企業開拓を行ったところでございます。  令和3年度における職場実習企業の求人開拓につきまして、業種別の延べ件数を見ますと、医療、福祉が最も多く264件、次いで、卸売業、小売業の251件、製造業が224件となっております。さらに、幅広く人手不足の業種に対して開拓を行った結果、宿泊業、飲食サービス業につきましては、求人を令和2年度比で倍近くまで増やしたところでございます。このほか、コロナ禍においては、感染症対策に慎重にならざるを得ない介護事業など、対面での職場実習が難しいケースもあったことから、令和4年度よりオンラインによる簡易な実習などを行えるよう工夫をしているところでございます。 ◆しのだ江里子 委員  2021年度に関しては、まさに人手不足の業種に対しては幅広い目を向けるように実習先の充実を図っていただきました。そしてまた、参加者の皆さんたちのニーズに応えるようにピンポイントに工夫をしていただいたということも大変評価のできることだと思います。そして、小売業であったり、医療、福祉であったり、製造業など幅広い業種に実際に参加者の方たちが伺うことができたということは大変よかったと思います。  この事業の目的は、正社員就職を目指すものでありますけれども、就職先に定着してこそ、参加者にとって安定的な収入を得ることができ、また、企業にとっても企業基盤を整えることができるものと考えます。  一方で、就職後の定着状況を見ますと、例えば新規大卒就職者の入社後3年の離職率は、北海道全体で34.6%となっています。大卒の離職率は、以前より入社後3年で3割程度と言われておりまして、就職者にとっても、企業にとっても大きな課題となっています。  このワークトライアル事業においても、定着状況の調査を伺ったところ、離職率は同様に3割を超えているということではありますが、一方で、メンタル面の不調をはじめ、様々な事情を抱えた参加者が7割以上も正社員として就職できたということは、参加者が自立した生活の一歩を踏み出せたと言えるため、非常に意義のあることと認識をいたします。  そのほか、幅広い年齢層に対応すべく、まさに先ほどもお話ししましたが、参加者を就職氷河期世代である50歳程度まで拡大しており、この就職氷河期世代を支援する枠組みとして、保健福祉局や子ども未来局をはじめ、若者支援総合センターやこころのセンター、わかものハローワークといった様々な機関を構成員としたプラットフォームを設置したと聞いております。  他局や関係機関と連携することで、今まで情報が行き届かなかった方にもこの事業を知っていただく機会が増えていると期待をしているところです。  質問ですが、これからのワークトライアル事業の課題と展望について伺います。 ◎久道 経営支援雇用労働担当部長  ワークトライアル事業の今後の課題と展望についてお答えをいたします。  近年、メンタル面に不安を抱えている方が増えるなど、参加者の幅が広がっておりますほか、企業においても人手不足が顕著な職種があることが課題と認識しているところでございます。  そこで、これまで以上に個別カウンセリングに力を入れるとともに、適切な機関への案内や就職がかなわなかった参加者に対する個別フォローなど、参加者に寄り添った対応の充実を図ってまいりたいと考えております。  また、委員がご指摘の就職氷河期世代活躍支援プラットフォームを活用し、より多くの働きたいという意欲を持った方に申し込んでいただけるよう、引き続き各構成機関を通じて幅広く周知をしてまいりたいというふうに考えております。  人手不足の企業につきましても、参加者のニーズを的確に捉え、実習等を通じて理解を深めることで就職まで結びつけられるよう、マッチング機会を多く提供していきたいと考えております。  今後も、参加者、受入れ企業、双方のニーズを踏まえながら、適宜、カリキュラムを見直すことで多くの参加者が社会で長く活躍できるよう努力してまいりたいと考えております。 ◆しのだ江里子 委員  このワークトライアル事業を通じて就職した参加者は、年度を平均しても約7割近くと、大変、数が多くなってきました。様々な情勢の中で、参加者や実習受入れ企業などのあらゆるニーズを的確に捉えて事業を見直していただくということは、非常に大切なことだと思います。この事業の特徴は、とにかく伴走型であるということ、そしてまた、個別カウンセリングをしっかりしていただけるということ、そして、残念ながら就職がかなわなかった方に対しても個別に対応していただけることなど、本当に、今後も引き続き、創意工夫を重ねて、ぜひ定着という観点からも事業の研さんに努めていただきたいと思います。  私は、12日の保健福祉局で、障がいのある方への就労移行支援事業とひきこもり支援事業の質疑をさせていただきました。これらの事業の対象になる方にもワークトライアル事業に進むことができる若者がいるのではないかと考えます。  このプラットフォーム事業を通じて、各構成機関が関わっている方々に広く事業が浸透し、必要としている方が事業に申込みしやすくなるよう、これからも努力をしていただきたいと思います。  2016年から、形を変えながら7年目を迎えましたこのワークトライアル事業ですけれども、札幌市の単費が7割と多く入り、開催をされております。労働人口が減少していく中で、今まで就職したことがない若者や再就職を目指す求職者がもう一度チャレンジする場であるワークトライアル事業を通じて、地元企業に就職し、そして、長く正社員として定着することで、札幌がより元気になり、一人一人が夢や希望につながる生活をしていただけることを期待して、この質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。 ○北村光一郎 委員長  以上で、第1項 労働費の質疑を終了いたします。  次に、第6款 経済費 第1項 商工費の質疑を行います。 ◆小須田ともひろ 委員  私からは、定山渓の環境整備についてお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染拡大の長期化で大きな打撃を受けた観光関連事業ではございますが、札幌市をはじめ、様々な観光需要回復策を実施していただき、コロナ禍前には及ばないものの、定山渓には観光客が若干戻りつつある現状でございます。現在も、紅葉の見頃、ピークを迎え、先週末も本当に多くのお客様に訪れていただいておりました。  定山渓の観光関連事業者の中には、ウィズコロナ、アフターコロナを見据え、国や札幌市の補助を受けて、ホテルの客室のハイグレード化や外観修繕を実施したり、カフェやアウトドアなどの新規事業を展開するところもあり、積極的な投資が行われているところもございます。  また、札幌市でも、定山渓中央線沿いにある湯の滝や、二見公園のトイレのリニューアルを行ったほか、今年度には、二見公園の近くに新たな足湯を設置するべく、実施計画が行われており、このような取組を積極的に進めることで、観光地としての魅力を高め、さらなる集客の促進を図っていただきたいと思っております。  中でも、二見公園は、温泉街の中心に近く、周遊スポットとして観光客が訪れているばかりではなく、最近ではテレビ番組のロケなどでも利用されております。また、夜にはネイチャールミナリエの光と音と自然の幻想的な空間が、秋には渓谷に映える紅葉の美しさがSNSなどで多く投稿されるなど、観光客に親しまれている大変貴重な観光拠点となっております。  そこで、1点目の質問ですが、札幌市は、二見公園を観光資源としてどのように位置づけているのか、お伺いいたします。 ◎石井 観光・MICE推進部長  二見公園の位置づけについてお答え申し上げます。  二見公園は、国立公園の山と豊平川がつくり出す渓谷の中にあり、四季折々の豊かな自然を気軽に感じることができる定山渓の重要な観光資源の一つと認識してございます。これまでも定期的なメンテナンスの実施や、そぞろ歩きの案内板を設置するなど、地元の要望を踏まえ、観光客の周遊や憩いの場として整備をしてまいりました。  さらに、現在、実施設計を進めております足湯のほか、公園周辺においては、民間事業者がアクティビティーの拠点施設を建設中であり、官民の相乗効果でさらなるにぎわいを創造し、定山渓を代表する観光スポットとして発信してまいりたいと考えてございます。 ◆小須田ともひろ 委員  四季折々の渓谷美を存分に生かして、この場所を中心として定山渓の活性化をより進めていっていただければと思います。  そのような二見公園ではございますが、特に河川敷、河畔園地の部分は、安全確保のための最低限のメンテナンスはされてはおりますが、これまでの度重なる豊平川の増水により、地面や通路は荒れており、施設の老朽化が進んでおります。川のせせらぎを身近に感じることができるような観光スポットとしてもっと整備されてもよいのではと思っております。  札幌市では、今年度において、二見公園河畔園地のリニューアルに向けた検討が行われているとのことではございますが、多くの市民や観光客が楽しむことができ、にぎわいを創出するような拠点として生まれ変わることが期待されております。  そこで、質問ですが、二見公園河畔園地のリニューアルに向けてどのように検討しているのか、お伺いいたします。 ◎石井 観光・MICE推進部長  二見公園河畔園地のリニューアルに向けた検討についてお答え申し上げます。  豊平川の上流に位置する二見公園河畔園地は、昭和56年に整備を行って以降、老朽化が目立っていることから、今年度は、リニューアルに向けまして、まずは現状の把握を行い、改修方法などを検討する予算を計上したところでございます。  事業を進めるに当たり、まず、豊平川の河川管理者であります北海道と協議し、護岸整備と河畔や周辺エリアのにぎわいづくりを連動させた定山渓の景観にふさわしい整備方法の可能性につきまして、北海道や定山渓観光協会をはじめとした地元関係者と意見交換を行っているところでございます。  今後も引き続き、地元の意見や他の温泉街の事例なども参考にしながら、市民や観光客が気軽に豊平川に親しむことができ、また温泉街のにぎわいが生み出されるエリアとなりますよう検討を進めてまいりたいと考えてございます。 ◆小須田ともひろ 委員  リニューアルが進む二見公園でございますので、そこに向かう道路や歩道など動線や駐車場の整備なども今後必要になってくると思っております。引き続き、地元の意見を取り入れながらすばらしいスポットとなることを願っております。  そして、整備した後も、しっかりとした維持管理体制を整え、定山渓を訪れた観光客の多くが立ち寄るような、定山渓の代名詞となるような、そのような場所となるよう検討を進めていただければと思います。 ◆恩村健太郎 委員  私からは、スタートアップ・エコシステムのさらなる発展に向けた取組と大谷地流通業務団地の高度化についての2項目について質問いたします。  初めに、スタートアップ・エコシステムのさらなる発展に向けた取組について、幾つか伺います。  先日の代表質問において、札幌、北海道のスタートアップ・エコシステムのさらなる発展に向けた取組について伺ったところ、本市は、若い世代をはじめとする新たな挑戦を支援し、スタートアップの創出と成長をさらに加速していくとの答弁がございました。  札幌市のスタートアップ創出プロジェクト、STARTUP CITY SAPPOROでは、北海道最大級のスタートアップ支援施設、SAPPORO incubation Hub DRIVEにてスタートアップの専門相談窓口や各種イベントを開催しているところです。同施設は、スタートアップ・エコシステムの拠点施設として中心の役割を担っておりまして、スタートアップを目指す若い世代が増加してきていると伺っております。  そこで、最初の質問ですが、DRIVEを拠点としたスタートアップ支援の取組における具体的な実績について伺います。 ◎早瀬 経済戦略推進部長  スタートアップ・エコシステムのさらなる発展に向けた取組に関しまして、DRIVEの実績についてお答えをいたします。  北海道新聞社が運営するDRIVEは、2020年7月のオープン以来、2年間で延べ来館者数2万人、会員数300名を突破し、市内のスタートアップ関係者にも大きな反響を呼んでいるところであります。  札幌市がこの施設で実施しているSTART UP CITY SAPPOROの専門相談窓口、SCS cafeの相談件数につきましても、上半期実績の比較ではありますが、昨年度と比較をして約2割、利用者が増えている状況でございます。施設の報告によりますと、利用者のうちの約6割がスタートアップ関係者ということでありまして、この施設の存在は、札幌市のスタートアップ・エコシステムの発展に極めて重要であるというふうに実感をしているところでございます。 ◆恩村健太郎 委員  今ありました答弁からも、2020年7月の開館から数えて2万人の来館者がいらっしゃったということや、300名の登録者数を突破されてらっしゃると。昨年、SCS cafeは、昨年との比較でも2割増と。  今お答えを聞いていて、これはやっぱり札幌にとっても重要で、私も非常に大切だなと感じました。スタートアップの育成において重要な拠点で、これは本当に札幌市には大切な財産だなと感じているところです。  ただ、この施設が2024年3月末に北海道新聞社本社の移転に伴い、閉鎖される予定であるというふうに伺っております。札幌市におけるスタートアップの拠点として多くの実績を上げているDRIVEが閉鎖するということは、札幌市に根づき始めたスタートアップの機運にも非常に大きく影響を与えるのではないかと危惧しているところでございます。  そこで、質問ですが、DRIVE閉鎖後のスタートアップ・エコシステムの拠点の確保について、札幌市の認識を伺います。 ◎早瀬 経済戦略推進部長  DRIVE閉鎖後のスタートアップ・エコシステムの拠点の確保についてお答えをいたします。  スタートアップ・エコシステムの構築におきましては、そこに行けば誰かに会える、あるいは、何かにつながることができる、人や情報に触れ合う機会が増えるといった密度の高い拠点をつくることが効果的であるとされております。DRIVE閉鎖後の拠点施設の確保につきましては、本市のスタートアップ支援にとっても重要であるというふうに認識をしておりまして、本年度は、デンマークやエストニアなどの優れたエコシステムの構築に成功している海外諸都市の先進事例を調査したところでございます。  また、国内における先進的なスタートアップ拠点の事例調査にも既に着手をしておりまして、年末にかけまして、関東、関西をはじめとした先進都市の拠点の調査も行う予定でございます。これらの結果を基に、DRIVE閉鎖後の拠点の在り方について検討を進め、札幌市に醸成をされているスタートアップの機運をさらに加速させてまいりたいと考えております。 ◆恩村健太郎 委員  今の答弁でもありましたけれども、関東、関西の拠点とかも調査されるということですので、新たな拠点の実現に向けましてこの調査をしっかり生かして機運をさらに加速させるスペースを札幌市にぜひとも生んでいただきたいと思います。  スタートアップ・エコシステムの拠点施設という観点では、他都市に目を向けますと、福岡市では、旧小学校を大改修した施設で、Fukuoka Growth Nextという場所が拠点となっております。この施設では地元企業が参画して、官民一体で運営することで、スタートアップと地元企業のネットワーキングを促進させているほか、首都圏のベンチャーキャピタルを常駐させて資金調達をサポートされているとのことでした。  また、神戸市においては、数年前からスタートアップ支援の外部人材を複数名採用して配置し、そうした人材が専門的な知識やネットワークを生かして、2021年4月に開設された新たな拠点、ANCHOR KOBEの立ち上げに携わり、その後も、拠点を中心核に、スタートアップと行政の橋渡しなどで活躍されているとのことです。  札幌市でも、今年10月からスタートアップ支援について、外部人材を採用し、配置されたところでございます。都市間競争を勝ち抜くために、札幌市においても、外部人材の専門的な知識や経験を最大限に活用して、札幌ならではの強みを具体的な形にし、それを国内の他都市はもちろん、世界中の人材にアピールしていくことが重要と考えます。  そこで、質問ですが、札幌のスタートアップ・エコシステムの一層の発展に向けて、現在、どのような課題があり、それに対して外部人材も活用しながら、どのように取組を進めていく考えなのか、伺います。 ◎早瀬 経済戦略推進部長  スタートアップ・エコシステムの一層の発展に向けました現在の課題と、外部人材を活用した今後の取組についてお答えをいたします。  スタートアップ・エコシステムの発展に向けましては、先日、サンフランシスコに拠点を置き、世界各都市のスタートアップ・エコシステムの支援を行っておりますスタートアップゲノム社に札幌、北海道のエコシステムを客観的に評価していただきました。その結果、札幌の課題として、スタートアップの数の少なさや資金調達環境の脆弱さなどが、また、強みとして、成功した起業家や育成プログラムの卒業生たちがエコシステムに貢献をしたいと強く思っていることなどが挙げられております。  また、スタートアップ・エコシステムのつながりが強いほど、スタートアップの成長率が高まるという調査結果もございまして、エコシステムの関係者をうまく巻き込みながら、つながりを強めていくということが重要と考えております。このため、本年10月に迎え入れました外部人材の係長につきましては、官民問わず、様々な関係者を巻き込み、行政の中にいながらスタートアップや民間企業の意見を理解して、つながりをつくる存在になるということを期待しております。  今後につきましては、外部人材が持つ知見やノウハウを支援施策に反映させながら、新たな拠点が人や情報のハブとなって関係者のつながりを強化し、スタートアップ創出に資する人材等を世界中から集めていく、こうした仕組みを構築してまいりたいと考えております。 ◆恩村健太郎 委員  今朝の新聞にもスタートアップに関連する記事が幾つかございました。スタートアップに期待される部分として、地域課題の解決ですとか、医療関連への貢献なんかもございますので、このスタートアップの創出と、そして成長、これはもう市民生活の向上にも寄与するものと考えられます。ぜひ、札幌市に根づき始めたスタートアップの機運を高めていただき、さらに発展させていただいて、引き続きこの取組を進めていただくとともに、先ほどの質疑の中にもございましたが、先行している都市の事例などを調査研究されて、本市に取り入れられるものは取り入れていただいて、都市間競争を勝ち抜けるよう力強く取り組まれることを要望させていただきまして、次の質問に移らせていただきます。  次に、大谷地流通業務団地の高度化について、幾つか質問させていただきます。  大谷地流通業務団地は、コンテナ取扱量において、全国2位を誇る札幌貨物ターミナル駅を内包し、また、高速道路インターチェンジに隣接するなど極めて高い利便性を有する、本市にとって重要な社会インフラとして位置づけられており、多数の卸売業、運送業などの事業活動によって、実に札幌市内の4分の1の貨物が取り扱われております。  しかしながら、造成から50年以上が経過し、立地企業が所有する施設も老朽化が進んでいる中、団地内や周辺にはまとまった空き地がなく、建て替えなどの施設更新が困難な状況となっています。  そこで、札幌市では、2022年3月に、(仮称)新展示場整備基本計画を策定し、アクセスサッポロは、旧北海道産業共進会場跡地に移転することとなりました。このことによって、展示機能を強化するとともに、大谷地流通業務団地の施設更新に必要な土地を確保し、最終的には大谷地流通業務団地の高度化を目指していると伺っております。  そこで、最初の質問ですが、新展示場整備に係る現時点での進捗状況について伺います。 ◎早瀬 経済戦略推進部長  大谷地流通業務団地の高度化について、新展示場整備に係る進捗状況についてお答えをいたします。  新展示場の整備につきましては、新展示場整備基本計画におきまして、令和8年度末の供用開始を目指すこととしており、今年度は、PFI事業に係る実施方針及び要求水準等について検討を進めているところでございます。  現在は、PFI事業に参画することが見込まれる企業に対しましてヒアリング等を実施しながら、競争性を確保しつつ、産業、流通の活性化に資する内容となるよう公募条件を検討しております。今年度中には、実施方針及び要求水準書等の内容を固めた上で、令和5年度に公募手続に入る予定でございます。 ◆恩村健太郎 委員  今の答弁のように、令和8年度末に新展示場が供用開始されれば、現アクセスサッポロの跡地を活用した団地内立地企業の施設更新が進むことが期待されるところです。  物流業においては、全国的な課題といたしまして、インターネット通販の拡大などに伴い、配送数が増加している一方、2024年には適用になります長時間労働の規制強化に伴う労働力不足が危惧されており、物流需要が輸送能力を上回る、いわゆる物流危機と呼ばれる状況も懸念されております。これらの課題は、市内、道内の流通・物流機能を支える大谷地流通業務団地の在り方にも大きな影響を及ぼすのではないでしょうか。  そこで、質問ですが、大谷地流通業務団地に関する課題についてどのように考えているのか、伺います。 ◎早瀬 経済戦略推進部長  大谷地流通業務団地に関する課題につきましてお答えをいたします。  大谷地流通業務団地の課題といたしましては、委員のご指摘のとおり、施設の老朽化が進む中、労働力が不足していることに加えまして、自動化、多機能化、大型化といった物流機能の高度化が遅れていることが挙げられるものと思います。具体的には、商品の入庫から在庫保管、仕分け、梱包、出荷という物流の過程を一貫して行う機能複合型物流施設などへの更新が望まれるところであります。  また、リアルタイムで正確な在庫管理ですとか商品状態の把握を可能とするなど、サプライチェーン全般の最適化に資する情報システムの導入が今後必要になっていくものと考えております。 ◆恩村健太郎 委員  今、答弁にもありましたけれども、大谷地流通業務団地の高度化のためには、やはり、物流施設の機能向上ですとか、情報システムの導入によって生産性の向上を図ることなどが重要だということは、私も非常に感じているところでございます。  また、大谷地流通業務団地が市内、道内の物流拠点としての機能を維持しながら、さらなる発展のために高度化していくには、実際に団地内で事業を営む各立地企業の声に耳を傾けることが必要不可欠でございまして、官民が連携しながら高度化を進めていくことが重要だと考えます。  そこで、次の質問ですけれども、今後、大谷地流通業務団地の高度化についてどのように検討を進めていくのか、伺います。 ◎早瀬 経済戦略推進部長  大谷地流通業務団地高度化の検討の進め方についてお答えをいたします。  大谷地流通業務団地の高度化に当たりましては、施設の更新や情報化システムの導入など、企業が一定の設備投資を行うことが必要であります。これらは、各企業の経営方針に直結をするものでありますことから、高度化に向けた支援内容を検討するに当たりましては、団地内立地企業のニーズをしっかりと把握することが重要である認識をしております。  これまでも、様々な機会を通してニーズの把握に努めてまいりましたが、今後は、立地企業との対話を深めまして、アクセスサッポロの跡地活用に向けたスケジュールに合わせ、具体的な方向性を検討してまいりたいと考えております。 ◆恩村健太郎 委員  やはり、民間の企業の皆様、立地企業の皆様のお話をしっかり聞くことが非常に大切だと感じておりますので、丁寧に進めていただければと思っております。  今後、流通業、物流業においては、消費者ニーズが多様化する一方で、道内特有の輸送効率の低さや人口減少に伴う労働力不足など、様々な課題がより顕在化していくものと思われます。  そのような状況下において、大谷地流通業務団地が流通業、物流業の要衝としての機能を果たし、また、団地内立地企業が効率的で多様な活動を展開するためには、高速道路に隣接していることですとか、貨物ターミナルを内包していることなど、団地が持つ立地上の優位性を生かしつつ、ICT等の新技術の導入を促すなどの支援を継続的に行っていくことが肝要と考えております。
     加えて、大谷地流通業務団地の高度化に関して、具体的な施策を検討する際には、近年多発しております自然災害時にも、市内物流を維持できる体制の構築など、こういった課題も含めて、官民一丸となって市内の流通・物流機能の向上を図れるよう、しっかりと検討を進めていただきたいということを要望させていただきまして、私の質問の全てを終わらせていただきます。 ◆わたなべ泰行 委員  私からは、定山渓にある遊歩道、二見定山の道に関して質問をいたします。  支笏洞爺国立公園に位置する定山渓は、温泉や自然、アクティビティーはもちろんのこと、最近は、スイーツやカレー、ベーカリーなどのお店が出店し、若い方たちからの人気も高まっており、札幌の観光に大きな貢献をしております。  地元の定山渓観光協会では、地域の環境資源を生かし、フォトコンテストやスノーキャンドルを活用した雪灯籠、また、二見公園から入って二見吊橋までの道をイルミネーションとプロジェクションマッピングで演出した定山渓ネイチャールミナリエなどを開催し、さらなる地域のにぎわいの創出に尽力をしております。  私も、地域活性化のために、このにぎわいの創出等を応援したく、地元の方たちと意見交換を重ねてきましたところ、二見吊橋の先にある北海道が整備した遊歩道、二見定山の道についてご相談がありました。  この遊歩道は、森林の中を豊平川の渓谷沿いに、川のせせらぎや小鳥のさえずりを聞きながら、珍しい山野草、秋には紅葉に包まれて散策することができる、定山渓にとっては貴重な観光資源であります。昭和35年に整備されましたが、落石やのり面崩壊などが度々発生し、平成16年から、一部の区間が通行止めになってしまいました。  地元の方たちは、地域の活性化のために、この遊歩道の修復を市や道に訴えてきましたが、なかなか実現できずにいました。  昨年7月に札幌で開催された赤羽国土交通大臣と道内宿泊事業者等との意見交換があり、私も参加させていただきましたが、その際に、定山渓の宿泊事業の方から、遊歩道の復旧について要望がありました。  その後、私は、国会議員、道議会議員とともに何度か現地を視察し、地元の方たちと意見交換を重ね、観光・MICE推進部のご担当者と北海道の担当部局へ直接要望に伺うなど、行ってまいりました。そういった中、今年度、北海道では、岩盤崩落の危険性を把握するための地質調査が行われ、来年度にかけて復旧工事に向けた動きがあると伺いました。  そこで、質問ですが、復旧工事に向けては、工事の内容やスケジュールなどについて、地元関係者の意見が反映されることが重要であると考えますが、札幌市としてどのように取り組んでいくのかを伺います。 ◎石井 観光・MICE推進部長  二見定山の道の復旧工事に関して、地元関係者の意見が反映されるための取組についてお答え申し上げます。  北海道が行う遊歩道の復旧工事に関して、地元の自然環境や歴史を熟知し、実際に遊歩道を活用して観光まちづくりを行う地元関係者の意見が反映されることは、大変重要であることと認識してございます。  このため、地質調査業務が行われる前の本年7月に、北海道の所管部局とともに、地元関係者に業務内容等の説明と意見交換を行う場を設けたところでございます。また、調査業務終了後の9月には、調査結果や予定される工事内容、スケジュール等について、北海道から地元関係者に説明をする場を設けたところでございます。  二見定山の道の復旧工事が予定どおりに円滑に進むよう、また、地元の意見が反映され、安全で魅力あふれる遊歩道となりますよう、引き続き取り組んでまいりたいと考えてございます。 ◆わたなべ泰行 委員  本当に、この修復、復旧が順調に進むように、地元意見の反映について、札幌市が北海道と地元とのパイプ役を取っていただけるという答弁でございましたが、ぜひ、今後も連携を密にとって進めていただきたいと思います。  今後、復旧工事が完了し、予定では、令和6年度から、遊歩道の供用が再開になると伺っておりますが、この魅力的な資源をぜひ有効活用していただきたいと思っております。  この遊歩道は、一定の起伏があり、登山までハードではないものの、トレッキングには向いているコースでございます。遊歩道を歩いて、定山渓の豊かな自然に触れ、軽く汗をかいて、疲れた体を温泉で癒やし、地元のスイーツやグルメに舌鼓を打つといった一連の流れは、市内でも定山渓ならではの楽しみとなります。  そこで、質問ですが、二見定山の道が復旧した後、札幌市はどのように活用をしていくのか、伺います。 ◎石井 観光・MICE推進部長  二見定山の道の活用についてお答え申し上げます。  二見定山の道は、距離や高低差から見ても、子どもから大人まで楽しむことができる遊歩道であり、温泉街の中心に近いことからも利用しやすいアクティビティーと言えます。その上、定山渓には温泉やグルメ、豊かな自然を生かした観光スポットなど様々なコンテンツがあり、それぞれ個々に提供するのではなく、関連づけて展開することで付加価値の向上につながるものと考えてございます。  そのため、遊歩道が復旧した際には、定山渓の多様な観光資源と合わせて周遊していただけるよう、宿泊事業者等に働きかけていくほか、定山渓観光協会が行うプロモーションに対して支援を行ってまいりたいと考えてございます。  さらに、観光客のみならず、小・中学校の課外活動や成人の健康づくり、生涯学習の場としての活用が可能と考えられますことから、これらについても積極的に周知してまいりたいと考えてございます。 ◆わたなべ泰行 委員  ただいまの答弁で、この二見定山の道が復旧した後、周囲とのマッチングで、エリア全体の付加価値が上がっていくような取組をしていただけるとの答弁だったと思います。ぜひ活用していただきたいと思いますし、また、小学校の課外授業、また、成人の生涯学習、こういった新たな学びの場にも活用していただけるとのことでした。ぜひ、様々な可能性を検討していただいて、有効に活用していただきたいと思います。  最後に、要望ですが、この区間の一部が通行止めになってから、およそ12年の年月がたちました。ようやく修復に向けて動き出しました。地元の方たちの期待は大変に大きいと思います。ぜひ、二見定山の道を観光客誘致のために、先ほど答弁でございましたけれども、定山渓の周遊スポット、またイベントなどを企画していただいて有効活用していただくことを改めて求めます。  また、先日、我が党の石井幹事長が来札した際、定山渓を視察してくれました。温泉街の様子を見ていただき、二見公園から二見吊橋まで歩き、定山渓の自然に触れていただいたところ、札幌市の中心地から1時間程度で、国立公園などの自然が豊かで温泉もある観光地としてのポテンシャルの高さに驚いておりました。これからも定山渓の整備を応援していきたいとおっしゃっておりました。  定山渓のさらなる魅力創出のためには、こういった、国、また北海道との協力は必要だと考えております。例えば、先ほど河畔園地の護岸整備の話がございました。こういったことも、国土交通省では、川の整備とまちづくりを一体として進めるメニューがあるように伺ってもおります。こういったこともぜひ検討してみてはよろしいんではないかと思います。今後も、関係機関との連携を強化し、整備が進んだところは速やかに有効活用をしていただき、ますます定山渓が魅力あふれる地域になるように努めていただくことを求め、私の質問を終わります。 ◆千葉なおこ 委員  私からも、定山渓観光魅力アップに向けた取組のうち、人材育成についてお伺いいたします。  定山渓は、政令指定都市の札幌市にありながら、支笏洞爺国立公園に指定される深い山に包まれ、温泉街の真ん中を豊かな豊平川が流れ、大自然の中にあることが特徴であり、定山渓温泉宿泊施設は、昔懐かしい雰囲気を残しながらも、新しい施設や観光スタイルが取り込まれるなど、おしゃれでインスタ映えする、若者にも高齢者にも魅力的で充実した温泉街へと変化が生まれております。  我が会派では、2019年決算特別委員会で、観光振興策について、アドベンチャートラベルという観光スタイルが注目される中で、札幌の豊富な観光資源の活用と本市の取組などについてお聞きし、また、二見公園トイレの整備や新規出店に対する補助についてなど、定山渓観光振興について質問を重ねてまいりました。  地域住民、定山渓観光協会、事業者の方々の努力と誘客イベントなど多様な取組、そして、本市の支援、魅力アップ構想の下、休館中ホテルなどの課題は残されてはおりますものの、徐々に観光地として魅力的なエリアへと成長してまいりました。  こうしたインフラ等の環境整備や誘客イベント、魅力を効果的に伝えるプロモーションの充実が必要であることはもちろんですが、定山渓観光全体を支える、そこで働くスタッフがいてこその観光まちづくりであり、観光客に対応する際には、スタッフ自らが魅力の発信源として定山渓観光を最大限伝える役割を担えるかということも、来訪者の満足度を高め、また泊まりに行きたいと思ってもらえるリピーターを増やしたり、観光してよかったと人に勧めたりすることにつながると考えております。  そこで、質問ですが、定山渓観光のまちづくりには、まず、人づくりが重要であるというふうに考えますが、人材育成に関して、地域の課題をどういうふうに捉えておられるのか、お伺いいたします。 ◎石井 観光・MICE推進部長  定山渓の人材育成における地域課題についてお答えいたします。  宿泊業界においては、定山渓に限らず、コロナ禍以前から従業員の流動性が高く、恒常的に人材不足の状況にございます。こうしたことから、各宿泊事業者では、研修のために特別に時間を割くことが難しく、日常的な業務を通じて先輩から仕事を学んでいく人材育成が一般的になっているところでございます。  そのため、定山渓地区のさらなる魅力アップやおもてなし力を向上させていくためには、各宿泊施設個別の人材育成に加えまして、地域全体での継続的な人材育成の仕組みづくりが課題であると認識しているところでございます。 ◆千葉なおこ 委員  今は緩和されてきておりますけれども、新型コロナウイルス感染症も収束していない中で、まだまだ観光業界は厳しい状況に置かれているというふうに思います。また、ご答弁にあったとおり、恒常的な人材不足が課題であるとのことです。  日本商工会議所の調べでは、宿泊業の約8割で人材不足であると報告されております。厚労省の雇用動向調査でも、以前から宿泊業においての離職率がほかの業界に比べて高い割合となっており、人材確保と定着に課題があるとのことでございます。  そうした厳しい状況も抱えておりますが、定山渓観光の担い手となる皆さんが定山渓の魅力を学んで理解し、自らが情報発信をするスキルを向上させるということは、地域への愛着や定山渓で働いていくことへのモチベーションにもつながるのではないかなというふうに思います。  そこで、質問いたしますが、定山渓宿泊事業者等の人材育成について、本市はどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 ◎石井 観光・MICE推進部長  定山渓の宿泊事業者等の人材育成に係る今後の取組についてお答えいたします。  定山渓における宿泊事業者等の人材育成につきましては、定山渓観光協会が、札幌市からの補助金を活用しまして、令和2年度から、観光客への案内スキルの向上を目指し、地域の豊富な観光資源を学ぶセミナーやアウトドアツーリズムに関する勉強会などを実施してきたところでございます。  今年度は、観光客の満足度向上やリピーターづくりを目的とした定山渓ガイドの検定制度創設に向けまして、テキストの作成や講習会、試験の開催を予定しているところでございます。  今後は、より専門性の高い講習会や試験を実施することにより、案内スキルのさらなるレベルアップを目指すとともに、将来的にはガイドつき商品の造成につなげられるよう、計画的な人材育成を進めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆千葉なおこ 委員  人材育成のための定山渓ガイドの検定制度を創設されるということでございました。  最初のほうにも述べさせていただきましたが、定山渓は、札幌市内にありながら、大自然が魅力の貴重な観光資源でございます。観光資源を学ぶセミナーやアウトドアに関する勉強会等を実施されたということでございます。定山渓地域は、これまでも登山、ウオーキング、スキーなどで親しまれてまいりました。また、豊平川ではラフティングやカヌー体験、サップ体験もできるということです。そして、キャンプ場も、今、定山渓地域や八剣山地域など、本当に増えてきておりまして、道内外のキャンパーで一年を通じてにぎわっております。  2023年9月には、アドベンチャー・トラベル・ワールド・サミットの開催も控えておりますし、今後、定山渓の魅力を国内外に発信していくため、定山渓で働く多くの従業員の皆さんが魅力発信の担い手として活躍されるような取組となるように求めまして、私の質問を終わります。 ◆藤田稔人 委員  私からは、企業誘致についてと夜景観光の推進について、大きく2項目取り上げさせていただきます。  さきの代表質問でも質問いたしましたが、札幌市においては、今後、中心部の再開発によりオフィス床の大量供給が見込まれ、企業誘致にとって絶好のチャンスであり、官民一体で大札新を掲げて積極的にPRを図っていくことは大変有意義なことと認識しております。  他都市に目を向けますと、例えば福岡市では、天神ビッグバンや博多コネクティッドが知られているとおり、大規模な再開発が行われており、それらの動きと連動するかのように、メルカリ、グーグル、スマートHRなどの拠点開設が次々と報じられて話題となっております。  先日は、オフィスビルの強靱化等を生かし、BCPの観点での本社機能を誘致のターゲットと考えているというご答弁がございました。そうしたことももちろん重要でございますが、あわせて、福岡市のように主に情報通信産業を中心とした付加価値の高い企業の誘致も必要であると考えております。  コロナ禍では、3密回避のため、在宅勤務やコワーキングスペースの活用によるテレワークといった働き方や雇用形態にも変化が見られ、2021年の住民基本台帳の人口移動報告では、統計開始以来、初めて東京23区の人口が転出超過に転じたということは、その影響もあると想定されております。  現在、情報通信業といった付加価値の高い企業などは、働く場所を選ばなくなってきており、こうした企業が暮らしやすい地方に進出するという機運が高まっていると感じております。  そこで、質問ですが、こうした状況を踏まえて、昨年度の誘致実績及び今年度の見込みとその背景をどのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎早瀬 経済戦略推進部長  企業誘致につきまして、情報通信業などにおける付加価値の高い企業の誘致実績及び今年度の見込みとその背景についてお答えをいたします。  札幌市では、産業の高度化を図る観点から、IT、コンテンツ、バイオ企業について補助制度を設けまして、積極的な誘致に取り組んでおります。特に、IT、コンテンツ企業の誘致は、昨年度の実績が9件、今年度は現時点で既に14件が見込まれまして、大幅に増加をしております。  主な背景として、企業にとりましては、コロナ禍でデジタル化の浸透が加速をし、その知識や技術を有する人材が不足する中、札幌市は、首都圏と比べて有効求人倍率が低く、また、IT、コンテンツ系の大学、専門学校も多く集積しているということで、相対的に人材が採用しやすいといったことが挙げられるものと思います。  さらに、札幌市は、様々な面で生活環境に恵まれておりますので、働く人にとって魅力的に映るということも聞いているところでございます。企業誘致活動におきまして、これらの点を首都圏等で積極的にPRしてきたことが誘致実績の増加につながっていると考えているところでございます。 ◆藤田稔人 委員  IT、コンテンツ系の企業の誘致が大幅に増加しており、非常に好調であるということと、人材の採用のしやすさが背景となっているということでございました。またあわせて、やはり、札幌は、そういった皆様からも働くのに大変すばらしい環境であるということが評価されていることかと考えております。  2030年に向け、大札新を掲げて企業誘致を進めようとしているわけですけれども、札幌の情報通信業の歴史に簡単に触れさせていただきます。  札幌市では、1970年代から、北海道大学等の出身の技術者が中心となって、高い技術を要するソフトウエア開発企業や情報通信基盤を整備する企業など、数多くの先進的な企業が生まれました。札幌市は、この動きを後押しするため、1980年代にITの産業団地のある札幌テクノパークを造成し、1990年代には、それまでの既存の企業から多くの企業が独立し、札幌駅北口にIT企業が集積し、総称してサッポロバレエと呼ばれ、高い注目を集めました。  そうした歴史的背景や大学の研究などがまさに土壌となっており、産業基盤となっているのではないかと考えております。また、札幌市としては、これらを活用して、本市として企業誘致や支援策を実施していく必要があると考えております。  そこで、質問ですが、こうした歴史的背景や大学の研究など産業基盤が果たす役割をどう捉え、今後の誘致をどのように進めていくのか、お伺いさせていただきます。 ◎早瀬 経済戦略推進部長  企業誘致につきまして、歴史的背景や大学の研究など産業基盤の果たす役割と誘致の進め方についてお答えをいたします。  札幌市は、ゲームソフト制作の草分けのハドソンですとか、北海道大学の初ITベンチャーのビー・ユー・ジー、世界的な音声合成ソフトウエアで知られるクリプトン・フューチャー・メディアなどの創業の地でございます。そして、これらの系譜を組んだ企業や人材が誘因となりまして、新たな企業進出につながっているものと考えております。  さらに、最近は、スタートアップ推進拠点都市として内閣府から認定を受け、産学官が一体となってスタートアップ創出の促進に向けた取組を進めております。こうした取組によりまして、北海道大学等のAI研究者が関わるスタートアップが次々と誕生しており、その企業が道外企業と連携をして実証実験を行うことで新たな企業の進出につながるといったことも起きているところでございます。  本市といたしましては、こうした人的、技術的なつながりを生かし、ゲーム及びアニメ制作といったCG分野ですとか、先端技術を有するAI分野など、産業の高度化に資する企業の誘致を積極的に進めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆藤田稔人 委員  今までの歴史的背景を踏まえながら、今、ご答弁の中にも出てきましたけれども、そこからつながる次の企業をぜひともこの札幌に根づかせていただきたいと考えております。  札幌は、都市機能と豊かな自然の調和した住みやすいまちであり、ビジネス、環境、住環境ともに恵まれております。そうした札幌の魅力や産業基盤をうまく組み合わせてPRして、ぜひとも大札新を進めていただきたいと考えております。  蛇足になりますけれども、先ほど福岡市を引き合いに出させていただきましたが、天神ビッグバン、それから、博多コネクティッドというように、政策に名前をつけることは大変重要なことであると考えております。  今回、札幌市でも大札新という名前をつけて、札幌市民にはもちろんのことですけれども、札幌市では大札新ということで企業誘致を進めるんだ、これが全国の方に伝わらないとやはり札幌に誘致できないと思います。そういった意味で、今回、この名前をつけたということは、私は大変評価しておりますし、これからもほかの看板政策にはぜひともネーミングをしていただきたいと考えております。  次に、夜景観光の推進についてお伺いさせていただきます。  札幌の夜景の特徴としては、標高531メートルの藻岩山をはじめ、大倉山、手稲山、テレビ塔、羊ヶ丘展望台や札幌ドーム展望台など、様々な高さ、そして様々な角度から望むことができるビューポイントの豊富さが挙げられます。  私ごとでございますけれども、妻との初デートはJRタワーの展望ラウンジから夜景を見ながらブランデーをたしなんだと。そして、プロポーズは旭山記念公園から夜景を見ながらということもございました。  200万人都市の営みが生み出す光の広がりを、それぞれの場所から、すばらしい美しさを誇って、訪れる多くの観光客に感動を与えております。また、光と雪のコラボレーションが織りなす夜景は、恐らく世界的にも珍しく、感動の光景だと感じております。  夜景観光に関する経緯を振り返りますと、一般社団法人夜景観光コンベンション・ビューローが選ぶ日本新三大夜景都市に、札幌市は2015年度に初めて認定されております。この認定を契機に、札幌市は、2016年度に夜景観光施設やホテル、観光協会などと連携し、官民共同で夜景観光の取組を推進するため、札幌夜景観光推進協議会を設立いたしました。  夜景観光推進協議会では、多言語の夜景ガイドブックやウェブページを作成し、札幌の夜景資源の紹介、周知を進めたほか、夜景フォトコンテストの実施、夜景ナビゲーターの養成などの取組を通じて、官民が連携しながら、札幌夜景の新たなファンづくりを進めております。  また、札幌市としても、都市部と市内夜景観光スポットを結ぶ周遊バスの運行や、有名タレントを活用した夜景観光のプロモーションを実施するなど、夜景観光に関する取組を積極的に推進してきております。  さらには、日本の大規模イルミネーションイベントの元祖であるさっぽろホワイトイルミネーションにおける光の演出や、社会的イベントでありますさっぽろ雪まつりにおける雪像のライトアップやプロジェクションマッピングによって、市内中心部においても魅力的な夜景エリアを創造してきました。  新型コロナウイルスの猛威を受け、観光振興の取組を進めることが難しい時期もございましたが、そのような中でも、例えば昨年のオンライン雪まつりでは、スキージャンプ台越しに札幌夜景を一望できる唯一無二の眺望施設、大倉山展望台でスキージャンプとコラボレーションした花火の打ち上げをウェブ配信するなど、夜景観光の取組を継続してきております。  日本新三大夜景都市の認定は、3年ごとに見直されることとなっておりますが、こういった取組を評価され、2018年度と2021年度の再認定の際にも、札幌は日本新三大夜景都市に選ばれております。  この3回連続の認定の効果により、現在では、札幌は、日本有数の夜景観光都市として大きなブランドを手に入れております。今年度については、この日本新三大夜景都市というブランドを生かして、4月からのサッポロ割の開始や、多くのお客様でにぎわったオータムフェストなどの大型イベントのリアル開催に合わせ、夜景を前面に出したプロモーションを全国展開するなど、夜景ブランドを生かした取組が行われております。  今後も積極的な取組を期待するところでありますが、ここで、最近の観光に関する情勢に目を転じますと、まず、国内観光については、10月11日からは、政府による全国旅行支援事業、北海道では「HOKKAIDO LOVE!割」と銘打っておりますが、こうした大型キャンペーンがスタートしております。  また、インバウンドについては、同じく今月11日から、新型コロナウイルス感染症に関する水際対策が大幅に緩和されており、台湾や韓国から新千歳空港への直行便も再開してきております。  そこで、質問ですが、今こそ、札幌の強みである夜景観光を積極的に推進し、回復する旅行需要を取り込んでいくべきと考えますが、市の見解をお伺いいたします。 ◎石井 観光・MICE推進部長  夜景観光の推進による旅行需要の取り込みにつきましてお答え申し上げます。  日本新三大夜景都市に認定されております札幌市の美しい夜景は、SNS映えを重視する国内観光客やアジアからのインバウンドに対して極めて訴求力が高いものと認識してございます。  今年度、先ほど委員からもご紹介をいただきました札幌夜景観光推進協議会では、夜景スタンプラリーやSNS投稿キャンペーンなどの観光客参加型の取組や、夜景ナビゲーターをガイドに活用した夜景バスの運行など、札幌や経営の特徴である様々なビューポイントからの夜景を楽しんでいただく取組を行うこととしてございます。  さらに、民間の創意工夫を生かした観光需要喚起策である観光需要回復支援補助事業におきましては、今後の取組として、大倉山ジャンプ競技場での雪の夜景を背景とした花火とドローンショーによるイベントや、中島公園でランタンを一斉に夜空に飛ばし、幻想的な空夜景を演出するイベントなどが予定されているところでございます。  全国旅行支援や水際対策の緩和により生まれる旅行需要を札幌に取り込むため、これらの夜景観光の取組を定番となっているホワイトイルミネーションや雪まつりなどの各種大型イベントのリアル開催と連動させながら、国内外に向けて積極的に発信してまいりたいと考えてございます。 ◆藤田稔人 委員  観光需要の回復局面に合わせて、様々な夜景観光のイベントやプロモーションが予定されているということでございました。  世界中の人々がコロナ禍で旅行を我慢していた分、その反動として、今後は急速に観光需要が回復していくものと思われます。この大きなチャンスを逃がさず、急増する観光需要をがっちりと札幌に取り込んでいただけるよう取組を進めていただきたいと思います。  さて、短期的な観光需要の取り込みのためには、イベントの開催は極めて有効だと考えておりますが、一方で、中長期的な観光需要を取り込んでいくためには、夜景観光の魅力向上の取組も大変重要だと考えております。  そこで、質問ですが、今後も札幌の重要な観光資源の一つとして夜景観光の魅力向上に取り組むべきと考えますが、市の見解をお伺いさせていただきます。 ◎石井 観光・MICE推進部長  夜景観光の魅力向上の取組についてお答えいたします。  日本新三大夜景都市に認定されている札幌の夜景は、四季折々に見どころがあり、特に冬の雪景色と夜景が織りなす景観は、札幌ならではのユニークなものでありますことから、今後の札幌観光においても重要なコンテンツになるものと認識しております。  夜景観光の魅力向上のため、今後は、民間の夜景観光施設による夜景モニュメントの設置を支援するほか、今冬には、新たに北3条広場、アカプラにスケートリンクを設置しまして、まち中の新たな夜景スポットとして売り出すなど、観光客がSNSで発信したくなるような新たな夜景コンテンツの造成を進めてまいりたいと考えております。  また、夜景をイメージしました食事やお酒を掛け合わせたり、夜景とセットでスキーなどのアクティビティーを楽しんでいただくなど、既存のコンテンツとの組み合わせによって、夜景観光の付加価値を向上させる取組も進めてまいります。  今後も、こういった多様な取組を官民が連携しながら進めることによって、夜景観光の魅力を継続的に向上させ、滞在日数の延長と観光消費の拡大を図ってまいりたいと考えてございます。 ◆藤田稔人 委員  今後も、官民が連携しながら夜景観光を推進し、夜景観光の魅力を継続的に向上させ、滞在日数の延長と観光消費の拡大を図ってまいりたいということでございました。  札幌市は、日本新三大夜景都市となりましたが、従前の三大夜景都市の函館市や神戸市、さらには新興勢力として静岡市も夜景観光に注力しております。今、この新三大夜景都市というブランド力は大変力のあるものだと考えておりますので、引き続き、この新三大夜景都市に君臨できるように、遊び心を持ちながらも、たゆまぬ努力を続けていただきたいと考えております。
     札幌市の夜景観光は大変すばらしいと思っておりますが、その反面、たくさんある観光資源の一ピースという感じもしております。コロナ禍前でありますけれども、藻岩山ロープウエーは約70万人の方がご利用され、函館山ロープウェイは約170万人の方がご利用されていたということでございます。函館のように夜景が観光政策の柱となるように、夜景政策としてさらに磨き上げていただきたいと考えております。  最後に、ご提案ですけれども、来年のG7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合では、プレスツアーなどもあると思いますので、各国の関係者をぜひ大倉山にお連れになって、札幌の夜景を堪能していただきたいと思っております。  2030年オリンピック・パラリンピックの招致運動をしておりますけれども、そのスキージャンプ台の候補地から、夜にはこんなに素敵な夜景が見られるというのは、招致に向けて大変大きな大きなアピールになると考えております。ぜひとも、いろんな意味で、この札幌市の夜景を全国に、そして全世界にしっかりとその魅力を発信していただきたいと考えております。 ◆たけのうち有美 委員  私からは、SDGs教育旅行について伺います。  新型コロナウイルスの影響によって、学校現場では、この2年間、修学旅行自体の中止や行程の短縮、新型コロナウイルス感染症が流行していない地域や近場へと行き先を変更するなど、教育旅行の実施に苦慮してきたと聞いています。  札幌市においても、修学旅行での来札数は、コロナウイルス感染拡大前の2019年度には892校、延べ宿泊人数は14万8,947人だったものが、昨年度は132校、2万7,468人と大幅に減少しており、大きな影響を受けたと認識しています。  しかし、最近、大通公園ではたくさんの修学旅行生を見かけるようになり、新型コロナウイルスによって縮小していた修学旅行が少しずつ元の形に戻りつつあると感じているところであり、私としても、一刻も早くコロナ禍前の水準に回復することを願っています。  このように新型コロナウイルスによって大きな影響を受けた教育旅行ではありますが、本年3月、教育旅行で来札する学校に向けた新たな取組としてSDGs教育旅行@札幌というプログラム集が作成されました。現在、市公式ホームページで公開されているところで、公開された当初から私も注目をしています。  SDGs教育旅行@札幌は、教育旅行で札幌市を訪れる学生を対象に、札幌市内でSDGsを学べるグループ向けのプログラムです。例えば、フェアトレード商品を取り扱う事業者を訪問してフェアトレードエシカル消費を学ぶものや、宿泊したホテルでフードロスの取組について学ぶものなど、全22本のプログラムがまとめられています。  本市に住んでいる方々からすれば、1年間の中でどのプログラムがどの時期に実施できるのかなど、気になるところだと思いますが、実施できる時期が一目で分かったり、SDGsとの関連性の説明なども記載されていたりなど、大変分かりやすいものとなっていると思います。  昨今、世界ではSDGsを意識した取組が拡大していますが、これは日本の教育現場においても例外ではなく、SDGsの視点を学ぶことへの意識は非常に高まってきています。このような社会情勢も踏まえると、SDGs教育旅行@札幌は非常に先進的な取組ではないかと考えています。  そこで、質問ですが、SDGs教育旅行@札幌の作成に至った経緯について伺います。 ◎石井 観光・MICE推進部長  SDGs教育旅行@札幌の作成に至った経緯についてお答え申し上げます。  これまで、教育旅行は、札幌の観光需要において一定の役割を果たしてきたところでありますけれども、委員のご指摘のとおり、新型コロナウイルスの影響により激減し、需要回復に向けた検討が必要な状況となったところでございます。  また、学習指導要領の改訂により、SDGsやアクティブラーニングが重要視されており、旅行会社や学校関係者からも札幌市内で学べるSDGsのプログラムが求められておりました。  コロナ禍前には、札幌市は、生徒がみずからテーマを設定し、そのテーマに応じて訪問先や行程を選択し、学んでいく、いわゆる自主研修先の候補地として大変人気が高かったため、SDGs教育旅行@札幌の使用により、学校現場における新たなニーズに対応することで教育旅行需要の早期回復を目指してまいりたいと考えてございます。 ◆たけのうち有美 委員  コロナ禍の状況で、将来を見据えた対策にいち早く着手し、また、現場レベルでのニーズを拾い上げているという観点からも、今後の教育旅行誘致に大きく寄与すると考えます。  新型コロナウイルスの感染拡大期においては、行き先変更を余儀なくされた学校が多い状況でしたが、教育旅行の特徴として、一度決めた行き先を数年間継続するという傾向があり、新たな学校を誘致することは簡単ではないと思います。  今後、新型コロナウイルスが収束し、教育旅行も本格的に回復していく中で、改めて行き先を決める学校が増えることも想定されるため、このプログラムが一つの呼び水となって、これまで以上に札幌が教育旅行の訪問先に選ばれることを期待したいと思います。  一方で、教育旅行は、通常、1〜2年前に行き先を決めることが多いため、今回作成したプログラムが実際に活用され、成果が見えてくるのは、来年度以降になると思います。このような教育旅行の仕組みを考えると、当然ながら、現状はまだまだ活用実績が少ないと聞いていますが、教育旅行の訪問先としての札幌の魅力を高める重要な事業であるため、継続的に取り組むことが望ましいと考えます。  そこで、質問ですが、この取組を教育旅行誘致における強みとして定着させるため、今後、どのように取り組んでいくのか、伺います。 ◎石井 観光・MICE推進部長  SDGs教育旅行@札幌を定着させるための今後の取組についてお答え申し上げます。  SDGs教育旅行@札幌の取組をより効果的に教育旅行の誘致につなげていくためには、教育旅行関連の商談会等を通じた認知拡大を図るとともに、多様なニーズを捉えてプログラム自体の質を一層高めていくことも極めて重要であると考えております。  そのため、今後は、実際にプログラムを活用した学校関係者からの感想や要望などを踏まえながら改善を行うなど、定期的に内容の刷新を行ってまいりたいと考えております。  なお、全国的に同様の取組が広がることが想定されますことから、プログラムの見直しに当たりましては、例えば、円山動物園で実施している園内ガイドや園内講座などの環境教育プログラムを組み込むなど、札幌でしか体験できないプログラムを加えていくことで他都市との差別化を図ることにより、これまで以上に教育旅行の訪問先として全国の学校から選ばれる札幌を目指してまいりたいと考えてございます。 ◆たけのうち有美 委員  プログラムの質を高めたり、活用した学校からの感想や要望等を踏まえて改善を行っていくとのことでした。大変楽しみにしております。SDGs未来都市である札幌ならではの魅力を存分に取り入れた持続可能なプログラムとなることを期待して、私からの質問を終わります。 ○北村光一郎 委員長  ここで、おおよそ1時間、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午前11時59分       再 開 午後1時     ―――――――――――――― ○松原淳二 副委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆丸山秀樹 委員  私からは、札幌テクノパークについてとスマイルリンクさっぽろについての2点について質問をさせていただきます。  最初に、札幌テクノパークについて質問をさせていただきます。  札幌テクノパークは、先端技術を活用した情報通信関連の産業を札幌に定着させ、次代を担う主力産業に育成することを目的に、札幌市が全国に先駆けて整備した研究開発型の団地で、1980年代に造成されてから既に30年以上が経過をいたしました。  この間、IT産業は着実に成長を遂げてきており、北海道IT推進協会の北海道ITレポート2021によりますと、2020年度の北海道のIT産業の売上高は、前年度比1.2%増の4,870億円となり、さらに、2021年度の売上高は4.7%増の見込みで、調査開始以来、初となります5,000億円に達すると推計をされているところであります。  今や、IT産業は、札幌の基幹産業の一つに成長いたしましたが、現在も、様々なデジタル技術が新たに生まれ、そして、日進月歩の勢いで進化しており、それに伴って、これまでになかった製品やサービスが登場し、新たな起業も次々と生まれているところであります。  こうした流れを踏まえると、札幌テクノパークにおいても、既存の立地企業が事業領域を拡大したり、または、新たな企業が進出したりといった動きがあったのではないでしょうか。  そこでまず、最初の質問ですが、札幌テクノパークの現在の企業立地の状況についてお伺いいたします。 ◎早瀬 経済戦略推進部長  札幌テクノパークについて、現在の企業立地の状況についてご回答いたします。  札幌市では、情報通信関連の産業団地として整備をした札幌テクノパークの分譲を1986年から開始するとともに、テクノパークの中核的な支援施設として設置したエレクトロニクスセンターに研究開発に適した入居施設を整備し、首都圏企業への営業活動や企業立地補助制度等を通じて立地企業の誘致を進めてまいりました。  テクノパーク分譲地におきましては、地場のシステム開発企業や大手・中堅IT企業の研究開発拠点が分譲開始早期から立地しており、一昨年度には、札幌市が分譲した全ての区画の売払いが完了したところであります。  一方、エレクトロニクスセンターの入居施設におきましては、IT関連企業向けオフィスの入居率は約7割となっており、平成25年に改修、整備した食・バイオ関連の研究施設に適したウエットラボの入居率は9割を超え、バイオ関連のスタートアップの入居も進んでいるところでございます。  これらエレクトロニクスセンターを含むテクノパーク全体の現在の立地企業は41社でございまして、札幌市におけるIT・バイオ関連企業の集積が一定程度進んではおりますが、他方、一部において立地企業の移転なども生じていることから、引き続き企業の誘致に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  バイオ産業向けのこのウエットラボは、ほぼ満室となっているということで、IT企業はもちろん、スタートアップも立地しているという回答だったかと思います。  札幌テクノパークは、当初、IT産業に特化した産業団地という位置づけから、IT産業と同時にバイオ産業の企業も立地するように広がりを見せており、立地企業の多様性が現在の札幌テクノパークの特色の一つとなっております。  今、あらゆる産業でデジタル技術を活用してビジネスを変革していく、いわゆるDXの推進が重要な課題となっておりますし、DXの推進に当たっては、自社のみで開発を進めるのではなく、外部の企業や組織とそれぞれの強みを生かして連携するオープンイノベーションの重要性が指摘をされているところであります。  こうしたDX推進という世界的な動向を捉えて、IT企業や食・バイオ関連企業が立地しているという札幌テクノパークの特色を強みとして生かすことができれば、ここを中心に、デジタル技術を活用した新しい製品やサービスを生み出していくことが期待できるのではないかと考えます。  そこで、2点目の質問ですが、札幌市として札幌テクノパークにどのような役割を期待し、現状においてどのような課題があるのかをお伺いいたします。 ◎早瀬 経済戦略推進部長  札幌テクノパークに期待される役割と現状の課題についてお答えをいたします。  札幌テクノパークは、情報関連産業の集積や主力産業としての育成を目指して整備をいたしたものであり、ここを拠点として、様々な企業が集積し、IT企業間や食・バイオ関連産業を中心とした他産業の連携による新たなビジネスの創出が期待されるところでございます。  テクノパークでは、IT・バイオ関連企業の集積が一定程度進んでいるものの、新たなビジネスの創出に向けた立地企業間の交流機会や協業につきましては、一層促進する余地があるものと認識をしております。  今後は、IT企業や食・バイオ関連企業が立地しているテクノパークの特色を生かしまして、立地企業間の交流機会のほか、ITやバイオ分野の連携促進を図ることでテクノパークの活性化につなげてまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  他産業との連携も含めて、札幌テクノパークの新たなビジネスの創出に期待をしたいというふうに思います。  また、札幌テクノパークがある厚別区は、新さっぽろ駅周辺地区の再開発、青少年科学館の再整備、もみじ台地区の将来構想の検討など、今、まちが大きく変わろうとしている時期にあります。  まず、私は、新さっぽろのI街区にまちの活性化と地域課題解決につながる教育機関の誘致を平成26年2定の代表質問で取り上げ、以来、こうした委員会の場でもその意義と効果を訴えて、2021年には、大学と医療の専門学校が開校されたところであります。また、青少年科学館は、本年8月から令和6年3月まで展示物の大規模なリニューアル及び施設の長寿命化のための改修工事に入っており、こちらも、企業と大学との連携の場に生かす必要があると議会で提案をさせていただいており、新たにリニューアルオープンした際には、常設展示ではなく、企業が持つ最先端の技術や最新の研究を企画展示として紹介できる場として活用できるようになり、医療やIT分野で大学、専門学校学生との交流機会も創出される予定となっております。  さらに、現在、もみじ台は、先日の一部決算特別委員会でも取り上げさせていただきましたが、地域住民によるもみじ台まちづくりビジョンが市に提出をされ、来年度にはまちづくり指針を示すことになっており、住民要望の中にも、テクノパークとの連携、高速通信や無人巡回バスの自動運転など、最新技術の実証実験の場としても、もみじ台地区をぜひ活用してほしい、より連携してほしいとの要望もまとめられております。そして、今後、もみじ台地区は、土地の規制緩和を進め、まちの再開発を進めるという意見も出されておりまして、将来的にはテクノパークに勤める方々にこの地域に移住していただいて、ともにまちの活力や活性化の一員になってもらいたいとの願いも多く出されております。  このように、札幌テクノパークには多くの企業が立地し、そして多くの人が働いているので、まちに活力を与えることができる存在として、地元から寄せられている期待は大変大きなものがございます。  そこで、最後の質問ですが、札幌テクノパークと地域との連携について、これまでの取組と今後の方向性についてお伺いいたします。 ◎早瀬 経済戦略推進部長  札幌テクノパークと地域との連携についてのご質問にお答えをいたします。  地域との交流の取組としてテクノパーク立地企業を会員とする札幌テクノパーク協議会や、エレクトロニクスセンターを拠点に企業支援を担うさっぽろ産業振興財団と連携し、テクノパークやエレクトロニクスセンターの敷地や施設を活用した各種取組を実施しているところでございます。  具体的には、ドローンやVRといった最新技術の体験及び展示、あるいは、立地企業と地域住民の交流を行うテクノパークフェスタですとか、子どもたちが自動運転や燃料電池の仕組みを学ぶくるま未来体験教室を開催してまいりました。これらの取組は、地域の住民や子どもたちが新たな技術に触れることのできる場となり、ひいては、IT分野における中長期的な人材育成にも資するものと考えております。  今後に向けましては、立地企業が地域課題に触れることで新たなビジネスの着想を得る機会にもなることが期待されますことから、新さっぽろの再開発や青少年科学館の再整備、もみじ台の地域のまちづくりなどにおきまして、地域との連携を積極的に進めてまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  本当に、コロナ禍前などは、ドローンとかVR、さらには、今、ご答弁の中にもいただきました近未来を想定したフェスタといったような精力的な取組もしていただいていたと思います。コロナ禍の中で本当にテクノパークで働く人も大変な試練だったというように思うわけであります。  しかし、いよいよこれからは、アフターコロナを見据えた反転攻勢を企業や産業側も展開していかなければならない状況にあることは確かであります。とりわけ、今、厚別区は、新さっぽろ周辺地区やもみじ台地区が大きく変わろうと動き出している時期でもあり、この時期を札幌テクノパークも逃してはならない、今が将来にわたっての大事なチャンスのときだというように私は思うわけであります。どうか、イノベーション推進の皆様には、札幌テクノパークの企業間の連携、そして再構築、コーディネートを図っていただいて積極的に地域との交流会を設け、再び、全国の中でも新たな時代と方向性をリードする産業団地に生まれ変わる取組を積極的に進めていただくことを求めて、この質問は終わりたいと思います。  次に、北3条広場でのスケートリンクの設置、スマイルリンクさっぽろについて質問をさせていただきます。  本事業は、令和2年度から予算化されたものの、令和2年度、令和3年度と新型コロナウイルス感染症拡大の影響で中止となってしまい、いまだ実現に至っていない事業であります。  重要文化財である北海道庁の赤れんが庁舎に隣接するアカプラへのリンクの設置は、都心の新たな体験型の観光スポットの創出となるほか、ライトアップ等による演出で夜間観光の魅力が高まるなど、都心に新たなにぎわいをもたらし、来札観光客の増加につながるものと考えており、私は、これまで何度か、本事業の検討状況について質疑を行ってきたところでございます。  直近で質疑を行った令和2年3定の決算特別委員会では、新型コロナウイルスの影響で、企業業績の兼ね合いで協賛金収入の確保が難しく、開設期間を当初予定していた2か月間から2週間程度に短縮し、リンクの製作方法を簡易にするなど、経費削減を図った運営を検討していることや、将来の誘客に向けた事業展開の重要性について答弁がございました。  今年度は、感染対策を講じながら、ビアガーデンやオータムフェストなどのイベントが再開し、札幌の冬の一大イベントでございます雪まつりについても、3年ぶりに復活が予定されている中、スマイルリンクさっぽろについても、リアルでの開催に向けた準備が進められているものと思います。  そこで、質問ですが、今年度のスマイルリンク事業の実施に向けた検討状況についてお伺いいたします。 ◎石井 観光・MICE推進部長  今年度のスマイルリンクさっぽろ実施に向けた検討状況についてお答えを申し上げます。  今年度は、他のイベントと同様に、感染対策を講じながらリアルでの開催を目指しているところでございます。事業内容につきましては、昨年度は会期直前での中止となったものの、実施直前まで準備を進めておりましたことから、昨年度実施を目指しておりました内容をベースとしまして検討を進めているところでございます。  具体的には、スケートリンクの一般開放のほか、アスリートによるスケート教室、会場を音と光で演出するライトショー、人気のベーカリー店の出店など、冬の都心の体験型観光、夜間観光の拠点としてふさわしい展開を予定しているところでございます。  開催期間につきましては、2年連続で中止となったこともございまして、協賛金収入の確保が難しいこと、また、これまで事業の実績がなく、利用料収入についても想定が困難でありますことから、雪まつりの期間に合わせまして、10日間程度の実施を予定しております。  実施に当たりましては、基本的な感染防止対策の徹底に加えまして、キャッシュレス決済の導入や混雑状況の発信を行うなど、コロナ禍でも安心して利用できる会場づくりについても検討を進めていく予定でございます。 ◆丸山秀樹 委員  今年度のリンクの設置に向けて前向きな検討を進めていただいているということを確認させていただくことができました。実施に当たりましては、感染対策を万全にすることは当然のこと、周辺のホテルや店舗などの事業者を巻き込んでいく仕掛けや、現在改修工事中ではございますが、道庁赤れんがとの連携についてもぜひ検討を進めていただきたいと思います。  さて、10月11日から、全国旅行支援により、北海道で全国の方を対象とした旅行割引事業が開始されたほか、入国制限の緩和も行われ、外国人観光客の個人旅行が解禁をされました。これにより、国内旅行が一層活発になることはもちろん、インバウンドの回復も徐々に進んでいくものと思われます。  観光閑散期において、札幌が旅先として選ばれるためには、観光イベントが果たす役割は非常に大きく、雪まつりとこのスマイルリンク事業を通じて、冬の札幌観光の魅力を高め、国内外から誘客力を高めていくことが必要であると考えます。観光客の利用普及に向けては、まず、しっかりと利用者を想定し、効果的なプロモーションや他の観光コンテンツとの周遊の仕組みづくりを検討する必要が不可欠であります。  そこで、質問ですが、今年度のスマイルリンク事業において想定される利用者の楽しみ方をどのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎石井 観光・MICE推進部長  今年度想定されます利用者、それから楽しみ方についてお答え申し上げます。  今年度につきましては、インバウンドの回復が徐々に進んでいくことは見込まれますものの、やはり市民や国内旅行者の利用が中心になるものと考えております。スマイルリンクさっぽろの実施に当たりましては、ホワイトイルミネーションや雪まつり、近隣ホテルや飲食店等との周遊を促す仕組みの検討を進め、都心部における冬の新たなにぎわいをつくり出していきたいと考えております。  また、事業の定着には、市民の利用促進が鍵となりますことから、小学生を対象としたスケート教室の開催や学校での貸切り利用等により、市内の子どもたちの体験を促していくほか、仕事や学校帰りの方にも気軽にスケートを楽しんでもらえる運営を目指してまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  まさに今の答弁の中にも、今年度については国内旅行者の利用が中心になっていく、中でも、やはり市民利用の促進、ここが大事なポイントであるというようなお話であったと思います。  今年度想定している利用者の楽しみ方については、今のお話で理解をしたところでありますが、やはり市民が気軽に楽しめるものにぜひともしていただきたいと思うところです。  さて、このスマイルリンク事業は、初の開催ということで、大きな期待が寄せられる一方で、ホワイトイルミネーションや雪まつりなどの他の冬の観光イベントとは異なり、認知度についてはまだ未知数であるというふうに思います。コンテンツが充実をしていたとしても、その存在、魅力を知るきっかけがなければ、そもそも会場に足を運ぼうという選択肢は生まれず、結果として、利用者が少なければ事業の実施効果も高まりません。  子どもから大人まで、一人でも多くの方に楽しそうだ、滑ってみたいといった気持ちを持ってもらうことが大切であり、コンテンツの磨き上げと並行して、まずは、リンクの存在や事業内容がより多くの人に伝わるよう、様々な媒体を通じて積極的に広報を実施していくことが求められると考えます。  そこで、質問ですが、この事業を盛り上げていくためにどのように広報展開を予定しているのか、伺います。 ◎石井 観光・MICE推進部長  今年度の広報展開についてお答え申し上げます。  スマイルリンク事業は、初の開催となりますことから、多様な広報手段で認知度の向上を図り、より多くの方に来場意欲を高めていただくことが重要と認識してございます。  広報さっぽろやプレスリリースのほか、街頭大型ビジョンやテレビコマーシャルの活用、小・中学校への案内チラシの配付、公式SNSでの情報発信などにより幅広い世代に事業の魅力を伝えてまいりたいと考えてございます。  また、実際に来場された方が自らSNSによって情報発信していただくことも効果的であることから、フォトスポットの設置など、情報拡散を促す仕掛けについても検討を進めてまいりたいと考えております。  さらに、同時期に開催されますさっぽろ雪まつりの公式ガイドブックやホームページへの記載のほか、雪まつり会場に紹介パネルを設置するなど、大きな集客を誇る雪まつりの連携事業としても広報展開をしてまいりたいと考えております。 ◆丸山秀樹 委員  様々な媒体を通じて広く周知を図る予定であるということを確認させていただくことができました。より多くの方の来場が実現できるよう、引き続き準備を進めていただきたいと思います。  今年度については、まさに三度目の正直ということで、まずは、初開催を実現、成功させることが何より重要であります。しかし、一方で、雪まつりやホワイトイルミネーションと並ぶ新たな冬の風物詩として育て上げていくためにも、今後も継続的にリンクを設置し、将来に向けての取組についても考えていく必要があります。リンクを舞台としたアイスショーやテレビ番組の制作、インフルエンサーを活用したSNS発信によるプロモーション等により、より一層の認知度向上を図り、利用者増を図るほか、趣旨に賛同する協賛企業を徐々に増やしていって会期の延長の実現や運営の自立化を少しずつ進めていっていただきたいのであります。  スマイルリンクは、都心の体験型アクティビティーとして、スケートを楽しめるだけではなく、夜間のライトアップやイルミネーション、降り注ぐ雪とのコラボレーションなどによって札幌ならではの幻想的な空間を演出することができるなど、大きなポテンシャルを秘めた事業であると考えます。冬季オリンピックの招致や新幹線の延伸など、2030年を見据えたまちづくりが進む中、将来的にはスノーリゾートシティSAPPOROの冬の観光の目玉として、このスマイルリンク事業をさらに発展させていただくことを期待し、質問を終わります。 ◆田中啓介 委員  私からは、本市における中小企業支援について質問をいたします。  本市の産業構造は、卸売、小売業や宿泊・飲食サービス業など第3次産業が中心で、中小零細企業が約97%を占め、100人未満の規模の事業所の従業者数が全従業者数の7割以上、本市経済をまさに中小零細企業が支えていると言っても過言ではないと思います。  今、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は減少しているようには見え、人の行動制限は緩和され、それによる経済への影響もまた緩和しつつあるように見えますが、長期にわたった新型コロナウイルス感染症の影響はまだ予断を許さない状況は続いております。
     加えて、原油・原材料価格の高騰等により、中小零細企業の経営は厳しい状況が続いていると思います。実際、北海道によるアンケート調査においても、7月から9月期において、売上げ、利益が減少したと答えた事業者は、依然、高い割合を占めており、原油・原材料価格の高騰による経営への影響については、9割以上の事業者が影響を受けていると回答しております。  また、調査会社のデータによると、市内倒産企業の件数は、2020年、2021年と低く推移しておりましたが、今年に入り、8月までに既に昨年を上回っております。新型コロナウイルス感染症の市中感染が広がった昨年、本市は、営業時間短縮や休業要請など、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策を進めるに当たって、その影響を強く受ける事業者との協力体制の構築は欠かせないとして、店舗への個別訪問や経営者との面談などでヒアリングや意見交換などを行う、直接意見を聞く機会を設け、顔の見える関係性をつくり上げてきました。  今、この新型コロナウイルス感染症の影響に加えて、原油、原材料の高騰の影響が本市の様々な業種や規模の事業者の経営に追い打ちをかけております。  そこで、このようなときに、直接、顔の見える関係を改めて構築することで事業者の実態を把握し、事業者の課題を共有しながら解決していくことがとても重要な取組だと思いますが、本市として、事業者の声を聞くなど、どのように現状を把握しているのか、また、中小零細企業の資金繰りをどのように支えているのか、伺います。 ◎久道 経営支援雇用労働担当部長  中小企業の現状把握及び資金繰りの支援についてお答えをいたします。  札幌市では、経済団体や市内金融機関等を通じまして事業者の状況把握に努めておりますほか、1年に2度、市内企業の経営動向調査を実施しておりまして、経営実態や課題を確認しているところでございます。  また、資金繰りの支援につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による売上高の減少を要件として、信用保証料を給付する融資制度を令和元年度末に創設しております。令和3年度におきましては、約1,300件、約156億円の融資を実行し、信用保証料を約5億円補給したところでございます。  なお、本年8月には、原油・原材料高騰の影響を受けた事業者を支援するため、仕入価格の高騰による粗利益の減少を要件とする融資枠を創設しまして、信用保証料の補給も行っているところでございます。今後も、事業者のニーズや金融機関等との意見交換などを踏まえ、柔軟に対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆田中啓介 委員  資金繰りの支援としては、融資がどうしても中心になってきているように感じます。実態の把握は1年に2回、実態調査などをしているということで、それでも、答弁の中で、最後のほうには柔軟にニーズなどを聞いてということがありました。  やはり、個々変わっていく業種だったりとか、また、日々変わっていく状況の中で、その事業者がどのようなことに今課題を持っているのか、困っているのかを含めて、そこをしっかりと把握してこそ、やはり、どんな支援が必要かというのも分かってくると思いますので、ぜひしっかりと顔の見える関係性を改めて構築していただければというふうに思います。  新型コロナウイルス感染症の影響は、収益が落ちた企業が融資によって実際に経営を何とか維持してきているというのはデータ等でも表れていると思います。コロナ禍の長期化で行動制限が緩和されても、コロナ禍以前のようにお客さんが戻っていないという実態に加えて、この物価の高騰の影響が今の事業者の経営に大きな影響を与えているというふうに思います。  ある飲食店は、この10月に全てのメニューの値上げに踏み切りました。このお店は、いつも昼どきには満席になっているようなお店だったんですけれども、空席が目立つようになっています。そのお店の店主の方が、なかなか商品が出なくなった、やっぱり値上げしたからかな、でも、値上げしないとこっちもやっていけないということを話していらっしゃいます。  コロナ禍の長期化と原油・原材料の高騰により収益が見通せない中、返済をまずできるかという不安、そして、これ以上借り入れるなど融資による資金繰りに限界を感じている事業者も少なくないと思います。  今決算特別委員会の財政局の質疑の中で、国からの臨時交付金の残額が49億円だということ、今後、新型コロナウイルス感染症の状況や物価高騰などの影響を見極めて、広い範囲の市民、事業者の方々に届くような必要な支援策を検討していきたい旨の答弁がございました。  そこで、伺います。  資金繰りの困難を抱えている事業者に対して融資以外の支援も必要だというふうに思いますがいかがか、伺います。 ◎久道 経営支援雇用労働担当部長  融資以外の支援の必要性についてお答えをいたします。  札幌市としましては、融資を受ける際の信用保証料の補給などによりまして資金負担を軽減する支援を行っておりますほか、新型コロナウイルス感染症のワンストップ相談窓口を設けまして、資金繰りや経営改善などの課題を抱える事業者にこれまでも寄り添ってきたところでございます。  なお、国におきましては、原材料価格が高騰する中での企業間の取引の適正化に向けた取組等を行っているところでございますが、札幌市といたしましても、地元事業者の状況等を踏まえ、必要な支援策の実施について、引き続き、国に要望してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆田中啓介 委員  本市の多くの事業者は、今、消費税の増税、新型コロナウイルス感染症、原油・原材料価格の高騰の影響、これに加えて、今まさに1ドル150円に迫る為替円安によっての輸入品価格の上昇が本年末にかけて影響が出てくるとも言われており、本市内の事業者は、今、二重、三重、四重の困難に直面をしております。  コロナ禍によるその教訓の一つとして、本市の産業構造を踏まえて、中小零細事業者と直接、顔の見える関係性を構築しながら、経営をしっかりと守り、振興するための支援をすることだというふうに私は思います。中小事業者の振興が雇用の創出と働く人の所得を増やして、消費の活性化にもまたつながってまいります。  また、それによって、市税収入の増加、市民サービスの向上とまちづくりの発展などの好循環にもつながってまいります。本市経済を支えている中小零細事業者を廃業させないという取組にぜひ全力を尽くしていただきたいと申し上げて、質問を終わります。 ◆伴良隆 委員  私は、2項目、質問させていただきます。一つが、クリエーティブ産業振興の方向性について、それから、もう一つが、健康増進を目指す市政における健康経営に関する産業振興施策について質問させていただきます。  まず、クリエーティブ産業振興の方向性でございます。  先ほどロマンチックな藤田議員から、結構リアルな産業構造の話がありまして、その中で、早瀬部長がクリエーティブ産業の話をしていただきました。その続きをさせていただきます。  皆さんも、アニメ、漫画もそうですけれども、こういったものがお好きな方はたくさんいらっしゃると思いますけれども、僕も小さい頃から大好きであります。それで、特にまたこの頃気になるのがライブエンターテインメントという世界でありまして、これは、リアルとバーチャルという世界をどこまでやっていくかというのは、それぞれの趣味嗜好があるので、あんまり私が偉そうには言えないんですけれども、バーチャルな世界をリアルに持ってくる、また、リアルからバーチャルに持ってくるのは非常に面白くて、個人的には千歳空港のあれも好きなんです。  そういう中で、このライブエンターテインメントというのは、漫画とかアニメというのは限られた世界の人たちが見ているんじゃないかというふうにも思われがちなんですけど、意外と、我々自身もふだんの生活で刺激をもらったり、あるいは余暇でリラックスをしたり、そのようなことがあって、実は敷居がすごく低くて身近なものなんじゃないかなと思って期待をしているところでございます。  実際、じゃ、札幌市って今どうなのかというのは、映像活用推進プランの2期目をつくられているということでございます。2期目は、2022年から2026年の5年間ということで、映像活用推進プランということで、検証というところで総括しますと、市場の変化などを捉えて、映画・テレビ分野以外にも支援の幅を広げるなど、多様な分野を取り込んでいく必要があるということで、例えば、本市の新たな事業で、CG、これはアニメ、ゲームのことを指しますが、CGを専攻する学生向けのインターンシップなどのスタートアップを始めているということでございます。  ただ、気になるのが、市場と札幌市の下地であります。先ほど早瀬部長がおっしゃったように、固有名詞は出しませんけれども、ゲーム、CG、アニメを制作する企業というのは、市内には89社立地しているといったお話もありまして、これは、政令市の中でも上位ということであります。  それから、こういった下地がある中で、市場の規模ということでは、ライブエンタメは国内では6,300億円というふうに言われているそうであります。ただ、やっぱりこれは札幌のオリジナルだからこそ意味があるので、札幌から生まれた札幌のオリジナルのコンテンツが、音楽とか、それから、舞台芸術とか、視覚効果であるとか、こういったリアルな世界で結びつくことによってライブエンターテインメントが出来上がるとしても、やはり札幌生まれのコンテンツであってほしい、札幌のオリジナルであってほしいと願うわけであります。  そこで、質問でありますが、札幌ならではのライブエンターテインメントの必要性についてどのように考えているのか、ご認識を伺います。 ◎坂井 産業振興部長  札幌ならではのライブエンターテインメントの必要性についてお答えいたします。  札幌で成長が期待されるアニメやゲーム分野を核としたライブエンターテインメントが誕生することは、市民がクリエーティブ産業に直接触れる機会となり、認知が進むことに加え、企業にとっても商談機会が生まれることから、札幌のクリエーティブ産業を振興する上で強みになると考えております。  札幌の独自性を発揮したイベントとするためには、札幌の企業が開発をしたオリジナル作品が主役となることが望ましいですが、各企業の業務内容を見ますと、受託業務が多く、自社の作品を開発するに至るまでには、企業のさらなる成長を促していく必要があると考えております。  市内に立地するゲーム・アニメ企業、発注業者の内訳は、ゲームが8割、アニメが2割となっておりますことから、特にゲーム分野に札幌のクリエーティブ産業の牽引役を担っていただきたいと考えております。  今後も、アニメ分野の動向を注視しながら、ゲーム関連の施策を拡充し、札幌ならではのライブエンターテインメントの誘発に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆伴良隆 委員  特に漫画、またアニメといった中で、またゲームというお話もありました。ゲームが8割というお話もありましたので、今後、ちょっとゲームの話をしますけれども、その前に、経済の関係の局の方々とお話をしていますと、今日、財政課長の菊池さんがいらしていますけれども、私は財政規律の目でやっぱり見ますね。事業構築は大丈夫かということを見ます。  経済はやっぱりトライアルの部分もありますから、トレンドについていかなきゃいけないし、先んじて戦略的にやっていかなきゃいけないというのはありますけれども、どこかで3年から5年でサンセットなりをしたときに、その検証をちゃんとやるのかと。やっておしまいじゃないかどうか、やった後の責任はどうするんですかということはやっぱり僕は必ず見ます。だから、この前の事業再構築で、全体で6億円の効果ですかということもしていただいた。特に経済観光局が中心ですよ。だから、厳しくは見ています。厳しくは見ていますけれども、やっぱり、一つのトライアルでやっていかなきゃいけないことも正直あるというふうに思う中で、今回、ライブエンターテインメント並びにゲームのお話をさせていただきますけれども、やっぱり市場がありますし、人づくりのこともありますから、ぜひやっていただきたいことがあります。  質問を続けますけれども、このゲームの分野についての施策の構築には、三つ大事なことがあるだろうという認識であります。私は、まず課題の把握ということで、企業と連携していくこと、それから、2点目は、ゲーム業界や職種に対する理解ということであります。私もそうでありますけれども、ゲームのやり過ぎ、それから、スマホ、タブレットの使い過ぎなんていうのは社会的に大きな問題ですから、また、それはそれで重要な問題、注意が必要だということであります。  それとまた、こちらのほうの話として経済、産業の話をしてまいりたいと思いますけれども、無理強いではなくて、ある意味での理解というものを得ていかなきゃいけないということであります。そして、ゲーム業界やゲーム開発者、ゲーム産業への理解者を増やしていかなきゃいかんと。そして、3点目が、取組を対外的に発信していくと。札幌が魅力的に映り、企業業績、集積につながっていくということは、先ほどの早瀬部長の答弁で、いわゆるシティプロモート、シティプロモーションということだと思います。  そこで、今週末に企画があります。SAPPORO GAME CAMPという名称で、ゲームに関連したイベントを開催する予定でありますので、この開催趣旨を確認したいと思います。 ◎坂井 産業振興部長  SAPPORO GAME CAMPの開催趣旨についてお答えいたします。  多くのゲーム開発者から、人材確保が一番の課題との声をいただいていることを踏まえまして、ゲーム開発者を目指す人材を増やし、札幌の人材供給力を高めることを目的に、SAPPORO GAME CAMPを企画いたしました。  小・中・高校生向けにはeスポーツ体験会を含んだプログラミング教室を、専門学校生、大学生向けにはプロのゲーム開発者とともにゲームを制作するワークショップを開催することで、ゲーム開発の仕事を進路の一つに加えていただく機会としたいと考えております。  本事業に連携して取り組むゲーム開発事業者からは、札幌市がこのような人材育成の取組に参加することのメリットとして、信頼感が高まり、保護者や教員に対して児童生徒の参加を呼びかけやすくなる点や、取組に公共性が生まれ、札幌の経済発展という大きな目標に向かって企業同士でまとまりが生まれやすいという点が挙げられております。  本市としては、引き続き、企業と連携をしながら、事業や施策を積極的に発信することで、ゲームをはじめとしたクリエーティブ産業全体に市民の理解を深め、企業のさらなる集積につなげてまいりたいと考えております。 ◆伴良隆 委員  私は、よくまちづくり、人づくりという言葉も好きなんですけれども、先ほど経済を財政規律の面で伝えさせていただきましたけれども、もう一つ重要なのは、市民、人づくりだと思います。ですから、行政がゲームの分野に、あるいは業界に何でそこまで入らなきゃいけないんですかといったときに、自治体、つまり行政がなぜやるのか、そして、どのようにやるのか、いつまでやるのか、そして、どこまで関わっていくかということは、企画調整もそうですけど、特に経済の部門の方々は本当にすごく大切にしていただきたい。ですから、今、人づくりというお話がありました。人材供給力、人材を増やす。僕は、労働力を増やしてくださいと言っているんじゃないんですよ。  これから言いますけれども、こういったゲームの開発というのは、クリエーティブ人材ですから、このゲームの開発というのは一つの分野ではありますけれども、僕は広がりがあると思います。何もないところから創造して技術を駆使して、そして、システムや、先ほどのエンターテインメントをつくり出していく世界ですから、業界に入る、入らないにかかわらず、就職する、しないにかかわらず、論理的な思考とか、あるいは想像力というものが人材として育成されていくという考え方であります。  現に、新聞報道によりますと、ゲーム大手の方がこんなことをコメントされています。ゲーム会社にはITスキルのある人材だけでなく、芸術、デザインなど多様な人材が必要であると。これは、札幌にいらしていただいた大手のゲーム会社の方のコメントであります。また、札幌ならではのゲーム会社の方のコメントですが、ゲームで遊ぶだけでなく、つくる経験を積むことが大切ですと、こういったお話もあって、先ほどの札幌市の事業も、検証はこれからだと思いますけれども、僕は非常に評価ができると思いますし、期待もできるかなというふうに思っております。  そんなような状況でありますけれども、そこで、質問に入りますけれども、ゲーム開発人材の質を高めていくための施策や、ゲーム産業への理解を深めていくためのさらなる施策をどのようにお考えか、伺いたいと思います。 ◎坂井 産業振興部長  ゲーム開発人材の質を高めていくための施策及びゲーム産業への理解を深めていくための施策についてお答えいたします。  まず、ゲーム開発人材の質を高めていくための施策についてですが、人材の質を高めていくためには、ゲーム開発を学ぶことができる専門学校や、デザインや情報工学などの関連学科を持つ大学が果たす役割が大きいと認識をしております。  多くの企業や学校から相互に交流する機会を設けることで、学生にとってより実戦的で効果の高い学習カリキュラムを考えることができるのではないかという声をいただいていることから、橋渡しとなるような取組をさらに拡充していく必要があると考えております。  次に、ゲーム産業への理解を深めていくための施策についてですが、eスポーツが有効な手段になるものと考えております。eスポーツは、ビジネスとしても徐々に広がりを見せており、野球やサッカーなどと同様に、選手や観戦者など様々な形でゲームに関わることができます。愛好家が気軽に参加できる大会から、プロ選手同士が競い合う本格的な大会まで、様々な大会が札幌で開催されるような施策を実施することで、市民がゲームをきっかけとして札幌のクリエーティブ産業を身近に感じる機会を増やし、人材と企業とのマッチングによる人材定着にも取り組みながら、札幌にクリエーティブ人材を増やしていく基盤を形成してまいりたいと考えております。 ◆伴良隆 委員  先ほど札幌にいらしていただいた某大手のゲーム会社の社長も、今、教育の部分ですが、人づくりのお話もされていて、教育なり、高等教育なり、専門学校の分野での人の育ちというもののマッチングは非常に大切だという認識も示されているところでございます。  この件はこれで締めまして、言わせていただきますけども、やはり経済のほうでなぜやるのかと。先ほど、eスポーツとおっしゃいました。普通からすれば、eスポーツに何で行政が関わるんですかというのは素直な疑問だと思いますよ。でも、今、坂井部長がお話になったように、人の育成ということ、クリエーティブ人材、そういったことにもつながるし、僕らみたいにエンタメで見てみたいですよね。eスポーツをリアルな世界も含めて、音楽と視覚を含めてすごい見てみたい。例えば札幌ドームとかで。  そんなようなこともありますが、市民の理解を得ていくために、やっぱり、市民のために人づくりがあるんだということでいうと、今日は経済観光局ですから、産業振興とか、それが雇用につながっていくということが根拠なんだと思いますね。行く行くそれが、当然、税収に響いてくると。響いてくるというのはよく響いてくるということだと思います。  何とか教育の話もしたいなと思ったんで、僕の大好きな友人にゲーマーの人がいるんでちょっと聞いてみたんですよ。そうしたら、伴君、教育分野もあるじゃないかということでした。それが先ほどの論理的思考、開発力というか、そういうところだと思うんです。彼はこうやって言っていました。シミュレーターの世界があるよねと。よく操縦士とかのシミュレーターがありますけれども、これは、防災にも生かされているし、まちづくりにおいても、ビッグデータ、AIを基にして、シミュレーターで今予測しながら、人の動きを検知しながら、自然を予知しながら、そしてリスクヘッジを行っているということです。開発する人材というのがもしかしたらこのゲームというものからの取っかかりで、実際は、彼が言うには、ゲーム、アニメなのは遊びだということは事実です。それは趣味嗜好かもしれない。でも、そこからエンタメに行く場合もある。これは僕が好きです。でも、一方で、遊びから仕事になると。開発力とか、課題解決力と、遊びから仕事になるということもあると思うので、経済観光局とは言いながらも、そういった人の育ちとか人づくりに密接に関連していると思いますので、ぜひ、先ほどの試行事業も含めてしっかり責任を持って、経済効果とまでは言いませんけれども、長い目で人を育てて、市民のためになるようなものになっていただきたいなというふうに思います。  この件の最後に、私の友人は、ネット通信型ゲームを通じて会った人が今の奥さんであります。まさにバーチャルがリアルになったということで、これは本当の話です。  以上で、こちらのほうの質問は終わります。  次に、健康増進を目指す市政における健康経営に関する産業振興施策についてでございます。  こちらにつきましては、我が会派の中川議員が第2回定例会で、産業振興の観点から見た市内企業の健康経営の推進について代表質問をさせていただいたところ、目の前にいらっしゃる石川副市長からご答弁をいただいたところであります。  健康経営の推進を含め、市内企業の持続可能な経済活動を後押しする施策の検討を行う旨の答弁があったということでございます。  そこで、中川議員の内容を踏まえながらでありますが、当時、持続可能な経済活動という副市長の答弁を私が解釈していきますと、それは、国が言う、心身の健康管理としては、当然、疾患のリスクが減るということ、そして、事業所としては事故、労災などリスクが減って、生産性の損失も減って、企業業績の向上につながる。それから、仕事の満足度というものが高まって離職率の低減にもつながる。これは、いずれも企業業績の向上につながるということです。そして次は、企業価値ということでありますけれども、企業価値は社会貢献的なこともございますけれども、まずは、目の前の従業員の方のためですから、そういった方々の健康をしっかりしていくことによって、イメージアップ、それからリクルート効果、優秀な人材確保や顧客満足度の向上、そして商品ブランドの向上と。挙げれば切りがないんですけれども、こういったこと全てが企業の持続的な成長につながるということを石川副市長がおっしゃったんだと僕は思います。  そこで、その後の検討状況を教えていただきます。 ◎坂井 産業振興部長  健康経営の推進を含め、市内企業の持続可能な経済活動を後押しする施策の検討状況についてお答えいたします。  札幌経済を将来にわたって発展させていくためには、人口減少による市場の縮小や感染症等の有事の発生など、目まぐるしく変わる社会経済情勢において、活発な企業活動が維持される足腰の強い市内企業の経営基盤の構築が必要と考えております。  このためには、従業員等への健康投資を行うことによる組織の活性化等を通じて、企業価値や競争力の向上につながる企業の経済活動が不可欠であるものと認識をしているところでございます。  このことから、他自治体の先行事例の研究、金融機関や経済団体との意見交換を行うなど施策の検討を進めているところでございます。 ◆伴良隆 委員  検討状況を確認いたしました。さらに検討を急ぐべきだと僕は思いますよ。人は生まれながらにして、語弊がなければ死に向かっていくわけであります。長生きしてほしいですし、長生きしたいですけれども、やっぱり一日一日大切なんですよね。ですから、一日一日大切に、まさに行政の動きも急いでいただきたいんですよ。  そこでまず、質問でありますけれども、他自治体の先行事例の調査、金融機関との意見交換の内容について具体的に教えていただきます。 ◎坂井 産業振興部長  他自治体の先行事例の調査、金融機関との意見交換の内容について具体的にお答えいたします。  国においては、優良な健康経営に取り組む法人を見える化し、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから従業員の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に取り組む企業として社会的に評価を受けることができる環境を整備しております。  他の自治体では、従業員の健康増進のほか、労働環境の改善や人材の多様性等に関する取組を提示し、提示内容を踏まえ、具体的に実践する企業等の登録、認証をしている事例がございます。  加えて、積極的に登録、認証に取り組んでいただくため、独自のロゴマークの使用、ホームページ等での情報発信の支援、金融支援、入札時の加点などのインセンティブを設けている自治体もございます。  また、地元金融機関との意見交換においても、他の自治体同様の企業登録・認証制度の構築に関する要望があったところでございます。 ◆伴良隆 委員  今、具体的に調査も、あるいは意見交換なりをしていただいていますけれども、先ほど申したように、やはり、健康でいたいわけですけれども、一日一日、大切なんですね。ですから、検証なりは分かるんですけど、それは理解します。理解しますけれども、じゃ、せっかく皆さん方が他自治体の先行事例の調査、金融機関との意見交換の内容について、今、答弁がありましたけれども、じゃ、これはどうしていただけるのでしょうか。  これを踏まえて今後の検討の方向について、一言、伺います。 ◎坂井 産業振興部長  今後の検討の方向性についてお答えいたします。  先日議決をされました第2次まちづくり戦略ビジョンにおいて、まちづくりの重要概念の一つにウェルネスが位置づけられたことから、経済観光局も札幌市健康寿命延伸推進本部の本部員として、誰もが生涯健康で学び、自分らしく活躍できる社会の実現に向けて取り組んでいく考えでございます。  今後については、他の自治体の先行事例の調査、金融機関等との意見交換の内容を踏まえて、関係部局の取組との有機的連携を通じ、健康増進はもちろんのこと、足腰の強い企業活動を支援するための効果的・効率的な新たな施策の検討を続けてまいりたいと考えております。 ◆伴良隆 委員  私も、来季はちょっとどうなるか分かりませんけれども、しっかり見させていただきます。見極めてまいりますし、こういった実例、事例、そういった声なんかも踏まえて、より新しい施策の検討を進めてまいりたいという決意を示していただいたところでございます。  私は、1年半前の予算特別委員会で健康増進というものをテーマに、まちづくり政策局、そして、保健所、保健福祉局、そして経済観光局にも質問をしてきたわけです。それから1年半がたちました。  これは、心身の健康というものを同時に皆さん方に取り上げていくことというのが、もちろん健康というのが幸せづくりだ、こう信じてやまないわけでありますけれども、もう一つ言うと、本市の施策事業が、これから、短期、中期にきちんと事業再構築をされていかなきゃいけない。それは、別に経済観光局だけに限ったことじゃありません。でも、健康増進とか健康、ウェルネスというところによって、皆さんがこの指、止まれということで、改めて、皆さん方は、有機的な相乗効果、有機的なということがありましたけれども、まさに他部局と有機的なつながりを大事にしてほしいからちょっと待ちますけれども、できるだけ急いでいただきたいと思います。そして、その相乗効果をぜひ期待したいなというふうに思っております。  最後に、一言申し上げますが、本市の各部局が参画している札幌市健康寿命延伸推進本部がありますね。立ち上がってから少し時間がたってきていますけれども、こういったところの研究事業も今冬には分析、検証されること、このことを踏まえてまいりますが、次の予算委員会では、企画調整部門に、現行事業の見直しと再構築も含めて、健康増進に関わる新たな施策について取り上げてまいりますので、経済観光局の皆さん方も一緒になってぜひご尽力いただきたいと思います。 ◆岩崎道郎 委員  私からも、IT、イノベーション関連事業について、2点ほど質問をさせていただきます。  最初に、No Mapsについてです。  我が会派では、2016年の初開催当初より、クリエーティブ産業の活性化と他産業への波及、創業支援、新産業の創出、投資の促進などが期待される本事業に注目をし、機会を見て質問をしてまいりました。  本年も、明日から5日間、「楽しくなけりゃ未来じゃないだろ」を合言葉に、様々な分野のトップランナーをゲストに迎え、約40本のオンラインをメインとしたセッションが行われると聞いております。  長引くコロナ禍にありまして、No Mapsの目玉イベントでもあったMeet−upなど、直接対話の機会は限定されているというふうに聞いていますが、オンラインを活用しながら、本事業らしい新たな挑戦が生まれることを期待しているところです。  とはいえ、2021年度の開催では、札幌市民交流プラザでのブース出展などは行われていたものの、オンライン形式が中心となっており、新たなビジネスや投資が生まれる可能性も限定的であったのではないかと危惧をしています。  そこで、最初の質問ですが、昨年、2021年のNo Mapsの実績と、そこで得られた成果や課題についてお伺いいたします。 ◎早瀬 経済戦略推進部長  2021年のNo Mapsの実績と成果や課題についてお答えをいたします。  2020年度のオンライン開催に続きまして、2021年度のNo Mapsもコロナ禍の影響でオンライン開催となり、参加者1,257人、視聴回数は1万823回という実績でございました。  その成果といたしましては、2年連続のコロナ禍での開催ではございましたが、オンラインの物理的な距離を克服できるという利点を生かしまして、マサチューセッツ工科大学メディアラボの石井 裕副所長ですとか、インターステラテクノロジズ株式会社の創業者である堀江貴文氏など、国内外から多くのイノベーターにご登壇をいただき、カンファレンスの多様性を高め、幅広い注目を集めることができたところでございます。  一方、課題といたしましては、登壇者や参加者の関係づくりに向けた交流会であるMeet−upにおきましては、オンラインツールを活用して180名の参加者にオンライン交流を体感していただいたものの、オンラインでの会話ではコミュニケーションの幅ですとか偶発的な出会いの数などが限られてしまうということがございまして、実際に顔を合わせることができるMeet−upの必要性を痛感したところでございます。 ◆岩崎道郎 委員  コロナ禍でオンラインということだったので、なかなか限定的だったという答弁だったと思うんですけれども、一方で、No Mapsだからこそ、このオンラインは成立した部分というのはたくさんあると思いますし、今ご紹介をいただいた様々なゲストの方々も、実際に札幌にお越しいただくとなるとハードルがまた高くなるんですが、オンラインだったからこそ、そういった方々にも登場いただけたという意味でよかった部分もあったのかなと理解したいと思います。  一方で、やはり、しっかりとお金を生んでいくというところにこの大きな目的があります。先ほど伴委員もお話をしておりましたように、行政が支える以上はしっかりと税収として返ってくるだとか、人が育っていくというところを目指していかなければいけないのだろうというふうに思っております。  先ほど申し上げたとおり、オンラインだったからこそ、国内外からいろいろな方に登壇をいただいたのですけれども、先日、何となくテレビを見ていましたら、CMのBGMに耳を奪われまして、何となくクレジットを見てみましたら、昨年のNo Mapsの中のコンテンツで、全道高等学校軽音楽新人大会で話題となった新川高校のバンド、LAUSBUBの楽曲でした。非常に耳心地がよくて、しかも、札幌からこういったアーティストが生まれてくるというところに非常に喜びも感じましたし、No Mapsからこういった新しい才能が見いだされて活躍していくこと、このことを期待せずにはいられませんでした。  今年のNo Mapsは、いよいよあした開幕で、まちなか同時多発フェスをコンセプトにしていて、とはいえ、残念ながら、昨日、一部のコンテンツが延期、中止というような考え直しということで聞いておりますので、若干出鼻をくじかれた感もありますけれども、いよいよ、No Mapsらしく、リアルとオンラインのハイブリッド開催、そして、今回は、トークセッションやMeet−upも行われますし、技術見本市など、まちのあちこちで展開をされるというふうに聞いております。
     昨年まで、新型コロナウイルス感染症の影響で様々な制約の中で開催せざるを得ない状況にあったと思いますが、逆に、その過程で得られた知見、ノウハウもあったと思います。今後のNo Mapsを展望するとき、No Mapsがイノベーションを生み出す場として、より一層大きく成長していくためにこうした知見を生かすことが重要であると考えます。  そこで、質問ですが、昨年までの課題を踏まえて、今後、No Mapsという事業はどのような成果を目指して、どのように実施していくのか、今後の事業の方向性について伺います。 ◎早瀬 経済戦略推進部長  No Mapsの今後の事業の方向性についてお答えをいたします。  2020年度、2021年度の経験から、オンライン開催では、参加者の幅が広げられるという利点があることと、オフライン開催では、Meet−upなどで深いコミュニケーションを体験できるという両方の利点があることを学びました。これらを生かしながら、参加者相互の交流によるネットワークの機能拡充をし、No Mapsが人、アイデア、物、投資が集まってイノベーションが創出される場となっていくということが重要であると考えております。  さらに、これらのイノベーションの創出を支えるNo Mapsが一層発展をしていくため、今年度は、No Mapsが持つ全国でのネームバリューを生かしまして、企業版ふるさと納税の仕組みを導入いたしまして、既に寄附の申出もいただいているところでございます。  これらの取組を通じまして、地域の関係機関が連携をし、No Mapsが札幌にさらなるイノベーションを創出する基盤となることを目指しまして、取組を推進してまいりたいと考えております。 ◆岩崎道郎 委員  ふるさと納税ということで、名前が広まっていくことに非常に期待ができるかなと思っておりますので、頑張っていただきたいと思いますし、実際にNo Mapsに参加をした様々な方にお話を聞きますと、やはり、直接会っちゃうと照れくさくてなかなか話せないという方もいらっしゃったようで、オンラインだからこそ様々なことが得られたというふうに言う一方で、実際に投資まで行くかとなると、直接会わないとなかなかそういったところにまで至らないというふうにも聞いておりますので、特性を生かしてハイブリッドで、これからどんどん進めていただきたいなと思っております。  次に、みらいIT人材育成の取組について伺います。  本年1定の予算特別委員会において、私から、札幌の未来を切り開く創造的な人材の育成に関して質問をさせていただきました。  ゲームを使ってプログラミングを学ぶイベントが大人気だということで、私も、そこで使われたソフト、MINECRAFTを購入して子どもと一緒に遊んでいるんですけれども、皆さんに怒られるぐらい、これは本当に時間泥棒でどんどんとやってしまうんです。  と申しますのも、私たちが子どもの頃に遊んでいたゲームは、あらかじめある程度設定があったり、ゴールが決められていて、そのクリアを目指したりですとか、ハイスコアというものを目指して遊ぶというのがほとんどだったと思います。しかし、MINECRAFTはそういったゴールとかクリアというような概念はそれほど重要ではなくて、自分の世界を自由にデザイン、プログラミングすることが醍醐味です。私も、先日、自分の家をMINECRAFT内に1日かけて建てるぐらい、本当にもう夢中になってやれるんですね。  そんなMINECRAFTの特性を生かしながら、未来の札幌のまちや暮らしを子どもたちにデザインしてもらうコンテストが開かれているとのことです。このように子どもたちが楽しみながら学ぶ機会をつくることは、プログラミングを学ぶハードルを下げるという意味でも非常に重要であると認識しています。  そこで、質問ですが、さっぽろマインクラフトコンテストについて、その概要とこれまでの取組状況について伺います。 ◎早瀬 経済戦略推進部長  さっぽろマインクラフトコンテストの概要と取組状況についてお答えをいたします。  さっぽろマインクラフトコンテストは、未来の札幌のまちや暮らしをテーマとし、小・中学生を対象としたMINECRAFTを使った作品コンテストでございます。子どもたちのプログラミング的思考や創造性、札幌への愛着を醸成することを目指し、市制100周年記念事業として開催をしております。  コンテストの開催に当たりましては、7月にオープニングイベントを開催したほか、夏休み期間にはワークショップを開催し、延べ113名の子どもたちに教育版のMINECRAFTを使ったプログラミングやまちづくりを体験いただきました。  また、9月末までの作品応募期間におきまして、個人の部で48件、グループの部で20件、合わせて68作品の応募があり、延べ110名の子どもたちに作品づくりに励んでいただいたところでございます。  今後、12月のファイナル審査会におきまして、1次審査を通過した作品を制作した子どもたちからプレゼンテーション形式で発表をいただき、創造性や札幌への愛着あふれる優れた作品を表彰するとともに、受賞作品を大会公式サイトなどで広く紹介をしてまいります。 ◆岩崎道郎 委員  今年は市制100周年の記念事業であったと。札幌市に対する愛着なども少し求めながらというものだったと思うんですが、この際、やはり、この記念事業だけでなくて、日頃からこのMINECRAFTに触れていくということは、今後のプログラミング教育のハードルを下げていくのは間違いないと思うので、イベントとしてというか、事業として前に進めていただけたらなというふうに思っております。  MINECRAFT自体は、楽しみながらプログラミング的な思考を学べるソフトですけれども、やはりゲームであることは間違いないので、そこからさらに本格的にプログラミングを学びたい、知識を深めたいという中・高生から、さらに上の大学生ですとか若い世代、そういった方々まで切れ目なく支えて、そして、そういったクリエーティブの産業やITの分野を盛り上げていくという取組がまだまだ重要であるのかなというふうに考えます。  札幌市では、かねてから、小・中学生向けのプログラミング体験イベントや、高校向けの実践型のプログラミング習得キャンプの開催などを通じて、若年層からのIT人材育成の取組を推進されてきました。  さらに、昨年度からは、これまでの小・中・高生のプログラムに加えて、大学生から若手社会人を対象とした取組として、高度エンジニアの発掘・育成プログラム、STAND OUTを開始されたとのことです。本プログラムでは、自らの力で新たなサービスを生み出すことのできる創造的な人材を育成しようという取組とのことで、私としても非常に期待を寄せているところです。  そこで、質問ですが、本市で行った若い世代を対象としたデジタル人材の育成・発掘プログラム、STAND OUTについて、その概要及び取組成果、今後、どのように取り組んでいくのか、伺います。 ◎早瀬 経済戦略推進部長  STAND OUTの概要及び成果、今後の取組の方向性についてお答えをいたします。  高度エンジニア発掘・育成プログラム、STAND OUTは、大学、大学院生や若手エンジニアを対象といたしまして、デジタル技術を用いたサービスや製品のアイデアを公募し、採択された方が最大100万円の開発支援金と一流メンターによる伴走支援の提供を受けながら実際に開発を進めていただくものでございます。  各採択者には、ビジネスメンターと技術メンターの2名がつきまして、実際の開発プロセスにおいて生じる課題について、ビジネスと技術の両面から適時適切なアドバイスが受けられるということが最大の特色でございます。  昨年度の1期生の中では、メンターの支援を通じて磨き上げた能力を生かしまして、自らの力でサービスを生み出し、2名が起業に結びつくなど早くも事業の成果が表れ始めております。  今年度は、ビジネス経験を有する人材から多様なアイデアの応募をいただくため、参加対象の年齢上限を30歳から40歳に引き上げるとともに、1期生との交流機会を設けまして先輩が後輩をサポートする、そういった場づくりを進めているところでございます。  今後とも、本プログラムの特色を生かしつつ、内容の充実を図ることで、自らの力で新たなサービスを生み出すことのできる創造的な人材を育成してまいりたいと考えております。 ◆岩崎道郎 委員  早速、結果が出ているということで、今後に期待したいと思います。  最後に、要望を少しだけ申し上げますが、最初に言ったMINECRAFTですけれども、ゲームとして触っている分には遊べるんですけれども、私が使っているのはあくまでもゲームの中なんです。本当のMINECRAFTはパソコン上で展開をされていまして、ゲームだとやはりやれることが限られているので、本当であればパソコンでやりたいなと思うんですけれども、じゃ、今度、ゲームをやるパソコンをそろえて、さらに、それ用のモニターをとなるとかなりの費用がかかってきます。ですから、子どもたちの間でも、恐らくゲームでMINECRAFTですとか、そういったプログラミングに出会うんですけれども、じゃ、もう一歩その奥行きにといったときに、そういった機械を家庭でそろえるというところはなかなかいろんなハードルがあるんだろうというふうに思いますので、できるだけ高いスペックのパソコンを様々な場面で触る機会というものを、特に若い人たちにそういった場面を提供してあげてほしいなというふうに思っています。  そして、先ほどNo Mapsのところでも申し上げたLAUSBUBがつくる音楽もテクノで、ギターを持っていたりしますけれども、ほとんどの部分は、パソコン上で、デスクトップでつくられる音楽です。これも、やはりある程度のスペックのあるパソコンでないとしっかりとした制作というものが行えませんので、最終的には、自分でパソコンを持つというのが当然なんですけれども、まずは、家庭で用意をする前に、いろんな場面で実際に触ってみて経験をしてみると。そういったところから人材が発掘されていくのかなというふうにも思いますので、ぜひとも、そんな取組も共に進めていただいて、MINECRAFTでプログラミングに出会って、今回の若者向けのプログラミングの様々なイベントを通して、そこで事業化につながっていって、そして、No Mapsで世界中にそれが広まっていくというような一連の動きになるように、私もしっかりと捉えていきたいと思っていますので、期待をしておりますので、よろしくお願いいたします。 ◆小形香織 委員  私は、周遊型観光の促進というテーマで質問をさせていただきます。  周遊型観光という場合、1泊ごとに宿泊地を変えて移動するツアーなども周遊型と呼ぶと思いますけれども、このたびの質問では、北海道内を滞在しながら周遊する観光客に対して、本市へも単なる通過点ではなく、立ち寄りたいと思うような滞在場所を提供できないものかという立場から質問をしたいと思います。  夏の観光ハイシーズンの時期などに、札幌市内を走る車を見ますと、他府県のナンバープレートをよく見かけます。北海道に旅行に来ているんだなと羨ましく思ってみたりもいたします。道の駅などに立ち寄りますと、最近、新しく道の駅の隣にホテルが建設されたところも増えているように思います。  国道36号線沿いにある恵庭市の道の駅、花ロードえにわは、今年6月から開かれたガーデンフェスタ北海道の舞台になったこともありまして、2020年にリニューアルされて、周辺施設としてホテルのほか、車中泊専用施設、RVパーク花ロードえにわも整備されるようになりました。RVというのは、レクリエーショナルビークルということで、レクリエーションのためのクルマという意味になるそうです。  一般社団法人日本RV協会というところが、今年、全国のキャンピングカーユーザーや業界動向を調査してまとめたキャンピングカー白書の2022年版レポートを出しました。それによりますと、2021年の国内キャンピングカー販売売上合計額が新車、中古車を合計して過去最高で、対前年比109%となった、販売総額は、直近10年間で約3倍になり、市場規模は急激に拡大、累積保有台数も増加し続け、13万6,000台に達したと報告がされております。  その背景には、東日本大震災以降、避難所では、プライバシーの確保が難しい状況から、電気や水、トイレも確保できるキャンピングカーなどが脚光を浴びるようになったこと、新型コロナウイルスの感染拡大で行動制限が行われたことで、3密になりにくいアウトドアの人気に拍車がかかったことなどがあると思います。  また、キャンピングカーほど大きな車ではなくても、自分の車を車中泊もできるように手を加え北海道に旅行に来る人も、道内の道の駅などで随分見かけるようになりました。道の駅では、地元産の野菜や乳製品が店頭に山盛りに置かれて、買物客が長い行列をつくってレジに並ぶ姿というのもよく見かけております。  今後、本市の観光を振興する上で、こういうキャンピングカーなどで滞在しながら道内を周遊するスタイルの方々も、北海道、札幌を訪れる旅行者として視野に入れていくことが大事だと考えております。  そこでまず、伺いますけれども、周遊型観光の促進についてどのように考えておられるのか、効果や現状、課題などを含めて、捉えている中身について伺いたいと思います。 ◎石井 観光・MICE推進部長  周遊型観光の促進に係る課題についてお答え申し上げます。  観光・MICE推進部が実施しております来札観光客満足度調査によりますと、札幌を訪れた人の約9割が小樽や函館など、ほかの観光地を訪れておりまして、札幌は、北海道における周遊型観光のゲートウエーとしての役割を担っていると考えてございます。こうした状況を踏まえますと、札幌の観光振興を考える上では、道内各地を巡る周遊型観光の促進は非常に重要な観点であると認識しております。  周遊型観光の促進に当たりましては、札幌の魅力向上はもとより、道内他都市との連携により北海道全体の魅力向上に努めるとともに、周遊を促進するための情報発信にも積極的に取り組む必要があると考えております。 ◆小形香織 委員  観光とは何かということを捉える点で、本市が策定しております観光まちづくりプランの冒頭にあります、地元の人々が親しんでいる風土とか文化とか暮らしそのものが訪れる人々にとっても魅力になる、この点が私はとても重要なことだと考えております。  地元の人々の暮らしぶりを魅力と思ってもらえるという点では、できるだけ長く滞在して、市民の暮らしぶりをゆっくりと味わっていただくことがポイントになると思いますから、マイカーやキャンピングカーなどを利用して滞在しながら道内を周遊するスタイルの方々にも、市民の暮らしぶりを感じていただける体験の場や地元情報をどれだけ多く提供するのかが大事だと思っております。  しかし、本市の観光まちづくりプランによりますと、コロナ禍前の2016年度の数値ですが、旅行者の本市への平均滞在日数は、国内観光客で1.13日、外国人観光客で1.2日となっておりまして、全国平均より低いという点で課題になっております。  先ほど、札幌はゲートウエーとしての役割があるんだというご答弁でありました。そのゲートウエーとして来ていただいた札幌をただ通過するだけに終わらせずに、道内周遊の足がかりになるためには、やはり、近隣や道内自治体との連携というのが欠かせないと考えております。  そこで、伺いますけれども、周遊型観光を推進するための広域連携、これをどのように取り組むのか、伺いたいと思います。 ◎石井 観光・MICE推進部長  周遊型観光の促進のための広域連携についてお答えいたします。  これまで、道内他都市と連携して組織します協議会等におきまして、各地域が持つ魅力の発信とともに、地域間の周遊を促進するプロモーションに取り組んできたところでございます。  具体的には、さっぽろ連携中枢都市圏観光協議会では、札幌近郊の12市町村の魅力を一体的に発信するほか、旭川市や帯広市などの道内中核市と連携し、往復で別の空港を利用するオープンジョーを活用した周遊促進のためのPRなどに努めてきたところでございます。  今後も、こうした観光プロモーションを継続するとともに、北海道の魅力の要であります食の発信についても、オータムフェストをはじめとした都心部でのイベントや、各飲食店における地産地消を推進するなど、道産食材や料理のショーケース機能としての役割を果たしてまいりたいと考えてございます。 ◆小形香織 委員  本市が行ってきた周遊型観光促進のため、魅力の発信とかプロモーションということで連携しておられるということで、まだ緒に就いたばかりかなという印象を私は持っております。もっといろんな発信の仕方、連携の仕方があるだろうというふうに感じております。  今の旅行スタイルというのは非常に多様化しておりまして、車をはじめ、自転車やバイクで北海道内を旅行する方などは、細かいところを周遊しているんですね。有名な観光地だけじゃなくて、そこの地域にある、例えば、神社だとか遺跡だとか、あるいは地元の小学生が遠足で行くような低い山を登ったりして、それで1日を過ごしていく。また、宿泊する地点に戻っていって、翌日は、例えばその近くの牧場だとかそういうところに行って牛や馬を見て、そこの飲食店で地元の人が食べているような同じお店に入って注文すると。非常に細かく地元密着で過ごしている方がおられると思います。  そういうことを通して、やはり、暑い夏でも北海道ならアウトドアが楽しめるとか、冬の寒さが厳しい北海道を丸ごと地域密着で楽しもうという姿があると思っております。こうした北海道らしさを実際に体験した方というのは、また次のシーズンも北海道を訪れるリピーターになりますし、それから、若いときにバイクだとか自転車などで北海道にツーリングに来た方が、定年退職などをしてから、再び自動車などで北海道を滞在しながら周遊するという長いスパンでのリピーターになることも珍しくありません。  冒頭で車中泊とかキャンピングカーのことを述べましたけれども、こうしたものを利用して、道内周遊をする観光客というのは、オートキャンプ場だとか、それから、車中泊が可能な道の駅に泊まって、そこに1泊というよりは2泊、3泊と連泊しながら移動する方が多いだろうと私は感じております。  現在、札幌市では、次期札幌市観光まちづくりプラン検討委員会というところで議論が始まっております。その際の資料なども拝見しましたけれども、そこで配付された資料の中で、現状分析という中に、札幌の観光市場を取り巻く環境から、機会、チャンスという意味ですね、機会と脅威の点を整理したというところを見ました。  すると、いい機会だというふうに捉えるべきものとして、新たな広域周遊の可能性があるということが書いてあります。一方で、脅威となるかもしれないという点で、オープンジョーの加速による道内周遊拠点としての機能低下が脅威事項として載っているんですね。つまり、例えばオープンジョーというのは、さっき、部長も答えておられましたけど、例えば千歳空港から北海道に入って、何らかの別の移動手段で道内を周遊して、帰るときは女満別空港から帰るとか、こういうものをオープンジョーと言うようでございますけれども、こうした周遊を促進しようとすると、この検討会の資料によると、札幌が拠点になれなくなる懸念もあるんだということを書き表しているんじゃないかと思っております。  そんな中で、本市が拠点機能を発揮するためには、札幌にも滞在してもらいながら周遊を促進するという視野が必要だと感じます。次期プランを検討しているということでありますので、自転車やバイク、マイカーやキャンピングカーなどによるカーツーリズムを観光振興の施策として視野に入れて、滞在しながら周遊する旅行者が札幌でも滞在できる場所として、例えば道の駅などの構想を持つことを求めまして、私の質問を終わります。 ○松原淳二 副委員長  以上で、第1項 商工費の質疑を終了いたします。  次に、第2項 農政費のうち経済観光局関係分の質疑を行います。 ◆水上美華 委員  私からは、東区丘珠にあります札幌市農業支援センターについてお伺いをいたします。  農業支援センターは、本市の資料によりますと、札幌市の地域特性に即した都市型農業の推進を図るため、基幹産業である野菜、花卉などの園芸作物を中心に生産現場に対して直接的な生産振興事業及び関連業務を総合的に実施する拠点施設として、1995年度に開設されております。  さとらんどに隣接し、さとらんどの生産支援ゾーンとなっておりますが、市の直営施設であり、指定管理を実施しているさとらんどとは運営が異なっております。さとらんどの一画にあるものの、ゲートは別で、敷地の境界にはフェンスが設置されているため、さとらんどを訪れた市民が気軽に訪問することができず、あくまでも農家やJAなどの農業関係者のための施設となっております。  1995年度開設から、今年で25年以上が経過しておりますが、この間、日本や本市を取り巻く農業情勢は大きく変化しております。特に、本市は、都市化の進行により、市街化区域の拡大に伴って農地や農家の減少が著しく、1995年に1,800戸あった農家数が、最新の統計では627戸と約3分の1まで減少し、農地面積についても、3,512ヘクタールから1,480ヘクタールと約6割減少しております。  その一方で、国際的に見ますと、今、ウクライナ紛争がもたらす世界の食料危機が危惧されるなど、農業が注目されているところであります。都市農業の持つ多様な機能を十分に発揮させるため、この農業支援センターが本市の農業振興に果たす役割も、時代とともに変化してきているのではないでしょうか。  そこで、質問ですが、農業支援センターの開設当初の役割と現在の役割について伺います。 ◎高田 農政部長  農業支援センターの開設当初の役割と現在の役割についてお答えをいたします。  農業支援センターが開設した当初は、農産物のブランド化や産地の育成を図るための試験調査や技術指導、病虫害対策や有機・減農薬栽培に関する調査研究、土壌分析、診断などを実施し、地域や作物に応じた技術の開発と普及を進め、生産現場を直接支援してまいりました。  その一方、国においては、国土保全や食料安全保障の観点から、担い手農業者の育成や新規就農者の支援、持続可能な農業の展開など、支援センターが開設した当初に比べ、多角的な取組が実施されるようになり、本市においてもその支援窓口としての業務が急増しております。  このため、これまでの25年間で機構再編など本庁の業務を支援センターに一部移管しつつ、業務の中心が試験調査や技術普及から農業行政全般の推進窓口へと変化してきたところでございます。  開設当初にはなかった有害鳥獣対策、市内で新たに農業を営む多様な担い手の育成、経営安定強化に向けた補助事業の実施、家畜の伝染病予防対策など、現在の業務内容は農業行政の多岐にわたっております。 ◆水上美華 委員  設立当初の試験調査や農家への技術普及から、現在では、市内で新たな農業を営む多様な担い手づくりや農業行政全般の推進窓口へと役割が変化してきたことは理解いたしました。  農業の新たな担い手づくりの取組についてですけれども、現在、農業支援センターでは市民農業講座「さっぽろ農学校」専修コースを開講しております。新たな担い手や農業応援団の育成を目的とし、実習40回、講義22回、自主管理作業12回と合計70回を超える充実した内容となっており、先月は、チ・カ・ホで受講生による野菜の販売体験も行われ、大変盛況だったと伺っております。  中央卸売市場での競りの見学や、新規就農した農学校卒業生の畑を訪問し、就農の苦労話を直接聞く機会などを設けるなど、すばらしい内容だと思っております。  受講生は、8か月のカリキュラムを通して、農業の楽しさや厳しさ、実際に販売して農業経営をする難しさなど、様々な感想を抱いて修了し、その中から毎年いろいろな形で農業に関わる人材が生み出されていると思います。  しかし、これまで市の直轄で取り組まれていたこの農学校の専修コースでありますが、現在選定中のさとらんど指定管理者業務に組み込まれており、来年度より、さとらんどの指定管理者が担うことになると伺っております。  そこで、質問ですが、さっぽろ農学校の指定管理委託の経緯と今後の運営について伺います。 ◎高田 農政部長  さっぽろ農学校の指定管理委託の経緯と今後の運営についてお答えをいたします。  平成13年に開設したさっぽろ農学校は、これまでの20年間で487名の修了生のうち、64名が新規就農し、就農に至らなくとも、多くの修了生が農業ボランティアとして活躍するなど一定の成果を上げてまいりました。  近年、コロナ禍も影響して専修コースの受講生は増加傾向にあり、講座自体の市民ニーズは高まっていますが、一方で、専修コース修了生が新規就農につながるケースは少ない状況にございます。  また、専修コース受講生の考え方についても、新規就農を目的とする方から農的な活動のための学習の場とする方まで幅広くなっており、目的に即した支援を集中的に行うことが必要となってきました。このため、本格的な新規就農を目指す市民につきましては、農業支援センターを中心としてこれまでどおり重点的な支援を継続するとともに、既に農学校入門コースを開催しているさとらんどにおいて、専修コースも一体的に運用することで農的活動を目指す市民のニーズに応えていくことといたしました。  専修コースの運営につきましては、引き続き、支援センターの圃場を利用し、現行に準ずるものとなりますが、指定管理業務として円滑に移行できるようバックアップに努め、幅広く農業に関心のある市民を掘り起こしていく考えでございます。 ◆水上美華 委員  これまで、受講生のうち、64名が新規就農され、そしてまた、就農に至らなくとも多くの修了生が農業ボランティアとして活躍するなど、一定と言いますけれども、かなり成果を上げられてきているのではないかと思います。  ただ、近年、この専修コースの修了者が新規就農につながるケースが少ないという課題はあるものの、専修コースの受講者が増加傾向にあって、そして、講座自体のニーズは高まっているというようなことでございました。  農学校が本市で農業に関心のある市民の掘り起こしに成果を上げてきている中で、今回、民間委託に変更する意図は、農学校入門コースと専修コースを一体的に運用することで、農的活動を目指す市民のニーズに応えていくためという答弁でありました。  講座の内容がより充実したものとなるように、また、委託とはなりますけれども、市もしっかりとこの取組をサポートしていただきたいと思います。  農業支援センターは、開設から25年以上が経過し、その役割も大きく変化してきております。当初は直轄で行ってきていた多くの業務が、今、民間委託に移行しておりまして、今お話しさせていただいていた農学校専修コースも、来年度から民間委託となります。  一方、国においては、農政全般的に補助金の申請や農地の管理など多角的な取組が実施され、本市においても、その支援窓口業務が急増したことで、本庁業務を支援センターで一部行い、現在は、農業全般の推進窓口としての役割が大きくなってきているということを、本日、質問で確認をさせていただきました。少し言い換えますと、本庁で行える業務も増えてきているということではないかと思います。この状況に鑑みますと、農業支援センターとして何を目的として存続させていくのか。東区丘珠に市で農地を有し、管理をする必要性、農業支援センターの在り方を考える時期が来ているのではないかと私は思います。  現在、農業支援センターで管理している種の保存など、農地を有しないと行えない事業もありますが、しかし、この種の保存については、私は、道と連携をして進めていけばできるのではないかと思います。  また、しっかりとした新規就農につなげる担い手の育成というところについても、私たち会派の議員から、今決算特別委員会の第一部におきまして、まちづくり政策局の質問で、さっぽろ連携中枢都市圏について質問をしております。その中で、圏域内食料自給率向上、地産地消に向けて、本市での大規模畑作農家就業希望者への研修に向けた圏内連携の検討の方向性について伺い、また、提案もさせていただいております。  決して本市の農業施策を縮小させるという視点ではなくて、担い手の育成や食料自給率の向上など、圏内市町村と一緒に施策を進めていったほうが、この札幌農政の拡充につながるのではないかという観点で質問させていただいております。  さっぽろ都市農業ビジョンの改定が2025年の予定でありますので、現在の第2次ビジョンの評価や次期ビジョン策定に当たり、今後、検討が始まるかと思います。今年度の予算特別委員会で、私は、水田活用の直接支払交付金制度の見直しにより、近い将来、本市で遊休地や耕作放棄地が増大するのではないかと指摘をさせていただきました。  今後、本市の農業を取り巻く環境というのは大きく変化をしていくものだと思います。次期ビジョン策定に当たり、あらゆる角度から様々な施策を検討していただき、本市の農業に資する農家、農業に関心のある市民を支える施策を熟慮いただくことを求めまして、私の質問を終えます。 ◆小須田ともひろ 委員  私からは、南区果樹地帯におけるエゾシカの被害対策について質問をさせていただきます。  昨年度の冬は記録的な大雪などの影響で、エゾシカが餌不足となり、山から積雪の少ない場所へ移動し、砥山、白川地区を中心とした果樹園のリンゴやサクランボなどが甚大な被害を受けて、新聞報道でも大きく取り上げられました。  このエゾシカの被害に遭った南区の果樹園は、5月のイチゴの収穫から、今時期のリンゴ、ブドウに至るまで、市民に新鮮な農産物を供給する役割を担っているほか、収穫の時期に多くの人でにぎわうレジャースポットともなっております。定山渓のエリアと一体となった重要な観光資源でもあるため、南区の観光にとっても影響が大きいものと考えております。  今年4月に、北海道、JAさっぽろ、札幌市などの関係機関と南区の農家さんとの意見交換会を開催させていただき、被害状況の把握、緊急的な対策の必要性について情報共有を図ったところでございます。  農家さんの中には、今年の冬も同じような被害が出た場合、離農せざるを得ない、そういった方もいらっしゃいました。これから冬を迎えるに当たり、農家の皆さんは大変不安を感じていることと思います。
     代表質問におきまして、被害防止のための対策を強化していくという旨の答弁があったところでございますが、今年の冬の対策は待ったなしの状況でございます。早急に新たな対策に取り組むべきと考えます。  そこで、質問ですが、今年の冬に向け、南区の果樹地帯におけるエゾシカの被害対策にどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 ◎高田 農政部長  今年の冬に向けたエゾシカの被害対策についてお答えをいたします。  札幌市におけるエゾシカ対策は、電気柵の購入費に対して8割の補助を実施しており、南区の果樹地帯においては、ほとんどの農家が補助を活用し、電気柵を設置しております。しかし、冬季については、降雪により電気柵が破損することを避けるため、電気柵を外す農家も多く、樹木の食害を防ぐためには、電気柵以外の対策が必要となります。  このため、今月中にも、JAや地元猟友会なども含めて農家との対策会議を開催し、その中で専門の対策チームを立ち上げ、追い払い活動の強化や鹿よけの忌避剤の設置試験を検討するなど、冬季のエゾシカ対策に関係機関一丸となって取り組んでまいる考えでございます。 ◆小須田ともひろ 委員  対策チームを立ち上げて、関係機関一丸となって取り組むということでございました。  しかし、エゾシカの個体自体が増加しているという現状におきましては、対策を講じたとしてもすぐに効果が現れるものではなく、数年で被害額がゼロになるということは考えにくいことと思います。このため、エゾシカなど野生動物に関する農業被害に対しては、緊急的な対策を行う一方で、将来にわたって安定的な営農を継続するための取組が必要ではないかと思います。  そこで、質問ですが、エゾシカの農業被害を軽減するための長期的な対策についてどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 ◎高田 農政部長  エゾシカの農業被害に対する長期的な対策についてお答えをいたします。  自然界の日々の状況変化に対応する柔軟な対策と併せて、長期的な視点に立って、札幌市の実情に即した対策を進めることが重要であると考えます。  北海道が策定している北海道エゾシカ管理計画によると、札幌市を含む石狩管内のエゾシカの個体数は依然として高い水準であり、個体数管理のために積極的な捕獲が必要とされています。  特に、農作物を狙いに繰り返し出没するエゾシカ個体については、駆除による対策が有効であると考えられます。このため、エゾシカ対策については、他都市の優良事例を調査しながら駆除した個体の処分方法の確立など、ハンターが活動しやすい環境づくり、地域資源としてのジビエへの活用、農家の自衛策として補助制度の拡充といった多方面からの対策を検討してまいります。 ◆小須田ともひろ 委員  本当に多方面からの対策が必要だと思いますので、引き続き取り組んでいただければと思います。  南区の体験型の観光スポットとして、果樹園は大変重要だと考えております。成り手不足で件数が減ってきているのも事実でございます。今後、エゾシカなどによる被害で離農する農家が増えないように取組を考えていただきたいと思っております。  そして、最後に、経済観光局として、こういった問題は農家に対する支援ということだけではなく、札幌市の重要な観光コンテンツの一つだ、そういった視点を持って、今後、この地区の観光果樹園に対しての支援や施策を検討していただければと思います。 ◆たけのうち有美 委員  私からは、西区小別沢がモデル地区となっている里山活性化推進事業について伺います。  里山は、森林と農地が一体となり、人が関わることで成立し、大変美しい景観を有する地域です。我が会派では、この里山の農と森、人を結びつけることにより、地域の活性化や環境を守る取組である本事業について大変期待しており、事業の進め方や期待される効果、そして、地域との対話を丁寧に行うことの重要性について、継続的に質問してきているところです。  昨年の第1回予算特別委員会では、2021年度の事業予定に関する質問に対して、地域住民等と意見交換や情報共有を行う小別茶話会の開催回数を増やすほか、小別沢の取組を発信する小別沢新聞を市のホームページで公開するなど、地域内外に小別沢の取組を発信することで、地域が主体となる森林と農地の一体的な保存、活用の仕組みづくりを進めるとの答弁がありました。  その後、1年半がたちましたが、新型コロナウイルス感染症もなかなか収束のめどが立たない中で、計画どおりに地域との対話が積み重ねられているのか、また、本事業の要とも言える森林整備が進んでいるのかなど、事業の進捗が懸念されるところです。  そこで、質問ですが、2021年度及び2022年度の事業の実施状況について伺います。 ◎高田 農政部長  令和3年度及び4年度の事業の実施状況についてお答えをいたします。  令和3年度につきましては、地域との意見交換会である小別茶話会を4回開催し、延べ33名の参加があったほか、ニュースレターの小別沢新聞を5回発行しています。また、令和元年度に創設されました、行政が民有林の整備を支援する森林経営管理法の制度を活用し、約18ヘクタールの森林を対象として、所有者及び林業者と森林整備に関する契約を締結したところでございます。  令和4年度につきましては、令和3年度と同じく、小別茶話会を4回開催し、小別沢新聞を5回発行する予定でございます。これまでのところ、小別茶話会を2回開催して、延べ14名の参加があり、小別沢新聞は2回発行しております。  また、森林整備の取組といたしまして、間伐を行うために必要な作業道の整備に林業者が着手したところでございます。さらに、地域との話し合いが始まって3年目になることから、事業の経過や地域の将来像などをリーフレットにまとめ、地域内外に小別沢の取組を発信するツールとして活用していく予定でございます。 ◆たけのうち有美 委員  私も、2度ほど小別茶話会に参加させていただきましたが、札幌市が地域と対話し、信頼関係を築いていることを感じ取ることができました。  森林整備の始まりに合わせて、7月23日に森と動物園というイベントが開催されました。これは、円山動物園にいる象の餌となる森の枝葉と象のふんから作られた堆肥を交換するという内容です。札幌市内の親子12組が参加し、森に入って枝葉を集めて動物園に届け、象ふん堆肥を小別沢の畑に持ち帰るというものです。  私も円山動物園での活動を見学しましたけれども、飼育員の指導の下、自分たちが拾って象舎に持ち込んだ枝葉を象がどのように食べるのか、観覧席から見ている子どもたちはとても真剣に象の行動に見入ったり、歓声を上げて喜んだりしていました。  里山とまちの小さな循環を伝える教育的プログラムで非常に意義のある試みだと感じました。林業者や農家、動物園といった異なる関係者が連携することで生まれた里山の新たな魅力であると思います。  そこで、質問ですが、森と動物園のような里山の新たな魅力を生み出す地域主体の取組が生まれたことについて、札幌市としてどのように捉えているのか、伺います。 ◎高田 農政部長  森と動物園のイベントをどのように捉えるかについてお答えいたします。  森と動物園は、本事業の目的でございます森林と農地の一体的な保全と活用を象徴する活動であり、これまで積み上げてきた取組の大きな成果だと言えます。今後も、このような活動が生まれ、里山地域の魅力や価値が向上していくことが本事業の目指す姿であると考えております。  また、このイベントは、小別沢に拠点を持つNPO法人が中心となり、林業者や農家、そして円山動物園と協力して実現したものであります。小別茶話会の中で何度も話題に上がっておりましたが、林業者や農家、そして地域内外の市民や団体が連携するための接点をつくり、調整する役割を担う存在、いわゆる中間支援組織の重要性を実感したところでございます。 ◆たけのうち有美 委員  今後、里山の資源を生かしたさらなる地域活動が生まれていくためには、業界や地域といった垣根を越えて様々な関係者がつながる仕組みをより一層強化する必要があると考えます。  とりわけ、今回、NPO法人が担っていたような関係者をつなげる役割を担う中間支援組織を育てていく必要があるのではないでしょうか。大切なのは、中間支援組織が地域に根差して活動を続けていけることだと考えます。地域主体の取組といえども、活動が軌道に乗るまでは、行政からの支援は欠かせないと考えます。  そこで、質問ですが、小別沢をはじめとする里山地域の中間支援組織の活動に対して、今後どのような支援を行っていく予定なのか、伺います。 ◎高田 農政部長  中間支援組織の活動に対する今後の支援についてお答えをいたします。  これまで札幌市でも、小別茶話会や小別沢新聞を通じて地域内外のつながりをつくる取組を進めてまいりました。今後は、そうした活動も含めて、中間支援組織が地域の中核的な役割を担うことを期待しており、積極的に支援をしていきたいと考えております。  具体的には、中間支援組織の活動に対する新たな補助制度の創設について検討をしているところでございます。まずは、モデル地区である小別沢でしっかりと中間支援組織の活動を根づかせ、将来的には、清田区や南区など他の里山地域の活性化につなげていく考えでございます。 ◆たけのうち有美 委員  補助制度の創設は有効な手段の一つだと考えます。また、他の里山地域への展開も非常に期待されるところです。一方で、せっかく盛り上がってきた地域のモチベーションが下がらないよう、補助制度の創設はスピード感を持って進めていただきたいと思います。  小別茶話会で出ていた意見ですが、森林や農地に関わる活動は、自然相手のため、長い時間を要します。さらに、何よりも大切である中間支援組織と地域の農林業者や住民の信頼関係構築にもまた時間がかかります。そのため、1年単位の単発的な補助ではなく、数年間継続して支援する補助制度にすることで、中間支援組織が計画的にしっかりと地域に根差すことができるのではないかと考えます。これまで積み上げてきた取組をさらに発展させるためにも、地域の声を反映した補助制度を早期に創設し、地域活動をしっかり支えていただくことを求めて、私の質問を終わります。 ○北村光一郎 委員長  以上で、第2項 農政費のうち関係分の質疑を終了いたします。  最後に、議案第3号 令和3年度札幌市中央卸売市場事業会計決算認定の件の質疑を行います。 ◆丸山秀樹 委員  私からは、札幌市中央卸売市場の活性化につながる取組について質問をさせていただきます。  私は、令和3年6月、本日ご出席をいただいております石川副市長に、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、市内の青果、水産に係る小売店や飲食店への消費喚起につながる施策の実施について、青果・水産小売団体名での申入れをさせていただき、令和3年3定及び令和4年1定において、継続的にコロナ禍にある市場関連事業者を力強く後押しする支援策等を要望させていただいておりました。  令和3年度の決算を見ますと、市場全体での取扱額は、水産、青果合わせて前年度比プラス4.6%の増加となってはいるものの、依然としてコロナ禍前までの水準までには戻っていない状況にございます。  現在進行系の光熱動力費の高騰、円安の進展、ロシア、ウクライナ問題、コロナ感染症などの消費マインドを低迷させ、市場内事業者にとっても非常に厳しい状況が続いているものと認識をしております。  片や、コロナ禍で消費者の食生活の在り方も変化していると言われておりますが、厳しい状況が続いているからこそ、市場においても消費者のニーズの変化をしっかり捉え、供給に努めていく必要があるものと考えます。  そこでまず、1点目の質問ですが、消費者の食生活の変化に応じて市場内事業者の供給力、販売力を高めるため、開設者としてどのような支援を行っているのか、お伺いいたします。 ◎岩立 中央卸売市場長  市場内事業者への支援につきましてお答えいたします。  調理済みの総菜などを家庭で食べる、いわゆる中食の広まりや多様化に伴い、小売店における調理しやすさなどのニーズが高まっており、市場内事業者におきましても、生鮮食料品の1次加工や新たな品目の集荷に取り組む動きが広がりつつあります。  市場におきましては、そうした取組を拡充し、取扱高の増加を図ることを目的に、令和3年度から、販売力や集荷力の強化に資すると認められる事業に、400万円を上限にして事業費の2分の1を支援する販路拡大支援事業を実施しております。  令和3年度には、800万円の予算を確保し、例えば開きホッケのワイン干し商品の新規開発や、九州産地からの集荷の拡大と安定を図る実証事業など、5案件を支援したところでございます。  今年度につきましても、1,600万円の予算を確保し、昨年度からの継続案件5件のほか、新鮮な魚類をフィレに加工して小売店サポートに取り組む事業など、3案件に補助金を交付し、支援しているところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  販路拡大事業を展開していただきながら、市場内事業者の商品開発や販売力、集荷力の強化に資する事業者に対して支援を行っているというご答弁でございました。  ところで、市場を経由した流通は、言うまでもなく、卸売業者が幅広い産地、生産者から市場に集荷し、仲卸業者が主に圏域の小売業者や納品事業者に対し販売する、大ざっぱに言うと、そうした仕組みになっております。  ついては、市場の売り先である小売店等における販売の増なくして、仲卸業者の売上げ増も卸売業者の集荷増も見込めないという側面もございます。  そこで、市場内事業者の業績向上に向け、間接的にはなりますが、消費者の購買意欲を喚起し、小売店の売上げに貢献する取組が必要であると思います。  そこで、2点目の質問ですが、消費者の購買意欲向上のため、具体的にどのような取組を行っているのかをお伺いいたします。 ◎岩立 中央卸売市場長  消費者の購買意欲向上のための取組についてお答えいたします。  消費者の生鮮食料品に対する消費意欲が高まり、小売店における販売量が増加すれば、市場からの買い付け額も増加し、ひいては市場の売上高割り使用料の増につながるものと認識しております。  そうした観点から、市場では、今年度、産業振興部における商業者グループ、デジタル販促応援事業を活用し、市場から買い付けを行う小売店での消費者の購買を促進する「いちばいちばん!キャンペーン」を実施しているところでございます。  具体的には、市場で買い付けを行っている青果、水産の小売店などで利用できるクーポン券を配付し、お買物額1,000円につき300円を割引することで消費者の購買意欲を喚起しようという内容でございます。  盛り上がりの一体感を図る観点から、市場に隣接するさっぽろ朝市や札中卸センター等の飲食店や花屋なども含め、計200店舗超が参加して、9月1日から11月20日までの間、実施しているところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  開設者である市場の皆さんが水産物や青果物を扱う小売店はもとより、市場近隣の花屋や飲食店も巻き込んでキャンペーンを実施させたということは大変に感謝をするところでございます。  特に、今回、商業グループということもありまして、1,000円で300円というのは、クーポン券としても非常に大きな事業だというふうに思います。キャンペーンに参加している小売団体や、また、小売店に早速どういう状況なのかを伺わせていただきましたところ、消費者の反響も非常によくて、お店によっては、当初、配付されたクーポンがあっという間に早い段階でさばけてしまい、確実に消費喚起につながったということでもございました。  小売店の売上げ増が市場内事業者の販売増につながるという観点から、こうしたキャンペーンも大いに意義があり、これまでになかった青果と水産合同でのキャンペーンであったと思いますので、今後もこうした取組をぜひお願いしたいと思います。  私は、今回、割引券の頒布が一時的な消費喚起にとどまってしまえば、キャンペーンの成果としては十分とは言えないと思っております。キャンペーンを通じて、新規顧客の開拓やリピーターの獲得といったことにつながることも重要であり、そのために、SNS等を活用した周知や購買意欲喚起の取組が欠かせないものと考えます。  そこで、3点目の質問となりますが、キャンペーンの成果を最大限に高めていくために、SNSなどの活用も欠かせないと思いますが、当該キャンペーンにおいては、どのような取組を行っているのかをお伺いいたします。 ◎岩立 中央卸売市場長  当該キャンペーンにおけるSNS等の活用についてお答え申し上げます。  「いちばいちばん!キャンペーン」におきましては、専用ホームページを立ち上げ、参加店舗の紹介を行っているほか、検索サイトやフェイスブックなどにディスプレイ広告を掲出し、キャンペーンの認知度を高める取組を行っているところでございます。  また、ホームページでは、大学生がリポーターになって取材した参加店舗の記事を投稿したり、市場内事業者が作成した食材のおいしい食べ方などを紹介する動画にリンクを貼るなど、若年層や主婦層などの生鮮食品等に対する関心を高める取組も併せて実施しているところでございます。  さらには、参加店舗で買物をされたお客様にインスタグラムに投稿していただき、抽選で生鮮食品をプレゼントする取組を行うことで、その投稿を見た方々にも、市場の食材の魅力を広く共有していただく取組も併せて実施しております。  こうしたSNS等を活用した様々な取組を通じて、市場が供給する食材の魅力を発信し、消費者の関心や消費意欲の喚起を図り、もってキャンペーンの成果を最大限に発揮できるよう努めているところでございます。 ◆丸山秀樹 委員  最後に、要望をさせていただきます。  今回の参加店舗は、青果、水産合わせて200店舗以上が参加をされたというようにも伺っているところであります。小売店の魅力を若い人たち、これまで小売店にあまり足を運んだことのない若い消費者にアプローチをしていくということは、大変大きな意味があると思います。この「いちばいちばん!キャンペーン」の実施は、広く市民の皆様に、市場の役割や市場が供給する食の魅力を知ってもらう機会になっていくものと考えます。このキャンペーンが小売業者の売上げ強化、ひいては市場内事業者の収入増にもつながり、成功裏に終了することを期待しているところでございます。  今後も、消費者行動の多様化が進む中で、市場関係者がいかに市民とつながるのか。例えばですけれども、市場周辺に住む人々をターゲットとした市場一番、札幌市民にとっても市場一番と言われるような、より地域や市民を巻き込んだイベントやキャンペーンなどの取組を一層進めること、攻めの市場の取組が大変重要であると考えます。  ぜひこのたびの取組を一過性で終わらせることなく、継続的な市場の活性化につなげていただきますことを要望し、私の質問を終わります。 ◆藤田稔人 委員  私からは、札幌市中央卸売市場の輸出拡大について質問いたします。  さきの代表質問において、我が会派は、人口減少に伴う食市場の縮小によって、本市の食関連産業への影響が懸念されるといった問題認識から、食の輸出拡大について質問いたしました。  石川副市長からは、農畜水産品の輸出にも積極的に取り組み、さらなる輸出拡大を支援していく、これまでシンガポールや香港などアジア地域を対象として販路の拡大を支援してきたところであるが、今後は欧米にも対象を広げるとのご答弁をいただいたところであります。  昨今、アジアや欧米での日本食ニーズが高まりを見せておりますが、とりわけ、北海道札幌の食は、アジアを中心に認知度が高く、そういう意味では、北海道産品が広く集まる札幌市場においても、輸出拡大のポテンシャルは非常に高いと認識しております。  札幌市場は、道産農水産物の産地市場としての性格を併せ持つものであり、その輸出取扱高が増えれば、道内の1次産業の活性化にもつながり、ひいては生産者の所得向上にも寄与するものと思います。そうした観点からも、札幌市場が食料品の安定供給という使命と併せて、北海道産品の輸出に注力していくことも重要であると考えます。  そこで、質問ですが、札幌市中央卸売市場における近年の輸出実績はどのような現状なのか、お伺いさせていただきます。 ◎岩立 中央卸売市場長  中央卸売市場の近年の輸出実績についてお答えいたします。  令和3年の輸出実績は、水産が6.8億円、青果が0.4億円、合わせて約7.2億円でありました。輸出先国は、主に中国、香港、台湾、シンガポール、マレーシアなどで、水産物では冷凍ホタテや冷凍いくら、青果物ではメロンやタマネギなどを中心に輸出しております。  市場における直近の輸出取扱額のピークは、平成30年の約18.8億円でございましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で、輸出先国においても、飲食店が休業を余儀なくされ、例えば水産物では、キンキや活ガニなど業務筋向けの比較的単価の高い鮮魚類の需要が激減し、輸出の減少につながりました。  一方で、冷凍物や加工品につきましては、コロナ禍にあっても複数の品目をコンテナに混載して、中国、台湾、香港の卸売業者向けに輸出することができており、一定程度の取扱額を維持しているところでございます。  なお、市場内事業者によりますと、今年度に入り、輸出先国におけるロックダウンや営業自粛が減り、社会的落ち着きを取り戻しつつあることや、円安の影響などもありまして、輸出取扱額は好調に推移しているとのことでございます。 ◆藤田稔人 委員  本年度の輸出は好調であるということでございましたが、平成30年に約18.8億円であった輸出取扱額が、新型コロナウイルス感染症の影響で、令和3年には約7.2億円まで落ち込んだということで、輸出に向けたポテンシャルがあっても、それを拡大していくということはそう簡単ではないと受け止めさせていただきました。  ところで、平成31年4月に、農林水産物・食品の輸出拡大のための輸出入国規制への対応等に関する関係閣僚会議において、輸出手続の煩雑さが民間事業者の負担になっていることが指摘されております。  具体的には、事業者が輸出に取り組もうとした場合、物流の手配や複雑な輸出証明書の事務が大きな負担となっており、ちゅうちょせざるを得ないケースもあると聞いております。  しかしながら、岸田総理が、先日の所信表明演説において、国の施策として、円安メリットを生かした経済構造の強靱化を進めるべく、農林水産物の輸出拡大に取り組むとも述べております。  札幌市場においても、より多くの事業者が輸出に参入し、売上げ増を目指していってほしいと思いますし、札幌市として、それに向けた支援を行うべきだと考えております。  そこで、質問ですが、札幌市中央卸売市場の輸出促進のため、具体的にどのような取組を行っているのか、お伺いいたします。 ◎岩立 中央卸売市場長  輸出促進のための取組についてお答え申し上げます。  輸出に必要な証明書類は、相手国ごと、品目ごとに異なり、また、その申請先も証明書ごとに所管官庁が異なる上、交付までに時間がかかる場合があるなど、複雑で手間のかかる事務でございます。  こうした輸出証明書に係る事務の負担を軽減し、かつ、申請から交付までの時間短縮を図るため、中央卸売市場では、今年度、農水省など関係省庁と調整し、輸出証明書を一括して交付する窓口を10月下旬から市場内で運営することとしたところでございます。  これにより、輸出に携わる市場内事業者の手間を軽減するとともに、一括交付の利を生かし、輸出に関心を持つ産地の掘り起こしや集荷の拡大、品ぞろえの拡充につなげることができると考えております。  また、輸出に不慣れな事業者のために、複雑で煩雑な輸出証明書に関する事務をサポートするサービスを検討している卸売業者もおり、市場では、こうした官民一体の取組により、輸出事業に参入する事業者を増やし、輸出取扱額の増大に努めていきたいと考えているところでございます。 ◆藤田稔人 委員  札幌中央卸売市場において、10月下旬からワンストップで輸出証明書が交付できるようになるということは、輸出に取り組む事業者の利便性が向上し、輸出取扱額が拡大していくことにもつながると期待しております。
     輸出が拡大していき、北海道・札幌産品を食べた方が海外旅行で北海道を訪れる、そして、札幌市の飲食店や小売事業者などの業績が向上する、さらには海外旅行で北海道を訪れた方がまた北海道・札幌産品を食べたくて輸出が拡大するというように、札幌経済の好循環を生み出していく取組をぜひともこれからも続けていただきたいと考えております。 ○北村光一郎 委員長  以上で、中央卸売市場事業会計の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、10月20日木曜日午後1時から、交通局及びスポーツ局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後3時21分...