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  1. 札幌市議会 2022-09-21
    令和 4年(常任)総務委員会−09月21日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    令和 4年(常任)総務委員会−09月21日-記録令和 4年(常任)総務委員会            札幌市議会総務委員会記録            令和4年9月21日(水曜日)       ────────────────────────       開 会 午後1時44分     ―――――――――――――― ○成田祐樹 委員長  ただいまから、総務委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  それでは、議事に入ります。  最初に、議案第13号 札幌市職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例案を議題といたします。  質疑を行います。  質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○成田祐樹 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  次に、討論を行います。  討論はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○成田祐樹 委員長  なければ、討論を終了いたします。  それでは、採決を行います。  議案第13号を可決すべきものと決定することにご異議ございませんか。
     (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○成田祐樹 委員長  異議なしと認め、議案第13号は、可決すべきものと決定いたしました。  ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後1時45分       再 開 午後1時46分     ―――――――――――――― ○成田祐樹 委員長  委員会を再開いたします。  次に、路面電車延伸検討結果の報告についてを議題とし、資料に基づき、理事者から説明を受けます。 ◎村瀬 都市計画担当局長  路面電車延伸検討につきましては、令和4年第1回定例市議会総務委員会におきまして、検討状況中間報告としまして、物理的な課題、それから、三つのルート収支採算性試算結果を報告させていただきました。  本日は、延伸検討を行っておりました全9ルートの結果がまとまりましたので、検討結果についてご報告させていただきます。  それでは、詳しい内容は公共交通担当部長柳沼からご説明させていただきます。よろしくお願いします。 ◎柳沼 公共交通担当部長  お配りしました資料に沿ってご説明をさせていただきます。  資料は3枚ございます。  それでは、資料の1枚目、1 路面電車延伸検討の経緯をご覧ください。  札幌市では、平成22年に札幌路面電車活用方針を策定し、路面電車事業経営基盤の強化やまちづくりへの活用を図るため、経営効率化利用者負担在り方と併せて、3地域対象延伸検討を進めるとしたものであります。  その後、平成24年には、札幌路面電車活用計画を策定し、路線ループ化の実施や低床車両導入のほか、今後の展開として、3地域への延伸検討を行うとしております。  平成27年には、この活用計画を受け、薄野と大通を結ぶループ化部分を開業し、新型コロナウイルス感染拡大前の状況になりますが、1日当たり約2,000人の利用増が見られたところでございます。  続きまして、資料右側の2 3地域まちづくりの動向についてご説明いたします。  写真にありますとおり、都心地域創成川以東地域では、北海道新幹線札幌延伸を見据えた開発などが進められ、桑園地域では、医療機関文化施設などが多く存在しております。  加えて、中段右側の図のとおり、延伸検討地域の将来人口推計では人口増加が見込まれており、公共交通需要のポテンシャルが高い地域であると考えているところでございます。  続きまして、資料右側下の3 検討対象ルートをご覧ください。  都心については、既設の西4丁目停留場を起点とし、札幌駅方面に向かう3ルートとして、札幌駅前通、西3丁目線と西2丁目線、そして、創成川を渡って東2丁目線と東3丁目線を設定しております。  また、創成川以東地域については、北3条通のみを想定しまして、都心ルートとの組合せで3ルートを設定しております。  最後に、桑園地域につきましては、西15丁目停留場を起点とし、JR桑園駅方面に向かう3ルートを設定いたしました。  以上の9ルート対象道路状況採算性について検討を行っております。  続きまして、資料2枚目左側の4 検討対象ルートに係る主な課題をご覧ください。  (1)沿線土地利用への影響をご覧ください。  路面電車ループ化については、路面電車の性能から、どうしても大きく曲がらなければならず、交差点のレール曲線部では歩道に支障する箇所が出てまいります。このため、歩道の幅員を確保するため、角地の民地の用地買収が必要となります。  また、右側の図のとおり、一方通行道路では、道路中央レールを設置した場合、自動車の車線変更課題があることから、サイドリザベーション方式を想定しておりますが、沿線には、ループ化区間と異なり、駐車場が多く、沿線施設への出入りに影響がございます。  次に、(2)道路交通経済活動への影響をご覧ください。  レールを新たに設置した場合、車線数の減少により、タクシー荷さばきなどへの影響のほか、バス路線と重なるため、渋滞も懸念されます。  次に、(3)収支採算性課題をご覧ください。  主な数字は表にまとめておりますが、具体的な試算結果は資料3枚目に記載しておりますので、そちらを用いてご説明いたします。  資料の3枚目をご覧ください。  資料2、1 試算条件と書かれたところをご覧ください。  ここでは、三つの試算条件についてまとめております。  まず、一つ目の条件の需要予測についてです。  現在の路面電車事業では、新型コロナウイルス感染拡大により、他の公共交通機関と同様に乗車人員が減少している状況ですが、今回の需要予測では、コロナ禍前の利用状況需要予測を行っております。  次に、2点目の単年度収支につきましては、路面電車事業では上下分離方式を採用しておりますが、それらの収支を合算して試算をしております。  最後に、3点目の初期投資につきましては、ループ化事業と同様に国の補助制度活用して税負担により整備を行うと仮定し、収支採算性試算では初期投資影響がないようにしております。  次に、2 都心地域試算結果、右側にあります3 都心地域創成川以東試算結果、その下の4 桑園地域試算結果、それぞれで各検討対象地域別試算結果をまとめております。  2 都心地域試算結果の表1をご覧ください。  棒グラフが単年度収支折れ線グラフ累積欠損金となっております。  全てのルートにおいて単年度収支の赤字が継続し、これに伴い累積欠損金が増加していく傾向となっております。この傾向は、都心地域創成川以東桑園地域におきましても同様の結果となっております。  続きまして、資料を1枚お戻りいただきまして、右側の5 検討結果のまとめをご覧ください。  まず、(1)課題に対する対応策の例示をご覧ください。  沿線土地利用への影響に対しましては、用地買収の対応が考えられます。  次に、道路交通経済活動への影響に対しましては、交差道路タクシー荷さばきベイを整備することや、道路拡幅による車線数の確保の対応が考えられます。  最後に、収支採算性課題につきましては、利用促進の取組や運賃体系見直し考えられます。  これらの課題対応例を踏まえ、(2)総合的な評価と結論をご覧ください。  まず、1点目といたしまして、土地利用への影響などに対しましては、多数の地権者と協議、調整が必要となり、多大な時間と費用を要します。  また、2点目として、沿線駐車場利用など、土地利用への制限が生じます。  3点目に、採算性については、最も有利な条件で試算をしているため、実際の収支は悪化する可能性が高いと考えております。  4点目に、こうした状況から、このまま延伸をした場合、既設線経営への影響が懸念されるところであります。  以上のことから、路面電車延伸を行うことは極めて困難な状況にあると考えております。  次に、(3)今後の展開をご覧ください。  検討対象地域につきましては、需要予測人口増状況から、地域住民ビジネス客観光客など、多くの方が公共交通利用する可能性があります。  このため、新幹線開業を見据えた札幌駅周辺の開発などを受け、都心まちづくりを支える交通体系の構築が必要と考えております。  あわせて、都心に限った課題ではありませんが、少子高齢社会運転手不足新型コロナウイルス影響などによる利用者減など、昨今の社会情勢への対応に加え、脱炭素社会の取組を踏まえて、持続可能な公共交通が必要と考えております。  これらのことから、様々な新技術導入を視野に、新たな公共交通システム有用性の検証を進めてまいりたいと考えております。  今後は、社会実験として、AI活用したデマンド交通システムなど、運行に係る技術の検証を進め、また、持続可能な公共交通の実現に資する新技術として、水素燃料車両などの環境配慮型車両導入も視野に検討を進めてまいりたいと考えております。  最後に、既存路面電車活用につきましては、引き続き都心まちづくり活用していきたいと考えており、今後、路面電車活用計画見直しを予定しているところでございます。 ○成田祐樹 委員長  それでは、質疑を行います。 ◆松井隆文 委員  ただいまの報告につきまして、路面電車延伸検討につきましては、レール敷設による道路交通への影響、また、採算性課題などを踏まえますと、総合的な評価として、延伸を行うことが困難であるという結論でありました。しかし、延伸断念で終わりということではなくて、今後の展開として、都心における次世代公共交通として、新たな公共交通システム検討を進めるということでありました。  そこでまず、質問をさせていただきますが、新たな公共交通システムにつきまして、様々な新技術導入を視野に入れるということでありますけれども、具体的にどのような技術導入考えているのか、また、それらの導入によってどういった効果が期待されるのかについてお伺いいたします。 ◎柳沼 公共交通担当部長  新たな公共交通システム導入検討技術とその効果についてお答えいたします。  路面電車延伸検討によって明らかとなった様々な課題を解決する方法として、新技術導入を視野に、レールや架線のない新たな公共交通システム検討を進めていく考えであります。  具体的には、運行エリア需要に応じて、AI活用したデマンドシステム導入により、利便性向上運行効率化が図れるものと考えております。  また、次世代公共交通を目指す観点から、持続可能性に資する技術を生かした水素燃料車両などの環境配慮型車両導入により、脱炭素社会実現への貢献も考えているところでございます。 ◆松井隆文 委員  新たな公共交通システム検討ということに当たっては、他の交通機関との連携によって利便性向上させるということが大変重要であるというふうに考えるわけですけれども、2030年度末の北海道新幹線札幌延伸というものを見据えて、札幌駅周辺の開発というのは日々進んでいる状況かと思います。この検討が遅れるということになると、他の交通機関との連携が悪くなったり、利用者にとって不便なものになるといったことも懸念されるわけであります。  そこで、伺いますが、時期を逃さずに速やかに新たな検討を進めていく必要があるというふうに考えますが、その点についてどのように捉えているのか、お伺いいたします。 ◎柳沼 公共交通担当部長  速やかに新たな検討を進めていく必要性についてお答えをいたします。  札幌駅周辺など、都心とその周辺部においては、新幹線開業や再開発に伴い、ビジネス客観光客のほか、新たな商業施設を訪れる来街者によって、公共交通利用者は増加するものと期待しているところであります。このため、新幹線開業までに新たな公共交通システム運行を目指す必要があると考えております。  現在は、路面電車延伸検討によって明確となった様々な課題のほか、少子高齢社会などの社会情勢の変化を踏まえて、新たな公共交通システム導入すべき新技術社会実験実験内容について検討を進めているところであります。  今後、他の交通機関との連携を図りながら、利用者利便性回遊性を十分に考慮した検討を進めていく考えでございます。 ◆松井隆文 委員  今、ご答弁にありましたように、札幌のまちのこれからの100年を見据えて、今ある路面電車、また、路線バスタクシーとか、そういった公共交通の枠組みにとらわれない新たな公共交通システム検討、これにしっかりと軸足を移す時期であると、我が会派としてもそのように思うところであります。  公共交通というものは、市民生活にとって大変重要なものでありますし、また、構築すると長年にわたって利用されるものでもあり、そして、札幌のさらなる魅力向上にも直結するものであるという意識を持って、持続可能な公共交通システムの構築に向けてしっかりと取り組んでいただきたい、このことを求めまして、私からの質問を終わります。 ◆うるしはら直子 委員  私からは、大きく2点質問させていただきます。  まず1点目は、路面電車延伸検討の結論と既存路面電車活用について伺います。  これまで、札幌市では、2012年に策定しました札幌路面電車活用計画に基づいて、ループ化事業既設線機能向上の取組、また、上下分離などの経営健全化に加えて延伸検討を行ってきました。  このうち、路面電車延伸については、今回の報告によりまして、様々な課題があることに加えて、延伸による既存線経営への影響も懸念されることから、延伸を行うことが困難であると結論づけられました。  一方で、三つの地域対象に具体的な検討を進めることを決めた際には、路線延伸をすべきという表現で考え方が示されていたと認識しています。  そこでまず、質問ですが、延伸採算性について、路面電車延伸の具体的な検討を始めた当時と比べて今回の検討は何が違うのか、伺います。 ◎柳沼 公共交通担当部長  札幌路面電車活用方針時と今回の検討結果の違いについてお答えいたします。  平成22年策定の札幌路面電車活用方針において、3地域への延伸について具体的な検討を進めると決めております。  その当時は、路線延伸黒字化可能性があると想定しまして、経営基盤の強化やまちづくりへの活用を図るため、延伸すべきとの考えでありました。  一方、採算性については、現在は、電気料金建設資材などの物価上昇のやむを得ない状況の発生により、需要を上回る経費がかかるため、逆に延伸によって経営悪化が懸念される状況になったものであります。  なお、今回の路面電車延伸検討の結果につきましては、採算性課題に加え、レールを敷くことによる道路交通への影響なども含めて総合的な評価を行い、困難であるとしたものでございます。 ◆うるしはら直子 委員  検討を開始した当時から10年が経過しているということで、物価の上昇ですとか社会情勢も大きく変化した中ですから、採算の見込みが以前とは違う状況になったことは理解するところです。また、あわせまして、他の道路交通への影響などといった面でも困難だったというところで結論づけたということについても理解したところです。  ただ、現在の路面電車は、ループ化事業や低床車両導入が進められてきた結果、都心活性化にも寄与しておりますし、また、多くの方々に利用され、親しまれているわけですが、上下分離などの経営健全化に向けた取組にもかかわらず、新型コロナウイルス感染症影響などによって乗車人員の減少が継続するなど、厳しい状況にあります。  また、一方で、既存路面電車の存在は札幌市の魅力や価値を高めていることからも、今後ともまちづくり活用していく必要があると考えます。  そこで、質問ですが、今回の路面電車延伸検討結果を踏まえ、先ほども少し説明がありましたけれども、改めて既存路面電車活用についてどのように考えているのか、市の考えを伺います。 ◎柳沼 公共交通担当部長  既存路面電車活用についてお答えいたします。  既存路面電車につきましては、既存社会資本を最大限活用する観点から、引き続きまちづくり活用してまいりたいと考えております。  このまちづくり活用に当たっては、これまでの札幌路面電車活用計画に基づく取組や路面電車延伸検討結果、現在の乗車人員状況などをしっかりと踏まえ、活用方策検討する必要があると考えております。  今後は、交通事業者と連携を図りながら、既存路面電車について、まちづくりへの活用方策と健全な経営の確立に向けた方策を整理し、路面電車活用計画見直ししてまいりたいと考えているところでございます。 ◆うるしはら直子 委員  札幌市の路面電車活用計画については、ループ化の実施や、また既設線機能向上の実施などが記載されていることに加えて、今後の展開としては、延伸検討を行うことが記載されていることから、このたびの延伸検討結果を踏まえた上で見直しが必要であると思います。  また、同活用計画見直しに当たりましては、先ほども申し上げましたが、策定から10年が経過しているということや、昨今の新型コロナウイルス感染症影響などによる経営状況の悪化など、社会情勢の大きな変化があったことも重要な視点であると考えるところです。  こうした現状を踏まえて、今後の札幌路面電車活用計画見直しに当たりましては、既存路面電車についてどのように活用していくのか、また、将来にわたって維持していくためにどのように経営健全化を図っていくのか、交通事業者も含めて十分に協議と検討を行い、整理することを会派として強く求めて、この質問を終わります。
     2点目に、新たな公共交通システム検討について伺います。  今後の展開としまして、また、新たな公共交通システム検討については、様々な新技術導入を視野に、その有用性の検証を進めるとのことでありました。  新たな公共交通システムについては、誰もが利用しやすいサービスの提供は当然の視点ですが、この移動手段を生かしてまちづくり活用していくことが重要であることから、新たな移動の概念であるMaaSに注目をしております。  MaaSとは、移動ニーズに合わせて各公共交通シェアサイクルなどの移動サービスを最適に組み合わせて、検索ですとか、予約、決済などを一括で行うサービスでして、人の移動に革命を起こすとも言われているまさに次世代移動の概念で、国外でも普及が広がっているところです。  また、移動目的に関連したサービスとの組合せ、例えば観光チケットの購入などとも組み合わせることが可能であり、移動利便性向上外出機会の創出などの地域課題解決にも資するものと考えられています。  そこで、質問です。  新たな公共交通システム検討に当たっては、単にデマンド交通などの運行形態を採用するだけではなく、MaaSの実現も見据えながら、まちづくり活用する視点を持って検討を進めるべきと考えますが、市の考えを伺います。 ◎柳沼 公共交通担当部長  新たな公共交通システムにおけるMaaS検討まちづくりへの活用についてお答えいたします。  新たな公共交通システム検討につきましては、都心まちづくりを支える次世代公共交通体系構築に向けて、様々な視点を持って進めてまいりたいと考えております。  また、移動利便性向上などに資するMaaSについては、学識経験者に意見を伺うことや他都市の先進事例を参考にすることなど、具体的な検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆うるしはら直子 委員  ぜひとも積極的に検討していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  最後に要望です。  先ほど路面電車方向性も含めてですけれども、今後の公共交通在り方については、人口減少はもとより、市民の生活スタイルの変化など、様々な角度から検討することが必要と考えます。  ただ、今後は、高齢化がさらに進むことを考えますと、公共交通の維持やさらなる充実を期待する声が大きいのも現状です。路面電車延伸の可否にかかわらず、その点については、新たな公共交通システムを含めたさらなる検討を求めますとともに、常に利用する市民の視点を念頭に置きながら、柔軟な検討をトータル的に行うことを求めまして、私の質問を終わります。 ◆くまがい誠一 委員  ただいまご説明いただいた中で、今後の展開として、新たな公共交通システム導入検討に関して、都心部におけるAI活用したデマンド交通システムなどの有用性を確認していくとのことでございました。  デマンド交通システムについては、定時・定路線型の交通とは異なり、一定のエリアの中を利用者ニーズに応じて柔軟に運行するものであります。  札幌市の都心部においては、地域住民だけではなく、観光客や来街者も多いことから、それぞれの利用形態に伴い乗降ポイントが分散することが想定されるため、各利用者需要に応じて毎回異なるルートの走行が必要になるなど、運行管理が複雑になることが考えられます。  AI活用したデマンド交通システムは、この複雑な運行管理を効率的に行うことができ、利用者だけではなく、運行事業者に対しても利便性の高い運行形態となると認識しております。  一方で、デマンド交通は、全国的には郊外部における活用事例が多く、利用者事前予約が必要であることや、他都市の事例によっては、事前予約の期限が前日までと設定されることなど、利用者にとって利便性が高いと言い切れないものもあると聞いております。  そこで、質問ですが、札幌市の都心部で今後検討するAI活用したデマンド交通システムに関して、予約システムはどのようなものを考えているのか、お伺いいたします。 ◎柳沼 公共交通担当部長  新たな公共交通システムにおける予約システムについてお答えいたします。  デマンド交通は、その導入により、車両や運行に関わる人員の抑制などにより効率性が高まることや、利用者利用動向に合わせることで利便性向上につながることが期待されます。  このデマンド交通予約システムについては、利用者利用希望に対してリアルタイムに配車を行うなどの手法もあることから、札幌都心部という特性を踏まえて、地域住民に加え、観光客ビジネス客も含めた様々な利用者を想定した上で検討を行う必要があると考えております。  予約システムの具体的なサービス水準につきましては、今後、札幌都心部にふさわしいものを目指して整備を行い、社会実験において検証してまいりたいと考えているところでございます。 ◆くまがい誠一 委員  移動に関するサービス水準考える上で、ICTの発達を背景に生まれた次世代移動サービスMaaSが重要であり、MaaSが実現すれば、地域住民旅行者一人一人の移動ニーズに対応して移動サービスを最適に組み合わせて、検索、予約、決済などを一括で行うことができ、利便性が高まることが期待されます。  今後、札幌市の都心部デマンド交通導入する上では、MaaSの実現を目指し、観光客インバウンド復活を見据えて、予約システムだけではなく、利用しやすい決済方法考えていく必要があります。この決済方法についてはキャッシュレス化が重要であり、例えば、クレジットカードやICカードスマホQRコードによる方法などがあります。  そこで、質問ですが、今後検討を進める新たな公共交通システムについて、どのような決済方法導入する考えか、お伺いいたします。 ◎柳沼 公共交通担当部長  新たな公共交通システム決済方法についてお答えいたします。  新たな公共交通システムについては、新幹線開業に伴い、ビジネス客観光客も見込まれることから、様々な利用客に対して利便性が高いことが重要と考えております。  このため、決済方法についても、地域にお住まいの方をはじめ、仕事や買物、観光でお越しの方にとってより利便性の高いものを目指して、先進的な取組を行っている交通事業者を参考に検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆くまがい誠一 委員  デマンド交通は、予約から決済までまとめて処理できるMaaSの要素も取り入れることで、非常に利便性の高いものになることが期待されることから、様々な新技術を参考にしてMaaSの実現に向けて検討を進めていただくことを求めて、私からの質問を終わります。 ◆田中啓介 委員  本市の路面電車は、市街地の拡大や人口の増加を支えて、市民の足として本市の発展に大きく貢献してまいりました。  ただ、地下鉄の開業などで乗客数の減少などによる採算性課題から、存続が危ぶまれてまいりましたけども、沿線住民などの市民の強い要望、また、まちづくり活用可能性を踏まえて、中量輸送機関として、路面電車の存続が、今、決定されてきております。  その後、説明の中でもありました学識経験者からの提言を踏まえた札幌路面電車活用方針が策定され、札幌路面電車活用計画によって、延伸の第一歩としてループ化が実現、それ以前より乗客数が増えるなど、多くの市民に利用されてきております。  路面電車延伸検討する上で、収支採算性などは重要な観点ではあると思いますが、やはり、路面電車が整備されることによっての利点についても重要な観点だというふうに思っております。  例えば、路面電車の軌道、レールがもたらす効果として、行き先が分かりやすいことで、市民はもちろん、観光客などにとっても利用しやすく、また、気候危機対策が急がれる中での路面電車は、排気ガスが出ないなど、環境保全対策に大きな役割を発揮するという点があります。  延伸を望む多くの市民は、こうした路面電車の軌道がもたらす効果や優位性があることから、延伸をしてほしいと望んでいると思います。  そこで、路面電車の軌道があることの効果や優位性について、本市はどのように認識されているのか、伺います。 ◎柳沼 公共交通担当部長  路面電車レールがもたらす効果や優位性に対する認識についてお答えいたします。  路面電車については、レール停留場の施設が土地カンのない観光客などにも地域の目印となるなど、路線や行き先の分かりやすさがあると認識しております。  一方、路面電車延伸については、検討を行った結果、レールを敷くことによる道路交通への影響採算性など様々な課題があり、また、路面電車事業持続可能性を踏まえて、総合的な評価、結論として、延伸を行うことは難しいとの結果になったものでございます。  今後は、従来の路面電車による延伸は困難ではありますが、引き続き新たな公共交通システム検討を行うこととしており、地域の足の持続的確保に向けて、将来の地域状況に配慮しながら検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆田中啓介 委員  将来を見据えて新たな公共交通システム検討などを進めるということですけれども、先ほどの質疑のやり取りの中でも、新技術というものの開発、また、それを実用化していくとなると、やはり一定の時間はかかってまいります。  一方、路面電車というのは、積雪寒冷地の札幌市にとって、本当にとても誇りに思えるようなものであったのが、昨冬の大雪のときに、まさにJRとかバス、タクシーなどが、何日も終日運休、減便、大幅な遅延をし、本当に市民の生活、社会経済活動に多大な影響を与えた中で、路面電車は、ササラ電車などで既存の除雪をしっかりと行っており、若干の遅延はあったものの、運行し続けてきました。本当に非常に優秀で頼りになる交通機関です。ほとんどの公共交通がストップしていたあの大雪で運行を守ったことは、まさに誇るべきことだというふうに思います。  あわせて、レール、軌道上というのは、路面電車しか走りませんので、渋滞に巻き込まれない定時性が確保される特性、優位性があります。さらに、路面電車は、レール、軌道があることで、観光客や、先ほどの答弁の中にもありましたけれども、土地カンのない方などにとっても、この市電がどこに行くのかも含めて、とても分かりやすく、また、乗ったときにも安心感が得られることに加えて、上下移動がほとんど必要なく、子どもから高齢者、障がいのある方、誰にとっても乗りやすく優しい公共交通機関です。  路面電車には多くの利点があることから、路面電車延伸については、地域の重要な移動手段を確保する取組や、環境、また、市民に優しく、安心・安全な路面電車札幌市のまちづくりに生かす取組として重要だというふうに思います。  そこで、伺いますが、市民にとっての分かりやすさや定時性の確保など、軌道を持つ路面電車の特性が生かされる必要があると考えますが、この新たな公共交通システム路面電車延伸の代替になり得るのか、伺います。 ◎柳沼 公共交通担当部長  新たな公共交通システムによる路面電車延伸の代替性についてお答えいたします。  新たな公共交通システムについては、路面電車延伸課題に加えて、大きく変化する社会情勢や環境問題への対応も踏まえた次世代公共交通として検討を進める考えであります。  このため、人や環境に優しい路面電車の利点を生かしながら、利便性が高く、持続可能な公共交通となるよう検討を行い、延伸検討を行った地域を含め、都心やその周辺部における適切な公共交通体系の構築につながるものにしていきたいと考えているところでございます。 ◆田中啓介 委員  今、答弁にあった新たな交通システムとは、実際にその車両がどんな形状、どんな大きさのものなのか、軌道が敷設された路面電車のように定時性が確保できるものになっていくのか、乗り降りのしやすさ、環境負荷についてはどうか、そして、それが開発され、実用化されるのは本当にいつなのか、どれも不確実であり、これなら路面電車延伸よりいいものだというふうにはなかなか言えるものではありません。  本市は、2030年をめどに、北海道新幹線札幌延伸札幌駅前の民間ビルなどの再開発で交通量が現状より増え、1日当たり1万4,000台以上増えると見込んでおります。それに伴って、人もやはり多く集まってくることも十分想定されます。さらなる環境負荷や交通渋滞の懸念もあります。その新たな交通システムがそれらを解決できるという保証はありません。  それよりも、例えば、資料にもあります最も近い、短い距離の駅前通、札幌駅をつなぐ都心ルート3は、市民も観光客も大通公園やJR札幌駅を行き来しやすくなるということはもちろん、狸小路や薄野、藻岩山などを含め、市内を乗り継ぎせずに周遊できるようになっていきます。  利便性などが上がることで乗車人数が増える、これは路面電車ループ化によって乗車人数が当初の見込みを上回って増加したという実績もございます。路面電車は、採算性が取れないなどを理由に延伸しないということではなくて、市民の足である大切なインフラであり、公共交通として重要なもの、市民にとって誇れるすばらしい財産として、本市が補填をするなどして、市民の合意をつくりながら、軌道を伸ばすことを検討していくべきと申し上げて、質問を終わります。 ○成田祐樹 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○成田祐樹 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後2時25分...