札幌市議会 2022-03-10
令和 4年第二部予算特別委員会−03月10日-05号
令和 4年第二部
予算特別委員会−03月10日-05号令和 4年第二部
予算特別委員会
札幌市議会第二部
予算特別委員会記録(第5号)
令和4年(2022年)3月10日(木曜日)
――
――――――――――――――――――――――――――――――――
●議題
付託案件の審査
●
出席委員 32名(欠は欠席者)
委 員 長 小 竹 ともこ 副委員長 成 田 祐 樹
委 員 三 上 洋 右 委 員 鈴 木 健 雄
委 員 勝 木 勇 人 委 員 長 内 直 也
委 員 よこやま 峰子 委 員 北 村 光一郎
委 員 飯 島 弘 之 委 員 伴 良 隆
欠 委 員 松 井 隆 文 委 員 村 松 叶 啓
委 員 小 田 昌 博 委 員 藤 田 稔 人
委 員 小 野 正 美 委 員 大 嶋 薫
委 員 峯 廻 紀 昌 委 員 山 口 かずさ
委 員 林 清 治 委 員 岩 崎 道 郎
委 員 うるしはら直子 委 員 あおい ひろみ
委 員 水 上 美 華 委 員 國 安 政 典
委 員 好 井 七 海 委 員 わたなべ 泰行
委 員 小 口 智 久 委 員 くまがい 誠一
委 員 小 形 香 織 委 員 太 田 秀 子
委 員 佐々木 明 美 委 員 長 屋 いずみ
委 員 佐 藤 綾
――
――――――――――――――――――――――――――――――――
開 議 午前10時
――――――――――――――
○
小竹ともこ 委員長 ただいまから、第二部
予算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、
松井委員からは欠席する旨、こじま委員からは
北村委員と、
川田委員からは伴委員と、
竹内委員からは
小口委員と、
村上ひとし委員からは
太田委員と交代する旨、それぞれ届出がありました。
それでは、議事に入ります。
最初に、第3款
保健福祉費 第5項
健康衛生費について質疑を行います。
◆
水上美華 委員 質問に入ります前に、明日、3月11日で
東日本大震災から11年を迎えます。改めまして、お亡くなりになられた方々に心からお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
皆さん、それぞれに様々な思いをお持ちかと思います。私も、明日、心の中でしのばせていただきたいと思います。
それでは、質問に入らせていただきます。
私からは、
子宮頸がん対策についてと、妊娠に不安を抱えた方への
相談体制について、大きく2点お伺いをいたします。
初めに、令和4年度、2022年度に予算計上されております
子宮頸がん検診の未受診者を対象にしたHPVの
自己採取検査について質問いたします。
子宮頸がんは、ほかのがんと比べて早い年齢から罹患者が増え始めるため、本市では、国の指針に基づいて、20歳から
子宮頸がん検診を受診できる体制を整えております。 2019年の
国民生活基礎調査によりますと、この
子宮頸がん検診の受診率は、
全国平均が43.7%となっておりますが、北海道全体ではありますけれども、全国で46位の37.8%と低い状況にあり、受診率は全体で3割を超えてはおりますが、年齢が下がると極めて低い現状にございます。
特に、25歳未満の若い年齢の方の中には、就学や就労により、日中に病院で
がん検診を受診することが難しく、
受診そのものに抵抗感があるなどの理由で未受診のままになってしまっている方が一定数いると推察いたします。
そのため、女性の
がん対策を進める際には、単に受診を勧奨するだけではなく、こうした理由に寄り添いながら検診をすることが何よりも重要であります。
今回の事業は、未受診者に直接アプローチして、検診の必要性を周知できるだけではなく、
自己採取という方法を採用することで時間や心理的な障害を取り除いて検査ができるという点が評価できるものと考えております。
この状況に鑑みまして、私
ども会派では、2020年の
予算特別委員会で、本市でも
子宮頸がんワクチンの
積極的勧奨を控えた2013年6月以降に、
接種年齢を迎えた女性を中心に
子宮頸がんリスク検査キットを送付し、
発がん性HPVに感染していないかどうかを調べる
検査体制を導入すべきではないかと提言をさせていただいております。
このたび、
子宮頸がん検診の未受診者を対象にしたHPVの
自己採取検査の事業に新しく取り組むことに一定の評価をしているところであります。
そこで、質問ですが、現時点で予定している事業の対象者、
対象人数、実施時期等、概要についてお伺いいたします。
◎秋野
成人保健・
歯科保健担当部長 子宮頸がん検査のご質問につきましてお答えをいたします。
現時点で予定をしております事業の対象者、
対象人数、実施時期についてでございますが、対象者につきましては、札幌市
子宮頸がん検診の未受診者のうち、
専門医等による
検討部会におきまして、未
受診者対策として適切な年齢であるとのご意見をいただいた25歳の方を対象に実施をしてまいりたいと考えております。
対象人数は約8,200人と想定をしており、これらの方におおよそ夏頃を目途に検査の案内と申込みの受付を始めることを予定しております。
対象者には、
職場検診など、自治体以外の
がん検診を受検されている方も含まれておりますため、他都市での
先行事例の受検率は約7%となっておりまして、札幌市での
受検者数は約600人になると想定しております。
検査申込みのあった方に
検査キットを郵送いたしまして、自宅で
自己採取をした検体を
検査機関に送付していただき、検査の結果、
HPV陽性が確認された方に対しまして、札幌市
子宮頸がん検診の
受診勧奨を行う予定としております。
◆
水上美華 委員 事業の開始時期、そして、想定している
対象者数、実施時期等の概要については理解をいたしました。
事業の成果を最大限にするために準備を進めていただきますようお願いいたします。
次に、検査の内容についてお伺いいたします。
私自身、以前、HPVの
検査キットというものが出たということで、体にどの程度の負担があるのか、使用してみたいと思いまして、
自己負担で買いまして、受診をしたことがあります。
その結果、陽性、プラス、ポジティブという結果が封書で届きまして、大変驚いた経験がございます。正直、自分はどこかで大丈夫だろうと思っておりましたので、すぐに産婦人科で受診をしたところ、私の場合は、幸いなことに、リスクが少ないHPVであることが分かりまして、全く心配がないと言われた経験がございます。
現在、このHPVの
検査キットは様々ございます。どのようなものを使用していくのか、気になるところであります。検査を受けたり、関心のある方であれば、HPVは女性の多くが感染する一般的なウイルスであることや、
子宮頸がんのリスクが高まるのはHPVの中でも
ハイリスクとされる一部の危険な型に長期間感染した場合であることを知っているとは思いますけれども、そうでない多くの方は、陽性と判定されたら、たとえ、それが問題のないHPVだったとしても、ショックを受けたり、混乱したりすることが懸念されます。
これを防ぐためには、HPVについて正しい知識を持ってもらうことと、陽性の判定を慎重に行っていただき、通知の際、受診者が必要以上に不安を感じないようにする対応が求められると考えております。
そこで、質問ですが、検査結果により不安や混乱を招くことがないよう、どのような
判定方法による検査を行うつもりなのか、また、
検査案内や結果を通知する際にどう対応するものであるのかをお伺いいたします。
◎秋野
成人保健・
歯科保健担当部長 検査方法と結果通知の対応についてお答えをいたします。
ただいまご指摘がございましたように、HPVにつきましては、100から200ほどの型があると言われております。そのうち、
子宮頸がんの罹患につながるリスクのあるHPVはその一部の型でございまして、また、ほとんどは、感染いたしましても、免疫により自然に体外に排出されるものでございます。
そのため、今回の札幌市の実施をいたします
検査方法につきましては、他都市の
先行事例を参考にいたしまして、リスクの高いHPVの型の感染のみを陽性と判定する手法を用いる予定でございます。
検査の案内や結果通知を行う際にも、
HPV感染の特徴を丁寧に周知いたしまして、HPVについて深く理解をしてもらえる
環境づくりを行うことで、不安や混乱を防ぐよう努めてまいりたいと考えております。
また、陰性の方につきましても、今後の感染の可能性もありますことから、定期的な
子宮頸がん検診の
受診継続の必要性をしっかり伝えてまいりたいと考えております。
◆
水上美華 委員 使用される
検査キット、さらには、その後の対応については了解いたしました。
検査を受けた方が不安を感じないよう、正確な判断の対応をお願いいたします。
先ほど、
対象者数が8,200人で、
検査実施者が約600人と想定しているとのご答弁でございましたが、今回の検査を一人でも多くの方に受検していただき、必要な方が
子宮頸がん検診を受診し、
子宮頸がんの
早期発見、
早期治療につながっていくことが必要と考えます。
そこで、質問でございますが、想定より多くの方が申し込まれた場合、全員に検査を受けていただくためにどのような対応を検討しているのか、お伺いいたします。
◎秋野
成人保健・
歯科保健担当部長 今回の事業につきましては、
子宮頸がん検診の未
受診者対策として実施をするものでありまして、検査未受診者を定期的な
がん検診受診に結びつけることを目的にしておりますので、検査を希望する方が
全員検査を受けられるよう対応することは重要と認識しております。
想定している人数以上に
検査希望者がいた場合におきましても、
希望者全員が検査を受けられるよう、
実施体制の整備に努めてまいりたいと考えております。
◆
水上美華 委員
希望者全員が受けられる体制ということで、よろしくお願いいたします。
日本では、年間約1万1,000人の女性が
子宮頸がんに罹患し、約2,800人が死亡しております。また、40歳までの女性のがんによる死因では、1位の乳がんに次いで2番目となっております。
定期的に検診を受ければ、がんになる過程の異常やごく早期のがんの段階で発見できることが多く、
経過観察や負担のない治療で済むことにつながります。検診を受けやすい
環境整備は、
子宮頸がんの
早期発見に有効的ではありますが、
子宮頸がんの予防になるわけではありません。
そんな中、2013年6月から、
子宮頸がん予防ワクチンの
積極的接種の勧奨が控えられておりましたけれども、今年の4月から
積極的接種の勧奨となります。
厚生労働省によりますと、
子宮頸がん予防ワクチンは、
子宮頸がん全体の50%から70%の原因とされている2種類のHPVに90%以上予防できると報告されており、
子宮頸がんの
予防効果に期待をしております。
しかし、この
ワクチンも、
予防効果は100%ではないことや、
ワクチン自体に抵抗がある方、身体的な理由があり受けられない方、さらには、副反応に不安がある方など、様々な理由により、
子宮頸がんワクチンを接種できない方もいらっしゃいます。
私は、この
子宮頸がん対策の有効な手段として、まず、この予防につながる
ワクチンの接種と同時に、
早期発見につながる検査の双方が必要であると考えております。
国からは、
ワクチンの
積極的接種の
勧奨再開に関して、これまで9年間の空白を遡及するため、キャッチアップの対策が打ち出されておりますが、まだ方向性の詳細が見えない中ではあります。
迅速に詳細が出てきたときには対応できるように、これまで接種されてきた方のデータの管理、保管、こちらが大変重要になってくるかと思いますので、しっかりと努めていただき、今後、対応できるように準備を整えていただきたいと思います。
今回の事業で、一人でも多くの方を
子宮頸がん検診に結びつけられるよう、しっかりとした実施をお願いいたします。
また、このたびの事業は、
アクションプランに位置づけて計画していたものだということで、令和4年、2022年度の単
年度事業と伺っておりますが、女性の
がん対策として実効性のある検査だと考えておりますので、令和5年度、2023年度以降の継続を見据えて進めていただくよう要望いたしまして、この質問を終えさせていただきます。
次に、妊娠に不安を抱えた方への
相談支援体制についてお伺いいたします。
妊娠に悩む方に対する
相談支援体制の整備は、
児童虐待を未然に防ぐだけではなく、不安を取り除き、安心して出産を迎えられる環境を整えるためにも、妊娠する状況にある全ての女性にとって重要な取組であります。
このような認識から、私は、昨年、第3回定例会の
代表質問や
決算特別委員会においても、妊娠に不安を抱えた方への支援について取り上げさせていただきました。
昨年の
代表質問では、町田副市長から、専用の
相談窓口の開設についての検討や
医療機関等の
連携強化に取り組んでいくと答弁をいただき、
決算特別委員会では、
相談支援体制の
充実強化を図るため、
行政機関や
医療機関だけではなく、
若者支援などに取り組んでいる
民間団体等と連携し、相談者のニーズに即した専門職による窓口の設置について検討すると答弁をいただいたところであります。
このたび、令和4年度、2022年度予算案においては、妊娠に関する既存の
相談窓口の周知及び新たな行政による
相談窓口の設置に向けた検討に係る予算が
妊婦支援の強化として
児童虐待予防強化費に計上されており、大いに評価させていただきたいと思います。
妊娠が確定し、
母子健康手帳を交付した後は、妊婦健診の
公費負担制度や初
妊婦訪問事業など、数ある
母子保健事業の対象となりますが、これらの
母子保健事業につながらない妊婦から重大な
児童虐待事案が発生していることが少なくありません。
これは、国の
子ども虐待による
死亡事例等の
検証報告でも明らかになっており、全国的にも大きな課題となっております。
妊娠したかもしれない、病院に行かなければと思うが怖い、受診するお金もなければ中絶するお金もない、迷っているうちにどんどんお腹が大きくなっていく、誰にも相談できず、独りで悩みを深めている女性に手を差し伸べるためには、24時間365日、相談したいときに相談できる、対面や電話だけではなく、メールやLINEといったSNSを活用した
相談窓口の整備が重要と考えます。
そこで、質問ですが、妊娠に悩む方への
相談窓口の設置について、今後どのように進めていくのか、お伺いいたします。
◎田口
健康企画担当部長 妊娠に不安を抱えた方への
相談窓口の設置についてでございます。
札幌市による
妊娠専用相談窓口につきましては、実際に
相談事業を実施している
民間団体を含めた関係者による協議会を開催いたしまして、
意見交換を行い、設置に向けて検討を進めていきたいと考えております。
あわせて、悩みを抱える方が自ら探しやすいよう、
民間団体や
行政機関で行っている既存の妊娠に関する
相談窓口について、一体的に周知できるホームページですとか
広報媒体の作成を進めてまいりたいというふうに考えております。
◆
水上美華 委員 答弁にありました周知・啓発の部分についてですが、昨年の
特別委員会でも指摘いたしましたが、
民間団体では、この周知・啓発に関しても、札幌市がやっている事業なら協力できるけれども、
民間団体だと協力が難しいと断られる現状があると様々聞いておりました。
妊娠について、誰にも相談できずに独りで悩みを抱えている方に安心して相談できるという情報を届けるためには、民間だけでは限りがあるのも事実かと思われます。
そのような点からも、
相談窓口の周知は、行政の
ネットワークを活用し、
行政主導で行うべきであり、ぜひ、早急に一体的な
普及啓発を進めていただきたいと思いますし、期待をしております。
また、
相談窓口の設置については、現在、妊娠に関する
相談事業を実施している
民間団体等と検討し、今後、協議会を開催して進めていくという答弁でございました。
そこで、質問ですが、今後開催される協議会とは具体的にどのようなものなのか、お伺いいたします。
◎田口
健康企画担当部長 協議会についてでございます。
協議会のメンバーにつきましては、既に妊娠に関する
相談窓口を設置している
民間団体や
行政機関、
医療機関等を想定しております。
協議会におきましては、これらの
関係団体における
相談内容や対応などについて
情報共有を図るとともに、様々な角度から
意見交換を行い、札幌市として窓口を設置する際の課題を整理してまいります。
その上で、行政に求められる
相談窓口の在り方について検討していく考えであります。
◆
水上美華 委員 今後開催される協議会がどのようなものかは理解をいたしました。
協議会での議論が濃いものとなるように、また、2023年度、令和5年に何らかの事業として取組ができる結論が出るように大いに期待をいたします。
現在、既に市内で妊娠に関わる
相談窓口を開設している
民間団体からお話を伺いますと、昨年6月から今年2月までの間で441件の相談が寄せられ、中には、
出産直前でありながら、一度も妊婦健診を受けたことがないという緊急的な事例も幾つかあったと伺っております。
この団体では、
行政機関との連携はもちろんのこと、
医療機関とも連携をし、出産後の母子の居場所についても調整を行っております。
妊娠に関する相談と一言で言っても様々ですが、特に、産むか、産まないかに関しては、一度の相談で終わることはなく、産むや産まざるを得ないといった選択となった場合は、出産や育児に至るまで継続した支援が必要であります。さらに、産んでも自ら育てることができるのか、育てる意思があるのかどうかといった問題も考えられます。
妊娠に悩んでいる方への相談は、まさに妊娠、出産、育児の切れ目のない支援の入り口であり、その入り口だけを整えても、その後の支援まで一体的に実施できる体制でないと意味がないのではないかと思います。
自らSOSを出せない、発信する手だてが思いつかないような方がやっとの思いで相談してくれたその思いに寄り添い、今後も継続して住み慣れた地域で生活していけるよう支援していくことが望ましいと考えます。
そこで、質問ですが、妊娠に悩む方への
相談窓口の設置にとどまることなく、地域全体でしっかりと支援に取り組んでいく必要があると考えますが、考えをお伺いいたします。
◎田口
健康企画担当部長 妊娠に不安を抱えた方に対する地域全体での支援についてでございます。
委員がご指摘のとおり、単に
相談窓口を設置するだけではなく、民間の
相談支援機関や
医療機関、
教育機関等の
関係機関と
ネットワークを構築しながら、身近な地域で相談者を支えていくことが重要であるというふうに考えているところでございます。
独りで悩み、やっとの思いで
相談窓口にたどり着いた方々に対しまして、妊娠、出産、育児まで切れ目なく一体的な支援が提供できる
体制整備についても、併せて検討を進めていく必要があるというふうに考えております。
◆
水上美華 委員 産後のケアを含めて、しっかりと検討を進めていただきたいと思います。
私がこの
民間団体の方へ伺ったお話によると、今現在、高校生をはじめ、未成年からの相談が多く、中には、女性だけではなく、男性からも、彼女のもしかしてについての相談など、多数の相談が寄せられていると伺っております。
私は、あえて、これまで、妊娠に不安を抱える女性への支援についてではなく、妊娠に不安を抱える方への支援についてと質問をさせていただいております。
今後、検討が始まる
専用窓口にも、ぜひ、女性に限ったものではなく、誰でも妊娠に不安を抱えた方が相談できる場にしていただきたいと考えております。
昨年の
決算特別委員会で少しお話をさせていただきました、この
民間団体の
妊娠相談窓口に
緊急支援の連絡をしてきた女性は、ホテルに駆けつけた際には、もう破水をしていて、その後、病院に救急搬送されまして、帝王切開で出産、母子共に、ぎりぎりのところではありましたけれども、無事であった方であります。
その後ですけれども、
行政機関との連携はもちろんのこと、
医療機関とも連携をし、その方は、退院後、2か月間、この
民間団体で用意している
シェルター、
ファミリーホームのほうで生活をして、その後、
ファミリーホームを出てはおりますけれども、
当該団体による
安否確認が定期的に行われているところであります。
私は、この
民間団体が
相談窓口を開設される際に、妊産婦を受け入れる
シェルターを2部屋用意したというお話を伺っておりましたけれども、開設からこんなに早く活用することになるとは、正直、想像しておりませんでした。直近では、4月
出産予定の妊産婦がこの
シェルターの利用を検討している状況にあると伺っております。
生活に不安を抱えたまま出産をする方は、生活が安定するまで地域や
支援ネットワークで支える体制が必要であると強く感じたのと同時に、そのことが間接的に将来の
児童虐待を未然に防ぐ取組になると強く感じたところでもあります。
答弁のほうで、単なる
相談窓口の設置だけではなく、支援の
ネットワーク構築を図り、身近な地域で相談者を支えていくことが重要であり、妊娠、出産、育児の切れ目のない
支援体制の整備についても検討が必要だということでありました。全くそのとおりであります。単なる
相談窓口の設置にならないように、今後の取組の検討をしていただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
◆好井七海 委員 私からは、
健康寿命と
ヘルスケア事業についてお伺いいたします。
我が国では、1990年代に入り、
少子高齢化が進んでおり、札幌市におきましても、
生産年齢人口の減少がさらに進み、今後、本格的に
人口減少の局面に突入すると言われており、2040年には総人口が183万人になることが予想されております。
そのような中、
高齢者人口は、2040年頃にはピークを迎え、約4割が高齢者と、
人口構造がより大きく変化することが見込まれます。
国民の
平均寿命の延伸によりまして、人生100年時代が現実のものとなりつつあることを見据えて、誰もが生涯を通して健康で生き生きとした生活ができる社会の実現が求められておりまして、現在策定が進められております
次期戦略ビジョンでも、ウェルネス、健康が
まちづくりの重要概念の一つとされ、
健康寿命の延伸は喫緊の課題となっております。
2016年の
国民生活基礎調査を基にした札幌市の
健康寿命は、全国、他政令市と比較しましても短く、政令市の中で最も
健康寿命が長い浜松市と比較しますと、男性では1.85歳、女性では3.3歳短いという憂慮すべき結果でありました。
この
健康寿命は、
国民生活基礎調査に基づきまして、3年に一度、
健康寿命を算出していると聞いております。
そこで、質問ですが、最新の2019年の調査に基づく札幌市の
健康寿命の算出結果についてお伺いいたします。
◎秋野
成人保健・
歯科保健担当部長 健康寿命と
ヘルスケア事業のご質問についてお答えいたします。
2019年の
国民生活基礎調査に基づく札幌市の
健康寿命についてでございますが、札幌市の
健康寿命は、男性が72.08歳、女性が74.69歳でございまして、2016年の調査時に比較をいたしまして、男性は0.74歳、女性は1.8歳延びておりました。
全国との比較につきましても、2016年調査時、男性は0.8歳、女性は1.9歳、全国よりも短かったわけでございますが、2019年調査では、男性は0.6歳、女性は0.69歳と、その差は小さくなっております。
また、最も
健康寿命が長いほかの政令市との比較におきましても、男性は1.74歳、女性は1.96歳短い状況となっておりまして、その差は、2016年と比べて小さくなったところでございます。
札幌市では、2040年までに、2016年と比較いたしまして男女共にプラス3歳の
健康寿命の延伸を目指しております。
今後も引き続き、市民の
健康寿命の延伸に取り組んでまいりたいと考えております。
◆好井七海 委員 他の政令市との比較、また、
健康寿命のための今後の方向性は理解いたしました。
健康寿命の延伸のためには、全ての年齢層の市民の健康行動を促進するような取組が求められると考えます。特に、札幌市では、札幌市健康づくり基本計画、健康さっぽろ21の中間評価で、20代から50代の働く世代におきまして、目標達成が他の世代に比較して遅れていることが課題となっております。
私自身もそうですが、30代から50代は、健康への関心が高くないのか、働き盛りで自分は大丈夫というような根拠のない過信があったり、時間がなかったり、健康増進のための行動につながりづらい年代ではないかと思います。
札幌市においては、これらの働く世代の健康課題解決のために、企業などで働く方の健康意識向上、健康行動の継続に有効な要因などを明らかにするため、働く世代への健康増進アプローチ研究事業に取り組んでいるとのことですが、働く世代の健康増進は、企業などにおいて、労働生産性向上の効果をもたらすとされており、個人へのアプローチはもとより、企業などが主体的に従業員の健康増進に取り組むことが求められていると考えます。
一方で、札幌市内の企業は約9割が中小企業と言われておりまして、健康管理部門を備える大企業が少ないために、健康増進対策に企業独自で取り組めるところは非常に少ないのが現状です。
そこで、質問ですが、札幌市内の中小企業における健康増進対策に関する意識、また、取組状況についてお伺いいたします。
◎秋野
成人保健・
歯科保健担当部長 札幌市内の中小企業における健康増進対策に関する意識、取組状況についてお答えをいたします。
個人の健康増進には、個人要因への働きかけに加え、本人の意思や意欲を超えた環境要因への働きかけも重要と考えられることから、働く世代への健康増進アプローチ研究事業の実施に当たりまして、市内の中小企業の健康増進対策に関する現状調査を実施しております。
調査は、市内を本店所在地とする5,000社を対象に、令和2年2月にウェブによるアンケート調査を実施いたしまして、511社から回答を得たところであります。
調査結果を見ますと、従業員の健康診断結果などの健康状態をしっかり把握しているという企業は約9割でございましたが、業種により差があり、非常勤雇用の多い飲食サービス業等の業種では、健康状態の把握が比較的低かったといったような結果も明らかになっております。
また、従業員の健康課題といたしましては、運動不足の者が多いと回答した企業が49%と最も多く、次いでコレステロール値の高い者が多いが30%、喫煙者が多いが28%といった結果になっております。
従業員への健康増進に取り組んでいると回答いたしました企業は55%であり、取組内容としては、健診受診率100%に向けた取組が82%と最も多く、そのほかの取組としては、受動喫煙対策が35%、禁煙対策が23%、運動機会の増加に向けた取組が24%となっていたところでございます。
◆好井七海 委員 健康増進アプローチ研究事業の事前調査、また、健康調査の結果状況の把握という部分では、健康対策の状況について様々把握されているのだなということは理解いたしました。
従業員の健康課題として、運動不足の方が多いということを感じていながら、運動機会の増加に向けた取組については十分に行えていないことが課題であり、働く世代への健康増進アプローチ研究事業の中で効果的なアプローチ手法を明らかにしまして、行政のみならず、企業と連携・協働して働く世代の健康増進に取り組んでいただきたい。加えて、個人への健康増進のアプローチは大変重要となります。生活習慣病とかメタボリックシンドロームといった言葉が行き交うようになり始めた頃から、特に健康行動を取りづらい若い世代から健康への関心を高め、行動化につなげることが大切ではないかと考えます。
しかしながら、スポーツや運動となると、苦手意識を持つ人がおりますし、忙しくて時間が取れないなどの理由から取り組むことが難しいと思われます。毎日、体重を測定し、記録することが減量につながるという話も聞きますが、運動についても生活習慣の一部として捉え、全ての年齢層において、少しでも運動することを意識づけすることが
健康寿命延伸のためには必要ではないかと考えます。
そこで、質問ですが、
健康寿命延伸に向け、市民が少しでも運動することを意識し、習慣づけるよう、どう取り組むのか、お伺いいたします。
◎秋野
成人保健・
歯科保健担当部長 市民への運動の意識づけのための取組についてのご質問でございますが、健康を保持・増進し、
健康寿命の延伸のためには、運動の必要性について市民の意識を高め、日常生活の中で歩数を増やすなどの取組を行うことが重要と認識しております。
これまでも、身近にできる運動として、ウオーキングの推奨をしております。各区におきましても、ウオーキングマップの作成、
普及啓発を図っており、ウオーキングマップの配布はコロナ禍の中でも増加をしているところでございます。
また、昨年度からは、コロナ禍においてもできる取組といたしまして、全年齢層における身体活動量を少しでも増やすことを目的に、今より10分多く歩くことで1日の歩数を約1,000歩増やす、「歩こう☆プラス10分」をスローガンとした取組を実施しております。
多くの市民が身体活動の増加を意識できるよう、「歩こう☆プラス10分」をデザインしたデジタルサイネージやポスターによる
普及啓発に取り組むとともに、今後は、健康さっぽろ21推進に関する包括連携協定企業等と連携した取組の充実も図りまして、市民のさらなる
健康寿命の延伸を目指してまいりたいと考えております。
◆好井七海 委員 ウオーキングマップ、非常に楽しみにしております。
厚生労働省でも、「おうち時間で始めるコロナ下での『新・健康生活』のススメ」の中で、毎日プラス10分の身体活動を推奨しており、札幌市としても同様の趣旨で市民の身体活動を増やす意識づけに取り組んでいることが分かりました。
特に、これまでの歩数を1,000歩増やすという取組は分かりづらい部分もあったのですが、プラス10分という具体的な時間を示すことで、市民もより意識しやすいものになり、市民の身体活動の増加、
健康寿命の延伸につながることを期待します。
また、今後の少子化社会、また高齢化社会に伴う札幌市の健康を取り巻く現状は大変に厳しく、食生活から睡眠、運動、健診といった健康を取り巻く分野は多岐にわたります。また、体重とか血液検査といったことに目が行きがちで、どうしても忘れられがちで、なくなって一番後悔すると言われている歯と口腔の健康も言われておりますので、年齢を問わず、歯と口への意識啓発も忘れずに、
健康寿命の延伸、健康格差の縮小、健やかに産み育てるの全体の目標達成をするために、取組を推進していただくことを要望して、質問を終わります。
◆佐藤綾 委員 私からは、母子保健に関わり、産婦健診について、3点ほどお聞きいたします。
産婦健診は、産後鬱の予防や新生児への虐待防止などを図るため、産後間もない2週間、1か月などの時期に産婦に行う健診です。
大抵は、出産
医療機関で子どもの新生児健診と併せて行われております。
市内の病院を何件か調べましたところ、費用は大体5,000円以内となっております。
国においては、産後の初期段階における母子支援の強化のため、産婦健診、産後健康診査事業として、産後2週間と1か月について、2回分の助成、1回につき5,000円を上限に、2017年度から実施市町村に対し助成をしております。
これは、政令指定都市20市のうち15市で既に取り入れられておりまして、札幌市は後れを取っているところです。
そこでまず、札幌市の産婦健診の現状についてお伺いいたします。
◎田口
健康企画担当部長 産婦健診の現状についてでございます。
産婦健診は分娩取扱
医療機関におきまして実施されており、市内で分娩を取り扱う
医療機関は32件でございます。
産婦健診を
医療機関に委託し、
公費負担制度を導入するためには、
医療機関において、産婦の身体機能の把握のほか、ツールを用い、客観的に精神状態をアセスメントすることが不可欠とされております。
現在、このような取組を実施している
医療機関数につきましては、正確には把握しておりませんが、時間や人手がかかることから、あまり多くないのではないかと認識しております。
◆佐藤綾 委員 産婦健診に公費負担を導入するときに、私も、大分前ですけれども、産婦健診を受けておりますが、体のほうの健診があるということは覚えておりますけれども、精神状態についてもきちんと見ていくことが必要ということですね。
産婦健診の中で、特に産婦の精神状態の把握が重要であると言われております。産後に特有な精神状態や精神疾患には、マタニティブルーズと産後鬱病がありますが、特に気をつけなければならないのが産後鬱病です。
産後鬱病は、産後3か月以内に発症することが多く、発症の頻度は産婦の5%から10%程度と言われ、症状は、罪悪感や興味の喪失、過度な不安のほか、不眠や食欲低下といった身体的な症状も出るため、単なる産後の疲れと解釈されることも少なくありません。さらに、産婦自身も病気であるという自覚が乏しく、病院の受診や誰かにサポートを求めるという行動を起こしにくいこともあります。
このようなことから、周囲が産婦の変化に気がつかず、次第に悪化し、強い育児不安から来る育児放棄や虐待といった事態を招いてしまうことも考えられるとして、産婦の精神状態の変化を早期に把握し、必要な支援を行うことが極めて重要であるとされております。
そこで、お聞きいたします。
現在、札幌市における産婦のメンタルヘルスの対策は、いつ、どのように行われているのか、また、その結果について伺います。
◎田口
健康企画担当部長 札幌市における現在の産婦のメンタルヘルス対策についてでございます。
現在、札幌市におきましては、生後4か月までの乳児がいる全ての家庭に訪問を行う乳児家庭全戸訪問事業におきまして、保健師などが産婦にメンタルヘルス上の問題をスクリーニングするエジンバラ産後うつ病質問票を活用いたしまして、メンタルヘルスの問題を把握しているところでございます。
この訪問事業は、令和2年度では、約25%が生後1か月未満、残り約75%が生後1か月以降に実施しているという状況でございます。
また、令和2年度におきまして乳児家庭全戸訪問事業を実施した産婦のうち、78%の8,527名の方にエジンバラ産後うつ病質問票を活用いたしまして、そのうち、何らかのメンタルヘルスの問題を抱えていた方は20%の1,670名となっております。
これらの方に対しまして、再訪問等により緊急性を判断いたしまして、必要に応じて専門の
医療機関の受診を勧奨するなど、産婦の心身の負担軽減及び
児童虐待の未然防止に努めているところでございます。
◆佐藤綾 委員 4か月までの乳児の訪問事業は大変ありがたいと思うんですけれども、乳児家庭全戸訪問事業のうちの78%の中の20%もメンタル面で心配な方がいらっしゃったということなのですね。出産後、間もない時期が一番不安です。こうしたときに保健師から声がかかるとよいのですが、この訪問事業では、ほとんど、75%が産後1か月の産婦健診の後の期間に実施をされているという今のお答えでしたので、やはり、より早い時期に産婦の精神状態を把握し、適切な医療や支援につなげることが母子を守る重要な取組ではないかと考えます。
そこで、質問いたします。
札幌市においても産婦健診の公費負担に取り組むべきと考えますがいかがか、伺います。
◎田口
健康企画担当部長 産婦健診の公費負担についてでございます。
産後の精神の不調や産後鬱病を早期に発見し、支援につなげるため、出産
医療機関において、産婦の精神状態のアセスメントを行うことは、産後のメンタルヘルス対策において非常に意義のあることだと認識しております。
今後は、産婦健診時に精神状態のアセスメントを導入している
医療機関の実態を把握いたしまして、
公費負担制度における課題について明らかにしてまいりたいと考えております。
◆佐藤綾 委員 近隣市町村では、江別市、岩見沢市、千歳市では、既に公費負担を導入して産後健康診査事業を実施しておりますし、近隣市町村にお住まいの方も札幌の
医療機関で出産する方が多いのではないかと思うんです。先ほど、実態を把握していきたいということでしたけれども、札幌市がこうやって働きかけて取り組むことで、実施する
医療機関が増えるなどの波及効果もあるのではないかと考えております。
産後1週間から2週間という時期、2、3時間置きの授乳や睡眠不足などとともに、育児はうまくいっているのだろうかと、疲れと不安が入り交じる頃です。産婦健診で産婦の精神状態を把握することは母子を守る重要な取組であると思います。
先ほど、水上委員のほうからも、妊娠から出産、産後、育児までの切れ目ないサポートが大事だというお話もございました。
本市でも取組を強めているところですので、ぜひ産婦健診への公費負担の導入をしていただくことを前向きに進めていただきますよう求めまして、私の質問を終わります。
◆藤田稔人 委員 私からは、働く世代への健康増進アプローチ研究事業についてお伺いさせていただきます。
健康というのは、失って初めて、その大切さ、ありがたさを実感するものなのかなというふうに感じたりもしております。
ある自営業者の方から、こんなことを言われたことがありました。自営業をやっていて、国民健康保険の保険料が大変負担になっていると。しかし、自分は健康で病気をしたことがないので、健康保険を使ったことがないんだと。その方は、健康である人が行政サービスを受けたり金銭的なインセンティブを受けたりすることがないことを不満に思っていたわけですけれども、もちろん、制度の趣旨をお話ししまして、あなたが元を取るような制度ではなくて、万が一困ったときのためにみんなで助け合う制度だということでご理解をいただきましたけれども、そういったことを感じている方もいらっしゃるのだなということがありました。
あるいは、現在、生命保険会社でも健康増進メニューというものを作っておりまして、先ほど秋野部長が歩くということに注目しておりましたけれども、歩いた歩数によって生命保険の保険料が下がっていくというようなメニューもあったりします。
健康行動を促進させるというのは、いろいろなモチベーションをかき立てなきゃいけないのかなと思ったりもしていますけれども、現代、やはり多様な手法があるものかと感じております。
本市では、札幌市健康づくり基本計画、健康さっぽろ21がございまして、その平成30年度の中間評価において、30歳から50歳代の働く世代は、他年代と比較し、肥満、運動習慣、ストレス、飲酒などの項目で目標達成が遅れていることが提示され、働く世代への健康づくりの取組強化が平成31年度以降の計画推進のための方向性の一つとなっております。
特に、運動しない理由として、時間に余裕がないという回答が多い状況を受けて、働く世代が日常生活の中で継続して健康増進に取り組めるよう、効果的な方法を明らかにするため、令和2年度より、働く世代への健康増進アプローチ研究事業に取り組んでおります。
この事業では、インセンティブ付与を伴う健康増進プログラムの施行により、働く世代の健康無関心層等の健康意識の向上と、健康行動の継続に効果的なアプローチ手法の確立を目標としているものでございます。
そこで、質問ですが、働く世代への健康増進アプローチ研究事業のプログラム概要についてお伺いさせていただきます。
◎秋野
成人保健・
歯科保健担当部長 働く世代への健康増進アプローチ研究事業についてのご質問にお答えをいたします。
事業の概要についてでございますが、事業は、企画提案の選考により決定いたしました株式会社NTTデータ経営研究所に、健康増進プログラムの運営、専用アプリの構築、運用を委託、また、札幌医科大学に、結果の分析及びプログラム運営への助言のご協力をいただき、実施をしております。
事業の目的につきましては、働く世代への個人の生活習慣の改善や健康行動を促す効果的なアプローチ手法の検証を行うとともに、企業等が自ら従業員の健康増進に資する取組を促進できるよう、企業単位でご参加をいただき、企業の特性に応じた効果的な対策を明らかにすることも目的としております。
事業内容でございますが、参加する企業の従業員の方に専用アプリをダウンロードしていただいた上で、ウオーキングや定期健診等の健康増進活動を行っていただき、アンケートへの回答や歩数の増加、健診の受診、健康情報の閲覧、個人が設定した日々のミッションの達成、また、健康さっぽろ21の推進に向けた連携企業のフィットネスクラブの利用などによりましてポイントを付与いたしまして、一定のポイント数に達すると買物などに活用ができるものでございます。
あわせて、経営者から従業員への激励のメッセージの配信や、従業員の健康行動の継続を促す役割を担う管理職向けの研修会を実施し、従業員への効果的な働きかけの手法についても検証する予定となっております。
プログラムの提供は令和2年度から令和4年度末までとなっており、この取組を通じまして、プログラム開始前後の健康状態や健康意識の比較、分析、企業における健康増進に効果的なアプローチ手法を明確にすることを目指しているところであります。
◆藤田稔人 委員 民間企業に事業委託をして、専用アプリを活用してポイントを付与するということでございました。
スマホのアプリを活用するというのは、気軽に健康状態などを把握することが可能でありますし、インセンティブ付与が健康行動の後押しとなることを期待しております。
令和2年度からの事業開始ということで、既に実施期間のうち3分の2が経過しておりますが、参加者の傾向や課題などが見えてきたかとは考えております。
そこで、質問ですが、これまでのプログラムへの参加状況や参加者への効果についてお伺いさせていただきます。
◎秋野
成人保健・
歯科保健担当部長 プログラムへの参加状況や参加者への効果についてお答えをいたします。
プログラムは、当初、令和2年11月から実施をする予定でございましたが、新型コロナウイルス感染症の影響で参加企業の応募が少なかったことから、令和3年4月からの実施となっております。
令和3年8月時点で、参加企業数は18社、参加者数は368人となっております。
参加者への効果につきましては、歩数の状況につきましては、全体としては増加傾向でございますが、健康への関心が比較的乏しい参加者におきましては、プログラム開始1か月から2か月程度で歩数の減少が見られるなど、運動習慣の継続に課題も見られております。
ポイントの獲得状況を見ますと、インセンティブとなる買物などに利用できるポイントを獲得している方は全体の約3割という結果になっておりました。このため、ポイント獲得キャンペーンや健康情報の発信、個人の目的達成を促すようなアプリの改善などを行いまして、さらに効果的なプログラムの提供を行ってまいりたいと考えております。
来年度に向けては、参加者の血液データなどの健康診断のデータも分析対象に加えまして、札幌医科大学と密接に連携をしながら、プログラムの最終的な効果検証に取り組んでまいります。
◆藤田稔人 委員 コロナ禍の調査ということで、参加企業が18社、368人ということでございましたが、データを取るということですので、ぜひこういった数字ももう少し上げていただきたいなと思っております。
また、アプリを改善しながらということもございましたので、ぜひ、よりよいサービスを提供しながら、こういった数値をしっかりと分析していただきたいと考えております。
まちづくり戦略ビジョンのビジョン編を策定中でございますが、
まちづくりの重要概念にウェルネスとスマートという二つのキーワードを入れて、今、検討しているということでございますので、まさにこの事業がそれに当たるものなのかなと感じております。
本市におきましても、札幌市
健康寿命延伸推進本部、こちらは町田副市長が本部長ということでございますが、この中で、
健康寿命が
全国平均以下であるということを問題視し、そして、その改善に向けているということは先ほどもございましたけれども、そのほかにも、先ほど秋野部長からお話があったとおり、ウオーカブルな
まちづくりを進めていくですとか、あるいは、スポーツ局ではスポーツ実施率を65%以上にしていこうということで、全庁を挙げての事業となってくるかと考えております。
運動に対する動機づけ、モチベーションというのは、恐らく、人によって大分異なってくるかと思います。
先ほど、このアプリの実証実験においては、3割の方がポイントということに対して何らかのインセンティブを感じているというか、モチベーションにつながっていることだと思いますけれども、恐らくそれ以外の方もたくさんいらっしゃると思います。
長生きをして、孫の顔を少しでも長く見ながら生活していきたい、そのために健康でいたいという方もいらっしゃると思いますし、あるいはアスリート志向の強い方であれば、そういったこととは全く関係なく、自分自身で自分をさらに高めていきたい、そういった願望を持っている方もいらっしゃると思います。
そういったことを一つ一つ分析しながら、ぜひとも全市民にそれぞれよりよいやり方で運動、スポーツを楽しんでいただきたいと考えております。
そういった成果として、30代から50代の方々が運動しやすい環境をしっかりと整備し、そして、
健康寿命が、徐々にかもしれませんが、上がり、そして、他市との差が縮まっていくよう、しっかりとこの事業を分析していただきたいと考えております。
◆あおいひろみ 委員 私からは、(仮称)動物愛護センターの整備状況と今後の取組について、3点ほど質問させていただきます。
(仮称)動物愛護センターが、2022年度に着工、2023年度に竣工予定と聞きました。札幌市が目指す人と動物が幸せに暮らせるまち・さっぽろを象徴する施設になることは大変楽しみであります。
我が会派では、これまでも、動物愛護センターに訪れてもらう工夫として、訪問者が土曜日に訪れるイベント開催や動物愛護の
普及啓発を求めてまいりました。コロナ禍でイベント開催が中止となる前は、土曜日も、積極的にイベント開催ごとに施設を開放し、市民の皆さんの来場しやすい施設となっておりました。
コロナが収束しましたら、このような土曜日開催のイベントを増やし、市民と動物が触れ合う機会をつくっていただきたいと思います。
また、コロナ禍でも、テレビ、ラジオ等のメディアを通して、積極的な動物愛護に関する
普及啓発に努めていただき、ありがとうございます。
新しくなりますセンターについては、動物愛護団体等の意見を聞きながら、順調に進んでいると聞いております。
そこで、質問ですが、動物の収容に関しまして、質と量の観点で、現在の動物管理センターから拡充した点を伺います。
◎金綱 生活衛生担当部長 (仮称)動物愛護センターに関するご質問についてお答えいたします。
動物の収容に関し、現在のセンターから拡充した点についてでありますが、現在の動物管理センターが犬と猫合わせて約40匹程度の収容規模であるのに対し、新センターでは、約100匹程度と、2倍以上の頭数を収容できる見込みでございます。
また、新センターでは、収容した動物が健康で快適に過ごせるよう、自由に遊べるキャットタワーや屋内運動場、トリミングルームを新たに設置するなど、これまで以上に動物の福祉にも配慮した施設となるよう設計を進めているところでございます。
◆あおいひろみ 委員 動物たちがきれいで気持ちのよい空間で過ごせそうですね。
収容数が倍になるかもしれないということは、それだけ専門家の手も必要かと思います。収容された動物たちは何らかの処置や健康観察が欠かせないと思いますので、今後の獣医師さんの人手の確保にもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
さて、動物に優しいすばらしい施設ができるということですので、ぜひ、多くの市民に新しいセンターを訪れていただき、動物に対する理解や関心を深めていただけるようになることを期待しています。
動物に関するトラブルは動物の習性等に対する理解不足によるものが多いと聞いており、札幌市動物愛護管理推進計画においても、動物の飼育の有無にかかわらず、市民全体を対象として動物愛護の
普及啓発を行っていくこととしております。
動物への関心が低い方に目を向けてもらうのは簡単なことではないと思いますが、新しいセンターが設置されることを機に、そのような取組も強化していただきたいと思います。
そこで、質問ですが、動物の飼い主以外の方も含めて、より多くの市民にセンターを利用していただけるよう、どのような取組を行っていく予定か、伺います。
◎金綱 生活衛生担当部長 より多くの市民に新しいセンターを利用していただくための取組についてでありますが、札幌市としましても、飼い主以外の方も含めまして、より多くの方に新センターを訪れていただき、動物の習性に対する理解や関心を深めていただくことが重要と認識しております。
このため、引き続き、獣医師会や動物
関係団体などの協力をいただき、新センターを活用した動物愛護の
普及啓発イベント等の充実を図ってまいりたいと考えているところでございます。
また、新センターは、市有施設で初めて、かつ、動物収容施設としては全国初のZEB Ready認証を受ける予定でおりますため、今後は、環境局と連携しながら、気候変動対策と動物愛護両方の理解を深めるなど、幅広い層に利用していただけるような取組を行ってまいりたいと考えております。
◆あおいひろみ 委員 ZEB Readyという特徴を生かしていきたいということでした。
ZEB Readyと動物愛護、この異なるカテゴリーを組み合わせることで、動物への興味・関心を持ってもらえる新たな取組となりそうですね。
動物に関する問題は、福祉など、様々な面からアプローチが必要なケースも多いと聞いております。様々な部局と連携の強化を図りながら取組を進め、SDGsの観点からも注目を集める施設となるよう期待しております。
ただ、これまでの動物管理センターは、ここ数年、殺処分数がほぼゼロに近い状態を継続しているとはいえ、ともすると、飼えなくなった動物を引き取ってもらう場所というマイナスなイメージを持たれているかと思いますので、そのような暗いイメージを払拭することも重要かと思います。
新しいセンターでは、多目的ホールが設けられ、獣医師会やボランティアなど、動物
関係団体等と連携して、
普及啓発イベントや譲渡会などの活動に取り組んでいくことと思いますが、より多くの市民に参加していただくためには、新しいセンターについて多くの市民に知ってもらい、身近な施設として親しみを持ってもらうための取組も積極的に行うことが必要ではないでしょうか。
例えば、旭川市の動物愛護センターあにまあるでは、開設時に愛称を公募したりして、市民に開かれた身近な施設として親しまれていると聞いております。
そこで、質問ですが、市民に身近な施設として親しまれるような新しいセンターの名称について、愛称の募集も含めてどのように考えているのか、伺います。
◎金綱 生活衛生担当部長 新しいセンターの名称についてお答えいたします。
新センターの名称については、札幌市動物愛護管理基本構想に掲げる人と動物が共生する社会の実現という目標に向けまして、今後、新センターが果たすべき役割を踏まえて検討してまいりたいと考えております。
また、愛称の必要性については、附属機関である動物愛護管理推進協議会等でも議論を重ねてきており、これまでのイメージを刷新し、市民の皆様に親しみを持っていただく上で非常に効果的であると認識しております。
愛称の決定に当たりましては、公募を含めた様々な方法について、今後、検討してまいりたいと考えております。
◆あおいひろみ 委員 川崎では、アニマルと守るでANIMAMALL(アニマモール)という名前もついているようです。
多くの人が参加して、市民みんなでつくった施設となるよう要望し、私の質問を終わりにさせていただきます。
◆小口智久 委員 私からは、これまで、我が会派が繰り返し質疑で取り上げ、主張してまいりました母子保健に係る施策の推進について2項目と、子育て世代包括支援センターにおける母子保健相談員の強化についてと、3歳児健診における視力検査について質問をさせていただきます。
まず初めに、子育て世代包括支援センターにおける母子保健相談員の強化について伺います。
札幌市においては、10区の保健センターに、妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援の拠点を子育て世代包括支援センターとして位置づけ、妊産婦や乳幼児の実態把握、各種の
相談体制や情報提供、支援プランの作成、
関係機関との連絡調整といった役割を果たしていると承知しております。
特に、令和2年4月からは、保健師、助産師の資格を有する母子保健相談員を各区に1名ずつ配置し、母子支援の入り口である
母子健康手帳交付時に妊婦と面接相談を行い、情報交換し、支援強化を図り、今後必要とされるサービスなどを明記したプランを立案し、確認することで理解を深め、一人一人に寄り添っていると伺っております。
中でも、妊娠、出産、育児において、リスクの高まりが想定される妊婦に対して重要なことは、切れ目のない支援であり、保健センター内の保健師や保育士はもとより、
医療機関等の
関係機関との連携を強化していく必要があると考えます。
さらに、母子保健相談員は、妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援が中心となる重要な役割を担っており、初めて配置されて約2年が経過しましたので、母子保健相談員の面接相談の状況確認が必要ではないかと考えます。
そこで、質問ですが、母子保健相談員の相談支援の実績について伺います。
◎田口
健康企画担当部長 母子保健相談員の相談支援の実績についてでございます。
母子保健相談員が作成している支援プランの件数につきましては、令和2年度は1,992件で全妊婦の15.9%、令和3年度は、4月から12月までの件数になりますけれども、1,318件で全妊婦の14.4%となっております。
プラン作成の対象となりました妊婦の傾向といたしましては、例年、未入籍やメンタルの不調など、背景に困難を抱えるケースが多い状況でございます。
母子保健相談員は、このような妊婦に対しまして、継続して電話でフォローアップするほか、リスクの高まりに応じまして、保健師や
医療機関に情報提供するなど、支援の連続性を意識した関わりを行っているところでございます。
母子保健相談員が配置され、一人一人の妊婦に丁寧に面接することによりまして、潜在的なリスク要因を見逃さず、妊娠の早い段階で支援が必要な妊婦を把握することができるようになり、切れ目のない支援につながっているものと考えております。
◆小口智久 委員 母子保健相談員の配置によって、妊娠期におけるリスクの高まり、これを未然に察知し、支援プランの立案とともに、信頼関係に基づいて早期に支援を実施すると。そういうことは、
児童虐待の未然防止にも寄与するものであり、すばらしい取組であると評価いたします。
一方で、支援プランを作成する妊婦は全市で約2,000人が在住しているということでしたが、区によって人口規模の違いがあり、一律に1区当たり母子保健相談員を1名配置し、切れ目のない支援を行うのは、区によっては支障があるのではないかと思われます。
そこで、質問ですが、区において支援に差が生じる可能性が想定される中で、必要な方に必要な支援が届けられるよう、人員体制のさらなる強化が必要と考えますがいかがか、伺います。
◎田口
健康企画担当部長 人員体制のさらなる強化についてでございます。
母子保健相談員は、区の規模にかかわらず1名の配置となっておりまして、相談対応の時間などは区よって若干の差は生じているものと認識しております。
今後は、区によって母子保健相談員の相談支援に差が生じることがないよう、大規模区における母子保健相談員の増員の必要性について検討してまいりたいというふうに考えております。
◆小口智久 委員 人員体制を検討していただけるということで、私の住んでいる東区も大きい人口があるということでございますので、感謝したいと思います。
我が会派がこれまで主張してまいりました妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援の重要性を認識し、支援を必要とする方々に行き届くよう、早期に、今答弁がありましたように、体制を強化していただくよう要望いたします。
ここで、一つ提言をさせていただきます。
これまで、札幌市や母子保健に係る所管は保健福祉局が担い、子育て支援等の子ども施策全般に係る所管は子ども未来局が担っておりますが、各区保健センターでは、これらが連携して一体となった組織体制がしかれ、健康・子ども課として、直接市民と関わっていただいております。
現在、国においては、子ども基本法の議論が進んでおりますが、政府は、今後、こども家庭庁を設置し、総合的な体制で歩みを進めていくことになります。
本市においても、保健福祉局内の母子保健と子ども未来局が一体となる機構改革を行い、密接な連携体制の構築を図る必要性を申し上げ、この質問を終わります。
次に、3歳児健診における視力検査について伺います。
視力は、私たちの生活において大変重要なものでございます。
ある保護者から、小学校入学前の就学時健診で受けた視力検査で再検査となり、弱視の疑いで眼科を受診し、治療用の眼鏡をかけさせたが、視力はあまり上がらず、眼科医から、もっと早い段階で治療を開始していたら視力が上がる可能性は違っていたのかもしれないと言われ、親として自分を責めたということを伺い、胸が痛みました。
日本弱視学会のホームページによりますと、視力は、言葉や歩行などと同じく、成長に伴い、だんだんと獲得する能力で、ゼロ歳では0.1ぐらいの視力しかなく、3歳頃は、もともと見えにくい状況が当たり前となっているので、見えないとか、見えにくいと訴えることがほとんどないため、3歳児健診で弱視の
早期発見が必ずしもよい成果を上げていないことが危惧されております。
母子保健法においては、3歳児健診で目の疾病及び異常の有無について診査するよう定めており、現在、札幌市においては、保護者によるアンケート及び絵カードを用いた検査を自宅で行い、その結果を踏まえ、医師が診察していると聞いております。
子どもの目の機能は、生まれてから発達を続け、6歳までにほぼ完成しますが、3歳児健診において、遠視や近視、乱視といった屈折異常が見逃された場合は、治療が遅れ、視力に影響を与えるといった指摘がされております。
このようなことから、昨年11月には、日本眼科学会、日本眼科医会、日本小児眼科学会等が連名で、3歳児健診時において、診察や家庭での検査に併せ、客観的に屈折検査ができるスポットビジョンスクリーナーなどといった機器を導入するよう、各自治体に要望書を提出しております。
また、国も、令和4年度予算に屈折検査機器等、各種健診に必要な備品の整備を母子保健対策強化事業に位置づけ、国が2分の1補助としているところです。
保護者が家庭で行う視力検査については、子どもの集中力が続かず遊んでしまうなど、精度には限界があります。
早期治療につなげるべき対象者を見落とすことがないよう、客観的な検査も併せて実施することは大変重要と考えます。
そこで、質問ですが、現在、札幌市の3歳児健診における視力検査実施状況と結果について伺います。
◎田口
健康企画担当部長 札幌市における視力検査の実施状況とその結果についてでございます。
現在、3歳児健診での視力検査につきましては、事前に家庭で視力に関するアンケートと絵カードを子どもに見せて、見えるかどうかという簡易的な視力検査を保護者に実施してもらっております。
その結果を診察の場面で確認いたしまして、必要時にその場で絵カードを見せて再検したり、直接
医療機関に受診するよう精密健康診査受診票を発行するなどの対応を取っているところでございます。
なお、結果につきましては、令和2年度におきまして、3歳児健診で、視力など、目に関して精密健康診査受診票を発行したのは480件で、受診者1万4,170人の3.4%でございました。
この480件のうち、弱視と診断されたり、屈折異常で
経過観察となった者は78件でございまして、3歳児健診受診者数1万4,170人の0.56%でございました。
◆小口智久 委員 日本全体における弱視の子どもの数というのは、50人に1人、2%と言われておりますけれども、先ほど伺った答弁で、札幌市の3歳児健診において、精検票の結果による弱視及びその疑いの子どもの数は78人、0.56%ということで、全国で2%と言われているものからすると、ちょっと少ないかなというふうに思われます。3歳児健診では見つからなかった弱視の子どもが一定数存在するということじゃないかと懸念するところでございます。
弱視は、早期に発見すれば、ほとんどの場合が治療で改善できると言われており、3歳児健診で弱視を発見し、治療につなぐことが極めて重要なのではないでしょうか。
子どもの健やかな発育、発達を促すために実施される健診において、屈折異常による弱視を見逃すことがないよう、札幌市においても客観的な屈折検査を実施すべきと考えます。
そこで、質問ですが、今後、3歳児健診の視力検査に屈折検査を導入するべきと考えますがいかがか、伺います。
◎田口
健康企画担当部長 今後の屈折検査の導入についてでございます。
屈折検査が弱視の
早期発見のために有効であり、3歳児健診の機会を活用することが重要であることにつきましては、十分認識してございます。
そのため、先行して屈折検査を導入している自治体の実施方法等を把握するとともに、導入に当たっての課題を整理することが必要と考えているところでございます。
乳幼児健診は、全ての子どもの健康の保持・増進のために行われるものであることを踏まえまして、屈折検査導入の必要性について検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
◆小口智久 委員 まずは認識をして、また、今日の公明新聞にも先行自治体の事例が出ていましたので、見ていただければと思っております。ちょっとPRになりました。
弱視の課題というのは、見た目に分かりにくく、本人も周囲も気づきにくいところと考えます。
早期発見で眼鏡装用と弱視訓練による治療が可能となりますが、発見が遅れた場合、生涯にわたり視力障がいを負うことになります。
山形大学の眼科教授によりますと、片側だけ弱視の人が、成人後、事故などで健康な目も視力を失った場合、仕事を継続できた割合は僅か35%であったとの報告もあり、働き盛りの方が視力を失うことは、社会に与える損失も深刻と考えます。
実は、この件、私も身にしみる話でございまして、僕は、事故で片方の目が眼球破裂となっておりまして、私の目も弱視ということになっていれば、その35%に入れるかどうかということなのかと思うと、本当に目というのは大事だなと思っているところでございます。
また、海外で行われた多施設共同研究において、3歳から5歳に治療を開始した群は、5歳から7歳に治療を開始した群に比べて、治療への反応が良好だったとの報告があったことからも、眼科では、3歳児健診の視覚検査を弱視発見の重要な機会と捉えております。
保護者にとって、子どもの病は本当につらいものと思われます。
早期発見し、治療により治る可能性を少しでも拡大していただくことを求めまして、私の質問を終わります。
○
小竹ともこ 委員長 以上で、第5項
健康衛生費の質疑を終了いたします。
ここで、理事者交代のため、委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午前11時26分
再 開 午前11時28分
――――――――――――――
○
小竹ともこ 委員長 委員会を再開いたします。
次に、第3項 老人福祉費、第10款 諸支出金 第2項 他会計繰出金のうち関係分、議案第7号 令和4年度札幌市介護保険会計予算について、一括して質疑を行います。
◆くまがい誠一 委員 私からは、介護人材確保・定着等への支援について、介護サービス事業所への支援について、そして、介護予防の取組について、順次、質問させていただきます。
初めに、介護人材確保・定着等への支援についてでございますが、高齢化の進展に伴い、介護を必要とする高齢者のさらなる増加が見込まれていることから、介護サービスを支える介護人材の果たす役割は非常に大きなものになっております。
このため、必要な介護人材を継続的に確保していくことは、将来にわたり、安定的に介護サービスを提供していく上で不可欠なことですが、令和3年7月に国が公表した推計によると、令和7年度における介護人材の不足見込み数は、全国で32万人、北海道では約1万人と示されております。
また、公益財団法人介護労働安定センターが実施した令和2年度介護労働実態調査によると、介護職の離職率は14.9%と、全産業平均より下回ってはいるものの、依然として高い水準であると考えます。
こうした中、我が党では、2018年に、全国の議員約3,000人により、介護に関わる内容を含め、100万人規模の訪問調査を行い、そして、4年たった2022年の本年も大規模調査を実施し、我が会派としても市民の皆様から寄せられた現場の声を踏まえ、介護施策の推進に向けて、これまで政策に反映したところでございます。
令和2年2定の
代表質問では、介護現場における生産性向上、業務効率化について取り上げさせていただき、以来、一貫して介護に関わる諸課題について質疑を繰り返してまいりました。
昨年の4定
代表質問でも、市長に対し、介護人材を確保するために取組を今後どのように進めていく考えか、また、ケアラー支援について伺い、ハード・ソフトの両面で、介護に関わる諸課題について、これまで広く質疑を重ね、
支援体制の拡充等も訴えてきたところでございます。
そのような中、札幌市では平成25年度から、介護現場の人材定着を目的とした介護人材定着化研修事業を、平成27年度から、介護人材の確保を促すため、介護事業者を対象とした採用力向上のセミナーと、求職者と事業者のマッチングを図る合同就職相談説明会を開催しております。
そこでまず、質問でございますが、今年度の介護人材確保・定着に関する取組の実績をお伺いいたします。
◎前 高齢保健福祉部長 介護人材確保・定着等への支援の今年度の実績についてお答えいたします。
人材確保に向けた取組として、オンラインによる採用力向上セミナー開催と録画配信形式による合同就職相談説明会を開催し、合同就職相談説明会については、39事業者が参加、開催期間1か月で7,602回視聴されたところであります。
また、職場定着に向けた取組として、オンラインによる研修を全11回開催し、介護従事者等約300名が参加。受講後アンケートでは、9割以上が実践で活用できる、やや活用できるとの回答でありました。その他、介護の仕事を知ってもらうための取組として、中高生向けの啓発冊子を約3万部配布することに加え、今年度初の取組として、若年層、子育て世代、シニア層など、ターゲットごとの啓発動画を現在作成中であります。
◆くまがい誠一 委員 今年度の実績についてご答弁がございましたが、今後もこのような取組は積極的に継続する必要があり、次年度以降については、今年度の実績を踏まえ、より効果的な内容にしていくことが必要だと考えます。
そこで、次の質問ですが、次年度はどのように事業を展開していく考えであるのかをお伺いいたします。
◎前 高齢保健福祉部長 次年度の事業展開についてお答えいたします。
札幌市では、人材確保支援、人材定着支援、介護職のイメージアップ啓発の三つの視点での取組を引き続き実施いたします。
人材の確保に向けた新たな取組として、介護以外の職種に就いている介護福祉士等の有資格者に対する介護現場への復職支援や、未経験者、パート勤務希望者の就職支援のセミナーを開催し、介護職の裾野を広げる取組を行う予定であります。
また、これまでも、中高生向け啓発冊子の配布や出張講座を行ってきておりますが、高齢者と接する機会が多くない小学生に対しても、まずは介護というものを知ってもらう取組を新たに行う予定であります。
◆くまがい誠一 委員 新たな取組として就職支援等を行うということですので、ぜひ意義あるものにしていただきたいと存じます。
少子高齢化の進行により
生産年齢人口が減少しており、こうした社会経済環境の変化に伴う人手不足は、介護分野で特に顕著であり、厳しい労働環境により、残念ながら離職につながってしまうことも多い現状でございます。
そうした中、介護現場におけるICT等の導入や業務効率化を進める介護事業者への支援について、令和2年
代表質問でお伺いし、町田副市長より、介護現場におけるITやICTの活用を盛り込んだ研修を実施する等の答弁があり、以来、介護の分野でのICT機器の活用が徐々に進んできたと認識しております。介護業務の効率化、職員の負担軽減を目的に、介護の現場においては、以前は手書きだった介護記録を電子化するために、タブレット端末の導入や無線で職員同士でやり取りができるインカムの導入など、ICTの導入が進んできております。
先日、介護事業所を訪問し、ICT機器の使用状況をお伺いしたところ、60代の介護職員も、最初は扱うことに不安があったが、慣れると使いやすく、業務の効率化が図れているということで、評判がよいと伺ったところでございます。
国においては、介護ロボット・ICT導入支援として、介護施設等の大規模修繕の際に併せて行う介護ロボット・ICT導入の補助が計上され、介護分野への介護ロボットやICT導入による生産性向上や業務効率化が推進されているところでございます。
そうした中、先進的な取組を行っていると言われている北九州市介護ロボット等導入支援・普及促進センターを視察させていただき、官民が連携して、北九州モデルをつくり、ICTと介護ロボット等を活用し、業務の効率化に成果を上げている様子を見聞きしてまいりました。
これまで、業務の煩雑さから、こなすことに精いっぱいで、気持ちに余裕を持って利用者さんに対応できていなかったのが、ICTの導入により、業務の効率化が進み、確保できた時間で気持ちに余裕を持って利用者さんに接することができているというお話もお伺いいたしました。
ICTの活用による好事例として、利用者と従事者の双方にとって、よりよい成果の一つと考えます。
一方、北海道が実施した令和2年度介護事業業務改善実態調査によると、ICT等テクノロジーの導入について、導入している事業者は35.1%、導入していない事業者が51.2%となっており、普及率はまだまだ低い状況となっております。
そこで、質問ですが、今述べてきたような利点のある介護事業所におけるICT導入を促進するための取組についてお伺いいたします。
◎前 高齢保健福祉部長 介護事業所のICT導入促進のための取組についてお答えいたします。
ICT等を活用することは、業務時間の短縮や職員の負担軽減にもつながることから、介護人材不足を補充し、安定的な介護サービスの提供を継続する上で有効であり、推進するべきものと認識しております。
札幌市においては、ICT等に関する基礎知識や活用方法、解決ツールとしての具体的事例を紹介する管理者向け研修を開催しているところであります。
受講後アンケートによると、約7割が、受講後の導入に対する考え方の変化について、積極的になった、やや積極的になったと回答をいただいており、一定の成果があったものと捉えております。
今後は、活用方法や具体的事例紹介において、居宅サービスでの活用例を増やす等、サービス分野別の内容を充実させることも検討してまいりたいと考えております。
◆くまがい誠一 委員 現状、管理者向けの研修会を行っているということ、また、サービス分野ごとの好事例などもまた紹介していくということで、ぜひ、このICTの活用によって、利用者と従事者の双方がよい成果を生み出せるように、今後ともよろしくお願いしたいと思います。
次に、介護サービス事業所への支援についてでございますが、北海道胆振東部地震や新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、介護サービス事業所においても、災害や感染症が発生した際に必要なサービスを継続的に提供できる体制を構築することが必要と考えます。
また、令和3年度介護報酬改定においても、全ての介護サービス事業所にBCP、業務継続計画の策定が義務づけられたところでございます。
さらに、札幌市高齢者支援計画2021においては、災害・感染症対策の
体制整備として、このBCPの策定割合を令和4年度に100%とすることを目標に掲げているところでございます。
今般の状況を踏まえると、国に先駆けて、このBCP策定目標を前倒ししたことは評価するところですが、一方では、介護サービス事業所には小規模な事業所も少なくないため、このBCPの策定が事業所の業務を圧迫していないかも懸念されるところでございます。
そうした中、昨年の
予算特別委員会で、小規模の事業所などにおいては負担が大きいと本市も認識していたことから、小規模の事業所への支援を要望したところでもございます。
そこで、質問ですが、介護サービス事業所におけるBCPの策定において、札幌市では現状をどのように把握されているのか、また、BCP策定について、介護サービス事業所にどのような支援を行っているのか、お伺いいたします。
◎前 高齢保健福祉部長 介護サービス事業所におけるBCP、すなわち業務継続計画の策定について、現状把握と事業所支援についてお答えいたします。
高齢者支援計画2021の目標を踏まえ、令和3年8月に、介護サービス事業所に対して、BCPの策定についてアンケートを行ったところ、回答率は40%でしたが、回答総数の約25%は作成済み、また、65%が作成中、作成予定との回答でありました。
全ての介護サービス事業所においてBCPを策定できるよう、市のホームページにおいて、
厚生労働省が作成したBCPのガイドラインや研修動画について掲載し、情報提供を行っているほか、実地指導の場面などにおいて策定状況の確認と助言を行っております。
今後も引き続き策定状況を確認していくとともに、策定に係る支援を継続してまいりたいと考えております。
◆くまがい誠一 委員 令和4年度に100%という目標でございますけども、もちろん、その目標達成が大切なことであることは言うまでもございませんが、内容がしっかり伴ったものになりますよう、今後とも、そういった小規模のところも含めて、ご支援のほどをよろしくお願いしたいと思います。
次に、科学的介護情報システム、通称LIFEに関してですが、医療分野においては、エビデンスに基づいて医療が行われることが一般的でありますが、介護分野においては、経験値や感覚的なものに頼るところが依然大きく、科学的効果に裏づけられた介護が十分に実践されているとはまだまだ言えない状況でございます。
この状況を踏まえ、
厚生労働省では、これまで、通所・訪問リハビリテーションデータ収集システム、通称VISITと、高齢者の状態やケアの内容等のデータ収集システム、CHESEを運用してまいりましたが、令和3年4月1日から、科学的介護情報システム、LIFEとして一体的な運用を開始したところでございます。
これに伴い、令和3年度介護報酬改定においても、LIFEの利用を算定要件に含む加算が新設され、
厚生労働省へのデータ提出のフィードバックを活用したPDCAサイクルによるケアの質の向上が今後期待されているところでございます。
介護分野においては、今後もサービスの需要増大が見込まれており、科学的介護を活用することにおいて得られる効果が大きいことは理解しており、期待もしておりますが、一方では、新しいシステムであるLIFEが、介護サービス事業所においてどの程度活用されているかについては疑問が残るところでもあります。
そこで、質問ですが、科学的介護情報システム、LIFEについて、札幌市の介護サービス事業所において、どの程度登録され、事業者からどのような声があるのか、お伺いいたします。
◎前 高齢保健福祉部長 介護サービス事業所における科学的介護情報システム、LIFEの登録状況と事業所からの声についてお答えいたします。
令和3年度の報酬改定に伴い、令和4年2月現在において、全対象事業所の3分の1に当たる928か所の介護サービス事業所が、科学的介護情報システム、LIFEへの登録を行っております。
事業所からの声については、介護サービスにおいても、科学的根拠に基づいたサービスの提供が必要であることは認識しているが、システムの使いにくさやフィードバックされるデータをどのように活用するのか分からないなどの意見をいただいており、今後、機会を捉えて、国に実情を伝えてまいりたいと考えております。
◆くまがい誠一 委員 介護の分野では、経験や感覚的なこと、いわゆる職人的な気質というか、熟練した技術が大切なことも事実でございますが、今後、若い世代が興味を持って就職の選択肢として考えていただくためにも、この科学的なエビデンスに基づく介護であるLIFEの活用は不可欠だと考えます。
今ご答弁いただいたように、使い勝手の悪さやその声をしっかり国に届けていただいて、改善していただけるように、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
最後に、介護予防の取組についてお伺いいたします。
まず、個別地域ケア会議の充実についてでございますが、2022年を迎え、団塊の世代が全員後期高齢者となる2025年も遠い将来のことではなく、団塊ジュニアが65歳以上を迎えるいわゆる2040年問題に向けての対策も今のうちから検討していく必要があり、高齢者への自立支援、重度化防止を推進していくことは重要と認識しております。
札幌市における高齢化率は、令和3年で27.9%、令和22年には4割に迫ることが見込まれているところでございます。さらに、独り暮らし高齢者や高齢夫婦世帯、認知症高齢者が増加することが見込まれており、介護する家族の負担が増加するなど、様々な課題への対応が求められております。
こうした中では、要介護状態の軽減や悪化の防止だけではなく、高齢者一人一人が地域などで社会参加や活動などを通じて自身の望む暮らしを獲得し、自立した生活をすることが重要だと考えます。
これまで、札幌市においては、高齢者が地域でその人らしい生活を継続することを可能とするため、専門職のアドバイザーを必要に応じて入れるなど、その人が有する個別課題についての検討を行う課題解決型の個別地域ケア会議を行ってきたところと認識しております。
そこで、質問ですが、高齢者の自立に向けた生活を推進していくためには、この個別地域ケア会議をより充実すべきと考えますが、札幌市の考えをお伺いいたします。
◎石川 地域包括ケア推進担当部長 個別地域ケア会議の充実に向けての考えについてお答えいたします。
札幌市では、支援困難事例を検討する課題解決型の会議に加えまして、来年度から、ケアマネジャーなどが、多職種からの専門的な助言を受け、多角的な視点に基づくケアマネジメントを行うことにより、対象者の自立に向けた支援につなげるための会議を実施することとしております。
その中では、例えば、筋力低下を自覚している場合、その要因として、口腔状態の不良による食欲低下、また、薬の飲み合わせなどが複雑に絡み合っていることが多く、こうした場合に、複数の専門職から助言を受けることができることとなっております。
◆くまがい誠一 委員 ぜひ、専門職からの助言を受けつつ、有意義なものになるよう、よろしくお願いしたいと思います。
最後に、オンラインを活用した介護予防教室の効果と今後の方向性についてでございますが、コロナ禍による長引く自粛生活により、介護サービスをこれまで受けずに生活していた高齢者であっても、身体や認知機能が低下するフレイルが懸念されるところです。
札幌市においては、介護予防センターのほか、高齢者が健康を維持する場として、民間のスポーツジムや健康づくりセンター、通いの場といった地域の自主的な活動など、様々な地域資源がございます。
そうした中、介護予防センターでは、介護予防教室や通いの場への支援において、コロナ禍で対面により開催することが難しいため、オンラインの活用を進めていると聞いており、フレイルが懸念される中、この活動の継続が確保されていることは、高齢者の自立支援、重度化防止に役立っているものと評価しております。
そこで、質問ですが、このような状況下で実施しているオンラインを活用した介護予防教室の効果と今後の方向性についてお伺いいたします。
◎石川 地域包括ケア推進担当部長 オンラインを活用した介護予防教室の効果と今後の方向性についてお答えいたします。
札幌市におきましては、市内53か所の介護予防センターにおいて、リハビリテーション専門職などの協力体制を整え、各地域において介護予防教室を行うとともに、通いの場などの自主的な取組への支援を行っているところでございます。
オンラインによる体操などの介護予防教室を実施いたします介護予防センターは、昨年度の1割弱から今年度は約6割となっており、コロナ禍における高齢者のフレイル予防に役立っているものと認識しております。
今までパソコンやスマートフォンといった情報機器を積極的に使ってこなかった方も、これをきっかけとして、介護予防センターから、その利用方法を学び、使えるようになったという利用者の声もあったところでございます。
オンラインの活用は、自宅にいながら気軽に取り組めるため、ふだん参加しない男性や外出が難しい高齢者など、新たな対象者の開拓にもつながることから、介護予防活動における新たな展開として、その活用を進めてまいりたいと考えております。
◆くまがい誠一 委員 今ご答弁いただいたように、オンラインを活用して介護予防教室をすることにより、通いの場へなかなか出てこられない、また、なじめないと言われていた高齢の男性が参加できている、また増えているということは、喜ばしいことだと思います。また、外出が難しい高齢者に対しても有効だということで、ぜひこの活用を進めていただきたいと思います。
今回は、介護人材確保・定着への支援について、介護サービス事業所への支援について、そして、介護予防の取組についてなど、ソフト・ハードの両面にわたり質疑をさせていただきましたが、個々の案件としては、ケアラー支援やダブルケア、認知症ケアなどの課題もあり、そうした方々への支援と併せて、介護の課題には、行政、民間、市民と協働で総合的に取り組んでいかねばならない課題だと思っております。
引き続き、関係部局、
関係団体はもちろん、連携を強めていただきながら、市民を巻き込んだ議論もしつつ、我が事として捉え、より充実した取組になるよう、また、介護する側にもされる側にも寄り添った支援が拡充されますよう、今後ともご尽力のほどをよろしくお願い申し上げ、私からの質問を終わらせていただきます。
○
小竹ともこ 委員長 ここで、委員会を休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午前11時52分
再 開 午後1時
――――――――――――――
○
小竹ともこ 委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、質疑を行います。
◆太田秀子 委員 私からは、敬老優待乗車証、敬老パスの利用拡大について、タクシーやJRでも使えるよう改善を求めて質問をいたします。
我が会派は、毎年、次年度予算に関する要望で、敬老パスをJRやタクシーでも利用できるよう、制度の改善を求めてきました。
回答では、この制度は、生活や身体状況など、個々の事情にかかわらず、全ての高齢者に対して外出を支援し、明るく豊かな老後の生活の充実を図るための制度であると。さらに、事業費が年々増加している中、将来にわたって持続可能な制度として維持していくため、今後、サービス水準の在り方を検討することとしておりますと、このようにも回答しています。これについては、後で触れたいと思います。
令和4年度予算では、敬老優待乗車証交付費は約60億円、前年度予算よりも1億円ちょっと増えています。70歳以上の人口は、近年、年間1万7,000人から1万9,000人ほど増えており、人口に対する敬老パスの交付率は、2019年で前年比2.1%ほど上昇、2020年は、新型コロナウイルス感染症の影響により0.7%と伸びが小さいものの、上がっています。
事業としては、市民の支持が高く、喜ばれているものと言えます。
2019年5月に厚生委員会で審議された敬老パスの改善を求める陳情は、現在、継続審議になっております。敬老パスの利用拡大が実現した場合、利用者のみならず、JRやタクシー事業者も、経済効果も生まれて歓迎されるものと考えます。
ここで、質問いたしますけれども、バス、電車の停留所に行くまでの距離が遠くて行かれないですとか、地域によっては、バスの便数が昼間は2時間に1本しかないというところもありますから、これでは受診に間に合わないんだと、様々な事情があり、タクシーやJRで敬老パスが使えるなら使いたいという方たちがいることについてどのように考えておられるのかを伺います。
◎前 高齢保健福祉部長 利用者の敬老優待乗車証の利用拡大に対する考え方についてお答えいたします。
利用者の皆様からも、タクシーなどの利用を希望する声や、対象とすべきとの意見をいただいているところであります。
◆太田秀子 委員 そういう声が届いているということで、それに対してどう考えておられるのかということを伺いたかったんですけれども、もう一度伺ってもいいですか。
◎前 高齢保健福祉部長 敬老優待乗車証の利用拡大に関わる本市の認識についてお答えいたします。
先ほど委員からもご指摘がありましたとおり、敬老優待乗車証は、生活や身体状況などの個々の事情にかかわらず、全ての70歳以上の高齢者を対象に外出を支援するものであります。
さらなる高齢化に伴い、事業費が年々増加している中、将来にわたって持続可能な制度として維持するため、まずは、サービス水準の在り方などの検討の必要があると認識をしております。
◆太田秀子 委員 拡大を求める声が多い、それは私たちも共通の認識だと思っています。
JRの利用者は、札幌市民も多いですが、SAPICAも使えないですし、JRとはSAPICAと敬老パスを使えるように協議をしてもらいたいと思います。
部局が違うでしょうけれども、ぜひ連携して協議を働きかけてほしいと申し上げます。
週に一度の買物は子どもの車に乗せてもらって行くんだという高齢者の方もとても多いです。ドア・ツー・ドアのタクシーを利用して、月に1度でも2度でも自分で気兼ねなく外出できたら、それは体や心の健康につながりますし、家族にとってもとても嬉しいことです。
ここで伺いますけれども、敬老パスをタクシーやJRでも利用できるよう拡大の検討を始めてほしいと思いますがいかがか、伺います。
また、2018年にアンケート調査を行っておりますけれども、改めて、アンケートなどを行って市民の声をしっかり聞いていただきたいと思いますがいかがか、伺います。
◎前 高齢保健福祉部長 タクシーなどへの利用拡大と利用者の声を幅広く聞くためのアンケートの実施についてお答えいたします。
先ほども答弁申し上げましたが、まずは、敬老優待乗車証の利用拡大におきましては、サービス水準の在り方などを検討する必要があると認識しております。
また、利用者アンケートにつきましては、おおむね3年に一度、利用実態を把握し、事業運営の参考にするために行っており、令和3年度の実施を予定していたところであります。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、平常時の利用実態を把握することが困難なため、実施を見送ったことから、今後、適切な時期に実施してまいりたいと考えております。
◆太田秀子 委員 適切な時期にということでありましたけれども、コロナ後の情勢なども見据えますと、なるべく早くアンケートも取っていただきたい、声を聞いていただきたいと思います。持続可能な制度として維持していくという予算の考え方が、やはり、今までの枠を超えない前提になっているんです。そこを変えてもらいたいと言っているわけです。
高齢者は増えるのに、予算は増やさないとすると、先ほど来おっしゃっていますとおり、サービス水準の在り方を検討することにならざるを得ないわけです。
この間、何度も質疑してきましたけれども、できない理由は、システムの問題など技術的なことではなくて、これもやろうとすればそのような問題も出てくるんでしょうけれども、今は、高齢者が増えて、利用者が増えれば、市の負担が増えるということであって、予算を増やす視点がないというところこそ改めるべきだと思います。
局別施策の概要には、70歳以上の市民を対象とした市内の対象交通機関を利用できる敬老優待乗車証の交付、このように書いています。
ここで言うところの市内の対象交通機関はバス、地下鉄、電車で、市民はこれで移動できるだろうと、こういう考えなのだと思いますけれども、生活圏の交通がJRなのだという地域が市内には少なからずありますから、対象交通機関にJRを加えるべきです。
そしてもう一つ、70歳以上の市民を対象にしたとありますけれども、高齢になれば、足腰が痛いなどということは起こります。これは、もう仕方がないことです。年を取ると、耳は遠くなるけれども、トイレは近くなるんだと笑って教えてくれた高齢者がいましたけれども、耳が遠いとか、トイレが近いとか、そういうことは特にバスや地下鉄での外出に制限がかかることなのです。
生活や身体状況など、個々の事情にかかわらず、全ての高齢者に外出を支援するというこの制度の趣旨からしても、予算の増額をぜひ要望していただきたい、財政の皆さんもそれに応えていただきたいと求めます。
敬老パスの利用拡大を強く求めて、私からの質問を終わります。
◆小田昌博 委員 私からは、民生委員による65歳以上名簿の調査について、端的に3点ほどお伺いします。
初めに、調査の目的と具体的な活動の内容についてお伺いいたします。
民生委員が担う役割につきましては、言わずもがな、地域における行政等への適切な支援のいわば橋渡し役ということで、地域コミュニティーでは大変重要であり、担当地区内の高齢者や障がいのある方など、福祉の問題を抱えている人々の生活実態や生活環境を当該世帯との信頼関係の上に立ってしっかりと把握し、生活に関する相談に応じ、適切に助言を行うことが求められております。
特に、高齢化の進展に伴いまして増加している高齢者単身世帯への支援につきましては、年々必要性が増して、行政においても、現在、そして将来においても様々な政策を打っていかなければなりませんし、そのような状況の下、民生委員の役割に対する期待というものは大きくなっていると思われます。
中でも、民生委員による高齢者支援の重要な活動の一つといたしまして、65歳以上の名簿の調査があると、一昨日の質疑の中でもあったところであります。
一つ目の質問になります。
65歳以上の名簿の調査の目的と具体的な内容についてお伺いいたします。
◎前 高齢保健福祉部長 65歳以上名簿の調査の目的と具体的な活動の内容についてお答えいたします。
65歳以上名簿の調査は、札幌市が、市内に居住する65歳以上の市民の保健福祉に必要な情報を把握し、見守り活動等に活用するため、民生委員に依頼して行っているものであります。
具体的な活動としては、札幌市から配布する名簿に基づき、65歳到達後に地域社会への参画を促すパンフレットや民生委員の見守り活動などを記載した民生委員の活動のお知らせを投函することにより、訪問の希望を確認し、改めて名簿を精査の上、70歳到達後に世帯状況や緊急連絡先等の聞き取りを行っております。
◆小田昌博 委員 目的等について答弁いただきました。
訪問希望の確認、それから、70歳到達時には必要な聞き取りを行っているということでございます。
それでは次に、見直しの内容と時期についてお伺いしたいと思います。
令和4年度予算におきまして、この65歳以上の名簿の対象年齢を70歳に引き上げるシステム改修費が計上されております。
二つ目の質問になります。
このシステム改修に伴う見直しの内容と時期についてお伺いいたします。
◎前 高齢保健福祉部長 システム改修に伴う見直しの内容と時期についてお答えいたします。
システム改修は、70歳到達後に行う世帯状況や緊急連絡先等の聞き取りをより効率的に実施するため、名簿を70歳到達時に出力するとともに、対象者全件リストにおいて、訪問の要否の判断に必要な情報を分かりやすく表示するものであります。
さらに、現在、65歳到達後に民生委員が投函しているパンフレット等の内容を集約し、札幌市からの送付にするとともに、新たに70歳到達前に民生委員が訪問する旨を記載したお知らせを敬老優待乗車証申請書類に同封するなど、民生委員の活動をより市民に分かりやすく伝える取組を併せて実施する予定であります。
見直し時期については、民生委員の一斉改選に合わせ、令和4年12月を予定しているところであります。
◆小田昌博 委員 システムの改修により、名簿出力時期が70歳到達時となり、民生委員が行う活動がより効率的に実施されるという旨の答弁でございました。
そこで、70歳未満の方の対応についてお伺いいたします。
冒頭申し上げましたように、高齢化の進展に伴いまして高齢単身世帯は増加しながら、さらに複雑かつ多様化している社会にあっては、70歳未満の方でも民生委員の訪問や見守りを希望される方がいる場合があるかと思います。
最後の質問になります。
そのような70歳未満の方に対してはどのような対応をしていくつもりか、お伺いいたします。
◎前 高齢保健福祉部長 70歳未満の方への対応についてお答えいたします。
これまでどおり、見守りや訪問等を希望する高齢者に対しては、民生委員が定期的に訪問するひとり暮らし高齢者等巡回相談において対応してまいります。
広報さっぽろへの掲載や65歳到達時に送付する資料などを活用し、見守り等の希望がある方を民生委員につなげ、高齢者が地域から孤立することなく、安心して生活を営むことができるよう努めてまいりたいと考えております。
◆小田昌博 委員 民生委員の成り手が厳しい中でも、行政はそれぞれの地域の高齢者支援を行っていかなければなりませんが、課題なども多くなるでしょうし、部長の答弁にもございました見回りの観点は、孤立化を防ぐ大切なことであります。行政と民生委員の関係性と協力の仕方がより重要であります。しっかりとした取組を求めまして、私の質問を終わります。
◆あおいひろみ 委員 私からは、老人福祉施設長寿命化補助金について伺います。
札幌市で超高齢化社会が進んできており、それに伴って、介護などの支援を必要とする方も多くなっているため、特別養護老人ホームなどの老人福祉施設への入所を希望している高齢者が増えている状況です。
札幌市内の特別養護老人ホームは、50年以上前から建設されるようになり、老朽化が進んだことにより、中には、既に建て替えを行った施設もありますが、まだ多くの施設が老朽化による対応を迫られている状況と思われます。
老朽化への対応としては、建物の維持が困難になって、解体、建て替えをするという対応のほかに、建物の修繕などを実施しながら、長寿命化を図って運営をしていくことも考える必要があると思われ、国からも、インフラ長寿命化計画というものが出されており、その対応を計画的に実施することが求められております。
札幌市においても、このたび、令和4年度予算において、老人福祉施設長寿命化補助金を計上されたところです。
補助制度の内容としては、特別養護老人ホーム及び養護老人ホームの建て替えまたは大規模修繕に対する補助というもので、1施設が着工予定であるとのことであり、札幌市として老朽化対策をしっかり進めていくことと受け止めております。
そこで、まず伺います。
この補助制度の対象のうち、大規模修繕についてはどのような内容を想定しているのか、また、施設の長寿命化を図るということでありますが、それによって施設の寿命はどのくらい延びると考えているのか、伺います。
◎前 高齢保健福祉部長 大規模修繕の内容と修繕による施設の寿命についてお答えいたします。
大規模修繕の内容については、老朽化の度合いによって様々であると考えますが、主たるものとしては、外壁や屋上等の防水工事と施設の改修工事、それから、給排水や電気、ガス、冷暖房などの附帯設備の改修工事などであると考えております。
この補助金を創設するに当たり、いわゆる団塊の世代の子どもの世代が全て65歳以上になる2040年、さらには、その方々が後期高齢者になる2050年以降も見据え、老人福祉施設の入所定員数について、必要数を確保していくことが重要と考えております。
そのためには、今後30年以上、既存の施設を維持していく必要があり、それに見合う程度の長寿命化は図られるものと考えております。
◆あおいひろみ 委員 外壁という項目も入っているということですね。
私の知人が運営している施設で、外断熱工法という修繕法で改修をしたところがあります。冬は暖かく、夏は涼しく、老人福祉施設に優しい工法と聞いております。市内の様々な例を参考に、札幌の気候に合った方法を取り入れていただきたいと思います。
長寿命化を図ることにより、施設の維持という懸案が少なくなることから、入居を待っている方やご家族の方がより安心していただけるようになると思うので、ぜひ継続的に実施していただきたいと思います。
そこで、伺います。
今後、この補助制度の対象となる老人福祉施設はどのくらいあり、その改修などの予定はどのようになっているのか、伺います。
◎前 高齢保健福祉部長 補助制度の対象となる施設とその改修などの予定についてお答えいたします。
特別養護老人ホームについては、介護保険法施行後に開設された施設は介護報酬を施設の修繕等にも充てることが見込まれるため、それを除いた23施設を対象としております。
養護老人ホームについては、札幌市の指定管理施設を除く3施設全てを対象としております。
制度構築に当たり、意向調査を実施したところ、現時点では、半数程度の施設において、建て替えや大規模修繕実施の意向がある、または検討中であるとの回答がありました。
民間老人福祉施設の建て替え、大規模修繕の実施については、施設運営法人に委ねられているところでありますが、この補助金の創設によって、法人が老朽化対策を計画的に進めていくための一助になると考えており、今後も引き続き、制度の趣旨を対象法人に周知してまいります。
◆あおいひろみ 委員 半数程度の施設が何らかの修繕を希望しているとのことです。
手が加えられることによって、居住者にも、また働く方のモチベーションアップにもなると思います。引き続き、この事業をよりよいものにして、改修できる施設が増えるとよいと思います。
要望です。
SDGsの観点から、エネルギーについても配慮が必要であります。
省エネ工法はたくさんの種類が出てきているので、今後の改修に当たっては、しっかりと地球に優しい施設となるような取組を事業に組み込み運営していくことを求めて、私の質問を終わります。
◆佐藤綾 委員 私からは、介護事業者への支援についてと介護従事者の処遇改善と人材確保についてお伺いいたします。
介護事業所では、コロナ禍での利用控えが続き、職員の感染や濃厚接触者となると、人員の不足で閉所や休業、施設内での陽性者の療養により、入所の受入れ停止をせざるを得ない、1月から2月の度重なる大雪により、除雪が間に合わず、道路状況が悪化し、送迎に支障が出るなど、大きな影響が出ています。
まず、介護事業者への支援について質問いたします。
オミクロン株では、肺炎は少なく、重度の肺炎とならずに、高齢で基礎疾患を持つ方が悪化し、亡くなる例が増えており、月別で、第5波を超え、1月から3月8日までに135人の方が亡くなられております。重症病床の入院数よりも亡くなる方が多く、ほぼ高齢者です。
市のホームページでコロナ感染者の現在患者数の内訳を見ますと、例えば、3月7日時点で、全体で8,635人の患者さんのうち、宿泊療養や自宅療養以外のその他療養者は4,207人です。その他療養というのは、入院や施設療養の調整中の方や介護施設内などで療養している方ということですので、クラスターが発生した特養ホームなどで療養している方も多いことが推察されます。
そこで、お聞きいたします。
1月からの第6波では、特養ホームなど、介護入所施設でのクラスターは何件か、また、職員と入所者それぞれの感染者数をお聞きいたします。
◎前 高齢保健福祉部長 高齢者施設のクラスター等の発生状況についてお答えいたします。
令和4年1月から3月7日公表分までにおいて、クラスターの発生件数は117件で、職員の陽性者数は745名、入所者の陽性者数は1,738名となっております。
◆佐藤綾 委員 職員745人で入所者の方は1,738人ということで、大変多い数だというふうに思います。
療養者の介護は、通常よりも手数もかかり、職員の陽性、濃厚接触で休まざるを得ず、人手不足にもなり、介護事業者にとって大きな負担です。感染療養者1人につき1回の報酬上の加算がありますが、人的手当などを考えると、それでも足りないのが現状です。
本市では、感染防止対策として、介護施設へPCRや抗原定量検査の定期的なスクリーニングを行ってきました。今週からは、抗原
検査キットを配布するという手だてを取ったところですが、感染ピーク時には、PCR検査もできず、
検査キットも不足し、事業所で
検査キットを何とか入手し、補ってきたとお聞きしております。
そこで、お聞きいたします。
日頃からの感染防止対策には、消毒液、マスク、グローブ、防護服、フェイスシールドなどの経費が重く、負担となっています。せめて自治体で感染防止費用に対しての継続した支援ができないかと考えるところですがいかがか、伺います。
◎前 高齢保健福祉部長 介護事業所への感染防止費用の支援についてお答えいたします。
感染者等が発生していない段階においては、かかり増し経費に係る補助制度は設けておりませんが、一時的に防護具が不足する場合は、限られた数ではありますが、高齢保健福祉部において備蓄している防護具を提供しているところであります。
なお、感染者等が発生した場合においては、その対応に伴うかかり増し経費として、衛生用品の購入費用を補助しているほか、一時的に防護具が不足する場合には、同様に必要数を支給し、事業所を支援しているところであります。
◆佐藤綾 委員 感染の有無にかかわらず、毎日、感染防止対策が必要なものです。消耗品ですから、一時的な支援ではどうしても足りない、そしてまた、こういう消毒液とかマスク、グローブ、防護服など、コロナ前よりも大分価格が上がっております。どうか支援のほうも検討していただきたいと思います。
次に、訪問介護事業への支援についてお聞きします。
訪問介護では、コロナで軽症の自宅療養の方に買物支援などをして玄関前に置いたり、ドア越しに体調確認をしていても介護報酬はつきません。利用している陽性者の部屋に入り支援をする場合、そのヘルパーはほかの利用者のところへは行けないため、人材不足にさらに拍車がかかります。
食事や排せつ介助なども外せませんが、感染者への援助をしても、リスクにふさわしい補償がないのが現状です。
訪問看護の場合は、看護師や医師に報酬上の加算がつきますが、ヘルパーにはなく、防護服など、感染防止のためのかかり増し経費補助のみです。
そこで、お聞きいたします。
自治体を通じて支給されるこのかかり増し経費補助について、処遇改善に充てることも含め、基準額を上回る場合も補助対象と認められると国から通知が出ています。この周知を図ることが必要と考えますがいかがか、伺います。
◎前 高齢保健福祉部長 かかり増し経費に係る周知についてお答えいたします。
感染者等が発生した場合において、必要な経費を支援するかかり増し経費については、経費が基準額を上回った場合は、本市と事業実施主体である北海道との個別協議により、補助対象と認められる場合もあるため、各介護サービス事業所に周知を行っているところであります。
◆佐藤綾 委員 介護事業者のほうでは、同様の通知も多くて、なかなか把握することが難しい、また、日常業務も多忙なものですから、確認することができないということもありますので、ぜひ、分かりやすいというか、再度の通知をお願いしたいと思うのです。
次に、介護従事者の処遇改善について伺います。
介護職処遇改善で、2月より1人当たり9,000円の支給がされますが、養護老人ホームやケアハウスなど、市町村の財源で運営される施設は国の処遇改善の対象外となっております。
本市として、必要な処遇改善について対象とすべきと思いますが、どうされるお考えか、伺います。
◎前 高齢保健福祉部長 養護老人ホームや軽費老人ホームの介護職員の処遇改善についてお答えいたします。
養護老人ホームや軽費老人ホームの介護職員は、類似業務を担っていながら、介護職員処遇改善支援事業の対象外であることから、札幌市独自の制度として、この支援事業と同様に、令和4年2月に遡り、現行の措置費補助金に加算を行うこととしたところであります。
◆佐藤綾 委員 こうしたところに介護職の方がたくさん働いておりますので、これは札幌市としてとてもいい決断だと思います。また、全ての介護職、ケアマネジャーさんは対象となっておりませんので、ぜひ国にもそうしたことを要望していただきたいと思っております。
そして、この処遇改善についてなのですけれども、9,000円の処遇改善は今年の9月までで、その後は、介護報酬に付け替えられるということになります。保険料も高く、サービス利用料も上がっており、利用者負担とならない処遇改善とすべきと自治体として国に要望していただきたいと思いますがいかがか、伺います。
◎前 高齢保健福祉部長 処遇改善に係る利用者負担についてお答えいたします。
介護職員の処遇改善は今後も継続的に行われていくものであり、財源については、本来、介護保険制度の中で対処されるべきものであるため、今回の補助金という形での支援は、あくまで例外的な措置であるものと認識をしております。
◆佐藤綾 委員 この処遇改善については、様々な介護団体や医師会などからも、介護報酬に付け替えることはしないで、処遇改善とすべきだという要望も上がっております。ぜひ、これについては国で実施していくべきだと思います。
次に、人材確保について伺います。
医療や介護現場の人材確保が困難な中、高額な紹介手数料が問題となっており、
関係団体が国に規制を求めています。
こうしたことから、政府は、2019年に初めて調査を行いました。介護分野では41.5%が紹介業者を利用し、介護職員の紹介料の平均は50万1,000円と高額であることが明らかとなっています。
紹介料は、年収の20%から25%で推移していましたが、最近では30%分が平均となっていると言います。
紹介手数料について、市内の事業者から1人60万円ほどかかるが、それでも背に腹は代えられず、利用せざるを得ない、処遇改善に充てるお金すら紹介料に回さねばならず、このままでは現場が崩壊する、医療や介護については特別な扱いをしてほしいという声が数年前から上がっています。
そこで、お聞きいたします。
昨年の
決算特別委員会で、高額な紹介料が本市の事業者の経営を圧迫していることについての我が党の質問に対し、本市は、民間で通常行われている経営手法の一つと評されています。しかし、莫大な紹介料で儲ける企業の一方で、人材不足のため、利用せざるを得ず、処遇改善の妨げともなっている現状を自治体として大きな問題として捉えるべきですがいかがお考えか、伺います。
◎前 高齢保健福祉部長 介護人材確保に係る負担についてお答えいたします。
介護サービス事業所において、人材確保のために職業紹介事業者を利用しているが、紹介手数料が負担になっているとの意見があるのは承知しているところであります。今後も、国の動向を注視してまいりたいと考えております。
◆佐藤綾 委員 これは、国の規制緩和によって有料の職業紹介が解禁され、当初は10%の上限がありましたが、それも撤廃され、2014年にはハローワークの求人情報が解禁されるようになりました。規制緩和により、民間の人材紹介手数料の総額は、2014年の25億円から、2019年には218億円と激増しています。
これを支払う原資は、税金や保険料、利用者の
自己負担によるものです。本来は利用者や介護事業所で働く人の処遇改善に使われるはずのものです。高額な紹介料は、もはや社会問題化しており、上限を定めるなど、一定のルールで適正化されるべきです。
本市からも、国に適正化を求めていただきたいと思います。
最後に、人材確保の自治体の支援について伺います。
自治体としても、介護人材の確保・育成について課題となっております。
本市では、前段の質疑でもございましたように、イメージアップなどの人材確保策を講じてきたところです。自治体として、唯一、公的な介護職の養成学校、北海道介護福祉学校を有する栗山町では、道内市町村と連携し、学生確保に協力、地元に就職を希望する学生の入学料減免や奨学金を支援することなどで人材確保を目指すとしています。
そこで、お聞きいたします。
自治体として、介護職養成学校の学生や資格取得希望者への経済的、自主的な支援、自らが人材の養成に関わるなど、介護職を希望する方へ、経済的に実効ある対策が必要となっていると考えますがいかがか、伺います。
◎前 高齢保健福祉部長 介護人材確保の支援についてお答えいたします。
人材確保については、今後も介護サービスを継続的に提供していく上で重要な課題であると認識をしております。
北海道や各法人において、介護福祉士の育成に係る就学資金の貸付けを行っていることは承知しておりますが、一方で、その前提となる介護の仕事に関心を持ってもらう取組も重要であります。
そこで、札幌市においては、中高生向けに啓発冊子を作成したほか、年齢層ごとに啓発動画を作成するなどの取組を行っているところであります。
今後も北海道と役割分担しながら、介護人材確保・定着支援に取り組んでまいりたいと考えております。
○
小竹ともこ 委員長 以上で、第3項 老人福祉費及び介護保険会計等の質疑を終了いたします。
次に、議案第5号 令和4年度札幌市国民健康保険会計予算、第10款 諸支出金 第2項 他会計繰出金のうち関係分及び議案第46号 札幌市国民健康保険条例の一部を改正する条例案について、一括して質疑を行います。
◆佐藤綾 委員 私からは、国民健康保険料について、札幌市国民健康保険条例の一部改正に関わり、4点質問いたします。
国によって、未就学児の均等割、5割軽減が実施されることになりました。これが、今回の一部改正に入っております。
これは、今後、均等割の全額免除や年齢の引上げなどを国ヘ要望することはもちろんですが、市独自の対応も検討していただくことを厚生委員会や本議会での
代表質問で求めてきたところです。
また、条例改正案では、保険料の限度額について、医療・介護支援金分、合計99万円だったものを、医療分2万円、支援金分1万円、計3万円を引き上げ、102万円にして、中間層の保険料を引き下げるとしております。
これにより、中間層は、モデルケース、2人世帯で年収200万円の場合、年間520円、400万円の場合、1,400円の引下げを想定されているとお聞きしております。
この間、コロナ禍で、市民の収入減、困窮などへの様々な支援がされてきました。本市でも、国保の納付書の送付時などに、コロナでの減収による保険料減免についての案内と申請書を同封するなど、配慮をしてきたところです。
そこで、お聞きします。
新型コロナウイルス感染症の影響は続いていますが、直近3年間の国保の納付相談件数の推移とコロナ禍での
相談内容の傾向について伺います。
◎山本 保険事業担当課長 直近3年間の納付相談件数の推移とコロナ禍における
相談内容の傾向についてお尋ねをいただきました。
まず、相談件数でございますが、お電話でのご相談、来庁されてのご相談を合わせまして、各年度、4月から2月までの件数でございますが、令和元年度がおよそ8万5,000件、2年度がおよそ8万1,000件、3年度がおよそ6万7,000件となってございます。
次に、
相談内容の傾向でございますが、この3年間で大きな変化はなく、所得の減少や失業に伴うご相談が主なものとなってございます。
◆佐藤綾 委員 コロナ禍でも相談が減っているということですけれども、内容については、やはり、減収、これはコロナ禍の中では大きいとは思います。けれども、この減免の申請書の送付などの対応によるものが大きいのではないかと思います。
また、コロナ禍となり、差押え件数も大幅に減っているとお聞きしております。しかし、コロナ感染拡大後の令和2年度、2020年度の国保収納率は94.44%で、コロナ以前、2018年の94.47%とほぼ変わっておりません。
そこで、お聞きします。
新型コロナウイルス感染拡大の影響から、短期証の窓口交付、資格証明書の新規の交付は昨年度から行っておりませんが、来年度もこの対応を継続されるのか、伺います。
◎山本 保険事業担当課長 来年度の短期証の窓口交付及び資格証明書の新規交付の取扱いについてのご質問でございますが、この短期証、資格証明書につきましては、折衝機会を確保する必要がある滞納世帯に対して交付をすることとしているものでございます。
お尋ねの短期証の窓口交付、それから、資格証明書の新たな交付につきましては、人と人との接触が避けられないことから、令和2年3月に新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、当分の間、行わない扱いとしたところでございます。
この取扱いにつきましては、現在も継続をしておりまして、令和4年度につきましては、コロナの感染状況を見ながら、適切な運用を講じてまいりたいと考えているところでございます。
◆佐藤綾 委員 コロナ感染以前は、資格証の発行や短期証を窓口でお渡しというのは、今のご答弁でもお話ししましたように、納付相談につなげるためだというふうにお聞きしてきました。収納率はほぼ変わらないですし、現在、コロナ感染症により、窓口での接触は避けるよう配慮されているということで、納付相談も電話が多いとお聞きしております。結果、職員の負担軽減にもなっているかと思いますので、こうした対応を今後に生かしていただきたいと思います。
続けて、お聞きします。
この間、保険料限度額の引上げで中間層の引下げを図ってきたところです。
そこで、都道府県単位化が実施された平成30年、2018年度以降の保険料の限度額の推移について伺います。
◎山本 保険事業担当課長 保険料の限度額についてでございますが、札幌市では、所得の低い方や中間所得層の負担を和らげることを目的として、政令の改正に併せて引上げを行ってまいりました。
お尋ねの推移でございますが、医療分、支援金分、介護分の合計でお答えをいたしますと、平成30年度が93万円、令和元年度が96万円、令和2年度と3年度が99万円となってございます。
◆佐藤綾 委員 これを合わせると、来年度は102万円ですから、2018年度、平成30年度から9万円も上がるということですね。
ちなみに、2000年度は医療分と介護分で59万円、支援分が新たに加わった年の2008年は合わせて65万円でした。限度額の対象世帯は、所得が割と高い層とはいえ、14年で37万円も上がる、これは急激な値上げです。限度額に該当する世帯は、世帯状況にもよりますが、所得が700万円くらいから対象となっています。でも、2,000万円でも、1億円でも保険料は変わらないことになります。
この限度額に該当する世帯が全体の割合のどれくらいを占めているのかということでお聞きしますが、平成30年、2018年度以降の全世帯が負担する医療分及び支援金分の限度額到達世帯の割合の推移について伺います。
◎山本 保険事業担当課長 医療分、支援金分が限度額となっている世帯の割合についてでございます。
保険料を決定しております6月時点の数値でお答えいたしますと、平成30年度が1.4%、令和元年度も同様に1.4%、令和2年度が1.2%、令和3年度が1.1%となってございます。
◆佐藤綾 委員 国保全体の世帯数は減っていますから、さらに限度額に該当する世帯の割合が減っているということとなります。
2014年だと、大体1.8%、5,000世帯ほどでしたけれども、昨年度は2,700世帯ほどに減っておりました。社会保険料と比較すると、国保料は2倍ですから、中間層の引下げは今後も必要だと思っております。
本市としても、中間層の引下げをしてきて、2014年度と今年度で比較すると、モデルケースで1万円から2万円下がっておりますが、財源が限度額引上げでの1.1%の層から中間層引下げに回すというのは、もう無理があります。
国に要望を続けているところですが、思い切った繰入れで中間層の引下げが必要だということを申し上げまして、私の質問を終わります。
○
小竹ともこ 委員長 以上で、国民健康保険会計等の質疑を終了いたします。
最後に、議案第6号 令和4年度札幌市後期高齢者医療会計予算及び第10款 諸支出金 第2項 他会計繰出金のうち関係分について、一括して質疑を行いますが、通告がありませんので、質疑を終了いたします。
以上で、本日の質疑を終了いたします。
次回の委員会ですが、3月14日月曜日午前10時から、農業委員会及び経済観光局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
――――――――――――――
散 会 午後1時50分...