札幌市議会 2022-03-07
令和 4年第二部予算特別委員会−03月07日-03号
令和 4年第二部
予算特別委員会−03月07日-03号令和 4年第二部
予算特別委員会
札幌市議会第二部
予算特別委員会記録(第3号)
令和4年(2022年)3月7日(月曜日)
――
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●議題
付託案件の審査
●
出席委員 33名
委 員 長 小 竹 ともこ 副
委員長 成 田 祐 樹
委 員 三 上 洋 右 委 員 鈴 木 健 雄
委 員 勝 木 勇 人 委 員 長 内 直 也
委 員 よこやま 峰子 委 員 こじま ゆ み
委 員 飯 島 弘 之 委 員 川田 ただひさ
委 員 松 井 隆 文 委 員 村 松 叶 啓
委 員 小 田 昌 博 委 員 藤 田 稔 人
委 員 小 野 正 美 委 員 大 嶋 薫
委 員 峯 廻 紀 昌 委 員 山 口 かずさ
委 員 林 清 治 委 員 岩 崎 道 郎
委 員 うるしはら直子 委 員 あおい ひろみ
委 員 水 上 美 華 委 員 國 安 政 典
委 員 好 井 七 海 委 員 わたなべ 泰行
委 員 竹 内 孝 代 委 員 くまがい 誠一
委 員 小 形 香 織 委 員 村 上 ひとし
委 員 佐々木 明 美 委 員 長 屋 いずみ
委 員 池 田 由 美
――
――――――――――――――――――――――――――――――――
開 議 午後1時36分
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○
小竹ともこ 委員長 ただいまから、第二部
予算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、
佐藤委員からは、
池田委員と交代する旨、届出がありました。
それでは、議事に入ります。
最初に、第6款 土木費 第3項 河川費、議案第15号 令和4年度札幌市
下水道事業会計予算及び議案第21号 札幌市
普通河川管理条例及び札幌市
流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例案について、一括して質疑を行います。
◆わた
なべ泰行 委員 私からは、脱
炭素社会に向けた
下水道の取組について、3点質問をいたします。
最初に、
下水道事業における
省エネルギーに関する取組について質問をいたします。
札幌市は、2050年ゼロ
カーボン都市の実現を目指し、徹底した
省エネルギー対策と
再生可能エネルギーへの転換を進めております。そのような中、我が会派は、建築物における
断熱性能の向上、
市有施設への
太陽光発電設備の
率先導入や水素の活用、さらには、
民間事業者の
ビジネス展開につながる
再生可能エネルギーの
導入拡大などを訴えてまいりました。
省エネルギー対策と
再生可能エネルギーの
導入拡大といった観点から、
下水道事業を見た場合、
下水道は、快適な
都市生活を支えるために、清らかな
水環境の創出に大きな役割を果たしている反面、
水処理や
汚泥処理の過程では、多くの
エネルギーが必要とされ、その量は、札幌市の
行政活動全体で消費される
エネルギーの約2割にも上ります。
下水道事業の中では、全
エネルギー消費量の約半分は、
水再生プラザにおける
水処理の過程で消費されており、その他に汚泥の処理、
ポンプ施設による下水のくみ上げ等がございます。大部分の
エネルギーを使う
水処理は、下水をきれいにする微生物の働きを活発にさせるために、絶えず行う大量の空気の送風に大きな電力を消費していると伺っております。
一方で、
下水道は、冬でも10度C以上の温度を有する下水や
処理水の熱、そして、汚泥を焼却する際に発生する大量の熱など、
バイオマスをはじめとした
再生可能エネルギーとしての活用が期待される貴重な資源を有しており、冬期間の融雪などにも活用されております。
このように、
下水道は、電力などの
エネルギーの
大量消費者としての側面と、
再生可能エネルギーとしての活用が期待できる多くの
熱エネルギーの保有者としての側面の両面を持っていることから、脱
炭素社会の実現に向けて、今後の
下水道事業の取組に期待を寄せているところでございます。
そこで、質問ですが、これまでに本市としてどのような取組を行ってきたのか、また、今後の
見通しについても伺いをいたします。
◎清水
事業推進部長 省エネルギーに関するこれまでの取組と今後の
見通しについてお答えいたします。
まず、これまでの取組についてですが、大きく
処理システムの効率化や
運転管理の工夫、設備の改築に合わせた
省エネルギー設備の導入といった三つの取組を進めてまいりました。
処理システムの構築といたしましては、各
水再生プラザで個別に処理していた汚泥を東西2か所の
スラッジセンターで集中的に処理する
システムを構築いたしました。
また、
運転管理の工夫や
省エネルギー設備の導入といたしましては、
水処理の際に、下水の数量に応じて送風機を制御することに加え、より効率的な送風が可能となる設備を導入し、
電力使用量の大幅な削減を図っております。
これらの取組により、
エネルギー使用量がピークとなった平成12年度から現在までの20年間において、その間、
東部水再生プラザや
東雁来雨水ポンプ場など、新たな施設が増えたにもかかわらず、
エネルギー使用量を約1割削減しております。
次に、今後の
見通しについてですが、老朽化が進む設備が増加していく中、
コスト縮減の観点からは、可能な限り、設備の延命化に努めているところですが、今後も脱炭素という重要な視点を勘案し、設備の改築に合わせて積極的に
省エネルギー設備の導入を進めてまいります。
◆わた
なべ泰行 委員 ただいまの答弁では、これまで2か所、東西の
スラッジセンター等で
汚泥処理の集中化などの
処理システムの効率化、
運転管理の工夫、また
省エネルギー設備の導入といったことにより、新しい施設が運転開始したにもかかわらず、
エネルギー使用量の削減を行ってきましたと。また、今後、老朽化した設備の改築時期に合わせて、順次、
省エネルギー設備の導入を進めていくとのことでございました。これまでの努力や
コスト縮減の観点におきまして、設備の延命化の必要性も理解をしておりますが、引き続き、可能な限り、
エネルギー削減に向けた取組に努めていただくようお願いいたします。
次に、
下水道が有する
エネルギーの活用に関する取組について、質問をいたします。
下水道は、先ほど述べた下水や
処理水が持っている
熱エネルギーや
下水汚泥を焼却する際に発生する
熱エネルギーのほかにも、
下水汚泥を炭化した
固形燃料、そして、
処理水を活用した小
水力発電、また、施設の空間を活用しました太陽光の発電、これらの多様な
再生エネルギーとしての
ポテンシャルを持っております。
これらの
エネルギーを全て活用していくためには、コストや技術的な課題に加えて、できました
固形燃料、こちらの生成物を利用する方々の確保、こういった様々な課題もあるとは思いますけれども、脱
炭素社会の実現に向けて、積極的に活用の取組を進める必要があると考えております。
今年は、記録的な大雪により、
幹線道路の至るところで渋滞を発生させるとともに、バスやJR等の
公共交通機関が麻痺し、さらには、
ごみ収集が大幅に遅れるなど、
市民生活や
都市活動に大きな打撃を与えるというこれまでにない雪害に見舞われました。
そういった状況の中、2月早々には、郊外の
雪堆積場のおよそ半数が満杯となってしまい、
雪堆積場の確保に苦慮し、下水や
処理水の熱を活用した
雪処理施設におきましても、2月末の時点で昨年の倍以上の
稼働状況であったと伺っております。
この
下水道を活用した
雪処理施設の大部分は市街地に設置されておりまして、郊外の
雪堆積場へ雪を運ぶよりも
排雪ダンプトラックの
運搬距離が短くなるため、脱炭素の取組にもつながってまいります。こうした札幌市ならではの雪の
課題解決に下水の熱を活用している取組は評価をいたします。
そこで、質問ですが、
下水道が有する
エネルギーの活用に関する取組として、これまでにどのようなことが行われてきているのか、また、今後の
見通しについても伺います。
◎清水
事業推進部長 下水道が有する
エネルギーの活用に関して、これまでの取組と今後の
見通しについてお答えいたします。
まず、これまでの取組についてですが、市内には、融雪槽や融雪管など、下水の熱や施設を利用した
雪処理施設が17施設ありまして、例年、
公共排雪量の約1割の雪を受け入れております。
なお、昨年度から工事を進めていた
新川融雪槽につきましては、1日
当たり排雪ダンプ約640台分から約1,000台分へと能力を増強し、今年の2月から運転を開始しております。
また、
処理水の熱につきましては、
雪対策に加え、
下水道科学館や西区民・
保健センターなどの
市有施設で
暖房熱源として活用しております。
さらには、
下水汚泥を焼却している
西部スラッジセンターでは、5基ある
焼却炉のうちの2基で、汚泥の焼却の際に発生する熱で
蒸気発電を行い、
焼却炉の運転に必要な電力をおおむね賄っております。
今後の
見通しについてでございますが、
西部スラッジセンターにおいて、残る3基の
焼却炉についても、引き続き改築に合わせ
発電設備を導入していくほか、焼却の際に発生する熱が低いために、これまでは
蒸気発電の導入が困難であった
東部スラッジセンターにおきましても、新たな技術を用いた
蒸気発電の導入を検討いたします。
◆わた
なべ泰行 委員 下水や
処理水の熱については、この市内17か所の
雪処理施設で市内の1割の雪を請け負っていただき、また、
市有施設の
暖房熱源として、そして、
下水汚泥を焼却する際に発生する熱については発電に利用されており、また、
汚泥焼却施設の電源として活用しているとのことでした。そして、今年の2月、新川の融雪槽の
融雪能力が増強されたということで、今後は、西部の
スラッジセンターでまた新たな
発電設備の導入、そして、今まで難しいと思われていました東部の
スラッジセンターのほうでも発電の導入の検討を行うとのことでございました。
最後に、脱
炭素社会に向けた取組について質問いたします。
これまで伺ってまいりました
下水道における
省エネルギーや
エネルギーの活用に関する取組について、こちらのほうは評価をさせていただいておりますが、今後、これまでの取組の延長だけでは脱
炭素社会を実現していくのは厳しいことだと推察しております。この脱炭素の取組は、新たな
技術開発や
設備投資が必要になってまいりますので、経済性を考慮した費用対効果の観点を踏まえますと、大変難しいではないかということも承知をしております。
ただ、札幌市は、札幌市
気候変動対策行動計画を策定し、
温室効果ガスの
排出削減を率先して取り組む姿勢を示していく中で、下水や
処理水、そして、汚泥が有する
エネルギー、資源を積極的に活用していくと明記してあります。
また、国が策定した改定版の
地球温暖化対策計画によれば、
省エネルギー対策、
再生可能エネルギーの導入などを通じて、2030年までに2013年度比で
温室効果ガス排出量を46%削減としており、この
政策目標を受けまして、
国土交通省では、
検討委員会を設立し、現行の取組の継続では、脱炭素の達成が困難であるといったことから、
技術開発の加速化、そして、
予算支援の充実など、様々な角度から議論をしております。
この
委員会におきましては、
下水道が有する
ポテンシャルの
最大活用、
温室効果ガスの積極的な
排出削減、そして、地域・
分野連携の拡大、この3点を方針として、脱
炭素社会の実現に貢献する
下水道の将来像や、産学官が一体となって取り組むべき施策、そして、工程表などをまとめつつあります。
このような国の状況を踏まえますと、脱
炭素社会の実現に向けては、
関係機関が連携して、新技術の追求やイノベーションによる
技術開発の加速化など、施策を積み重ね、その過程で課題を一つずつ乗り越え、着実に前進をさせていくことが大事であると考えております。
そこで、最後の質問ですが、脱
炭素社会の実現に向けて、
下水道事業は今後どのように取り組んでいくのかを伺います。
◎清水
事業推進部長 今後の取組方の考え方についてお答えいたします。
委員がご指摘のとおり、これまでの取組の延長だけでは脱
炭素社会を実現することは厳しいものと認識しており、今後、さらに一歩進んだ取組を進めていく必要があると認識しております。
とりわけ、
下水道事業は、
水再生プラザや
ポンプ場などの多くの施設に加え、下水や
処理水、汚泥といった多くの資源を有しており、
省エネルギーや
創エネルギーに関する様々な技術や設備を導入することが可能な事業となっております。
ご質問の中にもありましたとおり、現在、
国土交通省においては、
検討委員会を設立し、脱炭素の達成に向け、
関係機関が連携して新たな技術の開発を進めるように後押ししている状況もございます。
このような国の動きや
下水道に関する新たな
技術開発の動向をしっかりと注視し、新たな技術や設備の導入について、積極的に検討してまいりたいと考えております。
また、市内に張り巡らさせた道路には、ほぼ
下水道管が埋設されており、その中を下水が流れております。これまで、
雪対策や
市有施設の
暖房熱源に活用してきました
下水熱について、今後は幅広く
民間施設にも活用していただくための取組について、より積極的に進めていきたいと考えております。
◆わた
なべ泰行 委員 新技術の積極的な導入、また、
下水熱の
民間施設への導入にも積極的に取り組んでいくという答弁でございましたけれども、やはり、この脱炭素は、
地球的規模、
国際的規模の課題で、当然、本市も関わってくることでもございますけれども、やはり、
下水道熱の活用というのは、よりよい
市民生活をサポートしていくのだという視点が大切でございますので、下水の持つ
エネルギーを可能な限り多くの方たちに活用していただく、これが大事な視点だと思っております。
先日、東京都の下水局は、電力を自給する
焼却炉、
エネルギー自立型焼却炉の導入や、効率的な
下水処理を促すため、
人工知能、AIを使って、
ブロワー空気量を最適化する
技術開発に取り組んでいるとの報道がございました。
こういったように、積極的な技術に取り組んでいる他都市の例が出てきているのが現状でございます。
最後に要望ですが、札幌市の脱
炭素社会の実現に向かって、国や
関係機関と連携を強化すること、そして、
最新技術を総動員して、とにかく、できることから率先して取り組むことが重要であると考えておりますので、これまで以上に積極的な取組をしていただくことを要望して、私からの質問を終わります。
◆
村上ひとし 委員 私は、札幌市の
管理河川における
河川環境整備に関連して質問をいたします。
河川行政では、過去に、まちを洪水から守る治水と、水を利用し生活を豊かにする利水の観点を中心として
川づくりを進めてきましたが、1997年、平成9年の
河川法改正では、
河川環境の整備と保全が河川の目的に明記され、その後、2006年、平成18年には、国より多自然川
づくり基本指針が出され、河川全体の自然の営みを視野に入れることが
川づくりの基本となるなど、
川づくりの基本的な考え方が大きく変わってきました。
過去には、河川を直線化し、コンクリートで固める一方で、河川本来が持つ良好な
自然環境や景観が失われ、水辺に近づくことができなくなり、人々の暮らしの中からだんだん河川は遠い存在になっていったというふうに言われております。
このような背景から、札幌市における
川づくりの方向性、基本的な考えを定めた札幌市
河川環境指針を2009年、平成21年3月に策定し、
治水整備を進めるとともに、河川の
環境整備に取り組んでいます。
そこで、
お尋ねをいたします。
2022年、令和4年度予算案で計上されている
河川整備費のうち、
河川環境整備に係る予算は幾らなのか、お伺いをいたします。
◎三栖
河川担当部長 令和4年度予算におきます
河川環境整備に係ります予算についてお答えいたします。
河川整備費約19億円のうち、約2,000万円を
河川環境整備に係ります予算として計上しております。
◆
村上ひとし 委員 19億円のうちの約2,000万円ですから、
河川整備費の中に占める割合は決して多くないと思います。
私は、
河川行政にとって、
河川環境整備の取組は、洪水から地域を守る
治水整備と並んで重要な取組であると思っております。
札幌市
河川環境指針では、川を「つくる」から川と「共に生きる」へを今後の
川づくりの
基本方針として掲げ、自然、人、まちとの関わりの視点から
環境整備を進めていくこととしております。
指針策定から現在までに10年以上が経過していることになります。
そこで、
お尋ねをいたします。
札幌市では、札幌市
河川環境指針策定以降、どのような
環境整備を行ってきたのか、お伺いをいたします。
◎三栖
河川担当部長 河川環境整備の
取組状況についてお答えいたします。
平成21年に策定しました札幌市
河川環境指針策定以降の主な取組としましては、豊平川を流れますうらうちない川、それから、清田区を流れますトンネ川、ポントンネ川で、
親水広場や散策路の整備を実施しております。
また、厚別区を流れます熊の沢川では、地域との協働によりまして、桜の植樹を実施しております。
さらには、
自然環境の改善の取組といたしまして、清田区を流れる山部川、厚別区を流れますポンノッポロ川で魚道の整備を実施しております。
◆
村上ひとし 委員 地域も川もそれぞれ違いがあるものだと思います。画一的な整備ではなく、それぞれの地域性と川の特徴を生かした
環境整備を進めるということは、極めて重要であると思いますし、また意義があることだと私は思います。今後も、
自分たちの住む場所のすぐそばを流れる身近な川として、あるいは市街地における貴重な
オープンスペースや
自然環境として、
まちづくりの面からも、
河川環境整備を望む声は、今後、少なからずあるかと思います。
そこで、
お尋ねをいたします。
河川環境整備を行う河川をどのように選定して整備を進めているのか、お伺いをいたします。
◎三栖
河川担当部長 河川整備を行う河川の選定、それから、整備の進め方についてお答えいたします。
まず、選定につきましては、整備可能な敷地があること、安定した適度な川の流れ、流水があること、それから、整備後の
市民利用が見込まれることなど、総合的な観点から選定して実施をしてございます。
整備につきましては、
ワークショップなどによりまして地域との対話を行いながら、その河川や地域の特性を踏まえた検討を行うなど、地域の方々との協働によりまして進めてまいっております。
◆
村上ひとし 委員 可能な敷地があったり、流水量とか、その後、
市民利用がどう図られるのかということを踏まえながら、
行政主導ではなく、地域との協働により
環境整備を進める取組は、私も極めて重要だと思うわけです。
また、地域との協働という点では、
環境整備が完了した後も、地域が河川に対してどのように関わっていくのかという点も重要だと思います。
私の地元であります
厚別区内について部長からご紹介をいただきましたけれども、熊の沢川では、地域からの要望を
きっかけとして、地域との協働により桜並木の整備がされたということであります。
そこで、
お尋ねをいたします。
厚別区の熊の沢川では、どのように地域と協働した
環境整備が行われたのか、お伺いをいたします。
◎三栖
河川担当部長 熊の沢川におきます地域との協働による
環境整備についてお答えいたします。
熊の沢川に桜並木をつくり、地域の中心を流れる川にふさわしい豊かな風景がある河川にしたいという地域のお声を
きっかけといたしまして、
地域住民と
意見交換を行いながら、整備の内容の検討を進め、協働で桜の植樹を行ったところでございます。
また、植樹をしました桜の
維持管理につきましては、これも地域からの協力の申出がありまして、昨年11月に現地で講習会を開催いたしました。この講習会で、桜を
維持管理する上で必要となる基本的な知識、あるいは方法を学んでいただいたところでございます。
来年度からは、通常の札幌市で行っております
維持管理作業に加えまして、地域でこの桜へ肥料を与えることや、その周辺の草抜きを行っていただくなど、地域と協働で取り組んでいく予定でございます。
◆
村上ひとし 委員 桜並木が楽しみでありますけれども、引き続き、その地域と一緒になって河川の整備を進めていただきたいというふうに思います。
さて、地域との協働により
環境整備を進めていくことと同様に、河川が持つ
自然環境を生かした
環境整備を進めていくことも重要であります。例えば、河川で
親水空間の整備と併せて魚道などを整備することで、河川の
自然環境が改善するとともに、
子どもたちが魚類をはじめとする生物を観察することができる
環境教育の場になることも期待されます。
河川が持つ
自然環境や、その敷地を生かして、地域の人たちが水辺に近づいて魚や昆虫などの生き物を観察したり、あるいは自然を感じながら散策をするなど、河川を身近に感じ、触れ合い、親しみを持つことができるような
河川環境整備の取組が重要であるということであります。
そこで、
お尋ねをいたします。
今後、地域の人たちが川に親しむとともに、子どもの
環境教育の場になるような
環境整備を進めていくべきだと思いますが、どのようにお考えか、お伺いいたします。
◎三栖
河川担当部長 子どもの
環境教育の場になるような
環境整備の取組についてお答えいたします。
河川は、地域に存在します身近な
自然空間であり、子どもが川での実体験を通じまして、自然の多様性や命の大切さを学ぶことができるような、
自然環境を生かした取組は非常に重要だというふうに考えてございます。
そのような考えの下、令和2年度から、中央区を流れます盤渓川におきまして、
盤渓小学校の児童とともに、生物の調査や
ワークショップを行い、魚が住みやすい環境とするために、川の石を児童自らが並べ変えるなどの取組を行っているところでございます。
今後も、子どもの
環境教育の場となるような
環境整備の検討を引き続き進めていきたいと考えております。
◆
村上ひとし 委員 小学校の児童と一緒に
環境整備をしていくというのは、極めて意義ある取組だと思うわけです。ぜひ一層進めていただきたいというふうに思います。
さて、札幌市
河川環境指針では、各分野の専門家や市民から構成される札幌市
河川環境推進会議を設置し、様々な視点から
環境整備の効果の検証や今後の進め方について意見をもらうこととしております。
私は、地域との協働による
環境整備を進めていく上で、
市民目線での意見は特に欠かせないものだと考えます。
そこで、
お尋ねをいたします。
札幌市
河川環境推進会議に市民がどのように参加をしているのか、お伺いをいたします。
◎三栖
河川担当部長 札幌市
河川環境推進会議におけます市民の
参加状況についてお答えをいたします。
札幌市
河川環境推進会議につきましては、委員7名で構成しておりますが、そのうちの2名を公募によります
市民委員としてございます。平成22年度から会議を開催しておりまして、
市民委員の方からは
市民目線での意見をいただいているところでございます。
なお、来年度は、この委員の改選期に当たりますことから、新たに、第5期になりますけれども、
市民委員の公募を現在行ったところであります。今回、11名の市民からの応募がありまして、そのうち、2名の方を
市民委員として選考したところでございます。
◆
村上ひとし 委員 11名も応募があったということであります。
近年は、町内会においても、その担い手が不足していたり、あるいは高齢化していて若者もなかなか町内会活動に参加しづらい状況もあるなど、厳しい住民活動が進められているところでありますけれども、このように、河川に関心を持ち、
市民委員に応募されるような熱意を持つ市民の存在というのは、大変貴重であるとともに、
環境整備を進めていく上では大変重要な存在だと思います。ぜひ、
市民委員の意見を今後も生かしながら、
環境整備を進めていただきたいと思います。
さて、私のいる厚別区では、近年、新さっぽろ駅周辺での再開発で
まちづくりが進んでいるところです。新さっぽろの
まちづくりが進む中で、新さっぽろ駅付近を流れる野津幌川を地域の資源として、もっと
まちづくりに有効活用できないのかという声が多く寄せられているところです。
野津幌川の河川管理は北海道であり、札幌市の公園部局がその河川敷地を占用し、野津幌川緑地として、現在、遊歩道などの整備をしていることは私も知っております。より積極的に野津幌川を厚別区の
まちづくりに活用するには、例えば、一つの手法としまして、札幌市が北海道から野津幌川の権限移譲を受けて、地域との協働による
河川環境整備に取り組むことが私は有効であると考えております。
そこで、
お尋ねをいたします。
厚別区内を流れる北海道
管理河川である野津幌川において、札幌市が
環境整備を進めていくために、権限委譲を受けるお考えがあるのか、お伺いをいたします。
◎三栖
河川担当部長 北海道の
管理河川であります野津幌川におきまして、
環境整備を目的とした権限移譲についてお答えいたします。
平成12年の
河川法改正によりまして、政令市への権限移譲が可能となりましたが、北海道との協議によりまして、行政界に位置する河川、それから、上流域にダムですとか砂防施設が整備されている河川を除いた河川につきまして権限移譲をするということを基本的な考え方としております。
現在、この基本的な考え方に基づきまして、10河川において権限の移譲を受けてきたところでございます。
一方、委員がご指摘の野津幌川につきましては、その一部は江別市の行政界に位置する河川になっておりますことから、現在、北海道からの権限移譲の対象河川とはなってございません。
また、野津幌川につきましては、現在、札幌市が管理しております河川と比べまして、その規模も非常に大きく、権限移譲につきましては、
環境整備の面だけではなくて、
維持管理の面など慎重に考える必要がありますことから、現在におきましては、野津幌川の権限移譲については難しいものであると考えてございます。
◆
村上ひとし 委員 様々な課題もあり、難しいということであります。
しかしながら、野津幌川をもっと
まちづくりに生かしてほしい、そのような思いから権限移譲というのも一つの手法ではないかということで、私は、本日、質問をさせていただきました。
新札幌副都心のすぐ後ろを流れるきれいな川でありますから、
まちづくりに大きな可能性のある川だというふうに思います。せめて、今後、河川管理者である北海道と札幌市との間で、より一層、どのようなことができるのかも含めて連携をし、地域が望む河川の
環境整備となる努力をしていただきたいと思います。
今回、私が質問した札幌市
管理河川における
環境整備は、貴重な地域との協働による事業でもあります。予算も令和4年度は2,000万円ということでありました。もう少し予算も増やしていいのかなというふうに思いますし、それにふさわしい人員、現在は3名で対応されているというふうに聞いておりますが、
子どもたちの学びや地域の
まちづくりに大いに資することができますので、人員も強化していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
◆小田昌博 委員 私からは、都心アクセス道路の整備に伴う
下水道の対応について、3点質問をさせていただきます。
初めに、
下水道の対応と令和4年度予算への計上についてでございます。
昨年10月の決算特別
委員会において、私から管路の改築事業の課題について質問をさせていただきました。その答弁では、都心アクセス道路の整備に伴い、創成川通に埋設されている
下水道管について、補強や移設が必要となる可能性があり、測量などの調査業務を発注し、国とも詳細な協議を進めているとのことでございました。
一つ目の質問になります。
現在、進められている調査業務や国との協議の中では、
下水道としてどのような対応が見込まれているのか、また、令和4年度では本件に関して何か予算を計上しているのか、お伺いいたします。
◎清水
事業推進部長 都心アクセス道路の整備に伴う
下水道での対応の見込み、また、当案件での令和4年度予算への計上についてお答えいたします。
創成川通には、創成川を挟んで両側の路線にそれぞれ大規模な
下水道管が埋設されているため、その対応については、今年度発注している調査業務や国との協議の中で検討を進めております。
これまでの調査結果を踏まえた検討の中では、新しい道路は上り下りそれぞれ2車線の大規模なボックス構造となるため、ほぼ全区間で
下水道管が支障となり、管路の補強での対応が難しく、他の路線へ移設する可能性が高くなっております。そのため、引き続き、さらに具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。
また、令和4年度予算についてですが、約2億円を計上し、今年度実施している測量や土質調査の結果を踏まえ、他の埋設物の位置を正確に把握する試掘調査や移設工事の設計業務などを進めてまいります。
◆小田昌博 委員 創成川通に埋設されている大規模な
下水道管が支障となり、他の路線へ移設する可能性が高く、令和4年度は、引き続き、さらに詳細な調査や工事の設計業務を進めていくという答弁でございました。
次に、
下水道管施設の事業規模と着手時期についてでございます。
都心アクセス道路の整備延長は、創成川通の高速道路から都心部までの約4.8キロメートルにも及び、
下水道管も大規模なものが創成川を挟んで両側の路線にそれぞれ埋設されているとのことですので、仮に全ての管を移設するとなれば、相当の事業費と工事期間を要するものと想定され、今後の
下水道事業に与える影響が懸念されるところであります。
そこで、二つ目の質問です。
仮に、道路整備に支障となる
下水道管の全線が移設を必要とされた場合には、どの程度の事業費が見込まれるのか、また、道路整備に支障となるのであれば、できるだけ早く
下水道管の移設が必要と考えますが、いつから事業に着手する予定か、お伺いいたします。
◎清水
事業推進部長 下水道管を全線移設するとなった場合の事業費と着手時期の見込みについてお答えいたします。
移設する大規模な
下水道管は、創成川を挟んで両側の路線に敷設されていることから、その延長は10キロ程度となり、大きさも内径1.2メートルから3.5メートルとなるため、過去の大規模な管路工事の実績を参考に費用を試算した場合、その費用は200億円を超える規模になるものと考えております。
また、事業の着手時期としましては、令和4年度に実施を予定している試掘調査、あるいは工事の設計業務、こういったものの成果を踏まえ、早ければ令和5年度から着手したいと考えております。
◆小田昌博 委員 創成川を挟んで両側の路線にある
下水道管の移設だけで約10キロメートルの200億円を超える事業となり、早ければ令和5年度からの事業に着手したいという答弁でございます。
今後の
下水道事業への影響について、続けてお伺いいたします。
先ほどの200億円といいますと、令和4年度の
下水道の建設予算が約220億円ですので、1年間の建設事業資金にほぼ等しい大規模な事業費となります。
また、
下水道の対策に要する費用は、昨年10月の決算特別
委員会での答弁にもございましたが、国から部分的に保証金を受けられる可能性はあるものの、原則、札幌市が負担しなければならない費用とのことであります。今伺ったような大規模な
下水道管の移設が必要となった場合には、建設事業費の急増により財源が逼迫するなど、今後の
下水道事業の財政運営に大きな影響を与えるのではないかと危惧するところであります。
都心アクセス道路は、札幌都心部における交通結節機能の強化と骨格道路網の改善として非常に重要な事業ではありますが、
下水道も
市民生活や社会経済活動を支える重要なライフラインであります。
下水道は、厳しい財政状況の下、今後も増加が見込まれる施設の老朽化対策や、激甚化、頻発化する自然災害への対策などもしっかりと計画的に進めていかなければなりません。
そこで、最後の質問になります。
大規模な移設工事が必要となった場合、今後の
下水道事業の財政運営に影響は出ないのか、お伺いいたしまして、私の質問を終わります。
◎清水
事業推進部長 移設工事に伴う
下水道事業への影響についてお答えいたします。
移設工事は、過去の同程度の管路工事の実績を踏まえますと、おおむね4年から5年の期間を要すると思われるため、単純に平均いたしますと、年間の事業費は40億円から50億円と想定されます。
この額は、年間の建設予算の2割程度であり、また、移設対象となる
下水道管は、昭和40年代から50年代に敷設された古い管路でございまして、この移設工事も管路の改築事業の一環として捉えまして、改築事業の組替えを行うことや、他の事業についても優先度を見極めて先送りすることなどを行いまして、長期的には
下水道事業の財政運営に影響を及ぼさないようにしたいと考えてございます。
◆うるしはら直子 委員 私からは、
下水道事業における地元企業の受注機会の確保について、3点ほど
お尋ねいたします。
下水道事業は、
水再生プラザや
下水道管路など、多くの施設を有しております。こうした施設を健全に
維持管理するためには、企業の協力が不可欠と考えます。
これらインフラ整備を支える企業は、全国で事業を展開している大手企業や、また、札幌市に主たる営業所を有し、事業を行っている地元企業など、様々な企業が参画しております。
本市では、中小企業を取り巻く経済的・社会的環境の変化等を踏まえ、札幌市中小企業振興条例を制定しており、この条例第10条では、市は、工事の発注、物品及び役務の調達等に当たっては、予算の適正な執行に留意しつつ、中小企業者等の受注の機会の増大に努めるものとするということが規定されております。
これまでも、この条例に基づいて、国などの方針にも準じながら、地域の雇用確保や地域経済の発展のために、地元企業や中小企業の受注機会の確保に向けた取組を進めてきていると承知しております。
現在、このコロナ禍において、本市の雇用促進や経済活性化を図るためには、より地元企業が受注機会を確保できることが重要と考えるところです。
そこで、まず初めに、管路工事における地元企業の受注機会を確保するためにどのような取組を行っているのか、また、その結果、2021年度の地元企業の受注状況はどのようであったかを伺います。
◎小野 管路担当部長 管路工事における地元企業の受注機会確保のための取組と、2021年度の受注状況についてお答えいたします。
管路工事の発注に際しては、札幌市工事請負契約に関する
基本方針に掲げる地元建設産業の健全な育成を図ることを基本的な考え方として取り組んでおります。
具体的には、債務負担行為を活用した早期発注や、週休2日を考慮した適正な工期設定のほか、余裕期間制度、いわゆるフレックス方式を積極的に活用するなど、施工時期を平順化することで、地元企業の働き方改革が進み、担い手確保につながるような環境づくりに取り組んでおります。
また、近年、管路の老朽化に伴い増加しております管更生工事の一部を総合評価落札方式で発注しており、
雪対策事業等の従事実績や災害対応等の活動実績などを評価対象とすることで、地元への貢献度が高い企業の受注機会の確保を図っております。
以上の取組等を含めて、地元企業の受注機会の確保に努めた結果、2021年度の受注状況につきましては、92件の工事発注に対し、全ての工事を地元企業が受注してございます。
◆うるしはら直子 委員 管路工事における地元企業の受注機会の確保の取組については理解をいたしました。
ただいまの答弁にもございましたように、この管路工事を請け負う地元企業の中には、やはり、春から秋にかけては、管路や道路などの土木事業をされていて、そして、冬の期間に除雪や排雪等の事業に当たっている、こうしたところが大変多く、今年の大雪の状況などからも、ますます、今後とも地元の企業の方のご協力などが必要になってまいります。現行の計画的な発注を引き続き継続するとともに、さらなる受注機会の確保に努めていただきたいと思います。
一方で、
水再生プラザの
運転管理業務については、総合評価落札方式を採用して発注しておりますが、札幌市外に本社がある大手企業の受注件数が多く、地元の中小企業の受注件数は少ないと認識しております。このことにつきましては、2018年度の
予算特別委員会で我が会派の先輩であります畑瀬幸二前議員から、地元企業の受注機会の確保について質問をしております。それに対しましては、総合評価落札方式における評価の仕組みについて検討する旨の答弁がございました。
また、そのやり取りの中では、技術評価の検討を進めるということも確認がされております。この3年の間に、このコロナ禍ですとか、また社会の情勢も変わっていく中で、地元の中小企業を取り巻く状況も変化しているところです。
そこで、伺いますが、
水再生プラザ運転管理業務における地元企業の受注機会を確保するための
取組状況について伺います。
◎土橋 処理担当部長
水再生プラザの
運転管理業務における地元企業の受注機会を確保するための
取組状況についてお答えいたします。
これまでに、総合評価落札方式における技術評価については、現場での業務履行体制を重視して評価すること、必要以上に企業実績や資格者の配置を求めないことなど、多くの実績を有する企業に有利とならないよう、競争性及び公平性に留意して、評価項目や配点の見直しを随時行っております。さらに、来年度に契約更新となる定山渓
水再生プラザの
運転管理業務の発注においては、地域に密着した企業を評価することを目的に、本店所在地が札幌市であることや、札幌市との災害時協力協定を締結していることなどを評価する地域性の項目を新たに追加しております。
◆うるしはら直子 委員 総合評価落札方式において、特に、次年度以降、地域性の項目を追加するなどの変更を行い、地元企業の受注に配慮した取組を行っている、このことは理解をいたしました。
しかしながら、
水再生プラザの
運転管理業務は、地元の企業よりも、やはり道外企業のほうが多く受注している、この現状には変わりがないため、引き続き評価項目の検討が必要だと考えます。
さきに申し上げました2018年度の会派の質疑においては、入札方法の改善に当たっては、自治体の役割の一つとして、地元企業の育成、技術の継承を通じて、地元企業に経験と実績を積んでもらうことも必要であることなども指摘しております。
次年度、この2022年度の
下水道事業会計予算におきましては、新たに2023年度からの茨戸
水再生プラザ運転管理の委託に伴う債務負担行為が設定されております。
そこで、最後に、今後予定している茨戸
水再生プラザの委託において、地元企業への受注機会の確保についてどのようにお考えなのか、伺います。
◎土橋 処理担当部長 今後予定している茨戸
水再生プラザの委託において、地元企業への受注機会の確保をどのように考えているかについてお答えいたします。
茨戸
水再生プラザは、3か所の
ポンプ場を抱える合流式の
下水処理場であるため、雨天時には、状況に応じた迅速かつ的確な判断が求められる運転操作が必要でありまして、分流式の
水再生プラザと比べまして難易度が高い施設と考えております。
市民の安全・安心を確保するためには、委託後も安定した
運転管理を行うことが必要不可欠であるため、最終責任を負う札幌市としては、一定の技術レベルを有した民間企業に履行させる必要があるものと認識しております。
一方で、委員がご指摘のとおり、地元企業への受注機会を確保するという視点も極めて重要であると認識しておりますので、今後も、競争性、公平性及び透明性の確保に留意しながら、適正な評価の方法について検討を重ねてまいりたいと考えております。
◆うるしはら直子 委員 札幌市民の地元の雇用の促進、そして、札幌市の地域経済活性化のために、今、地元企業の受注機会の確保は何より重要なことではないかと感じています。大企業と比較しまして実績自体は及ばない地元の企業にも、長年蓄積された知識と経験、そして技術、地元の中小ならではの利点を持つ優良企業もたくさんございます。
また、特に、災害時などは、迅速な対応でお力を貸していただける、このことも地元の中小企業の強みです。市内経済の循環をよくするため、また、税金の使い方、公契約のあり方についてさらに検討し、受注機会の確保の取組を進めていただきたいと思います。
最後に、要望です。
本市の重要なライフラインである
下水道施設は、今後とも行政が責任を持って事業を運営し、公共サービスを維持していただくよう、まず求めます。
また、その上で、市内の中小企業の経営を持続的に継続するためにも、地元企業の受注機会を拡大し、これまで培ってきた札幌市の技術を将来にわたってしっかりと引き継いでいただくことを要望しまして、私の質問を終わります。
◆藤田稔人 委員 私からは、
下水道の再構築事業についてお伺いいたします。
本市の
下水道施設は、1970年代から80年代に集中的に整備されていることから、既に施設の老朽化が進んでおり、今後さらに、設置後、コンクリート構造物の一般的な耐用年数である50年を超える管路施設や
水再生プラザ、
ポンプ場などの処理施設が急激に増えることが見込まれております。
下水道は、重要なライフラインであり、将来にわたり市民の安全・安心な暮らしや健全な
都市活動を支えていくためには、計画的に施設の老朽化対策を進めていく必要があります。
そのような状況の下、
下水道河川局では、平成27年3月に施設の改築に関する基本的な考え方を示した札幌市
下水道改築
基本方針を策定し、計画的に改築を進めております。
当方針では、管路施設や耐用年数が比較的短い処理施設の機械・電気設備についての具体的な方針は示されているものの、処理施設の池槽や管理棟などの施設本体、いわゆる施設の土木・建築構造物に関しては、今後の改築に向けての基本的な考え方を示すにとどまっておりました。
令和2年第1回定例会の
予算特別委員会において、我が会派の阿部議員が、処理施設の土木・建築構造物の改築の考え方について質問したところ、施設の延命化や事業の平準化、施設規模の適正化といった三つの基本的な考え方に基づき、令和3年度に再構築計画を策定するとの答弁があったところです。
そこで、質問ですが、処理施設の土木・建築構造物に関する再構築計画の策定状況はどうなっているのか、また、計画では、さきの三つの基本的な考え方に基づき再構築に関する方向性をどのように示されるのか、お伺いいたします。
◎清水
事業推進部長 処理施設の土木・建築構造物に関する再構築計画の策定状況と再構築に関する方向性についてお答えいたします。
まず、策定状況になりますが、予定どおり、令和3年度内に策定する見込みでございますが、
水再生プラザや
ポンプ場など30施設を対象としており、事業期間が非常に長期にわたることから、その間に大きな社会情勢の変化も想定されるため、具体的な事業計画を示すことは難しいと考えまして、今回は、事業の方向性を示します再構築方針として整理することといたしました。
次に、再構築に関する方向性についてでございますが、施設の延命化と事業費の平準化の観点から、他の大都市で設置後80年を経過している処理場が供用している事例を踏まえまして、適切な
維持管理を前提に、可能な限り長期間施設を供用することといたしております。
また、事業費を縮減するため、再構築の手法としましては、新たな用地処理は行わずに、現在の場所で再構築することを基本としております。
また、施設規模の適正化に関しましては、第2期さっぽろ未来創生プランの人口推計に基づきまして、将来の下水量の減少を見込み、過剰な施設とならないように、施設の統廃合も視野に再構築を行います。
さらに、再構築の際には、現状では補強が難しい基礎ぐいなどの地下構造物の耐震化、あるいは大雨による浸水被害を防ぐための耐水化、こういったものも併せて実施する考えでございます。
◆藤田稔人 委員 計画は、
水再生プラザや
ポンプ場など主要な30施設を対象とし、具体的な事業計画としてではなく、今後の方向性を示す再構築方針として整理し、令和3年度内に策定するとのことでございました。
また、施設の延命化と事業費の平準化の考え方や事業費縮減の観点から、施設の供用年数や再構築手法を定めるとともに、第2期さっぽろ未来創生プランにおける人口推計に基づいた水量を想定し、施設の統廃合を含めた施設規模の適正化を図るとのことでございました。
ぜひ、無駄のない施設整備につながる方針を策定していただきたいと考えております。
さらに、課題となっていた地下構造物の耐震化についても、改築に併せて抜本的な対策を実施するなどの方針も定められているとのことですので、防災・減災という課題に対してもしっかりと対応していただきたいと考えております。
さて、先ほどの答弁では、施設の再構築は、事業期間が非常に長期にわたるため、具体的な事業計画を示すのは難しいとのことでございました。しかしながら、
下水道ビジョン2030でも示されているとおり、将来にわたり良好な
下水道サービスを提供していくためには、今後の大きな課題である処理施設の再構築事業について、ある程度、その規模感を把握し、将来的な財政状況を見据えておくことが必要であると考えております。
そこで、質問ですが、再構築方針では、事業費や再構築にかかる期間について、どのように示していくのか、お伺いさせていただきます。
◎清水
事業推進部長 再構築方針の中で、事業費や再構築にかかる期間について、どのように示していくかについてお答えいたします。
今後、実際に長期にわたる再構築事業を進めていく際には、今後の実際の人口推移に合わせて施設規模を定め、また、循環型社会への貢献に向けた
省エネルギーや
創エネルギーに係る機運の醸成や新たな
技術開発の推進など、その時々の社会的ニーズや社会情勢の変化に応じて実施していく必要があると考えております。
そのため、現時点で具体的な事業費や事業期間を定めた計画をお示しすることは難しいと考えておりますが、委員がご指摘のとおり、今後の
下水道事業の財政状況を見通すためには、ある程度、再構築事業の規模を把握しておく必要があると考えております。
そこで、定めた方針に基づき、処理施設の再構築にかかる年間の事業費を約100億円程度で平準化するという条件の下で事業を進めた場合の事業費や事業期間の試算結果の一例を参考資料としてお示ししたいと考えてございます。
この試算の中では、再構築にかかる全体事業費は、既存の施設の撤去や施設の耐震化、耐水化などの費用を含め7,000億円程度となり、事業にかかる期間は、まだ少し先の長期的な話にはなりますが、2041年から2120年までの80年程度と想定してございます。
◆藤田稔人 委員 再構築事業の事業費と期間については、試算の一例として、事業費が7,000億円に上り、期間は80年を要するとのことでございました。
事業費については、人口推移に合わせて施設規模を定めるとのことであり、増減するものとは思いますが、いずれにしても多大な事業費であると思います。
下水道河川局が昨年7月に策定した札幌市
下水道事業中期経営プラン2025では、前のプランと比較して建設事業費が大幅に増加しており、施設の老朽化対策を考えると、今後もこのような傾向が続くものと推察しております。
このような状況に加え、これまで実施していなかった処理施設の再構築事業が始まると、建設事業費はさらに増加すると考えられます。建設事業の財源については、大部分が企業債であり、その償還財源には
下水道使用料が充てられています。
今後、人口の減少により使用料収入も減少する
見通しであることを考えると、財源の確保は大変厳しい状況になると推察します。
そこで、質問ですが、再構築事業は、長期にわたり多大な事業費を要し、その財源も必要になりますが、
下水道事業の長期的な財源確保について、どのような
見通しを立てているのか、お考えを伺います。
◎渋谷 経営管理部長 長期的な財源確保の
見通しについてお答えをいたします。
各年度の事業計画に基づいた財政収支の
見通しにつきましては、
下水道ビジョン2030の計画期間であります令和12年度まで試算をしているところでございますが、その先につきましては、処理施設の再構築に係る建設事業の
見通しのほかにも、老朽化した管路の改築事業費やそれらの施設の
維持管理費、人口減少を踏まえた使用料収入など、事業全体を把握した上で、長期的な視点に立った
見通しを立てていく必要がございます。
そうした過程において、徹底したコストの縮減や国の交付金制度を積極的に活用するなど、収入を確保する取組を実施し、将来の建設事業に備えて、内部留保資金の確保に努めてまいりたいと考えております。
◆藤田稔人 委員 今後、徹底したコストの縮減や収入の確保に取り組み、将来の建設事業に備えた内部留保資金の確保に努めていくとのことでございました。
長期的な視点を持って、しっかりと財源の確保に取り組んでいただきたいと思います。
下水道は、日々の暮らしに欠かすことのできない重要な社会基盤であり、人口が減少に転じるなど社会情勢が変化しても、
下水道サービスの質を低下させることなく維持していかなければなりません。施設の点検、修繕といった
維持管理はもちろん、今後着手する再構築事業をはじめ、雨水対策や地震対策にもしっかりと取り組むことが必要であり、そのためには、健全な財政運営に取り組んでいくことも大変重要なことです。
そこで、
下水道事業全般に関わることですので、西田局長に質問いたします。
このような状況を踏まえ、将来においても
下水道事業を維持していくため、どのような考えで取り組んでいくのか、お伺いいたします。
◎西田
下水道河川局長 将来にわたって
下水道事業を維持していくため、どのような考えで取り組んでいくのかということについてお答えをいたします。
下水道は、管路延長が約8,300キロメートル、
水再生プラザや
ポンプ場などの処理施設は30か所、資産規模は5,800億円にも上る大変規模の大きなインフラでございます。
今後も、良好な生活環境の維持や災害に強いまちの実現といった重要な役割を担っていくためには、環境に配慮した循環型社会の構築に貢献していくことや、防災・減災としての機能を備えること、
下水道施設を将来の人口に見合った規模に見直すことなど、様々な社会的ニーズに対応していかなければならないというふうに考えてございます。
札幌市が
下水道の整備に取り組み始めたのは大正15年で、令和8年度には
下水道事業の開始から100周年の大きな節目の年を迎えます。これまで築き上げてきた札幌の
下水道を次の100年先の未来へとつないでいくため、今後も計画的で効率的な事業運営と安定した財政運営に努め、市民の安心・安全な生活を支える
下水道事業であり続けなければならないというふうに考えてございます。
○
小竹ともこ 委員長 以上で、第3項 河川費等の質疑を終了いたします。
ここで、理事者交代のため、
委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――
休 憩 午後2時50分
再 開 午後2時52分
――――――――――――――
○
小竹ともこ 委員長 委員会を再開いたします。
次に、議案第14号 令和4年度札幌市水道事業会計予算について、質疑を行います。
◆池田由美 委員 私からは、石狩西部広域水道企業団からの受水について、質問をいたします。
石狩西部広域水道企業団は、当別ダムを水源として、札幌市、小樽市、石狩市、当別町に水道用水の供給を目的に、1992年、平成4年に設立された一部事務組合です。
第1期工事では、当別ダムの建設、当別浄水場の建設、送水管の敷設が行われ、2013年、平成25年から当別町、石狩市、小樽市に送水が開始されております。
2017年からは、札幌市への送水を進める第2期創設事業が現在スタートしておりまして、当別浄水場2期分の建設
ポンプ場の建設、そして、送水管の建設などが進められており、2025年、令和7年から札幌への送水が開始される予定とされています。
設立時の1992年、平成4年は、人口がどんどんと増えていく
見通しがありましたけれども、その後、30年が経過し、全国で人口減少の問題が広がっております。札幌においても同様であります。
札幌市として、石狩西部水道企業団からの水道水の需要についても変化してきているというふうに考えるところです。
そこで、お聞きいたします。
本市の石狩西部広域水道企業団への参画の目的について、改めて伺います。
◎村上 給水部長 石狩西部広域水道企業団への参画の目的についてお答えいたします。
札幌市は、当初、将来の水需要に対応する水量の確保と水源の分散化を目的として、企業団に参画しておりました。
しかしながら、委員のご指摘のとおり、人口減に伴って、将来の水需要が減少する見込みとなり、将来の水不足への対応は喫緊の課題ではなくなったことから、現在は、豊平川に集中している水源の分散化を目的として、企業団への参画をしております。
また、企業団からの水を西部配水池で受水することで、西部配水池への送水ルートの二重化が図られるとともに、今後予定している白川浄水場の改修を効率的に進めることができるといった副次的な効果もございます。
◆池田由美 委員 今後の水の需要については心配がないということで、災害対策としての水源の分散化など、そういったことを目的に参画してきているというご答弁だったというふうに思います。
また、先に答弁が出てしまいましたけれども、白川浄水場の改修工事との関連についても答弁がありました。西部配水池からの給水を継続することで、送水ルートの二重化についても答弁がありました。
そこで、質問いたしますけれども、送水を進めていく2期工事が今始まっておりますが、市内のどの地域に配水されることになるのか、改めて伺います。
また、
地域住民への周知はどのように考えているのか、伺いたいと思います。
◎村上 給水部長 企業団から受水する水が市内のどの地域に配水されるか、及び、
地域住民への周知についてお答えいたします。
札幌市は、令和7年度からの受水を予定してございまして、企業団から受水する水は、現在、整備が進められている送水管により西区の宮丘公園にある西部配水池で受水し、白川浄水場から送水される水と合わせて、西部配水池の配水地域に給水する予定でございます。
具体的な配水地域としましては、西区、手稲区、北区の一部などを想定しているところでございます。
配水地域にお住まいの利用者をはじめ、市民の皆様に対しましては、各戸配布のリーフレットやホームページ、各種広報媒体など、様々な機会を活用しながら、配水区域につきまして周知を図ってまいりたいと考えてございます。
◆池田由美 委員 西区と手稲区、北区の一部に配水されるというご答弁でありました。
地域住民の周知というところでは、リーフレット、ホームページなどについて今お話がありましたが、丁寧に情報提供をしていただいて、疑問にも答えていくことが重要ではないかということを求めておきたいと思います。
次に、先ほど出ておりまして、もう既に答弁されました豊平川からの送水ルートの二重化というところでありますけれども、そういった中でどのぐらいの水を必要水量としていくのかが大事かなというふうに思うのですけれども、既に始まっている2期送水事業の水道施設の規模は札幌の必要水量に合わせて設計されているというふうにも聞いているところです。
そこで、伺いますけれども、札幌市が送水に向けて必要水量をどのように考えて見込んできたのか、それから、先ほど白川浄水場の改修工事との関連についても伺いましたけれども、その視点で、まだ答弁が先にあるようでしたら伺いたいというふうに思います。
◎村上 給水部長 まず、札幌市が必要水量をどのように見込んでいるのかについてお答えいたします。
豊平川から万が一取水できなくなるなどの災害時において、炊事や洗面等に必要な生活用水を1人1日20リットル確保できるなどの観点から、札幌市の必要水量としまして、1日最大4万4,000立方メートルの受水を予定しているところでございます。
続きまして、白川浄水場の改修工事の関連についてお答えいたします。
白川浄水場の改修は、既存の浄水場を停止して実施する必要がございますことから、改修の工事中に不足する給水能力を補う新浄水場に先行して建設する計画としてございます。企業団からの受水により、新浄水場の計画当初の給水能力から受水量相当分を減らしまして、建設規模を縮小することで、建設コストを約40億円縮減することが可能となります。
◆池田由美 委員 豊平川から水が取れなくなった場合のこともご答弁がありました。そして、浄水場の規模の問題についてもご答弁があって、コストが減っていくということもございました。
石狩西部広域水道企業団から購入する水量というのは、先ほど答弁がありましたように1日最大4万4,000立方メートルですから、少ない場合もあるということなのですけれども、石狩西部水道企業団では、使わない場合も責任水量として支払う仕組みとなっております。1日4万4,000立方メートルでは、今、石狩西部では単価が111円というふうにお聞きしていますから、1日4万4,000立方メートルであれば488万4,000円、そして、1か月を30日として約1億4,652万円、1年間でいくと約17億円の負担が予想されているというふうに私は計算してみたのですけれども、今後、令和6年には、構成団体において基本水量の見直しが行われると聞いていますけれども、本市は、この受水量の変更については考えていないのか、伺います。
◎村上 給水部長 受水量4万4,000立方メートルの変更に対する考えについてお答えいたします。
平成29年に、第2期創設事業の施設規模を決定する目的で、企業団から令和7年度以降の受水量に関する照会がございました。札幌市は、1日最大4万4,000立方メートルを受水する計画であることを回答してございます。現時点では計画に変更がないことから、企業団からの1日最大受水量を変更することは考えてございません。
なお、責任水量である基本水量につきましては、通常時の平均的な受水量を企業団及び他の構成団体と合意の上、設定することとしております。
札幌市につきましては、令和7年度からの受水を予定しておりますことから、今後、この基本水量について検討を進めていきたいと考えてございます。
◆池田由美 委員 白川浄水場の改修工事で、今ある既存の浄水場の改修時に、水需要の減少も踏まえて適切な規模に調整していこうとされていると思うのですけれども、その調整の中では、石狩西部広域水道企業団からの基本水量も含めて考えているということでありました。その中で、今後、基本水量についてどのようにしていくのか、そういった検討もされていくのかなというふうに思っているところです。
私は、人口減少により水の需要というのがどんどん減り続けていく傾向にあると考えます。構成団体の必要水量が減っていくということで、石狩西部広域水道企業団の単価が今は111円ですけれども、これが値上げにならないのか、このことを非常に懸念しているところです。そうなると、自治体の負担も非常に重くなっていくということですから、今後、構成団体の協議の中では、住民負担を増やさないという立場に立って、構成団体の中で検討していく、このことが必要ではないのかということを最後に申し上げて、質問を終わります。
◆藤田稔人 委員 私からは、西野・定山渓浄水場耐震化事業について質問いたします。
近年、我が国では、台風等による浸水・土砂災害や大規模地震などの自然災害が多発しており、水道施設が被害を受けることで、長期間の断水となった事例もあります。
中でも、水道
システムの根幹である浄水場が被災した場合の影響は大きく、平成30年の胆振東部地震では、厚真町の富里浄水場が被災し、約2,000戸が断水した事例は記憶に新しいところです。
そこで、昨年の決算特別
委員会にて、本市最大の浄水場である白川浄水場の災害対策について質問したところ、新浄水場を建設する際には、災害対策について考慮した上で整備を進めるとの答弁がございました。
令和4年度予算案においては、この白川浄水場のほかにも、西野浄水場と定山渓浄水場の耐震化工事等の費用が計上されております。
西野浄水場は、白川浄水場と水源が異なるため、水源の分散化という利点があり、定山渓浄水場は、札幌市の代表的な観光地である定山渓地区という独立した給水区域を担っていることから、どちらも早期の耐震化が望まれる施設と考えております。
そこで、質問ですが、西野浄水場及び定山渓浄水場の耐震化事業について、進捗状況と今後のスケジュールについてお伺いいたします。
◎山形 浄水担当部長 西野・定山渓浄水場耐震化事業の進捗状況と今後のスケジュールについてお答えいたします。
西野浄水場と定山渓浄水場は、河川水を取り込む取水場、取水場から浄水場へ原水を送る導水管、浄
水処理を行う浄水場本体、水道水を貯留する配水池などで構成されております。
まず、西野浄水場につきましては、そのうち、取水場、導水管、浄水場本体の耐震化工事が今年度完了いたします。残る配水池は、令和4年度に耐震化工事を行い、その完成をもって西野浄水場の耐震化を完了する予定でございます。
次に、定山渓浄水場につきましては、国道230号拡幅に合わせ、導水管の耐震化工事を進めており、令和4年度に完了する見込みであります。定山渓浄水場本体などの耐震化は、令和3年度に実施いたしました耐震診断を基に、令和4年度に基本設計を行う予定でございます。この基本設計におきまして、今後の整備内容や工事スケジュールを検討することとしております。
◆藤田稔人 委員 西野浄水場は、令和4年度に耐震化を完了する予定であるということでございました。
一方で、現在、定山渓浄水場は、導水管を先行して耐震化しており、浄水場本体等の耐震化は検討段階とのことでございました。浄水場の耐震化工事を行う場合は、水道水の供給を止めないために、他の浄水場からの送水によるバックアップを受け、浄水場を停止させて施工する必要があります。西野浄水場の耐震化工事においても、白川浄水場からのバックアップを受けて施工しております。
ところが、定山渓浄水場は、白川浄水場と定山渓浄水場をつなぐ国道230号が拡幅工事中であり、バックアップ用の配管はまだ整備の途中と聞いております。浄水場間のバックアップは、耐震化工事中の配水経路を確保するだけでなく、水源である河川の水質事故や浄水場における設備の故障時に対する備えとしても有効であると考えております。
そのため、一刻も早い白川浄水場から定山渓浄水場へのバックアップ体制の確立が望まれるところです。
そこで、質問ですが、白川浄水場から定山渓浄水場へ送水するバックアップ体制はいつ確立する予定なのか、お伺いさせていただきます。
◎山形 浄水担当部長 白川浄水場から定山渓浄水場へのバックアップ体制確立の予定についてお答えいたします。
現在、白川浄水場から定山渓浄水場へ、バックアップ用の配管を敷設しており、整備延長およそ14キロメートルのうち、13キロメートルが既に完了し、令和6年度に全ての配管整備が完了する見込みとなっております。
配管のほかに、白川浄水場と比べ、定山渓浄水場は200メートルほど標高が高いことから、白川浄水場の水を定山渓浄水場へバックアップするには、2段階のポンプによる送水が必要となります。そのための送水ポンプとそれに付随する操作盤などの電気設備も令和6年度に設置を完了する予定でございます。
整備完了後は、水道法に基づく配管の水質・水圧検査や総合試運転を行い、白川浄水場から定山渓浄水場へ送水するバックアップ体制の確立は令和7年を予定しております。
◆藤田稔人 委員 白川浄水場から定山渓浄水場へのバックアップについては、令和7年にバックアップ体制が確立する予定とのことでございました。定山渓浄水場へのバックアップに関する整備を着実に進め、バックアップが可能になった際には、速やかに耐震化工事を行えるよう検討を進めていただきたいと考えております。
浄水場の耐震化については、計画的に事業に取り組んでいるとのことでございましたが、一方で、近年は、地震だけではなく豪雨による水道施設への被害も全国各地で発生しております。
昨年4月には、熱海市で発生した土石流により、配水池が損壊し、約1,100戸が断水する被害があったところです。
今回取り上げている西野浄水場と定山渓浄水場において、西野浄水場は土砂災害警戒区域に指定されていないものの、定山渓浄水場は、土砂災害警戒区域内に位置しており、土砂災害の発生が懸念されております。今回の整備において、耐震化だけではなく、土砂災害への対策も併せて進めるべきと考えております。
そこで、質問ですが、定山渓浄水場の土砂災害への対応をどのように進めていくのか、お伺いさせていただきます。
◎山形 浄水担当部長 定山渓浄水場の土砂災害対策についてお答えいたします。
ご指摘のとおり、定山渓浄水場は、浄水場本体及び配水池の一部が土砂災害警戒区域に位置しており、また、国道から浄水場へ進入する道路の一部が土砂災害特別警戒区域に位置しております。これまでに、現地にて、土砂災害のおそれがある区域と建物の位置関係などに関する詳細の調査を行ったところでございます。
令和4年度は、崩壊した土砂が建物に与える力と建物の強度を算出し、比較することで、どのような対策が必要となるか、検討する予定でございます。
具体的な土砂災害の対策といたしましては、急傾斜地に面した外壁を鉄筋コンクリートで増し打ちし、強度を向上させる、あるいは、崩壊した土砂から建築物を防護するよう斜面との間に擁壁を設置することなどが想定されます。
今後の整備におきましては、耐震性の向上に併せて、土砂災害に対しても安全な施設となるよう事業を進めてまいりたいと考えております。
◆藤田稔人 委員 白川浄水場だけではなく、西野浄水場及び定山渓浄水場についても、着実に災害に備えた整備を実施しているということでございました。
定山渓浄水場においては、今後、整備が本格することが予想されますが、地震や土砂災害はいつ発生するか分かりませんので、スケジュールに遅れを来すことのないように取り組んでいただきたいと考えております。
水道は、
市民生活に欠かせない存在であり、地震などの災害時においても平常時と同様に水道水が使用できることを多くの市民が望んでおります。引き続き、地震や土砂災害の対策に取り組み、災害に強い水道
システムを構築していただきたいと考えております。
◆水上美華 委員 私からは、配水枝線整備の現状と今後の考え方について、何点かお伺いいたします。
配水枝線は、口径が75ミリから350ミリメートルの鉄製の管路で、その延長は約5,000キロメートルあり、配水管の総延長約6,000キロメートルの大部分を占めております。
水道局では、配水枝線の主な事業として、第1期配水管更新事業と災害時重要管路耐震化事業の二つの事業を進めております。
第1期配水管更新事業については、昨年の第二部決算特別
委員会で進捗状況について質問し、配水管の更新と同時に耐震化を図り、着実に実施されていることを確認いたしました。この事業は、2013年度から2024年度までの12年間で、704キロメートルの配水枝線を更新することとしております。計画では、年間事業量を約60キロメートルとしておりますが、事業開始から10年目を迎える2022年度は、約50キロメートルを更新することとなっております。
また、2007年度から開始している災害時重要管路耐震化事業では、医療機関に加えて、小・中学校などの指定避難所へ向かう配水枝線の耐震化を進めており、この事業についても、ライフラインの災害対策の一つとして着実に進めていく必要があると考えております。
そこで、1点目の質問ですが、第1期配水管更新事業の完了の
見通しについて伺います。
また、災害時重要管路耐震化事業の進捗状況についても、併せてお伺いいたします。
◎佐々木 配水担当部長 まず、1点目の第1期配水管更新事業の完了の
見通しについてお答えいたします。
この事業では、令和6年度までに704キロメートルの配水枝線を更新することとしており、令和3年度末時点で残りの延長は約150キロメートルとなる見込みでございます。
これに対しまして、令和4年度以降の残りの3か年は、年間50キロメートルのペースで更新を実施していく予定でございますことから、目標である704キロメートルの更新を完了する見込みでございます。
次に、2点目の災害時重要管路耐震化事業の進捗状況についてお答えいたします。
この事業は、令和6年度を目標年次としており、昨年度末時点で申し上げますと、医療機関については、目標89か所に対して77か所へ向かうルートの耐震化が完了し、目標の約9割を達成してございます。
また、指定避難所については、目標45か所に対して54か所へ向かうルートの耐震化が完了し、既に目標を上回っておりますが、これは第1期配水管更新事業などのほかの事業と連携して、効率的な整備を行ったことによるものでございます。
◆水上美華 委員 第1期配水管更新事業に関しては予定どおり完了できる見込みであるということ、そして、災害時重要管路耐震化事業は順調に進んでいるということについて、理解、確認ができました。
第1期配水管更新事業では、管の外面の腐食により漏水するリスクが高い配水枝線を予測し、そこから優先的に更新を進めており、特にJR函館本線より北側の北区や東区で対象となる箇所が多いと伺っております。埋設された管路は、直接、目で確認することができないため、腐食の予測は難しいものと想像がつきますが、できるだけ予測精度を高めて、漏水するリスクの高い管路を効率的に更新していくことが重要であると考えております。
また、災害時重要管路耐震化事業については、2024年度までに目標89か所に対して順調に進んではおりますが、札幌水道ビジョンによれば、対象とする医療機関は全部で150か所としており、今後もさらに整備を進めていく必要があると考えております。
そこで、質問ですが、現時点でこれらの事業についてどのように評価しているのか、お伺いいたします。
◎佐々木 配水担当部長 第1期配水管更新事業と災害時重要管路耐震化事業の評価についてお答えいたします。
まず、第1期配水管更新事業についてですが、この事業を開始する前は、外面腐食による配水管の漏水発生件数は、北区と東区で全市の半数以上を占めており、この2区で更新を集中的に進めてまいりました。その結果、外面腐食による配水管の漏水発生件数は右肩下がりとなっておりまして、事業を開始直前の5年間で年平均14件であったものが、直近の5年間では年平均約3件と、約8割減少していることから、同事業の効果が表れていると評価しているものでございます。
次に、災害時重要管路耐震化事業についてですが、これまで、災害時に最も重要となる災害時基幹病院について優先的に耐震化を進め、14か所を完了しており、目標年次の令和6年度までには16か所全てを完了できる見込みでございます。
また、2次緊急医療機関や透析医療機関については、昨年度末時点でその約半数の耐震化を終えておりますが、委員のご指摘のとおり、今後も災害時重要施設に向かう配水枝線の整備を継続する必要があると認識しているところでございます。
◆水上美華 委員 これまで、水道局では、第1期配水管更新事業により外面腐食への対策を集中的に実施したことにより、今、答弁にありましたが、漏水の発生が着実に減ってきているということでございました。また、災害時基幹病院へのルートの耐震化も優先的に実施しているとのことであります。
しかしながら、札幌市内の配水枝線は、総延長で約5,000キロメートルにも及びます。これらの配水枝線については、今後の経年化にも対応していく必要があり、さらに、医療機関などの重要施設に向かう配水枝線の耐震化もまだ道半ばであることから、今後も継続的に更新や耐震化などの整備を実施していく必要があると考えております。
配水枝線の耐震化に関しては、さきに挙げた二つの事業に加えて、2020年度から液状化の可能性がある地区での耐震化事業も開始しております。
私ども会派では、これまでに、複数の事業計画がどのように連携しているのか、どの事業を優先するのかなどが不明確な状況になっており、水道管の耐震化を効率的に進めるためにも、これらの事業計画を統合して、総合的に配水管の耐震化を進めていく計画を策定すべきことを指摘してまいりました。
また、今後の配水枝線整備においては、外面腐食の可能性が高い管路の更新も一定程度進んできていることから、優先すべき要素を再度整理し、限られた財源の中で、より効果的に事業を進めていくべきと考えております。
そこで、質問ですが、今後どのような考え方に基づき配水枝線の整備を進めていくのか、お伺いいたします。
◎佐々木 配水担当部長 配水枝線整備の今後の考え方についてですが、今後は、全ての配水枝線を対象として、統一的な優先順位の考え方に基づき、総合的な事業計画を策定する必要があると認識しております。この計画の策定に当たっては、考慮していきたい基本的な視点が二つございます。
一つ目は、配水管を可能な限り長く使っていくことでございます。具体的に申し上げますと、現在、配水管の使用年数を最大80年と設定しておりますが、近年は、管材質の性能も向上しており、埋設管路の劣化調査からも、さらなる長寿命化が期待できるため、配水管の使用年数を最大80年から100年へ変更できないか、検討しているところでございます。
二つ目の視点は、管路の役割を踏まえた重要度でございます。今後は、配水枝線で構成されたネットワークの骨格となる管路や、災害時に重要となる管路など、個々の管路の重要度を再整理して、優先順位を検討してまいります。
現在の札幌水道ビジョンは、令和6年度までを計画期間としており、次期ビジョンの策定に当たりましては、これらの視点を踏まえて、配水管の整備に関する総合的な事業計画を定めるべく、現在、検討を進めているところでございます。
◆水上美華 委員 配水枝線整備の今後の考え方について、そしてまた、次期ビジョンの策定の方向性については理解をいたしました。
今後の事業計画策定に向けて要望させていただきます。
今後、この管路整備を計画的に実施していくに当たっては、水道工事の担い手となる施工業者の確保が不可欠であると思います。しかし、水道工事の発注の長期的な
見通しがなければ、施工業者の安定雇用や
設備投資も難しい状況になります。これらの視点も踏まえて、今後、利用者にも、そして、施工業者にも分かりやすい事業計画策定に取り組んでいただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。
◆くまがい誠一 委員 私からは、安定給水を確保するための給配水管の
維持管理などの取組について質問させていただきます。
まず、水道の凍結防止対策についてでございますが、水道は、
市民生活と
都市活動に欠かすことのできない重要なインフラであり、蛇口をひねればいつでも水が出るという、私たちのまちでは至極当たり前になっていることが将来にわたって確保されることは、水道局に課せられた重要な使命であると思います。
断水や濁水を防ぎ、安定した給水を確保していくには、利用者から一番近しい給水管や配水管の
維持管理をはじめとする様々な取組が非常に大切であると考えます。
そうした中、蛇口から突然水が出なくなる現象として、冬季の水道凍結があります。
凍った水が膨張することにより、最悪の場合、水道管が破裂し、部屋が水浸しになるという被害が考えられます。こうしたことが集合住宅で発生した場合、第三者にも損害を与える可能性が生じることが懸念されます。
昨年は、我が家でも、凍結によりトイレの給水管が破損し、一時使えなくなったことで、大変痛いというか、不便な思いもいたしました。こういった事態を防ぐには、外気温が氷点下4度以下になる場合や長時間水道を使用しない場合、水道管の水抜きをすることが最も効果的であり、そうしたことの大切さを私自身も身をもって学びました。
昨シーズンの年末年始に5日連続で最低気温が氷点下10度を下回るという厳しい寒波が訪れ、さらに帰省などで留守になる期間が重なり、水道凍結に関する問合せ件数は過去10年間で最多を記録したと聞いております。
そこで、質問ですが、昨シーズンに水道凍結が多発したことを受けて、今シーズンはどのような注意喚起の取組を行ったのか、また、その効果についてお伺いいたします。
◎佐々木 配水担当部長 水道の凍結防止における注意喚起の取組と、その効果についてお答えいたします。
委員からのご質問のとおり、昨シーズンの年末年始の水道凍結に関する問合せ件数は、例年を大幅に上回るものでございました。
そこで、厳冬期における各家庭での水抜きの必要性やその方法を分かりやすく解説した動画を新たに作成し、年末年始を迎える前の12月21日にホームページ上に公開いたしました。このことを報道機関へ情報提供いたしましたところ、テレビ各局のローカルニュースや新聞などで大きく取り上げていただきました。
さらに、水抜きの必要性やその方法を知らないといった若年層などをターゲットとしまして、ユーチューブなどの各種媒体にも広告を掲載し、積極的に注意喚起を図ったところでございます。
今シーズンの年末年始は、元日と2日の最低気温が氷点下10度を下回ったほか、真冬日を3日間記録するなど、非常に寒い日が続きましたが、12月29日から1月3日までの問合せ件数は276件と、昨シーズンの1,761件に比べて大幅に減少いたしました。
◆くまがい誠一 委員 水道凍結の発生を防ぐため、新たな啓発活動を行ったことにより、一定の効果があったものと考えます。今後とも、積極的な広報に努めていただきたいと思います。
次に、給配水管の漏水調査についてお伺いいたします。
断水や濁水を引き起こす原因として、給水管や配水管の漏水事故が挙げられます。直近では、昨年12月に、美瑛町で配水管の破損による漏水が発生し、最大3,500世帯に影響が生じ、一たび漏水事故が発生すると日常生活に大きな支障を及ぼします。さらに、漏水事故により、道路陥没や家屋への浸水などの2次被害が生じた事例もあります。
本市では、約6,000キロメートルに及ぶ配水管の健全性確保を目的として、計画的に更新事業などを進めるとともに、日常的に給水管や配水管の保守点検や漏水調査などの
維持管理も行っておりますが、この両輪の対策が重要と考えます。
給水管や配水管の漏水事故を未然に防ぐ、また、被害を最小限に抑えるためには、漏水が小さいうちにできるだけ早く発見することが重要であると考えます。
一方で、ほぼ全ての水道管は、地中1メートル以上の深さに埋設されていることから、漏水を見つけることは技術的に難易度の高い作業であると認識しています。
そこで、質問ですが、給水管及び配水管における漏水調査の具体的な取組についてお伺いいたします。
◎佐々木 配水担当部長 給水管及び配水管における漏水調査の具体的な取組についてお答えいたします。
漏水調査は、水道管に空いた穴から水が漏れるときに生じる漏水音を人の耳で捉えるといった音聴調査が主な手法でありまして、車の走行音や
下水道流水音など、様々な生活音の中から漏水音を聞き分けながら漏水箇所を探知する作業でございます。そのため、交通量が少なくなり、生活音が小さくなる夜間に作業をすることもございます。
調査の対象は、年間950キロメートルの配水管及びその配水管から分岐している全ての給水管でありますが、その選定は、毎年、配水エリアごとに測定している配水量及び水圧データの分析結果や、過去の漏水の発生状況に基づいております。
これに加えまして、冬季には、積雪時でも音聴調査が可能である消火栓を活用しておりまして、市内全ての約1万7,500基を対象としてございます。
このように、年間を通して漏水調査を実施してきているところでございます。
これらの計画的な作業のほかに、配水管の途中や配水池の出口に設置している流量計の数値に異常が見られるなど、漏水が疑われる場合は、緊急的に調査を行うこともございます。現在、漏水調査の作業のほとんどは、専門的な技術を有する札幌水道サービス協会に委託しており、発見した漏水は、札幌市観光事業協同組合に発注し、即時に修理を行っているところでございます。
◆くまがい誠一 委員 漏水事故を未然に防ぐために、日頃から昼夜を問わず地道な作業を積み重ねていることが分かりました。
漏水防止対策の成果を表す指標として漏水率というものがございます。漏水率とは、水道水が水道管を通って蛇口に至るまでに、途中でどれだけ漏れているのか、その比率を意味いたします。
本市の令和2年度の漏水率は2.1%と、政令指定都市の中でもトップクラスの水準であると聞いており、見えないところでの地道なたゆまぬ努力によって実現されたものと思います。長年にわたり漏水防止対策に取り組んできたことは、専門知識や技術の蓄積に加え、漏水を早期に発見し、即時に修理するという体制の確立にも寄与しており、今後も継承していくべきであると考えております。
このように、漏水防止対策の取組は重要な役割を担っておりますが、調査によって発見される漏水は現在の漏水率が低い状況であることから、漏水量や漏水件数は少ないものと想像できます。その分、漏水調査の効果は分かりづらく、評価されにくい状況になっているものと感じております。
そこで、質問ですが、漏水調査を含めた漏水防止対策の取組についてどのように評価しているのか、お伺いいたします。
◎佐々木 配水担当部長 漏水防止対策の取組の評価についてお答えいたします。
本市の漏水率は、計画的な漏水調査を開始した昭和44年度の20.6%から令和2年度の2.1%まで低減しており、近年は2%台で推移しているところでございます。
漏水防止対策は、漏水を早期に発見し、即時に修理するという対症療法的な対策と思われがちでありますが、漏水率が低減した現在では、漏水調査は管路の健全性を確認するという意義が大きくなっていると考えてございます。
これは、人に例えますと、定期的に行う健康診断と同じで、健康状態を確認し、もし病気の兆候が見つかれば早期に治療するといった考え方でございます。
また、水道局、札幌水道サービス協会及び札幌市観光事業協同組合の3者が協働する体制は、災害時においても有用でありまして、北海道胆振東部地震の際にも、現地での漏水調査や修理を迅速に行い、機能したところでございます。
今後も引き続き、3者の連携により、漏水防止対策に取り組み、安定給水の確保に努めてまいります。
◆くまがい誠一 委員 昭和44年には20.6%の漏水率から2.1%と、現在2%台を維持しているということで、不断の努力がこういった数字に表れているのではないかと感じるところでございます。引き続き、こうした対策にご尽力いただきたいと思います。
最後に、要望でございます。
水道事業にもICT技術の活用が進められており、
維持管理の分野においても、水量管理など、新しいサービスが開発されていると伺っております。相次ぐベテラン職員の退職が今後控えておりますが、こうした方々の熟練した技術やノウハウを学び、また、補いつつ、作業効率の向上が期待される新技術の導入に向けて積極的に検討を進めていただきたいと要望して、質問を終わらせていただきます。
◆こじまゆみ 委員 私からは、水道局の主要事業である豊平川水道水質保全事業について質問いたします。
この事業は、豊平川上流域のヒ素等を含む自然湧水や
下水処理水を、浄水場の下流まで迂回させるバイパス
システムを構築するものであります。
令和元年3定の決算特別
委員会で、事業のスケジュールや事業費について質問させていただきましたところ、事業期間の延期、総事業の増加についてご報告をいただきました。以降、取水堰、バイパス水路、斜面管路、放水口などの工事が完了し、現在は、バイパスした河川水を再び豊平川に戻す施設である管理センターの土木建築工事を順調に進めていると伺っております。
そこで、質問ですが、事業完了に向けて、今後どのような工事を予定されているのか、伺います。
◎村上 給水部長 バイパス事業における今後の工事予定についてお答えいたします。
令和4年度は、引き続き、管理センターの土木建築工事を進めるとともに、管理センター内の
水処理施設の設備工事を発注する予定でございます。
管理センターの設備工事は、
水処理に必要な薬品を貯蔵、注入する設備、
処理水の攪拌や沈殿を行う設備、処理状況を監視、制御する計算機設備などの工事を8件発注する予定でございます。
また、管理センターで発生する汚泥を処理する濃縮槽や、約5,800平方メートルの天日乾燥床などの土木建築工事も令和4年度に発注する予定でございます。
これらの今後発注する工事の総額は、約60億円となる見込みでございます。
大規模な工事の発注は、令和4年度でほぼ完了する予定でございますので、令和7年度のバイパス
システム供用開始を目指して施設整備を進めていきたいと考えてございます。
◆こじまゆみ 委員 60億円ということで、令和7年度の供用開始に向けて発注予定の工事については、今、ご説明いただき、理解いたしました。
管理センターの建設地は、斜面に大きなパイプが設置されており、バイパス
システムによる水の
エネルギーを
水力発電に活用できるのではないかと思われます。札幌市水道ビジョンの重点取組項目の一つとして、
エネルギーの効率的な活用があり、その中に、バイパス事業において水力
発電設備を設置するという記載がございます。
そこで、質問ですが、現時点における
水力発電の計画と工事の予定について伺います。
◎村上 給水部長 現時点における
水力発電の計画と工事の予定についてお答えいたします。
管理センター背後の斜面にあるバイパストンネルの終点から管理センターまで約70メートルの落差があることから、水の
エネルギーを有効利用した水力
発電設備の設置について、技術面、経済面の検討や
関係機関との協議を進めてまいりました。
平成30年度から令和元年度にかけまして実施した、調査で得られた流量データを基にバイパス
システムに最適な発電機の規模を検討した結果、札幌水道ビジョンの計画よりも大きい出力770キロワットの発電機を設置することとしました。
発電設備の設置工事につきましては、令和4年度に工事を発注し、令和7年度までに
発電設備の設置を完了し、令和8年度には運転を開始する予定でございます。
◆こじまゆみ 委員 令和8年度供用開始ということで、出力770キロワットの発電機を設置するとの答弁でございました。
藻岩浄水場の
水力発電の出力400キロワットと比較しても大きな規模であります。環境負荷低減が期待できる一方で、水道局の事業として進めるためには、ある程度の採算性も確保した上で、電力の活用方法について検討する必要があります。
そこで、質問でございますが、
水力発電による環境負荷の低減効果と発電した電力の活用方法について伺います。
◎村上 給水部長 まず、
水力発電による環境負荷の低減効果についてお答えいたします。
発電出力770キロワットの設備により、年間約430万キロワットアワーの電力を発電できる見込みでございます。これは、一般家庭1,200世帯分に相当する電力量でございます。水道局全体の使用電力量におきまして、約15%に当たる数値でございます。また、
温室効果ガスであるCO2に換算いたしますと、年に2,300トン程度の削減に相当いたします。
次に、発電した電力の活用方法についてですが、自家消費する方法と売電する方法を比較検討した結果、全量を売電する方法が
維持管理面の負担が少なく、また、固定価格買取制度、いわゆるFIT制度を活用することで、9年程度で初期費用を回収でき、採算性を十分確保できる見込みであることから、全量を売電する予定でございます。
◆こじまゆみ 委員 430万キロワット、1,200世帯分の電力がつくられるということで、これは全て9年間で採算性に乗っていく売電で、何とかやっていけるということでございました。
水道事業においては、水資源を有効に活用し、環境負荷の低減に向けた取組を積極的に進められているということは十分承知しております。
本市は、2020年2月に、札幌市内から排出される
温室効果ガスを2050年には実質ゼロにするというゼロカーボンシティーを目指すことが宣言されております。昨年の3月に札幌市
気候変動対策行動計画を策定したところでもあり、さらなる
再生可能エネルギーの導入が期待されるところでもあります。今後も、事業者としては、採算性も考慮しながら、環境施策の取組を進めることを要望いたします。
そして、最後に、木
下水道事業管理者に伺います。
我が札幌市の水道事業に尽力してこられたことから、今後の札幌市水道事業の発展のために、私たちに託される思い、そして、今後の水道事業への展望について伺わせていただき、私の質問を終わります。
◎木下 水道事業管理者 今後の水道行政の展望についてということでございますけれども、全国的に水道事業を取り巻く環境は大変厳しさを増してきております。人口の減少に伴います給水収益の減収、それから、経年劣化しました施設の更新事業の増大、さらには、技術継承、人材確保に対する取組ということで、いわゆる水道事業の三重苦というふうにも言われておりますけれども、これは、札幌水道においても決して例外ではなく、こういった課題に取り組んでいかなければなりません。
直近の状況でありますと、純利益は確保できておりまして、事務量の増加に対しましては、施設の更新積立金の活用等によりまして、当面は資金不足を生じることなく、大きな財政上の問題は生じないという見込みではありますけれども、今後、メインの浄水場であります白川浄水場の改修が本格化いたしますし、最近の情勢を鑑みますと、事業費のさらなる高騰といった不確定要素への対応も必要になってくるものというふうに考えております。
以上から、決して今後の事業について楽観視できる状況ではないというふうに考えております。
今後とも、札幌水道ビジョンの基本理念であります利用者の視点に立つという観点を念頭に置きまして、強靱かつ持続可能な水道の実現に向けて、様々な取組を着実に進めて、計画的、効率的な施設の更新、
維持管理に取り組んでいかなければならないというふうに考えております。
また、
市民生活と
都市活動に欠かすことのできない水道を守るエッセンシャルワーカーとして、新型コロナウイルスなどの対策にも取り組みまして、安全・安定の給水の継続に努めていかなければならないというふうに考えております。
○
小竹ともこ 委員長 以上で、水道事業会計の質疑を終了いたします。
以上で、本日の質疑を終了いたします。
次回の
委員会ですが、3月8日火曜日午後1時から、保健福祉局関係のうち、総務部、障がい保健福祉部及び保健医療部、国民年金関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。
本日は、これをもちまして散会いたします。
――――――――――――――
散 会 午後3時51分...