さらに、3ページ目の6 具体的な施策の展開には、四つの
基本方針ごとに、その実現に向けた取組を例示しておりまして、
電子書籍サービス推進などを通した新たな
読書機会の創出や、地域の生涯学習の場としての
地区図書館の役割を検討する
地区図書館の
調査研究など、
基本方針ごとに重点的に取り組みたい項目をお示ししているところです。
最後に、7の計画の推進のためにです。
本
プランは、
地域展開、新しい社会や生活、誰一人取り残さないを意識して推進してまいりますが、中でも、特に
地域展開を、これまでの
図書館ビジョンの
量的拡充、
質的向上に続く重要なキーワードと考えております。
また、
図書館の
利用満足度と読書が好きな
子どもの割合の増を
数値目標に掲げ、継続的な
アンケートや
図書館協議会等での報告を行うなど、適切に評価、検証をいただきながら、
基本理念の実現に向け、
プランを推進してまいりたいと考えております。
計画案の概要については、以上のとおりでございます。
なお、今後の予定でございますが、今回のご報告を経て、3月から
パブリックコメント、
キッズコメントを実施し、市民の皆様からいただいたご意見を踏まえ、必要に応じて案の修正を行った上で、成案を策定、公表したいと考えております。
○
小口智久 委員長 それでは、質疑を行います。
◆恩村
健太郎 委員 私からは、「さっぽ
ろ読書・
図書館プラン」策定に関する
パブリックコメント実施についてのただいまの説明を受けて、幾つか質問をさせていただきます。
ただいま説明がありましたように、札幌市の
図書館では、主に
図書館の運営や
サービスについての計画である
図書館ビジョンと、
子どもの
読書活動を推進するために各市町村が策定を求められている
子ども読書プラン、いわゆる
子どもの
読書活動推進計画、この二つの計画に基づいて取組を実施してきたところでございます。
特に、ここ2年ほどは、
新型コロナウイルスの影響もありまして、
読書活動推進の取組や
施設運営も難しい面があったと思いますが、資料のグラフにもありましたとおり、長い目で見ますと、
利用者の
増加傾向も見られるということでございました。
取組の成果としては、
図書館サービスを利用する機会の充実や質も向上してきたことによって
満足度も向上しており、読書が好きな
子どもの割合が
全国平均を上回るなど、一定の成果があったということでございました。
一方、
地区図書館の
利用者減少ですとか、
子どもの
読書活動推進に関しては、まだ課題が残されております。
このような
現行計画の成果や課題のほか、
社会環境の変化などを踏まえて、今回、二つの計画を統合した新たな
プランを策定することとなりました。
そこで、質問ですが、この新たな
プランでは、どのような点を重視して取組を進めていこうと考えているのか、伺います。
◎矢萩
中央図書館長 新たな
プランで重視する点についてのご質問でございます。
プランでは、これまでの成果や課題、
図書館協議会の議論などを踏まえまして、今後の
方向性を重要な三つの観点としてまとめております。
1点目としては、今後、地域の身近な学びと拠点として、
図書館の役割が増すと考えられていることから、
地域展開という観点です。
2点目は、
情報化など、急速な
社会環境の変化や
感染症対策などに柔軟に対応できるよう、変化に対応した
読書環境・
図書館という観点です。
3点目は、引き続き、広く全ての市民が
図書館サービスを利用し、
読書活動を推進していただけるよう、持続可能な
図書館運営という観点でございます。
今回の
プランでは、これら三つの観点を重視して、市民の生涯にわたる学びや創造的な活動を支えるという
基本理念を実現する取組を進めてまいりたいと考えております。
◆恩村
健太郎 委員 今のご答弁にもございましたが、この
プランで重視する観点については、
地域展開、変化に対応した
読書環境・
図書館、そして、持続可能な
図書館運営ということでございました。
ところで、私の地元にも、
清田区役所の4階に
清田図書館がございます。ただ、少し建物の古さを感じたりですとか、若干薄暗いのかなというような感じがしまして、積極的に利用したいという気持ちが少し起こりにくいのかなというふうに感じております。
一方で、白石区に整備されました
複合庁舎の
区民センター図書室やえ
ほん図書館などは、非常に新しく、雰囲気も明るいことから、
子育て世帯の方々も非常に入りやすいのかなというふうに感じております。
図書館運営を活性化していくという観点では、
清田図書館などのように、もともとある
図書館が有効に活用されていくことこそ重要ではないかなと考えております。
そういった意味でも、もともと規模が大きく、中核となる
中央図書館だけではなく、
地区図書館を中心とした地域での
サービスの展開が今後力を入れるべき部分であるとするということはうなずけますが、一口に
地域展開と言われても、どういった
方向性で取り組まれるのかなと、少し分かりにくいように感じました。
そこで、質問ですが、
地域展開というのは、具体的にどういったことで、どのような取組を行おうと考えているのか、伺います。
◎矢萩
中央図書館長 地域展開の内容と取組についてのご質問でございます。
これまでに、札幌市の
図書館では、
中央図書館を中心とした
ネットワーク化や
予約システムの構築、開館時間の拡大など、全市的に
図書館サービスの
利用機会を拡充してまいりました。
情報化や高齢化の進展、
新型コロナウイルスの影響などを背景に、
市民ニーズも変容しつつあり、今後は、従来の
利用機会の拡充から、
情報収集や身近な
問題解決の場としての利用などにシフトしていくものと推測しております。
こうした状況を踏まえまして、人生100年時代を迎える中、
図書館を地域の身近な学びの場として役立つ施設にすべきという認識でございまして、特に、
地区図書館で生涯
学習拠点としての機能を高めることや、
地域ニーズを踏まえた特定の分野の資料の強化などを
地域展開の具体例として考えているところでございます。
◆恩村
健太郎 委員
地域展開は、例えば、
地区図書館の生涯
学習拠点としての機能を高めていくことなどを考えているといったお話がございました。
地域の生涯学習の拠点として考える上では、その地域の大人はもちろんですけれども、
読書活動の推進が重要な
子どもたちも、ほかの地域の施設に行くのではなく、身近な地域の
図書館が使いやすい、こういったことが重要だと思います。
従来の
子ども読書プランのほか、国や北海道の動きなどでも
子どもの読書の重要性は指摘されてきたところでありまして、身近な地域の
子どもたちも入りやすいような
図書館となるよう、本市としても力を尽くされることを願っております。
そうした意味でも、
子どもの
読書活動を支援すべき大人が
子どものために様々な考えを持ち、取り組んでいくことも必要ですが、主役である
子どもの考えも極めて重要であると考えております。
そこで、質問ですが、本来、
子ども向けの計画は独立していたこともあり、その意味でも、
子どもの意見を聞くことを重視すべきではないかと考えますがいかがか、伺います。
◎矢萩
中央図書館長 子どもの意見を重視すべきという点についてでございます。
今回の
プランは、
子どもの
読書活動の推進が大きな
基本方針の一つでもあり、ご指摘のように、
子どもたちの意見を生かすことは大変重要であると認識しております。
プラン策定に当たりましては、
市民意見を反映させるため、
読書活動に関する
アンケートを実施しまして、5,000人以上の市民にご協力をいただきましたが、このうちの約4割は
市立小・中学校・高校の
児童生徒であり、それらの
子どもたちの意見も踏まえながら、検討に取り組んだところでございます。
また、この後行う予定の
パブリックコメントと併せて
キッズコメントも実施する予定であり、策定、公表に向けては、そうした声も参考にしたいと考えております。
◆恩村
健太郎 委員
アンケートを実施したほか、
キッズコメントも行うということで、そうした
子どもの意見を生かすための取組は私どもも重要と認識しております。加えて、意見を聴取したということばかりではなく、取り入れるべき意見については、実際の取組に生かしていくことが重要ではないでしょうか。
そこで、質問ですが、
子どもへの
アンケート結果は具体的にどのように
プランの検討に生かされているのか、伺います。
◎矢萩
中央図書館長 アンケート結果が、どのように検討され、生かされているかというご質問でございます。
アンケートの結果、小・中・高のそれぞれの
発達段階で、本を好きになったきっかけとして学校等で読書の時間があったことが挙げられていることから、各学校が取り組んでいる朝読書は効果が高いものと考えており、引き続き取組を継続してもらうよう努めたいと考えております。
同じ質問への回答で、中学生では、テレビや映画の原作本を読んで、高校生では、好きな作家ができたという理由で本が好きになったとの声も多く、この世代では、話題作の特集や展示などに効果が見込まれると考えております。
また、小学生では、本を読まなかった理由として、どの本が面白いのか分からないという回答が多く、興味深い本を紹介する
ブックリストなどに効果が見込まれることから、それらの
子ども向けの取組を進めたいと考えております。
今後も、
子どもたちの意見を大切に、
読書活動の推進につながる取組を実践してまいりたいと考えております。
◆恩村
健太郎 委員 今、小学生のほうでは、どのような本が面白いのか分からないというようなお声があったという答えでございましたが、私も、正直、幼少期、どういった本が面白いのかなというのはなかなか分かりづらかったよなと思うところがございました。
ぜひ、小さな
子どもたちから楽しめるような、そういった本をしっかりと提案できるような、そういった活動につなげていっていただきたいなと思っております。
未来を担う
子どもたちにとっても
図書館はより身近な施設であるべきと思いますので、ぜひ
子どもたちの声を聞く姿勢は今後も持ち続けていただきたいと思います。
この
プランについては、我が会派としても、昨年の1定の代表質問でも取り上げさせていただきました。そして、注目をしてきたところでもございます。その際にも触れたとおり、特に
子どもの
読書活動の時間の減少や活字離れは、
子ども側の自ら学び将来を生きる力の育成にも大きな影響があると考えております。
子どもたちの声を生かしながら、これまでの
読書活動推進計画にも増して、きめ細やかな対策、取組を行っていただくよう求めまして、私からの質問を終わります。
◆
千葉なおこ 委員 私からも、4点ほどお伺いいたします。
白石区
複合庁舎に2016年に開設されましたえ
ほん図書館は、市民の皆様からも人気があり、喜ばれているというふうにお聞きしております。私も実際に利用させていただいております。
子どもたちが小さい頃から本に触れることで、表現力や想像力が豊かになり、生きる力が身につくとも言われており、今後も、多くの
子どもたち、親御さんに利用してもらえる、愛される
図書館を目指していただきたいと思っております。
現在、本市には、合わせて47の
図書施設がございます。え
ほん図書館は1か所のみなので、遠くに住んでいる市民にとってはなかなか利用しづらいのではないかというふうに思います。
本市は、これまでも
子どもの
読書活動に力を入れてきておりますが、身近な地域の
図書館や子育てサロン、また、学校
図書館など、
子どもたちが読書に親しむためのさらなる環境の整備に取り組まれている
プラン内容となることが大変重要だと考えています。
特に、前段でも申し上げましたが、
子どもたちが小さいときからたくさんの本に出会うことは、
子どもの成長にとってもよい面があることからも、え
ほん図書館のように、親子が気兼ねなく立ち寄れる
図書館環境整備は重要な観点の一つだと考えます。
基本方針の2には、
子どもの
読書環境の充実と
読書活動の支援について取組内容が書かれております。
具体的に展開する施策として、親子で利用したい
図書館の研究、これが新規事業として挙げられておりますが、どのような取組を行うのか、お伺いいたします。
◎矢萩
中央図書館長 親子で利用したい
図書館の研究についてでございます。
プランの検討に当たって実施した
アンケートにおきまして、特に未就学児童の保護者から、親子で利用しやすい環境を望む意見が多く見られました。
このことから、え
ほん図書館のみならず、ほかの
図書館におきましても、
子ども連れでも気兼ねなく利用できる
図書館について
調査研究することを考えているものでございます。
◆
千葉なおこ 委員 私も、親子で
中央図書館や地元南区の
図書館などを利用させていただいてきました。
子どもが小さいときは、
図書館は静かにしないといけないという思いから、やはり、じっくり本を選ぶということが難しいときもございました。
図書館はいろいろな方が利用しますから、誰にとってもよい空間となることは難しい課題だとは思いますけれども、親子が利用して、
子どものための本、また、親が読みたい本、それぞれが利用しやすい、そうした
環境整備となるよう取組を進めていただきたいと思います。
次に、絵本に関連して、1点お聞きしたいと思います。
絵本は、一般的には
乳幼児向けの図書とされておりますが、
子どもだけではなく、大人もたくさんの面白さや感動や癒やしも得られるということで、近年、大人に絵本を紹介するようなコーナーがネットや書店で見かけるということも増えてまいりました。
そこで、質問いたしますが、え
ほん図書館は乳幼児への取組が中心となっておりますが、大人にも絵本を紹介する取組を様々な
図書館で行ってはどうかと考えますが、いかがでしょうか。
◎矢萩
中央図書館長 大人にも本を紹介する取組についてのご質問でございます。
ご指摘のとおり、絵本には、大人が読んでも癒やしや深い学びを得られるものが数多くあり、札幌市の
図書館では、これまでも、大人に勧める絵本の特集展示などを幾つかの
図書館で行ってきたところでございます。
頂戴したご意見につきましては、札幌市の
図書館全体で今後の取組の参考にさせていただきたいと考えます。
◆
千葉なおこ 委員 取組を今までもしてきたけれども、また検討していただけるということで、ぜひお願いしたいというふうに思います。
次に、
基本方針3の全ての市民の学びと情報の拠点としての
環境整備について伺います。
図書館の仕事を具体的に担うのは、専門職である司書です。特に、資料や情報を
利用者が自ら適切に選択できるよう支援するなどの役割は、司書の蓄積された経験が必要となります。
札幌市の
図書館2021年版の令和2年度資料のリファレンス件数の統計を見ますと、各
図書館や
地区図書館、支所などを含め、
コロナ禍においても大変多い件数というふうに見受けられます。
図書館は
図書館職員に支えられていることからも、司書が業務に専念できる体制や経験を蓄積できることが
図書館の
環境整備に大きく影響があると思います。
そこで、質問いたしますが、
図書館の仕事を担う司書の考えや意見などは
プラン全体に盛り込まれているのかどうか、お伺いいたします。
◎矢萩
中央図書館長 司書の考えや意見などの
プランへの反映ということでございます。
プラン策定に当たりましては、
アンケートや
図書館協議会の実施など、
市民意見の聴取を行うとともに、現場で
図書館サービスを担う司書などにも、随時、原案を示しながら意見を募り、計画の内容に反映させたところでございます。
◆
千葉なおこ 委員
プランのほうに盛り込まれているということでございました。
市民の質問や相談に直接関わる司書の意見が様々なところに取り入れられた
プランというのは、やはり重要ではないかと考えます。
最後に、
基本方針4の持続可能な
図書館サービスを見据えた
図書館運営についてお伺いいたします。
本文には、社会情勢や
市民ニーズに対応しながら、社会の変化を踏まえた効率的・効果的な
図書館の管理運営手法を検討し、将来にわたって持続可能な
図書館運営ができるよう
環境整備を進めるというふうに書かれております。
具体的に展開する施策の一つには、民間活力の導入を含む
図書館の効果的・効率的な管理運営手法や施設配置を検討するということが挙げられております。
そこで、質問いたしますが、効率的・効果的な
図書館の管理運営手法とはどういったものなのか、また、施設配置についての
調査研究とはどのような取組なのか、お伺いいたします。
◎矢萩
中央図書館長 効率的・効果的な
図書館の管理運営手法、また、施設配置についての
調査研究についてのご質問でございます。
社会経済環境が変化する中でも、
図書館は、時代のニーズに合わせて、的確に
サービスを提供できるよう運営していくことが求められており、そのためには、常に効率的・効果的な管理運営手法について検討していくことが必要と考えております。
また、今後、さらに人口構造など、社会の変動が見込まれる状況下で、将来に向けて適切な施設配置を
調査研究することを考えております。
管理運営手法、施設配置のいずれにおきましても、今回の
プランの重要な観点である
地域展開を進めていく上で、どのような形が望ましいかという視点で検討するものでございます。
◆
千葉なおこ 委員 札幌市の
図書館の歩みを見ますと、明治32年から始まり、時代やまちの移り変わりに合わせて
図書館も変化してきまして、現在は47の
図書施設となっています。
また、各学校図書室も加えると、身近な生活圏内に公立の
図書館、図書室があることが、本市の
基本理念とする市民の生涯にわたる学びや創造的な活動を支えるためには最も重要な部分ではないかと感じております。
また、公共施設の中で、
図書館は
利用者の多い施設の一つでございますから、今後も市民が親しみやすく利用しやすい充実した
図書館を目指す
プランとなるように求めまして、質問を終わります。
○
小口智久 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
小口智久 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
以上で、
委員会を閉会いたします。
――――――――――――――
閉 会 午前10時40分...