ツイート シェア
  1. 札幌市議会 2021-11-29
    令和 3年総合交通政策調査特別委員会−11月29日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    令和 3年総合交通政策調査特別委員会−11月29日-記録令和 3年総合交通政策調査特別委員会            札幌市議会総合交通政策調査特別委員会記録            令和3年11月29日(月曜日)       ────────────────────────       開 会 午後1時19分     ―――――――――――――― ○前川隆史 委員長  ただいまから、総合交通政策調査特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが、本日審査を行います陳情第32号の提出者から資料の提出がございましたので、お手元に配付しております。  それでは、議事に入ります。  陳情第32号 北海道新幹線札幌延伸地下トンネルルート位置変更等に関する陳情を議題といたします。  陳情第32号は、本日が初審査ですので、提出者から趣旨説明を受けるため、委員会を暫時休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午後1時19分       再 開 午後1時39分     ―――――――――――――― ○前川隆史 委員長  委員会を再開いたします。  それでは、質疑を行います。 ◆藤田稔人 委員  ただいま、セレナール桑園ツインコート管理組合藤井理事長から陳情のご説明がございました。  首都圏ではシールドトンネル工事事故が発生しており、マンション住民の不安な気持ちはお察しいたします。  まず、私からは、トンネルルート決定方法についてお伺いさせていただきます。
     陳情の中では、トンネルルートマンション直下から可能な限りJR高架橋の側に移動させるなど、ルートの再検討を行ってほしいと求めております。  そこで、質問させていただきますが、新幹線トンネルルートについてはどのように決定していたのか、お伺いさせていただきます。 ◎生野 新幹線推進室長  トンネルルート決定方法についてお答えをいたします。  トンネルルートにつきましては、新幹線建設事業主体である鉄道運輸機構現地調査や技術的な設計基準に基づいて検討を行いまして、国の事業認可を受けて決定しているものです。また、詳細な線形、ルートにつきましては、開業後の営業を担うJR北海道とも調整しながら決定しているものと聞いております。 ◆藤田稔人 委員  トンネルルート鉄道運輸機構が決定し、詳細な線形、ルートJR北海道と調整しながら決定しているとのことでございました。  次に、鉄道運輸機構における第三者委員会についてお伺いさせていただきます。  首都圏において、昨年、シールドトンネル工事事故が発生したことなどから、陳情の中では、第三者委員会においてマンションにおける安全性について検証するよう求めております。  そこで、質問させていただきますが、第三者委員会ではどのようなことを検証するのか、お伺いさせていただきます。 ◎生野 新幹線推進室長  第三者委員会における検証についてお答えをいたします。  鉄道運輸機構では、北海道新幹線における技術的な課題を解決していくために、トンネル施工に関する知識や経験が豊富な学識経験者などで構成されます第三者委員会を設置しております。  この委員会におきましては、首都圏でのシールドトンネル工事における陥没事故原因再発防止策も踏まえまして、北海道新幹線トンネル工事安全性検討を行っております。  当該マンション付近シールドトンネル施工につきましても、鉄道運輸機構におきましてこの委員会に諮りまして、この委員会において、マンション建物影響を及ぼさない施工方法となっているのかどうか、審議されるものと聞いております。 ◆藤田稔人 委員  第三者委員会の中において、マンション建物影響を及ぼさない施工方法となっているかどうかを審議するとのことでしたので、マンション住民が納得するような形で、しっかりとご検証いただきたいと思います。 ◆水上美華 委員  陳情第32号の中で、多くの要望、そしてご意見がありまして、それに関連して確認したいところがありますので、何点か質問させていただきます。  初めに、札幌市内新幹線ルートトンネル変更された経緯についてであります。  陳情の中では、高架案からトンネル案変更した根拠や理由住民説明してもらいたいと求められております。  そこで、質問ですが、トンネル変更された根拠や理由はどういったことだったのか、改めてお伺いいたします。  また、トンネル変更した際にはどのような説明住民に行ったのか、お伺いいたします。 ◎生野 新幹線推進室長  トンネル変更された経緯ですとか変更した際の説明についてお答えをいたします。  北海道新幹線の新函館北斗から札幌間の事業につきましては、平成24年度に国の事業認可を受けております。札幌市域内の計画としましては、小樽方面から手稲山付近トンネルで通過しまして、手稲区西宮の沢地区から地上部に出て、その後、在来線函館本線の南側に沿って高架構造札幌駅に至るものでした。  平成24年度に開催しました沿線住民を対象とした住民説明会では、この計画に対しまして、騒音振動日照阻害地域分断など、生活環境への影響を懸念する声が出たところでございます。  そういったことも踏まえまして、北海道札幌市が、地域住民生活環境札幌市の今後のまちづくりへの影響を極力小さくするよう鉄道運輸機構に要望しました。  それを受けまして、機構線路構造検討を行い、既存施設支障移転が少なくなることもありまして、平成29年にトンネル構造への変更に至ったものでございます。  トンネルへの構造変更に当たりましては、平成29年2月に札幌市が構造変更に係る検討状況について住民説明会を行いました。さらに、平成29年8月から9月にかけましては、鉄道運輸機構トンネル化決定に伴う住民説明会を開催しております。  これらの説明会では、トンネル変更した区間沿線住民を対象に、トンネル化に対する考え方トンネル工事工法用地補償方法などについて説明したところでございます。 ◆水上美華 委員  それでは次に、当マンションへの説明経緯と、そして、本市の関与について伺いたいと思います。  陳情の中では、事業者である鉄道運輸機構だけではなく、札幌市にも住民説明してほしいと求められているものと考えています。  そこで、質問ですが、当マンションへの説明経緯と、それに本市がどのように関与してきたのかをお伺いいたします。 ◎真野 新幹線用地担当部長  マンションへの説明経緯札幌市の関与についてお答えをいたします。  鉄道運輸機構におきましては、当該マンション理事会に対し、令和元年6月から用地測量等の相談を開始いたしました。用地測量の終了後、令和2年7月に、測量結果を基に、用地設定理由建物への影響について理事会説明し、その後、具体的な用地協議を継続しているところでございます。  札幌市におきましては、鉄道運輸機構から用地取得事務を受託しておりますことから、令和2年11月から、住民説明会の開催を打診するため、理事会との協議に本格的に参加をし、その後、理事会との調整を進め、令和3年7月に住民説明会に至ったところでございます。 ◆水上美華 委員  それでは次に、地下トンネル化に伴う環境アセスメントについて伺いたいと思います。  陳情の中では、環境アセスメントのやり直しをさせてほしいと求められております。大規模な公共事業においては環境アセスメントの手続を行うこととされており、北海道新幹線事業においても実施されたものと伺っております。  そこで、質問ですが、地下トンネル化検討に伴う環境アセスメントはどのように実施されてきたのか、お伺いいたします。 ◎生野 新幹線推進室長  地下トンネル化に伴う環境アセスメントについてお答えをいたします。  環境アセスメントとは、規模が大きく、環境に著しい影響を及ぼすおそれのある事業につきまして、環境の保全に十分配慮して行われることを目的として、事業全体の環境への影響予測し、評価を行うものでございます。  北海道新幹線事業における環境アセスメントにつきましては、事業主体である鉄道運輸機構環境影響評価法に基づき実施しておりまして、平成14年1月に評価書を公告、縦覧しております。  地下トンネル構造変更に当たりましては、法に基づく手続は必要がないものの、事業計画変更内容に基づきまして、環境影響を及ぼすおそれのある要因を検討し、騒音振動地下水の水質及び水位など10の項目について、自主的に予測評価見直しを行ったところでございます。  この予測評価では、対策を行うことなどによりまして大きな影響は生じないという結果となっておりまして、この結果につきましては、平成28年12月に公告、縦覧されております。 ◆水上美華 委員  最後に、トンネル変更する際の検討について伺いたいと思います。  陳情の中では、トンネル工事に伴う地盤沈下建物損傷や傾斜などの具体的危険性について検討した上でトンネル変更したのか、住民説明をしてほしいと求められております。  そこで、質問ですが、トンネル変更する際にはどのような検討を行ったのか、お伺いいたします。 ◎生野 新幹線推進室長  トンネル変更する際の検討についてお答えをいたします。  先ほどお答えしましたとおり、環境アセスメントにつきましては、事業全体の環境への影響評価するものでありますことから、地下トンネル変更する際には、個々の建物への影響については検討をしておりません。  環境アセスメントにおきましては、トンネル変更する区間全体について、沿線における地盤沈下に関する調査工事影響予測を行っておりまして、その予測結果としましては、地下水の排水を伴わない密閉型シールド工法を採用することによりまして、地下水位の低下による地盤沈下はほとんど生じないものとされております。  また、個々の建物への影響につきましては、トンネルルートの決定後に鉄道運輸機構において検討を行っております。そのうち、当該マンションのように、より慎重な検討が必要なものにつきましては、先ほどお答えしました第三者委員会に諮りまして、建物への影響を及ぼさない施工方法となっているか、審議されると聞いております。 ◆小口智久 委員  私からは、工事に関する内容と補償についてお伺いいたします。  まず初めに、シールドトンネルについてお伺いいたします。  陳情にも記載がありますが、首都圏においても、昨年、陥没事故などが発生し、ニュースや新聞で見聞きいたしました。  そのような中、自宅マンション近傍シールドトンネルが通過するとお聞きした住民の方々が不安を感じるのは、至極当然であり、理解できるところでございます。  そこで、質問ですが、そもそもシールドトンネルとはどういったものなのか、また、昨年の首都圏シールドトンネル工事事故について、どのようなことが原因だったのか、伺います。 ◎生野 新幹線推進室長  シールドトンネルの概要と首都圏でのシールドトンネル工事事故原因についてお答えをいたします。  シールドトンネルは、市街地や住宅密集地などにおいて、地上日常生活影響を与えることなく、地下シールドマシンで掘り進みながらトンネルを構築していくものです。  シールド工法は、全国において、都市部など地上が開発されている場所のほか、地下水の多い場所などで多数の実績がある工法となっております。  昨年、首都圏で発生しましたシールド工法事故につきましては、道路や鉄道地下トンネル工事において地表が陥没したものでございます。この事故原因につきましては、専門家による調査の結果、いずれも土砂の過剰な取り込みによって、土の中に空隙、隙間が生じることで陥没が誘発されたものであるということから、施工管理上の問題であったというふうに聞いてございます。 ◆小口智久 委員  まず、シールドトンネルは、住宅密集地などにおいて、地上生活影響を与えることなく工事ができる実績のある工法ということでしたけれども、一方で、陥没事故は土砂の過剰な取り込みによる施工管理上の問題ということでした。施工管理というのは、確実に実施されなければなりません。なぜならば、安全に工事を進める上で基本中の基本でありますから、私、個人的にですけれども、このような事故というのは意外性を禁じ得ず、掘削土量管理に対し、今回の首都圏工事は大深度の工事ということもあったみたいですけれども、大丈夫ではないかというような油断から生じた上での事故ではないかと感じたところでございます。  それでは次に、近隣関連工事についてお伺いいたします。  陳情にあります近隣関連工事として、札幌駅から桑園間の工事が示されております。  そこで、質問ですが、この近隣関連工事とはどのような工事を予定しているのか、伺います。 ◎生野 新幹線推進室長  近隣関連工事についてお答えをいたします。  当該マンションから札幌駅の方向に約60メートル向かった先に、シールドトンネル到達立て坑を構築します。シールドトンネルはここまでということになります。それより先は、地表面から掘削を行ういわゆる開削工事によりまして地下構造物が整備される計画となっております。  また、その後、トンネル石山通地下を通過してからは線路が徐々に地上に上がってきまして、札幌駅ではさらに上がりまして、在来線と同じ高さになりますことから、石山通の東側から札幌駅までの区間は、擁壁構造高架橋構造により整備される計画となっております。 ◆小口智久 委員  ただいま答弁いただきましたが、当該マンションから札幌方向に約60メートル離れたところを起点として札幌方向に向かって行う開削工事、いわゆる明かりの工事ということだと思います。分かりました。  次に、マンションに対する用地補償についてお伺いいたします。  今回のトンネル工事は、当該マンション敷地の一部を使用することになるため、何らかの用地補償が行われるものと伺っております。  そこで、質問ですが、トンネルマンションの敷地の地下を通過することでどのような用地補償が行われるのか、伺います。 ◎真野 新幹線用地担当部長  マンションに対する用地補償についてお答えをいたします。  トンネル区間用地補償につきましては、地下を使用する権利である区分地上権設定により行うこととしております。区分地上権設定とは、新幹線構造物を設置することで、土地地下利用荷重制限など、土地利用制限に伴う権利設定を指すものであり、制限等の度合いに応じて、土地所有者に対し適正に用地補償を実施するものでございます。 ◆小口智久 委員  地下を使用する権利、つまり、区分地上権設定を行い、設定された土地には使用の制限がかかるため、その代償としての補償を行うということでございます。  最後に、起こってはいけないことなのですが、万が一の事態が生じた場合の対応についてお伺いいたします。  マンション近傍トンネルが通過することにより、損傷が生じる、傾くなどといった影響に関し、住民の方は不安を感じていらっしゃると思います。  そこで、質問ですが、万が一マンションに異常が生じた場合はどのように対応する考えか、伺います。 ◎生野 新幹線推進室長  万が一マンションに異常が生じた場合の対応についてお答えをいたします。  シールドトンネル工事施工に当たりましては、周辺に影響が生じないよう安全に進めることが大前提であります。それでも、万が一トンネル工事に起因してマンション損傷が生じる、傾くなどの異常が生じた場合には、用地補償とは別に、鉄道運輸機構において適切に補償がなされることとなっております。  なお、このことにつきましては、用地補償契約書にも明記されることになっております。 ◆小口智久 委員  用地補償とは別に鉄道運輸機構が適切な補償を行うということでございました。しかしながら、幾ら補償がなされようと、現在の生活が脅かされるということは断じてあってはなりません。さきの答弁でありました、陥没事故が生じた原因と考えられるトンネル工事施工管理上の問題などが発生するなどという事態は論外でございます。  住民の不安を取り除き、今までどおり安心に生活していただくためにも、施工する鉄道運輸機構には、第三者委員会の意見も含め、マンション住民の方々に対して、誠心誠意、綿密に説明をすることが必要不可欠と考えます。 ◆吉岡弘子 委員  今の質疑の中でも、陥没事故などは断じてあってはならないというふうにありました。私たちがこの問題を考える上で一番大事なことは、予防原則の立場に立つことではないかと思います。  環境問題や保健衛生対応するための基本原則の一つですが、科学的な安全性の立証とともに予防的な行動を積極的に採用する、被害発生前に措置を講じるべきとする考えと言われています。  人命、そして、財産に被害が発生してからでは遅いわけで、マンション住民皆さんも、補償より先に安心して住み続けられるようにしてほしい、そういう願いから陳情を出されたのであります。まず、そのことに誠心誠意対応してほしいと思います。  それでは、質疑に入らせていただきます。  最初の質問は、陳情書の1ページにあります要旨1についてです。  要旨1ですけれども、トンネルルートマンション直下から可能な限りJR高架側に移動させるなど、ルートの再検討を行ってほしい、また、移動により空いた空間において十分な地盤強化対策を講じさせ、マンション建物影響が出ないようにしてほしい、トンネル位置の移動が不可能であれば、住民が安心できる具体的な地盤強化対策の提示、土地の買上げ、マンション建設代替地の提案などについて、住民に懇切かつ具体的に示してほしいとあります。  機構に対して住民へ回答するように札幌市は促すべきだと考えますがいかがか、伺います。 ◎生野 新幹線推進室長  ルート変更などについて鉄道運輸機構へ促すことに対する札幌市の考え方についてお答えいたします。  先ほどお答えしましたとおり、トンネルルートにつきましては、鉄道運輸機構現地調査や技術的な設計基準に基づき決定しているのでありまして、機構からは、当該マンション影響を与えないよう安全に工事を進めるものと聞いております。  その施工方法対策方法の詳細につきましては、今後、専門家による第三者委員会に諮りまして審議されることから、札幌市としましては、鉄道運輸機構がその審議結果を踏まえた上でトンネル工事を進めるものと考えてございます。 ◆吉岡弘子 委員  住民へ回答をするように札幌市は機構に対して促したのでしょうか、そのことについて伺いたいと思います。 ◎生野 新幹線推進室長  札幌市も機構とともに住民説明会等に出席しておりますので、機構には丁寧に説明するように求めているところでございます。 ◆吉岡弘子 委員  丁寧に説明されていないから、このような陳情が上がっているのだというふうに思います。住民の不安に答えているというふうには感じられませんでした。  次は、陳情書2ページ目の要旨2に関わって質問をさせていただきたいと思います。  札幌市の主催で、2017年、平成29年に地下トンネルルート案沿線住民への説明会、そして、機構の主催で、8月から9月に住民説明会がありました。2016年に環境アセスメントが作成されたわけですけれども、陳情書では、札幌市においては、係る超近接ルートや、その危険性を承知の上で環境アセスメントも賛同したのでしょうかと書かれています。このことについてお聞きします。  あわせて、市長はどのような理由で同意されたのか、また、機構説明会地盤沈下による被害事例説明をされてきたのかどうか。説明されていれば、それを受けて市はどのように対応されてきたのか、お伺いいたします。 ◎生野 新幹線推進室長  ルート変更に伴う環境アセスメントへの同意並びに地盤沈下への被害事例説明についてお答えをいたします。  先ほどお答えしましたとおり、環境アセスメントにつきましては、個別の建物についての影響評価するものではなく、地下トンネルへの構造変更に当たって、鉄道運輸機構が自主的に環境影響を及ぼすおそれのある要因を検討し、予測評価見直しを行ったものでございます。  その予測評価は、事業全体を評価したものでありまして、対策を行うことなどで周辺環境に大きな影響は生じないという結果になってございます。  札幌市としましても、この評価については、法令の趣旨にのっとって適切に行われているものと認識しております。  また、シールドトンネル工事における事故事例につきましては、当該マンション住民説明会におきまして、鉄道運輸機構から説明をしております。 ◆吉岡弘子 委員  二つ目に、市長はどのような理由で同意されたのかということでお聞きしました。やはり、住民皆さんにとっては、命にも関わる、人生にも関わる本当に大事な問題で、一般的に考えればとても危険だというふうに誰もが思うような状態ですから、この状況に対して市民を代表する市長がどのような理由で同意をされたのかということを伺いたいと思います。 ◎生野 新幹線推進室長  トンネルルートへの変更につきましては、先ほどお答えしましたとおり、騒音ですとか振動日照阻害地域分断など、そういった生活環境への影響を懸念する声が出たことにより、札幌市と北海道鉄道運輸機構変更を求めたところでございます。
     それに伴ってトンネルルート変更したわけですけれども、その環境アセスメントにつきましては、今お答えしましたとおり、対策を行うことにより周辺環境に大きな影響を生じないという結果となっておりますので、この結果については、法令の趣旨にのっとって適切に行われているということで同意をしたところでございます。 ◆吉岡弘子 委員  法令にのっとっているということでしたけれども、法令だけが全てではないというふうに思います。  また、地盤沈下被害事例についてお話しされたというふうに言っておりましたけれども、2017年の住民説明会の中でされたのでしょうか、最初の段階でされたのでしょうか、そのことについて伺います。 ◎生野 新幹線推進室長  地盤沈下につきましては、昨年に首都圏で起こった沈下の事例ということですので、今年の7月の説明会において説明したところでございます。 ◆吉岡弘子 委員  2015年と2017年6月に、北陸新幹線高丘トンネル、長野県の中野市になりますけれども、ここでは2回の陥没事故が起きています。トンネルの真上で住宅が被害を受けたというのがそのうちの一つなのですけれども、これは本当に重大な陥没事故の例だというふうに思います。  ですから、2017年6月に起きていて、その後に機構説明会をしているわけですから、このことは、やはり、真摯な態度と言うのであれば、きちんと住民皆さん説明する必要があったのではないかというふうに思います。陥没の事実を伝えないのは、誠意がない対応だと思います。  そして、2017年、平成29年の住民説明会の資料を見させていただきましたが、20ページ、検討中のトンネルの深さというところには、おおむね20メートルから50メートルというふうに、西区、手稲区のところなのだと思うのですけれども、書かれておりました。  ですから、この説明書を見る限りでは、桑園のこの部分はこんなに地表から浅いところにあるというのは分からなかったのではないかなというふうに思います。マンションの真下を食い込むようにトンネルが通過するということを住民皆さんが知ったのは、先ほどからも言われているように、2020年、令和2年の5月です。説明を受けたというのではなく、住民皆さんからの問合せで分かったというふうに陳情では書かれておりました。  新幹線トンネルマンションの基礎との位置関係は先ほどから言われています。最短では4.3メートル、マンション基礎に対し保護層が42.6センチ食い込んで、同じくマンションの壁には2.6センチ食い込んでいて、トンネルの上部はわずか5メートルです。札幌市街地のトンネル工事で、ほかにもこの陳情と同じように建物の下に食い込む場所があるのか、また、食い込む場所が何か所あって、建物から何メートルの位置なのか、伺います。 ◎生野 新幹線推進室長  建物下に構築されるトンネルの場所と深さについてお答えをいたします。  札幌市内トンネルルートにおきましては、手稲区などで住宅などの建物の下を通過している箇所があります。その深さとしては、地表面から15メートルから60メートル程度となっております。また、当該マンション付近におきましては、当該マンションと同様に建物やJR在来線の高架橋などに近接している場所がございます。  いずれにしましても、鉄道運輸機構において、付近の建物などへ影響を及ぼさないよう、しっかりと対策を行いながら工事を進めていくものと認識をしております。 ◆吉岡弘子 委員  いずれにしても、こんなに浅い場所で、4メートルしか離れていない、これはここだけだということが分かりました。  次に、5ページの経緯について質問させていただきます。  マンションの僅か4メートル地下新幹線トンネルが通るのをマンション住民が知ったのは2020年5月というお話は何度もされていますが、機構が測量した後に白いペンキでマーキングがあるのを発見して、それを問い合わせたらそうだったということで、この位置が分かったということでした。  トンネルが、このようにマンションの近くを走るという事実と、食い込むということを知ったのはいつなのでしょうか。  また、このマンションは、基礎くいのない直接基礎方式となっていますけれども、くいがあったらトンネル工事は可能だったのか、また、このような基礎くいのないマンションのそばに、こういうところにトンネルを掘っている事例というのは全国であるのか、伺います。 ◎生野 新幹線推進室長  札幌市がマンショントンネルの位置関係を知った時期、それから、もしくいがあった場合、工事はどうだったのかということと、くいのないマンション付近での施工事例について、3点ご質問があったということでございます。  まず初めに、札幌市が当該マンショントンネルの位置関係を把握した時期についてでありますが、新幹線事業における用地測量が完了した令和2年6月頃でございます。  また、2点目のくいがあった場合に施工が可能だったかということでありますが、くいの長さですとかシールドトンネルとくいとの近接度合いなどによっても取扱いが異なりますことから、工事が可能なのか、支障移転が必要なのかについては一概に言えないものと考えてございます。  3点目のくいのないマンション付近の施工事例についてですが、マンションではありませんけれども、首都圏地下鉄において、くいのないビルの下をシールドトンネルが通過した事例があると鉄道運輸機構から聞いてございます。 ◆吉岡弘子 委員  桑園地区の歩みと現在の姿というのがネットにあったんですけれど、明治8年に山形県の酒田藩の旧武士たちが開拓して、昭和の初めには、桑園駅の南側、自動車学校があった辺りに直径50メートルぐらいの沼があったと書かれています。  先ほど陳情者のお話にもありましたけれど、地理院の古い地図を見ると、トンネルルートを挟んでかなり広い川がマンションの位置にあります。陳情書には5メートルから7メートルというふうに書いていますが、地図を見ると、もっと広いように見えます。サケも遡上していたというふうに書かれています。  また、陳情書には、マンション地下には揚水ポンプを設置して湧き水に対応しているというふうに書いています。川を埋めても水脈は消えるわけではないですから、地盤沈下の不安はもっともなことだと思います。  路面下空洞対策連絡会というものがあるんですけれども、第1回路面下空洞対策連絡会の路面下空洞調査結果というものが出ております。  これによりますと、札幌市の地下鉄路線における155キロメートルを調査しているんですが、ここにおける胆振東部地震前後の空洞箇所が調べられています。地震前、これは2013年ですが、317か所だったのが、地震後、これは地震のあった2018年の後に調べていますが、539か所と1.7倍に増えています。  当然、私たちが住むこの日本列島は、いつ地震があるか分からないわけですから、この地震で空洞が増えるということがこの調査の中からも明らかに示されているということです。  次の質問は、6ページにかかるところですが、昨年12月、住民の要請でマンション直近の1〜2か所で地質調査を実施されましたが、その結果について伺います。  マンションの方々が一番不安なことは地盤沈下だと思います。機構札幌市も地盤沈下はないと言い切れるのか、伺います。 ◎生野 新幹線推進室長  地盤沈下の可能性についてお答えをいたします。  先ほどお答えしましたとおり、トンネルへの構造変更に当たって実施しました環境アセスメントにおきましては、地下水の排水を行わない密閉型シールド工法を採用することによりまして、地下水位の低下による地盤沈下はほとんど生じないとされているところでございます。  また、トンネル工事におきましては、近隣の地盤や建物に変異が生じることがございます。鉄道運輸機構が実施した解析によりますと、当該マンションにおいても変異が生じると予測されておりますけれども、建物には問題がないというふうに聞いてございます。  なお、この結果につきましては、今年の7月に開催した住民説明会において、マンション住民の方々にも説明したところでございます。  いずれにしましても、トンネル工事におけるマンションへの影響につきましては、鉄道運輸機構第三者委員会に諮り、その審議結果を踏まえた上でトンネル工事を進めるものと考えてございます。 ◆吉岡弘子 委員  ボーリング調査結果を私も見せていただきました。法律上は問題ないということですけれども、どちらのマンションも、調査では、部分的とはいえ、N値が低い部分が存在しているというのは事実です。実際には、北陸新幹線トンネル化陥没被害が発生したのも、神奈川県横浜市相武鉄道陥没事故も、東京都調布市の東京外環道路の陥没事故も、いずれもトンネル工事が違法だったわけではありません。法律が万全かといえば、そうではないと思います。マンションの状況は、先ほどから言われているように、様々な不安要素が重なっています。だから、住民皆さんは不安を拭い切れないわけで、陳情で訴えています。  これは、全く道理のあることではないかと思います。陳情書で何度も繰り返し訴えているのは、機構に要請して回答を促してほしい、住民に懇切かつ具体的に示してほしい、分かりやすく説明してほしい、こういう言葉が10回以上ありました。  札樽トンネルの富丘工区では、夏から掘削工事が始まりました。先ほどもお話があったように、明かり工区、北8条西12丁目から北5条西8丁目の対策部分と言われているところですが、ここの工事は、来年早々に着手されることになっています。  陳情書の9ページにあります、万が一を考えここは一旦立ち止まり、トンネルルート確定前に第三者委員会を設置して安全性を証明し、住民に開示してほしい、そして、札幌市がこの立場にしっかりと立ってほしいというのが住民皆さんの願いではないでしょうか。  新幹線の2030年札幌開業が先にありきで、住民との合意がないままに工事が進められることのないよう、この陳情が採択されることを私からも訴えて、質問を終わります。 ◆石川さわ子 委員  私からも質問をさせていただきます。  本委員会では、この間、北海道新幹線建設事業やそれに伴う掘削土の搬入先の問題などについて審議をしてきたわけであります。  新幹線の建設事業に当たりましては、市民の安心・安全が確保されることが大前提でありまして、加えて、住民皆さんの理解なくしては進めることができないという認識を、私は、この間の委員会で認識を確認してきているところであります。  説明については、一義的には鉄道運輸機構のほうに説明責任があるということから、札幌市は機構に丁寧に説明することを要請しておりますが、札幌市においても、機構にお任せするだけではなく、札幌市が共に取り組むということを、この間、求めてきたところであります。  そこで、先ほど質疑の中で、当マンションへの説明経緯と市の関与というところで質問があり、そのお答えの中で、令和元年の6月、7月、令和2年11月、令和3年7月に説明会に参加するなどのお話がありました。  そこで、1点確認をさせていただきたいんですが、この市の関与というのは、先ほども、陳情者の方にどのような問合せをしたのかということを確認させていただきたくて質問をしたところなんですが、令和元年、2019年8月に立て坑の掘削に着手をしたということが9月18日の総合交通政策調査特別委員会の議事録で明らかになっているんですが、一般的に立て坑の掘削に着手をしたという段階で札幌市がトンネルマンションの位置関係をその時点では把握をしておらず、知ったのはいつかということで、今の質問の答えでは令和2年6月だということだったのですが、そうだったのかどうか、事実をもう一度教えていただきたいと思います。 ◎生野 新幹線推進室長  トンネルの詳細なルートを知ったのはいつかということでございます。  先ほどお答えしましたとおり、機構のほうでトンネル化が決まってから測量等の検討を行っておりましたので、札幌市がトンネルルートの詳細を知ったのは昨年ということでございます。 ◆石川さわ子 委員  工事の進め方として、立て坑の掘削に着手した段階では、トンネルマンションの位置関係については詳細には分からなかったということを今確認しました。  陳情要旨説明としましても、たくさんの疑問点ですとか要請していただきたいことが述べられておりますけれども、市民からの問合せ窓口としては、札幌市と建設主体である鉄道運輸機構が、この間、担ってきていることでありまして、私はそのように認識をしております。  それぞれ札幌市や機構のほうに届いた問合せ等の内容については、いずれの所管によるものかにかかわらず、内容をしっかり承った上で日常的に情報交換を行っており、適切な対応が取れる体制を構築しているというのは、平成30年5月の委員会での室長の答弁でありました。  その答弁によりますと、日常的に情報交換を行っており、適切な対応が取れる、これは住民の不安にしっかりと対応していくために私は必要な体制だというふうには思っておりますけれども、今日の陳情者の趣旨説明のように、様々な不安や、なかなか手の届かない要請が出てきているわけであります。  そこで、質問でありますけれども、こうしたことを踏まえて、本市は、今、どのようにこの陳情を受け止めておられるのか、伺います。 ◎真野 新幹線用地担当部長  今回の陳情に対する札幌市の受け止め方についてお答えをいたします。  札幌市といたしましては、北海道新幹線事業の円滑な事業進捗を図るために、鉄道運輸機構と連携するなど、協力を行っているところであります。  住民説明会への同席や、今年の春からはマンション理事会との窓口になるなど、丁寧に対応をしてきたところでございます。  しかしながら、今回の陳情が提出された要因といたしましては、昨年、首都圏シールドトンネル工事における陥没事故が発生したことなどから、当該マンションの付近をシールドトンネルが通過することについて、マンションにお住まいの方々が不安を抱かれたことによるものというふうに考えております。 ◆石川さわ子 委員  本市が鉄道運輸機構と連携協力をしながら、窓口にもなってきたというご答弁でありましたが、陳情者のお話を伺いますと、住民側の不安は一向に払拭されていないというふうに受け止めるところであります。  地権者のそうした懸念ですとか不安を無視して工事を強行することは絶対あってはならないということは言うまでもないというふうに思います。  また、説明の中にもありましたけれども、仮に区分地上権設定をしようとしても、マンションの臨時総会の開催さえ困難という状況は、非常に理解するところであります。  こうした住民側との信頼関係を皆さんが構築するために、より一層、丁寧な説明が求められているというふうに思います。  そこで、もう一つの質問でありますけれども、鉄道運輸機構側の説明に対する住民の受け止めは大変厳しい指摘があるというふうに思います。マンションにお住まいの全住民皆さんの理解に向けて、札幌市は、今後どのような姿勢で取り組むお考えか、伺います。 ◎真野 新幹線用地担当部長  札幌市の今後の取組姿勢についてお答えをいたします。  当該マンションにおける用地協議におきましては、理事会の皆様の協力をはじめ、マンションの全ての住民の同意が必要でございます。  札幌市といたしましては、鉄道運輸機構に対して、安全に工事を進めてもらうことを求めますとともに、住民の皆様の立場や不安に寄り添った真摯な態度で、丁寧に対応していきたいと考えているところでございます。 ◆石川さわ子 委員  安全に工事を進めてもらうことを求める前に、十分に信頼関係を構築するように、説明を丁寧に行っていくということを、鉄道運輸機構とともに行うことを強く求めて、質問を終わります。 ○前川隆史 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○前川隆史 委員長  なければ、質疑を終了いたします。  ここで、陳情第32号の取扱いについてお諮りいたします。  取扱いは、いかがいたしますか。  (「継続」「採択」と呼ぶ者あり) ○前川隆史 委員長  継続と採択とに意見が分かれておりますので、改めてお諮りしたいと思います。  陳情第32号を継続審査とすることに賛成の委員の起立を求めます。  (賛成者起立) ○前川隆史 委員長  起立多数であります。  よって、陳情第32号は、継続審査とすることと決定いたしました。  以上で、委員会を閉会いたします。     ――――――――――――――       閉 会 午後2時31分...