それに伴って
トンネルルートへ
変更したわけですけれども、その
環境アセスメントにつきましては、今
お答えしましたとおり、
対策を行うことにより
周辺環境に大きな
影響を生じないという結果となっておりますので、この結果については、
法令の趣旨にのっとって適切に行われているということで同意をしたところでございます。
◆
吉岡弘子 委員 法令にのっとっているということでしたけれども、
法令だけが全てではないというふうに思います。
また、
地盤沈下の
被害事例についてお話しされたというふうに言っておりましたけれども、2017年の
住民説明会の中でされたのでしょうか、最初の段階でされたのでしょうか、そのことについて伺います。
◎
生野 新幹線推進室長 地盤沈下につきましては、昨年に
首都圏で起こった沈下の事例ということですので、今年の7月の
説明会において
説明したところでございます。
◆
吉岡弘子 委員 2015年と2017年6月に、
北陸新幹線の
高丘トンネル、長野県の中野市になりますけれども、ここでは2回の
陥没事故が起きています。
トンネルの真上で住宅が
被害を受けたというのがそのうちの一つなのですけれども、これは本当に重大な
陥没事故の例だというふうに思います。
ですから、2017年6月に起きていて、その後に
機構が
説明会をしているわけですから、このことは、やはり、真摯な態度と言うのであれば、きちんと
住民の
皆さんに
説明する必要があったのではないかというふうに思います。
陥没の事実を伝えないのは、誠意がない
対応だと思います。
そして、2017年、
平成29年の
住民説明会の資料を見させていただきましたが、20ページ、
検討中の
トンネルの深さというところには、おおむね20メートルから50メートルというふうに、西区、手稲区のところなのだと思うのですけれども、書かれておりました。
ですから、この
説明書を見る限りでは、
桑園のこの部分はこんなに地表から浅いところにあるというのは分からなかったのではないかなというふうに思います。
マンションの真下を食い込むように
トンネルが通過するということを
住民の
皆さんが知ったのは、
先ほどからも言われているように、2020年、
令和2年の5月です。
説明を受けたというのではなく、
住民の
皆さんからの問合せで分かったというふうに
陳情では書かれておりました。
新幹線トンネルと
マンションの基礎との位置関係は
先ほどから言われています。最短では4.3メートル、
マンション基礎に対し保護層が42.6センチ食い込んで、同じく
マンションの壁には2.6センチ食い込んでいて、
トンネルの上部はわずか5メートルです。
札幌市街地の
トンネル工事で、ほかにもこの
陳情と同じように
建物の下に食い込む場所があるのか、また、食い込む場所が何か所あって、
建物から何メートルの位置なのか、伺います。
◎
生野 新幹線推進室長 建物下に構築される
トンネルの場所と深さについて
お答えをいたします。
札幌市内の
トンネルルートにおきましては、手稲区などで住宅などの
建物の下を通過している箇所があります。その深さとしては、
地表面から15メートルから60メートル程度となっております。また、
当該マンション付近におきましては、
当該マンションと同様に
建物やJR
在来線の高架橋などに近接している場所がございます。
いずれにしましても、
鉄道・
運輸機構において、付近の
建物などへ
影響を及ぼさないよう、しっかりと
対策を行いながら
工事を進めていくものと認識をしております。
◆
吉岡弘子 委員 いずれにしても、こんなに浅い場所で、4メートルしか離れていない、これはここだけだということが分かりました。
次に、5ページの
経緯について
質問させていただきます。
マンションの僅か4メートル
地下を
新幹線トンネルが通るのを
マンション住民が知ったのは2020年5月というお話は何度もされていますが、
機構が測量した後に白いペンキでマーキングがあるのを発見して、それを問い合わせたらそうだったということで、この位置が分かったということでした。
トンネルが、このように
マンションの近くを走るという事実と、食い込むということを知ったのはいつなのでしょうか。
また、この
マンションは、基礎くいのない直接基礎方式となっていますけれども、くいがあったら
トンネル工事は可能だったのか、また、このような基礎くいのない
マンションのそばに、こういうところに
トンネルを掘っている事例というのは全国であるのか、伺います。
◎
生野 新幹線推進室長 札幌市が
マンションと
トンネルの位置関係を知った時期、それから、もしくいがあった場合、
工事はどうだったのかということと、くいのない
マンション付近での施
工事例について、3点ご
質問があったということでございます。
まず初めに、
札幌市が
当該マンションと
トンネルの位置関係を把握した時期についてでありますが、
新幹線事業における
用地測量が完了した
令和2年6月頃でございます。
また、2点目のくいがあった場合に
施工が可能だったかということでありますが、くいの長さですとか
シールドトンネルとくいとの近接度合いなどによっても取扱いが異なりますことから、
工事が可能なのか、
支障移転が必要なのかについては一概に言えないものと考えてございます。
3点目のくいのない
マンション付近の施
工事例についてですが、
マンションではありませんけれども、
首都圏の
地下鉄において、くいのないビルの下を
シールドトンネルが通過した事例があると
鉄道・
運輸機構から聞いてございます。
◆
吉岡弘子 委員 桑園地区の歩みと現在の姿というのがネットにあったんですけれど、明治8年に山形県の酒田藩の旧武士たちが開拓して、昭和の初めには、
桑園駅の南側、自動車学校があった辺りに直径50メートルぐらいの沼があったと書かれています。
先ほど、
陳情者のお話にもありましたけれど、地理院の古い地図を見ると、
トンネルルートを挟んでかなり広い川が
マンションの位置にあります。
陳情書には5メートルから7メートルというふうに書いていますが、地図を見ると、もっと広いように見えます。サケも遡上していたというふうに書かれています。
また、
陳情書には、
マンションの
地下には揚水ポンプを設置して湧き水に
対応しているというふうに書いています。川を埋めても水脈は消えるわけではないですから、
地盤沈下の不安はもっともなことだと思います。
路面下空洞
対策連絡会というものがあるんですけれども、第1回路面下空洞
対策連絡会の路面下空洞
調査結果というものが出ております。
これによりますと、
札幌市の
地下鉄路線における155キロメートルを
調査しているんですが、ここにおける胆振東部地震前後の空洞箇所が調べられています。地震前、これは2013年ですが、317か所だったのが、地震後、これは地震のあった2018年の後に調べていますが、539か所と1.7倍に増えています。
当然、私たちが住むこの日本列島は、いつ地震があるか分からないわけですから、この地震で空洞が増えるということがこの
調査の中からも明らかに示されているということです。
次の
質問は、6ページにかかるところですが、昨年12月、
住民の要請で
マンション直近の1〜2か所で地質
調査を実施されましたが、その結果について伺います。
マンションの方々が一番不安なことは
地盤沈下だと思います。
機構も
札幌市も
地盤沈下はないと言い切れるのか、伺います。
◎
生野 新幹線推進室長 地盤沈下の可能性について
お答えをいたします。
先ほどお答えしましたとおり、
トンネルへの
構造変更に当たって実施しました
環境アセスメントにおきましては、
地下水の排水を行わない
密閉型シールド工法を採用することによりまして、
地下水位の低下による
地盤沈下はほとんど生じないとされているところでございます。
また、
トンネル工事におきましては、
近隣の地盤や
建物に変異が生じることがございます。
鉄道・
運輸機構が実施した解析によりますと、
当該マンションにおいても変異が生じると
予測されておりますけれども、
建物には問題がないというふうに聞いてございます。
なお、この結果につきましては、今年の7月に開催した
住民説明会において、
マンション住民の方々にも
説明したところでございます。
いずれにしましても、
トンネル工事における
マンションへの
影響につきましては、
鉄道・
運輸機構が
第三者委員会に諮り、その審議結果を踏まえた上で
トンネル工事を進めるものと考えてございます。
◆
吉岡弘子 委員 ボーリング
調査結果を私も見せていただきました。法律上は問題ないということですけれども、どちらの
マンションも、
調査では、部分的とはいえ、N値が低い部分が存在しているというのは事実です。実際には、
北陸新幹線の
トンネル化で
陥没被害が発生したのも、神奈川県横浜市相武
鉄道の
陥没事故も、東京都調布市の東京外環道路の
陥没事故も、いずれも
トンネル工事が違法だったわけではありません。法律が万全かといえば、そうではないと思います。
マンションの状況は、
先ほどから言われているように、様々な不安要素が重なっています。だから、
住民の
皆さんは不安を拭い切れないわけで、
陳情で訴えています。
これは、全く道理のあることではないかと思います。
陳情書で何度も繰り返し訴えているのは、
機構に要請して回答を促してほしい、
住民に懇切かつ具体的に示してほしい、分かりやすく
説明してほしい、こういう言葉が10回以上ありました。
札樽
トンネルの富丘工区では、夏から掘削
工事が始まりました。
先ほどもお話があったように、明かり工区、北8条西12丁目から北5条西8丁目の
対策部分と言われているところですが、ここの
工事は、来年早々に着手されることになっています。
陳情書の9ページにあります、
万が一を考えここは一旦立ち止まり、
トンネルルート確定前に
第三者委員会を設置して
安全性を証明し、
住民に開示してほしい、そして、
札幌市がこの立場にしっかりと立ってほしいというのが
住民の
皆さんの願いではないでしょうか。
新幹線の2030年
札幌開業が先にありきで、
住民との合意がないままに
工事が進められることのないよう、この
陳情が採択されることを私からも訴えて、
質問を終わります。
◆石川さわ子
委員 私からも
質問をさせていただきます。
本
委員会では、この間、
北海道新幹線建設
事業やそれに伴う掘削土の搬入先の問題などについて審議をしてきたわけであります。
新幹線の建設
事業に当たりましては、市民の安心・安全が確保されることが大前提でありまして、加えて、
住民の
皆さんの理解なくしては進めることができないという認識を、私は、この間の
委員会で認識を確認してきているところであります。
説明については、一義的には
鉄道・
運輸機構のほうに
説明責任があるということから、
札幌市は
機構に丁寧に
説明することを要請しておりますが、
札幌市においても、
機構にお任せするだけではなく、
札幌市が共に取り組むということを、この間、求めてきたところであります。
そこで、
先ほど、
質疑の中で、当
マンションへの
説明の
経緯と市の関与というところで
質問があり、その
お答えの中で、
令和元年の6月、7月、
令和2年11月、
令和3年7月に
説明会に参加するなどのお話がありました。
そこで、1点確認をさせていただきたいんですが、この市の関与というのは、
先ほども、
陳情者の方にどのような問合せをしたのかということを確認させていただきたくて
質問をしたところなんですが、
令和元年、2019年8月に立て坑の掘削に着手をしたということが9月18日の
総合交通政策調査特別委員会の議事録で明らかになっているんですが、一般的に立て坑の掘削に着手をしたという段階で
札幌市が
トンネルと
マンションの位置関係をその時点では把握をしておらず、知ったのはいつかということで、今の
質問の答えでは
令和2年6月だということだったのですが、そうだったのかどうか、事実をもう一度教えていただきたいと思います。
◎
生野 新幹線推進室長 トンネルの詳細な
ルートを知ったのはいつかということでございます。
先ほどお答えしましたとおり、
機構のほうで
トンネル化が決まってから測量等の
検討を行っておりましたので、
札幌市が
トンネルルートの詳細を知ったのは昨年ということでございます。
◆石川さわ子
委員 工事の進め方として、立て坑の掘削に着手した段階では、
トンネルと
マンションの位置関係については詳細には分からなかったということを今確認しました。
陳情の
要旨の
説明としましても、たくさんの疑問点ですとか要請していただきたいことが述べられておりますけれども、市民からの問合せ窓口としては、
札幌市と建設主体である
鉄道・
運輸機構が、この間、担ってきていることでありまして、私はそのように認識をしております。
それぞれ
札幌市や
機構のほうに届いた問合せ等の内容については、いずれの所管によるものかにかかわらず、内容をしっかり承った上で日常的に情報交換を行っており、適切な
対応が取れる体制を構築しているというのは、
平成30年5月の
委員会での室長の答弁でありました。
その答弁によりますと、日常的に情報交換を行っており、適切な
対応が取れる、これは
住民の不安にしっかりと
対応していくために私は必要な体制だというふうには思っておりますけれども、今日の
陳情者の
趣旨説明のように、様々な不安や、なかなか手の届かない要請が出てきているわけであります。
そこで、
質問でありますけれども、こうしたことを踏まえて、本市は、今、どのようにこの
陳情を受け止めておられるのか、伺います。
◎真野
新幹線用地担当部長 今回の
陳情に対する
札幌市の受け止め方について
お答えをいたします。
札幌市といたしましては、
北海道新幹線事業の円滑な
事業進捗を図るために、
鉄道・
運輸機構と連携するなど、協力を行っているところであります。
住民説明会への同席や、今年の春からは
マンション理事会との窓口になるなど、丁寧に
対応をしてきたところでございます。
しかしながら、今回の
陳情が提出された要因といたしましては、昨年、
首都圏で
シールドトンネル工事における
陥没事故が発生したことなどから、
当該マンションの付近を
シールドトンネルが通過することについて、
マンションにお住まいの方々が不安を抱かれたことによるものというふうに考えております。
◆石川さわ子
委員 本市が
鉄道・
運輸機構と連携協力をしながら、窓口にもなってきたというご答弁でありましたが、
陳情者のお話を伺いますと、
住民側の不安は一向に払拭されていないというふうに受け止めるところであります。
地権者のそうした懸念ですとか不安を無視して
工事を強行することは絶対あってはならないということは言うまでもないというふうに思います。
また、
説明の中にもありましたけれども、仮に
区分地上権の
設定をしようとしても、
マンションの臨時総会の開催さえ困難という状況は、非常に理解するところであります。
こうした
住民側との信頼関係を
皆さんが構築するために、より一層、丁寧な
説明が求められているというふうに思います。
そこで、もう一つの
質問でありますけれども、
鉄道・
運輸機構側の
説明に対する
住民の受け止めは大変厳しい指摘があるというふうに思います。
マンションにお住まいの全
住民の
皆さんの理解に向けて、
札幌市は、今後どのような姿勢で取り組むお考えか、伺います。
◎真野
新幹線用地担当部長 札幌市の今後の取組姿勢について
お答えをいたします。
当該マンションにおける
用地協議におきましては、
理事会の皆様の協力をはじめ、
マンションの全ての
住民の同意が必要でございます。
札幌市といたしましては、
鉄道・
運輸機構に対して、安全に
工事を進めてもらうことを求めますとともに、
住民の皆様の立場や不安に寄り添った真摯な態度で、丁寧に
対応していきたいと考えているところでございます。
◆石川さわ子
委員 安全に
工事を進めてもらうことを求める前に、十分に信頼関係を構築するように、
説明を丁寧に行っていくということを、
鉄道・
運輸機構とともに行うことを強く求めて、
質問を終わります。
○
前川隆史 委員長 ほかに
質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
前川隆史 委員長 なければ、
質疑を終了いたします。
ここで、
陳情第32号の取扱いについてお諮りいたします。
取扱いは、いかがいたしますか。
(「継続」「採択」と呼ぶ者あり)
○
前川隆史 委員長 継続と採択とに意見が分かれておりますので、改めてお諮りしたいと思います。
陳情第32号を継続審査とすることに賛成の
委員の起立を求めます。
(賛成者起立)
○
前川隆史 委員長 起立多数であります。
よって、
陳情第32号は、継続審査とすることと決定いたしました。
以上で、
委員会を閉会いたします。
――――――――――――――
閉 会 午後2時31分...