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令和 3年第一部決算特別委員会−10月14日-05号
令和 3年第二部決算特別委員会−10月14日-05号

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  1. 札幌市議会 2021-10-14
    令和 3年第二部決算特別委員会−10月14日-05号


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    最終取得日: 2024-09-10
    令和 3年第二部決算特別委員会−10月14日-05号令和 3年第二部決算特別委員会  札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第5号)               令和3年(2021年)10月14日(木曜日)       ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33名     委 員 長  村 上 ゆうこ      副委員長   松 井 隆 文     委   員  三 上 洋 右      委   員  鈴 木 健 雄     委   員  勝 木 勇 人      委   員  長 内 直 也     委   員  よこやま 峰子      委   員  こじま ゆ み     委   員  飯 島 弘 之      委   員  小 竹 ともこ     委   員  川田 ただひさ      委   員  村 松 叶 啓     委   員  小 田 昌 博      委   員  藤 田 稔 人     委   員  大 嶋   薫      委   員  峯 廻 紀 昌     委   員  山 口 かずさ      委   員  林   清 治     委   員  岩 崎 道 郎      委   員  成 田 祐 樹     委   員  うるしはら直子      委   員  あおい ひろみ     委   員  水 上 美 華      委   員  國 安 政 典     委   員  好 井 七 海      委   員  わたなべ 泰行     委   員  竹 内 孝 代      委   員  くまがい 誠一
        委   員  小 形 香 織      委   員  村 上 ひとし     委   員  佐々木 明 美      委   員  長 屋 いずみ     委   員  佐 藤   綾       ――――――――――――――――――――――――――――――――――       開 議 午前10時     ―――――――――――――― ○村上ゆうこ 委員長  ただいまから、第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項は、特にございません。  それでは、議事に入ります。  最初に、第6款 経済費 第2項 農政費のうち農業委員会関係分の質疑を行いますが、通告がありませんので、質疑を終了いたします。  農業委員会の説明員の方は、退席されて結構です。  次に、第5款 労働費 第1項 労働費の質疑を行います。 ◆好井七海 委員  私からは、多様な働き方の支援という観点から、シニア世代の就労支援と、新たな働き方であるテレワークの定着に向けた支援の2点についてお伺いいたします。  まず、1点目に、シニア世代の就労支援について伺います。  新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞により、市内企業は大きな打撃を受けていますが、その影響は労働者にも波及しており、特にシニア世代への影響は深刻です。  北海道労働局が発行している雇用情勢さっぽろによりますと、令和2年9月から令和3年8月までの1年間に事業主都合で離職した新規求職者のうち、55歳以上の世代が4割を超えており、他の世代と比べて、とりわけ大きな影響を受けていることが分かります。  また、60歳から74歳を対象に、コロナ禍における雇用への影響を聞いた民間の調査によりますと、全体の約2割、非就業者では3割超が、就労意欲が弱まったと回答しております。また、その理由として、6割以上が感染予防の外出自粛のためと回答しており、コロナ禍が長期化することで、シニア世代の就労に対する姿勢にまで影響が及んでいることがうかがえます。  シニア世代の就労は、生活費のためのみならず、生きがいを求めて働いているケースも多く、そのような方々が、コロナ禍により、社会とのつながりを絶たれただけではなく、再び社会参加する機会や、その意欲すら失われつつあるのは、深刻な事態であると認識しております。  こうした中、札幌市では、先月、緊急事態措置にありながらも、シニア世代と、シニア世代の採用意欲の高い企業とのマッチングの機会を創出するシニアワーキングさっぽろを開催いたしました。  企業の採用選考活動オンライン化が進み、合同企業説明会などの就活イベントオンライン開催が多くなる中、仕事体験つき合同企業説明会であるシニアワーキングさっぽろを対面型で開催したことは、厳しい雇用情勢に置かれたシニア世代にとっては、大変貴重であり、有意義な機会になったと思われます。  そこで、質問ですが、シニアワーキングさっぽろを開催した効果についてお伺いいたします。 ◎久道 雇用推進部長  シニア世代の就労支援についてのご質問でございます。  シニアワーキングさっぽろは、オンラインの開催となりますと、参加が難しくなるシニア世代の方が多くなることや、企業から直接対面で説明を受けられるだけではなく、様々な業種の仕事を実際に体験できる機会は逃すべきではないというふうに判断いたしまして、事前申込み制とするなど、徹底した感染症対策を講じた上で、開催をしたところでございます。  会場は、密を回避するとともに、より多くの参加企業とのマッチング機会を創出するため、大規模会場である中央区の北ガスアリーナで、9月8日、9日の2日間開催いたしまして、参加企業数は延べ81社、来場者数は延べ504人となっており、就職状況はこれから追跡調査を行う予定でおります。  なお、既に就職状況が明らかになっております令和2年度の開催では、延べ691人の来場者のうち、240人が就職に至っており、業種別内訳としましては、医療、介護、福祉が37人と最も多く、次いで、小売業が21人、清掃業が20人、警備業が15人となるなど、シニア世代の採用に積極的な企業とのマッチングの機会として定着し、一定の成果を上げているものと認識しているところでございます。 ◆好井七海 委員  オンラインの部分では難しい開催ということで、そういった中でも、感染対策をしっかりされて、504名参加されたということは、非常によかったんじゃないかなと思いますけれども、シニアワーキングさっぽろでは、同時に、イベントとして、社会保険労務士による、よくわかる年金のもらい方セミナーとか、また、プロのカメラマンによる履歴書写真撮影会などの興味深いイベント、セミナーなんかもされているとお聞きしましたので、そういったことをたくさんの方に周知していただき、また、雇用につなげていただくことを期待しております。  また、現状では、少子高齢化の進展により、中長期的には人手不足の状況はさらに深刻になることから、シニア世代は、社会の担い手として、今後も重要な存在でありますので、希望する方が働ける環境づくりが大切だと思います。そして、コロナ禍においても変わらず、行政の支援が必要であると考えます。  今後も、働くことを希望するシニア世代のために、時期を逃さず、ニーズに応じた就労支援を実施するとともに、シニアワーキングのような事業を通じて、企業にも高齢者雇用のメリットを伝えていただき、雇用の場の拡大にしっかりと取り組んでいただくことを要望し、次の質問に移ります。  次に、新たな働き方であるテレワークの定着に向けた支援についてお伺いいたします。  コロナ禍は、マスクの着用、消毒薬の利用、施設利用の際の体温計測など、市民生活にも大きな変化をもたらしております。  働き方についても、これまでのオフィスに公共交通機関などで混雑している中、出勤し、対面を基本にした働き方から、人との接触機会を減少させるため、オンラインを活用した非対面での働き方が推奨されることになり、テレワークは、決して珍しいものではなく、多くの事業所で実施されるようになっております。  テレワークが広く普及することによって、子育て中の女性や障がいのある方、家族を介護している方など、これまで十分に能力を発揮できなかった方にも活躍の機会を提供できるようになるほか、市内企業にとっても、テレワークを通じて、高度なスキルを持った市内外の人材を登用することが可能となります。  対面には対面のメリットがあり、今後の感染症の状況によっては、オフィスへ戻る動きもあるとは思われますが、一人一人が希望を持って活躍できる社会を目指すためには、多様な選択肢が用意されていることが重要であり、テレワークが新たな働き方として定着していくよう、継続して支援していく必要があると考えます。  そこで、質問ですが、新たな働き方であるテレワークを定着させるために、どのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。 ◎久道 雇用推進部長  テレワークの定着に向けた支援についてのご質問でございます。  民間の調査機関が行ったテレワークに関する調査によりますと、全国的な傾向といたしまして、緊急事態宣言まん延防止等重点措置の期間中には実施率が増加いたしますものの、解除後には減少に転じてしまう状況が見られております。  また、今年8月の同調査では、約8割の従業員が、今後もテレワークの継続を希望しているのに対しまして、約6割の従業員が、ワクチン普及後にテレワークが継続されるかどうか、企業側から聞かされていないということが明らかになっております。  企業の多くがテレワークの継続を決められない背景には、テレワークの運用に係るノウハウや経験が不足し、事務管理ですとか、勤怠管理、業績評価に不慣れなため、感染症対策以外の効果を感じにくい、そういったことがあると認識をしているところでございます。  そこで、札幌市テレワーク推進サポートセンターでは、勤怠管理等のシステムの紹介ですとか、ITコンサルタント社会保険労務士等といった専門家の相談を実施しておりますほか、様々な導入事例をホームページなどで公開しているところでございます。  今後も、こうした支援を通じて、テレワークでの多様な効果を実感していただくことで、良質なテレワークが市内に根づくよう、引き続き取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆好井七海 委員  緊急事態宣言の中では実施率が増加するものの、それがなくなると、減少に転じてしまう、その傾向があるということと、ワクチン普及後のテレワークは継続されるが、ワクチン普及後にテレワークが減少する可能性もあるんじゃないかというようなご答弁だったと思うんですけれども、私の子どもも、テレワークになって、通勤時間や身支度など、様々なところに時間の節約ができて、とてもいいと。また、電車に乗らないことでストレスもなくなって、ストレスの軽減や災害時の帰宅困難にもならないというようなこと、また、出勤したときは、格段にストレスがなく、仕事がはかどるし、会社目線でも、交通費の削減や顧客先訪問などの旅費削減といった経費削減があるけれども、デメリットと考えられるところは、自宅にいるので、運動不足や、家庭内環境によっては、宅配が来るとか、集中力に欠けることや、ネット環境がなければ、仕事ができない、また、職員とのコミュニケーション不足になるなど、メリットばかりではないことを言っておりました。  このようなことをテレワーク推進サポートセンターの中で、勤怠管理等のシステムを教えていただければ、すごくいいんじゃないかなというふうに感じました。  また、このような中で、テレワークの推進は、多様な人材の活用やワーク・ライフ・バランスの向上、首都圏から地方への移住の促進や、ワーケーションによる交流人口の増加など、感染症対策にはとどまらない、大きな効果と変化をもたらす取組であります。  新型コロナウイルス感染症の収束とともに、テレワークの支援が下火になってしまうことがないように、アフターコロナでも、能動的に生産性を上げる環境を、今後も積極的に推進していくことを求めて、質問を終わります。 ◆佐藤綾 委員  私からは、さっぽろ給付金付き就職支援事業について、3点お伺いいたします。  最初に、実績と進捗状況、評価について伺います。  コロナ禍で、本市の経済雇用状況も、厳しい状況が長期にわたって続いています。  6月の北海道の失業率は2.9%、札幌の有効求人倍率は、8月で0.83倍ということですが、厚生労働省によると、コロナ感染症により、解雇や雇い止めを余儀なくされた方は、北海道で累計4,000人を超えて、なお増加しているということです。  解雇や雇い止めは、女性や、先ほどの好井委員の質疑にもございましたけれども、高齢者にも多いと言われており、生活の困窮にも直結してしまいます。  本市では、コロナ禍での雇用対策として、給付金付き就職支援事業に取り組み、昨年、2020年度の6月より、定員300名で開始しました。年度中に200名増員し、定員を計500名として、今年の2月まで実施して、事業費の決算額は1億3,540万円でした。今年度は、昼コース400人に、新たに夜コース100人を設定し、実施しています。  そこで、お聞きいたします。  昨年度の給付金付き就職支援事業の実績とその評価について伺います。  また、今年度の進捗状況を併せて伺います。 ◎久道 雇用推進部長  昨年度の実績とその評価、それと、今年度の進捗状況についてのご質問でございます。  まず、昨年度の実績につきましては、定員500人に対しまして487人の方が参加いたしまして、このうち、職場実習に参加した方が71人、スキルアップを目指して公共職業訓練に進んだ方が25人おりまして、最終的に就職に至ったのが、参加者の5割を超える254人となっております。  参加者の内訳を見ますと、平均年齢は45.5歳で、年代別には50代が最も多く、約3割を占めております。また、無職であった方が約9割となっております。  こうした参加者には、座学や職場実習の参加時に給付金を支給しているほか、公共職業訓練に進んだ方には、受講に必要な費用の一部を支給しておりまして、その累計支給額は約1,600万円となっております。  この事業を通じまして、コロナ禍で離職等を余儀なくされた方をはじめ、生活に余裕がない方も安心して就職活動ができるよう、求職者に寄り添った支援ができたものというふうに認識しているところでございます。  次に、今年度の進捗状況についてですが、9月末時点で、定員500人に対して146人の方が参加し、定員に対する進捗率は29%となっておりますほか、就職に至った方は55人ということになっております。 ◆佐藤綾 委員  昨年度、無職の方、9割の方が就職できたということで、とてもよい効果も出ているんだと思います。  今年度の実施状況では、今、現在29%ということですけれども、昨年は、ほぼ定員数の参加で、5割を超える方も就職されているということですので、ぜひ、よりよい内容とするために、就職後、継続されているかということや、実習後とか職業訓練後の感想ですとか、そういうことも、調査を行って検証していただきたいと思います。  ハローワークの最新の発表によりますと、札幌圏の求職者数は、昨年の7月以降、14か月連続で前年同月を上回っており、直近の8月には4万人を超えています。こうしたことからも、支援を必要としている求職者に必要な情報を届けることが重要であると考えます。  特に、これまで、まん延防止等重点措置緊急事態宣言が続き、感染状況から求職活動も思うようにできなかったということもありますので、9月末で宣言が解除されましたので、今後、参加者が増えることも十分見込まれます。  私、インターネットで、札幌、求職、支援などで検索してみたんですけれども、この事業が出てこなかったんですね。市のホームページにはありますけれども、事業名を知らないと、探すのは難しいですし、分かりにくい。また、札幌市就業サポートセンターホームページを見ても分かりませんでした。これは、あまり知られていないのではないかと感じました。  本市のこの事業は、10代から60代の方が受講しておりますし、給付金つきで座学研修を受け、就職につなげるということで、多くの方に知っていただき、活用していただきたいと思っているところです。  そこで、お聞きいたします。  受講された参加者は、何をきっかけに本事業を知ったのか、お伺いいたします。  また、求職者への一層の周知・広報活動が必要だと思いますが、今後どう強化して取り組んでいくのか、伺います。 ◎久道 雇用推進部長  事業参加のきっかけと今後の広報活動の強化についてのご質問でございます。  まず、事業参加のきっかけですが、9月末までに本事業に参加した146人に対しまして、本事業の認知経路を調査いたしましたところ、区役所や区民センター等の公共施設に配架したチラシやポスターと答えた方が33人と最も多く、続いて、ハローワークで配布したチラシが28人、新聞の折り込みチラシが22人となっております。  このほか、市ホームページユーチューブの広告、友人や家族の紹介等を通じて本事業を知ったという方もいたところでございます。  今後につきましては、本事業の認知度を向上するため、効果が見られた公共施設やハローワークでの広報活動を継続するとともに、新たに、区民センターでの出張説明会の開催や、大規模ショッピングセンターでの広報掲出、コンビニエンスストアへのチラシ配架などに取り組んでいるところでございます。  さらに、求人情報誌への広告掲載や、ツイッター等SNS広告の充実、ポスティングの実施など、本事業がより多くの市民の目に留まるよう、広報活動の強化に取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ◆佐藤綾 委員  SNSやユーチューブなどですね。そういうことでもしているということでございましたし、区役所やそういう窓口でチラシを受け取った方が一番多かったということでございましたが、このチラシ媒体も、手に取れて、私も読みましたけれども、分かりやすいと思いますので、広く渡せるようにしていただきたいと思います。  そして、せっかくの就職サポートの事業で、対象となる年齢層も広いので、知っていただければ、受講する方は多くいらっしゃるのではないかと思います。  若い世代には、活用されているインターネットでの周知、ネット利用が難しい高齢者まで幅広く知ってもらう広報の工夫、また、ハローワークではもちろんのこと、各種の相談窓口など、対象者に渡すなども、これから大いに取り組んでいただいて、活用いただきたいと思います。  そこで、事業の継続についてお聞きします。  周知にも力を入れ、多くの方に活用してもらい、一日も早く安心して生活できる日々を取り戻していただきたいと考えます。  今年3月までの事業としていますが、コロナでの雇用の影響は長期化すると言われ、いまだ不透明です。雇用調整助成金の特例措置の縮小や景気の回復状況、また、感染状況にもよって、解雇や雇い止めが今後も起こり、求職者が増えるという事態も十分想定されます。  そこで、お聞きいたしますが、本事業は、引き続き来年度も実施が必要ではないかと思いますがいかがお考えか、伺います。 ◎久道 雇用推進部長  本事業の継続についてのご質問でございます。  現在の札幌圏の雇用情勢につきましては、有効求人倍率が2か月連続で前年同月を上回っておりますが、委員がご指摘のとおり、雇用調整助成金の特例措置の縮小等が雇用に与える影響については、一層の注意が必要だというふうに考えております。  その一方で、コロナ禍の影響を大きく受けている宿泊業ですとか、飲食業、サービス業等におきましては、今後の需要回復期に求人が急増する可能性もあるというふうに認識しているところでございます。  今後の雇用情勢の動向を注視することはもとより、ハローワーク等の関係機関との情報交換を通じまして、求職者の置かれた状況を的確に把握しながら、本事業の実施も含め、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。 ◆佐藤綾 委員  今ご答弁いただきましたように、この特例措置の動向、また、今後の感染状況も不明ですので、少しずつ経済活動が戻ったとしても、まだまだ時間はかかると思います。  そしてまた、来年9月にはパセオの店舗が閉められるということで、2,000人に影響があるということもお聞きしております。  来年度、そういう心配もございますし、今、予算編成の時期ですけれども、雇用情勢の先行きが見通せない状況である以上、来年度も引き続き、本事業の継続をすべきと申し上げまして、私の質問を終わります。 ◆小田昌博 委員  私からは、人手不足業界に対する人材確保の支援について、2点お伺いいたします。  初めに、給付金付き就職支援事業を通じたキャリア転換の実績についてでございます。  現在、札幌圏の雇用情勢につきましては、8月の有効求人倍率、先ほど佐藤委員からもありましたとおり、0.83倍、昨年同時期との比較でも、0.80倍ですから、ここを底に緩やかな増減を繰り返しながら下げ止まっている状況であります。  しかし、コロナの影響を受けやすい第3次産業の割合が高い札幌市では、依然として多くの求職者がおり、8月の有効求職者数は4万106人と、前年同月を2,526人上回っております。  現在は感染の状況が落ち着きを見せているとはいえ、次の波が発生する可能性がないと言えない中で、今後も雇用情勢は予断を許さない状況にあるというふうには思いますが、コロナ禍の影響で離職等を余儀なくされた方々につきましては、早期に再就職できるよう、札幌市としても支援をしていくことが非常に重要であり、そのためには、キャリア転換なども含めて、きめ細やかな支援を行う必要があるというふうに考えております。  このことにつきましては、昨年10月の新型コロナ調査特別委員会において、私から、離職者への早期再就職を実現するための、人手不足が恒常的になっている職種へのキャリア転換が有効であることを指摘させていただきました。  この指摘に対し、札幌市では、コロナの影響を受けた求職者を対象に、昨年5月から、さっぽろ給付金付き就職支援事業を実施しており、昨年の4定補正では、キャリアチェンジプログラムを追加するなど、人手不足職種へのキャリア転換の支援を前面に打ち出しております。  昨年度の事業実績につきましては、先ほどの答弁にもあったとおり、参加者487人のうち、就職が決定した方は254人とのことでございました。  そこで、1点目の質問になります。  給付金付き就職支援事業を通じて、人手不足職種へのキャリア転換がどのくらい行われたのか、お伺いいたします。 ◎久道 雇用推進部長  給付金付き就職支援事業を通じたキャリア転換の実績についてのご質問でございます。  就職が決定した254人のうち、令和2年中の職業別有効求人倍率の平均が2倍を超えるいわゆる人手不足職種に就職した方は44人であり、その内訳は、介護職が13人、警備員が10人、調理員が8人、建設・土木作業員が4人、自動車運転手4人、その他の職が5人というふうになっております。  この事業の特色である職場実習につきましては、延べ71人の参加があり、実習先には、介護業や警備業など、人材確保に苦慮している業界の企業が多く含まれているところでございます。職場実習への参加を通じて、こうした業界や職場への理解がより深まり、求職活動の視野が広がることで、人手不足職種への再就職につながったものと受け止めるところでございます。
     求職者が早期再就職を実現するためには、人手不足職種へのキャリア転換が有効であることから、本年度の事業におきましては、人手不足職種の講話や、就職準備金の対象となる職種を拡充するなど、積極的に支援をしているところでございます。 ◆小田昌博 委員  コロナの影響が長期化しまして、いわゆるK字回復と言われるように、特定の業種に影響が偏っている現状、状況におきましては、人手不足職種へのキャリア転換が再就職への近道であることから、今後も、この事業を通じて、一人でも多くの求職者が安定した生活をいち早く取り戻すことを期待するものであります。  また、人手不足職種へのキャリア転換を進めるに当たっては、こうした求職者への支援に加えて、人材不足が経営課題となっている市内の企業への支援も重要であると考えます。  北海道労働局の資料によりますと、8月末現在の職種ごとの有効求人倍率では、警備員が含まれる保安の職業が6.25倍、建設・土木作業員などが含まれる建設採掘の職業が4.10倍となっている一方で、事務の職業は0.29倍となっており、依然として、雇用のミスマッチというものが見受けられます。  こうしたミスマッチは、コロナ禍以前からの長年にわたる課題であり、すぐに解決できるものではありませんが、現在のような雇用情勢だからこそ、人手不足となる職種を受皿として、求職者をマッチングすることができれば、企業、求職者ともにウィン・ウィンの関係となり、大変望ましい結果が得られるものではないかと考えます。  雇用のミスマッチを解消する取組は、コロナ禍においては、離職者等への有効な再就職支援となることに加え、既に始まっている労働力人口の減少局面においては、限られた労働力が最適に配分されるために、効果的な取組になると確信するものであります。  そこで、二つ目の質問になります。  人材確保に苦慮している業界に対して、今後どのように支援をしていくのか、お伺いいたします。 ◎久道 雇用推進部長  人手不足業界への支援についてのご質問でございます。  求職者に対しましては、給付金付き就職支援事業のほか、就業サポートセンターにおいて、介護職員初任者研修といったスキルアップ講座や、未経験業務への不安を解消する職場体験への参加を促すなど、人手不足職種へのキャリア転換も視野に入れた個別支援を行っているところでございます。  一方、企業に対しましては、人材採用力の強化を図るため、セミナーやコンサルタント派遣などの事業を実施しているほか、昨年度からは、札幌圏の中小企業を対象にして、企業の魅力を学生に発信するインターンシップ事業を実施しているところでございます。  こうした取組に加えまして、人材確保に苦慮している業界につきましては、その魅力はもとより、不安の解消につながるような情報を、求職者に対し、積極的に発信していくことが重要だと考えております。  このため、去る10月8日、9日にオンライン形式で開催した合同企業説明会、ワークフェスさっぽろでは、建設業界の現状や魅力を伝える機会も設けたところでございます。  今後は、労働市場の動向を注視しながら、人材確保が必要な業界については、求職者との接点をより多く創出するなど、必要とされる人材の移動が円滑に進むよう、求職者と企業の双方に対し、きめ細やかな支援を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆小田昌博 委員  早期の就職につなげるため、求職者に対しては、キャリア転換を支援する取組というものがなされていますが、ミスマッチを解消していくためには、先ほど来申し上げているとおり、警備業、建設業など、人手不足業界の人材確保の支援という視点から、息の長い取組が必要であるというふうに考えます。  角度を変えますが、AIやICTといった技術の活用をしていくことも、今後はより具体になってくるでしょうが、やはり現状では人材ということになります。  今回のコロナ禍を一つの契機として、その後の社会も見据えながら、企業が必要な人材を確保でき、持てる能力を発揮できる場所を見つけられるよう、札幌市は、事業者の皆さんとも連携しながら、今後の取組と強化を求めて、私の質問を終わります。 ◆うるしはら直子 委員  私からは、コロナ禍における女性への就労支援の取組について伺います。  我が国では、男性よりも女性の非正規雇用比率が高く、不安定な立場にいる女性労働者が多いため、不況時には雇用調整の対象になりやすいと言われています。  また、今回のコロナ禍では、主に、宿泊、飲食、生活、娯楽などのサービス業に大きなダメージを与えており、これらは女性労働者が多い産業であることから、女性の雇用へのしわ寄せが際立つ状況となっています。  昨年、2020年11月にNHKなどが実施しました、民間企業で働く労働者を対象とした調査によれば、昨年4月から11月までの約7か月間に、解雇や労働時間の急減など、雇用の変化を経験した割合は、女性が男性の1.4倍も多く、また、解雇や雇い止め後に仕事も求職活動も行えずに非労働力化してしまった女性は、男性の1.6倍も多いとのことです。  札幌市は、感染症拡大の影響を受けやすい、宿泊、飲食などのサービス業の割合が高い産業構造であり、また、2017年の就業構造基本調査によれば、女性労働者の非正規雇用比率は57.8%と全国平均よりも高いことから、女性の雇用がより深刻な影響を受けているのではないかと危惧しているところです。  このように女性を取り巻く社会環境が変化している中、札幌市が女性の多様な働き方を支援する窓口であるここシェルジュSAPPOROで行っている支援は、ますます重要性を増していると考えます。  少子高齢化が進み、さらにその先には団塊ジュニア世代の大量退職等も控えており、将来にわたって構造的な労働力不足に直面するのは確実であることから、女性の多様な働き方への支援は、長期的視点からも必要であり、コロナ禍においても方向性が変わるものではありません。  しかし、足元のここシェルジュSAPPOROの状況に目を向けると、緊急事態措置等により、開設されている札幌エルプラザの休館が長期化するなど、こうした支援が停滞したのではないかと気にかけているところです。  そこで、質問ですが、コロナ禍により、事業の制約がある中で、ここシェルジュSAPPOROの利用状況はいかがか、お伺いいたします。 ◎久道 雇用推進部長  ここシェルジュSAPPOROの利用状況についてお答えいたします。  ここシェルジュSAPPOROについては、開設している札幌エルプラザが緊急事態措置等の期間に臨時休館となったことから、来所による相談業務やセミナー等が実施できない時期がありまして、令和2年度の来所数は322人と、令和元年度の650人から大きく減少しております。  来所による相談業務が実施できない期間につきましては、電話やメールに切り替えて相談を実施しておりまして、きめ細やかな対応に努めたことで、個別相談者数は343人と、令和元年度の318人より増加しているところでございます。  しかしながら、特色の一つである職場体験が、利用者の感染症に対する不安などから実施が困難であったこともありまして、令和2年度の本事業を通じた就職者数は104人と、令和元年度の125人から21人減少しております。  ここシェルジュSAPPOROでは、セミナー等のイベントについて、自宅からオンラインでの参加も可能というふうにしておりまして、今後も、感染状況を踏まえながら、より多くの子育て中の女性に利用いただけるよう運営してまいりたいというふうに考えております。 ◆うるしはら直子 委員  対面での相談業務やイベントは実施できないという制約がある中で、電話やメールによる相談を継続したほか、また、各種セミナーにおいても、オンライン方式に変更して実施するなど、可能な範囲で業務を継続してきたとのことでした。  コロナの影響で世帯主の収入が減少し、働き始めたいと考えても、家事や育児の負担も大きくなっており、仕事を取るか、家庭を取るかの二者択一に悩む女性が増えていることを実感しておりますので、今後も相談者に寄り添ったきめ細やかな対応の継続を要望いたします。  次に、コロナ禍の影響による女性の雇用ニーズの変化についてお伺いいたします。  感染症対策をきっかけにテレワークが普及し、時差出勤やローテーション勤務等が推奨されたことで、柔軟な働き方が市内の企業においても広がりを見せています。  こうした柔軟な働き方が普及し、定着すれば、出産や子育てを乗り越えて働き続けようとする女性が増えていくのではないかと期待しています。  そこで、質問ですが、コロナ禍の影響を受けた女性の雇用ニーズの変化と支援の状況について伺います。 ◎久道 雇用推進部長  女性の雇用ニーズの変化と支援の状況についてのご質問でございます。  ここシェルジュSAPPOROにおきましては、世帯主の収入が減少したので働きたい、本業の収入が減ったので、自宅での副業を検討しているといった新型コロナウイルス感染症の影響と思われる相談が寄せられており、子育てに関する相談よりも、就労に関する相談が増加しているところでございます。  また、仕事を始めたいが、感染が不安、感染が拡大し、家族に仕事を止められたなど、就労に関する意識や家族の理解にも変化が見られるところでございます。  こうした変化を受けて、育児や家事の隙間時間に働くことのできる在宅ワークへの関心が高まってきていることから、本年5月には、ここシェルジュSAPPORO内に在宅ワークに関した各種相談に応じる宅ママコーナーを新たに開設しましたほか、疑似体験できるセミナーなども充実したところでございます。 ◆うるしはら直子 委員  コロナ禍の影響により、在宅ワークのニーズが高まっていることから、ここシェルジュSAPPOROに専門の相談窓口の開設や、セミナーの充実をより支援しているとのことでした。  引き続き、こうした女性のニーズの変化を的確に把握し、対応していくとともに、テレワーク等の柔軟な働き方が市内企業に定着していくよう、取組の継続をお願いいたします。  今回のコロナ禍は、とりわけ女性労働者に大きな影響を与えています。今後も、雇用調整助成金の特例措置の段階的な廃止に伴い、その影響が深刻化することも懸念されます。  離職等を余儀なくされた女性労働者が非労働力化してしまうことのないよう、早期再就職に向けた支援を強化することはもちろんですが、コロナ禍が女性の活躍する社会の実現に向けた転機となるよう、女性の多様な働き方への支援についても、手を緩めることがないよう要望しまして、次の質問に移ります。  次に、新型コロナウイルス感染症対策として全国的に導入が進んでいるテレワークに関して伺います。  札幌市においても、感染症対策としてテレワークを導入する事業者が増加しており、2020年度上期の企業経営動向調査によると、市内事業者のテレワーク導入率は23.8%となっており、コロナ禍前である2018年度調査の5.9%と比較すると、約4倍になっています。  感染症対策の基本は、接触機会の低減であり、労働者自身はもちろんのこと、同居する家族への感染を最小限に抑えて、また、家族の健康を守るためにも、テレワークの導入が進んだことは好ましい状況だと思います。  特に、子育てや家事、介護など、家庭での負担が大きい女性にとって、在宅勤務のニーズは高く、通勤時間や隙間時間を有効に活用できることから、時間の管理をしっかりと行うことで、仕事を効率的に進めることができると期待されています。  その一方で、テレワークの導入は、業種や規模によって大きな開きがあり、私たちの生活に欠かすことのできないエッセンシャルワーカーが多く働いている、医療や福祉、小売業など、対面での業務が中心となっている業種においては、なかなか導入も難しく、また、対応が遅れているのではないかと思われます。  また、テレワークを導入するためには、書類のデータ化やノートパソコン等の機器の購入、就業規則等の整備に至るまで、大きな労力とコストを伴うことから、体力のない事業者にとっては、大きな負担になっているのではないかと思われます。  そこで、質問ですが、業種や規模の違いによるテレワークの導入状況にどのような課題があり、今後どのように対応していくのか、伺います。 ◎久道 雇用推進部長  業種・規模別の導入状況の課題とその対応についてのご質問でございます。  まず、課題についてですが、令和2年度上期の企業経営動向調査によると、テレワークの業種別の導入率は、情報通信業が最も高く、77.4%であるのに対しまして、対面業務が中心である小売業では14.9%であり、業種によって大きな開きが見られたところでございます。  また、企業規模別では、大企業の導入率が45.5%であるのに対して、中小企業では22.8%、このうち、小規模企業は13.6%となっておりまして、規模の小さな企業ほど導入率が低くなっている、こういった結果になっております。  次に、その課題への対応ですが、業種による導入の格差の是正について、テレワーク導入補助金の活用事例では、導入がなじまないとされる小売業や介護、保育といった業種からも、補助申請が行われているところでございます。  こうした業種でも、総務部門などから導入を始めるですとか、業務報告に端末を利用しているといった例があることなどから、今後は、これらを広く周知することで、幅広い業種への波及につなげてまいりたいというふうに考えております。  また、規模別に開きがあることを踏まえまして、本補助金は、大企業を除く中小企業や個人事業主だけを対象にしておりますほか、今年度におきましては、補助対象経費の下限額を引き下げまして、小規模企業にも活用しやすいよう見直したところでございます。 ◆うるしはら直子 委員  やはり、業種や規模によって導入状況に大きな開きが見られるとのことであり、導入事例の周知や補助事業の見直しを通じて、より多くの事業者で導入が進むよう取り組んでいるとの答弁でした。  業種や規模が合わないからと諦めてしまうのではなく、多くの事業者が働き方の一つとして導入を検討できるよう、市としても積極的な支援を続けていくことを求めておきたいと思います。  次に、働き手の視点から見たテレワークの課題について質問します。  テレワークは、コロナ以前から注目されてきた働き方ですが、感染症の拡大を機に始めてみて、通勤時間の減少や業務の効率化といったメリットを実感した方も多くいたようです。  先ほど好井委員への答弁にも、民間の調査機関が行った調査の数字がありましたが、連合が昨年6月に実施した調査によりますと、テレワークを経験した方のやはり8割以上が継続したいとの意向を持っており、新たな働き方の一つとして定着する素地ができつつあると感じております。  しかしながら、初めてテレワークを体験したという方の中には、オフィスでの勤務との違いに戸惑う場面もあり、メリットばかりではなく、課題も明らかになっています。  同じくこの連合の調査によると、テレワークにより、通常の勤務よりも長時間労働になることがあったという回答が半数超、51.5%もあったほか、テレワークによる残業を申告しなかったとの回答が6割超となっています。  このほかに、在宅勤務をした際の電気代や通信費用などの費用についても、会社から負担がなく、自己負担となっているですとか、真夏に自宅でのテレワークは暑くて大変だった、また、上司や同僚などへの仕事の相談やコミュニケーションが取りづらかったという声も、私の元にも聞こえております。  テレワークが新しい働き方として不安なく実施されていくためには、これらの課題を解決し、労使双方がそのメリットを享受できるよう、テレワークの質の向上を図ることが必要です。  そこで、質問ですが、働き手がテレワークで直面している課題を解決するため、どのような取組をしているのか、伺います。 ◎久道 雇用推進部長  働き手が直面している課題についてお答えいたします。  テレワークを行っている方が直面している課題につきましては、あらかじめ雇用主としっかり共有し、労使双方で就業環境を整備していくことが非常に重要であるというふうに考えますが、実際には、感染症防止の必要に迫られて、性急にテレワークを導入しているというケースが多いというふうに認識をしているところでございます。  そこで、今年度の補助事業におきましては、就業規則の作成が義務づけられていない常時雇用者が10人未満の事業者も含めまして、テレワークに関する規定の作成を要件としまして、作成費用につきましても補助対象というふうにしているところでございます。  また、今年4月に開設した札幌市テレワーク推進サポートセンターにおきましては、テレワークを行う方を対象にしたセミナーを開催したほか、自宅でのテレワークが困難な方に向けたコワーキングスペースやホテルワーク等の情報提供も行っているところでございます。  今後も、補助金を活用した事業者からのヒアリングなどを通じまして、テレワークの現場で直面している課題を的確に把握し、課題解決に向けてどのような支援ができるのか、検討を行ってまいりたいというふうに考えております。 ◆うるしはら直子 委員  今年度のテレワーク補助金の対象事業者に対しては、要件として就業規則の改正を盛り込むなど、就業環境の整備に取り組むとともに、また、札幌市テレワーク推進サポートセンターでは、セミナー等の実施によってテレワークの質の向上への支援も行っているとの回答でした。  今回、私、このテレワークと、また、女性の就労というところで取り上げるということで、若い女性の方たちに、少しお話をお聞きしたんですけれども、やはり、皆さん、これから子どもを産み育てたいという世代ですとか、また、ひとり親の家庭の方、あと、たくさんお子さんをお持ちの方などが、本当に、テレワークの継続あるいは導入を望まれるという方が本当に多くいらっしゃいました。  ただ、このテレワークは、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに広く導入が進んだために、働く現場においては、まだノウハウの蓄積が十分ではないのかと思います。  今後のテレワークの推進に当たりましては、事業者への支援に偏るのではなく、実際にテレワークに従事する働き手の意見にも耳を傾けて、安心してテレワークで働くことができるような環境整備についても、しっかり取り組む必要があるということを申し上げまして、私の質問を終わります。 ◆わたなべ泰行 委員  私からは、奨学金返還支援事業について質問をいたします。  札幌市の課題の一つに、若者世代の流出があります。  本市の人口は、年々増え続け、令和元年にはついに197万人を超え、現在も197万人台を推移しておりますが、人口増の理由は、道内市町村からの転入超過での社会増であり、一方で、自然減は進み、20歳代の若者の道外転出率は顕著でございます。  こうした中、我が会派では、若者定住対策として、札幌UIターン就職センターについて、議会や特別委員会で取り上げ、後押しをしてまいりました。  また、会派の予算要望において、市内企業を条件にした奨学金の支援制度や、市内企業と若者のマッチングなど、若者が地域に定着していけるよう取り組むことと訴えてきたところ、令和2年度から、奨学金返還支援事業が始まり、これで札幌に住む若者が増えてくれればと思っております。  事業が始まりまして1年がたちましたので、実態が気になるところでございます。  この事業は、札幌市が認定するさっぽろ圏の企業や団体に就職した学生に対し、入社の翌年から3年間、年間18万円を上限に奨学金の返還を補助するという内容で、多くの学生に利用してもらうためには、まずは、認定企業を充実させていくことが必要です。  そこで、質問ですが、これまでの認定企業と学生の募集状況はどうなっているのかを伺います。 ◎久道 雇用推進部長  認定企業と学生の募集の状況についてのご質問でございます。  令和3年9月末時点における本事業の認定企業数は148社となっており、業種別で最も多いのが建設業で35社、次いで、情報通信業の25社、医療・福祉の23社となっております。  一方、本事業の支援対象者となる学生からの応募につきましては、令和2年度末時点で定員100人に対して85人となっており、就職先の職種で最も多いのは、保育士及び幼稚園教諭で30人、次いで建設・土木系技術職の16人、次いで総合職の13人となっております。  支援対象となる学生85人の中には、応募時にさっぽろ圏外に住所を有していた方が14人含まれておりまして、さっぽろ圏外の学生が、圏内の中小企業の魅力に目を向けて就職に至るきっかけとしても、一定の成果が得られたものと、このように認識しているところでございます。 ◆わたなべ泰行 委員  ただいまの答弁で、9月の末現在で、認定企業が148社という答弁でございました。  ちなみに、政令市の中で、認定企業に就職した場合、最長3年間、自治体と企業で奨学金の返還を支援するという、この札幌市の事業に類似した事業を行っているのが仙台市でございますが、仙台市の認定企業数は、今朝調べた段階では161社でございました。  この仙台市のほうが、1年早くこの事業の取組を開始していることや、コロナ禍などで、なかなか認定企業に直接なっていただくようにお願いしていけないなど、そういったことを考慮しますと、認定企業の確保の滑り出しは順調だと思っております。  ただ、その一方で、昨年度に応募した学生は85人とのことでありましたので、残念ながら、定員の100人を下回っております。今、コロナ禍によりテレワークが推奨されて、ワーケーションなど新たな働き方が生まれてきている中、地方に住みながら働くということが注目をされてきております。  マイナビという学生向けの就職・採用情報サイトが本年の5月に公表しました全国調査によれば、来春卒業予定の大学生のうち、Uターンを含む地元就職を希望する学生は57.8%と前年から2.9ポイント増加し、これは、実に5年ぶりの増加となりました。  また、本市の20歳代の道外の転出超過数でございますが、ここ数年で一番多かった転出超過数は、平成30年の2,756人、そして、翌年の令和元年では2,673人でしたが、令和2年中では1,312人と約半数となりました。  こうして、若者が、地方に、そして地元に目を向けている今このときに、本事業の周知の一層の強化が必要だと考えております。  そこで、質問ですが、企業や学生の募集を増やしていくために、広報活動の強化が必要だと思いますが、今後どのように取り組んでいくのかを伺います。 ◎久道 雇用推進部長  今後の広報活動の取組強化についてのご質問でございます。  本事業の企業向けの広報につきましては、市主催の合同企業説明会やセミナーにおける周知を行っておりますほか、ワークトライアル事業など、若年層対象の事業へ参加する企業を開拓する際に、チラシ等を配布するといった取組を行ってきたところでございます。  本事業を多くの学生に利用していただくには、認定企業を一層充実する必要があることから、今後は、新聞広告や経済団体等の広報物等も活用し、企業の採用活動に有効であるということを積極的に周知してまいりたいというふうに考えております。
     また、学生向けには、大学と連携した周知を行うとともに、本年度からは、多くの学生が利用するSNS、こちらを活用した広報活動も実施したところでございます。  今後も、関係団体や関連事業と連携しながら、幅広い広報活動を展開し、様々な場面で事業のメリットをアピールすることで、認定企業の増加と学生への浸透につなげてまいりたいというふうに考えております。 ◆わたなべ泰行 委員  ただいまの答弁で、認定企業の募集も新聞広告等を活用したり、その肝心の下回ってしまった、100名のところを85名と下回ってしまった、こういった方たちに、やっぱり若者にはSNSだと、これを活用していく、積極的に活用するということで、関係の方たちとも協力していただけるという答弁でございました。  確かに、このコロナ禍で、私も、地元の札幌大学ですとか、いろいろ学校のほうに行かせていただいて状況を伺ったことがあったんですけれども、授業ができなくて、学校側が、その当時、様々な学生へのコロナ禍の支援とかがあったのですけれども、それを伝えることができないんだと、本当に学生に情報を伝えるのが難しい環境なんだ、そういうふうに事務局の方々は悩んでおりました。  そういった中ですから、今回この事業の周知というのは大変難しかったかと思うんですが、そのことを、逆にその経験を踏まえてというか、SNSを活用していける、これになっていければ、本当に、より若者にとって身近なもので周知ができるということになっていくんだなということで、頑張っていただきたいなと思っております。  また、SNSのこういった活用に加えまして、東京都にある札幌UIターン就職センターですね。こちらとも連携を密にしていただきたいと思います。  最後に要望でございます。  本事業の効果というのは、この学生の2人に1人が奨学金を利用しているという実態の中、奨学金返済に苦労をしている若者、この若者の負担を軽減するということにとどまらず、学生が地元企業に興味を示す機会となり、学生の採用に苦慮している中小企業の人材確保にもつながっていきます。  これからの札幌の経済を支えていく若者の地元定着は、人口構造の面などにおきましても非常に重要な要素となりますので、企業と若者、双方のニーズをしっかりつかみ、さらなる認定企業の充実に努め、ニーズが高まってまいりましたら、定員数の拡充や、奨学金返還の補助金額の増額などもぜひ前向きに検討していただいて、本事業が、さらに多くの若者が札幌に住み続けたいと考えるきっかけになることを求めて、私の質問を終わります。 ○村上ゆうこ 委員長  以上で、第1項 労働費の質疑を終了いたします。  次に、第6款 経済費 第1項 商工費のうち関係分の質疑を行います。 ◆村上ひとし 委員  私は、飲食店の事業者に対する支援について、一つは事業者の実態把握、二つ目に市の取り組んでいる事業、そして、三つ目に地域の商業活動の担い手、この3点お伺いをいたします。  北海道は、札幌市内の飲食店の時間短縮要請を明日15日から解除するということでありますけれども、喜ばしい反面で、様々な不安も課題もあるかなというふうに思っておりますので、引き続き、市の飲食店等への支援策が必要だろうというふうに思います。  この間、補正が組まれるたびに、坂井部長とも、随分質問をさせていただき、ご答弁もいただいてきましたけれども、改めて今回質問をさせていただきます。  さて、札幌市は、コロナの影響による飲食店の正確な廃業件数というものは把握していないということでありますが、今年の3月に、経済観光局が市内の全飲食店に対して、感染防止対策等に関する通知書というものを送付したというふうに聞きました。  飲食店を営むには、飲食店の営業許可の申請が必要であります。この申請には、営業するお店の所在地を記載するということであります。この飲食店の所在地に札幌市から通知書を送ったということであります。  厚別区内の飲食店においては、46軒が返戻となった、つまり、宛先が不明で戻ってきたということだと思いますが、既に店舗がないという可能性が強いということであります。  送付先の飲食店のデータは、2020年、令和2年3月時点の飲食店の営業許可を基にしているものでありまして、今回返戻となった46軒のその全てがコロナの影響による廃業とは言い切れない部分もありますが、しかし、一定の目安にはなると思われます。  そこで、お尋ねをいたします。  通知書が宛先不明等で返戻となった厚別区内の飲食店46軒の業態やエリアについてお伺いをいたします。 ◎坂井 産業振興部長  通知書が返戻となった厚別区内の飲食店の業態やエリアについてお答えをいたします。  通知書が返戻となった厚別区内の飲食店46軒については、委員がご指摘のとおり、必ずしもこの1年間で廃業となったものに限りませんが、食事提供をメインとするレストラン、ラーメン店などが19軒、アルコールの提供をメインとする居酒屋、スナック、バーなどが19軒、その他、喫茶店、カフェなどが8軒となってございます。  エリア別で見ると、46軒のうち、新さっぽろ駅周辺の厚別中央に位置する飲食店が32軒、その他エリアに位置する飲食店が14軒となってございます。 ◆村上ひとし 委員  私の厚別区の数字というのは、全体で言うと1.4%くらいだという数字だそうですけれども、しかし、随分幅広い店舗での影響があるということがうかがわれると思います。圧倒的に薄野が占めておりますけれども、しかし、区ごとによっても、いろいろな状況が出ておりますし、深刻だなというふうに思うわけであります。  私も、随分長い間、赤ちょうちんなどのお世話になってきました。もちろん、居酒屋などだけではなくて、喫茶店やラーメン屋さんだとか、いろんなところ、地域でお世話になってきました。ある種の飲食店の文化というのが、私はあると思っております。  もちろん、大型チェーンにはないものばかりだと思うんですけれども、地域に根差して、そして、地域の人たちに支えられた飲食店というのは、私は、札幌の重要な魅力の一つだろうというふうに思いますので、これ以上、飲食店の灯を消さないための市の取組が求められているわけであります。  そのためには、市の職員が直接的に事業者の実情を把握することが、私、必要だと思うんです。  この点で、局長にお考えを伺いたいんですけれども、市の職員が地域の飲食店に足を運んで、そして、自分たちの目で見て、事業者の話を聞いてくるという取組などは、大変重要なことだと考えておりますが、局長はどんなふうにお考えでしょうか。 ◎田中 経済観光局長  委員がご指摘のとおり、実際に事業者の皆さんの声を市の職員が伺うことは大変重要であると思いますが、一方で、全ての事業者の皆さんの声を聞き届けるというのは、これも不可能なことでございます。  したがいまして、積極的に訪問することはもちろんですが、例えば、商店街の団体の方の声を伺うとか、そういったことも含めながら、各方面の声を伺うことに努力していこうかなと思っております。 ◆村上ひとし 委員  厚別区の話をスタートからさせていただいておりますけれども、ここの厚別区の業態とエリアを聞きましたけれども、エリアで言うと、厚別中央地区と言いましても、ほぼ新さっぽろ駅周辺の地域であります。  そこの46軒が返戻となったということでありまして、46軒、かつ、そのエリアが絞られているということでありますから、全ての事業者に足を運ぶというのは、これは難しいというのは私も思いますけれども、例えばですけれども、厚別区のこの46軒が、なぜ廃業あるいは返戻になったのかということを直接確認していくということは、重要だろうというふうに思っております。ぜひ取り組んでいただきたいと思うわけです。  それと、札幌市の中小企業ウィズコロナ対応支援事業というのがあります。  これも支援をするものでありますけれども、事業費が約3億ということなんですけれどもね、この資料の事業実施スキームというところでありますけれども、中小企業者が、まず最初に札幌中小企業支援センターなどに相談に行くということになります。ここのセンターには、中小企業診断士などによる支援がされることになって、そして、事業計画の作成をするということになります。  それから、中小企業者は、その作成した計画を国に申請するんですね。国は、採択された場合、中小企業者に決定書を送付する。  そして、最後に、この中小企業者が国の交付決定書を持って、札幌市に書類を出して申請すると、札幌市は補助金を交付するということになるんです。  このスキーム自体、悪いとは言いませんけれども、やはり、中小企業者の置かれている状況を把握するという点では、やはり、別段の努力が必要だろうというふうに思うんです。申請したけれども、漏れてしまう人や、いろんな人がいると思うんですね。  ですから、この辺りは、ぜひ事業者の状況をつかむ努力をしていただきたいというふうに思っております。  それから、局長、この間、職員の皆さんが、飲食店に対して感染防止対策のお願いだとか、各種のお願いも含めて、直接足を運んでいただいております。これは大変な努力だと思いますけれども、しかし、飲食店の方々は喜んでおります。市の職員が直接来てくれて実態を見てくれたし、うれしいという声が共産党にもたくさん寄せられておりますし、ぜひ、職員が直接足を運ぶ努力を引き続き続けていただきたいというふうに思います。  次の質問に移ります。  市の取り組んでいる事業についてであります。  飲食店が、国などの要請によって時間短縮、休業をせざるを得ない状況でありましたから、その自粛要請にふさわしい支援が決定的に重要であると考えます。  札幌市は、令和2年度において、飲食店の売上回復を図るため、飲食店等の事業者グループが取り組む販売促進事業に対して補助を行う飲食店等グループ販売促進支援事業を実施しております。  そこで、お尋ねをいたします。  令和2年度に実施した飲食店等グループ販売促進支援事業の成果はどんな感じであったのか、お伺いをいたします。 ◎坂井 産業振興部長  飲食店等グループ販売促進支援事業の成果についてお答えいたします。  本事業については、20事業者以上で構成される飲食店グループが取り組む販売促進事業へ補助を行うものであり、34の飲食店等グループを採択し、令和2年9月から令和3年3月までの期間において、市内全域で様々な販促キャンペーンが展開されたところでございます。  本事業の活用を契機として、商店街がない桑園地区に事業者が実行委員会を新たに設立して、共通値引き券を発行したほか、市内四つの百貨店でテナントを営業している飲食店が初めて連携し、共通プレミアムつき飲食券を販売するなど、様々な取組が創出され、参加店舗の売上げ回復や相互交流に寄与したところでございます。 ◆村上ひとし 委員  これは、飲食店への支援ということでありまして、新型コロナウイルスの感染拡大は長期化しており、飲食店のみならず、小売業、生活関連サービスなども大変厳しい経営状況になっております。  この点は、私も、関連事業者などへの支援は待ったなしだということで、部長にも、再三、市の独自の支援策を求めてきた点でありますけれども、札幌市においては、令和3年度、これらの商業者、飲食店以外の業者も含めた方々への販売促進支援事業に対して補助を行う商業者グループ販売促進支援事業を実施しております。  そこで、お尋ねをいたします。  この商業者グループ販売促進支援事業の申請・採択状況についてお伺いいたします。 ◎坂井 産業振興部長  商業者グループ販売促進支援事業の申請・採択状況についてお答えをいたします。  本事業については、地域の商店街や料飲店組合など43の事業者グループから、総額約23億5,000万円の申請がございました。  学識経験者など外部有識者を交えた選考委員会による審査を行い、予算額5億1,000万円の範囲内で、13の事業者グループを採択したところでございます。 ◆村上ひとし 委員  43の事業者グループから申請があって、予算の範囲内で13グループが採択されたということでしょうか。  残念ながら、30グループが不採択となったわけであります。申請した事業者グループの約7割が支援を受けられないということです。これは、販売促進を目指す地域の商業者としては、本当にやりきれないことだと思うわけです。  そこで、お尋ねをいたします。  商業者グループ販売促進支援事業を今後拡充すべきだと考えますが、経済観光局としてどのように認識しているのか、お伺いをいたします。 ◎坂井 産業振興部長  事業者グループによる販売促進支援事業の拡充についてお答えをいたします。  委員がご指摘のとおり、商業者グループ販売促進支援事業の実施により、市内の様々な事業者グループの販促活動に対する支援ニーズが明らかになったものと認識をしてございます。  予算の都合上、不採択となった方の中には、地元メディアと連携した販促活動を行う事業者グループや、市内全域で同一メニューを提供する飲食店グループなど、今後の商業活動を活性化する端緒となる取組も数多くあったものと考えております。  今後の市内の感染状況や、国のワクチン・検査パッケージを活用した行動制限の緩和の検討状況を注視し、適時適切な需要喚起策について検討してまいりたいと考えております。 ◆村上ひとし 委員  私ね、通常の経営がうまくいかないだとか、収益が上がらないだとかという状況ではなくて、コロナ禍が長期間続いて、経験したことのないような危機にさらされているわけですから、やはり、これは思い切って拡充する必要があると思っております。  先ほど、坂井部長のお話の中で、43事業者グループの申請があって、申請額が23億5,000万ですか。そして、今回実施した支援事業の予算が5億1,000万円ですから、18億4,000万円ぐらいですか、足りないと、予算が不足したということであります。18億です。  後ろのほうに白石財政課長もいらっしゃいますけれども、私ね、本当に厳しい飲食店に対して、独自の支援、何とかならんかということを委員会で繰り返し取り上げてきましたけれども、18億円というのはどうでしょうかね。  小さい金額とは決して言いませんけれども、しかし、多くの事業者の方が申請してきて、この18億円があれば、活性化できるというふうに期待を持っていたわけですから、これから、どうでしょうか、申請する事業者が必要な支援を受けられるように、予算を財政局としても思い切って拡充するように、白石課長自ら局内でご検討いただきたいということを申し上げて、次の質問に移ります。  最後の質問でありますが、地域の商業活動の担い手についてであります。  先ほど、事業者がそれぞれグループをつくって支援を受けるということを質疑しました。しかし、地域においては、いろいろな商業活動を組み立てたり、あるいは、運営していくためのキーパーソンになる人材がいないということも課題であるのですね。  例えば、いろんな申請をしようと思っても、パソコンが使えないんだと。各種の支援制度の申請ができないという商業者もおります。これは、高齢化も要因だと思うわけです。  そこで、お尋ねをいたしますが、地域の商業活動の担い手を創出するために、市としてどのような支援を行うのか、伺います。 ◎坂井 産業振興部長  地域の商業活動の担い手を創出するための支援についてお答えいたします。  商店主の高齢化などにより、一部の地域においては、商店街活動をはじめとする地域の商業活動の担い手となる人材が不足していることは認識をしてございます。  このような中、本市では、商店街区の空き店舗などを活用して魅力的な店舗を開業する事業者に対する補助事業などを実施しているところでございます。  こういった取組により、地域の商業活動の中核となる店舗や商店主を創出し、市内経済の活性化につなげてまいりたいと考えております。 ◆村上ひとし 委員  認識されているということでありますけれども、若い事業者の方がいらっしゃる地域というのは、市の支援メニューに対して、すぐさま対応できると、申請もできるし、支援が受けられるというふうになるかもしれませんけれども、やはり、長らく地域で営業されてきた高齢の飲食店などでは、なかなかそういう活気が出てこないということであります。  今回は、新札幌の件を取り上げました。新札幌も大変厳しい状況でありますけれども、一方で、再開発が今進められておりますし、北広島市に日ハムのボールパークも建設が進められているところであります。  野球観戦にも新札幌が交通の結節点の一つになっていくということで、新札幌の飲食店関係者も大変期待をしているところでありますけれども、前回の、昨年度ですか、支援策に新札幌の事業者が申請をしたようでありますけれども、今年度は申請がなかったということも聞きました。  これ、なぜ申請できなかったということも調べる必要もあると思いますし、ぜひ、経済を活性化していく上でも、新札幌などの拠点にどう手を打つべきなのか、どのような支援策が必要なのかということも十分検討していただいて、市内全体の活性化も図っていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。 ◆小田昌博 委員  私からは、今後の観光振興施策について、2点お伺いいたします。  初めに、ホテル、特にシティホテルの支援についてお伺いいたします。  市内の観光関連事業者においては、新型コロナウイルス感染症が札幌市で初めて確認されて以降、長期間にわたり影響を受けている業種の一つでありまして、現状は感染者数も落ち着きを見せているものの、道内外はもとより、海外からの来札観光客の回復はいまだ遠く、事業の継続については、言わずもがな厳しい状況であります。  観光客の宿泊だけでなく、市民の個人、法人を問わず利用され、なじみの深い、宴会や会議が開催できるシティホテルにおいて、例えば、歓送迎会の自粛や会議のオンライン化など、たくさんの人が集まれず、宿泊と宴会の両方での影響を受けており、宿泊に特化しているビジネスホテルより、より深刻であります。  札幌市の経済の主力の一つである観光業を支えている宿泊事業者が、今のままであると、幾ら観光需要の回復をうたっても、現下の状況ですと、先は見えないものであります。  札幌市としても、コロナ禍におけるホテルの宿泊稼働のみならず、宴会稼働も含めて、現場の声を聞いて現状をしっかりと把握していただき、次の施策につなげていくことが重要であると考えます。  そこで、一つ目の質問になります。  コロナ禍で打撃を受けている宿泊事業者の状況について、札幌市ではどのように把握をしているのか、お伺いいたします。 ◎石井 観光・MICE推進部長  宿泊事業者の状況をどのように把握しているかについてお答え申し上げます。  宿泊事業者の置かれている状況につきましては、宿泊事業に係る関係団体との定期的な意見交換やヒアリングなどを通じて把握しているところでございます。  市内のシティホテルが加盟する札幌市内ホテル連絡協議会の令和3年9月の稼働率は、3割を下回っておりまして、例年同月と比べますと、7割落ち込むなど、売上げに大きな影響を与えているところでございます。  また、定山渓の施設が加盟する定山渓温泉旅館組合や、市内の多くのホテル、旅館が加盟する札幌ホテル旅館協同組合においても、同様の状況であると伺っております。  市内の宿泊事業者は、委員のご質問にもありましたとおり、長期間にわたり、経営状況に打撃を受けているほか、昨年度は、国のGo To トラベルや北海道のどうみん割などの誘客促進事業により、一定程度の需要回復効果があったものの、今年度はそれらの事業が行われていないため、昨年度と比較しても、さらに厳しい状況にあるものと認識してございます。 ◆小田昌博 委員  厳しい状況でありますと。ホテル連絡協議会、それから定山渓関係のヒアリングもしているということでございました。  観光関連事業者は、コロナ禍で、コロナ禍の前までは非常に順調だった分、打撃が大きいわけであり、早期に具体的な施策を打っていただきたいということを求めておきます。  続きまして、令和2年度から繰り越した事業の執行についてお伺いいたします。  新型コロナウイルスの影響を受けている観光関連事業者は、宿泊事業者だけではもちろんございません。飲食店においては、緊急事態宣言まん延防止等重点措置による休業要請支援金の給付を受けられているものの、観光施設や土産物を扱う事業者などは支援金給付の対象外施設となり、営業を続けていても、観光客がいない中で、売上げ自体を見込めなく、事業者にとって事業継続そのものが危ぶまれている状況でございます。  札幌市では、宿泊団体が行う誘客促進策を支援する市内誘客促進事業、宿泊割引やクーポン配布を行う市内宿泊促進キャンペーン事業などの観光需要喚起策について、国の地方創生臨時交付金を財源の一部として、令和2年度に合計40億円以上を補正予算で計上しておりましたが、これを令和3年度に繰り越しています。新型コロナウイルス感染拡大の影響から、いまだそのほとんどが執行されていない状況であります。  特に、約30億円の予算を繰り越している市内宿泊促進キャンペーン事業、通称サッポロ割は、宿泊割引に加えて、お土産店やタクシー等で使えるクーポンを配布する事業であることから、幅広い観光関連事業者に対する支援につながるものであり、事業者の方も、できるだけ速やかに開始を期待されていた中で、昨日、市長から、サッポロ割について11月中旬より実施する旨の発言がありました。観光関連事業者にとっては、明るい見通しであります。  しかしながら、これまでも事業の開始後に中断せざるを得なくなるというような、例えば、Go To キャンペーンですとか、どうみん割、こういったものが中断せざるを得なくなったという事態が起こっており、仮に令和3年度に事業を実施できなければ、制度上、さらに繰越しは難しいことから、当該予算は未執行ということになり、事業者に本来であれば還元されるものが、されなくなってしまいます。  いまだ先が見えない中でも、近い将来には、観光客が戻り、再びにぎわいを取り戻すようにしていかなければなりません。大切なのは、戻るまでの間、幅広い業種に支援を行き渡らせることが重要であります。
     そこで、二つ目の質問になります。  昨年度から繰り越した予算、サッポロ割について、現況下、このウィズコロナの中でどのように実施するのかをお伺いいたします。 ◎石井 観光・MICE推進部長  サッポロ割をどのように実施するのかについてお答え申し上げます。  宿泊事業者が大変厳しい状況の中、まずは、宿泊団体が行う誘客促進策を支援いたします市内誘客促進事業を早期に実施すべく協議を重ねまして、定山渓地区のクーポン配布事業を10月1日から再開し、市内ホテル団体の宿泊割引事業につきましては、9月17日から前売り方式で実施しているところでございます。  サッポロ割の実施につきましては、この市内誘客促進事業の執行状況に加えまして、感染状況やワクチンの接種状況などを注視しながら、11月中旬から下旬の実施に向けまして、準備を進めているところでございます。  事業の実施に当たっては、事業者側も、利用者側も、感染対策を徹底することを前提とし、まずは、対象者を道民に絞ってスタートし、段階的に対象の拡大についても検討していきたいと考えてございます。  さらに、国が検討を進めておりますワクチン・検査パッケージの利用により、都道府県をまたいだ人の移動が外出自粛要請の対象外となる見込みも示されていますことから、適宜その活用を図るなど、できる限りの工夫をしてまいりたいと考えてございます。 ◆小田昌博 委員  スケジュール、そして、いろいろな策を、工夫をしていくという答弁でございました。  先ほども申し上げたとおり、コロナ前までは、順調な経済を支えていた主力である観光関連事業は多岐にわたるわけであります。  部長からもありましたけれども、やっぱりワクチン接種が希望される方に行き届いたら、経済活動は回復になるだろうというふうに、皆さん思っていたというふうに思いますし、実際そうしていかなければならないのではないかと思います。  よくアフターコロナという言葉が出てきますけれども、アフターまで待っていられない、今の事業者を取り巻くこの環境の中では、やはり、札幌市も正面から向き合い、施策を打つべきと指摘をさせていただきます。  とはいいましても、感染症対策なくして、多くの人の動き、人流は非常にリスクが高いわけであり、今できることは何なのか、そして、札幌市として明確にした上で推進していただき、予算執行をしていただくことを求めまして、私の質問を終わります。 ◆水上美華 委員  私からは、事業承継マッチング支援事業についてお伺いをいたします。  少子高齢化の進展とともに、経営者の高齢化も進む中で、後継者不在による廃業の増加が地域経済に与える影響が危惧されていることから、中小企業の事業承継は、社会的な課題として認識されております。  そのような中、新型コロナウイルス感染症の流行がますます中小企業の廃業に拍車をかけているものと推察されることから、私ども会派による先日の代表質問において、プッシュ型事業承継支援に取り組むなど、札幌市として、地域経済を支える中小企業の事業承継を強力に推進すべきであると指摘させていただきました。  それに対して、石川副市長から、廃業リスクの高い高齢な経営者を中心に積極的なアプローチを行い、中小企業の事業承継を促していくとの答弁をいただいたところであります。  そこで、初めに、高齢な経営者に対する具体的なアプローチの取組方法についてお伺いいたします。 ◎坂井 産業振興部長  具体的なアプローチの取組方法についてお答えをいたします。  令和元年度から、年齢の高い経営者から順に段階的にアプローチを進めているところでございます。  経営者の年齢が70歳以上で、後継者が決まっていない中小企業約3,000社を昨年度までに抽出し、今年度は、68歳から69歳の経営者まで範囲を広げ、約1,000社の抽出を行ったところでございます。  抽出した中小企業に対しては、事業承継に関する電話でのアンケートを行い、そのうち、札幌市の支援に興味を示した事業者を訪問の上、事業承継の進め方や支援内容を丁寧に説明しているところでございます。 ◆水上美華 委員  具体的な取組方法については理解いたしました。  経営者の中には、事業承継が自社にとって経営上の課題であることは認識しているものの、日々の営業や組織管理などの業務が忙しく、事業承継に向けた一歩を踏み出せずにいる方や、事業承継に対する知識が少なく、後継者がいなければ、廃業が最善の選択であると考えている経営者も多いのではないかと思います。  また、一般的に、事業承継を完了させるためには、企業価値の評価や税額の計算、事業を譲り受ける者との条件調整、従業員の処遇決定など、様々な手続が必要となるため、かなりの時間を要します。  そのような中、今年6月には、札幌市のこの事業承継マッチング支援事業開始後初の譲渡成立に至った事例が生まれたと聞いております。  そこで、2点目に、この譲渡成立に至った事例において、事業譲渡に要した時間と、その経営者から、札幌市の支援に対してどのような声があったのか、お伺いいたします。 ◎坂井 産業振興部長  企業譲渡に要した期間と経営者からの声についてお答えいたします。  このたび、譲渡成立に至った事例では、企業譲渡に要した期間は、昨年3月に札幌市の専門員が企業への訪問を開始してから、今年の6月の譲渡契約完了まで、約1年3か月であり、経営者が当初2〜3年を想定していたことを踏まえますと、スムーズに承継が進んだものと考えております。  また、経営者からは、札幌市の専門員が親身になって提案してくれたことで、会社を無事引き継ぐことができ、従業員のためにも、自身の引退後の生活設計においても、安心をしている、一つのことを成し遂げた満足感でいっぱいだといった喜びの声を伺っているところでございます。 ◆水上美華 委員  次につながる、まず最初の1件が成立したということで、私も非常にうれしく思っております。  また、行政が関与して、譲り渡した企業の事業主の方から、親身になって対応していただいたというような、答弁の中にありましたけれども、そういう信頼の積み重ねが、本事業を推進する上でポイントになるのではないかと思っております。  今後の札幌市の事業承継マッチング支援事業を通じて、同様の事例がさらに生まれていくことを期待しております。  そして、そのためには、この札幌市の事業内容について、より一層の周知を図っていくことと、事業の譲渡し希望者と譲受け希望者のマッチングを実施するための事業承継マッチングポータルサイトの掲載案件数をより一層増やしていくことも必要になると思います。  そこで、質問ですが、事業内容の周知と事業承継マッチングポータルサイトの掲載件数を増やすため、どのような工夫を行っていくのか、お伺いいたします。 ◎坂井 産業振興部長  事業内容の周知とマッチングポータルサイトの掲載件数を増やす工夫についてお答えいたします。  今年度から、譲渡し希望者だけでなく、譲受け希望者も会員登録及び情報掲載をできるようにしたところでございます。  また、これまでは、札幌市が事業者との面談などを行い、会員登録をしておりましたが、10月1日からは、事業者が自らサイト上で会員登録を行い、一定の審査を経て、簡単に自社の情報を掲載できるようにしたところでございます。  そして、会員に対しては、新たな譲渡し案件の追加や、事業承継に関する各種情報をメールでお知らせするなど、事業者にとっての利便性を高めたところでございます。  こうした取組などを通して、事業承継マッチングポータルサイトへの掲載件数を増やしてまいりたいと考えております。 ◆水上美華 委員  新しく、その会員登録が10月1日から始まっているということでございました。  私自身も会員登録をしてみました。大変、手続も簡単で、また、新しい情報がこれからメールで来るということでございます。  事業承継の様々なポータルサイトを拝見している中で、やはり、利用者の方々からは、閲覧数が多いか少ないか、それによって、事業が動いているかどうかというところの指標になることから、ぜひ、譲り渡す方、それから譲り受ける方々が共に参加しやすい状況というものを今後もつくり上げていっていただきたいと思います。  また、先ほど高齢な経営者に対する具体的なアプローチの取組について伺ったところ、電話でアプローチをして、その後、面談に行くというような話でございました。  今のところ4,000社ぐらいになるかとは思うんですけれども、コロナ禍ということで、なかなか訪問というのは難しい状況ではあると思いますが、電話だけで、やはり事業承継、事業者の方々にしましたら、一歩を踏み出すのは大きな決断だと思いますので、ぜひ書類を持って担当の方が説明に行くというような取組を行っていただいて、ぜひ一つでも事業承継に、譲り渡したいという企業が増えていくことを要望させていただきます。  事業承継の支援を行うことは、中小企業がこれまで培ってきた、価値がある経営資源を守るだけではなく、中小企業にとっては、さらなる成長や発展を遂げるきっかけになります。  この札幌市においては、3次産業のまちと言われるほどに、その割合はとても高く、13%強を占める宿泊・飲食サービス業の中でも、特に、飲食業界の人手不足、後継者不足が問題となっております。  帝国データバンクの調査によりますと、80%の飲食店が人手不足を実感していて、飲食店が含まれるサービス業の後継者不在率は、約7割を超えております。  こうした飲食店の後継者不足問題は、個人の問題だけではなく、国や地方自治体規模の問題として国は見ており、そういった深刻な産業についても、引き続き、市内の小規模事業者、中小企業者に寄り添った事業承継支援を行っていただくことを要望いたしまして、私の質疑を終えます。 ○村上ゆうこ 委員長  ここで、委員会を休憩いたします。     ――――――――――――――       休 憩 午前11時46分       再 開 午後1時     ―――――――――――――― ○松井隆文 副委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。 ◆くまがい誠一 委員  私からは、IT人材の育成に関して、コロナ禍における企業誘致について、そして、コロナ禍を契機とした今後の観光戦略についての3項目を順次質問させていただきます。  初めに、IT人材の育成に関して質問いたします。  コロナ禍で社会全体のデジタル化が加速する中、全国的なIT人材の獲得競争が激化しており、道内でも、IT企業から人材不足が最大の経営課題であるとの声が上がっているほか、道内の情報系大学、専門学校等の学生の道外流出も歯止めがかかっていない状況でございます。  我が会派では、これ以上のIT人材流出や人材不足は、IT産業を基幹産業とする本市の経済全体に大きな影響を与えるとの危機感の下、かねてから、IT人材の問題について強い関心を持ち、本市の人材育成支援について、代表質問や予算特別委員会において質疑を行ってまいりました。  直近では、昨年の第3回定例市議会の代表質問において、我が会派から、ウィズ・アフターコロナにおけるこれからのIT人材の育成について質問し、令和元年度からみらいIT人材育成事業を立ち上げ、産学連携で人材育成に力を入れているところであり、より多くの若者に技術習得の機会を設け、今後も積極的に進めたい旨、答弁がありました。  その後の動きとして、本年3月には、令和元年に北海道大学、ニトリホールディングスと3者で締結したIT人材育成に関する連携協定に北海道が加わり、4者連携協定が締結されたと伺っており、ますます強力な連携基盤の下で、積極的に取組が進められているものと思っています。  そこで、まず1点目の質問ですが、この産官学連携の下で、札幌市が実施するみらいIT人材育成事業について、これまでどのような取組を進めてきたのか、お伺いいたします。 ◎坂井 産業振興部長  みらいIT人材育成事業のこれまでの取組についてお答えをいたします。  みらいIT人材育成事業では、産学官連携の下、札幌の将来を担う高度IT人材育成に向けた入り口として、まずは、小・中・高校生を対象として、プログラミングの学習機会を広く提供する取組を行ってまいりました。  小・中学生向けのプログラミング体験イベント、ジュニア・プログラミング・ワールドでは、IT技術を体験しながら学べるワークショップに加え、保護者や教育関係者がプログラミングの理解を深めるセミナーも行い、この2年間で延べ1万人を超える参加がありました。  また、高校生向けには、スマートフォンアプリを開発するためのハンズオンセミナーや、首都圏のロボットコンテスト常連校を招聘し、技術交流を行うなど、より実践的なプログラミング技術の習得を支援し、この2年間で札幌圏の18の高等学校から参加があったところでございます。 ◆くまがい誠一 委員  まずは、小・中学校、高校の教育段階に応じた様々な取組を展開されてきたことが分かりました。  次に、今年度の取組に関してお伺いいたします。  今年8月に、本事業の取組の一つとして、デジタル社会を牽引するITエンジニアの発掘、育成を目的としたプログラム、STAND OUTを新たに開始し、8月13日にはキックオフイベントが開催されたことが、新聞等において報じられております。  プログラムの名称STAND OUTは、卓越する、傑出する、際立つという意味ということですが、ぜひ、この取組を通じて、札幌のデジタル化をリードするような卓越したITエンジニアを育成してもらいたいと期待を寄せているところでございます。  そこで、2点目の質問ですが、このプログラム実施の狙いと、具体的なプログラムの内容についてお伺いいたします。 ◎坂井 産業振興部長  STAND OUT実施の狙いと、具体的なプログラム内容についてお答えいたします。  STAND OUTは、高度IT人材育成に向けて、これまで、小・中・高校生向けの事業に加えて、新たに大学・大学院生や若手エンジニアを対象としたプログラムを実施するものでございます。  本プログラムでは、まず先進的なITプロジェクトのアイデアを公募し、独自性やイノベーション創出の可能性などの観点から、優れたものを最大5組まで採択をいたします。  採択者は、開発支援金やプロジェクトサポーターの助言・指導を受けながら、約5か月かけて自ら提案するプロジェクトの開発を進め、その成果を来年2月の成果報告会にて発表することとなっております。  こうした実践的なプログラムを通じて、デジタル技術を駆使して、自らの力で新たなサービスを生み出すことができる創造的な人材を育成してまいりたいと考えております。 ◆くまがい誠一 委員  プログラムの狙いや内容が分かりました。  国では、今年9月1日にデジタル庁が創設されるとともに、デジタル社会形成基本法が施行されました。同法では、「情報通信技術の水準の向上が、我が国におけるデジタル社会の持続的な発展の基盤であるとともに、我が国産業の国際競争力の強化をもたらす源泉である」とされ、また、「デジタル社会の発展を担う専門的な知識又は技術を有する創造的な人材を育成するために必要な措置が講じられなければならない。」と規定され、人材育成の取組が求められたところでございます。  ここで重要なことは、人材こそが産業競争力の源泉であり、札幌市としても、これまで進めてきた様々な取組をしっかりと継続・発展させることで、高度な専門的な知識や技術を有するイノベーティブな人材を育成するとともに、市内定着を促進し、もって地域経済の発展につなげていただきたいと考えています。  そこで、質問ですが、札幌市のIT人材育成に関する中核的な施策である本事業について、今後の展開をどのように考えているのか、お伺いいたします。 ◎坂井 産業振興部長  みらいIT人材育成事業の今後の展開についてお答えいたします。  今年度、STAND OUTが始動したことにより、小学校から大学、大学院、若手エンジニアに至るまで、各世代に応じたITの素養や知識、能力を習得する機会が実現されたところでございます。  今後は、日々進化するデジタル技術の進展に対応して、これらの取組内容を一層充実させて参加者の増加を図るとともに、様々な支援策と連携しながら、先端技術を活用した新たな事業の創出を後押ししてまいりたいと考えております。  こうした取組の継続により、札幌の未来を牽引する若い世代の方々のチャレンジを応援していくことで、人材定着を図り、札幌の持続的な発展につなげてまいりたいと考えております。 ◆くまがい誠一 委員  ぜひ、今後の展開を伺いましたので、よろしくお願いいたします。  本市も後援し、審査員も行うと伺っております介護デジタルハッカソン、そういったものなどの、今後のIT業界を担っていく学生と現場の介護職などがチームを組んで、現場でより使いやすいソフトの開発等を競うという取組も活発に行われており、昨年の開催では、介護業界でロボット化、ICT化が進まない現状を解決する観点から、ケアマネジャーのICT化促進アプリを提供し、ケアマネの負担軽減から、あるべき地域包括システムの実現を提案したチームが最優秀賞に輝き、大いに盛り上がったところです。  本年も、もう多くの学生や現場のスタッフがエントリーしていると伺っております。例えば、こうした取組とも連携をさらに強めるなどし、また、起爆剤として、札幌市のIT人材育成に今後もご尽力いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。  次に、コロナ禍における企業誘致について質問いたします。  コロナ禍において、テレワークをはじめとした多様な働き方が定着しつつあり、都心部の会社に通勤し、仕事をする、それがスタンダードであるという意識にも変化が見られます。  図らずも、増加の一途をたどっていた東京の人口の転入超過が、本年5月から8月にかけては転出超過となるなど、テレワークの普及といった働き方の多様化を受けて、人口密度の高い東京を離れる動きが見られ、ビジネス環境の変化が実際の人口動態に表れ始めているところでございます。  また、大企業にとっては、こうした新たな働き方、生活の在り方への対応や、BCPの観点から、リスク分散は急務となっており、企業誘致の観点では、過密ではないが、都市機能のある、まさに札幌のような地方の中核都市には、企業進出の機会を捉えるチャンスと考えます。  そうした中、茶類販売大手、ルピシアのニセコ町への本店移転や、人材派遣大手のパソナグループの兵庫県淡路島への本社機能移転といった報道は、記憶に新しいところでございます。  そこで、質問ですが、コロナ禍における企業誘致の実績とその内容についてお伺いいたします。 ◎坂井 産業振興部長  コロナ禍における企業誘致の実績とその内容についてお答えいたします。  令和2年度の誘致企業数は16社と前年実績と同数であり、これは、アクションプラン2019における単年度目標である15社を超え、高い水準を維持しているところでございます。  誘致企業の内訳については、本社機能やコールセンターのほか、ITを活用したシステム開発拠点、コンテンツ制作拠点、バイオ系スタートアップなど、幅広い企業の進出があったところでございます。  コロナ禍が一つのきっかけとなり、首都圏企業の賃料縮減やBCP対策による地方分散の動きが見られたことから、こうした機会をうまく捉えて積極的な誘致活動を行っているところでございます。 ◆くまがい誠一 委員  コロナ禍においても16社の誘致ということで、積極的な誘致活動により堅調な企業進出につなげられていること、首都圏からの地方分散の動きも少なからず見られることも分かりました。  本市における企業誘致活動については、ホームページでの周知、展示会への出展や東京事務所による訪問活動により、進出企業向けに立地環境や補助制度のPRを行い、実績を上げられてきたと思います。  しかしながら、コロナ禍においては、ICTツールを活用した非接触型の営業形態も定着するなど、従来の手法を見直すことで、より効果的な企業誘致が実現するのではないかと考えられます。
     そこで、質問ですが、ポストコロナを見据えて、今後、どのような工夫によって、企業誘致の取組を一層推進していくお考えなのか、お伺いいたします。 ◎坂井 産業振興部長  ポストコロナを見据えた企業誘致の取組についてお答えいたします。  コロナ禍の社会情勢を受けて、ウェビナーの開催、オンライン面談やSNS広告の発信など、デジタル技術を駆使して、積極的な誘致活動を行っているところでございます。  また、進出企業向けの補助制度に加えて、コワーキングスペースなどの拠点を整備運営する事業者向けの補助制度を本年8月から開始し、進出の足がかりとなるような環境整備を進めております。  ポストコロナを見据えては、従来の手法と併せて、こうした時宜を捉えた手法を柔軟に取り入れることで、一層多くの魅力ある企業を誘致し、雇用促進と産業振興を図ってまいりたいと考えております。 ◆くまがい誠一 委員  9月30日には緊急事態宣言も解除され、新型コロナの感染者数も一定程度抑えられている中、今後、経済活動が活発化し、本社機能の移転などもさらに検討されていくことと思われます。  ぜひ、機を逸することなく、趣向を凝らし、誘致活動に一層力を入れていただくことをお願いし、次の質問に移ります。  最後に、コロナ禍を契機とした今後の観光戦略について質問いたします。  我が会派では、このたびの代表質問で、コロナ禍を契機とした今後の観光戦略について取り上げたところでございます。  代表質問のときと比べますと、新型コロナウイルスの新規感染者数や入院病床使用率など、モニタリング指標の数値は減少してきておりますが、これまでの状況や専門家の分析などを見てみますと、感染収束と感染拡大は繰り返され、ワクチン接種が進む中でも第6波の懸念は拭えず、残念ながら、当面はウィズコロナを前提として社会活動を動かしていく必要があるようでございます。  さて、そのような中、昨年度の札幌市の観光振興策を振り返ると、雪まつりなどのイベントのオンライン開催により、多くの市民にステイホームで楽しんでいただいたほか、観光施設の無料化キャンペーンでは、感染対策を徹底した上で、たくさんの市民に利用していただくなど、コロナ禍の制約の中で、手法を工夫しながら、様々な取組が実施されてまいりました。  これにより、市民が自分の住むまち札幌の観光を楽しみ、歴史・文化などの地元の魅力を再発見するとともに、域内循環の促進による市内経済の活性化にもつながったものと思います。  そこで、質問ですが、こうしたコロナ禍の状況で生まれた取組は、今年度にはどのように生かされているのか、お伺いいたします。 ◎石井 観光・MICE推進部長  コロナ禍で生まれた取組の今年度における活用についてお答えいたします。  札幌の観光振興を進めるに当たっては、市民の皆様が自分たちの住むまちの歴史や文化に愛着を持ち、それらのまちの魅力を様々な形で発信することが重要であり、コロナ禍においても、市民、道民の身近な観光が観光産業の下支えに寄与したものと認識しております。  今年度は、新型コロナウイルスの感染状況により、ライラックまつりや夏まつりが、昨年に続いて、会場を設けてのイベント開催は中止したものの、それぞれ初となるオンライン開催等をしたところでございます。  さらに、昨年度の雪まつりの成果を踏まえ、各イベントについて、SNSを活用したフォトコンテストを実施し、市民の皆様が、春、夏の身近な札幌の魅力を写真に収め、広く発信する機会となったところでございます。  また、昨年度好評を博しました観光施設の無料化キャンペーンにつきましても、今後の感染状況を注視しつつ、年内にも実施したいと考えているところでございます。 ◆くまがい誠一 委員  観光施設の無料化などをまた検討するということで、ぜひよろしくお願いいたします。  今年度も、イベントがオンライン開催となってしまった中でも、昨年度の経験を生かし、SNSでフォトコンテストを実施するといった取組が行われたとのことで、今後も様々な方法でどんどん魅力を発信していくべきだと思います。  さて、現在、国において、ワクチン・検査パッケージの運用など、コロナ禍においても社会活動を動かしていく仕組みが検討されているところであり、感染対策を徹底することを前提に、本日14日までの時短要請もですが、様々な制限なども緩和される方向に向かっていき、今後においては、感染対策と観光振興をバランスよく進めていくことが求められると思います。  そこで、質問ですが、今後も続くウィズコロナの状況下において、札幌市の観光を再生させる上でどのようなことが重要と考えているのか、また、具体的な取組としてどのようなことがあるのか、お伺いいたします。 ◎石井 観光・MICE推進部長  観光再生の考え方と具体的な取組についてお答えいたします。  札幌市では、季節ごとのイベントを生かした集客を観光振興における一つの柱としてきたところでございますが、ウィズコロナ期においては、イベントの集客力を生かすことに加え、観光客がなるべく密にならないような観光スタイルの提供や集客の工夫をすることが重要であると認識しております。  そのため、大勢の観光客が特定のエリアやスポットに過度に集中するようなものではなく、広く分散して札幌観光を楽しめるような取組に力を入れてまいりたいと考えております。  具体的には、スノーリゾートシティSAPPORO推進戦略に基づく冬のアクティビティーと都市観光の連携や、アドベンチャートラベル、夜間の周遊観光など、札幌の魅力を生かせる多角的な取組について検討してまいりたいと考えてございます。 ◆くまがい誠一 委員  ウィズコロナの状況でも、ぜひ工夫をしながら取組を進めていただきたいと思います。  今、具体的な答弁もございましたけれども、冬のアクティビティーと都市観光の連携では、近郊に多くのスキー場があります。また、今じわじわと人気が高まっております冬のキャンプができる定山渓自然の村、これは都心から車で30〜40分程度、などもございますし、郊外のアウトドアなども、自然との距離が近い札幌は、ポテンシャルが非常に高い都市でありますので、ぜひ創意工夫を凝らしていただき、さらに魅力ある取組で楽しんでいただけるよう、今後もよろしくお願いいたします。  最後の質問になりますが、来年度の札幌市の大規模イベントについてお伺いいたします。  昨年度から、札幌市の大規模イベントのほとんどについては、いわゆるリアル開催が中止されております。オンライン開催に切り替えて実施するなど、工夫は見られますが、やはり、実際に会場が設けられて青空の下で開催されるイベントは格別なものがあり、国内外から多くの来場者を迎えることで、大きな経済効果を生み出すこととなります。  実際に、観光関連事業者からは、まちに活気を取り戻し、市民をはじめ、観光客に札幌の魅力を楽しんでもらうため、大規模イベントのリアル開催を待ち望むという声が多く聞こえてまいります。  そこで、質問ですが、ウィズコロナの状況だからこそ、札幌のまちを明るく元気にするため、来年度の市の大型イベントについて、リアル開催で実施するという前向きな気持ちが必要だと思いますが、市の見解をお伺いいたします。 ◎石井 観光・MICE推進部長  来年度の大規模イベント開催の考え方についてお答えいたします。  大規模イベントは、市民の皆様に四季折々の楽しみを提供するとともに、札幌経済の振興に資する重要な施策の一つであることから、従来のように多くのお客様に会場に来ていただくことで、その効果が最大限に発揮されるものと認識しております。  来年度につきましては、今後の感染状況等を注視しながらも、通常どおりの開催を目指して、予算編成などの準備を進めてまいりたいと考えております。 ◆くまがい誠一 委員  今後の感染状況を見ながら、ぜひ前向きな検討をよろしくお願いしたいと思います。  札幌の観光振興、これはもう非常に大切でございますので、よろしくお願いしたいのと同時に、これまでコロナ禍で得た気づき、これをぜひ生かしていただき、新たな視点で観光戦略を推進していただくことを要望し、私の全ての質問を終わらせていただきます。 ◆小形香織 委員  私は、環境負荷低減につながる本市のものづくり企業や環境・エネルギー分野などへの支援について伺いたいと思います。  私ども日本共産党は、過日の代表質問で、2050年にゼロカーボンを実現するために、次期まちづくり戦略ビジョンに環境負荷低減を重点化することを求め、市長も、しっかりと位置づけていくと答えておられます。  私は、10月8日の第一部決算特別委員会の環境局関係の質疑で、気候変動対策行動計画に関わって、地産地消の再生可能エネルギーの普及を求めて質問したところです。  これを進めていくためにも、その地産となる産業の部分で、経済観光局の企業支援が大変重要だと思っております。  産業振興ビジョンには、早くから環境・エネルギー分野を重点分野の一つに掲げて、2015年から環境・エネルギー技術・製品開発支援補助金を創設し、創エネルギー、創り出すエネルギー、それから、蓄エネルギー、ためるエネルギー、そして、省エネルギーや、あるいは、それらを組み合わせたエネルギーマネジメントに資する技術や製品開発を支援してきております。  また、小規模企業振興基本法がつくられてからは、我が党が小規模企業向けの支援拡充を求めてきたことと相まって、小規模企業向け製品開発・販路拡大支援事業補助金が創設され、小規模企業でも、環境・エネルギー分野の製品開発について支援が行われているところです。  そこでまず、これまでの環境・エネルギー補助、小規模企業向け補助金のエネルギー分野はどんな実績があったのか、その具体的な内容について伺います。 ◎高橋 国際経済戦略室長  環境・エネルギー補助金及び小規模企業向け補助金の環境・エネルギー分野の支援実績についてお答えいたします。  環境・エネルギー補助金では、制度を創設した平成27年度から令和2年度までの6年間で43件の応募があり、31件を採択しております。  採択案件の代表的な例といたしましては、廃棄するプラスチックなどを独自の技術で固形燃料化するとともに、それを効率的に燃焼するボイラーを開発し、令和2年度には道の新エネルギー促進大賞を受賞するなど、高い評価を得ております。  また、小規模企業向け補助金の環境・エネルギー分野では、制度を創設した平成29年度から令和2年度までの4年間で8件の応募があり、3件を採択しております。  これらの採択案件の中には、太陽光エネルギーを電源として、雪氷の冷気を効率的に循環させ、内部を冷蔵する消費電力不要の貨物コンテナの開発があり、北海道ならではのものとして、展示会などで注目を集めたところでございます。 ◆小形香織 委員  補助金を活用して、また、北海道の札幌の自然をうまく生かしながら生み出されている技術あるいは製品が注目を集めていると、あるいは大賞を受賞しているということでありますから、ぜひともさらなる進展が生まれますように期待したいと思っております。  一方で、ゼロカーボンを実現するというためには、物をつくる企業自身が、それを生産する過程で環境負荷低減を推進する、こういう取組も私は必要だと考えております。  そこで、ものづくり企業への環境負荷低減に関するその他の支援について、具体的な内容について伺いたいと思います。 ◎高橋 国際経済戦略室長  環境負荷低減に関するその他の支援についてでございます。  ものづくり企業が環境負荷を低減するためには、製造工程における生産性向上や省力化が必要であり、これらを実現する上で、IoTの活用などを推し進めることが重要であると認識しております。  札幌市では、令和元年度から試験的なIoT導入に関する補助を実施することにより、身近なモデルケースを創出してきており、これらの事例紹介や導入ポイントの解説を行うセミナーを開催し、広く普及啓発を図っております。  また、IoTの本格的導入に向けて、企業の課題抽出からIoT導入計画策定までを専門家の派遣により実施するハンズオン支援を行っており、今年度から本格的なIoTシステムの導入に対する補助を始めたところでございます。 ◆小形香織 委員  そうした新しい分野の技術を生かしていくということで環境負荷低減を図るということは、非常に大事なことだというふうに思っております。  それで、ただいま伺ったのは、環境・エネルギーの補助金だとか、環境・エネルギー分野における小規模企業向けの補助金など、技術開発を行う企業への支援、それから生産過程におけるものづくり企業への支援について伺いましたけれども、やはり、そうしたそれぞれの企業の工夫があるということと併せて、再生可能エネルギーの導入をどうやって加速度的に広げていくかという角度から見ますと、技術開発に対する支援、これは大変重要だと思っておりますし、また、日々、新たな知見が生み出されている北大などの研究とも協働して、急速に進めていく必要があると思っております。  先ほど最初に伺った答弁では、技術開発を行う企業への支援の実績というのは、6年で31件、あるいは4年で3件の採択があったというご答弁でありましたけれども、6年、4年とそれぞれ経過している中で、支援が続けられておりますが、課題も見えてきているのではないかと思っております。  そこで、環境・エネルギー分野の補助事業にはどんな課題があり、また、それに対する対応などについて伺いたいと思います。 ◎高橋 国際経済戦略室長  環境・エネルギー分野の補助金の課題とその対応についてでございます。  環境・エネルギー分野の中でも、特に創エネルギーと蓄エネルギーにつきましては、多くの場合、専門の技術や大型の設備、長い開発期間が必要なことから、製品開発に挑戦する市内企業が限られ、申請企業の固定化が進んできております。  一方、省エネルギーやエネルギーマネジメント分野では、近年の技術の進展に伴い、製品に使用する部材の低廉化などにより、開発コストが下がるとともに、設備投資も少なく済むことから、製品開発への取組が容易になっているところでございます。  今後は、様々な機会を捉えて、市内企業に対し、環境・エネルギー分野の技術や製品開発の重要性を周知していくとともに、コロナ禍で中断していた企業訪問を再開し、具体的に取組が容易な製品開発の事例紹介を行うなど、新たな担い手を発掘してまいりたいと考えております。 ◆小形香織 委員  ぜひとも、企業を訪問して紹介をしながら広げていくと、この足で歩きながら、何に困っているのかということを聞きながら支援を続けていくということが、大変大事なところだと思っております。  ものづくりの実践をされた成果事例集などを見ますと、開発に専念することができたと、この事業を受けた方の感想が書かれておりまして、資金的な部分の支援は大変ありがたいものでした、なかなか自分たちではできない部分、売上げを上げながら開発しなくてはならないところを、キャッシュがあることで開発に専念することができました、こういう企業の方の感想がございます。  また、もう一つご紹介いたしますと、ようやく、今、事業に近づいてきました、ここまでこられたのは、ものづくり支援が後押しをしてくれたからだと思います、そして、その間にも、別の開発がどんどん生まれており、開発型の会社としても成長することができましたと、こういう感想が出されておりまして、やはり、本市が支援をし続けていくということが大変大事だと思っております。  札幌は、積雪寒冷地という特徴から、CO2排出量の約4割が家庭からとなっております。そして、先ほどのものづくり支援事業で生まれた省エネシステムだとか、あるいは蓄電池の高機能化など、市民が日常生活で省エネや再生可能エネルギーの導入を進める、このことがCO2削減の鍵となると思っております。  また、札幌に根差した中小企業、小規模企業だからこそ、地元にある、札幌にある自然エネルギーを活用でき、市民生活に直結した事業ができるものと思います。  ぜひとも、開発から事業化へとつながる支援を強化していただくよう求めまして、私の質問を終わりたいと思います。 ◆小竹ともこ 委員  私からは、商店街への支援について質問をいたします。  商店街は、地域住民の身近な消費活動を支える基盤であるだけではなく、例えば、子ども110番のお店としての協力などを含め、防犯活動や交通安全運動、まちの美化活動、様々なイベントの実施を通してのにぎわいづくりなど、地域のまちづくり活動の担い手としても大変重要な役割を担っています。  しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛要請等の影響によりまして、これらの商店街活動については、自粛や縮小あるいは中止を余儀なくされ、令和2年度における商店街のイベントや地域貢献活動に対する補助事業の執行は、低調となったとのことであります。  一方で、札幌市としては、令和2年度において、商店街の感染対策を促進するため、商店街が取り組むべき感染対策チェックリストなどをまとめた手引を作成するとともに、これに基づき、各商店街が取り組む感染対策に係る費用に対する補助事業を2回にわたり実施されました。  そこで、質問いたしますが、令和2年度に実施した商店街向け感染対策補助事業の成果と評価について伺います。 ◎坂井 産業振興部長  令和2年度に実施した商店街向け感染対策補助事業の成果と評価についてお答えいたします。  市内68商店街のうち、約8割に当たる商店街が、本補助金を活用し、マスク、消毒液などの消耗品や飛沫防止パネルなどの備品を導入したほか、商店街加盟店共通の感染対策PRステッカーの作成など、様々な取組が創出されたところでございます。  商店街関係者からのヒアリングによると、本事業は10割補助であり、概算払いを認められたことから、商店街の費用負担がなく、スピーディーに感染対策の取組を進めることができたと感謝の声をいただいているところでございます。  本事業の実施により、商店街における感染対策が強化されたとともに、商店街の感染対策の積極的な情報発信により、商店街は安心して買物ができる場であることを市民に知っていただく一助になったものと評価をしているところでございます。 ◆小竹ともこ 委員  現在は、どのお店、事業所におかれましても、マスク、消毒液、飛沫防止のパネル、また、非接触型の体温計であったり、今となりましては当たり前となっている店舗における感染対策でありますけれども、当初は、感染対策といっても、どういったものをどれだけ用意し、具体的にどのように進めていけばよいのか、また、感染対策用品も非常に品薄な状態で、望むだけの数量を入手するということも大変困難な状況でありました。  そのような中で、この補助事業により、感染対策のガイドラインが示され、具体的な取組を進めることができたこと、そして、私の地元の月寒中央商店街においても、商店街の事務局が加盟店を回りまして、このチェックリストを活用して、お店ごとの感染症対策を確認、指導をするなどをいたしまして、まさに今、飲食店等で行われております第三者認証を先駆けて行ってきたということで、自負をされているということでありました。  ほかにも、感染対策用品を共同仕入れすることで、安く購入できたり、調達がスムーズになったりしたことなどで、組合員さんからは、やっぱり団体の力はすごいね、改めて商店街に加盟していてよかったとの声があったと私も聞いております。  このように、札幌市が昨年度の早い段階から商店街向けの補助を行ったことは、市内全域の感染防止拡大の強化という観点からも、また、商店街が、今ほどご答弁にありましたように、一丸となって感染対策に取り組んだことで、地域のお客様に安全な商店街として、安心感を持って利用してもらえたという面においても、非常に有益であったと思っております。  しかしながら、コロナの感染拡大の長期化によりまして、外出機会の減少や飲食店等の営業時間の短縮要請等により、商店街を訪れる消費者は減少し、経営に大きな影響を受けている商店街加盟店も多いのではないかと考えます。  最近になり、ようやく札幌市内の新規感染者数も減少基調にあるとともに、国においても行動制限の緩和に向けた検討に着手をしており、今後の経済活動の再開が期待されるところであります。  そこで、質問をいたしますが、新型コロナウイルスの感染拡大が長期化したことによる商店街の景況について、市として、どのように認識をし、今後どのように支援をしていくのかについて伺います。 ◎坂井 産業振興部長  商店街の景況についての認識及び今後の支援についてお答えをいたします。  新型コロナウイルス感染拡大の長期化により、小売店や飲食店など、主に対面で商品やサービスを提供する事業者が多い商店街においては、経営上、大きな影響を受けているものと認識をしているところでございます。  また、委員がご指摘のとおり、国では、10月以降、北海道においてもワクチン・検査パッケージに関する技術実証を実施するなど、行動制限の緩和について検討を進めているところでございます。  今後については、これらの検討状況や市内の感染状況などを注視しながら、経済活動の再開を見据えて、商店街のにぎわいづくりや集客力向上に資する取組に対する支援を行ってまいりたいと考えております。 ◆小竹ともこ 委員  家に居ながらにして、手のひらのスマホ一つで、衣食住、欲しいものが何でも届いてしまうという、コロナが後押しとなって、eコマース市場がさらに拡大、肥大する一方で、長年地域でご商売をされている商店街の加盟店、特に、物販店、小売業のお店においては、非常に厳しい事業環境に置かれていらっしゃると思いますし、私も、事業主の方々から、その大変な状況を直接見聞きしているところであります。  一方で、商品を購入する際には、食品や洋服などに限らず、やはり、実際に手に取って自分の目で見て確かめたい、あるいは、お店の方から豊富な商品知識を聞き、納得した上で購入したいという利用者の方もたくさんいらっしゃいます。  顔の見える安心感や信頼感といった、商店街ならではの地域のよさといったものが、まだまだ存在すると私は思っております。  さらには、商店街の方々は、日々のご商売がお忙しい中、冒頭申し上げた様々な活動のほかにも、町内会の役員やPTA、消防団員など、一人何役もこなされて、兼務されて、まさに地域になくてはならない要となる役割を果たされておられます。  商店街がにぎわうということは、その地区の発展にもつながり、それは、防災や防犯、高齢者や子どもたちの見守りなどを含め、地域力そのものであると考えますし、そこに住む方々に有形無形に利益をもたらしてくれているものだと私は確信しているところであります。  そのような観点と併せて、いましばらく続くであろうウィズコロナ、そして、アフターコロナを見据えて、商店街加盟店の早期の売上増加につながる販促支援など、ここではダイレクトに経済効果をもたらす、いわゆる真水と呼ばれるような直接的な支援に取り組んでいただきたいと申し上げます。  また、私といたしましては、大変生意気ではありますけれども、支援を受ける商店街のほうも、ただ単に支援を受けるということではなく、その支援を呼び水として、あるいは種として、知恵と工夫を凝らして事業発展につなげていく取組を強く進めていただけたらと考えているところであります。  最後に、商店街が持続的に発展していくことが、地域や地域住民の方々にも利益をもたらすことから、今後の予算編成に向けて、様々な角度からの支援についても、ぜひ併せて検討していただくことを求めまして、私の質問を終わります。 ◆岩崎道郎 委員  私からは、定山渓集客交流拠点施設について、数点にわたって質問させていただきます。  札幌市では、2015年3月に策定した定山渓観光魅力アップ構想において、いわゆる定山渓の顔となるような、そんな拠点の創出として、定山渓集客交流拠点施設の整備に向けた取組を掲げております。
     その検討に当たっては、2015年度から2016年度の2か年にわたって、定山渓観光協会や連合町内会などから成る検討会議が12回開催されるとともに、地域住民に対して、施設整備に係るアンケートや意見交換が行われてきたところです。  ご案内のとおり、国道の拡幅も進んでいき、この施設ができることで、さらなる定山渓に対する集客、これにつながるのではないかと、そういった期待もありまして、これまで、札幌市議会においても、多くの議員が委員会などで質疑を行ってきました。  しかし、構想策定から6年以上が経過をし、感染症の拡大による影響はもちろん、定山渓においても、幾つかのホテルがリニューアルするなど、策定の当初から環境が変わってきているところもあります。  そこで、確認のために最初に質問いたしますが、定山渓集客交流拠点施設は、どのような手法で整備をする予定であるのか、伺います。 ◎石井 観光・MICE推進部長  定山渓集客交流拠点施設において予定している整備手法についてお答えを申し上げます。  定山渓集客交流拠点施設につきましては、定山渓の集客増、温泉街の周遊促進、定山渓エリアの周遊、滞留を目的に、地元関係者や庁内での検討を進めてきたところでございます。  施設の内容としましては、駐車場、トイレ、観光案内などの公共的な機能のほか、アクティビティーの周遊拠点、カフェや特産品の物販など、民間の提案を生かし、定山渓への集客と周遊を促すことにより、地域全体ににぎわいが波及するものを想定してございました。  このような施設の機能を実現するため、民間事業者の参入意向や、施設整備による経済効果調査を実施いたしまして、定期借地権方式により、民間事業者が整備することとしていたところでございます。 ◆岩崎道郎 委員  恐らく、公共の持っている土地を民間の方に活用していただくというのが、大きな肝なのかなというふうに受け止めているんですけれども、この整備方針の中で、整備主体が民間であると。運営や費用負担は札幌市と民間で共同する。そして、地元町内会ですとか、観光協会という方々も、当然、定山渓の主役でありますので、そういった方々としっかり協議を進めるということを、合意形成をしっかりするというのが、この事業の最も大事なところだというふうに思うので、当然、たくさんの方々がいらっしゃいますので、協議に時間がかかっていくということは、一定の理解をしております。  しかし、地域の方、特に観光関連事業者の方々にとっては、長引くコロナの影響から、ようやく今脱しようかとしているところであり、まずは自分たちの仕事を回復させることが最優先事項だと思いますので、この地域交流拠点について、施設について、その必要性ですとか、魅力を感じていても、本腰を入れて議論をする、その施設ができるところに汗をかいていくというところには、なかなかその余裕がまだないのかなという想像もしております。  一方で、この事業に民間のベースで参加をしたいなというようなこと、関心を寄せているような事業者の皆さんからは、やはり、コロナ収束後のにぎわいのタイミング、これを逃すことなく集客につなげていくためにも、できるだけ早く検討を進めてほしいなという声もいただいているところです。  我が会派におきましては、2019年第2回定例市議会において、施設の特色や今後のスケジュールなどについて質問をさせていただき、答弁として、2020年度を目途に、施設整備に関する契約を締結する想定との答弁がありました。  しかしながら、その後、新型コロナウイルス感染拡大という予想だにしない事態となり、札幌市も、地元関係者も、コロナ対応に追われ、長きにわたり、地元関係者との協議ができていない状況が続いていることと思います。  そこで、質問ですが、定山渓集客交流拠点施設の現在の検討状況、進捗状況について伺います。 ◎石井 観光・MICE推進部長  現在の検討状況についてお答え申し上げます。  定期借地権方式による整備に向けて、令和元年度に施設予定地の不動産鑑定や測量調査等を実施いたしました。  あわせまして、民間事業者から提案を受けるための公募要件を設定するため、地元関係者と協議を進めておりましたが、施設に求める機能などについて、意見集約に時間を要していたところでございます。  そのような中、令和2年2月から、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、地元関係者から感染症の対策を優先したいとの意向が示されたことから、集客交流拠点施設の協議につきましては、一時中断しているところでございます。 ◆岩崎道郎 委員  コロナの状況下ということですので、仕方ない部分もあるのかなというふうに思います。  感染拡大が広がる中で、私も地元の議員ですので、定山渓などを歩かせていただいて、地域の方から様々な声をお聞かせいただいているんですけれども、もうこの施設のことを忘れている方もたくさんいらっしゃって、あまり期待されていないのかなと思うと、非常に寂しい思いをしています。  先ほどもお話をさせていただきましたが、やはり、コロナが収束をして、お客さんが戻ってきてから、さあ、議論だということでは、なかなかその機を逸してしまう部分もあろうかと思います。もちろん、こういった施設、想定をして、すぐにできるものではないので、いいものは造ってもらいたいんですけれども、あわせて、やはり期間的なものも区切って、しっかりと協議を進めていただきたいなと考えているところでございます。  今申し上げたとおり、地域の方からいただく声としては、施設はいろんな考え方があるんだろうけれども、やはり駐車場、定山渓は、ご案内のとおり、なかなか平たんな場所が確保しづらいというところもあって、冬になると、車の出し入れに非常に困難を来していると。しかも、ホテルの駐車場がメインですので、日帰りで定山渓を観光する方々にとって、駐車場が不足しているという声も聞いておりますので、こういった様々な声をたくさんお聞かせいただいて、いいものを造っていただきたいな、議論をしっかりと進めていただきたいと思っています。  そして、最近では、新しいホテルも出てきておりますし、先ほど来、ほかの委員との質疑の中でもありましたが、定山渓も、ただ温泉に入って、ゆっくりおいしいものを食べて帰るというところから、定山渓を中心として、様々なところにアクティビティーに出かけていく。そして、このコロナというものが一つの契機だと思うのですが、外で遊ぶということ、たくさんの人がそこに関心を寄せていると思います。  札幌市内でも、こんなところにキャンプ場があるのかとびっくりするところに、キャンプ場がどんどんとでき始めていて、定山渓においても、もちろん旅館業の皆さんがしっかりといらっしゃいますので、そこを基本としながらも、様々な定山渓での体験というものが今後求められてくるのかなというふうに思っています。  そして、札幌市においても、定山渓二見公園のトイレのリニューアルですとか、足湯の設置なども予定をされておりまして、やはり、集客交流拠点施設の整備に関する構想を立ち上げた当時から、この定山渓エリア全体の環境も変わってきております。  そこで、最後の質問ですが、集客交流拠点施設について、今後どのように検討を進めていくのか、伺います。 ◎石井 観光・MICE推進部長  今後の検討の進め方についてお答え申し上げます。  新型コロナウイルスに関する地元関係者の対応が一定程度落ち着いた段階で、地元との協議を早期に再開したいと考えてございます。  また、委員がご指摘のとおり、定山渓集客交流拠点施設に関する当初の構想からこれまでの間、民間事業者によるカフェや店舗の展開、それから、二見公園の整備など、定山渓地区ににぎわいを呼び込む環境整備が進んでいるところでございます。  したがいまして、協議の再開に当たりましては、近年のこうした状況の変化も踏まえまして、集客交流拠点施設に必要となる機能などについて、精力的に議論を進めてまいりたいと考えてございます。 ◆岩崎道郎 委員  先ほど申し上げたとおり、関係者がたくさんいらっしゃって、主体となるのには、事業者の方というところがあるんですけれども、今、コロナのこともあって、一体どこにボールがあるんだろうかと、この議論のボールは誰が持っているんだろうかというところが、少し曖昧になっているような気がしています。  ですので、まず、明確に札幌市から提案をする、皆さんにこういったたたき台をお示しする形で、議論をスタートしていっていただきたいなというふうに思っております。  そして、定山渓では、今ホテルなどのリニューアルも進んでいますが、小学校、中学校の統合などもあって、今、中に、郷土資料みたいなものが学校に設置をされている、今後どうするんだろうかと、そういったものもありますので、非常にすばらしい、ある意味、コンテンツでもあると思います。  そういったものもうまく活用しながら、やはり、多くの人が定山渓に来て、温泉だけでなく、まちを楽しんでいただける、いろんな施策があって、ホテルの皆さんに様々な支え、支援というものが行っているんですが、なかなか私たちのところには届いていないんだ、支援が届かないんだという定山渓の中での声もお聞かせをいただいていますので、こういった施設が整備されることを契機として、定山渓全体に潤いがもたらされるように、札幌市としても、しっかり取り組んでいただくことを求めまして、私の質問を終わります。 ◆わたなべ泰行 委員  私からは、アドベンチャー・トラベル・ワールド・サミットについて質問をいたします。  北海道や国とともに誘致を行ってまいりましたアドベンチャー・トラベル・ワールド・サミット、ATWS2021北海道/ジャパンが、9月の20日から24日に、コロナ禍の影響により、ATWS2021バーチャル北海道/ジャパンとなり、オンライン開催という形で実施をされました。  本来、ATWSは、アドベンチャーツーリズムに関する世界的な商談会とイベントであり、旅行会社、メディア、アウトドアメーカー、観光局、観光協会、ガイドなどの世界中のアドベンチャーツーリズム、いわゆるATの関係者が一堂に会し、開催地において、実際にATを体験し、商談会、セミナー等が行われるので、ATWS2021のメイン会場となる札幌市にとっては、大きなプロモーション効果になることと私も期待し、令和元年の第二部議案審査特別委員会や令和2年の第二部予算委員会で取り上げ、応援をさせていただきましたが、残念ながら、コロナ禍のため、新しい形としてオンライン開催となりました。  現在、欧州の一部では、ワクチン接種の進展に伴い、入国制限が緩和されるなどの動きは出始めておりますが、世界各地を自由に行き来するのは、もう少し先になるのかなと思われます。  そのような状況ですが、ATの世界的な観光イベントが、オンラインという形ではあるものの、開催されたことは意義深いものであると考えております。  そこで、質問ですが、オンライン開催となったATWS2021北海道/ジャパンの内容と、これをどのように受け止めたのかを伺います。 ◎石井 観光・MICE推進部長  ATWS、アドベンチャー・トラベル・ワールド・サミット2021北海道/日本の内容と、それに対する受け止めについてお答え申し上げます。  ATWS2021は、オンラインでの開催となったにもかかわらず、欧米豪を中心に58か国、617名ものAT、アドベンチャートラベル関係者が参加し、メインとなる旅行会社同士の商談会をはじめ、ATの理解を深める基調講演やセミナー、北海道のATのコースをバーチャルで紹介するなどの様々なイベントが開催されたところでございます。  ATWSの開催に合わせまして、世界に売り込むための道内のATツアーとして、札幌を含むコースが複数造成されたことに加えまして、北海道を紹介する動画では、北海道でATを楽しむ上での拠点となる札幌の景観や豊かな食文化などの魅力が紹介されました。  また、イベントの最終日には、主催者でございますATTA、アドベンチャー・トラベル・トレード・アソシエーションから、2023年に改めて北海道においてATWSを開催することを内定したとの発表があったところでございます。  ATWS2021では、コロナ禍により、実際に、北海道、札幌の魅力を体験していただく機会を設けることはできませんでしたが、今後につながる貴重な成果を得ることができたと考えております。 ◆わたなべ泰行 委員  ただいまの答弁で、58か国、また、多くの方たちが、関係者の方たちがですね、参加してくださり、また、そこで商談会やセミナーなども開催されたということなんですけれども、本当に、オンライン開催ということで、北海道のATツアーを体験してもらう機会が失われたことは本当に残念なんですが、やはり、こうやって多くの国の方々が、関係者の方が参加をされたということは、AT関係者に、先ほど答弁でもございましたけれども、札幌市のプロモーションができた、また、今後の世界的な旅行需要の回復に向けて、少しずつではあるとは思いますけれども、実感ができ、そしてまた、希望も生まれたのではないかと思います。  何よりも、2023年に改めて北海道で開催できるチャンスを得たということは、大変に喜ばしいことでありますし、ATWSが従来のリアルな体験ができる形で開催できれば、再び商談会や日帰りツアーなどのメイン会場となる札幌市に、世界のAT関係者が一堂に集まることを考えますと、札幌市にとっては大きなメリットになると考えます。  そこで、質問ですが、2023年にATWSを改めて北海道で開催する意義をどのように捉えているのかを伺います。 ◎石井 観光・MICE推進部長  2023年に、ATWS、アドベンチャー・トラベル・ワールド・サミットを再度開催する意義についてお答え申し上げます。  ATWSがリアルで開催される際には、約60か国、800人の欧米を中心とした海外の旅行エージェント等が、開催地に1週間程度滞在し、実際に体験ツアーに参加するため、バーチャルでは得られない地域の魅力を一層深く理解していただくことが期待できます。  また、参加者同士が顔の見える形で商談などの交流を図ることで、多様な海外エージェントと国内事業者などが、広くネットワークを構築することができるため、参加者を通じた魅力発信や、新たな顧客層の開拓をより推進することができるものと認識しております。  札幌は、主会場に予定されているため、世界的にもアドベンチャートラベルの拠点都市として認知度が高まり、今後の札幌の国内外へのプロモーションにも大きく寄与するものと考えております。 ◆わたなべ泰行 委員  ただいまの答弁で、欧米を中心としまして、60か国、約800名の海外のエージェントの方、また関係者の方がいらっしゃる、そのことによって、広いネットワークが構築されていくのではないかということを期待しているという答弁であったと思いますけれども、ネットワークの構築、イコール札幌市の大きなプロモーションになると思いますし、結果、どうなるかとなったら、このATを求めてくるお客様たち、需要、こちらのほうを札幌が大きく取り込める、取り込んでいけるチャンスにつながると思います。  この肝心な、最終目標になってくると思うんですけれども、このATの顧客層、こちらの方たちは、欧米を中心とした富裕層ですね。1人当たりの消費単価は、一般的な旅行よりも高いと言われております。そのため、ATには、高い付加価値、また、高品質のツアーを求められ、戦略的には量より質を重視しております。  アフターコロナにおいての海外旅行は、まずは富裕層から動き出すという予測がありますので、札幌におけるインバウンド回復の戦略として、ATの推進はすべきと考えております。  ATを求める富裕層は、従来の富裕層が求める高級なホテルの部屋や食事を用意することよりも、文化や遺産、独自性など、訪れた土地でしか体験できない本物の経験を求めております。  それは、ただ単に自然やアクティビティーを体験するだけではなく、一生に一度の体験になるように、地域の自然や文化、歴史などを熟知したガイドが、その土地ならではの質の高い体験を提供することが必要になります。  今後、札幌市がATの需要を捉えていくためには、質の高いガイドの育成、そして、体験先の魅力を十分に伝えていくことができる環境の整備、こちらのほうは不可欠になってまいりますし、こういったAT分野での専門的なノウハウを今後高めていくことは、必要だと思っております。  今回のATWS2021開催に向けて、北海道や国と連携して様々な準備を進める中で、ATにおける知識や求められるスキルなどを学ぶことも多かったのではないかと思いますが、今後は、その学んだことをATWS2023に生かしていく視点が必要だと考えます。  そこで、質問ですが、ATWSのメイン会場、いわゆるホストシティーである札幌が、2023年の開催に向けてどのような準備を進めていくべきか、現時点での考え方について伺います。 ◎石井 観光・MICE推進部長  ATWS2023に向けた準備に係る考え方についてお答えいたします。  今回のATWSを通じて、市内事業者等のアドベンチャートラベルに対する理解が深まったところですが、引き続き、ATに関わる事業者のスキル向上や、ATに取り組む意義について、市民にもPRし、より理解を深めていただくなど、2年後に向けて、継続的に機運を高めていく必要があると考えております。  また、AT関係者が強く掲げる持続可能な観光というテーマは、欧米豪や富裕層の旅行者にとっても重要視される概念であるため、観光分野においても、環境面に配慮した取組を進めるなど、今後は、SDGsを意識することも、受入れ環境の面から重要と認識しております。  こういった視点を踏まえながら、ホストシティーにふさわしい準備を進めていくとともに、北海道や国などとも連携を図りながら、2023年に向けた取組を着実に進めてまいりたいと考えております。 ◆わたなべ泰行 委員  ただいまの答弁で、市民の皆様への理解が広がるように周知をして機運醸成につなげていく、そしてまた、SDGsの理念に基づいた取組をしていくとのことでしたが、私も、やはり2021を目指してきましたけれども、コロナでオンライン開催となって、しかし、また再び、2023年にチャンスをいただくことができました。  より一層、やっぱり準備不足だったことも、急展開だったと思うので、2021も。いよいよ本当に、皆様が求めていた成功のイメージがあると思います。  そこをいよいよ準備ができる期間ができたわけですから、当然、周知のこともそうだと思いますし、今、改めてすばらしいなと思ったのが、世界的、こういったイベントの開催を本市が目標としたときに、SDGsの取組など、本市が取り組んでいることの後押しにもなっていくんだな、そういうことも実感いたしました。  最後に、要望ですが、このATを求める海外観光客の需要を取り込むことができると、本市の基幹産業である観光産業にとって、大きな力になると思っております。それは、単に経済効果だけではなくて、札幌市の観光力のレベルアップと、世界からの注目度が増すことによって、持続可能な都市づくりの一因になると思っておりますので、ATWS2023の成功に向けて、また、これからの札幌のアドベンチャートラベルの推進のために、ATWS2021で行ったように、多言語翻訳機の導入や、外国の方の体のサイズに合わせた大型の救命胴衣などのレンタル装備など、ATコンテンツへの補助金ですとか、また、質の高いガイドの育成、体験する環境の整備など、旅行商品の造成に支援をしていただきたいと思います。  本来は、直接利益がある民間、また団体の皆様が、こういった機会を生かすために投資をするものだということは、私も理解をしております。  しかし、観光産業は、札幌市の発展にとっては大きな柱ですので、本市も、積極的に投資をし、攻めの観光戦略を行うことを求めて、私の質問を終わります。 ◆成田祐樹 委員  私からは、2点、大谷地流通業務団地と、観光の広域での取組の二つをお伺いしたいと思います。  まずは、大谷地流通業務団地高度化検討費について質問したいと思います。  今年の第1回定例会において、我が会派から、展示会の開催は産業振興を進める上で重要であり、札幌市の展示機能を強化する必要があるといったことを指摘し、市の課題認識や対応についてお伺いをしたところです。  その際に、市からは、アクセスサッポロは、展示面積が不足していることなどから、施設更新による展示機能の強化が必要であり、令和3年度に新たな展示場の基本計画を策定していきたいとの答弁がありました。  ただ、現状、アクセスサッポロが立地する大谷地流通業務団地については、既に造成から50年以上が経過し、物流施設の老朽化や、施設更新に必要な土地不足等の課題を抱えているほか、施設の多機能化や大型化のニーズへの対応が求められている状況であると認識をしております。  そのような状況下からか、札幌市は、令和元年8月、大谷地流通業務団地の土地利用規制を緩和する取組を行いましたが、団地内には未利用地がないこと等から、施設更新は十分に進んでおらず、さらなる取組が必要であると考えます。  また、このような状況を踏まえて、市内展示機能の強化及び大谷地流通業務団地が抱える課題に対応するために、札幌市では、昨年度に実施した市内展示機能強化検討業務において、様々な調査を行ったと伺っており、その調査結果によっては、展示場の必要性に鑑みた動きが必要になるのではないかと考えているところです。  そこでまず、質問ですが、昨年度に実施したこの調査の主な内容とその結果についてお伺いをしたいと思います。 ◎高橋 国際経済戦略室長  昨年度に実施した調査の主な内容とその結果についてでございます。  まず、全国の展示会産業の動向調査では、国内における展示会の開催件数は、コロナ前の10年間、増加傾向で推移しており、他都市においても、新たな展示場の整備が進むなど、今後も展示会産業の成長が見込まれております。  一方、現在のコロナ禍におきまして、多くの展示会が中止やオンライン開催を余儀なくされておりますが、ほとんどの主催者は、実際に商品を確認して、対面で商談を行うことが重要であると認識し、コロナ収束後には、従来どおり展示会を開催しようと考えております。  また、市内外の主催者の意向に基づいて、展示会等の面積換算による総需要量を算出した結果、コロナ前の開催実績の2.5倍以上になることから、現状のアクセスサッポロの敷地内で必要な機能を維持したまま、この需要量に見合った展示面積を確保することは困難と考えております。  さらに、大谷地流通業務団地の立地企業を対象とした施設更新の意向調査では、事業所の建て替えを検討している企業の約9割が、団地内での建て替えを希望しており、団地内において、施設更新のための用地を確保する必要性を確認したところでございます。 ◆成田祐樹 委員  2.5倍ですね。今のお答えですと、やはり、札幌市には高い催事需要があり、展示機能が不足していることは明らかであるというのは、今お答えいただいた調査結果から把握できたのかなと思いますが、コロナ収束後の経済活動に向けて、市内産業の振興を力強く進めるためには、今回の調査で判明した需要を取り込むことができるような新たな展示場というのが必要ではないのかというふうに思っております。  また、展示場については、他市の事例を考えても、現在よりも公共交通機関でアクセスしやすい場所に立地させることが望ましいと考えております。  また、お答えもいただきましたが、大谷地流通業務団地における土地の確保は、喫緊の課題でもあり、団地内に未利用地がない、いわゆる種地となるような場所がないという現状を考えると、アクセスサッポロの用地活用なくして、課題の解決は困難であることから、早急にアクセスサッポロを移転させ、その跡地を活用することにより、大谷地流通業務団地の再編を図るべきではないかなと考えます。  そこで、質問ですが、アクセスサッポロの移転先については、具体的にどのように考えているのでしょうか。  また、今年度策定予定の整備基本計画には、移転先のほかにどのような内容を盛り込もうとしているのか、見解をお伺いしたいと思います。 ◎高橋 国際経済戦略室長  移転先の考え方と整備基本計画の内容についてでございますが、新たな展示場の移転先につきましては、調査で判明した需要に適した展示面積を有する施設を配置し、想定される催事内容に見合った十分な駐車台数を確保する必要がありますことから、アクセスサッポロを上回る敷地面積であることが条件であると考えております。  また、大谷地流通業務団地の高度化を早急に進めるためには、直ちに整備に着手できる土地であることが条件となりますことから、これらを踏まえて、市有地である豊平区月寒の旧北海道立産業共進会場用地を候補地として検討しているところでございます。  整備基本計画につきましては、施設の規模や機能、整備手法、概算整備費などを盛り込む予定でございます。  将来にわたって、市民や企業に広く利益をもたらす施設となるよう、展示会主催者をはじめ、様々な関係者からいただいた意見を反映した計画にしていきたいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  今、具体的に月寒とお伺いしましたが、もともとの旧北海道立産業共進会場用地ということを考えると、市民にとっては、非常にイメージしやすく、交通の便も現状よりはよくなると思います。地下鉄から歩ける距離の範囲かと思います。  同じ政令市である北九州市の小倉駅そばにある西日本総合展示場に数回行ったことがありますが、やはりアクセスがよく、規模が大きいです。  ちょうど、行った際にはご当地グルメの祭典と言われるB−1グランプリを行っている最中だったんですが、こういった食系のイベントでも、雨にも濡れず、安定して実施できるという部分が非常に大きいかなというふうに思っております。  ちょうどそのときの様子というのは、テレビの「ガイアの夜明け」などでも放送されていたんですが、やはり、市内企業の販路開拓やマーケティング機会創出ということに限らず、企業間交流の促進や、地域への経済波及効果、都市ブランド力や競争力の向上などといった様々な役目を新たな展示場が担っていくのではないかなというふうに思っております。  そのようなことの実現に当たっては、主催者のニーズを的確に捉えた施設整備もさることながら、既存の需要を着実に取り込みつつ、これまでの規模感では持ち合わせていなかった新たな需要を積極的に獲得していくことができる運営体制が重要ではないでしょうか。  今後においては、展示場運営のノウハウや市内企業との信頼関係、市内外展示会主催者との豊富なネットワークを有し、行政との緊密な連携により、様々な催事の誘致や創出を実現できる担い手や、アンテナを張ることが重要であるかと思いますし、現在は、MICE施設の計画の先行きもどうなるか分からない中で、新しい展示場が担う役割は大きなものになるのではないかなと考えております。特に、天井の高い展示場が札幌市にはないという点も、考慮が必要かと思っております。  最後になりますが、先ほど答えていただいた新たな展示場が、市内産業のさらなる発展や新たな価値の創出に寄与する産業振興の拠点となるために、ハード・ソフトの両面から、しっかりと検討を進めていただくよう要望して、この部分の質問を終わりたいと思います。  もう1点、観光の広域での取組についてお伺いしたいと思います。
     コロナ禍で厳しい話題が多い中でも、収束後に向けて、この観光振興は一歩ずつ取組を進めていかなければならないと思っております。  そのような中で、先ほど、わたなべ委員も触れられていましたが、先月、アドベンチャー・トラベル・ワールド・サミットがオンライン形式で開催されましたが、2023年に再度の開催をするとなったことは、やはり現地を楽しんでもらうという観点からも、よかったのではないかなと思っております。  そのような中で、近年求められる観光については、小さい範囲ではなく、広域で取り組む必要があり、札幌市は、北海道の拠点として期待をされるところです。  少し前の話になりますが、平成28年の第1回定例会の予算特別委員会にて、私から、札幌から後志地区にかけての観光の広域連携について問いただしたところ、答弁として、北海道新幹線の開業効果を広域的に波及させるためには、ニセコ、倶知安、余市、小樽などの都市、道南から道央を大きな観光圏と捉えまして、それらの市町村と連携協力を進め、滞在につながるPR事業を展開してまいりたいといったようなお答えがあったと記憶をしております。  コロナ禍を挟んでしまいましたが、この地域に対するインバウンドの人気は、なお根強く、先ほど申し上げたアドベンチャーツーリズムのメニューが多いことや、今なお、海外などからの投資が続いている状況であること、新幹線が延伸した際には、札幌が起点、終点となることから、これらの地域と連携を行うことで、本市に訪れる人を増やしていくことにもつながると思われます。  ここで、お伺いしますが、市は、昨今の観光ニーズの動向や、北海道新幹線の開業後を見越して、広域での取組をどのように行ってきたのか、また、今後はどのように取組を進めようとしているのか、見解をお伺いしたいと思います。 ◎石井 観光・MICE推進部長  観光における広域での取組についてお答えいたします。  観光客のニーズの多様化により、その土地ならではの体験を楽しむ体験型観光のニーズが高まる中、北海道新幹線の延伸で、より広域な移動が可能となることで、札幌を拠点として体験コンテンツを数多く有する沿線地域の周遊観光を楽しんでいただく可能性が広がると考えております。  とりわけ、運河クルーズなど、歴史を背景とした体験型の観光資源に恵まれた小樽エリアや、オールシーズンにわたり多様なアクティビティーが楽しめるニセコ地区とのアクセスが向上することは、札幌観光の発展のためにも、大きなチャンスだと考えているところでございます。  これまで、札幌市では、道内の他自治体とともに組織する様々な協議会を通じて、魅力発信などの連携事業を行ってきており、令和元年に発足したさっぽろ連携中枢都市圏観光協議会では、小樽市を含めた構成市町村が一体となったプロモーションなどを実施してきております。  今後は、これらの取組に加えまして、現在策定中のスノーリゾートシティSAPPORO推進戦略を推進する中で、ニセコなどのスノーエリアと連携した取組を進めるなど、近隣自治体との連携による観光資源の発信により、新たな観光需要の創出に努めてまいりたいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  ぜひ進めてもらいたいと思うんですが、何でこの質問をしたかというと、やはり、北海道新幹線の開業の何年か前から、シティプロモートが始まります。  国交省が予算をつけて、札幌圏とか、そういう、後志のほうは東北だとか、あと、多分大宮とか宇都宮、あの辺りが、多分、飛行機を使うか新幹線を使うかで、同じぐらいのちょうど分岐点のはずなので、宇都宮だと、多分、札幌に新幹線で来るほうが早いんですね。  そういったところに国交省がお金をつけて、じゃあ、札幌圏域の皆さん、そっちのほうにプロモートに行ってくださいと。その逆に、逆の地域からも札幌にも来るんですけれども、そういったのが開業数年前から始まります。  数年前になったときに、いきなり、じゃあ、各市町村単体だけでPRしに行くのかというと、やっぱり、そうではなくなってきていると思うのですね。  札幌市に行きたい、余市町に行きたいからというよりも、この圏域に何があるから、おいしいものがあるから、いい景観があるから来たいというふうに思うと思うので、ぜひ広域でそういった資源をPRしていくというような形で、新幹線開業を見越した準備、リサーチを進めていただきたいなというふうに思っております。  それで、もう1点、この部分に続いて伺いたいんですが、このコロナ禍という状況の中においても、今申し上げた圏域については動きが出てきております。  特に、札幌から後志地区を中心とした北海道新幹線の沿線にかけて、酒造メーカー、お酒を造るメーカーが一気に増えてきたという点です。  理事者の皆さん、どのぐらいイメージをされているでしょうか。  札幌は、古くからある千歳鶴などの酒蔵がありますが、近年は、日本酒に限らず、様々なお酒を造るところが出てきています。  澄川には、クラフトジンを造る蒸留所であったり、地ビールもできております。地ビールは、ほかにも小さいところがありますし、ワイナリーも札幌には幾つかございます。  小樽は、日本酒のメーカー、田中酒造さんがあったり、北海道ワイン、あと、小さいワイナリーも最近できてきました。  余市は、ニッカウヰスキーがあって、ワイナリーもたくさんできてきて、さらには、最近、その余市なりの果物を使ったフルーツのリキュールを造るところができて、お酒があまりこれまで得意ではなかったという若い女性の方が、非常に買い求めに来ているというので、人気を博しているそうです。  また、積丹町でもクラフトジン、最近は、報道でもよく出ていますが、ニセコ町では日本酒の八海山で知られる八海醸造が、ニセコ蒸溜所を造って、ウイスキーとジンを造り始めたと。  こういったスピリッツが好きなインバウンドや、また、国内でのウイスキー人気などを見越して、一気に、札幌から後志にかけて蒸溜所などの酒造メーカーが増えたというふうに認識しております。  大体、これ、数えたら、札幌から函館まで全部入れると、多分50以上ぐらいあるかなと。これ、十何年前から比べると、倍以上に増えているんですね。  当時、僕が小樽にいたときに、雪の花酒造という小さい酒蔵があったんですけれども、実は、なかなか日本酒人気がちょっと苦しい時期で潰れてしまったりとかして、お酒を造るところというのは、衰退しているというような状況だったものが、一気に近年巻き返してきているというようなところで、かなり変わってきています。  余市なんかは、小さいワイナリーがたくさんあるんですよ。これは、2011年にワイン特区で規制緩和があった影響で増えたというところがあって、非常に、ここ10年ぐらいでこういった酒造メーカーが増えたというところが、非常に特徴的だなと思っています。  そのような中で、国税庁は、日本産酒類海外展開支援事業費ということで、ブランド化・酒蔵ツーリズム補助金という形で、酒造メーカーを回る観光について支援推進をしております。  私も、今、先ほど申し上げたお酒を造っている酒蔵メーカーさん、酒蔵さん、幾つかお伺いしているんですが、やはり、インバウンドの方が、施設見学とともに、その酒蔵限定の商品を求めて、どんなに僻地でも訪れるそうです。  また、観光をするに当たっては、そのご当地での飲食というのは、観光客の大きな楽しみの一つでもありますし、地元の名産品を食べながら、地元のお酒や飲料を頼むというのは、一番の目的だという方も多いかと思っております。  ただ、このような地域全体で酒造メーカーを盛り上げていく、ブランド化していくような取組については、酒造メーカー単体や、後志管内の基礎自治体で担っていくというのは、大変難しいんじゃないかなというふうに思っております。  そういったことを考えると、道内観光の拠点である札幌の動きというのは、大きく影響してくるのではないかと思っております。  今後は、札幌から後志地区を中心とした北海道新幹線沿線の酒造メーカーについて、広域での観光や物販PRにつなげていくとともに、実際に足を運ぶ酒蔵ツーリズムについて考えていく必要があるのではないでしょうか。  観光庁も、平成25年辺りから、この酒蔵ツーリズムの取組を進めたかと思うんですが、当時の資料を見ると、もうほとんど日本酒がメインという感じが強いです。そこに、ワイナリーと、あと、焼酎がぱらぱらというような感じで、それと比べると、特に札幌から後志にかけては多種多様なお酒がそろってきて、非常に面白いなと思いますし、国内外を問わず、様々な人に興味・関心を持っていただけるのではないかなと思っております。  ここで、お伺いしますが、広域での酒蔵ツーリズムについて、市はどのように認識しているのか、お伺いしたいと思います。 ◎石井 観光・MICE推進部長  広域での酒蔵ツーリズムについてお答えいたします。  札幌観光の課題である観光客の滞在期間の長期化及び観光消費の拡大を図るためには、市内だけではなく、周辺地域の魅力的な観光コンテンツも含めて、札幌を拠点とした周遊を促進することが重要であると認識しております。  北海道、札幌においては、恵まれた食を求める観光客が多いことから、地場の米やブドウといった農産品を地元の気候風土の中で酒として醸し出す酒蔵というコンテンツは、観光客のニーズとの親和性が高いと考えております。  さらに、今後成長が見込まれる、アクティビティー、自然、異文化から成る新たな旅行形態であるアドベンチャートラベルにおいても、地元の素材やストーリーを生かした酒蔵を巡るツーリズムは、高いポテンシャルを持つものと認識しております。  これまで、札幌市では、ライラックまつりやオータムフェストなどの大規模イベントにおいて、道内各地の酒やグルメなどを紹介、提供してきたところですが、今後は、札幌観光と併せて周辺地域の酒蔵を紹介するなど、周辺市町村などと連携した取組を行ってまいりたいと考えております。 ◆成田祐樹 委員  ぜひ、この周辺市町村とともに、それに札幌の酒造メーカーも入ることで、札幌の酒造メーカーのPRにもなると思いますし、それも観光につなげていくというところをお願いしたいなと思っています。  最後に、要望なのですが、ぜひ、副市長や局長や原局の皆さん、今挙げたお酒を全部飲んでいただきたいなと思うんですが、これは、半分は冗談で、ぜひアンテナを張っていただきたいなというふうに思っております。かなり動きが出ています。  いろいろちょっと聞き込みも含めて回っていたら、余市町にまたさらに蒸留所ができるということで、上川大雪酒造がブランデーの蒸留所を今造るという話が出ているそうです。  それともう一つ、この圏域で、あんまり言うなと言われたのですけれども、ウイスキーの蒸留所を造る計画をしているところが、まだあるそうです。  そういったことを考えると、非常にこれからまだまだ伸びていく、そしてまた、今までの数だと、なかなか酒蔵ツーリズムとまでできなかったものが、この近年では、それができるようになったので、ぜひ、そういったところは、札幌も一緒に参画してほしいなというふうに思っております。  やはり、私が申し上げたいのは、単一の自治体で酒蔵ツーリズムって難しいんですよね。ある町が酒蔵ツーリズムをやって、じゃ、自分の町だけ回ってとやると、あっという間に終わっちゃうんで、そんな話ではやっぱりないなと思っています。  じゃあ、広域だから道庁がやる話かというと、道庁があんまり頼りにならないのは、皆さんがよくご存じだとは思うんですけれども、これ、道庁がやると、これ、後志だけってやったり、札幌を起点、発着点にするという発想は、多分、そういうセンスは出てこないと思うんですね。これ、やるとしたら、これ、札幌じゃないかなと思うんですよ。  結局、その札幌が起点で行ったり、そこから酒蔵を回って、また戻ってきてもらう。それで、また札幌で宿泊してもらうというような取組というのをぜひやっていただきたいなと思いますし、あとは、これに関して、お金をかけてやることじゃないと思うんですね。既存の今ある酒蔵さん、既存の資源を集めて磨き上げていく、ブラッシュアップしていくというところで、決してお金を使わずともPRはできると思っています。  それこそ、どこか札幌市内で場所を提供して、こういった酒蔵をPRして、ブランド化していく。それこそ、創成川公園とか、千歳鶴さんの駐車場であったりとか、そういったところを屋外でも使ったりとかして、そういった産品を提供して、ブランド化していく。  そこに、今、先ほどアドベンチャーツーリズムでもおっしゃっていただきましたけれども、地元のグルメみたいのを合わせていく、それこそ、寿都町のカキに余市やニセコのウイスキーを合わせるとか、共和町のメロンに赤井川村の生ハムを合わせて、札幌の地ビールだとかワインで流し込むとか、その手の楽しい取組というのができると思うのですね。  ぜひ、この今、酒蔵が増えているというところを、ぜひ敏感につかんでいただいて、そういった取組を広げていただくことを強く要望しまして、質問を終わります。 ○松井隆文 副委員長  以上で、第1項 商工費のうち関係分の質疑を終了いたします。 ○村上ゆうこ 委員長  次に、第2項 農政費のうち経済観光局関係分の質疑を行います。 ◆水上美華 委員  私からは、農産物の直売所について伺いたいと思います。  昨年から、コロナ禍で、地域の直売所の売上げが伸びているという話を伺いました。私の知り合いの農家の方は、キャンプ場と農産物直売所を開設しておりますが、大変盛況であり、このような郊外型のレジャーと直売所は人気が出てきております。  感染防止対策のために旅行などにも行けず、行動が制限されている中で、気分転換も兼ねて、市内の直売所に、新鮮な空気と、そして新鮮な野菜を買いに行くという消費行動の表れのように思います。  また、長引く巣籠もり生活の中で、地元の農産物に目を向け、調理して食べるという丁寧な生活が見直されており、このような傾向は今後も続くのではないでしょうか。  サッポロさとらんどでは、さとらんど市場で市内産や近郊の農産物を直売しておりますし、ファーマーズマーケットも開かれております。また、札幌市内には、農家の方が開設している個人の直売所やファームレストランを見かけます。  地域の直売所の需要が高まっている今、生産者にとっては、販路を拡大したり、売上げを伸ばすチャンスとも言えます。  そこで、初めに、サッポロさとらんどの農産物販売や市内の農産物直売所、ファームレストランが、コロナ禍でどのような状況であったのか、お伺いいたします。 ◎高田 農政部長  コロナ禍におけるサッポロさと らんどの農産物販売や、市内の農産物直売所及びファームレストランの状況についてお答えをいたします。  さとらんどの農産物販売額につきましては、令和3年度は、さとらんど自体が度々休園をしたことにより、単純比較ができないため、令和2年度の販売額を確認いたしますと、緊急事態宣言発令により休園した期間を除けば、例年の同時期をやや上回ることができました。  また、市内の農産物直売所及びファームレストランにつきましては、札幌市が把握している直売所などにコロナの影響について聞き取りを行ったところ、例年並みの販売額を確保することができたと伺っております。 ◆水上美華 委員  コロナによる閉園にもかかわらず、さとらんどの農産物の売上げが、直売が人気であったということは、農業交流関連施設に設定された直売所やファームレストランが健闘しているというようなことも分かりました。  市民の皆さん自らが直売所を訪れ、農産物を購入することは、最もシンプルな地産地消のスタイルであり、また、コロナ禍で注目されているマイクロツーリズムにもつながるものです。生産者の経営にとってもメリットがありますので、アフターコロナの時代に、ますます注目を集めるものと期待をしております。  札幌市の都市計画では、市街化調整区域での販売店設置は規制されておりますが、認定制度によって、生産者は直売所等を開設することが可能であります。  直売所やファームレストランの開設は、初期投資も必要であり、栽培品目が直売や加工に適しているかどうかも関係するため、全ての生産者が取り組めるものではありませんが、直売所開設の第一歩として、認定制度は、十分に生産者に周知されているのでしょうか。  そこで、2点目の質問といたしまして、どのように農業交流関連施設認定制度を生産者へ周知しているのか、お伺いいたします。 ◎高田 農政部長  農業交流関連施設認定制度の生産者への周知方法についてお答えをいたします。  農業交流関連施設認定制度を活用して、生産者が自ら直売や加工販売に取り組む、いわゆる6次産業化は、地産地消の推進や付加価値の向上にも資するものでございます。  この農業交流関連施設認定制度の概要については、札幌市の公式ホームページで紹介しており、興味を持っていただいた方から、随時相談を受けているところでございます。  加えて、今年度につきましては、年4回発行しております農政だよりで特集記事を組み、制度の概要に加えて、施設を開設している生産者の生の声を載せることで、より多くの生産者に6次産業化に関心を持っていただけるよう、情報提供を行っているところでございます。 ◆水上美華 委員  ぜひとも、制度の周知については、答弁にありましたけれども、今後も積極的に行っていただき、6次化等への関心ある農業者の皆さんに情報が行き届くような周知をお願いしたいと思います。  あわせて、北海道でも、都市と農村の交流に意欲的な農業者の農場を対象としたふれあいファームの登録を推進しております。登録を受けたふれあいファームは、全道各地にあり、農作業体験、手作り体験、動物との触れ合い体験、果物の収穫体験、農産物直売など、メニューは様々で、札幌市内でも現在10か所が登録されております。  申請には、市町村長の推薦に基づいて各市町村の農政担当が窓口になっているということであり、札幌市が認定するこの農業交流施設とふれあいファーム、両方の周知も必要ではないかと思いますので、重ねてお願いをいたします。  一方、農業交流施設に認定されている直売所を市民の皆さんに向けて周知することも非常に重要であると考えます。  2020年度市民意識調査によりますと、札幌産の農産物を積極的に購入している、または、たまに購入することがあると回答した市民の割合は67.4%であり、7割近い市民が地元産を意識している一方で、購入したいが、どこで販売されているのか、どれが札幌産の農産物なのか分からないという回答が16.2%ありました。  このアンケート結果は、スーパーなどで購入する場合と直売所での購入の両方を含んでいるものと思われますが、札幌産農産物については、まだまだ情報発信が足りないように思います。  私は、そのように関心の高い札幌産の農産物を購入できる直売所の情報や、積極的に市内産の農産物を扱う意欲的な青果店やスーパーに加え、直売イベント等の周知を積極的に行うべきだと感じております。  そこで、3点目に、市民へ札幌産農産物の魅力を発信していくために、今後どのように取り組まれていくのか、お伺いいたします。 ◎高田 農政部長  市民へ札幌産農産物の魅力を発信していくための今後の取組についてお答えをいたします。  農産物直売所などの情報につきましては、先ほどの農政だよりの記事を活用することにより、市民向けパンフレットを作成し、PRを強化することを予定しております。  また、平成30年度から円山公園で開催しております円山まちなかマルシェについてですが、市民や生産者から大変好評を得ており、市内中心部の公園などに取組を広げる考えでございます。  さらに、サッポロさとらんどでは、ウィズコロナを意識した新たな取組として、9月にはオンライン収穫祭をライブ配信したところでございます。今後も動画配信サービスなどを活用した情報提供を進めていきたいと考えてございます。  今後も、様々な取組や機会を通じて、市民に札幌農業の大切さや地産地消の理解を深めてもらうよう、札幌産農産物の魅力について積極的に発信してまいります。 ◆水上美華 委員  答弁の中で、農政だよりの記事などを活用して、今後、市民向けにPRを強化していきたいというようなお答えがございました。  先日、私もこの農政だよりのほうを初めて拝見いたしまして、直売所の地図であったりですとか、それから、どういうものが置かれてということを、本当に分かりやすく、また、行きたいなと思えるように上手に編集されているものでありましたけれども、今はまだ、農業者の、生産者の方々にだけ配られているということで、ぜひ市民の方に向けて発信していきたいと強く思ったところであります。  と同時に、ふれあいファームも市内に10か所登録となっておりますし、また、マルシェなどで販売もされて、また、それも広げていかれるということでございました。  ぜひ、このコロナ禍で、なかなか遠出までは行けなくても、ドライブがてら、市内で楽しめる、そして、農産物を購入して持ち帰ると、地産地消にもつながる動きでありますので、ぜひ市民へのPRというところに力を入れていっていただきたいと思います。  市民の皆さんが、この札幌産の農産物であることをしっかりと認識した上での地産地消が推進されることを強く要望いたしまして、私の質疑を終えます。 ◆長屋いずみ 委員  私からは、本市の鳥獣被害防止対策に関わって、4点質問させていただきます。  我が国の野生鳥獣による農作物被害は、依然として多く、営農意欲の減退につながるほど深刻な影響を及ぼしております。本市においても、市街地の拡大に伴い、野生生物の生息地と住民の生活圏が近くなり、郊外の農地では、鳥獣による被害が深刻な問題となっております。  そこで、質問いたします。  札幌市の農業被害の現状はどのようになっているのか、また、本市では、鳥獣による農業被害に対し、どのような対策を進めているのか、伺います。 ◎高田 農政部長  鳥獣による農業被害の現状と対策についてお答えをいたします。  令和2年度の札幌市の農業被害額は、エゾシカによるものが1,500万円、アライグマによるものが1,400万円、キツネによるものが2,000万円、合計4,900万円となっております。  農業被害を防止するため、札幌市では、鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律に基づき、平成26年度から札幌市鳥獣被害防止計画を策定し、3年ごとに改定を行い、対策を進めているところでございます。  当計画を実施するため、札幌市農協、北海道の石狩農業改良普及センター、札幌市などの五つの団体から構成される札幌市農業振興協議会の中に鳥獣対策専門部会を設置し、エゾシカやアライグマを対象として、わなや銃器による捕獲などの対策を進めております。
     また、これら協議会の対策と併せて、札幌市では、農家を対象として、鳥獣の農地への侵入を防止する電気柵購入費の補助を実施するなど、総合的な鳥獣被害防止に努めております。 ◆長屋いずみ 委員  先ほど部長がおっしゃっておりました札幌市鳥獣被害防止計画、本年改定しております。  そこで、それについて質問させていただきます。  札幌市の鳥獣被害防止計画の目標は、どのように定めているのか、お伺いいたします。 ◎高田 農政部長  札幌市鳥獣被害防止計画の目標設定についてお答えをいたします。  札幌市の農地は、市街地が近接しているため、銃器の使用が制限されていることに加え、広い市域に点在して、効率的な電気柵の設置が困難であることなどから、効果的な対策が取りづらい状況にございます。  こうした都市特有の事情を踏まえ、これまでの対策による実績を参考に、北海道と協議を行い、3年間で農業被害額を5%軽減することを目標として定めているところでございます。 ◆長屋いずみ 委員  先ほど部長もおっしゃっていましたが、本市は、札幌市農業振興協議会鳥獣対策専門部会において、情報共有をしながら対策に取り組まれてきたと承知しております。  鳥獣被害は、営農意欲もそいでしまいます。被害防止計画を見ますと、変更前は令和元年度を現状値として、目標は令和5年度で5%減少ということです。これは、石狩振興局管内の計画で一番低い被害防止計画でした。  本市の被害状況の把握方法は、令和元年度までは農業者から農協に申告された被害を集計していたけれども、昨年からは、農業者の申告だけではなくて、農協からも農業者に聞き取り調査を行い、より実態を反映させたとのことでした。  私は、さらに生息状況を把握して、被害を受けた時期、被害発生場所、品目や被害金額、被害面積等の被害傾向など、詳細を把握して、状況に適した農業被害軽減策にすべきと考えます。  道内の自治体で、国の交付金を活用し、対策に取り組んでおられました。本市も、札幌市農業振興協議会で十分情報共有し、必要な体制確保と本市の農業を守るための取組を進めていただきたいと思います。  次に、本道での被害が一番多いエゾシカの本市の捕獲活動についてお伺いいたします。  本市では、札幌市農業振興協議会の構成員であるJAさっぽろの依頼を受けたハンターが捕獲しているとお聞きしました。エゾシカは大型ですから、処理も大変だと思います。  そこで、捕獲したエゾシカの処理についてですが、埋設、焼却など、適切な処理をするとありましたが、どのように処理をしているのか、お伺いいたします。 ◎高田 農政部長  捕獲したエゾシカの処理についてお答えをいたします。  捕獲した鹿の処理につきましては、鹿を搬出することが難しく、かつ生態系に及ぼす影響が軽微な場合は、捕獲現場において埋設することが認められているほか、焼却処分を行っている動物管理センターへの搬入も可能となっており、状況に合わせて、ハンターの方にご判断をいただいているところでございます。 ◆長屋いずみ 委員  ハンターから、エゾシカは大型ですが、自らが処理しなければならず、雄になると角もあってと、様々なご苦労をされている様子、お聞きしました。  一方で、道内ほかの自治体では、捕獲活動に対して、交付金の支給や、捕獲した残渣を処理する施設を利用しやすくするなど、ハンターの負担軽減もされているとお聞きします。  本市でも、捕獲に協力するハンターの負担軽減と何らかの支援が必要だと考えますがいかがか、お伺いいたします。 ◎高田 農政部長  捕獲に協力するハンターへの支援についてお答えをいたします。  安定的に捕獲を継続していくためには、ハンターの方の協力が不可欠であると認識をしております。  まずは、実態をきちんと把握するためにも、農業振興協議会において、ハンターの方のご意見の聞き取りを進める考えでございます。 ◆長屋いずみ 委員  道内のほかの自治体では、行政が残渣処理のための回収ボックスの設置や、ジビエとして利用できる加工施設のあるところもあるようです。  農業被害の防止の推進と同時に、捕獲個体のリサイクルなど、環境に配慮した対策となるよう、ハンターの意見をよく聞いて、活動しやすい環境づくりに努めていただきたいと求めて、質問を終わります。 ○村上ゆうこ 委員長  以上で、第2項 農政費のうち関係分の質疑を終了いたします。  最後に、議案第3号 令和2年度札幌市中央卸売市場事業会計決算認定の件について質疑を行います。 ◆くまがい誠一 委員  私からは、新型コロナウイルス感染症拡大による市場への影響について、簡潔に質問させていただきます。  最初に、令和2年度市場事業会計に対する影響についてお伺いいたします。  新型コロナウイルスの感染拡大により、市内経済は大変厳しい状況が続いております。観光客の激減に加え、不要不急の往来及び外出の自粛に伴う休業や、営業時間短縮により、宿泊業、飲食業、運輸業、卸売・小売業などの売上げが減少するなど、多くの業界が困難な状況に直面しております。  中央卸売市場においては、競り取引から入札または相対取引への変更、場内の衛生管理の徹底、市場見学の休止など、感染予防対策に取り組まれてきたと聞いておりますが、流通環境の急激な変化により、市場運営は、様々な影響を受けたものと考えます。  そこで、質問ですが、新型コロナウイルス感染症の拡大が、令和2年度の市場事業会計にどのような影響を及ぼしたのか、まずお伺いいたします。 ◎片貝 中央卸売市場担当局長  令和2年度の市場事業会計に対する影響についてお答えいたします。  最も影響を受けたものといたしましては、卸売業者や仲卸業者の取扱額に応じていただいている売上高割使用料でございます。近年の漁獲量の減少傾向や天候不順に加え、今回、飲食店の休業、営業時間短縮や、観光客の減少に伴う需要の減、水産高級食材の単価下落などにより、予算と比較いたしまして、4,000万円の減となりました。  支出においては、感染防止のため、市場関係事業者に衛生管理対策費を支給したことに加え、マスクの確保や消毒用アルコールの場内配置等により、1,500万円の新たな費用が生じました。  経常収支において、決算としては5,200万円の赤字となりましたが、これは新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けたものであるというふうに考えております。 ◆くまがい誠一 委員  ただいまのご答弁で、新型コロナウイルス感染症に伴う経済活動の自粛や人流の抑制により、市場事業会計が厳しい影響を受けたことが分かりました。  2点目の質問として、小売業者に対する支援についてお伺いいたします。  まず、基本的なこととなりますが、市場事業会計は、他の地方公営企業と違い、市民の方から直接料金を受け取っているわけではございません。卸売業者、仲卸業者などの流通業者を経て、小売業者や納品業者が生鮮食料品を消費者に販売することによって、市場事業会計の大きな収入源である売上高割使用料の増加につながっていきます。  このたびの新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、市場内の水産、青果の小売団体からも、本年6月、我が会派に対し、小売事業者の経営への打撃が深刻で、厳しい状況にある旨の話を伺い、6月には、具体的に小売団体の皆様からの要望を市内青果・水産小売団体による新型コロナウイルス対策に関する要望書として取りまとめ、国や道に支援や対策を働きかけるとともに、本市に対する要望として、市場の小売団体を一つの単位とした具体的な支援策の検討を、市場と業界が一丸となって進めていただくよう求めたところでございます。  何といっても、道内最大の消費地市場である札幌市場においては、売上げを伸ばし、市場の活性化を図っていく上で、消費喚起の最前線にいる小売業者の活躍は、大変重要であると考えます。  そこで、質問ですが、小売業者に対して、開設者としてどのような支援を行っているのか、お伺いいたします。 ◎片貝 中央卸売市場担当局長  小売業者に対する支援についてでございます。  札幌市は、市場関係事業者で構成する水産協議会と青果部運営協議会が取り組む生鮮食料品の消費拡大事業に対して、補助金を交付し、支援を行っております。  例えば、抽せんで野菜の詰め合わせや鮮魚店で使える買物券などが当たる小売店販売促進キャンペーン、これを約10年間継続して実施しております。  また、令和2年度においては、コロナ禍の下、両協議会と検討の上、急遽事業を組み替え、札幌市が発行するSAPPOROおみせ応援商品券を活用する小売店販売促進キャンペーンを追加で実施したところでございます。  こうした経験を踏まえ、今年度は、当初から、オンラインを利用した消費者向けの食育セミナーや、ウェブを通じてご家庭の鍋料理を投稿していただくフォトコンテストなどを開催しております。  これらの支援を通じまして、小売業者をはじめ、市場関係事業者の売上げの増加を図ってまいりたいというふうに考えております。 ◆くまがい誠一 委員  市場において、新型コロナウイルス感染症の状況に対応しつつ、小売業者に対する支援を実施していることがよく分かりました。  緊急事態宣言が終了し、長らく忍耐を強いられていた、小売業者をはじめ、生鮮食料品の流通に携わる事業者の方々は、景気の回復に向けて大きな期待を持っております。  こうした方たちを力強く後押しする支援の継続と拡充を要望して、私の質問を終わらせていただきます。 ◆藤田稔人 委員  中央卸売市場においても、感染症対策には大変ご苦労されたことと思いますが、コロナ禍にあっても、札幌市民の台所として、食料の安定供給を守るため、ご尽力されていることに心から感謝いたします。  それでは、私からは、中央卸売市場経営活性化プロジェクトにおける事業者支援について質問させていただきます。  札幌市場では、平成23年度に、人口減少や少子高齢化などに伴う取扱高の減少に対応した持続可能な強い市場をつくるため、10年間にわたる市場運営の指針となる第1次経営活性化プロジェクトを、市場関係事業者と開設者である札幌市が共同で、全国の中央卸売市場に先駆けて策定いたしました。  また、今年度からは、その後の流通環境の変化などに対応するため、第2次プロジェクトの下、新たな市場活性化の取組がスタートしております。  第1次プロジェクトの10年間の取組期間の後半には、卸売市場法の大幅な改正による取引ルールの変更、北海道胆振東部地震の発生による生鮮食料品流通の混乱、新型コロナウイルス感染症の拡大など、市場の運営に影響を与える事象が起こりました。  公営市場の特性は、開設者による公共性の確保と市場内企業の効率性の追求によって、市場全体の活性化が図られることにあります。市場関係事業者の経営に大きな影響を及ぼす事態や、流通環境の急変が起こったときは、事業者に対する支援を行うことが望まれます。  そこで、質問ですが、第2次プロジェクトにおいては、どのような考え方の下、事業者支援を行っていくのか、お伺いさせていただきます。 ◎片貝 中央卸売市場担当局長  第2次プロジェクトにおける事業者支援についてお答えいたします。  昨年6月の卸売市場法改正への対応として、札幌市場においては、市場関係事業者と協議の上、価格形成や安定供給といった公的機能を引き続き果たしていくため、卸売業者、仲卸業者、小売業者の本来の役割を尊重した上で、市場の流通形態を堅持していくことを方向性として定めたところでございます。  市場におきましては、卸売業者は生鮮食料品を安定的に産地から集める役割、仲卸業者は適正な価格の形成と商品を小分けにする役割、小売業者は様々な生鮮食料品を消費者に提供するという役割をそれぞれ担っております。  こうしたことから、第2次プロジェクトにおいては、市場全体の活性化を目的として、それぞれの役割の下で、各者が特性や強みを伸ばして経営の安定化を図る取組に対して、支援をしていきたいというふうに考えております。 ◆藤田稔人 委員  市場関係事業者が市場流通体制の中で本来の役割を発揮し、企業経営の安定化を図るために支援を行い、市場の活性化につなげていくということでございました。  第1次プロジェクトに引き続き、第2次プロジェクトにおいても、市場関係事業者と札幌市が一体となって、市場流通の活性化を図り、地域経済の発展に貢献したいとの考えが示されており、今後のプロジェクトの取組の進捗や事業の成果に大きく期待するところです。  さて、昨年からのコロナ禍においては、企業体力や財務基盤が弱く、取引においても弱い立場にある中小企業や自営業者が、大変深刻な経済的影響を受けることとなりました。  卸売市場においても、生鮮食料品の専門小売店や各種食材の納品業者が多数、買い出し人として事業活動を行っており、取引先の営業不振や閉店により、大変厳しい経営状況にあると聞いております。  そこで、質問ですが、第2次プロジェクトにおいては、小売業者、納品業者など、買い出し人の活性化策としてどのような取組を進めていくのか、お伺いさせていただきます。 ◎片貝 中央卸売市場担当局長  買い出し人の活性化策についてお答えします。  第2次プロジェクトでは、市場流通品販路拡大支援事業を令和3年度から新設いたしました。これは、販売力、集荷力を強化する市場関係者の新たな取組に対し、支援する補助事業でございます。  この補助事業では、卸売業者、仲卸業者だけでなく、小売業者を含む買い出し人で構成された小売組合も補助の対象者としております。  今年度は、卸売業者3社と、仲卸業者1社のほか、小売組合1団体に対して、補助金の交付決定を行いました。  この小売組合の事業は、全組合員が共同の店舗施設で野菜、果物を販売しているという強みを生かし、コロナ禍で離れた消費者を呼び戻すため、感染対策を万全にして、安心して買物ができる環境を整えた上で、全館を挙げたキャンペーンを年内に行うものです。  場内の小売組合にこの支援制度を周知し、活用していただくことにより、今後、買い出し人の活性化を図ってまいりたいというふうに考えております。 ◆藤田稔人 委員  第2次プロジェクトの下では、小売業者や小売組合を支援対象に加えた新たな支援事業を実施しているということでございました。  市場には、店半分、納め半分という言葉があると聞いております。これは、買い出し人が鮮魚店で一般消費者に対面販売をしながら、個人経営の居酒屋やすし店などの地域の飲食店にも納品して、なりわいを得ることを指しているそうです。  コロナ禍においては、飲食店への納品が激減したことで売上げが減少し、こうした方々は、経営上の大変大きなダメージを受けております。  コロナ禍の中、札幌市場は新しい経営計画をスタートさせたところですが、計画の進捗に当たっては、こうした事業者の意見を小まめに聞き取り、今後の具体的な取組に生かしていただきたいと思いますので、ぜひともよろしくお願い申し上げます。 ○村上ゆうこ 委員長  以上で、中央卸売市場事業会計の質疑を終了いたします。  以上で、本日の質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが、10月18日月曜日午後1時から、交通局及びスポーツ局関係の質疑を行いますので、定刻までにご参集ください。  本日は、これをもちまして散会いたします。     ――――――――――――――       散 会 午後3時13分...